薬物<と>


ドイツスズラン
【学名】Convallaria majalis
【英名】Lily of the valley、May lily
 ◎葉。

【成分】

①強心配糖体:

*コンバラトキシン
*コンバロサイド
*グルココンバロサイド
②サポニン
③フラボノイド:動脈を拡張させる。
④アスパラギン:余分な体液を排出させる。

【効能・効果】(ドイツスズラン)
強心薬:心拍を強める一方、冠状動脈の働きに影響することなく心拍数を減らし、正常化させる。
[ジオキシン]と同様の作用がある。

トウアズキ
■初期の血液ガン、10分で検査可能。
「通産省・九州工業技術研究所(鳥栖市)は、豆科の植物である『トウアズキ種子』から抽出したタンパク質『アブリン』が、ガン細胞へ凝集する性質を利用、白血病などの初期ガンを簡単な方法で判別する手法を開発した。約10分の検査時間で判定できる。月末から京都で始まる日本農芸化学会などで成果を発表。
同研究所はガンの種類によってアブリンがガン細胞を凝集する速度や凝集強度が異なることに注目。リンパ性白血病・急性前骨髄性白血病など20種の血 液のガン細胞で凝集速度・強度を物差しにして種類を特定できるようにした。将来、血液ガンのほとんどすべてをこの方法で判定できるとみている。
九工研によると、ガンの種類の特定は、ガン細胞を他の動物に移して経過を見る方法などがあり、時間と手間がかかっていた。
今後、アブリンがガン細胞に付着する性質を活用、抗ガン剤の病巣への運び屋として使う研究も進める考えだ。1996.3.18《日本経済新聞》より」

 

トウガラシ(唐辛子) Red pepper
(参照→「チリ」「カプサイシン」)
世界で2000種類くらい。
辛さは「味蕾」でばく、その下部にある痛みを感じる細胞で。
=ナス科のトウガラシ属(Capsicum)1年生草本。原産地では多年草
南アメリカのアマゾン川流域原産。
コロンブスが1493年にヨーロッパに伝えた。
中国へは、明朝末期にシルクロードを経て伝わった。
中国には1640年頃に伝わったため、《本草綱目》に記載がない。
韓国には日本経由で伝わり、伝統色のキムチと結びつくことで辛い料理が愛されるようになった(山元紀夫編「トウガラシ賛歌」八坂書房)

【学名】Capsicum annuum L.
ギリシャ語のkaptein(食欲を刺激するもの)に由来し、annuumは「1年草」の意味。
○赤く熟した頃、全草を抜き取り、陰干し後熟させ、果実を集め天日乾燥する。
【別名】ナンバンコショウ
【成分】
カプサイシン(アルカロイド)
カロチン
ビタミンB1、B2、C

◎種類:
韓国の鎮川(チンジョン)産トウガラシ:うまみ成分を多く含有。
中国産の天鷹トウガラシ:辛みが特徴。

◎カプサイシン
「パブリカ料理の本場ハンガリーの研究者ヤンチョウは、トウガラシの辛み成分(カプサイシン)をネズミの皮膚に塗る実験をしていた。当然、ネズミは痛がって暴れ、局所は赤く腫れ上がったが、この炎症は、カプサイシンによって痛みのニューロンの伝達物質、サプスタンスPが、樹状突起の末梢から大量に放出されることにょって起きることが分かった。」
やげん堀・・・七味唐辛子を初めて作った店名
陳皮・ゴマ・唐辛子・山椒・ケシ実

■機能性成分
「カプサイシン」・・・アドレナリン分泌(農林水産省技術会議資料)

■種子交配技術
「韓国の秋の風物詩であるキムチの漬け込み。欠かせない材料が白菜とトウガラシだ。だが韓国で生産されるキムチ用白菜種子の30%、トウガラシ種子の35%を、日本の大手種苗会社であるサカタのタネが開発したことはあまり知られていない。
開発したのはサカタのタネの現地研究拠点、サカタ・コリア(ソウル市)。白菜は葉の中央部の葉脈部分が薄く、水分も少なめ。漬け込む際に味が均一にしみ込み、シャキッとした歯触りが保てる。
トウガラシも辛いだけではない。「辛さの中に甘みがありバランスがとれている。韓国専用トウガラシを開発するため交配を重ねた」(荒川弘本部長)。育種過程で世界から様々なトウガラシ種子を収集。豊富な“種子バンク”は韓国専用品以外の開発にもイカされ、世界に羽ばたいている。
米子会社サカタ・シード・アメリカ傘下のサリナス研究農場(カリフォルニア州)やフロリダ研究農場での主要開発品は、メキシコ料理に欠かせない青トウガラシ『ハラペーニョ』。2001年に発売した種子は昨年、メキシコのハラペーニョ栽培面積の約1割を占め、今年もシェアを伸ばす。
日本の掛川総合研究センターも米国で育てたハラペーニョを試験栽培する。センター場長の池上取締役は「タネに触れるだけで手が熱くなるような刺激がある」。日本人の舌では分からないが、メキシコ人はそんな辛さも敏感に区別するという。
サカタと国内種子市場を二分するタキイ種苗(京都市)もトウガラシ類で世界に打って出る。
タキイは韓国種とインドネシア種のトウガラシを交配させ、暑い東南アジアでも病気で枯れにくい品種を開発した。インドネシアは実は「トウガラシ大国」トウガラシの栽培面積は韓国の約2倍に達する。2005.8.9《産業》

■ジヒドロカプシエイト
「脂肪燃焼効果がある機能性食品用素材。味の素が2009年4月、開発した。従来はトウガラシから抽出していたがが、酵素技術をつかって安価に安定供給できる。FDAの安全基準GRAS(一般に安全と認められる食品)の認証を取得。」

【効能・効果】(トウガラシ)
○胃炎:
*果実0.05~0.2gを浸剤として使う。
*果実0.03~0.1gを作末し飲む。
○肩こり:
*果実の煎汁を塗布or湿布する。
○関節リウマチ:
*果実の煎汁を塗布or湿布する。
○五十肩:
*果実の煎汁を塗布or湿布する。
○消化不良:
*果実0.05~0.2gを浸剤として使う。
*果実0.03~0.1gを作末し飲む。
○食欲不振:
*果実0.05~0.2gを浸剤として使う。
*果実0.03~0.1gを作末し飲む。
○脱毛:
*果実の煎汁を塗布or湿布する。
○痛風:
*果実の煎汁を塗布or湿布する。
○フケ:
*果実の煎汁を塗布or湿布する。
○浮腫:
*果実0.05~0.2gを浸剤として使う。
*果実0.03~0.1gを作末し飲む。
○膀胱炎:
*果実の煎汁を塗布or湿布する。
○腰痛:
*果実の煎汁を塗布or湿布する。
○肋間神経痛:
*果実の煎汁を塗布or湿布する。

⇒500年前にコロンブスが西インド諸島で目にするまでは、ヨーロッパ・アジア・アフリカでは未知の香辛料だった。中央アメリカで栽培されていた品種が、世界に広がった。
◎ビタミンを多量に含む。
交配しやすい為種類が多く、ハンガリーのパプリカ、京都の伏見トウガラシなど、辛くないものも多い。ピーマンもトウガラシの一種。
アンデスの「ロコト」は、ピーマンを少し小型にした形、一度植えると、一年中花が咲き続け、いつでも収穫出来る。 1996.5.5《朝日新聞》」

◎カプサイシン
「トウガラシの辛味成分であるカプサイシンを投与すると、脂肪代謝が亢進する。カプサイシンは副腎からのアドレナリン分泌を介し、脂肪酸遊離を促進し、持久運動能力を高める。1996.5.16《健康産業新聞》第840号」
   

■薬膳料理ーえびチリそばー
「人気メニューのえびチリソースと焼きそばを一皿にしました。我が家の4歳と7歳の孫たちの年代ではピリ辛味がだめなので大人用のトウバンジャン(豆板醤)や七味を入れないトマトソース味がベターです。
赤ちゃんが初めて口にする母乳には適度な甘味と塩味があり、幼児期から中学生頃までは、赤・オレンジ・黄色など明るく、目立つ色で甘い味付けのやわらかい料理が好きです。
子供は酸っぱい・苦い・ピリピリ辛いなど未知の味を敬遠しますが、年令と ともに味覚が変化し、幅広くなります。「嫌がるから」と酸味・苦み・ピリ辛 などの味を教えないでいると、味覚の乏しい人間に育ちます。中国の格言で「食 は三代」とあり、食文化の伝承は親の義務と諭しています。
トウガラシは南米が原産地で、コロンブスが欧州に持ち帰り、世界に広がりました。日本へは中国の唐から渡来したので唐辛子と名付けられました。タバスコ・カイエンペッパー・七味・トウバンジャン・ラー油など世界中で香辛料に使われています。
カルシウム・カロチンが豊富なので、青トウ、シシトウなど甘いトウガラシは油炒めがベストクッキング。辛みの強いトウガラシはたくさん食べられないので、栄養価は期待できませんが、食欲増進、消化促進など健胃に役立つ薬膳食。胃に悪いというのは誤解で、適量なら胃液分泌を促し、消化を助けます。味噌汁、サラダ、炒め物などに少量加えて、子供の頃から新しい味を徐々に教えましょう」
中国料理研究家・程一彦 1996.11.20《朝日新聞》

トウガラシ色素
(トウガラシの果実から得られた、カプサンチン類を主成分とするものをいう。) カプシカム色素
パプリカ色素 カロチノイド
カロチノイド色素
カロテノイド
カロテノイド色素 ナス科トウガラシ(Capsicum annuum LINNE)の果実より、熱時油脂で抽出して得られたもの、室温時~微温時ヘキサン又はエチルアルコールで抽出して得られたもの、温時加圧下に二酸化炭素で抽出して得られたもの、又はこれらより、温時加圧下に二酸化炭素で辛味成分を除去したものである。主色素はカプサンチン類である。橙~赤色を呈する。 着色料 Paprika colour
Paprika oleoresin
トウガラシ水性抽出物
(トウガラシの果実から抽出して得られた、水溶性物質を主成分とするものをいう。) ガプシカム水性抽出物
パプリカ水性抽出物 カプシカム抽出物
トウガラシ抽出物
パプリカ抽出物 ナス科トウガラシ(Capsicum annuum LINNE)の果実より、室温時含水エタノールで抽出したもので、タンパク質、ペプチド、ビタミンCを含む。 製造用剤 Capsicum water-soluble extract

■辛くないエキス
「森永製薬と健康食品メーカーの東洋製薬(福岡市)は、辛くないトウガラシエキスを発酵させたエキスを共同開発した。辛くないため、脂肪燃焼効果を持つトウガラシの多量摂取が可能となる。
両社は1月から「CH19甘」という辛くないトウガラシの発酵技術を始め、発酵後にエキスとして抽出することに成功した。」2003.5.26《日経産業新聞》

■成分・・・作用は同じ
「ニンニクの刺激的な味やニオイの主成分は、ワサビやからし(マスタード)の主成分が作用するのと同じ神経細胞の特定部分に働き、トウガラシと同じメカニズムで血管拡張作用をもたらすことが分かった。
米カリフォルニア大とスウェーデン・ルンド大学の共同研究チームが、ラットの神経細胞を使った実験結果を2005年8/18、米科学アカデミー紀要の電子版に掲載。
ニンニクは百合科、ワサビとからし原料のカラシナはアブラナ科、トウガラシはナス科。刺激的な成分は本来、草食動物に食べられないようにするためと考えられ、研究チームは進化系統が異なっても同じ戦略を採ったのは興味深いと指摘」

相互作用:薬と併用すると
[カプトリル]・・・咳嗽が誘発される
[テオフィリン]・・・副作用が発現

【ハーブ】
○関節炎:トウガラシに含まれるカプサイシン(capsaicin)は、エンドルフィン(endorphins)を放出するように身体に働きかけます。エンドルフィンは体内麻薬と呼ばれています。さらに、トウガラシはサリチル酸塩として知られているアスピリン様の化合物を含んでいます。
◎カイエンペッパー(Cayenne pepper)は、
赤く熟したトウガラシの実を乾燥させた香辛料。暗赤色から鮮紅色をしており、強い辛味がある。カイエン種(カイエンペッパー)と呼ばれるトウガラシは、特定の栽培品種や学名上の種の分類を指す名称ではなく、赤く長細く粉末状のスパイスに適した辛味と風味を持つ品種全てを総称してそのように呼んでいる。しばしば、粉末化されたもののみをカイエンペッパーと呼ぶものと勘違いされることがあるが、実際は粉末化されているか否かに関わらずカイエンペッパーと呼ばれる。

名前の由来はフランス領ギアナの首都カイエンヌから来ている。

料理に辛味を足すのに用いられ、味を濃くせずに辛みだけを足す場合に利用する。また獣肉の臭みを消すためにも用いられることがある。



#

トウキ
⇒播種した翌年の11月に掘り出し、天日乾燥し、半ば乾燥した時、温湯で洗って土砂を除き、40~50℃の湯に5分ほど浸けてから、乾燥する。
◎当帰を煎服すると鎮痛・鎮静・補血・浄血・通経・強壮作用がある。  

【効能・効果】(トウキ)
○かぜ:
*乾燥根5~10g/日煎服するor酒で煎じて飲む。
*「当帰川芎」各等量を作末して飲む。
○肩こり:
*乾燥根5~10g/日煎服するor酒で煎じて飲む。
*「当帰川芎」各等量を作末して飲む。
○虚労:
*乾燥根5~10g/日煎服するor酒で煎じて飲む。
*「当帰川芎」各等量を作末して飲む。
○月経不順:
*乾燥根5~10g/日煎服or酒で煎じて飲む(著効)。
*「当帰川芎」等量を作末し飲む(著効)。
○更年期障害:
*乾燥根5~10g/日煎服or酒で煎じて飲む(著効)。
*「当帰川芎」等量を作末し飲む(著効)。
○産前産後の諸病に:
*乾燥根5~10g/日煎服or酒で煎じて飲む(著効)。
*「当帰川芎」等量を作末し飲む(著効)。
○痔:
*乾燥根5~10g/日煎服するor酒で煎じて飲む。
*「当帰川芎」各等量を作末して飲む。
○しもやけ:
*乾燥根5~10g/日煎服するor酒で煎じて飲む。
*「当帰川芎」各等量を作末して飲む。
○腎炎:
*乾燥根5~10g/日煎服するor酒で煎じて飲む。
*「当帰川芎」各等量を作末して飲む。
○神経衰弱:
*乾燥根5~10g/日煎服するor酒で煎じて飲む。
*「当帰川芎」各等量を作末して飲む。
○頭痛:
*乾燥根5~10g/日煎服するor酒で煎じて飲む。
*「当帰川芎」各等量を作末して飲む。
○生理痛:
「当帰(醋炒)・延胡索・紅花」各等分を作末し、3~5g/日酒で飲む。
○せき:
*乾燥根5~10g/日煎服するor酒で煎じて飲む。
*「当帰川芎」各等量を作末して飲む。
○腺病質:
*乾燥根5~10g/日煎服するor酒で煎じて飲む。
*「当帰川芎」各等量を作末して飲む。
○血の道:
*乾燥根5~10g/日煎服or酒で煎じて飲む(著効)。
*「当帰川芎」等量を作末し飲む(著効)。
○中風:
*乾燥根5~10g/日煎服するor酒で煎じて飲む。
*「当帰川芎」各等量を作末して飲む。
○動悸:
*乾燥根5~10g/日煎服するor酒で煎じて飲む。
*「当帰川芎」各等量を作末して飲む。
○妊婦の腹痛:
*乾燥根5~10g/日煎服or酒で煎じて飲む(著効)。
*「当帰川芎」等量を作末し飲む(著効)。
○冷え症:
*乾燥根5~10g/日煎服するor酒で煎じて飲む。
*「当帰川芎」各等量を作末して飲む。
○ヒステリー:
*乾燥根5~10g/日煎服するor酒で煎じて飲む。
*「当帰川芎」各等量を作末して飲む。
○貧血:
*乾燥根5~10g/日煎服するor酒で煎じて飲む。
*「当帰川芎」各等量を作末して飲む。
○浮腫:
*乾燥根5~10g/日煎服するor酒で煎じて飲む。
*「当帰川芎」各等量を作末して飲む。
○腹痛:
*「当帰(醋炒)・延胡索・紅花」各等分を作末し、3~5g/日酒で飲む。
○不妊症:
*乾燥根5~10g/日煎服or酒で煎じて飲む(著効)。
*「当帰川芎」等量を作末し飲む(著効)。
○めまい:
*乾燥根5~10g/日煎服するor酒で煎じて飲む。
*「当帰川芎」各等量を作末して飲む。
○腰痛:
*「当帰(醋炒)・延胡索・紅花」各等分を作末し、3~5g/日酒で飲む。

■ヒュガトウキ
「資生堂は宮城県などに自生するセリ科の植物ヒュガトウキに血糖値を下げる効果があることを発見した。ヒュガトウキは宮城県や大分県の山間部に自生する。古くから民間薬に使われてきたが、効果を詳しく調べた例は無かったという」2002.10.18《日本経済新聞》




#トウゴマ
⇒「唐胡麻」
トウダイグサ科。(トウダイグサ科の植物は茎から白い液を出す)
熱帯地方に自生する。トウゴマの種子をヒマシといい、此を圧搾して得られる油が「ひまし油」。
ひまし油はポマードの原料にも使われる。
圧搾残渣には非常に強い有毒成分として「リシン」を含む。
リシンはタンパク毒であり、国によっては化学兵器として扱っている。
2013年、オバナ大統領に送りつけられた。
ウズラマメに似ている。 へその付いている面が異なる。
①ウズラマメ:側面の中央にへそ
②トウゴマ:平たくなった面のすみに。

【成分】
〇毒性アルブミン
  

【効能・効果】(トウゴマ)
<1>悪瘡:
種子の皮を去り、研磨し塗布する。
<2>脚気:
「種子ヒガンバナ鱗茎」すりつぶし、足の土踏まずに塗布(著効)。
<3>常習便秘:
ヒマシ油を10~30‹/回、頓服する(著効)。
<4>食中毒:
ヒマシ油を10~30‹/回、頓服する(著効)。
<5>腎臓病:
「種子ヒガンバナ鱗茎」すりつぶし、足の土踏まずに塗布(著効)。
<6>トゲ抜き:
種子の皮を去り、研磨し塗布する。
<7>腹膜炎:
「種子ヒガンバナ鱗茎」すりつぶし、足の土踏まずに塗布(著効)。
<8>便秘:
種子の皮を去り、研磨し1g/回飲む(著効)。
<9>瘰癧:
種子の皮を去り、研磨し塗布する。
<10>肋膜炎:
「種子ヒガンバナ鱗茎」すりつぶし、足の土踏まずに塗布(著効)。
  

