<お> つらい症状・病名



【病状お】
 

O-157
   (参照→「感染症」)
=「O-157:H7」
異なった血清型が40種類あり「腸管出血性大腸菌」と総称される。
この種の大腸菌は2種類のベロ毒素[VT1][VT2]のどちらか、または両方を作り、別名、「ベロ毒素産生大腸菌」とも呼ばれる。
⇒病原性大腸菌の一種。

普通は牛などの腸内に居るが、人間の体内に入ると赤痢菌の一種と同じくベロ毒素を作る。大腸菌は菌の型によって分類番号が付けられ、ベロ毒素を作るものとしては「Oー1」「Oー18」「Oー26」など10種類以上ある。その中で、最も食中毒の報告が多いのがO157。
発症までの潜伏期間は4~9日間。激しい腹痛と水のような下痢が頻繁に起こり、腸からの出血が始まる。さらに悪化すると溶血性尿毒症や脳症になり死に至ることもある。1996.7.16《日本経済新聞》」
⇒大腸菌の一種。
「157番目に見つかったオー抗原(細胞の一番外側にある糖脂質)を持つ大腸菌という意味でO-157と命名されました。
大腸菌は腸の中に存在するごくありふれた存在で、ほとんどは人間に害を与えません。O-157は「病原性大腸菌」で腸管出血性大腸菌と呼ばれています。
牛の腸に存在している時には牛に害を与えないのに、人間の体内に入ると害を及ぼす。
◎普通のありふれた大腸菌にウイルスがとりついて激症化したもの。

◎O-157の種類:ベロ毒素の産生様式から3種類が検出されています。
現在、変種が200種以上見つかっています。

◎特徴:
イ)感染経路がはっきりしません。
ロ)感染力が極めて強い。
O-157=わずか100個以下でも感染する
腸炎ビブリオ=100万~1000万個ないと感染しない。
ハ)酸にも強い:胃酸では死なない。
ニ)低温に強い:冷凍しても死なない。
ホ)毒性が強い:
ベロ毒素は細胞内のリポゾーム(タンパク質を合成する装置)の働きを妨害し、腸管出血性大腸炎を引き起こします。これがもとで溶血性尿毒症症候群などの合併症を併発し、死に至らせることもあります。
ヘ)これまでの治療パターンが通用しない。
バクテリアの治療は抗生物質で簡単に治りましたが、バクテリアであるO-157は抗生物質の使用によって、ベロ毒素を増加させることもあり、抗菌剤の使用に関しては意見が分かれています。
バクテリア:O-157、赤痢、結核、破傷風。
ウイルス:エイズ、C型肝炎、エボラ出血熱。

◎症状:
<1>初期の症状:
*強い腹痛
*激しい下痢(水のような下痢が続く)
*熱はあまり出ない。
*体がだるい
*感冒に似た症状
*潜伏期間:4~9日間。
<2>病状が進むと:
*血便。
*尿が出にくくなる。

◎治療の注意点
*下痢止め:厳禁。使ってはいけない。
*抗生物質:使わない方がよい。
*漢方処方:大承気湯を使う。
◎近くの病院で、小児用HUS人工透析が出来るかどうか、確認しておくこと。
◎接触で感染しません。口から体内に入る経口感染のみ。

予防:食べ物、飲み物に注意すれば良い。
<1>牛の腸内にいるので、肉をさわった手・包丁・まな板で生野菜をさ わらない。
<2>しっかり加熱する。特にミンチ肉。
電子レンジに要注意!・・・・電子レンジは、加熱ムラがあ有ります。
<3>調理用具をしっかり消毒する。

◎「清潔さとは縁遠い発展途上国にはO-157の発症が全く見られないという事実を、私たちは真剣に考えるべきだと思う。衛生状態が悪かった時代には、「きれい好き」は、有効だったかもしれない。しかし、衛生状態の良くなった現在では、日本人のこの「きれい好き」は皮肉なことに自らの健康をむしばむ結果を招いているのではないか?」(藤田紘一郎・東京医科歯科大学教授)1997.10.6《朝日新聞》

◎(事例1)
「祇園祭りのやま場が近づいた7月15日、京都市の会社員(56)は「かぜをひいたな」と思った。開業医に薬をもらった。 
17日には下痢がひどくなり、会社に「かぜで休む」と連絡した。翌日、心配した妻が、かかりつけの病院に電話をかけた。主治医(46)は「連れていらっしゃい」と応じた。
脱水症状はあるが、吐き気はみられない。主治医は、細菌性かウイルス性の腸炎を疑った。少し迷ったが、家族の希望もあって、入院を決めた。
主治医が「家族や職場に、似たような症状の人はいるか」と尋ねると、男性は「いない」と答えた。
便の検査項目に病原性大腸菌O-157を加えた。大阪府堺市の集団感染の直後だ。家族に「念のため」と説明した。
19日、下痢の回数が減った。おもゆを三食とも残さず食べた。「じきに退院できますねえ」と言い出す。次の日には、形のある便が出始めた。 それが、一変した。
21日の日曜日。「ちょっとしんどいわ」。ろれつが回らなくなった。意味不明の言葉を口にする。
自宅にいた主治医は、看護婦からの電話を受けた。「第一病棟ですが」という言葉で、とっさにガン性腹膜炎で入院している別の患者のことだと思った。
病院に駆けつけると、男性は意識が朦朧としていた。血小板が減り、腎機能が落ちている。全身にケイレンが起きる。薬が効かない。家族に問われても、医師は病名を特定できなかった。
容体の急変から、半日後の午後8時26分、死亡。
翌朝、院長(49)は男性の死亡を、主治医から聞いた。「健康なおとなが下痢で死亡するだろうか」検便の結果は、まだきていなかった。
男性は入院した当日、勤務先では、食中毒症状を訴える社員が出ていた。京都市の右京保健所は、その日のうちに、社員の健康聞き取り調査を始めた。
入院した男性がいることはつかんでいた。理由は「かぜ」とのことだった。「病院にいるから大丈夫だろう」と、そこまで心配しなかった。
21日には、別の社員(30)からOー157が検出された。
翌日、保健所の職員3人が、会社の人事部で、社員の健康調査を進めていた。その部屋に1本の電話が入った。
入院していた男性の妻から「昨夜、突然、主人が亡くなりました」。市衛生局の職員が、病院へ確認に走った。異例の訪問に、病院側は驚いた。「ひょっとして」
院長と主治医が説明を始めてすぐ、主治医のポケットベルが鳴った。「確定ではないが、どうもOー157が出たらしいですわ」
 6月初め、厚生省は自治体に、Oー157の特徴を説明した診断基準を伝える手引きを配布した。この病院には渡っていなかった。
一連のOー157感染で働き盛りのおとなが犠牲になった最初の例だった。1996.9.18《朝日新聞》
(事例2)
「重体に陥った大阪府堺市の小学6年生(12)の母親が、集中治療室の前でおろおろしている。「頭が痛い、痛いと言うて」体が震え、泣きだしそうだ。7月19日の夕方、大学病院に駆けつけた女性教諭(41)は、母親の話に、はっとした。
「頭が痛い?」
午前中、担任している5年生の家庭訪問で、同じ言葉を耳にしていた。血便も下痢も治ってきた女の子(10)が、頭痛を訴え始めた、という。
母親(30)は「お医者さんは夏風邪と言うてはるし」とのんびりしていた。院内の公衆電話へ走った。学校に待機していた教頭(47)に「病院へ行くよう、連絡していただけませんか」。何度も「頭が痛いっていうのが気になるんです」と繰り返した。
 教頭が電話をかけると、母親が出た。
「担任が病院へ行き直して下さいと言っています」
「はい。行けたら行きます」
教諭は病院から戻る途中、気が気ではなかった。道路は渋滞していた。夜10時、学校に着いた。 職員室の机の上に、わら半紙を切った連絡メモがあった。「髄膜炎の疑いがないとのこと。月曜より通院しますとのことです」月曜まで3日もある。
受話器を取った。どうしても、様子を聞きたかった。
「病院は、どうだったん。血液や尿の検査をしたん」
「何もしていません。お医者さんは背中を触りはっただけです」母親が答えた。 「おかしいやんか。脅かすつもりなんやけど、血液検査だけでもしといたほうがええと思うけど」。そう言って、電話を切った。
「髄液も取らんと、何で髄膜炎の疑いがないとわかるんや」。担任のひとり言に、まわりの先生たちが驚いた。
女の子を診たび病院に電話をかけてみた。「重体になった子と、症状が似ています。血液検査の必要はないんでしょうか」受話器の向こうの内科医はいらだっていた。「今から連れてきて、2時間以上も待たせて検査する必要があると言うんですか」と反対にただされた。
「じゃ検査しなくても大丈夫なんですか」「親でもないのに、なんでそんなこと」。最後はガチャンと電話か切れた。悔しいと思いながら、もう一度、母親に電話した。「検査は受けたほうがいい。後の判断はお母さんに任せるわ」。母親は「んー」と言いながら、なかなか答えない。「学校にずっとおるし」と言って受話器を置いた。
10分後、母親から別の病院へ行くと連絡が入った。さらに数分後、「タクシーがつかまらへんやけど、先生、連れて行ってくれる」。
「わかった、準備しとって」
女の子と母親を連れて、病院に着いたのは、日付けが変わる頃だった。「やっと診てもらえる」と、ほっとした。何気なく女児の顔を見ると、少しむくんでいるように見える。「お母さん、顔が少しむくんでるんと違う」「先生、この子こんな顔ですわ」。母親にまだ、余裕があった。
でも、微熱がある。頭痛、むくみ。重体の子と症状がますます似てきた。
「先生、おしっこ、真っ赤やった」
子供を不安がらせてはいけない。ソファに寝かせ、林間学校や友達の話しをして、気を紛らわせようとした。
医師からの説明は、母親と2人で聞いた。血小板の数が激減している。「このままの状態だったら、人工透析も必要になります。ここの病院では措置は難しい」
母親は急に泣き出した。
代わりに、診察室の外で待っていた女の子に転院を告げた。
「ここは満員なんやて」「えーっ、何でエ。大きい病院は血採るからいやや、こわい!」
20日午前3時前、救急車で大阪市の病院へ向かった。ひどく揺れた。母親は子供を見ていない。視線が、宙に浮いていた。
30分で病院に着いた。救急処置室に入った。輸血が必要と思い、医師に「血足りてますか」と尋ねた。「十分あるから。いける、いける」。血小板の輸血が始まった。
医師から体重を聞かれた。母親はすぐに答えられない。子供が「きのう量ったら38kgやった」と答えた。
午前4時半、個室に入った。
「あと半日でも遅れたら、あかんかった。あんた、よう連れてきたな」と主治医が言った。1996.9.14《朝日新聞》

■モズクに0-157殺菌効果
「島根大生物資源科学部生命工学科の松田英幸教授らの研究グループが確認。
方法:大腸菌用の培地・生理食塩水・三杯酢・モズクを三杯酢で調味したものの4種類の培地に、Oー157の中でも最も毒性や感染力が強い[H7型]の菌をそれぞれの培地に大量に混ぜ、37℃と10℃で培養した。
結果:大腸菌用の培地、生理食塩水⇒菌が増殖。
三杯酢⇒菌が減少。
モズク、37℃⇒24時間後に死滅。
モズク、10℃⇒24時間後に半減、5~8日後に死滅。
松田教授は「酢がO-157に効果があることは知られていたが限界があった。モズクにもO-157殺菌作用があり、相乗効果で殺菌したものとみられる」      1997.5.11《日本経済新聞》
   

■抗生物質は早期投与
「ホスホマイシンなど一部の抗生物質を感染初期に投与すると、重い腎不全を引 き起こすこともある溶血性尿毒症症候群(HUS)の発症率が抑えられることが分かり。22日、都内で、竹田多恵・国立小児病院医療研究センター感染症研究部長らのチームが報告した。1997.5.23《日本経済新聞》

■毒素吸着物質を作る菌
「オーストラリア婦人小児病院の研究グループは、病原性大腸菌や赤痢菌などが作り出す「志賀毒素」を吸着する物質を生産する大腸菌を開発した。この菌をマウスに投与し、毒素が体内に回るのを防げることを確認した。
新大腸菌が生み出す物質はリポ多糖体の一種。志賀毒素を吸着する在来の物質に比べ、結合能力が10000倍も強い。この菌を乾燥させたもの1mgで100mgの毒素を吸着できる。腸管内壁に志賀毒素が結合するのを防ぐほか、血液中の毒素が腎不全を起こすのを予防できる可能性があるという。」2000.4.13《日経産業新聞》

■ステーキが原因?
「今年8月末、神奈川県、埼玉県の小学生6人が、外食大手「すかいらーく」系列の飲食店「夢庵」の支店で牛肉ステーキを食べ、O-157が原因と見られる食中毒になっていたことが18日、両県の調べで分かった。6人の症状はいずれも軽く、快方に向かっているという。」2000.9.19《日本経済新聞》

■抗生物質を早期使用
「日本医師会は24日、O-157の治療について、抗生物質の早期治療が重症化を防ぐとする調査結果を公表した。O-157は溶血性尿毒症症候群(HUS)を発症して死亡することがあり、HUS発症をいかに防ぐかに治療のポイントがある。
調査は全国の医療機関を対象に調査。その結果1303例の感染者が報告され、HUS発症は3%にあたる31人。全感染者の95%は何らかの抗生物質の投与を受けており、中でも『ホスホマイシン』が711人と最も多かった。
抗生物質を全く使わなかった場合と、ホスホマイシンを投与した場合のHUSの発症率を比較すると、非投与の11%に対し、投与した患者では3%であった。特に10歳未満の小児では、投与で発症の危険が1/5に低下した。」2000.10.25《日本経済新聞》

