【薬物名ろ】
ローズウッド
bois de rose、rosewood
◎精油は、クスノキ科の(Aniba rosaeodora)及びその近縁種の木をチップ状にしたものを水蒸気蒸留して抽出。
◎精油の成分:リナロール
テルピネオール
ネロール
ゲラニオール
テルペン類
◎効能・効果:
■抗菌作用
■頭脳を明晰にする:頭痛
■神経を安定させる:
試験
長距離ドライブ
感情を高揚させる
ローズクォーツ ROSE QUARTZ (参照→クォーツ)
=石英(Quartz)の仲間。
ピンク色やピーチ色の石英をいう。この色は少量のチタンによると考えられている。
◎硬度[7]。
◎チベット人に尊ばた。
◎あなたのイメージを強める。あなたの魅力を増やします。
◎贅肉(ゼイニク)に悩んでいる人におすすめ。
◎シワをなくしたい人:ローズクォーツを身に付けて、ピンク色であなたを包んで下さい。
◎応用:自己イメージの不足。
ローズヒップ
■エキス 「2009年、森下仁丹はコカコーラにローズヒップのエキスを供給する。ローズヒップはバラの果実の一種で抽出物の成分の1つに肥満抑制の効果があるとみて研究している。 ローズヒップはバラの果実で、ジャムなどの利用されている。森下仁丹は抽出物に含まれる主要成分のティリロサイドが内臓脂肪を減少させるとして、2003年から京都薬科大学と共同研究している。」
ローズマリー Rosemary
(参照→「アルツハイマー病」「アセチルコリン」「カルノシン酸」) シソ科
【学名】Rosmarinus officinalis
【英名】Rosemary (マンネンロウ)
◎葉。
【成分】精油:モノテルペン炭化水素 シネオール
ボルネオール
カンファー
カンフェン
ピネン
リナロール
ベルベノール
フラボノイド類:
ジオスミン:血行を促進し、弱った血管を強化するフェノール酸
カルノシン酸(ロスマリネシン): ・体内で分解し、消化管や胆嚢の平滑筋を弛緩する・脳梗塞による脳細胞の壊死を予防する効果や、抗炎症作用
トリテルペン酸
【効能・効果】
◎鎮痛・鎮痙作用はあるが、鎮静作用がない。
頭痛・テンカン(少量を使用)
◎中枢神経を強力に刺激する:
①臭覚の喪失
②視力の低下
③感覚神経が冒されたとき
④運動神経が冒されたとき:一時的な麻痺
⑤すばらしい脳の刺激剤:記憶力を向上させる ◎消耗性の病気に良い。
◎心臓・肝臓・胆嚢の強壮剤。
◎血中コレステロール値を下げる。
◎こわばったり、過労状態の筋肉に有効。 長距離ランナー トレーニング、競技の前に
◎[ローズマリーゼラニウム]:
①体組織から余分な体液を排出する働きをするリンパ系を刺激する。
②長時間立った後の浮腫
③妊娠後期の脚とくるぶしの浮腫
【注意】
<1>妊娠中の服用を避ける。
<2>多量に使うと、テンカンの発作、中毒を引き起こす。少量ならテンカンを治療します。 「葉と花から抽出した精油は特効があり、2~3滴をこめかみと鼻孔につければ、脳のあらゆる病気に効く。体内の病気にも症状に応じて1滴、2滴或いは3滴を摂取する。しかし、これは控えめに行わなければならない。それは、これが極めて迅速な浸透力があるからで、従って一度にとる量は少なくしなければならない」ニコラス・カルペッパー
■カルノシン酸 「長瀬産業はローズマリーに含まれる「カルノシン酸」が脳の神経細胞を活性化し、記憶力を高める効果があることをマウス実験で突き止めた。すでに高濃度エキスの量産製法を確立。 カルノシンには細胞に有害物質が侵入した際に防御システムを起動させる指令を出す物質を活性化させる効果があることは知られていた。 カルノシン酸が細胞内でエネルギー代謝を司るミトコンドリアの活性を高める作用があるため、内臓脂肪を減少させる。 試験管内実験でカルノシンン酸が、ミトコンドリアを活性化する作用のある『AMPK』という酵素の働きを強めていた。
