薬物<つ>


ツガニ
⇒国産のモズクガニ。

上海ガニはチュウゴクモズクガ二。

「唐津湾を望む佐賀県東松浦群浜玉町は海と山にはさまれた静かな町だ。ここに大物政治家や食通として知られる文化人たちがひそかに通う「飴源(あめげん)」という川魚料理店がたたずむ。創業160年を数えるこの店は、いまは本店改装の為にバイパス近くのビルに間借りしているが、本来はせせらぎの音に包まれた山懐の店で、客の目当ては九州でツガニと呼ぶモクズガニである。
 ここでは客の注文を受けてから生きたカニを料理する。しならく待つと、出てきた、唐津焼きの大鉢に盛られた湯気の立ったカニが。秘伝のだしを使った「カニの姿煮」。真っ赤に煮あがった甲羅の大きさは大人の拳ほどもある。ツメに細い毛が密生した野性的な姿。」
「川ガニをはぐくんでいるのは唐津湾に注ぐ玉島川だ。ツガニは秋の産卵の季節になると海へ下り、卵を生む。そこで生まれた稚ガニが海から川を上ってくる。玉島川の漁期は6/15~12/31まで。これ以外の時期は規制のない小さな川で捕る。」



月見草
=アカバナ科
学名:Oenothera biennis L.
別名:メマツヨイグサ

○相互作用:

以下の薬との併用で抗ケイレン作用が減弱し、痙攣が誘発される。
[塩酸アミトリプチリン]
[塩酸チオリダシン]
[フェノバルビタール]



ツキヨタケ Lampteromyces japonicus
⇒キシメジ科ツキヨタケ属。
◎ブナの朽ち木に群生し、シイタケ・ムキタケ・ヒラタケに似て紛らわしく、日本のキノコの中で最も中毒例が多い。

◎成分:[ラムプテロール](=イルジーン)①50mg/kgの腹腔内注射でマウスに対する致死毒性。②120μg/kgで、マウスのエールリッヒ腹水ガンに対する抗ガン作用を示した。 ③カヤタケ属のClitocybe illubensからえられた[イルジンS]に同じ。

◎中毒症状:
食べてから30分後に、嘔吐、腹痛、下痢などが数時間続く。
  

【中毒事例】
★川村氏によると、傘12~15mm程度のキノコを10個、5人で油で炒め、味噌を加え副食物として食べたら、食後1時間で、にわかに嘔吐、腹痛、頻繁に下痢し、見るものすべてが青色に見えた。また目の前をホタルが飛び交うように感じたと云う。約10日後に回復した。(山と渓谷社「日本のきのこ」より)
◎イルジン
「北大理学部の松本毅研究室ではツキヨタケの和名にちなんで「ルナ(月)トキシン」と命名、東北大理学部の中西香爾研究室では学名にちなんで「ランプテール」と命名し、1961年の同じ天然有機化合物討論会に発表した。まもなく「光るキノコ」からニューヨーク植物園の研究陣が「イルジン」と命名し同様な毒性を報告する。化学構造を先に決定した方に優先権を譲ることになり「イルジン」に統一される。X線解析により絶対構造が決定されたのは1972年のことである。



ツチアケビ
=「土通草」「山珊瑚」
⇒ラン科。多年生草本。6月頃淡黄色の花を円錐花序に開き、後に赤色もしくは帯褐色のバナナ形の果実を多数結ぶ。
果実の肥大した時にもぎ取り、天日乾燥する。
◎果実を煎服すると、
①強壮作用、
②強精作用がある。
  

【効能・効果】(ツチアケビ)
○下痢:
果実10g/日煎服or「果実10g甘草」煎服。
○産婦人科疾患:
果実10g/日煎服する(著効)。
「果実10g甘草」煎服(著効)。
○歯痛:
果実10g/日煎服or「果実10g甘草」煎服。
○神経痛:
果実10g/日煎服or「果実10g甘草」煎服。
○腎臓病:
果実10g/日煎服or「果実10g甘草」煎服。
○瘡疥:
果実を黒焼きし、髪油で練って塗布する。
○乳房の痛み:
果実10g/日煎服or「果実10g甘草」煎服。
○肺結核:
「果実・フジの根」煎服。
○腫れ物:
果実10g/日煎服or「果実10g甘草」煎服。
○膀胱炎:
果実10g/日煎服or「果実10g甘草」煎服。
○淋病:
果実10g/日煎服する(著効)。
「果実10g甘草」煎服(著効)。


