「き」漢方処方


【漢方き】


気緘元《東醫寶鑑》
「薑黄・青皮各1両、木香・丁香・胡椒・全蝎・肉豆()各5銭」作末し蘿葡子2両を細研して混ぜ紅酒・生姜汁で糊をつくり梧子大の丸剤。紫蘇葉・陳皮煎じ湯で40~50丸飲む。
◎気脹を治す。

気疝飲《医学入門》《東醫寶鑑》
「黄連を呉茱萸で煎じた湯に漬けて炒ったもの2銭、人参・白朮各1銭、白芍・陳皮各7分、甘草3分、生姜3」水煎服。
◎気疝を治す。


気痛方《中薬臨床応用》
「両面針9g、烏薬9g、延胡索9g、烏賊骨12g、九里香12g、風沙藤12g、鶏骨香12g、甘草3g」水煎服。
◎消化性潰瘍
◎神経性胃炎

気痢丸《東醫寶鑑》
「訶子皮・橘皮・厚朴各1両を作末し、蜜で梧子大の丸剤。 空腹時に米飲で30服用。」
◎気痢で大便が泡のような者。

奇応丸《桂集》
「麝香・沈香・人参・熊胆・金箔」


奇応丸《経験方》
「人参、熊胆、伽羅、麝香、牛黄、真珠」


帰葵湯《東醫寶鑑》
「升麻1銭、黄蓍・酒片芩・防風・羗活各7分、蔓荊子・連翹・甘草(生)・ 地黄(生)・当帰・人参・紅葵花各5分、柴胡3分」水煎し食後温服。
◎物を見ると黒花が出、涙が出、目の中に火気があって陽を嫌い者。


蓍帰建中湯[1-1]《華岡青洲方》
「桂枝、白芍薬、甘草(炙)、生姜、大棗、膠飴、当帰、黄蓍」


蓍帰建中湯[1-2]《漢方治療の実際》
=「帰蓍建中湯」
「黄蓍2、当帰2、桂枝・生姜・大棗各4、芍薬6、甘草2」


蓍帰建中湯[1-3]《華岡青洲方》《龍野一雄》
「黄蓍2g、当帰4g、桂枝・大棗・甘草各3g、芍薬6g、干姜1g」
◎小建中湯、当帰建中湯、黄蓍建中湯、蓍帰建中湯などは腹直筋の拘急がひどくて、歩行困難、または歩行不能の者に用いて時に著効を得ることがある。その際疼痛のある場合があり、知覚麻痺を伴うこともある。《大塚敬節》
◎腹直筋が軟弱無力のこともある《大塚敬節》
◎「黄蓍建中湯+当帰」

★適応症及び病名(五十音順)
[1]脊椎カリエス:
☆《大塚敬節》“昭和9年11月、茨城県の山間にある知人の別荘にでかけたとき、村の者が数人して戸板に乗せた青年を運んできた。聞けば隣村からわざわざ診察を受けに来たのだという。診れば、痩せた血色の良くない青年で、1人では寝返りさえ出来ない。病人のいうところによれば、病気になってから、もうかれこれ10年にもなるから、元の身体になることは望まないが、せめて大小便だけでも人手を借りずに済ませるようになれば満足だという。
医師から脊髄が悪いといられたそうであるが、脊椎の形状からカリエスではないかと考えた。脈は弦で、しかも弱である。腹直筋は弓のつるを張ったようになって、脊柱はひどく変彎しているので、仰臥することが出来ない。無理に力を入れて伸ばそうとすると痛む、大小便と食欲は普通である。
私は虚労と診断し、腹直筋の攣急とやせて血色の良くない点を目標にして、蓍帰建中湯を与えたところ、1ヶ月ぐらいでひとりで座れるようになり、3ヶ月たつと、杖を突いて歩けるようになり、翌年の夏は健康人と同じく動作が出来るようになり、たいへん喜ばれた。”
[2]紫斑病
☆小建中湯よりも、さらに貧血、衰弱の激しいものに用いる(漢方診療医典)
[3]痔瘻:
☆幼児の痔瘻に、帰蓍建中湯伯州散を服用させ、紫雲膏を塗布して、1年かかって全治せしめた。《大塚敬節》
☆5歳の男子の痔瘻に、帰蓍建中湯紫雲膏で全治した。《大塚敬節》
[4]附骨疽:
☆12歳の男児。腰椎カリエスがあり、臀部に寒性膿瘍を作り、それが破潰して、排膿しているものに、蓍帰建中湯を用い、1年余り連用せしめて全快した。この少年は目下成人して結婚し健康に生活している。《大塚敬節》
       

蓍帰建中湯《華岡青州》《龍野ー漢方処方集》
「黄蓍2.0g、当帰4.0g、桂枝・大棗・甘草各3.0g、芍薬6.0g、干姜1.0g」
◎諸病後、虚脱し、盗汗出ずる者を治す。
◎「当帰建中湯+黄蓍」。或いは証に随い「+反鼻」《勿誤薬室方函口訣》
◎此方は《華岡青州》の創意にて、瘡瘍に用ゆれども、虚労の盗汗、自汗症に用いて宜し。
◎肉芽悪く分泌うすく癒り難い化膿症。

★適応症及び病名(蓍帰建中湯)
 [1]潰瘍
 [2]痔瘻
 [3]蓄膿症
 [4]皮膚病
 [5]慢性中耳炎
 [6]漏孔


蓍湯《東醫寶鑑》
「石膏2銭、黄蓍・赤芍薬・茵蔯蒿・麦門冬・豆豉各1銭、甘草5分」剉作1貼し、姜5片入れ水煎服。
◎黄汗を治す。



蓍附湯《厳氏済生方》《古今方彙》
=「茋附湯」
「黄蓍(去蘆・蜜炙)・附子(炮)各等分」毎に4銭を服す。水1鐘、生姜10片、煎じて8分を服す。
◎気虚陽弱、大汗体倦するを治す。


蓍附湯《重訂厳氏済生方》《魏氏家蔵方》
「黄蓍、附子」


蓍附湯《東醫寶鑑》
「黄蓍(蜜炒)・附子(炮)各2銭半、姜3片」煎服。
◎自汗を治す。


帰求破癥湯《東醫寶鑑》
「香附子(醋炒)1銭半、三稜(醋煮)・蓬莪朮(醋煮)・赤芍薬・白芍・当帰尾 ・青皮各1銭、烏薬7分、紅花・蘇木・官桂各5分」水煎服。
◎月経不通・腹中に塊があって疼痛ある者。


帰荊湯《仁斎直指方》
「当帰・荊芥」各等分。酒水煎。
◎風痙(=子癇)、昏迷し、沫を吐し、抽掣し、背脊強直するを治す。
◎産後の痙も通用す。
◎余が門にては、豆淋酒にて煎服す。
     

帰元散《東醫寶鑑》
「人参・白朮・白茯苓・遠志・酸棗仁(炒)・麦門冬・黄柏・知母・鶏頭実・ 蓮花芯・枸杞子・陳皮・川芎各5分、升麻・甘草・各2分半、蓮肉3個、 棗子1枚」を煎じて、空腹時に、温服。
◎夢泄がひどく体力が無くなった者に。


帰元湯《万病回春》《古今方彙》
「人参・白朮・茯苓・遠志・酸棗仁・麦門冬・黄柏(便)・知母(童便)・陳皮・川芎・実・蓮花鬚・枸杞子各等分、升麻、甘草半減、蓮肉、大棗子」水煎し空心に服す。
◎夢精、日久しく気下陥する者を治す。


帰茸丸《東醫寶鑑》
「当帰・鹿茸」各等分に作末し、烏梅肉で膏を作り梧子大の丸剤。温酒で50 ~70丸飲む。
◎虚労による肝の虚弱。
◎顔色が悪く、目がかすむ。


帰芍紅花散《審視瑶函方》
「当帰・大黄・梔子仁・黄芩・紅花(以上いずれも酒でていねいに洗う)・ 赤芍・甘草・白・防風・生地黄・連翹各等分。作末して、毎服12g。」 


帰心丹《東醫寶鑑》
「朱砂2両を豚の仔袋の内に入れて灯心で結び、酒で蒸して作末し、酸棗仁(炒)・白茯神・人参・当帰各2両、琥珀・遠志(姜製)・竜歯各1両、金箔20斤、銀箔20斤」作末し、酒で煮た糊で梧子大の丸剤。
①19~39丸を麦門冬を煎じた湯で飲む。
②癲癇がひどいときは、乳香・人参を煎じた湯で飲む。
③夢ばかり見て寝られない人には、酸棗仁の煎じ湯で飲む。
◎心気の不足・恍惚・健忘・癲癇・狂乱・驚悸・怔忡に。
◎病後の心臓の衰弱に特効。


帰脾湯[1-1]《厳氏済生方》《龍野ー漢方処方集》
「黄蓍・人参・白朮・茯苓・酸棗仁・竜眼肉各4g、当帰・遠志・大棗各2g、甘草・木香・干姜各1g」
◎不眠・発熱・盗汗。
◎思慮過度。
◎健忘・胸騒ぎ・驚悸。
◎嗜臥・食欲不振。
◎憂思発熱。
◎体痛大便調わず。
◎月経不調、暮れ方に発熱。
◎頚腺腫脹。

帰脾湯[1-2]《厳氏済生方》《中薬臨床応用》
「黄蓍9g、白朮9g、党参9g、当帰6g、茯神9g、竜眼肉9g、木香1.5g(後下)、遠志3g、酸棗仁9g、甘草(炙)5g、生姜5g、大棗15g」水煎服。
◎神経衰弱


帰脾湯[1-3]《厳氏済生方》《古今方彙》
「黄蓍・人参・白朮・茯苓・酸棗仁(炒)・竜眼肉各2銭、当帰・遠志各1銭、甘草(炙)・木香各5分、生姜、大棗」水煎。
◎脾経血をい失して、少寝発熱、盗汗、或いは思慮して脾を傷り、血を摂する能わず、以て妄行を致し、或いは健忘怔忡、驚悸不寝、或いは心脾傷き痛み、嗜臥少食、或いは憂思して脾を傷り、血虚して発熱し、或いは肢体痛みをなし、大便調わず、或いは婦人経候準ならず、

熱内熱、或いは瘰癧流注し、消散潰斂する能わざるを治す
◎加味帰脾湯=「+柴胡山梔子」
◎本方には当帰遠志なく、《薛立斎十六種》は之を加える。

帰脾湯[1-4]《東醫寶鑑》
「当帰・竜眼肉・酸棗仁(炒)・遠志(製)・人参・黄蓍・白朮・茯神各1銭、木香5分、甘草3分、生姜5片、大棗2枚」
◎憂思によって心・脾を傷め、健忘・怔忡する者。



帰脾湯[1-5]《厳氏済生方》
「当帰・白朮・茯苓・黄蓍・人参各2銭、甘草1銭、酸棗仁・遠志・木香各5分、竜眼肉5枚」
◎思慮過制し、心神脾を労傷し、健忘・怔忡するを治す。
◎此方は《明医雑著》に拠って[遠志]・[当帰]を加え用いて、健忘のほか、思慮 過度にして心脾二臓を傷り、血を摂することならず、或いは吐血、衂血、或い は下血の症を治するなり。《勿誤薬室方函口訣》
◎此方に[柴胡][山梔子]を加えたるは、《内科摘要》なり。前症に虚熱を挟み、或いは肝火を帯る者に用いる。
◎凡そ、補剤を用ゆる時は、小便通利少なき者多し。此方も補剤にして、且つ利水の品を伍せざれども、方中の木香、気を下し、胸を開く故、よく小便をして通利せしむ。主治に大便不調を云うは、能く小便を裏するを以て、大便自止の理なり。《勿誤薬室方函口訣》
◎思慮、脾を傷め、血を摂する能わず、血の妄行を致し、或いは健忘、怔忡、驚悸、盗汗、臥を嗜み、食を少なくし、或いは大便不調、心脾疼痛、瘧利、欝結し、或いは病の薬を用うるに宜しきを失うに因って、剋代し、脾を傷め、以て変証に致したる者を治す。《雑病翼方》
◎《陳念祖》曰く、此方は養神の法と為す。《雑病翼方》
◎不眠発熱盗汗或いは思慮過度、或いは健忘、胸さわぎ、驚悸、或いは嗜臥食欲不振、或いは憂思発熱、或いは体痛大便調わず、或いは月経不順、暮方に発熱、或いは頸腺腫脹。《龍野ー漢方処方集》
◎《漢方後世要方解説》
此方は思慮過度により心脾を労傷し、主治に挙ぐる如き諸症を発せる場合に用いられる。脈腹ともに虚弱にして、面色痿白、貧血甚だしく、健忘、不眠、驚悸、怔忡、出血し易き等の症がある。犀角、地黄、黄連と虚実の相違があり、また他の補養の剤は心下に痞えて亨は心悪しき者によく奏功する。
◎《大塚敬節》
思慮が多きにすぎ、そのために脾を傷り血をおさめることが出来ないから、下血・吐血・衂血等の症を現し、または心が虚して怔忡驚悸(驚きやすくて動悸がする)健忘(物忘れが激しい)等の症状を現す者を治すのが、この帰脾湯である。
◎帰脾湯がまことに良く効く方であるけれども、ちょっと証を間違えて、実証の者などに用いると、ひどく悪くなることがある。《大塚敬節》

★帰脾湯(胃腸虚弱、貧血疲労、顔面蒼白、心悸亢進、腹部軟弱、出血、舌無苔)


帰脾湯[1-6]《漢方治療の実際》
「黄蓍・人参・朮・茯苓・酸棗仁・竜眼肉・当帰各2、 遠志・甘草・木香各1、 生姜・大棗各1.5」

★適応症及び病名 (帰脾湯)
[1]悪性貧血
☆患者は友人の妻君で、子供も2人あった。従来健康であったが、夏に急性胃腸カタルをやってからどうも腸の具合がわるく下痢しがちで、ひどく痩せてしまった。秋頃になってあまり体重が減少するので、海軍病院で診てもらうと腸結核であるといわれた。その後、中野の組合病院に入院したが、ここでは腸結核の上に腹膜炎も伴っていて、その上ひどい貧血であるから重症であるといわれた。そこで、友人は知人のS博士に診てもらった。同博士は血液学の大家で、病理学の著書を出しているひとであるが、血液検査をして見て、首を横に振った。どうもいかんというのである。血液検査の結果は赤血球が114万(正常なものは450万)で、正常なる婦人の1/4しかないのである。こうした例は学界に類が稀で、2例の報告はあるがいずれも不治に終わったから、この患者も難しいであろうとのことであった。
だが友人はかって肺結核で半年間も血痰が止まらずに困っていたのが、私(代田文誌)の灸治により血痰が泊まり、肺結核も全治した経験を持っているので、最後の希望を私にかけて治療を頼んできた。そこで、私は往診したが、顔面蒼白、全身は水腫をきたし、顔面と足首とはことにひどく、熱も38.5℃ほどあり、咳嗽が頻発している上に、食欲が無くて、しかも毎日数回下痢しているのである。
これを診た時は、どうしても助かりそうに思えなかった。だが、私は勇気を起こした。そこで、
(腹部)中、上、水分、気海、大巨
(背部)身柱、風門、大杼、至陽、膈兪
(手足)曲池、左陽池、尺沢、足三里、太谿
に半米粒大の灸3壮ずつすえた。灸し終わったが、不安でならぬので、湯液を飲んではどうか?と相談すると、飲んでみたいという。そこで、大塚敬節先生を紹介し、往診を求めた。大塚先生は快く承諾し、往診し、投薬してくれた。
その後、患者は日ごとに体の調子がよくなり、数日にして平熱となり、水腫もとれ、食欲が出てきた。そうして下痢も止まったのである。かくて灸治と湯液を併用すること約1ヵ月にして退院し、自宅で養生することになり、次に往診したのは、前の往診後1ヵ月半の時であった。そのときはすでに食事も起きて自分でとり、便所へも自分で行っていた。その後1ヵ月の灸治と湯液の服用で、完全に治癒し、血液検査の結果は正常となったのである。
この悪性貧血の治に当たっては、灸治も相当に効いていることは確かであるが、大塚先生の与えられた帰脾湯が非常に効いているようで、患者はあの薬をのむと食欲が増すといって、1日でも薬がきれると早く薬をとりに行ってくれるようにと主人に督促するというふうであった《灸療雑話》
[2]頭がふらつく
[3]頭がボーッとする
[4]胃下垂
[5]胃潰瘍
[6]胃がもたれる
☆補中益気湯・十全大補湯などがもたれる者に良い、
[7]胃無力症
[8]息切れ
[9]遺精:
☆遺精白濁《漢方後世要方解説》
☆白濁。淋渋、虚証の者《矢数道明》
[10]陰痿:
☆思慮し脾を破る者《薛立斎十六種》
[11]陰戸出
[12]陰部掻痒症:
☆婦人素より欝悶し、陰内痛痒し、時ならず水を出し、飲食少しく思い、肢体倦怠するを治す。《薛立斎十六種》
[13]陰門熱癢:
☆陰門熱痒《漢方後世要方解説》
[14]過労:
☆元来胃腸虚弱者が、思慮過度により脾がやぶれ心身過労となる。
[15]感情不安定:
☆今俗に云う癇証で、しきりに物事を苦にして種々の容体を言うて、自ら大病となし、或いは自刃せんとし、或いは悲傷する者がある。しかし時によっては、起居、飲食とも変わりなく、診察してみると、多くは脈が沈細で、人参や附子を用いたい様である。しかしこのような証はひどい虚証のように見えても、うっかり人参や附子の入った方剤はやれないものである。先ず疏肝散(柴胡剤など)がよい。
1婦人が癇症だといって治を乞うた。そうして言うに、私の病気は癇症だけれども、帰脾湯を用いないで下さいという。そこで余がその訳を詰問すると、婦人がいうのに、先年、私の夫が癇症にかかって、ある医者に治を乞うたところ、その医者が虚証と判断して帰脾湯を与えた。するとたちまち上逆、発狂して自殺してしまったと。余はこれを信ずることが出来ず、疑問に思っていた。ところが、その後、また1人の婦人が癇性で治を乞うたが、虚証のように見えるので帰脾湯を用いたところ、たちまち発狂して、井戸に飛び込み死んだ。そこで始めて、前の婦人の云ったことが、こじつけでないことを知り感服した。その後、また1人の男子の癇症を診察し、よほどの虚証であったから、帰脾湯を用いたところ、1年ばかりで全治した。
帰脾湯は、証に適中すれば、その効は神の如くすばらしいが、一度誤るときは、人を殺すこともすみやかである。よくよくつつしみ、虚実を弁別して用いなければならない。《椿庭夜話》
[16]顔面蒼白
[17]驚悸
[18]経閉:
☆(気の鬱滞による慢性)
☆《陳念祖》曰く、女子に不得隠曲(欲求不満)あり。之を心に鬱し、心、血を生ずる能わず。血、脾を養う能わず、是れに由って水穀衰少、以て精微の気を化する無く、而して血脈遂に枯れ、月事時に下ら能わず。余、凝して「帰脾湯鹿茸麦門冬」として二十餘在を服して癒える。
[19]血尿:
☆諸出血、貧血がひどく、心動悸、食欲不振を訴える者《矢数道明》
[20]血便:
☆大便下血、凉血の薬を用い、効かざる者、:「槐花・黄芩」《雑病翼方》
[21]月経不順:
☆全身衰弱による者《矢数道明》
☆思慮過度による月経不順《矢数道明》
☆遅れる者:「附子乾姜」
☆早き者:「牡丹皮・梔子」《方読便覧》
[22]血小板無力症
[23]元気がない
[24]健忘症:
☆健忘を治すの総司なり《古今方彙》
☆思慮過度、大病後の気虚脱《漢方後世要方解説》
☆老衰健忘《漢方後世要方解説》
☆この方のゆく健忘は、瘀血にもよらず、また柴胡剤、瀉心剤、石膏剤などの症でもない。老人が中風の下地をなす時、多く健忘となる。このところに、この方の効がある。老境の健忘にはよく効のある方である。たとえば、自分のそばにある火盆をここへ持ってこいと命ぜんとして、その火盆の名を忘れ、或いは親戚・朋友の姓名などを忘れなどすることは、老境に多くあるものである。壮年の人の健忘には桃核承気湯などのゆくこともあるが、老人には駆瘀血剤のゆくことは少ない。しかしまた壮年にも帰脾湯のゆく処がある。
帰脾湯のゆく処は、多くは面などツヤツヤし、或いは半身不遂なども有る者である。しかしこのような症を帰脾湯の主症というのではない。この場は世人、多くは中風とみるものである。帰脾湯は老壮を論ぜず、健忘の症があっても、攻撃剤を用いることの出来ない処に用いる。世医、帰脾湯の処へ、瀉心剤などを与え効が無い、難治などと云って、捨てておく者がある。
、 健忘は癇に属する者もあり、瘀血に因る者もある。瘀血による者には、茯苓杏仁甘草湯が効がある。《方輿》
[25]更年期障害
[26]衂血
☆諸出血、貧血がひどく、心動悸、食欲不振を訴える者《矢数道明》
☆しばしば衂血を繰り返し、甚だしく貧血をきたし、顔面、口唇まで蒼白となり、食欲不振、栄養不足となった者。白血病、悪性貧血などに起こる衂血に本方がよい(漢方診療医典)
[27]嗜臥少食
[28]子宮ガン
[29]子宮出血:
☆《矢数道明》
 “48歳の婦人。常に顔色が悪く、痩せ型ですこぶる神経質である。この婦人も、上衝・耳鳴り・頭痛・肩こり・動悸・腰痛・悲観に陥りやすく、年に3、4回、猛烈な子宮出血を起こし、1ヶ月以上も続くことが、この3、4年の週間であった。腹が虚軟で、心下から臍傍にかけて著明な大動気を触れ、脈は弦である。
昨年の春、例年のように出血に見舞われ、私が芎帰膠艾湯を与えると出血はさらに加わり、虚羸衰弱を増し、唇や舌が蒼白になるほどますます貧血してしまった。そこで[血崩血脱甚だしきに四物湯を用うる勿れ、万物を故殺す。血を補うは気を補うにしかず]で、帰脾湯を与えると、出血は速やかに止まり、全身症状は異常に好転した。その後、本患者は長年の服薬を廃するまでによくなった”
[30]子宮内膜炎
[31]自汗
[32]自閉症
☆腹力低下者の精神不安、不眠、抑うつ、言語障害などを目標に(漢方診療医典)
[33]自律神経失調症状
[34]小児の言葉を発するのが遅い。《済世薬室》
[35]食欲不振:
☆神仙労(神経性食欲不振症):「呉茱萸」《内科摘要》
☆食思不振《漢方後世要方解説》
☆全身衰弱で他の補剤を服して反って胃に泥む者《矢数道明》
[36]心悸亢進
[37]心臓神経症
[38]心痛:
☆押さえると痛みが止まる=虚痛、顔面蒼白、神経症状、食欲不振、腹部軟弱、貧血疲労、心悸亢進、舌無苔
[39]神経性胃炎
[40]神経性心悸亢進症:
  胃腸虚弱、貧血疲労、顔面蒼白
[41]神経衰弱
[42]衰弱
[43]舌質<淡白>
[44]舌苔<無苔>
[45]躁鬱病
[46]帯下:
 ☆赤白帯下を治す、《寿世保元》
[47]血の道症:
☆女子には必ず調経し、「帰脾湯」を以てその源を治め、「逍遥散」を以てその流れを治す。ただ、婦人体肥厚する者は恐らく子宮脂満なり。     別に「二陳湯+川芎香附子」を用い、丸と為す。《雑病翼方》
[48]腸出血
[49]疲れやすい
[50]低タンパク血症
[51]手足冷たい
[52]多夢
[53]盗汗
[54]動悸:《方読便覧》
[55]吐血:
[56]軟便~水様便
[57]のぼせ:
 ☆頭上白屑《漢方後世要方解説》
[58]バルトリン腺炎
[59]白血病
[60]腹がはる
[61]疲労倦怠感
[62]ヒステリー:
 ☆貧血性の者の《矢数道明》
[63]貧血:
 ☆ひどいときは「+四物湯」。
 ☆昭和30年6月20日初診の6歳の男児。生まれて間もなくから貧血があり、その貧血の原因が不明であった。約2年前までは時々ケイレンしてひきつけたが、最近は発作がなくなった。よく風邪を引く、下痢はしない。貧血はかなりひどく、枯れかかった竹の葉のような色をしている。         脈は微細である。腹診すると、脾臓は臍の下方まで肥大し、肝臓は季肋弓より2横指径ほど下にまで肥大している。このような症状から考えると白血病のように見える。しかしそれにしては、経過が長すぎるように思われる。患家は生計が苦しいので、ここ2、3年は医療を受けていないという。従って、精密な検査を受けたこともないという。
私はこれに帰脾湯を10日分与えた。ところが、それきり来院しないので、どうなったかと心配していたところ、2ヶ月ほどたって又来院した。みると、貧血が減じ、血色もよくなり、脾臓は縮小して、初診時の半分ぐらいとなり、肝臓も触れなくなっていた。私はおどろいた。この調子なら治るかも知れないから、もっと続けて飲むようにいって、また10日分を与えたが、それきり来院しない。《大塚敬節》
☆原因不明の貧血、悪性貧血、再生不良性貧血などに用いられる。
☆貧血、出血、不眠、健忘、心悸亢進などのある虚証の患者に用いる。体質虚弱の者、病後で衰弱している者、精神の過労から発病したものなどによい(漢方診療医典)
☆熱状があれば、加味帰脾湯に。
[64]フケ:
☆頭上白屑に、虚熱上衝と足の冷えがある者《矢数道明》
[65]不安神経症:
☆62歳男性。主訴、抑鬱気分、不安、不眠等。
約3ヶ月前、10歳になる末の息子を急病で亡くし、その直後は気づかなかったが、日が経つにつれて“かわいそうなことをしてしまった”と始終考えているようになった。1ヶ月後には食欲は全くなく、ヤ セが目立ち、気分は常に悲しく憂鬱で、何事も手につかなくなり、ぼんやりして、考えがまとまらず、仕事も出来ないので勤めをやすむようになった。夜はまったく眠れなかった。最近は大分気持が落ち着いたので、勤めに出るようになったが、身体がだるく、疲れやすく、時々、心臓が止まりそうな感じが起こり、不安になる。喜忘や物事に対する興味も湧かず、酒を飲んだ時だけ元気になる。その後では反って具合がわるくなるという訴えであった。
現症。発病当初は、抑鬱状態が中心であったのに対し、初診時は、心気的訴えと、不安が著明であり、集中困難、無関心、不眠などを伴っていた。身体的には、顔色やや蒼白で潤いがなく、冴えない。身長は大で、肉つきは中等、筋肉も適度に緊張している。脈は沈細でやや遅、腹部は弾力有り、腹証には特徴がない。腰部の志室穴に圧痛が著明である。盗汗がある。
治療及び経過。帰脾湯+香附子+黄連を投与した。黄連は不安、不眠等に対して鎮静させる目的であった。
1週間後、気分爽快となり、食欲が出て、次第に眠れるようになった。
2週間後、気分はすっかり安定し、食欲も進み、体重も回復したと云って、すっかり元気になった。
1ヶ月後、上腕痛と、時に気分が沈む日があると言う。しかし3週以後は休薬していた。《山田光胤》
[66]不正性器出血:
☆性交時出血する者《矢数道明》
[67]不眠症:
☆(眠りが浅い)
☆心身過労の結果、不眠症を発し、その人貧血し、元気が大変衰えた者《矢数道明》
[68]腹部軟弱
[69]慢性胃腸炎
[70]慢性淋疾患
[71]脈沈細微
[72]無力感
[73]めまい
[74]目眩
[75]瘰癧:
 ☆なかなか治らなくて、稀膿が出る者《矢数道明》
           

