【薬物名り】
#リーキ
⇒新顔の野菜。長ネギに似て、フランス料理に使われる。
ブイヨンで煮たり、スープやグラタンなどで食べたる。
栄養価も長ネギに比べ、ビタミンBは2.5倍、食物繊維も3倍。
#リャマ
■家畜 インカでは6000年前から飼われていた。
#リンゴ(林檎)
Apple =コーカサス原産。バラ科。
リンゴとミカンを一緒に食べると、相乗効果でビタミンCの吸収がアップする。
【成分】
ビタミンA、B群、C 酵素 有機酸(リンゴ酸・クエン酸・酒石酸)
ミネラル ペクチン(食物繊維)・・・・血中コレステロールを下げる
オリゴ糖・・・・腸内の善玉菌を増やす ポリフェノール・・・・活性酸素を除去する
【効能・効果】(りんご)
〇高血圧の予防
〇ガンの予防・改善
〇便秘
〇気管支炎の改善
〇コレステロール低下
○不眠に良い:「多く食べれば食べるほど良い。」
○霍乱・吐瀉を治す。「生又は煎服。」
■病気に強いリンゴ開発
「岩手生物工学研究センターは14日、リンゴの果実の育ちが悪くなる「斑点落葉病」と呼ぶ病気にかかりにくいリンゴを開発したと発表した。国内消費の半分以上を占める人気品種「ふじ」から遺伝子組み換え技術を使って作り出した新種で、病気予防のために年間8~9回実施していた農薬散布が不要になる。 新種のリンゴは、斑点落葉病を引き起こすカビの一種に対する抵抗性を高める微生物を使って組み込んだ。」1999.5.15《日本経済新聞》
■動脈硬化を防止 「米カリフォルニア大学デービス校の研究グループは、リンゴやリンゴジュースには、ワインやお茶と同様に抗酸化作用があり、動脈硬化などに効果があることを明らかにした。25人の健康な男女に12週間、毎日リンゴを取り入れた食生活をしてもらった。 25人に1日2個のリンゴを6週間と、約340gのリンゴジュースを6週間摂取してもらった。その後に、悪玉コレステロール(LDL)が酸化される時間を調べたところ、ジュースを飲んだ場合は約20%酸化する時間が遅れたという。LDLの酸化は動脈硬化の要因になる」2001.2.22《日経産業新聞》
■育毛物質 「協和発酵は行くも効果のある物質をリンゴから発見した。毛の薄い人を対象にした臨床試験では、約7割の被験者で毛の本数が増え、毛が太くなった。 リンゴに含まれるポリフェノールの一種で、毛を作る毛母細胞を増殖させて活性化する働きを持つという。 発見した物質は「プロアントシアニジン」。1のリンゴ果汁に約50‹含まれているという。正常な毛母細胞は毛髪を合成して伸ばし、抜け落ちると一定期間活動を休止、その後に再び毛を合成するという周期を繰り返している。男性型脱毛症の人ではこの周期が乱れているため目が細いまま抜けてしまったり、全く生えなくなると考えられている。プロアントシアニジンは毛母細胞を増殖させ正常に戻す働きを持つことが分かった。」2001.6.15《日本経済新聞》
