<え> つらい症状・病名



ADHD
=「注意欠陥・多動性障害」 (参照→多動性障害   

■教育現場の認知度低く
「落ち着きが無く、集中力に欠け、苛立ちを抑えきれない子供が増えている。その原因として最近、注目されているのが、ADHD(注意欠陥・多動性障害)と呼ばれる病気だ。米国ではすでに300万人が治療を受けているが、日本では学校や親の認知度も低く、対応が遅れている。学級崩壊の一員と考える向きもあるだけに一刻も早い対応が望まれている。
都内に住む小学校1年生のA君は授業中、じっとしていることが出来ない。車の前に突然飛び出して親を驚かせたことも。大学病院の精神科を受診したところ、ADHDという聞き慣れない病気と診断された。
●出現率は5、3%
「ADHDの診断基準には米国精神学医学会が作った[DSM-Ⅳ]と世界保健機関 が作った[ICD-10]と呼ばれるものがある。DSMは不注意の症状を9項目、多動性と衝動性の症状を9項目挙げ、それぞれ6つ以上の症状が少なくとも6ヶ月以上持続するする場合としている。これらの症状は学校、家庭、診察室などのうち2カ所以上で現れ、7歳以前の発症を条件にしている。
国立精神衛生研究所のグループが画像処理技術を使ってADHDの子供の脳を調べたところ、注意を司る大脳などの一部が小さくなっていることを突き止めた。シカゴ大学やカリフォルニア大学は、ADHDの子供の多くにドーパミンという神経伝達物質の受容体とトランスポーターというタンパク質の遺伝子の異常を報告している。
市川副院長は「患者の7~8割は大きくなると普通の人と変わらなくなるが、2~3割は治らない」と指摘する。治療法としては、「自信をつけさせることが第一」(市川副院長)という。ADHDの子供は周りから怒られたり、怠け者などと言われ、自己評価が下がっている。市川副院長は「良い点を伸ばすようにほめることを心掛けることが大切」と強調する。注意をするときもクドクド言うのではなく、「こうした方がうまくいく」などと分かりやすく注意する方が良いという。
●投薬で改善効果
「米国ではメチルフェニデートなどの薬も治療に使われている。約3割で著しい改善、軽度の改善も含めると7割近い患者で効果があるという。この薬は覚醒作用があるため、不眠や食欲不振などの副作用があり、通常は朝と昼の2回投与されている。日本でも軽度鬱病や睡眠障害の薬として認可されているが、ADHDには対象にされておらず、患者の中には認可を求める声もある。
上林部長は「ADHDはまだ認知度が低い。親だけでなく、学校の先生や教育相談室のカウンセラーに理解してもらう必要がある」と指摘。また、「3歳児検診の時に診断して、養育体制を考えるようにした方がよい」と早期対応の重要性を強調する。1999.1.4《日本経済新聞》
■脳の微細な障害が原因
「“公園デビュー”したころから、長男は他の子どもとは違っていた。砂場でよそのこのシャベルを奪い取って泣かせるが、すぐにポイッと投げ捨て、滑り台へ走る。それも1回で飽き、次はブランコへ。遊びの関心がめまぐるしく変わる。千葉県のA子さん(35)は、我が子を追いかけ回し、周りの母親たちに頭を下げ続けた。
「元気がいいっていうのと、何かが違う」。その傾向は、幼稚園に進み、一層ハッキリした。じっと座っていられず、教室から飛び出す。「家庭でのしつけはどうなっているんですか」。迎えに行くたびに園長に言われ、幼稚園は辞めた。
小学校では休み時間が終わっても教室に戻らず、平気で砂場で遊んでいる。担任の求めで、A子さんは毎日、長男を監督するため、隣の空き教室で待機しなくてはならなかった。
長男が8歳になった今年夏、市の教育相談の紹介で病院の児童精神科を受診し、「注意血管・多動性障害(ADHD)」と診断された。
ADHDは、気が散りやすく注意力が維持できない。注意欠陥(Attention Deficit)、動き回る「多動性障害(Hyperactivity Disorder)」の症状が現れる。
教室でじっとしていられない、指示に従えない、人の話を聞けない、授業中も上の空でボーッとしている、忘れ物が多い、といった特徴がある。
これらの1つひとつは多くの子どもにも見られるが、7歳未満から、学校や過程など2つ以上の環境でみられ、日常生活に著しい支障がある場合などが診断の要件だ。
男子の方が多く、脳の神経伝達物質の働きの異常によると考えられている。「しつけや両親の不和など心理的な理由によるものではなく、脳の微細な障害が原因。自閉症やほかの精神疾患とも違うことを確かめて診断します」という。
「子育ての問題じゃなかたんだ」
■薬物投与
「言葉が遅れ気味で、小学校に入っても、落ち着いて人と話が出来ない。食事の時もテーブルに座っていることはなく、家のあちこちで食べ散らかす。注意しても耳に入っていない様子。東京都内のT子さん(42)は、小学4年生の長男を(10)をかわいいと思えず、手を挙げることがしばしばあった。
「あんた、子どもを虐待してるの」。実家に帰省した時、母親から言われ、ハッとした。長男がおびえたような目でT子さんを見ていた。
医師の診察を受け、「ADHD」と診断された。
ADHDは脳の神経伝達物質ドーパミンの働きの異常によって起きると考えられている。そこで、ドーパミンの働きを改善する薬「メチルフェニデート」を服用することになった。
朝と昼に飲むと、キリッと姿勢が良くなり、ある程度は先生や親の指示を聞くことが出来るようになった。
「車の前に飛び出すといた多動性障害による衝動的な行動を防いだり、学校生活に適応したりするために役立ちます」
ADHDの子どもは気が散りやすく、興味のないことには関心が向かわないため、学業不振に陥りやすい。「学校で楽しく過ごすためにも、勉強についていくのは大切」と、薬を飲んでから勉強することを勧める医師もいる。中学生以上では、試験など集中力を維持する必要がある時に限って薬を飲み、自己コントロールに役立てる、といった使い方もある。
ただ長期間使い続けると効果が弱まるので、週末などに薬を休むといた工夫がいる。また食欲減退や、顔がひくひくするなどのチックや、幻覚・妄想などの症状が出ることがる・
■イオンチャンネル
「米エール大学などは脳の神経細胞の伝達機能を強める分子機構を明らかにした。“集中できない”“落ち着きがない”などの症状が見られる注意欠陥多動性障害(ADHD)、認識障害、統合失調症などに。
記憶や認識にあっ変わる脳の神経細胞には、情報を受け取るための特別なイオンチャンネルがあることが分かった。




A型肝炎
    (参照→肝炎)
⇒経口感染。潜伏期間2日~6週間。
◎症状:
発熱(特徴)
倦怠感・食欲不振・悪心・嘔吐・上腹部圧迫感ばどで始まる。
   

■A型肝炎ウイルス
「危険性が最も低いA型肝炎ウイルスはポリオウイルスに似ていて、20面体 の殻に遺伝物質のRNA鎖1本だけといった組成で、肝臓の中でしか増殖しない。このウイルスはヒトの他、少数の霊長類にしか感染しないこと、ほとんどの場合汚染された糞便が媒介となることが分かっている。A型肝炎はしたがって「不潔病」であり、衛生設備の不十分なところや衛生状態が良くないところなら、どこでも発生しやすい。
 ポリオと同じように、貧しい国々の人々は幼時期にA型肝炎に感染する傾向があるので、症状は一般に軽くてすむ。ところが、富裕な成人の旅行者がこのような場所に出かけていて感染すると、重症になる場合がある。アメリカでは広範囲の流行はもはや起こらなくなっているが、保育所やゲイの間で起こる事が多く、汚染された水や生の食品、例えば、汚染された海で採れた生の貝が原因となっている。
 成人患者となると、[吐き気][嘔吐][暗色の尿][黄ばんだ目と皮膚]といった古典的な症状すべてが現れるのが普通である。
 市販されているワクチンはまだない。
     (A Field Guide to Germs by Wayne Biddle)春日倫子訳より。

■抗体保有率が低下
「日本人のA型肝炎ウイルス(HAV)の抗体保有率が年々低下して感染しやすくなっており、特に劇症肝炎になりやすい中高年は注意が必要。厚生省の食品衛生調査会食中毒部会が29日までに、こんな見解をまとめ、注意を呼び掛けた。
A型肝炎は汚染された魚介類などを食べることで感染、冬から春に発生が集中する。潜伏期間が15日~50日と長く、その間もウイルスが排泄されるため感染が広がりやすい。同省の感染症サーベイランスによると、最近10年では90年の1881人を最高に、年間350人以上の患者が出ている。
国立感染症研究所による年齢別のHAV抗体保有調査では、73年には15歳未満の保有率が1%以下で、15歳~25歳未満が約10%、30歳未満で約60%だった。しかし、保有率1%以下の年齢層は84年には30歳未満、94年には40歳未満仁摩で拡大している。
これは戦後の衛生状態の改善で幼少期のA型肝炎感染が減ったため。
A型肝炎は麻疹(=はしか)と同様、子供が罹っても軽症で済むが、成人、特に中年以降では劇症肝炎になるなど重症化しやすい。年間約700例の劇症肝炎のうち、10~20%がA型によるとされるが、92年以降、A型の劇症肝炎は増えているという。 1997.11.29《日本経済新聞》


Ehlers-Danlos症候群
⇒先端代謝異常の1つ。常染色体性優性遺伝。
◎病因:線維束の構成不全
   

◎症状:
皮膚・関節が過度に伸縮する。
弛緩性眼障害
先天性心疾患


Evans症候群
⇒特発性血小板減少症と温式自己免疫性溶血性貧血の合併したもの。


HAM
(HTLV-1 associated myelopathy)
⇒レトロウイルスの[HTLV-1]が関与し痙性脊髄麻痺を呈する疾患。

HTLV-1=[human T-cell lymphptropic virus type 1]

◎熱帯地方に存在するTSP(tropacal spastic paraparesis)と基本的に同一疾患であることが確認された。

◎診断:
<1>慢性痙性対麻痺があり、発症も進行も緩徐。
<2>血清HTLV-1抗体を認める。
<3>髄液中にHTLV-1抗体を認める。(他の疾患にない特徴)
<4>輸血後発症がある。
<5>HTLV-1抗体陽性者が多い地域ほど罹患率が高い。

◎症候:
<1>慢性痙性対麻痺
<2>両下肢の筋力低下(特に近位部)
<3>初期:膀胱障害
   後期:便秘
<4>インポテンツ、性欲減退
<5>刺痛、ジンジン感、灼熱感が強い。

 


LD児
=「学習障害児」
⇒知能全般には問題がないものの、
     「落ち着きがない」
     「記憶能力が乏しい」
     「集団行動が出来ない」など行動、学習面の一部に偏りがみられる学習障害児。
  

◎特徴:
<1>“い”と“こ”の区別がつかない。
<2>学習上で特異的なつまづきが見られる。
例えば、他の教科には問題がないのに、漢字の書取だけが極端に苦手。
<3>的外れな受け答えをする。
<4>言葉に文法的な誤りが多い。
<5>集中力に欠ける反面、何かにひどく固執することがある。
<6>手先が不器用。
<7>運動が苦手。
<8>人への関心が薄い。
<9>話し相手の表情が理解出来ない。
<10>女子より男子に多い。
   

◎LD児専門の外来
東京都立梅ヶ岡病院(子供の精神保健相談室03-3323-1621)
   
■米は治療教育を制度化
「最近、日本でも米国でも、子供や若者の起こす異常な事件が報道されている。その背景として、事件のケースほどひどくはないが、より多くの子供たちの行動が全体的に依然と異なってきていることがあるのは確かであろう。日本でも、いじめ、不登校など学校の教育現場で対応しにくいことが増え、学級崩壊とまで騒がれ、親のしつけが悪い、いや学校の教育や社会が悪いと議論が巻き起こっている。
脳の軽い障害が原因か?
ここでは、日本でも増えている『学習障害児』に注目してみたい。彼らは、教育現場では単に勉強についていけない学業不振児と混同されやすいが、医学的な診断基準にって定義され、知能の遅れはなく、読む、書く、話す、算数など特定の作業だけが苦手。注意が散漫で落ちつきなく動き回る、ガマンが出来ず衝動的行動をとる-------------という子供たちである。
米国の疾患分類の最新版ではの症状を学習障害(LD)とし、の症状を注意欠陥・多動性障害(ADHD)と分けるようになった。しかしこの2つは重なる場合も多く、ここではもともと定義されていたように『学習障害』とまとめてあらわす。
学習障害は、脳の発達の過程で小さな異常が起こり、一部に軽い機能障害を起こしたと考えられている。子供たちの脳は1人1人異なり、その違いが個性や得意・不得意のもとである。その個性の範囲から少しはみ出した不得意を持つ子供が学習障害児、といってもよい。
米国では1960年頃から学習障害児が問題になり、ADHDだけでも小学校から高校までの全生徒の4~16%に達する。日本でも今では約3%はいると言われ、もう20歳以上になっている人達もいる。
学習障害は、脳の軽い障害が原因で特定の能力がうまく発達していないのだから、本人が怠けている、やる気が無いと思ってはいけない。足が不自由な子を“皆と同じように走れ”となじるようなものである。又、家庭の人間関係やしつけが原因ではないから、家庭を責めるのも見当違いだ。こうしたことをまず理解したい。
ケア次第で治ることも
米国では学習障害児対策が法律で決められ、治療教育のための補助金もつき、1人1人の学習障害児の持つハンディがどのようなものであるかを認識して、他の得意なところを伸ばすような治療教育システムが実行されている。学習障害の子は、知能全体は正常レベルであり、別の特定の能力がかえって優れている場合もある。
日本の教育現場は1人1人の個別指導には手が回らない画一教育が大勢で、学習障害児への無理解は、[先生にしかられる]、[級友にバカにされる]、などから[不登校]や[いじめ]につながりやすい。ADHDの子供は先生の制止にも従わないことも多く、学級崩壊の引き金になってしまう場合もあるであろう。
学習障害は、ケアが良ければ、成長とともに自然に治っていくケースも多いと言われている。一方、無理解の中で放置されると、親、先生や他の子供たちとの人間関係がうまくいかず、情緒障害や行動障害につながりがちで、青年期まで尾を引き、社会的なトラブルを起こしやすい気の毒な場合もある。
化学物質の影響も懸念
なによりもまず、米国のように学習障害児のハンディを理解した、個別の治療教育システムを整備することが必要だろう。治療に関しては、米国では特定の中枢刺激薬がADHDの症状の改善によく使われているが、一種の覚醒剤なので注意が必要である。米国でも根本的な治療法の開発はこれからだ。
次にどうして学習障害児が増えてきたのか、原因を知り、予防することが最も重要だ。妊娠中や出産時の異常の可能性も指摘されている。
内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)の危険性をまとめた本『奪われし未来』(シーア・コルボーン他著、翔泳社)では、五大湖の化学物質汚染や油症事件によって生じたと思われる脳の軽い発達障害の例から、母胎や母乳を通じて発達中の子供の脳に入った化学物質の影響が懸念されている。脳はヒトの体内でも最もデリケートな器官だが、特に脳が一番発達する胎児から乳児期は、環境からの有害物質も脳に入りやすい時期で、危険である。
学習障害のような、いくつもの原因がからんでいて、解析が難しそうな現象の研究には疫学調査が重要な役割を演じる。実態を正確に把握するために、また、疑わしい要因を浮かび上がらせて危険を避け、治療法を確立するために、大規模な疫学調査を早く行う必要がある」1999.5.27《朝日新聞》
■判断基準------学業不振と間違えないで
「知能は普通なのに読み書きや計算など特定の学習能力に障害のある『学習障害(LD)児』の指導について検討してきた文部省の調査チームは2日、学習障害の定義を明確化した上で、学校現場での実態把握方法の試案などを盛り込んだ報告書をまとめた。LD児は単に勉強についていけない学業不振児と混同されやすく、誤った指導がいじめや不登校を招くと指摘されている。報告書はLD児を出来るだけ早く把握し、学習の遅れを補うための少人数指導など適切な対応を取ることが重要だと提言している。
報告は学習障害の定義を「基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算するまたは推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を指すもの」とした。95年3月の中間報告での定義を見直し、学習障害の対象となる「能力」に含まれていた運動能力、社会適応性を除外し、範囲を限定した。
早期把握のため、学校現場での判断基準として①国語、算数(数学)の能力に、小学2、3年生では1学年以上、小学4年以降では2学年以上の遅れがある②普通の能力を示し教科が1つ以上ある③知能検査では全般的な知的発達に遅れがない----などを示した」1999.7.3《日本経済新聞》
■LD児に専門家チーム
「LDは“学習する力を出し切れない”という意味。知的発達に遅れはないが、読み書きなど基礎学力の一部につまづくことが多いのが特徴だ。中枢神経系の機能障害が原因と推定されているものの、詳しいことは未解明。得意な才能を発揮する場合も多く、アインシュタインやエジソンもそうだったと見られている。日本人は少なくとも2~3%が該当すると言われるが、実生活で“落ち着きがない”“やる気がない”などと誤解されることが少なくない。
日本LD学会長の東京学芸大教授、上野一彦さんは「知識を整理している脳の一部の引き出しがきしみがちで、知識が取り出しにくい状態」当帰芍薬散説明する。
文部省の調査研究協力者会議は昨年、LDの判定基準や行政が行うべき施策をを提言。之を受けた同省は新年度、15都道府県・政令市でモデル事業を始めることにした。実施自治体は近く決まる予定。成果を【民間療法】ながら順次、全国へ広げていく考えだ。
具体的には、教育委員会内にLDに詳しい心理学の専門家や特殊教育の担当教員などからなる「専門家チーム」を設置。また、LDを学校全体で理解しバックアップするため、小中学校数校に担任や交腸、養護教諭などからなる「校内委員会」を作る。保護者の小異抱くがえられれば、LDと見られる子供を専門家チームが詳しく判断し、最適な支援策を助言する。
平行して、LDの専門家がすでに行っている小中学校の巡回指導も回数を増やす。LD児は指導や訓練によって、学力や社会性などを身につけるのは十分可能。
先月、出版された著書「ありのままで」(教育史料出版会)でLD児の長男(16)の子育て体験を綴った女優の五十嵐めぐみさん(45)は「私も親の会を知り、適切な助言と訓練を受けるまではどうしていいか不安だった。情報不足で相談先を持たず、途方に暮れている親は今も少ないはず」と話す。
上野さんも「LDのような軽度の障害に対する行政施策は遅れていたので、新年度の事業は一歩前進」と評価する。その上で「読み書きなどの一部が苦手だが、別な部分で人より秀でた能力を持つLDの子供を周りが支援することは、真の意味での個性尊重につながる」と話している。」