【ハーブ】・・・“記憶のハーブ”として古代に知られていました。◎アルツハーマー 「フリーラジカルを取り除く20種類の酸化防止化合物を含有。そのなかで特に有効なものが『ロスマリン酸(rosmarinic acid)』です。」 「ローズマリーはアセチルコリンの分解を防ぐと報告されている6種類の化合物を含有しています。しかも、その中の化合物には皮膚から吸収され、血液脳関門を通過すると考えられています。 「ローズマリーは記憶のハーブとしてよく知られています。シャンプーやティ、浴槽中のロースマリーはタクリン(tacrine)あるいはフパージン(huperzine)と同様に、抗アルツハイマー活性をもつでしょう。
◎殺菌作用 「市販の保存料(BHA、BHT)に匹敵する力を持っています。」 BHA(ブチルヒドロキシアニソール) BHT(ブチルヒドロキシトルエン)
ロードクロサイトRHODOCHROSIT
E =「菱マンガン鉱」⇒MnCO3
◎救助と治療の石。
◎精神面の衰弱を助ける。体と心の傷を癒す救助石(D・L・メラ)
◎感情面での援助石。
◎応用:感情面での傷。 愛の救助石。心の傷を精算し、ゆるしの態度を刺激する。
ロードナイトRHODONITE
=「バラ輝石」明治の鉱物学者により、バラ輝石という日本名が考案された。ところがその後、輝石グループには属さないことが判明。
◎心の傷やショックによる体の衰弱を回復させる救助石(D・L・メラ)
◎感情の外傷によって涸れ果ててしまった体のエネルギーを回復する。
◎あなたのモラルを高めてくれる。
◎感情面での援助石(ピンク系)。
◎応用:自分を受け入れられない時。 自身をつける。
ローヤルゼリー (王乳)
◎品質:デセン酸値(2.0%以上)
■肝細胞の増殖促進 「ポーラ化粧品は11/26、ローヤルゼリーに含まれるタンパク質に肝細胞を保護し、増殖も促進する働きがあることを見つけたと発表した。培養細胞の実験で、肝細胞増殖因子(HGF)と同様の効果があるとみとめられたという。臓器移植の際に肝臓を保護する薬剤として使える可能性がある。 このタンパク質はロイヤラクチンといい、ローヤルゼリーの鮮度が低下するにつれ分解が進むため、鮮度の指標になっている。ポーラは、肝臓のデオキシリボ核酸(DNA)合成促進や細胞保護・細胞の自然死(アポトーシス)抑制作用を調べた。 DNA合成については、37℃で24時間培養したところ、鮮度の落ちたものを除くローヤルゼリーやHGF添加物では合成促進作用を示した。また、 細胞の生存率を、37℃で5日間培養し観察した。通常50%程度に低下するが、ロイヤラクチンを加えた場合は約80%を維持したという。 肝細胞は無血清で培養するとアポトーシスが起き、DNAが断片化する。HGF・ロイヤラクチンをそれぞれ添加した場合、断片化が抑制された。この結果、アポトーシスを抑える効果もある分かった。」2001.11.27《日経産業新聞》
