薬物<お>




オオアザミ

(Milk thistle,Solybum marianum)
=ミルクシスル
老化予防
「肝臓防護薬です。」


 
オオイタビ⇒「王不留行」

オオカナメモチ⇒「石楠藤」



オオカミ
◎マスも食べる・・・
頭しか食べない。内臓には寄生虫があり、オオカミに感染する。頭に含まれるDHAが群れ活動に必要。
■アイコンタクト
2014年、オオカミは鋭い視線を使って仲間とコミュニケーションを取っている可能性が高いとの成果を京都債のチームがまとめ、米オンライン科学誌プロスワンに掲載した。
上だ彩容子教務補佐員は“群れでの狩りに関係するコミュニケーションに利用されている”
チームは、黒と黄色のコントラストがはっきりするハイイロオオカミの瞳に注目。イヌ科の他の動物より目の向きや瞳孔の位置を識別しやすい。
イヌ科のフェネックやヤブイヌと、仲間に視線を送る1回あたりの時間を比べると、
ハイイロオオカミ・・・・平均3.3秒間(最長38秒)
フェネック・・・・・・・・・・2秒
ヤブイヌ・・・・・・・・・・・・1.4秒



オオグルマ【土木香】→「エレキャンペーン」


オオコウモリ⇒「五霊脂」

オオサンショウウオ
市川上流では「あんこう」と呼んでいる
■賀茂川で中国産
「境地市内を流れる鴨川(桂川上流)には、大雨の後などにオオサンショウウオがよく見られる。賀茂川(鴨川の上流)には繁殖地もある。
1990年頃から、灰褐色の皮膚に黒い大きなまだら模様がある奇妙な皮膚をもつものが見つかるようになってきた。チャ各局の皮膚に黒い斑点が広がる従来のオオサンショウウオとは異なる。
中国に生息するチョウゴクオオサンショウウオだ。日本産よりも活発で生存競争に強敵。
松井正文京都大学大学院教授らが2008年に賀茂川でDNAを調べたところ、111匹のうち13%が日本産と中国産の雑種だった。特に幼生では71%が雑種で、「賀茂川にはほとんど純粋な日本産はいないのではないか?」と松井教授は懸念する。
中国産は1970年代に食用に輸入されたのが、国内繁殖のキッカケと見られている。」


オオシクサ⇒「穀精草」

オオジシバリ【剪刀股】


オオタツ⇒「海馬」


オオバコ⇒「車前子」「車前草」
【成分】
フェニルエタノイド配糖体
【作用】
抗菌作用
利尿作用
消炎・鎮痛作用
鎮咳作用
去痰作用
緩下作用

【効能・効果】
<1>遺精:
①車前草を10~20g/日煎服or茶代用。
②生根汁or生葉汁に酒・塩を入れて沸かして飲む。
<2>胃腸が弱い:
①車前草を10~20g/日煎服or茶代用(著効)。
②「種子。ハブソウ・甘草」煎服。
<3>咽喉炎:
①生根汁or生葉汁でうがい。
<4>かぜ:
①車前子・車前草を煎服する。
<5>関節痛:
①車前草を10~20g/日煎服or茶代用。
<6>強壮:
①車前草を10~20g/日煎服or茶代用(著効)。
②車前子を煎服or作末し飲む。
<7>切り傷の出血:
①生葉をそのままor塩でもんで塗布する。
<8>血尿:
①生根汁or生葉汁に酒・塩を入れて沸かして飲む。
<9>下痢:
①車前草を10~20g/日煎服or茶代用。
<10>こしけ:
①車前草を10~20g/日煎服or茶代用。
<11>子宮の疾患:
①車前草を10~20g/日煎服or茶代用。
<12>消化不良:
①車前草を10~20g/日煎服or茶代用。
<13>視力減退:
①車前子3~10g/日煎服(著効)。
②種子をヤツメウナギと一緒に煎服。
<14>神経衰弱:
①車前草を10~20g/日煎服or茶代用。
②「車前子10g・甘草2g」煎服する。
<15>神経痛:
①「車前子10g・甘草2g」煎服する。
<16>腎炎:
①車前子・車前草を煎服する。
<17>心臓病:
①車前草を10~20g/日煎服or茶代用。
<18>せき:
①車前草を10~20g/日煎服or茶代用(著効)。
<19>赤痢:
①車前草を10~20g/日煎服or茶代用。
<20>喘息:
①車前子・車前草を煎服する。
<21>そこひ(白内障・緑内障):
①種子をヤツメウナギと一緒に煎服。
<22>蓄膿症:
①車前草を10~20g/日煎服or茶代用。
<23>血の道:
車前草を10~20g/日煎服or茶代用。
<24>トラホーム:
車前草の煎汁で洗浄。
生葉を炙って塗布する。膿を吸い出す。
<25>鳥目:
車前子3~10g/日煎服(著効)。
<26>尿毒症:
車前子・車前草を煎服する。
<27>尿閉:
車前子を煎服or作末し飲む。
<28>尿利減少:
車前子・車前草を煎服する。
<29>ノイローゼ:
車前草を10~20g/日煎服or茶代用。
<30>白内障:
車前子3~10g/日煎服(著効)。
<31>肺結核:
車前草を10~20g/日煎服or茶代用。
<32>排尿痛:
生根汁or生葉汁に酒・塩を入れて沸かして飲む。
<33>腫れ物:
生葉を炙って塗布する。膿を吸い出す。
<34>冷え症:
車前草を10~20g/日煎服or茶代用。
<35>百日咳:
「車前子10g・甘草2g」煎服する。
<36>浮腫:
車前子・車前草を煎服する。
<37>便秘:
車前草を10~20g/日煎服or茶代用。
車前子を煎服or作末し飲む。(慢性便秘)
<38>眼の充血:
 車前子3~10g/日煎服(著効)。
<39>慢性肝炎:
車前子を煎服or作末し飲む。
<40>リウマチ:
「車前子10g・甘草2g」煎服する。
<41>肋膜炎:
車前草を10~20g/日煎服or茶代用
生葉をそのままor塩でもんで塗布する。

【相互作用】

=両方を同時に摂取すると、お互いの作用が重複しすること。
<1>鉄化合物製剤:作用減弱、造血作用が減弱する。
機序→鉄-車前子複合体(タンニン複合体)の生成により鉄剤の消化管吸収減少する
<2>炭酸リチウム:作用減弱、抗ケイレン作用
機序→オオバコ種子により薬剤の消化管吸収が減少、血中薬物濃度が低下する
<3>カルマバゼピン:作用減弱、抗ケイレン作用
機序→オオバコ種子により薬剤の消化管吸収が減少、血中薬物濃度が低下する
<4>ジゴキシン:効果減弱
機序→強心作用の減弱



オオバナオケラ⇒「白朮」

オオバナサルスベリ
■糖尿に
「含有するコロソリン酸が血糖値を下げる。血液中のブドウ糖を細胞に取り込ませる効果があるという。米国のソフトジェルテクノロジー社から輸入して大日本製薬がグルコソール(商品名)で発売」2001.4.19《日経産業新聞》



オオベニガシワ⇒「紅背葉」


オオムギ(大麦)⇒「麦芽」
【効能・効果】
◎五臓を満たす。
 「飯・麺・粥みな良い。」
◎平胃・開胃する。
 「飯・粥につくって常食」
◎麦の皮が目に入ったとき。
 「大麦の煎じ汁で洗うとすぐ治る。」
◎纒喉風のとき。
 「粥を作って食べる。」
◎皮膚を潤す。
 「飯・粥」
◎脹を治す。
 「麺にして常食する。」
◎酒疸を治す。
◎催生と流産に併用する。(大麦蘗)




オオヤモリ⇒「蛤」

オオヨコジマハンミョウ⇒「斑猫」

オオヨコバイ
■プロソコーム
セミの仲間で1cmもないオオヨコバイは、五角形や六角形の幾何学構造をした「プロソコーム」と呼ぶ粒が体の表面を覆っている。
1粒の大きさは、0.0002~0.0005㍉㍍。
プロコソームはタンパク質と脂質でできている。焼く菓子のワッフルに似た形。オオヨコバイの体内で作られ、尿と一緒に外に出る。
オオヨコバイは自分の尿の上で転がって、尿を足で体に塗りつける


オオヨモギ【艾葉】


オガイ⇒「石決明」

オカオグルマ【狗舌草】



オキアミ
オキアミ色素
(オキアミの甲殻又は眼から得られた、アスタキサンチンを主成分とするものをいう。)   カロチノイド
カロチノイド色素
カロテノイド
カロテノイド色素
甲殻類色素 オキアミ科オキアミ(Euphausia similis G.O.SARS)又はナンキョクオキアミ(Euphausia superba DANA)の甲殻又は眼より、圧搾し、分離して得られたもの、室温時アセトンで抽出して得られたもの、加圧下に二酸化炭素で抽出して得られたもの、又はヘキサンで抽出して得られたものである。主色素はアスタキサンチンである。橙~赤色を呈する。 着色料 Krill colour


オキシジミ⇒「海蛤殻」

オキナグサ【白頭翁】
   (参照→セイヨウオキナグサ)
⇒山野の日当たりの良い所に自生する。
【効能・効果】
○咽喉痛:
乾燥根10~30g/日煎服するor茎葉を煎服。
○気管支炎:
乾燥根10~30g/日煎服するor茎葉を煎服。
○切り傷:
乾燥根10~30g/日煎服するor茎葉を煎服。
○月経閉止:
乾燥根10~30g/日煎服するor茎葉を煎服。
○痔が腫れて痛む:
生根汁を塗布する(著効)。
○しらくも:
生根汁を塗布。
○神経痛:
乾燥根10~30g/日煎服するor茎葉を煎服。
○喘息:
乾燥根10~30g/日煎服するor茎葉を煎服。
○たむし:
煎汁or生葉汁を塗布する。
○熱性下痢:
乾燥根を煎服(著効)。
「白頭翁3g、黄柏2g」煎服
○鼻血:
乾燥根10~30g/日煎服するor茎葉を煎服。
○腹痛:
乾燥根10~30g/日煎服するor茎葉を煎服。
○腰痛:
乾燥根10~30g/日煎服するor茎葉を煎服。


オーク
【学名】Quercus robur
【英名】Oak (ヨーロッパナラ)
 ◎樹皮。
【成分】タンニン(20%以下):強い収斂作用
    没食子酸
    エジラタンニン
【効能・効果】
のどの痛み
痔:軟膏にして。
急性胃腸炎の下痢止め
拡張蛇行静脈
白帯下
出血
鼻血:

樹脂の粉末を鼻から吸入する薬用粉末[スナフ]として使用。
■従来、オークは「樫」と訳されてきたが、良質のオークとは「水楢(みずなら)」のこと。1997.3.2《朝日新聞》天声人語より


オクラ
=ハイビスカスの仲間 冷気に弱い。
◎オクラの種子から作ったコーヒー(戦争中)
    高知県香美市
◎粘りの成分は水溶性食物繊維(多糖類)とタンパク質。加熱で粘りが増す。
ゆで時間は・・・・2分加熱がおいしい。
◎血糖値の変化
ヤマイモは糖分の吸収を遅らせる
◎粘りを消す料理・・・とろみを楽しむ料理(材料との組み合わせ)
「塩」「レモン味(酸味)」が必要だった。   
インド(オクラカレー)・・・ネバネバ感がない
ナイジェリア(オクラと鶏のシチュー)・・・ネバネバ感がない
アメリカ(ガンボ料理)
粘りを出す料理・・・超ネバネバ (水分を加えることで)
  氷茶漬け
ぬるぬるには(オクラ入りの方がのどごしがよい)
泡オクラ:
種を除く→水を加え→ミキサーにかけると泡状のオクラができる
◎血管拡張作用→「高血圧」
■間違える
チョイウセンアサガオと待ちがえやすい
◎品種
「みどり丸ノ助」
2009年発売。食べ頃の期間が長い。断面に丸みがある。長さ20cmでも食べられる。
赤オクラ


オックスアイデージー
【学名】Chrysanthemum leucanthemum
【英名】Ox eye daisy
【別名】White weed(ホワイトウィード)、Moon daisy(ムーンデージー)
【和名】フランスギク
【分類】キク科、多年草。
【原産地】ヨーロッパ~アジア
【特徴】葉は卵形で披状形。葉柄は長く3~5cm。
初夏に高さ70cmになり、小菊のような直径3cmの花をたくさんつけます。
【用途】若葉をサラダにしたり、
乾燥花のティーはカゼや神経安定の効果があります。



おから
=二番絞りのおからが美味しい。
■美味しく調理(スペイン料理)ためしガッテン
いきなり、フライパンへ
よく炒める
色が変わるぐらいまで炒める
パン粉の代わりにする(冷凍庫で保存する)
事例→だし巻きの中に
鶏そぼろの中に

■強力活性炭
「関西大工学部の林順一講師(化学工学)らが、おからを原料に通常の2倍の吸着力を持つ活性炭を開発した。かっては総菜の定番だったおからも、最近では食生活の変化で、1年間に生産量の半分にあたる約35万トンが廃棄されて降り、新たなリサイクル法として期待できそうだ。
林講師らは、おからと炭酸カリウムの溶液を混ぜて乾かし、約800℃で1時間加熱し、粉末状の活性炭を作った。1g当たりの表面積は約2500平方メートルで、ヤシ殻などから作る活性炭の平均薬1000平行メートルに比べ、2倍以上になった。
活性炭は無数にある表面の穴で脱臭や脱色の働きをするため、面積が大きいほど吸着力が高い。塩化亜鉛を加えて焼くと表面積が大きくなることが分かっており、林講師らはいろいろな薬品を試してきた。」