【注意】(トウゴマ)
以下の場合は使用不可
 ★腹膜炎
 ★虫垂炎
 ★月経時
 ★妊娠時


■難波宮跡
「2011年、大阪市博物館協会大阪文化財研究所が発掘した難波宮跡(大阪市中央区)で、遷都前ににあたる6世紀末~7世紀前半ごろの地層からアフリカ原産の薬用植物トウゴマ(ヒマ)の種8個が出土していたことが明らかになった。
中国では659年の唐の医薬書《新修本草》に初めてトウゴマの記載があり、日本にもそのころには伝わっていたことになる。6世紀末の新羅土器も出土しており、大阪湾に近い難波宮一帯が造営以前から物流拠点だったことを裏付ける史料として注目される。
種は楕円形で、長さ約1cm、幅約5mm。
同じ地層からはメロンやモモ、オオムギなどの植物の種も見つかった。
トウゴマの種は衛士PT小野紀元前4000年ごろの遺跡からも出土している。日本では平安時代の辞書「和名類従抄」に「カラカシワ」の名で記録され、種の油は「ひまし油」として便秘薬などに用いた。
難波宮は飛鳥時代の652年ごろに完成した宮を前期難波宮、奈良時代のものを後期難波宮と呼び、種が見つかったのは前期難波宮の造営に伴い埋め立てられた谷部分だった。
同研究所の大庭重信学芸員は「多様な栽培植物が見つかっており、市場のように施設で取引されていたのではないか」としている。
■コンタクトレンズの乾燥に
2014年、東レはハードコンタクトレンズ専用の装着液「眼潤」を発売。
装着時の異物感を和らげる
多年草のトウゴマの種を搾ったヒマシ油を配合し、レンズの乾燥を緩和する。




 トウヒ
◎フィンランドの森に生える。



#トウフ(豆腐)
◎イソフラボノイド⇒女性ホルモン様作用をする。
1.骨粗鬆症・長寿に有効。-----沖縄は日本で一番たくさん豆腐を食べている。
2.50mg/1日で十分、豆腐なら半丁。
◎大豆サポニン⇒ガン・エイズに有効。
◎Mg⇒にがりに含有。・・・
◎鎌倉時代に、絹こしどうふは明治に発明。
  1996.1.24 NHK「女の大研究」より」

■大豆の銘柄・産地
「消化吸収が良く、タンパク質などを豊富に含むトウフ。東京豊島区の大桃豆腐店の大桃伸夫氏(39)。
東北産の枝豆「秘伝」
北海道産の「ゆきほまれ」
長崎産の「ギンレイ」で作った寄せ豆腐など。
元理科の高校教師だった。探求心が旺盛な大桃氏は大豆の品種ごとの味と豆腐の関係を分析。「おいしい豆腐は糖質の高い国産大豆とにがりを使っている」という結論に達した。国産大豆の仕入れ値は30kg当たり\7000~\8000。」2004.12.8《日経産業新聞》
■真っ白いトウフ
「日本人は真っ白い豆腐に醤油をちょっとつけて食べ“この豆腐は、いい大豆を使っているからおいしいねぇ”といって豆腐の味を[単味]で味わいます。素材そのものを単味で味わう能力を日本人は持っているのです。
中国人は、単味では決してうまいとはいいません。豆腐にしても麻婆豆腐のよういひき肉やネギ・豆板醤・山椒などの実を加えて片栗粉でとろみをつけて食べる方が中国人は好きです。」(阿部狐柳著「日本料理の神髄」p22)




#トウモロコシ
【学名】Zea mays
【英名】Corn、Indian corn、maize
【使用部位】絹糸(柱頭および花柱)・種子(トウモロコシ)
     玉蜀黍蕋=花穂の芯

【成分】(トウモロコシ)

*脂肪
*精油
*ゴム質
*樹脂
*配糖体
*サポニン
*アルカロイド
*ビタミンC・K
*ステロール
*植物酸
*タンニン
*アラントイン
*カリウム
*カルシウム
  

【効能・効果】(トウモロコシ)
○胃痛:
花穂の芯を5~10g/日煎服(著効あり)。

○肩こり:
花穂の芯を5~10g/日煎服(著効あり)。

○月経異常:
花穂の芯を5~10g/日煎服(著効あり)。

○高血圧:
花穂の芯を5~10g/日煎服(著効あり)。

○産婦人科疾患:
花穂の芯を5~10g/日煎服(著効あり)。

○腎炎:
南蛮毛5~10g/日煎服or茶代用(著効)。

○利尿作用

○尿路結石の排出を助ける。
南蛮毛5~10g/日煎服or茶代用(著効)。

○胆汁の分泌を促す。

○低血圧:
花穂の芯を5~10g/日煎服(著効あり)。

○浮腫:
南蛮毛5~10g/日煎服or茶代用(著効)。

○膀胱炎:
南蛮毛5~10g/日煎服or茶代用(著効)。

○淋病:
南蛮毛5~10g/日煎服or茶代用(著効)。
   

■高血圧を防ぐペプチド
「昭和産業と通産省工業技術院微生物工業研究所は、トウモロコシのタンパク質から血圧降下作用を持つ『レニン・アンジオテンシン系酵素阻害ペプチド』を精製することに成功した。
この物質はまず、トウモロコシからデンプンを取り除き、クルテンフィードと呼ばれる状態にする。これにタンパク質分解酵素を働かせ、3種類あるトウ モロコシタンパク質の一種である。[γ-ゼイン]からレニン・アンジオテンシン系酵素阻害ペプチドを切り出し、精製する。
血圧の調節は、血圧を下げるホルモン『アンジオテンシン』と下げるホルモン『ブラジキニン』の2つのホルモンが、動脈平滑筋に作用して行われる。
1989.1.25《日経産業新聞》
   

■カビに強い発ガン性
「トウモロコシに寄生するカビが出す化合物に、強い発ガン促進作用があることを徳田春邦・京都府立医大助手、西野輔翼・国立がんセンターガン予防研究部長らが動物実験で確かめた。
発ガンが確かめられたのは、トウモロコシなどの穀物に寄生するフモニシン・モニリフォルムというカビが作るフモニシン。人の食道ガンの原因物質ではないかと最近、米国などで疑われている。 1995.9.6《朝日新聞》」

■ゼイン
(トウモロコシの種子から得られた、植物性タンパク質を主成分とするものをいう。) トウモロコシたん白   イネ科トウモロコシ(Zea mays LINNE)の種子を粉末化したものより、エタノール又はアセトンで抽出し、精製して得られたものである。主成分はプロラミンに属する植物性タンパク質である。 製造用剤 Zein

■ポリ乳酸
「産業技術総合研究所は自動車などに使う汎用樹脂のABS(アクリルニトリル・ブタジエン・スチレン)に比べて衝撃に対する強さが5倍高い植物由来の生分解性樹脂を開発した。トウモロコシなどを原料にするポリ乳酸に衝撃吸収剤の樹脂を混ぜたもの。」2005.6.22《日経産業新聞》

■シルクコーン
兵庫県豊岡市但東町で栽培。生食出来る、糖度20度。白いトウモロコシ。

■医療用材料
「トウモロコシのデンプンから作るポリ乳酸を主原料とし、生分解性があり、しかも耐衝撃性を高めた医療用材料を、立教大学の大山秀子助教授のグループが開発した。
成果は2006年9/20の高分子学会で発表。
新開発の材料はポリ乳酸の粉末に手術用糸などに使われる脂肪族ポリエステル(生分解性アリ)の粉末を加え、熱を加えて成形する。体内で水分が加わると、最終的に水と二酸化炭素に分解される。耐衝撃性はセラミック並の強度となった。
ポリ乳酸は体温では硬く、脂肪族ポリエステルは体温では軟らかくゴム状。」

■赤カビ
「トウモロコシやコムギに感染する赤カビが作り出す『ゼアラノレン』という毒は、ブタなどの外陰部肥大などを引き起こし、死産や流産などにつながる。
1007年1/10、理化学研究所の木村真・研究ユニットリーダーらは『ラクトン環』と呼ぶ化合物を分解する遺伝子「zhd101」を導入した組み換えトウモロコシを作り出した。このトウモロコシは、カビが感染して毒素を溜める穀物の粒の部分に働き、解毒能力があったという。
赤カビの感染を防ぐのは難しく、日本や欧州、東南アジアなどで飼料穀物汚染が問題になっている。
  

■ウガリ
トウモロコシを原料にした粉末。粉をお湯に溶いてから蒸らす・・・3回ぐらい繰り返すと、餅のようになる。
主食代わりになる。
トマト・タマネギ・キャベツ・出汁じゃこ・・ザンビア地方でもよく食べられている。
   

■クローバーと
「農業・食品産業技術総合研究機構の東北農業研究センターでは、畑でクローバーを栽培しておくと、トウモロコシが土壌中の栄養分を吸収しやすくなることを突き止めた。クローバーの根で増える菌が成長に必要なリン酸を吸収しやすくし、収穫量が増えたという。
①リン酸の肥料を使った畑
②リン酸肥料を使わない畑
③肥料を使わず、あらかじめクローバーを栽培した畑でトウモロコシを育てて比べた。その結果、②は①の半分の収量。①と③は同程度の収穫量があった。

植物の成長には土壌中のリン酸が必要だが、根だけではリン酸を吸収しにくく、畑にクローバーがあると、植物の根についてリン酸を吸収しやすくする菌『アーバスキュラー菌』が増える。
クローバーを前もって植える「リビングマルチ栽培」では
・雑草が生えなかったり、
・成長に必要な窒素が土壌中に増える効果も期待できる。
・さらに肥料を減らしても従来と同程度の収穫量が確保できる。

■抗ガン作用 『スイート種』と呼ばれるトウモロコシに含まれる植物性コラーゲンに抗ガン作用があることが、キューピー研究所の木村守研究員と弘前大医学部の佐々木甚一教授らの研究グループによる動物実験で分かった。 グリコーゲンは多糖類の一種で、動物のエネルギー源として蓄えられる物質。佐々木教授らはすでに、ホタテ貝に含まれるグリコーゲンに抗ガン作用があることを確認している。」2003.1.26《日本経済新聞》


トウミョウ
=エンドウ豆の新芽。


#トゥラシーTulasī
【学名】Ocimum sanctum L. (カミボウキ)
【科名】Labiatae (シソ科)
【英名】Sacred Basil,Black Basil

◎作用
①定期的に摂取すると免疫力が増す
②鎮静作用
③多幸感を与える

【成分】:有機銅を含む

◎適応:
・脂肪の蓄積を妨げ、身体を軽くする。
・閉経後の婦人に良い。

◎西洋医学で(トゥラシ-)
<1>去痰剤
<2> 強心剤
<3>うつ病の強壮剤
<4>乳汁分泌促進
<5>催淫剤




ドゥールヴァー Dūrvā 

#(ギョウギシバ)
=ギョウギシバは、グラミニスに類似しているが、根茎を薬用に用いる。この植物は太陽にあたらないとクロロフィルを含まず白色であるが、太陽に照らされても白色のままの種類もある。この白色種は『ホーマ(Homa:護摩供養)』に用いられる。
【学名】Cynodon dactylon Pers. ギョウギシバ
【科名】Gramineaeイネ科

◎応用(ギョウギシバ)

・・単独より併用されることが多い。
・妊娠誘発剤(根茎のジュース)
・出血に
・丹毒
・皮膚疾患
・ガン
・排尿障害
・精神病
・テンカン
・痔核(外用)




トウワタ
【基源】ガガイモ科トウワタ属
【学名】Asclepias spp.
【英名】Blood Flower
【成分】アスクレピン
【作用】嘔吐、呼吸困難、ケイレン、強心作用

■有毒
「たまに、家畜などが中毒すると、急に動かなくなり固まったようになってしまう。やがてグッタリして、ふらついてうつぶすように倒れ込んで、なかなか元気が戻らない。他の毒草との違いは、毒に対する感受性が低いチョウや昆虫さえも、トウワタには近づかない。猛毒のトリカブトでさえ、ハチは平気で蜜を吸うし、虫たちは葉っぱを食い荒らし、虫食い状態にしてしまう。
例外は、オオカバマダラという北米産のチョウは、トウワタの仲間のであるガガイモ科の毒をクリアした。」




トカゲ
◎トカゲの仲間で毒を持つのは「メキシコドクトカゲ」と「アメリカドクトカゲ」のみ。神経毒で、死亡例あり。

■尾っぽが紫外線を反射
「伊豆諸島に生息するトカゲの一種が、紫外線を強く反射する尾を持っていることを東邦大学のグループが発見。尾を紫外線で目立たせて急所への攻撃を避ける「シッポ切り」が進化したとみている。
天敵のヘビは紫外線も色として認識できる。
伊豆諸島の神津島で『オカダトカゲ』の子供を調べたところ、尾の中央~先端にかけて紫外線の40%を反射していた。別の島のオカダトカゲの尾は、紫外線をほとんど反射しない。」
■トカゲの耳は
盗聴していた。鳥が発する警戒音を聞いていた。


トガリネズミ
■麻酔物質を特定
「名古屋大学の上村大輔教授らは北海道や北米に生息するトガリネズミが持つ麻酔物質を突き止めた。哺乳類の作る麻酔物質が解明されたのは初めてという。
この物質は多くの哺乳類の唾液に含まれる成分に似たタンパク質。トガリネズミの歯の奥にある組織から分離した。この物質は、神経細胞に大量のカルシウムを取り込ませマヒさせる効果を持つ。
トガリネズミは自分より大きいミミズをエサにするが、かみついたときに歯の奥から出る麻酔物質を注入、ミミズの動きを止めるという。
トガリネズミ自身に麻酔物質が効かない仕組みを今後しらべる」2002.12.2《日本経済新聞》


ドクアジロガサ  galerina fasciculata Hongo

=フウセンタケ科。ナメコ・エノキタケ・ナラタケをミックスしたようなキノコ。
別名「コレラタケ」
晩秋、山中の朽木や倒木に群生する。
◎有毒成分:アマトキシン
◎中毒症状:

数時間~12時間で嘔吐・腹痛・下痢
やがて肝・腎障害が現れる。
  

【中毒事例】(山と渓谷社「日本のきのこ」より)
41才男子。
きのこ約20本をみそ汁にして食べ、約7時間後、嘔吐・腹痛・下痢が始まる。下痢は20分ごとに起き、脱水症状、1日後入院。入院時は独り歩きは困難、 約30時間後、血圧低下、軽いショック状態、2~3日目は意識不明、傾眠状態。頻繁な下痢は4日目まで続き、その後回数は減少。腎不全徴候のため転院。 人工透析の結果好転し、約40日後に退院。毒成分は不明。


ドクウツギ  CORIARIA JAPONICA
=ドクウツギ科ドクウツギ属の落葉低木。
 「毒空木」。

別名[イチロベゴロシ(市郎兵衛殺し)][オニゴロシ][ネズミゴロシ]。

【学名】Coriaria japonica
【英名】Coriaria

近畿以北の山地の崩壊地、河原に生育する。

◎春になると山林の中や川辺に黄緑色の小さな花を房状につけて咲く。6月には結実し、この実は熟するにつれて紅色~紫色になる。美しさにつられて子供たちが実をつまんで遊び、誤って口に入れて中毒を起こすことがある。ネズコロシあるいはイチロベコロシと言われるようにドクウツギの果実は猛毒である
◎成分:

*モノテルペン骨格を有するラクトン化合物。
*コリアミルチンcoriamyrtin(有毒成分)
*ツチンtutin(有毒成分)

◎作用:ケイレン。嘔吐。

◎中毒症状:

吐き気、嘔吐、

舌や口のしびれ、

発汗し、やがて痙攣、意識喪失する。

■昭和56年
「6月、自宅近くの山で見かけた赤い実を、Aさんはドクウツギとは知らないで摘み取った実をウイスキーにつけ込んで1年間保存していた。ふたを開けたのは翌年の6/30夜、飲んで30分もしないうちに、Aさんウォーッと叫び声を上げるや、胃の中身をそっくりはき出してしまった。口や舌がシビレ、激しい痛みに腹を抱えて転げ回った。近くの診療所に担ぎ込まれた時はすでに顔面葱白、嘔吐を繰り返し、やがで全身ケイレンと嘔吐ののち意識を失った。
15分後、抗ケイレン剤を投与され、ケイレンはいったん収まった。大学病院に移送されてまもなく、再びケイレンを起こし、全身が硬直し目がつり上がってしまった。集中治療室で、大量の発汗とケイレンと意識不明を繰り返し、発作のたびにののたうち回る苦しみが4時間続いた。
 ドクウツギの毒成分は、神経に作用するセキステルペンで、激しいケイレンを起こすのが特徴で、その主成分の1つであるコリアミルチンの致死量は体重1kg当たり0.5mg。そのうえ、アルコールに非常に溶けやすい」(植松黎著「毒草を食べてみた」p14~)




トクサ
⇒6~7月頃茎を根元から刈り取り、さっと熱湯に浸け後、十分に天日乾燥。

【効能・効果】(とくさ)

(疏風退翳)
○かすみ目:煎汁で洗浄or塗布。
○下腹部痛:茎を20g/日、煎服。
○月経過多:茎を20g/日、煎服(著効)。
○結膜炎:煎汁で洗浄or塗布。
○下痢:茎を20g/日、煎服。
○痔・脱肛:煎汁で洗浄or塗布。
○痔出血:茎を20g/日、煎服(著効)。
○腎臓病:茎を20g/日、煎服。
○疝痛:茎を20g/日、煎服。
○腸出血:茎を20g/日、煎服(著効)。
○涙がよく出る:煎汁で洗浄or塗布。
○浮腫:茎を20g/日、煎服。
○淋病:茎を20g/日、煎服。

【注意】
○飲み過ぎると、足腰が立たなくなり血尿を出すことがある。



ドクササコ Clitocybe acromellga
=キシメジ科。
竹やぶに群生する。見た目には毒があると感じさせない。
別名:[ヤブシメジ][ヤケドダケ][ヤケドキン]

◎有毒成分:クリチジン
      アクロメリン酸A、B
毒の成分は水溶性が高いため、水に6時間以上漬けていれば、毒性が水に溶け出してしまう。

◎中毒症状:
6時間~数日後に悪心・嘔吐
2~4日後、手足末端が赤く腫れ、しびれる。
激しい疼痛で歩行・睡眠が困難になることもある。
90日~100日間、しびれが残る。手足にヤケドに似た痕が残ることがある。
死亡することは少ない。

