薬物<ひ>


ヒイラギ
■キリスト教
「キリストの生誕と永遠の生命を象徴していたのは、常緑樹であるヒイラギだった。→ポインセチア」


ヒオウギ
【効能・効果】
○陰嚢腫痛:
・根茎1片を口に含んでツバを呑み込むorかみ砕いて汁を飲む。
・根茎3~10g煎服。
○かぜ:
・根茎1片を口に含んでツバを呑み込むorかみ砕いて汁を飲む。
・根茎3~10g煎服。
○せき:
・根茎1片を口に含んでツバを呑み込むorかみ砕いて汁を飲む。
・根茎3~10g煎服。
○疝気:
・根茎1片を口に含んでツバを呑み込むorかみ砕いて汁を飲む。
・根茎3~10g煎服。
○ノドに腫れ物をもつ疾患:
「射干・山豆根」混和し、細末にしてノドに吹き込む(著効)。
○ノドに刺さった時:
・種子を煎服or作末して服用。
○浮腫:
・根茎1片を口に含んでツバを呑み込むorかみ砕いて汁を飲む。
・根茎3~10g煎服。
○扁桃炎・咽喉炎でノドが腫れて、呼吸が通じない:
・根茎1片を口に含んでツバを呑み込むorかみ砕いて汁を飲む(著効)。
○便秘:
・根茎1片を口に含んでツバを呑み込むorかみ砕いて汁を飲む。
・根茎3~10g煎服。
○めまい:
・種子をそのまま飲む。
○リウマチ:
「射干・紫蘇葉・甘草」煎服
○溜飲:
・根茎1片を口に含んでツバを呑み込むorかみ砕いて汁を飲む。
・根茎3~10g煎服。




ヒガンバナ
=ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草。
類似のナツズイセン・キツネノカミソリ・スイセンも同様に用いる。
【生薬名】石蒜
【効能・効果】
○あかぎれ:
・生の鱗茎をすり下ろし、患部に塗布する。
○いんきん:
・生の鱗茎をすり下ろし、患部に塗布する。
○打ち身:
・生の鱗茎をすり下ろし、患部に塗布する。
○疥癬:

・生の鱗茎をすり下ろし、患部に塗布する。
○脚気:
・「鱗茎・唐胡麻子」等量、すりつぶし、足の土踏まずに塗布(著効)。
○関節リウマチ:
・「鱗茎・唐胡麻子」等量、すりつぶし、足の土踏まずに塗布(著効)。
○肝臓病:
・「鱗茎・唐胡麻子」等量、すりつぶし、足の土踏まずに塗布(著効)。
○胸膜炎:
「鱗茎・唐胡麻子」等量、すりつぶし、足の土踏まずに塗布(著効)。
○催吐剤として使う:
・鱗茎を煎服or生根を0.3~1g/飲む。
○痔:
・茎の煎汁で洗浄する。
○歯痛:
・鱗茎をすりおろし、オオバコ葉と良く練って、痛む側へ塗布する。
○しらくも:
・生の鱗茎をすり下ろし、患部に塗布する。
○腎炎:
・「鱗茎・唐胡麻子」等量、すりつぶし、足の土踏まずに塗布(著効)。

○吸い出し(化膿):        
・生の鱗茎をすり下ろし、酢を加えて患部に塗布する。
○タムシ:
・生の鱗茎をすり下ろし、患部に塗布する。
○乳腺炎:
・「鱗茎・唐胡麻子」等量、すりつぶし、足の土踏まずに塗布(著効)。
・生の鱗茎をすり下ろし、患部に塗布する。
○捻挫:
・生の鱗茎をすり下ろし、患部に塗布する。
○肺炎:
・「鱗茎・唐胡麻子」等量、すりつぶし、足の土踏まずに塗布(著効)。
○腹膜炎:
・「鱗茎・唐胡麻子」等量、すりつぶし、足の土踏まずに塗布(著効)。
○浮腫:
・「鱗茎・唐胡麻子」等量、すりつぶし、足の土踏まずに塗布(著効)。
○肋膜炎:
・「鱗茎・唐胡麻子」等量、すりつぶし、足の土踏まずに塗布(著効)。
     
◎有毒成分:リコリン(アルカロイド)。ヒガンバナ属の属名リコリスから。
    催吐剤として用いられる「エメチン」と似た薬理作用。
     
◎中毒症状:
・嘔吐、下痢、
・低血圧、
・頻脈、
・中枢神経麻痺、死に至ることあり。
・致死量は不明。

◎その他のヒガンバナ科の有毒植物:
ナツズイセン
キツネノカミソリ
◎アルカロイドは水に溶けやすいので、昔の人は鱗茎をすり下ろして水にさらし食用にした。
◎間違えやすい山菜:「ノビル」





ヒガンバナ
【学名】Lycoris radiata
【英名】Red Spider Lily
【和名】彼岸花
【成分】リコリン lycorine
【作用】嘔吐、皮膚炎
「この仲間は野生であろうと栽培種であろうと、すべてにリコリンという有毒アルカロイドが含まれている。特に球根に多く、万一、口にすると、最初は口のなかがヒリヒリ熱くなって生唾がこみ上げ、嘔吐が始まる。吐いても吐いてもむかつきは治まらず、胃の中がかき回されるように痛んでくる。頭がくらくらして、上体を起こしていられず、何かにしがみついていても、自分がどうなっているのかさえ分からなくなる。ショウガのおろし汁が解毒になると教えてくれたけれど、まっ赤なウソだった。」
■ヘソビ餅
「ヒガンバナの毒性は、煮たり炒めて熱をかけても変わらない。その球根を粉にして蒸したものがヘソビ餅だと教えてくれたのは能登の女性。明治32年生まれの彼女は16歳で伊勢から嫁いだ。時々故郷を思い出してヘドビ餅を作る。
ヒガンバナの球根は小ぶりのタマネギの様な外見で、皮をむいた中身はクワイのように白くシャリシャリしている。それをすりこぎでたたきつぶし、ドロドロになったところで石臼でさらに細かく挽いた。
そのあとは、井戸の清水を取り替えながら繰り返し洗い、底に残ったデンプンを天日に干した。水にさらすと毒がすっかり抜けるという。しかし、長期の保存には、寒風にさらすことが必要という」




ヒキオコシ
⇒多年生草本。茎は方形で短毛を密生する。秋に淡紫色の小花を穂状に開く。葉を噛むと極めて苦い。
開花前の全草を刈り取り、手早く天日乾燥する。湿ると苦味を失うので、完全に乾燥させる必要がある。
類似のクロバナヒキオコシも同様に用いる。
【効能・効果】
○胃炎:
・茎葉5~10g/日煎服する。
・茎葉を作末し0.5g/回飲む。
○胃ケイレン:
・茎葉5~10g/日煎服する。
・茎葉を作末し0.5g/回飲む。
・「延命草1g、ギシギシ根5~10g」煎服。
○食欲不振:
・茎葉5~10g/日煎服する。
・茎葉を作末し0.5g/回飲む。
○消化不良:
・茎葉5~10g/日煎服する。
・茎葉を作末し0.5g/回飲む。
○暑気あたり:
・茎葉5~10g/日煎服する。
・茎葉を作末し0.5g/回飲む。
○腸炎:
・茎葉5~10g/日煎服する。
・茎葉を作末し0.5g/回飲む。
○皮膚病:
・葉を塩で揉んで塗布する。

 

ヒキオコシ抽出物
(ヒキオコシの茎又は葉から得られた、エンメインを主成分とするものをいう。)   ヒキオコシ シソ科ヒキオコシ(Isodon japonicus HARA)の茎又は葉より、エタノールで抽出して得られたものである。主成分はジテルペノイド(エンメイン等)である。 苦味料等 Isodonis extract


ヒキガエル   
【蟾蜍】
=ヒキガエル科のカエルの総称。“ガマ”
体長10~15cm。背にイボ状の突起がある。
◎種類:
日本には[ニホンヒキガエル][ナガレヒキガエル][オオヒキガエル]が生息する。
1.「ニホンヒキガエル(COMMON TOAD Bufo bufo japan)」:
湿った林地、緑の多い人家の庭に生息。
2.「ナガレヒキガエル」:本州中部のの山地の渓流。
3.「ナンブヒキガエル(SOUTHERN TOAD Buto trarrestrics)」
4.「オオヒキガエル」:大東島、小笠原諸島。中央アジアから南アメリカ北西部。
「このカエルは農業害虫やときにはネズミまでも食べるので、世界の各地、主に熱帯から亜熱帯地方に移入されている。わが国でも小笠原諸島には帰化動物として定住している。
本種が移入されたとき、それを食べることは危険だ、との警告がなされなかったために、フィジーやフィリピンでは、習慣的にカエルを食べる人々がオオヒキガエルを食べ、死亡するという事件が多発した。ペルーの農夫の中には、その卵で作ったスープを飲んだだけで死んだ人もいたという」

◎有毒成分:毒液は耳腺・皮膚腺から分泌。大型の種では脚にも毒腺がある。
・ブフォテニン
・ブファリン
・ブフォトキシン:
「口腔や粘膜に付着すると、心筋や神経中枢に作用し、イヌなどがくわえると、口の中に毒が作用し、ひどい時は口から泡を吹いてひっくりかえる。人間でも目に入ったら、眼科医に駆け込んで洗浄してもらう羽目になる」
1.ブフォニン:アミン系の毒で、幻覚作用がある。
2.ブフォタリン:ステロイド系の毒で猛毒。

◎症状:毒液は粘膜から吸収される。
   ヒキガエルをつかんだ手で口や目をぬぐうと、激しくしみる。

■皮膚毒:
「カエル類の皮膚毒については、近年、急速に分析が進み、その成分である小型タンパク質(ペプチド)は、人間の脳に強い刺激を与え、精神活動に極めて大きな影響を及ぼす物質とよく似ていることが分かってきた。
<1>人間の知覚物質・発痛物質であるP物質に類似した『フィサラミン』
<2>発痛物質の『ブラジキニン』
<3>大脳に多いコレチストキニンに似た物質。
<4>陰水行動を起こさせ、腎臓でも血圧上昇に関与する『アンギオテンシン』
<5>体温・血糖量・乾きの調節に関与する『ボンペシン』
<6>脳内麻薬物質のエンケファリンに類似し、中枢作用を持つ『ブルモルヒネ』」
(データハウス発行「猛毒動物の百科」今泉忠明著より)

○ガマの毒
「両棲綱無尾目の前腔亜目に属するヒキガエルは、実験材料によく用いられ、地球上では広く分布しているカエルである。ガマの毒は1817年、フランスのA・J・ペレチェによって皮膚腺から分泌する乳白色の毒液の研究から始まる。ガマの毒液のブホトキシンを酵素で分解すると、ブホゲニンとスベリルアルギニンになる
 ある種のガマに対して、非経口的にコレステロールの四位の炭素の放射性元素をいれて飼育すると、、放射能を持つブホゲニンとブホトキシンが得られたので、おそらくガマの体内でコレステロールかあるいはこれに近い化合物からガマ毒が生合成されたものと推定される。
 この乳白色の毒液は、強心作用をはじめとして興奮作用・血圧上昇・局所知覚麻痺や消炎作用などを有し、水には不溶のステロイドであることが判明した。そして、毒液にはそのほかに水溶性のアルカロイドも存在し、その構造はインドール系であることが分かった。」



ヒジキ(ひじき)
■人工種苗
「2010年、愛媛県農林水産研究所はヒジキの養殖に向けた人工種苗の量産化事業を本格化する。ヒジキの受精卵を陸上水槽内の苗床に着床させ、さらに海面にウツして育てる独自の手法を確立。育てた種苗を県内の漁業者に提供ヒジキの養殖を真珠の裏作として広げる予定。
ヒジキは真珠と全く同じイカダで養殖ができる。真珠は春から秋にかけて養殖するため、秋から春にかけて養殖するヒジキとは気管が重複しない」



ヒシュカ(啤酒花)
【異名】忽布(ホップ)、香蛇麻(コウダマ)、啤瓦古麗(ウイグル名)
【和名】ホップ
【基原】クワ科の植物、啤酒花の雌花序。
【原植物】ホップHumulus lupulus L. 蛇麻草(ダマソウ)
多年生草本のつる植物。新疆北部に野生する。

【薬理作用】
*抗菌作用
*鎮静作用
*鎮痙作用
*ホップのエタノール抽出液は、摘出した兎の空腸、モルモットの十二指腸、ラットの子宮平滑筋に対し、強力な鎮痙作用がある。

【薬効と主治】
《新疆中薬手冊》
“健胃し食を消す。利水し神を安らげる”
“消化不良、腹脹、浮腫、膀胱炎、肺結核、不眠”



ヒソップ
【学名】Hyssopus officinalis
【英名】Hyssop
【和名】ヤナギハッカ
【分類】シソ科、多年草
【原産地】ヨーロッパ南部
【利用部位】花、葉。
【成分】

