フィグワート
【学名】Scrophularia nodosa
【英名】Figwort、carpenter's square、scrofula
(セイヨウゴマノハグサ)
【利用部位】地上部。
【成分】サポニン
フラボノイド
樹脂
【効能・効果】
*リンパ系を刺激する。
*発疹
フィーバーフュー
(参照→「無月経」)
【学名】Tanacetum parthenium (Cyrysanthemum parthenium)
【英名】Feverfew
【和名】ナツシロギク、コシロギク、Featherfoil
【利用部位】葉。
【成分】
セスキテルペンラクトン:パルテノライド parthenolide
サンタマリン
精油
タンニン
【作用】(フィーバーユー)
・偏頭痛改善作用
・抗炎症作用
・苦味健胃作用
・鎮痙作用
・鎮痛作用
・血管拡張作用
・弛緩作用
【効能・効果】(フィーバーユー)
・頭痛
・片頭痛:7/10人に有効。
・吐き気・嘔吐を鎮静させる。
・関節炎:炎症・痛みを抑える
・安眠作用
・消化機能促進
・喘息発作を軽減させる
【副作用】口中の潰瘍を生じる。服用を中止する。
■相互作用(フィーバーユー)
[アスピリン]・・・出血傾向
[イブプロフェン]・・・解熱鎮痛作用が減弱する
[鉄剤]・・・造血作用が減弱
[ワルファリンカリウム]・・・出血傾向
プエラリア
=プエラリア・ミリフィア。タイ北部の山岳部に自生。豊胸バイアグラとして有名になった。マメ科の植物で、根を使用する。
◎白鳥製薬・樋口博士
◎女性ホルモン作用が大豆イスフラボンの1000~10000倍。成分はミロエステロール。摂取量は生で1g/日。乾燥品で70mg/日。
兵庫県和田山町が栽培に成功。「夢美人」の名称で乾燥品を販売。
熱に強く、少し苦みがある。
■タイなどの熱帯地方に自生するクズ科の植物。
「日本のヨシノクズと同種のもので、内分泌亢進に基づく女性ホルモン様作用のあるイソフラボン誘導体が主成分。これを摂取することにより豊かなバストラインが期待できるとされる。1996.9.19《健康産業新聞》第848号
フォアグラ
■脂ののりは十分
「青森市郊外に、ドアグラ生産を1968年から手がけるジャパンフォアグラがある。社長の桑原孝良さんはフランス料理の元コックだ。生フォアグラが無いと本当のフランス料理は作れないと痛感し、現地で生産技術を7年間学んだ。
フォアグラとはエサを強制的に食べさせ、肥大化させたガチョウやカモの肝臓のこと。紀元前2500年頃、すでにエジプトでフォアグラが作られていたという。美食家で知られる古代ローマ人が生産技術を欧州に広め、19世紀頃から高級食材としてフランス料理にも取り入れられるようになった模様だ。
強制的にエサを与えるのは成鳥になってから。たとえば、ガチョウだと出荷前の1ヶ月間、日に1kg程度のトウモロコシを食べさせる。桑原さんは「常時、胃の中に消化中のエサがある状態でないと肝臓に脂がのらない。えてトウモロコシを固ゆでにし、消化しにくくしている」と明かす。」2000.5.20《日本経済新聞》
フキ
=キク科
(成分)フキノトキシン(=ペタシテニン)
ピロリチジン系アルカロイド
肝毒性がある。アク抜きが必要。
■ラワンブキ
北海道名寄町。
2㍍。葉の直径1㍍
観光客にフキの茎の中の水を飲んでもらっている。
フキノトウ
日本原産の野菜。北海道から沖縄まで自生。
⇒フキノトウを採集し、天日乾燥する(款冬花)。
【学名】Petasites japonicus
【別名】フキノシュウトメ
【分類】キク科、多年草(雌雄異株)
【原産地】日本各地、韓国、中国
◎乾燥したフキノトウを煎服or生を味噌汁で食べるor火で炙って味噌で食べると
・鎮咳作用
・解熱作用
・去痰作用
◎生のフキの茎・葉・根の絞り汁には、
*解毒作用(内服)
*止血作用(外用)
【効能・効果】(フキノトウ)
○胃アトニー:
フキの葉・花・根を煎服する。
○胃下垂:
フキの葉・花・根を煎服する。
○かぜ:
①乾燥したフキノトウを、5~10g/日、煎服する(著効)。
②生を味噌汁で食べるor生を火で炙って味噌をつけて食べる(著効)。
③フキの葉・根を煎服する(著効)。
○気管支炎:
①乾燥したフキノトウを、5~10g/日、煎服する(著効)。
②生を味噌汁で食べるor生を火で炙って味噌をつけて食べる(著効)。
③フキの葉・根を煎服する(著効)。
○虚弱体質:
フキの葉・花・根を煎服する。
○切り傷:
生フキの茎葉。根の絞り汁を塗布する。
○魚の中毒:
生フキの茎・葉・根の絞り汁を飲むor煎服(著効)。
○痔瘻:
フキの葉を加熱し柔らかくして、患部に当てる。
○食欲不振:
フキの葉・花・根を煎服する。
○せき:
款冬花を火にくべて、煙を吸う。
○喘息:
①乾燥したフキノトウを、5~10g/日、煎服する(著効)。
②生を味噌汁で食べるor生を火で炙って味噌をつけて食べる(著効)。
③フキの葉・根を煎服する(著効)。
○腺病質:
フキの葉・花・根を煎服する。
○蓄膿症:
「款冬花甘草」煎服or茶代用。
○肺疾患:
①乾燥したフキノトウを、5~10g/日、煎服する(著効)。
②生を味噌汁で食べるor生を火で炙って味噌をつけて食べる(著効)。
③フキの葉・根を煎服する(著効)。
○腫れ物:
生フキの茎葉。根の絞り汁を塗布する。
○虫さされ:
生フキの茎葉。根の絞り汁を塗布する(著効)。
○胸のつかえ:
①乾燥したフキノトウを、5~10g/日、煎服する(著効)。
②生を味噌汁で食べるor生を火で炙って味噌をつけて食べる(著効)。
③フキの葉・根を煎服する(著効)。
○のどの麻痺:
フキの葉・花・根を煎服する。
【参考】
◎細胞毒性を有する[フキノトキシン]含有。
フキノトキシンはSenecio othonnaeから分離された[オトセニン]のエポキシドの立体配置にかんする異性体である。
(講談社「天然毒」p17)
フグ’(河豚)
(参照→用語:神経毒)
◎1909年、田原良純博士はフグの卵巣から粗毒を分離して『テトロドキシン』と名付けた。
◎1964年、津田恭介教授が、テトロドトキシンの複雑な構造を発表。
◎神経の軸索に生じる活動電位は、細胞の外側から内側へナトリウムイオンが流れ込むことによって生じる。テトロドトキシンはこのナトリウムが流れ込むナトリウムチャンネルといわれる通路をふさいでしまう。其の結果、活動電位が発生出来なくなり(信号が止まってしまう)、筋肉が麻痺する。
○フグ肝のぬか漬け・・・・石川県白山市
■中毒症状:
食後30分~4時間半の間に、口唇・舌のしびれに始まり、
しだいに、指や手足も麻痺し、脱力感・歩行困難。
重症になると、呼吸困難から死に至る。但し意識ははっきりしている。
フグ毒は骨格筋を麻痺させるので、自発呼吸出来なくなって死に至る。
8時間以降の死亡例はない。
◎手当:
フグ毒にあたると、最初に吐き気を催し、口の周りがシビレるそうですが、フグ毒が命に関わるのは筋肉の麻痺によって呼吸が出来なくなるからです。
古来の民間療法で、「フグ中毒は首から下を砂に埋める」というのはある程度正解。呼吸は肋骨の間にある肋間筋が肋骨を引き上げ、横隔膜が緊張して、ともに胸腔内を陰圧にするように作用して肺を膨らませて行われます。フグ毒で麻痺するときは、肋間筋は横隔膜筋より弱いために先に麻痺してしまいます。
このような状態では、空気を吸い込むために横隔膜が働き胸腔内が陰圧にあると、肋骨の引き上げが出来ずに胸がへこんでしまう「シーソー呼吸」と呼ばれる状態になり、肺が膨らまないために換気が出来ません。そこで砂に埋めて、胸膈が動かないようにすると、横隔膜だけの動きで細々と膨らみ、なんとか呼吸出来るのです。運良く毒素が解毒出来れば一命をとりとめます。もっとも、現代では、人工呼吸器がありますから、ご安心を。(橘滋国著「シビレを感じたら読む本」)
■フグ毒
「“フグ毒というのは誠につかみどころがない、魔訶不思議な毒なんです”肝や卵巣に多いフグ毒の主成分は「テトラドトキシンと呼ばれる炭素・水素・窒素・酸素から成る有機化合物」。その毒性は“青酸カリの1000倍、サリンと同じくらい”と猛毒だ。ところが、“同じフグの肝を同時に食べても当たる人と当たらない人がいるんです”そこで北濱さんは肝の一部を調べるのでなく、何カ所か同時に検査する[6点法]といういフグ毒検査法を日本で初めて考案した。
もう一つ北濱さんの大きな研究成果は、73年、『両性フグ』の発見である。“フグ中毒死した人の鑑定を依頼されたとき、無毒のはずの白子を食べている人が多かったんです。おかしいと思い詳しく調べてみると、白子と卵巣がくっついた両性フグが存在することが分かったんですよ”
ある時期、大学研究者が「ある種類の養殖フグは無毒」と発表したことがあったが、北濱さんは反論した。“フグ毒は獲れる場所・時期・魚体の成長度でも全然違うことがある。学問のための学問で、軽々しい断定は断固すべきでない”と言う。
“東京湾には皮20gで死ぬフグもいる”のである。
北濱喜一・フグ料理店「喜太八」3代目社長。日本ふぐ研究会会長。
Quark.NO166.P25より」
■寄生虫駆除に劇物ホルマリン
「養殖漁業の切り札として期待され、生産量を急増させているトラフグに、寄生虫を駆除するため、発ガン性が確認された劇物発ホルマリンが、少なくとも全国11県、全体の約4割で使用されていたことが厚生省の調査で明らかになった。
フグは、タイなどに比べてエラに寄生虫がつきやすく、やせ細って死ぬことが多い。いつ頃からかは不明だが、いけすでホルマリンの希釈液に浸して駆除する方法が全国に広がった。多くの場合、使用後の希釈液はそのまま海に流されている。
真珠の母貝アコヤガイの大量死が96年前後、全国的に発生。ホルマリンとの関係を指摘する声があり、厚生省は1997年3月までに3ヶ月をかけて調査した。
ホルマリンは、植物プランクトンや貝類などへの悪影響が実験で確認されているが、長期間、垂れ流された場合の自然界への影響は分かっていない。
ホルマリンは、毒性や発ガン性が指摘される劇物であるにもかかわらず、食品となる養殖への使用に法的規制がない。1998.3.8《朝日新聞》
■トラフグにホルマリン
「長崎県のトラフグ養殖業者の6割が発ガン性を指摘され使用を禁じられているホルマリンを使用していた問題で、新たに香川・大分・熊本の3県でも寄生虫駆除の目的などで使っていたことが、2003年5/8分かった。
香川県によると、高松市内の1業者が寄生虫対策で約8000匹にホルマリンを使用していた。使用量は2002年度が39リットル。」2003,5,9《日本経済新聞》
■フグ毒の人工合成
「名古屋大学の大学院生命農学研究家の磯部稔教授と西川俊夫助手らは複雑な分子構造をもつフグ毒のテトロドトキシンを人工的に合成することに成功した。フグ毒自体の性質の解明や、これまで特効薬のなかったフグ中毒の解毒剤の開発につながる。
畚毒のテトロドトキシン分子では、右手と左手のように形は似ているが性質が大きく異なる光学異性体が多数存在する。構造も炭素の骨格に酸素や窒素などが密集してくっつき複雑なため、人工的に合成するのが難しかった。
通常、有機分子を合成するには炭素骨格を組んでから他の原子や分子を組み立てるが、研究グループは骨格をくみ上げながら他の分子を順次結びつけていく合成法を開発。右手型と左手型をねらい通りに作り分ける不斉合成の方法で、ブドウ糖を原料にテトロオドトキシンを合成した。」2003.5.28《日経産業新聞》
■ホルマリン出荷
「長崎県は2003年9/27、同県鷹島町の鷹島阿翁漁協(坂谷国博組合長)が9/29日からホルマリン使用のトラフグを出荷すると発表した。8月に出荷停止が解除されて以来初めての出荷。県と同漁協による残留検査ではホルムアルデヒド(ホルマリンの主成分)が検出されなかった。県水産振興課によると、署に津は数百匹を取引業者に直接出荷する。県内のホルマリン使用フグの約7割を保有する同漁協の出荷再開で、他の漁協でも出荷の動きが加速しそうだ。」2003.9.27《日本経済新聞》
■トラフグを
「東京大学の鈴木謙教授らは、トラフグの効率的な育種に役立つ研究用のフグやDNAデーターベースを開発した。国際的に解読が進むトラフグのゲノムと合わせれば、味や体の大きさを決める遺伝子を特定できる。
東大の鈴木教授らが作製したのは、トラフグとクサフグを交配して作製した雑種第二世代のフグと、遺伝子を調べる目汁となる約200のDNA配列が染色体のどの位置にあるかを特定した「連鎖地図」というデーターベース。2005.8.2《産業》
■毒なしフグは?