ツバキ
=ツバキの木は水分含有率が高い(36%)ので、生け垣に植えると、火災の延焼を防ぐ。

■アトピーにツバキ油が効果的。1995・10・15《朝日新聞》
「アトピー性皮膚炎の患者が皮膚の手入れをすると、かゆみ・湿疹が改善する事が、東邦大学付属大橋病院の岸田勝講師(小児科)らの研究で確かめられた。研究チームは、生後3ヶ月~6歳の患者15人に、朝・夜の2回、湿疹の出ている部分に、ツバキ油を塗ってもらった。平均4.2ヶ月後に『湿疹スコア』(40点満点)で比較した。
この結果、使用前の10.2点(平均)から使用後には4.2点(平均)に症状が改善した。特に顔・首などの症状は著しく改善した。」


ツバメ(燕)
○瘧疾を治す。(燕尿)
■ツバメのお宿
「夏の夕暮れ、空を見上げると、ツバメたちが数千羽、時には数万羽の集団となって、あかね色に染まった上空を乱舞する。暗くなり始めると、いっせいに河原のヨシ原に舞い降りる。そこをねぐらにして集団で夜を過ごすのだ。
ツバメといえば、家屋の軒下に巣を作り、ヒナにえさを与える姿を思い浮かべる。だが、巣で生活するのは1年で3~4ヵ月に過ぎず、秋冬を過ごす東南アジアだけでなく、日本渡ってきてからも、巣立った後の若いツバメや子育てを終えたおやつマネは集団でねぐらで眠りにつく。
10年前、東京の多摩川流域で集団ねぐらを見つけたのを機に、同行の仲間とねぐらを調査する会を結成した。」
■浮気
電力中央研究所の北村亘・特別契約研究員は、千葉県富津市で約20羽のツバメのつがいを数年間調べたところ、毎年、巣の3~4割にメスの浮気相手の子がいた。
メスは、偶然見かけた羽の色つやがよい健康的なオスと浮気をすれば、優れた遺伝子を受け継ぐ子を授かる。相手のオスも浮気で自分の子を多く残せる。
ツバメの夫婦が寄り添っているのをよく見かけるが「オスがメスの浮気を見張るためと考えられる」(北村氏)




ツバメの巣(燕窩)
■インフルエンザ予防
「コンビは、高級食材に使われているツバメの巣がインフルエンザなそウイルス感染予防に効果があることを発見した。ツバメの巣に含まれるシアル酸が、インフルエンザなどのウイルスを補足しやすい特性があることを発見したという。
シアル酸は人間も持っており、ウイルスはこのシアル酸に接着して感染するといわれる。ツバメの唾液で作られたツバメの巣には人の約1670倍のシアル酸が含まれており、ウイルス補足に広く役立つとみている。たとえば、ツバメの巣のシアル酸が、人ののどなどに残っている状態で、ツバメの巣の方にウイルスが接着すれば不活性化s、感染の確率を下げられる」2004.2.5《日経産業新聞》


ツボグサ
【学名】Centella asiatica (Hydrocotyle asiatica)
【英名】gutu kola、Indian pennywort
【使用部位】地上部。
【成分】ヘテロシド
    アジアチコシド
    トリテルペン酸
    配糖体
    樹脂
    タンニン
    精油

【効能・効果】
☆瀉下薬。
☆結核、ライ病、腸の病気(インド)
  

【注意】(ツボグサ)
<1>有毒
<2>多量の服用は要注意。
        めまい
        昏睡


ツメキセルガイ→カンニャボ


ツリーアゲート
◎モスアゲートの1種。

◎(D・L・メラ)
「熱と毒を減じる」
「緊張や恐れ----特にその恐れが健康と関係しているとき-----を除く」
  

【臨床】
<1>「息子が扁桃腺炎と高熱でとても苦しんでいるの」と友人は心配そうに電話の向こうで話しました。「あなたが集めている宝石の中で、あの子の体を助けてくれるようなものはないかしら?」私は石のコレクションを見回してから、植物めのう、特にモスアゲートとツリーアゲートに注意がひかれました。いずれも解熱効果と解毒効果で古代のシャーマンや医師によって認められていた石です。このことを知らせ、小児科医にも連絡するように言ってから電話を切りました。
その週のうちにもう一度電話がかかってきましたが、彼女はすっかり元気を取り戻していました。子供がすっかり回復したのです。友人は、そのとき石についても驚くべき話をしてくれました。彼女は電話をしてきた日に、夫の持っている石の標本の中から小さなツリーアゲートを発見しました。それは中に化石化した緑色の植物が入っている石でした。よく洗ってから、台所の計りで重さをみました。あまり重たいと子供が起きてしまうと思ったからです。重さが何グラムあったかは忘れましたが、石の重さに関して起こった出来事で彼女が驚いたことは覚えています。あまり粘りつかないテープを使って、彼女はその石を息子の喉のところに貼り付け、そのまま3時間ほど放置しておきました。子供はすやすや眠っていました。子供が起きると、彼女はもう一度洗うために、めのうを外しました。その 時には、子供の熱はだいぶ退いていて、嬉しくなりました。、水洗いろする前にもう一度重さを計って見たところ、信じられないことが起こっていました。めのうの重量は2倍になっていたのです。もちろん、大きさは全く変化していません。石がエネルギーを交替ないし吸収したことは明らかでした。実際に重くなっていたからです。果たして、この石は子供の熱または病気との間でエネルギーを交換したのでしょうか?」
(Dorothee L.Mella「STONE POWER」林陽訳p54~56)


