<う> つらい症状・病名


Ulrich-Scheie病
⇒ムコ多糖症Ⅴ型。常染色体性劣性遺伝。

◎症状:
・骨変形
・角膜混濁
・肝脾腫
・知能正常

 
Wallenberg症候群
=同側の小脳症状、顔面の温痛覚障害、角膜反射消失、声帯及び軟口蓋麻痺と反体側体部の温痛覚障害を示す症候群。

◎後下小脳動脈の閉塞時に見られる。
◎めまい・眼振を伴うことが多い。


Weber-Christian病
=「再発性発熱性非可能性結節性皮下脂肪織炎」。
⇒躯幹、四肢の比か組織にみられる。時に有痛性の限局性結節を主症状とする。
発熱、倦怠、関節炎など全身症状を伴う。


Wegener肉芽腫症
⇒膠原病の一種。
◎40~50才の男性に多い。頑固な鼻炎、肺の結節性病変をもって徐々に発病。
腎病変の急激な進行により末期は尿毒症で倒れる。
◎病因:不明
◎症状:
・鼻炎
・咳
・喀血
・口内潰瘍
・眼球突出
・両側下肺野の結節性陰影
・発疹
・タンパク尿
・血尿
・腎不全
・尿毒症
・高熱
・貧血
   
◎病理所見:
・気道上下に壊死性肉芽腫
・動静脈を侵す巣状炎症
・巣状糸球体腎炎
   
◎検査:
・赤沈:促進
・白血球:増加
・好中球:陽性
・細胞質抗体:陽性



Wegener肉芽腫症

①壊死性肉芽腫病変、
②血管炎、
③糸球体腎炎を3主徴とする疾患。
・性差、好発年齢は特にない。
   
◎(チェック)
▽悪臭のある膿性鼻漏・鼻出血など鼻・副鼻腔の症状と
▽眼球突出、眼痛などの眼症状を見たら、まずWegener肉芽腫症を疑ってみること。
▽発熱、全身倦怠感を伴うことが多い。
   
◎治療:早期に強力な免疫抑制療法を行うと、予後は極めて良好。
   
◎診断基準:
<1>主要症状:
(イ)上・下気道の壊死性肉芽腫性炎による症状。
(1)鼻症状----膿性鼻漏、鼻出血、鼻閉、鞍鼻。
(2)眼症状----眼球突出、眼痛、視力低下。
(3)耳症状----耳漏、耳痛、耳閉、聴力低下。
(4)口腔、咽喉頭症状----咽喉頭痛、潰瘍形成、嗄声、乾性咳。
(5)肺症状----血性痰、胸痛、労作時息切れ。
(ロ)血管炎による症状。
(1)皮膚症状--紫斑、皮下出血、皮膚潰瘍、指趾壊疽。
(2)多発性神経炎。
(3)多発性関節炎、筋痛。
(4)上強膜炎。
(5)内臓虚血による症状---心筋梗塞、脳梗塞。
(ハ)腎炎による症状。
(1)尿所見の異常---持続性タンパク尿、肉眼的血尿。
(2)浮腫、高血圧。
    
<2>組織所見:
(イ)上・下気道の巨細胞を伴う壊死性肉芽腫性炎の存在。
(ロ)フィブリノイド型血管炎の存在。
(ハ)巣状分節状、または半月体形成腎炎の存在。

<3>検査
①血沈------60mm以上/1時間。
②白血球数増加-----10000/mm3以上
③血小板数増加-----400000/mm3以上
④CRP-----------強陽性
   
◎種類:
「全身型」:
鼻・肺・腎の3臓器すべてを侵す。(generalized form)
「限局型」:
(limited form)
鼻あるいは肺のみの単独病変。
2臓器罹患。



Weil病
   =「ワイル病」


Werner症候群
(ウェルナー症候群)
⇒早期老化を呈する疾患の1つ。
    
●早期老化する疾患:
①progeria----------発症年齢6ヶ月~2歳
②Hutchinson-Gilford症候群----発症年齢6ヶ月~2歳
③Werner症候群-----発症年齢10~40歳。

◎診断基準:1984年、厚生省ホルモン受容体機構調査研究班
    
主要徴候:(10歳以後~40歳までに出現)
①早老性外貌:白髪・禿頭
②白内障
③皮膚の萎縮、硬化または潰瘍形成。
    
その他の徴候と所見:
①原発性性腺機能低下
②低身長及び低体重
③音声の異常:声帯の萎縮により、特有の高調な声となる。
④骨の変形:骨粗鬆症
     骨の変形、特に扁平足が多い。
⑤糖同化障害:ブドウ糖負荷試験で耐糖能の低下と認め、インスリンの過剰反応を伴うことが多い。
⑥早期に現れる動脈硬化
⑦尿中ヒアルロン酸増加
⑧血族結婚

皮膚線維芽細胞の分裂能の低下:
線維芽細胞の染色体に転座(モザイク)を、高頻度に認める。

■タンパク質が修復
「三菱化学生命研究所は、食事制限したラットの実験でDNAの傷を修復するタンパク質が増えることを確認した。
遺伝子の変異が原因とされている老化が進む疾患『ウェルナー症候群』で減少することが知られている[ウェルナータンパク質]に注目した。食事のカロリーを2~3割減少して減量したラットで増減を調べると。ウェルナータンパク質は増えていた。
感RNする物質を調べたところ、『SIRT1』(タンパク質)がカロリー制限すると活性化し、ウェルナータンパク質の分解を抑制していた。
老化のメカニズム解明に役立つ成果」



Wernicke脳炎
(参照→「ビタミンB1」)
=1881年ウェルニッケが発見。
<1>「出血性上部灰白質脳炎」と名付けた。
<2>症状:眼球運動麻痺
     歩行運動失調
     意識障害
<3>慢性化するとコルサコフ症候群に移行する。
⇒第3脳室および第4脳室やシルヴィウス導水管の周囲に起こる急性の出血性炎症。
◎一般脳症状の他に眼筋麻痺が見られる。
◎飲酒家に多い。


Willis動脈閉塞症
occlusive disease in circle of Willis
=ウイリス動脈輪閉塞症
=(モヤモヤ病)
脳の底部で動脈が相連なって輪状をなしているのをウイリス大脳動脈輪という。
 Thomas Willisは、イギリスの解剖学者(1621-1775)
◎診断基準: 
<1>脳血管撮影が診断に不可欠。
<2>症状:(小児)
(イ)片麻痺、単麻痺、感覚異常、不随意運動、頭痛、ケイレンが反復的発作的に出現。
(ロ)知能低下
(ハ)固定神経症状
(ホ)病側が左右交代して現れることがある。
<3>原因:不明。
特別な基礎疾患(動脈硬化、髄膜炎、腫瘍、Down症候群、Recklinghausen病、外傷、放射線照射・・・)は見られない。
<4>発症年齢:2つのピークがある。
(イ)0~9歳。------虚血性脳血管障害を呈することが多い。
(ロ)30~39歳。--出血性脳血管障害を呈することが多い。


Wilms腫瘍
=「腎芽腫」ともいう。
⇒腎に発生する胎児性の悪性混合腫瘍。
10歳以下の小児に多く発生する。



Woff-Parkinson-White症候群
=「WPW症候群」ともいう。不整脈の一種。
特徴:
①心電図上、PQの異常短縮
②QRSの延長
③QRSの立ち上がり部分にデルタ波を持つ。
   
◎房室間の副伝導路(Kent束)を通過した興奮が正規の伝導路を通過した興奮を一種の融合を生じることに起因すると考えられている。


ウィスコット・アルドリッチ症候群
■ノッチ経路
「2009年、米ベイラー医科大学のチームは、ミバエの細胞を使って、神経細胞などの分化課程に重要な役割を果たす「ノッチ経路」と呼ばれる遺伝子制御の仕組みを突き止めた。
先天性免疫不全のウィスコット・アルドリッチ症候群の発症機序の解明につながる成果。
研究チームは、感覚器を作る神経組織の中で重要な役割を果たす[Arp3]というタンパク質に着目。突然変異でこのタンパク質に欠陥があるミバエではノッチ経路がうまく働かず、感覚器を作る神経細胞の分化が正常に進まないことが分かった」


ウイリアムズ症候群
■WBSCR17
おとぎ話の妖精を思わせる上向きの鼻や、「極端なほどの社交性」が特徴。
患者は人なつっこく、見知らぬ他人でも容易に信用してしまう。
WBSCR17遺伝子は、2009年、米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校の生物学者ロバート・ウエインがオオカミとイヌのゲノムを比較解析して見つけた違いの遺伝子。イヌの家畜化のキッカケになった遺伝子も同じ領域にあると見られている。
ウイリアムズ症状群の子供を持つ親からは“他人との間に壁を作らない我が子は、まさにイヌを思わせる”という
陽性のような顔立ちも、ある意味で家畜化の1つの表現の1つ。



ウイルス感染症には
<1>水痘
<2>風疹
<3>日本脳炎
<4>狂犬病
<5>ポリオ
<6>麻疹
<7>流行性耳下腺炎
   
■RNAウイルス感染
RNAウイルスにはC型肝炎ウイルスやインフルエンザウイルス、日本脳炎ウイルスなどがある。横浜市立大学の武下文彦准教授らは、RNAウイルスに対する生体の免疫反応を抑制するタンパク質を発見した。
発見したのは『Atg5』『Atg12』と呼ぶ2種類のタンパク質の複合体。
マウスの細胞を遺伝子操作でAtg5・Atg12を作れないようにした細胞に、ウイルスを感染させたところ、何もしない細胞に比べてウイルス量が1/10に減少した。
細胞がRNAウイルスに感染すると、細胞内の種々の分子が結合してその情報を伝え、ウイルスを攻撃するインターフェロンが分泌される。今回発見したタンパク質は、これらの分子に結合して、細胞内での情報伝達を妨げる。インターフェロンの分泌が抑えられて、ウイルスが増殖しやすくなる。
発見したタンパク質に機能について、従来は、細胞内の不要タンパク質を分解処理する機能が知られていた。20079/12産業




