薬物<た>



タイ(鯛)
【効能・効果】
○胆石:
①(鯛)の黒焼き---痛みを抑える。
②マダイの耳石or頭部の骨を黒焼きにし1回ティスプーンÑ、1日3回 食後。
   

#鯛の潮汁
「魚のうまみを最大限にはきだすのが塩です。身や骨に塩をて30分~1時間おきますと、下味にもなり、芯からうまみが出るのです。それからダシを取ったり、焼いたりした味は絶品です。
ダシには上身よりアラが適します。また、皮がついている方がいい味が出ます。塩だけで味を調えますから、鮮度も大事です。
汁を濁らせず、すっきり仕上げるために2つのコツがあります。
まず、「霜降り」です。魚のアラを熱湯に通してアクを抜き、ウロコや血合い、汚れを取りやすくし、仕上がりをすっきりさせます。
熱湯に入れたら、表面が白くなり、ヒレの部分ならピンと立つのを目安に、手早く冷水に取ります。湯に長く浸すとゼラチンの質の皮が溶け、ウロコと一緒に剥がれて扱いが手間になります。
霜降りしたアラは8~10倍の水・コンブ少々と強火にかけます。コンブは浮いたら取り出します。沸騰したら手早く差し水をして、煮立ちを鎮めます。澄んだ海を表現するためのプロローグです。
再び沸騰してから火を弱めると、濁っていた汁が澄んできます。何故かは分かりません。差し水をしてからの、和食の秘伝とも言うべきこの手順が、2つ めのコツです。(野崎洋光・日本料理店料理長)1999.4.13《朝日新聞》
[材料]
鯛のアラ250g、水2000cc、コンブ8cm角、ウド・ネギ各4cm、ワカメ50g、木の芽8枚、防風4本、塩、純米酒適宜。

[作り方] 
①鯛のアラに塩をふって30分ほどおきます。にじみ出た水分と塩を洗い流す。
②熱湯にアラを入れ、表面が白くなったら冷水に取る。水を取り替えながら、血合いや汚れ、残っているウロコをかき取ってきれいにする。
③分量の水とアラ、昆布を強火にかけ、昆布が浮いたら取り出す。沸騰したら1500ccの差し水をして煮立ちを鎮め、アクをすくう。
④再び沸騰したら火を弱める。濁った汁が澄んできたら、アクを取りながら弱火で20分ぐらいかけてダシを取る。
⑤ウドは皮を厚く剥き、短冊に切って水に放つ。ワカメは筋を除いて5cmに切る。ネギは極細く切って水に放ち、白髪ネギにする。
⑥ダシを濾し、1000ccにつき塩小さじ半分程度、純米酒大さじ1で味を調え、ワカメとウドを入れてさっと煮る。アラとともに椀に盛り、白髪ネギ・防風・木の芽を添える。

■養殖魚「天然ぽい」発色 →「食品添加物」
「新日本石油は養殖魚などの発色を良くする色素を、微生物を活用して生産する仕組みを開発した。微生物がブドウ糖から生成する赤色・黄色などの色素を飼料に混ぜて与えると、養殖でも天然に近い色合いになるという。4年後にまず欧州で発売する。
微生物はバクテリアの一種『パラコッカス』で、新日石が自然界の土壌中から発見した。ブドウ糖と微生物を混ぜ合わせると、微生物がブドウを食べて色素を生成し体内に蓄積する。これを乾燥させ作末し、飼料に混ぜて使う。
色素は赤色が「アスタキサンチン」、黄色が「カンタキサンチン」で、微生物の育成方法の違いで色が分かれる。
赤い色素を飼料に混ぜ、シャケやタイなど養殖魚に与えると体表や魚肉が天然魚に近い赤色になる。黄色の色素を飼料に混ぜてトリに与えると卵黄が鮮明な黄色になる。
赤や黄色の色素は欧州の医薬品メーカーが化学合成により生産しているが、色合いが人工的との指摘もあった。微生物を活用すると、純粋な赤・黄色の色素だけでなく、赤・黄色に近い複数の色素も同時に出来るため自然な発色につながるという。」2002.10.25《日経産業新聞》



#タイガーズアイTiger's Eye
=「虎目石」
大昔に石綿鉱石と化した玉随の一変種。
南アフリカ西部のグリカランドでしか発見されない。
◎藍青灰色で細くてしなやかな繊維状の結晶になっているのを、とくにクロシドラ イト Crocidolite という。アスベスト(石綿)の一種として利用され、青石綿と呼ばれる。
クロシドライトに石英がしみ込んで硬くなったものが、「鷹目石 Falcon's Eye」、
それが酸化作用を受けて茶色になったものが「虎目石Tiger's Eye」。
(堀秀道著「楽しい宝石図鑑」p172)

◎リーディング(レノラ・ヒュイット)
「この石は心眼に全てを見通す目として映る。正しく用いる者に、心の集中、心の力を与える。」
「肉体に力を与えるのではなく、心の集中に力を与える」
「体の癒しを期待してはならない」
「エネルギーを与える石ではなく、脈動するリズムで必要とされるバランスを与える」
「幅広いブレスレットの中央に卵型にして入れ、右腕につけるのが良い」
  

【効能・効果】(タイガーズアイ)
○頭痛と神経系を和らげる(D・L・メラ)
◎応用:
〇明晰な思考力と識別能力を刺激する。
〇心霊の防御を与える。




#ダイコン (大根)Japanese Radish
=冬が旬の野菜。コーカサス~パレスチナ原産のアブラナ科の1年生草本。
春の七草のスズシロのこと。
フランスには「黒ダイコン」しか無い。日本でも一部で栽培している。皮は黒いが中身は白い。
【学名】Raphanus sativus L.
【別名】スズシロ
【成分】(ダイコン)
ジアスターゼ
ステアーゼ
オキシダーゼ・・・焦げた魚にできるベンツピレンを分解する。
カタラーゼ
ビタミンC

マグネシウム
リグニン(食物繊維)
シニグニン・・・大根の辛みは、配糖体のシニグリンが分解されてイソ硫化シアンアリルができるため。
  

【効能・効果】(ダイコン)
〇胃痛

〇 胃もたれ

〇二日酔い

〇気管支炎

〇ガン予防

○黄疸:
種子を炒って作末し、茶さじ2~3杯飲む(著効)。

○胃けいれん:
大根下ろしをそのままor水飴・生姜汁を加え飲む。

○胃酸過多:
大根下ろしをそのままor水飴・生姜汁を加え飲む。

○かぜ:
①大根おろし汁を飲む(著効)。
②大根を輪切りし、その上に水飴をのせ、一晩置いて、大根の下にしみ出た汁を飲む(著効)。
③大根下ろしに水飴を加えて飲む(著効)。

○肩こり:
大根下ろし(塩・生姜汁)で湿布する。

○脚気:
大根下ろしをそのままor水飴・生姜汁を加え飲む。
種子を噛む砕いて飲む。or煎服する。

○関節炎:
大根下ろしをそのままor水飴・生姜汁を加え飲む。

○急性リンパ腺炎:
大根下ろし(塩・生姜汁)で湿布する。

○下痢:
種子を炒って作末し、茶さじ2~3杯飲む(著効)。

○口内炎:
大根下ろしをそのままor水飴・生姜汁を加え飲む。

○声がれ:
①大根おろし汁を飲む(著効)。
②大根を輪切りし、その上に水飴をのせ、一晩置いて、大根の下にしみ出た汁を飲む(著効)。
③大根下ろしに水飴を加えて飲む(著効)。

○こしけ:
大根下ろしをそのままor水飴・生姜汁を加え飲む。

○耳下腺炎:
大根下ろし(塩・生姜汁)で湿布する。

○子宮病:
大根下ろしをそのままor水飴・生姜汁を加え飲む。

○歯痛:
大根下ろしをそのままor水飴・生姜汁を加え飲む。
大根下ろし(塩・生姜汁)で湿布する。

○食中毒(魚・豆腐・ソバ・うどん):
大根下ろしをそのままor水飴・生姜汁を加え飲む。

○腎臓病:
大根下ろしをそのままor水飴・生姜汁を加え飲む。

○赤痢:
大根下ろしをそのままor水飴・生姜汁を加え飲む。

○頭痛:
①大根おろし汁を飲む(著効)。
②大根を輪切りし、その上に水飴をのせ、一晩置いて、大根の下にしみ出た汁を飲む(著効)。
③大根下ろしに水飴を加えて飲む(著効)。

○喘息:
①大根おろし汁を飲む(著効)。
②大根を輪切りし、その上に水飴をのせ、一晩置いて、大根の下にしみ出た汁を飲む(著効)。
③大根下ろしに水飴を加えて飲む(著効)。

○打撲:(古い打ち身)
大根下ろし(塩・生姜汁)で湿布する。

○タムシ:
大根下ろし(塩・生姜汁)で湿布する。

○胆石:
大根下ろしをそのままor水飴・生姜汁を加え飲む。

○虫垂炎:
大根下ろしをそのままor水飴・生姜汁を加え飲む。
大根下ろし(塩・生姜汁)で湿布する。

○中風:
大根下ろしをそのままor水飴・生姜汁を加え飲む。

○痛風:
大根下ろし(塩・生姜汁)で湿布する。

○つわり:
大根下ろしをそのままor水飴・生姜汁を加え飲む。

○凍傷:
「大根種子黄柏末」同量を混ぜて塗布する。

○のどの腫れ:
①大根おろし汁を飲む(著効)。
②大根を輪切りし、その上に水飴をのせ、一晩置いて、大根の下にしみ出た汁を飲む(著効)。
③大根下ろしに水飴を加えて飲む(著効)。

○腫れ物が痒く痛い:
大根下ろし汁アズキ末を混ぜて患部に塗布する。

○百日咳:
①大根おろし汁を飲む(著効)。
②大根を輪切りし、その上に水飴をのせ、一晩置いて、大根の下にしみ出た汁を飲む(著効)。
③大根下ろしに水飴を加えて飲む(著効)。

○腹痛:
大根下ろしをそのままor水飴・生姜汁を加え飲む。
種子を噛む砕いて飲む。or煎服する。

○腹膜炎:
大根下ろしをそのままor水飴・生姜汁を加え飲む。
干し大根を煎服。
種子を噛む砕いて飲む。or煎服する。

○二日酔い:
①大根おろし汁を飲む(著効)。
②大根を輪切りし、その上に水飴をのせ、一晩置いて、大根の下にしみ出た汁を飲む(著効)。
③大根下ろしに水飴を加えて飲む(著効)。

○浮腫:
大根下ろしをそのままor水飴・生姜汁を加え飲む。
種子を噛む砕いて飲む。or煎服する。

○船酔い:
①大根おろし汁を飲む(著効)。
②大根を輪切りし、その上に水飴をのせ、一晩置いて、大根の下にしみ出た汁を飲む(著効)。
③大根下ろしに水飴を加えて飲む(著効)。

○扁桃炎:
大根下ろし(塩・生姜汁)で湿布する。

○万病に良い:
「乾燥葉イチジク葉」入浴料とする。

○耳だれ:
大根下ろし(塩・生姜汁)で湿布する。

○胸焼け:
①大根おろし汁を飲む(著効)。
②大根を輪切りし、その上に水飴をのせ、一晩置いて、大根の下にしみ出た汁を飲む(著効)。
③大根下ろしに水飴・生姜汁を加えて飲む(著効)。

○やけど:
大根下ろし(塩・生姜汁)で湿布する。

○リウマチ:
大根下ろしをそのままor水飴・生姜汁を加え飲む。

■三浦ダイコン
三浦半島で採れるダイコン。みずみずしく煮崩れしない。

■干し大根
宮崎県田野町・・・日本の70%生産、生で食べると甘い。



#ダイコンソウ
=「水揚梅」
⇒全草を採集し、乾燥。
◎全草を煎服すれば、
・強壮作用
・利尿作用
  

【効能・効果】(ダイコンソウ)
○かぜ:
  乾燥全草を10~15g/日煎服。
○脚気:
  乾燥全草を10~15g/日煎服。
○関節炎:
  乾燥全草を10~15g/日煎服。
○切り傷:
  生葉汁を塗布する。
○高血圧:
  乾燥全草を10~15g/日煎服。
○腰の冷え:
  乾燥全草を10~15g/日煎服。
○産婦人科疾患:
 乾燥全草を10~15g/日煎服。
○心悸亢進:
  乾燥全草を10~15g/日煎服。
○心臓病:
  乾燥全草を10~15g/日煎服。
○腎盂炎:
 乾燥全草を10~15g/日煎服。
○腎臓病:
  乾燥全草を10~15g/日煎服。
○喘息:
 乾燥全草を10~15g/日煎服。
○打撲:
茎葉を黒焼き末にし小麦粉で練って塗布する。
○糖尿病:
  乾燥全草を10~15g/日煎服。
○乳児の頭部湿疹:
  乾燥全草の煎汁で洗う。
○ネフローゼ:
  乾燥全草を10~15g/日煎服。
○腫れ物:
  乾燥全草を10~15g/日煎服。
  生葉汁を塗布する。
○腹痛:
 乾燥全草を10~15g/日煎服。
○浮腫:
  乾燥全草を10~15g/日煎服。
○便秘:
  乾燥全草を10~15g/日煎服。
○膀胱炎:
 乾燥全草を10~15g/日煎服。
○夜尿症:
  乾燥全草を10~15g/日煎服。
 

#ダイダイ
○併用注意(相互作用)
カルシウム拮抗薬との併用で、小腸の薬物代謝酵素(CYP3A4)の活性を阻害することで、薬効が増強。


#タイム Thyme
【学名】Thymus vulgaris (T.serpyllum、T.pulegioides)

【英名】Thyme、common thyme、garden thyme
【和名】(タチジャコウソウ)(イブキジャコウソウ)
【分類】シソ科、常緑小低木
【原産地】地中海沿岸~北半球
◎開花中の地上部。
【成分】

精油(約1%):
  フェノール
  チモール:抗菌作用
       抗真菌作用
       駆虫作用(十二指腸虫、回虫)
  カルバクロール
モノテルペン炭化水素:テルピネン
アルコール類
タンニン
フラボノイド
サポニン

【利用】
<1>調理用
  

【効能・効果】(タイム)   
<1>去痰作用
・百日咳
・気管支炎

<2>精油は、かぜ・せき・咽喉痛を治す

<3>精油は、肺のすばらしい殺菌消毒剤。呼吸器系のあらゆる感染症に役立つ。

<4>精油は、泌尿器系の殺菌消毒剤。

<5>精油は、利尿剤。

<6>精油は、白血球の産生を刺激し、抵抗力を強化する。

<7>精油は、循環を全体的に刺激し、低い血圧を高めます。疲労・抑鬱状態・無気力な人に有効。

<8>精油は、病後、減退している食欲を刺激します。

<9>精油は、脳を刺激し、記憶力を向上させ、心身両面にわたって活力を回復させる。

<10>精油は、細菌の増殖を低下させ、3日間その培地が腐るのを防ぎました。

<11>精油は、不眠症を沐浴で治す。

<12>温浸出液は発汗作用がある。

<13>ハーブティ:
・鼓腸を和らげ、消化器を鎮静する
    
【参考】
幾つかの種類がありますが、ふつうのタイムThymus vulgarisがアロマテラピーで使用されます。

【仲間】
「コモンタイム」(Thymus vulgaris)
「レモンタイム」(Thymus×citiodorus(Pers.)Schreb)
「ゴールデンレモンタイム」(Thymus×citiodorus‘Aureus’)
「ワイルドタイム」(Thymus)serpyllum
「キャラウェイタイム」(Thymus herba-barona)

■老化予防
入浴剤として使える抗酸化物です。




#ダイヤモンド DIAMOND
⇒硬度:[10]
自然界で熱伝導率が最も高い、ガラスはダイヤモンドの1/200しかない。
ダイヤモンドを膜状(タタミ大)にする技術ができている

◎生命の基本元素である純粋な炭素で出来ている。[8面体]
ダイヤモンドを燃焼管に入れ、酸素ガスを送りながら酸素ガスバーナーで加熱すると、約5分間で完全に燃焼し、あとには微量金属元素が残る。

◎比重が非常に安定しており、屈折率は宝石の中で最高。いくつかの種類があり、伝導体に使われているものや、放射能測定に使われているものもある。

◎『水』の原理に属し、冷たい性質を放っています◎金星に支配され、藍色に光線を発する。

◎体内では、藍色は、濃厚な粘膜や分泌物、精子を含む、濃いリンパ液を司っています。

◎藍色は、占星学では精子の主人とされ、主に生殖を司る金星につなりをもっています。

◎無垢、貞節、不変、最高の愛を象徴。

◎(D・L・メラ)
「周囲にあるものは何でも吸収してしまう」
「地の奥底で強い圧力と高熱下で形成され、地底のマントルから地表へ昇ってくる純粋結晶には、それ自身の生命力が存在せず、このためダイヤモンドは他からエネルギーのすべてを吸収する宝石になっている。」
「手を触れると冷たく感じるはずです。強い熱伝導作用があるので、あなたの体温が中に吸収されている為。」      「毒薬として使用された:作末し、敵の食物や飲み物に入れる。」

「強い心霊的エネルギーがある。人の思いや行いをその放射光の場に容易に磁性化してしまう。そのため、時々、マイナスエネルギーが吸収しないように、洗浄する必要があります。
[方法]:塩を重曹、茶さじ1杯づつコップ1杯の水に溶かした中に、1時 間以上浸けておいてから、よくすすぎます。」
      
◎アユルヴェーダ医学
寿命を延ばし、体力を強め、組織に栄養を与え、顔の色艶を増し、ヴァーユとピッタを改善します。
インドでは、昔から特殊な工程でダイヤモンドを灰にし、治療に使っています。
・ライ病
・肺結核
・やつれ
・妄想
・浮腫
・肥満
・糖尿病
・瘻
・貧血
・腫瘍

◎ダイヤモンドは、“すべての病に効く。この灰を内服すれば寿命を延ばし、体を強め体内のあらゆる組織に栄養を与える”《バッタチャリア博士》

◎身体の左側につけていると、
 イ)平和と平穏をもたらす。
 ロ)野獣や蛇、恐ろしい夢魔から守ってくれる。
◎青みがかった白っぽいものが最高。

◎ダイヤモンドの魔力を得るためには、傷のない石を身につけなければなりません。
イ)黒や赤の斑点があり、水滴のようにみえる:不吉。
ロ)カラスの爪のような模様がある石:命を落とす。
ハ)欠点のあるダイヤモンド:精神障害、災難、病気をもたらす。
◎3つの性(インド)

イ)最高の石:
1)男性。
2)6~8つの角があり、
3)水に映すと虹の7色が現れる。
4)重さは軽く、けれども大きく、線や斑点がない。

ロ)次が:
1)女性
2)6~8つの角があり、
3)水に映すと虹の7色が現れる。
4)線や斑点がある。

ハ)最後が:
1)去勢した男性
2)3つしか角がない。
3)削られて丸く、大きくて重い。

◎男の子が欲しい女性は:傷のない、かすかに黒みがかった白いダイアモンドを身に付ける。
   

◎「クシャトリヤ・ダイヤモンド」
赤みがかった白いダイヤモンド。
つけると、勇敢な人、有能な外交官、大成功を収める政治家になれる。

◎「ヴァイシャ」
黄色がかったダイヤモンド
富、尊敬、ぜいたくな暮らしをもたらす。

◎「シュードラ」
黒みがかった石
知恵、富、成功を運ぶ。
つけていると、恐れを知らず、忍耐強く、純粋で礼儀正しくなると言われています。
◎毒があると色が変わる。

 

#治療効果(ダイヤモンド)
◆空気と火と水が同時に乱れると起こる病気の治療に良い。
イ)眼の病気
ロ)耳鼻科
ハ)顔面麻痺
ニ)肺炎
ホ)気管支炎
ヘ)喘息
◆金星が司るので、
ト)不妊症
チ)糖尿病
リ)子宮の病気
ヌ)ヘルニア
ル)怠惰
オ)酒酔い
◎大きさ:[1.5カラット]

◎プラチナか銀の指輪にはめ込みましょう。
◎ダイヤモンドは、金かプラチナにセットされることを好みます。ダイヤモンドは高い熱エネルギーを持っていますが、エネルギーは内部からでなく、カット面から光を放っています。プラチナや金のエネルギーとうまく調和します。(D・L・メラ)
◎右手の小指に
◎初めて指輪をする日は、陰暦で月の明るい半月の間の金曜日にして下さい。
   

◎いっしょに身につけてはいけない宝石。
イ)ルビー
ロ)赤珊瑚
ハ)黄サファイア

◎リーディング(エドガー・ケイシー)
「パールやダイヤは、その人の周囲に波動的反応を生み出す石である」
「ダイヤの性質そのものは利己的であり、本人に平和も苦痛も与える」

リーディング(レノーラ・ヒュイット)
「治療性についてはさほど特別な性質はない。これは他の石(特にエメラルド、アメシスト)と結合させた時に、それらの石の力を拡大させる。」
「魂にとって、肉体に対するパンの如き存在」
「松果体、下垂体を開く働きを助ける」
   

