<せ> つらい症状・病名


【病状せ】
 

セックスレス
■産後、増える。1997.6.30《朝日新聞》
<1>「新潟市西保健所は1985年から、乳児の4ヶ月健診の際に、母親に家族計画の方法を聞くアンケートをとっている。10年間の累積調査件数は8255件。そのうち
(a)「出産後性交せず」は、
 85年:初産婦------ 8.7%
    経産婦------ 5.4%
 95年:初産婦------26.5%
     経産婦------21.5%
(b)94年4月~95年3月に性交せずと答えた[126人]に面接した結果。
 性欲低下:初産婦----26.7%
      経産婦----33.3%
 妊娠中からの継続:初産婦----26.7%
          経産婦----31.4%
 育児疲れ・睡眠不足:初産婦---30.7%
          経産婦---25.5%
(c)“子づくりのため以外は夫婦にセックスはいらない”
“自分で処理すると夫が拒否している”
“育児に協力しない夫に要求されても応じる気になれない”
<2>佐藤香代・九州大学医療技術短期大学助教授の調査。
(a)「産後4ヶ月までに性交せず」----20.6%
「産後の性交時に痛みがあった」--53.5%
「産後の性交時に不安があった」--66.1%
「膣が広くなったのでは?不安」--41.0%
(b)“会陰切開が性生活の障害になっていることを産婦人科医はもっと認識してもらいたい”“不安や悩みをうち明ける場所も整備する必要がある”

 

セラチア
=セラチア菌
「常在菌の一種で、院内感染の原因にもなる。普通は血中に入らないが点滴などを介して血液中に入ると感染症を起こし死亡することがある。
セラチア菌は、病院内の排水口の奥などに棲んでいる。
アルコール消毒に耐性ができているため、40%濃度ではダメ、70%濃度のアルコール消毒が必要。」

■腸内細菌の一種
「環境中の湿った場所などでもよく見られる腸内細菌の一種で、病原性が弱く、健康人が感染しても影響はないが、病気や手術後などの体力が低下した場合に感染すると、敗血症などを起こして死につながることがある。」


セリュライト
  cellulite
=「蜂巣織炎」cellulite、cellulitis
⇒症状:医師たちは腐敗性の傷から感染した細胞組織の炎症を意味しているのに対し、代替医学の実践家たちは、この用語を、体液と毒性老廃物に皮下細胞への浸潤という意味に理解している。
◎セリュライトになるのは、ほとんど女性だけです。場所はももの外側が多い。
◎芳香療法家は、重大な体の中毒状態の徴候と考え、リンパ系が不調で、毒素の除去が全身的に有効に行われていないと考えます。
  

【芳香療法】
<1>[ゼラニウムローズマリー]
<2>[<1>ブラックペパーフェンネル]
◎上の精油とリンパ系の排出を促すマッサージと組み合わせる。
◎沐浴させる
◎ヘチマなどで、患部をこする。
◎フェンネルティを1日数回飲み、新鮮な果物とわき水だけの体を浄化する食生活を3~5日。その後は、新鮮な食物をたっぷり、有機農業で栽培された無添加の食物を摂取する。


成人呼吸促迫症候群(ARDS) Adult respiratory distress syndrome
◎1982年、Petty TLがまとめた診断基準
[A]臨床状況:
原因となる疾患或いは外傷
(a)肺性: ①胃内容物誤嚥
     ②重症肺炎
     ③肺挫傷
     ④刺激性ガス吸入
     ⑤溺水
(b)肺外性:①敗血症
      ②過剰な輸血・輸液
      ③重症の外傷・火傷
除外疾患:(a)慢性肺疾患
     (b)左心不全
身体所見:呼吸困難----①頻呼吸(>20/分)
   ②努力性呼吸
[B]胸部X線:びまん性浸潤がみられる。
   間質性陰影(初期)
   肺胞性陰影(晩期)
[C]生理学的所見:低酸素血症の程度はかなり強い。
  F102>0.6でPao2<50Torr
  全肺・胸郭コンプライアンス <          50‹/cmH2O,20~30‹/cmH2O
  シャント率(Qs/Qr)と死腔換気率(VD/Vr)の増加
[D]病理学的所見
 肺重量の増加、通常 >1000g
 鬱血性無気肺
 硝子膜形成
 線維化


成人T細胞白血病 (ATL)
  (adult T-cell leukemia)
◎先住民のウイルス?
「日本人に特徴的なガンとして、成人T細胞白血病という血液のガンがある。大人になってから起きる。免疫システムのT細胞が異常に増える病気で、HTLV-1というウイスルが原因とされる。
母乳による感染がほとんどだが、まれに子宮内感染、夫婦間感染などがあるとされる。日本では、患者のみならず、約100万人がこのウイルスのキャリア(保菌者)だ。キャリアの発病率は。40歳以上で1年間に1000~2000人に1人。
おもに九州・沖縄・四国南部・紀伊半島・東北・北海道にキャリアが多く、京都などでは少ない。
台湾の先住民・フィリピンやマレーシア、インドの一部、パプアニューギニア、ハワイ諸島にもいて、ネイティブ・アメリカンの一部や南米にも多い。カリブ海地域、北方のイヌイットやスウェーデン北部のサーミー族、イタリアからアフリカ大陸にかけている。ところが、朝鮮半島や中国にはほとんどいない。
ウイルスの型と白血球の遺伝子タイプの分析から、HTLV-1は中央アフリカから人類の進化拡大に伴って、縄文人や南米アンデスの先住民などに伝えられたと想像されている。(東嶋和子著「死因事典」p132)
   

⇒HTLV-1(human T-cell leukemia virus Type 1)のキャリアの中から発病するT細胞性腫瘍である。
潜伏期間------ウイルス感染後30~40年。
感染経路------夫婦間(水平感染)
       母乳で(垂直感染)
       輸血
◎診断基準:
<1>家族:
  (イ)家族にATL発症例がある。
  (ロ)九州、沖縄、四国南部の出身者が多い。
<2>臨床症状:
  (イ)リンパ節腫脹
  (ロ)肝脾腫
  (ハ)皮疹・紅皮症・小腫瘤
  (ニ)下痢
  (ホ)咳、肺病変
<3>検査所見:
  (イ)高カルシウム血症
  (ロ)血清LDH値が高い。
  (ハ)血清抗HTLV-1抗体(ATLA抗体)-------陽性。    (確定診断)
  (ニ)末梢血中に異常リンパ球(ATL細胞)出現。
  (ホ)腫瘍細胞の表面マーカー
    CD3(+)、CD4(+)、CD8(-)、
     Tac(+)、TaT(-)、
   

■骨髄移植でほぼ消失
「重い貧血のうえ、成人T細胞白血病ウイルス(HTLV-1)に感染していた患者に骨髄移植を実施し、ウイルスをほぼ消失させることに大阪府立母子保健総合医療センター小児内科のグループが成功したことが、20日、明らかになった。ウイルス感染症の新たな治療法につながる成果として注目されそうだ。
同グループは92年、赤血球が作れず貧血が続く再生不良性貧血の一種で、HTLV-1に感染していた少年(当時15歳)に貧血治療の目的で骨髄移植を一度実施した。その結果、患者は貧血が完治HTLV-1も血液中などから消滅した。
HTLV-1は母乳などを通じて感染し、長期の潜伏後に発病するが、感染者の治療法は確率されていない。また、エイズウイルスと構造が似ているうえ、リンパ球に感染するなど類似点があり、同グループはエイズウイルスにも感染段階ならば効果があるかも知れないともている。1997.11.20《日経産業新聞》

