<あ> つらい症状・病名

【病状あ】

α1アンチトリプシン欠損症

世界で約340万人の患者数。日本では少ないが、欧米では1500~5000人に1人の割合で発症する。小児期から成人まで肝硬変や肺気腫などになり、平均寿命は50歳ぐらい。
■iPSで修復
2011年、バイオベンチャーのディナベックた英ケンブリッジ大学などのチームは、生まれつき肝硬変が起きやすい患者からiPS細胞を作り、健康な幹細胞に変えた。マウスにこの肝細胞を移植したところ、正常に働いた。
成果は10/13のネイチャーに掲載。
治療実験をしたのは「α1アンチトリプシン欠損症」という病気。特定の遺伝子に変異があり、新生児の時から肝機能や肺に障害が出やすい。
研究チームは患者の皮膚細胞からiPS細胞を作った。そのままでは異常ない電子が含まれてしまう。遺伝子の不具合を酵素などで正し、正常なiPS細胞だけを肝臓細胞に変えた。この肝臓細胞をマウスの肝臓に移植したところ、肝臓全体に細胞が広がり、病気の原因となる酵素の働きを抑えた。


アールスコグ-スコット症候群
Aarskog syndrome
=Aarskog-Scott syndrome
=「アールスコグ症候群」
⇒臓器間離間、鼻孔前傾、厚い上唇、奇妙な陰茎上への陰嚢の肩掛け状態。及び小さな手を特徴とする。


アース症候群

Aase syndrome
⇒軽度の発育遅延、再生不良性貧血、種々の白血球減少症、三指節親指、狭い肩、おくれた泉門閉鎖、及び時に兎唇、口蓋破裂、網膜症、及び翼状頚を伴うことを特徴とする家族性症候群。劣性遺伝性が示唆されている。

 
アチャード症候群

Achard syndrome
⇒下顎後退を伴うくも指症及び手足に限局した関節の弛緩を特徴とする症候群。

 
アチャード・チールズ症候群Achard-Thiers syndrome

⇒閉経期後婦人で糖尿病と多毛症(男性型)を併発するもの。時に高頻度で子宮ガンの発生を伴う。

 
急性脳症候群

acute brain syndrome

「急性器質性脳症候群」

=acute organic brain syndrome

⇒今まで精神的に正常な人に突然現れる重篤な精神症状で、頭部外傷、感染症、内因性あるいは外因性中毒、栄養欠乏などの際に現れる。
譫妄、錯視状態、時間・場所の見当識障害、注意力散漫、情動不安、及び興奮など多くの症状を特徴とする。


acute radiation syndrome =「急性放射線症候群」



Adams-Stokes症候群

⇒心疾患時に、心房と心室間の刺激伝導が不完全ブロックから完全ブロックへ移行する際に、下位自動能が開始するまでに時間を要し、心拍出量が著明に減少するために発作的に起こる意識障害。
<1>その他の原因:
      ①一過性の心停止
      ②心室細動
      ③洞不全症候群


Albers-Schonberg病

「大理石骨病」

⇒先天代謝異常の1つ。常染色体性劣性or優性遺伝
骨皮質、海綿質の増加する病気。
◎病因:機序不明。
◎症状:
  先天性骨多孔
  重症貧血で死亡
  成人型は骨折以外に症状が少ない。



Albright症候群


⇒女性に多く、原因不明。
◎症状:(3主徴)

<1>皮膚の褐色色素斑
<2>性早熟
<3>多骨性線維性骨異形成症(polyostic fibrous dysplasia)

◎血清Ca・P・Al-Pase:正常。



Alpot症候群

⇒腎尿細管障害症の1つ。常染色体性優性遺伝。
◎病因:不明。
◎症状:
      腎症状(主として血尿)
      難聴



Eisenmenger症候群

⇒心室中膈欠損などの短絡を有する心奇形に、肺動脈の閉塞性変化による肺高血圧を伴い、右→左逆短絡をきたしチアノーゼを呈する病態。


IgA腎症


⇒慢性腎炎の一種。(参照→急性腎炎)
   

■原因らしい菌
「慢性腎炎の原因らしい細菌が鈴木亨・福井医大助教授(臨床検査医学)、荒川正昭教授(内科)らの研究から浮かび、専門医の関心を集めている。
この菌は、インフルエンザ菌の仲間のグラム陰性菌「ヘモフィリス・パラインフルエンザ」        鈴木さんは日本人の慢性腎炎の半分を占める「IgA腎症」の急性発病者にかぜ症状が多いことから、のどの細菌を調べてみて、ほとんど注目されていなかったこの菌に気付いた。前任の新潟大病院ではIgA腎症患者の91%からこの菌が見つかったのに、ほかの病気の患者では26%だった。福井医大病院でも91%対12%と大きな差がある。又、IgA腎症患者の腎臓や血液に、この菌の細胞膜成分に対する抗体が多いことも分かった。
「大量の菌によって免疫機能が刺激され、増えた免疫グロブリン(IgA)複合体が腎臓にたまって機能を低下させるのではないか」と鈴木さんはみている。1996.9.15《朝日新聞》」"
   

■30才の女性。
「4年前に血尿が出るよく為に検査を受けたところ、IgA腎症と診断されました。薬を飲み続け月に一度通院して尿検査を受けていますが、血尿は続いています。今後、妊娠や出産などに影響はないでしょうか?1997.7.6《朝日新聞》     (槇野博史・岡山大医学部教授に聞く)
<1>初めて報告されたのが約30年前で。軽い病気とみなされていたこともあり専門家以外にはなじみの薄い病気でした。ところが、1993年に日本の患者の追跡調査で、IgA腎症と診断されてから20年後に、4割近い人が[重い腎不全]に陥っていることが分かりました。
<2>日本人の慢性腎炎のなかで最も多い病気だと分かりました。腎不全で血液透析が必要になり腎臓の組織検査を受けた人の約3割がIgA腎症という報告があります。
<3>IgAとは?
“病原体などから体を守る抗体の一種で、タンパク質で出来ています。IgA腎症は、尿の濾過装置である腎臓の糸球体に本来は体を守るはずのIgAが沈着して害になっているのです”
<4>どんな症状が出るのでしょうか?
“自覚症状はほとんどありません”
“主な症状は、血尿と尿にタンパク質が混じるタンパク尿です”
“血尿は目で見て分かることもありますが、尿検査で初めて分かる場合もあります”
<5>診断方法を聞かせて下さい。
“まず、24時間分の尿をためて、タンパク質の量や腎機能などを調べます。IgA腎症と断定するには、腎臓に針を刺して組織のごく一部を採取し、顕微鏡で調べる腎生検が欠かせません”
<6>原因は?
まだ良く分かっていません。


IgG4関連疾患


■全身のいろいろな臓器にコブができる
2014年、岡山大学の佐藤康晴講師と吉野正教授らは、「IgG4関連疾患」の発症メカニズムの一端を解明した。
アレルギー症状を引き起こす「マスト細胞」が出す物質によって発症していた。
IgG4関連疾患になると、コブが膵臓にできて黄疸が出たり、涙腺にできてドライアイになったりする。
がんの発症リスクが通常の3.5倍になる。
研究グループは患者9人から取り出したコブの組織を染色して調べた、
コブを引き起こすマスト細胞にたどりついた。抗アレルギー薬が効く可能性がある。マスト細胞は抗アレルギー薬で抑制できるので、



RBDレム睡眠行動障害

■レム睡眠行動障害
「RBDは夢を見るレム睡眠中に、夢の内容に合わせて体が動いてしまう病気。本人や周囲の人がケガする危険があるが、原因はまだハッキリしない。RBDの患者は特にパーキンソン病などの発病の徴候に注意すれば、早期に治療が始められると言われる」2006.6.21

RDS=「呼吸窮迫症候群」参照

RSD=「反射性交感神経性萎縮症」


◎手術の後遺症で発症する。(参照→「医療裁判」)


アカシジア akathisia

=「静座不能」
アカシジア(英 akathisia、acathisia 、独 Akathisie)とは、静座不能、着座不能あるいは静止不能とも呼ばれる錐体外路症状の1つで、現在では主にドパミンD2受容体拮抗作用を持つ抗精神病薬等の副作用として発現する。古くは、エコノモ脳炎の後遺症として記載された症状である。

<1>主な症状は、

*座ったままでいられない

*じっとしていられない、

*下肢のむずむず感や灼熱感等の自覚症状があり、*下肢の絶え間ない動き、足踏み、

*姿勢の頻繁な変更、

*目的のはっきりしない徘徊(タシキネジア)などが特徴的である。

<2>また、不安、いらいら感、不穏感等も見られる。

<3>自覚症状の多くは、歩行や運動により軽減される。これはアカシジアの大きな特徴の1つである。 <4>これらの症状は、夜間に増悪する傾向があり、睡眠障害を伴うことが多い。

症状の出現は薬物の投与開始または増量後数週間以内に発現するが、通常これは可逆的なものであり、投与中止や減量により消失または軽減する。

症状の改善には、抗コリン作用を有する抗パーキンソン薬(アキネトン、アーテン等)の投与が有効である。また、最近の研究では、薬剤誘発性のアカシジアにビタミンB6が有効であることが示されている。
◎運動的に落ち着きがない状態で、内面的な動揺を感じる程度~静かに座ったり横になったり~眠ることができなくなる程度まで。
◎フェノチアジンの中毒症に見られる



アカラシア achalasia

=「弛緩不全」「噴門無弛緩症」
「消化管の接合部で平滑筋弛緩が出来なくなること。特に、壁内神経節細胞の変性、退化によって嚥下に伴う食道-胃括約筋の弛緩が不能になるこを指す」

アカラジアとは

本来は、消化管の相接する2つの器官の接合部の平滑筋が弛緩障害を起こしてて通過障害に陥ることを意味するが、実際には食道と胃の接合部である噴門の解放困難症にだけ用いられている。《辞典》
⇒食道下部から噴門部の、頑固で持続的な機能的通過障害と、拡大を起こす神経筋疾患。70%の者に嘔吐が見られる。

 

■食道アカラシア
「食道アカラシアは食道の運動障害の1つで、

胸につかえ感を覚えたり

飲食物が就寝中に口に戻ったりすることがある。

日本医科大学付属病院の岩切勝彦助教授は「きちんと治療すればつかえ感などが無くなり、QOLがぐんと高まる。軽症の場合は診断が付かないことがあるが、軽視せずに専門医に診てもらうことが大切」と語る。
口から入った水や食物は食道を通って胃に入りますが、このとき食道の一部が収縮し胃に向かって順々に伝搬します。いわゆる蠕動運動で、これによって寝転がっていてもも逆立ちしていても飲食物は胃に送り込まれます。
普通は飲食物が食道にはいると同時に食道下部の括約筋が開きます。この下部食道括約筋が開かなくなったり、開きが悪くなったりするのが食道アカラシアです。同時の蠕動異常も見られます。
下部食道括約筋は胃から食道への逆流を防いでいますが、必要なときに開かないと飲食物が食道に滞留してしまいます。

【症状】(食道アカラシア)

・「胸のつかえ」
・「胸痛」
・「食欲が無くなったり」
・「急いで食べると食物を吐く」
・「就寝中に咳やヨダレで枕を汚す」

食道アカラシアの患者数は10万~20万人に1人と言われている。
女性にやや多く、年齢差はない。

検査は、直径4mmの細い管を鼻から食道に入れて、下部食道括約筋が十分に開くかどうかをみる内圧検査をします。

【治療】(食道アカラシア)
食道に風船を入れて、開かなくなった下部食道括約筋を広げるバルーン拡張術があります。
または、手術で下部食道括約筋を広げます。





アキレス腱炎achllobursitis

=「アキレス腱嚢炎」
【民間療法】
<1>ビワの葉。
<2>ツワブキ。

【漢方療法】(アキレス腱炎)
「ケイレン、痛み」 [芍薬甘草湯]
  


アキレス腱反射が遅い

◎考えられる疾患:
脚気
甲状腺機能低下症



アジソン病 morbus Addisonii        (参照→「副腎皮質の疾患」)
=Addison病=慢性原発性副腎皮質機能不全。

「慢性副腎皮質不全症」
イギリスの医師Thomas Addison(1793~1860)が1855年に初めて記載した疾患で、副腎皮質の両側が慢性に侵されるもの。

■アジソン病の臨床症状は

*無力症状、易疲労性より始まり、
*皮膚粘膜に黒褐色のメラニン色素沈着(青銅病)
*食欲不振
* 悪心
*下痢または便秘などの消化器症状が認められ、

■アジソン病の所見として
*低血圧
*低血糖
*小心臓
*筋力低下などが認められる。
*血中好酸球・リンパ球は増加傾向
*血清ナトリウム・重炭酸塩・水分含量の低下
*血清カリウム値は上昇

 

◎副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)に全く反応しないことで診断。
*副腎皮質が両側性・慢性に侵される、     *慢性原発性副腎機能低下の病態。

アジソン病はあらゆる年齢層に起こり、ほとんど性差がなく、そして代謝性ストレスや外傷がある時に臨床的に顕在化する傾向がある。

・副腎疾患の一つ。


■「副腎疾患」には:
<1>Cnshing症候群:
   1.中心性肥満(moon face)
   2.高血圧・糖尿
   3.皮膚線条(サーモンピンク)
   4.無月経・多毛。
<2>Addison病
   1.皮膚色素沈着
   2.無力症・低血圧・低体温
   3.胃腸障害
<3>Conn症候群
   1.高血圧
   2.多飲・多尿
   3.周期性の四肢麻痺
   4.筋力低下
<4>褐色細胞腫
   1.高血圧
   2.頭痛・発汗・代謝亢進
   3.高血糖


【Addison病の病因】

①結核性:
「肉芽腫によるもので、発展途上国で増えてきた」

②自己免疫機序による:
「米国におけるアジソン病の約70%は副腎皮質の特発性の萎縮が原因で、おそらく自己免疫的な機序による。」

③副腎の破壊:
1.腫瘍
2.アミロイドーシス
3炎症性の壊死など

④薬物投与:
ケトコナゾール(抗真菌薬)のようなステロイドの合成を阻害する薬物の投与でも引き起こされる

 

【Addison病の病態生理】

副腎によって産生(分泌)される主なホルモンは、
*コルチゾール(ヒドロコルチゾン):約20mg/日(成人)
*コルチコステロン(コルチゾールと同じ活性):2mg/日(成人)
*アルドステロン:0.2mg/日(成人)
*デヒドロエピアンドロステロン(DHEA):
「正常では、かなりの量のアンドロゲン(主にDHEAやアンドロステネジオン)が副腎皮質で産生されるが、これらの主要な生理活性はテストステロンやジヒドロテストステロンに転換された後に生じる。」
「アジソン病では、主に等張尿中、および汗・唾液・腸管内へのNaの排泄増加とK排泄減少がみられる。この結果、血中のNa、Cl濃度は低下し、血清K濃度は上昇する。」
  

【Addison病の症状】

① 「脱力感・疲労・起立性低血圧が初期症状である。

②下垂体機能低下症による二次性副腎機能低下症以外では通常色素沈着が増強する。

③色素沈着の増強は体の露出部、非露出部ともにビマン性に黄褐色を呈するのが特徴で、特に圧のかかる部位(骨隆起)、皮膚のひだ、瘢痕、伸筋側の皮膚に生じる。

④額、顔、首、肩の黒い雀斑;白斑領域:および乳輪や、唇、口腔、直腸、膣などの粘膜の青黒色の変色として起こるのが一般的である。

⑤体重減少、脱水、低血圧、心臓の縮小はこの疾患の後期に特徴的である。

⑥食欲不振、悪心、嘔吐、下痢がよくみられる。

⑦代謝低下とともに寒さに耐えられなくなつこともある。

⑧めまいと失神発作が生じることもある。

⑨心電図は低電圧とPR間隔とQT間隔の延長を示すこともある。

⑩脳波はα波の全般的は徐波化が起こる。

⑪徐々に発症して初期症状が非特異的であるため、初期にはしばしば神経症と誤診することがある。体重減少、脱水、低血圧、および小型の心臓などはアジソン病の後期にみられる特徴である。」(メルクマニュアル)


1.色素沈着が特徴:
  望診の時に口中の色に注意すること。
  副腎皮質刺激ホルモンの分泌過剰による。 
2.悪心・嘔吐・食欲不振
3.体重減少(成人)・体重増加不良(小児)
4.易疲労・脱力感・全身倦怠。
5.低血糖
6.低血圧症状
  

【Addison病の検査所見】
1.血漿コルチゾール低値or尿中17-OHCS低値。  「検査はコシントロピン5~250μmgを静注で行う。注射前の血漿コルチゾールの正常範囲は5~25μmg/Lで、30~90分後にゼンチの2倍になり、最低値は20μmg/Lである。アジソン病患者の場合、上昇は見られず低値または正常範囲にとどまる。」
2.血漿ACTHの増加。

☆アジソン病を示唆する検査所見(メルクマニュアル)
血清Naが低下(<130mEq/L)
血清Kが上昇(>5mEq/L)
血清Na:K比(<30:1)
空腹時低血糖(<50mg/dL、[<2.78mmol/L])
血漿重炭酸イオンの減少(<28mEq/L)
BUN上昇(>20mg/dL[>7.1mmol/L])
ヘマトクリット上昇
白血球数減少
相対的リンパ球増加
好酸球増加
心縮小
副腎領域における石灰化
腎結核
肺結核
  
【処方名-五十音順】
■木防已湯


アシドーシスacidosis

(参照→「二酸化炭素」)組織及び血液から余分に酸が分離され体内に蓄積される
=「酸性血症」。

体内の酸の蓄積、または体内からの塩基消失によって起こる病的な状態。
血中の酸と塩基の関係が、酸優位の状態になったものをいう。極めて単純に考えると血液の酸性アルカリ性は、炭酸による酸性と重炭酸(重曹)にろるアルカリ性の相対的な濃度~比率によって左右されると理解される。随ってアシドーシスには、発生機序から見て2通りの型に大別される。
すなわち、

①炭酸の酸性が強すぎるものが呼吸性アシドーシスである。

②一方、血中の重炭酸の少なすぎるものが代謝性アシドーシスである。

しかしアシドーシス傾向が一次的に生じて血中炭酸または重炭酸値が正常値からズレると、直ちに呼吸性、腎性、腎外性(体内組織による)調節機序が生理的に作動して、炭酸と重炭酸の比率(血液pH)を正常値に戻そうとする。したがって、炭酸または重炭酸の正常値からのズレだけではアシドーシスの原因判定とその治療は不可能であり、患者の肺機能の良否、尿毒症傾向の有無、電解質異常の有無、その他の病態などから総合的に判断して処置する必要がある。

○呼吸性アシドーシスの判定は、

動脈血炭酸ガス分圧の異常な上昇があり、それと同時に血中の重炭酸塩上昇・血清のクロール値低下が「顕著でない」ときは決定的である。
呼吸性アシドーシスの発生は、その原因が肺または気道にあることが多く、低酸素血症を伴うことが多い。しかし換気の積極的な改善策を講じないで単純な酸素療法だけを行うと、動脈血炭酸ガス分圧はやがて60mmHg以上に達して昏睡・死に至る。
呼吸アシドーシスの治療は多くの場合、換気の改善がすべてである。

○代謝性アシドーシスの原因は、

尿毒症などの腎障害、糖尿病性ケトーシス、激症の膵炎、十二指腸液の腹腔内漏出、敗血症、高Cl血症、(尿路直腸瘻)、アミノ酸輸液の過剰などによる。(辞典)

◎種類:(50音順)


*遠位腎尿細管性アシドーシス:
「遠位尿細管の尿のpHが低下していない腎尿細管性アシドーシス」


*過塩素性アシドーシス:
「血漿中の塩素増加を伴う代謝性アシドーシス」


*飢餓性アシドーシス:
「カロリー不足の後に起こりやすい。ケトン体蓄積によって起こる代謝性アシドーシスの1つ。」


*近位腎尿細管性アシドーシス:
「近位尿細管の機能不全で起こる腎尿細管性アシドーシス」


*呼吸性アシドーシス(respiratory acidosis):
「体内の二酸化炭素が過剰に蓄積することで起きるアシドーシス」


*腎性過塩素性アシドーシス:


*腎尿細管性アシドーシス:
「腎機能の障害から起こる代謝性アシドーシスの1つ」


*代償性アシドーシス(compensated acidosis):
「代償機構がpHを正常に戻した状態」


*代償性呼吸性アシドーシス:
「血液のpHが腎臓の代償機構によって正常に戻された呼吸性アシドーシス」


*代償性代謝性アシドーシス:
「血液のpHが呼吸性代償により、正常に戻された代謝性アシドーシス」


*代謝性アシドーシス:
「市内の酸・塩基平衡が塩基の喪失あるいは重炭酸以外の無機や有機酸(不揮発性)の増加により、酸性に傾いた障害状態」


*炭酸過剰性アシドーシス


*糖尿病性アシドーシス(diabetic acidosis):
 「治療されない糖尿病のとき起こる。ケトン体の蓄積によって生じる様々な代謝性アシドーシス」


*乳酸アシドーシス:


*尿毒症性アシドーシス:
「酸排泄力が落ちてアシドーシスを起こした慢性腎不全の状態」


*汎発性遠位腎尿細管性アシドーシス:


*非呼吸性アシドーシス:

 

◎代謝性アシドーシス(metabolic acidosis)

「原因疾患の検索を行い、その治療をはかることが必要。たとえば、糖尿病性ケトアシドーシスではインスリンによる糖代謝の是正と適正輸液が望まれる。」
「代謝性アシドーシスを急速に補正する場合は、pH7.15以下、意識障害・循環障害等の症状を示す時である。治療はアルカリ剤の投与である。」
処方1:sodium bicarbonate
Meylon(7%,8.4%)
投与量=不足塩基量(mEq)×体重(kg)×0.2で計算。
まずその量の1/2を静注し、10~20分後、血液ガス分析を行い適宜追加する。
Naを含むこと、二酸化炭素を発生するため、血液ガス分析のみならず電解質測定も行うこと。
アルカリ剤のため配合変化を来しやすい、Ca+イオンとは沈殿を生じる。
酸素解離曲線を左方移動させるため、組織低酸素状態を起こすことがある。
小児では、細胞外液量が多いので計算量の1.5~2倍必要。
◎アシドーシス治療薬
炭酸水素ナトリウム




アスペルガー症候群

■長崎市で4歳児を誘拐殺人した事件
「補導された中学1年生(12)の少年審判で、長崎家裁(伊東浩子裁判長)は2003年9/29、「防犯カメラを発見して動転し突き落とした」と認定し、少年を児童自立支援施設に送致することを決定した。行動の自由を制限する「強制的措置」を1年間とれるとしており、少年は同日夜、さいたま市の国立の施設に入所した。審判には少年と付添人、少年の両親も出席した。付添人は「妥当な決定」とし公告しない方針。
犯行に至る要因として、幼児からの障害に加え、両親の厳しい態度や不仲、環境の変化で精神的負荷がかかり、他人の痛みに無関心な資質が増強されたとした。
決定理由で伊東裁判長は、少年の資質について、幼稚園の頃から注意に過剰反応し、予想できない行動をしていたと指摘。他人とのつながりを求める指向が希薄で、強いこだわりを示すことから「広汎性発達障害の一種、アスペルガー症候群」と判断した。しかし、「障害そのものが直接非行に結びつくものではない」とした。2003.9.30《日本経済新聞》

■経度の発達障害
「知能や言葉に問題はないものの「友達が著しく少ない」「特定のことにこだわる」などの特徴がある経度の発達障害で、他人とのコミュニケーションが苦手なことが多く、イジメや引きこもりなどの原因の1つと考えられている。
芦屋大学は井上敏明特認教授を迎えてアスペルガー研究所を設置した。20069/8《日経》



アスペルギルス症 aspergillosis
(参照→「肺アスペルギルス症」)
⇒肺真菌症の一種。
肺に病原性のある真菌は以下のものがあるが、アスペルギルス症が最も多い:
      アスペルギルス
      カンジダ
      クリプトコッカス
      放線菌(actinomyces)
      ムコール
◎本来病原性が弱く血液疾患、膠原病などの重症例で全身の抵抗力が弱った時や、肺結核の遺残空洞、bulllaなどの様に局所の抵抗力の弱った部位に感染を起こす。

◎病態:3タイプあり、移行合併する。
<1>菌球(fungus ball、aspergilloma)形成型
<2>組織侵襲型アスペルギルス肺炎
<3>アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)

■毒素
「米ウィスコンシン大学のグループは、真菌感染症の一種、アスペルギルス症を引き起こすカビ「アスペルギルス・フミガーツス」が体内で毒素を作るときに働き遺伝子を発見。
『LaeA』という遺伝子で、この遺伝子が活動すると22個の様々な別の遺伝子が連鎖的に働き始めて毒素を作る。
アスペルギルス・フミガーツスは土壌や家屋などに繁殖するカビだが、免疫力が低下した患者の肺などに感染して致命的な影響を与える



アテトーシス(athetosis)
=「アテトーシス」「アテトーゼ」
ゆっくりとした、屈曲した、ねじれるような動作が、休み無く起こる、特徴的な異常状態。特に手で激しく不随意的に起こる。片麻痺後に起こり、片麻痺舞踏病(posthemiplagic chorea)として知られる。

◎主として手の指または足の指に出現する緩慢な一種独特の異常運動で、捻転、屈曲、進展など、様々な運動を見るもので、筋緊張は絶えず変化している。
重症にあっては四肢だけでなく、体幹・顔面・頸筋にも波及する。
<1>先天性または小児期に発病する特発性アテトーシス(Vogt病)
<2>症候性アテトーシスとしては
*脳性マヒ
*脳溢血

◎種類
両側性アテトーシス・・・出産時の外傷によって起こる先天性両側性テトーゼ…性対麻痺に伴って起きる

 

■錐体外路性不随運動の1つ。 
反射的or正常な運動意志によらないで自発的に出現する不随運動には以下のものがある。
<1>振顫(振戦)tremor
<2>舞踏病様運動choreic movement
<3>アテトーゼ
<4>ヘミバリスムスhemiballism
<5>ジストニアdystonia
<6>ミオクローヌスmyoclonus
<7>チックtic
<8>Meige症候群
   

◎アテトーゼは舞踏病と異なって異常運動が指・手根・腕・足に著明に認められ、筋の緊張は亢進or時間的変化を示し、異常運動は舞踏病よりも遅い。

(症状)-----手の指・足の指が異常運動を起こす。
<1>運動様式は指を青虫様にくねらせ、腕関節の屈曲・回内、前腕及び腕の回内・外転運動から回外・内転運動を示す。     
<2>閉眼による影響は少ないが、睡眠時には異常運動は消失している。
<3>随意運動によって増強を示す。
<4>呼吸は正常。
<5>小児脳性マヒ・脳炎の後遺症が多い。




アデノイド adenoid 
《腺様増殖症》                
⇒咽頭・扁桃の増殖・肥大。
のどの周辺には多くのリンパ組織があります。
 (咽頭扁桃(アデノイド)もその1つで、鼻の奥のほう、口蓋垂(コウガイスイ=のどちんこ)の裏側にあります。


【民間療法】
<1>アカザ(全草の黒焼き)
<2>アキノキリンソウ。
【漢方療法】
(1)葛根湯
鼻閉塞を主訴とし、頭重・頭痛を訴えるものに、川芎・桔梗各2.0g石膏5.0gを長期間服用させる。(漢方診療医典)
(2)荊芥連翹湯
体格は普通または一見して丈夫そうに見え、浅黒い色をした遅鈍型の小児で、慢性鼻炎や慢性中耳炎などを合併している者の体質改善に(漢方診療医典)
(3) 小建中湯
「だるい、甘党、体力なし」
体質虚弱でかぜをひきやすく、やせ型で腹筋は薄く緊張し、疲れやすく、よく夜尿症などある者に長期間用いてよい(漢方診療医典)
(4)小柴胡湯
一般にアデノイドの症候があり、腹診上胸脇苦満を認め、頸部リンパ節が腫れたり、神経過敏の傾向があるものによい。桔梗2,0g石膏5.0gとして用いる(漢方診療医典)


アトピー性白内障
■アトピー性皮膚炎に伴う白内障・網膜剥離が増加。「第34回日本網膜硝子体学会総会」「第35回日本白内障学会」

■こすらない・叩かない
「中学2年生の子供がアトピー性皮膚炎の合併症で白内障になり、左目に人工レンズを入れました。右目は点眼液で治療中です。」
●白内障はお年寄りに多いと思っていたのですが、相談の方の様な場合は、症状が異なるのでしょうか?
水晶体が濁るという症状は同じです。水晶体は透明な凸レンズで、角膜から入った光は水晶体で屈折して網膜で像を結びます。白内障のほとんどは老人性で、60歳頃から濁ってきます。それ以外には、強い打撲を受けたり、何かが刺さったりした場合も水晶体が濁ります。
●合併症で白内障になるのはどうして?
アトピー性皮膚炎は湿疹性の病気です。重症の方の約3割に合併症が目に起こります。そのうちの約1割が白内障です。原因はハッキリしませんが、外傷説が最も有力です。かゆみを我慢できずに手でこする。皮膚科医がこすらないように注意するとつい強く叩いてしまう。こうしたことが何年も続くと水晶体が濁ります。
●他にも原因はあるのですか?
ステロイド内服薬の影響も心配です。ある程度の量を少なくとも1年飲み続けると、白内障が起きることがあります。軟膏は、顔に少し塗るぐらいなら大丈夫ですが、全身に塗ると、皮膚から吸収される量が多くなります。最近は皮膚科で内服薬をあまり使わなくなったので、アトピー性皮膚炎の人の白内障の原因は外傷がほとんどと考えられます。
●予防は出来ますか?
定期的に眼底検査し、皮膚科と連絡を取りながら、こすったり叩いたりするのを抑えるのが大切です。こういうことが10数年続くとにごってきます。幼児にはまず起きませんが、10代後半から30代でなりやすい。子供は親が気をつけないといけません。目をこするなど日頃のしぐさに注意してください。
●治療法は?
視力が著しく下がると手術をすることになります。いったん溷濁が生じると薬物では元に戻らないからです。
●人工レンズを入れるそうですが?
手術は水晶体の濁りを取るのが目的です。局所麻酔で10分から20分で終わり、日帰りも出来ます。しかし、人工レンズを入れるかどうか、私たちの病院では条件があります。15歳以上で網膜剥離の無い人が対象です。アトピー性皮膚炎の合併症は、網膜剥離が起きやすいので手術に支障が出ます。網膜剥離も、目を叩くことで網膜に穴が開くということが強く疑われています。
●人工レンズは安全ですか?
日本で白内障手術に人工レンズが普及し始めて約20年。それ以上のデータはありませんが、今のところ危険は無いとみられます。材質はプラスチックやシリコンなど。10代で入れても生きている間に劣化や変質はしないと思います。
●取り替えなくてもいいですか?
水晶体を瞬間的にピントを合わせます。手術で水晶体を取って人工レンズを入れると、視力は出ますが、ピントが1点でしか合わなくなります。将来的には眼鏡で補うか、場合によってレンズを入れ替える必要があるかもしれません。
●手術費用と術後の注意点は?
保険が適用され、片方が5~6万円。直後は寝ているときも金属のついた眼帯を当てていた方がいい。過激な運動は最低1週間避けて、あとは普通の生活でかまいません。」(内尾英一・横浜市立大学医学部助教授)2000.7.9《朝日新聞》


アトピー性皮膚炎atopic dermatitis
   (参照→乾癬)
⇒atopyとは、一定の物質に対する、人間の先天性過敏症。Cocaが命名。
ギリシャ語の「奇妙な」という言葉に由来する。(参照→化学物質過敏症)

◎IgE抗体によって起こるⅠ型アレルギー反応であるアトピー性皮膚炎。

◎定義:アトピー性皮膚炎とは、よくなったり悪くなったりを繰り返す、かゆみのある湿疹を主な病変とする疾患。患者の多くはアトピー素因を持つ。(日本皮膚学会1995年より)

アトピー素因とは、
①家族歴
②既往歴:気管支炎、アレルギー性鼻炎、結膜炎、アトピー性皮膚炎のいずれか、あるいは複数の疾患。
③IgE抗体をつくりやすい素因。         
   

◎診断基準:(日本皮膚学会1995年より)
下記の(1)(2)(3)の項目を満たすものを、症状の軽重を問わず、アトピー性皮膚炎と診断する。その他は急性あるいは慢性の湿疹とし、経過を参考にして診断する。

(1)かゆみ。
(2)特徴的な皮疹とその分布。
①皮疹は湿疹病変
  急性:紅斑、湿潤性紅斑、丘疹、漿液性丘疹、     鱗屑(リンセツ)、痂皮。
  慢性:浸潤性紅斑、苔癬化病変、痒疹、鱗屑、     痂皮。
②皮疹の分布。
  ●左右対称に起きる
   よく起きる場所:額、眼の周囲、口のまわり     、くちびる、耳たぶの周囲、首、手足の     関節部、体幹部。
  ●参考となる年齢的な特徴:
    乳児期:頭、顔に始まり、しばしば体幹・        四肢に下がる。
    幼小児期:くび、ヒジ、膝の病変。
    思春期・成人期:上半身(顔・首・胸・背         )に皮疹が強い傾向。
(3)慢性・反復性の経過:
 しばしば、新旧の皮疹が混在する。
乳児では2ヶ月以上、その他では6ヶ月以上を慢性とする。
    

[診断の参考項目](アトピー性皮膚炎)
●家族歴(家族や親戚にアレルギーの人がいるか)
    気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎、
          アトピー性皮膚炎
●合併症(同時に起こしている病気)
          気管支喘息
          アレルギー性鼻炎
          結膜炎
●毛穴と一致する丘疹による鳥肌様皮膚
●血清IgE値の上昇。 (正常値の10~11倍)
   

 

