<よ>つらい症状

【病状よ】 

よこね(横痃)  

⇒鼠径部リンパ腺の炎症による腫れ物。 (参照→横痃)
【処方名-五十音順】  
    香川解毒剤
    大黄牡丹皮湯


     

よだれ
⇒口角に流れ出て止まらないのを涎という。

【処方名-五十音順】  
■甘草乾姜湯
■呉茱萸湯
■小青竜湯(咳嗽、喘、鼻水、)
■通天愈風湯清心導痰丸(50丸)

【宝石療法】
    <1>[ルビー]

  

腰脚が冷える(腰脚寒冷)
  【処方名-五十音順】  
■柴胡桂枝乾姜湯
■苓姜朮甘湯(腰が冷えて耐えられない)


 腰脚麻痺
  【処方名-五十音順】  
■一物瓜蒂湯
■烏頭湯
■越婢加朮湯
■桂枝加朮附湯
■芍薬甘草附子湯
■真武湯
■大黄附子湯
■大陥胸湯
■大承気湯
■桃核承気湯
■当帰芍薬散
■附子湯
■八味地黄丸
■苓桂朮甘湯
■六味丸 




 腰脚無力
  【処方名-五十音順】  
■越婢加朮湯




腰痛症 low back pain   
   椎間板への負荷
   立っている状態で・・・70kg
   前屈みになることで・・235kg→農耕が始まってから腰痛が始まった。
1日20km~30km歩く狩猟民には腰痛がない。

◎検査が必要な腰痛:
<1>熱が出る。
<2>日増しに痛みがひどくなる。
<3>足にひびく。
<4>せき・クシャミで痛みがひどくなる。
<5>尿の出がおかしい。
<6>夜間に痛みが激しくなる。

◎腰痛の9%=椎間板ヘルニア。
◎腰痛は腹筋と背筋の筋肉バランスが崩れることで起きる。
腹筋と背筋との最適筋力バランス=[1:1.4]。

◎原因:(西洋医学から見た原因)
<1>整形外科:
  ☆脊椎カリエス (参照→脊椎カリエス)
  ☆脊椎骨折
  ☆脊椎すべり症
  ☆脊椎分離症 (参照→脊椎分離症)
  ☆椎間板ヘルニア (参照→椎間板ヘルニア)
  ☆捻挫
  ☆変形性脊椎症 (参照→変形性脊椎症)
  ☆腰部脊柱管狭窄症
<2>内科:
   ☆解離性大動脈瘤 (参照→解離性大動脈瘤)
   ☆関節リウマチ
   ☆感冒
   ☆高血圧症
   ☆坐骨神経痛
   ☆内臓下垂
   ☆胆石症
   ☆糖尿病
   ☆ノイローゼ
   ☆ヒステリー
   ☆便秘
   ☆慢性胃炎
   ☆慢性虫垂炎
   ☆流感
   ☆リウマチ性多発筋炎
<3>泌尿器科:
    ☆腎盂炎
    ☆腎炎
    ☆腎臓腫瘍
    ☆腎臓結石
    ☆尿路結石
<4>婦人科:
     ☆更年期障害
     ☆子宮筋腫
     ☆子宮外妊娠
     ☆子宮後屈
     ☆子宮内膜炎
     ☆卵巣嚢種



【民間療法】
<1>アマドコロ。
<2>シャクヤク。
<3>アカマツ・イチジク・イノコズチ・ウコギ・オオバコ・オキナグサ・カイコ・カラタチ・キハダ・クチナシ・クロマメ・ケイトウ・ゴシュユ・サイカチ・サラシナショウマ・サルトリイバラ・サンシュユ・サンショウ・シカ・ショウガ・スイカズラ・スギ・ゼンマイ・ツルドクダミ・トウガラシ・トクサ・ドジョウ・ナルコユリ・ネナシカズラ・ナルコユリ・ネムノキ・ホオノキ・ボタン・マタタビ・マツブサ・ミカン・ミヤマニシキ・メナモミ・モモ・カマドボウ・ヨモギ・ワタ。

 

◎腰痛(中医学による分類)

<1>腎虚腰痛

特徴:脈が大きい。

処方:[青蛾元][加味青蛾元][壮本丹][局方安腎丸][補髄丹][九味安腎丸][百倍丸][杜伸丸][補腎湯]

<2>痰飲腰痛

特徴:脈滑・伏熱の症

処方:[二陳湯][控涎丹][芎夏湯南星・蒼朮・黄柏]

<3>食積腰痛

特徴:酔って房事にふけって湿熱が虚に便乗し、腎に入って腰痛し、仰臥もしにくい

処方:[速攻散][四物湯二陳湯麦芽・神麹・葛花・縮砂・杜仲・黄柏・官桂・枳殻・桔梗]

<4>挫閃腰痛

特徴:重い物を持ったり、落ちたりして痛む症。

処方:独活湯][乳香趁痛散][如神湯][舒筋散][立安散][神麹酒]

<5>瘀血腰痛

特徴:昼は軽く、夜重い症

処方:[破血散瘀湯][川芎肉桂湯][地竜散][復元通気散] [四物湯+桃仁+蘇木+酒紅花][五積散-麻黄+桃仁+紅花+木香+檳榔+茴香(炒)]

<6>風腰痛

特徴:風熱と風寒がある

処方:[敗毒散続断・天麻・薄荷](風熱)

     [加味竜虎散](風寒)

<7>寒腰痛

特徴:傷寒の腎経腰痛で、寝返りもうてず、熱があると軽く、寒があると 発し、脈が沈・弦・急。

処方:[五積散呉茱萸・杜仲・桃仁]

<8>湿腰痛

処方:[朮附湯][通経散][川芎肉桂湯]

<9>気腰痛

特徴:心血が弱り、筋脈もともに弱くなる。
処方:[七気湯茯苓(倍量)・沈香・乳香][沈香降気湯調気散姜3・棗2]
<10>湿熱腰痛

特徴:地面に座った為に起きる症。

処方:[二炒蒼柏散][七味蒼柏散][当帰拈痛][三花神祐丸][腎散]

 