ウィリアムス病
=先天性の遺伝病で出生後すぐに死亡することが多い。
■発症原因を解明
「東京大学分子細胞生物学研究所の加藤茂明教授らは、遺伝病の1つ「ウィリアムス病」の発症原因を解明した。ビタミンDの受容体に結合する複数のタンパク質を特定し、ウィリアムス病患者の細胞を調べたところ、患者はタンパク質の1種類が欠けていることが分かった。
加藤教授らはビタミンDの受容体に結合する未知のタンパク質を精製し、14種類以上あることを突き止めた。ウィリアムス病患者の細胞は、1種類のタンパク質が欠如しており、生体の基本機能である代謝を担うビタミンDの受容体がうまく機能せず、遺伝子から作られるタンパク質にも異常が生じるという。」2003.7.1《日経産業新聞》


ウイルス腫瘍
末梢血幹細胞移植が有効(参照→乳ガン)




ウイルソン病(Wilson病)
=「肝レンズ核変性症」
セルロプラスミンは血清銅を運搬する肝由来の血漿蛋白。Wilson病で低下するほか、急性相反応蛋白として炎症で増加する。
 セルロプラスミンは肝で合成される、分子量約13万2,000、α2-グロブリンに属する蛋白である。
 血清中で銅の運搬にあずかるほか、貯蔵鉄の動員、活性酵素のスカベンジャー等の機能を有している。
 この蛋白の遺伝的欠損はWilson病として知られている。Wilson病は、肝硬変、進行性錐体外路症状およびカイザー・フライシャー角膜輪を3主徴とする常染色体劣性遺伝疾患である。発症年齢は4~60歳と幅広い。
 セルロプラスミンの大部分は肝で分解され、胆管から排泄されるため胆汁うっ帯をきたす疾患で上昇する。
先天性銅代謝異常症。
この病気は、肝臓や脳に銅が溜まって肝臓障害や神経症状が起きる。遺伝性の病気だが、治療法が確立されている。早く治療を始めれば、発症を防ぎ、学校や職場に戻ることも出来る。
   
◎家族的に発病。
肝硬変と脳レンズ核の変性をみる。
銅代謝異常がある。
   
◎日本人は3~4万人に1人が発症し、欧米諸国より発症率が高い。
小学校高学年から中学校低学年にかけて、肝臓障害などで発症するケースが多く、[激症肝炎]などを起こした場合は死に至ることもあるという。
◎腎臓障害による血尿、白内障、精神障害を引き起こす例もある。
   
◎病状(三大主徴):
①大脳基底核の変性
②肝硬変
③角膜縁の褐色環。 
     
<1>錐体外路系の症状:
  振顫/ 筋強剛/不随運動
<2>精神症状
<3>肝臓(正常~腫大)
<4>黄疸(末期に)
<5>腹水(末期に)
   
◎検査:ceruloplasmin低下(20mg/Œ以下)
    Kayser-Fleischer環の証明。
  
【処方名-五十音順】
芍薬甘草湯厚朴

           
■銅を有効利用するタンパク質
「米ワシントン大学などの研究グループは、銅を細胞に送り届けるタンパク質『Atox1』が、体の器官や組織をきちんと形成するのに不可欠なこと実験で確かめた。成果は、銅が異常に蓄積して肝臓病や精神分裂症につながるウィルソン病の治療研究に役立つと診ている。このタンパク質が無いマウスは胎児の段階が、産まれてすぐに死ぬという。銅は不可欠な栄養素で、有害な活性酸素を処理する抗酸化作用もあるが、Atox1がないと細胞膜やDNAなどを傷つける事が分かった」2001.6.7《日経産業新聞》


ウェストナイル熱
   (参照→「西ナイル熱」)
■蚊が媒介する
「昨年の夏にニューヨークでウェストナイル熱と呼ばれる脳炎がはやり7人が死亡した。蚊が媒介するウイルスが原因で、人間が感染する前に鳥類がたくさん犠牲になったという。このウイルスは、アフリカやアジアでは知られていたが、米国で発見されたのは初めてだった。
蚊が媒介する病気の代表格は日本脳炎だが、それ以外にマラリア・黄熱病・デング熱・象皮病のフィリラリアなど種類は多い」2000.5.8《日本経済新聞》


ウェルシュ菌
(参照→「クロストリジウム」)
■食中毒
「アメリカでは一般的な食中毒の原因菌で、とくにウシやニワトリの加工肉に多い。自然界のどこにでもいるこの菌の胞子は、最初に食品を調理するときの高温に耐える場合があり、そうなると食品が冷めるに従って発芽し、適切に冷蔵されないと増殖する。その食品が十分に再加熱されないまま食卓に供されると、生きた菌を食べてしまい、8~16時間後には激しい腹痛と下痢に苦しむことになる。
1933年にオハイオ州とヴァージニア州で大規模な集団中毒が起こった時の汚染コンビーフが原因だった」




ウェルニッケ・コルサコフ症候群Wernicke-Korsakoff syndrome  
(→「ビタミンB1」「Wernicke脳炎」)
⇒1881年ウェルニッケが発見。
1887年コルサコフが発見。

◎コルサコフ症候群:
<1>病変部はウェルニッケ脳炎と同じ。
<2>多発性神経炎に併発する疾患で、以下の症状を主症状とする精神疾患。
        ①記銘力欠損
        ②見当識喪失
        ③健忘症
        ④作話症
<3>この疾患の直接の原因はビタミンB1の欠乏とされている。
<4>その他の誘因:
        慢性アルコール中毒
        感染症
        肝硬変
        ガン


ウエルニッケ失語 
 ⇒感覚失語 Wernicke
「言葉によるコミュニケーションがうまく出来ない、ということをうまく生かすとより深いコミュニケーションに到達することが出来る」(「ことばの海へ 失語症ケアのはじ     まりと深まり」遠藤尚志著)
Q おはようございます。
A はい
Q 朝起きて何するんですか?
A 今週でしょ。頭も痛かったし
Q 駅は何ていう名前かな?
A そうね、七時ごろかな
      
やりとりがかみ合う気配は一向にない。6月上旬の東京・国分寺の西東京警察病院。男性患者のAさん(54)が質問に懸命に答えながら言語訓練を受けていた。
地方公務員のAさんは今年1月末、脳卒中で倒れ、言語を操る左脳に損傷を受けて「失語症」になった。3月から週一度、言語訓練を受けている。
失語症とは、言語中枢が損傷されて言語機能が失われ、「話す聞く読む書く」が不自由になる症状をいう。損傷の部位により障害の程度や種類は様々だ。
Aさんの場合は冗舌に話せるが理解する能力が著しく低下し、会話が成立しにくい「ウエルニッケ失語」に当たる。幸いのも先月下旬、Aさんは余り言葉を交わさずにすむ仕事に変わり役所に復帰した。
失語症の患者は、言葉を介さない知的作業には何ら支障を来さず、人格も以前と変わらない。ただ、それまで当たり前と考えていた「話す」ことが出来なくなるストレスに加え、周囲の様々な誤解がのしかかってくる。
全国失語症友の会連合会(東京・新宿)の橋本一夫理事長(54)は34歳の時、 脳卒中で失語症になり、訓練で言葉を取り戻した。橋本理事長は自分の体験に照らしてこう指摘する。「言葉は本当に大切なんです。言葉を失ってしまうと、人間の社会的な価値が8割方失われてしまったような気になるものなのです」。


ウルシかぶれ
■「正体」
「あるゴルフ場で働いているアルバイトの男子学生キャディ51人について調べました。その中の多数がハゼやウルシにかぶれた経験を持っていた。
そこでまず、特にひどくかぶれるという13名の高校生に目隠しをして、右手(または左手)にはウルシ(又はハゼ)の葉を、「これはクリの葉だ」と暗示してすりつけてやり、左手(又は右手)には無害なクリの葉を、「これはウルシ(又はハゼ)だ」といって、するつけてやった。
その結果、驚いたことに、その中の9人までが、クリをウルシだと言ってつけた方にだけ皮膚炎が現れ、ウルシをクリだと言ってつけた方には何の変化も見られなかったのである。そればかりでなく、残りの4人の中で2人は両腕に(クリをウルシといってすりつけた方にも)皮膚炎が現れた。
結局、ひどくウルシはハゼにかぶれたことのある13人のうち11人までが、見事に暗示に反応して、実際には有毒なウルシやハゼの葉に触れていないのに、皮膚の病変を起こしたわけである。
さらに第2のテストを行ってみた。
ウルシ(又はハゼ)をすりつぶし、そのエキスをウルシ(又はハゼ)と思われる高校生の腕に、「これはウルシ(又はハゼ)の液だ」と言って塗りつけ、反対の腕には「これはただの水に色を付けたものだ」と暗示して塗りつけた。3日後、ウルシの液だと言って塗った方にだけ皮膚炎が現れ、水だと言って塗った方には、本当はウルシの液が塗られていたにもかかわらず、何の反応も現れなかった。
さらにもう一歩進めて、今度は真っ暗な室内で、黙ってウルシやハゼを腕にくくりつけた場合と、明るいところで本人に反れと分かるようにしてウルシやハゼをくっつけた場合とを比べた。すると、暗示に良く反応する者では、暗室では皮膚炎が起こらず、明るいところでだけ反応が現れた。暗示に関係なく体質的に派生する者では暗室でも皮膚炎が発生することが分かってきた。
そこで私たちは、「ウルシやハゼの木の下を通だけでもかぶれる」という現象が、どうして起こるのか実験的に確かめてたい衝動にかられた。今までの説明では、ウルシやハゼの有毒成分の粉が体の露出部について皮膚炎を起こすとされていた。
20年前に、山でウルシの木にひどくかぶれて、それ以来、この木を見ただけでひどい恐怖を覚えるという32歳の男子について実験が行われた。
第1のテストとして、実験者が彼と同行して、山間のウルシの木の下を本人にそれと知らせながら通らせたところ、48時間後には、顔、特にマブタ~額にかけて赤く腫れ上がり、皮膚の焼けるような感じと、ひどいカユミを訴えた。
次に第2のテストとして、山間にあるドングリの木の中にたくさんのウルシの枝葉を差し込んでおき、本人にはそれと気づかれないようにして、その下に30分ぐらい坐らせておいた。ところが、今度は2日たっても2日たっても、体のどこにも皮膚炎が現れてこなかったのである。
最後の実験は、生ウルシの液に色素を混ぜて作った青い液体を、1人の被験者の腕に毎日1カ所ずつ、場所を変えて10日間塗り続けた。その結果は10カ所ともきれいにウルシかぶれによる炎症を起こしてきた。そこで11日目には、液体の色はそれまでと全く同じだが、ウルシエキスが含まれていないものを、本人には、今までの液体と同じだということにして腕に塗りつけてみた。ところがやはり、この11番目の青い点の下からも、3日目には赤い晴れが現れ、やがて水ぶくれやかさぶたにまで発展してきた。」(池見酉次郎著「心療内科」中公新書)