オケラ
=「蒼朮」「白朮」

 

オゴノリ
=テングサの仲間。東京湾にも自生。
よく刺身のツマに使われる。
◎有毒成分:不明。
ゆでても無害にならない。
生のオゴノリを水に漬けて刻むと、多量のプロスタグランジンが合成され毒性がでる。
熱と石灰で処理された市販品は安全。
◎中毒症状:

食後短時間で嘔吐、下痢。
血圧低下。
報告のあった中毒例8件のうち3人が死亡。



オジギソウ  MIMOSA PUDICA
◎催奇形性のある[ミモシン]を含有。



オシダ Nephrodium filix mas
=【東北貫衆】
【利用部分】根茎
【成分】
 フロログルシンの誘導体:「フィリシン」
【中毒症状】
<1>疝痛
<2>心臓衰弱
<3>呼吸障害
<4>一時的な失明
【参考】
◎根茎から条虫用の駆虫剤が製造されている。この製剤は寄生虫を麻痺させ、一緒に下剤を服用することで寄生虫は生体から排出される。
フィリシンは、プロトプラズマ(細胞の原形質)毒であり、条虫・馬の腸内寄生虫などに対して有毒である。根茎は生で用いる。


オーニソガラムサンデルシー
■ユリ科
ガン細胞の増殖を抑える
2011年、東京薬科大学とハーバード大学の共同研究チームは、ユリ科植物の根からとった化合物がガン細胞の増殖を抑える仕組みの一端を解明した。
脂質輸送や代謝に関わるタンパク質に働きかけていた。
化合物は「OSW-1」と呼ぶ、コレステロールエステルをもとに作った誘導体に糖がついた構造をしている。南アフリカ原産のユリ科のオーニソガラムサンデルシーという花の根から、東京薬科大学が1992年に抽出に成功。1997年に細胞に対する毒性があることを発見。
腫瘍細胞だけを壊し、1万倍の濃度にしても健康な細胞は傷つけないことが分かっている。
人のガン細胞を使ったハーバード大学との共同研究で、これまでガン細胞の生存には関係ないとされてきた「OSBP」と呼ぶ、脂質輸送や代謝などに関わるタンパク質に結びついていることが分かった。



オタマジャクシ
■尾っぽが消える
「2009年、新潟大学の井筒ゆみ助教らのチームは、オタマジャクシが成長して尾が消えるときに作用する遺伝子を突き止めた。この遺伝子から尾のタンパク質が作られると、体を守る免疫反応が働き尾を排除することが分かった。
調整類の体が形作られて行く過程に、免疫の働きが関与していることが分かったのは世界で初めて。
オタマジャクシの尾が縮むには甲状腺ホルモンが必要なことは既に知られていたが、詳しいメカニズムは不明だった。
研究チームはオタマジャクシの皮膚を成熟後にカエルに移植した。すると、カエルの体内の免疫細胞がオタマジャクシだった時の皮膚内のタンパク質を攻撃し、排除した。このタンパク質を作る遺伝子を突き止め『オウロボロス』と名づけた。
遺伝子組み換えでオウロボロスが働かないオタマジャクシを作製すると、尾が残ったままカエルになり、遺伝子が過剰に働くと早期に尾が消失した。」


オトギリソウ
(参照→「セントジョーンズワート」)
【基原】オトヂリソウ科オトギリソウ属
【学名】Hyperricum spp.
【英名】St.Joh's-wort(セントジョーンズワート)
【成分】ヒペリシンhypericin
【作用】色素毒
皮膚炎
壊死
=【小連翹】
「オトギリソウとその仲間は、北半球を中心に約300種ある」
◎鷹匠がキズ薬として使った。煎汁を塗布。
平安時代に鷹飼晴嵐という鷹匠が代々受け継がれた鷹の傷薬である秘薬を弟が漏らしたというので、その弟を斬り殺したという伝説から名前が付いたという。
■ヒペリシン
「一種の色素毒で、オトギリソウの花、葉、茎など、すべての部分で合成される。そして、幼虫に限らず、この植物を食べると、他の栄養素と一緒にヒペリシンが吸収され、体内を巡って皮膚の表層にまで達していく。そこに太陽光線が当たると、ヒペリシンの分子が紫外線に感光し、皮膚に炎症を引き起こす。特に症状が出やすいのは、色素や皮膚が薄い部分で、まぶたや鼻のまわり、唇の周辺、乳房などが、水ぶくれになったり、赤く腫れる。いったん被害に遭うと、それからは敏感になって感光されやすくなり、症状は一層ひどくなる。
だから、オトギリソウを食べたら、裸で日光浴などもってのほか。そのかわり、直射日光の当たらない室内では、少々食べても毒性は表れない。」
■ウシ・ヒツジ
「致死的は毒性が表れるのは、ヒツジ(100g)、ウシ(0.5~0.6%/kg)。中毒を起こした家畜の肉質は落ちて市場価値は全くなくなる。オーストラリアやニュージランドでは、近年、この植物が猛烈に繁殖し、家畜の被害だけでなく畑の作物までが侵害されている。」
■クラマスソウ
「アメリカの農民をこの草をクラマスソウと呼ぶ。南西カリフォルニアのクラマス川上流を拠点にしていたクラマス。インディアンからの由来。」



オートムギ
【学名】Avena sativa
【英名】Oat (エンバク)
【使用部位】全草・種子。
【成分】サポニン
  アルカロイド:トリゴネリン
  アベニン:中枢神経を刺激する。
  ステロール
  フラボノイド
  デンプン
  タンパク質(グルテン)
  脂肪
  ミネラル:ケイ素
       鉄
       カルシウム
   ビタミンB
【効能・効果】
◎神経の強壮薬:ノイローゼ
        ウツ状態
【注意】
多量に用いると、後頭部に頭痛を引き起こすことがる。



オットセイ(膃肭臍)⇒「海狗腎」
⇒「語源をたどると、アイヌ語のオンネップ。中国で膃肭と音訳され、下腹部が薬として重宝されたことから「膃肭臍」の名で日本に入った。オントッセイの音が変化してオットセイになったと言われ、れっきとした日本語だ。
大言海に別名、海狗腎とある。オンネップはもと、成獣の雄を指したともいう。     1996.4.11《朝日新聞》」
■名前の由来 アイヌ語
『臘虎(らつこ)膃肭獣猟獲取締法』(明治45年制定)
第一条「農林水産大臣ハ農林水産省令ノ定ムル所ニ依リ臘虎(らつこ)又ハ膃肭獣ノ猟獲ヲ禁止又ハ制限スルコトヲ得臘虎(らつこ)又ハ膃肭獣ノ獣皮ハ其ノ製品ノ製造若ハ加工又ハ販売ニ付亦同ジ」
オットセイという動物名はアイヌ語の「オンネップ」に基づく。中国語で「膃肭」と音写し、その陰茎を臍と称して「膃肭臍」なる漢方のクスリにした。それを音読みしオン、トツ、セイからオットセイが誕生した。
【効能・効果】
◎精冷と精の衰えを防ぐ。
「粉末にし散丸剤。」
◎腎を良くし、腎精の衰えと過色で労瘁になった者を治す。
「(酒浸)し香臭が出たら、末・丸剤。」
◎背と肩の痛むとき。
「酒で末服・丸服。」
◎陰痿の主治剤。精力を強くし、疝冷を治す。
「作末し酒で服用。or丸服。」
◎五労・七傷を治す。
「末にして2銭づつ酒で服用。or丸につくって食べる。」



オナモミ⇒「蒼耳子」「蒼耳草」
【効能・効果】
○あせも:
果実・葉を入浴料とする。
○疥癬:
生葉汁を塗布する。
○かぜ:
蒼耳子を10g/日煎服。
蒼耳子炒って作末し酒粕で丸剤、酒服する。
○肝臓病:
茎葉10~15g/日煎服。
○眼病:
蒼耳子を10g/日煎服。
蒼耳子炒って作末し酒粕で丸剤、酒服する。
○切り傷:
生葉汁を塗布する。
○酒が嫌いになる:
蒼耳子の黒焼き末を頓服。
○痔:
茎葉を作末し、5g/回飲む。
○歯痛:
蒼耳子の濃煎汁でうがい。
○神経痛:
蒼耳子を10g/日煎服。
蒼耳子炒って作末し酒粕で丸剤、酒服する。
○頭痛:
蒼耳子を10g/日煎服。
蒼耳子炒って作末し酒粕で丸剤、酒服する。
茎葉10~15g/日煎服。
○鼻血:
蒼耳子を10g/日煎服。
蒼耳子炒って作末し酒粕で丸剤、酒服する。
○蓄膿症;
蒼耳子を10g/日煎服。
蒼耳子炒って作末し酒粕で丸剤、酒服する。
茎葉10~15g/日煎服。
○中風:
茎葉10~15g/日煎服。
○腫れ物:
生葉汁を塗布する。
○虫さされ:
生葉汁を塗布する。
○瘰癧:
蒼耳子を10g/日煎服。
蒼耳子炒って作末し酒粕で丸剤、酒服する。


 
オニオコゼ
=一般に「オコゼ」と呼ばれ、食用にされる。千葉県・新潟県以南。
ダルマオコゼ
オニダルマオコゼ-----死亡例あり。
ヒメオコゼ
ハオコゼ

◎有毒成分:

分子量46000のタンパク質。理化学研究所が解明。
微量で、心臓の筋肉の働きを止める。
◎中毒症状:
激痛があり、傷口がしびれたり、腫れ上がる。
重症は、嘔吐、下痢、腹痛、呼吸困難。

◎応急処置:
傷口を洗浄し
45℃以下の湯に1~2時間つける。
■養殖
「2009年、広島県の尾道市の水産関連ベンチャーのICRAS(イクラス)は、オコゼの養殖技術を確立した。約3年かかるという養殖期間を半減させた。」


オニオン
◎精油は、
 肥満:甲状腺を刺激し、代謝を上げる。

オニキス ONYX
=「縞瑪瑙」
⇒ゴーメットとも呼ばれ、さまざまな色(赤、緑、青、黄、オレンジ色、茶、黒)のものがあります。黒ないし白と黒の縞模様のついた玉随。
硬度=[7.5度]
化学成分:ジルコニウム・水晶・ケイ酸塩。
◎ラフー(龍の頭、月の北の交点)が支配。
◎スリランカで採れるものが最高。オーストラリア・ニューサウスウウェールズ地方、フランス、ロシア、カシミール地方でも採れます。
◎昔から議論を呼ぶ石であった。
◎オニキス、ジルコンを身につけたときの運は、いろいろです。
天王星が強いホロスコープを持つ人が、この石を身につけると、最も効果があるようです。

(Zolar)
◎治療効果
<1>鬱病:黒オニキス
<2>リウマチ
<3>寄生虫病
<4>不眠症
<5>自殺願望
<6>肝臓病
<7>内分泌腺病
<8>便秘
<9>出血を止める。
口に含むと出血が止まるともいいます。
<10>精神的に不安定なために心臓が悪くなったとき。
<11>胃に障害がある。
<12>持ち主を貞淑にする。
 インドの言い伝えでは、8月生まれの人がつけると、結婚後貞節を守るとされています。
◎インド哲学によると、この石は紫外線を出すといいます。そして、不眠や喧嘩を引き起こしたり、幽霊、おばけを呼び覚ますとも言われます。
◎傷のないオニキスを付けていると、
イ)最も恐ろしい敵から身を守ってくれると言います。
ロ)健康、裕福で幸福になると言われています。
ハ)狩猟に出かけるときつけていれば、野生動物から身を守ってくれる。
ニ)戦いのとき、負傷から身を守ってくれる。
◎この石は、8種の金属の合金、or銀で出来た指輪にはめ込み、
中指にして下さい。
重さは少なくとも6カラットが必要です。

◎(D・L・メラ)
「肉体の調整を助ける」
「古代エジプト人は、首にかけると愛の熱を冷ましてしまい、ことによると男女別れさせてしまう。」
「うんざりするような関係にお別れしたいときに有益。」
◎沢山のオニキスを身につけると、あなた自身の内部に不調和を作りだします。
◎応用:外部からの影響から身を守る必要があるとき。
自制と守りを刺激。
◎リーディング(レノーラ・ヒュイット)
「この石は、人が肉体の力を、肉体の快適さをうんと強める必要を感じる時のみ、ものを言う石。骨に対する髄、歯に対する力の如き石である。」
「戦いの時に感情の安定を助け、力を与える物体として毎日身につけてよい」
「オニキスは安定と中和と強化のエネルギーを持つ。感情的にも肉体的にも乱れやすい人にとって大きな価値を持つ。」
「心身にバランスをとらせ、心の存在感を与えるため、運動する人が身につけるのにとても良い。体の左側につけよ」
「オニキスは[真珠]とも[ダイヤモンド]ともよく作用する。ダイヤか真珠をこの石の補助にするのは常に望ましいことだ。」
「肉体では太陽神経叢、またエーテル体にも直接作用する。太陽神経叢を安定させ、その機能が乱れるのを少なくしてくれる。胸腺中枢の上にくるように長いチェーンを使うのが良い。」
「太陽神経叢を通して膵臓を安定させるが、この部位は又、オニキスを金製の指環にはめて使っても安定する。」