「1983年からフグの肝臓は食用として販売することは禁止されている。2007年3月東京都内でフグを食べる会で野口玉雄・東京医療保健大学教授は「こわごわ食べる必要はない。フグはエサの貝やヒトデから毒を取り込む。有毒なエサを与えずに育てたら無毒になる」と説明。これまでに養殖した6000匹知覚を追跡調査し、毒を持つものはいなかったという。」20074/8日経
■金フグ・・・宮崎で獲れる。肝に毒無し。
■トラフグを陸上で養殖
「水産ベンチャーの「ICRAS」(イクラス)広島県尾道市は陸上に設置した大形ドーム内でトラフグやオコゼの養殖事業。伏見社長は福山大学の教授でもある。
体重100gの稚魚を国内の専門業者から調達し、半年かけて800gにまで大きくして出荷。
フクジュソウ Adonis vernalis
=「福寿草」日本全土の山地や丘陵に自生。
ブルガリアでは“燃える花”と呼ばれる。
黒竜江省・シベリア地方にまで分布する。
⇒キンポウゲ科フクジュソウ属の多年草。有毒で苦味がある。
全草に強心配糖体を含み有毒。
“この草の根を煎じて飲むと、酒に酔ったようになり、多量に飲み過ぎると死に至る”
【学名】Adonis amyrensis (アドニス・アムレンシス)
【英名】Pheasant's eye
【中国名】側金盞花
【成分】心臓に作用するアドニトキシンという強心配糖体のほかに、20以上の物質が知られている。
配糖体:強心作用があり、心臓の収縮を強め、心痛に伴う鬱血を取り除き、しかも体内に蓄積しない。
アドニシド
アドニベルノシド
アドニトキシンadonitoxin
○日本福寿草から非結晶性物質アドニンが分離された。
植物性心臓毒は、いずれも不飽和のラクトン環をもつステロイド系化合物。
■心臓の収縮力を高めるため、民間療法で強心利尿薬として使われることもあるが、過去に死亡例あり。
◎ロシアの医者N・A・ブブノフは、フクジュソウのエキスを作り、I・P・パブロフの指導を受けた。
フクジュソウは、特に「心臓ヒドロプス」に有効であることが確認されている。
[心臓ヒドロプス]=心不全の結果、あちこちの組織や器官の液が停留する水症。
■事例
「徳島県に住むAさん(76)は、8年間ずっと心臓病と糖尿病を患っていた。「フクジュソウの根を煎じて飲めば心臓病にいい」と、何かで読んだことを思い出し、近くの山にあるフクジュソウを掘り出した。その根を持ち帰り、乾燥させた。6日後の平成4年4/26の朝、2㍑入りのヤカンにひげ根の束を10cmほどい入れ、グラグラと煮詰めた、そして、茶碗で飲んだ。夫のBさんもつきあって飲んだ。異変が起きたのは、その直後。突然、胃がひっくり返るほどの嘔吐と、激しい痛みが2人を襲った。
居合わせた長男のヨメが直ちに病院に運んだが、Aさんの心臓は止まったまま再び動くことはなかった。死因は、毒物による心室性不整脈だった。
フクロウ
■メンフクロウ農法
ネズミ退治に最適。
縄張り意識が低いフクロウ。
ネズミの数に合わせて卵を出産
イスラエルで成果。
巣箱を白く塗り、高さは3㍍。空気穴を3カ所以上。
ひな同士にエサの取り合いが無く。空腹さをアピールする。
フジウツギ
=魚毒の木。
別名:酔魚草
ゴマホハグサ科の落葉樹。アゲハチョウが好きな木。
フジツボ
■漁網や船底への付着を防ぐ
2014年、東京農工大学の北野克和准教授らは、漁網や船底に貝が付着するのを防ぐ化学物質を開発した。
ウミウシや海綿生物に貝がつかないのは、体の表面から出ている特殊な物質(イソニトリル化合物)が理由と分かり人工合成した。
フジバカマ
【学名】Eupatorium foltunei
【別名】ランソウ(蘭草)
【分類】キク科、多年草
【原産地】中国、韓国
【特徴】川岸の土手などに生える。
■香り草
「秋の七草のひとつに数えられ、日本を代表する野草であるフジバカマ、その名の由来は、花色が藤に似ており、花弁の形が袴(はかま)のようだからというが、さて。中国名は蘭草で、香水蘭などともいう。
藤袴といえば、源氏物語の第30帖の表題である。夕霧が藤袴の乾物を玉鬘(たまかずら)に差し上げる場面がこの章のハイライトだ。フジバカマは風乾させるとクマリンの香りが強くなる。香草として古くから中国で珍重され、その風習は日本へも伝来していた。
フジバカマは河川の氾濫歴など、人の暮らしに関わりの深いところに生えることが多い。原始林の植物ではない。だから、日本の在来種ではなくて、香草として珍重する風習とともに、中国から来た史前帰化植物のひとつではないかと疑われたこともある。
しかし、最近の研究では、日本の植物と中国の植物の間には、同種であっても地域集団としての違いが認められ、古くなら日本に野生していたことは間違いない。
ところがそのフジバカマが、絶滅を危惧される植物の1つに数えられている。人里が宅地造成などで姿を変え、河川の改修で河川敷の植物相が変貌すると、フジバカマの生活場所が圧迫されたらしい。フジバカマは生活力が強靱で、栽培も難しくはない。現に、野草好きの人の庭には良く植えられている。」(岩規邦男・東大名誉教授)2005.8.20《日経》
ふすま
=小麦の外皮
■微粉末に
2011年、小麦製粉・乾麺大手の星野物産(群馬県みどり市)は、小麦の外皮であるふすまを微細な粉末して煎った「焙煎ミクロブラン」を開発。
ふすま中の食物繊維は40~50%を占める。
ブッコノキ
【学名】Agathosma betulina (Barosma betulina) A.cremulata
【英名】Round buchu及び Long buchu
【使用部位】葉。
【成分】精油(約2%):100種以上
プレゴン
イソプレゴン
ブクムカンファー
メントン
リモネン
フラボノイド
樹脂
粘液
【効能・効果】
利尿作用
膀胱炎:泌尿器の消毒作用
胃腸内のガスを排出
【注意】
腎臓の感染症には不可。
ブタ(豚)
=ブタの脂肪には「オレイン酸」がたくさん含まれている。悪玉コレステロールを除くのがオレイン酸。
赤身にサシが入ったブタを東北大学農学部・鈴木教授が開発。「しもふりレッド」5%の脂肪で、保水性が高まる。
豚肉料理・・・コーラを入れると柔らかくなる。
トンカツ・・・
ヒレ肉に(マヨネーズ+マスタード+小麦粉)を塗ってからパン粉をつけ、オーブントースターで焼くとカロリーダウンする。
◎豚肉:
○ハーブ豚:日清飼料(東京・千代田)。
フランス料理「タイユバン」、ホテルオオクラ
○SPF豚:衛生管理を徹底させた豚。
東和牧場(福島県東和町):年間6000頭の子豚出荷。
養豚業大手のフリーデン(平塚市)から技術供与を受け同社に販売。
○種豚:イワタニ・ケンボロ(東京・台東区)
米国の種豚開発会社PIC社のブタ
○ハム加工に適した豚:
「トウキョウX」東京都畜産試験場(東京都青梅市)が開発した銘柄豚
沖縄原産 うかじ豚 ハンノキエキスをエサに。
◎黒豚:
「沖田黒豚」:鹿児島で受け継がれてきた黒豚。原種の黒豚にハンプシャー種を掛け合わせたもの。エサにサツマイモ。
「島豚」:奄美大島で原種に近い黒豚。エサにパパイヤ。武原万吉さんが飼育。
◎クラテルロ:1年~2年寝かせたハム。イタリアのハム。(ポー川)
スパークリングワインとクラテルロとパン
作曲家ヴェルディも好んだ
●黒豚の定義-----農水省が決定
「農水省は肉質が柔らかく高品質の豚肉として知られる「黒豚」の定義を定めた。
「黒豚(肉)」と表示できる豚肉は「バークシャ純粋種のブタの肉に限る」としている。食肉小売品質基準を改正後、公正取引委員会による手続きを経て、8月以降に実施される見通しだ。
黒豚についてはこれまで明確な基準がなく、雑種の豚肉についても「黒豚」と表示され、一般の豚肉より高い価格で販売されるケースがあった。」1999.5.17《日経産業新聞》
■ナノテク使い養豚
養豚業大手のフリーデン(神奈川県平塚市)は日本冷凍輸送(東京都武蔵村村山市)と共同で、4月にナノテクノロジー(極微細技術)ろ利用した豚の商業生産を開始する。微弱なエネルギー振動を発生する分子振動活性装置で活性化した水で豚を育てた場合、豚肉の免疫性が高いことが研究所などの研究成果で分かった。
分子振動活性装置は日本冷凍輸送が開発した。水道管のまわりに設置し、磁気を利用して1秒間に500兆回という微弱なエネルギー振動を水に与える。同装置で活性化した水を飲んで試験飼育した豚肉は臭みや脂分が減ったという。
日本食品分析センターの調べでは通常の豚肉に比べ、加熱した際のタンパク質の減少比率が低く、うまみ成分のグルタミン酸の増加率は逆に高かった。
フリーデンは「やまと豚」のブランド名で発売する。2001.3.24《日本経済新聞》
■銘柄豚「和豚もちぶた」
「グローバルビッグファーム(GPF、群馬県北橘村)は全国87軒の養豚農家や専属の卸業者と組み、生産から流通まで一貫管理して精肉を市場に送り出す。「もちぶたは」は、うまみの要素となる脂身の混ざり具合や柔らかさが特徴。年商160億円を稼ぐ。2003,12,22《日本経済新聞》
■無投薬で
ニチレイは日清飼料と組んで、抗生物質や抗菌剤を一切投与しないで育てたブタの生産に成功した。甘草やジンジャーなど複数のハーブを添加した飼料で免疫性を高め、適度な運動でストレスを抑える仕組み。
無投薬豚はFAポーク(FA=フリー・フロム・アンチバイオティクス)と名付けて10月から試験販売を始めた。2001.11.8《日経産業新聞》
◎沖縄の肉
「沖縄では牛肉ではなく豚肉が肉のこと。沖縄では、柔らかく煮た皮、あばら骨の肉、足のくるぶしあたり、こそがうまいとされ、内臓がそれに次ぎ、それからロースとなる。
チマグー=豚の足(関節から下)
チラガー=豚の顔皮。
マーミ=腎臓。
チム=肝臓。
■ポーク
「沖縄でポーク缶が浸透している。[スパム]と[チューリップ]の2つがブランド。米国ホーメル社が米軍から保存食の開発を頼まれて作ったのが「スパム」。
■豚の生肉でE型肝炎
「豚の内臓や肉を生で食べた後、発熱や吐き気・黄疸など急性肝炎の症状が現れると、E型肝炎ウイルス(HEV)への感染を疑ったほうがよい。肝炎が劇症化して命を落とす恐れがあるからだ。
豚以外に、イノシシ・シカを食べてもウイルスに感染する可能性がある。
感染後も症状が出ないことも少なくない。潜伏期間は平均6週間で、発病しても点滴などの治療で治ることが多い。しかし、劇症化すると決め手となる治療法は無い。劇症感になる確率は1~2%だが、詳しいことは分かっていない。高齢者や妊婦が感染すると症状が重くなりやすいと言われている。E型肝炎は輸血でもウイルスに感染する危険があり、2006年1月には国内5例目の輸血感染が北海道で確認された。
肉は十分に加熱するとウイルスは死滅するが、たが、中まで火が通らずに感染したとみられるケースもある。」
■金華豚
「静岡県菊川市にある静岡県中小家畜試験場は最高級品種の金華豚を改良した新品種『ジンホァフジロック(仮称)』を開発した。金華豚と県内で開発した豚フジロックを掛け合わせた。金華豚の特徴である肉の柔らかさと風味の良さ、フジロックの霜降りという、両者の長所を併せ持つ。
開発には、DNA分析で優れたブタだけを選抜するDNAマーカー育種法を家畜改良で初めて採用した。2007年の出荷を目指す」2006.9/14《産業》
■α-リノレン酸・・・・3倍
「石川県は2006年12/7、県畜産総合センターなどが開発した飼料で育成しし、不飽和脂肪酸を多く含む豚肉を試験販売すると発表。生活習慣病の予防効果があるとされる『α-リノレン酸』を通常の豚肉の3倍以上含むのが特徴。
「こだわり豚肉」(仮称)は、α-リノレン酸を含む植物油の亜麻仁油・大豆レシチン・ビタミンEなどを入れた飼料を使い、石川県志賀町の民間養豚場で肥育した。」
■背骨
「農業生物資源研究所は、ゲノム解析によってブタの椎骨の数をコントロールする遺伝子を同定した。
ブタには胸と腰に当たる部分の背骨(胸椎、腰椎)の数が品種によって19~23個に分かれ、椎骨の数が多いほど胴が長くなっていわゆる「ロース」の部分の肉量が増える。」
■tokyoX
「東京で生まれたブランド豚『TOKYOX』がデパ地下で人気を呼ぶ。東京でしか買うことが出来ない豚肉。味や品質にこだわるため生産量が限られ、希少性が高い。
生まれ故郷は東京西北部の青梅だ。「ここで生まれた子豚が、生産農家に手渡されて大事に育てられるのです」。東京都農林水産振興財団青梅畜産センターの伊藤米人主任が言う。
北京黒豚・バークシャー種・デュロック種の3品種の豚を5世代にわたって掛け合わせて、ようやく誕生した。」
■色
「豚肉は、ポークソテーなどで見られるように、赤い生肉を加熱すると灰色になります。豚肉の生の色は、肉色素タンパク質(ミオグロビン)によるもので、この色素のタンパク質部分が熱変性すると、灰褐色をしたメトミオクロモーゲンに変化するからです。
一方、ハムやベーコンは鮮やかなピンク色をしていて、炒めたり焼いたりしても色が変わることはありません。
ハムやベーコンは豚肉から作られているのに、なぜ加熱してもピンク色を保っているのでしょう?