【民間療法】
○アカマツ・イセエビ・イヌザンショウ・かつを節・カニ・キキョウ・キハダ・キランソウ・キンミズヒキ・クリ(栗)・ゲンノショウコ・サンショウ・スイカズラ・スギ(杉)・ドクダミ・ドジョウ・ニラ。・ニワトコ・ハス・ヒヨドリジョウゴ・ミツバチ・ユキノシタ。
  
【処方名-五十音順】
化斑解毒湯《外科正宗》
三白散《外科正宗》



うおの目 heloma
=「魚の目」「鶏眼」
⇒皮膚の表面には、毛や爪をつくっているのと同じ、丈夫なタンパク質(ケラチン)で出来た角質層があります。魚の目は皮膚の一点に繰り返し刺激が加わると、その部分の角質が厚くなって出来ます。
    烏梅膏

【民間療法】
<1>クサノオウ・ハチ・ユズ。
<2>鴉胆子油の塗布

 

うわごと delirium
 =「譫妄」「譫言」
⇒高熱が出たりして、訳の分からないことをしゃべること。
◎漢方医学では「譫語」と「鄭声」がある。
「譫語」
=体の衰弱無く、声が大きい、明瞭なうわごと。実証。
「鄭声」
=体が衰弱、低くつぶやく、意味不明にうわごと。虚証。
  
【処方名-50音順】
     茵蒿湯
 黄連解毒湯
    柴胡加竜骨牡蛎湯
    柴胡桂枝湯
    柴胡連翹湯
    大承気湯
    竹茹温胆湯
    調胃承気湯
 猪苓湯
    桃核承気湯
    白虎加人参湯
 防風通聖散







うそつき
■脳の「側坐核」が活発
2014年、京都大学の阿部修士特定准教授らの研究。
報酬を期待する際に働く「側坐核」という領域の活動が活発な人ほど、」嘘をつく割合が高かった。
研究グループは20~30代の学生ら約30人を対象に、2種類の実験で抗活動を測定した。
(第1の実験)
表示される画像に従ってボタンをうまく押せば、お金がもらえる仕組み。報酬への期待が大きい人は、側坐核の渇仰が活発だった。
(第2の実験)
コインの表裏を予測。正解するとお金がもらえるが、不正解だと失う。結果を予測してあらかじめ申告しておく場合と、心の中で予測するだけで当たったかどうかは自己申告にゆだねる場合の2条件で試した。申告シニア場合の正答率が不自然に高ければ、お金を得るために嘘をついたと見なされる。
この結果、
第1の実験では、側坐核の活動が活発な人ほど、第2の実験で嘘をつく割合が高かった。
第1実験で側坐核が活発だったのに、嘘をつかなかった人は、理性的な判断や行動絵お司る脳の領域「背外側前頭前野」がよく活動していた。



欝症 (うつしょう)
=「鬱症」。漢方の病証名。
七情の気が欝滞して起きる病証。

「欝」という症は、
つもって集まって散らない症で、当然上がらねばならないのが上がらず、下るべきものが下らず、変化すべきものが変化しない。この為に伝化すべきものがその正常さを失い、六欝の病となる。
    
【主薬】(欝症)
・蒼朮
・蕪荑
    
【処方】欝全般に
[六欝湯][麴丸][麴保和丸][加味麴丸]

◎六欝:
主薬:六欝には、蒼朮・香附を主薬とすべし《万病回春》

種類:
<1>気欝:
①胸が脹満して骨が疼痛し、脈沈遅。
②主薬[香附子][蕪荑][蒼朮]
③処方
[木香順気散][解欝調胃湯][麴丸]
[二陳湯の煎じ湯で交感丹を服用]
<2>血欝:
①四肢が無力で、食べ物は良く食べるが、小便が淋し、大便が赤く、脈沈の者。
②主薬[桃仁][紅花][青黛][川芎][香附子]
③処方[生韭飲][順気丸][当帰活血湯]
<3>痰鬱:
①濡目がいっぱいで動くと喘息が起き、寝られず、脈沈。
②主薬[海石][香附子]瓜蔞仁][天南星]
③処方[栝楼枳殻湯][升発二陳湯]
<4>熱欝:
①目がかすみ、口が渇き、舌がやけ、小便が赤く濁り、脈沈数。
②主薬[青黛][香附子][蒼朮][川芎][梔子]
③処方[升陽散火湯][火欝湯]
<5>湿欝:
①全身の関節が痛み、頭に何かかぶさっている様な感じがし、足が重く、寒に合うと発し、脈沈濡。
②主薬[蒼朮][川芎][白芷][赤茯苓]
③処方[滲湿湯][平胃散]
<6>食欝:
①酸をゲップし、食べ物が嫌いで、黄疸と鼓腸・痞塊を兼ね、脈は気口がきつく盛ん。
②主薬[蒼朮][香附子][山楂子][神麹][鍼砂(醋炒)]
③処方[香砂平胃散][散欝湯]

★「虚実」
実症:
<1>肝気鬱血:
肝気が条達を失って精神の抑鬱、胸悶脇痛する。
<2>気欝化火:
肝火が上逆して、口乾口苦、頭痛、急躁、胸悶脇脹する。
<3>痰気欝結:
咽喉に物がつかえ、咽中炙臠になる。

虚症:
<1>傷神:
久しく鬱し神を傷る。営血を消耗し、心神の栄養を失い、恍惚として、泣き悲しみ、疲れやすい。
<2>陰虚火旺:
眩暈、心悸、心煩、不眠、怒りやすい。
  
【処方名-五十音順】(欝症)
■瓜蒂散・・(飲食正常、言語動作が緩慢、大便5~7日に1回)《漫遊雑記》
■加味帰脾湯
■加味逍遥散
■加味麴丸
■瓜蔞枳殻湯・・・・(痰欝を治す)
■甘麦大棗湯
■寛中湯
■帰脾湯地黄
■荊芥連翹湯
■桂枝茯苓丸
■解欝調胃湯・・・・(気分が火のなかに詰まって刺痛)
■香砂平胃散・・・・(食欝を治す)
■柴胡桂枝乾姜湯
■散欝湯・・・・・・(食欝を治す)
■芍薬甘草附子湯・・(ケイレン性疼痛、冷痛)
■朱砂安神丸
■順気活血湯・・・・(血欝を治す)
■正気天香湯
■生韭飲・・・・・・(血欝と、胃脘に瘀血があって痛む)   
■小建中湯
■升発二陳湯・・・・(痰欝を治す)
■清火安神湯・・・・(驚悸・心神慌乱する者)
■清熱解鬱湯
■千金温胆湯黄連・酸棗仁《橘窓書影》
■東垣消痞湯・・・・(腹皮の裏が微痛、心下痞満し、飲食不思)
■二十四味流気飲・・(気鬱腫満初めて起こるを治す)
■麴丸・・・・・(すべての欝を治す)
■麴保和丸・・・・(欝を開き気を運行させ、積を消し、熱を散らす)
■半夏厚朴湯
■分気補心湯
■防已地黄湯
■木香調気散・・・・(気欝を治す)  ■木香流気飲
■抑肝散芍薬・羚羊角《橘窓書影》
■抑肝散加陳皮半夏湯(気分が重い、腹部で動悸、頭がふらつく、肩こり)
■苓甘姜味辛夏湯人参《建珠録》
■六鬱湯・・・(あらゆる欝火を下す)


欝証 (うつしょう)
=精神的不快、気機欝結の引き起こす病証であり、虚証・実証に分けられる。
  
【処方名-五十音順】(欝証)
■火欝湯《万病回春》
■加減六欝湯《万病回春》
■加味導痰湯《寿世保元》
■括樓枳殻湯《万病回春》
■解欝腸胃湯《万病回春》
■散欝湯《済世全書》
■逍遙散《医貫》
■升陽散火湯《医学正伝》
■食欝香砂平胃散《万病回春》
■滲湿湯《万病回春》
■当帰活血湯《万病回春》
■二陳湯+枳実
■茯苓滲湿湯《医学正伝》
■分心気飲《万病回春》
■本方六欝湯《医学正伝》
■木香調気散《万病回春》
■六味地黄+柴胡+芍薬《医貫》


鬱血性心不全
congestive heart failure
 ⇒ポンプとしての心機能が障害されて、血液循環が機能が不十分となり、体循環・肺循環に鬱血(congestion)をきたす状態。
あらゆる心臓疾患の末期症状として現れる。
◎診断:
症状:
①安静時・運動時の動悸、息切れ、
②呼吸困難、
③起坐呼吸  
④静脈怒張、チアノーゼ、
⑤肺鬱血、体静脈の鬱血、
⑥尿量減少、全身浮腫、腹水。
⑦肝腫大、脾腫大、

理学的所見:

*心音第Ⅲ音
*ギャロップリズム
*肺野の湿性または乾性ラ音

胸部X線像:

*心陰影拡大
*上肺野の血管陰影の拡張
*間質性浮腫
*肺胞性浮腫
*胸水

◎New York Heart Associationの診断基準。

[A]左心不全の診断基準:
胸部X線像による左室の急激な拡大。

Ⅲ音または重合奔馬調がある(但し、僧帽弁閉鎖不全が無い場合)

