記憶中枢はどこにあるのか?

という研究で、初め局在論の立場をとっていたラシェリーは、脳の中枢は脳のどこか一部分にあるはずだと考えていた。そこで彼は、ネズミに迷路学習をさせた後、そのネズミの脳の一部を切り取り、再び迷路を走らせるという実験を行った。
もし、切り取った部分に迷路学習の記憶が残っているなら、ネズミは同じ迷路を走れないハズである。

こう考えたラシェリーは、無数のネズミを使って、脳の様々な部分を切り取り、実験を繰り返した。しかし、結果は意外なものだった。

脳の一部を切り取られたネズミの行動が少しばかりおかしくなることはあっても、迷路学習の記憶が消えてしまうということは全くなかった。
それどころか、脳の80%を切り取られたネズミでも、ちゃんと迷路を走り抜けたのだ。


この実験結果をどう考えるのか?

少なくとも記憶に関する限り、その機能は脳の一部に局在しているのではなく、何らかの方式で、脳全体に分布しているとしか考えられないと、そこから、全体論に取り組んだ。
彼の研究グループに参加していたプリブラムも、サルやチンパンジーを使って実験を続けた。しかし、ネズミと同じ実験結果が繰り返されるだけだった。

記憶が脳全体に分布しているのは間違いないのだが、その方式が分からなかった。
それから20年近く経ってから、レーザーホログラフィーが成功した。

ホログラフィーとは、

光の干渉性を使って物体の三次元的像を作り出す装置です。
その方法は、

まずレーザー光のような干渉性の高い光を半透明の鏡で2分割し、半分はカメラのフィルムにあたるホログラムに直接届くようにする。もう半分の光は、被写体を照射した後で、やはりホログラム上に先ほどの光と合流するようにする。
すると、光源からストレートに届いた光波の一方と、被写体に照射されて変調したもう一方の光波とが、ホログラム上で作用しあい、干渉縞が出来る。それはただの縞模様で、ちょうど水面に油滴を落としたときにうまれるような模様に過ぎない。しかし、でたらめな模様ではない。そこで、このホログラムに最初のレーザー光と同じ光波を照射すると、干渉縞に織り込まれていた元の被写体の立体像が空間に浮かび上がる。


ホログラムは空間に立体像を浮かび上がらせるが、実は、もっと驚くことがある。

それは、カメラのフィルムの場合、半分に切って現像すると、被写体は半分しか現れない。
しかし、ホログラムは半分にしても、さらに半分にしても、どんなに小さく切ってもその断片に光を照射すると完全な3次元の立体像が現れる。

小さく切れば切るほど立体映像の鮮明度は落ちるが、全体像が現れることに変わりはない。


“人体は小宇宙”
と同じ意味合いを持ちます。

また、フラクタル図形であるマンデルブロ集合やコッホ曲線も同じように、拡大しても縮小しても同じ形が現れまる。
これらのことを「自己相似性」と呼んでいます。

相似性は、漢方理論の根幹をなすものでもあります。

2016年06月25日