帰葵湯《東醫寶鑑》
「升麻1銭、黄蓍・黄芩(酒)・防風・羗活各7分、蔓荊子・連翹・生地黄・当帰・人参・紅葵花・生甘草各5分、柴胡3分」水で煎じて食後服用。
◎物を見ると黒花がおき、涙が出て、目の中に火気がある者。


帰霊湯《外科正宗》《古今方彙》
「川芎・当帰・白芍薬・熟地黄・苡仁・木瓜・防已・括楼根・金銀花・白鮮皮・人参・白朮各1銭、甘草5分、威霊仙6分、山帰来2両」水煎。
量は病の上下による。食前・食後に之を服す。
◎楊梅瘡、新久を問わず元気虚弱の者を治す。
◎下部には:「+牛膝」


鬼哭丹《東醫寶鑑》
「常山1斤(切醋浸、夏3・秋7・冬10日)晒し乾燥・檳榔各4両、半夏・貝母各2両」作末し卵の白身に面を混ぜて梧子大の丸剤。毎回30丸、就寝時に冷酒で飲む。
◎瘧を治す。


奇効四物湯《婦人大全良方》《東醫寶鑑》    
「四物湯阿膠・艾葉・黄蓍各7銭、姜5片」
◎血崩に効く。
◎肝経の虚熱、血沸騰して崩久しく止まざるを治す。《古今方彙》


奇良八物湯《撮要方》
「奇良・当帰・川芎・茯苓・橘皮・木通・金銀花・大黄各等分」
 (奇良=山帰来) →八味帯下方


葵子湯《東醫寶鑑》
「葵子・赤茯苓・猪苓・枳実・瞿麦・滑石・木通・黄芩・車前子・甘草各1銭を作末し、姜5片を入れて煎服。
◎膀胱の熱・小便の不通を治す。


葵子茯苓散《金匱要略》
「葵子1斤・茯苓3両」杵為散、飲服方寸日匕、日3服、小便利則癒。
◎妊娠有水気、身重、小便不利、洒浙悪寒、起則頭眩、本方主之。
《金匱要略》婦人妊娠病脉證并治第二十。


葵子茯苓散《金匱要略》《漢方治療の実際》
「葵子8、茯苓1.5」作末し、1回2を服用。


菊花散[1]《東醫寶鑑》
「甘菊4両、蝉退・木賊・羗活・白藜各3両、荊芥・甘草各2両」を作末し、毎回2銭を茶清で服用。
◎肝が風毒のために腫れ、涙が多く、瞖膜が出る症。


菊花散[2]《東醫寶鑑》
「甘菊・蔓荊子・側柏葉・川芎・白・細辛・桑白皮・旱蓮草(全草・花)各1両を作して毎回2両を漿水3椀で煎じ、2椀になったら滓を捨てて、髪を洗う。
◎髪が黄色く変色したものを、黒く艶があるようにする。


菊花散[3]《和剤局方》
「白菊花、蝉退、木賊、白藜、羗活」


菊花酒方《医学入門》
「甘菊花5升・生地黄の根皮5升・枸杞の根皮5升」を水1石に入れ、煮て5斗までに減ったら、糯米5斗に麹を入れて醸造する。
◎健康・養生・不老・延年に


菊花茶調散[1-1]《和剤局方》
「菊花、薄荷、荊芥、川芎、防風、羗活、甘草、白、細辛、白殭蚕、香附子、茶葉」


菊花茶調散[1-2]《東醫寶鑑》
「甘菊・川芎・荊芥・羗活・白・甘草各1両、防風7銭半、細辛5銭、蝉退・白僵蚕・薄荷各2銭半」を細末にし、毎回2銭を食後に茶清で服用。
◎頭風で鼻塞、偏頭痛を治す。


菊晴元《東醫寶鑑》
「甘菊4両、枸杞子3両、熟地黄・肉蓯蓉各2両、巴戟1両」を作末し、梧子大の蜜丸。空腹時に、温酒又は塩湯で50~70丸服用。
◎右腎と肝腎の不足による青瞖・白瞖を治す。


菊晴湯《中薬臨床応用》
「菊花6g、枸杞子15g、肉蓯蓉9g、巴戟天6g」水煎服。
◎目がかすむ
◎目がくらむ
◎視力減退

 


麹芽正気散《古今方彙》
「陳皮・半夏・厚朴・蒼朮・藿香・神麹・麦芽・山楂子各等分、生姜、大棗」水煎。
◎食積瀉、腹痛甚だしく而して瀉し、瀉したる後は痛みが減ずる者を治す。


麹芎丸《東醫寶鑑》
「神麹・川芎・白朮・炮附子」各等分。作末し麺糊で梧子大の丸剤。空腹時に米飲で30~50丸服用。
◎風泄・湿泄・滑泄を治す。
◎下痢(水だけ降り、腹痛しない)

 


麹朮丸《東醫寶鑑》
「神麹(炒)3両、蒼朮(土炒)1両半、陳皮・縮砂各1両」作末し姜汁で神麹糊をつくり、梧子大の丸剤。姜湯で70~90丸飲む。
◎中に宿食と溜飲があり、酸が上がって心が痛み、牙歯が浮き、
◎水を吐き、腐気のしゃっくりが出る者を治す。


麹朮元《東醫寶鑑》
「神麹(炒)・蒼朮(製)」各等分。作末し、麺糊で梧子大の丸剤。空腹時に米飲で30~50丸服用。
◎傷泄・暑泄・暴泄を治す。


麹蘗枳朮丸《東醫寶鑑》
「枳朮丸神麹(炒))麦芽(炒)各1両」
◎食傷で胸満があり、不快。


麹蘗丸《東醫寶鑑》
「神麹(炒)・麦芽(炒)各1両5銭、巴豆肉3粒を炒って巴豆は捨て、作末して沸湯で梧子大の丸剤。姜湯で50~70丸飲む。」
◎酒癖による消化不良、腹部が膨れ酸っぱいものを吐き、嘔逆して食べられない者を治す。


枳橘湯《東醫寶鑑》
「橘皮8銭、枳穀1銭半、生姜4片」水煎服。鬱気がひどいときは姜黄を少し加える。
◎気滞して胸痛。


枳橘熨法《東醫寶鑑》
「橘皮・枳実各4両」炒って香熱を出し、絹袋に入れて両方に分けて全身をなでこする。
◎婦人の陰腫が石のように固く、痛みに堪えかね、大小便ともに苦しいとき。


枳桔湯《医方集解》
「桔梗、枳殻」


桔梗湯[1-1]《傷寒論》
「桔梗1両、甘草2両」
右二味、以水三升、煮取一升、去滓、温分再服。
◎少陰病二三日、咽痛者、可與甘草湯。不差、與桔梗湯。
《傷寒論》辨少陰病脉證并治第十一。


桔梗湯[1-2]《金匱要略》
「桔梗1両、甘草2両」
右二味、以水三升、煮取一升、分温再服、則吐膿血也。
◎而胸満、振寒、脉数、咽乾不渇、時出濁唾腥臭、久久吐膿如米粥者、為肺癰、桔梗湯主之。
《金匱要略》肺痿肺癰嗽上氣病脉證治第七。



桔梗湯[1-3]《漢方治療の実際》
「桔梗2、甘草3」
◎甘草湯の証にして、腫あり、或いは粘痰を吐く者を治す。《吉益東洞》
◎此方は後世の「甘桔湯」にて、咽痛の主薬なり。又肺癰の主方とす。《勿誤薬室方函口訣》


桔梗湯[1-4]《東醫寶鑑》
「桔梗1両、甘草2両」を粗末にし、毎回5銭を水煎し、冷服。
◎咽痛。


桔梗湯[1-5]《金匱要略》
★適応症及び病名 (五十音順)
[1]咽痛:
☆咽痛、咽頭カタル《龍野ー漢方処方集》
☆咽喉腫痛し、或いは咳嗽し、喀痰粘稠にして、喀出困難なる証《奥田謙蔵》         
☆虚労咽痛、赤爛し、多くは脱症に係る:「薔薇花」含薬。
[2]咽頭炎:
☆《傷寒論》では、甘草湯で良くならない咽痛にこの方を用いることになっているので、急性咽頭炎にも用いる。《大塚敬節》
[3]嚥下困難:
☆木舌を治す:「山豆根」《方読便覧》
[4]嚥下痛
[5]気管支炎: (化膿性)
[6]気管支拡張症:
☆甚だしければ則ち胸脇腸満し、呼吸不利、飲食減少し、脈洪に、自汗する者を治す。
[7]血痰が出る:
☆久咳止まず、唾血赤線を引き、或いは点斑をなす者は、肺損に属す。外候軽きに似たりと雖も最も難治となす。:「「白・桑白皮」《高階枳園》
[8]喉頭炎(腫痛):
☆喉痺腫痛を治す。「石膏」
[9]嗄声:
☆咽喉腫痛し、嚥下困難、或いは声音嘶嗄等を現す証《奥田謙蔵》
[10]失音:
☆痰咳失音しつ者を治す「薯蕷・生姜」《方読便覧》
☆寒に感じて声出でざるを治す:「訶子」を作末し砂糖小塊と煎じ、細かく吸う。
[11]小児の鵞口瘡(紫円と併用)
[12]新生児の疾患:
☆初生の鼻づまり。
☆乳を吸うことが出来ない。《方読便覧》
[13]舌苔<微黄~黄>
[14]タンが腐敗臭:
☆肺癰已に膿を吐く後、宜しく服すべし:「生姜、大棗」
[15]肺壊疽
[16]肺膿瘍:
☆肺化膿症の初起に:「苡仁・糯米」《張子和》
[17]扁桃炎:
☆扁桃炎や扁桃周囲炎で悪寒や熱のない者に用いる《大塚敬節》
☆ある日、のどが腫れて塞がって、口を開けることも出来ず、飲食も出来ないという青年を診察した。脈は大きいが、熱も悪寒もない。歯の間からのぞいてみると、扁桃周囲炎らしい。そこで桔梗湯を与 えたところ、なかなか呑めないので、少しずつ口に入れて、1口ずつ呑み込むことにあいた。すると1日分を1/3位呑んだ時、急に  嘔逆の状になって、のどに力が入った途端に、一度に、膿血が口から流れ出て、それきり治ってしまった。周囲炎の患部が破潰したのである。
桔梗には排膿の作用もあり、催吐作用もあるから、こんな結果になったのであろう。
私が漢方を独学で勉強している時、咽喉結核の患者に桔梗湯を与えて、激しい喀血を誘発せしめたことがあった。桔梗を多量に用いると、食欲を害したり、悪心を起こすことがあるから中止しなければならない、《大塚敬節》
☆病人、咽痛する者は、甘草湯を与ふ可じ。若し差えずして、腫痛する者は、桔梗湯を与ふ。若しその人、懸雍の傍、腫れ起り、飲食入ること膿はず。語言出で難き者は、急に当に之を刺し、少しく膿血を去るべし、則ち頓に癒えん《医聖方格》
[18]脈:<数>



桔梗湯[2]《外台秘要方》
「桔梗3升、木香3両、地黄2両、甘草2両、敗醤2両、苡仁2両、、桑白皮1升、当帰1両」
◎肺癰、時を経て差えざるを療す。
◎此方は肺癰の症、「葦茎湯」「桔梗湯」等を与えて、臭膿減ぜず、日を経て血気衰弱する者を治す。《勿誤薬室方函口訣》
◎桔梗湯は、能く肺癰始萠の者を治す。証拠未だ具わざるも、口に腥臭ある者、之を用いて尤も効あり。敗醤或いは子に代う。《先哲医話》
◎婦人帯下にて肺痿状を見す者に運用すべし。
    


桔梗湯[3]《東醫寶鑑》
「桔梗・甘草各1銭半、当帰・馬勃各1銭半、麻黄5分、白僵蚕・黄芩各3分、桂枝少し」水煎服。
◎咽喉の腫痛で語声がちぎれる症。


桔梗湯[4]《東醫寶鑑》
「桔梗・半夏(製)・陳皮(去白)各1両、枳実3銭」粗末にし、毎回3銭を姜5片と水煎服用。
◎痰を除き咳嗽を止め、また心咳を治す。


桔梗湯[5-1]《厳氏済生方》《中薬臨床応用》
「桔梗・防已・桑白皮・貝母・当帰・枳殻・楼仁・苡仁各1.5g、黄蓍2g、杏仁・甘草・百合1g、生姜」煎服。
◎排膿。


桔梗湯[5-2]《厳氏済生方》《古今方彙》
「桔梗・貝母・当帰・括楼仁・枳殻・桑白皮・苡仁・防已各1両、杏仁・百合・甘草節各半両、黄蓍1両半、生姜」水煎。
◎《医学入門》は、枳殻人参。
◎肺癰にて唾膿血、咽乾きて多く渇し、大小便不利するを治す。
◎大便秘する:「大黄」
◎小便閉には:「木通」
◎喘急に:「子」《万病回春》
◎口燥には:「黄芩」


桔梗解毒湯[1-1]《方與》
「遺糧8~50銭、川芎3分、大黄2分、桔梗1銭、黄蓍2分、芍薬3分、甘草3分」
◎黴毒咽喉に在り、声嗄する者を治す。
◎結毒上攻、咽喉腐爛を療す。《黴瘡約言》
◎此方は咽喉結毒の主方なれども、凡て上部の結毒(=梅毒)に用いて宜し。
◎咽喉結毒、此方を用いて効無き者:結毒喉癬湯、五宝丹を用いるべし。
◎鼻淵初起の者を治す。《方読便覧》
◎「黄蓍芍薬石膏木通」=「咽疳解毒湯」《勿誤薬室方函口訣》


桔梗解毒湯[1-2]《漢方治療の実際》
「土茯苓(山帰来)・川芎各3、大黄1、桔梗3、黄蓍2、芍薬3、甘草1.5」
★適応症及び病名(五十音順)
[1]咽頭痛:
☆梅毒から来る咽痛に用いる《大塚敬節》
☆58歳女性。腰痛と咽痛を主訴として来院した。この患者には梅毒があるが、その治療の為に洋薬を使用すると、副作用がひどくて、とても連用が出来ないと言う。のどは乾燥気味で、飲食のたびに痛むという。私は桔梗解毒湯大黄地黄麦門冬を用いたところ、2週間ほどで、疼痛を忘れた。そこで腰痛を治する目的で。養血湯に転方したところ、腰痛は軽くなったが、またのどが痛むという。そこで仕方なく、桔梗解毒湯と養血湯とを交互に呑ますことにした。続服10ヶ月、自覚症状は去り休薬した。《大塚敬節》



桔梗白散《外台秘要方》《金匱要略》
「桔梗・貝母各3分、巴豆(去皮熬研如脂)1分」
右三味、為散、強人飲服半銭匕、羸者減之。病在膈上者、吐膿血、膈下者瀉出、若下多不止、飲冷水1杯則定。
◎治而胸満、振寒、脉数、咽乾不渇、時出濁唾腥臭、久久吐膿如米粥者、為肺癰。    

《金匱要略》肺痿肺癰咳嗽上氣脉證治第七。
「濁唾」=汚い喀痰
「腥臭」=その痰がなまぐさい臭味をもつ。
桔梗白散証=時に濁唾・腥臭を出し、久久にして膿を吐す《薬徴》


桔梗白散《外台秘要方》《金匱要略》
◎虚弱者・老人・幼児には用いないほうが良い《大塚敬節》
★適応症及び病名(五十音順)
[1]胃潰瘍
[2]息切れ
[3]咳嗽
[4]喀痰<濃厚>
[5]急性肺炎
[6]ジフテリア
[7]食中毒
[8]心胸部痛<劇痛>
[9]心下痞
[10]心不全
[11]肺壊疽:
☆肺壊疽の初期、胸痛のある時に用いる《大塚敬節》
☆25歳女性。愛人とアパートに住んでいたが、数日前から胸が痛むようになった。1医は肋間神経痛だと云い、他医は肋膜炎だと云ったという。私が招かれて云ったときは、体温が38℃近くに上り、咳をしていたので、痰をよくみたところ、肺壊疽特有の臭い痰であった。病巣は右肺上葉にある。この部には自発痛があり、右肩が凝る、みゃくは大きくて力がある。
私はこれに桔梗白散を与えようと考え、桔梗と貝母をそれぞれ1.0に、巴豆0.5を混和し、これを2等分し、その1包をお湯で飲ませた。
2、3分たつと、吐が始まり、5分ぐらいたった頃、クルミの実大の膿塊が咳と共に飛び出てきた。20~30分たつと、下痢が始まった。白い粘液がたくさん出る。しかし患者は、胸がスーッとなって、気持が良いという。翌日は平熱となり、胸の痛みもなくなった。そこで柴胡枳桔湯を1ヶ月ほど飲ませ、それですっかり全快した。《大塚敬節》
☆50歳男性。右肺下葉に肺浸潤があると診断されたというが、病室に入ると、肺壊疽らしい悪臭があり、喀痰を見ると、間違いなく肺壊疽である。患者は体力もあり、脈にも力があるので、桔梗白散を頓服せしめた。すると、10分もたたないうちに、胸が焼けるとようだと云い、食物を吐いてしまった。そのあとで、鶏卵大の肉の塊を吐いた。それから30分ほどたつと下痢が始まった。そこで、かねて準備しておいた冷たい粥を1杯飲ませたところ、20分ぐらいで下痢も止んだ。この患者は桔梗白散を飲ませる前には40℃近い熱があったが、肉塊を吐いたとたん下熱し始め、その夜のうちに平熱となった。そこで柴胡枳桔湯を2ヶ月ほど与え、そのまま全快した。《大塚敬節》
[12]肺水腫
[13]肺膿瘍
[14]煩躁
[15]百日咳
[16]浮腫


桔梗枳穀湯《東醫寶鑑》
=「桔梗湯」
「桔梗・枳穀各2銭、甘草1銭、生姜5片」水煎服。
◎痞気で胸が脹満する症。



枳芎散《東醫寶鑑》
「枳実・川芎各5銭、甘草2銭半」作末し毎回2銭を姜棗湯で調下する。
◎左脇肋の刺痛する者。


枳殻丸《東醫寶鑑》
「枳殻2両、陳皮1両、檳榔5銭、木香2銭半、黒牽牛子4両の半分は生で、半分は炒熟して叩いて頭末をとって1両半を作末して蜜で梧子大の丸剤。姜湯で30~50丸飲む。
◎三焦がつまって大小便の不通のとき。


枳殻益気湯《中薬臨床応用》
「枳殻(炒)18g、黄蓍30g、党参15g、白朮12g、升麻6g、陳皮5g、当帰9g、益母草15g、甘草(炙)6g」水煎服。
◎産後の子宮脱
◎慢性の下痢で脱肛。


枳殻化滞湯《病因脈治》
「枳殻、子、厚朴、神麹、陳皮、麦芽、砂仁」


枳穀散[1]《婦人良方》
「大柴胡湯大黄」
◎婦人手足煩熱、夜臥多汗、肌肉黄瘁、経行不調、四肢は煩倦、心胸満悶状は労気の如きを治す。《雑病翼方》


枳穀散[2]《東醫寶鑑》
「枳穀2両、黄連・白芍各1両、槐花(炒)・地楡各5銭、甘草2銭半」を作末し、毎回1両を煎服。
◎臓毒を治す。


枳殻散[3]《東醫寶鑑》
「枳殻1両2銭半、甘草(炙)3銭7分半」作末して毎回2銭を濃く煎じて葱白湯で服用。
◎何かで刺すように痛む脇痛。


枳穀散[4]《東醫寶鑑》
「便香附1両、枳殻・白朮各5銭、檳榔2銭」を作末して、毎回2銭を米飲で1日3回調下する。
◎心下に積があって痞満・疼痛・腐った卵のような噫気の症を治す。


枳穀湯《東醫寶鑑》
「白朮3銭半、枳殻・黄芩各1銭7分半を作1貼して、水煎服用。
◎胎漏の下血を治す。


枳穀散《東醫寶鑑》
「厚朴・枳殻・桔梗各2銭、大黄(蒸)・甘草(炙)各1銭、姜5、棗2」 水煎服。
◎熱脹を治す。


枳穀煮丸《東醫寶鑑》
「枳穀2銭、細辛・桔梗・防風・川芎各1銭、葛根7分、甘草5分、生姜3、大棗2」水煎服。
◎悲哀が肝を傷つけ、両脇が疼痛しる。又は七情が肝を傷つけて、両脇・両腋ともに痛む者。

枳実括楼薤白散加減《中薬臨床応用》
「枳実6g、括楼仁15g、薤白9g、製半夏6g、黄連3g、陳皮3g」水煎服。
◎肋膜炎。


枳実薤白桂枝湯[1-1]《金匱要略》
「枳実4枚、厚朴4両、薤白半斤、桂枝1両、括楼(搗)1枚」右五味、以水五升、先煮枳実、厚朴、取二升、去滓、内諸薬、煮数沸、分 温三服。
◎胸痺、心中痞、留氣結在胸、胸満、脇下逆搶心、枳実薤白桂枝湯主之、人参湯 亦主之。      《金匱要略》胸痺心痛短氣病脉證治第九。



枳実薤白桂枝湯[1-2]《金匱要略》《漢方治療の実際》
「枳実・厚朴各3、薤白4、桂枝1、括呂実4」
◎胸痺、胸腹満痛し、上逆する者を治す。《吉益東洞》
◎この方は元来、心気を労し或いは憤怒によって胸が塞がって痛む者に用いる。この症が痰飲があって、痞塞し、気が欝滞して、胸下から逆して心胸に衝き、気を労することがあると胸に詰まって痛みが甚だしくなる者によい。この方と人参湯とは交互に用いる。ただ甘味を好む者は人参湯、苦味を好む者はこの方を用いるとよい。俗に積気と呼ぶ者に、ままこの症がある。《福井楓亭》
◎此方は、胸痺、槍逆の勢甚だしく、心中痞結する者を治す。《勿誤薬室方函口訣》
◎括薤白白酒湯一類の薬:
①括楼薤白半夏湯:心痛背に徹し臥することが出来ない。
②枳実薤白桂枝湯:脇下より逆槍するを主とする。
③括薤白白酒湯:喘息胸痛を主とす。
◎元来、心気を労し、或いは忿怒に因り、胸塞がり、痛をなし、津液之が為に一身に布くこと能わず、凝唾と成って出づる者。上の3方を考えて用いるべし。《勿誤薬室方函口訣》
◎胸満痛、心中痞気《龍野ー漢方処方集》
◎この方は上記の①②と違って、季肋下や心下から胸にかけて差し込んで痛む者に用いる。《大塚敬節》
★適応症及び病名
[1]胃痛
[2]狭心症
[3]胸痛
[4]心痛
[5]胆石症
[6]肋間神経痛



枳実丸《東醫寶鑑》
「枳実1両、白芍(炒)・雀脳芎・人参各5銭」を細末にし、毎回2銭を姜棗湯で調下する。
◎男の肝気不足・両脇の疼痛。





枳実梔子湯[1-1]《傷寒論》
=「枳実梔子豉湯」
「枳実(炙)3枚、梔子(擘)14箇、豉(綿嚢)1升」
右三味、以清漿水七升、空煮取四升、内枳実、梔子、煮取二升、下豉、更煮五六沸、去滓、温分再服、覆令微似汗。若有宿食者、内大黄如博碁子五六枚、服之愈。
◎大病差後労復者、枳実梔子湯主之。
《傷寒論》辨陰陽易差後労復病脉證并治第十四。

 


枳実梔子豉湯[1-2]《傷寒論》《漢方治療の実際》
「枳実2、梔子4、香豉8」
○為則按ずるに、梔子・香豉は心中懊悩を主治す。しかしてさらに枳実を加ふれば、則ちその胸滿の証あるや明らかなり(薬徴の枳実)
○枳実梔子豉湯条に、心中懊悩の証なし。為則按ずるに、梔子大黄豉湯は、此れ枳実梔子豉湯にして大黄を加ふるもの、しかもその条に心中懊悩の証あり。心中懊は固より大黄の主治するところにあらず。然れば則ち枳実梔子豉湯条に、その心中懊悩の証を脱するや明らかなり。


枳実梔子豉湯[1-3]《傷寒論》
=「枳実梔子湯」
「枳実2.4、梔子1.6、香豉9.6」
右三味、醋二勺、水二合を以て、空煮して一合二勺と為し、先づ二味を入れ、煮て六勺を取り、滓を去り、後、香豉を入れ、五六沸し、滓を去りて一回に服用す。
◎此方、原本に在りては、清漿水を以て薬味を煮る。今、《尾台榕堂》の改むる所に従う《奥田謙蔵》
◎枳実梔子豉湯の条に心中懊悩の証無し。蓋し脱文なり。為則梔子大黄湯を按ずるに即ち枳実梔子豉湯中に大黄を加うるものにして心中懊悩の証あり。則ち此の条は心中懊悩を脱するや明らかなり。《重校薬徴》
◎梔子豉湯証にして、胸満する者を治す《類聚方広義》
◎病人、心下堅く、之を按じて痛まず、而して心中懊悩する者は、枳実梔子豉湯之を主どる。《医聖方格》
◎大病差後労復、或いは微熱、或いは不眠、或いは食欲不振、或いは胸しき者。《龍野ー漢方処方集》
★適応症及び病名
[1]胸苦しい:
☆汗下の後、胸部及び心下部に欝塞を感じて煩悶し、せず、渇せず、便通やや渋滞の傾向ある証《奥田謙蔵》
☆胸部に閉塞の感ありて煩悶し、便通整順ならず、その脈遅なる証。若し便秘する者は、また証に由り大黄を加す《奥田謙蔵》
☆凡そ大病新に差え、血気未だ復せざるに方有り、労働、飲啖度に過ぐるときは、則ち或いは心胸満悶を作し、或いは煩熱を作す。此方を与えて将養すれば則ち癒える。若し大便通ぜず、宿食有る者は、 枳実梔子大黄豉湯に宜し《類聚方広義》
[2]やせる:
☆虚羸して、欝熱の状あり、心下痞《傷寒論》、或いは痛み、せず、渇せず、便通渋滞し、その脈浮沈定まらざる証《奥田謙蔵》