左室造影で拡張した左室が証明され(大動脈弁及び僧帽弁閉鎖不全が無い場合)、心係数が2.7/分/㎡以下である。

僧帽弁および大動脈弁閉鎖不全、左室の著明な肥大がないときに、
(a)安静時の左室拡張終期圧が10mmHg以上、左房または肺動脈楔入圧の平均が12mmHg以上で心係数が2.7/分/㎡以下である。
(b)背臥位での中等度の運動時の左室拡張終期圧が14mmHg以上で、運動に伴う1回拍出量の増加がないか、または酸素消費量100‹の増加に対して800‹以上の心拍出量の増加が得られない。
(c)左室の拡大があるときに肺鬱血や肺水腫が見られる。

大動脈弁狭窄または閉鎖不全がある時、胸部X線像で急激な左室の大きさに変化を生じた時。

僧帽弁狭窄または閉鎖不全があるとき、左室拡張期圧の上昇があること。

[B]右心不全の診断基準:
胸部X線像で急激な右室の拡大がある。

Ⅲ音または重合奔馬調が右室上で聞かれ、呼吸で増強する。

肺動脈または右室で交互脈がみられる。

肺動脈または三尖弁の障害や右室の強い肥大がみられないとき、右室造影上右室が拡大し、心拍出量が2.7/分/㎡以下である。(安静時)

肺動脈弁または三尖弁の障害や右室の強い肥大が見られないき、
(a)安静時、右室拡張終期圧(or右房圧)が5mmHg以上で心係数が2.7/分/㎡以下である。
(b)背臥位での中等度の運動で右室拡張終期圧が5mmHg以上で、運動に伴う1回拍出量の増加がないか、または酸素消費量100‹の増加に対して心拍出量の増加が800‹に達しない。
(c)右室が拡大し、全身に鬱血の所見がみられる。

三尖弁狭窄または閉鎖不全があるとき、右室拡張終期圧が上昇している。
肺動脈弁狭窄または閉鎖不全があるとき、右室造影で右室の拡大があるか、右室の大きさに急激な変化がみられるとき。
  

【処方名-五十音順】(うっ血性心不全)
■九味檳榔湯
■牛車腎気丸
■八味地黄丸
■木防已湯
   

鬱熱遺精
=漢方の病証名。
⇒肝腎に熱が鬱して、精がもれやすいこと。

◎病証:

夢交して精を泄す。
夜間に必ず脊心が熱し、恍惚をして膈が熱する。


うつ病  Depression  鬱病
→「抑うつ症」「メランコリー」「葉酸」

◎症状:

⇒感情の憂鬱と意欲の抑制が主症状で、思考抑制、不安、悲観的観念、不眠、頭重、食欲不振などがみられ、自殺することもある。

気分の障害

周期性がある。

病相(憂鬱になっている期間)が過ぎれば完全に元に戻る。

うつ気分があるからといって、患者が悲しみを体験しているとは限らない。
(イ)悲しみの余り“さめざめ泣く”ということも無い。
(ロ)おっくう・イライラがあり気分が重く沈んではいるが、患者は
 “感情が湧いてこない”とか、
 “悲しいという気持ちすらなくなった”

とか訴えるのである。

身体症状が必ず伴う。(正常の悲哀反応との違い)
(イ)食欲不振
(ロ)体重減少
(ハ)便秘
(ニ)その他の自律神経症状。

◎発症状況:

(イ)正常な悲哀反応は、愛する人と死別したときなどの、誰でも悲しくなって無理のない状況で生じるが、鬱病は必ずしもそうではなく、仕事や家 庭は順調で心配事の無いときの転勤などで発症している。

(ロ)死別、財産の喪失などの他に、引っ越し、転勤、あるいは家族構成の変化、
例えば:

*子供の誕生・
*娘が大学に入って家を出る・
*息子が結婚して嫁と同居するなど。

(ハ)共通するのは『秩序の変化』。
慣れ親しんだ生活の仕方やリズムが、変化するときに鬱病が発症する。
   

◎患者の性格:
(イ)きちょうめんで完全主義者。
(ロ)責任感が強く、
(ハ)対人関係でも波風を立てない人。
   

◎きちんとした性格の人が秩序の変化に対応出来なくなると鬱病に陥る。ただし、患者自身は自分の性格や発症状況について自覚していないことがほとんど。原因を自覚していない点で、『正常な悲哀反応』と異なる。正常な悲哀反応では悲しみの理由がその当人にはよく分かっている。(成田善弘)1997.6.30《日本経済新聞》

■チェック

以下に示す症状から4つ以上がかなり持続的に認められれば、「うつ状態」または鬱病が強く疑われる。(貝谷久宣著「脳内不安物質」より)
*ほとんど1日中、気分が落ち込んでいる。
*何に対しても興味や喜びがもてない
*食欲がない
*3日以上続く不眠、または過眠がある。
*頭の回転が鈍い
*理由もなくイライラする。
*疲れやすく活力が出ない
*やる気が起こらない
*些細なことに申し訳ないと悩む
*自分は価値のない劣等な人間と思う
*根気がない
*簡単なことが決断できない
*特に朝方に憂鬱になる。
*いつもより2時間早く目が覚める
*生きていても仕方がないと思う。

 

■診断・・・脳内血流で
「労大病院を運営する独立行政法人・労働者健康福祉機構は、労働者の脳内の血流を調べ、うつ病の診断に役立てる新しい評価方法を開発した。単光子放射線コンピューター断層撮影装置(SPECT)を使って実施する。うつ病の診断は医師の問診など経験に頼る部分が大きいが、この手法を組み合わせればより客観的な評価が可能になる。
同機構の香川労災病院のグループが、うつ病に罹った40~50歳前後の労働者25人の脳血流量を調べたところ、18人で脳の左前頭葉の特定部分の血流量が低下していた。さらに、うつ病が治りつつある時期の脳血流を調べると、75%の患者でこの部分の血流が回復していた。」2008/7/28産業

■うつで増える血中物質
2009年、産業技術総合研究所と国立精神・神経センターなどはうつ病の患者の血液中で増える物質を突き止めた。脳内でこの物質が増えると神経細胞が障害を受け抗うつ薬の効きが悪くなる可能性がある。
発見したのは『proBDNF』というタンパク質。
脳の神経細胞の成長を促す因子である「BDNF」ができる前の前駆物質で、proBDNFが増え過ぎるとBDNFの量が減少して神経細胞が働かなくなり、うつ病が悪くなるとみられる。
うつ病と診断された患者約200人を調べたところ、健康な人約500人と比べて血中に含まれるproBDNFの量が約2倍多かった。
また[統合失調症]や[躁鬱病]などの患者よりも2倍以上増えていた。
脳で作られたものが血中へ漏れ出た可能性がある。
うつ病の診断は気分や食欲、睡眠状態などの問診だけで診断しており、客観的に調べる方法が求められている。
   

うつ病のタイプ  

仮面うつ病

①便秘や食欲不振などの消化器症状、
②頭痛・めまいなどの神経症状、
③身体各部の慢性的な痛みなどの身体症状を主として訴え、
④ゆううつな気分についてはあまり訴えない人。
☆こういうタイプは、身体症状によて精神症状がマスク(仮面)されているという意味で、仮面うつ病と呼ばれている。
☆最近多いのは、ゆううつな時にそのことをそれほど自覚せず、『むやみに食べてしまう』タイプである。

鬱病患者が『過食』をするなど以前はほとんど考えられていなかった。

行動に出るうつ病
☆若年者に多い。
☆『それまではまじめで成績も良かった子供が急にだらしなくなり、学校の規則にいくつか違反したり、学校をさぼったり、ときには万引きなどの非行に走る』ことがある。
☆問題行動の背後に実はうつ病が隠れていることがある。

産後うつ病
☆出産後1週間程度で母親の気分が沈み、数日間涙もろくなることがある。これをマタニティー・ブルーあるいはミルク・ブルーといい、多くの産婦に認められる。
☆産後1ヶ月~数ヶ月の間に母親が抑鬱的になることがある。
①子供の世話が出来ない。
②子供がかわいくない。
③自分は母親として失格ではないかと悔やむ。
④乳児の無視、虐待、子殺しに至ることもある。
☆周囲が子供の世話をしない母親を道徳的に責めて、母親をますます窮地 に追い込むこともまれではない。

季節性うつ病
(1)冬季うつ病:
①毎年冬になるとうつ状態に陥るが、春になると改善する。
②発症は年周期であるが、その背景には季節によって変わる日照時間の 長さの変化によって起こる生体リズムの障害が重要な役割を果たして いる。
③治療には光線法が有効。
「朝方2500ルクス以上の高照度光を2~3時間照射し、日照時間を延長することで、患者の生体リズムをつかさどる「生体時計」を春が来たと錯覚させるのである。」
   

■うつ病になりやすいタイプ
「まじめで几帳面」
「責任感が強く頼まれたら“NO!”と言えない」
「対人関係で細やかな配慮を欠かさないで周囲に気を遣う」
…こんなタイプの人がうつ病になりやすいと言われてきた。

うつ病になった後も「迷惑ばかりかけて申し訳ない」と過度に自分を責め続ける。

自分の至らなさでうつ病になったと感じ病気自体を隠したがる。
症状はほとんどいつも抑うつ気分が続き中高年に多く見られる。
専門的には…「メランコリー親和型」と呼ばれるうつ病。

●他罰的なディスティミア親和型

ところが最近ではその逆の新しいうつ病が増えてきた。
「ディスティミア親和型」と呼ばれ若い人を中心に多く見受けられる。
頑張り屋で我慢強い人が陥りやすいと言われる「メランコリー親和型」に比べ
「ディスティミア親和型」は周囲のせいで自分が理不尽な目に遭っていると感じる。
言い換えると…
「自罰的なメランコリー親和型」に対し「他罰的なディスティミア親和型」…という分け方。

■体内のリチウム濃度測定、容易に
「工業技術院物質工学工業技術研究所は、躁鬱病の予防・治療薬に使われる金属リチウムの体液中の濃度を簡単に測定する方法を開発した。リチウムにだけくっつく特殊な有機化合物を開発。結合に伴い色が黄色から褐色に変わり、色に応じて濃度が分かる。体液中のリチウムはナトリウムと見分けにくいが、約10000倍の選択性で判別するという。リチウムは使用量を越えると副作用もあり、血液採取により短時間で測定できれば副作用の防止にもつながる。1996.7.8《日経産業新聞》」  
   

