薬物<き>


ギー(=グリタ)


キウイ
■殺虫作用を解明
2014年、農業生物資源研究所は、キウイフルーツやパイナップルが害虫から攻撃されにくいナゾを解明した。
キウイなどに含まれる「シュウ酸カルシウム」の針状の結晶と、タンパク質分解酵素をの相乗効果で殺虫作用が高まっていた。
キウイなどには虫を殺す働きがある「システインプロテアーゼ」というタンパク質分解酵素が含まれている。
研究グループは両方の物質を同時に葉に塗布しガの幼虫に食べさせたところ、1日後に86%が死んだ。針状結晶だけを塗っても死ぬことは無く、プロテアーゼだけの場合も最大25%が死んだだけだった。


キカラスウリ
⇒果実より種子を採りだし、水洗後、乾燥する(括呂仁)。
塊根は水洗し、コルク層を剥ぎ、縦割りor輪切りして乾燥(括呂根)。
又、塊根より天花粉をつくる。

◎果実・塊根を煎服すれば、
     鎮静作用
     鎮痛作用
     解熱作用
     催乳作用
     通経作用
     去痰作用
     消炎作用
     利尿作用

【効能・効果】(キカラスウリ)
○あせも:花粉を塗布する。
○胃腸病:
・括呂根・括呂仁を5~10g/日煎服。
○黄疸:
・括呂根・括呂仁を5~10g/日煎服。
○かぜ:
・括呂根・括呂仁を5~10g/日煎服。
○喀血:
・括呂根・括呂仁を5~10g/日煎服。
○気管支炎:
・括呂根・括呂仁を5~10g/日煎服。
○口渇:
・括呂根・括呂仁を5~10g/日煎服。
○酒の中毒:
・括呂根・括呂仁を5~10g/日煎服。
○子宮の疾患:
・括呂根・括呂仁を5~10g/日煎服。
○湿疹:
・天花粉を塗布する。
○喘息:
・括呂根・括呂仁を5~10g/日煎服。
・「括呂根10g竹皮5g」煎服。
○ただれ:
・天花粉を塗布する
○血の道:
・括呂根・括呂仁を5~10g/日煎服。
○糖尿病:
・括呂根・括呂仁を5~10g/日煎服。
○肺結核:
・括呂根・括呂仁を5~10g/日煎服。
○肌荒れ:
・果実を酒に浸けて、塗布。
○浮腫:
・括呂根・括呂仁を5~10g/日煎服。
○膀胱炎:
・括呂根・括呂仁を5~10g/日煎服。
○肋膜炎:
・括呂根・括呂仁を5~10g/日煎服。


キキョウ
⇒日当たりの良い山野に自生する。
6~7月に採集のものは根の皮・茎を去り、3日間水侵し、さらに米のとぎ汁に1昼夜浸けてから水洗し、天日乾燥する(晒桔梗)。
10月~翌年3月に採集のものは水洗し、そのまま乾燥する(生干し)

◎乾燥根を煎服すれば、
     排膿作用
     鎮痛作用
     去痰作用
     解熱作用
     強壮作用

【効能・効果】(キキョウ)
○咽喉痛:
 乾燥根3~10g/日煎服(著効)。

○ウルシかぶれ:
 生葉茎汁を塗布する。

○化膿症:
 乾燥根3~10g/日煎服。

○気管支炎:
 乾燥根3~10g/日煎服。

○胸痛:
 乾燥根3~10g/日煎服。

○骨膜炎:
 乾燥根3~10g/日煎服。

○せき:
 「桔梗3g杏仁3g甘草2g」煎服。

○喘息:
 乾燥根3~10g/日煎服。

○肺結核:
 乾燥根3~10g/日煎服。

○鼻づまり:
 乾燥根3~10g/日煎服。

○百日咳:
 乾燥根3~10g/日煎服。

○扁桃炎:
 乾燥根3~10g/日煎服。

○肋膜炎:
 乾燥根3~10g/日煎服。



キク(菊)
⇒料理菊を用いるが、他の一般の品種でもよい。
山形県では、食用菊を大量に食べる。湯がいて、湯醤油で。
品種に「べんてん」など。

【効能・効果】(キク)
○胃ケイレン:花・葉を一度水に浸けた後、揉んで汁を取り、約100cc飲む。

○打ち身:菊花を濃く煎汁で温湿布する(著効)

○かぜ:花5g~10g/1日。煎服する。

○眼病:花5g~10g/1日。煎服する。

○酒で体調を壊した:花5g~10g/1日。煎服する。
花・葉を一度水に浸けた後、揉んで汁を取り、約100cc飲む。

○歯痛:花・葉の煎汁or絞り汁で湿布。

○湿疹:花・葉の煎汁or絞り汁を外用。

○しらくも:花・葉の煎汁or絞り汁で湿布。

○頭痛:花5g~10g/1日。煎服する。

○鼻血:花・葉の煎汁or絞り汁を外用。

○腫れ物の疼痛:
花・葉を一度水に浸けた後、揉んで汁を取り、約100cc飲む。
花・葉の煎汁or絞り汁で湿布。

○フケ:花・葉の煎汁or絞り汁を外用。

○不眠症:
乾燥させた花を枕に入れる。
乾燥花ハマゴウ実を枕に入れる。

○耳の痛み:花・葉の煎汁or絞り汁を外用。

○耳鳴り:花5g~10g/1日。煎服する。

○虫さされ:花・葉の煎汁or絞り汁で湿布。

○めまい:花5g~10g/1日。煎服する。

■花びらが白くなる理由
「農業・食品産業技術総合研究機構の花卉研究所は、キクの花びらが白くなる仕組みを解明。いったん合成された黄色の色素が分解されて白くなる。
白いキクの花びらには黄色を出す色素のカロテノイドを分解する酵素があることを発見。白い花びらでもカロテノイドが合成されていることや、分解酵素が働かないようにすると花びらが黄色になることを確認した。
キクなどの花びらには黄色い色素のカロテノイドと赤い色素のアントシアニンの組み合わせで様々な色を出している。
カロテノイドは光合成に必要で花びら以外でも作られている。
花びらが白いと虫などが集まりやすい。」200610/19《産業》



キクザトサワヘビ
⇒沖縄県の久米島だけに生息し、は虫類でただ一種、環境庁が絶滅の危険が最も高い「絶滅危惧種」に分類している幻のヘビ。
このヘビは全長35~55cmで、主に水中で生活、カエル・サワガニなどを食べると考えられている。中国に近縁種のヘビがおり、大陸から琉球列島にわたった後、久米島に取り残され、独自に進化したらしい。 1996.7.1《朝日新聞》」


キササゲ
⇒9~11月に採集した、半ば熟した朔果(梓実)
開花期の葉(梓葉)
7~8月、樹皮(梓皮)

【効能・効果】(キササゲ)
○悪性の腫れ物:
「梓葉60g、クヌギ樹皮40g、桜皮20g」煎服。

○イボ痔:
梓実5~15g/日煎服。

○かぜ:
梓実5~15g/日煎服。

○肝臓病:
梓実5~15g/日煎服。

○血尿:
梓実5~15g/日煎服(著効)。

○湿性肋膜炎:
梓実5~15g/日煎服。

○神経痛:
梓実5~15g/日煎服。

○腎炎:
「梓実・トウモロコシ毛・ニワトコ」煎服。

○腎臓病:
梓実5~15g/日煎服(著効)。

○タンパク尿:
梓実5~15g/日煎服(著効)。

○尿路結石:
梓実5~15g/日煎服。

○腫れ物(瘡腫・癰腫):
梓葉の煎汁or絞り汁で洗う。(熱を去り、膿を吸い出す)

○皮膚のかゆみ:
梓葉の煎汁or絞り汁で洗う。

○腹痛:
梓実5~15g/日煎服。

○浮腫:
梓実5~15g/日煎服(著効)。

○膀胱炎:
梓実5~15g/日煎服。

○水虫:
梓葉の煎汁or絞り汁で洗う。



キジ(雉)
【効能・効果】
○久痢に効く。
「橘・椒・葱・塩・醤油を調合して団子にして食べる。」

○神経痛:
頭の黒焼き末を飲む。

○血の道:
頭の黒焼き末を飲む。

○テンカン:
頭の黒焼き末に、砂糖を入れて飲む。

○とげ抜き:
黒焼き末を飯粒で練って塗布。

○のぼせ:
頭の黒焼き末を飲む。

○肺炎:
頭の黒焼き末を飲む。

○肋膜炎:
頭の黒焼き末を飲む。

■雉酒
「幸田露伴が雉酒を好きだった、という話を、昔、小林勇のエッセー「雉酒」で読んだことを、ついこないだ思い出すことになった。その雉酒は、きじの羽ぶしの肉を薄く切ってこんがりと焼き、コップに入れて熱した酒を注ぐ、のだという。
この(羽ぶし)というのがわからない。広辞苑で見ると、漢字では<羽節>と書き、羽の茎、だとある。はぐき、ともある。もっとわからない。ただ、少し後ろに<羽節酒>というのがあって、「雉の羽根の肉と塩を混ぜて造った酒」とあるから、製法は少し違うものの、<雉酒>は<羽節酒>なのだろう。
先日、本間千枝子さんの食談会が高知であり、参加させていただいた。その会で、なんときじ酒が出たのである。
そうだった、本間さんの「父のいる食卓」(文藝春秋刊)の中に、きじ酒に関するエッセーがあり、そこに本間さんのお父上の好物だったと書かれていたことを忘れていた。
本間さんに作り方をうかがうと、雉のささみを3枚ぐらいに薄く切って、少量の塩をつけて炭火で焼き、45度くらいの燗酒の中にジュッとつけて4~5分・・・そのうまさたるや、とおっしゃる。
その会で、その雉酒を飲むチャンスがあった。といっても、キジなんていう食材は、そう手に入らない。そこで幻ともいえる酒を、キジの養殖に取り組む鬼北きじ工房の三嶋洋さんが再現したものをいただく。キジの肉のエキスを燗酒に入れて飲むというわけだ。
これが実にうまい。ひれ酒や骨酒、あるいは山女酒やアユ酒なんてのもあるけれど、どれも魚類で鳥類というのは珍しい。それもアミノ酸が19種類含まれていると言うから、身体にだっていい。宮中では正月にいただくというから、縁起もいい。(東理夫・作家)2006.3.25《日経》





ギシギシ
=「羊蹄根」
⇒(タデ科)低地から1000mの高地まで群生する多年草。
根を水洗して乾燥する。但し、採集して1年以上経過したものは使用すると吐き気を催す。
【別名】オカジュンサイ・オスシグサ・ウマスカンポ・ウマスイコ、ノダイオウ、しのね。

【効能・効果】(ギシギシ)
○胃痙攣:
*羊蹄根5~10g/日煎服する。
*「羊蹄根茵蔯蒿」煎服。

○インキンタムシ:
*生根汁に酢を加え、2~3日置いてから、塗布する。

○かぜ:
*根を炒って20g/日食べる。

○疥癬:
*生根汁に酢を加え、2~3日置いてから、塗布する。

○かぶれ:
*種子の煎汁で湿布する。

○痔:
*羊蹄根5~10g/日煎服する。

○湿疹:
*生根汁に酢を加え、2~3日置いてから、塗布する。
*種子の煎汁で湿布する。

○しらくも:
*生根汁に酢を加え、2~3日置いてから、塗布する。

○白なまず:
*生根汁に酢を加え、2~3日置いてから、塗布する。
*「生葉ウキクサ」すりつぶし、塗布する。

○血の道:
*種子を20~25g/日煎服or炒って食べる。

○にきび:
*生根汁に酢を加え、2~3日置いてから、塗布する。

○腫れ物:
*生根汁に酢を加え、2~3日置いてから、塗布する。

○慢性便秘:
*羊蹄根5~10g/日煎服する(著効)。

○水虫:
*生根汁に酢を加え、2~3日置いてから、塗布する。

○リウマチ:
*生根汁に酢を加え、2~3日置いてから、塗布する。
*「羊蹄根ネギの白い部分」煎汁を塗布する。
*「羊蹄根ネギの白い部分梔子」煎汁を塗布。


キジハタ
■放流
2012年、大阪府立環境農林水産総合研究所は2012年度、約45000匹のキジハタの稚魚を放流する。キジハタは、孵化して6時間以内にエサを食べないと死んでしまう。同研究所は、孵化の時期に限りプールの照明を24時間当て続けてエサを見つけやすく工夫し、栄養不足による死滅を防いだ。
キジハタは1980年代後半に2㌧を超える漁獲量を誇ったが、90年代後半~2000年代前半にはゼロに近づいた。

 

キシリトール

◎もともとは…下剤の一種だった。



キダチアロエ
参照→「アロエ」



キツツキ(啄木鳥)
【効能・効果】
○瘵虫を殺す。
「生きたものを捕らえて、朱砂4両と精猪肉4両を細かく切って、かき混ぜて食べさせると、一昼夜で肉をみな食べてしまう。この啄木鳥を塩泥の中に入れて固く封をし、一昼夜火で焙り、その翌朝日光にあてず、取り出して塩泥を捨て、銀石器内に細く切って作末し、酒に麝香を少し入れて一服し、病人の部屋を閉めて置くと、虫が口中から出てくるが、急いでつまんで煮立った油に入れて殺す。」



キツネ(狐)
【効能・効果】
○寒・熱瘧を主治する。(狐肉)

○瘟疫病の予防に使う。(雄狐尿)

○狐魅を主治する。(狐肉)

○小児の陰茎が潰れたり、腫れたりするとき。(狐陰茎)

○蠱毒を治す。
「狐の五臓と腸を常食のように料理して、五味を入れ汁を作って食べる。or焼いて食べる。」


 

キナ(規那)
【学名】Cinchona succirubra (Cinchina calisaya)
【英名】Red cinchona、yellow cinchona、peruvian bark、jesuit's bark、fever tree
      Quinine Tree
【基原】アカネ科キナノキ属
【使用部位】樹皮
【成分】36種のアルカロイド(16%以下):
・キニーネ(quinine):心臓の働きを抑制する。
・キニジン:心臓の働きを抑制する。
  シンコニン
  シンコニジン
      タンニン
      グリコシド
      キナ酸
      デンプン
      樹皮
      
【効能・効果】(キナ)
*マラリア

*発熱全般の治療薬

*苦味消化強壮薬

*不整脈:(キナ皮)

【注意】
妊娠中は不可:子宮の萎縮を引き起こす。

【参考】
○アジアでは16世紀にキナ樹皮が治療に使われていた。
○主要栽培地:ジャワ島・コーカサス地方
   

■マラリアに
キニーネの作用がマラリア感染のどの過程にも有効というわけではなかった。ハマダラカからヒトの体内に注入された何千ものスポロゾイトは、血液にのって肝臓へいき、肝細胞で胞子に変態し、さらに赤血球に侵入して円環状の原虫となってヘモグロビンをむさぼり食っていくのである。キニーネの効果が最大限にあらわれるのはこの赤血球感染の時であり、それ以前ではあまり効果がない。
 高熱で悪寒している時にキナを与えれば抜群の効果で熱を下げる事が出来た。キナは300年間、最高のマラリア特効薬だった。
 17世紀末、秘密の薬でなくなったキナは「金のなる木」とかわり、イギリスやオランダの間で争奪戦が繰り返された。しかし、キナノキには数種類あり、すべてに有効量のキニーネが含まれているわけではなかった。ヨーロッパ諸国は植民地にしていた南米に次々と高名な植物学者たちを送り込んだ。そして、成功したのは、チャールズ・レジャーという若者だった。彼はアルパカの毛をい集める貿易会社に勤めながらキナの有望株を探すアルバイトに力を入れ、1836年、ついにキンコーナ・レジャリナーナ(Cinchona ledgerinana)という彼の名が付いた種類を発見。故国イギリスにその種子を売り込んだが、インチキ呼ばわりされ、結局、安く買いたたいたのはオランダだった。いらい、オランダは100年にわたってキニーネを独占する国となった。
 1943年、クロロキンという新薬がアメリカで開発された。安く大量に合成でき、作用耳管も長く理想的な薬だった。ところが、まもなくハナダラカはクロロキンに耐性のある遺伝子に組み換え、新薬が出るたびに耐性株を作り上げてしまった。
 今なお、マラリアを治す最後の手段はキニーネしか無いのである。


キナヒ(キナ皮)
⇒キナの樹皮


キヌア
=アカザ科の1年草穀物。
エクアドル、ペルー、ボリビア、チリ北部にまたがるアンデス地方の高地で栽培。
日本のキビ、アワに似ている。

ペルーの砂漠地帯のミイラの墓に、一緒に見つかる。
◎無農薬栽培が可能で、栄養価が高い。
◎同類の穀物の中では、最高の栄養素を持つ。
◎100g中に含まれるカルシウムは、玄米の約10倍(100mg)。鉄分は5倍(5.5mg)
◎白米比べ
  タンパク質(約2倍)
  食物繊維 (約6倍)
  カルシウム(約6倍)
  ナトリウム(約5倍)
  カリウム (約5倍)
◎精糖大手の大日本明治精糖が輸入。



キノコ
○雷のあとにキノコが生える。
3万ボルトでシイタケは2倍以上。
エリンギに12ボルトを与えると、太く大きくなる。
電気ショックでラッカーゼという酵素が増える。

■栽培
「発光ダイオードを使った照明メーカーのシーシーエスは青色や赤色、に人間の目に見えない近赤外光などの光を出すLEDで土を使わずにキノコや野菜を栽培できる技術を開発した。
土がいらないので、病気に感染する可能性が低く、農薬の不要だ。複数の色の光を利用するため、光合成などがしやすくなり促成栽培の効果も期待できる」2004.11.29《日経産業新聞》

■キノコは動物?
「最近の遺伝情報の解析から意外なことが分かってきた。
“キノコの仲間は植物より動物に近い”
キノコ、カビ、酵母:「菌類」と呼ぶ。

■「菌」=大腸菌や結核菌など細菌と同じ仲間では無い。

■「細菌」=核が膜で覆われていない原核生物。

■「キノコ」=細胞の中にある核が膜で覆れている真核生物。

菌類に似ているものに、アメーバのように動く変性菌(粘菌)がある。かっては菌類に分類されていたが、南方熊楠(博物学者)の研究以来、今では「原生生物」という別の一群に分けられた。
国立科学博物館の菌類・藻類研究グループの細谷剛氏によれば“菌類の特徴はまず真核生物であり、次に、光合成で有機物を作る植物(独立栄養生物)とは違い、栄養を外部から得る従属栄養生物であること”」。
従属生物→動物→口から食物を摂取する。
従属生物→菌類→体の外に酵素を出して食物を分解して栄養を吸収する。

多くの菌類は菌糸という細長い糸を体の基本構造としている。菌糸の先端から酵素を出して動植物の体を分解し内部に入り込んだり、菌糸が多数集まってキノコのような大きな形をつくったりする。
醸造などに利用される酵母は球形で、菌糸をつくらない。

“体の構造からみると、1本の鞭毛を尾部で動かして動く動物の精子は菌類の仲間のツボカビに似ていると考えられる”(細谷氏)
■絶縁体
「2009年、東芝と信州大学はキノコ栽培で出る廃棄物を絶縁材料として再生することに成功した。」



キハダ
【効能・効果】
○打ち身:
*樹皮の粉末を(半分は炒り半分は生で)水or酢で練って塗布する(著効)
*樹皮の濃煎汁で湿布する(著効)。
(黒焼きを外用)
*樹皮末を水or酢で練って塗布。

〇結膜炎:
樹皮の煎汁で洗眼する(著効)。

〇下痢:<実証の下痢>
「作末し米糊で丸にする。1回4g、1日3回、空腹時に呑む。又、これに蒼朮を合しても良い」《津田玄仙》

○口内炎:
「黄柏・南天葉・山梔子」の煎汁を口に含む。

○五十肩:
「黄柏末・生姜汁」混ぜて湿布する。

○細菌性腸炎:
樹皮10g/日、煎服。
樹皮の粉末を1g/日服用。

○湿疹:
樹皮末を水or酢で練って塗布。

○しらくも:
樹皮末を水or酢で練って塗布。

○神経痛:
樹皮末を水or酢で練って塗布。

○大腸カタル:
樹皮10g/日、煎服。
樹皮の粉末を1g/日服用。

○捻挫:(黒焼きを外用)
樹皮の粉末を(半分は炒り半分は生で)水or酢で練って塗布する(著効)
樹皮の濃煎汁で湿布する(著効)。

○肺炎:
樹皮10g/日、煎服。
樹皮の粉末を1g/日服用。

○肺結核:
樹皮10g/日、煎服。
樹皮の粉末を1g/日服用。

○腹痛:
樹皮10g/日、煎服。
樹皮の粉末を1g/日服用。

○二日酔い:
樹皮10g/日、煎服。
樹皮の粉末を1g/日服用。

○貧血:
樹皮10g/日、煎服。
樹皮の粉末を1g/日服用。

○扁桃炎:
樹皮の粉末を(半分は炒り半分は生で)水or酢で練って塗布する(著効)
樹皮の濃煎汁で湿布する(著効)。

○股ずれ:
樹皮の粉末を(半分は炒り半分は生で)水or酢で練って塗布する(著効)
樹皮の濃煎汁で湿布する(著効)。

○水虫:
樹皮末を水or酢で練って塗布。

○眼の充血:
樹皮の煎汁で洗眼する(著効)。

○ヤケド:
樹皮の粉末を(半分は炒り半分は生で)水or酢で練って塗布する(著効)
樹皮の濃煎汁で湿布する(著効)。
樹皮末を水or酢で練って塗布。

○腰痛:
樹皮末を水or酢で練って塗布。

○よこね:
樹皮10g/日、煎服。
樹皮の粉末を1g/日服用。

○リウマチ:
樹皮末を水or酢で練って塗布。
「黄柏末・生姜汁」混ぜて湿布する。

○瘰癧(るいれき):
樹皮10g/日、煎服。
樹皮の粉末を1g/日服用。
樹皮末を水or酢で練って塗布。




キバナオウギ
【学名】Astragalus membranaceus
【英名】Astragalus、milk-vetch root、huang qi(黄蓍)
◎根。
【成分】配糖体
    コリン
    ベタイン
    ルマタケニン
    糖
    植物酸
    β-シトステロール
    ビタミンA
【効能・効果】(きばなおうぎ)
<1>免疫系を強化する。