【処方名-五十音順】
■烏頭桂枝湯
■烏頭湯
■烏豆湯
■黄蓍建中湯
■角石散《備急千金要方》
■葛根加朮附湯
■葛根湯
発病初期で、脈にも筋肉にも緊張のある者を目標とする。+薏苡仁が良いことがある(漢方診療医典)
■加味逍遥散
■加味如神散《済世全書》
■加味竜虎散                  ■甘草附子湯
■芎帰膠艾湯
■芎帰調血飲
■羗活勝湿湯
■九味羗活湯
■桂枝加黄蓍湯
■桂枝加芍薬湯
■桂枝加朮附湯
■桂枝加竜骨牡蠣湯
■桂枝茯苓丸
体力中等度から実証の者の腰痛で、のぼせを伴うような腰痛で、瘀血所見のある者にもちいる(漢方診療医典)
■桂枝茯苓丸薏苡仁
比較的頑丈な体格で、筋肉の緊張と弾力に富む患者で、瘀血の腹証のある者を目標に用いる(漢方診療医典)
■桂芍知母湯
■荊防敗毒散
■桂麻各半湯
■蠲痺湯
■五積散
上半身がほてり、下半身が冷えると訴えるものによい。中年以降の女性に適応が多い。(漢方診療医典)
■七味蒼柏散《古今方彙》
■四物湯[2]
■四物湯[2]二陳湯
■芍薬甘草湯
■朮附湯[1]
■小活絡丸《外科全生集》【中成薬】
■小活絡丹
■小建中湯
■小続命湯
■舒筋散
■如神湯
■地竜散[2]
■神麹酒
■沈香降気湯調気散姜3・棗2
■滲湿湯《万病回春》
■身痛逐瘀湯
■清熱勝湿湯《寿世保元》
■川芎肉桂湯
■疎経活血湯
■大烏頭煎
■大黄附子湯
■大柴胡湯
■調栄活絡湯《万病回春》
ぎっくり腰、打撲などの急性期、亜急性期のもので、便秘する者に幅広く用いられる処方。便秘の無いものには大黄を去って用いる(漢方診療医典)
■調肝散《医学入門》
■調気散(あらゆる気を治す、気腰痛)
■通経散(水湿で腰痛)
■通導散
■程氏蠲痺湯
■当帰活血湯《万病回春》
■当帰建中湯
■当帰芍薬散
■当帰四逆湯
■当帰四逆加呉茱萸生姜湯
昔、くっきり疝気と呼んだ病気に、この処方がよく効くことがあり、このくっきり疝気はたぶん、椎間板ヘルニアであろうと考え、椎間板ヘルニアの重症に本方を用いて著効を得た。この患者は、歩行はもちろん、寝返りも困難で、腰から右の下肢にかけてひどい疼痛があり、冷え症で、冷えると疼痛が激しくなる。それに腹筋が緊張し、ことに下腹部で突っ張っている。これらを目的にしてこの方を用いたところ、10日目ごろから急に軽快し、2ヶ月後には勤務ができるまでになった。その後、冷え症の患者の椎間板ヘルニアで、腰痛や坐骨神経痛のある者に、本方を用いて効があった(漢方診療医典)
■桃核承気湯
■独活寄生湯
■独活散(労役腰痛)
■独活湯《医学入門》
■二朮湯
水毒性体質で、筋肉の緊張に乏しく脈も弱く、胃腸が丈夫で無いものの腰痛に(漢方診療医典)
■二陳湯《万病回春》
■二炒蒼柏散(地べたに座って腰痛)
■乳香趁通散(挫閃・堕打腰痛)
■女神散
■人参順気散《医学入門》
■人参湯
■敗毒散続断・天麻・薄荷(風熱による腰痛)
■破血散疼湯
■八味地黄丸
中年以降の腰痛に八味丸がよく用いられる。口渇、口乾があり、舌は苔なく乾燥していて小腹不仁を認める。胃腸虚弱のものには不適(漢方診療医典)
■礬石湯
■復元通気散木香
■補陰湯《万病回春》
■補腎湯《古今医鑑》
■補中益気湯《寿世保元》
■防風湯
■麻黄加朮湯
■麻黄細辛附子湯
■麻黄湯
■麻杏薏甘湯
■綿実湯《本朝経験》
■養血湯《万病回春》
■薏苡仁湯
■立安散
■苓姜朮甘湯
■煨腎散
■六味丸


           

腰椎椎間板ヘルニア (参照→しびれ)   

⇒腰痛だけなら「ギックリ腰」。腰痛と片足のシビレがあれば「腰椎椎間板ヘルニア」です。   

◎症状:     

<1>第4腰神経根に障害があると:          

①下腿内側、親指に内側にシビレ。②前脛骨筋の筋力低下により、足部の背屈力と内反力が低下し、足が内側に反り返る。 ③膝蓋腱反射は低下もしくは消失する。          ④アキレス腱反射は正常。     

<2>第5腰神経根に障害があると:

①下腿全面or中央部分にシビレ。          

②長母指伸筋の筋力が低下して、足指の背屈力が低下し、足の指が上下反り返る。          

③アキレス腱反射は正常。          

◎第5腰神経根は、第4腰椎と第5腰椎の間にあり、発症が多い場所です。     

<3>第1仙骨神経根に障害があると:          ①足背ないし足底の外側にシビレ。          

②腓骨筋の筋力低下により足の外反力が低下し、つま先立ちが困難となる。          

③足は外側に反り返る。          

④アキレス腱反射は低下or消失する。 

*ヘルコニア

2018年、認可された注射薬。日帰りで治療可能。

 

 

 

○腰椎の数→進化の結果

マントヒヒ:7個

原人:6個

ヒト:5個

ゴリラ:4個   

 

腰椎分離症

*手術は痛みの原因を調べてから     

「背骨は首の頸椎、背中の胸椎そして腰の腰椎の3つの部分から出来ています。腰椎は5つの骨が重なって出来ていて、後ろに椎間関節という突起があって、前後には動きやすく、左右には曲げたりねじったりしにくい仕組みになっています。小・中学校の発育時に大きく背中を反らす様な運動を繰り返すと腰椎、特に第5腰椎の椎間関節が折れてしまうことがあります。これが『腰椎分離症』です。