■ベロ毒素中和
「国立国際医療センターと埼玉大学の共同チームは病原性大腸菌(O-157)が出す「ベロ毒素」を中和する化学物質を開発した。血中に入った毒素に結合した毒性を奪う。動物実験で中和の効果を確認した。
開発した物質はケイ素原子の周りに糖鎖が4本くっついたヒトデに似た分子。糖鎖は糖の分子などが糸状につながった物質で、ベド毒素が細胞に結合する受容体と形が似ている。そのため、体内に入ったベロ毒素は糖鎖とくっついてしまい細胞に侵入する能力を失う」2000.10.30《日本経済新聞》

■下痢止め・痛み止めで悪化。
大阪府調査研究会の報告から 1997.8.2《朝日新聞》
<1>抗生剤の投与-----溶血性尿毒症症候群(HUS)や重症化に無関係。
<2>下痢止め鎮痛剤の投与---HUSの併発率が高くなる
腸の動きを抑えて痛みを和らげる薬を投与すると菌が長時間、体内にとどまることになり、症状を重くすることを確認。
    

■ハエの口先にOー157
「厚生省の国立感染症研究所は、ハエの口先の部分に密集する病原性大腸菌「Oー157」の様子を初めて電子顕微鏡で捕らえるのみ成功した。
ハエがOー157を媒介する可能性を示す画像だ。
同研究所昆虫医科学部の小林睦生・生理機能室長が撮影した。Oー157に汚染した食事をイエバエに与え24時間後にハエの体を観察したところ、口先の溝にOー157が密集していた。時間の経過と共に菌が増える様子も確認した。
又、ハエの体内に生息する菌の数を調べたところ、菌に接してから4日後でも、口先にあたる「そのう」(水を溜める袋)と呼ばれる器官などから菌が見つかった他、ハエの便や消化管にも多数の菌がいたと言う。
佐賀、長崎県でOー157を保菌したハエが見つかっているが、感染源になった証拠はない。しかし同研究所では「ごみ集積場などに近い場所では、ハエ対策の衛生管理が必要になる」(小林室長)と呼びかけている。1997.7.20《日本経済新聞》
    

■約3割、抗生物質に耐性
「抗生物質に対する抵抗力(耐性)を身につけ、投与しても効果がないタイプの病原性大腸菌[O-157][O26]が複数出現していることが、愛知県衛生研究所 の研究で明らかになった。5種類もの抗生物質に抵抗力を持つ菌も見つかった他、全体の約3割が何らかの抗生物質に耐性を持ち、約1割は厚生省の治療マニュアルの投与例に挙げている抗生物質にも耐性を持っていた。1997.7.22《朝日新聞》

■随液経由し脳に障害
「病原性大腸菌Oー157の患者は様態が悪化する前に意識障害を起こす例が報告されているが、菌の毒素が脊髄の中にある随液を経由して脳に侵入している恐れがあることが分かった。産業医科大学の研究グループが動物実験で調べた結果で、毒素の働きの解明につながる成果だ。
O157が出すベロ毒素(VT2)の実験をしたのは産業医科大の藤井潤助手、吉田真一教授ら。ウサギに致死量のベロ毒素を静脈注射すると、ケイレンや四 肢の麻痺など中枢神経障害がみられ死んでしまうが、随腔(=脊髄の真ん中部分)に毒素を中和する抗体をあらかじめ入れてから致死量のベロ毒素を静脈注射しても、中枢神経障害は起きず死ななかった。
MRI(磁気共鳴画像装置)で脳を調べたところ、ベロ毒素だけを与えたウサギは脳幹などに異常が見つかったが、抗体を与えたウサギは脳内に目立った変化はなかった。
ベロ毒素が脳に影響を与えることは知られているが、侵入の経路は血液からか、随液を経由するのか、十分分かっていない。実験結果からは血液からいったん随液に入った毒素が脳に障害を与える可能性を示している。1996.7.22《日本経済新聞》

■体質によって死に至る恐れ
「Oー157(病原性大腸菌)による感染は、初期の激しい下痢が治った後、1週間くらいして、発生したベロ毒素が腎臓に入り溶血性尿毒症症候群(HUS)  を引き起こす場合が多い。HUSになると、腎臓の毛細血管がつまり、血液中の有害な老廃物の濾過が出来なくなる。まれに発生する毒素が脳を直撃して起こる血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)よりは、容体の悪化はゆっくりしているが、体質によっては初期の段階で死に至ることもありうる。又、菌が侵入したことによるショックで死亡してしまう危険も考えられる。症状の進行を完全に止めることは、現代の医学では不可能で、対症療法で回復を待つしかないのが実情だ。医学細菌学、細菌分類学が専門で、日本生物科学研究所の坂崎利一主任研究員。1006.7.23《朝日新聞》

■抗生物質で毒素放出
「病原性大腸菌Oー157の感染症治療で、大阪府堺市の集団治療でも広く使われた抗生物質[ファオスファマイシン(FOM)]が、菌を死滅させた後に菌内のベロ毒素を大量に放出させることが本田武司・大阪大微生物病研究所教授らの試験管実験で分かり、9日、奈良市で開かれた日本感染症学会中日本地方会 で発表した。
抗生物質が逆効果になり、症状を悪化させた例は海外で報告されているが、堺市対策本部は8月に「投与した感染者に目立った副作用は出ていない」と評価。検便で陽性の症状がない菌児童1000人以上に投与された。
本田教授は「患者の体内で同様の反応が起きる事も予想される。患者に抗生物質を投与した場合は注意深く観察すべきだ」と話している。
実験は1cc中の100万個の菌を培養して体内に近い状態にし、2時間後にFOMを殺す最低濃度の1cc中1mgの割合で加えた。
 菌はほとんど死滅したが、菌が作る2種類のベロ毒素のうち[VT1]は、実験開始から5時間後にFOMを加えない場合よりも10数倍、増加した。
FOMは厚生省のOー157治療マニュアルにも掲載されている。 1996.11.10《日本経済新聞》
    

■抗菌剤は有効か?
「大阪府堺市で昨年、約6000人の患者を生んだ病原性大腸炎『O-157』は、その後も各地で集団感染を起こしている。今月1日には同市で危篤状態だった女児が亡くなり、昨年からの集団発生から死者は全国で12人を数えた。 治療法はまだ確率されておらず、抗菌剤を使うと大量の毒素を放出させ、重症化を招くという指摘もある。最近、毒素の放出を裏付けるデータが出始め、その評価をめぐって議論になっている。
<1>O-157は、腎不全などを起こす溶血性尿毒症症候群(HUS)の原因とな る2種類のベロ毒素(VT1、VT2)を作る。抗菌剤は、O-157が腸管内 で増殖するのを邪魔し、毒素産出を防ぐのが狙いだ。何を阻害するかで大 きく3つのタイプに分かれる。日本感染症学会中日本地方会が会員らを対 象に調べたアンケート調査では、患者222人の95%に抗菌剤が投与さ れ、大半は、細胞壁の合成を阻害するタイプのホスホマイシン(FOM) だった。
<2>そこで、大阪大微生物病研究所の余明順助手らはまず、0-157の菌を液 体培養し、増殖を抑える最低濃度の3倍の量のFOMを培養から5時間後 に加えて、毒素量の変化を見た。その結果、菌数は減少したが、菌から放 出される[VT1]は添加4時間後(培養9時間後)に、無添加の培養液の4 8倍になった。
[VT1]は菌の細胞壁と細胞膜の間に溜められるので、細胞壁が壊れてか ら、中から一気に放出されたらしい。菌内部の毒素量も増えており、FO Mが細胞壁を壊すだけでなく。VT1の産出を促している可能性も示した。
同様に細胞壁を壊すアンピシリン(ABPC)やセファゾリン(CEZ)を菌 の培地に加えて16時間培養したとkろ、VT1は無添加のものより若干 だが増えていた。
一方、FOMを添加した培地の菌を、ミドリザルの腎臓細胞に加えて、 細胞が死ぬかどうかを見たところ、無添加のものとほぼ同じ程度の毒性し かなかった。毒素の数は増やすが、それに見合った毒性の増加は見られな かった。
<3>順天堂大医学部の伊藤輝代講師(細菌学)らの調査では、VT2も無添加 培地の最大8倍の量が菌外に出ていた。ただ、毒素の強さと生体への影響 ははっきりしない。
<4>FOMと並んでよく使われるのが、DNAの合成を阻害するニューキノ ロン系の抗菌剤。こちらも評価が分かれている。
大阪市総合医療センターでは、小児患者15人にノルフロキサシン(NFL X)とスパルフロキサシン(SPFX)の経口投与をしたが、HUSになった 児童は1人もいなかった。同じように患者が運ばれた大阪府内の病院では、 FOMを点滴投与した15人の患者のうち、3人がHUSを発症している ことから同センターの塩見正司・副部長は「ニューキノロン系の抗菌剤は、 子犬への投与実験で関節障害が出たなどの理由から、保険医療で小児への 投与は一部しか認められていないが、適応を拡大させても良いのでは。臨 床試験で効果を確認すべきだ」という。
しかし、順天堂大の伊藤講師らの調査では、NFLXを加えた培地で無 添加培地の16倍ものVT2を検出するなど、ニューキノロン系では多量 の毒素を検出した。DNAの合成を阻害すると同時に毒素の産出を誘導す る可能性があるという。
<5>抗菌剤にはもう一つ、カナナイシン(KM)などタンパク質の合成を阻害 するタイプがある。同大の平松啓一教授は「今のところ、このタイプを使 った培地では、いずれも毒素が検出していない。動物実験で裏付けるのが 望ましいが、有効な治療薬と考えられる」と話している。1997.2.7《朝日新 聞》
    

■輸入血液製剤が効果的
「病原性大腸菌O157が体内でつくるベロ毒素の一部に対し、輸入血液を原料としたγーグロブリン製剤が高い中和効果を持つことを国立小児病院小児医 療研究センターのチームが確かめ、18日発表した。国内献血からつくった製剤に比べ効き目が約5倍高く、「輸入血液による製剤を優先的に使えば治 療効果が上がる可能性がある」と研究チームはみている。
γーグロブリン製剤は重い感染症の治療に使われ、昨年夏以降のO-157集 団発生でも溶血性尿毒症症候群(HUS)の解毒に使われている。
研究チームは試験管内の実験で、2種類あるベロ毒素のうち比較的毒性が 弱い『VT1』に輸入血液による製剤が有効なことを確認した「国内より海 外の方がO-157が広がり、抗体を持つ人が多いため」と研究チームは推測 している。
ただ、毒性が強い『VT2』には効き目がなく、別の製剤の開発が必要に なる。1998.2.19《日本経済新聞》

■O157保菌ハエ----国内に広がる
 「O157を保菌しているハエが全国に広く分布していることが、昨年実施された国立感染症研究所の調査で分かった。2年前、佐賀県で保菌ハエが見つかったが、全国レベルの調査はこれが初めてだ。
体内で増殖、感染力4日以上。1998.7.6《朝日新聞》


O脚
◎チェック:「くる病」
■2歳すぎに判断
「B君は1歳6ヶ月になり、歩き方がしっかりしてきた。母親はB君がかわいくて仕方がないが、よく見ると下肢が彎曲していて「O脚」のようである。近所のお母さん方に、早く治さないと大人になって格好の悪い足になる、と言われ急に心配になり私の処へやってきた。
足をそろえてみると、膝の下の部分が大人の指が2、3本ぐらい入る隙間がある。通常、2歳半になって両側の足くるぶしをそろえたときに膝の内側が大人の指3本以上開く時、O脚と呼ぶことになっている。
赤ちゃんは母親のお腹にいる時、両足を抱え込むようにしていることから2歳ごろまではO脚であることが多い。それ以降は関節の柔らかい子供を中心にむしろX脚となり、7、8歳に良い形になるのが正常の発達過程である。
しかし、くる病や軟骨無形成症などの全身的疾患や、プロント病という脛骨近くの骨端軟骨板が内側に垂れ下がった場合には自然には治らない。従って、2歳を過ぎた頃にO脚がはっきりしている場合、または膝下が異様に開いていると思われる場合にはX線検査を受けることを勧める。
2歳半を過ぎて先に述べた基準を超えている場合にはバネの力を用いて徐々に矯正するような仕組みを持つ装具を就寝時に用いる。装具による治療後も脛骨近くの生長帯が長軸に対し20度以上傾斜している場合や、片側だけの彎曲の場合は手術を必要とする。
B君の場合、まだ1歳半で全身的にも問題のない健康時であることから、このまま様子を見て良いと伝えた。(坂巻豊教・国立小児病院整形外科)1998.5.16     《日本経済新聞》