オニクラマゴケ⇒「石上柏」


オニノヤガラ⇒「天麻」

オニフスベ⇒「馬勃」

オパール Opal
⇒硬度:[6] 非晶質。
    SiO2・nH2O。
◎産地:オーストラリア(Mintabie、Quilpie、Queensland)
       メキシコ(Queretaro)
       福島県耶麻群西会津町宝坂
   ◎かなり水分を含む石英の一種。その名は「宝石」を意味するサンスクリット語に    派生している。
   ◎宝石界でも特異な存在で、自分自身の色を持たず、他のあらゆる石の色光で輝く。
   ◎冥王星と水が支配する石。
   ◎「魔術」の一言で語られてきた。魔術的な力があると信じられていた。
   ◎サンスクリット語で、「貴重」という意味の「オパラ」からきている。
   ◎医療に関するお守りに用いられる。
   ◎占星学:月と土星。天秤座、双魚宮。
   ◎象徴:「愛を象徴。」   
       「古代、オパールは子供、友情、感情、涙、祈り、許しの徳の象徴。」
   ◎ESP能力や透視力を発達させる働きがある。
   ◎オパールの持つ力は非常に強力で、その石の色合いに応じて、どんなチャクラに    も働きかける。
イ)頭頂のチャクラ:金がかかったオレンジ色
               緑がかったすみれ色
               それに青を含むオパール
      ロ)眉間のチャクラ:青とすみれ色
               緑が入った黒オパール
      ハ)喉のチャクラ:緑と金のファイアオパール
      ホ)心臓の中心:白にオレンジ色・赤・緑の光の入った薄い色。
      ヘ)みぞおちの真ん中:淡い青とすみれ色。
      ト)膵臓と仙骨の中心:金赤色の火とチェリーのような色。
   ◎D・L・メラ
     「オパールは莫大な量のエネルギーを吸収し、伝えることで知られています。      ダイヤモンドのようにエネルギーを吸収し、水晶のようにそのエネルギーを      変換して表現します。」
     「誰にでも使って良い石ではありません。オパールの内部に蓄積されている強      いエネルギーに対処出来ない人は、身につけないほうが良いでしょう」
     「デリケートな宝石なので、宝石箱の中では他の宝石と離しておきましょう。      木綿の布で包むか水の入った小瓶に入れておくと良いでしょう。水しか吸収      しませんから、石鹸はオパールを傷つけません」
◎さまざまな色があり、たいていのオパールは、濁った物質が入っているため、白    く曇って見え、虹色に光ります。赤やオレンジ色のメキシコ産のいわゆるファイ    ア・オパールだけは、きれいに透き通っています。
     伝説的な黒いオパールでも、灰色や青が混じっています。
   ◎絶対に、以下の宝石と一緒に指輪にしてはいけません。
      イ)エメラルド
      ロ)ラピスラズリ
      ハ)ルビー
      ニ)サファイア
      ホ)ガーネット
   ◎海王星と親しいので、銀の指輪が最もふさわしい。
   ◎熱くなりすぎて石の生命が奪われてしまっていても、油に数時間浸せば蘇ります。    これは、オパールと「琥珀」だけが持つ特殊な性質です。
   ◎カットしていない状態で保管していると、水の中に入れておかない限り、オパー    ルは虹色を失って砕けてしまいます。
   ◎タンパク質の吸収を助ける(D・L・メラ)  
   ◎『キューピッド・ストーン』:愛とロマンスの石。
      オパールを手に握り、あなたの願いを込めて下さい。それが特に、愛の願い      事であれば、かなうことでしょう。(D・L・メラ)
   ◎応用:愛情を共有出来ないとき。
      心霊の安定を助長。
   ◎リーディング(エドガー・ケーシー)
      「カッとなり易い性格を防ぐ」(4006)
      「ファイヤー・オパールやラピスの、元素状態の銅は情熱と集中、また霊体       を精神体の生き生きした働きに密接に結びつけるために、体内の諸中枢を       通して感情を緩める能力を引き出す」
「身に付けていると、セックスの場になった時、その対応が困難になる人々       がいる」
◎リーディング(レノーラ・ヒュイット)
      「オパールには、変化させ、散らす力がある。これを身につけている人には       軽率でせかせかした人が多い。」
「本人の特徴を増幅する力がある」
      「気が散る、神経質症で、動かされやすい人は、身につけてはいけない」
「ファイアー・オパールは、ビジネス面に対処するのに良いが、太陽神経叢       を過敏にするところがある」
「胴体からなるべく離して、指環などにするのがよい」
      「10代の子供たちからは遠ざけなさい」
◎リーディング(ラマ・シング)
      「第4、第5、第6の内分泌腺中枢から創造する能力に大きく作用を及ぼし       ている」
「霊能の発達という意味でただ1つしかないほど強力である」
      「上位4中枢(胸腺から脳下垂体まで)、あるいは第4に始まる3中枢で特       に知覚され、第6でいくらか減じ、第7に至ってさらに弱まる」
「頭布にオパール系の石をはめている人々もいるが、これは脳下垂体、松果       体センターを浄化し強化することによってその波動レヴェルを増幅するた       めであった。それはちょうどラジオ受信器がある波長を分離できるのと同       じである。
■用途
「天然オパールの虹のような輝きを再現した人工オパールが、宝飾品などに広く使われている。物質・材料研究機構の不動寺浩主幹研究員は、オパールの発色の仕組みを新しい色材やセンサーに応用できないか研究。口紅やアイシャドーで鮮やかな色合いを出そうとする企業と連携する。
オパールの美しい輝きは結晶構造に起因し、構造色とも呼ばれます。鉱物の一種、シリカのほぼ均一サイズの粒子が規則正しく並び、一定周期で同じ構造を繰り返しています。もともとは無色透明ですが、光が当たると回析という現象が起き、粒子の配列臭気に応じて反射光が眼に届きます。タマムシの表皮、モルフォチョウの羽などの美しい色合いも原理は同じです。
人工的に作る方法は?
シリカの代わりに大量生産に適したポリスチレン粒子を使い、これを密に規則的に並べて作る方法が一般的です。粒子の大きさによって反射光の色合いが変わります。直径175ナノ㍍なら[紫]、200ナノ㍍なら[緑]を帯びると入った具合です。人工オパールはすでに国内外で製品化されています。
粒子の大きさはそのままに、色を変える方法も開発しました。粒子間をシリコン樹脂で満たしておき、シリコンオイルをたらすと、オイルが樹脂に吸収されて膨らみます。粒子間隔が広がり、配列周期が変わるので、変色する仕組み。透明なオイルをかけると魔法のように新しい色が現れるので、『色のない色』と呼ぶ人もいます。」



オブシディアン OBSIDIAN
=「黒曜石」
   ⇒火山性のガラス(天然のガラス)。
    色:黒、灰色、茶色。 模様が入っている。
   ◎矢尻に使われた。
   ◎(D・L・メラ)
      「人と交換してはいけない石。守護石の一つ。」
      「感情の流出をふせぐ」
      「外部からストレスを受けているときに援助してくれる。」
      「免疫を強める」
   ◎応用:環境への過敏。
過敏性の人を守る。




 おぼろ昆布
=ガゴメコンブを使うことが多い。



オミナエシ⇒「敗醤」
   ⇒日当たりの良い山野に自生する。
  【効能・効果】
     ○月経閉止:
        根を煎服。
     ○こしけ:
        根を煎服。
     ○産後の肥立ち:
        根を10g/日煎服(著効)。
     ○産前産後の腹痛:
        根を10g/日煎服(著効)。
     ○子宮内膜炎:
        根を煎服。
     ○ただれ目:
        根の濃煎汁で洗浄する(著効)。
     ○胆嚢炎:
        根を煎服。
     ○血の道:
        根を煎服。
     ○吐血:
        根を煎服。
     ○鼻血:
        根を煎服。
     ○はやり目:
        根の濃煎汁で洗浄する(著効)。
     ○腫れ物:
        根を煎服。
     ○浮腫:
        根を煎服。
     ○目の充血:
        根の濃煎汁で洗浄する(著効)。
     ○瘰癧:
        根を煎服。



オモト
   ⇒乾燥した根茎(万年青)
   ○乾燥根茎を煎服すれば、
強心作用
利尿作用
【成分】
ロデイン(強心配糖体)
強心作用があると聞いた老夫婦が、根を煎じて服用し中毒死した。
オモト中のロデインBを加水分解するとジギタリス葉中から得られるジトキシゲニンになる。
  【効能・効果】
     ○黄疸:
        乾燥根茎を3~8g/日煎服。
        葉の絞り汁を飲む。
     ○脚気:
        「根茎・根」をすり下ろし、その汁を盃1杯飲む。
        乾燥根茎を3~8g/日煎服。
     ○子宮病:
        「根茎・根」をすり下ろし、その汁を盃1杯飲む。
     ○しもやけ:
        赤い実をつぶして塗布。
     ○神経痛:
        乾燥根茎を3~8g/日煎服。
     ○せき:
        葉の絞り汁を飲む。
        「オモトの地下茎トチノキ実ニンニク鱗茎」刻んで酒に浸け、2~3         日置いたものを盃1杯ずつ飲む。
     ○乳房の腫れ:
        葉の絞り汁を塗布する。
     ○中風:
        乾燥根茎を3~8g/日煎服。
     ○突き指:
        葉の絞り汁を塗布する。
     ○テンカン:
        乾燥根茎を3~8g/日煎服。
     ○難産:
        「根茎・根」をすり下ろし、その汁を盃1杯飲む。
     ○婦人病:
        乾燥根茎を3~8g/日煎服。
     ○フケ:
        葉の絞り汁を塗布する。
     ○やけど:
        葉の絞り汁を塗布する。
     ○リウマチ:
        乾燥根茎を3~8g/日煎服。
     ○肋膜炎:
        生根茎をおろし、酢・うどん粉で練って、足の土踏まずに塗布(著効)。



オランダイチゴ

オランダガラシ=クレソン

オランダセンニチ

オランダヒユ⇒「補骨脂」

オリゴ糖

善玉菌などの腸内細菌を増やす。

糖質として消化されにくい。大量に摂取すると下痢する。

食後過血糖を抑える「αーグルコシダーゼ阻害薬」と同時に摂取すると、腸内の未消化の糖質が増加して発酵し、腹部膨満感が出ることがあります。

 

オリス
  【学名】Iris florentina
  【英名】Orris
【和名】(ニオイイリス)(シロバナイリス)
  【分類】アヤメ科、多年草。
  【原産地】南ヨーロッパ。
   ◎根(イリス根)。
  【成分】精油:(0.1~0.2%)
         鉄を含み、ニオイスミレの芳香がある。
      デンプン
      樹脂
      タンニン酸
      糖類
【効能・効果】
     香水・ポプリ




オリズルラン
■ビベンジル配糖体
「宇都宮大学の二瓶賢一准教授らのグループは皮膚の老化を抑える効果が高い新物質を発見した。シミを生み出す原因酵素の働きを抑える水溶性物質で、植物由来のため安全性も問題がない。
発見したのは、インド原産のユリ科植物『オリズルラン』の一種に含まれるビベンジル配糖体と呼ぶ物質。シミの原因であるメラニン色素の合成に関係するチロシナーゼという酵素の働きを抑える。
研究グループは試薬として使われているベンザアルデヒドを原料に、糖などの分子をくっつけて、人工的にビベンジル配糖体を作ることに成功した。10プロセス以内の化学反応で合成することができ、安価に製造できる。
チロシナーゼは体内にあるフェノールから、メラニン色素につながるキノンという物質を作る酵素。化粧遺品の成分である水溶性のチロシナーゼ阻害剤であるコウジ酸と、今回合成したビベンジル配糖体を比較したところ、合成した物質はフェノールからキノンが出来る割合はコウジ酸に比べ、1/16だった。
チロシナーゼ阻害剤にはそれ以外に脂溶性の物質があり、クリームとして実用化されている。ビベンジル配糖体は水溶性のため、化粧品やローションに混ぜて使えるという。
チロシナーゼは皮膚ガンの原因になるメラノーマ細胞との関係が指摘されている。」2008/4/4産業



