カ(蚊)
■6本
蚊が持っている針は6本。4本で皮膚を裂き、1本が血液を固まらないようにし、残りの1本で血を吸う。
■誘い出すニオイ
「米カリフォルニア大学のチームは、蚊を誘い出す効果のあるニオイ物質を発見した。人間にとって無臭の物質で、低コストで作れる。これまで見つかっている物質は、人間にとって不快なニオイがするものだった。
「トリメチルアミン」「ノナナール」と呼ばれる物質を合成して作る。」
■人間にとって最も恐ろしい生物
蚊(か)・・年間72万人が死亡
人間・・・・42万人
ヘビ・・・・4万人
サメに噛まれて死ぬ人・・・10人
ガ(蛾)
■超音波で
「ガのオスが求愛行動をするときに極めて小さく弱い超音波を出していることを東京大学と森林総合研究所などが突き止めた。成果は2008年8/12付けの米科学アカデミー紀要・電子版に発表。
アワノメイガというガの一種は、オスが求愛するときに、小刻みに体を震わせながら、羽と胸にある特殊な鱗粉で超音波を出していた。」
■超音波で撃退
2014年、農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所の中の亮主任研究員らは、人に聞こえない超音波を使い、作物を食い荒らす蛾を追い払う装置を試作した。
蛾の成虫は作物に飛んできて卵を産む。生まれた幼虫が果実や葉を食い荒らす。
モモニオゴマダラメイガやアワノメイガは日本では北海道~九州まで全国に分布。春から秋にかけて、幼虫から成虫になり卵を産むサイクルを2~4回繰り返す。産卵サイクルは気温と比例している。
人工的に作った超音波(約0.03秒間隔)で、蛾が寄ってこなくなった。この超音波を、神経に電極を刺した蛾に対して発信し、神経の反応を調べる実験をした。
その結果、短い超音波は蛾にとってイヤな音だった。
実験室内で4種類の蛾を使って効果を確認した。
○咽喉の腫痛・閉塞。
「匏花上を飛ぶ蛾を焼末し、喉中に吹き入れる。」
カイガンショウ
【海岸松】PINUS PINASTER
=フランス南西部のボルドー地方とピレネー山脈の間の大西洋沿岸に生育する。
「樹皮から生成される物質に「ピクノジェノール」(Pycnogenol)がある。
[ピクニジェノール]
=プロアントシアニジンとして知られている特定の種類の生体フラボノイド類を有用成分として60%以上、さらに有機酸並びにその他の生理活性物質など約40種類の天然成分を含有している。科学的な研究により、強力な抗酸化物質であることが実証され、その効力はビタミンCの20倍、ビタミンEの40倍も強力でありことが分かっている。さらに、多くの必須栄養素と相互依存的に作用するという付加価値を持っている。
★保健効果(かいがんしょう)
<1>毛細血管動脈及び静脈の強化。
<2>血液循環及び皮膚の滑らかさの好転。
<3>炎症の阻止。
<4>関節の柔軟性の増大。
<5>コラーゲン組織との結合の弾力性及び強健性の向上
★摂取目安~体重1kg当たり1mg。
体重60kgでは、最初の7~10日間は100mg~150mg、それ以降は60mgが目安。《健康産業新聞》第848号参照」
◎ピクノジェノール
「1970年、ホーフォーリサーチ社が開発し、天然の抗酸化物質です。
ピクノジェノールの原料となる海岸松(Pinus Pinaster)はフランス南西部に位置するランド地方ビスケー湾(大西洋側)に面した約260エーカーの土地に130粘以上前のナポレオン3世統治下時代に土壌浸食を防止する目的で植林されました。海から吹き付ける強風と年間320日以上が晴天という強い紫外線にさらされた環境で、育ったフランス海岸松の樹皮は自らを守るために他の種類の松より分厚くできています。
25~30年間成長したフランス海岸松を使用しています。」
◎歴史
「セントローレンスのカナダ湾を発見したフランスの探検家ジャック・カルティエとその乗組員は、1534~1535年にかけて氷に閉じこめられ抜け出すことができなくなり、塩漬けの肉やビスケットなどでしのいでいた。しかし、乗組員はビタミンC欠乏による壊血病に犯されて行きました。そのときに、原住民から松の樹皮を入れたお茶の作り方を教えられ、乗組員たちはそのお茶のおかげでめざましく快復していったという記述が残っています。」
◎発見
「400年の時を経てジャック・カルティエが残した日記を見たケベック大学の研究員たちはフランス南西部に自生する松の樹皮に強い抗酸化力を示すフラボノイドを発見しました。1970年代初めから松樹皮抽出物の研究を行っていたホーファーリサーチ社(本社スイス)が、このフランス海岸松から得られる抽出物を「濃縮する」という意味の“Pycno”生成する“gen”、そしてフラボノールの接尾辞“ol”を組み合わせ“Pycnogenol”と名付けました。
カイケイジオウ⇒「地黄」
カイコ(→絹)
⇒カイコに白菌というカビがついて白く硬くなって死んだもの(白殭蚕)
【効能・効果】(かいこ)
○陰痿:
夏蚕(ナツゴ)が孵化して蛾となったもののうち、まだ交尾していない雄を集め、炒黒し作末したものを酒服する。(強精剤となる。)
○関節の腫れ・疼痛:
蚕の幼虫の糞(蚕砂)を黄色になるまで炒って飲む。
○切り傷:
蚕の幼虫の糞(蚕砂)を水に溶かし塗布する。
○月経閉止:
蚕の幼虫の糞(蚕砂)を酒で煎じ、上澄み液を飲む。
○言語障害:
白殭蚕を炒って作末し酒服する。
○高血圧:
①蚕の幼虫の糞(蚕砂)を飲む。
②蚕の幼虫の糞(蚕砂)を、一夜(酒浸)し乾燥後、作末し10~15g/日飲む。
③蚕の幼虫の糞(蚕砂)を黄色になるまで炒って飲む。
○子宮の病気:
「蚕砂・甘草」煎服。
○湿疹:
ゴマ油を煙が出るまで加熱し、そこへ(蚕砂)を入れ、冷えてから布で濾して塗布する。
○小児の疳:
白殭蚕を炒って作末し酒服する。
○神経痛:
蚕の幼虫の糞(蚕砂)を飲む。
蚕の幼虫の糞(蚕砂)を、一夜(酒浸)し乾燥後、作末し10~15g/日飲む。
蚕の幼虫の糞(蚕砂)を黄色になるまで炒って飲む。
○ジンマシン:
蚕の幼虫の糞(蚕砂)を水に溶かし塗布する。
○せき:
蚕の幼虫の糞(蚕砂)の黒焼き末を、蜂蜜で練ってなめる。
○喘息:
蚕の幼虫の糞(蚕砂)を黄色になるまで炒って作末し、蜂蜜を加えて練ったものを、咳き込む度に、箸につけてなめる。(著効)。
○卒中の予防:
蚕の幼虫の糞(蚕砂)を黄色になるまで炒って飲む。
○中風:
①繭(マユ)の中のサナギ(蛹)を佃煮or油炒めなどで食べる(著効)。
②蚕の幼虫の糞(蚕砂)を飲む。
③蚕の幼虫の糞(蚕砂)を、一夜(酒浸)し乾燥後、作末し10~15g/日飲む。
④白殭蚕を炒って作末し酒服する。
○動脈硬化:
白殭蚕を炒って作末し酒服する。
○ニキビ:
蛾を乾燥し作末し塗布する。
○乳汁不足:
①白殭蚕を炒って作末し酒服する。
②白殭蚕を作末し寒梅粉で丸剤にし飲む。
○乳腺炎:
蚕の幼虫の糞(蚕砂)を水に溶かし塗布する。
○乳房炎:
蚕の幼虫の糞(蚕砂)を水に溶かし塗布する。
○妊娠予防(避妊):
①カイコの卵の殻が種子紙についているもの(蚕卵紙)or卵の殻を黄色になるまで炒って2g/回、3日間ぐらい服用する。
②「蚕砂・牛膝」等分に作末し、混ぜて月の初めに水で飲む。
○脳出血:
①蚕の幼虫の糞(蚕砂)を飲む。
②蚕の幼虫の糞(蚕砂)を、一夜(酒浸)し乾燥後、作末し10~15g/日飲む。
○肺結核:
繭(マユ)の中のサナギ(蛹)を佃煮or油炒めなどで食べる(著効)。
白殭蚕を炒って作末し酒服する。
○発熱:
白殭蚕を炒って作末し酒服する。
○半身不随:
白殭蚕を炒って作末し酒服する。
○ヤケド:
ゴマ油を煙が出るまで加熱し、そこへ(蚕砂)を入れ、冷えてから布で濾して塗布する。
○腰痛:
①蚕の幼虫の糞(蚕砂)を飲む。
②蚕の幼虫の糞(蚕砂)を、一夜(酒浸)し乾燥後、作末し10~15g/日飲む。
③「蚕のマユ・茄子のヘタ・葉」混ぜて黒焼きし、飯粒で練って塗布。
○肋膜炎:
繭(マユ)の中のサナギ(蛹)を佃煮or油炒めなどで食べる(著効)。
○リウマチ:
①カイコの黒焼き作末し飲む。
②蚕の幼虫の糞(蚕砂)を黄色になるまで炒って飲む。
③「蚕のマユ・茄子のヘタ・艾葉」混ぜて黒焼きし、飯粒で練って塗布。
■尿素を栄養源に
「農水省の蚕糸・昆虫農業技術研究所は、カイコが老廃物の尿素を栄養源として再利用している現象を見つけた。桑の葉に含まれる酵素を利用して尿素からアミノ酸を合成し、絹糸の原料にする。尿素を栄養源に出来る動物は珍しいという。栄養価の高いカイコ用人工飼料の開発につなげたい考えだ。
カイコが利用している桑の葉の成分は「ウレアーゼ」と呼ぶ酵素の一種。カイコの体内では老廃物として尿素が生じるが、食べた桑に含まれるウレアーゼの働きで消化管内でアンモニアに変わる。
カイコはこのアンモニアを吸収し、アミノ酸の一種のグルタミン酸を合成、これを絹糸タンパク質の原料として利用している。ウレアーゼを含まない人工飼料で育てたカイコは、尿素を栄養分として利用出来なかった」1998.11.12
■カイコ以外の「ガ」もシルクを作る。
「カイコは、カイコガ科に属するガの一種で、同じ科の「クワコ」が人間に飼育されるようになってできた種なんです。ご存じの通り4000年以上も前から私たち人間はカイコを飼い、その幼虫がつくる繭をほどいて「シルク」として利用してきました。その間、幾度もの品種改良が行われ、今ではクワコより体が大きく、繭生成量も最大で10倍になりました。と同時に、幼虫はエサである桑葉を与えられるまで逃げずに待ったり、成虫になっても、もはや飛ぶことさえ出来なくなっています。
屋内で代われるカイコを「家蚕」と呼び、それ以外の繭をつくりガ類を、野にいるということで「野蚕」と呼びます。
現在、多くの野蚕が発見されていますが、その中で変わった繭をつくるものに、ヤママユガ科に属する「ヤママユガ」がいます。これは別名「テンサン」と呼ばれ、緑色の綺麗な繭を作り、高価なシルクとしてご存じの方も多いと思います。他にも同じヤママユガ科に、インドの「タサールサン」というガがおり、非常に大きな繭をつくります。そして、「クリキュラ」というインドネシアのジョグジャカルタ地域に生息するガは、黄金の繭をつくることで最近注目されています。(長島孝行・東京農業大学農学部講師)
■いろんな形状に変化する
シルクはその性状を変えずに、いろいろな形状に変えることが出来るんです。例えば、ゲルを始め、液体やフィルム、パウダーなど、あらゆる形に変化します。
そこでシルクをクリーム状にして培地をつくって、そこへあらゆる菌を植え込んでみました。普通に考えると、シルクの主な成分はタンパク質ですから、菌がタンパク質を食べて増殖すると思いますよね、ところが、どんな菌を植え込んでも増殖しないんです。しかし、よく調べると菌は死んではいない・・・。そこで、ゲルに植え付けた菌をそのまま別のカンテンで作った培養地に置くと、ワッと増殖したのです。おもしろいでしょう。増殖を抑え込んでいるんです。これを「静菌作用」と呼んでいます。痔の通り、菌の動きを静めているということで、5年前に作ったゲルにも、カビが生えていません。 また、乾燥もせず、いつまでたってもこの状態なのです。
同じことが紫外線に対してもいえます。実験で、カイコの幼虫から繭を外して紫外線を浴びせたところ、ほぼ100%奇形のガになり、4割は死んでしまいました。もちろん繭を取った幼虫に紫外線を一切当てずに育てたら。きちんと孵化しました。
さらに実験では、家蚕よりも野蚕の繭のほうが、紫外線の遮断力が強いことが分かりました。
紫外線は波長の長いものから、UV-A、UV-B、UV-Cの3つに分けられます。UV-Aは、皮膚を老化させて皮膚ガンの原因に、またUV-Bはやけどや皮膚ガンを引き起こす元といわれています。UV-Cは免疫力を抑え、皮膚ガンなどの原因となる最も強力で危険な紫外線ですが、現在、地球上には降り注いでいません。(長島孝行・東京農業大学農学部講師)
◎シルクタンパク質
<1>脂への吸着力が高く、脂を包み込む性質がある。
<2>ほとんど体内で消化されず、そのまま体外へ排出される。
実験で、脂肪肝のラットに与えたところ、なんと肝臓の脂肪がきえたんです。
■火星基地の食糧
「火星基地に居住する人間のタンパク質源にはカイコが最適・・・。宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究班「宇宙農業サロン」がこんな研究提言をまとめた。
研究班がまとめた「宇宙農業構想」によると、火星基地の温室で食料となる穀物などを育てる。栄養価の高い玄米・大豆・イモ・小松菜などのほか、カイコを提案している。カイコは飼育が簡単で、繭から糸をとって衣服を作れるうえ、食用にすれば穀物や野菜だけでは不足する動物性タンパク質を補える。
2006.1.30《日経》
■宇宙食
「2006年2月に米で開かれた学会で「宇宙では」タンパク質源としてカイコを育てて食べるのが効率的」と山下雅道・宇宙航空研究開発機構教授が発表。集まったNASAなどの研究者を驚かせた。
1980年代、宇宙ステーション内での実験課題として宇宙農業の研究が日本で始まった時から関わってきた。
カイコも昔は一部の養蚕農家が食べていた日本の「伝統食」
■蜘蛛の糸
「農具用生物資源研究所の小島桂研究員らのグループは、絹よりも強く良く伸びるクモの糸成分をカイコに作らせることに成功した。
クモの糸は鉄よりの引っ張りに強いうえに、ゴムのように2倍程度伸びる
■サナギから燃料
「2010年、東京農工大学の普後一教授と釣りエサ大手のマルキューは、絹糸を取った後に残るカイコガのサナギからディーゼルエンジン用の燃料を製造する技術を開発した。サナギに含まれる油を処理して燃料を作る。廃棄物の再利用につながるほか、バイオ燃料の新しい製造法となる。
利用した油は、絹糸を取るために熱処理したカイコガのサナギをつぶして抽出する。油に触媒としての水酸化ナトリウムとメタノールを加え、含まれるグルセリンを取り除く。その後、線上や脱水などの処理工程を経て燃料を精製した。処理作用は1日程度で済み、1㍑のカイコ油から700~800㍉㍑の燃料が得られるという。
製造した燃料をディーゼル燃料で動くトラクターに給油し、正常に走行することを確認した。
一般に昆虫の体は油が20~25%と多く含まれているが、魚のエサに配合するなどわずかに利用されているのみ。」
カイワレ (カイワレダイコン)
■不凍タンパク質
2012年、関西大学の河原秀久准教授とカネカなどは3/12、カイワレ大根に含まれる「不凍タンパク質」と呼ぶタンパク質を利用し、冷凍食品の風味を保つ技術を開発した。
不凍タンパク質は周囲に存在する水が氷点下でもすぐに凍らないようにしたり、氷の結晶構造を均一にする性質がある。
南極海に生息する魚のほか、大根などの植物も持っている。
大根の不凍タンパク質は季節によって増減があるため、カイワレ大根に注目。
■歯で噛むときに辛みを生成
2015年、理化学研究所の升島努リーダーらは、噛んだときに辛み成分が生じることを見つけた。
原料となる物質と酵素はそれぞれカイワレの別の細胞に含まれており、細胞がつぶれたときに混ざって反応するという。
辛み成分の原料となる「グルコシノレート」は茎の中心部に多く、辛み成分ができるときに働く酵素は中心の細胞を取り囲む別の細胞を取り囲む別の細胞ぬ含まれていた。
ガウクルア(プエラリア)
=「プエラリア」は基原植物であるマメ科Pueraria mirifica(プエラリア・ミリフィカ)の属名Puerariaを冠したものである。一方、「ガウクルア」はタイの現地名"Guao Krua"である
プエラリア(ガウクルア)」にはミロエステロール(miroestrol)という強力なエストロゲン活性をもつ成分が含まれている。
女性ホルモンとしてミロエステロールは卵胞ホルモンであるエストラジオール(estradiol)に匹敵する強さがある。
プエラリア(Pueraria mirifica)は、タイ北部やミャンマーの山岳地帯など、亜熱帯地域の落葉樹林に自生するマメ科クズ属の植物。 赤いグワオーデン、黒いグワオーダム、白いグアオークルアの3種類が有る。 成分はショ糖 (砂糖)・食物繊維が大部分だが、女性ホルモンに似た作用を持つ植物性エストロゲン・イソフラボンが含まれており、含有量は大豆のほぼ40倍にも達する。 エストロゲンを活性化する誘導体はゲネスティン、ダイゼインに大別できるが、プエラリア・ミリフィカは、より活性の強い類縁体・ミロエステロールやデオキシミロエステロールが含まれ、更年期障害の軽減や、ホルモン置換療法、他にも女性の美肌作用などに効果が期待できるとされる
■豊胸効果の特産物
「1999年、タイ政府は、豊胸効果があるとして日本でも人気が出ているガウクルアを保護植物に指定し、輸出を禁止した。国内で商品化を進めるのが目的で、違法に輸出した場合、罰金4000バーツ(≒\12000)もしくは3年以下の懲役となる。
農業・協同組合省によると、対象は豊胸効果など女性に有効な『白ガウクルア』と男性器の機能不全に有効とされる『赤ガウクルア』。
ガウクルアを原料としてタイで製造された化粧品や健康食品は規制の対象外だが、製品は現在、小企業が当局の規制のないまま生産しており、有効性や安全性ははっきりしていない。
ガウクルアの豊胸効果を確認した国立チュラロンコン大学のウィチャイ・チャーチワサー準教授は、外国企業が大規模に商品化を進めればタイが打撃を受ける、として輸出規制を求めていた。ガウクルアはタイ北部の山岳地帯に自生するマメ科の植物。1999.3.18《新聞》
カウリ
カウリガム
(カウリの分泌液から得られた、アガテンカルボン酸を主成分とするものをいう。) ナンヨウスギ科カウリ(Agathis australis SALISB.)の分泌液を、熱時エタノールで抽出し、ろ液からエタノールを留去して得られたものである。主構成成分はアガテンカルボン酸である。 ガムベース Kauri gum
カエル(金銭蛙)
【効能・効果】
○熱・痩せを治す。
「焼いて食べたり、汁をつくって食べる。」
カエル(蛙)
■アズマヒキガエル
「2月~3月の夜、住宅街をのそのそ動く体長10cm、焦げ茶のカエル。
ジャンプは苦手。産卵のために、民家の庭や公園の池などの水場を目指す。エサとなるのは、ミミズ・ナメクジ・ヨトウムシなど。大食漢で、庭や家庭菜園の畑にいれば「殺虫剤がいらない」。頼りになるカエル。」
【効能・効果】(かえる)
○小児の熱瘡に貼る。
○喘息:
①生きたままのアオガエルを、足を持って石にぶつけて気絶させ、それを一気に水で飲む。
②乾燥させたアオガエルを、1日2匹煎服。
○小児の癇の虫:
①乾燥させたアオガエル5匹を360ccの水で半量に煎じ、1日に3分服。
②生きたアオガエルのももを焼いて食べさせる。
■世界中で3500種
産卵数・・・・2個~2万個。
☆ヤドクガエル
「南アメリカに生息するヤドクガエルの仲間は、少数の卵しか産まず、うまれてきたオタマジャクシを、親が背中にのせ、発育のために適した水たまりを探して運ぶ。
イチゴヤドクガエルでは母親が、マダラミズカキヤドクガエルでは父親が運ぶ。」
トランカタスヤドクガエル(デンドロバテス・トランカタスDendrobates truncatus)
☆イブクロコモリガエル
「オーストラリアに生息する。メスが受精卵を飲み込んで、自分の胃の中で、オタマジャクシや子ガエルになるまで飼育する。その間、母親は何も食べないどころか、胃液も出さず、腸の運動もしない。そして、時がくると子供ガエルを次々はき出す。」
☆ダーウィンハナガエル
「南米のパタゴニアに生息する。卵を飲み込んで育てるのは父親。卵を飲み込む場所は胃袋ではなく、繁殖期の大きな声を出すための袋(鳴のう)。」
☆ゴライアスガエル
「西アフリカに生息する、最大のカエル。体長35cm、体重3kg」
☆ピパ
「南アメリカに生息する。体全体が平べったく、三角に尖った頭を持った奇妙な形をしている。メスの背中の皮膚が盛り上がってできたくぼみの中に、1つ1つ卵が埋め込まれ、やがて、オタマジャクシや子ガエルになったのが、背中の皮膚を破って出てくる。」
☆ヒキガエル
■透明ガエル
「外から内蔵が透けて見える透明なカエルをつくることに、広島大学両生類研究施設の住田正幸教授らが、成功した。
解剖しないで生きたままで臓器や血管の状態を観察できる。2007年9/22の日本動物学会で発表。
住田教授によると、国内に広く生息するニホンアカガエルでは、体色が薄くなる遺伝子の突然変異が7これまでに2種類見つかっていた。教授らは変異を持つカエルを掛け合わせ、変異遺伝子を2つ持つカエルを作った。このカエル同士を掛け合わせた結果、オタマジャクシから成体までの生涯を通じて皮膚が透明な個体が生まれた。
■各地で落下
「2009年。浜松市と広島県三次市で6/15までにオタマジャクシの死骸が校庭などに散乱しているのが相次いで見つかった。
6/15午前8時頃、広島県三次市の民家で、オタマジャクシの死骸が落ちているのを主婦が発見。隣接する駐車場まで13匹のオタマジャクシと1匹のカエルが点々と直線上に散乱していた。主婦によると、オタマジャクシは体長3~5cmで足が生え、カエルは約5cmのトノサマガエルと見られる。
6/13朝、浜松市中区の西遠女子学園中学・高校で、半径約10mに30匹のオタマジャクシが散らばり「グラウンドに置かれてからさほど時間はたっていないようで、生臭かった」(教諭)
6/13午後6時頃、岩手県紫波町の畑で農作業をしていたところ、空から小魚のような生物が10匹以上落ちてきたのを目撃した。
■ネッタイツメガエル
「2010年、奈良先端科学技術大学院大学の荻野馨特任准教授らの国際チームが、カエルのゲノムを解読した。両生類で初めての成果。
成果は4/30のサイエンスに掲載。
アフリカに生息し、約5cmに成長するネッタイツメガエルを調べた。ゲノムの大きさはヒトの約6割にあたる約17億塩基対。染色体数は10対ある。遺伝子は約2万個で、ヒト(2万2000個)やメダカ(2万1000個)と大差がなかった。
ヒトで病気の原因となる遺伝子2299個の79%がカエルにも存在する。」
■片脚
「2010年、北九州市を流れる板櫃川で5月~6月にかけて、後ろ脚が無いカエルが大量に見つかった。見つかったのは八幡東区にある自然学習の場としても活用されている水辺。
見つかったのはツチガエルで、いずれも体長2cm~3cmの子ガエル。市立自然史・歴史博物館が捕獲した90匹のうち45匹が後ろ脚の左右のいずれか一方が無かった。」
■豆粒大のカエル
「2010年、成長しても体長十数㍉、豆粒ぐらいの大きさにしかならない新種のカエルをマレーシア・サラワク大学などの調査チームが、ボルネオ島の森林地帯で発見した。
アジア、アフリカ、欧州のカエルの中では最小という。
このカエルはヒメアマガエルの一種で、成体でも大量が10.6~12.8㍉。
調査チームは、ボルネオ島北西部のクバ国立公園内の森林地帯で、石をこすり合わせるような鋭い声を頼りに、このカエルを発見した。親は、食虫植物のウツボカズラの一種に卵を産み付け、オタマジャクシは、ツボ型の「補中のう」の中に溜まった水の中で過ごすらしい。
このカエルは100年以上前に捕獲され、一部の博物館などにサンプルが保管されていたが、今回。新種と確認された。
■渓流のカエル
渓流に生息する: ナガレタゴガエル
ぶよぶよにたるんだ皮膚
■カエルの合唱
2014年、カエルは、まわりにいるカエルとタイミングをずらして鳴いて、自分の声がかき消されないようにして、縄張りを主張している。
理化学研究所脳科学総合研究センターや京都大学のチームがまとめた。
これまで1匹ごとの声を識別するのが困難だったが、研究チームは開けるの声を光に変換し、位置や発声のタイミングを特定できる装置を開発して調べた、
ガガイモ
=「羅麻子」「羅麻葉」
◎日本では、ガガイモ科はミタキソウと呼ばれる1種類だけが自生。
⇒蔓性の多年性草本。全体に軟毛を密生し、茎を切ると、乳汁を出す。
◎種子・葉を乾燥させ飲むと、
強壮作用
強精作用
○種子についている白い毛・・止血作用
【効能・効果】(ががいも)
○悪臭:乾燥葉をいぶす。
○イボ:茎より出る乳汁を塗布する。
○陰痿:
・乾燥種子・乾燥葉を10g/日、分3で飲む(著効)。
○切り傷:
種子についている白い毛を塗布する。
○毒虫の刺傷:茎より出る乳汁を塗布する。
○腫れ物:
・生葉をすりつぶし塗布する。
・ 「茎葉山梔子末」酢で練って塗布。
○疲労回復:
乾燥種子・乾燥葉を10g/日、分3で飲む(著効)。
○不感症:
乾燥種子・乾燥葉を10g/日、分3で飲む(著効)。
カカオ
■硫黄で感染防止
「英バース大学のR・クーパー教授の研究グループは、一部の植物が硫黄を使った感染防止システムを備えていることを突き止めた。根の導管などの場所に病原菌が嫌う硫黄原子が配置しており、こらが感染を防止していると言う。
土壌に硫黄を散布すると植物が病気に罹りにくくなるが、カカオの木は“殺菌システム”を自分自身で持っていることになる。」1996.1.14《日経産業新聞》
■カカオの実はお金代わり
「植物学的に見ると、カカオの木はアオギリ科の高木で、生まれは神話の国アステカ付近のメキシコやベネズエラの辺り。そしてそこから広がり、今日では中米、アフリカ、アジアなど南北回帰線内の地、年間平均気温24~25℃、加えて温度変化が少なく、湿度の高い地方において栽培されている。」
その昔アステカの人々は、カカオ豆の粉末にすりつぶしたトウモロコシやコショウ・バニラなどを加え煮詰めて飲んでいた。その後、カカオ豆に火を通して香ばしくすることを覚えた。それを彼らはショコラトルと呼んだ。これは“苦い水”という意味で、今日のチョコレートやショコラのルーツに当たると言われている。
当時、カカオは大変な高級品で、カカオ豆は貨幣の代わりにもなり、例えば、4粒でカボチャ1個、10粒でウサギ1匹と交換。100粒あれば上等な奴隷が手に入ったという。(吉田菊次郎)2000.7.8《日本経済新聞》
■皮からミネラル
「ロッテがカカオの皮からミネラルを抽出する技術を開発。」
カカオ色素
(カカオの種子から得られた、アントシアニンの重合物を主成分とするものをいう。) ココア色素 カカオ
フラボノイド
フラボノイド色素 アオギリ科カカオ(Theobroma cacao LINNE)の種子(カカオ豆)を発酵後、焙焼したものより、温時弱アルカリ性水溶液で抽出し、中和して得られたものである。主色素はアントシアニンが熱により重合したものである。褐色を呈する。
着色料 Cacao colour
カカオ炭末色素
(カカオの種子の被覆物から得られた、炭素を主成分とするものをいう。) 炭末色素 炭末 アオギリ科カカオ(Theobroma cacao LINNE)の果実(カカオ豆)の殻を、焙焼したものである。主色素は炭素である。黒色を呈する。
着色料 Cacao carbon
black
カキ(柿)
⇒「柿蔕」参照
◎柿渋の作り方:
「小粒で出来るだけ渋い柿を選び、青いうちに採集し、約10%の水を加え、突き崩し、5~6日間かき回し、ビンに詰めて冷暗所に密閉貯蔵する。3ヶ月目くらいから使用出来るが、古いほど良い。」
◎『御所柿』・・・甘柿のルーツ。400年以上前から、変化していない柿。奈良県御所市 10数種がある。「居倉御所」から種々の柿がつくられた。
○柿の渋・・・アルコール分解作用。昔から干し柿を二日酔い予防に。
◎ 黒いつるし柿
・福井県南越前町。火でいぶして作る
【薬性歌】“柿子気寒潤心肺 澁腸禁痢渇痰退”
心肺を潤し、渇を止め、痰飲・酒毒・渋腸泄痢に応用。
【効能・効果】
○打ち身:柿渋を塗布する(著効)。
○かぶれ:柿渋を塗布する(著効)。
○眼底出血:葉5~6枚を煎服。
○声喉を潤す。
「干し柿を、水に漬けて常服する。」
○急性咽喉炎:
花の黒焼き。
○渇を止める。(紅柿)
○血尿:
へたの黒焼き。
「干し柿1個、葉4g」煎服。
○血便:
「干し柿1個、葉4g」煎服。
○高血圧:
・柿渋をそのままor大根下ろし汁で薄めて飲む。
・血管拡張作用→柿葉→「高血圧」
○嗜眠:葉を作末し5~10g/日飲む。
○シャックリ:
・へたの黒焼き。
・へた30g/日煎服する(著効)。
・「柿蔕5g、甘草1g」煎服。
・「柿蔕15g、丁字1.5g、生姜4g」煎服。
○シモヤケ:
・柿渋を塗布する(著効)。
・柿のヘタの煎汁で洗う。
○酒毒を消す:
・干し柿を煎服する。
・干し柿の表面に生じる白い粉末を飲む。
○小児の痢疾を治す。(乾柿)
・花の黒焼き末を飲む。
○痔出血の奇薬:
・黒焼きを塩湯で呑む《大塚敬節》
・「柿渋明礬10~20%」脱脂綿につけて肛門に当てる(著効)。
○心臓病:「柿蔕・黒豆」煎服。
○筋ちがい:柿渋を塗布する(著効)。
○せき:
・干し柿を煎服する。
・干し柿の表面に生じる白い粉末を飲む。
○中風:
・柿渋をそのままor大根下ろし汁で薄めて飲む。
○動脈硬化:生柿を食べる。
○吐血:
・柿渋をそのままor大根下ろし汁で薄めて飲む。
○脳溢血:
・柿渋をそのままor大根下ろし汁で薄めて飲む。
○鼻血:
・柿渋をそのままor大根下ろし汁で薄めて飲む。
○二日酔い:生柿を食べる。
○膀胱炎: 「柿蔕5個、黒ゴマ4g」煎服。
○夜尿症:
・柿のヘタを煎服。
・「柿蔕5個、黒ゴマ4g」煎服。
☆カキ色素
(カキの果実から得られた、フラボノイドを主成分とするものをいう。) 果実色素
フラボノイド
フラボノイド色素 カキノキ科カキ(Diospyros kaki THUNB.)の果実を発酵後、焙焼したものより、温時含水エタノールで抽出して得られたもの、又は温時弱アルカリ性水溶液で抽出し、中和して得られたものである。主色素はフラボノイドである。赤褐色を呈する。
着色料 Japanese persimmon colour
■柿の果皮で金を回収
「井上勝利・佐賀大学教授は柿の皮を利用して携帯電話から金を回収する技術を考案した。柿の皮に含まれる渋み成分(カキタンニン)に金を選択的に吸着する働きがあることに注目。」
◎カロリー:65kcal/100g(ゴボウ)以下
皮ごと食べる
カキ(貝のかき)⇒「牡蠣」
(参照→「岩ガキ」)
◎種類:
「マガキ」=冬が旬。
「イワガキ[岩ガキ]=春・夏に食用になる。1990年代に島根県の隠岐島で種苗生産に成功。その後、日本各地で養殖生産が盛んになった。200g以上の出荷サイズになるまで4年かかる。波の影響を受けやすい外洋に面した岩場で育つためか、マガキより身が大きく肉厚。
◎カキ殻を焼いて作末し飲むと、
・健胃作用
・鎮静作用
【効能・効果】かき
○遺精:
「カキ殻龍骨」作末し、米糊で丸剤にし、飲む。
○陰痿:
「カキ殻龍骨」作末し、米糊で丸剤にし、飲む。
○胃酸過多:
カキ殻をそのままor焼いて作末し飲む。
○胃もたれ:
カキ殻をそのままor焼いて作末し飲む。
○胃痛:
カキ殻をそのままor焼いて作末し飲む。
○気疲れ:
カキ殻をそのままor焼いて作末し飲む。
○胸痛(刺し込む痛み):
カキ殻をそのまま(or焼いて)作末し、砂糖を加えて飲む。
○口渇:
カキ殻をそのままor焼いて作末し飲む。
○酒後の煩熱を治す。
「肉を取って姜・醋を混ぜて食べる。」
○虚労と乏損を治す。
「煮て食べると良い。」
○酒渇を治す。(牡蠣肉)
○シモヤケ:
カキ殻を焼いて作末しゴマ油で練って塗布する。
○性的抑制が強すぎる人に:
カキ殻をそのままor焼いて作末し飲む。
○寝汗:
カキ殻をそのままor焼いて作末し飲む。
カキの身を食べる。
○夢精:
「カキ殻龍骨」作末し、米糊で丸剤にし、飲む。
○やけど:
「カキ殻甘草」等分を卵白で練って塗布する。
○夜尿症:
カキの身を食べる。
■活性酸素を除去。
「1996年、米国立がん研究所(NCI)とパリ大学は、カキに煮汁から抽出した物質がガンや老化の原因となる活性酸素を除去する作用を持つことを突き止めたと発表した。細胞に抽出物を加えると、活性酸素を除去する機能を持つ抗酸化剤の量が2倍に増えるという。
NCIのチュウ博士とパリ大学細胞・分子薬理学研究所のタピエロ所長が発表したもので、培養細胞に抽出物を加えたところ、生体に有害な物質を除去する抗酸化物質のグルタチオンの量が2倍に増えた。」
■素手で簡単に殻むき
「野崎産業は昨年末に輸入が解禁された豪州タスマニア産の殻付き生ガキの輸入販売を始める。生ガキ一つ一つに殻開け用ワイヤを装着し、ナイフなどを使わず簡単に殻を開けられるのが特徴。
輸入するのはタスマニア産パシフィック種の1年半もの生ガキ。タスマニアで採取した段階で塩化マグネシウム溶液に浸けてカキの口を開け、殻開け用ワイヤを貝柱に巻き付け出荷する。国内に空輸した後は提携先のカキ生産販売の本田水産の浄化装置でカキを洗浄してから販売する。」
■緑色のカキ
「フランス西海岸・ビスケー湾に浮かぶ、オレロン島が世界で唯一緑色のカキが育つ島。
「紀元前のこと。島の内陸に住むローマ人は、好物のカキを食べたくなると海まで漁に出かけた。それが面倒になり、カキを住まいの近くに保存できないかと、海水の溜まった池に入れておいたのです」(カキ養殖の指導者、ダニエル・ルーさん)「それから2000年何も変わっていませんよ」
フランス各地のカキが、1970年前後。次々とウイルスの侵された。全滅の危機を救ったのが日本から輸入した「マガキ」。はるか遠い島の環境にもなじみ、生き延びたのだ。
カキは出荷前に、海から池へと移される。ここで暮らすうち、身が緑色に変わってくる。秘密のかぎは池に漂っている「ナビキュール・ブルー(青い珪藻)と呼ばれる藻。カキが毎日食べ続けると、エラのひだが、緑色に染まるのだ。藻は島の池に自然発生する。池によって育ち方が違うため、カキの風味や色合いも微妙に変わる。
「フランスでも、藻はここにしかない。島の外に持ち出してもうまく育たないそうですよ」1997.2.2《朝日新聞》
■生食に用心
「カキ、アサリ、ハマグリなどの2枚貝の約30%が、小型球形ウイルス(SRSV) を含む食中毒ウイルスに汚染されている可能性があることが、このほど関根大正・東京都立衛生研究所ウイルス研究科長らの調査で分かった。
食べて感染しても全員が発病する訳ではないが、おなかの弱い人は十分加熱して食べた方がよさそう。東京で開かれる日本食品微生物学会で17日発表される。
調査は昨年~今年初めにかけて約1年間、市販されている19種類の2枚貝約200個から内臓を取り出し、SRSVやロタウイルスなど6つのウイルスがあるかどうか調べた。
その結果、貝類の29%からいずれかのウイルスが見つかった。中でもカキ、シジミ、マテガイからの検出率は、50%以上と高かった。1997.12.16《日本経済新聞》
■ウイルスを気泡で破壊
「産業技術総合研究所の高橋正好主任研究員らは水中に漂う直径50マイクロ㍍イカの微小な気泡で、カキなど貝類の食中毒を起こす「ノロウイルス」を破壊する技術を開発した。塩素殺菌より効果があり、カキなどに悪影響を与えない。コイヘルペスやレジオネラ菌などにも効果が期待できる。
海水にノロウイルスを入れ、微量のオゾンを含む酸素の微小な泡(マイクロバブル)を送り込んだ。1時間後、海水を調べたところ、ノロウイルスの遺伝子は検出できず破壊が確認できた。
目に見えるほど大きな気泡は上昇して水面で破裂するが、非常に微小な気泡だと自然に泡が縮んで消滅する。その間、マイクロバブルは負の電気を帯び、気泡内部の圧力は非常に高くなる。静電気的な力でウイルスが気泡に引きつけられ、オゾンの作用で破壊されるとみている。2004.1.9《日経産業新聞》
■ノロウイルスをオレガノで
「カキに含まれているノロウイルスを減らそうと、岡山県水産試験場が研究を重ねて、シソ科植物の香草「オレガノ」に効果があることを突き止めた。
2007年、下水処理場の排水口近くで約2ヶ月かけてカキにノロウイルスを取り込ませ、ニンニクやオレガノなど10種類以上を食べさせる実験を開始した。
カキのエサである植物プランクトンに似せた直径約0.1mmの球形カプセルに各成分を含ませて与えたところ、オレガノの場合だけ効果が表れ、ノロウイルスの検出が10~20%程度に激減した。
同試験場によると、必要なオレガノはカキ1個につき約10円。
■養殖の流れ
①基盤となるホタテの貝殻を並べる
②基盤の表面をコーティング
③ふ化したカキの稚貝を基盤に付着。成長させる
④成長した稚貝と基盤を分離する
⑤カキの稚貝をロープにつるす
太平洋セメントはカキの養殖で作用を効率化できるコーティング材料を開発。稚貝を育てる基盤として使うホタテの貝殻にあらかじめ塗布する。
■慢性肝炎
「2010年、常磐薬品工業はカキのタンパク質成分で慢性肝炎疾患の症状を抑えられることを見いだした。
マウスに6週間与えたところ、肝細胞の損傷を示す数値が低下した。」
カキドオシ
⇒蔓性の多年生草本。茎は毛を有する方形で、最初は直立するが、春~夏に淡紫色の花を葉腋に1~3個つけた後、長く伸びて倒れ、地面をはって節から根を出し繁茂する。葉は芳香があり、苦い。
【学名】glechoma hederacea
【別名】カントリソウ、ブヨグサ
【生薬名】連銭草
【分類】シソ科、多年草
【原産地】日本各地、台湾、韓国、中国
【効能・効果】(かきどうし)
○黄疸:「茵蔯蒿・山梔子」煎服。
○急性黄疸型伝染性肝炎:
「茵蔯蒿・山梔子」煎服。
○虚弱児の強壮剤:5g~15g/日煎服(著効)
○下痢:
「ゲンノショウコ・甘草」濃く煎じ、温服する。
○小児の疳:5g~15g/日煎服(著効)
○小便渋痛:
「車前子・蓄」煎服。
○腎臓結石:
30g以上/日煎服。or「海金砂・鶏内金」煎服。
○大腸カタル:
「ゲンノショウコ・甘草」濃く煎じ、温服する。
○打撲の腫れ:
生葉汁を塗布する。
○たむし:
生葉汁を塗布する。
○胆石:
30g以上/日煎服。or「蒲公英・虎杖根」煎服。
○胆嚢炎:
30g以上/日煎服。or「蒲公英・虎杖根」煎服。
○糖尿病:
「連銭草30g、山薬5g、十薬5g」煎服。
○尿路結石:
30g以上/日煎服。or「海金砂・鶏内金」煎服。
○膀胱結石:
30g以上/日煎服。or「海金砂・鶏内金」煎服。
カギカズラ⇒「釣藤」
=山林や浜辺の林などに自生する。葉の付け根に、曲がったカギのあるのが特徴。
アカネ科
原産地:日本、中国
【別名】鈎藤
【使用部位】カギ状の側枝
【採集時期】夏~秋、カギを日光干しする。
【成分】:
インドールアルカロイドのリンコフィリンを含み、鎮静作用、血圧降下作用、血管拡張作用がある
【効能・効果】(かぎかずら)
○産後の肥立ち:
カギ2g/日、煎服。
乾燥葉6g/日煎服。
○神経質な子供:
「カギ2g・センキュウ1g、甘草1g」/日。煎服。
「カギ1.5g・甘草1g」煎服。
○腺病質: カギ2g/日、煎服。
○めまい:
カギ3g/日、煎服。
乾燥葉9g/日、煎服。
カギクルマバナナルコユリ⇒「黄精」
ガゴメ(ガゴメコンブ)
■トロロコンブの一種
「道南特産の大型海藻「ガゴメコンブ」を使った健康食品や化粧品の販売に北海道函館市の3社が「バイオクリエイト」を設立した。
ガゴメはトロロコンブの一種で、抗ガン・抗アレルギー作用があるとされる「フコダイン」や、血圧抑制・免疫機能を活性化する「ラミナラン」などの成分を多く含む。」2004.10.21《日経産業新聞》
■血栓抑制
「タカラバイオは2006年6/8、北海道特産の大型海藻「ガゴメコンブ」が含む高分子多糖類の『フコイダン』に、血栓形成を抑える効果があることを確かめたと発表。
フコイダン濃度0.05%の水溶液を1ヶ月間飲ませたラットに血栓が形成されやすくなる薬剤処理をしたところ、動脈や静脈に血栓が出来たのは20匹中の9匹で通常のラットを使った場合の約半分だった。8/23の第26回日本糖質学会で発表。
カサゴ
◎カサゴの仲間には200年生きるものがいる。
カササギ(鵲ジャク)
【効能・効果】
○中風の斜に。
「山鵲の腹を切って血を患部に貼る。」
○癲狂と鬼魅を主治する。(鵲巣)
カシジェー
(参照→「泡盛」)
カシス
=和名:クロスグリ(黒酸塊)
寒冷な地域で栽培されている
青森県ではリンゴに次ぐ生産量
■近視抑制
「明治製菓は果物のカシスに含まれる色素に仮性近視の進行を抑える効果があることを確認した。パソコンによる作業をさせた後で視力を調べたところ、この色素を服用した場合は近視の進行が抑えられる傾向があることが分かった。
この色素はアントシアニンと呼ばれ、カシスの主成分の1つ。パソコンの作業を2自汗続けた後、近視の目安になる水晶体の屈折率を測定した。何も服用しなかった場合は屈折率が約10%低下して近視に近い状態になったのに対し、あらかじめアントシアニンの粉末80mg
を服用したケースでは屈折率がほとんど変わらなかった。
アントシアニンは毛細血管の血流を促進する作用があることが分かっている。」2000.6.24《日本経済新聞》
カジノキ⇒「楮実子」
ガジュツ⇒「莪朮」
=屋久島で採れる。スライスして乾燥させてから、作末。ガシンサンの原料
カシュー
現地名:(Jambu manyet)
学名:(Anacardium occidentale)
○ブラジル原産。中南米、東南アジアなど広く熱帯で栽培。高さ12~15mの常緑性の高木で、葉は卵形、花は5~6mmで、黄色や黄白色。花弁にはピンクの縞がある。花の柄が肥大し、5~6cmの黄色い洋ナシ型になったものがカシューアップルと呼ばれ(果托という)、生食やジュースなどの原料になる。この肥大した柄の先端に2~3cm、湾曲したマガタマ状の果実が実る。この殻の中に入っているのが「カシューナッツ」である。
用途
・ナッツ:炒食、菓子、カレー。
・果托:生食、飲料、ワイン、酢。
・殻:油液、塗料、工業原料。
・樹皮:染料、ゴム。
・木材:家具、木炭。
■植物からプラスチック
「植物から採れる物質にキノコの酵素を作用させて高性能の工業用プラスチックを合成する方法を東北大工学部の小林四郎教授らの研究グループが開発した。
合成したのはポリフェニレンオキサイド(PPO)という工業用プラスチックで、酵素を使った合成に成功したのは初めて。
小林教授によると、原料はカシューナッツなどの樹木から抽出したシリンガ酸と呼ばれる物質。国産のヒイロタケというキノコから採れる酵素『ラッカーゼ』を使って、空気中の酸素を酸化剤として参加させたところ、PPOが合成された。1996.5.25《日本経済新聞》」
カスカラサグラダ
◎樹皮には、アントラキノン誘導体を含有し、下剤や皮膚病の薬として用いられてきたのと同時に、吐き気・腹痛・出血性下痢のような症状を伴う中毒の原因植物。(講談社「天然毒」p30~31)
カズノコ(数の子)
=ニシンの卵巣。
卵巣そのものは軟らかい。
ニシンを塩漬けにすると硬くなる。
こういう性質はニシンの卵巣だけ。
○本物・・・・ニシンの卵
○代用品 「カラフトシシャモ(カペリン)」の卵、タラ類のすり身と練り合わせてから着色料でそれらしい色で仕上げ、圧縮成型する。 「キングサーモンの卵」 「シルバーサーモンの卵」 赤い卵は脱色後、黄色に染め上げカズコノ状に加工。 (吾妻博勝著「鯛という名のマンボウ アナゴという名のウミヘビ
☆スジコ(筋子)=サケの卵巣
☆明太子=スケトウダラの卵巣
ガッスール
■モロッコの粘土
「 ガッスールは吸着・洗浄効果が高く、アトピー性皮膚炎や脱毛予防に効果があると医学界からも注目されている。」2004.8.18《日経産業新聞》
カステラ
■香りがする花
「カステラの香りがする花『ツルアダン』の香りの正体を、高砂香料工業の研究グループが突き止めた。イチゴやリンゴなどの食べ物の香り成分が凝縮されていた。
ツルアダンは沖縄県の西表島などに自生し、オレンジ色の花を咲かせる。
花特有の成分はわずかで、99%が食べ物の香り成分だった。香り成分のほぼ100%が食べ物に由来する花が見つかるのは初めて。
主な香り成分はイチゴの香りと同じ「フラネオール・アセテート」という有機化合物。」2005.8.22《日経》
カタクリ
ヒメギフチョウがその蜜をエサにする。
カタツムリ
=「蝸牛」
■進化で種分化
「カタツムリは日本だけで700以上、世界では3万以上の種類があるという。カラフルな色を持つものや、直径30cm以上のサイズもいる。カタツムリは海に棲む巻き貝の仲間で、陸上にあがり、肺呼吸や乾燥から身を守るように進化した。その時期は恐竜が栄えた中生代の白亜紀(約1憶3500万年~6600万年前)だと考えられている。
つなみに『ナメクジ』はカタツムリが殻を失った姿で、巻き貝からアメフラシやウミウシが生まれたのに相当する。
“これは花が咲いているのだろうか?”
東京大学の上島励・准教授はかって、西太平洋のパラオ諸島でカタツムリの新種を見つけたときの印象。苔の生えた石灰石に直径1cmほどの透明なよろいのような殻を持つカタツムリが何十匹も集まってキラキラ輝いていた。
パラオと同じ海洋島である小笠原諸島でも約100種類のカタツムリが発見されている。ここで調査を進める東北大学の千葉聡・准教授は“どうして地球上の生物がここまで多様化が進んだのか?、謎の一端の解明につながる可能性がある”と話す。小笠原諸島に生息する19種類の「カタマイマイ属」を中心に調べている。カタマイマイは、同じ島にいても生息環境で4つに分類できる。
①木の上で暮らす・・・・・・・・樹上型
②木の中ほどから根元に暮らす・・半樹上型
③落ち葉の上で暮らす・・・・・・地表型
④落ち葉の下でミミズのように・・・地中型
いずれも1つの種類から分かれたと見られる
進化で生物の新種が誕生するには、2つのパターン(地理的分化・生態的分化)が考えられている。一般的とされるのは『地理的(異所的)種文化』。もともとは同じ種でも離れた土地に長期間棲んでいるうちに、それぞれ独自の進化をとげて新た種へと枝分かれしていく。
これに対し、地理的には隔離されていないにもかかわらず新種が登場するケースが生態的分化。アフリカの湖にすむ魚[シクリッド]などがこれ。
過去、地球上では生物の大量絶滅が6回起こり、その後に急速な種の分化が起こった。
■左巻き
「2010年、殻が左巻のカタツムリは進化の産物。一部の地域に住むカタツムリは、左巻の方が天敵のヘビから逃れやすいことを、東北大学の細将貴・日本学術振興会特別研究員らが突き止めた。
右巻きが繁殖に有利にもかかわらず、左巻が生き続けている理由の一端が分かった。
カタツムリは多くの種が右巻き。突然変異で左巻になると、繁殖が大変で子孫を残しにくい。
東南アジアにはカタツムリだけを食べるセダカヘビ類がいる。下あごの構造から右巻きを好んで食べることが知られている。
今回世界中にいる約800属のカタツムリを調べ、ヘビのいる地域では左巻の種がいる属が20%を超えて多かった。ヘビがいない地域では約1%だった。」
【効能・効果】
○胃腸障害:
「カタツムリ桑根皮竹根」煎服する(著効)。
○イボ:
①身をゴマ油で煮て膏薬とし患部に塗布する(著効)。
②身を集めてつぶし泥状にしてつける(著効)
③殻のまま黒焼きし黒砂糖orゴマ油or ハチミツで練って塗布(著効)。
○嬰児の驚風薬。
○虚弱児:身を焼いて食べる。
○下痢: 身を味噌汁にして食べる。
○健康増進:乾燥させ作末して服用
○口内炎:
黒焼き末を飯粒で練って塗布する。
○腎臓病:
「生きたカタツムリを、網の上に置いて直火で焼き、中身を竹串で取り出し、これをさらに天日でカラカラに干す。10個ぐらいをカップ3杯の水で半量に煎じ、1日3回食前30分前に飲む。連用で著効。
○痔:
①身をゴマ油で煮て膏薬とし患部に塗布する。
②身を集めてつぶし泥状にしてつける(著効)
③殻のまま黒焼きし黒砂糖orゴマ油or ハチミツで練って塗布(著効)。
○痔の腫痛に:
①陰干して作末し塗布すればすぐ治る。 ②油の中にカタツムリを1ヶ月余り漬けておき、その油を漬けても効がある。
「これは《有持桂里》の推奨する方であり、私も10数年前に、ゴマ油の中にカタツムリを浸しておいたが、悪臭に堪えずして、捨ててしまったことがある。臭気の点で考慮を要する。《大塚敬節》
○小児の疳:身を焼いて食べる。
○神経質な小児:身を焼いて食べる。
○神経痛:
カタツムリの黒焼き末を飲む。
○腎臓炎:
カタツムリの黒焼き末を飲む。
○腎臓病:
「カタツムリの身麝香」混ぜてヘソの下に塗布する。
「カタツムリの身芥子」混ぜてヘソの下に塗布する。
○喘息:
カタツムリの黒焼き末を飲む。
○脱肛:
黒焼き末を飯粒で練って塗布する。
○ただれ:
身をすりつぶし塗布する。
○打撲:
黒焼き末を飯粒で練って塗布する。
○糖尿病:
カタツムリの黒焼き末を飲む。
○軟性下疳:
①身をゴマ油で煮て膏薬とし患部に塗布する(著効)。
②身を集めてつぶし泥状にしてつける(著効)
③殻のまま黒焼きし黒砂糖orゴマ油or ハチミツで練って塗布(著効)。
○尿が出渋る(尿閉):
①カタツムリの黒焼き末を飲む。
②「カタツムリの身麝香」混ぜてヘソの下に塗布する。
③「カタツムリの身芥子」混ぜてヘソの下に塗布する。
○捻挫:
黒焼き末を飯粒で練って塗布する。
○ノドの腫れ:
カタツムリの黒焼き末を飲む。
○腫れ物:
①身をゴマ油で煮て膏薬とし患部に塗布する(著効)。
②身を集めてつぶし泥状にしてつける(著効)
③殻のまま黒焼きし黒砂糖orゴマ油or ハチミツで練って塗布(著効)。
○浮腫:
①「カタツムリの身麝香」混ぜてヘソの下に塗布する。
②「カタツムリの身芥子」混ぜてヘソの下に塗布する。
○扁桃炎:
カタツムリの黒焼き末を飲む。
○ムカデに刺されたとき:
身をすりつぶし塗布する。
○よこね:
「身ドクダミ葉」すりつぶし混ぜて貼ると、口が開き毒を吸い出す。
○肋膜炎:
カタツムリの黒焼き末を飲む。
カタバミ
=クローバーによく似たハート形の葉が3枚ついていて、花は黄色の小さな5弁花。
【別名】カガミグサ、スイグサ、スイモノグサ、スグサ、酢漿草。
【種類】
葉が緑色のもの(カタバミ)
葉が紫色のもの(アカカタバミ)
中間色の者(ウスアカカタバミ)
【使用部位】全草
【採集時期】春~夏。陰干しする。
【効能・効果】
○赤毛:
「カタバミ全草10g・ツバキ実30個・黒豆90cc」900ccの水を半量に煎じて洗髪する。
○こしけ:
カタバミの乾燥葉、10g/日、煎服。
○痔:
アカカタバミの煎汁で湿布する。
○しらが:
「カタバミ全草10g・ツバキ実30個・黒豆90cc」900ccの水を半量に煎じて洗髪する。
○白ナマズ:
生葉の絞り汁を塗布する。
○タムシ:
生葉の絞り汁を塗布する。
○トラホーム:
5gを360ccの水で5~6分間煮出して、洗眼する。
○虫さされ:
生葉の絞り汁を塗布する。
○やけど:
生葉の絞り汁を塗布する。
ガチョウ(鵝)
【効能・効果】
○消渇を治す。(白鵝)
○小児の驚癇を治す。(鵝毛)
かつお
=潜行板(100種類以上)で疑似餌を使う「けんけん漁」がすさみで行われている。
■調査3000匹
「2010年、味の素は金塊カツオの生態の本格調査に乗り出す。昨年1000尾規模で始めた調査を今年は3000尾まで拡大。カツオは主力商品「本だし」の原料。
今年の調査は鹿児島県の奄美大島沖と高知県の気で実施。体長30cm級のカツオを釣り上げ、標識をつけて放流。国内各地の漁協から漁獲報告を募り最終的に約100尾のデータを集め、日本近海での回遊パターンなどをきめ細かく推定する。
カツオは熱帯の海に多く生息。
■かつお節
フランスで工場
欧州では食品安全規制が厳しく、日本の製法で作ったかつお節の輸入が認められていない。鹿児島県枕崎市の枕崎水産加工工業協同組合が2014年に作った。
■かつお節【効能・効果】
○うるしかぶれ:
「たくさん削ってこれを水に入れ、ニカワのようになるまで濃く煮詰め、これを飲むと、立ちどころによくなる。《大塚敬節》
カツオノエボシ
(参照→クラゲ)
=カツオノエボシ科の大型クラゲ。
日本海沿岸に8月下旬~10月ごろ。
◎有毒成分:ペプチドや各種酵素。
◎中毒症状:
しびれるような痛み、赤く腫れ上がる。
重症になると、嘔吐、血圧上昇、呼吸困難
刺されるたびに症状は重くなる。
ガティ
ガティガム
(ガティノキの分泌液から得られた、多糖類を主成分とするものをいう。)
ガティ シクンシ科ガティノキ(Anogeissus Iatifolia WALL.)の幹の分泌液を、乾燥して得られたものである。主成分は多糖類である。 増粘安定剤 Gum ghatti
カテキン
◎メチルカテキン→「茶」
カート
■イエメン
「中東アラビア半島の南端に位置するイエメンの老若男女は薬草「カート」を手放せない。仕事中でもビニール袋いっぱいの葉っぱを1枚1枚ちぎって口に押し込み。クチャクチャと繰り返す。タバコかコーヒーのように来客にも勧める。
多くのイエメン人が「これがあると意識がハッキリし、仕事の効率がぐんと上がる」と主張。
軽い興奮作用を起こす成分が含まれ、隣国サウジアラビアでやオマーンでは「麻薬」扱いされている。
カートはエチオピアが発祥で紅海を挟んだイエメンに渡った。古くは新約聖書に登場し、うつ病患者の治療に使われた
カトゥキー Kaţukī (コオウレン)
=高地に生育する植物。
通常はトリカブトの周囲に生育する。モンゴル・チベット・ブータンに多い。雪解け時期に桃色の花が咲く。
【学名】Picorrhiza kurroa Benth コオウレン
【科名】Scrophulaceae ゴマノハグサ科
◎適応
・母乳の浄化作用(授乳期間中に乳児に拒否された時)
・消化促進作用
・皮膚病
・血液の汚れ
・肝障害
・発熱
・肥満
・喘息
・腸内寄生虫(ギョウ虫・鉤虫・回虫・条虫)
カニ(蟹)
(参照→「セイコガニ」「スベスベマンジュウガニ」)
「どうまんガニ」=とってもうまい・・・浜名湖の舞阪漁港
○ズワイガニ・・・エチゼンクラゲを食べる。
【薬能】
《薬性提要》
“鹹して寒、血を散じ、筋骨を続ぐ。漆瘡に塗る”
【効能・効果】
○萎縮腎:
生カニの絞り汁を飲む。
○胸中の熱結を治す。
○胃ガン:
生カニの絞り汁を飲む。
○胃気を治し、消化をよくする
「中黄即ち中の黄色い部分を取って五味であえて生を食べる。」
○ウルシかぶれ:
「生を搗いて塗布する」《有持桂里》
○小児の頭骨が合わないとき使う。
○小便かぶれ:
*生のまますりつぶし汁を塗布(著効)。
*乾燥させ作末し、湯で練って塗布or煎汁で洗う(著効)。
○脚気:
カニの黒焼き末を飲む。
○気管支炎:
カニを煎服する。
○筋骨が切れたのを治す。
「足の中の髄・脳・殻の中の黄を、砕いて少し炒って瘡の中に入れる。」
○筋骨が折れたとき。
「生を搗いて炒って貼る。」
○下痢:
カニの黒焼き末を飲む。
○痔:
カニの黒焼き末を飲む。
○しもやけ:
カニの黒焼き末をゴマ油で練って塗布。
○神経痛:
カニの黒焼き末を飲む。
○心臓病:
カニの黒焼き末を飲む。
○腎臓病:
生カニの絞り汁を飲む。
○せき(肋膜の):
生カニの絞り汁を飲む。
○喘息:
カニの黒焼き末を飲む。
○血尿:
カニの黒焼き末を飲む。
「乾燥させ作末し、それを温湯にとかして、患部に塗布」《津田玄仙》
○丹毒:
生のまますりつぶし汁を塗布(著効)。
乾燥させ作末し、湯で練って塗布or煎汁で洗う(著効)。
○寝汗:
生カニの絞り汁を飲む。
○脳膜炎:
生カニの絞り汁を飲む。
○肺炎:
カニを煎服する。
○肺結核:
カニの黒焼き末を飲む。
○夜尿症:
カニの黒焼き末を飲む。
○淋病:
カニの黒焼き末を飲む。
○肋膜炎:
カニの黒焼き末を飲む。
◎「カランケージョ」:アマゾンのカニで、美味。
■かに養殖
「北海道沿岸で捕れるタラバガニと花咲ガニの完全養殖に成功した根室市水産研究所。
完全養殖のカギとなったのは、北海道厚岸町の名産品の牡蛎(カキ)の殻だった。養殖槽のそこに敷き詰め、稚ガニが死ぬ原因となる細菌の繁殖を抑制。成育に適した水のpHを保つことが出来た。」2004.11.29《日経産業新》
■上海ガニ
「環境省は中華料理の食材として知られる上海ガニ(チュウゴクモクズガニ)が国内の生態系に悪影響を及ぼす可能性があるため、「要注意外来生物」に指定する。
同省は、特定外来生物被害防止法に基づき、生態系に被害を及ぼす可能性がある外来種の選定作業を進めている。このうち要注意外来生物は、法規制の対象外で国内運搬の際に許可は不要だが、取り扱いを注意して生態系への影響を監視し続ける必要がある生物として指定する。
上海ガニは2004年11月に東京都水産試験場の調査で2匹が東京湾で見つかり、国立科学博物館の専門家がはじめて日本の野外での生息を確認した。日本への侵入経路は不明。上海がには中国の固有種だが繁殖力が強く、すでに英国など欧州では広く定着している。
日本には在来のモクズガニが生息しているが、減少が懸念されている。武田正倫部長は「日本のモクズガニは生息域やエサなどが重なり生存競争に負ける恐れがある。野外での生息状況や交雑を調べるとともに注意喚起が必要」と話す。」20051.10《日本経済新聞》
■アレルギー物質20分で検出
「日本水産系の検査薬メーカー、日水製薬は加工食品にエビやカニに由来するアレルギー原因物質が混入しているかどうかを20分で検出する簡易検査キットを開発した。
生産ラインなどで成分が混入していないかどうか調べられる。
検査キットのプレートには甲殻類のアレルギー原因となるタンパク質『トロポミオシン』に反応する抗体をつけた。サンプル中のトロポミオシンが抗体と反応して結合すると赤紫色に発色する。目視で識別できる。」
■アカテガニ
一生のほとんどを森の中で暮らし、大潮の時に、産卵するために海岸へ下る
ミミズなども食べる。放たれた子供カニは1ヶ月ぐらいで山へ戻る。
カニクサ⇒「金沙藤」
ガーネット GARNET
=「ざくろ石」garnet。
⇒ラテン語のgranatum(ざくろ)からきている。
◎ざくろ石は、鉱物学的には14種の鉱物のグループ名です。
「アルマンディンAlmandine」(鉄ばんざくろ石)
「アンドロダイトAndrodite」(灰鉄ざくろ石)
「ウバロバイトUvarovite」(灰クロムざくろ石)
「グリーン・グロッシュラーGreen grossular」
「シナモンストーン」
「スペサルチンSpessartine」(満ばんざくろ石)
「ツァボライトTsavolite」