ハムやベーコンは一般に、[塩漬(えんせき)][充填][乾燥][燻煙][加熱][冷却][包装]の一連の工程により製造されます。このなかの塩漬の高低で使用する液の中に、食塩と共に発色剤の亜硝酸塩を加えておくと、それが液の中で変化して「一酸化窒素」が生じます。これと肉のミオグロビンとが反応して、赤色のニトロソミオグロビンになり、さらに加熱高低で熱変性を受けてニトロソミオクロモーゲンになります。
これがハムやベーコンのピンク色です。
ニトロソミオクロモーゲンは熱で変化しない性質を持っています。
■最小豚「マイクロミニピッグ」
「2009年、バイオベンチャーの富士マイクラ(富士市)は、正解最小の豚「マイクロピッグ」を2010年から出荷。実験に使う生後6ヶ月程度では約10kgで、体長が50cm~60cm。
医薬品開発や医療用の実験動物にはネズミが一般的だが、人に近い大きな動物としてはビーグル犬(体重12~13kg)などが使われる。ミニブタも欧米では多く使用されているが、日本では年間1000頭にとどまっている。
■クラテウロ(クラテッロ)
イタリア。ポー川沿いに。
豚のもも肉を塩で4日×2回つけ込み、血を抜いてから、豚の膀胱でつつみヒモで縛る。12ヶ月~18ヶ月乾燥熟成させる。
ブドウ(葡萄)
(参照→「リスベラトール」)
世界で1万種類以上。
天山:一番大きい。皮ごと食べられる
【学名】Vitis vinifera
【英名】grape vine
【使用部位】果実・葉。
【成分】糖類
酒石酸
クエルセチン
クエルシトリン
タンニン
リンゴ酸
ゴム質
重酒石酸カリウム
[薬性歌]“葡萄甘平痺淋透 益気強志乾発痘”
湿痺・淋疾に応用。利尿作用があり、益気強志の力が強い。
葡萄(乾)は発痘を促進する。
○下す作用が速い、その実はもっと速く、炒って煎服。
○嘔を治す。
「根を濃く煎じて汁を取って飲む。」
○妊婦の胎児が上に突き上げるときに使う。(葡萄根)
○痘疹の発しないとき使う。
○杖瘡が切れずに内に損傷したのを治す。
「根を搗いて患部に貼る。」
◎葉:
「中東地域~地中海では、ひき肉と米をブドウの葉に包んで煮る。」」
■ブドウ種子から育毛物質発見
「協和発酵はワイン用のブドウの種子から育毛効果のある物質を見つけた。ネズミを使った実験で効果を確認した。既存の育毛剤は根元にある毛乳頭を刺激して抜け毛を防ぐタイプが主流だが、ブドウの種子から抽出した新物質は毛を作る細胞を増やし、毛の成長を促す効果があるという。
この物質は、お茶の成分であるカテキンとエピカテキンが多数つながった物質であることが分かった。1996.8.7《日経産業新聞》」
■傷の回復
「米オハイオ州立大学の研究グループは、ブドウの種の抽出成分に傷を早く治す効果があることを確認した。」2002.12.5《日経産業新聞》
■ガン抑制物質
「ブドウの果実などに含まれる天然の物質に、ガンを抑える作用があることが分かった、と米イリノイ大学のジョン・ペズッツ博士らの研究グループが10日発行の米科学誌サイエンスに発表した。
ペズッツ博士らは、世界中の数百の植物を分析。さまざまな天然物質を抽出し、ガン抑制作用があるかどうか、マウスを使った動物実験や培養細胞実験で調べた。
その結果、ブドウの他に、桑の実・ピーナッツなどが含有する『レスベラトロル』と呼ばれる物質にガンを抑える働きがあることが分かった。この物質を大量投与するマウス実験では、投与18週後にガン細胞が68~98%消滅した。毒性はないという。1997.1.10《日本経済新聞》
ブドウ果皮色素
(アメリカブドウ又はブドウの果皮から得られた、アントシアニンを主成分とするものをいう。) エノシアニン アントシアニン
アントシアニン色素
ブドウ色素 ブドウ科アメリカブドウ(Vitis labrusca LINNE)又はブドウ科ブドウ(Vitis vinifera LINNE)の果皮より、室温時水で抽出して得られたものである。主色素はアントシアニン(マルビジン-3-グルコシド等)である。赤色~赤紫色を呈する。
着色料 Grape skin colour
Grape skin extract
ブドウ果皮抽出物
(アメリカブドウ又はブドウの果皮から得られた、ポリフェノールを主成分とするものをいう。) ブドウ科アメリカブドウ(Vitis labrusca
LINNE)又はブドウ科ブドウ(Vitis vinifera LINNE)のうち、生食用又は醸造用ブドウの甲州、シャルドネ若しくはリースリング種の果皮搾粕より、室温時~微温時エタノールで抽出して得られたものである。主成分はポリフェノールである。
製造用剤 Grape skin-derived substance
ブドウ種子抽出物
(アメリカブドウ又はブドウの種子から得られた、プロアントシアニジンを主成分とするものをいう。) プロアントシアニジン ブドウ科アメリカブドウ(Vitis
labrusca LINNE)又はブドウかブドウ(Vitis vinifera LINNE)の種子より、熱時水、温時エタノール若しくは室温時アセトンで抽出したものより得られたもの、又はこの抽出物を、酵母を用いて発酵処理したものより得られたもの、若しくはタンナーゼにより加水分解処理したものより得られたものである。主成分はプロアントシアニジンである。
酸化防止剤
製造用剤 Grape seed extract
■アルメニア
豚肉ミンチをブドウの葉で包んで煮込む料理
■冷凍解凍
自然解凍が◎、皮がむきやすくなる
■ナガノパープル(長野県)
種が無く、皮も薄く、1粒丸ごと口に放り込める。1990年から研究開始。2004年に品種登録。
■シャインマスカット
つくば市の農業・食品産業技術同号研究機構の果樹研究所で開発。
◎保存
ブドウ1玉づつ、枝部分の上で切って、常温保存する。1ヶ月可能。
フナ(鮒)
=フナは約400万年前に、日本の本州や四国、九州に固有の系統と中国や台湾。琉球諸島に固有の系統に別れた可能性が高いことが分かった。
東京大学と琉球大・中央水産研究所・千葉県立中央博物館の研究チームが2010年1/2までに発表した。
フナ類の細胞小器官ミトコンドリアのDNAを解析した成果で、金魚は中国系のフナが起源であることも確認された。
東大海洋研究所の西田睦所長によると、フナは生息環境によって形や色が様々で、種や亜種の分類が難しい。キンブナやギンブナ、ニゴロブナといった分類の仕方もあるが、今回の解析ではDNAとの対応関係がなかった。
日本全土のフナは、さらに200万~100万年前に
①本州
②九州
③本州と四国
の3つの小系統に別れたことも判明。川や水田の環境変化、外来魚の影響で数が減ってきているが、琉球諸島のフナとともに、遺伝的な多様性に配慮しながら保護する必要があるという。
【効能・効果】(フナ)
○長い間続いている赤白痢・腸。
「醋・醤油・蒜を混ぜて食べる。」
○肥らせる。
「常食すると良い。」
○五痔と血痔に。
「刺身にして食べる。」
○脾胃を補い、食欲を増進させる。
「常食すると良い。」
○反胃を治す。
「内臓は捨て、緑礬を腹のなかに詰め込んで焼いて作末し、1日3回毎回1銭を米飲で調服する。」
○黄疸を治す。
○下痢:
フナを酢味噌に和えて食べる。
黒焼き末を飲む。
○小児の脳疳を治す。
○打撲折傷:
「小さい生きたフナをすりつぶし、骨の荒いところを去って、砂糖を混ぜて練って、患部に塗布。汁が出て治る。骨を損傷した場合に良く効く」《大塚敬節》
フナをすりつぶし酢or黒砂糖で練って塗布する。
フナの皮の部分を患部に塗布する。
○疔癰:
フナをすりつぶしor黒焼き末を飯粒と練って塗布。(排膿口が早く開く)
フナとヤマイモをすり下ろし、塗布する。
○肺結核:
黒焼き末を飲む。
○腫れ物:
フナをすりつぶしor黒焼き末を飯粒と練って塗布。(排膿口が早く開く)
フナとヤマイモをすり下ろし、塗布する。
○泌尿器の病気:
黒焼き末を飲む。
○瘭疽:
フナをすりつぶしor黒焼き末を飯粒と練って塗布。(排膿口が早く開く) フナをすりつぶし酢or黒砂糖で練って塗布する。
フナの皮の部分を患部に塗布する。
○腹痛:
フナを煎服する。
黒焼き末を飲む。
○腹膜炎:
フナをすりつぶして汁を飲む。
○尿閉:黒焼き
「フナ燈心草」煎服する。
○慢性胃腸炎:
黒焼き末を飲む。
○淋病:
黒焼き末を酒で飲む。
○肋膜炎:
フナをすりつぶして汁を飲む。
ブナシメジ
■ホクトが工場
「ホクトはエリンギの生産拠点「大町きのこセンター」(長野県大町市)の隣接地にブナシメジを生産する第二工場を建設した。首都圏向けにブナシメジを生産する。サラダ向けなど通年型のキノコとして同社が開発した白いブナシメジ「ブナピー」の生産も手がける。2002.12.13《日経産業新聞》
フナバラソウ
【漢薬名】白微
フナムシ
■エラまで水を
フナムシは、足を水に浸すと、足の表面にある細かい溝を伝って水が腹部のエラまで上がってくる。電源がいらないポンプへのヒントになるかも。
フェニュグリーク(フェヌグリーク)
【学名】Trigonella foenum-graecum
【英名】Fenugreek、bird's foot、greek hay-seed
(コロハ)
【利用部位】種子。
【成分】アルカロイド:
トリゴネリン
コリン
ゲンチアニン
カルパイン
ステロイドサポニン:体内の性ホルモンに似ている。
フラボノイド
油類(8%以下)
粘液(30%以下)
タンパク質(20%以下)
ビタミンA・B・C
カルシウム
鉄
【効能・効果】
・ 生殖器の疾患
・男性のインポテンツ
・母乳の分泌を促進する。
・更年期の異常な発汗を抑える
・更年期の抑鬱状態を改善
・気管支炎
・パップ剤(細かい粉末にして):
①などの腫れ物の吸い出し用
②リウマチ
【利用】
種子を炒って、コーヒーの代用(アラビア人)
【注意】
子宮に対して刺激作用があるので、妊婦は不可。
「フェヌグリーク」(Fenugreek,Trigonella foenum-graecum)
「この葉はコリンのすぐれた補給源です。乾燥基準で1.3%以上含有。
「緑色部分はβ-カロチン(beta-carotene)の補給源です。この成分もアルツハイマーの進行を予防し、遅らせます。」
フェミラックス
■アロマオイル
「食品添加物として認可されているフェミラックスは、カレー粉などにも含まれる『βカリオフィレン』という物質からなる。篠原一之・長崎大学教授(神経生理学)の基礎研究では、こぶ物質に女性ホルモンのバランスを整え、抑鬱状態やイライラを改善する働きがある。メヂカルフレグランス(秋田市)が発売2004.3.24《日経産業新聞》
フェンネル
【成分】
<1>果実:
精油(5%):アネトール
フェンコン
エストラゴール
カンフェン
フェランドレン
不揮発性油:ペトロセレニン酸
オレイン酸
リノレイン酸
フラボノイド(ルチン)
ビタミン類
ミネラル
【利用】葉・魚料理の添えもの、ソース、スープ、シチュウ。
根:ゆでて食べる
◎精油は、砕いた種子(実際は果実)を蒸留して抽出。
【効能・効果】 (フェンネル)
<1>駆風剤で消化剤:
①吐き気
②消化不良(フェンネルティー)
③鼓腸
<2>腸の平滑筋を強壮にする:大腸炎
<3>蠕動運動を強化させる:便秘
<4>食欲を減退させる:ダイエット
<5>尿路結石(尿の滞留を防ぐ)
<6>尿路系の殺菌消毒剤
<7>利尿剤:浮腫、肥満、尿砂
<8>疝痛
<9>しゃっくり
<10>胸焼け
<11>皮下脂肪の中に毒性老廃物と体液が蓄積され『オレンジ皮肌』と呼ばれる 特徴的なシワを治す
<12>月経周期を正常に規則的にする
<13>月経前症候群
<14>副腎がエストロゲンを生産するように刺激する
<15>授乳中の母乳の出をよくする。
<16>赤ん坊の疝痛(ハーブティ-)
<17>母乳の分泌を促進(ハーブティ-):フェンネル油は植物ホルモンを含有し ていて、更年期障害と月経前症候群に有効で、また母乳の生産を刺激しま
す。
<18>目薬:疲れ目・目の痛み
【注意】
<1>6歳以下の子供には、使用不可。(メランチン)
<2>テンカン患者も使用不可。
【参考】
〇アニス・キャラウェイ・コリアンダーなどと同じセリ科。
〇アニスには毒性があるが、フェンネルにはありません。
フォールスユニコーンルート
【学名】Chamaelirium luteum (Helonias dioica)
【英名】False unicorn root、helonias blazing star
【利用部位】根茎・根。
【成分】ステロイド系サポニン(カマエリリン)
【効能・効果】
精力増強剤:インポテンツ
女性の受精能力の向上
重圧感を伴う月経障害
流産防止
【参考】
ユニコーンルート(Aletris farinosa)と混同される。
プチグレン petitgrain
■精油は、ビターオレンジ(Citrus vulgaris 又はCitrus bigaradia)の木の葉及び小枝の 先端部分から蒸留して得ます。
■この木はまた「ネロリ」も提供してくれます。
【効能・効果】(精油)
パニック状態
不安
ドキドキ
不眠症
性的障害
ブナ
■活性酸素の派生を抑制
「欧州ブナの小さな芽(幼芽)から水で抽出したエキスには、細胞が凍結するのを防ぐグリコプロテインというタンパク質や、フラバノンなどのポリフェノールが含まれている。」2000.6.13《日経産業新聞》
ブナハリタケ
■血圧を下げる
「ブナハリタケは主に東北地方に育成する扇形のキノコ。キリンビールがラットも用いた実験で、血圧の高い個体だけに血圧降下作用が働くことを確認。ブナハリタケに含まれるタンパク質『ブナハリ・ジ・ペプチド』がこの酵素の働きを阻害するという。」2000.5.9《日経産業新聞》
ブラウンジャスパー
◎女性のホルモンの働きを助ける(D・L・メラ)
ブラジルカンゾウ抽出物
(ブラジルカンゾウの根から得られた、ペリアンドリンを主成分とするものをいう。) ペリアンドリン ブラジルカンゾウ マメ科ブラジルカンゾウ(Periandra
dulcis MART.)の根より、水で抽出したものより得られたものである。甘味成分はペリアンドリンである。 甘味料 Brazilina licorice
extract
ブラジルナット (Brazil nut,Bertholettia excelsa)
(参照→「アルツハイマー」
◎レシチンの含有量が多い。
ブラジルナッツはレシチンを多量(乾燥基準で10%)に含みます。レシチンを含有するハーブにはブラジルナット以外に、セイヨウタンポポの花、ケシ(poppy)の実、ダイズ(soybeans)及びリョクトウ(mung
beans)。
ブラックコホシュ Black cohosh
キンポウゲ科
【学名】Cimicifuga rasemosa (L.)Nutt.