<1>スポーツはほとんどしないという人にも、この病気は見られます。人口の約40%にこの病気が見られるという地域も報告されています。

<2>日本人の成人の約5%に見られますが、腰椎分離の為に腰が痛いと感じる人は少数で、9割の人はそういう病気を持っていることに気づきません。しかし、分離した骨の下の椎間板が飛び出す椎間板ヘルニアを起こせば、飛び出した部分が神経を押して痛みます。     

<3>ひどくなって椎間板がつぶれ、背骨が前へずれる『腰椎すべり症』を起こすことがあります。こうなると、神経が、ずれてきた背骨に圧迫されて、足に力が入らなかったり、知覚や運動神経の麻痺を起こしたりします。(九段坂病院医長・中井修)1996.5.12《朝日新聞》」 

 

 

腰背拘急  

【処方名-五十音順】 

■黄蓍建中湯 

腰部脊柱管狭窄症⇒50才以上の男性に多い。    

間欠性跛行を訴え、下肢に血行障害がない場合に疑う。悪化招く無理な歩行 「東京都大田区の庭野卯太朗さん(71)は、ここ10年あまり、持病の腰痛とうまくつきあってきたつもりだった。当時の仕事は、普及し始めた自動車電話の取り付け。重いモノを持ったり、体をひねったりしなければならない作業は、仲間に代わってもらい、時折、背骨を伸ばす骨盤牽引にも通った。 ところが、昨年春、風邪を引いた後、腰に痛みを感じてからは、歩くことが苦痛になった。近くの整形外科医院を受診。MRI(磁気共鳴映像法)画像を見た医師から、「これはひどい腰部脊柱管狭窄症。手術が必要」と言われた。背骨を構成する椎骨は前方の椎体と、後方の椎弓などから成り、その間に、脊柱管と呼ばれる神経の通る穴がある。年をとると推弓の骨が内側にせり出し、中を通る神経が圧迫されて、痛みなどがでる。これが、脊柱管狭窄症だ。「手術なんかおっかなくて」庭野さんは消炎鎮痛剤の処方を受け、6月にはツマとカナダ旅行に出かけた。「14時間乗っていた飛行機の席が真ん中で、動けなかったのがいけなかったのかね」。帰国後、足腰の痛みが激化、小用のためたっていることさえ耐えられなくなった。「手術も仕方ないか」。覚悟を決め、埼玉医大整形外科のタカハシ啓介助教授を受診した。歩くと痛く、座ると楽に「椎間板ヘルニアと違って、脊柱管狭窄が自然に元に戻ることはありません」。高橋助教授が椎間板ヘルニアを引き合いに出して説明した。椎間板ヘルニアは、20歳代からでも起きるが、脊柱管の変形は40、50歳代からで、狭窄の大半は60歳代からだ。第4、第5腰椎に変形が起きやすいのは、椎間板ヘルニアと同じ。立っていると楽に感じる椎間板ヘルニアと違い、脊柱管狭窄症は歩くと痛く、座ると楽になる。歩いて痛みを感じても、休むと再び歩けるようになる『間欠性跛行』が特徴で、足だけに症状が出る患者も多い。「脊柱管狭窄があっても病期を理解し、日常の生活に注意することで症状は改善する」と高橋助教授。急性の痛みには消炎鎮痛剤を使い、安静にする。姿勢は脊柱管が広がるように、腰を前に曲げ気味にし、足腰を温めるのも効果的だ。神経麻痺には手術しかし、こうした治療で痛みが取れない時や、両足がシビレ、失禁もするような状態では、中央を通る馬尾神経が麻痺してきているおそれが高く、手術が必要だ。「手術が遅れると、圧迫を除いても痛んだ神経が元に戻らないことがある」と高橋助教授は指摘する。 庭野さんの手術を避けたいという気持ちをくみ、高橋助教授は昨年8月、局所麻酔で、痛みの伝達を遮断する神経根ブロック療法を4回実施したが、強度の腰部脊柱管狭窄症で改善がみられず、手術をすることになった。手術は翌月行われ、第4、第5腰椎の椎弓部分を削りとり、圧迫された神経が後方に逃げられるようにした。「あのまま歩けないんじゃ、どこにも行けない。よかったよ」。今月、家族と手術後初めての温泉旅行に出かけた庭野さんは、こう喜びを語った。 高齢化社会を迎え、脊柱管狭窄症は今後ますます増えそうだが、狭窄があっても、神経症状が出るかでないかは、個人差が大きい。 高橋助教授は「高齢者は無理してでも歩かないと歩けなくなると思いこみがちですが、無理は悪化のもと。早めに診断を受け、病期の実態を知れば、自分で管理し、一生つき合えます」と話している。神経ブロック療法で痛みの悪循環を絶つ「急性・慢性に限らず、腰痛はなるべく手術をせずに治癒を促す保存的治療が原則だ。「だからこそ、医師はもっと患者の痛みの訴えに耳を傾けなくてないけない」と、東京都葛飾区の高山整形外科病院の高山瑩院長は強調する。高齢者は複数の病期を抱え、多種類の薬を服用していることが多いため、消炎鎮痛剤の服用を避ける傾向にある。しかも、痛み止めとして処方されることの多い非ステロイド性抗炎症剤は、消化管の障害を起こしやすい。「若い人ならすぐにわかる胃の不快感も、吐血や下血をを起こして初めて異常に気づく高齢者もいます」副作用少ない局所麻酔腰の痛みが長引けば、患者は「ずっと悪い病気ではないか?」という不安感にさいなまれる。77年に麻酔医の資格も得た高山院長が勧めるのが、神経ブロック療法。足腰の痛みに関係する神経、およびその周囲に局所麻酔薬を注入し、痛みの伝達を遮断する治療法だ。自身も長年悩まされてきた頭痛が、神経ブロック療法を受け、治った経験がある。東京都練馬区の主婦、城井みね子さん(74)は、70歳を前に、腰が痛むようになった。夜間、手洗いに行くときも「そろそろ歩かないと痛くて」。そのうち脚にも痛みが出始め。100mほど歩いてはかがんで休む、という繰り返しになった。。「恥ずかしくて、靴ひもを結んでいる振りをしていました」。近所の整形外科で処方された鎮痛剤を服用していたが、97年5月、胃に潰瘍ができ、高山院長に診察を受けた。その結果、痛みは骨粗鬆症による圧迫骨折と骨の変形で神経が圧迫される腰部脊柱管狭窄症によるものと思われた。「副作用や合併症が少なく、痛みが楽になります」。と高山院長の説明を受け、城井さんは、仙骨部硬膜外ブロック療法を受けた。これは脊髄の外側を覆う硬膜外腔に局所麻酔薬を注入し、痛みを遮断する治療法の一種だ。治療は、おなかの下に枕を入れてうつぶせの姿勢になった城井さんの尾骨から数cm上の仙骨部より局所麻酔薬を注入する。1回の注射後、30分ほど休み、痛みが残った脚の部分に別のブロック注射も併用した。昭和大(東京・品川区)の増田豊か麻酔科助教授は、腰痛や脚の痛みには「硬膜外ブロックと、脊髄より枝分かれした脊髄神経根に局所麻酔薬を注入する神経根ブロックが非常に効果的」と話す。神経ブロック療法は、慢性・急性を問わず、あらゆる腰や下肢の痛みに適応できるが、整形外科では十分活用されているとは言えない。高山整形外科病院が、腰痛患者に以前かかった整形外科で神経ブロック療法を受けたかどうかを調べたところ、3%と少なかった。「効果は一時的」は誤解増田助教授は「神経ブロック療法は、局所麻酔が効いている間の一時的な効果しかないと、誤解している人がいます。しかし、神経ブロック療法で痛みを取れば、痛みが時間とともに増す悪循環を改善するので、下垂の効果が切れても元の痛みより軽くなるのです。ただ、ブロックを実践する医師の修練が必要」とクギを刺す。 城井さんは、腰の痛みから解放され、現在は痛みのある左脚に隔週で同療法を受けている。高山院長は「1、2回の神経ブロックで痛みがなくなる人もいますが、すべての腰痛に効くわけではありません。痛みが取れれば、生活の湿を保つことができるので、試すカチはあると思います」と語っている。 