■寡占
「19世紀、英政界の異端児セシル・ローズがロスチャイルド財閥と組んで作ったデビアス社が、長年、流通寡占体制を維持している。
「7月12日、ロンドンにある世界最大のダイヤモンド鉱山会社、デ・ビアスの中央販売機構(CSO)本部で、「われわれはダイヤの供給量を調節する市場の後見人の立場を降りるつもりです」。ニッキー・オッペンハイマー会長は、集まった「サイトホルダー」と呼ばれるダイヤの研磨業者らを前に、戦略転換について説明を始めた。「これからは、ダイヤ宝飾品の消費を拡大することに専念したい」。ダイヤの量や価格をいわば「番人」としてコントロールしてきた役割を放棄すると表明したのだ。
ダイヤの流通は、特異な携帯をとっている。デ・ビアスがその傘下にある南アフリカや周辺国などの鉱山から採取するダイヤは、世界の宝飾用原石の約4割。ほかの独立系鉱山から購入するものも含め、ダイヤの約2/3を同社が供給している。
同社からダイヤ原石を購入できるサイトホルダーは125社に限られる。日本企業は実質1社だけだった」2000.9.17《日本経済新聞》

■豪社が供給停止
「オーストリアの資源大手BHPビリトンは、ダイヤモンド取引世界大手デ・ビアスへの供給契約を打ちきる。世界のダイヤ生産で約5%のシェアを持つBHPがデ・ビアスへの供給を停止することで、ダイヤ流通市場でデ・ビアスが保持してきた独占的な価格形成力が一段と低下しそうだ。
BHPは3年前からカナダにあるエカティ鉱山でダイヤの生産を開始。年間生産量370カラットのうち35%をデ・ビアスに供給してきた。ただデ・ビアスに支払う手数料が高額なうえ、独自の流通網も確立できたとして、供給契約を今年末で打ちきることにした。
デビアスはかってはダイヤ原石取引の9割を握っていたが、豪州などのダイヤ鉱山が独自の流通ルートを確立し始めたため、取引シェアは6割程度にまで低下している。英豪系の資源大手リオ・ティントもカナダでのダイヤ生産を開始するが、デビアスにはダイヤを供給しない方針」 2002.10.5《日本経済新聞》


■高感度センサー
「東京大学の藤島昭教授と大学院生の内門隆治氏らは、ダイヤモンド血症を使った高感度センサーを作ることに成功した。物質の分離・検出に使う液体クロマトグラフィーの検出部分のセンサーとして使う。
通常の白金やカーボンを使ったセンサーよりも科学的に安定で約10~100倍の感度でブドウ糖など様々な微量物質を検出できる。
新センサーはシリコン期万丈に大きさ1cm四方、厚さ30マイクロメートル(1マイクロ=1/100万)のダイヤモンド薄膜をつけた構造。ダイヤモンドだけでは電気を通さないため、ホウ素を混ぜている。ホウ素は発火しやすく、取り扱いが難しいが、研究グループはホウ素がメタノールに溶ける性質を利用し、結晶を育てる段階で気化させて混ぜ、安全に作ることに成功した。
主な用途は、尿中のブドウ糖の測定。10倍に薄めた尿を液体黒間とグラフィーに入れ、尿中の各成分を分離する。分離されたブドウ糖がセンサーの上を通ると、電流値が変動する。」2001.2.9《日経産業新聞》
   

■世界で最も硬いダイヤ
「愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センターの入船徹男教授らのグループは世界で最も硬いダイヤモンドの作製に成功した。黒鉛を高温高圧で処理する独自技術で作った。装置の中に原料の黒鉛を入れて12万~25万気圧の高圧をかけて1800℃から2500℃で約5分加熱した。大きさが数十ナノ㍍の単結晶ダイヤが互いに密着し、1~3mm大の多結晶ダイヤができた。硬さは最大140ギガパスカル(パスカルは硬さの単位)で、従来の人工多結晶ダイヤの2倍という。
1ナノ=十億分の1。1ギガ=10億
多結晶ダイヤは単結晶ダイヤよりも割れにくい。天然のダイヤには1%しか含まれていない。」2003.2.5

■トランジスタ
「NTTは8/20、独ウルム大学と共同でダイヤモンドを使った新型トランジスタを世界最高の81ギガヘルツ(1ギガ=10億)で動作させることに成功したと発表した。」2003.8.21《日経産業新聞》

■人工ダイヤ
「米カーネギー研究所は、10カラットの大型人工ダイヤモンドを高速生産する技術を開発した。高温高圧下で合成して作る従来の人工ダイヤの約5倍のサイズで、透明度も高いという。
化学的気相成長法(CVD)と呼ぶ結晶成長技術を応用した。」2005.19《日経産業新聞》

■5ナノの水溶液
「超微粒金属粉を使った潤滑剤などの開発を手がけるナノテック・システムズ(東京千代田区)は直径5ナノ(ナノ=1/10億)㍍の人工単結晶ダイヤモンドを超純水に混合した水溶液(スラリー)を開発した。
価格は500ml\37000」2005.6.2《日経産業新聞》

■感染症に
「英ブルネル大学の研究グループは、ダイヤモンドに似た分子構造を持つ炭素材料を、金属やプラスチックなど様々な材料表面に付着させる技術を開発した。
カテーテルなどの医療器機の表面加工に使った場合、感染症にかかる危険性を低減するなどの効果を期待できるという。
摩擦力の低減も期待できる。
研究グループは、プラズマアシスト化学蒸着法(PACAD)と呼ばれる手法を活用し、金属などの表面にダイヤモンドによく似た分子構造を持つ炭素材料を付着させることに成功した。」2005.9.22《産業》

■粉末のナノダイヤ
「ナオテクノロジー研究のナノ炭素研究所(千葉県柏市)は2005年10月、。粉末状のナノダイヤモンドを発売する。純水や有機溶液に溶かした従来製品に比べて持ち運びしやすい。
精密機器の研磨、熱伝導率が極めて高いダイヤの特性を生かし、電子機器の放熱素材として利用できる。
ナノダイヤは直径4~5ナノ㍍の微細な人工ダイヤ粒子。極めて硬く熱を伝えやすい特徴があるが、空気に触れると団子状に固まり、扱いにくかった。
ナノ炭素研は液体中で直径50マイクロ㍍の球をナノダイヤにぶつけて分解する方法で工業化に成功。さらに真空中で水やアルコールを蒸発させて製造。
ナノ炭素研は豊橋技術科学大学の大沢映二名誉教授が2001年に設立。大沢氏は1970年に世界に先駆けて球状炭素分子のフラーレンの存在を予言」2005.9.26《産業》

■銅の強度を高める
「ナノ炭素研究所は銅にダイヤモンドの微粒子を均一に混ぜて強度を40%アップさせる技術を開発した。」

■超高硬度
「愛媛大学は2006年11/14、住友電気工業と共同で世界で最も硬いダイヤモンド『超高硬度ナノ多結晶ダイヤモンド(NPD)』の大型化、高品質化に成功した。直径5mmと従来の5倍、炭素の残留物などの不純物を少なくし、割れ目も無くした。」

■二ホウ化レニウム
「米カリフォルニア大学のグループは、新たな超硬物質の開発に成功した。希少金属のレニウムとホウ素を結合させて作る二ホウ化レニウム。
ダイヤモンドに次ぐ超硬物質である立方晶窒化ホウ素に匹敵する高度があるという。
レニウムは、全元素中で2番目に比重が重いとされるオスミウムに次ぐ高い密度を持つ。油田開発に使うドリルなどの素材となるダイヤモンドや立方晶窒化ホウ素は製造コストが高い。新素材は高圧処理が不要で、単純な工程で製造できる」

■薄膜を生産
「厚さ10ナノ㍍以下のダイヤモンド薄膜を積み重ねた構造で、電圧をかけることで薄膜から放出された電子が蛍光体に当たって発光する。平面発光が可能で水銀や鉛を使わずに消費電力が従来の白熱電球などに比べて少ないほか、長寿命、色合成の自由度が高い」
   

■世界最大
2007年8/28、南アフリカで、巨大な原石が発見された。採掘した業者は「7000カラットぐらいのダイヤモンドと見られる」と述べた。
正式な鑑定結果は出ていないが、本物であれば、これまでで最大のダイヤモンドの約2倍。ローター通信は、結晶の形などから「ダイヤではないようだ」とする専門家のコメントを紹介。

■量子もつれを実現
「2008年6/5、筑波大学と産業技術総合研究所などはダイヤモンドを使って量子コンピューターなどの基礎になる「量子もつれ」と呼ばれる現象を室温状態で実現した。成果はサイエンス電子版に発表。
研究チームは、原料に原子量13の炭素を多く含むメタンガスを使用し「マイクロ波プラズマCVD」(化学的気相成長法)と呼ばれる手法で、自然界にわずかしか存在しない原子量13の炭素を多く含むダイヤを作製した。
窒素などの不純物でできた欠陥が持つ電子スピンとその周りにある炭素が持つ核スピンを利用して、計算単位となる量子ビットが3個の量子もつれを実現した。」

■高効率LED
「笹川祟男・東京工業大学准教授らは米スタンフォード大学と共同で、ダイヤモンドを使って高効率発光ダイオード素子を作製する最適条件をシミュレーションによる理論計算で突き止めた。
成果は米物理学会の学術誌に掲載。
一般的にダイヤに電気を流しても光を出すことは難しい。笹川準教授らはダイヤの結晶構造を持ち石油から抽出できるナノテク素材「ダイヤ分子」の電子構造を理論計算で調べた。
ダイヤの電子構造は電気を光に変換する効率が極めて低いことが知られる。炭素原子10個に水土原子が結合したダイヤ分子『アダマンタン』の電子構造を計算したところ、LEDなどに使う半導体材料と同じ電子構造に変わることが分かった。
この電子構造は「直接遷移型」と呼ぶ。理論上、電気エネルギーの100%を光エネルギーに変換できる。計算結果からアダマンタンの場合、波長180ナノ㍍の紫外線が出るいう。アダマンタンが2個、3個一緒になったダイヤ分子を使えば、それぞれ波長190ナノ㍍、200ナノ㍍の紫外線を出せることも判明した。
ダイヤ分子の大きさは0.5ナノ~数ナノ㍍で、石油の溶けている。ダイヤ分子の精製技術を持つ米ベンチャー企業、モレキュラー・ダイヤモンド・テクノロジーズ社と強力して、紫外線ダイヤモンドLEDの開発にとりかかる。

■カラット
宝石の重さの単位として「カラット」を指すときには「carat」と書き、金合金の純度の単位に使う場合は「karat」と綴ることが多い。
元々は同位置の単語にさかのぼり、ラテン語とアラビア語をへてきたギリシャ語のkertionらしい。「小さな角」の意味だが、これは「キャロブcatob」という木の実をさしていたそうだ。地中海沿岸地方のマメ科の常緑高木で、古代から栽培され、果実は莢(さや)をなして枝からぶら下がっている。そのcarobの熟した莢の中の栗色と果肉と種が、甘くて香ばしい食料となる。のみならず、種はほぼ大きさが揃い、重さも均一なので昔は小さいものを天秤で量る際の、分銅の役割を果たした。
たとえば、宝石とか貴金属とかは、キャロブの種の数で質量が計算され、それが「カラット」なのだ。
キャロブの果実の香ばしさは、カカオのそれと微妙に似ていて、アメリカでは菓子類などにキャロブパウダーが広く使われている。チョコレートの代用品として食べると、なんだかイマイチだが、ダイヤモンドの基準で古代からの甘さだと思えば、味わい深い。ほくは大学生のとき、カリフォルニアを旅して莢をいっぱいつけたキャロブの老木に出くわし、いっそう好きになった。
「日本の食べ物になれましたか?」
と、今でも、たまに聞かれる。慣れるも何も、僕は最初からすべてがOKだった。むしろ、どうやって22歳になるまで豆腐と納豆と梅干しなしで生きていたのか、不思議なくらいだ。しかも万が一、何かの懐かしい味が恋しくなった場合、日本ではほとんどもものが手に入る。ひとつだけ、ちょっぴり不満があるとしたら、キャロブのお菓子がないこと。
ずっとそう思っていたら、東京は要町の小さな店「こんがりパンや」が、国産の小麦粉と国産大豆のおからとイタリア産のキャロブで、クッキーを焼いていた。ひさびさにダイヤをかじる気分を味わっているが、キャロブの日本語名が「蝗豆」つまり「イナゴマメ」だと知り、これもなかなか味わい深いものだ」
(アーサー・ビナード:詩人)

■色が変化するダイヤ
「宝飾品製造の中田商会(甲府市、中田明社長)は2008年11月、色が変わるダイヤのアクセサリーを売り出す。カットしたダイヤの上部から光のみを屈折する特性を活かし、動くルビーが重なったときだけダイヤが赤くなる指輪やペンダントを開発した。
「魔法の指輪」
輪が二重になっており、外側の輪が前後に動く。外側の輪がルビーを隠し、輪が重なるときにだけ内側の輪が表面にあるダイヤが赤く輝く。\30 万
「魔法のペンダント」
ダイヤの前をルビーの入った貴金属の腕が左右に揺れる
特許申請

■ダイヤ半導体
「物質・材料研究機構のセンサー材料センター・光学センシング材料グループ主幹研究員:小泉聡(45)はダイヤモンド半導体の研究で海外からも注目される。
半導体にはp型とn型の2種類があるが、ダイヤでは困難だったn型を実現した。1997年にリンをわずかに混ぜたダイヤモンド薄膜をプラズマCVD(科学的気相成長法)で創製する条件を最適化してn型を実現し論文発表した。さらにp型とn型を接合して発光ダイオードを作ることにも成功した。
その後、ダイヤ半導体技術を使って高性能は深紫外線センサーを開発した。そのセンサーは2009年打ち上げられたESA(欧州宇宙機関)の科学衛星に搭載された。
人工ダイヤは従来もっぱら高温高圧法で作られたが、薄膜はプラズマCVDなどで作られるようになった。1気圧以下の低圧で、温度も比較的低いのに、どうしてダイヤが製造できるのか?よく分かっていなかった」

■LED
「2010年、産業技術総合研究所は、発光出力が0.3㍉ワットと高いダイヤモンド製LSD(発光ダイオード)を開発した。LSDが発する紫外線の殺菌効果も確認した。。
ダイヤLEDは環境に好ましくない水銀を使わないうえ、装置が小型になり、内視鏡の千単位取り付ける等の応用も期待できる」

■被膜に
「2010年、独立法人・産業技術総合研究所は鋼板の代わりにプラスチックを使って軽い車や、半永久的にすり減らない加工具、歯車などの実現に道を開く新技術を開発した。
合成ダイヤモンドで材料表面を薄くコーティングする。
産総研の長谷川雅考チーム長らの成果。
合成ダイヤの原料には安価なメタンガスを使用。専用装置内で大きさがナノ㍍サイズのダイヤモンド微粒子を作り、材料表面に積もらせる方法でコーティングした。
反応温度は80~100℃に抑えられ、プラスチックやステンレスなど高温に弱い材料にも被膜できる。
合成ダイヤは地球上で最も硬いとされる天然ダイヤモンド並みの硬さがある。」




#タカ(鷹)
=紫外線を見ることができる
○生脯などを過食して煩悶するとき。
「淡米飲に鷹糞末を少し混ぜ、3~5合を頓服。」
「脯」(ホ)=乾肉のこと。
○邪魅と野狐魅を主治する。(鷹肉)



タカサブロウ=ブリンガラージャ


タガヤサン
現地名:(Johar)
学名:(Cassia siamea)
○インド原産で、インドネシアやマレーシア、タイなどで栽培。
高さ15~20mの高木で、葉は互生し15~40cmの羽状の複葉で、長い楕円形の小葉が4~16対ほど茂る。花は直径2~4cmで黄色、枝先に群がって付く、果実は長さ15~23cmのさや状をした豆果で、8~15個の種子が入っている。木材としては最も硬く、耐久性に優れている。

用途
木材:高級家具、ステッキ、象眼、床柱、器具の柄、薪。
根:駆虫剤。
花:食用。
その他:街路樹。1996.11.8《日本経済新聞》


#タケ(竹)
■種子の形多様
「焼き畑調査のため頻繁に訪れているラオスの産地のあちこちで昨年、タケが開花、実をつけてたのに伴って、それを食べる野ネズミが多数発生した。野ネズミはあげくの果てに栽培中のイネまで食べてしまい、農家が被害にあった。 日本でも昔からチマキザサやミヤコザサ、チシマザサなど開花し、実をつけるたびに野ネズミが大発生して収穫期のイネに被害が出たと伝えられている。ただ、ササ自体は締めに落下した種子の発芽率が高く、苗の生育も速いので、どの開花地でも絶滅することはなかった。
マダケやモウソウチクなどの場合、開花しても実の数が少なく、種子として地面に落下しても発芽率が極めて低いので、種子によって開花で枯れたタケ林が回復することはない。つまり熱帯性タケ類や温帯製ササ類では結実率と発芽率が高いので、種子が飛散して分布域を広げられるが、温帯性タケ類では分布域拡大を種子に頼ることが出来ず、地下茎を伸ばすことでしか出来ない。
タケやササの種子は他の植物の種子と違って、実を結んだ後に急速に発芽率が低下する。冷温貯蔵しても1ヶ月以上の長期保存は難しい。従って苗が必要 なときは種子をとったらすぐにまいて、育てておかざるをえない。
種子の形態はコメに似ていて、マダケやモウソウチクではインディカ米のように長さ1cm足らず、直径1mm程度の大きさだ。トウチク、ササ類、熱帯地方のタケ類など多くの種子はウルチ米のようにずんぐりした形をしている。いずれももみ殻のような苞と呼ばれる柔らかな殻に包まれていて、完熟するとこれが弾けて種子が地面に落下する。
1850年に起きた寛永の大飢饉では人々がコメの代わりにチマキザサの実を競って食べたと言われる。1998.4.5《日本経済新聞》
   

■竹の炭
<1>木炭に比べ、防菌性・吸着性(3倍)・脱臭性にすぐれる。
<2>炭化させる温度で異なった硬度を示す。
<3>床下に置くと、湿気を除去する。
冷蔵庫に入れると、脱臭効果だけでなく、エチレンガスも吸着し野菜の鮮度を保持する。
<4>塩素、アンモニアガス、メタンガスまども吸着する。
<5>土壌に粉炭を混ぜておくと農作物や果実の生産が向上し、豆科植物の根粒菌を増やす。
<6>遠赤外線を放射する。
<7>電磁波を弱める。
<8>炭から放出されるマイナスイオンが、
①体の痛みの緩和
②発汗作用の抑制
③血圧降下
④疲労回復作用がある。

■鮮度保持
「輸送用緩衝剤製造などを手がけるプラスト(神奈川県海老名市046-238-3213)は、竹を使った青果物輸送用の鮮度保持材を開発した。出荷時に段ボール内などに敷いて、青果物の腐敗を促進させるエチレンガスを分解・除去する。岩手産のブドウなどで試験的に採用した。保持材は2種類あり。1つは慶応大学の白鳥世明助教授と共同で開発した。竹から抽出した酵素などを特殊な方法を発泡シートに吸着させており、7月には家庭用冷蔵庫内で使う「やさシート」を商品化した。これに伸縮性のある素材を加えて、野菜や果物の形に成形出来るようにした。
のう1つは竹炭を活用した。」2001.10.10《日本経済新聞》



 


#タケノコ (竹の子)
皮付きのまま湯へ+米糠
①糠を入れると、糠にはカルシウムが多いので、タケノコの中のシュウ酸、その他と結合してえぐみを消すという。白水でゆでるだけでは、えぐみはとれない。
なお、アクを抜くときにトウガラシを1~2個入れておくと、理由は不明であるが、一層効果がある。このえぐみ(アク)は、ホモゲンチシン酸で水に溶けるので水さらしが有効。

「ぬか」:灰汁を抜き、甘味が増える
・チロシンの効果を取り入れる
 

中国
①そのまま油で揚げる
早く熱を加えることで、チロシンの効果を引き出す。
◎産地
北九州市合馬・・赤い粘土質
トンボの長さとタケノコの大きさは比例している。
竹林を掘り起こし。土を入れ替える
ホイルに包み、50分焼く。
   

■成分:

92%----水分
8%:糖質・タンパク質・繊維・脂肪
 ビタミンA1、B1、B2、C、ニコチン酸(タマネギ以上)
 亜鉛、マンガン、銅、カルシウム
「スタミナに関係するのがタンパク質の主成分であるアミノ酸で、タケノコに様々なものが含まれている。なかでもチロシンはうまみと深い関係を持ち、竹の皮の付いている節の部分に多く含まれている。チロシンはタケの幹に当たる稈(カン)が頑丈になるのに必要なリグニンと呼ばれる成分をつくる際に不 可欠で、成長に大きくかかわっている。
タケノコで嫌われるのはえぐ味であるが、これはホモゲンチジン酸と呼ばれる成分によるもの。養分の少ない堅い土壌から採れた、細く先細りのタケノコにはこれが多いように思われる。」
「タケノコもそれぞれの部分に含まれる成分の比率が若干違う。根元に近い部分には線維が多く、先端部にはタンパク質・脂肪・ミネラルなどが多い。」
「味は、カンザンチク、コサンチク、ハチク、チシマザサなどがモウソウチク(食用タケノコの大部分)より勝るとも言われ、ハチクの先端部にはビタミンB12、ササ類の先端部にはビタミンKが多い。」
「ラーメンにつきもののメンマは台湾や東南アジアに生育しているマチクを蒸してから塩漬けにして発酵させ、細く裂いて乾燥させたものである。日本ではホテイチクで代用している。」
「タンザニアのイリンガ州では[オキシテナンセラ・アビシニカ]と呼ばれる細い竹に故をもとにタケから酒を造っている。タケノコの先端部を切り取った時に流れ出す液が、透明なものからやがて泡を含んだように発酵してくるので、これをこまめに別の稈に取り、先端部の竹の皮を毎日切って発酵した液を集めると出来る。1本のタケノコから40ほどの酒が得られる。」(竹資源活用ファーラム代表・内村悦三)1998.5.3《日本経済新聞》