「デマントイドDemantoid」
「トランスパールひすい」
「パイロープPyrope」(苦ばんざくろ石)
「ピンク・グロッシュラー」
「ヘソナイト」
「ロゾライト」
「レインボー・ガーネットRainbow garnet」
「ロードライト・ガーネット」
◎ガーネットは24面体や12面体、36面体の結晶になって産出する。1cm前後で結晶面のきれいなものは、天然にカットされた宝石です。
◎(D・L・メラ)
「体の毒を減らし、感情面の傷を癒す。」
「枕の下に置けば、悪夢から守る。」
「治療効果:
<1>甲状腺の症状をバランス
<2>鬱病(ペンダント)
<3>食中毒
<4>あらゆる血の病気
<5>脾臓を正しく刺激し有益。
<6>リウマチ・関節炎
<7>石灰化症状に:輝く深紅色と淡い赤橙色。」
「あなたのエネルギー系統をバランスさせ、望みを刺激させ、態度を高揚せます。」
「エネルギーストーンとして、あなたと仕事をうまくやっていきたいという気持を関係者に起こさせる(特に女性の場合)」
「生活の不安定、金銭の欠乏に対する恐怖心を除く。」
◎積極的でハッピーな気持ちにさせる。
◎応用:
<1>不寛容、
<2>人気の不足に。
<3>勝手な性格を直す。
◎原石のままでは力を発揮しない。研磨することが必要。
◎リーディング(レノーラ・ヒュイット)
「ガーネットは、脳下垂体にとって必要な石であり、これはこの石のエネルギーが第三の目に入り、脳下垂体が深い所から動くように働きかけるためである。『全てを見る心』を過去世に戻らせる力がある。そのためには、患者の頭頂に石を横たえるのである。石の波動が本人の想念体を結んでいるエーテルの皮膜を自由にさせ、こうして想念体はエーテル中に解放され、他の人がこれを見てより自由に読みとり、本人の理解にとって必要なことの詳細をピックアップすることが出来る」
「一時期、ポケットor身近な所に石を入れてもっていてガーネットをあなたに同調させた後で、相手の人の頭に置けばさらに強い繋がりが出来る。この石を通じて解放される想念体は、相手にとって必要なものばかりである。ガーネットは本人と扱う相手に影響を及ぼす。」
「ガーネットは熟考時に非常な霊感を与える性質を持つ。この場合には石を手に持つ。形は重要でないが、先の尖ったブリリアンカット(58面体)の石をイメージし、さらに石の色彩を鮮明にイメージングせよ」
「第三の目の上に付ければ、守りの石ともなる。」
「最も効果があるのは、治療における活用であり、脾臓に石を置けば浄め、増幅する。脾臓は正しく刺激するのが難しい器官であり、普通の人には、常にかき回して浄める必要のあるカスがあり、これを毎週使えば全身が活発になり、その組織にとっても有益である」
「一番下の内分泌腺にも作用する。底のチャクラに使う場合は、相手をうつ伏せに寝かせて、尾てい骨の位置に石を当てる。」
「ガーネットは実に強力な石であるため、この特殊な体験に準部出来ていない人には返って相当の傷を生むことになるから要注意」
◎リーディング(ジュリア・ロルッソ)
「ガーネットは種類ごとに別々な目的に役立つ」
「赤色の結晶は火星の支配下にあって、肉体の血行とエネルギー原理、あるいは血中のヘモグロビンとつながりを持っている。もし不足あれば、この種類は血行を正常な状態に返す助けをする」
「また、生殖器にも働きかけ、そのホルモン分泌を刺激する」
「赤と緑色のガーネットの結合は極性の障害のすべてに渡って有効に使うことが出来る。」
「緑色のガーネットは冥王星の力を現して脊椎を上下する歪んだプラスのエネルギーを修正する一方、赤い方はその反対側を横切るマイナスのエネルギーの変性に携わる。」
「不完全なエネルギーの方向を結び直し修正して。例えば、女の体に受胎しながらも他の面では全てにわたって男として機能しているような人を調整し直すことが出来る。」
「リウマチ・関節炎のようなその構造を矯正するのに強い光と熱の波長を必要とするあらゆる疾患、石灰化症状にとても良く作用する。石灰化を崩すには深紅色と淡く鮮やかな赤橙色の間の石である」
カーネリアン CARNELIAN
=石英系の玉髄の一変種。「紅玉髄」
⇒めのう(瑪瑙)の中で一番人気が高い。
色:赤、オレンジ、赤茶色、朱色、黄褐色、サビ色。
ラテン語の“肉”から派生。
◎半透明で、色は淡いピンクから赤、薄い黄色から濃いオレンジ色まで。柔らかな光沢を持ち何世紀もの間、印鑑や印章に使われてきた。
◎大祭司の胸当ての第一番目の石。
◎欲求をそそる石-----オレンジ色のカーネリアンがおすすめ。
◎(D・L・メラ)
「エネルギーレベルを増す」
「あなたを動かし、アイデアを形にするエネルギーを与えてくれます。」
「方向づけの石。職探しにつかえます。」
「あなたの行動がもっと満足出来るように助けてくれます。」
「あなたが失ってしまったかもしれない、大望を取り戻し、それを実現させるために必要なエネルギーを追加してくれます。一点に集中し自己実現に向かわせる“行動石”。」
◎(D・L・メラ)の経験
「私の依頼人の1人は、営業成績を上げようと積極的にイメージ作りの本や講座、テープ教材にお金と時間を使っていました。彼女は秘書の仕事からセールスに転職したばかりで、この世界では一般的にセールスを仕事とする女性は地味な服装をして宝石など付けたりしないものなのですが、彼女はオレンジ色や金色、黄色といったサニーカラーの服が大好きでした。彼女は私のオフィスにこの件で相談しに来ましたが、実現し達成したいという願いをいっぱいに放っていました。私は、新しい服装にアクセントを付けるために、カーネリアンと金、トパーズを身につけるよう勧めました。 このジュエリーは彼女の求めているエネルギーを放つ助けをするはずです。
彼女はその後すぐに、カーネリアンのペンダント、ビーズ、イヤリングを金のチェーンと一緒に購入しました。これが、彼女の服装に新しい色の変化を添えることにまりました。
最初の6ヶ月で彼女は営業成績を2倍にし、1年の終わりには大手の保険会社で営業部長に抜擢されました。当時、彼女の顧客探しの才能と、いかに彼女の光り輝くようなイメージが契約を結ばせたかについて、幾つもの記事が書かれたほどです。」
◎活力を出せないとき。
◎リーディング(レノーラ・ヒュイット)
「無気力で、のんきで、怠けすぎの人には格別な効果がある。持ち主を行動の瀬戸際に立たせ、行為者になるようにせき立てる。始める人にとっては原動力となってくれる」
「自分が最も低い状態でいることに満足してはならないことを人間に思い出させてくれる」
「肝臓を刺激するのに特に有効である。つまり、肝臓に不純物を排出させる力をこの石がもっているためである。石を手に持ち肝臓上部をマッサージするのである」
「カーネリアン自体がエネルギーなのではない。ただ人間の中に解放を起こさせ、エネルギーが彼らに向かって集められるようにするのみである。彼らは外からエネルギーが入ってくるのを必要としている」
「人々の興味を刺激し、行動を起こさせる。その意味では『始まりの石』『扉の開き手』と呼んで良く、クンダリーニ中枢に作用を及ぼすのである。クンダリーニを開いたり、動かしたりする力はなく、このエーテル体の最重要中枢にあわただしさを起こし、活動・関心を刺激する助けをする」
「石をつけるのは、喉の中枢or第三の目である。特にクンダリーニの力に働きかけをしたい場合には、これを瞑想中に使いなさい」
◎リーディング(ジュリア・ロルッソ)
「強壮剤として、古代によく使われた。特に肝臓・胆嚢・膵臓に向けると消化酵素の流れを刺激する」
「血液を活発にし人からプラスの磁場を引き出す」
「人が呼吸と共にプラーナを吸収するように、皮膚を通して直接エネルギー分子を体に与えて良い働きをしてくれる」
「特に色が濃く透明なももは電磁的性質を持ち、それを身につける人から発散するエネルギーと調和していれば強力なエネルギーを発散する。」
カノコソウ⇒「吉草根」「バレリアン」
⇒多年草草本。全株に特異の臭気を発する。
7~8月頃、根が折れないように掘り出し、水洗して乾燥(吉草根)。
【別名】「ハルオミナエシ」
◎根を煎服すると、
鎮静作用
鎮痙作用
【効能・効果】
○心悸亢進:
乾燥根3~8g/日煎服。or乾燥根を作末し、1~2g/回飲む。
○神経過敏:
乾燥根3~8g/日煎服(著効)。
乾燥根を作末し、1~2g/回飲む(著効)。
○神経衰弱:
乾燥根3~8g/日煎服(著効)。
乾燥根を作末し、1~2g/回飲む(著効)。
○精神不安:
乾燥根3~8g/日煎服(著効)。
乾燥根を作末し、1~2g/回飲む(著効)。
○テンカン:
乾燥根3~8g/日煎服。or乾燥根を作末し、1~2g/回飲む。
○ヒステリー:
乾燥根3~8g/日煎服(著効)。
乾燥根を作末し、1~2g/回飲む(著効)。
○不眠症:
乾燥根3~8g/日煎服。or乾燥根を作末し、1~2g/回飲む。
○片頭痛:
乾燥根3~8g/日煎服。or乾燥根を作末し、1~2g/回飲む。
○耳鳴り:
乾燥根3~8g/日煎服。or乾燥根を作末し、1~2g/回飲む。
○めまい:
乾燥根3~8g/日煎服。or乾燥根を作末し、1~2g/回飲む。
カバ(河馬)
■汗から
「京都薬科大学の橋本貴美子・助教授じゃ慶應義塾大学、上野動物園と共同で、動物のカバの汗に日焼けを防ぎ、皮膚に付着した菌の感染を防ぐ働きがあることを突き止めた。
上野動物園のオスのカバ「ジロー」とメスの「サツキ」の顔や背中からガーゼで拭き取り、汗の元となる色素を抽出した。色素は赤色の『ヒポスドール酸』と、オレンジ色の『ノルヒポスドール酸』の2種類が見つかった。
両方の色素に光を照射したところ、紫外線領域の光を吸収し、日焼け防止効果があることがわかった。
赤色色素を、化膿菌に投与したところ、菌糸がのびなかった。2004.5/27《日経産業新聞》
カバカバ(カバ)
=カバ(kava)。コショウ科。
学名:Piper methysticum Foest.
別名:[Kawa-Kawa][Kava-Kava]
成分:カバビロン
作用:抗不安作用
抗ストレス作用
相互作用:
○血中濃度が上昇・・・[イソフルラン][エトスクシミド][クロルゾキサゾン][セボフルラン][ハロタン]
(カバカバはCYP2E1活性を約40%阻害するため)
■カバカバ(カバとも呼ばれます)は、Piper methysticumという比較的大きな葉をもった植物で、元々はマレーシアやポリネシアの原住民が、主にその根の部分をドリンク剤にして宗教的な意味を持ったトニックとして用いていました。
これはカバカバが精神的な酩酊にも似たリラックス効果をもたらすことによります。
現在ではカバカバは、沈静・鎮痛効果のある自然のリラックスハーブとして広く一般に使われています。
「カバカバは前述のように、主に精神(中枢神経)に作用して、抑制する方向に働きますので、これが結果的にリラックス効果をもたらすと考えられます。
また、有効成分の一つであるジヒドロカバインやジヒドロメチステシンは、代表的な鎮痛薬であるアスピリンの同じ量と比較して、25%も強い鎮痛効果があるという報告もあり、カバカバはリラックス効果だけでなく、自然の鎮痛効果があるハーブとして、関節痛や筋肉痛にも使われます。」
■劇症肝炎が発症
「植物の「カバ」から作った健康食品が原因で、劇症肝炎になって死亡したり、肝移植を受けたりした報告が海外で相次いでいることが分かった。国内でもインターネットを通じて購入できるため、厚生労働省は3日までに、都道府県に監視を強化するように通知した。
カバは南太平洋の島々で育つコショウの仲間。根や茎から取ったエキスは不安やストレスを和らげる作用があるとされている。
1999年以降、ドイツやスイス・米国で少なくとも11人がカバが原因と思われる劇症肝炎を起こし肝臓移植を受けたほか、オーストラリアでは死者が出ていることが日本医薬情報センターが集めた情報で分かった。2002.12.3《日本経済新聞》
カバノアナタケ
■エイズとインフルエンザ
「北海道の山中で採れるキノコ「カバノアナタケ」の抽出物がエイズ(後天性免疫不全症候群)とインフルエンザを抑える効果があることが、北海道立衛生研究所と民間企業のサラダメロン和光農場バイオ研究室の佐久間和夫室長の共同研究で分かった。11/11から北海道・北見市で開かれる北海道公衆衛生学会で発表される。
カバノアナタケは白樺などの幹について育つ希少なキノコ。北半球に分布し、日本では北海道の北部山地にみられる。分析はカバノアナタケを煮て得た抽出物を薬品処理して精製、様々な濃度でヒトのリンパ球からとった細胞に加え、エイズウイルス1型(HIV1)によって細胞が変性する程度を調べた。」1999.11.11《産経新聞》
■道産
「北海三共(三共の農薬子会社)は、ガンや老化、生活習慣病などに有効とされる抗酸化物質『β-グルカン』をアガリクスやシイタケなどの約4倍含むカバノアナタケを、今後自社培養する予定」2004.8.24《日経産業新聞》
カピタツムゼラニウム
【学名】Pelargonium capitatum
【英名】Capitatum geranium
【和名】カピタツムゼラニウム
カブ(蕪) Turnip
=地中海原産のアブラナ科
別名:「カブラ」「カブラナ」「アオナ」「スズナ」
選ぶ:茎の根元がシッカリしているもの。かぶの肩が張っているもの。
春の七草の1つ。
(根部)は淡色野菜に分類に、(葉部)は緑黄色野菜に分類される。
根には
・ジアスターゼやアミラーゼを含むので、食べ過ぎ飲み過ぎによる胃腸の不調を整える
・すり下ろしてガーゼに包み塗布(ヒビあかぎれ)
種子を
すりつぶして顔に塗る(美肌効果)
すりつぶして少量の酢を混ぜてマッサージ(円形脱毛症)
炒って食べる(眼精疲労の予防、老人性白内障の予防)
葉には
ビタミンCが多い(75mg/100g)・・・オレンジの3倍。
カルシウムが多い(230mg/100g)
少量の塩で葉をもみ塗布(乳線炎。吹き出物)
【効能】胃酸過多の改善
骨歯の強化
しもやけの改善
【成分】
ビタミンC・・・・75mg/100g
カルシウム・・・・230mg/100g
グルコシノレート・・・抗ガン物質
■野菜の優等生
「起源は地中海地域と西アジアの2地域といわれ、地中海地域では紀元前、中国でも紀元前770年頃の『詩経』成立以前に野菜として栽培されていた。」
■冷凍解凍
自然解凍でも電子レンジ解凍でも、
カブトガニ
◎弘法大師空海の《篆隷萬象名義》830年頃
腹の中の麻の実のような卵を醤(ジヤン)にするととてもおいしい。の記述があるが、これは、中国で6世紀に書かれた現存しない文献《玉篇》の写しとされる。
カブトムシ
■タイワンカブトムシから
オリクチンが見つかった
2010年、東京大学農学部の田之倉優教授らのチームは、アミノ酸の配列から働きを推定できないタンパク質について、立体構造の似たタンパク質を探して働きを解明することに成功した。
通常、新しく見つかったタンパク質はアミノ酸の配列を既知のタンパク質と比較することで働きを推定出来る。ただ、ゲノム解析などで見つかるタンパク質の約5%は既知のタンパク質とアミノ酸配列の類似性が少なく、働きが分かっていない。
研究チームは、タイワンカブトムシの体液から見つかった機能不明のタンパク質「オリクチン」の働きを推定するためにNMR(核磁気共鳴装置)で立体構造を解析。6万種以上登録してあるタンパク質のデータベースで検索すると、タンパク質分解酵素の働きをジャマすることを確認した。
オリクチンは細菌や真菌の感染から体を守る役割を担っていると推定できる。
■さなぎ
2011年、東京大学と森林総合研究所のチームは、カブトムシのさなぎが幼虫と振動を通じて情報のやり取りをしていることを突き止めた。眠っているように見えるサナギだが、自ら幼虫を遠ざけ一定の距離を保っているという。
サナギ室という空洞を作るサナギは規則的に振動しているが、役割は不明だった。研究チームはプラスチック容器にサナギと幼虫を入れ、詳しく観察した。
生きたサナギを空洞に入れた場合、幼虫が空洞を壊した例は無かった。しかし死んだサナギの入った空洞は高い確率で壊された。サナギは外部から刺激を受けると、腹部を回転させ背中を空洞の壁に打ち付けて振動をつくり出していた。幼虫が近くにいるサナギは頻繁に振動を発したという。
カホクサンショウ⇒「蜀椒」
カボチャ(南瓜) Pumpkin/Squash
=中央アメリカ原産のウリ科
【別名】「ナンキントウナス」「ボウブラ」
カロチン・・・黄色の果肉に含まれるカロチンは、血管壁や皮膚粘膜を強化し、動脈硬化。とり目・眼精疲労・や風邪・肺炎なその感染症の予防に効果的
果肉以上にカロチンが多いのが「わた」の部分。
リノール酸・・・種子に多く含まれている
【南瓜仁】カボチャの種子
回虫や蟯虫の駆虫薬として古くから使われてきた。
【効能・効果】・・
・脳卒中の予防
・風邪の予防
・活性酸素の除去:(VE+β-カロチン)
○咽喉痛:
種子10~20g/日煎服する。or種子を炒って食べる。
〇回虫:
種子10~20g/日煎服する。or種子を炒って食べる。
花の乾燥粉末を飲む。
〇かぜ:
種子10~20g/日煎服する。or種子を炒って食べる。
〇急性肋膜炎:
果実を練って患部に塗布する。
〇産前産後の浮腫:
種子10~20g/日煎服する。or種子を炒って食べる。
〇条虫駆除:
種子の皮部を去って作末し、30~50g/日飲み、その3時間後に下剤を服用する(著効)。
花の乾燥粉末を飲む。
〇腎臓病(むくみ):
種子10~20g/日煎服する。or種子を炒って食べる。
「種子を煎服or炒って食べると、利尿作用」
〇糖尿病:
種子10~20g/日煎服する。or種子を炒って食べる。
〇百日咳:
種子の黒焼き末を飲む。
〇母乳の出が悪い:
種子10~20g/日煎服する。or種子を炒って食べる。
〇虫さされ:
葉・花の絞り汁を塗布する。
〇肋間神経痛:
果実を練って患部に塗布する。
■(生)で食べるカボチャ
「サカタのタネは4月からカボチャの新品種『コリンキー』の種子の販売を始める。鮮やかなレモンイエローの果皮・果肉の品種で、そのまま切って生でサラダなどに使用できる。
広く栽培されている西洋種の茄母社は熟した状態で収穫し、主に甘みを生かした煮物に使用する。これに対し『コリンキー』は未熟果を収穫して生で川ごと食べるのが特徴だ。無味無臭で、浅漬けや塩もみして水洗後サラダに使用したり、ジャムにしたりとこれまでになかった使用法を提案。
直径15~17cm、長さ17~18cmで500~600g。成熟が進むと果肉がオレンジ色となって粘りが出てくるため、槐花後1週間~10日で収穫する。
同社では観賞用カボチャを改良し、電子レンジで5分ほど加熱するだけで調理できる『プッチーニ』を98年に投入。百貨店などでヒットし、福島県会津地方などで特産品になっている。」2000.3.10《日本経済新聞》
■種子油
「製油・菓子製造の深川油脂工業(北海道深川市)は、健康補助食品として注目されている「カボチャ種子油」の商品化にのりだす。カボチャ種子油はベータカロチンや亜鉛を豊富に含むが、流通しているのは輸入品である。」2003.5.9《日経産業新聞》
ガマ
=「蒲黄」
⇒7~8月に十分に開花した雄花を集め、天日乾燥後花粉を落とし、さらに日陰で十分に乾燥する。
【効能・効果】
○遺精:
花粉3~8g/日飲む。
○切り傷:
花粉(少し炒)患部に塗布する。
○下血:
花粉3~8g/日飲む。
○血尿:
「蒲黄・滑石」等量を煎服。
○こしけ:
「蒲黄・雲母」同量を炒って、2~3g/回、飲む。
○産後の腹痛:
花粉3~8g/日飲む。
○子宮出血:
花粉3~8g/日飲む。
○痔:
花粉(少し炒)患部に塗布する。
「蒲黄・辰砂・龍脳」蜂蜜で練って患部に塗布。
○痔出血:
花粉3~8g/日飲む。
○ただれ:
花粉(少し炒)患部に塗布する。
○脱肛:
花粉(少し炒)患部に塗布する。
○脱毛:
花粉の黒焼きを擦り込む。
○吐血:
花粉3~8g/日飲む。
○尿道炎:
花粉3~8g/日飲む。
○排尿痛:
「蒲黄・滑石」等量を煎服。
○浮腫:
花粉3~8g/日飲む。
○耳だれ:
花粉(少し炒)患部に塗布する。
○やけど:
花粉(少し炒)患部に塗布する。(痛みが取れ、痕が残らない)
カマキリ
⇒巣は採集し、熱湯を注ぎ、天日乾燥する(桑螵蛸)。
◎種類:
二点蜣蜋(Tenidera aridifolia)
広腹蜣蜋(Hierodula patellifra)
華北蜣蜋(Paratenodera angustipennis)
蜣蜋(Paratenodera sinensis)
○巣を(酒浸)し炒って作末し、重湯で飲むと、利尿作用
◎黒焼きの[効能]
1.小児の疳
小児胎毒
2.強壮
3.利尿
4.喘息
5.イボ
◎脚気
◎腎臓病のむくみ。
◎乳腺炎(外用)
【効能・効果】
○遺精:
巣を(酒浸)し炒って作末し、8~10g/日重湯で飲む。
○陰痿:
巣を(酒浸)し炒って作末し、8~10g/日重湯で飲む。
○脚気:
カマキリを黒焼きし作末して飲む。
○切り傷:
巣の黒焼き末を塗布する(著効)。
巣の黒焼き末に梅肉で練って塗布する(著効)。
カマキリの黒焼き末を塗布する。
○虚弱児で目星が出た:
巣を(酒浸)し炒って作末し、8~10g/日重湯で飲む。
○産後の出血:
カマキリを黒焼きし作末して飲む。
○痔:
カマキリを黒焼きし作末して飲む。
○小便が近い:
カマキリをすりつぶし糊で練って下腹部に塗布する。
○腎臓病:
巣を(酒浸)し炒って作末し、8~10g/日重湯で飲む。
カマキリの黒焼き末を麦飯で練って、下腹部と足の裏に塗布する。
○喘息:
カマキリを黒焼きし作末して飲む。
○胎毒:
カマキリの黒焼き末を麦飯で練って、頭部に塗布する。
○打撲:
巣の黒焼き末を塗布する(著効)。
巣の黒焼き末に梅肉で練って塗布する(著効)。
○疔:
巣の黒焼き末を塗布する(著効)。
巣の黒焼き末に梅肉で練って塗布する(著効)。
○トゲ抜き:
カマキリの腸を去り乾燥させ、作末しそのままorホウ酸軟膏・ワセリンなどと混ぜて塗布する。
カマキリを黒焼きし作末して飲む。
「カマキリの黒焼き末甘草末」を麦飯で練って、患部に塗布する。
○尿毒症:
カマキリの黒焼き末を麦飯で練って、下腹部と足の裏に塗布する。
○尿閉:
カマキリの黒焼き末を麦飯で練って、下腹部と足の裏に塗布する。
○熱病:
カマキリを黒焼きし作末して飲む。
○腫れ物:
カマキリの腸を去り乾燥させ、作末しそのままorホウ酸軟膏・ワセリンなどと混ぜて塗布する。
○目の病気:
巣を(酒浸)し炒って作末し、8~10g/日重湯で飲む。
カマドの灰=竃中熱灰
【効能・効果】
○心腹の冷痛。
「醋であえ熨法を使い、さめるとかえる。」
ガマズミ(神の実)
またぎが食べていた。
赤い実。パワーの源。つる性。ポリフェノールが多い
青森県立大学・岩井邦久教授
青森県三戸町
秋田県北部阿仁町:マタギ発祥の地
カムカム
■ジュース
「東京農業大学発のベンチャー、メルカード東京農大(東京都世田谷区)はペルーのアマゾン川流域に自生する果実を使ったジュースを発売した。
ペルーでこの果実の栽培を始めている農大OBと農大が共同開発した。
フトモモ科に属する赤紫色の果実。」2004年
カメ(亀)
○長生き
「1773年、キャプテン・クックが捕獲してトンガ国の女王に献上したゾウガメが1966に死んだという記録がある。」
【効能・効果】
○打撲で足をくじいたのを治す。
「生血を酒に混ぜて飲み、肉は生で搗いて傷口に貼る。」
■占い
亀の甲羅を使うト骨が「ト甲」(ぼっこう)。
カモ(鴨)
【効能・効果】
○痢疾を止める。
「家鴨を煮て汁を飲み、肉を食べる。」
○煩熱と熱毒を除去する。(白鴨)
○10種の水病で死にかかったときに使う。(青頭鴨)
○小児の驚癇を治す。(白鴨)
カミキリ
◎カミキリムシの幼虫
「福建省の客家地域では、伐採して放置したマツ(「馬尾松」)に産卵したカミキリムシの幼虫を食べる。料理法は真っ白で太った幼虫を、生きたまま油で揚げ、少々の塩をかけて食べる。その味は?と聞くと、「それはおいしい。おいしい」の連発であった。それは豚肉、鳥肉などの味とは比べられないほど美味いとのこと。」
■カミキリの一種「センノカミキリ」の幼虫から抗菌タンパク(分子量800)を、東京農工大学の岩花秀典教授と砂糖令一助教授らが発見した。
120℃まで加熱しても機能が失われなかった1997.9.19《日経産業新聞》
カミツレ(和名)
=「カミルレ」
■国内生産
2014年、秋田県八峰町で試験栽培。龍角散の藤井社長が会長を務める東京生薬協会が協定。
カミメボウキ Ocimum sanctum
セイカリッド・バジルsacred basilとも呼ばれる。
【英名】ホーリー・バジルholy basil
◎シソ科。高さ30~60cmの多年草草本で茎はやや木質化し、分枝億、葉や、若い枝には軟毛を密生する。葉は対生で長さ2.5~6.5cm、楕円形で、鈍脚で先は尖り、全縁か鋸歯がある。花は輪散花序につき、花冠は淡紫紅色。種子はやや扁平な球形に近く、黒褐色。
【効能効果】
葉汁:発汗剤・気付け薬・去痰剤となり、カタルや気管支炎に用いる。
耳が痛いときに耳に入れる。
葉の煎汁:
小児の胃痛
肝臓障害に
種子:鎮痛作用があり、泌尿器系の機能不調時に使う。
根の煎汁:
発汗性のマラリア熱に発汗促進剤として使う。
新鮮な根・草・葉汁:
蚊に刺されたときに。
ヘビに咬まれた時
サソリに刺されたとき
◎オスの生殖機能を衰えさせる
「最近、ジャワハルラール大学院医学教育研究会で、毎日400mgのトゥラシーの鮮葉をラットに1ヶ月間与え続けることで確認。」
◎マラリヤ
「新鮮なトゥラシーの葉は、それを黒コショウとともに、早朝あるいは食間に服用すると、マラリヤに対して非常に有効。その服用量は、トゥラシーの新鮮な葉5枚と3粒の黒コショウ、これを周に2回と指示されている。児童にはその少量を与える。」
◎慢性の熱、出血、赤痢、消化不良:
葉汁を毎朝服用。
◎小児の腹痛、慢性カタル、間欠熱:
葉汁+ショウガ。
◎鼻の粘膜の炎症による鼻汁に:葉汁+ショウガ
◎去痰剤:
葉汁+ハチミツ+タマネギ汁。
◎タムシ、皮膚病:
葉汁+レモン汁。
◎堕胎には:
花+ゴマ油(又はギンギリ油)
◎昏睡状態の気付け:
根をすりつぶし牛乳を混ぜてペースト状にする。それを茶さじ半分ぐらいに水でといて鼻孔から垂らす。
根と葉の煎汁を根1に対し葉16の割合で、1~4オンス服用させる。
また、トゥラシーの葉汁2グレーンとウリ科キュウリ属のCucumis trigonusの葉汁2グレーン、サガリバナ科のBarringtonia acutangulaの種子1/3グレーンを1時間ごとに与える。
【サンスクリット語】トゥラシー
<1>バジル
「トゥラシーは、もう一種、同属の植物でハーブとして良く知られた『バジル(メボウキ)Ocimum basilicum』がある。どちらも世界の国々で崇拝の対象になっている。」
◎変種
『ラーマ・トゥラシー』
『シャマ・トゥラシー』(ネパール語)O.canum
黒いトゥラシーの意味で、その種子が黒い。
種子は強壮剤、利尿剤になる。
『バブイ・トゥラシー』(ベンガル語でバジルのこと)
『キャンファー・バジル』camphor basil
この植物からは樟脳が採取される。
カミヤツデ
カミルレ →「カモマイル」
⇒「カミツレ」「カモマイル」「カモミール」
(Camomile、Matricaria recutita)
【学名】Matricaria recutitia
【英名】ジャーマン カモマイル(German chamomike)
【和名】カミツレ
【分類】1年草、キク科
【原産地】ヨーロッパ、北アジア
【特徴】草丈は50~100cm。茎は直立しよく枝分かれします。
◎種類:
ローマカミルレ(Anthemis nobilis)
ドイツカキルレ(Matricaria chamomilla)
【成分】
エンドセリンの働きを抑える(→シミ)
【効能・効果】(精油)
◎カミルレティー:たっぷり飲むことで以下の症状が緩和されます。
膀胱炎
尿路結石
おでき、膿瘍
慢性下痢
アレルギー
◎鎮痛・鎮静・鎮痙作用がある。
【ハーブ】
■アレルギー
「アロマ療法士たちはジンマシンやカユミのある皮膚アレルギーを治療するためにカモマイル製剤によるマッサージを推奨しています。」
カムカム
⇒アマゾンに自生するフトモモ科の灌木で、グァバの仲間。
◎ゴルフボール大の赤紫色の果実に、ビタミンCを大量に含有。
(2780mg/100g)----レモン40個分。
アセロラの2倍。
カメ(亀)
■トリの親戚
2012年、英科学誌、バイオロジー・レターズは遺伝子を詳しく解析した結果、カメはトカゲやヘビよりトリやワニに近いと結論づける論文を掲載。
2億~3億年前に誕生したとされるカメの起源は論争の的だった。
カモノハシ
■ツメの毒
「2009年、慶應義塾大学、筑波大学などのチームは、カモノハシの毒液に含まれる新しい物質の構造を特定した。
カモノハシは後ろ脚のツメの部分から毒液を出す。此までは毒の成分としてアミノ酸が連なったペプチドや、タンパク質が数種類分かっていたが、どれが毒として働くのかは不明だった。