【用途】 動脈硬化: 「王乳は動脈硬化の予防に卓効を示します。動脈硬化が起こるのは血管にコレステロールという一種の垢がたまるのですが、王乳には血液のコレステロール値を下げる働きが報告されています」(Hammelet al.1958) CP係数というのは、血液中のコレステロール(C)とリン脂質(P)の比率を表す係数で、動脈硬化の場合には、このCP係数が増加します。 異常低血圧: 抗ガン作用:10ヒドロオキシデセン酸が制ガン物質と確認され、イギリスのフレイたちはその合成に成功している(G.I.Fray et 1960) 栄養不良: 「イタリアのプロスベリ博士は、名医たちがサジを投げた34人の栄養不良児と、42人の早産児に王乳療法を試みたところ、めきめき体重が増えて、顔色もバラ色になったと報告しています。特に、生まれたとき5.5ポンドしかなかった早生児は1ヶ月目にはわずか7オンスしか増えなかったが、」王乳を 経口投与したら、2ヶ月目には1ポンド以上増えました。(C.Malossi et al.1956) 神経障害: 王乳は青壮年の神経障害に用いて成果を上げています。 「ひどい抑鬱症や強圧観念に悩まされ、自殺さえ考えた人たちを対象に王乳の注射をしたところ、ただちに食欲を回復して安眠できるようになり、めきめき快活さを取りもどした。(Decourt,1956)」 「ドストラン博士は76名の神経病患者に、王乳を15mg入りカプセルを2カプセル、1日2回で経口摂取させたところ、全員が快方に向かった(H.Destrem 1956)」 手術後の体力回復 性機能の低下 「1960年東北大学の九嶋教授が、女性の性機能の低下には卵巣が衰えるからではなく間脳の中の性中枢が衰えるために起こり、この間脳は王乳投与によって、若返らせることが出来ると発表。蛍光顕微鏡で見ると、老化した間脳は茶褐色に見えるのに対し、若い間脳は緑色の蛍光を発しているが、老化した間脳でも王乳投与で緑色に光るようになると報告」 「王乳の服用によって閉経後の女性に生理現象が再開するという例があります。」 老化予防 「1960年、長谷川教授と高橋博士らが、王乳の中に唾液腺ホルモンであるパロチンに類似した物質を発見。老化には40歳ぐらいから始まる“ニセの老化”と、60歳過ぎに始まる“ホンモノの老化”があり、ニセの老化は唾液腺ホルモンの衰えから起こり、これを外から補給してやれば若さを維持できると発表。」 「フランス・ボルドー大学のドストラン博士は、47歳~89歳までの老衰病患者58名を対象にして、王乳を1日おきに20mg、6~12回、注射したところ、極端な老齢者25%以外にめきめきと食欲が増加し良くなった。」(H.Destrem 1956)
■血中インスリン値を抑える 「山田養蜂場と岡山大学の研究グループは、ロイヤルゼリーが血中のインスリン値やトリグリセリド(中性脂肪)値の上昇を抑える効果があることを動物実験で確認、成果は2006年4月の日本薬学会で発表。 ラットに糖を習慣的に飲用させ、徐々に糖尿病を発症させた後で、ロイヤルゼリーを与えたラットと与えなかったラットで比較した。 その結果、ロイヤルゼリーを与えられたラットはインスリン値が正常値に抑えられた。また、トリグリセリド値も低下傾向だった。」
ロバ(驢)
○反胃で吐く症。
「熱尿を2合づつ飲む。」
ロベリア
【学名】Lobelia inflata
【英名】Lobelia、Indian tobacco、asthma weed、pukeweed
【使用部位】地上部。
【成分】アルカロイド:
ロベリン:呼吸器系を刺激する イソロベリン:呼吸器系を弛緩する ロベラニジン ロビナリン 苦味配糖体:ロベラクリン 辛味性精油:ロベリアニン 樹脂 ゴム質 脂肪
【効能・効果】弛緩薬として用いられた。 喘息・百日咳
筋肉のケイレン
捻挫
打撲
ウルシかぶれ
白癬
【注意】有毒物質を含有。
ローマン カモマイル
(Roman chamomile)
【学名】Chamaemelum nobile
【英名】ローマン カモマイル (Roman chamomile)
【和名】なし