精油(2%以下):50種類。
  ・ピノカンフォン(ケトン)
  ・イソピノカンフォン
  ・ピネン
  ・カンフェン
  ・テルピネン
  ・ボルネオール
  ・ツジョン(ケトン)
  ・フェランドレン
配糖体(ヒソッピン)
タンニン
フラボノイド
インソリニン酸
オレアノール酸
苦味質(マルビイン);痰作用
樹脂
ゴム質
  

【効能・効果】
〇かぜ
〇インフルエンザ
〇気管支炎
〇抗ウイルス作用:口唇ヘルペス
         ヘルペス・シンプレックス
〇挫傷(精油)
〇やけど
〇胸部の伝染病(精油)
  

【注意】
<1>少量を使用すること。(ハーブで1~2g/1日)
<2>ケトン分が多量に含有されているので、この精油は毒性の点で、安全と危険のボーダーライン上にある。
<3>テンカン発作の引き金になる。



ビーツ
食べる点滴
ロシアの料理
鳥取県で栽培


ヴィダンガ Vidanga (エンベリヤ)
=果実はコショウに煮ている。
【学名】Embelia ribes Burni (エンベリヤ)
【科名】Myrsinaceae. ヤブコウジ科
◎成分:エンベリヤキノン
◎適応
・脂肪を減らす。食欲には影響を与えない。代謝系で脂肪を減らす。
・感染性疾患
・去痰剤(薬用喫煙として)
・避妊剤:
「経口避妊剤の古い処方」
(ナアコショウ・エンベリヤ実・硼砂を同量づつ混和し作末する。月経開始後5日目から2gづつ服用。7日間継続する。朝に服用)
◎西洋医学で
サナダムシの駆虫剤



ヒトエグサ
=のり佃煮の原料として用いられる。
■海草でコレステロール低下
「化学薬品メーカーの江南化工(三重県四日市市)は三重大学などと共同で、海藻のヒトエグサによる血中コレステロール低下作用をヒトへの食品試験で確認した。
主成分『ラムナン硫酸』の抽出技術を製法特許として出願済みで、原料を供給する予定。
ラムナン硫酸が消化管からのコレステロール吸収を阻害する効果を確認した。さらに三重大発ベンチャーの機能食品研究所(津市)にヒト食品試験を委託。コレステロール値がやや高め、または軽症抗コレステロール血症の男性16人に1日1.5gのラムナン硫酸を摂取させた。4週間後に血中総コレステロール値が平均6%、6週間後には6.5%低下した。」2006.2/28《産業》



ヒトヨタケ COPRINUS ATRAMENTARIUS
◎中毒症状:
それ自体を食べても何の中毒症状も示さないが、アルコール飲料とともに摂取した場合や、このキノコを食べた後で、アルコール飲料を飲んだりした場合には吐気、嘔吐、心拍の急迫などジスフィラム服用時に酒を呑んだ時と同様な不快症状(悪酔い)を引き起こす。
重症の場合は昏睡に至ることもある。
◎成分:
<1>コプリン:
①1975年に単離された。
②コプリンは金属とのキレートを形成する性質を示し、モリブデンを結合してアルデヒド脱水素酵素の作用を阻害し、アルコールと共に服用することによってアセトアルデヒドを静脈内に注射した場合と全く同様の症状を示すことが確かめられた。 (講談社「天然の毒」p40)







ヒトツバ
=「石葦」
⇒乾いた岩上や樹上に自生する、常緑多年草本。
地上部分を乾燥したもの(石葦)。
  

【効能・効果】
○高血圧:
・乾燥した地上部を3~4g/日煎服。
○消渇:
・乾燥した地上部を3~4g/日煎服。
○神経痛:
・乾燥した地上部を3~4g/日煎服。
○腎臓病:
・乾燥した地上部を3~4g/日煎服。
○喘息:
・地上部を黒焼きし作末して耳掻き1杯服用。
○大便が通じる前に出血する:
・地上部の乾燥末を、茄子の枝の煎汁で飲む。
○糖尿病:
・乾燥した地上部を3~4g/日煎服。
○尿路結石:
・乾燥した地上部を3~4g/日煎服。
○腫れ物(悪性):
・黒焼き末をゴマ油で練って塗布。
○やけど:
・地上部を黒焼きし作末して耳掻き1杯服用。
○リウマチ:
・乾燥した地上部を3~4g/日煎服。
○淋病:
・乾燥した地上部を3~4g/日煎服。


ヒトデ
30分ぐらい塩ゆで、中身はうにの味。
■料理
「九州天草地方や有明海周辺ではヒトデやイソギンチャクを食べる。福岡県の柳川に足を運んだ。柳川料理「つむら」は有明海の海の幸が売り物で、料理に使う水もすべて地元の地下水という。
40年前までは、柳川のどの家庭でもイソギンチャクはおかずだった。味噌煮・唐揚げ・しょうゆ炊き・味噌汁に入れたり、ゆがいて酢味噌で食べたり・・・土地の主婦たちがザルを片手に、潮の引いた有明海へ。イソギンチャク・カニ・シャコ・貝類などをとりにいくという。」
イシワケイソギンチャク・・・丸くて小さい。岩場にへばりつく触手の長い種類と違って、干潟の泥砂にもぐって生息する。
有明海の南にある八代海に面する熊本県上天草市の海辺には、ヒトデを食べる地域がある。食べるのは「マヒトデ」だけで5~10分ほど塩ゆでにする。中の卵だけをすくって食べる。産卵前の3~5月しか食べられない。
■生殖刺激ホルモン
「2009年、自然科学研究機構・基礎生物研究所(岡崎市)の長浜嘉孝特任教授や東京学芸大学の三田雅敏教授らは、ヒトデから抽出した生殖刺激ホルモンと、ヒトの女性の妊娠や出産を助けるホルモンの化学構造が似ていることを見つけた。
無脊椎動物から生殖刺激ホルモンを見つけたのは世界初。
ヒトデから抽出したのは、女性が出産する際に骨盤をゆるめる働きなどがあるとされる『リラキシン』とよく似たアミノ酸配列のホルモン。
5500匹のヒトデの神経から抽出し、質量分析で詳しく分析して化学構造を決定した。」
■オニヒトデ・・・実は魚の味方だった
2009年、サンゴの天敵、オニヒトデと同じ水槽で育てると、マダイが病気にかかりにくくなり、成長が早まる効果があることが、愛媛大南予水産研究センターの三浦猛教授らの研究で分かった。
オニヒトデの分泌物に、魚の免疫力を高める成分が含まれていると三浦教授はみている。
オニヒトデは沖縄から関東以南の太平洋沿岸で時折、大発生しサンゴに被害を与えるが、駆除しても焼き捨てるだけで有効な利用法はなかった。
2008年秋頃、学生が釣ったマダイを数個の水槽に分けて育てていたところ、寄生虫感染で表皮が白くなる白点病が流行。オニヒトデを一緒に飼っていた水槽を除いて、マダイはほぼ全滅した。約3週間の飼育実験で、オニヒトデと一緒だと免疫を担う白血球の働きが高まることが判明。エサを食べる量も増え、マダイだけで育てた水槽に比べ、成長速度が2倍になった。


ヒドラスチス
【学名】Hydrastis canadensis
【英名】golden seal、yellow root、orange root、Indian turmeric
【使用部位】根茎・根。
【成分】

アルカロイド:ヒドラスチン:鎮静効果
       ベルベリン:子宮を刺激する
             鎮静効果
       カナジン
樹脂
精油
  

【効能・効果】
<1>粘膜の炎症およびカタル状態に有効なハーブ。
        胃潰瘍などの消化性潰瘍
<2>胆汁の分泌を促す
<3>トリコモナス(浸出液)
<4>歯肉炎・咽喉炎(洗浄)
<5>皮膚の感染・ただれ:とびひ、白癬
【注意】
     妊娠中は不可。


ピーナッツ
◎ピーナッツ:
マメ科ラッカセイ属の1年草。
皮のついたものを「落花生」。皮を剥いで味つけしたものを「ピーナッツ」

■幼児に要注意
「1歳のA君はちょこまかして今一番目が離せない時期。何でもさわり、すぐ口に物を入れる。今日も父親が晩酌のつまみにしたピーナッツをめざとく見つけて口に入れた。しばらくして顔を真っ赤にして咳をし始めた。ゼイゼイもする。
母親は慌てて近くの病院に連れていった。病院に着いた頃は症状は治っており、診察の結果も心配ないと言われた。ところが、2、3日して又ヒューヒュー言い出した。吸入や薬では治らず、当院の呼吸器科に紹介。一番太い左の気管支にピーナッツが入っていることが分かり、入院して気管支鏡で摘出した。
幼児の事故で怖いものの1つに気道異物がある。呼吸出来なくなって命にかかわることはまれだが、摘出しないと治らない。長くそのままにしておくと、肺も一緒に取らなくてはならない場合もある。
小さなプラスチック片、ビーズ、錠剤など何でも異物になりうるが、ナッツ類、なかでもピーナッツは含まれる油のために肺炎を起こすこともある。小学生までは食べさせない方が良いほど、その危険性は強い。
気道異物の症状は最初の数分で治まり、次に症状が出るの数日後、時には数ヶ月後であることが多い。呼吸が出来ていたら、その場で頭を下にしたりして取り出そうとしてはいけない。かえってのどに詰まらせることさえある。そのまま病院へ連れていくのが一番である。子供の気道異物は節分からしばらくの間、頻度が急上昇する。幼児に豆を食べさせるのは絶対やめてほしい。乳幼児のいる家では数えお数えて豆をまき、後からすべて拾い集める配慮が必要である。(雉本忠市・国立小児病院呼吸器科医長)1998.1.19《日本経済新聞》

ピーナッツ色素
(ピーナッツの渋皮から抽出して得られたものをいう。) ピーナツ色素 フラボノイド
フラボノイド色素 マメ科ピーナッツ(Arachis hypogaea LINNE)の渋皮より、温時~熱時水又は含水エタノールで抽出して得られたものである。赤褐色を呈する。 着色料 Peanut colour

■ゆで落花生
「立ち上がる湯気、殻を割るとしみ出す煮汁、独特の軟らかな食感。落花生のもう一つの顔が「ゆで落花生」だ。掘ったばかりの豆を塩ゆでにして食べる産地の旬の味。
千葉県八街市を訪ねた。作付面積、生産高とも全国の約7割を占める千葉県の中でも、同市は有数の産地として古くから知られる。畑には、収穫された落花生が積み上げられた「ぼっち」と呼ばれる小山があちこちに点在する。落花生は地中に実をつけるため、収穫後は湿っぽい。そのままでは加工できないので、ぼっちの中で40日間ほど自然乾燥させ、11月ごろ乾いた豆を加工する。この乾燥が歯ごたえを生む。
だが、ゆで落花生は乾燥させる前の豆を使う。一度乾燥させると、独特の柔らかさが出ないので不向きだ。市内の製造業者は、収穫直後の9月中旬から10月中旬にかけて、冷凍ゆで落花生を作っている。
ゆで落花生は炒ったものに比べ、傷みやすく常温では日持ちがしない弱点があった。この点を解消したのが、1995年に千葉県農業試験場で開発された『郷の香』というゆで専用の品種だ。」2002.10.12《日本経済新聞》

イギリスでピーナツアレルギー  
   ピーナツ・・・保育園で持ち込み禁止
共通点:84%がおむつかぶれにピーナッツオイルを塗っていた
はじめてピーナッツを食べた子供にも発症




ヒノキ
⇒常緑高木。葉は細く鱗片状で枝条に密着し、春になると単性花を開き、花後、球形で1cmくらいの球果を結ぶ。
節は採集して乾燥する。
赤い木質部は一方の端を強く加熱し、他方の端から出る液汁を集める。
  

【効能・効果】
○子宮の病気:
・節を煎服or液汁を飲む。
○尿の出が悪い:
・葉12~20g/日煎服する。
○肺結核:
・節を煎服or液汁を飲む。
○リウマチ:
・節を3~5g/日煎服する(著効)。
・液汁を飲む(著効)。


ヒバ
■青森ヒバから生理活性物質
「大阪薬科大学などの研究チームは青森地方を中心に生息する青森から抽出した油に、抗菌作用などすぐれた生理作用があることを確認した。青森ヒバが含むヒノキチオールに腐敗防止や消炎、殺虫などの効果があるとする報告は過去にもあったが、学術的には実証したのは初めて。天然物由来の無毒な活性物質として農薬や医薬・化粧品などへの応用を期待している。
共同研究したのは大阪薬科大学の稲森善彦教授、青森県工業試験場、大阪有機化学工業、フマキラー、大阪府立公衆衛生研究所。
ヒバ油にはヒノキチオールのほか、βドラブリンやαツヤブリシンなど複数の微量の化合物が含まれている。抗微生物活性、酵素阻害活性、殺虫活性、植物成長阻害、細胞傷害作用など5項目について調べた。
試験管内で実験したところ、アトピー性皮膚炎などの原因とされる表皮ブドウ球菌や木材を腐敗させる腐朽菌に対して既存の抗生物質よりも高い抗菌性を示した。さらにシロアリやダニに対する殺虫性も高かった。
青森ヒバは中尊寺金色堂に利用され、数百年も腐らない建材として知られるほか、食物の防腐剤としても使われてきた。」2000.9.6《日経産業新聞》