◎アクロメリンAとB
「これは戦時中虫下しとしてのまされた海人草成分ガイニン酸と類似の構造を持ち、現在のところ、“史上最高の神経興奮作用を有している”
■中毒
「昭和9年、福島県でリウマチ様の奇病が男女を問わず発生し、原因を調査したところ、ドクササコの中毒と分かった。このキノコによる中毒は、3~5日後に、はじめ手足の先端に激痛を覚え、浮腫を生じ、まるで手足の先にヤケドを負った様な症状を呈することが特徴である。このキノコからは現在、クリチジンという成分が分離され、イヌの大腿動脈のカニューレを入れて血液量の変化を調べる方法により、血管拡張作用を持っていることが観察されている。しかし、これが中毒での手足の腫脹・壊死の原因物質であるかどうかの最終的な同定あされていない。」(山崎幹夫著「毒の話」p112)




ドクゼリ
【学名】Cicuta virosa
【英名】Water Hemlock
 =セリ科ドクゼリ属の多年草。
日本全土。山間の湿地・沼・小川のほとりに自生。
◎有毒部位:全草。特に地下茎・根部に多い。
◎有毒成分:
チクトキシン(cicutoxin)
    分子中に三重結合がある
中枢神経興奮薬のピクロトキシンと似た作用を持つ。食べた後で、ケイレン発作を繰り返すのはピクロトキシン類似の毒物に共通する。
血中濃度は1時間でピークに達し、24時間持続する。
慢性中毒の報告はない。
「シクトキシンは、非常に特殊な構造を持っている。ふつう、植物の毒と言えばすぐにアルカロイドとか強心配糖体を思い浮かべるが、シクトキシンの場合は化学的に特殊なアルコール成分である。そして、ケイレン性の神経毒であり、最後には窒息死となる。」

◎症状:
口中の灼熱感、嘔吐、腹痛、下痢、
 ケイレン、瞳孔散大、呼吸困難で死に至ることあり。
2本食べて死亡した例がある。
有毒成分は皮膚からも吸収される。かゆみ止めに使って死亡した例あり。
      
◎春の七草「セリ」に酷似しているので、中毒事故が発生する。
ドクゼリの根をワサビと間違えることがある

■ワサビと間違えて
「昭和61年11月、ウーッといううめき声がトイレから聞こえてきた。家族が駆けつけるとAさんが意識を失って倒れている。すぐに救急車で病院に運ばれたが、ケイレンがひどく、全身硬直で血圧も測れない状態。抗ケイレン剤などの治療を受けたが、一時的な呼吸停止が続くなど重症だった、ケイレンの原因はテンカンと思われていた。そうでないことが分かったのは、家族からの聞き取り調査をしているうちに、Aさんが“ワサビ”を食べたというのがわかり、それがドクゼリだと判明したのは病院に運ばれてからすでに10時間近くが経過していた。深夜にもかかわらず、ただちに強制的な利尿や下痢などといった食中毒処理がとられた。死の恐怖にもだえていたAさんの意識が回復したのは翌日になってからだった。 (植松黎著「毒草を食べてきた」p48~

「平成4年4月、宮城県のBさんは同僚社員34人とともに野生の“ワサビ”を昼食に食べ、25人の同僚とともに集団中毒になった。食後すぐに、来客と打ち合わせをしている時に症状が出てきた。どうにも気持ちが悪くなって4回も嘔吐した。そのうち、頭がもうろうとしてきて立っていられなくなった。救急車で運ばれたが、診察室の上でケイレンを起こし、血圧は測定不能、呼吸も止まってしまった。すぐに気管を切開して酸素が送り込まれ、心臓マッサージが施された。しかしAさんの例とちがって、Bさんの回復は早かった。意識が戻り会話できるようになったのは、病院に運ばれてから1時間後だった。病院に運ばれたとき、中毒の原因がドクゼリだと分かっていたからだった。
 ■違い
「ドクセリは、池や沼地に生える大型の植物で、茎が1m以上になり、夏になると小さな花が、たくさん集まって、白いレースのように涼しげに咲く。ここまでくれば間違えることもないが、小さなギザギザの若葉が足元からチョロチョロ出てくる春先はワサビよりもセリと勘違いされる。しかし、水の中にある根はセリやワサビよりずっと太く、縦に割ると中はタケノコのように空洞になっていて、そのあいだにはいくつもの節があり、黄色っぽい汁をにじませている。




ドクダミ
=魚腥草
生薬名:「十薬」
【成分】ルチン様物質

【効能・効果】(ドクダミ)
○胃酸過多:
*乾燥葉10~40g/日煎服・茶代用。
○インキン:
*生葉をもんで塗布or生葉汁を塗布or煮詰めて軟膏にする。
○打ち身:
*生葉をもんで塗布or生葉汁を塗布or煮詰めて軟膏にする。
○疥癬:
*煎汁で洗浄・塗布。
○かぜ:
*乾燥葉10~40g/日煎服・茶代用。
○化膿性疾患:
*乾燥葉10~40g/日煎服・茶代用。
*生葉をもんで塗布or生葉汁を塗布or煮詰めて軟膏にする。
○緩下剤:
*生葉を蒸し焼きし泥状の軟膏にして塗布する(著効)
○切り傷:
*生葉をもんで塗布or生葉汁を塗布or煮詰めて軟膏にする。
○狭心症:
*乾燥葉10~40g/日煎服・茶代用。
○月経疹:
*乾燥葉10~40g/日煎服・茶代用。
○高血圧:
*乾燥葉10~40g/日煎服・茶代用。
○子宮・膣の疾患:
*乾燥葉10~40g/日煎服・茶代用。
○痔疾:
*乾燥葉10~40g/日煎服・茶代用。
○痔瘻:黒焼き(外用)
*乾燥葉10~40g/日煎服・茶代用。
○湿疹:
*生葉をもんで塗布or生葉汁を塗布or煮詰めて軟膏にする。
○腎炎:
*乾燥葉10~40g/日煎服・茶代用。
○神経痛:
*乾燥葉10~40g/日煎服・茶代用。
○吸い出し:(化膿した腫瘍の膿を吸い出す)
*生葉を蒸し焼きし泥状の軟膏にして塗布する(著効)
○頭痛:
*乾燥葉10~40g/日煎服・茶代用。
○蓄膿症:
*乾燥葉10~40g/日煎服・茶代用。
*生葉をもんで塗布or生葉汁を塗布or煮詰めて軟膏にする。
○胎毒:
*乾燥葉10~40g/日煎服・茶代用。
○タムシ:
*生葉をもんで塗布or生葉汁を塗布or煮詰めて軟膏にする。
*煎汁で洗浄・塗布。
○中耳炎:
*生葉をもんで塗布or生葉汁を塗布or煮詰めて軟膏にする。
○糖尿病:
*生葉汁を飲む、or生葉の煎汁を飲む。
○動脈硬化:
*乾燥葉10~40g/日煎服・茶代用。
○にきび:
*生葉を蒸し焼きし泥状の軟膏にして塗布する(著効)
*生葉をもんで塗布or生葉汁を塗布or煮詰めて軟膏にする。
○尿道炎:
*乾燥葉10~40g/日煎服・茶代用。
○ねぶと:黒焼き
*生葉を蒸し焼きし泥状の軟膏にして塗布する(著効)
○のぼせ:
*乾燥葉10~40g/日煎服・茶代用。
○腫れ物:

*黒焼き
*生葉を蒸し焼きし泥状の軟膏にして塗布する(著効)
*乾燥葉10~40g/日煎服・茶代用。
*生葉をもんで塗布or生葉汁を塗布or煮詰めて軟膏にする。
○冷え症:
*乾燥葉10~40g/日煎服・茶代用。
○皮膚病:
*乾燥葉10~40g/日煎服・茶代用。
○ピリン疹:
*乾燥葉10~40g/日煎服・茶代用。
○便秘:
*乾燥葉10~40g/日煎服・茶代用。
○瘭疽:
*生葉を蒸し焼きし泥状の軟膏にして塗布する(著効)
*生葉をもんで塗布or生葉汁を塗布or煮詰めて軟膏にする。
○膀胱炎:
*乾燥葉10~40g/日煎服・茶代用。
○耳だれ:
*生葉をもんで塗布or生葉汁を塗布or煮詰めて軟膏にする。
○面疔:
*生葉を蒸し焼きし泥状の軟膏にして塗布する(著効)
○夜尿症:
*乾燥葉10~40g/日煎服・茶代用。
○肋膜炎:
*乾燥葉10~40g/日煎服・茶代用。




ドクツルタケ Amanita virosa(Fr.)Betrillon
=テングダケ科テングタケ属。
ドクツルタケ・タマゴテングタケ・シロタマゴテングタケは猛毒キノコの御三家と云われる。
①針葉樹林・広葉樹林ともに発生する。
②柄の下にツバがあり、柄の根元には袋状のツボがあるのが特徴。
③水酸化カリ3%液を傘に滴下すると黄色になるのが特徴。

◎有毒成分:「アマトキシン」
アマトキシンはタンパク質の合成を阻害して細胞を破壊し、やがて肝・腎障害を起こして死に至る。

◎中毒症状:
摂取後6~12時間(潜伏期間)後、嘔吐・腹痛・下痢。
12~24時間後、消化器症状が続く。
消化器症状は収まるが、肝障害が出てくる。
黄疸、腎障害が現れ、昏睡して4~7日後に死亡に至ることが多い。
      死亡率50~90%。
◎全キノコ中毒の90%が、テングタケ属。





ドクニンジン Conium maculatum
【基原】セリ科ドクニンジン属。庭先や畑の垣根に、高さ2mにもなるパセリに似た植物。植物全体から悪臭を放っている。すらりと伸びた茎に、白いレース状の花が開く。

【成分】(ドクニンジン)
〇コニイン:
毒性アルカロイド。
無色で油状の液体で強い深い臭がある。温水よりも冷水に良く溶ける。
1881年に、A・ホフマンが分離に成功、構造も決定。
1886年に、A・ラデンブルクが合成に成功。
        
〇メチルコニイン:毒性アルカロイド
〇コニセイン:毒性アルカロイド

「ドクニンジンの毒成分は、コニインをはじめ、N-メスルコニン、γ-コニシインなどの中枢神経に作用するアルカロイドで、四肢の末端から次第に毒がまわり、意識はそのままに肉体だけが硬直していく。呼吸に必要な横隔膜の筋肉もマヒしてしまうから、心臓は動いていても呼吸困難になって、最後は窒息という死をもたらす。絞り汁などにして長期間空気にふれていると、毒成分が不安定になる、そのため処刑用の毒ジュースはフレッシュな作りたてが使われた。」

【毒性】
○コニインが口に入ると、以下のようなクラーレに似た症状:
*運動筋肉の麻痺、
*感覚神経終末の麻痺(運動機能停止、知覚喪失)
*唾液分泌過多
*呼吸神経終末の麻痺(呼吸麻痺から死に至る)
*嘔吐
○コニインの致死量:0.15g

◎しばしば、パセリの一種[マグダノス]と混同される。
◎ドクニンジンの種子は「ウイキョウ」と間違えやすい。毒があるのは花・実・葉などにも含まれる
◎ギリシャ人は死刑を宣告された犯罪者に対し、アヘンとドクニンジンエキスを混ぜた毒を与えていた。
◎紀元前399年
「政治的発言のかどで告発されたソクラテスはドクニンジンの絞り汁を飲んで死んだ。古代ギリシャの処刑は、なぶり殺しが普通。効き目の早い毒杯を自ら飲めるのはエリートだけの特権だった。」




 トコブシ
(参照→アワビ)



トコロテン
■テングサから
「山口県下関市蓋井島。ハイキングや野鳥観察、エミューの飼育」


ドジョウ
◎ドジョウ:
茨城県玉里村の茨城玉川農業漁業組合、95年に養殖施設
◎ビタミンB1の破壊酵素チアミナーゼが含まれている。朱鷺(トキ)に脚気症状が現れ、注射で改善。チアミナーゼは加熱すれば分解されるので、柳川鍋では問題がない。

【効能・効果】(ドジョウ)
○陰部湿疹:
生きたドジョウを、直接患部にあてる。
○ウルシかぶれ:
生きたドジョウを、直接患部にあてる。
○関節炎:
*生のドジョウを裂いて骨を除き、皮の方を患部に当てる。1回に5~6尾を張り包帯する。乾いたら取り替える。日に2~3回取り替える。
*生きたドジョウをすりつぶし、黒砂糖を混ぜて患部に塗布する。
○急性腹膜炎:
*生のドジョウを裂いて骨を除き、皮の方を患部に当てる。乾いたら取り替える。日に2~3回取り替える。
○肛門出血:
黒焼き末を飲む。
○痔:
生きたドジョウをすりつぶし、黒砂糖を混ぜて患部に塗布する。
○耳下腺炎:
*生のドジョウを裂いて骨を除き、皮の方を患部に当てる。乾いたら取り替える。日に2~3回取り替える。
○湿疹:
黒焼き末を塗布する。
○歯痛:
生のドジョウを裂いて骨を除き、皮の方を患部に当てる。乾いたら取り替える。日に2~3回取り替える。
○歯槽膿漏:
生のドジョウを裂いて骨を除き、皮の方を患部に当てる。乾いたら取り替える。日に2~3回取り替える。
○しらくも:
生きたドジョウを、直接患部にあてる。
○神経痛:
*生のドジョウを裂いて骨を除き、皮の方を患部に当てる。乾いたら取り替える。日に2~3回取り替える。
*生きたドジョウをすりつぶし、黒砂糖を混ぜて患部に塗布する。
○夏のスタミナに:
*ささがきゴボウと一緒に煮て卵を落とした柳川鍋or蒲焼き。
〇精力がない
〇体力不足
○乳ガン:
生きたドジョウをすりつぶし、黒砂糖を混ぜて患部に塗布する。
○はれもの(瘭疽・面疔):    
*生のドジョウを裂いて骨を除き、皮の方を患部に当てる。1回に5~6尾を張り包帯する。乾いたら取り替える。日に2~3回取り替える。
○打撲:
*生のドジョウを裂いて骨を除き、皮の方を患部に当てる。乾いたら取り替える。日に2~3回取り替える。
*生きたドジョウをすりつぶし、黒砂糖を混ぜて患部に塗布する。
○タムシ:
*黒焼きにしたドジョウをゴマ油で練って、患部にすり込む。
*黒焼き末を塗布する。
○はたけ:
生きたドジョウを、直接患部にあてる。
○瘭疽:
*生のドジョウを裂いて骨を除き、皮の方を患部に当てる。1回に5~6尾を張り包帯する。乾いたら取り替える。日に2~3回取り替える。
*生きたドジョウをすりつぶし、黒砂糖を混ぜて患部に塗布する。
*「ドジョウとハッカ」の黒焼き末を油で練って塗布。
○面疔:
生のドジョウを裂いて骨を除き、皮の方を患部に当てる。乾いたら取り替える。日に2~3回取り替える。
○盲腸:
生のドジョウを裂いて骨を除き、皮の方を患部に当てる。1回に5~6尾を張り包帯する。乾いたら取り替える。日に2~3回取り替える。
○やけど:
生きたドジョウをすりつぶし、黒砂糖を混ぜて患部に塗布する。
○指の腫れ:
黒焼き末を塗布する。
○癰:
生きたドジョウをすりつぶし、黒砂糖を混ぜて患部に塗布する。
○腰痛:
生きたドジョウをすりつぶし、黒砂糖を混ぜて患部に塗布する。
○よこね:
生のドジョウを裂いて骨を除き、皮の方を患部に当てる。乾いたら取り替える。日に2~3回取り替える。
○リウマチ:
生きたドジョウをすりつぶし、黒砂糖を混ぜて患部に塗布する。
○リンパ腺炎:
生のドジョウを裂いて骨を除き、皮の方を患部に当てる。1回に5~6尾を張り包帯する。乾いたら取り替える。日に2~3回取り替える。
○瘰癧:
生のドジョウを裂いて骨を除き、皮の方を患部に当てる。乾いたら取り替える。日に2~3回取り替える。
○わきが:
生のドジョウを裂いて骨を除き、皮の方を患部に当てる。乾いたら取り替える。日に2~3回取り替える。

■夏のスタミナ源
「鉄分やビタミン・カルシウムが多く夏のスタミナ食とされるが、食通によれば冬眠前のエサを食べ込む秋口はさらにおいしくなるという。
開いたドジョウとゴボウを煮てタマゴで閉じた柳川鍋や丸煮にしてネギで食べるドジョウ鍋が定番。ドジョウ料理の専門店でみかける「どぜう」の文字は1801年に創業した東京・浅草の老舗の造語と言われている。創業時は旧仮名遣いの「どぢやう」だったが、開店直後に火事で店が焼けた。縁起をかつぎ、祝い事などに用いる奇数の文字を使ったのがはじまりのようだ。
■寄生虫
ドジョウなどの淡水魚には顎口虫(がっこうちゅう)という寄生虫がいます。人体にはいると腸壁を貫いて皮下組織を動き回る。浅いところをはうと、爬行疹というジグザグの痕跡が残ります。ドジョウの躍り食いでよく感染する。
皮下にいる場合、皮膚を紡錘型に切開して幼虫ごと取り除く。顎口虫(がっこうちゅう)は逃げ足が速くて麻酔をかける間に逃げてしまう。目や脳に入ると重大な障害を残します。
■ドジョウ稚魚を養殖
2016/10/20
岡山のジャパンマリンポニックス
ドジョウ養殖の技術が確立しており、500匹の親を飼育。


トチの実=どんぐり
○腸胃を丈夫にする。
「米飯に混ぜて食べるか、丸剤。」



トドマツ
■血糖値を抑える
2013年、北海道立総合研究機構林産試験場(旭川市)の佐藤真由美研究主任らのグループが、トドマツの葉のエキスに血糖値の上昇を抑える効果があることをラット実験で確認した。
トドマツの葉のエキスを混ぜたエサを食べたラットは、通常のエサのラットに比べて血糖値の上昇が抑えられた。分析の結果、エキスに含まれる「レボピマール酸」と「ネオアビエチン酸」が、インスリンの働きを改善させることが分かった。
さらに、糖尿病治療に現在使われている薬には体重増加を招くものもあるが、今回効果を確認した2成分は、血中の脂質濃度を抑える働きがある。