【分類】キク科、多年草
【特徴】草丈が30cm。茎は匍匐することが多く、直立する細い茎に、ジャーマン種よりやや大木花を咲かせる。 ジャーマン種との違いは、葉も強く香ることです。花とつみ取ってハーブティにします。 カモマイルは昆虫を忌避し、植物を元気づける力があるため“医者の植物”とも呼ばれます。
ローメインレタス
⇒新顔の野菜。 米国で一般的なシーザーサラダによく使われる。
白菜に似たレタス。歯ごたえがある。
ローンカモマイル(Lawn chamomile)
【学名】Chamaemelum noble ‘Treneague’
【英名】ローンカモマイル(Lawn chamomile)
【分類】キク科、多年草。
【特徴】最大の特徴は花を付けないこと。 春か晩夏にランナーを分けて増やします。風通しが良く、日当たりの良い場所で、水分を与えすぎないように。
莨宕子(ろうとうし) (参照→「ヒヨス」)
=ヒヨスhyoscyamus niger L, ナス科。
薬用部位:, ユーラシア原産の多年草。葉を鎮痛、鎮痙薬とする。 トロパンアルカロイドを含み、主成分ヒヨスチアミン(hyoscyamine)はアトロピン(atropine) の光学活性体(左旋性)である。
⇒「天仙子」といい、茎に白毛があって5月に実が成る。《本草》
○性は寒、味は苦甘、有毒。 <1>歯痛。・・食べると狂う。
蠟(ろう)
○下痢・膿血を治す。
「黄蠟を多少にかかわらず香油燈の上で焼きくぶし、水椀のなかに落とすこと7回、蘿葡子大に丸め、毎回30丸を白痢には甘草湯で、赤痢には烏梅湯で飲む。」
○仙経に穀物を断つのに一番良いといっている。 「少しかじって食べても1日中ひもじくない。黄蠟で糯米を炒って食べる。 松脂・杏仁・棗・茯苓を等分に作末し、丸めて50丸食べると良い。」「昔の人は凶年には蠟を食べて飢えをそのいだが、大棗と噛むとすぐどける。」
狼牙(ろうが)
○性は寒、味は苦酸、有毒。
<1>疥瘙
<2>悪瘍瘡
<3>痔瘻
<4>寸白虫
<5>腹中の一切の虫を殺す。
○すべての虫を殺す。
「蜜で麻子大に丸め、米飲で1~2銭調服する。」
○婦人の陰蝕瘡が潰爛臭穢のとき。
「汁を取って患部を洗い、又は脱脂綿にしたして陰戸内に垂らす。」
狼毒 【基原】 多年草草本
1.瑞香狼毒(Stellsra chamaejasme L.)
2狼毒大戟(Euphorbia fischriana Steud.)
3.マルミノウルシ(ベニダイゲキ)(Euphorbia ebracteolata Hayata)
○性は平、味は辛、大毒。
<1>積聚
<2>癥瘕
<3>痰飲をなくす。
<4>鬼精
<5>虫毒を殺す。
臘月鼠
○瘟疫気の予防に使う。
臘雪水(ろうせつすい)
⇒臘ロウ=冬至後の第三戌の日に行う祭事。
大寒の水である。
○一切の毒を散らし、目を洗うと熱赤を除去する。
○酒毒と熱を治す。「少しづつ呑む。」
○黄疸を治す。「温めて飲む。」
○天行瘟疫に熱が盛んなときに飲む。
○小児の熱癇を治す。
螻蛄(ろうこ)
=ケラ
○石淋と水道を治す。
「7枚を取って塩2両と瓦の上で焙って末にし、温酒で1銭調服する。」
○口瘡。:「細く切って貼る。」
○咽喉の哽噎と、ものがつかえて降りないとき。 「脳を取って呑み下す。」
○10種の水病と、腫満・喘急に。
「生土狗を細研して縮砂末を等分に入れて酒で調下する。」
○トゲがのどや胸に刺さって出ないとき。
「ケラをついて汁を取って垂らすと、3~5回目にはおのずと出る。」
○針が身体に入って出ないとき。
「ケラの脳と硫黄を共に搗いて貼ると、かゆくなりながら針はおのずと出てく る。」