オリーブ
  【学名】Olea europaea
  【英名】Olive
  【和名】オリーブ
  【分類】モクセイ科、常緑高木。
  【原産地】北アフリカ、シリア、トルコ南部。
【特徴】
モクセイ科の常緑樹。気の寿命は長く、高さ6~15mに達する。初夏に白い花が咲き、緑色の実をつける。実は熟すと黒くなる。
繁殖は種子を春にまくか、冬に接ぎ木で増やします。
◎人間の体に必要とされるオレイン酸を大量に含む。
   ■動脈硬化など防ぐ物質
「農林水産省の四国農業試験場は、オリーブに動脈硬化を防ぐ物質が含まれていることを突き止めた。フェニル基を含むアルコールの一種で、動脈硬化などの原因となる有害物質が生じるのを防ぐ作用があると言う。
研究グループは各種の農作物の成分が体内に吸収されると生体にどんな影響を及ぼすかを調べる為、農作物が含む成分を血液中の酵素などと混ぜ、有害物質が出来る量を計測した。この結果、オリーブ・アワ・ハクサイ・コンニャクイモなどの成分には血中の特定の酵素の働きを妨げ、有害物質の生成を防ぐ働きが分かった。
このうち、オリーブが含む有効成分を分析した結果、ジヒドロキシフェニル エタノールという物質が含まれており、血中にロイコトリエンという有害物質が作られるのを阻害する作用が有った。ジヒドロキシフェニル エタノールはオリーブ油にも多く含まれている。地中海地方に住む人々に心疾患が少ないのは、オリーブ油を多く摂取していることが関係しているとも考えられる。1996.1.14《日経産業新聞》より」
■便通を改善
「肥満や生活習慣病の元凶の1つとして、油は邪魔者扱いにされがち、しかし、コレステロールを減らし、便秘や心臓疾患予防にいいとして人気が高まっているのが、オリーブオイルだ。5000年前から地中海地方で愛用されてきた自然の油で、健康増進のヒントを探ろう。
「油をオリーブオイルに変えて多めに使ったら、10日ほどで便秘が治った。心無しか肌の調子もいい」
「オリーブオイルは小腸を刺激して腸の蠕動運動を促進するため、便通が良くなる」と松島病院大腸肛門病センター松島クリニック(横浜市)の松生垣夫診療部長。実際、腸を内視鏡で見ると、オリーブオイルを長年使っている人の腸はポリープが少なく、きれいなことが多いという。
オリーブオイルは古代ギリシャ時代から、下痢や風邪の“薬”としても使われてきた。その高い健康効果に現代医学が注目したのは、1950~70年代に世界で実施された心疾患の発症率調査がキッカケ。米国や北欧に比べて、地中海沿岸諸国では心疾患の発症率が1/3以下と少なかった。
食べる食材を比較すると、米・北欧・地中海諸国とも脂肪酸摂取量は同程度なのに、地中海地方では主にオリーブオイルからとっていて、動物脂肪は少なかった。その後の研究で、悪玉コレステロールを減らしたり、アレルギーや炎症の原因となる物質の生成を抑える、といった様々な効用が明らかになってきた。
●血管のサビを防止
オリーブオイルに含まれる脂肪酸の7割は、酸化しにくいオレイン酸で占められている。酸化した脂肪は血栓を作りやすく、炎症を引き起こす原因となるが、オリーブオイルには酸化しやすい脂肪酸が少ない。
また、オリーブオイルにはビタミンEや葉緑素などの抗酸化物質が含まれている。このため、血管や内臓などの細胞を活性酸素によるサビ付き(老化)から守る。「オリーブの実を搾ったままの“果実のジュース”だから」と、地中海食の健康効果に詳しい東京慈恵会医科大学の横山純一内科助教授は語る。オリーブオイルには、実は皮に含まれる抗酸化物質が多く入っているのだ。「エキストラバージンオイル0と表示されたものが、このジュース。ピュアオイルという種類もあるが、これは精製しているため、抗酸化物質が少ない。横山助教授は「普通の油に比べて、高温で調理した場合の酸化が少ないので、料理に使う油はエキストラバージンオイルが理想だ」と薦める。値段も500ml、\1000以内で良質なものが選べる。
オリーブオイルを熱すると独特の香りが立ちこめる。このため「炒め物などの油料理に使うのはちょっと」と尻込みする人もいる。その場合は手人に相談して香りや味がマイルドなものを選ぶと良い。イタリアのシチリア産、スペインのアンダルシア産にはこのタイプが多い。
保存は日の当たらない所で。日が当たると、中に含まれる葉緑素が反応して酸化が進むからだ。口を締めて冷暗所で保存すると1年半~2年持つという。
●とりすぎに注意
オリーブオイルはパスタや野菜、豆、魚介の料理によく合う。地中海食が健康にいいと言われる理由の1つは「、」肉の摂取量が少なく、パスタや野菜などの摂取量が多いため。「オリーブオイルに、赤ワインビネガーや塩・コショウを合わせてかけるだけで、生野菜をおいしく食べられる。魚を焼く前にかければ、しっとりと焼き上がる。
ただし健康にいいからといって、取りすぎれば太りやすい。使う目安は、「1日にとる油の半分をオリーブオイルに置き換えるといい。
●オリーブオイルを毎日使う地中海食
肉(赤身)・・・・・・月2~3回
砂糖類・・・・・・・・週2~3回
卵・・・・・・・・・・週2~3回
鶏肉・・・・・・・・・週2~3回
魚介類・・・・・・・・週2~3回
チーズ・ヨーグルト・・毎日
ワイン(適量)・・・・毎日
果物・野菜・・・・・・毎日
パン/パスタ/・・・・・毎日
米/ムギ/芋・・・・・・毎日
」2002.9.28《日本経済新聞》
■ポリフェノール
「カタログ販売大手のイマージュは香川大学、香川県と共同で、香川県特産のオリーブの機能特性を解析する研究に着手。オリーブポリフェノールが持つ効果を、栄養生理や生化学の面から分析。
オリーブの実や様に含まれるポリフェノールであるオレウロペインという成分の機能特性を、遺伝子レベルの実験解析で調べる。
オレウロペインは、試験管レベルで強力な抗酸化作用や抗菌作用、抗ガン作用、糖質分解酵素阻害作用などが確認されている。」20065/11《産業》








 オールスパイス
(参照→「オイゲノール」)
  【学名】Pimenta oficinalis
  【英名】Allspice
   ◎液果。
  【成分】精油(4.5%):オイゲノール
             シネオール
             フェランドレン
             カリオフィレン
  【効能・効果】
     鼓腸
  【利用法】
    調理用:ピクルス
        プリザーブ
        ビスケット
    ポプリ(香りツボ)
  【参考】
    <1>オールスパイスの名前は、シナモン・ナツメグ・クローブを混ぜたような香      りがあったことから付けられた。
<2>強い香りは液果の外皮にあるので、使用前に液果をまるごと、素早くすりつ     ぶして使う。





 オレガノ (オリガナム)
  【学名】Origanum vulgare
  【英名】Oregano、wild marjoram
  【和名】(ハナハッカ)
  【分類】シソ科、多年草。
  【原産地】ヨーロッパ~西アジア
【特徴】草丈が40~50cmになり、根元から茎が多数叢生し、茎は直上orやや斜上してたくさんの枝を出します。
茎葉には短い毛が生えています。茎葉にはハッカ(ミント)に似て、ピリッとした香と甘味があります。
  【使用部位】葉。
  【成分】精油:チモール
         オリガネン
         カルバクロール
      苦味質
      タンニン酸
      樹脂
  【効能・効果】
     <1>強力な通経剤
     <2>激しい皮膚刺激物質:粘膜を激しく刺激する。
  【注意】
     <1>マッサージと沐浴に使用不可。
     <2>精油バーナー、エアースプレー、吸入などには、マージョラムで代用すべ      きです。
  【参考】マージョラム(Origanum majorana)に極めて近縁の植物で、「ワイルドマージ      ョラム」として知られています。
オレガノ抽出物
(オレガノの葉から得られた、カルバクロール及びチモールを主成分とするものをいう。)    
シソ科オレガノ(Origanum vulgare LINNE)の葉より、室温時~温時エタノール、含水エタノール又はヘキサンで抽出して得られたものである。成分としてチモール及びカルバクロールを含む。 製造用剤 Oregano extract
■骨関節炎・慢性関節リウマチ
「オレガノ中の化合物類は遭遇する他の化合物から電子を奪い、フリーラジカルによって起こる細胞損傷の予防に役立つでしょう。
含有するロスマリン酸に抗菌抗炎症、抗酸化、抗ウイルス作用があるため。」(GPp61)




 オレンジ
【学名】Citrus aurantium (C.vulgaris)
【英名】Orange
【使用部位】果実・果皮・花。
【成分】
     <1>花:精油(ネロリ油)
     <2>果実及び果皮:精油(リモネン)
              ビタミンC
              フラボノイド
              苦味質
  【利用】香水
      調理用
     ◎精油(オレンジ油)は、
       ①ビターオレンジとスイートオレンジの果実の外皮の色のついた        部分を単純に圧搾して抽出します。
       ②この活性成分はリモネン・シトラール・シトロネラールを含む。
       ③冬に用いるとすばらしい効果を発揮する。
       ④相性の良い精油:シナモン・ナツメグ・クローブ・ラベンダー。
     ◎オレンジ花水(orange flower water)
①オレンジの花弁を蒸留して得る。
       ②スキンケアに用いる。
         バラ水より収斂性が高い。
  【効能・効果】
     利尿薬
     消化薬
     抗ウツ作用
     鎮痙作用
     健胃作用
     鎮静作用(緩和な)
     ◎ネロリ油(オレンジの花から得られる精油)と類似の用途。
  【注意】
     以下の患者には避けた方がよい。
        ①むかつきを伴う片頭痛
        ②関節炎
  【参考】
<1>ビターオレンジ(ダイダイ、C.aurantium):
         ①マーマレードの原料。
         ②ネロリ油を採取
         ③精神不安・抑鬱状態の解消にアロマセラピーで用いられる。
     <2>スイートオレンジ(C.vugaris):食用
<3>タンジェリン(C.reticulata):食用
  オレンジ色素
(アマダイダイの果実又は果皮から得られた、カロテン及びキサントフィルを主成分とするものをいう。)   カロチノイド
カロチノイド色素
カロテノイド
カロテノイド色素
果実色素 ミカン科アマダイダイ(Citrus sinensis OSBECK)の果実又は果皮より、搾汁したもの、又は熱時エタノール、ヘキサン若しくはアセトンで抽出し、溶媒を除去して得られたものである。主色素はキサントフィル及びカロテンである。黄色を呈する。 着色料 Orange colour


オレンジラフィー
■アメリカで人気
オーストラリア南部、ニュージーランド、チリ沖など南太平洋および大西洋の、水深800~1500メートルの深海に生息する深海魚。マルハが中国でアフリカ南部で採れるオレンジラフィーの加工を2004年から始める。



王瓜根(おうかこん)
【効能・効果】
○乳汁の出をよくする。
 「作末し1日3回酒で調服。」
○酒疸を治す。
○小児の痢疾に使う。



王不留行(おうふるぎょう)VACCARIAE SEMEN
【基原】

<1>ナデシコ科(Carypphyllaceae)麦藍葉 Vaccaria pyramidata Medic. の成熟種子。
<2>ナデシコ科(Carypphyllaceae)ドウカンソウVaccaria vulgaris Host.(=V.           segatalis)の種子。
<3>マメ科(Leguminosae)カスマグサ、スズメノエンドウ。
<4>クワ科(Moraceae)オオイタビ Ficus pumila L.の成熟果殻:「薜茘ヘイリ」「木蓮」
<5>ノボタン科ノボタン
<6>オトギリソウ科トモエソウ


◎一名剪金花といって淋疾に効く《資生》

【性味】味は苦甘、性は平、無毒。
【帰経】肝・胃経。
【分類】活血薬
【薬性歌】“王不留行除風痺 調経催産乳癰類”
【効能・効果】
◎催乳、通経、消腫、止痛
       <1>金瘡の血を止め
       <2>衂血
       <3>癰疽・悪瘡を治し
       <4>風毒をなくし
       <5>血脈を通し
       <6>婦人の月経不順と
       <7>難産を治す。
◎乳汁不足:「王不留行15g、豚脚1本」煮て食する。
◎睾丸炎
◎乳腺炎:「王不留行15g、蒲公英30g、白6g」
【薬対】
    『王不留行+穿山甲』
    『王不留行+続断』
【配合処方】
     王不留行散《金匱要略》
     王不留行湯《備急千金要方》
     通乳湯
     板王消毒飲


黄衣 Plantala flavescens
   ⇒トンボの一種。食用にする。


黄花地丁(おうかじちょう)

黄花草(おうかそう)


黄蓍(おうぎ) ASTRAGALI RADIX
【処方名】:[黄蓍][北蓍]
【基原】中国の山地に自生し、または栽培される多年草。
マメ科Leguminosae黄蓍 Astsagalusu mambranaceus Bge.(キバナオウギ)の根。
マメ科ナイモウオウギ(中国名:内蒙黄蓍)
キバナオウギ(中国名:膜莢黄蓍)
アストラーガルス属:「綿黄蓍」
ヘディサールム属(イワオウギ属):「紅蓍」(中国名:多序岩黄蓍)
イワオウギ:「和黄蓍」日本で以前に採取されていた。
タイツリオウギ:キバナオウギの相当種。
【性味】味は甘、性は微温。 温補中升中
【帰経】脾・肺経。
【分類】補気薬。
【薬性歌】“黄蓍甘温収汗表 托瘡生肌虚莫少”
 “性温、汗を収め、表を固め、瘡を托し、肌を生ず。気虚には少なきこと勿れ”
【効能・効果】(強壮・滋養・潤肌・止汗・利尿・排膿)
       <1>補気升陽。
       <2>固表止汗。
       <3>利水消腫。
       <4>托毒排膿。
     ◎気を補い表を固める。
       <1>気血虚弱。
       <2>気虚自汗。
       <3>水腫。
       <4>血痺。
       <5>癰腫。
       <6>脾虚泄瀉
     ◎肌を温め、肥らせるに役立つ」
       「煎服。」
     ◎汗を止める。
       「黄蓍(蜜水炒)に甘草(炙)を少し入れて水煎し服用。」
     ◎三焦を補益し衛気を充実させる。
      これは上・中・下・内外三焦の通治薬。
       「水煎服」
     ◎虚労の痩せ、諸虚の不足を補う。
       「蜜水で炒って煎服。」
     ◎タンパク尿:「党参、糯米根、熟地黄」
     ◎気虚のガン患者に。(10~30g煎服)
       ⇒「党参・補骨脂・白朮・茯苓」
     ◎虚実混在のガンに。
       ⇒「山豆根・草河車・腫節風・籐梨根・白花蛇舌草・半枝蓮」