研究チームは毒液からC型ナトリウム利尿ペプチドと呼ぶ物質などを見つけて解析。その一部の構造に、人の神経細胞の一種に働きかけてカルシウムイオンを細胞内に取り込ませる作用があることが分かった。
カルシウムイオンが細胞内にはいると、神経細胞では痛みが伝達される。此までもカモノハシに刺されると、激痛の後に痛覚が過敏になることが知られていた。
慶大の上村大輔教授は「カモノハシのペプチドに似た構造の科冒物を人工的に作り、カルシウムイオンが流入する部分にくっつければ、新しい痛み治療薬の開発につながる」
カモマイル
【学名】Matricaria chamomilla
【英名】German chamomile(ジャーマンカモマイル)
【和名】カミツレ。
【分類】キク科、1年草。
【原産地】ヨーロッパ、北アジア。
【使用部位】乾燥花。
【成分】精油:花に美しい青色の精油(アズレン)を含む。ビサボロールはその組成成 分。
カマアズレン:抗炎症作用
抗痙攣作用
ファルネセン
ビサボロール
フラボノイド:ルチン
クエルシメトリン
クマリン(アンベリフェロン)
植物酸(吉草酸)
脂肪酸
青酸配糖体
サリチル酸誘導体
多糖類
コリン
アミノ酸
タンニン
【効能・効果】緩和・鎮静作用
不眠症:ハーブティにすると鎮静作用があり、眠気をさそう。
精神不安症
神経性の消化器疾患
鼓腸
胸やけ
鎮静作用(精神的、感情的)
アレルギー反応
ほほの赤み:局所的な血管収縮を起こして治す
潰瘍
大腸炎
膀胱炎(カミルレティーを飲用orカキルレ油を浴槽に数滴)
抗炎症作用---おでき、膿瘍、感染を伴う切り傷
筋肉痛(マッサージ)
関節痛(マッサージ)
生理痛
月経前期の片頭痛
目の感染症:カミルレの花の浸剤を使う。精油を使ってはいけない。
カミルレのティバッグ沸騰水に浸し、そのまま冷まして使う。
耳痛:カミルレ油でマッサージor温湿布
幼児の歯痛:少量のカミルレを1%に希釈して、ほほにすり込む。
蒸気吸入法:喘息
外用:①精油を植物油で希釈:リウマチ、痛風、乾癬
②花で湿布剤:座骨神経痛
【参考】
<1>この精油は、極度に緊張した神経を緩めるために、アロマセラピストが以下 の方法でよく用いる。
①風呂に5~6滴入れる
②小さじ5杯のダイズ油にカモマイルの精油2滴を加えて、マッサージ ・オイルにする。
<2>ラベンダーとの相違:
①カミルレ-----鈍いうずき・痛み。
②ラベンダー---鋭く突き刺すような痛み。
【仲間】
<1>ダイヤーズ カモマイル (Dyer's chamomile)
学名:Anthemis tinctoria
和名:コウヤカミツレ
分類:キク科、多年草。
<2>ローマン カモマイル (Roman chamomile)
学名:Chamaemelum nobile
和名:なし。
分類:キク科、多年草。
<3>ダブルフラワー カモマイル (Double-flowered chamomile)
学名:Chamaemelum nobile ‘plunem’
分類:キク科、多年草。
利用部位:花を摘んで乾燥。
特徴:リンゴの香り。
効能:鎮静・抗炎症・強壮・発汗。
<4>ローンカモマイル(Lawn chamomile)
学名:Chamaemelum noble ‘Treneague’
分類:キク科、多年草。
カヤ⇒「榧子(ヒシ)」
カヤツリグサ
【別名】サンカクグサ。ハナビグサ、マスグサ。
日本全国に分布し、畑・荒れ地・草地などに生える。
【使用部分】全草
【採集時期】夏の花期に、根まで抜いて、洗って陰干しする。
【効能・効果】(かやつりぐさ)
○胃ケイレン:
20g/日の煎汁に梅酢サカズキ1杯加え、日2分服。
○脚気でむくみがある:
20g/日を720ccの水で360ccまで煎じて飲む。
○腎臓病:
20g/日を720ccの水で360ccまで煎じて飲む。
○タンパク尿:
20g/日を720ccの水で360ccまで煎じて飲む。
○腹膜の腫れ:
20g/日を720ccの水で360ccまで煎じて飲む。
カユプテ cajeput、cajuput
⇒「カヤプテ」
◎カユプテ油は、Melaleuca leucodendronの木・葉・芽から水蒸気蒸留によって抽出されます。
◎精油に含まれる活性成分:
シネール(45~65%)
テルピオール
ピネン
アルデヒド
【効能・効果】
かぜ:鼻の通りをよくする
呼吸器の感染(吸入)
歯痛:1滴だけ、歯につける。
◎注意
皮膚を刺激するので、粘膜に接触させてはいけない。
ガラガラヘビ
■毒に細胞自滅物質
「東京大学分子細胞生物学研究所の鳥居慎一研究員らは、ガラガラヘビの毒から細胞の自殺を引き起こすタンパク質を発見した。猛毒に含まれるが、細胞を外から壊すのではなく、自殺に追い込む。不死のガン細胞を自滅させる新たな治療方法の糸口に成るのではないかと研究グループではみている。
細胞の自殺は「アポトーシス」と呼ばれ、不要になった細胞が自然に消滅する現象。日常的に体内で起きている。際限なく増殖する不死のガン細胞で人為的にアポトーシスが起こせれば、これまでにない治療薬の開発につながると考えられている。
鳥居研究員らが見つけたタンパク質は「アポキシンⅠ」と呼ばれ、アポトーシスに深く関与していると考えられている過酸化水素を生み出す作用を持つと推定されている」。1998.3.21《日本経済新聞》
カラクサケマン
【学名】Fumaria officinalis
【英名】Fumitory、earth smoke
【使用部位】地上部。
【成分】アルカロイド:7種類。
フマリン
プロトピン
タンイン酸
フマル酸
粘液
樹脂
カリウム
【効能・効果】
☆湿疹
☆緩下作用
☆利尿作用
☆胆汁の分泌
カラシ(辛)
○開胃
「常食すると良い」
カラシナ
【学名】Brassica juncea
【別名】ナガラシ
【分類】アブラナ科、1~2年草
キャベツやカリフラワー、ダイコン、チリメンタマナなどの多偏食は甲状腺肥大(goiter)を誘発すると言われるので、注意を要する。
(講談社「天然毒」p26)
【原産地】中央アジア
カラス
■カラスの肉は、
食用には適さないと考えられがちだが、中には食用にする地域・文化もあり、鯨肉などに近い味という意見もある。
2003年8月8日付の新聞報道(「カラスの肉は栄養豊富?帯畜大の食用化研究:北海道」)によると、帯広畜産大学畜産科学科関川三男助教授らのグループが、カラスの食用化を探る研究を進めている。研究は、将来の食糧難対策と、有害鳥獣として処分されるカラスの有効活用にメドをつけるのが目的。カラスの胸肉は、鯨肉にも豊富に含まれるミオグロビンと呼ばれる色素が多く、赤みが強いのが特徴。食感や味は鶏の胸肉に似ており、学生に食べさせたところ、評判も上々だったという。
○カラスの天敵・・・フクロウ
【効能・効果】
○神経痛:
足を煎服。
○リウマチ
足を煎服。
■知能イヌ以上
「カラスの知能は犬より高い?作物や生ゴミを食い荒らす害鳥、カラスの能について、宇都宮大学農学部の杉田昭栄教授が解剖して研究した結果、知能の高さを示す指数でネコやイヌを上回ることが分かった。同教授は「数々の撃退策にも動じないカラスのしたたかさが化学的に裏付けられた」と話している。
脳の解剖は、都会でもよく見かけるカシブトガラスを使って行われた。脳を取り出して重さを量ると、約10gで鶏の約3倍、脳1立方mm当たりの神経細胞は約2000個で鶏の6倍。脳細胞が高密度で、しかも知能の高い動物に特徴的な配列構造をしている。ことも確認された。
一方、全体重に湿る脳の重さは「脳化指数」と呼ばれ、動物の知能の高さを推し量る1つの指数だが、人の場合は0.86、カラスはこの数値が0.16で鳥類の中ではずば抜けて高かった。イルカやサルには及ばないが、0.19以下の牛や馬より高く、さらにネコの0.12をも上回った。イヌは脳化指数0.14の利口な生き物だが、カラスはイヌをも上回った。
杉田教授は「小動物から生ゴミまで様々な物を食べ、電柱やビルにも営巣する多用な行動が学習を引き起こし、脳の発達を促しているのではないか」と分析している。2000.8.16《日本経済新聞》
■見える
人間には見えない紫外線から赤外線までがカラスにはみえる。これを利用したカラスよけは、玉虫色のプラスチックを螺旋形にしたもの。
■サル並み
「都市部でよく見かけるハシブトガラスの大脳で知的活動を司る領域は、ほ乳類のニホンザル並に大きいことが分かった。慶応大学の渡辺茂教授や伊澤栄一准教授らが、カラスの「脳地図」を世界で初めて作成し、分析した結果。
脳地図は2007年5/14からネットで公開。
鳥類の大脳には、ほ乳類の大脳皮質に相当する部分が無く、ほ乳類とは構造が異なる。しかし、脳の体重に占める比率「脳化指数」(ヒト=10.0)は、カラスは2.1とサルの2.0を上回ることが知られる。
■男女見分ける
2010年、カラスは人間の男女の顔を見分けられることが分かった。
宇都宮大学農学部の杉田昭栄教授(神経解剖学)と、宇都宮大と東京農工大の連合大学院博士課程に在籍する女子留学生ベザワーク・アフェオーク・ボガレさんの研究結果を宇都宮大が発表した。
研究ではカラス4羽を使い、男女の顔写真がフタになっている容器を置き、2羽は男性を選ぶと中のエサがもらえるように訓練、残る2羽は女性を選ぶよう訓練した。
その上で、別の男女2組の顔写真で実験すると、男性を選ぶように訓練された2羽は完璧に男性の顔写真を選んだ。女性を選ぶように訓練された2羽もすべて正解。
訓練時の写真を白黒にしたり、顔の周囲を楕円に切り抜いたりすると区別できず、顔の色や輪郭で判断すると見られる。
■色の記憶力・・・人間以上
2011年、カラスの生態研究所を続けている宇都宮大の杉田昭栄教授らのグループが、カラスが少なくとも1年間は色を記憶できることを突き止めた。
杉田教授は“色を1年間覚えているのは人間でもなかなか難しい。記憶の一側面では人間より優れている可能性がある”と話している。
鉄塔への営巣による送電トラブルの被害に悩む中部電力が2008年に杉田教授に依頼した研究の一環。
実験はハシブトガラス24羽で実施。ケージ内に密閉された同じ容器を2つ容易。ふたにそれぞれ赤と緑、青と黄の2色のマークを描いた。赤と緑の方にだけエサを入れて蓋を破って食べられるようにし、数日間訓練してパターンを覚えさせた。その後、通常の飼育をして1ヶ月、2ヶ月~半年後~10ヶ月後~1年後で同じ実験を実施
■声・姿で仲間を認識
2012年、慶応義塾大学の近藤紀子研究員と伊沢栄一特任任准教授らは、カラスが声と姿から仲間を見分けていることを突き止めた。
カラスの集団が不特定多数集まる烏合の衆でないことを示した。
研究チームはあらかじめ網ごしに2羽のハシブトガラスを対面させ、その後、部屋をカーテンで仕切った。次に1羽だけ残し、録音したカラスの鳴き声を聞かせ反応を見た。残ったカラスは隣にいるハズの相手の鳴き声には反応しなかった。別のカラスの鳴き声に対しては相手の姿を確認しようとした。
カラスの群れは、メンバーの出入りが多いことが最近分かってきた。
■カラスの脳地図
伊沢栄一・慶応大学論理と寒性のグローバル研究センター研究員らは、カラスの脳を1㍉㍍単位で顕微鏡で観察。2007年に世界で初めてカラスの脳地図を描いた。
大脳にある情報を統合する部分が大きく、カラスの賢さを構造的に示した。
行動面でも、カラスは順位付けがある複雑な群れ社会を作ることが分かってきた。
伊沢らは仲間の姿と声の両方を結びつけて見分けていることを見つけた。
ガラス
透明な硝子を作るにはけい砂が必要。
■結晶化の仕組み
「2009年、東北大学の藤原巧教授、高橋儀宏助教と物質・材料研究機構のチームは、ガラスが結晶化する仕組みを解明した。ガラスを加熱すると内部の微少な血漿の粒が徐々に大きくなって結晶化していく。
ガラスは内部の原子が規則正しく並んでいない非晶質と呼ばれる状態。これを加熱すると原子が規則正しく並び結晶化することが知られている。」
■シリカガラス
シリカ砂漠でしか採れない、1800℃の高温で生成。隕石の落下でできた。
ガラスのスカラベ ツタンカーメンの宝石
カルセドニーではなかった。天然のガラスだった。
サハラ砂漠にガラスが散らばっている。シリカの純度が高いガラス。薄い緑色
地球上の他の天然のガラスとも異なっていた。
普通は黒っぽい
ジルコンの含有量・・・砂漠のガラスが短い期間の高温(1800℃)でできた
火山の溶岩流でも1100℃。隕石以外には考えられない温度。
溶けた岩が急速に冷えるとガラスに変わることがある。普通は黒っぽい、透明度が無い物になる。サハラ砂漠で発見される天然のガラスは透明度がある。
サハラ砂漠の荒れ果てた地面に、ガラスが転がっている。イリジウム(隕石に多く含まれ、地球上には少ない)がガラスに発見された。
さらに、オスニウムが発見された。しかも地表とは異なっていた。
隕石の落下でダイヤモンドができることもある
クレーターは?
衛星画像で分析すると、200個のクレーターが特定できている。
ウラン元素の崩壊で年代を特定・・・3000年前にガラスができていた。エジプト西部にはクレーター見つからなかった。
ニューメキシコの核実験場で、1947年、原爆が炸裂。真昼の太陽の20数倍の明るさ。
爆発から1週間後、鉄骨などがすべて蒸発していた。半径300㍍。辺り一面、緑色のガラスと砂だった。
シベリアのツングースカ。1908年爆発。8000万本以上の木がなぎ倒されていた。クレーターが見つからない。爆発の原因が分からない。TNT火薬2000万㌧に匹敵。
ジルコンが分解すると、一部がシリカに変わる。
■シリカガラス・・成形
「2010年、九州大学の藤野茂準教授らは、光学部品などに使う高性能材料「シリカガラス」の加工性を高める技術を開発した。
シリカガラスは高純度の二酸化ケイ素でできたガラスで、透明で耐熱性に優れる。光学レンズや光ファイバーなどに。
■見えないガラス
2012年、日本電気硝子は光の反射を極限にまで抑えた「見えないガラス」を開発した。通常のガラスは光を約8%反射するために照明などが映りこむが、今回開発したガラスは反射率を0.2~0.6%に抑えたため何も映らずガラスの存在に気づかない。
■情報の記録を3億年
2014年、日立製作所と京都大学は、大容量の情報を3億年以上残せる技術を開発した。
光ファイバーなどに使う石英ガラスに微小な穴を開けて記録する。
5㌢㍍角の板なら映画1~2本(ブルーレイディスクと同等)記録できる。
公文書や文化財の記録用に3年後の実用化を目指す。
普通のガラスは二酸化ケイ素(石英)が主成分で、ざまざまな成分を含む。
しかし、石英ガラスは不純物が極めて少なく、熱や放射線に強い。
カラスリ
⇒果実より種子を採りだし、水洗後乾燥(王瓜仁)。
塊根は水洗し、コルク皮を去り、縦割りor輪切りにして乾燥(王瓜根)。
◎王瓜根を煎服すれは、
利尿作用
通経作用
催乳作用
◎王瓜仁or果実を煎服すれば、
去痰作用
鎮咳作用
鎮静作用
【効能・効果】
○あかぎれ:
生果汁を塗布。or 生果実を砕いて(酒浸)した液を塗布する(著効)。
茎の汁を塗布する(著効)。
○遺尿:
根茎を5~15g/日煎服、or作末し4~5g/回飲む。
○黄疸:
根茎を5~15g/日煎服、or作末し4~5g/回飲む。
王瓜仁or果実を煎服する。
○肝臓病:
王瓜仁or果実を煎服する。
○しもやけ:
生果汁を塗布。or 生果実を砕いて(酒浸)した液を塗布する(著効)。
茎の汁を塗布する(著効)。
○腎臓病:
根茎を5~15g/日煎服、or作末し4~5g/回飲む。
○せき:
根茎を5~15g/日煎服、or作末し4~5g/回飲む。
○脊髄の痛み:
王瓜根を入浴料にする。
○喘息:
根茎を5~15g/日煎服、or作末し4~5g/回飲む。
○血の道:
根茎を5~15g/日煎服、or作末し4~5g/回飲む。
王瓜仁or果実を煎服する。
○吐血:
王瓜仁or果実を煎服する。
○乳汁不足:
根茎を5~15g/日煎服、or作末し4~5g/回飲む。
○肌荒れ:
生果汁を塗布。or 生果実を砕いて(酒浸)した液を塗布する(著効)。
茎の汁を塗布する(著効)。
○ヒビ:
生果汁を塗布。or 生果実を砕いて(酒浸)した液を塗布する(著効)。
茎の汁を塗布する(著効)。
○腫れ物:
生根をすり下ろし患部に塗布する。
○頻尿:
根茎を5~15g/日煎服、or作末し4~5g/回飲む。
○浮腫:
根茎を5~15g/日煎服、or作末し4~5g/回飲む。
○便秘:
根茎を5~15g/日煎服、or作末し4~5g/回飲む。
○やけど:
生根をすり下ろし甘草末で練って塗布する。
○夜尿症:
根茎を5~15g/日煎服、or作末し4~5g/回飲む。
○瘰癧:
根茎を5~15g/日煎服、or作末し4~5g/回飲む。
生根をすり下ろし患部に塗布する。
カラスビシャク⇒「半夏」
カラス蛇
[効能]1.筋の痙攣
2.麻痺
3.皮膚病
カラタチ
=未熟果実(枳実)。稔熟した果実(枳殻)。
【効能・効果】
○脚気:
若葉を煎服。
○肝臓病:
種子を煎服。
○しもやけ:
葉をもんで塗布。
○神経痛:
根を煎服。
○血の道:
根を煎服。
○婦人病:
根を煎服。
○腹水:
未熟果実(枳実)6~10g/日煎服。
○便秘:
未熟果実(枳実)6~10g/日煎服。
◎オーラプテン
オーラプテンは、カラタチや甘夏に多く含まれる物質です。特にカラタチは果肉にもオーラプテンを多く含むことから、カラタチを用いた新品種の作出が行われています。ノビレチンはポンカンに多く含まれ、オーラプテンとともに発ガンの原因である活性酸素産生を抑制する物質であることが解りました
カラトリカブト⇒「附子」
ガラナ
■アルツハイマー病の誘因物質を抑える。
「東京大学分子細胞生物学研究所の瀬戸治男教授らの研究グループは、アルツハ イマー病を引き起こすと考えられているβーアミロイドというタンパク質の毒 性を抑える新たな物質を発見した。
生薬からの抽出物で、ネズミの脳の培養細胞を使った実験でβーアミロイド の毒から神経細胞を守る働きを確認した。痴呆症防止に利用出来る可能性もあ るとして、動物実験に乗り出す。
有効成分はタンニンの母体であるカテキンという物質の一種。アマゾン地方で 強壮剤として使われる植物「ガラナ」の実に含まれており、有機溶媒で抽出し た。数千に及ぶ植物や微生物の成分を試したが、ガラナから取ったカテキンが 最も良く効いた。
ネズミの脳の培養細胞にβーアミロイドを与えると、毒の為に約40%の細胞 は死んでしまうが、ガラナ由来のカテキンを食え加えると、ほとんどの細胞が 生き残った。βーアミロイドの毒性を抑える物質として知られるトコフェロー ル(ビタミンE)よりも効果は強かった。
βーアミロイドは細胞の呼吸を妨げる作用もあるが、培地にカテキンを加え ると呼吸は回復した。1996.4.12《日経産業新聞》」
■アルツハイマー病
「ブラジルのアマゾン川流域に原生するガラナに、アルツハイマー病のボケ症状を和らげる効果があることが鈴鹿医療科学大(三重県鈴鹿市)の鈴木郁功教授らのグループの研究で分かった。3/26から千葉市で開かれる日本薬学会で発表する。
ガラナの実はブラジルでは民間薬として古くから滋養強壮に用いられている。
実験では擬似的なアルツハイマー病症状を起こさせたマウスに濃縮ガラナを投与。半日絶食させた後、八方に放射状に分かれた通路の1つの端にだけエサを置いた装置で、エサに到達するまでの時間を計った。通路は色によって識別可能で、エサがある通路を覚えるのが早いほど、早くエサにありつける。
実験では3日目以降に顕著な差が現れ始め、ガラナを与えた5匹のマウスは、他の5匹に比べて平均で約1/3の時間で到達できるようになった。
ガラナの成分が、記憶に関係する脳内の海馬に、コリンアセチルトランスフェラーゼと呼ばれる記憶力を促進させる酵素を分泌させることが主な原因とみられる。」2002.3.22《日本経済新聞》
カラハリスイカ
◎アフリカボツワナのカラハリ砂漠に自生するスイカの原種。
本来は海外からは持ち込めない果実・種子。ボツワナ政府農務省が日本での共同研究に日本国内での栽培を認めた唯一の窓口が奈良先端科学技術大学院大学。
◎活性酸素消去能力を持つ「シトルリン」が多量に含まれている。
ガランガル galangal
(参照→「高山病」「オイゲノール」)
ガーリック
【学名】Allium sativum
【英名】garlic
【和名】(ニンニク)オオビル
【分類】ユリ科。球根植物。
【原産地】中央アジア。
【使用部位】小鱗茎。
【成分】精油:アリイン:
①小鱗茎を切ったりつぶしたりすると[アリシン]に変わり、空気に ふれることで、さらに[二硫化アリル]に変わる。
②二硫化アリルには抗菌作用がある。
アリナーゼ
アリチアミン
ビタミンA・B・C
脂肪
アミノ酸
【効能・効果】殺菌消毒作用
かぜ
咳
殺菌消毒作用
消化促進
高血圧
肥満:甲状腺を刺激して代謝を上げる。
動脈硬化:血中のコレステロールが低下
鬱血を除き血液循環をよくする
血液凝固を減少させる。
脳卒中の予防
疥癬
瘡
外用:壊疽を予防
敗血症性中毒を防ぐ
真菌による感染症
トリコモナス症
ガン:ラットの腫瘍細胞にガーリックの抽出物を注入すると、腫瘍細胞がなく なった。
【参考】
「カリフォルニアゲッケイジュ」(california bay)
(参照→「血」)
カリン⇒「木瓜」
ガルシニア(garcinia)
=オトギリソウ科
学名:Garcinia cambogia
別名:[タマリンド][プリンドルベリー][ガルシニアカンボジア]
成分:ヒドロキシクエン酸
相互作用:
出血傾向・・・[ワルファリンカリウム]
出血傾向・・・アスピリン。
■脂肪燃焼助ける
「ファンケルはハーブの一種のガルシニアの成分が脂肪の燃焼を助けることを確認した。普段運動をしない人でも、運動だけの場合よりガルシニアを食べて運動をした時の方がよく脂肪が燃焼した。
ガルシニアが多く含む『ヒドロキシクエン酸(HCA)』を摂取した後に運動すると、脂肪をエネルギーとして使う効率が高まることが分かった。2002.10.8《日経産業新聞》
■微生物で
「福山大学は有機化学製品メーカーの磐田化学工業(静岡県)と組み、土壌の中などに存在する微生物を用いたダイエット剤の開発を進めている。
生命工学部の山田靖宙教授のグループは土壌や植物の実の中に存在するストレプトマイシス属放線菌など6種類の微生物が、脂肪の合成を抑えたり炭水化物の取り込みを抑制する機能を持つ有機酸『ハイドロキシクエン酸(HCA)』を生産していることを発見した。
HCAは東南アジアなどに自生する植物、ガルシニアの果皮やハイビスカスの花の中にも存在する。微生物から抽出すれば大量生産できる。
ガスシニアの果皮には1㍑中HCAが数十㌘存在するが、微生物の場合波源剤、20~30ミリグラムにとどまっている。」2003.12.25《日経産業新聞》
カルセドニー CHALCEDONY
=「玉髄」
=石英の顕微鏡的な結晶(b軸方向に伸びている)が集合して、塊状になっているも のを玉髄Chalcedonyという。さらにその玉髄のなかでも、紅色になったり、縞 模様があったりして美しいものを「瑪瑙(めのう)Agate」といっている。(堀秀道 著「楽しい鉱物図鑑」)
カルセドニー[Chalcedony]:
和名は玉髄。石英の一種で、ブラッドストーン・クリソプレーズ・ジャスパーなどの石の総称である。
細かい粒子が集まった構造をしており、その色は様々。特に薄い緑色を称えたクリソプレーズは非常に高価なものとして珍重されている。
◎種類:
「アゲート」(=めのう)Agate
「オニキス」Onyx
「カーネリアン」(=紅玉髄)Carnelian
「クリソプレーズ」Chrysoprase
「コーネリアン」
「苔めのう」
「サード」Sard
「サードニクス」Sardonyx
「ジャスパー」(=碧玉)Jasper
「ファイア・アゲート」
「風景めのう」
「フォーティフィケーション・アゲート」
「プラズマ」
「プレーズ」Prase
「ヘリオトロープ」
「ブラッドストーン」Bloodstone
「プラズマ」Plasma
◎応用:感情の鬱積に。
[ルーナアゲート]=(月めのう)
過去のもやもやを綺麗にしてくれる。
あなたの心をファイリングにつなぐ手助け。
[モンタナアゲート]=カルセドニー
◎(D・L・メラ)
「あるとき、夫と私はニューメキシコ州バーナリロ北部でルーナ・アゲート のとれる素敵な場所を見つけました。蜂蜜色の石英に乳白色の粉がかかっ ているすばらしい石がたくさん採れました。
義母の75歳の誕生日が近づいていましたので、私は早速この石で大き めのカポッションを作り、ペンダントししてプレゼントすることにしまし た。義母は昔負った心の傷がなかなか取れずにいましたので、ルーナ・ア ゲートを贈りたいと思ったのです。この宝石の伝承については一切話さず、 ただ近くで採れたことだけを伝えました。私は、この有名なカルセドニー にまつわる言い伝えが照明されるのを、自分で確かめてみたかったのです。
義母はルーナ・アゲートの乳白色に輝く模様をとても気に入り、毎日身 につけてくらました。ゆっくりと、しかし確実に彼女は変わり始めました。 そして、昔のつらい経験のことを話すことが無くなってきました。」
カルダモン
=「クイーン・オブ・スパイス」と呼ばれ、最も高価なスパイスの1つ。
カルダモンは主に、中東やトルコで消費される。香辛料を加えたミルクティーのチャイやカレー、口臭予防に使われる。
2010年、2月の国際価格は1㌔40㌦前後。1年前の2.7倍になっった。
主産地のグアテマラの生産量が半分以下に落ち込んでいる。
【学名】Elettaria cardamomum
【英名】Cardamom
ショウガ科
【使用部位】種子。
【成分】精油(3~6%):
テルペン
テルピネオール
シネオール
デンプン
ゴム質
黄色色素
【効能・効果】
腸のケイレン
鼓腸
催淫剤
消化促進剤
ガルバナム galbanum
⇒セリ科のferula galbanifluaの茎から採れるガム樹脂です。
◎精油は、蒸留によって抽出される。濃厚で暗褐色を呈し、刺激的で強い芳香があ ります。
◎活性成分:
カルボン(50%以上)
ピネン
リモネン
カジノン
ミルセン
カジノール
【効能・効果】
鎮痛剤
鎮痙剤
利尿剤
通経剤
膿瘍・おでき
◎香水産業で保留剤として使用されています。
カレー
◎汁を意味する「カリ」が語源。
◎おいしさは?
「日本人は一晩おいたカレーが美味しいというけれど、あれは間違い。スパイスの香りは飛んでしまう。スパイスをその場で合わせて、新鮮な具をさっと調理してこそ、おいしい」と東京・南青山にあるカレー店『ピンディ』のミラ・メーラさん。東京大学医学部の丁宗鉄助教授も、「なるほど漢方薬でも煮込んでは有効成分が壊れるのが常識。30分~45分煎じるのがいいとされている」とその点では一致した。2000.6.3《日本経済新聞》
◎こくを出す・・・・カシュナッツを湯がく。牛乳と一緒にミキサーでペースト状に。
◎痴呆予防に・・・カレーを食べる前にきなこを加える。
■ご飯が決め手
「カレー用のご飯を炊くするときに、玉葱のみじん切りとヨーグルトを入れて一緒に炊飯する。」
■サット すっと
グラニュー糖+砂糖→茶色に煮詰める=フランス料理「ガストリック」
(メイラード反応)
→そこへ水を入れることで反応を止める。
熟成したと同じ効果を出す
○ベルカレー(大阪) (ルソンのつぼ)
15種類のカレー粉末のブレンドから2000種類の「ご当地カレー」を受託製造
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カレイ
「ナメタガレイ」煮魚で一番うまいといわれる。日本近海で獲れるものでは、「マガレイ」「、マコガレイ」「ババガレイ(ナメタガレイ)」「ホシガレイ」「メイタガレイ」「アカガレイ」「イシガレイ」「オヒョウ」など
◎ミナミウミノシタ(カレイの一種)
「唯一の捕食者であるサメから逃れるため、粘液質の毒を使う。背ビレ・尻ビレ・腹ビレからフグ毒と同じテトロドトキシンを出す」
■新種の細菌
「東京海洋大学の矢沢一良・客員教授らは、カレイの腸内から新種の細菌を発見。発見したのは『シュードモナス族』という種類に属する新種の細菌。『ホスホリパーゼA1』という酵素を体外に分泌することを確認した。
この酵素はリン脂質から脂肪酸という成分を分離する性質があり、食品や化粧品に使われる乳化剤としての応用が見込める。
また、動脈硬化を防ぐ効果があることで知られる脂肪酸の一種『ドコサヘキサエン酸(DHA)』を、魚介類の不要な脂肪分などから分離できる。そのため、従来は廃棄処分するしかなかったイカの皮などの水産界器物中から、栄養補助食品などに利用できるDHAを分離できるようになる。
ホスホリパーゼA1をつくる生物としては、カビの仲間が知られていたが、カビの中に酵素が作られるため精製することが出来ず、応用が難しかった。新発見の細菌は酵素を体外に分泌するため精製しやすい。」2006.5/12《産業》
■エンガワ
2012年、廻転ずしの“エンガワ”が食べられなくなる?