<2>消化機能を向上させる。

<3>肺の機能を活発にさせる。

<4>『適応力形成効果』があり、適切に服用されれば、一方で衰弱を引き起こす発汗を抑え、一方で治癒のための発汗を促す。

<5>排膿作用

<6>潰瘍を治す。
  

【参考】
<1>抵抗力が弱く、風邪にかかりやすい人に中国で用いられる「ジェイド・スクリーン・パウダー(玉屏風散)」は、この黄蓍が主成分である。


キバナオランダセンニチ
⇒キク科の1年草。マダガスカルでの現地名:

 

アマナラ。   

■しびれる野菜
「知らないで口にしたら、毒を盛られたと思うかもしれない。一瞬、口の中がスーとし、まもなく舌がしびれる。後は何を食べても、味がしない。感覚が麻痺してしまったよう。何と、それが野菜としてマダガスカルでは市場に並ぶ。
 しびれの正体はスピラントールという成分だ。マダガスカルでは葉を鶏肉と煮込んだり、スープに入れる。マダガスカルの主食は米。それをお腹いっぱい 食べる。進化生物学研究所研究員・湯浅浩史」     
     


キミカゲソウ Convallaria majalis
=「君影草」
⇒ユリ科スズラン属
【成分】
*強心配糖体
◎この生薬を正しく乾燥させたものから、以下のものが抽出される。
   コンバラトキシン
   コンバラマリン
   コンバラマレチン
   コンバロシド

【効能・効果】

キミカゲソウのグリコシドには心臓調整作用がある。
○心臓神経症
○不整脈
○心不全(軽度)


ギムネシルベスタマ Gymnema Sylvestre
◎ギムネマ・シルベスタ(学名):
「インド中南部の高原に自生する、ガガイモ科のつる性植物で、岩の多い丘陵地の樹木にからみつくように生えています。このギムネマの葉を噛むと、砂糖などの甘味を一時 的に感じなくなる不思議な作用があり、インドでは「グルマール」(砂糖を壊す 物)とも呼ばれています。ボンベイではグルマール、マドラスではメーシャシュリンギなどと呼ばれています。
葉をかんで1-2分して砂糖を口にしても甘味を感じなくなります。
ギムネマ・シルベスタの有効成分であるギムネマ酸は砂糖の甘味を感じさせなくなる作用があり、甘味を持った食品に対する食欲を減退させる効果があります。これはギムネマ酸が甘味を感じる味細胞と甘味物質が結びつくのを阻害するからだと考えられています。
インドの古典的医学書「アーユルヴェーダ」では「余分な糖を壊す植物」として 紹介され、健康維持に2000年以上も昔から使われてきました。
ギムネマ酸は、
腸管で糖分が吸収される際に糖分を吸収するレセプターに先回りしてブロックします。こうすることによって、血液中に糖分が一挙に吸収されて血糖値が急上昇するのを防ぎ、不必要な糖分をそのまま体の外へ出してしまいます。
ギムネマは、血糖値を強引に下げるのではなく、食事後の吸収を阻害することで血糖値の上昇を抑えるという全く違った作用で血糖値の安定に優れた効果を発揮します。

有効成分とその構造
 ギムネマの葉には、ギムネマ酸と呼ばれる成分が含まれています。ギムネマ酸はトリテルペン骨格にグルクロン酸と、数種の脂肪酸が結合した構造をしています。

ギムネマ酸の分子構造
〇生理活性作用
ギムネマ酸は小腸内の糖を認識する部位に結合し、他の糖の結合を妨げるため、糖の吸収を抑制する作用を示すと考えられ、次のような作用が報告されています。
*甘味抑制作用
*糖吸収抑制作用
*肥満回避
*すい臓機能回復
*抗う触(虫歯予防)作用





キャッサバ⇒(→ソルガム)
=トウダイグサ科のタピオカManihot utilissima
◎キャッサバやアオイマメによる中毒事故死はアフリカや西インド、ビルマ、インドネシア、南アメリカなどで報告されており、調理時における青酸配糖体の完全な分解や除去が行われなかったことが原因と見られている。

通常、キャッサバ(タピオカ)からデンプンを得るには配糖体含量の高い皮を剥き、流水に長時間晒し、よく煮沸して調理する。
キャッサバのデンプン(=タピオカ)が、冷凍すり身の品質保持に利用されている。上野製薬(大阪市)がタイで生産。
■新品種
「東南アジアなど熱帯地方でのみ育つイモの一種「キャッサバ」の品種改良に取り組み、99年末、35品種がアジア6ヶ国での奨励品種となった。開発したのは河野和男・神戸大農学部教授」
■プラスチック
「東京農工大学の国眼孝雄教授らはインドネシアの技術評価応用庁などと、イモの仲間であるキャッサバを減量にして、環境に優しい生分解性プラスチックを作ることに成功した。キャッサバはインドネシアではコメについで主要な産物。」2006.5/8《日経》
■熱に強くする
「東京農工大学の国眼孝雄教授、福田清春教授の研究グループは、イモの一種「キャッサバ」から耐熱性に優れた生分解性プラスチックを作る技術を開発した。竹の粉末とデンプンを混ぜ合わせる。20068/21《産業》
■麻痺性の疾患「コンゾ」
キャッサバを、人々が食糧不足に陥りキャッサバの木の根を普段行っている下処理をしないまま食べることで発症。下処理が不適切だと、食べた際にシアン化物を多く摂取することになる。
タンザニア南部。
ハンス・ロスリング教授が統計の手法で解明。



キャッツアイ CAT’S EYE
⇒原石には、
スタークリソベリル
クロシドライト(青石綿)
◎アイストーンの一種。

アイストーンには以下のものがあります。
*ファルコンズアイ
*タイガーズアイ
*キャッツアイ
◎(D・L・メラ)
「頭痛と神経系を和らげる」
「物事がはっきり見通せないとき。誤った判断を下すのを恐れる時」 明晰な思考力と識別能力を刺激する。
心霊の防御を与える。
「創造的な刺激を求めるとき(指環)」



キャッツ・クロー(キャッツクロー)
⇒熱帯雨林に自生する薬用植物で、喘息・潰瘍・ガンの治療に使用されてきた。
◎原産:南米ペルーの標高400~800mのアマゾン奥地に自生。
◎蔓性植物でアカネ科カギカズラ属。

学名Uncaria tomentosa。
Uncaria種は世界に60種以上発見されており、世界中の雨量の多い熱帯雨林地方に自生する。日本にもカギカズラ(Uncaria rhynchophylla)と言う植物があり、とげの部分は「釣藤鈎」として「1ーa」成分に分類されている。

【有効成分】
1.オキシインドールアルカロイド。
「免疫系を刺激する特性がある」という内容で米国で特許を取得。マクロファージの貪食作用が著しく増加。
含有アルカロイド アルカロイドの効用
イソテロポディン 免疫増強、自然治癒力の向上
イソミトラフィン 体に侵入した細菌、ウイルスの殺菌
プテロポディン がん細胞の増殖阻止
イソリンコフィリン 鎮痛作用(リウマチ、腰痛、肩こりに有効)
リンコフィリン 脳梗塞、脳血栓予防、血圧正常化、発熱抑止
ミトラフィリン 利尿作用促進(肝機能の活性)

2.プロアントシアニディン類。

3.ポリフェノール類。

4.トリテルペン類。

5.食物ステロール類。

6.βシトステロール。

7.スティグマステロール。

8.カンペステロール。
   1996.4.18《健康産業新聞》第838号

◎キャッツ・クローの樹皮から抽出されるオキシインドールアルカロイドは6種類。そのうちの4種類、イソプテロポジン(免疫促進能力が他のアルカロドよりもすぐれている、キャッツ・クロー特有の成分)、プテロポジン・イソミトラフィリン・イソリンコフィリンは、貪食作用(白血球及びマクロファージが有害微生物・異物・及び生体残骸物を攻撃し、飲み込み、消化する能力)で知られている。又、キャッツ・クロー及び極東原産のウンカリア種に見出されるアルカロイドのリンコフィリンは、血小板凝集と血栓を抑える能力を示している。《健康産業新聞》第844号」

WHOは1994年ジュネーブ会議でキャッツクローを副作用のない抗炎症剤として公式に認定しました。
その後、EU(ヨーロッパ)では医薬品として販売、使用されています。
資料によると、チェルノブイリ原発事故後による放射線犠牲者の治療に「キャッツクロー」を採用され、その臨床データで免疫力向上、鎮痛の効果が確認されました。
インカの時代からアマゾンの地域では神経痛、腰痛、リュウマチ、関節痛等に使われていました。
アマゾンのシャーマンが古くから現在まであらゆる病気の特効薬としてキャッツクローを使ってきました。
シャーマンとは現代でいえば医者になります。自然の力を利用した古くから伝わる方法を用いる医者ですが、現地でも数多くのシャーマンが活躍して病気の治療を行っています。
キャッツクローの注目されている成分は6種類のアルカロイドです。
特にアメリカ等で注目されているのはイソテロポディンというアルカロイドを含んでいることです。
イソテロポディンは、免疫向上に作用すると報告されています。
WHOで公認の鎮痛効果として機能するアルカロイドも発見されています。
各研究機関が現在も研究中で、各アルカロイドが絶妙なブレンドにより相乗効果をもたらしており、今後、科学的な解明がなされていくと予想されています。
ペルーではリュウマチの特効薬として愛用されています。
イソテロポディンは、キャッツクローに特異的に見られるもので、これは免疫力を増強する物質として知られています。

キャッツクローの伝統的利用方法について
両方のUncarina種とも、熱帯雨林のインディヘナの人々に伝統的に使用されてきています。特にペルーのアグルナ族、アシャニカ族、カシボ族、コニボ族、シピボ族では、少なくとも2000年以上にわたり、キャッツクロー(U tomentosa)が医療的に利用されてきています(1)。その中でも特にペルー中央部に住むアシャニカ族は、キャッツクローに最も密接に関係していると言わています。アシャニカ族によるキャッツクローの利用は、記録されている歴史としては最も古いものであり、また今日のペルーにおいてキャッツクローの最大の供給者でもあります。アシャニカ族によるキャッツクローの伝統的な利用方法としては、喘息、尿道の炎症、産後からの回復、肝臓の洗浄、外傷の手当て(傷ぐすり)、関節炎、リューマチ、骨の痛み、炎症止め、胃潰瘍、ガン治療といったところが挙げられます。コロンビアのあるインディヘナの種族では、キャッツクローの蔓が淋病や赤痢の治療に使用されています(1)-(3)。また、糖尿病、女性の尿道ガン、肝硬変、胃炎、腫瘍の治療にキャッツクローを利用するペルーアマゾンの原住民もいます(4)。ペルーのカシボ族では『体を正常の戻す万能薬』として信じられ、膿瘍や体内の洗浄や解熱剤として、古代より代々利用されてきています。その他ペルーで記録されている貴重な蔓の利用法として、止血剤、肌の手入れ、血液浄化、月経サイクルの正常化などがあります。また、ペルーのいくつかの種族では、キャツクローを大量に服用することにより、避妊薬として使用しているケースも報告されています(1)。ペルー薬用植物のオーソリティーとして著名なDr. Fernando Cabiesesは氏の著書の中で、アシャニンカ族伝統の、避妊薬としてのキャッツクローの利用法を紹介していますが、それによると、5~6kgのキャッツクローの根を水で煮出し、スプーン1杯程の量まで煮込んだものを生理期間中に3~4ヶ月連続して服用すると、その後3~4年間不妊を維持することができる、というものです

ハーブ医療におけるキャッツクロー利用
今日のハーブ医療においてキャッツクローは、世界中で様々な条件の下使用されています。Dr. Donna Schwontkowskiによると、キャツクローは免疫不全、胃炎、潰瘍、ガン、関節炎、リューマチ、月経サイクル不順、アクネ、内蔵の不調、外傷、ポリープ、痔核、神経痛、慢性炎症(膣或いは腸の)そして帯状疱疹の治療に使用されています。

Dr. Brent Davisは、キャッツクローの持つ腸全体を清掃する高い効能や、クローン病や潰瘍、胃炎、憩室炎等の炎症等、胃腸の不調に対する有効性について書いています(43)。

Dr. Julian Walker (MD)は自身のレポートのなかでキャッツクローの効能として、免疫強化作用、癌、強心作用、心臓発作、血管中の凝血、憩室炎、過敏性の胃炎などに対する効果を挙げています(44)。栄養学者のPhillip Steinbergはキャッツクローについて、癌や関節炎、滑液包嚢炎、ヘルペス、アレルギー、潰瘍、全身のカンジダ症、生理前症候群、有害な環境による毒性、胃腸の不調、HIVの治療において有効であると述べています。(45)。

Kenneth Jonesは自身のキャッツクローに関する著書の中で、憩室炎、大腸炎、胃・十二指腸の消化性潰瘍、痔、胃炎、寄生虫の治療において効果的であると書いています(46)。

今日のペルーにおける医療では獣医の分野でもキャッツクローが利用されていて、腰の形成異常を持った犬や猫、関節炎、癌、パルボウィルス、皮膚炎などの皮膚関連の病気、腫瘍、猫の白血病などの治療で用いられています(47)。ペルーのハーブ医療では、リューマチ、結腸や胃の不調、泌尿器系の炎症、潰瘍、皮膚の病気、発熱、咳、癌、エイズなど幅広い用途においてキャッツクローが利用されています。

文献からの引用

HERBS OF THE AMAZON Traditional and Common Uses, Dr. Donna Schwontkowski, Science Student BrainTrust Publishing, 1993

キャッツクローは、最も重要な熱帯雨林産の薬用植物の1つとして考えられている。ペルーでは、キャッツクローを煮出したお茶が究極の効能を持った万能薬湯として飲まれている。また、細胞を若返らせる強力な効果についても注目されている。胃炎、潰瘍、癌、リューマチ、関節炎、生理不順、アクネ、内蔵系の不調の治療に用いられている。外用薬としての用途もあり、外傷、痔、フィステル、菌腫などにも用いられている。ヨーロッパでの研究では、リンパ球(白血球)の数を増加させることにより免疫力を増強する作用があることが実証されている。また、淋病など性病に対しキャッツクローの葉が有効であるとする研究論文も発表されている。リューマチ、神経痛、膣や内蔵の慢性的炎症、ヘルペスや帯状ホウシンのようなウィルス性疾患においても、キャッツクローが有効な治療薬となり得ることが確認されている。利尿作用や健全な腸内細菌叢を回復するのを助ける作用もある。

Powerful and Unusual Herbs from the Amazon and China, The World Preservation Society, Inc. 1993,1995

ペルーアマゾン産キャッツクローは、免疫システムを増強する特性を持っている。この強力なハーブについては世界各国で研究が行われていて、キャッツクローから抽出した活性成分の癌や関節炎、エイズ等の治療への応用に関連する特許が取得されている。抽出された一成分よりもキャッツクローを原木のまま利用する方がより強力で有効であるとする伝統的利用法や考え方もある。ブレント・デイビス氏は、キャッツクローを"Opener of the way"と形容し、腸全体をきれいに掃除する著しい特性について言及している。キャッツクローは、クローン病、痔、虫下し、下痢、潰瘍、胃炎、アレルギー性疾患、憩室炎、腸内細菌叢、胃腸の不調の治療とその利用法は多岐に渡りる。キャッツクローには強い抗炎症作用があることから、関節炎やその他の炎症に対し用いられている。Tリンパ球や小食球の増加作用、血液の強壮効果や幅広い範囲における病原菌による感染症に対し免疫強化作用がある。キャッツクローは細胞壁の脂質細胞間質の補修を支援し、特にウィルスを運搬する細胞の拡張を阻止する上で有効である。ミラノ大学のレナート・リティ氏により行われた実験では、キャッツクローと喫煙者における癌を発病させる突然変異性の物質との関係について指摘していて、突然変異性物質を含む喫煙者の尿成分が、キャッツクローの投与を始めた2週間後には、通常レベルに戻るという結果が得られている。これは、キャッツクローが癌やその他変性疾患発病のリスクを低減する上で重要な発見である。

Traditional Uses of Rainforest Botanicals, John Easterling

●キャッツクローの効能
〇免疫力増強、

〇腫瘍抑制、

〇抗感染症、

〇抗炎症

●キャッツクローの利用
キャッツクローは最も重要な熱帯雨林産薬用植物として見なされている。キャッツクローは、幅広い範囲における病原菌による感染症に対し有効で、免疫システムをサポートしたり、強化する作用がある。ペルーのウラリナ族では腫瘍に対する効能に関連した話が伝承されている。キャッツクローは、抗癌作用のある植物として国立衛生研究所(NIH)で研究されている。キャッツクローには、Tリンパ球やマクロファージを活性化することにより免疫グロブリンを正常化する作用があることが、複数の研究機関により指摘されている。

●メリディアンインディケイション
血液の強壮、肝臓や膵臓のQiの増加、肝臓メリディアンにおける鬱血の開放、エバポイント: 肝臓・膵臓

Amazonian Ethnobotanical Dictionary, James A. Duke and Rodolfo Vasquez, CRC Press, Inc., 1994

ウンカリア・ギアネンシス 俗称"Una de Gato" "Cat's claw" "Paraguayo" "Una de gavilan" "Hawk's claw" : ペルーの地方都市ピウラでは、樹皮の煎じ汁が胃炎やリューマチ等様々な炎症や癌等の腫瘍の治療薬として、或いは避妊薬として、女性の泌尿器管の癌、胃炎、リューマチ、肝硬変の治療に用いられている。ボラ族では淋病の治療に用いられている。コロンビアやギアナに住む原住民の間では、赤痢や下痢の治療に利用されている。ニコル・マックスウェルは自身の著書のなかで、キャッツクローがヨーロッパへ大量に輸出され、様々な種類の癌治療の用途で利用されていることについて書いている。白髪が黒髪に戻ったという彼女自身の経験についても触れられている。

ウンカリア・トメントーサ 俗称"Una de Gato" "Cat's claw" "Paraguayo" "Una de gavilan" "Hawk's claw" : ペルーでは細胞増殖抑制剤として、また避妊薬や抗炎症剤として広く一般的に利用されているキャッツクローは、抗炎症性抗浮腫グリコシド(JNP54(2):453. 1991)の原料となっている。ペルーの地方都市ピウラでは、キャッツクローは、炎症を抑えたり、避妊効果があると考えられていて、樹皮の煎じ汁が、胃炎や腫瘍、リューマチの治療に用いられている。ニコル・マックスウェルは自身の著書の中で、キャッツクローの潜在的利用法についての触れていて、更にシドニー・マクダニエルが国立衛生研究所(NIH)に対しキャッツクローのサンプルを抗癌性調査の為提出したことについて書いている。

Herbal Treasures from the Amazon, By Dr. Donna Schwontkowski. (A series of three articles published in Healthy & Natural Journal 1994, 1995).

キャッツクローは最も強力な免疫強化作用を持つ薬用植物である。1970年以来現在に至るまで続けられてきたクラウス・ケプリンガーをはじめとするオーストリア、ドイツ、英国、ハンガリー、イタリアにおける研究では、キャッツクローは癌、陰部ヘルペス、カンジダ症(腸炎の一種)、エイズの治療において有益であることが実証されている。キャッツクローの根から抽出された6種類のアルカロイドが、外部からの体内に入ってくる侵入物や有害な細菌を攻撃したり、飲み込んだり、消化するといった体内の食菌プロセスを支援する白血球の活動著しく強化することが実証されている。キャッツクローの免疫強化特性について私自身予備的調査を行い、わかったことは....