オスグッド病
■中1の娘、膝が痛む
「医者から無理な運動をしないように言われましたが、体育の授業に出続けたら、ヒザの下の出っ張りが大きくなりました。」
膝を伸ばすとき、ももの筋肉を収縮し、その力がお皿から、その下の靱帯を経て、さらに下の出っ張り(脛骨粗面)に伝わり、すねの骨が持ち上げられます。
跳んだりはねたりすると、脛骨粗面に強い力がかかります。中学生ごろまでは、この部分の多くが軟骨で出来ており、外からの力に弱い傾向があります。成長期にスポーツを集中して行うと、脛骨粗面の軟骨の部分が、ももから伝わる力で引っ張られ、炎症を起こすことがあります。これがオスグッド病です。
脛骨粗面には、ふだん少し出っていますが、この病気で炎暑を起こして腫れ、さらに出っ張ります。しかし、小学校の高学年や中学生でスポーツをする子供によく見られ、深刻なものではありません。
ただし、運動の後、必ず、氷やアイスパックで30分間アイシングをしてください。プロ野球の投手が投球の後、肩を冷やすのと同じです
■オスグッド病
「10代前半の身長が伸び盛りの子供に多いのがヒザのオスグッド病。ヒザを動かす筋肉や腱の成長が骨の伸びに追いつかず、軟骨の部分を傷めるのがオスグッド病。
膝の大腿四頭筋の先にある膝蓋腱の付け根の軟骨が剥がれて痛みます。膝のお皿の下端から3~4cmにあるスネ骨が隆起して痛むので、診断は簡単です。
運動中は痛まず、終わった後に痛みが出る・・・軽症、ストレッチやアイシングでおる。
・運動中から痛む・・・中等度から重症。2~4週間は運動を禁止。」



オニョンニョン熱
=オニョンヨンウイルス(o'nyong-nyong viruses)の感染症で、デング熱に似た病気を引き起こす。
オニョンニョンとは、ウガンダのアンコーレ族の方言で「関節の衰え」という意味があり、1959年にウガンダに初めて現れ、数百万人の人々がリンパ節の腫脹と激しい関節痛を伴う高熱に苦しんだ。
このウイルスはマラリアを媒介することで有名なハマダラカによって媒介される。


オーバートレーニング症候群
■運動後の疲れ
「ハードな練習を繰り返したマラソン選手などが不振に陥り、日常生活で疲労感を訴え、回復しないのを、病的な疲労として『オーバートレーニング症候群』とされています。
川原貴・国立スポーツ科学センター統括研究部長は、“私がこの症候群に注目したのは、箱根駅伝予選会を目指していた選手を診たのがキッカケです。この選手は練習量を2倍に増やし、1ヶ月に600km以上を走り込み、自己記録瘀を更新していました。ところが、徐々に疲労が強くなり、不眠など日常生活にまで支障がおこり入院しました。うつ病が疑われて、抗うつ剤を服用しても効果がない。退院後も走るとすぐに疲れ、結局退部することになりました”
練習による通常の疲れと違って疲労感が長引き、成績が低迷するのが特徴です。不眠やウツを伴うことから中枢神経系や自律神経・内分泌系の異常が想定され、慢性疲労症候群と同じような状態と考えます。2007/10/30日経



オーバーユース症候群
=「使いすぎ症候群」
■ツボ
「この病気は運動練習のし過ぎや不適切な練習をするうちに徐々に痛みが生じ、腰痛症、肩こり、ひざの痛みなどがあらわれます。
主婦Aさん(54)はテレビの健康番組で見た散歩を毎日始めました。最初は心身共に快調で、調子に乗って散歩の時間を長くすると腰痛になりました。ガマンできる程度だったので、散歩時間を増やせば治るだろうと頑張って歩いていたら、腰痛はひどくなり、体中にこりが起こり来院されました。
骨に異常はなかったので筋・筋膜性の腰痛と判断して針治療を実施。散歩は中止するよう指示しました。経穴は左右肋骨一番下を結んで背骨と交差する第2腰椎から指幅4本分外側の「志室」、第2仙骨孔にある「次」、太もも後方中央にある「殷門」、尻の筋肉の横じわ中央の「承扶」、ふくらはぎの中心線上にある「承山」など。
Aさんは数回の針治療で回復しました。(石野尚吾・北里研究所東洋医学相好研究所診療部長)2003/1/7《日本経済新聞》


オーム病
⇒鳥類(特にオーム)からヒトに伝染する腸チフス様伝染病。
◎病原はクラミジア。
◎症状:

発熱、頭痛、咳、疲労感など風邪に似た症状。
◎重症になると、激症肺炎による呼吸不全で死亡することがある。
◎予防:ペットに口移しでエサを与えない。
   糞に触れたときは、よく手を洗う。

■小鳥にえさ口移しは危ない
「知人の息子に悠君という13歳の男の子がいる。
青森県の悠君宅は庭は広く、何本か植えられた大きな木の1つに、昨年春、モズが巣を作った。5月、その巣にカッコウがやってきて、モズの卵のそばに自分の卵を産んだ。カッコウは、自分の卵をほかの鳥に温めさせ、かえったヒナも育てさせる「托卵」という習性がある。
6月のある時、モズの巣にカッコウのヒナがかえった。そして、そのヒナは先にあったモズの卵を巣からけ落とした。モズの親たちは、かえったカッコウのヒナを自分の本当の子供と思ってせっせと餌を運んでいた。
この様子を毎日観察していた悠君は。「自然界のおきて」の不条理さに腹を立てながらも、モズの親鳥のいない間をぬって、巣の掃除やヒナの世話などをしていた。
そのうちカッコウのヒナが毛を逆立てて、鼻水を出し、下痢をして死んでし     まった。悠君はそのヒナを巣から取り出して、庭に丁寧に埋葬した。
ところが、悠君はその後1週間目に発熱した。初めは微熱だったが、そのうちに38℃の高熱になった。湯君は近くの小児科医を訪ね、かぜ薬とかぜ用の抗生物質をもらって、飲み続けたが、一向に下がらず、39℃の熱が4日間も続いた。高熱の割に本人は元気だった。
ただし、発病3日目から激しいせきが続いていた。小児科医は首をかしげ、マイコプラズマの検査を試みたが、結果は陰性だった。
悠君のお父さんは、「熱が下がらないのは、日頃から体を鍛えていないからだ」と怒り出した。
動物好きの悠君は、「オウム病」という、鳥から人間に感染する病気を本で読んだことがあり、それを思いだした。すぐ病院に向かい、「モズの巣をよく掃除していた」と医師に告げたのだった。
「オウム病」の特効薬をもらって飲んだところ、その夜から悠君の熱は劇的に下がり、頑固なセキもウソのように消失した。
オウム病の病原体は、細菌よりも小さなクラミジアで、インコ、カナリアなどの小鳥から感染する。診断がつかないと死亡することもある。
小鳥がカゼ症状を示して死んだ場合は、オウム病に感染している可能性が高いので、疑わし鳥の死体には触れず、かごなどは熱湯で消毒するように心がけてほしい。また、小鳥に口移しでエサを与えるなどの濃厚な接触は避けるべきであろう。(藤田紘一郎・東京医科歯科大学教授)1998.5.18《朝日新聞》
■実態を調査
「ペットや家畜からうつる感染症の中で、細菌のクラミジアが原因の「オウム病」、リケッチアによる「Q熱」は、治療が遅れると死亡することもある病気だ。
平井克哉。岐阜大農学部教授は、家畜微生物学の専門家として80年、国内で初めてオウム病の実態を調査した。オウム病は、鳥かごを掃除する際などに、飛散したフンを吸い込んだりして感染し、呼吸器系統が侵される。
東海地方を中心に流通の各段階で3年かけて調べた結果、菌が卸売業者やペット店などで想像以上に広がっている状況を明らかにした。
また、肺炎などの症状を起こすQ熱は、52年の国立研究所の調査では日本国内には存在しないとされていたが、抗体の検出技術が進歩した90年以降に人や家畜を幅広く調べたところ、国内にも広く分布し、患者も相当数いることを突き止めた。
調査がキッカケとなり、オウム病とQ熱は、99年に施行された感染症法の対象に盛り込まれた。また、両疾患の遺伝子診断法を確立し、Q熱の予防ワクチンの開発研究に尽くしてきた」



オンコセルカ症
■寄生虫によって起きる、河川盲目症。
2015年、ノーベル賞受賞した大村智・北里大学特別栄誉教授が見つけた「エバーメクチン」。
土壌細菌の1つ、放線菌。
それをメルクが改善し、「イベルメクチン」として発売。



おこりっぽい (多怒)
=「怒りっぽい」=「易怒性」
■怒りっぽい還暦男性
「『精神科医の落語診断』などの著書がある昭和大学医学部客員教授の中田輝夫さん(清心医学)は「年を取ると、それまでまるくなっていた性格の地金が出てくるんですよ」と解説する。
ex市民グループが運営している東京都多摩市の喫茶店。60代とおぼしき男性、みけんにシワを寄せて「おい、注文したやつを早くもて来い」と切り出した。70代の新米ウエートレスが、注文をとっておきながら忘れてしまったらしい。
「ごめんなさい、ご注文はなんでしたっけ」と尋ねたのが悪かった。「いいから、さっき頼んだのを持ってこい」の一点張り。何度尋ねても注文内容を明かさない。結局「年寄りだと思ってバカにするな」と吐き捨て、出ていった。
東京都老人総合研究所が中高年約3000人を対象に実施した「中年からの老化予防に冠する心理学的調査」によれば、サラリーマン生活から完全に退いて一番精神的ストレス抱えていたのは還暦前後の人たちだった」
「同調査は、完全に引退した年齢を①50~59歳②60~64歳③65歳以上------に分けて、引退後とその2年後の[精神的健康]#1を測定した。
(28点満点で、健康が損なわれるほど点数が高くなる) それによると、
60代後半以降に仕事を辞めた人は引退2年後にはむしろストレスが低くなっていた。
ところが特に59歳までに仕事を辞めた人は精神的健康レベルが引退後の約4点から2年後には約8点に悪化していた。
(#1)[精神的健康]=精神状況を推し量る為の心理学的用語。
よく使われる簡単な調査では、
①疲れやすいなどの身体症状
②不安や不眠の症状
③「いつもより何かするのに時間がかかる」などの活動障害
④抑鬱症状
の4つの側面から点数化する。
東京都老人総合研究所の調査では、50代以降は親しい人との死別など悪い出来事が多くなり、度重なると精神的健康は著しく悪化する。ただし、周りから励まされたりしている人は悪化の度合いが低かった。悪い出来事の後、1年以上たつと周りの支えが少なくなり再び悪化する揺れ戻しも見られるという。
●接し方のポイント
「ムシャクシャしている男性に、周りの人間はどう接したらいいのか?
<1>まず、上手にやんわり受け流すことが肝要。昭和大学の中田教授は「ムシャクシャ男性はわざと無理難題をふっかけてくる。いちいち振り回されていたらきりがないから、文句の言葉じりに真剣にかかわる必要はない」と助言する。冒頭の喫茶店の例で言えば「また忘れちゃいましたねえ」くらいに対応すればいい。
<2>次に受け流すとは言っても、ぞんざいに扱うことはご法度。「また来て下さいね」と、さりげなく相手の存在を認めておくことが大切だ。
<3>その人の居場所を提供することもカギ。学習の場でも市民グループでもよい。その男性にふさわしい活躍の場について家族や友人が情報提供するのが望ましい。一般にカルチャー教室は女性が多く、男性は圧倒されることも。これに対して大学の公開講座や自治体のシルバー大学講座には、男性参加者 が多いので入りやすい。居場所を得て第二の人生に軟着陸できれば、ムシャクシャが軽減される。1998.2.1.《朝日新聞》
   

◎易怒性を引き起こす有害因子。
     <1>キシレン。
     <2>高所障害。
     <3>水鉛。
     <4>騒音。
     <5>タリウム。
     <6>超音波。
     <7>トルエン。
     <8>トリクロロエチレン。
     <9>鉛。
     <10>熱消耗。
     <11>ベンゼン。
【宝石療法】
<1>[珊瑚]
  
【処方名-50音順】
黄連解毒湯
加味逍遥散
柴胡加竜骨牡蛎湯
柴胡桂枝乾姜湯
柴胡桂枝湯
柴胡清肝湯
三黄瀉心湯
四逆散
小柴胡湯
大柴胡湯
竹茹温胆湯
釣藤散
抑肝散
抑肝散加陳皮半夏
竜胆瀉肝湯

 

おし(唖)
【処方名-50音順】
三黄瀉心湯
小柴胡湯
  

【臨床例】
☆唖と癲癇が治った例。
「山城、淀藩の士人山下平左衛門は、《吉益東洞》先生に謁して曰く、「男ありて、生まれて5歳。瘂にして癇、日に一発或いは再発す。虚尫羸憊して、旦夕斃を待つ。且つその悶苦の状は日一日と甚だし。父母の情として坐視するに忍びず。願わくば、先生の術に頼りて幸にひとたび起つを見れば、死すと雖も悔いなし」と。
  先生は因って為に之を診す。心下痞、之を按じて濡(ナン)。乃って大黄黄連湯とつくりて之を飲ます。百日ばかり。痞去りて癇は復発せず。而して胸肋妨張し、脇下支満す。瘂は尚故の如し。又小柴胡湯及び三黄丸を作りて、之を與う。時に大陥胸丸を以て之を攻む。半歳ばかり。一日乳母、兒を擁して門に倚る。適々馬を牽きて過ぎる者あり。兒忽呼びて曰く「牟麻(ムマ)=ウマウマ」と父母喜び甚だし。乃ち襁負して(=耳を疑いながら)倶に來り、之を先生に告ぐ。先生試みに糖菓を拈して、以てその呼を挑む。兒忽ち復呼びて曰く「牟麻」と。父母以為(おもえ)らく「願いに過ぐ」と。踊躍して自勝せず。因って前方を服すること數月、言語卒に常の兒の如し。」 《建珠録》
☆唖と癲癇
「江州、大津の賈人、銭屋七郎兵衛の男、生まれて五歳、病、瘂と癇を兼ぬ。癇は比日(=近頃)必ず発す。且つその骨體委弱して自ら凝坐すること能わず。
《吉益東洞》先生之を診す。胸肋妨張し、脇下支満す。小柴胡湯及び滾痰丸を作らして、之を飲む。時に紫圓を以て之を攻むること数月やや能く手足を用う。癇復び発せず。先生の曰く「更に之を服せば瘂も亦治すべし」と。然れども賈人、瞑眩の頗る甚だしきを以て、疑懼して決すること能わず。事故に托して、謝して罷む。」《建珠録》
☆唖がものを言うようになった
「越中、小田、中村の勝楽寺の後住、年十三、生まれて瘂を病む。その現住、来謁して曰く「余の後住は、敢えて言語の能通ずるを願うにあらず、幸いに先生の術に頼りて(も)し、佛名を得れば足れり。その剤、峻烈を畏懼するところに非ず。縦(たと)い死に及ぶも亦悔いなし。
《吉益東洞》先生之を診す。胸肋妨張して物ありて之を支うるが如し。乃ち小陥胸湯及び滾痰丸をつくりて之を與え、月餘、七寶丸をつくりて之を飲むこと数日、此の如きものは凡そ六次。でいり二歳ばかり。乃ち言らずということ無し。」《建珠録》


