「こ」漢方処方


【漢方こ】

古庵心腎丸《東醫寶鑑》
「熟地黄・生乾地黄・山薬・茯神各3両、当帰・沢瀉・黄柏(塩酒炒)各1両半、山茱萸・枸杞子・亀板(酥炙)・牛膝・黄連・牡丹皮・鹿茸(酥炙)各1両、甘草(生)5銭、朱砂1両」作末し蜜で梧子大の丸剤。朱砂で衣をつけて、空腹時に塩湯or温酒で100丸飲む。
◎労損による心腎の虚熱があり、
◎驚悸・怔忡・遺精・盗汗。
◎目がかすみ、耳鳴り。
◎腰痛・足が痿弱する者を治す。

牛黄丸《東醫寶鑑》
「犀角(屑)2銭、牛黄1銭、金箔・銀箔各5片、甘草2銭半」を作末し、蜜で緑豆大の丸剤。毎回7丸を薄荷湯で服用。
◎小児の通晴(外障の一種)を治す。




牛黄金虎丹《和剤局方》 《東醫寶鑑》
「雄黄(水飛)15両、白礬枯・天竺黄・牛胆・天南星(製)各2両5銭、天雄(炮)1両2銭半、膩粉(べにとおしろい)・竜脳各5銭、牛黄2銭半、を作末して煉蜜でまぜ、1両半を分けて10丸作り、金箔80斤で衣をつくって、毎回1丸を新汲水で和らげ潅下して、薬気がよく運行するようにし、しばらくして薄荷汁で再び1丸を溶かして、潅下するとすぐ治る。もし肥盛で、唾が多く、いつも風気がある虚証の人は、いつもこの薬を常備して、万一の危急に対備するとよい。《和剤局方》
范子黙という人が、中風で痰涎がつまって喋れなくなったので、金虎丹4丸を飲んだが、気は通ぜず、つばも出ず、魂魄が飛江湖におちたようで治らないので、聴会・頬車・地倉・百会・肩井・曲池・風市・三里・絶骨・耳前髪際・風池を灸すると気が通じ、痰を一椀くらい吐き、又、十数回下痢して半月間まくらに腹這いになっていたら治ったという。これがつまり百会の灸の力である。吐いて瀉すは金虎丹を飲むとよい。《資生》
◎急中風で人事不省・体が硬直・口を閉じて鼻がかわき・顔が黒く・心神が迷悶で・形体が酔ったようで・痰涎が胸を壅塞し・喉中で鋸びきの音がする者。《東醫寶鑑》



牛黄散子《東醫寶鑑》
「黒牽牛子末を春8分・夏9分・秋7分・冬1銭。大黄を春8分・夏9分・秋7分・冬1銭。檳榔を春8分・夏9分・秋7分・冬4分。甘草を春8分・夏9分・秋7分・冬4分」細末にし毎回3銭を五更時に、東南に向かって井戸水で調服する。
◎穀疸・酒疸・水気・蠱脹を治す。


牛黄瀉心湯(一名南極延生湯)《東醫寶鑑》
「大黄(生)1両、竜脳・朱砂(水飛)・牛黄各1銭」を作末し、毎回3銭、生姜汁に蜜をまぜて服用。
◎癲癇・心経の邪熱・狂乱・精神不快。

牛黄承気湯《温病条弁》
「安宮牛黄丸2粒、生大黄8g(粉にする)。安宮牛黄丸は水にとかし、生大黄末をまぜ、まずその半分を飲み、治らない時にはさらに残りの半分を服用する。」

牛黄清心丸《痘疹世医心法》
「牛黄、黄連、山梔子、欝金、朱砂」

牛黄清心丸【中成薬】《中薬臨床応用》
「牛黄・黄連・黄芩・山梔子・欝金・朱砂」
◎感染性の疾患の敗血症期、
◎高熱、意識障害
◎煩躁
◎ケイレン発作

牛黄清心丸《万氏方》
「牛黄・黄連・黄芩・生梔子・欝金・辰砂」
◎温病で熱が心包に入り、意識不明・うわごとを言う。
◎小児は急にひきつける。

牛黄清心元[1]《医宗金鑑》《東醫寶鑑》
「山薬7銭、炙甘草5銭、人参・蒲黄(炒)・神麹(炒)各2銭半、犀角2銭、大豆黄巻(炒)・肉桂・阿膠(炒)各1銭7分、白芍・麦門冬・黄芩・当帰・防風・朱砂(水飛)・白朮各1銭半、柴胡・白茯苓・桔梗・杏仁・川?各1銭2分半、牛黄1銭2分、羚羊角・麝香・竜脳各1銭、雄黄8分、白蘞・乾姜(炮)各7分半、金箔120斤のうち40斤で衣を作り、作末したものは大棗20個を蒸して肉を取り入れた棗膏とまぜ、煉蜜を入れてまぜたもので、1両大の丸剤を10丸つくる。毎回1丸を温水で服用。
◎卒中風で人事不省・精神混迷・言語塞渋・口眼喎斜・手足が不随する者を治す。
◎癲癇・発狂・痰涎が壅塞して起こる疾患。
◎心気不足・神志不定・喜怒無常・癲狂発作・精神昏乱を治す。

牛黄清心元[2]《俗方》
「至宝丹・牛黄・洗心元・竜脳蘇合元・牛黄金虎丹」を「竹瀝・生姜汁・香油・童便」で調合して潅下する。
◎卒中風で人事不省。

牛黄通膈湯《衛生宝鑑》
「調胃承気湯牛黄」
◎はじめて中風を覚えて一二日、実なれば則ち急に之を下すに宜し。《雑病翼方》

牛黄定志丸《丹渓心法》
「朱砂(水飛)・半夏(姜製)各2両、雄黄(水飛)・天麻・烏蛇肉・甘草各1両、琥珀7銭半、牛黄・竜脳・全蝎・白彊蚕(炒)・白附子(炮)・牛胆・天南星 各5銭、麝香2銭半」作末し、芡実大の蜜丸。毎回1丸を人参薄荷湯で、 かんで服用。
◎心臓中風による昏冒で、清神を守れないとき、この薬が驚悸を鎮めて心を楽に し、つばを消化して神を本にする。

牛黄凉膈元《東醫寶鑑》
「馬牙硝・寒水石(煆)・石膏(煆)各2両、甘草1両、牛胆南星7銭半、紫石英(煆)5銭、牛黄・竜胆・麝香各2銭半」作末し、1両を30丸に蜜丸。毎回1丸を薄荷湯でかみ下す。
◎咽喉腫痛・口舌生瘡・頬の赤腫。
       
 

牛膝散《医学入門》《古今方彙》
「牛膝、羚羊角、檳榔子、芒硝、牡丹皮、防已、肉桂、甘草、赤芍薬」水煎温服。
◎脚気が腎に入るを治す。
◎腰脚腫脹し、小便不利して目額皆黒く、左の尺脈絶える者は死す。

 

牛膝散《婦人大全良方》《古今方彙》
「牛膝・川芎・朴硝・蒲黄各3両、桂心5銭、生地黄1銭、生姜」煎服。
◎胎衣出でず、腹中脹急するを治す。この薬を服し腐化し而して下す。

牛膝散《聖済総録》

牛膝散《証治準縄》
「牡丹皮、桂心、川芎、朴硝、補黄、当帰、生姜、生地黄」


牛膝湯《証治準縄》《中薬臨床応用》
「牛膝・当帰」各等分、作末し1回6g水煎服。
◎尿道炎
◎排尿痛
◎排尿困難


牛膝湯《証治準縄》
「牛膝・当帰・黄芩各等分」作末し、1回6g水煎服。




牛膝湯《医学入門》《古今方彙》
「牛膝・瞿麦・赤小豆・当帰・木通各2分、滑石6分、葵子4分」水煎温服。
一方には、赤小豆なし。
◎生産(産育)不順なるを治す。
◎此を用いて水道を滑利し産を易からしむ。
◎若し胞衣下らざれば瞿麦を去り、連進すること二三服すれば即ち下る。

牛膝木瓜湯《東醫寶鑑》
「牛膝・木瓜各1銭、白芍薬・杜仲・枸杞子・黄松節・菟絲子・天麻各7分半、甘草5分」剉作1貼して「姜3片・棗2枚」入れ水煎服。
◎脇と小腹が疼痛し、つんぼになって、目が赤く、小腹と尻陰が突っ張り、股・膝・髀・ふくらはぎ・すね・足がみな疼痛するとき。

 

牛車腎気丸《漢方治療の実際》
「八味丸牛膝・車前子」
「地黄5、山茱萸・山薬・沢瀉・茯苓・牡丹皮各3、桂枝1、附子0.5、牛膝・車前子各3」煎服
■ 地黄=滋補強壮薬、能滋腎除熱、補血潤燥
■山茱萸=添精固髓、煖腰膝
■山薬=滋精気、退虚熱、潤皮膚枯燥
■茯苓=去胃内停水
■茯苓+沢瀉=増加尿利
■牡丹皮=去下焦血滞、治循環障害
■桂枝=行下焦之気。助地黄強化血行、助茯苓利尿、
■附子=増進體温力強、挽回機能衰退
■牛膝=利水剤
■車前子=利水剤
■牛膝+車前子=強壮作用



牛車腎気丸《厳氏済生方》《中医処方解説》
⇒済生腎気丸=牛車腎八味丸
「八味地黄丸牛膝・車前子15g」蜜丸。
◎腎虚、腰重く、脚腫れ、小便不利を治す。
◎此方は八味丸の症にして腰重、脚腫、或いは痿弱する者を治す。《勿誤薬室方函口訣》
◎腎虚、腰重脚腫、小便不利《龍野ー漢方処方集》

★牛車腎気丸(下半身の浮腫、腎炎、糖尿病、体力低下、疲れやすい、排尿異常、口渇、しびれ)

★適応症及び病名(五十音順)
[1]かすみ目(老人の)
[2]脚気:
☆一男子三十餘、年々脚気を患い、腰重、脚軟、歩する能わず、冬月はやや差ゆるに、春夏の際に至ればまた発することもとの如し、余、強いて秋冬より春末に至るまで此方を服せしめて全癒す。《勿誤薬室方函口訣》
[3]下肢痛
[4]健忘症
[5]口渇
[6]高血圧症
[7]腰が重い
[8]四肢のしびれ
[9]四肢の冷え:
[10]四肢浮腫《雑病翼方》
[11]消渇
[12]座骨神経痛
[13]小便不利
[14]心不全:
☆鬱血性心不全。
☆下半身の浮腫、体力低下
[15]腎炎
[16]腎虚
[17]腎結核
[18]腎結石
[19]腎陽虚の水腫
[20]神経衰弱
[21]脊椎カリエス:
 ☆太田正隆(和漢医林新誌第173号)
“府下赤坂区青山北町にすむ小島某は、明治24年12月になって、突然、背に腫物のようなものが出来た。もっとも、その前から呼吸が促迫し、歩行に困難を感じていたけれども、別に気にせずにいたが、この頃になって、背が鍵のように曲がって、はじめて[亀背]であることを知った。しかし時期が年末で忙しかったので、そのままにしておいたところ、肩背が強ばり、胸部から腹部にかけてひきつれ痛み、からだを伸ばして歩くことが出来なくなり、下肢が麻痺してしまった。翌年の1月になると、病気はだんだん重く、毎晩、盗汗が流れるように出始めた。そこで19日になって帰省し、その父が渋谷の赤十字につれて行って治を乞うた。ここでは21日に撃剱の皮胴のような器械をつけてくれた。それから隔日に、3週間同社に通って治療を受けたが効がない。そこで医員にたずねたところもう手遅れだといって治るとも治らないとも云わない。そこで父兄たち家族のものは皆不治の症として治療をうけず、ただ加持祈祷をするだけであったが、3月3日の午後になって、両足の麻痺がひどくて全く動かなくなり、腰から下は氷のように冷たくなってしまった。こんな風で臀で這い回るだけである。
4月25日になって、余に治を乞うた。しかしこの時、余は眼の病気に罹って往診が出来なかった。そこで、その病状経過を聞いて思うに、病気は脊椎にあって、もうここまでになったか、しかしこれを見捨てるのは不仁である。余が力を尽くしてみようと、牛車腎気丸料を与えた。6月上旬になって、余の眼がやや良くなったので、車で往診したところ、引きつれて痛むのはすでに良くなり、盗汗も止み、ただ小便が頻数である。そこで前方を3ヶ月ほど連用し、6月20日に、いつものように父に抱かれて便所に行き、片足を草履の上に置いたところ踏みごたえがあり、次に両脚を置いたがこれも踏みごたえがあった。こんな風で麻痺が日に日に去り、下肢は漸々に旧に復し、この頃では数町の処へ歩いて、行けるようになった。”
[22]前立腺肥大症
[23]タンパク尿
[24]疲れやすい
[25]低血圧症
[26]糖尿病
[27]糖尿病性腎症
☆八味地黄丸に牛膝、車前子を加えて利尿作用を増強させたのが牛車腎気丸で、糖尿病性腎症によく用いられる(漢方診療医典)
[28]動脈硬化
[29]難聴
☆八味地黄丸適応者よりさらに排尿障害、歩行障害。腰痛を伴う場合にも牛車腎気丸が適している。(漢方診療医典)
[30]尿閉
[31]ネフローゼ
[32]脳出血の後遺症
[33]排尿困難
[34]皮膚病
[35]頻尿
[36]浮腫(下半身の):
☆肚腹腫脹《雑病翼方》
☆脚腫
☆腎炎やネフローゼなどの浮腫。ことにやや慢性になったものには、用いる場合が多い。《大塚敬節》
[37]変形性膝関節症
[38]乏精子症
[39]慢性腎炎
[40]夢精
[41]夜尿症
[42]腰痛

    
     
牛車腎気丸《厳氏済生方》【中成薬】《中薬臨床応用》
⇒旧称「済生腎気丸」
「牛膝9g、車前子12g(包煎)、山薬12g、茯苓12g、熟地黄24g、山茱萸9g、牡丹皮6g、附子9g、肉桂3g(服)」水煎服。
    ◎腎炎の水腫
    ◎尿量減少
    ◎腎陽虚。


牛車肉《東醫寶鑑》
「紫河車・牛肛」等分に煮て、随時食べる。
◎失神・癲癇・発狂。


牛珠七厘散《中薬臨床応用》
「牛黄150mg,朱砂末・全蝎(炙)・天麻・黄連・瑪瑙末各8g、竜脳・胆南星・甘草各5g、金箔25枚」作末し、毎日0.2gを湯で服用。
◎小児の熱性ケイレン。


牛榔丸
「牽牛子、檳榔子」


牛蒡解肌湯《瘍科心得集》
「牛蒡子・連翹・荊芥・石斛・玄参各9g、山梔子・牡丹皮各6g、夏枯草12g、薄荷3g(後下)」
◎頸項部の癰・
◎咽喉の腫脹疼痛


牛蒡芩連湯《万病回春》
「黄芩・黄連各2銭半、桔梗・石膏各1銭半、大黄・荊芥・防風・?活各2分、連翹1銭、牛蒡1銭、甘草1銭」
本、玄参あり。
◎積熱上に在り、面腫し、多く耳根より上起するを治す。俗に大頭瘟と曰う。
◎此方は時毒、大頭瘟の主方とすれども、凡て積熱上に在りて諸悪瘡を発し癒え難き者に用いて効あり。
◎時毒、大頭瘟の類、
<1>その初めは「葛根湯桔梗石膏」にて発汗すべし、
<2>発汗後、腫痛解せざる者は「小柴胡湯桔梗石膏」に宜し。
<3>その次ぎを「大柴胡湯桔梗石膏」とし、
<4>その次ぎを「牛蒡?連湯」とす。もし早く此方を与える時は甚だ具合悪きものなり。《勿誤薬室方函口訣》

 

牛蒡芩連湯《万病回春》《古今方彙》
「黄芩(酒)・黄連各2銭半、桔梗・石膏各1銭半、連翹・牛蒡(炒)・玄参各1銭、大黄(酒)・防風・羗活各3分、甘草1銭、生姜」水煎。
◎積熱上に在り、頭頂腫起し、或いは面腫れ、多く耳根の上より起こるを治す。
俗に「大頭瘟(おたふくかぜ)」という。

 

牛蒡子飲《万病回春》《古今方彙》
「牛蒡子・前胡・黄連・黄芩・連翹・白附子・玄参・赤芍薬各1銭、羗活・防風・甘草各5分」水煎。
◎還元して痂(かさぶた)落ちても余毒ありてその臓腑に聚るを覚え、時に復た熱を作し、腹内腫れて疼痛する者を治す。



牛蒡子湯《医学入門》《東醫寶鑑》
「牛蒡子2銭、玄参・犀角・升麻・黄芩・木通・桔梗・甘草各1銭」水煎し、食後服用。
◎咽喉腫痛・牙関緊急・瘡雍。
◎風熱上を壅ぎ初めに牙関緊急を発し、已にして咽喉腫痛を発し、或いは瘡癰を生じ、及び癒えたる後に復た胸脇を攻めて気促し身熱し言臥する能わざるを治す。


牛蒡子湯《外科正宗》《古今方彙》
「陳皮、山梔子、甘草、黄芩、牛蒡子、金銀花、括楼仁、括楼根、連翹、皀針、柴胡、青皮」水煎し酒を加え食遠に服す。
◎乳癰、乳疽、結して疼痛するを治す。
◎新久を論ずる勿れ。但し未だ膿をなさざるに服す。

 

牛蒡子湯《漢方治療の実際》
「柴胡5、青皮・陳皮・梔子・黄芩・天花粉各2.5、連翹・牛蒡子・金銀花各2、皀角刺 1、冬瓜子4、甘草1.5」



牛蒡湯《沈氏尊生書》
「牛蒡子 升麻 黄薬子 玄参 紫浮萍 桔梗 甘草 天花粉」

 

牛蒡湯《証治準縄》《中薬臨床応用》
「牛蒡子6g、荊芥穂6g、薄荷3g(後下)、防風6g、大黄3g、甘草(生)3g」水煎服。
    ◎感冒
    ◎咽喉の腫脹疼痛



五噎湯《医学入門》《古今方彙》
「人参・白朮・茯苓・陳皮各1銭、枳殻・厚朴・甘草・乾姜・三稜・莪朮・神麹・麦芽各5分、訶子、桂心、木香、檳榔子、生姜、大棗」水煎。
◎噎にて下らず、嘔徹せず、胸背刺痛、涙と涎出ずる者を治す。

五飲湯《東醫寶鑑》
「旋覆花・人参・陳皮・枳実・白朮・茯苓・厚朴・半夏・沢瀉・猪苓・前胡・桂心・白芍・甘草各7分、生姜10片」
◎五飲すなわち溜飲・癖飲・痰飲・溢飲・流飲の五症を治す。

 

五飲湯《方読便覧》
「六君子湯五苓散旋覆花・前胡・枳実・芍薬」
◎飲癖を治す。

 

五飲湯《医学入門》《古今方彙》
「人参・白朮・茯苓・甘草・枳実・厚朴・陳皮・半夏・猪苓・沢瀉・前胡・桂心・芍薬・旋覆花各等分、生姜」煎じ温服。肉食・生冷等の物を忌む。
◎酒後寒に傷れ冷を飲むこと過多にて故に五飲となるを治す。


五瘟丹《東醫寶鑑》
「黄連(生)・黄柏(生)・黄芩(生)・甘草(生)・香附子(生)・紫蘇葉(生)各1 両」を冬至の日に作末し、「錦門大黄3両」を濃く煎じて滓を去り、膏を 作って梧子大の丸剤。「朱砂・雄黄」で衣をし、再び金箔をかぶせ毎回1 丸を井戸水で飲む。
◎流行瘟疫と傷寒の熱病・熱瘧を治す。

 

五液湯《医学衷中参西録》
「山薬、黄蓍、知母、鶏内金、葛根、五味子、天花粉」


五黄膏《東醫寶鑑》
「黄柏・黄連・黄?・黄丹・大黄各5銭」を作末し、毎回1銭を蜜水で調合して膏薬をつくって絹の上にひろげ、左右太陽穴に塗る。
◎目赤・腫痛を治す。

五黄散《東醫寶鑑》
「黄丹・黄芩・黄連・黄柏・大黄・乳香」各等分に末にし、水で膏に作り、きれいな絹の上にひろげて傷口に貼り、1日1回取り替える。
◎杖瘡の痛みを治す。

五膈寛中散《東醫寶鑑》
「厚朴・香附子各1銭半、甘草5分、青皮・陳皮・丁香・縮砂各4分、木香3分、白豆蔲2分」粗末にし「姜3、塩少々」を入れ水煎服。
◎五膈による食物の下らない者を治す。

 

五膈湯《医学入門》《古今方彙》
「枳殻・青皮・天南星・半夏各1銭、白朮1銭2分、大腹皮8分、乾姜7分、麦芽6分、丁香・木香・草果各5分、甘草3分、生姜」水煎。
◎胸膈痞気、結聚脇脹、胆逆悪心する者を治す。


五加皮酒
「五加皮を酒につくって飲むと五加皮酒になる。」
○風を治し、虚を補い、又風痺と痛風を治す。


五加皮散[1]《東醫寶鑑》
「五加皮2銭半、牛膝・木瓜各1銭半」作末し、毎回1銭を米飲で調下する。
◎3歳になっても歩けない子を治す。

 

五加皮散[2]《東醫寶鑑》
「皮を作末し、酒で調合し、項骨の上に貼り、乾いたら貼り替える。
◎項軟を治す。
◎小児が風邪で頭がまわらず、頭を前にたれ、また後にのけぞる。

五癇丸《東醫寶鑑》
「半夏(酒洗して焙)2両、白彊蚕(炒)1両半、天南星(炮)・烏蛇肉・白礬各1両、白附子5銭、麝香3銭、を別に作末し、朱砂2銭半を水を切り、全蠍2銭(炒)、雄黄2銭を別にきざみ、蜈蚣半条足(炙)・皀角各4両、を槌で砕いて水半升と白礬を少し入れて煮て乾かした後、細末にし姜汁麺糊で梧子大の丸剤。毎回30丸姜湯で服用。
◎癲癇の新旧を問わず特効あり。

五疳丸《銀海精微》
「緑礬・夜明砂各120g、胡黄連20g、牛黄4g 蜜陀僧40g。以上を作末し、大棗肉でついて、丸薬にして、毎服、緑豆の大きさを30丸、重湯で飲む。」


五疳保童元《東醫寶鑑》
「黄連・白頭・草竜胆・五倍子・青皮・夜明砂(炒)・苦楝根・雄黄・麝香       ・青黛・天漿子・熊胆・蘆薈・胡黄連各2銭半、蟾頭(炒黄)1枚」飯で       麻子大の丸剤。1歳児は米飲で1~2丸服用。
    ◎五臓疳を治す。


五行湯《東醫寶鑑》
「黄柏」を作末し、しめった紙でくるみ、黄泥で又くるんで、紐でゆわいて火であぶり、乾いた後薬末を取り出し、弾子大に丸め、綿でくるんで水に漬けて蒸し、温いうちにいぶして洗う。
◎ひどい赤眼と腫痛を治す。

五玄散《東醫寶鑑》
「藜蘆5銭、明礬2銭、猪牙・皀角・緑礬・赤小豆各1銭」を作末し、毎回1銭を漿水で調下する。
◎吐剤の重剤。

五虎丹《陳協吉》
「黄升82g、軽粉40g、忪石膏240g(小便壷の中に1年以上浸し、流れている河川中に半年間浸して漂白したものがよい。)梅片20g、黄連40g、以上を極細末にし、磁製の瓶に密閉保存する。瘡口に塗布、又は瘡孔内に挿入し、外は膏薬を貼る。少量を使用する。多く用いると瘡口が痛みだす。」

五虎追風散《晋南史全恩家伝方》
「蝉脱、天南星、天麻、全蝎、白殭蚕、朱砂」


五虎追風湯《全恩家伝方》
「蝉退30g、製南星6g、天麻6g、全蝎(連尾)7個、白蚕(炒)7個」水煎し、毎日1剤を3日間連続服用。
◎破傷風。

五虎湯《万病回春》《古今方彙》
「杏仁(炒)・麻黄各3銭、石膏5銭、甘草1銭、細茶1撮、桑白皮・生姜・葱白」水煎熱服。
◎傷寒にて喘急するを治す。

◎痰あるには:「二陳湯人参」=「五虎二陳湯」
◎虚して喘急する:先ず此湯を以て表を散じ、後に小青竜湯杏仁を用いて治す。

五虎湯《増補万病回春》
「麻黄、杏仁(炒)、石膏、甘草、細茶、桑白皮、生姜、葱白」

五虎湯《漢方治療の実際》
「麻杏甘石湯桑白皮3」
原方には細茶があるが、一般には入れない。


五虎湯《東醫寶鑑》
「麻黄3銭、石膏5銭、杏仁2銭、甘草1銭、細茶一握り、桑白皮1銭半を?作1貼し、姜3剉片、葱白1茎を入れ水煎服。
本、細茶あり、今必ずしも用いず《勿誤薬室方函口訣》
◎傷寒の喘息を治す。又虚喘急を治す。
◎先に此湯を用い、表を散じ、後に「小青竜湯杏仁」を用いる。
◎此方は麻杏甘石湯の変方にして喘急を治す。《勿誤薬室方函口訣》
◎感冒咳嗽、気管支喘息、気管支炎。《龍野ー漢方処方集》
★五虎湯・(気管支喘息、呼吸困難、小児喘息)

★適応症及び病名(五虎湯)
[1]咳嗽
[2]気管支炎
[3]気管支拡張症
[4]気管支喘息
[5]口渇
[6]呼吸困難
☆小児に最も効あり《勿誤薬室方函口訣》    [7]自汗
[8]傷寒の喘急《万病回春》
[9]小児喘息
[10]心悸亢進
[11]舌苔<白苔>
[12]喘鳴
[13]肺炎
[14]肺気腫
[15]伏熱




五虎二陳湯《東醫寶鑑》
「石膏2銭、麻黄・杏仁・陳皮・半夏・赤茯苓各1銭、人参8分、甘草5分、木香・沈香各5分」剉作1貼し「姜3、葱2、蜜少々」を入れ少し煎じたあと、2香の汁を入れて調服する。
◎哮吼で喘急し、痰の多い者を治す。

五香散《仁斎直指方》
「五香湯《備急千金要方》連翹・木通・続断・桑寄生・甘草」
◎癰疽を治す。


五香湯《備急千金要方》
「藿香・木香・乳香・丁香・沈香各1両」
右五味、或いは反鼻を加え、或いは大黄を加える。
◎熱毒気卒かに腫痛し、結んで核を作り、或いは癰疽に似て非、人をして頭痛、寒熱、気急ならしむる者を治す。数日徐かずば人を殺す。
◎此方は解毒の良方なり。《勿誤薬室方函口訣》
◎凡そ、瘡毒内攻衝心の者、此方に非ざれば救う能はず。
◎痘疹の内攻に与えて宜し。
◎本邦往古の医書には此方に加減して、胎毒の主剤とするなり。
◎小児初生に用いる。:その症は、色など青白く、その他何となく陰症を顕わし、心下に迫る気味の者に宜し。
◎此の一段重きを「四逆湯」とす。
◎頭瘡:「合歓皮・木通・柴胡・連翹」



五香湯[2-1]《千金翼方》
「五香湯《備急千金要方》藿香麝香」



五香湯[2-2]《古今方彙》
「沈香、木香、丁香、乳香、麝香」水煎。
◎毒気腹に入り裏を托くを治す。 
◎異証あれば之を加減す。
◎嘔には:「-麝香藿香」
◎渇には:「人参」
◎此方は外科精義に出ず、常に「麝香」を去り「藿香」を加え用いる。
◎一方には、丁香を去り、?香・連翹を加え「小五香湯」と名づく。


五香連翹湯《医学入門》《古今方彙》
「連翹・篇竹根・大黄・桑寄生・独活・木通・升麻・丁香各7銭、木香(青)・沈香各2銭半、甘草(生)・乳香・麝香各1銭半」水煎熱服。思独を利するを以て度とする。
◎一切の積熱結核、瘰癧、癰疽、瘡癰を治す。
◎一方には、竹瀝・芒硝あり、熱の軽重に髄って加減す。




五香連翹湯《薬師院伝》
「木香、沈香、丁香、麝香、連翹、黄蓍、升麻、木通、射干、独活、大黄」


五香連翹湯《東醫寶鑑》
「大黄1銭、連翹・射干・独活・升麻・桑寄生・沈香・藿香・木香・丁香・甘草各7分、麝香3分」水煎服。
◎癰疽・瘡癤・瘰癧の結核と一切の毒腫を治す。


五香連堯湯《勿誤薬室方函》
「 連堯湯《本朝経験》五香湯《備急千金要方》」
    ◎胎毒の内攻するとき。


五子元《東醫寶鑑》
「兎絲子(酒製)・韭子(略炒)・益智仁・茴香(炒)・蛇床子(炒)」各等分。作末し酒糊で梧子大の丸剤。糯米飲で50~70丸服用。
◎小便失禁(夜間にひどい)・めまい・足が弱い。

五子衍宗丸《朱丹渓》《東醫寶鑑》
「枸杞子9両、菟絲子(酒浸)7両、覆盆子5両、車前子3両、五味子1両」搗いて蜜で梧子大の丸剤。空腹時に温酒で90丸飲み、就寝時に塩湯で50丸飲む。
◎男子の子のない者を治す。

五子十皮湯《済世全書》《古今方彙》
「紫蘇子、菟絲子、大腹皮、車前子、葶藶子、茯苓皮、五加皮、牡丹皮、地骨皮、生姜皮、木通皮、木瓜皮、甘草皮、草果皮」水煎。
◎一切の蠱脹、気虚、中満、単に腹脹するを治す。


五子湯《中薬臨床応用》
「覆盆子・枸杞子・菟絲子・五味子・蓮子各5g」水煎or丸薬
◎遺精
◎インポテンス


五枝散《東醫寶鑑》
「桃枝・桑枝・李枝・石榴・梅枝の東向きの小枝7茎を3寸の長さに切ったもの、青蒿一握り、苦練根(7寸)、生藍青7葉、葱白連根(洗い7分割)」を童尿2升半で煎じ、半分になったら滓を去って、「安息香・蘇合香・阿魏各1銭」を煎じて1杯にして、濾して「朱砂・雄黄・雷丸・柿白礬・硫黄各半銭」を作末、「檳榔末1銭、麝香2分半」を入れて調合し、2回に分服。毎月初旬の五更は空腹時に1服する。万一虫が下りて来なかったら、早朝にまた飲むと虫と悪物を吐くか、下すかする。
◎伝尸の労虫を治す。



五痔蒸薬方《積山遺言》
「荷葉・蕺薬(ドクダミの未開花)・甘草」粗末にし、分量はその時に随う。
先ず、嚢に入れ焼酎に浸し、3、5沸の後、病者をして安坐せしめ、肛門に前記薬を敷き、厚く被を覆い、頭上に及び(頭から夜着のようにぶる)よろしく汗を取るべし。もし薬冷る時は、則ち薬末を少しばかり添え、次に焼酎を2、3沸すること前法の如くし、蒸すこと一昼夜に3、4回。最も風寒を忌む。かくの如くすること、5、6日の間、煎じ湯には秦芁防風湯蒼耳子(炒)を、毎日服すること、2、3度とある。」



五汁飲《温病条弁》
「梨汁 荸薺汁 鮮葦根汁 麦門冬汁 鮮藕汁」
適当な量を凉服する。凉服を好まない者は重湯で温服。
◎肺熱・胃熱が甚だしい
◎口乾、舌の乾燥、煩渇。


五汁玉泉丸《東醫寶鑑》
「黄連・乾葛・天花粉・知母・麦門冬・五味子・人参・生地黄・烏梅肉・当帰・甘草各1両」作末し、別に「人参・牛乳・砂糖・梨汁・藕汁を合わせ、蜜1斤半」を入れて煮て膏を作り、前記の薬末を入れて再び膏を作る、5~7回煮立ったら、毎5匙を1日2~3回米飲で調服する。
◎消渇を治す。



五蒸丸《東醫寶鑑》
「青蒿(童便浸)・生地黄・地骨皮・石膏各1両、当帰7銭、胡黄連5銭、鼈甲1片」を作末し、梧子大の丸剤。毎回70丸を小麦を煎じた湯で服用。
◎骨蒸で熱はあるが脈弱く、口が乾き煩躁する者。