ツリガネタケ
◎約5300年間前の人間、アイスマンが持っていた。乾燥させると着火剤となる。



ツリガネニンジン
=「沙参」
⇒茎が枯れ始めた頃、根を掘り出し、茎・ひげ根を去って水洗し天日乾燥。
◎根を煎服すれば
     ①去痰作用
     ②排膿作用
     ③健胃作用
     ④強壮作用
     ⑤補腎作用がある。
  

【効能・効果】(ツリガネニンジン)
○気管支炎:
  根5~10g/日煎服する。
○腫毒:
  根5~10g/日煎服する。
○せき:
  根5~10g/日煎服する。
○疝痛:
  根5~10g/日煎服する。
○血の道:
  根5~10g/日煎服する。
○肺痿:
  根5~10g/日煎服する。



ツルアリドウシ
【学名】Mitchella repens
【英名】Squawvine、partridgeberry、checkerberry、deerberry
【使用部位】葉。
【成分】サポニン
      粘液
      タンニン
  

【効能・効果】(ツルアリドウシ)
*無痛分娩を促す
*子宮強壮薬
*鎮静作用
*消化促進


ツワブキ Farfugium japonicum
⇒キク科。十分に水洗し、葉・葉柄ともに細かく刻み乾燥(槖吾)
◎セネシオアルカロイド[センキルキン]含有。
  

【効能・効果】(ツワブキ)
〇インキンたむし:
生葉汁を塗布する。or葉を火で炙り表皮を剥いで塗布する。
〇肩こり:
生葉汁を塗布する。or葉を火で炙り表皮を剥いで塗布する。
〇切り傷:
生葉汁を塗布する。or葉を火で炙り表皮を剥いで塗布する。
〇下痢:
生葉汁を飲む。or吾を煎服する。
〇魚の中毒(フグ・カツオ):
生葉汁を飲む(著効)
槖吾5~10g/日煎服する(著効)。
〇痔:
生葉汁を飲む。or吾を煎服する。
〇湿疹:
生葉汁を塗布する。or葉を火で炙り表皮を剥いで塗布する。
〇歯痛:
生葉汁を塗布する。or葉を火で炙り表皮を剥いで塗布する。
〇シモヤケ:
生葉汁を塗布する。or葉を火で炙り表皮を剥いで塗布する。
〇神経痛:
生葉汁を飲む。or吾を煎服する。
〇乳房の腫れ:
生葉汁を塗布する。or葉を火で炙り表皮を剥いで塗布する(著効)。
〇打撲:
生葉汁を塗布する。or葉を火で炙り表皮を剥いで塗布する(著効)。
〇腫れ物:
生葉汁を塗布する。or葉を火で炙り表皮を剥いで塗布する。
〇瘭疽:
生葉汁を塗布する。or葉を火で炙り表皮を剥いで塗布する。
〇虫さされ:
生葉汁を塗布する。or葉を火で炙り表皮を剥いで塗布する。
〇やけど:
生葉汁を塗布する。or葉を火で炙り表皮を剥いで塗布する(著効)。


通参
【効能・効果】
○脾疽と不眠を治す。
       「煮て服する。」

通草(つうそう)
  (→木通)
【基原】ウコギ科カミヤツデTetrapanax papyrifera(Hook.)k.Koch.の茎の髄を乾燥。 
◎山中にあって小木瓜に似て、核は黒いが核の中は白い、甘くおいしい燕覆子といい、正月~2月に枝を採って陰干しにする。
茎に細い孔があって両頭が通じている。《神農本草経》
【性味】性は平、味は辛甘、無毒。
【薬性歌】

通草、味甘。善く膀胱を治す。癰を消し、腫を散じ、能く乳房を通ず。《万病回春》
  

【効能・効果】(通草)
○利尿・清湿熱・催乳。
<1>五淋を治し
<2>小便を通し
<3>関格を開き
<4>水腫を除き
<5>煩熱をなくし
<6>九竅を通す
<7>音声を出させ
<8>脾疸と不眠を治し
<9>堕胎に使う。

○清熱利尿・通気下乳の効能。
*小便不利
*淋病
*水腫
*妊婦の乳汁不通
*目昏
*鼻づまり
○失音を治す。
 「煎服。」
○脾疸症を治す。
 「水で煎服。」
○乳汁の出をよくする。
 「1両を切って水煎服。」
○九竅の血脈を通す。
 「煎服。」
  




津蟹<黒焼き>
[効能] 1.強壮
   2.喘息
   3.心臓病
   4.脚気
   5.排膿作用