ウィルスによる感染を初期段階で食い止める力(初期段階とは例えば、風邪の場合、風邪の自覚症状が表れる段階、或いは既に発熱、筋肉痛、喉の痛み、だるさ等を感じている時) : ある症例によると、風邪感染の初期症状を訴えた患者がキャッツクローを飲んだところ8時間以内にウィルスの感染症状が消え去った。
*ウィルスの感染症に伴う疲労の軽減や症状の緩和は、化学薬品にとても敏感な人をサポートする。

*感情の安定化を促す:たとえ個人的な問題による極度のストレスの中でも感情を著しく安定化する。ある患者は、「キャッツクローのお陰で何が起ころうとも、落込むということがなくなった。」とコメントしている。
*エイズ患者の場合、キャッツクローは感染症との戦いにおいて肉体をサポートする。ある患者のコメントを引用すると、「私は、顔に出来ていた発疹を取る為に使っていた処方殺菌剤を使い果たしたので、新しい処方箋を貰うまでの間、別の殺菌剤を使っていたが、それが効かなかったのか、また顔に発疹が出来始めてしまった。そんな時キャッツクローの使用を始めたところ、僅か3日で発疹が消えていった。キャッツクローを飲んだ結果、私自身の体が菌と戦っているような感覚を覚えた。」
目視で確認できる皮膚の腫瘍や嚢腫(シスト)の成長を2週間以内に減少させる効力


キャッツクローには抗腫瘍、抗炎症、抗酸化作用があるので、関節炎、滑液包嚢炎、アレルギー、様々な種類の腸炎の治療に用いられている。過去に公表されている文献の中には、幾つかの症例が引用されており、キャッツクローが直りにくい脳やその他の腫瘍を軽減させた事例や、癌の化学療法による副作用を緩和させる作用を持つこと、その関連性について述べられている。





キャットニップ
(参照→「無月経」)
【学名】Nepeta cataria
【英名】Catnip、 catnep、catmint
【和名】イヌハッカ、チクマハッカ
【分類】シソ科、多年草。
【原産地】ヨーロッパ、西アジア、中国
【利用部位】乾燥した地上部。
【成分】精油:カルバクロール
       ネペトール
       チモール
       ネペタラクトン
       シトロネロール
       ゲラニオール
    タンニン
【効能・効果】
◎温浸出液には発汗作用がある
①かぜ
②インフルエンザ
③はしかなどの子供の感染症

◎神経系を鎮静させる
①寝付きの悪い子供
②胃の調子が悪い
③疝痛
④鼓腸
⑤下痢

◎浣腸液として(アメリカ)


キャビア
■難しい塩加減
「1983年からチョウザメを養殖している北海道美深町では、町内の施設『びふか温泉』では、その卵を塩漬けしたキャビアが食べられる。
キャビアの世界的な産地は、ロシアとイランにまたがるカスピ海だ。美深町とキャビア。一見何の関係もなさそうだが、60年代半ばまで同町を流れる天塩川でチョウザメが捕れた。町史にはチョウザメの卵を野菜と煮て食べたという記録が残っている。
ただ、養殖するベステル種は成熟に7~8年かかる。産卵期も一定せず、計画的に採卵できない。同温泉支配人の式部政紀さんは「できれば国産キャビアとして一般販売したいが、今は温泉施設内の自家消費で精一杯」と嘆く。」2000.5.20《日本経済新聞》

■養殖キャビア
「チョウザメの養殖を手がけるフジキン(大阪市)は、キャビアの販売を本格化する。卵を持つ成魚をこのほど都内のフランス料理店に出荷した。
販売したのは体重約10kg、卵を約1.2kg持つ成魚で、1匹の末端価格は20万円程度。輸入品の塩漬けキャビアの価格は1kg当たり15~20万円で、「卵が新鮮で美味しい上に、魚の身も調理に使えるので割安」としている。
筑波研究工場に800トンの水槽を備えたチョウザメ養殖プラントを設け、現在食肉用に4000挽き、卵用に60匹を飼育している。
チョウザメは1億年以上前から生存していたとされる古代種で、寿命は数10~100年とされる。大きくなると体重1トンを超え、乗用車ほどの大きさになる。稚魚から育てて卵を産むまで10~20年ほどかかるため、これまでは養殖が進んでいなかった。」2003.3.28《日経産業新聞》
○代替品
本物はチョウザメの卵が高価なため、黒い合成染料で染め上げた欧州産「ランプフィッシュ」(ダンゴウオ科)や[ボラ][トビウオ][タラ][ニシン][ホウボウ科の魚卵]を代用、
○人造キャビア
「皮膜の材料・・・アルギン酸ナトリウム(食品添加物)。これはテングサのような褐色海藻に多く含まれる。これと塩素溶液で魚介類エキスを加工すると小さな粒になり、それを着色料で黒くする。」
(吾妻博勝著「鯛という名のマンボウ アナゴという名のウミヘビ」p122)
人工キャビア・・・リンゴから作る(青森)



キャベツ Cabbage

=地中海沿岸地方原産のアブラナ科の越年生草本植物。
古代ギリシャ、ローマ時代から栽培されている。
日本には江戸時代にオランダから観賞用として持ち込まれ、「葉牡丹」と呼ばれた。
▼「ローマ人が何世紀もの間、医者なしでやってこられたのは、キャベツのおかげである」(政治家、大カトー、紀元前234~149)
▼「キャベツは元気をつけ、気分を落ち着かせてくれる」(ピタゴラス)
▼「腹痛と赤痢の特効薬」(ヒポクラテス)
   

■抗ガン物質
「米バークレー国立研究所はキャベツ・芽キャベツ・カリフラワー・東洋産ハーブなどに肺ガンの拡大を抑制する効果を持つ物質が含まれることを見つけ、物質の固定を進めている。
発見した抗ガン物質は、含まれる植物によって少しずつ違うが、いずれも肺ガンの拡大を助長するエストロゲンというホルモンの分泌を抑える働きを持つと考えられている。これらの物質がエストロゲンの分泌を抑制する仕組みを解明すれば、肺ガンに対しての拡大抑制効果を持つ新たな抗ガン剤の開発に繋がるという。1996.5.2《日経産業新聞》」

「カーボロ・ネロ」

黒キャベツ。イタリア、まっすぐなキャベツ 加熱で甘味が増す。

 

【効能効果】
■ 胃十二指腸潰瘍
■肝臓病
■ガンの予防・改善
■去痰

 

◎イオウと塩素
キャベツにはイオウと塩素が含まれている。イオウと塩素は、強力な胃腸洗浄作用を発揮するので、多量にキャベツを食べるとイオウのニオイがするガスを発生する。これは腸内の老廃物が分解・浄化されているため。また、塩素やイオウは呼吸器の浄化・清掃をするため、風邪や気管支炎の時の痰切り(去痰)に役立つ。

◎インドール化合物
キャベツ汁には、大腸や乳房などのガン細胞の分裂・増殖を抑えるインドール化合物が存在する

◎ビタミンU
U=ulcer(潰瘍)の頭文字
1948年、米スタンフォード大学外科学のチェイニー教授が、難治性の胃潰瘍患者に、ヨーロッパの胃潰瘍に対する民間療法であるキャベツ汁を飲ませたところ、全員が治癒したところから発見されたのがビタミンU。ビタミンUはメチルメチオニンといアミノ酸の一種で、タンパク質合成を促し、胃十二指腸潰瘍で傷ついた粘膜を修復し、肝機能強化にも役立つ。
この作用は、加熱すると失われるので、生食が望ましい。
   

■ビタミン豊富、
「今年は天候不順や台風のために、例年になく野菜類が値上がりしている。しかし、例年よりも少量であっても毎日、野菜を食べ続けることをお薦めしたい。新鮮な野菜は健康にとって大変大切である。人類は新鮮な果物・野菜がいつでも食べられる熱帯で進化してきた。ビタミンCを必要とする動物はサル・象・モルモットなど熱帯起源の動物に限られる。牛などのように干し草を食べて越冬する訳にはいかないのである。
冬キャベツがビタミン・ミネラル・食物繊維の大事な給源となっていることはいうまでもない。ハウスで作った冬キャベツの方が夏キャベツよりもビタミンCが多いので安心できる。ビタミンしCが多いのは外葉と中央の芯に近い部分である。これは白菜でも同じである。キャベツが愛好されるのは、いわゆるアクが少なく、ほんのりとした香味と甘みがあるためである。
キャベツの葉をゆでる時は、ビタミン・ミネラル・それにうまみを逃さないように、水にさらさず、茹で汁の量もせいぜいかさの半分とすろと良い。食品学の先生のお薦めの冬キャベツは、外葉が緑色で、固く巻いていて、みずみずしく、ずっしりと重い物。丸ごと冷蔵庫に入れておけば、1週間でもビタミンCの減少はわずが3%である。
男性は調理の手間を省くはめ千切りキャベツを買うことが多いが、冷蔵庫に入れても1週間でビタミンCが減り、乾燥しやすい。
さて、キャベツなどアブラナ科の野菜には、発ガンを約70%減らす成分があるとされる。これは緑黄野菜にあるカロチンのためでなく、グルコシノレートなどが遺伝子の破壊を防ぐためと言われる。またキャベツのSメチルLシステインスルフォキサイドはコレステロールを下げる働きをする。(香川靖雄・女子栄養大学大学院教授)1998.12.14《日本経済新聞》

■免疫力高め、老化防ぐ
「世界のガン研究をリードする米国立ガン研究所は、世界中の研究データをもとにガン予防効果の高い食品が存在することを確認し、ランキングを公表している。
キャベツは、強壮効果が高いとされるニンニクに次ぐ第2位に位置する。

<1>免疫力を高める:
「免疫力を高めれば元気になり、風邪を防ぎ、ガンから身を守れる。野菜の免疫力を研究している帝京大学薬学部の山崎正和教授は、「キャベツの免疫力を高める働きは医薬品並み」と話す。
いろいろな野菜をすりつぶしてマウスに食べさせ、血液中のTNF(腫瘍壊死因子)という成分を調べた。THFは白血球が分泌する物質で、ウイルスやガン細胞を殺す働きがある。その結果、キャベツは、ナスやダイコンと並んでTHFを大幅に増やすことを確認した。その効き目は、ガン治療に使う免疫療法剤と同程度だった。これほど効くとは予想していなかった。最初にデータを見たときは、実験手順を間違えたと思ったほど」と山崎教授は語る。

<2>体の老化を防ぐ抗酸化力が強い:
「鉄くずを空気中に置いておくと、やがてサビる。私たちの体内でも同じことが起こっていて、酸化が様々な病気の原因になっていることはすでに医学界の常識になっている。血管が酸化されると動脈硬化に進み、やがて心筋梗塞や脳梗塞に至る。遺伝子が酸化されるとガンが出来る、といった具合だ。
体内の酸化を防ぐ働きを抗酸化と呼ぶ。北海道立花。野菜技術センターの中村隆一研究員によると、「キャベツの抗酸化力はアスパラガスやブロッコリーと並んで、野菜中ではトップクラス」。
キャベツの状態や産地の違いで抗酸化力には差がある。最も高いのは「まだ成熟していない。巻きのある若いキャベツ」(中村研究員)という。生育途上のキャベツは自分の老化を防ぐため有効な成分を消費しきっていないためと考えられる。産地では、北の涼しいところで採れたキャベツの抗酸化力が強い。
大学農学部の大沢教授によると、キャベツの効き目の秘密は独特の甘い香りから来ていると言う。キャベツの香のもとは『イソチオシアナート』という成分。「これが癌予防などの効果を持つと考えられる」(大沢教授)イソチオシアナートは「イオウ化合物」の一種。ニンニクの独特のニオイやわさびのスーッとする香りもイオウ化合物が作り出している。イオウ化合物の香成分には、癌や心臓病を防ぐ効果を持つものが多いとされる」2000.5.20《日本経済新聞》

■酢キャベツに抗ガン作用
「フィンランドの農業食品研究所のグループは、地元の伝統料理として有名な酢キャベツにガンを抑える働きがあることを発見した。動物実験をしたところ、肺ガンや肝臓ガンの細胞増殖を抑えられたという。
酢キャベツに含まれる活性物質は、生のキャベツが酵素分解しすると『イソチアシアン酸塩』という抗ガン作用のある物質が出来ることを確かめた。
酢キャベツは生キャベツを自然発酵させて作る。」2002.10.23《日経産業新聞》

■性フェロモン散布
「農業技術研究機構は信越化学工業や静岡県農業試験場などと共同で、昆虫の性フェロモンに似た化学物質や天敵昆虫などをうまく利用して農薬の使用量を減らす手法の有用性を検証する。3年間、実際の畑や果樹園で新手法を試す計画。
性フェロモン剤は外注の雄と雌の交配を妨げ、繁殖を抑制する効果がある。使用量はわずかで済み、人間や環境に与える影響は少ない。これと、外注の天敵を殺さないタイプの殺虫剤を組み合わせて使うと、通常の農薬を使う場合より、作物によっては農薬の使用量が半分近く減る。
キャベツとレタス、茶、リンゴ・ナシを対象に検証試験を行う」2003,7,7《日経産業新聞》





キャラウェー
【学名】Carum carvi
【英名】Caraway (キャラウエイ)
【和名】(ヒメウイキョウ)
【分類】セリ科、2年草。
【使用部位】種子。
【成分】精油(3~7%)
      不揮発性油(8~20%)
      タンパク質
      シュウ酸カルシウム
      色素
      樹脂
【利用】パン・ケーキ・ビスケット・シチュウー
  

【効能・効果】
■食欲を増進させる
■鼓腸を抑える。


キュウリ(胡瓜) Cucumber
◎ヒマラヤ南面山麓が原産地。

インドでは3000年前から栽培。
トゲトゲきゅうり(四川きゅうり)・・・一面に白い粉を出すきゅうり。
 中国の四川省とは関係ない
95%が水分。太さが上下均一のものが良品。
地面に這わせる栽培方法が昔から。今では支柱を立てて、そこへ這わせる。
○ウリ科1年生つる植物。
○夏が旬の野菜。
○成分:
カリウム
イソクエルシトリン
苦み成分・・・ククルビタミン(ABCDの4タイプ)

○効能:
■むくみ
■高血圧の改善
■腎臓病
■暑気あたり
■脱毛予防
■抗ガン作用(ククルビタミンC)
■強肝作用(ククルビタミンB)
  

【効能・効果】
○湯火傷:キュウリの絞り汁を患部に塗布《有持桂里》
「湯火傷のつけ薬にはいろいろあるが、胡瓜の汁をつけるのが最も良い。しかし生の胡瓜が無いときは、キュウリの塩漬けにしたものでも良いから、水に浸けて塩を出し、その胡瓜を揉んで汁をとって付けても効がある。また生の胡瓜を壺に入れて貯蔵しておくと、胡瓜水になっているからその水をつけてもよい」
    

■キュウリは清浄な水。
「ギリシャのミコノス島は白い。家の壁も、道もちょっと汚れると白い石灰をペタペタ塗る。強烈な太陽。撮影中に露出計のメーターが振り切れてしまう。乾燥した風が吹く。とにかくのどが乾く。すぐにビール。だが朝から撮影中も飲んでいたのでは--------
男たちが近づき、キュウリをつまみ上げる。馬車に積んだ野菜である。外国のキュウリがやたらと太いのはご存じだろう。ミコノスの男たちはしずれも愛用のナイフをポケットに持っている。それを取り出し、キュウリの皮を剥いでいる。一体こんなところで何をするのか。キュウリを縦に切り口に した。
変な顔をしていると、のどが乾いたときにはこれに限るのさ、と言う。キュウリはほとんどが水だ。これは甘くもない。味はほとんどない。壺の中に突っ込んだナイフに付いた塩味がちょうどいい。
のどの渇きが癒える。トルコでも同じ様な経験をした。乾燥して熱いところでは、キュウリを見つけると、よく路上でも食べる。」(写真家・四川治) 1998.2.21《日本経済新聞》



 ギョウギシバ=ドゥールヴァー



 ギョウジャニンニク
【学名】Allium victorialis var.platyphllum
【別名】アイヌネギ、ヤマビル
【分類】ユリ科、多年草
【原産地】日本、カラフト、韓国、中国



 キョウチクトウ (夾竹桃)
【学名】Neriumu spp.
【英名】Oleander
キョウチクトウ科キョウチクトウ属
=原産地インド。

◎有毒部位:樹皮、根、枝、葉。
  白い乳液にも、枝を焼いた煙も猛毒。
◎有毒成分:
▼強心配糖体。
▼オレアンドリンoleandrin
キョウチクトウ葉中のオレアンドリンを加水分解するとジギタリス葉中から得られるジトキシゲニンになる。
▼アディネリンadynerin
   

◎中毒症状:ジギタリス中毒と似た症状。
 嘔吐、下痢、ケイレンし、死に至ることもある。
◎致死量:体重1kg当たり、0.30mg
◎古代ギリシャのアレキサンダー大王率いる軍隊がキョウチクトウの枝を串にして肉を焼いたため多くの兵士を失った。同じようなことはナポレオンの軍隊や、南方にいた日本軍にも起こった。





 キョクトウサソリ


 ギョリュウ

キランソウ⇒「夏枯草」
=金瘡小草
⇒全草を採集し、水洗後、陰干しする。花期に(春)に採集することが多い。
【別名】ジゴクノカマノフタ
  

【効能・効果】
○あせも:
生葉汁を塗布する(著効)。
○打ち身:
生葉汁を塗布する。
○ウルシかぶれ:
金瘡小草の煎汁で洗う。
○切り傷:
生葉汁を塗布する(著効)。
金瘡小草を2~15g/日煎服、or酒で煎じor粉末を酒で飲む。
○くさ:
生葉汁を塗布する(著効)。
○下血:
金瘡小草を2~15g/日煎服、or酒で煎じor粉末を酒で飲む。
○結膜炎:
を2~15g/日煎服、or酒で煎じor粉末を酒で飲む。
○高血圧:
金瘡小草を2~15g/日煎服、or酒で煎じor粉末を酒で飲む。
○腎臓結石:
金瘡小草を2~15g/日煎服、or酒で煎じor粉末を酒で飲む。
○腎臓病:
金瘡小草を2~15g/日煎服、or酒で煎じor粉末を酒で飲む。
○神経痛:
金瘡小草を2~15g/日煎服、or酒で煎じor粉末を酒で飲む。
○胆石:
(20g/1日)煎服。(2g~15g/1日)酒煎。
○血の道:
金瘡小草を2~15g/日煎服、or酒で煎じor粉末を酒で飲む。
○毒虫の刺傷:
生葉汁を塗布する(著効)。
○捻挫:
生葉汁を塗布する。
○発熱:
金瘡小草を2~15g/日煎服、or酒で煎じor粉末を酒で飲む。
○鼻血:
金瘡小草を2~15g/日煎服、or酒で煎じor粉末を酒で飲む。
○腫れ物:
金瘡小草を2~15g/日煎服、or酒で煎じor粉末を酒で飲む。
生葉汁を塗布する。(膿を吸い出す)
○腹痛:
金瘡小草を2~15g/日煎服、or酒で煎じor粉末を酒で飲む。
○やけど:
生葉汁を塗布する(著効)。
○リウマチ:
生葉汁を塗布する。
○瘰癧:
金瘡小草を2~15g/日煎服、or酒で煎じor粉末を酒で飲む。


キリ(桐)
⇒「桐葉」
○性は寒、味は苦、無毒。
◎油を絞って使う。《医学入門》
  

【効能・効果】
<1>陰部の悪蝕瘡を治す。
○イボ:
  葉の絞り汁を塗布する(著効)。
○切り傷:
  葉を陰干しし作末したものを振りかければ止血する(著効)。
○産後の肥立ち:
  実を煎服する(著効)。
○痔:
  葉・樹皮の煎汁を煮詰め軟膏にして使う。
○腫毒を消す:
  葉・樹皮を煎服する。
○せき:
  葉・樹皮を煎服する。
○瘡毒:
  葉・樹皮の煎汁を煮詰め軟膏にして使う。
○立ちくらみ:
  花を煎服。
○丹毒:
  葉・樹皮の煎汁を煮詰め軟膏にして使う。
○手足の浮腫:
  葉・樹皮を煎服する。
○皮膚病:
  「葉菖蒲根」を入浴料とする。
○めまい:
  花を煎服。




 キリンケツ

ギレアドバルサムノキ
【学名】Populus candicans
【英名】Balm of gilead、popular buds
【使用部位】葉芽。
【成分】精油(2%以下)
   シネオール
   ビサボレン
   ビサボロール:炎症を抑え、殺菌効果あり。
   フムレン
樹脂
サリシン:鎮痛作用
ポプリン
フェノール酸
  

【効能・効果】

■胸部感染症
■のどの痛み


キンカン
=「金橘」=果実。  

【効能・効果】
○かぜ:
果汁に生姜汁を加え頓服。
果実を黒焼きし、熱湯を注いで服用。
○せき:
果実・果皮を6~10g/日、煎服。
葉を10~15g/日煎服or茶代用。 
「葉20枚、車前草」各等量、煎服。
「果実4個、南天実10個」煎服。
○はしか:
「果実・犀角」煎服(著効)。発疹だ出て治る。
「果実・犀角・イセエビ殻」煎服(著効)。発疹が出て治る。
果実・果皮を6~10g/日、煎服。
葉を10~15g/日煎服or茶代用。 
○百日咳:
果実・果皮を6~10g/日、煎服。
葉を10~15g/日煎服or茶代用。 
○扁桃炎:
「葉20枚、車前草」各等量、煎服。
■「たまたま」(宮崎県)
「生で丸かじりできる完熟キンカン。






 キンギョ
【効能・効果】
  【黒焼き】=肺炎、せき、百日咳。

■スケスケ
「2009年、臓器や筋肉が透けて見える金魚を、三重大の田丸浩准教授らがこのほど開発した。解剖せずに生きた状態で内臓や血液などを観察でき、研究用として需要が期待できる。
研究用としては熱帯魚ゼブラフィッシュが普及しているが、1匹の体重が約5gと小さいので大量の個体が必要。
一方、金魚は最大約2kgまで成長すつため研究しやすく、飼育も容易なことに田丸氏らは着目。突然変異で数%の確率で現れる色のうすい金魚を交配し、約3年かけて今回の金魚を生み出した。」



 キンゴウカン  LEUCAENA gLAUCA
⇒マメ科ネムノキ亜科。
◎催奇形性のある[ミモシン]を含有。

 キンシバイ

 キンセンカ
(参照→「無月経」)
【学名】Calendula officinalis
【英名】Marigold、pot marigold、marybud、bull's eyes
【使用部位】花。
【成分】カロチノイド
      樹脂
      精油
      フラボノイド
      ステロール
      苦味質
      サポニン
      粘液質
  

【効能・効果】
炎症・潰瘍を治す
  静脈瘤性潰瘍(パップ)
胃炎
胃潰瘍
十二指腸潰瘍
胆汁の分泌を促進
生理痛
月経を促す
防腐殺菌効果(湿布・パップ剤)
  やけど
  湯傷
  刺傷
  とびひ
  拡張蛇行静脈
  しもやけ
▼冷浸出液:
  結膜炎の洗眼水
  カンジダ治療の補助薬
▼茎の汁液:
  イボ
  魚の目
  仮骨

     
 ギンナン(銀杏)
=イチョウの種子。
▼かぶれる原因:
ギンナンの表面には「ギンクゴリン酸」というウルシのかぶれ成分と化学構造が似たフェノール誘導体が含まれている。
   

◎有毒成分:
「4’-MPN(4’-メトキシピリドキシン)」
アミノ酸の代謝に関わるビタミンB6の作用を阻害することで、脳内の神経伝達物質[gABA]の生成が抑制され、痙攣などの中毒症状を起こすと考えられている。
   

◎中毒症状:

食べ過ぎると1~12時間後に、頻脈・ふらつき・嘔吐・痙攣などを起こすこと がある。
◎中毒量:小児(7~150粒)、成人(40~300粒)
   ■串焼き
「焼いたギンナンのあの透明なウグイス色ほど神妙にして美麗なものはめったにない。色も焼き加減によては深緑、ウグイス色、黄色となるなど、一層不思議な美しさがある。
イチョウの木のギンナンは中国原産。日本では極めて古い時代から各地で植裁されてきた。中国ではイチョウの葉の形が鴨(カモ)の脚に似ているので、「鴨脚(ヤアチャオ)」と呼び、それがなまって日本語の「イチョウ」になったという。また、そのイチョウの樹名を「公孫木」と称することもあるが、この名は、実がなるまでに20年~40年もかかるので、公(王様とかの意味)が木を植えてもっ実が食べられるのは孫の代だ、ということからだ。
中国では結婚式の日に仮名嫁、花婿に氷砂糖で煮たギンナンを食べさせる処もある。発芽率が100%近く、また枝を土にさしただけでよくつくように、大変生命力の強い植物で、樹齢も1000年以上に及ぶなどめでたい植物にあやかっているのだそうだ。
種子の外側の種漿肉には強烈な悪臭があり、そのままではとても食べられない。土に埋めて土壌微生物により種漿肉部を発酵、分解させるとその部分は自然に剥落し、はじめて白果が現れる。これをよく洗って乾燥、貯蔵する。その硬殻を除いた中心の仁を食用とするが、糖質とタンパク質が多い上に、レシチン・エルゴステリン・カロチン・ビタミンCも多く、栄養豊富な種子である。
素朴だが、大層美味な食べ方は塩をまぶしての串焼き。ある夕方、大阪の町を歩いていて、ふらりと居酒屋に入って行った。ねじり鉢巻きの主人に「何がうまい?」と聞いたらば、「今日はギンナンの塩焼きが一番いい」という。主人「お客さん、今日は疲れてまっか?」と聞くので、「ああ、少しね」と答えると「わかった」と言ってから5分ぐらいしてギンナンの塩焼きが何と10本も出てきた。
粒にして50個。「乳(チチ)の実いうてね。精がつきまっせ」というので酒飲みながらパクパク食べて、全部平らげ、その日宿に戻ったらば、夜中に鼻血が出た。他の部分は特段変わったことがないので偶然であったのだろう。それにしても驚いた。(小泉武夫・東京農業大学教授)1998.2.26《日本経済新聞》
■銀杏には気をつけて
「銀杏は日本や中国では古くから薬や食材として利用されてきた。だが、昔から銀杏を食べ過ぎてはいけないと言われてきた。
最近、夕食に50個の銀杏を食べ、6時間後に突然意識を失い、ケイレンを繰り返した5歳の子どもを診たが、幸いに生命はとりとめることが出来た。子供が銀杏を大量に食べると突然、嘔吐やケイレンを繰り返し、意識障害を起こすことが知られている。
稀に死亡例も報告されているので注意が必要である。学術雑誌などに掲載された論文を数えると、日本ではこれまでに70例の銀杏中毒が報告されており、このうち22例が死亡している。
食べた量と中毒症状とは平行しない。15個の銀杏を食べた2歳の子供が死亡したという報告もあるので注意が必要である。中毒成分は銀杏の中の4-メトキシピリドキシンという物質であることが分かってきた。この中毒成分が腸と肝臓の間を循環して、ケイレンを繰り返す。したがって、子供が銀杏中毒を起こしたら、出来るだけ早く病院に行って、銀杏を食べたことを医師に告げることである。」(鳥越克己・長岡赤十字病院小児科部長)2001.1.15《日本経済新聞》







 ギンネム
    現地名:(Lamtoro)
学名:(Leucaena leucocephala)
別名:イビルイビル。
    ○中米原産。繁殖力旺盛の為、インドネシアやハワイ、沖縄、小笠原諸島など、     世界の熱帯・亜熱帯で広く栽培または野生化。大別して高さ5~8mの低木型     と、高さ20mにもなる高木型がある。細長く小さな葉が10~20対ほど羽状     に茂る。花は2~3cmの球状で、白色。長さ10~15cmのさや状の豆果が実     る。
用途
木材:薪炭用材、家具、建築、繊維板。
     若葉・さや:食用。
     葉:肥料。
     その他:緑化中、庇陰重、砂防樹。


 ギンバイカ(マートル)myrtle
    ⇒北アフリカ原産、大きく広がる灌木。
    ◎精油は、若い葉を蒸留して抽出します。色は淡黄色
    ◎主成分:シネオール
         ミルテノール
         ピネン
         ゲラニオール
         リナロール
         カンフェン
  【効能・効果】
     ○肺と泌尿器の感染症
        慢性気管支炎
     ○子供の咳:ユーカリを嫌う子供におすすめ。
3%の濃度で、胸部へすり込む。


 キンバイザサ

 キンミズヒキ
   =「竜牙草」
   ⇒バラ科。開花時に全草を採集し、根部を洗った後、天日乾燥する。
  【効能・効果】
     ○胃潰瘍:
        乾燥した全草を4~20g/日、煎服する。
     ○胃痙攣:
        乾燥した全草を4~20g/日、煎服する。
     ○ウルシかぶれ:
        全草の煎汁で湿布する。
     ○下痢:
        竜牙草4~20g/日、煎服する(著効)。
     ○口内炎:
        全草の煎汁でうがい。
     ○こしけ:
        乾燥した全草を4~20g/日、煎服する。
     ○子宮の病気:
        乾燥した全草を4~20g/日、煎服する。
     ○小便頻数:
        乾燥した全草を4~20g/日、煎服する。
     ○赤痢:
        竜牙草4~20g/日、煎服する(著効)。
     ○大腸炎:
        竜牙草4~20g/日、煎服する(著効)。
     ○吐血:
        乾燥した全草を4~20g/日、煎服する。
     ○腹痛:
        竜牙草4~20g/日、煎服する(著効)。
     ○扁桃炎:
        全草の煎汁でうがい。
     ○淋病:
        乾燥した全草を4~20g/日、煎服する。




希仙(⇒草)

 祈艾(⇒艾葉)

 枳穀(きこく) zhi ké
  【基原】ミカン科カラタチの成熟した果実。(参照→枳実)
[枸橘(クツキ)](和名:カラタチ)
[酸燈(サントウ)]
[香円(コウエン)]
[玳玳花(タイタイカ)]
などの成熟間近の未熟果。
【薬材】1.緑衣枳殻・・・カラタチのほぼ熟した果実
2酸燈枳殻・・・酸燈の成熟に近い果実。川枳殻、江枳殻ともいう。
3香円枳殻・・・香円の成熟に近い果実。川枳殻、江枳殻ともいう。
4.玳玳花枳殻・・・蘇枳殻ともいう。
  【性味】味は苦酸、性は寒、無毒。
  【帰経】脾・胃経
  【分類】 理気薬
  【薬性歌】“枳殻微温解気結 寛腸消脹不可欠”
     “微温、気を快くし、腸を寛くし、胸中の気結に。脹満嘗(ナム)るに堪えたり”      《万病回春》         (嘗みる=こころみる)
  【効能・効果】 (参照→カラタチ)
       <1>肺気咳嗽を治し、
       <2>胸中の痰を散らし
       <3>大小便の通りを良くし
       <4>脹満・関格の壅塞を治し
       <5>癖を散らし
       <6>風痒
       <7>麻痺
       <8>痔腫を治す。

     ◎下剤として
       「枳殻2両、香附子・甘草各1両」粉末にし2銭を白葱の煎じ湯で服        用。
     ◎消痰に使う。
       「煎じても粉末でもよい。」
     ◎肺気を泄する。
       「煮ても末でもよい。」
     ◎両脇痛に。」
       「煎・末服。」
  【修治】
     ◎水に漬し軟らげ、穰(=ジョウ、たね)を去り、麩にて炒る。《万病回春》
  【薬能】
《薬性論》
“全身の風疹、肌に麻豆のような腫れができてかゆい症状。腸風による痔疾、心腹結気、両脇腹の脹虚、関隔壅塞(大小便不通)を治す。”
《日華子諸家本草》
“脾を健やかにし、胃を開く、五臓を調える、気を下す、嘔逆を止める、痰を消す”
“反胃、霍乱瀉痢(急性腸炎による下痢)、食滞を消す、癰結痃癖(腹部にできるしこり)、五膈気を破る、風を除き目を明らかにし肺気水腫を治す、大小腸を利す、皮膚のかゆみを除く”
“痔腫には焼いたものを圧しつける”
《開宝本草》
“風によるかゆみと麻痺を主る”関節を通し利す。労気による咳を止める”
“背悶倦(背と腕のだるさ)を去る。留結、胸膈に痰が滞るのを散らす。水を逐いやる。腸満、大腸の風を消す、胃を安らげる、風による痛みを止める”
《珍珠嚢》
“気を破る、肺中の不利の気を泄する”
《医学啓源》《主治秘訣》
“心臓の下の堅い痞を破る。胸中の気を利す。痰を化す。食滞を消す”
《本草綱目》
“裏急後重を治す”
《現代実用中薬》
“咳嗽、水腫、便秘、子宮下垂、脱肛を治す”
《中薬大辞典》
“気を破る、痰を行す、積を消す、の効能がある”
“胸膈痰滞(胸部に痰熱が滞る)、胸痞、脇脹、食積、噫気、嘔吐、下痢後重、脱肛、子宮脱垂を治す”
【各家論述】
《張元素》
“およそ、気が刺痛する場合は枳殻を用いるが、何経の分かを見分けて引経薬で導く。滞った気を破るにも枳殻を用い、高い所に用いるが、胸中志高の気を損なうことがあるので2~3服で止める。”
《王好古》
“枳殻は高い所を主り、枳実は下を主る”
“高い所は気を主とし、下は訣を主とする。ゆえに、枳殻は胸膈皮毛の病を主り、枳実は心腹脾胃の病を主るのであるが、大同小異である”
《本草綱目》
“枳実、枳殻は、気味・功用ともに同じである。上代には区別がなかった。魏・晋以来初めて実と殻の用を分かち、《張潔古》や《李東垣》はまた[枳殻]は高きを治し、[枳実]は下を治するのであるという説に分けたのであるが、大体においてその功はいずれも能く気を利するもので、気が下れば痰涎が止み、気が行れば痞脹が消え、気が通じれば刺痛が止み、気が利すれば後重が除かれる。それ故、枳実は以て胸膈を利し、枳殻は腸胃を利するのである。それ故、《張仲景》は胸痺痞満を治するに、枳実を以て要薬とした。諸方では、下血・痔痢・大腸痞塞・裏急後重を治するのに、枳殻を以て通用させている。これでみれば枳実が独りで下を治すだけでもなく、また枳殻が独り高きを治すという訳でもない”
《神農本草経疏》
“枳殻は、その気味の主るところは枳実とほとんど同じである。ただ、枳実は形が小さく、気は全で性が烈しいので、よく下に達する。枳殻は形が大きく、気は散で性は緩やかなので、その行くことやや遅く、それゆえ胸膈肺胃の分およい大腸に入る。その、風痒麻痺を主り、関節を通利し、風痛を止めるというのは、肺は皮毛を主り、胃は肌肉を主るのであるが、風寒湿が2経に入れば、皮膚が痒や痛みあるいは麻痺を生じる。これらの場合には、この薬に苦泄・辛散の効能があり、かつ種々の風薬を引いて2経に入れるので、風が需めるものを治し、風邪が散れば仮設は自然に通利する。”
“その、労気咳嗽、背悶倦を治すというのは、また風寒が上焦に鬱積して、肺気が滞って悶倦咳嗽となることを指している。《黄帝内経》に肺が気の上逆に苦しむ場合には、急いで苦味を食して泄するのが良い、とある。”
“枳殻の味は苦で、よく至高の気を泄するので、これを主るのである。また、肺と大腸は表裏の関係にあり、風邪が肺に入れば大腸にも入り、風と熱が相搏して腸風下血となるが、苦寒は下泄の気なので、血熱が清められ風が自ら除かれる。”
“その、留結を散らし胸膈に滞る痰を散らす、水を逐いやる。腸満を消す。胃えお安らかにするなどの諸証を主る効能は、すべて枳実と同じであるが、その気が緩である。”
《本草思弁録》
“枳殻は、枳実の老いた殻が薄いものである。名が枳殻である以上、必ず穣核(中味)を取り去って用いるべきである。殻と実とはもともと区別が無かったし、性も効能も同じである。ただ、胸膈の痞塞を治すには、枳殻が枳実より少し勝っている。ところが、枳実に辛温軽揚の橘皮・桂枝を助けとして用いると、奏功がとりわけ大きくなるのはどうしてであろうか?”
  【配合処方】
     枳殻益気湯
     行気活血湯
  【注意】
     ◎気血弱き者は枳殻を与うこと勿れ。その気を損ずるを以てなり。《万病回春》










 枳実(きじつ) AURANTII FRUCTUS IMMATURUS
【基原】暖地に栽培される常緑高木。
      ミカン科(Rutaceae)酸橙Citrus属の未熟果or成熟果を乾燥。
     <1>中国産:C.aurantium L.
C.wilsonii Tanaka
カラタチPoncirus trifoliata Raf.
<2>日本産:ダイダイ、ナツミカンなどの未熟果実。
         丸まま=「枳実」 2横割=「枳殻」
【原植物】
1.カラタチ(枸橘)
2.ダイダイ(酸橙) Citrus aurantium L
3.香円
  【性味】味は苦酸、性は寒、無毒。寒瀉燥降散
  【帰経】脾・胃経《中薬大辞典》
心・脾の2経に入る《雷公炮製薬性解》
足の陽明、太陰の経に入る《神農本草経疏》
肝・脾の2経に入る《本草再新》
  【分類】 理気薬
  【薬性歌】“枳実味苦消食秘 破積化痰是長枝”
      “味苦、食を消し、痞を除き、積を破り、痰を化し、牆を沖し壁を倒す”
         (牆=ショウ、かき)(沖し=トバし)
  【効能・効果】(瀉下・健胃・消化・利胆) (参照→カラタチ)
       <1>皮膚の苦痒
       <2>痰癖
       <3>脹満
       <4>心下の痞痛を治し
       <5>消化を良くする。
     ◎気を破り、積を消し、痰を化し、痞を除く。
       <1>食積痰滞
       <2>胸腹痞満・脹痛
       <3>便秘
     ◎胸脇の痰癖を除去する。
       「煎じでも丸剤でも」
     ◎心下痞を治す。
       「作末して米飲で2銭調服。又は水煎服。」
     ◎脇風痛に。
       「煎・末服。」
     ◎婦人の陰部の腫痛に。
       「枳実を炒って熱い内にこすりつける。」
《神農本草経》
“癩が皮膚中にあり、麻豆のような丘疹を生じ苦しくかゆいものを治す”
“熱の結滞を除く、痢を止める。筋肉を長てる、五臓を利す”
《名医別録》
“胸脇痰癖を除く、停水を逐いやる。結実を破る。腸満を消す。心下急痞痛、逆気、脇風痛を治し、胃気を安らげる。溏泄を止める、目を明らかにする”
《薬性論》
“傷寒結胸を解くには、陥胸湯に加えて用いる”
“上気喘咳を治す。”
“腎内傷冷、陰痿でまだ精気あるものにこれを加えて用いる”
《珍珠嚢》
“胃中の湿熱を去る”
《本草再新》
“気を破る、痰を化す。食を消し腸を寬やかにする”
《現代実用中薬》
“咳嗽、水腫、便秘、子宮下垂および脱肛を治す”
《中薬大辞典》
“気を破る、痞を散らす、痰を瀉ぎだす、積を消す効能がある”
“胸腹腸満、胸痺、痞痛、痰癖、水腫、食積、便秘、胃下垂、子宮下垂、脱肛を治す”
  【修治】
     ◎水に漬け軟らげ切片にして麩にて炒る。《万病回春》
     ◎(麩炒):少し湿らせて小麦の粉をかき混ぜて炒り、小麦粉が焦げると、粉を          排し去り、砕き用いる。
  【薬理作用】
     <1>腸管運動抑制作用
     <2>昇圧作用
     <3>抗アレルギー作用
  【薬能】
    《神農本草経》
      “大風が皮膚中に在って麻豆の如く苦痒なるものを主治し、寒熱結を除き、       痢を止め、肌肉を長じ、五臓を利し、気を益し、身を軽くする”
    《名医別録》
      “胸脇の痰癖を除き、停水を逐い、結実を破り、脹満・心下の急痞痛・逆気       ・脇風痛を消し、胃気を安じ、溏泄を止め、目を明らかにする”
    《薬性提要》
      “気を破り、痰を行り、胸膈を利し、腸胃を寛ぐ”
    《古方薬品考》
      “痞を開いて、以て結気を破る”
《薬徴》
“枳実、結実の毒を主治するなり。”
“旁ら胸滿・胸痺・腹満・腹痛を治す。”
    《重校薬徴》
      “結実の毒を主治す”
      “故に胸腹満痛を治し、胸痺停痰、癰膿を兼治す”
    《古方薬議》
      “味苦寒、能く気滞を利し、結実を破る。まさに衝墻倒壁の力あり。之を以       て心下痞塞の痰水wp消し、胸中痺滞の気を泄し、胃中隔宿の食を推し、腹中       逓年の積を削るなり”
    《中薬大辞典》
      “気を破り、痞を散じ、痰を瀉し、積を消す”
      “胸腹脹満、胸痺、痞痛、痰癖、水腫、食積、便秘、胃下垂、子宮下垂、脱       肛を治す”
【各家論述】
《本草衍義》
“枳実、枳殻は同じものである。小さいものはその精が酷で速であり、大きいものは和で緩である。張仲景が傷寒倉卒の病を治すのに承気湯の中に枳実を用いているのもこの考えによっており、疏らせ通じ、決し泄し、結実を破る働きをとっているのである。他の処方では風壅の気を導いて敗るのみである。常時服用できる。むかし枳殻を用いる考え方はこのようなものであった”
《張潔古》
心下の痞および宿食の消えぬもの治するには、枳実、黄連をともに用いる
《用薬心法》
“潔古は枳実を用いて脾の経の積血を去り、心下の痞を去っている。脾に積血がなくなれば心下は痞ではなくなる”
《湯液本草》
“枳実は気を益すには、人参、乾姜、白朮をもってこれを助け、気を破るには大黄、牽牛、芒硝を補佐薬とする”
《本草衍義補遺》
“枳実は痰を瀉(そそ)ぎだし、墻(かき)を衝き壁を倒し、竅を滑らかにし気を瀉ぎだす薬である”
《神農本草経疏》
枳実について神農の主治を細かく調べてみると、本薬の気味とは大いに異なっている。原因を調べると、それは枳殻の主治であった。思うに、枳実、枳殻の2物は古い文献では同一項目であったか、後人が分けるときに誤って分けてしまった。名医別録で、胸脇痰癖を除き、停水を逐いやり、結実を破り、腸満、心下の急痞痛、逆気、脇風痛を消し、胃気を安らかにし、溏泄を止めるのを主るといしているが、それらはいずれも足の陽明、太陰が病を受けたものであり、2経の気が滞って精微に運び化することができなくなり、痰癖停水・結実腸満が当然起きてくるものである。胃の上口を賁門といい、賁門と心は相連なっており、胃気が壅すると心下が急痞痛となる。邪が中焦に塞すると、昇降が舒やかにならず、気が上逆する。肝木が地下に鬱すると、筋道が通らず脇痛となるのである。本品の破り散らし衝き走る力を得ると、上の諸証はことごとく除かれる。仲景が傷寒腹脹実結を下すために本品を用いているものに承気湯があり、胸中の痞痛を療すのに、枳朮丸をつくっている。壅滞が去れば胃気は自ら安らかになり溏泄も止む。
《薬品化義》
“枳実はもっぱら胃の実を泄し、堅結を開き導くので、中を主って血分を治し、臍腹間の実満を療し、痰癖を消し、停水を去り、宿食を逐いやり、結胸を破り、便閉を通すことなどは本品でなければできない。。本品は血分中の気薬である”
  【薬対】
    『枳実+括楼仁』
    『枳実+大黄』=瀉下作用。腹の実滿する便秘に。小承気湯。
    『枳実+芍薬』=鎮痛作用。胸腹の痞満、脹痛、肌肉の緊張に。枳実芍薬散。
           =枳実芍薬散
    『枳実+白朮』=健胃作用。胃腸が食積(胃部滿実、飲食停滞)したり、慢性消            化不良、脾胃衰弱に用いる。胃下垂にも用いる。
           =枳朮湯《金匱要略》
  【考徴】
(枳実7枚)
     枳朮湯証=心下堅、大なること盤の如し。(枳実7・白朮2)
(等分)
     枳実芍薬散証=腹痛・煩滿。 (枳実・芍薬)等分
[煩滿]=腹がはって苦しい。
(枳実5枚)
     橘皮枳実生姜湯証=心懸痛。
[心懸痛]=胸のいたみ
     大承気湯証=腹腸満。
     厚朴三物湯証=痛みて閉づ。
     厚朴七物湯証=腹満。
梔子大黄豉湯証=熱痛。
(枳実4枚)
     大柴胡湯証=心下急・鬱鬱微煩。
(みずおちがつまったようで気分がふさがって苦しい)
枳実薤白桂枝湯証=胸滿。
梔子厚朴湯証(心煩・腹満)
(枳実3枚)
小承気湯証=腹大いに満ちて通ぜず。
枳実梔子豉湯
その証具らざるなり。為則按ずるに、梔子。香は心中懊を主治す。しかしてさらに枳実を加ふれば、則ちその胸滿の証あるや明らかなり。
橘皮枳実生姜湯証=胸痺。
☆仲景氏の承気湯を用ふるや、
大実・大滿・結毒腹に在れば則ち大承気湯、その枳実を用ふるや5枚。
唯腹満ちて通ぜざれば則ち小承気湯、その枳実を用ふるや3枚。
枳実に結実を主治するや、斯れ以て見るべきのみ。

     枳実湯《実在易》[枳実・半夏・生姜]
     枳実導滞丸[枳実・白朮・黄・黄連・沢瀉・大黄・神麹]
     香砂枳朮丸[枳実・白朮・木香・縮砂]
     厚朴大黄湯
     四逆散
     
     排膿散
     茯苓飲
【品考】
枳実、本邦に産するところの枳実と称するものは用ふるに堪えざるなり。漢土の産も亦贋多し。択ばざるべからず。本草綱目に、諸家、枳実と枳殻を岐(わか)ちて、之が説をなす。古にあらざるなり。吾れは則ち仲景氏に従ふ。《薬徴》