【薬理作用】
<1>人の血漿中のcAMP含量を高める。
<2>核酸の代謝に影響する。
<3>単核マクロファージの貪食作用を増強する。
<4>黄蓍の多糖体は、四塩化炭素・プレドニゾロンなどの毒性を解毒する。
<5>利尿作用(顕著な)がある。
①:ただし有効量の範囲が狭い。少ないと無効、多すぎると尿量減少する。
②:経口投与・静注で有効。
<6>タンパク尿に有効。(ラット)
<7>血管を拡張して血圧降下する。(動物実験)
<8>インターフェロンの生成を促進する。
<9>冠状動脈と全身の末梢血管を拡張する。
①:虚証の水腫に応用。
②:虚証の高血圧症に応用。
<10>毛細血管の抵抗力を高める。
ヒスタミンやクロロホルムによる毛細血管透過性の増加を抑える。
<11>皮膚の分泌腺を閉塞する。
①:止汗作用。
②:発汗過多を抑制する。
<12>強心作用
:中毒性・疲労性の心臓疲労に有効。
<13>肝グリコーゲンの減少を防止する。
<14>抗菌作用(in vitro)
 ①:赤痢菌A群。
 ②:溶血性レンサ球菌。
 ③:肺炎双球菌。
 ④:黄色ブドウ球菌。
<15>中枢神経系を興奮させる。ただし、即効性はない。
  

【修治】
<1>(生):表水をさばく。肉芽形成を促進。托裏排膿作用に。
<2>(炙):補気作用に。
◎蜜水を以て浸(炒)して之を用いる。《万病回春》
◎(蜜炒):扁(ひら)たく(う)って幾度も蜜水を塗って炙り、熟する程度として用いる。
【品考】
凡そ黄蓍の品、柔軟、肉の中白く、色潤沢、味甘し。是れ上品となる。み用ふ。
  

【薬能】
《神農本草経》
 “癰疽、久しき敗瘡、膿を排し、止痛、補虚、小児の百病を主る”
《薬性提要》
 “表を固め、汗を止め、脾胃を補い、元気を益し、排膿、内托する”
《古方薬品考》
 “元を益し、衛分を固実す”
《薬徴》
 “肌表の水を主治す”
 “故に皮水、黄汗、盗汗、身体の腫れ、不仁、疼痛、小便不利を兼治す”
“是れ腫と不仁とは亦皆肌表の水なり”
[肌表]=からだの表面。
[黄汗]=衣が黄色に染まる汗。
[皮水]=浮腫の一種。
《重校薬徴》
“陶弘景は、黄蓍は丈夫の虚損、五労、羸痩を補い気を益すと曰う。甄権は虚喘、腎衰、耳聾、内補を主ると曰う。陳嘉謨は、人参は中を補い、黄蓍は表を実すと曰う。今長沙の論中に就いて詳しく其の方意を参考するに、皆黄蓍を以て肌表の水を治するのみ。未だ嘗て虚を補い表を実すると言わず。為則は嘗て之を聞く、周公は医職に四を置く、食医と曰い、疾医と曰い、瘍医と曰い、獣医と曰うを。夫れ張仲景は古の疾医の流れなり。陶弘景は仙方を尊信するの人なり。故に仲景は疾病を雑言し弘景は動(やや)もすれば養気を論じ延命を談ず。後世の医方を喜くする者は、皆其の俊傑に眩みて其の疾医に害あるを知らず。彼の尊信する所我も亦之を尊信す。滔滔たる者天下皆是なり。豈悲しからずや。夫れ遂に奔獣 は大山を見ず、嗜みて外に在らんと欲すれば則ち聡明蔽わる。故に仲景は黄蓍を以て肌表の水を治し、弘景は之を以て虚損を補い元気を益す。     豈愆(=ケン、あやまる)ならずや、薬は皆偏性の毒物なり。毒物何んぞ之を補することあらんや、是れ其の聡明は延命の為に蔽われんと欲するなり。素問に邪気盛なる時は則ち実す。精気奪わるる時は則ち虚すと曰う。古の所謂虚実なる者を見るべし。皆其の常を失する者に就いて言を為すなり。其の平素なき所の者は今は則ち之あり、此れ之を実すと謂うなり。其の平素ある所の者は今は則ち之れなし、此れ之を虚すと謂うなり。邪とは我の常に無き所の者なり、精とは我の常に有る所の者なり、故に所謂実とは邪の実するを謂うなり。虚とは精の虚するを謂うなり。素問に邪気勝ると謂う者は精気衰うるなり。以て見るべし。是の故に邪実するに因って精気虚する者は、毒薬を以て其の邪を逐除し、穀肉を以て其の精を滋養する時は則ち邪の実去りて精の虚復す。故に素問に毒薬は邪を攻め、五穀は養を為して五畜を益すとなすと曰う。又精気は穀気より生ずと曰う、以てみるべし。嗚呼古今の医人の多くは歴を功にし算すること能わず、而して一人も此の義に達し此の理を明らかにする者なし。豈特り才の難しと言わんか、亦善く書を読まざるの過なり。”
[五労]=心労・肝労・脾労・肺労・腎労。労は虚労の意で衰弱していること。
[羸痩]=やせていること。
[虚喘]=衰弱して呼吸の苦しいこと。
[腎衰]=腎の働きが衰えていることだが、この腎は今の腎臓のほかに生殖機能までも指している。
[耳漏]=難聴。
[内補]=内は体内を指し、内臓を指す。補は力をつける。
《古方薬議》
 “表を実す”
《勿誤薬室方函口訣》
“諸不足を目的とす”
“仲景の黄蓍は、表托、止汗、去水の用とす”
《大塚敬節》
 “肌に湿りがあって、水太りのとき”“知覚鈍麻、しびれているような状態”
“黄蓍には、皮膚の栄養を良くして、体表に停滞する水を去る効があるので、水太りのよく風邪をひく幼児に用いたり、水泡性の皮膚炎に用いたり、虚弱児童によくみられるストロフルスに用いられる”
“黄蓍には、毛細血管を拡大する効があるらしい”
“肩凝りを治する効がある”

《中薬大辞典》
“生で用いると、衛を益し、表を固め、利水し、腫を消し、毒を托し、肌を生じる”
“(生):自汗、盗汗、血痺、浮腫、癰疽の潰せず、潰して久しく斂まらないものを治す” “炙して用いると、中を補い、気を益す。”
 “(炙):内傷労倦、脾虚泄瀉、脱肛、気虚血脱、崩滞及び一切の気衰血虚の証を治す”

(5両)
蓍芍桂枝苦酒湯証=身体腫れ、発熱、汗出でて滑す。又いう、汗衣を沾(うるお)し、色正黄にして薬汁の如し。
防已黄蓍湯証=身重く、汗出て悪風。

(3両)
防已茯苓湯証=四肢腫れ、水気皮膚中に在り。
黄蓍桂枝五物湯証=身体不仁。(不仁=知覚マヒ)

(2両)
桂枝加黄蓍湯証=身常に暮れに盗汗出ずる者。又いう、腰より以上必ず汗出て、下汗なく、腰弛痛、物ありて皮中に在る状の如し。
()=こしぼね
(1両半)
黄蓍建中湯証

【薬対】
『黄蓍+桔梗』=排膿作用。抵抗力低下により、フルンケルや膿瘍が自潰した後の肉芽形成を促す。千金内托散。
『黄蓍+金銀花』
『黄蓍+桂枝』=鎮痛作用。気を通利し、しびれ感、痛みをとる。黄蓍桂枝五物湯
『黄蓍+五味子』
『黄蓍+穿山甲』
『黄蓍+当帰』=益気生血。
 :虚労による身熱・煩渇・顔面紅潮。  
『黄蓍+党参』
『黄蓍+肉桂』
『黄蓍+人参』=滋養強壮作用。脾胃の虚弱にともなう疲労感、病中病後の体力低下、糖尿病などに。また、中気下陥で生じる胃下垂、脱肛など。黄蓍建中湯
=相須の働きで補益力が増大し、全身に作用する。
①:気虚による神経疲労。
②:食欲不振。
『黄蓍+白朮』=補気健脾作用を増強する。
①:疲労倦怠・脱力感。
②:息切れ。
『黄蓍+附子』=《蓍附湯》
『黄蓍+防已』=止汗作用。表虚による自汗、盗汗に。防已黄蓍湯。
『黄蓍+防風』
 防風を得ればその功いよいよ大なり《万病回春》
『黄蓍+牡蛎』
『黄蓍+茯苓』=利水作用。仁年、ネフローゼに伴う浮腫。タンパク尿に。 防已茯苓湯
『黄蓍+木通』
  

【配合処方】
烏頭湯
黄蓍湯《仁斎直指方》
[黄蓍・当帰・芍薬・川・地黄・蝦蟆、鼈甲、人参・柴胡・半夏・橘皮・茯苓・使君子、生姜]
     黄蓍桂枝五物湯《金匱要略》
[黄蓍・白芍・桂枝・生姜・大棗]
     黄蓍建中湯《金匱要略》 
     黄蓍鼈甲湯《和剤局方》 
     帰脾湯 
     桂枝加黄蓍湯
     紫根牡蛎湯
     七物降下湯
     十全大補湯
     内托黄蓍散
       [黄蓍・当帰・川・白朮・金銀花・角刺・天花粉・沢瀉・甘草]
     補中益気湯《脾胃論》
       [黄蓍・甘草(炙)・党参・白朮・当帰・陳皮・升麻・柴胡]
     補陽還五湯《医林改錯》
       [黄蓍(生)・当帰尾・赤芍・地竜・川・桃仁・紅花]
     防已黄蓍湯
     防已茯苓湯


黄牛脳髄
○偏・正頭痛を治す。
     「白・川末各3銭を合わせて調服。」

黄雌鶏(おうしけい)
   ○五臓を補う。
     「茹でて五味であえて食べる。」
   ○胃の補強に良い。
   ○赤白・久痢を治す。
     「汁を作って食べる。」
   ○痩せて寝てばかりいる症に特効。
     「汁を作って常服する。」
   ○脾胃の虚弱・食欲不振・顔がしなびて黄色くなる症を治す。
     「鶏肉5両、白麺7両、葱白2合で煮て食べる。」
   ○労劣を補い、脾胃を丈夫にする。
     「煮たり蒸したりして食べる。」
   ○消渇を治す。




黄狗肉(おうくにく)
   ○精髄を補強する。
     「焼いて味付けして、空腹時に服する。」
   ○精気を補う。
     「五味を混ぜて煮て食べる。」
   ○胃の補強。腸胃を厚くする。
     「煮て食べる。」
   ○泄利が止まり、大腸を丈夫にする。
     「頭肉を黄色くなるまで焼いて粉末にし、米飲で調服。又は丸剤」
   ○下焦を充実させる。
     「五味にあえて食べる。」
   ○腰膝を温めて痛みを止める。
     「淨肉を取って五味で煮て空腹時に服用。」
   ○血脈を補う。
     「炒って五味で味付けて、空腹時に食べる。」
   ○骨髄を良くする。
     「茹でて食べる。」
   ○五労・七傷を治す。
     「酒に混ぜて食べる。」



黄狗頭骨
【効能・効果】
     ○血崩と赤・白帯を治す。
       「焼いて灰にして1銭を酒で服用or丸服。
     ○久痢・労痢・休息痢を治す。
       「雄の脳骨を黄色く焼いて粉末にし、米飲で2銭飲む。or蜜丸で服用。」



黄狗の陰茎・陰卵
【効能・効果】
     ○帯下の十二疾を治す。
       「焼いて末にし、1銭を酒服・丸服。」


黄芩(おうごん) SCUTELLARIAE RADIX
【処方名】:[黄芩][嫩黄芩][条芩][枯芩][枯黄芩][片芩]
【異名】《神農本草経》「腐腸」
《呉晋本草》「黄文」「虹勝」「経「印頭」「内虚」
《名医別録》「空腸」
【基原】中国原産で、中国北部~東北部、内蒙古に自生するシソ科コガネバナの根。
シソ科Labiatae 黄芩Scutellaria baicalennsis georgi.(コガネバナ)の根を乾燥。
「中が空洞で外が黄に肉が黒いのは旧根で、宿芩、片芩という。新根は多くが内が実しており、子芩または条芩という。」《本草綱目》
<1>緑黄色の若い充実した根=[嫩黄][条]
        =裏熱に用いる。 
        条実は下焦を治す。《万病回春》
<2>黒く中空の古い根=[枯][片]
        =肺熱・表熱に用いる。
        枯朽は上焦を治す。《万病回春》
【和名】コガネヤナギ
【性味】味は苦、性は寒。無毒。 寒瀉燥降収
【帰経】心・肺・胆・大腸・小腸経。
手の太陰、陽明経に行く《本草品彙精要》
手の少陰・陽明、手足の太陰・少陽の経の6経に入る《本草綱目》
肺、大腸、膀胱、胆の4経に入る《雷公炮製薬性解》
心、肺、胆、大腸の経に入る《中薬大辞典》
【薬性歌】“黄芩苦寒瀉肺火 子清大腸湿熱可”
  黄芩、苦寒。枯は肺火を瀉し、子は大腸を清す。湿熱皆可なり。《万病回春》