■米糠とトウガラシ・・・えぐみ消す作用
「タケノコを茹でるには、
<1>まず皮の部分に縦に切り込みを入れる。
<2>鍋にタケノコが浸るぐらいの水を入れ、水の分量の10%量の米糠とトウガラシ(少々)を加え、落としぶたをして中火にかける。」
<3>茹でる時間は、タケノコ1kg当たり1時間が目安。茹でてから冷めるまでそのままにしておく。」
米糠・赤トウガラシ・サンショウ実には、タケノコのえぐみを消す働きがある。

■“白いカビ”?
「タケノコの白いカビは、チロシンというアミノ酸の一種。茹でてから長時間おいておくと出てくる。食べても体に影響はない。」

■添加物
「大阪府と愛知県は28日、中国から輸入した塩漬けタケノコから、食品衛生法に定める基準値の70倍の二酸化硫黄(保存剤)を検出したとして、食品輸入会社「セイシン」(寝屋川市)と、このタケノコを原材料にした「細竹」を製造している「マルオカ」(愛知県吉良町)に商品の回収命令をだした。2002.10.29《日本経済新聞》
   

■合馬のタケノコ
「日本有数の竹林面積を誇るのが北九州市。とりわけ合馬地区のタケノコはえぐみが少ないうえ香り、甘さも絶品で、関東、関西の高級料亭でも引っ張りだこ。
合馬産のタケノコにはえぐみの元となる『ホモゲンチジン酸』が少なく、「茹でても翌日まで、えぐみが出にくい」。
 タケノコ料理は「和」の京都が本家といわれ、長岡京市の西山一帯の竹藪でとれたものが珍重されてきた。「合馬観光たけのこ園」の富岡さんは「その本家の料亭から合馬産の引き合いが強い」と胸を張る。
 長岡京市の名店「錦水亭」で修業した伊井田健二さんは合馬産に魅了され「合馬産は芳醇な香り、柔らかな食感、甘みと三拍子そろっている」と語る。なかでも、「白子」が一番。白子とは良質の赤土が混ざった土壌で育った真っ白なタケノコを指す。全国の市場に多く出回る黄色がかったタケノコは黄子と呼ぶ。2004,5,8《日本経済新聞》

■黒河タケノコ
「「竹」に「旬」と書いて「筍(たけのこ)」。そんなタケノコの味と香りを楽しむには、堀りたてが一番だ。北陸のタケノコ産地、富山県小杉町の黒河地区を訪ねた。昔ながらの「黒河たけのこ」は少しえぐいが、タケノコ好きにはたまらない野趣がある。」
   
○竹馬の友煮
タケノコ+馬肉を煮る




#タコ
(参照→「ヒョウモンダコ」)
「手長タコ」:有明海の泥の中に棲む。食用。
〇 タコには心臓が3つある。
◎生ダコのゆがき方‥ お湯に+酢+茶葉

■日本が大部分消費
「土用の蛸は親にも食わすな」。こんな格言があるように、夏の産卵期を控えたタコは身が締まってうまい。弥生時代の昔から、関西人はタコを好んだ。高タンパクで低カロリーなタコは至り屋やギリシャ・スペインなど地中海沿岸や韓国でも食べられうが、日本の消費量はずばぬけて多い。年間消費量は約16万トン。世界全体の漁獲量の2/3を占める。特に関西人のタコ好きは半端ではない。総務省の家計調査では、1世帯当たりのタコの年間消費量は、神戸がトップの2kg、2位は大阪の1.8kg、3位は奈良の1.7kgでベストテンを関西の6都市が占める。」2001.8.1《読売新聞》

■麦わらダコ
「明石のタコがうまいのは、明石浦漁業協同組合によれば、明石から西へ20kmほどのところにある“鹿ノ瀬”と呼ばれる漁場の豊富なエサと、潮流の速さがが影響しているという。本州と淡路島に挟まれた明石海峡の潮流は速く、その潮流で吹き上げられた砂が堆積してできたのが鹿ノ瀬。干潮時には水深2m程度になり、多くの魚種の産卵場所となっている、
速い潮流に流されないために踏ん張るので、タコの足が引き締まって筋肉質なるので、うまみが増すという。
6~7月にとれるタコは“麦わらダコ”が最高の味とされる。秋に生まれたタコは、約1年かけてこの時期に成体になる。」2004.6.19《日本経済新聞》

■ブルーリングオクトパス(猛毒のたこ)
ヒョウモンダコ Hapalochlaena fasciata Blue-lined Octopus
コウイカがそれを食べる。

■ゲノム解読
2015年、沖縄科学技術大学院大g飼うと米市シカゴ大などのチームが、タコの全遺伝情報を解読し、ネイチャーに発表した。
タコとイカの祖先が分かれたのは、恐竜が出現する前の約2億7千万年前と推定。





だだちゃ豆
(参照→枝豆)


タチウオ
銀色に光っているのはグアニンという生体物質。



#ダチョウ
<1>食肉販売「朝霧ファーム」愛媛県大洲市
<2>キンダイサービス:
 沖縄県大宜味村に飼育場。ケニア政府の協力で卵を調達。

■飼育、事業化
「建設会社の大東建設(山形県朝日町)はダチョウの飼育事業に乗り出す。近く子会社「山形朝日オーストリッチ産業センター」をせつりつ、肉や皮を販売する。
大東建設が3年かけて蓄積したダチョウの飼育のノウハウなどを受け継ぎ処理・解体や、どこも棄てるところがないと言われるダチョウの様々な部位の商品化を進める。」2001.6.4《日経産業新聞》

■特区で飼育
「政府が推進する構造改革特区で、農業ベンチャー企業が新事業を始める。オーストリットヒル(神奈川県相模原市042-761-2421)が同市の「新都市農業創出特区」で食肉用のダチョウ肉を今夏から生産する。農業同組合から農地を借りて、桑の葉を飼料にして生産」2003.5.21《日本経済新聞》

■50カ国で飼育
「原産地のアフリカでダチョウが家畜として飼われるようになったのは400年前。19世紀にはダチョウの羽が欧米で装飾品として人気を呼んだため、現在の南アフリカ共和国の地域でダチョウの飼育が本格化し、輸出されるようになった。1980年代後半になると、肉や卵が食用として脚光を浴びるようになり、一挙に生産地が広がった。現在では、アフリカ一帯はもとより、北米や豪州、中国や韓国などのアジア、中央ヨーロッパ、中東など世界50カ国近くで年間約60万羽が飼育されている。
ダチョウ料理は、主に豪州やニュージランド、英国やスイスなどの欧州でも食べられている。特に欧州ではBSE(牛海綿状脳症、狂牛病)騒動から、近年になってダチョウ肉の消費が伸びている。
日本では農林水産省の調査によると、ダチョウの飼育戸数は1996年時点ではわずか10戸だったのが、2002年度には352戸に増えた。それに比例して肉の消費量も急増。ダチョウは少ないエサで効率的に大きく育つうえ、エサも牧草が中心。ダチョウ肉は牛・ブタ・鶏などに比べ低カロリーで高タンパクで、しかも鉄分などのミネラルもたっぷり」2003.7.5《日本経済新聞》

■ガン抗体生産
「大阪府立大学大学院生命環境科学研究科の塚本康浩助教授らはダチョウを使い、ガン抗体を大量に生産するベンチャー企業『関西オーストリッチ研究所』を2008年に設立する。
塚本助教授らが開発した技術で、人間のガン診断キット、BSE(牛海綿状脳症)や鳥インフルエンザなど動物の検査キットの作製を目指す。
人間のガン細胞に現れる抗原や病原菌を2ヵ月間に5回程度ダチョウの注射し続けると、ダチョウの体内で抗体が出来る」

■抗体作製
「京都府立大学の塚本康治教授は、様々な病気への抗体をダチョウの体内で安価に量産する技術でベンチャー企業「オーストリッチファーマ」を設立した。
まず鳥インフルエンザウイルスへの抗体を取り付けて感染を防ぐマスクを製品化する。マスクメーカーのCROSSEEDを通じ製品化。1枚\200~\280
科学技術振興機構の産学連携事業の一環。2008年7/3




タツナミソウ
   「丹参」
⇒多年生草本。根茎は細く短く這う。茎は方形で直立し、分岐せず、白色の長い毛を密生する。葉は対生し、表裏ともに軟毛を密生する。初夏の頃、茎の先端に紅紫色の唇形花を一方に偏って穂状につける。果実は永続性のガクに包まれている。
  

【効能・効果】(タツナミソウ)
○婦人病:
 根5~10g/日煎服(著効)。
○無月経:
  根5~10g/日煎服(著効)。



タツノオトシゴ
◇イイダコ漁に混在
2015年2月、イイダコは貝殻や海藻に身を隠すように生息している。
おなじところに生息するのがタツノオトシゴ。
瀬戸内海の地引き網漁に入ってしまう。
漁業者は、イイダコの商品価値を下げるゴミとして「チリモン」として扱う。

■全遺伝情報
2016年12/29 ネイチャー
シンガポール分子細胞生物学研究所などのチームが発表。
タツノオトシゴは遺伝子数が約2万3500個で、他の硬骨魚とは約1億年前に分かれたと推定された。
タツノオトシゴは尾を海藻などに巻き付けて体を固定し、ヨウジウオは非常に長い体で泳ぐが、いずれも小さな魚や甲殻類などを細長い口で吸い込んで食べる。
体が骨板で覆われているほか、雌が卵を雄の腹にある「育児嚢」に産み付け、稚魚になるまで育てるのも共通している。




ダツラ
=シロバナヨウシュチョウセンアサガオ Datura stramonium
ヨウシュチョウセンアサガオ Datura tatula
   (参照→シロバナヨウシュチョウセンアサガオ)
◎ナス科植物。トロパンアルカロイド含有。
◎成分:

L-ヒヨスチアミン
アトロピン:ヒヨスチアミンのラセミ体。
  中枢抑制性を現し、麻酔作用に似た働きをする。
スコポラミン:エポキシ基を持ち、ヒヨスチアミンと拮抗的に働く。

◎中世イタリアの暗黒世界で暗殺のための毒薬としてさかんに使用された。成分のアトロピンは強力な副交感神経抑制作用を有し、抗コリン薬として利用される。平滑筋のケイレンを弛緩させ、止瀉作用を示す。
   

◎中毒:穀物畑にダツラが繁殖し、穀物に種子が混入したための事故が知られる。又アメリカ西南部の牧畜地帯で牛・馬がダツラによって中毒し、口渇・視力減退・体温上昇・心拍促進・ケイレン・昏睡を経て死に至った報告がある。

◎中毒の治療:ネオスチグミンの注射。
(講談社「天然毒」p14~15参照)




タデ(大蓼)
   =草
【学名】Polygonum hydropiper
【別名】ヤナギタデ、マタデ、ホンタデ
【分類】タデ科、1年草
【原産地】日本各地、台湾、中国
【効能・効果】
○熱・鳴心悶のときに使う。
○霍乱の転筋を治す。
  「濃く煎じて1~2杯飲む。」
○痃癖と積聚をなくす。
○小児の頭瘡に塗る。(蓼実)


ダーディマ Dādima (ザクロ)
=果皮及び根皮が薬用にされる。
◎成分:
(果皮)ガロタンニン酸(30%)黄色苦味成分
(根皮)アルカロイド(0.9%):
ペレティリン(駆虫作用)
メリツイソペレティリン (駆虫作用)
タンニン(20%)
(葉)ウルソリン酸
 ブトゥリン酸
トリテルペン
(果実)配糖体(10~20%)
グルコース(5~10%)
クエン酸(0.5~3.5%)
ホウ酸
ビタミンC

◎作用:

・強心作用
・催淫作用(果皮)
・駆風作用

◎適応(ザクロ)
・下痢
・終結
・腸内寄生虫(根が条虫に)
・スプルー症候群
・慢性大腸炎
・安産に(出産予定の2ヵ月前からザクロ少量と岩塩を食べる)




タナゴ
■ミヤコタナゴ
「ミヤコタナゴの稚魚は発見当初、ナメクジの仲間に間違えられていた。淡水の二枚貝の中で孵化し、約1ヶ月間をその中でジット過ごす。ヒレもウロコもなく、体長は5mmほど。こんな稚魚は二枚貝がいないところでは他の魚などに食べられてしまう。
実際、都市化が進み二枚貝がいる河や池は急速に失われた。稚魚が育たず、ミヤコタナゴは急減。生態が似ている外来種のタイリクバラタナゴにも脅かされ、千葉県の限られた水系で細々と生き延びている。
保護増殖はカワシシンジュガイやドブガイなどの二枚貝を増やせるかどうかがカギ。だが、これらの貝も幼生期はイワナなどに寄生して過ごす。タナゴを増やすには魚を増やさなければならない。仮名我が県水産総合研究所・内水面試験場の勝呂尚之主任研究員は「タナゴを増やすことは生態系を復元すること」と話す。
銅試験場は同県内の2つの池でミヤコタナゴの繁殖に成功した。約300~500匹が定着している。」200611/12《日経》



ダニ
=蛛形綱ダニ目の節足動物。
日本だけでも1000種以上いる。
人に害を与えるのは:
  イエダニ類
  マダニ類
  ツツガムシ類
◎有毒成分・病原体:
  唾液中の発痒物質
  ライム病(リケッチア)
  ツツガムシ病(リケッチア)


タニシ(田螺)
◎炎症を抑えて利尿する。
  

【効能・効果】(タニシ)
○悪性の腫れ物:
 身をすりつぶし、そのままorそば粉と練って患部に塗布する。
○胃腸病:  タニシの黒焼き末を飲む。

○黄疸:
  タニシの茹で汁に塩少々入れて飲む(著効)。

○脚気:タニシの黒焼き末を飲む。

○肝熱・目赤・腫痛を治す。
「大田螺を水に入れ、黄連末1銭・麝香少々入れて、土の上に一夜置いて鶏の毛で螺中の汁を刷き、目を洗う。」

○脚気に:「煮て食べる。」

○気管支炎:
タニシを細かく刻み、布に包んで汁を絞り、ブドウ酒を加え、盃1杯、 朝夕に飲む。

○下疳:殻付きタニシを黒焼きし塗布する。
○痔:
*身をすりつぶし、そのままorそば粉と練って患部に塗布する。
*身・殻を黒焼きしゴマ油で練って塗布する。

○湿疹:
*身・殻を黒焼きしゴマ油で練って塗布する。

○消渇で小便回数の多い症を治す:
*タニシの身をすりつぶし、ヘソに塗布する(著効)。

○視力減退:タニシの身を煮食する。

○心臓病:タニシの黒焼き末を飲む。

○腎炎:
*身をすりつぶし、そのままorそば粉と練って足土踏まずに塗布する。

○腎臓病:
*身をすりつぶし、そのままorそば粉と練ってヘソ下に塗布する。

○卒心痛。
*「田螺爛殻を焼末し、熱い酒で1銭半調下する。」

○蓄膿症:タニシの黒焼き末を飲む。

○脱肛:
*身・殻を黒焼きしゴマ油で練って塗布する。

○疔癰:
*身をすりつぶし、そのままorそば粉と練って患部に塗布する。

○尿利減少:
*「タニシの身・ネギの白根」すりつぶし、ヘソに貼る(著効)。
*「タニシの身・反鼻霜末」すりつぶし、ヘソに貼る(著効)。

○熱を下げ、酔いを醒ます。又酒を飲んで口舌が乾き瘡の出来た時。
*「螺肉に葱・・椒・姜・醋を入れて汁をつくって食べる。」

○乳房炎:
*身をすりつぶし、そのままorそば粉と練って患部に塗布する。

○肺炎:
*タニシを細かく刻み、布に包んで汁を絞り、ブドウ酒を加え、盃1杯、朝夕に飲む。

○腹水:
*身をすりつぶし、そのままorそば粉と練ってヘソ下に塗布する。

○腹中の結熱を除去する。

○腹膜炎:
*身をすりつぶし、そのままorそば粉と練って下腹部右側に塗布する。

○浮腫:
*タニシの身をすりつぶし、ヘソに塗布する(著効)。
*「タニシの身・ネギの白根」すりつぶし、ヘソに貼る(著効)。

*「タニシの身・反鼻霜末」すりつぶし、ヘソに貼る(著効)。

○便秘:
*身をすりつぶし、そのままorそば粉と練ってヘソ下に塗布する。

○膀胱炎:
*身をすりつぶし、そのままorそば粉と練ってヘソ下に塗布する。

○反胃に良い。
*「水に入れて砂を吐かせて水を切り、灰の上に皮紙をかぶせて螺が吐いた砂を、紙にふりかけて乾いたら梧子大の丸剤。毎回30丸を香湯で呑み下す。一名螺泥丸という。」

○慢性淋病:タニシの黒焼き末を飲む。

○盲腸:
*身をすりつぶし、そのままorそば粉と練って患部に塗布する。

○夜尿症:
*身をすりつぶし、そのままorそば粉と練ってヘソの上に塗布する。

○夜盲症:タニシの身を煮食する。

○瘰癧(るいれき):
*身・殻を黒焼きしゴマ油で練って塗布する。

○肋膜炎:
*身をすりつぶし、そのままorそば粉と練って胸部に塗布する。

○わきが:
*殻を微細粉末にして塗布する。

 

■タニシをたべる蛇:「エダセダカヘビ」

セダカヘビの主食は巻き貝。エダセダカヘビはタニシを好む。タニシの殻を歯で切り落とし、中身だけをたべる。



タヌキ(狸)
【効能・効果】
○鬼瘧を主治する。(狸糞)
○すべての尸疰と邪気を主治する。

 


タネツケバナ(アブラナ科)
別名・タガラシ・ミズガラシ・カラミゼリ・タゼリ。

小川の縁・水田の中・あぜ道などの

 


タバコ Nicotiana tabacum
=植物としての煙草はアメリカ大陸原産のナス科の植物で、世界に66種あるものの、喫煙用に栽培されているのは、おもの、[タバコ]と[マルバタバコ]の2種類である。
【学名】Nicotiana tabacum
【英名】Tabacco
【和名】煙草
【成分】
★アルカロイド:
★「ニコチン」:
「致死量は経口で体重1kg当たり50~60mg。体内へは、粘膜からも、呼吸器からも、皮膚からも吸収されていく。効果も強烈で、タバコ数本と水を入れたコップにゴキブリを投げ込んだら、身動きするまもなく死んでしまう。だから、いまはサリンと同じ有機リン系の殺虫剤にかわって、ニコチンの殺虫剤が増えている。」
①催奇形性がある。
②犬や猫の舌の上におくと、シアン化水素のときのように、ほとんど即死してしまう。
③吸入以外にも、皮膚を通じても毒性を発揮する。
④生体内に相当長く残留する。
★「ニコテイン」
★「アナバシン」

【作用】(タバコ)

*神経障害
*嘔吐
*呼吸マヒ
*不整脈

◎催奇形性のある成分:
<1>インドスピシン:Indigofera spicataに含有。
<2>ヒポグリシンA:アキー
<3>ミモシン:キンゴウカン、オジギソウに含有。
<4>シチジン:ルーピンに含有。
<5>コニイン:ドクニンジンに含有。
<6>シクロパミン:バイケイソウに含有。
<7>ニコチン:
   

◎タバコを吸わない妊産婦らが周りの人が吸うタバコで影響を受ける受動喫煙の調査に厚生省が開始した。1997.9.21《日本経済新聞》
◎タバコの煙が肺の中に入り、血液中の赤血球にとりつくと、酸化炭素を吸着して、その赤血球はいくら酸素を取り入れても酸素が吸収できず、破壊される。特にスポーツをしながらタバコを吸うと、多量の赤血球が酸化炭素を吸着して、肺の中へ戻ってきても酸素を吸収することなしに、心臓から排出されて、無酸素の赤血球が体内を循環することになり、各種の臓器は酸化状態が続き、老化を早める(正木和三)
   

■間接喫煙者から発ガン物質発見
「ベイミネソタ大学の「ガンセンター」は9日、これまで喫煙者にしか見られなかった発ガン物質を間接喫煙者の体内で発見したとの研究成果を発表した。これにより、間接喫煙でも同じく[肺ガン]にかかる危険があることが証明された格好となり、米社会で進行中の『たばこ賠償の論争』にも影響を与えそうだ。
同大学のヘクト教授は発表の中で、“初めて間接喫煙を強いられている非喫煙者の尿から、喫煙を原因とする肺ガンの発ガン物質の派生物を発見した”と指摘。この発ガン物質はタバコの煙の中にのみ見られ、ニコチンを成分としていると言う。
同教授によると、[NNK]と呼ばれる、この発ガン物質は腺状組織の悪性腫瘍を引き起こす要因の1つで“こうした腫瘍が間接喫煙を強いられている非喫煙者に最もよく見られる肺ガンの一種だ”と警告している。19979.11《日本経済新聞》
   

■発ガン性
「「ラーク」ブランドで知られる米タバコメーカー、リゲトが、喫煙で生じた州政府の医療費負担の支払いを巡る損害賠償訴訟で原告の全米22州政府と和解したことで、特に、今回はリゲットが「喫煙は肺癌など疾病の原因になる」ことを初めて認めた為、他のタバコメーカーの訴訟にも影響が出るのは必至と見られる。
和解内容
<1>たばこ(ニコチン)には中毒性がある
<2>喫煙は肺ガン・心臓病・肺気腫の原因になる。
<3>14歳~18歳の未成年者を対象に販促運動を展開してきた。
<4>メーカー幹部のこれまでの証言は偽りだった。
1997.3.24《日経産業新聞》
   