●順調願いウツ病に

「順調希求」。
「78歳の女性が不眠を訴えて、神経科外来を受診。よく聞いてみると、3ヶ月前より、息子夫婦と同居するようになってから、気分が憂鬱で、イライラし、眠れない。頭が重く、胸に圧迫感があるという。元来、神経質で、ささいなことが気になり、取り越し苦労をするという。軽度の欝病と診断し、抗ウツ剤と睡眠剤を投与した。1週間後、眠れるようになったが、ウツ気分が取れないとのことで、さらに抗ウツ剤を追加した。
 1ヶ月ほどで、ウツ気分も改善したが、頭重感と胸部圧迫感が頑固に続いた。この人は、頭がすっきりしてほしい、胸のつかえがすっきりとれてほしいという希望がとても強く、体のどこかが少しでも具合が悪いと、それを受け入れるのが難しいという傾向があった。これを専門的には『順調希求』と呼ぶ。これはいつも順調でありたいという気持ちがとても強くて、不調な状態を受け入れにくく、欝病になりやすい人の性格特徴の1つになっている。誰でもいつも順調でありたいと望むが、その望み方が強すぎるわけだ。
 この患者の場合も「順調希求」が強すぎて、それがウツ状態の回復を遅らせた。80近くになると、ウツ状態をきっかけにして、自律神経系が敏感になり、頭が少し重かったり、胸の圧迫感があったりするのは避けられないことも多い。「まあ、こんなものだろう」程度に受け止めて、症状を無視しておれば、次第に落ち着いてくるものだ。
 順調であることを望み過ぎると、少しの体の不調が気になり、神経が疲れて、ウツ状態になることがある。体の不調が重大な病気の前触れであることも、もちろんあるが、多くの場合、気にしない方が健全な精神生活につながるようだ。(大阪大学人間科学部教授・柏木哲夫)1996.12.21《日本経済新聞》

●永山素男・日本赤十字社医療センター精神科部長に聞く。
「21歳の女子学生。ここ数週間、何もやる気が起こらず、人に会うのもおっくうになり、憂鬱な気分が続いています。病院では、うつ病との診断を受けました。薬を飲みながら通院を続けていますが、なかなか良くなりません。将来を考えると不安になります。(東京・T)
◇うつ病とはどんな病気ですか?
<1>気分が落ち込んで悲しく寂しい気分になり、何に対してもおっくうで疲れやすくなります。考えも集中出来ません。自分がつまらないものに思えて、なかには死を考える人もいます。
<2>こうした症状が時間にによって変化し、朝に重くて夕方から軽くなるのが特徴です。
<3>20歳代で初めてかかる人が多く、40歳代から60歳代の人にも多い。女性がかかりやすい病気です。

◇日常的に気分が落ち込んで、憂鬱だと思うのとはどう区別しますか?
<1>症状の強さ・長く続く点が違う。うつ病の方が重い。
<2>食欲が落ちて、体重が減少。
<3>よく眠れない。
<4>便秘。
<5>無月経。
<6>性欲低下。

◇どうして起こるのですか?
身体的、性格的な素因と、きっかけとなる出来事の組み合わせで起こると考えられています。
<1>きまじめで責任感の強い人に起こりやすい。
<2>遺伝的素因は、少ない。
<3>きっかけは様々で、悲しいことやつらいことの経験が多く、なかには昇進や子供の結婚がきっかけになることもあります。
<4>一生のうちに一度以上欝病にかかる確率は5%~10%と推定され、比較的多い病気です。
<5>脳内の神経伝達物質の一部の機能が低下している。

◇治療
<1>薬物療法:
(イ)抗うつ薬で脳内の機能低下している神経伝達物質の機能を高める。
(ロ)抗不安薬
(ハ)入眠剤。
<2>精神的休養が大切で、仕事を休んだ方が良い場合が多い。

◇周囲が気を付けることは?
<1>通院を進める
<2>叱咤・激励は禁物。
   1997.2.16《朝日新聞》より。
   

励まし禁物、見守って、

「〇氏(56)は、マジメで責任感も強く、仕事熱心な人で、昨年4月に部長に昇進した。仕事量が増え、人間関係も複雑となったが、春から夏秋にかけては張り切って仕事をこなしていた。
ところが、初冬にちょっと風邪を引いたのをきっけに食欲が無くなり、不眠に悩み、頭が重く疲れやすくなった。内科を受診したが、異常なしとされた。朝、起きるのがつらく、いつもの元気が出なくなり、何とか出勤はしていた、仕事をするのも何をするのもおっくうになり、人と話すのも面倒になった。
当然、集中力がなくなり、決断するのに手間がかかり、仕事も滞りがちとなってきた。その内に何もする気がなくなり、憂鬱な気分となった。頑張らなくてはと思うが空回りするばかりだった。自分を責めるようになり、「自分ほどダメな人間はいない。会社にも家族にも迷惑をかけている」「自分のために会社は倒産しそうになっている」と思い詰めてとうとう辞表を出してしまった。
鬱病になりやすい人の性格の特徴として、責任感が強く、几帳面で凝り性で、融通がきかず、仕事熱心であることが挙がられる。いわゆる執着性格である。「白か黒か」「良いか悪いか」「好きか嫌いか」という二者択一の思考をとり、柔軟性に乏しい性格の人である。このような性格傾向の人に、過度の心理的プレッシャーがかかって発病することが多い。
身体症状として、まず不眠となる。次に食欲が無くなり、頭が重く動悸がしたり、息苦しくなったり、目がかすんだり、便秘、下痢、微熱、疲れやすさなど身体全体の症状を訴える。そぞれの症状の薬を飲んでも少しも良くならない。環境の変化がキッカケで鬱病になることもある。いわゆる『引っ越し鬱病』『配転鬱病』『昇進鬱病』『荷下ろし鬱病(一生懸命仕事した後になる)』などである。
治療は基本的には薬物治療と精神療法と生活療法を並行して行う。坑ウツ剤は最近では多くの種類が開発されている。1~3種類の坑ウツ剤を適量服薬すれば、数週間後に気分が上向いてくる。服薬しても家に寝てばかりいると、余計気分が滅入ってしまうので、無理しない程度に散歩したり、軽く動いたほうが良い。またデイケア(昼間に通い施設)に通ってきた規則正しい生活を送るようにするのもいい。精神科医とゆっくり話し合い、自分の生活態度、考え方、生き方を考え直す事も必要である。
家族は決して励ましてはいけない。本人の苦悩する姿を静かに温かく見守り、本人の話を聞いてあげることである。心のどこかで死を考えていることがあり、自殺には要注意である。(榎本稔)1999.4.19《日本経済新聞》

■勇気もってカミンングアウト
「私はバリバリのウツ(鬱)です」。女優の木の実ナナさんが語りかける製薬会社の新聞香校が話題を呼んでいる。イライラや不安な気分からなかなか回復できない「うつ病」に悩んでいる人は多い。周囲に理解がないと、これを隠そうと苦しみは倍加する。そんななか木の実さんのように自らウツ病を告白、いわゆるカミングアウトして周囲に理解を求める人も出てきた。心の病だからと偏見を持たれがちだった「うつ」を巡る状況が、少しずつ代わり始めている。
●広告に大きな反響
ある時、人前で笑うことが出来なくなり、いくら自分を励ましても症状は良くならない。こみ上げてくるイライラから、スタッフにもつい八つ当たりしてしまう--------。更年期を迎え、5年間、うつ病と闘う生活をしていた木の実ナナさんは、そのスタッフから「大丈夫ですよ。これからは一緒に治していきましょう」と励まされ、立ち直るきっかけをつかんだ。
「笑顔を忘れないで」と木の実ナナさんがエールを送るこの全面広告は、うつ病の新薬の開発を勧めている塩野義製薬が普及させる啓発運動「DANCEプロジェクト」の一環で企画した。これを見た人から400通以上の手紙が寄せられ、同時に掲載した治験者募集には6000件以上の電話が殺到した。
プロジェクトチームの塩野芳嗣さんは「数多くの手紙を読むと、ウツがひどくて効率が上がらないので病院に行きます。などと職場でいえる米国のような環境が、日本でも夢ではないと思い始めた」と手応えを感じ始めている。
こんな例もある。社会人2年目の会社員、佐々木祐二さん(仮名。24)は、大学時代にケガで入院。長い闘病生活を送るうちに、進路や人間関係を巡る悩みから、うつ病になった。就職は薬を飲みながら突破したが、入社後、生活のリズムが大きく変わり、昨秋、重いウツになってしまった。
佐々木さんは死にたいとさえ思い、面倒を見てくれていた先輩に「実は、うつ病に悩んでいるんです」と告白。すると先輩は「何だ、うつ病の友達がいるけど、薬を飲めば乗り切れるそうじゃないか」と励ましてくれた。
「その一言で、すっと楽になり、どん底の気分を抜け出すことが出来た」と佐々木さんはほほえむ。
うつ病とは精神疾患の一種で、興味を持てたことがつまらなくなったり、いいことがあってもいやな気分が改善されなかったりする症状が続き、元に戻らない状態を指す。研究が進む米国の精神学会の診断基準では
<1>体重が5%以上変化する。
<2>集中力が減退する
<3>自殺を考える-----
といった5つの症状が2週間以上続く状態をうつ病という。
脳動脈硬化などの病気からくる「身体因性」、試験に落ちたなどの要因がはっきりした「心因性」、これといった理由がないのに不安になる「内因性」に分類される。
厚生省の患者調査では(96年度)によると、うつ病で治療を受けている人は約20万人いるが診断を受けていなくても鬱状態の人は多い。国立精神・神経センターなどが国内の18歳以上の220人から聞き取り調査したところ、米精神学会の基準にあてはまる人は30人と、7人に1人になる結果が出た。

●治療:
「電流ケイレン療法」
「磁気刺激療法」弱い電流で脳を刺激する。
「認知療法」
---------うつ病患者には、「確かな根拠の無いまま結論を急ぐ」「すべて自分のせいにする」「成功か失敗か、両極端な考え方をする」傾向が強い。こうした「認知のゆがみ」をカウンセリングで修正する。2000.4.24《日本経済新聞》