五蒸湯[1]《外台秘要方》
「茯苓3両、葛根3両、知母2両、黄芩2両、石膏5両、竹葉2把、地黄3 両、粳米1合、甘草1両、人参2両」
◎五蒸熱(骨蒸・脈蒸・皮蒸・肉蒸・血蒸)を解す。
◎此方は「竹葉石膏湯」の変方にして、骨蒸熱の虚脱せざる者を治す。
◎此方と《蘇沈内翰良方》の麦煎散とは骨蒸初起の主剤とす。但し此方は《医学入門》のいわゆる煩熱、蒸痿、自汗を主とし、麦煎散は方後のいわゆる骨蒸、黄痩、口臭、盗汗を主とするなり。《勿誤薬室方函口訣》
◎労病煩熱ある者に用いる。もし乾血労にて煩熱を苦しむ者は三物黄芩湯を佳とする《雑病翼方》

五蒸湯[2-1]《医学入門》
「五蒸湯[1]《外台秘要方》+麦門冬」
◎男婦諸虚、煩熱、蒸熱、蒸痿、自汗などの症を治す。《勿誤薬室方函口訣》


五蒸湯[2-2]《医学入門》《古今方彙》
「人参・黄芩・知母・地黄・葛根・石膏・粳米・麦門冬各等分、小麦1撮、甘草半減」水煎。
◎男婦諸ての虚煩熱、蒸痿(蒸熱のために筋肉が弛緩して無力となる)、自汗等を治す。


五蒸湯[3]《東醫寶鑑》
「石膏2銭、生地黄・乾葛各1銭半、人参・知母・黄芩・赤茯苓各1銭、甘草(生)5分を剉作1貼し、竹葉7・粳米1合・小麦2合を入れ煎服。」
◎骨蒸で熱があって脈が少なく、口が渇き、煩躁する症。




五豆湯《東醫寶鑑》
「乾葛(切)・甘草(切)各1斤、貫衆8両、黒豆・黄豆・青豆・赤小豆各1両」を水5斗5升で12月8日に炒って滓を去り、磁器に漬けて封をして置いたのを、春と夏に開けて飲む。
◎酒毒を解き、消渇を治す。

五痔散(一名五灰散)《東醫寶鑑》
「猪の左蹄甲・鼈甲・猬皮・露蜂房・蛇退」を焼いて作末し、まぜて毎回2銭に麝香少しを入れて、空腹時に服用。
◎五痔と諸痔を治す。

五秀重明丸《東醫寶鑑》
「甘菊花(開頭)500、荊芥穂500、木賊の節を去ったもの500、楮実500枚、川椒(開口)500粒」を作末し、弾子大の蜜丸。毎回1丸を茶清で服用。
◎瞖膜が瞳にかぶさる症。

五獣三匱丸《東醫寶鑑》
「鹿茸(酥炙)・血竭・虎脛骨(酥炙)・牛膝(酒浸)・金毛狗脊(毛を焼いたもの)各1両を作末し、別に附子1個の皮をむいて芯を去ったもの、辰砂1両。まず木瓜1箇の皮をむいて中身を取り出して附子を入れて、附子末で封し、重湯で蒸して先の五獣末を入れて、芡実大に丸め木瓜酒でとかして呑み込む。
◎肝腎の不足による、両脚の痿に。


五生丸《東醫寶鑑》
「天南星・半夏・川烏・白附子・黒豆各1両」作末し、姜汁糊で梧子大の丸剤。毎回3~5丸、淡生姜湯で服用。
◎陰癇で身体が冷たい・脈細遅。

五瀉湯《銀海精微》
「黄柏、知母、木通、山梔子、生地黄、甘草、黒参、桔梗、黄芩、防風」。熱がひどい者は羚羊角・犀角・黄連を加える。これらを粉末とし、毎服24~28g。 食後煎服。

五炒川練丸《東醫寶鑑》
「川練肉5両に1両は斑猫3個と炒り、1両は茴香3銭、塩5分と炒り、1両は破故紙3銭と炒り、1両は黒丑3銭と炒り、1両は蘿葡子1銭と炒り、時に入れて炒った薬は捨て、茴香・破故紙・川練肉だけを取って作末し、酒糊で梧子大の丸剤。毎回50丸を温酒で調下する。
◎諸疝を治す。

五精丸《東醫寶鑑》
「秋石・鹿角霜・白茯苓・陽起石・山薬」各等分に作末し酒糊で梧子大の丸剤。毎回50丸服用。
◎腎虚・陰痿に使う。

五積散[1-1]《蘇沈》
「蒼朮・茯苓・橘皮・白芷・当帰・厚朴・川芎・芍薬・桔梗・半夏・枳実各4g、麻黄3.2g、桂枝・乾姜各2g、甘草0.8g」
◎内外寒に感ずるを治し、一切の気を和し、血絡を通ず。
◎此方は《軒岐救正論》に気、血、飲、食、痰を五積と云へることあり。即ち此の意にて名づくと見ゆ。故に、風寒を駆散し発表するのほかに、内を温め血を和するの意あれば、風・寒・湿の気に感じ、表症もあり、内には従来の疝積ありて、臍腹疼痛する者、尤も効あり。

五積散[1-2]《東醫寶鑑》
「蒼朮2銭、麻黄・陳皮各1銭、厚朴・桔梗・枳穀・当帰・乾姜・白芍・白茯苓各8分、白芷・川芎・半夏・桂皮各7分、甘草6分を剉作1貼して生姜3片、葱白3茎を入れ、水煎服。」
<別法>肉桂・白芷を除いて、残りを慢火で炒って色が変わったら、さめた後、桂と白芷を入れると「熟料五積散」といい、炒らないのは「生料五積散」という。
◎風寒感傷して頭痛・体痛。四肢逆冷して胸痛・腹痛・嘔吐・下痢。生冷に傷つき、外に風冷を感じる症。


五積散[1-3]《和剤局方-中寒門》《漢方後世要方解説》
「茯苓・陳皮・半夏・蒼朮各2、当帰・芍薬・川芎・厚朴・白芷・枳殻・桔梗・乾姜・桂枝・麻黄・大棗・香附子・甘草各1.2」
◎本方の原方は平胃散である。
◎中を調え気を順らし、風冷を除き痰飲を化ず。脾胃宿冷、腹脇脹痛、胸膈停痰、嘔逆悪心、或いは外風寒に感じ、内生冷に傷られ、心腹痞悶、頭目昏痛、肩背拘急、肢体怠惰、寒熱往来、飲食進まざるを治す。及び婦人血気調わず、心腹撮痛、経候匀しからず、或いは閉じて通ぜず、並に宜しく之を服すべし。
◎此方は発表温裏の剤である。よく気血順らし、胃腸を調える効がある。五積散とは気血痰寒食の五積を治すの意である。本方は平胃散を原方として二陳湯、四物湯、桂枝湯、続命湯の意を有し、風寒湿を駆逐し、胃を和し、肝脾を補う。故に食滞、血虚、痰飲、中寒、気鬱、感冒等に広く用いられる。《津田玄仙》は腰冷痛、腰股攣急、上熱下冷、小腹痛を目的として用いた。

*「膀胱経の発汗剤」=麻黄・桂枝・蒼朮・生姜・桔梗
*「脾胃の温剤」=白芷・桂枝・乾姜・厚朴・陳皮・桔梗・茯苓・甘草
*「肝の補剤=当帰・芍薬・川芎

【主治】
五積散の主治として

☆《和剤局方》に、
「中ヲ調へ、気ヲ順ラシ、風冷を除キ、痰飲ヲ化ス。脾胃宿冷、腹脇脹痛、胸隔停痰嘔逆悪心、或ハ外風寒ニ感ジ、内生冷ニ傷ラレ、心腹痞悶、頭目昏痛、肩背拘急、肢体怠惰、寒熱往来、飲食進マザルヲ治ス。及ビ婦人血気調ハズ、心腹撮痛、経候均カラズ、或ハ、閉ジテ通セズ、並ビニ宜シク之ヲ服スベシ。如(も)シ寒熱調ハズ、嗽喘満ニハ棗ヲ入レテ煎服ス、婦人ノ難産ニハ醋1合ヲ入レテ、同ク煎ジテ之ヲ服ス」と述べている。

☆《医方口訣集》には、
「寒湿ニ中ル者之ヲ主ル」とある。

【目標】
☆《勿誤薬室方函口訣》には、
「此方ハ軒岐救正論ニ気血飲食痰ヲ五積ト云ヘルコトアリ、即チ此意ニテ名ズクト見ユ。故ニ風寒ヲ駆散シ発表スルノ外ニ内ヲ温メ和スルノ意アレバ、風寒室ノ気ニ感ジ、炎症モアリ、内ニハ従来ノ疝積アリテ臍腹疼痛スル者、尤モ效アリ。先哲此方ヲ用ヒル目的ハ、腰冷痛、腰腹攣急、上熱下冷、小腹痛ノ4症ナリ。」
小腹=臍下部  少腹=側腹部

☆《牛山方考》には
「此方ハ寒湿ニ中リタルヲ治スル剤也。身痛、腰痛、腹痛、項背拘急シ、悪寒、嘔吐、外ハ風寒ニ感ジ、内ハ生冷ニ傷ラレ、或ハ寒湿ノ邪気経絡ニ客シテ痛ヲナシ、或ハ婦人経血調ハズ、或ハ難産並ビニ之ヲ治ス」とある。

☆《当壮庵家方口解》には
「寒邪ニ感ジタルト云フガ主ナリ。春夏秋共ニ寒湿令湿アル程ニ温散シタルト思フ時用ヒテヨシ、春夏秋ハ麻黄ヲ羗活ニ代ヘテヨシ。中寒オ主方ナレドモ是ハ瀉薬ノ方也。中寒多クハ心下空虚、元陽虚スル故ニ理中湯ニ肉桂、木香ナド、或ハ附子ナド加ヘルコトアリ。心下欝滞有リテ、寒邪表ニアラバ、五積散ヲ用ヒテ温散シテ汗出レバヨシ」とある。




五積散[1-4]《和剤局方》《古今方彙》
「当帰・川芎・白芍薬・蒼朮・厚朴・陳皮・茯苓・半夏・白芷・枳殻・桔梗各1銭、乾姜・官桂各5分、麻黄8分、甘草2分、生姜、大棗」水煎。
       一方に茯苓なし。
◎中寒及び感冒、寒邪、頭疼身痛、項背強急、悪寒嘔吐腹痛するを治す。
◎内は生冷に傷つき、胸腹腸満し、外は風寒に感じ、湿気経絡に客し、腰脚酸疼するを問わず、及び婦人難産、経調わず、或いは血滞通ぜざるを並びに治す。
◎陰経傷寒にて脾胃和せず、及び寒邪に感じるを治す。
◎寒湿が経絡に客し、腰脚は酸み麻木する者。
◎虚弱の人が瘧を患い、初めに起きて寒を感じる者を治す。
◎風湿に感じ、手膊が或いは痛み、或いは麻木し或いは遍身麻木する者を治す。
◎外は寒邪に中たり、内は冷物に気づつき、肚腹綿々として痛み已まず、而して手足厥冷する者を治す。
◎臂痛にて寒による者を治す。
◎疝気が寒月に発する者を治す。多くこれ寒邪が膀胱に入るなり。
◎風湿流注して両脚酸疼するを治す。:「独活檳榔子烏薬木香」
◎足浮腫するには:「五加皮大腹皮」
◎已に風痺となるには:「羗活独活防風」
◎腰痛には:「牛膝杜仲小茴香」
◎手足攣拳するには:「檳榔子木瓜牛膝」
◎咳嗽には:「桑白皮杏仁」
◎遍身疼痛するには:「乳香没薬細辛」
◎難産には:「麝香肉桂」
◎帯下にて虚寒に属する者を治す:「香附子小茴香呉茱萸」


五積散[1-5]《漢方治療の実際》
「朮3、陳皮・茯苓・半夏・当帰各2、厚朴・芍薬・川芎・白芷・枳実・桔梗・乾姜・桂枝・麻黄・大棗・生姜・甘草各1」



五積散[1-6]《和剤局方》《龍野ー漢方処方集》
「当帰・川芎・芍薬・白朮・陳皮・茯苓・半夏・白芷・枳殻・桔梗各3.0g、乾姜・桂枝各1.5g、麻黄2.5g、甘草1.0g、大棗2.0g」
◎目標:先哲《津田玄仙》、此方を用いる目的は、以下の4症なり。《勿誤薬室方函口訣》 正面の目標。
腰 冷痛:(冷えるというところに眼をつける)
腰腹攣急:(腰から股にかけて筋がはる)
上熱下冷:(足冷を重くみる)
小腹痛
◎悪寒or発熱、頭痛、身痛、項強拘急、嘔吐腹痛or無熱胸上腹膨満感or腰脚痛or 月経不順

★五積散(顔面貧血性、上半身熱感、下半身冷感、腰・下腹部の冷痛・攣急、頭痛身痛)

★適応症及び病名(五積散)
[1]足が冷たい:
 ☆足の浮腫「五加皮・大腹皮各4.0g」。
[2]胃ケイレン
[3]胃腸炎:
 ☆寒冷堅硬の飲食によって発した急性胃炎《矢数道明》
[4]陰嚢寒疝
[5]運動障害
[7]悪心
[8]咳嗽:「桑白皮・杏仁各3.0g」。
[9]かぜ:
 ☆陰経傷寒にて脾胃和せず、及び寒邪に感ずるを治す。
  ☆虚弱者の感冒
 ☆老人のかぜ。
[10]顔色悪い(貧血性)
[11]肩関節周囲炎
[12]脚気
[13]下半身冷感
[14]下腹部の冷痛(攣急)
[15]関節炎
[16]関節痛
  ☆風湿流注して両脚酸疼するを治す。:「独活檳榔子烏薬木香」
[17]関節リウマチ
  ☆遍身疼痛するには:「乳香没薬細辛」
[18]寒痢:
  ☆脾胃宿冷あり、腹内切痛、或いは外風寒に感じ、内生冷に傷つき、黄 白色を泄瀉して止まず、或いは肝経寒を受け、面色青惨、厥して泄痢するを治す:「-麻黄」=和気飲《続易簡後集》
[19]脚部の腫痛
[20]胸膈部の疼痛(瘀血による)
[21]ギックリ腰
[22]脇腹の痛み(持続的で鈍痛)
[23]恐怖心
[24]筋肉痛
 ☆全身疼痛:「乳香・没薬各1.0g、細辛2.0g」。 
[25]くしゃみ
[26]ケイレン:
 ☆手足のケイレン「檳榔子・牛膝・木瓜各3.0g」。
[27]月経異常
   ☆月経痛
  ☆月経の前後に悪寒・発熱
  ☆月経不順
[28]血行障害
[29]下痢(寒痢)
[30]更年期障害
[31]催生剤:
  ☆酢を加える《矢数道明》
  ☆予定日より早く産ませたい時用いる《矢数道明》
  ☆死胎を下す:「-麻黄、附子、肉桂倍加」《矢数道明》
[32]さむけ(寒気)がする
[33]座骨神経痛
[34]産後の感冒による発熱
[35]産後の消化不良
[36]産後の食欲不振
[37]ジフテリア(脾風):
☆3歳児。飲食気宇変ぜざるにより捨て置きしが、昨宵より咳嗽劇発、声瘂、心胸苦悶、喘鳴迫塞、大熱自汗、但坐して臥することを得ず、二便不利なりと云う。乃ちその背を下させむるに立つことを得ず、直ちに横倒し将に昏冒せんとす。眼晴朦朧面色蒼白、鼻上自汗出、その脈弦数にして結止。舌上白苔表に微熱あり、四肢温にして冷ならず、虚里の動亢盛、息する毎に鳩尾休止あることなし。余以て脾風の候となし、直ちに五積散棗を作りて之に2貼を授け、明旦までに服せしむ。次早使者至り頗る快し、願はくは前方を賜らんと云う。仍ち3貼を与ふ。4日に来て診を乞う。因って前日の景況を尋ねるの、初日の夜2貼を服さしめ、明旦に至りて諸症去り、二便快利頗る食を欲し、続いて服してますます快く、今や苦しむ所なく、ただ微嗽するのみと云う。乃ち前方5貼を与えて遂に全治の報を得たり《山田業精》
[38]しぶり腹
[39]消化不良
[40]上腹部振水音
[41]小児麻痺
[42]神経痛
[43]心臓弁膜症:
☆心臓病で心下に痰飲食痞塞し、動悸、息切れなどして、苦しむ者《矢数道明》
[44]疝気:
☆腰痛、神経痛。所謂疝気で、足の冷えとのぼせを訴える者《矢数道明》
[45]嘈雑
[46]帯下
☆帯下にて虚寒に属する者を治す:「香附子小茴香呉茱萸」
☆冷え込みによる水様の白帯下に、足冷、腰痛等を目標として用いる《矢数道明》
☆処女、女学生当の冷えによる帯下にはこの症が多い《矢数道明》
[47]打撲(冷えがあるもの)
[48]胆石
[49]血の道:《矢数道明》
[50]腸ケイレン(腸疝痛)
[51]手足の厥冷
[52]軟便
[53]難産(難産癖)
☆難産の者には煎じて後、酢を盃に1杯加えて用いる《矢数道明》
☆出産予定日を過ぎて生まれない者《矢数道明》
☆陣痛微弱で分娩の長引く者に頓服《大塚敬節》
☆破水後、頓服させる。《大塚敬節》
[54]熱感(上半身熱感)
[55]冷え症:
☆冷え症の婦人に《矢数道明》
☆目標:腰冷痛・腰股攣急・上熱下冷・小腹痛《津田玄仙》
[56]冷えのぼせ:
☆上熱下冷の症状の1つ。
[57]脾泄(ひせつ)
[58]不安感(何事にも)
[59]腹部軟弱
[60]腹痛:
☆(風寒湿による疼痛---温めると軽くなる)
(臍を中心に疼痛)
[61]閉経:
☆冷えにより、血が凝滞して順らない《矢数道明》
[62]変形性膝関節炎
[63]麻痺:
☆発熱を伴う麻痺「羗活・独活各3.0g、防風4.0g」。
[64]慢性胃腸炎:
☆胃酸過多症、胃内停水があり、呑酸、雑、嘔吐、胸中、心下不快、下痢等もあって手足の冷える者《矢数道明》
[65]慢性関節リウマチ
[66]慢性頭痛
[67]無月経
[68]腰痛症:<攣急><冷痛>
☆顔色が貧血ぎみで、上半身に熱感があって下半身が冷え、下腹部~腰~足にかけて冷えて痛む者。
「牛膝・杜仲各3.0g、小茴香2.0g」。          
        ☆慢性胃炎・胃酸過多症・胃潰瘍・坐骨神経痛・関節リウマチ・婦人科         疾患などで腰痛する者。
☆上半身がほてり、下半身が冷えると訴えるものによい。中年以降の女性に適応が多い。(漢方診療医典)
     [69]冷感(下半身寒冷)
     [70]冷心痛
      [71]冷房病
    [72]老人の感冒
 [73]脈 <沈>





 
 五神湯[1]《洞天奥旨》
      「金銀花、牛膝、茯苓、車前子、紫花地丁」

五神湯[2]《東醫寶鑑》
「生藕汁・紫蘇汁・生地黄汁・白蜜各1杯、生姜汁半杯を入れて煎じ、半杯       程度になったら、白麺(炒)を1銭づつ入れて服用。
◎婦人の吐血。

五仁丸[1]《世医得効方》
「桃仁 杏仁 柏子仁 松子仁 郁李仁 陳皮」
◎気血が衰弱して生じた津液の枯渇と便秘。

五仁丸[2]《東醫寶鑑》
=「滋腸五仁丸」
「橘紅4両、桃仁・杏仁各1両、柏子仁5銭、郁李仁(炒)2銭、松子仁1銭2       分半」を作末し、蜜で梧子大の丸剤。空腹時に50~70丸服用。
◎津液の枯れと、便秘を治す。婦人の産後便秘。


五仁湯《中薬臨床応用》
      「郁李仁9g(打砕)、麻子仁12g(研末)、括楼仁9g(打砕)、甜杏仁9g、柏子仁9g」       水煎服。
    ◎習慣性便秘。


五仁橘皮湯《通俗傷寒論》
「甜杏仁12g細末にする。松子仁12g、 橘皮6g蜜であぶる。郁李仁18g
桃仁8g(搗く)・柏子仁8g(搗く)」煎服

 五仁潤腸丸《山西省中薬成方》
      「郁李仁、火麻仁、柏子仁、松子仁、桃仁、生地黄、陳皮、肉蓉、当帰、       大黄(熟)」



五精丸《東醫寶鑑》
      「秋石・鹿角霜・白茯苓・陽起石・山薬」各等分。作末して酒糊で梧子大の       丸剤。毎回50丸を服用。
◎腎虚の陰痿に。

五仙丸《東醫寶鑑》
「大黄4両、皀角・雷丸・苦練根各1両、木香2銭を作末し、酒糊で梧子大       の丸剤。茶清で30~40丸服用。」
    ◎虫を治す特効薬。

五仙膏《東醫寶鑑》
      「大黄・角・生姜・生葱・大蒜各半斤」よく搗いて水煎し汁を取って滓を       去り、また煎じて絹布に広げ、先に針で患部を刺してから貼る。
    ◎一切の痞塊・積聚・癖疫を治す。

五退散[1]《東醫寶鑑》
      「穿山甲(炒)・川烏(炮)・甘草(炙)各5銭、蝉退・蚕退・蛇退(錯煮)・猪蹄       退(炒)・荊芥穂各2銭半」を作末し、毎回2銭を塩湯で、食後服用。
◎脾が風毒を受け、まつ毛が乾き、刺すように痛む者。

 五退散[2]《眼科龍木論》《東醫寶鑑》
      「蝉皮・蛇退・蚕退・烏卵殻・男子髪」各等分に焼いて作末し、猪肝を煎       じた湯で1銭調服する。
    ◎内障を治す。

五胆膏《東醫寶鑑》
「青羊胆1枚、黄牛胆汁1合、熊胆2銭半、鯉魚胆7銭半、烏胆5枚、牛       黄5銭」を作末し、先に諸胆をまぜた後、牛黄末とともに入れてまぜ、銀       石器で弱火で煮て膏をつくって、食後温酒で半銭を服用し、薬を目に少し       たらす。
◎目がかすみ、内障になろうとする者。
    ◎眼昏・黒花・内障を治す。

 五疸一方[1]《寿世保元》《古今方彙》
      「陳皮・白芍薬(炒)・神麹・麦芽・山子・白茯苓・石膏各1銭、厚朴7分、       ?香5分、蒼朮7分、白朮1銭半、甘草3分」水煎し熟して砂糖(少許)入       れる。
◎黄病にて生米を愛吃する者を治す。

 五疸一方[2]《寿世保元》《古今方彙》
「四苓湯四物湯川?茵?・麦門冬・滑石・甘草」
    ◎女労疸(黄疸と腹水があって額上は黒く手足心は煩熱し、微しく汗する等の悪     液質の症候を伴うもの。肝臓癌・肝硬変・胆嚢癌・膵臓ガンに相当する)を治     す。極めて効あり。


五通膏《東醫寶鑑》
      「生地黄・生姜・葱白・蘿葡子・田螺肉」搗いて臍の上に貼る。
    ◎臍風。


 五藤飲《中薬臨床応用》
      「寛筋藤15g、絡石藤15g、鶏血藤15g、忍冬藤15g、海風藤15g」水煎服。
◎風湿による痺痛
    ◎関節リウマチ
    ◎腰腿部痛


五灰散[1-1]《東醫寶鑑》
      「蓮蓬殻・黄絹・乱髪霜・百草霜・棕櫚皮」を焼いて「梔子(炒黒)・松煙墨       ・血竭」を加え細末にし3銭づつ生藕汁or蘿葡汁で服用。又は蜜で梧子       大の丸剤。米飲で50丸服用。
    ◎一切の失血と血崩を治す。

 五灰散[1-2]《沈氏尊生湯》
      「蒲黄、血竭、山梔子、血余、蓮蓬殻、黄絹、棕皮、百草霜、京墨」


五灰散[2](一名五痔散)《東醫寶鑑》
      「猪の左蹄甲・鼈甲・皮・露蜂房・蛇退」を焼いて作末し、まぜて毎回2       銭に麝香少しを入れて、空腹時に服用。
◎五痔と諸痔を治す。

 五倍子散《中薬臨床応用》
      「五倍子」適量を蜂蜜で深黄色になるまで炙って細末にし、醋で練って軟膏       にし、患部に塗布する。1日1回交換、膿が出なくなるのを限度とする。
    ◎背部膿瘍


五倍子煎湯熏洗方《仁斎直指方》
「五倍子煎湯」

 五倍子湯《中薬臨床応用》
      「五倍子5g、瓦楞子(煆)12g、白6g、訶子(煆)6g、鶏骨香12g、鶏内金15g、       両面針9g」水煎服。
    ◎胃十二指腸潰瘍


五皮飲[1]《澹寮方》
「大腹皮・茯苓皮・陳皮・桑白皮・生姜皮」各1銭半、水煎服。
◎水病で腫満し、上気喘息し、あるいは腰から下が腫れる。
    ◎他の病より変じて水腫になり浮虚した者を治す。

 五皮飲[2-1]《和剤局方》《古今方彙》
      「五加皮・地骨皮・生姜皮・大腹皮・茯苓各1銭」水煎。
    ◎小児が四肢腫満し、陽水、陰水を治す。
    ◎「姜黄・木瓜」を加えれば尤も可なり。
    ◎一方に、「五加皮地骨皮陳皮桑白皮」

 五皮飲[2-2]《小児薬証直訣》
      「五加皮、陳橘皮、茯苓皮、生姜皮、大腹皮」

 五皮散[1-1]《東醫寶鑑》
「大腹皮・茯苓皮・陳皮・桑白皮・生姜皮」各1銭半、水煎服。
    ◎他の病より変じて水腫になり浮虚した者を治す。

 五皮散[1-2]《中蔵経》《中薬臨床応用》
      「茯苓皮15g、大腹皮9g、桑白皮9g、生姜皮6g、陳皮6g」水煎服。
    ◎病後・衰弱で生じた顔面・四肢の浮腫。


五痺湯《医学入門》《東醫寶鑑》
      「?活・白朮・姜黄・防已各2銭、甘草1銭、生姜7片」水煎服。
◎風・寒・湿気が肌体に客居して手足が緩弱し、麻痺する症。
    ◎一方に、柴胡あり。《古今方彙》
    


 五百明洗剤《中薬臨床応用》
      「五月艾15g、百部15g、毛麝香15g、明礬15g」煎液で洗う。
    ◎皮膚湿疹
    ◎皮膚炎


 五物解毒湯《漢方治療の実際》
      「川?5、金銀花2、大黄1、荊芥1.5、菜3」
◎効能効果
麻疹
症状がほぼ治った後、全身に痒を訴え、小発疹を繰り返すことがある。このような時に用いる。麻疹後の調理の剤。
麻疹はかなり重症名疾患であるので、治療後も、盗汗、食欲不振、全身倦怠感、微熱が続くことがある。(漢方診療医典)


 五物大黄湯[1-1]《吉益東洞》
「大黄・桂枝・地黄・川?・甘草各6分」



 五物大黄湯[1-2]《吉益東洞》《龍野ー漢方処方集》
      「大黄2.0g、甘草・桂枝・川?各3.0g、乾地黄6.0g」内服or煎剤。


 五物大黄湯[1-3]《吉益東洞》《漢方治療の実際》
      「大黄1、桂枝4.5、地黄6、川?5、甘草1.5」
    ◎指腫れて腐爛し、熱痛する者を治す。いわゆるヒョウソ。
    ◎或いは痔、脱肛者、此湯を用いて之を洗って効あり。
    ◎此方《吉益東洞》の経験にて疽代指に効あり。或いは蒸薬として痔、脱肛を     治す。《勿誤薬室方函口訣》
◎この方は《吉益東洞》の愛用したもので、“指が腫れて熱痛するものを治す。     謂うところの疽の指痛である。また痔、脱肛の者は、この湯で洗って効があ     る”という。《大塚敬節》
    ★適応症及び病名 (五十音順)
     痔
     脱肛
     疽:
        ☆18歳某家のお手伝いさん。数日前から右指示の先端が腫れて痛み、         昨夜は眠れないほど痛んだという。診ると、第2関節の部分が腫れて、         化膿している。手術をすると後が長引くので、切らないで治してほし         いという。
そこで五物大黄湯を与え、これを2日分飲んでも良くならないよう         なら外科で手術をしてもらいなさいといって帰した。患部には青木の         葉で作った軟膏を塗っておいた。
患者はこれを2回飲むと、夕方になって、腹が痛くなって便所に行         った。便所ではどっと下った。便所から出て、手を洗うと、不備に巻         いておいた包帯が緩んでいる。そこで包帯をといてみると、指の腫れ         がすっかり無くなっていたという。これは非常に都合良く治った例で、         いつでもこんなに簡単に治る訳ではない《大塚敬節》
☆48歳女性。左側の拇指に激痛あり、疽と診断されて来院した。
         病症。拇指の先端に炎症性の発赤した小部分がある。表在性のもので         ある。疼痛は動悸性で睡眠は少しも出来ないという。発熱37.5℃、         顔色は焦心の色である。触知するに熱感があって拍動を感じる。投薬         をするに当たって、先ず服薬中、4、5日間に疼痛に堪え得るや否や         を聞き、もし堪えられない時には外科手術を行うことを約して次の処         方を調剤した。
内服薬は五物大黄湯、その他蒸剤として同方。この蒸剤の使用如何         によっては、疽には必ずしも手術をしなくとも治するものであるこ         とは、度々の経験にて自信を得たので、特に記載する。
この蒸剤は内服薬と同方であるが、それよりも更に大剤とする必要         がある。この蒸剤を布の袋に入れ、水約2勺を沸騰後10分間煮沸し、         この熱い薬袋(ヤケドを起こさない程度の熱さ)を以て患部を包むよう         にして温罨法するのであるが、それから後は患部を温かいこの薬液に         5~6分間浸すのである。1日3回位を以て適度とする。こうして内         外両面から治療する時には、3、4日後には疼痛も薄らぎ、炎症部は         限局して化膿し、1週間後には膿が表皮下に集まるから、小刀にて表         皮を破れば排膿して全快するのである。《高橋道史》






五物湯《東醫寶鑑》
      「黄蓍・桂枝・白芍各3銭、生姜7片、大棗3枚」水煎服。1日3回服用。       別方には人参を入れる。
◎血痺を治す。

五補丸《東醫寶鑑》
      「地骨皮・白茯苓・牛膝・熟地黄・人参各1両」作末して蜜で梧子大の丸剤。       温酒or塩湯で50~70丸飲む。
    ◎諸虚と百損を補うとき。

五福花毒丹《東醫寶鑑》
      「玄参1両、桔梗8銭、人参・赤茯苓・馬牙硝各5銭、青黛2銭半、甘草1       銭、麝香5分、金箔・銀箔各8銭」作末し蜜で混ぜ、毎両を12丸に作り、       金銀箔で衣をし、毎回1丸を1歳児には薄荷湯で溶かして、4回に分服。
    ◎熱疳で瘡が多くでる者を治す。
    ◎痘瘡の余毒によって口歯からつばや血の臭気が匂い、夜見えない者を治す。


五味安胎丸《東醫寶鑑》
「当帰・川芎・黄芩・白芍薬各1両、白朮5銭」作末して、酒糊で梧子大の丸剤。茶湯で50~70丸飲む。
◎流産しやすい婦人が飲む。

五味異功散《小児薬証直訣》《古今方彙》
「四君子湯陳皮」
◎脾胃虚弱、吐瀉して食せず、凡て虚寒の症を治す。
      
五味五苓散《万病回春》《古今方彙》
「猪苓・沢瀉・白朮・赤茯苓・肉桂・当帰・枳殻・牛膝・木通各等分、甘草半減、燈心草」水煎空心に服す。
   


五味子散[1]《普済本事方》
「呉茱萸、五味子」

五味子散[2]《東醫寶鑑》
「五味子2両、呉茱萸5銭、を妙香と作末して、毎回2銭、空腹時に米飲で服用。」
◎腎泄で毎五更と夜明けに洞泄を1回する(⇒晨泄シンセツ)者。
 