【効能・効果】(解熱・消炎・健胃・利尿・降圧)
○解熱・除湿・瀉火解毒。
<1>熱毒・骨蒸・寒熱にかかったのと
<2>熱渇・黄疸・腸泄痢・
<3>痰熱・胃熱などを治し
<4>小腸を通し
<5>乳癰・発背・悪瘡をなくす。
◎清熱、燥湿、解毒、止血の効能があり、
<1>発熱による煩渇
<2>肺熱の咳嗽
<3>湿熱の黄疸
<4>胎動不安
<5>吐血・衂血・下血。
◎肺の熱を治す。
「丸・末・煮てよい。」
◎血閉・淋露・下血を治す。
「血崩に黄芩を粉末にして焼いて2銭を酒で調服」
◎五淋・熱淋・血淋を治す。
       「水煎服。」
◎腸・赤白痢・腹痛・身熱を治す。
「芍薬と同時に煎じて服用。丸・末服でもよい。」
◎熱毒・骨蒸に片芩(酒炒)を入れると肺火を消す。
◎産前に胎を和らげるのに使う。
◎激症肝炎、高熱:「金銀花、連翹、大青葉」
【修治】
     ◎皮朽を去る。《万病回春》

【薬理作用】
<1>解熱作用
<2>利胆作用:
  急性肝炎のGPT値を低下させる。
<3>抗微生物作用
<4>抗アレルギー作用
<5>鎮静作用
<6>降圧作用
<7>利尿作用
<8>ストリキニーネ中毒に
  

【薬能】
《神農本草経》
“諸熱黄疸、腸泄痢を主る” (腸=細菌性下痢)
“水を逐い血閉を下す。悪瘡、疽、火傷を治す”
《名医別録》
“痰熱、胃中の熱、下腹の絞痛を療す”
“穀を消す、小腸を利かす”
“女子血閉、淋露下血、小児の腹痛を治す”
《陶弘景》
“奔豚、臍下の熱痛を治す”
《薬性論》
“熱毒、骨蒸、寒熱往来、胃腸不利を治す”
“壅気を破る”
“五淋を治す”
“人を暢びやかにする。”
“関節の煩悶を去る”
“熱渇を解く、腹中の強い急痛、心腹の堅脹を治す”
《日華子諸家本草》
“気を下す”
“流行性熱病を主る”
“瘡を療す。膿を排しのける”
“急性乳腺炎、背部に生ずる癰疽を治す”
《珍珠嚢》
“陽の余るのを除く”“心を涼め熱を去る”“寒格を通す”
《李杲》
“発熱口苦を治す”
《南本草》
“上行して肺火を瀉(そそ)ぎだす。”
“男子の五淋、女子の暴崩を治し、経を調え清熱する”
“胎に火熱不安があるときには胎熱を清め、6経の実火実熱を除く”
《本草綱目》
“風熱、湿熱、頭痛、奔豚熱痛、ひどい咳、肺痿喉腥、諸出血を治す”
《本草正》
“枯れたものは上焦の火を清める”
“痰を消し気に利かす、喘嗽を定める”
“失血を止める”“寒熱の往来、風熱湿熱、頭痛を退ける”
“瘟疫を解く、”咽を清める。
“肺痿肺癰、急性乳腺炎、背部に生ずる癰疽を療す。特に皮膚表面の熱を去るので、斑疹、鼠瘻、瘡瘍、急性結膜炎を治る。”
“実証の者は、下焦の熱を涼めれば、赤痢、熱をたくわえが膀胱、五淋渋痛、大腸閉塞、便血、崩血を除くことができる”
《薬性提要》
“火を瀉し、湿を除き、黄を去り、熱痢を止む”
《古方薬品考》
“宜しく膀胱を利すべし”
《薬徴》
“黄芩、心下痞を主治するなり”
“旁ら胸脇滿・嘔吐・下利を治するなり”
“黄芩は心下の病を主治するなり。若しくは嘔吐する者、若しくは下利する者にして、心下痞の証あらば、則ち黄芩を得て即ち治す。それ此の証なき者は、終に効なし。心下痞を治するなり”
“心下痞、腹強急して下利する者は、此の湯之を主る。為則毎(つね)に若(かくのごとき)の証に対すれば、即ち此の湯を用ひ、その応響の如し。”
“張仲景、人参黄芩を用ふるや、心下痞して(かた)き者においてなり。然れば則ち心下痞硬・乾嘔・下利の者、此の湯之を主る。”
《重校薬徴》
 “心下痞を主治す。胸脇苦満、心煩、煩熱下利を兼治する”
“張仲景は黄芩を用いて心下痞を治すのみ。他能あることなし。是を以て心下 痞して胸満する者、煩熱する者、心煩する者、発熱する者、下利する者、吐血、衂血、下血する者に之を用ゆる時は即ち治す”
 “世医篤く本草を信じ芩連を以て寒薬となし、その之を畏るること虎狼の如し思わざるの甚だしきなり、夫れ本草は薬の寒熱温涼を論じ終に一定せず、彼を以て温となし此を以て熱となす、甲を以て寒となし乙を以て涼となす、果たして就れが是にして孰れが非か、夫れ医の薬を用うること猶武夫の兵を用いるが 如し、武夫にして兵を畏る、以て武夫と為すべからず、医も亦然り、毒薬には各々其の能あり、各々その病を主る、故に其の証あるに其の薬を用うるに何んぞ之を畏るることあらん。張仲景は黄芩を用いて心下痞を治するのみ。他能あることなし。是を以て心下痞して胸満する者、煩熱する者、心煩する者、発熱する者、下利する者、吐血、衂血、下血する者に之を用うる時は即ち治す”
《古方薬議》
“裏熱を清解す”
《中薬大辞典》
“実火を瀉(そそ)ぎだす、湿熱を除き、止血し、安胎する”
“壮熱による煩渇、肺熱の咳嗽、湿熱による瀉痢、黄疸、熱淋、吐き気、衂血、子宮出血、精液が自然に漏れるもの、目赤腫痛、胎動不安、癰腫疔瘡を治す”
【比較】
 “黄芩は熱証を治し、黄連は実証を治す”
  

【薬対】
『黄芩+黄連』=清熱鎮静作用。諸熱による精神不安、不眠、頭痛、高血圧、黄疸に。黄連解毒湯。
『黄芩+芍薬』=二仙湯(黄芩・芍薬各5)
『黄芩+白芍』
『黄芩+山梔子』
『黄芩+知母』
『黄芩+柴胡』=清熱作用。少陽病の寒熱往来、胸脇苦満、心下痞、食欲不振、咳嗽、悪心などに用いる。小柴胡湯。
『黄芩+白朮』=「芩朮丸(黄芩3、白朮1.5)」
『黄芩+半夏』=「芩半丸」
『黄芩+夏枯草』
『黄芩+地楡』
『黄芩+桑白皮』
『黄芩+葛根』=止瀉作用。裏熱による下痢、腹痛、嘔吐に用いる。葛根黄芩黄連湯。
『黄芩+阿膠』=止血作用。諸熱による鼻出血、痔出血、子宮出血、血便、血尿、吐血、口内出血に。黄連阿膠湯。
『黄芩+当帰』=安胎作用。血熱による胎動不安に用いる。当帰散。
【各家論述】
《薬対》
“黄芩は厚朴、黄連を得て腹痛を止める”
“黄芩は牡蒙、牡蛎を得て子宝を授ける”(牡蒙=オウソン)
“黄芩は黄蓍、白蘞、赤小豆を得て鼠瘻を療やす”
(鼠瘻=ルイレキ=頸部のリンパ腺結核)
《図経本草》
“張仲景は、傷寒による心下痞満の治療に際して、瀉心湯4両を用いたが、いずれも黄芩が入っていた。黄芩は諸熱を主るので、小腸を利するからである。”
“また、太陽病で下して利が止まらなくなった場合に、葛根黄連黄芩湯を用いた”
“さらに、妊娠安胎を主る散剤にも黄をよく用いる”
《医学啓源》
“黄芩は、肺中の湿熱を治すため、また、上が熱して目中に赤腫ができ、血が壅るのを療するため、必須の薬である”
“膈の飢えに逆上した肺中の火邪を泄し、膀胱の寒による水の不足を補う”
《主治秘訣》
“その用に9つあり、①肺経の熱を瀉(そそ)ぎだす ②夏月に用いるべし ③上焦および皮膚の風熱 ④諸熱を取り去る ⑤婦人の産後に陰を養い陽を退ける ⑥胸中の気を利す ⑦膈(=横隔膜)より上の痰を消す ⑧上焦の熱および脾湿を取り除く ⑨胎を安らかにする”
“酒で炒ったものは上行し、上部の積血を主るが、これ以外のものでは取り除くことができない。気が上逆して肺が苦しい場合には、急いで苦薬を食し泄するというのは、当にこれである”
《張元素》
“粘調な膿血や下痢をする。腹が痛く後重がある、身熱がなかなか取れなくてよくないといった場合には黄芩・芍薬・甘草をともに用いる。肌熱および去痰に黄芩を用い、上焦の湿熱にも黄芩を用いるのは、肺の火を瀉ぎだすからである”
“耐えられない瘡痛には、黄芩・黄連などの苦寒薬を用いるが、上下をよく見分け、引経の薬をもちいる”
《李杲》
“黄芩は、味は苦で渋い。したがって、よく肺火を泄し肌熱を解くことができ、手の太陰経の薬剤である。”
《朱震亨》
“黄芩が痰を降ろすのは、火を降ろすことによる。”
“およそ上焦の湿熱を去るには酒で洗ってから用いる”
“片材の黄芩の場合、肺火を瀉ぎだすには必ず桑白皮を佐薬として用いる”
“肺が虚である場合は多用すれば肺を傷つけるので、まず天門冬で肺気を保定してから用いる”
“黄芩・白朮は安胎の霊薬であるが、世間では黄芩が寒であるから用いようとしない。妊娠には、清熱し血を涼めるのがよく、血が妄りに行かなければ胎を養うことができるので、黄芩は上焦、中焦の薬で火を降ろして下に行かせることができ、白朮は脾を補うことができる”
《本草綱目》
“張潔古氏は「黄芩は肺火を瀉ぎだし、脾湿を治す」といい、李東垣氏は「片材の黄芩は肺火を流し、条材の黄芩は大腸の火を治す」といい、。朱丹溪氏は「黄芩は上焦、中焦の火を流す」という。そして張仲景は少陽病の証を治すのに小柴胡湯を用い、太陽病と少陽病の合病で下痢がある場合は黄芩湯を用い、少陽病の証で下したのちに心下満となり痛まない場合は瀉心湯をもちいた。また成無已は、「黄芩は、苦で心に入る。痞熱を泄す。それは黄芩が手の少陰経、手の陽明経、手足の太陰経、手足の少陽経の6経に入ることができるからである」という。”
《神農本草経疏》
《本草彙言》
《薬品化義》
《本経逢原》
“昔の人は柴胡が熱を去る力は黄芩に及ばないとしたが、しかし柴胡は少陽病の往来寒熱をもっぱら主り、少陽は枢軸であるから、柴胡でなければ中外を宣通するこはできない。黄芩は陽明病の蒸熱をもっぱら主り。陽明は中に居るから、黄芩でなければ蘊著ったものを開き泄することはできない。”
《本経疏証》
“仲景が黄を用いる場合、3つの(ぐう)(連れあい)があった。
気分に熱が結んだ場合は、柴胡をとした<小柴胡湯・大柴胡湯・柴胡桂枝湯・柴胡桂枝乾姜湯>
血分に熱が結んだ場合は芍薬をとした。<柴胡桂枝湯・黄芩湯・大柴胡湯・黄連阿膠湯・鼈甲煎丸・大黄虫丸・奔豚湯・王不留行散・当帰散>
湿熱が中焦を阻げた場合は、黄連をとした。<半夏瀉心湯・甘草瀉心湯・生姜瀉心湯・葛根黄芩黄連湯・乾姜黄芩黄連人参湯>
柴胡は、気分の結を開くことができるが、気分の熱を泄することができない。黄連は、湿に生じた熱を治することはできるが、熱に生じた湿を治することはできない。これを戦闘の解決にたとえると、ただ戦闘行為だけを除去しただけでは戦闘が終了したことにならない。ゆえに、黄芩が柴胡と協力することにより気分の熱を清めることができ、芍薬と協力することにより血分に迫る熱を泄することができ、黄連と協力することにより熱に生じた湿を解くことができるのである”
  