■成人T細胞白血病リンパ腫
西日本には、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)の持続感染者が多い。C型肝炎ウイルスでは肝炎や・肝ガンを引き起こすが、HTLV-1ウイスルのキャリアの大半の人には生涯何の症状も出ない。ただ、ごく一部の人だけが、理由はよく分かっていないが、成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)など悪性度の高い病気になる。
HTLV-1の起源は古く、ミイラからの検出されている。少なくとも1000年以上、人間と共存してきたと考えられている。
主要な感染経路はほ乳を介した感染リンパ球の摂取。大半は乳児で感染し、40才以上で発症する。
肝炎ウイルスの場合は、一過性の急性感染もあるが、HTLV-1の場合は一度感染すると、ウイルスは生涯消え去ることはないと考えられている。ウイルス感染者の大半は発症しないが、いったん発症すると治療が難しい。

■発症の仕組み
「東京理科大学の辻孝・助教授らは成人T細胞白血病の発症の仕組みを解明した。発症時に血中に現れる核の形が特殊な細胞では、細胞増殖を調節する遺伝子の働きが低下していたほか、糸状の器官に異常が認められ、正常に増殖できないことが分かった。
解明したのはヒトT細胞白血病ウイルスⅠ型の感染で起きる成人T細胞白血病の発症メカニズム。数十年の潜伏期間の後、発症すると、血液中に核がくびれて花びら状の特徴的な細胞が現れる。
培養したヒトT細胞を使い、核が花形になる細胞を作った。この細胞の遺伝子を調べた結果、細胞を増殖する2種類の遺伝子『PTEN』『SHIP』の働きが弱まっていた。また花びら状の核は、細胞分裂する時に働く糸状の『微小管』が核に絡まっており、細胞の異常な増殖につながっていた。」2005.11.9《産業》

■母乳で感染
「体に赤い発疹が出たりリンパ節が腫れ始めたら『成人T細胞白血病(ATL)』の初期症状かもしれない。
・母乳
・夫婦間の性交渉
などを通じて、主に家族間で感染する難病だ。
原因は「HTLV-1」というウイルス。日本で約120万人の感染者(1988~90年度:旧厚生省)がいると言われている。その半分が九州・沖縄に集中する。
潜伏期間が長く、発病する平均年齢は60歳。
ただ、発病するのは感染者の5%ぐらい。大部分の方は死ぬまで症状が出ない。30~40歳代で発病したときは骨髄移植が可能なこともある。
このウイルスは、目の病気や下半身のマヒなど様々な病気を引き起こす。
HTLV-1関連脊髄症(排尿障害・下半身マヒ)
HTLV-1ぶどう膜炎(視界がくもり)
東京大学医科学研究所付属病院(東京都港区)は2006年4月上旬に、発病前のウイルス感染者の相談に応じる専門外来を開設する。」

■成人T細胞白血病ウイルス(HTLV1)
「白血球の一種であるリンパ球に感染するウイルス。2009年厚生労働省研究班が20年ぶりに実施した調査で、従来多かった九州で減少し、大都市圏で増加していることが分かった。国内の患者総数は約108万人と推計。
HTVL1は、ATLやHAMの原因となる。
[母乳][血液][性的接触]を介しての感染もある。母親が感染している場合、母乳などを通じた母子感染率は約20%と見られている。粉ミルクの使用や、生後3ヶ月までの短期授乳などで感染を防止できると見られている。
輸血血液については1986年に安全検査が導入された。
白血病を発症すると死亡率が高く、2007年には全国で1075人が亡くなった。
歩行障害などがでる関連疾患の『脊髄症(HAM)』患者は約1500人前後いるとされ、2009年に難病に指定された。」




成長痛
■大澤真木子・東京女子医大教授(1998.5.10《朝日新聞》)
「ひざ・膝下・ふくらはぎ・足首・足の甲など下肢に痛みがあるのに、骨や筋肉などに異常が認められず、原因が全く分からない場合、成長痛と診断します。名前から成長に伴う痛みと考えがちですが、間違いです。体の成長は生理的に問題を生じるほどの速さではなく、原因ではありません。原因を精神的なものに求める専門家もいますが、はっきり証明されていません。2歳~6歳ぐらいの幼児期の男児に多く、痛みは不定期に起こり、6歳を過ぎればしだいになくなるのが特徴です。」

■下肢痛・油断は禁物
「4才になりY君は最近時折ひざのあたりを痛がるといって相談に来院した。話を聞くと痛みの起こり方は不定期で、主に夜間に痛いといって大騒ぎをするが、翌日はケロッとしているという。以前にも同様のことがあり、その時は成長痛と言われたとのことである。
子供が下肢(足)の痛みを訴えて来院した場合、明らかな原因が無いときには簡単に成長痛と診断されてしまうことが意外に多い。この時期に痛みを来す疾 患としては、『単純性股関節炎』や『ペルテス病』などの股関節の疾患の事が多く、これらを中心に考えて診察を行うことにしている。
しかし、患者自身がどのあたりが痛みの中心であるかを明確に答えない場合も多く、ひざや腰椎の病気の可能性もある。骨に出来る腫瘍や白血病であったこともあり。単なる下肢痛であるからといって、油断してはならない。痛みが何日も続く、部位がはっきりしている、腫れている、体調が普通でない------などの場合は慎重に対処すべきで詳細なX線撮影、MRI。、血液検査などが必要である。考えうる疾患に該当せず、痛みが1、2日で消失してしまう時にはやむを得ず成長痛とする。
成長痛はいわば苦し紛れの呼び名なのである。Y君のように主に夜間に痛いといって大騒ぎするが翌朝は収まって元気になることが多い。痛む場所を正確に答えられない、年齢としては3~7才、関節の動きなどが制限されていない、などが特徴である。成長痛は何となく理解しやすい呼び名であるが、安易に決めつけると本当の病気の治療が遅れることになるので注意が必要である。(坂巻豊教・国立小児病院整形外科)1998.12.14《日本経済新聞》


臍炎
  【処方名-五十音順】
■黄蓍建中湯
■小建中湯


精神運動発作
⇒テンカン発作の1つ。
◎種類:

①自動症-----意識混濁(もうろう)を主症状とする。
②精神発作---幻覚や気分の変調を主症状とする。


精神錯乱
【処方名-五十音順】
■桃核承気湯
■防風通聖散
  

【臨床例】
☆精神異常の例
「越中の醫生、某男、年三十ばかり、狂を発し、喚叫して妄走し、水火を避けず。醫生頗る其の術を盡くして之を救うも一(ひとつ)として其の效なし。是 において、《吉益東洞》先生の名を聞きて詳かに證侯を録す。懇に治方を求む。その略して曰く、「胸膈煩悶し、口舌乾燥し、水を飲まんと欲して休む時なし」と。
先生乃って石膏黄連甘草湯及び滾痰丸をつくりて之を贈る。百餘剤を服して全く常に復す。」《建珠録》