 

腰部椎間板ヘルニア

⇒増悪と寛解を繰り返す腰痛・下肢痛。   

◎せき・くしゃみで腰痛出現する(Déjèrine徴候陽性)   【処方名-五十音順】    

■当帰芍薬散 

陽虚(ようきょ)⇒気が虚する。  

<1>症状:

脈が弱い、        

気力がない

自汗が止まらない。   

◎主薬:陽を補うには、黄蓍・附子を主薬とすべし《万病回春》  

【処方名-五十音順】    

■益胃升陽湯    

■黄蓍建中湯(虚損・少気・四肢がだるい、食欲不振)   ■加減内固丸    

■桂附湯(陽虚・血弱・虚汗不止)    

■三仙丹(虚労で、腎と膀胱が冷え、耳が遠くなり、目が見えない)    

■四君子湯    

■四神丹(真元が弱くなり、陽気が衰え、精髄が傷耗)   ■茸附湯(血と精の虚耗による熱、盗汗が止まらない)   ■正気補虚湯(すべての虚の冷気)    

■参蓍建中湯    

■参香散(虚労で痩せ、気がなく、労しなろうとする)  ■増損楽令湯(虚労による陽気の不足)    

■鹿茸大補湯(虚労の少気と一切の虚損)

 

 陽水   

=陽証に属する浮腫。   

◎脉は沈数、顔色は多く黄色、或いは煩し、或いは渇し、小便赤渋、大便は多くは閉ずる。  

【処方名-五十音順】    

■五皮飲 =陽明病 楊梅瘡   

=梅毒性、梅毒性厚痂疹、梅毒性狼瘡、梅毒性結節様皮疹を総称する。   

◎主薬:楊梅瘡には、土茯苓を主薬とすべし《万病回春》  【処方名-五十音順】    

■一方換肌消毒飲《保嬰撮要》    

■加味遺糧湯《外科正宗》    

■帰霊湯《外科正宗》    

■解毒天漿散《外科正宗》    

■痺消毒散《外科枢要》    

■消風敗毒散《万病回春》    

■仙遺糧湯《医学入門》    

■捜風解毒湯《本草》    

■二十四味風流飲《万病回春》 

 

 

 

溶血性貧血 hemolytic anemia   

⇒赤血球寿命の短縮(破壊の亢進)にもとづく症状を主徴とする疾患の総称。     

①この貧血では赤血球が120日の寿命を全うできずに壊れてしまいます。     

②赤血球が大量に壊れると、貧血が起きると同時に、黄疸が起こります。   

◎種類(内因性):     :       

<1>先天性:

(ア)赤血球膜に異常:           

遺伝性球状赤血球症               

遺伝性楕円赤血球症               

遺伝子絵口唇状赤血球症               

有棘赤血球症(無βリポタンパク血症に伴う)       

(イ)赤血球の酵素異常:            

①解糖系酵素異常(欠損)症:               Hexokinase欠損症               Glucosephofrutokinase(GPI)欠損症            Phosphofructokinase(PFK)欠損症            Aldolase欠損症               Triosephosphate isomerase(TPI)欠損症         Phosphoglycerate kinase(PGK)欠損症          Pyruvate Kinase(PK)欠損症            

②その他の酵素(欠損)症:               G-6-PD(Glucose-6-phosphate dehydrogenase)欠損症   6-PGD(6-phosphogluconate dehydrogenase)欠損症   Glutathione Synthetase(GSH)欠損症           Glutathione Peroxidase(GR)欠損症Pyrimidine 5'-Nucleotidase(P5N)欠損症Adenosine Deaminase(ADA)欠損症ATPase欠損症               

Adenylase kinase欠損症         

(ウ)異常ヘモグロビンによるもの:

①質的異常:               