五味子合剤《中薬臨床応用》
「五味子・酸棗仁・山薬各9g、当帰6g、竜眼肉15g」水煎服。
◎メニエール病

五味子湯[1]《聖済総録》
「麦門冬湯《金匱要略》半夏、五味子・款冬花・桂枝・桑白皮」
◎肺痿小便数を治す。

五味子湯[2](⇒加味生脈散)《類証活人書》《東醫寶鑑》
「五味子3銭、人参・麦門冬・陳皮・杏仁各2銭を?作1貼して、生姜5、大棗2を入れ水煎服。」
◎傷寒で喘息し、脈が伏・厥する者。

五味子湯[3]《東醫寶鑑》
「五味子・附子(炮)・巴戟・鹿茸・山茱萸・熟地黄・杜仲(炒)各1銭」剉作1貼し「姜7片・塩少々」入れ水煎服。
◎浮腫・脹満・濡泄し、足が麻痺・脚下が疼痛する者を治す。

五味子湯[4]《東醫寶鑑》
「麻黄2銭、五味子・杏仁・橘紅各1銭半、乾生姜・桂皮・甘草各1銭、紫蘇葉3片」水煎服。
◎寒喘を治す。

五味子湯《傷寒活人書》《古今方彙》
「五味子(炒)半両、人参・麦門冬・杏仁・陳皮各2銭、生姜」水煎。
◎寒に傷れ喘促し、脈伏して厥し、及び肺虚し喘をなし、脈大なる者を治す。

五味消毒飲《医宗金鑑》
「金銀花、菊花、蒲公英、紫花地丁、紫背天癸」

五味消毒飲《医宗金鑑》《中薬臨床応用》
「紫花地丁15g、蒲公英15g、金銀花15g、野菊花9g、紫背天癸9g」水煎服。姜白酒1匙を加えるほうが効果的。
◎顔面、背部の癤・癰。


五味麦門冬湯《外台秘要方》


五味大黄湯《吉益東洞》

五妙川練丸《東醫寶鑑》
「川練肉5両」1両は「斑猫4箇」と炒り、1両は「茴香3銭、塩5分」と炒り、1両は「破故紙3銭」と炒り、1両は「黒丑3銭」と炒り、1両は「蘿葡子1銭」と炒り、同時に入れて炒った薬は捨て、「茴香・破故紙・川練肉」だけを取って作末し、酒糊で梧子大の丸剤。毎回50丸を温酒で調下する。
◎諸疝を治す。

五拗湯《東醫寶鑑》
「三拗湯荊芥穂・桔梗各1銭」煎服。
◎風寒による咳・声重く・喉の痛み。

五利大黄湯《東醫寶鑑》
      「大黄()2銭、黄?・升麻・梔子・芒硝各1銭2分」水煎服。
    ◎癰疽で、気血が多く大小便が秘渋する者を治す。

五利湯《備急千金要方》
      「芒硝1両、升麻・黄?各2両、大黄3両、梔子5両」
    ◎癰疽発熱強き者、内疎黄連湯[1]《保命集》の応ぜざる者に宜し。《雑病翼方》
    ◎年50已過還、強壮、常に大いに熱を患い、癰疽を発し、低処無く、大小便不     通を治す。

 五淋散《和剤局方》《古今方彙》
      「赤茯苓6両、赤芍薬・山梔子各10両、甘草(生)・当帰各5両、黄?3両」       水煎空心に服す。
◎肺気不足、膀胱熱あり、水道通ぜず、淋瀝して出でず或いは尿が豆汁の如く、     或いは沙石の如く、或いは冷淋膏の如く、或いは熱淋尿血するを治す。
    ◎小児の淋症を治す。
◎一方に、生地黄、沢瀉、木通、滑石、車前子を加える。


 五淋散《漢方治療の実際》
      「芍薬・梔子各2、茯苓6、当帰・甘草・黄?各3」或いは更に、「地黄・沢       瀉・木通・滑石・車前子各3」を加える。



 五淋散《和剤局方》《龍野ー漢方処方集》
      「茯苓6.0g、芍薬・山梔子各1.5g、当帰・甘草・黄?各3.0g」
    ◎膀胱に熱があり、小便淋瀝、排尿困難、或いは血尿、膿尿、泥膏状の尿を出す     者。
    ★適応症及び病名(五十音順)
     [1]血尿
     [2]残尿感     
[3]小便淋瀝
     [4]腎盂炎:
       ☆急性・慢性の腎盂炎。
       ☆サルファ剤や抗生物質でどうにもならない者に有効。
       ☆排尿後の不快感、残尿感、排尿回数の増加、腰痛がある者で、        胃腸障害がある者。
       ☆婦人科手術後に起きる腎盂炎に有効。
     [5]腎臓結石
     [6]虫垂炎
    [7]尿意頻数
     [8]尿が濃い(豆汁色、泥膏状)
     [9]尿道炎
     [10]尿路感染症
     [11]尿路結石
     [12]排尿異常
     [13]排尿困難
     [14]排尿痛
     [15]膀胱炎
       ☆排尿後の不快感、残尿感、排尿回数の増加、腰痛がある者で、        胃腸障害がある者。
       ☆サルファ剤や抗生物質でどうにもならない者に有効。
     [16]膀胱結石
     [17]膀胱に熱あり
     [18]頻尿
     [19]力むと尿がもれる
     [20]淋疾(種々の)
  【加減法】
     <1>別法に、沢瀉・木通各4.0g、滑石・車前子各2.0g。
     <2>淋病で膿が出渋り痛み、尿黄色く脉遅の者・・・黄?。


五淋散《東醫寶鑑》
「赤芍・山梔子各2銭、当帰・赤茯苓各1銭、条黄・甘草各5分」水煎服。
    ◎諸淋を治す。

五淋湯《和剤局方》

 五淋湯《中薬臨床応用》
      「赤茯苓18g、山梔子9g、6g、甘草梢6g、当帰9g、白芍12g」水煎服。
    ◎熱淋
    ◎血淋


 五輪湯《済世全書》《古今方彙》
      「人参5分、白朮・茯苓・芍薬(酒)・川?・生地黄・熟地黄(姜)。半夏・天       麻各1銭、当帰1銭2分、黄連(姜)各8分、陳皮7分、防風・独活・?活       各6分、黄柏(酒)4分、天南星(姜)1銭半、甘草3分」水煎し、服するに       臨み、「竹瀝・姜汁」を入れ温服。
◎中風の諸病を治するの総司なり。
   【加減方】
<1>左?には・・・・・秦?・桃仁・紅花。
     <2>右?には・・・・・黄蓍・木香・烏薬。
     <3>左足?、右足?・・牛膝・木瓜・?苡仁。
     <4>痰が心竅に迷い、舌強ばり、言う能わざるには・・・・
       遠志・菖蒲・楼仁・麦門冬・枳実。
     <5>口眼斜には・・・白?・白?蚕。
     <6>痰涎熾盛には・・・楼仁・枳実。
     <7>肢体頑麻には・・・烏薬・白?蚕・薄桂。
     <8>筋骨疼痛には・・・乳香・没薬・肉桂。
     <9>眩暈・頭痛・・・・白?・蔓荊子・藁本。
     <10>手足拘攣には・・皀角・木香。

 五霊丸《東醫寶鑑》
      「五霊脂2両、川烏(炮)1両半、没薬1両、乳香5銭」を作末し水で梧子大       の丸剤。生姜湯に温酒を混ぜて、1丸を砕いて飲む。
◎風冷で気血が閉じ、身体が麻木・疼痛する者。

五霊指散[1]《東醫寶鑑》
      「五霊脂・荊芥穂・防風・?活・独活・穿山甲・骨砕補・草烏(製)・甘草節       各5銭、麝香半銭」を作末し、毎回2銭を就寝時に温酒で調服する。」
    ◎風・寒・湿による気血の壅滞と、臂胛の疼痛に。

 五霊脂散[2]《東醫寶鑑》
      「五霊脂末1銭」温酒で飲む。
    ◎血崩に。五霊脂散→「五積散荊芥・防風」→「五霊脂散」と服用。


五苓散[1-1]《傷寒論》
「猪苓(去皮)18銖、沢瀉1両6銖、白朮18銖、茯苓18銖、桂枝(去皮)半両」
右五味、搗為散、以白飲和服方寸匕、日三服。多飲煖水、汗出愈、如法將息。
◎太陽病、発汗後、大汗出、胃中乾、煩躁不得眠、欲得飲水者、少々與飲之、令胃氣和則愈。若脉浮、小便不利、微熱、消渇者、五苓散主之。
  《傷寒論》辨太陽病脉證并治中第六・41。
◎病在陽、應以汗解之、反以冷水潠之。若灌之、其熱被劫不得去、彌更益煩、肉上栗起。意欲飲水、反不渇、服文蛤散。若不差者、與五苓散。
  《傷寒論》辨太陽病脉證并治下第七・141。
◎本以下之、故心下痞・與瀉心湯、痞不解。其人渇而口燥煩。小便不利者、五苓散主之。
◎太陽病、寸緩、關浮、尺弱、其人発熱汗出、復悪寒、不嘔、但心下痞者、此以医下之也。如其不下者、病人不悪寒而渇者、此転属陽明也。小便数者、大便必鞕、不更衣10日、無所苦也。渇欲飲水、少々與之、但以法救之。渇者、宜五苓散。  

《傷寒論》辨陽明病脉證并治第八。
◎霍乱、頭痛、発熱、身疼痛、熱多欲飲水者、五苓散主之。寒多不用水者、理中丸主之。
   《傷寒論》辨霍乱病脉證并治第十三。
◎脉浮、小便不利、微熱、消渇者、與五苓散、利小便発汗。
   《傷寒論》辨可発汗病脉證并治第十六。
◎本以下之、故心下痞。與瀉心湯、痞不解。其人渇而口燥煩、小便不利者、属五苓散。         《傷寒論》辨発汗吐下後病脉證并治第二十二。
    
五苓散[1-2]《金匱要略》
「沢瀉1両1分、猪苓(去皮)3分、茯苓3分、白朮3分、桂(去皮)2分」
右五味、為末、白飲服方寸匕、日三服、多飲煖水、汗出愈。
◎假令痩人、臍下有悸、吐涎沫而癲眩、此水也。五苓散主之。
  《金匱要略》痰飲嗽病脉證并治第十二。
◎脉浮小便不利、微熱消渇者、宜利小便、発汗、五苓散主之。
渇欲飲水、水入則吐者、名曰水逆、五苓散主之。
  《金匱要略》消渇小便利淋病脉證并治第十三。


五苓散[1-3]《傷寒論》《東醫寶鑑》
「沢瀉2銭半、赤茯苓・白朮・猪苓各1銭半、肉桂5分」を作末し、毎回2銭を白湯で調下、又は剉作1貼して水煎服。
◎太陽病が中に入って、煩渇・小便不利する者。
◎腎気が内虚して邪熱が腎経に流れ込み、脈が多く、大小便が渋く赤く濁り、疼痛の時は「瞿麦燈心煎湯」に五苓散を調合して服用する。

五苓散[1-4]《傷寒論》《漢方治療の実際》
「沢瀉5、猪苓・茯苓・朮各3、桂枝2」以上煎剤の1日量。
粉末として用いる場合は、以上の比率で作末し、混和して、1回1、1日3回、重湯で飲む。
◎消渇、小便不利、或いは渇して水を飲まんと欲し、水入れば則ち吐く者を治す《吉益東洞》


五苓散[1-5]《傷寒論》「沢瀉5両半、猪苓・茯苓・朮各4両、桂枝2両」《琴山》《傷寒論識》
◎此方は傷寒、渇而小便不利が正面なれども、水逆の嘔吐にも用い、又畜水の癲眩にも用い、その用広し。《勿誤薬室方函口訣》
「癲眩」=頭眩の甚だしいもの《雑病論識》
◎後世にては、煎剤に加味して水気に活用す。
◎此方は末にして与えるべし、煎剤にては一等下るなり。胃苓湯や柴苓湯を用いるはこの例にあらず。《勿誤薬室方函口訣》
◎口渇、尿利減少、或いは嘔吐、或いは下痢、或いは浮腫、或いは発熱頭痛等の発熱症状を伴う。《龍野ー漢方処方集》
  

【腹証】
《腹診配剤録》
“心下に物有るが如くして、之を按ずれば力無く、即ち散ず。又、腹中に悸有り”
  

【加減】
*「五苓散+六一散+琥珀」= 茯苓琥珀散《宝鑑》
(六一散)=滑石+甘草=排尿痛・排尿困難・湿熱
*「五苓散-桂枝」=四苓散(煩渇思飲を治す)
*「五苓散+茵蔯」=茵蔯五苓散
*「五苓散+辰砂」=辰砂五苓散
*「五苓散-肉桂+甘草滑石梔子燈心草」=陶氏五苓散




★適応症及び病名(五苓散)
[1]胃アトニー
[2]胃カタル:
☆急性胃腸「カタール」等にして、発熱、尿量減少、煩渇ありて、裏急後重なく、其の下痢水瀉様なる証。《奥田謙蔵》
* 【EBM】ウイルス胃腸炎に対する五苓散の注腸療法の効果
(結果)
全体の有効率は84.5%であった。
男児の有効率は87.8%
女児の有効率は81.4%
年齢間に有効率の差は認めなかった。
30分以内に効果発現が見られたのは有効例の85.0%で、特に低年齢ほど即効性が認められた。
[3]胃液分泌過多症
☆胃酸分泌過多
[4]胃潰瘍
[5]胃拡張
[6]胃下垂
[7]胃内停水
[8]息切れ
[9]遺精
[10]陰核腫大
[11]陰吹:
☆(女性の陰道より声響を帯た気を排出する)を治す。《雑病翼方》
[12]陰嚢水腫:
☆小児の陰嚢水腫、或いは故なくして陰茎包皮に腫脹を発する等の者。《奥田謙蔵》
☆小児、陰頭水腫、及び陰嚢赤種して小便短渋なる者を治す。奇効有り。《類聚方広義》
[13]陰嚢が肥大:
☆陰嚢赤腫脹痛を治す「+車前子+薏苡仁」《心書》
☆陰嚢赤腫脹痛を治す「+黒丑+呉茱萸」《急救仙方》
[14]陰嚢ヘルニア
[15]黄疸:

☆(陰黄)
☆酒疸を治す:「大黄」《古今方彙》
☆眼黄、酒疸及び五疸には:「茵蔯木通滑石」《古今方彙》
[16]悪心
【EBM】SSRIによる嘔気に対する五苓散の効果
(薬物投与)
五苓散エキス(7.5g/日)を投与
(結果)
五苓散投与後、嘔気や消化不良が消失した患者は9例。
減少した患者は4例。
わずかに減少した患者が2例で。
変化の無かった患者は5例であった。
改善した患者はいずれも1日以内に症状の改善を認めた。
[17]悪阻
[18]嘔吐:
*【EBM】急性胃腸炎に伴う嘔吐に対する五苓散注腸の効果
(評価方法)
注腸により嘔吐が止まったものを有効、
嘔吐は続いたが軽快したものをやや有効
嘔吐が続き脱水症状を認め点滴を必要としたものを無効とした。
(結果)
来院までの症状は、
嘔吐のみが72例(34.1%)
発熱を認めたものは87例(41.2%)
腹痛を伴うものは68例(32.2%)
咳・鼻汁などの気道炎症状を伴うもの25例(11.8%)だった。
五苓散注腸の嘔吐に対する全体の有効率は82.9%であった。

*【EBM】ウイルス胃腸炎に伴う嘔吐に対する五苓散および柴苓湯注腸
(付記)
症を考慮せず、嘔吐のみを目標に五苓散と柴苓湯の注腸投与を行ったが、両方剤ともに良好な治療成績を得ることができた。また、その効果にも両方剤で差がなかった。

☆飲んでからすぐに飲んだ量以上を吐く(=水逆)。乳幼児に多くみられる。水逆の嘔吐では、口渇が激しく水を欲しがる。しばらくすると、呑んだ水よりも多いと思うほどの多量の水を一時にどっと吐く、盆を傾けるようである。するとまた水を欲しがる。するとまた吐く。これを繰り返し、煩躁が甚だしい。尿量が減少し、熱がある場合でも、決して発汗しない。《大塚敬節》
☆水逆の嘔吐に用いるときは、煎じて呑すよりも、粉末にして重湯で呑ますのが良い。積山遺言にも、ある病人が食物は吐かずに水ばかり吐く者に、五苓散を煎じて呑ませたところ、反ってひどく吐くようになり、五苓散の粉末を与えたところ、たちまち良くなった例が出ている《大塚敬節》
☆飲んでから半日以上たって吐く(=胃反)は→「茯苓沢瀉湯」。
☆熱候あり、其の脈浮数、大渇し、嘔吐累日にして飲食するを得ざる証。《奥田謙蔵》
☆頭痛、発熱し、胸腹微痛し、汗出でて乾嘔し、食物入れば直ちに吐し、脈洪数なる証。《奥田謙蔵》
☆水逆嘔吐を治す:生料五苓散を熱煎し、滓を去り、生姜自然汁を入れ、細々之を服して効あり。《経験良法》
☆「-桂枝+半夏生姜」《古今方彙》
☆3歳の男児。朝から元気なく、昼食も食べずにうつらうつら眠っていた。時々フトンから転がり出して、手足をバタバタさせている。煩躁である。体温を測ると38.8℃ある。そこで、食欲のないのと、発熱と、煩躁を目標にして小柴胡湯を与えた。すると間もなく、これを吐き、水を欲しがる。やがてまた吐く。吐くとしきりに水を飲む。尿の方は午前中に1回出たきりだという。そこで五苓散を与えたところ、1服で嘔吐は止み、30分ほどたつと発汗があり、煩躁が止み、1時間あまりで排尿があった。翌朝は体温も37.5℃となり、食欲も出たが、引き続き五苓散を与え、3日間で全快した。《大塚敬節》
☆6歳の女児。感冒の後、嘔吐が止まず、薬を呑んでも、水を飲んでも吐き、こんな日が4日間も続き、ついに某病院に入院した。ここでも嘔吐は止まず、栄養剤の注入と注射で、わずかに栄養を補給しているという。私は患家の切望で往診した。脈を診ると沈小で、舌には白苔があって乾燥し、腹部はやや膨満し、臍上で動悸が亢進し、しきりに水を欲しがる。看護婦はこれを拒んで与えようとしない。呑めばすぐに吐くからである。尿は前日の午後から1回もない。
私は自宅から用意してきた五苓散の粉末を水とともに呑ませた。母親と看護婦は今にも吐くだろうと不安顔である。患児は何となく落ち着いた様子であったが、とうとう吐かなかった。そしてそれきり、口渇も嘔吐も止み数日で退院した。《大塚敬節》
☆ある患者が嘔吐を訴え、水も薬も納まらない。医者は、これを水逆の症と診断して五苓散を与えたが効がない。そこで玄仙に治を乞うた。玄仙がこれを診てみると水分の動(臍上の悸)がひどく亢進していた。そこで、これは先ず動悸を鎮めて後に、嘔吐を止めるのが順序であると考え、先ず四君子湯生姜(炒)・呉茱萸を与えたところ、吐を治せずして吐は止 んだ《津田玄仙》
☆5才男児。疫痢様の病気の後、高熱がさめて安心していたところ、もだえ苦しみ始め、フトンをけり、口の渇きを訴えて、水を与えるとたちまち吐き出す。水を1口飲むと2口も3口もの水が飛び出すありさまであった。小便はほとんど出ず、脈は浮数(脈拍の数がふえ、軽く触れるとよく分かるが、強く押すと消えそうな状態)で、大にして無力な状態。そこで、五苓散2gを重湯に溶かして与えたところ、1服で嘔吐が止み、
小便がよく出て、食欲も起こり、たちまち回復した《矢数道明》
[19]霍乱:
☆霍乱、吐下の後、厥冷、煩躁し、渇飲止まずして、水、薬共に吐する者有り、厳に湯水を禁じ、水を欲する毎に五苓散を与える。但だ1貼を2、3次に服するを佳と為す。3貼を過ぎずして嘔吐、煩渇必ず止む。吐瀉共に止めば、則ち必ず厥復して熱発し、身体惰痛す。なお五苓散を用いるときは、則ちとして汗出で諸症脱然として癒える。これ五苓散、小半夏湯の別也。《類聚方広義》
☆吐瀉、腹痛し、精神恍惚、四肢倦怠し、煩渇を発し、脈数なる証。《奥田謙蔵》
☆吐瀉の後、発熱し、尿利無く、心下部痞塞し、発汗淋漓(り)たる証。《奥田謙蔵》
☆霍乱転筋には:「+藿香木瓜」《古今方彙》
[20]体がだるい・重い:
☆心熱には:「+黄連蓮肉」《古今方彙》
[21]角膜潰瘍
[22]下肢の浮腫
[23]仮性コレラ
[24]感冒性吐瀉症
[25]寒冷ジンマシン
[26]気の上衝<+>
[27]急性胃腸炎
☆乳幼児の急性腸炎に用いる場合が多い。口渇を訴えて、水や茶をよくのむのに、尿の出が少なく、水瀉様に下痢するものを目標とする。
腹痛や嘔吐を伴う者にもちいてよい(漢方診療医典)
[28]急性膀胱炎
[29]虚弱児の体質改善
☆ストルフルスによく効くので、滲出性体質のものに用いる機会がある(漢方診療医典)
[30]クインケ浮腫(血管神経浮腫)
☆クインケ浮腫は、発作性に、皮膚または粘膜の一部に限局して浮腫が現れ、その浮腫が移動して出没し、このような状態が慢性に経過する。この浮腫は圧によって凹むことがなく、多くは顔面または、四肢の関節に近い部分に現れる。多年、この病気に悩んでいた未婚の婦人は、五苓散によって全治し、2カ年間再発しない。(漢方診療医典)
☆76歳の婦人は、若いころよりこの病気があり、発症すると、頭痛を起こしたり、腹痛を起こしたりしていたが、五苓散の服用によって全治し、その後、再発していない。口渇と尿利の減少は、はっきり現れていなかった。(漢方診療医典)
[31]口の渇き(口渇):
☆お茶をよく飲む人に。
☆ミネラルウォーターやジュースを毎日飲む人に。
☆食事の時以外でも、ちょくちょく缶コーヒーやウーロン茶を飲む人に。
☆口乾水には:「乾葛烏梅」《古今方彙》
☆尿利減少を伴う口渇に用いる《大塚敬節》
[32]車酔い
[33]頚椎症
【EBM】頚椎症の愁訴に対する五苓散の効果
(薬物投与)
五苓散エキス(7.5g/日)投与期間は2週間
(Evidence)
1件の症例集積研究において、頚椎症の愁訴に対して神経ブロック併用群に関しては有効率65.2%、非併用群では40%であった。
[34]月経困難:
☆15歳の少女。12、13歳にしか見えない。小柄で血色が良くない。初潮は12歳からで、15歳の2月から毎月のように、月経の初日に、激しい心下痛が起こって、薬も水も吐いて、一切の飲食物を受け付けないという。こんな状態で、色々な手当を受けたが、一向に効がないので、昭和30年8/20に来院した。初診の日は8月の月経が終わったところで、何の苦痛もなく、これといった、捕まえどころがない。そこで9月の月経を待って、その腹痛の状態を診せてもらうことにして、その期間の服薬には当帰芍薬散を一応考えたが、嘔吐を伴う腹痛だし、“心腹卒中痛”の点も参酌して柴胡桂枝湯を与えた。
9/14に月経が始まったので、患者は蒼い元気のない顔で、母親に伴われて診察室に入ってきたが、まだ脈を診ないうちに、持ってきた洗面器に汚い水を大量に吐いた。吐く前に心下に強い差し込みがある。吐いてしまうとやや心下は楽になる。脈は浮数である。腹診するに、臍上の動悸が強く亢進している。振水音は証明しない。ひどい口渇で水を要求するので、コップ1杯の水を与えた。すると1分間もたたないのに、激しい心下痛と共に水を吐いた。尿利はひどく減少している。この口渇、嘔吐、尿利減少の3拍子がそろえば、いうまでもなく五苓散の証である。この場合の激しい心下痛が五苓散で良くなるかどうか私には不安があった。しかし先人は疝の疼痛にこの方を用いているので、この患者の心下痛も、古人のいうところの疝に属する疼痛と考えて、この方を与える決心をした。この場合蛇足であったかもしれないが、茵?を加えて茵?五苓散とした。
さてこの薬を3週間分飲んでから、患者はしばらく来院しなかった。やっぱり効が無かったのかなあと、私はひそかに考えた。この3週間分を飲み終わった頃が、彼女の10月の月経が来潮する頃なのである。10月もまたあんなに苦しんだのかなあと思っていた。ところが11/6に彼女は晴れ晴れしい姿で診察室に入ってきた。私は、「どうしたの」とせっかちに聞いた。彼女は落ち着き払って「何ともなかったの」と平然としている。「10月は吐かなかったの。お腹は痛まなかったの」と、私はまだ不安な心持ちで尋ねたが、「何ともなかった」と、彼女は当たり前のような顔をしている。この患者はそれきり月経困難症が全治した。私はこの患者に茵?五苓散を用いたが、五苓散でも良かったと思う。《大塚敬節》
[35]月経前症候群(PMS)premenstrual sundrome
【EBM】月経前症候群の不定愁訴に対する五苓散の効果

(Evidence)
1件の症例集積研究において、月経前症候群に対する有効率(著効、 有効、やや有効)は98%であった。
[36]結膜炎:
☆此方の眼疾患を治すること、苓桂朮甘湯とほぼ似たり。而して彼は心下の悸、心下逆満、脇肋支満、上衝等の症を以て目的とし、此は発熱、消渇、腨涙多く、小便不利を以て目的となす。2方ともに小便を利するを以て其の効となすなり。応鐘、紫円等を兼用する。《類聚方広義》
[37]下痢:(寒泄・虚泄・洞泄の)
☆水様便・口渇。
☆湿泄で身痛:「+羗活・草豆蔲」
☆一種熱水を下し、臭きこと近づくべからざるものあり「六一散」
☆初痢を治す:「+大黄」《古今方彙》
【EBM】感冒性胃腸症に伴う下痢に対する五苓散の効果