【英名】
【別名】(アメリカショウマ)
【利用部位】乾燥根、乾燥根茎。
【作用】月経障害改善作用
更年期障害改善
鎮静作用
鎮痙作用
解熱作用
【成分】トリテルペン配糖体:アクテイン
シミゴシド
樹脂(キミキフギン):血管を拡張し、血圧を下げる。
サリチル酸塩
イソフェルラ酸
タンニン
ラヌンクリン(アネモニンに変わる)
精油
【効能・効果】
<1>神経痛
<2>中枢神経を鎮静させる(アネモニン)
頭痛
耳鳴り
<3>抗ケイレン作用
<4>生理痛・出産痛
【注意】
<1>妊娠中は不可。
<2>分量が多すぎると、激しい頭痛・めまい・視覚障害・心拍数の減少・吐き気 ・嘔吐を引き起こす。
■相互作用
[鉄剤]・・・造血作用が減弱
以下の薬物の血中濃度が上昇する・・・CYP2D6活性を7%阻害する。
[アミトリプチリン]
[イミプラミン]
[ハロペリドール]
[フルフェナジン]
[フレカイニド]
[プロバフェン]
[ベルフェナジン]
[メトプロロノール]
ブラックペパー black pepper
【学名】Piper nigrum
東アジア原産
【効能・効果】
鎮痙作用
駆風作用
強壮作用
消化管の不調を治す
腎臓を刺激し利尿作用がある
脾臓を刺激し;貧血
ひどい出血
筋肉痛
ブラックルート
【学名】Leptandra virginica
【英名】Black root、culver'root、bourman's root、physic root
【使用部位】乾燥根。
【成分】苦味質(レプタンドリン)
サポニン配糖体
精油
タンニン
樹脂
【効能・効果】
肝臓疾患
黄疸
心身の倦怠感
【注意】
生の根は、瀉下・催吐作用がある。
ブラッドストーン BLOOD STONE
=「血玉石」
⇒ジャスパーの仲間の中で一番有名。
深紅色またはオレンジ色の酸化物の斑点を散りばめた濃い緑色の石英の一種。
二酸化珪素が主成分。
◎エジプトのヘリオポリスでよく採れたため、キリスト時代以前は[ヘリオトロー プ]の名で知られていました。ヘリオトロープとは“太陽の回転”を意味します。
■古代ローマ人は、日食観測用の鏡にこの石を使った。
◎半貴石とみなされている。
◎イエス・キリストが十字架にかけられたとき、その傷口からしたたる鮮血が緑色の地面に 落ちて石に変わったものがブラッドストーンであり、ここから「血玉石」と名付け られた。
◎(D・L・メラ)
<1>エネルギーの流れを刺激し治癒に向ける。
<2>血の病気や血止めに効く-----外傷に役立つ
<3>血行を促進し、
1)血行を促すには、冷たい水に浸けてから、患部に当てました。
2)ペンダント
3)お尻のポケットに入れる。
<4>出血を止める。
<5>ケガ、病気の予防。
◎治療効果
<1>目の充血
<2>日射病
<3>頭痛
<4>ストレスから来る心の傷
<5>ストレスから来る心臓発作
◎エジプトの医師兼祭司は、作末し蜂蜜に混ぜると、腫瘍を治し、どのような出血も 治すと信じていた。
◎“ひっくり返す”石ともなります。
エネルギーを動かす強力な石です。巨大な地ならし機械のように、この石は障壁 を次々に崩してあなたを前進させます。
◎この石の赤い斑点は鉄分によるもので、鉄はあなたの血の主成分です。
◎ヒーリングを仕事にしている人は、仕事中にこの石を身につけることが勧められ ます。(D・L・メラ)
◎(D・L・メラ)の経験
「何年か前、院外活動をしている女性活動家の友人が、仕事からひどいストレ スを受けていました。彼女の代表する依頼人たちが、地域開発開発計画が今後 起こす問題について政府側との間で対立を起こしていました。依頼人たちは問 題の即時解決を求めていましたが、政府側の代表者はまったくその姿勢を見せ ていませんでした。
彼女は私の宝石コレクションの中から大きなブラッドストーンを見つけ出し ました。それは緑のジャスパーの半分以上に鉄分の赤い大きな斑点が散らばっ ているものでした。彼女はこの石を借りるとバッグの中にしまい、交渉の問題 を解決するために出ていきました。その日は、たびたびバッグの中の石に手を 伸ばし、交渉がうまくいくよう願いながら石を指先でこすりました。“はい”or “いいえ”を出すだけでしたが、沢山の問題が途中で邪魔をしていました。と ころが、突然流れが変わって、肯定の裁決が下されたのです。彼女は務めを全 う出来て大変な喜びようでした。
その翌朝、彼女は石をバッグに入れたまま、私のオフィスにやってきました。 助けてくれた石を財布から取り出した時、2人とも、石の変わり様にビックリ しました。色が全く変わってしまっていたのです。石は相変わらずの緑色でし たが、赤い部分はすっかり脱色して白くなり、ほとんど残っていませんでした。 「Dorothee
L.MELLA “STONE POWER”より」
◎応用:活力の滞り。
心のブロックを取り除く。
■リーディング(レノーラ・ヒュイット)
「この石の性質は、深くクンダリニー中枢に作用する。しかしすでにクンダリ ニーが覚醒した人のみが使わなければならない。」
「この石の治癒力は、諸中枢の整列、人にある幾層もの体を整列させることと 定義できる。完全な肉体の治癒が起こるためには、多くの領域での霊的整列 が必要とされる。これは、特殊な病気に効く石ではなく、全てのものを整え る」
「治癒に使う場合、石をルースにして手に持つ必要がある。患者をテーブルの 上にうつぶせにさせ、各椎骨の上で石をゆっくり隔日に円を描くようにして 動かすのである。そうすれば背骨に沿ってエネルギーが上昇してくる。」
「石の形は、卵型で底は平らな、カポッションの形にすると良い。又21面体 にカットする。各寸法は[2:1]の割合、例えば長さが5cmとすれば、幅が 2.5cm。これは大切な比率である」
■リーディング (ジュリア・ロルッソ)
「この石は身体の治療剤、精神のバランス剤として強力な力を持っている。」
「誰であれ血中に鉄分の不足があればそれを調和させる」
「この石は精神と感情の領域にも入っていく。脳組織を活発化させ、酸素の循 環を保持することで、精神は刺激を受ける。鉄分がエーテル体の中に注がれ て素早く効果的な吸収を起こさせるから」
ブラッドルート
【学名】Sanguinaria canadensis
【英名】Blood root、red root、Indian paint
(カナダワレモコウ)
【利用部位】乾燥根茎、乾燥根。
【成分】アルカロイド:
サンギナリン
サンギジメリン
ケレリトリン
プロトピン
ベルベリン
コプチジン
赤色樹脂
【効能・効果】
気管支カタル
【注意】
大量に服用すると有毒。
プラチナ Platinum
=「白金」
「世界最大の生産地・・・南アフリカ(141㌧) ロシア(26㌧)」世界の9割を占める
◎この金属にセットされた宝石はプラチナの持つ激しさに合うように強いエネルギ ーと輝きを放ちます。
◎相性の良い宝石
<1>ダイヤモンド
<2>ルビー
<3>エメラルド
<4>サファイア
<5>トルマリン強い肉体的、感情的な色。
■リーディング(ラマ・シング)
「プラチナは第四内分泌腺帯において大きく、とても豊かな作用を与え、第 三、第六中枢においてある程度まで作用を与える。」
「プラチナは又、松果体を高めるものをも含有し、それに幾らか改良を施す ことによって人の平衡状態に幾らか作用を及ぼすことが出来る。」
「気分が悪くなった時など、プラチナ板を額に付ければ地球の時間にして数 時間にして、大変興味深い変化が出てくることに気付くであろう。」
「太陽神経叢中央部に置けば、副腎分泌という意味でバランスを与え、肝臓 にも有益な作用を及ぼす。」
「しかし、プラチナも体内の微量元素の中にあまり含みすぎると、体は流体 部分に停滞を生じる。」
「一つ一つの元素がそれ自体の益を有するのである。何事も中庸なのだ。『病 は誤った気から』を想起せよ」
■リーディング(D・L・メラ)
「プラチナは最も貴重な金属であり、プラチナにはめられた宝石はプラチナ の強さに対処するために高いエネルギー、又は輝きを持つに違いない。ル ビー、エメラルド、サファイア、ダイヤ、トルマリンなどは、プラチナに よって乱されないエネルギーを持つ石である。」
「ダイヤモンドは強い輝きを」
「ルビーとトルマリンは高いエネルギーを」
「エメラルドとサファイアは、強力なエネルギーの力を持つ」
ブラーフミー Brāhmī (ツボクサ:オトメアゼナ)
=ア・ヴェーダでは、2種類の生薬がある。
(1)Hydrocotyle asiatica L.ツボクサ セリ科
(2)Bacopa monniera Wettst. Scrophulariaceae オトメアゼナ、コマノハグサ科
◎ツボクサは声を良くし、オトメアゼナは記憶力を良くする。
◎成分:
「ヘテロサイド」サポニン配糖体
「アシアティコサイド」抗菌物質で肉芽形成促進作用
「トリテルペン酸」
「インドセンテロサイド」配糖体
「ハイドゥロコティン」アルカロイド
「ペクチン酸」
「VC」
「ヴェラリン」苦味質
「タンニン」9%
「ショ糖」「精油」「樹脂」
フランスギク→「オックスアイデージー」
ブリ
=鰤魚(しぎょ)
○「沖ブリ」・・・偽物。ニュージランド沖など、南半球で捕れる「シルバーワレフ」がその正体。イボダイの仲間である。
(吾妻博勝著「鯛という名のマンボウ アナゴという名のウミヘビ」p111)
【効能・効果】
○五臓の補益剤。
「煮ても煎じても良い。」
■魚の寄生虫----経口投与の駆除剤
「バイエル(東京港区)と協和発酵は9日、ブリなどスズキ目魚類の体表面に寄生する寄生虫を駆除する経口タイプの寄生虫駆除剤を発売する。バイエルが人体・動物用として販売してきた有効成分を、両者の共同開発で水産駆虫用で初の経口投与剤として製品化した。水産養殖業者などに売り込む。
バイエルからは「水産用ハダクリーン」、協和発酵からは「水産用ベネサール」の商品名で発売する。有効成分はバイエルが輸入し、両社が製造する。
人体、犬猫用の寄生虫駆除剤として使用してきた有効成分『プラジクアンテル』を使用。ブリ・カンパチ・シアジなどスズキ目魚類の飼料に混ぜて経口投与することで、薬剤が体内から体表に移行し、体表に付着する寄生虫『ベネデニア・セリオレ』(通称はだむし)を駆除する。
同寄生虫が魚の体表に付着して寄生すると、体表がビランし出血を伴うなど病原菌の感染機会が増え、二次被害を起こしやすくなる。
これまでは魚を短時間過酸化水素製剤を入れた浴槽につけることで対処していたが、魚に与えるストレスが大きいほか、魚を移し替える労力が問題になっていた。」2000.3.9《日経産業新聞》
■細菌性溶血性黄疸
19880年代から西日本を中心にブリ養殖場で広がり、年間数億円の被害が出ている。水産総合研究センター・増養殖研究所は東京海洋大学や大分県農林水産研究指導センターとワクチン開発を進めてきた。
いけすでは、とうしても魚の密度が高くなるため、細菌やウイルス、寄生虫などによる感染症が広がりやすい。発生すると抗生物質などの薬剤を使わなければならなくなる。
養殖業者を悩ませる魚類の病原体は100種類以上あるが、予防するワクチンが開発されているのは9種類だけ。
病原体の多くが培養しにくいという特徴があり、現在のワクチン生産法では対処できない。
そこで、増養殖研は病原体のゲノムに、目をつけた。病原体が作るタンパク質を解析し、病原体から身を守る免疫機構に関係するタンパク質を割り出す。このタンパク質を人工的につくって魚に投与すれば、免疫細胞が記憶して、感染した細菌を攻撃するようになる。
ブリの赤血球を壊して黄疸を起こす細菌のゲノムを次世代シーケンサーで解析した。1500以上の遺伝子を見つけ、その中から細菌の表面に現れるタンパク質427個を予測した。これらのタンパク質を合成し、ワクチンとして効果があるかどうか試している。
プリムラ
【学名】Primula veris
【英名】Cowslip、keyflower、palsywort
(キバナノクリンザクラ)
【利用部位】花、根。
【成分】<1>サポニン及び配糖体:
プリムラベロサイド
プリムベロサイド(サリチル酸塩を含む)
<2>精油:
プリムラカンファー:花の匂いを嗅ぐだけで以下の効果がある
不眠症
神経の緊張を緩める。
<3>フラボノイド
【効能・効果】
不眠症
シロップ剤:麻痺を治す。(palsy=麻痺。wort=草を意味する)
はしか:花
頭痛:花のハーブティ。
日焼け:花の軟膏。
関節炎(根を使用)
百日咳
気管支炎
ブリンガラージャ Bhŗńgarāja (タカサブロウ)
=湿気の多いヤブなど、水分のある日陰に生育する1年生草本。
【学名】Eclipta alba Hassk.