■ビフィズス菌が増える 「農業技術研究機構果樹研究所(つくば市)は、リンゴを食べると整腸作用のあるビフィズス菌が増える仕組みを解明した。リンゴの食物繊維に含まれるオリゴ糖がビフィズス菌のエサとなっていた。 水溶性の食物繊維であるペクチンに着目し詳しく調べた。このペクチン特有のオリゴ糖で、アラビノースが3個以上結合したアラビノオリゴ糖が、ビフィズス菌だけを増やす働きがあることが分かった。毒素などを作る有害菌のエサにはならなかった。 口や胃の中の酵素で分解されないため、直接腸まで届くと見られる。リンゴ摂取が生活習慣病の予防に役立つようだ。 同研究所は2001年、毎日1個半~2個、リンゴを食べると中性脂肪を減らし、ビフィズス菌や血液中のビタミンCの量を増やすことを突きとめたが、その仕組みは不明だった」2002.9.17《日経産業新聞》
■喘息に効くリンゴ→「ペクチン」 ◎茶色になったリンゴ 「100%オレンジジュースに切ったリンゴをひたひたに漬けて10分で、元のきれいな色に戻る。リンゴのチロシンが酸素を反応して酸化して茶色になる。オレンジジュースに含まれる還元型ビタミンCの働きで色が戻る。レモンなどでもOK」
■発ガン抑制 「アサヒビールは2003年9/25、三重大学医学部のひばさみ博重教授と共同で勧めてきたリンゴから抽出される天然素材『リンゴ・ポリフェノール』の発ガン予防作用についての研究をまとめた。 研究では発ガン物質を投与したマウスにリンゴ・ポリフェノールを1%含んだ水溶液を摂取させ5ヶ月間飼育。 リンゴ・ポリフェノールの中に50%前後含まれるプロシアニジンという成分が特に発ガン抑制に有効なことを解明。ヒト胃ガン細胞にプロシアンジン類を添加して培養したところ、ガン細胞のアポトーシス(細胞自殺)を引き起こすことも確認。」2003.9.26《日経産業新聞》
■乳ガン 「米コーネル大学の研究グループは、毎日リンゴを食べると乳ガンの発生リスクが低下する可能性があることをマウス実験で確認。 人間が食べる量に換算して1個・3個・6個に相当するリンゴをマウスに毎日、6ヶ月間与え続けたところ、腫瘍の発生率がそれぞれ17・39・44%低下した。リンゴに含まれる抗酸化物資が、細胞を破壊するフリーラジカルを一掃する為としている」2005.3.9《日経産業新聞》
■和リンゴのルーツ 「和リンゴは普段目にするフジや紅玉などの「西洋リンゴ」に比べるとはるかに小さい。直径4cm~5cmで、ゴルフボール大、重さは60g。花柄が長く、目の覚めるような真っ赤な実が鈴なりになる様は、まさにサクランボのようだ。国内では研究所などを除くと、和リンゴが残るのは私(米沢稔秋)の畑だけらしい。 アジア西部からヨーロッパ東南部が原産とされる和リンゴはシルクロードをたどって、中国より仏教とともに伝わった。畑で栽培するというよりは、柿の木などと同様に農家の庭先に植えられてきた。リンゴの名産地・長野県の牟礼村でもかって、至る所で見られたものだ。8月の終わりに熟した実を善光寺さんへ納めるのが習いで、盆の供え物として重宝されたらしい。 ところが、明治時代に西洋リンゴが持ち込まれ、改良を重ねて甘く大きな実が和リンゴを駆逐していった。さらに腐乱病という病気が和リンゴを一掃してしまう。牟礼村では高坂地区で数軒の農家が1955年頃までかろうじて栽培していたが、1987年、ついに最後の1本が腐乱病にかかってしまう。別の地区のリンゴ農家の私は、そのニュースに、いてもたってもいられなくなった。