◎【アトピーの特徴】
<1>乾燥肌(皮脂が少ない)。
<2>皮膚のきめが粗く、毛穴に丘疹があり、鳥肌のようになる。
<3>発汗が少なく汗をかくとかゆい。
<4>イライラするとかゆくなる。
<5>目の下・首・手のひらにシワが多い。
<6>眉の外半分が薄い。
<7>目の下に色素沈着。
<8>はたけ・フケ。
<9>耳切れ。
<10>唇が荒れ、切れやすい。
<11>関節の内側が対称的に皮疹。
<12>白色描記症:(先の丸い棒で皮膚をこすると、普通はこすったあとが赤くなるが、アトピーでは白くなる)
<13>ズック靴皮膚炎。
   

 

アトピーの正体 Quark NO179 p48~p51
「アトピー性皮膚炎はアレルギー性の疾患であると長い間、信じられてきた。確かにアレルギー性疾患ではあるのだが、従来考えられてきたアレルギー反応はいわば脇役であって主役は別にいたのである。
  奥平博一・東京大学医学部物療内科講師に説明いただいた。
“まず従来の説を説明しましよう。アレルギー反応を起こす物質アレルゲンが体内に入ると、ヘルパーT細胞の刺激でB細胞からIgE抗体が放出され、マスト細胞(=肥満細胞ともいう)を活性化します”活性化したマスト細胞からは細胞障害性のあるヒスタミンなどが放出される。このヒスタミンが鼻粘膜に作用すれば、鼻水・クシャミなどのアレルギー性鼻炎の症状があらわれ、気管に働けば、喘息を起こす。皮膚ではジンマシンなどの症状が起きる。アトピー性皮膚炎もこの機構で起きるものと考えられてきた。
  事実、アトピー性皮膚炎の症状の一部はこの機構で起きている。症状のほとんどがこの反応で説明出来る人もいる。だがそうではない場合の方が多いのだ。たとえば、皮膚のかゆみはヒスタミンが原因である。だから抗ヒスタミンを使用することで、かゆみを抑えることは出来る。だが、湿疹は一向に良くならない。これがアトピー性皮膚炎のナゾをされてきた。しかしアトピー性皮膚炎のかゆみと湿疹とは、別な反応によって起きていることが分かってきた。
“アレルゲンによるマスト細胞の刺激からヒスタミン放出に至る反応は即時型アレルギー反応と呼ばれていますが、もう一つ、遅発型アレルギー反応というものがあるんです”(奥平講師)
この反応は、喘息の研究で明らかになってきたものだ。アレルゲンを吸い込むと15分~20分後に喘息の発作が起きる。これは先ほどの即時型アレルギー反応である。
ところが、6~10時間後にもう一度発作が起きることが1980年代に見つかったのである。これが遅発型アレルギー反応である。
1985年オランダのデ・モンシーによって遅発型喘息反応を起こした患者の肺に[好酸球]が集まっていることが見つかった。この好酸球が遅発型アレルギー反応の主役だったのである。好酸球は細胞内に非常に刺激性の強い物質を蓄えている。この物質が放出されると皮膚や粘膜に強い炎症が起きるのである。アトピー性皮膚炎の症状は好酸球によって起こっていたのだ。
“このことが発見されるまで、好酸球はマスト細胞から放出される物質に反応して集まると考えられていました。そして好酸球はアトピー性皮膚炎を治すために皮膚に集まってくる善玉の細胞だと思われていたのです”(奥平講師)
好酸球が活性化されるプロセスはこうなっている、アレルゲンをが侵入してマクロファージがそれを食べ、ヘルパーT細胞に渡すところまでは即時型アレルギー反応と同じだ。ヘルパーT細胞は、B細胞を活性化する物質を出すと同時に、好酸球を呼び寄せる物質も出していたのである。
“これがインターロイキン5(IL-5)という物質でした。実際にアトピー性喘息の人のリンパ球にアレルゲンを作用させると、大量のインターロイキン5が放出されました。喘息ではない人のリンパ球ではこの現象は起きませんでした。”(奥平講師)
アトピー性皮膚炎の人は、アレルゲンに反応してどんどんインターロイキン5を作ってしまう体質を持っているのである。
さらに研究は進み、ヘルパーT細胞の中でどのようにしてインターロイキン5が作られるのかも明らかになってきた。
“細胞は様々なタンパク質を作る工場です。T細胞にアレルゲンの刺激が伝わると、それがきっかけで、連鎖的な分子生物学的な反応が起きてきます”     (奥平講師)
たとえて言えば細胞は自動車工場のようなものである。ただ普通の工場が生産指示書などの情報で動くのに対し、細胞は伝達物質のやり取りで稼働する。言ってみれば工場に大型トラックのタイヤを渡すと、そのタイヤにあうトラックを作ってくれるようなものだ。タイヤを渡すと、そのタイヤの型を取り、そのタイヤに合う車の設計仕様書を探しだし、コピーを取ってくる。後はそのコピーに従ってトラックを大量生産するのである。設計仕様書に当たるのが遺伝子という訳だ。
ここまで分かってきたことで、ステロイドがなぜ効くのかも明らかになってきた。ステロイドは設計仕様書に書いてある情報の受け渡しをストップするのである。ただ、ステロイドはヘルパーT細胞だけでなく、多くの細胞に働きかけるので、副作用も出てくるという訳だ。
ただし、以上の機構については、まだ充分に解明されていない部分もあるようだ。
“アトピー性皮膚炎の発症機構として、インターロイキン5の作用は重要です。しかし皮膚が炎症を起こすと、アレルゲンのみでなく刺激物質なども侵入しやすくなり、細菌の増殖も起きてきます。そこで第2、第3の炎症反応が起きてくる。アトピー性皮膚炎の湿疹の部分を調べると、種々の免疫細胞が複雑に関与しているようです。様々な免疫系に働きかけるステロイドが重要性を増してきたといってもいいでしょう”(中川秀巳・東京大学医学部助教授)

◎ステロイド剤とはいったい何だろう?
「正体は、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)はよく似た薬である。副腎皮質ホルモンは副腎という臓器で作られる。ステロイド剤は言ってみれば生薬なのである。
“副腎皮質ホルモンは、ストレス症状を緩和するホルモンなんです。アレルギー反応を抑える他、血糖値を上げるまど、非常に多くの細胞に働きかけます。ところが、ストレスが長く続くと、このストレスを緩和するホルモンが充分に作られなくなってきます”(奥平講師)
アトピー性皮膚炎の患者さんの体内はこうした状態になっているのだ。そこにステロイドを使うと、ステロイドの抗炎症効果とストレス緩和効果が発揮され、症状が収まっていく。ひどい症状でも2~3週間で見違えるほど良くなる。ここで薬を止めたくなる。だが、それが危険な落とし穴なのだ。
“治療上必要量のステロイド剤を使っていると、体内で自前のステロイドがだんだん作られなくなることがあります。これは副腎抑制という現象で、ホルモンバランスを保つ為なんですね。外から補給されているから体内では作らなくなる訳です。だからステロイド剤を急に止めると、副腎皮質ホルモンがなくなってしまう。すると、アトピー性皮膚炎が急激に悪化する現象が起きます”  (奥平講師)
体全体にストレス抑制ホルモンが足りなくなるのだから、全身症状が現れる。[激しいだるさ][筋肉痛]、さらに悪化した皮膚炎症。これが『リバウンド現象』と呼ばれている症状である。世間ではこれもステロイド剤の副作用の一つと考えられているが、ステロイド剤が原因なのではなく、急に投与を止めた為に体内でステロイド不足が起きたのだ。リバウンド現象は、体がステロイドを欲しがっているサインなのである。
  奥平先生は血液検査で[血中のコルチゾール]の量や[好酸球]の数をチェックしながらステロイドを使っている。コルチゾールは体内で作られる自前としてのロイドだ。ステロイド剤を使用することで、コルチゾールが減少してくれば、副腎抑制が始まった印であるわけだ。
“こうして副腎皮質ホルモンの様子を見つつ、ステロイドの副作用をコントロールしながら使うことで、必要な量のステロイドを使うことが出来るようになったのです”
◎ステロイド剤の副作用(→用語:ステロイド

◎ダニ対策をしましょう。
<1>ダニは乾燥で死にます。但し死んだダニもアレルゲンになります。
<2>ダニは室温20~30℃、湿度60から80%を好みます。
<3>環境改善チェックポイント
タタミの上のカーペットは最悪。
カーペットを→フローリングに。
ソファー:布・革製を→合成に。
ゴミパック→週に1回交換する。(1週間で卵がかえる)
タタミ・フトン→防ダニ製品に交換。
植物:室内→室外へ。
クッション:1ヶ月に1回、丸洗いする。
座布団:1ヶ月に1回、丸洗いする。

 

◎川島眞・東京女子医科大学皮膚科教授著「アトピー性皮膚炎」より。
<1>「塩もみ」は絶対にしないこと。
「天然の塩を使って皮膚をもむ塩モミが、美容の為にエステティックサロンなどでよく行われています。塩でもむと角層を剥がすので(スクラブ効果)、肌がスベスベになるのです。
健康な肌に適度に行うならば美容効果があるのは確かですが、アトピー皮膚の方がこれをおこなうのは問題です。アトピー皮膚は刺激に弱い皮膚なので、塩もみするとすぐ悪化してしまいます。数ある民間療法の中で最悪の方法です。」p114。

<2>水療法は有効か?
「アルカリイオン水、超酸性水など様々な水が宣伝されていますが、ウイルスや細菌のつきやすいアトピー性皮膚炎にとっては、意味がないとは言えませんが、はっきりと効果があるかどうか、それを示すデーターがありません。」

<3>海水浴、林間学校
「海水浴や林間学校で症状が良くなることがある。これは塩分や紫外線の効果よりも、転地療法としての効果と考えられる。」p111。

<4>眼をたたいたり、強くこすったりしないこと。
 理由は、白内障、網膜裂孔、網膜剥離を起こさないためです。

<5>安易に食事制限しないこと。
「過剰な食事制限は子供のからだの成長や、脳の発達を阻害するという問題を引き起こします。アトピー性皮膚炎は食餌抗原の検査で陽性でも、食事制限なしにコントロールが可能なことが多いのです。特に成人の場合、食事アレルギーの検査(IgE-RAST)が陽性の人でも、食事制限の必要はまずないと言って良いでしょう。」
   

■ストレスも大きな原因
「子供の時のアトピーが大学受験で再発した。炎症はヒジや膝の内側だけだったのに、結婚後全身に広がった。就職して残業が続くうちに突然湿疹が出て、アトピーと診断された。
厚生省は長期慢性疾患総合研究事業で、昨年秋の1週間に東京医科歯科大学と藤田保健衛生大の皮膚科を受診したアトピー性皮膚炎の患者のうち169人を抽出して調べた。16歳以上が86%を占め、その5割近くが炎症とかゆみが強い重症や中等症で、治療の効果がなかなか見られない人が多かった。
 藤田保健衛生大の上田宏教授は“成人ではアトピーの原因や悪化させる要因が小児に比べもっと複雑で治療も難しい”と話す。
免疫のメカニズムや遺伝子など基礎研究が進む一方、原因究明や治療は一筋縄では行かないというのが専門家たちの一致した見方。そんな中、以前にも増して注目されているのがストレスの問題だ。
日本アレルギー学会は今年5月、医師と患者のパートナーシップをテーマに取りあげ、「心とアレルギー病」と題したシンポジュームを開いた。皮膚は「外界との接点であり、さまざまな摩擦が炎症という形で現れる場所」という考え方も紹介された。
「アトピーは体と心のSOS。ストレスがあっても自覚していない人もいる。仕事も家庭もうまくいっていると思っている人に意外に患者が多い」と玉置さんは指摘する。
入院にはそうした日常から離れ、病気と向き合う時間を提供する意味もある。
繊維メーカーの営業をしているGさん(29)は、入院したときは症状がひどく食事も出来ないほどだった。
「猛烈なラッシュにもまれて通勤し、出張や残業の毎日だった。それが当たり前と思っていたけど、考えが変わりました」と話す。
  クリニックの相談員のK(27)さんも以前は重症のアトピーで悩んでいた。
「外出するもの人に会うのもいやで、何で私だけがと思い詰めていた。でも自分を責めず、いたわってあげようと思ったらすごく楽になり。症状も良くなった」と振り返る。
 アトピーと精神状態は密接につながっている。1997.7.27《朝日新聞》

■秋生まれに多い。
<1>「8年前、東京都内で患者660人のデータをもとに統計解析した。其の結果、9月~11月までに生まれた子供のアトピー発症率が、それ以外の月に比べ て4割ぐらい高かった。」
<2>「依然に旧東ベルリンの専門家が調べたら、8月~10月に生まれた子供の発症率が群を抜いていたのだが、ほぼ同じ結果が出て驚いている」
<3>「今年3月、ブラジルのサンパウロ市内にある日本人学校に協力してもらい、幼稚園児から中学生まで合計800人を調査した。このうちアトピーの症状があった104人のデータをもとに、生まれ月ごとの発症率を探ったところ、結果は見事に北半球を逆。3月~4月生まれの患者が特に多かった。アトピー発症には季節的な影響があると思われる。」と山本一哉・愛育病院皮膚科部長は言う。
どうして秋生まれだとアトピーになりやすいか?
「明確な結論を出すためにはさらに研究を重ねなければならないが、一番有力なのは母体への紫外線に原因を求める解釈だ。秋に生まれる子供たちは、 春先から夏にかけて胎内にいる。この時期の大きな特徴は強くなる紫外線 だ。」 
「これまで紫外線(特に波長が長い[UVA])は体にいいとも言われてきた。確 かにビタミンDが補給出来るメリットもあるが、今日の豊かな生活ではその 必要性はない。むしろ最近の研究では、紫外線(特に波長が短い[UVB])を たくさん浴びると身体の免疫能力が落ちることが分かってきている。紫外線を受けると皮膚の中にあるランゲルハンス細胞に影響し、免疫メカニズムの 発現に何らかの障害が起きると見られている」
ただ、紫外線が悪いというのなら、もっと多量の紫外線を浴びていると思わ れる熱帯地方の子供たちに患者が多いはずだが?
「もともとそこに住む人たちの皮膚の色が身体を守っているのだ。問題は近 年の都会的な生活環境にもある。密閉した家屋、エアコンによる空調などが 原因で私たちは以前よりもずっと乾燥した環境の中に居る。そうなると、皮 膚はカサカサになり、外部の刺激から身体をガードする保護機能は低下する。 こうなると、もともと免疫力に問題がある子供はゴミ・ほこり・ダニなどの 刺激で炎症を起こしやすくなる」
「さらに秋生まれの子供は出生後、空気が一番乾燥している冬を迎える。生 まれたばかりの弱い肌は、ちょっとした刺激に敏感だ。湿疹が出て、かゆくてかきむしったりすると、症状がひどくなり悪循環になる」
どんな対策が考えられるだろう?
「アトピーは遺伝的な体質なので、親・兄弟に患者がいる場合には、生まれてくる子供も他の子供に比べて発症率が高かった。つまり、今日の日本のように高齢出産になるほど子供がアトピーになる傾向がある。こうした条件 に当てはまるハイリスクは夫婦が秋頃に出産を迎える場合には、特別にケア が大切だ」
洗ったままは禁物>
「妊娠中は、日傘をさしたり、帽子をかぶったり、或いは紫外線が強い日中 はなるべく外出を控えるなど、誰でも知っていることを守ってほしい。子供が産まれたら、紫外線に当てすぎないように配慮をしてもらいたい。ベビ ーカーの中で知らない間に直射日光に当てているケースがよく見られるが、 気をつけたい」
「さらにスキンケアを心がけてほしい。皮膚から汚れを取り除いて清潔に保 つこと。ただし、洗ったままにしておくと乾燥して皮膚の保護機能が損なわれるので、適切な外用薬やローション・クリームを塗って保護すること」
「母親は自分の肌には入念な手入れをするが、子供に対しては日常のスキン ケアを怠りがち。しかし、そうした基本的なケアをなおざりにしたまま、 様々な治療をはしごしても、アトピーは良くならない。しっかりした医師 を選び基本的なケアを学んでもらいたい」聞き手・平田浩司。1997.5.31《日 本経済新聞》

■肌の表面を守る
「鐘紡は皮膚の表面を保護している物質「セラミド」の合成を促進するビタミンを発見した。皮膚に与えることでセラミドを増やし、傷んだ皮膚を改善することが可能。セラミドの合成を促進する物質はこれまでほとんど知られていなかった。鐘紡は皮膚の回復力を高める化粧品などに利用出来るとみて実用化をめざす。
セラミド合成を促進するのはナイアシンBというビタミンの一種。セラミドを作る機能を持つ皮膚の表皮細胞に与えたところ、セラミドの生産量は約4倍に高まった。1リットルに1mgという極めて低い濃度でも効果がある。ナイアシンBは細胞がセラミドをつくる時に必要な酵素の働きを強める作用があると考えられるという。
ネズミの荒れた皮膚にナイアシンBを薄く塗ると肌荒れを改善する効果があることも確認した。
セラミドは皮膚表面の角質層に含まれる物質で、水の蒸発を防いだり、外敵の侵入を防ぐなど重要な機能を持つ。不足すると肌荒れ・乾燥肌になるが、現在は合成セラミドを外から補う手法が一般的。皮膚の内部の細胞を活性化して自発的にセラミドをつくらせれば高い効果が期待出来る。1996.6.24《日経産業新聞》

■洗いすぎ
「東京医科歯科大学教授・西岡教授によると、皮膚は真皮と表皮の2層から出来ている。この2層が体内の水分を一定に保ち、病原菌や有害物質の侵入を防いでいる。
さらに、外的から身を守っている2種類(皮脂・常在菌叢)のものがある。

<1>毛穴から分泌される皮脂。
これが皮膚を薄く覆い、外敵の侵入を防ぐ第一のバリアーになっている。体を洗いすぎると、当然、「皮脂」も失う結果、ドライスキンといってカサカサの肌になってしまう。ドライスキンになると、皮膚が過敏になる。ほこりや紫外線、汗のような弱い刺激でも、湿疹や炎症の引き金となる。

<2>『常在菌叢』
人間の皮膚には、表皮ブドウ球菌やニキビ菌、真菌類が約10種類ほどの細菌が住み着いている。これらの細菌叢が病原菌を寄せ付けないようにしているらしい。これらの常在菌は、体を洗った後では一時的に9割はいなくなると言う。
朝シャンをし、抗菌グッズを使い、「におい消し」を振りかける。最近の日本の若い男性や女性の出勤前の光景を見ていると、何だか悲しくなる。(藤田紘一郎)1997.12.22《朝日新聞》

■ウーロン茶で改善
「15~50才のアトピー性皮膚炎患者121人で試しました。毎日1?、4週間飲み続ける。
約60%の患者が、かゆみ・湿疹が軽減。滋賀医科大・上原正巳教授

■汗に免疫物質(sIgA)が少ない。(→用語あ)
[sIgA]=分泌型免疫グロブリンが、健康な人より少なく、その為に、皮膚に細菌が付着しやすくアトピー症状が悪化すると考えられている。
「緑膿菌に代表されるシュードモナスという細菌が皮膚をもろくさせる酵素「セラミダーゼ」を分泌していることが、九州大学医学部付属病院の今山修平講師 (皮膚科)らの研究で分かった。緑膿菌は河川や下水に広く分布、皮膚や腸内に常在している。セラミダーゼは皮膚の一番外側にある脂質セラミドを分解させ、これがアトピー性皮膚炎患者の皮膚の防御機能を弱める原因の一つと見られている。
 セラミダーゼは、これまでほ乳類しか持っていないと考えられていた。しかし、今山講師らは、アトピー性皮膚炎患者の意見健康そうな皮膚上にも異常な細菌層が出来ることに注目。この菌層を調べたところ、緑膿菌がセラミダーゼを持っていることが分かった。1997.5.2《朝日新聞》

■汗不足で悪化?
「アトピー性皮膚炎の患者は健康な人に比べると汗が出にくい傾向があることを杏林大学医学部の研究グループが見つけた。風呂上がりの汗の量が健康な人と比べて、額の部分では約58%、汗が出にくいことでアトピー患者は皮膚の温度が高くなりすぎ、炎症が悪化している可能性が考えられるという。
研究を実施したのは塩原哲夫教授と早川順助手ら。40人の患者と同数の健康な人の計80人を対象に、風呂に10分間つかった後、額や首、ひじ、背中の皮膚から発汗量を測定した。その結果、すべての部分で患者の発汗量は健康な人より少ないことが分かった。湿疹が出ていない場所でも汗の量は少なく、特に額や背中で出にくかった。
アトピー性皮膚炎は皮膚の外敵防御機能の低下が原因の1つと言われる。発汗が不足し皮膚の角質の水分が減れば、バリアー機能は低下。また汗不足で皮膚の温度が上がれば湿疹がひどくなるとみられる。」2000.10.9《日本経済新聞》

■ヨード卵でアトピー抑制
「日本農産工業はヨードを増量した同社の特殊卵「ヨード卵・光」の卵黄油に、思春期成人型のアトピー性皮膚炎の症状を和らげる作用があることを確認した。小児アレルギーに詳しい千葉クリニック(東京、江戸川)の千葉友幸院長らとの共同研究で、臨床試験の結果を27日に福岡県で開かれる小児アレルギー学会で発表する。
試験は都内の病院に通院する10~20代のアトピー性皮膚炎の患者14人に協力してもらった。ヨード卵から抽出した卵黄脂質190mgとビタミンE10mgを配合したカプセルを2~4ヶ月摂取させ、血液性状や臨床症状、細胞免疫の変化などを調べた。
 その結果、症状の進度を発症部位ごとに加算した最大12ポイントもある『アトピースコア』が平均6.14から4.50に低下した。また、アレルギーがあると活性化する酵素『ミエロペルオキシターゼ』の指数も185.5から154.9に減り、副作用の度合いを計る目安になる『Nメチルヒスタミン』も一例以外は変化しなかったという。」1996.11.20《日経産業新聞》 

■治療に有望な化学物質
「鐘紡と岐阜大学農学部の木曽真教授らの共同チームはアトピー性皮膚炎などのアレルギー治療薬として有望な化学物質を開発した。アレルギーを引き起こす白血球の過剰な働きを阻害する機能があり、動物実験でも効果を確認した。
アルルギーは体内細胞に異物が入った時、異物を破壊する好中球やリンパ球など白血球が血管からその細胞に過剰に放出されて発生すると考えられてい る。開発した物質は、白血球が細胞へ放出されるのを抑える働きがあり、これによってアレルギーを軽減する。
開発では、血管から細胞への白血球を送り出すスイッチ役の『セクレチン』と呼ばれるタンパク質に注目。このタンパク質の働きを抑えれば、アレルギーが防止できると考え、セクレチンと結合しやすい糖鎖を人工的に合成する事を目指した。糖鎖はブドウ糖などが数珠状につながっており、セクレチンと結びつく機能を維持しながら大量合成が容易な化学物質を作ることを試みた。
その結果、糖の一種であるラクトースを主要な骨格に持つ分子量約1000の化学物質を開発し、「GSC-150」と名付けた。アトピー性皮膚炎に近い症状を起こしたマウスに静脈注射したところ、皮膚の細胞に多量にあった好中球が減り、アトピーの症状も改善した。1997.9.9《日経産業新聞》

◎【情報】
<1>部屋の壁紙(ビニールクロス・・)から発散されるホルムアルデヒドなどによる化学物質過敏症の可能性をチェックしましょう。
<2>表皮層の一番薄いのが日本人。清潔好きのお母さんが赤ちゃんを石鹸できれいにし表皮の油を洗い落とすほど抗原物質が侵入しやすい。清潔好きがかえ って逆効果になる。
   

 

皮膚(skin)とは、
<1>あなたを包んでいる外皮というだけのものではなく、それをはるかに越えるものです。
<2>体で最大の器官です。
<3>皮膚は巨大な排泄器官で、汗で運ばれてきた体の多くのプロセスで生じた老廃物を毛穴から排出します。もしも、他の排泄器官(腎臓・大腸)が本来の機 能を有効に作用しないときに、皮膚がそれらに代わって毒素を体外へ出そう とします。
<4>皮膚は、体から一部の物質を外に出し、他の物質は体内に安全に止めておき ます。他方、皮膚は一部の物質を体の中へ吸収し、筋肉とその下にある器官に害を及ぼす多くの物質を排除します。このために皮膚は『半透明』だと言 われます。
<5>物質が皮膚を通過出来るかどうかを決定する要因は、それを構成している分子のサイズです。
例えば、ガーリック油を足の皮膚にすり込むと、10分後にガーリックが その吐く息に検出されるのです。このことは、10分のうちにガーリック油が 皮膚を通過して血流に吸収され、肺に帰る脱酸素した血液にすでに到達していることを意味します。
   

■アトピー遺伝子
「気管支喘息やアレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎はアトピー性疾患と呼ばれる。最近、治療のカギになりそうな『アトピー遺伝子』の候補が浮かび上がってきた。アトピーとは『他と違う』という意味だ。
つい最近、有力な候補遺伝子の1つを見つけた順天堂大医学部の羅智靖講師(分子アレルギー学)はこう言う。“気管支喘息に限っても、各種の候補遺伝子は6種類以上の染色体に散らばっています、アトピー性疾患全体では、関係する遺伝子の数はかなりの数にのぼるでしょう。これは発症までに、体内で極め て複雑な反応が起きていることを示しています”こうした遺伝子を患者全員が持っている訳ではない。2割程度の患者にしか共通しないものが目立つということから、遺伝子の変異は患者ごとに千差万別だ。“遺伝子の変異の特徴をもとに患者をグループ分け出来れば、1人ひとりに適した治療が出来るようになるかも知れません”と羅さん。1998.2.8《朝日新聞》
■成人アトピーに免疫抑制薬
「成人のアトピー性皮膚炎の新しい治療薬として、中央薬事審議会は、臓器移植の拒絶反応を抑える免疫抑制剤『タクロリスム水和物』の軟膏剤(販売名:プロトピック軟膏:藤沢薬品工業)を承認する方針を固めた。
タクロリスムは1993年、肝臓移植での拒絶反応を抑える薬として国内で初めて承認され、その後、骨髄移植、腎臓移植への血用が認められた。自己免疫疾患などの治療にも効果が期待され、アトピー性皮膚炎の患者を対象にした臨床試験が欧米でも行われていた。
タクロリスムの利点は、ステロイドを使った時の皮膚が萎縮して血管が浮き出る副作用を避けることが出来ることだ。
一方、感染が起きている部分に使うと感染症を悪化させるなどの欠点もある。妊婦への影響など確認されていない面も残っている。」1999.5.31《朝日新聞》

■治療で悪化
「国立大阪病院でアトピー性皮膚炎の治療を受けた大阪府高石市の女性(32)が、「担当医師がステロイド剤の誤った投与を続け、適切な治療を行わなかったため、症状が悪化した」などとして、国に1150万円の損害賠償を求めた訴訟は29日、国が損害賠償金として女性に300万円を支払う内容の和解が大阪地裁で成立した。
訴状によると、女性は83年、国立大阪病院の内科でアトピー性皮膚炎と診断され、ステロイド剤を内服する治療を約4年間続けた。いったん緩和した症状が悪化した87年、担当医師は薬を変えたが、症状がさらに悪化した。
女性側は「通常は皮膚に塗るステロイド剤を内服させ、他の適切な治療を行わないなど、治療法の選択を誤ったのが症状悪化の原因」と主張していた。」1999.6.30《日本経済新聞》

■免疫抑制剤、顔面に効果
「決め手のないアトピー性皮膚炎の治療に日本で開発された新薬が登場、効果を上げている。
昨年11月、世界に先駆けて認可された免疫抑制剤『タクロリムス軟膏』。元は移植医療に用いられていた薬剤を塗り薬にしたもの。特にステロイド(副腎皮質ホルモン)外用剤では十分に炎症を抑えるのが難しかった顔面の治療に有効だ。
埼玉県の大学4年生S子さん(23)は、アトピー性皮膚炎が悪化すると、真っ先に顔に症状が出てしまうのが悩み。腕や背中のかゆみもつらいが、それにも増して赤く腫れた顔は人目が気になって気分も重くなる。
症状がひどくなった昨年末、東京都千代田区の東京逓信病院を受診、皮膚科部長の江藤隆史さん(46)のすすめで、顔に初めてタクロリスム軟膏を使うことにした。腕や背中に塗っているステロイドは、アトピー性皮膚炎の炎症を抑えるのに高い効果がある。だが、健康な細胞にも作用するため、特に顔や首では、皮膚が薄くなるなどの副作用が出やすい。
一方、タクロリムス軟膏は、ステロイド外用剤と異なり、免疫にかかわる細胞だけに働く。このため赤くほてって皮膚が光るようになったり、血管が浮き出たりなどの副作用がない。
使い始めの数日間はピリピリとした使役間が気になったS子さんだが、2週間後には周囲からも「ずいぶんきれいになったわね」と驚かれるほど、症状が改善した。今は周に1、2回使う程度で、普段は保湿クリームだけで調子が良い。「赤ら顔がイヤで。外出がおっくうな時期もあったが、これで就職してもがんばれそう」と話す。
江藤さんはこれまで約200人にタクロリスム軟膏を処方している。その9割以上はS子さんのように顔の症状で悩んできた患者だ。「顔の炎症を抑えることは、患者さんの生活の質向上という点で極めて重要」(江藤さん)
アトピー性皮膚炎は良くなったり悪くなったりを繰り返すのが特徴だが、タクロリスム軟膏は薬を使わなくて済む状態が長く保てる利点もあるようだ。
また東京の会社員(46)は、自分の判断でステロイドを中止したところ症状が悪化。それでもステロイドを拒否したため、タクロリスムで症状をひとまず落ち着かせるケースもあった。
治療の基本は、幅広い強さのランクの薬があり、症状に応じて使い分けできるステロイド外用剤だ。「最終的には切り替えなくてなならないが、こういった緊急避難的な使い方も出来る」と江藤さんは話す。
タクロリスムの研究開発に携わった自治医大皮膚科教授の中側秀己さん(46)によると、移植医療で使われる注射や飲み薬では、腎臓障害など重大な副作用が出た例がある。このため外用剤の使用量は1回量最大5g、1日10g以内と制限、16未満の使用は出来ない。一般の薬局では買えない医師の処方薬だ。
使用上の最大の難点は、肌がピリピリする刺激感で、臨床試験で8割の人が訴えた。数日で静まる場合が多いが、個人差も大きい。「専門家に十分説明を受け、慎重に使って欲しい」と中川さんは訴えている。
■毎日の肌の手入れ重要
「京都市の会社員M子酸(45)は、毎夜30分欠けて、顔や腕背中などアトピー性皮膚炎でかさついた肌に保湿剤のクリームを塗る。入浴後,湿りけのあるうちが効果的。この半年で、すっかり習慣になった。
昨年7月、京大病院を受診。皮膚科教授の宮地良樹さん(48)が地道なスキンケアを強調するのを聞いて、当たり前のことやん」と、拍子抜けの感じがした。
アトピー性皮膚炎になって20年あまり、M子さんは「病院を何カ所も移ったり、あらゆる民間療法を試したりと何か特別な治療ばかり追い求めていましたから」と振り返る。
肌を清潔にして乾燥を防ぐことが良いと、頭では常識だと分かっていたつもり。でも実際は、「勘違いもあったし、特に保湿をしていなかった
たとえば、石鹸はアトピーの肌に悪いと思いこみ、入浴しても、湯船につかるだけ。「ゴシゴシと強くこすり過ぎさえしなければ、ふつうのせっけんでもOK」と言われ、きちんと洗うようになった。石鹸が悪いのではなく、肌に残らないように十分すすぐことが重要だったのだ。
スキンケアの重要性が改めて見直されている。昨年春、厚生省の研究班がまとめた治療ガイドラインでも、原因や悪化因子となるアレルゲン対策、炎症を抑えるステロイドの薬物療法と並んで、治療の柱の1つに位置づけている。
「アトピー性皮膚炎の肌は、炎症が起きていない時でも、角質層のセラミド(細胞間脂質)と呼ばれる脂分が不足し、乾燥状態であることが分かってきた」と宮地さんは説明する。
正常な状態の肌は、角質の細胞の隙間がセラミドで埋まっており、体内から水分が逃げるのを防ぐとともに、外部の刺激からも守っている。
一方、セラミドが不足した肌では、水分を保つことが出来ずカサカサした状態になる上、外部刺激に対する防御機能が弱い。このため、ダニやチリ、ほこりなどが侵入し、皮膚炎を起こしやすくなるとされる。
ステロイド外用剤で炎症が治まった後、良い状態を長く保つためにも、毎日のスキンケアが大切というわけだ。
もちろん、保湿剤を塗るだけがスキンケアではない。下着は汗を良く吸う木綿を選ぶ。ネックレスなどの直接肌へ触れる金属類の装身具は避ける---などの注意も大切。M子さんは、前髪の先が触れるおでこの部分の炎症が目立つため、ヘアバンドで髪をまとめ、顔に掛からないようにした。
以前は、症状が悪化すると、外出すら出来ないほどだったが、今は仕事を休むこともない。スキンケアを基本に、ひどくなったらステロイド外用剤を使う。アトピーと付き烏鴉っていく方法が何となく分かってきた」と言うわけだ。
宮地さんあ「慢性疾患であるアトピー性皮膚炎の人は、完治をする事だけを目指すのでなく、ありふれた方法で普通の生活が出来るところで対処する方が賢明だ」と話している。