ツヤプリシン(抽出物)
(ヒバの幹枝又は根から得られた、ツヤプリシン類を主成分とするものをいう。)

ヒノキチオール(抽出物)

ヒノキチオール ヒノキ科ヒバ(Thujopsis dolabrata SIEB. et ZUCC.)の幹枝又は株根より水蒸気蒸留して得られたものを、室温時アルカリ性水溶液で精油を除去し、中和後、ヘキサンで再結晶させた後、溶媒を除去したものである。主成分はβ-ツヤプリシンである。 保存料 Thujaplicin(extract)
Hinokitiol(extract)



ヒハツ(ナガコショウ)
■香辛料成分に血管強化作用
2014年、大阪大学微生物病研究所の高倉伸幸教授らは、香辛料のヒハツに含まれる成分が血管を強くする作用があることを突き止めた。
血管の内側にある細胞の表面で働く「T1e2」(タイツー)と呼ぶタンパク質に着目した。
10月に米国のチームがこのタンパク質の働きが高いマウスはエボラウイルスに感染しても重篤な症状が出にくいと報告していた。
Tir2の働きを高めたマウスの背中に、血管の壁をもろくする薬剤と香辛料の抽出液を同時に注射したところ出血しなかった。
薬剤だけを注射したマウスは血管から液体が漏れ出てむくんだ。




ヒバマタ
⇒海藻
■ヒバマタに含まれる多糖の一種に、インテグリンの合成を促進する効果があることが分かった。
インテグリンは皮膚の内側で網目状に張り巡らされているコラーゲン繊維と細胞をつなぐ働きをタンパク質として知られる。
1999.4.8《日経産業新聞》


ピッパリー Pippalī (ナガコショウ)
=インド・ジャワ・フィリピンなどで生育。
身体を暖める作用は、完熟果実より未熟で緑色の穂状花のほうが強力。
【学名】Piper longum L.
【科名】Piperaceae コショウ科
【英名】Long pepper
◎作用
・駆風作用
・消化作用
・刺激作用
・催吐作用
・若返り作用
・カパ、ヴァーユの鎮静作用
◎適応
・発熱
・脾臓疾患
・皮膚疾患
・リウマチ
・喘息
・糖尿病
・痔核
・結核
・気管支炎


ヒヒ
■英単語見分ける能力
2012年、悪の仲間のヒヒには、英単語と無意味なアルファベットの文字列を見分ける能力があるとの研究結果をフランスの研究チームが米科学誌サイエンスに発表。
こうした能力は、文字を読んで理解するのに不可欠とされ、研究チームは“読解に必要な初歩的な能力は、人類だけでなく、霊長類の脳が共通して持っている加工性が出てきた”としている。
研究チームは、画面上に4文字のアルファベットが次々と出る装置を作製。
6匹のギニアヒヒで実験した。「KITE」(たこ)など意味のある英単語の時は画面上の「○」。「ZVES」など意味のない文字列ならは「+」をタッチすれば、報酬として食べものを与えた。6週間後、ヒヒは平均75%の正解率で英単語と意味のない文字列を見分けられるようになった。」


ビビータキー Bibhītakī
【和名】セイタカミロバラン
【学名】Terminalia belerica Roxb
【科名】Combretaceae シクンシ科
インドで一般的は野生種として。大木になる。
◎適応
・気管支炎(去痰剤として)
・喘息(種子と果肉)
・嘔吐(妊娠嘔吐に予防薬として)
・炎症(身体のどの部分でも)
・アレルギー
・便秘
・疝痛(わずかに麻薬性)


ビーフン
■胃ガン
「4年近く前に胃ガンの手術をし、体重が20kgも落ちてしまった。朝はおかゆ、夕食は普通にご飯を焚いてたべたり外食をしたりする。問題は昼食、昔から麺類が好きなので、これが自由に食べられたら問題はないのだが、麺類は腸のなかで絡み合って詰まる恐れがある、ことに鹹水(かんすい)の入ったものがよくない。せっせと噛んでたべたのではおいしくない。
よくよく細い素麺は消化はよいが、淡泊にすぎて栄養が心配だ。あれこれ工夫しているうちにビーフンにゆきあたった。
これがすこぶる具合がいい。おいしいし消化もいいのだ。
どこのスーパーでも売っている台湾新竹産のビーフンをぬるま湯でもどし、椎茸、タケノコ、タマネギ、あさり、干しエビなどのうちいくつかをお具にして、ニンイクのみじん切りを入れた油で炒めた後、ダシを加えて少し煮込み、水気が無くなるまでいためてできあがり。いくら火を通しても延びることがないし、よく味を吸う。具によって味が変わってあきないので、もう半年以上も毎日のように食べている。それに、これなら私でもつくれる。」(木田元・哲学者)


ヒツジ
■ゲノム解読
2014年、サイエンス
オーストラリア連邦科学讃仰研究機構や英エディンバラ大学などのチームは、ヒツジの全遺伝情報を解読した。
■ウシ科の動物
ウシやヤギなどと同様に、4つに分かれた反芻動物の1つ。
ヤギ(山羊)は木の芽や皮も食べるが、ヒツジは草だけを食べる。
約9千年前にヤギに次いで家畜された。
常に一塊となって、何かにつられて動く著しい集合性と追随性がヒツジの行動特性である。
「フロック」ヒツジの群れ
「ハード」ウシの群れ
「ライブストック」家畜のこと。生きている財産の意味。


ヒマ(蓖麻)
=漢名:「唐胡麻」
◎トウダイグサ科に属し、冬季霜が降りる温帯地方では1年生であるが、亜熱帯地方では喬木・灌木状にまで生育する。
低温で圧搾された油は、もっぱら薬剤用に使われる。一方、高温で圧搾すると、毒性タンパク質・リシンが油の中に多量に溶入する。したがって医療用に使用するためには、その油脂を熱湯で抽出・除去する必要がある。
リシン型の毒性タンパク質は、ヒマのみならず一般にトウダイグサ科の巴豆油にも含まれ、マメ科では唐小豆、ハリエンジュ(針槐)などにも存在する。リシンを含有する植物で、種子にこの毒性タンパク質が含まれているものを食用にすると死に至ることがある。
また、ヒマには『リシニン』というアイアノピリドン型アルカロイドも存在するが、毒性タンパク質のリシンほどひどくない。

◎ヒマシ油の主成分は、リシノール酸のクリセリンエステルである。欧州では種子油は灯油として用いられてきたが、18世紀になり、下剤として使用するようになった。薬用量は、大人で15~30gといわれ、2~4時間で効力を発揮する。ところが、ヒマシ油は大腸だけでなく、小腸の粘膜にも著しい局所刺激作用を示すので、他の下剤にくらべて即効性がある。古代エジプトでは、すべての病気は食物が原因と考えられ、1ヶ月に3回ほど、腸を洗浄する目的で、ヒマシ油をビールに混ぜて緩下剤として服用したことが記述されている。
   

◎ナイロン-十一“リルサン”
リシノール酸を200℃以上で熱分解すると、ペプチルアルデヒド(エナントアルデヒド)とウンデシレン酸が生成する。前者は香料の合成原料、後者は白癬菌・糸状菌に用いられる。このウンデシレン酸から「リルサン(ナイロン-11)」が合成される。
   

◎うるし(漆)より強烈な癆膚毒が、トトウダイグサ科に見られる。その1種としてブラジルのフェルナンド・デ・ノロニア群島のシラキ属植物を挙げることができる。この植物の樹液1滴が皮膚に触れただけで、火傷様の疼痛を感じ、炎症を引き起こすことが観察されている。しかも、疼痛が去っても傷口はケロイド状に残る。
日本には、家畜の急死の原因となる「ユズリハ」が分布する。これもトウダイグサ科である。アイヌ語で“リヤハム”といい、北海道岩内町近郊にこの地名が残っている。“越冬する葉”を意味し、この常緑喬木の樹液に含まれる有毒成分もジテルペン系アルカロイドである。
  

◎【リシン】
毒タンパク質→「アルカロイド」
リシンは、565個のアミノ酸残基から出来ている。A鎖は267個のアミノ酸残基からなり、末端より第10番目のアスパラギンにキシロースとフコースを含むオリゴ糖が結合している糖タンパク質である。B鎖の方は、262個のアミノ酸残基からなっており、第95番目と第135番目にアスパラギンにマンノース型のオリゴ糖が結合したやはり糖タンパク質である。A鎖とB鎖の顕著な差異は、A鎖と違いB鎖では4カ所もシステイン結合(シスチンのチオール基の部分酸化によって生成した-S-S-のジスルフィッド結合)によって環状構造が出来ている点である。
中毒症状
体内に入ってから数時間後に現れる。多量のリシンを投与した場合でも、死に至るまで10時間以上必要と言われる。リシンによる症状の特徴は、腸・腹膜などに出血が見られ、体温が低下し、特徴ある悪寒現象を示す。
少量の場合は、回腸に小さな出血の浮腫が見られ、肝臓・腎臓の細胞質の空腔化が見られる。
静脈注射した場合、リシンは肝臓・脾臓に高濃度に検出され、5時間の半減期で低分子化し、腎臓を通って排泄される。
リシンをN・ブロムコハク酸イミド(NBS)とが過沃素酸という特殊な酸化剤で酸化した場合、前者は糖機能を保持しながら毒性を消失し、後者は酸化されたマンノースの残基数に依存して著しく毒性が低下する。
リシンは還元型グルタチオンを用いての生理的条件下で処理すれば毒性を失う。


ビワマス
■養殖
ビワマスは琵琶湖に生息するマスの一種。漁獲が安定せず商品化が難しかった。2012年、滋賀県水産試験場が養殖技術で成果を出した。


 ヒマシ油=エーランダ


ヒマワリ
ヒマワリ種子抽出物
(ヒマワリの種子から得られた、イソクロロゲン酸及びクロロゲン酸を主成分とするものをいう。) ヒマワリエキス
ヒマワリ種子エキス
ヒマワリ抽出物 ヒマワリ種子 キク科ヒマワリ(Helianthus annuus LINNE)の種子又は種子の搾油相より、熱時水又は含水エタノールで抽出して得られたものである。有効成分はイソクロロゲン酸及びクロロゲン酸である。 酸化防止剤 Sunflower seed extract
   

■相互作用
[ワルファリンカリウム]・・・副作用で出血傾向。(ヒマワリ種子中のビタミンEの働きで)
■土壌浄化
「清水建設は、ヒマワリを使って油で汚れた土壌を浄化する技術を開発した。タイの大学と行った実証試験で効果を確認。
開発したのは、ヒマワリなどの根に生息する特殊な微生物を利用した土壌回復技術。微生物が油の主成分を栄養にして増殖し、汚染された土壌を元に戻す。自然の浄化能力を生かす『ファイトレメディーエション技術』の一種で、汚染物質の濃度が比較的低く、広範囲に汚染されている場所で有効。
微生物が酸素と油の主成分である炭化水素や揮発性有機化合物(VOC)のテトラクロロエチレンなどを栄養分として取り込む。それを水と二酸化炭素に分解し、汚染土壌が浄化される。
使う植物は、ヒマワリやイネ科のベティバグラスなど。」
■太陽熱発電
2012年、米マサチューセッツ工科大学などのチームは、ヒマワリの花びらの並び方を手本にして太陽熱発電の効率をUPする手法を開発した。
太陽の光を反射させる大量の鏡の並び方をシミュレーションで比較した結果、鏡を敷く土地の面積を20%減らすことができる。
鏡を、137度の角度をお互いに保っているヒマワリの花びらのようにらせん状に並び替えると、狭い面積にも効率よく敷き詰められた。
自然界ではこうした螺旋構造はよくみられ、「フェルマーのらせん」と呼ばれている。
■首振りを解明
2016年、成長途中のヒマワリが太陽を追って東から西へ首を振る動きの詳細な仕組みを米カリフォルニア大学のチームが解明。
サイエンスに発表




ピーマン Green Pepper
=夏が旬の野菜。南アマゾン川流域原産のナス科の1年生草本。
「ピーマン」はフランス語のpimentから。英語ではGreen Pepper(緑のトウガラシ)とかSweet Pepper(甘トウガラシ)などと呼ばれる。
【成分】
βカロチン
ビタミンC・・・レモンの2倍。ピーマンのビタミンCは熱に強い。
ビタミンB1。B2
ビタミンP・・・毛細血管を強化し、出血を防ぐ
■赤ピーマンにがん抑制成分
「岐阜大学の山内亮教授とカゴメは、赤ピーマンに発ガン抑制作用や抗コレステロール作用のある糖脂質が含まれていることを突き止めた。葉緑体などに含まれている糖脂質、ガラクトシルグリセロールなど3種類の成分を新たに発見した。
糖と脂質が結合した糖脂質は、摂取しなければならない栄養源の1つで、生活習慣病の予防に効果のあるものもある。山内教授らは凍結乾燥後に粉砕した赤ピーマンの中から脂質成分をとりだし、成分を細かく分析できる装置などを使って構造や種類を判定した。
この結果、発ガン抑制作用が期待されるガラクトシルグリセロールのほか、コレステロール値を抑える作用があるステリルグルコシド、セレブロシドが含まれるのが分かった。」2001.10.31《日経産業新聞》
■アナスタシア
「赤と緑、濃い紫色をしたピーマンで、ロシアで開発された。宇宙船内の生活を充実するために開発された。」