枳実芍薬散《金匱要略》
「枳実(焼令黒勿太過)・芍薬」等分。
右二味、杵為散、服方寸匕、日三服、并主癰膿、以麦粥下之。
◎産後腹痛、煩満不得臥、枳実芍薬散主之。
《金匱要略》婦人妊娠病脉證并治第二十。
◎産後の腹痛煩満、或いは化膿性疼痛、或いはしこり。 《龍野ー漢方処方集》

 


枳実酒《東醫寶鑑》
「枳実((麩炒黄)を切って毎回3銭を、温酒1杯に1時間浸して、枳実は捨 て酒を飲む。
◎全身に白疹が出て、かゆいとき。


枳実清痞丸《東醫寶鑑》
「枳実・黄連各5銭、厚朴4銭、半夏(麹)・人参・白朮各3銭、乾生姜・白茯苓・麦芽・甘草各2銭」を作末し、梧子大の丸剤。白湯で100丸を空腹時に服用。
◎心下が弱って痞となり、右関脈ののろい症。


枳実大黄湯[1]《万病回春》《勿誤方函口訣》
「小承気湯檳榔・甘草」
◎食積、大便通ぜざるを治す。《方読便覧》


枳実大黄湯《万病回春》《古今方彙》
「枳実、厚朴、大黄、檳榔子、甘草」水煎し空心に熱服す。利するを以て度となす。
◎胸腹に食積ありて大便通ぜざるを治す。
◎大便結実し、胃中痛む者を治す。
◎腹痛甚だしき:「木香」


枳実大黄湯[2]《万病回春》《古今方彙》
「枳実・大黄・檳榔子・厚朴各2銭、甘草3分、木香(別研)5分」水煎。
◎食積痛併せて積熱痛にて大便通ぜざるを治す。


枳実大黄湯[2]《東醫寶鑑》
「大黄2銭、厚朴・枳実・檳榔・甘草各1銭、木香5分」水煎服。
◎熱物にあたって便が通じない者を治す。


枳実大黄湯[3]《東醫寶鑑》
「大黄(酒)3銭、羗活1銭半、当帰1銭、枳実5分」水煎し空腹時に服用。
◎湿熱脚気の腫痛を治す。


枳実湯[1]《厳氏済生方》
=厚朴七物湯《金匱要略》
◎腹脹発熱し、大便秘実し、脈は多く洪数なるを治す。此れ熱脹と名づくと。熱 は当に寒となして看るべし。《勿誤方函口訣》


枳実湯[2]《実在易》《勿誤方函口訣》
「枳実3両、半夏、生姜半斤」
「橘皮枳実生姜湯橘皮半夏」《雑病翼方》
◎心痛、胃及び胸脇・大小腹の諸病、按を拒む者を治す。




枳実導滞丸(一名導気枳実丸)《東醫寶鑑》
「大黄1両、枳実・神麹各5銭、茯苓・黄芩・黄連・白朮各3銭、沢瀉2銭」を作末し、蒸し餅で梧子大の丸剤。温水で70~80丸呑む。
<注>本方木香・檳榔各2銭⇒「木香導滞丸」。
◎湿熱の食にあたり、消化されず痞満の症。


枳実導滞丸《内外傷弁惑論》《中薬臨床応用》
「枳実9g、大黄(生)9g(後下)、白朮9g、黄芩6g、黄連5g、茯苓9g、沢瀉6g、神麹9g」水煎服。
◎急性胃腸炎
◎細菌性下痢、裏急後重、腹痛。
(腐敗臭・裏急後重・細菌性下痢)


枳実導滞湯[1]《重訂通俗傷寒論》
「枳実、大黄、檳榔子、厚朴、連翹、黄連、神麹、紫草、山楂肉、木通、甘草」


枳実導滞湯[2]《内外傷弁惑論》《中薬臨床応用》
「枳実9g、大黄(生)9g(後下)、白朮9g、黄芩6g、黄連5g、茯苓9g、沢瀉6g、神麹9g」水煎服。
◎下痢
◎裏急後重
◎胸苦しい


枳実分消湯《寿世保元》《古今方彙》
「厚朴5銭、枳実2銭半、大黄・甘草(炙)各1銭半、官桂1銭2分、生姜、大棗」水煎。
◎腹脹り発熱し、陽並びに陰を以て則ち陽は実し陰は虚し、陽勝てば則ち外熱し、陰虚すれば則ち内熱を生じ、脈は必ず浮数、浮は則ち虚となし、数は則ち熱となし、陰虚すれば宣導する能わず、飲食故の如く、固より脹満を致す者は之を熱脹となす。此方に宜し。
◎吐には:「半夏」
◎自利には:「大黄」
◎寒多ければ:「乾姜」


枳実理中湯《証治要訣》
「理中丸枳朮・茯苓」
◎霍乱ならびに種々の吐瀉後、胸膈高起し、痞塞絶えんとするを治す。
◎腹内諸般冷痛に加減して無限の用をなす《雑病翼方》


枳実理中元《東醫寶鑑》
「枳実(麩炒)・人参・白茯苓・白朮・乾姜(炮)・炙甘草」各等分を作末し、蜜でまぜ、1両を4丸につくり、熱湯で服用。
◎寒実痞満を治す。


枳縮二陳湯[1-1]《万病回春》《漢方後世要方解説》
「枳実1、砂仁1.5、半夏3、陳皮27、香附子2、厚朴2、小茴香1、延胡索27、木香1、草果1、乾姜1、甘草1、生姜1、茯苓3」
◎涎心膈上に在り、腰背に攻め走り、して大いに痛むを治す。
◎此方は痰飲にて、キョウは胃走痛する者を治す。疝にて背痛する者は「千金当帰湯」を用い、痰より来る者は此方を用ゆ。《勿誤薬室方函口訣》
◎此方は慢性胃炎を患う者、種々の誘因によって胸中の痰、胃内停水が毒性を帯びて心下を攻めて痛み烈しく、胃痙攣の如く、心臓部、両乳間に攻め上って狭心症の如く、心臓神経痛の如く、同時に嘔吐乾嘔あってその痛み腰背に遊走する症を治する。総て胸元に痛み甚だしくある者に用いられる。疝に痰飲を兼ねたものである。




枳縮二陳湯[1-2]《万病回春》《古今方彙》
「枳実・砂仁・半夏・陳皮・香附子各1銭、厚朴・小茴香・延胡索各8分、木香・草豆・乾姜各5分、甘草3分、生姜、大棗」水煎。竹瀝を加える。
◎涎が心膈の上にあり、腰背に攻め走り、して大いに痛むを治す。


枳縮二陳湯[1-3]《丹渓心法》
「二陳湯枳実・縮砂」
◎順気、寛中、消痰飲。


枳縮二陳湯[1-4]《万病回春》《龍野ー漢方処方集》
「枳実・縮砂・半夏・陳皮・香附子各3.0g、厚朴・小茴香・延胡索各2.5g、木香・草豆・乾姜各2.0g、甘草1.0g」


枳縮二陳湯[1-5]《万病回春》《漢方治療の実際》
「枳実・縮砂・半夏・陳皮・香附子各2、厚朴・小茴香・延胡索各1.5、木香・草豆・乾姜・甘草各1.0、生姜3、竹瀝2」
今、竹瀝を去って、茯苓2を加える。
◎涎、心膈上にあり、腰背に攻走し、大痛するを治す。
◎此方は痰飲にて胸背走痛する者を治す。
◎先輩の伝に、

①疝にて背痛する者は、当帰湯《備急千金要方》
②痰より来る者は枳縮二陳湯。
◎痰飲性の腰背痛、吃逆、嘔吐。
◎目標:
「この方は吐がひどくて、胸から腹にかけて痛み、又、背へ連り腰へかけて痛みが甚だしく種々の処方を用いても効のない者に与えて奇効がある。」《大塚敬節》
「すべて鳩尾(みずおち)の痛みがひどくて吐する者には先ずこの方を用いてみるが良い。その目当ては、とかく疼痛が漉し、背に連るというとことにある。」《梧竹楼方函口訣》
★適応症及び病名
[1]胃痛:
 ☆胃ケイレン、嘔吐、腰背痛ある者《矢数道明》
 ☆胃下垂などの慢性の胃疾患があって、腰・背・胸などに疼痛が放散する者に用いる《大塚敬節》
[2]狭心症:
 ☆痰飲による胸内苦悶に用いることが多い《矢数道明》
[3]胸痛:
 ☆一切の心痛及び痰飲、寒疝の衝心する者を治す。:「川烏」《雑病翼方》
[4]小児:
☆壊症、腫を発し、補瀉無効のものに虫薬にて癒える者あり、此方しばしば験あり。《方読便覧》
[5]心臓神経症:
 ☆胸膈停飲によって、心臓神経症、肋間神経痛など《矢数道明》
[6]背痛
[7]腹満:
 ☆腹満して湯水も収まらない者《矢数道明》
 ☆大小便秘閉《矢数道明》
[8]慢性胃炎
[9]腰痛
[10]溜飲症:
  ☆陳旧の胃内停水、慢性胃炎など《矢数道明》




枳縮二陳湯[2-1]《東醫寶鑑》
「枳実1銭、川芎8分、縮砂・白茯苓・貝母・陳皮・紫蘇子・瓜仁・厚朴・便香附子各7分、木香・沈香各5分、甘草3分」木香・沈香を除いて剉作して1貼にし、姜3片を入れて水煎し竹瀝・沈香・木香各5分を濃くひいて入れて飲む。
◎関格の上下不通を治し、これは痰が中焦をふせぐ症だが、この薬を飲んで痰を出させる。


枳縮二陳湯[2-2]《寿世保元》《古今方彙》
「枳実1銭、茯苓・貝母・陳皮・香附子・紫蘇子・括楼仁・厚朴(便炒)・砂仁各7分、川芎8分、甘草3分、沈香・木香各5分、生姜」水煎し、竹瀝、磨沈香、木香を入れて服す。
◎関格上下通ぜざるを治す。


枳朮丸[1-1]《張潔古》《内外傷弁惑論》《蘭室秘蔵》
「枳実・白朮」
◎痞をとり、痰を除き、脾を強くして、食が進む。


枳朮丸[1-2]《東醫寶鑑》
「白朮2両、枳実(麩炒)1両」を作末して荷葉でくるみ、ご飯で梧子大の丸剤。熟水で50~70丸呑む。
◎痞を治し、食を消化させ、胃を強くする。
(数日食べなかったあと下痢するとき)


枳朮丸[1-3]《朱丹渓》《勿誤薬室方函口訣》
「枳朮湯[1-2]《金匱要略》」を丸として
◎痞積を治し、諸kを消す、即ち健脾、去湿、利水の効あればなり。


枳朮散《医学従衆》
「枳朮湯[1-2]《金匱要略》」を(研末)として、穀湯にて送下する。


枳朮湯[1-1]《金匱要略》
「枳実7枚、白朮2両」
右二味、以水五升、煮取三升、分温三服、腹中、即當散也。(=ゼン、やわらかい)
◎心下堅、大如盤、邉如旋盤、水飲所作、枳朮湯主之。
《金匱要略》水氣病脉證并治第十四

◎枳朮湯・桂姜草棗黄辛附湯の2方、金匱要略に載するところ、その因と証と同じ。しかして別つべからず。《薬徴》
心下堅大にして悪寒・発熱・上逆するものは桂姜草棗黄辛附湯之を主る。
朮は水を利するを主る。
心下堅大にして、小便不利するものは、枳朮湯之を主る。



枳朮湯[1-2]《金匱要略》《勿誤薬室方函口訣》
「枳実7枚、蒼朮2両」
右2味、《朱丹渓》、丸とし、痞積を治し、食を消し、胃を強くする。
◎心下堅満し小便不利なる者を治す《吉益東洞》
◎“水飲心下堅、小便不利する者は枳朮湯之を主る。頭痛発熱、喘咳、身体疼痛、悪寒甚だしき者は桂枝去芍薬加麻黄附子細辛湯(=桂姜草棗黄辛附子湯)之を主る”《重校薬徴》
◎此方は心下堅塊ありて水飲を醸す者を主とす。
◎常の積の類に非ずして、之を按ぜば轆々として声ある者なり。もし挫け難き者は甘遂半夏湯を交ぜ用いるべし。
◎心腹堅大にして盤の如く、飲水のなす所を治す。名づけて気分という。《古今方彙》
◎水飲、心下堅《龍野ー漢方処方集》
★適応症及び病名
[1]脚気
[2]腎炎
[3]ネフローゼ


枳朮湯[1-3]《東醫寶鑑》
「白朮4銭、枳実2銭」煎服。
◎心下が大きく、何か丸い物があるような気がする、即ち、水の過飲による症に使う。


亀穀散《東醫寶鑑》
「亀穀1個、男女の毛髪(焼く)一握り、川芎・当帰各1両」作末し毎回3銭を水煎服。
◎難産で死にかかる者。
◎骨盤が開かない者


亀尿解噤法《東醫寶鑑》
「亀の小便を少しとって舌の下に付ける」
亀の小便を取る方法:

亀を蓮葉の上に座らせて、ブタのたてがみ毛で亀の鼻をさすと小便をする。
◎卒中風で口を閉じて開けられないとき。


亀板湯[1-1]《本朝経験》《漢方後世要方解説》
「当帰・地黄各5、芍薬・川芎・亀板・石決明各4」
◎痿躄を治す。一名痿躄湯と称す。
◎此方は痿躄とて両脚下肢の運動麻痺を起こしたものを治する。
一般に両脚痿弱の者には四物湯を主方として加減せるものが多い。此方は下肢の筋萎縮に対し、血行を促し、機能を回復せしめる能がある。
産後の下肢麻痺には特に効がある。又、梅毒による脊髄癆にも屡々用いられ、安西安周氏は此方を脊髄カリエスに頻用されている。
◎亀板=陰を滋し、腎を補い、筋骨を強壮ならしむ。
石決明=風熱、労極を治す。


亀板湯[1-2]《本朝経験》《龍野ー漢方処方集》
「当帰・熟地黄各6.0g、亀板・芍薬・川芎・石決明各4.0g」
「四物湯亀板・石決明」(一名:痿躄湯)
◎痿躄を治す。
◎此方は痿躄血分鬱して振るわざる者に用いる。《勿誤薬室方函口訣》
◎産後の痿躄には別してあり。《橘窓書影》
<1>亀板湯
<2>血虚下元不足者:「腎気丸」《厳氏済生方》
<3>病頑固動き難き者:「化毒丸」
◎黴毒の痿証に附子の効なきに用いて宜し。《勿誤薬室方函口訣》
◎腰脚麻痺、腰抜け、いざり。
★適応症及び病名
[1]いざり
[2]小児麻痺
[3]脊髄脊椎疾患:
 ☆脊髄炎
 ☆脊髄カリエス
 ☆脊髄癆
[4]麻痺:
☆本方は腱反射消失のこと多し。《済世薬室》
☆産後の下肢麻痺



既済丸《東醫寶鑑》
「兎絲子(酒製)・益智仁(炒)・茯苓・韭子(炒)・肉蓯蓉(酒洗)・当帰・熟地黄各5銭、黄柏(塩炒)・知母(塩炒)・牡蛎()・山茱萸(酒蒸:去核)各3銭、五味子1銭」を作末し、酒麺糊で梧子大の丸剤。空腹時に100丸を塩湯で服用。
◎膀胱が弱い失禁。
◎気不足で陰火があって小便失禁する者。
◎気不足で陰火が有って小便不禁になったとき。


既済精神散《東醫寶鑑》
「桔梗・黄芩・赤茯苓・川芎・山梔子・当帰・白朮・羗活各1銭、知母・薄荷・甘草各5分」水で煎じ、蜜1匙を入れて服用。
◎中焦の熱を治す。




既済湯[1-1]《易簡方論》
「竹葉石膏湯石膏、附子」
◎下痢・発熱する者。
◎此方は傷寒上熱下冷の症とす。《勿誤薬室方函口訣》
◎按ずるに、竹葉石膏湯の証にして脈数無根、或いは下痢し、上熱下冷の者に之を用いて効あり《傷寒翼方》
◎虚煩、上盛下虚、煩躁自利、手足冷ゆるを治す。《医学入門》
◎《劉桂山》之を陽、陰に変じ、なお浮熱を剰す者、及び少陰病未だはなはだ脱に至らずして虚熱燥渇する者に施して奏功す。《傷寒翼方》
◎霍乱後、虚煩眠るを得ざるを治す。按ずるに霍乱、理中、四逆湯等を服し、吐利已み、熱解せざる者、此湯に宜し。《雑病翼方》
◎少陰病の軽症に別あり《先哲医話》
<1>上焦、津液乾枯し、その症、白虎湯に似て、而して脈浮数、根脚無く、腹部軟弱に且つ微利し、渇すと雖も水数升を飲まんと欲するの勢無き者:「既済湯」
<2>邪気緩満し、ようやく譫語煩躁を見し、肌熱甚だしからず、舌上濡潤し、所謂、労役寒に感ずる者:「姜附益気湯」
◎按ずるに此方、少陽将に厥陰に脱陥せんとする者を治して極めて佳なり《傷寒翼方》
  

既済湯[1-2]《東醫寶鑑》
「竹葉石膏湯石膏、炮附子2銭」
◎霍乱の後、虚煩し、手足の冷える症。


既済湯[2]《傷寒溯源集》
「小柴胡湯半夏、竹葉・麦門冬・附子」
◎少陽のまさに厥陰に大陥せんとする者。
    
 

既済湯[3]《東醫寶鑑》
「麦門冬2銭、人参・半夏・附子(炮)・甘草(炙)各1銭」作して、1貼に「姜5片、粳米100粒」入れて煎服。
◎霍乱後の虚煩と不眠症を治す。


既済解毒湯《東醫寶鑑》
「大黄(酒)・黄芩(酒炒)・黄連(酒炒)・桔梗・甘草各1銭、升麻・柴胡・連翹・当帰身各5分」水煎服。
◎天行大頭瘟で頭面が赤く腫れ、疼痛する者を治す

 

起死回生散《寿世保元》《古今方彙》
「当帰、川芎、白芍薬、生地黄、升麻、紅花」水煎。
◎痘瘡七八日に至り、忽然として黒収に変じて腹内に入り、遍身抓破そ吮喘して死が須臾にある者を治す。


起痔湯《張氏医通》
「黄連・黄芩・黄柏・大黄・防風・荊芥・山梔子・槐角・苦参・甘草各400g、朴硝20g」以上の薬を3回に分け、煎液で患部を洗う。


起枕散《東醫寶鑑》
「当帰・白芍薬各2銭、川芎1銭半、白・桂心・蒲黄・牡丹皮・延胡索・五霊脂・没薬各7分」作1貼し、水煎し好醋を入れ空腹時に服用。
◎児沈痛で痛む者を治す。


起廃丸《百一貫》
「生漆、大黄、蕎麦粉」
◎《荒木正胤》はかって、生漆と大黄と蕎麦粉の3味の丸剤を自ら試用して、その効を得た経験がある。この時は全身にウルシかぶれを生じ、発熱、浮腫肛門の内部まで腫れ上がって、あたかも脱肛のようになり、水瀉下痢して、回虫数条を下した。本方の使用法は、《百一貫》という著者不詳の口訣書に、起廃丸と名付けられている。


起癈丸《和田啓十郎》《漢方治療の実際》
「乾漆・桃仁・伯州散各1、大黄2」以上を米粉で丸とし、1日量とし3回に分服する。


起癈丸《和田啓十郎》
「乾漆・桃仁・伯州散各1.0、大黄2.0」以上1日3回に分服。
◎瘀血の癈症及び結毒の百方効なき者を治す。1には諸々の痼疾多く瘀血に由り、或いは病久しうして瘀血を醸する等の癈疾に作る。また血癖、痼、積年癒えざる者を治す。《勿誤薬室方函口訣》
痼=子宮筋腫や子宮ガンを指す。




葵樹子湯《中薬臨床応用》
「葵樹子250~1000g」搗いてつぶし、水を加えて3時間煎じ、数回に分服。
◎ガン




稀涎散[1]《聖済総録》《中薬臨床応用》
「角・細辛」各等量。作末し、湯に溶いて口に流し込んで吐させる。
◎脳卒中による牙関緊急で実証に。


稀涎散[2]《東醫寶鑑》
「皀角(皮・子)4錠、明礬1両」を作末し、温水で半銭を調下し、病が重い者は1銭を調服し、嘔吐すると、古い稀冷涎を1~2升吐出し、すぐさめる。
◎吐剤。
◎風涎が咽喉につかえて通らないとき。


夏丸《中薬臨床応用》
「草90g、夏枯草90g、竜胆15g」細末を蜜丸。朝晩9gづつ湯で服用。
◎高血圧で、四肢にしびれがある。


桐丸《抜萃良方》
「草、臭梧桐子」

桐丸【中成薬】《中薬臨床応用》
「草250g、臭梧桐500g」細末を小豆大の蜜丸。
◎風湿による関節がだるい

丸《張詠方》《中薬臨床応用》
「草の葉と若い茎」数回蒸して日干し後、少し焙って作末し、蜜丸。朝晩に9gづつ湯or重湯で服用。
◎風湿による痺痛
◎慢性関節リウマチ


橘核丸《東醫寶鑑》
「橘核(炒)・海藻(塩酒炒)・昆布(塩酒炒)・海帯(塩水洗)・桃仁(麩炒)・川楝子(炒)各1両、延胡索(炒)・厚朴・枳実・桂心・木香・木通各5銭」を作末し、酒糊で梧子大の丸剤。温酒又は塩湯で60~70丸呑む。」
◎4種の疝に卵核が腫脹し、又は石のように固く、小腹がしぼれる様に痛いとき。


橘核散《東醫寶鑑》
「橘核1銭半、桃仁15枚、山梔子1銭、川烏(炮)・呉茱萸各5分」を炒って作末し、1貼をつくって水煎服。
◎4種の疝の長くなったのには、橘核丸を使い、出たばかりのものには橘核散を使う。


橘核湯《中薬臨床応用》
「橘核12g、川楝子5g、小茴香5g、肉桂3g(服)、木香3g(後下)、茘枝核12g、木通3g、桃仁5g、延胡索3g、海帯12g、昆布12g」       毎日1剤を煎じ2回に分服。
◎陰黄水腫


橘甘散《東醫寶鑑》
「橘皮・生姜(焙乾)・神麹(炒)」各等分に作末し、温水で梧子大の丸剤。米飲で50~70丸を1日2回づつ呑み下す。
◎気嗽・痰嗽に良い。


橘帰丸《東醫寶鑑》
「橘紅4両、当帰2両」作末し蜜で梧子大の丸剤。温酒で50~70丸飲む。
◎婦人の肌膚と手足に血線のある者を治す。


橘杏丸《東醫寶鑑》
「橘皮・杏仁」等分を作末し、蜜で梧子大の丸剤。米飲で70丸服用。
◎老人・虚弱者の便秘。


橘薑丸《東醫寶鑑》
「陳皮・生姜を同時に搗いて乾燥し、各2両を作末し神麹1両で糊をつくって梧子大の丸剤。米飲で30~50丸呑む。
◎慢性の気嗽を治す。


橘紅丸【中成薬】
「橘紅・半夏・杏仁・貝母・茯苓・麦門冬・石膏(生)・楼皮・陳皮・生地黄・桔梗・紫・款冬花・蘇子・甘草」
◎咳嗽、痰が多い
◎胸が苦しい
◎腹が脹る


橘蘇散[1-1]《医学正伝》《東醫寶鑑》
「橘紅・紫蘇葉・杏仁・白朮・半夏・桑白皮・貝母・五味子各1銭、甘草5分」を剉作1貼して、姜3片を入れて服用する。
◎傷寒に咳をし、熱があって汗が出、脈が浮いて数多いとき、杏子湯を飲んで効のないときこれを飲む。

橘蘇散[1-2]《医学正伝》《古今方彙》
「陳皮・木香・桑白皮・貝母・五味子各1銭、紫蘇葉・杏仁・甘草各5分、生姜」水煎。
◎傷寒にて咳嗽身熱、汗あり悪風し脈浮の者を治す。
◎《厳氏済生方》には、白朮ありて木香なり。
◎1日暑嗽を治するの剤なり。


橘半枳朮丸《東醫寶鑑》
「枳朮丸橘皮・半夏(姜製)各1両」
◎飲食傷による痞悶に。


橘皮一物湯
「橘皮1両」良く洗って新水で煎服。
◎気が凝固したとき。安逸をむさぼれば気が停滞する。


橘皮乾姜湯《東醫寶鑑》
「橘皮2銭、人参1銭半、通草・乾姜・桂心・甘草(炙)各1銭」水煎服。
◎胃が冷たく咳逆する者を治す。


橘皮枳実生姜湯《金匱要略》
=「橘枳姜湯」
「橘皮1斤、枳実3両、生姜半斤」
右三味、以水五升、煮取二升、分温再服。
◎胸痺。胸中氣塞、短氣、茯苓杏仁甘草湯主之、橘枳姜湯亦主之。
《金匱要略》胸痺心痛短氣病脉證治第九。