■ストレスが悪化の要因
「アトピー性皮膚炎は小学生ぐらいまでに自然に治るとされてきた。だが、思春期以降も持ち越したり、再発したりして難治化するケースが増えている。
「現代社会におけるストレスなど心理的な要因が、大きく影響しているのではないか」と神戸労災病院皮膚科部長の清水良輔(47)は指摘する。
昨年10月、神戸市内のYさん(27)は、全身のかゆみで眠れないほど悪化し、受診した。理工系の大学院に学び、昨春就職した会社で即戦力のエリート技術者と期待され、いきなり大仕事を任された。毎晩午前零時過ぎまで残業し、休日も出勤する生活が続いた。
学生時代は忘れていたアトピー性皮膚炎が再び顔を出し始めたのは6月頃。盆休みで一息ついたものの、その反動か、休み明けはいっそう、あわただしい会社生活。「ついていけない」と思うようになると同時に症状も悪化。上司から「休んで治療に専念するように」と言われたほどだ。
「どういう時期に症状が悪くなったのか、逆に調子が良かったのは鈍化時か?。本人が気付くのが治療の第一歩」
こう言う清水さんは署心事、必ず患者と共同で「年表」作りを行う。入学・卒業や就職、引っ越しや身近な人の死など、出生以来の体験や出来事を書き出す。その横には、その時々の気持ちと皮膚症状の変化を波形グラフで表す。
年表に書き出してみると、症状が生活上のストレスと密接な関係が見られる場合が少なくない。入院した重要患者約100人について調べたところ、6割の人が幼い頃の身近な人の死や家族との葛藤、受験のストレスなどの体験を悪化の要因として挙げた。
学生時代のYさんは、専門書を読みふけり、より楽しいデザインに頭を巡らすのが最大の楽しみだった。ところが修飾語は、役所との煩わしい紅椒や単調な図面書きに忙殺されるばかり、「時間的な忙しさだけでなく、就職前に抱いていた理想と現実の仕事のギャップが大きかった」と振り返る。今は治療のため休職中で、この春に心機一転をはかるつもりでいる。
ストレスがどのような仕組みで症状の悪化を招くのか?
心身両面からの治療に取り組む九州大心療内科医師の十川博さん(49)は、「ストレスで刺激された交感神経が免疫作用を乱して、アレルギーを悪化させるように働くのではないか」と説明する。
アトピー性皮膚炎の場合は特に、イライラして皮膚をかくことが症状の悪化に直結する。かといって、かゆみを我慢することもストレスになる。また、外見が気になり、かゆみで眠れなかったりと、症状の悪化が二次的なストレスとなる悪循環に陥りやすい。
さらに、治療をめぐる情報が混乱しているための不安感もストレスになりやすい。
「出来るだけ日常生活の中で、ストレスを発散できる方法を身につけて欲しい」と十川さん。医療の側にも、患者の生活相談にも当たるなど心理的な面から支え、信頼を築く働きかけが求められている」

■民間療法で症状悪化も
「決定打が見つからないアトピー性皮膚炎の治療法。あちこちの医療機関で期待する効果が得られないまま、様々な民間療法を試したあげく、さらに悪化させるケースが少なくない。
千葉県の会社員K子さん(36)は、ステロイド(副腎皮質ホルモン)の副作用を恐れるあまり。30歳の時から5年間、悪循環のワナに陥った。
書店でたまたま目に留めた本で「ステロイドで体がボロボロになる」と読んでびっくり。早速、その本で紹介されていた医師の診療を受けた。ところがステロイドを止めた途端、症状は悪くなるばかり。底の受診は数回で止めたが、「ひどくなったのはステロイドのせいだ」という思いこみは、強くなった。
その後は「アトピーによい」と紹介された商品は手当たり次第に試した。塗り薬のたぐいだけでも大きな籠にいっぱい。全種類を一度に塗ったこともある。
仕事も休みがちになり、周囲に勧められ、病院にも行った。だが、そのたび、「ステロイドは使わなければダメだ」と医師から強く言われ、足が遠のいた。
最後の半年は、起きあがる気力もなくなり、母親の作った書記事も布団の中ではいつくばって食べるような毎日。「このままでは廃人になっていまう」
一昨年11月、勇気を振り絞って大学病院のアトピー外来を訪れ、2週間の入院治療の後、社会復帰することが出来た。
日本皮膚科学会が先月末まとめた「アトピー性皮膚炎・不適切治療実態調査」によると、、全国の11大学病院で、入院治療が必要な重い状態で来院した患者319人のうち。44%が通常行われない“特殊治療”を受け、それが悪化原因になっていた。
金沢大皮膚科教授の竹原和彦さん(45)は「すべての民間療法を否定しないが、科学的な根拠の無いものが多い。K子さんのようにステロイドの副作用を強調し不安に漬けもむ悪質なものも目立つ」と指摘する。
ステロイド外用剤による副作用は、皮膚の委縮や血管拡張、多毛など主に局所的。だが、「注射や内服薬で起きやすい糖尿病や骨粗鬆症、顔が満月のようになる“ムーンフェイス”など全身性の副作用と混同されている。ステロイドでアトピー自体が悪化することは全くあり得ない」(竹原さん)。
30歳まではステロイド治療で状態が落ち着いていたK子さん。なぜ、極端に走ってしまったのか?
「それまで医師から一度もきちんとしたステロイドの説明を受けたことが無かった。そこへ、『使わなければ治る』という詞で、心のスキを突かれ、一挙に不信感が広がったのかもしれない」とK子さんは話す。

■かゆみ信号を遮断
「2010年、塩野義製薬はアトピー性皮膚炎の「かゆみ信号」を遮断する新薬候補の第2相治験を国内で始めた。手や顔に塗布して使う。
体内の神経に存在し、痛覚や免疫反応などとの関連が強い「カンナビノイド受容体」に働きかける効果が期待されている。
アトピー性皮膚炎の患者の体内ではアレルギー反応などで炎症が起き、かゆみ信号を発する神経伝達物質が生まれる。その信号が脳に届いた段階で手や顔などにかゆみを感じる仕組みだ。体内の信号伝達経路はまだ完全に解明されていないが、痛覚や炎症にかかわるカンナビノイド受容体で信号を遮断すれば患者はカユミを感じない可能性がある。

■しめじ
「王子製紙と木材商社の王子木材緑化はキノコの一種であるハタケシメジと、健康食品素材の酸性キシロオリゴ糖を併用すると、アトピー性皮膚炎の症状を改善できることを動物実験で確認。
ハタケシメジは王子製紙が人工栽培に成功。
酸性キシロオリゴ糖は製紙原料パルプから抽出される。」
上出良一・東京慈恵会医科大学付属病院 第3病院 皮膚科教授

■仕組みの一端を解明
2013年、兵庫医科大学の山西清文主任教授は三重大学と共同で、アトピー性皮膚炎が起きる仕組みの一端を解明した。
遺伝子操作をしたマウス実験で、皮膚の細胞に存在する特定のタンパク質の量が増えると発症することを確かめた。
成果は米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載
山西主任教授らは、表皮細胞に存在する「インターロイキン33」というタンパク質に注目。通常のマウスに比べてこのタンパク質を約10倍作るマウスを遺伝子操作で作った。
その結果、清潔な環境下で飼育しても、顔や耳、首などで皮膚炎の症状が出た。発症率は100%だった。
組織を採取するなどしえ調べたところ、インターロイキン33の影響で白血球の一種でアトピー性皮膚炎の原因となる「好酸球」が増殖していた。


◎NHK 2011.12.8 朝
嗜癖的掻破(無意識に掻いてしまう) に注意


血液検査で確認 、ステロイドを減らす目安
「好酸球」
「LDH」
「TARC(ターク)」炎症を把握する


カサカサしている皮膚の下では炎症が残っている。
保湿剤は、皮膚がシットリしてから使い始める
アトピーで黒くなった皮膚は6ヶ月~3年でキレイになる。

【芳香療法】 (アトピー性皮膚炎)
    <1>ベルガモット
    <2>メマツヨイグサ油
【宝石療法】(アトピー性皮膚炎)
     アンバー
     コーラル
【栄養療法】(アトピー性皮膚炎)
<1>亜鉛の摂取(15mg/1日)が効果的です。
<2>ビタミンC、B群、E
<3>ナイアシンB(→セラミドを活性化)

【西洋薬】(アトピー性皮膚炎)
<1>ステロイド
<2>「プロトピック」藤沢薬品
リンパ球の働きだけを抑えるので、副作用が少ない
顔面・首筋に効果が高い。
タクロスリム

■重症アトピー新薬効果
「重症のアトピー性皮膚炎による顔のただれを減らす新薬が有効であることを確認。23日から岐阜市で始まる日本なれるぎー学会で発表する。大阪大学の玉井克人助教授らは、成人の重症患者の顔や手足に新薬の入った軟膏を塗布。症状が重いほど効果があり、いったん収まったカユミやただれが一層激しく再発する「リバウンド」も3ヶ月後でも起きなかった。しかし、手足など顔以外の症状には効果が低かった。2003.10.22《日本経済新聞》

  
【処方名-50音順】(アトピー性皮膚炎)
■茵蔯蒿湯     
■越婢加朮湯
■黄芩湯
■藿香正気散
■桂枝加黄蓍湯
■十味敗毒湯
■消風散
■治頭瘡一方
■薏苡仁湯







アナフィラキシー anaphylaxis
(参照→「スズメバチ」「アシナガバチ」)
⇒フランスの生理学者リシエーRichetは、1902年にイソギンチャクの触手から抽出した毒素をイヌに注射し、毒素に対する免疫状態を賦与する目的で実験を行っていたが、2回目の毒素注射を少々間をおいて行ったところ、期待した免疫状態とは逆に、かえってより微量の毒素に対して過敏となり、激しい症状を起こしてイヌが死亡したことから、防御prophylaxisに対して無防御という意味からAnaphylaxieと命名した。

アナフラキシーという現象は、抗原抗体反応に基づく生体反応と定義され、
<1>全身性にくる場合を:アナフラキシーショック
<2>局所性にくる場合を:局所アナフラキシーという。
   

◎抗原抗体反応によって放出されたケミカルメディエーターが、平滑筋や血管に作用することによって生じる。
(1)咽頭浮腫----ヒスタミン
(2)気管支痙攣--ロイコトリエン
(3)血管虚脱----ブラジキン

【漢方処方】(アナフラキシー)
■甘草湯:(炎症<軽>、ケイレン性)

【西洋医学】
<1>1000倍のエピネフリン0.2~0.4?を直ちに筋注。必要があれば20分経過後に再注射しても良い。
<2>抗ヒスタミン薬の筋注or静注。低血圧をさけるために点滴で投与するときは10分以上をかけて実施。
<3>アミノフィリンの静注は気管支拡張に有効。
<4>喉頭浮腫が強いときは気管切開が有効。
<5>輸液:hypovolemiaの矯正のために等張液(5%dextrode液+生食水)の輸液。
<6>ステロイドの作用は緩徐で、数時間を経て発揮されるので、急を要するときは無効。
 エピネフリンや抗ヒスタミン投与後に与えると良い。


アニサキス症anisakiasis
◎アニサキス症:

<1>激しい腹痛だけ。ただ痛いだけ。
<2>下痢しない
<3>発熱しない。
<4>食べたものをよく問診すること。アニサキスは海の回遊魚に多い。

■正露丸
2010年、大幸薬品は正露丸に含まれる「木クレオソート」にサバなどの寄生虫「アニサキス」によって引き起こされる腹痛症状を和らげる効果があることを発見。特許出願した。


アフリカ睡眠病
■検査法の臨床試験
2011年、栄研化学とビルゲイツ財団などが資金提供する基金「FIND」は、意識障害などに陥り死に至る難病「アフリカ睡眠病」を高感度で診断できる検査法の治験を始める。
栄研化学の遺伝子増幅技術「LAMP法」を使い、1時間ほどで結果が出るという。
アフリカ睡眠病は、サハラ以南に生息するハエ「ツェツェバエ」に刺されることで寄生虫「トリパノソーマ」が体内に侵入して感染する。発症すると中枢神経に障害をきたし、錯乱状態や意識不明状態に陥って死に至る場合が多い。

■アフリカ睡眠病と結核
2013年、北海道大学の鈴木定彦教授と梶野喜一准教授らは、アフリカで多くに死者を招いている「アフリカ睡眠病」と結核を、低価格で素早く検査できるキットを開発した。
1検体当たり約100円で、1時間で感染の有無を診断出来る。
研究チームはこの技術をザンビア共和国に供与した。


アフター性口内炎aphthous stomatitis
⇒口腔粘膜の表面や舌の辺縁に白斑を生じ、浅い潰瘍を形成するもの。
口腔の痛みや熱感がある。
◎原因:ウイルス説、
    アレルギー説。




アミロイドーシスamyloydosis
=「アミロイド症」「類デンプン症」
⇒線維構造をもつ特異なタンパクであるアミロイド物質が全身諸臓器に沈着する疾患群。
◎舌が大きくなる巨舌症(macroglossia)が見られることが多い。
   ■新治療法
「アミロイド症の患者に対し、従来の治療法の血液幹細胞の移植を組み合わせると、高い治療効果があることを米ボストン大学のチームが見つけた。治療後10年の生存率は約10倍になるという。
アミロイド症は骨髄の中の細胞が作る異常タンパク質が体内にたまり、臓器の働きが悪くなり死に至る病。
幹細胞移植を組み合わせた新療法を受けた患者80人を調べたところ、すべての患者が約5年、そのうち23%は10年以上生き延びた。20078/9産業




アミロイド苔癬lichen amyloio'sus
⇒皮膚に限局し、特に下腿において硬い褐紅色の丘疹を発生して、激しいかゆみがある。


アメーバ赤痢 entamoeba histolytica
◎「僕が実際に経験したのはミドリガメをペットとして遊んでいた子供が[アメー     バ赤痢]に罹った例である。アメーバ赤痢はサル以外にも、ヘビ・トカゲ・カメなどのは虫類にも高率に罹っているので注意が必要であろう。
ペット用のサル・ヘビ・トカゲ・カメなどすべてが東南アジアやアフリカから輸入されている。これらの熱帯地方ではアメーバ赤痢に常時汚染されているのだ。
アメーバ赤痢は「法定伝染病」に規定されている重要な病気である。最近の海外旅行ブームや国際交流によって、日本の患者発生も年々増加し、社会問題となりつつある。
アメーバ赤痢の症状は特徴的な下痢便で、粘液と血液が混じったイチゴゼリー状の粘血便となる。又、完全に治療しないで放置すると、アメーバが肝臓で増殖して肝膿瘍を起こすことがあるので注意が必要だ。
藤田紘一郎著「ボンボン・マルコスのイヌ」より。


アラジール症候群
■遺伝子調べ特定
「Hちゃんは生後1ヶ月で黄疸が出て、便も白っぽくなったため、胆道閉塞症を疑われて来院した。しかし、入院後の検査で、心臓の雑音や、目・骨の軽い異常が認められ、症状から別の病気が考えられた。『アラジール症候群』という遺伝性疾患である。
両親の了解を得て遺伝子を調べたところ、特定の部位に遺伝子異常が認められ、やはりアラジール症候群と確定された。この病気は胆草閉塞症のように胆道の発達が悪い例が存在するものの、約70%は手術をする必要がなく、黄疸はたいてい年齢とともに消失することが多い。
アラジール症候群のように小児科には症候群と名の付いた病気がたくさんあるが、そのいくつかは遺伝子を調べることで、より正確な診断が出来るようになった。Hちゃんの場合も、遺伝子診断をしたことによって疾患を確定し、手術をしないで済んだことになる。
ただ、遺伝子診断にも良いとばかり言えない面がある。病気というのは多くの場合、単一の遺伝子異常で発生するのではなく、他の遺伝子や環境的要因が大きく関係してくる。遺伝子に異常があったからといて、即発症に結びつくものではない。
遺伝子は各個人の究極の構成因子であるだけに、異常があるとなれば、マイナスの印象を与えてしまう。しかし不完全な遺伝子を持たない人はいない。人類が存続出来たのは色々な遺伝子をお互いに補い合ってきた結果とも考えられる。
幸いなことに、Hちゃんのアラジール症候群の場合も、心配された肝障害はそれほど強くなく、身長の伸びがやや遅れているものの、元気に成長している。(香坂隆夫・国立小児病院消化器科)1999.4.12《日本経済新聞》


アルカプトン尿症
=「黒尿症
  先天的代謝異常症。

生まれたての赤ちゃんの尿が黒くなる病気。
⇒この病気では、ホモゲンチジン酸ジオキシゲナーゼ(HGO)という酵素の欠損によって、尿中にアルカプトン(ホモゲンチジン酸)という物質が蓄積してくる。これが酸素と反応して黒くなる。


アルカローシス alkalosis
=「アルカリ症」。

体内にアルカリが蓄積したり、体内から酸が失われたりすることで起こる病的な状態。

◎種類:
*高所アルカローシス:
「高所にて、血中や組織中のアルカリ度が増すこと」
*呼吸性アルカローシス
*代償性アルカローシス:
「代償性機序でpHが正常値に戻った状態」
*代謝性アルカローシス:
「身体の酸・塩基平衡が、アルカリの蓄積または非炭酸または固定(非揮発性)酸の喪失によりアルカリ側に移行する障害」
*代償性代謝性アルカローシス
*代償性呼吸性アルカローシス
*低クロル血症性アルカローシス:
「低ナトリウム血症、低カリウム血症を伴った低クロル血症で見られる代謝性アルカローシス。長引く嘔吐による塩化ナトリウムや塩酸の消失で生じる」
低カリウム血症性アルカローシス

◎代謝性アルカローシス:
「きわめて多くの原因に起因するため基礎疾患の鑑別が重要。まず電解質の補正から始め、効果がないときに酸化剤を与える」
「一般的にはpH7.55以上が補正の対象になる」





アルコール依存症
(参照→「ビタミンB1」)
=アルコール中毒症(alcoholism)
◎見分け方
KAST(久里浜式アルコール依存症スクリーニングテスト)
KASTの簡易判別法:
①せめて今日だけは飲むまいと思っても、つい飲んでしまう。
②周囲の人から大酒のみと非難されたことある
③適量でやめられない。
④男性:朝から酒を飲むことがある。
 女性:酒を飲まないと寝付けない。
以上の1項目に当てはまれば、疑いがある。
4つの質問で診断
「アルコール依存症患者が1400万人いると言われる米国で数千の病院がこのほど、アルコール依存症に関する無料診断を実施した。診断では、対象者に4つの質問を行ったが、専門家によると、1つでも該当すれば依存症の疑いがあるという。

質問は、
①飲酒量を減らそうと考えたことがある。
②他人から飲酒を批判されるとムッとする。
③飲酒について罪悪感を覚えたことがある。
④二日酔いを覚ましたり、気持を落ち着かせるために、朝起きてまず酒を飲んだことがある。-------の4項目。
依存症になる可能性は、21歳以降に飲酒の習慣を始めた人の場合は、10%だが、14歳前だと43%に跳ね上がるという。」1999.5.6.《日本経済新聞》

◎コレシストキニンが関連(参照→気質)

■家族もむしばむアルコール
「アルコール依存症は家族を巻き込んで進行する。「いつ飲むか」「また暴れるのでは」------。依存症者に振り回されて、家族の関心も「酒」に集中し、心の健康を失って行く。
 埼玉県立精神保健健康センターのソーシャルワーカー、吉岡隆さん(50)は「最初の相談者は本人よりも圧倒的に家族が多い」と話す。
「アルコール中毒はだらしないからだ」「家族が悪い」といった周囲の偏見に傷ついている家族のつらさを全面的に認めるのが第一歩。その後、ゆっくりと「依存症は病気で、やめられないのは本人の性格とは関係ない」「家族の関心も酒以外に向かなくなり、結果的に本人を追いつめることになる」ことなどを伝えていく。
埼玉県大宮市の、K子さん(49)が再婚したのは36歳だった。相手がアルコール依存症だったことは再婚するまで気付かなかった。音響設備関連の仕事をしていた夫は昼は仕事に打ち込むが、夜、酒が入ると豹変して、家具を壊し暴力を振るう。いつ暴れるか分からない不安から「家庭内はいつも空気が張りつめていた」。
 夫は次第に仕事も手につかないほど酒に浸り、86年以降は体を壊しては入院を繰り返すようになる。影下さんは「町内や子供の学校には、夫がアルコール依存症だと知られたくない」と孤立。相談した精神科医には「意志が弱い人はやめられない」と突き放され、「夫を殺せば楽になるとさえ思った」と振り返る。
アルコール依存症者本人の自助グループはAA(アルコホーリクス・アノニマス)などが知られるが、家族が回復するための自助グループもある。86年、疲れ切っていたKさんは、夫が入院した病院の看護婦に紹介され埼玉県内の家族の為の自助グループに顔を出した。
最初は「自分がいない間に夫が飲んで暴れているのでは」と不安だったが、3年間欠かさず毎週通い続けるうちに、以前ほど夫の飲酒に振り回されなくなった。「好きになった人が依存症だっただけ。飲む飲まないは本人に任せて、私は自分の人生を楽しもう」と考えるようになった。
今春、49歳だった夫は「おれは家族を苦しめた。同じ様な家族を助けて歩いてほしい」と言い残して肝硬変で死亡した。夫は酒を飲み続けたが、亡くなる5年ほど前からは、影下さん自身の変化も手伝って家庭に少しずつ明るい会話が戻ってきたことが救いだった。依存症患者のいる家庭では異例のケースという。「依存症を病気と認める社会になってほしい」。影下さんは今も、自分が大宮市につくった自助グループの活動を続けている。1996.11.26《日本経済新聞》

■進む痴呆、
「依存症の患者では、脳の前頭葉の神経細胞の脱落、脳の萎縮が同年齢の人より早く進むことが分かっています。飲酒が過ぎると食事を摂らなくなって栄養不足、特にビタミンB1不足になりやすく、記憶障害や自分が何をしているか分からなくなる見当識障害が出やすいことも知られています」(樋口進・国立療養所久里浜病院精神科医長)1996.12.21《朝日新聞》

■肝硬変などの診断名が隠れみの
「公務員品川達夫さん(53)=仮名=。アルコール依存症と診断されてからは断酒を続けているが、どうにも忘れかねていることがある。3年前の夏。飲み過ぎがたたり、肝硬変で3ヶ月間、内科に入院した時のことだ。
「もう一生飲めない?」と聞くと、医師は、「コップに1、2杯ぐらいなら」と言った。それは「飲める体に治してもらった」と聞こえた。「自分では断酒するまで依存症とは思っていなかったし、内科で酒の問題は指摘されなかったから、『ああまた飲める』という感じでした」
退院後は午後5時になると職場近くの酒の自販機に走り、やがて夜中に台所のみりんまで飲む。大小便の垂れ流しも始まった---------。
最初に酒量が増え始めたのは10年前、係長昇進がきっかけだった。気負いと責任感、土木関連の部署で対外折衝も多い。毎日外で飲み、帰宅後もビール1?は飲む生活が始まった。妻(50)心配して酒を置かなくなると、公園や納屋で隠れ酒を始めた。
飲んでも静かだし、職場検診の前は2週間だけ酒を止めたから引っかからなかった。元々、昼間から酒の匂いをさせる人もいたので、周囲は気付かなかった。紙パンツをはいてでも出勤は続けた。妻も、「依存症はうちには関係のない病気だ」と思いこんでいた。
2年前、再び肝臓を病んで入院。連絡用に渡したテレホンカードを同室の患者に売って酒を買う姿に、妻はようやく依存症と確信。専門の精神病院に入院させた。
ある患者は、依存症と診断される間での4年間に様々な病院で系20の病名をつけられた。高血圧、糖尿病、慢性腎不全、狭心症---------。主に内科医の下す、こうした診断名が依存症の「隠れ蓑」になっているのが現状だ。
「一般病院に入院する男性の1/4には飲酒問題があるという報告もある。私たちの調査では、一般病院への初回入院からアルコール専門の治療機関に到達するまで平均7.4年かかっています。早期発見は内科医がカギです」と三重県立高茶屋病院アルコール担当医長の猪野亜郎さんは言う。
内科医らとのネットワークを模索した猪野さんは、三重大学病院や地域の総合病院の協力を得て昨年2月、「県アルコール関連疾患研究会」を初め、成果も出だした。昨年2月から1年間高茶屋病院に来院した依存症患者194人のうち、58人(約3割)が内科医からの紹介だった。5年前には1割にも満たなかった。1997.12.20《朝日新聞》

■久里浜方式
「夜9時。ポワンポワーンと物寂しい鉄琴の音が、病棟の長い廊下に響く。旧日本軍の消灯ラッパのメロディーだ。国立療養所久里浜病院(神奈川県横須賀市)にあるアルコール専門病棟。鉄琴で滅灯を知らせて回る日直の患者に、テレビを見ていた患者が「お疲れさん」と声をかけた。
「依存症は治らない」と言われた時代に考案された同病院の入院治療法は「久里浜方式」と呼ばれ、多くの回復者を生んできた。入院期間は一律3ヶ月。患者は自治会を作り、朝5時の起床から夜10時の消灯まで日課を協力しながらこなす。月に一度、全員で地元の三浦半島や対岸の房総半島を15kmほど歩く「行軍」もある。
同院は、アルコール専門治療をする国の基幹病院として、全国の医師や看護婦らを対象に依存症の研修を実施し、過去3000人以上が受講。多くの病院が之に似た治療法を導入してきた。だが、「自治会が医師と対立して治療効果が上がらないこともある」「入院期間が一律なのは不合理」「行軍など時代に合わない」。こんな批判も一部に出てきた。
名誉院長の河野祐明さんは、作家のなだいなださんらとともに30年以上前に久里浜方式を編み出した生みの親だ。「依存症は生活習慣病で、回復はそう簡単ではない。入院は、断酒にて生活習慣を帰る訓練期間にすぎない。久里浜方式の神髄は患者の人権中心の考え方であり、治療法は時代とともに見直されるべきだと思う」と語る。
かって患者の多くはブルーカラーだったが、最近の同院の外来受診者の1/4はホワイトカラーや主婦、学生。近年は、退院後1年断酒を続ける率が、3割をなかなか超えないのが悩みだ。退院後1年ごとに患者の約4%が亡くなり、10年後には生存率が6割を切ってしまう。
4月に院長になった白倉克之さんも、「背景が多様化し、入院しての集団治療が合わない患者もいる。人により、早めに通院に切り替えるなどの見直しは不可欠です。そして何より予防と、重症化する前の早期発見に力を入れないと回復は難しい」という。
同院は依存症になる前の『プレアルコホリック』段階での治療も実験的に始めている。大量飲酒の問題はあるが、幻覚は経験していないなどの症状の人が対象だ。「依存症という山頂に行ってしまう前に、中腹で引き返してもらう」と臨床研究部長の樋口進さんは狙いを語る。「依存症に至ると家族関係は壊れ、社会的地位も失い、断酒しても回復に膨大なエネルギーが必要な事が多い。失ったものが少ない段階でならより回復しやすいはず」プログラムはまず、6ヶ月の断酒を目指す。入院はせず、周1回2時間のミーティングに月の1度以上は参加してもらう。そこで患者同士が近況を話したり、医師がアドバイスしたりする。
首都圏に住む自営業男性(50)は、今年3月からプログラムを受け始めた。景気が悪くなり赤字続き。あれこれ考えると寝付けず、毎晩飲んだ。量を増やさないと眠らなくなり、翌日は二日酔い。血糖値などは正常で、近所の内科医には「大丈夫」と言われたが、「アル中になるんじゃないか」と心配してきたのだ。
最初、6ヶ月の断酒は無理だ、と思った。だが、ミーティングで他の参加者が、つい飲んでしまったことを下手な言い訳をしながら話す姿が妙におかしくて、「自分の姿だ」と断酒を決意した。
取引先との飲み会でも、「今、ドクターストプだから」で通し、「やれば出来る」という自信がついた。半年後、医師と相談して、仕事関係の酒席では少しだけ飲むことにした。心の支えにと、今も月に2回程度、ミーティングには妻と参加している。197.12.21《朝日新聞》

■依存症と関係の深い染色体特定
「米国立アルコール乱用・依存症研究所(NIAAA)は20日、アルコール依存症を関連の深い染色体を複数の研究グループが突き止めたと発表した。
研究は、親類に依存症患者がいる986人を調べた結果、特定の染色体が複数見つかった。これらはアルコール分解酵素を作り出す遺伝子群に近い位置にある第4染色体や第1、第2、第7染色体など。
これとは別の人々を対象にした同様の研究では、第4、第11染色体に共通性が見られた。第11染色体は、脳神経の信号のやり取りとかかわりを持つ化学物質ドーパミンの生成との関連が指摘されている。
脳波の研究では、第2、第6染色体などと[P3波]との状態に関連があることが分かった。アルコール依存症患者はP3波が弱いことが知られている。」
1998.5.21《日本経済新聞》

■吐き気止めが有効
「米テキサス大学の研究グループは吐き気を抑えるオンダンセロトンという薬剤がアルコール依存症の治療にも有効であることを突き止めた。約300人のアルコール依存症患者を対象に臨床試験をしたところ、禁酒率が40%上がったという。
オンダンセロトンが有効だったのは、遺伝的な要因を持ち、若いうちから飲酒を始めたタイプの患者。このタイプは全アルコール依存症患者の約1/4を占め、早い時期から飲酒の週間がついているため治療が難しい。」2000.9.14《日経産業新聞》
【色彩療法】
 アルコール中毒(慢性)-----青色、赤紫色、緋色、           オレンジ色。
【芳香療法】
「マッサージはアルコールへの依存を招いている心の底にあるストレスを軽減させます。リラックス作用がある精油、抗ウツ作用がある精油を、個人の好みと状況に応じて選びます。さらにフェンネルやジュニパーなどの解毒作用のある精油は長い間に蓄積された毒素を体内から除くうえで大変価値があります。」

■泥酔時、神経細胞の働きを直接抑制
「泥酔状態になると、痛みを感じなくなったり、心拍数が減ったりするが、新潟大学能研救助と理化学研究所の研究グループがこうした現象が起きる仕組みを細胞レベルで解明した。アルコール依存症の治療薬やアルコールを使った鎮痛剤の研究などに役立つ成果。12月1日付の米科学誌「ネイチャ・ニューロサイエンス」し発表する。
脳や心臓の細胞膜にはカリウムイオンが通る通路があり、細胞からイオンが出て情報伝達が抑制される。これまでもアルコールが細胞膜の上の情報を受け取るアンテナ薬のタンパク質(受容体)に作用し、間接的にイオンの通り道を開くことは知られていた。研究グループは今回、アルコールがこの通路を直接的に開く作用もあることを突き止めた。こうした現象はアルコールの血中濃度が低いときには起きないが、血中濃度が0.3%を超えると神経の働きを抑える作用が効き始めるという」1999.11.24《日本経済新聞》

■中毒死
「1999年6月、熊本大学医学部の漕艇部が開いた新入生歓迎会で、1年生のYさん(20歳)が急性アルコール中毒で亡くなった。一次会でビールを飲んだ後、二次会では上級生が新入生に焼酎の一気のみを競争させ、Yさんは焼酎約1.4リットルを飲んで泥酔状態になった。Yさんはそのまま同級生の部屋に放置され、翌朝、死亡しているのが見つかった。
アルコールがからだに入ると胃腸から吸収され、血管を通って肝臓に運ばれる。肝臓でアセトアルデヒドに分解され、さらにアルデヒド脱水酵素(ALDH)で酢酸に分解されて、炭酸ガスと水になって体外へ排出される。この過程で生じるアセトアルデヒドが悪酔いの原因物質。急性アルコール中毒は急性アセトアルデヒド中毒でもある。アセトアルデヒドは脳を麻痺させる。大量になると、中枢神経にまで麻痺が及び、呼吸中枢が麻痺すれば、死につながる。
アセトアルデヒドを分解するALDHには、アセトアルデヒドが高濃度になって初めて働くⅠ型と、低濃度でも働くⅡ型があり、遺伝的なものだ。Ⅰ型はみんなが持っているが、Ⅱ型は日本人の4割で部分的に欠けていて、1割は全く持っていない「下戸」が。完全欠損の人が一気飲みした場合、両方の型を持つ「酒に強い」人に比べて血中アセトアルデヒド濃度は数十倍に跳ね上がる。
(死因事典p210~)



アルコール性肝障害alcoholic hepatopathy
⇒アルコール中毒による肝障害。
◎診断基準:1986年、文部省科研費総合研究班。

「アルコール性」とは、長期間にわたる過剰の飲酒が肝疾患の主な原因と考えられるもので、禁酒後に種々の臨床症状や検査成績の明らかな改善が認められるのを原則とする。
判定するには、過飲歴と筋腫による改善を確認する必要がある。

種類:
①アルコール性脂肪肝:
②アルコール性肝炎:
③アルコール性肝硬変:
④アルコール性肝線維症:
⑤常習飲酒家の慢性肝炎:
⑥非特異化あるいは正常肝:
⑦重症アルコール性肝障害:

■アルコールへの耐性
「日本人は概して、欧米人に比べアルコールに弱い。人口1人当たりのアルコール消費量は先進諸国で最低で、ワイン好きの多いフランスの半分にも達しない。その理由の一つは日本人の肝臓にある。
 肝臓は一種の「化学工場」。栄養素を貯蔵・合成するほか、食物中の様々な有害物質や腸内で発生した毒物、あるいは服用した薬物などを分解する。
 口に入れたアルコールは80%以上が胃をはじめとする上部消化管から吸収された後、肝臓で分解される。酒に強い弱いが肝臓の分解能力に左右される。もともと酒に強い人でも少量の飲酒で顔面が赤くなり、吐き気・動悸・頭痛をきたす人もいる。最初は飲めなくても飲酒の機会が増えるとだんだん強くなる人もある。
 アルコールは肝臓にあるアルコール脱水素酵素、ついで中間代謝物であるアセトアルデヒドの脱水素酵素の働きによって分解され、最終的には二酸化炭素と水になる。アルコールに強いか否かはこれらの酵素の量によって左右される。
アルコール脱水素酵素は飲酒の機会があれば肝臓で増量されるが、ある種のアセトアルデヒド脱水素酵素が肝臓にもともと欠損している人がいる。こうした人はアセトアルデヒドが血中に溜まり、この物質が気分を悪くする。日本人の約半数はこの酵素を合成する遺伝子を生まれつき持たないとされる。
 アルコールに対する強弱の個人差はあるが、長期間にわたる多量の飲酒は必ずと言って良いほど、肝臓の機能を弱らせる。まず、脂肪肝・肝繊維症・アルコール性肝炎、ついでアルコール性肝硬変の順に進行する。
「雨垂れ石をうがつ」のたとえがぴったりである。
だから、飲める人でもビールは大ビン1本、日本酒なら2合以下にしておくのがよい。多少なりとも肝臓に不安のある人はこれ以下に控える必要があることは言うまでもない。(大阪市立大学医学部教授・木下博明)1997.1.18《経済新聞》