MAHC                malignancy associated hypercalcemia
⇒悪性腫瘍にともなう高カルシウム血症。


MDRP(多剤耐性緑膿菌)
■院内感染
「抗生物質が効かない耐性菌の一種。緑膿菌は水回りや土中などにいる細菌で、体力が弱っている患者が感染すると、肺炎などを起こして死亡することがある。
埼玉医科大学病院で入院患者約100名からMDRPが検出され、うち6名が死亡していたことが2006年6/22判明。厚生労働省は調査を始めた。」


MDSmyelodysplastic syndorome
=「骨髄異形性症候群」

 

MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)
(参照→「黄色ブドウ球菌」)
   ◎遺伝子診断------保健適用あり。
■MRSA殺すタンパク質
「農水省蚕糸・昆虫農業技術研究所はカブトムシの体内から、抗生物質が効かず深刻な社会問題となっているメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を殺す新しいタンパク質を発見した。カブトムシが雑菌の攻撃から自らの身を守る生体防御の一種。MRSAの細胞膜に穴を開ける働きがあり、殺菌効果が高い。
  このタンパク質は生体防研究室の山川稔る室長らが、日本在来のカブトムシの幼虫の血液から分離した。43個のアミノ酸で出来ている。耐熱性があり、100℃でも機能を失わない。
アミノ酸が43個のままでは大きすぎて、人間の体内に投与すると異物として認識されるが、研究グループはこのうち12個のアミノ酸だけでも殺菌効果があると推定している。
 順天堂大学・平松啓一教授「MRSAの台頭は抗生物質の乱用や、新しい抗生物質の開発を怠ってきたことが大きい。ただMRSAに効く物質はたくさんある。それが利用出来ないのは人の細胞に対する毒性やアレルギー反応などの問題がああるからだ」19975.5.《日本経済新聞》
「この抗菌タンパク質は、菌の体に穴(細胞膜)を開け攻撃する。通常の抗生物質は細菌が体を構成するタンパク質を作るのを邪魔することで菌を殺す。研究グループによると、菌の細胞膜に穴を開けるという作用はこれまでの抗生物質には無く、耐性菌が出来にくいと考えられる。」1999.4.26《日本経済新聞》
■予防薬効かない----MRSA初検出
「院内感染の原因菌であるMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)感染症の予防薬「ムピロシン」がほとんど効かないMRSAが、国内で初めて、東京女子医大感染対策科の菊池賢医師らのグループによって検出された。ムピロシンに代わる抗生剤がないため、この耐性菌が蔓延するとMRSA感染症の予防が難しくなる。
10日から都内で開かれる日本化学療法学会で報告するとともに、菊池医師らは、ムピロシンを乱用しないよう警鐘を鳴らしている。
このMRSAは1月、腎臓の手術を受けるため、関東の病院から同大病院に転院したゼロ歳の乳幼児(女児)の鼻から見つかった。」

■対策チームが病棟巡回
「この患者は、発熱に加え、肺に陰影がある。MRSAによる肺炎だな」
「こちらの患者は発症していない」
東京・五反田のNTT東日本関東病院。1月27日、臨床検査課部長の岡田淳さん(54)ら「ICT」と呼ばれる感染制御チームの4人が、外科など病棟4科を巡回。入院患者15人のカルテなどを見ながら、3人について、MRSA感染症が発症していると判定した。
ICTは、院内感染の予防と発症時の対処をする部隊して3年前に発足。岡田さんをリーダーに看護婦長、薬剤師、臨床検査技師、疫学担当者の計5人の腎癰。この日は入院患者の発症動向をつかむため、周1回行う病棟巡回だ。
大半の抗生物質が効かないMRSAは、とりわけ院内感染を起こしやすい。巡回では、前週からの検査でMRSAが検出された患者の記録類や、主治医らの話から「保菌」か。、「発症」かをテェック。改善すべき点があれば指導、統計を取って対応策を検討する資料も作成する。
また婦長は院内感染の情報収集や、衛生管理の指導。薬剤師はMRSAのような多数の薬剤に耐性を持つ菌を生み出す「抗生物質の乱用」がないかを点検。臨床検査技師は最近やウイルスが広まっていないか、調べるといった役割を担う。
「現場に介入するので煙たがられることもあるが、院内感染防止に向けて職員の意識を高める教育効果がある」と岡田さんは話す。
MRSA以外の感染症でもICTが先頭に立って対処する。もし結核なら患者隔離や接触者名簿を作って検査計画の指揮。このほか感染症の診断や治療の相談、針刺し事故の防止、医療廃棄物の対策と、幅広い。
関東病院では、ICTの婦長を補佐するベテラン看護婦を「リンクナース」として病棟角化や手術室などに1人ずつ計12人配置している。「リンク」とは「橋渡し」。各現場の看護婦にICTの指示を伝え、感染対策の柱として活動する。ICTを設置してから院内感染は起きていない。
ICTは、もともと欧米で考案されたシステムで、一定規模の病院に感染症対策専門の医師(ICD)や看護婦(ICN)を配備。オランダでは1000床にICD1人、250床にイCン1人を置くことが法律で義務づけられている。
組織的対策が遅れている日本でもここ数年ICTを設ける病院が徐々に増えてきた。しかし、その大半は関東病院のように担当者が通常の別業務を兼務しながら、専従ICNをおいているのは、東京・聖路加国際病院、慶応大病院などごくわずか。病院側は啓脾の負担がかさむなど消極的であたり、実効のある対応策が取れていないといった傾向が強い。
93年、国内でいち早く大学病院にICTを導入した名古屋大細菌学教授の太田智男さんは「手洗いの徹底こそ感染防止の基本。院内感染を防げば、本来の病気の治療成績が上がり病院の評価につながる」と、利点を強調する。
■簡単に検出
「MRSAを簡単に検出できる試薬「MRSA-LA『生研』」が開発されました。
医薬品メーカーのデンカ生研(東京都中央区)が、ペニシリン結合タンパク質という、MRSAの持っているタンパク質を特殊な方法で業蝟集できる方法を工夫した。培養後約15分で、目で見て正確に判定できる」2000.7.30《朝日新聞》
■リネゾリド
「米ファルマシアはMRSA感染症に対し、、自社抗菌剤「リネゾリド」が同疾病の治療薬として普及している「バンコマイシン」と同等の有効性を持つとの臨床試験結果を発表した。リネゾリドは米国などではMRSA治療薬として承認されている」2002.6.25《日経産業新聞》
■アメーバ
「英国のバス大学の研究グループは、院内感染などの病原体であるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が、ある単細胞アメーバの体内に取り込まれると約1000倍に増殖することを突き止めた。
このアメーバは様々な細菌を取り込む性質があり、その体内で増殖したレジオネラ菌は抗菌剤が効きにくくなることが知られている。
この単細胞アメーバは風などに乗って散らばりやすい。細菌が拡散するときの「移動手段」の1つになっている可能性がある。2006.4.5《産業》
■新しい抗生物質
「米メルクの研究チームは、体の弱った人に感染すると死亡の恐れがある「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)」に有効な新しい抗生物質を発見した。
南アフリカの土壌中に住む菌の一種が作る化学物質『プラテンシマイシン』。これまでの抗生物質とは作用の仕組みが異なるので耐性が生まれにくい。
肺炎球菌やバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)にも効果があった。20065/22《日経》
【西洋薬】
    「ザイボックス」(米ファルマシア)




SIADH
=「ADH不適合分泌症候群
syndrome of inappropriate antidiuretic hormone
ADH=antidiuretic hormone=抗利尿ホルモン
=「抗利尿ホルモン不適合分泌症候群」
◎副作用として現れる。




SIDS
  (乳幼児突然死症候群
⇒生後6ヶ月以内の赤ちゃんが、眠っている間に呼吸が停止し、回復せずに死んでしまう病気。乳幼児2000人に1人の割合で発生し、乳幼児の死因解剖が一般的になっている欧米では、赤ちゃんの死亡原因の1位と報告されている。東京女子医大の仁志田博司教授(新生児学)によると、原因はまだ詳しく解明されていないが、母親がタバコを吸ったり、赤ちゃんをうつぶせに寝かせることにも関係があるという。
   
■犠牲者
「元気だった赤ちゃんが何の前ぶれもなく眠っているうちに死ぬSIDSの犠牲者は、1995年から厚生省の統計で把握できるようになり、同年579人、96年526人、97年が538人と、毎年500ンンで推移してきた。その9割は1歳未満の乳児期に起きている。厚生省の調査ではSIDSの発症リスクは」
①うつぶせ寝は仰向け寝の3倍
②人工乳は母乳の4.8倍。
③父母とも喫煙する家庭は非喫煙家庭の4.7倍
それぞれ高くなるという結果が出た。
(死因事典p216~)
■診断にブレ
「何の前ぶれもなく、元気な赤ちゃんが亡くなる乳幼児突然死症候群(SIDS)。うつぶせ寝による窒息死と区別がつきにくく、医師による診断は大きくぶれている。2002年9月には最高裁は、神戸で女児が急死した事例は“SIDSではなく、保育施設のミスによる窒息死”とする判決が確定した。原因がよく分からないから“病死”とされたのでは、と疑いを持ち続ける親は後を絶たない。
「脳の血管が充血していたとあるが、これはSIDSに固有の症状なのか?」、ある大学の研究室で、男性が医師に詰め寄った。7月に託児所で長女(当時1歳)が死亡、SIDSと診断されたが、遺体を解剖したこの医師の所見に疑問を抱いていた。
医師「窒息でもこれらの症状はあります」
男性「それならなぜ、SIDSなのか?」
押し問答の末、医師は「そう診断したんだからそうなんだ」と話を打ち切った。男性は「なぜ、娘は死ななければならなかったのか?。真相を知りたい」と割り切れない気持ちで一杯だ。
「赤ちゃんの急死を考える会」によると、「病院や保育所などの不注意による窒息死ではないか?」などとSIDS診断をめぐって裁判で争っている事例は全国で約20件。死亡の状況を確認せず、解剖しなくても死因不明ならば「SIDSの疑い」と診断できる現行の基準が親の不信感を増幅させている。
医師の診断を捜査当局や司法が覆すケースも出てきた。2002年5月には医師が「SIDSの疑い」と診断した後に虐待死だったことが判明し、香川県の保育所の園長が殺人罪で起訴された。2002年9月には別の突然死で、最高裁判決で初めて「保育士がうつぶせ寝にしたまま、注意を怠り、窒息死した」と確定した。
厚生労働省は2002年11月、医療機関に対して「虐待や窒息事故と区別するため、的確な対応をすること」と初めて指導。9月末には従来のあいまいな診断基準を見直す研究班が発足した。
研究班の高津光洋・慈恵医大教授(法医学)は「SIDSと診断された子供の中に、窒息死もかなり含まれるのではないか?」と疑う。自宅での突然死で親が責任を感じないよう配慮したり、保育所での死亡には「面倒に巻き込まれたくない気持ちで、医師が安易にSIDSの診断に傾く恐れがある」と指摘、診断基準の厳格化を求める。
だが、研究班の戸刈創・名古屋市立大学教授(小児科)は、「経験的にうつぶせによる窒息は乳幼児ではほとんど考えられない」と反論する。「本当は病死なのに事故や虐待として、医師や看護婦、保育士などを遺族が裁判所や警察に訴えることは、双方にとって非常に不幸な状況」と懸念する。




S-J症候群
   =「皮膚粘膜眼症候群
 

SLE
   =「全身性エリテマトーデス


SRSV
=「小型球形ウイルス」
◎SRSVは:
「主にカキなどの貝類の腸内におり、生カキや生水などの飲食で感染する。毎年11月~3月にかけて発症が増える。
■食中毒?
「滋賀県愛知川町の町立愛知川東小学校で16日午後から18日未明にかけて児童らが吐き気などを訴えた問題で、同県は20日、小型球形ウイルス(SRSV)が原因と発表した。患者数はこれまでに154人に昇った。まだ1人入院しているが、発症者はすでに快方に向かっている。という。
件によると、患者児童2人の便と1人の吐瀉物からSRSVが検出された。SRSVは、全国的に増加中の感染性胃腸炎を起こすウイルスの一種だが、食中毒の原因にもなると言う。
県は、同じ休職を食べた他の学校で発症者が出ていないことなどから、食中毒ではなく、感染症の可能性が高いと調べている。」2000.3.21《日本経済新聞》