橘皮枳実生姜湯《金匱要略》《漢方治療の実際》
「橘皮4、枳実3、生姜6」



橘皮枳実生姜湯《金匱要略》
◎胸痺、心下痞満し、嘔する者を治す。《吉益東洞》
◎胸痺、胸中気塞、短気、心下痞満、噎する者を主る。《重校薬徴》(参照→茯苓杏仁甘草湯)
◎胸痺、胸中として満つる如く、噎塞習々としてきが如く、唾沫を渋燥するを治す。《肘後備急方》
◎此方は気塞短気を主とす。
<1>茯苓杏仁甘草湯:淡滲を用いる (参照→茯苓杏仁甘草湯)
<2>橘皮枳実生姜湯:辛開を用いる。
◎短気=呼吸促迫《大塚敬節》
★適応症及び病名
[1]息切れ
[2]咽喉の痞塞感:
 ☆食道狭窄、及びその類証《奥田謙蔵》
[3]飲酒による鬱血性肝疾患
[4]吃逆:(=しゃっくりと吐)
 ☆痰飲に因る者:橘皮枳実生姜湯
 ☆胃寒に因る者:丁香柿蔕湯龍眼丸《先哲医話》
[5]悪心
[6]気の上衝<+>
        ☆のぼせ
[7]気管支喘息
[8]気胸
[9]吃逆:
 ☆吃逆頻発し、鎮止し難き等の証《奥田謙蔵》
 ☆吃逆を主どる。橘皮湯、橘皮竹茹湯も亦皆同じ。案ずるに、当に心下痞の証有るべし《類聚方集覧》
[10]逆流性食道炎
[11]狭心症
[12]胸中の痞塞感:
 ☆胸中気塞がり、逆し、或いはし、心下堅き者は、橘枳薑湯之を主どる《医聖方格》
 ☆心痛、胃及び胸腹、大小腹の諸病、按を拒む者を治す:「橘皮半夏」《実在易》
 ☆胸がつまる者に、山脇家では、橘皮枳実生姜湯茯苓杏仁甘草湯を用いる《大塚敬節》
[13]胸痛:
 ☆胸痛、胸中ふさがり息が切れる者。《龍野ー漢方処方集》
[14]呼吸困難
 ☆胸部打撲によって呼吸困難。
 ☆気管支喘息の少女で、発作時には全く食欲無く、飲食物を口に入れるとすべて吐き、呼吸困難とともに、みずおちの気持が堪えがたいほどに苦しいという者に、橘皮枳実生姜湯を与えて、発作を鎮めたことがある《大塚敬節》
[15]自汗
[16]心悸亢進
[17]心下痞
[18]心臓神経症
[19]心臓喘息
[20]心臓弁膜症
[21]心不全:<鬱血性>
[22]腎炎
[23]声門浮腫
[24]喘息
[25]雑
[26]呑酸
[27]尿不利
[28]ネフローゼ
[29]肺気腫
[30]肺水腫
[31]背痛
[32]浮腫
[33]慢性胃炎
[34]肋間神経痛


橘皮枳朮丸《東醫寶鑑》
「白朮2両、枳実(麩炒)1両、橘皮1両」作末し荷葉でつつみ、ご飯で梧子大の丸剤。
◎飲食が消化されず、心下の痞悶を治す。

橘皮散《東醫寶鑑》
「陳皮を作末し麝香をまぜる。毎回2銭を酒で調服する。」
◎吹乳・妬乳・乳癰を治す。


橘皮煎元《東醫寶鑑》
「橘皮5両、甘草3両3銭、当帰・・肉蓯蓉・呉茱萸・厚朴・肉桂・陽起石・巴戟・石斛・附子・菟絲子・牛膝・鹿茸・杜仲・乾姜各1銭」を作末して、酒1升と橘皮末を容器に入れて煎じ飴のようになったら諸薬物を入れてかき混ぜて搗き、梧子大の丸剤。温酒or塩湯で、空腹時に50~70丸飲む。
◎脾と腎の虚症。
◎食欲がなく、痩せて虚弱し、憔悴するとき。


橘皮大黄朴硝湯《金匱要略》《奥田謙蔵》
「橘皮2.4g、大黄・朴硝各4.8g」
右3味を1包とし、水1合4勺を以て煮て6勺を取り、滓を去って頓服する。
此の方、原本に在りては方名無し。今、類聚方に従う。
◎証(鱠之を食して心胸間に在って化せず、吐せんとして後出でず)《薬徴》
「鱠」細くきざんだ生の肉。
◎心胸の間に宿滞有りて、結ぼるる者を治す。《類聚方広義》
◎此方は魚毒を解するの主剤とす。《勿誤薬室方函口訣》
◎魚毒:「荊芥、橘皮、山楂子」の三味方も解す。《済世薬室》

★適応症及び病名
[1]噫気
[2]悪心<激しい>
 ☆吐いた後も、気分が悪い。
 ☆症状が軽い場合は「平胃散」《勿誤薬室方函口訣》
[3]ジンマシン
[4]宿便
[5]消化不良
[6]食中毒(魚肉)
[7]食物の停滞感:
☆鳥獣の肉類を食して消化せず、胃部に停滞の感ありて苦悶する証《奥田謙蔵》
[8]食欲不振
[9]心下痞痛
[10]呑酸
[11]肌荒れ
[12]皮膚色: <きたない><渋紙色>
[13]皮膚掻痒症
[14]二日酔い
[15]発疹
 


橘皮竹茹湯[1-1]《金匱要略》
「橘皮2升、竹茹2升、大棗30枚、生姜半斤、甘草5両、人参1両」
右六味、以水一斗、煮取三升、温服一升、日三服。
◎逆者、橘皮竹茹湯主之。
《金匱要略》嘔吐下利病脉證治第十七。


橘皮竹茹湯[1-2]《金匱要略》《漢方治療の実際》
「橘皮4、竹茹2、大棗・生姜各6、甘草3、人参1.5」


橘皮竹茹湯[1-3]《金匱要略》《中薬臨床応用》
「橘皮9g、竹茹6g、党参9g、甘草3g、生姜12g、大棗9g」水煎服。
◎胃気虚の吃逆


橘皮竹茹湯[1-4]《東醫寶鑑》
=「陳皮竹茹湯」
「橘皮3銭、人参2銭、青竹茹4銭、甘草1銭、姜5、棗2」水煎服。
◎胃が弱り、膈に熱があって咳逆する者を治す。


橘皮竹茹湯[1-5]《金匱要略》
「橘皮4.8、竹茹3.2、大棗1.6、生姜2.4、甘草1.4、人参0.8」
右六味を一包と為し、水一合四勺を以て、煮て六勺を取り、滓を去りて一回に温服す。
◎橘皮竹茹湯の証に逆と曰い、生姜甘草湯の証に咳唾涎沫止まずと曰う。按ずるに若(かくのごと)き証の人は、胸中に必ず攣引強急の状あり、是を以て大棗を用うること居多なり。莢丸の証の如きも亦然り故に棗膏を用う。又橘皮竹茹湯を按ずるに薬量に水率相当せず、且つ他薬の分量甚だ多くして、人参は僅かに一両なり、仲景の方中、絶えて此の如き者あらず、疑うらくは錯誤あらん。《重校薬徴》
◎此方、原本に在りては、薬量と水率と相応せず。又他薬に比して、人参の用量甚だ少なし。今、《方極附言》の改むる所に従う。《奥田謙蔵》
◎此方は橘皮の下気を主として竹茹の順降を兼ねる。又、気逆を発する者の主とする。《勿誤薬室方函口訣》
◎《金匱要略》に“逆は、橘皮竹茹湯之を主る”といい、また“乾嘔、もし手足厥する者は橘皮湯之を主る”とある。この2つの処方は、ともに吃逆に用 いるが、橘皮湯の方は症状がはげしくて、手足の厥冷状になっている者を目標とする。私の経験では、橘皮は苦味の強いものが良く、[橘皮]の代わりに[陳 皮]を用いたのでは、効がない《大塚敬節》
【腹証】《腹診配剤録》
“胸脹れて、臓気尽く上行す。故に吃逆す”
★適応症及び病名
[1]しゃっくり:(吃逆)(逆)
☆胸中痺し、逆する者を治す。《吉益東洞》
☆又、甘草を多く入れるが手段なり。もし少量なれば効なし。
甘草5両を用いるは深旨あり。逆、「甘麦大棗湯」を与えまま奏功す。その意知るべし。《雑病論識》
☆逆(しゃっくり)には:
①胸中に属する者:「丁香」
②腹中に属する者:附子粳米湯甘草乾姜湯」
③水飲ありて中気虚する者:「香砂六君子湯芍薬」
☆吃逆を発する諸証。《奥田謙蔵》
☆吃逆連綿として止まず、疲労、衰弱漸く加はれる者には、証に由り粳米、麦門冬を加ふ。《奥田謙蔵》
☆しゃっくり、百日咳《龍野ー漢方処方集》
☆雑病のなれば月餘の者と雖も必ず効あり。
☆濁飲上逆してする者:
①陽に在る者:「半夏瀉心湯」
②陰に在る者:「呉茱萸湯」
☆傷寒痢病などの脱陽してする者には効なし。《勿誤薬室方函口訣》
☆橘皮竹茹湯、にもいろいろありて、その因る処一ならざる者なれども、その病因を問わずして、ひらおしにに広く用る方あり。即ち此方そのものなり。凡そ逆家の総司とも云うべき薬なり。此方ならば、脈と腹の様子を問わずして、先ず最初に用いる薬なり。
「橘皮湯」はこれの一段と強きものなり。橘皮湯は危篤の場にても用るなり。軽きは橘皮竹茹湯にてすむなり。橘皮湯は薬味少なくして、反って重き処に良きなり。霍乱などの末になり、とと一緒になり、薬も通らず、医者の手を離れたる時は、これにて効を得ることあり《有持桂里》
[2]百日咳:
☆百日咳等煮た、証により半夏を加味し。《奥田謙蔵》
[3]吐乳:
☆小児の乳、及び百日咳には、此方に半夏を加ふれば極めて効有り。腹症に随ひて、紫円、南呂丸を兼用す《類聚方広義》



橘皮竹茹湯[2]《三因極一病証方論》《勿誤方函口訣》
=「橘皮竹茹湯[1]《金匱要略》大棗茯苓枇杷葉麦門冬半夏」
「橘皮・竹茹・生姜・甘草・人参・茯苓・枇杷葉・麦門冬・半夏」   
◎逆・嘔・胃中虚冷し、一毎に89声相連なるに至り、収気回らず、人を驚かしむるに至るを治す。
◎胃熱・多渇・嘔して食せざるを治す。


橘皮竹茹湯[3-1]《寿世保元》《勿誤方函口訣》
「橘皮・竹茹・大棗・生姜・甘草・人参・柿蔕1銭、丁香5分」
◎吐利の後、胃虚・膈熱に因って嘔逆する者を治す。《雑病論識》


橘皮竹茹湯[3-2]《寿世保元》《古今方彙》
「陳皮2銭、人参1銭、甘草1銭、竹茹1銭、柿蔕1銭、丁香5分、生姜、大棗」水煎。
◎吐利したる後に胃虚するに因りて膈(胸中の隔膜)熱し、逆する者を治す。
◎坊考には、柿蔕・丁香を去る。
◎身熱し、渇を発する:「柴胡黄芩丁香」
 


橘皮竹茹湯[4]《傷寒蘊要》《勿誤方函口訣》
=「 橘皮竹茹湯[1]《金匱要略》人参生姜大棗半夏茯苓黄連葛根」
「 橘皮・竹茹・甘草・半夏・茯苓・黄連・葛根」
◎咳逆:、胃中虚冷し、一ごとに八九声相連なるに至り、収気回らず、人を驚かしむるに至るを治す。
◎胃熱、多渇して食せざるを治す。《雑病論識》


橘皮湯[1-1]《金匱要略》
「橘皮4両、生姜半斤」
右2味、以水7升、煮取3升、温服1升、下咽即愈。
◎乾嘔、、若手足厥者、橘皮湯主之。


橘皮湯[1-2]《金匱要略》《漢方治療の実際》
「橘皮3、生姜6」
◎胸中痺して、する者を治す《方極》
◎痰逆して、悪寒するを治す《傷寒六書》
★適応症及び病名
[1]胃部の停滞感:
☆胃部に停滞の感ありて、乾嘔を発する等の証《奥田謙蔵》
[2]霍乱:
☆霍乱、嘔吐止まず、四逆輩を用いて無効まる者、急に此湯を用いて験あり。《和田東郭》
☆霍乱の後、煩躁し、臥して安ぜざるを治す《聖済総録》
[3]しゃっくり:(吃逆)

橘皮湯[]《備急千金要方》

橘皮湯[2-1]《外台秘要方》
=後世名「神秘湯」。《橘窓書影》
「麻黄・紫蘇・橘皮・杏人・石膏各中、柴胡大、」
右6味。


橘皮湯[2-2]《外台秘要方》
「橘皮4両、杏仁4両、柴胡3両、麻黄3両、蘇葉2両、生姜4両、石膏8両」
◎肺熱、気上り、息、奔喘を療す。《雑病翼方》


橘皮湯[2-3]《刪繁》《勿誤方函口訣》
「麻黄・紫蘇葉・橘皮・柴胡・杏仁・生姜・石膏」


橘皮湯[3]《東醫寶鑑》
「橘皮3銭、青竹茹・甘草各1銭、人参5分、生姜3、大棗2」水煎服。
◎虚煩を治す。


橘皮湯[4]《東醫寶鑑》
=「加味香蘇散」
「陳皮・枳殻・川芎・槐花各1銭、紫蘇茎・檳榔・木香・桃仁・香附子・甘草各5分、姜3、棗2」煎服。
◎気痔を治す。


橘皮半夏湯[1-1]《張氏医通》《漢方後世要方解説》
「橘皮・柴胡・杏仁・桔梗・香附子各3、半夏・茯苓各4、桑白皮・蘇子各1.5、生姜1」
◎此方は感冒後の亜急性又は慢性の気管支炎にて他に特記すべき症状なく咳嗽のみ残って癒えざる者によい。
◎感冒の症、初め、桂枝湯、麻黄湯等を用いて表証は解したけれども咳嗽の止まざる者がある。もの心下に水気あって表解せざるは「小青竜湯」であるが、小青竜湯にて心下の水気去るもなお咳嗽止まず、微熱ある者に此方がよい。
◎半夏・茯苓・橘皮・生姜=二陳湯より甘草を去ったもの、諸痰飲を除く。
柴胡=少陽の余熱を解く
蘇子・桑白皮=痰を去り気を下す
杏仁・桔梗=胸膈を利し、痰喘嗽を治す。
香附子=気を開き痰を去らしむ。


橘皮半夏湯[1-2]《漢方治療の実際》
「柴胡5、蘇子・橘皮・半夏・茯苓各3、香附子・桑白皮・杏仁・桔梗各2、生姜3」



橘皮半夏湯[1-3]《張氏医通》
「柴胡・紫蘇子・橘皮・半夏・茯苓・莎草・桑白皮・杏仁・桔梗・生姜」
◎感冒の解後、咳止まざる者を治す。《張氏医通》
◎此方は、桂麻にて発汗後、表証は解すれども、咳嗽独り止まざる者を治す。
①もし、心下に水気ありて表解せざる者:「小青竜湯」
②小青竜湯を与えて心下水気は去れども、咳嗽止まず微熱ある者:橘皮半夏湯
◎咳嗽或いは微熱を伴う。《龍野ー漢方処方集》
★適応症及び病名
[1]咽頭カタル
[2]感冒
[3]気管支炎
[4]喫煙家
[5]せき:
☆感冒、気管支炎などで、小柴胡湯を用いて解熱し、ただ咳だけが残って止まない者に用いる《大塚敬節》
[6]慢性気管支炎



橘皮半夏生姜湯《東醫寶鑑》
「陳皮・半夏各2銭、乾生姜。人参・通草各1銭」水煎服。
◎咳逆。


橘連枳朮丸《東醫寶鑑》
「白朮3両、梧実<あおぎりの実>(麩炒)・陳皮・黄連(酒炒)各1両、を作末し、荷葉煮湯で米糊をつくり梧子大の丸剤。
◎脾を補い、胃を和し、消化させる。


橘葉散《東醫寶鑑》
「皀角刺(略炒)1銭半、瓜仁1銭、青皮・石膏・甘草節・当帰頭・金銀花・没薬・蒲公英各5分、青橘葉ひとにぎり」酒1杯半を1杯まで煎じ、毎食後と就寝時に服用。
◎乳房の核と乳癰を治す。


揆雲散《東醫寶鑑》
「柴胡2両、羗活・防風・甘草各1両」作末し、毎回2銭を薄荷湯又は茶清で服用。
◎風毒が上がって、眼目が暗く・かゆくて痛い症。


揆雲湯《東醫寶鑑》
「羗活・防風・黄柏各1銭、荊芥・藁本・升麻・当帰・知母・甘草各7分、柴胡5分、川芎・黄蓍・葛根・細辛・生姜各3分」食後、煎服。
◎目に黒・白瞖が出来たとき。


揆雲退瞖丸《東醫寶鑑》
「甘菊・川椒・大賊・白藜・密蒙花・蛇道・蝉退・川芎・蔓荊子・荊芥穂・石燕子()・黄連・薄荷・瓜根・枳実・羗活・当帰・地骨皮・甘草」   各等分に作末し蜜で弾子大の丸剤。毎回1丸を茶清で呑む。
◎揆膜を治す。



却毒湯《東醫寶鑑》
「焔硝1両、瓦松・馬歯・甘草各5銭、五倍子・川椒・防風・側柏葉・枳穀・葱白・蒼朮各3銭」を水5杯で煎じ、3杯までに減じて、1日3回洗う。
◎痔瘻を洗う。


却痛散《東醫寶鑑》
「川烏(炮)1銭半、当帰・肉桂・石菖蒲・木香・胡椒各1銭、五霊脂・蒲黄(炒)各5分、塩、錯」水煎服。
◎心気が冷えると堪えられない症。


却老烏鬚健陽丹《東醫寶鑑》
「赤何首烏・白何首烏各1斤、牛膝8両を黒豆汁でまぜて蒸すこと3回、赤 茯苓を牛乳5升、白茯苓を人乳汁5升に、それぞれ強火で煎じて乾かした もの各1斤、兎絲子・破故紙各8両を作末し、弾子大の蜜丸。毎回1丸 を1日2回温酒で呑む。」
◎毛の白いのを、黒くする。



却病延寿湯
「人参1銭・白朮1銭・牛膝7分・白芍7分・陳皮5分・白茯苓5分・山楂 肉5分・当帰5分・甘草5分・生姜3斤を入れ煎服。春には川芎を加え、夏には黄芩・麦門冬を加え、秋冬には当帰・生姜を倍加する。小水量が回復すれば服用をやめる。
◎老人の小便量が少ない。


卻病延年湯《済世全書》《古今方彙》
「人参・茯苓・白芍薬(酒)・牛膝・山楂子各1銭、白朮1銭半、陳皮8分、当帰7分、甘草5分、生姜」水煎。
◎凡そ高年の人は但だ小水短少を訴える。即ち是の病には進んで宜しく此湯を用いるべし。これ《丹渓養母》の方なり。
◎春には:「川芎」
◎夏秋には:「黄芩麦門冬」
◎冬には:「当帰、生姜倍加」
◎老人陰痿にて色を思いて精出でず、小便の道は渋りて淋の如くに痛むには車前子と牛膝を八味丸の内に加える。《薛立斎十六種》
◎老人精已に竭き而して復た之を耗し、大小便牽痛して愈々痛み、愈々便せんと欲し、便すれば則ち痛み癒ゆ。前薬を以て応ぜざれば急ぎ附子を加える。


逆挽湯[1-1]《名古屋玄医》《漢方治療の実際》
「桂枝・甘草・茯苓・人参・朮各3、乾姜・枳実各2」


逆挽湯[1-2]《名古屋玄医》
「桂枝人参湯枳実・茯苓」
◎一二日微熱あり、泄瀉数十行にして、後に血を帯び、裏急後重するを治す。
 「後重」=便意あるも排便無し。
◎此方の手段は、逆流挽舟と云う譬えにて、下へ降りる力の無き者は、一応上へずっと引き上げて、弾みをつけるならば、その拍子に下る理にて、虚寒下利にて後重する者は、桂枝人参湯にて一旦表へ引き戻し、その間に枳実、茯苓にて押し流す時は、後重ゆるむと云う意なり。《勿誤薬室方函口訣》
◎下痢:桂枝加芍薬湯乾姜を与えて下痢止まず、熱があり、気がある者。
◎《希藻》曰く、発熱の初、泄痢未だ判らず、虚候を挟むに似たる者、世医先ず逆挽湯を用い、緊迫を視るに及べば則ち之を疏滌す。《雑病翼方》


瘧疾一方《医学正伝》《古今方彙》
「常山1銭半、檳榔子1銭、丁香半銭、烏梅1個」作1貼、好酒1盞を用い、1宿を浸し、発する日に臨み清晨(明け方)に之を飲む。
◎久瘧、癒えざるを治す。


瘧疾一方《済世全書》《古今方彙》
「蒼朮、陳皮、厚朴、藿香、半夏(倍)、柴胡、黄芩、青皮、茯苓、沢瀉、檳榔子、草果、烏梅、甘草、生姜」煎じ、未だ発せざる前に服す。
◎諸瘧新久已まざるを治す。


芎烏散《東醫寶鑑》
「川芎・烏薬」等分を作末し、毎回2銭を服用。
◎産後の頭痛。


芎黄円《楊氏家蔵方》《龍野ー漢方処方集》
「川芎・大黄」各等分。
蜂蜜で0.3gの丸薬として6~9を3回に分服。
◎便秘、頭痛のぼせ。


芎黄円《楊氏家蔵方》《勿誤薬室方函口訣》
「川芎・大黄」各等分。
◎風熱壅盛し、頭昏、目赤、大便難なるを治す。《楊氏家蔵方》
◎此方は、《楊氏家蔵方》の主治を至的とす。《勿誤薬室方函口訣》
◎風熱壅盛し肩背強急する者:「葛根湯」
◎心下支飲ありて頭昏目赤する者:「苓桂朮甘湯」
◎頭瘡、耳鳴に兼用すべし。


芎黄散[1]《王獄産書》
=「黄散」=「応鐘散」
「大黄、芎」
「大黄10.0、芎6.0」《奥田謙蔵》
右二味、各別に細末にし混和して散と為し、1回2.0~4.0を酒服する。
下るを以て度とする。又病証に髄ひ、毎夜連続服用するも亦可なり。
◎産後大便秘を治するの方。
◎産後両(産前と産後の各七日)の内、大便秘するは損する所無し。ただ緩満に薬を以て之を通ぜよ。
◎蒿麦粉を加え尤も効あり。《雑病翼方》
◎転変し、治す可らざる者を治す。転変とは、病証転変して治す可らざる也。《古方兼用丸散方》
◎瘡及び頭上の毒を治す《古方兼用丸散方》
◎諸般の上逆甚だしく、大便せず、或いは頭痛、耳鳴し、或いは頭痒く、或いは白屑多く、或いは瘡を生じ、或いは頭眩、目瞑し、或いは肩強り、或いは口熱、歯痛するを治す。《春林軒丸散方》
◎打撲して血ある者は、蕎麦を加えて、酒にて服す。《春林軒丸散方》


芎黄散《漢方治療の実際》
「大黄1、川芎2」以上を作末し、1回に服す。


芎黄散[2]《東醫寶鑑》
「川芎・生乾地黄・当帰・山薬・白芍薬各1両、沈香5銭、甘草3銭」作末し、半銭を白湯で調下する。
◎小児の髄の気が不足して骨に充満出来ず、歯が生えない。


芎活湯[1]《東醫寶鑑》
「川芎・半夏・赤茯苓・独活・陳皮・枳穀・各1銭、白朮・甘草各5分、生姜5片」水煎服。
◎水飲が経絡に停注して、臂痛になった者。


芎活湯[2]《古今方彙》
「人参、黄芩、杏仁、甘草(炙)、石膏、麻黄、肉桂、川芎、葛根、升麻、当帰、独活、生姜」水煎。
◎急驚にて角弓反張するを治す。


芎葛湯[1]《東醫寶鑑》
「川芎・半夏(製)・赤茯苓各1銭、陳皮・枳穀各5分、白朮・甘草(炙)各2分半、姜5片」
◎逐水・利飲に応用。


芎葛湯[2]《東醫寶鑑》
「川芎・乾葛・桂皮・細辛・枳穀・人参・芍薬・麻黄・防風各1銭、甘草5分、生姜3片」水煎服。
◎風寒脇痛を治す。


芎帰飲《東醫寶鑑》
「川芎・当帰・細辛各1銭、石菖蒲・白各7分、生姜3片、大棗2枚、紫蘇葉7枚」食後、水煎服。
◎風邪で耳鳴りになった者を治す。


芎帰丸《東醫寶鑑》
「川芎・当帰・黄蓍・神麹(炒)・地楡・槐花(炒)各1両、阿膠・荊芥・木賊・髪灰各5銭」を作末し、梧子大の蜜丸。50~70丸呑む。
◎腸風・臓毒が長引くとき。


芎帰湯[1]《備急千金要方》
「川芎3匁半、当帰5匁」
◎去血多、因って眩冒、困悶を致す者を治す。
 「眩冒」=能貧血によるめまい、精神昏迷症状。
◎胎前産後、危急狼狽、垂死等の証を治す。
◎和血の効、捷なりとす。《勿誤薬室方函口訣》
◎血分の症に活用すべし。
◎後世の「補血湯」は此方の一等虚する処に用いる。
◎婦人産後、両乳伸長、細小にして腸の垂れるが如く、小腹を過ぎ、痛忍ぶねからず。名づけて『乳懸痛」』と曰う。芎帰湯を用いる。《方読便覧》
◎児枕痛:「甘草乾姜湯」《和田東郭》
◎月信痛:「甘草乾姜湯」《和田東郭》
◎耳中出血:「茅根」少し塩を入れて煎服。
◎婦人、陰中突出し、蛇の如く、或いは鶏冠菌様の者を治す。「白、甘草、胆草各等分」《方読便覧》




芎帰湯[1-1]《厳氏済生方》
=「仏手散」
「川芎、当帰」
◎(失血過多でめまい)
◎生理不順:
☆月経淡白:「人参・黄蓍・白芍薬・香附子」
◎難産:
☆産にのぞんで、分娩の困難な者に頓服させる。《大塚敬節》


芎帰湯[1-2]《和剤局方》《古今方彙》
「川芎・当帰各等分」水煎。
◎一切の失血過多にて眩暈し醒めざる者を治す。
◎虚甚だしければ:「+附子」


芎帰湯[1-3]《和剤局方》《古今方彙》
「当帰・川芎」水煎し或いは酒童便を入れて同じく煎じる。
◎一名「仏手散」:という。
◎産前産後の諸疾及び難産、催生(陣痛発来のこと)、崩漏、胎動、胎痛を治す。
◎新産の婦人、之を用いれば血を調えば則ち諸症悉く癒える。
◎益母草5銭を加えるも亦妙なり。
◎気弱には:「人参」
◎悪血には:「紅花」

    
芎帰湯[2]《証治準縄》
「川芎・当帰・人参・茯苓・呉茱萸・苦桔梗各12g、川厚朴・芍薬各8g清水9升にて煎じて3升とし、3回に分けて服用する。」



芎帰膠艾湯[1-1]《金匱要略》
「芎2両、阿膠2両、甘草2両、艾葉3両、当帰3両、芍薬4両、乾地黄6両」
右7味、以水5升、清酒3升、合煮取3升、去滓、内膠令消盡、温服1升、日3服、不差更作。
◎師曰、婦人有漏下者、有半産後因續下血都不絶者、假令妊娠腹中痛、為胞阻、膠艾湯主之。