精神障害
   (→ウイルソン)(→巨赤芽球性貧血)
⇒DSM-Ⅳ(1994)の精神障害の分類がある。)
「精神」とは、現実から逃避することを示す。
   

■外来治療で徐々に回復
「母親が、息子の様子がおかしいと言って、保健所の紹介で相談に訪れた。息子のI君(21)はもともと無口で友人は少なく、読書が好きな、おとなしい性格の青年である。大学2年の頃から、大学を休むようになった。両親が理由を聞くと、「大学の雰囲気が何となく嫌だ」「人生の意義を考えている」などと無表情で答えるだけだった。
正月を過ぎた頃から不眠を訴え、落ち着きがなくなってきた。食事も勝手な時間に摂るようになり、自分の部屋に閉じこもるようになった。無精ひげを生やし、風呂にも入らず、乱雑な部屋の中で何もせずぼんやりと過ごしている。時々独り言を言ったり、ニヤニヤ笑ったりしている。
「部屋に隠しマイクがあって、探られている」「誰かが自分の噂をしている」などと話す。精神分裂病の疑いがあるので、薬物治療の必要があり、服薬と生活改善のため、クリニックが運営するヤングデイナイトケアという若者向け施設に通うことになった。
日本には精神障害者は217万人以上いると推定され、最も多い精神分裂病は20歳前後に発病する。昔はカギのかかる閉鎖的な郊外の精神病院に入院させられ、医療保護という形で疾病管理と同時に全生活を管理されていた。
約30年前から精神病院を開放的なものにしようという機運が高まり、人間的な治療が次第に普及した。今は人権尊重に立場から、郊外の精神病院への入院治療は極めて慎重に検討される。障害の程度も昔と比べ一般に軽くなっており、入院治療の必要性自体も希薄になっている。
今後は、入院患者としてではなく、一般の住民として考え、治療・教育して回復を図るというやり方が重要となる。I君のように基本的には外来、あるいはデイナイトケアで医療を継続し、精神状態の安定を図るという方法だ。
症状がある程度安定した後は、グループホーム、援護寮、福祉ホームなどの施設ですごしスタッフによる多少の援助を受けながら、自立した生活が送れるようサポートする。次は共同作業所、授産施設、福祉工場で様々な仕事に従事しながら、徐々に力をつけていく。そして、ある程度「実力」がついたら、実社会の仕事に就いて、社会的・経済的・精神的に自立していくのである。
その過程での家族の対応は過保護・過干渉であったり、あるいは角に批判的であってはならない。態度や言葉で強く表現することは厳に慎むべきである。感情表出を低く抑え、病気への知識を深め、医療や福祉のスタッフを協調していくことが需要である。(榎本稔)1999.4.12《日本経済新聞》


精神薄弱
⇒先天性または幼乳児期の原因によって、知能の発達が遅れ、そのため社会への適応が困難な状態。
◎チェック:「ムコ多糖症」
⇒精神遅滞。
先天性又は早期後天性に知能(intelligence)の発達が障害された状態。IQ70以下。(金芳堂ー精神医学P190)

 

精神病
=「心風」 
⇒(→癲狂)
■「病院を訪れる24%。WHOの調査」1995.4.16《朝日新聞》

【臨床】
☆館林候臣某、一日失心して狂走妄語止まず、邸医之を治してますます甚だし。余、三黄瀉心湯を与え、朱砂安神丸を兼用す。狂走やや安し、妄語止まず、罵詈、笑哭、親戚を弁ぜず。乃ち「竜骨湯」《外台秘要方》を与う。服すること月餘、精神復し、始めて親戚を弁ず。後、健妄を発し、神思黙々、終日偶人の如し。余、反鼻交感丹を湯液をして服せしむ。数日を経て全人たるを得たり。《橘窓書影》
  

【処方名-五十音順】
■安神丸(癲癇・驚狂・痰火)
■黄連解毒
■加減温胆湯(痰が心竅をふせぎ、驚恐・いつも不安でビクビク・煩悶・悲歌・叫罵・奔走・他人の事は省みない)
■加味寧神丸(心血不足・驚悸・健忘・恍惚)
■甘麦大棗湯
■金箔鎮心丸
■牛黄清心元[1](心気不足・神志不定・喜怒無常・癲狂発作・精神昏乱)
■琥珀定志丸(補心・安魄・神魂不定・虚弱・扶肝壮胆)
■丑宝丸
■柴胡清肝湯(精神薄弱児
■十四友元(心と肝の虚弱を補い、神志の不安・睡眠不足を治す)
■朱砂安神丸
■辰砂寧志丸
■辰砂妙香散
■青魂丹
■大承気湯
■天王補心丹(心を和らげ、驚悸を治し、記憶力を養う)
■八物定志元(心神を補い、魂魄を安定させ、驚悸・を治す)
■反鼻交感丹
■平補鎮心丹
■防風通聖散(精神錯乱・分裂)
■補心丸(心臓が虚弱で、手が震えるとき)
■竜骨湯《外台秘要方》

【宝石療法】
    <1>[真珠]
    <2>[サファイヤ]
    <3>[ロードクロサイト]
    <4>[ルビー]

◎おもな精神病薬:
「インプロメン」(定型タイプ)吉富
「セレネース」(定型タイプ)大日本
「リスパダール」(非定型タイプ)ヤンセン協和
「セロクエル」(非定型タイプ)藤沢
「ルーラン」(非定型タイプ)住友
「オランザピン」(非定型タイプ)日本イーライリー


精神不安
【処方名-五十音順】
■黄連解毒湯
■桂枝加黄蓍湯
■三黄瀉心湯
■竹茹温胆湯
■桃核承気湯(実証、のぼせ、足冷、下腹部痛)
■苓桂朮甘湯(めまい、胃内停水)
■竜胆瀉肝湯(高血圧症があって引き起こされる)

【民間療法】
 <1>ウド。
 <2>カノコソウ。
 <3>オウレン・サル・シソ。

【宝石療法】
     <1>[エメラルド]



精神分裂病 
   schizophrenia
⇒主として青年期に発病し、慢性の経過をとり次第に人格の解体をきたし、その一部は精神荒廃に至る疾患。
⇒遺伝的素因の上に環境因子が加わって発病するとされている精神疾患。  
   

◎症状:①感情の鈍麻
    ②被害妄想
    ③幻聴
    ④独語
    ⑤突然笑い出す(突笑)
    ⑥突然の興奮  
    ⑦支離滅裂

■陰性の精神分裂病----ドーパミンに原因-----
 「精神分裂病の中でも治療が難しいとされる陰性症状の患者は、脳内の神経伝達 物資『ドーパミン』が働きにくくなっていることを、東京医科歯科大学と放射線医学総合研究所のグループが突き止めた。陰性症状を改善する薬の開発につながる研究成果だ。
精神分裂病には、幻聴や被害妄想などに悩まされる陽性症状と、感情が鈍って意欲が無くなる陰性症状がある。
陰性症状の患者の脳を調べて健康な人と比較したところ、患者の大脳ではドーパミンを感知する受容体の一種『D1受容体』の感受性が低くなっているこ とが分かった。陰性症状は原因が未解明で、現在は薬を使った治療しか出来ない。研究グループの大久保善郎・医科歯科大講師は「D1を活性化させるような物質で、分裂病の陰性症状を改善出来る可能性がある」と話す。
研究は医科歯科大の融道男教授、大久保講師、放医研の須原哲也主任研究官らが実施した。1997.2.15《日本経済新聞》
   

■リスパダール:新タイプの治療薬
「ヤンセン協和は精神分裂病治療薬「リスバダール」を発売した。SDA(セロトニン・ドパミン・アンタゴニスト)と呼ばれる新タイプ゚の抗精神病薬で、幻覚・妄想などの「陽性症状」だけでなく、感情引きこもり・意欲喪失などの「陰性症状」にも有効という。     1996.6.26《日本経済新聞》」

■関連遺伝子を発見
「東京都精神医学総合研究所とエーザイの共同チームは精神分裂病の発症に関連すると診られる遺伝子を発見した。死亡した患者の脳を調べたところ、健康な人に比べて働きが半分程度に鈍っている遺伝子が見つかった。
都衛生研の池田和彦参事研究員らは精神分裂病の原因遺伝子を見つけるため、分裂病で死亡した患者の脳細胞を米国・精神疾患脳バンクからもらい受けた。実験では約6800個の遺伝子が細部で働いているどうかを調べる米アフィメロリックス社製のDNAチップの使った。
15例の死亡患者の脳細胞を調べたところ、記憶や感情などを左右する前頭葉で、脳細胞の情報伝達にかかわる神経伝達物質の1つ『ニューロペプチドY』に関係していることが分かった。」2001.1.18《日経産業新聞》