■小学生にも
「昨今、ウツの低年齢化が進み、小学生の間でもじわじわ広がっているという。親の期待に応えようとする「良い子」が疲れ切った結果、憂鬱な気分から抜け出せなくなると専門家は指摘する。
●頭痛・不眠などが予兆
小学校の音楽クラブに所属する6年生のA子さんは、厳しい指導の先生から高い評価を受ける模範児童だった。しかし、ある時、練習の取り組みを引き締めるため、先生は模範生のA子さんをあえて「怠け者だ」としかった。練習についていくのに精一杯だったA子さんは、その一言で緊張の糸が切れ、以来、「疲れた」「カリカリする」と口にするようになり、朝起きられなくなった-----
国立精神・神経センター国府台病院の心理・指導部長、精神科医の斉藤万比古氏が下した診断は「うつ病と強迫神経症」。A子さんの顔から表情がなくなり、親が言葉をかけても返事すらしない。元々おしゃれだったのに着るものも無頓着に。こうした無気力な状態は典型的なウツ症状と言っていい。
このように、ウツに悩む小学生は少しずつ増えているという。「以前は子どもにうつ病は内というのが定説だったが、10数年前から米国を中心に研究が進み、うつ病と診断されるケースが出てきた。もし、無気力な症状が出た場合、親は疑ってみた方がいい」と斉藤氏は助言する。
予兆はまず涙もろくなり、ため息をつく、寂しいと口にする。そして頭痛・腹痛、睡眠のリズムの変調などだ。「私なんていなくていい」という自虐的な考えが強まり、自殺を考えるまでになるのは、大人と同じだ。違うのはイライラが周囲への攻撃に結びつくこと。投げやりになり非行に走るのも、子どものウツの特徴という。
「ウツに悩むのは良い子であることが多い。親、教師、周囲の期待にこたえようと自分でがんばり、その結果、ある時点で疲れ切ってしまう」と斉藤氏は分析する。「だから親も急にイライラをぶつけたり、逆に無気力になったりする我が子を診て、“こんな性格じゃ無かったのに”とびっくりすることになる」
米国精神医学会の診断基準によると、うつ病とは、1日中ほとんど毎日、抑鬱気分があったり喜びの気持ちが無くなってしまう。不眠や睡眠過多、過剰な罪責感にさいなまれるいった5つ以上の症状が2週間以上続くこと。児童では明確な定義はなく、この大人の基準に準じて診断される。
国内での子どものうつ病についての疫学調査はないが、海外に目を転じると、例えば、英国では思春期に2~8%、思春期前でも0.5~2.5%がうつ病に罹るという研究結果がある。また米国でも、小学生以下でも1%程度がうつ病になるという研究報告がある。
●親の期待が重圧に
小学校入学時からバレエを習っていたB子さんは、3年生になって発表会が近づくと、急に不安な様子を見せるようになった。「失敗したらどうしよう」。そんなB子さんに「そんなことないよ。がんばろう」と母親は励ましの言葉をかけ続けた。
しかし、がんばりたいという気持ちとは裏腹に体はついていかず、大量を崩し、どうしてもけいこ場に行けなくなってしまった。楽しく通っていた学校にさえ、「休みたい」と言い出す始末。ゆく鬱状態から抜け出せず、だんだんと気力を失っていった。
「本来なら元気良く駆け回る小学校低学年の子どもでもウツにかかる」そう話すのは、思春期の子供らの心の相談に乗る民間相談機関、東京メンタルヘルス・アカデミーもカウンセラー、淵上規后子さんだ。
B子さんの母親は「もっとレッスンを積まなきゃダメ」と強要し子どもを追い込むような“教育ママ”だった訳ではない。自分からがんばる姿に「よくやったね」と言葉をかけることが多かった。
しかし、B子さんは親に反抗する兄の姿を見て、「自分は親に心配をかけたくない。親が期待するバレエでがんばらなきゃ」と良い子になる努力をしていたという。「親や周囲の期待に敏感な子どもは本音や自分の環状を表に出さず、心の中で親の期待にこたえなければとつい頑張ってしまう と淵上さんは分析する。
くもん子供研究所の調査によると、「自分のことがイヤになることがある」と答えた小学生(4~6年生)は23.1%、「疲れている」のは46.1%に上っている。2000.6.20《日本経済新聞》

■セロトニン
「脳の中では様々な物質が働いている。その1つにセロトニンがある。これは神経細胞同士が連絡するときの神経伝達物質だ。ウツ状態の人ではセロトニンが少なくなっている。
セロトニンの原料は、体内で合成できないトリプトファンというアミノ酸だ。トリプトファンが少ないとセロトニンも少なくなり「ウツ」が進展する。10年ほど前、米国のデルガドが、血中のトリプトファン濃度と「ウツ」の程度を見る指数との関係を調べた。結果は、トリプトファン濃度が下がるにつれ、ウツ指数が高くなったと言う。
浜松医科大学の高田明和教授は「トリプトファンが脳に取り込まれるためには、ブドウ糖が欠かせない」という。20006.5《日本経済新聞》

■喫煙
「米シンシナティ小児医療センター病院のグループは、10代のうちから喫煙すると、気分がひどく落ち込む『抑鬱状態』を起こしやすいことを数千人規模の疫学調査で突き止めた。
これまでは、10代で抑鬱状態になると喫煙習慣につながると言われていたが、因果関係が逆だとした。結果は米小児科学会誌に掲載した。
研究データによると、喫煙習慣のある10代は喫煙習慣のない10代よりも約4倍、抑鬱状態になる割合が高かったという。研究グループは、タバコが含むニコチンや他の化学物質が脳の中枢神経系に影響するため、喫煙すると抑鬱状態になりやすいとみている。」2000.10.5《日経産業新聞》

■2種類の神経伝達物質
「福岡大学とスウェーデンのカロリンスカ研究所のグループは、生きたままのラットやマウスで神経伝達物質の量を計測する手法を開発、2種類の神経伝達系が互いに関係していることを突き止めた。うつ病などの精神疾患の解明、新しい治療法の開発につながる。
福岡大の山口正俊教授らは、脳に直径0.2~0.3mmの細いハリを刺して脳内の物質を取りだして、うつ病に関連するセロトニンなどの神経伝達物質だけを蛍光標識して計量する技術を確立。この手法をラットに応用してセロチニン伝達系と、別の神経伝達物質であるガラニンとのかかわりを調べた。
神経細胞の末端(シナプス)でセロトニン放出量を調節する自己受容体を刺激するとセロトニン量が低下した。繰り返し刺激するとこの効果は弱くなったが、ガラニンを投与するとセロトニン量が再び大きく減った。
自己受容体を刺激する前処理によって、ガラニンによるセロトニン抑制効果が高まることも分かった。ガラニンだけだと7割までしか減らないセロトニンが、前処理と組み合わせた場合は5割以下になったという。
一方、自己受容体の働きを妨げる物質を投与すると、ガラニンによってセロトニン抑制効果が弱まることも判明。自己受容体の活性と、ガラニン伝達系の働きがお互いに影響を及ぼしあっていることが確認できた。
ガラニンと結びつく受容体タンパク質などを標的に新しいタイプの抗ウツ薬を開発できる。
うつ病では、シナプスでのセロトニン伝達が弱まる。セロトニンを放出する側の神経細胞が同物質を再び取り込んでしまうのが原因とされ、この働きだけを妨げる副作用の少ない新型の薬剤などが開発されている。ただ、こうした治療薬が効かなかったり、副作用が出たりする患者もいる。
ガラニンは老人性の痴呆などで増加することなどが知られているが、うつ病との関係はよく分かっていなかった」2003.1.17《日経産業新聞》

■特定のタンパク質
「千葉大学の清水栄司講師と橋本謙二助教授らは、うつ病患者では血液中の特定のタンパク質量が減少していることを突き止めた。治療を受けるとタンパク質の量が回復する。
研究グループは、脳神経の栄養因子である『BDNF』というタンパク質に着目。未治療のうつ病患者16人、治療を受けている患者17人、健康な人50人の同意と協力を得て、血液中のタンパク質量を比較した。
未治療の患者は、タンパク質が健康な人より4割程度少なかった。抗ウツ薬を使っている患者では健康な人とほとんど変わらなかった。未治療患者でも投薬を始めルト、タンパク質量が増えるのを確認した。
動物実験で抗ウツ薬を投与すると、脳でBDNFが増加することが知られていた。」2003.8.18《日本経済新聞》

■肥満とうつ病に密接な関連がある
「肥満とうつ病に密接な関連があることが分かった。肥満の人は肥満でない人に比べて「気分が優れない」「不安」といったウツ症状にかかる確率が25%高いとしている。また、学歴が高い人や収入が高い人にその傾向が見られる。
調査は男女9000人を対象に、ハーバード大学が個人面談した。肥満の定義をBMI30以上とした。2006.7.5

■マウスと同じ
「マウスと人間の行動パターンは、動きの速さを別にすれば、休息の取り方などが全く同じであることを大阪バイオサイエンス研究所や東京大学などの研究チームが突き止めた
成果は、2008年4/30付けの米科学誌プロスワンに発表した。
発表したのは内匠透・大阪バイオサイエンス研究室長や山本義春・東大教授(生体情報論)ら。」
研究チームは、体内のリズムを生む遺伝子の機能を失ったマウスと、うつ病のヒトの休息パターンが同じことも発見。生物の行動の背景に種を超えた基本法則が存在する可能性を示すとともに、うつ病の原因究明にもつながる成果として注目される。
マウスはカゴに入れ、重みに反応するセンサーを敷いて動きを記録。人には腕時計型の加速度センサーを着けて普通に生活してもらい、体の動きを記録した。
活動時間や休息時間について、長いものや短いものがどんな頻度で現れるかを分析すると、パターンは全く同じで、人の動きを100倍の速さで早回しにすればマウスと同じになることが分かった。
山本教授は“人とマウスの脳には同じ回路があって、行動を支配する同じ法則を作り出しているのではないか?”と語る。
体内のリズムを作る「時計遺伝子」のうち、『Per2』の機能を失ったマウスと、うつ病の人では長い休息時間の頻度が高いというパターンが同じだった。
Per2に変異がある人では睡眠障害が起こることは知られていたが、うつ病との関連は不明。
内匠室長は“時計遺伝子の機能が失われることで、うつ病になる可能性はある”と語る

