薬物<す>

【薬物名す】


ス(酢)
⇒酢酸を薄めたものでなく、米から造った米酢を用いる。
*内臓脂肪を減らす
*カルシウムの吸収が良くなる

【効能・効果】
○蟯虫駆除:
 酢を水で2倍に薄め、浣腸する。
○卒倒:
 酢を温め、その蒸気をかがせると、覚醒する。
○おぼれた時:
 酢を飲ませる。
○タムシ:
 酢で患部をふく。
○ノドにものが詰まる:
 酢を飲ませる。
○水虫:
 患部を20分浸ける。


スイカ(西瓜)
(参照→「カラハリスイカ」)
連作出来ない。

病気に弱いので、苗をユウガオなどに接ぎ木して育てる。
コルヒチンという薬品で処理をしたスイカとふつうのスイカを交配すると、種なしすいかの種が得られます。これをまくと、その果実は種なしになるのです。
和歌山特産の”源五兵衛”は果肉が白い品種で、堅いので生では食べませんが、奈良漬けとして利用します。
◎原産:アフリカ。

栽培は4000年前から。ケニアのトゥルカナ地方のロクワナ村から北へ150km、ロドワー近郊のナクワメクイには、今も原種に近いスイカが自生する1997.8.17《朝日新聞》

[薬性歌]“西瓜甘寒治暑毒 煩渇血痢利溲足”

○口瘡を治す。
「瓜中の漿を少しづつ飲み、冬は皮を焼いて灰を含む。」
○心をすっきりさせ、小腸熱を冷ます。




スイカの皮【黒焼き】
=口角炎(外用)、口内炎(外用)。

スイカズラ
⇒満開を少し過ぎて、やや黄色になった頃に花を採集(金銀花)。
開花時~花の終わり頃の間に、葉のみ採集(忍冬)。or茎葉を採集し陰干しする。
  

【効能・効果】(すいかずら)
○打ち身:
忍冬or金銀花を入浴料にする。。

○ウルシかぶれ:     
忍冬or金銀花を入浴料にする。。

○かぜ:
忍冬or金銀花10~15g/日、煎服or茶代用。

○関節炎:
忍冬or金銀花10~15g/日、煎服or茶代用。

○口内炎:
忍冬or金銀花10~15g/日、煎汁でうがいする。

○歯槽膿漏:
忍冬or金銀花10~15g/日、煎服or茶代用。

○痔出血:
「忍冬30g・遠志5g」煎汁で罨法(著効)。
「忍冬・紫蘇葉・艾葉各30g」煎汁で罨法(著効)。

○湿疹:
忍冬or金銀花10~15g/日、煎服or茶代用。

○腎臓病:
忍冬or金銀花10~15g/日、煎服or茶代用。

○脱肛:
「忍冬30g・遠志5g」煎汁で罨法(著効)。
「忍冬・紫蘇葉・葉各30g」煎汁で罨法(著効)。

○疔:
忍冬or金銀花10~15g/日、煎服or茶代用。

○腸炎:
忍冬or金銀花10~15g/日、煎服or茶代用。

○毒下し:
「忍冬・ドクダミ・山帰来」煎服

○脳溢血:
忍冬or金銀花10~15g/日、煎服or茶代用。

○梅毒:
忍冬or金銀花10~15g/日、煎服or茶代用。

○腫れ物:
「金銀花・紅花」作末し酢で練って塗布する。

○冷え症:
忍冬or金銀花10~15g/日、煎服or茶代用。

○皮膚病:
金銀花を(酒浸)し、少し温め約1ヶ月保存したものを服用(著効)。
乾燥葉の煎汁に麹を入れて忍冬酒を作り呑む(著効)。

○不老長寿:
金銀花を(酒浸)し、少し温め約1ヶ月保存したものを服用(著効)。
乾燥葉の煎汁に麹を入れて忍冬酒を作り呑む(著効)。

○扁桃炎:
忍冬or金銀花10~15g/日、煎服or茶代用。

○膀胱炎:
忍冬or金銀花10~15g/日、煎服or茶代用。

○癰疽:
金銀花を(酒浸)し、少し温め約1ヶ月保存したものを服用(著効)。
乾燥葉の煎汁に麹を入れて忍冬酒を作り呑む(著効)。

○腰痛:
忍冬or金銀花を入浴料にする。。

○淋病:
忍冬or金銀花10~15g/日、煎服or茶代用。


スイゼンジナ
◎野菜
「中国で「木耳菜ムーアルツアイ」という。キク科の野菜で、草と灌木の中間的様相をしており、年中若葉が出て食用になる。葉の表面は緑色であるが、その裏面は紫色をしている。鹿児島では軽く炒めて、熱湯をかけ酢味噌で食べている。
鹿児島での名称は「ハンダマ」。


スイゼンジノリ
■巨大分子
「008年6/13、九州地方の一部で繁殖するラン藻の一種「スイゼンジノリ」から巨大分子の抽出に、北陸先端科学技術大学院大学が成功した。
分子量は1600万で水分子のおよそ90万倍。長さも10マイクロ㍍ある。
「自然界の分子としては史上最大」(金子達雄教授)。この分子には水を自分の重さの5000倍以上溜め込む性質があった。
保湿成分として知られるヒアルロン酸の約5倍の保水効果がある。



スイセン
【基原】ヒガンバナ科スイセン属
【学名】Narcissus tazetta
【英名】Narcissus
=ヒガンバナ科スイセン属の多年草。

◎有毒成分:

アルカロイド(リコリン)
催吐剤として用いられる「エメチン」と似た薬理作用を現す。
全草とくに鱗茎に多く含まれる。
   

◎中毒症状:

嘔吐、下痢、よだれ、低血圧、頻脈、中枢神経麻痺。
ヒガンバナにも含まれるリコリンなどのアルカロイドは、消化管を刺激して吐き気や嘔吐
◎毒性:強く、死亡例あり。
◎アサツキ、ニラ、ノビルと間違えやすい。
  

【効能・効果】(すいせん)
○悪性の腫れ物:
鱗茎をすりつぶし布に伸ばし患部を湿布(著効)。
鱗茎汁を塗布する。

○打ち身:
鱗茎をすりつぶし布に伸ばし患部を湿布。or鱗茎汁を塗布する。
鱗茎をすりつぶし、山梔子末or黄柏末or大黄末を加え、酢を入れてかき混ぜ、患部に塗布する。

○肩こり:
鱗茎をすりつぶし布に伸ばし患部を湿布。or鱗茎汁を塗布する。

○関節水腫:
「鱗茎・唐胡麻」をすりつぶし、足の土踏まずに貼る。

○骨折:
鱗茎をすりつぶし、山梔子末or黄柏末or大黄末を加え、酢を入れてかき混ぜ、患部に塗布する。

○神経痛:
鱗茎をすりつぶし布に伸ばし患部を湿布。or鱗茎汁を塗布する。

○突き目:
花の振り出しor鱗茎の絞り汁で洗眼。

○肉離れ:
鱗茎をすりつぶし布に伸ばし患部を湿布。or鱗茎汁を塗布する。

○乳房炎:
鱗茎をすりつぶし布に伸ばし患部を湿布(著効)。
鱗茎汁を塗布する。

○乳房の腫れ:
鱗茎をすりつぶし、山梔子末or黄柏末or大黄末を加え、酢を入れてかき混ぜ、患部に塗布する。

○乳腺炎:
鱗茎をすりつぶし布に伸ばし患部を湿布(著効)。
鱗茎汁を塗布する。

○捻挫(ねんざ):
鱗茎をすりつぶし布に伸ばし患部を湿布。or鱗茎汁を塗布する。

○瘭疽(ひょうそ):
鱗茎をすりつぶし布に伸ばし患部を湿布。or鱗茎汁を塗布する。

○腹水:
「鱗茎・唐胡麻」をすりつぶし、足の土踏まずに貼る。

○婦人病:
花を煎服。

○浮腫:
「鱗茎・唐胡麻」をすりつぶし、足の土踏まずに貼る。

○やけど:
鱗茎をすりつぶし布に伸ばし患部を湿布。or鱗茎汁を塗布する。

○癰腫(ようしゅ):
鱗茎をすりつぶし布に伸ばし患部を湿布(著効)。
鱗茎汁を塗布する。

○リウマチ:
鱗茎をすりつぶし布に伸ばし患部を湿布。or鱗茎汁を塗布する。

■昭和57年2月8日
「56歳の主婦。まぶたや頬に紅い湿疹ができたので皮膚科を受診。症状は新しい化粧品を使った翌日から出始めたので、化粧品の使用を止めたら、いったんはおさまった。ところが、1週間ぐらいでまたぶり返してきた。今度は、前より症状がひどかった。
ようやく原因が分かったのは、庭のフサザキスイセンを生け花にしたときだった。その2日後、顔のカブレが急激に再発した。それでアレルギーテストをしたら、花、葉、茎、球根のすべてに陽性反応が出た。」

■66歳主婦。
「長年、ずっと顔の湿疹に悩んでいた。とくに、冬から春にかけて赤い発疹が出来たり、ひどいときは水疱になる。原因不明のまま10年もステロイド治療をしていた。しかし、悪化が肥土こうなったので、昭和59年4月、別の病院へ受診した。この当時にはすでに、スイセンの接触皮膚炎は専門家の間で知られており、敏感な人は温室にあるスイセンの匂いをかいだだけでもかぶれるということが分かっていた。
もしやと、医師がたずねると、彼女は数日前にスイセンを活けたという。種類はフサザキスイセンだった。
どういうワケか皮膚炎を起こすのはいつも[フサザキスイセン]で、[ラッパスイセン]や[キズイセン]などでは反応が出ないという。」





スイートアーモンド油
⇒マッサージのベースオイル(キャリヤーオイル)として用いられる。


スイートシスリー
【学名】Myrrhis odarata
【英名】Sweet cicely(スイートシスリー)
【和名】なし
【分類】セリ科、多年草。
【原産地】ヨーロッパ
【効能・効果】
<1>ダイエット中の人の天然甘味料
<2>糖尿病の人の天然甘味料


スイートバイオレット
【学名】Viola odorata
【英名】Sweet violet
【和名】(ニオイスミレ)
【分類】スミレ科、多年草
【原産地】ヨーロッパ
【使用部位】葉・花・ときに根。
【成分】サポニン
      サリチル酸メチル
      アルカロイド(オドラチン)
      精油
      フラボノイド

【効能・効果】
☆去痰作用
☆鎮静作用
☆二日酔い
☆頭痛
☆頭が熱く感じる疾患
☆片頭痛
☆乳頭のただれ、ヒビ割れ:新鮮な葉でパップ。
☆腫瘍(葉)
☆ガン(葉)
☆熱をもった腫れ物(根を含む全草)
☆不安解消(花)
☆不眠症(花)
☆おたふくかぜ(根を含む全草)
  

【参考】
<1>スミレ類には体を冷やす性質がある。
<2>根はトコンの代用。
  

【注意】
<1>根を多量に服用すると、催吐作用がある。


スィートピイー(麝香豌豆)
【学名】Lathyrus spp.
【英名】Sweet Pea
【基原】マメ科レンリソウ属。

・レンリソウ属は、北半球と南米、温帯のアフリカに約30種が分布。
・レンリソウ属には、野生、栽培種にかかわらず、毒性アミノ酸が含まれている。植物にはタンパク質に含まれないアミノ酸が300種以上もあって、その一部に毒性を発揮する種類がある。

毒性アミノ酸は、花や葉などすべてに含まれているが、特にサヤと種子(マメ)に集中している。、そして、生はもちろん、火を通しても毒は効力を失わない。

【成分】

☆β-N(γ-l-グルタミール)
☆アミノプロピオニトリル
「心臓がドキドキするといったかわいらしい毒ではなく、頚椎マヒにかかって骨に異常をきたす。脚がマヒして膝が曲がらなくなるため、カタカタと棒のようにしか歩けない病気。」