蘆火
○霍乱の気息が急なとき。
「濃く煎じて服用。」
蘆薈(ろかい) ⇒蘆会。
【処方名】蘆薈、芦薈、アロエ
○性は寒、味は苦、無毒。
【薬性歌】“蘆薈気寒蠱疳 癲癇驚倶可堪” 蘆薈、気寒。虫を殺し、疳を消し、癲癇、驚に、之を服して立(たちどころ) に安し。《万病回春》堪(カン=たえる)
【効能・効果】
<1>小児の五疳を治し
<2>三虫を殺し
<3>痔瘻
<4>疥癬
<5>小児の熱驚を治す
○便を通じ、熱を清し、肝を涼にする。殺虫。
<1>疳積
<2>驚癇
<3>便秘
<4>痔瘻・湿瘡
蘆根(ろこん)
=「芦根」「葦茎」
⇒アシの根茎。(→アシの花)
○性は寒、味は甘い、無毒。
【効能・効果】
<1>消渇
<2>客熱を治す。
<3>胃を開く
<4>おくび
<5>妊婦の心熱と痢渇。
○胃火を清し、煩渇を除く。
<1>熱病煩渇
<2>麻疹初期
<3>肺癰
○乾嘔と五噎の煩悶に使う。「蘆根5両を水煎し、1升を頓服。」
【薬能】
《古方薬品考》
“性順降なり。故に能く肺気を清節、水満を瀉す”
《古方薬議》
“味甘寒、霍乱、嘔逆、肺癰、煩熱、癰疽を主どる”
漏蘆(ろうろ) ECHINOOSIS RADIX
【基原】キク科CompositaeのEchinops latifolius Tauschの根を乾燥したもの。
【性味】鹹、寒。
【薬性歌】漏蘆、性寒。悪瘡の毒をり、血を補い、膿を排し、肌を生じ、肉を長ず。《万病回春》
【効能・効果】清熱解毒作用
◎癰疽、疔腫、熱毒に外用する。
◎解熱、解毒、抗炎症、排膿、作用。
癰疽/疔瘡腫毒/瘰癧/乳癰
◎催乳薬:乳汁不足
炉甘石(ろかんせき)
=爐甘石 ⇒菱亜鉛鉱と称せらるる不純の炭酸亜鉛なり。中国四川省産
◎江戸中期頃に「目洗い薬」として販売もしていた石です。石の目薬ってなんだか痛そうなイメージがありますが、歴史上有名な平賀源内や坂本龍馬もこの「目洗い薬」のお世話になったようです。
【効能・効果】
○風眼で涙が止まらない症。
「炉甘石・烏賊魚骨を等分に竜脳を少し入れて作末し、眼中に垂らす。」
【薬能】
《薬性提要》“甘にして温、湿を燥かし、目の疾を治す”
【配合処方】:腋臭摺薬
鹿茸(ろくじょう)CERVI PARVUM CORNU
【基原】<1>「馬鹿茸」:シカ科(Cervidae)マンシュウアカジカ(馬鹿)Cervus(cervus)elaphus L.var.の幼角を乾燥。 <2>「花鹿茸」:シカ科(Cervidae)マンシュウジカ(梅花鹿)Cervus(Sika)nippon Temminck ver.の幼角を乾燥。
【性味】味は甘鹹、性は温。
【帰経】肝・腎経。
【分類】補陽薬。(助陽薬)
【薬性歌】“鹿茸甘温滋陰主 泄精溺血崩帯愈”
鹿茸、甘温。気を益し、陰を滋し、泄精、尿血、崩帯に任するに堪えたり。 《万病回春》
【効能・効果】
◎滋陰作用が主作用。
<1>虚労・羸痩
<2>四肢腰脊の激しい痛み・腰膝無力。
<3>男性の腎虚冷・泄精
<4>女性の崩漏・赤白帯下・夢交
<5>安胎作用。
◎生精、補髄、暖腎、助陽、強筋、健骨の効能。
<1>すべての虚衰
<2>男子の虚労精衰
<3>腰足痿弱
<4>げぬん
<5>滑精
<6>婦人の崩漏、帯下
<7>長期にわたる潰瘍
◎腎の補強剤で、冷えを治す。:「切って粉末・丸剤・末服でもよい。」
◎夢泄と泄精を止める特効薬。「焼いて毛を取って散丸剤にして服用。」
◎崩漏と赤・白帯を治す。
「末にし1銭を酒服・丸服。焼いて灰を食べてもよい。」 ◎顔色がきれいになる。
「焼いて粉末にし、1日2回2銭づつ服用。」
◎生歯・固歯に「末。丸服。」