(結果)
五苓散単独投与群と五苓散砂糖併用群の両群間で年齢、発症から受診までの日数、来院までの下痢の回数に有意差は無かった。
五苓散単独投与群120例のうち服用できたのは62例(51.7%)。
五苓散砂糖併用群240例のうち服用できたのは230例(95.8%)と、
内服率に関しては砂糖と併用した群のほうが優れていた。
有効率は、五苓散単独投与群が77.4%。五苓散砂糖併用群が81.3%。
副作用は両群とも認めなかった。
[38]眩暈
[39]睾丸炎
[40]甲状腺腫
☆中に液体を貯留する腺腫様甲状腺腫に用いる。五苓散に山梔子3.0g、枳実3.0gを加え、数年にわたって服用させると腺腫は小さくなっていく(漢方診療医典)
[41]交腸:(小便中に大便を出す)
☆婦人交腸に即効あり《方読便覧》
☆婦人、病癒えたる後、小便屎(シ、大便)を出すを治す:「+牛膝海金砂木通通草」《寿世保元》
[42]三叉神経痛:
☆葛根湯・香芎湯を用いたが効が無く、最後に五苓散を与えて著効を得たことがある。《大塚敬節》
隣家の女中さんが「一昨日から顔面の左半分が痛くて堪えがたいと言って来院した。その痛みは、朝起きた時が一番激しく、午後になると少し楽になる」と言う。
診察してみると、脈は浮小で、左側の後頭部から前額部にかけて、三叉神経の第1枝に沿って痛む。
この日、葛根湯を2日分与える。効がない。そこで香芎湯とする。《勿誤薬室方函口訣》には、この方が片頭痛に効くとあるので用いてみたのである。2日間服用、効がない。ところが、その頃から、強い口渇を訴えるようになった。小便の方はどうかと聞くと、とても少なく、1日に1~2回だと言う。
そこで口渇と尿利の減少と頭痛を目標にして、五苓散を与えた。これは良く効いた。2日分で、ほとんど痛みが取れ、4日間で全治した。」
《大塚敬節-漢方診療30年より》
【EBM】三叉神経痛に対する五苓散の効果
(Evidence)
1件の症例集積研究において、五苓散の三叉神経痛に対する有効率(改善以上)は47.2%であり、30.6%にカルバマゼピンの減量が可能であった。
[43]しびれ
【EBM】胸郭出口症候群のシビレに対する五苓散の効果
(Evidence)
1件の症例集積研究において胸郭出口症候群のしびれに対する有効率は67%であった。
[44]ジンマシン(寒冷ジンマシン)
[45]ジンマシン様苔癬
[46]自家中毒:
☆口が渇いて吐いたり、尿が少ないとき、発作時に服用させると効果的。煎じるよりも、むしろ、重湯に粉末を入れ飲ませた方が良い《山田光胤》
[47]斜視
[48]酒風脚:
☆初起に用いる《方読便覧》
[49]消化不良     
[50]小児ストロフルス:《大塚敬節》
[51]小便不利:
☆傷寒にて小便不利し而して渇する者を治す。《寿世保元》
☆邪熱、膀胱に結び、小便不通「+滑石・甘草」
☆小便壅閉し、臍下結硬、小便壮する所、火を撒くが如し「+滑石・甘草」
☆腫満を治し、小便を利す。「+商陸・附子」《本朝経験》
☆食に傷れて瀉をなして腹脹り、四肢浮腫し、小便不利するを治す:「+木香」《万病回春》
☆小児の小便不利を治す:「+車前子燈心草」《万病回春》
[52]子淋:
☆「生料五苓散阿膠」《雑病翼方》
[53]腎炎:
☆腎臓炎等。《奥田謙蔵》
☆瘧疾(腎盂炎など)を治す。服すること桂枝湯の如し、然れども彼は粥を啜り、此は煖水を飲む。是れを異れりと為す」《類聚方広義》
☆八味丸を用いると、食欲が減じたり、嘔吐を訴える者に用いる機会がある《大塚敬節》
[54]心下痞(無力)
[55]心臓性浮腫
[56]心不全
☆肺鬱血を伴う非代償性心不全には、木防已湯を考える。間違えると静脈圧の上昇を起こすことあり。《矢野》
[57]水逆:
☆5歳の男児。
「疫痢様の病気のあと、高熱が冷めて安心していたところ、もだえ苦しみはじめ、布団をけり、口の渇きを訴え、水を与えるとたちまち吐き出す。水を1口飲むと2口も3口も水が飛び出す有様であった。
小便はほとんど出ず、脈は浮数で、大にして無力であった。そこで、五苓散2gを重湯に溶かして与えたところ、1服で嘔吐が止み、小便が良く出て、食欲も起こり、たちまち快復した。」《矢数道明》
[58]水泡性の皮膚疾患(小水泡)
[59]頭痛:
☆常習性頭痛。
☆口渇が激しく、飲んだ水をすぐ吐く者で、脈浮数。
☆口渇と尿利の減少があって、頭痛を訴える者に著効あり。
☆呉茱萸湯証の頭痛との鑑別:
「呉茱萸湯の頭痛は、意識を失うほど激しく来ることがあり、眼も開けられず、モノも言えないことがあるが、五苓散証の頭痛は、これほど激しくはない。また、五苓散証では口渇を訴え水を呑みたがるが、呉茱萸湯証では、こんなことはまれである。」《大塚敬節》
「五苓散でも肩から頸にかけて凝ることがあるし、嘔吐を伴うことがある。また煩躁状態もあれば、心下部の膨満もある。ただ、五苓散証では足がひどく冷えるということは少なく、脈が沈になることはあても、遅になることは少ない」《大塚敬節》
「五苓散証の頭痛では、悪寒と熱を伴うことがある、呉茱萸湯証でも熱が出ることがある。私の経験で、風邪を引くたびに、激しい頭痛を訴え、呉茱萸湯を用いなければ治らない患者があったが、この場合にも脈は浮細となり体温が上昇するのを常とした。だから悪寒や熱の有無で、五苓散証と呉茱萸湯証とを区別することは難しい。」《大塚敬節》
☆35歳男性。10年前から頭痛、タンパク尿があり、一時尿のタンパクは消失したこともあるが、頭痛はまったく持続的で、しょっちゅう鎮痛剤を飲んでいる。最近、東大で診てもらったところ、入院を勧められたという。患者は中背の痩せた人である。脈沈細弦、腹部は上腹角狭く、筋肉非薄で、皮膚は乾燥している。また心下部振水音を著明に認める。
尿タンパク強陽性。血圧192-124。これは水毒による頭痛で半夏白朮天麻湯かと思ったが、腎炎に対する治療の意味で五苓散を与えたのであるが、7日後には頭痛はほとんど訴えなくなり、血圧は154-106となった。《山田光胤》
[60]生殖器の腫れ・疼痛
[61]せき:
☆(肺が湿に傷られて起こる咳)
☆水寒肺に射(あた)り、而して咳となる者を治す《医方考》       
☆咳嗽あれば:「+五味子桔梗」《古今方彙》
☆痰多い者:「+半夏陳皮」《古今方彙》
☆喘急には:「+馬兜鈴桑白皮」《古今方彙》
☆痰あり熱あれば:「+桑白皮人参前胡」《古今方彙》
☆喘咳、心煩して眠るを得ざる者:「+阿膠」
[62]積聚:
☆積聚、食黄を治す:「*大黄」《古今方彙》
☆気塊(仮性腫塊)には:「+三稜莪朮」《古今方彙》
[63]疝:
☆疝にて烏頭桂枝湯や当帰四逆湯を用いて一向に腰伸びず諸薬効なき者:「+茴香」妙に効あり。是れ即ち腸間の水気を能く逐うが故なり。《勿誤薬室方函口訣》
☆疝気を治す「+茴香・川楝子・葱白・灯心」水煎。《世医得効方》
☆肥人の腫疝寒熱に「+茴香」《瘍医大全》
☆疝気には:「+小茴香川楝子檳榔子生姜葱白」《古今方彙》
[64]舌苔<白苔~白滑~白膩>
[65]だるい:
☆五心熱し、労の如きは:「+桔梗柴胡」《古今方彙》
[66]脱腸
[67]脱毛症
[68]膣炎
[69]膣直腸瘻
[70]腸炎。腸カタル
[71]直腸膣漏
[72]つわり
[73]テンカン:
☆水を見て発作を起こす癲癇《腹証奇覧翼》
[74]転胞:
☆「生料阿膠」《雑病翼方》
[75]動悸 :
☆臍下悸。
☆気の上衝が強くなると起こる。
☆心気不足するには:「+人参麦門冬」《古今方彙》
☆臍部で動悸の亢進していることもある《大塚敬節》
☆口渇がひどくて、尿利の減少があって、心悸亢進があれば、五苓散の証。口渇が無ければ茯苓甘草湯の証です《大塚敬節》
[76]糖尿病:
☆糖尿病及び尿崩症等。《奥田謙蔵》
【EBM】糖尿病患者における起立性低血圧に対する効果
(Evidence)
1件のプラセボとのRCT(ランダム化比較試験)において五苓散には糖尿病による起立性低血圧を防止する作用があり、治療法として有用である可能性が示唆された。
[77]吐乳:
☆小児、吐乳止まず、尿不利なる等の証。《奥田謙蔵》
[78]禿頭=はげ
[79]夏まけ・夏バテ:
☆暑湿の病たる、発熱、頭疼、煩躁して渇す:「+人参」《雑病翼方》 
☆暑気裏を攻め、腹内刺痛し、小便通じない者:「生料五苓散木香」
☆暑を冒し、飲酒し、暑を引いて腸内に入り、酒熱と暑気と相い并び、発熱大渇し、小便不利し、その色血の如し:「生料五苓散-官桂+黄連」
[80]日射病
☆傷暑、身熱し、口乾煩渇し、心神恍惚、小便赤渋し、大便泄瀉する者を治す。《万病回春》
☆日射病、或いは熱射病等にして、発熱、尿閉、煩渇、脈浮なる証。《奥田謙蔵》
[81]乳幼児の感冒:
☆3歳の男児。朝から何となく元気が無いので、体温を測ったところ、37、8℃ある。感冒だろうと、葛根湯を飲ませた。30分ほどたつとゴロゴロと蒲団から転がって、じっとしていないようになった。煩躁である。そのうちにうつらうつらと眠った。正午過ぎに、葛根湯を又飲ませたところ、吐いてしまった。その内に、水を欲しがるようになり、水を呑むとすぐ吐き、吐くとまた水を欲しがり、飲むと又吐く。体温は38℃を越した。尿は朝から1回も出ないという。
そこで五苓散を与えたところ、口渇も嘔吐も1回で止み、40分ほどたつと、全身が汗ばみ、尿が多量に出て、下熱した。《大塚敬節》
[82]乳幼児下痢症
☆比較的初期で口渇がひどく、飲むと吐く、吐くと飲むという状態のものに用いる。食欲不振、尿利減少があるが、これを飲むと口渇が止み、嘔吐も止まり、尿の出も良くなって下痢も止まる。なるべく早期に飲ませるとよい。さらに裏急後重を伴う場合には、桂枝加芍薬湯とする(漢方診療医典)
[83]入浴中に倒れる:
☆《陳無択》曰く、入浴暈倒し、口眼斜し、手足に力が入らずダラッとしているを治す:「干姜・附子」《方読便覧》
[84]尿道直腸瘻
[85]尿毒症
[86]尿閉
[87]尿量減少:
☆発汗、吐下の後、渇飲止まず、大便に異常なく、尿利渋滞する証。《奥田謙蔵》
[88]妊娠中の排尿障害
[89]ネフローゼ:
☆2歳男児のネフローゼ。患者は半年前から全身に浮腫があり、腹水もある。尿は昼夜200?内外で、少し動いても呼吸が促迫する。しかし浮腫は按圧で陥んでもすぐ元に戻る。一般状態も良く、元気で、下痢せず、食欲もあった。口渇の有無ははっきりしなかった。以上の状態から実腫と診断して五苓散を与えた。ところがこれを呑んでも、尿量はあまり増加せず、浮腫も減じないので、小細工的なことで、あまり褒めたこととは思わないが、五苓散に桑白皮と麦門冬を加えてみた。しかしやはり大した変化が見られなかった。そこでまた五苓散に戻した。これで悪くはならないが、あまり良い方でもなかった。
3ヶ月ほどたったある夜、この患者は死ぬのではないか?と思われるほどの煩躁を伴う呼吸困難を訴えた。ところが、これを境にして少しずつ尿量が増加し、浮腫も減じた。6ヶ月目には、浮腫の大半がなくなり、時々軽い浮腫がみられる程度になった。尿中のタンパクも、日によって増減はあったが、徐々に減少して行った。患者は健康児と変わらないほど元気になり、安静を守らせることは難しくなった。そして、2カ年後にはタンパクも痕跡程度となり、約3年半、五苓散を飲み続け、完全に治癒して、小学校に入学できた。《大塚敬節》
☆八味丸を用いると、食欲が減じたり、嘔吐を訴える者に用いる機会がある《大塚敬節》
☆10歳の男児。
「むくみが全身にひどく、腹水が著明で、腹囲が90cmあり、下肢のむくみから漏液がしたたっっていた。呼吸困難と咳がひどく、泡のような薄いツバを吐き、錆色のタンがあり、尿量は減少して1日300~500ccしか出ない。
そこで、五苓散末を、1日量5g、3回に分服させたところ、少しずつ尿量が増加して、10日後には300ccを越え、2週間で全身の浮腫が全く消えた。
しかし、その後退院して半年で再発したという。」《矢数道明》
☆急性、慢性をとわず、また腎炎であろうと、ネフローゼであとうと、浮腫と尿利減少と口渇を目標にして用いる。また口渇のあまり著明でないものにももちいてよい。(漢方診療医典)
[90]寝小便
[91]脳水腫
[92]二日酔い
[93]排尿障害
[94]はげ
[95]鼻血:
☆鼻衂には:「+梔子烏梅」《古今方彙》
☆暑に伏し、鼻衂する:「+茅根」百霜末で調服。
☆代償月経としての鼻血:「+桃仁牡丹皮」《古今方彙》
[96]煩渇:
☆畜水は陽気中焦に鬱し、上下相せず、故に煩渇を発するなり《先哲医話》
☆飲んでも飲んでも止まらないのは、白虎加人参湯を考える。
[97]煩躁:
☆口渇と小便の不利があり、熱があって煩躁する者に用いる《大塚敬節》
☆発汗後の煩躁。「茯苓四逆湯」「白虎湯」との弁別が必要。
[98]鼻涙菅狭窄
☆本方も眼疾患によく用いられるが、体腔内に停水があり、のぼせ、嘔気、つばが出たり、頭痛を訴え、口が渇いて小便が少ないという場合で、涙の出るものに用いてよい。脈は浮である(漢方診療医典)
[99]表熱裏水
[100]フリクテン
[101]風湿:
☆春夏のころ、病傷寒の如く、その人、汗自ら出で、死体重痛し、轉側し難く、小便不利なり、これ風湿と名づく。傷寒に非ざるなり。陰雨の後、卑湿、或いは引飲過多、多く此の症有り、ただ五苓散を多服し、小便通利し、湿去れば則ち癒える。《雑病翼方》
[102]腹水
☆虚証の者に「+人参湯」or「+附子」が多い。《矢野》
【EBM】腹水を認める肝硬変(非代償性)に対する五苓散の効果
(Evidence)
1件の症例集積研究において、利尿剤により改善の得られない腹水を伴う非代償性肝硬変での五苓散に有効率は40%であった。
[103]腹壁軟弱
[104]浮腫:
☆腫満を治す「+附子・商陸」《勿誤薬室方函口訣》
☆口渇と尿利の減少のある浮腫《大塚敬節》
☆ネフローゼや腎炎の浮腫に用いる機会が多い。あまり口渇が激しくなくても、尿利の減少があって、脈がやや沈んで力のある者に用いる。脈が浮大弱の者、洪大の者、微弱の者、沈遅弱の者などには、用いても効力を期待できない《大塚敬節》
☆18歳女性。
「断食療法を受けた。すると、浮腫はますますひどく、ウエストは90cmに達した。 私の初診時は、全身に浮腫があり、腹水はことにひどく、脈は沈小で、尿量は1日200~300?で、ひとりで寝返りすることが困難である。口渇はひどくはないが、大便1日に1行。食欲はない。
 こんな状態であるから、五苓散を煎剤として与えるとともに、一切の食事を止めて、赤小豆だけを調味料無しで煮て2、3日続けて食べ るように指示した。すると翌日から急に尿量が増加し、700、900,1200という調子で、どんどん排尿量が多くなり、それにつれて浮腫も日を追うて減退し、食欲も増加した。3週間の服薬を終わった頃には、腹部に僅かに浮腫があるだけとなり、5週間目に往診したときは、浮腫は全くとれた。
 浮腫に赤小豆だけを食べさせる治療は、《林一烏》の発明であると伝えられているが、試みるべき価値がある。《大塚敬節》
[105]二日酔い
[106]船酔い:
☆船暈《方読便覧》
[107]ヘルニア
[108]片頭痛:
☆吐き気を伴う片頭痛。
☆呉茱萸湯の目標によく似ている。五苓散証でも、肩から頸にかけて凝ることがあるし、嘔吐を伴うこともある。また煩躁状態もあれば、心下部の膨満もある。ただ、五苓散証では足がひどく冷えるということは少なく、脈は沈になることはあっても遅になることは少ない。《大塚敬節》
[109]便秘:
☆大便通ぜざれば:「+大黄芒硝」《古今方彙》
[110]膀胱炎
[111]膀胱直腸瘻
[112]発作性の心悸亢進症:
☆(塊が下腹部から心下に突き上げる)
[113]メニエール病
[114]慢性胃腸炎:
☆嘔吐を主訴。口が渇き尿量減少し、吐くとまた渇き、飲むとすぐ吐く者。
[115]慢性腎炎
[116]慢性頭痛
☆実証の者に著効あり。《矢野》
[117]水疱瘡:
☆発疹部のかゆみが強くて、口が渇く時。また、夜むずがって眠らないとき。《山田光胤》
[118]めまい(眩暈)
☆血分不和より水気を醸し、その上胃中に湿熱を生じ頭眩、下利、種々の変症をなす者:「+大香連丸乾姜」= 巫神湯《原南陽》
*巫神湯(茯苓1、蒼朮0.5、猪苓0.5、沢瀉0.5、桂枝0.5、乾姜0.4、黄連0.3、 木香0.1)
☆眩暈にして、頭痛、嘔吐を発する等の者。《奥田謙蔵》
☆頭疼目眩するには:「川芎、羗活」《古今方彙》
[119]やけど
[120]夜尿症
[121]夜盲症
[122]よだれ:
☆寺師睦斎氏は、3歳の男児のひどいよだれをこれで治した。その患者は1日に50枚ものよだれかけを取り替えなければならなかったほどのよだれを流していたが、口渇と尿利の少ないのに眼を付けて、五苓散を与えたところ、10日の服薬で、1日20枚のよだれかけで間に合うように なり、1ヶ月で全治したという。《大塚敬節》
[123]溜飲
[124]涙嚢炎         
[125]幽門狭窄症
[126]淋:
☆熱極、淋を成し、服薬効かざる者:「五苓散-桂枝+木通・滑石・燈心草・瞿麦」各少許に宜し。《要訣》
[127]脈 <浮数>
☆熱のある場合は、脈が浮数になるが、熱の無いときは沈小のものがある。また舌に白苔がつくこともある。そのため小柴胡湯の証と誤ることがある。《大塚敬節》
○利尿作用・・・「茯苓」参照
五苓散中のおもな利尿薬は「桂枝」「沢瀉」「白朮」である。
(中薬大辞典)「桂枝」
①抗菌作用
②抗ウイルス作用
③利尿作用
桂枝を含む五苓散を麻酔したイヌに0.25g/kg静注したところ、尿量は明らかに増加したが、桂枝の単用による静注(0.029g/kg)の利尿作用は他の4薬の単用よりも顕著であった。したがって桂枝は五苓散における主要な利尿成分の1つ。
(中薬大辞典)「沢瀉」
修治の違いで利用効果が異なる。生の沢瀉、酒で炙った沢瀉、ふすまで炙った沢瀉にはいずれもかなりの利尿作用がある。が、塩沢瀉には利尿作用が無い。
ただし、五苓散では生沢瀉であれ、塩沢瀉であれ、いずれも利尿作用を示す。
(中薬大辞典)「白朮」
各種の動物、たとえばラット、ウサギ、イヌに対し明らかな持続性の利尿作用がある。
無麻酔のイヌに煎剤0.05~0.25g/kgを静注したところ、尿量は9倍以上に増加し、薬を用いて5時間後も依然として正常より高かった。
胃に薬を用いる前の2~6倍に増加し、また多数が薬を用いて6~7時間後にも正常より多かった。
白朮は水の排出を増加させるだけでなく、電解質とりわけナトリウムの排出を促し、ナトリウムの排出は水の排出より勝っている。
下垂体後葉のホルモンの抗利尿作用には影響を及ぼさない




五老還童丹《丹渓心法》
「茯神1両・赤石脂1両・川椒(炒る)1両・朱砂(細研水飛)1両・乳香と燈 心をそいだのを各1両。乳香と朱砂は細末にし、鶏卵(黄身を除く)の中 に入れ、堅紙で密封して青絹に入れる。それを健康な婦人の腹で暖めた後、 朱砂は35日、乳香は49日目に取り出して、それをもう一度くだいて作末する。それと他の3種の細末と合わせ蒸棗肉で、緑豆大の丸薬をつくる。毎日空腹時に、酒を温めて30丸呑み下す。人参湯で服用するとさらに良い。
◎精神安定に特効。

五老元


五労元《東醫寶鑑》
「常山3両半、桃仁1両2銭、辣桂7銭半、淡豆?3両半、烏梅肉2両半」日向で干して作末し、蜜で梧子大の丸剤。空腹時に温水で30~40丸飲む。
◎労瘧・瘴瘧を治す。


後七宝丸
「巴豆・鶏舌香各2.0、大黄3.2」
右三味、各別に細末にし、糊丸。
◎先ず「前七宝丸」を服すること、朝夕各1回0.4~0.8を以てし、之を持続すること3日間にして、第4日に至り、「後七宝丸」を服すること、亦前方の如くす。然れども此方、その作用峻烈にして、屡(シバシ)ば中毒症状を現すを以て、特に注意を要する。



抗蕁湯《中薬臨床応用》
「蛇退皮3g、蝉退6g、生地黄9g、牡丹皮9g、赤芍薬9g、荊芥穂(炭)6g、白朮9g、地膚子15g、紫根9g、蒼耳子9g」水煎服。
◎ジンマシン
◎風熱による皮膚疾患

抗毒湯《中薬臨床応用》
「貫衆9g、大青葉15g、板蘭根15g、紫根15g、山豆根9g、茵?蒿9g、桔梗6g、甘草6g」水煎し、毎日2~3回に分服。
◎インフルエンザ
◎日本脳炎
◎ウイルス性肺炎
◎流行性耳下腺炎

抗麻痺注射液《鄭州中薬製薬廟》《中薬臨床応用》
「淫羊藿、桑寄生」等分。
◎小児麻痺の急性期:毎日2回2mlずつ筋注 。
◎小児麻痺の後遺症:穴位注射、隔日1回4ml筋注。

口疳方《方読便覧》
「三黄瀉心湯承気湯薄荷」
◎小児の疳病で、口舌、咽喉に瘡を生じる者を治す。

甲字丸《黒焼の研究》

 


甲子湯《原南陽》《勿誤薬室方函口訣》
「桂枝茯苓丸甘草」
◎婦人外因に属せざる者悉く之を主る。凡そ婦人経閉、腰背牽引し、脚疾、腹痛、帯下、寒熱、皆血に属す。
◎びに、中風偏枯、歴節、?、鼓腸、男女を問わず之を用いる。
◎腸癰:「薏苡仁・大黄」
◎塊を為す者:「鼈甲」
◎麻木冷痛する者:「附子」《雑病翼方》



甲字湯《漢方治療の実際》
「桂枝・茯苓・桃仁・牡丹皮・芍薬各4、甘草1.5、生姜3」


甲字湯《原南陽》《龍野ー漢方処方集》
「茯苓4.0g、桂枝・牡丹皮・桃仁各3.0g、甘草1.5g、干姜1.0g」
「桂枝茯苓丸甘草・生姜」
◎瘀血を理む。
◎此方は桂枝茯苓丸の症にして激する者に宜し。《勿誤薬室方函口訣》
◎塊癖動かざる者:「鼈甲」《勿誤薬室方函口訣》
◎痔を消し、膿を排し、湿を除く:「大黄・薏苡仁」《方読便覧》

【加減】
1.便秘又は熱ある者・・・大黄2.0g




紅花散《銀海精微》《中薬臨床応用》
「紅花・大黄各5g、連翹・紫根各6g、当帰・赤芍・生地黄各9g、甘草3g」水煎服。
◎眼の充血
◎急性結膜炎
◎麦粒腫

 


紅花散《勿誤薬室方函口訣》
「連堯湯《本朝経験》木通甘草沈香・丁香・金銀花・欝金・木香・檳榔・大黄」
◎胎毒、血毒、寒熱往来、腹痛、胸膈痞塞。疳虫を治す。


紅花散《保命集》
「紅花、荷葉、牡丹皮、当帰、蒲黄」


紅花子湯《東醫寶鑑》
「紅花子1合」水煎服。
◎痘渇と出痘の症を治す。


花四物湯《朱氏》
「四物湯紅花」
◎婦人臂痛、又癱瘓(ナンタン、運動麻痺)を治す《方読便覧》


紅花当帰散《東醫寶鑑》
「赤芍薬2両、劉寄奴1両2銭半、紫蔵・当帰尾・牛膝・蘇木・甘草各5銭、白芷・紅花・桂心各3銭半」作末し2銭づつ酒で調服する。           紅花は酒で飲むのが最も良い。
◎処女の月経不順。
◎瘀血が積もって腰腹が痛む者を治す。


紅花当帰散《寿世保元》《古今方彙》
「当帰8分、川芎・赤芍薬・熟地黄・黄芩・香附子各6分、枳殻・延胡索各5分、小茴香(酒)・厚朴・柴胡・陳皮・三稜(醋)・莪朮(醋)・牛膝各4分、紅花3分、甘草2分、生姜」煎じ、兼ねて「八物湯」を服す。
◎婦人31、32歳にして年々生み育て、敗血過多、以て経水均しからざるを致し、時ならずして腹中疼痛し、塊を結び飲食少しく進み、困倦目眩、潮熱往来し、五心煩躁するを治す。これ血虚胃熱なり。宜しく此方を服すべし。兼ねて「八物湯」を用いる。


紅花桃仁湯《蘭室秘蔵》《古今方彙》
「黄柏・生地黄各1銭半、沢瀉・蒼朮・当帰尾・防已・防風・猪苓各1銭、麻黄・紅花・桃仁各5分」水煎。
◎痔瘻、経年飽食に因り筋脈横解、腸澼(飲食の消化せざる病)痔となるを治す。
◎治法は当に北方(腎の水)を補い、中央(脾の湿)を瀉すべし。




紅升丹《証治概要》
「朱砂、雄黄、水銀、火硝、白、皀」

紅雪通中散《東醫寶鑑》
「朴硝8両、蘇木6銭、黄芩・升麻・羚羊角各3銭、赤芍・人参・檳榔・枳穀・竹葉・木香・甘草各2銭、山梔子・葛根・木通・桑白皮・藍葉・大青葉各1銭半、朱砂1銭、麝香5分、朱砂・朴硝・麝香を除いた諸薬を、細かく刻んで水2升5合で9合まで煎じて滓を去り、沸かした後、朴硝を入れて柳の木枝でかきまぜ、固まったら朱砂・麝香末を磁器内に入れて一晩おき、毎回1~2銭水で服用。
◎積熱を治し、毒熱を除き、三焦を開き、五臓を良くし、口瘡・重舌・喉閉・腸癰を治す。


紅丹子《東醫寶鑑》
「三稜・莪朮・陳皮・青皮各5両、胡椒・乾姜各1両」作末し、醋で煮た麺糊で梧子大の丸剤。礬紅で衣をつけて姜湯で50~70丸飲む。
◎食積・酒積・脾積・血気の?塊を治す。


紅綿散《東醫寶鑑》
「明礬・海螵蛸各1銭、乾臙脂5分、麝香1字を切って、先に脂綿で耳の膿汁をふいて、かんじよりで薬末をつけて耳の中に塗る。」 
◎膿耳を治す。膿汁を取り除く。

紅藍解毒湯《本朝経験》


香烏散《中薬臨床応用》
「香附子・烏薬」等分を作末し、毎回3~6g服用。
◎腹痛に。
◎食欲不振には:「生姜・大棗」の煎じ湯で服用。
◎寄生虫:檳榔子の煎じ湯で服用。
◎下腹部痛・疝痛:小茴香湯で服用。
◎感冒頭痛:茶で服用。


香櫞湯《中薬臨床応用》
「枸櫞皮(陳)6g、陳皮6g、草豆蔲3g、香附子9g、厚朴6g、党参9g、茯苓9g、神麹9g」水煎服。
◎肝気欝結による消化不良
◎胸脇部が脹って苦しい
◎上腹部が痛い


香葛湯《辻本》
「香蘇散桔梗・葛根」
◎暑熱感冒を治す。
◎感冒桂麻の用い難き者、斟酌して与えるべし。《勿誤薬室方函口訣》


香葛湯《東醫寶鑑》
「蒼朮・紫蘇葉・白芍・香附子・升麻・乾葛・陳皮各1銭、川芎・白芷・甘草各5分、を剉作1貼して、生姜3・葱白2茎・豉7粒を入れ水煎服。」
◎傷寒に陰陽が伴い、頭痛・寒熱する症。


香葛湯《済世全書》《古今方彙》
「香附子・紫蘇葉・陳皮・青皮・葛根・甘草・生姜・大棗・葱白」水煎。
◎小児傷寒にて食をい挟み、驚を挟み、及び四時瘟疫瘧疾を治す。

香橘飲《東醫寶鑑》
「半夏(製)2両、陳皮・白茯苓・白朮各1銭、木香・縮砂(研)・甘草(炙)各5分、姜5片」水煎服。
◎気虚のめまいを治す。

香橘湯《東醫寶鑑》
「香附米(炒)・半夏(製)・橘皮赫1銭半、甘草(炙)5分、薑5片、棗2枚」煎服。
◎七情に傷つき中脘・腹脇に充満した時使う。

香芎散《中蔵経》
「石膏、川芎、甘草、香附子」
「香芎湯-桂枝薄荷」
◎一切の頭風を治す。《勿誤薬室方函口訣》


香芎湯《儒門事親》《龍野ー漢方処方集》
「石膏10.0g、桂枝・川?各3.0g、香附子6.0g、薄荷葉・甘草各2.0g」
◎偏正頭痛を治す。
◎此方は《中蔵経の》香芎散の本づきたれども、《張子和》の工夫一着高くして偏頭痛には奇効あり。《勿誤薬室方函口訣》
◎此の症にして肩背強急して痛む者は、釣藤散《普済本事方》を佳とす。《勿誤薬室方函口訣》
◎発熱頭痛、熱性頭痛、偏頭痛。


香薑散《東醫寶鑑》
「生姜4両を切り、黄連2両と一緒に一晩つけて弱火で炒り、姜が紫色になったら姜を捨て、黄連を作末し、毎回2銭、茶清で服用。」
◎晨泄を治す。

香膠散《東醫寶鑑》
「魚膠(焼存性)に麝香を少し入れ、細末にして毎回2銭を、熱酒又は米飲で服用。
◎破傷風で口を閉じ、体が硬直する者。

香殻丸[1](一名加味連穀丸)《東醫寶鑑》
「黄連1両、枳穀・厚朴各5銭、当帰4銭、荊芥穂・木香・黄柏各3銭、猬皮1個を焼いて灰にしたもの」を作末し、麺糊で梧子大の丸剤。温水で50~70丸を1日2回服用。
◎飽食による腸僻と諸痔瘻を治す

香殻丸[2]《東醫寶鑑》
「青皮・陳皮各2両、枳穀1両、香附子7銭半、蘿葡子・木香・三稜・莪朮・神麹・麦芽・檳榔・枳実・山楂子・草果各5銭、半夏(製)1両2銭半、陳倉米1升、巴豆20個を黄色くなるまで炒って巴豆は捨てる。以上を作末し醋糊で梧子大の丸剤。 白湯で70~80丸服用。
◎消食・化気・酔脾・去痰に。


香砂枳朮丸《張潔古》
「木香・縮砂仁・枳実(麩で炒る)各40g、白朮120g(土で蒸す)」

香砂枳朮丸《摂生秘部》【中成薬】
「白朮・木香・縮砂」毎日2回、6~9g服用。
◎慢性の消化不良。

香砂二陳湯《朱丹渓》《古今方彙》
「陳皮、香附子、茯苓、半夏、砂仁、神麹、甘草、生姜」水煎。
◎涎が心膈の上にあり、腰背に攻め走り、嘔して大いに痛むを治す。
◎食に傷るるの主方なり。

香砂平胃散[1-1]《東醫寶鑑》
「蒼朮2銭、陳皮・香附子各1銭、枳実・?香各8分、厚朴・縮砂各7分、木香・甘草各5分、生姜3片」
◎食あたりに。
◎腹痛激しく、下痢すると痛みが減る:「枳実白朮・白茯苓」


香砂平胃散[1-2]《寿世保元》《古今方彙》
「平胃散枳殻白朮茯苓」
◎食積(体質的に或いは疾病のために消化機能の衰弱している時に摂食の不適正から腹内に硬結を生じる)瀉、腹痛甚だしく而して瀉し、瀉したる後に痛みは減じ、脈弦の者を治す。



香砂平胃散[1-3]《東醫寶鑑》
「蒼朮・厚朴・陳皮・便香附各1銭、山?肉・縮砂・枳殻・麦芽・神麹・乾姜・木香各5分、甘草(炙)3分、姜3片、蘿葡子(炒研)一握り」煎服。
◎食欝を治す。


香砂平胃散[1-4]《万病回春》《古今方彙》
「平胃散黄連山梔子呉茱萸枳実木香」
◎呑酸、吐酸を治す。

香砂平胃散[1-5]《万病回春》《古今方彙》
「平胃散黄連山梔子川?白芍薬辰砂枳実?香」
◎食欝而して嘈する者を治す。

香砂平胃散[1-6]《万病回春》《古今方彙》
「香附子・砂仁・厚朴・蒼朮・陳皮・枳殻・山楂子・神麹各1銭、乾姜・甘草・木香(別研)各3分、生姜」水煎。
◎腹痛し而して瀉するを治す。
◎瀉したる後に痛みが減じる者は是れ食積なり。

香砂平胃散[1-7]《万病回春》《古今方彙》
「平胃散青皮木香山楂子麦芽乾姜檳榔子藿香蒼朮」
◎食積にて脇痛するを治す。
◎発熱には:「柴胡半夏」

香砂平胃散[1-8]《万病回春》《古今方彙》
「香附子・陳皮・蒼朮各1銭、枳実・藿香各8分、砂仁・木香・甘草各5分、生姜」水煎。
◎食に傷るるを治す。
◎食に傷つき嘔吐するを治す。
◎凡て飲食自ら倍する者は脾胃両つながら傷るるなり。
◎肉食化せざるには:「山楂子草果」
◎米粉、麵食化せざるには:「神麹麦芽」
◎生冷瓜果化せざるには:「乾姜青皮」
◎飲食にて傷れし者は:「黄連乾葛烏梅」
◎吐瀉止まざるには:「茯苓白朮半夏烏梅枳実」




香砂平胃散[1-9]《万病回春》《龍野ー漢方処方集》
「香附子・陳皮・白朮各3.0g、枳実・藿香各2.5g、縮砂・木香・甘草各1.5g、干姜1.0g」
◎飲食進み平常の倍も食べる者。
◎消化せずに胃腸に滞っている者。
★適応症及び病名
胃酸過多症
食傷




香砂養胃湯[1-1]《増補万病回春》
「香附子、砂仁、蒼朮、厚朴、陳皮、茯苓、人参、木香、白朮、白豆蔲仁、甘草(炙)」

香砂養胃湯[1-2]《万病回春》《古今方彙》
「人参・木香各5分、白朮1銭、陳皮・茯苓・厚朴・蒼朮・砂仁・香附子各8分、白豆?7分、甘草(炙)8分、生姜、大棗」水煎。
◎脾胃不和にて飲食を思わず、口味を知らず、痞悶して舒びざるを治す。
◎脾胃の寒には:「乾姜肉桂」
◎肉食化せざるには:「山?子草果」
◎米粉、食化せざるには:「神麹麦芽」
◎生冷、瓜果化せざるには:「檳榔子乾姜」
◎胸腹飽悶には:「枳殻蘿葡子大腹皮」
◎食に傷れ胃口病むには:「木香枳実益智」
◎食に傷れ泄瀉する:「乾姜烏梅白朮」
◎吐痰には:「烏梅」


香砂養胃湯《東醫寶鑑》
「白朮・陳皮・半夏・白茯苓各1銭、香附子・縮砂・木香・枳実・藿香・厚朴・白豆蔲各7分、甘草3分、生姜3、大棗2」水煎服。
◎陰伏陽蓄の痞満を治す。 


香砂養胃湯【中成薬】《中薬臨床応用》
「縮砂3g、党参12g、白朮12g、蒼朮9g、厚朴6g、陳皮3g、香附子6g、草豆蔲3g、茯苓9g、生姜9g、甘草3g、大棗8g」水煎服。
◎脾胃虚寒による妊娠中の嘔吐。
◎切迫流産




香砂養胃湯[1-3]《万病回春》《漢方後世要方解説》
「白朮・茯苓各3、蒼朮・厚朴・陳皮・香附子・白豆蔲・人参各2、木香・縮砂・甘草・大棗・生姜各1.5」
◎脾胃和せず飲食を思わず、口味を知らず痞悶して舒びざるを治す。
◎此れ「四君子湯香砂平胃散白豆蔲・木香」
平胃散は脾胃の湿痰を除き、食滞を消す。四君子湯は脾胃を補い食を進む。乃脾虚冷して食せず、胸冷え胃中寒痰あるものを治す。
◎此方は中焦胃の気を助け、胃中に停滞する気を順らし、胃口を温め開く剤である。脈も力なく、心下軟弱の中に少し塞る気味あって暗然と膨満し、飲食進まず、或いは吐利し易き者によい。
又、諸熱病後の食欲不振、急性胃腸炎後の疲労、食欲不振、胃腸虚弱者の養生薬として用いられる。
◎小児の発育不良、飲食進まざる者に体質改善薬として長服せしめるものによい。
「人参・白朮・茯苓」=胃の不足を補い
「蒼朮・厚朴・陳皮」=胃の有余を平かにし、
「香附子・木香・縮砂」=胃の気を開く
「白豆蔲」=胃の気を増し、嘔を止む。


