薬物<し>

#シアワセモ
■世界最小の多細胞生物
2013年、東京大学の野崎久義准教授らは、四つ葉のクローバーのような形をした「シアワセモ」
シアワセモは細胞4個からなり、世界各地の池などかに生息して光合成によりエネルギーを生み出す。
約2億年前から形を変えていない。
従来はクラミイドモナスという単細胞生物が4つ集まったものと考えられてきた。
研究チームは2つを比較すると、クラミドモナスは移動する際に使う鞭毛が細胞の中心部から生えているが、シアワセモは中心からズレていた、
シアワセモは各細胞が分裂して増える。分裂後も細胞壁の成分がノリのようにくっつき、各細胞はバラバラにならずに構造を保っていた。


シアン化物
◎毒殺
「シアン化物は、ある種の植物がつくる天然の植物性毒素で、酵素のエムルシンとともに存在する。エムルシンは水があるとシアン化物と反応して有害なシアン化水素(青酸)を出す。青酸は血液のヘモグロビンと結合して、酸素吸収をさまたげ、窒素状態にさせる。青酸カリやシアン化ナトリウム(青酸ガス、ナチスの収容所で使われた)は一般的なシアン化物だ。口元や息、検死解剖では胃に、古いアーモンドのニオイがするのが、シアン化物による中毒死の特徴とされる。
日本で初めての青酸カリによる殺人は、関東大震災の復興が終わり、大衆娯楽のメッカとなった浅草で起きた。1935年11月のことだ。雷門前の明治製菓喫茶部で、風呂敷包みを抱えた中年の紳士が若い男と会っていた。紳士は紅茶をすすったとたん、「これはマズイ!」と立ち上がり、ぱったりと仰向きに倒れた。亡くなったのは、近くの小学校の校長で、包みには教職員に支払う給料が入っていた。若い男は包みをもって姿をくらました。解剖の結果、毒物は青酸カリと分かる。」(死因事典p106~)


#シイクワシャー
=奄美大島以南の南西諸島と台湾に自生する。
■血糖値・血圧を抑制
「農業技術研究機構果樹研究所は27日、沖縄特産の柑橘類「シイクワシャー」の成分に血糖値や血圧を下げる効果があることが分かったと発表した。動物実験で確かめたほか、人間でも一定の効果があったという。
糖尿病のマウスに毎日、シイクワシャーの果汁を1kg当たり1‹ずつ与え、28日間続けてみた。シイクワシャーを与えなかったマウスの血糖値は1Œ当たり206mgと高かったが、果汁を与えた方は1Œ当たり82mgに抑えられた。
高血圧のラットを使った実験でも、そのままでは血圧が218だったが、果汁を与えると185に下がった。シイクワシャーに含まれているノビレチンという成分を単独で与えても同様の効果がみられた。研究グループはノビレチンが、細胞の糖を取り込む働きを助けたり、血圧を下げたりしていると考えている。
さらに、健康な12人の学生にシイクワシャーのシャーベットを食べてもらったところ、血糖値や血圧が低下したという。」2001.6.28《日経産業新聞》

■偽装表示
「沖縄県などで生産されている柑橘類「シイクシャワー」の果汁100%などと偽ったジュースを販売したとして、公正取引委員会は2003年4/28、景品表示法違反(優良誤認)で同県内の飲料メーカー、与那原そば本舗・三倉食品(与那原町)や名護パイナップルワイナリ(名護市)など7社に排除命令を出した。
公取委によると、7社は2001年7月~2002年12月までの間、包装ラベルに「シークヮーサー果汁100%」と偽装表示したビン入り果汁飲料を販売。実際はよく似た『カラマンシー』の果汁をブレンドしていた。
シイクワシャーは甘酸っぱくて独特の香りがする柑橘果実。2000年以降、含有成分にガン抑制効果があるなどとして報道さた、三倉食品はこれまで約3億6千万円を売り上げていた。」2003.4.29《日本経済新聞》



シイタケ
=学名は「レンティヌラ エドデス」。

日本では江戸時代から栽培されており、明治時代に英国の調査隊が東京でシイタケを手に入れ、英国に持ち帰ったことからこの学名が付けられた。

【栽培法】
・シイやナラの木に菌を植え付ける原木栽培。
うまみが多く干し椎茸向き。
・原木の代わりにおがくずなどを固めたものをつかう菌床栽培
やわらかく生シイタケ向き。
(春子)3~5月に出る新物。生産量が多い。
(秋子)9~11月に出る新物

◎干しシイタケの戻し方:
姿のまま戻すとき→水に入れて冷蔵庫(5℃)で24時間。
5℃で冷蔵庫に入れて1時間後に、好みの形に切って、さらに30分冷水につける。
熱水や水ではダメ。必ず冷蔵庫で5℃。

◎成分:(シイタケ)
*エリタデニン:血中コレステロールや中性脂肪を低下する。
高血圧を正常に戻す。
腎機能障害を緩和する。
*レンチナン:免疫力を高めて、ガン細胞の成長を阻害する。
胃ガン用注射薬として使用。
病原性ウイルス感染を防止する因子:エイズ患者に注射。
*エルゴステリン:ビタミンDのもと。
*「β-1」・・・免疫増強

■レンチナンとシイキン
「レンチナン」はシイタケの多糖体からできた薬で、ガンの発育や転移を抑制する作用や、化学発ガン、ウイルス発ガンを防ぐ効果があります。この多糖体はβ-グルカンです。同じシイタケもその根元から糸状に伸びている菌糸体(地下部分)抽出した多糖体を「シイキン」といいます。(久郷晴彦著「アガリクス・ブラゼイの薬効」ヘルス研究所)

■乾燥椎茸
2011年、静岡県は10/8、伊豆市で生産された乾燥シイタケから国の暫定規制値(500Bq/1kg)を上回る599Bqの放射性セシウムを検出したと発表。

【効能・効果】(シイタケ)
○あかぎれ:
乾燥椎茸の煎汁で温罨法する。

○胃炎:
乾燥椎茸を一夜水侵しor熱湯に入れて黄色になった液汁を飲む。
生or乾燥5~15g/日煎服する。

○血尿:
乾燥椎茸を一夜水侵しor熱湯に入れて黄色になった液汁を飲む。
生or乾燥5~15g/日煎服する。

○高血圧:
乾燥椎茸を一夜水侵しor熱湯に入れて黄色になった液汁を飲む。
生or乾燥5~15g/日煎服する。

○魚の中毒:
乾燥椎茸を一夜水侵しor熱湯に入れて黄色になった液汁を飲む。
生or乾燥5~15g/日煎服する。

○シモヤケ:
乾燥椎茸の煎汁で温罨法する。

○暑気あたり:
乾燥椎茸を一夜水侵しor熱湯に入れて黄色になった液汁を飲む。
生or乾燥5~15g/日煎服する。

○食中毒:
乾燥椎茸を一夜水侵しor熱湯に入れて黄色になった液汁を飲む。
生or乾燥5~15g/日煎服する。

○心臓病:
乾燥椎茸を一夜水侵しor熱湯に入れて黄色になった液汁を飲む。
生or乾燥5~15g/日煎服する。

○腎臓病:
乾燥椎茸を一夜水侵しor熱湯に入れて黄色になった液汁を飲む。
生or乾燥5~15g/日煎服する。

○せき:
乾燥椎茸を一夜水侵しor熱湯に入れて黄色になった液汁を飲む。
生or乾燥5~15g/日煎服する。

○動脈硬化:
乾燥椎茸を一夜水侵しor熱湯に入れて黄色になった液汁を飲む。
生or乾燥5~15g/日煎服する。

○皮膚病:
乾燥椎茸の煎汁で温罨法する。

○ひび:
乾燥椎茸の煎汁で温罨法する。
   

■干せばうまみ物質倍加
「シイタケは年中出回っているが、秋と春に収穫が多く、それぞれ秋子、春子とよんでいる。又、かさがまだつぼみで肉厚のうちに採ったのを冬菇(ドンコ)、かさが開いてから採ったのを香信(コウシン)という。冬菇は中国料理、香信は日本料理に使う事が多いので別の品種と思われがちだが、採取時期がずれているだけのことである。
栄養的に非常に優れたキノコで、食物繊維やビタミンDのほか、特殊成分として[エリタデニン]を含んでいる。
ビタミンD:はカルシウムの吸収や正常な骨の発育に関係して骨粗鬆症の予防に大きな役割を担い、
エリタデニンにはコレステロールや血圧の低下作用がある。
さらにはガンの成長を抑制する物質の存在が認められているなど、シイタケは成人病予防にこの上ない効用を持つ食品である。
シメジ科のキノコで、原産地は日本と中国。古くから食用したが、栽培されるようになったのは江戸時代になってから。アミノ酸の一種である[グルタミン酸]と核酸系のうまみ物質である[グアニル酸]を多量に含むためうまみが強く、コンブと並んで精進出し汁の材料にされてきた。
  最近では生シイタケの消費が増えているが、うまみは干しシイタケのほうがはるかに強い。グアニル酸は酵素の働きで生成するので、40℃~60℃で10数時間かけて乾燥する間に急増する為である。網焼きにするときも、10分間ぐらい時間をかけて加熱するのがよく、電子レンジで短時間に焼くとグアニル酸の量が少なくうまみが弱い。また干しシイタケを水戻しするには水温が適しており、温度が高いと苦みが出ることがある。 女子栄養大学助教授・松本仲子1996.10.12《日本経済新聞》
   

■補虫器
「シイタケを好む「ナガマドキノコバエ」を捕まえるためのLED誘引補虫器を、岡山県赤磐市のみのる産業が開発。



#

シイマツタケ:

椎茸と松茸の良さを併せ持つキノコ(商品名:ぶんご茸)
土谷産業(大分県宇佐市大字蜷木842-8)土谷洋司氏
            



#シオ(塩)
⇒天然塩を用いる。
「アッサル湖」は塩湖。昔からラクダのキャラバンで運ばれた。
アフリカのジブチの中央、タジュラ州の南端に位置する火口湖である。
  

【効能・効果】(しお)
○薬を腎に入れる作用をする。

〇中毒で吐きそうで吐けない時:塩をぬるま湯に溶かし飲む。

○乾霍乱を治す。「頓服すると吐く」

○喀血:
コップ1杯の水に茶さじ1杯の塩を入れて飲む。

○脱肛:
塩を炒り布袋に入れ、その上に坐って肛門を温める。

○打撲:
「酢と塩」煎汁で温罨法
     

「えぐみを感じるのは、ナトリウムとカリウムが同時に溶けるため。新日本ソルトが製法特許を持つフレーク塩は、通常の塩の結晶と違い、「中空ピラミッド状」で階層状の刻みがついているので、カリウムよりナトリウムが先に溶け、「食塩本来の風味を損なわない」。しかも、食塩と同量の塩化カリウムを加えているので、知らず知らずに減塩できる。2000.5.18《日経産業新聞》

■ギネス認定
「沖縄県・宮古島のパラダイスプラン(上野村・西里長治社長)が製造する塩が世界で最も多くのミネラルを含む塩としてギネス・ワールドレコード社(ロンドン)から認定された。これまでの世界記録は同じ沖縄県のベンチャー高安が生産する塩が含む14種類のミネラルだったが、同社の製品「雪塩」からは18種類のミネラルが検出された。
同社では「宮古島の石灰岩盤の下の海水を使っているため、ミネラルが多いのではないか」と話している。
「ぬちまーす」:ギネス認定
白い微粒子の塩
「ぬちまーす」沖縄県うるか市の海塩。
パウダー状。「常温瞬間空中結晶乾燥法」。塩分少なく
21種類のミネラル

■紅塩
「食品開発研究所(金沢市、076-280-3322)は、20日、天然塩に血圧降下作用やコレステロール合成抑制作用があるとされる紅麹を調合したピンク色の食用塩「紅塩」を発売する。100g\700。
奥能登の海水から非直火低温製法で作った自然海塩を微粉末にし、グンゼが研究・培養し、血圧調整作用で特定保健用食品素材として認められた「グンゼ紅麹」を調合した。」2001.5.18《日経産業新聞》
■工業塩
「カセイソーダや塩下ビニール・塩酸など原料となる基本素材」
■ソルトバス
「ソルトバスは直訳すると「塩の風呂」。耐熱レンガを積み上げステンレスで覆った炉に「塩と塩化バリウム」を入れ、電気で炉を900℃以上に熱すると塩はどろどろに溶ける。耐久性の高い金型を作れる熱処理ができる。



#シオマネキ
「ねり真がに」シオマネキを殻ごとつぶし、寝かせたもの(調味料)



#シカ(鹿)
◎シカ:
「京都府夜久野町で「シカ観光牧場」1997.6.21」  

【効能・効果】(しか)
○悪性の腫れ物:
角の乾燥末or黒焼末を塗布、又は酢orゴマ油で練って塗布する。
○遺精:
角の乾燥粉末をそのままor(炒黄)or 黒焼末を飲む。

○遺尿:
 角の乾燥粉末をそのままor(炒黄)or 黒焼末を飲む。

○黄疸:角を煎服する。

○脚気:
・角を煎服する。
・乾燥肉を味噌煮にして食べる。       

○鹿の血は、人身の血の不足を補う。

○切り傷の出血:
角の乾燥末or黒焼末を塗布、又は酢orゴマ油で練って塗布する。
○強壮・強精:
角の乾燥粉末をそのままor(炒黄)or 黒焼末を飲む。

○虚弱体質:鹿茸を服用。

○血尿:
角から製したニカワ(鹿角膠)を、毎日少しずつ飲む。

○五臓を強める。「鹿肉をよく煮て食べる。」

○筋の急痛に。「鹿髄を温かい酒で調服する。」

○虚損を補う。「肉を煮熟して五味であえて食べる。」

○乾霍乱に。
「煙鹿皮を水に漬けて叩いて、汁を取って飲む。」

○下疳:
「鹿角・黄柏」各等分に作末しゴマ油で練って塗布する。

○産後の腹痛:乾燥肉を味噌煮にして食べる。  

○産前産後の耳鳴り:
・角の乾燥粉末をそのままor(炒黄)or 黒焼末を飲む。

○子宮出血:
・角の乾燥粉末をそのままor(炒黄)or 黒焼末を飲む。

○子宮の病気:鹿胎児の黒焼き末を酒で飲む。

○四肢疼痛:
・角から製したニカワ(鹿角膠)を、毎日少しずつ飲む。

○神経衰弱:鹿茸を服用。

○心臓病:角を煎服する。

○丹毒:
・角の乾燥末or黒焼末を塗布、又は酢orゴマ油で練って塗布する。
「鹿角・蛇の黒焼末」混合し酒で練って塗布する。

○疔癰:
角の乾燥末or黒焼末を塗布、又は酢orゴマ油で練って塗布する。

○中風:
・角を煎服する。
・乾燥肉を味噌煮にして食べる。       

○吐血:
・角から製したニカワ(鹿角膠)を、毎日少しずつ飲む。

○難産:角の乾燥粉末をそのままor(炒黄)or 黒焼末を飲む。

○尿意頻数:
角から製したニカワ(鹿角膠)を、毎日少しずつ飲む。

○寝汗:
・角から製したニカワ(鹿角膠)を、毎日少しずつ飲む。

○煩悶・夢多く・悪夢の多い症状を治す。
・「鹿頭肉汁を絞って飲み、肉を煮て食べても良い。」
○瘭疽(ひょうそ):角を煎服する。

○フグ中毒:鹿茸を服用。

○腹痛:
・角の乾燥粉末をそのままor(炒黄)or 黒焼末を飲む。

○慢性の化膿性疾患:鹿茸を服用。

○腰痛:角を煎服する。
」・角の乾燥粉末をそのままor(炒黄)or 黒焼末を飲む。

■鹿のプリオン病が人間に伝染?
「BSE(牛海綿状脳症。狂牛病)や変異型クロイツフェルト・ヤコブ病などに似たシカ類の病気、慢性消耗病(CWD)が米国で広がっており、米厚生省などが2002年11/4、CWDが人間に感染しないかどうかなどについて緊急研究を始めると発表。
CWDはBSEなどと同様、プリオンというタンパク質の異常によって起こる感染性の海綿状態症の1つ。シカ類の脳に異常が発生し、異常行動などを起こして死ぬ。
同省によると、国立アレルグー感染症研究所を中心に、サルなどの実験動物を使い、CWDが人間をはじめとする霊長類への感染の危険性を調べる。
「これまでのところ、CWDに感染したシカに接触したり、シカ肉を食べたりした人が、CWDに感染したとの報告はない。しかし、米国内で急速にCWDが広まっているため、人間への感染の可能性を調べることが急務になった」2002.11.5《日本経済新聞》

■野生シカ生肉
「野生シカの生肉を食べた4人がE型肝炎ウイルス(HEV)に感染したことが8/1日、分かった。野生動物の生肉を食べてE型肝炎の感染が確認されたのは初めて。厚生労働省は感染防止のために「野生動物の生食は避けることが望ましい」と全国の都道府県に通知した。東芝病院(東京都品川区)の三代俊治研究部長らが8/1に英医学誌ランセットに発表した論文などによると、4人は兵庫県で野生シカの生肉を食べたところ、6~7週間後にE型肝炎を発症したという。シカ肉と患者から検出されたHEVの遺伝子が一致した」2003.8.2《日本経済新聞》
■シカよけ装置
「アンフィニーシステム(札幌市)は、特別なニオイでシカを誘い、微弱の電気ショックで近寄らないように学習させる装置を開発。太陽光電池を使用。」

■鹿皮膠
日本画制作のとき、絵の具を溶いて紙や絹地に付着させるのに欠かせない膠。
琥珀色で、独特の光沢をたたえた鹿皮膠。
再現に取り組むのが一般社団法人天野山文化遺産研究所(河内長野市)の山内章・代表理事。
今回再現したのは、成形剤を使わなかっただけではない。石灰も硫酸も漂白剤も使用しなかった。減圧濃縮という工程上の処理も封印した。
下処理した鹿皮50kgを釜に入れ300㍑の水で長時間かけて煮出し、液を抽出。容器に小分けし、冷風に当てて乾燥する。これを2度繰り返した。
膠は大正期に西洋流の製法が入ってきて、皮の脱毛・脱脂工程で化学処理を重ね、製造工程も機械化されるようになった。
その結果、修復がスムーズに進まない。



#ジギタリス
=ゴマノハグサ科ジギタリス属の多年草。心臓病の最強かつ最良の特効薬であるジギタリス剤は、イギリスのシュロプシャーの老農婦が、重い「むくみ」を患った人に使って著効を奏したキツネノテブクロという植物に含まれる成分。
【学名】Digitalis purpurea L.
【英名】Common Fox-glove
【和名】きつねのてぶくろ
【科名】ゴマノハグサ科
【原産地】西欧及び南欧
【使用部位】葉。
【成分】

強心配糖体:

①心筋に直接作用する
②生体に対して局所的な興奮・溶血作用を持っている。
 ジギトキシン:半数致死量(12mg/kg)
 ギトキシン
 ギタロキシン

○五員環の不飽和ラクトン環をもつステロイド系化合物が含まれている。
  

【効能・効果】(じぎたりす)

心臓毒
心臓疾患
   

中毒症状:
急性中毒:
<1>悪心、頭痛、嘔吐、下痢、
<2>視覚異常、錯乱、
<3>不整脈。
<4>中枢神経麻痺。

慢性中毒:
<1>鬱血性心不全の治療薬として用いられるが、、蓄積作用があり、適量でも連続投与で急性中毒と同様の症状が現れる。
<2>不整脈が現れて心停止に至ることもある。
  

【参考】
<1>今日では、薬効が高くて副作用の少ない近縁種「ケジギタリス(D.lanata)」が用いられる。
「バルカン産ジギタリス(Digitalis lanata)は、日当たりの良い、石の多い高地(ヴィトシャ・リラ・ロドピ・スタラプラニナ)に多く見られる。茎には分岐がなく、花は密集し、毛で覆われており、淡黄色で、紫色の葉脈を持っている。葉の毒性が特に強く、葉には有益な強心グルコシドである、ラナトシドA・B・Cなどの他、ステロイドサポニン、コリン、アセチルコリンなどが含まれている」(毒のはなしp156)
「バルカン産ジギタリスの他に、キツネノテブクロ(Digitalis purpurea)や、オオバマジギタリス(Digitalis ambigua)がある」

<2>1785年、イギリスの医師W.Witheringは水腫の治療にジギタリスの葉の浸出液が有効であることを述べた本を出版。ジギタリスは心臓病のために顔色が青く、むくみが激しく、息切れする患者の症状を著しく軽減するのに役立つ事を教えた。
ジギタリス葉の浸出液は毒性も強く、過剰の投与は激しいむかつき、下痢、嘔吐を伴う中毒症状を引き起こしたが、Witheringの方法に従って、少量ずつ を毎日服用することによって、むくみは去り、心臓の調子も取り戻せることが分かった。
<3>1869年、Digitalis purpureaからステロイド配糖体[ジギトキシン]が分離された。 (講談社「天然毒」p22~23)
<4>ジギタリス製剤は毒性であり、生体に蓄積する性質を持っている。
  

【注意】
○間違えやすい山菜:コンフリー。
■老婆の経験
「ロビンフッドでおなじみのシュロップシャーの森には、「むくみをたちまち治す」という評判の老婆が住んでいた。ウイリアム。ウィザリングは、彼の婚約者が見学に行くように説得しても顧みなかった。しかし、彼女の強引さが、新鮮に映ったのか、森へ行った。そこでは、老婆がむくみを訴える病人にジギタリスの葉を煎じて与えていた。だが、ジギタリスは当時の宮廷つき植物学者であり、薬草学の権威であったジョン・パーキンソンによって「賢明な医者なら誰もジギタリスを薬として用いない」と、断固否定された植物。
たくさんの釣り鐘がぶら下がったようなジギタリスは、別名をキツネノテブクロと呼ばれていた、パーキンソンがツルの一声で「指先を切り取った手袋の形に似ている」といったために、以来、ずっとそう呼ばれた。
エジンバラに戻った彼は、自分でもさっそく上流階級の患者の処方して、その効果をつぶさに観察した。結果は、彼の評判をあげるばかりだった。」

■むくみ
1785年にイギリスの医師W.Witheringは水腫の治療にジギタリスの葉の浸出液が有効であることを述べた本を出版。
ジギタリスは心臓病のために顔色が青く、むくみが激しく、息切れのする患者の症状を著しく軽減するのに役立つことを教えた。ジギタリス葉の浸出液は毒性も強く、過剰の投与は激しいむかつき・下痢・嘔吐を伴う中毒症状を引き起こしたが、Witherigの方法に従って、少量づつを毎日服用することで、むくみは去り、心臓の調子も取り戻せることが分かった。
1869年、Digitalis purpureaからステロイド配糖体ジギトキシンが分離された。現在では、D.purpureaやD.lanataから数十種類のステロイド配糖体が分離されている。それらのすべてはジギトキシゲニンと呼ばれる非糖体およびその12位、あるいは16位、あるいはその両方に水酸基を有する[ジゴキシゲニン][ジギトキシゲニン][ジギナチゲニン]などの3位水酸基に[ジギトキソーズ]をはじめいくつかの糖が組み合わさって結合し、配糖体を形成している。




#シキミ ILLICIUM ANISATUM

【学名】Illicium anisaturm  

【英名】Japanese Anise-Tree  

【生薬名】莽草(ボクソウ)

【和名】「樒」。  

【別名】[シキビ][コウシバ][コウノキ][ハナノキ]
⇒モクレン科シキミ属の常緑小高木。葉は楕円形で鋸歯は無く、なめし革質の葉。黄白色の花を葉の付け根につける。シキミの実は[スターアニス(八角)]に似ている。その中に無数の種子が入っている。
・シキミ科シキミ属。

シキミは葉や樹木を燃やすと、死臭も消すほど強い臭いを放つため、古代から墓や仏に供える植物とされてきた。ドライアイスの無い時代は、亡骸から死臭を除くにはシキミを焚きこむしかなかった。
日本に自生する。
トウシキミ=「八角」は中国南部原産。
  
【成分】アニサチン(anisatine)
【作用】ケイレン、意識障害
「アニサチンというケイレン性の神経毒が含まれている。手足が突っ張って全身が硬直する強いタイプの毒で、ケイレンの動物実験に使われる[ピクロトキシン]という猛毒によく似た症状を引き起こす。

致死量は、イヌの場合12mg。人間では、成分の実験はないが、60~129粒くらいの種子で中毒になるとされる。」
   

◎莽草を煎服すれば、
 駆風作用
 健胃作用
 去痰作用
  

【効能・効果】(しきみ)
○陰嚢のかゆみ:葉の煎汁で洗う。

○黄疸:「葉菖蒲根各4g」煎服。

○眼病一切:
*果実の殻(莽草)の煎汁を塗布する。
*生葉汁を塗布or洗浄する。

○下疳:葉の煎汁で洗う。

○痔:
*葉を焼いて出る煙を患部に当てる。

○しもやけ:
*果実の殻(莽草)の煎汁を塗布する。
*生葉汁を塗布or洗浄する。

○食中毒:
*果実の殻(莽草)を煎服する。

○丹毒:
*果実の殻(莽草)の煎汁を塗布する。
*生葉汁を塗布or洗浄する。

○乳ガン:
*果実の殻(莽草)の煎汁を塗布する。
*生葉汁を塗布or洗浄する。

○乳房炎:
*「葉黄柏」作末し水で練って塗布。

○乳房腫:
*果実の殻(莽草)の煎汁を塗布する。
*生葉汁を塗布or洗浄する。

○淋病:
*果実の殻(莽草)の煎汁を塗布する。
*生葉汁を塗布or洗浄する。

○わきが:
*果実の殻(莽草)の煎汁を塗布する(著効)。
   

◆劇物及び毒物取締法で、植物そのものが劇物に指定されている唯一のもの。

◎有毒成分:

「アニサチン」でセスキテルペンラクトンである。
アニサチンの半数致死量は、(1mg/kg)
アニサチンを多く含むのは果皮の部分。
微量でも強い痙攣作用を示す。全身が突っ張って硬直する。
・致死量:イヌ(12mg)
有毒部位:果実・種子・根・葉・樹皮。

中毒症状:
1~6時間(潜伏期間)後に、吐き気・嘔吐・腹痛・下痢に始まり、
興奮・ふらつきなどの神経症状が現れ、
重症になると、全身痙攣・呼吸麻痺・意識障害が起こり死に至ることあり。
  

【中毒事例】
1990年11月。兵庫県の野外観察グループの会員15名が、誤ってシキミの実をパンケーキに混ぜて食べ、13名が中毒を起こした。うち9名は痙攣を伴う重症で、病院に運ばれ1~5日後に全員完治した。果皮を食べなかったのが幸いしたようです。
【参考】
神棚に供えるのは-------サカキ「榊」
仏前に供えるのは-------シキミ「樒」
日本の線香は乾燥したスギの葉の粉末に、シキミの葉の粉末を加えて製造する。
葉から抹香を製造する。

■スターアニス
「中国料理に使われるスターアニス(八角)という星形をしたスパイスとの混同で、植物滴にも同じ属なので、しばしば問題が起きている。
 日本から「日本産スターアニス」がスパイスとして輸出された。そのため、1937年に、ドイツで一家4人が、1955年には、シンガポールで79人がカレー粉に紛れ込んだシキミで中毒した。英名がジャパニーズ・アニス・ツリーとあるので混同された。」 (植松黎著「毒草を食べてきた」p44~)
   

■ニオイが強い
「シキミは葉や樹木を燃やすと、死臭も消すほど強い臭いを放つため、古代から墓や仏に供える植物とされてきた。ドライアイスの無い時代では亡骸から死臭を取り除くにはシキミを焚きこむしかなかった。


#シークヮーサー
■沖縄県の特産
「皮や果汁に含まれる抗酸化成分の『ノビレチン』は、血糖値を下げたり血圧を下げる作用、ガンの抑制効果があるとされる。」


ジゴクノフタノカマ
=「キランソウ」の別名。

【効能・効果】
○胆石:作末し酒で飲む。妊婦は不可。


#シシウド
⇒セリ科
◎光過敏症を引き起こす成分「フロクマリン類」含有。


#シジミ(蜆)
◎種類
「マシジミ」:純淡水産。殻の黄色が強い。近年激減している。冬が旬。
「ヤマトシジミ」:・汽水域に生息。味噌汁の具としておなじみ。夏が旬。
「タイワンシジ

・・近年、日本国内で見つかる
  

【効能・効果】(しじみ)

○スープにすれば、以下の疾患に有効。        

肝臓/黄疸/酔いざまし母乳の出が悪い/貧血産後の衰弱

○黄疸:

①黒焼き
②シジミの潮汁or味噌汁を飲み         

③身を食べる(著効)。
○肝臓病:黒焼き
○暴熱をなくす。肉を使う。
○喘息:
・殻の黒焼き末を飲む(著効)。
・身の黒焼き末を飲む。
○寝汗:
・シジミの潮汁or味噌汁を飲み、身を食べる(著効)。
○百日咳:
・殻の黒焼き末を飲む(著効)。

■オルニチン
「調理の前に冷凍しておくとオルニチンの含有量が大量に増える。」


#シシャモ
(柳葉魚)
「柳の葉のような魚」を意味するアイヌ語の「ススハム」が語源。
日本の固有種で北海道の太平洋沿岸にしか生息しない。川で生まれ、2~3年外洋を回遊し産卵のため再び生まれた川に戻る。
国内流通はノルウェーやアイスランドの輸入品が9割以上。輸入品は「樺太シシャモ」(英名カペリン)という別種。国産は「本シシャモ」と呼ばれる。

■北海道
「シシャモは柳の葉のようにほっそりしているところから漢字では「柳葉魚」と書く。体長は12~18cm。北海道の東南部沿岸を中心に生息し、秋になると産卵のため道内の川を遡上する。
日本の市場にシシャモとして出回っているのは、ほとんどが輸入品のカラフトシシャモ。アイスランドやノルウェー産が多く、色は青みがかかっている。国産品は「本シシャモ」とも呼ばれ、体は飴色。クセが無くあっさりした上品な味わいが食通の人気を集める。
川に上がった子持ちのメスが脂が乗っているので人気があるが、オスも身が締まっていてなかなかの美味。干したものを焼いて食べるのが一般的だが、天ぷらやフライの他、刺身や寿司の材料にもなる。2002.10.12《日本経済新聞》

■♂のシシャモ
「マルハニチロホ-ルディングスは従来の半額以下のシシャモの販売を始めた。
オスの商品化に成功した。
販売を始めたのはノルウェー産のオスのシシャモ。メスが産卵期を迎える3月末~4月にメスと共にオスも巻き網船で漁獲されるが、この時期のオスは味が落ちるため養殖魚の飼料に使われていた。
そこで味が落ちる前の3月上旬までにオスを漁獲。ノルウェーで冷凍加工し、中国大連の2つの協力工場で塩水に浸けて干して日本に輸出する。」