【配合処方】
黄土湯
黄芩夏菊湯:[黄芩・夏枯草・菊花]
黄芩湯
王不留行散
黄連阿膠湯
葛根黄芩黄連湯
甘草瀉心湯
候氏黒散
柴胡桂枝湯
柴胡桂枝乾姜湯
柴胡加芒硝湯
柴胡加竜骨牡蛎湯
三物黄芩湯
聚金丸:[黄芩・黄連・防風]
生姜瀉心湯
小柴胡湯
大黄虫丸
大柴胡湯
当帰散
当帰湯
半夏瀉心湯
附子瀉心湯
鼈甲煎丸
防風通聖散
奔豚湯
麻黄升麻湯

(3両)
黄湯証=自下利。
[自下利]=下剤を用いたための下痢でなく、自然に下痢する。
六物黄湯
乾姜黄連黄人参湯証=吐下
小柴胡湯証=胸脇苦満
大柴胡湯証=心下痞硬、嘔吐して下利す。
[心下痞硬]=みずおちがつかえて硬い。
柴胡姜桂湯証=胸脇滿微結。心煩。
[胸脇滿微結]=胸脇苦満の軽症。
葛根黄連黄湯証=利遂に止まず。
半夏瀉心湯証=嘔して腸鳴り、心下痞。
[腸鳴り]=腹鳴りの誤り《大塚敬節》
(1両)
柴胡桂枝湯証=微嘔・心下支結。
[心下支結]=みずおち部で、腹直筋がつっぱている状。
瀉心湯証=心下痞
附子瀉心湯証=心下痞

【参考】(→スカルキャップ)


黄松筋
【効能・効果】
○偏風の口眼斜と毒風の筋攣・骨痛を治す。
「酒に漬けて飲む。松筋酒という。」

黄精 (おうせい)
[薬性歌]“黄精味甘安臓腑 五労七傷皆可補”
“味甘、能く臓腑を安んじ、五労七傷、此の薬は大いに補う”
  

【効能・効果】 (参照→「ナルコユリ」)
○常用すると身軽く、不老、飢えを覚えず。
○虚損と五労・七傷を治し、五臓を和らげる。
「根・茎・花・実を乾かして食べ、又作末して1日3回調服する。」
○長く食べると、穀物を食べなくてもよく、甘く食べやすい。根・葉・花・実みな食べられる。又蒸したり晒したり乾かしたり、丸服・散服に良い。」
  【修治】
◎根・茎・花・実全部を水侵し、苦汁を去り、9回蒸して9回晒し、陰干し粉末にする。《神農本草経》




黄独⇒黄薬子

黄丹⇒「鉛丹」
   
黄土
=かまどのやけつち(長年月焼かれたり竈の中の下土
  

【薬能】
《古方薬品考》
“性にして、沈墜なり。故に能く逆気を降ろし、専ら吐血、下血、及び 諸々の妄血を治す”
《古方薬議》
“味微温、逆、吐血、鼻洪、腸風、帯下、尿血を止むることを主どる”



黄柏(おうばく) PHELLODENDRI CORTEX
【処方名】:[黄柏][川柏][黄檗]。
【基原】山地に自生する落葉高木、ミカン科キハダのコルク層を除いた樹皮。
【性味】味は苦、性は寒。無毒。寒瀉燥降収
【帰経】腎・膀胱・大腸経。
【分類】清熱燥湿薬。
【薬性歌】“黄柏苦寒主降火 湿熱骨蒸下血可”
“苦寒、火を降し、陰を滋し、骨蒸、湿熱、下血に任ずるに堪えたり”《万病回春》
  

【効能・効果】(解熱・消炎・健胃・利尿・利胆) (参照→キハダ)
○清熱燥湿・瀉火解毒・清虚熱。
<1>五臓・腸胃を良くする。
<2>黄疸
<3>腸痔
<4>泄痢
<5>婦人の漏不赤
<6>白陰部の瘡を治す。
<7>疳虫を殺す。
<8>疥癬
<9>目の赤熱
<10>口瘡
<11>骨蒸
<12>労熱を治す。
○清熱して湿を除き、瀉下解毒、虚熱を去る。
◎膀胱の熱を瀉し下竅を利する。
「煎じ・丸剤」
◎目の熱、赤痛・多涙を治す。
「煎じて洗うと、目が明るくなる。」
◎口瘡を治す。
「(蜜炒)し細末にして塗る。」
◎下疳瘡と陰茎上の瘡を治す。
「黄柏・蛤粉を等分に作末して塗る。」
◎五臓と腸胃中の結熱を治す。
◎消渇を治す。
 「水煎、丸服。」
◎黄疸を治す。
◎打撲・捻挫・火傷・扁桃炎に著効:
「黄柏末を半分を(炒)、半分は生のまま混合し、酢又は水で練って塗布する。or濃煎汁で湿布する。」
○アデノイドに・・・「黄柏煎」
かぜをひくたびに扁桃腺が腫れて高熱を出し、また慢性の扁桃炎のあるものには黄柏1味を煎じ汁で、朝夕含嗽をさせると風邪を引かなくなり、扁桃腺の腫れがなくなる。半年~1年続けるとよい。小柴胡湯と併用してもよい(漢方診療医典)
  

【薬理作用】
<1>胆汁分泌促進作用
<2>降圧作用
<3>抗菌作用
<4>抗炎症作用
<5>子宮抑制作用
<6>中枢神経抑制作用
<7>アセチルコリン増強作用
  

【修治】
◎粗皮を去り、切片は(蜜炒)(酒炒)(人乳炒)(童便炒)或いは、生用、病に随って之を用いる。《万病回春》
◎(塩炒):塩水に浸し乾燥後、文武火(適温)で炒る。
  

【薬能】
《神農本草経》
 “五臓腸胃中の結熱、黄疸、腸痔を主り、泄痢、女子の赤白漏下、傷陰、瘡を止める”
《古方薬品考》
“専ら肌熱身黄を掌る”
《古方薬議》
“湿熱を清す。結熱黄疸を主り、痢を止め、心痛、鼻洪腸風、瀉血を治す”
《張元素》
“黄檗の用途には六つあって、膀胱の龍火を瀉するのが一、”
“小便結を利するのが二、”
“下焦の湿熱を除くのがその三、”
“痢疾に先ず血を見るが四、”
“腎の不足を補い、骨髄を壮んにするのが六”
“凡そ腎水・膀胱不足の諸痿厥で、脚膝の無力なものには黄蓍湯中に加えて用いると、両足膝中の気力を湧出せしめて痿軟が直ちに去る。すなわちに必用の薬である。蜜で炒って研末すれば、口瘡を治するに神の如くである。故に雷公炮炙論にいう口瘡・舌折、たちどころに癒える黄酥とは、酥を以て根を炙いて黄にして含むことを言ったものだ”
《中薬大辞典》
“熱を清し、湿を燥し、火を瀉し、解毒する”
 “熱痢、泄瀉、消渇、黄疸、淋濁、痔瘡、血便、赤白帯下、骨蒸労熱、目赤腫痛、口舌生瘡、瘡傷腫毒を治す”
  

【薬対】
『黄柏+細辛』
『黄柏+黄連』=清熱作用。主に下焦を中心に湿熱を去るので、湿疹、瘡瘍、痔出血、膀胱炎、帯下、陰部腫痛、打撲による腫痛、口内炎、目の充血に用いる。黄連解毒湯。
『黄柏+車前子』
『黄柏+赤芍薬』
『黄柏+蒼朮』=「二妙散」
『黄柏+蒼朮+牛膝』=「三妙散」
『黄柏+蒼朮+牛膝+苡仁』=「四妙散」
『黄柏+木香』
『黄柏+白頭翁』=整腸止瀉作用。湿熱による下痢、下血に。白頭翁湯
『黄柏+山梔子』=利胆作用。湿熱による黄疸。梔子柏皮湯
  

【配合処方】
梔子柏皮湯
大黄消石湯
白頭翁湯
白頭翁加甘草阿膠湯

【各家論述】
《医学啓源》
“黄蘗は、腎水、膀胱の不足、もろもろの痿厥(手足が萎え、冷える)、腰の無力を治す。黄湯の中に加えれば、両膝に気力をわき出させ、痿軟はたちどころに去る”
《李杲》
“黄蘗、蒼朮は痿を治す要約である。下焦の湿熱による腫れや痛み、膀胱に火邪があり、小便不利や小便の黄渋を取り去るには、酒で洗った黄蘗、知母を君薬とし、茯苓、澤瀉を佐薬として用いる。小便不通で口渇のものは、邪熱が気分にあり、肺中に熱が伏して水を生じないことが、小便を絶やしている根源である。この場合は、法としては、猪苓、澤瀉の類の気味とともに薄痰のしみ込む薬を用いて、肺火を瀉ぎだして肺金を清め、水が化す源(つまり金)を滋う。もし邪熱が下焦の血分にあり、口が渇かないのに小便不通である場合には、《素問》でいう「無陰なれば、すなわち陽のもって生ずるなく、無陽なれば、すなわち陰のもって生ずるなし」、「膀胱は州都の官なり、津液が蔵せられる。気化すればすなわち出ずること能う」である。法としては、気味ともに厚い陰中の陰の薬を用いて治すべきで、黄蘗・知母がそうである。長安の王善夫が小便不通を病んだ。だんだん中満(=腹の腸満)になり、腹が石のように堅くなり、脚腿が裂け破れて水が出、両方の眼睛(睛=ひとみ)が飛び出し、飲食は下らず、名状しがかい苦痛を訴え、腸満を治す利尿滲泄の薬はひととおり服用した。しかし効果が無かった。私はこれを診て、これは、栄養過多である。美食の積熱が腎水を損傷し、膀胱が長期間乾涸して、小便が化せず、火も逆上して嘔となったのである。《難経》で言う、「関すれば小便を得ず、格すれば吐逆する」である。潔古老人は「熱が下焦にあれば、ただ下焦を治せ。その病は必ず癒る」と言っている。そして、北方の寒水によって化した大苦寒薬である黄蘗、知母各1両を、酒で洗って焙ってひいて、肉桂1銭を引薬とし、水で煮て子大の丸剤にし、毎晩200丸、沸かし湯で飲ませた。ほどなく前陰に刀を刺したように灼熱感があり、尿が滝のように流れ出し、ベッドの下まで流れた。見る間に腫脹は消え去った。”
《本草衍義補遺》
“蘗皮は手の厥陰経に走り、火を瀉ぎだし陰を補う効能がある。細辛を配して、口瘡を治すのに妙効がある”
《朱震亨》
“黄蘗は、至陰に走り、火を瀉ぎだし陰を補う効能があるが、陰中の火でなければ用いるべきではない。”
“知母を得て陰を滋い火を降ろす。蒼朮を得て湿を除き清熱する”
《湯液本草》
“黄蘗は、足の少陰経にきく剤である。腎は燥を悪むので、腎は湿を停める。梔子・黄は肺に入り、黄連は心に入り、黄蘗は腎に入るが、湿を燥すものの帰するところは、それぞれの類に従う”
《医学入門》
“黄蘗は目が赤いもの、鼻”


黄皮核(おうひかく)


黄薬子(おうやくし)


黄羊角(おうようかく)

黄連(おうれん) COPTIDIS RHIZOMA   
【処方名】[黄連][川連]
【基原】山間の樹陰地に自生し、または兵庫・福井・鳥取で栽培される多年草、キンポウゲ科オウレンの根をほとんど除いた根茎。
キンポウゲ科Ranunculaceae 黄連Coptis chinensis Franch.の根茎。
<1>コプティス・キネンシス=[味連](中国)
<2>コプティス・オオメイエンシス=[雅連](中国)
<3>コプティス・テートイデス=[雲連](中国)
<4>メギ科タツタソウ=[鮮黄連](朝鮮)
★植物学的には3変種に細別される。
<1>キクバオウレン
<2>セリバオウレン
<3>コセリオウレン
  

【性味】味は苦、性は寒。  寒瀉燥降収
【帰経】心・肝・大腸・胃経。
【分類】清熱燥湿薬。
【薬性歌】“黄連味苦主清熱 除痞明目止痢泄”
“味苦、心を瀉し、痞を除き、熱を清し、眸を明らかにし、腸を厚くし痢を止む”《万病回春》 (眸=ボウ、ひとみ)

【効能・効果】(解熱・消炎・降圧・健胃・鎮)
○清熱して湿を除き、心労を解き、瀉熱して解毒する。
◎神を養い、多く飲むと楽しくなる。
「粥にして食べても良く、皮を剥いて粉末にし、水に混ぜると赤い皮がまた剥けるが、これを取り去って青いものだけを粉末にし、竜脳を少し入れて温水で服用。」
◎心熱を吐かせ、心中の悪血をなくす。
「煎じても、粉末でも良い。」
◎胆を良くする。
「煎じ・末・丸剤」
◎赤・白痢の腹痛、又は膿血症を治す。
「黄連3銭を酒で煮て飲み、又は作末して卵大の丸服。」
◎青盲・熱気目痛・涙の出るのを治す。
「煎・末服。黄連を乳汁に漬けて点眼する。」
◎口舌の生瘡を治す。
「酒で黄連を煮て飲み下す。」
◎心下の急痛。
「半夏と煎じて服用。」
◎気結と心胸の痞を治す特効薬。
「生姜汁に杏仁・黄連を入れ煎服。」
◎急な心痛に。
「水煎し1日3回服用。」
◎一切の熱と血熱・酒熱を治す。
◎消渇を治す。
「酒に漬けて蒸して作末し、蜜で丸めて白湯で50~70丸呑み下す。」
◎疳虫を治す。
  