■行動的絶望
「2009年、名古屋大学大学院の海老原史樹文教授らは、逃げ場のない水槽内を泳がす「強制水泳テスト」などをマウスに実施して、ストレスを与える実験を重ねたところ、通常陥るはずの行動的絶望にならず、躁状態に近くなるマウスがいることが判明。
分析の結果、これらのマウスは『Usp46』という遺伝子が欠損していた。正常なUsp46を導入したところ、躁状態から行動的絶望に変わったという。

■血漿EAP(エタノールアミンリン酸)
2011年、血液中に含まれるリン酸の濃度を測り、うつ病を診断する検査法を、慶応大の研究成果をもとにしたベンチャー企業が開発した。従来、研究されてきた血液による診断法に比べ簡便なことが特徴。健康診断で使うことで早期発見につながる可能性がある。
 開発したのは「ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ」(山形県鶴岡市)。22日に、東京都で開かれる日本生物学的精神医学会で発表する。

 同社は、国立精神・神経医療研究センターで「大うつ病性障害(うつ病)」と診断された31人と、年齢や性別の構成が近い健康な35人の血液を分析。うつ病患者は、血漿(けっしょう)中の「エタノールアミンリン酸」の濃度が低いことを見つけた。

 このリン酸の濃度を調べて、うつ病患者を正しく診断できた確率は82%、健康な人をうつ病でないと診断できた確率は95%だった。

 血液でうつ病を診断する方法は複数の研究グループが開発している。しかし、約20種類の白血球の遺伝子を調べたりするなど、簡便な測定は難しかった。

 同社は、このリン酸の濃度を数分で測れる試薬を開発中。1年以内に完成する見込みで、臨床試験を行い、医療機器としての承認を目指す。 5/21朝日新聞
うつ病かどうかは問診しかないが、この検査の施行を考えた医師はこれまでに200人以上の血液を解析し、うつ病患者にはEAP(エタノールアミンリン酸)が少ないことを発見。 NHKあさいち 2011.12.27:8時


【西洋薬】(うつ病)
☆プロザック(塩酸フルオキセチン):
「米イーライリーは、週1回服用するだけですむ鬱病の治療薬を開発し、FDAに承認を申請した。これまでは毎日薬を飲む必要があったが、その手間が省ける。
新薬は以前から販売されている『プロザック』を週1回投与型に改良したもの。プロザックは過食症への適用も承認されているほか、パニック障害や外傷性ストレス障害(PTSD)についての治験も進められているという」2000.4.6《日経産業新聞》
☆MAO阻害剤:
「ノルアドレナリンやセロトニンが足りないとウツ病になる(モノアミン理論)。ウツ症状を改善するためにMAO阻害剤が使われる。
MAO阻害剤には以下のものがある:
   1.フェネルジン
   2.トラニルシプロミン
   3.イソカルボキサジド
MAO阻害剤を服用している人は、以下のものを食べたり飲んだりしてはいけない。
1.チーズ
2.ワイン
3.ビール
4.コーヒー
5.レバー
6.レーズン
7.酵母製剤
以上のものには『チラミン』という物質が含まれているからです。チラミンは、アミノ酸のチロシンが脱炭酸酵素によって二酸化炭素が抜け落ちて出来る。ノリアドレナリンによく似た物質である。
ノリアドレナリンやアドレナリンの量はMAOによってコントロールされている。ところが、MAO阻害剤を服用すると、MAOの働きが著しく抑えられろ。そこへチーズなどをたくさん食べると、チラミンが大量に供給される。そうなると、脳に入ったチラミンはMAOに分解されること無く神経細胞に取り込まれる。っそして、ノルアドレナリンの入っている小包を刺激するので、ノリアドレナリンが神経末端から放出される。そうすると、交感神経が異常に興奮する。このため、血圧が急激に上昇するので、脳卒中の危険性が高まる。
☆三環性抗ウツ薬:
1.イミプラミン
2.コロミプラミン
3.アミトリプチリン
「アルコールと三環性抗ウツ薬を一緒に摂取すると、血中のアルコール濃度が急激に上がる。原因は良く分かっていない。」
☆「トレンドミン」(一般名:ミルナシプラン)(ヤンセン協和)
=セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)。
脳内で神経伝達物質のセロトニンやノルアドレナリンの濃度を高める効果がある。副作用が少ない。2000.9.26《日経産業新聞》
SNRIは脳内の神経伝達物質であるセロトニンとノルアドレナリンの量を調節することで、抗ウツ作用を発揮する。それに対し、SSRIはセロトニンのみを選択的に調節する。どちらのタイプも、従来抗ウツ剤の主流だった「三環系」「四環系」といわれる薬剤と比べ、のどの渇きやめまい、便秘などの副作用が少ないのが特徴。
SSRIは、三環系などの薬に比べて副作用は少ないものの効果は劣るという指摘があるが、SNRIは旧世代の薬と同等の効果があり、さらに効果が早く現れる。2001.3.8《日経産業新聞》
☆「デプロメール」(明治製菓)
 「ルボックス」(藤沢)
 「パキシル」(スミスクライン)
=選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)。
うつ病・ウツ状態のほか、強迫性障害に対する効能・効果も初めて取得。SSRIは神経伝達物質の1つであるセロトニンの量を調節する働きを持ち、すでに海外では高い実績があった。欧米では抗うつ剤の市場の3/4を占める。「三環系」「四環系」に比べ、ノドの渇きやめまい・便秘といった副作用が少ない。欧米では仕事で悩みを抱えるビジネスマンが福与イウする良い温経湯になり市場が拡大。日本でも「ハッピードラッグ」などの名で並行輸入業者が紹介、承認前からも愛用者も少なくないと言われる。2000.10.12《日経産業新聞》
   ●パキシル
「うつ病の治療薬として広く使われている塩酸パロキセチン水和物(商品名・パキシル)を18歳未満の重症のうつ病患者に投与した場合、自殺の危険性が増すことが2003年10/20」までに判明。厚生労働省は輸入販売元のグラクソスミスクラインに対し、18歳未満の大うつ病性障害患者への投与を禁止するよう添付文書の改訂を指示した。同省は「急に投与を中止すると、めまいや知覚障害などの症状が出る危険性がある。中止する際には徐々に減量してほしい」と強調している。
同社によると、グラクソ本社が英国で実施した7~18歳の患者に対する臨床試験では、大うつ病性障害の患者に対しいては有効性が確認できず、逆に自殺を考えるようになるなどリスクが2倍以上になったという。パロキセチンは、選択的セロトニン再吸収阻害薬(SSRI)と呼ばれる新しいタイプの抗ウツ薬。」

【芳香療法】(うつ病)
    <1>ベルガモット
    <2>バジル
    <3>カミルレ
    <4>クラリセージ
    <5>ゼラニウム
    <6>ジャスミン
    <7>ラベンダー
    <8>メリッサ
    <9>ネロリ
    <10>パチュリー
    <11>サンダルウッド
    <12>イランイラン
【宝石療法】
    <1>[ルビー]
    <2>[珊瑚]
    <3>[ガーネット]

【栄養療法】(うつ病)
<1>トリプトファンと炭水化物を一緒に摂取する。
<2>ナイアシンアミド500mgを1日2回。
<3>高タンパク食をさける。
<4>ビタミンB6の製剤を控える。

・こころのかぜなんかじゃない!
脳の中で変化が起きる
ゆううつ→ 神経伝達物質が少なくなり。→憂うつに
海馬が萎縮することもある
抗うつ薬:飲み続けることで海馬の体積が増えた(2008年)
あまった神経伝達物質が戻れないようにフタをする。
フタの形に個人差があり、薬が反応しない方もいる。フタの種類は10数種類ある。
3ヶ月飲んでダメな薬はダメ。

【臨床例】
☆慍鬱の例
「大炊相公(宮中の主厨長官)の臣、田太夫は、憂慮過多、久しくして熱鬱を生ず。四肢重惰。志気錯越して居常安からず。灸刺、諸薬、並べて效なし。
《吉益東洞》先生之を診す。芍薬甘草附子湯をつくりて之を飲むこと数十日、更に又、七寶丸をつくりて之を服す。此の如きもの凡六次。而して全く常に復す。其の父甲州君、年すでに九十餘、生来、醫薬を信ぜず。以為(おもえらく)「益無けん」と。是に至りて大いに先生の術を崇ぶ。家人に謂いて曰く、余、如し病あらば、其の頼るところは、唯東洞あるのみ。
後数年、傷寒を患う。心胸煩熱し、譫語妄語し、小便不利して食進まざるもの凡そ六日
家人乃ち、先生を召して是を視る。心胸煩満、四肢に微腫あり。乃って茯苓飲を作りて之を飲む。水数升を吐出して癒ゆ。始め甲州君年六十に及び、盛夏と雖も、重衣をして猶寒し。以為(おもえらく)、老いて衰えるなり、と。是より後は、更に綺絺(キチ、うすぎぬ)を服しても少壮の時と異ならず。之を以て之を視るときは、蓋し病なり。老衰には非ざるなり。」《建珠録》
セロトニンとうつ病
セロトニンはセロトニン作動性神経内で合成され、シナプスに放出され、受容体に作用したあと、
神経終末に再取り込みされます。その後MAOによって不活化されます。セロトニン受容体には多くの受容体があり、
脳内には5HT1A、5HT1C、5HT1D、5HT2、5HT3の5種類の受容体があります。
セロトニン作動性神経は中脳の縫線核にあり、大脳皮質、海馬、線条体、視床下部へと神経を送っています。
セロトニンは覚醒・睡眠リズム、不安、情動と関連を持っていると言われています。

5HT1A受容体は受け手側と送り手側にあり、下垂体ホルモンやステロイドホルモンの分泌を促します。
うつ病の感では、受け手側と送り手側の5HT1A受容体の感受性が落ちているのではないかと言われています。