トナカイ
=-50℃で生きてゆける
コケが主食。
◎トナカイ:
 北海道幌延町(ホロノベ)で飼育。90頭。

◎狂鹿病
「松浦漢方が直接トナカイの角本体を輸入し、エキス化まで一貫製造のためヘラジカの混入はない」松浦-原田邦夫



トパーズTOPAZ
=「黄玉」
⇒「月長石」とも呼ばれ、古くから世界中の神秘家に気に入られてきました。
その名は「火」を意味するサンスクリット語tapasに由来する。
◎古代のトパーズ=「かんらん石」であった。(堀秀道著「楽しい鉱物図鑑」p186)
◎古代においてはペリドットもクリソライトもトパーズと呼ばれた。
◎黄色い石英のことをトパーズと呼んでいますが、本物のトパーズはその極一部です。
硬度:[8]
◎アルミニウムと天然水晶のケイ酸塩。
◎色は黄色~黄褐色。
◎ブラジル、スコットランド、アイルランド、日本、スリランカで産出。
◎古代サンスクリット語で「熱」という意味のトパースに由来します。
◎木星が支配。
◎青い宇宙光線と結びついています。
◎古代エジプトでは、生命と豊饒の源泉である太陽神「ラー」の象徴。
◎キリスト教では、
正義、真の愛、神の愛、友情、温情、節制の象徴。
◎隠れた泉や金鉱を発見するための、占い棒にも使われます。
◎結婚16年目の宝石。
◎友情と貞節がキーワード。
◎古代ギリシャの治療効果:

痛風
循環器障害
肝臓病
腎臓病
水腫

◎古代ローマ人:発狂
        中毒
        憑霊
◎治療効果(トパーズ)
イ)喉頭炎
ロ)猩紅熱
ハ)麻痺
ニ)水疱瘡
ホ)カンジダ(イースト菌の感染)
ヘ)ヒステリー
ト)神経障害
チ)百日咳
リ)月経前症候群
ヌ)内分泌異常

◎特に、怒りを抑えて病んだ心を元に戻す。
◎ストレスを和らげ体力を回復させるために、中世の人々は眠りにつく前にトパーズを枕の下に置いた。
◎激しい感情を抑え、精神的緊張やストレスを緩和し、体力を回復させる。
◎ビタミンCの代わりに、ポケットに入れて持ち歩きましょう。
◎体内の呼吸メカニズムを高める作用があるので、風邪や結核を予防。
◎トパーズを付けていると。
イ)すぐに結婚出来る
ロ)子供や孫に恵まれる。
◎トパーズがとても手が出ない人は、シトリンがおすすめ。シトリンの効力もトパーズに匹敵します。

◎以下の石を身につけるのは要注意。
イ)ヒビの入ったトパーズ:盗難を招く。
ロ)白く濁った石:けがをする。
ハ)黒と白が入った石:家畜を病気にする。
ニ)赤い斑点のある石:破産のもとです。
◎月曜日、orその支配惑星の日、木曜日に
◎不慮の事故など突然の死を避けるために、指輪にして身につけました。
◎金の指輪にはめます。
◎首につけておくと、感情の亢ぶりが抑えられ、知能が伸びる。
◎重さは、
イ)[3カラット]以上が必要ですが、
ロ)[6][11][15カラット]のものはいけません。  
◎初めて指輪をするときは、陰暦で月が明るい半月のあいだの木曜日の朝に、右手の薬指にはめて下さい。

◎腎臓と膀胱の症状と戦う(D・L・メラ)
◎応用:怒りの気持ちがある時。
感情を穏やかにし、ストレスから守る。

◎リーディング(レノーラ・ヒュイット)
「トパーズの黄金色は意識を掃き清めるのに役立つ。それは脳細胞を休ませて張りつめた緊張を自由に流し出す。これは物理的疾患としての頭痛ではな く、思考と緊張によって起こった神経性の頭痛をさす」
「持つ人の心を他の人に開かせてくれる」
「憂鬱や不眠に対する防御手段としても使える」
「松果腺と脳下垂体に一番効き目がある。」
「トパーズを各腺中枢の上にかざせば、そこから消極的波動を取り去ることが出来る」
「各中枢に密接する血流からも消極性を取り去る」
「単純な黄色いものを選び、左手に指輪or胸腺の上に下がるようにペンダントにする」

◎リーディング(ジュリア・ロルッソ)
「トパーズは電気的凝固剤とも言える。琥珀やトルマリンと同じく磁気的電気的な宝石であって、この血漿が放出する電荷が人を鎮静させ、神経的にまいっている人や疲れすぎの人をサポートする。」
「この石を使うことによって、脊柱や髄液が大きく影響を受ける」
「神経系統に溜まる恐怖やショックにバランス作用を与えることによって太陽神経叢の力を統一し、同時に鬱血症状を軽くし、脾臓及び仙骨中枢を活発化する」

◎リーディング(遠藤昭則)
「トパーズを手に持つと頭の上にオーラが出てくるが、その色は本人が目的としていることを表す。この宝石は下手に使うと我を強くして、本人をナルシストにするところがある。よって、自分を失った人に適する石である。」
「外国で使っているESP開発用のツボに作用する。左上腕部のツボである。左手にトパーズを持つとこのツボに緊張が出てくるが、右手に持つと同じツボが明るくなってくる。」
「手からパワーが抜けにくい場合、トパーズを持つと手のパワーの回路がうまく開き、手のオーラが明るくなる」
「日本人は肩が凝りやすいためPK(念動力)能力が少ないのだが、この石は肩にいい作用を与えるので、PK能力を開発したい人は使ってみるといいだろう」
「ドライバーなど目を使いすぎる人は、トパーズを額に当てるといい」

◎リーディング(トレーシー・ジョンソン)
「心の目的を高め、個人的決断を与え、個性をさらに引き出してくれる」
 


トビウオ
■魚うどん
「宮崎県南部の港町、日南市油津地区には身近にとれるトビウオのすり身を使った、うどんのような食べ物がある。煮込むほどにうま味が出る魚うどんは戦時中の代用食。」




トビの頭
○癲癇の主治薬。
「焼いて食べる。又は頭を焼いて黄連1両と粉末にして丸め服用。」


ドブガイ(蚌ボウ)
○煩を除去し熱毒を解く。肉を使う。




トマト Tomato
(参照→「瘀血」)
ナス科の植物
=Lycopersicon lycopersicum
夏が旬の野菜。南米ペルー・エクアドル原産のナス科の1年生草本。
食用の始まりは、18世紀のイタリア人。
ステンレスのさび落としにケチャップ(リコピンの作用)
うまみ成分(=グルタミン酸)ゼリー状の部分に多い

【効能】(トマト)
*血液浄化
*高血圧の予防
*脳出血の予防
*免疫力強化

【成分】
*ビタミンC
*ルチン(ビタミンP)
*リコピン
*ペクチン
*グルタミン酸
*アミノ酪酸

⇒西暦1000年頃にメキシコで栽培が始まり、日本へは17世紀後半に伝来したといわれる。ビタミンA・Cのほか、生活習慣病の原因になる活性酸素を減らす効能があるとされるリコピンを含む。
 トマトは1596年に欧州に入った当初、強精剤と考えられて“愛情の果実”の名まで残っている。
○葉からは植物塩基トマチンが分離される。これを加水分解すると、アルカミン・トマチジンと2分子のD-グルコース(ブドウ糖)と1分子のD-キシロースと1分子のD-ガラクトースの糖鎖が得られる。
トマチンをマウスに経口投与した結果、LD50は1kg当たり500mg。トマチジンの化学構造は、スピロ型のソラニジンである。

■トマトをたくさん食べよう。
<1>膀胱ガンに。
「膀胱の内側の上皮細胞は、上部消化器官の組織・肺組織・皮膚・小腸の組織と同じ環境毒物にさらされています。呼吸・食事で摂取する毒物のほとんどは、尿中に直接排泄されるか、あるいは代謝(同化作用と異化作用)を受けた二次産物となって間接的に排泄されます。したがって、毒物が上皮組織に働きかけるに十分な時間があるのです。
いくつかの研究で、トマトは予防物質を含む食物としてあげられています。さらに、統計的分析で、この予防効果はリコピンにあることが分かりました。すなわち、βカロチンとリコピンという2つのカロチノイドが、膀胱ガンの予防に効くことを意味しています。」J.スカラ著・荒川信彦・大塚恵監訳「新・実用ビタミン栄養学」P45より。
<2>前立腺ガン
「トマトたっぷりのピザやスパゲッティに前立腺ガンの予防効果がある、と言う研究結果を米ハーバード大の研究者がまとめた。40~75歳の男性47000人を6年間追跡。前立腺ガンになった812人と、ガンが見られなかった人について、46種類の野菜・果物の好みを調べた。
前立腺ガンの予防に効果の有ったのはトマトを使った料理とイチゴ。特に、トマト料理を週に10回以上摂ると45%、4~7回では20%、ガンになる危険性が減っていた。生でも・ソース・ジュースでも良く、イタリア・ギリシャなどトマト料理を好む国で前立腺ガンが少ないという報告と合っているという。リコピンという赤色色素が酸化物が出来るのを防いでいるらしい。 1995.12.17《朝日新聞》より。」
<3>肝臓ガン抑制効果
「カゴメは京都府立医科大学、国立がんセンターと共同で、トマトに含まれる赤色色素の成分に、肝臓ガンの発生を抑える効果があることを動物実験で見つけた。 
『リコピン』と呼ばれる成分で、肝臓ガンにかかったマウスに50ppmの濃度に薄めたリコピン水溶液を40週間飲ませたところ、飲ませない場合に88%あったガンの発生率を43%まで下げることが出来た。1997.3.31《日経産業新聞》
<4>大腸ガン予防
「秋田大学と京都府立医科大学、カゴメの共同グループは、リコピンに大腸ガンの発生を抑える効果があることを動物実験で突き止めた。1997.6.2《日経産業新聞》

■トマトジュースが有効
「トマトジュースに含まれる色素がネズミの大腸ガンの発生を抑えることを、秋田大医療技術短大部や京都府立医大などのグループが確かめ、日本がん予防研究会で報告した。
ネズミの腸に発ガン剤を入れた後、4種類の植物色素を別々に毎日胃に送り込み、6週間後に腸の状態を調べた。トマトの赤い色素である[リコピン]と緑の葉に多くてトマトににも微量含まれる[リティン]を与えた2つの群で、前ガン病変の発生が何も与えなかった群と比べて減少した。
また、大腸ガン発生率に関し以下の比較を行った。
       (35週間後の比較データー)
①多量のリコピンと微量のルティンを含むトマトジュースを与えたグループ       --------------------------------------------------------------21%
②リコピンだけを水に混ぜたグループ---33%
③ルティンだけを水に混ぜたグループ---38%
④水だけを与えたグループ----54%


■活性酸素除去
「静岡大学と徳島大学、カゴメの研究グループは、トマトの色素であるリコピンが体内で強い毒性を示す活性酸素(ペルオキシナイトライト)と素早く反応し過剰な活性酸素が害を与えないよう除去する仕組みを解明した。リコピンは反応後の無くならないので効果が持続する。
リコピンは抗酸化作用が強く活性酸素を取り除く作用が強いことが知られていた。衛藤英男静岡大教授、寺尾純二徳島大教授らのグループは炎症部に多く見られ細胞のガン化に関連していると考えられている活性酸素のペルオキシナイトライトとの反応を調べた。
リコピンとペルオキシナイトライトを溶媒に入れてかき混ぜた後、高速液体クロマトグラフィーで生成物を分析した。その結果、リコピンがペルオキシナイトライトと反応し、別の安定な物質に変化していたのが分かった。
リコピンは反応後も分解されずになくならず、分子構造が少し違う異性体になる。このため毒性を取り除く効果が持続すると考えられる。」2001.4.5《日経産業新聞》


■抗ガン成分ふやす
「米オアデュー大学の研究チームは、ガンを抑える抗酸化物質リコピンの多いトマトを開発した。酵母菌の遺伝子を組み込んでリコピンを従来品種の3.5倍に増やした。
リコピンは細胞組織を傷つけてガンを引き起こすとされる活性酸素の働きを弱める。悪玉コレステロールを減らす溜め心臓病の予防にも効果があるという。
酵母菌の遺伝子が作る酵素はポリアミンという物質を作り出す。ポリアミンは植物細胞内の特殊な色素を作るのに効果があり、この色素にリコピンが蓄積する。栄養補助用にリコピンだけを抽出すると、トマトから摂取するのに比べ抗酸化作用は弱まるという。」2002.7.10《日経産業新聞》

■トマトの皮
「加工用トマトの皮に含まれるポリフェノールの一種「ナリンゲニンカ」(黄色い粉末)にヒスタミンを抑える働きがあることを未病医学研究センター(東京・世田谷区)で確認。キッコーマンの小幡明雄氏が開発。」2004.1.14《日経産業新聞》


■ウイルス感染
「2008年、町田泰則・名古屋大学教授らの日米チームは、ウイルスが植物に病気を起こす仕組みを突き止めた。
ウイルスが感染すると、2種類のタンパク質による協働を阻害し、葉の形が悪くなる。成果は9/1ジーンズ・アンド・ディベロップメントに掲載。
研究チームはトマトの葉を黄色くし、スプーン状に彎曲させて、収穫量を大幅に減らしてしまう。ウイルスを使って実験。ウイルスがトマトに感染すると、ウイルス独自のタンパク質を作り、それがトマトの『AS1』『AS2』という2つのタンパク質が共同で働くのを妨害していた。
トマトの2つのタンパク質が働かないと、葉は黄色くなり彎曲する。するとウイルスを媒介する昆虫がよりいっそう葉に集まりやすくなる。」
■野菜苗(サントリー)
◇イタリアのトマト
[ルビーノ]生食。栽培しやすい
[バンビ]生食。果肉が堅め
[ロッソロッソ]加熱。炒め物に合う
[ズッカ]加熱。イタリア語で(かぼちゃ)。栽培が難しい。
[ルンゴ]加熱。煮込み料理に合う。
◇フランスのトマト
[ジュレピンク]生食。ピンク色で小さい。
[ブッセ]生食。フランス語で(一口)
[ボンリッシュ]加熱。大玉で栽培しやすい。出汁のようなうまみ。
[グランソレイユ]加熱。フランスでは定番。






トマピー
⇒新顔の野菜。ナス科の野菜パラディチョン・パプリカの突然変異種。
トマトのように赤く丸い。苦みもなく甘みが強い。炒めものにもサラダにも向く。


ドラゴンヘッド
【学名】Dracocephalum moldavica
【英名】Dragon head(ドラゴンヘッド)
【和名】ホザキムシャリンドウ(タチムシャリンドウ)
【分類】シソ科、1年草
【原産地】アジア北部、ヨーロッパ




トリ(鶏)
■天草大王
「我が国最大の体格を誇る鶏。明治末から博多の水炊きに使われていたのが昭和初期に絶滅した。
天草大王は明治時代に中国のランシャン種を元に交配された。大きい雄だと7kgに達したという。ブロイラーのほぼ2倍。それが天草では放し飼いにされていた、だが、昭和恐慌で水炊きの需要が激減したのと、あまり卵を産まないことが災いして姿を消した。
熊本県農業研究センター畜産研究所の研究参事だった松崎正治さんらによる復元プロジェクトが動き出したのは1987年頃。しかし、いきなり壁に当たった。肝心のランシャン種が国内にいない。中国で飼育されていたが、検疫の関係などで輸入できない。英国で個人が飼育していることが判明したものの、手続きが煩雑で断念した。あきらめかけていた松崎さんのもとに「米国の孵化場にいる」との情報が入り、何とかヒナを入手できたのは1992年。
わずかな文献と残された絵から目星をつけ、シャモ・コーチンとの3種交配を7年間繰り返した。
その結果、2000年になって、絵に描かれていた原種天草大王と体形、鶏冠の形状、羽の色などが同じ交配種が誕生した。雄の最大体重も6.7kgと甦った。
復元された原種の雄と、九州ロードという新品種のメスから生産されるのが平成の天草大王。昨年度は熊本県内を中心に43000羽が出荷された。2005.6.18《日本経済新聞》



トリカトゥ Tri-katu (三辛薬)
◎ア・ヴェーダで、[ショウガ][黒コショウ][ナガコショウ]を“3つの辛味薬”と呼ぶ。
いずれもアグニ(酵素)を強く刺激する。


トリカブト Aconitum napellus
(参照→「附子」「ヴァツァナーバ」「アティヴィシャー」)
【学名】Aconitum spp.
【英名】Monkshood
=キンポウゲ科トリカブト属の多年草。「鳥兜」

◎妻を毒殺した。
トリカブト毒と河豚毒は拮抗し合う。
妻に飲ませて1時間40分後に死亡。トリカブトだけなら40分。
◎ブルガリアではトリカブトを鑑賞植物として自分の畑で栽培している。
ブルガリアには毒性の強いトリカブトが生えている。キルギス共和国やヒマラヤには別種が見られるが、それらには毒性がない。約300種。
「日本では約30種あるうち、北海道の[エゾトリカブト]、東北地方に多い[オクトリカブト][ヤマトリカブト]などの毒性が強いと言われている。しかし、同じ[ヤマトリカブト]でも、東京高尾山のものは毒性分がほとんど無いものがあり、関西~四国地方に広く分布している[サンヨウブシ]なども、毒性が弱いと言われている。」
◎古代ギリシャ
「トリカブトのことをアコニトンと呼んでいた。テオフラストスの《植物誌》によれば、トリカブトが生育するクレタ島にあるアコナイという古い地名に由来しており、そこは岩の多い地域だった、という。現在、トリカブトの学名(属名)であるアコニチウムは、この「アコニトンのラテン語読みで、毒性分のアコニチンも、この古いギリシャ語からとられている。植松黎著「毒草を食べてみた」p24~)
◎1929年に日本の化学者たちが、日本種のアコニット(トリカブト)も、ヨーロッパ種のものと同じく、3種類のアルカロイドを含んでいることを証明した。

【成分】(トリカブト)
アルカロイド:
  アコニチンaconitine
  メサコニチン mesaconitine
  ヒパコニチン hypaconitine

◎アコニチンの中毒症状:
<1>初期:10~20分以内に口腔の灼熱感、手足のシビレ、めまい、発汗。
<2>中期:嘔吐、腹痛、下痢、嚥下困難、起立不能、不整脈。
<3>末期:血圧低下、ケイレン、呼吸麻痺、死に至る。
摂取後24時間以内に死亡している例が多い。

◎致死量:アコニチン3~6mg
(新鮮なトリカブト根:0.2g~1g)
体重1kg当たり0.308mg。60kgの大人でも18mgで死に至る。
◎解毒剤はない。
◎山菜の「モミジガサ(別名:シドケ)」と間違えて中毒事故。
トリカブトの葉を噛むとヒリヒリする。
◎混同しやすい山菜:モミジガサ、ニリンソウ。
◎無毒:アティヴィシャー