 

SSPE
   =亜急性硬化性全脳炎(参照→麻疹)

X脚
   ◎チェック:「くる病」


Yersinia感染症
⇒Yersinia Enterocoliticaの経口感染により起きる。
◎症状:
嘔吐、腹痛、下痢などの胃腸症状と、    
発熱、咽頭痛などがある。
◎感染源はブタ肉など。



エイズ (HIV)
(参照→「サリドマイド」)
   

◎HIV感染による障害:
網膜炎による失明(サイトロメガロウイルス)。
顔面神経麻痺(ヘルペスウイルス)
難聴(ヘルペスウイルス)
歩行困難(クリプトコッカス真菌による中枢神経障害から)
排泄障害(クリプトコッカス真菌による中枢神経障害から)
記憶力障害(エイズ脳症による)
   

■妊娠ホルモンにエイズ抑制効果
「マウスに実験。胎盤の絨毛上皮から分泌される糖タンパクホルモンである「絨毛性ゴナドトロピン」(hCG)が有効。1997.4.2《日本経済新聞》
   
■帰国したHIV治療第一人者
「米国立衛生研究所(NIH)部長としてHIV(エイズウイルス)治療薬研究の最先端をリードしてきた満屋祐明氏(46)が熊本台gかう医学部教授に就任した。
  82年に渡米して以来、一貫してHIV治療薬の研究に取り組んできた。AZT(アジドチミジン)がウイルス増殖を抑える効果を発見、世界初の治療薬として世に出した。第二、第三の治療薬の開発にも携わり、現在はこれらとは異なる作用でウイルスを殺す新タイプの治療薬研究を手がけている。
 米国では昨年、エイズによる死者が初めて減少に転じた。治療技術の進歩がその一因とみられているが、満屋氏はAZT研究などを通じて、この進歩を引っ張ってきた1人だ。膨大な数の治療薬の候補物質の中から、効果がありそうな物質を見極める「眼力」には定評がある。1997.7.16《日本経済新聞》
   

■エイズ抑制物質を発見。
「ドイツと米国・イタリアの2つの研究グループが6日、エイズウィルスを感染初期に抑制する異なる免疫物質をそれぞれ見つけたと発表した。これらの物質は人間の体内の免疫システムが作り出すもので、研究者たちが長い間、探し求めていた。エイズ薬の開発研究に新しい道を開く発見と注目されている。
第一にグループはドイツのパウエル・エールリッヒ研究所のラインハルト博士らで、白血球の一種、CD8細胞から分泌されるインターロイキン(IL)16という免疫物質がエイズウィルスの増殖を遅らせることを見つけた。
クルト博士らは、動物実験の結果が有望であれば、人間への臨床試験を始めたいとしており、7日発行の英科学誌ネイチャーに論文を発表した。
もう一つの研究グループは米国立ガン研究所にいたロバート・ギャロ博士ら。同じCD8細胞によって作られる3つの物質が培養細胞の実験でエイズウィルスの感染と複製を阻害することを確かめた。論文は米科学誌サイエンス来週号に掲載される。
【注】CD8細胞はこれまで、感染初期のエイズウィルスの抑制に重要な役割を果たしていると考えられてあたが、どんな物質が働いているかはなぞだった。ギャロ博士らがエイズ抑制効果を認めた物質はRANTESとMIP1アルファ、MIP1ベータ。

■和漢薬に感染抑制効果
「エイズ患者が罹りやすい感染症の1つ、サイトロメガロウイルス(CMV)による日和見感染症が植物エキスの和漢薬で抑えられることを、富山医科薬科大の景山誠二助教授(ウイルス学)と大阪大微生物病研究所などのグループが動物実験で確認した。試験管内の実験では、エイズウイルスの抑制作用もあった。16日から大阪府豊中市で開かれる日本エイズ学会で発表する。CMVはヘルペスウイルスの一種で病原性は弱いが、免疫力の低下したエイズ患者は、肺炎などの日和見感染を起こすことが多い。
景山助教授らは、単純ヘルペスに効く和漢薬13種類がCMVにどのくらい効力があるかマウスで実験。現在CMVの唯一の治療薬とされているガンシクロビルと同程度の効果が、「カシ」「チョウジ」「ダイコンソウ」の3種類の和漢薬で確認された。
消化管で吸収後の血漿中でも、活性を維持していた。1995.11.15《日本経済新聞》より。」

■プロテアーゼ阻害剤を、FDAが認可。    
「米食品医薬品局(FDA)は次世代のエイズ治療薬として注目されているタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)阻害剤を、すでに認可ずみのAZTなどの治療薬と併用することを条件に認可した。免疫細胞に入ったエイズウイルス(HIV)が増殖する際に働くプロテアーゼの働きを阻害する作用があり、これによってHIVの増殖をくい止める。副作用が少ないのが特徴。」《日経産業新聞》
   

■10年以上も発症しない『長期未発症者』が注目を集めている。
 「多くの感染者が数年で発症して亡くなっていく中で、なぜ、長期間発症せず元気な感染者(7~10%)が存在するのか。
山本直樹東京医科歯科大学教授によると「複数の要因がある」という。
<1>米国のグループが突き止めた『CD8』という白血球の関与だ。長期未発症者は多くの場合、CD8が多い。試験管実験でもCD8がHIVの増殖を 抑制することが分かった。日本の調査でも長期未発症者の62%がこの白血球の値が800(1/1000ml)以上の高レベルだった。
<2>名古屋市立大学医学部の岡田秀親教授らは、免疫グロブリンM(IgM)という抗体のうち、ある特定の型が、HIVの増殖を抑制することを明らかにした。
<3>オーストラリアで14年ほど前にHIVに感染した男性同性愛者の血液で7人ほどが感染したが、本人を含む感染者全員が発症していない事例見つかった(うち2人はエイズと無関係のガンで死亡)。同性愛者のHIVは普通のHIVと違って『Nef』という遺伝子が欠損していた。この事実とハーバード大学グループのサルのエイズウイルス実験から、一つの仮説が生まれた。
  サルのエイズウイルスはHIVと同様、『Nef』欠損タイプは感染しても増殖力は弱い。これを前もって投与しておけば、その後に増殖力のあるタイプを投与しても発症しないことが分かり、“エイズワクチンの可能性が検討され始めた”(山本教授)。1996.2.17《日本経済新聞》より」
   

■サルは発病しない
「エイズウイルスに感染しても発病しないサルは、ウイルスに対する特殊な免疫の仕組みを持つ。
 エイズウイルスに感染しても生涯発病しない「アメリカミドリザル」の血液を調べたところ、このサルではエイズウイルスの標的となるリンパ球(CD4陽性Tリンパ球)がウイルスにやられて機能を失っても、別のリンパ球(CD8陽性Tリンパ球)が失われた機能を肩代わり出来ることが分かった。筑波大の研究グループが発見。1997.3.15《日本経済新聞》

■牛乳の中の特殊タンパク質が感染防止に有効
    「米ニューヨーク血液センターのロバート・ニューラス博士らが医学誌『ネイチ     ャー・メディシン』2月号に発表した。研究はまだ試験管の段階だが、抗エイ     ズ薬などと組み合わせて、コンドームに代わる異性間感染の防止薬を開発する     手掛かりとなると話している。
  博士らは。HIVが人のリンパ細胞に感染するときに、CD4と呼ばれるタ     ンパク質と結合することに着目。感染を防ぐ為、HIVとCD4の結合を邪魔     する物質を探していた。
      牛乳からチーズを作る際に「乳しょう」と呼ばれる液体中のタンパクB69が     CD4と結合しやすいことを突き止めた。試験管内でリンパ細胞にB69を加え、     何も加えないリンパ細胞と比べたら、50~90%の割合で感染を防ぐことが分     かった。1996.1.31《朝日新聞》より」
   

■2.6日で世代交代
    「米国立ロスアラモス研究所、ニューヨーク大学、アボット・ラボラトリーズの     共同研究グ゙ループは、感染細胞から放出されたエイズウイルスが、別の細胞     に感染、増殖して新たなウイルスが放出されてくるまでの世代交代が平均2.6     日で起きていることを数学モデルを使って予測した。エイズウイルスの寿命は     平均1.2日、ウイルスに感染した細部の寿命は2.2日だった。研究成果は米科     学誌『サイエンス』3月15日号に掲載された。」 1996.3.18《日経産業新聞》
   

■ルイボスティ・杜仲茶
    「愛知医科大学と山梨医科大学の協同グループは、ルイボスティと杜仲茶から     エイズウイルスの増殖を抑制する効果のある物質を取り出すことに成功した。     抽出した物質は酸性の多糖体。
  愛知医科大学加齢研究所の中野昌俊講師らは、ルイボスティでお茶を入れた     後に残った葉っぱに水酸化ナトリウムの溶液などを加えて、酸性の多糖体を取     り出した。
      エイズウイルスに感染したヒトの免疫細胞の一種であるT細胞の酸性多糖体     の水溶液を1ml当たり10マイクロgを投与したところ、5日後にエイズウイル     スの増殖を50%抑制したことを確認した。
      杜仲茶からも同様の方法で酸性多糖体を取り出したが、ルイボスティの1/5     以下だった。1996.5.5《日本経済新聞》」
   

■感染に重要な新タンパク発見。
    「HIVが人間の免疫細胞と結合、融合して細胞内に侵入する際に極めて重要な     働きをする免疫細胞上の新タンパク質を発見した、と米国立アレルギー感染症     研究所のエドワード・バーガー博士らが、10日発行の米科学誌サイエンスに     発表した。これまで分からなかった詳しい感染メカニズムを解明し、エイズ治     療に新しい道を開く成果と、期待される。
      発見されたのは、ヘルパーT細胞とと呼ばれる免疫細胞上に有る受容体タン     パク質。HIVは、人間の免疫機構の中心的な役割を担うヘルパーT細胞に感     染、この細胞を破壊して免疫機構を失わせる。
      これまでHIVが同細胞上のCD4と呼ばれるタンパク質を目標に取り付く     ことは分かっていたが、結合・侵入するためには別のタンパク質があるとされ     ていた。
  同博士らは、遺伝子工学の手法を使って新タンパク質を発見。このタンパク     質に対する抗体で“ふた”をした免疫細胞はHIV感染しないことを培養細胞     実験で確認した。
      同博士はこのタンパク質はHIVがヘルパーT細胞に結合し、細胞内に侵入     する際に“結合接着剤”や“先導役”の役目をする、と説明している。
  長い間発症しない感染者の秘密はエイズ研究上の大きなナゾだったが、バー     ガー博士はこのタンパク質の関係があると見ている。1996.5.10《日本経済新聞》」
   

■新タンパク質発見。
    「米国の研究グループがHIV(エイズウイルス)感染のカギを握る新タンパク質を見つ     けた。HIVが免疫細胞であるマクロファージに侵入す際の手助けをするタン     パク質で、HIV感染に関係している
      重要なタンパク質はすべて出そろったことになる。新しいエイズ治療薬やワ     クチン開発にも役立ちそうだ。
      見つかったのは『CC CKR5』と呼ばれるタンパク質。米国立アレルギ     ー感染症研究所、ロックフェラー大学、ニューヨーク大学医療センターをそれ     ぞれ中心とする3つの別々の研究グループが特定した。成果は20日付け英ネ     イチャー誌と21日付け米サイエンス誌に掲載される。
      HIVは免疫細胞であるT細胞やマクロファージの表面にある『CD4』と     いうタンパク質に結合した後、細胞内に侵入する。これを助ける別のタンパク     質の存在が10年前から予想されていたが、マクロファージについてはこれま     で確認されていなかった。
      T細胞へのHIV侵入を助けるタンパク質は、米国立アレルギー感染症研究     所のグループが今春『フュージン』というタンパク質を発見している。
      今回見つかった『CC CKR5』は「βケモカイン」というタンパク質と     結合する性質があり、血液中のβケモカイン濃度が高い人はHIVに感染しに     くいというこれまでの研究結果とも合致するという。
      今後のエイズ研究は『フュージン』や『CC CKR5』がHIVの侵入を     どのように助けているかという分子レベルでのメカニズム解明へと移る。        1996.6.20《日本経済新聞》」

■サルのエイズウイルス抑制
    「米バイオ企業のギリアード・サイエンセズ社と米国立衛生研究所(NIH)、ワシントン大学の共     同研究グループは、ギリアード社が合成した核酸系物質『PMPA』がサルのエ     イズウイルスの増殖を抑制することを確認した。
   ウイルスに感染して少なくとも19週間たったサルに毎日、PMPAを体重     1kg当たり30mg注射したところ、4週間でウイルスの数は99%以上減     少した。副作用は認められなかったという。1996.6.6《日経産業新聞》」

■発症抑制に有望な薬
    「名古屋大学医学部の藤井陽一講師らの研究グループは5日、エイズの発症抑制に     有望な新タイプの薬を発見したと発表した。
研究グループが着目したのは、T細胞と呼ばれるリンパ球がHIVに感染した     際に表面に現れる『Nef』というタンパク質。HIV感染リンパ球に正常な     リンパ球が近づくと、このタンパク質の働きで両者が結びつき、正常なリンパ     球を“死滅”させてしまうことを解明した。
さらに脳出血の治療薬である『塩酸ファスジル』という薬剤を投与すると、     Nefの働きを妨害する事が出来、正常なリンパ球の自滅を食い止められるこ     とを突き止めた。
      試験管による比較試験では、塩酸ファスジルを入れない場合、正常なリンパ     球は半日でほぼ100%死滅したが、投与すると死滅はほとんど起こらなかっ     た。加えて、HIVの増殖抑制効果があることも判明、その効果はAZTやD     DIとほぼ同じという。1996.6.6《日本経済新聞》」
   

■エイズ感染防ぐ遺伝子変異
    「白人の100人に1人が、エイズ感染を防ぐ遺伝子変異を持っていることを、     米ペンシルベニア大のロバート・ドームズ博士、アーロン・ダイヤモンド・エイズ研究センターのネ     ーサン・ランダウ博士らのグループが突き止めた。エイズ感染を防ぐ遺伝子変異     の発見は初めてで、エイズ予防薬の開発に道を開く可能性が出てきた。英科学     誌ネイチャー8月22日号に掲載される。
      同グループによると、この変異を持っているのは白人だけで、黒人や日本人か     らは見つかっていない。
      エイズウイルス(HIV)は人間に感染する際、白血球の表面のある種のタンパ     ク質を標的にする。変異が見つかったのはこの内の1つ、『CKR5』と呼ば     れるタンパク質を作る遺伝子。遺伝子の一部に変異がある為、正常にCKR5     を作れず、HIVの標的にならないことが分かった。変異を持つ人は、エイズ     感染に対する抵抗性が極めて高い、という。1996.8.9《日本経済新聞》」