【科名】Compositae.キク科
◎毛髪の強壮剤として知られる。利尿作用・強壮作用がある
◎適応
せき
喘息
皮膚疾患
浮腫
貧血
肝疾患(この生薬は肝臓の薬に必ず加えられる)
脾臓疾患
痔核
頭痛
◎中国医学で
肺機能を整え、腎臓を強化し、熱を一掃し、解毒する。また血液を冷まし止血する。
・肺結核
・肝炎
・胃腸炎
・結膜炎
・膀胱炎
・泌尿器系
・腫瘍
・蛇毒
・喀血、吐血、血便、血尿など出血
フリンジツリー
【学名】Chionanthus virginicus
【英名】tringe-tree、snowdrop tree
(アメリカヒトツバタゴ)
【使用部位】乾燥根皮、乾燥樹皮。
【成分】サポニン
フィリリン(リグナン配糖体)
【効能・効果】
苦味強壮薬
肝臓・胆嚢疾患
胆汁の分泌を促進
胃液の分泌を促進
緩下作用
間歇性の発熱
腺熱(単球増加症)
ブルーベリー Vaccinium corymbosum
(参照→「ビルベリー」)
◎ツツジ科スノキ属(Vaccinium)のなかで果実が青~藍黒色に熟すグループをブル ーベリーと呼び、日本のクロマメノキも同じ仲間。
◎原産地:北米およびカナダ東部の砂漠地帯。
◎種類:
■活性酸素を除去
「天然ブルーベリーの業界団体である、北米ワイルドブルーベリー協会のジョン・ソーベ代表が21日、東京で会見し、ワイルドブルベリーに高い老化防止や抗ガン作用を持つ可能性があることを動物実験で明らかにしたと発表した。今後、機能性食品として日本などで市場拡大に取り組む。
同代表によると、動脈硬化やガンを引き起こすとされる活性酸素をどれだけ除去出来るか分析した。イチゴやホウレン草など40種類の果物・野菜と比較した結果、ワイルドブルーベリーが最も作用が強かった。
70歳の人間に相当する高齢マウスに8週間与えたところ、筋力や平衡感覚が、与えなかったマウスよりも向上した。こんごはヒトの飲用試験も進める。
ワイルドブルーベルーは、米メーン州都カナダ東部で育つ野生種で年間収穫量は約6万トン。にほんにはそのうち約2割を輸出している」2001.5.22《日経産業新聞》
ブルーベリー葉抽出物
(ハイブッシュブルーベリー又はロースィートブルーベリーの葉から得られた、フラボノイドを主成分とするものをいう。) ツツジ科ハイブッシュブルーベリー(Vaccinium
corymbosum LINNE)又はロースィートブルーベリー(Vaccinium angustifolium AIT.)の葉より、エタノールで抽出して得られたものである。主成分はフラボノイドである。
酸化防止剤 Blueberry leaf extract
■大腸ガンを予防
「ブルーベリーに含まれる化合物が大腸ガンの予防に効果を持つ可能性があることが、米ラトガーズ大学と米農務省の共同研究でわかった。
テロスティールビーンと呼ばれる化合物で、市販の大腸ガン予防薬よりも副作用を少なくできると期待される。
テロシティールビーンを与えたマウスの場合、ガンにつながるおそれのある大腸内部の損傷が通常の食事を与えたマウスに比べて57%少なくなったという。この化合物は大腸細胞の増殖を抑え、炎症を起こす遺伝子を働かせない効果があり、大腸ガン発症のリスクを小さくできるという」20073/28産業
ブルーフラッグ
【学名】Iris versicolor
【英名】Blue flag、flag lily
◎乾燥した根茎。
【成分】苦味樹脂(イリジン)
精油
デンプン
サリチル酸
アリカロイド
タンニン
【効能・効果】
血液浄化薬
ブルーコホシュ
【学名】Caulophyllum thalictroides
【英名】Blue cohosh、squaw root、papoose root、blue ginseng、yellow ginseng
【利用部位】根および根茎。
【成分】アルカロイド
シスチン:カウロフィリン
バプチホリン
アナギリン
ラブルニン
カウロサポニン
樹脂
【効能・効果】
月経停止期の生理痛
陣痛
関節炎
胃痙攣
【注意】妊娠中は専門家の指導意外では服用してはいけない。
【参考】北アメリカインディアンの女性は、分娩の数週間前、お産を軽くするために 用いた。
プルームアゲート PLUME AGATES
=羽めのう。
⇒モスアゲートの一種。
◎火のように赤いガラス状の羽毛がまるで輝くように石の中を貫いています。
◎独創的イメージ作りに、あなはが望んでいることを心の中に映像化させ、その目 標を遂げる手助けをします。
◎(D・L・メラ)
「血管の強化」
「仕事探しの石:ポケットに忍ばせましょう。」
◎応用:理由の分からない恐怖心。
ブルーレースめのう
◎体液のバランス(D・L・メラ)
プルメリア
=キョウチクトウ科。有毒植物の1つ。
ハワイでレイに使われる
プルーン
(参照→「すもも」)
界 : 植物界 Plantae
門 : 被子植物門 Magnoliophyta
綱 : 双子葉植物綱 Magnoliopsida
目 : バラ目 Rosales
科 : バラ科 Rosaceae
属 : サクラ属 Prunus
種 : セイヨウスモモ P. domestica
■グルジア
「プルーン(西洋スモモの一種)はグルジアが発祥の地。トマケリ、クルアビ、チャンチュリなど種類も豊富。そのまま食べたり、保存食として乾燥させたり。
グルジアの食事
肉と一緒にパセリなどをたくさん食べる。調査に訪問した季節がまさにブドウの収穫期だったこともあって、宴会では大皿にこぼれんばかりりのブドウが出てきた。
しばらくして気づいたのだが、我々のテーブルにはブドウの皮や種がだんだん増えていくが、地元の人たちのテーブルは一向に汚れていない。ブドウを食べていないわけではなく、皮や種までまったく気にせずに丸ごと食べ尽くしていた。
この食べ方は健康にはベスト。ブドウの皮には食物繊維が多く、種にはコレステロール値を下げる不飽和脂肪酸や抗酸化栄養素が入っている。ただ、なれないと下痢する。
子牛や羊など肉の食べ方もユニークだ。代表的な肉料理「ハシュラマ」は、肉の塊を大量にお湯の中で煮立ててつくる豪快な料理だ。脂肪分をほとんど落とし、タンパク質になった肉に、ジャムをタップリつけて食べる。
ジャムといっても甘くない。プルーンがベースで、ニンニクやニラ、タマネギなども入っているという。一方、独自の香木を串に使った串焼きのシシカバブ。脂を落とし香辛料で味付けする。香味野菜と一緒に食べる。塩味だけで食べると、肉に脂肪分の吸収を高め、動脈硬化や肥満になりやすくなる。
(家森幸男・武庫川女子大国際健康開発研究所長)2006.6.4《日経》
フレンチソレル
【学名】Rumex scutatus
【英名】French sorrel(フレンチソレル)
【和名】マルバスイバ
【原産地】ヨーロッパ、アジア
ブロッコリー
■胃ガン予防効果
「米ジョンズホプキンズ大学の研究チームが、野菜のブロッコリーに「ヘリコバクター・ピロリ菌」を殺す作用があることを発見、28日付の米科学アカデミーに発表した。」2002.5.28《日本経済新聞》
■ブロッコリーの芽
「カイワレ大根やハーブなどを生産する村上農園(広島市)は、健康食材として伸びているブロッコリーの芽「ブロッコリースーパースプラウト」の生産能力を5倍に高める。
ブロッコリースーパースプラウトは現在、大井川野上(静岡県焼津市)で生産・出荷している。発芽後3日前後のブロッコリーの芽の部分で、ガン予防につながる物質など有用な成分を多く含むと言われ、最近、消費者の人気を集めている。
スプラウトは米国で開発された新野菜。」2003.1.16《日経産業新聞》
■関節炎に
「米ジョンズホプキンス大学の研究者らは、関節の炎症を防ぐ植物系の物質を発見した。ブロッコリ-などのアブラナ科の植物に多く含まれている。
これまで活性酸素や発ガン物質に対する生体の解毒作用を高める働きが知られていた。」2005.10.5《産業》
■免疫回復
「米カリフォルニア大学ロサンゼルス校のグループは、ブロッコリーに含まれる辛み成分『スルフォラファン』が老化で失われる免疫機能の回復を促進させることを発見した。
免疫機能が弱った年寄りマウスにスルフォラファンを投与したところ、若いマウス並みに免疫機能が回復した。
スルフォラファンが酸化を抑制する抗酸化反応を制御するタンパク質『Nrr2』と相互作用し、免疫システムの反応を高めているという。」
■新芽が急性肝障害に
「2008年、カゴメはブロッコリーの新芽(ブロッコリースプラウト)に急性肝障害を抑える働きがあることをマウス実験で確認。成果は日本食品化学工業学会で発表。
ブロッコリーには発ガン物質などを無害化する酵素があることは已に知られている。」
プロポリス
◎ヴァルロー(M.T.varro)紀元前116~28
「ミツバチが特に夏に巣箱の前部の入り口に仕切を作るのに用いる物質は、プロポリスと呼ばれている。プロポリスを医者は湿布を作るのに用いる。ヴィア・サクラ痴呆では、ハチミツよりもプロポリスの方が高く売れるくらいである」(農業論第3巻、第16章)
◎大プリニウス(23~79)
「腫れを引かせ、硬結をやわらげ、筋肉痛を治し、不治とも思われる傷を全治させる」(博物誌第20巻、第50章)
⇒ミチバチが集めた樹脂や花粉などに唾液を混ぜ合わせて作る蜂脂(ホウシ)で、蜂ヤニとも呼ばれ、ハチの巣づくりなどに使われる。ミツバチの巣箱内の温度は35℃に保たれているので、プロポリスが無菌状態を保っている。
「このプロポリスは打撲傷や化膿したただれに良く効く薬である」(アリストテレス)
【採集】
・コーカシアンは好んでプロポリスを集めるが、日本蜂(トウヨウミツバチ)はほとんど集めません。
・植物の芽や樹皮が採集源で、とくにポプラの芽や松の樹皮から好んで集めます。
・集める時期は春よりも、産卵育児が落ちつき、そろそろ越冬準備に取りかかろうとする時期が集中的に集めます。
◎品質:ブリックス41度。
◎成分:
1911年:[桂皮酸][桂皮アルコール][ワニリン]
↓以下はフラボノイド
1927年:[クリシン]
1964年:[ガランギン]
1969年:[アカセチン][ラムノシトリン][ピノシトロビン][サクラネチン]
1970年:[テクトクリシン][イサルピニン][ピノセンブリン]
[ケルセチン]
↑フラボノイド
・[クレロダン系ジテルペン]フラボノイド以外の抗ガン物質
(松野哲也・国立予防衛生研究室長)
・[カフェイン③フェネチルエステル]
◎実験:
・肉汁に10%のプロポリスを混ぜると、腸内細菌の発育を阻止する
(Derevici et al.1965)
・プロポリスのアルコール抽出液がA型インフルエンザウイルスを殺す(N.Ioirish et al.1965)
【外科的治療】
・殺菌力
・止血力
・組織再生力
・収斂性
◎ダニロフ(1978)
「680名の皮膚病患者に
①湿疹(170名→65名が有効)
②神経性皮膚炎(312名→146名が有効)
③栄養不良性潰瘍(65名→12名が有効)
④その他(133名→8名が有効)」
【内科的治療】
◎ガン
クヌト・オルセンという42歳のデンマーク人の男性は、1969年、ガンの宣告を受けた。流動食しかノドを通らず、コバルト照射を36回受けましたが、一向に好転に兆しが見えず、68kgあった体重が54kgに。に口内に潰瘍が2個所できた。その後も治療を続けたが効果が無かった。手術日の前6日目に、オルセンはプロポリスを服用し始めた。手術日になって検査を受けたところ、2個所の潰瘍はすっかり良くなっていたので、手術の必要が無くなった。その後、膵臓の炎症も発病したが、プロポリスを飲み続け、1972年11/28の検診で全快を宣告された。
◎出血
「56歳の女性が、子宮ガンの手術後、ベータートロンの放射線治療を65日間受けたが、直腸出血を起こし貧血がひどくなったので、一次放射線治療を中止、ビタミンkなどの投与を行ったが、出血は止まらなかった。そこでプロポリス療法に切り替えたところ、出血も止まり、ヘモゴロビンも上昇し、健康を回復した。」(1985年、ポチンコヴァが名古屋で発表)
◎肝炎:
「55歳男性。B型肝炎で入院。大量肝細胞壊死で劇症肝炎に近い重症で、GPT値は200を超えていた。プロポリスの服用で、劇的に回復。」