【中毒事例】
1993年、モミジガサと思いこみ、トリカブトをおひたしにして食べた。
20分後に口周辺にしびれがあり、やがて嘔吐や呼吸困難が現れて病院に駆け込んだ。この男性は3日後に完治退院している。

ブッヘンワルトの収容所では。硝酸アコニチンを使った人体実験が行われ、中毒の臨床所見には、次のように記載されている。
最初の症状は20~25分後に現れる。
運動神経の興奮
軽い唾液分泌過多
40分後、唾液分泌が激しく、中毒者が唾液を飲み込めないほど。
嘔吐と強い運動神経の興奮が続き、それが次第に収まっていく。瞳孔が散大する。
121~129分後:死亡。

昭和58年5月
「山形県村山市のSさんは、その朝、2人の息子と一緒に、近くの山へニリンソウを摘みにいった。この地方で言う「ヤマソバ」と呼ばれる山菜で、お浸しにしてよく食べる。その晩、3人はお浸しを肴に酒を飲んだところ、急激な腹痛に襲われ、床を転げ回るほどのケイレンを起こした。ニリンソウのなかにトリカブトの若葉が混ざっていたのだ。3人が病院に担ぎ込まれたとき、Sさんと次男はすでにショック状態で、血圧も60と危険なレベルにまで下がっていた。そして、Sさんはまもなく死亡。トリカブト中毒と分かっても、生命を救う決定打はなにひとつ無かった。トリカブトの若葉はゆでると苦みが軽減されて食べやすくなってしまう。(植松黎著「毒草を食べてみた」p24~)
   ★植物毒
日本語としては、トリカブトを「鳥兜」と書く。中国語的には「烏頭」と書き、“ウズ”と読まないで“トリカブト”とふりがなをつけてきた植物である。キンポウゲ科に属し、トリカブト属植物の根から2年性が中心のトリカブト亜属と、多年性のレイジンソウ亜属に分類される。
 2年性の母根と子根からなるので「附子」の名も存在する。古代中国では紫色の花を咲かせることから「菫(キン)」とも称した。花の形が烏帽子に似ているので、「兜」でも「頭」でも差し支えない。
 レイジンソウも、“麗人草”ではなく、古代からの雅楽の奏舞者が頭にかぶる烏帽子から「伶人草」の字を書くのである。
 トリカブトに関して少し中国の歴史を見てみよう。「菫」といったが、「詩経」にまで遡ることが出来る。殷のあと周になるが、「大雅」の項に、“周の野原は肥沃であってトリカブトやノゲシが飴の葉によく生育している”様子を詠んでいる。また、「国語晉語」には周代・晉の献公の寵愛を受けた周知の驪姫について書かれている。そこには、“鴆を酒の中に菫を肉の中に・・・・”とある。そして「呂氏春秋」には、“サソリと菫は殺さない”とあり、一緒だと毒にならないという意味である。解毒を意味している。
日本のトリカブトでは、通称ヤマトリカブトとオクトリカブトが知られている。徳川家治が将軍の時、C・リンネの高弟、C・P・ツンベリーが来朝し謁見がなされている。このとき、持ち帰ったトリカブトの醋葉は、“アコニウム・ヤポニクム・ツンベリー”の学名が付されてウプサラ大学に保蔵されている。このトリカブトがどこで採集されたものか、論争が絶えない。
オクトリカブトは、ヤマトリカブトの化学変種であってエサコニチンを含有し、毒性も強くなる。最近、河内の金剛山産のカワチブシを札幌に移植したものを分析すると、エサコニチンの成分が存在することを確認した。系統分類から同系統種と考えられる。
一方、札幌郊外の定山渓産の無毒のトリカブトを関東地方に移植しても成分は変化しないが、葉の形態変化が観察された。しかし、河内金剛山においてメサコニチンとアコニチンの量を比較すると、北斜面では前者が多いが、南斜面では後者が多くなる。これは佐渡のドンデン山においても同じ傾向を示した。毒性についてみると、マウスの皮下注射では、1kg体重当たりアコニチンは0.4mg、メサコニチン0.3mg、エサコニチン0.2mgで市にいたり、エサコニチンが最強となっている。最近、ベンゾイルメサコニチンがエイズに対して効果があると報じられた。
   ■毒の量
「すべてのトリカブトが同じ質と量の毒性を持っているワケではない。産地や生育状況、季節によって、同じ種類でも毒の割合が違ってくる。その上、トリカブトは亜種を含めると約300種と非常に多く、地中海沿岸地方~ヨーロッパ、ロシア、ヒマラヤ、中国、日本、北米など、北半球の寒帯から温帯にかけて広く分布している。
 そのうち、最も毒性が強いとされているものはヨーロッパ産の『ヨウシュトリカブト』と、ヒマラヤや中国に産する何種である。日本では約30種以上あるうち、北海道の『エゾトリカブト』、東北地方に多い『オクトリカブト』『ヤマトリカブト』などの毒性が強いと言われている。しかし、同じヤマトリカブトでも、東京高尾山のものは毒成分がほとんど無いものがあり、関西~四国地方に広く分布している『サンヨウブシ』なども毒性が弱いと言われている。(植松黎著「毒草を食べてみた」p24~)
■トリカブト
「キンポウゲ科に属するトリカブトの分布は、ヨーロッパ、インド、アジアにかけての広い範囲の山地・森林・高原などに生育する。ヨーロッパ原産のAconitum napellusも、もちろん強い毒性を持っているが、ヒマラヤ山地~インド・ビルマにかけて自生するA.feroxは特に毒性が強く、矢毒として盛んに利用された。この地方ではトリカブトの矢毒を
バツ・ナブ(ベンガル語)
ワツ・ナブ(マラティ語)
ビシァ(サンスクリット語)
ビシュ(アッサム語)
などを呼んだらしい。このビシァとかビシュとかいう語韻は、中国の『附子』に伝えられた可能性がある。
我が国に分布するトリカブトはオクトリカブト(ヤマトリカブトA.japonicum)、エゾトリカブト(A.yesoense)をはじめとして70種近くあるとされる。
明治42年、当時ドイツのマールブルク大学に留学していた馬越孝次郎博士が東京大学の下山順一郎教授が集めて送った北海道産のトリカブトの根を研究した報告に、アイヌの人たちは毒性の強い、そろった品種のトリカブトの採取地をそれぞれに秘密にし、秋、ブドウが実ることになると赤い汁を出す側根(附子)を選んで掘り、白い汁を出す品種や古い根は捨てたと書いてある。
アイヌの伝承では、個々に生えているトリカブトはダメで、群生しているところのものが良いとされ、採集した根はサヤに入れて炉上に吊し、3~4週間乾燥させる。毒性を調べるために乾燥根の切片を舌に乗せ、苦みを感じ、舌を麻痺させるものを良しとした。」
■アコニチン
1833年にドイツの化学者たちによってアコニチンが分離された。そのご、リコクトニン、アチシンなど多くの塩基性成分が分離された。
アコニチンの化学構造は複雑で、いったんはX線解析の結果などから蹴ってされながら、1981年になってその一部が誤っていたことが判明した。
トリカブトの塩基性成分は大きく分けて2種類ある。
炭素数19個・・・・『アコニチン』に代表される炭素数19個(C19H29N)の構造母核をもつ猛毒成分
炭素数20個・・・『アチシン』を代表とする炭素数20個(C20H33N)の構造母核をもつ成分で、毒性がない。
アコニチン、メサコニチンなどの注射時の毒性はかなり強く、矢毒に用いられて強烈な毒性を発揮し、狩猟に利用されたことがうなずける。たとえばモルモットに対する致死量(皮下注射)は体重1kg当たり0.06mg、ウサギで0.15mg。ヒトが誤って口にした場合の中毒症状としては、まず酩酊状態となり、のぼせを感じ、口唇・腹部・皮膚にシビレ感・灼熱感を覚え、続いて麻痺が起きる。さらに進行すれば舌は硬直し、涎を流し、言語が不明瞭になる。そして胃痛、腹痛、チアノーゼ、瞳孔散大、血圧低下、脈拍微弱、呼吸麻痺を経て死に至る。
一般にアコニチンの毒性は中枢神経を興奮させるような薬物(たとえばカフェイン)によって増強され、中枢神経抑制薬あるいは麻痺薬は毒性を軽減させる方向に働くとされる。



◎カプセル入りの栄養剤を飲んでいた
即効性がある毒

数十分で死に至る
午後0時→午後1時20分頃に苦しみだした。
1時間半の壁
トリカブト+フグの毒
同時に使った場合、
ナトリウムの流入を促進
フグ毒・・・・ 流入をブロック
トリカブト:フグ=一定の割合  大野教授

・綴こう録(てっこうろく)・・・ フグはブシを憎む



トリパラー Tri-phalā (三果)
=[アーマラキー][ビビータキー][ハリータキー]の3つの果実を一組にした呼び名。
【適応】
喘息
気管支炎
喘息
糖尿病





トリュフ
=西洋松露とも呼ばれる1年生の地下生キノコ。フランス南西部ペリゴール地方の黒トリュフ、イタリア北西部ピエモンテ地方(アルバ産)の白トリュフが有名。
その香を十分に保てるのは3~4日間。
黒トリュフは苗木を使って作ることが出来るが、白トリュフは出来ない。
白トリュフは、シンプルなパスタやリゾットに削って使う。香りが特徴。
黒トリュフは、白の1/3程度の価格で、火を入れて調理することが多い。
◎ゲルマニウムが大量に含まれている。
・朝鮮人参の約3倍。

◎人工トリュフを日本人が開発。
■国産
「岩手県岩泉町で、地元の中高年男性らが1996年に組織した『ドンキホーテの会』が収穫に挑んだ。
会のリーダー格で飲食店経営の佐々木良和さんは「町内の山林がトリュフの本場、ヨーロッパの環境に似ていることからトリュフ探しを思い立った」と説明する。この地域は石灰質土壌で広葉樹が茂っており、フランスの産地と酷似しているという。
「あるはずがない」と冷笑されたが、探索を続け、98年に発見。昨年も130個を見つけた。だが残念なことに「大半が直径1cm未満で市場価値が無く、全部、鑑定や培養試験に回したので実物はありません」2000.5.20《日本経済新聞》
■大量栽培
「キノコの開発会社、農林菌類(新潟県越路町)はイタリア原産の白トリュフ品種『キューバマグナータム』を大量栽培する技術を確立した。欧州でトリュフは生木の菌床を植え付ける手法で人工栽培されているが、農林菌類が開発した方法は土を必要とせず、ハウスで完全な人工栽培が出来る。収穫までの期間も90日と短く、音頭管理によって通年栽培も可能になった。
ポリプロピレン袋に入れて殺菌した培養土(2.5kg)に、22℃~23℃で菌を植え付け、菌床が全体に回ってから15℃~17℃に温度を下げると1ヶ月半で(300~400g)収穫できる。
同社は1996年10月近畿大学農学部と日本や中国に産出するトリュフ(セイヨウシュウロ)の人工栽培に成功した。ただ、日本原産などの品種は香が薄く、欧州では評価されなかった。」2001.2.2《日経産業新聞》
■タスマニア島
「トリュフの産地はフランスやイタリアという印象が強いが、タスマニア島でも栽培することが出来ることが確認され、1999年から収穫が始まった。」2001.6.10《日本経済新聞》
■山口県美東町
「愛犬がニオイをかぎつけると、土の中からトリュフがザックザク。ここは秋吉台のカルスト地形が広がる山口県美東町。先月24日、秋吉台リフレッシュパークにラブラドール・リトリーバーやシェパードなど7匹のイヌが参加。トリュフは地表から数センチの所に埋まっていて本場欧州では探索にブタを使うのが一般的だ。しかし、ブタはトリュフを食べてしまう難点があり、訓練されたイヌを使うこともある。同パークでは昨年、人の手でトリュフが発見されており、イヌを訓練すれば掘り当てられると、商工会が愛犬家に呼びかけた。
ラブラドールの「愛ちゃん」が1時間ほどで掘り当てたトリュフは直径1~4cmを40個。」2002.12.8《日本経済新聞》
■国内生産
「地ビール生産の新潟麦酒(新潟県巻町)は世界3大珍味の1つであるトリュフの国内生産を始める。黒と白のトリュフで、今年1~2トンの栽培を目指す。ホテルや高級レストランに供給するほか、直営レストランでトリュフ料理を提供する。
トリュフの栽培技術は農林菌類(新潟県越路町)から提供を受ける。栽培する品種は黒トリュフがフランス原産のメラノスポーラム、白トリュフがイタリア原産のマグナータム、
トリュフは本社近くの丘陵地で栽培する。おがくずに数種の栄養素を混合した培養土を使う。」2003.1.17《日経産業新聞》
■黒いダイヤ
2008年専門商社のノーザン・エクスプレス(品川区)によれば、フランス産の卸売価格は、15万円/1kg。
黒トリュフ入りの焼きたてパン:「銀座カンセイ」03-3573-5721銀座5-6
■日本にも
「2009年、トリュフの仲間(セイヨウショウロ属)が、国内には少なくとも15種類が自生していることが東京大アジア生物資源研究センターなどの遺伝子解析で突き止めた。
これまで、国内では数種類が報告されていたが、見つかったのはほとんどが新種と見られる。食用に適するかどうかは不明。
同センターの奈良一秀助教(菌根菌学)と博士研究員の木下晃彦さんらは、北海道・神奈川・大分など14都道府県の林で採取したセイヨウショウロ属の子実体(キノコ)162個についてDNAの塩基配列を調べた。
その結果、高級フランス料理に欠かせない黒トリュフの安価な代替品として流通している中国産トリュフと近縁の3種、欧州でしか発見例がない“祖先型”に近い2種、白くて小さい7種のほか、既知のトリュフとは遺伝的にかけ離れた2種など計15種が確認された。」
ためしてガッテン
ブタの雄が出すフェロモンのにおい
■トリュフ抽出エキス
2011年、地ビールの新潟麦酒はトリュフに含まれる成分を抽出したエキスの販売を2012年から始める。これまで人工栽培のトリュフを食材として生産販売してきたが、新潟薬科大学との共同研究で開発。
トリュフの成分を摂取すると、体内で性ホルモンの材料になるDHEA(デヒドロエピアンドステロン)の分泌を活発化させる効果があるという。




トルコ石 TURQUISE
=CuAl5(PO4)4(OH)8・4H2O
アルミニウムと銅の水和リン酸塩からなる鉱物。
アルミニウムの豊富な岩石に陸水の侵入がある場所に生じる。トルコには産しない。
⇒水を含む硫酸銅アルミニウムを成分とする鉱物。
・青い色のものは、銅が豊富に含まれ
・緑のトルコ石にはアルミニウムが多く含まれています。
◎すべての文明の橋渡しになっている。
◎至る所で発見されている。
◎東洋では、トルコ石の指輪----あらゆる邪悪から守ってくれるもの。
◎考えがうまくまとまらないときに、心をクリアーなビジョンを与えてくれる石。
◎体をリラックスさせる(D・L・メラ)
・心の緊張を除いて、感情と過剰なストレスを和らげる。
◎インディアンは、墓を守るのに使いました。
◎インディアンにとって、常に地上に生きる空の神を表し、そのためこの石は託宣の石としても使われました。
◎この石は色が変わりやすいので、干ばつなどの自然災害の切迫を予知するのも使われました。
◎石を持っている人が、ストレスなどで、石のパワーを涸らしてしまうと、青い色を失って緑色になる伝承がある。
「人があまりに強いストレスに置かれていると、体内の銅の分量が増大してしまうことが、研究で確かめられています。体内の銅は、トルコ石の銅と直接関係していると思われます。」(D・L・メラ)

◎相性の悪い宝石
<1>マラカイト:マラカイトは心を刺激し守る石。トルコ石がマラカイトの警戒力を相殺しその力を眠らせてしまいます。
<2>ダイヤモンド:ダイヤモンドはすべてのエネルギーを吸収してしまい、トルコ石の鎮静作用を失わせてしまいます。

◎応用:心配事
    頭の混乱。

◎リーディング(レノーラ・ヒュイット)
「身につけている本人がその石に同調出来ているときに全般的な治療石となる。」
「治療石として使うには、銀にセットしたブレスレットを作って左手首にはめる」
「トルコ石を身につける人は温厚な性格であることを要する。」
「意志力の中枢、甲状腺に作用する。意志力の中枢にトルコ石をつければ、そのエネルギーが様々な腺中枢を通して血へとながれ全身に伝わる」

◎リーディング(ジュリア・ロルッソ)
「肺や呼吸器系統の治療に有効だった。中に銅が含まれているために、それは治療力の最良の伝導体の1つとなった」
「トルコ石は全星-月の影響下にある。地球の輪が固定化する以前にトルコ石が大量に月面に産していて、そこからこの惑星に移された」
「この石は地球への奉仕の長いサイクルを終わらせようとしており、クリソコラがトルコ石の役割を引き継ぐであろう」

◎リーディング(トレーシー・ジョンソン)
「トルコ石の波動は胸腺中枢の波動にとても有効。石は楕円形に彫っても、滴形に彫っても良い」

◎リーディング(ラマ・シング)
「最もよく知られているのは、老廃物に対する作用であり、滑液嚢を塞ぐ老廃物を排出する電子振動の力を刺激し、乳糜流を増し、ある程度筋肉組織への二酸化物の侵入を排出出来る」
「健康全般に良く、肉体の特定部分に意味有る変化を与えるものに内、我々はかって銅系の鉱石について論じた。ニッケルを含む種類、銀を含むもの、金を含むものはどれも違った作用を及ぼす。それらには幾分か違った変化があるので、その働きが体に変化を与える。変化の状態が増せば増すほど、体もより効果的にそれを受け取ろうとするようになる。われわれはウランが重要な変化を与え、銅はそれよりも弱い変化を与える一方、良く調和のとれている種類は天然トルコ石であることが分かる」

◎リーディング(遠藤昭則)
「トルコ石は体の暖かみが必要な時に使うといい。肩の後ろから頸の付け根にかけての血行を良くする」
「胸腺にも作用する」
「感情のコントロールに使える。ストレスの溜まっているいる人は左手に握り、座っているのが良い」
「日本人に少ない波動を出している」


ドルージー・クォーツ DRUZY QUARTZ
     (参照→クォーツ)
⇒茶色の泡のように見える石英の粒からなる石。
◎石英の磁気エネルギーを活性化して、ミネラルの吸収を助けます。
◎ドルージー・クォーツから放たれるエネルギーは、中に含まれるミネラルによって大きく変わります。
<1>青色---------------------心を鎮める
<2>バイオレット(すみれ色)---直観を増す。
<3>黄色、茶色---------------体を強める。
◎応用:洞察に欠ける時。