■エイズのリンパ球破壊手口
「エイズの大きなナゾはリンパ球の大幅な減少です。リンパ球が減る免疫力が弱     まるので、細菌やウイルスが体内で大暴れし、ガンも出来やすくなります。
これまでの研究で、エイズウイルスはある種のリンパ球に感染、どんどんウ     イルスを作って最終的には感染したリンパ球を死なせることが分かっていま      す。しかし、感染リンパ球が死ぬだけではエイズになるほどの減少は起きませ     ん。
      研究者は感染リンパ球が正常なリンパ球を何らかの方法で殺しているとにら     んでいます。その1つが感染リンパ球が毒を作ると考える「毒殺説」ですが、     まだ研究中です。
名古屋大のグループが明らかにしたのは、もっと巧妙な殺しの手口でした。     まず感染リンパ球の表面に「Nef」と呼ぶ特殊なタンパク質が現れ、これが     介在して正常なリンパ球と結びつきます。そして「死になさい」という信号を     相手に送るのです。
      一般に細胞には自殺プログラムが組み込まれていて、細胞が役割を終えると     プログラムが発動して死にますが、これを強制的に起こす訳です。
Nefタンパク質が正常リンパ球とくっつくのを邪魔する物質も見つかりま     した。この物質を与えると正常リンパ球が死なない上、ウイルス増殖も抑制さ     れることが分かりました。
研究グループは感染リンパ球がNefタンパク質を介して殺しの指令を送る     他、ウイルス生産の為のエネルギーを同時に吸い取っているとみています。      1996.6.23《日本経済新聞》」

■BCG利用エイズワクチン
    「結核予防ワクチンのBCGを利用して開発したエイズワクチンで猿の感染を防     止出来ることを日本の国立予防衛生研究所の本多三男・エイズ予防治療室長ら     が確かめ、10日、第11回国際エイズ会議で発表した。
世界のエイズワクチン研究の中でも今後臨床応用への期待が持てる成果で、     会議でも高い関心を集め、国連のエイズプログラムの責任者は研究を支援する     方針を決めた。
本多室長らは、BCGに使われる菌体に、遺伝子工学の手法を使って人間の  エイズワクチンの表面タンパク質の一部を組み込んだワクチンを2匹の猿に接 種。約半年後に、HIVと猿のエイズウイルス(SIV)の性質を合わせ持つキメラウ     イルスを感染必要量の20倍を注射し、感染の有無を調べた。
      その結果、1匹は血中ウイルスが完全に消え、もう1匹はわずかにウイルス  が残っていたが、感染を食い止めたことを確認した。
専門家によると、猿の実験でこのようにほぼ完全な感染防止効果が確認出来     た例は少ない。本多室長は、ワクチン接種により、エイズウイルスと闘う主力である     T細胞だけでなく、マクロファージと呼ばれる免疫細胞の免疫力を高めた為、     と見ている。
研究グループは、さらに研究を続けて人間への臨床応用を始める計画。       1996.7.11《日本経済新聞》」
   

■リンパ球の「自殺」防ぐ
    「名古屋大学医学部を中心とする研究グループはHIV感染によるリンパ球の減     少を食い止める新治療薬の開発を進めている。
リンパ球はHIVの侵入を受けると最終的には破壊されるが、直接感染しな     いリンパ球も激減する。研究グループは、非感染リンパ球が感染リンパ球によ     って破壊される仕組みを解明、それを阻止する薬も見つけた。現在、動物実験     が国立予防衛生研究所などで進んでおり、臨床試験の検討も始まった。
研究グループが着目したのはHIV感染リンパ球の表面に現れる「Nef」     というタンパク質。
これまでの研究で非感染リンパ球にはNefの相方となるタンパク質(レセプ     ター)が細胞表面にあり、両者が結びつくことが分かった。そして、この結合     を介してHIV感染リンパ球から非感染リンパ球に自滅を促す指令が送られる     ことを明らかにした。
一般に細胞にはアポトーシスと呼ばれる自殺のプログラムが組み込まれてい     て、細胞が役割を終えるとプログラムが発動して死ぬ。HIVはこの仕組みを     流用したと考えられる。さらにこうした指令を送ると同時に、ウイルス増殖に     必要なエネルギーを非感染リンパ球から吸収していると見られている。
脳出血の治療薬である塩酸ファスジルがこうした感染リンパ球と非感染リン     パ球の結合を邪魔sる働きがあることも分かった。すでに試 験管実験で治療     効果を確認、予研はマウスを使った動物実験を進めている。サルの実験も準備     中だ。徳島大学医学部などではアポトーシスを引き起こすメカニズムの研究に     取り組んでいる。臨床実験では、国内では感染者が少ないことなどから、米国     やタイ、アフリカなどで実施を検討中。
研究成果はカナダで開かれた国際エイズ会議で海外の研究者の注目         を集め、HIVの発見者であるフランスのモンタニエ博士も関心を示している     という。
従来、長期未発症のHIV感染者の中にはNefタンパク質が欠けている人     が多いことが知られ、エイズ発症との理由はよく分かっていなかった。今回ア     ポトーシスによるリンパ球破壊の仕組みは、こうした臨床データを十分説明出     来る可能性がある。1996.11.10《日経産業新聞》
   

■「3剤併用」で回復
    「12月1日は世界エイズ。9回目の今年、エイズウイルス(HIV)感染者は、     希望を持ってこの日を迎えられそうだ。7月の国際会議で話題になった新薬を     組み合わせた「3剤併用療法」が米国で実用化され、その後出た「第三の新薬」     も加わって劇的な効果をあげている。日本でも未承認の新薬がこの夏から治験     の形で使われ、「症状の進んだ感染者でも免疫が回復する」と専門家らは驚く。     課題はあるが、「死の病」に小さいが確実な希望の灯りがともった。
 死の手前で!!「今、2つ目の人生を生きているようなものです」。ワシン     トンのエイズウイルス感染者支援団体「エイズ・アクション」で、ボランチア     をしているジェフ・ブルームさん(37)はいう。
  感染を知らされたのは9年前。4年後の1991年、突然、足が硬直した。     下半身の神経が侵され出し、次第に症状は悪化。2年後にはトイレに1日60     回も行くようになり、下半身の激痛は1日中続いた。ついには歩けなくなった。
そんなとき、ジョンズ・ホプキンス大学から治験の申し出があった。症状が飛     躍的に改善したのは昨年、「3剤併用療法」が始まってから。第一世代のエイ     ズ薬のAZTと3TCに第二世代のプロテアーゼ阻害剤を加えるこの療法は、     7月にカナダであった国際エイズ会議でも報告され、話題になった。
      血液1ml中のウイルスは88000個から520個に減少し、歩けるよう     になった。「3年前は1、2年も生きられるかどうかと思っていた。今は働く     ことも出来るし、生活を楽しめる」
  悩みは薬代だ。いま飲んでいる薬は、年間12000~15000ドル(日     本円で薬140万~170万円)。ほかの薬を含め2万ドルにのぼる。
 第三の新薬。
      米国では6月、非酵素系逆転写酵素阻害剤という新種の治療薬も承認された。     こらまでの薬と違って大量に飲め、ウイルスに大きな打撃を与えることが出来     る。第一世代の薬と併用して感染者の約7割でウイルスがほとんど消えたとい     う。
日本では第一世代の3剤しか承認されておらず、プロテアーゼ阻害剤などの新     薬は承認申請中だ。だが、受けられる条件を緩めた拡大治験の形、この夏から     希望者は全国の拠点病院でこれらに新薬による治療が受けられるようになっ      た。
9月に広島代付属病院を訪れたある男性は,ウイルスは血液ml当たり23     万個、免疫力の目安CD4値は78と発病してもおかしくない状態だった。3     剤併用療法を始めると、2週間後にウイルスは検出出来なくなり、CD4も2     00を超えた。
      担当した同病院輸血部の高田昇・副部長は「戦後、結核が抗生物質で治療出     来るようになったぐらいの衝撃」と評価する。
白阪琢磨第五内科医長によると、米国では、死ぬのを待つしかないエイズ末期  の脳症が治った例もあるという。厚生省の「HIV感染症治療薬の開発促進に     係る研究」班長、福武勝幸・東京医科大教授(臨床病理学)は「1年程度の中期     的な臨床結果で生存率は明らかに上がっている」という。1996.11.30《朝日新     聞》
   

■投薬の常識を覆す新手法
    「従来の治療が効かないエイズウイルス(HIV)感染者に、プロテアーゼ阻害     剤という新種の薬2剤を使う方法が今月初旬の日本エイズ学会で発表された。     一方が他方の体内濃度を上げる作用があり、医薬の常識ではむしろ避けなけれ     ばならない組み合わせ。
ここ1、2年、逆転写酵素阻害剤と呼ばれる従来の薬2剤とプロテアーゼ阻     害剤を使う3剤併用療法が、各国のエイズによる死者を減らす効果を上げてい     る。だが、すでに逆転写酵素阻害剤だけを、長期間使い、薬に耐性を持つウイ     ルスが増えている人には効果が低いことが問題だった。
そこで、米国やカナダなどで、サキナビルとリトナビルというプロテアーゼ     阻害剤を併用する新療法が試されている。臨床試験では3剤併用療法と同程度     の効果があるという。
『プロテアーゼ阻害剤』は、タンパク質を切るHIVの酵素にとりつき、そ     の働きを抑える。国内では今年3剤が承認された。サキナビルは試験管内では     ウイルスを良く抑えるが、体内への吸収が悪い上、肝臓で分解されてしまうた     め、飲んでも血液中の濃度が上がらず、効き目が低いのが欠点だった。リトナ     ビルには薬を分解する酵素の働きを邪魔する性質があり、サキナビルが壊され     るのを防ぐ。併用すると、血液中のサキナビルの濃度を平均で薬100倍に上     げるという。1997.12.19《朝日新聞》
   

■発症を抑制する遺伝子発見
    「京都大学医学部の本庶祐教授と田代啓助手は20日、エイズを発症しにくい遺     伝子を持つ人がいることを見つけたと発表した。免疫力を高めるタンパク質の     遺伝子が違うとエイズウイルス(HIV)に感染しても発病が遅くなるという。     同じような発見は世界で3番目。発症を抑える薬の開発につながると期待され     ている。
研究は米国のエイズ患者2800人の調査から明らかになった。血液を採り、     免疫細胞の1つであるT細胞の働きに関わる『SDF-1』というタンパク質を     調べた。SDF-1はHIVの感染を抑える効果が分かっており、エイズの発     病にも関係するとして注目されていた。
その結果、タンパク質の設計図である遺伝子DNA(デオキシリボ核酸)の     801番目の塩基に違いが見つかった。その塩基がA(アデニン)のタイプの感染     者はG(グアニン)の人に比べて発症が遅かったという。Aタイプで7年以内     に発病したのは僅か2%だった。
詳しい仕組みは分からないが、Aタイプの人の方が体内でSDF-1がたく     さん作られ、HIVがT細胞に感染しにくくなっているのではないかと言う。
同じようにエイズの発病を遅らせる遺伝子は米国立がん研究所のチームが      『CCR5』を見つけているが、それに比べて発症を抑える効果は約3倍ある     という。」1998.5.21《日経産業新聞》
   

■カクテル療法継続で激減するウイルス量
      7~8割の感染者に効果
    「10年前にHIV陽性と診断された東京都のAさん(30)は、様々な坑HIV薬を次     々と飲んできた。AZT、ddI、ddC。効果はそれほど上がらず、免疫力は低下す     るばかり。95年にはカリニ肺炎を患った。
「当時は“1年単位”でしか、ものを考えられなかった。薬を飲んでも病状の進     行を抑えるだけ。あと命は何年だろうか--------」
そのAさんが、昨年から『カクテル療法(多剤併用療法)』を始めた。免疫力     を示し、通常[1000以上]あるCDリンパ球数が、初めて自己最低の[12]から     [99]に上がった。今は[100]を目指す。「ウイルスの量も、測定できないまでに     下げることが目標です」
エイズは、HIV感染した結果、免疫が機能しなくなり、普段なら罹らない     日和見感染症を次々起こす病気だ。
「何も治療しないと、平均10年でほぼ全員が発症する」と、東京新宿区の国立     国際医療センター病院エイズ治療・研究開発センターの岡慎一臨床研究間髪部     長は話す。
エイズは、ウイルス量を減らせば、病気の進行を遅らすことが出来る。ウイ     ルスの増殖を抑えるため、逆転写酵素阻害剤は、細胞に侵入したHIVが遺伝     情報を転写するのを防ぎ、96年に登場したプロテアーゼ阻害剤は、HIVを組     立るタンパク質を作らないように働く。カクテル療法は、この2種類の薬を組     み合わせて3剤以上で治療する方法だ。「劇的に効果を上げた」と岡部長は評     価する。
アメリカではエイズが93年に25~45歳代の死因の1位になり、その後死     者は増加の一途をたどった。95年は過去最高の50000人に達したが、カクテ     ル療法の導入で、97年は20000人を割った。日本での使用は同年からだ。
岡部長によると、初めての治療であれば、カクテル療法で7、8割の人のウ     イルス量が検出限度以下に落ちる。「ウイルス量が減れば、CD4は平均200ほ     ど増える。治療前[50]だった人も[250]になれば、[200以下]で始まる日和見     感染に罹らなくなる」。実際、日和見感染になる患者が、従来の1/3~1/5に     減少した。
ところが、効果の著しいカクテル療法も万能ではない。服薬をやめると2週     間でウイルス量は治療前の状態に戻り、再び猛烈な速度で増え始める。
「エイズの薬は、一度始めたら途中で止められない。薬にウイルスが耐性を持つ     問題もあり、病気への理解無しには実施出来ない」と同センターの石原美和看     護支援調整官は語る。
プロテアーゼ阻害剤のカプセルは普通の薬より一回り大きい。血中濃度を安     定させるために、1日5回、計20錠を服薬している人もいる。
腎結石などの副作用も
    「副作用も大きい。Aさんが使うプロテアーゼ阻害剤のインジナビルは、服用者     の3割に腎結石ができ、1割は腰痛と血尿で服薬を中止するほど。同阻害剤全     般の傾向として、手足の脂肪が腹部に移動したり、中性脂肪や尿酸値が増えた     りする。
このため、同センターは、十分な服薬指導に力を入れている。病気や薬の内     容、緊急時連絡先などが記された「患者ノート」を初診時に渡す。1998.12.2《読     売新聞》
   

■インターロイキン2(IL2)
     「インターロイキン2(IL2)とエイズ治療薬を併用すると、治療薬だけでは     消せなかったHIV感染細胞を体内から除去出来る可能性がある1998.12.4.《朝     日新聞》
   

■エイズウイルス---------体内寿命60年説
     「米ジョンズ・ホブキンズ大の研究チームは26日、人間の体内に侵入したエ     イズウイルスは強力な薬で抑え込んでも、60年も生き続けるらしい、との研     究成果を発表した。
エイズ治療では、3種類以上の薬剤を同時に使う「カクテル療法」が劇的な     効果を示している。ただ、エイズウイルス自体が破壊された訳ではなく、免疫     記憶細胞と呼ばれる細胞に潜んでいるらしい。研究チームはこの免疫記憶細胞     の寿命を計算した。その結果、寿命は約60年で、この間はウイルスも生き続     ける可能性があることが分かったと言う。この予測が正しければ、カクテル療     法でもエイズの根治は期待できない。研究チームは「今後は免疫記憶細胞にこ     もったウイルスを根絶する方法を見付けなければならない」と話している。      
■初期感染防ぐ抗体
「化学及び血清療法研究所(熊本市)は新型の抗エイズ薬につながる抗体(タンパク質の一種)を開発した。抗体がエイズウイルスの表面を覆うタンパク質に作用、ウイルスが免疫細胞に進入できないようにして、感染を初期段階で抑える効果が期待できる。
エイズウイルスが血液中の免疫細胞に侵入すると、細胞内でウイルスの遺伝子を複製したり、ウイルスを形作るタンパク質の合成を繰り返して増殖。この過程で細胞が破壊され、免疫機能が低下して発病する。
化血研は今回開発した抗体『RC25』はウイルス表面のタンパク質『gp120』と反応。免疫細胞と結合するのに不可欠なgp120の機能を奪うことで、細胞内へのウイルス侵入を未然に防ぐ。
サルを使った動物実験では、RC25を事前に投与したところ、完全にエイズ感染を防いだ。」199.6.15《日経産業新聞》