■アルコール性肝炎の発症のカギ
「米ノースカロライナ大学の研究グループは腫瘍を死滅させる働きがある物質が、アルコール性の肝炎や肝硬変の発症に深く関係していることを発見した。アルコールを飲み過ぎるとこの物質が出来やすくなり、その作用で肝細胞が傷つけられるという。肝炎や肝硬変の新しい治療薬を開発するのに役立つ成果だとしている。
この物質は『TNF-α』と呼ばれるタンパク質で腫瘍を壊死させる働きがある。全身の様々な細胞や組織で作られているが、肝臓内では外部から侵入した細菌を攻撃する「クッパー細胞」がこのタンパク質を作っている。
研究グループはTNF-αがくっつく肝細胞表面の受容体が無いマウスを遺伝子操作で作成。このマウスと通常のマウスの両方にアルコールを混ぜた高脂肪思量を週間与え、肝臓の様子を比較観察した。その結果、通常のマウスは肝細胞が多き苦葵ずつ浮いたのに、遺伝子操作マウスは肝細胞が全く傷つかなかったという。
アルコールを大量に摂取すると、腸内細菌が出す細胞刺激物質が腸管から肝臓に入り込みやすくなることが知られている。研究グループはこの刺激物質によってクッパー細胞の働きが活発になり、TNF-αが大量に作られ、肝細胞が傷ついて肝炎や肝硬変になると推定している。1999.10.8《日経産業新聞》

■女性ホルモン
「同じように酒を飲んでも、女性が男性よりアルコール性肝炎や肝硬変になりやすいのは、女性ホルモンの作用が関わっていることを佐藤信紘・順天堂大教授らがラットの実験で突き止めた。
女性ホルモンのエストロゲンが、アルコール摂取で作られる肝臓内の炎症性物質を増やすことを解明。佐藤教授らは、この作用を防いで肝臓病を予防、治療する方法を研究している。
女性が男性よりアルコールに敏感な理由として、一般に体が小さくて肝臓も小さいことや、ホルモンの影響が指摘されている。佐藤教授らは、アルコールで活性化された腸内細菌が毒素エンドドキシンが、肝臓で代謝されるメカニズムに着目。これまでに、肝臓のクッパー細胞がエンドトキシンを分解する一方で、炎症をOK巣サイトカイン(TNF-α)と呼ばれる物質を分泌し、周囲の肝細胞を壊すことを解明した。今回は、さらに女性ホルモンの影響を調べるため、エストロゲンを投与したメスラット群と無投与群にアルコールを注入し比較した。投与群の肝臓では、クッパー細胞の表面にあるエンドトキシンを取り込む受容体が約3倍に増えた。」2002.10.23《日本経済新聞》

【鍼灸】
「沢田健先生ある時曰く、“アルコール中毒になると脾臓と腎臓をひどく悪くしているものです。それが灸しているうちに脾臓と腎臓が治ってくると、少し飲んでもすぐ酔うようになる。先達も、三菱の両雄といわれるほどの飲み手の人に灸をしましたが、灸しているうちに、早く酔うようになって1合位よりほか飲めなくなったと云って驚いていました”」《沢田流聞書鍼灸眞髄》
  
  


アルツハイマー病Alzheimer's basket cells
=1907年、ドイツの精神科医、A.アルツハイマー博士が初めて報告した病気。

◎痴呆症の一種。
<1>早い時期から診断可能。
<2>進行すると家族の顔も分からなくなる。
<3>40歳代からの発症があり、しかも進行が早い。
<4>患者は、紙に立体図形が描けない。

◎アルツハイマー型痴呆は、

脳の中に特殊な変化が起こって次第に脳が萎縮し、ひどい痴呆になってしまう病気。
初期症状:

①職場で手紙の住所や日付を書き間違える。
②つじつまが合わない文章を書くようになる。
③人の名前を忘れる
④ものをしまった場所を忘れる
⑤約束を忘れる。

進行症状:

①通勤の道を間違える。
②家の中でトイレと台所を間違える。
③自分の年齢が分からない。
④言葉の最後の数語を反復させる。
⑤1語を反響させるかのように何度も繰り返す。
⑥鏡に映った自分に話しかける。
⑦人形を子供と信じて撫でたり、あやす。
⑧食事をしたことを忘れ、食べたばかりなのに“食事はまだ?”と催促する。
⑨乾いた洗濯物を、また洗濯機に入れて洗おうとする。
早い人は40歳代後半に始まり、5年で重症化する。

重症化すると、

人格が変化し、感情的に不安定になり、徘徊したり、環境に適応出来ずに様々な問題を引き起こし、ついには精神の荒廃状態に陥り、言葉を発することも出来なくなり、寝たきりになる。

■女性ホルモン服用の女性----------発症減る。
「痴呆症などを起こすアルツハイマー病に罹る率が、女性ホルモンのエストロゲンを服用している女性は低くなるらしいことが、米コロンビア大の研究グループの調査で分かった。エストロゲンは更年期障害などの治療で使われる。脳細胞を強化して発症を遅らせるのではないか、とグループはみている。
 ニューヨークに住む女性1024人(平均年齢74歳)を対象に、5年にわたり調査した。1996.8.」

■40歳代からのアルツハイマー
「札幌医科大学の研究によれば、アルツハイマーの早期発症者の特徴に
<1>立体図形が描けない。患者(鈴木さん)は頭の中では箱の図形をイメージすることが出来るのに、紙にその箱の図形が描けない。鈴木さんは板をのこぎりをひいて箱を作ることが出来る。
<2>進行すると家族の顔も分からなくなる。
<3>必ず進行していく。しかも40歳代の患者のほうが進行が2倍以上早い。    1996.11

■遺伝子の関与------1割-----
「マサテューセッツ綜合病院の研究グループはこれまでアルツハイマー症の原因の半分を占めると考えられていた遺伝子が、患者全体の10%しか関与していないことを突き止めた。
  この遺伝子は『apoE-4』と呼ばれる。マサテューセッツ綜合病院のR・タンジ博士らがハーバード大学と70歳以前にアルツハイマー症になった310家族679人の患者の遺伝子を調べたところ、『apoE-4』遺伝子の原因があると見られる患者は全体の10%しかないという。 1997.2.27《日経産業新聞》

■適量ワインで予防?
「1日グラス3杯のワインでアルツハイマー病を予防する?フランスのボルドー大学の研究グループは、一定量のワインを毎日の飲み続けることが老人性痴呆症のアルツハイマー病の予防に効き目が在るとする疫学調査結果をまとめた。
成果をまとめたのは同大学病院センターのジャンマルク・オルゴゴザ教授ら。65歳以上の高齢者焼く3800人を数年間、追跡調査した。その結果、ワインをグラスで3~4杯飲んでいる人の場合、アルツハイマー病の発生率が、酒を全く飲まない人のわずか1/4にとどまっていることが分かった。1997.3.25 《日本経済新聞》 (参照→ワイン)

■高血圧薬に痴呆予防効果
「血圧降下剤『ニトレンジピン』に、アルツハイマーなど痴呆の発病を抑える予防効果があるという研究結果を、吉富製薬が発表した。この薬は独バイエル社が開発したもの。」1998.11.15《朝日新聞》

■活性酸素
「米国のペンシルベニア大学の研究チームは、アルツハイマー病患者の脳には正常な人の2倍の活性酸素があることを突き止めた。1998.12.10《日経産業新聞》

■DHA
「脳血管性の痴呆症患者13人、アルツハイマー病の患者5人に、6ヶ月間脳の循環改善薬とDHAを経口投与。DHAは1日に、700mg~1400mg。その結果、脳血管性痴呆の13人中10人は、生活意欲が高まったり、妄想が減少。アルツハイマー病の5人は意欲・対人関係・落ち着きがやや改善した。
知的機能の簡易検査結果では、DHAを与えなかった患者が徐々に低下したのに対し、投与した患者は計算力や判断力に改善傾向があった。
1人が脂肪の過剰摂取で腹痛を起こした以外に、副作用はなかった。宮永和夫群馬大医学部講師(神経精神科)、矢沢一良相模中央科学主任研究員1995.3.18 《日本経済新聞》」
 「脳の循環改善薬だけを 24人に6ヶ月飲んでもらった場合、症状が良くなったのは2人だけだった。1995.3.19《朝日新聞》」
   

■ビタミンEで発症遅く----予防実験
「米国立老化研究所は、エーザイなどの協力を得て、全米でアルツハイマー症の大規模な予防実験を行う。
早期に兆候をつかめばビタミンEなどによって発症を1年以上先延ばし出来ることが分かってきたため」1999.3.16《日本経済新聞》
   

■酸性雨が原因
酸性雨が多いところにアルツハイマー病の患者が多い。(ノルウェー)
酸性雨で地中からアルミニウムが溶けだし、アルミニウムイオンとなってトランシフェリンと結合すると、脳血液関門を通過出来る。
①アルミニウムイオンは脳内のβアミロイドを結合させる。
②アルミニウムは土や岩石に多く含まれる。
③アルミニウムは人体に全く不用な物質。
④水の浄化にはアルミニウム化合物(ex硫酸アルミニウム)が使われていて、それが水道水に混入する可能性がある。
⑤体内に鉄分が不足すると、アルミニウムが体内に取り込まれやすくなる。
   

■老人斑、むしろ「結果」
「神経細胞が減って記憶障害などが起こるアルツハイマー病は、脳の大脳皮質などに染み出るように出来る老人斑が原因、とする説がある。しかし、国立精神・神経センター神経研究所のグループは、マウスの実験で、老人斑はアルツハイマー病の「原因」ではなく、むしろ「結果」であることを示す実験結果を得た。これは今月、米医学誌ネイチャー・メディシンに発表された。
老人斑は、βアミロイドと呼ばれるタンパク質が、大脳皮質などの神経細胞の周囲に沈着して出来る。
アルツハイマー病の老人斑原因説に対しては、痴呆のない人の脳でも老人斑が多く見つかること、この病気で一番障害を受ける海馬に老人斑が少ないことなどから、これまでも疑問視する向きがあった。
国立・精神・神経センター研究所の崔得華・研究員、田平武・疾病研究第6部長らは中外製薬と協力して、その変異が家族性アルツハイマー病の引き金となることで知られる[プレセニリン1]という遺伝子を、マウスに持たせるようにした。この遺伝子が変異したマウスと、変異していないマウスを2年にわたって比べた。
その結果、変異した遺伝子を持つマウスの方が、大脳皮質や海馬の神経細胞が大きく減っていることが分かった。しかも、このマウスには、老人斑は出来なかったが、老人斑の主成分であるβタンパクは神経細胞の中に沈着していた。沈着を起こしている神経細胞の数も、遺伝子に変異がないマウスに比べて多かった。
  このことから、研究グループはプレセニリン1の変異はβタンパクを増加させるが、老人斑として沈着する前に神経細胞の中に沈着して、アルツハイマー病を起こしているとみる。
田平さんは「老人斑は、神経細胞が死んだ結果として出ているのではないか。今後は、βタンパクが、どのように神経細胞内に沈着するかを明らかにすることで、アルツハイマー病の発症過程が分かってくる」と話している。1999.5.

■老人斑・・・関係ない
「2010年、大阪市立大学の富山貴美准教授と森啓教授らは、アルツハイマーの発症や進行は、脳内タンパク質「アミロイドベータ」の小さな集合体(オリゴマー)が溜まるだけで起こることをマウス実験で突き止めた。
アミロイドベータが繊維状に集まってできた「老人斑」は発症・進行とは関係なかった。
米神経化学会誌(電子版)に4/8発表。
姫路獨協大・兵庫医療大などとの成果。
アルツハイマー病はアミロイドベータが脳に徐々に蓄積し発症・進行する。従来はアミロイドベータだけでなく、老人斑も関係しているという説があった。
研究チームは老人斑が無くても発症した重症患者を調べ、アミロイドベータももととなる遺伝子に変異があるのを見つけた。そして、患者と同じ場所に遺伝子変異を持つ実験用マウスを作製した。マウスは生後8ヶ月目からアミロイドベータの脳への蓄積が増えるとともに、記憶障害が現れた。
脳内のタンパク質「タウ」が異常になったり、神経系細胞が活性化したりする、患者に特徴的な現象も見られた。
発症だけでなく症状の進行にも老人斑が必要ないことが確認された。(産業)

■発症タンパク質
「米ブラウン大学の研究グループは、痴呆症の一種であるアルツハイマー病の発病に関係していると見られるタンパク質を発見した。このタンパク質は『アグリン』と呼ばれ、脳や全身の神経細胞に広く分布し、神経細胞の成長を促進させる働きがある。
研究グループはアルツハイマー病の患者の脳には、形が異なる「異常アグリン」が多いことを突き止めた。この異常アグリンが脳細胞に悪影響を及ぼす物質の蓄積を促進し、神経細胞が死滅すると見られる。アグリンの形が変わるメカニズムが解明されれば、効果的な治療法の開発につながる」1999.5.27《日経産業新聞》

■発症を防ぐタンパク質
「東北大学と米バーバード大学の研究グループは、アルツハイマー病の発症防止に役立つ可能性のあるタンパク質を発見した。アルツハイマー病を引き起こす神経の細胞死を抑える働きがある。ネイチャーに掲載。
研究グループは東北大の加齢医学研究所の内田隆史助教授ら。実験はマウスを使い、『Pin1』というタンパク質が働かないようにした。マウスは年を取るにつれ、運動能力が低下するなどの異常が起きた。脳を調べると、脳の神経細胞内に糸くずのように絡まった異常なタンパク質が蓄積し、神経細胞の数が減少していた。
糸くず状の塊は『神経原線維変化』と呼ばれ、アルツハーマー患者などに見られる。Pin1は、糸くずの基になるタンパク質にくっついて、糸くずが絡まる変化を防ぐ働きがあるとみられている。」2003.7.31《日経産業新聞》

■特定の遺伝子変異----高率に見つかる
「家族性アルツハイマー病の原因の1つとされる特定の遺伝子の変異が、非家族性(孤発性)患者の70%にも見られることが、大阪大大学院医学系研究科機能形態学講座と田辺製薬、科学技術振興事業団の共同研究でわかった。アルツハイマー病全体の90%以上を占める非家族性の患者で、家族性遺伝子の変異がこれほど高率に見つかったのは初めて。
アルツハイマー病の発病の仕組みはよく分かっていない。全体の2~3%しかない家族性患者では、原因と見られる遺伝子として『プレセニリン(PS)1、2』発病に直接関係するアミロイドβタンパク質の前駆体『APP』の3つが浮かんでいる。非家族性の原因遺伝子は不明だ。
同社創薬研究所(大阪市)の佐藤直也研究員らは、この3つを含め関与が疑われている8つの遺伝子が非家族性患者ではどう働いているか、30人の脳を調べた。その結果、[PS2]では遺伝子DNAの情報をコピーし、タンパク質をつくるためのメッセンンジャー(伝令=m)RNAに変異のある患者が21人いた。他の遺伝子変異はなかった。
変異の様子を調べると、DNAからmRNAが作られる際、情報を持たない部分を切り捨て、情報を担う部分だけをつなぐスプライシングのときに、1-12のエクソンのうち、5番目のエクソン5だけが欠落したmRNAができていた。
変異を誘発させるため、培養した神経細胞に様々なストレスを加えた。すると、酸素を欠乏させた時だけ、同様にmRNAのエクソン5が脱落。脳が酸素不足に陥る脳虚血状態を関係があることも分かった。
PS2は1995年に発見され、細胞内でタンパク質の合成や貯蔵に関わる小胞体にある。PS2の変異が非家族性患者に高率にみられることについて、同講座の遠山正弥教授は「PS2の異常による物質がアルツハイマー病の一因ではないか」とし、この変異をもつマウスをつくり、アミロイドβタンパク質の沈着が起きるかを確認する。」

■脳神経障害の修復酵素
「米ハーバード大学の研究グループは、脳神経の機能を正常に保ち、障害があれば修復する作用を持った酵素を発見した。アルツハイマー病など痴呆症の治療に幅広く利用できる可能性があるという。研究グループはこの酵素の臨床応用を目指して研究を加速する。
アルツハイマー病など痴呆症の患者の脳では、神経線維を束ねる『タウ』と四部特殊なタンパク質の形が変わり、神経細胞が情報をやりとり出来なくなって記憶障害などが起きるとされる。従来の痴呆症の治療薬はこのタンパク質に異常が起きないよう予防的に働くものしかなかったが、今回発見した酵素には、異常なタウを正常化させる画期的な働きがあるという。
発見したのは神経細胞が分泌する酵素で。『Pin1』と呼ぶ。研究グループは、アルツハイマー病の患者の脳から取り出した異常タウに[Pin1]の溶液を加えると、約10分以内に正常タウに変化することを試験管内で確認。さらにアルツハイマー病の患者の脳では、[Pin1]の量が極端に少ないことを確かめた」1999.6

■原因物質---分解酵素を特定
「理化学研究所・脳科学総合研究センターは痴呆症を引き起こすアルツハイマー病の原因物質を分解する酵素を特定した。この酵素の異常を検出できれば、痴呆症の早期発見につながる。さらに酵素の働きを正常に戻す物質が見つかれば、アルツハイマー病治療薬の開発にも役立ちそうだ。この研究成果は1日白喉の米科学誌「ネイチャー・メディシン」2月号に掲載された。
アルツハイマー症の患者の脳には「βアミロイド」というタンパク質が多数蓄積している。このため、このタンパク質が発病の引き金になっていると見られている。理化学研究所の研究チームが特定した酵素は、中性エンドペプチダーゼと呼ばれる。ラットの脳にβアミロイドの様々な部分に放射性物質の標識を取り付けて投与した後、様々な酵素阻害剤を加える実験を繰り返し、この酵素が原因物質を分解していることを突き止めた。
βアミロイドは誰の脳でも作られている。若いうちは酵素ですぐに分解されるが、40~60歳代に蓄積が始まり、その10~20年後に痴呆症になると考えられている。このタンパク質が蓄積し始める段階で検出できれば、早期発見が可能になる。これまで検出する方法がなかった。
今回、中性エンドペプチダーゼがβアミロイドの蓄積を左右していることが分かったことで発症前に診断できる可能性が出てきた。さらに、「遺伝子治療などでこの酵素を正常に働かせることができれば、早期治療に応用できるかもしれない」(西道隆臣チームリーダー)という」2000.2.1《日経産業新聞》

■2合以上の飲酒---脳萎縮加速---
「1日に日本酒換算2合以上の酒を飲むと、脳の萎縮の発生率が高まることが、千葉大学医学部の久保田基夫助手(脳神経外科)らの調査で分かった。
調査の対象は、「脳ドックを受診した30~60代の1432人。うち男性は1061人。女性は371人。磁気共鳴断層撮影装置(NRI)の測定データを元に、アルコールの影響が表れやすい前頭葉について、萎縮の有無を調べた。
その結果、「非飲酒者」や「1日に2合以上飲む」というグループは発生率が4割近くにのぼり、統計的に有意な差が見つけられた。
久保田助手は「脳萎縮が進行すると、判断力や認知機能の低下を起こす。基本的には加齢に伴う減少だが、今回の調査で、過度の飲酒が萎縮を加速することが裏付けられた。」2000.6.4《朝日新聞》

■アルコール分解酵素が関連
「日本医科大学の国立長寿医療研究センターのグループは2003年1/29、お酒に弱い人がアルツハイマー病に罹りやすい原因を解明した。アルコールの分解過程で働く酵素が脳に溜まる有害物質の解毒にも関わっており、この酵素の働きが弱いと神経細胞が死滅しやすくなると言う。
日本医大・老人病研究所の太田成男所長と大沢郁郎助手らが注目したのは、体内でアルコール分解にかかわる『アルデヒド脱水素酵素2』。この酵素の働きが弱いとアルツハイマー病になる危険性が高まるという疫学調査をもとに、酵素と細胞死の関係を調べた。
約2400人を対象に酵素の遺伝子タイプを分析。酵素の働きが弱い人では、アルツハイマー病患者の脳に溜まる『4ヒドロキシノネナール』という有毒物質のもとになる過酸化物質が多かった。
酵素が普通に働いている培養細胞にこの有毒物質を加えても大きな影響は無かったが、酵素の働きが弱い人では、次々と細胞が死んだ。酵素が有害物質も持つことを示す成果という。
太田所長らは細胞死をビタミンEで抑制できることも確認。アルツハイマー病を予防・治療する手がかりを得た。
この酵素は体の様々な細胞で働く。成果は国際神経化学誌2月号に掲載」203.1.30《日経産業新聞》

■原因酵素を特定
「東京都立大理学研究科の久永真市教授のグループは1日、アルツハイマー病の発病に深く関係している酵素(カルパイン)を特定した。と発表した。
アルツハイマー病では、まず脳にベーターアミドイドというタンパク質がたまって老人斑が出来る。その後、脳の神経細胞の中にあるタウタンパク質にリン酸をくっつける斑濡鬼スイッチを入れる役目をしている物質があり、カルパインは、その物質の活動を活発にするという。」2000.6.2《日本経済新聞》

■偏食で増えるリスク
「自治医科大学大宮医療医センター神経内科の植木彰教授らのグループは、アルツハイマー秒間蛇の生活習慣の聞き取りを続けるうちに、患者の食事内容に偏りがあることに気づいた。痴呆のない家族に比べ、魚と緑黄色野菜の施主量が少なかったのだ。
「痴呆が進行すると、食事量が極端に増えたり、味覚が変わることは知られている。しかし、発症前の食事については、これまで詳細には調べられていなかった」。研究グループの大塚美恵子講師は、こう語る。
48人の患者と、その家族77人を比較したところ、1000kcal当たりの換算で家族が平均59.3gの魚を食べていたのに対し、患者は39.0gしかなかった。緑黄色野菜の摂取量も、家族は69.9gだったが、患者は45.9g。全体の食事内容でも、家族はおおむねバランスがとれていたのに対し、患者は偏食経口が見られた。
さらに調べると、摂取している栄養素の打ち、多価不飽和脂肪酸と呼ばれる死亡の一種でバランスの悪さが目立った。多価不飽和脂肪酸には肉に多く含まれる[n6系(リノール酸)]と魚に多い[n3系(αリノレン酸)]がある。
厚生省がまとめた栄養指針『日本人の栄養所要量』では、[n6]と[n3]の比率は[n6]が4に対し、[n3]が1程度を目安としている(n6:n3=4:1)。研究グループの調査では、患者は[n6]が[n3]の平均4.3倍と高く、逆に家族は同3.4倍と低い傾向が出た。
偏食がアルツハイマー病に結びつくのか、本格的な研究はこれからだが、この比率が高くなるほど細胞膜が弱くなり、多くの病気の引き金となると考えられている。脳で起きる慢性の炎症がアルツハイマー病の引き金になっているとの説もある。[n6・n3比]は炎症の抑制にも関係しており、痴呆に関する研究のすそ野は広い。
若いときから肉類が好きで、多いときには週に3回以上焼き肉や豚カツを食べていた患者に、魚を中心にしたメニューに切り替えさせ、[n3系]のドコサヘキサエン酸製剤も服用させた結果、簡便な脳機能テスト(MMSE)で初診時19点だったのが、歳代で25点まで回復した。治療をしないと通常は2年で5~6点は下がる。
●睡眠のリズムも大切
食事以外の生活習慣との関係はどうか?------国立精神・神経センターの武蔵病院の朝田隆リハビリテーション部長は、アルツハイマー病患者の発症前のライフスタイルを調査し、比較的長い昼寝を習慣にする人が多いことに着目した。
337人の患者と、260人の家族へのアンケート調査では、痴呆症状(物忘れ)に気づいた時期の5~10年前に、30分以内の短い昼寝をする習慣があったのは、家族で58人いたのに対し、患者では19人。一方、1時間以上の長い昼寝の習慣があったのは家族で11人、患者では40人と、逆の相関関係が見られた。
朝田部長は「アルツハイマー病になりやすいとされるアポE4遺伝子を持つ人手も、発症時期が異なるなど個人差がある。その佐賀なぜ起きるのか考えるうえでライフスタイルは重要なカギとなる」と指摘する。」

■銅イオンで抑制
「甲南大学の杉本直己教授は、アルツハイマー病の際に脳内に沈着するタンパク質(βアミロイド)の生成を、銅イオンを投与することで抑制する実験に成功した。
治療法として人間の体に銅を投入するのは難しいが、この原理を応用した医薬品を作るのに役立つとみている。
アルツハイマーは正常は状態ならすぐに分解されるβアミロイドが、脳に沈着して固まり、神経細胞を侵すと考えられている。杉本教授はこのアミロイドに銅イオンを混入するさせると、銅とタンパク質の一部が結合し、アミロイドの増加を阻むことを確認した。
実験はアミロイドに反応する蛍光体、チオフラビンTの発光強度を調べる方法で実施。無添加のアミロイドでは約3時間で発光強度がゼロから13まで上がったが、銅イオンを加えたものは12時間を過ぎても強度がゼロから2の間にとどまった。
βアミロイドの沈着が進み、発光強度が二桁に高まった後でも、銅イオンを投入すると発光強度が大幅に下がるという結果も得た。」2001.4.2《日本経済新聞》

■グルタミン塊
「垣塚彰・京都大生命科学研究科教授が、ある種の神経難病は、遺伝子の変異によってグルタミンの塊が神経にたまり、発病することを解明。アルツハイマー病やパーキンソン病も、物質や脳の部位こそ違うが、「タンパク質の蓄積」という同じ原因とする説を1998年に発表。世界中の注目を浴びた。
神経難病は多くは進行性で神経細胞が徐々に死んでゆく。そこで、これらから「異常な物質が溜まる」仮説を組み立て、遺伝子や細胞を調べる分子生物学的手法で確かめようと考えた。まだ、金沢大医学部の学生だった。」

■ワクチン
「ワクチンで患者の免疫力を高めて、βアミロイドを脳から取り除こうという治療戦略。ワクチンを開発したのはアイルランドの製薬企業。ネズミの実験では良好な結果が得られ、1999年に開かれた学会で華々しく発表された。その後、欧米では患者に対する臨床治験が始まった。が、参加者の一部で脳炎症状が認められたため中止になった。
フランスでの治験では97人のうち4人に副作用と思われる脳炎症状が現れた。治験が中止となり、その後、副作用の実態など一切公表されなかった。それが最近、治験に参加して脳炎を起こしたために死亡したある患者の解剖報告が専門誌に載った。
報告は2つのことを指摘している。1つは脳炎はやはりワクチン療法による副作用であったと考えられること。リンパ球が脳に多数存在し炎症が起きたことを示していた。
2つ目はアミロイドの蓄積が取り除かれていたこと。人間は自分自身の脳の中をキレイに除去できる免疫能力を持ち合わせている可能性を示す指摘で、報告を読んで驚いた。
このワクチン自体は、このままでは患者の治療に使えない。だが、治験を実施したことによって、治療法の開発に参考となる情報が得られた。」白澤卓二・東京都老人総合研究所研究部長)2003.7.13《日本経済新聞》

■原因を除去
「脳内で免疫機能を担う細胞が、アルツハイマー病の原因とされるタンパク質を取り除く働きをすることを、東京都精神医学総合研究所の秋山治彦部門長らが突き止め、ネイチャーメディシンに2004年2/2発表した。
秋山部門長は「この細胞を活性化して脳に蓄積したタンパク質を消すことが出来れば、アルツハイマー病の治療が可能になる」と話す。アルツハイマー病患者は病状の進行に伴い、大脳にβアミロイドというタンパク質が蓄積する。秋山部門長らは、死後に解剖した患者の脳でβアミロイドがあるはずの部位から見つからない例を発見。その部位では脳で免疫機能などを担うミクログロリアという細胞の働きが活性化していることを確かめた。」20004.2.2《日本経済新聞》

■刺激
「独ミュンスター大学付属病院の研究者らは、脳や体への刺激がアルツハイマー病の進行を抑える仕組みを解明した。
実験は、中にトンネルやはしごを付けたオリと付けていないオリを用意。マウスはトンネルなどで遊ぶことで、脳や体に刺激を受ける事になる。
5ヵ月後に脳を調べたところ、刺激のあるオリのマウスの方がアルツハイマー病の原因とされるベーターアミロイドと呼ばれるタンパク質が少なかった。また、炎症を抑制する遺伝子や、不要なタンパク質を分解する遺伝子の働きは強くなっていた。」20067/26《産業》

■ゲームで
「コンピューターを利用してゲームなどの作業をすると、アルツハイマー病患者の認知能力が改善することがわかった。
従来行われている音楽療法と比べて効果が高かった。
患者を以下のグループに分けテストした。
①名のみ治療していないグループ
②音楽療法・工作などの作業を1日3時間行うグループ
③さらに、1週間に3回、20分間のコンピューター作業を行うグループ。
米ピッッツバーグ大の調査結果。」

■DNAワクチン
「東京都神経総合研究所の松本陽・参事研究員らは、アルツハイマー病の治療にDNAワクチンが効果がある仕組みを解明した。ワクチンの作用でできた抗体に、原因とされるタンパク質がくっつき、それを脳内の細胞が除去していたという。効果の高いワクチン開発に生かせる。
松本参事研究員らは、脳に溜まってアルツハイマー病を起こすとされるタンパク質、アミロイドベータのDNAに改良を加え、DNAワクチンにした。このワクチンを注射すると生体内でアミロイドベータができ、同時に免疫システムによってアミロイドベータにくっつく抗体も作られる。
マウスに投与する実験で、脳内の不要物を取り除くミクログリアという細胞が活性化し、抗体にくっついたアミロイドベータを食べていた。抗体の直接作用でアミロイドベータが分解されたり、脳の血管壁から血液中に引き抜かれたりする現象はほとんど起きていないとみている。」

■治療用ワクチン
「森隆・埼玉医科大学助教授のグループはアルツハイマー病の治療用ワクチンを開発した。皮膚に塗ったりパッチで貼り付けて成分を吸収させる。
マウス実験で脳にたまり病気の引き金となるタンパク質が半減し、副作用もなかった。
森助教授や米南フロリダ大学などは、脳にたまってアルツハイマー病を引き起こすとされるアミロイドベータタンパク質と、免疫反応を促進するコレラ毒を混ぜたワクチンを開発。アルツハイマー病を起こすマウスにワクチンを4ヶ月間塗り続けると、体内でアミロイドベータタンパク質にくっつく抗体ができる。脳内でこのタンパク質の量は、塗らなかったマウスに比べ約半分になった。
逆に血液中では増えた。ワクチンの効果でタンパク質を取り除こうとする免疫反応が起き、脳から血中に排出されたとみている。成果は米科学アカデミー電子版に掲載」20071/24《産業》

■原因たんぱく抑制酵素
「大阪バイオサイエンス研究所のチームがアルツハイマー病の原因とされるタンパク質(ベーターアミロイド)の働きを抑える酵素を突き止めた。脳と脊髄を循環する脳脊髄液に多い酵素で、ベーターアミロイドが脳にたまるのを防いでいた。
成果は2007年3/27の米科学アカデミー紀要電子版に発表。
裏出良博研究部長らが突き止めたのは、プラスタグランジン合成酵素(ベータトレース)、睡眠を誘う脳内物質を作る酵素だが、脳脊髄液の主成分であることに着目し、詳しく調べた、
酵素も持たない実験用ネズミと通常のネズミの脳にベーターアミロイドを注入して比較した。
実験用ネズミではベーターアミロイドが塊状になり、脳に付着する量が通常の3倍以上に増えた。
この酵素を大量に分泌するネズミを使った別の実験では、塊の沈着量が通常の約1 /4に減少。」

■イネでワクチン
「アルツハイマー病の予防のために「食べるワクチン」が、農業・食品産業技術総合研究機構の東北農業研究センター(盛岡市)で開発。
遺伝子技術を使い、イネに原因物質であるタンパク質「アミロイドベータ」を組み込んである。精米して食べると体内にアミロイドベーターに対する抗体ができる。目指すのは、人間の体が持つ免疫反応をそのまま使い、抗体が体内のアミロイドベーターを次々に破壊して、病の発症を防ぐ仕組みだ。
研究に参加するのは東京大学の石浦章一教授と東北農業研究センターの共同チーム。
すでに遺伝子組み換え技術でピーマンをマウスに食べさせる実験で、記憶障害や異常行動を抑える結果を出している
■原因
「大阪市立大学のグループは、アルツハイマー病の発症原因について、アミロイドベータタンパク質が繊維化して脳に溜まってできる老人斑ではなく、アミロイドベータの分子の集合体であることを突き止めた。
成果は2008年2.25付けの米神経内科学誌の電子版に発表。
森啓教授と富山貴美准教授らは、50代でアルツハイマー病になった男性患者の脳を調べた。アミロイドベータの蓄積が無いにもかかわらず発症していた。アミロイド分子の集合体のオリゴマーが多数増え、是を引き金に神経細胞の機能低下が起こり記憶障害が起こったと考えられるという。
アルツハイマー病患者では老人斑が見られる。主成分がアミロイドベータで、通常は分解されるが、高齢になると分解されるメカニズムがうまく働かないケースが出てくる。多く溜まると神経細胞が破壊され、記憶障害が起こるとされてきた」

■カルシンテニン
「飯野雄一・東京大学教授のチームは、アルツハイマー病に関連するタンパク質が[記憶]や[学習]に関与していることを見つけた。
線虫の実験で確認。実験に使った線虫は、食塩の味がするとエサがあると思い食塩に近づく性質がある。この線虫にエサを与えないと食塩に近づかないように学習させる。学習できなかった線虫を調べると、カルシンテニンに変異があった。変異があるとニオイや温度変化へも対応できなかった。
カルシンテニンは通常、細胞表面にある。細胞外のある部分がタンパク質によって切断されると、アルツハイマー病の原因物質であるβアミロイドなどと集まり、脳内に老人斑を作るとされている。」