香砂養胃湯[1-4]《万病回春》《龍野ー漢方処方集》
「人参・木香各1.5g、白朮3.0g、陳皮・茯苓・厚朴・蒼朮・縮砂・香附子・甘草各2.5g、白豆蔲・大棗各2.0g、干姜1.0g」
◎胃腸障碍、食欲不振、味が分からず、胃部がつかえ苦しくて胸がすかない者。

★適応症及び病名(香砂養胃湯)
[1]胃アトニー
[2]胃炎
[3]胃潰瘍:
☆潰瘍後の食不通《矢数道明》
[4]胃拡張
[5]胃下垂 
[6]陰痿:
☆胃腸虚弱者のインポテンス《矢数道明》
[7]食欲不振:
☆病後の食不振《矢数道明》
☆熱状去り、或いは大勢決して後、食欲が進まず、何となく元気がない者《矢数道明》
[8]肺結核:
☆結核などで、大熱なく、非活動性の者《矢数道明》
[9]慢性胃炎:
☆胃腸虚弱者の養生薬
☆胸が冷えて痞え、食欲進まず、風邪を引きやすく、夏やせし、下痢しやすい者《矢数道明》
[10]慢性腸炎:
☆心下空虚で、温かい手で触ってもらいたがり、下痢し易く、又腹痛泄瀉する者《矢数道明》



香砂六君子湯[1-1]《内科摘要》《古今方彙》
「六君子湯香附子、藿香、砂仁」
◎脾胃虚弱にて飲食少しく思い、或いは久しく瘧痢を患いて若し内熱を覚え、飲食化し難く、胸膈痞悶、心腹脹痛、嗁気呑酸等の症あるを治す。
◎脾胃虚弱、而して宿食、痰気を兼ね、飲食進まず、嘔吐悪心、或いは泄痢の後脾胃調わず、或いは風寒病の後に余熱退かず、咳嗽止まず、気力弱き者を治す。


香砂六君子湯[1-2]《東醫寶鑑》
「香附子・縮砂(研)・厚朴・陳皮・人参・白朮・白芍(炒)・蒼朮(炒)・山薬(炒)各1銭、炙甘草5分、生姜3片、烏梅1」水煎服。
◎脾泄を治す。

香砂六君子湯[1-3]《名医方論》《中薬臨床応用》
⇒「健脾和胃湯」
「木香3g(後下)、縮砂5g、製半夏9g、党参9g、白朮9g、茯苓9g、甘草3g」水煎服。
◎慢性消化不良
◎病後で消化吸収力が低下
◎食欲不振、腹が苦しい


香砂六君子湯[1-4] 《漢方治療の実際》
「人参・朮・茯苓・半夏各3、陳皮・香附子各2、大棗・生姜各1.5、甘草・縮砂・藿香各1」



香砂六君子湯[1-5]《内科摘要》《龍野ー漢方処方集》
「半夏6.0g、陳皮・人参・白朮・茯苓・香附子各3.0g、?香・縮砂・大棗・生姜各2.0g、甘草1.5g」
◎胃腸が虚弱で宿食痰気を兼ねて食欲不振、嘔吐、悪心、或いは下痢後胃腸の具合が悪く、或いは熱病後微熱が取れず咳が止まらず気力が弱い者。
◎老人虚弱者などが食後になると至って眠くなり頭も重く手足がだるく気が塞がる者。
◎腹満、噫気、呑酸。
◎此方は後世にては尊奉する剤なれども、“香砂”の能は開胃の手段なりて別に奇効なし。但し、「平胃散」に加えるときは消食の力を速やかにする。「六君子湯」に加えるときは開胃の力を増すと心得べし。《勿誤薬室方函口訣》
◎老人、虚人、食後眠くなり、頭重、手足倦怠、気塞がる者、此方に宜し。至って重き者半夏白朮天麻湯に宜し。
◎この方は六君子湯の証に似て、みずおちのつかえひどく、気鬱の症状の有る者に用いる《大塚敬節》

★適応症及び病名(香砂六君子湯)
[1]胃アトニー:
☆胃内停水があり、食欲無く、食後胃もたれ、或いは嘔吐する者《矢数道明》
[2]胃潰瘍:
☆吐血止んで後徐々に与える《矢数道明》
[3胃ガン:
☆末期に至らない中に、この方で苦痛の一時軽快する場合がある《矢数道明》
[4]胃酸過多症
[5]下痢(慢性の下痢・消化不良、脾泄)
[6]減酸症
[7]食欲不振:
☆病後食欲不振の者《矢数道明》
☆諸病熱去り、病勢収まってから使う《矢数道明》
[8]中風:
☆虚弱者、老人、養生薬として《矢数道明》
[9]肥満:
☆虚胖:「麦芽倍加」
[10]慢性胃腸炎:
☆常に胃腸弱く、下痢を起こしやすく、冷え症にて、食欲の進まない者《矢数道明》
[11]慢性腹膜炎:
☆腹水、無熱の者に奏効することあり《矢数道明》
[12]癰疽:
☆癰疽の後、回復期に用いる《矢数道明》


香砂理中湯《医燈》
「木香 縮砂仁 乾姜 白朮 人参 甘草」
「理中湯木香・砂仁」
◎脾虚気滞、あるいは外寒を受け、泄瀉腹痛し、温を喜ぶ、あるいは嘔吐、胸膈満悶、腹腸雷鳴などの証を治す。



香砂和中湯《寿世保元》《古今方彙》
「藿香・砂仁各1銭2分、白朮・蒼朮各1銭半、厚朴・陳皮・半夏・茯苓・枳実・青皮・神麹・山楂子各1銭、甘草3分、生姜」水煎。
◎病人初起、心腹腸満が食傷に因りて脾胃湿痰、気鬱食積し而して脹を作すなり、此湯に宜し。



香児散《東醫寶鑑》
「麝香5分、葱白1根の汁、孩児茶3銭半、琥珀2分半」を作末し、百沸湯に葱汁を入れたもので、空腹時に服用。
◎血淋・沙淋・膏淋を治す。

香茸丸《東醫寶鑑》
「乳香3銭、鹿茸(燎去し酥灸黄)5銭、肉豆?1両、麝香2銭」を細末にし、陳米飯で梧子大の丸剤。50丸を米飲で服用。
◎酒泄を治す。
◎飲食と酒で身体を壊し骨だけ残り、食べられず、酒だけ飲んで長年治らない者。

 

香薷飲[1-1]《和剤局方》
「香薷5g、厚朴6g、白扁豆(炒)18g」水煎服。
◎夏期に、寒冷の環境に居住or生冷物を食べて、悪寒・発熱・無汗・腹痛・嘔吐・下痢などの胃腸型感冒。
◎腹痛・下痢・頭痛・発熱・悪寒・無汗:「香薷散異功散・白芍薬・車前子・陳米100粒、烏薬1、燈心1」
 (夏に水様にひどい下痢・脈弱)



香薷飲[1-2]《東醫寶鑑》
「香薷3銭、厚朴・白扁豆各1銭半」酒を少し入れ、水煎し冷服。
◎一切の暑病・霍乱・吐瀉・昏塞して気が切れようとする症。
◎中暑に霍乱・吐瀉して腹痛、四肢が冷えるとき。

香薷飲《和剤局方》《古今方彙》
「香薷2両、厚朴・白扁豆(炒)・茯苓各1両、生姜、黄連(炒)を加えて「黄連香薷飲」と名づく。水煎し熱し涼水を以て沈め冷服す。
◎暑に伏し、飲を引き、口燥、咽乾、或いは吐し、或いは瀉しもしくは卒中昏冒倒仆、角弓反張、人事を省わかにせず、手足は搦を発するを治す。これ暑風となし風となすべからず、これを治するには当に此方に?活を加えこれを治すべし。
◎搦あれば:「?活」
    ◎瀉痢には:「白朮茯苓」
    ◎脈虚弱には:「人参五味子麦門冬」
    ◎虚汗止まざるには:「黄蓍白朮」
    ◎心煩には:「山梔子黄連(姜炒)辰砂末」
    ◎胸脹には:「枳殻桔梗」
    ◎痰を挟む:「天南星半夏」
    ◎虚すれば:「人参黄蓍」
    ◎小便不利には:「赤茯苓滑石」
    ◎嘔吐すれば:「?香珍ぽい生姜汁」
    ◎渇すれば:「葛根括楼根」

 香?解毒湯《寿世保元》《古今方彙》
      「香?・厚朴・白扁豆・山梔子・黄連・黄柏・黄?各2銭」水煎。
    ◎夏月、暑に中り危篤而して大便下血する者を治す。

 香?朮丸《僧深集方》
      「香?、白朮」

香?湯《医方考》《東醫寶鑑》
      「香?3銭、白扁豆・厚朴・赤茯苓各1銭半、甘草5分」水煎服。
◎暑病と吐瀉を治す。

香?湯《医方考》《古今方彙》
      「香?、白扁豆、厚朴、茯苓、甘草」
    ◎瘧発する時に独り熱して寒無き者を?瘧という。当に之を責むべし。暑には此     方之を主どる。


香椒散《東醫寶鑑》
      「香附子・川椒・破故紙各2銭、?撥1銭」作末し、炒塩2銭を入れて牙上       にすりつける。
◎冷症の歯痛を治す。

 香参丸《種福堂公選良方》
      「苦参、木香」

 香蘇散[1-1]《和剤局方》《中薬臨床応用》
       「香附子6g、紫蘇葉6g、陳皮3g、甘草3g、生姜9g、大棗5g」水煎服。
    ◎老人、小児の感冒の軽症。

香蘇散[1-2]《東醫寶鑑》
      「香附子・紫蘇葉各2銭、蒼朮1銭半、陳皮1銭、炙甘草5分を?作1貼し       て、生姜3・葱白2茎を入れ、水煎服。」
◎四時(季節)の傷寒で頭痛・身疼・発熱・悪寒。及び時汗温疫を治す。

 香蘇散[1-3]《東醫寶鑑》
      「香附子3銭、紫蘇葉2銭半、陳皮1銭半、蒼朮・甘草各1銭」?作1貼し      「姜3、葱白2」入れ水煎服。
    ◎四時の瘟疫。

 香蘇散[1-4]《万病回春》《古今方彙》
      「紫蘇葉2銭、香附子3銭、陳皮3銭、甘草5分、生姜、葱白」水煎。
    ◎四時傷寒、瘟疫にて頭疼、寒熱往来及び内外両感の症を治す。
    ◎春月病を得れば此方に宜し。
    ◎頭痛には:「川?白?細辛」《寿世保元》
    ◎汗を発するには:「麻黄蒼朮」
    ◎咳嗽には:「杏仁桑白皮」
    ◎痘疹未だ成ならざるには:「升麻葛根」
    ◎痢疾には:「枳殻黄連」
    ◎瘧疾には:「檳榔子草果」
    ◎泄瀉には:「白朮茯苓」
    ◎悪寒潮熱には:「桂枝麻黄」
    ◎身疼には:「?活烏薬」
    ◎胸膈拘攣するには:「木香檳榔子?活木瓜」=「檳榔散」
    ◎口渇には:「乾葛」
    ◎食を挟むには:「山?子神麹」

香蘇散[1-5]《和剤局方》《漢方後世要方解説》
      「香附子3.5、紫蘇葉1.5、陳皮3、甘草1、生姜1」
       大人1日量、食前1時間、3回に分けて温服。
    ◎本方は局方には生姜がない。
◎禁忌・・・本方は皆発散耗気の剤であるから、全身衰弱の候現れ、気血ともに虚したもの、あるいは既に発汗あるものなどには禁しむべき。
    [主治]
     《寿世保元》
       “四時の傷寒瘟疫頭疼、寒熱往来及び内外両感の症を治す。春月病を得て、        宜しく此方を用いるべし”
        瘟疫(ウンエキ)=素問陰陽大論に冬時厳寒の毒肌膚に蔵れ。春に至って変じ              て瘟病となるをいう。一種の流行病である。
     《医方集解》
       “四時の感冒、頭痛発熱、或いは内傷を兼ね、胸膈満悶し、噫気して食を        悪むを治す”
《和剤局方》
“四時ノ瘟疫傷寒ヲ治ス”
    [目標]
《勿誤薬室方函口訣》
“此方は気剤の中でも揮発の効があり、故に男女共気滞して胸中心下痞塞し、黙々として飲食を欲せず、動作にもの憂く脇下苦満する故、大小柴胡湯など用いても、反って激する者、或いは鳩尾がきびしく痛み、昼夜悶乱して建中・瀉心類を用いても寸効無い者に与えて、意外の効を奏す。昔西京に一婦人がいて、心腹痛を訴え諸医手を尽くしても癒すことが出来ず、一老医此方を用い。3貼で消え去った。”
“其の昔征韓の役、清正の医師が此方で兵卒を治療したのも、気鬱を揮発させんが為です。局方記載の主治に限らず用いることが出来ます。”
“蘇葉はよく食積を解します。故に食毒魚毒より起きる腹痛、又は喘息に紫蘇を多量に用いれば即効があります”
     《医療手引草》
       “此薬感冒の軽症に用いる。局方には此方は白髪老人、一人の富裕家に教        えて疫癘(エキレイ、はやり病)を治したこと始まるとあるので、時疫の薬だ        が、今では此薬を好んで時疫に用いることはない。しかし香りが良い薬        なので、春時瘟疫の軽症に用いる。”
       “気滞して胸膈落ち着かず、或いは頭痛する者を主治する。又能く食毒を        解す。食傷と食毒は少し異なる。食傷は医者も病家も皆が常に知ってい        る。食毒は食物によって忽然と悶乱し、胃が激痛するもので此方が主        る。友松子は、「夾食夾気ノ感冒、常ニ之ヲ用イテ甚ダ効アリ」と言っ        ている”
     《餐英舘療治雑話》
       “此方気滞の感冒に非ざれば效なし、用ゆべからず。気滞を弁ずるあらま        しを云はば、劉立子曰く、手を下して脈沈即気滞を知る。沈極まれば即        ち伏とす。凡そ病人さまで形気虚候も見えず、起居動作もさのみ衰へず、        唯気重なる病人、脈沈伏せざるも至って細小なる者、是気滞なり。気滞        を弁ずるの脈、此より善なるはなし。証を以て弁ぜんとならば、心下痞        し、肩張り、或いは痰気あり、或いは平生呑酸雑あり、或いは朝起れ        ば温々として嘔吐あり。或いは何となく気をふさぐの類は皆気滞なり。        平常斯様の証ある人感冒せば、此方效あらずと云うことなし。又感冒せ        ずとも耳鳴、頭鬱冒し、頭痛、眩暈等の証ある者、此方を用ふる標的也。        以上の証婦人に甚だ多し。又婦人手足麻痺、身体疼痛する者気滞なり。        此方に宜し。若し肝鬱を兼ね脇下攣急あり、或いは少しく寒熱あり、或        いは寒せず唯熱する等の証あらば、小柴胡湯を合わせて甚だ妙なり。又        牛山活套に曰く、婦女或いは勤労の士気鬱に因りて下血する証あり、当        帰を加えて效神の如し、と。血薬を服して験無き証など此方に眼を着く        べし。凡そ血と見えて気あり、気と見えて血あり、虚と見えて実あり、        実と見えて虚あり。明弁すべし”
[薬能]
     《方意弁義》
“此方は香附子、紫蘇大に入る故に香蘇散を名ずく。紫蘇を君とし、香附        子を臣とし、陳皮を佐とし、甘草を使とす。紫蘇は味辛く温にして皮膚        へ通ず。肺は皮毛に至りて風寒表に中れば肺気裏に鬱す。故に紫蘇は以        て表を発散し。香附子は辛く苦して裏に通ず。表を発して邪裏に残るこ        とあり、故に辛を以て表へ発散し温を以て行らし、苦を以てあとに止ま        りて、紫蘇とつれて裏に残る所を引きて大小腸へ下る。陳皮は佐となり        て正気を佐け、流通して表へ発するは発し、裏へ逐うは逐うなり。甘草        は上の3味を以て発散すれば、陽気虚するに依って、風邪の又中り易し、        故に甘草の甘温はを以て気を助く。土生金の故に肺位を得て表気実する        故に皮膚堅固になるより甘草を入るなり。甘は潤ひを生じて物を散さぬ        故なり。婦人などの気鬱の症に宜し。酒などの過ぎて頭痛し、或いは鱠        魚(エソ)の類多く食して悪しきに宜し。如何となれば本草に紫蘇は魚の類        に宜しと云へり”
《医方口訣集》
       “紫蘇辛芬気味質倶に軽し、能く汗を発して表邪を解す、夫れ邪気侵すと        きは正気渋滞す。香附、陳皮(辛苦温、中を調へ、膈を快くし、滞を導        き、痰を消し、気を理し、湿を燥す。芳香性健胃利尿剤なり。今気滞を        順らすを目的とす)の辛温能く気を利し、滞を散ず。正気順利するとき        は即ち邪自ら去る。甘草の甘平中を和して正を輔(たす)くるのみ”
[応用]
1.感冐:
気滞を兼ねた軽症の感冐で、脈沈あるいは細小、桂枝湯、葛根湯などよりも軽症なものに用う。特に春先流行の感冐によい。
先師森道伯翁は大正6年の流行性感冐の胃腸型に本方加茯苓・半夏各5.0、白朮3.0を用いて效を挙げた。

 香蘇散[1-6]《漢方治療の実際》
      「香附子4、蘇葉・陳皮各2、生姜3、甘草1.5」
       原方には葱を用いることになっているが、これを入れないで良い。

香蘇散[1-7]《和剤局方》
「香附子3銭、紫蘇葉2銭、橘皮3銭、甘草5分」水煎服。
    ◎四時の温疫傷寒、頭疼・往来寒熱する者。
    ◎此方は気剤の中にても揮発の功あり。《勿誤薬室方函口訣》
      「烏薬・乾姜」=「正気天香湯」《丹渓纂要》
    ◎男女とも気滞して、胸中心下痞塞し、黙々として飲食を欲せず、動作に物憂く、     脇下苦満する故、大小柴胡湯などを用いても反って激する者。
    ◎感冒その他の熱病で頭痛、発熱、悪寒する者。《龍野ー漢方処方集》


        

★適応症及び病名(香蘇散)
[1]アレルギー性鼻炎
[2]胃炎
[3]胃腸虚弱
[4]胃腸神経症
[5]胃腸型感冒
[6]うるしかぶれ:
☆漆瘡を治す:「紫蘇葉倍量」《方読便覧》
[7]悪心
[8]咳嗽:「杏仁・桑白皮各3.0g」《龍野ー漢方処方集》
[9]角膜炎:
☆結膜炎・角膜炎などに本方のよいことがある《矢数道明》
[10]かぜ
☆桂枝湯・葛根湯が胸につかえるかぜに。《矢数道明》
☆傷風:「沈香」《方読便覧》
☆気滞を兼ねた軽症の感冒で、脈沈or細小、桂枝湯、葛根湯等よりも軽症な者に用いる。特に春先の感冒によい。先師《森道伯》翁は大正6年の流行性感冒の胃腸型に「香蘇散茯苓半夏各5.0、白朮3.0」を用いて效を挙げた。《矢数道明》
[11]肩こり:
  ①気鬱。
   ②頭痛・頭重。
   ③胸中痞、心下痞塞、
   ④腹痛
  ⑤吐き気。
☆気鬱からくる肩凝りに用いる《木村長久》
[12]脚気:
☆「川芎・木瓜・羗活・芍薬」《矢数道明》
[13]感情不安定
[14]気鬱 <ウツ傾向>
☆昔西京に一婦人あり、心腹痛を患う。諸医手を尽くして癒えること能わず。一老医此方を用いて3貼にて霍然たり。気鬱を揮発せしが故なり。但し《和剤局方》主治に泥むべからず。《勿誤薬室方函口訣》
[15]気ちがい:
☆狂乱とならんとする病の下地に用いて予防となる《矢数道明》
[16]胸部痞塞感(胸の中心部)
[17]月経閉止:
☆気滞気鬱による月経閉止に用いて奇効がある《矢数道明》
[18]下血:
☆気鬱による下血、血薬の奏効しない者の、当帰を加えて效がある。《矢数道明》
[19]下痢
[20]眩暈
[21]肩背強急
[22]コレラ:
☆番沙を治す:「薄荷荊芥」《方読便覧》
[23]更年期のウツ病
[24]ジンマシン
[25]臭覚喪失(匂いがわからない)
[26]腫脹:
☆脈微遅にして無力、衆以て不治と為す。《友益》之に「香蘇散附子」を与える。小便決するが如く出て、腫脹たちどころに消える。ある人その理由を問う。曰く、これ《黄帝内経素問》のいわゆる膚脹まる者、脈虚微と雖も病内に在らず、故に脈を捨てて証に従うなりと、《皇国名医伝》
[27]食あたり(魚肉で食中毒)
☆蘇葉は能く食積を解す。故に食毒、魚毒より来る腹痛に効あり《勿誤薬室方函口訣》
☆所謂魚毒に中った者、ジンマシンを発した者などに良い《矢数道明》
[28]自律神経失調症
[29]神経症
[30]神経衰弱:
☆ヒステリーなど気鬱の人、胸膈妨悶を訴え、気重く、頭疼、身痛ある者に用いる《矢数道明》
[31]神経性胃炎
[32]心下痞
[33]頭重:
☆登舟乗轎の頭疼目眩を治す。《牛山活套》
[34]頭痛:
☆「+川芎・細辛各3.0g、白芷2.5g」《龍野ー漢方処方集》
[35]舌苔 <微白苔>
[36]喘息:
☆紫蘇を多量に用いれば即効あり。《勿誤薬室方函口訣》
[37]血の道症:
☆心下痞え、肩こり、耳鳴、頭鬱冒、頭痛、眩暈などある婦人、気鬱に因するものに用いる《矢数道明》
[38]呑酸
[39]妊娠中毒:
☆孕婦六七ヶ月以来、両足腫大し、行歩困難、脚指間に黄水出るを治す。これ子気と名づく。:「+茯苓・白朮・烏薬・木瓜」《方読便覧》
☆妊娠気満、飲食消化する能わず、或いは胎気不和(妊娠のよる体調不良)なる者を治す:「+四物湯-地黄大腹皮」= 紫蘇和気飲《済生全書》
[40]ノイローゼ:
☆気厥、心胸に上湊し、胸脇痛み、或いは腹中結塊、発渇刺痛し、或いは眩暈、??、精神乏迫し、或いは酸水を嘔吐し、往来寒熱し、口苦からず、脈沈遅、或いは月水不調の者、此方大効あり。: 「+烏薬・乾姜」《雑病翼方》
[41]発汗:「麻黄・白朮各3.0g」《龍野ー漢方処方集》
[42]鼻つまり(鼻閉塞)
[43]腹が脹る
[44]腹痛:
☆(神経性・迷走性)
☆腹痛、灸刺諸薬効無きを治す:「木香」《本朝経験》
☆諸薬無効の者:「青皮」姜煎。《先哲医話》
☆妊婦大腹痛に:「青皮」姜煎。《先哲医話》
☆鳩尾できびしく痛み、昼夜悶乱して、建中湯の類を用いても寸効なき者に効を奏す。
☆大小柴胡剤、建中湯、瀉心湯等で応じない腹痛(胃痙攣)に奏効することがある。《矢数道明》
[45]不妊症:
☆婦人、気は血より盛んに子無き所以を治す:「蘇葉茯苓」=抑気散《済世経験良方》
[46]麻痺:
☆婦人手足麻痺する者、多く七情鬱絡凝滞に致す所なり:「二陳湯烏薬」《高階枳園》
[47]慢性副鼻腔炎
[48]耳鳴り
[49]薬煩:
☆補薬、血薬、烏頭の類久しく用いる時は、時々本方を用いて気を順らし、薬気を発すれば薬煩することがない《矢数道明》
[50]脈 <沈>



香白元《東醫寶鑑》
「青州白元子・青木香元前陰」等分に作丸して姜湯で30丸飲む。
◎厥涎が壅盛し、嘔吐が止まらず、大便が渋滞する者を治す。


香附瓜楼青黛丸《東醫寶鑑》
「香附子・瓜楼・青黛」作末し芡実大の丸剤。毎回1丸を食後or就寝時に溶かして飲む。
◎燥痰・欝痰・酒痰を治す。


香附丸《東醫寶鑑》
「蒼朮3両、香附子1両、蘿葡子(炒)・瓜楼仁・杏仁・半夏各1両、黄芩・赤茯苓各5銭、川芎3銭」作末し姜汁糊で丸剤。淡姜湯で50~70丸飲む。
◎食積痰嗽を治す。


香附芎帰湯《沈氏尊生書》《中薬臨床応用》
「香附子9g、川芎5g、当帰12g、白芍9g、艾葉(炒)9g、熟地黄30g、麦門冬9g、杜仲9g、橘紅3g、青蒿6g、甘草3g」水煎服。
◎月経痛。


香附散[1]《東醫寶鑑》
「香附子(炒)1両、枳穀7銭半、当帰・川芎各5銭、槐花(炒)・甘草各2銭半」を作末し、毎回3銭に生姜3、大棗2を入れて煎服。
◎腸風を治す。


香附散[2]《東醫寶鑑》
「香附子」毛を除いて砕き、醋で半日煮て焙り、作末して、毎回2銭、空腹時に米飯で調服する。
◎五色の崩漏を治す。


香附散《沈氏尊生書》《中薬臨床応用》
「香附子9g、山梔子6g、黄連3g、陳皮6g、法半夏6g」水煎服。
◎気滞による疼痛
◎慢性胃炎、十二指腸潰瘍

香附旋覆花湯《温病条弁》
「香附子・旋覆花(布包)・茯苓・蘇子・製半夏各9g、薏苡仁15g、陳皮6g」水煎し3回に分服。
◎脇痛、咳嗽、悪寒がない。


香朴飲子《東醫寶鑑》
「香薷1銭半、厚朴・白扁豆・沢瀉・赤茯苓・陳皮・木瓜・半夏・人参・紫蘇葉・烏梅各7分、甘草5分、生姜3、大棗2」水煎服。
◎傷暑で吐瀉し、煩乱する症。

香朴湯《万病回春》《勿誤薬室方函口訣》
「厚朴1両、木香3銭、附子7銭」
◎老人の中寒下虚、心腹膨張し、飲食を喜ばず、脈浮遅にして弱なるを治す。此れ寒脹と名づく。
◎此方は寒気腹満を治す。
◎中寒或いは霍乱吐瀉の後、まま此の症あり。
◎厚朴生姜甘草半夏人参湯の一等重き者と知るべし。

香朴湯《万病回春》《古今方彙》
「厚朴1両、木香3銭、附子7銭半、生姜、大棗」水煎。
◎老人が中寒にて下虚し、心腹膨張し飲食を喜ばず、脈浮遅而して弱なるを治す。これ寒脹と名づく。
◎本方は《厳氏済生方》に出ず、「朴附湯」と名づく。

香螺膏《東醫寶鑑》
「田螺3個、麝香少々」搗いて臍の上に貼る。
◎臍風で腫が堅い者を治す。


香陸胃苓湯


香稜丸《東醫寶鑑》
「三稜・檳榔各3両、山楂肉2両、香附子・蘿葡子・枳実・枳殻・莪朮・陳皮・青皮各1両、黄連・神麹・鼈甲・麦芽・乾漆・桃仁・硃砂・縮砂・当帰尾・木香・甘草各5銭」作末し醋糊で梧子大の丸剤。白湯で30~50丸飲む。
◎五積・六聚・気塊を治す。

香苓散《世医得効方》《古今方彙》
「五苓散辰砂妙香散」を和し匀しくして、「天門冬・麦門冬」の煎湯を用いて空心に調服す。


香連丸[1]《和剤局方》
「木香20g(とろ火で焼く)、黄連80g(去蘆)」

香連丸[2]《東醫寶鑑》
「黄連1両、呉茱萸5銭を水に浸して一晩おき、炒って呉茱萸は捨て、木香2銭半を作末し錯糊で梧子大の丸剤。空腹時に米飲で20~30丸服用。」
◎赤白膿血・下痢腹痛・一切の下痢を治す。

香連丸[3]《兵部手集方》【中成薬】
「黄連60gを呉茱萸とともに炒り、呉茱萸を除いて木香15gを加え、作末して酢で丸にしたもの。
◎下痢・腹痛・裏急後重に。


香連五苓散

香連化滞湯《寿世保元》《古今方彙》
「当帰尾・白芍薬(生)・黄連・黄芩・黄柏・檳榔子・木香・枳殻・滑石・大黄・甘草」水煎し空心に熱服す。
◎赤白痢疾、初起に積滞行らず、裏急後重、頻りに圊(=セイ、かわや)に登るを治す。而して少腹痛等の症を去る。


香連平胃散《和剤局方》
「木香40g、黄連80g(姜汁で炒る)、蒼朮320g、厚朴200g(皮を去る)、陳皮40g (泡立てて浮白を去る)、甘草40g(刻んで炙る)」


降気湯《元和紀用経》
      ⇒桑白皮湯[2]《東郭》のこと。
「桑白皮6両、呉茱萸3両」


降気湯《東醫寶鑑》
「香附子(製)・茯神・甘草各1銭」水煎服。
◎気欝に。

降心丹
「熟地黄・当帰・天門冬・麦門冬各3両、白茯苓・人参・山薬・茯神・遠志(製)各2両、肉桂・朱砂各5銭」を作末し、梧子大の蜜丸。人参湯で30丸ずつ服用。
◎心・腎の不足による健忘症。

降心湯《東醫寶鑑》
「天花粉2銭、人参・遠志・当帰・熟地黄・白茯苓・黄蓍(蜜炒)・五味子・甘味子・甘草各1銭、棗2」水煎服。
◎心火が上にあがり、腎水が出ず、煩渇し・飲みたがり、気血が日毎になくなる者を治す。

行気活血湯《中薬臨床応用》
「枳殻6g、木香2.5g(後下)、縮砂3g、厚朴6g、香附子3g、赤芍9g、当帰尾9g、桃仁6g、紅花5g、蘇木6g」水・酒半分づつで煎服。
◎打撲・捻挫による気滞血瘀。


行気香蘇散[1-1]《万病回春》《東醫寶鑑》
「紫蘇葉・陳皮・蒼朮・香附子・烏薬・川芎・羗活・枳穀・麻黄・甘草各1銭、生姜3片」水煎服。温めて服用。
◎内に冷気を覚え、外に風寒を覚え、胸腹の痛む者。

行気香蘇散[1-2]《御纂医宗金鑑》《龍野ー漢方処方集》
「紫蘇葉・香附子・麻黄各3.0g、陳皮・柴胡・白朮・川芎・羗活・枳殻各2.5g、甘草・干姜1.0g」
◎内に生冷飲食、厚味堅硬の物に傷つき、肚腹脹満、疼痛し、外に風寒湿気に感じ、頭疼、身熱、憎寒し、遍身骨節麻木疼痛し、七情悩怒相冲し、飲食下らず、心腹気痛するを治す。
◎此方は香蘇散の症にして、滞食を兼ね、邪気内壅して解せざる者に効あり。
     《勿誤薬室方函口訣》  
◎急性熱病で頭痛身熱、関節痛、麻痺、疼痛し、飲食下らず腹痛する者。