■起源
「HIVはサルの免疫不全ウイルス(SIV)が起源とされているが、京都大ウイルス研究所の速水正憲教授のグループは、SIVが異なる種のサル間での感染や遺伝子の組み替えを通じて進化したことを遺伝子解析の手法を使って明らかにした。
速水教授らは、中央アフリカのカメルーンで捕獲されたマンドリルからSIVを分離。その全遺伝子を解析して、これまで5つのタイプが知られている他の霊長類のSIVと比較した。
その結果、このマンドリルのSIV遺伝子には
①ヒトやチンパンジーと同じ、
②以前ガボンで分離された同じマンドリルの系統
③全く新しい独自のもの------と由来の異なる3タイプの遺伝子断片がモザイク状につながっていることが分かった。これは、過去に霊長類で複数の種間感染が起こり、遺伝子の組み替えが繰り返されていたことを示す」

■患者・感染者とも最多
「昨年1年間に厚生省に報告があったエイズウイルス(HIV)感染者は530人、エイズ患者は300人でともに過去最高だったことが27日、同省エイズ同行委員会のまとめで分かった。
日本人男性の伸びが著しくともに7割以上を占めた。一方、保健所でHIV抗体検査を受けた人は減っている」2000.6.28《日本経済新聞》

■細胞死の仕組み解明
「東京医科歯科大学と米ブラッドストーン研究所のグループはエイズウイルス(HIV)が感染した免疫細胞はなかなか死なず、周囲の細胞に細胞死(アポトーシス)が起きるメカニズムを解明した。感染細胞ではHIVが作り出すタンパク質が細胞死を誘発する別のタンパク質に作用して一時的に細胞死を抑制していることを突き止めた。今後、この抑制作用を妨げる薬を開発できれば、HIV治療に大きく近づく。
成果はネイチャー4月12日号に発表した。HIVは人間の免疫細胞であるT細胞の表面にあるタンパク質(CD4)とくっつき細胞に感染する。その後、周囲の免疫細胞を攻撃、細胞死を引き起こして免疫不全をもたらす。
この際、大きな働きをするのが、、HIVの働きで作られる『Nef』というタンパク質。このタンパク質の作用で細胞死を引き起こす『Fasリガンド』というタンパク質ができ、周囲の未満船免疫細胞に細胞死を発生させているという。ただ、感染細胞自身にもFasリガンドはあるが、細胞死を一時的に免れ、HIVが体内で増殖している。
一條秀東京医科歯科大享受、武田弘資助手らは、HIVの感染したT細胞が死に至らない仕組みの解明に取り組んだ。その結果、Nsfが感染細胞内で細胞死誘導タンパク質の「ASK1」と結合することを突き止めた。これにより、ASK1がFasリガンドなどと相互作用することを阻害し、細胞死の発生を抑えていることが分かった。
NefとASK1の結合はこのほか、免疫細胞の一種であるマクロファージにも影響を与える。マクロファージが「TNF」という細胞死誘導タンパク質を塚って感染T細胞を攻撃するときも有効に作用し、T細胞が生き延びているという。」2001.4.12《日経産業新聞》
◎参考:エイズ予防財団:0120-177-812
http://www.aidscamp.com/

■ワクチン
「国立感染症研究所とタイの科学者らの研究グループが開発したエイズワクチンの有効性がサルを使った実験で確認された。」2002.5.28《日本経済新聞》

■免疫:AID酵素は線維芽細胞にクラススイッチ組換えを誘導する
IgMからIgG、IgE、IgAという免疫グロブリンアイソタイプの転換は、クラススイッチ組換え(CSR)によって媒介されている。CSRは、免疫グロブリンH鎖の定常領域(CH)遺伝子をCmから他のCH遺伝子のひとつに変化させる。体細胞突然変異は、免疫グロブリン可変(V)領域遺伝子に点突然変異を大量に導入し、高親和性の免疫グロブリンを生み出す。RNAを編集するシチジン脱アミノ化酵素と考えられる活性化誘導型シチジン脱アミノ化酵素(AID)は、活性化B細胞に限って発現され、CSRと体細胞突然変異の両方に必須の酵素である。しかし、AIDの正確な機能は不明である。本論文では、線維芽細胞でAIDを異所的に発現させることによって、人工的に設計した基質上でのクラススイッチが活性化 B細胞と同程度に誘導されることを示す。この人工基質の組換え部位周辺のDNA配列は、内在性のCSR連結部位の特徴を備えている。さらに線維芽細胞においてAIDによって誘導されたCSRは、B細胞の本来のCSRに見られるように、標的S領域の転写に依存している。これらの結果は、AIDが活性化された遺伝子座のCSR開始に必要な唯一のB細胞特異的因子であることを示している。 Nature 416, 340 - 345 (2002)
   

■HIVの巧妙な武器
HIV感染患者では、CD4表面抗原を発現するヘルパーT細胞が、免疫系の衰弱につれて次第に血中から姿を消す。
米国立衛生研究所のD Doeckたちは、技術的に非常にむずかしい一連の実験を行って、HIVがHIV特異的CD4+T細胞に優先的に感染することを明らかにした。HIVとしては、このように適応進化することによって自己に対する特異的免疫応答を選択的に無効にできるようになり、本来は免疫力のある宿主に持続感染することが可能になる。
この発見によって、現在いくつかの臨床試験が対象になっている「計画的な治療中断」すなわち「休薬日」を設ける治療戦略に対する疑問が生じる。つまり、HIV特異的CD4+細胞を増加させることをねらったワクチン戦略は、単にHIVに感染した細胞を増やすだけという可能性がでてきたのである。 Nature417,2May2002

■抗エイズ薬、重大な副作用でず
「塩野義製薬と英系製薬のグラクソ・スミスクライン(東京・渋谷)は10日、港エイズ薬『S-1360』の臨床試験で、健常者に対する投与では重大な副作用が出なかったと発表した。
エイズウイルスの増殖にはインテグレースと逆転写酵素、プロテアーゼという3種類の酵素が関係していると言われている。開発中の抗エイズ薬は既存治療薬では効果がないインテグレースの働きを阻害する。
今回の臨床では24人の健常者に対し1日2回投与した」2002.7.11《日経産業新聞》

■HIVの増殖を防ぐタンパク質
「米ロックフェラー大学のリンキ・ジャン研究員らのグループが、エイズウイルス(HIV)が人体内で増えるのを防ぐ血液中の特殊なタンパク質を突きとめた。
HIV感染者のなかには、いつまでもエイズの症状が現れない人がいる。免疫細胞の一種(CD8陽性T細胞)が特殊なタンパク質を分泌し、HIVの増殖を抑え込んでいるとみられていたが正体が分からなかった。
ジャン研究員らはこの因子の正体が「αディフェンシス」と呼ばれている既知のタンパク質と同じであることを解明した。人工合成したαディフェンシスは、培養した細胞の中でHIVが増えるのを防いだ。2002.9.27《日本経済新聞》

■増殖抑制に成功
「千葉工業大学と日本赤十字社のグループは「RNA干渉」という新しい遺伝子抑制技術を使い、エイズウイルス(HIV)の細胞感染・増殖を防ぐ基礎実験に成功した。
まずヒトの培養ガン細胞などで実験した。HIVの構造を形作る様々なタンパク質の遺伝子と同じ配列を持つ2本鎖RNAを使って細胞に導入、ウイルスの抑制効果を比較。ウイルスが細胞に入り込む際に使う[env]という遺伝子を標的にした人工RNAが、ウイルスタンパク質の増殖を99%という高い比率で抑えることが分かった。
この人工RNAはHIV感染の実際の標的となるヒトのリンパ球細胞を使った実験でも同様の効果を示した。2002.11.19《日経産業新聞》

■国内で、別タイプを確認
「世界で流行しているエイズウイルス(HIV)とは異なるタイプのウイルスが国内で初めて遺伝学的に確認された。
現在主流になっているタイプ「1型」より感染力・病原性は弱い「2型」で1型が変異したとみられている。現在のHIV検査方法は1型と2型の両方を検出できる。2003.3.5《日本経済新聞》

■母子感染・・・1/3が死亡
「母親からエイズウイルス(HIV)に感染した子供の1/3が死亡、発症例を合わせると半数以上に達することが厚生労働省研究班の調査でわかった。
一方、妊娠中に母親のHIV感染が判明しても適切な処置を行えば母子感染を予防できる。
また、感染女性が通常の経膣分娩では29.4%が感染したが、帝王切開では1.6%が感染したにすぎなかった」2003.4.13《日本経済新聞》
   

■母子感染11人
「妊娠中に適切な措置を執ればエイズウイルス(HIV)の母子感染を防げるようになったにもかかわらず、防止策が確立した1996年以降も対策を取らなかった母親から生まれた11人の赤ちゃんが感染、うち7人が死亡するかエイズを発症したことが、厚生労働省研究班の調査で判明。防止策を実施しなかったのは、母親が妊娠初期にHIV抗体検査を受けなかったために感染に気づかなかったことが原因と見られ、研究班の戸谷良造・国立名古屋病院第1産科医長は「公的補助制度を充実し全妊婦が検査できるようにすべきだ」と訴えている。
研究班は、全国の産婦人科約1600施設と小児科3300施設を対象に実施。約半数の施設から回答を得た。小児科の調査によると、母に複数の抗HIV薬を投与し帝王切開で出産後、子にも同薬を飲ませる感染防止策が確率した1996年以降では、この方法で出産した86人からは1人も母子感染が起きていなかった。しかし、この方法をとらなかった50人のうち11人が母子感染していた。」2003.10.12《日本経済新聞》

■漢方薬
新華社電によると、中国で漢方のエイズ治療薬の研究が進んでいる。すでに『複方SH』と名付けられた漢方薬がタイの市場で売られているほか、さらにいくつかの製品が現在臨床試験段階にあるという。
複方SHは中国科学院昆明植物研究所が開発、エイズのカクテル療法に似た作用を備えており、タイで新薬としての認可を取得したという。
「唐草片」という薬は正式に臨書実験に使われた最初の漢方エイズ治療薬で、免疫力を向上させ、エイズ再発を効果的に抑制するという。
「豊研2号」は国家重点難関攻略プロジェクトの一環で中国中医研究院が開発した。
また河南中医学院が開発した国家エイズ無料治療薬の一種は、複数の薬品の混合により発生する副作用を除くという。2005.10.6《産業》

■発症しにくい
熊本大学のエイズ学研究センターと国立国際医療センターの研究グループは、日本人の中にエイズを発症しにくい体質の人がいることを突き止めた。免疫細胞がエイズウイルス(HIV)に感染した白血球を効率よく排除して、HIVが体内で増殖しないような体質という。
熊本大の滝口雅文きょうじゅたは国立国際医療センターを受診したHIV感染者約300人の血液を調べた。HIVに感染して20年以上治療を受けなくてもエイズを発症せず、ウイルス量も非常に少ない患者が3人いることが分かった。
この3人の患者では白血球が『B51』という型で、HIVに感染した白血球をよく認識して排除する細胞傷害性T細胞(CTL)という免疫細胞を持っていることが分かった。
B51型の白血球を持つ日本人は全体の約15%を占める。200061/23《日経》

■1万人
2005年度に、患者累計が1万人の大台を突破。新たに感染が判明するのは20代、30代が圧倒的に多い。3種類以上の坑ウイルス薬を組み合わせる多剤療法が標準治療だが、ウイルスの増殖を抑え込むだけで病気が治るわけではない。このため、一生飲み続けなければならない。薬代は年間200~300万円で、40年間飲むと医療費は1人1億円になる。

■ヘルパーT細胞
「米カリフォルニア大学ロサンゼルス校のグループは、あらゆる組織や臓器に成長させられる人間の『胚性幹細胞(ES細胞)』から、体内で免疫機構の司令塔役になる『ヘルパーT細胞』を作ることに成功した。
まず人間のES細胞を、マウスの骨髄から採取した支持細胞の上で培養し、造血幹細胞という免疫細胞を作り出すもととなる細胞に成長させた。次に、マウス体内に埋め込まれた人間の『胸腺』という組織を植え付けると、造血幹細胞からヘルパーT細胞を作り出すことができたという。
ヘルパーT細胞は体内に侵入した異物を認識し、攻撃役となる別の免疫細胞を活性化させる。エイズウイルスは人間の体内ではヘルパーT細胞に感染して破壊し、免疫機能を低下させることから、今回の成果をエイズ治療に活用できる可能性がある」20067/6《産業》

■多剤耐性エイズ
「既存の薬が無効の多剤耐性エイズウイルスにも高い効果を示す坑HIV薬『ダルナビル』を、満屋祐明・熊本大学教授と米パヂュー大学のアラン・ゴーシュ教授らの研究チームは2006年8/14までにFDA(米食品医薬品局)が治療薬として承認した。
臨床試験の結果は8/13からカナダで開かれている国際エイズ会議で発表。
「ダルナビル」は、エイズ治療に広く使われているプロテアーゼ阻害剤(PI)の一種。ゴーシュ教授が合成し、満屋教授が生体内での効果を確認。
プロテアーゼはHIVに含まれる酵素で、HIVの増殖に必要なタンパク質を切断するハサミの役割を持っている。プロテアーゼ阻害剤は酵素に付着してハサミを切れなくし、HIVの増殖を止める。
既存のプロテアーゼ阻害剤は、酵素の成分であるアミノ酸の末端に結合する性質があり、HIVの遺伝子が変異してアミノ酸が変わると効果を発揮出来ない弱点があった。これに対しダルナビルは、アミノ酸が変わっても影響ない場所に結合するため耐性ができにくい。
FDAは約半年のスピード承認。薬はベルギーのティボック社が製品化した。
満屋教授は世界初の坑HIV薬「AZT」の開発者。2006.8/15《日経》

■いきなりエイズ
   30~50代で病院を訪れ、手遅れ状態「いきなりエイズ」・・・・60%
佐賀県に患者が多い
ねぎし診療所(東京)・・・HIVの診療(内科として)
   

■B型肝炎のくすりが
「米ジョンズ・ホプキンス大学の研究チームは、B型肝炎の薬が薬剤耐性エイズウイルスを出現させている可能性があることを発見した。」20076

■コウジ菌で
「2010年、月桂冠は京都大学と共同で、コウジ菌で抗エイズウイルス作用があるペプチドを合成することに成功した。
生物は元来、遺伝子を設計図としてアミノ酸をつなげ、ペプチドやタンパク質を効率的に作る機能を持つ。この機能を活用して人工的に合成した遺伝子をコウジ菌の中に送り、HIVの増殖を防ぐペプチドを作れることを確認した。」