おしっこが近い
   (参照→「小便頻数」「尿失禁」)
■おしっこが近い
「72歳の女性。半年前から膀胱が下がってきて、外に出てくるほどです。おしっこも近くなりました。骨盤底の筋肉が弱っていると診断され、骨盤底筋を鍛える体操を2ヶ月間続けましたが効果はありません。肥満も原因だそうですが、体重はなかなか減りません。手術しかないと云われましたが、どんな手術なのでなのでしょううか?
●どんな病気なのですか?
「閉経後の女性に多い病気です。女性の膀胱は、骨盤内で子宮と膣の前側にあり (後ろから尾骨→直腸→子宮→膀胱と位置する)数多くの靱帯や、骨盤底筋群と呼ばれる筋肉に支えられています。この靱帯や筋肉がゆるむと、膀胱が下がり、膣内に出てきます。膣口から外部に出ることもよくあります。子宮や直腸と一緒に出ることもあり、この場合はそれぞれ『子宮脱』『直腸脱』と呼びます。
●下がる原因は?
「いろいろありますが、主なものは、加齢・肥満・出産です。閉経に伴う女性ホルモンの減少も関係します。
●どんな症状が出ますか?
「せきやくしゃみなど、腹に圧がかかったとき尿失禁が起きる場合と、逆に排尿困難が起きる場合があります。下がり具合によって正反対の症状が出ます。
●おしっこが近いそうですが?
「排尿がしにくいため、膀胱内に残尿があり、頻繁に尿意を催すのだと思われますが、診断をつけるには、きっちり検査する必要があります。
●そうやって調べるのですか?
「まず、膣口からどれくらい膀胱が出ているかを診ます。休んでいるときも出るのか?、力んだときだけ出るのかなども重要なポントです。造影剤を入れてレントゲンを撮り、形を見ます。尿の流量や、膀胱の神経が正常かどうかなどを調べることも大切です。下がり方の程度によって、治療法は違います。
●どう違うのですか?
「膀胱の壁が少し下がった程度の時は、膀胱の出口の角度が大きくなるため、少しの腹圧でも尿が出やすくなり、『尿失禁』を起こします。さらに下がって、膀胱の下部がだらんとたるんでしまった状態だと、ここに尿が溜まるため、『排尿困難』になります。
 尿失禁型なら、軽い場合は肛門を閉めるなどの骨盤底筋を鍛える体操だけで治ることもあります。膀胱の収縮力を下げる薬もあります。
●排尿困難型はどうですか?
「この場合は、体操は効果が無く、却って悪くなることもあります。失禁型も、下がり方が大きいものは手術が良いでしょう。尿管が伸びてしまい、尿がうまく通らなくなることもあります。この場合には腎臓が腫れる『水腎症』を起こすので、すぐに手術が必要です。
●どんな手術ですか?
「膣の壁や靱帯を縫い縮めます。膣壁を強くし、下がってきた膀胱を支えるわけです。子宮を取ることもあります。膀胱にかかる子宮の重みを取り除くのです。失禁型の場合は、下腹部に2カ所小さな穴を開けてナイロン糸を入れて尿道を吊り上げます。失禁はこれだけで治ることもあります。
●手術はどれくらいかかりますか?
「何れの場合も2、3時間です。全身麻酔ではなく、腰椎麻酔で出来ます。2週間ほどの入院が必要になります。 1999.1.10《朝日新聞》


おたふくかぜ
=流行性耳下腺炎。
・病原体・・・ムンプスウイルス。唾液を通じた飛沫感染で広がり、潜伏期間は2~3週間前後。

・おたふくかぜは人間にしか移らない。そのため実験動物がいない。
・感染年齢の中心は、3~6才。大人が罹ると重症になりやすい。
・片側又は両側の耳下腺が、腫れて痛む病気、発熱を伴うことが多い。
・片側の耳が多いが、難聴を併発すると、聴力が戻らなくなることもある。
・予防・・・ワクチンが有効
・合併症:
患者の5~8%ぐらいが髄膜炎を併発、頭痛や嘔吐などの症状が出る。思春期以降の男性は睾丸炎になることも。
・膵臓・睾丸・卵巣が犯されることで有名。

合併症に[髄膜炎][髄膜脳炎][睾丸炎][卵巣炎][難聴][膵炎]
   

◎臨床検査:
     <1>血中アミラーゼ:↑
     <2>尿中アミラーゼ:↑
     <3>WBC:正常~↓
◎89年4月にMMR三種混合ワクチンが導入されたが、頭痛・発熱・吐き気などの症状が出る無菌性髄膜炎が約1000人に1人という高率で発生したため、93年4月に接種が中止された。

【処方名-50音順】
■藿香正気散
■葛根湯
■銀翹散
■荊防敗毒散
■柴胡桂枝乾姜湯
■三黄瀉心湯
■小柴胡湯
■天津感冒片
■大柴胡湯
 


おでき(boils)
【芳香療法】
    <1>ベルガモット
    <2>ラベンダー
    <3>カミルレ
    <4>ジュニパー
    
 

おなら=「放屁(ホウヒ)」を参照。

おねしょ⇒「夜尿症」参照

おぼれる
■救助時に水に入るのは禁物
「海難救助の専門家であるライフセーバーになって2年目の大学生、タカシさん(19)は今年4月、和歌山県の海岸で訓練中におぼれかけた。この時ばかりは水が冷たく、急に脚がつった。パニックに陥り、もがいているところを仲間に助けられた。
大阪ライフセービングクラブ副代表の鍛冶有登・大阪市立総合医療センター救命救急センター部長は「どれだけ泳げる人でも、焦るとおぼれます」と警告する。鍛冶さん自身もそういう状況を何度も経験している。「パニックが大敵です。脚がつったり波に襲われたり、予期せぬ出来事が起きるとどうしても焦る。まず体の力を抜きましょう」
波にもまれると、上下左右が分からなくなり、下手に動くと、かえって沈む危険性がある。人体は海水より軽いから、動かす力を抜けば自然に浮き上がる。海水浴場の水深はせいぜい数mだから、沈んでも2秒ほどで海面に出ることが出来る。周囲を見て気持ちを落ち着かせ、自分がどこにいるかを見極める。タカシさんがおぼれた場所も、実は脚が届く程度の深さだった。
おぼれた人を見つけたら、どうしたらいいのだろう?
鍛冶さんは「絶対に水に入らないこと」と強調する。助ける方もパニック状態なので、そのまま水に入ると、二重事故を招いてしまう。
岸から棒などを差し出し、つかまらせて引き上げる。手頃なものがなければ、エアーマットやクーラーボックスなそ、浮くものを投げ、救助の訓練を積んだ人を呼ぶ。
「ライフセーバーは泳げるだけではダメで、高度な技術と体力が必要です。訓練を受けていないと、とても危険です」と鍛冶さん。
おぼれた人を岸に引き上げたら、体を横向きにして、頭を低くする。するとのどに詰まった水が自然に出る。お腹は押さない。無理に吐かせると、肺に水が入り、窒息したり肺炎を起こしたりすることがある。
意識がなくても心臓や呼吸が止まっているなら、何はともあれ人工呼吸と心臓マッサージ。意識があれば、体をよくふいて風に当たらないようにして体を温める。」1999.7.4《朝日新聞》

おりもの
⇒おりもの(こしけ、帯下)は、成人女性には誰にでもある生理現象ですが、量が急に増えたり、臭いがあったり、白く濁ったりするのは異常と判断します。
原因には膣炎・子宮頸管炎などがあります。


嘔噦(おうえつ)
=乾嘔の甚だしいものを指す。


嘔気(おうき)
=吐き気のこと。

 

嘔逆(おうぎゃく)
=嘔吐が病まず、胃気が上逆すること。    



嘔苦(おうく)
⇒苦水を嘔出する病証。
◎症状:吐出物の色は暗紫色で、比較的量が多く、食物の残渣の混じる。

 

嘔血
=食道、胃からの血液が口腔から吐き出されたもの、吐血に同じ。
◎以下の疾患の可能性がある。
門静脈性肝硬変
胃・十二指腸潰瘍
胃ガン
【処方名-五十音順】
■嘔血一方《寿世保元》

 

嘔吐(おうと)
   vomiting
【漢方療法】
*嘔:声あって物の出ない
*吐:物が出て声のないもの。
*嘔吐:声と物が同時にあるものを嘔吐とした。

◎原因:《大塚敬節》
急性伝染病の初期:
<1>幼児に多い。小柴胡湯を用いる機会が多い。
<2>小児麻痺・疫痢・麻疹・インフルエンザ・肺炎・猩紅熱・急性伝染聖肝炎・ワイル氏病・流行性脳炎・髄膜炎
<3>《傷寒論》に“嘔して発熱するものは柴胡の証備はる”の句があり、嘔吐に引き続き発熱するものには柴胡剤を用いる場合の多いことを述べている。

消化器病:
<1>酒客にみられるアルコール性胃炎の嘔吐:早朝空腹時が多い。
<2>胃拡張では:朝食を夕方に吐き、夕食をを翌日吐いたりする。
《金匱要略》に“朝に食して暮に吐し、暮に食して朝に吐き、宿穀化せざる者を胃反と曰ふ”とあり、後世になって、胃反を反胃と呼ぶようになった。
「茯苓沢瀉湯」「丁香茯苓湯」「生姜瀉心湯」などが用いられる。
<3>澼嚢と呼ばれた病気では、4、5日も前に食べたものを吐き、胃反では、腹痛を伴わないで、たやすく吐くのに、澼嚢では腹痛を伴うもの。
「茯苓沢瀉湯」「丁香茯苓湯」「生姜瀉心湯」などが用いられる。
<4>幽門痙攣による狭窄でも吐く。これは乳幼児に多く見られる。これは漢方でいう水逆性の嘔吐で五苓散が良く効く。
<5>急性食道炎・食道痙攣・食道狭窄・食道ガンなどで嘔吐:
梔子の配剤された処方(ex.利膈湯)が用いられる。
<6>肝臓・胆嚢疾患で嘔吐:
柴胡を主薬とした大柴胡湯・小柴胡湯などを用いる。

◎分類:
<1>冷症=顔色が青く、手足が冷え、食べた後しばらくして吐く。
処方:[加味二陳湯][丁香安胃湯][加減理中湯]
<2>熱症=顔色が赤く、手足に熱があり、食べた後すぐに吐く。
処方:[保中湯][和桔梗湯][黄連竹茹湯][清熱二陳湯][葛根竹茹湯][加味橘皮竹茹湯]
<3>大病後に胃が熱し、虚煩・嘔吐する:[竹葉石膏湯姜汁]
<4>清水を吐く、or冷涎が出る:
[二陳湯白朮・白芍薬・升麻・神麹・麦芽・乾生姜(土炒)・黄芩・黄連・梔子]
<5>肝火が胃から逆上して嘔吐:[抑青丸]
<6>胃が弱くて嘔吐:[四味藿香湯][加減四君子湯]
<7>長患いで胃が弱り嘔吐:[藿香安胃散][藿香平胃散][比和散]
<8>痰飲嘔吐:[茯苓半夏湯][小半夏湯][大半夏湯]

◎諸薬無効の者:「麝香・桂心」末とし、調服する。《先哲医話》
◎主薬:姜汁・半夏を主薬とすべし《万病回春》

■抗がん剤の嘔吐に・・・・「塩酸トロピセトロン」(ナボパン)
  

【芳香療法】
    <1>カミルレ(ストレスから)
    <2>ラベンダー(ストレスから)
    <3>ブラックペパー(かぜから)
    <4>マージョラム(かぜから)
    ベイチ博士の救急薬
  