C型肝炎の場合はインターフェロンとの併用が有効(松野博士)
◎糖尿病:(松野博士)
■「プロポリスの成分中に“アンテピリンC”という物質が5%含まれており、フ ラボノイドなどとともに抗菌・抗腫瘍作用があることを、林原生物化学研究所 (086ー224ー4311)が発見。同時に、プロポリスからエキスを精製する時の条件を 変化させて効率的にアンテピリンCなどの有効成分を抽出し、水溶性を高めるこ とでこのような作用が働きやすくなる製造技術を開発した。1995.12.14《日経産 業新聞》より。」
プロポリス抽出物
(ミツバチの巣から得られた、フラボノイドを主成分とするものをいう。) ミツバチ科ミツバチ(Apis mellifera LINNE,
Apis indica RODOSZKOWSKI)の巣より、エタノールで抽出して得られたものである。主成分はフラボノイドである。 酸化防止剤
Propolis extract
■作用
1.抗菌・殺菌作用
傷口が化膿したり、あるいは食物などの腐敗を防ぐ抗菌・殺菌作用が、プロポリスの原点ともいうべき作用です。
なぜなら、ミツバチは自分たちの巣の中をプロポリスにより、無菌状態を保っているからです。
又、抗菌・殺菌作用の及ぶ範囲はとても広く、多くのバクテリアや細菌に対する効果が認められています。
すぐれた効果は、科学的な抗生物質でも退治する事の難しい、強い耐性を持った黄色ブドウ球菌の感染で起きるMRSA院内感染の予防や治療に、効果的であったというだったという実例からも分かります。
口内炎、歯周病、下痢、MRSA院内感染の予防、膀胱炎、やけど、けが…
」
2.抗ウイルス作用
インフルエンザ、風邪、B型・C型肝炎など…
3.鎮痛作用
頭痛、ケガ、神経痛、関節痛、末期ガン、帯状ヘルペスなど…
「ネコにひっかかれた深い傷はビリビリと激しく痛みますが、これにプロポリスをつけて痛みが収まったり、手術後の傷の痛みが軽くてすんだという報告があります。また、鎮痛目的でモルヒネ投与を行なう末期ガンの場合にも、プロポリスで痛みに苦しまずに余命を全うしたという例も数多く報告されています。
プロポリスは、「天然のアスピリン」と呼ばれるほど鎮痛作用の優れたものです。
アスピリンは、昔から解熱・鎮痛剤として使われてきましたが、その強さのため、胃が荒れて胃腸障害を起したり、使い方を誤ると耳鳴りや吐き気などの副作用が現れます。
その点、プロポリスは自然の中でミツバチが作り上げたものですから、副作用の心配は全くないのです。
又、長年しつこい頭痛に悩まされてきた人が、プロポリスを飲むようになって頭痛が消えたという報告があります。これは頭痛の原因であるプロスタグランジが体内で作られるのを、プロポリスが抑えるからだと言われています。
4.消炎作用
口内炎、胃炎、腸炎、慢性膀胱炎、気管支炎、やけど、筋肉痛など…
痛み、腫れ、発熱を起す炎症を伴った病気の改善に効果があったという報告が数多くあります。
実際、私もプロポリスを飲み始めてから、以前では、治るのに2週間以上かかった口内炎も、ですから、プロポリスが「天然の抗生物質」として、広い範囲において効力を発揮しているかが分かります。
例えば、抗ガン剤治療により起こる口内炎も、プロポリスによって治りが早くなったという数多くの報告が
あります。
また、有名な話ですが、旧ソ連の放射線研究所の研究者が、放射線による潰瘍性のやけどや、炎症を起している箇所に、プロポリスを配合した軟膏を塗ったところ、傷あとが残らずに完治したと報告しています。
その軟膏を放射線照射を行なう前に塗っておくと、やけどや、炎症を予防することもできたということです。 プロポリスのこうした消炎作用や炎症予防作用は、プロポリスが天然の抗生物質として、炎症の原因となる体内物質の生成を抑制したからかも知れません。
また、血行不良を改善することにより、炎症の原因を解消する作用を持っている為とも考えられます。
5.抗アレルギー・免疫調整作用
アトピー性皮膚炎、花粉症、ぜんそく、じんましん、リュウマチ、膠原病など
ブンタン(文旦)
ミカン科ミカン属
原産地:東南アジア
【学名】Citrus grands
【別名】ザボン、ボンタン
■相互作用・・・「グレープフルーツ」に類似
麩(フ)
■渦巻き麩
昭和になってからできた。渦巻きの形になった理由は、富山市にある池田食品が元祖。板麩では割れやすかったので。
■生麩(なまふ)
「作り方はいたってシンプルだ。まず小麦粉を水でこね、しばらくねかせる。 これを水で洗うとデンプンとタンパク質が分離する。この時取り出すタンパク 質はグルテン(麩素)と呼ばれ、これの餅米を加えて蒸したり茹でたりすると 生麩が感性する。1996.9.9《日本経済新聞》」
蕪
○性は平、味は辛、無毒。
【効能・効果】
<1>腸風
<2>痔瘻
<3>悪瘡
<4>疥癬
<5>三虫
<6>寸白虫
風蔕(ふうてい)
=風蒂
◎果菜を食べて病が胸膈中にあるときは、きれいに吐下する。又、痰涎が咽喉につ かえて、息苦しいとき、風蒂散で吐く。
鮒魚膾(ふぎょかい) 膾カイ=ナマス=細く切りたる肉。
【効能・効果】
○長い間続いている赤白痢・腸。
「醋・醤油・蒜を混ぜて食べる。」
茯神(ぶくしん)
【基原】白茯苓の中にマツの根が通っているもの。
【性味】白茯苓と同じ。
【薬性歌】“茯神補心善鎮驚 恍惚健忘怒恚情” 恚=(イ,いかる)
茯神は心を補い、善く驚悸を鎮む。恍惚、健忘に。兼ねて怒恚を除く。《万病 回春》
【効能・効果】
◎心を落ち着かせ、精神を安んじる。
<1>心悸不眠
<2>心虚健忘
◎魂魄を和らげ、精神を調養し、驚悸・健忘を治す。
「粉末にし2銭づつ酒で服用。」
「甘草水に漬けて煮たあと、骨は捨て肉を粉末にして毎回2銭を酒で服用。」
◎心病に
「粉末・煎服。」
◎小腸の不利を治す。
「煎じ・末服」
◎鎮静鎮痙薬で、養心寧神の効能。
鎮静作用は、酸棗仁より弱い。
【修治】
■皮木を去る。《万病回春》
【配合処方】
養心湯《証治準縄》
茯苓(ぶくりょう) PORIA
【処方名】:[茯苓][雲苓][雲茯苓][白茯苓]
【基原】伐採して3~5年経た松の根に生じるサルノコシカケ科 (Polyporaceae)のマツホド Poria cocos(Fr.)Wolfの菌核をそのまま乾燥。
マツホド:北アメリカでは古くからマツ(Pinus属)、モミ(Abies属)などの針 葉樹以外にもモクレン(Magnolia属),ミカン(Citrus属)、コナラ(Quercus属)、 ユーカリノキ(Eucalyptus属)などの広葉樹の根にも菌核を作る不完全菌類と して知られていたが、1922年にWolfが菌核上に子実体を形成させることに 成功し、子実体の形態からPoria属に移されPoria
cocos(Fr.)Wolfと名付けら れた。
☆松を切り倒した後の根に寄生する不完全菌類マツホド(サルノコシカケ科)の菌体。
★秋から冬にかけて、長さ90cmくらいの「茯苓突き」と称する鉄製の道具を、 枯れた松の切り株の周囲の土中に突き刺し見つける。
★赤茯苓:菌核の内部が淡赤色。(→赤茯苓)
【栽培】
気候土壌
温暖で通風が良く、乾燥し、日当たりの十分な山の斜面によく生える。
土壌は柔らかくボソボソで排水の良好な砂質壌土がよい。砂礫土と水はけの悪い粘土質土壌は栽培に適さない
【採集】
野生の茯苓は、一般に7月~翌年の3月までの馬尾松林中で採取する。
茯苓の生えている地面には、一般に以下のような特徴がある。
①松林の木の株周囲の地面が割れていて、叩くと中が空洞のような音がする。
②マツの付近の地面に白い菌糸がある(粉白の膜か灰状をしている)
③切り株が腐ったあと、黒紅色の横向きの亀裂ができる
④小雨の後切り株周囲の乾燥が早い。草が生えていない。栽培した茯苓は一般に接種してから2~3年で採集できるが、8月上旬に採集したものが品質が最も良い。
【性味】味は甘、性は平、無毒。[平・補・燥・降・収]
【帰経】心・肺・脾・胃・腎経。
【分類】利水滲湿薬。
【薬性歌】“茯苓味淡利竅美”
茯苓、味淡。湿を滲(もら)し、竅を利す。白きは痰涎を化し、赤きは水道 を通ず。《万病回春》
【効能・効果】
◎強壮、鎮静、利尿剤
<1>胃を開いて嘔逆を止める。
<2>心神を安らげる。
<3>肺痿
<4>痰壅を治す。
<5>腎を丈夫にする。
<6>小便の通りを良くする。
<7>水腫を下す。
<8>淋結を下す。
<9>消渇
<10>健忘を治す。
◎利水滲湿、脾を補し、心を安んず。
◎長く常用すると、不飢・延年・不老となる。
「白茯苓に白菊花、或いは白朮を混ぜて丸めて任意に飲む。又は白茯苓に 皮を剥いて(酒浸)し15日目に取り出して粉末にし1日3回、3銭づつ 水で服用。」
◎自汗・盗汗を治す。
「白茯苓を粉末にし、烏梅・陳を煎じた湯出2銭服用。」
◎五淋と小便不利を治す。
「煎・末服。」
◎淡味は竅を利し、甘味は陽気を助ける。
◎秘精剤・心虚夢泄剤として。:(酒浸)して光明砂とつかう。
「細く砕いて毎回4銭づつ1日3回、米飲で服用。」
◎穀物を食べなくても良く、飢えない。
「大麦麺1斤に茯苓末4両を混ぜ、生の牛乳を混ぜ四角い餅状に作り、熟 して食べる。100日間はもつ。」又「白茯苓末4両・白麺2両を水に混 ぜて黄を油の代りに煎じて餅を作って食べ、3日後に脂麻油を飲むと 胃腸を潤す。」
◎ソバカスをなくし、顔色を良くする。
「作末して蜜であえて塗る。」
【修治】
■(去皮)《万病回春》
【成分】
菌核には
β-パヒマンが含まれ、乾燥重量の約93%を占める。
また、トリテルペノイド化合物のパヒマ酸、ツムロース酸、3β-ヒドロキシ-ラノスタ-7.9(11)、24-トリエン-2-酸を含む。
このほか、植物ゴム質、キチン質、タンパク質、脂肪、ステロール、レシチン、ブドウ糖、アデニン、ヒスチジン、コリン、β-パヒーマン分解酵素、リパーゼ、プロテイナーゼなどを含む。
【薬理作用】
<1>利尿作用:
「細胞内と細胞間質のイオン交換を促し、細胞間質液のイオン濃度を高め る酵素の作用を増強する」
「イオン濃度を調節する水分代謝酵素を活性化し、細胞間に余分な水分が たまる浮腫を改善・防止する」
(中薬大辞典)
◇茯苓煎剤3g/臨床常用量・・・
ヒトに利尿作用は全く無く、
イヌに煎剤を0.48g/kg静脈注射しても尿量は増加しない。
ラットにも無効もしくは非常に弱い。
ウサギに煎剤を内服させても尿量は増えない。アルコール抽出液をウサギに腹腔注射すると利尿作用がある。
◇五苓散
は長期の輸尿管瘻のイヌ(静注)やヒトやウサギ(煎剤経口)、ラットにアルコール抽出液を経口投与しても明らかな利尿作用を示す。
<2>抗菌作用
<3>腸管弛緩作用
<4>抗ガン作用
【薬能】
《神農本草経》
“胸脇逆気、憂驚邪恐悸、心下結痛、寒熱、煩満、咳逆、口焦舌干を主り、 小便を利す”
《薬性提要》
“脾を益し、湿を除き、心を補い、水を行らし、魂を安んじ神を養う”
《古方薬議》
“津を生じ、逆満を瀉す”
《薬徴》
“茯苓、悸及び肉筋を主治するなり。”
“旁ら小便不利・頭眩・煩躁を治す。”
[肉筋]=筋肉がピクピク動くこと。
[]=まばたきすること。
[]=おそれおののくこと。
[頭眩]=めまい。
“曰く、心下悸。曰く、臍下悸。曰く、四肢聶聶として動く。曰く身動。曰く、頭眩。曰く、煩躁。一に是れ皆悸(=動悸)の類なり。小便不利して悸する者に、茯苓を用ふれば則ち治す。その悸の証なき者に之を用ふれば、則ち未だその効を見ず。然れば則ち悸は、茯苓の主治するところにして、小便不利は則ちその旁治なり。頭眩・煩躁も亦然り。”
“赤白補瀉の説、之れ臆の断ずるところなり。従ふべからず。”
《重校薬徴》
“利水を主る。”
“故に能く停飲、宿水、小便不利、眩、悸、動を主治し、煩躁、渇不利、 咳、短気を兼治す”
“心下悸する者、下悸する者、四肢聶々として動する者、身動する者、 頭眩する者、支満逆満する者、宿水涎沫を吐する者、嘔吐して渇する者、 下利する者、短気煩躁する者、皆水飲の症なり。故に茯苓を用う。則ち小 便快利し、其の患う所脱然として治す”
《勿誤薬室方函口訣》
“本草に云う、茯苓、主煩満と”
《中薬大辞典》
“湿を滲じ、利水し、脾と胃を益し、寧心し、神を安じる”