■変異に有効抗体
「2010年、様々なタイプのエイズウイルスの感染や増殖を防ぐ「中和抗体」を見つけたと、米国立衛生研究所などチームがサイエンス(電子版)に発表。



エキノコックス症
(参照→寄生虫病)
■秋田の女性感染
「秋田県保険衛生課は22日、同県下の60代女性がエキノコックス症に感染したと発表した。
エキノコッックスは北海道を中心に感染者が出ている寄生虫で、4月施行の感染症予防法で厚生省への報告対象とされた。同課によると、同法施行以降、北海道以外で感染が報告されたのは初めてだが、過去には20都道府県の70人以上が感染したとする資料もあるという。
エキノコックスはサナダムシの仲間の寄生虫。卵を口にすることで人体に入り、肝臓に寄生する。肝臓障害を起こし、放置すると死亡するという。潜伏期間が長く、5~30年に及ぶ。
同課によると、この女性は6月から腹痛を訴え、病院で診察を受けた。痛みが続くため9月に再受診し、今月13日にエキノコックス症と診断された。この女性は30数年前に5日間北海道旅行をしたという。」1999.10.23《日本経済新聞》


エクボン症候群 Ekbom syndrome
=「restless legs syndrome」
■夕方から膝下に不快感
「先日、同じような年頃の連中が集まった。その中の1人であるY女史(55)が「私はムズムズ脚症候群でお医者さんに通っているんですよ」と言う。「何ですかそれ。聞いたことも見たこともないよ」と言うと、「勉強不足ね」としかられた。そこで早速文献を調べたところ、次のようなことが分かった。
このい症候群はレストレス・レッグ・シンドロームと呼ばれ1960年に米国のエクボン博士が初めて記載した。1997年日本睡眠学会に現状調査の依頼があり、日本でにわかに注目されるようになった。この病気の特徴は、40~60歳の女性に多く見られ、夕方から夜間にかけて膝から足首の部分がムズムズし不快な気分になる。その不快感は皮膚表面ではなく深部の筋や骨に生じている様に監事ら、寝られなくなることもある。そして、膝から足首にかけての下腿をときに擦り合わせると言う。
この病気の臨床検査としては、睡眠ポリグラフ検査や機能性磁気共鳴画像装置(MRI)を利用した検査などがある。ただ、これらの検査を実施するための装置を備えている病院は少なく、確実に診断できる病院はほとんどないともいえる。
この病気の基礎疾患には貧血・尿毒症・妊娠・糖尿病・結核・肝炎・肺炎などの感染、胃切除後の下肢静脈血栓などがあるが大多数は原因不明である。昔はヒステリーや神経衰弱などと考えられていた。ドーパミン作動薬が一時的に有効であるが、夜間下肢運動症などの病気と鑑別する必要があるとされる。日本における患者数は50歳代で約3.5%程度との報告があり、決して少なくない。
このように神経症状を主に訴える病気は、客観性のある一般的な臨床検査が行えず、評価が非常に難しい。(巽典之・大阪市立大学医学部教授)2000.5.1《日本経済新聞》




エコノミークラス症候群
(参照→「肺塞栓」)
=エコノミー症候群
■長時間すわって血栓
「長時間旅客機の座席に座り続けて、足の血管内に血の塊が出来て、それが胚に使って起きるいわゆるエコノミークラス症候群。胸の痛みや呼吸困難になったり、呼吸が止まることもある。血管の内壁が傷ついている人や、血の固まりやすい人が発病しやすいという。専門家は水分補給や足の運動などに注意すれば予防できるとする。
専門家によると、血の塊(血栓)は、機内で内が長い間足を動かさずにいるために血が流れにくくなって起きる。足の膝の裏などにある深部静脈でできる。血栓が血流に乗って肺に到達し、肺の血管で詰まって発症する。このため、肺塞栓症とも言われる。
●成田で年間100件
これまでは太ももを骨折して手術後に病院のベッドで長時間寝たきりに人に見られたのが、旅客機のエコノミークラス利用者などに発症例が目立ち始めた。軽症も含めると成田空港だけで年間100~150件起きているという。
救急医などが設立した日本旅行医学会は「座席の狭いエコノミークラスが危険で他のクラスは安全のような誤解を与える」として、ロングフライト血栓症という呼び名を提案している。長時間非行によって機内の湿度は5~15%程度になる。これだと1時間に約80‹の水分が無意識のうちに体の表面から蒸発する。仮に12時間の飛行ならば1近い水分が体から蒸発することになり、血栓が出来やすくなる。
血栓が出来る恐れがあるのは、過去に血栓の出来た経験のある人や足の血管の内壁が傷ついている人、血の固まりやすい人など。
血管の内壁が傷ついている人は、患部を修復しようと血小板が集まり血の塊が出来やすい。加齢で血管内壁が傷ついてきている中高年のほか、サッカーや格闘技など激しいスポーツをする選手などは注意が必要という。足の骨折直後の人、糖尿病や高脂血症など生活習慣病の患者も血管が傷ついている可能性がある。
血が固まりやすいのは妊婦や経口避妊薬を飲んでいる人。50歳以上の女性も更年期障害でホルモンバランスが崩れているため固まりやすいという。
予防のポイントとして、篠塚医師は「まず、血液の循環を良くすること」と説明する。ベルトなど体を締め付けるものは緩める。足は組まずに血の巡りを妨げないようにする。水はジュースを補給する。ただしアルコールやコーヒーには利尿作用があるので、それ以外のもので水分を補給する。
こまめに足を動かすのも重要だ。座ったまま深呼吸をしながらかかとやつま先を上げ下げする運動を、1時間に1度、3~5分続けると効果的という。
長時間飛行の後、膝の裏側が腫れて痛みを感じたら、着陸しても席を立たずに乗務員を呼ぶのが良いという。体を動かした途端に血栓が肺へ流れる恐れがある。すぐに血管外科や循環器科へ行く。早期発見できれば薬物などで治療できる。飛行中や着陸直後のほか、約1週間後に発症するこもある。」2002.8.27《日本経済新聞》
●発症を予防する7カ条
水分をとる(アルコール・コーヒーは避ける)
1時間ごとに機内の少し離れたトイレに行く。
座席で3~5分間、足の上下運動をする。
ゆったりした衣服を着て、ベルトをゆるめる。
血行が悪くなるので足は組まない。
睡眠薬は使わない。
長いフライトの前後は禁煙する。

■タクシー運転手
「勤務中に肺梗塞で死亡した大阪府門真市の男性タクシー運転手(当時57)に対し、大阪労働局が長時間座り続けたことによるエコノミークラス症候群が原因だったとして労災認定していた。
認定によると、運転手は2000年7月、大阪市淀川区のビル2階の飲食店まで客を呼びにゆき、階段を降りる途中で倒れた。病院に運ばれたが3日後に死亡。死因は肺の血管が詰まる肺梗塞と診断された。
遺族の労災申請を受けた大阪労働局の調べて、運転手は約7時間20分にわたり、ほぼ座り続けて勤務していたことが判明。運転手に血栓が出来る病歴など無いため、大阪労働局はエコノミークラス症候群と判断、2003年7/14日に労災認定した。」2003.8.7《日本経済新聞》

■数ヶ月後もリスク
「2004年10月に発生した新潟県中越地震の際、自家用車で寝泊まりした人は、数ヶ月経過してもエコノミー症候群(肺塞栓症)を起こしやすい状態にあることが2005年7/9、新潟大学などの調査で判明。
当時、車中で避難生活をしていた人で肺塞栓症で死亡している。新潟大学呼吸循環外科の榛沢和彦医師は「非難直後の危険性はかなり知られるようになったが、慢性期の危険も明らかになった」として、車中泊を経験した人の実態把握や検査の必要性を訴えている。
地震直後と2004年11月~12月、2005年2月~3月も3回、主に車中泊経験者を対象に下肢静脈エコー検査を実施。肺塞栓を起こす可能性がある血栓が出来ていた人は、地震直後は約3割だった。
2回目は83人中10人(12%)
3回目は32人中7人(22%)
と2回目より3回目の方が増えていた。健康な人で血栓が出来ている人の割合は0.6%程度なので、非常に高率といえる。
2005年7月現在でも、被災地の外来患者の10~15%に血栓が見つかる。

■東日本大震災
運動不足
水分摂取の不足
津波の打撲によって、血栓ができやすくなる。
震災では、血栓以外に高血圧が増えている。
ストレス→腎臓からの塩分の排泄が悪くなる→循環血液量が増える。

XS-12(血液凝固診断装置)


エチルマロン脳症
=消化器系や循環器、神経系に症状が見られる先天性の代謝異常。
■薬剤
「2010年、イタリアのミラノにあるカルロ・ベスタ神経学研究グループは、「エチルマロン脳症」という子供の先天性の病気の治療に利用できる可能性のある2種類の薬剤の組み合わせを突き止めた。
「メトロニダゾール」と「Nアセチルシステイン」という2つの薬で、マウスやヒ人間の患者に2剤を一緒に投与して効果を検証した。
この病気の原因となる変異を持つマウスでは、寿命が大幅に伸び、
人間の5人の患者でも症状が改善した
目立った副作用は無かった。」


エボラ出血熱
   =エボラウイルスによる熱性伝染病。
   ◎感染経路:経皮感染or飛沫感染。
   ◎潜伏期間:4~16日
   ◎症状:マールブルグに類似。
       致死率が高い。

■免疫を破壊
「エボラのウイルスは、生体のウイルスに対する免疫を破壊して、感染者の体内で増殖することを米マウントサイナイ医大などの研究チームが突き止め、24日付の米科学誌アカデミー紀要に発表した。
インターフェロンは、生体内で作られ、ウイルスの増殖を抑え込む。ところが、エボラ出血熱ウイルスが持つ『VP35』というタンパク質にはインターフェロンが作られるのを妨げ、生体の防御機構をくぐり抜ける働きがあることが、培養細胞を使った実験の結果、分かった」2000.10.25《日本経済新聞》
■ウイスルを1時間で検出
「科学警察研究所と東京大学医科学研究所は、致死性が高く生物テロに使われる恐れも指摘されているエボラウイルスを迅速・簡単に検出できる技術を行動開発した。1時間程度で分かり、検査装置がない現場でも使いやすい。
エボラ出血熱の流行は、現在、アフリカに限られているが、生物テロに使われる可能性があるほか、世界的な流通網や交通網により、他の地域でアウトブレイク(突発的な流行)する可能性も指摘されている。
検出法はまず調べたい資料に含まれているRNAを抽出、試薬などを混ぜて63℃に温める。試料にウイルスが含まれていると、25~30分で目視で確認できるほど白濁する。」2006.1.24《産業》
■ゴリラ
アフリカ・コンゴのゴリラがエボラ出血熱で大量に死亡。




エルシニア感染症
   =「Yersinia感染症」
Yersinia enterocoliticaの経口感染により起きる。
哺乳類・トリ・カエル及び糞による汚染された物質から分離される。
「ブタやウシなどの家畜が保菌し、汚染された食肉や牛乳・水などを通じて経口感染する。発症するのは小児が多く、腹痛や下痢・発熱などを起こす。多くは自然に治るが、まれに敗血症を起こすなど重症化し、死亡するケースもある。感染すると血中に細菌が混入するため、輸血によっても感染する。海外では死亡例が報告されている。5℃以下でも増殖するため、低温保管された血液からも感染する恐れがある。」
◎症状:
1)嘔吐
2)腹痛
3)下痢
4)発熱
5)咽頭痛

◎感染源
ブタ肉などの食肉

◎Yersinia=スイスの細菌学者。
◎エルシニア属:
「Enterobacteriaceae科のグラム陰性、通性嫌気性、桿状~卵形の細菌。
O抗原の存在下に多くの血清型がある。」
   ■輸血で感染?
「関西地方の病院で輸血を受けた60代の女性患者が輸血用血液に含まれていた細菌に感染して死亡していた可能性が高いことが2003年10/3、判明。日本赤十字社を通じ医師から報告を受けた厚生労働省は因果関係を調べ、7日の血液事業部会安全技術調査会に報告する。
厚労省によると、女性は9/22に慢性腎不全で透析を受けていたが、貧血を起こしたため赤血球製剤の輸血を受けたという。その後敗血症によるショック症状を起こし、多臓器不全で9/25に亡くなった。
病院が女性から採取した血液を調べたところ、食中毒菌「エルシニア」と見られる細菌を検出。残っていた輸血用血液からも同じ細菌を検出した。10/2に日赤を通じて厚労省に「輸血による感染の可能性が高い」と報告。
これまで輸血でエルシニアに感染、死亡した例は報告されていない。輸血用血液を介した細菌感染は白血球の除去でほぼ防げるが、日赤は1999年に指摘を受けながら、実施していなかった。日赤は保管検体の検査など因果関係を調べるとともに、同じ献血血液から分離した血漿の使用を停止した。」2003.10.4《日本経済新聞》




エンテロウイルス感染症
⇒発疹を伴う感染症。
◎症状:
発熱:
 無菌性髄膜炎を伴うことが多い。
発疹:
  斑丘疹性、深紅色~鮮紅色
  孤立性で色素沈着
  落屑をみるのは稀。
■64タイプ
「三菱化学ビーシーエルは夏場に用事に流行する「手足口病」や脳炎など様々な疾病の原因である「エンテロウイルス」の早期診断法を確立した。遺伝子の塩基配列を分析。60種類以上ある同ウイルスの血清型のうち、どのタイプに感染しているかを4~10日程度で正確に判定する。
エンテロウイルスには64種類の血清型が確認されており、型によって手足口病、ヘルパンギーナ、髄膜炎、脳炎など様々な疾病を引き起こす。国内で最も臨床例が多い感染症ウイルスで、海外では脳炎による死亡例も出ている。従来の分離培養方法では培養に1ヶ月以上かかるほか、培養しても型の判定が困難なケースが多かった。
具体的には、患者の検体内のウイルスから遺伝子を取り出し、「PCR法」と呼ぶ増幅法で特定の遺伝子を増やしたうえで、塩基配列を解析する。
早期治療が可能になるほか、血清型熱の治療法確立にも役立つ。エンテロウイルスと同じウイルス科で、101種類の型を持つライノウイルスにも対応できる。」2003.8.22《日経産業新聞》


エンドゼピン混迷
=「反復性混迷」→参照「傾眠症」
 

栄養失調症
(参照→「蛋白-エネルギー栄養障害」)
    dystrophy
◎栄養状態が悪いかどうかの臨床検査:(メルクマニュアル第17版p15)
ヘマトクリット、ヘモグロビン、RBC、赤血球に関する指標、WBC、リンパ球、及び白血球分類百分率を含む全血球計算値。
 

アルブミン、グロブリン、プレアルブミン、トランスフェリン、及びレチノール結合タンパクを含む血漿タンパク。
 

血漿窒素。BUN、クレアチニン、尿酸。
 

総コレステロール、トリグリセリド、LDLコレステロール、及びHDLコレステロールを含む血漿脂質。
 

血漿電解質:
Na+、K+、Cl-、HCO32-、Mg2+、Ca2+、HPO42-。
 

ビタミンおよびビタミン依存物質:
血漿中のビタミンA、ビタミンE、25(OH)D3、ビタミンK、ビタミンC、葉酸、及びビタミンB12
尿中のチアミン、リボフラビン、及びN1-メチルニコチンアミド
ならびにRBC中のケトール転移酵素およびグルタチオン還元酵素

ミネラル:
 血漿中の鉄、亜鉛、銅、およびマンガン、
 尿中のナトリウム、亜鉛、銅、マンガン、およびリン

尿窒素、尿素、クレアチニン、尿酸、ヒドロキシプロリン、3-メチルヒスチジン

抗原に関する皮膚テスト(細胞性免疫の評価のため)