ヒメマツタケ
ヒメマツタケ抽出物
(ヒメマツタケの菌糸体若しくは子実体又はその培養液から抽出して得られたものをいう。)   ヒメマツタケ 担子菌ヒメマツタケ(Agaricus blazei MURR.)の菌糸体若しくは子実体又はその培養液より、水で抽出して得られたものである。 苦味料等 Himematsutake
extract

ピメンタ抽出物
(ピメンタの果実から得られた、オイゲノール及びチモールを主成分とするものをいう。) ピメント果抽出物フトモモ科ピメンタ(Pimenta dioica MERRILL)の果実より、エタノールで抽出し、濃縮して得られたものである。有効成分はオイゲノール及びチモールである。 酸化防止剤 Pimento extract

ビャクダン
【英名】Sandalwood
【参考】精油(濃厚かつ豊潤な)は、以下の効果がある。
①精神的緊張
②不安
③性直増強薬


 ヒョウ(豹)
   ○鬼魅と邪神を主治する。(豹肉)


ヒョウガユスリカ
■ヒマラヤの氷河で
「標高約5000m。息をするのも苦しいヒマラヤ山脈の氷河で東京工業大学の幸島司郎助教授は体長3mmほどの奇妙な昆虫を見つけた。蚊に似ているが、羽が退化して飛ぶことが出来ず、氷の上を歩いたり、氷のすき間に潜り込んだりしている。摂氏マイナス16度の中でも歩き回っていたが、「手のひらにのせると、ケイレン起こして死んでしまった」。温かい手のひらの上は“灼熱地獄”だったのだ。
幸島助教授はこの昆虫を「ヒョウガユスリカ」と名付け、その生態を探った。幼虫は昼間、深さ数十㌢の氷のすき間に潜む。夜になると、氷のくぼみにたまった泥状のものを食べていた。サナギを経て親になると、氷のすき間で交尾、オスはすぐ死に、メスは氷河の上に出てきて、氷河上流を目指して約1ヵ月以上歩き、そこで産卵していた。
長い間、厳寒の氷河や氷原は生物が存在しない「死の世界」だと思われていた。いたとしても、それは偶然、風に運ばれたと考えられていた。ところが、ヒョウガユスリカのオスは一生、雪氷の中で過ごし、メスも氷河の上で一生を終える。
氷河表面近くにいる藻類や光合成するバクテリア「シアノバクテリア(藍藻)」などは、氷の世界の生態系の土台をなしている。ヒョウガユスリカが食べる泥状物質の正体は、こうした藻類が作り出す有機物が、バクテリアに分解されて出来たものだった。
氷河を探査した人々の間では、真っ白な氷河が、時に黒っぽくなったり、赤く染まったり、緑色になる不思議な現象が知られていた。「藻類の大発生」が原因だった。藻類の種類によって色が異なる。ヒマラヤの氷河で見つかった赤いミジンコは赤い藻類を食べた結果だった。

      
ヒョウモンダコ
=マダコ科のタコの一種。体長12cm。手のひらサイズのタコだが墨を持たずに毒を持つ。捕食者であるウツボ類に咬みつき、毒を注入する。
オーストラリア沿岸、相模湾以南、伊豆七島。珊瑚礁海域の岩陰にひそむ。
唾液腺に猛毒があり、咬まれると死亡することあり。
◎有毒成分:テトロドトキシン(フグと同じ)
◎中毒症状:神経毒による骨格筋の麻痺症状。
運動麻痺から呼吸困難、ケイレンを起こす
オーストラリアの死亡例:咬まれて2時間後。
■日本各地で見つかる・・・湘南でも



ヒヨコ豆→「スイトピー」
■ヒヨコ豆
「スイートピーの仲間であるレンリソウ属のヒヨコ豆が家畜や人間の食糧として栽培されていた時代があった。一般にスーパーなどで売られているヒヨコ豆と、スイートピーの仲間の豆とは全く別の種類なのに、同じ名前が付けられている。インド料理のダールでおなじみの無害なヒヨコ豆は学名をキケル・アリエティヌスといい、マメ科ヒヨコマメ属なのに対し、スイートピーの仲間のヒヨコ豆は学名ラティルス・サティバというマメ科レンリソウ属である。。


ヒヨス Hyoscyamus niger 「菲沃斯」
=「莨宕子(ろとうし)」
【基原】ナス科ヒヨス属
【学名】Hyoscyamus niger
【英名】Henbane
「ヒヨスとは古代ギリシャ語で「豚」を意味し、学名であるヒヨスチアミスは「豚の豆」となる。ところが、魔女狩りが始まる16世紀ごろになると、ヒヨスはヘンベインと呼ばれるようになった。英語のヘン(hen)とベイン(bane)の合成語で、ベインとは古代英語のbana(とくに毒による殺害)が語源になっている。ヘンは文字通りメンドリ、俗語では女への侮辱的な意味が込められている。つまり、ヘンベイとは「女(魔女)殺し」の意味になった。
◎ナス科ヒヨス属。 (→ダツラ)
◎作用:精神錯乱、譫妄、幻覚
◎成分:ヒヨスチアミン(hyoscyamine)
スコポラミン(scopolamine)
アトロピン(atropine)
「ヒヨスには多くのアルカロイドが含まれるが、主なものはヒヨスチアミンとスコポラミン(ヒヨスチン)といったトロパンアルカロイドで、脳や神経細胞に影響を及ぼす。なかでも、スコポラミンは[眠り]から[覚醒]へと変換させる。いわば、変換機能が備わっており、ちょっとしたことで、巫女たちの麻薬ににも似た酩酊から、狂気の沙汰ともいえる幻覚や一種の精神錯乱といった興奮を引き出せる。そのメカニズムはまだ解明されていない。」
◎魔女キルケー
「ホメロスの「オデッセイア」における魔女キルケーは、古代ギリシャの英雄オデッセウスを誘惑するために、ヒヨスを最大限に利用した1人だった。キルケーの住むアイアイエー島に漂着したオデッセウスは、探索に行ったまま戻らない部下たちを捜しに出た。ビッシリと茂る森を抜けてキルケーの館に向かうと、そこにはブタの姿に変えられた部下たちがおり、美しく髪を結ったキルケーが匂うような微笑みを浮かべ、オデッセウスを寝室に誘うのだった。大理石さながらに輝く彼女の裸体の魅力に屈したのか、あるいはヒヨスの魔力だったのか、一夜のつもりが1年の歳月が夢の如く過ぎた。
◎神託
ヒヨスは、LSDのような幻覚作用に加え、睡眠作用や鎮静作用といった作用も持っている。アポロンの神殿につかえる巫女たちは、鼎の座にすわり、まるでマリファナのようにヒヨスの煙を吸いながら忘我の境地に浸っていた。それは巫女たちが“予言の眠り”という神託を告げる時だった。
◎ディオスコリデス(紀元前1世紀)
「軍医としてネロ皇帝に仕えた薬草学の権威ディオスコリデスは、“眠りや狂気を招く作用があり、葉を煮たものを1皿食べると精神錯乱を起こす”と記している。さらに、“新鮮な葉を外用薬にして患部に貼れば、痛みを和らげる”」
◎幻覚作用
「幻覚の典型的な例は、はじめ頭痛がし、やがてあたりが異常に明るく照らされ、身体が浮遊してくる。部屋中がジェットコースターになったように、天井も壁もグルグル回り始める。そんな状態が12時間以上も続く。それは、ヒヨスの葉や種を摂取した時だけでなく、軟膏にして塗布しても、皮膚や粘膜から浸透していく。だから、“魔女の空飛ぶ軟膏”とも呼ばれるらしい。
しかし、面白いのは、宇宙飛行士がこの軟膏を、酔い止めのために塗っているという。」(植松黎「毒草を食べてみた」)




ビョウヤナギ
=「金絲桃」
⇒オトギリソウ科。
○乾燥茎葉(金絲桃)を煎服すれば、
     止血作用
     涼血作用
     解熱作用
     解毒作用
  

【効能・効果】
○胃ケイレン:
・乾燥茎葉を10~15g/日煎服する。
○下血:
・乾燥茎葉を10~15g/日煎服する。
○血崩:
・乾燥茎葉を10~15g/日煎服する。
○神経痛:
・生葉汁を塗布する。
○打撲:
・生葉汁を塗布する。
○血の道:
・乾燥茎葉を10~15g/日煎服する(著効)。
○つわり:
・乾燥茎葉を10~15g/日煎服する(著効)。
○吐血:
・乾燥茎葉を10~15g/日煎服する。
○鼻血:
・乾燥茎葉を10~15g/日煎服する。
○腫れ物:
・乾燥茎葉を10~15g/日煎服する(著効)。
○疽:
・乾燥茎葉を10~15g/日煎服する。


ヒヨドリジョウゴ
⇒蔓性の草本。茎は長く伸び葉柄で他のものにからみつく。全体に軟毛を密生する。夏~秋に花枝を出し、たくさん分枝し、白色の花を開く。花後、球形の果実を結び、成熟すると紅色になる。
茎葉・根を採集し乾燥(白英・蜀羊泉)
◎ジャガイモの芽と同様にソラニンという毒を含む。副交感神経を刺激するが、大量に食べなければ中毒にはならない。
【効能・効果】
○悪瘡:
・茎葉・根の煎汁を塗布する。
○陰中(女子)の内傷:
・茎葉・根を煎服する。
○ウルシかぶれ:
・茎葉・根の煎汁を塗布する。
○黄疸:
・茎葉・根を煎服する。
○疥癬:
・茎葉・根の煎汁を塗布する。
○脚気:
・茎葉・根を煎服する。
○子宮ガン:
・茎葉・根を煎服する。
○子宮筋腫:
・茎葉・根を煎服する。
○しらくも:
・茎葉・根の煎汁を塗布する。
○神経痛:
・茎葉・根を煎服する。
○喘息:
・茎葉・根を煎服する。
○痛風:
・茎葉・根を煎服する。
○乳ガン:
・茎葉・根を煎服する。
○肺結核:
・茎葉・根を煎服する。
○皮膚病:
・茎葉・根の煎汁を塗布する。
・茎葉の黒焼き末をゴマ油で練って塗布する。
○浮腫:
・茎葉・根を煎服する。
○瘰癧:
・茎葉・根を煎服する。





ビワ
【】バラ科ビワ属。中国南部、日本の西南部に原生。
【英名】loquat
ビワの種を茹でて食べる地方がある。
ビワの種を焼酎漬け
◎葉を煎服すると、
     鎮咳作用
     鎮痛作用
     利尿作用
     健胃作用
     止瀉作用
     鎮作用
【効能・効果】
○あせも:
        葉の煎汁で湿布or入浴料とする。
○胃アトニー:
        葉5~10g/日、煎服。
○萎縮腎:
        葉5~10g/日、煎服。
○かぜ:
        葉5~10g/日、煎服。
○関節に水が溜まる:
        葉をホワートリカーに浸けた液(ビワ葉液)で湿布する。
○下痢:
        葉5~10g/日、煎服。
○湿疹:
        葉の煎汁で湿布or入浴料とする。
○暑気あたり:
        葉5~10g/日、煎服(著効)。
○食中毒:
        葉5~10g/日、煎服。
○神経痛:
        葉の煎汁で湿布or入浴料とする。
○腎炎:
        「葉接骨木葉」煎服。
○腎臓病:
        葉5~10g/日、煎服。
○肩こり:
        生葉の裏面の細毛を去り、温めて熱い間に塗布する(著効)。
○体調不良:
        生葉の裏面の細毛を去り、温めて熱い間に塗布する(著効)。
○ただれ:
        葉の煎汁で湿布or入浴料とする。
○腸炎:
        葉5~10g/日、煎服。
○尿閉:
        葉5~10g/日、煎服。
       「葉8g麻黄3g甘草1g」煎服。
○ネフローゼ:
        葉5~10g/日、煎服。
○捻挫:
        葉をアルコールに浸けた液で湿布する。
○肺結核:
        葉5~10g/日、煎服。
○浮腫:
        葉5~10g/日、煎服。
○夜尿症:
        葉5~10g/日、煎服。
○肋膜炎:
        葉5~10g/日、煎服。
   

◎ビワの葉療法:
「ビワ葉液」の作り方
①黒ずんだゴワゴワの葉を1cm幅に切る。
②広口ビンに入れ、ホワイトリカーを注ぐ。
③1週間~1ヶ月おいてから、茶褐色になったらビワ葉を取り出す。
④脱脂綿などにつけて使う。
      