【民間療法】
○酢・ハラン・ミソハギ(鼠尾草)・連翹
  

【処方名-五十音順】
■安中散
■胃苓湯
■茵蔯五苓散
■烏梅丸: 回虫のための嘔吐(漢方診療医典)
■黄連湯
■黄連竹茹湯《万病回春》(胃に熱があって嘔吐し、煩渇して脈が速い)
■薤白粥・・・・・・(嘔逆を治す)
■藿香安胃散《医学正伝》(脾胃が弱く嘔吐する)
■藿香平胃散《医学正伝》(脾胃の虚弱で嘔吐)
■葛根竹茹湯・・・・(胃熱と嘔吐)
■加減四君子湯・・・(長患いで飲食を受け付けず、食臭を嗅ぐとすぐ吐く者を治す)
■加減理中湯・・・・(胃が冷え、清水と冷涎を嘔吐し、脈沈遅)
■加味橘皮竹茹湯《医学入門》(胃熱による渇症と嘔吐、食べられない)
■加味二陳湯《万病回春》(胃が冷え嘔吐する)
■加味六君子湯《万病回春》
■加味理中湯《万病回春》
■乾姜半夏人参丸烏梅丸
頑固に続く嘔吐、ことに妊娠悪阻の嘔吐に、乾姜半夏人参丸烏梅丸で著効を得ることがある。金匱要略に“妊娠、嘔吐止まざるは乾姜半夏人参丸之を主る”とあり、小半夏湯、小半夏加茯苓湯を用いて止まないときに用いる(漢方診療医典)
■啓脾湯
■香砂平胃散《万病回春》
■呉茱萸湯
激しい頭痛を伴う嘔吐ことに偏頭痛に用いられているが、頭痛が無くても、吐く場合にも用いられる。金匱要略に“嘔して胸滿する者は呉茱萸湯之を主る”とあって、多くの場合、嘔吐すれば胸がすいて胸滿が減ずるのを常とするが、もし吐いても胸滿が減ぜず、ますます胸がはるのは呉茱萸湯を用いる目標である。呉茱萸湯の嘔吐では、悪心を伴い、吐物の1回量は少なく、五苓散証のように多量の水を吐くことはない。
呉茱萸湯証では、心下痞満があるので、小柴胡湯や半夏瀉心湯証に似ているので、鑑別を要する(漢方診療医典)
■五苓散
乳幼児の風邪や急性胃腸炎などのさいに五苓散でなければ治らない嘔吐がくることがある。熱のある場合でも、熱がない場合でも、どちらでもよい。
はげしい口渇と尿利の減少があって、嘔吐を繰り返して訴える者を目標とする。嘔吐は1回に大量の水をドッと吐くのが特徴で、吐いた後で、水をほしがり、それを飲んでしばらくたつとまた吐く、吐くとまた水をほしがるので、このさい尿の出が少なくまいかをたずね尿利の減少があれば五苓散の適応症である。
多くの場合、1回または2回の服用で嘔吐が止み、口渇も無くなり、熱のある場合は発汗し、尿利が増加して下熱する。
また嘔吐に下痢を兼ねることもあり、嘔吐に腹痛を兼ねることもあり、嘔吐に頭痛を兼ねることもある。この場合でも口渇と尿利の減少を目標に用いる。(漢方診療医典)
■柴苓湯
■三霊湯《本朝経験》
■四君子湯
■四味香湯・・・・(胃虚と嘔吐で、粥・薬を受け付けない)
■紫沈丸・・・・・・(吐いて痛む者)
■順気和中湯
■小柴胡湯
急に熱の出た場合に、嘔吐のくることがある。乳幼児には特に多くみられる。傷寒論に“嘔して発熱する者は、小柴胡湯之を主る”とあって、嘔吐に引き続いて熱の出る者に、小柴胡湯を用いてよい場合がある。
急性肝炎、胆のう炎、流感、猩紅熱、腎炎などの初期に本方が用いられる。
胸脇苦満、心下痞硬、舌の白苔などを目標にして用いる。
乳児が乳汁を吐いて止まない者に、小半夏湯。呉茱萸湯などを用いて効がなく、この方を用いて著効のあった例が方輿輗に出ている。(漢方診療医典)
■小半夏湯
この処方は半夏と生姜との2味からなる味の淡泊なもので、嘔吐して、飲食物はもちろん、薬も受け付けないという者に用いて、嘔吐を止める効がある。
金匱要略には“もろもろの嘔吐、穀下るを得ざる者は、小半夏湯之を主る”とある。この処方に用いる生姜は、必ず生のひねしょうがを用いなければならない。(漢方診療医典)
1口づつ冷たいものを飲む。
■小半夏加茯苓湯   
小半夏湯に茯苓を加えたもので、心下に停水があって、嘔吐するものを目標にする。金匱要略には“先ず渇して後に吐するは水心下に停るとなす。此れ飲家に属す。小半夏加茯苓湯之を主る”とあり、また卒に嘔吐し、心下痞し、膈間に水あり、眩悸があり、また口渇があるものに用いるので、五苓散との鑑別が必要になる。小半夏加茯苓湯では、五苓散の場合のような激しい口渇は無く、また1回に大量の水をドッと吐くということはなく、悪心があって、吐く、しかし小半夏加茯苓湯を用いても、嘔吐が止まらないようであれば、五苓散を考えてみるがよい。(漢方診療医典)
1口づつ冷たいものを飲む。
■参萸湯《済世全書》
■参蘇飲
■清胃保中湯《寿世保元》
■清熱二陳湯・・・・(痰火による嘔吐、涎沫)
■生津補血湯(セイシンホケツトウ)
■大黄甘草湯・・・・(食べてすぐ吐く)
■大建中湯
■大柴胡湯・・・・・(激しい嘔吐)
小柴胡湯を用いても嘔吐が止まず、便秘、腹満、胸脇苦満のあるもの(漢方診療医典)
■丁香安胃湯・・・・(胃が冷えて嘔・吐・する)
■丁附治中湯《医学正伝》
■竹茹湯《寿世保元》
■猪苓散・・・・・・(先に嘔逆、あとで渇症、嘔吐し水をほしがる)
■当帰四逆加呉茱萸生姜湯
■二陳湯
■人参湯
傷寒論に“霍乱、頭痛、発熱、身疼痛、熱多く、水を飲まんと欲する者は、五苓散之を主る。寒多く、水を用いざるものは、理中丸之を主る”とあり、理中丸は人参湯を丸薬にしたものである。霍乱は嘔吐と下痢を主訴とする病気であるが、下痢しないで嘔吐だけのこともある。そこで、五苓散は“熱があるため”であり、人参湯は“寒があるため”であり、ここに両者の区別が生まれる。
人参湯証では、水を飲みらがらないばかりでなく、尿色はうすくて尿量も多く、、冷え症で、口にうすい唾液のたまる傾向がある。脈も沈遅、遅弱の者が多い。(漢方診療医典)
■半夏厚朴湯
■半夏瀉心湯・・・・(胸元がつかえる、下痢、腹鳴、吐き気)
■半夏白朮天麻湯
■白朮湯《医学正伝》
■比和飲《寿世保元》
■茯苓飲
■茯苓飲合半夏厚朴湯(悪心嘔吐、気鬱不安、胃内停水)
■茯苓沢瀉湯
本方は五苓散の猪苓のかわりに甘草と生姜を入れたもので、茯苓沢瀉湯も口渇と尿利の減少を伴う嘔吐に用いられるが、五苓散と違うところは、五苓散証ほどに、口渇がはげしくないのと、水を飲んでもすぐに吐くことは無く、また回数も頻繁に繰り返すことはない。
朝食べたものを夕方吐いたり、夕方たべたものを翌朝吐いたりする。
金匱要略には“胃反、吐して渇し、水を飲まんと欲する者は、茯苓沢瀉湯之を主る”とあり、幽門狭窄、胃拡張などで吐く者に、本方を用いる機会がある(漢方診療医典)
■茯苓半夏湯《万病回春》(痰飲が胃につまり、嘔吐が止まらない)
■平胃散・・(太陰病、心下痞塞、腹部膨満、食後腹鳴)
■保中湯《万病回春》(痰火による嘔吐、飲食が下らない)
■六君子湯
■理中加丁香湯《医方考》
■苓桂甘棗湯
幼児の自家中毒症、ヒステリー性の嘔吐などに用いる機会がある。
幼児の自家中毒症には人参湯や五苓散をもちいてよい場合もあるが、下痢または臍の辺りで動悸が亢進し、それが胸に向かって突き上げてくる気味で吐く、そのとき、腹痛を伴うこともある。
神経性の嘔吐に用いることもある。
本方は発作性の心悸亢進を主訴する者に用いる処方で、古人が奔豚と呼んだものを目標とする。金匱要略には“少腹より起こって、咽喉に上衝し、発作すれば死せんと欲し、復た還り止む。皆驚恐より之を得る”とあって、精神的のショックによって起こる心悸亢進を主訴とするびょうきである(漢方診療医典)
■和中桔梗湯・・・・(上焦に熱があって、食べるとすぐに吐く)


横隔膜下膿瘍
⇒以下の疾患に続発する
肝・胆・虫垂の炎症
胃十二指腸潰瘍の穿孔

◎症状:
上腹部の激痛があり、背。肩へ痛みが放散する。
高熱(悪寒戦慄を伴った高熱が出る)
浮腫・圧痛・膨隆(膿瘍部分に一致)
肺下界の呼吸性異同(ー)
濁音の証明

【処方名-五十音順】
■柴胡桂枝乾姜湯


横隔膜ケイレン
【処方名-五十音順】
■丁香柿蒂湯


横痃(おうげん)
=よこね。
各種の疾病が腹股溝に発して、リンパ結腫となったもの。
◎症状:
初期の形は杏核のようで、次第にガチョウの卵大になり、硬く・シビレ・痛みがある。
赤く腫れて熱を持ち、or微熱があって赤くないものがある。
穿潰後は膿液が流れ出て、口は容易にふさがらない。これを魚口という。




黄汗
=黄色い汗が出る病名。
◎症状:発熱して口渇し、胸部が満悶し、四肢・顔面が腫れ、小便不利ぢて、脈沈遅を示す。《金匱要略水気病》

◎病因:営衛が壅遏されて起きる。
湿熱が内に盛んとなり、風・水・湿・熱が互いに相乗し溢れて浸出した。

【処方名-五十音順】
■黄蓍建中湯
■桂枝加黄蓍湯


黄鼓疔(おうこちょう)
⇒口角、頸部、顴部、眼瞼などに生じる腫れ物。


黄色腫 xanthomatosis
⇒脂質の沈着によって皮膚に出来る黄色を帯びた盛り上がった斑点状の発疹。
高脂血症にみられることが多い
◎原発性胆汁性肝硬変で高コレステロール血症が持続するとコレステロールが皮膚に沈着して生じる。両上眼瞼内則に認めることが多い。
◎脂質の沈着は皮膚のみだけでなく、腱鞘、血管壁、網内系細胞などにも見られる。

◎分類:
     扁平性黄色腫
     発疹性黄色腫
     斑状黄色腫
     眼瞼黄色腫
     結節性黄色腫
     腱黄色腫
     手掌黄色腫
     足底黄色腫
◎リポタンパクと黄色腫
高リポタンパク血症Ⅰ型:皮膚・口腔粘膜
高リポタンパク血症Ⅱ型:アキレス腱。手足の伸側、肘、膝、臀部、眼周囲
高リポタンパク血症Ⅲ型:腱と結節性の両方、手掌の皺、指先黄白色の小さい沈殿物
高リポタンパク血症Ⅳ型:発疹性が多い
高リポタンパク血症Ⅴ型:発疹性のものが、膝、肩、背に



黄疸(おうだん) jaundice
⇒黄疸とは血中ビリルビンが増えて皮膚・粘膜・などの組織が黄色く染まる状態。
◎黄疸の有無は球結膜の所見による、白色の強膜が黄染する。
◎チェックしましょう:
・膵臓ガンの可能性あり。《螺王人》
・幼児の黄疸→「アラジール症候群」
◎原因:白血病
    再生不良性貧血
    高血圧   
◎種類:
McNeeの分類:
<1>溶血性黄疸 hemolytic jaundice
<2>肝細胞性黄疸 heoatocellular jaundice
<3>閉塞性黄疸 obstructive jaundice

Richの分類:
<1>停滞性
<2>逆流性

Ducciの分類:
<1>肝前性(溶血性および非溶血性)
<2>肝性 (肝細胞性および肝内胆管性)
<3>肝後性(完全閉鎖および不完全閉塞)

Popperの分類:
<1>胆汁排泄障害(ー)
<2>胆汁排泄障害(+)

抱合型と非抱合型:
<1>抱合型:尿中ビリルビン(ー)
 ①溶血型
 ②停滞型
<2>非抱合型:尿中ビリルビン(+)
  ①肝細胞障害型
  ②Dubin-Johnson症候群
  ③肝内胆汁欝滞
  ④閉塞性黄疸
   