 帰身

 帰尾

桔梗(ききょう)
  【処方名】:[桔梗][津梗]
  【基原】山野に自生し、または栽培される多年草、キキョウ科キキョウの根。
      キキョウ科Campanulaceae 桔梗Platycodon grandiflorum(Jacq.)A.DC.(キキョ      ウ)の根を乾燥。
     <1>「晒桔梗」=6~7月に採取し根の皮・茎を去り、3日間水侵し、さらに            米のとぎ汁に1昼夜浸けた後水洗いし、天日乾燥したもの。
     <2>「生干(しょうぼし)」=10月~翌年3月に採取し水洗い後そのまま乾燥。
     ★漢方では皮付きを賞用する。
     ★秋の七草の1つ。
  【性味】味は苦辛、性は平。平瀉平升散
  【帰経】肺経。
  【薬性歌】“桔梗味苦療咽腫 載薬上昇開胸壅”
“味苦、咽痛腫を療し、薬を載せて上升す。胸を開き壅を利す”《万病回春》
  【効能・効果】(痰・排膿・鎮咳・消炎)
     ◎肺を通し、痰排膿する。
       <1>外感咳嗽
       <2>胸脇痛
       <3>肺癰
       <4>咽喉腫痛
     ◎肺気を治め、肺熱による病を治す。
        「末・煮てもよい。」
     ◎腹中が張って痛むとき。
        「濃く煎じて服用。」
     ◎蠱毒に。
        「搗いて汁を出して飲むと、重病でも治る。」
     ◎咽喉痛
        「根を1日3~10g煎服」(著効あり)
     ◎うるしかぶれ
        「生葉茎汁を塗布」
  【修治】
     ◎蘆を去る《万病回春》
     ◎唯洗って土泥を去り、其の真性を殺がず此れを良と為す、み用う《重校薬      徴》
【品考】
淅(と)ぎて白潔なるは、その気味を脱するなり。択(えら)ばざるべからず。唯その土泥を去って、その真性を殺さざる、是を良とすなり。み用ふ。
(淅(と)ぎて白潔)=桔梗には生のままのものと、といで白くしたものとあるが、白くしたものは成分が逃げて効が劣るものの意。
  【薬理作用】
    <1>コレステロールを低下させる。
    <2>血糖レベルを低下させる。
    <3>低下した肝グリコーゲンを正常レベルまで回復させる。
    <4>鎮咳痰作用
    <5>唾液分泌亢進作用
  【薬能】
    《神農本草経》
       “胸脇痛むこと刀刺の如く”
       “肥満し、腹鳴幽々、驚恐悸気を主る”
    《名医別録》
       “五臓腸胃を利し血気を補い、寒熱、風痺を除き、中を温め、消穀し、咽        喉痛を療する”
    《薬性提要》
       “肺に入り熱を瀉し、痰を除き咳を治し、頭目を清め、咽喉を利し、滞気        を散じ、薬を載せ飢えに浮かぶ”
    《薬徴》
       “濁唾、腫膿を主治する也。旁ら咽喉の痛を治す”
    《古方薬品考》
       “滞を除き、喉を利し、肺を清くす”
《薬徴》
桔梗、濁唾・腫膿を主治するなり。旁ら咽喉痛を治す。
[濁唾]=汚い喀痰。膿のまじった痰。
[腫膿]=化膿性の腫れ物。
    《重校薬徴》
       “濁唾腫膿を治す”
       “濁唾腫膿粘痰を治する”
    《古方薬議》
       “味辛温、胸脇の痛、刀にて刺すが如きを主どり、咽喉の痛を療し、痰を        消し、を破り、血を養い、能く気を下し、膿を排し、竅を利し、嗽        逆、口舌に瘡を生じ、赤目腫痛するを治す”
    《中薬大辞典》
       “肺気を開宣し、痰排膿、外感咳嗽、咽喉腫痛、肺瘍吐膿、胸満脇痛、        痢疾腹痛を治す”
    ◎緒薬をのせて上浮する。
       清熱剤の薬効を上部へ引き上げる。
   
  【薬対】
    『桔梗+甘草(生)』=桔梗湯
鎮咳去痰作用。感冒、気管支炎などによる咳喘、痰、咽喉痛などに用いる。また消炎の補助(扁桃炎・咽喉炎)に。
    『桔梗+枳殻』
『桔梗+枳実』=排膿作用。各種の化膿性疾患(肺癰・蓄膿症・皮膚化膿・咽喉炎)に。排膿散。
    『桔梗+紫蘇葉』
    『桔梗+半夏』
    『桔梗+貝母』
    『桔梗+白』
  【配合処方】
     竹葉湯
     排膿散及湯
     排膿湯・・・桔梗を以て君薬となすなり。
桔梗湯・・・桔梗湯証に曰く、濁唾・腥臭を出し、久久にして膿を吐すと。仲景曰く、咽痛の者は甘草湯を与ふべし。差えざる者は桔梗湯を与ふと。これすなわち甘草は、その毒の急迫を緩むるなり。しかして濁唾・吐膿は甘草の主るところにあらず。故にその差えざる者は、すなわち桔梗を加ふるなり。これによって之を観るに、腫痛急迫すれば則ち桔梗湯、濁唾・吐膿多ければ則ち排膿湯。
[桔梗湯]=桔梗1、甘草2
[排膿湯]=桔梗3、甘草2、生姜1、大棗10枚


 亀膠

 亀甲
[薬性歌]
    “味甘、陰を滋し、腎を補い、を逐い、、筋を続ぎ更に顱を医やす”
     ○心を補う。
       「粉末にして点眼する。」

 亀板
   [薬性歌]“亀板味甘滋陰迅 逐続筋醫顱頤”
         顱=(ロ,こうべ) 頤=(イ,おとがい)
      陰を補い、血を去る。
      筋骨を丈夫にし、顱頤に用いる。
  【修治】
    (酥炙):酥(バターやチーズの類)を塗って黄色に炙って用いる。




 亀板膠

 亀肉
  【効能・効果】
     ○湿と湿気を治す。

 亀尿
  【効能・効果】
     ○久聾を治す。
       「亀尿を青葱の管の中に入れて耳の中に注ぎ入れる。」
     ○小児の亀背を治す。




 (きか)
    [薬性歌]“葵花味甘帯痢劇 赤治赤者白治白”
  【効能・効果】
     ○瘧を主治する。(白葵花)



 葵葉
  【効能・効果】
     ○五臓の気壅を通す。

 葵樹子

    
 萓草根
   ○性は涼、味は甘く、無毒。
  【効能・効果】
       <1>小便の赤渋
       <2>身体の煩熱。
       <3>沙淋
       <4>水気を下して酒疸を治す。
    




 菊花(きくか)    CHRYSANTHENI FLOS
  【処方名】:[菊花][甘菊][甘菊花][杭菊]
  【基原】主として頭花を食用にするために栽培される多年草。キク科リョウリギクの花。
     <1>キク科(Compositae)キクChrysanthemum morifolium Hemsl.の頭状花。
     <2>「苦」:キク科(Compositae)ホソバアブラギクの頭状花。=「漢菊花」  
     <3>白菊花:清熱力弱く、養肝明目し、肝腎陰虚による視力障害に常用。
           「滌菊花」は安徽省滌県に産する。
     <4>黄菊花:清熱力が強く、外感風熱による頭痛・目の充血に常用。
     <5>野菊花:清熱解毒力がさらに強い。(参照→「野菊花ノギクカ」)
     ★日本では薬用菊は産しない。
     ◎家園の内の黄菊の小花の甘甜のもの佳なり。《万病回春》
  【性味】味は甘苦、性は微寒。  涼瀉燥降散
  【帰経】肺・肝経。
  【分類】辛凉解表薬。
  【薬性歌】“菊花味甘除熱風 頭眩眼赤収涙功”
       “味甘、熱を除き風をり、頭眩、目赤、収涙殊に功あり”
  【効能・効果】 (解毒・消炎・鎮静・排膿・降圧) (参照→キク)
     ◎清熱、風、明目、解毒の効能。
      (風熱を散じ、肝をおさめ、目を明らかにし、毒を解す。)
       <1>風熱の感冒
       <2>頭痛:
          頭痛目赤・頭昏目眩
       <3>目の充血
       <4>疔瘡腫毒
       <5>狭心症
     ○狭心症:
       「毛細血管の透過性を低下させ、抗炎症作用を示し、狭心症に有効」
     ◎健康・耐老・延年に。
       「苗・花・葉・根を陰干しにし、粉末にして酒と同じ方法で醸造して服用        する。又は蜜丸にして服用。」《神農本草経》
     ◎めまい・頭痛を治す。
       「花を作末して1日2回、1銭づつ酒で服用。or酒に浸して飲んでもよ        い。」
     ◎膜を治す。
       「末・煎服。」
     ◎全ての風と風眩を治す。
       「乾燥して煮て飲む。又、酒に入れて飲む。or酒に作って飲んでも良い。」
     ◎酔いが醒めない時、甘菊花を粉末にして1~2銭服用する。
     ◎打ち身:(参照→「打撲」)
       「濃い煎液で温湿布」。
       「菊花紅花」温湿布。
       「菊花童便無灰酒」煎服。
     ◎菊花酒方
       「甘菊花・地黄(生)・枸杞根皮各5升に、水1石を入れて5斗まで煎じ、        そこに糯米5斗・こうじを入れて醸造する。」《医学入門》
  【修治】
     ◎酒に漬し晒し乾燥《万病回春》
  【薬理作用】
     <1>抗菌作用
     <2>毛細血管抵抗力増強作用
  【薬能】
    《神農本草経》
      “諸風、頭眩、腫痛、目脱せんと欲す”
      “泣出、皮膚死肌、悪風湿痺を主り血気を利す”
    《名医別録》
      “腰痛陶々と去来するを療し、胸中の煩熱を除き腸胃を安じ、五脈を利し四       肢を調う”
    《薬性提要》
“頭風、眩暈を主り、目血を養い、膜を去り、熱を除く”
    《古方薬品考》
      “涼散、善く風熱を除く”
    《古方薬議続》
      “能く熱を清し、上部の欝結を散ず。故に諸家以て頭目の病を治す”
    《中薬大辞典》
      “疏風、清熱、明目、解毒する”
      “頭痛、眩暈、目赤、心胸煩熱、疔瘡、腫を毒治する”
  【薬対】
 『菊花+金銀花』
    『菊花+枸杞子』=(清熱解毒作用)。肝熱あるいは風熱の邪による、目の充血、          頭暈、目眩などに用いる。また、瘡瘍、腫痛などに外用。
杞菊地黄丸
    『菊花+川』
    『菊花+天麻』
『菊花+桑葉』=(発表作用)。風熱の邪による発熱、頭痛、煩躁など。桑菊飲
  【配合処方】
     菊花散[白菊花、蝉退、木賊、白藜、活]
     菊花茶調散[菊花、薄荷、荊芥、川、防風、活、甘草、白、細辛、白          蚕、香附子、茶葉]
 杞菊地黄丸
     候氏黒散
     桑菊飲
  【類似薬物】
    <1>桑葉





 菊花水
   ⇒北潭湖の源流には菊花が茂った石壁があって、水の味に菊花の香りが漂っている    ので、この水を常用する人に長寿が多かった。
    質が柔らかで味が甘く毒がない。
  【効能・効果】
     ○風痺・眩冒を治し、風を治し、衰を補う。




 菊花石
■岐阜県本巣市
「菊花石は最初から模様が見えている訳ではない・原石はただのゴツゴツした玄武岩。これを削り、研磨して初めて模様が現れる。
採石業者が山から切り出してきた原石に花が入っているかどうか、ちょっと見には分からない。表面のわずかな盛り上がりを見て、花の有無を見当する。
次に加工だ。玄武岩は硬いので、円盤状の刃にダイヤモンドを埋め込んだ電動カッターを使う。0.数㍉づつ削り、花がもっともキレイに見えるところで刃を止める。削り過ぎても削り足りなくてもダメ。
世界でも良質の菊花石が採れるのは本巣市だけ。なかでも大規模な鉱脈がある根尾谷地区は国の特別天然記念物の地域指定を受けていて、採掘が禁止されている。」



 喜樹
◎中国原産の樹木。カンプトテシンが抽出できる、DNA合成を妨げる。
ヤクルトの抗ガン剤「カンプト注」の成分。






 吉林参

 桔葉

 桔絡

 橘核(きっかく)
  【基原】ミカンの種子
  【性味】味は苦、性は温。
  【効能・効果】
     ◎寒の凝結を散じる。
       <1>疝気
       <2>睾丸の腫痛
     ◎腰痛。
       「少し炒って殻を取り、作末して2銭を空腹時に酒で服用。」
     ◎膀胱・腎気痛。
       「炒って殻は捨て作末して1銭を酒で調下する。」
  【用量】3g~9g
     (炒)用する。


 橘紅(きっこう)
    <1>中国産:ミカン科(Rutaceae)オオベニミカン「黄橘皮」の内側の白い肉を取り去った      もの。
<2>白い部分は:「橘白」。
    <3>維管束だけを取ったもの:「橘絡」という。


 橘皮(きっぴ) CITRI LEIOCARPAE EXOCARPLUM
【基原】<1>ミカン科の黄熟した果皮=「橘皮」
         黄熟する前の果皮=「青皮」
          古くなった橘皮=「陳皮」「陳橘皮」
      <2>ミカン科(Rutaceae)柑桔(ミカン)Citrus reticulata Blancoの果皮。
      <3>中国産:ミカン科(Rutaceae)オオベニミカン、コベニミカン
      <4>日本産:ウンシュウミカンCitrus unshiu Marc.(陳皮)
 コウジC.leicarpa Hort.ex Tanaka(橘皮)
     ★《神農本草経》:「橘柚」で収載。
  【性味】味は辛苦、性は温。
  【帰経】脾・肺経。
  【分類】理気薬。
  【効能・効果】
     ◎急に失音し声唖になった者を治す。
       「濃く煎じて汁を絞って、頻繁に飲む。」
     ◎脾の消化作用が弱い時に使う。
       「煎じても、末でも」
     ◎気の上逆を治す。
       「煮ても、末でもよい。」
     ◎開胃
       「茶をつくって飲む。」
     ◎膀胱の留熱と停水を除去する。
       「青い橘皮、煎じ・末服」
    ◎下焦の冷えを治す。
       「青い橘皮、煎じ・末服」
     ◎反胃と嘔吐を治す。
       「末にし炒って作末、毎回2銭を淡姜湯で煎服。」
     ◎咳と上気を治す。
     ◎骨硬に即効あり:橘皮一味を黒焼きにして用いる《勿誤薬室方函口訣》
  【薬理作用】
     <1>心臓を興奮させる(少量)
     <2>心臓を抑制する(大量)
     <3>血圧を上昇する
     <4>腎血管を収縮する
     <5>毛細血管を強化する
     <6>胃腸内のガスを排出する
  【薬能】
    《李時珍》
      “橘皮の苦は能く泄し、能く燥し、辛は能く散じ、温は能く和す”
      “病を治するは、すべてその気を理し、湿を燥かす効用を利用するのであっ       て、補薬と共に用いれば補し、瀉薬と共に用いれば瀉し、升薬を配合すれ       ば升し、降薬を配合すれば降する。脾は元気の母であり、肺は攝気の籥で       ある。故に橘皮は二経の気分の薬となり、配合する薬に従って補とも瀉と       も、また升とも降ともなる”
       (攝=セツ、とる、かねる)(籥=ヤク、ふえ)
《薬徴》
“橘皮、吃逆を主治するなり”
“旁ら胸痺・停淡を治す”
“吃逆を主治するや明らかなり。胸痒の者、停痰の者、その吃逆の証あれば、則ち橘皮能く治するところなり”
    《重校薬徴》
      “逆を主治し、胸痺、停痰、乾を兼治す。”
  【薬対】
    『橘皮+生姜』
    『橘皮+青皮』
    『橘皮+竹茹』
    『橘皮+半夏』
    『橘皮+白朮』
    『橘皮+木香』
  【配合処方】
     橘皮枳実生姜湯
     橘皮竹茹湯
     橘皮大黄朴消湯(橘皮・大黄・芒硝)
     橘皮湯
     茯苓飲
【考徴】
(2斤)
橘皮竹茹湯証=逆(えつぎやく)(=吃の謂なり)逆(=しゃっくり)
(1斤)
橘皮枳実生姜湯証=胸痺
(4両)
橘皮湯証=。
(2両半)
茯苓飲証=心胸中に停痰あり。
【品考】
橘皮、近世間(まま)、柑子(みかんの皮)を以て橘皮に代ふるは、非なり。
  【参考】
☆私の経験では、橘皮は苦味の強いものが良く、[橘皮]の代わりに[陳皮]を用     いたのでは、効がない《大塚敬節》




 橘葉(きつよう)
  【基原】ミカン科(Rutaceae)柑桔(ミカン)Citrus reticulata Blancoの葉。
  【性味】味は苦、性は平。
  【効能・効果】
     ◎肝気の欝結を疏散し、気をめぐらし結を除く。
<1>脇肋部の疼痛
        <2>乳房炎
  【用量】3g~9g


 橘絡(きつらく)
  【基原】ミカン科(Rutaceae)柑桔Citrus reticulata Blancoの繊維管束。
  【性味】味は苦甘、性は平。
  【効能・効果】
     ◎鎮痛、痰作用。
     ◎絡脈を通じて痰を除く。
       <1>咳嗽
       <2>胸脇部痛
  【用量】3g~4.5g
    

 絹(きぬ)
   ◎主成分:フィブロインというタンパク質。アミノ酸を多く含む。
     <1>血中コレステロールを低下させる。
       「ネズミに普通のえさと絹の粉末を5%混ぜたえさを与える実験で、        イ)善玉コレステロールが増え
        ロ)悪玉コレステロールが減少
        ハ)肝臓内の脂肪が減少。」信州大学繊維学部・平林潔教授。
<2>血液中の血糖値が下がる。
     <3>アルコールの代謝を促進し、悪酔いを防ぐ。
   ◎セリシン:フィブロインを包むセリシンというタンパク質。
     <1>活性酸素を抑制し、アトピー性皮膚炎に有効。広島大学生物生産学部・加      藤範久助教授。
■チタンで絹糸塗膜
「群馬大学工学部の稲田茂昭教授は寝具販売会社のマペペユニット(前橋市)と共同で、絹糸の表面をチタンやケイ素の塗膜で覆った新素材を開発した。
チタンは排ガスなどを吸着する性質があり、チタンで表面が覆われた絹糸を使えば吸着・脱臭フィルターなどを製造できる。
ケイ素は耐熱性と絶縁性に優れており、ケイ素の塗膜をもった絹糸は消防士の防火服などに適しているという。
新技術を応用して、アルミニウムや銀・白金を絹糸に結合させることも「理論的には可能」(稲田教授)。2002.6.19《日経産業新聞》
■人工血管
「東京農工大学アンドの研究グループは、絹製の人工血管を開発した。血栓が出来にくいうえに、動脈の血流にも耐えられる強度がある。体内で少しづつ分解されて正常な血管が再生することを動物実験で確認した。
農工大の朝倉哲朗教授、東京大学の佐田政隆・助教授、医療機器販売のコアフロントらのグループ。
開発した血管は絹製の手術用縫合糸を編み上げたもの。丈夫な絹糸を使うので動脈にも耐え、詰まりにくい。絹成分のフィブロインは抗血栓作用があるうえ、細胞に覆われやすく、血栓が出来にくい。
ラット腹部の大動脈に直径2mm、長さ1.5cmの人工血管を移植した。3ヵ月後に調べたところ、内皮細胞と平滑筋細胞が人工血管表面を覆い、動脈が再生しかけていた。
従来の人工血管では直径が4mmを超えると血栓が出来やすかった。
動脈硬化を起こす心臓の冠動脈は細いので人工血管が使えず、患者自身の動脈を体の別の部位から取ってバイパス手術をする。患者に負担がかかる上採れる血管数が限られ、再発すると手術できないことがある。生分解性の人工血管としてポリ乳酸などの研究の進んでいるが、強度が足りないため動脈には使えない。
2006年5/24の高分子学会で発表」



 急性子
  【効能・効果】  (参照→「ホウセンカ」)

 蚯蚓
  (⇒地竜)みみず
    [薬性歌]“蚯蚓気寒治大熱 傷寒瘟疫狂譫絶”
  【効能・効果】
      傷寒・瘟疫の伏熱に用いる。
      発狂・譫語に応用。
      蛇虫毒を除き、長虫を殺す。
     ○三虫・伏尸・長虫・蛔虫を殺す。
       「白頸の蚯蚓を乾燥して作末し、米飲に混ぜて食べるor汁に絞って飲む。」
     ○小便不通を治す。
       「汁にし、空腹時に半杯飲む。」
     ○久聾を治す。
       「地竜を葱葉のなかに入れると水になり、それを耳の中に点入する。」
     ○喉閉を治す。
       「汁を取って食べる。」
     ○蛇の主治薬。
       「白頭の蚯蚓の汁を作って飲む。」
     ○天行熱疾を主治する。(蚯蚓汁)
     ○小児の丹毒に塗る。
     ○蠱に中毒し、吐血・下血が腐った肝と同じようなとき。
       「蚯蚓1匹を醋1升に漬けると蚯蚓が死ぬ、その汁だけ飲むと生き返る。」


 救急用の食糧
高野豆腐・・・高タンパク食
鰹節1本・・・なめて7日間生き延びた例がある
ようかん


 救必応

 韭子
    [薬性歌]“韭子甘温尿不禁 腰膝夢遺女白淫”
  【効能・効果】
     ○夢泄と泄精を治す。
       「桑蛸と竜骨を加え、少し炒って散丸剤にする。」

 韭菜
    [薬性歌]“韭菜辛温除胃熱 能治骨清血”
  【効能・効果】
     ○痢疾を治す。
       「赤痢には韭汁に酒を混ぜて1盃温服。水殻痢には粥or茹でて炒める。        白痢には煎服。」


 韭汁
  【効能・効果】
     ○吐・衂・喀・唾血を止め、胸膈間の血の凝滞を治す。
       「汁を絞って3~4杯を冷たくして飲む。」

 葉
  【効能・効果】
     ○霍乱による筋の突っ張り・痛み。
       「葉を煎服。」

 鼠狼皮
  【効能・効果】
     ○痔瘻に。
       「皮を缶内に入れて焼いて、その上にまたがって座り、くすぶらせる。」


 牛角(ぎゅうかく)
  【基原】ウシ科(Bovidae)ボルネオスイギュウ、又はインド水牛の角。
      犀角の代用とする。
  【薬理作用】
    <1>抹消血中の白血球を減少し、リンパ液を増加する。
    