◎腰脊痛に。 「(酥炙)して紫色になったら毛を取って作末し、毎日空腹時に温酒で1杯 づつ飲む。」
◎骨節を強くする。
「焼いて末にし酒に混ぜて食べる。」
◎強壮、強精、鎮痛剤
<1>インポテンツ
<2>眩暈
<3>耳鳴り
<4>更年期障害
<5>腰膝の痿弱
<6>帯下(虚寒証)
<7>頸椎・脊椎の損傷による症状(「むち打ち症」)
イ)頭痛・頭重
ロ)首筋の痛み
ハ)腕・肩の痛み
ニ)めまい・ふらつき
ホ)しびれ
ヘ)疲労感
ト)脱力感
チ)不眠
<8>自律神経失調症
<9>低血圧症
【薬理作用】(花鹿茸)
<1>MAO(monoamine oxidase)-B活性阻害作用:hypoxanthine
<2>RNA-polymerase活性刺激作用 <3>過酸化脂質を抑える。
【薬能】
《神農本草経》
“漏下、悪血、寒熱驚癇を主治し、気を益し、志を強くし、歯を生じ老いず”
《日華子本草》
“男子の溢出する者、婦人の崩中、漏血、赤白帯下には炙って末にし、方寸匕を空腹時に酒で服す。筋骨を壮にする”
《李時珍》
“精を生じ、髄を補い、血を養い、陽を益し、筋を強くし、骨を健かにし、一切の虚損、耳聾、目暗、眩暈、虚痢を治す”
【薬対】
『鹿茸+阿膠』
『鹿茸+熟地黄』
『鹿茸+人参』
【配合処方】
鹿茸散
鹿茸精(ろくじょうせい)
⇒旧ソ連国立分泌研究所が開発。 鹿茸70%アルコール抽出エキスからPantocrin(パントクリン鹿茸精)を創製。
【薬理作用】
<1>副交感神経末梢部の緊張亢進。
<2>神経の機能改善
<3>筋系の機能改善
<4>内分泌系の機能改善
【効能・効果】
<1>心臓血管・心筋に特異的に作用し、心臓機能を改善する。
<2>消化器系統の機能を促進
<3>腎臓機能の促進
<4>筋肉の疲労改善
<5>緊張症を改善
神経衰弱及び感受性の強い人の、神経系統に鎮静的・強壮的に作用する。
<6>精力減退に有効:性機能を回復。
<7>無気力症を改善
<8>腫瘍を治す
<9>肉芽の生成を促進。
【副作用】
<1>胃腸障害、悪心。
<2>皮膚発赤、かゆみ
<3>月経期間の延長
<4>のぼせ感
鹿腎(ろくじん)
○精力を強くする。
「酒or粥を作って食べる。」 鹿髄脂
○四肢の不随に。:「酒に混ぜて食べる。」
鹿角(ろっかく)
【基原】雄ジカの角質化した角。
【性味】味は、性は温。
【効能・効果】
◎活血袪瘀
<1>慢性の難治性炎症
<2>寒性の膿瘍
◎虚労
◎妬乳を治す。
「石の上で溶いて汁を塗り、乾いたら乳内の黄水を吸い出す。」
◎腰脊痛に。
「作末し1日2回温酒で1杯飲む。」
◎男女の夢で鬼物と交合する症を治す。
◎死胎の出ないとき使う。
《薬性提要》“熱を散じ、血を行らし、腫を消す”
鹿角膠(ろっかくきょう)
【基原】鹿角を煎じて作る。
【性味】味は甘、性は微温。
【薬性歌】“鹿角膠温吐衂血 安胎崩帯虚羸跌”
【効能・効果】
◎気血不足、陰陽ともに虚した者に。
<1>下半身の無力感
<2>不正性器出血
<3>吐血・衂血・崩漏・帯下に応用。 <4>虚羸を補う。
<5>癰疽・瘡腫・折傷・腰脊痛に用いる。 <6>再生不良性貧血
◎腎臓の気の衰えに効く。
「炒って珠を作って粉末にして服用。」
◎崩漏と帯下を治す。
「炒末して2銭を酒服・丸服・煮服。」
◎虚労を補い、髄を治し、肥らせる。
「末にし1日2回、酒で2~3銭づつ食べる。」
◎安胎薬。
【薬理作用】 <1>滋養作用
<2>止血作用:ビタミンB12含有。
<3>止痛作用
鹿角霜
【基原】鹿角を煎じ詰めてニカワにした残渣。
【性味】味は甘、性は微温。
【薬性歌】“鹿角霜平補諸虚 安胎腰痛崩漏除”
【効能・効果】
◎収斂止血作用