伝統ある和リンゴが途絶えてしまうのは惜しい。そこで高坂の農家から枝を分けてもらおうと考えた。 弱くなったリンゴの木の根元からはたくさんの枝が生える。そのうち5本をいただいた。17年経った今、3本が無事に育ち、ここ10年間、1枝に100個ほどの実をつけてくれる。2004年8/25には収穫した30kgあまりの一部を善光寺さんに奉納した。「100年前に寺で売られていたリンゴなので、如来さんも懐かしがっているでしょう」と若麻續春実・寺務総長に言っていただき、ようやく責任の1つを果たしたという思いだ。 和リンゴと言われるのもは実は、リンゴの原種といえるらしい。東回りで日本まで伝わったのとは逆に、ヨーロッパを西回りし、その間に改良を重ねてきたのが西洋リンゴ。つまり、もとは同じものなのだ。リンゴはバラ科の植物で、和リンゴには枝の先にトゲの名残が今も残る。原種の「証拠」である。以前、長野県を訪れていた中国からの研修生が高坂リンゴを見て「故郷にも同じリンゴがある」と語ったそうだ。 1882年の長野県町村誌に、和リンゴを表現したこんな一節がある。「ツボミはカイドウ、満開には桜花。実の形はタチバナのようで紅色・すこぶる綺麗。味は至って甘い」2004.9.16《日本経済新聞》
■無農薬で・・・弘前の木村氏 10年かかって、全くの無農薬で。リンゴは一番たくさんの農薬と肥料が必要だった。年間10回以上の農薬が必要なのが常識。 木村さんのリンゴは、放っておいても腐らない。弘前大学で調べている。常識はずれの栽培法。リンゴの葉は病気に犯されても、他に広がらない。 除菌に食酢を散布している。」
■「千雪」(青森県) 切ってもすり下ろしても、1週間程度色が変わらず、白いまま」
#リンドウ
⇒根を掘り出し、茎を切り去り、水洗し十分に乾燥(竜胆)。
【効能・効果】(りんどう)
○胃アトニー:乾燥根を2~3g/日煎服。
○胃酸過多:乾燥根を2~3g/日煎服。
○咽喉痛:生根汁を飲む。
○回虫駆除:乾燥根を2~3g/日煎服。
○下痢:乾燥根を2~3g/日煎服。
○健忘症:乾燥根を2~3g/日煎服。
○こしけ:全草を煎服。
○消化不良:乾燥根を2~3g/日煎服。
○食欲不振:乾燥根を2~3g/日煎服。
○心臓病: 全草を煎服。
○腎臓病:全草を煎服。
○胆嚢炎:全草を煎服。
○血の道:全草を煎服。
○寝汗: 乾燥根を2~3g/日煎服。
○排尿異常:全草を煎服。
○冷え症: 乾燥根を入浴料にする。
○腹痛:乾燥根を2~3g/日煎服。
○膀胱炎:花を煎服。
○流行性肝炎:全草を煎服。
○淋病:乾燥根を入浴料にする。
リンドウ根抽出物
(トウリンドウの根茎から得られた、ゲンチシン酸を主成分とするものをいう。) ゲンチシン酸 リンドウ抽出物 リンドウ科トウリンドウ(Gentiana scabra BUNGE var. buergeri MAXIM.)の根茎より、水又はエタノールで抽出し、分解したものより得られたものである。主成分はゲンチシン酸である。 酸化防止剤 Gentian root extract
#李(リ)
⇒すもも
[薬性歌]“李甘骨節労熱痾 亦能益気不可多” 痾=(ア,やまい)
骨節間の労熱に応用。益気作用はあるが、多用しないこと。