三環系抗うつ薬はセロトニンの神経終末への再取り込みを抑制します。
非三環系抗うつ薬でも同様の働きを持つものが多いようです。
MAO阻害薬はセロトニンの代謝を行うMAOを阻害してセロトニンの作用を増強します。
抗うつ薬を慢性的に投与すると5HT2受容体数の低下がみられます。
ノルアドレナリンとうつ病
ノルアドレナリン作動性神経は脳幹部の橋と延髄に細胞が存在し、そこから脳の多くの部位に神経をのばしています。
ノルアドレナリン作動性神経は覚醒・睡眠リズム、不安、情動、意欲、下垂体ホルモンの分泌などの作業を行っています。

ノルアドレナリンは躁病やうつ病との関係があります。
はっきりとしたきっかけがなくても起こってくる内因性うつ病では、α2受容体作動薬のクロニジンによる
成長ホルモン分泌反応が弱かったり、視床下部では受け手側のα2受容体の感受性が低下していると考えられています。
そう病でもクロニジンによる成長ホルモン分泌反応が弱く、うつ病が回復し、症状が消失した状態でも同様の所見がえられます。
つまり、この反応はうつ病の係りやすさとの関連を示しています。

三環系抗うつ薬を投薬すると、送り手側のノルアドレナリンのトランスポーターに作用し、ノルアドレナリンの再取り込みを抑制します。
また、抗うつ薬を慢性的に投与することで、脳内のβ受容体の感受性を低下させます。
その他、不安や覚醒・睡眠リズムを調節していることから、不安神経症、心身症、睡眠障害との関連も注目されています。



■バイオフィードバック療法
脳の働きを本人がfMRIで見ながら自ら気分を制御する、うつ病の新たな治療法。
松田哲也・玉川大学脳科学研究所准教授
気分や感情の変化には脳の奥深くにある「扁桃体」と呼ぶアーモンドの粒程度の部位が関わっている。たとえば、恐怖を感じるとき、fMRIで見ると扁桃体は活発な活動を示す信号を出している。
うつ病などの精神疾患では気分や感情がうまく調節でいなくある。自分の気分や感情を示す扁桃体の状態を自分自身でみて把握出来れば、適切な状態へ改善しやすくなるかもしれない。
マイナス思考といった自分の考え方を認識したうえで変えていき、うつ病などの治療をする「認知行動療法」とよく似た手法だ。
松田らの実験では健康な人がfMRIの画像を見ながら「悲しい」感情になろうとすると、画像は思った通りに変わった。





鬱冒 (うつぼう)
=漢方の病証名。気がふさいでめまいして、一過性に人事不省に陥るが、すぐ元に戻るもの。
◎平素病気もしない人が、卒地で死人のようになって、身体を動かすことも出来ず、人の見分けもつかず、目を閉じて開けられず、又、人の見分けはしても、言葉を聞くのを嫌がり、めまいしてする病状。原因は汗を多く出し、血が少なくなると気が血に合わさるので、陽が流れて上昇して下りず、気が壅塞して運行出来ないので、死んだのと同じようになる。気が去り、血が戻ると陰陽が再び通ずると、しばらくして覚める。血厥とも言う。


打ち身   
◎痛みのメカニズム
「痛みは神経伝達物質の一種[グルタミン酸]が脊髄にある受容体タンパク質に働いて起きる。グルタミン酸と受容体の仲介役には、サブスタンPなどがある」
【色彩療法】
    <1>藍色
    <2>オレンジ色
    <3>レモン色

【漢方療法】(打ち身)
■雲南白薬
■黄連解毒湯
■葛根湯
■桂枝茯苓丸
■五積散
■三黄瀉心湯
■七里散
■身痛逐瘀湯
■疎経活血湯・(下腹部瘀血、しびれ、四肢疼痛<遊走性>、水毒)
■治打撲一方・(打撲による腫れ・疼痛)
■通導散
■桃核承気湯(実証、のぼせ、足冷、下腹部痛)
■復元活血湯
    
【民間療法】
<1>イカ。
<2>カキ。
<3>キク。
<4>サンショウ。
<5>ソクズ。
<6>ツワブキ。
<7>ナンテン。
<8>ネギ。
<9>ノビル。
<10>ヤマモモ。
<11>ワレモコウ。
<12>アオギリ・アセビ・ウメ・ウツボグサ・カタツムリ・カラタチ・キハダ・キランソウ・クサノオウ・クチナシ・ゲッケイジュ・サンショウ・シラン・スイカズラ・スイセン・スギ・セキショウ・ダイコン・ドクダミ・ドジョウ・トチノキ・ナルコユリ・ニシキギ・ニッケイ・ニラ・ニワトコ・ニンニク・ハハコグサ・ヒガンバナ・ビヨウヤナギ。
   



腕が抜ける
◎肘が腫れてきたら骨折を疑う (参照→肘内障)
「こっちへいらっしゃい。何をぐずぐずしているの」と、お母さんがよちよち歩きの小さな子供の手を強く引っ張ったら、「グキッ」。痛そうだ。手はぶらんと垂れたまま。動かそうとするとまた、「痛いっ」。大変だ、腕が抜けちゃった。脱臼かしら?-----
「幼稚園以下の小さいこの場合、脱臼ということはまずないんです。専門用語で肘内障という肘の胡椒がほとんどです」と、国立小児病院整形外科医長の坂巻豊教さん。この症状の子供は、整形外科の開業医へずいぶんやって来るという。強く手を引っ張ったり、片手をつかんで上に持ち上げたりという場合が多いそうだ。
手首から肘にかけて前腕の親指側にある骨(橈骨)は、肘側の先端に、輪が重なったような形の靱帯(輪状靱帯)が帽子のようにかぶさっていて、隣接する骨との間のクッションになっている。手の甲を外へ向けた形で強く手を引っ張ると、その「帽子」がずれて脱げた状態になることがある。そうすると痛くて腕を動かせなくなってしまう。これが、腕が抜ける感じがする肘内障の正体だ。
関節を包んでいる袋が破れ、骨が外れてしまっている真の脱臼よりは症状が軽い。
肘内障であれば、肘を手で支えて、もう一方の手で子供の手首をつかみ、腕を外側に回しながら屈曲させてやれば元へ戻る。経験のない素人にはちょっと難しいが、整形外科医であれば簡単に出来る。何もしなくても自然に靱帯が元に戻ってしまうことも多いそうだ。後遺症もなく、繰り返し起こしてもそう心配することなないという。成長すれば起こらなくなる。
心配なのは骨折だ。
小さい子は骨が弱いかわりに、靱帯がしなやかだ。だから力が加わると骨が先に折れてしまうことになる。とくに、子供の肘関節周辺は骨折することが多く、この場合は、ちゃんとした治療が出来るまで絶対に動かしてはいけない。
「ケガをしてまもなく、肘が腫れてくれば、骨折を起こしている疑いがあります。そうなら、手当よりもX線写真を撮って、どうなっているのか調べる方が先」と坂巻さんは言う。1999.4.18《朝日新聞》



運動障害
⇒(運動機能失調)、運動失調 ataxy
◎複雑な運動が合目的的に円滑に遂行出来ない状態。
<1>脊髄性失調症
<2>小脳性失調症
<3>大脳性失調症
<4>前庭性失調症
       (南山堂ー医学大辞典)
◎原因:
     <1>血管障害
     <2>腫瘍
     <3>炎症
     <4>多発性硬化症
     <5>脊髄小脳変性症(SCD)
     <6>Parkinson
  
【処方名-五十音順】(運動障害)
■黄土湯
■桂枝茯苓丸
■桂芍知母湯
■五積散
■柴胡加竜骨牡蛎湯
■真武湯
■疎経活血湯
■二朮湯
■苓桂朮甘湯
■当帰四逆湯
■二朮湯
■二陳湯
■八味地黄丸
■薏苡仁湯
■苓桂朮甘湯  



運動不足
◎適切な運動量=脈拍×時間=(138-年齢/2)×25分間。
例えば、
45歳=138-45÷2=(115.5回/1分間)の脈拍の運動を25分間続ける。
=笑顔が出来る運動量
=話しながら出来る運動量。
◎この運動量で、運動能力を維持出来る。
◎筋肉に力を入れる時間=6秒間でOK。

■ガン予防効果
「日頃の運動不足を解消するだけで、ガンを9%ぐらい予防できる。
運動を殆どしていない人は、胃ガンや大腸ガン・肺ガン・乳ガン・子宮ガンなどになりやすい。
なぜ運動をすると、癌が予防できるのかも分かってきた。たとえば運動によって「インスリン」というホルモンの分泌量が下がり、血液中の濃度がほどほどになる。インスリンは、血糖をコントロールするう物質として知られるが、細胞を分裂させる作用もある。このホルモンが過剰に働くと、ガン化を促進してしまう。






運動麻痺
①こわばりが主体-------
膝の下を軽く叩くと、足が飛び跳ねます。麻痺していても、筋肉の痩せは無い。
②末梢神経障害から------
*こわばりよりも、筋肉がフヌケになる。
*階段は降りるときより、昇りが大変になる。
*膝の下に腱を叩いても反応しない。
*筋肉は栄養障害から、痩せてくる。

【処方名-五十音順】(運動麻痺)
■烏頭桂枝湯
■烏頭湯
■越脾湯
■越婢加朮湯
■桂枝加朮附湯・・・(四肢疼痛、麻痺)
■桂枝加附子湯
■桂芍知母湯
■柴胡加竜骨牡蛎湯
■四逆散
■四物湯
■芍薬甘草附子湯・・(ケイレン痛、冷痛)
■十全大補湯
■小続命湯・・・・・(顔面神経の)
■真武湯・・・・・・(脊髄疾患による運動麻痺・知覚麻痺
■走馬湯
■続命湯
■大柴胡湯
■大防風湯・・・・・(栄養失調)
■抵当湯
■当帰建中湯
■桃紅四物湯・・・・(脳血管障害・ふるえ)
■独活寄生湯・・・・(脳血管障害)
■白朮附子湯
■白虎湯
■防已黄蓍湯・・・・(色白、汗かき、小便不利、だるい)
■補陽還五湯・・・・(小児麻痺)
■六君子湯・・・・・(胃弱、胃内停水、消化不良、元気がない)
■苓桂味甘湯