■頚椎麻痺で骨に異常
「1969年、アメリカのカリフォリニア州ソノマカントリーで、牧場のウマが、突然倒れると、後ろ脚が硬直しそのまま動けなくなった。エサであるオートムギの干し草に60%もの野生のスイートピーが混入していたの原因だった。幸い命は取り留めたが、後ろ脚にマヒが残った。
 スイートピーとその仲間であるレンリソウ属は、日田半球と南米、温帯のアフリカに薬30種が分布している。私たちが親しんでいるスイートピーの故郷はイタリアのシチリア島で、野生状態だった頃はレンガ色だったといわれる。そのため、スイートピーには「暗い赤褐色が麻黄湯だっている」意味のラテン語“ラティス”が学名として付けられている。現在のカラフルな色のスイートピーは1690年にイギリスにわたって以来、品種改良され1900年には264種にも変種が作られた。
 レンリソウ属には、野生、栽培種にかかわらず、毒性アミノ酸が含まれている。植物にはタンパク質に含まれないアミノ酸が300種以上あり、その一部に毒性を発揮する種類がある。毒性アミノ酸は、花や葉などすべてに含まれているが、とくにサヤと種子(マメ)に集中している。そして、生はもちろん、火を通しても、毒は効力を失わない。(植松黎著「毒草を食べてきた」p58~)

■ヒヨコ豆
「スイートピーの仲間であるレンリソウ属のヒヨコ豆が家畜や人間の食糧として栽培されていた時代があった。一般にスーパーなどで売られているヒヨコ豆と、スイートピーの仲間の豆とは全く別の種類なのに、同じ名前が付けられている。インド料理のダールでおなじみの無害なヒヨコ豆は学名をキケル・アリエティヌスといい、マメ科ヒヨコマメ属なのに対し、スイートピーの仲間のヒヨコ豆は学名ラティルス・サティバというマメ科レンリソウ属である。。

■ラチリスム
ヒポクラテスは、紀元300年にラティルス属に起因する病気について記述しているが、「ラチリスム」という病名がつけられたのは1873年イタリアにおいてだった。現在では、骨そのものに異常を来す『骨性ラチリスム』と、神経から骨にくる『神経性ラチリスム』に分けられ、動物は前者に、人間は後者に罹ることが分かっている。
ある動物実験によれば「骨性ラチリスム」に罹ると骨に障害を起こすだけでなく、動脈が膨張して破裂したり、細胞組織の接合部が破壊されたりすると言う。
人間に起こる「神経性ラチリスム」も動物に似ている。マヒや硬直が足だけでなく、腕、腸、膀胱にまで及ぶ。他の症状は治っても脚にマヒが残る。 (植松黎著「毒草を食べてきた」p60)





スイバ(タデ科)
別名・スカンポ・スカンボ・スイジュ・スシ・サトギシギシ。
山野・土手・空き地などの日当たりの良い、湿った所を好む多年草。
【食べられる】

 

スカラベ  SCARAB
⇒糞ころがしという甲虫の形に彫った石。
◎エジプトでは数千年前がらスカラベで年賀状を交換していました。
◎応用:自分を見失った時。
     

内臓脂肪を減らす カルシウムの吸収が良くなる
【学名】Scutellaria laterifolia
【英名】Skullcap、helmet flower、mad-dogweed
【使用部位】地上部
【成分】

フラボノイド配糖体:スクテラリン、           スクテラレイン
精油
苦味質:消化器官を刺激し、強壮作用がある。
タンニン
  

【効能・効果】(すかるきゃっぷ)

神経系に対するすぐれた強壮薬。
<1>神経症
<2>抑鬱状態
<3>不眠症
<4>神経性の頭痛
<5>テンカン
<6>狂犬病
  

【参考】
<1>代替品:ウッドセージが使われる。
<2>同属のコガネバナは(Scutellaria baicalensis)、漢方の「黄芩」。


スギ(杉)
【効能・効果】
○水虫:

青い葉を一握り、炭火の上に置くと黒い煙が立ち上る。この煙を患部に当てる。その後、ドクダミの葉を揉んで汁を塗布。1日2回、5日間。《片倉鶴陵》

【参考】

自動車部品に…杉に含まれるリグニンを使う。

リグニンは木材の重量の3割を占め、セルロースに比べて分解しにくい。

 

 

スギナ(Horsetail)
【学名】Equisetum arvense
【英名】Horsetail、mare's tail、shave grass、bottlebrush、pewterwort
【使用部位】地上部
【成分】

<1>ケイ素(溶けた状態で70%以下):
⇒体内のカルシウムの吸収と消費を促進し、動脈内に脂肪性沈殿物が溜まるのを防ぐ。
<2>サポニン(エクイセトリン)
<3>アルカロイド(極微量)
     ニコチン
     パルストリン
     パルストニリン
<4>フラボノイド
<5>マンガン
<6>カリウム
<7>硫黄
<8>マグネシウム
<9>タンニン
  

【効能・効果】(スギナ)
[1]泌尿器の感染症

[2]結核(ケイ素)

[3]貧血

[4]肉体疲労

[5]爪の白斑(体内でカルシウムが不均衡)を治す

[6]収斂作用:止血

[7]穏やかな利尿作用

[8]夜尿症(小児)

[9]前立腺炎・前立腺肥大

[10]膀胱炎

[11]尿路結石

■老化予防
「加齢とともに、またホルモン活性の減退とともにケイ素(silicon)の含量は動脈及び皮膚において減少します。ケイ素はまた、骨・軟骨及び結合組織の修復に役立っています。スギナはケイ素の優れた給源ハーブです。そのため骨折・靱帯裂傷などの伝承薬でした。」




スギノリ
■放射線によるガン治療に
「坂口謙吾・東京理科大学教授らのグループは、2006年9/28、海藻のスギノリから取りだした『糖脂質』という物質に、放射線によるガン治療の効果を高める働きがあることを、動物実験で確認した。
この糖脂質はガン組織に集まる性質があり、体内に入れて放射線を照射すればガン組織は壊死し、大きくならなかった。副作用も見られなかった。
坂口教授らはスギノリから抽出した『SQAG』と呼ぶ糖脂質に、がんの増殖を抑えることを発見した。人工合成して作用を詳しく調べたところ、ガン表面にある抗原とくっつき、ガン組織周辺に血管が出来るのをふせぐことが分かった(新生血管を防ぐ)。抗ガン作用自体は弱いが、副作用が出なかった。
そこで、研究グループは『SQAG』と放射線ガン治療と組み合わせてみた。人の肺ガン組織を移植したマウスに、SQAGを投与してから放射線を照射すると、ガン組織は見えないほど小さくなった。40日後も大きくなることは無かった。」20069/29《産業》




スギヒラタケ
■死亡
「新潟・山形県内で2004年9月以降、腎臓に持病を持つ中高年の男女5人が急性脳症と見られる症状で死亡していたことが10/21判明。集中的に発生した原因は不明で、新潟県は新種の病気の可能性も視野に、厚生労働省や大学など研究機関と典型死調査しているが、5人中4人が食用キノコ『スギヒラタケ』を食べたと確認され、同県は「キノコ自体が原因とは考えられないが、高齢で腎臓に病気がある方は、原因がハッキリするまでは食べるのを控えた方がいい」としている。
新潟県によると、50代~80代の男女11人が発症し、うち3人が死亡した。全員が入院し、症状が回復した1人が退院。足に力が入らなくなったり、ふらつきを感じた後、数日で手足が震える症状が出て、その後数時間~1日の間にケイレンが止まらなくなったろ、意識障害に陥ったりした。
11人は、発症前から人工透析を受けるなど腎臓に病気があり、発症前2週間以内にスギヒラタケを食べていたことが共通している。山形県で死亡した60~70代の2人も人工透析を受けており、うち1人はスギヒラタケを食べていた。
新潟県は「キノコの中毒では説明が出来ない。スギヒラタケを毒キノコと混同することも考えにくい」としている

■以前にも
「スギヒラタケを食べた腎臓病患者が急性脳症を起こし亡くなるケースが相次いでいる問題で、日本腎臓学会は2004年11/5、昨年以前に同様の脳症患者が2人いたことを明らかにした。患者の調査結果からは、熱に強い物質が急性脳症の原因になっている可能性が高いとしう見方も示した。
同学会によると、1997年と2003年の1例ずつ、スギヒラタケが原因で脳症を起こした患者が2人いたことを明らかにした。そのため、スギヒラタケが今年になって突然毒性を持ったとの見方は弱まった。
同学会はスギヒラタケが原因で急性脳症を起こしたと見られる52人の情報を独自に収集。うち15人が死亡、致死率は約3割だった。人工透析患者522人を調べた結果、スギヒラタケを食べた290人のうち脳症発症者は12人で、発症率は4%だった。
大半がみそ汁や油炒めにして食べており、脳症の原因物質は加熱調理でも分解しない熱に強い物質である可能性が高いという。」2004.11.6《日本経済新聞》

■急性脳症
「構成労働省は2004年11/19、腎機能に異常がない人も摂取を見合わせるように注意喚起を求める通知を都道府県に出した。腎機能障害が無かった可能性がある人の死亡例が初めて確認されたため。
厚労省によると、10月下旬に急性脳症の疑いで死亡した新潟県の20歳代の男性が発症3日前、スギヒラタケを食べていたことが判明。腎機能の異常をしめす検査データや人工透析歴は出ていない」

■毒性
「急性脳炎・脳症を引き起こす可能性が問題になっているスギヒラタケが、マウスに対して致死性の毒性を持っていることが2004年11/28日までに、静岡大農学部の河岸洋和教授(天然物科学)らのグループの研究で分かった。
人体への影響や毒性物質が特定された訳ではないが、キノコ自体に何らかの毒性が含まれている可能性が出てきた。
河岸教授らは、多数の患者が発症している甲信越地方のスギヒラタケを採取。マウスに与える実験を重ねたところ、「水に溶け、熱に強い高分子」の成分がmマウスに対し強い毒性を持つことが判明。河岸教授は「環境の変化で、2004年のスギヒラタケが急に強い毒性を持った可能性が考えられる」としている。」

■未発見の成分
「腎機能障害のある人が食べた後、急性脳炎・脳症になる可能性が問題になっているスギヒラタケに、食用キノコで見つかっていない種類の低分子化合物が含まれていることを200411/30。金沢大学の太田富久教授(天然物科学)の研究で分かった。
この化合物を含む液体をマウスに注射した実験では、マウスに変化は現れなかったが、低分子の化合物は血管を通じて脳組織内に浸透できるため、太田教授らは分子構造の特定を進め、脳症との関連を調べる。」2004.12.1《日本経済新聞》

■毒性物質
「スギヒラタケを食べた後、急性脳症になった患者が出たことで、金沢大の太田富久教授(天然物化学)の研究グループは2005年2/22までに、血液の赤血球や白血球を破壊して急性の貧血を起こす毒性物質が含まれることを動物実験で確認。
動物実験では、90℃の熱水で抽出したスギヒラタケのエキスをマウスの腹腔内に投与した結果、10匹のうち7匹が24時間以内に死亡。しかし、100℃で抽出したエキスでは、体重が減少したものの1匹も死ななかった。」2005.2.22《日本経済新聞》



スキラ
【学名】Urginea maritima
【英名】Squill、white squill、sea squill
(カイソウ)(海葱)
【使用部位】肥厚した乾燥鱗茎内部の鱗片。
【成分】強心配糖体
      フラボノイド
      粘液
      タンニン
      精油
      炭水化物
  