■麻酔による低酸素状態が・・
「米マスジェネラル脳神経変性疾患研究所は、細胞を使った実験でアルツハイマー病が、麻酔下での低酸素状態で促進される殊を確認した。
実験には吸入式の全身麻酔薬[イソフルラン][デスフルラン]を使った。
ヒトの脳神経細胞を通常の酸素状態にして実験した場合は異常が無く、細胞を低酸素状態(18%)にすると、アルツハイマー病の原因物質であるアミロイドベータが著しく増加した。」2008.5/8

■BACE1の構造解明
「2008年5/22、理化学研究所は、アルツハイマー病の原因酵素の1つ『BACE1』の立体構造を解明。体内の水素イオン濃度(pH)の値に応じて構造を変え、活性化していく仕組みを突き止めた。
■特定遺伝子の組み換え
「埼玉医科大学と米エール大学のチームは、細胞増殖などの関わる因子を受けとる受容体タンパク質である『TGF-βRⅢ』が減るように遺伝子を組み換え、マウスを使って実験した。
その結果、脳の認知機能障害が改善した。
マクロファージが活性化し、量も増えて、脳に蓄積するβアミロイドを除去していた。
成果は2008/5/30のネイチャーメディシン電子版に発表」

■ギャバ
「理化学研究所のグループは、アルツハイマー病や老化による記憶障害の新しい仕組みを解明した。成果は2008年8/21の米科学誌電子版で発表。
神経伝達を担うアミノ酸の一種である『ギャバ』が、神経の異常興奮を抑えて脳機能を維持する「ギャバ抑制」の仕組みに着目。
アルツハーマー病や老齢で記憶力が落ちたマウスに、ギャバ抑制を妨げる薬剤を投与すると、症状が改善した。
ギャバ抑制が過剰になると記憶障害につながった。
◇記憶維持に必要な酵素
「2008年、理化学研究所脳科学総合研究センターは、アルツハイマー病に関わるタンパク質に作用する酵素が、記憶の維持に欠かせない物質であることを突き止めた。
アルツハイマー病にかかわるタンパク質『タウ』が脳内に蓄積するメカニズムを解明する研究過程で見つけた。
チームはこれまでタウが脳内に蓄積すると軽い記憶障害起こることを見つけていた。タウに作用する酵素『GSKー3β』を調べた。遺伝子操作でこの酵素を作る遺伝子を半分しか持たないマウスを作製、電流を流して記憶との関連を調べた。実験ではマウスに、特定の場所にいる場合に軽く電流を流す訓練を数日間実施。その後、電気を流すと、通常なら電気の流れにそなえて起こる硬直反応が減った。その際、脳内でGSKー3βの活性が高くなっていた。
普通のマウスにGSKー3βの働きを抑える化合物を投与すると、同様の記憶障害がみられた。」
■アミロイドβ
「現在ある唯一の治療薬「アリセプト」は減少した神経伝達物質を補う対症療法である。それに対し臨床試験中の「バピヌズマブ」は老人斑[アミロイドβ]と呼ぶ有害タンパク質を除去して脳細胞の死滅を防ぐ。2008年臨床結果を発表

【民間療法】(アルツハイマー病)
○ガラナ
○緑茶
〇魚を食べていた「ギンさん」はアミロイド斑が出来ていたにも関わらず、アルツハイマー病を発症しなかった。
アルツハイマー病は老人斑が出来るとそれを処理しようと免疫細胞が働着始めるのだが、老人斑だけでなく正常な神経細胞も攻撃することで、脳の神経細胞が炎症を起こす。それをDHAが修復することが分かった。
魚をを1日80g食べていた人は発症し、1日120g食べていた人は発症していない。発症しても1/5だった。
必要量:
マグロのトロ→(2切れ)
タイの刺身→(5切れ)
イワシ→2匹
サンマ→1匹

■非ステロイド系鎮痛薬
「アスピリン・イブプロフェン・インドメタシンなどの非ステロイド系抗炎症薬を飲んでいる人は老人斑が出来ていても、アルツハイマー病を発症しない。
リウマチ患者にはアルツハイマー病の患者が少ないことから。」
    
【西洋薬】(アルツハイマー病)
「アリセプト」海外38カ国で発売。
「ガラタミン」
「オーストリアの医薬品メーカー、サノケミア(ウィーン)が開発したアルツハイマー治療薬『ガラタミン』が急速に普及している。昨年夏にはFDA(米食品医薬品局)から販売・製造承認を取得。本格的に市販を開始。
アルツハイマー病になると脳神経細胞間の情報伝達を担う物質のアセチルコリンという物質が減り、記憶力などに障害が出る。ガラタミンはアセチルコリンを分解してしまう酵素のアセチルコリンエステラーゼの働きを阻害。さらに細胞のアセチルコリン分泌を促すニコチン受容体と呼ばれる部分の働きを活発化する作用もあり、症状の進行を遅らせる効果もある。すでに市販されているエーザイの『アリセプト』とノバルティスの『エクセロン』の2種類は、アセチルコリン分解を阻害する働きはあるが、ニコチン受容体の調節作用はないという。
ガラタミンは<レミニール>という商品名発売、老人が術後に罹りやすい「譫妄」にも効果があることが分かっており、適応症を拡大している。2002.2.8《日経産業新聞》

■アセチルコリンとアルツハイマー病
アセチルコリンは意識、知能、記憶、覚醒・睡眠リズムなどを調整しています。
アセチルコリン受容体はニコチン受容体とムスカリン受容体に大別されます。
ニコチン受容体は横紋筋収縮、副腎髄質からのカテコールアミン分泌を行います。
ムスカリン受容体には、拮抗薬のピレンゼピンと相性のいいM1受容体と相性のあまりよくないM2受容体があります。
M1受容体は受け手側にあるのに対して、M受容体は送り手側にもあり、アセチルコリンの放出を調節しています。

アルツハイマー病では大脳皮質や海馬へのコリン作動性神経路が選択的な欠損が起きています。
また、M2受容体の数も減少しているようです。
パーキンソン病では尾状核神経の機能亢進が起こり、手指の振戦を起こすようです。
ノルアドレナリンやセロトニンの機能を調節して、覚醒・睡眠リズムをコントロールしています。
うつ病の病因がノルアドレナリンやセロトニンといったモノアミン作動性神経系と
アセチルコリン作動性神経系とのアンバランスによるものという考えもあります。

■タンパク質凝集体が特有な毒性をもつことは、誤った折りたたみが関係する疾患に共通の機構があることを示している Nature 416, 522 - 524 (2002)
アルツハイマー病やALアミロイドーシス、海綿状脳症など、さまざまなヒト変性疾患には、アミロイド細線維やアミロイド斑と呼ばれるタンパク質凝集体の組織への沈着が関係している。ウシのホスファチジルイノシトール‐3'‐キナーゼのSH3ドメインや大腸菌HypFタンパク質のアミノ末端ドメインなどのような、これらの疾患とはまったく無縁なタンパク質からでも、臨床的アミロイドーシスに見られる凝集体に非常によく似た線維性凝集体がin vitroで形成できることが、これまでに明らかになっている。ここでは、これら変性疾患と無関係なタンパク質の凝集過程の早い段階で形成される凝集体が、それ自体きわめて強い細胞毒性をもつことを報告する。この知見は、タンパク質の凝集を避けることが生体機能の保持に重要なことを示す追加証拠であり、この種のタンパク質沈着性疾患の起源に共通性があることを示唆している。

■脳:タンパク質の折りたたみミスで起きる病気を標的とする薬
アルツハイマー病やII型糖尿病などのアミロイド病患者を苦しめているタンパク質の塊を、徐々に溶かすことが期待される薬が見つかった。
この種の病気では、正常なら可溶性のはずのタンパク質が誤って折りたたまれ、不溶性の原繊維となって沈着し、これが組織に損傷を与える。その上、血清アミロイドP成分(SAP)と呼ばれる別のタンパク質が原繊維に結合し、さらに分解されにくくする。
ロイヤル・フリー病院&ユニバーシティ・カレッジ医学部のM Pepysたちは、結合部位を塞ぐことによってSAPの結合を妨げ、肝臓によるSAP分解を促進する薬物を見つけだした。動物モデルでは、この薬物投与でアミロイド沈着が減少した。すでに全身性アミロイドーシス患者で最初の臨床研究が行われた。この病気はアミロイド沈着が全身に広がる珍しい病気で最終的には死に至るが、この薬によって、アミロイド塊からこれを安定化するSAPがうまく取り除かれた。「信じられないような消失マジックだ。」とPepysは述べている。
Pepysたちは近いうちにアルツハイマー病患者での臨床試験を始めることにしている。News and Viewsではロンドン大学キングズカレッジのL Iversenが「この方法は非常に有望だ。」と評している。

■発症の解明に
「ワクチン療法など試行錯誤の結果、治療法や早期診断技術の開発に光明が見え始めた。「失敗に終わったが、研究の上では貴重な一里塚となった」。アルツハイマー病研究の先端を走る東京大学の井原康夫教授は、今年初めに臨床試験が中止に起き込まれたワクチン療法をこう評価する。この療法はアルツハイマー病の犯人として指標とされているβアミロイドという分子を、免疫反応を利用して攻撃する。マウスの実験で劇的な効果を発揮したが、患者では脳炎などの副作用が生じた。しかし「見えてきたものは大きい」と話す。
脳にはβアミロイドを排出する仕組みがあり、抗体がそれを促すことが分かった。治療薬を開発する道が1つ示された。
米ワシントン大学のD・ホルツマン教授らも、抗体を注射するとβアミロイドの血中濃度が1000倍に高まり、脳から溶け出すことを動物実験で確かめた。早期診断法の開発にmのつながると期待を集めている。
発症の気候解明も少しづつ進む。1990年代はアミロイド前駆体タンパク質と、これを切り出してβアミロイドを作るハサミ役タンパク質など、家族性アルツハイマー病の原因遺伝子が相次いで見つかった。
現在の焦点は、患者の99%を占める孤発型の解明だ。
患者の脳には、ベータアミロイドが蓄積して老人斑というシミができる。次いで、井原教授らが発見した『タウ』というタンパク質がからまる変化を経て、神経細胞は死に至る。
この過程のどこに真犯人が潜み、どうすれば治療に結びつくのか・・・。東京大学の石浦章一教授らが注目するのは、アミロイド前駆体タンパク質を切断する酵素ベータセクレターゼ。その働きを抑えるとベータアミロイドは出来ない。
理化学研究所脳科学総合研究センターの西道隆臣チームリーダーらは、ベータアミロイドを分解する酵素ネプリライシンを突き止めた。2002.7.10《日経産業新聞》

■球状のアミロイド
「脳の神経に蓄積してアルツハイマー病を引き起こすとされるβアミロイドは、球状になると毒性が強まり神経細胞を死滅させることを三菱化学生命科学研究所のチームが突き止めた。
研究チームは人工合成したこのタンパク質を水に溶かすと、これまで知られている糸くず状の塊のほかに直径約15ナノ㍍の球状の塊を発見。これらを分離してマウスの神経細胞と反応させたところ、球状の塊は糸くず状より神経細胞を死滅させる能力が約400倍高いことを突き止めた。」2003.5.13《日本経済新聞》

■化合物を合成
「エーザイ筑波研究所は新しい作用を持つアルツハイマー型認知症治療薬につながる化合物の合成に成功した。2006年3月から米国で臨床試験に入る。現在販売されている薬は症状を緩和するだけだが、新化合物は根本的な治療薬になる可能性がある。
開発したのは「E2012」。マウスを使った実験で、アルツハイマー病の原因の1つとされる脳内のタンパク質が集まるのを防ぐ働きがあることを確認した。
脳内にβアミロイドというタンパク質が集まるのを防ぐには『γセクレターゼ』という酵素の働きを阻止すればいいことが分かっている。
γセクレターゼを狙った医薬品は欧米の大手医薬品メーカーが開発を進めているが、ほとんどが酵素の中で活動している部分を狙ったもので、酵素の働きを完全に止める。こうした物質は正常な細胞が分裂する際に影響を与えやすく、副作用の可能性がある。
「E2012」は酵素の活動の中心とは違う部分に結びつくため、酵素はβアミロイドの前段階の物質には結合するが、βアミロイドを作り出すこと出来ない。現段階では、細胞の正常な分裂にも影響を与えない。2005.

■脳内の不要物を食べる
「滋賀医科大学と京都薬科大学のチームは、脳内の不要物を食べる細胞を移植し、アルツハイマー病の原因とされるタンパク質を減らす手法を動物実験で確認した。
脳の細胞の一種で免疫に似た働きを担っている『ミクログリア』を使った実験で効果を調べた。ミクログリアは、脳内の死んだ不要物を食べる
「滋賀医科大学と京都薬科大学の研究チームはミクログリアを使って、アルツハイマー病の原因とされるタンパク質を減らす効果を動物実験で確認した。
脳の細胞の一種で免疫に似た働きを担ってるミクログリアは、脳内の死んだ細胞やアルツハイマー病の原因とあsれるタンパク質「アミドイロベータ」を食べて除く働きがある。
脳内の海馬にアミロイドベータを注射してアルツハイマー病のラットを作り、あらかじめ採取したミクログリアを培養し鉄の微粒子を加えて注射した。その結果、ミクログリアは海馬に移動して活性化し、アミロイドベータの周りに集まった。」2007年2/7

アルツハイマーの症状
*物忘れ(海馬)、
*パジャマで出かけようとする、
*怒り出す
*普段は会話は普通
*かゆみ止めと思って接着剤
*お皿のガラを食べようとする
*灰皿があるのに皿に

βタンパク→記憶→(司令官)=感情と直結

 
■γ-セレクターゼ
「アルツハイマー病の原因物質の1つと考えられているアミロイドβと呼ぶ異常タンパク質は、脳に蓄積して神経細胞に障害をもたらす。そのアミロイドβと呼ばれるタンパク質を作り出す酵素「γ-セレクターゼ」がどのような働きをしているかを岩坪威・東大教授が解明した。
アミロイドβペプチドの端っこのある部分をハサミのように切り離すことで異常タンパク質がであるアミロイドβができあがることを突き止めた。
アミロイドβは症状がでる数十年前から脳に蓄積していると見られている。

【ハーブ療法】(アルツハイマー病)
(1)『チャイニーズクラブモス』(Chinese club moss)

このハーブに由来する化合物であるフパージン(huperzine)について、それがアルツハイマー病の進行を緩やかにするというのです。Huperzia(フパージャ)はいくつかのLycopodium(ヒカゲノカズラ科ヒカゲノカズラ属)クラブモスの別名であることが分かりました。
研究者たちは、フパージンが認識と推理に必要な脳内化合物(神経伝達物質)であるアセチルコリン(acetylcholine)の分解を阻害することを発見しました。アルツハイマー病の患者は、アセチルコリンが不足しています。」

(2)「ホースバーム」
「アセチルコリンの分解を防ぐ有用化合物であるカルバクロール(carvacrol)を含有。またチモール(thymol)も含み、これもアセチルコリンの分解を防ぎます。」
「ホースバーム中のいくつかの成分は血液脳関門を通過できます。
通常、血液脳関門は血液中の有害物質が脳組織に達することを防ぎます。ホースバーム化合物の類は、たとえシャンプーやスキンローションとして用いられても少しは有効と思います。脳でなくても髪の毛によって、ホースバームシャンプーがFDA認可のタクリンヒドロクロリド(tacrine hydrochlorido)と同じように作用すると思います。」

(3)「ローズマリー」
「ローズマリーは、フリーラジカルを取り除くのに有効な20種類もの酸化防止化合物を含有。それらの成分の中でも特に有効なものは『ロスマリン酸』です。
ローズマリーはまた、アセチルコリンの分解を防ぐと報告させた化合物を6種類含んでいます。アロマ療法士はアルツハイマー病を治療するのにローズマリー油や、レモンバーム・フェンネル・セージ類の油を推奨しています。」
「ローズマリーは記憶のハーブとしてよく知られています。ローズマリーシャンプー、ローズマリーティー及び浴槽中のローズマリーは、タクリン(tacrine)あるいはフパージン(huperzine)と同様に、抗アルツハイマー活性を持つと思います。」

(3)「ブラジルナット」           (Brazil nut,Bertholettia excelsa)
「アセチルコリンのビルディングブロック(成体高分子の構成単位となる分子)であるコリン(choline)。  『レシチン(lecithin)』はコリンを含みます。ブラジルナッツはレシチンを多量(乾燥基準で10%)に含みます。

レシチンを含有するハーブには

①ブラジルナット以外に、

②セイヨウタンポポの花、

③ケシ(poppy)の実、

④ダイズ                  (soybeans)

⑤リョクトウ                (mung beans)。
⑥セイヨウタンポポ            (Dndelion,Traxcum offcinale)
 「この花はレシチンの補給源の1つ。       レシチンは脳中のアセチルコリンの濃度を増   加します。」
⑦ソラマメ                  (Fava beans,Vicia faba)
 「この豆はレシチンが極めて豊富です。」
⑧フェヌグリーク              (Fenugreek,Trigonella foenum-graecum)
*この葉はコリンのすぐれた補給源です。乾燥基準で1.3%以上含有。
*緑色部分はβ-カロチン(beta-carotene)の補給源です。この成分もアルツハイマーの進行を予防し、遅らせます。」
⑩イチョウ
⑪セージ(Sage,Salvia officinalis)
「17世紀の薬草医であったJohk Garaed(ジョン ジェラード)は、セージは“衰弱した脳あるいは記憶及び意識回復に役立つ・・・短時間に”と述べています。イギリスの研究者たちはセージがアセチルコリンを分解する酵素を阻害し、アルツハイマー病を予防し、治療するのに役立つと思われる化合物を含有することを確認。ローズマリーのように抗酸化物を多く含んでいます。ただし、極めて多量に用いると、全身ケイレンを引き起こす化合物「ツヨン(thujone)をかなりの量で含んでいます」

⑫スティンギングネットル」
(Stinging nettle,Urtica dioica)   

「このハーブは体内を循環するホルモンのエストロゲン(estrogen)レベルを2倍にもするミネラル『ホウ素(boron)』をかなり含有しています。
⑬「ヤナギ」(Willow)
「いくつかの研究から、関節炎で多量の抗炎症薬を服用してきた人々では、アルツハイマー病の発生が低率であることを示しました。アスピリンの補給源であるヤナギ樹皮も役立つと思います。
⑭ 「ゴッコーラ」(Gotu kola,Centella asiatica)
「このハーブは強壮な精神力の維持に役立つ記憶ハーブとして、1世紀に及ぶ伝承があります。




①LMTXという薬
タウを叩く。集まったタウを分解する。
臨床試験中
発症後11年経過しても介護が不要。

②海馬を鍛える手法・・・

発症直前のヒトに有効(MCI:軽度認知障害)
海馬の予防プログラム
特別の運動 

「計算をしながらウォーキングする」
「しりとりをしながら運動する」

■アルツハイマー病→ 見つけるには

①.さくら・ネコ・電車
②.100~7を順に引いてください
③.もう一度、3つの項目を答えてください。
筋肉が刺激→成長ホルモン→BDNFが増える→海馬の神経細胞が復活


アルドステロン症 aldosteronism
⇒アルドステロンが増加して起こる疾患。aldosteroneは、副腎皮質から分泌される電解質ホルモンで、腎尿細管に作用する。
◎アルドステロン症の臨床所見は、
低カリウム血症による腎濃縮力の低下、
低比重、尿量増大、高ナトリウム血症、尿のpHも上昇する。
又運動・塩類利尿剤負荷にもかかわらず血中レニン値がきわめて低い。



アレルギー allergy
⇒アレルギーの発症にはヒスタミンが関与していることが知られており、ヒスタミンが肥満細胞から遊離される際には、ヒアルロニダーゼ(酵素)が介在している可能性が高い。この酵素はさらに結合組織を破壊し、炎症系の細胞の組織への浸潤や血管の透過性を促進する。
◎概説:
「抗原抗体反応の結果惹起される生体反応で、抗原に対して個体が病的に反応する状態をアレルギーという。臨床的にはその症状がアレルギーによると思われるが抗原不明の場合もある。
先天的にアレルギー素因があるときは抗原感作の既往が無いにも関わらずアレルギー症状を呈することがあり、これをアトピーという。」

   

■アレルギー反応と疾患:
Ⅰ型(アナフィラキシー型):
  アナフィラキシー
  アレルギー性鼻炎
  花粉症 (参照→花粉症)
  気管支喘息
  消化器系アレルギー
  ジンマシン
Ⅱ型(細胞障害型):
  新生児溶血性疾患)
  Goodpasture症候群 (グッドパスチャー症候群)
  薬物アレルギー
  輸血反応
  慢性甲状腺炎
Ⅲ型(免疫複合体型):
  過敏性肺臓炎
  血清病
  糸球体腎炎
Ⅳ型(遅延型):
  移植拒絶反応
  細菌・ウイルス・カビ感染に伴う反応
  腫瘍免疫
  接触性皮膚炎
  ツベルクリン反応
   

■アレルギーは免疫反応が自分の体に不利に働いて起きる病気。
「人間にはもともと免疫系という、自分の体を構成しているものとは異なったものを排除して、自分の体を健康に保とうとする仕組みが備わっている。
具体的には人間の体の中に細菌やウイルスなどの異物(抗原=アレルゲン)が侵入すると、それに対抗する物質(抗体と呼ばれるタンパク質)が出来て、無害化して体外へ排除しようとする反応が起きる。抗原と抗体が結びつく反応が抗原抗体反応(免疫反応)で、抗体は抗原とカギとカギ穴のような関係でピッタリと結びついて抗原をブロックし、人間の体を守る大切な働きをしている。
 ところが、この免疫反応は常に有利に働くとは限らない。奥村康・順天堂大学医学部教授によると、1つの免疫系が善玉(免疫)と悪玉(アレルギー)の両面、つまりジキルとハイドの両方の性格を持っており、ある特定な人の体内では何らかの異常が生じて、普通の免疫反応を越えた過剰な反応が起こることがあると言う。この現象がアレルギーである。
この過剰反応の火付け役が実は免疫グロブリンである。

抗体はグロブリンというタンパク質から成り、免疫に関与するところから、免疫グロブリン(Ig)とも呼ばれている。その分子量の大きさによってIgE、IgD、IgA、IgM、IgGの5つに分類される。このうち、IgEなどが引き起こす病気が一般的にアレルギーと呼ばれる『Ⅰ型アレルギー』。
奥村氏によると、発症のメカニズムの概略は例えば花粉・ダニなどの抗原と反応するIgE抗体が体の中に出来ると、そのIgEは体中に存在するマスト細胞(肥満細胞)に結合する。この細胞はちょうどダイナマイトが入った弾薬庫みたいなもので、粘膜にスギ花粉が付着するとそれが引き金となってマスト細胞が脱顆粒、つまり弾薬庫が爆発する。
 そしてヒスタミンをはじめ強い生理活性を持つメディエーターが放出され、くしゃみ・鼻水を引き起こす。“普通の花粉症は一過性のものだが、脱顆粒が全身で仕掛け花火のように次々起きると、呼吸困難・血圧低下をきたし重篤になるケースもある”と奥村氏。1997.10.18《日本経済新聞》
   

◎アレルギー対策
<1>原因物質のアレルゲンが体内に入らないようにする。
<2>病気が起きてから→原因のアレルゲンを突き止め、2度とそのアレルゲンが体内に入らないようにする。
<3>マスト細胞のレセプターにまでIgEが到達してしまったら、レセプターから細胞内にシグナルが伝わるのを抑える抗アレルギー剤を使う。それが不可能だったら、マスト細胞の脱顆粒現象を起こりにくくするた め、マスト細胞の細胞膜を薬剤で強化する。
<4>脱顆粒してしまったら、出てきた化学伝達物質を抑える薬剤を投与し、重 篤な症状まで起きたらステロイド剤を使う。
   

■天気とアレルギー
「安保教授らは“快晴の日に急性虫垂炎の患者が多い”というある外科医の指摘をヒントに、顆粒球及びリンパ球の増減と、気圧の関係を調査。高気圧に覆われた天気が良い日は顆粒球が多く、天気が悪い低気圧の場合はリンパ球の比率が高くなる傾向があることを突き止めた。
  結果として、天気のいい日に増えた顆粒球が虫垂を攻撃し、膿の溜まった壊疽性の虫垂炎が増えやすい、としている。
安保教授らはさらに、自律神経が防御細胞を支配していることも解明。ストレスが溜まっていたり、空腹の時は自律神経の針が「交感神経」の方へ振れ、顆粒球を出す。満腹時やリラックスした状態だと「副交感神経」が優位になり、リンパ球を増やす。また、1日のうちでも、活動的な日中は顆粒球、休息する夜はリンパ球が増えるリズムがあると言う。
安保教授らはこの法則を援用。ストレスが溜まりがちな「猛烈社員」タイプは顆粒球による組織破壊でがん体質に、ゆったりした性格の場合、リンパ球の増加による過剰な抗体反応で、アレルギー体質になりやすいのではないか?、と結論づけた。
     

■タンパク質の摂取も必要。
「浜松医科大学の滝川雅治教授(皮膚科)は、アレルギーの治療は原因物質の除去が基本だが、患者の発育のうえで、肉類などタンパク質の摂取も必要」       1997.6.17《日本経済新聞》
   

■アレルギーは5日間の断食で分かる。
「低血糖の人や、痩せすぎ(羸痩)の人、からだが衰弱している人には勧められないが、5日間の断食(精製水だけは摂る)が、食物アレルギーの有無を調べる最も簡単な方法だ。子供に断食をさせるのは難しいが、大人なら、長年苦しめられてきた問題を解くカギが5日間で得られるかもいれない。」       (J.ライト博士「新・栄養療法」参照)
●特に睡眠不足でもないのに、目の下がクマになっている子供。
1.下まぶたに水平のシワが見つかるだろうか?
このクマは「アレルギーの黒アザ」と呼ばれることもあるし、シワのほうには、「デニーのシワ」という別名もある。
2.それと、下まぶたが腫れたようにふくれた状態。
これらはすべて、アレルギーのサインになる。
  (J・ライト博士の「新・栄養療法」P29)
●2才未満の子供の瞳が6mm以上に広がってしまう。・・・アレルギーと考えられる、特に、牛乳アレルギーが多い。
   

■食物アレルギーなぜ増える?
「食物アレルギーは特定の食物を食べると唇が腫れたり、ジンマシンが出る。ひどい場合はショックで重い症状を引き起こすこともある。
<1>食物アレルギーを持つ乳幼児:
(イ)全体の13%。うち10%は重い症状を引き起こしていた。
(ロ)原因食物:
  卵-----55%
  牛乳---24%
  その他(チョコレート、ピーナッツ、大豆、チーズ、小麦、          ソバ、カニ、エビの順)
(ハ)果物・野菜のアレルギー:

*口やノドが腫れて痒くなる。

*ひどい時は下痢・腹痛が起きる。
*メロン、リンゴ、スイカ、桃、トマト、ナスの順。
<2>“花粉症の抗体を持っている人は、同じ植物である穀物や野菜などに対する抗体も持っている比率が高い”と池沢善朗・横浜市立大学医学部助教授。  さらに“抗体が口に入った食物を拒否するのがアレルギーですよ”
<3>“旧西独、東独のどちらにアレルギーは多いと思いますか”と藤田紘一郎・東京医科歯科大学医学部教授は訊ねた。
アレルギーは特に、日本と旧西独の子供たちに増えている。旧東独の子供の方が血液中の抗体値は高いが、寄生虫に感染している比率が高く、アレルギーの発症が抑えれれていると言う。藤田さんは“日本人は清潔さを重視しすぎる。腸内にも大腸菌やビフィズス菌などがいて共生している。寄生虫や細菌もすべてが悪者ではない。子供はどろんこになって遊ばないと、後でしっぺ返しを食う”と言う。

■ディーゼル排気が悪化させる。1997.6.29《日本経済新聞》
「国立環境研究所の嵯峨井勝総合研究官と高野裕久主任研究員らのグループが動物実験で、ディーゼル排気中の微粒子をアレルギーを起こす物質と一緒に与えると、体内の免疫反応が促進され、気管支喘息などアレルギー症状が悪化することを突き止めた。アレルギー症患者が増える中で、ディーゼル車が症状悪化の原因になっているのではないかと指摘されている。
高野さんらは、ディーゼルエンジンの不完全燃焼で生じる微粒子の溶液、アレルギー症状を起こさせる卵のタンパク質の溶液の2種類を一緒にマウスに与えた。すると、肺の気道の周囲で、白血球の一種であるリンパ球や好酸球が増え、粘液を作る細胞が増えるなど気管支喘息の症状が見られ、単独の場合よりもひどくなることを確かめた。
血液や肺の組織を調べたところ、抗体の一つ免疫グロブリン5(Ig5)と呼ばれる、好酸球を増やしてアレルギーの炎症を起こさせる物質は通常の約10倍に増えていた。より実際に近い実験として、密閉した実験室内でマウスにディーゼル排気を吸わせた場合にも、同様に気管支喘息の症状が悪化し、IL5も増加していた。
  また、筑波大の石井幸雄講師(呼吸器科)らは、卵のタンパク質を与えて喘息を起こさせたモルモットにディーゼル排気を吸わせて同様の実験を行ったところ、やはり症状が悪化し、粘膜を作る細胞が増加した。1997.3.23

■メロン・リンゴ食べてもアレルギー。
「果物や野菜を食べてアレルギー反応を引き起こす患者が増えていることが横浜市立大学医学部付属浦舟病院の池沢善郎助教授らの調査で明らかになった。患者数はまだ少ないが、アトピー性皮膚炎との併発例が多く、メロンやリンゴなどを食べると口の中や喉が痒くなるといった症状が出る。
アレルギーを引き起こす例が多いのはメロンやリンゴの他、スイカ・モモ・トマト・ナスなど。消化管がアレルギー反応を起こして、下痢や腹痛を訴える患者もみられるという。
野菜・果物アレルギーの原因はよく分かっていないが、研究に当たった大沼すみ講師は“花粉アレルギーを起こす抗体が野菜や果物にも過敏に反応している可能性が考えられる”と言う。
食物アレルギーは特定の食物を食べると体が過敏に反応して皮膚炎や喘息などを引き起こす。これまでに小麦・大豆・牛乳などが原因となることが知られている。1996.4.27《日本経済新聞》」

■低アレルゲン食品
「特定の食べ物を食べると喘息や皮膚炎などを引き起こす食物アレルギー。これまでは、卵・牛乳・大豆が3大アレルゲン(アレルギーの原因物質)とされてきたが、最近では小麦・米・野菜・果物で発症する例も出始めた。
厚生省の調査によると、何らかの食物アレルギーがあると自覚している人はほぼ10人に1人。症状がひどい為特定の食べ物を食べられない除去食を強いられる人も全体の6.7%に達する。
東京学芸大学の渡辺道子教授と田辺創一助手らは、低アレルゲン小麦を開発した。小麦の成分を分析してアレルギーの素となっているグルテンタンパクの構造の一部をブロメラインという酵素で分解した。この小麦を利用してパンやスパゲッティを作ることにも成功している。
同様の手法で資生堂は低アレルゲン米を生産している。
一方、食品のアレルゲンを調べるセンサーの開発も進んでいる。東京農工大学の松永是教授らは、一滴の血を採ってチェックしたい食品のかけらを置けば、アレルギーを起こすかどうかを判定することが出来るセンサーを開発した。成分のよく分からない加工食品でも、アレルゲンの有無を迅速に知ることが出来る。1996.6.18《日経産業新聞》」
「卵や牛乳はおろか最近ではメロンやバナナを食べてもアレルギーを起こす食物アレルギーの患者が増えている。厚生省などの調査では10人に1人は顔などに赤い発疹が出るアトピー性皮膚炎の症状が出る食物アレルギー患者。      

食物アレルギー患者の1割は喘息やショックなど重症なアナフィラキシーを起こす。
食物アレルギー患者の治療の基本はアレルギーを起こす食物を食べない除去療法。否応なしに患者のストレスは溜まる。食物アレルギー患者でも普通の人と同じように食べられる低アレルゲン食品の開発を求める声は大きい。
“牛乳・卵・小麦・大豆という5大アレルギーをすべて食べずに子供を育てた母親もいます”と国立療養所南福岡病院小児科の柴田瑠美子医長は証言する。」1998.5.13《日経産業新聞》
    

■オゾンで悪化
「米カリフォルニア大学バークレー校の研究グループは、オゾンの多い汚染された空気の環境下では、皮膚の表面のビタミンEの含有量が減り、アレルギーや炎症を起こしやすくなることを突き止めた。
大気汚染のひどいメキシコ市の2倍に相当する濃度のオゾンに皮膚を2時間さらすだけで、皮膚の表面のビタミンEは25%減少。
ビタミンEは物質の酸化を抑える作用を持っている。表皮部分でのビタミンEが減少すると、皮膚は外部から組織を守る障壁の機能を失い、炎症などが起こりやすくなるという。1997.2.27《日経産業新聞》    

■医師の3割に職業性アレルギー
「職業柄どうしても使用が避けられない手術用のゴム手袋や消毒薬などで、医師のほぼ10人に3人が皮膚炎などのアレルギー症状を起こしている、というアンケート結果を福井医大非常勤講師の佐藤一博さんらがまとめた。外科系の医師では5割近いという。1997.5.25《朝日新聞》
   