【民間療法】
○ウド・オウレン・カノコソウ・サル・シソ。
  

【宝石療法】
    <1>[ルビー]
  

【処方名-五十音順】
■温経湯(手足のほてり、口唇乾燥、下腹部膨満感、腹痛、腰痛、脈無力
■黄土湯
■黄連阿膠湯
■甘麦大棗湯
■甘草瀉心湯
■桂枝加竜骨牡蠣湯
■柴胡加竜骨牡蛎湯
■柴胡桂枝乾姜湯
■三黄瀉心湯
■四逆散
■梔子豉湯(身熱、胸中煩熱、心中懊、不眠、熱感)
■梔子大黄湯
■小柴胡湯(胸脇苦満、往来寒熱、食食欲不振、舌白苔、微熱、神経質)
■滌痰湯
■導痰湯
■大柴胡湯(実証、筋肉質、胸脇苦満、心下部緊張、便秘)
■抵当湯
■桃核承気湯(実証、のぼせ、足冷、下腹部痛)
■当帰芍薬散(貧血、冷え性、疲れやすい、月経不順、神経症状)
■麦門冬湯
■八味地黄丸
■半夏厚朴湯
■半夏瀉心湯(胸元がつかえる、下痢、腹鳴、吐き気)
■白虎加桂枝湯
■防風通聖散
■礞石滾痰丸
■苓桂朮甘湯(めまい、人混みが嫌い、胃内停水)
■苓桂味甘湯


精巣腫瘍   

■早期治療で転移防げ
「若くして結婚したKさんは現在26才。有名企業に就職し忙しい毎日を送っていた。ある夜、奥さんに「少し右のフクロが大きいんじゃないの?」と言われ、触ってみるとやはりすこし硬く大きい気がした。
 しかし、特に痛みがある訳でもなくそのまま放っておいたが、3ヶ月もたつと右のタマはさらに少し大きくなり、又時折痛みとも思える違和感も感じるようになったため、さすがに心配となり泌尿器科を受診した。
検査の結果、右精巣腫瘍の可能性が高いのですぐに摘出手術が必要と言われ、動揺のなか入院の手続きをとった。精巣腫瘍とは睾丸に出現する悪性腫瘍。比較的まれな疾患だが、10才までの幼児期と、20~40才の青壮年期に好発する。
精巣腫瘍の多くは完全治癒しやすいセミノーマと悪性度が高い非セミノーマに分けられ、進行度によって多少治療方針が異なる。病理組織診断によって確定される溜め、直ちに治療を兼ねた精巣摘出手術を行う必要がある。
また、精巣腫瘍はリンパ節に転移しやすく、さらに進行すると肺・脳・肝臓などにも転移し、特に非セミノーマは早期からその傾向があるため、早めの診断治療の必要がある。
Kさんの場合は幸いセミノーマで転移を認めなかったため、経過観察ということで退院となった。もし、さらに放っておいて進行していれば、放射線療法or化学療法をうけなければならないところだった。
 陰嚢内腫瘤には他に、無痛性では陰嚢水腫、精索静脈瘤、慢性副睾丸炎などがあり、良性とはいえ何らかの治療が必要。強い痛みが伴うものには急性副睾丸炎、精索捻転症があり、特に後者は6時間以内に整復しなければならず緊急を要する。大阪市立大学医学部助手・西阪誠泰1996.9.14《日本経済新聞》」   

■肝細胞移植で治療
「34歳の会社員Yさんは、ある日、右精巣(睾丸)に硬いシコリがあるのに気づいたが、痛みがないため約半年間放置していた。シコリは次第に大きくなり腰痛が出るようになった。痰に血が混じるため内科を受診したところ、泌尿器科を紹介された。精巣は握り拳大に腫れており、右精巣腫瘍、多発性肺転移、腹部リンパ節転移と診断され入院となった。
精巣腫瘍は比較的まれな疾患だが、20~35歳の男性に発症する悪性腫瘍としては高い頻度を示す。痛みが無いことが多く、日常生活に支障が無い上、羞恥心から受診が遅れ、進行、転移した状態で発見されることも多い。治療は精巣を摘出し、放射線療法を行うことも有るが、一般的にはいくつかの抗ガン剤を組み合わせた多剤併用化学療法を行う。
進行ガンはかっては予後不良であったが、この20年間の精巣腫瘍の治療成績は、抗ガン剤の発達により飛躍的に向上した。転移した進行性精巣腫瘍であ っても約79%出治療が来たい出来る。しかし、「大きな転移巣」、「多臓器に転移を有するもの」、あるいは「再発例」は依然として予後不良であり、このような難治例の治療が大きな問題となっている。
近年になって、通常の化学療法の3~4倍の抗ガン剤を使用する『大量化学療法』が行われるようになった。大量化学療法後には造血機能が著しく低下し、感染症などが致命的な打撃となる。このため、自家骨髄移植や末梢血幹細胞移植は麻酔を使わずに行えるので、体への負担は自家骨髄採取より少ない。精巣腫瘍は若年者に多く、化学療法に良く反応することなどから、この療法の最適な疾患と言える。
Yさんは通常の化学療法を行ったが、効果が不十分であったため、末梢血幹細胞移植を併用した大量化学療法に切り替えた。転移巣は消失し、約半年間の入院生活の後退院した。大量化学療法により精巣腫瘍の治療は一歩進んだが、反応しない症例もあり今後治療法のますますの発達が期待される。(池本慎一・大阪市立大学医学部助手)1998.1.19《日本経済新聞》



精力減退(→陰痿)
【原因】
<1>鬱病:その気になれない。
<2>栄養障害:
 ①タンパク質不足
 ②ミネラル不足
   亜鉛が不足していると、その気はあっても立   たない。
<3>精神的ストレス
<4>男性ホルモンの低下:
  ①その気になれない。
  ②精子が不足する。
<5>神経症:
<6>腎臓病:
<7>糖尿病:
  ①血液がドロドロに汚れてくるので、海綿体に   十分な血液を送り込めない。
<8>動脈硬化:
  ①血行が悪くなるので、その気はあっても立た  ない。
<9>末梢神経障害:
<10>薬剤による副作用:
  ①血圧降下剤を服用している人の75%は、不能  になる。なぜなら海綿体は血液で膨張する。し  かも血圧が高くないと血液を十分に海綿体へ送  ることが出来ないのに、薬剤で心臓から送り出  す血液の圧力を下げてしまうため、ほとんどの  人がダメになる。

【民間療法】
<1>イボタノキ。
<2>ガガイモ。
<3>クワ。
<4>ツチアケビ。
<5>ナンテン。
<6>ニンニク。
<7>アイ・アカマツ・イカリソウ・ウコギ・カイコ・クサスギカズラ・クリ・ゴマ・サネカズラ・サンシュユ・シカ・スズメ・チョウセンニンジン・ツルドクダミ・ナルコユリ・ニラ・ネズミモチ・ネナシカズラ・ハス・ハチ・ヒトツバ・マムシ・メハジキ。
 

声嘶(せいせい)
⇒喉が破れる症で、咽門が病む症状。
<1>咳で声が枯れる:「青黛・蛤粉」蜜で丸め服用。
<2>しわがれる:[柴胡升麻湯][潤肺丸][蜜脂煎]

【処方名-五十音順】
■柴胡升麻湯(傷寒咳嗽・声嘶又は咽痛を治す)
■潤肺丸(久咳声嘶・言語不能を治す)
■蜜脂煎(暴失音と声嘶を治す)

 

声帯浮腫
   ⇒声門水腫 glottic edema
【処方名-五十音順】
■半夏厚朴湯
■茯苓飲合半夏厚朴湯(声門浮腫
■苓桂朮甘湯(胃内停水、めまい、動悸)