■大量飼育に成功
2013年、北海道室蘭市の道立総合研究機構栽培水産試験場の石田良太郎研究員らは、人工ふ化させたシシャモの稚魚約1500匹を体長約8cmまで飼育することに成功した。
◇すだれ干し
すだれ干しは塩水につけたシシャモを雄と雌に分け、口にヨシの茎を通して吊す。1本あたり10匹づつ刺す。
北海道の風物詩。
むかわ町のカネダイ大野商店




シソ(紫蘇) Perilla
=夏が旬の野菜。中国南部・ヒマラヤ・ビルマ原産のシソ科の1年生草本。
【学名】Perilla frutescens var.acuta
【別名】ノラエ、イヌエ、チソ
【分類】シソ科、1年草
【原産地】中国
【使用部位】
・葉は採集後、陰干しする。
・種子は天日乾燥する。

【作用】
○芳香性健胃作用・鎮咳・去痰・鎮静・鎮痛・利尿・解毒剤

【効能・効果】(しそ)
・食中毒の改善
・風邪の予防
・気分の落ち込みの改善
○咽喉炎:種子・葉の煎液でうがい。
○食欲不振:種子・葉を5~10g/1日煎服。
○胃カタル:種子・葉を5~10g/1日煎服。
○胃けいれん:種子・葉を5~10g/1日煎服。
○魚の中毒:種子・葉を5~10g/1日煎服。
○切り傷の止血:葉の乾燥粉末を傷口に振りかける。
○気管支炎:
・種子・葉を5~10g/1日煎服。
・生葉汁を飲む。
○血液循環を良くする:食用にする。
○血管を強化するには:
・種子・葉を5~10g/1日煎服。
・生葉汁を飲む。
○こしけ:種子を煎服。
○口内炎:種子・葉の煎液でうがい。
○口臭:種子・葉の煎液でうがい。
○子宮出血:種子を煎服。
○神経過敏:
・種子・葉を5~10g/1日煎服。
・生葉汁を飲む。
○精神不安:
・種子・葉を5~10g/1日煎服。
・生葉汁を飲む。
○鳥肉・獣肉の中毒:
・種子・葉を5~10g/1日煎服。
・生葉汁を飲む。
○尿閉:種子を煎服。
○脳貧血:酒を沸かし、その中に種子・乾燥葉を入れて飲む。

成分:(しそ)
βカロチン
ビタミンB1・B2・C

カルシウム
リン
クロロフィル
リノール酸
αリノレン酸・・・体内でEPAに変わる。消炎作用を発揮するので、アレルギー疾患に有効。
ペリルアルデヒド・・・香り成分。防腐作用があるので、刺身のつまに。また、発汗・利尿・鎮咳・去痰作用もある。
ルテオリン・・・抗アレルギー作用。

■薬膳
「薬膳では、シソの葉は「蘇葉」、種は「蘇子」と書き、体を元気に甦らせる力が有ります。香りの成分、シソアルデヒドは殺菌・防腐・健胃整腸に効果的で、脳を刺激して食欲を増進し、サバなどの魚中毒のジンマシンを防ぐ効果もあるとされています。
青ジソのビタミンA含有量は野菜の中で抜群。ビタミンE・C・カルシウムも豊富で、チャーハンのように油を使うと、吸収率がアップします。ガン防御・脳卒中・アレルギー体質改善に役立つαーリノレン酸も含まれる話題の食材です。中国料理研究家・程一彦   1996.5.8《朝日新聞》」

■しそ用フェロモン農薬
「しその害虫ハスモンヨトウの交尾を阻害する農薬を信越化学が開発。これまで農薬の使用量増加による残留農薬の危険性が、生食用シソでは指摘されていた。1996.8.21《日経産業新聞》」

■調理
①冷水で良く洗う
②葉脈を切り除く。
③縦に細切り(横にすると香りが無くなる)
④冷水につけて洗う




シダ
■高い光感受性
「林の中など薄暗い場所でも生息出来るシダ植物に特有のタンパク質を、東京都立大学の和田正三教授らのグループが見つけた。赤い光を感じる特殊なタンパク質で、シダの光感受性を飛躍的に高めているという。英科学誌ネイチャー16日号に掲載。
植物は光に反応して、その方向へ曲がったり、細胞内の葉緑体を移動させたりすることで効率的に光合成をしている。通常は青い光に反応するが、シダは赤い光にも反応することが知られている。
研究グループが赤い光に反応しない突然変異のホウライシダを調べたところ、フィトクロム3というタンパク質の遺伝子に異常が見つかった。光感受性は野生型の1/10に落ちていた。このシダに正常な遺伝子を導入すると、赤い光に対する感受性が開腹することも確認。」2003.1.16《日経産業新聞》

■葉緑素が気孔の開閉に
「九州大学の島崎研一郎教授らと、自然科学研究機構・基礎生物学研究所の和田正三・特任教授らの共同グループは、植物の葉の表面で呼吸などの役割を担う小さな穴『気孔』の開口に、シダ類では光合成色素である葉緑素が関与しているらしいことを突き止めた。
成果は日本植物生理学会誌に掲載。
気孔は、光合成に必要となる二酸化炭素(CO2)を大気中から吸収したり、水分を調節したりしている。シダ植物より高等な種子植物では『フォトトロピン』というタンパク質が日光に反応して気孔の細胞を活性化させ、開口する働きをすることが知られている。フォトトロピンはシダ植物にもあるが、気孔を開く働きを持たないため、どのようなメカニズムで気孔が開くのか不明だった。
シダ植物ではフォトトロピンの代わりの役割を担う物質として、『フィトクローム』というタンパク質と葉緑素の2つの候補物質があった。研究グループは、フィトクロームを持たない突然変異体でも問題なく気孔が開くことを確認。葉などで光合成の役割を担う葉緑素が、日光を受けて気孔を開かせる可能性が高まった」2006.8/16《産業》

■弱い光の反応が解明
「首都大学東京などの研究グループは、シダ植物が弱い光でも上手にキャッチできる詳しい仕組みを解明した。赤と青の両方の光に反応する『光センサー』を持っているため感度が高い。実験植物として知られるシロイヌナズナにシダの遺伝子を組み込んで、光の感度を高めることもできた。米国科学アカデミー紀要(電子版)に掲載された。
首都大学東京の鐘ヶ江健助手、自然科学研究機構・基礎生物学研究所の和田正三と後任教授らの研究成果。
シダ植物のPHY3というタンパク質を調べた。このタンパク質の遺伝子をシロイヌナズナに組み込むと、青と赤の光のどちらを当てても光に向けて茎を曲げるようになった。又、弱い光でも青と赤を合わせればこうした反応が起きた。
植物は青と赤の光それぞれに反応する別々の受容体を物。青色の光には茎を曲げたり葉を伸ばしたりといった反応をするが、赤色の光だとこうした現象は起きない。
シダ植物では青・赤専用の受容体に加えPHY3が光受容体として働きPHY3の両端に青と赤の光受容体が付いていることが知られていた。」200611/15《産業》




シダーウッド cedarwood
⇒アトラスシダー(Cedrus atlantica)の精油。
レバノン杉の近縁種で、古代から使われてきました。
この木自体が、非常に強い芳香を放っており、その香りがシロアリ・アリ・ガなどの有害昆虫を追い払う。
精油の成分:セドロール
  カジネン(セスキテルペン類)

【効能・効果】(しだーうっど)
気道の感染症
膀胱炎
膣の感染症
おりもの
慢性気管支炎


シダレカンバ
【学名】Betura pendula (B.alba、B.verrucosa)
【英名】Silver birch、white birch、paper birch
◎葉、精油、樹液、樹皮(白樺皮)。
【成分】

精油:つぼみに多い。
   ベツリン---カンファーに似た成分
サポニン:若葉に多い。
フラボノイド誘導体
ヒペロサイド樹脂
タンニン
セスキテルペン
ベツロベニチン酸
ビタミンC
ベツリノール:樹皮
  

【効能・効果】(しだれかんば)
<1>葉をお茶にする。
①強力な利尿作用から、腎結石、膀胱結石 
少量の重曹を加えるとさらに効果的。
②腎臓および泌尿器内部の殺菌作用
③リウマチ、関節炎
④痛風
⑤心不全、腎不全による体液の停留を治す。
⑥血液のコレステロール値を下げる。
⑦胆汁の分泌を促す。

<2>樹皮の煎じ液:間歇性の発熱に有効。

<3>つぼみからの精油:乾癬、湿疹のローション剤。

【参考】
シラカバ(シラカンバ) Betura platyptylla var. japonica
ダケカンバ Betura emanii



シドニージョウゴグモ
◎オーストラリアに分布する毒グモ。
「毒液は大きなキバの先から分泌され、そのキバは小動物の頭蓋骨や人間の爪すらも突き抜ける。毒はアトラクソトキシンを含む神経毒で、幼児を30~90分で死に至らしめる」





シトリン Citrine
(参照→「クォーツ」「トパーズ」「アメジスト」
=「黄水晶」 Quartz(石英)の一種。
天然の黄水晶は少ない。出回っているものはほとんどが、紫水晶(アメジスト)を加熱処理して、変色させたつくったものである。(堀秀道著「楽しい鉱物図鑑」)

◎カッティング:
ブリリアント、ベンデドーク、ミックスカット、カポション。

◎トパーズのイミテーションに使われる。
・かっては、ブラジリアン・トパーズと呼ばれた。

【効能・効果】
○食物の吸収を助ける(D・L・メラ)



シナモンcinnamon
(参照→「オイゲノール」)
【学名】
【英名】
(セイロンニッケイ)
◎乾燥した樹皮。
【成分】

精油
タンニン
粘液
ゴム質
糖類
樹脂
シュウ酸カルシウム
クマリン
 
【効能・効果】(しなもん)
<1>風邪
<2>腹を温める薬。
<3>鼓腸を和らげる薬
<4>生理痛
<5>収斂作用:下痢に有効。
<6>『桂皮油』=シナモンの樹皮から蒸留した精油。抗菌性がある。
・大腸菌
・ブドウ球菌
・カンジダ・アルビカンス菌

【参考】
<1>セイロンニッケイの樹皮(=シナモン)は、近縁種の
トンキンニッケイ(C.cassia)の樹皮(=カシア)に比べて良質とされる。
<2>中国では、カシアを『桂皮』と称し、健胃・駆風・発汗・解熱などに頻用する。



シバムギ
【学名】Agropyron repens
【英名】Couch gerass、witchgrass、dog's grass、scutch
◎根茎。
【成分】

トリチカン(約8%)
イノシトール
マンニトール
不揮発性油
ビタミンA・B
バニリン配糖体
サポニン
粘液
カリウム
ケイ素

精油:アグロピロン---抗菌作用

【効能・効果】
尿路結石
前立腺炎



シビレタケ Psilocybe Kummer
(参照→「神経毒」)
◎有毒成分:
<1>N-ジメチルヒドロキシトリプトファンのリン酸エステル
<2>シロシビン:
①シロシビンは[ブホテニン]の水酸基の位置に関する異性体。
②シロシビンのN-モノメチル体であるベオシスチンと、さらにメチル基の少ないノルベオシスチンはPsilocybe baeocystisから得られている。
③ブホテニン:
(1)コタマゴテングタケA.citrina、コテングタケA.porphyria に含有される。
(2)蟾酥の成分。
(3)ハイチの呪術師が祭事に用いたマメ科植物Piptadernia pergrinaの種子からも得ている。
(4)ラットに対するLD50値は、125mg/kg(ip)

■中毒
「シビレタケやヒカゲシビレタケによる中毒の発生は我が国でも記録されており、昭和35年の新潟県で、54歳の男性がキノコ汁を飲んで10分後に、眼がチカチカし、全身の力が抜け、身体が宙に浮くように感じ、酩酊状態が3時間続いた。
40歳の女性、人の顔に角が生えたり。それが崩れて鮮やかな色彩の模様に変わり、たくさんのヘビがはい出してきて、急に力が抜け、意識を失って2時間も経った。
14歳の男子、何でも模様のように見えた」(松田一郎「日本菌学会報」第9巻1号、1960)



シベリアニンジン
=エゾウコギ
■血糖値
「バイオベンチャーのバイオス医科学研究所(神奈川県平塚市)と早稲田大学の福岡秀興客員教授らのグループは、血糖値を下げる作用を持つ植物性物質を動物実験で発見。シベリアニンジンの成分で、インスリンが聞かないタイプの糖尿病患者に役立つかもしれない。
発見した物質はシベリアニンジンに含まれるポリフェノールの一種。体内で血糖値を上げてしまう『αグルコシダーゼ』という酵素の働きを弱める作用がある。
試験管内実験では酵素溶液にシベリアニンジン抽出液を加えると、酵素活性は50~80%下がった。
さらに糖尿病の実験用ネズミに抽出液を与えたところ、2週間で血糖値が1dl中120~140mg減少した。
また血糖値を下げる『PPARγ遺伝子』の働きを強めて血糖値を下げる作用もあることが分かった。PPARγは筋肉が血中の糖を消費するのを促したり、糖を分解する脂肪細胞の分化を促す。
DNAチップを使った実験で、シベリアニンジンを摂取し亜ネズミの脂肪細胞ではPPARγ遺伝子の働きが2倍に高まることを確認した。
シベリアニンジン抽出液を糖尿病患者に投与する実験では、2ヶ月後から血糖値が下がった。
シベリアニンジン抽出液はインスリンが関わらない2種類の別々の仕組みで血糖値を下げる。20076/12
・PPARγ→活性上昇→細胞の糖消費促進→血糖値低下
・αグルコシダーゼ→活性低下→血中の糖が減少→血糖値低下




#シマニシキソウ
【学名】Euphprbia hirta (E.pilluifera)
【英名】Pill-bearing spurge、asthnma weed、Queensland、asthma weed、catshair
◎地上部
【成分】

配糖体
アルカロイド
トリテルペノイド
ステロール
タンニン

【効能・効果】
・喘息:気管支を弛緩させる。
・花粉症
・アメーバ赤痢

【注意】多量に用いると、吐き気・嘔吐を引き起こす。
  



ジャガイモ(馬鈴薯)Potato
=南米アンデス原産。ナス科の多年草草本。標高3000㍍でもOK。茎が肥大化したもの。 フランス:大地のリンゴ

日本には1598年に。男爵・・・北海道今金町

アンデスの高地(4000m以上)で、ビクーニャ(ラクダの仲間)の糞があるところで原種が維持されてきた。ビクーニャは赤血球を人間の3倍持っている。
ビクーニャはアンデスの保護動物。アルパカは家畜。

成分:(じゃがいも)
パントテン酸・・・消化の促進、肉の中毒を解毒。
カリウム
イオウ
リン
塩素
ビタミンC・・・加熱料理しても壊れにくい。
プロテアーゼ阻害物質・・・発ガンを抑える
クロロゲン酸・・・発ガンを抑える

【民間療法】
打ち身・腫れ・関節炎
ジャガイモの生汁+小麦粉+酢→湿布

〇効果:
「健脾益気」胃腸を強くし、気力体力を増す
「利水消腫」排尿を促し、むくみを去る

◎ソラニンを0.04%以上含有するジャガイモを食べると、頭痛・嘔吐・腹痛・疲労感を伴う症状の中毒にかかり、重症の場合には脳浮腫を生じ、小児の場合には意識の混濁、昏睡からケイレンを経て死亡することもある。成人の場合の死亡例はない。(講談社「天然毒」p20) 
(→バイケイソウ)
 

ソラニンの毒性は、コリンエステラーゼの阻害作用による。化学構造は、ステロイドアルカロイド・ソラニジンの配糖体である。一般にこのサポニン様アルカロイドは、溶血作用と石鹸の様な泡立つ性質をもっており、「植物体内では微生物、特に植物病原菌に対する保護機能性がある。ソラニンの毒性は、ウサギに対する経口投与で、そのLD50は、体重1kg当たり450mg。ソラニンはトマチンよりも若干毒性が高い。ソラニンを加水分解すると、アルカミンのソラニジンとともにD-グルコース・D-ガラクトース・D-ラムノースという糖鎖をそれぞれ1分子づつ生成する。ソラニジンもソラニン同様に毒性を持つ。ソラニジンは神経性障害を引き起こし、瞳孔散大・赤血球破壊などの毒理作用を持っているのでたとえ胃酸によって加水分解されても毒性は出現することになる。

■「原産地は南米アンデス山中のティティカカ湖付近。16世紀にインカ帝国を征服したスペイン人が欧州に持ち込み、飢饉時の代用食として普及した。18世紀プロシャ(ドイツ)のフリードリッヒ大王は普及の為に、ジャガイモ作りを拒否した農民の鼻を切り落とす、という乱暴なお触れを出している。
 日本に渡ったのは1598年。オランダ船がジャカルタ(ジャガタラ)から持ち込んだ。しかし、肉食でない日本ではサツマイモほど普及しなかった。江戸時代の科学者、高野長英は著書「二物考」でジャガイモの利点を列挙し、作付けを奨励したが効果は上がらなかった。
本格的な普及は明治以降。明治政府は北海道の農民に種芋を無料で配って奨励した。1996.9.1《日本経済新聞》」

「アンデスでは収穫したジャガイモを2~3日間昼夜野外にさらす。1日の温度は30℃以上。さらすと、ジャガイモは軟らかくなる。それを足で踏みしめ、ジャガイモの水分を抜く。ジャガイモの原種には有毒成分が含まれているので、それを水分と一緒に除く。そして出来るのが「チューニョ」と呼ばれる干しイモ。100年は持つと言われる。」

■チップスに発ガン物質
「2002年5/18日付けの英各紙によると、英食品基準局は17日、油で揚げたり焦がしたポテトやポテトチップス、ライ麦の硬いビスケットなどに、動物実験でガンや遺伝子変異、神経組織損傷などを引き起こす恐れがあるとされる物質アクリルアミドが、国際基準の最大1280倍という極めて高レベルで含まれている、と警告した。
スウェーデンの科学者が先月明らかにした研究結果を裏付けた。今後、欧州連合(EU)や世界保健機関(WHO)で詳しい検討が行われる。
アクリルアミドの研究はまだ緒に着いたばかりだが、オーブンやグリルで焼いた食品やバーベキューの肉などにも含まれていると見られる一方、生や煮込んだ食品には無いと考えられている。
同局の専門家は、こうした危険は今突然始まったものではないとし、さまざまな果物や野菜を含むバランスのとれた食事を呼びかけた。」2002.5.19《日本経済新聞》

■種イモ一家
「新品種が次々登場する青果市場にあって、何故かジャガイモは今も男爵やメークインの天下。「種イモ一家」と呼ばれる農水省関係の職員が種イモ管理をほぼ独占しているからだ。
10月上旬、北海道・十勝平野。カラマツ防風林に囲まれた農場はジャガイモ収穫の多い見込みだった。大型機械を操り、手早くイモを選別する彼らは農家ではない。農水省の外郭団体で働く国家公務員。通称「種イモ一家」の面々だ。
茨城県つくば市に本部を置く独立行政法人種苗管理センターの十勝農場(帯広市)。農家が作付けする種イモの、さらにおおもとのイモである『原原種』を生産している。戦後間もない1947年、農林省GAS餌釣通導散。以来、原原種生産を国が独占してきた。
ジャガイモは種子ではなく種イモで増やす。1ヘクタールの畑に種イモ2トンが必要。国内の作付け面積は約94000ヘクタール。単純計算すると年19トンの種イモが必要になる。それに見合う原原種は1400トン強。毎年これだけの量を生産するのが種苗管理センターの役目だ。関係職員は全国8カ所にある農場に計200人強いる。
それにしても、何故国営か?
農水省は「ジャガイモはウイルスや害虫に弱く。蔓延すると収量が大きく落ちる」(生産局特産振興課)と説明する。安定生産のため、農家は収穫の一部を翌年の種イモに流用せず、ウイルス対策を施した新しい種イモを使って作付けする。
種イモは植物防疫法に基づいた厳しい管理を受けながら4年以上かけて生産される。もっと神経を使う原原種の生産は国が担当し、県や農協の段階に下りていく。食糧難時代、米国を手本にして作り上げた仕組みだ。
十勝の原原種生産農場はウイルスを媒介するアブラムシを避けるため、人里離れた土地に切り開かれた。氷点下35度以下の極寒。以前の官舎は断熱作用もろくにない木造で共同風呂の二軒長屋。小野忠一・十勝農場長は「室内でも氷点下20度近くだった」と語る。
灯台守のような現場に支えられジャガイモの生産は順調に伸びた。開場当時、10アール当たり1トン強だった平均収量はほぼ3倍に。農水省は「ウイルス対策をやめれば病害が毎年発生し、価格高騰を招きかねない」と「四七年体制」の意義を強調する。
しかし、最近は半世紀も変わらぬ種イモ生産システムの弊害が目立っている。生産に時間がかかるため。消費者の好みにあった新品種を機動的に市場に投入できないのだ。
「インカレッドとインカパープルが入荷したら知らせて。5kgずつ買うから」。伊勢丹新宿本店の青果売り場に、顧客から時々こんな要望が舞い込む。いずれも北海道農業試験場と和田製糖(東京・中央)が開発したジャガイモの新品種。健康効果が高いとされるポリフェノールを含む。
1917年に米国から輸入されたメークインも含め、古い品種を漫然と作り続ける旧体制をよそに、種イモ生産システムを根底から変革するような新技術の開発が進んでいる。この技術を使えば、短期間で無菌のイモを大量栽培できる。煮崩れしにくい新品種『シンシア』がこの技術の先兵。欧州から導入した品種で、キリンビールが子会社のジャパンポテトを通じ、民間企業として初めて原原種を作り上げた。活用したのは「マイクロチューバー」(微小塊茎)と呼ばれる技術。ジャガイモなどの芽などの一部を切り取って組織培養し、小豆大のイモを大量に作る。屋内培養のためウイルス感染の恐れもない。一度に大量生産できるため、畑での増殖回数も少なくて済む。2002.10.20《日本経済新聞》

■発ガン性
「ポテトチップスなど揚げ物などから発ガン性が指摘されている『アクリルアミド』が検出された問題で、厚生労働省は10/31、ホームページなどを通じて「炭水化物の多い食品を焼いたり、揚げたりする場合、あまり長時間、高温で調理しないように」と呼びかけることを決めた。
アクリルアミドは接着剤や塗料などに使われる化学物質。ジャガイモなど炭水化物を多く含んだ食材を揚げたりした際に生じるとみられている。英国など海外で相次いで検出されており、世界保健機関(WHO)も人体への影響を評価するための作業を始めている」2002.11.1《日本経済新聞》

■低温貯蔵で
「ポテトチップスなど油で揚げたジャガイモ食品から発ガンの疑いがあるアクリルアミドが検出された問題で、、低温貯蔵後に揚げたジャガイモは、室温貯蔵後に油で揚げた場合より10倍以上多く含まれることが食品総合研究所などの調査で分かった。
同研究所はポテトチップスに使う品種を収穫後2℃と室温で2週間所蔵し、その後ポテトチップスにしてアクリルアミドの含有量を比較した。室温貯蔵の場合は市販品とほぼ同じだったが、低温貯蔵の方はその10倍以上の1kg当たり0.02g含んでいた。同研究所は「冷蔵庫保存は避けるべきだ」としている。」2003.3.18《日本経済新聞》

■虫歯予防
「ジャガイモ由来のでんぷんから虫歯予防効果がある『リン酸オリゴ糖カルシウム(POs-Ca[ポスカ])』が開発された。初期の齲蝕(虫歯になる前の段階)の再石灰化を促すことで、進行を抑制する。
この成分を含んでも唾液は酸性にならず、歯のカルシウム分が溶け出すことはない。また、虫歯の原因となる細菌の栄養源にもならないことが確認された。口中でリン酸とカルシウムが安定して溶けている状態となるため、本来、唾液が持つ再石灰化能力を高める。江崎グリコの生物化学研究所(大阪市)が開発。2003.5.30《日経産業新聞》

■新品種
「独立行政法人、農業・生物系特定産業技術研究機構北海道農業研究センターは、紫色のジャガイモの新種『キタムラサキ』を開発した。健康増進効果が見込めるアントシアニンを多量に含み、従来品種より生産効率が高いという。道内で栽培されてきた紫色ジャガイモ『インカパープル』に比べ、アントシアニンの含有量は1g当たり、2.3mmと4割多い。ほか、茎丈も短く農作業が容易という。」2004.1.30《日経産業新聞》

■品種いろいろ
「青森県西部の白神・岩木山山麓の台地は昼と夜の気温差が大きい。この地に広大な畑を持つ黄金崎農場(0173-75-2122)はキリンビールと組み、世界中から約30種類のジャガイモを集め育成。
「日本でジャガイモほど有力品種が変わらすに来た野菜はない。イモにもこんなに色々あるとは、しらなかったでしょう?」。そう話すのは同農場の佐々木君夫代表。
『メークイン』は煮ても身が崩れず歯ごたえのあるしっとり系。同じ系統ながら甘い風味に人気が集まっているのが『インカのめざめ』だ。南米ペルー出身。黄色がかった皮色で小粒の球形で、甘みはくりかサツマイモのような雰囲気だ。ジャガイモの原産地は中米~南米にかけてのアンデス高原だけに、この付近には特徴溢れる品種の宝庫だ。
「タマネギやニンニク、ベーコンと炒め煮するジャーマンポテトなら、煮くずれしないこのイモ」と佐々木さん。
フランス生まれのしっとり系は『シンシア』だ。白っぽい皮肌がつるっとして剥きやすい。フランスで修行していたシェフたちが、このイモを見て懐かしいと注目し始めている品種だという。「ただ単にクセがないだけでなく、冷製スープのビシワーズを他のイモと作り比べたら、最もうま味が調和している」
一方、『男爵』はホクホクした舌触りを楽しむイモだ。ホクホク系にはペルー生まれの面白いイモがある・『ジャガキッズパープル』はころころと丸く濃い紫色の皮。切ると黄色い身が現れる。『アンデスレッド』は同じ球状で紅色の皮をしている。『ヨーデル』は赤く細長い。どれもほろりと崩れやすいので。ポテトサラダ・コロッケならうま味と食感を生かせる。
さらにうれしいのがホクホク・しっとりの両方の特徴を持つイモが現れた。長崎県生まれの『デストロイヤー』は紫地に赤い斑点のルックスがマスクをかぶったようで、名付けられたという変わり種。しかす火が通りやすく煮くずれしない。味にコクがある実力派だ。「肉じゃがならデストロイヤー」と覚えよう。『十勝こがね』は白っぽい皮色。油と出会うと格段においしくなるので、「ポテトフライなら絶対これ」と佐々木さんは断言する。
男爵とメークインはいずれも19世紀末に発見、栽培していたものを英国のサットン商会が世界に紹介したという、長い歴史を持つ品種だ。
男爵は1908年に函館ドック専務の川田龍吉男爵が導入したことから名前が付いた。芽が出るまでの期間が長く保存性が高いので、年1回栽培する寒い地域での育成に向いた品種。ただ、大きくなるとイモの中心に空洞が出来やすい欠点がある。
メークインの名前の由来は中世欧州の春の村祭りメーデーで娘の中から選ばれる女王を、メークインと呼んでいたことからつけられた。日本には1917年に入り、関西で人気に火がついた。2004.12.4《日本経済新聞》

■生分解性プラスチック
「東京理科大学の研究チームは生分解性プラスチックが含まれたジャガイモを作り出しことに成功した。開発したのは基礎工学部の島田浩章教授と松本謙一郎助手。
研究チームは、生分解性樹脂でポリエステルの一種『ポリヒドロキシブチレート(PHB)』を体内で作る土壌細菌の遺伝子を導入した。試験管でイモの細胞を培養し、食用となる塊茎を調べたところ、1g当たり10マイクロ㌘のPHBが含まれていた。
現在、PHBは微生物を培養して作っており、食品容器などに利用されている。島田教授らの試算では塊茎1g当たり150mgのPHBが出来れば、微生物生産と同程度のコストとなるという。
島田教授はすでにシロイヌナズナでPHBの生産量を増やす手法をすでに開発している。」2006.5/5《日経》

■コレステロール値
「ジャガイモから精製した「ペプチド」に血液中の総コレステロール値を抑え、善玉コレステロールを増やす効果があることが帯広畜産大と愛媛大などの研究で判明。2006年5/25帯広で開かれた研究会で発表。
ラットを使った実験で、総コレステロール値を抑える効果は大豆とジャガイモのペプチドでは同程度だったが、悪玉コレステロールを抑える効果はジャガイモの方が大豆より大きかった。
また、善玉コレステロールはジャガイモの場合だけ増えた」
「ラットを使った実験で、牛乳に含まれるタンパク質の一種「カゼイン」と、大豆ペプチド、ジャガイモのペプチドの3種を4週間与え、血液中のコレステロールの変化を測定した。その結果、大豆、ジャガイモのペプチドともカゼインより総コレステロールが10%前後減少し、効果はほぼ同程度だったが、ジャガイモのペプチドの場合は悪玉コレステロールが最も減った。また、過剰な古kれすてろーるを取り除く善玉コレステロールはジャガイモだけが減少した」

■レンジ調理
「トルコのメルシン大学の研究者らは、フライドポテトに含まれる発ガンを促す可能性がある物質を、電子レンジを利用した調理法で減らせることを突き止めた。
アクリルアミドという物質は、ポテトを揚げている間に増える。あらかじめポテトを電子レンジで加熱すれば、油で揚げる時間が短くなり、ポテト表面のアクリルアミドを最大で6割減らせるという。
アクリルアミドは揚げたり焼いたりする高温で水分の低い環境で増えやすい。電子レンジで加熱してから、150℃、170℃、190℃で揚げて比較したところ、電子レンジを使わなかった場合に比べてアクリルアミドが減少した。
150℃・・・・36%
170℃・・・・41%
190℃・・・・60%減少した」200611/2《産業》

■葉茎を抜く
「農業・食品産業技術総合研究機構生物系特定産業技術支援センター(生研センター・さいたま市)は、イモを収穫する前にイモを傷つけずに葉や茎を引き抜く農業用機械を開発した。
従来は、農薬を使って葉を枯らせていた。
過剰な成長を抑えて規格にあった大きさのイモを作るにも役立つ。タイヤが付いて畑の上を走行するタイプと、トラクターの前につけて使うタイプの2種類を開発。」

■病気に強く
「名古屋大学の吉岡博文准教授らのグループは、遺伝子組み換え技術で植物の免疫機能を高め、病気に強いジャガイモを作ることに成功した。病原菌が侵入すると植物自身の免疫反応が強く働くようにした。たくさんの免疫を同時に活性化するので、耐性菌の心配はないという。20076/26産業