■脳卒中
「喫煙が肺ガンや心筋梗塞、狭心症につながりやすいことは指摘されているが、脳卒中との関係は明確ではなかった。
厚生省が1980年に実施した循環器疾患基礎調査に応じた人のうち、当時30歳~64歳だった全国の男性約3500人を対象に、喫煙習慣別に死亡率を比較した。滋賀医大・上島弘嗣教授の調査。1997.4.11《朝日新聞》
<1>1日20本以下の人⇔全く喫煙しない人
 イ)脳卒中の死亡率:3.4倍
 ロ)心臓病の死亡率:4.2倍
<2>1日21本以上⇔全く喫煙しない人
イ)脳卒中の死亡率:4.2倍
ロ)心臓病の死亡率:7.4倍
   

■米カリフォルニア州の新禁煙法
「500ドル前後の罰金の存在や禁煙家団体の摘発運動の実態を知ってほしい」
全米喫煙家同盟のM・ハンブリック上級副会長は22日、日系報道機関を対象に記者会見し、米カリフォルニア州でスタートしたばかりの新禁煙紅の厳しさを指摘し、同州を訪問する予定の日本人旅行者に注意を呼びかけた。
カリフォルニア州では従来のオフィスやレストランに加えて、今年からバー、カジノ、プライベートクラブなどでの喫煙も締め出す新禁煙法が施行された。対象範囲が広いうえ、違反すれば初犯でも罰金と米国でも例がないほど厳格な禁煙法。1998.1.23《日本経済新聞》
   

■百害あって一利なし
「喫煙者にとって、肩身の狭い時代になってきた。新幹線の喫煙席は少なくなり。ある航空会社の国内線は全席禁煙になった。さらに4月からはタバコのCMがテレビから消えるという。
我が国における死亡原因の一位はガンであるが、なかでも肺ガンによる死亡率は年々増加の傾向を示し、一位の胃ガンに並びつつある。1日20本のタバコを吸う人の肺ガン発生率は吸わない人の約5倍。40本では約15倍にもなる。また喫煙年数とも関係があり、1日の喫煙本数×喫煙年数=400を超えると、肺ガン発生率が高まる。
喫煙は心肺機能にも悪影響を及ぼす。もともと肺は、吸気の通り道である気管が20数回枝分かれを繰り返してどんどん細くなり、其の先に約3億個の肺胞をつけている。気管には産毛のような細かい「繊毛」が生えており、空気と一緒に誤って吸い込んだ塵(チリ)や異物を、痰(タン)として排除する。しかし、喫煙により繊毛の働きが衰えると、異物を除去しにくくなる。喫煙者の痰がなかなか切れないのはそのためである。
一方、肺胞では細かい血管が網の目のように分布しており、ガス交換を行っている。つまり肺胞内の酸素が血液中の赤血球に結合するするが、喫煙によって生じる一酸化炭素が酸素よりも赤血球に結合しやすい。それで一酸化炭素に妨害されて、赤血球の酸素運搬機能が低下する。
その対策として喫煙者では赤血球の数が増加して、其の機能を補っているが、そのため血液の粘り気が高くなり、その分心臓の負担が増加する。さらに喫煙の都度、動脈が収縮し、高血圧や動脈硬化をもたらすことも良く知られている。
 現在の米国では、喫煙者の保険料が高くなり、ほとんど毒物扱いされつつある。適量のアルコールは百薬の長と言われるが、タバコは「百害あって一利なし」と言える。1998.1.26《日本経済新聞》

■低タール
「米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームは「低タールのタバコであっても肺ガンの危険性はあまり回避できない」とする調査結果をまとめた。含有するタールの量を以下の3段階に分けて、それぞれ比較したが顕著な差はなかった。
タール    7mg以下
タール 8~14mg以下
タール15~20mg
★食習慣や職業・病歴による違いも無かった。
★肺ガン発症は、禁煙した人や、喫煙の経験のない人よりハッキリ高かった。研究チームは出来るだけ早くたばこを止めることがリスク回避に必要という。2004.1.14《日経産業新聞》

■自殺
「男性の場合、1日あたりの本数が多いほど自殺リスクが高かった。40本吸う男性グループの殺リスクは20本未満の1.7倍だった。
女性ではデーター数が少なく比較できなかった。
ミシガン州立大学が行った、20代約1000人の10年間の追跡調査結果が最近報告された。喫煙者は自殺願望や自殺を試みるリスクが2倍ほど高いという。」

■けむり
「米ワシントン大学の研究グループはタバコの煙を吸い続けると、[骨折]や[靱帯損傷]の回復に遅れがでるとの研究結果を、マウス実験で確認した。
35匹のマウスを2グループに分けて、一方を週6日の頻度でタバコの副流煙にさらし、もう一方を全くさらさないようにした。
1ヵ月後、わざと骨折させて回復の様子を観察すると、副流煙にさらされたマウスは軟骨細胞の発達に影響がでて回復が遅れた。
靱帯損傷の回復との関係も40匹のマウスで実験。やはり副流煙にさらされ続けたグループは細胞密度の増加に遅れが出た。」



タピオカ
和傘の糊に使われる


タビラコ(キク科)
別名・ホトケノザ・コオニタビラコ・オハコベ・タンポコナ。
水のない田圃の中や、あぜ道などに生える越年草。
【食べられる】

 


タマゴ
   (参照→鶏卵)
■ヨード卵に糖尿病予防効果
「日本農産工業はヨードを強化した鶏卵「ヨード卵・光」に、食後の血糖値上昇を抑制して糖尿病を予防する効果があるという実験結果を明らかにした。聖マリアンナ医科大との共同研究で、2004年9/17静岡県で開かれた日本臨床薬理学会で発表。
実験では、糖尿病リスクが高い34人の約半数に1日1個のヨード卵・光を、残る半数に一般の鶏卵を与えた。3ヶ月後に、ブドウ糖を摂取してもらい調べたところ、血糖値を下げる酵素であるインスリン分泌指数がヨード卵を食べたグループでは平均0.58と2倍以上になり、血糖値の上昇も有意に抑えられた。一般の卵では大きな変化はなかった。
ヨード卵・光は鶏に海草を含むエサなどを与え、ヨードの含有量を一般の卵の約20倍に高めた特殊卵で、コレステロール低下などの作用もあるとされる。ヨードだけでなく、卵に含まれる別の成分との組み合わせで血糖値の抑制効果が現れると同社では見ている」

■タマゴの色
殻は白が主流だが、赤玉に加えて、ピンク、青もある。殻の色の決め手は産む鶏の品種。青い殻の卵を産むアロカーナという品種は珍重されている。
卵黄も黄色が定番ではない。「エサの色で違ってくる」(日本養鶏協会)のだ。トウモロコシが主体だと、黄色になるが、エサにパプリカを混ぜると濃いオレンジ色になる。2004年キューピーが卵黄が白い卵を開発したが、エサの主体はコメ。

○おいしい卵焼き
「新鮮な鶏卵を割ると、流れるように広がる水様卵白の中に、ドロッとしたゲル状の濃厚卵白、そして、それに包まれた卵黄を観察できます。
卵を加熱したとき、濃厚卵白の割合が多いと、シッカリとした熱凝固が起こります。一般に、腰のある食感の良い卵焼きなどと表現されます。ところが、卵を激しく攪拌すると濃厚卵白の三次元的な網目構造が簡単に壊されてしまい、水様卵白に変化します。その結果、加熱したときの凝固力が落ちてしまいます。
家庭で卵焼きを作る場合、菜箸を使って卵を割りほぐし、卵黄と卵白が均一になるようにかき混ぜます。しかし、新鮮な卵を使用すると、なかなか均一な卵液にはなりにくく、激しくかき混ぜた結果、泡立ってしまうことがよくあります。これは、卵白のタンパク質の半分以上を占める[オボアルブミン]というタンパク質の性質によるものです。
オボアルブミンは空気と接触すると、変性し、空気を核としてその周りに凝集しやすい性質を持ちます。つまり、泡立て器を使用して卵白を攪拌すると、卵白は空気抱き込み、変性を起こしてしまいます。変性したタンパク質は熱凝集性が悪くなり、シッカリ固まらなくなるのです。
では、美味しいコシのある卵焼きは、どうすれば?
①まず、濃厚卵白の多い新しい卵を使う。
②そして、卵の割りほぐし方にもポイントがあります。菜箸をボウルの底につけ、、濃厚卵白を切るように混ぜるか?、菜箸を上下に動かしながら、つまむ(ちぎる)ようにして濃厚卵白をほぐす、などで泡立てしないこと。」
③火加減・・・よく油のなじんだ鍋に、卵液のついた菜箸を押し当てたとき、
ジュッと音がして直ちに卵液が凝固し、煙が出ない温度が適温です。つまり、卵液を流し入れたとき、卵液から一気に出てきた水蒸気が逃げないように、三次元的な網目構造を保った状態で加熱凝固させると、フワッとした弾力性のある卵焼きができるのです。
④鍋の温度が低いと、水分が蒸気にならない状態で卵液が凝固するので、フィルム状で食感の悪い卵焼きになります。
口当たりや味を良くするために・・・だし汁、みりん、砂糖を加える。いずれも、軟らかく仕上げる効果がある。
デンプンを加えると・・・焼きやすくなるが、硬くなってしまいます。


タマゴテングタケ 

AMANITA PHALLOIDES
◎シメジなどと誤って食べ、中毒事故を起こすことが多く、しかも猛毒性のために一家全滅などの悲惨な死亡事故につながる場合が少なくない。
◎中毒症状:激しい吐、下痢、腹痛を生じ、粘液便、血便を下すコレラ様の症状を呈する。
   

◎有毒成分:7~8個のアミノ酸よりなる環状ペプチド。
<1>[アマニチン]:
①経口投与でも、取り出された肝組織でも強い毒性を発揮するが、遅効性で毒性発現には通常15時間ぐらい必要。
②毒性はファロイジンの10~20倍強い。
③肝細胞の特に小胞体を激しく破壊し、また、核小体の崩壊、染色体の濃縮などを生じ、DNAポリメラーゼ活性を阻害する。
④RNA、タンパク質の生合成を阻害する。
<2>[ファロイジン]:
①毒性が速効性で、注射後1~2時間で致死毒性が発揮され、
②肝臓組織が著しい損傷を受ける。
③しかし、経口的には効力は発揮されない。

◎ウィーランド検出法
「テングタケ科の猛毒成分は、環状ペプチドであって腹痛・嘔吐・下痢を伴ういわゆるコレラ様の症状を呈する。タマゴテングタケの研究は。H・ウィーランドによって開始され、その1子、T・Oウィーランドと、また娘婿のF・リネンという一族によって解明され、いずれもノーベル賞を授与されている。その毒はアマニチン、ファロトキシン、アマトキシンの名で知られている。これら毒の検出法としては、新聞紙の余白にキノコの1片を置いて砕く。紙に汁をしみこませ、これに1~2滴の強酸を垂らす。乾燥させると、青色になれば毒があるという。これをウィーランド検出法と称している。





タマネギ (玉葱) Onion
(参照→「血」「狭心症」)
ユリ科ネギ属
辛みの少ないタマネギは硫黄分が少ない
種類・・黄タマネギ(一般的)
   白タマネギ
   赤タマネギ
【ラテン名】Alium cepa
=春と秋が旬の野菜。アフガニスタン~ペルシャ(イラン)が原産。ユリ科の越年生草本。ヨーロッパでは4000年以上前から栽培。
[ニラ][ニンニク][ネギ]と同じくアリウム属の野菜で、駆虫作用、殺菌作用、防腐作用、発汗作用、利尿作用、解毒作用がある。その中心は、イオウを含んだ硫化アリルが働いている。

・「古代エジプトのピラミッドの建設に従事した者にタマネギとニンニクを食べさせて、仕事の効率を上げた」(ギリシャの歴史家ヘロドトス)
◎グルタチオンが多い。
◎オニオンエキス:
硫化プロピル
ケルセチン

【成分】
チオスルフィネート・・・・
玉葱を切ったときに涙が出る成分
血栓予防
抗ヒスタミン作用
善玉コレステロールを増やし、悪玉コレステロールを減らす
ビタミンB1、B2、C
グルコキニン・・・・強力な血糖降下作用がある。また鎮静作用があるので、枕元に細かく切ったタマネギを置くとよく眠れる
硫化アリル(香気成分)・・・
殺菌作用。
コレステロールを抑える抗血栓作用
アレルギー抑制作用
体力UP
欧米の競輪選手などの体力消耗が激しいスポーツマンはタマネギを常食する。その理由は、硫化アリルがビタミンB1の吸収と利用効率を挙げ、体力気力を高めるため。
ケルセチン(薄皮に含まれるフラボノイド)
抗酸化作用と抗動脈硬化作用があり、高血圧やガンを防ぐ。

【効能】(タマネギ)
★強壮強精
★高血圧の予防改善
★血栓症の予防改善
★血糖値を下げる

■切っても涙が出ないタマネギ
「茶の成分を使った肥料を成長過程で使うことで、タマネギの催涙性が弱まる。天野嘉英さんが開発」
  (簡単にできる)
鼻にティッシュを入れる
マスク
扇風機で風を→手前から奥の方へ→流す

◎糖尿病例におけるOnion Concentrated Dried Tablet(OCDT)の食後高血糖への影響(斉藤喜美、臨床医薬、17(7),1089-1095(2001))
1.糖尿病歴5年以上で薬物療法中の患者11名(男4名、女12名)
2.糖尿病歴・薬物歴に関係なく(無作為に)22名を選ぶ。
被験者にはオニオン搾汁濃縮乾燥錠(OCDT)を1日20粒ずつ空腹時に連日服用。空腹時及び食後2時間後に採血し、血糖値・HbA1c・インスリン値を測定。
その結果、血糖値及びHbA1c値は有意に低下、一方、インスリン値には変動が認められなかった。
オニオンには血糖値・HbA1c値を低下させる作用があり、その作用機序はインスリンの分泌促進ではなく、インスリン感受性の増大ないしは抵抗性改善にあり、そのために細胞への糖の取り込みが促進された。
■タナネギ成分の錠剤
「北海道バイオインダストリー(札幌市)は、道産タマネギを使った錠剤を北海道TLO、東海大学などを共同開発した。主成分は加熱などでタマネギから生じる『トリスルフィド』と呼ばれる物質。血管などの老化につながる「活性酸素」を抑制できる。通常調理した場合に比べ2~3倍の濃度が得られるという。
通常は捨てられるタマネギの皮に含まれ、やはり生活習慣病の予防効果があるとされる「ケルセチン」も利用する。2002.4.5《日経産業新聞》
■量産
「バイオベンチャーの北海道バイオインダストリー(札幌市)は抗酸化作用があるとされるタネギ成分を量産する技術を開発した。加熱温度や時間を調整して生成する手法で、特許を取得した。
量産するのは、タマネギの辛み成分から酵素反応で生成される物質『トリスルフィド』。血液をサラサラにしたり、発ガンを予防する効果があるとされる。
技術顧問の西村弘行・北海道東海大学教授の研究を元に製法を開発。トリスルフィドは炒めるなど通常の調理ではほとんど生成されないが、100℃で約1時間加熱すると、タマネギ100gから1.5mg前後を取り出すことが出来る。」2005.11.14《産業》

■発酵タマネギ
「日新蜂蜜(岐阜県安八町・田中社長)はメタボリック(内臓脂肪)症候群の予防に効果のある発酵タマネギの粉末を開発した。
タマネギを自己発酵させ、血液中の中性脂肪などの低減作用がある成分の含有量を生タマネギに比べて20~30倍に高めた。2008年3月から発売。
タマネギには『シクロアリイン』とい含硫化合物が微量含まれている。同社はタマネギを60℃と湿度90%で1ヶ月発酵・熟成させた。
シクロアリインは血栓溶解作用を持ち、動脈硬化や高脂血症にも効果が有ると云われている。1kg\15000」

■記憶障害
「北海道バイオインダストリーは、北海道特産のタマネギの抽出成分から記憶障害を改善させる成分を発見し、「記憶障害改善作用を有する組成物」として特許を取得した。
タマネギの辛み成分である硫黄化合物『トリスルフィド』を抽出し、動物事件で老化マウスに与えたところ、学習効果や記憶に顕著な改善効果が認められたという。
同社はタマネギを細かく刻んで加熱しながら酵素反応を制御し、アミノ酸の一種を変容させてトリスルフィドを大量に作り出す技術を持つ。同成分からはこれまでも、がんの抑制や抗老化作用を確認している。2008/7/1

タマネギ色素
(タマネギのりん茎から得られた、クエルセチンを主成分とするものをいう。) フラボノイド
フラボノイド色素
野菜色素 ユリ科タマネギ(Allium cepa LINNE)のりん茎より、温時~熱時水若しくは含水エタノールで抽出して得られたもの、又は温時~熱時弱アルカリ性水溶液で抽出し、中和して得られたものである。主色素はクエルセチンである。黄色を呈する。 着色料 Onion colour

【ハーブ】
■アレルギー
「含有するケルセチン(quercetin)のような化合物が炎症反応を遅滞させる。」




タマリンド
=ガルシニア
現地名:(Assam jawa)
学名:(Tamarindus indica)
別名:プリンドルベリー
○アフリカ熱帯のサバンナ地域が原産とされ、南アジアやアフリカで栽培。
高さ25cmの常緑性の高木で、葉は長さ1.5cmの淡緑色。一つの枝に羽状に10~15対ほど茂る。花は赤黄色で縞がある。さや状の豆果は長さ8~20cmで、ソラマメに似ているが成熟しても裂開しない。中には暗赤紫色の果肉が有り、 乾燥アンズに似た酸味と甘味がある。
   

◎用途
果肉:清涼飲料、シャーベット、ジャム、調味料、酒、薬用。
花・葉・さや:食用。
その他:街路樹、公園樹。1996.11.8《日本経済新聞》

タマリンド色素
(タマリンドの種子から得られた、フラボノイドを主成分とするものをいう。)   フラボノイド
フラボノイド色素 マメ科タマリンド(Tamarindus indica LINNE)の種子を焙焼したものより、温時弱アルカリ性水溶液で抽出し、中和して得られたものである。主色素はフラボノイドである。赤褐色を呈する。 着色料 Tamarind colour

タマリンドシードガム
(タマリンドの種子から得られた、多糖類を主成分とするものをいう。) タマリンドガム
タマリンド種子多糖類 タマリンド マメ科タマリンド(Tamarindus indica LINNE)の種子の胚乳部分より、温時~熱時水若しくはアルカリ性水溶液で抽出して得られたもの又はこれを酵素(β-ガラクトシダーゼ、ラクターゼ)処理したものである。主成分は多糖類である。 増粘安定剤 Tamarind seed gum

■環境ホルモン
「大妻女子大学の研究グループは、食品の増粘剤の一種が生殖機能に悪影響を及ぼすとされる内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)を体内に蓄積しにくくする効果を持つことを確認した。増粘剤と環境ホルモンがくっつき、腸からの吸収を妨げるほか、脂肪組織の代謝を活発にして環境ホルモンの排出を促すという。
同大家政学部の池上幸江教授らは、ソースなどの食品の増粘剤として使う『タマリンドガム』と呼ぶ多糖類の食物繊維に注目した。環境ホルモンと疑われているダイオキシンのモデル物質として「HCB」と呼ぶ有機塩素系の物質をラットに食べさせて実験した。
タマリンドガムとモデル物質を混ぜた餌は、食物繊維セルロースとモデル物質を混ぜた餌に比べてラットの脂肪の蓄積が少なく、体内にたまるモデル物質も少なかった。
食物繊維には今回のモデル物質などの吸収を妨げる効果が指摘されていたが、研究グループは脂肪の代謝を活性化させ、モデル物質の排出・分解を助ける働きもあると見ている。」2003.6.3《日経産業新聞》

タマリンドタンニン    
マメ科タマリンド(Tamarindus indica LINNE)の種子の種皮より、エタノールで抽出して得られたものである。主成分はタンニン及びタンニン酸である。   Tamarind tannin




ダミアナ
【学名】Turnera diffusa var. aphrodisiaca
【英名】Damiana
【使用部位】乾燥した地上部。
【成分】精油(1%以下)
        α-ピネン
        β-ピネン
        シネオール
        チモール
        シメン
        α-コパエン
        β-カジネン
        カラメネン
        β-シトステロール
      青酸配糖体
      苦味非結晶物質(ダミアニン)
      樹脂
      ゴム質
  

【効能・効果】(ダミアナ)
★衰弱
★抑鬱状態
★無気力
★刺激性の強壮薬:aphrodisiacaは媚薬の意味。
  

【注意】
過剰服用は、不眠症・頭痛を引き起こす。


ターメリック
=ウコン
⇒天然の抗生物質で、同時に消化を促し、腸内細菌叢を改善します。
慢性の虚弱体質や病弱な人に強い抗菌作用があります。
血液を浄化するだけでなく、血液を温め、新しい血液組織の生成を促す。
タンパク質の消化を助ける。
  

【学名】Curcuma longa
【英名】Turmeric
【サンスクリット名】Haridra
【中国名】Jiang huang ショウガ科薑黄
【和名】(ウコン)(キゾメグサ)
【分類】ショウガ科、多年草
【原産地】熱帯アジア
【使用部位】根。
【成分】精油(5~7%):
ジンジベレン
ターメロン
シネオール
カンファー
      テルペン
      クルクミン
      クルクメン
      デスメトキシクルクミン
      デンプン(24%)
      アルブミン(30%)
      色素(クルクミン)
      カリウム
      ビタミンC