【効能・効果】(すきら)
カタル性気管支炎 

【参考】
赤花のスキラは強力な嘔吐作用をもつ[スキリロシド]を含有するので、殺鼠剤として用いられ、薬用にされない。


スクマウィギ(アブラナ科キャベツ目)
⇒ギリシャやアフリカに自生する植物で、暑さ・寒さに強く、1年草であるが、年間を通じて葉の収穫が出来る。生育は70~75日程度。主要産地のケニアでは、家庭料理などで多様される一般的な野菜。
カルシウム342mg/100g
βカロチン3310μg/100g


スクワラン
■介護用
「マルハグループ本社は加齢により皮膚が乾燥しやすくなり肌が荒れる老人性乾皮症の予防効果があるスクワランオイルを店頭で発売する。

スクワランはヒトの皮膚の表面に出てくる皮脂とほぼ同じ成分。体内から出る水分の放出を抑える働きがあり、化粧品などに配合されている。同社は国内で供給されるスクワランオイルの約60%mのシェアを持つ。

スジ(諸々の筋)
○筋が良くなる。」


 ススキ
■非可食性作物
阿蘇の草千里では平安時代以前からススキを萱(かや)などとして利用してきた伝統がある。野焼きによるススキ草地の管理などのノウハウやススキ草地を1000年以上維持してきた。
ススキ草地は、日本のどこでも目にするありふれた風景だ。だが、ススキ属の植物は日本、韓国、中国、東南アジアだけに分布する。欧米では自然には繁茂していない。
“2008年から北海道大学と提携してススキの研究に着手している”と2010年1月に大阪で開催されたシンポジウムで、バイオマスエネルギー研究の大御所である米国エネルギー研究所(EBI)のクリス・ソンマービル所長が発表して会場は騒然となった。
なぜ、
①スウィッチグラスやトウモロコシなど他のエネルギー作物を凌駕する高いバイオマスの生産力がある。
②大型のススキである「オギススキ」は高密度で栽培可能で、増収力も強く、年間1㌶あたり30㌧~40㌧もバイオマスを生産できる。
③多年堂であるため秋になると葉や茎など地上部から窒素や有機体の炭素などの栄誉言う分が地下茎に移動し、蓄積される。この結果、地上部のセルロースを収穫しても、栄養分を保持した地下茎が残り、次の収穫のために必要な肥料の量が少なくてOK。
④酸性土壌など耕作不適地でも栽培が可能
オギススキは横浜の植物園からデンマークの植物収集家が1935年に園芸品種として欧州に導入したもの。オギススキは通常のススキとオギを交配して育種した品種で、3㍍以上の背丈になる。種なしスイカと同じ3倍体で、種子が実らず、雑草として拡散しない利点もある。
日本では、牧草の研究は行われているが、ススキの研究者はほとんどいない。北海道大学の山田教授も農水省在職時は牧草の研究者だった。
遺伝資源の保護
山田教授・・・・200種類
メンデル社・・2000種類





スズナ=菘  


スズメ(雀)
【効能・効果】
○胃酸過多:スズメの黒焼き末を飲む。

○咽喉閉塞と口噤を治す。
「雄の糞をこまかくして温水で半銭調下する。」

○齲歯。
「雄の雀屎を綿でくるんで、孔内に1日1回詰め込む。」(屎シ=くそ)

○脚気:
スズメの黒焼き末を飲む。

○眼病:
頭の黒焼き末を飲む。

○下疳(長引く者):
スズメの黒焼き末を、濃い茶で飲む。

○五臓の不足の気を治す。
「肉を焼いて食べる。」

○血崩・帯下を治す。
「肉を焼いて又は煮て食べる。」

○心臓病:
スズメの黒焼き末を飲む。

○精力をつける。
「雀肉と蛇床子を膏にして丸める。=駅馬丸という。

○せき:足の黒焼き末を飲む。

○喘息:スズメの黒焼き末を飲む。

○乳房の腫痛:
スズメの黒焼き末をゴマ油で練って塗布する。

○百日咳:
スズメの黒焼き末を飲む。
足の黒焼き末を飲む。

○目のなかの努肉の出る症と、赤脈が瞳にかかる症。赤・白膜を治す。
「雄の雀尿を男子乳汁に混ぜて垂らす。」

○癥瘕・痃癖・伏梁の塊を治す。(雄雀尿)

○リウマチ:
スズメの黒焼き末を飲む。
○瘰癧:
肉・骨を叩きつぶし、塗布する。or煮食する。

 

■スズメの酒
「いつも通っている近所の指圧員の先生がいる。80歳半ばだろうと思われるが、実に足腰が強く頭脳も明晰、言うこともズケズケと元気なご婦人なのだ。言葉使いが丁寧で施療後、ああ、スッキリしました、と言うと、「それはようございました」と言われて背筋が伸びたりする。
ある日、よくまああれだけお酒のことを、という話になって「私の知っているお酒は雀のお酒ぐらいです」と言い出した。サルの酒なら知っている。山猿が木の実を摘んで木のほらやウロに隠し、そこに雨水も加わって発酵して酒になったという話だ。しかし、雀の酒というのは聞いたことがない。
「雀は黒穂でお酒を造るんですって」とおっしゃる。穂の病気である[黒穂病(くろほびよう)]になって切り捨てた穂を雀たちが拾って、やはり木の穴か何かに蓄えたものに水がたまって発酵したのだろう。黒穂病におかされた麦や米類は黒かび状になってひどい減反をもたらす。
だが毒でもないらしく、黒穂病で肥大化したマコモを食料にしたのが[マコモタケ]だし、メキシコではこの黒穂病におかされたトウモロコシを[ウイトラコーチェ]と呼び珍味としてケサディーヤなどのクレープにして食べている。
雀のお宿でおじいさんが飲んだのはこの黒穂の酒らしい。だが雀が酒をねえ、と思っていたら、アイヌ民族の神謡の「アマメチカッポ カムイ」、つまり「雀の神」という歌の中に「私は倉に入り、1本のヒエの穂を取りだし、酒を造りました。神の好物ですから、2、3日たつと上等にできあがりました」という部分がある。
之と同じような神謡が金田一京助の「ユーカラの研究 アイヌ叙事詩」にも載っているし、民話に「雀酒屋」というものもある。どちらも雀が酒を造る。だから酒と字はサンズイにトリ(酉)と書くとも言われている。」
東 理夫(作家)

■スズメの焼き鳥
京都市伏見区の伏見稲荷大社周辺ではスズメ1羽を丸ごと使った焼き鳥が食べられてきた。
稲荷大社は五穀豊穣の神とされる。
コメなどを食い荒らすスズメを捕まえ、焼き鳥として食べるようになったのが始まり。
1923年創業の食堂「稲福」では京都や兵庫など5府県の漁師から1日数百羽を仕入れている。
醤油や酒に漬け込み焼き上げる。
頭は肝のような味わいで、体はパリパリした食感が特徴。
12月~数ヶ月。




スズメバチ
◎刺されると、血中の赤血球がみるみる壊れる。
◎日本には5種類のヴェスパ属:大型のスズメバチが生息する。
オオスズメバチ:世界最大かつ最強のハチ。山中の地面の中に大型の巣を作る。ミツバチの天敵。
→スズメバチhttps://naoru.com/suzumebati.htm


<1>神経毒:「マンダラトキシン」と川合氏が命名。
オオスズメバチの学名ヴェスパ・マンダリニアから.
①マンダラトキシンには、神経や筋肉に生じる活動電位を呼ばれる信号を止めてしまう性質がある。活動電位は、ナトリウムイオンが細胞の中へ入ることによって起こる。マンダラトキシンは、そのナトリウムイオンの入る穴をふさいでしまう。
②フグ毒のテトロドトキシンに作用が似ている。しかし、テトロドトキシンの効かない細胞、例えば昆虫の幼虫の筋肉などにも効く点が異なる。

<2>強心作用を有する成分がある。

<3>ハチに刺されて死亡する例の多くは、アレルギーによるショック死である。一度ハチに刺されると、血中にハチ毒の抗原に対する抗体が産生される。そして再び刺された場合、急激な抗原抗体反応の結果、アナフィラキシーと呼ばれる急激な血管系や呼吸器系の障害が起こる。抗原の正体は不明。

<4>アトランタオリンピック女子マラソンの有森選手のドリンクの中身は、オオスズメバチの働きバチが幼虫にえさを口移しに与えるのと引き替えに、幼虫が口から出す透明な液体(栄養液)と同じアミノ酸バランスであった。(川合述史著『一寸の虫にも十分の毒』p56~109)

★有毒成分(アミン・ペプチド・酵素)。

アミンは生体に対しては強い神経毒として作用する。

キイロスズメバチ:攻撃性が強い。

モンスズメバチ:

ヨーロッパでは、南部を除いてこの1種類のみ。
英語でホーネット。

ヒメスズメバチ:攻撃性が少ない。巣の底が開いている。

コガタスズメバチ(Vespa analis):
北はウスリーから西はインド、南はジャワ島まで、日本を含めて広範囲に分布。

◎ヴェスプラ属:小型のスズメバチの仲間。
ジバチ:長野県で食用にする蜂の子。

◎黒い服装を避けた方がよい。蜂の天敵であるツキノワグマの色。
  
<1>アミン類は代表的な発痛物質であり、[アセチルコリン][ヒスタミン][セロトニン][エピネフリン][ノルエピネフリン][ドパミン]など各種のものが毒液中に濃縮されている。

この他に[プトレシン][スペルミン]などのポリアミンも含まれている。 (講談社「天然の毒」p81)

◎食用にする:
①「Vespa sorror」:オオスズメバチの一種。
 中国南部・タイ北部・ラオス・ベトナムに分布。
②「Vespa ducalis(ヒメスズメバチ)」:
 ベトナムから中国・台湾・日本・朝鮮半島に広く分布。
③「Vespa lewisi(クロスズメバチ)」:
 長野県、岐阜県で食用。
 ジバチ、スガレ、ヘボなどと呼ばれる。
 地面の下30cm位の所に球状の穴を掘り、この空間一杯に5~8段の巣房がらなる球状の巣を造る。
④「Vespa aura」:
 中国西南部からミャンマー北部、アフガニスタン、インド北部にかけて分布。
⑤「Vespa variabilis」:日本にはいない。
 中国の中南部からインド東北部、ミャンマー北部に分布。
   

■スズメバチのエネルギー元。
「スズメバチの行動力やエネルギーはどこから来るのか。食べ物と言えば、樹液やムシの肉団子をなめる程度だ。とても十分だとは思えない。こんな疑問を持った理化学研究所の研究員が、その秘密を突き止めた。親が幼虫に餌をやるとき、幼虫は口から液体を分泌する。その分泌物が親のエネルギーの元になっていた。
 普通なら、一方的に親が子供を養うだけだが、スズメバチは成虫と幼虫が相互の関係にある。その分泌物を調べてみたところ、様々なアミノ酸が混じった栄養液であった。栄養液をネズミに飲ませてみると、体内の脂肪を効率良く燃やす効果があった。1996.5.19《日本経済新聞》」