■命の危険さえあるショック症状
「ケーキを食べた子供」「抗生物質を投与された男性」「スズメバチに刺された女性」。この3人を共通の不幸が襲ったとしよう。それが何か、思い浮かべられるだろうか?
答えは、即時型アレルギーの一種『アナフィラキシーショック』である。急激な呼吸困難や血圧低下が起き、手当が遅れると、命の危険さえある。体の中で何が起きたのか、
<1>冒頭の子供を例に見てみよう。
ケーキに含まれるタマゴは、通常は腸で分解され、小さな分子となって吸収される。ところが、この子の場合、十分に分解されなていない大きな分子のまま血液中に入り込んだ。これだけなら、ショック症状は起こさなかったかも知れない。不幸だったのは、こうした大きな分子とだけ反応する『IgE抗体』が血液中に存在していたことだった。それ以前にタマゴを食べた際に出来たもので、まるまると太った免疫細胞の一種『肥満細胞』の表面に、たくさんくっついていた。
そこへケーキを食べたものだから、IgE抗体とタマゴの分子が反応する抗原抗体反応が生じた。こうなると、肥満細胞が生体内活性物質のヒスタミンなどを一気に放出するために、気管が収縮して呼吸困難が、血管が拡張して血圧低下が起きてしまう。
<2>男性のケースでは、抗生物質の成分に反応するIgE抗体が、女性のケースではハチ毒に反応するIgE抗体が、それぞれ同様のメカニズムで肥満細胞を刺激し、ショック症状を引き起こしたものである。
<3>ちなみに、『IgE抗体』は約30年前に石坂公成博士が発見した免疫物質で、感染症を防ぐ各種の抗体と同様にリンパ球のB細胞がつくる。
今では、即時型アレルギーを起こす悪者をいう印象が強いが、もともとは何のための物質だったのだろうか?
そういえば、順天堂大医学部の奥村康教授が「IgE抗体は極微量しか体内に存在しませんが、ブタの寄生虫から取り出した物質をネズミに注射すると、安定してIgE抗体を作ることが出来ました」と話していた。
ただ、寄生虫を持つ人は、今の日本人にはほとんどいない。このため、寄生虫に対するIgE抗体が消え、タマゴやハチ毒に対するIgE抗体がのさばるようになった。-------だから、即時型アレルギーが増えているという説も生まれている。1998.1.18《朝日新聞》
   

■環境変化でアレルギー
「Yちゃんは6歳の女の子。赤ちゃんの頃から湿疹があった。いろいろな病院の皮膚科や小児科を受診し、アトピー性皮膚炎と診断されていた。親は食物制限をしたりステロイド外用薬を塗ったり民間療法にも結構お金をつぎ込んだが、良くなったり悪くなったりの繰り返しだった。
昨年の夏、新築のマンションに引っ越してから皮膚の赤みが益した。秋からはよく咳が出て胸の近くでヒューヒューという音が聞こえる日もあり、かかりつけの医院で喘息の薬を処方されるようになった。症状の悪化を心配した母親に連れられて来院した。
診察時には胸の音は正常だったが、皮膚は赤みが強く、所々ひっかき傷があった。薬の他に1日3回のスキンケアを早速実行してもらった。2週間後、見違えるようにきれいになったYちゃんが外来にやってきた。
「初めは朝のスキンケアがつらかったが、日に日に良くなるので頑張った」と母親。自宅の環境整備については「布製のソファとじゅうたんは処分し、ぬいぐるみはガラスケースに密閉。カーテンも初めて洗った。家族全員の布団カバーをダニを通さない特殊カバーに替えてから、空気清浄機に付くほこりが減り、咳が出なくなった」とのことだった。
アトピー性皮膚炎や気管支喘息は多因性疾患なので、これだけすれば良いというような単純な発想では治せない。生活の洋風化・高級化が進む地域は日本以外でもアレルギー疾患が増えており、環境変化が大きく影響していることは確かである。環境整備に取り込むことはアレルギー疾患の治療に欠かせない。(大矢幸広・国立小児病院アレルギー科)1998.3.2《日経産業新聞》

■元から絶つ
「順天堂大学の羅智靖講師とアサヒビールは共同で花粉症やアトピー性皮膚炎といったアレルギー性反応を抑制する『ヒト型モノクロナール抗体』と呼ばれるタンパク質を開発した。サルを使った動物実験で効果を確認した。対症療法が中心の従来薬と異なり、アレルギー反応を元から絶つ新治療薬として期待される。
アレルギー体質の人の体内に花粉やダニなどの原因物質が入り込むと、血液中に「IgE」と呼ばれる抗体が生じる。IgEが鼻などの粘膜にある『肥満細胞』という細胞の表面に結合すると、アレルギー発症の一歩手前の状態になる。さらにふたたび原因物質が入って、肥満細胞表面のIgEがこれをつかまえると、細胞が化学物質を放出する。これがくしゃみや鼻づまりなどを引き起こす。
研究チームは、IgEが肥満細胞に結合する際の細胞側の受け手であるレセプターにぴったりはまり込むモノクロラール抗体を作製。抗体がはまったレセプターはIgEと結合出来ず、アレルギーを起こしにくくなるという狙いだ。
効果を確認するため、アレルギーのサルに原因物質を注射する実験を行った。何もしなかったサルはアレルギー性皮膚炎を発症したが、あらかじめモノクロナール抗体を1週間ほど投与しておいたサルはほとんど発症しなかった。
今後は動物園などにいる花粉症のサルに投与してより詳しい効果を見定め、人間への臨床応用に持っていく考えだ。1998.3.3《日経産業新聞》

■仕組み解明
「京都大学と岐阜薬科大が共同で、アレルギー性喘息が起きる仕組みを解明した。マウスを使った実験で喘息を引き起こす物質を突き止めた。この物質は花粉症や鼻炎など他のアレルギー性の病気にも関係していると見られる。喘息を含めアレルギー性疾患の症状を抑える新薬の開発に役立ちそうだ。
京大医学研究科の成宮周教授らの研究チームは、喘息の発作時に患者の体内でプロスタグランジンD2(PGD2)と呼ぶ生理活性物質が大量に作られていることに着目。PGD2が体内で結合する受容体と呼ぶタンパク質を遺伝子操作で出来なくしたマウスを使って、PGD2がどんな働きをしているか調べた。
通常のマウスにアレルギー性喘息を引き起こす物質(アレルゲン)を投与すると、気管内に粘液が出たり器官が過敏になったりする症状が出た。一方、受容体のないマウスでは症状が現れず。PGD2がアレルギー性喘息の引き金を引いていることが分かった。アレルゲンが体内に入ると、肥満細胞がPGD2を放出し、PGD2が受容体にくっついて症状を引き起こすという。20003.20《日本経済新聞》

 

■ストレスが引き金にも
「200人を超える成人の気管支喘息患者を対象にした国立精神・神経センター国府台病院(千葉県市川)の吾郷晋浩・副院長(アレルギー学)の調査では、患者の約9割が、発症1年以内に、生活環境に「変化」を経験している。
10代までに発症した人は「入園」「入学」「妹や弟の誕生」が、20代~30代では「職場の人間関係」「結婚」「再婚」が、それ以上の年代では「妻や夫の死」「定年退職」が目立った。
“こうした経験は、心身に様々なストレスを与えます。それだけが発症原因ではありませんが、きっかけの1つになることは有ります”と吾郷さん。
 かって治療した患者の分析でも、内科的治療だけだった人に比べ、心身両面から治療した人の方が、症状のおさまる「寛解」が2割近くに達するなど、経過が良かったと言う。又、、フィンランド・トゥルク大の研究チームは1991年「800人のアトピー性皮膚炎の患者を調べたところ、半分~2/3の患 者で、ストレスが病状を悪化させていた」と医学誌で発表している。
アレルギー疾患は、免疫反応の一部が過剰になって起こる。近頃患者が増えた理由については、「空気が汚れたため」「体内の寄生虫を駆除したから」など諸説がある。
“ただ、心療内科の分野では、アレルギー疾患は代表的な心身症、つまりストレス関連の病気と位置づけられています。”と吾郷さん。体の検疫系は1兆個もの免疫細胞が複雑に絡み合って成り立っているから、その絶妙のバランスがストレスによって乱されれば、アレルギー疾患になりうる。その一端を九州大の久保千春教授(心療内科)たちは確かめた。
看護学校の学生でアレルギー疾患のない十数人から、国家試験の1ヶ月前と前日に採血。アレルギー疾患の関連物質ヒスタミンの濃度を測ると、試験が近づくと共に大半の学生のヒスタミン濃度が増していった。
久保さんは「試験が近づいてストレスが増すと、脳は自律神経を通じ、体の隅々へ信号を伝える。この時、神経の末端から特殊な物質が出て、近くの免疫細胞にヒスタミンを放出させたのです」と説明する。
ストレスにめげずに暮らすには、何より、ストレスの存在を自覚することが大切となる。試しに、吾郷さんがつくった「ストレス度チェック」で調べてみよう。

(ストレス度チェック)
*頭がすっきりしない
*目が疲れやすい
*動悸がしたり、胸苦しくなったりする
*食事をおいしく感じない
*吐き気や下痢・便秘がある。
*肩こりや腰のだるさがある。
*手足が冷えやすい、汗をかきやすい
*皮膚の荒れやかぶれがある。
*風邪をひきやすい
*寝つきや目覚めが悪い
*仕事に意欲が湧かない
*趣味を楽しむ気になれない
*人に会うのがおっくうだ
*気が散って集中できない
*ささいなことに腹が立つ
  ◎5つ思い当たれば要注意。
“特に、がんばり屋さんは、ストレスの存在を率直に認めない傾向がありますから注意してください。”と吾郷さん。ストレスのせいで体の調子が悪くなっても、「自分の体が頼りないからだ」とか「もっと気合いを入れれば大丈夫だ」と考え、ストレスに目を向けようとしないという。
久保さんは「日常生活を振り返り、原因と思われるものを列挙してみてください。ストレスを自覚出来るはずです」と話す。
吾郷さんは、「ストレスの存在を受け入れることが出来れば、あとはリラックスする時間を毎日つくるとか、週末に趣味や遊びをするとか、ゆとりのある生活様式に変えることでストレスを抑えることが出来るでしょう」という。」1998.5.
    

■短時間でアレルギー検査
「日立製作所の基礎研究所と東京都精神医学総合研究所が共同で、花粉や牛乳などに対するアレルギー検査を安全に短時間で出来る新技術を開発した。検査対象者から採った血液とアレルギー原因物質を混ぜ、人間の遺伝子を導入したカエルの卵を使って反応を見る。既存のアレルギー検査のうち安全性が高い手法は結果が出るまで1週間ほどかかったが、新手法は30分~1時間で済む。
アレルギー反応は、スギ花粉や牛乳など原因物質の作用で白血球からヒスタミンという物質が放出され、これが皮膚などの細胞のヒスタミン受容体に結びつくと炎症などが起きる仕組み。
新手法はアフリカツメガエルの未受精卵に人間の遺伝子を組み込み、ヒスタミン受容体を持つ卵を作る。血液と原因物質を混ぜて卵に接触させると、ヒスタミンが発生した場合、ヒスタミンが卵の受容体と結びつく。この時に流れる微小な電流を検出してアレルギー反応を有無をチェックする。
1種類の原因物質につき必要な血液はわずか5マイクロ?で、1滴あれば十分。ヒスタミンの有無を調べるのに必要な時間は約1分で、採血などの作業時間を入れても30分~1時間で検査出来る。
既存の検査手法は血液成分を詳しく調べる『高速ガスクロマトグラフィー法』があるが、装置が高価なため、小さな病院では導入しにくく、専門の検査業者に依頼することが多く、結果が分かるまで約1週間かかるという。  1999.3.

   

■ウサギ肉が注目
「アレルギー体質の人向けの食材として注目されているのが、ウサギ肉だ。日本ハムはアトピー性皮膚炎に悩む人向けのソーセージ製品の1つに、ウサギ肉を使用している。「牛や鶏肉に比べ、ウサギ肉はアレルギー反応が出にくい」という。1999.5.6《日本経済新聞》

■寒さに負けず こまめに窓開けを
「この冬は暖冬等の予報も出ていますが、師走に入って、みなさんの家庭では、すでに暖房器具が活躍していることと思います。
換気は十分出来ていますか?。ついつい、寒いからと締め切った部屋の中で暖房を続けている家庭が多いのではないでしょうか。
室内には、暖房器具だけでなく、調理用のコンロやオーブンなど、室内空気汚染物質の発生源が数多くあります。ガスや灯油などの化石燃料が燃えると、大量の窒素酸化物が発生します。また、建材や家具から出るホルムアルデヒドや、タバコの煙なども問題になります。
最近の住宅では、冷暖房効率を高めるため著しく機密性が保たれ、室内の空気は屋外に比べ汚染が起きやすい状況にありあmす。
高い濃度の室内空気汚染物質は粘膜を刺激し、アレルギー反応を高めて喘息症状を出しやすくしたり、また、鼻炎症状を悪化させたりすることも分かっています。一部には、皮膚症状の悪化も指摘されています。
また、マンションなどでは、水分を発生させる浴室や台所などが、居室と同じ空間にあることが多いと思います。断熱効率の悪い壁や窓では、室内外の温度差で結露を生じ。室内の湿度が上がってアレルギーの原因となるダニやカビが増える結果になっています。
寒さに負けず、こまめに窓を開けて換気を行ってください。」(井上寿茂・大阪府立羽曳野病院小児アレルギー科医長)

■アレルギーが欠席理由の上位
「小中学生の3人に1人がアレルギー症状を持ち、欠席理由の上位を占めていることが福島大学医学部栄養学科などの調査でわかった。
調査は岡山、佐賀、栃木3県の小学2年生(1699人)、小学5年生(1738人)、中学2年生(2329人)が対象。1998年の秋、保護者に調査票を配り、ほぼ8割を回収した。
アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎、花粉症などのアレルギー症状があると答えたのは各学年とも35%前後だった。1年間に病気やケガで休んだ児童、生徒のうち、アレルギーによる欠席があると答えた人の割合は小2で6.4%、小5で6.1%、中2で5.5%。各学年で風邪などに対だ2~3位だった。
アレルギーによる欠席日数は、3日以内が各学年とも約6割を占めたが、小学5年生では年間15日以上の欠席も1割近くに上っていた。」2000.7.23《朝日新聞》

■1970年代生まれの9割
「ダニやスギ花粉などでアレルギーを起こしやすい体質の人が、1970年代に生まれた人の約9割に上ることが、斎藤博久・国立成長医療センター研究所免疫アレルギー研究部長らの調べで分かった。今回の数字は世界でも例がないほど異常に高率。
斎藤部長は「衛生的な環境で育った乳児の方がアレルギーになりやすいとの仮説が最近注目されている。
日本では1970年代に乳幼児を取り巻く衛生環境が劇的に改善しており、それが今回の結果の背景にあるのではないか」と話している。
調査は1971年1月~1980年3月までに生まれた慈恵医大の学生ら計258人から血液を採取。ダニやスギ花粉などアレルギーの原因となる計14種類の抗原物質に対して「IgE」と呼ばれる抗体を持っているかを調べた。この抗体が多いとアレルギーを起こしやすい体質と判定できる。
いずれかの抗原に対し、て抗体を持つアレルギー体質の人は222人(86%)。生まれ育った場所が人口100万人以上の大都市だった人ではその割合は92%に達し、中小都市出身者の80%を上回った。
医療関係会社の社員約50人で調べた結果も1970年代生まれの88%がアレルギ0体質であった。」2003.2.28《日本経済新聞》

■記憶型T細胞
「理化学研究所の研究チームは、花粉症や喘息などのアレルギー反応を制御する新たな仕組みを解明した。『記憶型T細胞』と呼ぶ免疫細胞が、反応に必須なことが分かった。成果は米科学誌イミュニティに掲載。
アレルギー反応が起きたとき、異物が侵入したことを全身に伝える『インターロイキン4(IL4)』と呼ぶ物質が体内で作られる。
IL4はアレルギーの原因となる抗体『免疫グロブリンE(IgE)』の分泌を促し、クシャミや鼻水などの症状を引き起こす。
理研の研究チームは、IL4の発生が引き起こされるためには、『記憶型T細胞』が必須であることをマウス実験で確認した。
この細胞を持たないマウスではIgEがほとんど分泌されず、アレルギー反応がほぼ無くなることも確認。
記憶型T細胞は免疫細胞の1つとして知られていたが、その機能は不明だった。」20066/21《産業》

■抑える物質
「北海道大学の五十嵐靖之教授らは、花粉症や喘息などのアレルギー症状を抑える物質を新たに開発した。
炎症物質が細胞外に放出される際には、細胞膜を構成する脂質の一種『C1P』が働く。五十嵐教授らはC1Pを合成する酵素の働きを妨げると炎症物質の放出が抑えられることを突き止めた。さらに、合成酵素の働きを阻害する物質の合成にも成功した。」200612/1《日経》

■原因タンパク質解明
「理化学研究所は、アレルギー発症の決め手となるタンパク質を突き止めた。このタンパク質の働きで多量のカルシウムが免疫細胞に流入し、症状の引き金になる化学物質が細胞外に飛び出すという。
成果は2007/12/3米科学誌ネイチャー・イミュノロジー(電子版)で発表。
アレルギー反応は、免疫細胞に原因物質がとりつき、ヒスタミンなどの化学物質が放出されるのが原因。カルシウムが化学物質の放出を促すことは知られていたが、細胞中にカルシウムが増える仕組みは不明だった。
理研は、細胞でカルシウム濃度を検知するタンパク質(STIM1)に注目。このタンパク質を減らしたマウスにアレルギー物質を注射すると、通常より症状が緩和された。細胞中のカルシウム濃度の変化も調べ、このタンパク質がカルシウムの流入を助けることがアレルギー症状の根源と判明した。」

■寄生虫が
「私は毎年、インドネシアのカリマンタン島に通っている。糞便が流れる川で遊ぶ子供達の皮膚は黒光りして、アトピー性皮膚炎にかかっている子は1人もいなかった。喘息・花粉症で悩んでいる子もいなかった。
なぜ汚い川で遊んでいる子供達にアレルギー性疾患が無いのか?という疑問が私の生涯の研究テーマとなった。
調べてみると、彼らのほぼ100%が回虫などの寄生虫にかかっていた。40年に及ぶ研究の結果、寄生虫からアレルギー反応を抑える物質を取り出すことに成功した。この物質は寄生虫の分泌・排泄液中に存在する分子量約2万のタンパク質で、人間の免疫系に作用しアレルギー反応を抑えていた。
つまり、異物である寄生虫が人からの免疫的攻撃を受けないようにする特殊な物質を分泌。排泄しており、その物質が人間のアレルギー反応を抑えていることがわかったのだ。しかし、アレルギー反応を抑えていたのは寄生虫ばかりではなかった。
昔の子供は青っぱなをよく垂らしていた。その頃は花粉症はなかった。そして、子供達は結核ワクチンのBCGを受けた子供は、花粉症にもアトピーや喘息にもなりにくいことを日本赤十字社和歌山医療センターの榎本雅夫・前耳鼻咽喉科部長が米サイエンス誌に発表した。回虫でも、結核でも、人が微生物とつきあっているとアレルギー反応が抑えられることが分かったのである。
そうすると、なぜ今、日本で花粉症やアトピー、喘息などのアレルギー疾患が増え続けているのか?そのナゾが解けてきた。
私たちの体を守っている微生物はたくさん存在する。皮膚には皮膚常在菌がいて皮膚を守っている。腸内細菌はビタミンを合成し、免疫力をつけている。これらを一方的に追い出している「超清潔社会」が、アレルギー性疾患を増やそうとしていると考えるに至ったのである・(藤田紘一郎・人間総合科学大学教授)

■好塩基球が
「2009年、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患が、いったん発症すると、徐々にひどくなるのは、白血球の一種である「好塩基球」が原因になっていることを、
兵庫医科大学の中西憲司教授と善本知広準教授らが突き止めた。
成果は米科学誌ネイチャー・シミュノロジー電子版に掲載
研究チームは寄生虫感染やアレルギー反応の際に働く「Th2細胞」がどのように作られるかをマウスで調べた。Th2細胞は好塩基球が作り出す『IL-4』の作用でできる。
全白血球の4%しかない好塩基球はアレルギー原因物質が体内に侵入すると活発化し、炎症などを引き起こす抗体IgEが作られる。
花粉症の場合、花粉を認識してIgEが作られるようになると、次に侵入した花粉の量が僅かでも、好塩基球が花粉とIgEの複合体を効率よく捕らえて、Th2が働くことで、雪だるま式に大量のIgEが作られるようになる

■防ぐ食品
「黒豆・ゴボウ・栗・大根」にアレルギーを引き起こすロイコトリエンが体内で発生するのを妨げる働きがある。1996.12.28《日本経済新聞》

【ハーブ】
「ニンニク」ケルセチンが炎症反応を遅延させる。
「タマネギ」ケルセチンが炎症反応を遅延させる。
「イチョウ」
「スティンギングネットル」
「カモマイル」
「ナツシロギク」
「ホースラディッシュ」
【ビタミンC】を含有するハーブ
「ツルレイシ」
「ピーマン」
「カイエンヌペッパー」
「アメリカヤマゴボウ」の新芽
「グアバ」
「クレソン」
  

【芳香療法】
<1>マッサージ自体がストレスのレベルを下げる。
 「ストレスはアレルギー反応を引き起こす素因のなかでも重要な役割を果たしています」
<2>使用する精油:
        イランイラン
        カミルレ
        クラリセージ
        サンダルウッド
        ジャスミン
        メリッサ
        ネロリ
        バラ
        ベルガモット
【色彩療法】
     <1>レモン色
     <2>黄色
     <3>オレンジ色
【宝石療法】
     アンバー
     コーラル
  
【処方名-五十音順】(アレルギー)
■柴胡加竜骨牡蛎湯
■柴胡桂枝湯
■柴胡清肝湯

【西洋薬】(アレルギー)
「アレジオン」(日本ベーリンガー/三共)
「ジルテック」(住友/第一)
「ジルテックは細胞のヒスタミンH1受容体の働きを阻害するものの1つで、作用が強く、吸収が速い。また末梢神経には良く効くが、脳の血液内に入りにくいため、眠気などの副作用の比率が低い」
「セルテクト」(協和発酵)
「ザジテン」(ノバルティス)
「エバステル」(大日本/明治)
「アゼプチン」(エーザイ)
「アレグラ」(アベンティスファーマ)2000.9.22承認。
花粉症などに伴う鼻炎、じんましんのかゆみに効果。 

■短時間で特定
「食品総合研究所の杉山滋主任研究官らは、食品などに対するアレルギーを簡単に調べられる基礎技術を開発した。血液中に含まれる抗体を呼ばれるタンパク質が、アレルギーの原因物質とくっつく力を検出する。原因を特定するのにかかる時間は従来は数時間かかっていたのを数分にまで短縮できる。
開発した検出法は、細さ数ナノ㍍の微細な針で物質の表面をなぞって観察する『走査プローブ顕微鏡』を利用する。アレルギーの原因物質(抗体)にくっつく血液中の抗体を針先につけて、食品やダニなどアレルギーの候補物質をなぞったときに針にかかる力を測定し、アレルギー物質を特定する。
実験ではフェリチンというタンパク質で表面を覆った基板を、様々な抗体でなぞった。フェリチンに対する抗体は、他の抗体に比べて最大で10倍くらいの力でくっついた。ダニや卵などアレルギーの原因となるタンパク質を多数並べたチップを作製して血液中の抗体でなぞれば、数分でアレルギーの原因を特定できる。」2005.9.13《産業》



アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)
(allergic bronchopulmonary aspergillosis)  
=アレルギー性気管支肺真菌症
⇒かなり若年期から喘息様症状で始まり、何回か肺炎様の一過性浸潤を伴い、末期には慢性呼吸不全の状態になる。
末期のX線像は広汎な線維性変化、多数の薄壁の空洞ないしbullaが広汎に分布する。
結核による荒廃した肺(devastated lung)に似る。
   

◎1977年、Rosenberg Mらによる診断基準
[Ⅰ]一次基準:

以下の③、④項目しか満たさない------疑診。
  ①~⑥を満足すれば---------------強い疑診。
  ⑦も満たせば------------------------確診。
①散発性気管支閉塞(喘息)
②末梢血好酸球増多
③アスペルギルス抗原に対する即時型皮膚反応
④アスペルギルス抗原に対する沈降抗体
⑤血清中IgE値の上昇
⑥肺浸潤影の既往(一過性または固定性)
⑦中枢性気管支拡張
   

[Ⅱ]二次基準:診断の参考程度とする。
①喀痰中のAspergillus fumigatus(反復培養または鏡検)
 米国では、病原となるアスペルギルスの90%がAspergillus fumigatus であるが、我が国では味噌・醤油・酒の醸造に使用されるA.oryzaeによ るものが多い。
②褐色栓子喀出の既往
③アスペルギルス抗原に対するArthus反応(遅発性皮膚反応)

■肺に定着するキノコ
「マツタケやシイタケなどキノコがカビの仲間なのをご存じだろうか?そもそもカビは『酵母』『糸状菌』『キノコ』の3群に分けられ、キノコは最も進化したものだ。キノコは各地で賞味されているが、感染症の原因になるとは想像していなかった。
1989年、千葉大学病院の呼吸器内科にアレルギー性気管支肺アスペルギルス症と診断された患者が再入院した。気管支の粘液を培養したら、白い糸状菌のコロニーが見つかった。
私の所属する千葉大真菌医学研究センターの西村和子教授が分析を依頼された。この糸状菌は胞子を作らず、そのままではどのようなカビかを特定することが不可能だった。西村教授は綿密に観察、菌糸に「かすがい連結」のあることに気が付いた。かすがい連結とはキノコに特有の器官で、隔壁で区切られた2つの細胞の間を、ちょうど柱にかすがいを打ち込んだようにつないでいる。
だが、キノコが原因とは考えにくかった。一時は捨ててしまおうと思ったが、何かひっかかるものを感じた西村教授は手元にとっておき時々は眺めていた。
1ヶ月経過したある日、コロニー周辺にキノコが2本生えていた。調べたら『スエヒロタケ』だった。これが病気の原因と分かり、世界初のスエヒロタケによるアレルギ性気管支肺真菌症の報告となった。
スエヒロタケは、どこにでも見られるキノコで、立ち枯れた樹木や倒木に生えてくる。遺伝学の分野では重要な研究対象であり、タイやインドネシアでは食卓にのぼる。胞子が気管支や肺に定着することは健康な人では起きないが、この患者でな何らかの原因で抵抗力が落ちていたために菌が住む付いたようだ。
キノコは傘の下から胞子を散布する。胞子にはオスとメスが蟻、それぞれの胞子から伸びてきた菌糸が融合し、かすがい連結によって核を交換する。その結果、キノコが生えてくる。西村教授が見つけたスエヒロタケは核の交換が終わった菌糸だった。
91年には京都大学の医師から菌の分析を頼まれた、このときは菌のコロニーだけでかすがい連結は見られなかった。西村教授は「ニオイがメタン臭のようなのでスエヒロタケかもしれない」と考え、保存してした菌糸と一緒に培養した。すると、連結が現れ、見事に死会博武が生えてきた。
その後も症例は増え、35例以上が日本から報告されている。従来、原因菌が不明のままになっていた症例のなかにはスエヒロタケが原因のものがかなりあったに違いない。(宮治誠・千葉大学教授)2002.9.15《日本経済新聞》




アレルギー性結膜炎
■抗原の特定を
「アレルギー性結膜炎はかゆみ・目やに・瞼の腫れ・涙などの症状が現れる。

子供の場合「白目が、ゼリー状にふくれて眼から飛び出す」といった結膜浮腫で眼科を受診することも多い。
アレルギーの中でも即時型という反応によって起きる。この反応はダニの糞・スギ花粉・屋内のチリやほこりなどの抗原が体内に侵入して、その抗原を攻撃するIgEと呼ぶ抗体が体内で作られることで生じる。
抗原と抗体が反応すると肥満細胞と呼ばれる細胞からヒスタミンなどの物質が放出される。すると眼球結膜・眼瞼・結膜・鼻粘膜などの血管が拡張し、血管の透過性が高まる。この反応は抗原が再び体内に入って、わずか10分という短い時間で生じるが、抗原に対して過剰に反応すると強いかゆみや充血が現れ、アレルギー症状が生じると言われている。
結膜炎の治療法は抗アルレギー剤の点眼が、第一選択肢である。これは肥満細胞からヒスタミンなどの物質が放出されるのを阻止する効果がある。副作用も少ないが症状がひどくなると効果が得られないことも多い。従って異常を感じたら早めに眼科医に相談することが大切である。
すぐに効果が得られる治療としてステロイドの点眼が使われることがある・炎症やアレルギー反応を抑えて症状を著しく改善する。ただ、眼圧の上昇や白内障・感染の危険などの副作用と隣り合わせのため、眼科医の適切な指導の元で使用するのが望ましい。いずれにせよ、アレルギーの根本的な治療法はなく、対症療法が中心となる。
ひどい場合は血液検査で抗原を突き止め、原因物質を排除する努力が大切である。(川瀬英理子・子置く率小児科病院眼科)2000.4.10《日本経済新聞》



アレルギー性紫斑病

anaphylactoid purpura

=[アナフィラクトイド紫斑]

=[ヘノッホ-シェーンライン紫斑病]。

⇒扁桃炎などの上気道感染症に罹り、1~2週間後ジンマシン様の丘疹・紅斑など の皮疹が体の左右に見られ、紫斑となる。
発熱・頭痛・倦怠感・関節痛を伴う。

◎「メルクマニュアル第17版](P928~p929参照)
<1>「急性あるいは慢性の血管炎で、主に皮膚・関節・胃腸管・腎臓の小血管に病変が認められる。この疾患は主に幼児に認められるが、年長の小児や成人にも認められる。罹患した幼児の大部分が、紫斑に先行して急性の呼吸器疾患を起こしている。マレではあるが、薬物が誘発物質となることがあるので、常に服用歴を把握すべきである。」
<2>病理と病態整理
「血清中にしばしばIgAを成分とする免疫複合体が含まれている。急性皮膚傷害部位の生検によって、血管壁のフィブリノイド壊死と多形核白血球による血管周囲のカフィングを伴う無菌性血管炎が認められる。IgAに反応性のあり免疫グロブリンと補体成分との顆粒状沈着物が、免疫蛍光検査でみられる。それ故、IgA を含む免疫複合体の沈着が結果的に補体を活性化し、血管炎の病因機序を表すと考えられている。典型的な腎病変は、巣状分節性増殖性糸球体腎炎である。
<3>症状・徴候・経過
「この病気は突然、紫色の皮疹が典型的に足脚・腕の伸筋表面、および臀部にわたって現れることで始まる。紫色の病変は、小さい領域でジンマシンとして始まり、硬化して触知出来るようになる。新しい病変は集まりとして数日~数週間にわたって現れる。たいていの患者は発熱と、足首、ひざ、尻、手首、ひじに関節周囲の触覚過敏と腫脹を伴う多発性性関節痛を起こす。多くの患者の手と足に浮腫ができる。胃腸の所見が一般的に認められる。疝痛性の腹痛と腹圧性メレナがみられる。便の潜血反応は陽性である。25~50%の患者は血尿とタンパク尿を来す。この疾患は通常約4週間後に落ち着くが、しばしば疾患が始まった数週間に少なくとも1回は再発する。大半の患者は、深刻な続発性も起こさずに疾患が治まる。しかし、一部の患者は慢性腎不全を起こす。
<4>診断・予後・治療
「診断は主として離床所見の確証に基づく。腎生検は、腎病変の予後を確定するのに役立つ。びまん性糸球体の病変や、ほとんどの糸球体での半月性変化がみられる場合は、進行性腎不全が予測される。
治療は、原因と考えられる薬物を除去する以外は、主に対症的治療である。コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン2mg/kgを全量1日50mgまで)は浮腫・関節痛・腹脹の制御に役立つが、急性腎障害の経過には効果はない。免疫抑制療法(メチルプレドニゾロン間欠静注後にプレドニゾロンとシクロホスファミド経口投与)は、重症の急性腎不全を起こした患者の炎症経過を制御するために用いられる。血漿交換は成果を上げている。血漿交換は腎不全の経過初期に、3~10日間、各交換につき1.5倍の血液量を交換すべきである。」




アレルギー性肉芽腫性血管炎   (AGA)
=allergic granulomatous angitis
⇒1951年、ChurgとStraussにより、気管支喘息、好酸球増加、肉芽腫血管炎を主徴とする疾患として、結節性多発動脈炎から独立された。
    (Churg-Strauss症候群)
   

◎診断基準:
<1>臨床所見:  

 ①気管支喘息
 ②好酸球増加
 ③血管炎症候群

<2>検査所見:
  ①白血球数増加-----10000/μ?以上
  ②血小板数増加-----400000/μ?以上
  ③血沈亢進---------60mm]/時以上
  ④血清IgE増加-----600U/?以上
  ⑤リウマトイド因子--陽性




アレルギー性鼻炎allergic rhinitis
=「枯草熱hay fever」
⇒クシャミ・鼻水(水様性)・鼻づまり・鼻がかゆいクシャクシャするなどの症状が、ハウスダスト・花粉などの吸入性抗原によって起きるもの。

◎病因:

イネ科植物
キク菊科植物
芳香ある花の花粉
家庭内の塵埃
食物・細菌に感作されて起きる
   

◎症状:(アレルギー性鼻炎)
*くしゃみ
*水様鼻漏
*軟口蓋
*咽頭の掻痒感
*眼粘膜の充血・流涙
*セキ・呼吸困難から喘息に移行することあり。
   

◎検査:(アレルギー性鼻炎)

好酸球増加症
鼻汁中好酸球増加
血中IgE抗体上昇
花粉・塵埃による鼻粘膜の刺激試験

【西洋薬】(アレルギー性鼻炎)
「バイナス錠」:バイエル薬品、2000.5.19発売。
一般名(ラマトロバン)
トロンボキサンA2受容体拮抗剤と呼ばれるタイプの製品。
鼻づまりにも有効
眠気を起こさない。
  