【作用】(ターメリック)
*胆汁分泌促進作用
*抗炎症作用
*健胃作用
*胆嚢刺激作用
*興奮・刺激作用
*駆風作用
*血液浄化作用
* 創傷治癒促進作用
*抗菌作用
  

【効能・効果】(ターメリック)
★あざ
★咽頭炎
★肩こり
★関節炎
★傷
★循環機能低下
★消化不良 
★生理痛
★せき
★疝痛
★糖尿病
★皮膚疾患:煎汁を牛乳に入れて飲む(ア・ヴェーダ)
★貧血
★無月経

【注意】(ターメリック)
◎以下の者には使用を控える。
・急性黄疸

・ヘルペス

・妊娠中

・肝硬変

・胆嚢炎

・消化性潰瘍

【毒性】(ターメリック)
*長期わたって大量に摂取すると
①過酸症
②肝臓刺激作用
③脂肪肝を引き起こす。
④受胎を妨げる
  

【ハーブ】
○関節炎:ターメリック中のクルクミン(curcumin)はショウガ中に見いだされるいくつかの化合物と化学的に近縁である。





タモギタケ
■血圧降下作用
「健康食品開発会社のスリーピー(北海道南幌町)は北海道大学大学院農学研究科の寺沢実教授と共同で、キノコの一種であるタモギタケに血圧を下げる効果がある物質が含まれれていることを確認。
血圧は体内にある酵素によって血管が収縮し、上昇する。同ぢゃと寺沢教授は、タモギタケに含まれる物質がこの酵素の働きを阻害し、血圧上昇を抑えることを確認した。
年内にもタモギタケの糸状細胞である菌糸体をタンク培養する。」2003.7.24《日経産業新聞》



タユヤ
タユヤは、ブラジル全域とアマゾン熱帯雨林の多くの地域で見ることのできる木本性の蔓植物です(1)。この重要なアマゾン薬用植物はひょうたんの仲間で植物学的にはウリ科に分類されています(2)。ウリ科には多くの植物が分類されていますが、その共通点は長く、塊状の根にあります。タユヤは、『Cayaponia tayuya』『Trianosperma tayuya』『Bryyonia tayuya』『Cayaponia ficcifolia』を含む幾つかの植物学名 で知られていますが、これらすべてはタユヤを指し示すものです。

南米原住民によるタユヤの利用
タユヤは、先史時代より南米先住民の人々により利用されて 来ていて、その利用価値については異論がありません(2)。伝統的に強壮剤や血液浄化剤として用いられ、その苦みの強い 風味を和らげるために少量のハチミツやステビアと組み合わせて飲用されるのが常となっています(2)。アマゾン熱帯雨林ではタユヤの根が毒蛇に噛まれた時の治療やリューマチに用いられてきた歴史があります(3)。また、コロンビアの先住民は、目の痛みや炎症、ペルーのインディヘナの種族では皮膚病に用いています(1)(4)。

ブラジルのハーブ医療でのタユヤの利用法
ブラジルのハーブ医療ではタユヤが伝統的且つ多様な用途に用いられています。
植物学者 J. Monteiro da Silvaは自身の著書の中で、タユヤはあらゆる種類の痛み止め、苦痛緩和、抗梅毒作用因としての利用が推奨されているいことや、タユヤの持つ代謝機能調整機能について書いています(5)。
今日でも、鎮痛、抗炎症、強壮、浄血、解毒、下痢としての利尿効果、癲癇、代謝機能調整、腰痛、坐骨神経痛、頭痛、痛風、神経痛、便秘、貧血、コレラ、消化不良、胃痛、 疲労回復、皮膚病、関節炎、リューマチ、梅毒、間接の腫瘍、一般的な鎮痛などの用途でタユヤが用いられています(2)(6)(7)。

米国におけるタユヤの利用法
タユヤの鎮痛効果は、北南米において高い評価が与えられています。米国では多くの自然療法士が、過敏性腸症候群、消化不良、神経痛、痛風、頭痛、 リューマチ、代謝機能の調整にタユヤを用いています(8)。
また、血液浄化や解毒作用に関する有効性を示す研究リポートが公表されていることから、水の溜まり、顔のしみ、湿疹、ヘルペス、重傷のアクネ、皮膚病の治療に用いられることもあります(8)。
更にスポーツトレーニングや疲労回復、蓄積した尿酸を取り除くためのサポート、むくみの除去、感情的な疲労や落込みの 緩和などでも利用されています(9)(10)。

治療学的には1日3~4gの服用が良いとされています。
タユヤに関する科学的アプローチ
タユヤの持つ鎮痛効果や抗炎症特性については、南米先住民が長年利用してきた民間医療での用途の多くを支持する形で、科学的にその有効性を確認している研究リポートが1991年に発表されています(3)。また、クベルビタシンやグルコシド、抗酸化や抗炎症特性、鎮痛効果を持つ植物化学物質がタユヤより分離されています(11-13)。更に、サポニン、 ステロール、フェノール類は、ウリ科の他の植物に含まれていることが知られています(4)。

『Superoxide scavenging properties of flavonoids in a non-enzymic properties』(酵素の働きによらずに超酸化物を取り除くフラボノイド類の特性)と題された研究リポートによると、タユヤに含まれている植物化学物質は、抗酸化効果を発揮しつつ遊離基を取り除く強力な特性を持っていると述べられています(14)。

近年発表されたT. Tonoshimaによる研究では、タユヤに含まれる植物化学成分が ウスの皮膚においてエプスタインバーウィルス(癌に関係すると言われている)の活動を著しく抑制したり、抗腫瘍作用があることが提示されています(15)。
出典
Balee, William., 1994 Footprints of the Forest Ka'apor Ethnobotany - the Historical Ecology of Plant Utilization by an Amazonian People Columbia University Press, New York.
Bernardes, Antonio , 1984. A Pocketbook of Brazilian Herbs. Editora e Arta Ltda, 1984.
Ruppelt, B.M. et al , 1991. " Pharmacological screening of plants recommended by folk medicine as anti-snake venom--I Analgesic and anti-inflammatory activities," Mem Inst
Oswaldo Cruz, 86 Suppl 2:, 203-5.
Schultes, R.E., and Raffauf, 1990. The Healing Forest. Medicinal and Toxic Plants of the Northwest Amazonia, R.F. Dioscorides Press, 1990.
Balbach , A. As Plantas Curam, A., p. 329.
Cruz, G.L. 1995. Dicionario Das Plantas Uteis Do Brasil, 5th ed., Rio de Janeiro, Brazil, Bertrand 1995.
Coimbra, Raul, 1994. Manual de Fitoterapia 2nd Ed., Editora Cejup., Belem, Brazil.
Schwontkowski, Dr. Donna, 1993. HERBS OF THE AMAZON, Traditional and Common Uses,Science Student BrainTrust Publishing, Utah.
Dr. Donna Schwontkowski., 1994, 1995. "Herbal Treasures from the Amazon", A series of three articles published in Healthy & Natural Journal 1994, 1995.
Powerful and Unusual Herbs from the Amazon and China, 1993. The World Preservation Society, Inc.
Bauer, R, and H. Wagner, 1983. Dtsch. Apoth. Ztg.,, 123 (1983) 1313
Bauer, R, et.al., 1984., Cucurbitacins and flavone C-glycosides from Cayaponia tayuya., Phytochemisty 1984 p. 1587-91
Himeno E, et al. Structures of cayaponosides A, B, C and D, glucosides of new nor-cucurbitacins in the roots of Cayaponia tayuya. Chem Pharm Bull (Tokyo), 1992 Oct
Huguet, A.I. et al 1990." Superoxide scavenging properties of flavonoids in a non-enzymic system,", Z Naturforsch [C], Jan-Feb.
Konoshima, T. et al, 1995. Inhibitory effects of cucurbitane triterpenoids on Epstein-Barr virus activation and two-stage cacinogenesis of skin tumor, Biol Pharm Bull, Feb



タラ(鱈)
=鱈の白子を北海道では「タチ」と呼ぶ。
[助だち]=スケトウダラの白子
[マダチ]=マダラの白子
山形では「キクワタ」と呼ぶ。




タラゴン
【学名】Artemisia dracunculus
【英名】Tarragon
【和名】タラゴン
【分類】キク科、多年草
【原産地】ロシア南部、西アジア、ヨーロッパ
【使用部位】生または乾燥した葉。
【成分】精油
【効能・効果】
     調理用


タラノキ
 ⇒5~6月、根の皮を去り、陰干しする。
樹皮も同様に陰干しする  

【効能・効果】
○胃炎:
*樹皮・根皮(少焙)を10~20g/日、煎服する。

○胃潰瘍:
*樹皮・根皮(少焙)を10~20g/日、煎服する。

○胃下垂:
*樹皮・根皮(少焙)を10~20g/日、煎服する。

○胃ガン:
*樹皮・根皮(少焙)を10~20g/日、煎服する。

○高血圧:
*刺のついた枝20g/日煎服or茶代用(著効)。
*樹皮・根皮(少焙)を10~20g/日、煎服する。

○神経痛:
*樹皮・根皮(少焙)を10~20g/日、煎服する。

○腎臓病:
*樹皮・根皮(少焙)を10~20g/日、煎服する。

○低血圧:
*樹皮・根皮(少焙)を10~20g/日、煎服する。

○糖尿病:
*「根皮・イチイ葉各10g」煎服。
*樹皮・根皮(少焙)を10~20g/日、煎服する。

○浮腫:
*樹皮・根皮(少焙)を10~20g/日、煎服する。

○慢性胃カタル:
*樹皮・根皮(少焙)を10~20g/日、煎服する。

○リウマチ:
*樹皮・根皮(少焙)を10~20g/日、煎服する。


タラバガニ
分類学上は真のカニ類とはいえない。メスの腹部は右側にねじれ、その内側には左側にしか腹枝がない。このような腹部の形態はヤドカリに共通する特徴である。第二歩脚の一番根元の節に産卵孔があることもカニ類とは異なる点だ。
可食部分の分析に因れば、カルシウムと糖質がカニ類よりもかなり多い。(国立科学博物館動物第三研究室長・武田正倫)1997.2.1.《日本経済新聞》

■養殖
「北海道根室市水産研究所はタラバガニと花咲ガニの完全養殖に成功した。
完全養殖成功のカギは、北海道厚岸の名産品であるカキの殻だった。養殖層の底に敷き詰めて稚ガニが死ぬ原因となる細菌の繁殖を抑制。成育に適した水のpH(水素イオン濃度)を保つことができたことだった。
花咲ガニでは2割だった生存率を8割強まで改善。「エサの工夫などで養殖コストが下がる」と橘高所長。2004.11.29《日経産業新聞》



タランチュラ
◎毒は、それほど強いものではなく、人がかまれても死ぬようなことはない。
 (川合述史著『一寸の虫にも十分の毒』p140)


タール
◎フィンランドの森に生える松の樹皮を剥ぐ。すると、末は守るために松ヤニを幹から出す。数年そのままにしておき、その松を伐採し、蒸し焼きにする。すると茶色い液状のタールが滲出してくる。それを船の防腐剤などに使ってきた。


ダルス
(参照→「アイリッシュ・モス」)


タンギン TANGHINIA VENENIFERA
=Cerbera tanghin
⇒マダガスカルのキョウチクトウ科の常緑樹。
◎毒の成分:ステロイド配糖体。
       タンギニン
       セルベリン

タンジー
【学名】Tanacetum vulgare (Chrysanthemum vulgare)
【英名】Tansy
【和名】ヨモギギク
【分類】キク科、多年草
【原産地】ヨーロッパ(母種)
【利用部位】乾燥した地上部。
【成分】精油(ツヨン70%以下)
    苦味配糖体
    セスキテルペンラクトン
    テルペノイド(ピレスリン)
    タンニン
    樹脂
    ビタミンC
    クエン酸
    シュウ酸
  

【効能・効果】(タンジー)
*寄生虫駆除
*外用:疥癬
    関節リウマチ
  

【注意】(タンジー)
<1>ツヨンが含まれているので、大量・長期の服用は中枢神経系に障害を与える可能性がある。
<2>強力な月経促進薬なので、妊娠中は禁忌。



タンチョウ(丹頂)
■会話が大切
「タンチョウの夫婦のきずなは本当に強い。親子の愛情も卵のころから実に深い。時々くちばしで転がして位置を変える「転卵」や、ときどき温めるのを止めて冷やしたり湿り気を与えたりする「放令」が必要。
入園10年目から始めた人工孵化では、こうした作業で時々卵の中から「ヒイッ」と声が聞こえてくるのに気づいた。
しかも「ピーちゃん」と声をかけると「ヒュヒュヒュ」と返事がある。そして転卵の一が悪いと「ビービー」と不満げに鳴き、いいと「ピュルンルン」と心地よさそうに鳴く。
この親子のコミュニケーションがヒナがかえった後こそ大事だと気づいたのは、エサを食べなかったり病気になったりして次々と死んでいき、苦しみ悩んでいたときだった。酒を飲まずにはやりきれなくて、ある晩、ヒナを抱いて寝て肩の下で圧殺してしまった。
ひどく落ち込んで仕事を止めようかと思ったが、禁酒して済木にかけたとき、「ピーちゃん、うまいから食ってみろ」と声をかけたら、エサの魚を全部食べてくれた。「そうか、卵のとき、かけた声を覚えていたんだ」。それからは必ず呼びかけながらエサをやった。
寝るときも飛ぶ訓練をするときも音が大事だ。心臓のある左胸に抱いて寝ると、鼓動に安心するのかヒナ同士の争いもなく、すくすく育つ。それはいいが、私の脇毛をくちばしでくわえたまま寝るのだが、くすぐったくてたまらない。離そうとすると、加えたまま動き回られ痛いのなんの。おかげで私の脇毛は一時1本もなくなった。
飛ぶ訓練では旋回で、自分の腕を上下に動かして右と左を教える。が、ミギ、ヒダリの平板な発音では理解してもらえない。右をミギと平板に言ったら、ヒダリはヒダアアリと抑揚をつける。
全速力で一緒に走る奪取を日に何度も繰り返して助走を教え、ようやく大空を舞えるようになると、上空を旋回して早く来いと鳴く。こっちは息を切らせてぶっ倒れている。飛べない人間が鳥に飛び方を教えるのだからおかしなもんだ。
釧路市がタンチョウの保護を目指して丹頂鶴自然公園を解説したのは昭和33年(1958年)。そのときから管理人として、これまで50羽以上のヒナを育ててきた。鶴公園に初めて連れてきたタンチョウのオスの2羽に、当時、南極に置き去りにされながら生還した稚内生まれの樺太犬、タロとジロの名を付けた、2羽とも野生のメスとつがいになって、たくさんのヒナを育てた。
タンチョウの夫婦の絆は本当に強い。オスが「クォ-」と一声、メスが「カッカッ」と二声鳴き会う求愛のダンスで、いったん夫婦になると、どちらかが死ぬまで、いや、死後もしばらくは分かれることがない。
死ねば動かなくなるが、生きている方は死体にキツネやカラスが近づくと、翼を広げて威嚇し、くちばしでつついて撃退する。骨だけになっても行動は替わらない。大雨で死体が流されたり雪の下に隠れたりして見えなくなって初めて、どこかへ飛んでいく。(高橋良治・釧路市丹頂自然公園名誉園長)




タンデリオン
【学名】Taraxacum officinale
【英名】Dandelion
【和名】セイヨウタンポポ、ショクヨウタンポポ
【分類】キク科、多年草
【原産地】ヨーロッパ



タンポポ(キク科)
     (参照→セイヨウタンポポ)
別名・ツズミグサ・タンボグサ・クジナ・ムジナ・オジナ・フジナ。
至る所に生える多年草。
【食べられる】花・葉・根
【生薬名】蒲公英  

【効能・効果】(タンポポ)
○胃炎:
*根・全草を10~15g/日or葉を20g/日を煎服。
○胃潰瘍:
*根・全草を10~15g/日or葉を20g/日を煎服。  

○胃カタル:
*根・全草を10~15g/日or葉を20g/日を煎服。  
○イボ:
*茎・根から出る白汁を塗布する。
○黄疸:
*根・全草を10~15g/日or葉を20g/日を煎服。  
○脚気:
*根・全草を10~15g/日or葉を20g/日を煎服。  
○肝臓病:
*根・全草を10~15g/日or葉を20g/日を煎服。  
○強壮剤となる:
*根・全草を10~15g/日を煎服(著効)。
*葉を20g煎服(著効)。
○痔:
*根・全草を10~15g/日or葉を20g/日を煎服。  
○子宮の諸病:
*根・全草を10~15g/日or葉を20g/日を煎服。  
○シモヤケ:
*茎・根から出る白汁を塗布する。
○消化不良:
*根・全草を10~15g/日を煎服(著効)。    
*葉を20g煎服(著効)。
○小便閉塞:
*根・全草を10~15g/日or葉を20g/日を煎服。  
○食中毒:
*根・全草を10~15g/日or葉を20g/日を煎服。  
○食道ガン:
*茎・根から出る白汁を酒に入れて飲む。
○心臓病:
*根・全草を10~15g/日or葉を20g/日を煎服。  
○喘息:
*根・全草を10~15g/日or葉を20g/日を煎服。  
○胆汁分泌の促進:
*根・全草を10~15g/日or葉を20g/日を煎服。  
○血の道:
*根・全草を10~15g/日or葉を20g/日を煎服。  
○疔:
*茎・根から出る白汁を酒に入れて飲む。
○腸カタル:
*根・全草を10~15g/日or葉を20g/日を煎服。  
○トゲ:
*茎・根から出る白汁を塗布する。
○乳腫:
*根・全草を10~15g/日or葉を20g/日を煎服。  

*茎・根から出る白汁を酒に入れて飲む。
*「蒲公英・忍冬」煎服。
○乳汁不足:
*根・全草を10~15g/日を煎服(著効)。
*葉を20g煎服(著効)。
*「蒲公英10g、ハコベ5g、ヨクイニン5g」煎服。
○寝汗:
*根・全草を10~15g/日or葉を20g/日を煎服。  
○貧血症:
*根・全草を10~15g/日or葉を20g/日を煎服。  
○浮腫:
*根・全草を10~15g/日or葉を20g/日を煎服。  
○便秘:
*根・全草を10~15g/日or葉を20g/日を煎服。        




大茴香(だいういきょう)

ANISI STELLATI FRUCTUS 
【処方名】:[大茴][八角茴香]
【基原】シキミ科(Illiciaceae)Illicium verum Hook.filの成熟果実を乾燥。
日本産:シキミIllicium religiosum Sieb.et Zucc.の果実は、有毒成分shikiminを含む。

【性味】味は辛、性は温熱
【薬性歌】“大茴味辛疝脚気 止膀胱痛嘔翻胃”
大茴、味辛。疝気、脚気、腫痛の膀胱に、嘔を止め胃を開く。《万病回春》
  

【効能・効果】(ダイウイキョウ)
◎芳香性健胃・鎮痛剤
<1>腹満
<2>嘔吐
<3>寒疝腹痛
<4>寒湿脚気

【薬能】(ダイウイキョウ)
<1>《本草品彙精要》
  “一切の冷気及び所疝絞痛を主る”
<2>《李時珍》
  “多く食へば目を傷めm瘡を発する”
  

【配合処方】
恩仙散[八角茴香、杜仲、木香]
  

【参考】
<1>大茴香油には、発ガン性のある成分[サフロール]を含有する。

 

大黄(だいおう)   RHEUM PALMATUM
【処方名】:[大黄][将軍][生軍][川軍]
【基原】中国甘肅・青海方面に自生する多年草、タデ科レウム・バルマーツムその他の根茎。 
タデ科Polygonaceae 唐古特大黄Rheum tangutium Maxim. et Rgl.及び同属植物の根茎。
「白頭大黄」「朝鮮大黄」=北鮮の高山に自生するチョウセンダイオウ。
【栽培】北大黄と南大黄が必要とする土壌気候は基本的に同じ。気候が寒冷で、年間平均温度が10℃前後の高山地区が適する。
厚くて腐植質に富んだ砂質壌土が良い。
苗床は日当たりの良い場所。
【性味】味は苦、性は大寒。<寒瀉燥降収>
【帰経】脾・胃・大腸・心包・肝経。
【薬性歌】“大黄苦寒破血瘀 快膈通腸積聚除”
大黄、苦寒。血を破り、瘀を消し、膈を快くし、腸を通じ、積聚を破除しす。《万病回春》
  

【効能・効果】(ダイオウ)

(瀉下・抗菌・収斂・利胆・健胃)
◎腸胃の有形の積滞を下し、血分に陥入した邪熱を瀉し、通絡する。
<1>瘀血・瘀熱を下す。
<2>血閉を下す。
<3>癥瘕(チョウカ)
<4>積聚を散らす。
<5>大小便を通す。(参照→「巴豆」)
<6>瘟瘧
<7>熱疾をなくす。
<8>癰疽の毒腫をなくす。
<9>水腫
<10>湿熱黄疸