芎帰膠艾湯[1-2]《金匱要略》《漢方治療の実際》
「川芎・阿膠・甘草各2、艾葉・当帰各3、芍薬4、地黄6」
原方では水のほかに酒を加え、阿膠はあとから入れることになっているが、今、水だけで煎じ、阿膠も初めから一緒に入れる。
○帰膠艾湯・三物黄芩湯・八味丸、皆地黄を以て君薬となし、2方は血証を言ひ、1方は小便不利を言ふ。膠艾湯方中、地黄を除くの外、阿膠・当帰・あり、鈞(ひと)しく是れ血を治する薬なり。三物黄芩湯は地黄を去れば、則ちその余は血を治するの薬品なし。是れに由って之れを観るに、古人の地黄を用ふる、並びに血証・水病を治するや覈(あき)らかなり。且つや、施治の法、血と水とを別たざるも亦明らかなり。《薬徴》
[施治の法]=治療を施すさいには血と水との気別をしないことも明瞭である


芎帰膠艾湯[1-3]《金匱要略》
◎漏下、腹中痛み、及び吐血、下血する者を治す。《吉益東洞》
◎此方は止血の主薬とす。
◎阿膠の滋血、艾葉の調経、之に加ふるに甘草の和中を以てして、その効妙とす。
◎膠艾湯、調経、安胎、止漏、養血の良方となす《方読便覧》
◎《和剤局方》に云う、労傷、血気衝任、虚損、月水過多、淋瀝漏下、連日断えず、臍腹疼痛するを治す。
◎子宮出血、血尿、肛門出血、腰脚冷え、或いは下腹痛。《龍野ー漢方処方集》
◎鑑別:「三黄瀉心湯」「黄連解毒湯」
「三黄瀉心湯や黄連解毒湯には消炎・鎮静・止血の効があるので、充血、のぼせ、興奮等を目標として、上半身の出血に用いることが多く、芎帰膠艾湯は鬱血を散じ、強壮・増血の効があるので、血色が悪く、冷え症のある者を目標とする。けれども、三黄瀉心湯も痔出血や子宮出血に用いることもあり、芎帰膠艾湯を衂血に用いることもある。」《大塚敬節》
◎鑑別:「当帰芍薬散」
「芎帰膠艾湯と当帰芍薬散はともに、当帰・川芎・芍薬があり、前者には地黄・甘草・艾葉・阿膠があり、後者には、茯苓・朮・沢瀉がある。だから、芎帰膠艾湯は多く血に働き、当帰芍薬散は多く水に働く。」《大塚敬節》
「芎帰膠艾湯:
“腸痔、下血、綿々として止まず。身体痿黄、起きれば則ち眩暈し、四肢力なく、小腹刺痛する者を治す”
当帰芍薬散:
“脱肛、腫脹、水を出して止まざる者に奇効あり”」《類聚方広義》
★適応症及び病名 (五十音順)
[1]頭がボーッとする
[2]外傷性出血
[3]顔色悪い
[4]下腹部知覚鈍麻
[5]眼出血
[6]ギックリ腰(初期に)     
☆椎間板に異常がなく、下肢に痛みが走らない者に用いる。《螺王人》
[7]筋肉攣縮
[8]月経過多
[9]血小板無力症
[10]血尿:
☆血尿証等《奥田謙蔵》
☆《大塚敬節》
“男子、42歳。3ヶ月前より血尿が出るようになった。日によってはブドウ酒のようになり、また日によっては桃色になることもあるという。その他には何の症状もない。しかしこの血尿はいつまでも治らないので、某大学病院に入院した。そこでいろいろ詳しく検査をした後、腎臓からの出血であることを突き止めた。しかし原因が分からず、特発性腎出血ということになった。ところがこの血尿はいつまでも止まらないので、退院して私に治を乞うた。腹診上は特にとりたてていうほどのものはなく、ただ僅かに臍部で動悸がやや亢進しているだけである。顔色は黒い方で、やや貧血の傾向がある。脈はやや沈で小である。食欲は普通で、大便も1日1行あり、排尿時にも苦痛はない。
以上の所見から芎帰膠艾湯を与えたところ、4、5日後には肉眼では血尿らしいところが無くなり、その後、時々、疲れたときなどに血尿を出すこともあったが、だんだんそれも遠のき2ヶ月後には、体重が3kgほど増し全く健康体になってしまった”
[11]血便:
☆血痢止まずして、腹満、熱実の症無く、ただ腹中攣痛し、脣舌乾燥する者は此方まま効有り《類聚方広義》
[12]眩暈(めまい):<起立性>
[13]口中(口内)出血
[14]喉頭結核
[15]肛門出血
[16]座骨神経痛
[17]産後の悪露が止まらない
[18]産後の子宮不全
[19]産後の出血
[20]産後の神経症
[21]産後の衰弱
[22]しびれ感(シビレ・筋肉のひきつり)
[23]弛緩性の出血
[24]四肢煩熱
[25]痔出血:
☆痔出血にして、顔面蒼白、四肢に冷感ある証《奥田謙蔵》
☆腸痔、下血綿々として止まず、身体萎黄、起てば即ち眩暈し、四肢に力無く、少腹刺痛する者を治す。若し胸中煩悸し、心気欝塞し、大便燥結する者は、黄連解毒湯、瀉心湯を兼用す《類聚方広義》
☆28歳の婦人。蒼白の顔をしている。一見してかなり貧血している。痔から永く出血しているが、手術が恐ろしいので、医者に見せたことはないと言う。動くと、疲れやすく、それに疲れるとのどが渇く、大便はやや硬いのでつとめて野菜や果実を食べているという。しかし便所に行くたび毎に、飛ぶように出血するので、便所に行くのが恐ろしくてたまらないという。
腹診してみると、臍上で動悸が亢進し、下腹部が少し膨満してる。患者は下腹が張るような感じがあるという。そこで芎帰膠艾湯を与えたところ、大便が気持ちよく出るようになり、2週間目から少しずつ出血が減じ、1ヶ月後には、全く止血し、顔色も良くなり、動悸、息切れも次第によくなった。《大塚敬節》
☆40歳男性。2年前、痔核の手術をしたが、その後、手術のあとが俗に云う[切れ痔]となって、出血して治らないので、翌年の5月に再手術をした。しかし依然として、疼痛と出血が止まないので、9月に又 手術した。しかし疼痛も出血も止まない。大便が少し硬いとすぐに、出血が始まり、痛むので、いつも性マグネシヤを呑んでいるという。       それでも時々出血するし、1度出血が始まるとなかなか止まらないと云う。
患者は色が浅黒く、栄養も悪くない。腹診上特別の所見はない。私は芎帰膠艾湯を与えて、治りますよと、安請け合いをした。ところが、これを飲み始めて6日たつと、今までよりも排便時と排便後に、肛門が痛むようになった。大便が硬いためかと考え、これに大黄0.5を加えてみた。これを3日ほど飲むと、疼痛は軽くなり、5、6日たつと疼痛を忘れた。しかし、何かの調子で、時々疼痛が来る。そこで患部に紫雲膏を塗り、黄連解毒湯大黄甘草湯にし、大黄0.7を用いた。ところで、意外にも、これより前の薬が良いというので、また芎帰膠艾湯大黄にして、大黄を0.7にした。すると出血も疼痛も10日に1回位起きる程度になった。しかし、どうしても完全に治らず、1週間から10日に1回くらいは疼痛と出血があり、肛門専門の医師は、今一度手術した方がよいと診断したとこことである。けれども患者の方は、いくら永くかかってもよいから、漢方で根治するまで服薬を続けたいと云う。
そこで服薬を始めて、3ヶ月目に、次のような変則な処方を作って用いた。則ち、芎帰膠艾湯大黄桃仁牡丹皮麻黄梔子魚腥草である。        ところで、これがすばらしく良く効いて、これを服用し始めてから6ヶ月間に、初めの頃に、1、2回少し出血があったきりで、その後は、疼痛も出血も全くない。《大塚敬節》
☆56歳男性。既往症に痔瘻、動脈硬化症がある。7日前から痔出血があるという。大便は1日1行あるが、時々硬いことがある。そこで芎帰膠艾湯大黄1.0にして用いたところ、1週間ほどで出血が止み、とても身分が良いというので、服薬を続けたところ、10ヶ月ほどたつと、脱肛の方も軽快し、よほど無理を重ねない限り、脱肛することはなくなった。《大塚敬節》
[26]紫斑病(血小板減少性紫斑病)
☆特発性血小板減少性紫斑病に有効(漢方診療医典)
[27]子宮出血:
☆子宮出血にして、熱候無き証《奥田謙蔵》
☆芎帰膠艾湯と温経湯とは、血が多く出るか、少ないかによって区別する。また芎帰膠艾湯は流れをせき止めるような作用があり、温経湯とは作用が違っている。だから、桂枝茯苓丸のような、ドブをさらえるような作用のあるものを芎帰膠艾湯証に用いると、却って出血がひどくなるものである《百一貫》
[28]子宮内膜炎:
☆子宮内膜炎等にして、赤白の分泌物断続する証《奥田謙蔵》
[29]子宮ガン
[30]出血:
☆外傷後、内出血の疑いある証《奥田謙蔵》
☆打撲で、すさまじく出血する者に効がある《百一貫》
[31]腎臓結核
[32]腎臓腫瘍
[33]切迫流産:
☆胎動き、血水を下す者は、更に「理中湯縮砂」を以て之を佐く、と。是れ亦気虚を治する者なり。《仁斎直指方》
☆妊娠中、少しずつ子宮出血があって、流産のおそれのある時に用いる《大塚敬節》
☆《方輿》に、“妊娠中に下血して腹中痛む者に用いる方なり。また下血せずしてただ腹痛するばかりにも用いることあり。また妊娠中にケガして胎動(今日の胎動と内容が異なり、胎が動いて流産せんとすること)することあり、ここえ最も効有る薬なり。ケガして腰や腹痛み出して甚だしきは下りものなどありて堕胎せんとするに用いて取り留める者也。また1治験あり、毎産5、6月に堕胎する者に、これを服すれば堕胎を逃れるなり。
胎動に当帰芍薬散や当帰散などを用いるときは軽き場なり、軽き内は前2方にてよし。これにても癒えざる時は芎帰膠艾湯を用てよし。
当帰芍薬散の痛は劇しくとも、腹にのみありて腰にかからぬなり。膠艾湯の痛は小腹にありて、腰にかかるなり。故に膠艾湯には腰腹痛とあるなり。当帰芍薬散の場にても、腰にかかる者は早く膠艾湯を用ゆべし。腰痛は堕胎せんとするの兆しなり。早く救ふべし。胎動して腰にかかるに至る者は必ず血を見る者なり。軽き者はその時血の下るを知らずしている者なり。よくよく意をそそいで審にすべし”《大塚敬節》
[34]舌質<やや淡白>
[35]舌苔<無苔>
[36]帯下:
☆漏崩走下止まず、自ら下氷の如く覚え、白帯の物多く、まま、悪露水の下るあり。時に鮮血止まざるあるを治す:「甘草丁香」《衛生宝鑑》
[37]胎漏(妊娠中の腹痛のない子宮出血)
[38]吐血
[39]腸出血:
☆腸出血にして、熱性証候を欠く者《奥田謙蔵》
[40]難産
[41]妊娠:
☆妊娠二三月より上七八月に至り、その人、頓仆(突然倒れる)、失踞(座ったまま倒れる)し、胎動不安、傷損止、腰腹痛し、絶えんと欲する者、所見の胎に及ぶあり。奔上して搶心、短気するを治す《雑病翼方》
☆妊婦顛躓し、胎動いて心に冲し、腹痛して腰股に引き、或いは胎萎縮の状覚え、或いは血を下して止まざる者は、此方を用う可し。胎殞ちざる者は即ち安く、若し胎殞つる者は即ち産す、《類聚方広義》
 (顛=テン、たおれる)              (躓=チ、つまづく)              (殞=イン、おちる)
[42]冷え症
[43]皮膚に艶(ツヤ)がない
[44]貧血:
  ☆諸種の貧血証等《奥田謙蔵》
[45]<左>腹直筋攣急
[46]腹痛(下腹部疼痛)
[47]腹部軟弱無力
[48]不正性器出血:
  ☆(少量で持続することが多い)
[49]分娩後の持続する出血
[50]膀胱結核
[51]膀胱腫瘍
[52]メトロパチー(Metropathie)=出血性子宮症
[53]
[54]目が疲れる
[55]腰痛症
[56]流産:
☆孕む毎に必ず堕つる者、此を服して止む無ければ、則ちその胎を保つべし、と。按ずるに之を服して差えざる者は気虚し、血を摂せざるなり。「補中益気湯」に宜し。《希藻》曰く。
☆懐妊して6、7月もして堕胎し、あるいはたまたま10月に満ちて生まれても、生まれてすぐ死亡し、5人、6人と孕んでも、育たない者がある。その場合は、妊娠と分かった月から10ヶ月まで用いるが良い。育つものである。先生の経験である。芎帰膠艾湯を酒を 入れて煎じないと効力が薄い。しかし酒を初めから入れては、飲みにくいので、煎じあがって、あとから酒を入れて飲ませるのが良い。《百一貫》


芎帰膠艾湯乾姜=大膠湯《備急千金要方》
「芎帰膠艾湯と主治同じ、地黄・乾姜と伍するときは、血分の働き一層強くなるなり」《勿誤薬室方函口訣》

芎帰膠艾湯加減《中薬臨床応用》
「阿膠12g(溶解)、艾葉6g、当帰9g、白芍5g、熟地黄12g、桑寄生18g、続断9g、菟絲子12g、白朮12g、黄蓍12g」水煎服。
◎流産防止。


芎帰調血飲[1-1]《万病回春》《古今方彙》
「当帰、川芎、白朮、茯苓、熟地黄、陳皮、烏薬、香附子(便)、乾姜(黒)、益母草、牡丹皮、甘草、生姜、大棗」水煎、温服。
◎産後の諸病にて気血虚損し脾胃弱、悪露行らず、血を去ること過多にして、飲食節を失し、怒気相沖し、以て発熱を致し、悪寒、自汗、口乾、心煩、喘急し、心腹疼痛し、脇肋腸満し、頭暈眼花、耳鳴り、口噤して語らず、昏する等の症を治す。

 


芎帰調血飲[1-2]《万病回春》《漢方後世要方解説》
「当帰・川芎・熟地黄・白朮・茯苓・陳皮・烏薬・香附子・牡丹皮各2.5乾姜・益智仁・甘草・大棗各1」
◎産後一切諸病、気血虚損、脾胃怯弱、或いは悪露行らず、或いは血を去ること過多し、或いは飲食節を失し、或いは怒気相沖し、以て発熱悪寒、自汗、口乾き、心煩喘急、心腹疼痛、胸肋脹満、頭暈、眼花、耳鳴、口噤て語らず、昏等の症を治す。
◎此方は八珍湯方中より芍薬と人参を去り、牡丹、益母草の駆瘀血剤、香附子・烏薬・乾姜の順気健胃剤を配合せるもので、産後一切の気血を調理するによい。「八珍湯」「大補湯」ほど虚状のない者に広く用いられる。
すなわち貧血を補い、悪露悪血を去り、腸胃を益し、産後の諸症に応用される。
◎当帰・川芎・熟地黄=補血、潤血の作用有り
◎茯苓・白朮・陳皮・甘草=脾胃を養う
◎烏薬・香附子=気血を順らし
◎牡丹・益母草=血熱を涼す。


芎帰調血飲[1-3]《万病回春》《龍野ー漢方処方集》
「当帰・川芎・白朮・茯苓・熟地黄・陳皮・烏薬・香附子・牡丹皮各3.0g、乾姜・益母草・大棗各2.0g、干姜1.0g」
◎産後の諸病、気血虚、胃弱、悪露、貧血、出血過多、飲食不調、発熱悪寒、自汗口乾、心煩喘息、心腹疼痛、脇肋脹満、眩暈、耳鳴り、口噤不語、昏迷等。《龍野ー漢方処方集》
★芎帰調血飲(気血虚損、胃腸虚弱、神経症、貧血めまい、動悸、耳鳴り、腹部軟弱、腰痛、乳汁不足、)
★適応症及び病名
[1]胃腸虚弱
[2]外傷の後遺症
[3]眼花
[4]肝斑
[5]気の上衝<+>
[6]気血虚損
[7]脇肋脹満
[8]血気血両虚
☆桃紅四物湯より補益性が強く、寒証に適する。《中医処方解説》
☆寒証がひどい者には、芎帰調血飲第一加減《中医処方解説》
[9]血脚気
[10]血腫
[11]月経不順
[12]眩暈
[13]口乾
[14]口噤不語
[15]骨盤内血腫
[16]骨盤内の鬱血
[17]骨盤腹膜炎(第一加減)
[18]昏迷
[19]産後の諸病<調整>
      ☆産後の血
         ☆産後の悪露滞留
        ☆産後の神経症で、脈腹軟弱でおりものがある者。
        ☆産後の頭痛
         ☆産後の肥立ち(第一加減)
     [20]産褥熱:
         ☆軽症
     [21]自汗
     [22]出血過多
  [23]腫瘍
     [24]食欲不振(飲食不調)
     [25]神経症
     [26]心煩
     [27]心腹疼痛(腹がはって痛む)
     [28]喘息
     [29]頭暈
     [30]頭痛
     [31]舌質<淡紅><斑>
     [32]帯下
     [33]血の道症:
     [34]動悸
     [35]乳汁不足
     [36]腹部軟弱
     [37]便秘<傾向>
     [38]耳鳴り
     [39]めまい
     [40]腰痛
     [41]脈沈弱


芎帰調血飲第一加減《一貫堂》《中医処方解説》
「芎帰調血飲白芍薬・桃仁各・延胡索3g、紅花・牛膝・枳殻・木香各2g、      肉桂1g」
◎活血化、理気止痛、補血健脾、温裏寒。
★適応症及び病名
外傷後遺症
血気血両虚寒証
月経不順
月経困難症
骨盤内炎症
骨盤内鬱血
子宮筋腫
無月経



芎帰鼈甲散《医学入門》《古今方彙》
「鼈甲1銭、川芎・当帰・茯苓・芍薬・半夏・陳皮・青皮各5分、烏梅1固、生姜、大棗」煎服。
◎労瘧にて寒熱するを治す。
◎熱多ければ:「柴胡」
◎寒多ければ:「草果」


芎帰補中湯[1]《万病回春》《古今方彙》
「人参・黄蓍・白朮・当帰各1両半、川芎・五味子各1両、白芍薬(酒)1両半、乾姜(炒)・阿膠各1両、杜仲・木香・甘草各半両」水煎温服。
◎懐妊し、血気虚弱にて栄養する能わず、以て数月を致して墜つるを治す。

芎帰補中湯[2]《婦人大全良方》《古今方彙》
「黄蓍・人参・白朮・当帰・芍薬・川芎・葉・阿膠・五味子・杜仲各1銭、甘草5分」水煎。
◎気血虚し、而して産を欲するを治す。
◎若し脾気虚弱なるには:「補中益気湯」を使う。
◎若し気虚し而して火あるには宜しく:「安胎飲」を用いるべし。




芎帰養血湯《中薬臨床応用》
「川芎5g、当帰・桑枝各9g、鶏血藤30g、桑椹子12g、白芍6g、秦 5g、大棗15g」水煎服。
◎多発性神経炎・脳血管攣縮・脳血管後遺症などによる麻痺。
◎筋肉リウマチ。慢性関節リウマチによるしびれ・疼痛・ケイレン。


芎竅散[1]《東醫寶鑑》
「川芎1銭、当帰7分半、羗活・旋覆花・蔓荊子・細辛・石膏・藁本・荊芥穂・半夏(麹)・熟地黄・防風・甘草各5分に生姜3片を入れ、水煎服。」
薬物の種類は、養血風湯と同じだが重両数が違う。
◎頭風・眩暈を治し、兼ねて肝虚暈を治す。特に婦人に良い。

芎竅散[2]《東醫寶鑑》
「川芎・檳榔・麻黄・肉桂・防已・木通・細辛・白・菖蒲各7分、木香・川椒・甘草各3分、生姜3片、紫蘇葉5片」水煎服。
◎鼻がつまり、匂いをかげない症。


芎散《証治準縄》
「川芎・辛夷各40g、細辛30g(苗を去る)、木通20gを細末にして、少量を綿にくるんで、鼻の中に挿入し、湿ったら取り替える。」

芎夏湯《東醫寶鑑》
「川芎・半夏(製)・赤茯苓各1銭、陳皮・枳殻各5分、白朮・甘草(炙)各2分半、姜5片」水煎服。
◎逐水・利飲に。

芎犀元《東醫寶鑑》
「川芎・石膏各1両、人参・赤茯苓・細辛・甘草各5銭、麦門冬7銭半、阿膠珠4銭、山梔子・竜脳・犀角各2銭半、朱砂5銭半」を作末し 蜜でねり実大の丸剤。朱砂で衣をし1~2丸を、こまかくかんで温酒又は茶清で服用。
◎偏頭痛を治す。

芎膏《東醫寶鑑》
「川芎・白」等分を作末し、実大の蜜丸。毎回1丸を就寝時に服用。
◎口気の熱臭を治す。


芎香蘇散[1]《東醫寶鑑》
「香附子・紫蘇葉各2銭、蒼朮1銭半、陳皮・川芎・白各1銭、甘草5分を作1貼して生姜3・大棗2を入れ、水煎服。」
◎傷寒・傷風の表症で、頭と首がつって・関節が疼痛し、陰陽が弁別できないとき。

芎香蘇散[2]《済世全書》《古今方彙》
「川芎・白・香附子・陳皮・羗活各1銭、薄荷・紫蘇葉各8分、甘草5分、生姜、葱白」水煎。
◎外が傷風に感じ、鼻塞り、声重く、左の脈浮緩の者を治す。
◎荊芥、防風を加え「荊防芎蘇散」と名づく。
◎咳には:「杏仁桑白皮」


芎散《東醫寶鑑》
「川芎1銭半、白・蒼朮・陳皮・細辛・石菖蒲・厚朴・半夏・木通・紫蘇葉・辣桂・甘草各7分、姜3片、蓮鬚葱白2茎」水煎服。
◎風邪で耳鳴りする者を治す。

芎散《医学入門》《古今方彙》
「白・菖蒲根・蒼朮・細辛・厚朴・半夏・甘草・木通・紫蘇子・辣桂各2半、川芎2分、生姜、葱白」煎服。
◎風が耳に入り、虚鳴するを治す。


芎朮姜梔二陳湯《万病回春》《古今方彙》
「乾姜・蒼朮・梔子・半夏・茯苓・川芎各1銭、甘草5分、陳皮1銭2分、生姜:煎服。
◎平素より痰火ありて胃急痛して忍ぶべからざる者、
◎食納むる能わざるを治す。
◎痛み時に服す。
    

芎朮散《東醫寶鑑》
「川芎・蒼朮・香附子・白」等分を作末し、姜汁で木香をそそいで、熱湯で2銭調下する。
◎痰積腹痛を治す。


芎朮湯《東醫寶鑑》
「川芎・白朮・半夏(姜製)各2銭、炙甘草5分、生姜7片」水煎服。
◎冒雨中湿で頭が重く、鼻閉・めまいを治す。
(雨に濡れて鼻がつまり、頭重、めまい)

芎朮湯《厳氏済生方》《古今方彙》
「川芎・白朮・半夏各2銭、甘草5分、生姜」煎服。
◎雨を冒し、湿に中たり、眩暈頭重、嘔逆、食せざるを治す。


芎朮除眩湯《東醫寶鑑》
「川芎2銭、白朮・附子(生)各1銭、桂皮・甘草各5分、生姜7、大棗2」水煎服。
◎寒湿による・激しい頭痛・めまいを治す。

芎朮除眩湯《易簡方》《古今方彙》
「川芎・白朮・附子(生)各1銭、官桂・甘草各5分、生姜、大棗」水煎。
◎寒湿を感じ、眩暈頭重、痛み極まるを治す。

芎辛散《東醫寶鑑》
「川芎・細辛・防風・桔梗・白・羗活・桑白皮各1銭、甘草5分、姜2片、薄荷3葉」水煎服。
◎熱痰による失語症。


芎辛湯《東醫寶鑑》
「川芎3銭、細辛・白朮各1銭半、甘草1銭、生姜5片、茶芽を少し」水煎服。
◎風・寒・湿が脳にあって頭痛・嘔吐・めまいする者。

芎辛湯《医学入門》《古今方彙》
「川芎2銭、細辛・白朮各1銭、甘草5分、生姜、細茶」水煎温服。
◎風寒が脳に在り、或いは邪が湿に感じ頭重く痛み、眩暈吐定まらざるを治す。


芎辛導痰湯《東醫寶鑑》
「半夏(姜製)2銭、川芎・細辛・南星(炮)・陳皮・赤茯苓各1銭、枳穀・甘草各5分に姜7片を入れ、水煎服。」
◎痰厥頭痛を治す。

芎蘇散《医学入門》《東醫寶鑑》
「黄芩・前胡・麦門冬各1銭、川芎・陳皮・白芍・白朮各8分、紫蘇葉6分、乾葛5分、甘草3分を作1貼と、生姜・葱白を入れ煎服。」
◎妊婦が傷寒で頭痛・寒熱・咳嗽する症。
◎孕婦の傷寒にて寒熱、頭疼、身痛、項背強ばるを治す。

芎麻湯《東醫寶鑑》
「羗活・麻黄・甘菊・川芎・石膏・防風・前胡・黄芩・細辛・枳穀・白茯苓・蔓荊子・甘草各7分、白・薄荷各5分を作1貼して生姜3片を入れ水煎服。」
◎破傷風が半表半裏にあって汗をかかない症。

久咳方《医法問要》
「咳奇方《和田東郭》に同じ。」

宮外孕方
「丹参、乳香、没薬、赤芍薬、桃仁」

宮頸糜爛栓Ⅱ方《山西薬品制剤手冊》
「黄柏、竜脳、蜈蚣、雄黄、青黛」

     
究原心腎丸《東醫寶鑑》
「菟絲子3両、牛膝・熟地黄・肉蓯蓉・鹿茸・附子(炮)・人参・遠志・茯神・黄蓍・山薬・当帰・竜骨・五味子各1両」作末し菟絲子酒に漬け、酒煮糊で梧子大の丸剤。棗湯で70~90丸呑む。
◎虚労・怔忡・盗汗・遺精・尿赤濁の者を治す。