◎種類:
<1>[明るい緑色のドルージー]
イ)マラカイトの鉱脈で発見されるため、マラカイトの性質を出します。
<2>[クリソコラ・ドルージー]
イ)銅鉱の宝石と類似する働きがあります。
<3>[バイオレット・ドルージー]
イ)鎮静化とリラックスに作用。



トルマリン TOURMALINE
⇒「電気石」
マイナスイオンを放出する。水の中にトルマリンを入れるとアルカリ性に変化する。

◎各種の金属を含む珪酸アルミニウム系の鉱物に浸けられた名前。
比重は石の色異なる。
◎グループ名(11種類)
<1>鉄電気石 Schorl
<2>苦土電気石 Dravite
<3>リチア電気石 Elbaite
<4>リディコート電気石 Liddicoatite
<5>灰電気石 Uvite 
・その名称は「色の混じった宝石」を意味する古代シンハリー語からきています。
「ルベライト」Rubellite
ラテン語で赤を意味すす語から。ピンクや赤の石を指す。
「インディゴライト」Indicolite
「ドラバイト」
「アクロアイト」
「ウォーターメロン・トルマリン」
「ショール」
「グリーン・トルマリン」
「イエロー・トルマリン」
◎化学構造が複雑。
◎磁気的な送信と受信のために使うことが出来ます。
「熱を加えるor擦ると、この石は電磁気を帯びるようになり、あなたの想念を送信し、相手の想念を受信する1個の磁石のような働きをします。」(D・L・メラ)
◎古代ローマ人は、安眠を誘い心を穏やかにし、体をリラックスさせるために使いました。
◎リンパの症状を阻止し、貧血と戦う(D・L・メラ)
◎エネルギーが強いので、小さな石でもOK。
◎トルマリンはそのエネルギー回路を完成させるには[金]or[プラチナ]などの活動鉱石を必要としている。

◎応用:達成又は成功を畏れる気持ち。
    成功と達成の態度を強める。

◎種類
<1>[ウォーターメロン・トルマリン]----ピンクと緑を含む
イ)大切な関係にある2人の間にエネルギーを伝える。
<2>[トルマリン・クォーツ]
イ)大きく育っていない黒いトルマリンの結晶が石英の中に埋まっているものです。
ロ)あなたの方向性や行動を刺激するのに使います。
ハ)心がリラックスし、積極的な行動へと方向づけられます。
<3>[ピンクのトルマリン]
イ)愛と新しい友人を刺激します。
ロ)愛の電流を増幅してくれます。

◎リーディング(レノーラ・ヒュイット)

「トルマリンは腸の中に反応を起こす。太陽神経叢の上につけるといいが、十分に注意が必要。腸の緩み、下利に似た症状を起こしやすい。」
「この石は気軽に、不用意に使うべきではない。」
黒いトルマリン-----便秘させる。
緑のトルマリン-----撹乱作用がある。
「トルマリンは、その色光が何であれ、直接肌に付けるべきではない」

◎リーディング(ジュリア・ロルッソ)
「緑の皮をピンク色の核を持つ断面から命名されたウォーターメロン種は、新陳代謝と腺活動に働きかける。それはエネルギー流の極性をバランス化させ、正しい軌道に保ち、滞ったエネルギーを導き出す手助けをする」
「ウォーターメロン種は、陰陽という反対ペアーの結合を象徴している。そこから、ガンの予防や個人の内分泌腺のバランスを回復する」

◎リーディング(遠藤昭則)
「緑色のトルマリンは、アズライトと合わせると中和したパワーが得られる。但し、20秒くらいだ。それ以上使うと耳の上のツボにストレスが溜まってくる。トルマリンはアズライトの後に使ったほうがい。」「頸椎1番に当てておくと、そのパワーが背骨を通って肋骨の下の内臓に浸みわたり、それによって脳が活性化してくる」




トールメンティル
【学名】Potentilla erecta
【英名】Tormentil、red root
【使用部位】根。
【成分】カテコールタンニン(20%以下)
    配糖体(トルメンチリン)
    苦味配糖体キノビン
    赤色顔料
    樹脂
    ゴム質

【効能・効果】
下痢
のど歯肉の炎症
間歇性の熱
白帯下(灌注浴)
結膜炎(薄めた煎じ液)

【参考】
強力な収斂作用を利用して皮なめしに使われていた。


トレビス
⇒新顔の野菜。紫キャベツに似た赤ワイン色で球形。
軟らかくほろ苦い。
サラダの色づけや肉料理の付け合わせに。


トレンドポーリア
⇒藻類の一種。
■坑酸化物を生産
「ビルの壁などに張り付いて強い日光や乾燥に耐えて増殖する特殊な者一種が、β-カロチンなどの有用物質を生産することを工学院大学の平野盛雄助教授らの研究グループが発見した。
発見したのは、『トレンドポーリア』と呼ぶ、藻類の一種。伊豆の海岸の岩肌に付着していたものを採取し増やした。日照りが続いて長期間水が無くても、生き延びる能力を持つ。
液体中で培養した場合、直射日光程度の強い光を照射すると、
β-カロチン
ビタミンE
ビタミンC、の3種類の抗酸化物を同時に生産することがわかった。
生産効率はビタミンに富む野菜類より高かった。1999.4.17《日本経済新聞》


ドロマイト dolomite
=「白雲石」
⇒天然の炭酸塩鉱物。
マグネシウムとカルシウムを多く含む。
主成分は酸化マグネシウムや酸化カルシウムで、石灰石と同じ場所から採れることが多い。日本では主に栃木県佐野市葛生地区で、海外では中国やフィリピン、タイ、韓国などで採取される。
鉄鋼メーカーが高炉内の温度を安定させたり、スラグの成分を調整したりする為に使う。製鉄以外ではケイ砂やソーダ灰とともに板ガラスの原料にしたり、焼いて肥料に使う。
■鉱山
「双日は中国で鉄鋼副原料として使われるドロマイト鉱山の経営に乗り出した。子会社が安徽省で鉱山を経営する安徽宏日鉱業に出資した。」




ドングリ
◎調理法
下準備
(1)山だけでなく公園や街路に落ちているドングリもたべられる。
(2)水に浸し浮き上がるものは、虫食いがあるので取り除く。
(3)皮を剥き、えぐみの強いものは一晩水でさらしアクを抜く。、実が柔らかいものは10分、堅いものは30分ゆでる。

「ドングリおこわ」
(1)鶏肉・ニンジン・ゴボウ・シイタケを適当な大きさに切り、醤油・酒・みりんを加えただし汁で煮る。
(2)餅米を蒸す。
(3)①のゆで汁でドングリを10分煮て、その他の具とともに、蒸した餅米にまぶす。
■食材
「子供の頃、拾い集めるたびに、ひょっとしたら食べられるのではないかと思っていた。口にしなかったのは「食べると声が出なくなる」「髪の毛が抜ける」などと聞かされていたからだ。
「いやー、全くの迷信です。しかも、各地に形を変えて同じような迷信があるんです」と笑い飛ばすのは、鳥取県の名峰・大山のふもと淀江町の観光施設「白鳳の里」の料理長・井上貴文さん(35)。ここではドングリを素材にした、おこわ・うどん・豆腐・鍋物などのコースを出している。
何故迷信があるのか?ドングリはブナ。シイなどブナ科の木の実の総称でクリに比べアクを多く含み、その特有のえぐみが迷信と関係があるのでは?と井上さんは見ている。白鳳の里では、アクの少ないシイの一種であるマテバシイの実を使っているが、アクの強いものでも皮を剥いて1~2晩水にさらせば食べられるという。
ただ、白鳳の里が6年前にドングリ料理を手がけるまでは井上さんも、食材とは見なしていなかった。淀江町が1990年代に日韓交流を促進したことが使用するキッカケとなった。交流の過程で、韓国ではドングリを豆腐仕立てにして家庭料理としていることが分かり、それを参考に料理を作った。
ドングリの食材としての特徴を井上さんは3つ挙げる。
(1)まず粉にしてウドンやパンにすると小麦粉だけの場合に比べコシが出来る。
(2)発酵させて味噌にすると大豆を使ったものより甘味が増した。
(3)クッキーなどに焼き上げると香ばしさが出る。
これらの特徴はアクの成分のタンニンが影響しているとされる。2001.10.27《日本経済新聞》



トンボ【蜻蛉】
◎種類:大蜻蛉
    赤蜻蛉
    黄衣
⇒俗にアカトンボと言われている、アキアカネ・ナツアカネ・ミヤマアカネなどを用いる。

◎黒焼き末を飲むと、
・鎮痛作用
・鎮咳作用
・消腫作用

【効能・効果】
○咽喉の腫痛:
  黒焼き末を飲む(著効)。
○魚の骨が刺さった:
  黒焼き末を飲む。
○ジフテリア:
  黒焼き末を飲む。
○小児の疳:
  黒焼き末を飲む。
○神経痛:
  黒焼き末を飲む。
○喘息:
  黒焼き末を飲む。
○疔癰:
  黒焼き末を飯粒で練って塗布する。
○発熱:
  黒焼き末を飲む。
○百日咳:
  黒焼き末を飲む。
○フルンケル:
  黒焼き末を飯粒で練って塗布する。
○扁桃炎
  黒焼き末を飲む(著効)。
○やけど:
  黒焼き末をゴマ油で練って塗布する。

■色覚遺伝子・・・3~11倍
2015年、産業技術総合研究所と東京農業大のグループが発表。
トンボは色を識別する光センサーをつくる遺伝子を他の動物の3~11倍持っていることを突き止めた。
最も多いのがギンヤンマで、33種類の色覚に関する遺伝子を持っていた。
ヒトは青・緑・赤の三原色に対応した遺伝子を持つが、トンボはヒトには見えない紫外線を認識する遺伝子も持つ。
成果は2/24の米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載。
動物は目にあるオプシンと呼ぶ光を受け取るタンパク質で色を識別する。このタンパク質は光を電気信号に変えるセンサーの役目を果たす。
産総研の二端亮主任研究員らが赤とんぼの一種であるアキアカネの複眼を解析した結果、背側は主に紫外線から青緑色の短波長の光に、腹側は紫外線から赤色までの幅広い光に反応することが分かった。
遺伝子を解析したところ20種類の光センサーを作る遺伝子が確認された。
さまざまなトンボを調べたところ、15~33種類の遺伝子を持っていた。
ほとんどの動物の光センサー遺伝子は3~5種類。



銅(Cu) Copper
(参照→「亜鉛」「ウイルソン病」)
○銅化合物:
[酸化銅CuO]・・・ガラス・エナメル(ペイント)に。
[塩化銅CuCl2][硝酸銅Cu(NO)2][酢酸銅Cu(OOCCCH3)]・・・染料に
[硫酸銅CuSO4]・・・殺菌剤。ボルドウ液(ブドウ畑に)は硫酸銅+石灰。

○銅イオン
人体には、ごくわずかではあるが、不可欠の銅イオンが含まれ、血液の生成過程で重要な働きを果たしている。
一方、生体中の余分な銅イオンは、その9割近くが肝臓に集められ、そこから、少しづつ出て行っては生体を攻撃する。
タンパク質・酵素に入り込んだ銅イオンは、そこの[チオール基]と化学的に結合する。

★生理作用:
赤血球内では、活性酸素のスカベンジャーとなる酵素スーパーオキシドジズムターゼ(superoxide dismutase)に含まれる。
・過酸化脂質の生成を防止する作用がある。

血清中では、セルロプラスミン(ceruroplasmin)として存在する。
これは別名[フェロキシダーゼ]といわれる酵素で種々の物質を酸化する。

2価の鉄を3価の鉄に変換して鉄輸送タンパク質に渡す。

骨基質となるコラーゲン繊維の安定化に関与するリシルオキシダーゼの構成成分となる。

皮膚や眼に存在する色素メラニン(melanin)を生成するチロシナーゼの成分になる。

ヘモグロビンの主要な構成要素は鉄であるが、消化管から吸収された鉄がヘモグロビンに合成されるためには、銅が結びついたタンパク質(セルロプラスミン)の介在が必要。

体内で発生した有害な活性酸を消去するときに働く抗酸化酵素(スーパーオキシドジスムターゼ=SOD)の活性の中心金属。すなわち、銅が不足するとSOD活性が低下するため赤血球細胞膜が過酸化され寿命が縮み、その結果赤血球不足の貧血となる。
皮膚や血管の結合組織(コラーゲン・エラスチン)の生成に関与する酵素に必要な金属。

皮膚や毛髪のメラニン色素を作るとくに働くチロシナーゼという酵素に必要な金属。



◎銅が不足すると:
*動脈硬化
*心血管障害
*皮膚疾患
*骨粗鬆症
*毛髪の脱色

◎銅が過剰になると:
*過激な活動をするようになる。
*精神分裂病に関係している。
   

◎同を含有する食品:
      カキ(貝)
      牛・豚レバー
      カシュナッツ

■果実の成熟に銅イオンが役割
「植物は自身が吸気中の放出するホルモンであるエテレンを検出して成熟する。米ウィスコンシン大学の研究チームは、植物のセンサーが極微量のエチレンを検出する際に、銅イオンが触媒として働くことを発見した。エチレンを検出するエチレン受容体の存在は従来知られていたが、非常に低濃度のエチレンをどのように検出するかはナゾだった。19992.17《日経産業新聞》
  

【毒性】
◎生体中の余分な銅イオンは、その90%以上が肝臓に集められ、そこから、少しずつ出ていって生体を攻撃する。
タンパク質・酵素に入り込んだ銅イオンは、そこのチオール基と科学的に結合する。

◎硫酸銅などの銅塩の溶液が胃中に入ると、
①劇痛が走り、吐き気を催す
②ヘモグロビンの含有量が増加し、尿中に出る。
③胃腸の壁から出血する
④肝臓・腎臓で細胞が壊死する。
⑤40‹/程度を飲むと、急性胃腸炎になり、1~2g飲むと死亡する。

◎硫酸銅に石灰を混ぜたものが、ブドウ畑に撒布されるボルドウ液である。

◎解毒:
①フェリシアン化カリウム0.1%溶液で胃洗浄。
②牛乳を飲ませ、下剤を与える。
③胃痛には、硫酸アトロピン0.1%溶液を注射。
④重症には、錯体をつくる薬物を注射。

■農薬
「化学系ベンチャーの海水化学研究所(北九州市)は銅を利用した新しい農業用殺菌剤を開発した。米国や欧州各国で特許を取得ズミ。銅系農薬は人体への害が少なく、古くから利用されてきたが、作物に対する薬害を起こすのが欠点だった。新しい農薬『MINERAZE』は銅の含有量を減らしながら、従来の薬を上回る効果を確保した。」2003.7.30《日経産業新聞》


【宝石療法】(銅)
◎身につければ1つの伝導体になります。
◎宝石のミネラルが体に作用するように手助けします。
◎銅のミネラルを多量に含む宝石と一緒に使うと、体に銅が作用するのをサポートします。
◎銅は金属や鉱石を含まない石は、サポートしません。
◎相性の良い宝石  
<1>マラカイト
<2>トルコ石
<3>クリソコラ
<4>アジュライト
<5>アメジスト

◎いっしょに使える宝石
<1>タイガーズアイ
<2>雲母
<3>アベンチュリン
<4>ロードナイト

◎相性が悪い宝石
<1>結晶性の石:(例外=アメジスト)
<2>パール
<3>化石
<4>コーラル

◎金との組み合わせは、相乗作用を表します。

【参考】ペルシャのラスター彩では、金色の模様を焼き付けるのに、黄金を使わず に銅を使った。
◎応用:ネガティブな態度を防ぐ。

◎リーディング(D・L・メラ)
「腺機能を改善する」

◎リーディング(トレーシー・ジョンソン)
「銅は、体内にカルシウムなどが溜まる傾向を癒す」
「関節炎に良い」
「ブレスレットにして、腕や手首が良い」
「円盤状が良い」

◎リーディング(レノーラ・ヒュイット)
「銅は体内の物質を引き寄せる力があり、気孔を通して酸素を与えて内部に溜まった金属汚泥を排出することによって体から多くのカスを除く力がある。」
「有益であるが、それは彼らにこの特殊金属が必要な場合に限る」
「全ての人がその活用から利益を得るわけでなく、不純物を取り去る必要があるときに、銅以外ではこれら特殊な不純物を除去する力がない。」
「マンガンが障害となっているときは、他のいかなる鉱物も、銅ほどの力は発揮出来ない。これはマンガンを排出する方法が銅しかないと言うのではない。組織塩を適正に使えば、鉱物を排泄器官から体外へ出すことは出来る。銅はそれを皮膚の気孔から排泄するのである」
「銅のブレスレットを持つことによって、あなたは体内にマンガンを過剰に持っているかどうかを知ることが出来る。ブレスレットの下で炎症感覚が起きるような時、これを3、4日つけたら、その後、同じ日数だけ外し、その熱感を探知できる間はこのプロセスを続けるが良い。ブレスレットを外す度に、その部分を重曹で洗えば、そこに生じてきたものを中和することが出来る。」
「銅の装身具を長期間身につけている必要はない」

◎リーディング(ラマ・シング)
「銅は血液を、又体の浄化に大きく影響を及ぼすのである。体は必要とするスペクトルを示す傾向があるのだが、銅は多くの力をたやすく受け入れて伝える。よってこれは結晶の形をとっていれば第一中枢から第五内分泌腺中枢に渡り大きく関係するところの同時共鳴体となる。」
「7つの内分泌腺全てにおいて作用しうる」
「体の釣り合いがとれている時に、それがあまり有りすぎると、波動的な意味で、体からその過剰な部分を排除しうる」
「銅の波動は、水や流体、液体の運動、流れに良く関係するのである。つまり、銅は振動数を、流体の分子構造の運動を高めるのである。それを高めることによって体内の流体の流れを増大するのである。」

◎リーディング(ジュリア・ロルッソ)
「銅は金属の形を通して宝石そのものから電気的インパルスを持ち主のエーテル体、肉体のフォース・フィールドへと伝える際の最高の伝導体となる。この働きは、多めの銅を金と混ぜてピンクゴールドを作り、ルビーやその他アメジスト、ガーネット、トパーズ、トルマリンなどの赤い色調を持つ種類、ダイヤモンドと組み合わせれば特に強まる。」

【漢方療法】 (銅)
○打撲と墜落によって骨折したのを治す。(赤銅屑)
「赤銅を火で焼いて醋で濾すこと7~9回、細く切って温酒で半銭飲む。」
○傷損による骨折を治す。
「自然銅を火で炙って醋で濾すこと7回、細く削って水を切り、当帰・没薬各半銭を、温酒で調服し、手で痛む所を摩擦する。」