◎大小腸を良くする。「煎服・丸剤。」

◎血がふさがって脹り、古い血が固まってになったときに使う。「煎じ・丸剤。」

◎大小便を通し、熱痢と膿血に使う。
「大便には水で煎服。熱痢には酒で服用。」

◎水穀を通利させ、腸胃を洗滌する。「剉作して5銭を煎服。」

◎実熱・血熱と臓腑の積熱を治す。

◎癥瘕・積聚を散らし、古いのを取り出すのに効がある。
「醋で煮て膏を作り、蜜を入れて又煮て梧子大の丸剤。姜湯で30丸呑み下す。」

◎産後の悪血を治す。

◎ガンによる腸閉塞:+「檳榔・玄明粉・木香」

◎肝硬変で鼓腸:
 「大黄(熟)10g、厚朴・大腹皮・木香・扁豆」

◎肝硬変、腹水、二便閉:+「丹参、欝金、車前子、木通、茅根」

◎肝硬変、肝臓肥大:+「大黄(熟)10g、丹参、鼈甲、甲珠、欝金、夏枯草、当帰、桃仁、紅花」

◎激症肝炎、高熱、昏睡:+「黄連、黄芩、茵蔯蒿、梔子」

◎激症肝炎、黄疸:+「黄柏、梔子、欝金、茵蔯、車前子」

○急性肝炎でGPT値が高い:+「竜胆草・敗醤・黄柏・梔子」
  

【修治】(ダイオウ)
◎(酒炒)は上、巓頂に達し、(酒洗)は中、胃脘に至り、(生用)は下行す。《万病回春》

(生):瀉下作用が強い。
(長煎):黄疸、湿熱を去る作用が強まる。
(酒浸炒):駆瘀血、消炎作用が強まる。      

(酒浸蒸):湿熱を去る作用が強まる。
(炒焦):止血作用。
(麺泡焼熱):一寸湿らせて小麦粉に包んで焼くこと。
  

【薬理作用】(だいおう)
<1>瀉下作用:
イ)大黄の瀉下作用を遅らせるには15分間煮沸して煎出するのが良い。20分間を越えると瀉下の効力を有している結合型のRhei は分解して遊離Rheiとなり、瀉下作用は無くなってしまう。
ロ)水に対して溶出性が高いので、振り出しor水侵しても良い。 
<2>収斂作用:瀉下後に便秘を起こすことがある。
<3>健胃作用
<4>抗菌作用
アントラキノン誘導体が細菌の核酸・タンパク質合成を阻害する。
<5>抗ガン作用
イ.(rhein)(emodin)=マウスの悪性黒色腫
ロ.(emodin)=マウスの乳腺ガン
ハ.(rhein)=Ehrlich腹水ガン。
<6>子宮内膜を充血させる。
<7>血圧降下作用
  

【薬能】(ダイオウ)
■《神農本草経》
“瘀血、血閉の寒熱を下し、癥瘕、積聚、留飲、宿食を破り、腸胃を蕩滌し、陳きを推し新しきを致し、水穀を通利し、中を調え、食を化し、五臓を安和す”

■《薬性提要》
“走りて守らず、腸胃を蕩滌し、燥結を下し、瘀熱を除き、陳を推し新を致す”

■《古方薬品考》
“良将、二腸を蕩滌す”

■《薬徴》
大黄、結毒を通利するを主るなり。故に能く胸滿・腹満・腹痛及び便閉。小便不利を治し、旁ら発黄・瘀血・腫膿を治す。
「結毒」=集結している毒
「通利」=大便に下すこと。
「瘀血」=停滞している血。
張仲景氏の大黄を用ふるや、特に以て毒を利するのみ。故に各その主薬に陪して単用せず。
厚朴・枳実に合すれば則ち胸腹滿を治し、
黄連に合すれば則ち心下痞を治し、
甘遂・阿膠にゴウすれば則ち水と血を治し、
水蛭・䗪蟲・桃仁を合すれば則ち瘀血を治し、
黄柏・梔子に合すれば則ち発黄を治し、
甘草に合すれば則ち急迫を治し、
芒硝に合すれば則ち堅塊を治するなり、

■《重校薬徴》
“結毒を通利するを主る”
“故に能く胸満、腹満、大便不通、宿食、瘀血、腫膿を治し、発黄、譫語、潮熱、小便不利を兼治す”
“世医の大黄を懼るるや啻(ただ)に蛇蝎の如きのみならず、凡そ大黄を用うるものは、病は則ち治すと雖も内を損じて死すとは曰う。切に問いて其の人なし。此れ皆本草の妄を吠声するのものなり。邪に非ずや、仲景氏の大黄を用うるも亦多し。邪を攻め毒を伐つの干莫(カンバク)なるを見るべし。今其の利を懼れて鉛刀を用う、宜べなるか、沈痾(痾=ア、やまい)を断つ能わず、大いに之を下すの後と雖も仲景氏未だ嘗て補するを言わず、亦以て内を補するの説、妄なるを見るべし。凡そ薬剤を投ずるは病を抜くにあり、未だ以て其の根を断つに及ばずして則ち大勢は已に解すと雖も余燼(ヨジン、もえかす)沸欝して爽快たる能わざるなり、仍お其の剤を貫けば則ち残毒を尽く殱(セン、つ、滅ぼす)きて脱然として洗うが如し、千万人と雖も皆同じ、世医素より大黄を畏るるが故に其の毒未だ尽きざるあり、而して爽快たらざる者を遽(キョ、にわか、慌てる)に見て以て元気虚損となす。豈亦妄ならずや”

■《古方薬議》
“結実を蕩滌す”

■《傷寒論識》
“大承気湯は専ら腸中の燥糞を主とし、大陥胸湯は胸間の水邪を主とす。燥糞腸に在れば必ず推進の力をかる。故に枳実厚朴を用いる。水邪胸に結べば必ず破飲の長を兼ぬ。故に甘遂を用いる。且つ大承気湯は先ず枳実厚朴を煮て而る後に大黄を内る。大陥胸湯は先ず大黄を煮て而る後に諸薬を内る。それ上を治する者、制は緩に宜しく、下を治する者、制は急に宜し。而して大黄、(生)は則ち行くこと速やかに、(熟)は則ち行くこと遅し。”
■《中薬大辞典》
“熱毒を瀉し、積滞を破り、血瘀を行らす”
“実熱の便秘、譫語、発狂、食積痞満、下痢の初期、裏急後重、停閉経、癥瘕積聚、時行熱疫、暴眼赤痛、吐血、衂血、陽黄、水腫、淋濁、溲赤、癰瘍腫毒、疔瘡、火傷を治す”
  

【薬対】
『大黄+黄柏+梔子+茵蔯蒿』=発黄を治す《重校薬徴》
『大黄+甘草』=急迫を治す。《重校薬徴》
『大黄+甘遂+阿膠』=水血結滞を治す。《重校薬徴》
『大黄+黄連+黄芩』=心煩、心下痞、及び吐血、衂血を治す《重校薬徴》
『大黄+厚朴+枳実』=胸満、腹痛を治す。《重校薬徴》
『大黄+石膏(煆)』
『大黄+肉桂』
『大黄+茵蔯蒿』=清熱利胆作用。肝臓疾患に多く出現する、湿熱に起因し、便秘、小便不利を伴う黄疸、あるいは胆石症に。茵蔯蒿湯
『大黄+巴豆』=心腹脹満、卒痛を治す。《重校薬徴》
『大黄+芒硝』=瀉下作用。胃腸内部の実熱に起因する燥糞の秘結、胸腹の滿悶、全身の壮熱、うわごと、口渇などに用いる。大承気湯堅塊を治し、宿食・燥屎を利す。《重校薬徴》
『大黄+附子』
『大黄+黄連』=清熱止血作用。全身に実熱が充満することによる脳出血、結膜炎、口内炎、上気道炎など上半身の充血性炎、鼻出血、吐血、痔出血、子宮出血、煩躁、不眠などの神経興奮、および虫垂炎などの化膿性炎症に用いる
三黄瀉心湯
『大黄+䗪虫+水蛭+虻虫+桃仁+牡丹皮+瓜子』=乾血、瘀血癰膿を治す《重校薬徴》
  

【配合処方】
■茵蔯蒿湯
■小承気湯《傷寒論》[大黄(生)、厚朴、枳実]
■増液承気湯《温病条弁》[玄参、地黄(生)、麦門冬、大黄(生)、芒硝]
■大黄甘草湯
■大黄牡丹皮湯
■大黄附子湯《金匱要略》[大黄、附子、細辛]
■大承気湯
■調胃承気湯
■桃核承気湯
■麻子仁丸

(大黄6両)
大陥胸湯(心下より少腹に至って、鞕滿して傷む)

(大黄4両)
小承気湯(腹微滿、大便通ぜず)
厚朴三物湯(痛んで閉づる者)

大黄甘遂湯(少腹滿、敦状の如く、小便微しく難し)
[敦]=飲食物を盛る皿
[小便微しく難し]=小便が少々出にくい
大承気湯(腹満痛の者)
大黄硝石湯(黄疸・腹満・小便不利)
桃核承気湯(少腹急結)
大黄牡丹皮湯(少腹腫痞)
大黄甘草湯(証そなわらず)
調胃承気湯(腹腸満。又曰く、大便通ぜず)

(大黄3両)
大黄附子湯(脇下偏痛)
[脇下偏痛]=脇の下が片方痛む
抵当湯(少腹鞕滿)

(大黄2両)
大黄黄連瀉心湯(心下痞、これを按じて濡)
桂枝加大黄湯(大実痛)


【参考】
<1>カラダイオウ(Rheum rhabarbarum)、マルバダイオウ(Rheum rhaponticum)などは葉柄が汁液に富み、食用ダイオウとしても栽培される。ダイオウ葉による中毒はしばしば報告され、嘔吐、ケイレン、肝・腎障害などがある。原因の大半は葉に含まれる蓚酸によるものと言われる。しかし、成分として含まれる[レイン][レウムエモジン][アロエエモジン][クリソファノール]などのアントラキノン類が中毒原因の一端を担っている可能性もある。(講談社「天然毒」p30)
   




大戟(だいえき)
トウダイグサ科の多年草タカトウダイの根。
⇒沢漆根で、秋と冬に根を採って陰干しする。《本草》
大戟、漢産に両品あり。綿大戟を良となす。本邦の産、その効較劣る。
○性は寒、味は苦甘、小毒。
  

【薬性歌】“大戟甘寒最利便 水腫堅功瞑眩”
大戟、甘寒。水を消し、便を利し、腫脹、堅きに、その功瞑眩す。《万病回春》
  

【効能・効果】(ダイゲキ)

(瀉水遂飲・攻毒散結)
○二便を通利し、痰飲を除き水滞を治す。
<1>蠱毒
<2>12種類の水腫脹満を治す。
<3>大・小腸の通りを良くする。
<4>毒薬を吐かせる。
<5>天行黄疸
<6>温瘧
<7>結をこわす。
<8>胎を下す。
○結を治し、大小便を利する。「煎・末・丸服。」
○脹を治す。
  

【薬能】(だいげき)
■《薬徴》
“水を利することを主どる也。旁ら掣痛、咳煩を治す”
「掣痛」=ひきつれるようないたみ
「咳煩」=わずらわしいせき
■《古方薬品考》
“気味苦くして毒有り、故に其の能、癖関を破り、二便を利し、以て痞満、満痛、水飲を療す”
  

【配合処方】
★控涎丹
★十棗湯 (脇下に引きて痛む。また曰く、咳煩)
★紫金錠【中成薬】


大蒜 (タイサン)
[薬性歌]“大蒜辛温化内穀 解毒散癰過損目”
辛温。肉を化し、穀を化し、毒を解し、癰を散ず。多く用うれば目を傷る。《万病回春》

○大便不通。
「独頭1枚を熟して、皮を去り綿にくるんで、下部の冷たいところに入れると治る。」
○痃癖をなくす。
「常食すると良い。」
○蠱毒に。
「常食する。」
  

【成分】
アルギニン:[1.9%]

 

 



大小薊
[薬性歌]“大小薊苦消腫血 吐衂唾喀崩漏絶”
   

○一切の血疾を治し、破血・止血に効く。
「絞って飲むか、蜜に混ぜて飲む。」
○崩漏と赤・白帯を治す。
「汁を出して飲む。」
○血崩に
「根5両、茅根3両を酒に入れて煎服。」


大樹木上寄生
○腸風と痔瘻に。
 「葉を取って乾末にし米飲で服用。or丸服。」
   


大青葉
【処方名】大青葉、大青
○性は大寒、味は苦、無毒。
  

【効能・効果】
<1>天行熱疾の大熱
<2>口瘡
<3>熱毒風
<4>心の煩悶
<5>金石の薬毒を治し
<6>腫毒を除去する
     

○清熱解毒・涼血化斑。
*温病発熱
*流行性感冒
*咽頭腫痛
*流行性B型脳炎
*急性肝炎
*急性肺炎
*耳下腺炎
*口内アフタの潰瘍




大蜻蛉
=Anax parthenope。
⇒トンボの一種。食用にする。




大豆(ダイズ)

◎痩せた土地でも育つが、根粒菌が必要。ヨーロッパの土地には根粒菌がないため、大豆が育たなかった。
根粒菌が土中と空気中から窒素を集めて大豆の提供し、大豆は光合成で得た炭水化物を根粒に提供している。
○2000種類以上ある。
[薬性歌]“大豆黄巻治筋攣 消水腫満膝痛痊”
  

【効能・効果】(ダイズ)
○胃中の熱痺を除く。
 「大豆黄巻が良い。煮・末服ともによい。」
○虚血性心疾患を予防する
○コレステロールを低下させる
○肥満を防ぐ
   

◎大豆の原種は「ツルマメ」。
◎大豆はアジアを代表するマメだが、その故郷は中国東北部と云われる。
ダイズは植物性食品の中でタンパク質が主要な成分となっている唯一の食品で、中国では「マメの王様」「畑の肉」「中国の乳牛」などと呼ばれた。
<1>ダイズは他のマメ類と比べてタンパク質(約35g/100g)、脂質(19g/100g)、が多く、糖分(24g/100g)が少ないという特徴がある。
<2>又アミノ酸組成ではメチオニンがやや少ないものの他の必須アミノ酸のバランスはよく、中でもリジンの多いことは牛肉に匹敵する。
<3>脂質では不飽和脂肪酸のリノール酸(約50%)、オレイン酸(約20%)、リノレン酸(約10%)が多く、しかもそのバランスの良いことも特徴である。
<4>[ビタミンE][レシチン]
さらに、脂質の中に抗酸化作用のために若返りのビタミンとも言われる脂溶性ビタミンのE(リノール酸の酸化を予防している)や、脂肪の流れを改善し、脳の働きを活性化するレシチン(神経伝達物質であるアセチルコリンの原料である)も多い。
<5>[ビタミンB1]
また、ビタミンAや、B群も多く、特にダイズのB1は白米食によるB1不足を補って脚気を予防してきた。
<6>[ビタミンB2]
エネルギー代謝を調節するB2は、ダイズを納豆に加工することによって数倍に増える。
<7>[ビタミンB12・C]
造血作用を助けるB12は動物性食品に多くダイズには含まれていないが、発酵食品の納豆には存在するし、ダイズにはないVCもモヤシにすると存在するようになる。
<8>[ミネラル]
リンやカルシウム、カリウム、鉄、マグネシウムなどのミネラルもダイズには豊富である。カルシウムとマグネシウムのバランスも良く、大体[2:1]の割合で含まれている。もし生体内でマグネシウムが減ってこのバランスが崩れると、悪玉となったカルシウムが血管を傷つけて脳卒中や心臓発作をきたすと言われる(カルシウムパラドックス)
<9>[食物繊維]
食物繊維もダイズには多く、便通を整えたり、脂肪の吸収を抑えてコレステロールを下げたり、血糖の上昇を抑制してくれる。
<10>[オリゴ糖]
可溶性糖類のオリゴ糖も、腸内で善玉菌のビフィズス菌のエサとなってその活性を高め、便秘や大腸ガンを予防し、コレステロールを低下させてくれる。
オリゴペプチドに血圧降下作用がある。
<11>[サポニン]
①サポニン(ステロールやトリペルテン配糖体の総称)も多く、それは泡立つことからフランス語のサポン(石鹸のような)が当てられた。サポニンは過酸化脂質の生成や肝障害を肥満などを予防すると言われるが、その肥満抑制効果はインスリンの分泌を正常に調節して脂肪の蓄積を抑えるからだと言う。
②サポニンの欠点としては抗甲状腺作用(ヨードの取込みを阻害する)があり、ダイズの多食によって甲状腺腫の発生が知られている。しかし、日本人はヨードの多い海藻を多食するから、たくさんのダイズを食べる割には甲状腺腫の発生は少ない。
井上勝六著「成人病を防ぐ現代人の食事学」より。
③大豆サポニンがリノール酸の酸化を防ぎ、肌の老化を防ぐ。
④大豆サポニンがエイズウイルスを抑制する。
   

◎インド:
「タンパク源としてのマメ類依存率が最も高いマメ食文化の国だが、摂取するマメの種類や量が多いだけでなく、その食べ方においてもマメをモヤシにして食べるという特色がある。日本や東南アジアのモヤシは茎(軸胚)の伸びたものだが、インドのそれは芽が出た直後(芽出しマメ)のもので、それを挽き割りしてダル(マメのスープ)として利用するのが一般的である。マメをモヤシにするとビタミンA、E、B群や亜鉛などのミネラルの量が増え、存在しなかったビタミンCが生まれる。発芽によってタンパク質はアミノ酸に、脂肪は必須脂肪酸に、デンプンはブドウ糖に変化するから消化されやすいく、それ故にモヤシは「すでに消化された食品」とも言われる。井上勝六著「成人病を防ぐ現代人の食事学」より。

◎マメ料理には砂糖を使わないのがポイント。
      味噌、しょうゆ、納豆、きな粉
   1996.6.12NHK“女の大研究”より
    

家康の長寿の秘密は、『集め汁』にあった。
“家康の集め汁”の作り方。
1.八丁味噌を細かく切り、それをザル(あみ状)に入れる。
2.ボールにザルを入れ、その上から湯をかけて、味噌を濾す。
(濾すことによって、塩分が減少する)
3.濾し汁(=たれみそ)を「出し」で薄めて、そこへ野菜(種類が多い方が良い)を入れたものが、家康の集め汁。
4.それ以外に、たれみそで麩を煮しめた料理が大好物だった。 江戸時代の《本朝食鑑》から。
 

味噌のタンパク質は、大豆のタンパク質を酵母によってペプチドに変化しているのが、ポイント。
    

味噌汁は具をたくさん入れる。
 カリウム=根菜類、ほうれん草
 食物繊維=わかめ、昆布、いも類
 タンパク質=とうふ
 マグネシウム=わかめ、にがり
 カルシウム=スキムミルクをスプーン1杯入れる。
    老人ホームで実践、ボケを防ぐ。
    

味噌の効用
<1>ガン予防・・・イソフラボン
肝臓ガン~広島大学・伊藤教授のラット実験。
胃ガン~国立ガンセンターが1966~1978の13年間の調査。
毎日味噌汁を飲む=胃ガン死亡率が少ない。
◎『イソフラボン』はガン細胞を兵糧攻めにし、広がるのを防ぐ。
◎『イソフラボン』は、少しにがみあり。
◎『イソフラボン』は、女性ホルモン様作用がある。・・・・骨粗鬆症を予防する。
◎『イソフラボン』を必要量摂取するには、
    キナコなら・・・40g
    納豆なら・・・・50g
    豆腐なら・・・・半丁。    
<2>美肌に良い。
◎イソフラボン:
<1>大豆に含まれるポリフェノール(フラボノイド)の一種で女性ホルモンの一種である「エストロゲン」に似た構造を持っている。そのため、女性ホルモン様作用があり、骨粗鬆症・更年期障害・乳ガン・前立腺ガン・動脈硬化などに効果があるとされています。
〇ガン予防
〇脂質代謝改善
<2>種類:12種類ある。
<3>大豆イソフラボンアグリコン
「通常、大豆の中野イソフラボンはグリコシド(配糖体)という糖と結合した形で存在しています。この配糖体が体内で吸収される時には、腸内細菌が持つ酵素で糖を切り離して初めて吸収することができます。この糖が切り離されたものをアグリコン(ゲニン)といいます。大豆イソフラボンの生理活性の本体は、このアグリコンだと考えられています。
(グリコシド(配糖体)100%=糖40%+アグリコン60%)
ところが、腸内細菌の働きには個人差があるため、同じ量のグリコシド型のイソフラボンを服用しても、吸収されるアグリコンの量はまちまちになりハッキリしません。そこで、あらかじめ糖を切り離す技術をキッコーマンが成功し、高濃度のアグリコンを抽出することに成功しました(商品名・SoyAct)。
イソフラボンの働きを素早く体感するには、腸内細菌に働きに左右されない「イソフラボンアグリコン」が最適なのです。
さらに、大豆イソフラボンのアグリコンには、ゲニステインとダイゼニン・グリシテインがあり、生理作用の主役はゲニステインであると考えられています。SoyActのイソフラボンアグリコンには、ゲニステインが約52%、ダイゼニンが約42%、グリシテインが約6%含まれています。
★アグリコンはグリコシドの2倍以上吸収される。


★大豆イソフラボンアグリコンの構造は、エストロゲンに類似してしています。そのため、エストロゲンレセプターに対し親和性を示します。このため、植物性女性ホルモン(フェイトエストロゲン)とも呼ばれています。



■WHOの調査
「魚や海藻・豆腐などをふんだんに食べる沖縄やハワイでは、糖尿病や高血圧は少ないのに、伝統的食生活を失ったブラジルの移民にはこうした症状が多かった。
ハワイの70歳以上の女性約200人の健康診断をしたところ、大豆などに含まれるイソフラボノイドを都っている人ほど骨が丈夫で、骨粗鬆症になりにくかった。イソフラボノイドは脳卒中や動脈硬化も防ぐ効果もあるとされている。成人病の多発するブラジルでは、大豆は家畜の飼料とされ、ほとんど食べられていなかった。
研究チームは、京都大学大学院の家森幸夫教授(病理学)の呼びかけで、12年間かけて世界58ヶ所の長寿・短命地域の食生活を調べた。1996.4.30《朝日新聞》」
   