不安定ヘモグロビン異常症               

鎌状赤血球症(HbS症)               

その他のヘモグロビン異常症            

②量的異常:Thalassemia               

α-サラセミア               

β-サラセミア:                  Thalassemia majorThalassemia intermediaThalassemia minor         

(エ)その他:赤血球膜脂質代謝異常症       

<2>後天性:発作性夜間血色素尿症(PNH)     

◎種類(外因性):       

<1>免疫性溶血性貧血:         

(ア)同種免疫性溶血性貧血:不適合輸血後溶血性貧血新生児溶血性貧血         

(イ)自己免疫性溶血性貧血:             

温式抗体タイプ: (参照→Evans症候群)         特発性症候性:リンパ腫・膠原病などに伴う。       寒冷抗体タイプ:寒冷血色素尿症(PCH)                  寒冷凝集素症         

(ウ)薬剤惹起性免疫性溶血性貧血

ペニシリン型・ミニジン型α-メチルドーパ型       <2>感染による溶血性貧血:マラリア/敗血症      <3>物理的原因による溶血性貧血:熱傷       <4>化学的原因による溶血性貧血:          

酸化剤(ナフタレン・ニトロフラントイン・アミノサリチル酸)砒化水素、銅、蛇毒、低リン血症       

<5>機械的原因による溶血性貧血:溶血性尿毒症性症候群 血栓性血小板減少性紫斑病          

その他:転移ガン              

   悪性高血圧              

   血管腫 

   妊娠中毒症              

   弁膜疾患による細小管性溶血性貧血       <6>脾機能亢進症による溶血性貧血:

・肝硬変症門脈圧亢進症・Banti症候群       <7>その他の原因による溶血性貧血:腎性貧血細網症(histiocytic medullary reticulosis)   

◎診断基準:Ⅰ.主要所見     

(1)間接ビリルビン(1mg/Œ以上)増加による過ビリルビン血症。       .

(a)肝胆道合併症        

(b)肝疾患による症候性溶血性貧血の場合には、       直接ビリルビン増加がこれに加わることがある。     (2)網赤血球(3%以上)増加。     

(3)貧血:ヘモグロビン(成人男子12.5g/Œ未満)女子11.5g/ŒⅡ

しばしば見られる所見        

(1)脾腫        

(2)糞尿中ウロビリノーゲン増加        

(3)骨髄性赤芽球過形成像        

(4)血清ハプトグロビン低下        

(5)血漿ヘモグロビン増加        

(6)胆石症Ⅲ特殊検査     

(1)赤血球寿命の短縮(51Cr法で半寿命14日以下)の存在。(2)直接Coombs試験陽性     

(3)寒冷凝集素(500倍以上)の存在。   

◎先天的に赤血球自体に問題があって起きるもの     <1>赤血球膜の異常:遺伝性球状赤血球症     <2>赤血球酵素異常(解糖酵素異常症):           ピルビン酸キナーゼ欠乏症など10種類。     <3>ヘモグロビン異常症:

①地中海貧血(タラセミア)                ②鎌状赤血球症 瘍疽(ようそ)   

=頭部に出来る腫物。癰(よう)Karbunkel⇒数個の近接する毛包に化膿が生じ、ために鶏卵大~手掌大に及ぶ発赤・腫脹・浸潤性隆起局面を生じ、その面上に点々と膿栓をみる。熱感・疼痛が激しく、化膿は深部まで進行し篩状に組織の壊死を来す。

◎項部や背部に発しやすく、発赤腫脹が著しく、蜂巣状に多数の膿疱を認める。   

◎壮年以後の項背部に好発し、糖尿病が基礎にあることが多い。  

【処方名-五十音順】 

越婢加朮湯 

葛根加朮附湯    

葛根湯    

家方三物湯《和田東郭》    

桂枝茯苓丸    

十味敗毒湯    

大黄甘草湯    

大黄牡丹皮湯    

調胃承気湯    

桃核承気湯    

排膿散及湯    

白朮附子湯 

防風通聖散    

防已黄蓍湯    

薏苡附子敗醤散  

【臨床例】☆癰瘍の例      

「京師河原街又兵衛は年八十餘。恒に賣菜を以て《吉益東洞》先生の家に出入りす。嘗て來らざるは数日。人をして之を問わしむ。謝して曰く、「頃者、温鬱を病む故を以て出でず。居ること数日、復た之を問う。臍上に癰を発し、その徑九寸許り。正気乏絶死、邪熱、(かわ)くが如し」と。先生は、その貧困にして薬すること能わざるを愍(ビン、あわ)れみ、乃って大  黄牡丹皮湯及び、伯州散をつくりて之を飲む。数日、膿盡き肉生じ、矍鑠(かくしゃく)として能く行く。」《建珠録》    

☆癰を治す「京人、もともと剛強、臍下に癰を発す。瘍醫に之を治せしめて其の效なし。乃って自ら刀を用いて之を(えぐ)る。その上に灸すること数十壮。少焉(しばらく)して腸焼け爛れ水血迸(ほとばし)り出ず。然してその人能く食す。食すときは則ち清穀出ず。故に常に綿を以てその腹を(まと)う。  《吉益東洞》先生、之を診す。乃って大黄牡丹皮湯乃び伯州散をつくりて之を飲む。数日にして全く癒ゆ。」《建珠録》 

 

癰疽(ようそ)   

=腫二寸~五寸に至るを「癰」とし、五寸~一尺に至るを「疽」とす。一尺~三尺に至るを「竟体癰」と名付く。

「癰:上皮が薄く光沢があり、腫脹した頂点が黄色く化膿する。「疽」:上皮が硬く、光沢がなく黒っぽい。    

「癰」はその毒浅くして化膿し易く陽証に属し、

「疽」はその毒深くして化膿し難く陰証に属す。   

◎主薬:癰疽には、金銀花を主薬とすべし《万病回春》   ◎通常、「十味敗毒湯大黄・石膏」或いは「十味敗毒湯菊花・牛蒡子」で良いが、体力の衰えた者には「托裏消毒飲」《外科正宗》を用いる《済世薬室》