冬瓜子(とうがし)
【処方名】:[冬瓜子][冬瓜仁][冬瓜]
【基原】熱帯アジア原産。栽培される1年生のつる性草本。
ウリ科(Cucurbitaceae)冬瓜Benincasa cerifera SAVI[=B.hispida(Thunb.)Cogn.]の成熟種子を乾燥。
★《神農本草経》:「白瓜子」で収載。  
【性味】味は甘、性寒。 寒瀉燥降散
【帰経】脾・胃・大腸・小腸経。
【分類】利水滲湿薬。
【薬性歌】“冬瓜甘寒熱渇釋 利大小腸圧丹石”
釋=(シャク,とく)
【効能・効果】(冬瓜子)

(消炎・利尿・瀉下・排膿・袪痰)
◎鎮咳、去痰、排膿、消炎性利尿剤
<1>咳嗽
<2>肺癰:能く痰を去り、排膿する。
<3>熱痰
<4>腸癰
<5>水腫
<6>膿瘍

◎薬性寒滑で、上は能く心肺の薀熱を清し、下は大腸の積垢を導く。
◎小腸を利する。
「汁を飲む」
◎大小腸を良くする。
「汁か漬物」
◎五淋を治し、小便の通りを良くする。
「汁を取って1盃飲む。」
◎顔の艶を出す。
「種3~5升の皮を剥いて粉末にし蜜丸。空腹時に30丸服用。」
◎肥った人がたべるとよい。
◎痔瘻に。
「藤を取って濃く煮た湯で洗う。」

◎積熱と熱毒を除去し、煩熱を治す。
◎水病を治す。
◎慢驚風に。
「仁を末服・煎服。」

【薬理作用】(冬瓜子)
<1>消炎作用
<2>利尿作用
<3>鎮咳作用
<4>排膿作用

【薬能】(冬瓜子)
《神農本草経》
“人をして悦沢にして顔色を好からしめ、気を益し、飢えず、久しく服すれば身を軽くし、老いに耐える”
《薬性提要》
“甘平。肝を補い、目をあきらかにし、腸癰を治す”
《古方薬品考》
“よく潤行を致し、以て大小便を通利する”
《古方薬議》
“味甘平。腹内結聚を主り、膿血を破潰す”
“最も腸胃内壅の要薬と為す”
《中薬大辞典》
“潤肺し、化痰し、癰を消し、利水する”
“痰熱による咳嗽、肺癰、腸癰、水腫、脚気、痔瘡、鼻面酒を治す”

【薬対】
『冬瓜子+牡丹皮』=排膿作用。炎症を鎮め、排膿市、膿瘍を消失する。大黄牡丹皮湯

【配合処方】
■大黄牡丹皮湯
■前貝杏瓜湯
■千金葦茎湯


冬葵子(とうきし)
○五淋を治す。
「根もまた淋を治す。煎服。」
○大小便の不通と、腹の張るとき。
「冬葵子2升を水4升で1升まで煎じ、猪脂1合を入れ服用。」
○流行性黄病を治す
○難産に。
「1合を取って水煎服。」



冬虫夏草(とうちゅうかそう)
    (→日本冬虫夏草)
⇒キノコの一種でキノコの菌が昆虫などに寄生する。漢方薬として使われるのは、オオコウモリ蛾の幼虫に寄生するコルディセプス・シネンシス。
チベット・ヒマラヤ・四川省・雲南省・青海省などの標高3000~4000mに生息するコウモリガの幼虫に寄生したキノコだけを、中国では冬虫夏草と定義しています。

【分類】寄生、子実体(特に結実部との関係)、胞子果のつき方などを決め手に1941年、小林義雄博士によって確立された。
◎世界中で300種類。そのうち名前がつけられているのが226種。
◎日本冬虫夏草:30数種類が、矢萩信夫・禮美子夫妻の研究に詳しい。

【効能・効果】(冬虫夏草)
◎アヘン中毒の解毒剤。
◎結核
◎黄疸
◎滋養強壮
◎疲労回復
◎止血
◎糖尿病

【有効成分】
◎エルゴステロール・パーオキサイド:サナギタケから東北大学薬学部近藤嘉和助教授が分離。

【相互作用】以下の薬物との併用を避ける
シクロスポリン(免疫抑制剤)
アミノグルコシド系抗生物質:
硫酸ゲンタマイシン・硫酸ジベカシン
硫酸ミクロノマイシン・硫酸ネチルマイシン
硫酸シソマイシン・硫酸アストロマイシン
硫酸イセパマイシン
シクロホスファミド(抗ガン剤)
プレドニゾロン(ステロイド剤)

■参考文献
清水大典「冬虫夏草」ニューサイエンス社
清水大典「原色冬虫夏草図鑑」誠文堂新光社
久郷晴彦「冬虫夏草の薬学」

■血糖降下作用
「明治乳業は、冬虫夏草の血糖降下作用を動物実験で確認した。血糖値を単純に下げるインスリンの分泌を促す薬と違って、血糖値が正常値より高い場合に限って作用する特徴があると言う。
冬虫草は中国で古くから漢方として使われてきた生薬。滋養強壮や疲労回復、止血などの薬効があるとされる。血糖降下作用も報告されていたが、冬虫夏草は細胞のインスリン分泌を促すのではなく、エネルギー効率の良い糖代謝を経て血糖値を下げることが新たに分かった。
 糖尿病のネズミと健康なネズミを使った実験では、インスリンの分泌を促す抗糖尿病薬を投与すると両方のネズミの血糖値が低下した。一方、冬虫草を投与した場合は健康なネズミには血糖値に変化は無く、糖尿病のネズミだけ血糖値が下がった。1997.5.30《日経産業新聞》

■簡単に種類識別
「工業技術院生命工学工業技術研究所(茨城県筑波市)は漢方薬に使われキノコの一種『冬虫夏草』の種類を簡単に見分ける方法を開発した。動植物の分類にも使われる手法を応用し、遺伝子の並びから種類を正確に識別する。新技術を用いて薬効のある種類を特定できれば、医薬品の開発にも応用出来るという。
 分類法はタンパク質の合成にかかわるリボソームをつくる遺伝子を調べる。リボソームは遺伝子であるDNA(デオキシリボ核酸)から出来たアミノ酸をタンパク質にする重要な役割を持つ。そのため、世代間でも突然変異による配列の変化が少ないと考えられ、進化の過程で分かれた種類を見分けるのに適し、鯨など動植物の分類にも使われている。
 生命研の伊藤裕子研究員らは、冬虫夏草と同種の菌類の遺伝子を調べて配列が類似するDNAの塩基配列を特定し、その遺伝子を人工的に再現した。この遺伝子を用いて、冬虫夏草の細胞内から遺伝子を抽出。配列が似ていれば同種と見分け、違いが大きければ遠い種類と判断した。
 茨城県御前山村で採取した冬虫夏草を調べたところ、漢方薬に使われる中国産のものとは配列が大きく異なり、種類が明らかに違うことがわかった。中国の研究所とも共同研究を始め、分類を進めると共に薬理効果についても調べる。
 冬虫夏草はトンボや蛾に寄生するキノコの一種で、全世界で400種類以上が見つかっており、色や形だけの分類が難しくなっていた。1997.1.21《日経産業新聞》
■「サナギタケ」
「濡水晶森林総合研究所は冬虫夏草の一種であるサナギタケを大量生産する技術を開発した。本来は昆虫の体内で育つキノコの菌を培養液(培地)で増殖。菌を含む液をカイコのさなぎに注入し、約50日かけてキノコに育てるのに成功した。」2000.10.30《日本経済新聞》
■集中力アップ
「冬虫夏草の菌糸体に、生物のエネルギー源であるATP(アデノシン)を増加させる効果があることを明治乳業が確認。
使用した冬虫夏草は、オオコウモリガの幼虫に菌類の一種が感染し、死んだ虫の頭部からキノコが伸びたもので、中国四川省などの海抜3000~4000mで採取される。」2000.11.14《日経産業新聞》
■免疫抑制剤
「スイス医薬大手のノバルティスは、同社が開発中の新しい免疫抑制剤「FTY720で拒絶反応を抑える高い効果を示す臨床試験データーをまとめたと発表した。同製品はウエルファイドが開発したもので、米国でノバルティスがフェーズ2を実施している。
18~65歳の死体及び生体からの腎移植患者208人を対象に臨床試験を実施した。免疫抑制剤のネオーラル、コルチコステロイドに加え、FTY720と有力な免疫抑制剤であるミコフェノール酸モフェチル(MMF)を併用して比較した。
その結果、MMFを使用した患者郡では17.1%に急性拒絶反応が現れたのに対し、FTY720を使用した患者では9.8%となった。一方、副作用や、免疫力低下による感染症が発生した頻度は両患者群で差がなかった。
FTY720はウェルファイドがキノコの一種である冬虫夏草の成分を元に開発。リンパ球を移植細胞から遠ざけることによって、免疫反応を抑える効果を発揮すると見られている。」2001.6.14《日経産業新聞》
◎「ヤルツァ・グンプ」
「チベットの標高3000㍍以上の草地でしか採れない。チベットでヤルツァ・グンプと呼び、中国では冬虫夏草と呼ばれている。この干からびた芋虫が1匹400~1000円になるという。
毎年春になると、チベットの遊牧民はヤクの放牧地で冬虫夏草を探し回る、爪楊枝のような形をした冬虫夏草は、地面から3cmまでしか顔を出さないので、見つけるのは至難のワザ
アジア全域の漢方薬店では、冬虫夏草は疲労回復から痰切り、ガンにも効く万能薬として売られている。最高級野茂のには1g8000円の値がつく。金価格のおよそ2倍だ。
冬虫夏草はチベットでしか採れない。」ナショナルジオグラフィック日本版2010年5月号



当帰(とうき)ANGELICAE RADIX
【処方名】:[当帰][帰身][当帰身][帰尾][当帰尾][全当帰]
【基原】山地に自生し、または栽培される多年草、セリ科トウキの根。播種した翌年の11月に掘り起こし、天日で半ば乾燥した時に、温湯で洗って土砂を除き、40~50℃の湯に5分ほど浸けてから乾燥する。     
中国産:セリ科UmbelliferaeのカラトウキAngalica sinensis(Oliv.)Dielsの根をヒゲ根を去ってそのまま、又は湯通しして乾燥。
日本産:トウキA.acutiloba Kitagawa(大深当帰、大和当帰)及びホカイトウキA.acutiloba Kitagawa vae. sugiyama Hikino(北海当帰)の根をそのまま、又は湯通しして乾燥。
◎ホッカイトウキ=北海道に自生するエゾヨロイグサとトウキとの交配種。
韓国産:オニノダケA.gigas Nakaiの根を乾燥。
★「帰頭」=根頭部。          
 「帰身」=主根部。
 「帰尾」=支根=「当帰鬚」
★当帰の名は、四川省の茂県が、むかし当州と言われていたから。
【性味】味は甘辛、性は温、無毒。温補潤升散
【分類】補血薬。
【薬性歌】“当帰性温主生血 補心扶虚逐瘀結”
当帰、性温。血を生じ、心を補い、虚を扶け、損を益し、瘀を逐い、新を生ず。《万病回春》
頭は血を止め上行し、身は血を養い中を守り、尾は血を破り下流し、全きは血を活かし走らず。
【効能・効果】(トウキ)

(補血・調経・活血・鎮痛)
<1>一切の風・血・労を治し、
<2>悪血をなくす
<3>と
<4>婦人の崩漏
<5>子の無い
<6>悪瘡・金瘡
<7>客血が内塞したもの
<8>痢疾・腹痛を治し
<9>五臓を補い
<10>肌肉を良くする
◎補血活血、燥を潤し、腸を滑らかにする。
<1>月経不調・崩漏
<2>癰疽・虚損
<3>痺証
<4>便秘
◎和血・行血・養血に良い。
◎降気:本草に云う、逆上気を主る。「紫蘇子湯」《備急千金要方》の当帰は降気に取る。《先哲医話》
◎崩漏と月経不利に主治薬。
       「煎じ・末服」
◎血虚頭痛。
「短く切って酒で煎服。」
◎虚労の寒・熱を治し、不足を補い、補血する。
「散・丸・煎服。」
◎婦人の百病通治薬。

【修治】
◎酒に漬けたのが最も良い《東垣》
◎酒に浸し洗浄す。体肥え痰盛んならば姜汁に漬し晒し乾燥して用いる。《万病回春》

【成分】
・アルギニン:[3.5%]

【薬理作用】(当帰)
<1>子宮を収縮する。:水溶性で不揮発性のアルカリ性物質。
<2>子宮を弛緩する。:精油。
<3>子宮の発育促進。
<4>鎮痛作用:精油。
<5>鎮静作用:精油。
<6>利尿作用:有効成分=蔗糖。
<7>ビタミンE欠乏症に拮抗する。
<8>潤腸作用
<9>通便作用
<10>肝臓組織の酸化型グルタチオンとシステインを強化する。:有効成分=VB12が約0.43μg/100g含まれている。

【薬能】
<1>帰頭ハ補血シ、帰身ハ養血シ、帰尾ハ破血シ、全用スレバ活血スル。
<2>帰頭は頭(頭部・頸部・胸部を含む)を補い、帰身は身を補い、帰尾は四肢を補う。

《神農本草経》
“咳逆上気を主り、瘟瘧寒熱の洗洗として皮膚に中る、婦人の漏下、絶子、諸悪瘡金瘡に之を煮飲す”
《本草綱目》
“元素曰く、頭は血を止め、尾は血を破り、身は血を和らげる。時珍曰く、上部を治するには頭を用い、中を治するには身を使い、下を治するには尾を用う”
《薬性提要》
“血を補い、燥を潤し、内寒を散じ、諸瘡瘍を主る”
《古方薬品考》
“湿達せしめ、気血を調和す”
《気血水薬徴》
“血滞し気逆するを主る”
《古方薬議》
“滋潤通和を主る”
《中薬大辞典》
“血を補い血を和し、経を調え止痛、潤燥滑腸する”
“月経の不調、経閉の腹痛、の結聚、崩漏、血虚の頭痛、眩暈、痿痺、腸燥による難便、赤痢後重、癰疽瘡瘍、跌撲損傷を治す”

【薬対】
『当帰(醋炒)+延胡索+紅花』:生理痛・月経不順・腰痛に酒服。
『当帰+黄蓍』=当帰補血湯《内外傷弁惑論》
『当帰+黄芩』
『当帰+決明子』
『当帰+枸杞子』
『当帰+香附子』
『当帰+地黄』=養血調経作用。婦人の貧血を伴う動悸、健忘、神経衰弱、不眠症、月経不順、月経痛、不妊症に。四物湯。
『当帰+芍薬』=温補鎮痛作用。末梢血液循環不全による頭痛、神経痛、四肢の冷痛、関節痛に。大防風湯
『当帰+赤小豆』
『当帰+川芎』=「芎帰湯」
・各等量、作末して服用すれば、鎮痛・鎮静・補血・浄血・通経・強壮剤として働き、以下の症状に著効する。
<1>産前産後の諸症状。
<2>妊婦の腹痛・出血。
<3>血の道症。
<4>月経不順・更年期障害。
<5>不妊症。
『当帰+党参』
『当帰+桃仁』=潤腸瀉下作用。慢性の便秘に。潤腸湯。
『当帰+肉蓯蓉』
『当帰+肉桂』
『当帰+白芍薬』
『当帰+麻子仁』

【配合処方】(当帰)
■烏梅丸
■温経湯
■芎帰膠艾湯
■続命湯
■当帰建中湯
■当帰四逆加呉茱萸生姜湯
■当帰芍薬散


 

童便
=「童子尿」
小児の尿
   (参照→「小便」「人尿」)
【薬性歌】
童便。気涼。撲損の瘀血、虚労、骨蒸、熱嗽の尤も捷やかなり。《万病回春》

【効能・効果】
○諸虚の吐血・衂血・咯血の薬方中に1合入れて飲む。
○咳で失音してとまらないとき。
○大腸を良くする。
 「姜汁と甘草末を少し入れて飲む。」
○労に極めて良い。
 「姜汁又は甘草末を少し入れて服用。」


党参 (とうじん)CODONOPSIS RADIX
【基原】キキョウ科(Campanulaceae)ヒカゲツルニンジン Codonopsis pilosula(Franch.)Nannf.およびトウジン C.tangshen Oliv,の根を乾燥。
★類似品
<1>南沙参:セイヨウシャジンの根。又はツリガネニンジンの根。
<2>四葉参:ツルニンジンの根。
<3>明党参:セリ科
【性味】 温補潤升収
【効能・効果】(強壮・健胃・補血・痰)

【薬理作用】
<1>赤血球増加作用。
<2>白血球減少作用。
<3>降圧作用。

【薬能】
《本経逢原》“清肺”
《本草従新》“中を補い気を益し、脾胃を和し、煩渇を除く”
《本草綱目拾遺》
“肺虚を治し、肺気を益す”
《中薬大辞典》
“中を補い、気を益し、津を生じる”
“脾胃虚弱、気血両虚、体倦無力、内蔵下垂、疲労、倦怠、口渇を治す”

【薬対】
『党参+地黄』=養血作用。脾胃虚弱による貧血に。帰脾湯。
『党参+白朮』=滋養強壮作用。脾胃虚弱による全身倦怠、消化機能低下をなおす。参苓白朮散。
『党参+陳皮』=鎮咳作用。肺虚による咳嗽、慢性の咳嗽に。補中益気湯
 

【配合処方】
■四君子湯《和剤局方》
■補血湯
■六君子湯《医学正伝》


燈心草(とうしんそう) JUNCI CAULS MEDULLA
【基原】湿地に普通に生える多年草。
イグサ科(Juncaceae)イJuncus effusus L.var decipiens Buchen.の茎髄を乾燥。
【性味】味は甘淡、性は微寒、無毒。
【帰経】心・小腸経。
【薬性歌】“燈心平甘利小水 閉成淋湿腫止”
燈心、味甘。小便を通利す。閉、淋を成すに。湿腫に最たり。《万病回春》

【効能・効果】(燈心草)
<1>五淋をなくす。
<2>喉痺
◎五淋を治す。
  「水煎服。」
◎利尿、清熱、鎮静薬
  <1>小便不利
  <2>淋病
  <3>水腫
  <4>産後の浮腫
  <5>心煩不眠
 

【薬能】
<1>《李時珍》
“心火を降ろし、血を止め、気を通じ、腫を散じ、渇を止める”