【効能・効果】 (すもも)
○常食すると肝病に良い。
#鯉魚胆
【効能・効果】 (鯉のきも)
○目の熱・赤痛・青盲・障に「点眼する。」
○耳聾を治す。「胆汁を取って耳の中に垂らす。」
葎草(りつそう)
=むぐら
○性は寒、味は甘い、無毒。
【効能・効果】
<1>五淋
<2>水痢を止める。
<3>瘧をなくす。
<4>癩瘡を治す。
○五淋を治す。「汁・煎服。」
○膏淋に「汁2升を取って醋2合を混ぜ、空腹時に1盃飲む。」
栗米(りつべい)
【効能・効果】
○脾によい。「常食するとよい。」
○大腸を充実させる。「熬り米にし水に混ぜて食べる。」
栗米泔
【効能・効果】
○霍乱の煩渇を治す。「栗米泔を2升ぐらい飲む。」○消渇に。「醋っぽいのが良い。」
栗米茼
⇒「茼キュウ、ほしい」
【効能・効果】
○大腸を充実させる。「水に混ぜて食べる」
栗毛殻
【効能・効果】
○小児の火丹と五色丹に使う。 『利尿剤 diuretics』
◎西洋医学の利尿剤:
塩とミネラル類の再吸収を妨げるかたちで働きます。すると、腎臓はこの余分な負担を尿に運びださせるために、よけいな水分を通過させるように刺激されます。
◎長期にわたって利尿剤を使うと、重要なミネラル類が失われてしまいます。
【芳香療法】
◎以下の精油が
カミルレ(お茶がお勧め)
シダーウッド
サイプレス
フェンエル(お茶がお勧め)
ジュニパー
◎次いで
ユーカリ/乳香/ゼラニウム/ヒソップ/サンダルウッド
竜
⇒龍は、揚子江ワニのこと。春秋時代は今より平均気温が5℃高く中国全土において揚子江ワニが生存していた。しかしの紀元前14世紀頃に平均気温が下がりワニは揚子江の一部に生存するようになった。漢の時代の王族たちは具体的なワニではなく象徴としての龍を利用した。
◎揚子江ワニ:
1)熱帯以外で生息出来る唯一のワニ。 2)冬眠する。古代の記述に地面を掘って、龍を取り出しその肉を食べたとされる。
3)雨がふる前には、鳴く。
【効能・効果】
○労熱と熱毒をなくす。
竜眼肉(りゅうがんにく)
LONGANAE ARILLUS
【処方名】:[竜眼][竜眼肉][桂円][桂円肉][円眼] 【基原】台湾、中国南部、インドなどで栽培される常緑高木。ムロクジ科(Sapindaceae)リュウガンEuphoria longana Lam.の果肉(仮種皮)を半乾燥。<1>生の果実⇒「桂円」「竜眼」 <2>果皮⇒「竜眼殻:頭暈、耳目聡明」 <3>葉⇒「竜眼葉:感冒、疔腫、痔疾」 <4>種子⇒「竜眼核:瘡傷出血、疝気、疥癬、湿疹、瘰癧」
<5>根⇒「竜眼根:白帯、フィラリア」 <6>花⇒「竜眼花:淋病」
★《神農本草経》:「竜眼」で掲載。一名「益智]。 (参照→茘枝ムロクジ科)
【性味】
「仮種皮」:味は甘、性は温。温補平降収 「根・葉」:味は微苦。性は平。
「種子」:味は微苦渋、性は平。
【帰経】心・脾経。
【分類】補血薬。
【薬性歌】“竜眼味甘主帰脾 健忘益智宜” 【効能・効果】(滋養・強壮・補血・鎮静) ◎止血・止痛の効あり。
<1>胃痛
<2>火傷・切り傷の出血
<3>疝痛
◎心脾を補い、養血、安神の効あり。 <1>病後の体質虚弱
<2>神経衰弱
<3>健忘症