温暖化が進みグリーンランドで、カレイ漁が近年、難しくなっている。冬場、氷が薄くなり穴を開けて取る漁ができなくなってきた。
回転寿司に並ぶエンガワの多くが、グリーランド産。通常はヒラメのヒレ部分をエンガワと呼ぶが、グリーランドの水産会社「ロイヤルグリーランド」が棄てられていたヒレ部分を「エンガワ」として活用。約20年前から日本に輸出している。
カワウソ(獺ダツ)
【効能・効果】
○障を治す。
「獺の胆汁を点眼し、又点眼薬に入れてもよい。」
○骨蒸熱労を主治する。肉を使う。
○疫気の瘟病に使う。(獺肉)
○5尸と鬼が一家に伝染したとき使う。
○蠱毒を治す。
「焼いて食べる。」
カワミドリ
⇒「藿香」
【学名】Agastache rugosa
【別名】なし
【中国名】排草香
【分類】シソ科、多年草
【原産地】日本各地、韓国、中国、シベリア
【特徴】日本の草原に生え、草丈が40~100cmになり、茎は四角で直立し、上部で 枝分れしています。
カワラケツメイ⇒「山扁豆」
⇒花の咲き始めた頃からサヤの黒変する前に根ごろ引き抜き、根を切り捨て乾燥す る。
【別名】マメチャ、弘法茶
【効能・効果】
○黄疸:
全草20g/日煎服。or煮て食べるor茶代用。
○脚気:
全草20g/日煎服。or煮て食べるor茶代用。
○消化不良:
全草20g/日煎服。or煮て食べるor茶代用。
○腎臓病:
全草20g/日煎服。or煮て食べるor茶代用。
○大腸カタル:
全草20g/日煎服。or煮て食べるor茶代用。
○疲れ目:
全草を濃く煎じた汁で罨法。
○尿路結石:
全草20g/日煎服。or煮て食べるor茶代用。
○妊娠腎:
全草20g/日煎服。or煮て食べるor茶代用。
○腹水:
全草20g/日煎服。or煮て食べるor茶代用。
○浮腫:
全草20g/日煎服。or煮て食べるor茶代用。
○便秘:
全草20g/日煎服。or煮て食べるor茶代用。
○肋膜炎:
全草20g/日煎服。or煮て食べるor茶代用。
カワラサイコ⇒「北紫草」
カワラナデシコ⇒「瞿麦」「ナデシコ」
カワラニンジン⇒「青蒿」
カワラヨモギ
⇒花の咲いている頃から、果実がまだ脱落しない間に、花穂を採集し乾燥する。
「茵蒿」
【効能・効果】
○胃ケイレン:
花穂を10~20g/日煎服。
○黄疸:
花穂を10~20g/日煎服(著効)。
○肝硬変:
花穂を10~20g/日煎服。
○肝臓疾患:
花穂を10~20g/日煎服。
○高血圧:
花穂を10~20g/日煎服。
○ジンマシン:
花穂を10~20g/日煎服。
○胆石:(10g~20g/日)煎服。
○胆嚢炎:
花穂を10~20g/日煎服。
○尿毒症:
花穂を10~20g/日煎服。
○膀胱炎:
花穂を10~20g/日煎服。
ガン(鴈)
【効能・効果】
○すべての風で拘攣・偏枯す、血気が不通し、又麻痺したとき。
「鴈の煉肪(固い油)を取って毎日1匙づつ温酒に混ぜて飲む。」
カンカ(カンカニクジュヨウ)
◎砂漠人参
「タクラマカン砂漠周辺に分布するカンカは、紅柳(タマリスク)の根に寄生する双子植物です。砂漠人参の別名をもつが、オタネニンジン(ウコギ科)や野菜のニンジン(セリ科)と異なり、漢方薬の肉蓯蓉と同じハマウツボ科ニクジュヨウに属する。
昼夜の極端な温度差や小雨といった過酷な気候風土にさらされながら世界でも有数の長寿地域になっている新疆ウイグル地区自治区のホータン地区では、古くから「不老長寿の源」としてスライスしたカンカを羊肉と煮込んだり、茶や酒にして常食してきた。
ホータンでは100歳を超えても認知症にならない老人が目立つ。
◎有効成分・・・ポリフェノールの一種。
◎抽出エキス
男性ホルモン様作用
女性ホルモン様作用
免疫増強作用
抗老化作用(エキナコシド・アクテオシド)
認知障害改善作用
■近畿大学
「世界で2番目に大きいタクラマカン砂漠(中国新疆ウイグル自治区)の南西にあるホータン地区。9月に訪れた近畿大学の村岡修教授はマスコミの取材攻勢を受けた。同教授の研究で砂漠緑化と産業振興が実現したからだ。
タクラマカン砂漠に自生する植物ベニヤナギの根に寄生する薬草「カンカ」。
近大は2000年、同地区の民豊(ニヤ)県と組み、ベニヤナギを植林、カンカを収穫して販売するプロジェクトを始めた。「普通の緑化諸くっぶつは干ばつになれば、薪に使われてしまう。現金収入をもたらすことで植林の定着を狙った。
カンカは日常食で、長寿の源の1つとされている。村岡教授は血管拡張や肝機能改善などに関係する成分を発見した。
中国政府はカンカをい薬用生薬に公認。
中国政府は成果に注目し。ホータンの支援を決定。カンカ以外の薬用植物についても、近大は有効成分を調べる研究を始める。」
カンガルー
■低脂肪
「ゲームミート(野生肉)として大量供給出来るのはカンガルーだけ。家畜と違っ て抗生物質や添加物を使わないから、健康志向に合っている」。皮革輸入のバ セル(東京・大田)の長友信社長はこう話す。オーストラリアの食肉業サザンゲ ームミート社(シドニー)と組み、今年から本格的にカンガルー肉の輸入を始め た。
オーストラリアでは毎年三〇〇~400万頭の野生カンガルーが捕獲される。1 頭で18kg程度の肉がとれ、欧米などに輸出されている。カロリーは牛肉の半 分以下。コレステロールは1/3と低い。バセルはこのカンガルー肉を毎月16 トン輸入、レストランなどへ供給する。」1999.4.7《日経産業新聞》
■低脂肪、アレルギー患者にも
「カンガルーは養殖ではなく、野生のため、抗生物質などが残留している心配がない。脂肪含有率はヒレ部分で0.9%と、牛肉の2~5%と半分以下。
牛・豚に比べてコレステロールの低い。また、アレルギー反応も出にくいため、アレルギー患者や糖尿病などの生活習慣病」
カンゾウ
(参照→「ヤシュティマドゥ」)
【学名】glycyrrhiza glabra
【英名】Licorice
(スペインカンゾウ)
◎根およびランナー(匍匐枝)
【成分】グリチルリチン:
①砂糖の50倍の甘さがある。
②体内で副腎皮質ホルモンとよく似た構造を持つ[グリチルレチン酸] を作る。
(イ)コーチゾンと似た抗炎症作用と関節炎治癒効果を示す。
(ロ)副腎皮質を失いながら、カンゾウを定期的に服用し、生命を 維持した女性の記録もある。
(ハ)アスピリンに似た効果がある。
フラボノイド
イソフラボノイド
カルコン
クマリン
トリテルペン系サポニン
ステロール
デンプン
糖類(14%以下)
アミノ酸
アミン
ゴム質
精油
【効能・効果】
<1>抗アレルギー作用
<2>関節炎
<3>緩下作用
<4>胃酸の量を抑制する。
<5>胃壁を保護するゲルが広がり、大腸のケイレンを緩和する。
①胃潰瘍
<6>毒素を中和する:ジフテリア菌
破傷風菌
<7>胆汁の分泌を促進する。
<8>血中のコレステロール値を抑制する
<9>のどの痛み
<10>去痰作用(コデインに似る)
<11>解熱作用(グリチルレチン酸のアスピリン様作用)
<12>抗菌性
<13>発情を促進させる。
【注意】
<1>カンゾウの作用は副腎皮質刺激ホルモンに似ており、ナトリウムやカリウ ムの停留を招き、血圧を上昇させる。
【参考】参照→「甘草」
=ヤブカンゾウとノカンゾウの2種がある。
カンナ
植物レシチン
(アブラナ又はダイズの種子から得られた、レシチンを主成分とするものをいう。) レシチン アブラナ科アブラナ(Brassica campestris LINNE)、マメ科ダイズ(Glycine max MERRILL)の種子より得られた油脂より、分離して得られたものである。主成分はレシチンである。 乳化剤 Vegetable lecithin
カンニャボ
=巻き貝の一種ツメキセル貝。
■肝臓に良い
「福島県特産の巻き貝で、阿武隈山系の桑畑に生息、肝臓に良いとされている。」
カンバタケ
◎約5300年前の人間、アイスマンが持っていた。ポリポール酸Cが含まれ、止血に用いられる。
かんぴょう
■夕顔
「寛政改革の大立て者だった松平定信には古典の素養があり、和歌も上手だった。若い頃、「心あてに見し夕顔の花散りて尋ねぞわぶる黄昏の宿」という一首を詠じて秀歌の誉れ高く、世に「黄昏の少将」と称されたくらいである。
だがこの歌には、大名でなければ犯さない無邪気なミスがある。
夕顔の花はしぼむけれども散らない。
《源氏物語》の「夕顔」の巻きを下敷きにした歌だから、定信は夕顔の実物を見ていなかったと思う。
それもそのはず、夕顔はあまり貴公子の眼に入らない陋巷(ろうこう)の花であった。光源氏も珍しいので花の名前を尋ねると、お供の者は「かの白く咲けるをなん夕顔と申しはべる」と答える。
伝承によれば、夕顔は6位以上の身分の家には植えないのが習俗だった。大名屋敷に無かったのも不思議でない。
ユウガオはウリ科の蔓性植物で垣根や軒下にはい上がり、夕方になると純白の花を開くのでこの名がある。
平安時代に日本へ渡来したとされる。もともと花を観賞するためではなく、庶民がその実をカンピョウにして食べる目的で栽培された。
(野口武彦・文芸評論家)
【調理】
もどすとき・・・水洗いしてから、塩でもんでおく。
かんらん石
○深部由来の岩石
輝石・スピネル・
マントルは主にかんらんい石でできている
地球は表面から:マントル・外核・内核(地球の構造)の3層構造
外核・・・液体
内核・・・個体(主に鉄とニッケル)
地震波で調べた:
縦波(P波):早い:気体・液体・固体を通過する
横波(S波):遅い: 個体のみ通過する
内核に鉄があり、その周りを液体が回っているから、地磁気ができる。
地磁気があるから、太陽風から守ってくれる。
オーロラは太陽風と地磁気の関係から生まれる
岩石がどんな物からできているか?を調べる→偏向顕微鏡
蚊(か)
■抗原つくらせる
「自治医科大学の吉田栄人講師らは、感染症のワクチン成分を体内に持つ蚊の研究に着手した。この蚊に刺されるだけで病気に対する免疫ができる。研究では遺伝子組み換え技術を使って、ワクチンとなる病原体の抗原を蚊の体内で作らせる。蚊が人の血を吸うときに送り込む唾液に、この抗原が含まれるようにする。」20062/28《産業》
火硝⇒「硝石」参照。
火炭星⇒「火炭母草」
火炭母草
火炭毛⇒「火炭母草」
火布麻⇒「布渣葉」
火麻⇒「麻子仁」参照。
火麻仁⇒「麻子仁」参照。
果糖
■過剰摂取は老化進める
「イスラエル工科大学の研究グループは、果物に多く含まれる果糖を摂取すると 皮膚や骨などの老化を速めてしまうことをネズミを使った実験で明らかにし た。特に糖尿病のネズミで老化傾向が強く、インスリンが効きにくくなる問題 もあるという。
果糖は炭酸飲料やジャムなど加工食品の甘味料としても広く使われているた め、研究グループは人間に対する作用の研究を進めて許容量のガイドラインを 定める必要があるとしている。
実験では毎日、ネズミに体重1kg当たり12.5gの果糖を1年間与え続けた。 ブドウ糖や砂糖などを与えた他のネズミに比べて皮膚などに含まれているコラ ーゲンの変性が進んでおり、皮膚の柔軟性が低下して、シワがよりやすくなっ ていたという。1998.11.30《日経産業新聞》
海金沙
[薬性歌]“海金砂寒通小腸 湿熱腫満淋亦當”
◎小腸を通し、沙淋の尿閉を治す。
「1両に臘茶末5銭を入れて混ぜ、生姜・甘草煎じ湯で、3銭を調服。」
海金沙草
海金沙藤
海狗腎<オットセイの陰茎>
[効能] 1.強壮
2.強精
3.陰痿
4.性的ノイローゼ
5.足腰が弱い者
◎海狗(ハイコウ)
「オオサンンショウウオの「大鯢(タアニイ)」(鯢=ゲイ、さんしょううお)は、俗に「娃々魚(ワアワアユイ)」というが、広州では「海狗魚(ハイコウユイ)」または略して「海狗」という。辞書の「海狗」は、オットセイだが、中国にはオットセイはいない。 (周達生著「東アジアの食文化探検」p57)
海蛤殻
海蛤粉(かいごうふん)=蛤粉
海松子
○お粥にして長く常用すれば、延年に効く。
○五臓を潤す。
「粥に作って食べる。」
○肥らせる。
「粥を作って常服する。」
○骨節風を治す。
「粥を作って常食する。」
○食べると飢えをしのげる。
海参
[薬性歌]“海参平清潤津 能補脾腎宜婦人”
五臓を潤し、脾腎を補い、女性の良薬。
海水
◎有毒:
「海水の塩分は、平均して鉱泉水の約10倍も多い。海水を飲んではいけない理 由の1つがここにある。
海水に含まれる鉱物塩の量は、致命的に作用する。とりわけ強く作用するの が重金属類(微量元素及び超微量元素の大部分)の塩である。塩の種類も多い ので、毒作用も複合的に作用し、相乗的にor拮抗的に働く。例えば、亜鉛と 銅のイオンを組み合わせると、それぞれの合計の5倍の毒性を発揮し、亜鉛・ 鉛・水銀のイオンを組み合わせても相乗作用が見られる。」
■淡水化施設
「カリブ海最南端の国、トリニダードトバゴ。今年4月、世界最大の海水淡水化施設が運転を始める。各国のライバルを抑え、受注に成功したのは、日本の東レだ。
21世紀の人類の懸案の1つは生命維持に欠かせない水の確保。世界が注目する東レの技術の核は「逆浸透膜」。海水を特殊な高分子膜に通し淡水化する。実績は、沖縄県北谷町。東シナ海に面し、嘉手納・普天間の両米軍に囲まれた地にある海水淡水化センターも、東レの「逆浸透膜」を使う。海水から日量4万‰の飲料水をつくり、沖縄本島の需要の約1割を賄う。2002.8.28《日本経済新聞》
■深海の細菌
「海洋科学技術センターは、水深1000~1万㍍の海底に生息する様々な細菌から人工甘味料や化粧品材料などを生成するのに役立つ新種の酵素を発見した。人工甘味料トレハロースの生成に使える酵素は相模湾沖の海底約1200mで採取した細菌から見つけた。酵素は2種類でトレハロースの新製法を開発。酵素を水飴に加え50℃で加熱すると数時間でトレハロースができる。従来法では1週間かかっていた。
相模湾沖で採取した別の細菌から見つけた酵素は、高級化粧品に応用されているアガロオリゴ糖を作ることが出来る。この酵素をカンテンに振りかけるだけで、アガロオリゴ糖ができる。
鹿児島県沖で採取した細菌からは、コンニャクを分解する酵素を発見した。コンニャクを分解して整腸作用や血圧を下げる効果のあるマンノオリゴ糖ができた。
海洋センターではすでに各酵素を合成する細菌の遺伝子配列を明らかにしている。これらの遺伝子を納豆菌の一種である枯草菌に組み込むだけで、各酵素を大量生産できる。」2003.7.28《日本経済新聞》
■淡水化
「2009年、社団法人・民間活力開発機構などの産官学組織は経済産業省と、トラックに乗せて運べる移動式の飲料水製造装置を開発した。車体の屋根に搭載した太陽電池や風力発電装置を動力源として海水などを淡水化する。
1日当たり3600人分の飲料水を作れる。
干ばつや災害で水が不足した地域や、水道が未整備の発展途上国、離島などでの利用を見込んでいる。
開発には、日東電工、明電舎、ベイシティサービスや横浜国立大学、横浜市などが参加。
海水や河川水を納豆菌を元に作った凝集剤や砂で濾過し、逆浸透膜で淡水化、塩素殺菌する。トラックのコンテナに装置を載せて移動する。海外で使う際はコンテナだけ輸送できる。
価格は5千万前後の予定」
■海水温
「海水の状態が気象に大きな影響を及ぼす。海水温をできるだけ多くの場所で測るために、航行中の船舶から海に投げ込むだけで、沈むながら深さ約700㍍までの温度データを地上の送ってくれる簡易測定器「XBT」が重宝されてきた。
データは地球温暖化の予測研究にも多用されてきた。ところが最近、「XBTの測定値には誤差があり、それをもとに求めた海水温の長期的な変化傾向にもズレがあることがわかってきた」(海洋研究開発機構の石井正好・近未来気候変動予測研究グループリーダー)。
特に1970年~1985年ごろまでの海水温を、実際より高く見積もっていた可能性が高いという。
その後の海水温測定には、より精密な測定器が使われる例が増え、誤差は少なくなっていると考えられる。
XBTの誤差を補正して南緯60度~北緯60度の平均海水温の変化の傾向を求め直すと、1970年代前半にあったと考えられてきた急上昇と1980年代の低下は不鮮明になり、ほぼ一貫して上昇している傾向がハッキリした。」
■淡水化
「2010年、米マサチューセッツ工科大学のグループは、海水を淡水化できるマイクロチップを開発した。水に含まれる塩の99%とウイルスやバクテリアなどの汚染物質を除去できる。手のひらサイズで地震発生時も役立つ。」
海石
=海浮石=浮石
【効能・効果】
○沙淋の渋痛を治す。
「作末し2銭を、甘草の煎じ湯で空腹時に服用。」
海葱(かいそう)
⇒ユリ科。Urginea(Scilla)maritima
地中海の砂地海岸に生育する。
アルジェリア産の“赤色海葱”
リベリア半島、イタリア半島にも分布している。
18世紀末にジギタリスにとって代わられるまでは、これが心臓療法に用いられた。
クリスマスローズや蟇の毒と同じく六員環の不飽和ラクトンをもつステロイド系化合物である。
◎鱗状球根の鱗片もかっては薬局方に収載された強心生薬であり[スチラレン]など 10数種のステロイド配糖体を含有する。
(講談社「天然毒」p24)
海藻(かいそう)
=海草
(参照→「フコダイン」「フコキサチン」)
(藍藻類)スピルリナ、スイゼンジノリ
(紅藻類)アサクサノリ、テングサ、フノリ
(緑藻類)アオノリ、クロレラ
(褐藻類)コンブ、ワカメ、ヒジキ、モズク
【性味】 寒瀉燥降散
[薬性歌]
“寒、を消し、癧を散じ脹を除き、を破り、水を利し閉を通ず”
【効能・効果】(消腫・利尿)
○癌の核腫に良い。
「常食する。」
■成長に必須のビタミン
「アオノリなど緑色の海藻の成長に欠かせないビタミンの一種を、海洋バイオテクノロジー研究所(岩手県釜石市)の研究グループが発見した。陸上での海藻養殖に道を開き、絶滅が危惧される四国の四万十川のカワノリなどの保存や育種に役立つ。
成果は2005年3/11付けのサイエンスに掲載。
海藻の表面に共生するバクテリアなどが様々なビタミンを合成し、海藻の成長を助けていることが様々な実験で推定されている。しかし微量のため検出が難しかった。研究グループは共生バクテリアの培養液を精製することに成功。陸上の植物が持つ植物ホルモンと一部共通の構造を持つ『サルシン』と呼ぶビタミンの一種を発見した。
詳しく調べたところ、1フェムト㌘(フェムト=1/1000兆)の単位で海藻の細胞に働きかけて正常な構造変化を促して葉を茂らせることが分かった。逆にこの物質が無いと、細胞の構造変化が起きず、葉っぱ状の構造が崩れて1種類の細胞の塊になってしまう。
この物質を使えば、試験管や水槽など陸上で海藻の養殖が可能になる。」
■腸内の解毒作用
長瀬産業は京都大学名誉教授との共同研究で、海藻の中に含まれる成分がヒトの腸内の解毒作用を高める効果があることを確認。
藤多哲朗・京大名誉教授、西野輔翼・京都府立医科大学教授、奥山徹・明治薬科大学との共同研究で、2006年の日本薬学会で発表した、
褐藻類のアラメ、カジメ、クロメが多く含んでいる海藻ポリフェノールをマウスに食べさせ、排泄物を調べた。
海藻ポリフェノールには、解毒効果を弱めるとされる酵素が腸内で発生することを防いだり、整腸作用があるビフィズス菌を増やす効果があることを発見した。
■バイオ燃料
「日本海で養殖した海藻からバイオエタノールを生産すれば将来の国内需要を十分にまかなえる・・・。という試算結果を三菱総合研究所がまとめた。
日本海の中央部にある浅瀬『大和堆』で年間薬6500万㌧の海藻を養殖し、全量処理すれば200万㍑のバイオエタノールが生産できる。20076/25
海帯(⇒昆布)
海底柏
海底椰「かいていや」
海
海桐皮
○性は平、味は苦、無毒。
<1>足腰が麻痺・疼痛。
<2>赤白痢
<3>中悪
<4>霍乱
<5>疥癬
<6>牙歯痛
<7>赤目を治す。
[薬性歌]“海桐皮苦腰脚皮疳癬風気瀉與痢”
海人草
海綿(かいめん)カイメン
◎抗ガン作用あり。
■ナカドマリンAを人工合成
「海綿に含まれる抗がん剤候補物質「ナカドマリンA」を人工合成することに、千葉大学の西田篤司教授らのグループが成功した。
医薬品原料の置換ピペリジンという試薬を原料に、ルテニウムという金属触媒などを使って合成を繰り返して作った。
細胞実験段階ではナカドマリンAには
①ガン細胞を殺す
②細胞の増殖を促す酵素の働きを妨げる
③真菌を殺す
2006.4.4《産業》
■複数のガンに
「エーザイは、「カイメン」の毒素の構造を模した独自の新薬候補品を開発し、臨床試験で複数種のガンに対する薬効を確認した。既存の抗ガン剤が無効の多剤耐性のガンに対しても効果を示す。
新薬候補品は「E7974」と呼ぶ。特殊なカイメンが持つ『ヘミアステリン』と呼ぶ毒素の一部を模した化合物。」20077/24
■神経修復
「2009年、海洋生物を収集・分析するオーピーバイオファクトリー(那覇市)と名古屋大学は、石垣島の沖合の『海綿』から神経細胞の突起を伸ばす働きがある化合物を発見した。
病気や事故で傷ついた神経を修復する医薬などへの応用がみこまれ、同社はこの化合物の特許を出願中。
化合物の名称は『ペトロシオール』。」
■ガン細胞の増殖抑制
「2011年、東北大学と癌研究会癌化学療法センターの共同チームは、海洋生物のカイメンから抽出した化合物に抗ガン作用があることを突き止めた。
化合物の人工合成にも成功。
培養した肺ガン細胞の増殖を抑えることが分かった。
東北大学の佐々木誠教授と不破春彦准教授らが調べたのは、奄美大島で採取したカイメンからとった「イグジグオリド」という低分子化合物。
ウニの仲間であるバフンウニの受精を阻害する物資として知られていた。
研究チームは2010年にノーベル化学賞を受賞した鈴木・宮浦カップリング反応を利用して、イグジグオリドの人工合成に初めて成功した。
培養したヒトの肺ガン細胞に混ぜると、増殖が大幅に抑えられた。ガン細胞が増えるときに伝わる信号経路のどこかを遮断する作用があると考えられるという。
■有用な物質を作る仕組み
2014年、東京大学の脇本敏幸准教授らは、海綿動物が有用な物質を作る仕組みを解明した。海面に共生する数百種類のバクテリアの1つが生産していた。
海綿は海底や岩に付着して動かない、
敵から身を守るために、毒を出す微生物を取り込んでいる。
伊豆沖で捕まえたヨコガタイシカイメンを使って、抗がん成分の製造に必要な遺伝子を調べたところ、数珠状の細菌だとわかった。
海馬<タツノオトシゴの乾燥品>
[薬性歌]“海馬甘温催産奇 或用焼服或手持”
催産作用がある。(焼存性)で服用or手に持っていると順産する。
[効能] 1.強壮
2.催乳
3.鎮痛
4.難産
5.男性ホルモン様作用
海蛸「かいひょうしょう」
(⇒烏賊骨)
[薬性歌]“海蛸消功 心疼水腫経通”
“鹹、血を破り、を除き、経を通し腫を消し、目翳、心疼”《万病回春》
【効能・効果】
眼をなくす。
虫心痛・胃痛・水腫・に応用。
海浮石
海風藤
海粉
【効能・効果】
○熱痰に使う。
海竜
槐木耳
【効能・効果】
○月光の不調・崩中・帯下・月経が止まって血が凝結してときに使う。
「酒で煎じる。又は焼いて酒で2銭飲む。」
○茴虫・心痛を治す。
「槐上の木耳を取って焼いて作末し、水で服用。
薤白(がいはく)ALLII CHINENSIS BULBUS
【処方名】:[薤白]
【基原】各地で栽培される多年草、ユリ科ラッキョウの鱗茎。
ユリ科Liliaceae 小根蒜Allium macrostemon Bge.(チョウセンノビル)、薤 A.bakeri Regel.(ラキョウ)の地下鱗茎。
<1>ユリ科(Liliaceae)ラッキョウAllium chinense g.Doxの鱗茎をそのまま、又 は湯通しして乾燥。
<2>ユリ科(Liliaceae)チョウセンノビルAllium macrostemon Bungeの鱗茎。
【性味】味は苦辛、性は温。 温中潤降散
【帰経】肺・胃・大腸経。
【分類】理気薬。
【効能・効果】(健胃・整腸・痰)
◎胸痛を去り、痰する
<1>心臓性喘息
<2>狭心症
<3>心臓弁膜症
<4>肋間神経痛
<5>肋膜炎
◎久痢・冷痢。
「煮て食べる。」
◎赤白痢。
「白い部分を取って米で粥を作って食べる。」
【薬能】
《神農本草経》
“金瘡瘡敗を主る”
《薬性提要》
“胸膈を利し、滞を泄らし、腸を助く”
《古方薬品考》
“腸を温め、善く結妨を散ず”
《薬徴》
“薤白、心胸痛みて、喘息、咳唾するを主治す。”
“旁ら背痛、心中痞を治す”
[喘息]=呼吸が苦しく。せきの出る病気
[咳唾]=セキが出て、たんを吐く。
[心中痞]=むねの中がつかえる。
《重校薬徴》
“胸痺、胸背痛を主治し、喘息、咳唾を兼治す”
《古方薬議》
“味辛温、中を温め、結を散じ、水気を去り、久痢を止め、気滞を泄す。 心病は宜しく之を食すべし”
《中薬大辞典》
“理気、寛胸し、散結する”
“胸痺、心痛徹背、痞舒ず、干嘔、瀉痢後重、瘡を治す”
【薬対】
『薤白+黄柏』=健胃整腸作用。大腸菌などに殺菌作用があり。水瀉性の下痢を 繰り返すものに。
『薤白+括楼実』=去痰散結作用。胸部の痰飲を去り、結を散じ、痛みを去る作 用があり心臓性の喘息、狭心症を治す。括蔞薤白白酒湯
『薤白+五霊脂』
【配合処方】
括薤白白酒湯
括薤白桂枝湯
括薤白半夏湯
【考徴】
(半升)
括蔞薤白白酒湯証=喘息・咳唾、胸背痛。
枳実薤白桂枝湯証=胸痺・心中痞。
(3両)
括蔞薤白半夏湯証=心痛背に徹す。
【品考】
《薬徴》
“薤白、赤白の2種あり。白きものを良となす。李時珍曰く、薤(らつきよう)の葉は状韮(にら)に似るも、韮の葉は中実して扁く劔脊あり。薤の葉は中空にして、細き葱の葉に似て稜(かど)あり。気(=臭気)も亦葱の如し。2月に細花、紫白色を開き、根は小なる蒜(のびる)の如し。1本に数顆相依りて生ず。5月葉青ければ則ち之れを掘る。否らざればち肉満たざるなり。”
[数顆]=いくつものコブ。
《重校薬徴》
“薤白は赤白の二種あり。白きものを良しと為す。李時珍は薤葉の形状は韭 に似る、韭葉は中実して扁(ひらた)く、剣背あり、薤葉は中空にして、細 葱の葉に似て稜あり、気も亦葱の如し。二月に紫白色の細花を開き、根は 小蒜の如く一本に数顆相依り生ず。五月に葉の青きときに之を堀り、しか らざれば肉が満たざるなり。”
【禁忌】気虚で気滞がない者には要注意。
葉(がいよう)
【処方名】:[祈][葉][五月葉]
【基原】山野に自生する多年草。
<1>中国産:キク科(Compositae)のArtemisia argyi Levi.et Vant.(チョウセンヨモギ) その他、ヨモギA.princeps Pamp.などの全草。
祗州産=「祗」
<2>日本産:ヨモギ A.princeps Pamp.およびオオヨモギA.Montana(Nakai)Pamp.の 葉を乾燥。
【性味】味は苦辛、性は温。無毒。温瀉燥平中
【帰経】肝・脾・腎経。
【分類】止血薬。
【薬性歌】“葉温平駆鬼邪 胎漏心疼並可加”
“温平、邪を殴ち鬼を逐し、漏血、安胎、心疼即ち癒ゆ”
【効能・効果】(止血・調経・除湿・止痛)
<1>婦人の諸病と崩漏
<2>胎を和らげ
<3>腹痛
寒による腹痛に用いる。
(a)「肉桂」と同じ。
(b)ただし、肉桂には止血作用、安胎作用はない。
<4>赤白痢
<5>五臓痔の瀉血
<6>下部の虫を治し
<7>肌肉を良くし
<8>風邪をひかず
<9>子を生ませる
◎収斂性止血、鎮痛剤として
<1>婦人の漏下
<2>妊娠中の下血・腹痛
◎吐・衂・便・尿一切の失血を治す。
「汁を絞って乾いたものを煎服。」
◎崩漏と帯下を治す。
「煎じて飲む。」
◎血崩に
「熟葉の鶏子大と阿膠珠5銭、乾姜(炮黒)1銭を煎服。」
◎茴虫を殺す。
「汁を空腹時に、1升ぐらい服する。」
◎赤白痢・膿血痢を主治する。
「醋で煎服。」
◎卒心痛を治す。
「熟を濃く煎じて服用。」
◎心腹の悪気作痛。
「汁を絞って飲み、乾く症だと濃く煎じて服用。」
◎痔瘻虫に。
「熟と雄黄をともに焼いて竹筒で肛門に挿入する。」
◎妊娠し、又胎を和らげ、腹痛を治す。
【薬理作用】
<1>抗菌作用
<2>体温降下作用
【薬能】
《名医別録》
“百病に灸する。吐血、下痢、下部瘡、婦人漏血を止めるに煎を作す可 し”
《薬性提要》
“気血を理し、寒湿を逐い、子宮を緩む”
《古方薬品考》
“気味苦く、収斂にして芳達なり。故に泄痢を療し、妄血を止むるの能に 取る”
《古方薬議》
“味苦温、下痢、吐血、婦人の漏血、帯下を主取り、腹痛を止む。主とし て百病に灸す”
“諸血を止む”
《中薬大辞典》
“気血を理し、寒湿を逐い、経を温め、止血し、安胎する”
“心腹冷痛、泄瀉転筋、久痢、吐衂、下血、月経不調、崩漏、帯下、胎動 不安、膿瘍、疥癬を治す”
【薬対】
『葉+阿膠』=止血作用。
『葉+川』=温補佐用。寒邪による腹痛、生理痛に、帰膠艾湯
『葉+香附子』
『葉+炮姜』
『葉+地膚子』
【配合処方】
附暖宮丸
帰膠湯
膠四物湯加減
四生丸
柏葉湯[側柏葉・乾姜・葉・馬通汁]
【注意】
<1>過量に用いると、
イ)大脳皮質下の中枢を興奮させケイレンを引き起こす。
ロ)肝細胞の代謝障害から、中毒性黄疸、肝炎を起こす。
実
【効能・効果】
○百悪と鬼邪気を主治する。
楓(かえで)
=カエデ科カエデ属。
葉は1つの節から対になって出る
果実には翼がついている
「楓(フウ)」
=マンサク科フウ属
葉は枝から互い違いに出る。
果実は直径3cm、大きな金平糖のような形、突起部分に触れると痛みを感じる。
街路樹に多く使われる。
江戸時代に中国から日本に入ってきた。春に枝先に赤い花をつける。樹高は50㍍、幹の直径は1㍍に達する。
角石(かくせき)
=鹿角を焼き、水飛して製したるもの。
【薬能】
《薬性提要》
“甘にして温、陽を補い、血を養い、髄を補う”
角閃石
◎石焼きビビンバに用いられる石。
化州橘紅(⇒橘紅)
花崗岩
地下深くでゆっくり冷えたのが花崗岩。大陸を作っている。
◎空気をイオン化し、マイナスイオンを出す。そのため抗酸化力がある。
ピラミッドの石室に用いられた。
◎リーディング(ラマ・シング)
「なぜ、花崗岩や大理石は墓の頂上石に選ばれているのですか?