■先天的溶血性黄疸
「我々が持っている細胞の周りを取り巻いている細胞膜は、半透膜と呼ばれる。すべての物質を透過させるのではなく、ある物質を選択的に通す性質がある。一般的に、この膜を透過するのは分子量が小さい物質であり、タンパク質のような大きな分子は通らない。
 半透膜を、濃度が異なる2つの液体の境界に入れると、水は膜を通って濃度の低い液から高い液の方へ移動する。この水が移動する力を浸透圧という。
さて、我々の体の中には様々な物質のイオン(電気的な性質を持った原子または分子)がある。これらをひっくるめて塩(えん)と呼んでいるが、細胞の内と外の塩濃度を比べると、細胞内の方が20%くらい高くなっている。これだと浸透圧によって、細胞の中に水がどんどん入り込むことになる。
これを防いでいるのがイオンポンプと呼ばれる仕組みである。特に重要なのがナトリウムーカリウムポンプである。これはナトリウムイオンを細胞の中から外にくみ出し、代わりにカリウムイオンを中に取り入れている。その結果、細胞内部は塩濃度が上がり、同時に水も出ていくようになっている。ところが、細胞の外はもともとナトリウムが多く、逆に内はカリウムが多いから、これらのイオンのくみ出し・取り入れは濃度勾配に逆らって、低いところから高いところへと行われる。
細胞の内と外の塩濃度にあまり差がないと、「ポンプ」は正常に作動して細胞は普通の状態でいる。しかし、周りの塩濃度が低くなると、細胞はどんどん入り込む水をくみ出せなくなる。赤血球の場合、膜のすきまからヘモグロビンが漏れ出てくるようになる。これを[溶血]という。
 赤血球をはじめ人間の細胞は、普通、0.9%の濃度の食塩水と同じ塩濃度の中が最適な環境である。この食塩水濃度を0.48%にまで下げると、赤血球は溶血しはじめ、0.33%で完全に溶血する。この時赤血球の膜に異常があると、もっと高い濃度、例えば0.7%くらいのところで溶血を起こす。
 こうした異常の中でも最も有名なのは[先天的溶血性黄疸]である。この時は、本来はせんべい形の赤血球が球形をしている。原因は色々あるが、代表的なのが、赤血球の中にあるグルコース6リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD)という酵素の先天的異常である。G6PDは赤血球の中でブドウ糖(グルコース)が分解される際に働く。と同時に、赤血球の膜にある不飽和脂肪酸が酸化されるのを防いでもいる。
 赤血球の膜は絶え間なく酸素を透過させていりので、どうしても脂肪酸をはじめ膜を構成している物質は酸化されてしまう。G6PDが正常に働かないと、酸化された物質を元に戻せなくなってしまうので、膜がもろくなり、ちょっとした刺激でも破壊され、溶血を起こしてしまうのである。
 G6PDは、遺伝的異常が最も起きやすい酵素であることが知られている。(浜松医科大学・高田明和)
【芳香療法】
    <1>カミルレ
    <2>ペパーミント
    <3>レモン
    <4>ローズマリー
    <5>タイム
【色彩療法】
    <1>レモン色
    <2>赤色
    <3>黄色
    <4>赤紫色
【宝石療法】
    <1>[真珠]
【民間療法】
○アカネ・アシ・アスナロ・アロエ・ウコン・ウツギ・梅・エビスグサ・黄連・オトギリソウ・オモト・カキドウシ・カラスウリ・カワラケツメイ・カワラヨモギ・キカラスウリ・クサニオウ・クチナシ・クマヤナギ・クララ・シカ・シジミ・セリ・大根・タニシ・タンポポ・チガヤ・トウモロコシ・ナンテン・ニワトリ・ニワヤナギ・ハトムギ・ヒヨドリジョウゴ・フジバカマ・ホオズキ・ミシマサイコ・ミヤマトベラ・ムラサキ・メギ・モッコク・ヤマゴボウ・ヨシ・ヨモギ。
 
【漢方療法】
⇒すべて黄を発する病は、小便の不利から来るの大部分だが、例外として、溝血の発黄だけは、小便が良く出る。これは熱が下焦に溜まった津液を消耗させると小便が不利になり、下焦に詰まって熱が、ただ血だけが消耗させ、津液は消耗出来ないので小便が良く出る。
◎発黄の証に茵蔯蒿を用いざる者甚だ多きは如何と曰う、答えて曰く、発黄に五苓散の証を具うる者は茵蔯五苓散之を主り、発黄し心胸不安、小便不利、腹微満する者は茵蔯蒿湯之を主り、若し乃ち一身尽く黄し腹脹り大便必ず黒く時に溏する者は消礬散之を主り、発黄し心中懊膿し熱痛する者は梔子大黄湯、発黄し腹満、小便不利して赤く自汗出ずる者は、大黄消石湯、発黄し頭痛、悪風、自汗、盗汗する者は、桂枝加黄蓍湯、発黄し胸脇苦満、腹痛してする者は小柴胡湯、発黄し裏急腹中痛、小便自利する者は黄蓍建中湯、発黄し喘咳身体疼痛する者は麻黄醇酒湯之を主る。此れ皆其の全証に随いて処方するのみ。《重校薬徴》

◎主薬:
発黄には、茵蔯・梔子を主薬とすべし《万病回春》
黄疸には、茵蔯を主薬とすべし《万病回春》

◆五種の黄疸
<1>黄疸:
[茵蔯五苓散][茵蔯三物湯][陶氏茵蔯湯][加減胃苓湯][茵蔯散]
<2>酒疸:「アルコール中毒による肝障害が原因。全身及び眼が黄色、顔は黄色く発斑(赤い)、食欲不振、吐き気、心中懊、足のほてり、排尿困難、尿赤黄色となる」
[半温半熱湯][梔子大黄湯][葛朮湯][酒煮黄連元][辰砂妙香散]
<3>穀疸:
[茵蔯梔子湯][茵蔯湯][牛黄散子][紫金丹][穀疸丸][小温中湯][大温中湯][鍼砂丸]
<4>女労疸:「慢性疲労又は発熱時の性行為が原因。額が暗黒色になり、手足の裏が夕方からほてり、軽い発汗がある。排尿困難はない。」
[礬硝散][石膏散][秦飲子][腎疸湯][六味丸]
<5>黄汗:
[蓍蔯湯][桂枝黄蓍湯]

◎分類:
『陰黄』=身体と顔が黄色く、肢体重く、背が冷たく、心臓の下に塊があって自汗し、脈細の症。
寒湿が裏で停滞して起きる。全身及び顔面が黄色・心下痞硬・自汗・身冷背寒・肢体沈重・頻尿などの症状
[茵蔯茯苓湯][茵蔯橘皮湯][茵蔯附子湯][茵蔯四逆湯][茵蔯姜附湯][茵蔯        呉茱萸湯][茵蔯附子乾姜湯][五苓散][八味地黄丸][人参湯][六味丸]

『陽黄』=湿熱が裏で薫蒸して起きる。急性肝炎・急性胆嚢炎などで、眼の黄色が鮮明・発熱口渇・心中懊・悪心嘔吐・尿黄赤・尿量減少・大便秘結・腹部脹満・舌苔黄膩となる。          
[茵蔯五苓散][加減胃苓湯][大分清飲]
『疫癘発黄』=「瘟黄」
[瘴疸丸][茵蔯瀉黄湯][済生茵蔯湯][苦参湯]

◎ビリルビン値を下げる薬物。
<1>茵蔯蒿
<2>欝金

【処方名-五十音順】
■茵蔯橘皮湯
■茵蔯姜附湯
■茵蔯蒿湯
急性肝炎による黄疸によく用いられる。(漢方診療医典)
■茵蔯呉茱萸湯
■茵蔯五苓散
本方は五苓散に茵蔯蒿を加えたもので、五苓散の証があるものに用いる。茵蔯蒿湯を用いた後で、本方を用いることがあり、また初めから本方を用いることがある(漢方診療医典)
■茵蔯梔子湯
■茵蔯散
■茵蔯三物湯
■茵蔯四逆湯
■茵蔯瀉黄湯
■茵蔯茯苓湯
■茵蔯附子乾姜湯    
■茵蔯附子湯    
■温白元
■越婢加朮湯
■蓍蔯湯
■黄連解毒湯
■黄連散
■加減胃苓湯
■葛朮湯
■苦参散
■桂枝加黄蓍湯
■牛黄散子
■穀疸丸
■呉茱萸湯
■五苓散
■柴胡桂枝乾姜湯
■柴胡桂枝湯    
■済生茵蔯湯
■三黄瀉心湯
■紫金丹
■四逆湯
■梔子乾姜湯
■梔子豉湯
■梔子柏皮湯
黄疸の軽症で腹満も、胸脇苦満もなく、悪心、嘔吐、便秘、尿利減少なども無いものに用いる(漢方診療医典)
■炙甘草湯
■小温中丸
■小建中湯
胆石の患者で、黄疸が現れて治らず、、衰弱したものに著効があったと矢数有道氏が報告(漢方診療医典)
■小柴胡湯
■如神散    
■瘴疸丸
■秦飲子
■鍼砂丸
■腎疸湯
■棗子緑礬丸
■石膏散     
■退黄丸
■退黄散
■腿金丸
■大温中丸
■大黄甘草湯
■大黄硝石湯
本方も急性期を過ぎて黄疸がとれず、便秘、腹満、尿利減少のものに用いる(漢方診療医典)
■大柴胡湯茵蔯蒿湯
■大分清飲
■胆道排石湯2号方
■鼻退黄法
■桃核承気湯
■当帰白朮湯
黄疸が長い間にわたって治らず、虚証になったものに用いる。黄疸に効くいろいろな方剤を用いても効が無く、心下の堅塊も縮小しないものに用いる。本間棗軒は本方の奇効を推奨している(漢方診療医典)
■陶氏茵蔯湯
■人参湯
■八味地黄丸
■半温半熱湯
■礬硝散
■復肝2号方
■茯苓滲湿湯     
■麻黄醇酒湯
■麻黄連軺赤小豆湯
日立製作所病院長の川西和夫氏は、本方が肝炎に効のあることを認め、かって亜慢性黄色肝萎縮症に本方を用いて奏功した例を報告(漢方診療医典)
■万病元
■緑礬丸
■六味丸



黄熱病
■コンゴで21人死亡
2015年12月以降、アフリカ中部コンゴ(旧ザイール)で、黄熱病が流行。
16年1月まで、21人が死亡。
隣のアンゴラでは、これまでに225人が死亡。


黄胖病
=萎黄病。

身体疲労し、月経少なく、面目黄色く、心悸亢進し、胃弱に兼ねて食欲なく、大便秘結する者にして、多く成年期の処女に発す。
⇒全身の皮膚が黄色になり、顔・足がむくみ、動悸・息切れを伴う。《漢方用語大辞典》。
◎今日の十二指腸虫病である。《大塚敬節》
◎黄胖は黄疸の如く眼中黄なし。ただ周身淡黄なる者なり:「平胃散鉄砂」《通俗医法捷径》
◎生米、茶葉、壁土の類を好んで喰う者あり:「半夏瀉心湯香附子」
◎動高き者:「瀉脾湯竜骨牡蛎」
(虚症)「六君子湯莎草・厚朴・蜂蜜」
    瀉脾湯竜骨牡蛎
    鍼砂湯
    「平胃散鉄砂」
(実症)重症---大神湯《竹田家方》

【処方名-五十音順】
■絳礬丸《有持桂里》
■治胖丸《津田玄仙》



黄斑変性症
◎錐体細胞(色を判別)の大部分が黄斑部にある視細胞の一種。桿体細胞は明暗を感じる細胞で共に網膜上にある。錐体細胞には判別できる色の違いから3タイプある。
人間の視細胞には4タイプある。   

■老人性視力障害の原因物質
「米国のコロンビア大学の研究チームは、老化に伴う視覚障害に関与していると見られるビタミンA誘導体の大量合成技術を確立した。このビタミンA誘導体は『A2E』と呼ばれ、網膜中で特に視覚が鋭敏な黄斑と呼ばれる部位が老化に伴って異常を来す『黄斑変性』に関わっているとされる。研究チームは量産が可能になったことからこの病気の研究が進むとみている。
黄斑変性は米国の65才以上の老人3400万人のうち、約170万人の視覚障害の原因で、老化の失明の主要因となっている。研究チームは96年以降の研究からこの病変の原因物質としてA2Eの疑いが強いとみて、その合成法 を探っていた。ただ、合成が難しく、病気の解明に十分な量を確保できなかった。研究チームは量産技術の確立でA2Eが病変につながる理由などがわかるとしている。 1998.12.13《日経産業新聞》
   

■老人性円盤状黄斑変性症の新治療法
「米チバビジョン社とカナダのバイオ企業であるQLTフォト・セラピューティクス社は共同で、失明率の高い老人性黄斑変性症の新たな治療法を開発、臨床試験で効果を確認した。
この病気は眼底中央部に異常な血管が出来て出血するのが特徴で、50才以上の人の失明の主因となっている。新治療法では光感受性の物質とレーザーを併用し、異常な血管からの出血を止める。」1999.1.21《日経産業新聞》
   