<4>動悸、神経性心悸亢進症。 <5>不眠
【薬理作用】
<1>鎮静作用
<2>健胃作用
<3>滋養作用
【薬能】
《神農本草経》
“五臓の邪気、安志、厭食を主り、久しく服すれば魂魄を強くして聡明になる”
《名医別録》
“虫を除き、毒を去る”
《本草綱目》
“胃を開き、脾を益し、虚を補い、智を長ずる”
《開宝本草》
“脾に帰して、能く智を益す”
《中薬大辞典》
“心脾を益し、気血を補い、神を安ずる” “虚労羸弱、失眠、健忘、驚悸、を治す” 【薬対】
『竜眼肉+酸棗仁』=鎮静作用。帰脾湯
『竜眼肉+石菖蒲』
『竜眼肉+柏子仁』
【配合処方】
帰脾湯
竜骨(りゅうこつ) FOSSILLA OSSIS MASTODI 【基原】古代の哺乳動物の骨骼と歯牙の化石。 【性味】味は甘澀、性は平 平補燥降収
【帰経】心・肝・腎経。
【分類】安神薬。
【薬性歌】“味甘精可慳 崩帯腸癰風熱癇” 慳=(ケン,おしむ)
【効能・効果】(鎮静・収斂・止血・消炎) ◎鎮静、収斂、神をおさめ陽をかくす。外用すれば肌を生ず。
<1>驚癇不眠
<2>自汗盗汗
<3>遺精、
<4>崩漏、帯下
<5>瀉痢
<6>瘡口不斂(外用)
◎夢泄精の治療剤。「火で焙って粉末にし、散丸剤。」
◎皮膚潰瘍:「竜骨()、枯礬」各等量を作末し、患部に散布。
【修治】
(生):精神安定作用が強まる(平肝潜陽)
(煆):収斂作用が強まる(収斂固渋)
【薬理作用】
<1>収斂作用
<2>消炎作用
<3>痰作用
<4>止血作用
【薬能】(竜骨)
《神農本草経》
“心腹鬼症、精物老魅、逆、泄痢膿血、女子漏下、癥瘕堅結、小児の熱気 驚癇、疾歯を主る”
“小児大人の驚癇、癲疾狂走心下の結気、喘息することあたわず。諸𤸷、精物を殺すを主る。久しく服せば身軽く、神明に通じ年延ぶ”
《成無已》“竜骨は能く浮越せる正気を収斂し、大腸を固くして驚を鎮める”
《薬性提要》 “浮越の気を収め、精をり、腸を固め、驚を鎮め、癇を治す”
《薬徴》
“竜骨、臍下の動を主治し”
“旁ら煩驚、失精を治す” [煩驚]=物事にかかわりやすく神経質で、興奮しやすい状態。 “竜骨の治するところ驚狂・反動・失精たるや疑いを容るる者なし。為則毎(つね)にその証ある者へ値(あ)へば輒(すなわ)ち之れを用ひ、間(まま)効なき者あり。是において中心之れを疑ふ。居ること数歳始めて得たり。その人臍下に動ありて、驚狂、或いは失精、或いは煩躁の者、竜骨剤を用ふれば則ち是れ影響す。その臍下に動なき者に之れを用ふれば則ち未だその効を見ず。是れに由って之れを観るい、竜骨の主治するところは、臍下の動なり。しかして驚狂・失精・煩躁は旁治するところなり。” “その人臍下に動ありて、驚狂、あるいは失精、あるいは煩躁の者、竜骨剤を用ふれば則ち是れ影響す。其の臍下に動なき者に之を用ふれば則ち未だその効を見ず。” “牡蛎・黄連・竜骨、同じく煩躁を治し。しかも各主治するところあり。中は黄連の主るところなり。臍下は竜骨の主るところなり。しかして部位定まらずして胸腹煩躁の者は、牡蛎の主るところなり” 桂枝去芍薬加蜀漆竜骨牡蛎湯(驚狂・起臥安からず)竜骨4両 桂枝加竜骨牡蛎湯(失精・少腹弦急)竜骨3両 蜀漆散 竜骨3両 柴胡加竜骨牡蛎湯(煩驚) 竜骨1両 桂枝甘草竜骨牡蛎湯(煩躁) 竜骨2両 《重校薬徴》 “竜骨の治す所は、驚狂、煩躁、失精、無容疑の者を治す。