<1>薄くで量が多い帯下。
鹿頭肉
○煩悶と夢が多く、夢も悪夢が多い者を治す。
「汁を絞って飲み、肉を煮て食べても良い。」
鹿蹄肉
○脚膝の疼痛で地を踏めない。
「五味を入れて煮て食べる。」
鹿肉(ろくにく)
○五臓を強める。
「よく煮て食べる」
露蜂房(ろほうぼう)VESPAE NIDUS
【処方名】:[露蜂房][蜂房]
【別名】蜂、蜂巣、紫金紗
【基原】スズメバチ科(Vespidae)スズメバチ亜科(Polistinae)アシナガバチPolistes属のキボシアシナガバチPolistes mandarinus Saussure、スズメバチ Vespa mandarinia Smithなどの昆虫の巣を乾燥。
◎雨露に曝されたハチの巣のことであるが、スズメバチ科のものを用いる。私の経験では土蜂のものより山蜂の巣の方が良く効く。《大塚敬節》
【性味】味は甘、性は辛、有毒。
【帰経】胃経。
【分類】外用薬。
【薬性歌】“蜂房鹹苦治癇瘈 腸癰瘰癧牙疼剤” 蜂房、鹹苦。驚癇、瘈瘲、牙疼、腫毒、瘰癧、腸癰に。《万病回春》
【効能・効果】
◎解毒、催乳剤。
◎退腫、消炎剤
<1>癰、瘰癧、痔瘻(外用)
<2>齲歯疼痛(外用)
◎鎮痙剤
<1>初生児の強直
<2>小児驚癇、抽搐。
◎赤白痢と大小便の不通を治す。
「作末して温酒で1銭調服。」
◎牙歯痛。
「煎じ湯でうがい。」
◎風気でかゆいのが止まらない。
「露蜂房(炙)・蝉退各等分に作末し、1日2~3回1銭づつ酒で調服する。」
◎腸痔と痔瘻。
「有子蜂房を焙って作末し、麺糊で梧子大の丸剤。空腹時に20~30丸呑み下す。」
◎小児の赤白痢を治す。
◎《大塚敬節》
「銀町のある「医者の娘が他家に嫁いでいたが病気になり、いろいろ手当をしたが癒らず、最後に小島蕉園が治療を頼まれた。そして幸いにもその娘の病気が癒ったので、その医者は、自分には医者になる男子もないころであるから、先生への御礼のしるりに、一子相伝の秘薬をお伝えしたいとい うことになった。 それは癰疔の奇方で、露蜂房1味を半分を炒り、半分を生のままで、別々に作末し、等分づつ混和し、1日に3匁を酒で飲む。そして患部には、その粉末を醋で練って貼る。これで100日かかる癰も20日で癒るということであった。そこで蕉園もこの伝によって、数十人の癰に試みたとこ、いずれも大効を奏し、諸医の手を束ねて困った者も皆癒った。そこで、蕉園も、この奇方を賞讃して、豈に奇方といわざるべけんやといっている。 私もこの伝に従って、露蜂房を1日量2.0~4.0gを使い[癰]ばかりでなく、[急性リンパ腺炎][乳房炎][皮下膿瘍][歯齦炎]などに用いたが、ペニシリン等の効が無かった者にも著効があり、疼痛のある者は、服後30分くらいで疼痛軽減し、軽い者は1、2服で、そもまま消退し、重い者は炎症が中心部の限局してきて口が開き、膿が流れるように出て、肉芽の発生が速く、忽ち治るという好成績を得た。しかし[瘭疽]には無効であった。」
【薬理作用】
<1>血液凝固促進作用
<2>利尿作用
【薬能】
《神農本草経》
“驚癇、瘈瘲、寒熱邪気、癲疾、鬼精、蠱毒、腸痔を主治する。火で熬るが良し”
【参考】
○この露蜂房には、伯州散と違って、急性期の初期にも、炎症の激しい時にも用いることが出来、伯州散のような副作用がない。《大塚敬節》
【配合処方】
催乳方
鼈甲煎丸《金匱要略》
【薬物名わ】
ワイルドインディゴ
【学名】Baptisia tinctoria
【英名】Wild indigo、 American indigo、yellow indigo
【使用部位】根。
【成分】
アルカロイド(バプトキシン)
配糖体
樹脂