【栄養療法】 (アレルギー性鼻炎)
<1>もち米を食べないようにしましょう。
(理由)ヒスタミン様物質を含んでいる為。

【処方名-五十音順】(アレルギー性鼻炎)
■温経湯
■越婢加朮湯
アレルギー性鼻炎で顔がほてり、口渇を訴えるものに。多汗、尿量減少、口渇を訴えるものに用いる。アレルギー性結膜炎を併発している者にも(漢方診療医典)
■黄蓍建中湯
■藿香正気散
■葛根湯
本方は顔面や項背部に炎症充血症状があって緊張感があり、目、耳、鼻に及びその粘膜に炎症充血が起こるものに用いられる。アレルギー性鼻炎で常に肩こりがひどく、風邪を引きやすく、クシャミの頻発する者に本方でよいことがある(漢方診療医典)
■葛根湯加川芎辛夷
■甘草附子湯
かぜをひきやすく、クシャミが頻発し、背が冷えてゾクゾク寒気がし、鼻汁が流れるように出て、頭痛や上衝のあるものに(漢方診療医典)
■玉屏風散
■桂枝加朮附湯
■桂枝茯苓丸
■桂姜棗草黄辛附湯
■香蘇散
■柴胡桂枝乾姜湯
■四逆散
■十全大補湯
全身的に衰弱している傾向があり、顔色も蒼く貧血していて皮膚も枯燥し、気血ともに虚しているという者で、鼻粘膜は乾燥しがちで、しかもクシャミが頻発してアレルギー性鼻炎といわれていたものに本方でよくなったものがある。それほどひどくないときに加味逍遙散で体質が改善されたこともある(漢方診療医典)
■小柴胡湯
■小青竜湯
心下部に水飲があって、表の邪気を伴い、この水飲が動揺して上昇して、クシャミの頻発、鼻汁過多となって、はなはだしいときは涙が出てよだれが流れ出す。(漢方診療医典)
■辛夷散    
■葶藶大棗瀉肺湯
■当帰芍薬散
■桃核承気湯
■当帰四逆加呉茱萸生姜湯
冷え症で風邪をひきやすく、凍瘡などのできやすい人で、アレルギー性鼻炎といわれているものには他の処方よりも本方で体質が改善され、クシャミ頻発が治ることがある(漢方診療医典)
■人参湯
■排膿散    
■排膿散及湯
■排膿湯
■麦門冬湯
この処方は気の上逆によって、咽喉部の刺激感、乾燥感、痙攣性咳嗽などが起こるものによい。クシャミの頻発する状態があたかも痙攣性咳嗽と似ていることから、これを大逆上気の証としてアレルギー性鼻炎のクシャミに用いるのである。小青竜湯は鼻汁が流れるほどであり、本方はあまり鼻汁が多く出ないのが特徴である。(漢方診療医典)
■半夏瀉心湯
■白朮附子湯    
■麻黄加朮湯
■麻黄細辛附子湯
陰証の鼻炎で用いる機会がある
■麻黄湯
■苓甘姜味辛夏仁湯
本方は小青竜湯に似ているが、さらに麻黄で胃腸障害を起こすもの。心下に胃内停水が認められもの(漢方診療医典)
■苓桂朮甘湯
  

【臨床例】
◎T氏
「医学博士T氏は多年アレルギー性鼻炎に悩み、毎夜、鼻が詰まって眠れないと言う。私はこれに葛根湯を与えたところ、その夜から、鼻が気持ちよく通るようになって、安眠が出来るようになったと、大変喜ばれた。」《大塚敬節》

 

◎26歳、S夫人
「毎朝、鼻が詰まって、クシャミがしばらく連発すると言う。よって、葛根湯を与えたところ、2週間目より効果が現れ、1ヶ月ほどで全快した」《大塚敬節》
    

◎毎年、秋から冬にかけて定期的にクシャミと鼻漏が出る女性。「冷え性で、小便頻数、心下部が硬く、水様性の鼻汁がでるのを目標に、小青竜湯を用いて著効」坂本正夫氏。



アレルギー性皮膚疾患allergic dermatoses
◎種類:
      接触皮膚炎
      ジンマシン
      血管神経性浮腫
      紅斑


アンギナ Angina             =anginaとは閉塞の意。
⇒口腔・咽頭の炎症(狭義)
◎Ludwigアンギナ:
「舌下腺、顎下腺の急性炎症を起こし浮腫と共に、圧痛、口腔底の腫脹、舌の浮腫、頸部の上部前方の腫脹発赤を起こす。」

【色彩療法】
    <1>レモン色
    <2>赤紫色
    <3>紫色
  

【漢方療法】(アンギナ)
■葛根湯
初期に発熱して咽痛のあるときに葛根湯を用いて発汗させる。熱が高くて苦しむときは桔梗2,0g石膏10.0g。嘔吐するときは半夏5.0g。だいたい本方は1~2日間用いるもので、これで治らなければ別の方を考える(漢方診療医典)
■甘草湯
咽頭痛が激しいときに煎液でうがいしながらゆっくり服用
■桔梗湯
■駆風解毒湯
本方に桔梗2.0g石膏10.0gを加えて、煎汁を冷やしたもので含嗽し、一方内服するときは咽喉に清涼を覚え、鎮痛消炎の効がある。2~3日目頃から用いてよい。咽喉部の炎症には石膏8.0gを加えるとよい(漢方診療医典)
■桂枝二麻黄一湯
■梔子豉湯
■小柴胡湯
2~3日をすぎ熱がなお冷めず、咽痛するものは桔梗2.0g石膏10.0g。体質が強壮のもので胸脇苦満がひどく、便秘の傾向のある者は大柴胡湯桔梗・石膏に大黄1.0gを加える(漢方診療医典)
■升麻葛根湯
急性扁桃炎に本方を用いると炎症が軽快する。証にかかわらず、広く用いられる(漢方診療医典)
■淸咽利隔湯
腺窩性アンギナのとき、初め葛根湯で発汗した後、黄色の膿栓を認めるようになった(漢方診療医典)
■清涼飲
咽喉の腫脹、疼痛、炎症、充血などが甚だしく3~4日以上に及ぶ者(漢方診療医典)
■排膿散
化膿して膿の出ないときに本方を飲むと、嘔気とともに穿孔して排膿することがある(漢方診療医典)
■排膿散及湯
■半夏散及湯(=半夏湯、半夏散)
初期咽痛の激しいときにもちいることがある(漢方診療医典)
■半夏苦酒湯
■涼膈散石膏
便秘して熱が続き、口臭があって内熱の甚だしいもの(漢方診療医典)


あかぎれchapped
=亀裂。
⇒真皮又は真皮に達する細く深い腺状の切れ目。
◎原因:
     <1>栄養失調。
     <2>血行不良。
     <3>ストレス。 

【民間療法】

<1>カラスウリ。
<2>サネカズラ。
<3>ナスビ。
<4>ヘクソカズラ。
<5>アロエ・サンショウ・シイタケ・シュンラン・シラン・スギ(杉)・センダン・タバコ・トウキ・ハス・ヒガンバナ・ヘチマ・ミカン・ユズ。



あがりやすい
=脳の中枢系が興奮した状態。
⇒スピーチ・面接・発表会などで上がって、実力が出ない。
精神的なストレスが罹ると、ノルアドレナリンが増えて、血流を増加させる。
上がるとそれを抑えようとして、血中の副腎皮質刺激ホルモンが増える。
「セロトニンがノルアドレナリンを抑制する。そこでセロトニンを作るのに必要なトリプトファンが多く含まれている食事が必要になる。トリプトファンを多く含むものには豚肉・鶏肉・卵・牛乳などがあります。ところが、これらが吸収されるには2時間以上必要です。」

◎あがった症状:
 目線が定まらない
 唇をなめる

◎普段からの訓練法:
腹式呼吸でゆっくり吸って(5~10回)、ゆっくり吐く(10回)。これで呼吸中枢の側にある縫線核を刺激し、セロトニンが多く分泌される。

◎上がらないための食事:
★3時間前(スピーチなどの)
①カツ丼(豚肉100g)や鰻重を食べる(ビタミンB1の効果)
②生のタマネギ60g(硫化アリル)
③シイタケスープ(エリタデニンが血圧低下させる)
④ニンニク+牛乳
⑤アシタバ・アスパラ

★直前(スピーチなどの)
 ①チョコレート
 ②ケーキ

◎直前にすべきこと。
①体を温めておくこと。暖かいタオルなどで温めておくと、副交感神経が働き、あがりにくくなる。
②筋弛緩法:
屈伸運動をする。
ガムをかんだり、マッサージで顎の筋肉をゆるめること。

■薬で操る
「うつ病の新薬として、日本でも今年、臨床試験が始まった「プロザック」だ。「性格を積極的にする」と、世界中で評判になり、米国では、性格改善薬として常用するビジネスマンも少なくない。日本でも、医師が個人輸入して処方する例があり、「人前で話したり、部下に注意ししたりするのが苦手だっったが、仕事に自信が出てきた」(企業の中堅幹部)と、利用者にも好評という」

■左手使い右脳を鍛える
「オリンピックなどの大舞台で負けた選手が、しばしば口にする「プレッシャーで力を出し切れなかった」。スポーツに限らず、人前に出ると頭が真っ白になってうまくしゃべれない人がいる。時には大きな失敗につながるプレッシャーの正体と、その対策は?・・・
 「自律神経の交感神経だけ過剰に反応したのが、プレッシャーのかかった状態です」と磯子中央。脳神経外科病院の土田隆先生は説明する。興奮を促す交感神経と、安静を保とうとする副交感神経のバランスが崩れ「あがった状態」になってしまうのだ。
自律神経の偏りが問題だから、克服にはバランスを取り戻してやればよい。プレッシャーを受けると人間は無意識のうちに口で呼吸するから、意識して鼻で呼吸し、副交感神経を刺激すると、緊張が和らぐという。「水を飲んだり、手足を温める、空間を暗くするのも、交感神経の抑制に効果がある」と土田先生。
右脳のトレーニングもおすすめ。あがり症の人は、緊張すると、言語処理を担当する左脳を中心に働かせようとして混乱を招く。日頃あまり使わない、不安などの感情を担当する右脳を鍛え、バランス良く処理する葉になればプレッシャーに強くなる。右脳は体の左側を支配しており、日常生活で左手を積極的に使うのが有効。左利きの人に何でも器用にこなす人が多いのはこのためだ。左側の鼻だけで呼吸するのも、右脳を刺激する効果があるという。
プレッシャーは決して悪いものではない。プレッシャーがかかると血液中に「副腎皮質ホルモン」と呼ばれる物質が激増する。追いつめられた時に「火事場のバカ力」を生み出すホルモンで、一時的に身体能力を大きく高める。ただ、一般に心拍数が平常時の2割を超えると、血流が極端に速くなり、身体機能や思考能力は低下する。
諸刃の剣とも言えるプレッシャーをうまくコントロールすれば、プラスのパワーを引き出し、練習以上のプレーをみせることが出来る。2003.7.23《日本経済新聞》



あくびchasmus
=「欠伸」。
⇒中枢神経の異常或いは疲労に伴って生じる一種の不随運動。
  

【漢方療法】(あくび)
■甘麦大棗湯・・・(あくび(欠伸)をよくする)
■小建中湯・・・・(食後に多い)
■消風散・・・・・(なまあくび)
  
★【和漢三才図会】巻第13
「欠(あくび)」
和名:阿久比(あくひ)と読む。人は気が闌(たけなわ)になれば欠をする。体が疲れれば伸(のび)をする。張介賓は次のように言う。欠は口を張って阿吸すること。あるいは臂を伸ばし腰を展ばすと陰陽相引き、それを欠をする。と。
大体、人は臥たいと思いながらまだ臥ないでいるときは、必ずまず欠をする。これは陽気がまさに陰分に入らんとし、陰は下に積み陽は猶まだ静まらないからである。いま人は神経が疲倦(つかれくたびれ)て欠をすることがある。それは陽が陰に勝てない候(とき)である。
大欠すれば頬車牙関が脱けて口(口が張って合わない)する。これを治すには、ほしいままに酒を飲ませて酔ったところで通関散(細辛・皀角各等分作末)を用いる。この薬を鼻に吹けば嚏が出てすぐに治る。
また下関穴に鍼を刺すのもいい。

◎あくび
◇酸素不足を補うために、自然に起きる深呼吸の一種と考えられてきた。ところが、米メリーランド大学のロバート・プロビンが、血液中の酸素や炭酸ガスの濃度を変えて実験しても、あくびの頻度には違いが無いと報告。

◇あくびは、眠気をもよおしたり、精神の緊張がゆるんできた時が多い。
◇口を動かすのは、主に笑筋(咬筋)の働きによる。あくびをすると笑筋が思いっきり引き伸ばされる。さらに約20ある顔の筋肉が笑筋とも連動する。
あくびによって笑筋からの強力なインパルスが脳へ届き、神経細胞を刺激される。その結果、意識レベルが向上し、サッパリとした気分になる。
つまり、あくびによる自然な深呼吸は、ガス交換を促すためというより、笑筋の筋紡錘から
脳へ覚醒のシグナルを送ることが目的と考えられる。笑筋以外にも、脚や手腕の骨格筋では筋紡錘の機能が発達している。したがって、あくびとともに手足も思いっきり伸ばし、それらの筋の筋紡錘からも脳へのインパルスをできるだけ増加させると、覚醒効果がより高くなる。
笑筋を強く引き伸ばす動作:
・大声を上げる・ものをほおばる・大笑いする
・歌を唄う
(永田晟著「呼吸の奥義」)



あごがはずれる
⇒顎が外れる=「落架風」
  

【処方名-五十音順】
■行気香蘇散+木香
■楊梅皮の細末を鼻に吹き入れ、クサメを出せば治る。《矢数道明》




あざbirthmark
(参照→脂腺母斑「血小板減少性紫斑病」)
=母斑
 

◎赤アザ:
「単純性血管腫」
「イチゴ状血管腫」
  

【色彩療法】
    <1>藍色(目のまわりの黒いあざ)
    <2>オレンジ色(目のまわりの黒いあざ)
    <3>レモン色(目のまわりの黒いあざ) 

【漢方療法】(あざ)
■桃核承気湯・(実証、のぼせ、足冷、下腹部痛)
■炉灰膏・・・・・(黒いあざに)
      (砂・竜脳)外用。

■自費診療
「レーザーがパチンパチンと顔に当たる時の痛ささえ、これで長年悩み続けたアザが消えていくのだという喜びに感じます」
関東に住む女性(52)は、子供の頃から目の周りに太田母斑と呼ばれる青いアザがあった。人前では常に厚めの化粧を塗り、決して素顔を見せなかった。
一昨年、新聞でレーザーのことを知り、「今さらだけど」と悩んだ末に治療を受け、アザの色はかなり薄くなった。
「自費治療で1回に3~40万円かかりますが、素顔で孫と温泉に入る夢が叶うかも知れません」
帝京大皮膚科教授の渡辺晋一さんは「あざのレーザー治療ほど、皮膚の分野で画期的な恩恵をもたらした治療はない」と話す。
メラニンという色素によく反応する波長の光を照射し、色素の集まった細胞を壊す。青あざ・黒いあざ、一般にシミと呼ばれる老人性色素斑は、ほぼ消える。赤あざと呼ばれる血管腫には、別の種類のレーザーが良く効く。効果がない種類のアザやシミもあり、診断が大切だ。

■皮下のあざを分析
「米ジョージア工科大学のチームは、皮下のアザの状況を調べられる情報端末(PDA)を開発した。体に当てるだけでリアルタイムでアザが調べられる。見た目で分からないアザも分かる。
波長の短い光を計測できるフィルターを備えたデジタルカメラで撮影し、画像処理すると、圧力や摩擦で壊死した組織などが分かる。
虐待対策や食品検査・鉱山の探索などに使える」




あせもmiliaria
=「栗粒疹」「水晶様汗疹」
⇒汗は汗腺の出口である汗口から体外に排出されるものですが、汗をかいてそのままにしておいたり、汗の蒸発が遅れて汗が皮膚の表面に長時間とどまっていたりすると、汗口がつまったり、又、高熱の為に障害が起きると、汗が十分に出なくなります。そうすると、その部分がかぶれて、皮膚一面に赤い小さな発疹が出来、汗がしみてヒリヒリします。しばらくすると透明な水ぶくれとなって強いかゆみを伴います。汚れた手などで掻いたりすると、化膿して湿疹になることがあります。 

■ぶどう球菌
「ユニ・チャームはブドウ球菌が、あせもの発症と関係があることを実証したと2006年4/4発表。これまであせもの原因は解明されていなかった。
徳島大学大学院の滝脇弘嗣助教授・三菱BCLと共同で研究発表した。
成人男性の腕にラップを48時間巻き付けあせもを誘発する実験で、ラップを書いていない部分と比べると、ブドウ球菌は1000倍に増えた。
抗菌剤を塗布しラップを巻き付けると、あせもの発症は半減したため、「ブドウ球菌が炎症を誘導する可能性がある」(滝脇助教授)
成果は4/20の日本感染症学会で発表。

【民間療法】(あせも)
<1>キランソウ。
<2>クリ(栗)。
<3>ナスビ。
<4>ネナシズラ。
<5>ワレモコウ。
<6>オナモミ・カキドウシ・カラスウリ・キカラスウリ・キュウリ・クマザサ・クララ・サクラ(桜)・サラシナショウマ・スイカ・スイカズラ・ドクダミ・ニワトリ・ハコベ・ビワ・ベンケイソウ・ミツバチ・モモ(桃)・ヤマイモ噯・ヨモギ・ユキノシタ。




噫気(あいき)  
=漢方の病証名。
⇒げっぷのこと。噯気(eructation)ともいう。
胃内のガスが食道を経て口内へ音をたてて逆流する現象。満腹のときに出る、俗におくびという。啘逆(ヤクギャク)とは異なる。
◎五気の病む所、心は噫をなす。《素問宣明五気論》
◎太陰の終は腹脹閉して息するを得ず。善く噫し善くす。《素問診要経終論》
◎寒気胃に客し、厥逆し下より上に散ず。また胃に出づ故に噫と為す。  《霊枢口問篇》
◎噫は飽食の息、即ち噯気なり。《景岳全書》
  

【漢方療法】(あいき)
<1>胃中の欝火と膈上の粘稠痰、飲食の欝結が兼ねる:[袪痰丸]
<2>食べた後、腐気を吐き出す:
 [二陳湯+蒼朮・神麹・麦芽・黄連(薑炒)]
<3>渇気が胸にあって、食べなくても、いつも噫気が出る:
 [六君子湯+沈香]
 [六君子湯+沈香・厚朴・蘇葉]
 [六君子湯+沈香・厚朴・蘇葉・呉茱萸]
  

【処方名-五十音順】(あいき)
■黄芩湯
■黄連湯
■加味導痰湯《寿世保元》
■甘麦大棗湯・・・(あくびが多い、)
■枳殻散・・・・・(心下に積があって痞満、腐った卵のようなゲップ)
■袪痰丸[1]・・・(胃に痰火があって出る)
■匀気丸・・・(気が虚し、ゲップがこみ上げる)
■生姜瀉心湯+茯苓
胃拡張の軽症で、茯苓沢瀉湯を用いるような口渇が無く、胃部の膨満、圧重感、嘔吐、噫気、胸やけなどのある者に用いる。噫気は酸臭を伴うのを普通とする。(漢方診療医典)
■小調中湯・・・・・(飲酒で)
■星半湯《万病回春》(噫気を治す)
■旋覆代赭湯
■二陳湯《万病回春》
■二陳湯+蒼朮・神麹・麦芽・黄連(姜炒)(食べた後、腐気を吐き出す)
■破欝丹・(婦人に多い、連発してもゲップがすっきり出ない、ゲップが出ないと心臓の上が苦しくなる)
■茯苓飲・・(上腹部がつかえ苦しい、胃部振水音、舌苔白潤)
■茯苓飲合半夏厚朴湯(悪心嘔吐、気鬱不安、胃内停水)
■理中湯《万病回春》
■六君子湯+沈香・・(食べなくても、いつも噫気が出る、虚証)
■六君子湯+沈香・厚朴・蘇葉(食べなくても出る、虚証)



青ぞこひ
=緑内障。

【処方名-五十音順】(青ぞこひ)
■柴胡桂枝湯
■十全大補湯
■大黄䗪虫丸
■桃核承気湯
■八味地黄丸
■六味丸
   


赤い汗
   (血汗)
【処方名-五十音順】(赤い汗)
■定命散
■葎草汁方(産婦が笑いすぎて赤い汗が出るとき)

 

赤毛
   赤髪
【漢方処方】(あか毛)
■大柴胡湯・・・・(実証、筋肉質、胸脇苦満、心下部緊張、便秘)


亜急性肝萎縮                subacute hepatatrophia
⇒急激に肝不全の症状を呈し、発症後10日以内に、肝性昏睡で死亡する劇症肝炎よりも、経過が長くかつ重篤な症状を呈するものを亜急性肝炎と呼ぶ。亜急性肝炎は急性肝炎症状が2~3日続き、次第に精神神経症状、腹水、高度の黄疸、消化管出血などが現れる。この際、病理形態学的には亜急性肝萎縮を意識して診断する。(南山堂ー医学大辞典p7)
   


亜急性硬化性全脳炎(SSPE)
=[subacute sclerosing panencephalitis]
⇒は麻疹ウイルスによるスローウイルス感染症である。
◎発症:3~18歳に多く。20以上は極めてまれ。
  緩徐で精神症状で始まる。

◎症状:(SSPI)
<1>初期:

①行動異常、活動過多、 
②自閉症、拒絶症、無口、無関心、       
③言語緩慢、知能低下、集中力低下、学業成績低下、記憶障害、
④傾眠、倦怠、
⑤尿失禁、
⑥ケイレン、茶碗や箸を落とす。
    

<2>中期:

進行性痴呆
中枢性の運動・知覚障害

無動性無言
ミオクローヌス
   

◎予後不良


悪液質cachexia
=「カヘキシー」
⇒体質性疾患の深刻な目立った状態。全身的不健康。
【処方名-五十音順】
五疸一方[2]《寿世保元》


悪血
⇒瘀血の一種。敗血ともいう。
◎絡脈外にあふれ壊死した血液が組織の間に溜まったもの。《漢方用語大辞典》


悪言
⇒漢方の病証名。
◎話し方が平穏でないもの。《漢方用語大辞典》
◎肝脈急し、甚だしき者悪言を為す《霊枢邪気臓腑病形態》


悪性眼球突出症           malignant protopsis
⇒本症の多くはBasedow病に伴い、甲状腺機能正常者においても、T3抑制試験、TRH負荷試験、甲状腺自己抗体検査などにより、何らかの甲状腺異常を認めることが多い。
   

◎診断基準:ホルモン受容体異常症研究班
主症状:
①眼球突出:

Hertel眼球突出計で17mm以上。
突出の所見は必須ではない。
②眼球粘膜の充血と浮腫状腫張(chemosis):
突出+結膜充血+浮腫状腫張=一般的な初期症状。
③復視または眼球運動障害。
④視力低下(<0.3)ないし喪失、または視野欠損

除外規定:

以下の疾患による二次性眼球突出は除外する。
①眼内の炎症
②肉芽腫
③腫瘍
④pyocele
⑤mucocele
⑥頸動脈-海綿洞瘻



悪性関節リウマチ(MRA)       malignant rheumatoid arthrirtis


⇒既存の慢性関節リウマチ(RA)に、血管炎をはじめとする関節外症状を認め、難治性もしくは重篤な臨床病態を伴うもの。
血管炎を有し、心・肺・神経などの内臓病変を伴う慢性関節リウマチ。

◎診断基準
A.臨床症状、検査所見
<1>多発性神経炎:
知覚障害、運動障害いずれを伴ってもよい。
<2>皮膚潰瘍又は梗塞又は指趾壊疽:
感染・外傷によるものは含まない。
<3>皮下結節:
骨突起部、伸側表面もしくは関節近傍に見られる皮下結節。
<4>上強膜炎まはた虹彩炎:
 眼科的に確認され、他の原因を含まない。
<5>滲出性胸膜炎または心嚢炎:
 a.感染症など、他の原因によるものを含まない。
 b.癒着のみの所見は陽性にとらない。
<6>心筋炎:
臨床所見、炎症反応、筋原性酵素、心電図、心エコーなどにより診断されたものを陽性とする。
<7>間質性肺炎または肺線維症:
<8>臓器梗塞:
<9>リウマトイド因子:高値。
2回以上の検査で、RAHAテスト[2560倍]以上。
<10>血清補体価または血中免疫複合体陽性。

 


悪性黒色腫               malignant melanoma


■メラノーマ(悪性黒色腫)のワクチンを、ベルギーの研究グループが開発。
    (→用語:「ワクチン療法」)
   

■ほくろ、がん化しない
「1ヶ月前、5歳のAちゃんの足の裏に、いつのまにか黒いほくろが出来ていることに母親が気付いた。最近少し大きくなっているようだ。足の裏のほくろは皮膚ガンになりやすいと聞いたことがある。母親は急に心配になって、皮膚科外来を受診した。
ほくろのガンを悪性黒色腫という。日本人は白人に比べて発生率は低いが、日本人の悪性黒色腫は足の裏に出来ることが一番多い。この他、手のひら、爪、唇(口の中)、外陰部にも出来やすい。成人の場合は今まであったほくろの形や色が急に変わったら、すぐに専門医を受診したほうが良い。
しかし、子供は大人と違って、たとえ足の裏でもふつうのほくろがガンになることはないと言ってもよい。他の場所も同様である。子供の悪性黒色腫は、生まれたときから体に広く巨大なアザがある場合、その一部に出来ることがほとんどである。
子供のほくろは、年々、大きさ、色、形が少しづつ変化するのが普通であるし、時には自然に消えてしまう。レーザー照射で消すことも可能だが、普通は外科的切除をする。
ほくろとは、小さな円形のものを指している。直径が7mmを超える、形が円形でない、色調に濃淡がある、盛り上がっているなどの黒い色素斑は一応 専門医にかかった方がよい。(佐々木りか子・国立小児病院皮膚科)1998.4.20《日本経済新聞》

【処方名-五十音順】
紫根牡蠣湯
   


悪性高血圧                malignant hypertension


⇒乳頭浮腫、フィブリノイド変性があり、最小血圧120mmHg以上の高血圧をいう。
悪性高血圧は脳・心・腎ならびに眼底に高血圧変化を伴う重症高血圧である。
     (重症高血圧は、参照→「高血圧」)
単一の疾患ではなく、症候群。
基礎疾患には以下のものがあるが、大部分は本態性高血圧である。
 ①本態性高血圧
 ②慢性糸球体腎炎
 ③膠原病による腎障害
 ④内分泌性高血圧
降圧治療を行わないと、1年以上の生存は難しい。
男性に多く、30~50歳代に好発する。
   

◎1974年、厚生省研究班による診断基準。
[A群]

拡張期血圧:治療前、常に130mmHg異常を示す。
眼底:Keith-Wagener分類4度の乳頭浮腫および網膜出血を示す。
腎機能障害:急激に進行し、放置すれば腎不全に至る。
全身症状:急激な増悪を示し、特に体重減少、脳症状や心不全を伴うことが多い。

[B群]

拡張期血圧:130mmHg未満であるが、120mmHg以上のもの。
眼底:Keith-Wagener分類3度のもの。
腎機能障害:障害はあるが、腎不全に至らないもの。
以上のいずれかであって、A群~の3条件を満たすもの。



悪性骨髄腫
malignant myeloma
   

■転移のカギ
「東京工業大学生命理工学部の山形達也客員教授らは、骨の悪性腫瘍である骨肉腫が他の臓器へ転移する歳にカギを握る物質を発見した。動物の骨肉腫で転移能力に応じてガン細胞の表面に違いがあることを見つけ、その分析から突き止めた。骨肉腫の転移の可能性の診断に応用でき、治療で転移を抑える方法の開発にもつながるとみている。
転移能力に応じて違いが出るのは、ガン細胞の細胞膜にあり物質の認識などの役割を持つ糖脂質。マウスの骨肉腫の細胞をもとに調べた結果、増殖が盛んで転移能力が高い細胞は増殖の遅い細胞に比べて「GD1a」という糖 脂質が極端に少なくなっていた。
この糖脂質の少ない細胞をマウスに皮下注射したところ、転移を起こして数日で死亡したのに対し、糖脂質が多い細胞の皮下注射では転移が起きなかった。
玉型客員教授は人間の骨肉腫細胞でも同様の違いがあるとみており、「骨のガン細胞を良性か悪性を簡単に見分けられる」としている。ガン細胞にこの糖脂質を増やす治療を施せば、転移を抑制できる可能性もある。1997.9.1《日本経済新聞》

 

悪性疾患 
malignancy

強く障害性・致死性にに向かう傾向
悪性である性質
癌、特に死を来す可能性のある癌。

【臨床例】
☆遺伝の悪性病を治す
「凡そ、悪疾を患うものは、多くは傳継(デンケイ、先祖から代々うけついで々病気になること)に由りて、その身に之を発して詬辱(侮辱)を、祖先に及ぼすものあり。江州の一賈人、之を患う。《吉益東洞》先生に謁して診治を求む。
先生之を診す。面色、紫潤、身體処処爛れ、その腹を按ずるに、両脇拘急し、心下痞硬す。まず小柴胡湯を用い、胸腹を和解して後、七寶丸をつくりて、之を飲む。半歳ばかり。諸證全く退く。」《建珠録》




悪性腫瘍のリンパ節転移
lymph node metatasis of malibnant tumou

⇒ガン(cancer)の転移。
◎鎖骨上リンパ節への内臓ガンからの転移が有名。

◎[TNM分類]:
頭頚部などの悪性腫瘍の頚部リンパ節への転移を記載する分類法。
悪性腫瘍の進展度を臨床的に分類し、全世界的に統一性をもたせようとするものです。
[T]は原発巣(Tumor)の状態を示し、[T0]~[T4]の段階がある。
[N]は所属リンパ節(Node)を示し、[N0]~[N4]に分類している。
[M]は遠隔転移(Metastasis)を示し、[M0]~[M1]に分類している。
           

悪性症候群 syndrome malin

⇒フェノチアジンやブチロフェノン系の抗精神病薬の副作用として見いだされた。

◎症状:
①高熱
②意識障害
③筋強剛
④発汗
⑤脱水症状
   

◎発症機序:脳内のドパミン受容体の急激な抑制によると考えられている。


悪性脳腫瘍
malignant encephalophyma
   

■ヒト型モノクロラール抗体
「日本薬品開発は1日、開発中の悪性脳腫瘍治療薬「ヒト型モノクロラール抗体」について厚生省から稀少疾病用医薬品指定を受けた。
ヒト型モノクロラール抗体は、ガン細胞だけを攻撃、正常細胞をほとんど傷つけず、副作用が極めて少ない。1996.4.2《日経産業新聞》」

■増殖抑えながら攻撃
「慶応大学医学部の研究チームはヘルペスウイルスを使って悪性脳腫瘍の細胞を効果的に攻撃する新しい治療法を開発した。ガン細胞の増殖を抑制する物質を作るよう遺伝子を組み換えてヘルペスウイルスを使うのが特徴で、同ウイルスを使う在来のウイルス療法より効果が大きいと見ている。マウスを使った動物実験では生存率を飛躍的に向上できた。今後、治療用のウイルスの製造体制を企業と協力して考え、臨床試験を始める計画だ。
ヘルペスウイルスは毒性が強い半面、ガン細胞の中に侵入して細胞壁を突き破って増殖していくため、結果的にガン細胞を殺す効果がある。この性質を利用してガンを治療するウイルス療法が研究されている。
悪性脳腫瘍の一種である神経膠芽種は脳の中の1カ所で増殖を繰り返すだけでなく、移動して複数の部位で細胞分裂をする「浸潤」という現象を起こす。このため、普通のウイルスではガン細胞の増殖スピードに追いつかずに十分な治療効果が出ていなかった。
新しいウイルス治療法を開発した脳神経外科の矢崎貴仁講師らの研究グループは、ヘルペスウイルスの遺伝子を組み換えてガン細胞の浸潤を抑えるタンパク質を作くらせることに成功した。これによりウイルスの増殖がガン細胞の増殖に追いつき、確実にガン細胞を殺していけると言う。
神経膠芽種マウスを使った実験では組み換えヘルペスウイルスを投与しないマウスは30日間ですべて死亡したのに対し、投与した場合は70日間を経過しても半数が生存した。
日本ではウイルスを使ったガンの治療研究は慶大のほか、京大などで進んでいるが、臨床試験は行われていない。」2000.7.21《日経産業新聞》



悪性リンパ腫  
malignant lymphoma
    (参照→「リンパ節腫張」)


⇒頚部リンパ節腫張として初発することが多い。
通常は無痛性。
「リンパ球は血液細胞の1つで、白血球と同じように骨髄中の造血幹細胞から分化・成熟していくので、リンパ腫と白血病とは同じ系統の病気です。
白血病は→血液の中を流れて増殖する液状の腫瘍
リンパ腫→リンパ組織の中で成育する固形の腫瘍。」
「造血幹細胞から分化したリンパ系細胞は、免疫機能の担い手として、細胞免疫を担当するT細胞と、液性免疫を担当し、免役グロブリンを産生するB細胞とに分かれるが、リンパ腫は、免疫グロブリン遺伝子をもつ染色体の異常によってガン遺伝子が活性化し、その結果、リンパ球細胞がガン化して発症すると考えられている。」

【分類】
ホジキン病
非ホジキンリンパ腫
◎リンパ節の生検が必要。
自己診断リスト:以下の症状が2週間以上続く。
早期悪性リンパ腫に見られる症状:
○最近、顔色が悪くなった。
○首の付け根が腫れている。
○1ヶ月以上微熱が続いている。
○ダイエットもしないのに、急に痩せた。
○脇の下や、太ももの付け根に硬いシコリが出来た。
頻度は少ないが、要注意な症状:
○疲れやすくなった。
○やたらと寝汗をかくようになった。
進行ガンor他の疾患も考えられる症状:
○最近、立ちくらみする。
○ノドに圧迫感があって、呼吸しづらい。
○食べ物が飲む込みにくい。
  

【漢方処方】
紫根牡蠣湯
小柴胡湯梔子枳実かわらたけ
小柴胡湯に山梔子3.0、枳実3.0、かわらたけ8.0を加える。69歳の悪性リンパ腫患者(男性)に本方を投与したところ腫大していたリンパ節が著しく縮小、消失し、高値を示していたLDHも低下した(永井良樹治験)