■ウイルスに強く
「京都大学の世良貴志准教授は、ウイルスに感染しても枯れない植物を作る技術を開発した。ウイルスの増殖を防ぐタンパク質を生産する遺伝子を組み入れる。
研究に広く利用される植物シロイヌナズナで試した。植物がウイルスに感染すると、体内でREPタンパク質という病原物質がウイルスの染色体に付着する。こうなるとウイルスが増殖して発病する。
研究チームはシロイヌナズナに遺伝子を組み入れ、染色体と結びつきやすい別のタンパク質を体内で合成できるように改良した。合成したタンパク質はREPタンパク室の先回りをしてウイルスに結合し増殖を防ぐ。
植物を枯らしてしまうジェミニウイルスの一種を遺伝子を組み換えたシロイロナズナに感染させて、普通のシロイヌナズナと比較した。
新技術はビートなど豚の飼料となる植物や、ジャガイモ・キュウリにも応用できる20078/14産業

■掃除に
ジャガイモの皮を厚くむき、身のほうで、カガミ・ステンレスを磨く。


#シャクナゲ 石楠花 (しゃくなげ)
   ツツジ科
→高野山の金剛三昧院



#シャグマアミガサタケ Gyromitra esculenta
=マツ林の砂地。

中毒症状:
食後、6~24時間、吐き気・嘔吐・下痢。
肝・腎障害や痙攣・麻痺。
2~4日後に死亡することもある。

◎有毒成分:[ジロミトリン]
①加水分解によってモノメチルヒドラジン(MMH)を生成する。
②MMHは、マウスに対しLD501.24mg/kgの毒性を有し、肝・腎・腸・膀胱に障害を与え、胃ガンを発生させる。
③沸点は87.5℃で、調理人が加熱中に蒸気を吸って中毒した例が知られている。
④MMHは、ロケット燃料として大量生産され、ロケット基地の作業員の間でしばしば中毒症状を発生させることがあったが、中毒症状はシャグマアミガサタケ中毒と全く一致した。
⑤MMH中毒の発現は特徴的で、サルの実験では、5mg/kg/day3日間では中毒の発生が認められなかったのに対し、7~10mg/kg/dayでは3日間の投与で確実に吐・ケイレンを生じ、4日目に死亡した。
(講談社「天然の毒」p44)






シャクヤク⇒「芍薬」
(参照→セイヨウシャクヤク)
=キンポウゲ科。
⇒根を採集し、乾燥し(赤芍)、
またはコルク皮を削った後に熱湯に5分前後浸けてから乾燥(白芍・真芍)

◎芍薬をそのままor酢に浸けてから乾燥させ色づくまで炒ってから、作末して飲むと、
①鎮静作用
②血液循環を良くする
③利尿作用がある。

◎芍薬を煎服すると:
①収斂作用
②緩和作用
③鎮痛鎮痙作用
④浄血作用
⑤利尿作用がある。

【効能・効果】(しゃくやく)
○胃痙攣:・根を6~18g/日煎服する。

○花弁を陰干しし作末に、おろし生姜・砂糖を加えて飲む。

○筋肉のケイレン:
・根を6~18g/日煎服する。
・「芍薬5g、甘草3g」煎服する。

○月経痛:・根を6~18g/日煎服する。

○下痢:
・根を6~18g/日煎服する。
・「芍薬5g、甘草3g」煎服する。

○こしけ:
・根を(醋炒)orそのまま作末し、酒で飲む(著効)。

○神経痛:・根を6~18g/日煎服する。

○頭痛:・根を6~18g/日煎服する。

○腸カタル:・根を6~18g/日煎服する。
○糖尿病:
・「芍薬5g、甘草3g」煎服する。

○腹痛:
・根を6~18g/日煎服する。
・「芍薬5g、甘草3g」煎服する。

○婦人病一般:
・根を(醋炒)orそのまま作末し、酒で飲む(著効)。

○めまい:・根を6~18g/日煎服する。

○腰痛:
・根を(醋炒)orそのまま作末し、酒で飲む(著効)。
・根を6~18g/日煎服する。

○リウマチ:・根を6~18g/日煎服する。

○肋膜炎:・「芍薬5g、甘草3g」煎服する。

■抗菌作用
「シャクヤクの抗菌作用を衣服に生かします。三重県内の産学官で組織する抗菌消臭素材開発研究会は2006年2/7、シャクヤクの花びらや葉から抗菌物質を抽出して、繊維に付着させる技術を開発。
その効果は茶カテキンより強力。
鈴鹿高専生物応用化学科の生貝初教授が、シャクヤクの花びらと葉に含まれるペンタガロウィルグルコースとテトラガロウィルグルコースに抗菌作用があることを確認。抽出技術を特許申請した。」




シャコ
■しゃこめし
「シャコの特産地は瀬戸内地方。JR相生駅の「瀬戸のしゃこめし」。
入っているご飯は、赤穂地方でオッペシと呼ばれる五目ご飯で、それに錦糸卵がしかれ、その上に殻をむいた蒸しシャコが4匹。」
シャコの旬は初夏。




ジャスパー JASPER
=「碧玉ヘキギョク」
⇒不純な石英で、酸化鉄などが混じる為、赤色、緑色、褐色、黄色などがある。
縄文時代の中期、日本海沿岸に「越こし」と呼ばれる古代国家が栄えていた。越中・越前・越後はその越が分かれたものである。越は玉の採取、加工を特色にしたユニークな国家であった。     
新潟県糸魚川市小滝
新潟県西頸城群青海町

◎勾玉:島根県玉造の花仙山のものを古代から使っている。
◎強くて堅い安定した石。

◎(D・L・メラ)
<1>消化器官の治癒:
「有名なギリシャの医師ガレンは、エジプト王のネチェプソスに竜の形に彫った緑色のジャスパーを胃の付近に下げさせた」(ウイリアム・ファーニー著「宝石の秘密の治癒力」)
<2>泌尿器系の症状に。
<3>ストレスを和らげる。
<4>ダイエットをサポートする。

◎種類:
<1>[赤いジャスパー]
イ)聖書によく出てくる
ロ)地下水の探査に使われた。
ハ)体の新陳代謝を調節し、
ニ)スタミナを増す
★応用:体力の不足。
   外部のストレスから守る。

<2>[緑のジャスパー]
イ)あなたが人から脅されるのを防ぐ。
★応用:極度の情緒的ストレス。
   積極的な心の姿勢を促す。

<3>[ブラウンジャスパー]
イ)基本的な安全石
★応用:落ち着きの不足。
   情緒を安定させる。

<4>[ローズジャスパー]
イ)鎮静効果がある、情緒面での安全石。
   



ジャスミン jasmine
【学名】Jasminum officinale var.grandiforum
【英名】コモンホワイトジャスミン(Common white jasmin)
【和名】ソケイ、ルリマツリ
【分類】モクセイ科、常緑性低木
【原産地】インド、ヒマラヤ、カシミール

◎「精油の王」と言われます。バラ=「精油の女王」
◎精油は濃い色をし、粘稠性があり、重くてほとんど動物的な質の非常に長続きする芳香を持っています。バラと同様、とても高価。

◎ジャスミンの花は摘んでから数日間、精油を発散し続けますので、花をオリーブ油に浸した木綿布の上におき、油がすっかり抽出されるまで放置します。そのあとで、このオリーブ油はスピリットで抽出され、あとに本当のジャスミンのエッセンスが残ります。

◎精油をとるのに、2種類のジャスミンが用いられます。
[jasminum officiale]と[jasminum grandiflorum]

◎精油の成分:アントラニル酸メチル
     インドール
     ベンジルアルコール
     酢酸ベンジル
     リナロール
     酢酸リナリル

【効能・効果】(ジャスミン)
・子宮強壮作用:月経痛、ケイレン
・出産に----はじめの段階で、ジャスミン油を腹部と下背部にマッサージオイルとして使うと、苦痛を軽減し、収縮を強めて出産後の胎盤の排出に役立つ。
・産後のうつ症状
・前立腺肥大
・インポテンツ
・冷感症
・固く萎縮した手足のマッサージに良い。
・無気力
・自信を失った人に
・カタル性せき
・失声

■植物成長剤
「2003年9/16日本ゼオンは、香料のジャスミンに含まれる化合物を元に、リンゴなどの植物の生育を促す成長剤を開発。この成長剤を投与すれば果実や穀類の成長を促すだけでなく、低温への抵抗力も高くなる。
 ジャスミンから取り出した「ジャスモン酸」の分子構造を一部変え「プロヒドロジャスモン」という物質を合成した。」



#ジャーティパラ Jātiphala (ニクズク)

種子は(ナツメグ)
=ニクズクは、約12mになる常緑樹。葉は黄色を帯びた5~12cmの槍針形、葉腋に散形花序となる花は、6mmぐらいの大きさで、やがて球形(少し瓜形)の赤または黄色の果実をつける。卵形の種子を覆っている果皮はやがてタテに避けて種子が飛び出す。その種子の表面は深紅色の衣で覆われたような仮種皮(メース)で覆われている。種子はナツメグとして知られている。
 この樹木はモルッカ諸島に野生していたが、今日では南国で広く栽培されている。
【学名】Myristica fragrans Houtt.  (ニクズク)
【科名】Myristicaseae (ニクズク科)
【英名】Nutmeg
◎成分:
精油(5~15%
ミリスチン酸(60%)を含む脂肪(25~40%)
オレイン酸
パルミチン酸
ラウリン酸
リオレン酸
トリテルペノール
ボルネオール
テルペンS

◎作用
・消化促進作用・・・便婦の方向へ作用するが、食物を下へ動かす作用があるので下痢を止め胃の膨満を防ぐ。

◎適応
・声を良くする
・強い口臭
・咽喉疾患
・尿の異常を呈する疾患
・発熱
・嘔吐
・咳・喘息
・心疾患
・腹痛
・子宮疾患
・催淫剤「精液の貯留を増加するので催淫剤と考えられている」
・不眠症「麻酔作用があり睡眠を誘発する」

◎西洋医学で
駆風剤・・・腸内ガスの減少
芳香剤
刺激剤





ジャノヒゲ
=「小葉麦門冬」
⇒根を掘り出し、根の肥大部を集め、水洗して乾燥する。これを半日ほど水に浸け、柔らかくなったところで、中心部の芯を抜き、天日乾燥する。
類似のヤブラン(大葉麦門冬)も同様に使う。

◎根の肥大部を煎服すれば、
緩和作用
滋養作用
強壮作用
鎮咳作用
去痰作用
解熱作用
利尿作用
催乳作用

【別名】リュウノヒゲ

【効能・効果】(ジャノヒゲ)
○嘔吐:・根の肥大部を20~30g/日煎服する。

○かぜ:・根の肥大部を20~30g/日煎服する。

○気管支カタル:
・根の肥大部を20~30g/日煎服する。

○口渇:・根の肥大部を20~30g/日煎服する。

○声がれ:・根の肥大部を20~30g/日煎服する。

○暑気あたり:・果実1~2粒をつぶし、蜜を加えて煎服する。

○心臓病:・根の肥大部を20~30g/日煎服する。

○喘息:・根の肥大部を20~30g/日煎服する。

○吐血:
・果実1~2粒をつぶし、蜜を加えて煎服する。

○肺結核:・根の肥大部を20~30g/日煎服する。

○百日咳:
・根の肥大部を20~30g/日煎服する。

○やけど:・煎汁で湿布する。

○リウマチ:・根の肥大部を20~30g/日煎服する。



ジャバラ
=和歌山県北山村の特産。酸味が強く、果汁がタップリ。
■花粉症
「北山村は、インターネットで花粉症に悩む人を募集し、約1500人にジャバラの果汁を飲んでもらうモニター試験を行った。その結果、半数近くで鼻炎などの症状が軽くなった。という。
和歌山県工業技術センターの研究報告によると、ジャバラはアレルギー症状を引き起こす物質が体内で放出されるのを抑える作用が、他の柑橘類より強いという。」



ジャマイカドッグウッド
【学名】Piscidia erythrina
【英名】Jamaican dogwood、fishpoison tree、fish fuddle
◎樹皮。
【成分】アルカロイド
    配糖体:ビスチジン
          ジャマイカシン
          イクチオン
    フラボノイド
    植物酸
    サポニン1種
    タンニン

【効能・効果】
不眠症
神経痛
歯痛
子宮痙攣性月経困難症

【参考】
南アメリカでは、葉と若い枝を粉末にし魚毒として使用。



ジュニパー juniper
【学名】Juniperus communis
◎ヒノキ科の低木で、針のような葉をし、最初は青い色、2年後黒い色に変わる液果を実らせる。
◎精油:液果から水蒸気蒸留で抽出。
◎精油の成分:

α-ピネン
カジネン
カンフェン
テルピネオール
ボルネオール
ジュニパー樟脳

【効能・効果】(ジュニパー精油)
鎮静・鎮痙作用がある。

〇強壮作用

〇浄化作用

〇殺菌消毒作用

〇解毒作用

〇利尿作用

*膀胱炎
*腎盂炎
*尿路結石
*尿閉:ただし、大量に用いると、逆に尿閉を引き起こす。
*無月経
*少量月経
*白帯下
*痔病後の回復期の強壮剤
*毒素の排出を手助けする:

(体と心から老廃物を押し出す)
*疲れ切った時
(沐浴。ニオイが気になる人はベルガモットを少し入れると良い)
*危急の場合:(ジュニパー油を1~2滴、両手に落として、それを両腕にサッとすり込む。orこの精油の香りを嗅ぐだけでも、非常に有効です)

・湿疹
・皮膚炎
・乾癬
・慢性外耳炎(イヌ・ネコ)
・疥癬(イヌ)

【参考】ジンという酒はフランス語名ジュネブリエからきたものです。





 シュラッビイバジル shrubby basil
(参照→「高山病」「オイゲノール」)



#シュロ(棕櫚)
⇒棕櫚皮
○性は平、無毒。
<1>鼻血
<2>吐血
<3>腸風 
<4>赤白帯下
<5>崩中
⇒棕櫚葉:善く風を治す、症に随って方中に之を加えて可なり。《雑病翼方》



シュンギク=春菊
【学名】Chrysanthemum coronarium
【別名】キクナ(菊菜)、ムジンソウ、コウライギク
【分類】キク科、1~2年草
【原産地】ヨーロッパ南部
◎原産地とされる地中海沿岸では主に観賞用。春に花を咲かせることから春菊。

■新抗酸化物質を発見
「農水省食品総合研究所は、鍋物などの食材であるシュンギクから抗酸化物質を発見した。酸化を抑える働きは従来の抗酸化物質と同等だが、これまで知られている同じキク科の抗酸化物質とは構造が違うことから、新しい機能が期待される。
抗酸化物質は老化やガンを引き起こすとされる活性酸素の発生を抑える働きがある。発見した物質は『イソクロロゲン酸』と呼ばれる物質の仲間に属する。この仲間ではキク科の『牛蒡ゴボウ』に含まれていることが確認されていたが、新物質はコハク酸という部分がゴボウとは違う位置に結合しているのが特徴。
新物質はシュンギク(23mg/100g)含まれる。
抗酸化活性は、食品添加物に使う酸化防止剤の(1/10)程度だった。シュンギクを鍋でゆでたときの抗酸化活性の変化や、食べた時の胃酸の影響などが今後の研究課題という。1997.527《日経産業新聞》」





#ジュンサイ
=【絲蓴】 【蓴】
スイレン科の植物。
【効能・効果】(じゅんさい)
○下焦に良い~汁にして食べる。
○大小腸の虚気を補う。
「汁か漬け物にして食べる。」
○消渇を治す。
○瘟病に良い。




シュンティー Śunthī ()
【学名】Zingiber officinale Roscoe 
【科名】Zingiberaceae ショウガ科
【英名】Ginger
【独名】Ingwer
【中国名】Chiang,Kan-chiang,Cheng-Kiang(Mand),Sang-Keung(Cant.)

◎適応
・駆風作用(鼓腸や腹痛に)
・強心剤
・消化促進剤
・便通をよくする(乾燥ショウガが著効)
・慢性関節炎
・食欲不振

ジンゲロールは加熱で出てくる



#ジェオード GEODES
(参照→アメジスト)
=「晶洞」
“雷の卵”と呼ばれるボール型の石で、中に水晶やトパーズ、アメジストなどの結晶がつまっています。
・メキシコ、アメリカ南西部で豊富に採れる。
・アメジストのジェオードが最も高価。
◎諸元素の神“雷”が創造した聖なる産物と想われていた

◎(D・L・メラ)
「独立心を強めたい人の支えになる。
「独自の考えと精神の自由を刺激することにより、友達のような手助けをしてくれる石。」
「胸の近くにつけて、成功した世界をイメージ。」

◎机の上に置くのも良い。
◎応用:人への依頼心。


ジェード JADE
=「翡翠ヒスイ」
色:白、クリーム、黒、ピンク、緑色。(参照→ルビー)
半透明緻密で彫刻などに利用できる石を一般に「玉」というが、硬玉(ひすい輝石)はもっとも美しく、もっとも堅牢で、最高の玉とされている。
◎中国で最も高価な宝石とされた翡翠。東洋の仏像はジェードで彫られています。
中国では第二婦人にダイヤを与え、第一夫人には翡翠を与える習慣があった。
中国では現界と霊界を繋ぐ石とされ、心臓を生かすために死者の口元に翡翠をおく習慣があり、孔子は魂と心を統一する石と信じた。

強力な守護石:

魔術
憑依
不運
鬱病
夜間は平和な眠りを保障
盗賊の侵入を阻止

◎眼病に:
<1>瞼の上に直接当てる
<2>洗眼用の水に入れる

■(D・L・メラ)
「生命維持器官の治癒を促す」
「素早く正確な決断を促す石-----右手に握って商談」
◎恋愛を成功させる:
<1>蝶々の形に彫ったジェードを身に付ける
<2>相手の男性にこの石を贈る。
◎物事が自分にとってうまく運ぶように:
<1>ジェードの1片をいつも身につける。
<2>デスクの上にジェードで作ったオブジェを置く。
<3>長く成功するためにジェード製のスカラベを身に付ける。

◎応用:実行力の不足。

■リーディング(レノーラ・ヒュイット)
「翡翠は瞑想に良い宝石」手に握るのに格別に良い石。
「胸腺中枢に強い影響を及ぼす。各中枢はちょうど反響やさざ波のような形で影響を受ける。それは腺に不純なものを捨てさせるよいうな仕方で影響を及ぼす。磁石のように作用し、腺は翡翠の反響することで自ら不純物を排出する。」
「胸腺への作用は、低い腺中枢から高い振動のエネルギーの流れを誘って胸腺を通過させ、高位の腺中枢へ引き上げる。」
「サファイアは肉体上の胸腺に浸透力を持つが、翡翠はむしろ胸腺を浄化する性質を持つ。この2つの石を使うことで、エネルギーを他に中枢に浄化して流すことが出来る」
「治療石として使うには、特定の必要とされている患部に置く必要がある。」
「情緒的問題には、ラベンダー色の翡翠が良い。ラベンダー色は愛と美と安定性を放って、精神体に関係する障害の治癒に有効。左手の薬指に指環としてつけて、患者の頭頂部のチャクラにかざすのが一番効果的方法」
「赤い翡翠は、エネルギー化する波動を持つと同時に、人の怒りを招来する力もある。そのため情緒的問題は霍乱されるが、底から撹乱することでアクが浮かび上がり、対処すべき問題が明確になる」
「黄色の翡翠は太陽神経叢に作用する。それは胆汁を刺激し不消化や便秘に有効。方法は石を直接肌に付けずに、患部にかざす。」
「青い翡翠は、精神・想念・アイデア・想像力・瞑想など頭部に関わるずべてのことに作用する。臓器などには作用せず、頭や心中の触れがたいものにのみ作用する。首の周囲に付ける。」
■リーディング(遠藤昭則)
「翡翠は日本人に合う宝石。これは喉から頭部にかけての中枢を開く」
「今の神道は“透明なオーラ”を使っている。つまり、刃物を振り回してみぞぎしているようなもので、いわば空間を切っているのだ。しかし、翡翠は喉から頭部を通して空間に波動を放って浄化する。これが本来のみそぎである。」
「古代において翡翠は魔除けにも使われていた。この石によって作られた“ 勾玉”は古代人がその力を知っていたことを示している。」
「全般的に良い作用を及ぼす。さわやかな作用である」




ジェト JET
=「黒玉」。
貝殻と併用する習わしがある。
◎黒いアンバーとも呼ばれ、神秘的な守りの力で知られていた。
◎旅行の護衛用に。

■D・L・メラ
「身につけていると、人からの干渉をうけなくなる。」
「体と霊魂の直結に(ネックレス)。ただし、他の人に手渡してはいけません。自分一人の石にすること」
◎応用:感情的になりすぎた時。
深い落ち込みを防止出来る。

■(ジェット)
褐炭の変種で、松柏類の樹木が化石化したものと言われる。19世紀半ば、英国のビクトリア女王が夫アルバート公を亡くした際、黒のドレスに合わせて身につけたことから喪服用の装身具として定着した。
当時はほとんど手で磨いた。その後、ジェットの枯渇などから研磨技術もすたれ、以後100年、「幻の宝石」と呼ばれていた。



シェル  SHELLS
=「貝」
◎自分のイメージを改善
◎人生をとりまとめ、個人的な力と持続性を増す。
◎応用:バイタリティーの不足。
家事の能率を増す。




ショウガ Ginger,Zingiber officinale
(参照→「強直性脊椎炎」「シュンティー」)
=夏が旬の野菜。熱帯アジア原産の、ショウガ科の多年草。日本には弥生時代に稲作とともに渡来。学名のofficinaleは「薬用になる」の意味

「生姜」:根茎をそのまま、または外皮を剥いで乾燥。
「乾姜」:外皮を剥ぎ、石灰粉をまぶして乾燥。

【作用】
・芳香性健胃
・鎮作用
・鎮咳作用
・去痰作用
  

【効能・効果】・・・万病に効く
○胃拡張:
・生姜を炒って熱湯を注いで飲む。
・黒焼き末を茶湯で飲む。
○胃腸カタル:3~10g煎服。
・黒焼き末を茶湯で飲む。
○円形脱毛症:
・生汁を塗布or温湿布。
・生汁に酒を加え、うどん粉で練って塗布。
○カゼ:3~10g煎服or生汁を飲む。
○肩こり:
・生汁を塗布or温湿布。
・生汁に酒を加え、うどん粉で練って塗布。
○関節リウマチ:
・生汁を塗布or温湿布。
・生汁に酒を加え、うどん粉で練って塗布。
・浴用料
○気管支炎:
・3~10g煎服。
・生汁を塗布or温湿布。
・生汁に酒を加え、うどん粉で練って塗布。
○車酔い:生汁を飲む。
○下痢:
・黒焼き末を茶湯で飲む。
○声がれ:「生汁大根汁」飲む。
○五十肩:
・生汁を塗布or温湿布。
・生汁に酒を加え、うどん粉で練って塗布。
・浴用料
○シャックリ:
・3~10g煎服or生汁を飲む。。
○食中毒:生汁を飲む。
○シモヤケ:
・生汁を塗布or温湿布。
・生汁に酒を加え、うどん粉で練って塗布。
・浴用料
「山椒」煎汁を外用。
○神経痛:浴用料。
○せき・痰:
・黒焼き末を茶湯で飲む。
○涙のキレが悪い:生姜を炒って熱湯を注いで飲む。
○冷え症:3~10g煎服。
○フケ:
・生汁を塗布or温湿布。
・生汁に酒を加え、うどん粉で練って塗布。
○腹痛:3~10g煎服。
○吐き気:3~10g煎服。
○扁桃炎:
・生汁を塗布or温湿布。
・生汁に酒を加え、うどん粉で練って塗布。
○腰痛:
・生汁を塗布or温湿布。
・生汁に酒を加え、うどん粉で練って塗布。
○わきが:
・生汁を塗布or温湿布。
・生汁に酒を加え、うどん粉で練って塗布。

【湿布】ひねしょうが150、お湯2㍑
関節痛・腹水・むくみ・喘息・膀胱炎・肺炎・せき・アトピー・痛みに

【黒焼き】=血便。

◎天然のアスピリン
「1980年からさかんに行われた関節炎に対するショウガの効果の研究の結果 、ショウガの根茎部分のエキスには、リポシキナーゼ(ロイコトリエンの形成に関する酵素)の生産を低下させることがわかりました。関節炎の痛みはプロスタグランジンとロイコトリエンという物質が体内で作られることから起こりますが、デンマークのワイドナー博士は、ショウガの鎮痛効果 に着目。ショウガの辛み成分であるジンジャロールが、悪い酵素の働きを抑えることによって、急激な痛みの原因である“プロスタグランジン”の生成を抑え、関節炎から来る痛みと炎症を抑制するとともに、慢性的な痛みを伴う物質“ロイコトリエン”の合成を抑え、慢性的な痛みを断ち切る作用があると報告しています。特にジンジャーロールは、この慢性的な痛みに秀れた力を発揮します。
ジナキシンはリュウマチ、関節炎や腰の痛みを和らげるショウガエキスのカプセルです。 ジナキシンはデンマーク Eurovita International A/S社製のショウガエキスです。
  

【ハーブ】
1.ショウガはタンパク質を化学的に分解する能力を持つ特殊なタンパク質分解酵素(proteolytic enzyme)であるジンギバイン(zingibain)を含有しています。
2.タンパク分解酵素には抗炎症作用があります。
3.タンパク分解酵素にはジンギバインの他に数種が含まれ、自己免疫病を制御する能力があります。
4.生ショウガ(ginger)中に2%含まれるジンギバインがパイナップル中のブロメライン(bromelain)あるいはパパイヤ中のパパイン(papain)と同様に強力な酵素です。しかもショウガのタンパク分解酵素はパパイヤより約180倍も多く含んでいます。
5.抗炎症作用があります。インド及びスカンジナビアの研究ではショウガ<及び近縁のターメリック(tuemeric)>の仲間は関節炎の治療に有用であることを示しています。
6.ショウガは12種類以上の抗酸化物を含有、炎症の原因の1つになるフリーラジカルを中和します。
7.ショウガは非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs,nonsteroidal anti-inflammatory drugs)であり、、強直性脊椎炎に対して有効なだけでなく、アスピリンや他のNSAIDsのように胃に負担を与えません。
8.インドの研究者たちは骨関節炎患者18人と慢性関節リウマチ患者28人に1日当たり3~7gのショウガをあたえました。75%の患者に疼痛及び腫脹の軽減が認められました。しかも2年以上投与し続けても副作用がありません。

◎水虫
・1カップの熱湯にショウガ切片28g(1オンス)を入れ、20分間弱火で煎じ、その液で湿布する。




ジョウザンアジサイ
【成分】
フェブリフジン(有毒アルカロイド)
イソフェブリフジン(有毒アルカロイド)
○「常山」の基原植物の1つ。


ショウジョウバエ
■重複遺伝子
牧野能士・東北大学助教は、ゲノムが分かっている11種類のショウジョウバエを使い、ゲノム全体の中で重複している遺伝子を調べた。重複遺伝子の割合が多いほど熱帯から乾燥帯までいろいろな環境に適応する能力が高かった。



ショウブ
【学名】Acorus calamus ver.angustatus
【英名】Aweet flag、sweet sedge、sweet grass、sweet rush、myrtleflag
【別名】ハクショウ(白菖)
【分類】サトイモ科、多年草
【原産地】日本
【特徴】湿地などに生えて、地下には太くて節のある白い根茎が横に這い、葉は50~80cmに伸び、先が鋭く尖り、下部は重なっています。
【利用部位】根茎。

◎《出エジプト記》に記載されている。13世紀にタタール人によってヨーロッパにもたらされた。昔から治療用ハーブとして有名。

【成分】
<1>精油(3.5%以下)
・アサロン:アサロンを含むので、アメリカ食品医薬品局では治療薬としての使用を禁止している。
・シスメチルイソオイゲノール
・カラメン
・リナロール
・オイゲノール
・アズレン
・ピネン
・シネオール
・カンファー
<2>セスキテルペン
<3>アコロン
<4>タンニン
<5>樹脂
<6>粘液

【効能・効果】
○胃腸の働きを助け、唾液や胃液の分泌を促す。(芳香性健胃):
◎根茎を3~5g/日煎服する。
<1>消化不良を治す。
<2>酸を中和する。胸焼けを治す。
<3>胃腸内にガスが溜まるのを防ぎ、腸を休ませる。
<4>粘膜のカタル状態を鎮める。
<5>聴力障害
<6>めまい
<7>テンカン
○心臓病:
「菖蒲根石斛甘草」煎服。
○疝気:葉を煎服する。
○腫れ物:
・根茎を作末し塗布する。
・葉を煎服する。
○腹痛:
・根茎を薄く切って火で炙り作末し酒で飲む。
○便秘:
・根茎を薄く切って火で炙り作末し酒で飲む。
  

【注意】
・新しい根茎では、悪心・吐を起こしやすいので、、1年以上経た古いものを用いる。
・多量に服用すると、消化管を刺激しすぎる。


ジョチュウギク(除虫菊)
○野生種は、バルカン半島のクロアチアかセルビアが原産。
昆虫に対してだけ毒性を持ち。人間には無害。


醤油(しょうゆ)
○湯浅町が醤油発祥の地
1841年創業の「角長」
フランスで人気
=アスペルギルス・オリザエというカビを利用している。

■ひしお
「日本の醤油発祥の地との伝承が残るのが紀州・湯浅(和歌山県湯浅町)。鎌倉時代の13世紀に、中国から伝わったなめみそ、径山寺(キンザンジ)味噌の桶底に溜まった液から、溜醤油(たまりじょうゆ)が誕生したという。
また、古代から存在した調味料「穀醤(コクヒシオ)」が、醤油の母胎になったとも言われる。
「なめみその一種「ひしお」を江戸時代以来、銚子で作られている。原料は醤油と同じ大豆・麦・塩。蒸した大豆と大麦に種麹をまぶし、室(ムロ)で2晩寝かせて麹を作る。
この間重要なのが2回行う「さまし」。麹カビの繁殖で熱を持つ原料をかき混ぜて、冷やす作業だ。
「温度を上げすぎると糸引き納豆になっちゃう。夜も2時間ごとに起きて、室の室温を確かめる。子育てもたいに手間がかかります」
 ぷわっっ。出来上がった麹を容器にそぎ落とし、煙幕のように黄色い麹の粉が舞い上がった。良質の麹に育った証拠という。後は、麹を塩水とともに桶に寝かせて約1年、湿潤な風土が醸す時を待つ。さらに、仕上げに水飴や刻みナスを加え、銚子土産の完成だ。1998.11.22《読売新聞》