行気香蘇散[1-3]《万病回春》《漢方後世要方解説》
「香附子・陳皮・烏薬・羗活・川芎各2.5、紫蘇葉・麻黄・枳殻各2、生姜・甘草各1」
《古今医鑑》は柴胡・蒼朮2.5を加う。
◎内ち生冷飲食厚味堅硬のものに傷られ、肚腹脹満疼痛し、外風寒湿気に感じ、頭疼身熱憎寒し、遍身骨節麻木疼痛し、七情悩怒相冲き、飲食下らず、心腹気痛するを治す。
◎此方は、香蘇散方に更に順気化滞の烏薬、羗活、川芎、麻黄、枳殻を加えたものである。
◎此方は内傷と外感を兼ね、内には宿食停飲があり、気の欝滞を生じ、加うるに外風寒に感じて邪気内に閉壅し、心腹痛みを発し、且つ頭痛、悪寒、全身骨節疼痛等を発する者に用いる。又、熱無くとも雑病としては所謂疝気と称する腹中に宿疾があって気滞り、痛みを発し、腰脚に及ぶ者、婦人腹中に宿疾ありて月経毎に痛みを作す者等に用いられる。

「紫蘇・羗活・麻黄」=外邪を散ず
「香附子・陳皮・烏薬・川芎・枳殻」=気を順らし滞を行る
「甘草」=脾気を助ける。

[主治]
《万病回春》
“内ち生冷、飲食厚味、堅硬の物に傷られ、肚腹脹満疼痛し、外風寒湿気に感じ、頭疼身熱憎寒し、遍身骨節、麻木疼痛し、七情悩怒相冲き、飲食下らず、心腹気痛するを治す。”

《医方口訣集》
 “内ち生冷厚味に傷られ、外風寒湿気に感じ、悪寒発熱、肚腹脹満疼痛等を治す”
   

 [目標]
《勿誤薬室方函口訣》
“此方は香蘇散の症にして、滞食を兼ね、邪気内壅して解せざる者に效あり。往年金局吏、原健助なる者、平素疝塊あり、飲食之が為に化する能はず、時々外感して邪気遷延し、諸医、外感の薬を投じて解せず、余此方を与えて癒ゆ。後外感毎に此方にて百中す、後世の方策亦侮るべからず”

《漢陰噫乗》
“一切気滞り、宿食腹痛の症に用ゆ。本と香蘇散より出たる方なれば、外感風寒の気を滞びらち。夫故主治に内傷と外感とを兼ねて説きたれども、たとえ外感の気はなくとも、一切気滞にかかり、或いは飲食に傷られ、腹脹痛する者に一切大いによし。酒食を過し、外風寒を受け、憎寒、壮熱、頭痛、腹痛等の症ある者によし。又疝気腹痛によし。とかく疝と云う者は気滞に腸胃の宿物を兼ねたる者多きが故なり。併し此方の効く症は皆何れも気を疎利してやれば治る症にて、宿滞あればと云ひて、大黄を用ひては反って激して悪し。此湯の加減の方を疝気偏墜に用いることあり。”
 “一人臍下大いに痛み、これを按ずれば快きを覚ゆ、諸薬効無し、予此を診して云う、此は疝気気鬱して痛みをなすものなりと、此湯を用ひて頓に癒ゆ。”
 “一男子、一夜酒食を欲しいままにして遂に宿滞となり、翌朝大腹痛忍ぶべからず。諸疎滌の薬を与えて益々劇し。此湯を用ひて速かに癒ゆ。”
“一婦人常に経行来らんとする前毎に必ず大腸痛を発して堪ゆべからず、かくの如きもの56年、毎月苦楚堪えず、諸血剤を用ゆるに功なし。予此湯を用ひて侍重して遂に癒えたり。”
“此方偏墜(鼠径ヘルニア)初期憎寒疼痛、腹痛陰嚢にひき忍べからず、しきものは手足厥冷に至るものもあり。此湯を用ゆれば一時にひらけ、痛み止むもの也、神效あり。但し平生の偏墜の者には牡丹五等散を用ゆ。此方は一時発動する者をよく治するものなり。五積散も亦佳なり。症に臨んで撰び用ひてよし”
    

[薬能]
《医方口訣集》
“按ずるに、紫蘇、羗活、麻黄は外邪を散ずる所以なり、香附子、陳皮、烏薬、川芎、枳殻は気を順らし、滞を行らす所以なり。甘草は脾気を和するなり”

★適応症及び病名(行気香蘇散)
[1]あごがはずれる:
☆落架風:あごが外れに「木香」で奇効あり《矢数道明》
[2]胃炎:
☆食傷、急性胃炎。生冷厚味の物、胃内に停滞して、順化せず、肚腹脹満疼痛する者《矢数道明》
☆消化が悪い者:「山楂子・神麹各2.0g」
[3]感冒:
☆往年金局吏原健助なる者、平素疝塊あり、飲食これが為化する能わず、時々外感して邪気遷延し、医、諸外感の薬を投じて解せず。余此方を与えて癒える。のち外感ごとに此方にて百中する。後世の方策あなどるべからず。《勿誤薬室方函口訣》
[4]筋肉リウマチ:
☆感冒、リウマチ、風湿寒気、皮膚に鬱して順らず、寒熱止まず、遍身骨節疼痛する者《矢数道明》
☆俗に平常肩がつまると云う者《矢数道明》
[5]月経痛:
☆経水が来ようとして腹痛する者。気滞の候あれば用いて良い《矢数道明》
[6]泄瀉:
☆久しき泄瀉で、跡に残るような気のするものに、スラリを順らしてよいことがある。《矢数道明》
[7]疝気
[8]乳房の痛み:
☆婦人の乳腫痛に用いれば奇効あり《方輿輗-乳病門》
☆婦人乳核の腫痛:「茴香・木香・莪朮・木通」《雑病翼方》
[9]腸疝痛
[10]へルニアの痛み:
☆気鬱脱腸疼痛の時《矢数道明》
☆古名疝気といわれていたものの症で、胃腸の不安定によりガスが停滞し、大小便の通利が悪く、ヘルニアを起こし、腹部疝痛を起こすものに、この方がよいことがある(漢方診療医典)



行軍散《諸葛武候》
「牛黄・麝香・真珠・冰片・蓬砂各20g、雄黄32g、火硝1.2g、飛金20枚」
 以上を細末にする。


行湿補気養血湯《万病回春》《古今方彙》
「人参・白朮・茯苓・当帰・白芍薬・川?各1銭、木通・陳皮・厚朴・大腹皮・蘿葡子・海金砂・紫蘇梗各8分、甘草(生)・木香各3分、生姜、大棗」水煎。
◎気血虚弱にて腹鼓脹し浮腫するを治す。
◎血虚には:「当帰川?芍薬倍加」
◎気虚には:「人参白朮茯苓倍加」
◎小水短少には:「猪苓沢瀉滑石」
◎服後に腫脹倶に退き、ただ面と足が消えざるはこれ陽明経の気虚なり:「白朮茯苓」


行湿補気養血湯《万病回春》《龍野ー漢方処方集》
「人参・白朮・茯苓・当帰・芍薬・川?各3.0g、木通・陳皮・厚朴・大腹皮・蘿葡子・海金砂・蘇葉・大棗各2.5g、甘草・木香・干姜各1.0g」
◎気血虚弱、鼓脹、腹満、腹水、浮腫。
★適応症及び病名
肝硬変
腹水
腹膜炎

 

行湿補中湯《寿世保元》《古今方彙》
=[鼓脹門]の「補記建中湯」なり。
◎気運らざるには:「木香木通」
◎気下陥するには:「柴胡升麻」
◎朝は急に暮れは寛ぐは気虚なり、:「人参白朮」


行湿流気飲《東醫寶鑑》
「薏苡仁2両、白茯苓1両半、蒼朮・?活・防風・川烏(炮)・各1両」を作末し、毎回2銭を温酒又は葱白湯で服用。
◎風・寒・湿気で麻木不仁し、手足が煩軟する者。

行和芍薬散《和剤局方》《龍野ー漢方処方集》
「芍薬6.0g、当帰・黄連・黄芩各3.0g、大黄2.0g、檳榔子・木香・桂枝・甘草各1.5g」
◎急性大腸カタルで粘液又は血便、腹渋り或いは裏急後重し、排便後下腹痛む者。


江鰾丸《証治準縄》
「天麻・雄黄各1銭、蜈蚣2匹、江鰾・白彊蚕各5分、野鴿糞5分」以上を合わせて細末とし、それを2つに分け、片方は飯で桐の実大に丸め、朱砂を衣とする。片方は巴豆霜1gを加え、飯で桐の実大に丸める。朱砂薬20丸に対して、巴豆を加えたもの1丸の割合で服用する。」


候氏黒散料《万病回春》




候氏黒散《金匱要略》
「菊花40分、白朮10分、細辛3分、茯苓3分、牡蛎3分、桔梗8分、防風10分、人参3分、礬石3分、黄芩5分、当帰3分、乾姜3分、芎藭3分、桂枝3分」
右十四味、杵為散、酒服方寸匕、日一服、初服二十日、温酒調服、禁一切魚肉大蒜、常宜冷食、六十日止、即薬積在腹中不下也、熱食即矣、冷食自能助薬力。 中風歴節病脉證并治第五
◎治大風、四肢煩重、心中悪寒不足者。
◎《外台秘要方》風癲を治す。
◎《徐霊胎》曰く、腸腹空虚なれば則ち邪留り易し、此れ空隙を満し、邪気をして容る能わざらしむ。
◎此方は多味煩雑なれど中風の頭痛、眩暈甚だしき者に候あり。
◎中風、四肢煩重、心中悪寒、或いは風癲。《龍野ー漢方処方集》



喉癬湯《華岡青州》
「桔梗・甘草各2銭、竜胆・射干各1銭、遺糧5銭、山豆根1銭」右六味、牛黄を送下す。
「結毒喉癬一方《広算記》」に同じ。
◎咽喉結毒の主方とす。《勿誤薬室方函口訣》
◎咽喉の毒は、此方及び「桔梗解毒湯」「紫金丹」「五宝丹」にて治すれども、その劇甚に至りては薫薬に非ざれば験なし。《勿誤薬室方函口訣》

喉痛方《中薬臨床応用》
「鹹竹蜂5匹、屈頭鶏9g、夏枯草15g、風栗殻6g」豚肉(赤身)と煮てスープを服用。
◎嗄声
◎咽喉部の腫脹疼痛
◎嚥下困難
◎肺熱

厚朴温中湯《内外傷弁惑論》《東醫寶鑑》
「乾姜(炮)2銭、厚朴・陳皮各1銭半、赤茯苓・草豆蔲(煨)各7分、木香・炙甘草各5分、生姜3、大棗2」水煎服。
◎客寒が胃を犯し、心腹が冷えて、脹って痛むとき。

厚朴温中湯《内外傷弁惑論》《中薬臨床応用》
「茯苓9g、厚朴・陳皮・乾姜各6g、木香(後下)・甘草各3g、草豆蔲2.5g」
◎腹部膨満で寒象がある者。

厚朴丸《東醫寶鑑》
「万病紫菀丸に同じ。毎回3~5丸姜湯で飲む。」
◎吐いて痛む者を治す。


厚朴枳実湯《東醫寶鑑》
「厚朴(姜製)・訶子皮(半生半熟)・枳実(麩炒)各2銭、木香1銭、大黄6分、黄連・炙甘草各4分」水煎服。
◎虚滑が長い間治らず、痢疾となるのを防ぐ。

厚朴橘皮煎《東醫寶鑑》
「厚朴3両、枳殻・乾姜・良姜各1両2銭、青皮・陳皮・肉桂・全蝎各7銭」作末し、醋糊で梧子大の丸剤。生姜橘皮湯で30~50丸飲む。
◎冷えて腹が脹満し、喘息する者を治す。

厚朴三物湯《金匱要略》
「厚朴8両、大黄4両、枳実5枚」
右三味、以水一斗二升、先煮二味、取五升、内大黄煮取三升、温服一升、以利為度。
◎痛而閉者、厚朴三物湯主之。


厚朴三物湯証=痛みて閉づ。《薬徴》←厚朴
[痛みて閉づ]=腹が痛んで大便が出ない。
厚朴三物湯条に、腹満の証なし。此の湯は即ち大承気湯にして芒硝なきものなり。然れば則ち腹満の証あるや知るべきのみ。その芒硝なきものは、堅塊なきを以てなり。
◎厚朴三物湯の証に曰く、痛んで閉する者と、此方は大承気湯にして芒硝なきものなり。痛んで閉する者は自ら腹満せざるを得ず。是れ厚朴八両を用うる所以なり。其の芒硝なきは燥屎、煩躁等の証無きを以てなり。《重校薬徴》
◎腹痛し、痛んで閉ざす者は、厚朴三物湯之を主どる。《医聖方格》
◎諸病、大承気湯を服すること能わざる者は、宜しく此湯を以て消塊丸を送下すべし。毎服1銭(約4g)《類聚方広義》
◎厚朴三物湯、痛んで閉する者。按ずるに、腹満して痛み、もし大便実する者は、「小承気湯」に宜し、行気の中に蕩実(病邪を揺り動かす)の法を兼ね、以て病根をのぞく。《雑病翼方》
◎腹痛、便秘、腹満。

★適応症及び病名(厚朴三物湯)
[1]イレウス
[2]嘔吐
[3]悪心
[4]急性腹症
[5]下痢:
☆<炎症性>
☆痢病、腹満甚だしくして、裏急後重する者を治す《類聚方広義》
[6]胸満
[7]心下満痛:
☆心下に溜飲ありて胸満、便秘し、時々心下部疼痛し、或いは溜飲を吐出し、脈実なる証《奥田謙蔵》
[8]腹痛:
☆<激しい>
[9]腹部膨満:
☆<激しい>
☆腹満して便秘し、脈沈実成る証《奥田謙蔵》
☆腸管内に多量のガスありて腹満し、便閉し、脈賃実なる証《奥田謙蔵》
[10]便秘



厚朴七物湯《金匱要略》
「厚朴半斤、甘草3両、大黄3両、大棗10枚、枳実5枚、桂枝2両、生姜5両」
右七味、以水一斗、煮取四升、温服八合、日三服。嘔者加半夏五合、下利去大黄、寒多者加生姜至半斤。
◎病腹満、発熱十日、脉浮而数、飲食如故、厚朴七物湯主之。



厚朴七物湯《金匱要略》《漢方治療の実際》
「厚朴6、甘草・大黄各2、大棗・枳実各2.5、桂枝1.5、生姜3」


厚朴七物湯《金匱要略》
◎腹満発熱し、上衝し、嘔する者を治す。《吉益東洞》
◎此方は「桂枝去芍薬湯小承気湯」にて、発熱と腹満が目的なり。《勿誤薬室方函口訣》
◎《世医得効方》に陽実陰虚、陽盛んならば外熱を生じ、陰虚すれば内熱を生ず。陰虚して宣通すること能わずして、飲食故の如く、脹満熱脹為すと云うが如く、陰虚する故に陽気浮いて発熱あり、脈も浮なり。是表邪に非ず、又実満に非ず、方中の桂枝はただ陽気を発起して外表へ出す為なれば、即ち太陰温下の一方とすべし。《勿誤薬室方函口訣》
◎按ずるに、此方能く寒実腹脹を治す。《雑病翼方》
◎腹満、発熱し、上衝して嘔吐する者を治す《方極附言》   
◎腹満、脉浮数、飲食平常通りの者。《龍野ー漢方処方集》

 

★適応症及び病名(厚朴七物湯)
[1]嘔吐
[2]悪風
[3]乾嘔
[4]感冒<胃腸型>
[5]気の上衝<+>
[6]急性胃腸炎
[7]下痢:
☆<炎症性>
☆痢疾、腹満、拘急し、発熱し、腹痛劇しくして嘔なる者を治す。《類聚方広義》
☆下痢性疾患にして、腹部膨満し、或いは発熱を兼ねる証《奥田謙蔵》
[8]呼吸困難
[9]食中毒:
☆傷食吐下の後、胸中爽快ならず、乾嘔し腹満し、或いは頭痛して熱ある者を治す《類聚方広義》
[10]頭痛
[11]のぼせ
[12]虫垂炎
[13]腸チフス
[14]発熱
[15]腹痛
[16]腹部膨満:
☆<熱っぽい>
☆腹部膨満して煩悶し、脈浮にして数なる証《奥田謙蔵》
[17]腹膜炎:
☆腹膜炎等にして、腹満強く、胸内圧迫感及び呼吸困難あり、なお便秘の傾向ありて、脈浮数なる証《奥田謙蔵》
[18]便秘:
☆鼓脹ありて便秘する証《奥田謙蔵》
[19]裏急後重




厚朴生姜半夏甘草人参湯《傷寒論》《龍野ー漢方処方集》
「厚朴・生姜(必ずひねショウガ)・半夏各8.0g、甘草2.0g、人参1.0g」水400ccを以て煮て120ccに煮詰め3回に分服。
◎胸腹満して嘔する者を治す。《吉益東洞》
◎胸腹満ち、心下痞硬して、嘔吐する者を治す《方極附言》
◎病人、疲労し、腹虚満して嘔吐する者は、厚朴生姜甘草半夏人参湯之を主どる《医聖方格》
◎此方は中気虚して腹満する者を治す。故に古人は太陰の主方とす。《勿誤薬室方函口訣》
◎厚朴七物湯や厚朴三物湯の跡に用ゆることあり。
◎平胃散の虚症に与えて効あり。《勿誤薬室方函口訣》
◎発汗後虚証の腹脹満。

★適応症及び病名(厚朴生姜半夏甘草人参湯)

[1]噫気
[2]胃ガン
[3]胃拡張
[4]胃下垂
[5]胃切除後の通過障害
[6]胃腸炎(急性・慢性)
[7]嚥下困難
[8]顔色悪い
[9]霍乱:
☆霍乱、吐瀉の後、腹なお満痛し、嘔気有る者を治す。腹満は、所謂実満に非ざる也《類聚方広義》
[10]嘔吐:
☆胃虚して嘔逆し、痞満して食せざるを治す《張氏医通》
[11]悪心
[12]下痢:
☆泄瀉後の腹脹を治す《喩嘉言》
[13]食道ガン
[14]食欲不振:
☆熱候なく、腹虚満して微煩し、食欲著しく減退する証《奥田謙蔵》
[15]呑酸
[16]疲労倦怠
[17]腹部脹満:
☆熱候なく、胸腹膨満を覚えて食を欲せず、その脈弦遅なる証《奥田謙蔵》
[18]腹膜炎
[19]便秘
[20]幽門狭窄
[21]羸痩


厚朴煎《東醫寶鑑》
「厚朴・生姜各5両、白朮・神麹・麦芽・五味子各1両」を黄色になるまで炒って、作末し糊で梧子大の丸剤。米飲で100丸を服用。
◎血便・下血。


厚朴湯[1-1]《医学入門》
「大承気湯檳榔・良姜」
◎腹部脹満を治す。

厚朴湯[1-2]《聖済総録》
「大承気湯檳榔・良姜」
◎乾霍乱を治す。
◎霍乱裏熱に治法に属す。《雑病翼方》

厚朴湯[2]《東醫寶鑑》
「厚朴・陳皮各2銭、赤茯苓・乾姜(炮)・甘草(炙)各1銭」水煎服。
◎虚寒のため心腹がはって痛む症。

厚朴湯[3]《東醫寶鑑》
「白朮2銭、厚朴1銭3分、陳皮・甘草各1銭、半夏(麺)9分、枳実8分、生姜3、大棗2枚」水煎服。
◎大便の虚秘を治す。

厚朴湯[4]《張潔古方》
「厚朴・白朮・陳皮・半夏麹・枳実・甘草」





厚朴人参湯《外台秘要方》
「高良姜湯《備急千金要方》桂枝橘皮・人参・?香」
◎霍乱心腹痛、煩嘔止まざるを療す。


厚朴半夏湯《東醫寶鑑》
「厚朴3銭、人参・半夏各1銭半、甘草7分半、生姜7片」水煎服。
◎傷寒で発汗した後に、腹が脹満する症。



厚朴麻黄湯《漢方治療の実際》
「厚朴4、麻黄3、石膏10、杏仁・半夏各4、乾姜・細辛各1.5、小麦10、五味子3」


厚朴麻黄湯《金匱要略》《龍野ー漢方処方集》
「厚朴・半夏各5.0g、麻黄・杏仁各4.0g、石膏10.0g、乾姜・細辛各2.0g、小麦14.0g、五味子3.0g」
水480ccを以て、先ず小麦を煮て熟さしめ、滓を去り、他の諸薬を入れて煮直して120ccに煮詰め3回に分服。
◎此方は「小青竜加石膏湯」に似たる薬なれども降気の力を優とす。
◎溢飲を主とするは「小青竜加石膏湯」を宜しとす。
◎射干麻黄湯:熱なき
 厚朴麻黄湯:熱強く脈浮
◎咳して脉浮の者。

★適応症及び病名(厚朴麻黄湯)

[1]気管支炎
[2]喘息:
 ☆喘息上気に用いて効あり。
[3]百日咳


厚朴麻黄湯加減《中薬臨床応用》
「茯苓12g、杏仁9g、厚朴6g、麻黄・製半夏・甘草各3g、五味子・淡乾姜・細辛各1.5g」
    ◎痙攣性気管支炎。

厚腸丸《東醫寶鑑》
「枳実・麦芽・神麹末各5分、橘紅・半夏・蒼朮・人参各3分、厚朴・青皮各2分」作末し、麹糊で麻子大の丸剤。温水で20~30丸飲む。
◎乳・食積による腹のふくれ、痩弱の者を治す。


高枕無憂散《東醫寶鑑》
「人参5銭、石膏3,陳皮・半夏・白茯苓・枳実・竹茹・麦門冬・竜眼肉・甘草各1銭半、酸棗仁(炒)1銭」を2回に分けて、煎服。
◎神魂の不安・驚悸不安・不眠症。

高枕無憂散《万病回春》《古今方彙》
「陳皮・半夏・茯苓・枳実・竹茹・麦門冬・竜眼肉・石膏各1銭半、人参5分、甘草1銭半」水煎し温服。
◎《寿世保元》には酸棗仁ありて竜眼肉なし。
◎心胆虚怯して昼夜睡らざるを治す。



高良姜湯《備急千金要方》《龍野ー漢方処方集》
「高良姜5.0g、当帰・黄連・黄芩各3.0g、大黄2.0g」
◎卒に心腹絞痛、刺すが如く、両脇支満、煩悶忍ぶべからざるを治す。
◎此方は「心腹絞痛」を主とす。《勿誤薬室方函口訣》
◎故に、ただ腹痛のみにては効無し。少しにても心にかかるを目的とす。且つ痛み激しきほどよろしきなり。
◎急に上腹部が劇痛し、両脇が支満煩悶する者。
◎腹満なき者は、「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」「真武湯」などの之く処とす。
◎貧血足冷え下痢する者。

★適応症及び病名(高良姜湯)
[1]胃痙攣:
☆胸より腹にかけて絞痛あるもの寒症のものなり。いわゆる胃痙攣の一証であるが、胃痙攣には「解急蜀椒湯」又は「千金当帰湯」があるが、 本方は嘔気なく、少しく腹が張る気味のある症なり《済世薬室》
[2]胃痛:
☆<劇痛>
☆大建中湯の治すること能わざる処に奇中す。《勿誤薬室方函口訣》
☆「良姜」は温中の効あり。安中散に伍するは是と同じ。
「乾姜」に比すればその力一等優なり。
[3]下痢:
☆肝経寒を受けて、面色青惨、厥して泄痢する者を治す。
☆虚寒下痢腹痛の症、真武湯などにて効無き者を治す。
[4]胆石症
[5]腸カタル

高良姜湯《外台秘要方》
「良姜・桂心」
◎霍乱、吐利、転筋、腹に入るを治す。《雑病翼方》

孔子大聖枕中湯《東醫寶鑑》
「亀板・竜骨・遠志(姜製)・石菖蒲」各等分を粉末。1回に2銭酒で服用。1日3回。
◎聡明にする。



洪辰丹《東醫寶鑑》
「鹿茸(酥炙)・当帰・山茱萸各4両、麝香5銭」細末にし酒麺糊で梧子大の丸剤。温酒or塩湯で70~100丸飲む。
◎五臓・百病の保健薬。


交加散《東醫寶鑑》
「五積散1/2敗毒散1/2」
◎風寒感冒に。
◎五積散は性が温で、敗毒散は性が涼の薬で、軽い風邪には両方を各半分づつ合わせて煎じると、邪気が自然と消える。

交感丹《東醫寶鑑》
「香附子1片を長流水に3日間漬け(炒)、茯神4両」作末し蜜で弾子大の丸剤。毎回1丸づつ降気湯で服用。
◎諸気が欝結し、公私のことがうまくいかず、何事も成就せず煩悩し、七情が傷み食欲無く、顔色黄色、胸痛に堪えかねる者を治す。

交解散《東醫寶鑑》
      「解飲子」に同じ。
    ◎寒瘧を治す。

交接快方《洞玄子》

交泰丸《韓氏医通》
      「黄連、肉桂」


交泰丸《東醫寶鑑》
「大黄を、当帰・紅花・呉茱萸・乾漆各1両煎じ湯で、一昼夜漬けて切って乾燥、酒でかき混ぜて乾かすこと9回蒸し9回晒して4両、黄連(姜汁浸黄土炒)・呉茱萸(湯泡炒)各2両、枳実1両、当帰尾(酒洗)1両3銭を作末し、姜汁で煎じた神麹糊で緑豆大の丸剤。白湯で70~80丸飲む。
◎胸中の痞満・雑を治す。
◎大便の通じがよいと脈中は快く、悪いと胸中が痞悶でたまらない者を治す。

交藤飲《中薬臨床応用》
「夜交藤30g、酸棗仁15g、柏子仁6g、竜眼肉9g」水煎服。
◎夢をよく見て驚きやすい。


控涎丸
「白彊蚕を姜汁に一晩漬けたもの・川烏・生半夏各15銭、全蠍7枚、鉄粉3銭、甘遂2銭半」を作末し、姜汁糊で緑豆大に丸め、朱砂で衣をつけ、姜湯で毎回15丸服用。
◎癇疾患が長くなり、雑病が発生したとき。

控涎丹[1-1]《三因極一病証方論》
「甘遂 大戟 白芥子」
◎痰飲病・胸背手足の疼痛・昏倦多唾・食不味。
    

控涎丹[1-2]《三因極一病証方論》《中薬臨床応用》
「大戟・甘遂・白芥子」各等分。作末しカプセルに入れて、第1日目は1.5g、以後は0.3gづつ全量3gになるまで加え、「大棗8~15g」の煎液で早朝空腹時に服用。5~6日間用いる。
◎本糊丸、今煉蜜服とし、更に効あり。《勿誤薬室方函口訣》
◎凡そ人忽ち胸背手脚を患い、頸項腰痛忍ぶべからず、筋骨に連なって、牽引釣痛し、座臥寧からず、時々走易定まらず。俗医さとらず、之を走注と謂い、便ち風薬及び鍼灸を用いる。みな益無し。
◎又是を風毒結聚し癰疽を為さんとすと疑い、薬貼を以てするも亦非なり。
◎此すなわち痰喘心膈の上下にあり、変じてこの疾を為す。或いは頭痛み挙ぐべからず、或いは神意昏倦、多睡、或いは飲食無味・痰唾粘稠、夜間喉中鋸声の如く、多く唾涎を流す。手足重槌、冷痺、気脈通ぜず。誤り認め、??と為す。亦非なり。
◎凡そ此の疾有るは但是の薬を以てするのみ。数服に過ぎず、その疾失うが如し。《勿誤薬室方函口訣》
◎胸水。


控涎丹[1-3]《三因極一病証方論》《奥田謙蔵》
=「姑洗丸」
「甘遂・大戟・白芥子各等分」
右三味、各別に細末にし、煉蜜を以て混和し、丹と為す。或いは糊にて丸と為すも亦佳なり。通常、1回1.0~3.0を生姜汁湯で服用。
◎痰涎にて胸中了了たらず、或いは背痛する者を治す。《古方兼用丸散方》
◎胸中に他人有りて咳嗽、短気し、或いは攣痛し、或いは項背強ばり痛む者を治す。《春林軒丸散方》



控涎丹[1-4]《東醫寶鑑》
=(一名妙応丹)
「甘遂・紫大戟・白芥子」各等分に作末し糊で梧子大の丸剤。晒して乾燥後就寝時に、姜湯or湯水で7~10丸服用。驚痰には朱砂で衣をし、痛みが激しいと全蝎を加え、酒痰には雄黄を、臂痛に皮木魚子・桂心を、驚痰の重症の穿山甲・鼈甲・延胡索・莪朮を加える。
◎痰飲が流れて痛む者。

甲状腺腫方《中薬臨床応用》
「海藻9g、昆布9g、海浮石12g、浙貝母9g、連翹12g、金銀花12g、玄参12g、白芍薬9g」水煎服。
◎単純性甲状腺腫



更衣丸《蘭台軌範》
「朱砂 蘆薈」
◎津液不足・大便不通。


更衣丸《先醒斉医学広筆記》《中薬臨床応用》
「蘆薈21g、朱砂15g」細末にし酒を少量垂らして丸剤。1回に3.5g服用。
◎便秘
◎睡眠時不安

更生丸《素女方》
「茯苓4分、菖蒲4分、山茱萸4分、栝楼根4分、菟絲子4分、牛膝4分、赤石脂4分、乾地黄7分、細辛4分、防風4分、薯蕷4分、続断4分、蛇 床子4分、柏実4分、巴戟天4分、天雄4分、遠志皮4分、石斛4分、杜仲4分、肉蓉4分」搗いて篩にかけ、梧桐大の蜜丸。食前に3丸、1日3回。
◎男子の五労七傷。
◎陰茎が衰弱して萎縮
◎陰嚢の下に腫れ物
◎腰背が痛み起きられない
◎労傷
   

【加減方】
<1>消化が弱い:茯苓増量1/3
<2>耳が聞こえない:菖蒲増量1/3
     



鈎藤飲《幼科心法》
「釣藤鈎、羚羊角、全蝎、天麻、人参、甘草」

鈎藤散⇒釣藤散《普済本事方》



広朮化癖丸《東醫寶鑑》

「木香5銭、代赭石(醋浸)当帰(炒)・朱砂(研)・枳殻(炒)・莪朮・三稜各2銭半、麝香・巴豆霜各1銭2分」作末し麺糊で麻子大の丸剤。1歳児に米飲で2~3丸飲む。
◎乳癖・食?を治す。

広朮潰堅湯《東醫寶鑑》
「半夏1銭半、黄連・黄芩・厚朴・益智仁・草豆蔲・当帰各7分、陳皮・青皮・神麹・沢瀉・柴胡・甘草各5分、莪朮・升麻・呉茱萸各3分、紅花2分、姜3」水煎服。
◎中満と腹脹で中に積聚があって石のように固く、大小便が渋い者を治す。

広大重明湯《東醫寶鑑》
「草竜胆・甘草・防風・細辛各1銭」大椀1杯半に、先に草竜胆を煎じて半量にし、そこに残りの3入れて又半量まで煎じ、滓を去って1日5~7回温めて洗眼。
◎両瞼の赤爛・腫痛。

広茂潰堅湯《蘭室秘蔵》《古今方彙》
「厚朴・黄連・黄芩・益智仁・草豆蔲・当帰各5分、半夏7分莪朮・升麻・呉茱萸・甘草(生)・柴胡・紅花・沢瀉・神麹・青皮・陳皮各3分、生姜」水煎。
◎中満し腹脹り積聚あり、石の如く堅硬にして人をして座臥寧からず、二便渋滞し、上気喘促し、通身虚腫するを治す。
◎口乾には:「乾葛」

猴骨湯《中薬臨床応用》
「猴子骨9g(先煎)、釣藤鈎9g、白芍薬9g、茯苓9g、蝉退3g、鶏内金6g、麦芽15g、甘草3g」水煎服。
◎小児の疳積
◎いらいら、よく泣く
◎食欲がない
    

猴棗散【中成薬】《中薬臨床応用》
「猴棗、菖蒲、牛黄、竜脳」
◎小児の熱痰によるケイレン
◎急性気管支炎によるケイレン
◎肺炎で高熱によるケイレン


絳礬丸《漢方治療の実際》
「緑礬10、厚朴・陳皮・三稜・莪朮・黄連・苦参・朮各5、甘草2、水沙15」以上を細末とし醋糊で丸を作り、1回10を服す。


絳礬丸(こうばんがん)《有持桂里》
    ◎黄胖病


睾丸鞘膜積液方《中薬臨床応用》
「小茴香3g、川楝子12g、木香3g、枳殻9g、白芍12g、黄柏9g、檳榔子6g、薏苡仁(生)24g、木通6g」
◎陰嚢水腫の疼痛。