  【薬能】
    《名医別録》
      “水牛角は時気の寒熱頭痛を治す”
    《日華子本草》
      “水牛角を煎じたものは熱毒の風ならびに壮熱を治す”

 牛角腮
  【効能・効果】
     ○血崩と赤・白帯を治す。
       「焼いて灰にして2銭を酒で服用or丸服。」
     ○赤白痢と、冷痢の瀉血を治す。
       「作末して温酒or米飲で2銭を調服し、又、蜜で丸めて食べる。」


 牛肝
  【効能・効果】
     ○痢疾を治す。
       「醋で煮て食べる。」
     ○目を良くする。
       「煮て食べる。」
     ○酒労を治す。
       「刺身にして姜・醋と同じようにして食べる。」


 牛歯
  【効能・効果】
     ○牙歯
       「30枚を末し、2銭を煎じてうがいする。」

 牛耳艾

 牛腎
  【効能・効果】
     ○腎の補強に良い。
       「常食する」
     ○疝痛を治す。
       「外腎を(炙)乾燥、作末して温酒で調服。」


 牛髄(ぎゅうずい)
  【効能・効果】
     ○五臓を和らげる。
       「酒と一緒に食べる。」
     ○三焦を和らげる。
       「酒に混ぜて食べる。」
     ○骨髄を良くする。
       「酒に混ぜて食べる。」
     ○五臓を和らげる。「酒と一緒に食べる。」
     ○五労・七傷を治す。
       「酒に混ぜて食べる。」

 牛涎
  【効能・効果】
     ○小児の霍乱に。
       「牛涎1合で灌化するとすぐ治る。」
     ○反胃・噎膈に。
       「老牛の口中涎を少し取って、水に混ぜ飲む。」

 牛胆南星
  【効能・効果】
     ○結胸が治らず、狂言し、大小便の不通のとき。
       「作末し2銭を人参湯で調服し、少したったら又、熱い人参湯を飲むと効        がある。」

 牛肚(ぎゅうと)
  【効能・効果】
     ○五臓を補う。「煮て食べる。」
     ○脾気を強くする「常食すると良い」
     ○胃の補健に良い。
     ○脾胃を補う。
       「五味であえて煮て食べる。」



 牛エキス
○製造法・・・企業秘密
「国内で狂牛病が見つかった2001年9月までは、牛骨は骨粉として加工され、家畜飼料・園芸飼料・ペットフードに利用されてきた。
だが、もっとも重宝舌のが、食品業界だった。特に加工食品は牛の残渣が無いと、にっちもさっちもいかなくなる。加工品に使われる牛由来の原料は[牛エキス][牛脂][ゼラチン][コラーゲン]と4つに大別できる。
牛エキスは骨が主原料。一口に骨と入っても、どの部分が使われるのか?10数年にわたって屠畜・解体現場で働き、その後加工業界に転職した者からの話を効いた。
“牛エキスが使われるのは、どれも身近な食い物だからぇ”
“使っているのが骨だけじゃないから、それを知られたくないんだよ”
“骨と入ってもね、アバラと足だけが骨じゃないからね。牛エキスを製造するには、骨なら何でも使う。脊髄・シッポはもちろん、頭は丸ごと使う。ただし、タン(舌)だけは切り取る。これは商品価値があるからね”
“頭なんか、プレス機械を使えば一発でペシャンコになる。機械を使わず、昔ながらに大きなハンマー・斧で叩き割ることもある。ハンマーを使うと、あの大きな目玉が飛び出るんだ。”
“目玉も脳みそもペニスでも、何でもかんでもゴッタ煮にする。これが牛生エキスの原料になるが、これは製造工程で言うと第一段階だね。それからこお煮汁は、ほかの加工業者をいくつか回り、いろいろ手を加えられて、最終的に牛エキスになる。ビーフブイヨン・ビーフエキス・肉エキスとか”
“どの業界にも表と裏がある。ついでに言っちゃうけどね、病気の牛だって使うんだよ。どんなに健康そうに見える牛だって、解体すると病巣が見つかる。全国で屠畜される牛のうち、半分以上から何らかの病巣が見つかるのさ。巨牛病は論外だが、それ以外は病巣があっても出荷される。病巣の部分だけ削り取って捨てれば、他は使うんだよ。それが食品衛生法で認められている。日本人は霜降り肉がどうのこうのと贅沢なことを言っているが、実際は病気牛を食べているんだ。なにせ5割~6割近くが、その手の牛だからね。牛エキスにも当然、そうした牛が使われている。ついでに話すと、ブタは牛より病巣が見つかるケースが多い。全体の6割以上が何らかの病気に罹っている”
何段階もの工程を経て、煮汁を濾過して骨や毛などカスを屠痔除いたのが、牛エキスのもと。これに食品添加物など10数種類が加えられる。そして、[ブイヨン][コンソメ][カレールー][レトルトカレー][ソーセージ][ハム類][スナック菓子][焼き肉のタレ][デミグラスソース][シチュールー][ベビーフード][インスタントラーメンのスープ]などになる。
(吾妻博勝著「鯛という名のマンボウ アナゴという名のウミヘビ」p126~)


 牛肉
  【効能・効果】
     ○気血の滋養に良い。
       「焼いて食べる。」
     ○脾気を強める。
       「常食するとよい。」
     ○痩せを防ぎ、肥らせる。
       「焼いても煮ても良い。」
   ■アンガス牛
    「もともと草だけを食べていた牛(ロングホーン)は肉が硬く、煮込んで食べる     しかなかったが、19世紀に英国で品種改良されたアンガス牛が出現すると、     事態は一変。脂肪が多く柔らかくなった牛肉は、重宝がられるようになった。
      ステーキが食べられるようになったのは、アンガス牛からである。
ところが、この牛は1kg太るために8kgのトウモロコシを食べる大食漢の牛     だった」1999.1.24.NHK
   ■牛肉スープの味の素解明
     「味の素の研究グループは牛肉スープの持つ独特のコクのある酸味の基になって     いる物質を突き止めた。この物質を合成牛肉エキスに入れると味が格段に良くな     ると云う。1996.5.25《日本経済新聞》」
   ■米牛肉の成長ホルモン剤------------発ガン性物質も
    「欧州連合(EU)の欧州委員会は3日、米国産牛肉に使用されている6種類の成     長促進ホルモン剤のうち「エストラジオール17ベータ」を発ガン性物質とす     る報告書をまとめた。同ホルモン剤に「発ガン、ガン促進の効果」を認めたほ     か、成長ホルモン剤全般について、濫用は人体に危険と指摘した。この報告書     は成長ホルモン剤が人体に与える悪影響を検証するため科学者らが作成した。     1999.5.4《日本経済新聞》
■食肉汚染検査----1時間で
     「キッコーマンは蛍の蛍光酵素(ルシフェラーゼ)を応用して、食肉の微生物     汚染検査を大幅に短縮する試薬を10日に発売すると発表した。従来48時間か     かっていた、検査が1時間程度となり、微生物の培養が不必要になるため、不     慣れな人でも簡単に検査が出来る。」2000.3.10《日経産業新聞》
■口蹄疫
「宮崎県畜産課は25日、宮崎県富吉の肉牛農家で飼育する肉牛10頭がウイルス性の感染症、『口蹄疫』に感染した疑いがあると発表した。九州農政局によると、口蹄疫の国内での発生は1908年の関西・中国地方で発生した以来。
宮城県畜産課によると、口や蹄に水泡が出来るなどの症状を示す口蹄疫の肉牛が1頭あることを13日に獣医師が確認し、同課に連絡。その後、ほかの9頭にも同様の症状が現れた。
農林書畜産局で1頭の組織検査をした結果、ウイルスに感染している可能性があることが23日分かった。
その後、別の9頭の血清検査で、うち8頭から口蹄疫ウイルスの抗体が見つかった。
同畜産局は「口蹄疫ウイルスはまだ確認出来ないため、今のところ、感染したとは断定できない」としているが、宮崎県畜産課は26日に19頭すべてを処分する。
また同課は25日、同肥育農家の半径50m以内を立入禁止にした。さらに半径20km以内の家畜市場を最長3週間閉鎖するほか、半径約50km以内の地域から地域外への牛などの移動を禁止し、感染ルートなどを調べている。
同課によると、口蹄疫は人に感染することはなく、感染牛の肉や乳を食べても人体には影響がないが、治療法は無い。
[口蹄疫]
「豚や牛・羊など偶蹄類の哺乳動物に感染するウイルス性の家畜病。発症すると、口と蹄に水疱が出来て発熱、やせ細って死ぬこともある。空気感染するため、急性で感染力が強い家畜病として恐れられており、各国は厳しい防疫体制をとっている。」2000.3.26《日本経済新聞》
■牛肉エキス
「農水省が4日から当分の間、狂牛病の原因とされる肉骨粉の生産・流通の全面停止に踏み切った。牛肉の消費減や国産牛離れなどの「風評被害」(武部勤農水相)は止まらず、不安を訴える消費者の声に対応した究極の措置を取らざると得なくなった。先月10日の疑惑発生から約3週間。重い腰を上げた行政に対し、生死のかかった企業の一部ではすでに対策を終え、逆境を商機へ転じようとして動いている。
「アリアケ入ってる」ーーーー。
食品業界のインテルと言われる調味料製造大手のアリアケジャパン。即席めん向けスープのエキスなど、加工食品メーカーで同社製品を使っていない企業は皆無と言われる。この小さな巨人が、狂牛病対策で一歩も二歩も農水相の先を行く機敏さを見せている。
「牛エキスはすべて米国産に切り替えました」。1日から営業担当者は同社の狂牛病対策を書いたパンフットを片手に、既存の主要顧客だけでなく、取引の少なかった顧客や新規企業の開拓に着手した。取引先に問われれば、担当者が調べ尽くした米国の狂牛病対策を紹介し、米国産が日本産に比べてどう安全であるか、念入りに説明する。
岡田社長は欧州で狂牛病パニックとなった昨年から、「厳格な検査を経て輸出される米国産の安全度は高い」と判断を固め、国内産から徐々にシフトしていた矢先だった。2001.10.2《日経産業新聞》
■産地偽装
「大阪府と奈良県でスーパーを展開する「カノー」(本社、大阪市鶴見区、嘉納利文社長)の2店舗で、輸入肉を国産牛と偽って販売していた」2002.6.6.《日本経済新聞》
■霜降り肉
「食肉加工のホクビー(北海道石狩市)は加工ステーキなどに使われる人工霜降り肉の生産能力を倍増する。BSEの問題でステーキなどに適した米国産牛肉の輸入が禁止され、人工霜降り肉の需要が急増しているため。
同社はオーストラリア産などの乳牛肉に脂肪を打ち込んだ人工霜降り肉を製造、外食産業向けに販売。国内の加工ステーキ市場で7~8割のシェア。」2005.2.9《日経産業新聞》
■米国産・・・危険部位
「2006年1/20、日本向けに輸出された米国産牛肉から危険部位として除去が義務づけられている脊柱が見つかった問題で、ジョハンズ米農務長官は食肉加工施設を監督していた米農務省の検査官が徐去義務を十分認識していなかったことを明らかにした。
違反牛肉を輸出したのは米ニューヨーク州の食肉会社アトランティック。ビール・アンド・ラム。生後4ヵ月半の子牛の肉だった。
米国内で消費される牛肉については「生後30ヵ月以下の牛は安全」との原則を前提にしていて、生後4ヵ月半の牛肉なら、脳や脊柱など特定危険部位(SRM)の除去義務がなかった。」2006.1/21《日経》
■黒毛和牛も
「2006年3/17、厚生労働省は長崎県壱岐市で繁殖用に飼育されていたメスの黒毛和種1頭からBSEに感染していることが分かった。国内のBSE感染牛として24頭目で、肉用牛として初めて。
これまで乳用牛でしか感染例が無かった。
BSEに感染した牛は1992年2月生まれの14歳のメス。これまで10頭を出産し、その中には食肉として市場に出回った牛もいるようだ。厚労省は「BSEの母子感染はないとしている」が・・・・。
この牛は10頭目の妊娠中に立てなくなり、分娩後の3/13に、佐世保市食肉衛生検査所に持ち込まれた。解体後に大腿部の脱臼が判明し、一次検査で陽性反応が出た。国立感染症研究所で二次検査を実施、3/17に開かれた厚労省専門家会議で確定診断された。」2006.3.18《日経》
■寄生虫
ユッケ(生の細切り牛肉)やステーキを生焼きで食べると「無鉤条虫」というサナダムシがうつることがあります。3ヶ月ぐらいで5㍍もの長さになります。
■食感
「大阪市立工業研究所の畠中芳郎研究主任は筋肉繊維の形によって肉の食感が変わることを突き止めた。ハムやソーセージは、弾力性や保水性をあげて食感を良くしている。以前はリン酸塩と呼ぶ添加剤が中心で、近年はグルコース酸など他の添加剤の利用が増えていた。
リン酸塩・・・肉の弾力を増す
グルコース酸塩・・・肉の歯ごたえを良くする
電子顕微鏡で肉を観察したところ、リン酸を使うと筋肉のタンパク質が溶け出し、肉の繊維質が破壊されていた。一方
グルコース酸などを使った肉は繊維質が壊れずに残っていた。
繊維質がシッカリ残っていると噛みきりやすくなる。逆に繊維質が壊れると食べ応えがよくなる。」
■但馬牛
「朝9時半、黒い牛たちがつなぎ場に出て、横一線に並ぶ。県立畜産技術センター(兵庫県加西市)で飼う種付け用の但馬牛のオス(種雄牛)33頭の日課だ。どっしりした重い体を細い脚で支え、同じ場所に2時間立ちっぱなし。
“種雄牛にとって大切な足腰の訓練”と野口晶伸研究主幹。
牛たちにとっては少々しんどいひなたぼっこだ。
但馬牛は先祖代々、兵庫県で生まれ育った黒毛和牛。やや小柄で肉の量は少ないが、きめ細やかな霜降りができ、うまみ成分も多い。ここを巣立った子牛は各地で肥育され、神戸ビーフにも松阪牛などご当地ブランドの牛肉になる。
ルーツは県北部の但馬地方、とりわけ美方郡が有名産地。JAたじま(新温泉町)の畜産家みかた畜産事業所は、牛の家系図ともいえる明治の古い飼料も保管、牛の改良に挑み続けた篤農家の意気込みを今に伝える。
血統は全国に散らばっている。だが“よその血統は美方郡には入れない”と同事業所の村尾忠司署長。県も他県の血統を持ち込まない「閉鎖育種」を全国で唯一守り続ける。
全国から優秀な和牛を集めて交配する産地からは、霜降り競争で攻勢をかけられた。だが、2009年春、スーパー但馬牛「丸宮土井」がデビュー。霜降りや枝びく重量など6指標が全部A以上という史上最強の但馬牛投入で巻き返しに出る。
県保有の種雄牛から採取した人工授精用精液を、農家が必要とするだけ供給し品質とブランドを守る。その代わり、県内1万5千頭の雌牛のデータをもとに「ピカイチの雌牛の飼い主に頼んで優秀なタネをつけ、雄の小牛を県が買い取る」(野田主幹)
純血主義を徹底する一方、平均化して平凡な牛しか生まれなくなることがないように、但馬牛の中でも特色持つ8つのグループをつくり育てる作戦も進行中。


ハンバーグ(プロ)
分厚いハンバーグ(4~5cm)
ジューシィ(肉汁がタップリ)
オーブン(300万円)で焼いている
200℃に均等に維持(余熱し続ける)

オーブンの代用を・・・ゼロ円で
焼くときに・・ある工夫で・・・分厚い肉でもOK
フライパン (蒸す)
水蒸気が100℃ →ハンバーグに当たると、→熱を肉に与える(凝縮熱)
水の入れ方にコツ。
水に触れさせないが、水蒸気だけを一杯にする。
ハンバーグの下にニンジンとジャガイモ(6mm)をしいて、お湯を注ぐ。

やすい肉をどうするか?
①牛脂をこまかく切って入れる。
②パン粉の割合→石川県に食材・・・「麩」
パン粉の変わりにお麩を入れる。
③タマネギに一手間加える


タマネギを細かく切って 10gのバターで 飴色になるまで
挽肉+卵+2分間混ぜる
牛:ブタ=7:3
牛脂を加える
寒天+お麩+

フライパン 余熱
肉の片面
ひっくり返す

   焼くときに・・・・中心に、氷の角を入れておくと、氷が溶けるときに熱を発生さ   せるため、中までしっかり火が通る



 牛乳(ぎゅうにゅう)
○特別牛乳・・・・全国で6カ所しかない牛乳
関西では1カ所:京都クローバ牛乳
  【効能・効果】
     ○肺病
       「常食する。」
     ○健康によく、肥らせる。
       「常飲する。」
     ○熱毒と胸中の煩熱を除去する。
     ○反胃・噎膈を治す。
       「韭汁2杯、牛乳1杯、竹瀝半杯、童便1杯、生姜半両の汁を皆混ぜて飲        む。」
     ○消渇を治す。
   ■皮膚の傷を治す成分
     「オーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の研究グループは皮膚の損傷の治癒     を早める牛乳成分を見いだした。動物実験で効果を確認、臨床実験の準備に入     った。包帯に混ぜて傷を早く治したり、化粧品に応用してシワを減らすの役立     てたいとしている。
 この成分はチーズを作る際に残留する液体に含まれる。
     抽出して粉末化する製法の特許も取得。」1997.8.14《日経産業新聞》
   ■虫歯予防タンパク質
     「オーストラリアのメルボルン大学の研究グループは、牛乳から虫歯の進行を食い止める     効果があるタンパク質を抽出した。虫歯は虫歯菌が砂糖を食べたときに出す酸     によって歯のリン酸カルシウムが溶けることで生じる。此のタンパク質はリン     酸カルシウムが溶け出すのを防いで、虫歯の進行を抑制する効果があるという。     1996.6.17《日経産業新聞》」
   ◎欧米諸国の大半は63℃で30分、又は72℃15秒加熱の「パスチャライズ牛乳」    であるのに対し、日本の牛乳の90%以上は130℃2秒の高温殺菌。パス牛乳は    乳酸菌などの善玉菌を活かし、牛乳本来のすっきりした味を保つ。しかし、日本    では原料乳の品質改善に取り組まず不必要なまでの高温殺菌に頼りすぎたため、    「世界でも類を見ない牛乳になってしまった。
    (平沢正夫著「日本の牛乳はなぜまずいのか」草思社)
   ■低温殺菌牛乳の人気がじわり
    「低温殺菌牛乳は昔ながらの方法で、62℃~65℃で30分間殺菌する。病原菌     などは全滅するが「乳酸菌など有益な菌は生き残る」中堅マメカーが参入し発     売」1997.9.8《日経産業新聞》
   ■焼却場近くの牧場牛乳にダイオキシン
     「ごみ焼却場に近い牧場の乳牛から搾った牛乳には、遠くのものよりも高いダ     イオキシンが含まれることが、帯広畜産大学の中野益男教授(環境生化学)の調     査で分かった。中野教授は「牛乳に欧州並みのダイオキシン濃度規制をかける     べきだ」と警告している。
      調査は昨年4月と12月に実施。焼却場から5km以内で
        牛乳-----------0.2ピコ㌘/1g
乳脂肪--------4.6ピコ㌘/1g
          (ドイツでは5ピコ㌘/1g以上検出された乳脂肪は牛乳とともに取           引禁止が勧告される)1998.4.2《日本経済新聞》
■ハーブ牛乳
「牛乳を一口飲んだ瞬間。ミントの香りが広がる。清涼な風味が、普段は口の中に残る独特の臭みを消す。さわやかな後味から、牛乳が苦手な人にも好評だ。香料を加えていないにもかかわらず、牛が食べたミント成分が牛乳に入っている。
淡路島で年間、生産される牛乳は、約7万トン。県全体の約4割にあたる。県立淡路農業技術センターで(三原町)で、乳牛を研究する高田修・畜産部主任研究員は6年前、農林水産省から示されたある研究に心を引かれた。
「牛にハーブを食べさせると牛乳はどうなるか」
ハーブは薬草や香草の総称。香りがもたらす“いやし効果”が人気を集める。「よし、やろう」。1998年、計画がスタート。とはいえ、植物は専門外。書店で「ハーブ百科」を買い、20種類を選んで栽培。エサに混ぜて日に2回、食べさせた。
実験の結果、
ペパーミントを食べた牛の牛乳は、乳の臭みが消えていた。
アニスを与えると、濃厚で甘く、
バジルはあっさり、と風味がかわり、化学分析で、ハーブの成分が牛乳に入っていることも確認できた。乳牛の血液が「乳腺細胞」でこされて牛乳は出来る。牛が食べたハーブの成分は、胃腸で吸収されたあと血液に入り、乳腺細胞を通過する。しかも、入ったのは香成分だけではなかった。
ハーブは、動脈硬化やガンの原因となる物質の活性酸素を抑える「抗酸化物質」を多く含む。この物質の代表格は赤ワインなどに多い『ポリフェノール』。高田さんらは、「抗酸化物質も、同じようにハーブから牛乳へ移ったのでは?」と考えた。事実、ハーブ牛乳は、活性酸素を抑える働きが通常の約1.5倍高かった。人体に良いことが分かれば、「機能性食品」として売り出せる
■廃棄牛乳からエネルギー
「明治乳業は工場の廃棄牛乳をメタン発酵で高速処理し、発生するメタンガスをエネルギーに利用する仕組みを開発する。
メタン発酵は、メタンを生成する嫌気性の菌で有機物を分解させる処理方法。焼却に比べて二酸化炭素(CO2)排出量を軽減できる」
■マサイ族
「1986年~87年にかけてアフリカのマサイ族を訪れた。マサイ族は主にキリマンジャロ山麓に住む種族で、普通はサバンナで遊牧しながら生活している。彼らを検査してみて驚いたのは、高血圧患者が1人もいなかったことだ。調べた50代のほとんどが正常血圧で、日本から持ってきた血圧計が壊れているのかと思ったほどだ。
20世紀初頭、欧州の学者はアフリカを「高血圧のない大陸」と称した。ところが我々が訪問した1980年代後半になると、都会では50代前半の人々の約半数が高血圧だった。ただ、この地のマサイ族だけは例外で、アフリカの良さを保持し続けていた。
当時、マサイ族は調理に塩を一切使っていなかった。ナトリウム不足を心配されるかもしれないが、ちゃんと秘密がある。老若男女を問わず、1日平均すると2~3㍑もの発酵乳を飲んでいる。原料の牛乳は良質のタンパク質。他の食事から塩を全く摂らなくても、これだけの量を飲めば、食塩に換算して約2.5gのナトリウムが摂取できていることになる。さらに、食べ物に塩を加えなくても普通は1日に3gの塩分がとれる。これで十分。もちろん高血圧になるはずがない。
牛乳にはカリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル分も豊富だ。ただ、いくつかの栄養素が不足するのを、一体どうして補っているのだろうか?
たとえば、食物繊維を補うため、トウモロコシの粉を混ぜて飲む『マズイワ』と呼ぶが、オートミールによく似ていて口にすると結構いけた。
ウシの首を矢で一刺しし、その血を発酵乳に混ぜて飲む風習もあった。(家森幸男・武庫川女子大国際ヶ公開発研究所長)2006.5/14《日経》
■無殺菌牛乳
北海道中礼内村西戸鳶東2線163-10(0155-68-3137)
「想いやりファーム」長谷川竹彦氏
■成長ホルモン
「2008年、米モンサントは乳牛向けの成長ホルモン事業を米医薬品大手イーライ・リリーに売却した。
アメリカでは近年、食品の安全性意識の高まりで、成長ホルモンを使っていない牛乳の売り上げが増加している。搾乳量が増えるとして米国で広く使われてきた成長ホルモンに逆風が吹いている。
売却したのは[rBST](商品名:ポシラック)と呼ばれる乳牛向けの成長ホルモン。ポシラックは1994年にFDAに認可を受け販売開始。遺伝子組み換えバクテリアが生成する成長ホルモンで、乳牛に一定期間おきに注射することで、搾乳量が10%増えるという。2007年の米農務省の調査ではアメリカの乳牛の約17%がこのホルモンを使用しているという」