大豆アレルギーでも、みそはOK
「大豆アレルギーの患者でも、味噌や醤油・納豆を食べてもまず問題ないのは、アレルギーの原因物質が発酵などの過程で壊れる為という研究を徳島大医学部栄養学科の小川正教授らがまとめた。
大豆は、卵や牛乳と並び3大アレルギー食品といわれているが、大豆だけはアレルギーの原因物質が分からなかった。小川さんらはまず、「グリエム2」というタンパク質が主な原因物質であると突き止めた。いろんな大豆食品でその量を調べたところ、みそ・しょうゆ・納豆からは全く検出出来なかった。味噌には麦や米も使われるが、発酵によって麦や米のアレルギー物質が壊れることも分かった。
大豆アレルギーでアトピー性皮膚炎の患者数人でテストしたが、症状は変わらなかった。小川さんらは30人以上の患者に頼んで、近く本格的な臨床試験を計画している。1996.8.11《朝日新聞》」
   

■骨粗鬆症の予防成分
「フジッコは京都大学大学院人眼・環境学研究科の家森幸男教授と共同で、大豆に含まれる成分のイソフラボンが骨粗鬆症の予防に効果があることを人の摂取試験で確かめた。
日本人女性やブラジルの日系人女性にイソフラボンを毎日摂取する試験をしたところ、尿中のイソフラボン量が増加する一方、骨からカルシウム溶出の指標となる骨代謝マーカーの量が減少した。
 この結果、イソフラボンは骨からのカルシウムの過剰な溶出を抑制することで、骨密度の低下を抑えることが分かった。1997.5.19《日経産業新聞》

■アレルギー原因除去
「京都大学食料科学研究所の小川正教授と不二製油は共同で、食物アレルギーの起きにくい大豆タンパク粉を開発した。」
アレルギーを引き起こす大豆タンパク質は約15種類あるが、小川教授らはこのうち最大のアレルゲンである『チオールプロティナーゼ』というタンパク質だけを音信分離と沈殿技術を使い99%以上取り除いた。」2000.2.5《日本経済新聞》

■コレステロール吸収防止食品
「協和発酵はコレステロールの吸収を防ぐ効果のある健康食品「リメイクコレステブロック」を発売した。ダイズを原料に独自開発した成分のCSPHP(リン脂質結合ダイズタンパク質)を含む。厚生労働省より特定保険用食品の表示許可を取得した同社初の製品だ。
CSPHPとは、大豆タンパク質を酵素で分解したペプチドと、同じく大豆のリン脂質を攪拌処理で結合させることでそれぞれ単独で使用するよりも効果を高めた。臨床試験では高コレステロールの患者に1日3g投与したところ、3ヶ月程度でコレステロールが正常に戻った。」2001.2.28《日経産業新聞》


■血圧降下作用組み入れ
「京都大学の食糧科学研究所は遺伝子組み換え技術を使って、血圧を抑える働きがある鶏卵の物質を大豆タンパク質の中に入れた。現在は、このタンパク質を試験管中で大腸菌に作らせることに成功した段階だが、今後2~3年以内に、このタンパク質を含んだ大豆や米の開発を目指す。
吉川正明教授らは鶏卵タンパク質に含まれていて、血圧降下作用のあるオボキニンという生理活性物質に注目した。この物質は6個のアミノ酸がつながって出来ているが、このうち4個を別のアミノ酸に入れ替えて、血圧降下作用を約100倍に高めた。
さらに、大豆から主要タンパク質の1つであるコングリシニンを取り出し、作用を高めたオボキニンを作るように遺伝子を一部組み換えた。このタンパク質を高血圧のネズミに与えて実験したところ、血圧低下の効果があった。」2001.3.26《日経産業新聞》

■乳ガン抑制
自治医科大学の永井秀雄教授、永田洋文医師らのグループは、大豆などに含まれる栄養素、イソフラボンの仲間が乳ガン予防効果を持つ可能性が高いことを動物実験で突き止めた。遺伝的に乳ガンが自然発生するマウスに投与すると発ガン率が半分以下になった。理由は未解明だが、「ガン細胞の成長を抑制している可能性がある」と見ている。
この物質はゲニステインと呼ばれ、女性ホルモンに似た構造を持ち女性ホルモンの受容体と結合する。これまでも動脈硬化やガンの抑制に効果があると言われてきた。
研究グループは、生後280日で8割以上が自然に乳ガンを発症するマウスを使ってメニスティンの効果を調べた。マウスの体内で分解(代謝)されるとゲニスティンを作り出すビオカニンAを経口投与したところ、生後15ヶ月までの乳ガン発生率は35.2%まで下がった。ビオカニンAを投与しないと84.6%。ダイゼインというイソフラボンの仲間の別の物質を投与した場合は81.5%と抑制効果はなかった。
ゲニスティンは大豆種子中に0.007%と極微量存在する。みそや豆腐など大豆製品を多く摂取する日本を含むアジア人の乳ガンが欧米に比べて少ないのは、大豆が影響している。2001.7.23《日経産業新聞》

■中性脂肪の血中濃度低下
「京都大学のグループは中性脂肪の1つ、トリグリセリドの血中濃度を下げる大豆タンパク質を突き止めた。高脂血症を予防する機能性食品などの開発に役立つ。
大豆タンパク質にはグリシンとβコングリシニンの2種類がある。森山達哉助手らは機能が不明のベータコングリシンについてマウスを使って実験した。最初の2週間はすべてのマウスに脂肪分の多いエサを与え、3週目から脂肪分の少ないESだとともに2種類の大豆タンパク質の与え方を工夫した。
実験開始から1ヶ月を経過した段階で調べた。βコングリシニンを与えたマウスは与えなかったマウスに比べて血中トリグリセリド濃度が約3割下がった。濃度低下に伴い、血糖値なども下がったほか、皮下脂肪も減った。
トリグリセリドは体内で脂肪の材料になる。動脈硬化や虚血性心疾患にはコレステロール値が高いタイプとトリグリセリド値が高いタイプとがある。コレステロール値を下げるものには食物繊維や植物ステロールなどがあるが、トリグリセリド値を下げるのは菜種油の搾りカスから抽出するジアシルグリセロール程度。森山助手はβコングリシニンを詳しく調べ応用を探る」2002.1.23《日経産業新聞》

■βコングリシニン
「鬼頭誠京都大学名誉教授と住友病院の松沢裕次院長らは、大豆に生活習慣病を減らす効果があることを突き止めた。
日本動脈硬化学会誌に発表
ウエストが男性85cm以上、女性90cm以上で、メタボリックシンドローム症候群の95名を2グループに分け、薬の臨床試験と同じ手法で、大豆に含まれるタンパク質『βコングリシニン』の効果を確かめた。
一方のグループにはβコングリシニン5gが入った干菓子を、片方には同量の牛乳タンパク質をいれた干菓子を毎日食べてもらった。
20週目にCTで内臓脂肪を測定した。
牛乳タンパク質のグループは試験前より4.5%(平均)増えたが、大豆タンパク質のグループは試験前より5%減少した。
統計的に有意な差という。
βコングリシニン5gは、豆腐だと800g(約2丁半)に相当する。」

■大豆発酵成分に抗ガン効果
「中堅商社のニチモウと米ハーバード大学の研究グループは、大豆を発酵して得られる成分に、ガン細胞の増殖を抑える効果があることを突き止めた。今後、マウスなどの動物実験を進める。
ガンの抑制効果が確認できたのは、大豆発酵成分から抽出できるイソフラボン・アグリコンという物質。乳ガン細胞や前立腺ガン細胞を使って実験した。
細胞の培養皿に1リットル当たり0.001g程度加えると2割前後のガン細胞がアポトーシスした。同物質の濃度を高めると細胞の増殖抑制効果が高まり、乳ガンでは63.9%、前立腺ガンでは67.8%も増殖率を抑えた。2003.10.30《日経産業新聞》
   

■不二製油
★大豆のタンパク質をアミノ酸が2~3個つながったペプチドにまで酵素分解し、吸収しやすくしたもの・・・・タイガースに採用、優勝に貢献。「疲れが残らず筋肉の回復も早い」
★水溶性の大豆多糖類・・・おからから作るもので不二製油だけが製造技術を持つ。麺やご飯に混ぜるとほぐしやすくなる。乳酸飲料に混ぜると飲みやすくなる。
■不二製油・・・中森俊宏
「阪神タイガースの選手が愛飲し、脚光を浴びた大豆ペプチドの飲料。原料生産を一手に担うのが食品素材メーカーの不二製油だ。研究から20年。担当者が1人だけというなかで、品質改良に努めてきた。
通販で自社飲料「ザ・ペプチド」を手がけたが赤字続きだった。

■大豆ペプチド・・・・独自製法
「セブンイレブンの店頭に4月から並んだダイズペプチド入りの飲料。苦みと酸味をめぐりカルピスと議論が続いた。不二製油の大豆ペプチドの生成方法は大豆タンパクに「プロテアーゼ」というタンパク質分解酵素を作用させる。プロテアーゼは種類が多く、解明されていない部分もあるが、同社は数種類のプロテアーゼを作用させてタンパク質を様々な状態の分子に分解し、最終的にペプチドにまで分解する。
現在販売中の大豆ペプチドは、筋肉の形成に効果が高いバリン・ロイシン・イソロイシンというアミノ酸を多く含んでいる。2004.11.8《日経産業新聞》

■無臭大豆
「農林水産省が2001年に開発した青臭さがない大豆『エルスター』。
“大豆粉末を使っているとは思えない”2003年9月、エルスターの粉末を米状に成型した「デイズライス」の発表会で、イタリア料理風に調理されたデイズライスに下された紹介客の評価。
デイズライスは米と比べて炭水化物は1/3、タンパク質は7倍、カルシウムは25倍と栄養価が高い。5分程度で炊きあがり、コメより調理が簡単。
米国では1999年、FDAが「大豆に心臓病にかかる危険性を低減する作用がある」という食品の表示を認めてから、その健康効果が広く知れ渡る葉になった。米国で自然食の普及活動をしていた九司道夫氏が目をつけ、2000年米国にASTCを設立。翌年、レストランを手がけていた加藤氏が社長に就任。
エルスターは農水省が所管する独立行政法人、農業技術研究機構(つくば市)の九州沖縄農業研究センターが開発。青臭さの原因となる酵素『リポキシゲナーゼ』を取り除いた「無臭大豆」として2001年に品種登録された。ただ、豆腐に加工しても「味がない」と見向きされなかった。
加藤氏は日本より米国の需要が多いと考え、絵画でも種子の栽培が出来るように農水省に働きかけを始める。しかし、それまで農水省所管の研究機関が海外の団体と種子の利用契約を結んだ事例がなかった。
前例がないとする農水省に農業でも特許料のような形で収入を得る方法を考えつく。2005.2.28《日経産業新聞》

■大豆イソフラボン
「2006年2/1、食品安全委員会の専門調査会が、サプリメントとしての摂取量の上限を、アグリコン(非配糖体)と呼ばれるタイプで換算して1日当たり30mgとする方針を固めた。」

■畑が水浸しでも呼吸
「2010年、農業・食品産業技術総合研究機構の作物研究所は、ダイズの畑が水浸しになっても根で呼吸できるように自らの構造を変化させる仕組みを解明した。
通気可能な組織が発生し、根まで酸素を供給する。」



大豆黄末
○労痩を補い肥らせる。
 「猪脂で丸めて服用。」


大棗(たいそう) ZIZYPHI FRUCTUS
【基原】南ヨーロッパ原産、落葉小高木。  
クロウメモドキ科(Rhamnaceae)ナツメZizyphus jujuba Mill.var.inermis(Bunge)Rehd.成熟果実を乾燥(天日乾燥)。
★初夏の候に新芽を出すので、夏芽(ナツメ)の名がある。
【性味】味は甘、性は温。<温補潤降収>
【帰経】脾経。
【分類】補気薬。
【薬性歌】“大棗味甘和百薬 益気養脾満休嚼”
  

【効能・効果】

(強壮・緩和・鎮静・鎮痙)
◎緩和、強壮、利尿、鎮痛剤として
<1>筋肉の攣急
<2>牽引痛
<3>知覚過敏
<4>煩躁
<5>腹痛
     

◎五臓を補う。「煎じて食べる。」
◎養脾。「肉を取って脾胃の丸薬に入れて飲む。」
◎胃気を和らげる。「常食する」
◎十二経脈を助ける。「煎服。」
◎長く食べると飢えない。
  

【成分】
<1>cyclic AMP様物質:100~500 nmole/g
  

【薬理作用】(タイソウ)
<1>肝臓保護作用
<2>抗ガン作用:cyclic AMP様物質500mg/‹以上で増殖を抑制する。
<3>筋収縮力増強作用
<4>抗アレルギー作用
  

【薬能】(大棗)
■《神農本草経》
“心腹の邪気をを主り、中を安んじ脾肋十二経を養い、胃気を平にし、九竅を通じ、気少なき者、津液少なき者、身中不足する者、大驚で四肢重き者を補い、百薬と和す”
■《薬性提要》
“脾胃を滋し、心肺を潤し、百薬を和す”
■《古方薬品考》
“胃を保んじ、峻剤を緩和す”
■《薬徴》
“大棗、攣引強急を主治するなり。”
“旁ら咳嗽・奔豚・煩躁・身疼・脇痛・腹中痛を治す”
[攣引強急]=ひっぱり強くひきつれる。
“大棗、脾胃を養ふの説は、古にあらざるなり。取らず。古人云ふ、病を攻むるには毒薬を以てし、精を養ふには穀肉果菜を以てすと。夫れ之れを攻むると養ふとは主るところ同じからず。一物にして二義。曾皙(そうせき)(=孔子の弟子の1人)の羊棗におけるが如き(曾皙がなつめの実を好んで食べたという故事)、好みて之れを食せば、是れ養なり。十棗湯の如き大棗を用ふ。悪(いずく)んぞ避けざる。是れ攻なり。他に嗜好の品なくして、食用に充れば則ち養となるなり。しかして薬物に充れば則ち攻となるなり。”
[脾胃]=東洋医学でいう脾は現代医学でいう脾臓ではなく、膵臓にあたる。胃のうしろにあって胃の消化を助けるものだとあり、ここでいう胃も腸も含んでいる。そこで脾胃を養うというのは、消化力をよくする意である《大塚敬節》
■《重校薬徴》
“攣急引強急するを主治す。”
“故に能く胸脇引痛、咳逆上、裏急、腹痛を治し”
“奔豚、煩躁、身疼、頸項強、涎沫を兼治する”
“攣引強急の状ある者は大棗を用うれば則ち治す。不(しからざ)れば則ち効無き也”
“本草に大棗は脾胃を養うの説あり。誤なり。夫れ薬は攻むと曰い、食は養うと曰う。故に攻疾には毒薬を以てし、養精には穀肉果菜を以てす。是れ養精を以てする者は、其の好悪に随う。病を攻むる者は其の好悪を問わず、夫子の如きは、姜を徹(すて)ず。曽哲は常に、羊棗を食む。皆其の性の好む所にして養精となる所以なり。十棗湯、生姜甘草湯、呉茱萸湯の如きに至っては、其の性の好悪を問わず証に随って之を用う。斯れをしも攻疾と謂わんや一物にして二義、食料に充して、養精の良品と為し、薬材に供して攻疾の利器となす。勿論姜棗は、米麦大小豆酒醋飴蜜の類の如き皆然り。薬材に供するに、豈飲膳の理論を以てすべけんや。十棗湯、葶藶大棗湯、 皆、大棗を以て君薬となして其の証此の如し、亦以て脾胃を養うの義論を以てすべけんや。”
■《古方薬議》
“その性、甘草と相類す。故に毎に相依って用を為す”
■《浅田宗伯》
“能く臍下の動悸を治する”
■《湯本求真》
“大棗の主治する攣引強急というのは、芍薬と同じように筋肉に現れるものであるが、芍薬が結実拘攣であるのに比べ、凝結充実の触覚が大いに劣り、知覚過敏において大いに優る。かつ牽引痛甚だしく、利水作用があるのが異なるところだ”
■《中薬大辞典》
“脾と胃を補い、気を益し津を生じ、栄衛を調え薬毒を解す”
“胃虚の食少なく、脾弱、便溏し、気血津液不足し、栄衛和せず、心悸 し、婦人の臓躁するを治す”
  

【薬対】
『大棗+阿膠』
『大棗+甘草』
『大棗+生姜』
『大棗+小麦』=鎮静作用。気の不調和による、虚煩、不眠、自汗、動悸、蔵躁を治す。甘麦大棗湯。
『大棗+白朮』=健胃理湿作用。胃内停水による下痢、腰痛に。六君子湯
  

【配合処方】
■越婢加朮湯
■越婢加半夏湯
■越婢湯
■黄芩湯
■黄連湯
■葛根湯
■甘麦大棗湯
■桂枝加黄蓍湯
■桂枝加葛根湯
■桂枝加厚朴杏仁湯
■桂枝加芍薬湯
■桂枝加附子湯
■桂枝加竜骨牡蛎湯
■桂枝湯
■呉茱萸湯
■柴胡桂枝湯
■柴胡加竜骨牡蛎湯
■炙甘草湯
■小建中湯
■小柴胡湯
■大柴胡湯
■当帰建中湯
■当帰四逆加呉茱萸生姜湯
■麦門冬湯
■半夏瀉心湯
 

【考徴】
(大棗が君薬)
・十棗湯証=脇下に引きて痛む。又曰く、咳煩、胸中痛。 十棗湯は、大棗を君薬となす。しかして引痛(ひきつれいたむ)の証あり。
大棗湯証=咳逆・上気・喘鳴迫塞。又曰く、息するを得ず。
[喘鳴迫塞]=ゼイゼイとのどが成って、呼吸がつまるようになる。

(15枚)
苓桂甘棗湯証=奔豚を作さんと欲す。
苓桂甘棗湯条に、奔豚の証あり。此れその毒動いて上衝し、攣引強急の状ある者、故に大棗を用ふるなり。
越婢湯
生姜甘草湯
生姜甘草湯証に曰く、咳唾、涎沫止まず。為則按ずるに、若(かくのごとき)の証の人は、胸中攣引強急の状あるを患ふ。故に大棗を用ふること居多(大部分を占める)なり。

(12枚)
小柴胡湯証=頚項強ばる。又云ふ、脇痛。
小建中湯証=急痛。
大青龍湯証=身疼痛、汗出でずして煩躁。
黄連湯証=腹中痛。
葛根湯証=項背強ばる。
黄芩湯
桂枝加黄蓍湯証=身疼重・煩躁。
呉茱萸湯証=煩躁。

 

(10枚)
・甘麦大棗湯証=臓躁、喜(しばしば)悲傷。
 甘麦大棗湯条に喜悲傷の証あり。此れ毒の逼迫なり。故に大棗を用ふ。
攣引強急を治するを以て、甘草小麦を用ひ、以て迫急を緩むるなり。

【品考】
核小にして肉厚きなり。核を去らずしてみて之を用ふ。



大楓子
⇒大風子。
○性は熱、味は甘い、
     <1>疥癩
     <2>瘡癬
     <3>虫を殺す。


大腹皮(だいふくひ)   
【基原】ヤシ科(Palmae)ダイフクビンロウの果皮
【薬性歌】“腹皮微温下膈気 健脾消腫且安胃”
 腹皮、微温。能く膈気を下し、胃を安んじ、脾を健やかにし、浮腫を消し去る。《万病回春》
【修治】
◎此れ鴆糞の毒あり。黒豆汁を用い、洗浄し晒し乾かす。《万病回春》
(鴆=チン、毒鳥なり。マムシを食ってその毒を蔵し、羽を酒にひたすと猛毒の酒[酖チン]となる。その解毒には犀角が有効とされる。)





大麻
(参照→「アサ」「インド大麻」)
◎パルプ原料として、木材の4倍の生産性。
    成長が早い
    除草剤が必要なし
    病気に強い
◎大麻バンドを使った建材(カノスモース)---フランスが実用化
  結露しない、耐熱性あり。
◎大麻種子から種々の食材:オーストラリアで実用化
  ワイン・ビール・クッキングオイル・ハンバーグ
■鎮痛剤
「代表的な麻薬である大麻が痛みを和らげることは昔から知られている。英国の医薬品開発企業GWファーマスーティカルズは、大麻を原料にした鎮痛剤を開発している。
特長は、モルヒネなどに比べて副作用が少ないことだ。モルヒネには激しい便秘などの副作用があり、これを抑えるために別の医薬品の投与を受けなければならない。
安全性も長所だ。モルヒネは安全量と致死量の差が小さいが、大麻の摂取を直接の原因とする死亡例はない。
同社の仕事は大麻の栽培から始まる。英国でも大麻所持は不法で、同社の大麻畑の所在地は極秘だ。英南部にあるテニスコート10面ほどの広さの敷地で、空調完備の温室を使い常時約2万本の大麻を栽培している。
同社が栽培する大麻は一見、不健康に見える。葉がしなだれていて、葉の数も少ない。その代わりに芽がたくさん付いている。鎮痛剤の開発に役立つ粘性成分が、芽の部分から多く抽出されることが分かったため、品種を改良した。
60種あまりある大麻の成分の中で、同社が着目しているのはTHCとCBDの2つ。THCは麻薬としての大麻の効果の中枢をになう成分で、これを多く含む大麻を吸うと素早く強力に酔える。CBDは逆にこの効果を抑える役目を持つ。この2つをどう組み合わせるかがポイント。
もう1つのカギは分量。2002.6.19《日経産業新聞》