声門閉鎖不全
  【処方名-五十音順】
■橘皮枳実生姜湯


怔忡(せいちゅう)
=「煩悸」=「心怯」

=神経性の心悸亢進。   
=心臓の動悸が高ぶり心臓部に不安定感のある病証を心悸というが、一般には多く発作的に現れ、常に情緒不安、或いは過度の疲労に抑肝散って起こる。もし、この心悸が驚怖、怒りによって起こるものであればそれを驚悸というが、多くは心気内虚という内因によって起こるものである《古今方彙》
⇒いつも胸騒ぎがして、不安におびえびくびくし、いつも誰かに追われているような感じがするのをいう。
一名松というが、驚悸に似ている。
◎主薬:怔忡、驚悸には、茯神・遠志を主薬とすべし《万病回春》
  

【処方名-五十音順】
■安神補心湯(・驚悸)
■温胆湯《三因極一病証方論》
■遠志湯《証治準縄》
■加味温胆湯《万病回春》
■加味四七湯《世医得効方》
■益栄湯(過度の思慮で心血を消耗して、・恍惚)
■益気安神湯《万病回春》
■姜朮湯(に)
■三黄瀉心湯
■四物安神湯(心血虚で・跳動)    
■炙甘草湯《傷寒論》
■十味温胆湯《古今方彙》
■辰砂妙香散(心悸不足・・恍惚・恐怖・不眠・憂愁)
■朱雀丸(心神が不安定、恍惚・健忘、時々跳動)
■淡竹茹湯《三因極一病証方論》
■茯苓飲子(痰が胸・胃に詰まってが止まらない)
■又温胆湯《三因極一病証方論》
■養心安神湯《万病回春》


生活習慣病
■正しい健康法---大規模試験法、化学的根拠に
「生活習慣病の予防や治療として、様々な健康法が雑誌や単行本に載っている。しかし、特殊な食物などの効果は少人数の体験談や短期間の印象などに基づいていて、むしろ有害な例もある。これらの中で信用出来る正しい健康法はどれだろうか?
それは『メガトライアル(大規模介入試験)』と呼ばれる方法を化学的根拠にした場合である。健康法の有効性は多数の健康人や患者の生活習慣を改善、投薬などをした結果を、それを行わなかった場合と長期間比較して医学的、統計学的に調査して初めて分かる。このような調査をメガトライアルと呼び、根拠に基づいた医療を進める上で極めて重要な資料である。
数年前に1日に食塩25gとバターをとる健康法が人気を集めた。それについて書いた単行本はネーミングの良さと、主唱者の人気で数十万部の売り上げがあった。たしかに、食塩摂取量を増やせば、一時的に元気が出るように感じる人もある。しかし、この食事ではやがて高血圧となりやすい。若い主唱者自身も脳出血で死亡した。
これに対し、『DASH』と呼ばれる米国のメガトライアルでは1日食塩6~7gの食事で、軽い高血圧を予防、治療出来た。この際に薬物は不要であり、食事は果物、野菜を多く、動物脂肪を少なくしてある。厚生省では食塩の目標摂取量を1日10g以下としているが、これは、塩辛いものの好きな日本人に妥協した結果である。
米国の『ALLHAT』というメガトライアルでは、被験者として参加を希望する4万人に、検査費、薬代、指導料を無料として血圧低下などの健康法をさらに詳しく改善している。日本人についても疫学的研究は多いが、メガトライアルと呼べるものは残念ながらまだ少ない。(香川靖雄・女子栄養大学大学院教授)1998.4.13《日本経済新聞》
   

■遺伝子が左右
「同じ様な食事を摂っていても、糖尿病や高血圧になる人とならない人がいるのは何故だろうか?
それは人によって遺伝子が少しずつ異なっているためである。これまでの栄養学は平均的な栄養所要量に従って指導してきた。しかし、一般の人は栄養所要量も知らないし、その通りに摂取している人はまずいない。
全寮制の自治医科大学の学生を対象に栄養摂取量を調べたところ、平均値の2倍以上を摂る人から、3割しか食べない人まで大きな幅があった。
数万人を調べた国民栄養調査でも、摂取量が全体平均の上下2割の範囲に入る標準的な人も比率は、熱量では66%、脂質では58%、タンパク質では42%しかいない。
若い健康な人であれば必要な摂取量を調節する力が備わっている。だが、年を取るとこうした能力が衰え、生活習慣病になることがある。こうした病気の原因となる遺伝子が少しずつ分かってきた。
例えば、日本人の約1/3は『β-3アドレナリン受容体』というタンパク質を作る遺伝子にわずかの違いがあり、こうした人は平均的な日本人よりもエネルギー消費量が、毎日おにぎり1個程度少ないので肥満しやすい。また食塩で血圧が上がりやすい因子の遺伝子も分かってきた。
極端な例では、日本画家の横山大観はご飯をあまり食べずに1升酒で長寿を保った。今日では上戸と下戸を決めるアルコール代謝の遺伝子の違いも知られている。
現在、病気の発病後は糖尿病食や高血圧食のように様々な治療食が用いられるが、病気が進行してからでは遅すぎる。そのためには生活習慣病になりやすい遺伝子を調べて個人に適した栄養をとることが有益である。栄養指導は従来の平均値に基づく集団対応のものから、個人対応へと天気を迎えているのである。(香川靖雄・女子栄養大学大学院教授)1999.4.12《日本経済新聞》

■生活習慣病に「ヘキサコサン酸」
「高血圧症など生活習慣病の原因となる脂質を森永乳業と柳川リハビリテーション病院の安徳恭演副院長、明治生命保険の共同研究グループが発見した。
発見した脂質は『ヘキサコサン酸』。研究グループは高血圧症や糖尿病など生活習慣病の患者の血液を調べ、赤血球にあるヘキサコサン酸の量が健康な人より多いことを見つけた。また動脈硬化のリスクが高いことが分かった。体内で作られるヘキサコサン酸が病気の一因になっているとみている。
また、ヘキサコサン酸の濃度が高い成人に魚油の一種(タラ肝油)から抽出した成分を飲んでもらう実験をした結果、8週間で濃度が正常値まで下がった。魚油成分がヘキサコサン酸の体内合成を抑えているらしい。
タラ肝油には飲み過ぎると体に良くないビタミン類も含まれ、そのままでは大量摂取できない。成果は12日から東京で開く日本成人病学会で発表する。」2001.1.12《日本経済新聞》

■新しい指標
「ウエストの数値を身長で割った値が0.5以上なら動脈硬化になる危険が高い・・・・。虎の門病院や独協医科大学などのグループが、生活習慣病になり安さを見分けるこんな指標を考案した。他の指標に比べ計算が簡単で、高コレステロールや中性脂肪が高い日値を検出しやすいと言う。
同病院の謝勲東医師、度胸医科大学の武藤孝司教授らが発案した。人間ドックを受けた約6000人のデータを分析したところ、従来の指標で肥満と判定されず生活習慣病になりにくいとされる人でも、新しい指標が0.5以上の場合は「糖尿病などの生活習慣病につながる危険因子が高い」(謝医師)ことが分かった。
現在、指標としては、体重(kg)を身長(m)の二乗で割った体格指数(BMI)がある。男女とも22が標準で、25以上が肥満に分類される。この指数は、生活習慣病を招きやすい内臓周辺に脂肪がつく「かくれ肥満」を見逃す可能性があると言われている。」2002.11.1《日本経済新聞》