■中国から来たやさしい味
「日本古来の在来種はあるが、甘い果汁をたっぷり含む大粒のビワは中国原産で「茂木ビワ」で知られる長崎市茂木地区が発祥地。160年ほど前の天保・弘化の時代。茂木地区に住む1人の女性が蒔いた種が茂木ビワを生んだ。名前はシオ。ビワ農家の堀畑八重子さんに生食以外の利用法を紹介してもらた。焼酎にビワを丸ごと漬けたビワ酒、2つ割にした種を漬けた種酒、葉のビワ酒、ビワのシロップ漬け等々。
種酒・葉酒・・・・・「口内炎・ヤケド」
ビワ酒・・・・・・・甘くフルーティ、口当たりがよい。
                      1996.5.19《日本経済新聞》」

ヒル(蛭)
◎「ヒルジン」血栓症の薬。
ヒルの唾液から。吸血性ヒルは、獲物の傷口がふさがらないよう、唾液に血液の凝固を防ぐ物質(ヒルジン)を含んでいる。
○虫が肛門を食い、腸に穴が開いたとき。
「全線蛙と鶏骨2銭半を焼いた灰を深く押し込む。」
   

■ヤマビル
近年、日本全国でヤマビルが増えている。普通の登山道にも生息している。対策は塩が有効。キズ薬のスプレーにも塩分が含まれているので有効。
■零下196度でも死なない
2014年、東京海洋大学と農業生物資源研究所は-196℃の液体窒素で凍らせても死なないヒルを見つけた。
1/22の米科学誌「プロスワン」(電子版)に発表。
このヒルは「ヌマエラビル」。
体長1~1.5cmで、体の横に枝状の突起を持つ。-90℃で9ヶ月保存しても100%生きていた、最大32ヶ月まで凍結保存しても生存することを確認。
卵から幼体、成体まであらゆる世代で「寒さに強い」。
日本や中国、韓国の川に生息するクサガメなどカメだけに寄生する。



ビール
■香りに
「ビールに含まれている香気成分に、気分を落ち着かせる作用があることが、山口大学とサントリーの研究で分かった。
ビールにはアルコール以外に、ホップやラベンダーの香りの『リナロール』、バラの香りの『ゲラニオール』など複数の成分が含まれている。」2006
■酸化防ぐ
「キリンホールディングスと慶応大学先端生命科学研究所は、ビールが酸化するのを抑制する働きのある酵母を突き止めた。
ビール酵母は抗酸化作用のある[亜硫酸]を作り出しとともに、連動してイオウ臭の原因となる[硫化水素]も作る。
酵母の代謝物質の流れを網羅的に調べ、アミノ酸の一種『アスパラギン酸』の作る物質がきわめて少ないため、硫化水素が増えていることが分かった。アスパラギン酸を増やす酵母をみつけて性能を調べると、硫化水素を増やさずに亜硫酸の生産量が約2.5倍になった。20078/14産業



ビルベリー
(参照→「ブルーベリー」)
◎学名:Vaccinium myrtillus L.
◎別名:ホワートルベリー
◎ツツジ科スノキ属の小果樹で野生種ローブッシュブルーベリーの1種。主に北ヨーロッパに自生、あるいは栽培されている。日本で生食用に栽培されているブルーベリーであるラビットアイブルーベリー、ハイブッシュブルーベリーなどに比べアントシアニン色素が多い。
◎成分:
アントシアニジン配糖体(=アントシアニン):15種類が分離確認。

【効能・効果】
・目の焦点を正確に合わせる
・暗さに対する調節機能を高め、夜間視力を高める。
・眩しい光の中での視力を改善する。



ビンカマイナー(Vinca minor)
【分類】多年草、キョウチクトウ科
【英名】ペリウインクル(Periwinkle)、
【和名】ヒメツルニチニチソウ
【学名】Vinca minor
【原産地】ヨーロッパ
=特徴
「タンニンやアルカロイドを含み、様々な薬効があるとされ、民間薬として利用されています。ただし、全草が有毒です。」
「ペリウインクルの仲間でよく知られているものに、ツルニチニチソウ(Greater periwinkle)=Vinca majorがあります。」
ビンカマイナーは南欧に多く生息する多年生のハーブ「ヒメツルニチニチソウ」より抽出したものであり、脳内の正常な血液循環を維持し、脳細胞への酸素供給を向上させます。これにより脳循環代謝を向上させ記憶、集中力、痴呆、耳鳴り、視覚、憂鬱、等の神経・精神症状を向上させる事が医学的に証明されています。ヨーロッパでは古くから物忘れや集中力低下などの精神症状に悩むご年配の方々により煎じ茶として愛用されてきました。



ヒング Hińgu (樹脂はアギ)
=強烈な悪臭のある樹脂。植物は高さ2m以上ある多年生。東ペルシャおよび西アフガニスタン地域に自生する。アフガニスタンからアギの樹脂としてインドに輸入される。
・少量のバターでアギを揚げると、カリカリになり保存できる。さらにアギ特有のニンニク臭が消える。
【学名】Ferula narthex Boiss
Ferula foetida Regel
【科名】Umbelliferae セリ科
【英名】Asafoetida,“Devil's Dung”悪魔のふん
◎作用
駆風作用
神経刺激作用
去痰作用
利尿作用
通経作用(誤用すると流産に)
◎適応:
・腸内を浄化し寄生虫の寄生を防ぐ
・疝痛(肝臓を刺激し胆汁分泌を刺激する)
・百日咳
・マヒ(座骨神経痛など)
・熱を伴う痛みや肺炎(アギ+カンファー+麝香)
◎西洋医学で
・強力な鎮痙剤
・去痰剤
・駆風剤
・ヒステリー(著効)
・気管支炎
・喘息
・鼓腸による腹痛






 ピンク水晶
⇒ピンククォーツ
◎肌の若返りを促す(D・L・メラ)

 ピンククリスタル
◎応用:自分を大切にさせる。


ピンクフラワーセージ
【学名】Salvia offinalis spp.
【英名】Pinkflower sage(ピンクフラワーセージ)
【和名】モモイロバナセージ
【分類】シソ科、草本低木
【原産地】地中海沿岸



ビンロウ
(参照→「檳榔」)
【基原】ヤシ科ビンロウ属
【学名】Areca catechu
【英名】Betel Nut
【別名】檳榔 檳榔子
【成分】アレコリンarecoline (副交感神経作動薬)
    タンニン
【作用】覚醒作用、
    条虫駆除作用
■ビンロウ実とキンマ
「インドや熱帯アジアでは、古代からビンロウの実とキンマを一緒に噛む習慣があった。現在でもインドやミャンマー、ベトナムでは、結婚式の招待客に配る習慣が残っている。それは、陶酔感をともにするという意味の他に、ビンロウとキンマが風のシンボルとされてきたから。
ビンロウはヤシ科の植物で数十㍍にも達する高木であり、キンマの方はつる性の草で、ビンロウの木に絡まるようにはい上がっていく。いったんからみつくと、ツルの間からイモリの足の様なものが出てきてぴたりと張り付き決して離れないから。
またこの2つはセットにならないと嗜好品としても機能しない。コショウ科の植物キンマの葉は香りが良いだけでなく、アラケンというコカインに似た性質のアルカロイドを含んでいる。そして、ビンロウにはアレコリンという覚醒成分が含まれている。
しかし、ビンロウを単体で用いる漢方では、消化促進、虫下しなど、およそい色気のない処方しかされない。だから、ビンロウ自体が陶酔感をもたらすというより、キンマの葉と混じって、はじめて相乗効果が生まれる。また、石灰も触媒として欠かせない。ビンロウ・キンマ・石灰の3点セットがあって、はじめて酩酊にも似た快い気分になってくる」
■発ガン性を指摘
「ビンロウを噛む習慣は東南アジアの広い地域で見られ、台湾ではマレー・ポリネシア系先住民を漢民族がまねたとされる。台湾の行政院衛生署(衛生省)は「口腔ガン患者10人のうち9人がビンロウの愛用者」と話す。
■相互作用
[ピロカルピン]・・・副作用発現
[硫酸サルプタモール]・・・気管支拡張作用が減弱




ビンロウヤシ
■プアイ
「ラバウルの町のあちこちで、美しい緑色の実とインゲンのような棒状の植物が、セットで売られている。ミドリの実の名は「プアイ」。若いビンロウヤシの実で、ラバウル産が特に有名。食べ物というよりも嗜好品で、男も女も大好きだ。いつでもカゴの中に入れて持ち歩き、時間があれば楽しんでいる。
楽しみ方も独特だ。まず、プアイをナイフで割り、実を取りだして噛む。すごく苦いが、とにかくグチャグチャ噛む。
次ぎに棒状の植物が登場する。マスタードだ。先端に石灰の白い粉を付けたマスタードを、かみ砕いたプアイの上にのせ、口の中でかみ合わせていく。
しばらくすると、突然、口の中が真っ赤になる。化学反応が起こったのだ。体はポカポカ。顔が赤くなり、手足がしびれて、いい気分。なるほど、プアイのことを、「パプアニューギニアのビール」と呼ぶ人もいる。」(山下柚実・作家)2002.5.11《日本経済新聞》


萆薢(ひかい)
○性は平、味は苦甘、無毒。
【薬性歌】萆薢、甘苦。風寒、湿痺、腰背の冷疼に。精を添え気を益す。《万病回春》
【効能・効果】
<1>全身の麻痺
<2>悪瘡の長くなったもの
<3>冷風痺、
<4>腰脚の弱いのと腰痛
<5>腎間と膀胱に水がたまって冷えたのを治す
○腰痛。
「(酒浸)して服用。」

砒(ひ) Arsenic
◎江戸時代の毒物として名高い石見銀山ねずみとりは、自然砒又は硫砒鉄鉱より製造したのであろう。(堀秀道著「楽しい鉱物図鑑」p15)



砒素(ヒ素)
○性は暖、味は苦酸、有毒。
【薬性歌】砒霜、毒あり。風痰吐すべし。瘧を截り、哮を除き、能く沈痼を消す。《万病回春》
【効能・効果】
<1>瘧疾を治す。
<2>風痰が胸膈にあるのを吐かせる。
【参考】
<1>ヒ素の解毒:
①初服知覚早き者は大藍の根葉の搗き汁を之に濯ぎ、軽ければ則ち解すべし。
②藍の無き処にては緑豆(生)を以て同じく水にて研爛し、水を以て之に濯ぎ多ければ即ち効を為す。
③もし解せざる者は金汁を以て之に濯げば必ず甦る。
④甦りたる後に(きちがい)の如く語らざる者は毎日緑豆水を以て之を飲む、毒尽きれば則ち癒える。

◎毒殺
「毒物カレー事件で注目されたヒ素は、鶏冠石という鉱石に自然に発生する。酸化ヒ素は無味無臭の白い粉末。致死量は亜ヒ酸で青酸カリ(シアン化カリウム)と同程度の0.1g~0.3g。
大量に摂取すると胃の激痛、嘔吐、下痢、ケイレンなどを起こして死ぬ。
長い間に少しずつ摂取した場合は知覚・運動の失調などの末梢神経障害、筋肉の萎縮が起こり、皮膚ガンを発症することもある。
毒殺犯にとって便利なことに、砂糖や小麦粉と間違いやすいので、憎い相手の紅茶に砂糖がわりに入れられる。また、気体として吸わせたり、皮膚に塗って吸収させることもできなくはない。法律により薬局での販売は制限されているが、シロアリ駆除剤、殺鼠剤などのかたちで手に入れることが出来るのだ。」(死因事典p105~)

■汚染土壌を浄化
「米ジョージア大学などのチームは遺伝子組み換え作物を使い、ヒ素で汚染された土壌を浄化する手法を開発した。シロイヌナズナという雑草の遺伝子組み換え、ヒ素を土中から吸い上げて葉に蓄えるようにした。
大腸菌由来の『arsC』と『ECS』という2種類の遺伝子を組み込んだ。arsCは植物が吸い上げたヒ素系物質を変化させる。ECSの作り出す硫黄と結びつき、葉に溜まるという。」2002.10.10《日経産業新聞》