◎本間棗軒《瘍科秘録》    「癰疽の名は古く孟子に出ている。歴史にもまた多くみられる。医籍では第1に素問にのせて癰腫と連称している。霊枢にも癰疽篇があって、初めて癰と疽を2つに分けて、その症候を弁じている。《諸病源候論》になって、この2つの別を審にしている。癰というのは、六腑の気が塞がって起こり、疽は五臓の気は疽というもの     は、上の皮が夭にして堅く、疽の上は牛のうなじの皮のようであり、癰というものは、その上の皮が薄くてツヤがあるといっており、この文で癰と疽の差別は尽くされている。癰疽は諸種の瘡瘍の巨魁であるから、癰疽の診法をよく会得すれば、諸瘡の瘡瘍の療治も自ら出きるようになるから、とくと注意して診察するが良い。一体、癰疽というものは、元は一毒であるが、人身の虚実によって癰ろなったり疽となったりするものである。それは傷寒に陰証と陽証との別があると同種である。癰はまたとも書き、壅塞の意である。気血が壅塞して腫れるのである。その毒は浅くて膿やすく、おさまりやすい。則ち陽証である。平素、油の多いもの、酒、肉などをあくほどに食べる者は、気血が自然と凝滞し、循環が悪くなって起る。少壮の者に少なく、老大の人に多いのも、老衰して気血の循環が悪くなるからである。およそ人は5、60歳になって、痩せる頃に、却って肥満してくる者は、癰を発しやすい。これも気血のめぐりが悪くなって壅滞するからである。胸腹へも、四肢へも発して、処は一定しないけれど、背脊に発するものが多い。それ故に発背の名がある。初起は一通りの熱(ねぶと)のようであるが、瘡頭にブツブツとして栗米のような小瘡が出来、浅くちょこちょこと膿を持ち、痛痒して格別のものには見えない。ただ背が重くて、5、6百匁のものを負うた心地のするものである。これが他の瘡瘍と違うところである。また1、2日の内に急に膿をかもして、熱を持って腫れ痛み、灼くようでもあり、指すようでもあり、周囲が赤く隈取って四辺に拡がり、背脊一体に及ぶものもある。背骨を避けているものは軽く、背骨をまたぐ者は重い。悪寒、発熱して、ちょうど傷寒のようで、脈は浮数となり、頭痛がし、項部は強ばり、或いはのどが渇き、或いは舌に白苔を生じ、或いは乾燥した黒苔を生じ、或いは自汗、盗汗の出る者もある。痛のひどい時は、胸脇までも痛み、小欲が無くなり、日夜苦悩して安眠することが出来ない。14、5日もたつと、化膿して小瘡から膿管になって膿が出るようになり、四辺からそろそろ押すと脳が少し出る。膿管は初は小さいが、だんだん大きくなり、孔がいくつも出来る。その形を蓮子発とか蜂巣発などと名付ける。以上挙げたところの症候は癰の常式で治りやすい場合である。もそ15、6或いは18、9日になっても、未だ化膿の兆しがなく、その毒がいよいよ増劇し、瘡頭が硬くて鍼刀もたたないほどで、強いて切開しても、稀水ばかり出で、(粘)稠膿は出なく、潤沢を失い、その毒は却って四肢へ流注して漫腫し、或いは手足まで気血が凝滞して紫暗色となり、爪の甲までも青藍色になるもの、或いは精神昏迷し、呼吸が促迫し、或いは煩躁して眠らず、或いは嘔吐しても水も薬もともに下らず、或いは急に羸痩するなどの諸症は険証で難治である。《外科正宗》にも五善七悪の歌をのせてあるから、熟読して知るがよい。疽は沮隔の義で、これも気血が沮隔して腫れるのである。その毒は深くて膿みにくく、おさまり難い。すなわち陰証である。極めて治りにくい。初起はとかく緩証で軽く見えるものである。腫も少なく、皮膚の色もわからず、或いは変わっても、色がうすくて紅味がなく、痛も軽く、少し悪寒があるだけで、発熱もしない。瘡頭は硬くて膿になりにくく、日がたってから、筋骨にまで徹するような疼痛が来て、そこで初めて腐化し、藍澱(あいはな)のような臭気のある、稀膿が出る。そして神思欝々として日をひき、腐敗はいよいよ深くなって筋骨にまでも及ぶものである。しかも、腐敗肉も臭水もなかなか尽きず、食欲も無くなり、日に日に痩せて、脈は微数となり、盗汗も止まず、ついに死に至るものである。治法は、初発、悪寒、頭痛、項部緊張などの表証がある者には、葛根湯、荊防敗毒散、十味敗毒散を選用して専ら発表するのが良い。やや化膿の傾向があれば、千金方の内托散が良い。伯州散を兼用することもある。大青竜湯の証もあるけれども、癰疽には石膏を禁ずる。やむを得ず用いるときは石膏の量を少なくするがよい。どれほどの稠膿でも、石膏を多く用いると稀膿になるものである。その時又、人参、黄蓍の入った方を用いると稠膿になるものである。14、5日たって、便秘し、口舌乾燥し、或いは黒苔になり、或いは渇して冷水または果実を好み、腹満、譫語等を現す者には、内疎黄連湯、大柴胡湯、三黄瀉心湯、黄連解毒湯、調胃承気湯を選用するが良い。膏薬は先鋒膏を貼り、瘡頭に灸をすえるがよい。癰疽に灸をすえることは古の潰法で、霊枢に“癰発すること4、5日、すみやかに之を(やく)”と見えている。切開の後は、托裏消毒飲がよい。もし脳が稀薄であれば千金の内托散を用い、もし腐肉が除き難く、稀膿ばかり出で、漸々に腐敗が深くなり、脈微弱、身体羸痩、微悪寒などあるものには神効内托散wp用いる。日数を経れば、腐肉が自然に分離して綿のようになるから、そのとき瘡中をよく掃除してから破敵膏を瘡の浅深凸凹に従って塗る。肉芽が上がってきて瘡面が浅くなったところで、紫雲膏を塗る。もし紫雲膏を塗って、肉芽が急に出来て、軟い肉なら、また破敵膏で、その軟肉を去るがよい。腐肉も去り、膿もつき、ただ気血が消耗して盗汗の多く出る者には、黄蓍建中湯、十全大補湯を与えるが良い。或いは癰が全癒してのち、気力が回復せず、健忘状態になることがある、そのときは帰脾湯、補中益気湯の類が良い。また口渇の激しい者には麦門冬飲子を用い、四肢攣急する者には芍薬甘草附子湯がよい。これは体液が枯渇したからである。食事は療治中は勿論、治った後もつつしむが良い。酒・肉・すべて油濃い魚類はよくない。なかでもソバと麻油の2品は格別に害がある。  