■胎児期に起因
「糖尿病や高血圧などの生活習慣病にかかるリスクの高さは母親のお腹の中ですでに決まっているという説が『成人病胎児期発症説』。
この説は英国のサウザウンプトン大学のデビッド・バーカー博士。
東大大学院の福岡秀興助教授は「日本では“小さく産んで大きく育てる”をよしとする考え方もありますが、母体内できちんと栄養を与えて上げないと子供の体質に影響します」と話す。
胎内で母親から赤ちゃんに与えられる栄養が不足すると、赤ちゃんの体は少ない栄養でも生きていけるように変化する。この状態で生まれた赤ちゃんに急に栄養を流し込むと、処理能力が低い内臓が酷使されることになる。
たとえば、腎臓の場合、低体重で生まれた子供は血液から老廃物をこしとる「糸球体フロン」が少なくなると言う。
1980年以降、生まれたときの体重が2500g未満の低体重児が増え続けている。多胎妊娠や高齢出産が増えたことに加えて、安産志向の急速な高まりが背景にある。
妊婦向けの雑誌やパンフレットには、妊娠中の体重増加を最小限に抑えて「かっこよく産む」ためのノウハウが紹介されている。「赤ちゃんと2人分の栄養を、は昔の話」などと妊娠中の体形維持がテーマにされ、カロリー制限で「何㌔増に抑えたか?」が妊婦の自慢話にもなるようだ。
妊婦さんの体重が増えなければ、低体重児は産まれやすくなる。さらに米国内の調査では、出生時の体重と成長後の心疾患の発症リスクには相関関係があるという。
体重が約2300g以下で生まれた子供が心疾患を発症するリスクは標準体重(3200~3800g)で生まれた子供の約1.5倍。
動物実験でも、タンパクを制限したラットの子供は、成熟後の体脂肪率が2倍程度高くなった。
もちろん、体重が増えすぎれば妊娠中毒症の原因にもなるから、肥満度に応じた栄養が必要になる。3006.3.8《日経》




性器ヘルペス感染症
⇒リンパ節腫張を伴う感染症。
性器ヘルペス感染症は、単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus : HSV)によって起こされる性感染症(STD:sexually transmitted disease : 性交渉によって感染する病気)です。単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus : HSV)には、1型(HSV-1)と2型(HSV-2)とがあります。1型(HSV-1)は、主として、カゼや高熱のときに、口や唇に水疱(水ぶくれ)や潰瘍を生じます(口唇ヘルペス)。2型(HSV-2)は、主として、性器の部分に水疱(水ぶくれ)や潰瘍を生じます(性器ヘルペス)。しかしながら、1型(HSV-1)と2型(HSV-2)とも、口唇に病変を起こす場合もあれば、性器に病変を起こす場合もあります。単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus : HSV)に感染していても、普段、大抵の場合において、1型(HSV-1)と2型(HSV-2)とも、休眠状態にあって静かにしていますので、何の症状もありません。しかし、ときとして、単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus : HSV)が休眠状態から活性化して、口唇あるいは性器に水疱(水ぶくれ)や潰瘍を生じます。単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus : HSV)は、一度感染すると、その人の生涯を通じて、体内で生き続けています。水疱(水ぶくれ)や潰瘍などの症状が沈静化して治ったように見えても、休眠状態の単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus : HSV)が体内に存在し続けているのです。
 1型(HSV-1)と2型(HSV-2)とも、病変を生じる粘膜と粘膜との直接の接触によって、他の人に感染します。キスを含めた性的接触により感染する場合もあれば、直接の接触はなくても、分泌物を介してウイルスが運ばれて感染する可能性もあります。

 単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus : HSV)に感染している人は、水疱(水ぶくれ)や潰瘍といった症状の有無に関係なく、他の人を感染させる可能性があります。自分が単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus : HSV)に感染していることに気づいていない人たちが、しばしば他の人を感染させます。また、自分が単純ヘルペスウイルス(herpes simplex virus : HSV)に感染していることに気づいていても、水疱(水ぶくれ)や潰瘍といった症状がないときでも他の人を感染させる可能性があることを知らない人たちが、しばしば他の人を感染させます。
HSV-2による感染は、男性よりも女性で多く見られます。アメリカ合衆国では、男性では約5人に1人の割合なのに対し、女性では約4人に1人の割合です。これは、性交渉において接触する粘膜面の広さの違いから、女性から男性への感染よりは、男性から女性への感染の方が起こりやすいためと考えられます。また、アメリカ合衆国では、白人(17.6%)より黒人(45.9%)で多く見られます。
 アメリカ合衆国では、1970年代の後期から見ると、性器ヘルペス感染症の感染者の数は、約30%増加しています。白人の十代での増加が著しく、20年前と比較すると、12-19歳の白人では、約5倍に増加しています。二十代の若者では、約2倍に増加しています。性の開放化と関係していると考えられます。

 「横浜市感染症発生動向調査における性器ヘルペス感染症の女性患者の年齢分布(2000年)」のグラフをご覧下さい(下線部をクリックしてください)。「淋菌感染症」や「性器クラミジア感染症」といった性感染症と比較して、高齢者の患者も見られることが特徴です。高齢者の場合には、以前から体内にいて休眠していたHSV-2が目覚めることにより性器ヘルペス感染症が再発して患者になっている場合が多いと考えられます。

◎症状:
陰茎・膣・外陰部に有痛性の小水疱。
再発性あり。

■他人に感染73%が不安
「性器ヘルペス感染者の最大の不安は他人に感染させること---。英製薬大手のグラクソ・ウエルカムが実施した性器ヘルペス感染者を対象にした国際アンケート調査で、こんな実態が明らかになった。また、多くの患者が正確な診断に必要とされている手法での診断を受けていないことも分かった。
調査によると、回答した患者農地73%が他人に感染させることへの不安を訴えている。また、67%の患者が症状の再発時には性交渉を減らすか止めている。また、診断の過程で多くの女性患者が苦痛を感じており、45%が不安を感じ、43%が羞恥心を感じたと回答した。
正確な診断のために国際的なガイドラインで推奨されている患部の診断を受けた患者は41%、血液検査を受けた人は4%に過ぎなかった。
性器ヘルペスは他の疾患に類似の症状が多いため、内診だけでは正確な診断は出来ないとされているが、必ずしも正確な診断法が腐朽していないのが実態。」2000.11.17《日経産業新聞》

■分娩時の産道感染
「20代、女性。性器ヘルペスに感染し、治療の1週間後に妊娠が分かりました。感染は4、5週目だったと思います。飲んだ薬とヘルペスのウイルスが、胎児に影響を与えないかと不安です。
性器ヘルペスは、ウイルスによる感染症で、外陰部にたくさんの水疱ができてから、激しい痛みのある潰瘍を作ります。一度感染すると、ウイルスが体内に潜伏し、抵抗力の弱ったなどに再発します。
胎内感染による先天異常はほとんどありませんが、むしろ、分娩時の産道からんぽ感染が問題です。新生児ヘルペスは1万人に1人んぽ割合で見られ、その半数以上が死亡、または後遺症を残します。分娩時に症状があるか、初めての感染で、発症から分娩時まで1ヶ月以内の時は帝王切開をします。
治療は、抗ウイルス剤の内服、注射、軟膏塗布が一般的です。今のところ、妊婦への安全性が確認されていないので普通は使いませんが、やむを得ず使用した例でも、胎児の障害や死亡は報告されていません。
一般的に最終月経開示日から34日までは薬剤による奇形発生の確率は低いと言われています。」

■感染抑制
「英製薬会社のグラクソスミスクラインはヘルペス治療薬『バルトレックス』が性器ヘルペスのウイルス感染を抑制する効果を持つとの臨床試験結果をまとめた。これまで同製品は発症時の治療に使われてきたが、欧米で感染抑制への適応拡大申請を検討する。
臨床試験は夫か妻が性器ヘルペスに感染している欧米の夫婦1484組みに実施した、バルトレックスを1日1回投与した夫婦では全体の0.5%が相手方に感染、偽薬を投与した夫婦では2.3%が感染したという。
同製品は日本では2000年10月に発売されたが、感染抑制の適応は取得していない。」2002.10.18《日経産業新聞》