■ヒ素除去剤
「旭化成の全額出資子会社の日本ソルト(千代田区)はインド西ベンガル州に、井戸水に含まれるヒ素を除去する吸着剤を政府開発援助(ODA)で提供する。
除去剤の原料はヒ素吸着性が高い元素、セリウムを練り込んだ樹脂を使う。同樹脂は1リットル当たり0.5~1mg含まれるヒ素を世界保健機関(WHO)の飲料基準である0.01mgまで除去できる。設備の仕組みは簡単だ。井戸水の手こぎポンプにつながる最初のタンクに砂を入れて不純物を濾過し、同樹脂を入れた横のタンクに送り込んでヒ素を取り除く。
ヒ素を含む水の摂取を続けると、色素の沈着や脱色、手のひらや足の裏の硬化、臓器の障害などを引き起こす。」2003.3.18《日経産業新聞》
■水中のヒ素
「ヒ素が水中に含まれているかどうか一目で分かる技術を、宇都宮大学の前田勇・助教授と大阪大学の八木清仁教授が開発した。
ヒ素が含まれていると色が変わる遺伝子組み換え細菌を使う。
前田助教授らは、色素の一種「カロチノイド色素」を合成する細菌を使った。この細菌は土や水中に生息するありふれた細菌で、本来は赤みを帯びた色をしている。この細菌の遺伝子の一部を組み換え、カロチノイドの色が変化するようにした。細菌がヒ素を検知すると細部でタンパク質を作り、その影響でカロチノイドの色が変化する。
遺伝子を組み換えた細菌の本来の色は黄色。ヒ素が含まれている水に入れると、ヒ素の影響で12時間程度で黄色から赤色に変化する。実験では6ppm濃度のヒ素で赤色に変化することを確認。水道法の水質基準は10ppmなので、実用化に耐えられる。
またヒ素濃度が0.6ppmの場合はピンク色に変化した。2006.1.20《産業》
■鉄粉で
「神戸製鋼所は2007年5/10、地下水や工場排水に含まれる砒素を高効率に吸着する鉄粉を開発した。
鉄粉を入れた浄化槽に砒素汚染水を流すと、濃度を飲料水基準並みに下げられるという。セリウムなどの希土類元素を使った方式より2倍以上の吸着力がある」
鉄粉を入れた浄化槽に砒素汚染水を流すと、ヒ素濃度が飲料水基準値にあたる1㍑あたり0/01mg以下まで下がる。
槽に入った鉄粉から発生した鉄イオンを汚染水中のヒ素イオンなどと反応させ、ヒ酸鉄の結晶を作り出す。この結晶を鉄粉方面に固定させる仕組み。
■納豆成分から
「2008年6/12、宇山浩・大阪大学教授と水質浄化剤開発の日本ポリグルは、納豆の粘り成分を利用した日本ポリグル製の水質浄化剤でヒ素除去に成功したと発表。
納豆に含まれる粘りの主成分『ポリグルタミン酸』(PGA)を使った。
WHO(世界保健機関)の飲料水基準値の5倍の濃度に当たるバングラディシュの汚染地下水に1㍑当たり200mgの浄化剤を入れ、基準値以下に引き下げることが出来た。」



砒霜石
砒石を焼いて作末したもの。
【効能・効果】
○いぼ痔奇方:砒石を焼いて作末したものをはりつける。


翡翠(ひすい) JADE
■産地(世界的産地)
ミャンマー
新潟県姫川地域・・・糸魚川市には奴奈川姫と大国主命をまつる神社がある。

◎種類
「ジェーダイト」=硬玉
「ネフライト」=軟玉
  【宝石療法】⇒「ジェード」参照
■マヤ文明
「マヤ文明で、石を切るものとして翡翠が使われた。」
■日本の翡翠
「5000年以上前の縄文時代に発見されながら奈良時代に忽然と姿を消し、1300年間忘れられていた。再発見は昭和に入ってから。
相馬御風(1883~1950)は新潟県糸魚川の出身で、翡翠再発見の立役者だった。早稲田大学の校歌「都の西北」の作詞者でもある。
相馬家は代々、社寺建築業を営んでいた。御風の家の近くにある海望公園には、「古事記」に登場する奴奈川姫(ぬなかわひめ)の像が立つ。日本神話では、奴奈川姫は高志国(こしのくに)(越の国)に住み、八千矛神(やちほこがみ)(大国主命)に求婚された美神である。地元には奴奈川姫が翡翠の首飾りをしていたという伝説があり、御風は翡翠が地元産かもしれないという考えを持っていた。その考えを糸魚川警察署の元署長に話したのがキッカケで、探索が始まった。わずか2日後(1938年8月)には発見された。その場所は今、ヒスイ峡と呼ばれている、糸魚川市内から10kmほど内陸に入った明星山。その麓を流れる小滝川の支流に100貫(375kg)の青いきれいな石が転がっていた。
発見者は農業を営む伊藤栄蔵という人物。伊藤のメモには「其日五貫目位のを取って帰りまして三百目位(1125g)の石を二ヶ相場先生のところにやりました処相場先生わ是わひすいにまちがいないと云ふて安心したように(略)」という記述がある。
削り取ったヒスイ片2個は伊藤の縁者が勤める病院の院長、小林総一郎を通じて東北大学の河野義礼博士(当時は副手)に送られる。
国内未発見の翡翠に似ていることから神津俶祐教授は河野博士と同じく副手の大森啓一博士に分析を命じるとともに、ヨーロッパからの帰りに香港で入手したミャンマー産の翡翠をワタして比較させた。2人の書いた論文は、日本でも翡翠が産すること初めて明らかにしたものだった。
翡翠とは何か?
国立科学博物館の松原聡地学研究部長によれば「ヒスイ輝石という鉱物がほとんど主体となって集まった岩石」である。ダイヤモンド、ルビーなど多くの宝石は、鉱物のひとつの大きな結晶をカットしてつくられる。これに対して、翡翠はヒスイ輝石以外の鉱物も含む岩石なのだ。だから、「厳密な定義が必要」と松原氏はいう。最大の要件は輝石の含有率。容積の90%以上ないとヒスイと言わない。
縄文人は5000年前にはすでにその存在を知り、装身具に利用していた。最も古い時代の装身具の1つが山梨県大泉村・天神遺跡から出土した大珠だ。カツオ節を小さくしたような形をしている。ヒスイの硬度は6~7。硬度こそダイヤモンドに劣るが、壊れにくさではダイヤモンドを上回る。
世界で宝石の名に値するヒスイが取れる場所は世界で数カ所だけ、翡翠のあるところには必ず蛇紋岩がある。蛇紋岩は他の変成岩より軽いため地中を上昇する。その途中で翡翠などを取り込む。
4000年前~3500年前の縄文中期から後期になると、糸魚川の翡翠は北海道・礼文島から九州・鹿児島まで広く運ばれるようになる。が、1カ所の遺跡から複数の翡翠装身具が出土する例は少なく、「ほとんどは1点か2点しか出土しない」2010.6.27日経

フォッサマグナで展示されている糸魚川市の親不知海岸で見つかった( 個人蔵)
■神秘の翡翠 2010.7/4日経
中国には8000年前から「玉(ぎよく)」へのあこがれがある。玉と翡翠は似て非なる鉱物だが、日本列島には玉の“思想”だけが入った。一方、朝鮮半島では大量の翡翠曲玉が出土している。
宮崎県西都市にある県立西都原考古博物館で2009年10月中旬から12月半ばまで国際交流展「玉と王権」が開かれた。
展示の目玉は、県南の串間市で出土したとされる、ナゾの玉璧(ぎよくへき)だった。玉璧は文政元年(1818年)、串間市で掘り出した石棺から鉄製品や玉類とともに出土したという。直径33.3cm、軟玉でできた薄い円盤で、中央部には丸く孔が開けられ、周囲に獣文、渦巻文、獣文の三重の文様帯を刻む。中国の玉器に詳しい岡村秀典京都大学教授は「王侯クラスに賜与するために漢王朝の工房で紀元前2世紀につくられた優品の1つだったと考えられる」とみる。
岡村氏によれば、中国の人々は古来「玉」に見せられてきた。「玉」とは岩石のなかでもとりわけ艶やかで清純な軟玉(ネフライト)を指す。つまり「玉」とは、土器の「土」、青銅器の「青銅」と同じように、器物の材質を示す言葉だという。硬度は6~6.5で、鋼鉄のナイフでも歯が立たない。これに対して、より硬度の高い翡翠を硬玉と称することがあったが、軟玉と翡翠(ジェーダイト)は全く別の鉱物で、混乱を防ぐため今では「硬玉」という表現を避けるのが一般的。
また日本でいう「玉」は形状を表す言葉で、字面は同じ「玉」でも中国と日本では全く異なる意味になる。
中国で玉器が出現したのは起源山6000年頃。当初は装身具として利用されたが、社会が複雑化して王権が誕生すると、権力を維持するために行う祭祀儀礼に用いられるようになった。玉は金より行為に位置づけられて人(王)が神と対話するための道具となり、やがて人と人のコミュニケーションの道具となった。「玉の使われ方が広がっていった」(岡村氏)
その1つが大きな円盤の中央に孔がある玉璧で、紀元前3000年ごろ長江下流域の良渚文化期に出現した。殷周の時代に玉器の使われ方は定着する。玉璧は戦国時代から漢代の頃に再び評価が高まり、最も重要な玉器の1つとなった。
紀元前2世紀ごろ、広州に拠点を置き、ベトナム北部まで勢力を拡大した南越国の王墓からいくつも出土した玉璧のうち一部は、大きさも文様も串間市で出土した玉璧とよく似ているという。が、中国大陸外では、漢代に設置された薬浪郡(現在の平壌周辺)出土の玉璧があるだけで、朝鮮半島南部でも出土が確認されていない。それが何故、南九州の宮崎にあったのか?
逆に言えば、串間の例を除いて玉璧は日本では出土していない。にもかかわらず、倭人は玉器が大変貴重なものだと知っていた。それを具体的に示すのが、奈良県桜井市にある茶臼山古墳の出土物だ。古墳からは石英の一種である碧玉製の玉葉などが出土した。古代中国では、玉には呪力があり、遺体が腐敗するのを防ぐ効果があると考えられた。このため目や口などの穴に玉で「蓋(ふた)」をした。目にかぶせたのが木の葉の形をした玉葉。玉のかわりに碧玉が使われたと考えられている。
玉という鉱物を珍重することに始まり、社会を秩序づける制度として整備され、ラストエンペラーの時代まで受け継がれた中国の「礼制」。その思想を、アジア東端に位置する古代日本は受諾した。が、同じ「玉」でも意味するところは、違っていたということかもしれない。とすれば、列島に産し、このうえもなく硬くて色鮮やかな翡翠は、最もふさわしい素材であっただろう。
中国では翡翠は産しない。
翡翠を使った工芸品がつくられるようになるのは18世紀、ミャンマーで発掘されたのキッカケである。なかでも、乾隆帝(在位1735~95)は翡翠を愛し、豪華な装飾品や工芸品を数多く製作させた。度重なる外征によって軟玉の産地である新疆や翡翠の産地であるミャンマーの近くまで版図を拡大、軟玉と翡翠を大量に入手して最高傑作をつくらせた。
翡翠の勾玉が朝鮮半島で大量に出土している。新羅、百済、高句麗が並び立った三国時代(4世紀~7世紀)の遺物で、合計数百点をくだらない。なかでも新羅の首都がおかれた慶州の古墳から数多く見つかっている。
かって、勾玉は朝鮮半島で生まれ、日本列島にもたらされたとする説が韓国の研究者によって唱えられたことがある。が、勾玉の多くは翡翠製であり、これまで韓国では翡翠の産地が見つかっていないことから、日本製とする見方が最近、ほぼ定着してきた。
なぜ、翡翠の勾玉が朝鮮半島で出土したのか?奈良県立橿原考古学研究所の菅谷文則所長は、列島と半島間の交易に使われていたと推測する。日本列島で製鉄が始まったのは早くても6世紀末~7世紀とされる。にもかかわらず、4世紀初頭の築造と考えられている奈良県桜井市のメスリ山古墳からは200本を越す鉄製のヤリなどが出土している、鉄は当時、朝鮮半島からの輸入に完全に依存していたのだ。その見返りが何であったか分かっていない。「翡翠ならば、大量の鉄に見合う交換財になり得ただろう」と菅谷さんは語る。



 脾臓を刺激する精油【芳香療法】
・ブラックペパー
・カミルレ
・ラベンダー


白芥子
○胸膈の痰冷を治す。
「粉末でも煎じてもよい。」

白砂糖⇒石蜜(セキミツ)


白芨(びゃっきゅう)
○性は平、味は苦辛、無毒。
【薬性歌】“白芨味苦収斂多 腫毒瘡瘍主外科”
 白芨、味苦。功は専ら収斂す。腫毒、瘡瘍に。外科に最も善し。《万病回春》

【効能・効果】
<1>癰腫
<2>悪瘡
<3>敗疳
<4>発背瘰癧
<5>膓風
<6>痔瘻
<7>刀傷
<8>火傷瘡
○衂・吐・唾・喀血を治す。
「粉末にし3銭を冷水で服用。」
「細末にし冷水で濾してから両眉間に貼り付ける」


白殭蚕(びゃっきょうさん)BOMBYX BATRYTICATUS
【処方名】:[白殭蚕][殭蚕][白僵蚕][僵蚕]
【基原】カイコガ科(Bombycidae)カイコBombyx mori L.の幼虫が白病菌Batrytis bassiana       Bals.の感染により白病で硬直死した乾燥虫体。
◎白菌は、カイコ以外にアワノメイガ、ハチミツガの幼虫にも寄生する。sterol類を含有し、corticoidsの合成にも用いられる。
 (参照→「僵蛹キョウヨウ」「カイコ」)
【性味】味は鹹、性は平
【帰経】肺・肝経。
【分類】熄風鎮痙薬。
【薬性歌】“蚕味鹹治風癇 湿痰喉痺瘡毒瘢”
       “味鹹、諸風驚癇、湿痰喉痺、瘡毒瘢痕” 《万病回春》
  