■白醤油
「日本人の食に欠かせない「しょうゆ」の消費量が減少傾向にあるなかで、「白醤油」の人気がジワリと高まっている。もとは愛知県三河西部地域の特産品。色が薄くて甘味があり、クセともいえる風味があるのが特徴だ。他の地域でも、「素材の色も食す」という日本料理で、プロが茶碗蒸しや煮物んどに使ってきた。
白醤油は、愛知県碧南市が発祥の地。その周辺地域では一般の家庭でも親しまれている。なぜ、この地で生まれたかについての定説はないが、味噌の上澄みがヒントになったという説がある。幕末の黒船来航の折に、もてなしに使われたほか、第二次大戦後には、宮内庁御用達にもなった。
「白」とはいうものの、色は淡い琥珀色というのがピッタリする。他の醤油のなかでは最も色が薄い。「淡口(うすくち)醤油」と比べても、薄さは際立つ。少量を手にとって舐めてみると、味噌に近いような感覚も。ほのかな甘味もある。
江戸時代に白醤油を造り始め、今年で創業200年になるという老舗の「ヤマシン」(愛知県石碧南市)を訪ねた。まず、原材料が違う。大豆が主体の他の醤油と違って、90%以上が甘味や風味のもとになる小麦。少量の大豆も加えている。これを麹にして、木の桶に仕込む。桶の上部には石を乗せて空気との清上防風湯食を抑えることで、発行の度合いを少なくしている。うまみを強くしようとすると、色も濃くなってしまうため、この兼ね合いが難しい。
一般の醤油は仕込み期間が8ヶ月程度だが、「発酵を抑える白醤油の場合は、長くて4ヶ月、短い場合で2ヶ月」とヤマシンの岡島淳一社長。」2002.5.11《日本経済新聞》

■奥能登の魚醤油
「奥能登と呼ばれる石川県の能登半島にはイカの肝を熟成させた魚醤油『いしり』を用いる食文化が息づいている。この地でいしりは焼き物や鍋料理。漬物など郷土料理に欠かせない液体調味料だ。しょっつるで知られる秋田県と並び魚醤油の2大産地。
石川県能登町の料理民宿「さんなみ」を経営する船下智宏さんは、宿から来るまで15分ほど離れた所で自家製のいしりを造っている。小屋の戸を開けると冷えた空気の中に、イカの薫製と似た香りがよどみ、プラスチック製のタンクが並んでいた。
「イカの肝に大量の塩を加えたものを毎年7~8トン仕込んでいる。私はこれを2年熟成して発酵させ、一度だけ絞って自家製のしいりにしている。いしりになるのは原料の20%ぐらいだろうと思う」と船下さんは話す。
絞ったしいりは一度火を通して殺菌し、熟成を止める。大豆から造った通常の醤油に比べ黒っぽく、小皿などにとると、磯の香りと濃厚な風味が漂う。イカの肝に由来する生臭さはほとんど無く、口に含むと塩辛さとともに、熟成されたうまさが広がった。
いしりは能登半島の多くの伝統料理に使われる。刺身にも相性がいい。同じ能登半島でも輪島市の近辺ではイカではなくイワシを魚醤油の原材料にしている。いしりとは違った風味になり、『よしる』とか『よしり』と呼ばれている。2種類は混同されることが多いが、地元では区別して使っている。2003.1.18《日本経済新聞》




ジョロウグモ
⇒分布は日本及び樺太。 
◎ジョロウグモの毒は、[グルタミン酸受容体のブロッカー]である。
毒=「ジョロウ・スパイダー・トキシン」と川合氏が命名。
略して「JSTX」と命名。
分子量600~700のポリアミン構造を含む化合物で、シナプス後膜にあるグルタミン酸受容体を阻害する。
「イセエビやザリガニなどの甲殻類の神経筋シナプスは、昔から実験材料として用いられていた。このシナプスの伝達物質に関しては、
①抑制性神経の伝達物質はγーアミノ酪酸であることが、大塚正徳博士(東京医科歯科大学名誉教授)らの研究によってすでに確立されていた。一方、
②興奮性神経の伝達物質に関しては、竹内昭博士(順天堂大学名誉教授)らの長年の研究によって、グルタミン酸である証拠が積み重ねられていた。しかし、異論もあって、まだ確定されていなかった。その1つの理由は、グルタミン酸受容体に対する適当な阻害物質が見つかって居なかったことである。
伝達物質は、シナプス後膜にある受容体に結合して情報を伝達している。伝達物質には、多くの種類があり、それぞれ特定の種類の受容体に結合する。両者の関係はカギとカギ穴のようなもので、異なる組み合わせでは情報は全く伝わらない。ex.アセチルコリンをグルタミン酸受容体に与えても、何の変化も生じない。
一方、伝達物質が受容体に結合するのを阻害するブロッカーと呼ばれる物質がある。ブロッカーは、カギ穴である受容体をふさいで、情報の伝達を遮断してしまうのである。逆に、特定の受容体に結合するブロッカーがあれば、対応する伝達物質が、あるシナプスで使われているかどうか?を明確にすることが出来る。」

◎ドイツのマックス・プランク研究所のコナーズらは、グルタミン酸受容体を構成する部品であるサブユニットの種類によって、ジョロウグモ毒の阻害効果が変わることをあきらかにした。(川合述史著『一寸の虫にも十分の毒』p111~講談社)
    

#シラウオ
=青森(小河原湖)、茨城(霞ヶ浦)、島根(宍道湖)で多く獲れる。
かっては、東京湾や隅田川でもとれていた。
◎魚の「しらうお」と「しろうお」は同じものか。
「しらうお」と「しろうお」は全く別種の魚です。
「しらうお(白魚)」は、シラウオ科の魚で、サケの仲間。
一方、「しろうお(素魚)」は、ハゼ科の魚で博多名物の踊り食い(生きたままのものを酢や醤油につけて食べること)で有名な魚です。


#ジーラカ Jīraka  (果実はクミン)
=ほっそりしたなめらかな葉を持つ1年草本。
◎成分
クマルアルデヒド(2.5~4%)
テルペン
クミンアルコール
ピネン
脂肪油
ペントサン
【学名】Cuminum cyminum L.
【科名】Umbelliferae. セリ科
【英名】Cumin
【植物名】[Carum Carvi][Caraway]

◎作用:消化促進作用
刺激作用
駆風作用

◎適応
幻想腫瘍
下痢
スプルー症候群
慢性発熱
嘔吐
痔核



#シラカバ
■シラカバの樹液
「シラカバの樹液は、アイヌの人々の間で「タッニワッカ」と呼ばれた。早春の1ヶ月余しか採れず、若葉の出る頃には止まる。
シラカバは、フィンランドでは「マザーツリー(母の木)」と呼ばれ、樹液は「母の木の水」として珍重される。モスクワ郊外の森などでも市民が楽しんでいるという。韓国には、1000年以上も前から樹液を神に捧げ、五穀豊穣を祈って飲む習慣がある。
 日本では長らく途絶えていた。復活させたのは、北海道大学農学部。20年前から、樹木が吸い上げる水分に関心を持ち、様々な樹木を調べるうち、シラカバの幹から驚くほど樹液があふれるの見つけた。文献を調べ、アイヌを初め、朝鮮半島やロシア・フィンランドなどユーラシア大陸北部で広く樹液を飲む習慣があることを知った。その後、北海道でカエデからメープルシロップを採ろうと試みていた柳生桂樹さん(47)と出会い、シラカバの利用を 薦めた。
 柳生さんらは、故郷の美深町で商品化に成功、1987年から売り出し森の雫」は、昨年は25万本も売れた。1996.5.1《朝日新聞》」



#シラサギ(白鷺)
【効能・効果】
○五臓の熱を解く。



シラミ(虱)
【効能・効果】
○トゲが刺さって出てこないとき。
「頭の黒い虱と人間の歯を研いで塗るとすぐ出てくる。」



シラン
=「白」
【効能・効果】
○あかぎれ:
・鱗茎を作末しゴマ油or水で練って塗布する。
○胃潰瘍:
・鱗茎10g/日煎服。or作末し3g/日飲む。
○打ち身:
・鱗茎を作末しゴマ油or水で練って塗布する。
○喀血:
・鱗茎10g/日煎服。or作末し3g/日飲む。
○下痢:
・鱗茎10g/日煎服。or作末し3g/日飲む。
○凍傷:
・鱗茎を作末しゴマ油or水で練って塗布する。
○吐血:
・鱗茎10g/日煎服。or作末し3g/日飲む。
○にきび:
・鱗茎を作末しゴマ油or水で練って塗布する。
○肺結核:
・鱗茎10g/日煎服。or作末し3g/日飲む。
○鼻血:
・鱗茎10g/日煎服。or作末し3g/日飲む。
○腫れ物:
・鱗茎10g/日煎服。or作末し3g/日飲む。
○ひび:
・鱗茎を作末しゴマ油or水で練って塗布する。
○慢性腎炎:
・鱗茎10g/日煎服。or作末し3g/日飲む。
○やけど:
・鱗茎を作末しゴマ油or水で練って塗布する。




ジルコン ZIRCON
⇒花崗岩の中に普通にみられる、比較的稀れな性質をもった宝石。
◎ウラニウムを含んでいるため、岩石の年代測定に使われています。
◎屈折率が高く、無色~淡色のものは昔、ダイヤモンドのイミテーションに用いられた。
・ジルコン:複屈折性
・ダイヤモンド:単屈折性

◎近年、ジルコニウムとイットリウムから合成された、キュービック・ジルコニアCubic Zirconiaが単屈折性なので、だまされた業者も出た。
◎ジルコンは紫外線下で黄色の蛍光を発する。
◎水晶と同じく、オーラウンドな治療石(D・L・メラ)
◎ダイヤモンドのもつエネルギー吸収の働きと、
水晶の持つエネルギー発散の力の両方を持っています。
吸収し、保ち、表現する石。

◎ヒーリング(ドロシー・メラ)
<1>常に心を体のバランスに関係しています。あなたが感情を取り乱しているときは、すばらしい安定剤となってくれます。
<2>外部からの怒りの攻撃から守ってくれます。
<3>脅された時には、ジルコンを身につけると良い。

◎ヒーリング(レノーラ・ヒュエット)
「人を平安にさせる静かな石。
霊魂に癒しをもたらす。
火の性質を持つ人々は、この石に関係することが出来ない
肺の中での呼吸を助けてくれる。光がそれを通して溢れるほど大きなものであれば、その光は肺の充血を治す。→肺気腫・ポリオ・結核。」
「大きめのジルコンは胴の上に置き、小さいジルコンはリングにする。」

◎種類:
<1>[黄色のジルコン](リグール)
・体の欲求を満たす
<2>[オレンジ色のジルコン](ジャシンス)
・“天からの守り石”
・旅人の安全を守るとともに、その人が行く先々で丁寧に迎えられるように助けてくれる。
・心に傷を負っている人には、苦しみを和らげ傷を癒す。
<3>[茶色と赤色のジルコン](ヒヤシンス)

◎治療効果
<1>感情を和げる
<2>眠りを誘う
<3>食欲を回復させる
<4>鬱病を治す

◎応用:消極性
イライラ。
消極的な性格を積極的な姿勢に振り向ける。


シロアリ
=昆虫綱ゴキブリ目シロアリ科 ・・・ゴキブリの仲間
「アリ」は昆虫綱・ハチ目・スズメバチ上科・アリ科・・・ハチの仲間

シロアリだけを食べる「アードウルフ」(ハイエナの一種)
シュウカクシロアリ(毒を持つシロアリ)を食べる
に、シュウカクシロアリを好む。シュウカクシロアリは毒があるため、他の動物は食べないが、アードウルフの唾液には、毒を中和する成分が含まれているので、平気で食べることができる。その結果、シュウカクシロアリを独占。一日30万匹ものシロアリを食べることができるのであ~る。
オオミミギツネ

◎シロアリ:
<1>青森ヒバのヒバ油成分に防虫効果。キセイテック(和歌山県橋本市)が開発している。
<2>天然物質から防除剤:(武田薬品)「ファーストガードMP」
「水和性の土壌処理剤で、希釈した薬剤を床下に散布して使用する。ヤシ油からとれるカプリン酸など天然物質のみを有効成分とした」
<3>地中の巣から根絶
「東急不動産の子会社で住宅リフォームを手がける東急アメニックス(東京・渋谷)は、シロアリ防除の新サービスを開始した。柱など家屋のシロアリが住み着いたところの薬剤を散布するのではなく、家屋の周りの敷地内にシロアリを殺す薬剤を埋め込み、巣から根絶する。
プラスチックの容器にエサとなる木を入れ、地面に埋め込む。木が食べられてシロアリがいることが分かると、エサのような形状にした薬剤を入れておく。シロアリはエサを巣に持ち帰る習性があるので、巣ごと駆除する。30万円が目安。」2002.11.5《日経産業新聞》
<4>住友林業
「薬剤を散布しない工法を新築住宅向けに導入。ダウ・ケミカル日本の「セントリコン・システム」を導入する。脱皮を阻害する薬剤を混ぜたエサを使い、シロアリに食べさせることで駆除する」

■木材分解酵素を持つ
「シロアリは形もアリに似て、また社会性昆虫ということでアリと近縁の昆虫と思われがちである。だが、系統的にはゴキブリやカマキリと近い昆虫である。
シロアリが木材を食べるのは有名で、昆虫関係の教科書や百科事典をみると、たいてい以下のような記述がみられる。「シロアリが栄養源として木材を食べられるのは、牛や羊と同様に、腸内に多数の微細な原生動物が生息し、それら微生物が木の主成分であるセルロースを分解するからである」。
この考え方は、ずっと当たり前のように信じられてきた。一方で、セルロース分解酵素のセルラーゼをシロアリ自身が持っているのではないかという疑問はかなり以前からあった。例えば、分類上高等なシロアリ類では、腸内に原生動物は見あたらず、其の代わりにバクテリアが住んでいる。このバクテリアは シロアリがセルロースが消化するのに十分な酵素を持っていない。また、下等なシロアリにおいても、腸内に原生動物がいないはずの有翅虫の幼虫からも酵素活性が見つかっている。
蚕糸・昆虫農業技術研究所の渡辺祐文氏は、わが国の代表的なシロアリであるヤマトシロアリからセルラーゼの精製に成功した。この分解酵素の抗体をつくり、免疫組織学的にシロアリの体を染色すると、抗体に反応したのは、中腸ではなく唾液腺だけだった。唾液腺には大量の酵素が生産されていることが確認された。
そして、渡辺氏のグループは決定的な証拠として、ヤマトシロアリからセルラーゼ遺伝子を単離した。シロアリ類からこの酵素遺伝子が単離されたのは、世界でも初めてで、この詳細は英科学誌ネイチャーの7/23日号に掲載された。
セルラーゼの遺伝子はシロアリの染色体セット(ゲノム)の上に存在し、予想通りシロアリの唾液腺で発現していた。また、遺伝子の構造もこれまで土壌菌類などの微生物でで知られているものとは明らかに異なっていた。シロアリのセルラーゼ遺伝子は、酵素の活性に関与する最小限の部分しか持たないコンパクトな構造をしているという顕著な特徴があった。
わが国では沖縄県石垣島・西表島だけに生息する高等なシロアリ[タカサゴシロアリ]でも、セルラーゼがシロアリのゲノム上にあるという証拠が固められつつある。このシロアリでは酵素遺伝子が発現する器官は、ヤマトシロアリが唾液腺であるのとは異なり、中腸であった。
2つのシロアリからのセルラーゼのアミノ酸配列は約80%と非常に高い類似性を持っていた。まらシロアリに系統的に近く、さらに下等なゴキブリでもこの分解酵素が単離され、そのアミノ酸配列はシロアリのものと非常に似ていた。
昆虫でセルラーゼ遺伝子を持つのはシロアリなど食材性の昆虫だけなのだろうか?。また、外の動物は本当にこの酵素をもたないのだろうか?新たな興味とナゾが生まれつつある。(竹田敏・蚕糸昆虫農業技術研究所企画部長)1998.11.22《日本経済新聞》

■シロアリはナフタレンを放出する。
■従来の常識覆す------セルロース分解酵素----
「農水省の蚕糸・昆虫農業技術研究所は生物系特定産業技術研究推進機構などとの共同で、シロアリが木の繊維質成分「セルロース」を分解する酵素を持っていることを発見した。
セルロースを分解できる動物はいないというのがこれまでの常識とされたおり、シロアリも消化管に住む細菌の作用でセルロースを分解していると考えられてきた。動物の消化能力についての常識に見直しを迫る研究成果だと言う。
研究グループはたくさんのシロアリを集めて体内の酵素を精製し、この中にセルロースを分解する『エンドグルカナーゼ』と呼ぶ酵素が含まれることを見つけた。さらにシロアリの遺伝子を詳しく調べたところ、この酵素を作る遺伝子があった。シロアリ自らセルロース分解酵素を生産し、消化管内に分泌していると考えられるという。
この酵素は細菌が持つ同種の酵素と似ており、高いセルロース分解活性が確認出来た。セルロースは食物繊維に主要成分だが、これまで動物はセルロース分解酵素を持たないと考えられてきた。研究グループは「微生物だけがセルロースを分解できるとするこれまでの説は修正が必要」と指摘している。1998.8.20《日経産業新聞》

■物質循環
「陀安一郎・総合地球環境学研究所助手は、国内で数少ない、白シロアリの生態学者だ。シロアリというと、普通の人にとっては<家を食い荒らす害虫>だが、駆除法に詳しいわけではない。主に熱帯で、地球規模の物質循環の基礎的な部分を担う、あまり知られていない小さな虫の大きな役割を探究してきた。
タンパク質に欠かせない窒素は、空気中にたっぷりあっても普通の生物は吸収できません。でも木材を食べるシロアリは、消化管内に共生するバクテリアの助けで窒素を固定し、体を作る窒素の3~6割を空気から賄っていたという例があります。この窒素が周囲の動植物のエサや栄養になり、食物の連鎖を回らせるのです。
シロアリは、林床に落ちた葉や小枝を他の生物が利用できる物質に分解する働きも担う。このようなシロアリを中心にした「分解系」をテーマに、2月までパリのフランス開発研究所熱帯土壌生態学研究室に所属してアフリカなどの生態系を研究していた。3月に着任した地球研(京都市)では、がらりと変わって琵琶湖・淀川水系をフィールドに新しい研究に挑んでいる。
熱帯のシロアリと琵琶湖では全く違うようですが、窒素固定を突き止めた「安定同位体分析」によって水の中の物質の動きを探るので、共通するところがあります。
元素の同位体同士は、科学的な性質は同じだが、重さが少し異なる。光合成や分解の過程を経るたびに、同位体ごとに反応速度にわずかな差が出て、反応の前後でその構成比が変化する。「同位体効果」が表れる。この効果を精密に分析することで、シロアリの窒素固定のように、どの物質が何に変化するかが、元素レベルでつかめる。
琵琶湖に流れ込む手前の「内湖」と呼ばれる湖沼で、水の浄化は《導水瑣言》のように進むのか。光合成や分解のサイクルは、水が流れ下る間に何度あるのか?。こうした問題を、酸素を使って調べます。ただ、水・溶存酸素・二酸化炭素・有機物のそれぞれに含まれる酸素が交換される時に同位体比が変わるところと変わらないとされているところが混ざっていて、同位体効果に分からないことも多い。」2002.5.15《読売新聞》

■防除剤・・・ヒバから
「住宅販売のトピックス(京都市075-365-2001)はヒバから抽出した天然成分、ヒノキチオールの抗菌性を活用し、人体に影響が少ないシロアリ駆除剤を開発。カプセルに包み込んだヒノキチオールと、シロアリ繁殖につながる湿気を吸収するゼオライトで構成。京都大学木質科学研究所の試験によると、シロアリは平均90%が死滅した。効力は10年間。」2004.2.4《日本経済新聞》

■薬剤不要で
「フクビ化学工業はシロアリ侵入防止工法「ノンケミ アリダン工法」を開発。薄い片粒状のガラスを固めたり、特殊樹脂製のシートを敷いたりすることで配管などからシロアリが侵入してくるのを防ぐ。

■にがり
「豆腐作りに使う「にがり」を利用したシロアリ用の殺虫剤を開発したのがアムテック(香川県坂出市)、アイビターンが商品名。
讃岐地方では江戸時代から伝わる土地改良方法。昔から塩田が盛んでにがりが採れる。土地ににがりを入れると「害虫を防げる」という言い伝えがあった。
研究を始めると、にがり(苦汁)に含まれる塩化カルシウムにシロアリに対する殺虫効果が分かった。塩化カルスイムがシロアリの体内に入り細胞の電解質バランスを崩すことで殺虫効果をもたらしていた。

■クローン
「シロアリの女王は、王とは交配しないで産まれた娘がクローンで時代の女王になる。シロアリの世界では女王と王の間で産まれたたくさんの子供達は働きアリや羽根アリとなって社会を構成している。
日本に多い大和シロアリの世界では王に比べて女王は寿命が短く、1匹の女王が死ぬと予備軍であるメスの集団から次代っじょおうが選ばれる。新女王候補も王と女王の間に産まれたメスだと考えられてきた。
ところが、岡山大学大学院の松浦健二準教授らが大和シロアリの巣を詳しく調べたら、新女王になるのは女王が王との交配無しで産んだ卵から育ったクローン(分身)出有ることが分かった。
生物が雌雄の交配で子孫を残すのはオスとメスの遺伝子を混ぜ合わせて遺伝的に多様性を子孫にもたらすためと考えられている。
ところが、ヤマトシロアリでは多数の働きアリなどは有性生殖で増やす。しかしシロアリの後継者の場合、有性生殖ではまずいことが起きる。“もし王が女王との娘、そのまた娘と交配を繰り返せば、近親交配を重ねることになり、遺伝的な障害をもたらすリスクが高まる”と松浦准教授は指摘する。」



白インゲン
■大手亡
手亡は種皮の色の白さから大福豆などとともに白いんげんとも呼ばれています。明治時代に北海道の十勝地方で栽培されたのが始まりで、大正時代には網走、上川地方へ普及し、かつては輸出作物として急速に生産量を伸ばしました。当初は、「新白(しんじろ)」とも呼ばれ、半蔓性で支柱にする手竹がいらないことから、「手亡」の名が付いたとされます。
粒の大きさによって大・中・小の8種類ありますが、中手亡・小手亡は戦後自然に淘汰されて影をひそめています。通常手亡と呼ぶ場合は大粒種の「大手亡」のことを指しますが、品種としての大手亡は減り、代わって「雪手亡」などの新しい大粒品種が大手亡として出回っています。主に白餡の原料に用いられます。
■ダイエット



白エビ
=トヤマエビ、ボタンエビ、
■富山湾の宝石
「春~秋にかけて水揚げされ、半透明でゆでても赤くならない。白エビは日本海沿海一帯や相模湾でもとれるが、まとまった量(年間600トン)が期待できるのは富山湾だけ。なぜ富山湾なのか?。富山県水産試験場漁業資源課の内山勇主任研究員によると、秘密はまず地形。岸近くかた急に深くなり、最深部は1200メートルに達する。海底に藍瓶(あいがめ)と呼ばれる深い谷が無数にあり、深さ300メートル付近を浮遊する白エビが育ちやすい。さらに北アルプスからの栄養分を含んだ河川が流れ込み、好条件がそろった。漁が始まったのは明治以降と新しい。」2002.8.10《日本経済新聞》


シロクマ
■クヌートの死因
2014年、2011年3/4に急死したドイツのベルリン動物園のシロクマ、クヌートの詳細な検視結果がこのほどまとまり、脳の深刻な炎症が原因だと結論づけられた。



 シロタマゴテングタケ AMANITA VERNA
⇒(→タマゴテングタケ)


#シロテングタケ  AMANITA NEOVOIDEA
◎有毒成分:
<1>[2-アミノ-4,5-ヘキサジェノン酸]:モルモットへの100mg/kg投与で呼吸抑制、体温下降を示し、24~40時間で死に至らしめる。



#シロバナヨウシュウチョウセンアサガオ
【学名】Datura stramonium
【英名】Thornaple、jimsonweed、jamestown weed
【使用部位】乾燥葉。
【成分】トロパンアルカロイド:
  ①ヒヨスチン
  ②ヒヨスチアミン
  ③アトロピン

【効能・効果】
・喘息:発作時の気管支の痙攣を抑える。
・パーキンソン病の痙攣
・軟膏:リウマチ・坐骨神経痛

【注意】
<1>過剰投与は以下の症状を引き起こす
・複視
・のどの渇き
・排尿促進
・動悸
・不眠
・錯乱状態
・幻覚
<2>以下の者には使用不可。
・妊娠中
・前立腺の病気
・頻脈
・緑内障
・抗ウツ剤服用中の者




ジンジャー
【学名】Zingiber officinale
【英名】ginger(ジンジャー)
【和名】ショウガ、ハジカミ。
【分類】ショウガ科、多年草。
【原産地】インド~東南アジア
【使用部位】根茎
【成分】*精油(3%以下):
・ジンギベレン
・ビサボレン
・カンフェン
・ゲラニオール
・リナロール
・ボルネオール
・ショウガオール
・ジンゲロン
*脂肪
*タンパク質
*デンプン
*ビタミンAB
*ミネラル
*アミノ酸
〇精油は根茎を水蒸気蒸留して抽出します。
  

【効能・効果】   
*体を温め、
*胃を刺激し胃液の分泌を促進する
*食物の吸収を助ける
*消化不良
*下痢・カタル:体内で発生した湿気を処理出来なくなった
*リウマチ:外部の湿気で悪化する。この精油を薄く希釈してマッサージor湿布する。
*疝痛
*鼓腸
*乗り物酔い
*吐き気
*手足の冷え症(血行を促進)
*肺を温めながら去痰
*1滴をベースオイルに混ぜてマッサージすると:
  関節炎
  リウマチ
  筋肉痛
  疲労
*育毛:生汁でマッサージ
  

【参考】
<1>漢方医学では、ジンジャーは湿気が体の内部で生まれたものであれ、体外から来たものであれ、体がその湿気を有効に処理出来ないあらゆる症状に対して使用されます。
<2>精油(ジンジャー油)を少量使うとオレンジなどの柑橘系の精油と相性が良い。
<3>セネガルの女たちは、つぶしたジンジャーの根茎でベルトを編み、夫のたれ気味の性的能力を蘇らせるのに用いているとジャン・バルネは記録しています。
  

【仲間】
<1>オオショウガ:根茎が太い。
<2>ベニショウガ:片の赤みが強い。




じんぞく
■ヨシノボリの一種
「各地の川に住むハゼ科の「ヨシノボリ」の一種で、徳島県では「じんぞく」と呼ぶ。徳島県の一部地域で、この魚をダシに使う「たらいうどん」が名物だ。
戦後、河原でござを引いてうどんを打ち、目の前の川でじんぞくを捕まえて、ダシ汁をつくって食べるのが一般的になった。じんぞくは上流に向かって逃げる習性があるので、上流にアミを仕掛け、下流から大勢で川底の石を動かしながら追い込むと沢山捕れた。だが、ダムが出来てからは激減した。」2005.9.3《日経》



七面鳥
◎アフラトキシン
「1960年、イギリスでクリスマスイブに欠かすことが出来ない七面鳥がわずが2ヶ月の間に全滅するという出来事が起きた。食欲不振・翼力低下・無気力・昏睡状態に陥り1週間で死に至った。しかも死に様に特徴があったので、解剖してみると、肝臓組織に壊死が認められた。ウイルス・細菌などによる感染性は認められず、疫学調査の結果は、イギリス・ロンドン近郊にある一部地域に限られることが判明。飼料調査の結果、、原因物質は、ブラジルから輸入したピーナッツミールではないかということになった。そこで家鴨や鶏にピーナッツミールを飼料として与えてみると全く同様な症状で死ぬことが確認された。
 そこでこの飼料を様々な有機溶媒で抽出を試みることになった。その結果、クロロホルム溶媒にで抽出した部分が最も強い毒性を示すことが分かり、この分画成分を追跡することにした。生体試験も試み粗結晶を得る。これを薄層クロマトグラフィーにかけると、4種類からなる混合物であることが判明。そればかりでなく、カビの混入が確認された。毒性のないピーナッツミールにはカビが認められなかったので、死亡の原因はカビと判明。さらに研究の結果、このカビはコウジ菌の一種であることが分かった。このカビは“アスペルギルス・フラヴス”という学名で示された。カビの毒素(トキシン)なので“アフラトキシン”と命名する。薄層クロマトグラフィー上の4種類に紫外線を当てると、青白く光るのが2物質、緑色に光るぼが2物質あった。青白く見える方にB1・B2、緑色に見える方にG1・G2という名を付けた。すなわち、アフラトキシンB1という具合にである。。このB1んも毒性は非常に強く、誕生して1日目のラットに経口投与した場合、LD50は体重1kg当たり0.56mgであり、G1の毒性はその1/2であり、B2やG2は1/4であった。
 その後、米国のボストンにあるマサチューセッツ工科大学のJ・N・ウォーガンとP・M・ニューバーンによるラットを用いての肝臓ガン試験は、なんとオスで68週後、メスでも80週後には100%の発ガン結果を示した。」




塩 (しお)
○薬を腎に入れる作用。
○顔面の五色瘡を治す。「塩湯で良く洗う。」
○目に
「温めて洗眼する。」
○急に耳が痛むとき。
「塩3~5升を水に入れて煮て、青布をかぶせて枕にする。冷えたら又温める。」
○酒渣を治す。
「白塩を唾で調合して摩擦する。」
○歯根の露呈・動揺の症。
「白塩末でこすり、熱湯でうばいすること、毎日100回。5日間ぐらいで治る。」
○一切の歯痛。
「青塩で、歯をこする。」
○腹が脹って痛み痞悶でたまらないとき。
「塩湯1~2椀を飲んで吐く。」
○一切の風痒を治す。
「塩1斗、水1石を煮て半分になったら、3回沐浴する、海水浴はもっと良い。」
○乾霍乱を治す。
「頓服すると吐く。」




使君子(しくんし) QUJISQUALIS FRUCTUS
【処方名】:[使君子][使君子仁][使君子肉]
【基原】東南アジア産の常緑半つる性低木。
シクンシ科(Combretaceae)シクンシquisqualis indica L.の成熟果実(使君子)又は子(使君子仁)。
【性味】味は甘、性は温。
【帰経】脾・胃経。
【分類】駆虫薬。
【薬性歌】“使君甘温治諸蠱 消疳清濁瀉痢功”
 “史君、甘温。疳を消し、濁を清め、瀉痢諸虫、総て能く除却す”《万病回春》
  

【効能・効果】
<1>小児の五疳を治す。
<2>虫を殺す。
<3>下痢を止める。
◎虫を殺し脾を強くし食を消す。
<1>虫積
<2>小児疳積
◎小児の疳虫と回虫を下す。