■陶酔しない大麻
nature chemical biology 2011.5
大麻に含まれる「テトラヒドロカンビナール」(THC)は、向精神作用をもち、悪影響も大きい。一方で、THCは、有用な鎮痛効果も示す。
鎮痛作用は脳細胞表面にある「グリシン受容体」分子にTHCが作用して起きると見られている。しかし、どのようにさようするのか不明だった。
アメリカ、国立アルコール乱用。依存症研究所のジョン博士らは、THCとグリシン受容体の構造を詳しく調べ、これらが相互作用する部位を除くと鎮痛効果が無いことが、マウスで確認できた。
さらに向精神作用と鎮痛効果は別の仕組みで起きることも見いだした。
向精神作用にかかわる別の受容体を持たないマウスでは、鎮痛効果のみがみられた。




大麻根
   ○催生剤。

 大麻仁=麻子仁


大理石
   =石灰岩が熱を帯びてできたもの


大良姜
【異名】山姜、良姜
【基原】ショウガ科の大高良姜(ナキョウソウ)の根茎。
【採集】2~3月


代赭石(たいしゃせき) HAEMATITUM
【処方名】:[代赭石][赭石]
【基原】Fe2O3 天然の赤鉄鉱。   
【原鉱物】赤鉄鉱、三方晶系。結晶体は常に薄片状、板状。ふつうはキメの細かい塊状~腎臓状~ブドウ状など。
【成分】主として三酸化二鉄を含む。鉄は70%、酸素30%、夾雑物としてチタン、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、および水を含む
【性味】味は苦、性は寒、無毒。
【帰経】肝、心包経。
【分類】安神薬。
【効能・効果】(代赭石)
◎補血、収斂、止血剤。
<1>婦人の赤白帯下の百病
<2>吐衂血・腸風を治す。
<3>痔瘻
<4>月経不順
<5>崩中を治す。
<6>血痺と瘀血をなくす。
<7>瀉痢
<8>尿血
<9>遺尿を止める。
<10>陰痿を起こす。
<11>金瘡を治す。
◎肝火をおさめ、血を止め、逆を鎮める
<1>吐衂、腸風便血
<2>崩帯
<3>嘔吐噫気
<4>気喘
◎精物を殺し、鬼魅の予防に使う。
  

【薬理作用】(代赭石)
<1>腸蠕動運動亢進作用
<2>心搏抑制
<3>腸粘膜への刺激作用
  

【薬能】(代赭石)
《神農本草経》
“賊風、蠱毒、腹中邪気、女子の赤沃漏下を主る”
《李時珍》
“代赭なるものは肝と包絡との2経の血分の薬である”
“主たる治効のある病は、みな2経血分の病なのだ
《薬性提要》
“苦寒。陰血を養い、虚気衝逆を治す”
《古方薬品考》
“その体重くして沈降なり。故に能く驚動及び逆気を瀉し鎮め、以て噫気、反胃、吐血等を治す”
“驚動を鎮墜す”
《古方薬議》
“味苦寒、腹中の邪気、女子の赤沃、漏下を主どり、五臓、血脈中の熱を除き、小児の驚癇、疳疾、反胃を治し、瀉痢して精を脱するを止む”
“苦寒。虚逆を鎮め、水飲を泄す”
《中薬大辞典》
“平肝鎮逆し、涼血止血す”
“噫気嘔逆、噎膈反胃、哮喘、驚癇、吐血、鼻衂、腸風、痔瘻、崩漏帯下を治す”
  

【薬対】
『代赭石+生姜』=鎮嘔作用。逆気を鎮めるので、心下痞硬して噫気嘔吐するものに。旋覆花代赭石湯。
『代赭石+紫蘇子』=鎮咳去痰作用。逆気を鎮め水を利するので、虚弱で喘息するものに。参赭鎮気湯《衷中参西録》
『代赭石+竜骨』=鎮静作用。肝陽上亢を鎮めるので、目眩、耳鳴りに。鎮肝息風湯《衷中参西録》
  

【配合処方】
参赭培気湯《衷中参西録》
旋覆代赭湯《傷寒論》



胎盤 (たいばん)
■胎盤形成の遺伝子
「2005年12/12、東京医科歯科大学などのチームは胎盤の形成に関わる遺伝子を発見したと発表した。生物の設計図であるゲノム(全遺伝情報)のうち不要と見られていた情報の中にある特殊な遺伝子で、この遺伝子を持たないマウスは胎盤が正常に出来なかった。
東京医科歯科大学、東海大、理化学研究所、三菱化学生命科学研究所のチームは、ヒト・イヌ・マウスなどほ乳類でだけ確認されている遺伝子『Peg10』に着目。この遺伝子が無いマウスを作って受精後の胎児の発育を調べたところ、妊娠10日目に胎盤の形成が異常になり、生育しなかった。Peg10は、エイズウイルスや白血病ウイルスなどのような、細胞内のゲノムに入り込む「レトロウイルス」の遺伝子が変質してできあがった遺伝子と考えられている。ほ乳類のゲノムの1/3以上は不要なゴミ情報と見られていた。2005.12/12《日経》




沢瀉(たくしゃ)
【処方名】:[沢瀉]    
【基原】北海道、本州北部の水辺・湿地に自生する多年草、オモダカ科サジオモダカの塊茎。
【栽培】
気候土壌
温暖湿潤な気候に適し、土層が厚く、腐植質を豊富に含む粘土質壌土が良い。砂質壌土は栽培に適さない。
【採集】
冬葉が枯れてから、塊茎を掘り取り、茎葉を除去し、水洗し、とろ火であぶって乾燥させ、ヒゲ根と祖皮をつき去る
【性味】味は甘、性は寒 <寒中燥降散>
【帰経】腎・膀胱経。
【分類】滲湿利水薬。
【薬性歌】“沢瀉苦寒治腫渇 除湿通淋陰汗遏” 遏(=アツ,とどめる)
 沢瀉、苦寒。腫を消し、渇を止め、湿を除き、淋を通ず。陰汗自ら遏(ヤ)む。《万病回春》
【成分】(タクシャ)
塊茎から:
5種類のトリテルペノイド化合物
1.アリソールA
2.アリソールB
3.アリソールAモノアセタート
4.アリソールBモノアセタート
5.エピアリソールA
精油(フルフラールを含む)
少量のアルカロイド
アスパラギン
一種のフィトステロール
一種のフィトステロール配糖体
脂肪酸(パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸)
樹脂
タンパク質
デンプン(23%)
  

【効能・効果】(沢瀉)

(利尿・解熱・降圧)
○胃~尿管・膀胱にかけての熱を去って、尿の出を良くする。
○小腸を通じさせ小便が良く出るようになる。
       「水煎服」
◎膀胱の熱をさまし、水道を通す。
       「水煎服」
◎五淋と小便の渋い者を治す。中の留垢を除去し、小便の淋瀝を止める。
       「煎じ・末服。」
◎湿を除く特効薬である。

◎膀胱と三焦の水が止まった症を治す。
  

【薬理作用】(沢瀉)
<1>利尿作用:
イ.尿量を増やす
ロ.尿素・塩化物の排泄を増加。
(中薬大辞典)
ラットを使った利尿実験では、沢瀉は生産された季節および薬用部位の違いによって異なる効果を持つ。
冬期に生産した正品の沢瀉の効力は最大であり、春季の沢瀉は効力が野や劣る。また、冬期に生産した沢瀉のヒゲ根は若干の作用を有するが、沢瀉の草根(つなかかった苗)および春季に生産した沢瀉のヒゲ根には利尿作用がない。
(中薬大辞典)
修治の違いで利用効果が異なる。生の沢瀉、酒で炙った沢瀉、ふすまで炙った沢瀉にはいずれもかなりの利尿作用がある。が、塩沢瀉には利尿作用が無い。
ただし、五苓散では生沢瀉であれ、塩沢瀉であれ、いずれも利尿作用を示す。
<2>コレステロール値を下げる:
沢瀉のフェニルケトン溶解部分は、血中コレステロールを顕著に降下させ、動脈硬化のレベルを低減させる。その中性脂肪溶解部分は5種のトリテルペン化合物が分離され、大部分が血清コレステロール値を下げる。
<3>血圧降下作用
<4>血糖降下作用
<5>脂肪肝を抑制する(脂質代謝作用)
    煎液・ベンゼン抽出物。
<6>抗菌作用:結核菌
  

【薬能】(沢瀉)
《神農本草経》
“風寒湿痺、乳難、消水を主り、五臓を養い、気力を益し、肥健す”
《薬性提要》
“膀胱に入り、小便を利し、湿熱を除き、消渇・嘔吐・瀉利を治す”
《古方薬品考》
“水路を宜しく通す”
《薬徴》
“沢瀉、小便不利して冒眩するを主治するなり”
“旁ら渇を治す”
[冒眩]=頭に何かかぶさっている感じがあって、めまいする。
“五味子・沢瀉、皆冒する者を主治す。しかしてその別あり。五味子は咳して冒する者を治し、沢瀉は眩して冒する者を治す”
“陶弘景曰く帷幄、沢瀉を久服すれば則ち子なしと。陳日華曰く、沢瀉は生を催(うなが)し、人をして子あらしむと。李時珍之を弁じ、その論、本草綱目に詳し。夫れ懐孕は婦人の常なり。しかして病みて孕まざるあり。故にその病なくして孕む者、豈にその薬の能く得失するところならんや。三子(陶弘景と陳日華と李時珍を指す)、此の義を知らず。謬(あや)れりと謂ふべし。余、嘗て一婦人を治す。年三十有余、病みて子なし。(ここ)に年あり。諸医之れをいかんともするなし。余為に之を診す。胸膈煩躁、上逆し、渇甚しければ則ち狂の如し。乃ち石膏黄連甘草湯を与へ、併せて滾痰丸を以て之れを服す。周歳にして諸証尽く愈ゆ。その父大いに喜び、以て前医に語る。前医曰く、病を治するは則ち可なるも、不仁なりと。曰く、何の謂ぞや。曰く、石膏を多服すれば子なきなり。是れ婦道を絶つなり。不仁にあらすじて何ぞやと。その父愕然として、余を招きて之れを詰(なじ)る。余答へて曰く、医者は疾病を掌(つかさど)る者なり。しかして孕なるものは、人為にして天賦なり。医いづくんぞその有無を知らんや。且つ彼の人の言、子何ぞ察せざる。彼の人、之を療すること十有三年にして之を治する能はず。彼れ豈にその来る者を予知せんやと。その父曰く、然りと。居ること頃之(けいし)、その婦人始めて孕み、弥(び)月にして免し、母子恙(つつが)なし。余故に曰く、婦人、病なくんば則ち孕む。薬の能く得失するところにあらざるなりと”
[懐孕]=妊娠すること
[胸膈煩悶]=胸の中が苦しくわずらわしい。
[上逆]=のぼせ。
[石膏黄連甘草湯]=吉益東洞の創作した処方で石膏と黄連と甘草からできている。
[滾痰丸]=東洞の家塾方で、南呂丸ともよび、黄芩・甘遂・青礞石・大黄からなる丸剤。
[周歳]=滿1カ年。
[不仁]=人間としての思いやりが無いこと。
[石膏を多服]=後世派では石膏剤を多く飲むと妊娠しなくなるとの迷信が行われていた。
[頃之]=しばらく。
[弥月]=妊娠して10ヶ月を終わる

《重校薬徴》
“小便不利を主治す。故に支飲、冒眩を治し、吐・渇・涎沫を兼治す”
“陶弘景曰く、沢瀉を久しく服すれば、人して子無からしむと、陳日花は沢瀉は催生し、人をして子を有らしむと曰う。李時珍、之を弁じて、其の論を《本草綱目》に載し、夫れ懐孕は婦人の常なり、然して又、天賦なり、故に多病にして孕まざる者あり、多病にしてしばしば孕む者あり、無病にして孕む者あり、無病にして経に孕まざる者あり、是れ豈人の能く先を得る所か、又豈薬の能く与奪する所か、唯其の疾病ある者を治せざるべからざるは、是れ医の任なり、疾医已に治し、而して孕と不孕とは則ち天なり、三子此の義を知らず謬(ビュウ、あやまると謂うべし、余嘗て一婦人を治す。年三十有余にして病んで子無きこと有り、諸医如何ともする能わず、余之を診するに、胸膈煩悶し、上逆して渇し、甚だしきこと則ち狂の如し、乃て石膏黄連甘草湯を与え、併せて滾痰丸を以てす、之を服すこと周歳にして諸証尽く癒ゆ、其の父大いに喜び以て前医に語る、前医曰く、病治すれば則ち可なるも不仁なりと、曰く何の謂ぞや、曰く石膏を多服すれば人をして子なく、是れ婦道を絶えしむるなり、不仁にあらずして何んぞやと、其の父愕然として余を招いて之を詰(なじ)る、余答えて曰く、孕なるや人為にして天賦なり、薬の能く与奪する所に非ず、余は唯其の疾を治したるのみ、其の他は知らず、且彼の人の言を子何んぞ察せずや、彼の人已に之を察して十有三年、而して之を治す能わず、その技術の昧此の如し、尚お何すれぞ将来を予知するや、其の父之を頷く、幾ばくもなくして其の婦人始めて孕む、弥月にして免す、母子痣なし、余故に曰く、唯、医は疾病を治するのみ、孕と不孕は皆天なり、薬の能く与奪する所に非ずと”
《古方薬議》
“よく滲泄し、その効猪苓・茯苓と近し、而して水行らすの長ず”
《中薬大辞典》
“利水、滲湿、泄熱の効あり。小便不利、水腫脹満、嘔吐、瀉痢、痰飲、脚気、淋病、血尿を治す”
《荒木正胤》
“沢瀉は沼や沢に生える水草の根茎。これは流動する水毒を追うのである。”“体内に溜まった水が流動して冒眩(めまい)の発作を起こすような時に応用”

【考徴】
(5両)
沢瀉湯証=心下支飲あり、その人冒眩に苦しむ。
沢瀉湯(沢瀉5、朮2)
五苓散証=小便不利・微熱・消渇。
[微熱]=からだの表面にあらわれないでうちにこもっている熱。
[消渇]=のどが渇いて、しきりに水を飲んでも尿の出の少ない状態をいうが、また糖尿病を消渇とも呼んだ。五苓散証の消渇は前者の場合。《大塚敬節》
(4両)
茯苓沢瀉湯証=吐して渇し水を飲まんと欲す。
茯苓沢瀉湯(茯苓・沢瀉各4、朮・生姜各3、桂枝2、甘草1.5)
(3両)
八味丸料証=小便不利。又曰く、消渇、小便反って多し。
(1両)
猪苓湯証=渇して水を飲まんと欲し、小便不利。
  

【薬対】
『沢瀉+縮砂仁』
『沢瀉+牡丹皮』
『沢瀉+半夏』
『沢瀉+木通』
『沢瀉+白朮』=利水鎮静作用。尿利減少または頻数、胃内停水、下痢、 嘔吐に。沢瀉湯
『沢瀉+滑石』=清熱利水作用。泌尿器を中心とした熱に伴って起こる口渇、血尿、小便不利に。猪苓湯。
  

【配合処方】
五苓散
沢瀉湯
猪苓湯
当帰芍薬散
八味地黄丸

【品考】
本邦の仙台に出づるところのもの、是を良となす。み用ふ。
  

【品質】
《重校薬徴》
“沢瀉は奥州仙台の産を上となし、丹波之に次ぎ、白色にして重実の者を佳とす、皮を去り剉み用う”


沢蘭 (たくらん)
○性は微温、味は苦くない、無毒。
【薬性歌】“沢蘭甘苦消癰腫 打撲損傷虚浮重”
沢蘭、甘苦。癰腫能く消す。打撲、傷損、肢体の虚浮に。《万病回春》
  

【効能・効果】(タクラン)
<1>産前産後の腹痛
<2>難産による血気の衰冷から労となり
<3>痩せて金瘡・癰腫になった
<4>打撲傷の瘀血を除去する。


啄木鳥=キツツキ
○牙で穴が出来て痛む。
「啄木鳥舌尖を綿にくるんで痛むとくろに付くようにしてかじると良い。」
○痔瘻に。
「焼末して孔中に入れる。」
○虫を殺す。
「生きたものを捕まえて朱砂4両、精猪肉4両を細かく切ってかき混ぜて食べさせると、1昼夜で肉を皆食べてしまう。この啄木鳥を塩泥の中に入れて固く封をし、1昼夜火で焙り、その翌日日光に当てず、取り出して塩泥を捨て、銀石器内に細かく切って作末し、酒に麝香を少し入れて1服し、病人の部屋を閉めておくと、虫が口中から出てくるが、急いでつまんで煮立った油に入れて殺す。」



檀香 (ダンコウ)
  【薬性歌】“檀香味辛善治霍 升胃進食鬼気郤”


 

丹参 (タンジン)
【薬性歌】“丹参味苦生新能 破積調経除帯崩”
丹参、味苦。積を破り、経を調え、新を生じ、悪を去り、帯崩(帯下と崩漏)をり除く。《万病回春》
  

【効能・効果】 (参照→「タツナミソウ」)
 

淡竹葉(たんちくよう)
【処方名】:[竹葉][淡竹葉]
【基原】日本、台湾、朝鮮南部、中国、インドに分布する多年草。
<1>中国産:イネ科(gramineae)ササクサLophatherum gracile Brongn.の全草を乾燥。
<2>日本産:タケ科(Bambusaceae)ハチクPhyllostachys nigra(Loddiges)Nenro var.henonis(Bean)Stapf および
マダケ P.bambusoides Sieb.et Zucc.の葉を横切りして乾燥。
=「和淡竹葉」
=古方の処方(竹葉石膏湯・竹葉湯など)に用いる。
★《神農本草経》:「竹葉」で収載。
<イ>「竹葉」:ハチクの葉を採取し乾燥。
<ロ>「竹茹]:ハチクの桿の表面の青い部分を除いて白色部のみを乾燥。
<ハ>「竹瀝」:ハチクの青い桿の節間をとり、中央部を火で炙ったときに出る白い汁を集め、目の細かい布で濾す。
【性味】味は甘く、性は寒、無毒。
【帰経】心・小腸経。
【分類】清熱瀉火薬。
【薬性歌】“竹葉味止煩渇 定喘安眠痰可”  
竹葉、味甘。熱を退け、眠りを安んじ、痰を化し、喘を定め、渇を止め、煩を消す。《万病回春》
  

【効能・効果】(淡竹葉)       
<1>痰を止める。
<2>熱を散らす。
<3>中風による失音・不語を治す。
<4>熱と頭痛。
<5>驚悸
<6>瘟疫
<7>狂悶
<8>咳逆上気
<9>妊婦のめまい。

◎心病に:「煎服。」
◎煩熱を除去する。
◎消渇に使う。
「青葉を煎じて飲む。」
◎小児の驚熱を治す。
◎清熱・解熱・止渇・利尿剤
<1>心煩
<2>小便不利
<3>口腔炎
<4>牙齦腫痛
◎せきが出て声がれ:「黒豆8g、甘草4g」煎服。
  

【薬理作用】(淡竹葉)
<1>解熱作用
<2>利尿作用
<3>制ガン作用
  

【薬能】(淡竹葉)
《神農本草経》
“嘔逆、上気溢、筋急、悪瘍小蠱を殺す”
《薬性提要》
“上焦の煩熱を除き、痰を清し、渇を止む”
《日華子本草》
“痰を消し、熱狂煩悶、中風失音不語、壮熱頭痛、頭風を治し、驚悸、瘟疫、迷悶、妊婦の頭旋倒地、小児の驚癇天吊を止める”
《古方薬品考》
“虚火上行を降涼す”
《古方薬議》
“虚熱を清し、逆気を降す”
《中薬大辞典》
“熱を清し煩を除き、津を生じ利尿する”
“熱病の煩渇、小児の驚癇、咳逆吐衂、小便短赤、口糜舌瘡を治す”
  

【薬対】
『淡竹葉+石膏』
『淡竹葉+木通』
  

【配合処方】
竹葉石膏湯
竹葉湯


淡豆豉(たんとうし) →「香豉」
【薬性歌】
淡豆豉。寒。能く懊を除き、傷寒の頭疼に。兼ねて瘴気を理む。《万病回春》
  

【効能・効果】
○表を解し、煩熱を除く。
・外感表証
・胸中煩悶

淡葉
【効能・効果】
○産後の血結・腹痛を治す。


胆礬
⇒石胆。
○性は寒、味は辛酸、有毒。
  

【効能・効果】(タンバン)
<1>金瘡を治す。
<2>陰蝕瘡
<3>石淋を下す。
<4>悪瘡を治す。
<5>熱毒
<6>風痰を吐かせるのに最も良い《本草》
○口瘡を治す。
「礬を火で炙って末を瘡に塗る。」
○虫牙痛を治す。
「歯が痛くてみな抜ける前に胆礬末を人乳汁で混ぜ、病歯と歯が落ちたところへ1日3回こする。」
  

【参考】
◎胆礬 Chalchanthite:(CuSO4・5H2O)  青色。
 化学的名称は「硫酸銅」といい、水溶液から結晶を成長させ  る実験に使われる。
  英名 Chalchanthite=「銅の花」。




淡水エイ
ソリモンエス川(アマゾン)
中州で見られる、砂の中に潜んでいる
猛毒のトゲ・・・犠牲者が多い。