“小便不利、水腫脹満、痰飲咳逆、、泄瀉、遺精、淋濁、驚悸、健忘を 治す”
《荒木正胤》
“茯苓は地中の腐朽しかけた松の根に寄生する菌類の一種。この薬は筋肉の 内部に隠れて見えない水毒を去るのに用いる。”
《中薬臨床応用》
“痰飲には必ず茯苓を用うべし”
【比較】
<1>白茯苓:利水滲湿、脾を補う。
<2>赤茯苓:清熱利湿。
《陶弘景》“白色は補し、赤色は利す”
《張元素》“赤は瀉し、白は補す”
《李時珍》“赤は血分に入り白は気分に入る”
<3>茯苓皮:利水消腫、補益性はない。
<4>茯神:鎮静鎮痙薬で、養心寧神する。(→茯神)
<5>茯苓は利水・滲湿・補脾寧心。猪苓は利尿、除湿。
【考徴】
(半斤)
苓桂甘棗湯証=臍下悸(臍の下の動悸)。
茯苓戎塩湯
茯苓沢瀉湯(茯苓・沢瀉各4、朮・生姜各3、桂枝2、甘草1.5)
☆茯苓戎塩湯・茯苓沢瀉湯、各茯苓半斤を用ひ、以て主薬となす。しかも茯苓の証を挙げず。苓桂甘棗湯も亦茯苓半斤を用ひて臍下の悸の証あり。その他茯苓を用ひて主薬となしものは、各(おのおの)悸・眩・動の証あり。いわんや二方において多く茯苓を用ひ、しかも若(かくのごとき)の証なかるべけんや。その証脱するや必せり。
(6両)
防已茯苓湯証=四肢聶聶として動く。
[四肢聶聶]=手足が木の葉が風にゆれるように動く。
茯苓四逆湯証=煩躁。
(4両)
苓桂朮甘湯証=身振振として揺をなす。又云ふ、頭眩。
[身振振]=からだが揺れる。
苓桂五味甘草湯証=小便難。
苓姜朮甘湯
“苓姜朮甘湯方は、是れ苓桂朮甘湯の、姜を以て桂に代ふるものなり。しかして苓桂朮甘湯に、身振振たる揺をなすの証あり。此れ桂の主る証にあらずして苓の能く治するところなり。然れば則ち苓桂朮甘湯条は、此の証を脱するや明らかなり”
木防已去石膏加茯苓芒硝湯
“木防已去石膏加茯苓芒硝湯方は、是れ防已茯苓湯の、黄蓍・甘草を以て人参・芒硝に代ふるもの、しかして防已茯苓湯に四肢聶聶として動くの証あり。是れ黄蓍・甘草の主る証にあらずして、茯苓の主治するところなり。是れに由って之れを観るに、此の湯四肢動の証を脱するや明らかなり”
小半夏加茯苓湯証=眩悸。
半夏厚朴湯
“半夏厚朴湯は、是れ小半夏加茯苓湯に更に厚朴・蘇葉を加ふるものなり。然れば則ちその眩悸の証を脱するや明らかなり”
(3両)
茯苓杏仁甘草湯
“茯苓杏仁甘草湯方は、是れ苓桂朮甘湯の、桂朮を去り、杏仁を加ふるなるものなり。然れば則ちその茯苓の証を脱するや明らかななり”
茯苓飲
“茯苓飲は苓を以て主となす。しかしてその証を挙げず。他の例を以て之れを推すに、心下悸して痞硬、小便不利、自ら宿水を吐する者、此の湯の主治するところなり”
括蔞瞿麦丸証=小便不利。
葵子茯苓散証=頭眩。
真武湯証=心下悸・頭眩・身動。
附子湯
“附子湯方は、是れ真武湯の姜を去って参を加ふるものなり。真武湯条に心下悸・頭眩・身動の証あり。然れば則ち此の湯の条、若(かくのごとき)の証を脱するや明らかなり”
桂枝去桂加苓朮湯証=小便不利
(2両)
茯苓甘草湯証=心下悸。
(18銖)
五苓散証=臍下悸あり、涎沫を吐して癲眩す。
[癲眩]=めまいがして倒れる。
(等分)
猪苓湯証=小便不利、心煩。
桂枝茯苓丸証=胎動。
[胎動]=胎児が母の腹中で動く。
“桂枝茯苓丸証に曰く、胎動臍上に在りと、為則按ずるに、蓋し謂ふところの奔豚なり。しかして憶測すべからず。旁例を以て之れを推すに、上衝。心下悸・経水変あり、或は胎動の者、此の丸の主るところなり。”
【薬対】
『茯苓+遠志』
『茯苓+甘草』
『茯苓+苦参』
『茯苓+桂枝』=鎮静作用。動悸、不眠、不安、咳逆に。苓桂朮甘湯
『茯苓+広木香』
『茯苓+山薬』
『茯苓+車前子』
『茯苓+沢瀉』
『茯苓+猪苓』
『茯苓+人参』
『茯苓+半夏』
『茯苓+白朮』=利水作用。小便不利による浮腫に。五苓散
『茯苓+陳皮』=健胃強壮作用。下痢、腹満、嘔吐、食欲不振、四肢倦怠に。六君子湯。
【配合処方】
安中散
五苓散《傷寒論》
茯苓飲
茯苓甘草湯
茯苓四逆湯《傷寒論》
茯苓沢瀉湯
茯苓補心湯
【品質】
《重校薬徴》
“茯苓は本邦各処に出ず。重実して白く、微かに淡紅色を帯ぶる者を良と為 す。陶弘景曰く、仙方に止(ただ)茯苓と云い、而して茯神なし。療を為す に既に同じ。之を用いて応に嫌うところなしと。斯の言や之を得、赤白補 瀉の説は古の無き所なり。従うべからず。”
茯苓皮(ぶくりょうひ)
(→茯苓)
【配合処方】
五皮飲《中蔵経》
伏翼
【効能・効果】
○長い間服用すると、いつも愉快で魅力ある人となる。
「焼くか。炙って食べる。」
○血をとって目に入れると眠れなくなる。
伏竜肝(ぶくりゅうかん)TERRA FLAVA USTA
【基原】華北一帯の黄土で作ったかまど(竈)の中央の焼けた土。
【性味】味は辛、性は微温。
【帰経】脾・胃経。
【分類】止血薬。
【効能・効果】
◎鎮、止血剤
<1>吐衂、崩帯、便血、尿血
<2>吐
<3>冷利腹痛
◎婦人の崩中と、帯下の止血作用をする。
「血露を治すのに、蚕砂・阿膠各1両、伏竜肝半両を粉末にし、温酒で2 銭服用。」
◎急な心痛。
「作末し温水で2銭服用。」
◎横産・逆産・腹中で胎児が死んで出ない症を治す。
◎小児の赤遊丹を治す。
◎妊娠悪阻
蝮蛇(ふくだ)
=反鼻
【基原】クサリヘビ科、マムシ(蝮蛇)の内蔵を除いた全体。
腹皮⇒「大腹皮」参照。
覆盆子
(参照→ラズベリー)
[薬性歌]“覆盆子甘益腎精 続嗣烏鬚目可明”
【効能・効果】
○腎精の虚弱を主に治す。
「蒸して乾燥して散・末・丸剤で服用。」
○補肝に効く。
「生でも粉末でも良い。」
○腎臓を強くし、暖める。
「(酒浸)し焙って薬に入れる。」
○顔色をきれいにする。
○力を強くさせる。
「末・丸服。」
○陰痿を堅くする。
「作丸して常服する。」
附子(ぶし)ACONITI TUBER
(参照→「ハチミツ」)
【処方名】:[附子][熟附子][附片][熟附]
【基原】中国四川省の山地に自生する多年草。
<1>中国産:
キンポウゲ科RanunculaceaeカラトリカブトAconitum carmichaeli Debx.の塊根 (子根)を
イ)そのまま乾燥:中国名「干附子、川附子」日本名「塩附子」
ロ)外皮を剥ぎ2縦割りしてニガリ水に浸けて乾燥:日本名「炮附子」
中国名「附子瓣、瓜片」
ハ)外皮を付けたまま輪切りにし、ニガリ水に浸けて乾燥:「順黒片」
「熟附片」
ニ)それを硫黄で白く晒す:「白附片」
<2>野生のもの:「草烏頭」「草烏」
<3日本産: 母根・子根を混ぜる。
イ)オクトリカブトA.japonicum Thunb.の塊根を乾燥:「草烏頭」
ロ)塩水に浸けて石灰をまぶして乾燥:「白河附子」
<4>韓国産:
イ)ミツバトリカブトの塊根を乾燥:「草烏頭」
ロ)キバナトリカブトの塊根を乾燥:「白附子」「関白附]
★トリカブトの古字=「菫」
【加工ブシ】
本品はキンポウゲ科のカラトリカブト並びにオクトリカブトの塊根を加工処理 して得られたものである。
[成分]アルカロイドとして0.7~1.40%:mono-ester型Benzoylaconin,Benzoymesaconin,Benzoylhypaconin等(約80%)その他少量のlkamin(asonin,mesaconin,hypaconin)を含む。
【性味】味は辛甘、性は大熱、大毒。熱補燥升散
【帰経】心・脾・腎経。
三焦・命門に入る《湯液本草》
手の厥陰・命門・手の少陽に入り、あわせて足の少陰・太陰の経にも入る。 また足の太陽にも入る《神農本草経疏》
足の厥陰肝経・足の少陰腎経・手の太陰肺経に入る《本草経解》
心・肝・腎《本草再新》
心・脾・腎経《中薬大辞典》
【分類】温裏寒薬。
【薬性歌】“附子辛熱走不留 厥逆回陽宜急投”
附子、辛熱。性走って守らず。四肢厥逆に陽を回らして功あり。《万病回春》
【効能・効果】(強心・鎮痛・利尿)
◎陽を回復し、逆を救い、火を補い、風寒湿邪を退ける。
<1>大汗亡陽
<2>四肢厥逆
<3>腎陽衰弱
<4>畏寒自汗
<5>心腹冷痛
<6>脾泄久痢
<7>陽虚水腫
<8>風湿関節疼痛
◎新陳代謝機能が沈衰した者を振起復興させる。
◎利尿、強心作用がある。
◎虚弱者の腹痛・下痢・失精に応用。
<1>三焦の厥逆
<2>六腑の寒冷。
<3>寒湿痿躄を治す。
【修治】
■厥冷回陽には:(生用)
■諸薬を引いて経を行らすには:麺に裹(つつ)み、火にてし皮臍を去り、四 片に切り、童便を用いて浸し透し、焼いて乾燥《万病回春》
【成分】
アルカロイド:草烏>川烏>附子の順に含有量。
<1>Aconitine Type:
イ)aconitine:毒性が強いが、加水分解されると、低毒性のaconineになる。毒 性は1/50~1/200に低下する。
ロ)mesaconitine
ハ)hypaconitine
ニ)jesaconitine
<2>Atisine Type:
イ)atisine
ロ)napelline
ハ)songorine
ニ)ignavine
ホ)hypognavine
ヘ)kobusine
【薬理作用】
<1>心臓運動抑制
<2>呼吸中枢抑制
<3>降圧作用
<4>強心作用
<5>冠血管拡張作用
<6>下肢血管拡張作用
<7>局部麻酔作用
<8>アドレナリンβ受容体刺激
<9>DNA合成率を高める
<10>性ホルモンを調整する。
【薬能】
《神農本草経》
“風寒、逆邪気、温中、金瘡を主り、堅積聚、血を破り、寒湿の躄、 拘攣膝痛し行歩能わざるを治す”
《張元素》
“附子は、白朮を佐薬として寒湿を除く聖薬である。”
“湿薬にすこし附子を加えて引経する”
“火の源を益してかげりを消すので、大便小便に適度を保つものは、烏頭や附子がよい”
《湯液本草》
“附子は、手の少陽三焦に入る。”
“命門の剤で浮中の沈薬であり、いたらないところは無い”
“味は辛、大熱。陽薬中の陽薬である”
“止まって伝達しない乾姜と違って、伝達して止まらない”
“身表が涼で、四肢厥する者でなければもちいてはいけない”
《朱震亨》
“気虚熱甚だしきものは、人参、黄蓍を用いて、附子を使用するのは少しでよい。”
“太っている人は多湿で、烏頭、附子を少し加えて経をめぐらすのがよい”
“張仲景の八味丸は附子で少陰経に導いている。地黄そのものに補薬としての働きがある。後世、附子をもって補薬としているのは誤りである。附子の性は走って守らず、ただ健悍走下の性を取って地黄の滞りをめぐらし、遠くへ結果をもたらすことが出来る”
《傷寒蘊要》
“附子は、陰証に対する要薬である”
“およそ三陰へ伝変した傷寒および中寒に陰の証を挟み、身に大熱があっても、脈沈なるものは必ずこれを用う”
“あるいは厥冷腹痛、沈細、甚だしく唇青く、陰嚢の縮む者は急いで附子を用いなければならない。陰を退け、陽を回復する力があり、起死回生の働きがある。近頃、陰証の傷寒に、たまたま似ていて疑わしいものには、あえて附子を用いようとせず、陰極まり陽が無くなるのを待って、これを用いるのでは、すでに遅い。そのうえ、夾陰の傷寒、内外皆陰、陽気がとみに衰えているものには、必ずその元気を益して、脈を健やかにする人参を急いで用いねばならない。附子は佐薬である。附子は経を温め、寒を散ずる以外には用いない。”
《虞搏》
“附子は、雄壮の質をうけ、斬関奪将の気を有するので、よく補気薬との配合により十二経を行らし、散失した元陽を回復する。”
“補気薬との配合により血分に入り、不足している真陽を滋養する”
“発散薬との配合により皮膚の汗腺を開いて、表にある風寒を駆逐する”
“温暖薬との配合により下焦に達し、裏にある冷湿を除去する”
《本草正》
“附子はよく諸経路に走ることによって、酒と同じ働きがある。”
“よく表裏の寒邪、厥逆、寒噤を除き、中焦を温め、陰を強め、五臓を暖め、陽気を回復する”
“格陽喉痺、陽虚して大小便通ぜず、月経不順、および小児の慢性のひきつけなどの証によい”
“大いによく火を引いて、元に戻し、熱を制伏する”
“よく人参、黄蓍を助けて薬効を表す”
“朮を補佐し、地黄の効果を引き出す”
“表証、裏証の区別なく、ただ脈細で気力の無いものに使用する。”
《本草彙言》
“附子は陽気をめぐらし、陰寒を発散する”
“冷痰を除去し、関節を通じる烈しい薬である”