【修治】
()して殻を去り肉を取る《万病回春》

【薬能】

【配合処方】
如聖丸[使君子、胡黄連、蕪、干蟾、麝香]
肥児丸

 使君子肉⇒「使君子」参照。
 使君子仁⇒「使君子」参照。

 梔子=山梔子を見て下さい。


 耳(しじ)
   ○性は微寒、味は苦辛、小毒。
       <1>風頭の寒痛
       <2>風湿の周痺
       <3>四肢のケイレンの痛み
       <4>一切の風を治し、
       <5>骨髄を埋め
       <6>足腰を温め
       <7>瘰癧の痒を治す。

 柿霜餅(しそうへい)
  【処方名】:[柿霜][柿霜餅]
  【基原】カキを加工する過程で外表部に生じた白い粉末。
  【薬能】
    《日華子本草》
      “胃を開き、腸を渋し、痰を消し、渇を止め、吐血を治し心肺を潤し、肺痿、       心熱の咳嗽を療じ、声喉を潤し、虫を殺す”


 柿蒂(してい)  KAKI CALYX
  【基原】カキ科(Ebenaceae)カキDiospyros kaki L.fのヘタ。
      Diospyros=「神の食物」の意。(→柿霜)
  【性味】味は苦、性は平。
  【帰経】胃経。
  【分類】理気薬。
  【効能・効果】
     ◎中を暖め気を下す。
       <1>逆噫気
◎シャックリ止め:イ)柿蔕1日30g煎服。
ロ)「柿蔕5g、甘草1g」煎服。
ハ)「柿蔕15g、丁字1.5g、生姜4g」煎服。
     ◎夜尿症:「柿蔕5個、黒ゴマ4g」煎服。
     ◎心臓病:「柿蔕、黒豆」煎服。

 絲瓜絡
   ○積と酒と麺にあたって黄色くなった者を治す。

 絲蓴(しじゅん) 
   蓴=じゅんさい
   ○大小腸の虚気を補う。
     「汁か漬け物にして食べる。」
   ○下焦に良い。
     「汁にして食べる。」
   ○熱疸を治す。

 紫英⇒アサクサノリ

 紫苑(しおん)
  【処方名】:[紫][青][紫苑][紫苑茸]
  【基原】朝鮮、中国北部、蒙古、シベリアに分布し、日本では山地に自生シ、または栽培され      る多年草キク科シオンの根及び根茎。
  【性味】味は苦辛、性は温、無毒。
  【帰経】肺経。
  【薬性歌】“紫苦辛痰喘咳 吐膿寒熱並肺痿”
     “苦辛、痰喘逆、肺痿吐膿、寒熱ならびに斎う”
  【効能・効果】
       <1>肺痿の吐血を治し
       <2>痰をなくし
       <3>渇を止め
       <4>咳逆上気
       <5>膿血を吐く
       <6>寒熱結気を除去し
       <7>肌膚を丈夫にし
       <8>骨髄を増し
       <9>いざりを治す。
     ◎肺をよくする。
       「煮て服用。」
  【修治】
     ◎酒にて洗う。《万病回春》
  【配合処方】
    沢漆湯
    射干麻黄湯


 紫茸(⇒紫)

 紫花地丁⇒スミレ科ノジスミレの全草。 

紫河車
   ⇒ヒトの胎盤=人胞衣。
  【薬性歌】“紫河車甘療虚損 労骨蒸培根本”
       気血虚損・労羸痩・骨蒸労熱に用いる。
      紫河車。甘。諸の虚損を療酢。労、、骨蒸に。根本を培植す。《万病回春》
  【効能・効果】
      精気を培養させる。
     ○癲狂・健忘・・恍惚・驚怖・心神不安・多言不安を治し、安心・養血・      定神に効く。
  「煮ても良い、薬に入れて丸薬にしても良い。」
     ○虚労の痰嗽と痩せ・盗汗を治す。
       「紫河車をきれいに洗って鍋に入れ、重湯で煮て塩・胡椒を少々入れて食        べる。」
   原価(ノセセセ/1kg)
   プラセンタエキス
    効能:胃潰瘍、滋養強壮、放射線障害、アトピー、花粉症、脱毛、肝臓機能強化。
    製造メーカー:「スノーデン」東京都千代田区。原液5万円/1。
        「目黒研究所」池田市。胎盤を高圧滅菌し裁断後、遠心分離器でエキス         を抽出。胎盤は平均1個500g、1個から約26cc採れる。


 紫金牛
  【効能・効果】 (参照→ヤブコウジ)


 紫膠⇒ラックカイガラムシの分泌物。
 紫梗⇒「紫膠」

 紫根(しこん)
  【処方名】:[紫根][紫草][紫草根][紅条紫草]
  【基原】日本の中北部および中国に自生する多年草、ムラサキ科ムラサキの根。
      ムラサキ科Boraginaceae 紫草Lithospermum erythrorhizon Sieb.et Zucc.(ムラ      サキ)の根を乾燥。
      「新彊紫草」=Macrotomia eachrooa(Royle)=「軟紫草」
      「硬紫草」=軟紫草以外。
      「北紫草」=白頭翁の一種バラ科委陵菜(カワラサイコ)。
      「紫草茸」=ラックカイガラムシの分泌物。
  【性味】味は甘鹹、性は寒。寒瀉潤降散
  【帰経】心、肝経。無毒・
  【薬性歌】“紫草苦寒通九竅 利水消膨痘疹要”
     “苦寒、能く九竅を通し、水を利し膨を消し、痘疹に最も要す”《万病回春》
  【効能・効果】(解熱・消炎・解毒・透疹)
       <1>五疸を治し
       <2>水道の通りを良くし
       <3>腹腫・脹満・痂癬
       <4>小児の痘瘡を主治する。
     ○涼血活血・解毒、腸を滑らかにし、麻疹を予防する。
       <1>斑疹痘瘡
<2>癰腫
       <3>大便燥結
     ○絨毛膜上皮ガン:「紫草・穿心蓮・天花粒蛋白」
     ○乳腺ガン:「紫草・天門冬・野・瓜萎」
     ○皮膚ガン:煎汁を塗布。
  【配合処方】
     紫草紅花飲
     紫根牡蠣湯
  【常用量】20~40g(煎剤)




 紫菜⇒アサクサノリ。

 紫地丁⇒「紫花地丁」

 紫珠草⇒クマツズラカ科

 紫石英
   ⇒俗称、紫水晶。
   ○性は温、味は甘辛、無毒。
      <1>心気の不足を補う。
      <2>驚悸を鎮める。
      <3>肺を補う。
      <4>下焦を鎮める。
      <5>消渇を止める。
      <6>婦人の不妊を治す。
      <7>癰腫を散らし、顔色をきれいにする。
      
   ○驚悸を治す。
     「米粒大に丸め、水1升を2合まで煮詰めて飲む。紫水晶ともいう」
  【配合処方】
     紫石寒食散
     風引湯

 紫蘇子⇒「蘇子」
  【効能・効果】
     ○気を下し、痰を消す作用があるので、喘逆や痰嗽などに用いる。
  【注意】
     常に下痢する者には要注意。



 紫蘇葉(しそよう)PEROLLAE FOLIUM
  【基原】シソ科(Labiatae)チリメンジソPerilla frutescens(L.)Britton var.crispa(Thunb.)       Decne.の葉を乾燥。
      (参照→「蘇梗」「蘇子」)
  【性味】味は辛、性は温 温・瀉・燥・降・散
  【帰経】肺・脾経。
  【分類】辛温解表薬。
  【薬性歌】“紫蘇味辛解風寒 梗能下気脹可安”
            (梗=コウ、おおむね)
     “味辛、風寒発表、梗は諸気を下し、脹満を消除す”《万病回春》
  【効能・効果】(発汗・解熱・鎮咳・解毒)
     ◎風寒を発散する。気をおさめ胸をゆるやかにし、胎を安ず。
       <1>風寒の表証
       <2>胸悶吐
       <3>胎気不安
       <4>魚蟹毒
     ◎下気に効くのは橘皮と同じ。
       「水煎服。」
     ◎汗を出す。表気を散らす。
       「青皮と煎じて服用。」
     ◎飛絲が口舌間に入って泡になるとき。
       「葉を細かく噛んで白湯で呑み下す。」
     ◎脚気に。
       「葉を茶代用。」
     ◎風寒に傷ついたとき。
       「濃く煎じて服用。」
     ◎心・腹の腸満を治す。(茎・葉)
  【薬理作用】
     <1>解熱作用
     <2>抗菌作用
     <3>血糖上昇作用   
  【薬能】
    《名医別録》
      “気を下し、寒を除き、中を温める”
    《古方薬品考》
      “気を下し鬱を開く”
      “その気味微辛にして芳烈なり。故に逆気を下降し、欝結を開発するの能有       り”
    《古方薬議》
      “味辛温、気を下し、塞を除き、中を寛め、上気、逆を主取り、胃を開き、       食を下し、魚蟹の毒を解す”
      “能く食積を解す”
    《中薬大辞典》
      “表を発し、寒を散じ、気を理め営を和す”
      “感冒風寒、発熱、咳嗽、気喘、胸腹脹満、胎動不安を治す”
      “びに魚蟹の毒を解す”
  【薬対】
    『紫蘇葉+黄連』
    『紫蘇葉+香』=感冒、妊娠、脾胃の機能低下による悪心、嘔吐を治す
             香正気散
    『紫蘇葉+乾姜』=感冒による悪寒、発熱。香蘇散
    『紫蘇葉+桔梗』
    『紫蘇葉+杏仁』
    『紫蘇葉+縮砂仁』
  【配合処方】
     香蘇散




 紫草根⇒「紫草」

 紫草茸
   ⇒「紫膠」⇒「紫梗」
   ⇒ラックカイガラムシが分泌したゴム状物質。

 紫蔵
   ⇒ノウゼンカズラの花。
   ○性は微寒、味は酸、無毒。
      <1>婦人の産後の余病
      <2>崩中
      <3>
      <4>血閉
      <5>産後の出血が止まらない
      <6>帯下
      <7>養血
      <8>安胎
      <9>熱毒を散らす
      <10>大小便の通りを良くする。

 紫丹参(⇒丹参)
 紫背鹿含草

 紫背天葵

 紫背浮萍(⇒浮萍)⇒ウキクサ

 紫蛎茸(⇒紫草茸)

 紫檀肝
   ○金瘡に。
     「末に作って貼る。」

 紫檀香
   ⇒「紫真檀」
   ○性は温、味は辛、無毒。
      <1>悪毒・風毒
      <2>霍乱
      <3>心腹痛
      <4>中悪
      <5>鬼気

 鰤魚(しぎょ)
   =ブリ
   ○五臓の補益剤。
     「煮ても煎じても良い。」
   ○補脾の剤。
   ○胃気を補強する。
     「蒸しても焼いてもよい。」

 鴟頭(しず)=トビのあたま
   ○癲癇の主治薬。
     「焼いて食べる。又は頭を焼いて黄連1両と粉末にして丸め服用。」
   ○頭風でめまいがし、転倒するとき。
     「焼いて灰にし、酒で服用。」

 蔚子
   

 蔚茎葉=益母草の茎葉。
   ○疹のかゆいのに。
     「濃く煎じて沐浴する。」



 鶉肉(じゅんにく) 
   鶉ジュン=ウズラ。
   ○下焦に良い。
     「肉を牛乳と煮て食べる。」


 薯蕷(しょよ)=「山薬」参照。

 二花(⇒金銀花)

 二丑(⇒牽牛子)


 脂麻油
   ⇒香油。
   ○三焦の熱を降ろす。
     「単服する。」
○一切の虫をも殺す。
     「汁を飲む。」
     「1合に卵2箇、芒硝1両を混ぜて飲む」
   ○熱秘と大便の不通を治す。
     「生を1合ぐらい食べる。」
   ○穀賊を治す。
     「炒って作末し点服する。」
   ○心痛に。
     「冷熱を問わず、生香油1合を飲む。」
   ○胃腸を膨らませて大小便を良く通す。熱結を下げる。
「空腹時に1~2合飲めば大腑に即通する。」
   ○熱毒を下す。
   ○小児の頭瘡に貼る。

 地黄(じおう) REHMANNIAE RADIX
  【基原】中国原産で、栽培される多年草。
     (酒浸)して汁を絞り、9回蒸して9回晒したのを=「熟地黄」
      陰干ししたものを=「生乾地黄」という。
     新鮮な地黄を炙って乾かし、外皮が硬くなり、全茎が軟らかくなったものを      「乾地黄」or「生地黄」という。
生地黄に黄酒を加えて蒸したり晒したりを繰り返し、内外ともに黒くなっ      て表面にシワが出るようになり、素質が柔らかく粘り着くようになったもの      を「熟地黄」という。
      <1>熟地黄は滋腎・補血・精・益髄に、(滋陰・補血)
      <2>生乾は精・血の補強に効く。(補陰・清熱・涼血・止血)
         丸薬、酒に浸したものいずれも良い。
  【効能・効果】
     ◎常用すると健康長寿を保てる。
       「根をきれいに洗って汁を絞りだして煮る、そして白蜜を入れて又煮て膏       をつくって梧子大の丸剤。空腹時に温酒で30丸づつ、1日3回服用。ニ       ンニク・大根・鉄器を避ける。」
     ◎髪を黒くする。
       「熟・乾ともに、丸・醸酒服。」
     ◎地黄酒方
       「糯米1斗を100回洗って地黄(生)3斤を粉末にして混ぜて蒸す。この後        適当に麹を入れて醸造する。」《医学入門》
     ◎生・熟とも、すべて生血・潤液させる。
     ◎五労・七傷を治し、気力を充実させ、虚損を補う。
       「酒を作って飲んでも、作丸して常服しても良い。」
     ◎産褥:
       「産褥には、とかく地黄剤の証が多く出るものである。産褥熱、腎盂炎、        肺結核などで体温が高くて、口舌がひどく乾燥し、手足に煩熱の状があ        れば、三物黄湯、小柴胡湯加地黄、炙甘草湯などの地黄剤の証でない        かよく診察するがよい。冷たいものに足を当てると気持が良いと言う。        これは血熱のためだと古人は説明している。この手足の煩熱は地黄剤を        用いる大切な目標である。」《大塚敬節》
  【成分】
     アミノ酸
     iridoid配糖体:catalpol
     phytosterol
     糖類
  【薬理作用】
     <1>血糖降下作用
     <2>強心利尿作用
     <3>抗菌作用
  【薬能】
   《神農本草経》
     “折跌絶筋、傷中を主り、血痺を逐い、骨髄を填じ、肌肉を長じ、湯と作して      寒熱積聚を除き、痺を除く”
   《薬性提要》
     “生地黄:火を瀉し、血逆を治す”
     “乾地黄:血を生じ、血を涼し、経を調え胎を安ず”
   《古方薬品考》
     “生地黄:滋補、熱を解し、を消す”
     “生地黄汁:血腑を清涼にする”
     “乾地黄:主として血を滋し、虚を補う”
     “熟地黄:膚を潤し、腎気の虚を補う”
   《重校薬徴》
     “血証及び水病を主治す”
     “仲景氏の地黄を用うるや、唯四方のみにして、血証及び水病を治するや断然      として明らかなり。且治を施すの法、血と水を別にせざること亦明らかなり。      水と血とは素と類を同うするなり。唯赤きときは則ち之を血と謂い、白き時      は則ち水というのみ。余嘗て内経を読むに、曰く、汗は血の余りなりと、問      うて曰く、血の余にして汗白きは何ぞや。答えて曰く、肺は皮毛を主り、肺      の色白きなり。故に汗白きなりと、此れ五臓配当の論にして疾医の言に非ざ      るなり。夫れ汗の白く、血の赤き、其の然り所以のものは得て知る可からざ      るなり。刃の触るる所其の創浅しと雖も血必ず出ずるなり。暑熱の酷、衣被      厚きときは汗必ず出ずるなり。皆身中より出て或いは汗となり、或いは血と      なる。孰れか其の理を知らんや。知る可からず。置いて論ぜず。唯其の毒の      在る所を視て治を致す。是れ疾医の道なり”
“李時珍曰く、熟地黄は乃ち後人の復た蒸晒する者にして諸家本草は皆乾地黄      を指して、熟地黄と為すと。按ずるに本邦の薬舗は、乾地黄を以て生地黄と      為す亦非なり。乾は乾燥の謂なり。乾姜の如き是れなり。生とは新鮮の名に      して生姜の如き是れなり。故に古人の所謂生地黄は新鮮にして汁有るなり。      仲景氏の用うる所、特に乾地黄一品のみ。其の熱と云うは後世の好なり。用      うべからず。”
   《中薬大辞典》
     “干地黄:滋陰、養血。陰虚発熱、消渇、衂血、血崩、月経不順、胎動不安、陰傷の          便秘を治す”
     “熟地黄:滋陰、補血。陰虚血少、腰膝痿弱、労嗽骨蒸、遺精、崩漏、月経不順、消          渇溲風、耳聾、目昏”
【薬対】
    『乾地黄+黄』=清熱作用。湿熱性の疾患の際に見られる口乾、舌質深紅色、            便秘、不眠などに。また血熱による皮膚病にも 三物黄芩湯
    『乾地黄+葉』=止血作用。血熱のために生じる吐血、鼻出血、血尿、痔出血             に。帰膠艾湯
    『熟地黄+山薬』=滋養強壮作用。陰虚による盗汗、熱感、口乾、疲労感などに             用いる。 八味丸
    『熟地黄+当帰』=補血作用。血虚のために起きる貧血に。四物湯

  【配合処方】
    <1>熟地黄
     金水六君煎
     四物湯
     都気丸
     八珍湯
     六味地黄丸
    <2>乾地黄
     黄土湯
     帰膠湯
     三物黄湯
     八味地黄丸
   


 地骨皮(じこっぴ)LYCII RADICIS CORTEX
  【基原】中国に自生し、または栽培される落葉低木、ナス科クコの根皮。
     ナス科Solanaceaeの枸杞Lycium chinense Mill.(クコ)の根皮を乾燥。
  【性味】味は甘淡、性は寒。寒中潤中収
  【帰経】肺・腎経。
  【分類】清熱涼血薬。
  【薬性歌】“地骨皮寒能解肌 蒸汗熱血強陰宜”
     地骨皮、寒。肌を解し、熱を退く。汗ある骨蒸に陰を強くし血を涼す。《万病     回春》
  【効能・効果】(解熱・生津・鎮咳・痰)
     ◎涼血、肺熱を清める。
        <1>咳嗽吐血
        <2>煩熱消渇
        <3>骨蒸労熱多汗
     ◎骨熱を治す。
        「煮た湯を常服する。」
     ◎消渇を治す。
        「煎服。」
  【成分】
     betaine
     ケイヒ酸
     フェノール
  【薬理作用】
     <1>降圧作用
     <2>降血糖作用
     <3>解熱作用
  【薬能】
    《神農本草経》
      “五内の邪気、熱中消渇、周痺風湿を主る”
    《名医別録》
      “風湿、下胸脇気、客熱頭痛を主り、内傷大労虚吸を補い、筋を堅じ、陰を       強くし、大小腸を利し、寒暑を耐る”
    《本草綱目》
      “下焦の肝腎の虚熱を去る”
    《中薬大辞典》
      “熱を清し、血を涼し、虚労、潮熱、盗汗、肺熱咳喘、吐血、衂血、消渇、       高血圧、痛腫、悪瘡を治す”
  【薬対】
    『地骨皮+銀柴胡』
    『地骨皮+牡丹皮』
『地骨皮+知母』=強壮解熱作用。結核などの微熱、咳嗽、盗汗に用いる。滋陰至宝湯
【配合処方】
    黄蓍別甲湯
    加減瀉白散
    瀉白散
    滋陰至宝湯
    秦別甲湯
    清心蓮子飲



 地耳草(⇒田基黄)オトギリソウの全草。

 地虫

 地椒⇒バラ科ダイコンソウの根・根茎。

 地胆草⇒キク科イガコウゾリナの全草。

 地胆頭(⇒地胆草)
   ○骨髄を埋め、骨を強くする。
     「丸・煎・醸酒服。」

 地丁(⇒紫花地丁)

 地丁草(⇒紫花地丁)

 地膚子(じぶし)
    ほうきぐさ
  【薬性歌】“地膚子寒除掻痒 去膀胱熱功最廣”
     地膚子、寒。膀胱の熱を去り、皮膚の癢に。熱を除くこと甚だ捷やかなり。     《万病回春》
  【効能・効果】
     ○膀胱の熱を治し、小便を良く出させる。
       「煎じ・末服」
     ○小便を利し、小便不通を治す。
       「汁を絞って飲む。」
     ○手足の痛むとき。
       「草を水で煮て1日3分服。」
     ○急に陰になったとき。
       「地膚子2両半、白朮1両半、桂心5銭を作末し2銭を酒で調下する。」
     ○うるしかぶれ:
       煎汁で洗う。《大塚敬節》


 地楡
   
 地竜(じりゅう)
   ○小児の陰嚢の腫痛に。
     「糞を取って甘草汁or薄荷汁で調合して塗る。」
   ○小児の熱病と癲癇を治す。(地黄汁)

  ○性は寒、味は辛、無毒。
      <1>腎臓と骨を強くする。
      <2>精をつける。
      <3>耳聾を通す。
      <4>関節を通す。
      <5>癰腫・鼠瘻を治す。
      <6>喉痛を治す。
   ○腎気を育て、耳聾・目がくらむのを治す。
     「末にし薬にいれる。」
   ○久聾を治す。
     「豆粒ぐらいの磁石と穿山甲焼末2分半をくるんで耳孔をふさぎ、口に小さい      鉄きれをふくむと良い。」
   ○鉄気が腹中に入って痛むとき。
     「磁石を作末し褥にまいて、その上で寝ながら、再次にわたって磁石煎湯で小      調気散を調合して飲む。」               
   ○補腎腰痛を治す。
     「火醋淬9回、作末して丸服。」
   ○骨気を強くする。
     「醋淬9回作末して塩湯で調下する。」

 磁石 (じしゃく)
   =「天然磁石」
  【性味】 寒瀉燥降収
  【効能・効果】(鎮静・補血)
   ○腎気を育てて、耳聾・目がくらむのを治す。
     「末にして薬に入れ使用」
   リーディング(レノーラ・ヒュイット)
      「天然磁石は、人間の心を遙か彼方にまで届かせ、想念を外宇宙に、外なる       世界に、宇宙的な領域にまで送る力を持つ。偉大な力を持つ訳ではないが、       投出する能力を持つ」
      「人の心をある程度その体から開放する働きがある。幽体旅行のようなタイ       プの離脱ではなく、精神的方法でのみ精神体を遠くへ投射するのに有効で       ある。」
「天然磁石は、肺の下でも働き、丁度X線治療の際に感じるような温かみ、       エネルギーを生じる。それは肺や肺充血の治療に有効である。肺炎での効       果は微妙なものであり、体の細胞に反応を起こさせ、するべき仕事に取り       組ませる。急な行動を取るのではなく、また体も完全にはその作用を感じ       ることはない。」
「肺炎に使うには2つ必要であり、肺の両サイドに置き、下肺部一帯にエネ       ルギーを放出させるようにする。これは血管を活動させ始める。緩やかな       刺激が血を前後に運動させ、組織を浄めることが出来るのである。これは       毎日行えば肺結核に格別有効である」
   リーディング(ジュリア・ロルッソ)
      「天然磁石を身につける際にその極性を目的を強めるには、2~8時間ピラ       ミッドの中に入れておくと良い。そうすればその牽引力を肉体のレベルで       多くの人が感じとるであろう。」
「普通の鉄の磁石の代わりにこれを治療に使う人は、時にピラミッド・エネ       ルギーとつなげれば3倍は有効に使えるであろう」
「治療家がこれを使う場合、患部のどこにつけるべきかは内奥からの指示を       得る必要がある。これは肉体、エーテル体、幽体、精神体からくる支障を       くい止め、引き寄せる。」
「治療家に意識してフォースフィールドを作りだしそれを投射する力があれ       ば、例えばガンに類する状況が精神体・幽体、或いは肉体に発見された場       合(肉体に現れる以前の前ガン症状の場合が一番効くが)天然磁石の力は       こうした症状の幾らか或いは全てを吸い取り分解させる」
■保磁力
2012年、東京大学の大越慎一教授らは一般的な磁石であるフェライト磁石を高性能化する技術を開発した。
磁力の安定性を示す保磁力はレアアース(希土類)の磁石並み。
ナノ粒子にしても磁力を持つ。原料の鉄の一部をロジウムで置き換えた。30ナノサイズの粒子を合成した。保磁力は最大31㌔エルステッド。希土類のサマリウムやネオジウムを使う磁石並み。
成果はネイチャー・コミュニケーションに発表




 七星剣⇒シソ科
 七葉一枝花(⇒拳参)ユリ科



 藜子(しつりし) TRIBULI FRUCTUS
  【処方名】:[白藜][藜子][刺藜]
  【基原】中国東北部や日本の海辺の砂地に自生する多年草。
      ハマビシ科(Zygophyllaceae)ハマビシTribulus terrestris L. の未成熟果実を乾燥。
     《神農本草経》上品
  【性味】味は辛苦、性は微温。
  【帰経】肝経。
  【分類】平肝熄風薬。(熄風鎮痙薬)
  【薬性歌】“藜味苦瘡掻痒 白瘢頭瘡目朗”
     “味苦、瘡癢を療し、白癜頭瘡、翳を除き目を朗(アキ)らかにす”《万病回春》
  【効能・効果】
     ◎風熱を散じ、目を明らかにし、血をやる。
       <1>目赤多涙
       <2>積聚
       <3>乳少
     ◎腰脊痛。
       「作末して蜜で丸めて服用。」
     ◎風痒と白痒風を治す。
       「煮て飲んだり、沐浴する。」
  【薬能】
    《日華子本草》
      “奔豚腎気、肺気の胸膈満を治し、分娩を催し、胎を堕し、精を益し、水臓       が冷えて小便多きものを療じ、尿の遺瘰、泄精、尿血腫痛を止める”
  【配合処方】
藜消風散
     止涙補肝湯
     洗肝明目湯
     当帰飲子
     白藜散《張氏医通》[白藜、菊花、蔓荊子、決明子、甘草、連翹、青]



 自然薯(じねんじょ)
=自然薯は日本原産の蔓性の多年草。自生地は本州以南の各地に及び、山間部ではおなじみの山菜だ。自然薯と日本人のつきあいは古く、縄文時代以前から食されていたという。8世紀の「出雲風土記」に登場する「薯蕷」という食べ物があるが、これが自然薯のこととされている。
自然薯の似た形の葉を持つ植物にオニドコロがあり、生える場所も近いので間違えやすい。こちらの葉は自然薯に比べて葉の形に丸味がある。
自然薯:幹に沿って蔓が右巻きに上がっている。
葉の形は細いハート型。
蔓の根元を掘ると「カッパの頭」が出てくる。
オニドコロ:幹に沿って蔓が左巻きに上がっている。
葉の形は丸いハート型。
イノシシが大好物です。
■里山の赤土に自生
「各地の山間部に自生する日本原産のとろろいも。自然薯が収穫の季節を迎えた。粘りが強くコクのある味わいが著で、とろろ汁として人気だ。
鈴鹿山脈のふもとに位置する、三重県菰野町。ここは肥沃で水はけの良い土壌で古くから良質の自然薯が採れるところとして知られる。地元で自然薯堀りの名人と呼ばれる田尻幸男さん(63)に掘るポイントへ案内してもらった。
向かったのは田んぼのあぜ道の先にある雑木林。もっと山奥で採れるものと思っていたが、「水はけのいい里山の赤土、特に南側の斜面でよく採れる」と田尻さん。
雑木林を進むと「あのツルだ」と田尻さんが早くも発見。長く伸びたツルに等間隔に生えるハート形の葉と葉の根元にパチンコ玉大の茶色の実、ムカゴが自然薯の目印だ。そしてツルの根元を見つけたら、周辺から慎重に掘る。蛇行しながら伸びる自然薯を折らぬように、スコップや草刈り鎌を使い掘ること20分。やっと姿を現した。
長さ90cm。太さ4cm。持つとずしりと重い。「この大きさなら料理店に出してもおかしくない」。そんな田尻さんの言葉に思わずニンマリ。
山の恵みに感謝し、掘った後は土を埋め戻すのが自然薯堀のマナーという。採れた自然薯を井戸水で洗うと田尻さんが「取り立ては、先端をこのまま食べるのが一番うまい」と先端3cmほどを折って渡してくれた。噛むとサクッと音を立て、リンゴのような歯触り。外見からは想像しにくいが、サッパリしている。
栄養価が高く「山菜の王様」とも呼ばれる自然薯の魅力を知るため、町にある県内唯一の自然薯料理店「茶茶」と訪ねた。
大きなすり鉢を前にすりこぎを回していたのが店主の伊藤寿雄さん(63)。伊藤さんは「長期間土地の中でジックリ育つ自然薯は、アクがあるが、外来種のナガイモ(長芋)よりも粘りが強くコクがある」と強調する。
とろろにする際のコツは、毛のような短い根を焼き、皮を削らずにすり下ろすこと。皮を残すのは香りとコクを損なわないためだ。
早速、同店の人気料理「とろろ御膳」を注文した。2002.9.28《日本経済新聞》




 縞めのう
   (参照→サードオニキス)
   ◎体力を引き寄せる(D・L・メラ)
   ◎応用:力不足、
       勇気不足。

雀瓮(じゃくおう)
   ○小児の慢驚に使う。


 雀肉
   ○血崩・帯下を治す。
     「焼いて又は煮て食べる。」
   ○五臓の不足の気を治す。     
     「焼いて食べる。」

 雀麦
   ○性は平、味は甘、無毒。
      <1>難産を治す。 煎服。

 
 赤石脂(しゃくせきし)HALLOYSITUM RUBRUM
  【基原】酸化鉄を含む陶土。      
     ★《神農本草経》:「五色石脂」で収載。 
  【性味】味は甘淡渋、性は温。
  【帰経】胃・大腸経。
  【分類】固渋薬。
  【薬性歌】“赤石脂温固腸胃 潰瘍主肌止瀉利”
     赤石脂、温。腸胃を保固し、瘍を潰やし、肌を生じ、瀉痢を渋止する。《万病     回春》
  【効能・効果】
      <1>腹痛
      <2>赤白の下痢
      <3>小便が近いのを治す。
      <4>五臓を強くする。
      <5>心気を養う。
      <6>目をよくする
      <7>精をつける
      <8>癰疽・瘡痔を治す。
      <9>崩中・漏下を治す。
      <10>難産
      <11>胞衣不出を治す。
     ◎心気を養う。
       「粉末にして服用。」
     ◎痰飲に水を吐き、反胃になろうとするとき。
       「赤石脂の水を切って毎回1銭を空腹時に酒で調服。」
     ◎痰飲盛んに吐水し停まらざるを治すに赤石脂末を用いる。《千金翼方》
  ◎心気を養う
       「粉末にして服用」
  【配合処方】
     烏頭赤石脂丸
     赤石脂禹余粮湯
     桃花湯
     風引湯