【薬対】
『燈心草+滑石』
『燈心草+竹葉』

【配合処方】
■灯心竹葉湯


稲桿灰
○墜落・打撲傷に。
「稲桿を焼いて灰にし、酒粕に混ぜて汁を取ったもの煎じて、傷口を洗う。」


桃花(とうか)
=もも(桃)の白花にして未開のもの。新鮮なるものを陰干して使う。 
◎シミ・そばかすに
「白桃花・冬瓜仁各等分」作末し蜜で練って塗布する。
◎大小腸を良くする。
「落花を拾って麺に混ぜて焼き餅を作って食べる。」
◎顔色を良くする。
「酒に漬けて飲む。」

【薬能】
《薬性提要》
“苦にして平、宿水を解し、二便を利す”


 桃花萼
   ○積聚を散らす。


桃膠(とうきょう)    
⇒桃の木より出る樹液、樹脂。  
◎石淋を降ろす。
「棗子大を、空腹時に1日3回、夏には冷水・冬には温水に混ぜて飲む。」
◎飢えない。
「桑灰につけて食べる。」
◎鎮痛剤となる
◎口渇、下痢、尿量減少、淋病。

 

桃枝
◎卒心痛
「枝一つを取って、、酒1升を半分まで煎じ頓服。」

桃奴
◎心痛と痛を治す。
「桃奴を作末して毎回2尖を、温酒で空腹時に調下する。一名蟠桃酒。
◎伏梁症に気が心下に張って散らないとき。
「3両を作末し、3銭を酒で空腹時に服用。」


桃仁(とうにん) PERSICAE SEMEN
【基原】中国原産。
バラ科(Rosaceae)モモPrunus persica(L.)Batsch.の成熟した種子の中の仁を乾燥。
【性味】味は苦甘、性は平 平瀉潤降散
【帰経】心・肝・大腸経。
【分類】活血薬。
【薬性歌】“桃仁甘寒潤大腸 通経破血良”
大腸を潤し、破血・通経作用があり、血・・血閉に応用。
桃仁、甘寒。能く大腸を潤し、経を通じ、を破る。血に嘗るに堪えたり。《万病回春》

【効能・効果】

(活血・調経・消炎・解毒・通便)
◎血を破り瘀を去り、燥を潤し、腸を滑らかにする。
<1>経閉
<2>蓄血
<3>癰腫
<4>跌打血
<5>便秘
◎大便の血結・血秘・血燥・秘渋・不通。
「汁を絞って粥を作って食べる。」
◎心痛を治す。
「7枚を取って皮の尖を捨て、熟研して水1合に混ぜ服用。」
◎10と5尸の鬼邪病を主治する。
◎婦人の産後の百病通治薬。

【修治】
◎水に泡して皮尖を去る。《万病回春》

【薬理作用】
<1>抗凝結作用
<2>降圧作用
<3>抗炎症作用

【薬能】
《神農本草経》
“瘀血、血閉、邪気を主り、小虫を殺す”
《薬性提要》
“血を破り、燥を潤し、肝気を緩め、大腸を通す”
《張元素》
“血結、血秘、血燥を治し、大便を通潤し、蓄血を破る”
《李時珍》

“血滞、風痺、骨蒸、肝瘧寒熱、鬼疼痛、産後の血病に主効がある”
《古方薬品考》
“血分、大便を潤通す”
《続薬徴》
“瘀血、小腹満痛を主治す”
“故に腸癰、及び婦人経水不利を兼治す”
《古方薬議》
“血を破り、燥を潤す”
《中薬大辞典》
“血を破り、瘀を行らし、燥を潤し、腸を滑す”
“経閉、、熱病、蓄血、風痺、瘧疾、跌打損傷、瘀血腫痛、血燥便秘を治す”

【薬対】
『桃仁+杏仁』
『桃仁+大黄』
『桃仁+牡丹皮』=理血作用。血実性の血に起因する婦人科の諸疾患。皮膚疾患。打撲による内出血、腫痛、痔疾患、化膿性の疾患。急性虫垂炎、肺膿瘍に用いる。桂枝茯苓丸。
『桃仁+麻子仁』=潤下作用。熱、あるいは大病後の活動不足などにより腸管の蠕動運動が緩慢になっったために起こる乾燥性の便秘に用いる。潤腸湯。

【配合処方】
■桂枝茯苓丸
■大黄䗪虫丸
■大黄牡丹皮湯
■桃核承気湯 
■抵当丸



桃葉(とうよう)
◎大小便の不通を治す。
「汁を取って半升ぐらい食べる。」
◎婦人の陰瘡に。
「生桃葉を搗いて綿でくるんで陰戸の中に入れる。」
◎三虫と尸虫を治す
「汁を飲む」


 東壁土
○脱肛に。
「東壁土を湯で泡を出し、温いうちに洗う。」

 東北貫衆
    (参照→オシダ)



銅青(どうせい)=銅緑
○明目・去膚・赤肉を治す。
「白礬1両、銅青3銭を湯熱で1合を泡立たせ温めて洗う。」


土瓜根
○大便の不通を治す。
「汁を絞り、竹管で肛門に吹き入れる。」
○顔色を良くする。
「細末にして漿水につけて洗う。」


土青木香
⇒ウマノスズクサの根。(→成熟種子⇒「馬兜鈴」)
◎3月に根を焼いて使う。《本草》
<1>血痔
<2>瘻瘡を治す。


土猪
○湿病を治す。



毒ニンジン(ドクニンジン)
=セリ科の植物。欧州が原産で各地に自生している。背丈は2m程度に達する2年生。
中枢神経及び運動神経を麻痺させる。
毒の本体はピペリジンにプロピル基がついたコニインという簡単な化学構造のアルカロイド。毒ニンジンはその全草に毒を含有しているので、陰干し乾燥して用いた。

◎ソクラテス
「アテネ生まれのソクラテスは、奇神を導入し青年を惑わした罪状で死刑を宣告され、逃亡も勧められるが獄死する。ソクラテスに学んだプラトンは、その様子を《パイドン》の中でかたっている。
 ソクラテスは、盃を口に当て、いとも無造作に甘そうに飲み干し、あちこち歩き回っていたが、脚が重くなったといって仰向けに横になった。毒を渡した男は、ソクラテスの身に触れ、しばらくして足元や脛の方を調べ、その後で足元を強く押し、“感覚があるか?”と尋ねる。“ない”と答えると、次に脛(すね)を強く押し同じ質問をする。“だんだんと上にあがり、次第に冷たくなり硬くなる”と周囲の者に説明し、“これが心臓まできたら死である”とカタル。すでに腹部まで冷たくなった頃、ソクラテスは、クリトンに“アスクレピオスに鶏を与えることになっている。忘れないで供えてくれ”という。これが最後の言葉であった。クリトンが“まだ他にいうことはないか?”と尋ねるも、すでに答えはなかった。ほんのしばらくして身体がピクッと動き、獄守が覆いをのけると、ソクラテスの眼はジッとすわっていた。
 ソクラテスの服毒した原植物は“ヘムロック”と称されるもので、明らかに毒ニンジンから採取された毒薬である。」




菟絲子(としし) CUSCUTAE SEMEN
【基原】東亜各地に自生する1年生の寄生植物、ヒルガオ科ネナシカズラの種子ヒルガオ科(Convolvulaceae)マメダオシCuscuta chinensis Lam.およびネナシカズラ          C.japonica Chois.の成熟種子を乾燥。   
【性味】味は辛甘、性は平。
【帰経】肝・腎経。
【分類】補陽薬。
【薬性歌】“菟絲甘平治夢遺 添精強筋腰膝痿”
菟糸、甘平。夢遺、滑精、腰疼み、膝冷ゆるに。随を添え、筋を強くす。《万病回春》

【効能・効果】 (菟絲子)
◎肝腎を補い精髄を増す。
<1>陽痿遺精
<2>腰膝酸痛
◎尿道炎:「甘草」煎服。     
◎明目・軽身・延年
「(酒浸)し晒して乾燥させ蒸すこと9回、粉末にして毎回2銭づつ、空腹時に温酒で1日2回服用。」《神農本草経》
◎添精・益髄し、腎茎中の寒精の自出と鬼交泄精を治療する。粉末丸剤ともに良い。
◎腎中の陽を強め、冷えをなくす。
「酒に浸して粉末にし酒で服用。薬に入れて使う。」
◎顔面のシミを取る。
「苗を搗いて汁を絞って塗る。」
◎腰痛と膝冷を治す。
「酒で煮て作末し、2銭を温めて酒で飲む。」
◎虚労を治し、真陽の不足を補う。
「酒に漬けて乾かすこと9回、作末して1日2回2銭づつ酒で調服。」
◎飛蚊症、視力低下に

【修治】
◎水に淘い浄め、酒を用い、砂罐(=素焼きのカメ)内に入れ、煮爛らかし、搗いて餅とし、晒し丸薬に入れ用いる。《万病回春》

【薬能】
《神農本草経》
“絶傷を続ぎ、不足を補い、気力を益し、人体を肥健にする”

【配合処方】
■菟絲子丸




杜仲(とちゅう) Eucomiae CORTEX
【基原】中国四川省・湖北省に自生し、または中国中南部で栽培される落葉高木。 トチュウ科Eucommiaceae 杜仲Eucommia ulmoides Oliv.(トチュウ)の幹皮を乾燥。
【性味】味は甘微辛、性は温、無毒。温補中降散
【帰経】肝・腎経。
【分類】補陽薬。
【薬性歌】“杜仲辛甘固精能 小便淋瀝腰膝疼”
杜仲、辛温。筋を強くし、骨を壮んにす。足痛、腰疼、小便淋瀝に。《万病回春》

【効能・効果】(杜仲)

(降圧・鎮痛・滋養・強壮)
<1>腎労
<2>腰背のケイレンと痛み。
<3>脚中痛を治す。
<4>筋骨を強くする。
<5>陰下の湿痒を治す。
<6>小便の淋瀝
<7>精気を強くする。
<8>腎の冷え
<9>腰痛。
イ)腎陽虚による腰痛に:「続断・菟絲子・肉蓉」
 (症状):虚弱、下肢だるい、力が入らない、めまい、頻尿。
ロ)寒湿の腰痛:「桂枝・独活・秦」
 (症状):冷感を伴う痛み、だるく腫る、寒さで増悪。
ハ)月経期の腰痛:「続断・四物湯or折衝飲」
ニ)外傷性:「続断」

◎肝腎を補い、筋骨を強くする
<1>腰痛脚弱
<2>胎漏 
◎腎の冷えを治し、腎労と腰脚の冷えを治す。
「丸剤、煮て服用。」
◎腰脊痛と腰痛・腎労腰のしびれなどを治す。
「(姜汁炒)で作末し空腹時に服用。」
◎筋骨を強くする。
「煮・丸服。」
◎強壮・強精・鎮痛薬として
<1>腰膝の疼痛
<2>妊婦の腰重。
<3>足膝の軟弱
<4>胎動流産
◎流産を防止する:「続断・桑寄生」

【修治】
◎皮を去り、酒に姜汁を和し、炒って糸を去る。《万病回春》
◎(姜炒):姜汁に半日浸し炒ること絲の竭(つ)きるまで熱する。

【薬理作用】
<1>降圧作用
<2>利尿作用
<3>中枢神経抑制作用

【薬能】
《神農本草経》
“腰脊痛を主り、中を補い精気を益し、筋骨を堅くし、志を強し、陰下痒湿、小便余瀝を除く
《名医別録》
“脚中酸痛し、地を践むを欲せざるものを主る”
《中薬大辞典》
“肝腎を補い、筋骨を強くし、胎を安んず”
“腰脊の酸疼、足膝の痿弱、小便余瀝、陰下湿痒、胎漏し、堕せんと欲するものを治し、高血圧を治す”

【薬対】
『杜仲+枸杞子』=滋養強壮作用。腎陽の虚による腰痛、下肢の疲労感、嚴ぬん、陰痿、頻尿に。、十補丸《済生方》
『杜仲+補骨脂』
『杜仲+続断』=安胎作用。千金止帯丸《中成薬》

【配合処方】
■加味四物湯
■千金保孕丸[杜仲・続断・山薬]
■十補丸
■大防風湯
■大百中飲
■杜仲丸[杜仲・続断・棗肉]
■補陰湯
■保産湯[杜仲・続断・菟絲子・桑寄生]

【参考】
■1995.8.15《日経産業新聞》
「東京工業大学の研究グループは杜仲茶の原料になる薬用植物のトチュウを組織培養し、薬効を持つ物質をカルス(細胞の塊)に生産させることに成功した。血圧降下作用や強壮作用のあるアルカロイドのほか、筋肉を強化する作用を持つ物質を生産できたという。
同大学の海野肇教授と新会助手らは、トチュウの葉の細胞を培養してカルスを形成させた。条件を変えながら培養してカルスの成分を分析したところ、血圧降下作用を持つ『ピノレジノールジグルコシド』と強壮作用を持つ『シリンゲレジノールジグルコシド』というアルカロイドが含まれていることが分かった。
又、カルスの培養液には、人間の皮膚の繊維芽細胞のコラーゲン合成を促進する効果もあった。」

■杜仲茶に突然変異抑制作用。
「ガン細胞とは、一口に言えば、生体全体の制御から離脱して無限に増殖する細胞であるが、突然変異(発ガン・イニシエーション)を起こした細胞が無限増殖性を獲得して悪性化し増殖してしく過程(発ガン・プロモーションと発ガン・プログレッション)を経て成立すると考えられている。突然変異誘発(発癌イニシエーション)作用を有する物質を変異原物質(発癌イニシエーター)といい、発癌プロモーション作用を有する物質を発癌プロモーターという。
 7人の女性被験者、2日間にわたる実験で、突然変異抑制作用(発イニシエーション抑制作用)があることを、「日本環境変異原学会」で国立八戸工業高等専門学校の佐々木有助教授らのグループが発表した。
  1996.2.15《健康産業新聞》第834号より」
■人工骨の材料
「日立造船は杜仲の実から、人工骨や人工関節などの医療用素材を作る技術を大阪大学と共同開発した。酸やアルカリに強く腐食しにくいほか、人工骨などに使われるチタンやセラミックに比べ軽くて安いのが特徴。」2009.3/22
■ゴム成分
杜仲は葉や種子には豊富なゴム成分を含む。
悪と粘りけのある白い糸が引く。



独活(どっかつ) ANGELICAE TUHOU RADIX
【処方名】:[独活][川独活]
【基原】山野に自生する多年草、セリ科シシウド又は、ウコギ科ウドの根。
「川独活」:

イ)Angelica laxihlora Diels(湖北省)
ロ)A.magaphylla Diels(四川省)
ハ)A.moellendorffii Hanse
ニ)A.kiusiana Maxim
ホ)A.loevigata Fr.
ヘ)A.inaewualis Maxim.
「香独活」:イ)シシウド A.pubescens Maxim.
「牛尾独活」セリ科Heracleum hemsleyanum Michx
「九眼独活」ウコギ科ウドAralia coedata Thunb.の根茎・根。
★ウドの若い根を「活」と称している。
 《神農本草経》に 独活の名で収載。
○中華人民共和国薬典
羗活に Notopterygium incisum Ting et H. T. Chang
Notopterygium forbesii Boiss.
独活に Angelica pubescens Maxim.forma biserrata Shan et Yuan
○新常用和漢薬集
独活に Angelica pubescens Maxim. (シシウド)
羗活に Notopterygium incisum Ting
○現在市場にあるの日本産は
独活・羗活ともに、ウコギ科のウドAralia cordata Thunb. がほとんど。
【使用部位】根
【類似生薬】
「独活」茎が直立して、風に揺れないので 独活(陶弘景)
「羗活」形が細く節が多く軟潤でにおいが猛烈(陶弘景)

【性味】味は辛苦、性は微温。  温瀉燥升散 
【成分】angelicone
angelicul
triteroenoido saponin
【帰経】腎・膀胱経。
【分類】袪風湿薬。    
【薬性歌】“独活甘苦項難舒 両足湿痺風可除”
独活、甘苦。頸項舒(の)び難く、両足湿痺に。諸風能く除く。《万病回春》

【効能・効果】

(発汗・鎮痛・麻酔・風湿)
◎風をしりぞけ湿を抑える。
<1>風寒湿痺
 “活は游風を治し、独活は伏風を治す”
<2>頭痛
◎中湿によって頸項をのばせられない。
       「酒水で煎服。」   
◎筋骨のしびれ。
       「煎服。」
◎下部の風を治す。
◎中風の口噤不省に。
「独活1両を切って酒2升で煎じ1升になったら黒豆5合を炒熱して酒に混ぜて、蓋をして置いてしばらく経って飲む。」

【薬能】
<1>《神農本草経》
      “風寒の撃する所、金瘡止痛、奔豚、癇女子の疝を主る”
<2>《薬性提要》
      “伏風を駆逐し、湿を除く”
<3>《古方薬品考》
      “風を逐い、骨折のを散ず”
<4>《古方薬議》
      “風を逐い、湿に勝ち、関節を利し、痛みを和す”
<5>《中薬大辞典》
      “風、勝湿、散寒、止痛。風寒湿痺、腰膝の酸痛、手脚の攣急痛、慢性気管支炎       ・頭痛・歯痛を治す”

【薬対】
『独活+細辛』
『独活+藁本』
『独活+麻黄』
『独活+防風』=発表作用。表の風湿による痛み・浮腫・麻痺に→十味敗毒散

【配合処方】
■独活葛根湯
■独活寄生湯


土茯苓=「山帰来」SMILACIS gLABRAE RHIZOMA
【処方名】:[土茯苓]   
【基原】中国産のよじのぼり性低木、ユリ科ミラックス・グラブラの塊茎。
ユリ科Liliaceae 土茯苓(光葉)Smlax glabra Roxb.の根茎。
「和山帰来」=日本に自生する同属植物サルトリイバラ(トゲあり)の塊茎。
かしわ餅のかしわの代用にする。(→)
    ◎どぶくりょう(支那産土茯苓)の根茎。《奥田謙蔵》
【別名】:[草禹余粮][土][山猪糞][硬飯]
【性味】味は甘淡、性は平。
【帰経】肝・胃経。

【効能・効果】 (参照→サルトリイバラ)
◎風湿をしりぞけ、悪瘡を治す。
<1>楊梅瘡毒
<2>拘攣骨痛
<3>瘰癧
<4>疔瘡
<5>頑癬

【薬理作用】
<1>解熱作用:皮膚疾患の熱を去る。
<2>抗真菌作用
【用途】
<1>梅毒性皮膚疾患
<2>水銀中毒による皮膚炎。

【薬能】
《薬性提要》
“甘、淡にして平、湿熱を除き、脾胃を健かにし、小便を利し、楊梅瘡の毒を治す”

【配合処方】
■疥癬浴薬方
■香川解毒剤
■頭風神方
■捜風解毒湯《本草綱目》
■八味帯下方


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