合歓湯《中薬臨床応用》
「合歓皮30g、丹参15g、夜交藤15g、柏子仁6g」水煎服。
◎不眠、
◎憂鬱状態
◎胸が苦しい
◎食欲不振


蛤蚧丸《東醫寶鑑》
「蛤蚧一対(醋炙)、訶子肉・阿膠・生地黄・麦門冬・細辛・甘草各5分」作末し、棗実大の蜜丸。毎回1丸服用。
◎肺に血がたまって痛む失語症。咳にむせんで失語。

蛤蚧湯《中薬臨床応用》
「蛤蚧1対、百部12g、汐留9g、五味子1.5g、川貝母9g、杏仁9g、桑白皮9g」 水煎服。
◎肺結核の血痰を伴う咳嗽。


蛤粉丸《東醫寶鑑》
「蛤粉・黄蝋」等分にして、蝋を溶かして粉を混ぜ棗子大の丸剤。猪肝2両を割って薬をその中に入れてくくり、水1杯で煎じて熱いうちに取り出し目をくぶし、さまして服用。 
◎雀目を治す。

蛤胆片《福建龍渓区方》《中薬臨床応用》
「海蛤殻粉280g、海浮石240g、海蜆粉240g、猪胆粉40g」細末を混和し1000錠の錠剤にする。1錠は0.8gである。毎日3錠づつ服用。
◎咳嗽、呼吸困難
◎胸苦しい
◎痰が多い
◎痰が粘稠で喀出しにくい。
◎熱痰。
◎副作用:下痢、疲労、ふらつき
     服薬を止めると消える。

劫労散《婦人大全良方》《古今方彙》
「白芍薬1銭、黄蓍・甘草・人参・茯苓・熟地黄・当帰・五味子・半夏(麹)・阿膠各4分、生姜、大棗」煎服。
◎心腎倶に虚し、労嗽。痰無く、夜熱し盗汗、四肢倦怠、体痩せ食少なく、恍惚として夢と異なり、嗽中に血あるを治す。名づけて肺痿と曰う。



藁蒼湯《東醫寶鑑》
「藁本5銭、蒼朮1両」を粗末にし、毎回5銭、水煎服。
◎心痛に、煮黄丸を飲んだ後、この処方を使う。

蒿芩清胆湯《通俗傷寒論》
「青蒿・竹茹・半夏・赤茯苓・黄芩・枳穀・広皮・碧玉散」
◎寒軽く、熱重く、口苦・胸悶・胸脇脹痛。

皇帝塗容金面方《東醫寶鑑》
「朱砂2銭、乾臙脂1銭、官粉3銭、烏梅肉5、小脳5、川芎少々」細末にし就寝時に、ツバに混ぜて顔に塗り、翌朝温水で洗う。
◎粉刺・風刺・雀卵・に。

膠密湯《東醫寶鑑》
「連根大葱白3茎を水1盃で葱を煮たあと、葱は捨て、明阿膠珠2銭・蜜2匙を入れ、溶かして空腹時に服用。
◎老人・虚弱者の大便秘渋を治す。

後坎离丸《東醫寶鑑》
「四物湯4味各2両に知母4両、黄柏8両を塩水・人乳・蜜水清酒に4等分して漬け、一晩置いたあと知母・黄柏を取り出して日に晒し、夜露に当てること3昼夜、4物を入れて作末し、蜜で梧子大の丸剤。空腹時に塩湯で80~90丸飲む。
◎虚火が動いて遺精し、盗汗・痰嗽・潮熱の者を治す。

枯痔散《黄済川》
「白砒素20g、雄黄・硼砂・倭硫黄各8g、明礬80g以上の薬物を別々につぶして細末とし、硫黄を除いた諸薬を混和して、素焼きの壷にいれ、壷の口を紙で蓋をする。(蓋の中央に直径1.5cmの穴を開けておく)炭火の上に壷を置いて焼く。黄色の煙が青色に変わり、煙の量が減って、音が均一になったら、(薬物が全部液化したら)さらに、中央の穴から硫黄を入れ、同時に火力をやや弱める。壷の中の音が消え、青色の煙が出なくなるのを待って、壷を降ろし、冷やしてから、薬物を取り出し、冷暗所で約1ヶ月保存し、その後に細粉末として応用する」

枯痔方《東醫寶鑑》
「雄黄・硫黄・明礬」を等分に作末し、きれいな磁器の酒杯に、先に明礬末を半分敷いておいて、次に余った薬末を入れ次に残りの明礬末を入れて、火を入れ明礬が乾いたら、作末して唾(つば)で調合して貼り、落ちたら石膏・五倍子を作末して瘡口に塗る。
◎痔の腫れを治す。

枯礬散《東醫寶鑑》
「明礬1銭、片脳5分」を作末し、薬水で洗ったあと少しづつ塗る。
◎五痔と痔痛に。


姑洗圓(こせんえん)《東洞家塾方》
=「控涎丹」
「甘遂・大戟・白芥子各等分」杵きて篩い作末。梧桐子大の蜜丸。毎15丸生姜湯を以て之を服す。
◎諸々の痰飲、水毒を治す。

姑洗丸(こせんがん)
=「控涎丹」
「甘遂・大戟・白芥子各等分」
右三味、各別に細末にし、煉蜜を以て混和し、丹と為す。或いは糊にて丸と為すも亦佳なり。通常、1回1.0~3.0を生姜汁湯で服用。
◎痰涎にて胸中了了たらず、或いは背痛する者を治す。《古方兼用丸散方》
◎胸中に他人有りて咳嗽、短気し、或いは攣痛し、或いは項背強ばり痛む者を治す。《春林軒丸散方》


故紙核桃方《中薬臨床応用》
「補骨脂30g(研末)、胡桃肉60g(研爛)」蜂蜜で飴状にし、毎朝、湯で1匙づつ服用。
◎腎陽虚による腰痛、早漏、呼吸困難、咳嗽。


杞菊地黄丸《小児薬証直訣》
「枸杞子、菊花、熟地黄、茯苓、山薬、沢瀉、山茱萸、牡丹皮」


杞菊地黄湯《医級》《中薬臨床応用》
「枸杞子12g、甘菊花9g、熟地黄15g、茯苓9g、山薬12g、沢瀉9g、山茱萸9g、 牡丹皮6g」水煎服。
    ◎頭がふらつく
    ◎目がかすむ
    ◎肝腎不足


黒玉丹(一名烏玉丸)《東醫寶鑑》
「神応黒玉丹に同じ。」
◎痔瘻・五痔。

黒元《東醫寶鑑》
「当帰(酒浸)2両、鹿茸(酥炙)1両」作末し、烏梅肉で膏を作り、梧子大の 丸剤。温酒で50~70丸飲む。
◎虚労による肝の衰弱。
◎耳が遠く、目が悪く、足が痿弱し、腰が痛み、小便に白濁のある者を治す。

黒効散


黒膏湯
「鮮茅根・括蘆根各40g、石膏・鮮石斛各18g、淡豆?・鮮地黄・白彊蚕(炙)・赤芍(京)・連翹・象貝母・浮萍各12g、薄荷・蝉退・生甘草各3.2 g」


黒散《備急千金要方》
「麻黄1分、杏仁2分、大黄1分」
◎小児変蒸、中に時行温病を挟む。或いは変蒸時に非ずして時行なる者を治す。
◎此方は麻黄湯の変方にして、小児暴熱を発し気急喘鳴する者を治す。
◎此方の一等重き症、肚腹膨脹する者は、《本草彙言》治小児風痰方を用いる。

黒散子《仁斎直指方》
「棕櫚炭、血余炭、蓮蓬」


黒錫丹《和剤局方》
「黒錫・硫黄各80g 金鈴子・胡蘆巴(酒炒)・木香・炮附子・肉豆?(煖)・ 破故紙(酒炒)・茴香・沈香(末)・陽起石(酒煮研)各40g、肉桂20g」

黒地黄丸《東醫寶鑑》
「蒼泔(泄浸)1斤、熟地黄1斤、五味子8両、乾姜」を作末し棗肉で梧子大の丸剤。空腹時に米飲又は温酒で100丸呑む。
◎久痔を治す。

黒参丸《東醫寶鑑》
「玄参・天門冬・麦門冬」各等分に作末し、蜜で弾子大の丸剤。毎回1丸を溶かして呑み込む。
◎口舌瘡で長年苦しむとき。

黒神散《和剤局方》
「黒豆 熟地黄 当帰 肉桂 乾姜 芍薬 甘草 蒲黄」
◎胎が腹中で死し、胞衣下らず、産後血暈する者。

黒神散《済世全書》《古今方彙》
「当帰・川芎・熟地黄・乾姜(炒)・桂心・蒲黄・香附子(便)・木香・青皮・黒豆」酒水各半にて煎服。
◎痘瘡正に起発。貫漿の時に在りて、忽ち坐草(分娩のこと)分娩の期を過ごしてこの気血が倶に虚するの候には宜しく大補すべし。熟附子を加え之を主どる。気血を補うを以て表裏を固む。若し産後小腹急痛するはこれ血未だ尽きざるなり。此湯を以てす。


黒神散《東醫寶鑑》
「百草霜を作末し、毎回2銭を糯米飯で服用。」
◎吐血・衂血。

黒神散《東醫寶鑑》
「百草霜・白?」各等分に作末し、毎回2銭を清酒と童便各半杯に、麝香少々入れて熱くして2回服用。
◎難産を治す。

黒聖散《東醫寶鑑》
「蜘蛛(大)を瓜の葉で何回もくるみ、糸で結わえて炙って、黒色になったら取り出して作末し、黄丹を少し入れて、先に明礬・葱・胡椒の煎湯で、患部を洗って乾かした後に、黒聖散を塗る。」
◎脱肛と痔の疼痛。

黒豆湯[1]《浅田家方》
「黒豆、桔梗、降下、大黄、甘草」
    ◎黴瘡、軽粉を服し、口中腐爛し、歯(シギン、はぐき)出血止まざる者を治す。
    ◎此方は、軽粉或いは甘汞の毒に中り、口中腐爛、牙根露出、飲食咽に入ること     能わず、疼痛甚だしき者を治す。
    ◎大抵は、含嗽煎にて治すれども、その劇毒のものに至っては此方を内服せざれ     ば験なし。《勿誤薬室方函口訣》

黒豆湯[2]《中薬臨床応用》
      「黒豆30g、浮小麦30g」水煎服。
    ◎病後、衰弱による浮腫
    ◎眩暈
    ◎自汗、盗汗。

黒白散《万病回春》《古今方彙》
      「小麦、朴硝、白礬、五倍子、葱白」煎じたる湯にて頻りに洗う。
    ◎陰中腫痛するを治す。
    ◎陰痒の者:「蛇床子白礬」水煎し洗う。


黒附湯《東醫寶鑑》
      「附子(炮)3銭、木香1銭半、白附子1銭、甘草(炙)半銭」切って2貼にし、       姜5片を入れ水煎し、匙ですくって入れると、手足が温かくなって生き返       る。
    ◎慢脾風で危急の者を治す。

黒奴丸《東醫寶鑑》
      「麻黄・大黄各2両、黄?・釜底煤・芒硝・かまどの底墨・梁上塵・小麦奴       各1両」を作末し梧子大の蜜丸。新汲水で毎回1丸服用すると汗をかき       ながら治る。もし汗をかかないときは再服。
◎陽毒で発狂。煩躁・大渇・脈洪数の症。


黒龍散《有持桂里》
      「伯州散沈香」
    

黒竜丹《東醫寶鑑》
      「五霊脂・当帰・川?・良姜・熟地黄各1両」を切って砂盒に入れ、塩泥と       ひもで堅く封をし、炭10斤で焼いて冷まして取り出し、「百草霜3銭、硫       黄・乳香・没薬各1銭半、花蕊石(煆)・琥珀各1銭」を細研して入れ、醋       麺糊で梧子大の丸剤。毎回1丸を姜汁・童便・温酒の中で細研して食べる。
    ◎難産・死胎・胎衣の下りないとき。
    ◎産後の悪いとき。
    ◎血迷・血暈と一切の危急・瀕死のとき。これを口に入れてやると良い。


穀神元《東醫寶鑑》
      「人参・縮砂・香附子・三稜・莪朮()・青皮・陳皮・神麹(炒)・麦芽(炒)       ・枳穀」等分を作末し、米糖で梧子大の丸剤。米飲で30~50丸服用。
    ◎宿食の消化しない症を治し、脾を壮健に、気の補益に有効。


穀神湯《東醫寶鑑》
      「穀芽4両」を洗って乾かし、作末し姜汁少し・塩少々を入れて餅をつく       り焙って乾燥。そして縮砂・白朮(炒)・炙甘草各1両を作末し、塩湯で1       ~2銭服用。
◎胃を和らげ、食欲を増進させる。

穀精草湯《中薬臨床応用》
      「穀精草9g、荊芥穂6g、玄参6g、牛蒡子6g、菊花9g、連翹6g、白芍6g、       桔梗3g、青子6g」水煎服。
    ◎角膜炎による角膜混濁。

穀疸丸《東醫寶鑑》
      「苦参3両、草竜胆1両、人参7銭半、梔子仁5銭」作末し牛胆で梧子大の       丸剤。大麦粥で1日2回5~70丸飲む。
    ◎暑さに負けて病となり、食欲なく熱欝して発黄する者

谷霊丸《東醫寶鑑》
      「黄蓍・人参・牛膝・当帰各1両、炮附子1個、熟地黄・白茯苓各5銭、杜       仲・蒼朮・白朮・肉桂・枸杞子各3銭」を作末し、酒糊で梧子大の丸剤。       人参湯で100丸呑む。
◎婦人の痩瘁。
◎拒食症《螺王人》


哭来笑去散《東醫寶鑑》
      「雄黄・乳香・胡椒・麝香・?撥・良姜・細辛」等分を作末し、男は左・女       は右、の鼻中に吹き入れる。
◎牙歯痛に特効。

呉氏清絡飲《温病条弁》
「鮮荷葉辺8g、鮮銀花8g、西瓜翠衣8g、鮮扁豆花1枝、絲瓜絡皮8g、竹葉       心8g煎服」

呉茱萸湯[1-1]《傷寒論》
      「呉茱萸(洗)1升、人参3両、生姜(切)6両、大棗(擘)12枚」
       右四味、以水七升、煮取二升、去滓、温服七合、日三服。
    ◎食穀欲嘔、属陽明也、呉茱萸湯主之。得湯反劇者、属上焦也。呉茱萸湯。
             《傷寒論》辨陽明病脉證治第八。
    
呉茱萸湯[1-2]《傷寒論》
「呉茱萸1升、人参2升、生姜(切)6両、大棗(擘)12枚」
右四味、以水七升、煮取二升、去滓、温服七合、日三服。
◎少陰病、吐利、手足逆冷、煩躁欲死者、呉茱萸湯主之。
《傷寒論》辨少陰病脉證治第十一。


呉茱萸湯[1-3]《傷寒論》
「呉茱萸(湯洗7遍)1升、人参3両、大棗(擘)12枚、生姜(切)6両」
右四味、以水七升、煮取二升、去滓、温服七合、日三服。
◎乾嘔吐涎沫、頭痛者、呉茱萸湯主之。
《傷寒論》辨厥陰病脉證治第十二。

呉茱萸湯[1-4]《東醫寶鑑》
=「三味参萸湯」
「呉茱萸3銭、人参2銭、生姜4斤、大棗2枚」?作1貼し、水煎し温服する。
◎厥陰病に乾嘔逆して涎沫を吐き、頭痛する症。
◎少陰病で厥冷し、煩躁して死にかかる症。
◎陽明に穀類を食べると嘔逆する症。


呉茱萸湯[1-5]《傷寒論》《中薬臨床応用》
「呉茱萸6g、生姜15g、党参12g、大棗8g」水煎服。
◎虚寒による上腹部痛
◎呑酸、乾嘔、よだれが多い、手足が冷える。


呉茱萸湯[1-6]《傷寒論》《漢方治療の実際》
「呉茱萸4、人参・大棗各3、生姜6」
◎嘔吐、下痢或いは頭痛、或いは煩躁、手足冷、或いは涎沫。
◎嘔して胸満し、心下痞硬する者を治す《吉益東洞》
◎胸満し、心下痞硬して、嘔吐する者を治す《方極附言》
◎此方は濁飲を下降するを主とす。《勿誤薬室方函口訣》
◎故に、涎沫を吐するを治し、頭痛を治し、食穀欲嘔を治し、煩躁吐逆を治す。



★適応症及び病名(呉茱萸湯)
[1]足が冷える
[2]胃炎
[3]胃潰瘍
[4]胃ケイレン
[5]胃液分泌過多症
[6]胃拡張
[7]胃下垂
[8]胃酸過多症
[9]胃・十二指腸潰瘍
[10]胃のあたりが重い:
☆胸中積冷、心煩悶、飲食下らず、心胸背に応じて痛み、或いは胃もたれを治す。「半夏・桂枝」《備急千金要方》
[11]胃腸虚弱
[12]噎膈(イッカク):嚥下困難を主訴とする病気。食道癌なども含まれる
☆噎膈、反胃、皆用いるべし。ただ嘔して胸満するを以て的証となす。《陳修園》
[13]嘔吐
☆《金匱要略》に“嘔して胸満する”ものを目標にする。多くの場合に、嘔吐すれば、胸がすいて胸満が減ずるのを常とするが、もし、吐いても胸満が減ぜず、ますます胸が膨満するのは、呉茱萸湯を用いる目標である。ここに胸満というのは、俗にいう鳩尾の部分の膨満である。《大塚敬節》
☆嘔吐は強い発作の時には起きるが、いつでもくるとは限らない。この嘔吐は悪心が強く、胆汁を吐く《大塚敬節》
☆呉茱萸湯の嘔吐は、多くは、激しい頭痛を伴うものであるが、頭痛がなくて、急激な嘔吐を訴えるものがある。この方の嘔吐は強い悪心を伴うのが特徴で、吐物の量は少ない。これは五苓散の水逆と異なる点である。何を呑んでもすぐ下から突き上げてきて胃に納まらないことがある。口に入れるとすぐ吐く、このような時は呉茱萸湯を唾液を呑むように1口ずつ呑むとよく納まり、また止むことがある《大塚敬節》
☆久腹痛、水穀を吐する者「沈香」《勿誤薬室方函口訣》
☆陽明、穀を食し嘔せんと欲するを治す。
☆少陰病、吐利し、手足煩躁し、死せんと欲するを治す。

☆鑑別:
☆激しい頭痛を伴う嘔吐ことに片頭痛に用いられているが、頭痛が無くても、吐く場合にも用いられる。金匱要略に“嘔して胸滿する者は呉茱萸湯之を主る”とあって、多くの場合、嘔吐すれば胸がすいて胸滿が減ずるのを常とするが、もし吐いても胸滿が減ぜず、ますます胸がはるのは呉茱萸湯を用いる目標である。呉茱萸湯の嘔吐では、悪心を伴い、吐物の1回量は少なく、五苓散証のように多量の水を吐くことはない。
呉茱萸湯証では、心下痞満があるので、小柴胡湯や半夏瀉心湯証に似ているので、鑑別を要する(漢方診療医典)
[14]黄疸
[15]悪心
☆悪心も寒証も見られないときは、「茯苓飲」。《中医処方解説》
☆悪心があって寒証がないとき、「茯苓飲合半夏厚朴湯」がよい。《中医処方解説》
[16]悪阻
[17]回虫
[18]顔色悪い
[19]霍乱:激しい嘔吐、下痢、腹痛を訴える病気
☆霍乱、吐せず下らず、心腹劇痛して、死せんと欲する者は、先ず備急円、或いは紫円を用い、継いで此方を投ずれば、則ち吐せざる者無し。吐すれば則ち下らざる者無し。已に快吐下を得るときは、則ち苦楚脱然として除かん。その効至って速かなり。《類聚方広義》
☆霍乱、転筋し、吐瀉止まず、頭目昏眩し、須臾も救わざる者《雑病翼方》
[20]脚気衝心:
☆脚気、心を攻め、嘔吐甚だしきを治す。
☆衝心し、煩躁死せんと欲するを治す。
☆脚気冲心、煩、嘔逆し、悶乱する者を治す《類聚方広義》
[21]肩こり
   ①胃の具合が悪い
   ②頭痛持ち。
   ③肩が詰まった様に凝ると頭痛する。
☆この方の肩凝りは、発作性に消長があり、肩凝りと同時に、激しい頭痛を訴える。《大塚敬節》
[22]肝炎(急性肝炎)
[23]乾嘔:
☆乾嘔し、涎沫を吐し、頭痛する者を治す。
☆乾嘔を発する証にして、陰証に属する者《奥田謙蔵》
[24]感冒
“女40歳。この患者は痩せた背の高い胃下垂のある婦人で、それまでは、カゼにかかっても、香蘇散・葛根湯・小柴胡湯あたりで良くなっていた。
ところが、今度の風邪は、今までと違って、ひどく足が冷え、それと同時に、激しい頭痛がきて、頭を持ち上げることが出来なくなった。そこでそちらまで出向くことが出来ないので、使いの者に、風邪薬を持たせてほしいと云う。
診察はしなかったが、足が冷えて頭痛が激しいというのを目標にして呉茱萸湯を与えた。あとで聞いたことであるが、この患者は、これを1回飲んだだけで頭痛が止んで、翌日から起きられるようになったという。ところが、この患者は風邪をひくたびに呉茱萸湯の証を現すようになった。そればかりでなく、人混みでもまれたり、乗り物に乗ったりしても、腹から突き上げてくるような嘔吐と激しい頭痛を訴えるようになったので、呉茱萸湯を連用せしめたところ、翌春からは呉茱萸湯の証が出なくなった。”
《大塚敬節-漢方治療の実際p4~p5》
[25]気の上衝:
☆<++><冷気>
☆顔面がのぼせたように赤くなったり、頭部に熱感を訴えたりする者がある。これは真寒仮熱と古人が呼んだもので、本当の熱ではない。私の経験では、頭痛がいくらひどくても、頭を冷やすと気分が悪いと訴えた患者が2例あった。《大塚敬節》
    [26]急性胃炎
    [27]急性吐瀉病
    [28]急性腸炎
     [29]胸満
    [30]虚脱
[31]首筋からこめかみの凝り:
☆首の凝り具合が、この処方を用いる1つの目標になる。《大塚敬節》
☆この処方を結核性髄膜炎や悪性脳腫瘍による激しい頭痛に用いたが、無効であった。この処方を用いる目標の首の凝りは筋肉の収縮であって、項部強直ではない。《大塚敬節》
    [32]眩暈
    [33]こむらがえり(転筋)
        ☆霍乱後、転筋に「木瓜」
    [34]項背強(首の後ろがこる):
        ☆くびの凝りは筋肉の収縮であって、項部強直ではない。《大塚敬節》
[35]昏倒
[36]シャックリ:(吃逆)
☆(神経性・手術後の)
☆体力・胃腸虚弱と関係なく使える。《矢野》
☆逆には、此方に宜しき者あり。《類聚方広義》
☆呉茱萸湯は寒証ある者に適し、冷えのない若い者には「甘草瀉心湯陳皮」。《中医処方解説》
☆父親は60歳、8日前から突然、吃逆が始まり、色々の手当をしたが、どうしても治らない。この上は手術するしかないと云われたが、柿のヘタが吃逆に効くというが、どうだろうという電話があった、柿のヘタの効く吃逆もあるが、効かないこともある。診察してみなければ分からないと答えたところ、往診してくれという。来院できないかというと、食事もほとんど摂らず、色々の注射をしたので疲れてやっと歩いているという。行ってみると、患者は憔悴して蒼い顔をしている。
脈は沈遅で1分間54乃至である。手足が寒くて仕方がないと云う。7月だというのに足袋を履いている。診察している間も、キュッ、キュッと吃逆が出る。続けてキュッ、キュッとくると、しばらく息が止 まるという。腹を診ると、食事をしない割に、鳩尾が張っている。しかし弾力はない。ガスが溜まっているという感じである。大便は少しずつ毎日あるという。口渇はない。私は裏寒により吃逆と診断して、呉茱萸湯を与えた。そして、この1日分でもし治らなかったら、知らせてほしいと告げておいた。
私の考えでは、証が合えば、この1日分で治るはずである。もしこれで治らなければ処方を考え直してみるつもりであった。ところで、この患者は1回呉茱萸湯を飲んだだけで、ピタリと吃逆が止んだのに驚き、お宅にはすばらしい家伝の秘薬がありますねえと、電話をかけてきた。この患者は予防のため、あと3日分、この方を飲んだ。
それから10日ほどたって、この患者の三男の17歳の少年が同じように吃逆が止まらないので、先日と同じものがほしいという。診察してみると、脈は沈遅弱で、足が冷え、胸がつかえて食欲が無いという。そこでまた呉茱萸湯を与えたところ、たちまち良くなった。《大塚敬節》
[37]子癇
[38]習慣性頭痛<頭痛嘔吐>
[39]十二指腸潰瘍
[40]食中毒
[41]食欲不振
[42]小児のよだれが多い
[43]小児のひきつけ
[44]心下緊張(強い)
[45]心下部の膨満
☆心下部が膨満し、胃がつまったようだと訴えることが多い。この腹部の状態も大切な目標の1つ。《大塚敬節》
☆心下部膨満して食欲欠損し、熱候なく、二便常態の証《奥田謙蔵》
☆もし激しい頭痛があっても、髄膜炎の時の様に、腹部が陥没していたら、この処方を用いても効果を期待出来ない」《大塚敬節》
[46]心下痞:
☆心下の苦悶(重圧感)
☆胃部停滞の感ありて、或いは心煩し、或いは嘔吐を発し、脈微にして沈なる証《奥田謙蔵》
[47]人事不省:
☆凡そ危篤の症、濁飲の上溢を審らかにして此方を処するときは、その効挙げて数へ難し。《勿誤薬室方函口訣》
[48]頭痛(発作性)<冷痛>
☆発作性の激しい頭痛で、胃腸部に冷感・水分停滞感を訴える《矢野》。
☆多くは片頭痛の型でくる。発作の激しい時は、嘔吐がくる。発作は疲れたとき、食べ過ぎたとき、婦人では月経の前によく起こる。発作の起きるときは、項部の筋肉が収縮するから、肩から首にかけてひどく凝る。左より右にくる場合が多く、耳の後ろから、こめかみにまで連なる」。このくびの凝り具合が、この処方を用いる1つの目標になる。《大塚敬節》  
☆頭痛がいくらひどいものであっても、頭を冷やすと気分が悪いと訴えた患者が2例あった《大塚敬節》
☆寒冷頭痛で熱性のものではない。だから頭が燃えるように熱くても、冷やさない方がよい。《大塚敬節》
☆発作的に起きる激しい頭痛で、吐き気を伴い、手足が冷え、気分が悪く、ものを言うのも苦しく、脈沈遅の者。
☆発作の時に診察すると、心下部が膨満し、患者も胃がつまったようだと訴えることが多い。漢方で、心下逆満と呼ぶかたちになる。もし激しい頭痛があっても、髄膜炎のときのように、腹部が陥没していたなら、呉茱萸湯を用いても効果を期待できない。《大塚敬節》
☆冷たいものを食べて起こった頭痛
☆発作時には、足がひどく冷え、脈が沈遅の傾向にあり、また一種の煩躁状態を伴うことがある。すなわち、じっと安静にしておれないで、起きたり、寝たりして苦悶する傾向がある。又、発作が強いと、患者は言語を発することが出来ないで、ただうなるだけのことがある。《大塚敬節》
☆頭痛して乾嘔を発し、手足寒冷、尿利減少し、脈微にして細なる証《奥田謙蔵》
☆40歳あまりの男子がある日、突然、頭のてっぺんから頭上一面に裂くような、金槌で打つような頭痛を訴え、この部分が燃えるように熱く、黄色の液を吐き、眼を開けることが出来ず、足が氷のように冷え、発作は1日に3~4回も起こり、激しい時は意識を失うこともある。《津田玄仙》が診察してみると、脈は小さく速く、からだの熱は無い。     ただ臍部の動悸が亢進している。そこで呉茱萸湯に沈香を加えて与えたところ、2日で大半はよくなり、臍部の動悸の亢進だけが残ったので、桂枝加竜骨牡蛎湯を用いたところ10日ほどで全治した。《積山 遺言》

☆【EBM】頭痛に対する呉茱萸湯の効果
(対象患者)
1施設の脳神経外科外来通院中の2週間以上経過観察できた慢性頭痛患者147例。♂46例♀101例。
内訳は、血管性頭痛47例、筋緊張性頭痛46例、混合性頭痛54例
(薬物投与)
呉茱萸湯エキス(7.5g/日)投与期間は不定
頭痛の種類別では
有用以上の症例は、血管性頭痛617%、筋緊張性頭痛47.8%、混合型で48.1%で、有意差はないが血管性頭痛で改善例が多い傾向を認めた。

☆【EBM】緊張性頭痛に対する呉茱萸湯の効果
(対象患者)1施設の心療内科外来通院中の緊張性頭痛患者30例(♂8例、♀22例)、平均年齢41.8歳、
有効性では
有効(症状の消失または軽快)23例(76.7%)
無効3例(10%)、中止による評価不能4例(13.3%)
うつ状態では
うつ状態ありの13例中12例(92.3%)、うつ状態無しの13例中11例(84.6%)が有効であった。
習慣性の有無では
習慣性頭痛21例中19例(90.5%)、非習慣性頭痛5例中4例(80%)が有効であった。
☆【EBM】筋収縮性頭痛に対する呉茱萸湯と桂枝人参湯の効果
(対象患者)1施設の神経内科外来を受診した慢性頭痛患者88例(♂32例、♀55例)、平均年齢55.2歳、内訳は筋収縮性頭痛81例、混合性頭痛7例。
(薬物投与)
呉茱萸湯エキス(7.5g/日)または桂枝人参湯エキス(7.5g/日)投与期間は4週間
(結果)
自覚症状改善度では
軽度改善以上は呉茱萸湯群35例(79.5%)、桂枝人参湯群27例(61.4%)で、呉茱萸湯群で多かったが有意差はなかった。

[49]頭冒感
[50]舌質<淡白>
[51]舌苔<白滑>
[52]疝:
☆陰嚢より上を攻め、刺痛して刺しこみ、嘔などもあり、何れ上へ迫るものを治す「附子」《呉菎》
☆寒疝腰痛し、尺脈沈遅なる者を治す「附子」《方読便覧》
[53]胆石症
[54]中枢神経の疾患
[55]中毒
[56]腸炎・腸カタル
[57]つわり
[58]手足が冷たい(手足厥冷)
☆頭痛の発作時には、足がひどく冷える《大塚敬節》
[59]低血圧症
[60]吐乳:
☆小児の吐乳症当にして、手足寒冷の者《奥田謙蔵》
[61]呑酸:
☆人、食し畢(オワ)って、噫錯(=呑酸)し、及び錯心(=嘈雑)するを治す《肘後備急方》
[62]生唾を吐く
[63]尿毒症
[64]妊娠悪阻
[65]脳腫瘍
[66]はきけ
☆吐き気が強くて嘔吐しない頭痛は、「半夏白朮天麻湯」を考える。《螺王人》
[67]ひきつけ
[68]煩躁:
☆吐利煩躁し、心下苦悶、死せんと欲する者を治す。
[69]冷え症    
[70]疲労倦怠
[71]貧血
[72]腹痛
[73]腹満:
☆胸腹に膨満感あり、腹を按ずるに軟弱なり。而して或いは嘔吐を発し、或いは乾嘔し、その脈微緩なる証《奥田謙蔵》
[74]腹鳴
[75]二日酔い
[76]片頭痛:
☆(肩こりから始まり、激痛)
☆頭痛は肩凝りから始まり、耳の後ろからコメカミにかけて激しい片頭痛となる。《矢野》
☆一種の煩躁状態をともなうことがある。じっと安静にしておれないで、起きたり、寝たりして苦悶する傾向がある《大塚敬節》
☆28歳男性。
「約10年前から片頭痛に悩んできた。平素は別になんでもないが、月に1度くらい、突如として肥立ちのコメカミから目の方にかけて、激しい痛みが起こり、気分が悪くなって寝込んでしまう。という。
目を開けているのも苦痛なほどで、物がノドを通らず、無理して食べても吐いてしまう。2~3日、飲まず食わずでじっとしていると、そのうちに治まるが、その間、何も手に着かない。
こういう場合、たいていは手足が冷えて首筋が凝り、後頭部からコメカミにかけて痛むのが特徴である。漢方医から呉茱萸湯をもらって飲んだところ、半日ほどで頭痛は消えてしまった。しかし、そのうちに再発。そこで、2週間ほど飲み続けたところ、、いつの間にか再発しなくなった。」《山田光胤》
[77]みぞおちのつかえ
[78]無気力
[79]胸やけ:
☆吐醋嘈雑を治す《肘後備急方》
[80]メニエール病
[81]めまい
[82]薬物中毒
[83]幽門狭窄症
[84]よだれが多い
[85]流行性黄疸
[86]脈 :<沈細遅>     
☆「脈は必ずしも遅でなくて、頻数であることがある」《大塚敬節》