 赤銅屑
   ○性は平、味苦く、微毒。
    <1>風眼を治す
    <2>婦人の血気と心痛を治す。
    <2>目を良くする
    <3>わきが(腋臭)
    <5>毛髪を育てる。





 車脂
  【効能・効果】
     ○針が体内に入って出てこないとき。
       「荷車に油を紙に塗って患部を覆うが、2日に1度取り替えること3~5        回。」


 車前子(しゃぜんし) PLANTAgINIS SEMEN
  【基原】山野に自生する多年草。
      オオバコ科(Plantaginaceae)オオバコPlamtago asiatica L.の成熟種子を乾燥。
  【別名】苡(ヒュウイ)
  【性味】味は甘、性は寒。 寒瀉燥降散
  【帰経】肝・腎・小腸・肺経。
  【分類】利水滲湿薬。
  【薬性歌】“車前気寒眼赤疾 小便通利大便実”
       “気寒、溺渋、眼赤、小便能く通じ大便能く実す”《万病回春》
  【効能・効果】(利尿・通淋・止瀉・鎮咳・痰) (参照→オオバコ)
     ◎肝の保健剤。
       「炒って煎じても、粉末にしても良い。」
     ◎小便を利し、五淋と閉不通を治す。
       「根・葉を採って汁を絞り、1杯に蜜1匙を入れ服用する。“沙・石淋”        には汁を取って寒水石末を入れて調服し、“血淋”には汁を取って空腹        時に単服する。」
     ◎一切の下痢を治す妙薬。
       「炒って粉末にし空腹時に2銭を調服。」
     ◎難産と横・逆産を治す。
     ◎白内障・鳥目・目の充血・視力減退:
       「1日3~10g煎服」
     ◎百日咳:「車前子10g+甘草2g」煎服。
【成分】
アウクビン(イリドイド配糖体)
ゲニポシジン酸(イリドイド配糖体)
プランタゴ-ムチラゲA(粘着物)
アクテオシド
イリンギン
  【薬理作用】
     <1>利尿作用
<2>鎮咳作用
     <3>抗真菌作用
プランタゴ-ムチラゲA及びその脱アセチル体
→血糖降下作用
→顕著な免疫賦活作用
プランタギン
→呼吸中枢に作用して、顕著な鎮咳作用や気管、気管支の分泌増加作用
  【薬能】
    《神農本草経》
       “気を主り、痛みを止め、水道小便を利し、湿痺を除く”
    《名医別録》
       “肺を養い陰を強め精を益す”
       “目を明らかにし、赤痛を療す”
    《南本草》
       “上焦の火熱を消し、水瀉を止む”
    《本草綱目》
       “暑湿の瀉痢を止む”
    《中薬大辞典》
       “水を利し、熱を清し、目を明らかにし、痰する”
      “小便不利、淋濁、帯下、血尿、暑湿の瀉痢、咳嗽多痰、湿痺、目赤障翳        を治す”
  【薬対】
    『車前子+海金砂』
    『車前子+菊花』=明目作用。目の充血、痛みに。
    『車前子+熟地黄』
    『車前子+蒼朮』
    『車前子+沢瀉』
『車前子+百部』
    『車前子+白朮』
    『車前子+茯苓』=止瀉作用。水瀉性の下痢に。
    『車前子+木通』=清熱鎮痛作用。尿道炎、膀胱炎などによる排尿痛、血尿、小             便不利に。婦人の帯下。竜胆瀉肝湯。
  【配合処方】
     牛車腎気丸
     車前子散《証治準縄》
       [密蒙花・甘菊・白藜・活・草決明・車前子・黄・草竜胆・甘草]
     車前子湯《沈氏尊生書》[車前子、沢瀉、厚朴]



 車前草
【基原】オオバコ科(Plantaginaceae)オオバコPlamtago asiatica L.の花期の全草を乾燥。
  【性味】味は甘、性は寒。
  【効能・効果】 (参照→オオバコ)
     ◎衂・吐・尿血を止める。
       「葉・根の汁をとって5合ぐらい飲む。」
     ◎下痢と熱を治す。
       「茎葉から汁を絞り、1盃に蜜1合を入れ2回に分けて温服。」
     ◎臓毒下血を治す。
       「生姜と搗いて汁を絞って飲む。」
     ◎黄疸を治す。
    
     


 沙苑子(⇒潼藜)マメ科

 沙苑藜(⇒潼藜)

 沙参(しゃじん) ADENOPHORAE RADIX
【処方名】:[沙参][北沙参][細条参][北条参]
  【基原】<1>北沙参:
       セリ科(Umbelliferae)ハマボウフウglehnia littoralis Fr.Schmidtの根及び根茎       を湯通しし、外皮を去って晒干して調製。
<2>南沙参:
       キキョウ科(Campanulaceae)トウシャジンAdenophora stricta Miq.の根を乾燥。
      <3>日本産:ツリガネニンジンAdenophora triphylla A.D.C.subsp. panulata              Kitamura
  【性味】味は甘、性は微寒。 涼補潤平散
  【帰経】肺・腎経。
  【分類】補陰薬。
  【薬性歌】“沙参味苦風熱退 消腫排膿補肝肺”
“沙参、味苦。腫を消し、膿を排し、肝を補い、肺を益し、熱を退け、風を除      く”《万病回春》
  【効能・効果】(解熱・生津・止咳・痰) (参照→「ツリガネニンジン」)
     ◎養陰清肺、清虚熱、潤燥止咳
       <1>肺虚咳嗽
       <2>久咳肺痿
       <3>痰:気管支の粘膜を刺激し、分泌物を増加して痰する。
     ◎睡眠の多い症。
       「煮ても焼いても良い。」
     ◎肝気を養う。
       「煮て服用。」
     ◎肺を潤す。
       「煎服。」
     ◎疝痛のひどいとき。
       「作末して2銭を酒で服用し、又1両を切って煎服。」
  【薬対】
    『沙参+石斛』
    『沙参+貝母』
    『沙参+麦門冬』
  【配合処方】
     益胃湯《温病条弁》
     沙参麦冬飲《温病条弁》


 芍薬(しゃくやく) PAEONIAE RADIX  
  【処方名】:[白芍]
  【基原】ボタン科Paeoniaceae芍薬Paeonia lactiflora Pall.var.tricocarp a Streen.         (=P.albiflora Pall)シャクヤクの根。
      母種は中国東北部の野生品でシベリヤシャクヤク。
      「白芍」=コルク皮を除いて乾燥。(→白芍薬)
      「赤芍」=皮付きで乾燥。(→赤芍薬)
      「真芍」=蒸した後で砂と一緒にすり合わせて、コルク層を削り取って乾燥。           奈良、長野県で栽培。
      「山芍薬」=ベニバナヤマシャクヤク、ヤマシャクヤク。
      「川芍薬」=P.veitchii Lynch.
     ★《神農本草経》:「白芍薬」で上品に収載。
              「赤芍薬」で中品に収載。
     ◎日本で芍薬としているのは、「白芍薬」のこと。
     一名解倉といい、赤白の2種類がある。赤は小便の通りを良くし、白は痛み      を止め血を散らす《神農本草経》
     芍薬を酒に漬けて炒って白朮の用法で使うと脾を補い、川の用法で使うと      肝を瀉し、参朮の用法で使うと気を補う。腹痛下痢には炒って使う《丹渓心      法》

白芍薬:補収、養血・斂陰・柔肝・止痛。
     赤芍薬:瀉散、活血・行滞。

《素問薬注》
“芍薬。これ脾経を通ずるの薬なり”

  【薬能】
《薬徴》
“結実して拘攣するを主治するなり”
“旁ら腹痛・頭痛。身体不仁。疼痛・腹満・咳逆・下利・腫膿を治す”
[結実して拘攣]=草木が実を結んだように硬くなってひきつれる
[腫膿]=可能性の腫れ物
“曰く腹痛、曰く頭痛、曰く腹満、曰く咳逆、曰く下利、曰く排膿、曰く四肢疼痛、曰く攣急、曰く身体不仁。1つに是れ皆、結実して致すところなり。その謂うところの痛は、拘急なり。”
“その結実して拘攣するを治するや明らかなり”
    《重校薬徴》
      “結実して拘攣するを主治す。故に腹満、腹痛、頭痛、身体疼痛、不仁を治       し、下利、煩悸、血症、癰膿を兼治す”
      “朱震亨は、産後に芍薬を用うべからず、其の酸寒は生発の気を伐つと曰う。       李時珍は、白芍薬は脾を益し能く土中に於いて木を瀉す、産後は肝血已に       虚す更に瀉すべからざる故に之を禁ずと曰う。誤なり、世医其の説に雷同       す、思わざるの甚だし、《金匱要略》に産後腹痛枳実芍薬散之を主ると曰       い、《千金方》に産後虚羸腹中刺痛当帰建中湯之を主ると曰う、此れ皆芍       薬を主薬として之を産後に用うること此の如し、その他帰膠湯、桂枝       茯苓丸、土瓜根散等も亦之を産後に用うるも毫も害あることなし、況んや       芍薬は味苦渋にして酸寒ならざるに於てをや。見るべし、酸寒は生発の気       を伐つ及び木を瀉するの説は皆鑿空の論にして疾医の言に非ざるを”
    《古方薬議》
      “味苦平、血痺を除き、堅積を破り、痛を止め、中を緩め、悪血を散じ、臓       府の擁気を通宣死、女人一切の疾、並びに産前産後の諸疾を主どる”
  【配合処方】
     温経湯
     黄蓍建中湯
     黄湯
     黄連阿膠湯
     葛根湯
     帰膠湯
     桂枝加黄蓍湯
     桂枝加桂湯
     桂枝加葛根湯
     桂枝加厚朴杏仁湯
     桂枝加芍薬湯
     桂枝加大黄湯
     桂枝加竜骨牡蛎湯
     桂枝湯
     桂枝茯苓丸
     桂枝茯苓丸料加苡仁
     桂芍知母湯
     桂麻各半湯
     柴胡桂枝湯
     四逆散
     芍薬甘草湯
     芍薬甘草附子湯
     真武湯
     小建中湯
     小青竜湯
     大柴胡湯
     当帰建中湯
     当帰四逆加呉茱萸生姜湯
     当帰芍薬散
麻子仁丸
(6両)
桂枝加芍薬湯証=腹満ときに痛む。
小建中湯証=腹中急痛
桂枝加大黄湯証=大実痛
(6分)
枳実芍薬散証=腹痛煩滿
排膿散
(4両)
芍薬甘草湯証=脚攣急
桂枝加芍薬生姜人参新加湯証=身疼痛
帰膠艾湯証=腹中痛
(3両)
芍薬甘草附子湯
小青竜湯証=咳逆
大柴胡湯証=心下滿煩。又曰く、嘔吐して下利す。
附子湯証=身体痛
真武湯証=腹痛。又云う、沈重疼痛・自下利。又云う、咳。
桂枝湯証=頭痛。又曰く、身疼痛。
烏頭湯証=歴節屈伸しべからず、疼痛。又曰く、拘急。
黄蓍桂枝五物湯証=身体不仁。
(2両)
黄湯証=自下利。
柴胡桂枝湯証=肢節煩疼。
[肢節煩疼]=四肢の関節が気持ち悪く痛む。
【薬対】
『芍薬+甘草』=鎮痙鎮痛作用。筋のケイレンによる脇痛、腹痛、手足痛を治す。芍薬甘草湯
『芍薬+当帰』=養血調経作用。血による、貧血、生理不順、生理痛を治す。当帰芍薬散。
『芍薬+釣藤鈎』=平肝作用。肝陽上亢による頭痛、眩暈を治す。羚角釣藤鈎《通俗傷寒論》
  【品質】
    《重校薬徴》
      “芍薬は奥州南部に出ずる者を上品と為す。薬舗に南部赤芍薬と称する者是       れなり。”




 炙亀板

 炙山甲(⇒穿山甲)


 鷓胡菜
   =まくり(海人草)の全草。
   ○・皰奸・雀卵斑などに使う。
     「屎白を猪脂と調合して使う」
   ◎僅かに味を有し、回虫を駆り、腹痛を止め、腸粘膜を去る等の作用《奥田謙蔵》

 莎草(⇒香附子)

 莎草根
   ○性は微寒、味は甘く無毒。
       <1>気を下し
       <2>胸中の熱をなくす。
       <3>気を良くし
       <4>痛みを止め
       <5>宿食を消化する
     根の上が棗の実ほどのものを香附子といい、または雀頭香ともいう
      《神農本草経》


 赭石

 虫(しゃちゅう) EUPOLYPHAGA
  【処方名】:[虫][地虫][土虫]
  【基原】
      <1>ゴキブリ科(Blattidae)のシナゴキブリ(土虫)Eurolyphaga sinensis Walker.       =体がやや小さく、腹中に土を含まず、体が厚いわりに軽いものが良品。
      <2>ゴキブリ科(Blattidae)のサツマゴキブリ:前胸部、側縁が淡黄色。
     上記の2種を虫とする。
      <3>ゴキブリ科(Blattidae)のPolyphaga plancyi Bol.
<4>ゲンゴロウ科(Oytiscidae)コガタゲンゴロウの乾燥虫体。
  【性味】味は、性は寒。有毒。
  【帰経】肝経。
【分類】活血薬。
  【効能・効果】 
     ◎破血逐、消散結、続筋接骨。
       <1>血を消散して止痛する
       <2>積聚
       <3>閉経
       <4>産後の血による腹痛
       <5>打撲、捻挫にようる損傷
       <6>骨折
     ◎鎮痛効果もあり、口内炎、乳汁不足に応用。
     ◎月経閉止を治す:[水蛭・虻虫・桃仁・大黄・地黄・芍薬]
     ◎腹中血塊を治す:[水蛭・虻虫・桃仁・大黄・地黄・芍薬]
     ◎骨折損傷:[自然銅・乳香・没薬]
     ◎捻挫、打撲傷:[当帰・川]
  【薬能】
    《李時珍》
      “産後の血積、負傷時の血を去らしめ、舌下の膿腫、鵞口瘡、小児の腹痛、       夜啼を治す”
    《薬徴続篇》
      “乾血を主治す。故に兼ねて小腹満痛、及び婦人の経水不利を治す”
    《古方薬議》
      “味寒、心腹の寒熱洗洗、血積、を主どり、堅を破り、血閉を下す”
  【薬対】
    『虫+自然銅』
    『虫+大黄』
    『虫+沢蘭』
    『虫+桃仁』
  【配合処方】
     下血湯《金匱要略》[大黄・桃仁・虫]
     煎含虫湯《太平聖恵方》[虫・塩]
     大黄虫湯《金匱要略》
     鼈甲煎丸《金匱要略》
  【注意】
    <1>堕胎作用があるので、妊婦には禁忌。
    

 瀉葉⇒センナ



 射罔(しゃもう)
神農本草経
キンポウゲ科、草烏頭の汁で製造した膏剤。



 蛇王藤⇒トケイソウ科

蛇含
   ○性は微寒、味は苦、無毒。
      <1>すべての瘧疾
      <2>痰涎を吐かせる。
      <3>寒熱を除去。


 蛇含草
   ○金瘡に。
     「貼ると良い。」
   ○蛇合膏は切れた指をつなぐ。

 蛇含石
   ○性は冷、味甘く、無毒。
     <1>心痛を治す。
     <2>忤を治す。
     <3>石淋
     <4>難産
     <5>小児驚癇を治す。
 蛇膏
   ○久聾を治す。
     「蛇膏で耳をふさぐと即効がある。」

 蛇床=「蛇床子」参照。

 蛇床子
   [薬性歌]“蛇床子苦下気快 温中風瘡疥”
     “蛇床、辛苦。気を下し、中を温め、悪瘡、疥癩に。を逐い風をる”《万      病回春》
   ○陰を温める主薬。
     「煎じ湯で沐浴する。」

 蛇蛻(じゃせい)
   =蛇退皮
   ○目を良くし、障を治す。
     「醋に漬けて乾燥、末・丸服。」
   ○緊唇・重顎・重を治す。
     「焼末して貼る。」
   ○喉閉。
     「焼末して吹き入れる。」
   ○纒喉風で気の不通のとき。
     「蛇蛻を黄色くなるまで焼いて、当帰と等分に作末して1銭を酒で調服する。」
   ○白癜風・白・癧傷風。
     「焼いて醋で調合して貼る。」
   ○瘧が発するときに使う。
   ○難産に使う。
   ○小児の驚癇に。



 蛇胆汁⇒ニシキヘビ科蠎蛇の胆汁。


 蛇苺(じゃまい)
   ○性は大寒、味は甘酸、有毒。
       <1>胸腹の大熱を治す。
       <2>月経不順
       <3>脇瘡腫
       <4>蛇・虫に咬まれた毒を治す。
   ○五行熱病で口に出来た瘡を治す。

 麝香(じゃこう) MOSCHUS
  【処方名】:[麝香][当門子][元寸香]
  【基原】チベット、雲南方面に住むシカ科ジャコウジカの腺分泌物。
     ジャコウジカは口の下に2本の短いキバを持つ
ヘソと生殖器の中間に腹部外皮に密着してジャコウノウがあり、そのなかの強い香気のある分泌物。
     <1>玉麝香:袋状の腺嚢(麝香嚢)に入っている。
     <2>身麝香:麝香の中身で、中に大小不同の黒褐色の粒状の粒(=当門子)が入          っている。
  【性味】味は辛、性は温。
  【帰経】心・脾経。
  【分類】芳香開竅薬。
  【薬性歌】“麝香辛煖善通関 代鬼安驚毒可刪”
    “麝香、辛温。善く関竅を通し、鬼を伐ち、驚を安んじ毒を解すこと尤も妙”
  【効能・効果】
     ◎通竅、辟穢、活血、通経の効がある。
       <1>中風の痰厥
       <2>中悪の昏迷
       <3>驚癇
       <4>
       <5>心腹暴痛          <6>打撲損傷(外用)
       <7>癰疽瘡腫(外用)
     ◎関格を通じ、悪気を追い払い、心を鎮ねる。
      難産・小児の驚癇の用いる。
      客忤=(人・物におびえる)に。
     ◎悪気をなくし、骨髄まで浸み込ませるのは竜脳と同じだが、これはそれより      も効果あり。
       「粉末・丸剤。」
     ◎癇病・驚悸・恍惚・安神の主治剤。
       「粉末にして温水で服用。」
     ◎気閉耳聾を治す。
       「麝香を葱の管に入れて吹き入れ、その管をちぎって耳をふさぐ。」
     ◎鬼痣心痛を治す。
       「大豆ぐらいに取って温水で服用。」
     ◎難産を治す。
     ◎小児の驚癇と客忤を治す。
◎鎮静作用がある
【成分】
<1>ムスコン:
すでに工業生産されている。
<2>シベトン:
■人工合成
「高級香水に使われる麝香の主成分である「シベトン」を効率よく人工合成する事に、関西学院大学とジャパンエナジーの共同チームが成功した。特殊な化学反応を利用する。天然のものに比べ1/10程度の価格で供給できる。まだ実験室段階だが将来は量産も見込めるという。
アフリカに生息するジャコウネコを捕獲し、生殖器の近くにある香嚢から採取しており、1kg当たり数十万円と高価。
関西学院大理学部の田辺陽教授らは、チタンを触媒のように使うことで、ひも状の炭素分子の両端を効率よくつなぎリング状構造を作る製法を開発した。原料の量に対する収率は50%で、1時間の反応で数十グラムのスベトンを作れるという。これまでも人工合成する手法はあったが、量産には向いていなかった。
麝香のもう1つの主要な成分である「ムスコン」はすでに工業生産されている。麝香をわずかに加えると香がまろやかになり長持ちするため、高級な香料に添加されている」2000.10.9《日本経済新聞》
■ムスク・・・・人工合成
「2010年、新潟大学の荻原久大教授らは、取引が禁止されている天然ジャコウ(ムスク)と同じ香料を化学合成で量産できる技術を開発した。高貴な甘い香織の元となる「ムスコン」を安価な原料を使って効率的に製造できる。
価格は既存の代替品の半額になる。
大学院自然科学研究科の荻原教授らが開発。1kg当たり\200ぐらいの「亜鉛華」を触媒として詰めた筒に、原料をガス状に流して作る。
価格は1kg=\5万。
ジャコウは雄のジャコウジカの分泌物を乾燥させた香料。ワシントン条約で取引禁止となってからはスイスのメーカーの代替品が使われていた。ただ、天然型とは分子構造が異なる物質が混ざっており香りも異なる。価格は1kg=10万する。
  【薬理作用】
     <1>呼吸中枢:
       少量で、呼吸中枢を興奮させる(蘇生、救急に応用)。
       大量では抑制する。
     <2>強心作用:
       冠動脈が原因の絞扼痛を緩和する。
     <3>消炎作用
     <4>抗菌作用
  【薬能】
    《薬性提要》
      “辛温、経絡を開き、諸竅を通ず”
  【薬対】
    『麝香+血竭』
    『麝香+牛黄』
    『麝香+雄黄』
  【配合処方】
     延齢丹
     牛黄清心円
     至宝丹
  【参考】
    蟾酥の毒を消すのが麝香。



 錫粉(しゃくふん)

 雀舌草(⇒田基黄)

 楸木皮(しゅうもくひ)
    楸=シュウ、ひさぎ。
   ○性は冷、味は苦、無毒。
      <1>三虫を殺す。
      <2>皮膚虫を殺す。
      <3>膏をつくって悪瘡・疽瘻・癰腫と下部の疳虫を治し、
      <4>膿血をうすめ肌膚をきれいにし、
      <5>筋骨を強くする。

 熟
   ○金瘡の出血・痛みを止める。
     「煎服。」



 熟地黄(じゅくじおう) REHMANNIAE RADIX
  【処方名】:[熟地][熟地黄]
  【基原】ゴマノハグサ科Scrophulariaceae 地黄Rehmannia glutinosa Libosch.f.hueichigensis     (Chao et Schih)Hsiao(カイケイジオウ)の根茎を乾燥し、酒を加えて蒸して日干しに     する作業を繰り返す。
     (参照→生地黄)
  【性味】味は甘、性は微温。 温補潤升収
1.甘苦
2.甘・微苦《本草綱目》
3.甘温《本草新編》
  【帰経】心・肝・腎経。
1.手足の少陰、厥陰経に入る《李晃》
2.足の三陰経に入る《本草従新》
  【分類】補血薬
  【薬性歌】   
     “微温、腎を滋し、血を補い、髄を益し、精を(ウズ)め烏髭、黒髪”
      熟地、微温。腎を滋し、血を補い、髄を益し、精を(みた)し、髭を烏くし、      髪を黒くす。《万病回春》
  【効能・効果】 (滋潤・止汗・強壮・補血)
     ◎補陰補血。
     ◎滋陰補血、ヒゲと髪の毛を黒くする。
      <1>肝腎陰汚
      <2>月経不調・崩漏
      <3>消渇
     ◎腎精を補強する。
【薬効と主治】
《珍珠嚢》
“大いに血虚の不足を補う。血脈を通す。気力を益す”
《王好古》
“立とうとすると目が見えなくなる症状を主る”
《本草綱目》
“骨髄をす。肌肉を長てる。精血を生じる”
“五臓・内傷の不足を補う。血脈を通す”
“耳目を利す。髪やひげを黒くする。”
“男子の五労七傷、女子の傷中崩漏、月経不順、妊娠出産にかかわる諸病を治す”
《本草従新》
“腎水を滋う。骨髄を封する”
“血脈を利す。真陽を補い益す”
“脾陰を補い、久瀉を止める。労傷風痺、陰虧発熱、乾咳痰嗽、気短喘促、胃中が空虚で飢を覚えないもの。痘証心虚無膿、病後の脛股酸痛、産後の腹部急痛。感証陰虧、無汗便閉、諸種動血”
“いっさいの肝腎陰虧、虚損百病を治し、水を壮んにする主薬である”
《中薬大辞典》
“陰を滋う。血を補う、の効能がある。”
“陰虚血が少ないもの、腰膝の痿弱、労嗽骨蒸、遺精、崩漏、月経不順、消渇、溲数、耳聾、目昏を治す”
【各家論述】
《本草衍義》(ほんぞうえんぎ)
“地黄は医方古典ではただ乾地黄と生地黄の2種しか記して、熟地黄については述べていない。血虚労熱、産後の熱、老人の中虚燥熱で地黄にすべき場合に、もし生・乾を投与すると常に大寒の恐れがあるので、後世では熟地黄に改めた”
《張元素》
“熟地黄は腎を補うので、血衰ではこれを用いるべきである。まら臍下痛は腎経に属し、熟地黄でなければ除くことができない。熟地黄は腎を通す薬である”
《李杲》
“生地黄は手心・足心の熱及び心熱を治し、腎水を益して血を治すので、脈が洪実の場合に適している。もし脈が虚の場合は熟地黄がよい”
《本草綱目》
“男子は多く陰虚なので熟地黄を用いるのがよく、女子は多くは血熱なので生地黄がよい”
“さらい、生地黄は精血を生じることができるので、天門冬とともに用いると精血を生じる所に熟地黄を引き入れることができ、熟地黄は精血を補うことができるので、麦門冬とともに用いると精血を補うところに熟地黄を引き入れることができる”
《本草正》
“そもそも人は生まれるゆえんは気と血である。気は陽を主り動であり、血は陰を主り靜である。気を補うには人参を主として、黄蓍、朮はただこれの補佐できるだけである。血を補うには熟地黄を主とし川、当帰はただ佐にできるだけである。しかも、黄蓍・朮・川・当帰は避けなければならない場合があるが、人参・熟地黄は気血に不可欠であり、したがって諸経の陽気が虚して射る場合は、人参でばければならず、諸経の陰血が虚している場合は、熟地黄でなければならない。”
  【修治】
     酒に浸し蒸し用いる。《万病回春》
  【薬能】
    《中薬臨床応用》
       “虚喘を治す良薬”
  【薬対】
    『熟地黄+乾姜』
    『熟地黄+亀板』
    『熟地黄+枸杞子』
    『熟地黄+山茱萸』
    『熟地黄+山薬』
    『熟地黄+車前子』
    『熟地黄+生地黄』
    『熟地黄+石膏』
    『熟地黄+当帰』
    『熟地黄+肉桂』
    『熟地黄+人参』
    『熟地黄+白芍』
    『熟地黄+天門冬』
    『熟地黄+麻黄』
    『熟地黄+鹿茸』
  【配合処方】
     四物湯《和剤局方》
     都気丸
     八珍湯
     六味丸
【注意】
     三白(葱・蒜ノビル・蘿葡ダイコン)を忌む。《万病回春》
鉄器を犯すこと勿れ。



 縮砂(しゅくしゃ) AMOMI SEMEN
  【処方名】:[砂仁][縮砂]
  【基原】タイ、インド、中国南部に産する。
      ショウガ科(Zingiberaceae)陽春砂Amomum xanthioides Wallichの種子団塊(砂仁)      あるいは成熟果実ではじけていないもの(殻砂) 
     ★《開宝本草》:「縮砂蜜」で収載。
  【性味】味は辛、性は温。 温補燥中散
  【帰経】脾・胃・腎経。
《中薬大辞典》脾・胃の経に入る
《湯液本草》手・足の太陰・太陽、足の少陰の経に入る。
《神農本草経疏》足の太陰・陽明・厥陰、手の太陰・陽明・厥陰に入る
《本草再新》心、脾の2経に入る
  【分類】芳香化湿薬。
  【薬性歌】
    “性湿、胃を養い、食を進め痛みを止め、胎を安じ経を通じ滞を破る”
  【効能・効果】(健胃・止瀉・鎮痛・鎮)
       <1>一切の気と心腹痛
       <2>消化不良
       <3>赤白泄痢を治し
       <4>脾胃を温め
       <5>胎痛をなくし
       <6>霍乱を治す
     ◎気をめぐらし、中を調節し、胃を開き食を消す。
       <1>寒瀉痢疾
       <2>胸腹脹痛
       <3>喘吐
     ◎脾胃を温める。
       「末・煎服。」
     ◎胃を温め水穀を良く消化させる。
       「煎じ・末服」
  【修治】
     砂仁ともいって弱火で炒り、皮は捨て搗いて使う《医学入門》
  【薬能】
    《薬性提要》
     “辛温にして、香、胃を和し、脾を醒し、気を快くし、滞を通じ、痰を       り、食を消し、胎を安んず”
《薬性論》
“冷気腹痛を主る。休息気痢を止める。労損を治す。水穀消化する。脾胃を温暖にする”
《本草拾遺》
“上気咳嗽、奔豚、驚癇邪気を主る”
《日華氏諸家本草》
“いっさいの気、霍乱による転筋、心腹痛を治す”
《楊士瀛》
“中を和らげる。気を行らす。止痛する。胎を安らげる”
《本草綱目》
“肺を補い脾を醒し、胃を養い腎を益す。元気を理える。滞気を通す。寒飲脹痞、噎膈嘔吐を散らす。女子崩中(子宮出血)を止める。咽喉口歯の浮熱を除く。銅鉄骨哽を化す”
“方剤を構成する他の薬物を引きつれて下焦丹田の腎に作用させる。そこで補腎薬の方剤のなかで地黄とともに丸剤の形で蒸して用いられる。これは縮砂の下降。引経の働きを応用したものである”
《神農本草経疏》
“縮砂には、その辛味によって発散させ、同時に潤すことができる。また湿性によって調和しつつ気を暢びやかに浸透させることができる”
“虚労による寒性の下痢は、脾胃の虚であり、食物がこなれないで残っているのは脾胃ともに虚である。赤帯下、白帯下ともに胃と大腸が虚し、その結果、湿熱が生じ、それが積み重なって動かないために形成された症状である。これらの症状に対し縮砂仁は、辛味で腎を潤し気を下降させるとともに、温性で脾胃の気をすべて調和するから、寒性の下痢は自ずと止まり、食物のもたれも自然に解消する。赤・白帯下も自ずと治癒し、浮上した腎気は下がり、もとの臓に収まることができる。”
《医林纂要》
“腎を潤す。肝を補う。命門を補う。脾胃を和ませる。鬱結を開く”
《中薬大辞典》
“気を行らし中を調える。胃を和ませる。脾を醒ます、の効がある”
“腹痛痞脹、胃呆食滞(食欲不振)、噎膈嘔吐、寒瀉冷痢、妊娠胎動を治す”
  【薬対】
    『縮砂+厚朴』
    『縮砂+草果』
    『縮砂+桑寄生』
『縮砂+木香』
 “気の流れに異常を生じた病いには、特に速効性が期待できる”《本草彙言》
  【配合処方】
    安中散