■加齢黄斑変性症
=高齢者に発症し、極度の視力低下を招く。視細胞を支える網膜色素上皮細胞が壊れ、失明と進む。
「57歳の男性。眼科で加齢黄斑変性の初期と診断されました。徐々に視力が衰え、放っておけば失明の恐れもあるということです。今後の生活で、進行を少しでも遅くする方法を教えてください。また、十数年来、週末にゴルフをしていますが、、サングラスをかけた方がいいでしょうか?
●黄斑とは何ですか?
黄斑は、カメラにたとえるとフィルムにあたる網膜の真ん中にあり、視力を保つ大事な場所です。この黄斑に、老化のため異常な血管が生えたり、萎縮したりして網膜を傷める病気が加齢黄胖変性症です。50代以上に起こりやすく、視野の中心がぼやけたり、ゆがんで見えたりします。最初は片方の目に起こり、程度も軽いが、進行すると視力低下を招き、失明につながることもあります。
●異常な血管とは?
網膜が脈絡膜と接する部分に網膜色素上皮細胞が並んでいます。年をとると網膜色素上皮の働きが低下し、老廃物がたまり、その老廃物に刺激されて脈絡膜から異常な血管が発生します。この新生血管はもろくて、血液や水分が漏れて網膜が盛り上がり黄斑の機能が低下します。
●欧米では患者数が多いと聞きましたが?
日本でも増えています。厚生省の研究班の疫学調査によると、患者数は1993年は14400人で、87年から1.7倍に増えました。男性に多いのも特徴です。
●何が原因ですか?
遺伝や年齢のほか、タバコが危険因子であることが分かっています。記念しても15年以上続けないと影響が無くならないので、若いうちから気をつけてほしいですね。
●どう予防すればいいですか?
アメリカの研究に、濃い緑色野菜に含まれるカロチンの摂取が少ないとなりやすいという結果があります。肉より魚を食べる方がなりにくいという報告もあります。太陽光線も良くないと言われており、サングラスは紫外線をカットできるものを選んでください。」2000.4.30《朝日新聞》
ステイーブン・プラット医学博士:カリフォルニヤ大学サンディエゴ校臨床医学助教授
「最近になって、我々の眼の網膜、眼球および黄斑部にあるカロチノイドは、このルティン/ゼアキサンチンだけで、これがわれわれの眼の健康を守ってくれるカロチノイドであることが分かりました。
 このルテイン/ゼアキサンチンは、我々の肝臓内でつくられるHDL(善玉コレステロール)によっで血清中にまじって眼の網膜と黄斑部に運ばれます。
 黄斑部にルテインとゼアキサンチンが十分にあると、黄短部が健全に保たれ、青白色に対する反応、すなわち"まぶしさ"を防ぎ、映像感覚が鋭くなり物がはっきりと見えるようになります。ちょうど日中にサングラスをかけた時と同じ効果が得られます。
 眼の中には、適度に脂肪分がないといけませんが、酸化した脂肪は黄斑部の疾病の原因になりますので、眼の健康を保つためには、眼球を含めて網膜と黄斑部にだけみられるルテイン/ゼアキサンチンを多く補充して脂質の酸化作用を防ぐことが肝心です。
 植物中のルテインの抗酸化効果は強力で、太陽光線のもとでルテインが欠乏すると植物は数分で死んでしまいます。
 また、タバコを一服すると天文学的な数のフリー・ラジカル(活性酸素)が産生されます。アルコール類も例外ではありませんが、赤ぶどう酒はビールよりもフリー・ラジカルの産生度が少ないことは興味深いことです。
 これに関連する面白い例があります。南洋のフィジー島の人たちはタバコを多く吸いますが、肺ガンにかかる人がその割に少ないのです。調査の結果、普段からルテインを多く含んだ食べ物を多く摂っていることがその理由であることが分かりました。
 ルテイン/ゼアキサンチンやリコピン等の植物色素には、肺ガンや前立腺ガン、乳ガン、結腸ガンその他のガンを予防する働きがありますが、それらの植物色素(カロチノイド)は、単一で摂るとかえって害となることが多いことが分かってきました。
 有名なフィンランド・ショックというベータ・カロチンだけを使った実験結果がそれを明らかにして、世界にショックを与えました。
 ルテインの働きで最も注目すべきものは、眼の黄斑部の健康にとって大切であるばかりでなく、女性の子宮頚管ガンの予防や、糖尿病患者特有のインシュリン耐性に対して効果がある事が分かっています。
 言い換えれば、インシュリンの効果を正常化することで糖尿病治療に効果を発揮します。
 結論的に、各種の植物色素(カロチノイド)は、自然のままの状態で丸ごと摂取することが最も良い効果を、すなわち相乗効果をあげます。
これが、われわれの健康にとっては最高の食事療法です。
   

■半導体で視力再生
「網膜の働きを代行する半導体チップの開発が進んでいる。関西文化学術都市にある奈良先端科学技術大学大学院大学。大田淳・助教授の研究室では大学院生たちが珍しいLSIの設計・開発に取り組んでいる。用途は人間の目に埋め込む人工視覚チップを目指している。高齢化とともに日本でも網膜が正常に機能しなくなる目の病気が増えてきている。米国の失明原因第1位の加齢黄斑変性症はその1つ。年ととるにつれて視細胞などがうまく働かなくなり、信号の光電変換ができなくなる病気だ。網膜色紙変性症も同様に信号の切り換えが困難になる病気。
こうした病気には視神経に信号を送る残りの網膜細胞には問題がない。このため、視細胞と人工視覚チップを置き換えれば光を取り戻せる可能性がある。」「LSIではなく、再生医療技術を使って目を修復しようとしているのが京都大学病院探索医療センターの高橋政代医師らだ。視細胞などになる最適な細胞を探している。」2003.3.9《日本経済新聞》

■ナノ光線で治療
「独系光学機器販社のカールツァイス(東京新宿区、ラリーハンセン社長)は、失明の原因にもなる「加齢黄斑変性症(AMD)」をナノテクノロジー(超微細技術)を駆使して治療する医療機器を日本で発売する。正常な網膜を傷つけることなく、これまで国内で有効な治療法が無かったタイプのAMDを直せるようになる。
AMDレーザー治療装置「ビズラスPDTシステム690S」の輸入承認をこのほど取得した。承認対象は、網膜に生まれる異常な血管からの出血が原因で視界の中心が見えなくなる「中心窩下脈絡脈新生血管を伴うAMD」。
治療では、新生血管に貯留する性質の薬剤を患者の静脈に注射。新生血管に集まった薬剤を狙って、波長689ナノメートルの非熱レーザー光を83秒間照射する。薬剤が活性化し新生血管を閉塞させ、視力の衰えを防ぐ仕組みだ。
1999年にスイスで実用化されて以来、世界65カ国、25万人がこの治療を受けたという。2003.12.22《日経産業新聞》

■RNA干渉で臨床(→RNA干渉)
「米アキュティファーマシューティカルズ社は2004年10月に臨床試験を開始した。そのRNAi医薬品は化学合成した短い二重鎖RNA(siRNA)製剤。血管増殖因子VEGF遺伝子の発現を抑え、加齢黄斑変性症の原因である病的な血管増殖(新生血管)を治療する。」
「創薬ベンチャーのジーンケア研究所は効果的な投与法を開発。特殊加工をしたリポソームを呼ぶ微小カプセルで包み込んだ人工RNAを静脈注射し、ガン細胞の増殖を抑制することにマウス実験で成功した。人工RNAが遺伝子の修復に関わる酵素の働きを抑え込む。ガン細胞は傷ついたままでも細胞分裂しようとする特徴があり、修復機能が働かなくなると最後は死滅する。2008年からヒトへの臨床試験を目指す。」
「日本新薬は独自技術で薬剤のもとになる人工RNAをつくることに成功した。長さが従来より2~4倍の人工RNAを効率よく作ることに成功した。しかも、米社の特許を回避できる。]

■加齢性ドライ型黄斑変性症
「治療薬開発のベンチャー「アキュセラ(米シアトル・窪田CEO)」は、2006年末、米国で第一層臨床試験に入る。対象疾病は、網膜の中心部に異常が発生し、失明に至る加齢性ドライ型黄斑変性症。推定患者数5千万人。
この疾患は目が受けた光の刺激によって網膜色素上皮細胞に障害が起き、本来は無い老廃物のような物が蓄積する。老廃物に対する免疫反応が起きて細胞が死ぬ。そのため見るのに重要な黄斑が萎縮する。
アキュセラの治療薬は光の強弱を感じる視細胞「桿体」にビタミンA誘導体を供給する。光の刺激を受けにくくして発生原因を取り除く。マウスを対象にした前臨床試験では、通常のマウスは2週間で失明し、服薬したマウスは視力を維持できた。2006.3.28《日経》

■視細胞の再生
「高橋政代・京都大学助教授らは、動物実験で機能回復するレベルで、ES細胞と、眼の中でも比較採取しやすい黒目部分の虹彩にある細胞を使い、どちらも視細胞の作製に成功した。」

■酸化ストレス
「慶応大学の坪田一男教授、今村裕講師らの研究チームは活性酸素などの酸化ストレスが、高齢者に多い目の病気を引き起こすことをマウスで確認した。酸化ストレスが老化の原因になるという説を裏付ける結果と見ている。
成果は米国科学アカデミー紀要に掲載。
実験は、酸化ストレスに弱いマウスを作り、加齢黄斑変性症という目の病気になるかどうか調べた。SOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)という酸化ストレスを除去する酵素を作れなくしたマウスを使った。
このマウスは年を経るにつれて目の脈絡膜という部分に血管が増えるなど加齢黄斑変性症の典型的な症状が見られた。若いマウスも蛍光灯に長時間当てると同じ症状が起き、目も皮膚と同じように光によって老化が促進されることが分かった。
これまで年をとると酸化ストレスが増えるのか、酸化ストレスが増えるから老化するのか?議論が分かれていた。」20067/12《産業》

■角膜の血管増殖
「東京大学の渋谷正史教授など日米共同研究グループは、目の角膜が透明性を保つタンパク質を突き止めた。動物実験で血管を増やす別のタンパク質の働きを抑え込んでいることを確認した。成果は2006年10/20のネイチャー電子版に掲載。
角膜にある『sf1t-1』というタンパク質に着目した。角膜にはもともと『VEGF-A』という血管新生を促すタンパク質が存在しているが、何故か血管が無く透明。
そこでマウスを使った実験で、遺伝子操作などによってsf1t-1が働かないようにすると、角膜に血管ができ、次第に増えていった。
sf1t-1は体全体に存在するタンパク質で、血管新生を押させる働きが以前から知られていた。たとえば、胎盤では強く働き、母親と胎児の血管が増えすぎてつながらないようにする役割を担っていると見られている。」

■飲むサングラス
「米創薬ベンチャーのアキュセラ(ワシントン州)が2007年1月末、加齢黄斑変性症の軽症患者向けの飲み薬の臨床試験を始めた。
加齢黄斑変性症は光を感じるセンサーである網膜の細胞が死に、視力が弱っていく病気。光で異常をきたすのは、網膜にある2種類の細胞のうち、光をモノクロで検出する桿体。桿体が光の刺激を受けて過剰に活性化し、有害な老廃物が周りにたまり、栄養不足になって死んでいく。同社の薬はビタミンAに似た構造の化合物で、桿体に作用して活性を抑え、有害な老廃物がたまるのを防ぐ。独自の作用であたかもサングラスをかけたように、光からの網膜への刺激を抑える。
現在、製品化されている加齢黄斑変性症の薬は桿体が栄養不足を来した後、さらに症状が進行し網膜の血管ができて(新生血管)、視力が著しく衰える「ウエット型」と呼ぶ重症患者向けのみ。
同社の薬を使えば、網膜内に血管ができる前の「ドライ型」と呼ぶ軽症段階で治療できる。20072/19《産業》




悪寒(おかん)   chill
=さむけ(寒気)
随意筋の不随意的収縮に襲われること。さむけと皮膚の蒼白を伴う。
⇒体温の急激な上昇とともに皮膚の血管が収縮し、熱放散が妨げられるために起きる。
【漢方療法】
悪寒とは、寒を悪むの意で、ぞくぞく寒いので悪寒と呼んだ。

【処方名-五十音順】
茵蔯五苓散・・・・(黄疸、発熱、腹壁軟弱、胃内停水、煩渇、脈浮)
葛根湯
葛根湯加川芎辛夷
加味逍遥散
禦寒膏
桂枝加朮附湯・・・(四肢疼痛、麻痺)
桂枝湯
桂枝人参湯
桂芍知母湯
桂麻各半湯
四君子湯
芍薬甘草附子湯・・(ケイレン性疼痛)
小青竜湯・・・・・(咳嗽、喘、鼻水、)
升麻葛根湯
参蘇飲
当帰四逆加呉茱萸生姜湯
当帰四逆湯
当帰湯・・・・・・(背中に寒冷感)
導痰湯蘇子降気湯(背中の悪寒)
附子人参湯
防風通聖散
麻黄細辛附子湯・・(虚弱者のかぜ、のど痛)
麻黄湯・・・・・・(体の節々が痛い)




悪心(おしん)
  nausea
⇒嘔吐に先立って起こる不快感(吐気)をいう。
【漢方療法】
=吐こうとしても吐けない状態。
ムカムカして吐きそうな気分をいう。《大塚敬節》
<1>食べ物も見たくない・・・[二陳湯白豆蔲・香附子・縮砂]
<2>胃口に熱・痰がある・・・[二陳湯黄芩(姜炒)・黄連(姜炒)]
<3>乾嘔=声はあっても物体のない症。
  乾嘔で手が冷える・・・[生姜橘皮湯]
<4>胃中にもとから熱があり、悪心・乾嘔が止まらない・・[梔子竹茹湯]