■VAAM
「明治乳業のスポーツ飲料ヴァーム(VAAM)。脂肪燃焼を促進する効果も期待できる。神奈川県小田原市の明治乳業食品開発研究所の一室に、トレーニングマシンンが並ぶ。数本のホースでマスクとつながった箱状の機械が呼吸交換比を測定する『ガス分析装置』。
呼吸交換比とは消費した酸素(O2)の量に対する排出した二酸化炭素(CO2)の量の割合。この比率は体内で利用されたエネルギー源によって変化する。
・脂肪が燃焼したとき・・・・・・・・・0.7
・炭水化物が燃焼したとき・・・・・1.0
実際にヒトが運動する場合、脂肪か炭水化物かの二者択一でどちらかだけが利用されているワケではない。ただ、比率が低ければ脂肪を効率的に燃焼させていることが分かる。
呼気ガス分析装置ではマスクを通して吸気と呼気を分析器に送り、気体の構成比率を分析。パソコンでデータ化する。明治乳業が実施した代表的な試験は、斜度10%、時速5kmに設定したランニングマシンで1時間歩いて、呼吸交換比がどう変化したかを集めた。
運動前後の体重と体脂肪率も測定。体重計は1gまで測る。
ヴァームの開発のキッカケは理化学研究所のスズメバチに関する研究だった。スズメバチの働き蜂は捕獲した虫を団子状にして幼虫のエサにする。そして働き蜂の主食は幼虫が分泌する液。固形物を全く食べずに、幼虫からの分泌液だけで1日100kmも移動する。人間に換算すると約600km移動することになる。驚異的なスタミナの素となる分泌液の成分を分析すると、糖類とアミノ酸と分かった。さらにアミン酸組成を精密分析すると、17種類ぐらいのアミノ酸が特殊な配合比率で含まれていることが分かった。
この配合に近いアミノ酸で商品化したヴァームを飲んだ人は呑んでいない人よりも、効率的に脂肪を燃やせることが分かった。ただ、そのメカニズムはよく分かっていない。交感神経を刺激して脂肪燃焼を促すリパーゼという酵素の分泌を高めるというのが有力説。」

■年間30~40人死亡
「環境省によると、保健所などに届け出のあったアシナガバチ・スズメバチなどに刺されたといって被害件数は1990年には約4800件だったのが、95年3万件、99年5万件を超えた。特にスズメバチによる被害が目立つ。
被害急増の原因は、スズメバチの生息する野山に住宅地が進出したことや、野外活動をする人が増えたことと言われているが、「ハチの行動様式も変わってきている」と、神奈川県鎌倉市の担当者。
ジュースの空き缶に止まって残りを吸ったり、店先の果物や魚の干物を食べたり、スズメバチが都市化しているというのだ。「近年、駆除の依頼軒数が増えているが、宅地開発が急に進んだわけでなく、ハチの方が住宅地に進出してきているようだ」
スズメバチには、民家などにも巣を作るキイロスズメバチと、野山に生息する世界最大のオオスズメバチなどがいる。小雨、猛暑の年は、巣作りが容易でエサとなる虫も多いため、大発生する傾向がある。今年も「野外で実際に調査していて、キイロスズメバチの巣は例年の10倍の発生量です」と玉川大学農学部の小野正人助教授は話す。
スズメバチなどに刺されて死亡する人は毎年、30~40人程度でており、マムシより危険な生物だといえる」と国立感染症研究所昆虫医科学部の安居院宣昭部長。住宅に近くで巣が見つかった場合は、保健所に相談して、専門業者に駆除してもらうことが必要だが、問題なのは、巣の場所が分からない時、オオスズメバチは地中に巣を作るのでわかりにくい。
人が気づかずに巣に近づくと、見張りのスズメバチが接近してくる。大声を出したり、手で払ったりして興奮させると、警報フェロモンを出し、次々に仲間のハチが襲ってくる。刺激しないように、静かにすみやかにその場を離れることが大切だ。
野山を歩くときは、白い服、帽子をかぶる。黒い色はスズメバチを刺激するからだ。
刺されたら、傷口を水で洗い冷やす。抗ヒスタミン軟膏やステロイド軟膏を塗る。アンモニアが効くというのは俗説で、効果はない。
「ジンマシンや吐き気などが出たら、ずみやかに病院へ行くこと。過去にハチに刺されて、ショック症状が出たことがある人はハチのいそうな場所には近づかないこと」と安居院部長はアドバイスする。2001.8.10《読売新聞》




スズラン CONVALLARIA MAJALIS
⇒ユリ科スズラン属の多年草。
キジカクシ科の植物。有毒植物。

◎[コンバラトキシン]というステロイド配糖体を含有し有毒。「毒性は葉茎や根と同時に花にもあり、むしろ花における配糖体の含量は0.5%にも達していて、強心作用は花に最も強く現れる。」

【学名】Convallaria majalis
【英名】Lily of the Valley
【和名】鈴蘭
【成分】
*コンバラトキシン(convallatoxin)・・強心配糖体(心臓毒)
スズラン全草中のコンバラトキシンを加水分解すると、ストロファンンクス種子中のシマリンを加水分解して生じたストロファンチジンが得られる。
*コンバラトキソール(convallatoxol)
*コンバロサイド(convalloside)

「コンバラトキシンなどは心臓に作用する毒で、ジギタリスの心臓毒に似ている。違いはスズランの主成分であるコンバラトキシンが水に溶けやすく、花を生けた花瓶の水でも死ぬ。旧ドイツのオスターバーゲンで3歳の女子がグズベリーの実を食べたあとに、スズランが挿してあったコップの水を飲んで死んでいる。」(講談社「天然毒」p25)

◎中毒症状:

*吐き気、

*嘔吐、

*頭痛、

*めまい、

*視覚障害、

*混乱、

*除脈、

*血圧低下。

◎間違えやすい山菜:「ギョウジャニンニク」

■猛毒
「スズランは秋になると、白い花のあとに、まっ赤な実を付ける。1959年、2歳~8歳のアメリカの子供が、スズランの実をたべて命を落とした。アメリカでは、いまでも、毎年スズランの実による食中毒が報告されている。体重60kgの大人でも18mg(耳かき1杯)で死亡する。

中毒症状は、
1.はじめ激しい胃の痛みに襲われ、吐いたり、よだれを流したり、頭痛を起こす。そして、次第に身体が冷たくなり、不整脈を起こして心臓が止まる。
2.あるアメリカ人家族の場合、スズランの葉をギョウジャニンニクと間違えてスープにして食べた。まもなく全身が火照り、顔や体中に赤い発疹が広がった。さらに、頭が割れるように痛くなり、幻覚が始まった。そのため、はじめは誰もスズランとは気づかず、「マリファナ」を疑われた。それというのも、60年代のカリフォルニア州では、マリファナ入りのケーキやクッキーを食べて同じ様な症状をおこした事件が続いていた。

■コンバラトキシン
「スズランConvallaria majalisはコンバラトキシンというステロイド配糖体を含有し有毒。毒性は葉茎や根と同時に花にもあり、むしろ花における配糖体の含量は0.5%に達し、強心作用は花が高い」




スターサファイア
⇒六茫星を持つサファイア。
◎宝石の表面に光の星紋を作り出すルチル(金紅石)の含有物によるものです。
◎最も有名なスターサファイアは、“インドの星”で、大きな宗教的意味を持つ石。
◎六茫星を作り出す交差する3つの光は、それぞれ信仰と希望、運命を表すと信じられています。

◎運命の宝石。

何らかの使命を感じているなら、サターサファイアは実現を手助けしてくれます。

◎あなたの中の最良のものを引き出してくれます。
夢を支える宇宙的な火花を刺激してくれます。


スッポン(鼈)
◎すっぽん全体を蒸し焼きにすると
①強壮作用
②強精作用
③抗ガン作用があり、

◎すっぽん甲羅の薬効:
①肝臓病
②月経過多
③産後の発熱
④小児の貧血
⑤肺結核
⑥発熱
⑦ひきつけ
⑧閉経
   

◎すっぽん頭の薬効:
①陰部(陰茎)のできもの
②産後の子宮下垂
③脱肛
   

◎すっぽん肉の薬効:
①過労
②月経過多症
③血液の浄化作用
④腫瘍
⑤肺結核による発熱
⑥貧血
⑦慢性下痢
⑧慢性のマラリア
⑨腰痛
   

◎すっぽん脂肪の薬効:強壮剤。
   

◎すっぽん血液の薬効:

①顔面神経麻痺
②結核
③産後の発熱
④脱肛
   

◎すっぽん卵の薬効:

①虚弱体質
②小児の下痢
③慢性下痢
  

【効能・効果】(すっぽん)
○息切れ:
生血or生胆嚢を飲む。
「スッポン・ヘビ」黒焼き末を、各等分に混ぜて飲む。

○胃腸虚弱:
生血or生胆嚢を飲む。
肉を一晩(酒浸)し、黒焼き末にし飲む。
「スッポン・ヘビ」黒焼き末を、各等分に混ぜて飲む。

○下血:
肉を塩漬けし焼いて食べる。

○下痢:
肉を塩漬けし焼いて食べる。

○痔:
頭の黒焼き末をゴマ油で練り固めて団子に作り、肛門に挿入(著効)。
肉を味噌煮にして食べる。
全体の黒焼き末を飲む。

○自律神経失調症:
全体を蒸し焼きにして作末して飲む。
○心臓病:
生血or生胆嚢を飲む。

○赤痢:
肉を塩漬けし焼いて食べる。

○痢疾のあと脱肛したのを治す。
「普通食べる様に煮て、生姜と砂糖を少し入れて作羹して食べる。」

○湿痺に。
「肉に五味を合え、汁をつくって食べる。」

○せき:
「スッポン・ヘビ」黒焼き末を、各等分に混ぜて飲む。

○痩せを治し、肥らせる。
「肉で汁を作り、甲を焼いて酒で服用。」

○脱肛に。
「頭を(炙)末して米飲で調下する。」
頭の黒焼き末をゴマ油で練り固めて団子に作り、肛門に挿入(著効)。
肉を味噌煮にして食べる。
肉を塩漬けし、焼いて食べる。
甲羅を酢に浸け乾燥し作末して塗布する。

○動悸:
生血or生胆嚢を飲む。

○肺結核:
生血or生胆嚢を飲む。
肉を一晩(酒浸)し、黒焼き末にし飲む。

○冷え症:
全体を蒸し焼きにして作末して飲む。

○疲労回復:
全体を蒸し焼きにして作末して飲む。

○貧血:
生血or生胆嚢を飲む。

○骨熱を治す。

○瘰癧:
肉を味噌煮にして食べる。

○肋膜炎:
肉を味噌煮にして食べる。
生血or生胆嚢を飲む。
全体の黒焼き末を飲む。
「スッポン・ヘビ」黒焼き末を、各等分に混ぜて飲む。 

■最古のスッポン
2011年、石川県白山市の1億3千年前の地層で見つかった甲羅の化石が世界最古のスッポンであることが分かった。北陸一帯に分布する中生代の地層「手取層群」で1994年に見つかった。

■カメはヘビよりワニに近い
2013年、理化学研究所などはカメのゲノムを解読した。
カメはトカゲやヘビに近いとされてきたが、解析の結果、ワニや恐竜、鳥類に近いことが判明。
理研の入江直樹研究員らは、スッポンとアオウミガメについて遺伝子解析装置や大型計算機を使ってゲノムを解析した。ゲノムサイズはヒトの2/3で、遺伝子の数は約1万9千個とヒトとほぼ同数だった。




スティンギングネットル

(Stinging nettle,Urtica dioica)
(参照→ネトル)

◎アルツハイマー
「このハーブは体内を循環するホルモンのエストロゲン(estrogen)レベルを2倍にもするミネラル『ホウ素(boron)』をかなり含有しています。

◎アレルギー
「ネットル製剤がアレルギー性鼻炎の症状を緩和する報告があります。数世紀の間、咳・鼻水・胸部鬱血・喘息・百日咳や結核にこのハーブを使ってきました。」
「喘息」・・・イギリスの薬草医Nichlas Culpeperはジュース・ティーにしたネットルの根・葉が“肺の気道を広げるのに安全で確かな医薬品である”