為則毎に若の証に値(あ)いて輙ち之を用い、而して間々効なき者あり。是に於て中心より之を疑い居ること数歳にして始めて得たり。その人臍下に動ありて、或いは驚狂し、或いは煩躁し、或いは失精する者に竜骨を用いて是れ影響す。 若し臍下に動なき者は、終にその効を見ず。是に由りて之を観るに、竜骨は臍下の動を主治するなり。驚狂、失精、煩躁の如きはそれ兼治のみ。”
《方極刪定》
“竜骨は臍下の動を治す” “牡蛎は胸腹の動を治す”
《古方薬品考》
“血を理め、神の虚脱を鎮む”
《中薬大辞典》
“驚を鎮め、神を安んじ、汗を斂じ、精を固め、血を止め、腸を澀し、肌を生じ、瘡を斂ず” “驚癇癲狂、怔忡健忘、失眠多夢、自汗盗汗、遺精淋濁、吐衂便血、崩漏帯下、瀉痢脱肛、潰瘍久しく口収まらずを治す”
【薬対】
■『竜骨+黄連』:下痢を止める。ex増損四順湯 ■ 『竜骨+桑螵蛸』
■『竜骨+茯苓』=収斂作用。下腹部に力が入らないために起こる遺精、下痢、帯下、子宮出血に。竜骨湯《外台秘要》
■『竜骨+牡蛎』=鎮静作用。煩躁、不眠、多夢、めまいなどに。柴胡加竜骨牡蛎湯。
■『竜骨+蓮鬚』
【配合処方】
☆桂枝加竜骨牡蛎湯
☆柴胡加竜骨牡蛎湯 【考徴】 (4両)
☆桂枝去芍薬加蜀漆竜骨牡蛎湯証=驚狂、起臥安らず (物事におどろきやすくなって、ジッとしておれない) (3両) 桂枝加竜骨牡蛎湯証=失精・少腹弦急。 [少腹弦急]=下腹部で腹直筋が硬くつっぱっている。 天雄散 蜀漆散 “蜀漆散条に、謂ふところの瘧は、是れ寒熱発作時あり。しかしてその臍下に動ある者、此の散の主治するところなり。臍下に動なき者に之れを用ふれば、則ち未だその効を見ず” [瘧]=おこり。マラリヤ。 (2両) 桂枝甘草竜骨牡蛎湯証=煩躁。 (1両) 柴胡加竜骨牡蛎湯証=煩驚。
【品質】
《重校薬徴》“竜骨は能く化したるを以て上品と為す。半骨半石の状を成すものあり。是れ未化なり。竜骨を取るの法は石膏を取るの法の如し、隠岐、小豆島の者上品なり。打ち砕きて用う。”
竜胆(りゅうたん)
GENTIANAE SCABRAE RADIX
【処方名】:[竜胆][竜胆草][胆草][龍胆]
【基原】中国、朝鮮の山野に自生する多年草。 リンドウ科(gentianaceae)トウリンドウgentiana scabra Bungeの根・根茎。
【性味】味は苦、性は寒。 寒瀉燥降収
【帰経】肝・胆経。
【分類】清熱燥湿薬。
【薬性歌】“竜胆苦寒眼赤疼 下焦湿腫肝熱乗” 竜胆、苦寒。眼赤く疼むを療す。下焦の湿腫、肝経の熱煩に。《万病回春》
【効能・効果】(解熱・消炎・健胃・利胆・鎮痙) (参照→リンドウ)
<1>目の充血
<2>眼瞼炎
<3>脇肋の刺痛
<4>耳を中心とした側頭部の腫痛 <5>咽喉の腫痛
<6>ひきつけ、ケイレン
<7>陰嚢腫痛
<8>小便淋濁
<9>帯下
◎消炎性苦味健胃剤:根を1日2~3g煎服。 <1>食欲不振
<2>消化不良
<3>胃酸過多
<4>腹痛
<5>下痢
<6>健忘
◎全草を煎服
<1>血の道症
<2>腎臓病