性行為感染症(STD)      sexually transmitted disease  
<1>梅毒 syphilis
<2>軟性下疳
<3>鼠径リンパ肉芽腫症
<4>淋疾
<5>単純性疱疹
<6>尖圭コンジローマ→ヒトパピローマウイルス6型・11型が原因
<7>陰部伝染性軟属腫
<8>B型肝炎
<9>疥癬
<10>毛虱(毛じらみ)
<11>陰股部白癬
<12>外陰部カンジダ症
<13>トリコモナス症
<14>サイトロメガロウイルス感染
<15>非淋菌性尿道炎




性的神経衰弱
  【処方名-五十音順】
■桂枝加竜骨牡蠣湯
■柴胡加竜骨牡蛎湯
■滋陰降火湯
■梔子豉湯(身熱、胸中煩熱、心中懊、不眠、熱感)
■小建中湯
■清心蓮子飲
■八味地黄丸
■六味丸


 性的不全
=「性的不能」 (参照→勃起不全)   

■性的不全の男性に朗報
「米食品医薬品局(FDA)は27日、米ファイザーの傾向インポテンツ(性的不全)治療薬『バイアグラ(一般名:シルデナフィル・シトレート)』を販売許可した。FDAがインポテンツ治療薬を認可したしたのは初めて、米国には[糖尿病]や[前立腺の経尿道切除]、[精神的要因]でインポテンツに悩む男性が約3000人はいるとされる。
FDAによると、バイアグラは性交渉の1時間前に飲むだけで効果を発揮するという。平均年齢55歳で、過去5年以上インポテンツに悩む患者を対象にした臨床試験では、約7割の患者に有効だった。
バイアグラは、性的刺激を受け取ると体内で分泌される酸化窒素の働きを強化する効果があり、その結果、男性器内への血流を増やし、性交を可能にするという。頭痛、顔面紅潮、消化不良などの副作用があり、米国内での購入には医師の処方箋が必要。1998.3.28《日本経済新聞》
<1>経口薬
<2>性的刺激がないと効果を表さない。
<3>持続時間も長くない、性交渉の1時間前に服用すれば、一定時間効果があり、射精後は元に戻る。
「ファイザー製薬は5月/21日、ニトログリセリンなど心臓病薬を併用した患者6人が死亡したことを米食品医薬品局(FDA)に報告したと発表した。
バイグリアとニトログリセリンなどの心臓病の薬を併用すると、血圧が急激に低下し、死亡する危険があるという」1998.5.23《日本経済新聞》
■元議員の告白共感呼ぶ
「ケネディ大統領暗殺の地として有名な米南部のダラス市で千月開かれた米国泌尿器学会。記念講演に招かれた元上院議員のボブ・ドールさん(75)は、前立腺ガンの手術で性的不能になった自らの体験を語った。
「性的不能を恥ずかしがらず、病院へ行こう=」
96年の大統領選。クリントン現大統領に敗れたドールさんは、性的不能の「エデュケーター(教育者)」に生まれ変わった。
膀胱の出口付近に尿道を取り囲むようにある前立腺にガンが見つかったドールさんが、手術を受けたのは91年。手術前、性的不能の合併症について資料を読んでいたが、その時、身近なこととは感じていなかった。
手術に成功したものの、性的不能に陥った。その後、治療薬「バイアグラ」(成分名:クエン酸シルデナフィル)の臨床試験に参加し、性生活が復活した。しかし、他人には一切話さなかった。「恥ずかしさ。それに、大統領選を控え、政敵の攻撃材料に利用されるかもしれない」
ところが昨年5月。政界を引退した気軽さからか、テレビのトーク番組で、性的不能と治療の事実を公表。その日から、電話の応対に追われることになった。「前立腺ガンの手術を受けるのが怖かったが、安心した」「私も性的不能。よく話してくれた」---------。
真剣な話を聞いて、「みんな相談するところがなくて悩んでいるのだ」とドールさんは実感。今年2月から米国泌尿器学会の下部組織がスポンサーになった性的不能の治療啓発のテレビ広告に出演。「効果的な治療法はある。病院に行く勇気を持て」と訴えている。
彼の告白は、米国民の性的不能に対する考え方を変えつつある。恥ずかしいことではない。これは病気なのだ。自分たちの気持ちを知ってほしい-------。患者自身が次第に語り始めた。
学会開催中の記者会見にも、性的不能になった3人の男性と、その妻が出席した。テキサス州アービングに住むゲーリー・ホウプさん(40)は、一度の「失敗」が不安を増幅させ、性生活を出来なくさせた。その結果、結婚20数年にして、夫婦の危機に陥る。妻のキャロリンさんとは抱擁ははおろか、次第に対話さえ少なくなっていく。
しかし、バイアグラによって可能になった。会見の席上、キャロリンさんは訴えた。
「性的不能は性生活だけの問題ではない。率直に話し合うことで2人の信頼感が増して、性生活が人生を楽しくしていることを知った」
[勃起の仕組み]
性的刺激により、ある種の化学伝達物質が増えることで、陰茎内の血流が増して起こる。一方、PDE5という酵素は、この化学伝達物質を分解する働きがあり、バイアグラはPDE5を一時的に阻んで勃起を促す。」 

■脊髄損傷-----------若者も悩む
「主治医が性の問題をちゃんと説明してくれなかった。誰にも相談できず悩み続 けた」
脊髄を損傷して下半身不随となったノースカロライナ州のロバート・クレメントさん(32)は、性的不能に直面した時の心情を告白した。
米国泌尿器学会が開かれたダラス市で先月、突然の悲劇と、性的不能の問題を軽視しがちな医療現場の現状を訴えた。
事件は97年10月。「銃を持った男が立てこもった」との通報を受けて警察官だったロバートさんは現場に急行。民家に入った途端、背後にいた犯人が発砲。銃弾数発を受けた。
死線をさまよった末、一命は取り留めた。が、脊髄を損傷し、下半身の自由が奪われた。
「私には幼い子もいて、命が助かって本当によかった。でも、車椅子の生活は悲しく、むなしかった」
退院したロバートさんは、同じ警察官だった妻のランダさん(40)とともに、新たな難問に突き当たる。性的不能に陥っていた。
脊髄には手足の知覚や運動に関係する神経組織や、性機能にもかかわる自律神経があり、これが傷ついたり、圧迫されたりすると、勃起しなくなる。
米国の医療現場は、インフォームドコンセント(医師の説明と患者の理解)が進んでいるが、ロバートさんは入院中、性的不能について、十分な説明を受けた記憶がない。退院の直前に看護婦から「セックスが出来なくなるかもしらない」と言われただけ。もちろん、治療法は知らされなかった。
退院後、しばらくして感染症で、泌尿器科病院へ行った時、思い切って性的不能の問題を相談してみた。すると医師から様々な治療法の説明を受け、新薬の「バイアグラ」を服用したところ、性的不能がよみがえった。
 [性的不能の原因疾患]
①骨盤・脊髄の損傷
②糖尿病
③高血圧
④高脂血症
⑤冠動脈疾患
⑥喫煙・アルコール飲用
⑦抑鬱、などがある。  