◎じんま誘導法(uritication)
「2000年前の聖書の時代にさかのぼって、そのネットル(“nettle”=イラクサ属の総称)の植物学名Urtica dioicaに由来しています。その方法は痛い関節にスティンギングネットルの刺毛で叩いて刺すのです。硬く腫れた関節をこの植物のトゲで刺すことで症状が好転するのです。長く伝承されてきた方法です。」じんま(蕁麻)=イラクサの漢名。
蕁麻誘導法は、しばしば著しい緩和をもたらします。数分以内に関節の腫れが軽減するのを私はまのあたりに見てきました。」p56


ステビア
【学名】Stevia rebaudiana
【英名】Stevia(ステビア)
【和名】なし
【分類】キク科、多年草
【原産地】南米、パラグアイ、ブラジル、アルゼンチン
【効能・効果】
ダイエット・糖尿病の人の天然甘味料。
ステビア抽出物



ストライガ
■宿主から遺伝子
「2010年、理化学研究所と東京大学のチームは、トウモロコシなどイネ科の植物に寄生する「ストライガ」という植物が、進化の過程で遺伝子を宿主から取り込んだ可能性があることを発見した。イネ科の植物とストライガは高等植物の中で異なるグループに属しているが、ほぼヾ配列の遺伝子が見つかったという。
双子葉植物であるストライガの遺伝子を調べたところ、イネ科など単子葉植物の遺伝子によく似た遺伝子が1つだけ見つかった。遺伝子を構成するDNAの長さは塩基数で2276個。解析の結果、この遺伝子はストライガの宿主であるアフリカのモロコシの遺伝子と83%の塩基配列が同じだった。
李嫌悪白須賢グループディレクターは“ストライガ以外の双子葉植物には似た遺伝子が無いため、ストライガは進化の過程でこの遺伝子を宿主のモロコシから取り込んだと考えられる”と説明。
単子葉植物から双子葉植物に遺伝子が伝わる例は初めて見つかったという。ストライガはイネ科植物の根から水や栄養分を吸い取って育つ寄生植物で、アフリカなどでトウモロコシの収穫量を減らすとして問題視されている。今回見つかった遺伝子の機能は不明だが、今後の解析で遺伝子の機能や寄生の仕組みがわかれば、効果的な駆除方法の開発につながる」
■宿主探す仕組み
2015年、名古屋大学の荻原伸也特任准教授らは、アフリカなどではびこる寄生植物「ストライガ」が、寄生する植物の根が近くにあることを検知するカギとなるタンパク質を発見した、
ストライガは種の状態で何年も休眠し、近くにイネなどの伸びてくると相手の根に自分の根を侵入させ、水分と養分を奪って成長する。
イネなどから放出するストリゴラクトンという物質を検知する。






ストロファンツス
【基原】キョウチクトウ科ストロファンツス属
【学名】Strophnthus spp. ストロファンツス・ヒスピドゥス
【英名】Strophanthus
【成分】ストロファンチンstrophantin
ウワバインouabain
【作用】心臓毒
「アフリカのタンザニア東部の部族たちは、このヒスピドゥスのサヤにビッシリ詰まったタネを砕いて矢毒としていた。種子の中にはストロファンチンが含まれている。

「ジギタリス」と同じような作用をするのだが、違いは、ジギタリスは食べても注射でも、とにかく体内に入れば毒が作用するのに対し、ヒスピドゥス(ストロファンツス)は口から入る分には無毒で、血管内に入ったときだけ、サイやゾウのような巨大な動物でも数秒で殺すことが出来る。しかも、射止められた獲物の肉を食べても毒は消化器から吸収されないから、人体には全く影響しない。」

■矢毒
「毒を持っている種子は、西瓜の種のように平らな形をしており、表面は軟らかい綿毛でスッポリ包まれている。その外側は、さらにバナナの皮よりも厚くて堅いサヤに守られている。少々傷ついた手で触っても大丈夫。
原住民は砕いたタネを煮詰め、その煮汁に様々な物質を加えることで粘りけをだして矢尻に塗る。その方法や部族や地域によって異なっていた。原住民は、この宿効用の植物を「コンベ」と呼んでいた。そこで、はじめは学名をストロファンツス・コンベと名付けられたのだが、のちに別の種類が見つかったとき、コンベも同じとされ、今では、ストロファンツス・ヒスピドゥスとされている。

■ストロファンツス・グラツス
「同じ仲間で、やはり宿光にされる植物に、ストロファンツス・グラツスがある。クチナシに似たもったりした白い花びらに、赤紫色の色素を流し込んだようなボカシの美しい花。サヤの方はヒスピドゥスとそっくりでほとんど見分けが付かない。毒性分は『ウワバイン』というストロファンチンと同じ心臓毒だが、こちらの方が強力で作用も早い。」



スパイス
■インド
「インド政府は主力輸出品であるスパイス類の輸出拡大を目指している。政府機関である印香辛料局は2017年までに輸出額を年間100憶㌦規模に拡大する目標を設定した。
「スパイス・パーク」を建設し、スパイスの高付加価値化を狙って、品種改良や新品種開発を目指す。
印香辛料局のクリアン局長によると、2007年3月期の[コショウ][カルダモン][ターメリック]などスパイス類の輸出額は17万㌧を超え、世界貿易シェアの薬44%だった。
印香辛料局はスパイスの一大産地である南部ケララ州イドゥッキ地区に「スパイス・パーク」の第1号を開設。



スパゲッティ(スパゲティ)
タリアテッレ・・・(卵をたくさん使う)イタリアの平打ち麺
■パスタから数千年
食物史研究者のセガン(Fransine Segan)によれば、パスタが登場した野は5000年以上前のことで、進取の気性に富んだ料理人が小麦粉に水を加えてこね、ラザニアに驚くほどそっくりな食べものを作ったのが始まりたという。
イタリア出身のセガンは「誠に遺憾ながら、最初にヌードルを作ったのは古代ギリシャ人だったようだ」と言う。「古代ギリシャの多くの文献に、ラザニアによく似た層状の食べものが登場する」
スパゲティが登場したのはずっと後のことで、作られたのはイタリアだった。マルコ・ポーロが1295年に中国から戻った際、イタリアにパスタを伝えたと広く信じられているが、これは誤りで、その当時イタリア人はすでにパスタを食べていた。
アラブの地理学者アル=イドリーシー(Muhannac al-drisi)は1154年に次のように書いている。「シチリアにトラビアと呼ばれる町がある。この町の住人はひも状の小麦粉加工食品を作っていた」。また彼は、ひも状の食品は天日で干され、船で伊太利亜各地や海外へ出荷されたと、パスタ産業について書き残している。
それから数百年後、ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci)が小麦粉をこねた生地でひも状にする機械を発明した。彼はこの機械を使ってパスタ産業の機械化を目指したが、技術的な問題で実現できなかった。
それでもイタリア人は、パスタ作りの技術を洗練することに成功し、どこの国の人々よりも凝った形のパスタを作り出した。


スピルリナ
■米国製輸入
スピルリナは藻の一種。日本では健康食品の一種として錠剤を摂取するケースが多い。ダイオキシンの排除を促進する効能もあり、需要が拡大している
サイアノテック社のスピルリナは、ハワイ島の600mから汲み上げた海洋深層水を使用して培養している。このため他社製品に比べてミネラルの含有率が高く、カロチノイドなどビタミンも多いという。」2000.7.19《日経産業新聞》
スピルリナ色素
(スピルリナの全藻から得られた、フィコシアニンを主成分とするものをいう。) スピルリナ青色素 スピルリナ青 ユレモ科スピルリナ(Spirulina platensis(NORD.)GEITLER)の全藻より、室温時水で抽出して得られたものである。主色素はフィコシアニンである。青色を呈する。 着色料 Spirulina colour
スピルリナは3色持っています。
スピルリナに何種類の色が含まれているか知っていますか?クロロフィルaの緑色、フィコシアニンの青色、カロチノイドの橙黄色と全部で3種類の色が入っています。
スピルリナ
は最古の植物ともいわれる栄養豊富な緑色の藻です。生息環境は強アルカリ性、高温の塩湖に生息。この特殊環境では他の生物はほとんど生息できないといった環境です。

顕微鏡で観察すると、コイルバネのようならせん状をしています。らせんの英語名であるスパイラル=SPIRALからスピルリナ(SPIRULINA)という名前が付けられました。大きさは、幅5~8ミクロン、長さ300-500ミクロン(0.3~0.5mm)と微細で、緑色から青緑色をしています。みなさんご存じのクロレラとは、同じ藻類の仲間で親戚 みたいなものです。

食用となる藻類
(藍藻類)
   スピルリナ、スイゼンジノリ
(紅藻類)
   アサクサノリ、テングサ、フノリ
(緑藻類)
   アオノリ、クロレラ
(褐藻類)
   コンブ、ワカメ、ヒジキ、モズク

① 高タンパク質
スピルリナに含まれるタンパク質の含有量は、約60~70%、畑のお肉といわれる大豆が34%であることからいってもかなり高い数値です。一般食品 でこの比率に匹敵するものはありません。
必須アミノ酸も豊富
タンパク質は数十種類のアミノ酸から構成されていますが、そのうち8種類のアミノ酸は、体の中では作ることが出来ず、必ず体の外から摂取しなければなりません。スピルリナのアミノ酸組成は、クロレラのそれを上回り、FAO基準を十分に満たしています。特色としてグルタミン酸が多く含まれている点があげられます。

② 30種類以上のビタミン、ミネラルを含む
特にビタミンB群が豊富です。また、野菜にはめったにみられないビタミンB12 を含んでいることも特色です。βカロチンが多量に含まれているので高いビタミンA効果を期待できます。

③ 細胞壁が非常に薄く消化吸収率が高い
スピルリナのタンパク質は食用藻類がもつ植物性タンパク質ですから、我々の体内ではスムーズに消化されるのです。消化率は90%以上といわれています

紅藻類の特徴
生活環を通じて鞭毛,中心体ともに出現しない。この性質は藻類のなかでも大変特異です。
葉緑体は2重膜に包まれ,他の包膜をもたない。葉緑体が2重膜の葉緑体膜だけに包まれているのは,紅藻以外では緑色植物と灰色植物だけです。

ラン藻には約1500種類があり、次の三目に分類される。

クロオコックス目
細胞分裂と群体がちぎれることによって生殖を行う。水の華をつくるアオゴ・食用となるスィセンジノリ、高温の温泉の流出口付近に害するシネコキスティスなどである。

カマェシフォン目
内生胞子をつくって生殖する。内生胞子は、細胞膜で包まれた原形質が細胞分裂を繰り返すことによ一でつくられる。したがって、元の細胞膜のうは、胞子嚢を構成することになる。

ユレモ目
このラン藻は、糸状で真の多細胞である。糸状体は、ゼラチン状の物質が集まってできたさやを持ち、その中に細胞がつながっている。この種のものは、二〇億年前の先カンブリア代の地層から化石として産出することが多い。



スープセロリ
【学名】Apium graveolens var.dulce
【英名】Soup celery(スープセロリ)
【和名】キンサイ(芹菜)
【分類】セリ科、多年草
【原産地】ヨーロッパ


スベスベマンジュウガニ
=オウギガニ科の小型のカニ。甲羅の大きさ5cm。ハサミの先端が黒い。
房総半島以南の岩場の多い海岸。岩場のカゲなどにいるごくありふれたカニなので要注意。
◎有毒成分:

*フグ毒類似物質「サキシトシン」猛毒。
*筋肉・内臓に含まれる。

◎中毒症状:フグ中毒に類似。
1匹だけで5人が中毒し、うち2人が死亡例あり。




スベリヒユ(Pueslane,Portulaca oleracea)
⇒夏、全草(根を除く)を採集し、乾燥する。カビが生えやすいので十分に乾燥させる(馬歯莧)。
山形県では「ひょう」と呼んで、普段から食べている。湯がいて酢醤油で。