<3>心臓病
<4>胆嚢炎
<5>流行性肝炎
<6>排尿異常
<7>こしけ
【薬理作用】
<1>健胃作用
少量を食前に飲めば、胃液の分泌を促進する。多量or食後に服用すると、胃液の分泌を抑える。 <2>鎮痙作用
<3>腸管の運動促進作用
【薬能】
《神農本草経》
“骨間の寒熱、驚癇、邪気を主り、絶傷を防ぎ、五臓を定め、蠱毒を殺す”
《本草綱目》
“咽喉痛、風熱盗汗を療す”
《名医別録》
“胃中の伏熱、時気温熱、熱泄下痢を除き、腸中の小虫を去り、肝胆の気を益し、驚を止める” 《張元素》
“足の厥陰、少陽の経の気分の薬であって、その応用に4通りある” “下部の湿を除くが第一”“湿熱を除くが第二” “下から足に至る腫痛を除くが第三” “寒湿脚気を除くが第四”“下行する功力は防已と同じで、(酒浸)して用いれば能く上行する。 外行するには柴胡を主とし、竜胆を使とする。眼中の疾を治するには必用の 薬である”
《中薬大辞典》
“肝胆の実火を瀉し、下焦の湿熱を除く。” “肝経の熱盛、驚癇狂躁、乙型脳炎頭痛、目赤、咽痛、黄疸、熱痢、癰腫瘡瘍、陰嚢腫痛、陰部湿痒を治す”
【薬対】
『竜胆+茵蔯蒿』
『竜胆+牛黄』
『竜胆+柴胡』=清熱作用。熱を散じ、延焼を鎮める作用がある。胆のう炎、尿道炎、膀胱炎、急性結膜炎に。竜胆瀉肝湯
『竜胆+釣藤鈎』=清熱鎮痙作用。ケイレンを緩解するので、半身不随、腰痛、リウマチ、神経痛を治す。疎経活血湯
【配合処方】 竜胆瀉肝湯
竜脳
【薬性歌】“竜脳味辛治狂躁 喉痺目痛妄言譟” 譟(=ソウ,さわぐ) 竜脳、味辛。目痛、喉痺、狂躁、妄語に。真に良剤とす。《万病回春》
【効能・効果】
○悪気をおろす。 「性の軽浮などあらゆる薬のなかに入れて使う。」
【薬能】
《薬性提要》
“辛温、善く走り、能く散じ、諸竅を通じ、欝火を散ず”
竜脳香 ○性は微寒、味は辛苦、無毒。 <1>目の内外障を治す。
<2>心を鎮める
<3>心腹の邪気
<4>風湿の積聚をなくす
劉寄奴 ○性は温、味は苦、無毒。 <1>血を散らし。
<2>脈をなくし。
<3>婦人の経脈を通す。
<4>結を通す。
良姜 →大良姜
【処方名】:[高良姜][良姜][蛮姜][仏手姜][小良姜][海良姜] 【基原】ショウガ科の植物高良姜(コウリョウキョウ)の根茎。
【原植物】多年生草本で、高さ30cm~80cm
【採集】晩秋~初秋
【性味】辛温熱補燥升散
【帰経】脾胃の経に入る
【薬性歌】“良姜性熱下気良 転筋霍乱酒食傷” 良姜、性熱。気を下し、中を温め、転筋、霍乱に。酒食能く攻む。《万病回春》
【効能・効果】(散寒・止痛・健胃)
閭茄 (りょか)
⇒「閭リョ」=イヌヨモギ。ネアザミ
○性は寒、味は辛酸、小毒。 <1>悪肉をなくす。
<2>疥虫を殺す。
<3>膿を出させる。
<4>悪血をなくす。
凌霄花
○遍身の風痒と癮疹。「細末にし1銭づつ酒で調下する。」
柳花
○性は寒、味は苦、無毒。
<1>風水
<2>黄疸
<3>面熱
<4>黒痂(痂=カ、かさぶた) <5>痂癬
<6>悪瘡を治す。
柳桂
=桂枝の小枝。 柳枝皮
○痰熱が胸に中にあるとき。
「沸かして飲むと吐く。」
柳木虫屑
○不運掻痒と癮疹。 「屑を煮て沐浴する。」