【修治】
◎鬚を去り、生用すれば:心を炙し、熱を清す。《万病回春》
◎(酒炒):腸胃を厚くし。
◎(姜製):嘔吐を止める。《万病回春》
  

【薬理作用】
<1>鎮痙作用
<2>降圧作用
<3>抗菌作用
<4>抗炎症作用
<5>中枢抑制作用
  

【薬能】
《神農本草経》
 “熱気の目痛、眥傷の涙出、明目、腸の腹痛下痢、婦人の陰中腫痛を主        る”
《薬性提要》
 “心に入り火を瀉し、肝を鎮め、血を涼し、湿熱を清し、鬱を散ず”
《古方薬品考》
 “心臓の熱を清す”
《薬徴》
“黄連、心中の煩悸を主治するなり。旁ら心下病・吐下・腹中痛を治す”
[心中の煩悸]=胸の中が苦しく動悸がする。
“夫れ万物は天(=造化の神)より生ずるなり。故に天命之を性と謂ふ。性は唯(ただ)一なり。その能も亦唯一なり。之を良能と謂ふ。然れどもその多能あるものは、性の枝して岐(わか)るるところなり。性の本にあらざるなり。之を羸能と謂ふ。人、羸能に眩(まどわされる)じて、性の多能を謂ふもの多し。余嘗て本草を読むに、その主治を挙ぐること甚だ多し。夫れ主治なるものは、性の能なり。一物の性、豈に此れ多能あらんや。今近く、譬(たとえ)を人の多能に取らんか。夫れ人の性や、任(任侠、おとこ気)なる者あり、清(邪念がない)なる者あり、和(おだやか)なる者あり、直(正直)なる者あり。聖人と雖も移易すべからず。しかして多能あり、無能あり。多能は天性の外に求めて成るにあらず。無能は天性の中に求めてなきにあらず。その性に従って之を用ふれば則ち多能なり。是れその性を用ふるに善き者なり。天性に由って多能なるにあらざるなり。故に天性任なる者、用ひて多能なるは、則ちその性の任を尽くすのみ。任の外に、その能あることなし。清は則ち清、和は則ち和、直は則ち直、性の一に従って之を貫く。移易すべからず。亦学んで之を脩めて以ってその多能を成す者あり。天性の若く然り。然れども性を去って然るにあらず。亦性に与(あずか)って成る者なり。天性の若く然り。然れども性を去って然るにあらず。亦性に与って成る者あんり。此れ人の道において論ずる所以にして、草根木皮において論ずる所以にあらざるなり。夫れ人性の能を用ふるに善き者、彼の若し。況や草根木皮においておや。性の外に、多能あることなし。しかして一草に何ぞ多能之れあらんや。夫れ黄連の苦は心煩を治するなり。是れ性の能たり。張仲景用ひて、心下痞・嘔吐・下利の証を治するなり。是れ性の枝して岐るるところなり。故に心煩の状なき者に、之を試むるに効なし。心煩を加ふる者は、その応響の如し。仲景、心下痞・嘔吐・下利を治するに、その方、黄連を用ひざるもの甚だ多し。斯れ亦以って徴すべきなり。是れに由って之を観るに、黄連は心煩を主治するなり。本草の謬りや明らかなり。黄連の能多きか。多からざるなり。”
[天命之謂性]=天が命じて人に与えたものを性という。先天性の本性。
中庸第一章に「天命之謂性、率性之謂道、修道之謂教」とある。
[良能]=その人に生まれつきそなわった能力。
孟子尽心上に。「人之所不学而能者、其良能也」とある。
[多能]=多方面に才能のあること。
[羸能]=ありあまる才能。
[移易]=うつしかえる。
“為則按ずるに、人参・黄連・茯苓の3味は、その功大同にして小異なり。
人参は心下痞硬して悸するを治するなり。
黄連は心中煩して悸するを治するなり。
茯苓は肉筋して悸するなり”
“牡蛎・黄連・竜骨、同じく煩躁を治し。しかも各主治するところあり。
中は黄連の主るところなり。
臍下は竜骨の主るところなり。
しかして部位定まらずして胸腹煩躁の者は、牡蛎の主るところなり”

《重校薬徴》
“心中煩悸を主治し、心下痞、吐下、腹中痛を治す”
“黄連の苦は心中煩悸を治すなり、是れ性の能なり。張仲景の之を用うるは、心下痞、嘔吐、下利、腹痛、吐血、衂血等の証を治するなり、是れ性の枝にして岐れる所なり、是れを以て前証有りと雖も、苟も心中煩悸の証なき者は、之を用いて効なし、心中煩悸にして、前証を発する者は其の効響くが如し。仲景の心下痞、嘔吐、下利、腹痛、吐血、衂血等の証を治する方中黄連を用いざるもの甚だ多し、斯れ亦以て徴すべきなり、是に由りて之を観れば、黄連の主治は心中煩悸なるや明らかな。本草の節や誤なり、黄連の能多きや、多からざるなり”
《古方薬議》
 “熱を瀉し、下痢を治す。その功黄、黄柏と近し”
《中薬大辞典》
“瀉火、燥湿、解毒、殺虫”
“時行の熱毒、傷寒、熱盛心煩、痞満嘔逆、菌痢、熱瀉腹痛、肺結核、吐衂、消渇、疳積、回虫病、百日咳、咽喉腫痛、火眼、口瘡、癰疽瘡毒、湿疹、湯火傷を治す”
  

【薬対】
『黄連+生地黄』=黄連丸《備急千金要方》
『黄連+細辛』
『黄連+黄芩』=健胃清熱作用。湿熱による胃部実滿、口苦、嘔吐、噫気を治す。黄連解毒湯
『黄連+甘草』=整腸止瀉作用。腹痛して下痢、  甘草瀉心湯
 『黄連+肉桂』
『黄連+呉茱萸』
『黄連+広木香』
『黄連+葛根』
『黄連+乾姜』
『黄連+紫蘇葉』
『黄連+牛黄』
『黄連+大黄』=清熱解毒作用。炎症を伴う瘡瘍、湿疹、口内炎などの皮膚粘膜疾患および充血や出血などの変調(吐血・衂血・痔出血・目の充血)を治す。三黄瀉心湯
『黄連+半夏』
『黄連+阿膠』
『黄連+犀角』
『黄連+蓮子』
『黄連+竜骨』
『黄連+梔子』=清熱鎮静作用。熱病による諸種の不快症状(煩熱・煩躁・不眠・煩渇)を治す。黄連解毒湯
  

【配合処方】
烏梅丸
黄連阿膠湯
黄連解毒湯《外台秘要方》
黄連湯《傷寒論》
葛根黄連黄芩湯
乾姜黄芩黄連人参湯
甘草瀉心湯
香連丸
左金丸
三黄丸
三黄瀉心湯《金匱要略》
小陥胸湯
生姜瀉心湯
清上防風湯
大黄黄連瀉心湯
白頭翁湯
半夏瀉心湯《傷寒論》
附子瀉心湯
(4両)
黄連阿膠湯証=心中煩して臥すを得ず。
黄連が君薬。
(3両)
黄連湯証=胸中熱あり、腹中痛み、嘔吐せんと欲す。
乾姜黄連黄人参湯証=吐下。
葛根黄連黄湯証=利遂に止まず。
[利遂止]=ひきつづき下痢が止まらない。「遂に」は、ある事柄にひきつづくの意で、ここでは、医者が誤って下剤を用い、それにつづいての意味。
白頭翁湯証=下痢し水を飲まんと欲す。
(1両)
大黄黄連瀉心湯証=心下痞、之に按じて濡。
瀉心湯証=心気不足(=こころもちが落ち着かない)。瀉心湯証に曰く、心気不足して吐血・衂血する者は瀉心湯之を主ると。すでに不足と云ひ、また瀉心と云ふ。此れ後世の論説に由って起こるところなり。然れども千金方は不足を不定に作る。斯れ仲景の古なり。しかして不定は煩悸の謂(いい)なり。


【参考】
黄芩との比較:竹茹温胆湯[2]《寿世保元》
■薬効成分を蓄積
「京都大学木質化学研究所の矢崎一史教授らの研究チームは、植物が薬効成分を体内に蓄える仕組みを明らかにした。細胞表面にポンプとして働くタンパク質が存在し、目的の成分を細胞内に取り込んでいるという。医薬品の原料となる物質を大量に貯蔵できる植物の開発などにつながる。
キンポウゲ科の薬用植物「オウレン」の細胞を解析した。オウレンは抗菌作用を持ち、胃や腸の調子を整える民間薬の薬効成分である有機化合物「ベルベリン」を地下茎に蓄えている。
地下茎の細胞を調べたところ、細胞膜に存在するタンパク質の1つがポンプのように機能してベルベリンを細胞内に取り込むことが分かった。研究チームはこのタンパク質を『Cjmdr1』と名付けた。
このタンパク質の設計図に当たる遺伝子を植物細胞に組み込んでポンプを増やせば、薬効成分の貯蔵力も高まるとみている。
従来、植物の有用成分の含有量を増やす試みはあったが、それを蓄積する技術はなかった。成果は1.21米科学アカデミー紀要に掲載」2003.1.21《日経産業新聞》





桜皮(おうひ)PRUNI CORTEX
【基原】バラ科(Rosaceae)ヤマザクラPrunus jamasakura Sieb.ex Koidz.の樹皮を乾燥したもの。
ヤマザクラ系・ヒガンザクラ系・チョウジザクラ系の3系統ある中で、山地に自生するヤマザクラ系を使用する。
★華岡青州《瘍家方筌》の「十味敗毒湯」に、樸の代用に桜皮を用いている。
   (参照→樸)
  

【民間療法】
<1>《救民単方》
イ)痢疾に:「山桜の樹皮黒焼き茶」各等分、作末し用いる。
ロ)吃逆(シャックリ):樹皮の黒焼き、作末し白湯で用いる。
《諸国古伝秘方》



罌栗殻(おうぞくこく)
 [薬性歌]
 “渋、洩痢嗽、病を劫すこと神の如く、人を殺すこと劔の如し”
(洩=エイ、もれる) (劫=ゴウ、おびやかす)

【効能・効果】
○痢疾を治す。
「芽と中身を捨て、醋で炒って作末し、米飲で1銭調服。」
○反胃で食物が降りない症。
「子を竹瀝にまぜて粥を作り食べる。」
○肺を静め、咳喘を止めたあと使うもので、みだりにつかってはいけない。




遠志(おんじ) POLYGALAE RADIX
【処方名】:[遠志][遠志通]
【基原】中国東北部や内蒙古に自生する多年草、
ヒメハギ科(Polygalaceae)イトヒメハギPolygala tenuifolia Willd.の 根を乾燥。
「遠志通」:根の木部を抜き去ったもの、品質が良い。
【性味】味は苦辛、性は温。  温補燥降散
【帰経】肺・心・腎経。
【分類】養心安心薬。
【薬性歌】“遠志気温駆悸驚 安神鎮心益聡明”
“気温、能く驚悸を殴ち、神を安んじ、心を鎮め、人をして多記せしむ”
  

【効能・効果】(鎮静・強壮・痰)
◎心を落ち着かせ、智を増し、欝を散じ、痰を化す。
<1>驚悸健忘
<2>咳嗽
<3>癰疽
◎魂魄を安定させ、健忘症を治す。
「甘草水に漬けて煮たあと、骨は捨て肉を粉末にして毎回2銭を酒で服用。」
◎心気を定める。
「芯を去って粉末、又は煎服。」

【修治】
◎甘草湯を用い漬すこと1宿、透し、骨を去り、晒して乾燥。《万病回春》
◎甘草水泡:甘草湯に浸すこと一夜して中の骨を去り、皮をへ削りてみ、日 に乾かし焙り用いる。

【薬理作用】
<1>痰作用
<2>子宮収縮作用
<3>溶血作用
  

【薬能】
《神農本草経》
 “咳逆、傷中を主り、不足を補い、邪気を除き、九竅を利し、智慧益す”
 “耳目は聡明となりて忘れず、志を強め力を倍す”
《名医別録》
 “心気を定め、驚悸を止め、精を益し、心下の膈気、皮膚中の熱、面目黄を去る” 
《本草綱目》
 “一切の癰疽を治す”
《中薬大辞典》
“神を安じ智を益し、痰を去り、鬱を解す”
“驚悸、健忘、夢精、失眠、咳嗽、多痰、癰疽瘡腫をい治す”
  

【薬対】
『遠志+欝金』
『遠志+桔梗』
『遠志+五味子』=鎮咳去痰作用。気の高揚を鎮める。人参養栄湯
『遠志+酸棗仁』=鎮静作用。気の高揚を鎮め、ウツを除く。健忘。不眠、驚悸を治す。帰脾湯

【配合処方】
遠志飲《証治準縄》
[遠志、茯神、人参、黄蓍、酸棗仁、当帰、肉桂、甘草]
遠志丸《厳氏済生方》
[遠志、菖蒲、茯神、酸棗仁、人参、竜歯、朱砂]
遠志湯《証治準縄》


温白水
○すべての風寒。筋肉の突っ張る症。