急驚風一方《済世全書》《古今方彙》
「防風、蝉退、白芍薬、木通、車前子、赤茯苓、麦門冬、甘草、燈心草」水煎。
◎小児発熱して驚啼するを治す。


急結炎方《中薬臨床応用》
「木賊3g、菊花9g、白藜6g、決明子3g」水煎服。
◎急性結膜炎。

急性腎炎方《中薬臨床応用》
「茅根15g、車前草9g、栗米鬚15g、仙鶴草9g、鷹不泊9g、広東商陸15g」水煎服。
◎急性腎炎。




急風散《東醫寶鑑》
「麝香1字、朱砂1両、黒豆(生)2銭半、草烏(半分生・半分焙存性)3両」米醋で同淬し、作末し半銭を酒で調服する。
◎新旧のすべての瘡が伝変して破傷風になった者を治す。



求苓湯《東醫寶鑑》
「黄蓍・防風・白茯苓・白朮・麻黄根各5銭、甘草(炙)2銭半」を切って毎回7銭を浮小麦100粒と煎服。
◎虚汗を治す。

救汗湯《葉氏録験方》
「桂枝加附子湯《傷寒論》に同じ。」
◎陽虚し自汗する者を治す。

救急稀涎散《本事方》
「猪牙皀角4挺 明礬40gを作末し、温湯で2gに調合する。」

救急療気噎方《勿誤薬室方函口訣》
「半夏・柴胡各3両、生姜3両、羚羊角・犀角・桔梗・昆布・通草・炙甘草各3両」
◎食に因って即ち噎塞し、炙臠の膈に在って下らざる者に効をえたり。
◎羚羊角湯[1]《外台秘要方》とは寒熱相反す。


救逆湯[1-1]《傷寒論》
=桂枝去芍薬加蜀漆牡蠣龍骨救逆湯《傷寒論》
「桂枝(去皮)3両、甘草(炙)2両、生姜(切)3両、大棗(擘)12枚、牡蠣(熬)5両、蜀漆(洗去脂)3両、龍骨4両」
右七味、以水一斗二升、洗煮蜀漆、減二升。内諸薬、煮取三升、去滓、温服一升。本云桂枝湯、今去芍薬、加蜀漆牡蠣龍骨。
◎傷寒脉浮、醫以火迫劫之、亡陽、必驚狂、臥起不安者、桂枝去芍薬加蜀漆牡蠣龍骨救逆湯主之。
◎火邪、亡陽驚狂、臥起不安、虚証でのぼせひどき者。《龍野ー漢方処方集》

救逆湯[1-2]《傷寒論》《漢方治療の実際》
「桂枝・生姜・大棗・蜀漆各4、甘草2、牡蠣6、龍骨5」
◎桂枝去芍薬湯の証にして胸腹動の劇しき者を治す《吉益東洞》
◎此方は火邪を主とす。故に湯火傷の煩悶す疼痛する者、又灸瘡にて発熱する者に効あり。《勿誤薬室方函口訣》
◎蜀漆が入手出来ないときは、これを入れないでも効がある。《大塚敬節》
◎桂枝加竜骨牡蛎湯の証に似ていて、急迫症状の甚だしい者に用いる《大塚敬節》


救逆湯[1-3]《傷寒論》
=「桂枝去芍薬加蜀漆牡蠣龍骨救逆湯」《傷寒論》
★適応症及び病名
[1]イライラ
[2]息切れ
[3]一酸化炭素中毒
[4]ウツ状態
[5]感情不安定
[6]顔面紅潮
[7]気の上衝<>
☆顔面に逆上感有り、心中煩悶し安眠するを得ず、口乾くも飲料を欲せず、脚部微冷にして、脈浮大なる証。《奥田謙蔵》
[8]灸後の煩躁:
 ☆灸の反応熱に良く効く《大塚敬節》
[9]驚狂
[10]下血:《雑病翼方》
[11]自汗
[12]心悸亢進:
☆<激しい>
☆自汗出でて脈虚大、心悸亢進を覚え、逆上し、二便ともに減少し、食欲著しく減ぜざる証。《奥田謙蔵》
☆お灸にあてられて動悸がしたり、火熱を加えたために心悸亢進の起こった場合に用いる《大塚敬節》
[13]頭汗
[14]頭重
[15]頭痛
[16]精神不安:
 ☆(やけど等で)
[17]中風:
☆入浴中に、倒れて中風になった者を治した《辻元菘庵》
[18]ツバを吐く:
☆滋賀県近江国蒲生郡日野大窪町米商、伴忠助という者が、ある日、予が門を叩き、泣きながら云う。私の妻は病気になって半年、床について数十日、多くの医者の治療も効無く、もういつ死ぬか分からないほどです。どうぞ活かす方法がありましたら、どんなことでもして下さいと。
そこで急いで往診してみるに、患者の名は多可といい、年は38、 脈は細数微で、痩せて、食欲はなく、悪寒がしたり熱が出たりする。それに頭痛とめまいがあり、精神が安定を欠き、頸項が強ばり、眉間が痛む。1日中、ネバネバした唾液を吐き続け、その吐くものはひどく臭い。そこで自分で脳漏(=蓄膿症)と決め、必死であると考えているようである。
ところが余の診察では、吐物には臭気は無く、また脳漏の徴候もない。そこでそのことを患家に告げたが、患者も家人も余の言を信用しないようであるから、袖を払って帰ってきた。しかし、その日の夕方、また忠助が来て、是非薬をくれと云う。そこで、この病はきっと治るといって、桂枝去芍薬加蜀漆牡蠣龍骨救逆湯を与えた。
これを10日分飲むと、悪寒も熱も無くなり、ツバを吐くのも半減し、呼吸の臭気も消え、30日後には過半の症状がとれ、50日あまりで全治した。(杉原周作・継興医報第32号)
[19]テンカン:
☆癲癇にして、上逆甚だしく、胸腹に動悸ある等の証。《奥田謙蔵》
[19]動悸:
☆気逆上衝し、胸腹に動悸を感ずる等の証。《奥田謙蔵》
☆ストーブに酔って動悸がしたり、風呂にながく入って動悸がした場合に用いる《大塚敬節》
☆1男子が室屋に入って休んでいる中に、そのまま眠り、少し経って眼が覚めたところ、汗が流れるように出て、ひどく動悸がするようになったという。そこで救逆湯を与えたところ、2、3貼でおさまった。《方輿》
[20]のぼせ
☆風呂に入るとのぼせる・鼻血が出る。
☆コタツに入っていると、頭がボーッとする。
☆コタツに酔うとか、風呂に酔った場合《大塚敬節》
☆密室に閉居し、或いは火力強気コタツ等にて逆上し、頭重、眩暈を発する証。《奥田謙蔵》
[21]発狂:
☆不寐の人、徹夜、1と目も眠ること得ざること、5、6夜に及ぶときは、必ず狂を発す。恐るべき事なり。速にこの方を服すべし《校正方輿》
☆徹夜眠らず、久しければ必ず狂を発するものを治す《方彙続貂》
[22]発熱:
☆湯火傷、或いは灸後の発熱等。《奥田謙蔵》
[23]冷えのぼせ
[24]腹部大動脈の拍動:☆<激しい>
[25]胸がつまる(欝塞感・閉塞感)
☆ストレスで胸がいっぱい。
[26]目眩:(めまい)
☆入浴長きに過ぎて逆上し、眩暈を発する証。《奥田謙蔵》
[26]やけど:(火傷)
☆火邪を療す。《方読便覧》
☆私の家のお手伝いさんが、台所で仕事中に、徳用の大形マッチ箱に引火して、頭髪が燃えながら顔面に垂れ下がって、火傷をしたことがある。その時、この方を内服せしめるとともに、顔面一体に紫雲膏を塗ったところ、30分後には疼痛が忘れたように無くなり、全く、後を残さずに全治した。《大塚敬節》
☆近所の小さいお嬢さんが、手を沸騰中の味噌汁の中に入れ、赤く腫れて、水疱を作り、泣き叫ぶのに、この方を内服せしめて、患部に紫雲膏を塗ったところ、間もなく静かになって、眠った。その後しばらく、この手当を続け、きれいに治った《大塚敬節》



救苦湯《東醫寶鑑》
「蒼朮・草竜胆各1銭4分、当帰・甘草各1銭、川芎6分、生地黄・黄柏・黄芩・知母各5分・羗活・升麻・柴胡・防風・藁本・黄連各3分、桔梗・連翹・細辛・紅花各2分」水煎服。
◎目尻が赤く腫れて痛い者。
◎眼が激しい赤腫で、苦痛に耐えられない症。


救命延年丸《東醫寶鑑》
「黄連・乾姜・当帰・阿膠珠」を等分に作末し、錯に阿膠珠を煎じ、熔火して梧子大の丸剤。毎回30~50丸を米飲で服用。
◎男女の痢疾の重症を治す。


救命通心散[1]
「人参・白朮・白茯苓・山薬各1銭、白扁豆・粳米・知母・生地黄・甘草各5 分、地骨皮・麦門冬・竹葉各3分」作して、1貼に姜3、麦2を入れ水 煎服。
◎内傷病で熱があるとき、胃気を和らげ、清涼にする。


救命通心散[2]《東醫寶鑑》
「川烏1両を青塩1銭・酒1杯に浸して1夜おいた後、皮をむいて焙って乾 かし、川楝子肉1両を巴豆肉21粒と同時に炒って、黒くなったら豆は捨 て、茴香5銭、石燕1対を火に焙って土狗5枚、芥子1銭6分を作末し、 毎回3銭を羊石子の中に入れ、湿紙でくるんで熱し、夜中に好酒半升に 塩を少しまぜ、石子をこまかくかんで酒で呑む。」
◎小腸気を治す。


韭子丸《東醫寶鑑》「韮子・全蝎各1両、乳香・雄黄各2銭半」を作末し、黄蝋をとかして、弾子大の蜜丸。瓶のなかで1丸を焼いて、紙で瓶の口をふせいだ後、竹管で煙を牙孔に入れると、虫が出てくる。
◎虫牙痛を治す。


韭子湯《中薬臨床応用》
「韭子9g、桑蛸9g、竜骨()9g」水煎服。
    ◎腎陽虚による遺精、滑精
    ◎白色帯下
    ◎寒がる
    ◎頻尿
    ◎夜間多尿

九一丹《外科正宗》
「紅升丹4g、石膏36gを極細の作末し、瘡口の上にのせるか、又は、 薬をこよりにまぶして、瘡口に挿入し、外は膏薬をはる。」

九君子湯《医学入門》《古今方彙》
「陳皮・半夏・麦門冬・茯苓・白朮各1銭、人参・甘草・小麦各5分、烏梅1       個、生姜」水煎。
◎霍乱已に癒え、煩熱して多く渇し、痰あり、小便不利するを治す。


九仙王道《東醫寶鑑》
「蓮肉・山薬(炒)・白茯苓・苡仁各4両、麦芽(炒)・白扁豆(炒)・仁各2 両、柿霜1両、白砂糖20両」を細末にし、粳米粉5升を入れてを作り、さらに乾燥させ米飲で服用する。
◎精をつけ、元気を扶養し、脾骨を壮健にし、食欲を増進させる。

九仙散[1-1]《東醫寶鑑》
「罌栗殻(蜜炒)2銭、人参・款冬花・桑白皮・桔梗・阿膠珠・五味子各1銭、 貝母半銭、姜3、梅1」水煎服。
◎久嗽を治す。

九仙散[1-2]《医学正伝》《古今方彙》
「人参、款冬花、桔梗、桑白皮、五味子、阿膠、貝母、烏梅、罌栗殻、生姜」水煎温服。
◎一切の咳嗽、久嗽乃ちその惰帰を撃つ薬なり。(向こうの勢の抜けた処を撃って往く薬なり)


九仙奪命丹《東醫寶鑑》
「枳殻2両、白礬枯1両、半夏・厚朴並(姜製)各5銭、木香・南星(姜製)各2 銭、人参・甘草各1銭、豆豉(研過)1両」を作末し夜露に当てて、人参・ 厚朴煎湯で糊をつくって、小銭大の餅にして弱火で焙って乾燥、毎回1餅 をかじって姜湯で平胃散を作ったものを飲み下す。
◎反胃と噎食に効く。

九仙霊応散《東醫寶鑑》
「附子(炮)・蛇床子・紫梢花・遠志・石菖蒲・海蛸・丁香・木鼈子各2銭、 小脳1銭半」を粗末にして、毎回5銭を水3杯で半減するまで煎じて、1 日2回湿ったところを洗い、その水をそのままにして温めて又洗う。
◎男の陰湿による不能を治す。


九轉黄精丹《全国中薬成薬処方集》
「当帰、黄精」


九痛丸《金匱要略》
「附子(炮)3両、生狼牙(炙香)1両、巴豆(去皮心熬研如脂)1両、人参、 乾姜、呉茱萸各1両」
右六味、末之、煉蜜丸如梧子大、酒下、強人初服三丸、日三服。弱者二丸。 兼治卒中悪、腹脹満、口不能言。又治連年積冷、流注心胸痛、并冷衝上氣、 落馬墜車血疾等、皆主之。忌口如常法。
◎治九種心痛。
★適応症及び病名
狭心症
胸痛
心臓神経症
心筋炎
心筋梗塞
心下痞
膵臓炎の疼痛
打撲の後遺症
胆嚢炎の疼痛
手足冷たい
慢性胃腸炎
肋間神経痛
肋膜炎


九痛元《東醫寶鑑》
「炮附子3両、呉茱萸・人参・乾姜(炮)・巴豆(去皮油)各1両、狼毒5銭」 を作末し、梧子大の蜜丸。温酒で3~5丸服用。
◎九種の心痛・積冷・心胸痛を治す。
九種の心痛⇒虫心痛・心痛・風心痛・悸心痛・食心痛・飲心痛・冷心痛・熱 心痛・去来心痛。

九宝飲《東醫寶鑑》
「陳皮・薄荷・麻黄・桂皮・桑白皮・紫蘇葉・杏仁・大腹皮・甘草各1銭、 姜5片、梅1個」水煎服。
◎諸般の咳嗽と寒嗽・久嗽を治す。



牛角鰓湯《中薬臨床応用》
「牛角鰓30g、白背葉12g、生姜(炭)9g、香附子9g、狗脊18g、両 頭尖12g、牡蛎24g、生地黄(炭)18g、当帰18g」水煎服。
◎不正性器出血
◎血便
◎出血性の下痢
◎産後に悪露が止まらない


牛遍丸《津田玄仙》
「ゲンノショウコ1味」
◎下痢



魚腥草桔梗湯《中薬臨床応用》
「魚腥草30g、桔梗15g」水煎服。
◎肺膿瘍
◎大葉性肺炎
    

魚腥草冬葵子散《中薬臨床応用》
「魚腥草18g、冬葵子30g、土茯苓30g、旱蓮草18g、飛天18g、甘草5g」水煎服。
◎肺ガン。



魚石散《東醫寶鑑》
「石骨首頭中骨5対を焼いて作末し、滑石5銭を作末」2回に分服。木通湯で調服すると砂はみな出て治る。
◎砂石淋で茎中が痛む者を治す。



魚石湯《東醫寶鑑》
「石骨・首頭中骨5対を焼いて作末し、滑石5銭を作末し、2回に分けて服用。木通湯で調服すると砂はみな出て治る。」
◎沙石淋で茎中が痛む者。




魚脳石散《南京第一医学院》《中薬臨床応用》
「魚脳石9g、青黛3g、辛夷0.6g、竜脳0.6g」細末にし1日数回、仰臥位で鼻腔に散布して短時間待つと、乾酪様痂皮の排出を促進する。
◎萎縮性鼻炎




魚鰾丸《中薬臨床応用》
「魚鰾膠120g、竜骨120g、枸杞子90g、杜仲90g、牛膝60g、当帰60g、補骨脂60g、茯苓60g」」細末を蜜丸。1日2回、9gづつ空腹時に塩湯で服用
◎インポテンツ
◎夢精



僵黄丸(=殭黄丸)《東醫寶鑑》
「白殭蚕1両、大黄2両」作末し、姜汁で弾子大の丸剤。1丸を研いで呑む。
◎大頭病と喉痺を治す。


僵蚕飲《中薬臨床応用》
「白殭蚕3g、天竺黄・杉寄生各3g、半夏5g、菖蒲2.5g、釣藤鈎5g、天南星2.5g、当帰2g」水煎服。
◎テンカン。

僵蚕飲《中薬臨床応用》
「白僵蚕3g、天竺黄6g、杉寄生6g、半夏5g、菖蒲2.5g、釣藤鈎5g、天南星2.5g、当帰2g」水煎服。
◎テンカン。



強神湯《本朝経験》《漢方治療の実際》
「紅花1.5、白殭蚕3、棕櫚葉2、甘草1」


強神湯《本朝経験》
「紅花・白殭蚕・棕櫚葉・甘草」
◎中風・口眼斜・半身不随・喜欠・流涎する者を治す。
◎中風の妙薬とす。《勿誤薬室方函口訣》
<1>手足が冷えるとき;「桂枝加朮苓附湯」
<2>腹拘攣し、癇癖ある者:「四逆散」
◎棕櫚葉善く風を治す、症に随って方中に之を加えて可なり。《雑病翼方》

    
強中湯《厳氏済生方》《古今方彙》
「乾姜(炮)・白朮各1両、青皮・陳皮・人参・附子(炮)・厚朴・甘草各半両、 草果仁・丁香各3両」左を咀し、「水1盞半、生姜5片、大棗2枚」煎じ7分に至り温服す。
◎脾胃和せず、食、生冷を啖い、寒漿を過飲すること多くして、腹脹を致し、心下痞満し、飲食に妨げあり、甚だしければ則ち腹痛するを治す。


夾鐘円=「硝石大円」

夾鐘丸(きょうしょうがん)《東洞家塾方》
=「消石大圓当帰」
「大黄24銭、硝石18銭、人参・甘草各6銭」別々に杵きて散と為し、苦酒2合を以て先ず大黄を内れ、煮て2合をとり、餘薬を内れ、飴状の如くし火を下し、冷して硝石を内れ、石で杵きて之を梧桐子大の膏となし、毎30丸飲服す。《村井》按ずるに今、古方家と称するものは、以て煙硝これ硝石となす。硝石となすものは非なり。此れ硝石は水硝の硝石なり。
◎腹中に結毒あり、或いは心下痞のものを治す。


膠艾湯《金匱要略》
「生地黄、白芍薬、当帰、川芎、阿膠、艾葉」


膠艾湯《東醫寶鑑》
「熟地黄・艾葉・当帰・川芎・阿膠珠・甘草(炙)・黄蓍各1銭」1日2回水煎服。
◎胎漏を安らげる。


膠艾芎帰湯《医学入門》《東醫寶鑑》
「阿膠珠・艾葉・川芎・当帰各2銭、甘草(炙)1銭」水煎服。
◎8~9月以内に胎動下血するのと、流産のあと流血して止まらない者を治す。
◎胎動不安、或いは下血するを治す。
◎八九箇月にあれば、内に少しく砂仁を加える。《古今方彙》


膠四物湯[1-1]《金匱要略》《中薬臨床応用》
「阿膠15g(溶解)、葉15g、当帰12g、熟地黄15g、白芍薬9g、川芎9g、甘草(炙)3g」水煎服。
◎機能性子宮出血

膠四物湯[1-2]《医学入門》《古今方彙》
「阿膠・葉・当帰・川芎・甘草各4分、芍薬・熟地黄各8分」水酒で煎じ空心に服す。
◎労にて気血を傷つけ、月水過多し、或いは放ろう止まざるを治す。
◎妊娠して胎気安駆らず、或いは損動に因りて血を漏らし、胎を傷つけたる者に亦宜し。
◎原は《金匱要略》に出ず、「芎帰膠湯」


膠四物湯[2]《東醫寶鑑》
「熟地黄・当帰・川芎・白芍薬・阿膠珠・黄芩・白朮・縮砂・葉・香附子(炒)、糯米少し」水煎服。
◎胎漏の腹痛を治す。



膠四物湯加減《中薬臨床応用》
「阿膠12g(溶解)、葉6g、当帰9g、白芍薬5g、熟地黄12g、桑寄生18g、続断9g、菟絲子12g、白朮12g、黄蓍12g」水煎服。
◎切迫流産


膠密湯《東醫寶鑑》
「蓮根大・葱白3茎」を水1盃で葱を煮たあと、葱は捨て明阿膠珠2銭・蜜2 匙を入れ、とかして空腹時に服用。
◎老人・虚弱者の大便秘渋を治す。



響声破笛丸[1-1]《万病回春》《龍野ー漢方処方集》
「連翹・桔梗・甘草各2.5g、大黄・縮砂・川芎・訶子各1.0g、阿仙薬2.0g、薄荷葉4.0g」の割合で卵白を加えて丸薬とし1回2.0~3.0g。
◎唄いや演説で声がつぶれた者。

響声破笛丸[1-2]《東醫寶鑑》
「薄荷4両、連翹・桔梗・甘草各2両半、百薬煎2両、川芎1両半、縮砂・訶子(炒)・大黄(酒炒)各1両」作末し、鶏子清で弾丸大の丸剤。1丸を就寝前に口に入れて、溶かして飲み下す。
◎歌いすぎて、声がもつれたとき。

響声破笛丸[1-3]《漢方治療の実際》
「連翹・桔梗・甘草各2.5、大黄・縮砂・川芎・訶子各1、阿仙薬2、薄荷4」       以上を作末し米糊で丸とし、1回2~3を服用。
◎私は大黄を除いて、丸としたものを作っている。まことに重宝なもので、感冒でのどの気持の悪い時に飲んでも良い《大塚敬節》
★適応症及び病名(五十音順)
[1]声がれ:
☆平素のどが弱くて、すぐ声がかれる傾向のある者《大塚敬節》
☆声楽家・政治家の演説などで、声のかれた者に良く効く《大塚敬節》





杏膠飲《東醫寶鑑》
「杏仁・明膠各1両、馬兜鈴・半夏(製)・人参・皮草各5銭」を粗末にし、毎回2銭を水1杯、姜3片と煎じて7分になったら就寝時に飲む。
◎16種の哮嗽を治す。

杏子湯[1]《易簡方論》
「小青竜湯《傷寒論》麻黄人参・茯苓・杏仁・生姜」

杏子湯[2]《東醫寶鑑》
「人参・半夏・赤茯苓・白芍薬・細辛・乾姜・桂皮・杏仁・五味子各1銭、 甘草5分」作1貼し、「姜5片、梅1箇」入れて水煎服。
◎風寒を感じ痰が盛んで咳きをする。

杏参散[1]《東醫寶鑑》
「杏仁・人参・桑白皮・桃仁各1銭半」を作1貼し、「姜3、棗2」を入れて水煎服。
◎咳と喘急を治す。

杏参散[2]《東醫寶鑑》
「杏仁・人参・大腹皮・陳皮・檳榔・白朮・訶子・半夏・桂心・紫・桑白皮・紫蘇葉・甘草各7分」作1貼し、姜3片入れ水煎服。
◎墜落して驚恐し、喘急して不安な者を治す。

杏参散《医学入門》《古今方彙》
「杏仁・人参・陳皮・大腹皮・檳榔子・白朮・訶子・半夏・桂心・紫・桑白皮・甘草・紫蘇葉各5分、生姜」煎服。
◎墜堕(ツイダ、高所より墜ちて打撲すること)により、水を渡るを驚恐し、跌仆(テツフ、つまづき倒れること)し、筋力を疲極し、喘急して安ぜざるを治す。

杏蘇飲《東醫寶鑑》
「紫蘇葉2銭、紫・甘草各1銭、陳皮・桔梗・麻黄・桑白皮・阿膠珠各7分半、五味子・大腹皮・烏梅肉・杏仁各5分、姜5片」水煎服。
◎上気して喘嗽し、浮腫の者を治す。



杏蘇散[1]《医学正伝》《古今方彙》
「紫蘇葉7分、五味子・大腹皮・烏梅・杏仁各5分、陳皮・桔梗・麻黄・桑白皮・阿膠各2分半、紫3分半、甘草1分、生姜」水煎。温服。
◎上気喘嗽、面目浮腫する者を治す。


杏蘇散[2]《温病条弁》
「紫蘇葉・法半夏・茯苓・前胡・桔梗・杏仁(去尖打砕)・枳穀・甘草・生姜・大棗(紅棗)・橘皮」
◎頭痛・悪寒し、咳嗽・鼻閉、脈弦、汗なし、口渇なし。
◎風熱による燥咳《中薬臨床応用》



杏蘇湯《東醫寶鑑》
「杏仁・紫蘇葉・桑白皮・陳皮・半夏・貝母・白朮・五味子各1銭、甘草5分、姜5片」水煎服用。
◎風寒に当たって咳をし、痰が盛んな者。

杏仁五味子湯《浅田家方》
「杏仁・五味子・茯苓・甘草」
◎此方は茯苓杏仁甘草湯の症にして咳嗽甚だしき者を治す。
◎高年及び虚羸の人、厚薬に堪え難き者、此方にて意外に効を奏す。

杏仁煎《東醫寶鑑》
「杏仁泥・白蜜・砂糖屑・生姜汁各1杯、桑白皮・木通・貝母(炒)各1両半、紫・五味子各1両、石菖蒲5銭、」以上の6味を水5升が半升になるまで煮て、滓を捨て、杏・蜜・糖・姜を入れてまた煮て、粘膏にする。 毎回1匙服用。
知母・款冬花を加えてもよい。
◎咳で失語症。(失音症)

杏仁半夏湯
「杏仁・半夏・桔梗・赤茯苓・防已・桑白皮・白礬各1銭、角・薄荷各5分、甘草1寸」を粗末にし、姜3片を入れ水煎服。
◎肺気の不足と喘嗽を治す。


杏酪湯《朝鮮伝》《勿誤薬室方函口訣》
「杏仁、麦門冬、氷糖」
◎清俗、客に供するに必ず用いると云う。暑中最も佳なり。今借りて咳嗽を治す。
◎此方は本飲料なれども、肺痿、労嗽、その他咳嗽甚だしき者に兼用して宜し。

薑茶湯《東醫寶鑑》
「老生姜・春茶葉」等分、煎服。
◎痢疾・腹痛を治す。


薑黄散《東醫寶鑑》
「姜黄3銭、白朮1銭半、羗活・甘草各2分半」水煎服。
◎臂痛に。

姜塩湯《東醫寶鑑》
「塩1両・生姜(切)半両」を同時に炒って、色が変わるのを限度にし、童尿2杯を1杯まで煎じて、2回に分けて飲む。
◎乾霍乱で死線をさまよう者を治す。
◎乾霍乱が最も治しにくくあっという間に死ぬ場合がある。吐かせてその気の横格した症を通じさせるべきで、涼薬はいけない。
「二陳湯川芎・蒼朮・防風・白を使い、兼ねて姜塩湯で吐かせるべきである」