“諸病が真陰不足になると火を上昇し、ノドに違和感を覚え、飮食入らず、寒薬を服すればますます悪化する。附子は命門を主る薬で、よく洞穴に入って招き、身体を暖めて元に戻す。ありあまる火は自然と消える。すべて陰虚陰極の候に属し、肺腎無熱の証にこれを服せば起死回生の効がある”
《本草経読》
“上焦は心肺、下焦は肝腎、中焦は脾胃から血肉、筋骨、営衛に及ぶ”
“寒湿を遠因とする病気にすべてよい”
《本草正義》
“附子は、本来辛温大熱である。その性はよく走るので、十二経をめぐる純陽の要薬である。”
《薬性提要》
“風寒を散じ、停水を行らし、頭風脳痛を治す”
《古方薬品考》
“裏を温め、痰を除き、水を利す”
《重校薬徴》
“水を逐うことを主る”
“故に悪寒、腹痛、厥冷、失精、不仁、身体骨節疼痛、四肢沈重痛を治し、 下利、小便不利、胸痺、癰膿を兼治す”
“《本草綱目》附子の条に神農は味辛と曰い、岐伯雷公は甘と曰い、別録は 甘大熱と曰い、李当之は苦大温と曰い、張元素は大辛大熱と曰い、李時珍 は辛温と曰う、五味の口に於けるや嘗めて能く弁知すべく、其の説同じか らざること猶此の如し、故に凡そ薬性を論じ其の寒熱温涼を云う者は皆諸 れ臆を断ず、其の説紛々として適従(テキジュウ、身を寄せる)すべからず、夫 れ仲景の附子を用いて水を逐うを以て主となす、故に熱あるの証と雖も、 苟も水気ある者なる時は則ち附子を用うること、麻黄附子細辛湯、真武湯、 大黄附子湯の如し、豈顕然として著明ならざらんや、学者諸を思え、孔子 は、名正しからざる時は則ち言順わず、言順わざる時は則ち事ならずと曰 う。医の理も亦然り、今の所謂中風は、古の中風にあらざるなり。仲景氏 は頭痛発熱汗出で悪風する者は名けて中風となると曰い、而して今の所謂 中風は則ち半身不随、口眼斜、或いは肢体疼重、拘急不仁する者なり。 其の目かに《金匱要略》に見ゆ、其の論は皆空理臆度にして徴するに足 ることなき者は、其の治方も亦備らず、附方中に載せる所の古今録験、続 命湯、千金三黄湯の如きは絶えて効験あることなし、是を以て爾来医人此 の証に未だ能く全効を収むる者を見ず、之を名けて正しからずとす。事将 に安んぞならんや、蓋し其の肢体沈重、拘急、不仁、不遂、口眼斜等は 皆仲景氏の附子剤を用うるの証なり、按ずるに烏頭桂枝湯の証に手足不仁、 身疼痛、灸刺諸薬治する能わずと曰い、桂枝附子湯及び去桂加朮湯の証に 身体疼痛掣痛し転側する能わすと曰い、甘草附子湯の証に骨節疼痛掣痛し 屈伸する能わずと曰い、、桂枝加附子湯の証に梔子微急以て屈伸し難しと 曰う。余毎に今の所謂中風、肢体沈重、拘急、不仁、口眼斜等の証を療 するに此の諸方を撰用して、一として中らざるなく、中れが則ち瞑眩す、 瞑眩すれば則ち疾随ってゆ、故に今の所謂中風は古の所謂中風に非らず して仲景氏の附子剤を用うるの証なり。”
《古方薬議》
“陽を回らし、寒を散じ、痛みを去る。陰証の主薬とす”
《勿誤薬室方函口訣》
“仲景、陰虚ニハ附子ヲ主トシ、陽虚ニハ人参ヲ主トス。後世ニテ云ヘバ、人参ノ脾胃ニ入リ テ脾元ノ気ヲ温養シ、附子ハ下元ニ入リテ命門火ノ源ヲ壮ニスル”
《中薬大辞典》
“回陽補火し、寒を散じ湿を除く”
“陰盛格陽、大汗亡陽、吐利厥逆、心腹冷痛、脾泄冷痢、脚気水腫、小児慢 驚、風寒湿痺、躄拘攣、陰疽瘡漏及び一切の沈寒痼冷の疾を治す”
【薬対】
『附子+黄蓍』
《朱震亨》“気虚で熱の甚だしい者に、少し附子を用いて人参、黄蓍の薬力 を行らすのがよい”
『附子+乾姜』=回陽救逆作用。陽気の虚弱による、ショック、循環不全、四肢 厥冷を治す。四逆湯。
『附子+桂枝』=利湿鎮痛作用。寒湿の邪による神経痛、リウマチ、関節痛に。 桂枝加朮附湯
『附子+虎骨』
『附子+大黄』
『附子+肉桂』
『附子+人参』
『附子+白朮』
《張元素》“附子に白朮を佐とすれば寒湿を除く聖薬となる”
『附子+麻黄』
『附子+茯苓』温補利水作用。寒邪による新陳代謝機能低下によって発症する、浮腫、小便不利を治す。真武湯。
【中毒】
原因は
・服用量が多すぎた
・煎じる時間が短すぎた
・生体の薬物に対する感受性
中毒症状
口唇・肢体の麻痺
悪心・嘔吐・動悸・息切れ・煩躁不安
甚だしいときは失神・ひきつけ
さらに動悸・呼吸の一時的停止
心電図には心室性頻脈が現れる
アダムス-ストーク症候群を呈す。
【臨床】
○心不全13例
炮製した熟附子で製造した注射液(1ml中に附子2g)を1日3~4回、1回に2ml筋注する。
各種の原因によって起きたⅢ度の心不全を治療。注射後心不全は抑制され、心拍数が減り、呼吸困難、肝臓肥大、浮腫などもあいついで軽減した。少数の病例では応用後、全身拘縮、発熱などの副作用が現れたが、自然に消失した。
【参考】
★トリカブトの毒とサソリの毒が拮抗する。
呂氏春秋に“萬菫不殺”(大塚恭男)1993.3.11《毎日新聞》
☆《萩野元凱》曰く、天明戌申、瘟疫流行す。その証、胃実に似て微に陰状を身 す。医、大黄を用うれば則ち死し、附子を用うれば生く。その後年流行する所 の疫証頗る同じく、多く附子を用いて以て危を免れ、その大黄を用いて治する 者、十に二三に過ぎざるなりと。
☆《梯謙》曰く、天保丁酉、札疫氾濫し、門を閉ざし枕に伏す。病者おおむね、 上盈下虚に係り、少陰証に及ぶ。当時古方を遵用する者、専ら汗下を為し、或 いは《呉氏》の疫論を主とし、しきりに強い薬を投じて、正気の虧けるを顧み ず。故に大黄を服して死する者は十に九をしむ。附子を服して死する者は百中に一 二のみと《傷寒弁要》
【品質】
《重校薬徴》
“附子は今烏頭を用う。奥州南部津軽松前に出ずる者尤も上品となす。舶来の附 子は塩蔵にして自然の物に非ず、其の効も亦、仲景氏の用うる所に適せず、雷 は附子一個の重さ一両なる者は則ち是れ気全しと曰う。陶弘景は附子烏頭を若 干枚、皮を去り畢り半両を以て一枚に準ずと曰う。此の説是なり。李時珍は一両 に及ぶは得がたく、但だ半両以上を得る者は皆良しと曰う。按ずるに明秤の一両 は大抵当今の十銭なり、現今舶来の品は其の重さ十銭内外なり、即ち時珍の説 と符す、蓋し培養して塩蔵す、大且つ重なる所以なり。本邦の烏頭は其の軽重は 雷陶二氏の説と略ぼ同じにして、其の効は仲景氏の用うる所と亦祗に同じ、故 に今彼を用いずして此を用うるなり、韓保昇は正なる者を烏頭となし、両岐 する者を烏喙となり、細長三四寸なる者を天雄となし、根旁に芋の如きを散 生する者を附子となし、旁に連生する者を側子となし、五は同じく出でて名 を異にすと曰う。李時珍は初種を烏頭となすは烏の頭に象るなり、烏頭に附 いて生ずる者を附子となし、子の如く母に附くなり、烏頭は芋魁(魁=カイ、か しら)の如く附子は芋子に如し、蓋し一物なりと曰う。為則按ずるに其の効 皆同じ、而して後世之を弁別す、従うべからず。水洗しみ用う”
◎加工ブシ末(アコニンサン錠)の鎮痛作用
加工ブシは現在、リウマチ、神経痛などの疼痛性疾患および四肢の冷え、更年期不定愁訴などの治療に広く用いられています。
1. 各種の鎮痛活性測定法で用量依存的な鎮痛作用が認められている。
酢酸ライシング法
フェニルキノンライシング法
圧刺激法
ホットプレート法
ランダルセリット法
アジュバント関節炎疼痛
2. プロスタグランジン(PGs)生合成阻害作用を機序とする非ステロイド系鎮痛・抗炎症薬とは異なる作用機序である。
非ステロイド系の鎮痛薬は、PGs生合成阻害により鎮痛作用をもたらす。これは、PGsが痛みに対する増感作用を有することに基づく。他方、PGsは細胞の膜組織に存在し、膜の恒常性を維持する働きがあり、PGs生合成阻害剤は副作用として胃腸障害を有するとされている。
3. 中枢性の作用機序と考えられている。
4. 麻薬性鎮痛薬とは異なる作用機序であり、モルヒネとの併用でモルヒネの鎮痛作用を増強することが報告されている。
5. 強力な鎮痛薬でないとその活性が認められないとされる試験法「圧刺激法」において鎮痛効果を現す。
6. 慢性関節炎モデルのアジュバント関節炎における疼痛に対して、用量依存的な鎮痛作用を示す。
《更年期障害に対する加工ブシ末(アコニンサン錠)の使用経験》
【報告者】 木村好秀 東京都教職員互助会三楽病院産婦人科
【対象患者】
三楽病院産婦人科を受診した患者のうち、更年期障害によると
思われる不定愁訴を訴えた患者 19例
【患者背景】
19例中8例(42.1%)の既往歴に婦人科開腹術が行われていた。
子宮筋腫6例 (単純子宮全摘出3例、単純子宮全摘出+偏側付属器摘出術3例)
卵巣嚢腫1例 (患側付属器摘出術)
卵巣癌 1例 (単純子宮全摘出+両側付属器摘出術+ 大網切除術)
【投与方法】 加工ブシ末単独投与。
【投与期間】
1日量1.5~3.0gを食前または食間に分3で1ヶ月以上連日投与
19例中17例は1日量1.5g投与。
【結果】
加工ブシ末(アコニンサン錠)は下記の不定愁訴に対する改善効果が高い。
血管運動神経障害様症候
のぼせ(88.2%)
顔面紅潮(81.2%)
汗をかきやすい(78.5%)
手足の冷え(61.5%)
泌尿器系障害症候
残尿感(100%)
頻尿(66.6%)
運動器官障害症候
肩こり(63.1%)
腰痛(55.5%)
精神・神経障害様症候
頭痛・不眠(75.5%)
うつ症
--------------------------------------------------------------------------------
加工ブシ末(アコニンサン錠)は、「クッパーマン指数」「CMI健康調査」による判定によっても、更年期障害不定愁訴の改善に有効であると認められた。
--------------------------------------------------------------------------------
《更年期障害に対する加工ブシ末(アコニンサン錠)の使用と
LH, FSHなどへの影響》
【報告者】 木村好秀 東京都教職員互助会三楽病院産婦人科
【対象患者】
昭和63年3月より1年3ヶ月間に当院を受診した患者のうち、更年期障害により顔がほてる、汗をかきやすいなどの血管運動神経症状を訴えた患者のうち検討可能な22例
【患者背景】
平均年齢 52.0±4.2歳
全例閉経(閉経時年齢:49.9±4.6歳)
学歴:短大卒以上13例(59.1%)職歴:有職者9例(40.9%)
婦人科既往歴 単純子宮全摘出2例(9.0%)、単純子宮全摘出+両側付属器摘出術4例(18.2%)
【投与方法】 加工ブシ末単独投与。
【投与量・投与期間】
1日量3.0~4.5gを分3、食前または食間に服用。
1ヶ月以上連日投与を原則とした。
【結果】
加工ブシ末(アコニンサン錠)はクッパーマン更年期指数における血管運動神経障害様症候:顔がほてる・汗をかきやすい・腰や手足が冷える・息切れがするを有意に改善した。
加工ブシ末(アコニンサン錠)は、抗うつ作用を示した。
加工ブシ末(アコニンサン錠)の投与後、血中 LH, FSHの有意な低下が認められた。
PRLも正常範囲内で有意に低下し、E2は増加傾向が認められた。
蕪菁汁
【効能・効果】
○瘟気の予防薬。
「温服。」
浮小麦⇒「小麦」
浮石
=海浮石
【効能・効果】
○沙淋の渋痛を治す。
「作末し2銭を、甘草の煎じ湯で空腹時に服用。」
浮萍(ふへい)
【基原】ウキクサ科ウキクサの全草。
【性味】味は辛、性は寒
【帰経】肺経。
【分類】辛凉解表薬。
【薬性歌】“浮萍辛寒利水腫 暴熱身痒脚痺重”
【効能・効果】
○発汗に良い。
婦人月水
=婦人の経血
【効能・効果】
○女労復と陰経の熱をなくす。
○虚労・痩せに。
「病気のない処女の月経1~2杯に男の子3人生んだ女の母乳半杯を混ぜ 飲む。」
仏耳草
○性は熱、味は酸。
<1>風寒嗽を治す。
<2>肺中の寒邪をなくす。
<3>痰を治す。
<4>肺気を上昇させる。
不灰石
○性は大寒、色が青白く欄木に似て燃えない。
<1>熱瘡を治す。
粉甘草
=粉草。
甘草の一種で、皮が黄色く粗大、充実して紋様がある。
【効能・効果】
◎清熱解毒・痰
◎熱咳・燥咳に
「粉草末を金銀花の煎じ湯で服用」
◎小児の夜尿症
「粉草を毎晩煎服」
蚊蛤(ぶんごう)=五倍子
○津液をふやし渇を止める。
糞蛆(ふんそ) 蛆=ウジ。
○噤口痢に効く。
「蛆を焙って作末し清米飲で調服。」