【処方名-】(ようそ)    

■回陽三建湯《外科正宗》    

■回陽湯《外科枢要》 

■葛根湯 

■葛根湯桔梗石膏    

■葛根湯桔梗石膏小柴胡湯家方三物湯《和田東郭》   ■荊防敗毒散《万病回春》    

■五香連翹湯《医学入門》    

■十全大補湯《薛立斎十六種》(崩れてきたない癰疽)   ■十六味流気飲《万病回春》    

■収功万全湯《寿世保元》    

■小柴胡湯加桔梗石膏    

■小柴胡湯排膿散及湯    

■神功内托散《外科正宗》    

■神授衛生湯《外科正宗》    

■清熱消毒飲《外科枢要》    

■清熱消風散《外科正宗》    

■千金内托散《万病回春》    

■千金漏蘆湯《万病回春》    

■仙伝化毒湯《万病回春》    

■仙方活命飲《古今方彙》    

■托裏散《外科枢要》    

■托裏温中湯《外科枢要》    

■托裏消毒飲《万病回春》    

■托裏消毒散《外科枢要》    

■竹葉黄蓍湯《外科枢要》    

■追風通気湯《万病回春》    

■内消散《外科正宗》    

■内消沃雪湯《外科正宗》    

■内疎黄連湯《外科枢要》    

■内托升麻湯《医学入門》    

■内托復煎三《外科枢要》     

■人参黄蓍湯《外科枢要》    

■人参平肺三《外科枢要》    

■人参養栄湯《薛立斎十六種》    

■乳香黄蓍散《外科正宗》    

■八珍湯《薛立斎十六種》    

■八味地黄丸(腎癰)    

■附子六物湯《備急千金要方》    

■補中益気湯《薛立斎十六種》    

■六君子湯《外科枢要》(体力低下で排膿できない)   

 

【薬物】

「石膏」・・・膿に色が付いている時。   

「薏苡仁」・・膿が無色・薄い色で量多い。 

 

癰痰(なんたん)   

=肺癰のこと。 養生(ようじょう)日本の伝統食見直そう「今年の秋、4冊目の著書『生命いきいくCOOKING』(せせらぎ出版)を出した。「この年になって、こんな本が出るというのは、今、あまりにも食べ物が悪くなって、一般の方の食に対する関心が強くなってきたからだと思います。西洋医学に頼り切ってきた皆さんが、それだけではどうしようもない、やっぱり食物は毎日の身体をつくって行くのだから、食物を考えなければならないということにようやく気づき始めた。私が自然食料理を始めた葫芦巴、摘み草を集めてきてその食べ方を抗議しても誰も見向きしなかった。それが近頃では摘み草料理だなんてもてはやされて、家庭料理よりも高級みたいになっている。本当に変な世の中ですね」<講義の最初に必ず話すのが“身土不二”の原則。これはお経の中に出てくる言葉で「身体と土地は二つではない」という教え。つまり、その人が住んでいる土地でとれたものが、そこに住む人の身体をつくるのに最も適しているということ。そういうものを食べていれば無理がないし、健康にもいいのだと強調する>●農業に適した国・日本「伝統食というのは、私たちのご先祖が何百年・何千年と食べてきたものです。その中で悪いものは捨てられ、良いものは残されてきた。つまり、非常に長い間の人体実験を経たものですから、これほど安心なものはない。ところがそれがだんだん忘れられて、今ではイタリーの料理だの、やれインドだ、タイだ、フランスだと、日本にいて各国のお料理が食べられる時代になった。でも、そういうものに日本人の身体はまだ慣れていません。たまに食べるのはいいんですよ。楽しみとしてね。それをしょっちゅう食べていれば、やはり身体に良くないと思うの。日本の伝統食をもう一度見直してほしいと思いますね」「日本は昔から『豊葦原の瑞穂の国』などと呼ばれてきた農業国です。温帯にあって春夏秋冬があり、雨にも恵まれている。気候風土が元々農業に適した国なのです。それを、外国からどんどん食糧を輸入して、日本の農業をつぶしていくなんてもってのほかですよ。今、日本国民の食の70%は外国からの輸入と聞きます。世界の先進国の中でこんなに輸入に依存している国は他にはありません。これは政治がいけませんね」<夫の故丸山博さんは、元大阪大医学部教授。食品添加物、大気汚染などの公害問題に関心を持ち、森永ヒ素ミルク事件の追跡調査をするなど、社会派の学者として知られる。生前は晩酌の相手をしながら二人でよく社会の動きや政治について語り合ったという>「私は小さい頃から身体が弱かったものですから、両親は医学者と結婚させたら安心だと思ったようです。ところが、ご本人の方がもっと身体が弱くて、本当に骨と皮だけみたいな人でした。少しでも太ってもらおうと思って、当時、身体にいいと言われていた卵だのお肉だのをどんどん食べさせた。ところがそれで良くなるどころか、返って身体を悪くして、桜沢先生にしかられました。食物を改めなきゃダメだと言われ、食せん(食事の処方箋)を書いていただいたのが食養生を始めたきっかけです。その時の食せんは、玄米食と野菜が主で動物性食品は煮干しだけという厳しいものでした。でも、そのおかげで、あの弱々しかった人が87歳まで生きましたし、私もこの通り、まだまだ元気です」<譫語、大きく変わった日本人の食生活。「でも、こんな時代だからこそ私は変わらぬ料理を作り続けます」と力をこめた>●少しでも良いものを「思えば譫語、食生活改善の車が日本全国を走り、小麦粉と肉を使った欧米型の食事が身体にいい、栄養価の高い食品だと盛んに宣伝したので日本人はそれをすっかり信用して、食生活を変えました。その結果が今のガンや成人病(生活習慣病)と言われる元を作ってきたのです。そして今だにそれを信じておられるのがお料理の先生ですね。テレビの料理はほとんど肉を使う。肉を使わないときはエビを使うとか、小魚の料理なんてめったに無いですよ。私ぐらいの年になりますと、子供の頃は、家の畑で作った野菜を矢部、庭で育った鶏の卵を食べていた人が多い。でも今は、それぞれの(食物の)素性がもっと悪くなってますから、これから成長していく子供さんはかわいそうですね」「私も4人の子供を育ててきましたが、母乳が足りない時は、玄米のスープを飲ませたり、“乳子”といって、玄米を煎って粉にしたものを煮て黒砂糖で味付けしてほ乳瓶で飲ませたりしました。今は離乳食もいろいろ便利なものが出回っていますが、日本人が伝統的に食べてきた主食のお米を離乳期にもっと使っていただくと、それが一番安全だと思います」<一人暮らしの食卓は玄米と野菜中心。「お漬物とみそ汁に野菜の煮たのがあればいい」といい、たまに小魚の干物を食べる程度。魚のある日はお酒を少し飲む。最近は紹興酒がお気に入りとか>「今の日本は政治も経済もひどい状態ですが、せめて食生活だけでも、私の体験を通じて皆さんに、どんな時代がきても健康で生きていけるように、こういう料理法をしていただきたいと思います。特にこれからもっと厳しい時代を生きて行かねばならない若い方たちに、これだけは日本人の食のきほんだというものを知ってもらい、乱れゆく世の中で少しでもいいものをとるように心がけてくださればと願っています」(丸山光代(84歳)・自然食料理研究家)