【処方名-五十音順】
■安中散    
■異功散  
■一物瓜蒂湯
■胃苓湯・・・・・・(消化不良、尿利減少、腹痛、浮腫、口渇)
■茵蔯蒿湯
■茵蔯五苓散
■温胆湯
■越鞠丸
■藿香正気散
■乾姜人参半夏丸
■甘草粉蜜湯
■橘皮湯
■九味檳榔湯
■桂枝湯
■蒿清胆湯・・・・(寒軽く熱重く、口苦胸悶・胸脇脹痛する者)
■香砂六君子湯
■香飲
■香蘇散
■呉茱萸湯・・・・・(妊娠嘔吐・乾嘔)
■五積散
■五苓散・・・・・・(腹痛なく、周期性)
■柴胡桂枝湯
■柴朴湯・・・・・・(咳嗽、喘鳴、呼吸困難、舌苔白膩)
■柴平湯
■柴苓湯・・・・・・(食欲不振、尿利減少、口渇、浮腫、胸脇苦満)
■左金丸
■四逆散
■三仁湯    
■梔子竹茹湯・・・・(胃熱による悪心・乾嘔の止まらない者)
■資生湯
■十棗湯
■小柴胡湯
■小半夏湯
■小半夏加茯苓湯・・(妊娠嘔吐・神経性嘔吐)
■小半夏加茯苓湯連翹(乳幼児の吐乳)《有持桂理》
■生姜橘皮湯・・・・(乾嘔で手足が冷える)
■生姜半夏湯
■参蘇飲
■旋覆花代赭石湯・・(神経性嘔吐)
■大柴胡湯・・・・・(実証、筋肉質、胸脇苦満、心下部緊張、便秘)
■大半夏湯
■達原飲
■丁香柿蒂湯・・・・(妊娠嘔吐)
■釣藤散
■猪苓湯
■竹葉石膏湯
■当帰芍薬散小半夏加茯苓湯(妊娠の嘔吐)
■二陳湯
■女神散
■半夏乾姜散・・・・(胃が乾き、涎沫を嘔吐する)
■半夏厚朴湯・・・・(妊娠性・神経性)
■半夏瀉心湯・・・・(上腹部の膨満感)
■半夏白朮天麻湯
■不換金正気散
■茯苓飲・・・・・・(悪心をともなわない嘔吐)
■茯苓飲合半夏厚朴湯(悪心嘔吐、気鬱不安、胃内停水)
■復肝2号方
■平胃散・・・(太陰病、心下痞塞、腹部膨満、食後腹鳴)
■保和丸
■苓甘姜味辛夏仁湯・(痰飲浮腫、顔色悪い、くしゃみ、せき、)
■苓桂朮甘湯・・(からだがゆれる、胃内停水)
■六一散
■六欝湯

【西洋医学】
<1>中枢性悪心・嘔吐:
「原因には、消化管に炎症や潰瘍・腫瘍・狭窄・通過障害・イレウスなどがある場合。肝胆膵の疾患、腹膜や骨盤内蔵器に炎症ある場合。口腔・咽頭刺激によるものがある。」
(1)救急処置:Cercine 5mg 筋注or静注。
(2)内服:
向精神剤(フェノチアジン系)
1.Triomin 6~24mg 分3。
2.Novamin 5~15mg 分3。
3.Wintermin 37.5~75mg 分3。
4.Contomin 37.5~75mg 分3。
精神安定剤(ベンゾジアゼピン系)
1.Cercine 6~15mg 分3。
2.Balance or Horizon or Sonacon or Serenal or Resmit 15~30mg 分3。
抗ヒスタミン剤:
1.Travelmin 1~3T 分3。
2.Merislon 6~12mg 分3。
<2>反射性悪心・嘔吐:
「脳腫瘍・脳出血・くも膜下出血・髄膜炎・水頭症などによる脳圧亢進が原因となる」
(内服):
1.Primperan 30mg 分3。
or Nauzelin 15~30mg 分3。or Amicos 3T 分3。
2.Cerekinon 300mg 分3。
3.Strocain 3~6T 分3。
or Topicain 3~6T 分3。
4.Buscopan 30~60mg 分3。
or Daipin or Pro-Banthine or Coliopan orValpin。
5.Tagamet 800mg 分4。
<3>薬物性・代謝性:
「ジギタリス・モルヒネ・硫酸銅などの薬物で起きる。肝性昏睡・急性伝染病・敗血症・妊娠悪阻など延髄の化学受容体制動などを刺激して起きる。」
<4>精神性:
「不快なものを見たり、不快臭をかいだり、ストレス・精神興奮・恐怖・情緒不安定などが原因で起きる」
<5>加速度病:
「乗り物いよる酔いが原因で起きる」



悪阻(おそ)
=つわり
  【処方名-五十音順】
■乾姜人参半夏丸
■橘皮湯
■桂枝湯
■呉茱萸湯
■五苓散
■生姜半夏湯
■小半夏加茯苓湯・・(嘔吐、心下痞)
■参蘇飲
■旋覆花代赭石湯  
■大黄甘草湯・・・・(便秘、嘔吐)
■猪苓散《金匱要略》
■二陳湯
■人参湯
■半夏厚朴湯
■半夏瀉心湯・・・・(胸元がつかえる、下痢、腹鳴、吐き気)
■伏竜肝散
■抑肝散加陳皮半夏
■六君子湯・・・・・(嘔吐、胃弱、消化不良)


悪熱
  ⇒熱に苦しむ・耐え難い。
 【漢方療法】
悪熱とは、熱を悪むの意で、熱のために蒲団を着ていられないで、蒲団をはぎ、着物をぬぎたがるのをいったもの。《大塚敬節》

【処方名-五十音順】
■調胃承気湯
■白虎加人参湯



悪風(おふう)
=さむけのこと。
⇒風に当たると寒気がし、風がなくなれば寒気を感じない。
【漢方療法】
悪風とは、風を悪むの意で、風にあたると違和感を覚えるのをいったものである《大塚敬節》

【処方名-五十音順】
■越婢加朮湯
■桂枝加黄蓍湯
■桂枝加葛根湯・・・(虚証、自汗、項背がこる)
■桂枝加厚朴杏仁湯・(虚弱、喘鳴、自汗、咳嗽)
■桂枝湯
■桂枝加芍薬湯
■桂枝人参湯
■防已黄蓍湯・・・・(汗かき、色白)



悪露が止まらない
  【処方名-五十音順】
■芎帰湯
■芎帰膠艾湯
    



悪露残留
 【処方名-五十音順】
■桂枝茯苓丸
■通導散
■桃核承気湯・・(実証、のぼせ、足冷、下腹部痛)
■排膿散及湯・・(部分的な化膿症)
  


往来寒熱
⇒悪寒する時は熱がなく、発熱するときは悪寒がなく、悪寒と発熱が交互に現れる。《漢方用語大辞典》
【処方名-五十音順】
■加味逍遥散
■柴陥湯
■柴胡加竜骨牡蛎湯
■柴胡桂枝乾姜湯
■柴胡桂枝湯
■四逆散
■小柴胡湯
■小柴胡湯加桔梗石膏
■大柴胡湯




瘀血(おけつ)
(参照→「血栓症」)
⇒「瘀」の意義には以下の2説があります。
単に停滞している血液とする説。
停滞した血液に、老廃物としてのきたなさを加える説。
◎瘀血度スコア《螺王人》    
▽血管が浮き出る      

▽頭痛もちである         
▽肩がこる         

▽舌の裏に黒いスジがある
▽出血しやすい   

▽しゃべりにくい
▽生理痛がひどい      

▽頭の同じところが痛む 
▽耳鳴りがする       

▽カミソリ負けする
▽生理の色が濃い。

▽顔色がどす黒い
▽痔になりやすい     

▽下半身が冷える
▽手がしびれる     

▽腰が痛い     

▽顔がほてる        

▽手がふるえる
▽物忘れする        

▽排便が不規則
▽はぐきが腫れる     

▽排便時に出血する
▽目が充血する       

▽傷が治りにくい     

▽ゲップがよく出る     

▽名前が思い出せない        

▽肩胛骨のあたりが痛む 
▽頭髪がうすい       

▽夜間に痛みがひどくなる
▽たくさん食べられない            ▽みぞおちが重苦しい
▽手のひらが赤い
▽イライラする       
▽目が疲れる・かすむ        

▽下腹部が針で刺した様に痛い
▽怒りっぽくなった     

▽鼻の頭が赤い
▽ギックリ腰になりやすい
▽動悸がする       
▽シミが増えた       

▽あざになりやすい
▽寝つきが悪い       
▽根気がない        

▽お腹が張って一杯の感じ
      

【判定】以上の項目の中から当てはまる項目の数を数えて下さい。
3項目以上あれば・・食事に気を付けましょう。
5項目以上あれば・・血液が汚れてきました。
10項目以上あれば・・立派な瘀血症です。
20項目以上あれば・・からだを手入れする必要があります。 
   

■指先の血管で病名判断
「指先の毛細血管の画像から病名や健康状態をある程度判断出来る装置を東洋大学工学部の柴田義孝教授らが開発した。利用者は装置の上に指を置くだけ。顕微鏡で撮影した毛細血管の画像をデーターべースに蓄えた過去の症例と比較して可能性のある病名を示す。ネットワーク通信でも利用でき専門家がいない遠隔地での診療支援にも使えると研究グループは見ている。
この装置の中核になるデータは慶応大学教授だった故小川三郎医学博士の研究成果。同博士は毛細血管が体調などで変形、発病前の早い段階から体の異常をとらえるのに役立つとみて、膨大なデータを残した。
 柴田教授らはその資料をもとに典型的な変形パターンを140種に整理し、撮影した生の画像と照合する装置を作った。利用者が所定の位置に左手の薬指を置くと、顕微鏡で200倍に拡大して撮影、コンピューターに取り込む。判定装置はカメラの視野に写った毛細血管の中から30カ所程度を選びデーターベースと比較照合して可能性の高い順に病名を示す。1998.3.30《日本経済新聞》

■タンパク質が増加
「ツムラと済木育夫・富山医科薬科大学和漢薬研究所教授は、血の患者の血液を分析し、健康な人より増加するとみられるタンパク質を発見した。そのうえで、このタンパク質の増加を簡単に検査できるプロテインチップを試作した。」2003.5.13《日経産業新聞》
  【漢方療法】
◎《女科百病問答補遺》に云う。婦女多く血に病む。変証多端亦識り易からず、その人、痴の如く、狂の如く、あるいは泥便黒く、あるいは痛処あり。皆瘀血の証なり。凡そ一証を見さば血を以て治す。《雑病翼方》
◎瘀血には必ず醋湯を使う。
◎主薬:瘀血破るには、帰尾・桃仁を主薬とすべし《万病回春》
【処方名-五十音順】
■桂枝茯苓丸
■疎経活血湯
■治打撲一方
■通導散
■桃核承気湯

【芳香療法】
    <1>ブラックペパー
    <2>ジュニパー
    <3>マージョラム
    <4>ローズマリー
    <5>ガーリック
◎駆瘀血作用のあるハーブ
=★血液を希釈する9種の化合物を含有する・・・「ニンニク」
      〃   〃  7種の 〃   ・・・「トマト」「デイル」「フェンネル」
      〃   〃  6種の 〃  ・・・「タマネギ」「ダイズ」「辛味トウガラシ」
      〃   〃  5種の 〃  ・・・「セロリ」「ニンジンcarrot」
=★抗凝集活性のある成分・・・チモール(thymol)
メントール(menthol)
メントン(menthone)
以上の成分を多量に含有するミント(mints)・・・・(含有量の多い順)
「ホースバーム」(Horsebalm)及びモナルダ種の各種
「タイム」(thyme)
「ヌードマウンテンミント」(nude mountain mints)
「ヤグルマハッカ」(wild bergamot)
「ウィンターセイヴォリー」(winter savory)
「マウンテンディタニー」(mountain dillany)
「レモンミント」(lemon mints)
「バジル」(basil)
「カリフォルニアゲッケイジュ」(california bay)



落ち着きがない
   (参照→「[LD児]学習障害児」「ADHD」)

驚きやすい(易驚)
【処方名-五十音順】
■甘麦大棗湯
■桂枝加竜骨牡蠣湯
■柴胡加竜骨牡蛎湯
■柴胡清肝湯
■四逆散
■竹茹温胆湯


思い過ごし
【処方名-五十音順】
■加味帰脾湯




瘟疫(おんえき)
⇒疫癘の邪を受けて発生する急性伝性病の総称。発病が急で病状が険悪で非常に伝染性が強い。
◎傷寒病が治らず、続けて寒に当たって「瘟瘧」になり、また「風温」になり、また湿熱に当たって変じて「温毒」になり、それがまた疫気に感染して「瘟疫」になる。
◎瘟疫の予防に:[屠蘇飲][老君神明散][務成子営火丸]

【処方名-五十音順】
■茵蔯丸・・・(流行の瘟疫、瘴瘧・黄疸・温熱病)
■葛根解肌湯・(春瘟で発熱し、渇く)
■加味敗毒散・(瘟疫・発斑)
■荊防敗毒散・(瘟疫・大頭瘟)
■香蘇散・・・(四時の瘟疫)
■五瘟丹・・・(流行瘟疫、傷寒の熱病、熱瘧)
■柴胡升麻湯・・(流行の瘟疫で、頭痛・熱あり)
■十神湯・・・・・(不規則による瘟疫)
■十味芎蘇散・・・(湿熱の瘟疫)
■神授太乙散・・・(瘟疫の流行、陰陽両感、頭痛・寒熱)
■人中黄丸・・・・(四季の疫癘)
■聖散子・・・・・(羌癘が流行するとき。風瘟・湿瘟)
■清熱解肌散・・・(瘟疫による頭痛・熱)
■清熱解毒散・・・(湿暑の時、天行瘟疫の熱病が流行)
■調中湯・・・・・(夏に発する燥疫で、口が乾き、のどが詰まる)
■屠蘇飲・・・・・(瘟気を予防し、伝染しない)
■如意丹・・・・・(瘟疫、一切の鬼祟・伏尸・労瘵・癲狂・失志・山嵐・陰陽の二毒、五瘧、五疳、八痢、誤って銅鉄金石の毒物を食べた)
■務成子営火丸・・(瘟疫の悪気を防ぐ)



温式自己免疫性溶血性貧血
=「常温型自己免疫性溶血性貧血」
◎後天性溶血性貧血の中で最も頻度の高いもの。
◎IgG(免疫グロブリンG)が赤血球に付着し肝や脾において処理され易くなり、赤血球破壊の亢進が起こる。
◎分類:
特発性(idiopathic):原因不明
症候性(symptomatic):悪性リンパ腫やSLEなどの膠原病に伴うもの。