それは安定させ、またあやまったエネルギーを排除する力がある。故に、そ れは古代の優れた洞察力を持っていた人々によって、頂上に置くべき元素と みなされたのである。その魂が静かに休息し、憎悪や怒り、悲しみのエネル ギーまたは想念が、その人間の名前を持つその石によって吸収されるためで ある。」
◎花崗岩の1枚岩でできている・・・・屋久島
花崗岩(かこうがん、granite)とは、火成岩の一種
石材としては御影石(みかげいし)とも呼ばれる。
花生(⇒落花生)
花椒(⇒蜀椒⇒サンショウ)
花蘂石
【効能・効果】
<1>金瘡の血止め。
<2>産婦の血暈・血を治す。
花粉
■高温下
「2010年、東北大学の東谷篤志教授らは、植物が高温にさらされると花粉ができなくなる仕組みを解明した。花粉の形成に働く植物ホルモンが、高温の環境では減少していた。
ホルモンを散布すると花粉が回復し、タネができるようになった。
成果は米科学アカデミー紀要に掲載。
花粉ができる時には、雄しべでオーキシンという植物ホルモンが働く。東谷教授らは、おしべでのオーキシン合成にかかわる「YUCCA」という遺伝子に注目した。
オオムギとシロイヌナズナで実験すると、高温環境ではYUCCAの働きが1/3~1/5程度に減ることが分かった。オーキシンの合成量も半分以下に減っていた。
花粉ができる時期にオーキシンを散布し、花粉ができるようになるか調べた結果、高温環境下でも花粉の量が通常時の80~90%程度まで回復し、タネができるようになった。コムギやオオムギ、トマト、マメ科の植物などでは、夜間に25℃を超える高温環境が続くと花粉が減り、タネができなくなる。
花檳榔(⇒檳榔⇒檳榔子)
何首烏(かしゅう) POLYgONI MULTFLORI RADIX
【処方名】:[何首烏][首烏][製首烏]
【基原】中国原産。日本の各地に自生する多年性つる草、タデ科ツルドクダミの塊状 根。
タデ科Polygonaceae 何首烏Polygonum multiflorum Thunb.(ツルドクダミ)の塊 状根を乾燥。
★この薬草は、本来の名を交藤というが、何首烏なる者が服したという話から、 何首烏の名になった。
【性味】性は平温、味は苦渋、無毒。 温補平升収
【薬性歌】“何首烏甘宜種子 添精黒髪顔光美”
何首烏、甘。精を添え、子を種し、髪を黒くし、顔を悦ばしめ、、長生不死な り”《万病回春》
【効能・効果】(滋養・強壮・補血・鎮痒)
<1>瘰癧
<2>癰腫
<3>五痔
<4>積年の労痩
<5>痰癖
<6>風虚敗劣
<7>婦人・産後の諸疾
<8>帯下赤白
<9>気を増す。
<10>筋骨を強くする。
<11>骨髄を充たす
<12>毛髪を黒くする。
◎補肝腎、益精血、壮筋骨、養気血、烏鬚髪などの効能があり、
<1>遺精
<2>帯下
<3>腰足痛
<4>痔瘻
<5>陰虚・長期にわたるマラリヤ。
<6>神経衰弱
<7>精血不足による頭暈
<8>心臓動悸
<9>不眠
◎潤腸通便、消炎消腫の力が強い。
<1>遺精
<2>帯下
<3>瘰癧癰腫
<4>久瘧。
<5>津液不足の便秘。
◎精髄補強薬。
「根を水に1晩漬け、竹刀で皮を剥いて黒豆汁に漬け、晒して乾燥粉末に し、酒で服用。又は蜜丸。」
◎積年の労痩を治す。
「末・丸服。」
◎気が雄壮になり、十二経脈を通す。
「末・丸服。」
◎筋力を養う。
「丸・散・浸酒服。」
◎骨軟風・腰膝痛。
「何首烏1斤、牛膝半斤、黒豆3升を煎じて、汁を取って混ぜて、蒸すこ と3回、搗いて晒し乾燥、作末して棗肉で梧子大の丸剤 50~70丸を 酒で飲み下す。」
◎鬚髪を黒くする。
「末・丸・醸酒服。」
◎虚労・五労・七傷を治し、血気を出させ、陰を補い、陽を壮健にする。
「根を作末し酒に混ぜて飲むか、丸服。」
◎根・葉を蒸して乾燥、丸・散・生食でもよい。
◎長く常用すると、白髪が黒くなり精気をみなぎらせ不老となる。
「根を水に漬け柔らかくして、竹刀で皮を剥き、切って黒豆汁に漬けて陰 干し、粉末にし毎回2銭酒で服用。又は蜜丸で服用。」
【修治】
◎9度蒸し、9度晒す。《万病回春》
<1>(炮製)=「製首烏」
ただし、鉄器を使用してはいけない。
<2>(生)=「生首烏」
【薬対】
『何首烏+枸杞子』
『何首烏+懐牛膝』
『何首烏+桑椹子』
『何首烏+桑寄生』
『何首烏+白藜』
【配合処方】
何首烏丸:[何首烏・菟絲子・当帰・牛膝・補骨脂]
首烏強身庁《成都中医学院》
[何首烏・懐牛膝・生地黄・覆盆子・杜仲・女貞子・桑葉・ 草・金桜子・桑椹子・旱蓮草]
七宝美髪丹《邵応節方》
[何首烏・白茯苓・牛膝・当帰・枸杞子・菟絲子・補骨脂]
呵子(⇒訶子⇒訶黎勒)
訶子(かし) CHEBULAE FRUCTUS
【処方名】:[訶子][呵子][訶黎勒][訶梨勒]
【基原】北インドから南方地に分布する落葉樹。
シクンシ科(Combretaceae)訶子樹Terminalia chebula Retzusミロバランの成熟果実 を乾燥。
★《新修本草》:「訶黎勒」で収載。
「訶子肉」=核を取り除いたもの。
【性味】味は苦酸、性は平。無毒。
【帰経】肺・大腸経。
【薬性歌】“訶子味苦澁腸可 痢嗽痰喘降肺火”
“味苦、腸を渋らし、痢を止め、痰嗽、喘息、火を降し肺を歛む”
【効能・効果】
<1>消痰
<2>下気する。
<3>肺気の急喘
<4>霍乱
<5>奔豚腎気
<6>瀉痢
<7>腸風瀉血
<8>崩中帯下
<9>結気
<10>心腹の脹満を治す。
<11>消化させる。
【配合処方】
訶子散
訶子清音湯
訶黎勒散
補肺湯
訶子皮
【効能・効果】
○下剤として。
「粉末or煎服。」
○渋腸・止泄を治す。
「煎じ・末服」
○下痢・赤白痢を治す。
「訶子3個のうち2枚は炮り、1枚は生で作末し、温水に混ぜて飲む。」
訶黎勒
茄科
茄子(かし)
[薬性歌]“茄子甘寒伝尸労 多食動気女傷胞”
茄根
茄母
柯樹皮
荷葉
【効能・効果】
○打撲と落傷による悪血が、心を打って煩悶するとき。
「荷葉を焼いて末にし熱い童便で1日3回、2銭を調服する。開いていな い荷葉を細かく末にして飲むと、悪物が下がる。」
夏枯草(かごそう) PRUNELLAE SPICA
【基原】山野に自生する多年草。
シソ科(Labiatae)ウツボグサ Prunella vulgaris L.subsp.asiatica Haraの花穂もし くは全草を乾燥。
韓国産:「土夏枯草」ビャクダン科(Santalaceae)カナビキソウの全草。
中国産:「白毛夏枯草」シソ科(Labiatae)キランソウ(筋骨草)。
★花穂が暗褐色に変じた頃、花穂のみ集めて陰干しする。しかし民間療法では 茎葉には麻酔・強壮の効があるので、花穂に加えたほうが良いとされる。
【性味】味は苦辛、性は寒、無毒。寒瀉燥降散
【帰経】肝・胆経。
【分類】清熱瀉火薬。
【薬性歌】“夏枯草苦瘰瘤 破散結湿痺”
【効能・効果】(解熱・消炎・利尿・降圧) (参照→ウツボグサ)
○清肝して頭や目をスッキリさせ、解熱して結滞を散らす。
<1>寒熱
<2>瘰癧
<3>鼠瘻
<4>頭瘡を治す。
<5>破
<6>散
<7>結気
<8>目の痛み
○肝火を清し、欝結を散ず。(清火散結・養肝明目)
<1>瘰癧・瘤:
結核性頸部リンパ腺炎
<2>乳痛:
乳腺炎
<3>腫毒:
癰腫毒
<4>目赤疼痛(結膜炎など)
<5>目眩頭痛
○眼晴が痛み、夜になるとひどくなる症。
「夏枯草5銭、香附子1両を作末し毎回1銭を茶清で服用。」
○癜風:(紫癜風・白癜風)
「煎じて1日2~3回洗う。」
○リンパ腺腫:
「香附子・貝母・遠志」
○急性黄疸型肝炎:
<1>「夏枯草60g、大棗30g」水1500cc入れて弱火で大棗の形が無くな るまで煮込み、濾して300ccを3分服する。
<2>「夏枯草60g、豚肉(無脂肪)600g」それぞれ別個に1200ccの水で1 時間以上弱火で煮る。それから両方を一緒にあわせ弱火で300ccまで 煮詰め、3分服。30日が1クール。
【薬理作用】
<1>利尿作用:ursolic acid
大量のカリウム塩を含有する。
<2>降圧作用:
煎剤に顕著な血圧降下作用がある。
<3>杭ガン作用
<4>心臓興奮作用
<5>抗菌作用
<6>子宮収縮作用
【薬能】
<1>《薛己》
“血を活かし、瘰癧を治す妙薬”
<2>《朱丹渓》
“補養厥陰血脈の功がある”
【薬対】
『夏枯草+菊花』
『夏枯草+玄参』
『夏枯草+香附子』
【配合処方】
夏枯草散[夏枯草・当帰・白芍・玄参・甘草]
夏枯草湯
夏枯草膏
消核丸[夏枯草・牡蛎・玄参・貝母・連翹]
蝸牛「かぎゅう」
蝦蟆「がま」(⇒蛙黽)
【効能・効果】
○水腫の鼓腸に特効あり。
○蠱満を治す。
牙皀「がそう」⇒「皀莢」参照。
瓦楞子「がりょうし」
莪朮「がじゅつ」 CURCUMAE AERUgINOSAE RHIZOMA
【処方名】:[莪朮][蓬莪朮][蓬莪茂]
【基原】インド、ヒマラヤ地方原産、日本では沖縄・奄美大島・屋久島で栽培される多年草。
ショウガ科Zingiberaxeae 莪朮Curcuma zedoaria Rosc.(ガジュツ)の根茎。
<1>Curcuma zedoaria(Berg)Roscoe=蓬莪朮。
<2>Curcuma wanchowensis Liao.Yao=温莪朮。
【性味】味は苦辛、性は温。無毒。
【帰経】肝・脾経。
【薬性歌】“莪朮温苦破痃癖 消通経止痛劇”
“温苦、善く痃癖を破り、痛みを止め、瘀を消す。経を通ずるに最も宜し”《万回春》
【効能・効果】(がじゅつ)
<1>一切の気を治し
<2>月経不順を治し
<3>瘀血を散らし
<4>心腹痛をなくし
<5>痃癖・奔豚を治す。
◎後世にては莪朮・三稜を消塊の品とすれども、消塊軟堅の効は鼈甲に如かず《勿誤薬室方函口訣》
【修治】
◎酢に浸し、炒る《万病回春》
◎即ち、蓬朮で、醋に煎じて切って焙って乾かして使うか、または火であぶって醋と炒って使う。酒とも良い《医学入門》
【配合処方】
■莪朮散
■莪稜遂瘀湯
■浄府湯
■妙功十一丸
鵝管石(⇒鍾乳石)
【効能・効果】
<1>肺寒と久嗽を治す。
<2>痰気壅塞を治す。
塊滑石(⇒滑石)
槐花(かいか)
[薬性歌]“槐花味苦殺回虫 熱痢痔瘻及腸風”
“味苦、痔瘻、腸風、大腸熱痢、更に虫を殺す”《万病回春》
【効能・効果】
<1>五痔
<2>心痛を治す。
<3>腹蔵を殺す。
○涼血・喀・唾血・下血を止める。
「炒って粉末にし熱い酒で2銭服用。」
○五痔・腸風・臓毒。
「炒って煎服。」
槐花米(⇒槐花)
槐角(⇒槐実)
槐枝
【効能・効果】
○汁を煎じて陰部を洗い、焼いて粉にして、歯を磨くと虫が死ぬ。《本草》
槐実
○性は寒、味は苦酸、無毒。
【効能・効果】(かいじつ)
<1>五痔
<2>火瘡を治す。
<3>大熱をなくす。
<4>難産
<5>堕胎を治す。
<6>殺虫・去風
<7>男女の陰瘡の湿痒を治す。
<8>腸風
○長く常用すると明目・黒髪・延年に効く。
「槐というのは虚星の精気で、10月初旬頃実を取って食べると万病が治る。
・10月初旬頃に、槐実を取ってかめに入れ、粘土に塩を混ぜてこね、口を堅く封じ、日陰の所を選んで3尺掘って埋めておき、12月初旬頃掘 り出し、皮を剥いて袋に入れて高いところに吊して、年が明けたら飲み出す。毎日空腹時に白湯で、初日は1粒・2日目に2粒と、15粒まで服用したら、1日1粒づつ減らして飲む。この飲み方を反復する。」
○目を良くする。
「10月上巳日に槐角を取って牛胆汁で煮て封をし、100日目に取り出す、初めは1枚を空腹時に、次の日は2枚、10日目に10枚をたべたた後、また減らして1枚まで還元する。」
○髪が白くならない。「常服する。」
○五痔・腸風・臓毒。
「作末し米飲で服用し、又は蜜丸で服用。」
槐白皮
【効能・効果】
○男の陰疝の卵種と女の陰門の痒痛、下部の湿痒に。
「煎じ湯で沐浴する。」
○煮て五痔・悪瘡・火傷などに洗う。《本草》
槐木上耳
【効能・効果】
○諸痔と腸風・臓毒。
「耳を取って1日3回服用。」
槐米⇒「槐花」
懐牛膝⇒「牛膝」参照
懐山薬⇒「山薬」
艾納香
艾片⇒「竜脳」
孩児茶(⇒阿仙薬)
○性は寒、味は苦甘、無毒。
<1>一切の瘡毒を治す。
孩児参(⇒太子参)
核桃肉(⇒胡桃肉)
鶴虱(かくしつ)
○性は平、味は苦、小毒。
【効能・効果】
<1>五臓の虫を殺す。
<2>瘧を止める。
<3>悪瘡に貼る。
○五臓虫を殺し、殺虫薬に最も重要なもので、茴蟯虫を主治する。
「葡厥心痛に、作末し梧子大の蜜剤。空腹時に蜜湯で40~50丸飲み下す。虫痛には、末2銭を空腹時に温醋で調服する。」
花崗岩
◎リーディング(ラマ・シング)
「それは安定させ、誤ったエネルギーを排除する力がある。」
活磁石(⇒磁石)
片栗粉
溶かす割合は、水と1:1で、少し時間をおく。指でつまんで、鍋に入れる。
水浸し片栗粉にする。水溶き片栗粉ではない。そうすることで鍋の中の温度が下がらない。
ダイラタンシー現象が起きる・・・・圧力をかけると固形になる。圧力を下がると水状になる。水ひたし片栗粉を手のひらに乗せて、叩くと、飛び散らない。
水浸し片栗粉+ドレッシング
藿香(かっこう) POGOSTEMI HERBA
【基原】温暖帯の山地に自生する多年草。
インド起源の薬物。
<1>「広藿香」:シソ科(Labiatae)パチョリPogostemon cablin(Blanco)Benth.の全草又は葉を乾燥。
<2>「土藿香」:シソ科(Labiatae)カワミドリAgasutache rugosa(Fisch.et Mey.)
Ountze(=Lophanthus rugosus Fisch.et Mey.)の全草を乾燥。
◎かくこう(支那産藿香)の葉、若くはかはみどり(排草香)の葉。《奥田謙蔵》
【性味】味は辛、性は微温、無毒。「温瀉燥降散」
【帰経】脾・胃・肺経。
【分類】芳香化湿薬。
【薬性歌】“藿香辛温止嘔吐 発散風寒霍乱主”
“辛温、能く嘔吐を止め、風寒を発散し、霍乱主と為す”《万病回春》
【効能・効果】(かっこう)
(発汗・解熱・健胃・鎮)
<1>風水の毒腫をを治す。
<2>悪気を払う。
<3>霍乱
<4>脾胃吐逆を除く。
◎肋・脾を温める。
「粉末・水煎服。」
◎芳香性健胃・発表剤として
<1>食欲不振
<2>消化不良
<3>暑気あたり
<4>寒熱頭痛
<5>嘔吐
<6>下痢
【薬能】
《王好古》
“肺虚で寒があり、上焦の壅熱するものを主治する。”
“また酒を飲んで口の臭いものには湯に煎じて漱ぐ。”
“藿香は手足の太陰の薬だから、順気烏薬散に入れて用いれば肺を補い、黄蓍四君子湯に入れて用いれば脾を補う”
《薬性提要》
“辛甘にして微温、中を和し、胃を開き、を止め、悪気を去り、飲食を進む ”
【薬対】
『藿香+砂仁』
『藿香+紫蘇葉』
『藿香+半夏』
『藿香+佩蘭』
【配合処方】
・藿香正気散
・藿香連翹飲[藿香・連翹・製半夏・陳皮]
・不換金正気散
葛花(かっか)
【基原】クズの花。
【性味】味は甘、性は平。
【効能・効果】
○二日酔い:15g/日、煎服or作末し服用(著効)。
○酒毒:15g/日、煎服or作末し服用(著効)。
○血便:15g/日、煎服or作末し服用(著効)。
○下痢:15g/日、煎服or作末し服用(著効)。
【薬能】
《広益本草大成》
“酒毒を消し、末にして酒にて服せば酒を飲みて酔わず・・・凡そ酒毒を消すの功は葛根に勝れりとす”
【用量】1日15g。
■葛花エキス
「太田胃散(東京文京区)が自社開発の葛花エキス販売権を東洋新薬に移した。太田胃散は1992年から熊本大学の野原稔弘教授らと共同で、葛花エキスの研究を開始。肝機能改善や肝臓保護などの機能を解明し、二日酔いに関連した効能を確認した。」2004.7.30《日経産業新聞》
葛根(かっこん)PUERARIAE RADIX
【処方名】:[葛根][乾葛]
【基原】山野に自生するつる性多年草、マメ科クズの塊根。
マメ科Leguminosae 葛Pueraria pseudo-hirsuta Tang et Wang(クズ)の塊根を乾燥。
本品はクズPueraria lobata Ohwi(Pueraria pseudo-hirsuta Tang et Wang)又は Pueraria lobata Ohwi var.chinensis(Benth.)Ohwi(Legunminosae)の周皮を除いた根である。
【性味】味は甘辛、性は平。無毒。「平中潤升散」
【帰経】脾・胃経。
【分類】辛温解表薬
【薬性歌】“葛根味甘解傷寒 酒毒温瘧渇並安”
“味甘、傷寒発表、温瘧往来、渇を止め、酒を解す”《万病回春》
【効能・効果】(かっこん)
(発汗・解熱・止渇・鎮痛)
発汗・解熱・鎮痙薬として熱性病・感冒等に応用する。
<1>風毒の頭痛を治し
<2>汗を出させ
<3>腠理を開いて
<4>酒毒を散らし
<5>煩渇を止める
<6>胃を開いて消化させ
<7>胸膈の熱を治し
<8>小腸の通りを良くする
<9>金瘡を治す。
◎生津止渇、解肌退熱
<1>熱病の表証、口渇
・陽明経薬で邪が裏にあるときの発熱・無悪寒を治す。
「桂枝」「麻黄」:太陽経薬で、邪が表にあるときの悪寒発熱。
<2>斑疹初期
<3>泄瀉痢疾
◎解肌・発表・出汗し腠理を開く。陽明経の汗をかくとき。
「1銭を水で煎じて飲む。」
◎開胃・下食して酒毒を解かす。「水煎服。」
◎傷寒と中風の頭痛。「煎服。」
◎傷寒のはじめの頭痛・身熱に。「煎服。」
◎酒病のすべての症を治す。
「汁を絞って1~2升飲むと良い。」
◎消渇を治す。
「5銭を煎じて飲み、又生の汁を絞って飲む。」
◎酒疸に小便の赤く渋いのを治す。
◎瘧を治す。
◎天行瘟疫の熱疾を治す。
「生の根を搗いて汁を飲む。」
◎金瘡を治し痛みを止める。
「末を塗り、又煎服。」
◎突発性難聴の初期。
◎冠不全:冠状動脈を拡張作用がある。
◎高血圧の随伴症状を改善する。
【薬理作用】
水侵液は温刺ウサギに対して下熱作用を示す。
エタノールエキスを高血圧症イヌに12日間経口投与したとき緩和な血圧降下作用が認められる。
<1>解熱作用
<2>ムスカリン様作用
<3>パパベリン様作用
<4>鎮痙作用
<5>降血糖作用
【薬能】
《神農本草経》
“消渇、身大熱、嘔吐、諸痺を主り、陰気を起こし、諸毒を解す”
《薬性提要》
“肌を解し、熱を退け、津を生じ、渇を止め、を収め毒を解す”
《本草備要》
“渇を止め、津を生じ、を開き、汗を発し、肌を解し、熱を退け、脾胃虚弱者の泄瀉、傷寒中風、陽明頭痛、血痢、瘟瘧、腸風、痘疹を治す”
《古方薬品考》
“潤通し、熱を清し、中を調える”
《薬徴》
“葛根、項背強ばるを主治するなり”
“旁ら喘して汗出づるを治す”
《重校薬徴》
“項背強急を主治し、喘して汗出ずるを兼治す”
《古方薬議》
“肌熱を解して津液を生じ、筋脈を滋して牽引を舒ぶ”
《中薬大辞典》
“陽を昇げ、肌を解し、疹を透し、瀉を止める。煩を除き、渇を止める”
“傷寒、温熱、頭痛、項強、煩熱、消渇、泄瀉、痢疾、斑疹不透、高血圧、心絞痛、耳聾を治す”
【薬対】
『葛根+括楼根』=止渇作用。熱性疾患などの口渇を治す。
『葛根+黄連』=止瀉作用。熱性の下痢を治す。葛根黄連黄芩湯
『葛根+桂枝』=鎮痙作用。寒邪による項背および肩背部の筋肉のコリ、痛みを治す。桂枝加葛根湯
『葛根+山薬』
『葛根+升麻』=透疹作用。皮膚疾患における初期の発疹を誘発、促進する。升麻葛根湯
『葛根+白朮』
『葛根+麻黄』=(発表作用)。感冒などに。葛根湯
【配合処方】
葛根黄芩黄連湯
葛根湯
葛根加半夏湯
桂枝加半夏湯
竹葉湯
【考徴】
(半斤)
葛根黄連黄芩湯証=喘して汗出づ。
(4両)
葛根湯証=項背強ばる
葛根加半夏湯
桂枝加葛根湯証=項背強ばる。
【品考】
和漢異種なし。み用ふ。
【参考】
「国栖人(クスビト)が葛から採った粉を里に出て売った」《日本書紀》
滑石(かっせき) TALCUM
=タルク
【処方名】:[滑石][生滑石][塊滑石]
【基原】天然の含水ケイ酸マグネシウム(マグネシウムのケイ酸塩)
白色の者佳なり。雑色は毒あり。《万病回春》
上等の滑石は、指先でもんでみるに、軟らかくですべすべしている《薬徴》
【品考】滑石、和漢共にあり。処処の山谷多く之を出すなり。軟滑(なめらかなこと)にして白きもの、薬に入れて効あり。宗(冠宗、宗代の人)曰く、滑石は今之を画石と謂ふ。その軟滑にして画を写すべきに因るなり。時珍曰く、その質滑膩(かつじ)(なめらかなこと)、故に以って之に名づく。
【性味】味は甘、性は寒。 無毒。涼中燥降散
【帰経】胃・膀胱経。
【分類】利水滲湿薬。
【薬性歌】“滑石沈寒滑利竅 解渇除煩湿熱療”
“沈寒、滑にして能く竅を利す。渇を解し煩を除き、湿熱療す可し”《万病回 春》
【効能・効果】(利尿・消炎・止渇・通淋)
◎利尿、清暑する。
<1>淋病
尿が出渋る、排尿痛:滑石を作末し5g服用する。
<2>小便不利
<3>泄瀉
<4>煩渇
◎九竅六腑の津液を通じ、渇を止め、煩熱・湿熱五淋に応用。
<1>婦人の乳難
<2>小便の通りをよくする。
<3>胃中の積聚を洗い流す。
<4>九竅と六腑の津液を通す。
<5>固まったのを散らす。
<6>渇を止める。
<7>煩渇・心燥を止める。
<8>五淋
<9>難産を治す。
◎利竅、小便をよく通す。 →益元散。
◎反胃と積飲を治す。
「生姜の自然丹で丸を作って服用。」
◎消渇に使う。
「作末して3銭を水or蜜に混ぜて飲む。すなわち益元散である。」
○あせも:
作末し、天花粉の代用として塗布する。
○便秘:
滑石を作末し飯粒で練ってヘソの下に貼る。
【薬理作用】
<1>皮膚粘膜の保護作用:
内服すれば腸管内粘膜を保護し、消炎止渇する。外用すれば創面を保護 し、分泌物を吸収して乾燥させ痂皮(かさぶた)の形成を促進する。
<2>抗菌作用
【薬能】
《神農本草経》
“身熱泄癖、女子乳癰、閉を主り、小便を利し、胃中積聚の寒熱を蕩し、 精気を益す”
《薬性提要》
“甘にして寒。熱を瀉し、竅を通じ、小便を利す”
《古方薬品考》
“滑達にして、能く留結を通す”
《類聚方広義》
“小便不利を主治し、渇を兼治す”
《古方薬議》
“甘にして寒。腸胃を通利し、水を去り、熱を解す”
《中薬大辞典》
“熱を清し、湿を滲し、を利す”
“暑熱煩渇、小便不利、水瀉、熱痢、黄疸、水腫、脚気、皮膚の湿潤を治 す”
《薬徴》
「滑石、小便の不利を主治するなり。旁(かたわ)ら渇を治するなり。」
「猪苓湯証に曰く、渇して水を飲まんと欲し、小便不利」
【薬対】
『滑石+黄柏』
『滑石+甘草』
『滑石+冬葵子』
『滑石+石膏』=清熱作用。黄疸、衂血、煩渇、湿熱、腸管の炎症、嘔吐に。三石湯湯《温病條辨》
『滑石+猪苓』=清熱利湿作用。室を滲し、小便を利する作用により、膀胱炎、尿道炎、水様性下痢に。猪苓湯。
【品考】
滑石、和漢共にあり。処処の山谷多く之をだすなり。軟滑にして白きもの、薬に入れて効あり。
【配合処方】
茵散
益元散 [滑石、甘草(炙)、朱砂]
延経期方
黄芩滑石湯《温病条弁》
[黄芩、滑石、通草、茯苓、猪苓、大腹皮、白豆]
滑石代赭湯
滑石白魚散
猪苓湯
桃仁湯
六一散[滑石、甘草(炙)]
【毒性】
◎滑石(マグネシウムのケイ酸塩)の粉を吸い込むことによって、滑石沈着症と 呼ばれる、ケイ肺症に似た疾患を生じる。
■和漢三才図会
滑石:画石、共石、石、冷石、液石、番石、脱石
《本草綱目》(石部、石類、滑石[集解])に次のようにいう。滑石は嶺南の桂林、山東の桂府の各処にある。この石は初め取るときは軟らかくて泥のようで、久しくして漸く堅強になる。色の真白なものが良い。青黒いものは用いてはいけない。
滑石の根を不灰木(ふかいぼく)という。滑石の中に光明のある黄子が入っているものを石脳芝という。
【気味】(甘)
身熱・泄(はらくだし)を治す。小便の出をよくして、大腸をシッカリさせる。燥渇(やけるようなかわき)を解し、偏(ひとえ)に石淋の治を主どり、要薬とされる。また黄疸、水腫、吐血、鼻血、金瘡で血の出るものを治す。
▽思うに、滑石は筑前から出るものがあるけれど真物ではなく、禁止されている。
劉河間の益元散(天水散or太白散or六一散)は神験の仙薬である(滑石六両、甘草一両)。中暑・傷寒・疫癘を治し、飢飽労損・憂愁思慮・驚恐悲努に効き、五労七傷や一切の虚損、内傷陰痿、更には産後の損液や歯疳に効き、精気を益し筋骨を壮にする
■一番柔らかい鉱物
主成分はケイ酸マグネシウムで、マグネシウムからなる蛇紋岩地帯に出やすい。
使い道は・・・はんこの印材、化粧品のファンデーション
印材:滑石
葉石:主成分がアルミニウム。火に強くレンガなどに。
そのなかに辰砂が入ると鶏血石といって高価になる。偽物が多い。
蝎虎
【効能・効果】
○噎食と反胃を治す。
「生きたものを焼酒に7日間漬けて、温めた後酒だけを飲む。」
蝎尾(⇒全蝎)
樺皮
⇒樺木皮
○性は平、味は苦、無毒。
[薬性歌]“樺皮苦平乳癰疸 肺風疹痘毒散”
【効能・効果】
<1>黄疸
<2>乳癰
<3>肺風瘡
<4>小児の瘡疹を治す。
○肺風毒でかゆいとき。
「煮て服用。」
芥子(からし)
【効能・効果】
○耳聾を治す。
「作末して乳汁で丸め綿でつつんで耳を1日2回、かわるがわるふさぐ。」
○心痛に。
「酒醋で汁を取って飲む。」
○疫気が伝染して頭痛する者を治す。
○痘の出ないとき、足の裏に塗る。
○打撲傷の血の痛みに。
「芥子に生姜を入れ、粉末にし温めて患部に貼る。」
唐木瓜(⇒木瓜)
唐木香(⇒木香)
瓜冬
【効能・効果】
○三消渇を治す。
瓜子金(⇒金鎖匙)
瓜子仁
【効能・効果】
○解毒、護膜、厚腸、生肌の功を主とす。《雑病翼方》
瓜蒂(かてい)
=まくはうり(真桑瓜)、ことに越前産ねずみまくは(鼡真桑)の未熟果の蒂。
[薬性歌]“瓜蒂苦寒善吐痰 浮腫黄疸可堪”
“瓜蒂、苦寒。善んで能く痰を吐す。身の浮腫を消し、並びに黄疸を消す”《万 病回春》
【効能・効果】
○鼻中の肉を除去する。
「末を綿でくるんで鼻中に入れ、又羊脂に混ぜ、又は細辛に混ぜるのも良 い。」
○痰が心胸につまったとき使う。
【薬能】
《薬徴》
“胸中に毒有り、吐せんと欲して吐せざるを主治する也”
“瓜蒂散証に曰く、胸中痞硬、気、咽喉に上衝し、息するを得ざる者。又曰く、心中滿して煩し、饑えて食する能はざる者は病胸中に在り。”
[胸中痞硬]=胸の中がつかえて硬い。
《古方薬議》
“味苦寒、水を下し、痰を吐し、黄疸を療し、脳塞熱を治す。病、胸腹中 に在れば、皆之を下す”
【品質】
《重校薬徴》
“瓜蒂は冠宗、李時珍は以て甜瓜蒂となす。之を試すに寸効なし、又一種 あり柿瓜と名づく。形状柿の如く、其の種甚だ少なり、又一種あり柿瓜の 如くして皮上に毛ある者は、其の初め大いに苦く、食すべからず。熟する に及んで殊に甜美(=うまい)なり。其の蒂(へた)大いに苦し。効あり用うべし。 三才図絵の所謂る青瓜なり。越前州の産を良しとなす。”
瓜蒂=ウリ科のマクワウリの未熟果の果柄。
瓜呂根(かろこん)⇒「括根」参照。
瓜呂仁(かろにん)⇒「括仁」参照。
括根(かろこん) TRICHOSANTHIS RADIX
(楼根)