 牛乳粥
   ○牛乳1升に米少々を入れて粥を作って飲むのが、老人養生に最も良い方法である。




 牛尿
  【効能・効果】
     ○小便の通りを良くし、また不通を治す。
       「雄牛の熱尿を飲む。」
     ○長くなった気脹に使う。(烏牛の尿)
     ○邪悪気を予防する。


 牛脾
  【効能・効果】
     ○諸痔を治す。
       「煮て食べる。」

 牛鼻
  【効能・効果】
     ○乳の出ない症。
       「汁を作って空腹時に、2~3日食べる。」

 牛皮消
   =「いけま」ガガイモ科 カモメヅル属。
     イケマ=(アイヌ語)
   =「いけま」ガガイモ科 カモメヅル属。
     イケマ=(アイヌ語)
“根の太さは親指程度。長さ10cmほどを2本、煮て食べると福寿草の様な中毒を起こす”
心臓毒を多く含有する科はガガイモ科。
【学名】キナチャム・キァウダッム
【漢薬名】牛皮消

  【効能・効果】
     ○本邦古来の経験にて、打撲傷損に用いて和血止痛の能あり。《勿誤薬室方函      口訣》 
     ○《南総九十九里》一老婦あり。帯下の奇方を施す。牛皮消一味の末なり。
    ○痔血の奇薬:作末し、蝋あるいは麻油に溶き、之をつける。《大塚敬節》


 牛糞
  【効能・効果】
     ○霍乱の吐瀉で四肢の冷えるのを治す。
       「黄牛糞を水に漬けて、清汁1升ぐらい頓服。」


 牛酪
  【効能・効果】
     ○丹と疹に。
       「酪に塩を混ぜて煮て塗る。」
     ○燥をうるおす。
       「粥を作って常食する。」



 巨勝子(⇒胡麻)



魚膾(ぎょかい) 
膾=なます=細く切りたる肉
【効能・効果】
○膀胱の水を除去する。
「姜・醋・蒜を混ぜて食べる」
○腹内の痃癖と伏梁と気塊を治す。


 魚古(⇒烏賊骨)

 魚首石(⇒魚脳石)

魚醤
コラテゥーラ イタリアの魚醤



 魚腥草(⇒重薬)ドクダミの全草。

 魚肚膠(⇒魚膠)コイ科魚のうきぶくろ。


 御米殻(⇒罌栗殻)

 杏(きょう)
   =アンズ
   ○心病に食べる。

杏仁(きょうにん) ARMENIACAE SEMEN
【基原】中国北部山岳地帯の原産、栽培される落葉高木。
バラ科(Rosaceae)ホンアンズPrunus armeniaca L.およびアンズP.armeniaca        L.var.ansu Maxim.の成熟した種子の仁を乾燥。
★《神農本草経》:「杏核仁」で収載。
アンズ(杏子/杏、学名 Prunus armeniaca)は、ヒマラヤ西部~フェルガナ盆地にかけて地域を原産とするバラ科サクラ属の落葉小高木である。アプリコットと英名で呼ばれることもある。別名、カラモモ(唐桃)。
アーモンドやウメ、スモモの近縁種であり、容易に交雑する。ただし、ウメの果実は完熟しても果肉に甘みを生じず、種と果肉が離れないのに対し、アンズは熟すと甘みが生じ、種と果肉が離れる(離核性)。アーモンドは果肉が薄く食用にしない。
【性味】味は苦、性は温。小毒。「温瀉潤降散」
【帰経】肺・大腸経。
【分類】止咳平喘薬。
【薬性歌】“杏仁苦温風痰喘 大腹気閉便可軟”
“温苦、風痰、喘嗽、大腸気閉、便難切に要す”

効能・効果】(鎮咳・袪痰・平喘・潤肺・潤腸)
◎肺を瀉し、肌を解し、気を下し、燥を潤す。
       <1>外感咳喘
       <2>喉痺
       <3>便秘
◎失音を治す。
       「牛乳を入れて煮て飲む。」
◎解肌・発汗に良い。
       「水煎服。」
◎肺を治す。
       「粥を作って常用する。」
◎顔をきれいにする。
       「卵の白身に混ぜて顔に塗る。」
◎耳痛に膿水が出る症を治す。
       「作末して葱涎で丸め、綿でくるんで1日3回耳をふさぐ。」
◎牙根痛に。
「杏仁100枚、塩1銭、水1升を煮て泡が出たら、3回ぐらいうがいする。」
◎婦人の陰蝕瘡でかゆいとき。
「綿でくるんで陰中に入れる。」
◎すべての瘡に風と水が入って紅腫し、破傷風になろうとするとき。
「杏仁泥に白麺を入れ、水で混ぜて塗る。」
◎咳・上気・喘促・哮喘を治す。
◎犬の毒を消す。
「粥を作って常食し、又蒸して傷口に貼る。」
【修治】
◎水に泡して皮尖を去る。《万病回春》
◎皮を去り尖を去る《重校薬徴》
【成分】
<1>アスパラギン:[0.9%]
<2>アミグダリン:特有の香りは共存する酵素[エムルシン]によってアミグダリンが分解されて生じたベンツアルデヒドによるものである。(→ソルガム)

【薬理作用】
<1>胃でのタンパク消化酵素を抑制。
<2>呼吸中枢を鎮静。
<3>駆虫
<4>殺菌作用
  

【薬能】
《神農本草経》
“欬逆上気、雷鳴、喉痺、下気産乳、金瘡、寒心、奔豚を主る”
《薬性提要》
“気を下し、痰を行り、燥を潤し、喘咳を治す”
《勿誤薬室方函口訣》
      “面腫ニ杏仁ヲ加フ。”
《薬徴》
“杏仁、胸間の停水を主治するなり。”
“故に喘咳を治し、旁ら短気・結胸・心痛・形体浮腫を治す”
[胸間の停水]=胸にたまった水。喀痰なども、この中に含まれる。
[形体]=からだ。
“杏仁・麻黄同じく喘を治して、その別あり。胸滿には麻黄を用ひず。身疼には杏仁を用ひず。その二物等しく用ふる者は胸滿・身疼の二証あるを以てなり。金匱要略に曰く、胸痺云々、茯苓甘草湯之れを主る。橘枳姜湯も亦之れを主ると。為則按ずるに、胸痺・短気・筋愓肉瞤・心下悸の者は、茯苓杏仁甘草湯之れを主る。胸痺・嘔吐・吃逆の者は、橘皮枳実生姜湯之れを主る。”
[筋愓肉瞤]=肉瞤筋愓に同じ。筋肉の間代性痙攣でピクピク動くこと。
筋愓は金脈が跳動すること。
筋愓肉瞤は証名。筋肉の跳動、搐搦(ひきつけ)をいう。
[吃逆]=しゃっくり

《重校薬徴》
“胸間の停水を主治す。”
“故に能く喘を治し、心痛・結胸・胸満・胸痺・短気・浮腫を兼治す”
“杏仁は麻黄と同じく喘を治す、而してその別あり。胸満には麻黄を用いず。身疼には杏仁を用いず。其の二物同じく用うる者は胸満身疼の両証あるを以てなり。《金匱要略》に胸痺云々、茯苓杏仁甘草湯之を主り、橘枳姜湯も亦之を主ると曰う。為則按ずるに、”
《中薬大辞典》
“袪痰、止咳、喘を平にし、腸を潤す。”
“外感による咳嗽、喘満、喉痺、腸燥の便秘を治す”
【各家論述】
《李杲》
“杏仁は喘を下し、気を治す。”
“桃仁はきょうを療し、血を治す。杏仁と桃仁はともに大便秘を治すが、気と血によって分けられる。昼に難便するのは陽気が行るからであり、夜に難便するのは陰血が行るからである。したがって虚の者の大便燥秘は泄しすぎてはならない。脈が浮で気にあるものには杏仁と陳皮を用い、脈が沈で血にあるものには桃仁と陳皮を用いる。ともに陳皮を用いるのは、手の陽明と手の太陰を表裏にするためである”
《本草綱目》
“杏仁はよく散らし、気を卸、燥を潤し、積を消し、損傷を治す薬の中に用いられる。”
【薬対】
『杏仁+桔梗』
『杏仁+紫蘇葉』
『杏仁+前胡』
『杏仁+麦門冬』
『杏仁+大黄』=鶏鳴散[4]
『杏仁+麻黄』鎮咳去痰作用。咳嗽及び痰の切れが悪い者を治す。麻杏甘石湯。
『杏仁+麻子仁』潤腸瀉下作用。乾燥性の便秘を治す。麻子仁丸。
『杏仁+薏苡仁』利湿作用。表湿による浮腫、疼痛を治す。麻杏甘湯
  

【配合処方】
■厚朴麻黄湯
■続命湯
■走馬湯
■大黄シャ虫丸
■茯苓杏仁甘草湯
■文蛤湯
■鼈甲煎丸
■麻黄湯
■麻杏甘石湯
■麻杏薏甘湯
■麻子仁丸


【品考】
和漢、異品なし。之を製するの法は、皮を去って尖を去らず。
杏仁のしぶ皮を去る。尖は胚芽をさす。
【注意】
◎双仁は毒あり、用いることなかれ。《万病回春》


姜黄(きょうおう)
【処方名】:[姜黄][片姜黄][薑黄] 
【基原】<1>ショウガ科(Zingiberaceae)ウコンCurcuma longa L.の根茎を乾燥。
=「姜黄」「黄欝金」「広欝金」
◎大なるものを姜黄と為す。《万病回春》
◎小なるものを欝金と為す。《万病回春》
【性味】味は苦辛、性は温
【帰経】脾。肝経。
【分類】活血薬。
【薬性歌】“姜黄味辛能破血 消癰下気心腹結”
“味辛、癰を消し血を破り、心腹結痛、気を下すこと最も捷し”
【効能・効果】
◎活血行気、通経止痛、袪風。
<1>癥瘕
<2>血塊
<3>癰腫を治し
<4>月経を順調にし
<5>打撲の瘀血をなくし
<6>冷え・風邪・気脹を治す
<7>肩背痛
<8>臍腹部に刺痛
【修治】
◎切って醋と炒って使う《丹渓心法》
  

【薬理作用】
<1>胆汁の分泌を促進。
<2>抗真菌作用
  

【薬対】
『姜黄+欝金』
『姜黄+烏薬』
『姜黄+海桐皮』
『姜黄+桂枝』



 姜夏⇒「半夏」
 姜半夏⇒「半夏」

羗活(きょうかつ) NOTOPTERYGII RHIZOHA
【処方名】:[羗活][羌活]
【基原】セリ科Umbelliferae 羗活Notopterygium franchetii Boiss.およびN.incisum Ting Hssの根・根茎。      (→独活)
【性味】味は辛苦、性は温。「温瀉燥升散」
【帰経】膀胱・腎経。
【分類】辛温解表薬。
【薬性歌】

“羗活微温袪風湿 身痛頭疼筋骨急”  
“微温、風を袪り湿を除き、身痛頭疼筋を舒べ骨を活す”
【効能・効果】(発汗・鎮痛・風)
◎発汗解表、捜風化湿。
「羗活」:太陽経の薬で、燥散の力がつよい。風寒表証に用いる。
「独活」:少陰腎経の薬で、発表作用なし。
  “羗活活は游風を治し、独活は伏風を治す”
◎賊風による頭痛・めまいを治す。
       「煎服。」
◎風湿で背痛項強のとき。
       「水で煎服。」
◎肢節痛に。
       「煎服。」
◎上部の風を治し、又一切の風と百節風に。
       「1両切って酒で煎服。」

【薬理作用】
<1>解熱・発汗作用
<2>鎮痛作用
<3>抗真菌作用
  

【薬対】
    『羗活+威霊仙』
    『羗活+柴胡』
    『羗活+川』
    『羗活+独活』=リウマチ・関節痛に。
    『羗活+防風』
【配合処方】
     羗活勝湿湯《内外傷弁惑論》
     九味羗活湯《張潔古方》
     独活寄生湯


僵蚕(⇒白僵蚕)

僵蛹

蕎麦(きょうばく)
=そばの果実。
【効能・効果】
○五臓の滓をなくす。
「麺・粥ともに良い。」
○赤・白帯を治す。
「麺を卵の白身を白湯で丸め、30~50丸空腹時に服用。」
【薬能】
《薬性提要》
“甘にして寒、気を降ろし、腸を寛む”



蜣蜋(きょうろう)
【効能・効果】
○砂ぼこりが目に入ったとき。
「蜣蜋1個を取ってその背を目の上に影を落とすと治る。」
○癧傷風。
「死んだ蜣蜋を搗いてこする。」
【配合処方】
■鼈甲煎丸


凝水石(⇒寒水石)

玉瓜
○性は寒、味は苦、無毒。
【効能・効果】
       <1>血脈を通し
       <2>天行熱疾
       <3>酒黄病
       <4>壮熱心煩を治し
       <5>消渇を止め
       <6>瘀血を除去し
       <7>癰腫をなくし
       <8>乳を出させる
◎瓜蔞に似て5月に黄色い花が咲き、一名士瓜といって3月に根を採って陰干しにして使う。《神農本草経》

 玉蝴蝶

 玉高梁(⇒玉米)トウモロコシの種子。

 玉金(⇒欝金)

玉屑
○味甘く、無毒。(麻豆と同じように食べる)
【効能・効果】
     <1>胃熱
     <2>喘息
     <3>煩満
     <4>渇症を治す。




玉竹

玉麦(⇒玉米)

玉蜀黍(ぎょくしょくしょ)

⇒玉米⇒イネ科トウモロコシの種子。
[薬性歌]“玉蜀黍平能開胃 治淋偏宜根葉味”

玉髄=参照→「カルセドニー」

玉米鬚(⇒ナンバン毛)トウモロコシの花柱と柱頭。

切り干しダイコン【黒焼き】=水虫(外用)


豨薟(きれん)[キケン]
○性は寒、味は苦、小毒。
【効能・効果】
<1>煩満
<2>風痺

○中風が長くなって百薬が効かないとき。
「5月5日にその葉と軟らかい枝を取って、酒と蜜でこねて9回蒸し9曝した後、作末して蜜で梧子大の丸剤。温酒or米飲で50~70丸飲み下す。長く食べると眼目は清明、筋骨は強健になって白い毛が黒く成る。」

芹菜根⇒セリの根。


金(きん) gold
⇒金はホワイトであれ、黄金であれ、今のところは最善のエネルギー伝導体です。
◎金は宝石又は石を強めるだけでなく、太陽エネルギーの滴のように石の働きを刺激し活性化します。
◎相性の良い宝石
<1>すべての石英
<2>すべての綱玉
<3>結晶性の宝石

◎応用:受容性を増し自分の質を高める。       自己改善を促す。
◎リーディング(D・L・メラ)
「体内の電気的インパルスを刺激」
「最善のエネルギー伝導体」
「石の働きを刺激し活発化させます」
   
◎リーディング(トレーシー・ジョンソン)
「より良きものを招き、瞑想力を通してその作用をもっと大きく現す力を生む助けとなる」
「精神力に良い。ペンダントとして首の回りに付ける」
「1.5cmの棒状にして、首の付近にくるように。首輪のように上方に密着させて」
「記憶の改善や、精神病関係に良い」
「首の付近に金をつければ、甲状腺と胸腺を共に活動させ、自己の内部に創造的力の中にあって意志を伴った大いなる愛を招くだろう」
「首には短めのチェーンで、十字の形か、或いは小さな炎の形が良い」      