 

【処方名-】(なんたん)    

■烏鬚酒    

■延年益寿不老丹    

■延令固本丹        

■何首烏丸    

■菊花酒方    

■瓊玉膏    

■玄菟固本丸    

■固本丸    

■五老還童丹    

■三精丸    

■仙朮湯    

■天門冬酒方    

■人参固本丸    

■斑竜丸   

 

*「黄精」~「根・茎・花・実全部を水侵し、苦汁を去り、9回蒸して9回晒し、陰干し粉末にする。常用すると身軽く、不老、飢えを覚えず。   

*「何首烏」~「根を水侵し柔らかくしたものを竹刀で皮を剥き、切って黒豆汁に漬け陰干し後、粉末にし2銭づつ服用。又は蜜丸。常用すると白髪が黒くなり、精気をみなぎらせる。 

*「甘菊花」~「陰干しした苗・花・葉・根を粉末にし、蜜丸で服用。」健康・延年・不老。

「天門冬」~根皮を剥き、芯を去って粉末にし酒にするか、生で汁を絞り酒に1~2匙入れて服用。   

「百草花」~古代の神仙が100種の草花を採取して陰干しにし、搗いて粉末にし酒に入れて飲み、又は花に汁を絞って酒につくって飲んだ。百病を治し、長生する。   

「松脂」~「松脂7斤を桑の木を漬けた水1石に入れて煮たものを冷水のなかに入れて固ためる。これを又煮ること10回ぐらい繰り返すと白色になる。この白色の松脂を粉末にし、清酒・白蜜と混ぜて、1日1両ぐらい飲む。《世医得効方》   

「松葉」~可及的に細切りにし陰干しし粉末にする。3銭づつ酒で服用。抑鬱状態=抑鬱症(depression)  

 

【芳香療法】    

<1>落ち着きのなさ、怒りっぽさ、眠ることが出来ないといったタイプに は、以下の鎮静作用と抗ウツ作用がある精油を使います。「カミルレ」「クラリセージ」「ラベンダー」「サンダルウッド」「イランイラン」    

<2>気分の高揚が必要なタイプには、以下の精油     「ベルガモット」「ゼラニウム」「メリッサ」「バラ」 <3>不安と抑鬱が一緒になったタイプには        「ネロリ」  

【処方名】(なんたん)    

十全大補湯    

参蘇飲    

竹茹温胆湯    

釣藤散    

当帰四逆加呉茱萸生姜湯

 

 

翼状片 pterygium  

【処方名-五十音順】 

越婢加朮湯    

三黄瀉心湯(顔が赤い、便秘)    

桃核承気湯(のぼせ、便秘)    

苓姜朮甘湯(排尿困難、腰以下の冷えが強い) 

苓桂朮甘湯(めまい、動悸、小便不利) 

 

横になりたい  【処方名-五十音順】    

四君子湯    

真武湯 

 

夜泣き  

【漢方療法】   

<1>寒による夜泣き:お腹が痛く、泣いて顔色が青くなり、口に冷気があって手足が冷え、腹も冷えて腰を丸めて泣く。 処方:[六神散][益黄散]   

<2>熱による夜泣き:心躁して泣き、顔色が赤く、小便も赤い。口の中に熱があって腹も温かく、汗を出しながらなき、「上半夜仰」ともいう。処方:[導赤散]   

<3>口瘡重舌の夜泣き:口瘡と重舌のなかで乳が吸えず、口が乳にさわるとすぐ泣き、微熱があるときは、口をのぞいて瘡がなければ重舌である。

<4>客忤による夜泣き:外からの刺激で夜泣きすることを客忤という。処方:[銭氏安神丸]  

 

【処方名-五十音順】    

黄連飲・(心経に熱があって夜泣き)    

甘麦大棗湯・(泣くように長く啼く)    

桂枝加竜骨牡蠣湯    

柴胡加竜骨牡蛎湯    

芍薬甘草湯    

小建中湯    

銭氏安神丸・(黄昏前後にひどい、客忤)    

調胃承気湯猪乳膏・(胎驚と夜泣き)    

鎮驚散・(胎驚と夜泣き)    

燈心散・(小児の心臓が乾燥して夜泣き)    

六神散・(お腹が冷えて夜泣き)