【効能・効果】
◎鎮痛、鎮痙剤。
       <1>驚癇中風
          中風による言語障害、半身不随。
       <2>喉痺
       <3>瘰癧
       <4>頭痛歯痛
       <5>小児痙攣
◎顔面の肺毒瘡が大風瘡のようになった症。
       「粉末にして塗る。」
◎急喉閉。
       「細末して姜汁で調合して灌下する。」
◎小児の客忤・臍風・撮口・口噤を治す。
     
【薬理作用】
<1>副腎皮質を刺激する作用。

【薬能】
《神農本草経》
“小児の驚癇、夜啼を治し、三虫を去り、黒黯を減らし、顔色を良くする。 男子の陰癢病によい”
《李時珍》
“殭蚕は、蚕の風病の罹ったもので、風を治し、痰を化し、結を散じ、経を 行らすは、所謂その気の相感ずる為であって、この関係を利用するのであ る”
“厥陰、陽明の薬である。故に諸血病、瘧病、疳病を治す”



白根菜
○血止め、吐・衂・便・尿などの一切の血疾を治す。
     「水煎服。」


白芷(びゃくし)   ANGELICAE DAHURICAE RADIX
=《傷寒論》や《金匱要略》には見られない
後世方の繁用生薬
《名医別録》には白と記載。
【処方名】:[白芷][香白芷]
【異名・類名】[芷][芳香][沢芬][白芷][][香白芷]
【基原】セリ科UmbelliferaeカラビャクシAngelica dahuirica Benth.et Hook.var.paichi Kimura.Hata et Yenに根を乾燥、ひげ根を去って調製。
    中国産:「杭白芷=香白芷」と「川白芷=禹白芷」
    日本産:ヨロイグサ
セリ科のヨロイグサAngelica dahurica Bentham et Hookerまたはその変種。
【類似生薬】
羗活:セリ科のNotopterygium incisium Ting N. forbesii Boiss.の根茎
セリ科のN.forbesii Boiss.var.oviforme Changの根茎
独活:セリ科のAngelina属植物の根
白:根
【性状】短い主根から多数の長い根を分枝してほぼ紡錘状を呈し、長さ10~25cm。外面は灰褐色~暗褐色
【性味】味は辛、性は温。<温・瀉・燥・升・散>
【帰経】肺・胃経。
【分類】辛温解表薬。
【薬性歌】“白辛温排膿往 陽明頭疼風熱痒”
 白、辛温。陽明の頭痛、風熱に。癢、膿を排すに通用す。《万病回春》

【効能・効果】

(鎮痛・麻酔・痰・消腫・排膿)
◎鎮静・鎮痛・排膿剤。
<1>風邪・頭痛、
  ・燥性が強く、発表作用が強いため、血虚による頭痛には用いない。
<2>目眩・涙出 
<3>婦人の赤白漏下
<4>血閉と陰腫を治し
<5>宿血をこわし
<6>新血を育て
<7>胎漏を安らげる
<8>乳癰・発背・瘰癧・痔瘻・瘡・疥癬を治す
<9>痛みを止め肌をきれいにし、腫を出させる。
○発表風、化湿、活血、排膿作用。
◎崩漏と赤・白帯を治す。「煎じ・末服」
◎熱風頭痛を治す。「丸薬を作ると都梁丸になる。」
◎疵瘢を除去し、顔色を良くする。「油を作って塗る。」
◎痔を治す。「白で白苧を煮て痔腫をゆわく。」
◎と疵瘢を除去し、顔色を良くする。
       「油をつくって塗る」
  

【薬理作用】
<1>鎮痛作用
<2>中枢興奮作用
  イ)“その気芳香にして、よく九竅を通す”
  ロ)延髄の呼吸中枢を興奮させる。
  ハ)延髄の血管収縮中枢を興奮させ、血圧を上昇させる。
<3>抗菌作用:赤痢菌・チフス菌・グラム陽性菌・ヒト型結核菌。
  

【薬能】
《神農本草経》
“婦人の漏下赤白、血閉、陰腫、寒熱頭風の目を浸し涙出するを主治し、肌膚を長じ、顔色を潤沢にする”
《薬性能毒》
“風邪を去り、宿血を破り、新血を補い、女人漏下、赤白、血閉、女人瀝血腰痛、陽明の頭痛、頭眩、婦人血風眩暈、頭風の目涙出で乳癰を背に発し、腸風痔瘻の痛みを止め、膿を排し肌を生ず”
《中薬大辞典》
“風を去り、湿を燥し、腫を消し痛みを止める”
“頭痛・眉稜骨痛・歯痛・鼻淵・寒湿腹痛・腸風痔瘻・赤白帯下・癰疽瘡傷・皮膚瘡瘍・疥癬を治す”
  

【臨床】
<1>感冒による前額部痛:活・防風。
<2>産前産後の頭痛:川。
<3>副鼻腔炎:辛夷・蒼耳子。
<4>白色帯下:烏賊骨。
<5>湿熱帯下:黄柏・椿根皮
<6>毒蛇の神経毒
<7>風熱による歯痛:石膏。
  

【薬対】
『白芷+黄芩』=充血性の・癰・副鼻腔炎を治す→清上防風湯
『白芷+甘草』
『白芷+桔梗』
『白芷+羗活』=風湿の邪による頭痛・歯痛・神経痛・リウマチを治す →烏薬順気散
『白芷+藁本』
『白芷+細辛』
『白芷+川芎』
  

【配合処方】
烏薬順気散
藿香正気散
五積散
滋腎通耳湯
滋腎明目湯
舒筋立安湯
疎経活血湯
托裏消毒飲
内托散
白神散
補肝散
牡丹皮散
【注意】
<1>多量に服用すると、間歇性痙攣→強直性痙攣→麻痺状態になる。
  




白蒺藜
○風牙痛と疳蝕を治す。
「作末して2銭を塩1匙と同時に煎じて、温いうちにうがいする。」


白芍(びゃくしゃく)
【処方名】:[白芍][白芍薬]
【基原】ボタン科Paeoniaceae芍薬Paeonia lactiflora Pall.var.tricocarpa Streen.          (=P.albiflora Pall)シャクヤクの根の外皮を除いて乾燥。
      「抗芍」「抗白芍」=浙江省東陽産。
      「川芍」「川白芍」=四川省中江産。
【性味】味は酸、性は微寒。(生)<涼補潤降収>  (炒)<平補潤降収>
【帰経】肝経。
【分類】補血薬。
【薬性歌】“白芍酸寒腹痛痢 能収能補虚寒忌”
 白芍、酸寒。能く収め、能く補う。瀉痢、腹疼、虚寒には与うること勿れ。《万病回春》
  

【効能・効果】
◎養血収斂、柔肝止痛。
       <1>血痺を除き
       <2>血脈を順調にし
       <3>心を和らげ
       <4>悪血洗い
       <5>癰腫を消し
       <6>腹痛を止め
       <7>血と膿を散らす
       <8>婦人の一切の病
       <9>産前産後の諸疾を治し
       <10>月経を順調に
       <11>腸風・瀉血・痔瘻・発背・瘡疥・目赤を治す。
◎養肝、鎮痛、養血、陰気を収斂する効能あり。
       <1>肝気不和による胸腹部疼痛
       <2>肝陽上亢による眩暈、月経不順
◎補血して肝の亢進を鎮める。
◎下痢と痢疾を治す。
       「煎・末・丸服。」
◎補肝によい。
       「粉末・煮て服用。」
◎血閉を治す。
       「煎じ・末・丸剤」
◎腹中疼痛には、これを主剤に使い、甘草で補う。
       「煎服。」
◎婦人のあらゆる疾病を治す。
  

【成分】
paeoniflorin
paeonol
paeonin

【薬理作用】
<1>鎮痛作用
<2>鎮静作用
<3>抗炎症作用
<4>ストレス潰瘍予防作用
<5>血圧降下作用
<6>血管拡張作用
<7>平滑筋弛緩作用
<8>抗菌作用:赤痢菌、腸チフス菌、大腸菌、緑膿菌、ブドウ球菌、溶血性連鎖球菌、肺炎双球菌、百日咳菌
【修治】
・下痢には(炒)を用い、後重には(生)を用いる。《万病回春》
◎(酒炒):酒に浸し炒る。腹痛瀉痢、産後に用いるには(酒炒)にする。
  

【薬能】
《神農本草経》
“邪気腹痛を主り、血痺を除き、堅積、寒熱疝を破り、痛みを止め、小便を利し、気を益す”
《薬性提要》
“血脈を和し、陰気を収め、中を緩め、止痛する”
《古方薬品考》
“否を排き、血を順らし、肌を固む”
《重校薬徴》
“結実して拘攣するを主治す”
“故に腹満、腹痛、頭痛、身体疼痛、不仁を治し、下痢、煩悸、血証癰膿を兼治す”
《中薬大辞典》
“血を養い肝を柔らぐ、中を暖め痛みを止む。陰を斂め汗を収む”
“故に胸腹脇肋の疼痛、瀉痢腹痛、自汗盗汗、陰虚発熱、月経不調、崩漏、帯下を治す”
  

【薬対】
    『白芍+阿膠』
    『白芍+黄』
    『白芍+甘草』
    『白芍+枳実』
    『白芍+亀板』
    『白芍+柴胡』
    『白芍+山茱萸』
    『白芍+生地黄』
    『白芍+熟地黄』
    『白芍+石決明』
    『白芍+代赭石』
    『白芍+当帰』
    『白芍+牡蛎』
    『白芍+木香』
  【配合処方】
    安中散


白朮(びゃくじゅつ)
【基原】山野に自生する多年草キク科オケラの根
キク科Compositae 白朮Atractylodes macrocephala Koidz.(A. ovata A.P.D.C.) (オオバナオケラ)の根茎。
中国産は、浙江省に分布するオオバナオケラ。
【栽培】
気候土壌
温和で清涼な気候を好む。土層が厚く、排水が良く、腐植質に富んだ砂質壌土が良い。
【性味】味は甘微苦、性は温、微香あり。温補燥平収
【帰経】脾・胃経。
【薬性歌】“白朮甘温健脾胃 止瀉除湿兼痰痞”
 白朮、甘温。脾を健やかにし、胃を強くし、瀉を止め、湿を除き、兼ねて痰痞を駆る。《万病回春》
  

【効能・効果】

(健胃・強壮・止瀉・利尿)
◎脾をすこやかにし、湿を乾かす。
       <1>脾虚泄瀉
       <2>水腫
       <3>脹満
◎汗を止め、盗汗を治す。
「切ってかため、浮麦1升、水1斗で煮詰めて乾かした麦は捨て、細末にして毎回2銭を浮麦に煮た湯で服用。」
◎補脾剤。「一晩水に漬けて切って乾かし煎服。又は粉末にし服用。」
◎補胃「煎じ・丸・末服ともによい。」
◎一切の下痢を治す。
       「煎・末・丸服。or白芍薬・白茯苓と合わせ煎服。」
◎一切の風と中風の口噤不省を治す。
       「白朮4両・酒3升を煮詰めて服用。」
◎五労・七傷を治す。脾胃を壮健にし、寿命を延ばす。
       「作末して酒に混ぜて食べ、又は蜜丸。」
◎四肢の腫満を治す。
       「3両を切って大棗3を入れ1日3~4回煎服。」
  

【薬理作用】
<1>利尿作用
各種の動物、たとえばラット、ウサギ、イヌに対し明らかな持続性の利尿作用がある。
無麻酔のイヌに煎剤0.05~0.25g/kgを静注したところ、尿量は9倍以上に増加し、薬を用いて5時間後も依然として正常より高かった。
胃に薬を用いる前の2~6倍に増加し、また多数が薬を用いて6~7時間後にも正常より多かった。
白朮は水の排出を増加させるだけでなく、電解質とりわけナトリウムの排出を促し、ナトリウムの排出は水の排出より勝っている。
下垂体後葉のホルモンの抗利尿作用には影響を及ぼさない。
<2>強壮作用
<3>血糖降下作用
【修治】
     ◎油を去る《万病回春》

【薬能】
《神農本草経》
“朮:風寒湿による痺、死肌、、疽を主り、汗を止め、熱を除き、食を消す”
《薬性提要》
“湿を燥し、脾を補い、小便を利し、泄瀉を止む”
《古方薬品考》
“朮:湿水を除いて、尿道を調利せしむ”
《重校薬徴》
“朮:利水を主る”
“故に小便不利、自利、浮腫、支飲冒眩、失精下痢を治し”
“沈重疼痛、骨節疼痛、渇、喜唾を兼治す”
《古方薬議》
“朮:湿を除き、水を利す”
《中薬大辞典》
“脾を補い、胃を益し、湿を燥し、中を和す”
“脾胃の気弱、飲食思わざるもの、倦怠少気、虚脹、泄瀉、痰飲、水腫、黄疸、湿痺、小便不利、頭暈、自汗、胎気不安を治す”