◎リーディング(ラマ・シング)
「金はある人々にとっては高める作用がある。しかし大多数の人々にとってはその振動数をとどめる傾向を持つ。血液の汚れを遅らせたり、縮小させたりする場合や、人が導管に伴う何らかの障害を持つ場合に有益であり、体の基底部にとても良く振動する傾向を持つ。」
「第一、第二内分泌腺中枢帯(性腺、ライディッヒ腺)において意味深く作用し、第三中枢(副腎)では幾らかバランスを崩す恐れがある。」
「いわゆる霊的な目的でのみ現在探求している人々は用いるべきではない。それはあまりにも重い負担となろう。」
 「もし1個の石を加えるなら、上位三中枢との間で幾らかバランスを改善すること出来る。しかし、人によってはそれは少しばかり難しいことになろう」
「低いレベルの内分泌腺帯において、金は波動をよく吸収する。低いレベルというのは、第一内分泌腺中枢が霊的成長という意味で低いと言う意味ではない。その全てが必要とされるのであり、金は物質に、または物理界に最も強く関係するものなのである。金はこれと最も強力に関係する。金は、ほとんどどのような振動数をも受け入れる状態にあるが、その源すなわち地上界に対して最も強く、最も近い振動数がより大きな作用を受ける。それ故、歯の治療においても、また体の装飾として身につけた時でも、それは知られていない源からくる想念又は影響力をその人に投げかけるのである」「すると、本人がしていることや、また想念に対しても私たちがどう受動的になっているかによって、私たちはそこから誤った想念をたくさん引き出すことにもなるわけですか?」「確かに、そうなりうる。丁度うまくチューニングされていないラジオが同時に沢山の放送をキャッチしてしまうように、1つだけを識別するというのは困難なのである。しかし、想念とその知識によってこれにバランスを与えることは容易に出来る。」 「金はほとんどのアルケミストが地上で最高の物質であるとしているもので、それは神の最も純化された現れであると見なす人々もいます。この仮定は 正しいでしょうか?」「彼らの信条はその時点では正しかったのである。しかし、その順応性と、人に与える作用と、稀少である故にそれ以上のシンボルとなった。つまり、再び言えば、金は大変広範囲な受信点を持つのである。その範囲まではその純粋な形において、神に非常に象徴的な関係を持ち、全てを貫くものと言える。球体や円盤状にすれば、マヤ、アズテク、インカ、チチカカなど過ぎし民族が皆気付いていたように、大変強力な影響を及ぼすのである。そして天体に、占星学的にその焦点を当てた時にはさらに強い効果を持った。よって、その意味では確かに彼らの見解にはかなり妥当性があったと言える。だが、再度言えば、これらは道具にすぎないのである。」
◎リーディング(レノーラ・ヒュイット)
「金は偉大な価値を持つ金属であるが、それは大幅に純化出来るためである。しかしながら、それは多くの不純物をも常に引き寄せていることに気付く必要がある。この上に人間自身が反映しているのを見ることが出来る」
「扱い易く変形し易く、他のあらゆるものに適合させられるというのがこの金属の特殊な面だ。最も純化された金は最も柔らかくなることを覚えよ。同じように人も最も純化されると外界の源に対して最も感応しやすくなるのだ。」
「金は宝石に幅広く使うことが出来る。それは放たれてくる波動を自分に引き寄せ、それによって宝石に安定した影響を与えるためである。宝石はそれ自体の振動数を放射すると、金は体に安定した影響を及ぼすためにそれを包み込むのである。金は体から消極的な力をとる一方、宝石の積極的力を充当することによってバランス剤の役を果たす。」
◎リーディング(ジュリア・ロルッソ)
「最高の磁気伝導体であり構造も一番よくまとまっている金は、地球人の成長を助けるために与えられたものであるが、その活用のほとんどは私的誤用に限定されてしまっている。」
「金プラスに極性化されているため頭の中枢に働きかけ、今なお欲望や感覚の満足に取り込まれている今の人類に共通する混乱を起こしている」
「宝石と結びついて人間の心中の汚泥がそれ自身を純化するのを助け、進化の螺旋をスムーズに働かせる」
「ソラー・ゴールドとして必要な最も純粋な価値を持つのは24カラットで一切不純物を含まぬものであり、これは最も楽に、最も支障なく伝導作用をする。基本的には金の色はそれの持つ目的を映し出したり左右するものではないが、人によっては重要な意味を持つ。」
「白金は太陽と月という、2つの中心的な宇宙エネルギーの光線を結合しており、人体にも場所にさえも、ある微妙なエネルギーを伝導する目的で統合された全体として機能する力を高める。惑星でいうと、火星・金星・冥王星・木星、中心的には太陽に親和力を持つ」
◎リーディング(D・L・メラ)
「金は白金であれ黄金であれ、これまでのところ最善のエネルギー伝導体である。金は宝石の力を広げるばかりでなく、太陽エネルギーの滴のように石の働きを刺激し活性化させる」
■金の触媒作用を発見
「工業技術院大阪工業技術研究所酒席研究官・春田正毅は、金の触媒作用を発見し、新しい応用の可能性を示した。金は化学的に極めて安定した貴金属。これを触媒に使うなどということは、およそ専門家の間では考えられない事だった。それが今では金触媒は脱臭装置として実用化されており、触媒の分野での常識を覆した春田はまさに現代の錬金術師となった。
 金の触媒作用は金が2~5ナノメートル(1ナノ=1/10億)大の微粒子になっていることや、金触媒を使えば、メタノールや水素を作れるなど、金触媒の可能性を示した。1997.11.5《日経産業新聞》
◎佐渡金山
「吉田松陰は1852年寛永5年、佐渡に立ち寄り金山付近を逍遥している。そのときの旅行を記録した「東北遊日記」の一節に“強壮にして力ある者といえども、10年も経過すればか弱くなり、息の絶え絶えになって、あるいは死に至る”と述べている。
 また、「蝦夷」を北海道と命名した松浦武四郎も、1847年弘化4年、佐渡金山を訪れ、“坑内より出でて番役所に立ち寄り、銚子と盃をとり、酒を飲む”という記述がある。この酒を飲むことを「烟流し」と称し、“毒流し”の習慣という。」
■工場廃液から
「九州大学の後藤雅宏教授らのグループは、工場などから排出される廃液から金や白金などの貴金属だけを取り出せる技術を開発した。貴金属にだけ吸着するタンパク質を利用する。
後藤教授らは、「リゾチーム」や「アルブミン」と呼ばれるタンパク質が金や白金などの貴金属に吸着することに注目。金を含む溶液にこれらのタンパク質を加えた。タンパク質の濃度を高めると、溶液中の金を100%近く吸着させられた。金は吸着させたまま濾過して回収する。チオ尿素という溶液で分離・回収できる2004.8.19《日経産業新聞》
■ナノ粒子・・・強磁性
「北陸先端科学技術大学院大学の山本良之助手と高輝度光科学研究センターのグループは2004年9/9、ナノ(=10億分の1)㍍サイズの金微粒子には磁場に近づけることで磁化する『強磁性』の性質があることを世界で始めて観測したと発表。
金は通常の状態では磁場を近づけても磁化しないが、微細化すると性質が変化して強磁性を持つ可能性があることが指摘されていた。
表面を「ポリアクリルアミン塩酸塩」で覆った金微粒子(平均直径1.9ナノ㍍)に、大型放射光施設「SPring-8」のX線を照射。不純物の影響を受けずに金だけの特性を測ることに成功したという」
■金の触媒作用を発見
「工業技術院大阪工業技術研究所酒席研究官・春田正毅は、金の触媒作用を発見し、新しい応用の可能性を示した。金は化学的に極めて安定した貴金属。これを触媒に使うなどということは、およそ専門家の間では考えられない事だった。それが今では金触媒は脱臭装置として実用化されており、触媒の分野での常識を覆した春田はまさに現代の錬金術師となった。
金の触媒作用は金が2~5ナノメートル(1ナノ=1/10億)大の微粒子になっていることや、金触媒を使えば、メタノールや水素を作れるなど、金触媒の可能性を示した。1997.11.5《日経産業新聞》
■ナノサイズで触媒
「2009年,東京大学の柴田直哉助教と幾原雄一教授、京都大学の松永克志準教授らは、通常は反応性が乏しい金がナノメートルサイズになると、触媒としての活性を持つ仕組みを発見した。
金原子の電子状態が不安定になり反応性が生まれるという。
成果はフィジカル・レビュー・レターズに発表
金原子を二酸化チタンの表面に蒸着し、原子1個が見える走査透過型電子顕微鏡で様子を観察した。結晶構造を入力したコンピューターシミュレーションで調べたところ、金原子が数百個集まった大きさが3ナノ㍍以下の塊は二酸化チタンから電子が流れ込み、反応性を持つという結果が出た。塊が大きくなると反応性が落ちた。
金は一酸化炭素と水から水素と二酸化炭素を作る反応が知られていたが、詳しい仕組みは不明だった。」
■金コロイド
「田中貴金属工業は国内で初めて、妊娠診断薬向けに金原子が集合したクラスターを均一に分散させた金コロイド溶液の出荷を始めた。低コストで形状や粒径をそろえられるのが特徴。
妊娠診断薬に続いて、インフルエンザや肝炎の診断薬向けにも開発する。これまでは海外から供給されていた。」2005.6.20《日経産業新聞》
■廃水中から回収
「滋賀県立大学の谷本智史講師らは、工場排水などに含まれる金をほぼ全量回収できる新技術を開発した。金だけを吸着するゼリー状の新材料を使うのが特徴で、実験での回収率は99%だった。
ゼリー状の新材料はペプチドとポリエチレングリコール(高分子)をもとに開発。40℃では液状だが、室温になるとゼリー状になる性質を持っている。」2005.9.15《産業》
■微量分子の検出に
「NTT物性科学基礎研究所は、体内の微量分子を検出できるナノサイズの金を開発した。陽イオンに結合しやすい炭素化合物を付加して、生体の働きに欠かせないカリウムイオンやナトリウムイオンが付着するようにした。
開発したのは10ナノ×40ナノの棒状の金で「金ナノロッド」
「表面プラズモン共鳴センサー」が使える
■純度の審査会社・・・世界で5社。日本では田中貴金属(1885年)のみ。
純金を取り出す技術→笹を使ったことから「ささぶき」
■一酸化炭素
「米国立標準研究所、米リーハイ大学などのグループは、直径が1ナノ㍍以下の非常に微少な金粒子が、一酸化炭素などの有毒ガスを無毒化する触媒として有効なことを確認した。」2008/9/10
■超微細粒子
「2009年1/7、大阪大学の産業科学研究所は、金原子が数個集まった超微粒子(クラスター)を合成する技術を開発したと発表した。様もと雅典特任助教と真嶋哲朗教授らの成果。
紫外線を当てると、クラスターが光る性質も見つけた。
フィルムなどに使うポリビニールアセテート樹脂を溶剤にとかし、金イオンと光に反応する材料を混ぜ、ガラス板に塗布。乾燥後に紫外線を当てると、炭素イオンが発生して還元反応が起き、約8個の金原子で構成する1ナノ㍍のクラスターができた。紫外線を当てると、青い蛍光色を放った。金は塊の状態では空気中の酸素と結合しないが、クラスターでは酸化することも分かった。
ナノサイズになると金原子の接触面積が増え、触媒作用も高まる」



 金桜根

金桜子
○性は平温、味は酸渋、無毒。
【効能・効果】
<1>脾泄
<2>下痢
<3>小便の通りを良くする。
<4>精をつける。
<5>夢泄・遺精を止める。
○鶏頭実と同じように水陸丹を作って服用。



 金華火腿(きんかはむ)
⇒フカヒレ・ツバメの巣と並ぶ高級中華食材。

 金果欖


金亀子
=コガネムシの類。台湾で「鶏母蠱」。
幼虫は、禁欲剤となる。


金銀花(きんぎんか) LONICERAE FLOS
【処方名】:[金銀花][銀花][忍藤][双花][二花][土銀花]
【基原】中国、朝鮮、日本の各地に自生する常緑つる性植物。
★《名医別録》:「忍冬」で収載。
スイカズラ科(Caprifoliaceae)スイカズラ Loicera japonica Thunb.の花蕾を乾燥。
茎葉は「忍冬」(参照→忍冬)
【性味】味は甘、性は寒。 「寒瀉燥降散」
【帰経】肺・胃・心・脾経。
【分類】清熱解毒薬。
【薬性歌】“金銀花甘癰善退 未成則散己成潰”
“甘、癰を療して対するものなし。未だ成らざれば散じ、已に成れば潰ゆ”《万病回春》

【効能・効果】(解熱・消炎・解毒・排膿) (参照→スイカズラ)
◎清熱解毒の効がある。
       <1>風熱の感冒
       <2>咽喉部の腫痛
       <3>耳下腺炎
       <4>胆道の感染
       <5>急慢性の炎症
       <6>赤痢
       <7>腸カタル
       <8>癰腫瘡(外用)
       <9>丹毒(外用)
       <10>乳房炎(外用)
  

【薬理作用】
<1>抗菌作用
   イ)腸チフス
   ロ)パラチフス菌
   ハ)大腸菌
   ニ)百日咳菌
   ホ)ジフテリア菌
   ヘ)緑膿桿菌
   ト)結核菌
   チ)ブドウ球菌
   ヌ)溶血性レンサ球菌
   ル)肺炎双球菌
<2>潰瘍予防。
  

【薬能】
《名医別録》
“寒熱、身腫を治す”
《本草綱目》
“諸腫毒、癰疽、疥癬、楊梅諸悪瘡を治し、熱を散じ解毒する”
《中薬大辞典》
“清熱、解毒する”
“温病の発熱、熱毒血痢、癰瘍、腫毒、瘰癧、痔瘻を治す”
  

【薬対】
『金銀花+黄蓍』
『金銀花+菊花』
『金銀花+牛膝』
『金銀花+蒲公英』
『金銀花+地楡』
『金銀花+敗醤』
『金銀花+牡丹皮』
『金銀花+連翹』=消炎解毒作用。熱邪による発熱、下痢、皮膚病に。「銀翹散」
  

【配合処方】
■銀翹散
■仙方活命散[大黄,金銀花、当帰尾・皀角刺・陳皮、乳香・貝母・天花粉・白芷・赤芍・甘草節、防風、没薬、穿山甲]



金狗背(⇒狗背)タカワラビの根茎。

金蛤蟆(⇒中国雨蛙)

金釵石斛(⇒石斛)

金鎖匙

金盞銀盤⇒センダングサ・コセンダングサの全草。

金絲草⇒イタチガヤの全草。

金絲桃⇒キンシバイの全草。


金針菜(きんしんさい)
《滇南本草》
【異名】:「萱草花」「川草花」「宜男花」「黄花菜」「鹿葱花」
【基原】:ユリ科、
*萱草(和名:ヤブカンゾウ)の花のつぼみ。
*黄花萱草(和名:マンシュウキスゲ)の花のつぼみ。
*小萱草(和名:ホソバキスゲ)の花のつぼみ。
*金沙藤⇒カニクサの蔓茎・葉。


金髄煎
「赤く熟した枸杞子を酒に2ヶ月漬けて置いたものを取り出してつぶして布で絞る。その絞り汁を煮て膏につくって食べる。毎日2回、2匙づつ温酒に混ぜて長い間続けて飲むと良い。」

 金石斛(⇒石斛)



金銭蛙
【効能・効果】
○熱・痩せを治す。
「焼いて食べたり、汁をつくって食べる。」


金銭草(きんせんそう)
【処方名】:[金銭草][連銭草]
【基原】

<1>マメ科(Leguminosae)金銭草Desmodium styracifolium(Osb.)Merr. 「落地金銭」:甘淡涼。
 (効能):腎炎浮腫、尿路感染症、尿路結石、胆嚢結石、黄疸型肝炎
<2>サクラソウ科(Primulaceae)金銭草Lysimachia christinae Hance. 「過路黄」「小茄子」:苦微寒。
 (効能):跌打損傷、黄疸、胆嚢結石、石淋。
<3>ヒルガオ科(Convolvulaceae)金銭草(アオイゴケ)Dichondra repens Forst.
<4>シソ科(Labiatae)活血丹(カキドオシ)glechoma hederacea L.「連銭草」:微甘微寒。(→連銭草)
 (効能):腎炎水腫、尿路結石、湿熱黄疸、肺熱咳嗽、咳血、瘡癰、小児疳積、胃十二指腸潰瘍。
<5>タデ科(Polygonaceae)紅牛膝(ミズヒキ)Polygonum filiforme Thunb.「鶏心七」「蓼子七」:辛微苦温。
 (効能)跌打損傷、骨折疼痛、腰痛、産後腹痛、肺結核の咳血、風湿関節痛、瘰癧、皮膚糜爛瘡、痢疾。
【性味】味は甘、性は涼。
【帰経】肝・腎・膀胱経。
【分類】利水滲湿薬。
【効能・効果】
◎利水通淋、清熱化湿、解毒消腫
<1>尿管結石
    イ)金銭草60g煎服
    ロ)+海金砂
<2>腎結石
<3>胆道結石
<4>急性尿道炎:「過路黄」
<5>黄疸
  

【薬理作用】
<1>胆汁分泌を促進。
<2>胆道の括約筋を緩める。
<3>煎汁は尿を酸性に変えて、結石を溶解する。
利尿作用
  

【薬能】
《中薬大辞典》
“清熱、利尿、鎮咳、解毒”
“黄疸、水腫、膀胱結石、咳嗽、吐血、帯下、風湿の痺痛、小児の疳積、疥癬、湿疹を治す”
  

【薬対】
『金銭草+茵蔯蒿』
『金銭草+黄柏』
『金銭草+海金砂』
  

【配合処方】
腎石一方
胆道排石湯
輸尿管結石方




金時ショウガ
■ガラノラクトン
普通のショウガの4倍以上含まれている。
この成分が血管を拡張し血流をよくして体を温める。トウガラシは即効性があるが発汗作用もあるため、すぐ冷める。金時ニンジンは持続的に体を温める。
和歌山県美里町で栽培している。
15分以上加熱すると有効成分が分解するので、短時間で調理。





金箔
[薬性歌]“金箔味甘安魂魄 癲狂驚癇調血脈”
*鎮神・安魂・定魂・鎮心作用
*五臓の驚癇・癲狂を治す。
*血脈の浄化作用がある。
【効能・効果】
○鎮静剤になる。


金屑
○性は平、味は辛く、有毒。
【効能・効果】
<1>心神を鎮め、魂魄を安らげる。
<2>五臓を強くする。
<3>精をつける。
<4>五臓の風癲と失心を治す。
<5>小児の驚気を治す。

金沸草
⇒旋覆花の全草
[薬性歌]
“寒痰を消し嗽を止め、目を明らかにし、風をり水を遂うこと尤も妙なり”《万病回春》


金目鯛(キンメダイ)
◎日帰りで獲れる金目鯛=地金目orトロ金目(伊豆地方)


金毛狗背(⇒狗背)

 金竜棒(⇒狗肝菜)

 金鈴子

 菫竹葉
○性は寒、味は甘く、無毒。
【効能・効果】
      <1>咳逆上気
      <2>煩渇
      <3>消渇
      <4>丹石の毒を散らす。
      <5>風痙
      <6>喉痺
      <7>嘔吐
      <8>熱毒風
      <9>悪傷
      <10>小虫を殺す。

槿花(きんか) 

【効能・効果】
○赤白痢
「作末し米飲に混ぜ、又は麺に混ぜ煎じ餅を作って食べてもよい。」


Silver
⇒月の金属として知られる。
◎宝石のエネルギー安定させ、確実に活動させる。
◎石のエネルギーを拡大することはありませんが、石の性質をたえずサポートします。
◎銀は人の自尊心を映し出し、宝石そのものの性格を強める。
◎銀にセッティングされた宝石は、金のように刺激を受けることがなく、むしろ銀のエネルギーに支えられるようになります。
◎銀は本来は「地」の金属です。地の宝石と調和しやすい。
◎相性が良い宝石
<1>ダイヤモンド
<2>サファイア
<3>アメシスト
<4>ムーンストーン
<5>オパール:オパールがあまりに強いエネルギーを放ち身につけられない人におすすめ。
<6>ファイアー・アゲート
<7>ジャスパー
<8>アゲート
   

◎相性が悪い宝石
<1>アンバー:熱とエネルギーの伝導体なので、銀は適さない。
<2>トリマリン:エネルギー回路を完成させるには金orプラチナなどの活動鉱石が必要。
<3>ジルコン:暖かい強力な宝石が必要。

◎リーディング(トレーシー・ジョンソン)
「気孔を通して体を浄化する」
「肝炎に有効」
「首や胸の周りに円盤状にすると良い。胸では5cm~10cm」
   

◎リーディング(レノーラ・ヒュイット)
「銀は、金ほど洗練されていないが、金ほどにはそこに手を加える必要はない。それ自体純粋であるが、低い波動も置く招き寄せもする。それは、金が実際には霊的、エーテル的性質、金の中に保たれ石によってリファインされるところのそれを引き寄せるのに対し、銀はより肉体的な性質を持つからである。」
「銀は肉体的性質、より重い性質を引き寄せるが、同時に、金は常に女性の物質として多く見なされ、銀は男性のものとみなされる。銀には力があり、また血止めの性質もある。あまり物質主義的な価値を持つわけではないが、強い性質を有する。」
「あらゆる金属の中で、金と銀は偉大な重要性を持つというべきである。これらは過去と未来の一部に運命づけられた金属である。」
   

◎リーディング(ラマ・シング)
「銀は幾分孤立した性質を改め、その主たる作用域を第二、第三内分泌腺中枢へと動かす。さらにまた、第六中枢においても作用を持つ。しばしば、喉・胸の中枢においてそれは表される。」
「大動脈、弁膜を通しての血流に幾分作用を及ぼす」
「銀をつけることで、弁論の才を改善できるとしばしば見なされてきた」
「広範囲に渡って受けるという意味では、それほど大きな作用を及ぼさない。肉体というよりは精神体になお大きく関係する」
   

◎リーディング(D・L・メラ)
「中枢神経系にバランス」
「銀は月の金属と見なされてきた。それは宝石のエネルギーの働きを安定させ、繋ぎ止める。石に対する母親のように、それは石のエネルギーを拡大することはでず、石の性質を支えるのである。」
「銀は人の自尊心を映し出すために、宝石そのものの個性を強めるのである。銀にセットされた宝石は、金でセットしたよりも、さらに刺激を受けて銀のエネルギーで支えられる。」
   

◎リーディング(ジュリア・ロルッソ)
「銀はそれだけでも、また宝石と組み合わせても優れたエネルギー伝導体となる。銀に含まれているある種の性質がこの元素を重力化しているため、銀は誰にでも合う訳ではない。銀と人間との磁気的牽引はあまり本質的なものではなく、それは人がそれを身につけていない時に出てくる。」
「だが、この金属はその振動数に吸い寄せられる人々によっては、ハッキリとした磁気的牽引力を持つのである。彼らのエネルギーパターンが銀の使い道と調和していれば、感情面を回復させる助けをするからである。」
「宝石なしで銀を身につけると、胸の中枢を静まらせる助けとなる」  

【効能・効果】
○伝染病にかかることが少ない。
銀中毒者は、皮膚や生体器官に付着している銀イオンの消毒作用で。

【毒性】
◎銀着色症:
①銀を扱う仕事を永年続けていると、組織細胞・腎臓の尿細管・骨髄・肝臓などに銀が付着して、皮膚や結膜が青みがかった灰色~粘土色になる。
②口唇・瞼・歯茎・首・胸・背中などに、最初、大小の黒っぽい斑点が現れ、それが、ゆっくりと拡がっていく。
◎硝酸銀(AgNO3):
ブルガリアで“地獄の石”とも呼ばれる。
皮膚に触れると、ヤケドのような瘢痕が出来る。
◎銀製品のお手入れ方法
鍋に水を入れ
塩をタップリ入れる(5:1)
アルミ箔を鍋底に沈める
そこへ、「銀」のアクセサリーを入れる」

■ナノ粒子
=一般的に直径100ナノ㍍以下の銀の粒子。
電気を通しやすい。抗菌性にも優れる。
2012年、日生バイオ(北海道恵庭市)と北海道大学の古月文志教授らのチームは、ナノサイズの銀の粒子を簡単に作製する技術を開発した。
サケのDNAを利用し、粒子の成長をコントロールする。
日生バイオはサケの白子からとれるDNAを扱っている。
まず、原料となるアンモニアや硝酸銀などを混ぜた水溶液に、白子やDNAを入れた。
氷で冷やした後、水素化ホウ素ナトリウムという物質を加えた。
この液を人工透析用の膜の袋に入れ、一晩置くと不純物が除去でき、銀ナノ粒子が得られる。
水溶液中に存在する銀イオンは、凝集して1つの大きな粒子を作る性質を持つ。
DNAが粒子の成長を抑え、ナノサイズに整える役割を果たす。


 銀花(⇒金銀花)

 銀杏⇒イチョウの成熟種子。

 銀杏肉⇒銀杏

銀杏葉⇒イチョウの葉。

 銀胡⇒銀柴胡

 銀柴胡

 銀耳⇒シロキクラゲ。

銀箔
○鎮静剤になる。

銀屑
○性は平、味辛く、有毒。
【効能・効果】
<1>五臓を安らげる。
<2>心身を鎮め、驚悸を止める。
<3>小児の驚癇と狂走を治す。


菌根菌
植物に菌根が形成されると,養水分,特にリンの吸収が高まり,生育が旺盛になることが知られています。
簡単に言うと、植物の根にできる植物と菌との共生体を菌根、その共生体を作る菌のことを菌根菌といいます。菌根は、構造や菌と宿主植物の種類により、7つのタイプに分類されます。


菌根菌は糸状菌(かび)に分類され,菌糸が根を包んで菌糸鞘を形成する外生菌根菌と,菌糸が根の内部で伸長する内生菌根菌に大別されます。

 VA菌根菌は後者の内生菌根菌に含まれ,根の内部にのう状体(vesicle)や樹枝状体(arbuscule)を形成する特徴があります。 また,この菌は,植物を選ぶ他の菌根菌と比べて,陸生植物のほとんど全てと共生関係を築くことができることが明らかになってきています。ただし,感染の程度は植物の種類によって異なります。カンキツ園に見られる春草の中で,イネ科のカモジグサ,ナデシコ科のハコベ,シソ科のホトケノザ,タデ科のスイバ,並びにマメ科のウマゴヤシやクサフジなどにおいてはVA菌根菌の感染率が高い傾向にあります。

 現在のところ,VA菌根を形成するものには,アツギケカビの6属(Acaulospora, Entrophospora, Gigaspora, Glomus, Sclerocystis, Scuttellospora)が知られていますが,わが国の果樹園では主としてGigaspora, ScuttellosporaおよびGlomus属の胞子が観察されます。


(1)外生菌根
(2)内外生菌根
(3)アーバスキュラー菌根 (VA菌根)
(4)エリコイド型菌根
(5)アーブトイド型菌根
(6)モノトロポイド型菌根
(7)ラン型菌根