【必要な栄養素】
タンパク質
<1>タンパク質は、炭素・水素・酸素・窒素・硫黄、と微量の燐・鉄・ヨウ素・コバルトなどから成り立っている。
<2>人体の細胞を構成する基本的な物質であり、血液・ホルモン・消化液の原料でもある。
<3>タンパク質を分解したものは、アミノ酸と呼ばれ、22種類発見されている。そのうち10類のアミノ酸は、直接食物から摂取しなければ体内で合成できないもので、「必須アミノ酸」と呼ばれている。
<4>[必須アミノ酸]には
       イ.トリプトファン。
       ロ.ロイシン。
       ハ.リジン。
       ニ.メチオニン。
       ホ.ファニルアラニン。
       ヘ.スレオニン。
       ト.イソロイシン。
       チ.バリン。
       ヌ.ヒスチジン。
       ル.アルギニン。
<5>タンパク質不足によって生じる影響。
イ.栄養不足から水腫病(むくみ)を起こしやすくなる。
(トリプトファン・メチオニン・ロイシンの不足)ロ.成長が止まる。
 (リジン・ロイシンの不足)
ハ.発育が遅れ、神経過敏になる。
  (バリンの不足)
ホ.体重が減り、筋肉が弛緩する。
  (トリプトファンの不足)
ヘ.疲れやすい:
  (シスチンの不足)
ミネラル

◎完全静脈栄養のための1日必要量:       (メルクマニュアル第17版p20より)
水: 30~40‹(/kg体重/日)
エネルギー:(体温1℃上がる毎に12%ずつ増加する)
治療中の患者 30kcal(/kg体重/日)
手術後の患者:30~45kcal(/kg体重/日)
異化亢進状態の患者:45~60kcal(/kg体重/日)
アミノ酸:
  治療中の患者 1.0g(/kg体重/日)
  手術後の患者 2.0g(/kg体重/日)
  異化亢進状態の患者 3.0g(/kg体重/日)
ミネラル(成人の場合)
酢酸塩/グルコン酸塩 90mEq
カルシウム 15mEq
塩素 130mEq
クロム 15mg
銅 1.5 mg
ヨウ素 120mg
マグネシウム 20mEq
マンガン 2 mg
リン 300 mg
カリウム 100mEq
セレン 100mg
ナトリウム 100mEq
亜鉛 5mg
ビタミン(成人の場合)
アスコルビン酸 100mg
ビオチン 60mg
コバラミン  5mg
葉酸 400mg
ナイアシン 40mg
パントテン酸 15mg
ピリドキシン 4mg
リボフラビン 3.6mg
チアミン 3mg
ビタミンA 4000 IU
ビタミンD 400 IU
ビタミンE 15mg
ビタミンK 200mg

■単身赴任者の食生活
「単身赴任者の栄養摂取状態を危惧して食事調査を実施したことがある。対象は札幌・東京・大阪・福岡の4地域の約100社の上場企業で働いている単身赴任者303人と自宅通勤者95人。調査期間は1週間とし、朝食・昼食・夕食・間食で摂った食事の内容と量をもれなく記入してもらった。18種類の食品群摂取量及び25種類の栄養素摂取量を年齢階級別に分けて算出した。
その結果、最も注目されるのは、若い単身赴任者と中高年の栄養摂取量の違いである。1日の栄養摂取量をみると、若い単身赴任者はタンパク質・脂肪・食物繊維・カロチン・ビタミンB1・B2、カルシウム・鉄・カリウム摂取量が若い自宅通勤者に比べて低かった(統計学的に有意)。この中で最も低かったのはカルシウムとビタミンCであった。
中高年になると単身赴任者と自宅通勤者の栄養素摂取量の差はなくなるし、むしろ単身赴任者の摂取量が多い場合もある。これを細かくみると、若い単身赴任者の朝食の栄養素摂取量が低いことが利いているし、特に東京の単身赴任者にこの傾向が顕著であった。
若い単身赴任者は物価や通勤時間の影響を受けて、朝食を抜くなど食生活にしわ寄せがきているものと思われる。逆に中高年の単身赴任者は健康への不安があり、充実した食生活を心掛けているように思われる。
近年、摂取異常が問題視されている「食塩過剰摂取」と「マグネシウム摂取不足」が単身赴任者、自宅通勤者双方に見られることの、気になる点である。(糸川嘉則)1999.7.12《日本経済新聞》

■過度の抑制、働き低下
「日本人の中には、ある意味で栄養状失調状態の人が多いのではないか」-----。浜松医科大学の高田明和教授は言う。“飽食”の弊害が叫ばれ、過食や栄養過多・ダイエットが話題になる時代になぜ?
高田さんは食物中の糖質(炭水化物)の割合が減少することで、頭の働きが低下するのではないかと懸念する。
よく言われるように、日本人の食生活が“欧風化”するにつれ、食事で取る糖質の割合が減り脂質が増えてきた。厚生省の国民栄養調査によると日本人は1975年から総エネルギーの63.1%を糖質から摂取していた。しかし、その後徐々に低下し、97年には57.4%になった。

〇糖質の摂取量不足は弊害をもたらす。
<1>脂質が増える:
「エネルギー摂取における脂質の比率が高まり、高脂血症や心臓病などの危険性が増える。成人の脂質エネルギーの適正比率は、20~25%とされる。」
<2>脳の栄養失調:
「脳は活動するために大量の(ブドウ糖=グルコース)を必要とする。グルコースの供給源は糖質です。
アイルランドのD・ベントンという人の1996年に発表したデータによると、20歳の女性186人にブドウ糖を飲ませた後物語を効かせどれだけ覚えているかをテストした。
その結果、血液100‹中のブドウ糖量が113mgの人たちの記憶度は、ブドウ糖量65mg未満の人たちに比べ約40%高かった。」2000.5.29《日本経済新聞》
◎経口使用出来る、経腸栄養剤
「ラコール」雪印乳業が製造、大塚製薬が販売。
  

 

胃瘻(いろう)
PEGとは、より快適な日常生活を送るための、
患者、介護者双方に負担の少ない経腸栄養法です。

PEGは、口から十分に栄養が取れない患者さんのために、内視鏡(胃カメラ)を使っておなかの壁と胃の壁を通して小さな穴(この小さな穴のことを胃瘻( いろう )といいます)を造り、その穴にチューブを入れる手術です。そのチューブを通して栄養を摂取します。
口から十分な栄養がとれない患者さんで、長期間にわたり使用ができる方。点滴、中心静脈栄養や、鼻から管を通して栄養補給をされているほとんどの患者さんにご利用いただけます。特に高齢で口からの食事に障害があるだけで長期入院されている患者さんには、今後、在宅や療養型施設でも管理のしやすいPEGが注目されるでしょう。
約5分~10分で終了する患者さんに負担の少ない手術です。全身麻酔の必要がないので患者さんに対しても負担が少なくてすみます。
手術後は、約2週間を経過すればピアスの穴のようにおなかの穴(瘻孔)が完成し、傷の状態ではなくなります。瘻孔(ろうこう)周辺を常に清潔に保ち、自然乾燥をさせていれば、消毒やガーゼをあてる必要はなく普段どおり入浴もできます。定期交換で長期にわたる使用も可能。観察を怠らなければ、大きなトラブルになることはありません。
口から十分に栄養がとれるようになったら、胃瘻チューブを抜くことも可能です。抜くことは数分で終了し、抜いたあとの穴は翌日にはふさがります。

【処方名-五十音順】
■三物黄芩湯
■四物湯
■十全大補湯
■大防風湯
■当帰建中湯
■茯苓甘草湯
■補中益気湯
■牡蛎沢瀉湯
■苓甘姜味辛夏仁湯

【民間療法】
<1>イチョウ。
<2>ハス。
<3>ヤマノイモ。
<4>マムシ。
<5>アマドコロ・ウナギ・クサスギカズラ・クマ・クルミ・クワ・コイ・ゴマ・ サネカズラ・サンシュユ・シカ・ジャノヒゲ・ツルドクダミ・トチバニンジン ・ナツメ・ナルコユリ・ネナシカズラ・ハトムギ・ワラビ。




栄養不良性貧血
=栄養性貧血nutritonal anemia。
【処方名-五十音順】
■黄蓍建中湯
■十全大補湯
■人参湯
■補中益気湯
■六君子湯



翳障(えいしょう)
=「翳瘴」
①「翳」は、眼中のかすみ。黒眼が病気によって透明性を失い視力障害を起こす病証のこと。
②「瘴」は障。内障と外障あり。
◎主薬:翳瘴昏暗は、熟地黄を主薬とすべし《万病回春》


瞖膜(えいまく)
⇒風邪と熱がひどいと起きる。
<1>瞖膜の蘇生には・・・[決明元][蝉花散][菊花散][撥雲退丸][正伝羊肝元][五秀重明丸][退雲散][磨光散][道人開障補肝丸][決明散][撥雲湯]
<2>新瞖が出る症・・・・[羗活退瞖湯]で散らす。
<3>血虚して熱がある・・[神仙退雲丸]
<4>氷瞖には・・・・・・[羚羊角散]
<5>陥瞖には・・・・・・[羚羊角散神仙退雲丸]
<6>班痘のあとに起きる・[益本滋腎丸][明目地黄丸]
【処方名-五十音順】
■益本滋腎丸・・・・(黒晴に瞖膜が出。or陰虚で晴が散大する)
■揆雲退瞖丸・・(揆膜を治す)
■揆雲湯・・・・(目に黒・白瞖が出来たと
■菊花散[1]・・・(肝が風毒のために腫れ、涙が多く、瞖膜が出る
■菊晴元・・・(右腎と肝腎の不足で、青・白瞖)
■羗活退瞖湯・(新しい瞖膜が出て、陽をさえぎる
■決明元・・・(熱病の後、目の膜がかすむ)
■決明散・・・(風熱の毒気で内障になろうとする者
■五秀重明丸・・(瞖膜が瞳にかぶさる
■地黄散[3]・・・(白膜が瞳にかぶさって失明する恐れがある者
■正伝羊肝元・・・・(瞖障と青盲
■蝉花散[2]・・・・・(風眼と熱眼の腫痛と瞖膜
■退雲散・・・・・・(外障の瞖膜が瞳を覆う者
■道人開障散・・・・(障瞖を治す
■補肝散[2]・・・・・(肝と腎が弱く、黒眼に瞖が出る者を
■補陽湯・・・・・・(青・白瞖が大眥に現れる)
■磨膏・・・・・・(点眼薬)
■磨光散・・・・・・(風眼・瞖障
■明目地黄丸・・・・(瞖膜と眼熱)
■羚羊角散[4]・・・(氷瞖の治らないとき
■連柏益陰丸・・・・(青・白瞖が大眥に現れる)

 

癭瘤(えいりゅう)
単純性甲状腺腫
⇒形が小さく、サクランボ大のものを癭、大きくザクロ大を瘤という。

【処方名-五十音順】
■海藻玉壺湯
■消腫潰堅湯《万病回春》


会陰打撲
【処方名-五十音順】
■大黄附子湯
■桃核承気湯

  
腋窩湿疹 (えきかしっしん))
【処方名-五十音順】
■治頭瘡一方・・・・(化膿傾向、熱感発赤、水泡滲出物、舌苔黄)


腋窩神経麻痺(えきかしんけいまひ)
⇒上腕外側の皮膚と、三角筋を支配する神経は、頸髄第五神経根に始まり、頸神経叢の中を走り鎖骨の下を通過した後、腋の下で上腕骨の骨頭を取り巻くように出てきます。上腕を挙げた状態で転倒すると、この部分の神経が障害を受けます。
◎症状:

肩の下、上腕外側の狭い範囲に皮膚感覚のないところがあります。
◎バンザイのかっこうで転倒すると発症しやすい。


腋臭(えきしゅう)
=わきが。 
【処方名-五十音順】
■防已黄蓍湯

【民間療法】
■シキミ[莽草]~果実の青いうちに採集し、乾燥させ種子を去り、殻のみ集める。           殻の煎液を塗布すれば著効あり。


疫病(えきびょう) plagues
=伝染する病。「疫」

【芳香療法】
「ラベンダー畑で働いていた労働者たちは、ペストの感染から逃れることが出来た」
[4人の盗賊のビネガー]
「フランスのトゥールーズでは、ペストの犠牲者たちの遺体の着衣を脱がせて盗んでいた盗賊団は、ビネガー・クローブ・セージ・マジョラム・ローズマリー・ジュニパー・カンファーワームウッド・メドゥスイート・ホアハウンドおよびアンジェリカの芳香剤のおかげで、自分たちは病気にかかりませんでした。」

【処方名-五十音順】
■大承気湯
■真武湯

【臨床例】
☆「金沢丹後の弟、常二郎なるものが、疫を患った。数医に治療を受けたが、病がますます劇しくなるばかりであったので、第7日目に至って、初めて予(榕堂)の治療を乞うて来た。これを診すると、大熱大渇があって、眼中が火の如く、腹満、便秘し、煩躁して、うわごとを言い、脈は洪数で、昼夜少しも眠られなかった。そこで白虎湯黄連5貼を与え、夜になって調胃承気湯以て3行の下痢を取った。然るに、翌日に至って病勢が益々劇しくなって、病人は裸になって門外に狂走するに至ったので、家人はビックリして、再び往診を依頼してきた。行ってみると、病人の手足を縛って起つこと出来ないようにしてあったので、患者は転倒したままで、泣き叫び、その声は四隣を動かした。ここに於いて、大承気湯を作って連服せしめ、熱臭のある穢物を下すこと78行で、始めて、病人は疲れ果てて死んだようになってぐったりしてしまった。ここに至って、家人は大いに驚き慌てて止まなかったが、予は之を制して、驚くことなない、明日になれば必ず良くなるであろうと断言した。果たして、その夜から熱が大いに減じて、死したる如く睡眠し、夜明けになると病人は目を覚まして冷たい水が飲みたいと云って、3椀をすすって、精神が頓に爽快になって、あたかも夢が覚めたようであった。ここに於いて家人も安心して、大いに悦んだのである。そこで大柴胡湯に転じ、日に23行の大便を取った。飲食漸く進み、諸証日々に消退して、1ヶ月余りで全快した。この人は疫を病む前に梅毒を患って、余毒がつきまとい、季節の変わり目毎に、いろいろな病患が起こって苦しむのが例であったが、この時以来、多年の宿疾が一掃して、終に立派な壮夫となることが出来た。」
(尾台榕堂著「井觀醫言」荒木正胤譯より)
☆「豊倉屋芳兵衛の子倅熊太郎が疫を患った。他医の治療を受けること20余日で全く験がなかったので、一家の者が心配して、余の治療を乞うた。之を診するに、午後になると潮熱を発し、大便は下痢し、心下は実満し、口咽や歯齦、鼻孔まで皆焦黒である。うわごとを言いつつ空をつかみ、床をなで回して布団の上を転げ回る有様で、昼夜、眠れず、脈は遅緊であった。ここ数日は全く不良で、顔面身体は痩せ衰えていた。余はそこでその父母に云った。  このような重態になっては最早や、望みは少ない。死んでも差し支えないというならば治療を引き受けようと。その父母は死すとも悔いはないからどうぞ思う存分の治療をしてほしいと懇願するので、余はこれに大承気湯を与えた。すると服後に臭い大便を下すこと日に3、4行で、数日の後に諸症やや退いたが、飲食は全く進まず、衰弱は日に甚だしく、虚煩して如何ともし難い有様で、手足はだらりとしてしまった。心下を押してみると、全く虚軟で何物もないよいうな無力状態である。そこで、梔子豉湯を与えると、虚煩の状態がおさまって、漸く人らしくなり、日に稀い粥を23度摂れるようになり、睡眠も少しは取れる。けれども、身熱は未だ除かず、胸満があり、咳が出て舌胎は白色で、皮膚は枯燥していた。そこで、小柴胡湯加麦門冬を与えること10余日で、諸症は退き、患者の気分も快くなってきた。始めて床の上に起きあがって絵本など楽しむようになったので、父母の喜びは限りなく、新しい子供が生まれたようだと云った。その時、大便が23日無かったが、家人は佳兆だとして、之を余に告げなかったので、45日の後に、食すると直ちに吐するようになり、それからは何も食べなくても苦酸水を吐して、顔の色も青黒くなり、胸元がつかえ満ちて、心下は堅く、小便は不利し、煩して眠れぬようになった。因って大黄甘草湯2貼を与えると、大便が快利した。そこで茯苓飲に転じ、10余貼を服せしめると小便が回路し、諸症漸く去った。しかしながら、元気は大いに衰え、腰脚が萎弱して、左の乳の下と下腹部の横骨の上と股の付け根のところに腫瘍が出来て堅く盛り上がり、ひどく痛んだ。それが次第に隆起したので、帰蓍建中湯を与えること10日ばかりであった。ちょうど季節が冬の真ん中で、寒気が特にきびしかったので、病人は之に感じて下痢を日に34行するようになり、羸痩が益々甚だしく、元気も従って衰えてしまった。なお前方を持続すること数日すると、横骨の上の腫瘍が化膿したので、鈹針をして膿を去り、破敵膏を貼ったが、それから5日ほどしてとうとう死んでしまった。此子の場合の如きは一度は邪熱が已に解したのであるから、その処置さえ誤らなければ必ず回復したに違いない。然るに元気が未だ回復しないうちに生られない結果になってしまったのである。」《井觀醫言》