【処方名】:[天花粉][花粉][括楼根][括根][瓜呂根][括呂根]楼根
【基原】暖地の原野に自生する多年生つる草、ウリ科キカラスウリの皮層を除いた根。
<1>ウリ科(Cucurbitaceae)シナカラスウリ Trichosanthes kirilowii Maixim.の根の 外皮を去って乾燥=「天花粉」
<2>ウリ科(Cucurbitaceae)キカラスウリ:「括根」「瓜呂根」 楼根
<3>カラスウリ:「土瓜根」
★《神農本草経》:「括」で収載。
【性味】味は甘酸、性は寒。寒瀉潤降収
【帰経】肺・胃経。
【分類】清火熱痰薬。
【薬性歌】“天花粉寒除熱痰 排膿消毒煩渇堪”
天花粉、寒。渇を止め、煩をり、膿を排し、毒を消し、善く熱痰を除く。《万 病回春》
【効能・効果】(清熱・生津・鎮咳・排膿・消腫・催乳)
<1>消渇と
<2>身熱煩満
<3>腸胃の痼熱を除く (痼=長わずらい)
<4>疸で黄色くなったのと
<5>唇が乾く口燥を治し、
<6>小腸を通して
<7>膿を排出させ
<8>腫毒・乳癰・背疸・痔瘻・瘡を治し、
<9>月経を通し
<10>打撲傷の血をなくす。
◎解熱、止渇、消腫剤
<1>口渇(虚証)
イ)体液(津液)の損傷による口渇⇒「天花粉」
ロ)実熱がある口渇⇒「石膏」
<2>咽喉腫痛
<3>痰
◎温病の口渇
◎糖尿病の煩渇、食欲亢進、羸痩。
◎乳腺炎の化膿:「穿山甲、金銀花」
◎胞状奇胎
◎人工中絶(妊娠後期):胎盤絨毛膜細胞を変性壊死させる。
◎顔色を良くする。
「粉を作って塗る。」
◎すべての疸と、全身が黄色くなったのを治す。
【薬理作用】
<1>血糖上昇作用
<2>抗腫瘍作用
【薬能】
《神農本草経》
“消渇、身熱、煩満、大熱を主る”
“虚を補い、中を安じ、絶傷を続す”
《薬性提要》
“火を降ろし、燥を潤し、痰を豁き、渇を止む”
《古方薬品考》
“津を生じ、燥を潤す”
《古方薬議》
“括根は味苦寒、能く中を潤して持って津液を行らす。故に津液枯燥、 筋脈養を失い、身体几几然として柔痙を為し者は、「桂枝湯」方中に此 の品2両を加う。又、瘧病、津液枯竭、水飲を引き、及び労復止まざる 者は、「小柴胡湯」方中、半夏を去り、此の品4両を加う。小柴胡湯方 後に亦云く、もし渇する者は、半夏を去り、人参前に合して4両半と成 し、括根4両を加うと。乃ち知る、その主る所は滋津に在るを。”
《中薬大辞典》
“津を生じ、渇を止め、火を降ろし、燥を潤し、排膿、消腫する”
“熱病の口渇、消渇、黄疸、肺燥、咳血、癰腫、痔瘻を治す”
【薬対】
『括根+麦門冬』
『天花粉+山薬』
『天花粉+知母』
『天花粉+貝母』
『天花粉+蘆根』
【配合処方】
括瞿麦丸
括桂枝湯
括牡蛎湯
柴胡去半夏加括湯
柴胡桂枝乾姜湯
紫石寒食散
千金三黄湯
乳泉散《聖済総録》[天花粉]
括実⇒「括仁」「括呂実」
括仁(かろにん) TRICHOSANTHIS SEMEN
【処方名】:[括仁][括仁][楼仁][括実][楼実][括][瓜][括呂実][括呂仁] [括楼実][括楼仁]
【基原】<1>ウリ科(Cucurbitaceae)シナカラスウリ Trichosanthes kirilowii Maixim.の成熟 した種子を乾燥。
<2>キカラスウリ(黄烏瓜)の種子《奥田謙蔵》
【性味】味は苦、性は寒。寒中潤降散
【帰経】肺・胃・大腸経。
【分類】清火熱痰薬。
【薬性歌】“瓜仁寒嗽痰 傷寒結胸解煩渇”
“寒、嗽を寧くし、痰を化し、傷寒結胸、渇を鮮(スク)なくし、煩を止める”
【効能・効果】(消炎・鎮咳・痰・鎮痛・通便・排膿)
◎清熱化痰、潤肺止咳、開胸、散結、潤腸通便。
<1>肺熱咳嗽、
<2>胸痞悶
<3>胸痺脇痛
<4>乳癰
◎肺膿瘍:「魚腥草、桔梗」
◎喘息、痰:「括根10g、竹皮5g」煎服。
◎ガン
<1>肺ガン・気管支ガン=防已・猪苓・苡仁・半夏。
<2>乳ガン=海藻・昆布・穿山甲・山慈姑。
<3>膵臓ガン=・黄薬子・白花蛇舌草・木香・檳榔子。
◎熱痰・酒痰・老痰・燥痰を治す。
「丸剤・煎じで」
◎胸痞痛で横にもなれず。心痛が背なかまで痛むとき。
「黄色の瓜大きいもの1箇、薤白3両、半夏(製)4両を切って白酒7升 を2升まで煎じ、2回に分服。」
◎胸痛と痰嗽に。
「瓜子と連皮炒細末して麺糊で梧子大の丸剤。米飲で50丸呑み下す。」
◎乳癰の腫痛に。
「1~2箇を皮と実のまま切って、酒2升を1升まで煎じ、ときどき温服。」
◎痰を治し、胸膈を良くする。
「実を取って割り、種子をきれいに洗って瓜は砕いて細切りにし、焙って 乾燥、半夏49枚を10回以上、湯で洗い切って焙り細末にして瓜水に、 その種子と炒って膏をつくり、細く砕いて梧子大の丸剤。姜湯で20丸 飲む。」
【薬理作用】
<1>消炎作用
<2>鎮咳痰作用
<3>冠状動脈の血流を顕著に増加する。
<4>血液中の脂質レベルを低下させる。
<5>抗ガン作用。
【薬能】
《薬性提要》
“甘寒、潤下し、胸中の鬱熱を除き、痰を消し、津を生ず”
《古方薬品考》
“専ら結胸気労を療す”
《薬徴》
“括蔞実、胸痺を主治する也。旁ら痰飲を治す”
[胸痺]=胸がつまったように痛む。
“枳実薤白桂枝湯条に曰く、胸痺云々。枳実薤白桂枝湯之を主る、人参湯も亦之を主ると。金匱要略、往々此の例あり。此れ仲景の古にあらず。夫れ疾医の方を処するや、各主るところあり。豈にお互に用ふべけんや。胸痺して胸滿上気し、喘息咳唾すれば則ち枳実薤白桂枝湯之れを主る。胸痺して心下痞硬すれば則ち人参湯之れを主る。此れ相代るべからざる所以なり”
《重校薬徴》
“痰飲を主治す、故に結胸、胸痺、心痛、喘息、咳唾を治す” 《古方薬議》
“味苦冷、胸痺を主り、心肺を潤し、咽喉を利し、胸膈の鬱熱を去り、痰 結を滌ぎ、治嗽の要薬と為す”
《大塚敬節》
“胸痛を治す”
《中薬大辞典》
“潤肺し、化痰し、腸を滑かにする”
“痰熱による咳嗽、燥結による便秘、癰腫、乳少なきを治す”
【薬対】
『括仁+薤白』
『括仁+枳殻』
『括仁+枳実』
『括仁+貝母』
『括仁+半夏』=清熱鎮咳去痰作用。熱と水飲が胸部に痞塞する熱性病や胃痛 に用いる。小陥胸湯」
『括仁+蒲公英』
【配合処方】
括薤白白酒湯
括薤白半夏湯
枳実薤白桂枝湯
柴陥湯《通俗傷寒論》
小陥胸湯《傷寒論》
【考徴】
(1枚)
小陥胸湯証=結胸
括蔞薤白白酒湯証=胸痺・喘息欬唾。
[胸痺]=胸がつまったように痛み。謂ふところの胸痺は、胸郭痞塞なり。
[胸郭痞塞]=胸がふさがる
[喘息欬唾]=呼吸が苦しく、せきが出て、タンがからむ。
括蔞薤白半夏湯証=胸痺、臥すを得ず。
枳実薤白桂枝湯証=胸痺。
【品質】
《薬徴》
括蔞実を外殻のついたまま全用する。
外殻を破って、中の種子を用いるのが一般的であるが、外殻のついたままを用いるのが古式である。
《重校薬徴》
“実は蘇頌其の形、正円なるものあり、鋭にして長なる者あり、功用皆同じと曰う。按ずるに此の二種は世に烏瓜と称する者なり。李時珍は括実は古方にては全てを用うと曰う。後世乃ち瓢をを分ち各々用う。 今は薬肆に鬻(ひさ)ぐ所の仁、之を用いて痰飲胸痺の証に於て終に其の効を見ず因って王瓜を試用するに其の功神の如し、故に今之を用う。凡そ草木の子実と称する者は皆皮肉瓢子を総べて之を言う。王瓜は初め其の色青く、熟して紅赤色に至る、殻中の子の頭の如し、俗に玉章と称する者是なり。宜しく全てを用うべし。”
括皮(かろひ)
【処方名】:[括皮][括皮][括殻][括殻]
【基原】ウリ科(Cucurbitaceae)シナカラスウリ Trichosanthes kirilowii Maixim.の果殻を 乾燥。
★「全括」:果実を乾燥。
【性味】味は苦、性は寒。
【帰経】肺・胃・大腸経。
【効能・効果】
◎寛中理気:括仁より強い
◎潤腸通便:括仁より弱い
◎化痰散結:括仁より弱い
<1>咳嗽
<2>粘稠な痰
<3>咽乾
【配合処方】
貝母括散《医学心悟》
広東金銭草⇒「金銭草」
広東商陸
乾地黄⇒ゴマノハグサ科カイケイジオウの塊状根。
蒸したり、煮たりせずに、乾燥したもの。
「乾地黄⇒生地黄⇒地黄⇒生地」
[薬性歌]“生乾地涼除寒熱 心胆血虚肺吐血”
<1>(味:甘・苦)(性:寒)(帰経:心・肝・腎経)
<2>「薬物分類:清熱凉血薬」
【効能・効果】
○心胆の気を補強する。
「煎じ・丸剤」
○胞が漏れて下血するのを治す。
「煎じ・丸剤」
○肌肉の肥健に。
「丸服。」
○血脈を通し補う。
「丸服。」
【薬能】
《薬徴》
“地黄は、血証及び水病を主治する也”
《古方薬議》
“乾地黄は、味甘寒、寒熱積聚を除き、大小腸を利し、血脈を通じ、驚悸、 労劣、吐血、鼻衂、婦人の崩中、血運を治す”
乾地黄 カンジオウ
【異名】土髄《神農本草経》
原生地《本草正義》
乾生地《中薬志》
【基原】ゴマノハグサ科の植物 地黄の根茎
【性味】甘、寒《李杲》
苦、無毒《名医別録》
甘苦、涼《中薬大辞典》
【帰経】
手・足の少陰、手・足の厥陰に入る《李杲》
手の太陽、少陰の経に入る《湯液本草》
心、肝、脾、肺の4経に入る《雷公炮製薬注解》
心、肝、腎に入る《中薬大辞典》
【薬効と主治】
《神農本草経》
“主に、ケガをして筋を切断したもの。傷中を治し、血痺を逐いやる”
“骨髄をす。筋肉を長てる”
《名医別録》
“主に男子の五労七傷、女子の傷中、胞漏下血を治し、”
“悪血や溺血を破る。大・小腸を利す”
“胃の中に停滞した不消化物を去る”
“五臓及び内傷による不足を補う”
“血脈を通す。気力を益す”
《薬性論》
“虚損を補う”
“中を温め気を下す”
“血脈を通す”
“産後の腹痛を治し、止まらない吐血を主る”
《日華子諸家本草》
“精神的原因による心悸で疲労したもの”
“心や肺の損傷、吐血、鼻出血、婦人崩中血暈を治し”
“筋肉、骨を助ける”
《王好古》
“心の病、掌に熱感と痛みのあるもの”
“痺気により手足がきかなくなったもの”
“嗜臥、足の裏の熱と痛みを治す”
《本草従新》
“血虚を伴う発熱”
“常に空腹感があるもの”
“だるくえ寝てばかりいるもの”
“胸腹のあいだがふさがって苦しいものを治し、月経を調え胎児を安らげる”
《中薬大辞典》
“陰を滋う、血を滋うの効果がある”
“陰虚発熱、消渇、吐血、鼻出血、血崩、月経不順、胎動不安”
“陰がきずついて生じる便秘を治す”
【各家論述】
乾姜(かんきょう) ZINGIBERIS SICCATUM RHIZOMA
【処方名】:[乾姜][干姜][三河乾姜]
【基原】各地に栽培される多年草、ショウガ科ショウガの根茎。
ショウガ科Zingiberaceae 姜Zingiber officinale Posc.(ショウガ)の根茎を乾 燥。
<1>「乾生姜」:天日で晒し干す。《吉益東洞》が常用。
日本薬局方では「生姜」に入れている。
<2>「三河乾姜」:加熱してから乾燥。アメ色、半透明、角質。
<3>「炮姜」:ヒネショウガを(炮炙)して表面を黒く焦がしたもの(黒姜)
(参照→炮姜)
【性味】味は大辛、性は大熱。 温補燥升散
【帰経】心・肺・脾・胃・腎経。
【分類】温裏寒薬。
【薬性歌】“乾姜味辛解風寒 炮苦逐冷虚熱安”
“乾姜、味辛。風寒を表解す。炮すれば苦(ハナハ)だ冷を逐う。虚熱に尤も堪え たり”《万病回春》
“乾生姜は辛、炮じたものは苦、陽である。生は寒邪を逐い表を発し、炮は胃 冷を除き中を守る”《李杲》
【効能・効果】(興奮・強壮・鎮痛・健胃)
◎中を温め、寒をしりぞけ、陽を回復し脈を通す。
<1>吐瀉腹痛
<2>脈微肢冷
<3>寒飲喘嗽
<4>炮姜は陽虚の出血を治す。
◎裏寒を除く
「生姜」:発汗して外寒を発散する。
「乾姜」:温中して裏寒を除き、胃腸に作用し、効果は持続的で強力。
「附子」:全身に作用し、速効だが、持続性がない。
“附子は走きて守らず、乾姜は能く走き能く守る”
(走=作用部位が広い)
◎寒痰を治す。
「丸剤・散剤どちらでもよい。」
◎開胃する。
「煎服」
◎鼻塞を治す。
「作末して蜜丸にし鼻中に入れる。」
◎卒心痛を治す。
「作末して米飲で2銭調服。」
◎脾冷腹痛と嘔吐。
「乾姜(炒)3銭、甘草(炙)半銭、棗1枚を同時に煎服。又は作末して服用。」
◎冷泄・冷痢に良い。
「煎・末服。」
◎血痢に
「(焼存性)を作末し毎回1銭を米飲で調服する。
【薬能】
《神農本草経》
“胸満、逆上気を主り、中を温め、血を止め、汗を出す”
“風湿の痺、腸下痢を逐し。生は特に良い。久しく服し、臭気を去る。 神明に通ず”
《古方薬品考》
“乾姜は宣通、寒を逐い、中を温む”
《薬徴》
“乾姜、結滞の水毒を主治するなり。”
[結滞の水毒]=ひとところに停滞して病気の原因となる水。
“旁ら嘔吐・咳・下利・厥冷・煩躁・腹痛・胸痛・腰痛を治す”
[厥冷]=冷えること。手足の冷たいこと。
“その嘔吐する者、咳する者。痛む者、下利する者、之れ等、壱(いつ)に是れ皆水毒の結滞するものなり”
“孫思曰く、生姜なければ則ち乾姜を以て之に代ふと。余を以て之れを観るに、仲景氏の生姜と乾姜を用ふる、その主治するところ、大同にして小異。生姜は嘔吐を主り、乾姜は水毒の結滞を主るものなり。”
“本草は乾姜をもって大熱となす。是(ここ)において世医は皆謂ふ、四逆湯の方中、姜附は熱薬なり。故に能く厥冷を温むと。非なり。按ずるに、厥冷は毒の急迫なり。故に甘草を以て君となし、姜附を以て佐となす。その姜附を用ふるものは、水毒を逐ふを以てなり。何ぞ熱之れあらん。”
[大熱]=本草書には、薬を寒・熱・温・涼(冷)・平に分ける。乾姜はその分類では大熱に属すという。
“京師二条路白山街に、嘉兵衛なる者あり、近江舗と号す。その男、年始めて十有三。一朝(=早朝)、下利し、日午(=正午)に至るに及び、その行数を知るなし。是において神気困冒す。医、独参湯を為(つく)りて之れを与ふ。日所に至るに及び、手足厥冷す。医大いに懼(おそ)れ、姜附を用ふること益(ますます)多し。しかして厥冷益(ますます)甚し。諸医皆おもへらく不治と。余為に之れを診するに、百体(=からだ中)温なく、手足を地に(う)ち、煩躁して叫(きゆう)号(=大きな声でさけぶ)し、腹痛の状あるが如く、臍に当って動あり、手近づくべからず。余乃ち謂ひて曰く、是れ毒なり、薬を以て治すべし、その死生の如きは、則ち我れ之れを知らざるなり。然りと雖も、今治するも亦死し、治せざるも亦死す、等しく死せば、死するも治するも可ならんかと。親戚許諾す。乃ち大承気湯を与ふ<1貼の重さ12銭>。一服にして知らず。復与ふ。厥冷則ち変じて熱となり、三服にして神色正に反り、下利半を減ず。服すること十日所(ばかり)、諸証尽(ことごと)く退く。是れに由って之れを観るに、医の事における、此の薬、此に毒を解するを知るのみ。毒の解するや、厥冷は温まり、大熱は涼し。若し厥冷常に復するを以て熱薬となさば、則ち大黄・芒硝も亦熱薬たらんか。薬物の寒熱温涼、その論ずべからざる、斯(すなわ)ち以て知るべきのみ”
[行数を知るなし]=下痢の回数が多くて数えられないほど。
[神気困冒]=精神が乱れてハッキリしない。
[日所]=日ぐれごろ。
[手足を地に(う)ち]=煩躁の状をのべたもので、手足のおきどころの無い状
[臍に当って動]=臍のあたりで動悸が亢進して、腹に手を近づけることができない
[1貼]=ひと包み
[12銭]=12匁
[一服にして知らず]=1回飲んだが変化がなかった。
《重校薬徴》
“結滞水毒を主治す”
“故に乾嘔、吐下、厥冷、煩躁、腹痛、胸痛、小便不利、小便自利、咳唾 涎沫を治す”
“其の乾嘔する者、厥冷する者、胸腹痛する者、吐下する者、咳満する者、 身重冷痛する者、小便不利自利する者は、皆結滞の水なり。”
“孫思曰く、生姜無くば、即ち乾姜を以て之に代うと、余は仲景氏の方 を参考するに、生姜はを主治するなり。乾姜は結滞の水を主治するな り。混同すべからず、苓姜朮甘湯は是れ苓桂朮甘湯の桂に代うるに姜を 以てするものなり。而して其の主治する所大いに異なる。苓桂朮甘湯は 心下に痰飲あり、胸脇支満、上衝、頭眩、動、小便不利する者を主治 し、苓姜朮甘湯は身体重く腰中冷ゆること水中に坐する如く小便自利し 及び腰重く、腰以下冷痛するものを主治す。特り其の邪の湊(あつま)る 所異るにあらず、其の病症の自ら上逆、下滞の別有るなり。”
“本草は乾姜を以て大熱となす。是に於いて世医皆四逆湯方中の姜附を熱 薬と謂い、故に能く厥冷を温むと謂う。非なり、按ずるに厥冷は毒の急 迫なり、故に甘草を以て君薬となし、姜附を以て左薬となし、其の姜附 を用うるは唯だ水と気を逐うと為すのみ、何んぞ之れ熱薬たらんや、京 師の二条路白山街に嘉兵衛と云う者あり、近江舗と号す、其の男、年甫 めて十有三、一朝遽に下利し日午に至り、其の行数を知ることなし、是 に於て、神気困冒し人事を省みず、医独参湯を作り之に与う、日時に 至り手足厥冷す、医大いに懼れ、更に姜附の剤を用う、而して厥冷益々 甚だし、衆医皆以て不治となす、余為に之を診するに、百体に温なく、 手足地に(かが)み、煩躁叫号し腹痛の状あるが如く、当に臍に動あり、 手を近くべからず、余曰く是れ毒なり、薬以て治すべくも、其の死生の 如きは則ち我之を知らず、然して今治すと雖も亦死す、治せざるも亦死 す、等しく死す、死治せべけんやと親戚許諾す、乃ち大承気湯(一貼の 重さ十二銭)を与う。一服して知らず、復た与うれば、厥冷変じて熱と なる、三服にして神色反って正しくなり、下利半を源す、服すること十 日許りにして、諸症尽く退く、是に由って之を観れば、医の事に於ける、 此の薬の此の毒を解すかを知るに在るのみ、毒の解すや、厥冷は温まり、 大熱は涼す、若し厥冷を常に復するに熱薬を以てする時は則ち大黄芒硝 も亦熱薬となすか、薬物の寒熱温涼、其の論ずべからざる、斯れを以て 知るべきのみ。”
【薬対】
『乾姜+黄連』
『乾姜+甘草』
『乾姜+厚朴』
『乾姜+高良姜』
『乾姜+呉茱萸』
『乾姜+五味子』
『乾姜+細辛』=鎮咳作用。肺の寒飲による咳嗽、気喘、白色で水泡沫状の痰、 頭眩に。小青竜湯。
『乾姜+人参』=止瀉作用。胃腸の冷えによる下痢(未消化便)、腹痛、腹冷、 嘔吐などに。人参湯。
『乾姜+麦芽(炒)』
『乾姜+半夏』
『乾姜+白朮』
『乾姜+茯苓』=温補利水作用。腰から下の冷重感、冷痛、身体の倦怠感、夜間 排尿過多に。苓姜朮甘湯。
『乾姜+附子』=回陽救逆作用。極度の新陳代謝衰弱、体温低下、四肢厥冷、脈 微絶えんと欲するときに。四逆湯。
回陽救逆、温中散寒止痛の効力が増強する。
乾姜は附子の毒性を弱める。
“乾姜は附子なくば熱せず”
『乾姜+麻黄』
【配合処方】
烏梅丸
黄連湯
甘草瀉心湯
姜附四物湯[四物湯乾姜、附子]
桂枝人参湯
柴胡桂枝乾姜湯
梔子乾姜湯
四逆湯
生姜瀉心湯
小青竜湯
続命湯
大建中湯
通脈四逆湯
通脈四逆加猪胆汁湯
人参湯
白通加猪胆汁湯
白通湯
柏葉湯
半夏瀉心湯
茯苓四逆湯
鼈甲煎丸
理中湯《傷寒論》
苓甘姜味辛夏仁湯
苓姜朮甘湯
【考徴】
(4両)
大建中湯症=心胸中大寒痛、嘔して飲食する能はず。
[心胸中大寒痛]=むねの中が冷えてひどく痛むという意味であるが、これは心腹中大寒痛とした方が実際にあてまはまる。
苓姜朮甘湯証=身体重く、腰中冷ゆ。又云ふ、腰以下冷痛。
半夏乾姜散証=乾嘔・吐逆、涎沫を吐す。
[乾嘔]=からえずき。物が出ないで吐くようにする。
[吐逆]=吐くこと。
(3両)
人参湯証=喜唾。又曰く、心中痞。
[喜唾]=しきりにつばを吐く。
通脈四逆湯証=下利清穀。又曰く、手足厥逆。又云ふ、乾嘔。
[下利清穀]=完穀下痢。たべたものがそのまま下る。
小青竜湯証=心下水気あり、乾嘔。又云ふ、咳。
半夏瀉心湯証=嘔して腸鳴る
柴胡姜桂湯証=胸脇滿。又云ふ、心煩。
黄連湯証=腹中痛み、嘔吐せんと欲す。
苓甘五味姜辛湯証=咳・胸滿。
乾姜黄連黄芩人参湯証=吐下。
六物黄芩湯証=乾嘔・下利。
(2両)
梔子乾姜湯証=微煩。
甘草乾姜湯証=厥・咽中乾。煩躁吐逆。
[厥]=厥冷に同じ
[咽中乾]=のどにしめりがなく乾く。口渇ではない。
[煩躁吐逆]=もだえ苦しんで吐く。
乾姜附子湯証=煩躁眠るを得ず。
(1両半)
四逆湯証=下利清穀。又曰く、手足厥冷。
(1両)
桃花湯証=下利。
乾姜人参半夏湯証=嘔吐止まず。
【品質】
《重校薬徴》
“乾姜に二品あり。乾生姜と曰い、三河乾姜と曰う。余は乾生姜なる者を用 い、水洗しに用う”
乾柿(かんし)
【効能・効果】
○脾気を壮健にし、脾が虚弱で消化されないときに使う。
「牛乳と蜜で混ぜ煎服」
○腸胃を丈夫にする。
「常食すると良い」
乾漆(かんしつ)
【薬性歌】
“辛温、経を通し、を破り、積を追い、虫を殺す。効、奔馬の如し”《万病 回春》
【性味】味は辛、性は温、有毒。
【効能・効果】
<1>血を除く。
<2>婦人の経脈の不通。
<3>疝を治す。
<4>小腸の通りをよくする。
<5>虫(カイチュウ)を殺す。
<6>堅積を散らす。
◎三虫・伝尸・労虫を殺す。
「採って煙りの出ないまでに炒って作末、梧子大の蜜剤。温水で15丸飲 み下すか、又は温水で1銭末服。」
◎九種心痛と血心痛を治す。
「乾漆を炒って煙がなくなったら、作末して醋糊で梧子大の丸剤。熱い酒or 醋湯で5~7丸呑み下す。」
【薬能】
《古方薬品考
“その質大温なり。故に陽気を益し、諸々の内傷を療す”
《薬性提要》
“辛温にして毒有り、血を行らし、蟲を殺し、年深く堅結する積滞を削る”
【配合処方】
大黄虫丸
甘菊=甘菊花=菊花
甘杞子(⇒枸杞子)
甘汞「かんこう」汞⇒水銀
甘松
【薬性歌】
“味香、善く悪風を除く、体を浴し肌を香くし、心腹痛み已む”《万病回春》
甘遂(かんすい)(かんずい)
【基原】中国の陜西・河南・甘粛・湖北各省に分布する多年草、トウダイグサ科ユー ホルビア・カンスイの根。
【性味】味は苦甘、性は寒、有毒。
【薬性歌】“甘遂苦寒破痰 面浮蠱脹利水堪”
“苦寒、を破り痰を消し、面浮蠱脹、利水能く安んず”
【効能・効果】
<1>12種類の水疾を治す。
<2>顔面の腫。
<3>心腹の脹満
<4>水穀の通りを良くする。
○水を瀉す。
○二便を利す。
◎久聾を治す。
「甘遂半寸を綿で耳の中をふさぎ、甘草半寸をかじる。」
◎積聚を通じ水穀の道を利する。
「調飲or丸服。」
○肝硬変で腹水:
「大戟・甘遂・生二丑・塾二丑各等分」酢につけた後、火力をもって乾燥 させ作末する。4.5gにそば粉30g~60gを加え、そば麺にして食べさせ る(著効)」
【修治】
用いるときは必ず(制)or 醋酸で修治する必要がある。
【薬能】
《薬徴》
水を利するを主る。旁ら掣痛・咳煩・短気・小便難・心下滿を治す。
為則按ずるに、芫花・大戟・甘遂は同じく是れ水を利し、甘遂の効最も勝れり。
《重校薬徴》
“水を通利するを主る。”
“故に結胸、心下満、痛、小腹満、小便難を治す”
“為則按ずるに、芫花、大戟、甘遂は同じく水を通利す。而して甘遂の 効最も勝る”
【配合処方】
甘遂半夏湯(利すとも雖も心下続きて堅滿)
十棗湯(胸下に引きて痛み、乾嘔・短気。又曰く、咳煩。)
大陥胸湯(短気・躁煩。又曰く、心下滿して痛。)躁煩=煩躁
大黄甘遂湯(小便微しく難し)
甘石(⇒炉甘石)
甘草(かんぞう) GLYCYRRHIZAE RADIX
【処方名】:[甘草]
【基原】中国東北部、内蒙古に自生する多年草、マメ科ウラルカンゾウの根及び走出 茎(根茎)。
マメ科Leguminosae 甘草glycyrrhiza eralensis Fisch.(ウラルカンゾウ)の根・ 根茎。
中央アジア・シベリア南部・中国西部に自生するカンゾウの根・根茎。
スペイン甘草
ロシア甘草
★漢方では皮付きを用いる。
★輸入甘草の80%が醤油・タバコの甘味料として使用。
【性味】味は甘、性は平。 平平潤平収
【帰経】十二経
【分類】補気薬
【薬性歌】“甘草甘温和諸薬 生能瀉火炙温作”
“味温、諸薬を調和し、炙れば中を温め、生は火を瀉す”
梢は尿管の渋痛を去り、節は癰疽の腫を消し、子は胸熱を除き、身は生 ・炙、随用す。《万病回春》
【効能・効果】(緩和・解毒・鎮痙・止渇)
◎脾を補い、肺を潤し、毒を解し、薬性を調和する。
<1>脾胃虚弱
<2>咳嗽
<3>外傷
◎消化性潰瘍
◎アジソン病
◎慢性副腎皮質機能不全
◎脈の結代・動悸に。
「甘草(炙)2両、水3升で煎じて3回に分服。」
【修治】
(炙):「炙甘草」補中益気の効能が強くなる。
<1>補脾益気
<2>養心
<3>潤肺止咳
(生):「生甘草」清熱解毒の作用が強くなる。
★《類聚方広義》
“李杲は生を用うる時は則ち気平にして脾胃の不足を補い大いに心火を瀉し 之を炙ぶる時は則ち気温にして三焦の元気を補って表寒を散ずと曰う。是 れ仲景氏の言わざる所にして疾医の論んに非ず、従うべからず。余が家は 唯み用う。”
【薬理作用】
<1>解毒作用:有効成分=glycyrrhizin
1.ジフテリアトキシン、破傷風トキシン 2.硝酸ストリキニン、塩酸コデイン、抱水クロラール、バルビタール、 コカイン、ピロカルピンなどの薬物中毒。
3.蛇毒
4.フグ毒
5.食中毒、代謝産物中毒
<2>コルチコイド様作用:glycyrrhetic acid
1.水分を貯留
2.Naを貯留
3.血圧を上げる
4.K排出を増加
<3>鎮痙作用:平滑筋の活動を抑制する。
<4>痰作用:粘膜刺激をしない。
<5>抗アナフィラキシー作用と抗炎症作用から
1.アジソン氏病
2.月経痛
3.後期妊娠中毒症
4.伝染性肝炎
5.尿崩症
6.肺結核
<6>胃酸分泌を抑制:ヒスタミンによる作用。
<7>抗利尿作用:有効成分=glycyrrhizin
<8>鎮咳作用:咳嗽中枢を抑制する
<9>抗ケイレン作用:酸と反応する。胃潰瘍に応用。
<10>抗ガン作用:500mg/‹以上で増殖を抑制する。
<11>抗高脂血症改善作用
【薬能】
《神農本草経》
“五臓六腑の寒熱邪気を主り、筋骨を堅じ、肌肉を長じ、力を倍す。金瘡 腫、毒を解く”
《薬性提要》
“脾胃の不足を補い、十二経を通行し、急を緩め、諸薬を脇和し、百薬の 毒を解する”
《古方薬品考》
“中を緩め、百功を脇和する”
《薬徴》
“急迫を主治するなり。故に裏急・急痛・攣急を治す。しかして旁ら厥冷・煩躁・衝逆、之れ等諸般の急迫の毒を治するなり”
“仲景の甘草を用ふるや、その急迫劇しき者は、則ち甘草を用ふること亦多し。劇しからざる者は、則ち甘草を用ふることも亦少なし。”
“為則案ずるに、調胃承気湯。桃核承気湯、倶に甘草あり。しかして大小承気湯。厚朴三物湯は皆甘草かなきなり。調胃承気湯証に曰く、吐せず下さず心煩と。又曰く、鬱鬱微煩(気分がふさいでもだえる)と。此れ皆その毒の急迫の致すところなり。桃核承気湯証に曰く、或いは狂の如し、或いは少腹急結と。是れ結実ありと雖も、然れども狂と急結と、此れ皆急迫たり、故に甘草を用ふなり。大小承気湯・厚朴三物湯・大黄黄連瀉心湯、但その結毒を解するのみ。故に甘草なきなり。”
芍薬甘草湯証(脚攣急) 芍薬4、甘草4
甘草乾姜湯証(厥して咽中乾き、煩躁) 甘草4、乾姜2
甘草瀉心湯証(心煩安きを得ず)
甘草4、黄芩3、乾姜3、半夏8、大棗3、黄連1
生姜甘草湯証(咽燥いて渇す) 生姜5、人参3、甘草4、大棗4