【薬対】
    『白朮+黄蓍』
    『白朮+黄』
    『白朮+香』
    『白朮+葛根』
    『白朮+乾姜』
    『白朮+枳実』
    『白朮+橘皮』
    『白朮+桂枝』=利湿鎮痛作用。神経痛、リウマチで表虚にして小便不利のもの            に。桂枝加朮附湯。
    『白朮+香』
    『白朮+車前子』
    『白朮+神麹』
    『白朮+蒼朮』
    『白朮+当帰』=安胎作用。妊婦の胎動不安、貧血、嘔吐、浮腫に。当帰散
    『白朮+党参』
    『白朮+人参』=健胃強壮作用。胃腸機能の衰弱による食欲不振、倦怠感、無力            感。消化不良、腹満、慢性下痢、めまい、貧血、自汗などに。            参苓白朮散
    『白朮+茯苓』=利水作用。小便不利による浮腫、下痢、嘔吐に。、五苓散。
    『白朮+附子』
    『白朮+麻黄』
    『白朮+木香』
■抗肥満作用
「キク科のオケラまたはオオバナオケラの根である白朮が抗肥満作用を持つことを富山県薬事研究所が解明した。マウスに投与すると体重が顕著に減少。この作用は食欲抑制に起因するが、1ヶ月間投与を続けても毒性は認められなかった。内臓脂肪の顕著に減少。」2004.3.11《日経産業新聞》




白豆
○性は大温、味は辛、無毒。
[薬性歌]“白辛温調元気 能瘴嘔翻胃”
白、辛温。能く障翳を却(しりぞ)け、気を益し、元を調え、嘔翻胃を止む《万病回春》
  

【効能・効果】
        <1>積冷
        <2>吐逆
        <3>反胃
        <4>穀食を消化
        <5>気を下す。
○胃腸薬に良い。
     「粉末にして服用。」
○胃の冷えを治す。
     「末にし水煎服。or、末服」


白檀香
○性は温、味は辛、無毒。
      <1>熱腫を散らす。
      <2>腎気の腹痛を治す。
      <3>心腹痛
      <4>霍乱
      <5>中悪
      <6>鬼気の虫を殺す。

白礬
○胸中の痰飲を治す。
「水2升に1両を入れ、1升になるまで煮て、蜜半合を入れて呑む。」



白附子(びゃくぶし)
【基原】
・サトイモ科Araceac 独角蓮(禹白附)Typhonium giganteum Engl.の塊茎を乾燥したもの
・キンポウゲ科Ranunculaceac 花烏頭(関白附)Aconitum coreanumキバナトリカブトの塊根を乾燥したもの。
   ○性は温、味は甘辛、小毒。
【薬性歌】“白附辛温治面病 血痺風瘡中風証”
     白附、辛温。面の百病を治す。血痺風瘡、中風の諸症に。《万病回春》
  

【効能・効果】
       <1>中風の失音
       <2>一切の冷風気。
       <3>心痛
       <4>陰嚢の下湿。
       <5>顔面の百病。
       <6>癜痕をなくす。
○顔の百病を治す。
       「面脂に入れて使う。」
○心痛を治す。
       「作末し毎回2銭を温水で調服。」




白扁豆
【薬性歌】“扁豆微涼酒毒却 下気和中転筋霍”
扁豆、微涼。転筋、吐瀉に。気を下し、中を和し、酒毒を能く化す。《万病回春》
【配合処方】
採毒散=白扁豆一味。《雑病翼方》


百合(びゃくごう) LILII BULBUS
【基原】各地に自生し、または栽培される多年草。ユリ科ヤマユリ・オキユリなどの鱗茎。
  ユリ科Liliaceae百合Lilium brownii F.E.Brown var.colchesteri Wils.の鱗茎を乾燥したもの。
  【性味】味は甘苦、性は微寒・潤。無毒。 <平補潤降散>
  【帰経】心・肺経。       
  【分類】補陰薬。
  【薬性歌】“百合味甘安心胆 咳浮疽皆可啖”
     百合、味甘。心を安んじ、胆を定め、嗽を止め、浮を消す。癰疽に啖うべし。《万病回春》
  

【効能・効果】(百合)

(鎮咳・平喘・強壮・安神)
       <1>傷寒の百合病を治し
       <2>大小便の通りを良くする。
       <3>百酔に鬼魅と啼泣を鎮め
       <4>虫毒・乳癰・瘡腫を治す。
 ◎潤肺鎮咳、清心安神の効あり。
       <1>肺熱咳嗽
       <2>虚労咳嗽喀血
       <3>不眠多労。
◎傷寒の除毒に。
       「煎服。」
【薬理作用】
     <1>鎮咳作用
     <2>抗ヒスタミン作用
  

【薬能】
《神農本草経》
       “邪気腹脹、心痛を主る”
       “大小便を利し、中を補い気を益す”
《古方薬品考》
       “百脈一宗を主る”
《古方薬議》
       “能く邪気を逐う、これを以て百合病を治す”
《中薬大辞典》
       “肺を潤し、咳を止め、心を清し、神を安んず”
       “肺癆久嗽、咳唾痰血、熱病余熱未だ清せず、虚煩驚悸、神志恍惚、脚気浮腫を治す”  
【薬対】    
    『百合+款冬花』
    『百合+生地黄』
    『百合+知母』=鎮静作用。熱病後の精神不安、動悸、煩躁に。百合知母湯
    『百合+麦門冬』=鎮咳去痰、止渇作用。百合固金湯
【配合処方】
・滑石代赭湯《金匱要略》[百合、滑石、代赭石]
・百合滑石散《金匱要略》[百合、滑石]
・百合鶏子湯《金匱要略》[百合、鶏子黄]
・百合地黄湯《金匱要略》[百合、生地黄]
・百合洗方《金匱要略》[百合]
・百合知母湯《金匱要略》[百合、知母]


 白蒺藜(びゃくしつり)⇒「藜子」

 百草花
○100病を治し長生する。
「古代の神仙が100種の草花を採取して、陰干しにし搗いて粉末にし、酒に入れて飲み、又は花の汁を絞って酒に作っては飲んだ。」

百草井
   ○止血に。採って細末にして使う。

百草霜
   ○血崩を治す。
     「百草霜を狗胆汁に入れ、かき混ぜ2回分に分け、当帰酒で調服する。」
   ○暴瀉痢を治す。
     「細末にして2銭を米飲で服用。」
   ○鼻瘡がなかなか治らない症。
     「細末して冷水で2銭服用。」
   ○舌に急に腫が出来た。
     「霜を細く切って醋で混ぜて貼る。」
   ○心痛に。
     「作末して2銭を熱童尿で調服する。」


 苡(ひゅうい)
   =車前子

 蓖麻子(ひまし)
○性は平、味は辛、消毒。
        <1>水腫
        <2>腹帯を治す。
        <3>瘡痍(痍=イ、きず)
        <4>疥癩をなくす。
        <5>水
        <6>浮腫
        <7>尸悪
        <8>気を治す。
○耳鳴・耳鳴り。
「蓖麻子の皮を捨て49粒、大棗肉10箇を人乳に混ぜて搗いて棗核大に作って綿でくるんで耳をふさぐ。」
○舌の腫を治す。
       「つけて焼き、くぶすと良い。」
○喉痺と咽腫生瘡。
       「子の皮を取ったもの1箇、朴硝1銭を水で混ぜて服用。」
○中風の口眼喎斜を治す。
「子を取って皮は捨て搗いて、右がまがったのには左に貼り、左が曲がると右に貼る。一名禦風膏という。」
○10種の水気と、五蠱と瘴気に使う。
○狂犬に噛まれたとき。
       「50粒を皮を去り、搗いて膏をつくって貼る。」
【薬能】
    《薬性提要》
      “辛、甘にして毒有り。竅を通じ、毒を抜き、有形の滞物を出す”


 蓽撥(ひはつ)
   ○性は大温、味は辛、無毒。
       <1>胃の冷え
       <2>陰疝
       <3>痃癖
       <4>霍乱
       <5>冷気
       <6>7心痛
       <7>血気を治し
       <8>飲食を消化し
       <9>腥気をなくす

 蓖麻葉
   ○風湿項強を治す。
     「いつも貼っておく。」
   ○脚気の腫痛に。
     「葉を蒸して1日3回貼り替える。」

 枇杷葉(びわよう)ERIOBOTRYAE FOLIUM
【基原】中国中南部原産。日本の暖地に自生し、栽培される常緑樹。
      バラ科(Rosaceae)ビワEriobotrya japonica Lindl.の葉を乾燥。
     ★《名医別録》に収載。
  【性味】味は苦、性は平。 平瀉潤降散
  【帰経】肺・胃経。
  【分類】化痰止咳薬。
  【薬性歌】“枇杷葉苦偏理肺 解酒清上兼吐穢”
【効能・効果】(鎮咳・痰・健胃)
     ◎暑気あたり:葉1日5~10g煎服
     ◎腎炎:「接骨木」



 猫肝
   ○虫を殺す。
     「黒猫の肝を乾して作末したものを月初五更に空腹時に温水で調服する。」


 牝鼠屎(ひんそし)
   =牡鼠屎(ぼそし)
   ○処女の月経不通を治す。
     「焼いて作末し、1銭を酒に混ぜて飲む。患者に分からせてはならぬ。」

 備長炭(びんちょうたん)
   ■研磨技術で磨きをかけ、黒いオパールのように仕上がれる。山梨県甲府市の研磨    職人・向井照夫さんは、備長炭を輪切りにして粗切りし、仕上げにダイヤモンド    パウダーで磨いたところ「思いがけない冷たい光を放った」と言う。1997.6.24《朝    日新聞》



 檳榔(びんろう) ARECAE SEMEN
(参照→「ビンロウ」)
  【処方名】:[檳榔][大腹子][尖檳][檳榔子][鶏心檳榔][花檳榔]
  【基原】熱帯に自生し、または栽培される常緑高木。
      ヤシ科(Palmae)ビンロウジュAreca catechu L.の成熟種子の果皮を除いて乾燥。
      同属のダイフクビンロウの果皮=「大腹皮」
  【性味】味は辛苦、性は温、無毒。温瀉燥降散
  【帰経】胃・大腸経。 
  【分類】駆虫薬。
  【薬性歌】“檳榔辛温痰水壅 破気殺虫除後重”
     檳榔、辛温。気を破り、虫を殺し、水を逐い、痰をり、専ら後重を除く。《万病回春》
  

【効能・効果】(檳榔)

(瀉下・健胃・駆虫・利水・消腫)   
<1>一切の風を除去する。
<2>気を下す。
<3>関節を良くする。
<4>九竅を通す。
<5>消化を良くする。
<6>水腫を下す。
<7>結を散らす。
<8>五臓六腑を丈夫にする。
     

◎虫を殺し、積を消し、気を下し水を去る。
<1>虫積疳疾
<2>食積積滞
<3>下痢後重
<4>痰癖水腫
◎一切の気を降下させる。粉末にして飲む。
◎三虫・伏尸・寸白虫を殺す。
「赤色で味の苦いのを選んで作末し、毎回2銭を空腹時に葱蜜湯で調服する。」
◎大小便を通し、又、大便不通を治す。
       「細末2銭を空腹時に蜜水で調服。」
◎口吻に瘡が出来て白くただれたとき・
       「焼いた灰を塗る。」
◎脚気が心をつき、気の急する症を治す。
       「心・檳榔末2銭を童便・姜汁・温酒各半杯で調服する。」
◎臓腑滞気を宣利する。
       「細かく切って蜜水で調下する。」
  

【薬理作用】(檳榔)
     <1>副交感刺激作用:アレコリンなどの副交感神経作動薬
     <2>駆虫作用
     <3>抗真菌作用
     <4>健胃作用
  

【薬能】(檳榔)
    《名医別録》
      “消穀し、逐水し、痰癖を除き、三虫を殺し、寸白を療する”
    《薬性提要》
      “胸中の滞気を瀉し、水を行らし、腹脹を泄し、堅を攻め、三虫を殺す”
    《古方薬品考》
      “脾を健し、滞を破り、気を開く”
    《中薬大辞典》
      “止瀉、利水の作用があり、虫を殺し積を破き、気を下し、水を行らす”
      “虫積、食滞、胃腹脹痛、瀉痢後重、瘧疾、水腫、脚気、痰癖、結を治す       ”
  【薬対】
    『檳榔子+紫蘇葉』=利水作用。脚気などによる浮腫、疼痛を治す。九味檳榔湯。
    『檳榔子+陳皮』=理気瀉下作用。食べ過ぎや、気の滞りによる腹脹、便秘、瘧             痢などを治す。木香檳榔丸
    『檳榔子+木香』=殺虫作用。腸内の寄生虫に殺虫効果がある。しかも駆虫した            虫体を体外へ排泄する作用がある。聖功散《証治準縄》
  【配合処方】
     鶏鳴散《証治準縄》
     五磨飲《医方集解》
     柴胡厚朴湯《外台秘要方》
     柴胡湯《外台秘要方》
     三和散《和剤局方》
     四時加減柴胡飲子《金匱要略》
     追虫丸
     檳榔丸《聖恵方》
     木香檳榔丸《衛生宝鑑》