 糯米(じゅべい)
   ○脾の殻
     「煮た湯を飲む。」
   ○下痢を治す。
     「半生半炒の糯米を粥につくって食べる。」
   ○霍乱の煩渇を治す。
     「水でひいて汁を飲む。」
   ○消渇を主に治す。

 朱醋
   ○咽瘡を治す。
     「醋でうがいする。」

 朱砂
   =しんしゃ「辰砂」、即ち天然にに出づる硫化水銀なり《奥田謙蔵》
<1>辰砂(cinnabar)は、天然産の赤色硫化水銀好物。組成はHgSだが、そのなかで紅色のこのをいう。別名を「水銀朱」ともいう。
<2>不安定形の黒色のものを『メタ辰砂』といい、実験室で溶液から沈殿させてつくった硫化水銀はこのメタ辰砂である。昇華精製で安定形の赤色の硫化水銀に変わる。東洋の錬金術で多用された。
   ○性は微寒、味は甘く、無毒。
  【薬性歌】“朱砂味甘定魂魄 鎮心養神鬼邪辟”
    “味甘、心を鎮め、神を養い、邪を駆い、鬼を殺し魄を定め魂を安んず”
  【効能・効果】
      魂魄を安定させ、鎮心・養心作用がある。
      鬼邪・中悪に応用。
       <1>百病によい。
       <2>精神を安定させる。
       <3>顔色をきれいにする。
       <4>血脈を通す。
       <5>鬼精・悪鬼
       <6>酔魅
       <7>中悪
       <8>心腹痛
       <9>疥瘻の諸瘡
       <10>肉を治す。
       <11>心・肺を潤す。
       <12>長く飲み続けると不老・神仙の境地に至る。
     ○精神安定剤、常服すると良い。心熱・心虚には朱砂でなければ治らない。
       「細末にし1銭づつ蜜水で服用。」
     ○解熱剤に良い。
     ○瘟疫を予防する。
     ○精魅と邪悪な鬼気を治す。
     ○産後の敗血が心臓に入って鬼祟と同じような症を治す。
     ○顔色を良くする。
  【修治】
     ◎水飛:薬物を碾(ひ)いて作末し、乳鉢に入れ、水を加えて摺り砕いて、非常         に細かにし、更に大量の水を入れて攪拌した後、薬粉を含んだ水をあ         けて、薬粉を分離し、これを乾燥させて細かな粉末を取る。
  【薬能】
    《薬性提要》
      “甘凉、心を鎮め、肝を清し、驚を定め、熱を瀉し、邪を辟く”
  【注意】
     ただし、生で使うと良く、煉って使うと不意の疾患を発することがある《本      草》
  【参考】
    (堀秀道著「楽しい鉱物図鑑」より)
    「辰砂 Cinnabar」:
       <1>硫化鉱物の中で最も古くから人間に利用されてきた鉱物であろう。
       <2>赤色顔料や水銀の原料として用いられた。
       <3>中国では辰州(現在の湖南省)から採れたことから辰砂の名前がおこり、         その色から朱砂と呼ばれた。その純粋なものを「丹」と称し、不老長         寿の霊薬に調合され、道教の神仙術や仏教の密教秘儀には不可欠なも         のとして重用された。
       <4>産地:中国貴州省万山
            日本では、中央構造線沿いに分布。
                伊勢、水井(徳島県)
奈良県宇陀郡菟田野町大沢大和水銀鉱山
    「黒辰砂 Metacinnabar」:
       <1>辰砂を加熱すると344℃で黒辰砂し変化する。ただし、冷えると辰砂         に戻ってしまう。
       <2>黒辰砂はセレン水銀鉱 Tiamannite と異質同像の関係にあるため、セレ         ンを含有する傾向を持つ。
    ■辰砂:古代の戦略物質
     「古代の赤色顔料としては[辰砂]、[ベンガラ]のほかに[鉛丹(四三酸化鉛)]や      [鶏冠石(硫化ヒ素)]などがあるが、“主役は辰砂で、ほかは代用品”と安田      博幸・奈良県立橿原考古学研究所研究員。
魏志倭人伝に、銅鏡100枚とともに、真珠・鉛丹各50斤を卑弥呼に下賜      されたとの記述がある。『朱の考古学』の著書がある市毛勲・早稲田大学講      師は、この真珠をパールではなく、真朱=辰砂だったとみる。鉛丹と同列に      並べられ、重さの単位、斤で量られているからだ。“朝貢国への下賜品とし      て価値を持っていた辰砂は、銅鏡がそうだったように、権威の象徴として分      配され、流通したはず”(市毛氏)
弥生時代後期には国内でも辰砂を産出していた。徳島県阿南市の若杉山遺      跡では、3~4世紀に辰砂を採掘し、砕いてすりつぶしたと見られる加工道      具が出土している。4世紀には辰砂ブームとも呼べる一大需要が起き、天理      市の天神山古墳からは41kgもの辰砂が出た。
その主な供給地が紀伊半島だった。“和歌山、奈良、三重県に横たわる大      和水銀鉱床群は、純度の高い辰砂を産出する全国有数の鉱脈だった”(奥田      尚・橿原考古学共同研究員)。地質学的四国から続く中央構造線上にあり、     「丹生」と地名や神社が密集する地域と重なる。中でも奈良県宇陀郡は“大和      の宇陀の真赤土(まはに)のさ丹-------”と万葉集にも歌われ、土壌や岩石面      に辰砂の鉱石が露出していた状況をうかがわせている。
辰砂の鉱石は実際持ってみると、ズシリとした手応えに驚く。ソフトボー      ル大の大きさでも重金属の工具のような重さだ。これを砕いてつぶし、不純      物と選り分ける。水に入れてぐるぐるかき混ぜれば、比重[8.09]という重さ      の為、最初に沈むので、上澄みを棄てれば容易に採集できる。採掘と精製に      は専門技術集団の丹生氏が当たったらしく。4~5世紀に全国を移動し鉱脈      を探っていた。
辰砂を墳墓に使うのは次第に限定され、代わって錬金技術に使われるよう      になる。万葉集に“仏造る真朱(まそば)-----”という文言が残っている。8      世紀の国家プロジェクト、奈良の大仏建立時には大量の辰砂が集められた。
「鍍金の方法はこうだ。辰砂を蒸し焼きにして硫黄分をガスにして飛ばし、「水      銀」を得る。これを加熱して水銀5に1の割合で金を溶かし込み、練る。こ      うしてかこうしやすくした合金を大仏の表面に塗り、最後に火を近づけて水      銀分だけを蒸発させ、金を付着させる。“この作業で水銀を体内に吸い込ん      だ工人たちに、多くの犠牲者が出たに違いない”と安田氏は推測する。
辰砂はいつも権力のそばにいたが、「朱」の呪術正が薄れ、戦略物質とし      ての価値が低下すると、歴史の表舞台から遠ざかっていく。1998.2.24《日本      経済新聞》


 首烏(⇒何首烏)

 首烏藤⇒タデ科ツルドクダミ

 朮(じゅつ)⇒「白朮」参照
   ◎朮は、宗(そうせき)曰く、古方及び本経には、止だ単に朮と言いて未だ蒼白を別たずと曰    う。陶隠居は両種ありて後人往々白朮を貴びて蒼朮を賤むなりと曰う。為則は漢    産、両種、其れ水を利するや蒼は白に勝る。故に今「蒼朮」を用うと曰う。本邦    産の功は劣る。水洗してみ用う。《重校薬徴》
  【薬能】
《薬徴》
“朮、水を利するを主る。”
“故に能く小便の自利・不利を治す。”
“旁ら身煩疼・痰飲・失精・眩冒・喜唾を治す”
[朮]=キク科の多年草オケラの根
[小便自利・不利]=自利は出過ぎるほど出ること。不利は出が少ないこと。ともに朮の治するところ
[身煩疼]=からだのわずらわしい痛み。
[痰飲]=痰も飲も水のことで、体内にたまって病気の原因となる水を痰飲といい、これに広義のものと狭義のものとある。
[失精]=遺精。精液が病的にもれること。精液の浪費すること。
[眩冒]=頭に何か重いものをかぶっているようで、めまいがすること。
    《重校薬徴》
      “利水を主る。故に小便不利、自利、浮腫、支飲冒眩、失精下利を治し、沈       重疼痛、骨折疼痛、渇、喜唾を兼治す”
      “小便不利自利に論なく、その他支飲、痰飲、冒眩、失精、浮腫、身体四肢       沈重疼痛、下利、喜唾、渇等の如き皆水病なり。故に若の証の者に朮を       用うれば小便快利し、則ちその証は即治す。是に由って之を観れば朮の利       水や明なり”
   (8両)
天雄散
(4両)
桂枝附子去桂加朮湯証=小便不利
麻黄加朮湯証=身煩疼。
越婢加朮湯証=一身面目黄腫、その脈沈、小便不利。
附子湯
(3両)
桂枝去桂加苓朮湯証=小便不利
人参湯証=利下止まず
茯苓沢瀉湯
茯苓飲証=心胸中に停痰・宿水あり、自ら水を吐出す。
五苓散証=小便不利
(2両)
甘草附子湯証=小便不利
真武湯證=小便不利・四肢沈重疼痛・自下利。
苓姜朮甘湯証=小便自利。
苓桂朮甘湯証=心下痰飲あり、又いう、頭眩。
沢瀉湯証=その人、冒眩に苦しむ。
枳朮湯
茯苓戎塩湯証=小便不利。

「《本事方》(類証普済本事方の略、許叔微の著)に許叔微曰く、微、飲を患ふこと30年、左下より声あり、脇痛、食減じ、嘈雑、飲酒半杯即ち止む。十数日にして必ず酸水数升を嘔す。暑月は止(ただ)右辺に汗あり。左辺絶えてなし。自ら揣(はか)るに必ず嚢あらん。水の科臼(きゆう)ありて科(あな)に盈(み)たずんば行かざるが如し。但清きものは行るべく、濁れるものは停滞し、路以って之を決するなし。故に積んで五六日に至れば、必ず嘔して去る。脾土は湿を悪む。しかして水は則ち流れ湿(うるお)ふ。脾を燥(かわか)して以って湿を去るに若(し)く莫(な)し。土を崇(たか)くして以って科臼を填(う)めんと。乃ち悉く諸薬を屏(しりぞ)け、只蒼朮麻油大棗丸を以って服す。三月にして疾除く。此れより常に服し、幅せず痛まず、胸膈寬利し、飲啖(たん)故の如しと。
為則按ずるに、仲景は朮を用ひて水を治す。しかして湿を去って脾を補ふを云はず。許氏は則ち朮を以って、湿を去って脾を補ふとなす。しかしてその水を云はず。何ぞその妄なるや。許氏の病は水の変、故に朮を得て能く治せしなり。人云ふ、許氏能くその湿痰を治すと。余之に戯れて曰く、許自ら能くその病を治せしにあらず、しかして朮能く許の病を治せしなりと。何となれば、則ち許氏の説くところは、見るべからざるを以って見るとなし、知るべからざるをもって知るとなす。空理惟(これ)依(よ)る。古人は則ち然らず。水声ありて水を吐せば、則ち水となして之を治す。是れ知る可くして之を知り、見るべくして之を見る。実事惟(これ)なす。此れ、之れを知見するの道を謂うなり。故に許氏の病ある者は、朮附を用ひて、以ってその水を逐(お)へば、その効、神の如し。嗚呼、仲景の方たる、信にして徴あり。是れに由って之を観るに、許の病の已(い)えしは、、許の効にあらずして、朮の効なり」

[飲]=胃拡張のように、胃に飲食物が停留して吐く病気
     [脇痛]=わきばらの痛み。
[嘈雑]=俗に言う、むねやけ。
[酸水]=胃液。
[嚢]=飲に同じ
[自ら揣る]=自分で考えてみる
[科臼]=科はあな、臼はうす。
孟子に「流水之為物也、不盈科不行、君子之志於道也,不成章不達」(流れる水というものはその特質として、波の谷を満たさないと前に進まないものだ。同じく君子が道を志すにおいても、少しずつ目標の区切りを立てて前に進んでいかないと、上達しないだろう。」 )
[脾土]=脾は現代医学で云う脾ではなく、漢方の古典には胃のうしろにあって、胃の働きを助ける臓器だとあり、このさいの胃は胃腸をさしているので、脾はいまの膵にあたる。この脾は色が黄でからだの中央にあり、五行配当で土にあたるので、脾土とよんだものであるが、ここの脾土は脾腎の意である。
[湿を悪む]=脾胃に水がわまって湿るのはよくない。
[土を崇く]=凹んで水のたまっているところに土を埋めて高くする。
[胸膈寛利]=むねがゆったりとくつろぐ。
[啖]=くらう
[飲啖]=飲食
[湿痰]=湿も痰もともに水。漢方で水毒と呼んでいる。



 狩皮(しゅひ)
   ○五痔・痔瘻・腸風・脱肛と一切の痔病。
     「皮を焼いて調服。」


 珠砂根⇒ヤブコウジ科

 珠児茶(⇒阿仙薬)

 春雨水
   ⇒正月の雨水。
   ○器に入れて貯蔵して薬を煎じて飲むと陽気が上昇する。
   ○正月の雨水を夫婦がそれぞれ1杯づつ飲んで性交すると孕胎に神効がある。
   ○性がはじめて春に上昇し発情する気を受けるので、中気の不足と清気の

 純水→「水」


 小茴香(しょうういきょう) FOENICULI FRUCTUS
  【基原】セリ科(Umbelliferae)ウイキョウFoeniculum unlgare gaertn.の成熟果実。
★《新修本草》:「茴香」で収載。
     ★類似品
      <1>甘茴香(ローマ茴香):Foeniculum dulce DC.(Sweet fennel)
      <2>辛茴香:Foeniculum piperitum DC.(Aseeo finocchio)
      <3>インド茴香:Foeniculum panmoricum DC.(Indian fennel)
      <4>八角茴香(大茴香)シキミ科
     (参照→「大茴香」「キャラウェー」)
  【性味】味は辛、性は温。温補燥中散
  【帰経】肝・腎・脾・胃経。
  【分類】温裏寒薬。
  【薬性歌】“小茴性温除疝気 治腰腹痛兼煖胃”
“性温、能く疝気を除き、腹痛、腰疼、中を調え胃を煖む”
  【効能・効果】
     ◎膀胱を温め、冷気を除去する。
       「煎服」
     ◎口臭をなくす。
       「苗と茎で汁を煮てたべても良く、生でも良い。」
     ◎小腸疝痛で人事不省になったとき。
       「茴香(塩炒)・枳殻各2両、没薬5銭を作末し、2銭を酒で服用」
     ◎睾丸鞘膜の水腫:
       「小茴香15g、食塩4.5g」混ぜて炒黒、作末し「アヒルの卵2個」を併        せて煎じ内服。
     ◎篏頓ヘルニア:
       「9~15g、直接湯を注いで服用」
  【修治】
     塩湯に浸し炒る。《万病回春》
【薬理作用】
     <1>平滑筋収縮作用
     <2>抗菌作用
  【薬能】
    《新修本草》
       “諸瘻、霍乱及び蛇傷を主る”
    《開宝本草》
       “膀胱、腎間の冷気及び盲腸の気を主り、中を調え止痛し、嘔吐を主る”
    《本草衍義》
       “膀胱の冷気及び腫痛を治し、また胃気を調和す”
    《中薬大辞典》
       “腎を温め寒を散らし、胃を和して気を調える”
       “寒疝、少腹冷痛、腎虚腰痛、胃痛、嘔吐、干・湿脚気を治す”
  【薬対】
    『小茴香+生姜』
    『小茴香+肉桂』
    『小茴香+茘枝核』
  【配合処方】
    安中散
    睾丸鞘膜積液方


 小鰕(しょうか) 鰕=エビのこと。
   ○小児の赤白遊疹と丹毒を治す。

 小薊
   ○金瘡による出血が止まらないとき。
     「搗いてかぶせる。」

 小蒜(しょうさん)=山蒜
   ⇒薤白の代用品。
   ○霍乱の吐瀉に。
     「煎じて汁を飲む。」
   ○瘧を治す。

 小草=遠志の苗。

 小麦(しょうばく) FRUCTS HORDEI gERMINATUS
  【処方名】:[浮小麦][小麦][浮麦]
  【基原】イネ科(gramineae)小麦Triticum aestivum L.の未成熟で痩せた種子。
      《本草綱目》:「浮麦」
             “水でとぐと浮き上がるもので、焙って用いる” 
  【性味】味は甘淡、性は涼。涼補潤降収
  【帰経】心経。
  【分類固渋薬。】 
  【薬性歌】“小麦微寒煩熱 止渇利溲養肝血”
  【効能・効果】(鎮静・安眠・止汗)
     ◎心血を養い、熱を除き、汗を止める。
       <1>自汗盗汗
       <2>骨蒸労熱
     ◎煩熱・少睡に良い。
       「煮て服用。」
     ◎肝の気を養う。
       「煮て服用。」
     ◎心気を養う。
       「常食する。」
     ◎酒疸を治す。苗を使う。
     ◎汗を止める。
       「水煎し服用。」
     ◎小児の夜尿症:「桑蛸・益智仁」
  【薬能】
    《名医別録》
      “熱を除き、燥渇を止め、小便を利し、肝気を養い、漏血を止め、気力を強       める”
      “婦人を妊娠しやすくする”
    《薬性提要》
      “甘、微寒。心を養い、煩を除く”
    《古方薬品考》
      “その味甘涼にして滑降なり、故に乾燥を止め、又は小便を利す也”
    《古方薬議》
      “甘、寒。、煩を除き、渇を止め、津液を滋し、中気を和す”
“熱を除くことを主どり、燥渇、咽乾を止め、小便を利し、心気を養う”
    《中薬大辞典》
      “心を養い、腎を益し、熱を除いて渇を止める”
      “臓躁、煩熱、消渇、泄痢、癰腫、外傷出血、火傷を治す”
  【配合処方】
    甘麦大棗湯
    厚朴麻黄湯



 小麦
   ○五臓を和らげる。
     「常食すれば良い。」


 小便
    (参照→「人尿」「童便」)
  【効能・効果】
     ○打撲損傷で悶絶した者:
       口をわって小便を呑ませると、たちまち蘇生する《備急千金要方》
     ○車が転覆して、地に倒れうなっている者7人に、小便を呑ませたところ、た      ちまち良くなって、何の事もなく済んだ。《薛已》
     ○高いところから落ちて仮死状態:
       口をわって小便を呑ませると、たちまち蘇生する《備急千金要方》
     ○高い処から落ち、或いは重い石などにひしがれ、気絶した者には小便を呑ま      せるか、或いは小便を口に入れてやると良い。また車碾といって、車にひし      がれることが京師などにはままある。こてに用いる尿は大人のもの、小児の      ものを撰ばずに何でもあり合わせのものでよい。しかし《備急千金要方》な      どにあつ小便は童便(小児の尿)のことで、これが打ち身によいことを列記      してある。打撲に小便を用いることは諸方書に述べてある。小便は打撲に良      いもので、出血している場合でも出血していない場合でも、ともによい。《有      持桂里》



 生姜(しょうきょう) ZINGIBERIS RHIZOMA
  【処方名】:[生姜][姜]
  【基原】各地に栽培される多年草、ショウガ科ショウガの根茎。
      ショウガ科Zingiberaceae 姜Zingiber officinale Posc.(ショウガ)の新鮮な根      茎。
      「乾姜」=蒸して乾燥。(参照→乾姜)
      「姜」=生姜を()したもの。
      (参照→生姜汁、生姜皮)
  【性味】味は辛、性は微温。温・補・燥・升・散
  【帰経】肺・脾・胃経。
  【分類】辛温解表薬
【薬性歌】“性温、神明を通暢し痰嗽、嘔吐、胃を開き霊を極む”(暢=チョウ、のびる)
      生姜、性温。神明を通暢し、痰嗽、吐に。胃を開くに極めて霊なり。《万      病回春》
  【効能・効果】(発汗・健胃・鎮)
     ◎芳香性健胃・矯味・食欲増進剤
       <1>新陳代謝を促進
       <2>吐
       <3>発熱・鼻づまり
       <4>水毒を去る
     ◎行陽と散気の妙薬。煎服する。
     ◎開胃に効く。
       「煎服」
     ◎顔のできものを治す。
       「汁に軽粉を混ぜて塗る」
  【成分】
    アスパラギン:[0.9%]
  【薬理作用】
<1>発汗作用
      <2>消化促進作用
      <3>鎮作用
     <4>抗痙攣作用
  【薬能】
    《神農本草経》
      “胸満、逆上気を主り、中を温め、止血し汗を出す”
      “風湿の痺、腸下痢を逐す、生は特に良い”
    《薬性提要》
      “表を発し、寒を散じ、痰を豁き、を止む”
    《重校薬徴》
      “結滞水毒を主治す”
      “故に乾嘔、吐下、厥冷、煩躁、腹痛、胸痛、腰痛、小便不利、小便自利、       咳唾涎沫を治す”
    《続薬徴》
      “を主治し乾嘔、噫逆を兼治す”
      “半夏はと吐を兼発する者を治し、生姜はただする者又は多くして吐       少なき者を治す”
    《古方薬品考》
      “生姜汁:痰を開き、逆気を泄すの功、最も速かなり”
    《古方薬議》
      “胃を開きを止む”
      “生姜汁:冷を去り、痰を除き、胃を開き、一切の結実、胸膈の悪気を下し、       毒薬を解す”
    《中薬大辞典》
      “発表、散寒、止、開痰”
      “感冒、風寒、吐痰飲、喘咳、脹満、泄瀉を治す”
      “半夏・天南星及び魚蟹・鳥獣肉の毒を解く”
  【薬対】
    『生姜+橘皮』=橘皮湯《金匱要略》[橘皮、生姜]
『生姜+桂枝』=表虚自汗の者に対する軽い発表作用。桂枝湯
    『生姜+呉茱萸』
    『生姜+大棗』=胃内停水による咳嗽、白色粘痰を治す。生姜瀉心湯
    『生姜+竹茹』
『生姜+塩』=姜塩湯《東醫寶鑑》
    『生姜+竹瀝』
    『生姜+半夏』=胃の冷えによる消化不良、音、食欲不振を治す。あわせて去痰           する。小半夏湯《金匱要略》[半夏、生姜]
  【配合処方】
     温経湯
     越婢加朮湯
     越婢加半夏湯
     黄蓍建中湯
     葛根湯
     桂枝加黄蓍湯
     桂枝加葛根湯
     桂枝加厚朴杏仁湯
     桂枝加芍薬湯
     桂枝加大黄湯
     桂枝加附子湯
     桂枝加竜骨牡蛎湯
     桂枝湯
     桂枝附子湯
     桂芍知母湯
     桂枝二麻黄一湯
     桂麻各半湯
     呉茱萸湯
     柴胡桂枝湯
     柴胡加竜骨牡蛎湯
     炙甘草湯
     生姜半夏湯
     小建中湯
     小柴胡湯
     小半夏加茯苓湯[半夏、生姜、茯苓]
     大柴胡湯
     当帰建中湯
     当帰四逆加呉茱萸生姜湯
     半夏厚朴湯
茯苓飲
     射干麻黄湯


 生姜汁
  【基原】生姜を洗ってすり下ろした汁。
  【性味】味は辛、性は微温。
  【効能・効果】
     ◎化痰・止の効能
       <1>悪心
       <2>吐
       <3>咳嗽(痰が多い)
     ◎芳香性健胃剤
       <1>しゃっくり
       <2>食中毒
       <3>吐き気
       <4>胃腸カタル
     ◎しわがれ声:「大根汁」混ぜて服用。



 生姜皮
  【基原】生姜の外皮。
  【性味】味は辛、性は涼。
  【効能・効果】
     ◎利尿、消腫の効能。
       <1>尿量減少
       <2>水腫
  【配合処方】
     五皮飲
  【用量】
     2~5g。




 生地黄(しょうじおう) REHMANNIAE RADIX
  【処方名】:[生地][生地黄][乾地黄][地黄]
【基原】ゴマノハグサ科Scrophulariaceae 地黄Rehmannia glutinosa(gaertn.)Libosch.(カイ      ケイジオウ)の塊状根をそのまま乾燥。
      乾燥していない新鮮なもの:「鮮地黄」
     (参照→「熟地黄」「鮮地黄」) →「地黄」
  【性味】味は甘苦、性は寒。鮮地黄寒瀉潤升収
  乾地黄寒補潤升収
  【帰経】心・肝・腎経。
  【分類】清熱涼血薬。
  【薬性歌】“微寒、能く湿熱骨蒸、煩労を清し兼ねて血を消す”
       微寒、。能く湿熱、骨蒸、煩労を清す。兼ねて血を消す。《万病回春》
       鉄器を犯すこと勿れ。
  【効能・効果】(滋潤・生津・止血) (参照→「地黄」)
     ◎生地(乾地黄)は補陰・清熱・涼血・止血。
       <1>熱病、津液乾少
       <2>吐血下血
       <3>消渇
       <4>斑疹、咽腫
     ◎心血を補い、また心熱を治す。
       「汁をとって飲むor煎服」
     ◎虫心痛を治す。
       「汁を麺に混ぜて飲む。or米粉を加えた水を飲む」
     ◎慢性関節リウマチの急性期:
       「生地黄90g」水800‹を300‹まで煎じ、2回に分服。
  【修治】
     姜汁に浸(炒)すれば、膈痰に泥まず。《万病回春》
  【薬能】
    《薬性提要》
      “甘、苦にして大寒、火を瀉し、血逆を治す”
    《古方薬品考》
      “生地黄:滋潤にして涼降、故に能く渇を滋ほし、虚を補い、諸熱を解し、           血を消す”
      “乾地黄:主として血を滋し、虚を補う”
    《中薬大辞典》
      “滋陰、養血”
      “陰虚発熱、消渇、衂血、血崩、月経不順、胎動不安、陰傷、便秘を治す”
  【薬対】
    『生地黄+阿膠』
    『生地黄+玄参』
    『生地黄+熟地黄』
    『生地黄+白芍薬』
  【配合処方】
    生地消風飲
    増液湯《温病条弁》[生地黄、玄参、麦門冬]
    当帰六黄湯
百合固金湯
    涼血地黄湯
   三白(葱・蒜ノビル・蘿葡ダイコン)を忌む。《万病回春》


 松脂
   ○性は温、味は苦甘、無毒。
       <1>五臓を安らげて熱をなくす。
       <2>風痺の死肌を治す。
       <3>すべての悪瘡・頭瘍・白禿・疥。
       <4>耳聾
       <5>牙虫。
   ○常用すると軽身・不老・延年に効く。
     「松脂7斤を桑の木を漬けた水1石に入れて煮たものを冷水の中に入れて固め     る。これをまた煮ること10回ぐらい繰り返すと白色になる。この白色の松脂     を粉末にして清酒に白蜜を混ぜて、1日に1両ぐらい飲む。」《世医得効方》
   ○松脂1斤・白茯苓4両を末にし、毎日早朝水に混ぜて飲み、又蜜で丸めて食べる。

 松実
   ○性は温、味は甘く、無毒。
       <1>風痺
       <2>気の不足を治す。

 松節
       <1>百節風
       <2>脚痺
       <3>骨節痛

 松葉
       <1>風湿瘡を治す。
       <2>毛髪が生える。
       <3>五臓を安らげる。
   ○可及的に細切りして陰干し、これを粉末にし3銭づつ酒で服用。
   ○中風に口が曲げてよくきかないのを治す。
     「青葉1斤を搗いて汁を絞り、清酒1ビンに入れて一夜置き、火の側に置いて、      はじめ半升、だんだん1升までになったら汗を出す。」
   ○細く切って水or米飯と混ぜて食べる。
   ○大豆と末にしておいて、いざというときに間に合わせる。
   ○陰干し粉末にし水に混ぜて飲む。
 


 松蘿
   ○性は平、味は甘苦、無毒。
       <1>寒・熱の瘟瘧を治し
       <2>胸中の客熱痰涎を吐かせ、
       <3>水道の通りを良くし
       <4>頭瘡を治す。
      一名「女蘿」で松樹の上に寄生する草《神農本草経》

 橡実
   ○腸胃を丈夫にする。
     「米飯に混ぜて食べる、or丸薬」

 漿水
   ○顔色をよくする。
     「酸っぱいの良い。温くして顔を洗い、布でこすって痛みが出たら白檀を水で      炒って塗る」
   ○淋を治し、小便の通りを良くする。
     「紅蜀葵の根茎・花を水煎服。」

 常山
【基原】ユキノシタ科のジョウザンアジサイも根部を乾燥
  【薬性歌】
     “苦寒、瘧を截り、痰を吐し、傷寒の熱を解し、水脹能く寛む”
  【修治】
酒に浸し切片とす。《万病回春》


 青皮(じょうひ、せいひ)CITRI LEIOCARPAE EXOCARPLUM
  【基原】ミカン科(Rutaceae)柑桔Citrus reticulata Blancoの青い未熟果皮。
        (参照→「陳皮」)
  【性味】味は苦辛、性は温。
  【帰経】肝・胆経。
  【分類】理気薬。
  【薬性歌】
     青皮、苦寒。能く気滞を攻め、堅きを削り、肝を平げ、脾を安んじ、食を下す。     《万病回春》
  【効能・効果】
     ◎肝を通し気を破る。結を散じ止痛する。
       <1>胸腹脹痛
       <2>乳部痛
       <3>疝痛
     ◎気滞と積結・陽気を主治する。
       「煎じても粉末にしても良い」
     ◎肝気を通させる。
       「粉末or煮て服用」
     ◎下気に良く逆気を治す。
       「青皮1分を加えて煎服。」
  【修治】
     少し熱水を用いて浸し透し、穰(ジョウ、たね)を去り晒し乾かす。《万病回春》
     ◎穰を去る:穰とはナカゴ又はサネカワのことで、それを去る。
  【薬対】
    『青皮+莪朮』
    『青皮+橘核』
    『青皮+橘皮』
    『青皮+香附子』
    『青皮+柴胡』
    『青皮+別甲』
    『青皮+白芥子』
    『青皮+木香』
  【配合処方】
     七味調気湯

 硝石
     ○五淋と小便不通を治す。
       「雪白硝石を細く刻んで毎回2銭を、労淋には葵子湯で調服し、血淋・熱        淋には冷水で、気淋には木通湯で、石淋には隔紙を炒って温水で、小便        不通には小麦の煎じ湯で空腹時に服用。名を[透膈散]という。」
     ○偏・正頭痛を治す。
       「硝石末を取って左が痛いときは右の鼻の中へ、右が痛い時は左の鼻中に        吹き入れる」
《薬徴》
“消石 和漢別なし。朴消、芒硝・消石、本これ一物。しかして各形状を以て之を名づくるなり。その能異なるなし。しかして芒硝の功勝れり。故に余家之を用ふ。”