桂枝人参湯証(利下止まず)桂枝4,甘草4、白朮3、人参3、乾姜3
芍薬甘草附子湯 芍薬3、甘草3、炮附子0.3
甘麦大棗湯証(蔵躁、喜悲傷し、哭せんと欲す)甘草3、小麦14、大棗2.5
甘草湯証(咽痛) 甘草2
桔梗湯 桔梗1、甘草2
桂枝甘草湯証(叉手して自ら心を冒う) 桂枝4、甘草2
[叉手]=両手を組み合わせて心臓の部にあてて、動悸を鎮めようとする
桂枝甘草竜骨牡蛎湯証(煩躁) 桂枝1、甘草2、竜骨2、牡蛎2
四逆湯証(四肢拘急、厥逆) 甘草2、乾姜1.5、生附子0.5、人参1
甘草粉蜜湯証(人をして涎を吐せしめ、心痛発作時あり、毒薬にて止まず)
甘草2、米粉1、蜂蜜4
(甘草4両)
芍薬甘草湯証
甘草乾姜湯証
甘草瀉心湯証
生姜甘草湯証
桂枝人参湯証
(甘草3両)
芍薬甘草附子湯証
甘麦大棗湯証=蔵躁、喜(しばしば)悲傷し、哭せんと欲す
苓桂甘棗湯証=臍下悸
苓桂五味甘草湯証=気、小腹より胸咽に上衝す。
小建中湯証=裏急
半夏瀉心湯証=心下痞
小柴胡湯証=心煩。又云う、胸中煩。
小青竜湯証=咳逆倚息。
黄連湯証=腹中痛。
人参湯証=心を逆搶す(腹から胸にかけて突き上げるように痛む)
旋覆代赭石湯証=心下痞硬、噫気除かれず(噫気=おくび)
烏頭湯証=疼痛して屈伸すべからず。又云う、拘急して転側するを得ず
(甘草2両)
甘草湯証=咽痛
桔梗湯
桂枝甘草湯証=叉手して自ら心を冒(おお)ふ。
桂枝甘草竜骨牡蛎湯証=煩躁
四逆湯証=四肢拘急、厥逆。
甘草粉蜜湯証=人をして涎(えん)を吐せしめ、心痛発作時あり、
(心痛=心臓の痛みではなく胃のあたりの痛み)
排膿湯
調胃承気湯証=吐せず下さず、心煩。
桃核承気湯証=その人狂の如し。又云ふ、少腹急結。
桂枝加桂湯証=奔豚、気、少腹より心に上衝す。
(奔豚=ヒステリーや神経症による激しい心悸亢進の発作)
桂枝去芍薬加蜀漆竜骨牡蛎湯証=驚狂、起臥安からず
(驚きやすく精神不安で静かにジッとしておれない)
《重校薬徴》
“急迫を主治す”
“故に厥冷、煩躁、吐逆、驚狂、心煩、衝逆等の諸般の急迫の証を治し、 裏急、攣急、骨節疼痛、腹痛、咽痛、下痢を兼治す”
“陶弘景は此の草は最も衆薬の長と為すと曰う。孫思は百薬の毒を解す と曰う。甄権は諸薬の中、甘草を君と為し七十二種のの金石の毒を治し、 一千二百般の艸木の毒を解し、衆薬を調和するに功ありと曰う。嗚呼此 の説一たび出で天下に復た甘草の本功を知る者なし。亦悲しからずや。 若し三子の説に従う時は諸般の毒を解するに須く唯だ此の一味にして足 るべし。今必ず然る能わず、則ち其の説の非なること以て知るべきのみ。 夫れ諸薬の本効を知らんと欲する時は長沙の方中に就て、量の多少と去 加とを綜観し、之を其の証に参考する時は則ち其の本効得て知るべきな り。而して長沙の方中に甘草無き者は半に居る、衆薬の長、諸薬の君と 謂うべからざるも亦以て知るべきのみ。素問に病を攻めるに毒薬を以て すと曰う。薬は皆毒、毒は即ち能なり、其の毒を解す若き何んの功かあ らん。思わざるの甚だしきなり。学者諸を察せよ。夫れ陶弘景、孫思 は医家の俊傑、博洽(こう)の君子なり。故に後世之を尊奉するに至れり。而し て甘草を衆薬の長と為すと謂い、百薬の毒を解すと謂う、豈徴なきを得 んや。之を長沙の方中に考うるに、半夏瀉心湯中に更に甘草1両を加え 4両となし、之を甘草瀉心湯と謂い、而して之を誤薬の後に用う。陶孫 は蓋し卒爾に之を見て、以て薬毒を解すと為す。嗚呼人の過や、各々其 の嘗に於てす。故に陶孫の過を観るに、これ仲景を尊信するの至と知る。 向(さき)に陶孫に仲景氏の甘草を用うること、誤薬の後と否とに於ける 所以を知らしむれば必ず其の過を改めん。何んすれぞ陶孫はまことに俊 傑なり、何んぞ其の過を文(かざ)らんや、是に由って之を観れば陶孫は 実に甘草の本功を知らざるなり。亦後世の不幸ならんや”
※洽(こう)(あまねし)
※長沙=張仲景をさす
※嘗=ショウ、こころみる、かって、なめる。
《古方薬議》
“和緩を主る”
《中薬大辞典》
“中を和し、急を緩め、肺を潤し、解毒し、諸薬を調和す”
“(炙)して用いれば、脾胃の虚弱、食少、腹痛下痢、消耗性の 発熱、肺 痿による咳嗽、心悸、癇性を治す
“(生)で用いれば、咽喉腫痛、消化性潰瘍、瘡癰を治し、薬物及び食物中 毒を解する”
【薬対】
『甘草+滑石』
『甘草+乾姜』=解毒作用。食物中毒、薬物中毒に。甘草乾姜湯。
『甘草+甘遂』
『甘草+桔梗』
『甘草+桂枝』
『甘草+柴胡』
『甘草+大棗』
『甘草+地竜』
『甘草+人参』=健胃強壮作用。気血不足による脈の結代、下痢腹痛に。甘草瀉 心湯。
『甘草+白』
『甘草+芍薬』=鎮痙鎮痛作用。筋のケイレンによる脇痛、腹痛に。芍薬甘草湯。
『甘草+茯苓』
『甘草+蒲公英』
【配合処方】
安中散
温経湯
越婢湯
越婢加朮湯
越婢加半夏湯
黄芩湯
黄芩加半夏湯
黄土湯
葛根黄芩黄連人参湯
甘草乾姜湯
甘草瀉心湯
甘草麻黄湯
甘麦大棗湯
橘皮竹茹湯
帰膠湯
桂枝加黄蓍湯
桂枝加葛根湯
桂枝加芍薬湯
桂枝加芍薬大黄湯
桂枝加大黄湯
桂枝加附子湯
桂枝加竜骨牡蛎湯
桂枝去芍薬湯
桂枝甘草湯
桂枝甘草竜骨牡蛎湯
桂枝湯
桂枝人参湯
厚朴七物湯
柴胡加芒硝湯
柴胡桂枝乾姜湯
柴胡桂枝湯
酸棗仁湯
梔子甘草湯
四逆散
四逆湯
四逆加人参湯
炙甘草湯
芍薬甘草湯
小建中湯
生姜瀉心湯
旋覆代赭湯
大黄甘草湯
竹葉石膏湯
通脈四逆湯
桃核承気湯
当帰建中湯
当帰四逆湯
当帰四逆加呉茱萸生姜湯
人参湯
調胃承気湯
麦門冬湯
半夏瀉心湯
白虎加人参湯
茯苓甘草湯
茯苓四逆湯
文蛤湯
奔豚湯
麻黄湯
麻黄連赤小豆湯
麻杏甘石湯
理中湯
苓甘姜味辛夏仁湯
苓姜朮甘湯
苓桂甘棗湯
苓桂朮甘湯
■抽出工場
「甘草・ステビア抽出物最大手の丸善製薬(広島県尾道市)は尾道市内で化粧品向け植物抽出エキスの工場建設に着工した。
同社は化粧品や食品向けに黄杞葉・イチョウ葉・アロエなどのエキスを抽出。」2005.2.9《日経産業新聞》
【ハーブ】
■長期使用
「甘草の長期使用あるいは大量の経口摂取は、ある人の血圧を上げ、また他の障害(頭痛・嗜眠・ナトリウム(sodium)と水の滞留・カリウム(potassium)の過剰損失)を起こすのに対し、ニンニクは血圧を下げることに役立ちます。そのためにニンニクを配合します。
関節炎に乾燥ヤナギ樹皮3、乾燥カンゾウ根2、刻みニンニクに熱湯を注ぎ15分後にレモン・ハチミツ・ショウガ・ターメリックを加える。」(GPp62)
○喘息
カンゾウティーは咽頭を鎮め、しばしば咽喉痛・咳・喘息に用います。
1日に3カップまでの適量を用いれば安全です。
しかし、長期の使用や過剰摂取は頭痛・嗜眠・ナトリウムと水の貯留、カリウムの過剰損失及び高血圧を起こす。
もし喘息に常時カンゾウを用いるならば、脱グリチルリチン酸塩カンゾウ抽出物(DGLE:deglycyrrhizinated licoreice extracts)を選んで見てください。
甘草(カンゾウ)Glycyrrhizae Radix
基原
マメ科(Leguminosae)のGlycyrrhiza uralensis Fischer,Glycyrrhiza glabra Linne又はその他同属植物の根及びストロンで、ときには周皮を除く
主要成分
トリテルペノイド配糖体(サポニン):glycyrrhizin,glabric acidなどフラボノイド:liquiritin, licoricone, licoflavone, licoricidin,formononetinなどその他:putrescin, glycyrol, isoglycyrol, glycyrin,glcycoumarin, deoxoglycyrrhetolなど
薬理作用
●鎮静・鎮痙作用:
グリチルリチンをほとんど含まないFM100分画は、中枢抑制的に働き、マウスの自発運動を低下させ、体温降下、呼吸抑制、鎮静作用があり、ヘキソバルタール睡眠時間延長も認められる。また実験的な痙攣を抑制する作用も報告されている1)~6)。甘草煎液は、モルモット摘出回腸の低頻度経壁刺激、DMPP、アセチルコリン、K+などによる収縮を抑制する。
●鎮咳作用:
グリチルレチン酸塩は、モルモットのアンモニア吸入による咳を鎮静する作用がある。また、煎出エキスは、経口投与でマウスの亜硫酸ガスによる咳嗽を抑制した。
●抗消化性潰瘍作用:
甘草汁は古くから胃潰瘍の民間薬としてヨーロッパで使用され、その薬理研究により、グリチルリチンに抗潰瘍作用が認められている8)。また、グリチルリチンを含まない甘草エキスのFM100分画にも、胃液分泌を抑制し、潰瘍修復を促進する作用が認められており、shay & aspirin潰瘍、ストレス潰瘍、histamine潰瘍、レセルピン潰瘍、酢酸潰瘍などの各種実験的潰瘍に対しても抑制効果を示した。グリチルリチン酸誘導体であるdeoxoglycyrrhetolならびにその関連化合物にも各種実験潰瘍抑制作用が認めらている。
●利胆作用:
家兎の実験的胆道閉塞性黄疸において、グリチルリチンは血中のビリルビン量の増加を抑制し、胆汁排泄を促進した。
●慢性肝炎に対する作用:
グリチルリチンを主剤とする製剤は、二重盲検法により、血清トランスアミナーゼ値の改善ならびに肝障害に伴う諸症状の改善を示した。またHBe抗原陽性の慢性肝炎患者に投与し、セロコンバージョンが確認されている。CCl4による実験的肝炎の抑制、macrophage-mediated cytotoxicityおよびADCCによる肝細胞障害の抑制など肝細胞膜の安定化、肝保護作用等が認められている。過酸化脂質によるラット肝細胞障害を抑制する作用も認められている。
●抗炎症作用:
グリチルリチンおよびそのゲニンは、血管透過性の亢進抑制、白血球遊走阻止、肉芽形成の抑制など、炎症のI~III期を抑制した。またliquiritinにもラットのカラゲニン浮腫を抑制する作用がみられている。
●抗アレルギー作用:
グリチルリチンおよびグリチルレチン酸は、感作細胞からのchemical mediators遊離を抑制する作用があり、臨床的にもアレルギー性皮膚疾患の改善効果が認められている。熱水抽出エキスは、ラット肥満細胞のconA、compound 48/80によるヒスタミン遊離を阻害する。また、ラットのegg albuminによるPCA反応を抑制した。ラット腹腔浸出細胞を培養し、カルシウム・イオノフォアA23187で刺激した際、膜のホスフォリパーゼA2活性を抑制し、LTB4の生成を抑制した。その他、licochalcone A, Bは、ヒト多核好中球からのLTB4, LTC4の産生を抑制した。
●免疫系に対する作用:
グリチルリチンはカラゲニンによって誘導される抑制型マクロファージの生成を抑制した。またヒト末梢血においてNK活性の増強、IFN活性の誘発も認められている。マウス骨髄細胞を用いたin vitroの実験でCFU-C形成の抑制を阻止することが確認されている。PWM刺激による抗体産生も増加させた。ヒト自己リンパ球混合培養試験では、グリチルリチン添加時にその反応性を有意に抑制した。多糖体のglycyrrhizan UA、UB、UCに
は、網内系の賦活作用が認められている。さらにinvivoのElC assayにおいてLPSやカラゲニンの処理で障害された免疫複合体のクリアランスはグリチルリチンや甘草エキスの投与によって回復した。
●環状ヌクレオチドに対する作用:
甘草エキスは、cyclic AMPを分解するホスフォジエステラーゼの活性を阻害する。
●ステロイドホルモン様作用:
煎出エキス、グリチルリチン、グリチルレチン酸は内因性ステロイド代謝酵素を阻害し、内因性ステロイドの作用を増強することが認められている他、それ自身、弱いミネラルコルチコイド様作用、グルココルチコイド様作用、エストロゲン様作用をもつことが報告されている。
●抗糖尿病作用:
甘草及び、isoliquiritin、isoliquiritigeninなどはラットレンズのアルドース・リダクターゼ活性の濃度依存性に阻害、ヒト赤血球内へのソルビトール蓄積を阻止する作用を示した。
●血小板凝集抑制作用:
グリチルリチンは、濃度依存性にヒト血小板のコラーゲンによる凝集を抑制した。その他、グリチルリチンにPAF産生抑制作用も認められている。甘草より抽出されたGu-7は、トロンビンによる血小板凝集を阻害し、血小板活性化に関与する20Kおよび40K蛋白のリン酸化を抑制し、細胞内Ca2+濃度の上昇ならびにホスフォジエステラーゼ活性を抑制した。その活性成分は、3-arylcoumarin誘導体であることが確認された。
●血小板凝集促進作用:
グリチルレチン酸を洗浄血小板に作用させたところ、血小板凝集及びセロトニンの放出が認められた。
●線溶活性亢進作用:
甘草煎液は、フィブリン平板を用いたウロキナーゼによる線溶活性を軽度亢進させる。
●抗動脈硬化作用:
グリチルリチン又はそのゲニンを高コレステロール食で飼育したウサギに投与すると、大動脈のアテローム硬化が抑制された。またラット肝臓でVLDLの合成を抑制し、家兎大動脈の培養平滑筋へのLDLの取り込みを低下させた。
●抗腫瘍作用:
マウスの背部皮膚に発癌イニシエーターであるDuBAを塗布し、さらにプロモーターであるTPAを塗布する実験で、グリチルリチンは発癌抑制効果を示した。ラットに化学発癌物質である3'-Me-DABを投与して作成した傷害をグリチルリチンは抑制した。
●抗変異原抑制作用:
甘草エキスならびにグリチルリチンには、Trp-P-1、Trp-P-2、Glu-P-1、ベンツ[α]ピレン、3-メチルコラントレン、DAB, N, N'-ジメチルニトロソアミン及び変異原性生薬などの変異原物質を抑制する作用が認められている。活性成分として、甘草中0.1%位(乾燥重量に対し)含まれるputrescinが確認されている。
●ウ蝕予防作用:
glycyrol、isoglycyrolやグリチルリチンとそのゲニンは、S.mutansに対し抗菌活性を示した。
●抗ウイルス作用:
培養ヒト胎児線維芽細胞T水痘ウイルス(VZV)を感染させるin vitroの実験で、グリチルリチンはVZVの増殖を抑制した。単純ヘルペスウイルスの不活化作用も認められている。HTLV-IIIをMT-4細胞に感染させ培養する実験で、グリチルリチンはプラーク形成を完全に抑制した。また感染により細胞表面に出現するHTLV-III抗原も顕著に抑制された。また無症候性のエイズウイルスキャリアーに対しグリチルリチンの大量療法を行ったところ、異常増殖したLeu2およびLeu15陽性細胞の低下が認められた。
●抗菌作用:
西北甘草などには、黄色ブドウ球菌、枯草菌等に対して抗菌活性を示した。成分では、イソフラバン、クマリン類に活性が認められた。
●放射線傷害防護作用:
ラットに致死量のX線を照射し、延命効果をもたらす薬物をスクリーニングしたところ、甘草に有意の生存防護効果が認められている。
●抗老化作用:
グリチルリチンは、Werner症侯群の患者から得た皮膚培養線維芽細胞の増殖能を増加させた。また、継代寿命が46MPDである細胞の45MPDの時期にある細胞(老化末期にある細胞)に対し増殖作用を示した。
カンゾウ抽出物 Licorice extract
(ウラルカンゾウ、チョウカカンゾウ又はヨウカンゾウの根又は根茎から得られた、グリチルリチン酸を主成分とするものをいう。) カンゾウエキス
グリチルリチン
リコリス抽出物 カンゾウ
カンゾウ甘味料
リコリス マメ科ウラルカンゾウ(Glycyrrhiza uralensis FISCHER)、マメ科チョウカカンゾウ(Glycyrrhiza inflata BATALIN)又はマメ科ヨウカンゾウ(Glycyrrhiza glabra LINNE)の根又は根茎より、熱時水で抽出して得られたもの又は室温時若しくは微温時アルカル性水溶液で抽出し、精製して得られたものである。主甘味成分はグリチルリチン酸である。 甘味料
カンゾウ油性抽出物
1.食品添加物名
カンゾウ油性抽出物 (Licorice oil extract)
2.基原・製法・本質
マメ科ウラルカンゾウ(Glycyrrhiza uralensis FISCHER)マメ科チョウカカンゾウ(Glycyrrhiza inflata BATALIN)又はマメ科ヨウカンゾウ(Glycyrrhiza glabra LINNE)の根又は根茎を水で洗浄した残査より、室温時~温時エタノール、アセトン又はへキサンで抽出して得られたものである。主成分はフラボノイドである。
3.主な用途
酸化防止剤
4.安全性試験成績の概要
(1)単回投与試験
急性経口LD50はマウスで雄雌ともに5g/kg超と考えられる1),2)。
(2)反復投与試験
F344ラットを用いた混餌(0.1、0.3、1、3%)投与による90日間の反復投与試験において、検体投与に起因する毒性学的異常は認めらていない3)。無毒性量は最高用量である3%(1.5g/kg/day)と考えられる。
(3)変異原性試験
細菌を用いた復帰突然変異試験4),7)、哺乳類の培養細胞を用いた染色体異常試験5)、細菌を用いたDNA修復試験6)、マウスを用いた小核試験8)、及び細菌を用いたumu-テスト9)の結果はいずれも陰性と判断される。
(引用文献)
1. 滝沢行雄:厚生省平成5年度食品添加物安全性再評価等の試験検査,急性毒性試験,秋田大学医学部
2. サンカノン(油溶性甘草抽出物)の急性毒性,1985年,社内データ(未公表)
3. 西村隆宏:厚生省平成9年度食品添加物安全性再評価等の試験検査,90日間投与試験,広島大学
4. 宮部正樹:厚生省平成5年度食品添加物安全性評価試験,Ames法,名古屋市衛生研究所
5. 祖父尼俊雄:厚生省平成5年度食品添加物安全性再評価等の試験検査,染色体異常試験,国立衛生試験所
6. 栗田年代:厚生省平成5年度食品添加物安全性再評価等の試験検査,Rec-Assay法,残留農薬研究所
7. サンカノン(油溶性甘草抽出物)の微生物を用いる変異原性試験,1985年,社内データ(未公表)
8. サンカノン(油溶性甘草抽出物)の小核試験,1985年,社内データ(未公表)
9. 油溶性甘草抽出物のumu-テストを用いた短期変異原性試験,1988年,社内データ(未公表)
■栽培
「九州大学と佐賀県玄海町は、2008年4月から、漢方薬の約7割に配合されている甘草の栽培技術を確立する共同研究を始める。
甘草は日本では育たないため、中国からの輸入に頼っている。甘草は中国の乾燥地域に自生している。漢方薬の他、甘草に含まれるグリチルリチンが肝臓病の治療薬や抗アレルギー薬として使われている。
砂糖の200倍以上の甘さを持つことから醤油や味噌などにも使用されている。
中国では需要増から甘草が大量に採られて砂漠化が進んだことから、中国政府は2000年前後に輸出を厳しく制限する様になった。
九州大学の正山征洋特任教授と安福規之准教授らは日本での栽培技術の確立を目指すことにした。甘草が自生している環境を再現できる実験室を作り、2年かけてグリチルリチンを2.5%以上含む高品質の甘草が育つ条件を見つける」2008.3/14
■グリチルリチン
「2008年、理化学研究所、横浜市立大学、千葉大学などのグループは砂糖の250倍の甘さを持つ天然成分グリチルリチンを作る酵素の遺伝子を発見した。
甘草の一種『ウラルカンゾウ』の茎を分析、グリチルリチンを作るのに必要な酵素遺伝子[CYP88D6]を突き止めた。
グリチルリチンは甘草の根などから抽出される天然甘味成分でカロリーはほぼゼロ。砂糖の150~300倍の甘さで食品に添加されている。」
■人工栽培
「2010年、三菱樹脂は、漢方薬などに使う希少な薬用植物「甘草」の人工栽培技術の研究開発を、農業のベンチャー企業と共同で始めると発表した。
甘草は中国からの輸入が大半を占めるが、乱獲で採取制限が始まっている。
脳yごうベンチャーのグリーンイノベーション(東京中央区)と共同で研究開発する。コンテナ型の野菜工場で苗を2~3週間育てた後に、ビニールハウスでの養液栽培などで成長を早める。10/1日経
甘草梢
根梢部を切片にして日干する。
【効能・効果】
○茎中の刺痛を治す。
「木痛と同じく、空腹時に飲む。尿管が痛むときは、味の薄いのを選ぶ。」
甘竹根
【効能・効果】
○胎が動いて不安のとき使う。
甘爛水
【効能・効果】
○奔豚を治す。
蚶殻(かんかく)=瓦壟子(がろうし)
蚶=(カン)赤貝・キサガイ・イタラガイなどの貝。
【効能・効果】
○冷気と癖、血塊と痰を治す。
官桂=「桂皮」基原<1>イを参照。
貫衆
○性は微寒、味は苦、有毒。
[薬性歌]“貫衆寒毒疽蟲 漆瘡骨硬血症通”
【効能・効果】
○三虫と寸白虫を殺す。
「空腹時に、煎・末服。」
<1>諸毒を散らす。
<2>三虫の白虫を殺す。
<3>をなくす。
○三虫と寸白虫を殺す。
「空腹時に、煎・末服する」
貫仲(⇒東北貫衆)
柑橘類
シークヮーサー
ジャバラ
ミカン
ゆず
柑子皮=柑皮
【効能・効果】
○酒毒と酒渇を治し、酔いを醒ます。
「柑子皮を焙って末にし、塩を少し入れて作末して沸湯で1銭を点服する。 独醒湯という。」
○産後の浮腫に使う。
寒水石
=和漢共に、方解石のことを寒水石としている。
■和漢三才図会
「《本草綱目》(石部、石類。方解石[集解])に次のようにいう。これは大体は石膏とよく煮ているが石に付いて生じない。端然として独立して生じる。大きなものは升(ます)のようで、小さな小生は拳ぐらいである。大変大きなものは1尺四方ある。あるいは土中にあり、あるいは渓水に生じる。その上皮は土地や水苔の色と同じようで、これを破れば方形に分解し光りは潔で白石英のようで、ゴツゴツした方稜なので、方解石という。長石とは同類の二種で硬石膏の類である。どちらも寒水石と呼んでいる。
ちなみに真の寒水石とは積塩からにじみ出た液が凝り固まって出来たものである。一名は凝水石、古処方で用いる寒水石とはつまりこの凝水石である。
唐・宋以来の諸処方の寒水石は石膏で、近来の処方でいう寒水石とは長石・方解石である。
ともに本来の寒水石ではないが、その性は寒で熱を治める効は大抵同じようなモノである。
ただ肌を柔らげ汗を発するのが硬石膏ほどでないことだけ違っている、と。
○気味・・・・[苦辛、大寒]胸中の留熱・結気(気が結滞して精神障害をおこす症)・黄疸を治し、血脈を通す。
▽思うに、我が国の人もまた方解石をもって寒水石といっていて、本名を知らない。信州の乗鞍嶽で多く出る。これを破ると潔白で方稜がある。ただ盆栽の撒石とする岳である。」
○性は寒、味は辛甘、無毒。
【効能・効果】
<1>五臓の伏熱と胃熱・身熱の煩満と皮中が火のように熱いのを治す。
<2>消渇を止める
<3>水腫を散らす。
寬草(かんぞう) →金針菜
【原植物】
「ホンカンゾウ」Hemerocallis fulva L.
「マンシュウキスゲ」Hemerocallis flava L.
「ホソバキスゲ」Hemerocallis minor Mill.
寒天(カンテン)
(参照→「アガロオリゴ糖」「オリゴ糖」)
=江戸時代(17世紀中頃)、京都伏見の旅館の主人、美濃屋太郎左衞門がところてんの食べ残しを冬の寒い日に屋外へ置いていたら固まったので寒天という名前になった、と言われています。
寒天の材料は天草ですが、輸入のオゴノリを使っているところも多い。
オゴノリは凝固力が弱いので水酸化ナトリウムとカルシウムの溶液で加熱処理して凝固力を高めています。
また、昔はテングサやオゴノリから寒天質を抽出すのに熱水で処理していましたが、最近では低濃度の硫酸で寒天質を抽出していることが多い。
■固まりにくいカンテン
「精糖大手の台糖は固まりにくいカンテンを開発。食品添加物に該当しないので自然志向の商品に使いやすい。
寒天は海藻から抽出した2つの成分アガロースとアガロペクチンで構成される。通常は寒天を固めるものとして使うため、2つの成分のうち固まりやすいアガロースが9割り程度となるように処理している。
それを、固まりにくい成分アガロペクチンに注目し、8割以上がアガロペクチンの寒天「ネオアガー」を開発した。温度変化しても固まらない。2003.8.20《日経産業新聞》
■解毒酵素を活性化
「タカラバイオは2007年5/9、寒天オリゴ糖に体内の有害物質を体外に排出する解毒酵素を活性化する効果があることを発見。
肝臓由来の培養細胞株の実験で確認。
寒天オリゴ糖は寒天を酸分解することで得られる物質。タカラバイオはタバコの煙が含む有害物質などを体外へ排出する効果がある3種類の解毒酵素に、寒天オリゴ糖を添加して培養した。その結果、解毒酵素が従来の1.8~2.4倍に活性化した。
これまで寒天オリゴ糖には抗酸化作用や関節炎抑制作用、発ガン抑制作用が知られている。」
款冬=「款冬花」
款冬花(かんとうか)
【薬性歌】“款花甘温止喘咳 補劣除煩且理肺”
“甘温、肺を理し、痰を消し、肺癰、喘、劣を補い、煩を除く”
【性味】味は甘辛、性は温、無毒。
【効能・効果】 (参照→「フキノトウ」)
<1>肺を潤し
<2>痰をなくし
<3>咳を止め
<4>肺痿と肺癰で膿血を吐くのを治し
<5>疲れをとる
◎根は赤く茎は青く赤い。葉は草に似ているが、11月~12月の雪の中に 赤紫色の花が咲く。一名顆冬で咳嗽を治す最良の薬である《医学入門》
【配合処方】
射干麻黄湯
寛筋藤
漢防已(かんぼうい)
【処方名】:[漢防已][粉防已][防已]
【基原】中国:
ツヅラフジ科Menispermaceae粉防已Stephania tetrandra S.Moore.(シマハスノハカヅラ) の根。 (参照→防已)
日本:
ツヅラフジ科オオツヅラフジSinomenium acutum Rehder et Wilsonの茎・根茎。
★日本薬局方の防已。
◎防已:一般に漢防已と呼ばれているオオツヅラフジの根を用いている。木 防已と呼ばれているアオツヅラフジより優れている。《大塚敬節》
【性味】味は苦辛、性は寒。
【帰経】膀胱・肺経。
【分類】利水滲湿薬。
【薬理作用】
<1>鎮痛作用:量が多すぎると鎮痛効果が低下する。
<2>解熱作用:作用は弱くおだやか。
<3>消炎作用:関節炎(ラット)
<4>筋弛緩作用:麻酔の補助に。
<5>利尿作用:顕著な効果がある。排尿量を47%増加する。
<6>杭アナフィラキシー:tetrandrineの作用。
<7>血圧降下作用:
<8>末梢血管並びに胸管リンパ流出を増大させる。(日本薬理学会雑誌第30巻)
【効能・効果】
◎清熱利水・駆風止痛。
◎肺ガン:「猪苓・黄薬子・白英・石上柏」
◎白血病(慢性・顆粒細胞性):「青黛・漆姑」
【品考】(→防已)
【配合処方】
防已茯苓湯
木防已湯
関白附(⇒白附子)
鹹竹蜂
含羞草根
旱蓮草
[薬性歌]“旱蓮草甘能止血 生鬚黒髪赤痢泄”
【効能・効果】
○鬚髪を長くし、黒くする。
「6月に採って汁を取り、姜汁と蜜を入れて膏を作り、毎回1匙を酒で服 用。」