【効能・効果】(スベリヒユ)
○悪瘡:
*全草を煎服する。

○胃潰瘍:
*全草を煎服する。

○イボ:
*「生葉でイボをこする」《大塚敬節》
*全草の濃煎汁で洗う(全身に出来た小さなイボ状)(著効)。
*青葉汁で洗う(著効)。
*生葉汁を外用し、煎汁を飲む。

○インキン:
*生葉汁を外用し、煎汁を飲む。

○ウルシかぶれ:
*「馬歯莧・問荊・薄荷」各等量、煎汁で洗浄する。

○疥癬:
*生葉汁を外用し、煎汁を飲む。

○肝臓病:
*全草を煎服する。

○下痢時に出血する:
*生葉汁を飲む。

○睾丸炎:
*全草を煎服する。

○口唇の荒れ:
*全草の濃煎汁で洗う(全身に出来た小さなイボ状)(著効)。
*青葉汁で洗う(著効)。

○こしけ:
*生葉汁を飲む。

○痔:
*全草を煎服する。
*生葉汁を外用し、煎汁を飲む。
*生葉汁を飲む。

○しらくも:
*生葉汁を外用し、煎汁を飲む。

○心臓病:
*全草を煎服する。

○ソバカス:
*生葉汁を外用し、煎汁を飲む。

○たむし:
*生葉汁を外用し、煎汁を飲む。

○ニキビ:
*全草の濃煎汁で洗う(全身に出来た小さなイボ状)(著効)。
*青葉汁で洗う(著効)。
*生葉汁を外用し、煎汁を飲む。

○乳腫:
*生葉汁を外用し、煎汁を飲む。

○尿道炎:
*全草を煎服する。

○便秘:
*全草を煎服する。

○膀胱炎:
*生葉汁を飲む。

○虫さされ:
*生葉汁を外用し、煎汁を飲む。

○淋病:
*全草を煎服する。
*生葉汁を飲む。

■老化予防
「抗酸化物が特に多く、抗酸化性ビタミンA、C及びEの組み合わせは、突出した最上級ハーブです。このハーブはまた、強力な抗酸化性と免疫システム増強性を併せ持つグルタチオン(glutathione)に富んでいます。」

■光合成
「コンクリートで囲まれた都市砂漠にうまく適応した植物にスベリヒユがある。光合成の材料は日光と二酸化炭素と水。通常の植物は昼間に気孔と呼ぶ葉の通気口を開いて二酸化炭素を取り込み、デンプンなどの栄養分を作る。その際、気孔から水が蒸発して逃げていく。水分がある環境なら問題はないが、都市部のように乾燥したところでは、しおれてしまう。
スベリヒユは涼しい夜間に気孔を開く。二酸化炭素を取り込んで、まずリンゴ酸という物質を作っておく。昼間は気孔を閉じたまま、リンゴ酸から取り出した二酸化炭素を使い、デンプンを合成する。この特殊な光合成はもともとサボテンあんど砂漠の植物に多く見られる手法で、温度の高い日本では珍しい。
水の入手手法も工夫している。「夜間に気温が低下して結露する水滴や霧の水分を葉が取り込んでいる」と大場秀章・東京大学名誉教授。




ズボイシア Duboisia leichhardtii
◎オーストラリアで原住民が麻酔薬として使用。時として何日もの間、食物も食べずに、この葉を噛んで生き抜いたと言われる。
◎アトロピン、スコポラミンを含有する。
 


スミウルシノキ Semecapus anacardium
=ウルシ科
◎ガンの治療に。ネパールではこの木はバラヨbhalayoの名で知られ、ヒマラヤ山地や中央ネパールの海抜1000m当たりまで生えている。南インドの山地にも多い。

◎この木の果実は磨いて、堕胎のまじないの使われる。

◎アーユルヴェーダの薬として、昔からリウマチの治療やハンセン氏病の治療に用いられてきた。

◎「樹皮から採取したウルシ様のガム」:
*性病
*ハンセン氏病
*椎歴
*神経衰弱

◎「この植物を燃やした灰」:
*毒蛇に咬まれた時やサソリに刺された時。
「種子の抽出物から作るジャム」:
*体重が増加する。
*体力が出来る。


スモーキー・クォーツ SMOKEY QUARTZ
⇒「煙水晶」。茶水晶とも呼ばれる。
発色の原因は天然の放射能が関与し、それにアルミニウムイオンが含まれている。

合成品が宝石用に製造されている。注意して見ると、根元の方がアルミニウムが少ないために白く残るので、人工着色と分かる。(堀秀道著「楽しい鉱物図鑑」)
◎南米で商用に採掘されており、輝く宝石にカットされています。
◎中に不滅のエネルギーが含まれているので、あなたが余分な力を必要としているときのエネルギー発生器になります。

◎応用:感情面での支えが必要なとき。




すもも(李)
○常食すると肝病に良い。
■夏バテを防ぐ
「世界で栽培されるスモモは主にニホンスモモとヨーロッパスモモ。生食用のほとんどはニホンスモモやその雑種で、日本でも栽培の中心だ。主力産地は山梨県や和歌山県。ヨーロッパスモモは乾燥果実など加工品向けも多い。『プルーン』の名で親しまれている。
ニホンスモモは中国原産とされ、日本でも古くから栽培されている。これが幕末以降に米国に渡り、他の品種と交雑して逆輸入され、現在の主要品種と改良された。
ソルダム
サンタローザ
太陽
大石早生・・・主力の品種で完熟すると黄緑色の皮が真っ赤になる。食べ頃は頂部が色づき始めたころ。
酸味のもとのリンゴさんやクエン酸は疲れた体のリフレッシュや夏バテ防止に効果があるとされる。」



ズワイガニ
■間人ガニ(たいざガニ)
「丹後半島の経ヶ岬と網野の中間に位置する間人(たいざ)港の5隻の小型船が水揚げするズワイガニ。未明に出港し昼過ぎに戻る日帰り操業。午後3時からのセリには、どこよりも新鮮なカニ。」

■成分
遊離アミノ酸中に
・アルギニン・・・579mg/100g
・タウリン・・・・・243mg/100g




スルメ
   (参照→イカ)


スローロリス
■毒をつくるサル
前脚の付け根から出る分泌液と唾液をまぜて、毒を作る。
毒は2つを合わせることでできる。
天敵から守るため。


酢(す)
=食用酢
【薬性歌】
酢。腫毒を消し、積瘕去るべし。産後、金瘡に。血暈みな治る。《万病回春》

【効能・効果】
○吐き気:赤痢などで、病気の重いとき、吐いて薬を受け付けないときがある。このようなときには、酢を温めて、病人に、その匂いをかがせてから、すぐ後で薬を呑ませると、よく納まるものである。《北尾春甫》


酢卵
◎作り方:
①良く洗った卵1個をコップにそのまま入れ、醸造酢180ccを注ぐ。
②このまま2~3日置いておく。暑い季節には冷蔵庫の入れたほうが良い。
③3日ほどで殻が溶けてきて、破れるくらい薄くなってくる。そうしたら殻を取り除く。
④かき混ぜて、ハチミツを加え、水で薄めて盃1杯ずつ1日3回飲む。

■栄養機能食品
「栃木県那須烏山市にある南那須鶏卵は2006年2/1、卵を殻ごと溶かした健康食品「酢卵」ではじめて栄養補助食品基準を満たす「きび酢卵」を発売する。奄美大島産のサトウキビで作る酢に烏骨鶏の卵を使った。」2006.1.19《産業》



水芹(すいきん) 
芹=せり
○大小便を利する。
「茎葉をついて汁を飲み、おしたしを作って常服」

○崩漏と帯下を治す。
「おしたしに作って食べ、又は、煮て食べる。」

○伏熱を除く。

○五種類の黄疸を治す。

○小児の吐瀉を治す。

○性は寒で、味甘く、有毒。
<1>安心・鎮心・風する。
<2>疥癬・痂瘍・白禿など一切の悪瘡を治す。
<3>死胎を下す。

○心を安らげ、心臓の怔忡・驚悸を鎮静させる。

○胎子が腹の中で死んで出ないとき使う。




水晶 Ronk Crystal
(参照→「クリスタル」「クォーツ」
=石英(Quarts)の中で無色透明なもの。

○岩手県の玉山金山が良質の水晶
「 石英の中で透明度の高いもの。石英脈:マグマが冷えて最後の段階で熱水を分離するときに石英になると言われている。そのとき穴が開いた部分で水晶ができる。水晶は酸素元素とケイ素原子が規則正しく並んでいる

■温泉の近く
「温泉水に含まれる珪酸が水晶の主成分。そのため温泉の近くにできる」

■振動
「水晶は電圧をかけると規則正しく振動する性質を持ち、時計やICの基準信号に使われる。周波数は水晶板の厚さで変化する。
水晶は普通研磨剤を使って薄く削る。しかし割れやすいため、薬剤で水晶を溶かす方法が一般的。プラズマを使った方法は、水晶板を入れた装置内で磁力を利用してプラズマを発生させ、そのプラズマで水晶を削る。
水晶の研磨は厚さが設計値と同じならいいというものではない。もともとの結晶から切り出した角度通りに薄くする必要がある。平行四辺形のように角度がずれてしまうと厚さが同じでも発生する周波数が異なってしまう。」

■人工水晶
石英(二酸化ケイ素)を高圧の炉で溶解してつくる。

■ジャイロセンサー
「ジャイロセンサーは物体の回転の速さを表す「角速度」を検出する。2009年にセイコートヨコムは検出部の素子に水晶を使い、駆動用ICなどと併せて小型のパッケージにした。サイズは3.2mm×2.5mm




水萃(すいすい)
○発汗する効力は「麻黄」より著しく、中風・癱瘓の熱毒を治す。
「即ち風門の去風丹がこれである。約5銭を取って水煎服用する。」

 

水萍 
○性は寒、味は辛酸、無毒。
<1>熱毒風
<2>熱疾
<3>熱狂
<4>脇腫毒
<5>湯火瘡
<6>風疹
<7>暴熱
<8>身痒を治し
<9>水気を下し
<10>毛髪を養い
<11>消渇を止める

水銀 Mercurry
(参照→「メタロチオネイン」「メチル水銀」)
 200.59  

(原子番号=80,原子量=200.59, 元素記号=Hg)
 80 Hg
◎同位体とその組成
196 Hg=0.15%    
198 Hg=9.97%    
199 Hg=16.87%    
200 Hg=23.10%    
201 Hg=13.18%    
202 Hg=29.86%    
204 Hg=6.87%

◎三 態
●沸点=357℃
●融点=-38.9℃
◎密度:13.534g/cm 3 (20℃)   
◎製法:辰砂を空気中で加熱すると単体が遊離する。
◎説 明  
12族に属し、 亜鉛族元素の一つ。

古くから知られていた元素。遊離状態では、きわめてまれにしか産出しない。

主鉱石は、シン砂HgS。

地殻存在量は0.05ppm。
25℃で液体の唯一の金族(銀白色)。

気体はほぼ完全に単原子、内分泌撹乱作用があるとされている。

毒性が強く、蒸気を吸うと神経がおかされる。メチル水銀などの有機水銀はさらに毒性が強く。水俣病などの重大な公害の原因となった。水銀の固体は銀白色結晶で、22個の同素体がある。
 