 鍾乳石
   ○性は温、味は甘く、無毒。
      <1>五労と七傷を補い、
      <2>五臓を和らげ
      <3>九竅を通し、
      <4>虚損を補い
      <5>目を明るくし
      <6>精をつけ
      <7>陰を強くし
      <8>下焦の傷竭
      <9>脚が張る疼冷の症を治す。



 樟脳
■ハエが熱を感じる機能
「2008年、自然科学研究機構・生理学研究所の富永眞琴教授らと名古屋大学の共同チームは、ショウジョウバエの「ペインレス」というタンパク質に42℃以上の熱を感じる働きがあることを見つけた。
防虫剤に使う樟脳がその機能を妨害することも分かった。樟脳が虫除けになる仕組みはよく分かっていなかった。



 椒目
    =さんしょう(山椒)の種子。
     ○能く汗を斂む。《先哲医話》→「当帰六黄湯」
     ○膀胱の急なるのを治す。
       「末服・丸服」
  【薬能】
    《和漢三才図会》
       “苦寒、小便を利し、十二種の水腫、腸満、及び腎虚の耳鳴、聾を治す”
    《古方薬品考》
       “下降して、水を腸中に利す”



 升麻(しょうま)CIMICIFUGAE RHIZOMA
  【基原】山野に自生する多年草、キンポウゲ科サラシナショウマの根茎。
      キンポウゲ科Ranunculaceae 升麻Cimicifuge foetida L.の根茎。
      中国産は、オオミツバショウマの根茎。
     ★若葉をゆでて水にさらして食用とするので、サラシマショウマの名がある。
  【性味】味は甘辛、性は微寒。寒瀉燥升散
  【帰経】肺・脾・大腸・胃経。
  【分類】辛凉解表薬
  【薬性歌】“性寒、胃を消し、毒を解し下陥を升提し、牙疼逐う可し”《万病回春》
  【効能・効果】(発汗・解毒・消腫・透疹・升提)
     ◎発表透疹、升陽解毒(風を散じ、毒を解し、陽を引き上げる)      
        <1>時気疫癘
        <2>咽喉腫痛
        <3>斑疹痘毒
        <4>久痢脱肛
        <5>子宮下垂
     ◎脾の麻痺を治す。
       「切って水煎服用」
     ◎解熱、解毒、抗炎症剤
        <1>頭痛
        <2>咽喉痛、口瘡
        <3>麻疹
        <4>脱肛
        <5>瘡腫
        <6>腸チフス、発疹チフス、マラリア
        <7>産褥熱
【薬能】
    《神農本草経》
      “百毒を解し、温疾、障邪を辟けるを主る”
    《李時珍》
      “升麻は陽明の清気を引いて上行し、柴胡は少陽の清気を引いて上行する。       升麻は生まれつき虚弱な者が衰弱し元気が無くなり、仕事による疲労や、       食事を食べたり食べなかったりする不摂生や生物・冷たい物を食べること       により脾胃を内傷した者の引経の最要薬である”
    《薬性提要》
      “風邪を解散し、火鬱を升発し、一切の熱毒および咽痛口瘡を治す”
    《古方薬品考》
      “功用は胃熱、喉痛”
    《古方薬議》
      “能く熱を清し、毒を解す”
    《勿誤薬室方函口訣》
      “升麻は古より犀角の代用にして止血の効あり”
    《張元素》
      “この薬の応用には4種あって、手の陽明大腸経、足の陽明胃経の引経が1       つ。陽気を至陰の下から昇らすのが2つ。至高の上部、及び皮膚の風邪を       去るのが3つ。陽明の頭痛を治すのが4つである”
      “升麻は足の陽明胃経、太陰脾経に引経する薬であり、葱白、白と配合す       れば、手の陽明大腸経、太陰肺経にも入る”
    《李杲》
      “葱白を導いて手の陽明大腸経の風邪を散じ”
      “石膏を導いて陽明経の歯痛を止め”
      “人参、黄蓍は升麻で導かなくては中気を昇挙できない”
    《中薬大辞典》
      “升陽し、発表し、透疹し、解毒する”
      “時気疫癘、頭痛寒熱、喉痛、口瘡、斑疹不透、中気下陥、久瀉久痢、脱肛、       婦女の崩、帯、子宮下墜、癰腫瘡毒を治す”
  【薬理作用】
     <1>解毒作用:
        ハシリドコロの中毒を解毒する。
     <2>解熱作用
     <3>発汗作用
     <4>血を行らす
     <5>子宮収縮作用
     <6>抗菌作用
     <7>降圧作用
     <8>心筋抑制作用
     <9>鎮静作用
<10>抗ガン作用:500mg/‹以上で増殖を抑制する。
  【薬対】    
    『升麻+黄蓍』
    『升麻+葛根』=発表透疹作用。頭痛、発熱などの表証を伴い、麻疹の初期で発            疹がおそいもの。升麻葛根湯
    『升麻+牛蒡子』
    『升麻+柴胡』
    『升麻+生石膏』
    『升麻+蒼朮』=鎮痛作用。軽症の三叉神経痛、胃熱による歯痛、感冒による咽          痛に。清震湯
    『升麻+当帰』=升堤作用。中気を上げる作用で、脱肛、子宮脱、泥状便、水様           便などに。乙字湯
    『升麻+白』
    『升麻+黄連』=陽明胃経の熱を冷ます。
  【配合処方】
     升麻葛根湯
     升麻鼈甲湯
  【注意】
     ◎多量(常用量2~9g)に用いた場合、以下の症状が出ることがある。
        <1>頭痛
        <2>ケイレン
        <3>四肢の強直
        <4>陰茎の異常勃起
        <5>興奮性の症状。


 商陸(しょうりく)
   ○性は平、味は辛酸、大毒。
   [薬性歌]
     “辛甘、赤白各異る。赤は腫を消し、白は水気を利す”
  【効能・効果】
       <1>10種類の水病を瀉す。
       <2>喉痺の不通を治す。
       <3>虫毒を下す。
       <4>堕胎させる。
       <5>癰腫をなくす。
       <6>悪瘡に貼る。
       <7>大小便の通りを良くする。

 菖蒲(しょうぶ)
  【薬性歌】
    “性温、心を開き、竅を通し、痺を去り風を除き、声を出すこと至って妙なり”


 椒目(しょうもく)
  【基原】ミカン科(川椒)カホクサンショウの種仁で、川椒を(微炒)して熱いうちに搗い      て、外殻を取り除いたもの。
  【性味】味は苦、性は微温。
  【効能・効果】
       イ)浮腫
       ロ)尿量減少
       ハ)咳嗽
  【薬能】
    <1>下達する。
    <2>能く腎虚耳鳴を治し、水を行らし、湿を利す。
    <3>《寇宗》
       “椒目は盗汗を治すに有効”
    <4>《朱丹渓》
       “諸喘の止まらないものを治す”
  【配合処方】
     已椒黄丸《金匱要略》



 食塩
=食塩はナトリウムと塩素(クロール)からできている。血液検査ではナトリウムだけでなく、塩素(クロール)とカリウムを同時に測定するのが普通。3つを同時に測定することで病気を正確に診断できます。
血清塩素濃度は通常、ナトリウム濃度と平行して変動します。基準値は血液1㍑あたり96~108㍉当量です。ナトリウム濃度が低いときには塩塩濃度も低く、逆にナトリウム濃度が高いときには塩素濃度も高くなるの傾向があります。
塩素は陰イオンとして、血液がアルカリ性に傾いたり、酸性に傾いたりすると、それを補正するために、たっかうなったり、低くなったりして働いています。
血清の塩素濃度が高くなるのは、[高ナトリウム血症]に伴う場合や、[下痢][高張性脱水][腎尿細管性アシドーシス]などの場合です。
逆に血清塩素濃度が低値になるのは、[低ナトリウム血症]に伴う場合や、[嘔吐][胃液吸飲]などで塩素が失われる場合です。利尿薬を服用していたり、原発性アルドステロン症などにかかっていても低値になることがあります
  【薬性歌】
     食塩、味鹹。能く中痰を吐素。心腹の卒痛に。過多なれば顔を損ず。《万病回     春》



 蜀漆(しょくしつ)
【出典】神農本草経
【異名】[鶏屎草][鴨屎草] (日華子諸家本草)
【基原】ユキノシタ科の植物、黄常山(和名:ジョウザンアジサイ)の若い芽。
黄常山の根=「常山」
常山の苗が蜀漆
【採取】夏。日干し。
【性味】苦・辛温・有毒
(神農本草経)辛・平
(名医別録)微温・有毒
(薬性論)苦・小毒
【帰経】手足の厥陰経(得配本草)
【薬効と主治】
“痰を除く、瘧を截(た)つ。癥積聚を消す”
(神農本草経)瘧および咳逆による寒熱、腹中の
【薬能】
“蜀漆は胸腹、臍下の動劇しきものを治す。”《方極刪定》



 蜀椒(しょくしょう)⇒「山椒」 

 稷米(しょくべい)
   ⇒稷(ショク、きび)
   ○胃や養う。
     「飯・粥が良い」


 杵頭糠
   ○噎食が降りず、咽喉のつまった症。
     「細糠を取って蜜で梧子大の丸剤。服用。」


黍米(しょべい)
   ○肺病に
     「飯を作って食べる」


 地竜
   =<フトミミズの乾燥品> (→ミミズ)
   =「蚯蚓」 
    [薬性歌]“蚯蚓気寒治大熱 傷寒瘟疫狂譫絶”
      傷寒・瘟疫の伏熱に用いる。
      発狂・譫語に応用。
      蛇虫毒を除き、長虫を殺す。
    
    [効能] 1.解熱
        2.解毒作用
        3.利尿
        4.ひきつけ
        5.リウマチ
        6.咳
   ■血栓溶かす酵素発見
     「岡山理科大学の浜田博喜助教授と塩水港精糖などの研究グループは、血栓を     溶かす新たな酵素を発見した。血の固まりを直接溶かす新タイプのタンパク質     で、ミミズから成分を抽出した。
試験管レベルでの実験では従来の血栓溶解剤などに比べて10倍以上の溶解     作用があることを確認した。量産も容易で新たな決せ尿介在の開発につながる     可能性があるという。
従来の血栓溶解剤は、血液中の成分に働きかけて溶解物質を作り出し血の固     まりを溶かすが、新発見の酵素は直接血の固まりを溶かす。ネズミに出来た2     ~3cm大の血の固まりに、酵素濃度1%溶液をたらしたところ、90分で固     まりが全部溶けた。この酵素は大腸菌で大量生産出来るところまできていると     いう。
既存の溶解剤には[TPA]などがあるが、高額のため救急部門などで使用す     る程度という。1998.3.28《日本経済新聞》


白樺(しらかば) Betura platyptylla var. japonica
   =「シラカバ」「シラカンバ」
「シダレカンバ」とは別。
   ■森の雫
     「生みの親は北海道大学農学部の寺沢実教授だ。帯広畜産大に勤務していたこ      ろ白樺の化学成分研究のサンプルにと、大学構内の大きな枝を切り落とした。      するとその切り口から泉のように受益が湧いてきて、なめたらほんのり甘い。      以来、教授は受益にすっかり魅せられた。95年にはメープルシロップで知      られるカナダをはじめ米国・ロシア・中国など樹液をたしなむ文化が花咲く      北方圏諸国の学者と美深で国際樹液サミットを開いたほどだ。
もともと北海道では、アイヌの人々がイタヤカエデや白樺の樹液をよく飲      んでいたと言われるが、寺沢教授は「果実ドリンクが飲まれていた古代、す      でに北海道に樹液を飲む習慣が伝来した可能性があります」と言う。
樹液は変質し易く、時間を置くと雑菌が入る。その変質を熱殺菌で抑え、      ビン詰めにする方法を編に出したのが柳生さんだ。量産化したのは3年前。」
1998.4.26《日本経済新聞》


白樺茸
   ■サルノコシカケ科。学名:Fuscoporia obliqua
             和名:カバノアナタケ
     無味無臭。
ロシア・シベリアでは健胃食品として用いられ“チャガ茶”という名で飲む習慣あり。

 白粥
   ○朝早く起きて白粥を作って食べると、胸膈が良くなり、胃が強くなって、津液が 出来1日中爽快な気分でいられる。

 白葱
   ○上・下の陽気に通じる。
     「青いところを捨て、白いところを根のまま煎服。」

 白茯苓
   ○秘精剤・心虚夢泄剤として、
      「(酒浸)して光明砂とつかう 細く砕いて毎回4銭づつ1日3回、米飲で服       用。」
   ○ソバカスをなくし、顔色を良くする。
      「作末し蜜であえて塗る」



 焼酎
■焼酎菌(麹菌の一種)で
「バイオベンチャーのファーマフーズと京都工芸繊維大学のグループは、麹菌の一種である焼酎菌が野菜を発酵させて苦みやアク(灰汁)などを抑え、鉄分などの栄養分を吸収しやすくすることを実証した。
京野菜の「聖護院かぶら」「京人参」「堀川ごぼう」を使って実験した。
実験に使ったのは焼酎菌『Aspergillus kawachi HSW198』
京野菜を沸騰水で煮た後に、熱風乾燥や凍結乾燥などを試み、焼酎用麹菌のほか、白味噌用、赤味噌用、醤油用の菌種を加えて味の変化や酸化度合い、細菌増殖を比較した。
かぶら特有のニオイの元の揮発性硫化物濃度を測定したところ、、麹菌による発酵後48時間で350ppmからほぼゼロになった。同じ量の野菜を発酵前後で比べると、水溶性の鉄分量はかぶらで13倍、ゴボウで12倍、人参で2倍に増えた。
食物繊維の含有量も同様に増えた。
他の麹菌では、このような傾向は無く、糖化やタンパク質分解が進み雑菌も増えた。
「クエン酸が生成され、酸化度も他の菌より2倍以上高かった」(平賀和三・京都工芸繊維大学応用生物学助教授)2008/6/3




 食茱萸
    <1>冷痺を治す。
      <2>腰脚の弱いのを治す。
      <3>精力をつける。
      <4>牙歯の虫を殺す。
      <5>腹の三虫と悪毒をなくす。
      <6>腸風
      <7>痔疾
      <8>冷え・水気を治す。


 辛夷(しんい)MAGNOLIAE FLOS
  【基原】各地の山野に自生し、又は栽培される落葉高木。
     <1>中国産:モクレン科(Magnoliaceae)木筆Magnolia biondii Pamp.モクレン。       M.liliflora Desr.シモクレン。M.denudata Desr.ハモクレン。などの花蕾を乾燥。
     <2>日本産:モクレン科(Magnoliaceae)タムシバの花蕾を乾燥。
     ★心と外毛苞を捨てて使う。《神農本草経》
     ★開花直前の蕾を採集し、軸を除き、風通しの良い日陰で十分乾燥させる。
  【性味】味は辛、性は平、無毒。温瀉燥升散
  【帰経】肺・胃経。
【分類】辛温解表薬。
  【薬性歌】“辛夷味辛鼻流涕 香臭不聞通竅剤”
  【効能・効果】(発散・排膿)
       <1>頭風
       <2>脳痛
       <3>面を治す。
       <4>鼻づまり
       <5>鼻水
       <6>歯痛
     ◎鼻塞を治す。
       「作末し葺茶湯で1煎を調服。又綿でくるんで鼻中をふさぐ。」
◎肺中の風邪を散じ、清陽を上らせ鼻竅を通じる・
       <1>頭部のすべての病に著効:1日4g煎服。
       <2>頭痛
       <3>めまい
       <4>鼻づまり
       <5>鼻炎・蓄膿症。
  【薬理作用】
     <1>降圧作用
     <2>クラーレ様作用:腹直筋に作用。
     <3>局所麻酔作用
     <4>抗真菌作用
  【薬能】
    《神農本草経》
      “五臓身体の寒、熱、風、頭脳痛、面を主る”
    《名医別録》
      “中を温め、肌を解し、九竅を利し、鼻塞涕出を通じ、面腫歯に引いて痛む       者、眩冒し、身兀兀として車船の上に在るが如くなるを治し、鬚髪を生じ       白蠱を去る”
    《李時珍》
      “鼻淵、鼻、鼻空、鼻瘡及び痘後の鼻瘡にはいずれもこれを研末し、麝香       少量入れ、葱白に付けて数回入れるべし。甚だ良し”
    《中薬大辞典》
      “風通竅”
      “頭痛鼻淵、鼻塞不通、歯痛を治す”
  【薬対】
    『辛夷+川』=気の不通による頭痛を伴う鼻炎、蓄膿症に(鎮痛排膿作用)。            辛夷清肺湯
    『辛夷+蒼耳子』
  【配合処方】
    辛夷散[辛夷、白、防風、細辛、升麻、藁本、川、木通、甘草]
辛夷清肺湯



 神麹(しんきく)
    =数種の薬品を以て製したるこうじ(麹)なり。《奥田謙蔵》
   [薬性歌]“神麹味甘善開胃 消食破結下痰気”
    “味甘、胃を開き食を消し、結を破り、痰を逐い、中を調え気を下す”
     ○健脾消化作用。
       「末でも煮てもよい。」
     ○下痢を止める。
       「蒸して作末し、栗米飲で1日3回
        銭を服用。」
     ○水穀を消化し宿食を腐化させる。
       「末・煎服。」
     ○死胎が出ないときに使う。
  【修治】
炒り用いる。《万病回春》
  【薬能】
    《薬性提要》
      “辛にして甘、胃を開き、水穀を化し、積滞を消す”


 新汲水
   ○刀傷で内臓が出たとき、新しく汲んできた泉の水をふくむと、贓物が入っていく。


 鍼砂(しゅくしゃ)
     ○白髪を黒くする。
       「2銭を7日間醋浸し、晒して乾燥,黒く炒って没石子1箇を入れて塗る。」


 真珠(しんじゅ)
   ○性は寒、無毒。
  【薬性歌】珍珠、気寒。驚を鎮め、癇を除く。聾を聞き、翳を磨し、渇を止め、痰を       墜とす。《万病回春》
  【効能・効果】
       <1>心神を鎮める。
       <2>顔色を良くする。
       <3>耳聾
       <4>手足・皮膚の逆騰を治す。
     ○顔面の肺毒瘡が大風瘡のようになった症。
       「粉にして乳汁に混ぜて塗る。」
   ■タンパク質構造を解明
    「真珠を育てるアコヤ貝の貝殻は、内側の「真珠層」と外側のざらざらした「凌     柱層」に分かれている。「真珠層」を構成する「真珠タンパク質」が炭酸カル     シウムの粒とともに、真珠の色つやになっている。このタンパク質は層状に重     なって固いうえ、溶解しにくいため、構造が解明されていなかった。
  三重大学医学部生化学講座のグループが解明。
      アミノ酸が738個で、アミノ酸の種類は20。このうち2種類がそれぞれ     10個前後連続して並んでいるところが10数カ所ずつあった。
      1997.6.19《朝日新聞》
■アコヤ貝はどうして?
「古代エジプト時代から珍重されてきた真珠。二枚貝のアコヤガイに人工の核を押し込み、貝の分泌物によって丸い真珠をつくる養殖技術は日本で開発された。
最近の研究で真珠の光沢を生むカギとなるタンパク質が見つかった。
真珠の輝きの秘密は炭酸カルシウムでできたアラレ石という結晶と、糖の仲間であるキチンが交互に重なった「真珠層」にある。それぞれの層の厚さは光の波長とほぼ同じ数百ナノ㍍。光が当たると層の境目で反射し、空にかかる虹と同じ原理で、光沢が生まれる。
アコヤガイは真珠を作るさけでなく、もともと殻の内側に真珠層を持っている。真珠層は他の貝(ムール貝など)にもある。
東京大学農学生命科学研究科の長沢寛道教授らは、アコヤガイでは2種類のタンパク質が働いて真珠層を作ることを突き止めた。キチンにくっつくタンパク質と炭酸丸シウムを集めるタンパク質が交互に働き、重なった層ができるという。
その目的は“生体防御のためではないか?”と長沢教授は推測する。砂粒や寄生虫などの異物が貝殻の中に侵入し、貝が自分では排除できないとき、無機物で異物を塗り固め、悪さをしないようにするという見方だ。
実際、異物を外へ押し出しやすい貝殻のへりには真珠層が無く、別の結晶構造になっている。
“体の内外に結晶をつくる働きは生物の種類が違っても、共通の原理があるに違いない。”と長沢教授は話す。
  【宝石療法】参照→「パール」
   ■アコヤガイの大量死
    「科学技術庁は西日本を中心に真珠養殖業に打撃を与えているアコヤガイの異常     死の原因を突き止めるため、周辺海域の環境調査に乗り出す。黒潮の蛇行がア     コヤガイのエサとなるプランクトンの増殖に及ぼす影響などを調べ、対策づく     りに役立てる。水産庁や通産省工業技術院と共同で2月上旬に着手、4月をめ     どに報告をまとめる。
 アコヤガイの大量死は昨年8月から報告が相次ぎ、被害は三重、愛媛、大分     など1府15県に及んでいる。
 全国の真珠養殖で4割のシェアをもつ愛媛県の推定被害額は約180億円。     稚貝・母貝・核を挿入した貝ともに平均48%の割合で死んでいるが、原因は     よく分かっていない。1997.2.1《日本経済新聞》
   ◎生産量の1/4を愛媛県が占める。


 秦(じんぎょう) gENTIANAE MACROPHYLLAE RADIX
  【処方名】:[秦][西秦][左秦]
  【基原】中国に自生する多年草、リンドウ科オオバリンドウ、ハイリンドウなどの根。
      リンドウ科gentianaceae 秦(大秦)gentiana macrophylla Pall.の根。
      この他(小秦)g.dahurica Fisch.も用いる。
  【性味】味は苦辛、性は平。無毒。
  【帰経】胃・肝・胆経。
  【薬性歌】“秦微寒治湿功 下血骨蒸肢節風”
       “微寒、湿を除き、筋を栄え、肢節風痛、下血、骨蒸”
  【効能・効果】
     ◎散風除湿、舒筋通絡、清熱除蒸
       <1>風寒湿痺と
       <2>全身のケイレン
       <3>肢節の疼痛
       <4>酒黄・黄疸
       <5>骨蒸を治し
       <6>大小便の通りを良くする。
  【薬理作用】
       <1>解熱作用
       <2>鎮痛・鎮静作用
       <3>抗アナフィラキシー作用
       <4>抗ヒスタミン作用
       <5>血糖上昇作用
       <6>降圧作用
       <7>抗菌作用:赤痢菌・チフス菌・黄色ブドウ球菌。
  【薬対】
    『秦+地骨皮』
    『秦+防風』


 神経系に作用する精油【芳香療法】
   <1>鎮痛・鎮痙・鎮静作用のすべてがある。
       ベルガモット
       カミルレ
       ラベンダー
       マージョラム
   <2>鎮痛・鎮痙作用がある。
       ユーカリ
       ペパーミント
       ローズマリー
   <3>鎮痙・鎮静作用がある。
       クラリセージ
       サイプレス
       ジュニパー
       メリッサ
       ネロリ
       バラ
       サンダルウッド
   <4>神経系全体に有益な強壮作用を持つ。
    カミルレ
       クラルセージ
       ジュニパー
       ラベンダー
       マージョラム
       メリッサ
       ローズマリ


 沈香(じんこう)AQUILARIAE LIGNUM
燃やすことで香りがたつ。
ベトナムも世界遺産ホイアンで人工栽培。雨期の前に木に穴を開けると、木が樹脂を出す。
【基原】インド・中国南部・マライなどに自生し、又は栽培される常緑高木、
      ジンチョウゲ科Thymelaeaceae白木香(沈香)Aquilaria sinensis(Lour.)gilg.で、黒      褐色の樹脂を含む木材を乾燥加工したもの。この樹脂は、虫害や人工的に大      樹の地上1~1.5mぐらいに傷を付け樹皮から分泌し、長時間かかって沈積      して出来る。
  【性味】味は辛、性は熱、無毒。
  【帰経】脾・胃・腎経。
  【分類】理気薬。
  【薬性歌】“沈香煖胃兼逐邪 降気衛気功難加”
        沈香、気を降ろし、胃を煖め、邪を追い、天に通じ、地に轍し、衛気誇        るに堪えたり。《万病回春》
  【効能・効果】
       <1>風水毒腫を治す。
       <2>悪気を除く。
       <3>心腹痛を治す。
       <4>精神を強くする。
       <5>冷気による麻痺を治す。
       <6>霍乱・吐瀉の麻痺を治す。
     ◎気を降ろし、腎をおさめ、痰涎をなくす。
       <1>胸腹脹満
       <2>吐逆
       <3>気喘
     ◎鎮静剤である。
       「粉末・丸剤で」
     ◎命門の火の不足を補う。
       「粉末にし薬に入れて飲む。」
     ◎気管支喘息に著効
       「[沈香1.5g、側柏葉3g]細末とし就寝前に服用。」
     ◎肝硬変で鼓腸が主症。
       「木香・厚朴・大腹皮」
     ◎鎮静・解毒・健胃薬として
       <1>ヒステリー
       <2>気滞
       <3>喘息
       <4>心臓衰弱
  【修治】
     湯薬にはひいて入れ、丸・散薬には細かく切って使う《医学入門》
  【薬能】
    《日華子本草》
      “中を調え、五臓を補い、精を益し、陽を盛んにし、腰膝を暖め、転筋・吐       瀉・冷気を止め、腸癖を破る。冷風麻痺、骨節不任、風湿の皮膚痒、気       痢を治す”
  【薬対】
    『沈香+烏薬』
    『沈香+砂仁』
    『沈香+紫蘇葉』
    『沈香+子』
  【配合処方】
    延齢丹
    喘四君子湯
    沈香降気湯
    時行天麻湯
    当帰養血湯


 人爪甲
  【効能・効果】
     ○転尿閉を治す。
       「自分の爪甲を取って焼いて灰にして水で飲む。」
     ○小児の驚気を静めるとき使う。

 人中黄
  【効能・効果】
     ○疫毒を治す。


 人中白
  【効能・効果】
     ○捻挫による骨の痛みを治す。
       「焼いて末にし、5分を温酒で服用。」

 人乳汁
  【薬性歌】
     人乳。味甘。陰を補い、陽を益し、顔を悦麦門冬湯締め、目を明らかに酢。羸     痩の仙方なり。《万病回春》
   ⇒γーリノレン酸が含まれている。
  【効能・効果】
     ○五臓を補い、肥らせ延年に効く。
       「銀器に入れておいて夜明けに取り出して飲む。飲むとき1回飲むたびに        指で鼻を抑え、口をゆすぐようにしながら乳汁とツバが解け合うように        して、5~7回に分けて飲む込む。」
  ○病気のない婦人の乳汁2杯を清酒半杯に混ぜ、銀器又は石器に入れておいて、      温めて毎夜1合づつ飲む。
  ○人乳は百薬の長。
     ○五臓を補う。
       「常服すればよい。」
     ○目が赤く痛み、涙が多く出る症。
       「男子の乳汁で点眼する。」
     ○老人の口瘡で食べられないとき。
       「人乳を温めて飲む。」
     ○痩せを防ぎ、肥らせる。     
       「常飲する。」
■母乳の成分は十人十色
     「ナトリウムの含有量は東北の人が100cc当たり18.5mgなのに近畿は12.7mg。     母乳の食べ物の塩分が露骨に反映している。夏バテで赤ちゃんの胃腸が弱るか     らか、タンパク質は冬に多く夏は少ない。未熟児の母の初乳は濃い。赤ん坊の     生息状況に合わせたオーダーメードなのだ。1006.5.31《朝日新聞》」

 人屎(じんし) 屎(シ)=くそ。
  【効能・効果】
     ○骨蒸熱を主治する。


 人尿
   =12歳未満の健康な男児の尿。(参照→小便)
  【効能・効果】
     ○目を良くし、赤腫と昏を治す。
       「童子尿を食べたり洗ったりする。」
     ○傷寒による発熱・発狂。
       「野人の乾糞。」
     ○咳喘を治し、また労渇嗽に良い。
     ○積が腹につまって、諸薬効なきとき。
       「人尿を空腹時に1升ぐらい飲む。」
     ○天行病で大熱あるとき。
     ○打撲と落傷の血が心を打って気絶したとき。
       「熱い尿を1~2升飲むと生き返る。童子尿が最も良い。」
   ◎人尿から抽出された「CDAⅡ」は、米国・中国で新薬となっている。
  【薬能】
    《薬性提要》
      “にして寒、能く肺火を引いて下行し、膀胱より出ず。火を降ろし、陰を滋すこと      甚だ速かにして、吐衂、損傷を治す”
    《古方薬議》
      “味涼、肌膚、心肺を潤ほし、血悶、熱狂、撲損、血、運絶、吐血、鼻洪を療す      ”


 人胞
   =胎衣
  【効能・効果】
     ○肥らせる。
       「蒸熟して五味であえて食べるか、滋補の薬と混ぜて丸薬にする。」

 真鍮(しんちゅう)
  【宝石療法】
   ◎金の代用。
   ◎銅と同じように、宝石の体に対する反応を強める。
   ◎真鍮には鉄分が含まれているため、セットされた宝石は体をサポートします。
   ◎相性の良い宝石
      <1>すべての石英
      <2>すべての綱玉
<3>結晶性の宝石
リーディング(トレーシー・ジョンソン)
「真鍮は聴力のため」
      「護符や装飾として」
      「長円形にして、時にクリスタルをセットすると良い」

 秦皮
   ○性は寒、味は苦、無毒。
  【効能・効果】
      <1>肝に熱がある
      <2>目が赤く腫れて疼痛
      <3>涙が止まらない
      <4>目の中の白膜
      <5>青盲
      <6>熱痢
      <7>帯下
      <8>小児の疳熱
     ○眼中の青と白膜を主治し、両目が赤腫で痛み、涙が止まらないとき。
       「秦皮1升を煎じてうわずみで洗う。」
  【薬能】
    《古方薬品考》
      “味苦寒にして収なり。故にその能、滑瀉を固有し、腸間の結熱を除く”
    《古方薬議》
      “味苦、微寒、風寒、湿痺を主どり。熱を除き、目を明らかにし、熱利、下       重を治す”
  【配合処方】
     白頭翁湯


 辛温発表剤として能く用いられる生薬
麻黄・桂枝・紫蘇・防風・白芷・辛夷・荊芥などがある。
麻黄・桂枝→荊芥より発表力が強く
紫蘇→ 荊芥と同程度の発表力があるが、温性作用がより強く、鎮静作用がある。
防風→桂枝と麻黄の如く荊芥と配合して用いることが多いが、発表力は荊芥より劣っている半面、鎮痛作用がすぐれる
白芷→排膿、消腫作用を有し、辛夷は鼻塞を除く作用に勝れる。発表力は荊芥より      弱い

風寒の証には・・・荊芥+防風
   風熱の証には・・・荊芥+薄荷、荊芥+連翹
咽痛には・・・荊芥+牛蒡子