薑蝎散《東醫寶鑑》
「全蝎(洗って焙)49個・生姜49片を銀石器で炒る」細末にし、就寝時に、酒で服用。
◎腎虚による耳聾。

薑桂丸《東醫寶鑑》
「桂皮2両、天南星(製)・半夏(製)各1両」作末し姜汁浸蒸餅で緑豆大の丸       剤。姜湯で30~50丸飲む。
◎寒痰の咳嗽を治す。


姜桂湯《万病回春》《古今方彙》
「乾姜・良姜・官桂各7分、藿香・蒼朮・厚朴・陳皮・甘草(炙)・小茴香(酒)・木香・枳殻・砂仁・香附子(炒)各等分、生姜」水煎。
◎初起胃寒痛するを治す。
◎寒による腹痛し綿々として増減無く、脈沈遅の者を治す。
◎[心痛門]には蒼朮、砂仁、茴香無く、呉茱萸あり。
◎痛む甚だしきは:「乳香」
◎手足厥冷し脈沈伏するには:「附子良姜」
◎痛み止まざるには:「延胡索茴香乳香」
◎泄瀉するには:「枳殻」


姜朮湯
「白生姜・生白朮・赤茯苓・半夏(麺)各5銭、桂皮・甘草各2銭半、を切って毎5銭ずつ貼をつくり、生姜3、大棗2」を入れて、煎服。
◎怔忡に応用する。

附固衛湯《中薬臨床応用》
「乾姜6g、熟附子片6g、白朮12g、黄蓍12g、山茱萸15g、竜骨(生)12g、牡蛎(生)12g、茜草根9g、陳棕炭9g」水煎服。
◎不正性器出血
◎子宮出血
◎月経が、長く続き、塊状の黒い出血、脈沈遅。

姜附四物湯《中薬臨床応用》
「四物湯乾姜、附子」
◎月経が遅れる
◎月経色が黒い
◎下腹部が痛む


姜附湯《東醫寶鑑》
「乾姜(炮)1両、附子(炮)1枚」を作末し、毎回5銭を水煎服。
生の附子を使うと⇒白通湯になる。
◎傷寒の陰症と中寒を治す。

姜墨丸《東醫寶鑑》
「乾姜(炒)・松煙墨」等分。作末し、錯煮麺糊で梧子大の丸剤。空腹時に米飲で30~50丸、1日3回。
◎赤白痢・蠱症痢を治す。

姜蜜湯《東醫寶鑑》
「生姜7片、蜜半杯、白茅根一握り」水煎服。
◎小便に血がまじる。

羗活芎藁湯加減《中薬臨床応用》
「羗活、藁本、白、防風各3g」水煎服。
◎感冒による激しい頭痛。

羗活呉茱萸湯
=「羗呉湯」
「黄芩、黄柏、蒼朮、羗活、麻黄、呉茱萸、藁本、升麻、黄蓍、当帰、川芎、蔓荊子、細辛、黄連、半夏、紅花」水煎温服。
◎厥陰にて頭頂項痛し、或いは痰涎厥冷、脈浮にして緩なるを治す。


羗活黒附湯《李東垣》
「麻黄・羗活・防風・蒼朮・升麻・甘草・附子 白」


羗活散《東醫寶鑑》
「柴胡5銭、麻黄・防風各3銭、羊脛・骨灰各2銭、羗活1銭半、草豆1       銭、当帰身6分、蒼朮・升麻各5分、藁本・白・桂枝各3分、細辛少し」作末し、動くところにつけると痛みが止まる。
◎風寒湿が脳を犯して痛み、歯根がゆっくり動く症。

羗活蒼朮湯《東醫寶鑑》
「羗活1銭半、蒼朮・柴胡・黄芩・枳実・橘紅・半夏・川芎・甘草各1銭、姜5片」水煎服。
◎感冒と嵐瘴で寒・熱瘧になった者を治す。


羗活勝湿湯《李東垣方》《内外傷弁惑論》《東醫寶鑑》
「羗活・独活各2銭、藁本・防風・甘草各1銭、川芎・蔓荊子各5分」水煎服。
◎首がつっぱってまわらない症。


羗活勝湿湯《内外傷弁惑論》《中薬臨床応用》
「羗活6g、独活6g、防風6g、藁本6g、川芎3g、蔓荊子5g、甘草(炙)3g」水煎服。
◎風湿による関節の疾患
◎上半身の筋肉痛(シビレと痛み・だるさ)
◎腰背正中部の筋肉の冷感とこわばり
◎風湿による顔面神経麻痺。

羗活勝湿湯《内外傷弁惑論》《古今方彙》
「羗活・独活各1銭、藁本・防風・川芎各5分、蔓荊子3分、甘草5分、生姜」水煎。
◎脾胃が湿を受け身重く、倦怠し臥するを好み、背痛み項強ばり、項を折るに似て抜くに似る。上に冲りて頭痛し及び足の太陽系が行らざるを治す。
◎若し身重く腰沈沈然たるは経中に寒湿あるなり:「防已(酒洗)5分」
 軽き者は:「附子5分」
 重き者は:「川烏」


羗活蒼朮湯《明医雑著》《古今方彙》
「羗活・蒼朮・柴胡・黄芩・橘紅・半夏・枳実・甘草・川芎各1銭、生姜」水煎し食前温服。
◎治は当に表を解し、熱を清め、気を降ろし、痰を行らずべし。此方は寒涼の時月及び温暖の時に在ると雖も感冒風寒の者に用いる。


羗活続断湯《東醫寶鑑》
「羗活・防風・白・細辛・杜仲・牛膝・秦・続断・熟地黄・当帰・白芍・川芎・人参・赤茯苓・桂心各5分、生姜3片」水煎服。
◎脚気で肝腎骨のケイレン。

羗活退瞖湯《東醫寶鑑》
「羗活1銭半、防風1銭、荊芥・薄荷・藁本・各7分、知母(酒)5分、黄柏(酒)4分、川芎・当帰身各3分、麻黄・生地黄(酒)各2分、川椒・細辛各1分」を食後水煎服。
◎新しい瞖膜が出て、陽をさえぎる。


羗活冲和湯(一名九味羗活湯)《東醫寶鑑》
「羗活・防風各1銭半、蒼朮・川芎・黄芩・白・生乾地黄1銭2分、細辛・甘草各5分、姜3、棗2、葱白2茎」水煎服。
◎ただ頭痛があり、骨節が痛く、発熱・悪寒し、汗がなく脈浮緊。


羗活湯《万病回春》《古今方彙》
「羗活・蒼朮・黄芩(酒)・当帰・茯苓・芍薬(炒)・香附子・半夏各1銭半、 陳皮・木香各7分、甘草3分、生姜」煎服。
◎遍身骨節疼痛する者を治す。
◎風痛には:「防風」
◎湿痛には:「蒼朮」
◎熱痰痛には:「黄芩(酒)倍加、白威霊仙」
◎下痛むには:「黄柏牛膝」
◎痛甚だしきとき;「乳香」
◎発熱には:「柴胡」
◎小水短少には:「木通」
◎手臂痛むには:「薄桂」


羗活湯《医林集要》《古今方彙》
「羗活・附子(炮)・秦・肉桂・木香・川芎・当帰・牛膝・桃仁・防風・骨砕補、甘草、生姜」水煎。
◎白虎歴節風にて毒が骨髄に注ぎ、疼み発すること定まらざるを治す。

羗活湯《活法機要》《古今方彙》
「羗活・菊花・麻黄・川芎・石膏・防風・前胡・黄芩・細辛・甘草・白茯苓・蔓荊子・枳殻各5分、薄荷・白各2分半」水煎。
◎破傷風、半表半裏に在る者を治す。


羗活導滞湯《東醫寶鑑》
「大黄(酒)2銭4分、羗活・独活各1銭2分、防已・当帰尾各7分、枳実5分」水煎服。
◎はじめ脚気を発すると、全身が疼痛し、又肢節が痛んで、便・尿がつまる者に用い、次に当帰招痛湯で除去する。


羗活導滞湯《蘭室秘蔵》《古今方彙》
「羗活・独活各半両、当帰・防已各3銭、枳実1銭、大黄(酒)1両」水煎。
◎脚気の初起に一身尽く痛み、或いは脚節腫痛し、
◎便溺阻隔(大便が遠くへだたる)するを治す。
◎此方を用いて導引したる後に「拈痛湯」を服す。


羗活附子湯《東醫寶鑑》
「羗活・附子(炮)・茴香(炒)・乾姜(炮)・木香・丁香各1銭」作1貼し、塩を少し入れて煎服。
◎寒が脳を犯し、脳痛で歯痛を兼ねる症⇒脳風に効く。
◎大病後に、胃中が虚寒し咳逆する者を治す。


羗活附子湯《傷寒活人書》《古今方彙》
「羗活・附子(炮)・小茴香(炒)各5銭、木香・乾姜各7銭半」水煎。塩を入れ服す。
◎吐利の後に胃寒咳逆するを治す。
◎傷寒陰症、内は寒厥し而して逆するを治す。

羗活附子湯《寿世保元》《古今方彙》
「麻黄(去節)・附子各3分、羗活・蒼朮各5分、黄蓍1分、防風・甘草・升麻・白殭蚕・黄柏・白各3分、仏耳草」水煎。
(仏耳草は寒嗽ある者に用いる、もし無ければ用いず)
◎冬月、大寒が脳を犯し、人をして脳から連なりて痛ましむるを治す。名づけて脳風と曰う。害甚だしく速しと為す。此方に非ずば救うこと莫し。


羗活防風湯《東醫寶鑑》
「羗活・防風・川芎・白芍・藁本・当帰・甘草各1銭、地楡・細辛各5分」水煎服。
◎破傷風の初期。


羗活防風湯《活法機要》《古今方彙》
「羗活・防風・甘草・川芎・藁本・当帰・白芍薬各1銭、地楡・細辛各5分」水煎。
◎破傷風にて邪が初めて表に在る者を治す。


羗活愈風湯[1]《万病回春》
「人参・当帰・黄蓍・白芍薬(酒)・生地黄・枸杞子・柴胡・甘草・秦・肉桂・羗活・防風・細辛・薄荷・菊花・蒼朮・独活・白・地骨皮・蔓荊子・知母・石膏・黄芩・枳殻・杜仲(姜酒炒)・生姜」水煎、温服。
◎初めに風動を覚えて此を服して倒仆するに到らず、此れ即ち未病を治するの聖薬なり。
◎中風症にて内邪已に除き、外邪已い尽きるを治す。
◎以て諸経を導く、久しく服すれば大風尽く去る。


羗活愈風湯[2]《万病回春》
「人参・当帰・黄蓍・白芍薬(酒)・生地黄・枸杞子・柴胡・甘草・秦・肉桂・羗活・防風・細辛・薄荷・菊花・蒼朮・独活・白・地骨皮・蔓荊子・知母・石膏・黄芩・枳殻・杜仲(姜酒炒)・生姜」「熟地黄・半夏・厚朴・前胡・防已・茯苓・川芎」
◎腎肝の虚、筋骨弱く、語言蹇渋、精神昏するを療す。
◎この薬は神を安んじ陰陽を調理し、偏勝なからしむ。

羗活癒風湯[3](一名愈風湯)《東醫寶鑑》
「蒼朮・石膏・生地黄・各6分、羗活・防風・当帰・蔓荊子・川芎・細辛・黄蓍・枳穀・人参・麻黄・白・甘菊・薄荷・枸杞子・柴胡・知母・地骨皮・杜仲・独活・秦・黄芩・白芍・甘草各4分、肉桂2心に二参丹を呑み下し、就寝時に四白丹を嚥下する。
◎肝腎の虚した者・筋骨の弱い者・言語のむずかしい者・精神の昏冒・痩せて偏枯・太って不遂・恐懼で健忘した者。
◎中風に外邪がすでに出来て内邪が除かれると、この薬を使ってすべての経を行導させ、長服すると大風が除去され、清濁が自ら分けて栄衛は自ら和らぐ。

羗附湯《東醫寶鑑》
「羗活・炮附子・白朮・甘草各1銭半、生姜5」水煎服。
◎風湿で身体が重く痛い、浮腫のある者を治す。


羗麻湯《東醫寶鑑》
「羗活・麻黄・甘菊・川芎・石膏・防風・前胡・黄芩・細辛・枳殻・白茯苓・蔓荊子・甘草各7分、白・薄荷各5分」作1貼して姜3片入れ水煎服。
◎破傷風が半表半裏にあって汗のかかない者を治す。


脇痛一方《済世全書》《古今方彙》
「蒼朮、川芎、白、赤芍薬、香附子、黄柏、威霊仙、桂枝、甘草、生姜」煎服。
◎婦人、胸背走痛するを治す。


鞏堤丸《景岳全書》
「熟地黄、菟絲子、五味子、益智仁、補骨脂、附子、白朮、茯苓、韭子、山薬」



行気香蘇散《古今医鑑》《古今方彙》
「紫蘇葉1銭、陳皮8分、香附子1銭、烏薬・柴胡・蒼朮・川芎・羗活・枳殻各8分、麻黄1銭、甘草3分、生姜」水煎温服。
◎内は生冷に傷付き、厚味堅硬の物を飲食し、肚腹腹満疼痛、外風寒に感じ、湿気頭疼、身熱憎寒、遍身骨節麻木疼痛し、七情悩怒相冲り飲食下らsず心腹気痛するを治す。
◎内飲食に傷るるは:「山楂子神麹」
◎《万病回春》の方には柴胡蒼朮無し。
◎風寒、外感、飲食内傷、七情悩怒度を過ごし、肚腹の疼痛が起こり始めの者を治す《寿世保元》


行気香蘇散《万病回春》《古今方彙》
「香蘇散小茴香、青木香、三稜、莪朮、木通」
◎偏墜気(鼠径ヘルニア)にて疼痛し、初発で憎寒壮熱するを治す。


蕘玄湯《原南陽》《勿誤薬室方函口訣》
「連翹1銭、玄参7分、独活3分、木通7分、升麻3分、甘草2分、梔子3分、薫陸2分」
◎瘰癧、侠、上部の腫毒、発疔、或いは疹後小瘡を発し、寒熱状に似たる者を療す。
◎此方の能く鬱火を瀉し、結気を散じ、滞血を通ず。
◎此方は《山脇東洋》の延年玄参湯《外台秘要方》に本づきて組み立つと云う。
瘰癧及び上部の腫物にて寒熱状に似たる者に用ゆれば、能く鬱火を散じ、気血を通ずるなり。
◎此方の一等軽き者:逍遥散瘰癧の加減とす。

凝唾湯《備急千金要方》
「当帰建中湯人参・前胡・乾地黄」
◎虚損短気、咽喉凝唾出でず、膠の喉を塞ぐが如きを治す。


凝神飲子《東醫寶鑑》
「人参・当帰・白芍薬・白茯神・白茯苓・黄蓍・白朮・半夏(麹)・五味子・  熟地黄・蓮肉・麦門冬・桔梗・甘草各7分」を作末し「烏1、紅棗2」を入れ煎服。
◎労の寒熱自汗を治す。
◎喀血のひどい者を治す。


玉液散《東醫寶鑑》
「瓜根・知母・貝母(炒)各1両、人参・甘草各5分」作末し毎回2銭を、先に黄2銭を溶かして米飲で調服する。
◎喘嗽と口乾・煩渇を治す。

玉液湯《東醫寶鑑》
「半夏(姜製)4銭、生姜10片」を水で煎じ、沈香を少し入れて服用。」
◎気鬱・生涎・めまい・動悸を治す。


玉華散《東醫寶鑑》
「甜(炒)・桑白皮(炒)・天門冬・馬兜鈴・半夏・紫・杏仁・貝母・百合・人参各1銭、百部根・甘草各5分、姜4、棗2」水煎服。
◎咳があって喘促する者を治す。
◎肺気を清め、咽と膈を良くする。


玉芝飲子《東醫寶鑑》
「炙甘草2両、藿香葉・石膏()・山梔子各1作末し毎回1銭を水で服用。
◎胸膈の熱で口舌に瘡ができ、のどが痛い症。


玉芝元《東醫寶鑑》
「半夏(麹)6両、人参・薄荷・白茯苓・白礬枯・天南星(浸焙)各3両」作末し、姜汁にを入れて煮た糊で梧子大の丸剤。姜湯で50~70丸呑む。
◎風熱に痰が激しく、声の重い者を治す。


玉女英[1]《瘍科選粋方》
「滑石粉20g 緑豆粉160g(少し炒る)を混和

玉女英[2]《東醫寶鑑》
「滑石・緑豆粉」等分を作末し、脱脂綿につけてたたく。又は黄柏・棗葉各5銭、片脳少しを加えるとさらに良い。
◎あせもが破れて瘡になり、かゆい者。
◎瘡でかゆい者を治す。


玉女煎《張景岳》
⇒「石膏熟地煎」
「生石膏25g(打砕先煎)、大熟地黄25g、麦門冬・知母各12g、懐牛膝9g」水煎服。
◎歯周炎・歯根炎・口内炎。
◎胃熱。


玉燭散《東醫寶鑑》    
「当帰・白芍・川芎・熟地黄・大黄・芒硝・甘草各1銭」
◎月経が凝滞して不通になり、癥になったとき。
◎下痢している者には不適。

玉真丸《東醫寶鑑》
「硫黄2両、石膏()・半夏(製)・硝石各1両」を作末し姜汁糊で梧子大の丸剤。陰干ししたものを毎回20~30丸姜湯or米飲で呑み下す。        ◎頭痛に歯痛を兼ねる症で、痛みに耐えかねる者。


玉真散[1]《医宗金鑑》
「天南星・防風・白・天麻・羗活各40g、白附子48g]以上を作末し、毎服20gを童便にて送下する。」
◎破傷風


玉真散[2]《普済本事方》《東醫寶鑑》
「防風・天南星」作末し、毎回2銭に温酒・姜汁を加えて調服し、かすは瘡口に貼って、口噤した者は童便で調下する。
◎破傷風で口を閉じて、体が硬直する症。



玉屑丸《東醫寶鑑》
「椿根白皮(乾燥)4両、槐根白皮・苦楝根・寒食麺各3両、威霊仙1両、天南星・半夏各5銭」を作末し、水をたらして梧子大の丸剤。毎回30丸を水1杯で煎じて匙で呑む。
◎腸風・臓毒が長引いている時。


玉鎖丹《東醫寶鑑》
「龍骨・蓮花芯・仁・烏梅肉各等分」作末し山薬糊で小豆大の丸薬。空腹時に米飲で30丸づつ服用
◎精気虚骨・遺泄不禁の治療剤。


玉枢丹《医学入門》《東醫寶鑑》
「太乙紫金丹雄黄1両、朱砂5銭」
◎蠱が有るところに行って、気分が不快なとき1錠飲むと、吐くか下すかするが、再び軽快になる。実に良く効く。


玉枢丹《片玉心書》
「雄黄、朱砂、麝香、五倍子、紅芽大戟、山慈姑、千金子霜」


玉枢丹《外科正宗》《中薬臨床応用》
⇒「紫金錠」【中成薬】
「山慈姑・紅芽大戟・五倍子・麝香・千金子」糯米(もちごめ)で錠剤とし、外用する。
◎癰・・
◎耳下腺炎




玉泉丸《沈氏尊生書》
「天花粉、葛根、人参、麦門冬、烏梅、甘草、黄蓍」


玉泉丸《東醫寶鑑》
「天花粉・乾葛各1両半、麦門冬・人参・白茯苓・黄蓍(半分は生・半分は蜜炒)・烏梅・甘草各1両」作末して蜜で弾子大の丸剤。毎回1丸を温水でかじって呑み下す。
◎消渇による口乾を治す。


玉泉散《東醫寶鑑》
「天花粉2銭、粉葛・麦門冬・生地黄・五味子・甘草各1銭を作1貼し、糯米1合を入れ水煎服。
◎消渇を治す特効薬。


玉蟾散《東醫寶鑑》
「乾蟾酥(焼灰)3銭、黄連2銭、青黛1銭、麝香1字」を作末し、先に甘草湯で洗った後塗る。
◎諸般の疳瘡を治す。


玉池散《東醫寶鑑》
「地骨皮・白・細辛・防風・升麻・川芎・当帰・槐花・藁本・甘草各1銭、生姜3片、黒豆100粒」水煎。うがいして、冷めたらはき捨てる。
◎風・虫牙痛によるただれ・動揺。又は変じて骨槽風になり膿んで血が出る症。


玉竹門冬湯《温病条弁》
⇒「玉竹麦門冬湯」
「玉竹12g・麦門冬12g・沙参8g・甘草4g」


玉粉丸[1]《東醫寶鑑》
「半夏(姜製)5銭、草烏(熟炒)・桂心各2分半を作末して、姜汁に浸した蒸し餅を実大に蜜丸。就寝前に1丸服用。
◎寒痰がつまって声が出ない。


玉粉丸[2]《東醫寶鑑》
「三仙丸香附子、橘紅末2両」
◎気痰を治す。


玉粉丸[3]《東醫寶鑑》
「陳皮2両、天南星・半夏各1両」を作末し姜汁に漬けて搗いて丸め、姜湯で50~70丸呑む。」
◎気痰の咳と喘急を治す。


玉粉散《東醫寶鑑》
「蛤粉4両7銭半、滑石4両2銭半、寒水石()・栗米粉各1両、定粉5銭、白石脂・竜骨各2銭半」を作末し、患部にしみこませる。
◎熱汗で瘡が出来、かゆくて痛いとき。


玉屑丸《東醫寶鑑》
「椿根白皮(乾燥)4両、槐根白皮・苦練根・寒食麺各3両、威霊仙1両、天南星・半夏各5銭」作末し、水をたらして梧子大の丸剤。毎回30丸を水1杯で煎じて匙で飲み込む。
◎腸風・臓毒の長引く者。


玉屑散《咽喉脈証通論方》
「薄荷120g、硼砂14g、雄黄12g、阿仙薬4g、冰片1.2g」以上を微細末にする。


玉壷丸《東醫寶鑑》
「白麺3両、半夏(生)・天南星(生)・天麻・白朮各5銭、雄黄(水飛)3銭半」を作末し、姜汁で梧子大の丸剤。毎回30丸を1杯煎じたところへ入れて、5~7回煎じたあと、薬が浮くのを待ってすくって、別に生姜湯をつくって食後に服用。
◎痰厥頭痛のめまいを治す。


玉屏風散[1]《世医得効方》
「黄蓍2.5・防風1.2・白朮1.2」
◎自汗を治す。


玉屏風散[2]《東醫寶鑑》
「白朮2銭半、防風・黄蓍1銭2分」水煎服。
◎自汗を治す。


玉容膏《東醫寶鑑》
「明礬1両、硫黄(生)・白附子各2銭」を作末し、就寝時につばでこねて患部に塗り、あくる朝洗う。
◎顔面の燥瘡・斑痕・ほくろ・諸刺を治す。


玉容散《東醫寶鑑》
「角1片、升麻2両6銭半、楮実子1両6銭半、白・白・天花粉・緑豆粉各3銭3分半、甘松・縮砂・白丁香各1銭6分半、糯米3合半」作末して顔を洗う。
◎面上の・小瘡・・粉刺を治す。
◎皮膚のかゆい者を治す。


玉容西施散《東醫寶鑑》
「緑豆粉2両、白・白・白厥・白殭蚕・白附子・天花粉各1両、甘松・ 三乃子・茅香各5銭、零陵香・防風・藁本各2銭、角(肥)2銭」細末にし顔を洗う。
◎顔面の難病に。


玉露丸
「白竜骨を9回蒸し、9回さらしたもの3両・兎絲子(酒製)3両・韭子(瓦で炒)3両」を作末し、梧子大の蜜丸。空腹時に10丸服用。


玉露散[1]《東醫寶鑑》
「寒水石・滑石・石膏・天花粉各1両、甘草5銭」作末し、毎回3銭を井水で調下する。
◎暑渇を治す。


玉露散[2]《東醫寶鑑》
「石膏・寒水石各5銭」細末にし、半銭or1銭を温水or水で飲む。
◎夏に吐瀉し、熱があって煩渇する者を治す。
                                                                     
玉鑰啓栄丸《東醫寶鑑》
「香附子(搗去皮毛・3日漬炒乾末)15両、当帰2両、白芍薬・川芎・赤石脂・藁本・人参・牡丹皮・白茯苓・白薇・桂心・白・白朮・延胡索・没薬各1両」を赤石脂と没薬だけを抜いて切り、3日間酒に漬けて焙って乾燥し作末して15両にする。別に細かくした赤石脂・没薬末を入れ、煉蜜で弾子大の丸剤。毎回1丸を早朝の空腹時に、茶湯or薄荷湯で口をゆすぎ、温酒or白湯で呑み下す。
◎子を産めない婦人のための薬。


玉鑰匙《証治準縄》《中薬臨床応用》
「硼砂1.5g、芒硝15g、製白殭蚕1.5、竜脳1.5g、朱砂1.8g」細末にし喉に吹き付ける。(外用)
◎急性扁桃炎
◎咽頭炎
◎鵞口瘡
◎膣カンジダ
◎急性結膜炎



去加柴胡湯《勿誤薬室方函口訣》
「柴胡去半夏加括湯荊芥・防風・連翹」を去加柴胡湯と名付け、症に随って増損する。《幼々家則》
◎肝経鬱熱を主とし、一切の餘毒遺毒にして熱ある者を治す
「柴胡去半夏加括湯連翹・木通」
◎実熱ある者:
「柴胡去半夏加括湯大黄・芒硝」
◎水気有る者:
「柴胡去半夏加括湯赤小豆・車前子」
◎痒湿ある者:
「柴胡去半夏加括湯荊芥」
◎膿ある者:
「柴胡去半夏加括湯連翹倍加」
◎眼に赤翳ある者:
「柴胡去半夏加括湯菊花・決明子・(羚羊角)」



去黒靨子方《東醫寶鑑》
「石灰を水1杯で調合して粥のようにする。餅米を、半分は石灰になかにつけ、半分は石灰の外に1挽置くと、米が水精のようになる。これを塗布する。2~3日で治る。」
◎黒痣・えくぼ。
靨⇒エンとよみ、えくぼのこと。


去三尸虫元[1]《東醫寶鑑》
「生地黄3斗を東に向かった厨房で3回、枯れ木で煎じる。それに清漆2升を入れてまぜ、日影が1尺ぐらい指すとき黄丹3両を入れ、1尺のびたら爪子3升を入れ、又1尺のびたら大黄末3両を入れ、その次からは弱火で煮て梧子大の丸剤。空腹時に1丸服用。 3日目に濁血が鼻から流れ、20日目には虫が全部下って、50日目には100病が治る
◎三尸虫に。尸⇒シと読み、しかばねのこと。