■免疫細胞療法
「瀬田クリニック(東京世田谷区)は6/5、患者自身の免疫細胞のは働きを高めて悪性リンパ腫を治療する「免疫細胞療法」の臨床研究を、戸口率国際医療センターと共同で始めたと発表した。
共同研究では免疫不全を起こすウイルス感染症の後に発症する悪性リンパ腫を対象に、様々なガンの治療への応用が進む『活性化自己リンパ球療法』の効果を検討する。
同療法は免疫機能を担うリンパ球を患者から取り出して特殊なタンパク質などを加えて培養し、活性化させた上で体内に戻す。このリンパ球が、ガン細胞やウイルスに感染した細胞を攻撃する。」2003.6.6《日経産業新聞》

■飲酒
「米エール大学などの研究グループは、飲酒する人の方が飲酒しない人よりも、非ホジキンリンパ腫にかかる危険性が低いことを突き止めた。
非ホジキンリンパ腫は白血球のリンパ球がガン化する悪性リンパ腫の一種で、日本では年間約1万人が罹患している。
非ホジキンリンパ腫への飲酒の影響は1万人以上のデータを統計的に処理して分かった。
○酒の種類や量、年齢や性別、喫煙などは非補腎リンパ腫の発生しやすさに関係がなかった。
○非ホジキンリンパ腫のタイプによっては効果に差があった。」2005.8.17《産業》

■投薬が効かない患者
「癌研究会癌化学療法センターとオリンパスは、リンパ球がガン化する悪性リンパ腫の患者の中に、薬による治療の途中で遺伝子が変異し、薬が効かなくなるタイプの患者がいることを突き止めた。
同センターの畠清彦臨床研究部長らが解明したもので、患者がもともと持っている遺伝子特徴ではなく薬物が引き金になっている可能性が高いと考えられている。2005年12/10の米血液学会で発表。
リンパ腫の中で日本人に多い「びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫」の患者で調べた。
一般に、抗体を使ったリツキサンという薬と4種類の薬を併用しているが、治療当初は良くなるが、途中から薬が全く効かなくなる患者が2割近くいることがわかった。詳しく調べると、リツキサンが結合するB細胞表面のCD20と呼ばれる部分が薬の影響で変異を起こし、表面でなくなっていた。」

■ウイルス
「高田賢蔵・北海道大学教授らは、悪性リンパ腫を引き起こすウイルスの原因遺伝子を突き止めた。成果は2006年12月米科学アカデミー紀要電子版に掲載。
このガンは臓器移植後の患者やエイズウイルスに感染した人が発病しやすい。
悪性リンパ腫を引き起こすエプスタイン・バー・ウイルスを調べた。エストロゲンという女性ホルモンに反応して働く遺伝子を組み込み、ウイルス内の「EBNA3C」という遺伝子も連動して働くようにした。この遺伝子改変ウイルスを人の免疫細胞であるBリンパ球に感染させ、エストロゲン培養液に浸した。
すると、Bリンパ球がリンパ芽球様細胞という細胞に変化し、ガン化して増殖した。エストロゲンが入っていない培養液に変更すると増殖が止まった。



悪瘡(あくそう)
⇒漢方の病名。
◎瘡瘍で腫痛痒があり、潰爛後なかなか浸出物が止まらず、治りにくいものの総称。悪性の腫れ物などを指す。《漢方用語大辞典》
   

◎主薬:悪瘡には貝母を主薬とすべし《万病回春》


悪中
⇒漢方の病証名。
◎墓に入ったり、死者を弔ったりした時に、邪気に当たって起こるもので、以下の症状を引き起こす。《漢方用語大辞典》
手足の逆冷
鳥肌が立つ
顔面蒼黒色
精神錯乱
牙関口禁
人事不省


悪肉(あくにく)
⇒漢方の病名。 《漢方用語大辞典》
◎悪肉は、身中たちまち肉あり、赤小豆粒のごとく突出し、すなわち長じて牛馬 の乳の如く、また鶏冠のごとし。ケロイド・イボを含む。《肘後備急方》



悪夢
(参照→「睡眠時無呼吸症候群」)
■薬の副作用の可能性も
「大手製薬会社に勤めるキャリアウーマンのS子さん(38)は、睡眠中に悪い夢を見るようになった。人間関係のもつれや谷底に落ちる夢で、ドキドキして目が覚める。再び眠り込むと、悪夢の続きを見るはめになる。高血圧症で通院しているSさんは思い切って主治医に相談した。
誰でも夢を見るが、なぜ夢を見るのかはよく分かっていない。眠っている間に記憶を整理しているという説もある。夢の内容を覚えていることはあまりないため、グッスリ眠ったと勘違いしていることも多い。疲れていたりいろいろ悩み事があると、それに関係した悪夢を見るようだ。
<1>病的に気分の落ち込むうつ病や神経症でも悪夢を見続けることがある。
<2>ナルコレプシーという稀な病気では、いきなり全身の脱力発作とともに生々しく不快な白日夢を見る。また、病気の治療に使う薬剤でも悪夢を見ることがある。
<3>高血圧治療薬であるプロプラノロールなどのβ遮断剤を使用していると悪夢に悩まされることがある。
<4>ウツ病の治療薬として使われるフルボキサミンや、ある種の精神安定薬、コレステロール低下薬などでも悪夢を見ることがある。」(檜垣實男・愛媛大学医学部教授)2002.5.28《日本経済新聞》





浅黒い
【漢方処方】
■荊芥連翹湯
■柴胡清肝湯
■滋陰降火湯
■竜胆瀉肝湯



朝、起きれない
=朝起きられない

■低体温の子、体の目覚め遅い
「起床直後の体温が36℃に達しない低体温傾向の子供は、昼頃迎えるはずの1日の体温のピークが夕方にずれ込んでいることが、日本体育大学の研究グループの調査で明らかになった。
体の目覚めも遅く、日中も活動が鈍いことを示している。
通学意欲のなさを訴える子が低体温傾向の子供に多いことも分かった。
調査したのは、日体大・学校体育研究室の正木健雄教授ら。昨年6月、東京都内の国立大付属校の協力を得て、中1と高1の男子生徒の1日の体温の変化を調べた。
調査結果によると、対象となった73人のうち、起床時の体温が36℃台だったのは59人。36℃未満は12人で、37℃台が2人いた。
36℃未満を低体温群、36℃台を平均群と分類して、それぞれの体温の変化をみたところ、平均群は正午頃に体温のピークを迎えたが、低体温群ではピークが午後4時~午後6時頃にずれ込んでいた。
ピーク時の体温をみると、平均群では約36.8℃だったが、低体温群では36.4℃ほどまでしか上がらなかった。
アンケートでは、平均群では半数を超す生徒が「通学意欲あり」と答え、「意欲なし」が2割足らず。低体温群では、「意欲なし」が3人に1人に達した。
調査を中心になってまとめた同大大学院博士課程の野井真吾さんは「低体温傾向の子は、体のリズムが学校生活と合わないという問題を抱えている。夜型の生活に関係がああるとも考えられる」と話している。2000.3.15《朝日新聞》

■思春期の起立性調節障害
「午前中は立ちくらみや低血圧で動けない。午後になると回復するが、「怠け病」と誤解されることも少なくない。2006年9月、日本小児心身医学会が診療指針を作成した。

★(指針)以下のうち4項目が週に1日~2日見られると、心理社会的な要因の関与があると判断。
○学校を休むと症状が軽減する。
○身体症状が再発・再燃を繰り返す。
○気にかかっていることを言われたりすると症状が悪化する。
○1日のうちでも身体症状の程度が変化する。
○日によって身体症状が次から次へと変化する。
指針では、問診のほか、寝た状態を約10分間続けてから立ち上がり、[血圧][心拍数][心電図]などを計測し、症状を4タイプに分類する。
たとえば、『起立直後性低血圧』は、立ち上がった直後に血圧が20以上低下する。患者全体の2割を占め、症状がひどくなると血圧が69以上下がることもある。日本人に多い。
『神経調節性失神』は、起立中に意識低下や意識を失う発作を伴う。スエーデンで多く、日本人にはほとんどいない。
高校生のAさんは、春頃から、朝起きられなくなった。寝床と離れようとすると[立ちくらみ]や[めまい]がする。顔色も悪く、腹痛や頭痛があることもある。ところが、昼を過ぎる頃になると、何故か体調は回復する。

【治療法】
薬物療法
ストレスを低減するカウンセリング

【日常生活】
・水分を1日1.5㍑~2㍑と十分に摂る。
・塩分は特に制限は無いが、余分に摂る方が良い。
・寝た状態や座った状態からは30秒以上かけて、ゆっくり立ち上がる。
・朝、起床時は頭を下げたままに歩き始める。
・早寝早起きなどの生活リズムを守り、日中は眠く・だるくても身体を横にしない。
・テレビゲーム、パソコン、テレビは1日1時間以内にする。
・暑気は避ける。






朝ご飯が食べられない
(参照→「食欲不振」)
■おすすめの朝食
●「梅干し&牛乳」
「まず、梅干しのおかげでたっぷり分泌される唾液が胸やけの原因の胃酸を中和し、洗い流してくれる。このときに出る唾液は普通より中和力が高いのだ。そして、その刺激が脳から胃に伝わり、胃を広げて食欲を感じさせてくれるはず。そこへ栄養価の高い牛乳を飲む。牛乳は胃壁を保護し、たっぷり分泌された胃酸から胃を守る働きもある。梅干しだけを食べてしまうと、大量の胃酸で胃が傷つく恐れがあるので要注意。
食欲が無くても何日か、この黄の組み合わせを試してみよう。続けているうちに、朝食を食べる習慣がつき、夜食を摂らなくても済むようになるはずだ。
(NHKためしてガッテン)


朝のこわばり           matutinal induration
⇒リウマチの主症状。
   

【漢方処方】
■烏頭湯
■越脾湯
■越脾加朮湯・(汗が多い、浮腫、小便不利、脚弱、脈沈)
■葛根湯・(項背強ばる、発熱、悪風、脈浮緊)
■甘草附子湯
■橘皮枳実生姜湯
■桂姜棗草黄辛附湯
■桂枝加朮附湯・・(疼痛、小便難)
■桂枝加附子湯
■桂枝去芍薬加附子湯
■桂枝附子湯
■桂枝芍薬知母湯
■桂枝二越婢一湯
■桂枝茯苓丸
■柴胡加竜骨牡蛎湯
■柴胡桂枝湯
■四逆散
■真武湯
■大柴胡湯
■桃核承気湯    
■白朮附子湯
■礬石湯
■麻黄加朮湯
■麻杏薏甘湯

 

朝の頭痛matutinal cephalagia

【漢方処方】
■釣藤散



足なえ病
■消滅したはずの神経難病----南紀で高率発生
「紀伊半島南部とグァム島、ニューギニア島だけで見つかり、1980年ごろには食生活の近代化などにより、消滅したはずの重い神経難病が90年代に三重、和歌山県の一部で再発し、現在も高率で発生していることが、三重大学医学部の葛原茂樹教授(神経内科)らの調査で18日までに確認された。60~70年代に米国とともに大規模な調査が実施されたが、環境要因の影響が強いと指摘されただけで原因不明のままだった。
この病気は、日本では三重県中部と和歌山県南部の限られた2地域だけに見られ『足なえ病』などとも呼ばれた。まだ治療法はない。
病気は筋肉が萎縮、麻痺して死に至る筋萎縮側索硬化症(ALS)が主だが、電子顕微鏡で見た脳の組織が通常のALSと異なる転が特徴。パーキンソン病とアルツハイマー病のような痴呆が混じった、『パーキンソン痴呆(PD)』と呼ばれる独特の症状が表れる患者もいる。
三重大学では、93年夏から1年間に訪れた3人のALS患者が、いずれも三重県中部の高率発生地域だった住民と判明。葛原教授らが改めて同地域を調査したところ、これまでにALS4人、PD7人の発生がほぼ確認され、この神経難病が引き続いて起こっていることが分かった。
通常ALSの年間発病率は10万人当たり0.7人なのに対し、同地域の人口から換算すると100倍の発生率となり、昔と変わらないと言う。」       1998.4.18《日本経済新聞》



味がないnegation sapin
(参照→「味覚障害」)
■味を感じない
「72歳の男性。1ヶ月ほど前から食べ物の味を半分程度しか感じなくなりました。食欲は普通で病気もないはずなのに、美味しいものをおいしく感じることが出来ません。
●なぜ味が分からなくなるのでしょうか?
味覚障害は食生活の変化や高齢化で増えつつあります。風邪、貧血、薬の影響など様々な原因が考えられますが、一番多いのはこれといった原因がないものです。どの場合でも共通しているのは、6割ぐらいの人の血液中の亜鉛が不足していることです。
●亜鉛が関係あるのでしょうか?
舌の表面には、味を感じる細胞が集まって出来た味蕾という器官が数千個あります。口の中の粘膜にもあります。新陳代謝が激しく、10日くらいで新しい細胞に生まれ変わりますが、このときに亜鉛が必要なのです。偏った食事などで亜鉛が不足すると、細胞の数が減ったり、機能が落ちたりします。
●高齢者に多いわけは?
年を取っていろいろな機能が衰えてくることが関係してきます。直接的に影響するのは、老人西南町などと同じように、感覚系の細胞、つまり味蕾が減って衰えてくることです。他に、食事量が減ったり消化吸収する機能が衰えたりすると、今まで通りの食事をしていても亜鉛の吸収量が減ってしまいます。高齢者に多い高血圧や糖尿病で使う薬も、亜鉛不足を招く原因になることがあります。
●亜鉛以外ではどんなことが考えられますか?
唾液の分泌量の減少があります。亜鉛を十分とっていても、唾液が減って口が渇きがちになると味を感じにくくなることがあります。唾液が味の分子を溶かして味蕾に届ける役割を果たしているからです。高齢者には濃い味付けを好むヒトが多いようですが、こうしたことによる味覚の低下と関係があります。
●どのように診断するのですか?
まず問診で、いつから起こったのか?。風邪を引いていないか?。どんな薬を飲んでいるかなどを尋ね、原因を絞り込みます。そのあと、ごく弱い電気的な刺激を舌に与えたり、様々な濃さの甘みや苦みなどの液を浸した濾紙を舌にあてて検査をします。いつ味を感じたかを答えてもらい、障害の場所や程度を調べるわけです。血液中の亜鉛の濃度、唾液の分泌量も測ります。
●治療法は?
亜鉛の粉薬を飲むのが基本です。もともと食物を通じてとっているものですし、余分な亜鉛は排泄されてしまうので、副作用の心配はほとんどありません。ただ、人によっては軽い胃もたれなどを起こすことがあります。すぐに効き目があるわけではなく、早くても1ヶ月ぐらいかかります。通常は3ヶ月くらい様子をみます。6、7割の人はこれくらいで効果が出てきます。
●他の原因の場合は?
貧血が原因なら、鉄剤を飲む治療が中心になります。唾液が少ない人は、分泌を促す漢方薬を使います。また、食べ物の味には味蕾で感じるものだけでなく、温度・舌触り・ニオイなども含まれています。風邪で鼻が詰まった人や、嗅覚障害のある人も味覚の異常を訴えることがあります。そのときは鼻の治療もします。
●予防法はありますか?
細菌は加工食品やファーストフードなどで食事が偏り、亜鉛が不足しがちです。唾液の少ない人は、先に酢の物を食べて唾液を出やすくすると、味を感じやすくなります。」(坂上雅史・兵庫医科大学教授)2000.8.6《朝日新聞》
■亜鉛欠乏症
適用外使用・・・「プロマック」(消化性潰瘍薬)





汗かきhyperhidrosis
=「汗が出やすい」「汗が出る」
    (→手掌多汗症)(→発汗異常) 


汗=血液の血漿から出来ている。塩分濃度は0.3 %まで、塩分が多いほど要注意。

◎体力が弱ってくると、汗が出やすくなる《螺王人》
◎食事:

①肉類を控える
②アルコールを控える
③就寝前2~3時間前には、食べない。
④運動---暑さに慣れる。

◎<1>大量の汗が出るのは、危険な症状の場合が多い。
<2>カレライスなどを食べたときに、顔や頭から汗がたくさん出る人は、循環器系の疾患に要注意。
◎次の症状があればさらに要注意。《螺王人》
 <1>肩が凝る、
 <2>背中が痛い、
 <3>ゲップが出る、
 <4>飲み込みにくい。
  

【栄養療法】 《螺王人》
<1>顔に汗がたくさん出る人は、普段からラッキョウを食べましょう。
 

【宝石療法】
    <1>[真珠]
◎主薬:
汗を止むるには、桂枝・芍薬を主薬とすべし《万病回春》
虚汗には、黄蓍・白朮を主薬とすべし《万病回春》
  

【漢方療法】
<1>陰汗=腎が衰弱した為に出る:
[局方安腎丸]

[大蒜元]

[小安腎元を乾旧漿湯に塩を少し入れて呑む]
「炉甘石2銭半、蚌粉・黄連・五倍子各1銭2分半」を作末し、先に「露蜂房・大腹皮」を煎じた湯で洗った後ぬる。
<2>陰嚢に汗・・・「密陀僧(末)・蛉粉」混ぜて患部に塗る。
<3>汗が多くて止まらない症=亡陽。但し、汗の出ないのも亡陽。
<4>止汗法:
1.紅粉と温粉を塗る。
2.独勝散を臍に詰める。
3.「牡蠣・麦麩・麻黄根・藁本・糯米・防風・白各等分」作末し全身に塗る。
4.病人の頭髪を水に浸しておいて「糯米粉・竜骨・牡蠣末」を患部に塗る。
  

【処方名-50音順】
■黄蓍湯[7]・・(自汗・盗汗)
■蓍附湯・・・(自汗)
■求苓湯・・・(虚汗を治す)
■玉屏風散・・(疲れやすい・風邪にかかりやすい
■桂枝加葛根湯・・・(自汗、感冒)
■桂枝加竜骨牡蠣湯
■桂枝附子湯・・(傷寒で汗が多くて止まらず、四肢が拘急する者)
■桂附湯・・・(自汗が流れて止まらない)
■炙甘草湯
■小建中湯・・・・・(表虚自汗)
■参蓍湯・・・・・・(自汗)
■参帰要子・・・・・(心気が弱まり自汗)
■参附湯・・・・・・(陽虚自汗)
■和湯・・・・・・(自汗・盗汗)
■大蒜元・・・(陰汗がしっとりして、かゆい者)
■二甘湯・・・・・・(食後に汗が多い。胃熱)
■大承気湯
■調衛湯・・・・・・(湿気が勝って自汗する)
■鎮液丹・・・・・・(自汗)
■白朮散・・・・・・(飲酒中風で汗が多い)
■白虎加人参湯・・・(激しい口渇、口舌乾燥、尿利頻数、大便硬、煩躁)
■防已黄蓍湯・・・・(上半身、足がむくむ)
■補中益気湯・・・・(疲れやすい・手足がだるい・食欲不振)
■保元湯
■牡蠣散・・・・・・(いつも汗をかき、夜寝るとさらにひどく、いつも何かで驚く症状)
■麻子仁丸・・(汗が出て、皮膚が湿っている、便秘)
■六物散・・・(腋下・手掌・足心・陰下・股裏が、いつもジトジト汗がにじむ)

◎汗を止める方法。
<1>病人の頭髪を水に浸しておいて、「糯米粉・竜骨・牡蠣粉」を患部に塗る。
<2>紅粉と温粉を塗り、独勝散[2]を臍に詰める。
<3>「牡蠣・麦麩・麻黄根・藁本・糯米・防風・白各等分」粉末にし全身に塗る。
<4>舞妓さんはなぜ顔に汗をかかないのか?
 「帯を胸の当たりまで強く締めることで、脊髄の汗を感じる神経の感覚を抑えるので、それから上の、特に顔の汗を抑える。『皮膚圧-発汗反射』を応 用したもの。胸の皮膚をつねって神経に刺激を与えることでも可能になる。



汗が出ない
⇒汗は血の異名。「奪血だと汗がなく、奪汗もまた汗がない」

◎《螺王人》
<1>しょうが(生)+ネギの白い部分を入れてスープを作り、温服する。しょうがの量が多いほど汗の出は良くなる。又、甘さが欲しい方は、黒砂糖orハチミツを入れると良い。
<2>くず湯に抹茶を入れて飲む。
   

◎主薬:汗を発するには、麻黄・桂枝を主薬とすべし《万病回春》
久しく汗出ざるには、紫蘇。青皮を主薬とすべ氏《万病回春》
  

【芳香療法】
◎以下の精油は汗の出を促します。ただし、体が正常な状態の時には過度に汗をだすことはありません。
[バジル][カミルレ][サイプレス][ジュニパー][ラベンダー][ローズマリー][ティートリ]
◎以上の精油で浴場に8滴入れて沐浴する。
  

【民間療法】
<1>ウスバサイシン・オケラ・オナモミ・カラタチ・キンカン・クズ・クマツヅラ・サラシナショウマ・サルトリイバラ・シソ・タンポポ・トクサ・ナギナタコウジュ・ニワトコ・ニンニク・ネギ・ハマボウフウ・ミカン・ヨメナ。
  

【処方名-五十音順】
■葛根湯
■桂麻各半湯
■滋陰降火湯
■升麻葛根湯
■参蘇飲



足が冷たい
=足が冷える


【処方名-五十音順】
■桂枝加黄蓍湯
■桂枝加附子湯
■桂枝人参湯
■桂枝茯苓丸
■五積散
■呉茱萸湯
■芍薬甘草附子湯
■十味散
■大三五七散
■釣藤散
■当帰四逆加呉茱萸生姜湯
■当帰芍薬加附子湯
■当帰芍薬散
■人参湯
■八味地黄丸
■半夏厚朴湯
■半夏白朮天麻湯
■附子人参湯
■補中益気湯
■苓桂朮甘湯
■六味丸
  
   

足がしびれる
<1>シビレの範囲が変化しない:
腰椎椎間板ヘルニア
脊椎狭窄症
感覚異常性大腿神経痛
腓骨神経麻痺
足根管症候群
中足骨痛
<2>シビレが上に昇っていく:
多発性神経炎
脊髄疾患         
  

【処方名-五十音順】
■温経湯
■温清飲
■帰膠艾湯
■九味檳榔湯
■桂芍知母湯
■牛車腎気丸
■七物降下湯
■芍薬甘草附子湯
■芍薬甘草湯
■十全大補湯
■疎経活血湯
■当帰建中湯
■当帰芍薬散
■当帰湯
■二朮湯
■苡仁湯
■抑肝散
  



足がケイレン
   =足がびくつく
  

【処方名-五十音順】
■三物黄芩湯・・・(四肢煩熱)
■芍薬甘草湯
■小建中湯
■補中益気湯・・(熱中症でケイレンの予防)


足が腫れる
(参照→「劇症溶連菌感染症」)
  

【処方名-五十音順】
■茵蒿湯
■五積散
■四物湯



足がほてる
  

【処方名-五十音順】
■温経湯
■桂枝茯苓丸
■三物黄湯
■炙甘草湯
■小建中湯



足がむくむ
(参照→「浮腫」)
■足のむくみは何故起きる?
「足がむくむのは、血行が悪くなって足に水分が溜まるから。では、その時体の内部ではどんなことが起きているのか? 水分は体のどこからくるのか?
血液は心臓から動脈を通じて送り出され、より細い歳同みゃk、さらに細い毛細血管へと行き渡る。血液に含まれた酸素や栄養素は、水分に溶けて毛細血管の悟空水膜を通って細胞に入っていく。酸素が二酸化炭素に変わり、栄養素が使われた後、水分は役目を終えて静脈に回収され、心臓に戻る。
ところが、長時間立っているなどで、重力のために血液が心臓に戻りにくくなると、細胞や毛細血管から水分が回収されにくくなり、下半身に溜まってむくみにつながる。
●締めつける下着はむくみやすい?
足のむくみの原因は下半身の血行が悪くなること。では、下半身を締めつけるガードルや厚手の弾力ストッキングは、血液の流れを圧迫して、むくみはもっとひどくなるのでは?

[弾力ストッキングの効果]
ハードな仕事の看護婦さんたち。片足に弾力ストッキング、もう一方に普通のストッキングで1日勤務した後、全員の足の表面積増加率を比較すると---------普通のストッキング(+2.2%)
    弾力ストッキング (+0.6%)
表面積が増加したのは、足がむくんだからで、弾力ストッキンングは普通のストッキンングに比べ、むくみ(浮腫)を抑える効果があった。
●弾力ストッキングは何故よい?
 きついガードルは、きつくないガードルに対して、立っているときは2倍近い力で身体を圧迫する。その結果、下半身を流れる血液の量は、10%以上も減る。座り仕事の女性はきついガードルは避けた方が良い。
又、弾力ストッキングがむくみを抑える効果があるのは、足の3カ所でかかる圧力が違っているため  ・太もも  (8mmHg)
・ふくらはぎ(15mmHg)
・足首   (35mmHg)
下にいくほど強くなり、ポンプのように血液を押し上げる。長時間立ち続けて、静脈が血液を心臓へ戻す機能が落ちてきた時に、弾力ストッキングの圧力が助けてくれるわけだ。ただし、きつすぎると逆にむくむので、140デニールくらいがベストとされる。」(NHKためしてガッテン)

■むくんだ足は屈伸運動で
「むくみのメカニズムから分かったことは、足の血行を良くすればむくみ(浮腫)は軽減されるということ。では、普段の生活の中でむくみを予防・解消する簡単な方法は?
5人のエレベーターガールに休憩時間ごとに2分ずつ試した結果、ふくらはぎから下の体積は-----   ・青竹踏み(-1.0%)
・屈伸する(-2.4%)
・足枕  (-0.6%)
で、一番効果があったのは屈伸運動をした場合。
●プロの「足モデル」の場合
外出時:靴はかかとが低く、足先が開いている大きめのもの。ハイヒールはほとんどはかない。たまにはくときも、隙あらば机の下などで脱いでいる。
帰宅したら:足指を広げて血行を促す。足を高い位置に置いて休める。
バスタイムは:お湯と水のシャワーをかわるがわる充てて刺激で血行促進。
就寝前:オイルやクリームをつけてマッサージ。顔と同じようにやさしく入念に。
就寝時:足に枕をあてて寝る。」(NHKためしてガッテン)

■むくみ解消に効果のある食品:
トウガン
スイカ
あずき
黒豆
緑豆(緑豆はるさめ)
セリ
セロリ
ハトムギ

  

【処方名-五十音順】
■牛車腎気丸
■真武湯
■防已黄蓍
■木防已湯




足が痩せて細い
  

【処方名-五十音順】
■大防風湯(栄養失調による運動麻痺、体力低下)


足関節症

■足首の痛み
「数年前に退職したM(65)は、半年前より左足首の前内側に痛みを感じている。痛みは特に歩き始めや長時間歩くと強くなる。最近では外側にも広がり関節全体が痛む鳴ってきた。
足首が腫れていた。関節の動きも悪く、正座ができない。押さえると足首の内側の痛みが激しい。
これが足関節症の典型的な症状だ。骨折などの外傷後や化膿性関節炎のあと、関節リウマチの時に発症することが多い。Mさんも学生時代に足首を骨折していた。
この年齢の足首の痛みには関節リウマチや痛風もある。足首以外の関節で痛みがあれば関節リウマチ、発作性の激しい痛みがあれば痛風を疑う。
治療は、まず保存的治療をする。消炎鎮痛薬を服用したり、足首にシップを貼る。
症状が進行すると手術が必要。足首の関節の緩い人では靱帯形成術を行う。関節軟骨が無くなっていると人工関節の置換術が必要になる。」


足くびの痛み
■芍薬甘草湯・・・・(ケイレンする、疼痛)

 

 


足に力が入らない(脚弱)
⇒足を俗に脚というのは、却字と意義が同じで、座ると足がうしろのあるという意味です。
  

【処方名-五十音順】
■越脾加朮湯
■桂芍知母湯
■芍薬甘草湯
■真武湯
■大防風湯
■当帰芍薬散
■八味地黄丸
■苓姜朮甘湯



足の裏が痛い
→参照「モートン病」」




足の裏が熱っぽい   

【処方名-五十音順】
■茵五苓散
■三物黄湯



足腰がマヒ
◎原因によって対処の仕方が異なる。
<1>免疫異常が原因のとき。
<2>脳に異常が起こって麻痺するとき。
<3>腰椎に異常が起きて発症するとき。
<4>瘀血などの血行不良によるとき。


頭がボーッとする
=「頭がすっきりしない」

■頭すっきり、元気回復の夜食は?
「受験生4人に算数ドリルを解かせ、途中で休憩。4種類の夜食を摂り、疲労感と脳は・血糖値を測定した。
夜食の種類------A(砂糖[糖分])
       B(ご飯[炭水化物])
       C(豆腐[炭水化物])
       D(バター[脂肪])
4種類の栄養素でリフレッシュ効果があったのは、ご飯、つまり炭水化物だけ。頭を使う作業で多くのエネルギーを使うのは脳。そのエネルギー源となるのは、身体に蓄えたブドウ糖しかない。これが無くなるとエネルギー不足に陥る。炭水化物は消化されるとブドウ糖に変わり、即、脳のエネルギーとなる。ご飯だけが脳を回復させることが出来るのだ。
一方、砂糖と血糖値の変化を見ると、
「砂糖では、血糖値は急激に上がるが、すぐに低くなる。そして、下がった値はもとの値より低くなる。」
「ご飯では、血糖値はゆっくりと上がり、なかなか下がらない。」
それぞれの性質のメリットを生かすためには、糖分と炭水化物を組み合わせて使えば良い。つまり、脳の疲労を回復させる夜食は、多陰吹か物をメインにして、甘いものを少量プラスすれば理想的。」(NHKためしてガッテン)
  

【処方名-五十音順】
■葛根湯《傷寒論》
■活命金丹
■帰脾湯
■帰膠艾湯
■風至宝丹
■桂枝去芍薬加蜀漆龍骨牡蠣湯《傷寒論》
■牛黄清心元
■牛黄定志丸
■七物降下湯
■四白丹
■至宝丹
■当帰芍薬散
■二参丹
■補中益気湯
■六味丸
  

【宝石療法】
<1>アジュライト。

  


頭がふらつく
◎血圧(最高血圧、最低血圧)、脈拍をチェックしましょう。

【処方名-五十音順】
■温経湯
■温清飲
■加味逍遥散
■帰脾湯
■酸棗仁湯
■四逆散
■七物降下湯
■十全大補湯
■逍遥散
■真武湯
■天麻釣籐飲
■釣藤散
■鎮肝熄風湯
■半夏白朮天麻湯
■抑肝散
■抑肝散加陳皮半夏
■苓桂朮甘湯
■六味丸

熱い物が飲みたい
=熱い物が食べたい。
⇒(好熱物)熱い物を好む。冷たい物は飲みたくない。
【処方名-五十音順】
■補中益気湯
   
 
油足(あぶらあし)
   ⇒足の裏に脂汗。
【処方名-五十音順】
■荊芥連翹湯

  
油っこい食事で気分が悪い   
【処方名-五十音順】
■茵蒿湯
■茵五苓散
■四逆散
■小柴胡湯
■大柴胡湯


アリ退治
◎クルミ(カシグルミ)の葉の煎じ液を床の周りやアリの通る場所に塗っておく。
  葉6つかみを500ccの水にいれて、20~30分間沸騰させたもの。

 


歩けない   

【処方名-五十音順】
■加味四斤元・・・・(肝腎が弱り、脚膝の疼痛・痿弱。又は風寒湿の気で脚痛)
■加味四揚湯・・・・(湿熱による両脚の痿軟・無力)
■加味二妙丸・・・・(両腕が火に炙られたようで、だんだん腰胯に至ってマヒ・痿軟する)
■健歩丸・・・・・・(湿熱により脚膝に力なく、屈伸出来ず、腿腰が重い)
■五獣三匱丸・・・・(肝腎の不足から両足が痿)
■三妙丸・・・(湿熱が下流して両脚がマヒ・痿弱)
■滋血養筋湯・・・・(気血ともに弱まり、痿軟して動けない)
■四製蒼柏丸・・・・(湿熱により脚膝が痿弱)
■神亀滋陰丸・・・・(美食する人が湿熱に腎を犯され脚膝痿弱・無力)
■清燥湯・・・・(長夏の湿熱による両脚の痿厥)
■大防風湯・(栄養失調による運動麻痺、体力低下)
■抑肝散加陳皮半夏・(イライラ、めまい、不安感、左腹部で動悸、腹部 軟弱・無力、疲れやすい、肩こり)
■養血壮筋健歩丸・・(気血ともに弱く、両脚の痿軟で歩けない)
■鹿角膠丸・・・・・(両足の痿軟。長い間寝ていたため起きられない)
■六味丸・・・・・・(腎陰虚、口渇、舌乾燥、多尿、小便不利、下腹部軟弱・無力、疲労倦怠、憔悴、羸痩)
(→痿弱)(→鶴膝風)
(参照→脊髄小脳変性症)



安静時呼吸性不整脈(RSA)
◎血圧が高くなることを防ぐ心臓のブレーキ機能の強弱を表す。
◎短時間作業群
      20代:870
      30代:664
      40代:309
◎長時間作業群
短時間より低いが、年齢による落ち込みがひどい。
◎労働負担が重い、労働時間が長い・・・RSAが半分以下に低下。


安胎
⇒胎児を安定させる治療法を指す。胎動の不安や流産の予防に用いる。
◎主薬:婦人の安胎には、条・白朮を主薬とすべし《万病回春》



暗庁(あんちょう)
⇒漢方の病証名。
◎症状:腋下にクギのような硬いものが出来て、痒みと痛みがあり、寒熱往来し、四肢拘急する。患部は紫黒色をして、乾燥して、痛みが半身に走る。

暗風(あんぷう)
⇒漢方の病証名。
◎以下の4つの意味に用いられる。
頭がくらくらして目の前が真っ暗になり、意識がなくなる病証。
類中風の別名。
産後のめまいを指す。
テンカンを指す。