疫痢(えきり)
⇒小児、特に2才~6才頃の幼児の赤痢で、中毒症状を伴う重症タイプ。

【処方名-五十音順】
■葛根黄芩黄連人参湯
■薑茶湯
■四逆湯
■小建中湯
■走馬湯
■大承気湯
■調胃承気湯
■人参敗毒散陳皮・白芍薬


壊疽(えそ)
 (参照→「バージャー病」)
=脱疽ともいう。
⇒四肢の動静脈に炎症が起こり、そこに血栓が出来て内腔を塞ぎ、血液が流れなく なって、その末梢組織が壊死に陥り、紫色や黒色に変色した状態。

■ウジ虫で治療(マゴットセラピー)
「糖尿病や脚の動脈硬化で起きる壊疽の治療に、ウジを使う『マーゴットセラピー』(マーゴット=ウジ虫)が広がりつつある。
その手法は、無菌のウジを2~3日間、患部に置き、ガーゼなどで覆う。そうすると抗生物質でも効かなかった耐性菌を殺菌したり、キズの回復を促す作用がある。
ウジ虫がキズの回復に有効なことは昔から知られている。戦場で負傷した兵士のキズがウジがわくことで早く回復・治癒したことから、19世紀に欧米で広がった。抗生物質の登場で廃れていたが、耐性菌が出てきたことで再び注目されている。
日本医科大学では19名が治療を受け、8割が成功した。岡山大学・埼玉医科大学などでも行っている。
壊疽は糖尿病や動脈硬化で脚の血流が低下する『下肢閉塞性動脈硬化症』 で起きることが多い。従来は、カテーテルという細い管を血管に入れて広げたり、血管を移植するバイパス手術が行われていた。
そのほかに、血管を増やす細胞を注射する療法では、「単核球」という白血球の一種を動脈硬化を起こした血管の周りの筋肉に注射する。
壊疽が悪化すれば敗血症で死亡したり、脚を切断すると患者の生存率(2年以内)は約50%に低下する。
【処方名-五十音順】
■桔梗湯
■当帰四逆加呉茱萸生姜湯(対称性のえそ)
■排膿散及湯・・・・(肺壊疽、部分的な化膿症)
■麻杏甘石湯・・・・(肺壊疽)
■麻杏薏甘湯






 噦逆(えつぎゃく)
 =吃逆=しゃっくり。
 

【処方名-五十音順】
■橘皮竹茹湯(雑病噦逆)
■半夏瀉心湯(濁飲上昇ー陽)
■呉茱萸湯(濁飲上昇ー陰)
■四逆散
■丁附理中湯
■柿蔕湯



暍病(えつびょう)
=暑気あたり。 =日射病
【処方名-五十音順】
■黄蓍建中湯
■小柴胡湯   
■補中益気湯            
  



炎症 inflammation
◎炎症というのは、傷害や脅威に対して体が反応する方法の1つです。これは細菌・負傷・刺激物との接触によって引き起こされるもので、体の防衛機構が動員されていることの徴候です。この範囲では、炎症は体に有益なプロセスとみることが出来ます。それは、血液の供給が増大することと、局所的に体温が高まることと相まって、感染を抑制し、治りを早めるからです。
しかし、治癒のプロセス以上に炎症が続けば、非常な痛みや掻痒感を起こします。

■炎症を抑えるタンパク質
「田中貴志・理化学研究所員らは、ウイルスや細菌に感染すると起こす炎症反応を適切に抑えるタンパク質を発見した。免疫細胞の核にある『PDLIM2』で、このタンパク質が無いマウスでは炎症反応が2~3倍に高まった。
炎症反応は病原体と闘う必須の免疫機能が引き起こす反応だが、過剰反応するれば逆にアレルギー反応を引き起こす。
免疫細胞の『NF-κB』と呼ぶタンパク質が活性化すると起こり、このタンパク質が分解されると免疫反応は静まるのが基本的な仕組み。
研究チームは、NF-κBを分解に導くタンパク質『PDLIM2』を発見した。細胞核内でこのタンパク質に結合すると、分解酵素がある部位まで運ばれることが分かった。
PDLIM2が欠損した免疫細胞では、NF-κBの分解が妨げられ、炎症反応に必要なタンパク質が2~3倍過剰に生産された。また毒素を注射した欠損マウスでは、野生型に比べ死亡率が2倍に高まり、炎症反応が過剰に起こっていることが分かった。
過剰は反応を抑える治療薬を開発するため、NF-κBを不活性化する研究はあるが、未だ効果的な薬は無いとい。
成果は2007年4/30付けのネイチャー・イムノロジー(電子版)発表。20075/1

【芳香療法】
<1>カミルレ
<2>ラベンダー



炎症性腸疾患
■発生の仕組み
「炎症性腸疾患は、『クローン病』や『潰瘍性大腸炎』などに代表される。患者は全国に約10万人と推定されている。これまで原因は不明だった。
北海道大学遺伝子病制御研究所の西村孝司教授らにチームが、炎症性腸疾患を引き起こす原因が、体内にあるリンパ球の一種『CD8T細胞』の異常増殖により生み出される物質であることをマウス実験で突き止めた。
成果はロックフェラー大学の医学雑誌2008年5月号に掲載」



円形脱毛症
■5歳の息子に円形脱毛症、自然に治る?
「円形脱毛症には、直径2、3cmの脱毛斑が1個の単発型、2以上の多発型、頭全体に広がる全頭型、さらに頭だけでなく全身の毛が抜ける汎発型があります。
病気の原因は不明ですが、遺伝的素因・アトピー素因・自己免疫異常・精神的ストレスなどが関連しているのではないかと考えられています。ある時、前兆も自覚症状もなく、突然、脱毛が始まり、本人はもちろん家族もビックリします。
しかし、脱毛の程度が軽く、脱毛斑が2、3個であれば数ヶ月で自然に治ることが多いようです。治っていくときには、脱毛斑の中心部に産毛が生えてくることもあります。
一方アトピー素因のある場合や脱毛の程度が重い場合は治りにくくなります。治療には、血管拡張作用のある薬を塗ってマッサージする方法、ステロイド外用剤の使用など局所療法と、内服療法とがあります。
家庭でも注意点としては、本人が気にしますので、その不安感を取り除いてやることが大切です。食生活に特に注意する必要はありませんし、洗髪もいつも通りにして結構です。
年齢や脱毛の程度によって治療方法が異なります」
■免疫異常
「円形脱毛症は毛髪がまとまって抜け落ち、コイン状のハゲが出来る病気だ。脱毛の範囲は数センチメートル~頭部全体に広がることもある。出来る場所は、頭髪が多いが、眉毛やまつげ、陰毛など、全身のどの部分でも起こる。軽症ならそのまま放って置いても半年~1年で治ってしまうが、重症の場合は脱毛部がどんどん広がったり、再発を繰り返す。
円形脱毛症はストレスによって発症すると思われてきた。ところが、どうもそうではないようである。患者さんの発症前の生活環境について統計的な分析をした研究によると、強い精神的ストレスを感じていた人より、ほとんどストレスが無い人の方が多かった。
それではそうして脱毛がおこるのだろうか?最近は自分自身の免疫系によって毛包が攻撃されて脱毛するという『自己免疫疾患説』が有力である。例えば、インスリン依存性糖尿病などの自己免疫疾患を持つ人やアトピー性皮膚炎などのアレルギーのある人、ダウン症患者など、免疫系に異常がある人では円形脱毛症の発生率が高い。また、脱毛が起こっている毛包の周囲には明かな炎症反応が認められ、リンパ球が集まって自信の毛包を攻撃しているように見受けられる。
そこで、リンパ球が脱毛の原因かどうかを確かめる実験が行われた。患者からリンパ球の一種であるTリンパ球を採取して、バラバラにした毛包組織と一緒に培養した。このTリンパ球を患者の頭部皮膚を移植したネズミに注射すると脱毛が生じたが、毛包組織と培養していないTリンパ球では脱毛は起こらなかった。この結果は、毛包組織と反応して活性化したTリンパ球が次々と周囲の毛包組織を破壊することによって、円形脱毛症が生じることを示唆する。
ところで、ヌードマウスという、Tリンパ球が作れないために、体毛の発育が悪く、ほとんど裸に見えるマウスに、普通のマウスから骨髄細胞(リンパ球のもと)と胸腺を移植して免疫系を回復させたところ、体毛も発達し始めた。
Tリンパ球は、ある場合には脱毛にかかわり、また別の場合には発毛にかかわる。微妙なバランスが必要なようである。
それではストレスは全く関係ないのかというと、おそらく間接的な影響はあると考えられる。ストレスを受けると、脳の視床下部からホルモンが分泌されて副腎皮質を刺激し、副腎皮質ホルモンのコルチゾールが多量に分泌されるようになる。コルチゾールは免疫系の働きを抑制するので、ストレスによって免疫系のバランスが崩れることは十分考えられる。発症頻度には差が無くても、その後の経過に影響するのかも知れない」(坂崎貴・島根大学講師)2000.12.10《日本経済新聞》

【民間療法】
○アオギリ・クララ・クワ・ショウガ・チョウセンニンジン・トウガラシ・ニンニク。
  
【処方名-五十音順】
■荊芥連翹湯
■桂枝加竜骨牡蠣湯
■小柴胡湯
■大柴胡湯
■通竅活血湯
■防風通聖散

   

遠視(えんし)  
■糖尿病から
「薬局を経営するAさん(54)は、以前、病因で糖尿病と診断されたことがあった。最近、どうも目がかすむので、近くの眼科を受診・かすみ目は老視のせいということで眼鏡の処方箋を渡された。また、眼底に点状の出血があり、糖尿病による網膜症が始まっているといわれた。
あわてて大学病医院の内科を受診したところ、血糖値が高いので入院を勧められた。入院後、インスリンの注射で血糖値は正常に戻ったが、作ったばかりの眼鏡が合わなくなっていた。
院内紹介で癌過疎受診したところ、血糖値が急激に正常化したことで、水晶体の厚さが変化して遠視になっていた。
10年以上高血糖が続くと、網膜の細い血管が閉塞して点状の出血を生じる(単純網膜症)。
初期ならば血糖のコントロールにより出血が減少する場合もあるが、進行すると弱い新生血管が出て出血を繰り返し(増殖網膜症)、失明する場合もある。
急激に血糖値を戻すと、網膜症の悪化や屈折の変化を来すので要注意。」不二門尚・大阪大学医学部教授)200711/27日経

【色彩療法】
<1>レモン色
<2>黄色
<3>オレンジ色
<4>赤色

【処方名-五十音順】
■地芝丸・・・(遠視を治す)
■六味丸牡蠣




燕口瘡(えんこうそう)
=口唇ヘルペス。


燕口風(えんこうふう)
⇒口蓋垂の辺に生じ、上顎に広がり、左右とも紅腫し、嚥下することが出来ない証。
甚だしい時は、舌まで腫痛する。


燕瘡
=口唇ヘルペス。


嚥下困難 dysphagia
=嚥下障害(飲み込み障害)
◎嚥下困難を引き起こす疾患:
     アカカシア
     扁桃炎
     咽頭膿瘍
     食道圧迫
     食道異物:魚骨など
     食道炎
     食道ガン
     胃幽門部ガン
     瘢痕性食道狭窄
     Zenker憩室
【処方名-五十音順】
■桔梗湯
■生津補血湯

当帰養血湯と生津補血湯の2方は、内容が類似で、食道に狭窄があって嚥下困難、嘔吐を訴えるものに用いる。本方を用いる患者は皮膚と粘膜が枯燥している点に着目する。
私はかって、自殺の目的で大量のシュウ酸を飲んで、食道に瘢痕性狭窄を起こしたものに、生津補血湯を用いて著効を得たことがある(漢方診療医典)
■当帰芍薬散
■附子湯
■茯苓杏仁甘草湯
嚥下困難に咽喉痛を兼ねるもの、喘咳を兼ねるものなどによく、利膈湯に合して用いる、また茯苓杏仁甘草湯の甘草の代わりに、桑白皮を入れたものを、破棺湯と呼び、これも咽喉痛、喘咳などがあって、嚥下困難のあるものによい(漢方診療医典)
■利膈湯
古人は膈噎(嚥下困難を主訴とする病気)に利膈湯を用いると百発百中の効があると述べている。膈噎は食道ガンや胃ガンのように、食物を吐いておさまらない病気の総称。嚥下困難、嘔吐を訴える患者に利膈湯甘草乾姜湯や利膈湯茯苓杏仁甘草湯を用いると、ひどく衰弱している者でなければ、嚥下が楽になり、食物がおさまるようになる。(漢方診療医典)
■苓桂朮甘湯
  
廃用症候群
健常者の唾液の量(1日)・・1.5㍑
歯垢・・・・・細菌量・・・・・1憶
うまく飲み込めない→寝た着りになる原因の1つ。
肺炎への恐怖で食べられない・・・胃瘻へ
唾液が細菌をつれて肺に入り、肺炎になることがある(胃瘻をしていても)
飲み込みの仕組み・・・日本歯科大学口腔介護リハビリセンター
せんべいを食べると・・・うまく飲み込めた(弁がうまく作動)
口の中に麻酔・・・・せんべい・・・・うまく飲み込めない
(麻酔の場所=舌の元が弁を動かしていた)
     自分の唾液を飲み込めることが大切
     風邪でセキがのこる・・・実は飲み込み障害だった
     しゃべるのがうまくいかない・・・飲み込み障害
     口腔体操 6ヶ月でアップ
      (新春シャンソン賞)と言う
       パタカラ体操・・・早く・ハッキリ言う
舌体操・・・舌を前後左右に動かす
唾液腺マッサージ・・・・耳の下をマッサージ。
顎の先を親指でグーッと押す(唾液が出る)


嚥下痛
  【処方名-五十音順】
■桔梗湯