空気中で安定であるが、200~300℃に加熱すると酸化水銀(Ⅱ)HgO(赤色)となる。 硫黄 と反応し硫化物となり、 ハロゲン とも反応する。酸化力のない酸にはおかされないが、硝酸、濃硫酸、王水に溶ける。
 +Ⅱの酸化数をとりやすいが、+Ⅰの化合物も知られ、Hg2Cl2のように複核構造をとり、Hg-Hg結合をもつ。
 古くは様々な金属のアマルガム抽出に用いられたが、現在重要なものは 塩素 と水酸化ナトリウムの製造の際の利用である。そのほか、無機薬品、温度計などの計測機器、農薬、火薬、電池などに広く用いられている。

「水銀単体の性質としては、融点、沸点がもっとも低い金属であるということが挙げられる。水銀はそのため蒸気圧が高く、毒性が高いので、空気中に解放された状態で置いておくのは危険である。結晶は正方晶系であり、密度は13.6g/cm3であり圧力の単位mmHgの基準となっている。また、一般の酸には溶けないが酸化力のある酸や王水に溶ける。電気抵抗が金属の中では異常に高く95.8μΩ/cmとなっており、もっとも電気伝導度の高い銀と比べて13倍ほどの値である。また、液体時の表面張力が475mN/mと極めて高い。この数値は水の72mN/mや、ヘキサンなどの有機溶媒が15~30mN/m程度であるのと比べて、異常に高く、床にこぼしたりすると、均一にならずに球形になって散らばる。

水銀の発見は紀元前のことで、発見者などは分かっていない。元素名はローマ神話で商売の神の意味であるmercuriusから取られていて、また元素記号のHgは水のような銀という意味のラテン語hydrargyrumに由来している。主な産出源は辰砂(HgS)でロシア、スペイン、アルジェリアなどで産出される。国内での使用量は年間100から150t程度で、価格は34.5kgあたり6~8万円ほどである。

◎ある種の水銀化合物には治療効果がある。

水銀軟膏として利用されている。
*塩化水銀   HgCl2(昇汞)
*ヨウ化水銀 Hgl2
*シアン化水銀 Hg(CN)2
*酸化水銀  HgO
 

【毒性】
◎水銀の塩(水銀イオン)が水に入ると、その一部が有機化合物と相互作用し、微生物の働きによって、有毒な有機水銀化合物(以下のような)となる。
*メチル水銀
*ジメチル水銀

◎水銀イオンの毒性は、チオール基との相互作用によるものが主で、その他、酵素タンパクに含まれるアミノ基やカルボキシル基との相互作用でも起きる。
◎水銀は空気中に放置すると、水銀蒸気を発生し、それを吸込むことで、中毒する。

☆空気中の水銀蒸気の許容量(0.005mg/‰)
(水銀塩0.05mg/kg)
少量の水銀を床にこぼしても、水銀蒸気を出し続けるので、締め切った部屋などでは、中毒の危険がある。こぼしたら、硫黄末orチオ硫酸ナトリウム溶液をふりかけ、水銀と硫黄の化合物にしてから廃棄する。

◎急性中毒の症状:
*頭痛
*歯茎が腫れて出血する
*唾液腺・リンパ腺の腫れ
*大腸炎
*軽い中毒では、2、3週間で機能障害は回復するが、重症の場合は腎不全を起こし、1週間足らずで死亡する。

◎「水銀中毒症」
*脱力感
*眠気
*頭痛・めまい
*水銀性神経衰弱:

*手足のふるえ、全身のふるえ
*舌のもつれ
*恐怖心・おびえが強くなる
*涙もろくなる
*消化器系の調子が悪くなる
*心臓の働きが衰える
*皮膚炎が起きる。
   

◎解毒:            
急性中毒の場合。
○硫酸鉄の水溶液硫化水素アンモニアを飲ませる。
○小さじ1杯の酢酸(orクエン酸1.5g、or酒石酸ナトリウム2g)を水300ccに溶かしたものを管で胃に流し込む。その後、解毒剤を投与する。
○水で胃洗浄をしてから、活性炭20~30gを投与し、牛乳or水で解いた卵白を飲ませる。その後、下剤を与える。

水銀蒸気の場合
○絶対安静にさせ、解毒剤としてウニチオール(チオール化合物)、そしてグルコース、塩化カルシウム、チオ硫酸ナトリウム溶液を静注する。

■デトックス(体内浄化)
「ヒューマンライフ医科学研究所による毛髪ミネラル検査で、ほとんどの人の毛髪中に水銀・鉛・カドミウム・ヒ素などの有害ミネラルが蓄積していることが分かった。
毛髪への蓄積は毛髪中に排泄していることになる。毛髪以外の排出経路としては、大便・尿・汗がある。
体内に侵入した有害ミネラルは、カニのツメのような構造(キレート作用)を持つ成分と結合すると、便中や尿中への排泄効果が高まる。

肝臓を経由して便中へ排泄される有害ミネラルは、「便秘」をすると再び吸収されることがあるため、定期的な排便習慣が大切。
腎臓を経て尿中へ排泄するためには、十分な量の水分の摂取が必要。
水銀が体内に蓄積すると果糖(フルクトース)とグルタミンから合成されていたグルコサミンの生成を、水銀がジャマする。」

 
水銀=亜鉛やカドミウムと同族元素。
水銀もカドミウムと同様の毒性元素。

◎水銀の化合物-----辰砂
水銀鉱石の辰砂(cinnabar)は赤色をしているので「丹」は赤土の意味で、日本では古くは水銀鉱を丹とか朱とか呼んだ。

◎水銀鉱石を辰砂(赤色硫化水銀HgS:cinnabar)というのは、中国の辰州から水銀鉱石が多量に産出されたことによると云われる。

◎硫化水銀には結晶形の違いによる赤色と黒色の2種の異性体がある。
*赤色は六方晶系(α型)で580℃で昇華し、
* 黒色は等軸晶系(β型)で446℃で昇華する。

◎朱肉は赤色HgSを含む顔料から作られた。木村優著「微量元素の世界」)

◎「アマルガム」はギリシャ語のmalagma(柔らかい塊り)に由来し、水銀と他の金属との合金のことです。歯科医が虫歯を詰めるときに使うのは、水銀とスズ(錫)・銀のアマルガムです。

◎日本の古代社会に「丹生」と呼ばれる専業の部族があって、水銀を主とした各種金属の採取・精錬を行っていた(勝田寿男緒「丹生の研究」)

【薬性歌】
水銀、性寒。疥を治し、虫を殺し、胎孕を断絶し、催生立(たちどころ)に通ず。《万病回春》
  

【効能・効果】(すいぎん)
◎心を安らげ、心臓の怔忡と驚悸を鎮静させる。

◎金、銀、銅、鉄、錫、水銀は、治療目的に使われてきた。水銀は精錬された状態で体の浄化と病の根絶に使われた。

◎殺菌作用:
「水銀イオンは微生物の酵素のタンパク質部分のSH基と結合して酵素の働きを阻害するので殺菌作用がある。塩化水銀(HgCl2)も消毒・殺菌薬となりうるが、皮膚に刺激性を与えるのと人体にも毒性があるという理由からほとんど使われなかった。」

●赤チン
「赤チンはマーキュロクロム液の通称で、その主成分はメルブロミンという有機水銀化合物である。その結晶の水溶液は赤色を呈するので赤チンと呼ばれる。1990年代に水銀化合物が公害関連物質として指定されたため。国内で製造が難しくなったため、店頭から姿を消した。海外では今でも生産されている。
赤チンは長期間使用すると腎障害などが出ると云われているが、あまりきにしなくてもよいが、同じ有機水銀化合物でも、メチル水銀の場合は別である。、メチル水銀は魚介類の体内に蓄積し、それを常食すると慢性中毒を引き起こす。これが「水俣病」である。
1970年代のイラクでは、メチル水銀を消毒剤として使用した種まき用の麦を、それとは知らずにパンにして食べ、多くの死者が出た。
メチル水銀は水に溶けにくく、脂肪に溶けやすい。脳神経系には体内でも脂肪が多いので、ここにメチル水銀が蓄積して、さまざまな神経系の障害を引き起こす。知覚異常・難聴・視力障害・運動失調・言語障害などが、有機水銀中毒に特徴的な症状である。
一口に水銀が危険と言っても、その化学形(金属水銀、無機水銀化合物、有機水銀化合物、水銀イオンの種類など、存在するときの状態)によって毒性は異なる。

◆かって医療現場で消毒剤として使われた猛毒の昇汞(塩化第2水銀)の毒性は、2価の水銀イオンによるもので、、甘汞(塩化第一水銀)の方はそれほど強い毒性はない。「クスリと毒の雑学」p24
中世ヨーロッパの錬金術に相当するのが中国の煉丹術である。神仙思想と道教が融合して漢の時代に発達した。煉丹術の目的は、これを飲めば長生不死の仙人になれるという妙薬を作り出すことにあった。この妙薬は「丹薬」と呼ばれ、製造法の1つに神仙黄白の術というのがある。丹薬の丹は丹砂(辰砂)すなわち水銀鉱石(硫化水銀)であり、神仙黄白の術の黄白とは、金・銀のことを指す。つまり、「煉丹術」とは、金銀を水銀に溶かしてアマルガムにする精錬法を、丹薬づくりに取り入れたものと思われる。丹薬は火の中に入れれば、一瞬のうちに金に変わると伝えられる。これは金と水銀のアマルガムから水銀のみが蒸発して金が残るからで、昔の人は驚いたに違いない。-p198

【毒性】
■有機水銀:中枢神経系に作用して視野の狭窄、難聴、言語障害、知的障害などを起こす。皮膚や呼吸器を通して吸収。水俣病の原因物質

■無機水銀・アリール水銀:手指の振せん、腎障害など

◎無機水銀の腸管壁からの吸収はわずか(5%)以下ですが、肺から摂取すると80%程度の吸収率を示し、赤血球ヘモグロビンや血清アルブミンと結合して毒性を示す。

◎有機水銀(exメチル水銀)またはアルキル水銀は、腸管壁からでも90%以上の吸収率で、しかも脳に集まるのでその毒性は強い。
症状:特有の神経症(水俣病)
     

◎水銀蒸気、塩化水銀(HgCl2:昇汞)、メチル水銀(ex CH3Hg+Cl)などの有機アルキル水銀化合物は毒性が非常に強い。他方、塩化水銀(Hg2Cl2: 甘汞)及び硫化水銀(HgS)は、極めて難溶性のため体内に吸収されにくく、毒性はほとんどない。

◎セレン(Se)や亜鉛(Zn)には、水銀の毒性を緩和する働きがある。このように2つ以上の元素が体内に摂取されて、その毒性の一方股は両方の毒性が弱くなる現象は、『拮抗作用』と呼ばれている。

イルカやアザラシの肝臓には300ppm以上の水銀と同時に、100ppm以上のセレンが含まれていて、バランスを保っている。

◎火災・焼却に要注意:
金属水銀及び水銀化合物の1つの特徴に気化されやすい(HgCl2:白色個体)は304℃で気化するので俗に昇汞と呼ばれる。極めて毒性が強く、昇汞は間違って飲んだら少量でも昇天する)。どのような化合物も高温にすると最終的に水銀蒸気になります。朱塗りや印肉に使われた硫化水銀も600℃以上の高温で分解して水銀蒸気と二酸化硫黄を発生する。故に、あらゆる水銀を含有する物質は、決して焼却炉に入れてはいけない。
最も気化しやすいのは塩化メチル水銀(HgCl(CH3)+)で、蒸気圧2.3×10-2mmHg(35℃)です。