去三尸虫元[2]《東醫寶鑑》
「生漆2升、蕪菁子3升、大黄6升」作末し、酒1升を合わせて煎じ梧子大の丸剤。空腹時に2丸服用。10日目に濁った血が鼻からでる、30日目には虫は全部死ぬ、50日目には身体につやが出る。


去涎方《東醫寶鑑》
「猪牙皀角5銭、胆礬1銭半、青黛5分、」を作末し、錯糊で桜桃大の丸剤。毎回1丸を絹でくるんで箸につけ、喉中の瘡につける。
◎喉痺を治す。




去風丹(一名浮萍丸)《東醫寶鑑》
「紫背浮萍を7月上旬に採取し、竹篩いで漉して酒で乾燥し、作末して弾子大の蜜丸。毎回1丸を豆淋酒で服用。」
◎諸風・風・大風・破傷風。


去鈴丸《東醫寶鑑》
「茴香1斤を、生姜1斤から取った汁に浸して1夜おき、姜汁が茴香に染み込んだら、青塩2両を入れて同時に炒り、色が赤くなったら取り出して焙って乾かし、作末し酒糊で梧子大の丸剤。毎回30~50丸温酒で服用。
◎小腸の疝気を治す。




去骨湯《中薬臨床応用》
「威霊仙30g、酢30g、砂糖6g」大カップ2杯の水で威霊仙を煎じ、数沸させてから残渣を去り、酢と砂糖を加えて沸騰させて冷ます。口に含 み20分以内に少しずつ飲み下す。
◎魚骨が刺さったとき


 風敗毒散《漢方治療の実際》
「枳実・芍薬・前胡・柴胡・荊芥・薄荷・牛蒡子・朮各2、独活・白殭蚕・連翹・川芎・羗活各2.5、蝉退・甘草各1」


 痰丸[1](一名軟石膏丸)《東醫寶鑑》
「便香附1両、軟石膏7銭、半夏(製)・南星(炮)・梔子(炒)各5銭」作末し姜汁に漬け、餅で梧子大の丸剤。姜湯で50丸飲む。
◎胃に痰火があってゲップが出る。


痰丸[2]《東醫寶鑑》
「人参・木香・天麻・陳皮・赤茯苓・青皮・白朮各1両、皀角9銭、槐角子・半夏各7銭半」作末し姜汁糊で梧子大の丸剤。姜湯で60~70丸飲む。
◎風喘・喘嗽を治す。


 毒湯《万病回春》《古今方彙》
「貝母、白殭蚕、穿山甲(土炒)、大黄(生・熟)」水煎し熱し好酒1銭を入れ 調服。
◎一切の無名の腫毒疼痛するを治す。初起に用いれば神効あり。


 毒養栄湯《寿世保元》《古今方彙》
「当帰・生地黄・黄芩・知母・連翹・荊芥・黄蓍・甘草節各1銭、芍薬・槐花・括楼根・皀角刺・皀角子各2銭、黄連(酒)1銭半、升麻・黄柏(酒)各5分、人参7分」水煎空心に服す。
◎痔瘡を治す。


 風至宝丹《東醫寶鑑》
「滑石1両半、川芎・当帰各1両2銭半、甘草1両、防風・白芍各7銭半、白朮6銭半、石膏・黄芩・桔梗・熟地黄・天麻・人参・羗活・各5銭、山梔子3銭、連翹・荊芥・薄荷・芒硝・黄連・麻黄・大黄・黄柏・細辛・全蝎各2銭半」を作末し蜜で弾子大の丸剤。毎回1丸を細嚼して茶又は酒で任意に服用。(防風通聖散の加味方。)
◎風が臓に入って、昏冒と風熱を兼ねた症。


風除湿湯
「白朮1銭2分、白茯苓・当帰(酒洗)・陳皮・赤芍薬・半夏・蒼朮・烏薬・枳穀・黄連・黄芩(酒炒)・羗活各1銭、人参・川芎・桔梗・防風各8分、白7分、炙甘草5分を作2貼し、生姜5片入れ煎服。」
◎右半身の不随に。


風清上散《統旨方》
「酒黄芩8g、羗活・防風・柴胡梢・白各4g、川芎5g、荊芥3.2g、甘草2g」


 風導痰湯《厳氏済生方》
「天南星・半夏・茯苓・黄連(姜)・黄芩・白朮・枳実・楼仁各1銭、陳皮 ・桔梗・防風・白附子各7分、人参5分、甘草2分、生姜、大棗」水煎し「竹瀝・姜汁」を加え同じく服す。
◎傷寒に類し、憎寒壮熱する者を治す。
◎内傷により、七情痰を致すを以て心竅に迷い、、舎を守らず、舎空なれば則ち痰自ら生するなり。
★適応症及び病名
[1] 上気喘急
[2]頭目昏沈
[3]痰火
[4]痰気迷悶・
[5]中気
[6]中風


風敗毒散《寿世保元》《古今方彙》
「枳殻・赤芍薬・前胡・柴胡各5分、荊芥・薄荷・牛蒡子・蒼朮各6分、独活・白殭蚕・連翹各7分、川芎・羗活各8分、蝉退・甘草各3分、生姜」水煎。
◎風瘡(猩紅熱)、疥癬、疹(あかほろせ)、紫白癜風(なまず)、赤遊風(丹毒)、血風(皮膚に紅斑或いは血泡を生じる病)、瘡、丹瘤及び破傷風を治す。
◎種々の皮膚疾患に用いてよいことが分かる《大塚敬節》
◎上部に在る者:「桔梗」
◎下部に在る者:「牛膝木瓜」
◎湿熱が患となりて下に在る者:「蝉退白殭蚕」
★適応症及び病名
[1]湿疹:
☆私の妻が、半年ほど前から、顔・頸部などにカユミを訴えるようになった。ちょっと診た位ではよく分からないが、指頭でなでてみると、ザラザラした感じで、乾燥気味である。赤味はない。
十味敗毒湯を5、6日飲んだが効がないので、黄連阿膠湯を飲んだがこれも効無く、当帰飲子にしたが、これは胃が悪くなって、気持が悪いと云う。地黄の入ったのはイヤだと本人がいう。麻黄の入ったものもこの人にはよくない。すぐ胃にさわる。だから葛根湯や桂麻各半湯を用いることが出来ない。いろいろ考えて、《古今方彙》の瘡門からこの方を探し出した。
3週間ほど続けたらいつしか治ってしまった。《大塚敬節》
☆地黄も麻黄も用いることが出来ず、黄連、黄芩、梔子なども効無く、困った時には、用いてみるのもよい。《大塚敬節》
[2]全身性エリテマトーデス(SLE)
[3]皮膚炎




風辟毒湯《寿世保元》《古今方彙》
「黄連・黄芩・赤芍薬・枳殻・黄柏・槐花各1銭、連翹・大黄・苦参各1銭半」水煎。
◎痔瘡の腫痛が初めに起こりしを治す。


行湿補気養血湯《万病回春》《勿誤薬室方函口訣》
「人参・蒼朮・茯苓・当帰・芍薬・川芎各1銭、木通・厚朴・大腹皮・蘿葡 子・海金砂各8分、木香3分、橘皮8分、甘草3分、蘇葉8分」
◎気血虚弱し、腹鼓腸し浮腫するを治す。
◎此方は鼓腸の末症に用いるなり。


行湿流気飲《東醫寶鑑》
「苡仁2両、白茯苓1両半、蒼朮・羗活・防風・川烏(炮)各1両」を作末し毎回2銭を温酒or葱白湯で調下する。
◎風・寒湿痺で麻木不仁し、手足が煩軟した者を治す。


禦寒膏《東醫寶鑑》
「生姜半斤の汁を絞って、明膠3両、没薬1銭半を加えて銅杓内に入れて煎じ、これを又重湯にして、柳の枝でかき混ぜて膏になったら、また川椒末を少し入れて、又かき混ぜる。そして皮紙に薬をのして患部に貼る。
◎衰弱すると背の悪寒で、夏ですら着物を脱ぎたくない。
◎婦人の風冷で手足が冷える・腰痛。


禦塞湯《東醫寶鑑》
「黄蓍1銭、蒼朮7分、陳皮・人参・升麻各5分、防風・白・仏耳草・款冬花・甘草各3分、黄連・黄柏・羗活各2分」水煎服。
◎鼻づまり。


禦塞湯《蘭室秘蔵》《古今方彙》
「黄連・黄柏・羗活各2分、黄蓍1分、人参5分、甘草・款冬花・仏耳草(母子草)・白・防風各3分、陳皮、升麻各5分、蒼朮7分」水煎熱服。
◎寒に皮毛が傷き鼻塞がり、咳嗽上気喘急するを治す。


禦風膏
「葉を蒸して1日3回貼り替える。」
◎脚気の腫痛に。


禦風丹《東醫寶鑑》
「麻黄・防風・白各1両半、乾生姜・甘草各7銭半、川芎・白芍・細辛・桔梗・白彊蚕・羗活・天南星各5銭」を作末し、蜜で弾子大に丸め、朱砂2銭半で衣をし、毎回1丸を熱酒で服用。
◎中風の口眼斜・半身不随・神昏・語渋を治す。


局方安腎元《東醫寶鑑》
「桃仁・白藜・巴戟・肉蓯蓉・山薬・破故紙・白茯苓・石斛・草・白朮各2両4銭、川烏(炮)・肉桂各1両3銭」を作末し、梧子大の丸剤。空腹時に50~70丸呑み下す。
◎腎虚腰痛で下元が冷え、小便が少ないとき。


局方密蒙花散《東醫寶鑑》
「密蒙花・白藜(炒)・羗活・木賊・石決明」等分。作末し、茶清で毎回1銭服用。
◎風眼で目が暗く・赤く腫れる者。




驚気丸《東醫寶鑑》
「紫蘇子1両、附子・木香・白彊蚕(炒)・白花蛇・橘紅・天麻・天南星各5銭、全蠍2銭半、竜脳・麝香各5分、朱砂の水を切ったもの2銭半」作末し、竜眼大に蜜で丸め、朱砂で衣をつけ、毎回1丸を薄荷湯または温酒で服用。附子を抜いて、鉄粉を加えても良い。
◎驚愕で失心し、癲癇が発生し、泡をふきながら昏倒し、醒めても清神が朦朧としている。


牛乳粥《東醫寶鑑》
「牛乳1升に米を入れて、粥をつくって飲む。」
老人の食養生。


牛乳湯《東醫寶鑑》
「撥2銭を牛乳半升で、半量まで煎じる。」空腹時に服用。
◎気痢を治す。


吉良附湯《華岡青州》
「遺糧、人参、附子、桔梗、桂枝、乾姜、当帰、黄蓍、甘草」
◎黴毒、一切の痼疾、身体羸痩、虚弱し、峻剤を与えるべからざる者を治す。
◎此方は、黴毒の壊症になり、陰分に陥り、虚羸如何ともすべからざる者に用いる。《勿誤薬室方函口訣》
◎諸瘡、虚候を具へ、臭穢近づくべからざる者に与えてまま効あり。


晞露丸《東醫寶鑑》
「三稜(酒浸)・莪朮(酒浸)各1両、巴豆30粒を去皮炒黄し巴豆を捨て・乾漆(炒煙)川烏(炮)各5銭、砂4銭」を別途に細く切って茴香(塩炒)・青皮(去白)・雄黄(別研)各3銭、穿山甲(炮)2銭、麝香5分、軽粉(別研)1 銭を作末し、姜汁麺糊で梧子大の丸剤。温酒or姜湯で20~30丸飲む。
◎腸覃病で悪血が癥になって痛む者を治す。


散(一名二妙散)《東醫寶鑑》
「6・7月頃に、牛馬の糞中にいるをつかまえて、ひもで結んで陰干しにして貯蔵する。使うときに取り出して、きれいな瓦の上に置いて四面に火灰を置いて乾かした後、刀で切って、大便の不通には上半截を、小便の不通には下半截を、大小便ともに不通のときは全角を細末にして服用。」
◎大小便の不通を治す。


金液丹《東醫寶鑑》
「硫黄10両を細研して濾し、器に入れて赤石脂で蓋を堅く封をし、塩泥で固く封をして、穴を掘って薪を敷いてその上に置き、弱火で7日7晩煮る。器の上に炭1斤をかぶせて焼いたあと、冷まして取り出し、細末して、1両に蒸し餅1両を水に漬けたあと、梧子大の丸剤。30~100丸を空腹時に調下する。」
◎久寒と痼冷。吐痢が長くつづいて、身体が冷え、脈微の者。


金桜葉湯《中薬臨床応用》
「金桜根30g、葉(炒)30g、鶏血藤30g、益母草60g」水煎服。
豚肉or鶏卵と一緒に煎じるほうがより有効。
◎月経過多。


金匱腎気丸《古今方彙》
「熟地黄4両、白茯苓3両、牛膝・肉桂・沢瀉・車前子・山薬・牡丹皮・山茱萸(酒蒸)各1両、附子5銭、生姜、大棗」水煎。
原は丸となし之を用いる。煎剤となして数々効あり。
◎脾と腎が虚して腰痛し、脚腫れ、小便不利し、或いは肚腹脹痛し、四肢浮腫し、或いは喘急痰盛已に蠱症となるを治す。


金匱当帰散《東醫寶鑑》
「黄芩・白朮・当帰・白芍薬・川芎」各1両を作末し、毎回3銭を温酒で調下し、or酒糊で丸め、米飲で50~70丸飲む。
◎妊婦が常服すると養血・清熱する。
◎流産の習慣を治す。


金黄湯
「欝金・瞿麦・生地黄・車前子・滑石・芒硝」各5銭。粗末にし、空腹時に、毎回5銭を水煎服。
◎小便に出血があり、尿道が痛む者。


金花丸(一名安脾丸)《東醫寶鑑》
「半夏(製)1両、檳榔2銭、雄黄(水飛)1銭半」作末し、姜汁に漬けて蒸して餅にし、梧子大の丸剤。姜湯で30~50丸呑む。
◎悪心・吐き気。


金鎖固精丸《医方集解》
「沙苑・藜・実・蓮鬚・竜骨・牡蛎・蓮肉」
◎精液が漏れてやまない。


金鎖固精丸《医方集解》《中薬臨床応用》
「蓮鬚9g、潼藜9g、実12g、竜骨24g、牡蛎15g、蓮子9g」丸薬にし、1回5~9gを服用。
◎遺精
◎白色帯下
◎頻尿


金鎖思仙丹
「蓮花芯・蓮子・実」等分。作末し金桜子のついた湯膏で梧子大に丸め、空腹時に塩湯で、1回に30丸服用。



金鎖匙《東醫寶鑑》
「朱砂3分3厘、柏古礬各1分6厘、硼砂1分2厘、熊胆・焔硝・片脳・麝香各1分」を作末し、半銭を喉中に入れる。」
◎急喉閉と纒喉風を治す。


金鎖匙散
「焔硝60g 梅片1g。以上を細末にする」


金茱丸《医宗金鑑》
「呉茱萸、苦楝子」


金珠緑雲油《東醫寶鑑》
「蔓荊子・没石子・躑躅(ツツジ)花・訶子皮・白・沈香・附子・防風・覆盆子・生地黄・零陵香・芒硝・旱蓮草・丁香各1銭半、巻柏3銭を作して絹袋に入れ、清油8両に漬けて固く封をし、7日すぎたら頭にぬる。」
◎髪がはえる。


金水六君煎《景岳全書》《中薬臨床応用》
⇒「熟地二陳湯」
「当帰9g、熟地黄12g、陳皮5g、半夏6g、茯苓9g、甘草(炙)3g」水煎服。
◎肺腎陰虚
◎痰が多い
◎咳嗽
◎息苦しい


金傷散《東醫寶鑑》
「5月5日の早朝、4人がそれぞれ東西南北の4方に出ていって草の茎・葉をそれぞれ半かかえぐらい採って、正午になったら石灰1斤と共にいぶして、桑に木2~3株に穴を開け其の中に積み重ねた後、桑木皮をかぶせ油に石灰を混ぜて堅く塗って薬の気が抜けないようにし、その上に桑木皮を、9月9日正午に取り出して100日の間陰乾して細末にする。もし傷を負ったら塗る。」
◎一切の金瘡を治す。


金消丸《東醫寶鑑》
「黄柏・荊芥・射干・黄芩」各等分を作末し、桜桃大も蜜丸。
毎回1丸を口に含んで溶かす。
◎咽喉の腫れる症。


金生虎骨散《東醫寶鑑》

「当帰1両半、赤芍・続断・白朮・藁本・虎骨各1両、烏蛇肉5銭」を作末し、毎回2銭を温酒で食後調服する。骨髄が疼痛すれば、生地黄1両を加える。
◎半身不随で肌肉の乾痩する者(⇒偏枯)に。


金髄煎
「赤く熟した枸杞子を、酒に二ヶ月漬けたものを、つぶして 布で絞る。絞り汁を煮詰めて膏にし、毎日2回、2匙ずつ 温酒にまぜて服用。長服すると良い。


金聖湯《方読便覧》
「黄連解毒湯石膏・甘草」
◎疽並びに手指一切の腫瘍、金瘡、損傷を治す。


金棗散《中国民間験方》
「黒棗20粒 白信8g 人中白2g 梅片2g。
黒棗は核を去り、白信を入れ、炭火の上に置いて、
焼いて炭にし、極細末に磨り、さらに人中白・梅片
を加え、細かくまんべんなく混ぜ合わせて、瓶に貯
蔵する。」


金疝飲《東醫寶鑑》
「黄連(呉茱萸の煎湯に漬炒)2銭、人参・白朮各1銭、白芍薬・陳皮各7分、甘草3分、姜3」煎服。
◎気疝を治す。


金蟾散《東醫寶鑑》
「蝦蟆(大)の口中に縮砂を入れ、泥缶に堅く封をし、炙って煙りになったら冷まし、泥は捨て細末にし酒or陳皮湯で調下する。
◎気脹を治す。


金箔丸《東醫寶鑑》
「晩蚕蛾(炒)・破故紙(炒)・韭子(炒)・牛膝(酒浸)・竜骨・山茱萸・桑蛸(炙)・兎絲子(酒浸)各1両」作末し、梧子大の蜜丸。空腹時に温酒で30丸服用。
◎白淫・夢泄。


金箔鎮心丸[1]《東醫寶鑑》
「全蝎(薄荷葉でくるんで弱火で焼く)7個、天麻・防風・羗活・牛黄・赤茯苓・犀角・朱砂・麝香・甘草各1銭」作末し蜜で子大に丸め、金箔で衣をし、毎回1~2丸を薄荷湯で飲む。
◎驚風を治し、心を鎮める。
 


金箔鎮心丸[2]《東醫寶鑑》
「牛胆製南星1両、朱砂(水飛)・琥珀・天竺黄各5銭、牛黄・雄黄・真珠各2銭、麝香半銭」作末し蜜で丸め、金箔で衣をして30丸作り、毎1丸づつ薄荷湯で服用。
◎癲癇・驚悸・怔忡と一切の痰火を治す。


金刃独聖丹《瘍科綱要》
「竜眼核40g(炒る)冰片8gを極細末にし、まぜあわせ密閉保存。瘡口に塗布する。」


金不換散《東醫寶鑑》
「罌栗殻(蜜炒)5銭、枳殻4銭、杏仁・甘草各3銭、姜3、梅1」煎服。
◎喘嗽の長引く者。


金沸草散[1-1]《和剤局方》
「荊芥、麻黄、前胡、炙甘草、赤芍、半夏、旋覆花」


金沸草散[1-2]《和剤局方》《中薬臨床応用》
「金沸草9g、麻黄1.5g、前胡6g、桔梗3g、赤芍薬3g、法半夏4.5g、薄荷4.5g(後下)、甘草3g」水煎服。
◎上気道炎で咳嗽。


金沸草散[2-1]《傷寒活人書》《古今方彙》
「前胡・金沸草(旋覆花のこと)・赤芍薬各2銭半、甘草3分、半夏7分半、荊芥2銭、赤茯苓1銭」水煎温服。
◎風に因り咳嗽し痰を生じる者。


金沸草散[2-2]《東醫寶鑑》
「荊芥穂2銭、旋覆花・前胡各1銭半、麻黄・赤茯苓各1銭、半夏7分半、細辛・甘草各3分」剉作し、「姜3、棗2、梅1」入れて煎服。
◎肺が風寒を感じ、咳をし声が重く、痰涎が黄色で壅盛な者。


金蓮丸《東醫寶鑑》
「石蓮肉・白茯苓・竜骨・天門冬・麦門冬・柏子仁・当帰・酸棗仁・紫石英・遠志・乳香・竜歯各1両」を作末し、蜜で梧子大に丸め、朱砂で衣をし、空腹時に、温酒又は棗湯で70丸服用。
◎思慮傷心で、小便が赤く濁る者。


金鈴散《東醫寶鑑》
「川楝子(大)30枚を肉を取って切り、巴豆肉30粒を同じく切って炒り、巴豆は捨て、茴香(炒)と等分にして、木香2銭半を入れて作末し、毎回2銭を水・酒各半分にまぜ、葱白の煎湯で、空腹時に調下する。」
◎膀胱・小腸気の腫痛を治す。


金鈴子丸[1](一名玄金散)《東醫寶鑑》
「金鈴子・延胡索各1両」を作末し、毎回2銭を酒で調服し、枳朮丸を連用する。
◎熱厥心痛を治す。


金鈴子丸[2]《東醫寶鑑》
「川楝子肉5両を切って5貼にし、1貼は斑花10箇と炒って猫は捨て、貼は茴香3銭・塩半銭と炒って塩だけ捨て、又1貼は黒丑3銭と炒って黒丑を捨て、1貼は破故紙3銭と炒り、残りの1貼は蘿葡子1銭と炒って蘿葡子を捨てる。以上を作末し、梧子大の丸剤。温酒で30~50丸服用。」
◎疝気で、陰卵の一辺が腫大で偏墜して、つっぱって痛いとき。


金鈴子散(一名玄金散)《東醫寶鑑》
「金鈴子・延胡索各1両」作末し毎回2銭を酒で服用。
◎熱厥心痛を治す。


金鈴子散《保命集》
「川楝子、延胡索」


金鈴子散《聖恵方》《中薬臨床応用》
「川楝子60g、延胡索60g」作末し1回6gを湯で服用。
◎慢性肝炎
◎肝気欝結による腹痛、脇痛


金露元《東醫寶鑑》
「草烏(炮)・黄連各1両、生乾地黄・貝母・巴豆霜・桔梗・柴胡・紫・呉茱萸・菖蒲・乾姜・白茯苓・桂心・川芎・人参・甘草・防風・厚朴・枳殻・鼈甲・川椒・甘遂各5銭」作末し麺糊で梧子大の丸剤。姜湯で3~5丸飲む。
◎腹内の一切の積聚と癥塊で痛む者を治す。


気丸《東醫寶鑑》
「益智仁・大腹子・白檀香各1両、草豆・橘皮・沈香・人参各5銭」作末し梧子大の丸剤。淡姜湯で70~80丸飲む。
◎気が虚し、濁ったものがこみ上がり、ゲップの多い者を治す。


気散[1-1]《古今方彙》
「白朮4銭、烏薬3銭、天麻・人参各1銭、沈香・白・青皮・甘草・紫蘇葉・木瓜各5分、生姜、大棗」水煎。
◎腰腿疼み、手足屈伸する能わず、半身不遂、口眼斜、風気、中風、中気を治す。
【加減方】
心脾痛む者:茯苓・半夏・陳皮・木香・羗活。


気散[1-2](一名順風気散)《東醫寶鑑》
「白朮2銭、烏薬1銭半、人参・天麻各1銭、沈香・青皮・白・木瓜・紫蘇葉・甘草各5分、姜2片」水煎服。
◎すべての中風・気虚不随に。


気散[2]《証治準縄》
「山楂炭、青皮、木香」
◎夏に冷物を摂りすぎ、腹痛下痢。


均気八仙散《寿世保元》《古今方彙》
「麻黄2銭、杏仁・桔梗・片黄芩各3銭、知母2銭、貝母1銭、石膏3銭、甘草1銭」水煎温服。
◎哮喘にて気急而して息するを得ざる者は宜しく用いるべし。


近効方朮附湯《漢方治療の実際》
=「白朮附子湯」《金匱要略》
「桂枝附子湯桂枝朮3」
「附子・朮・生姜・大棗・甘草」



近製清暑益気湯《医学六要》《古今方彙》
「人参、白朮、麦門冬、五味子、陳皮、甘草(炙)、黄柏(炒)、黄蓍(蜜炙)、当帰」煎服。人によって加減す。生姜、大棗。
◎中暑。

化丸《類証方》
「玉露霜、柿霜、貝母、百合、茯苓、海石、秋石、甘草、薄荷」

化先方《東醫寶鑑》
「甜梨汁・生蘿葡汁・生姜汁・白砂糖・款冬花・桔梗・紫各2両、五味子1両」共に煎じて滓は捨て、膏を作った後、人参末1両を入れ梧子大の丸剤。就寝時に1丸噛み下す。
◎痰が多く、咳嗽し膿血を吐く者を治す。


銀花解毒湯《瘍科心得集》《中薬臨床応用》
「金銀花30g、紫花地丁30g、赤茯苓9g、連翹9g、牡丹皮6g、黄連5g、夏枯草9g」水煎服。
◎化膿性皮膚疾患


銀翹散《温病条弁》
「連翹、金銀花、桔梗、荊芥、薄荷、淡竹葉、甘草、淡豆豉、牛蒡子、蘆根」


銀翹散《温病条弁》《中薬臨床応用》
「金銀花12g、連翹9g、荊芥9g、淡豆豉9g、牛蒡子9g、桔梗6g、薄荷3g(後下)、淡竹葉9g、芦根18g、甘草3g」水煎服。
◎感冒
◎感染性疾患の初期
◎発熱、頭痛、咽喉痛


銀川紅片《中薬臨床応用》
⇒「銀川紅舒血片」
「銀杏葉9g、川芎15g、紅花15g」糖衣錠とし、3分服。
◎冠不全
◎狭心痛


銀白散《東醫寶鑑》
「蓮肉・白扁豆・白茯苓各2銭、白附子(炮)・人参・天麻・全蝎(炒)・木香・藿香・甘草(炒)各1銭、陳米(炒)3銭」作末し、毎回2銭に姜2片、冬瓜仁7粒を入れ水煎服。
◎慢驚風を治す。

銀花解毒湯《瘍科心得集》
「金銀花、紫花地丁、赤茯苓、連翹、牡丹皮、黄連、夏枯草」


銀甲散《成都中医学院婦科経験方》
「金鈴子、香附子、烏薬、当帰、川芎、赤芍薬、琥珀、甲珠、鼈甲、夏枯草、絲瓜絡、紫花地丁、蒲公英、連翹、銀花、紅藤」