【臨床】

*《大塚敬節》
“患者は色の白い中肉中背の婦人で、若いときから頭痛の持病がある。この頭痛は最近特にひどくなり、月経の後が特に悪い。頭痛は毎日あるわけではなく、1ヶ月に1~2回起こる。
頭痛の模様を聞いてみるに、頭痛は右か左の片頭痛として現れる。右側にきた時は症状が特に激しく、この時は必ず吐く。この頭痛と嘔吐は2日間はひどくて、一切の飲食物を受け付けない。床につききりである。その後も数日間は、胃の具合が悪くて、食べられない。ところが左側にきた時は、頭痛も軽く、吐くこともない。頭痛の発作時には、頭痛する側の肩がひどく凝る。
大便は1日1行あり、月経も順調である。腹診してみるに、胸脇苦満は無く、心下がやや痞鞕している。私はこれに半夏白朮天麻湯を与えた。なぜ呉茱萸湯を与えなかったと言うと、《目黒道琢》の餐英館療治雑話や《和田東郭》の口訣に、呉茱萸湯は、腹の左よりさしこんで吐くものには効があり、右からさしこむものには効が無いとあったことを思いだし、この患者は右から差し込む場合に吐くので、呉茱萸湯証ではあるまいと考えたからである。
ところがこれを飲むと、心下部がひどく膨満し、肩が凝り、1日に5回も大便が出るようになった。こんな日が3日ほど続き、大便は1日に2行になったが、胸が詰まって苦しく、腹鳴がひどくなった。
そこで、心下痞鞕・腹中雷鳴・下痢を目標にして半夏瀉心湯を与えた。ところが、これを飲むと、激しい頭痛と嘔吐が起こって床についてしまったそうである。
患者は今度の薬より前の薬がよいと云う。けれども、私は考えた。この患者は“裏に寒飲”があるのに、半夏・黄連・黄芩などの冷薬を用いて、更に寒飲に寒を加えたので、症状が増悪したのではあるまいか?半夏白朮天麻湯にも、半夏・黄柏のような冷薬が入っている。これはいけない。裏の寒を温める必要があるのではないか?そう考えた私は、温薬である呉茱萸を主薬とした呉茱萸湯を用いた。これを飲むと、頸が凝って来そうになってきても、すぐ良くなり、頭痛を起こさなくなった。続けて3週間、これを飲んで多年の片頭痛もあとを断った。”《大塚敬節-漢方治療の実際p3~p4》

*《大塚敬節》
“女40歳。この患者は痩せた背の高い胃下垂のある婦人で、それまでは、カゼにかかっても、香蘇散・葛根湯・小柴胡湯あたりで良くなっていた。
ところが、今度の風邪は、今までと違って、ひどく足が冷え、それと同時に、激しい頭痛がきて、頭を持ち上げることが出来なくなった。そこでそちらまで出向くことが出来ないので、使いの者に、風邪薬を持たせてほしいと云う。
診察はしなかったが、足が冷えて頭痛が激しいというのを目標にして呉茱萸湯を与えた。あとで聞いたことであるが、この患者は、これを1回飲んだだけで頭痛が止んで、翌日から起きられるようになったという。ところが、この患者は風邪をひくたびに呉茱萸湯の証を現すようになった。そればかりでなく、人混みでもまれたり、乗り物に乗ったりしても、腹から突き上げてくるような嘔吐と激しい頭痛を訴えるようになったので、呉茱萸湯を連用せしめたところ、翌春からは呉茱萸湯の証が出なくなった。”
《大塚敬節-漢方治療の実際p4~p5》

*《大塚敬節》
“女30歳。患者は小柄な婦人であるが、中肉で、今まで重篤な病にかかったことはない。
今の病気は数年前からで、初めの間は1ヶ月に1回位の間隔をおいて、激しい頭痛を訴えていたが、この頃は1ヶ月に3回も激しい発作が起きるようになった。
頭痛は睡眠の足りない時、眼の疲れた時などに起こるが、別に無理をしないでも起こることがある。発作の時は、左右の肩から頸が凝り、頭痛も左右のこめかみを中心にして痛む。そのとき耳が鳴ることがあり、また頭痛の激しい時は吐く、大便は毎日1回あり、月経は正常である。
腹診してみるに、胸脇苦満があり、右側が顕著である。この胸脇苦満を証にとって方を当てるならば、小柴胡湯の証のようにも見えるが、私はこれに呉茱萸湯を与えた。この患者は、これを飲み始めて2ヶ月間に1回だけ、月経3日前に、軽い頭痛を訴えただけで、服薬を中止ししても、それきり頭痛を忘れている” 《大塚敬節-漢方治療の実際p5》

*《大塚敬節》
“45歳の男子。色の黒い痩せ型の体格である。かって中心性網膜炎・腎臓炎・虫垂炎などに罹ったことがある。
こんどの病気の主訴は、1週間に1回ぐらいの割合で起こる片頭痛で、この頭痛は数年前に胃を悪くしてからずっとあって食欲が減少する。しかし吐いたこともなく、また床につくほど激しく痛んだこともない。大便は1日1行ある。脈はやや沈、血圧(120-80)。腹診するに、胃部に振水音があり、腹壁に弾力がない。
このような場合に用いる処方としては、五苓散・半夏白朮天麻湯・川芎茶調散・呉茱萸湯などがある。五苓散を用いるとすれば、当然口渇と尿利の減少がなければならない。しかしこの患者にはそれがない。また川芎茶調散は頭痛の薬として有名であるが、私はこれを胃の悪い人に用いて失敗したことがあるので、この患者にはよくないとと考えた。呉茱萸湯の片頭痛は、頭痛が激しくて煩躁状態があり、よく嘔吐を伴うものであるが、この患者は頭痛が軽くて煩躁も嘔吐も無いので、一応おあずけにして、胃が弱くて、胃部に振水音があって、頭痛がするというのを目標にして、半夏白朮天麻湯を用いた。1週間分を飲んでも、2週間分を飲んでも大した変化がない。3週間分を飲み終わった頃、悪心と食欲不振を訴えるようになり、胸がつかえて、噫気が出て、時々水のようなツバが出ると言う。しかし頭痛は遠のいたと言うので、また前方を1週間分与えた。ところがこれを飲んでいるうちに、また頭痛が起こり、寒いと言う。そこで呉茱萸湯に転方した。
これはすばらしく効いた。たった1日分を飲んだだけで胸がすいて食が進み、気分が軽くなり、全く頭痛が無いと言う。引き続き3週間分呉茱萸湯を与え、これですっかり頭痛を忘れた。
この患者には、初めから呉茱萸湯を与えるべきであった。半夏白朮天麻湯と呉茱萸湯の鑑別はそう簡単ではない。”
《大塚敬節-漢方治療の実際p6~p7》





呉茱萸湯[2]《備急千金要方》《勿誤薬室方函口訣》
「呉茱萸湯《傷寒論》半夏・桂枝」
◎噫、酢咽を治す。
◎胸中積冷、心煩悶、汪々、飲食を下さず、心胸背に応じ痛む。
    



呉茱萸湯[3]《東醫寶鑑》
「呉茱萸(揀浄)5銭」を白水で煮て滓を去り、塩を少し入れて煎服。
◎脾泄を治す。
(老人・腎虚からくる脾泄)

呉茱萸湯[4]《東醫寶鑑》
「川烏・細辛各7分半、呉茱萸5分、良姜・当帰・乾姜・肉桂各2分半」煎服。
◎厥疝の上逆して陰が冷えるとき。

 

呉茱萸湯[5]《東醫寶鑑》
「呉茱萸・厚朴・官桂・乾姜各1銭、白朮・陳皮・川椒(炒)各5分」?作1貼し水煎服。
◎濁気が上にあって脹が出来た者を治す。
◎陰がおこって寒が出来て腹がいっぱいで脹になった者を治す。

呉茱萸浴湯《女科要旨》
「呉茱萸・木香・丁香・五味子各40g、蛇床子・杜仲各80g」を水で煎じ、       熱いうちに燻洗する。
    ◎寒湿虚に襲われ、臓気を損なって、帯下五色の者で、煎薬を服用しても速効な     き者に、この洗法を用いて燻ずる。

 

虎杖茎湯《青州医話》
    ◎破傷湿を治す。

胡黄連丸《東醫寶鑑》
      「胡黄連・黄連各5銭、朱砂2銭半」細末にし猪胆の中に入れ、淡漿水を砂       銚に入れて煎じ、取り出して「蘆薈・青黛・蝦蟆灰各2銭、麝香1分」を       入れて作末し、飯で麻子大の丸剤。米飲で3~20丸飲む。
    ◎熱疳を治す。

胡椒湯《中薬臨床応用》
「胡椒・緑豆」各等量。作末し1回6g服用
◎寒証の嘔吐、下痢


胡宣二連湯《銀海精微》
「胡黄連2g、宣黄連4g」作末する。

胡麻散《東醫寶鑑》
「胡麻2両半、苦参・荊芥穂・何首烏各1両、威霊仙(炒)・防風・石菖蒲・悪実(炒)・甘菊・蔓荊子・白藜(炒)・甘草各7銭半」を作末し、毎回2銭を薄荷湯で調下する。
◎風熱疹が全身に出て、かゆく瘡疥の症。


胡蘆巴元《東醫寶鑑》
「茴香(炒)3両、白丑頭2両、川烏(炮)・巴戟・呉茱萸各1両半、川楝子・胡蘆巴各1両」を作末し、酒糊で梧子大の丸剤。空腹時に20~30丸酒で服用。
◎奔豚疝気が上衝して痛みに耐えられないとき。


故紙核桃方《中薬臨床応用》
「補骨脂30g(研末)、胡桃肉60g(研爛)」蜂蜜で飴状にし、毎朝1匙、湯で服用。
    ◎腎陽虚による腰痛
    ◎早漏
    ◎呼吸困難


固栄散《東醫寶鑑》
「真蒲黄・地楡各1両、白?5銭、甘草2銭半」を作末し、毎回4銭、温酒       で服用。
◎吐血・衂血・便血・血尿・一切の失血。


固経丸《婦人大全良方》
「亀板・芍薬・黄柏・黄?・香附子・樗皮」
◎月経止まらず、崩中漏下⇒子宮出血。

固経丸《東醫寶鑑》
「黄?・白朮・亀板各1両、椿根皮7銭、黄柏(炒)3銭、香附子(童便焙)2       銭半」末にし、酒糊で梧子大の丸剤。白湯で50~70丸服用。
◎経水過多症。

固下丸《張子和》
「樗皮・白芍・良姜・黄柏」
◎赤白帯下

固元丹《仁斎直指方》
「蒼朮1斤を4つに分け、1つは小茴香・食塩各1両を用いて、かき混ぜな       がら炒る。1つは川椒・補骨脂各1両を用いてかき混ぜながら炒る。1つ       は川烏頭・川楝子肉各1両を用いてかき混ぜながら炒る。1つは醇酢・老       酒各半斤といっしょに炒り、そのあと乾燥する。以上諸薬を作末してから、       酒で煮て、桐の実大の丸薬とし、毎回30~50丸を温酒又は酢湯で服用。」

固歯散《東醫寶鑑》
      「大きいねずみを1匹(肉は捨て骨だけ)、川椒(炒)・乳香各2両、香附子(炒)       ・白藜(炒)・青塩各1両」を作末し、毎日牙をこする。
◎牙歯痛。

 

固衝湯《衷中参西録》《中薬臨床応用》
「白朮30g、黄蓍18g、山茱萸18g、白芍薬(生)12g、竜骨(煆)18g、牡蛎(煆)18g、茜草根(炭)6g、陳棕炭6g、烏賊骨12g」煎じ湯で「五倍子」の細末3gを服用。
    ◎不正性器出血
    ◎月経後も少量の出血が続く
    ◎長期間少量の出血が続く
    ◎気虚による大量の性器出血

固真飲子《東醫寶鑑》
      「熟地黄1銭半、人参・山薬・当帰・黄蓍(蜜炒)・黄柏(塩酒炒)各1銭、陳       皮・白茯苓各8分、杜仲(炒)・甘草(炙)各7分、白朮・沢瀉・山茱萸・破       故紙(炒)各5分、五味子10粒」水煎、空心に温服。
    ◎陰陽が虚し、気血が不足する者を治す。
    ◎食欲がなく、五心が煩熱し、自汗して精気がなく、足に力が入らず、下痢・脈     沈弱で、咳をすると痰が多い者を治す。
    ◎元気不足、陰陽両虚、飲食少なく、五心熱し、自汗、日潮熱、精気滑脱、行     歩無力、腰胯疼痛、泄瀉、脈沈弱、嗽少なく痰多く、或いは乾嗽する者、或い     は気血精神不足、肢躰倦怠、頭目昏眩、食少なく、脈虚而して数、時に潮熱を     発し、将に労症となる者、或いは力を傷付け、気虚し、脈弱、腰背疼痛、事を     なすごとに鼻衂し、或いは便血過多、しこうして黄痩憔悴して食少なく、気促     の者、或いは婦人陰虚し痩悴、食少なく虚熱自汗、腹痛面浮、腰痛赤白滞下等     の症を治す。《古今方彙》
    ◎元気を補い、腎水を滋(ふや)すの套剤なり《古今方彙》

固真飲子

(陰陽が皆虚し、気血の不足、食欲なく、五心煩熱、自汗、精         気なく、歩行に無力、下痢、脈沈・弱)

固真丸《東醫寶鑑》
「乾姜4両、竜骨・当帰各2両、柴胡・白石脂各2両、黄柏・白芍各5銭」       作末し、麺糊で梧子大の丸剤。白湯で20~30丸服用。
◎白帯がいつまでも止まらず、腹が冷える症。

固真丹
「晩蚕蛾2両、肉蓉蓉・白茯苓・益智各1両、竜骨5銭を作末し、鹿角膠       を酒に浸したもので、梧子大の丸剤。空腹時に30丸を温酒み、ご飯1匙       入れて飲み下すのが良い。
◎遺精・夢泄。

固精丸
「知母(塩炒)・黄柏(塩炒)各1両、牡蛎・実・蓮花
芯・白茯苓・遠志各3銭、竜骨2銭、山茱萸5銭」粉末
にし、山薬糊で梧子大に丸め、朱砂でくるみ、空腹時に
塩湯で50丸服用。
◎腎虚・精棗。

 

固精丸《経験方》
「金桜子、牡蠣、竜骨、沙苑子、実、蓮鬚、蓮肉」

固本還晴丸《東醫寶鑑》
「天門冬(酒浸して粘土のように)・麦門冬・生乾地黄(酒浸)各3両、人参・白茯苓・山薬・枸杞子各1両半、牛膝(酒洗)石斛(酒洗)・草決明(炒)・杏仁・甘菊・兎絲子(酒製)・枳穀各1両、羚羊角(屑)・防風・青子各8銭、五味子・甘草・黄連・白茯苓・川?各7銭」を作末し、梧子大の蜜丸。
       空腹時に50~70丸服用。
◎一切の眼疾。内外膜が瞳子をおおい、風眼が爛弦する症。
    ◎老人の目やに。
    ◎風にあたると冷涙が流れる症。

固体健腸丹《東醫寶鑑》
「熟地黄・山茱萸各3両、巴戟2両、菟絲子・続断(酒浸)・遠志(製)・蛇床       子(炒)各1両半、白茯神・山薬(酒蒸)・牛膝(酒洗)・杜仲 (酒洗醋炒・去       絲)・当帰身(酒洗)・肉蓉(酒浸)・五味子・益智仁(塩水炒)・鹿茸(酥        炙)各1両、枸杞子3両、人参2両」作末し蜜で梧子大の丸剤。空腹時に       塩湯or温酒で50~70丸飲む。
    ◎不妊症。

 

固湯《中薬臨床応用》
「桑蛸9g、山茱萸9g、潼藜9g、当帰6g、黄蓍9g、茯神6g、蔚子9g、       白芍薬9g、升麻3g」水煎服。
    ◎成人の腎虚による多尿。


固本元《東醫寶鑑》
「炙甘草3両、猪苓2両半、蓮花芯・黄連各2両、白茯苓・縮砂・益智仁・半夏(姜製)・黄柏(炒)各1両」湯浸蒸し餅で梧子大の丸剤。空腹時に、温       酒で50~70丸服用。
◎小便の白濁を治す。

固本酒《衛生篇》
「生乾地黄・熟地黄・天門冬と麦門冬の芯を去ったもの・白茯苓各2両。人       参1両。」を細切りにし、磁器に良い酒1斗を入れて、3日間漬けた後、1       ~2時間煮ると酒の色が黒くなってできあがる。空腹時に服用。

固腸丸[1]《東醫寶鑑》
      「竜骨・炮附子・明礬・訶子皮各1両、丁香・良姜・赤石脂・白豆?・縮砂       各5銭、木香3銭」を作末し、錯糊で梧子大の丸剤。栗米飲で30丸服用。
◎下痢が長くつづき、やせて衰弱した者。

固腸丸[2]《東醫寶鑑》
「樗根白皮」を焙って乾かして作末し、粥で梧子大の丸剤。空腹時に米飲で20       ~30丸服用。」
◎赤痢と血痢を治す。

固腸丸[3]《証治準縄》
「烏梅、肉豆?、訶子、罌栗殻、蒼朮、茯苓、人参、木香」

固腸湯《東醫寶鑑》
      「罌栗殻(錯炒)2銭、白芍1銭半、当帰・甘草(炙)各7分半、陳皮・訶子・       乾姜各5分、人参・木香各3分」水煎服。空腹時に服用。
◎赤白痢を治す。



固中丸《東醫寶鑑》
      「蒼朮・肉豆?()各1両」を作末し、粥で梧子大の丸剤。空腹時に50~70       丸服用。」破故紙(炒)1両を加えると固下丸になる。
    ◎脾が弱く、長い間下痢する者。


固陽湯《万病回春》《古今方彙》
      「黄蓍・人参各2銭、白朮・茯苓・附子各4銭、乾姜・白姜各8銭、厚朴・       良姜各3銭」水煎熱服。
[白姜]=生姜を蒸して白くカビを生じたもの。
◎陽症が陰に帰り、陰嚢宿入し、手足厥冷し、腹痛み腫り、冷汗大いに出で或い     は洪弦なるを治す。



国老飲


虎骨丸《東醫寶鑑》
      「虎脛骨・生乾地黄・酸棗仁・白茯苓・肉桂・防風・当帰・川?・黄蓍・牛       膝」各等分に作末し、蜜で梧子大の丸剤。、木瓜湯で10丸服用。
    ◎歩行の遅れている児を治す。

虎骨散[1]《東醫寶鑑》
      「虎骨(酥炙)2両、白花蛇肉・天麻・防風・牛膝・白彊蚕(炒)・当帰(酒浸)       ・乳香・桂心各1両、全蝎(炙)・炙甘草各2銭、麝香1銭」作末して、       毎回2銭を温酒又は豆淋酒で調下する。
◎歴節風で100節がしびれ、痛む場所に定処がない者。長引いて風毒に変じ、     痛みが骨髄まで入って動かない症。

虎骨散[2]《東醫寶鑑》
      「自然銅・白附子・檳榔・?活・白?・川?各1両、地竜・没薬・雄黄各5       銭」服用法は上記に同じ。

虎骨散[3]《聖済総録》
      「虎骨、酒、生地黄」


虎骨酒《東醫寶鑑》
「虎脛骨(炙黄して粉末)2両、羚羊角(屑)1両・白芍(細切り)2両、を酒5        升に浸して、春夏7日・秋冬は倍。毎日空腹時に1杯飲む。
◎臂(ひじ)脛の腫痛に、軽重を問わず。

虎骨酒(史国公薬酒)《中薬臨床応用》
「虎脛骨・枸杞子・蒼耳子・秦?・乾茄根(蒸熟)各120g、当帰・杜仲(姜       汁炒)・牛膝(酒洗)・白朮(土炒)・鼈甲(酥炙)・防風・?活・松節・蚕砂       (炒)・各60g」粗末にし紗の布に包み、1500ccの白酒で密封して10       日間つけ、濾過して氷砂糖500gを入れる。毎日1~2回15~30ccづつ       服用。
    ◎関節痛で移動するもの。


虎骨木瓜酒《通行方》
      「虎骨、桑枝、木瓜、玉竹、川?、川牛膝、当帰、天麻、五加皮、紅花、続       断、白茄根、秦?、防風」

虎潜丸[1-1]《朱丹溪》
「黄柏、知母、熟地黄、亀板、白芍、陳皮、虎骨、鎖陽、当帰、羊肉」

虎潜丸[1-2]《東醫寶鑑》
      「亀板・黄柏各4両、熟地黄・知母各3両、白芍薬・当帰・瑣陽各2両、陳       皮・虎骨各1両、乾姜5銭」作末し酒糊で梧子大の丸剤。塩湯で70~90       丸飲む。
    ◎陰虚労症を治す。


虎潜丸[1-3]《医方集解》
      「黄柏、亀板、知母、陳皮、白芍、熟地黄、鎖陽、虎骨、干姜」


虎潜丸[2](=健歩虎潜丸)【中成薬】《中薬臨床応用》
「虎骨、鎖陽、牛膝、熟地黄、当帰、白芍、桑寄生、黄柏、亀板」1日1~2       回、6~9gづつ、食前にうすい塩水で服用。
◎骨格の発育不良
    ◎筋肉の運動麻痺
    ◎病後の腰痛、下腿無力。


虎翼飲《賀川ー産論》
「小半夏加茯苓湯橘皮・伏竜肝」
    ◎心下せまりて嘔吐する者を治す。
    ◎脱症、やや復し、嘔逆なお止まざる者。
    ◎此方は悪阻の主薬とす。但し悪阻甚だしきに至っては湯剤反って激するものな     り。「単烏梅丸」を徐々に下すべし。《勿誤薬室方函口訣》
◎虚候の者は「半夏乾姜人参丸」に宜し。此方は雑病の嘔吐止まざる者に運用し     て効あり。
◎「小半夏湯茯苓・橘皮」として使用すること多い《済世薬室》




蜈蚣散《医宗金鑑》《中薬臨床応用》
「蜈蚣6g、製南星7.5g、防風7.5g、魚膠9g」作末し毎日2回、6gづつ黄       酒or湯で服用。
◎破傷風
    ◎小児の急性熱性ケイレン。


蜈蚣油《東醫寶鑑》
「端午の日に蜈蚣を取って、竹筒に入れて陰干しにし、痔疾の発作が起きたら、1寸ぐらいに切って、焼いて麻油で調合して塗る。
    ◎諸痔を治す。

琥珀膏《東醫寶鑑》
「大黄・朴硝各1両」作末し、大蒜を搗いて膏を作って混ぜ、患部に貼る。
    ◎積聚・痞塊に、貼る。

琥珀杞菊湯《中薬臨床応用》
「琥珀2g(沖服)、枸杞子12g、菊花9g、女貞子12g、夜明砂9g、密蒙花9g、菖蒲5g」水煎服。
◎角膜混濁。


琥珀犀角膏《東醫寶鑑》
「酸棗仁・茯神・人参各2銭、犀角・琥珀・朱砂各1銭、竜脳」細末にし、弾子大の蜜丸。毎回1丸を麦門冬の煎じ湯で服用。1日3回。
◎咽喉と口舌に瘡が出来る症。

琥珀散[1]《東醫寶鑑》
「琥珀(細末)」を「燈心草・薄荷」の煎じ湯で2銭服用。
◎血尿を治す。

琥珀散[2]《漢方治療の実際》
「琥珀・海金砂各2、滑石3」以上を作末して混和し、1回2、1日3回服用。

琥珀散[3]《東醫寶鑑》
「琥珀・滑石各2銭、木通・当帰・木香・欝金・篇蓄各1銭」を作末し、毎回3銭を蘆葦葉の煎じ湯で、空腹時に、服用。
◎砂淋・石淋を治す。


琥珀朱砂丸《東醫寶鑑》
「琥珀・木香・当帰・没薬各4銭、乳香2銭、麝香・朱砂各2分半」作末し、水で芡実大の丸剤。毎1丸温酒で服用。
◎処女が初潮でびっくり。または風邪をこじらすと帯下になる者。

琥珀定志丸《東醫寶鑑》 (琥珀定智丸)
「天南星8両、乾人乳(姜製)・人参・白茯苓・白茯神各3両、朱砂・石菖蒲・猪胆汁(炒)・遠志・猪胆を煮て乾かした後姜汁製各2両、真琥珀1両」作末し、梧子大の丸剤。就寝前に姜湯で50丸服用。
◎補心・生血・安魄・扶肝・壮胆・神魂不定・驚戦・虚弱者に応用。

琥珀調経丸《東醫寶鑑》
「香附米1斤で2包をつくり、童尿と醋に、9日間それぞれ漬けて、取り出してきれいに洗って、熟艾4両を入れ、まぶして再び醋5椀を土鍋に入れて煮る。それを乾かしたものに、川芎・当帰・白芍・熟地黄・生乾地黄・没薬各2両、琥珀1両を作末して加え、醋糊で梧子大の丸剤。毎回100丸を空腹時に、艾醋湯で服用。」
◎婦人の月経不順で七情が傷つき、妊娠出来ない者を治す。
◎無月経。
◎胞が冷えるとき。

 

琥珀通淋方《中薬臨床応用》
「琥珀2g(沖服)、穿山甲(炙)12g、旱蓮草18g、冬葵子18g、木通9g、木香9g、猫鬚草18g、薺菜24g、大棗30g」水煎服。
◎腎結石の血尿、

琥珀《山脇方函》
「琥珀1銭半、商陸2銭、反鼻5分、猪苓7分、丁香」
右五味、或いは丁香に代うるに桂枝8分を以てす。
◎産後の水腫及び諸々の血毒腫を治す。
◎此方は血分の水気(=血分腫)を治す、故に産後の水気及び諸血毒腫に効あり。《勿誤薬室方函口訣》
◎もし此方を与えて腫気減ぜざる者は「治婦人経水云々方」《本事後集》を与えるべし。
◎又、調経散《宝慶集》を兼用するも佳なり。
◎《恵済方》曰く、婦人経滞り、水となり流走し、四肢尽くみな腫満す、名付けて「血分腫」と曰う。証は水腫と相似たり。医審らかにする能わず、すなわち水腫と作して之を治す。誤りなり《方読便覧》




孤鳳散《東醫寶鑑》
「白礬」細末にし、毎回1銭を水で服用。
◎産後に言葉が出ない者を治す。    

 

杞苓丸《東醫寶鑑》
「茯苓4両、枸杞子(酒浸)2両、菟絲子(酒製)・当帰各1両、青塩5銭」作末し蜜で梧子大の丸剤。空腹時に温水で50~70丸飲む。
   ◎腎虚による目の昏暗と内障に。


葫芦巴散《中薬臨床応用》
「葫芦巴15g、茘枝核15g、黄皮核15g、芒果核15g、竜眼肉15g、牛奶樹寄生30g、小茴香7.5g」毎回粗末15gを布で(包煎)。又は細末にし1.5~5g を生姜煎じ湯で服用。
    ◎腎陽虚の寒痛
    ◎下腹部や睾丸に放散痛
    ◎陰嚢が収縮



芩求樗丸《東醫寶鑑》
「黄芩・白朮各3銭、樗根白皮・白芍・山茱萸各2銭半、白芷・黄連各2銭、黄柏1銭」作末し、酒枯で梧子大の丸剤。白湯で50丸服用。
◎妊婦の白帯。(湿熱による白帯)

 

芩朮丸《東醫寶鑑》
「黄芩3銭、白朮1銭半」水煎服。
◎妊娠して4~5ヶ月目に、いつも流産し、不安な者。


芩朮湯《東醫寶鑑》
「白茯苓・白朮・厚朴・青皮・乾姜(炮)・草果・半夏・甘草各1銭、姜3、棗2」水煎服。
◎ソン泄・食欲減少・腸鳴・脇痛・子満の症状が流行するとき。



芩心丸《東醫寶鑑》
「条黄芩2両」泔に浸して1日乾かし、又浸して乾かす。7回繰り返す。それを作末し、醋糊で梧子大の丸剤。毎回70丸、空腹時に温酒で1日2回服用。
◎閉経後の生理が止まらない。
◎閉経後にまた生理が出だした。    
     
芩柏樗皮丸《東醫寶鑑》
「黄芩・黄柏・樗根白皮・滑石・川芎・海石・青黛・当帰・白芍」等分に作末し、醋糊で梧子大の丸剤。白湯で50~70丸服用。
◎やせた人の帯下。


芩半丸《東醫寶鑑》
「黄芩・半夏各1両」作末して姜汁糊で梧子大の丸剤。姜湯で70丸飲む。
◎熱嗽に痰にある者を治す。

芩連消毒湯《東醫寶鑑》
「黄連・黄芩・柴胡・桔梗・川芎・荊芥・防風・羗活・枳殻・連翹・射干・白芷・甘草各7分、姜3片」水煎し「牛蒡子1握り」入れ、再び「竹瀝・ 姜汁」を混ぜ服用。
◎天行大頭瘟で咽喉が腫れて痛む者を治す。

 

芩連四物湯《医方考》《古今方彙》
「当帰・川芎・芍薬・熟地黄・黄芩・黄連・半夏各等分、生姜」
◎子癇で、陰火亢ぶる者。

芩連半夏散《東醫寶鑑》
「黄芩1銭2分半、白朮・半夏各1銭、赤茯苓7分半、黄連・陳皮・当帰・梔子・枳殻・香附子・人参・蒼朮・縮砂・甘草各5分、姜7片」水煎服。
◎悪阻で胸・背が痛む者を治す。


混元丹(一名紫河車丹)《東醫寶鑑》
「紫河車・人参各1両半、熟地黄・当帰・白朮・茯神各1両、木香・白茯苓各5銭、乳香・没薬各4銭、朱砂2銭、麝香2分」作末し酒糊で梧子大の丸剤。人参湯で50丸飲む。
◎虚労・痩せ・痰嗽・鬼厓を治す。

滾痰丸[1]《東洞家塾方》
=「南呂丸」
「黄芩4銭、甘草・青礞石各2銭、大黄<捌銭>」
右4味、搗き篩い作末し、梧桐子大の丸剤。毎服20~40丸、日に3回。温水で送下。
■[青礞石を製する法]
「青礞石・煙硝各等分」土器中に入れて(煆)過ごし金色を以て度と為し、研飛して晒し乾燥。之を用いる。
◎諸々の痰飲咳嗽して大便不利の者を治す。


滾痰丸[2]《漢方治療の実際》
「大黄・黄芩各8、青礞石1、沈香0.5」以上を作末し米糊で丸とする。


滾痰丸[3]《東醫寶鑑》
「大黄(酒蒸)・黄芩各8両、青礞石・焔硝各1両を容器に入れ、蓋をして塩と泥をまぶして封をし、乾いたあと火で炙って、冷まして取り出すと垽石が金色になる。沈香5銭を作末して水をたらし、梧子大に丸め温茶で、就寝前に、40~50丸服用。
◎湿熱痰積が百病に変わるときに応用。
◎失心・癲狂には100丸。 中風便秘には30~50丸。

昆布丸《証治準縄》
「昆布、海藻、蕪仁、藜子、枳実、麻子仁、訶子、黄蓍、木香、桃仁、       菟絲子」


昆布消瘰湯《中薬臨床応用》
「昆布9g、海藻9g、夏枯草15g、牡蛎30g(先煎)、柴胡6g、白芍薬9g、陳皮6g」水煎服。
◎慢性頸部リンパ腺炎。