気化しやすい順番は:
HgO<HgS<HgCl2<Hg2Cl2<Hg<HgCl(CH3)+

◎水銀は気化しやすい性質の他に、固体表面に付着しやすい性質がある。

【解毒するには】
①解毒:仙遺糧湯《医学入門》
②水銀その他の重金属元素の中毒症の治療に、「温泉の水を飲むと効果がある」と云われたのは、温泉水に含まれる硫化水素(H2S)が体内に入った重金属イオンと結合して硫化物を生成し、不溶化して解毒するという考えに基づくもの。即ち硫化水銀(HgS)は全く難溶性で、毒性は全くない。
③間違って水銀を飲み込んでしまったら、卵白を飲むと効果があるというのは、卵白のタンパク質中のSH基やシスチンの(-S-S)部分と水銀が化学結 合して、解毒に役立つという考えに基づく。

■予防接種→「自閉症」
「乳幼児が受ける三種混合ワクチンやインフルエンザの予防接種に水銀が含まれていることをご存じだろうか?国やWHOの定める基準内だが、米国ではこの微量な水銀摂取が健康に与える影響を真剣に議論し、排除の方針を決めた。
まさかワクチンに水銀が入っていたなんて!」。東京都の主婦Nさんは思わず聞き返した。自閉症の長男(6)を連れて健康問題に詳しい栄養医学研究所(東京・中央区、佐藤章夫所長)を訪れたときのことだ。そこで、乳幼児が定期的に受ける日本脳炎や三種混合(=DPT・ジフテリア・破傷風・百日咳)のワクチン、インフルエンザワクチン、B型肝炎の予防接種に水銀が使われており、それが米国で「自閉症」と関連づけて議論されていることを初めて知った。
・・・「疑わしいものは極力排除したい」・・・
Nさんは、長男に毎年受けさせていたインフルエンザ予防接種を止めることにした。日本自閉症協会の理事を務める山崎晃資・東海大学医学部教授によると、自閉症は精神障害に含まれる発達障害の1つ。先天的な遺伝子の配列異常に複数の環境因子が加わって発症すると考えられている。だから、水銀の摂取が自閉症の原因と一概には言えないが、「水銀が環境要因の1つになることはありうる」と話す。
ワクチンに入っている「水銀」とは、防腐剤、メチロサールのこと。そのほぼ半量はエチル水銀からなる。もちろん薬事法で使用は認められているが、「過剰に摂取し続ければ神経障害をもたらす」(水俣病に詳しい原田正純・熊本学園大学教授)ことも分かっている物質。それが何故、病気を予防するワクチンに長年使われ続けているのだろうか?
米国で、ワクチンに含まれるメチロサールと自閉症の関連性が問題視され始めたのは1999年のこと。2000年には研究者サリー・バーナードらが水銀中毒と自閉症の類似性などを挙げ、ある種の自閉症は幼少期の水銀摂取によると指摘した。ダン・バートン米科院議員の働きかけにより、同院で水銀と自閉症に関する公聴会が開かれ、2001年には自閉症児の親らが、ワクチンに含まれるチメロサールが要因であるとして製薬会社を訴える裁判も始まった。
米国では小児用ワクチンについては2000年にはチメロサールを除去した製品が登場、ほとんど切り替わっているという(日本ではまだ)。
日本で唯一、チメロサール無添加の日本脳炎ワクチンを製造しているメーカーがある。社団法人・北里研究所だ」2002.7.7《日本経済新聞》
  

◎石見銀山
「頼山陽の叔父である頼惟柔は、備後国三次ミヨシの代官を勤めていたが、温泉津に湯治した折、石見銀山に立ち寄っている。“坑内は危険なこと多く、「土が崩れ水に落ちて死ぬ者もあり、そうでなくとも病気に罹りやすく、命も短い」と話してくれる”とある。同じ文化年間(1804~1817)に石見銀山を訪れた修験者の野田泉光院成亮は、“日雇者でも30歳より長命の者は1人もおらず、それを知りながら堀に出かけるという。生命を「へちまの皮」とも思っていない者が多い。女が男を3~4人ぐらい抱えている”といっている。
   

◎生野銀山
「代官所に勤務していた小川含章の報告によると、“「烟毒」は燈火に火を点じて採鉱する時、石煙・油煙が混じり合って呼吸により肺腑にまで入り、それが労咳のように症状になり、痰を吐いて苦しんで死ぬ”と述べている。


 チッソ水俣工場では、合成酢酸の原料アセトアルデヒドをつくるための触媒として、硫酸水銀が用いられた。
 この過程で硫酸水銀が有機化してメチル水銀が副生される。
 重金属の水銀が持つ毒性の強さはよく知られているが、これがメチル化するとタンパク質と結びつきやすくなることから飛躍的に毒性が増す。
 メチル水銀は、結晶から直接揮発して、玉子の腐ったような匂いがする。



メチル水銀の健康影響
「米環境保護庁は1997年12月、米議会に水銀に関する研究報告書を提出した。報告書の第5巻は水銀と水銀化合物の健康影響にあてられており、吸収や代謝・体内分布・排泄、生物学的影響、脆弱な集団、量応答関係などを分析している[1]。ここでは報告書を中心にしてメチル水銀の影響を紹介する。
メチル水銀の吸収・分布・排泄[1]
●メチル水銀は消化器から急速に吸収される。

●吸収されたメチル水銀は体全体に分布する。

●血液脳関門や血液胎盤関門を容易に通過する。

●メチル水銀は体内で比較的安定で、人間で半減期は44~80日と推定されている。

●排泄は大便や尿・母乳を通じて起こることが知られている。
メチル水銀や無機水銀の主な標的は神経系や腎臓・発達中の胎児である。そのほかに影響を及ぼすと思われている器官や組織には、呼吸器や心血管系・消化器系・免疫系・生殖器系・血液などがある[1]。

●発達中の胎児はメチル水銀被ばくに特に危険である。妊娠中にメチル水銀に被ばくした女性から生まれた子供は様々な神経学的な異常を示す。
*歩き始め時期の遅れ
*脳性麻痺
*筋トーヌスや深部腱反射の変化
*神経学的検査成績の低下

●一般の人では、メチル水銀被ばくによって多様な中枢神経系への影響が知られている。
*運動失調
*感覚異常など。
影響を受けやすい集団では、一般集団以下の被ばくレベルで重度の悪影響が現れることがある[3]。

●胎児では大人より5-10倍も敏感なことが知られており、過敏な原因は発達中の脳で起こっている神経細胞の分裂や分化・移動が影響を受けやすいこと、血液脳関門が未成熟であること、排泄の機構が欠如していることがあげられている。

●新生児もメチル水銀被ばくに敏感である。メチル水銀や無機水銀が母乳中に排泄されるため、被ばくを受けている集団中の新生児は高い被ばくを受けると思われる。動物実験では、幼動物は成熟動物より脳に多くの水銀を保持することが知られている。これは、母乳から多くのメチル水銀を受け取り、排泄が低く、血液脳関門が未熟なためであると考えられている。
●性差。メチル水銀に対する感受性に性差があることが知られているが、種や系統で異なる。水俣病に罹患した男女比は1.2:1であったが、死亡率は1.8:1で男性の死亡が多いことが知られている。しかし、これは摂取量に関連する可能性がある。

●亜鉛・グルタチオン・抗酸化物質の欠乏。水銀は、活性酸素の発生増加や脂肪過酸化・カルシウム依存性蛋白分解・エンドヌクレアーゼ活性・燐脂質加水分解の活性化を通じて組織に障害を起こす。亜鉛やグルタチオン・抗酸化物質の欠乏が水銀による障害を悪化させると考えられており、動物実験で水銀による障害を制限することが報告されている。

●他の物質との相互作用。アルコール、アトラジン(除草剤)メチル水銀の毒性を強める。
メチル水銀の毒性は遅れて現れることがある[3]。

●メチル水銀を誕生から6.5~7才までサルに投与した実験があるが、投与期間中には神経毒性の明らかな兆候は見られなかったが、投与中断6-7年後の13才になってから神経学的欠陥が明らかになった。
●水俣でも被ばく終了後数年で新しく発病したり、症状が悪化したことが知られており、この場合も加齢に伴う要因が関連していると思われている。

●発がん性
「メチル水銀は発癌性を持つ可能性があります。発癌性に関する調査や実験結果を表に示します。これらの結果は様々ですが、人間で肝臓癌や白血病との関連が示唆され、マウスでは腎臓の癌の発生が示されています。アメリカ環境保護庁では、メチル水銀を人間で癌を起こす可能性がある物質として、グループCに分類しています。

水蛭(すいてつ) HIRUDO
【基原】ヒルド科(Hirudidae)の
   <1>ウマビル
   <2>チャイロビル  
   <3>チスイビル
ヒル類の小虫ヒルの全体を焼灰に入れて乾燥させたもの。
【性味】味は鹹、性は平、有毒。
【帰経】肝・膀胱経。
【分類】活血薬。
【薬性歌】“水蛭味鹹破積瘀 通経堕産折傷除”

【効能・効果】
<1>瘀血・積聚・癥結に用いる。

<2>堕胎作用があり、月経不通による血労に応用。

<3>利尿作用あり。
   1.瘀血の除去
   2.凝血の溶解

◎処女の月経不調と瘀血・積血・血閉などを治す。
◎破血の良薬である。

   「石灰と2~3回炒って丸剤。」
◎小児の丹毒に良い。

◎墜落・打撲・折傷による瘀血に。
「水蛭を炒って末にし、麝香を少し入れ、毎回1銭を熱い酒で調服する。」

◎凝血溶解剤…古い瘀血に用いる。

  

【薬能】(すいてつ)
《薬徴》
“血証を主治する也”
[血証]=ここでは瘀血(停滞している血)の意。
“為則按ずるに、血証を診するや、その法3あり。
1に曰く、少腹鞕満して小便利する者は此れ血ありとなす。利せざる者は、血なしとなすなり。
2に曰く、病人腹満せずして自ら腹満を言ふなり。
3に曰く、病人喜忘、屎鞕しと雖も大便反って易く、その色必ず黒し、此れ血ありとなすなり。
仲景氏血証を診するの法、玆(これ)に外ならず。”
[屎鞕し]=大便は硬いが出やすく、その色が黒い。

《重校薬徴》
“瘀血、少腹鞕満を主治し、経水不利を兼ぬ”
《古方薬議》
“瘀血、月閉を遂ふことを主どり、血瘕、積聚を破る”
  

【配合処方】
■大黄䗪虫丸
■抵当丸
■抵当湯

【考徴】
抵当湯証=少腹鞕滿云々。又曰く、経水利下せず。
[少腹鞕滿]=下腹が硬くて膨満している。
[経水利下せず]=経水が止まっている。
抵当丸証=少腹滿し、応に小便利せざるべし。今反って利する者は、血ありとなすなり。

【品質】
《重校薬徴》
“水蛭は蘇恭曰く、水蛭、草蛭あり。大なる者は長さ尺許り、並びに能く牛馬人血を(す)う。今俗に多く水中に取る小なる者を用いて大効あり”


水泡石
○性は平、無毒。
<1>渇を止め淋疾を治す。
<2>目の中の瞖膜を治す。

   
水蓼
⇒葉は蓼に煮て赤く、浅瀬にある。葉は蓼より大きい。
○性は冷、味は辛、無毒。
<1>蛇の毒
<2>脚気を治す。


菘菜(すうさい)
=菜の一種、タウナ。
○胸中の煩熱と邪熱を除く。


菘葉(すうよう)
「菘」=スズナorカブorタウナ。
○腸胃を通じさせる。
  「汁か漬け物」
○酒渇を治す。
  「汁を作るか、漬け物にして食べる。」
○消渇を治す。


蕤核
○性は微寒、味は甘い、無毒。
<1>目を良くする。
<2>赤痛と涙を止める。


睡菜⇒「ミツガシワ」を参照。