■バイアグラ-----抗生物質と併用に注意
「勃起不全症治療薬バイアグラを、エリスリオマイシンなどの抗生物質やエイズ治療薬と併用すると、バイアグラの血液中の濃度が数倍に跳ね上がることが、開発元の米ファイザー社の試験でわかった。
ファイザー社の試験では、よく使われるエリスロマイシンとの併用の場合、バイアグラの血中の平均濃度が2.8倍になった。又、プロテアーゼ阻害剤というエイズ治療薬5種では、最大で約11倍になった。これらはバイアグラを分解する肝臓の酵素の働きを邪魔する。その効果がより強い抗生物質ケトコナゾールうあイトラコナゾールでは、さらに濃度が高まると予想される。
米国では、これらの薬を使う人は、バイアグラの服用量を半分にするなどが、すでに使用上の注意に書き加えられている。
ファイザー製薬広報部は“血中濃度が上がれば、頭痛や顔のほてりなその副作用が出やすくなるだろうが、ふつうの8倍の量を飲んだ試験もあり、重い副作用は考えにくい”という。
バイアグラは、心臓病の薬などと併用すると急激な血圧低下が起こり、死亡する危険があるとされる。」1999.5.27《朝日新聞》
■喫煙は性機能を損なう恐れ
「タバコを吸うと、勃起など男性の性機能を損なう恐れがある-------。英国の医師会と反喫煙運動団体は、喫煙の影響が指摘される勃起障害などについて報告書をまとめ、キャンペーン活動を始めた。「性機能への害」を反喫煙運動の中心にすえるのは初めてで、勃起障害の治療薬バイアグラの登場によって気がねなく議論できる雰囲気になったことが背景にある。
ペニスに血液がどっと流れ込み、出ていくのがせき止められると、勃起状態になる。この仕組みが喫煙で進む動脈硬化やニコチンによる血管のケイレンで損なわれる。
報告書によると、10代や20代でタバコを吸い続けると、30代、40代で勃起障害の可能性が薬50%高まる。しかも喫煙者の90%近くが危険性に気づいていないという。
さらに、喫煙は精子数の減少や運動率の低下をもたらすと、過去の医学論文をもとの指摘している。」1999.7.4《朝日新聞》
 ■武田が性的不全治療薬
「武田薬品工業は性的不全治療薬『アポモルフィイン』の販売に乗り出す。来年中にも欧米で発売するほか、日本でも3年後をメドに発売する。先行する米製薬大手のファイザーのバイアグラにとって強力なライバルとなりそうだ。
アポモルフィンは脳の中中枢神経に作用して性的刺激を与える仕組み。局部の血管を弛緩させて血液が流れ込む働きを助けるバイアグラと仕組みが異なる。
武田は6月末、米製薬大手アボット・ラボラトリーズとの合併会社、TAPホールディングスを通じて、米食品医薬品局(FDA)に新薬承認を申請した。欧州でもアボットと共同で欧州医薬品庁(EMEA)に申請する。」1999.7.3《日経産業新聞》
■武田が許可取得
「性機能改善薬『イクセンス』の販売許可を欧州委員会から取得した。イクセンスは中枢神経に作用して男性の性機能を回復させる薬で、服用してからの効果が早い。」2001.5.30《日経産業新聞》
【西洋薬】
「バイアグラ」= 成分名:シルデナフィル




性同一性障害
⇒自分の性別に強い違和感を持ち、別の性になりたいと望むもの。
■性転換手術を容認へ
「日本精神神経学会の特別委員会(山内俊雄委員長)は23日までに、性転換手術を「治療の最終手段」として容認した上で、対象者と実施施設を限定する内容の治療方針をまとめた。
対象者:
①年齢20歳以上
②希望する性別で1日中生活する「実生活テスト」を一定期間以上続けている。
③手術の危険性などを理解し文書で同意している。
診断:複数の精神科医で行う。 1997.5.24《日本経済新聞》
     

性暴力を受けた
■1人で悩まず
関西を拠点に活動する市民団体「性暴力を許さない女の会」が性暴力を受けた女性がとる対応策を本にまとめた。自分だけでなお編まず、すぐに法的手段などの行動を起こすことが大切だとし、訴えるにあたって必要な証拠の残し方や警察への届け方法、さらには心のケアについて具体的に示している。
「被害にあった時は、まず「危険と感じている相手から自分の安全を確保すること」が必要とし、「1人で悩まない」ことを強調。ケガをした場合などにはただちに、外科や産婦人科での診察を受けるよう勧めている。
その際の診断書は、法的手段に訴える際の重要な証拠になるとし、事実関係についてメモを取っておくことも大事だとする。併せて心の傷から解放されるためのカウンセリングを受けることも必要としている。
そして、法的な手段に訴えることを決意したら、まず、弁護士会などを通じて相談する弁護士を探し、▽事件の経過、▽具体的な被害の事実。▽自分の抱えている事情や環境、▽加害者に謝らせたい、などの要望-------を整理した上で、事実に基づき、しっかりと説明することという。
また、加害者を告訴したした場合の警察での手続きについては、事情聴取を受けて調書を作成してもらう。実況検分に立ち会った後、告訴状をまとめて提出する、という流れを具体的に記している。
ただ、この際、現場に来た警察官から被害に遭うような『落ち度』があったのではとか、知人・顔見知りの犯行の場合、『許してあげたら』と言われることがある。法律上正しいことをしていても、訴えた方が間違っているように言われることがあるが『自分を責める必要はない』と、被害者が陥りがちな心理状況にも目を据え、気持ちを強く持つように求めている。」
「サバイバーズ・ハンドブック---性暴力被害回復への手がかり」新水社
「性暴力を許さない女の会」06-6322-2313
毎週火曜日・午後7~9時。

性犯罪の再犯防止
薬物で・・・リュープリンhttp://www.naoru.com/leuplin.html
性的興奮を抑える

 

 性欲の異常亢進
  【芳香療法】    
     マージョラム
  【処方名-五十音順】
■陰陽の処方
■知柏地黄丸
■六味丸
 
■生殖を促す脳内ペプチド
「2008年5/8、岡良隆・東京大学教授らのチームは、メダカの実験で脊椎動物の生殖活動を促す脳内ペプチドを見つけた。卵巣や精巣などを刺激するホルモンの放出を促す役割があり、視床下部の一部で大量に見つかった。」





生理を延ばしたい
  【処方名-五十音順】
■延経期方《周方堂蔵方》

 

 


生理がない
(参照→無月経)  

■初経が来ない。
「もうすぐ16歳になる高一の娘は、まだ生理がありません。身長は170cm、体 重52kgです。胸は小4ぐらいから膨らんでいます。本人も初経がないのを気にしていますが、病院に行くのは、親子共抵抗があり、まだ行っていません。診察を受けるべきでしょうか?
<1>初経は、いつ訪れるものですか?
平均初経年齢は、12歳です。10~16歳の間に月経が始まるのが普通とされており、それより早いと『早発初経』、遅いと『遅発初経』といいます。18歳になっても初経を見ないものを、『原発性無月経』といいます。
<2>年齢の区切りに、意味はあるのでしょうか?
正常な出産をした経産婦の初経年齢を調べると、16歳で95%、18歳で99.9%が初経を迎えています。18歳以降に初経を迎えた人は、妊娠しにくいというデータもあります。
<3>原因は?
①卵巣の発育不全
②子宮・膣の先天異常
③脳下垂体・視床下部などの女性ホルモンに関わる脳中枢の発育の遅れ。
④性染色体の異常
⑤糖尿病
⑥甲状腺の異常
<4>体に異常がなくても、初経が来ないことがあるのでしょうか?
バレエをやっている人は、平均初経年齢が2、3年遅い、というデータがあります。バレエ以外にも、マラソンや水泳など激しい運動をしている人は、遅くなりがちです。これは、スリムは体形が要求されるため、女性ホルモンの素になる体脂肪が少ないことと、運動によるストレスが脳に影響を与えているのです。入試や家庭内のもめごと、誤ったダイエットによる大幅な体重の減少も、初経が遅れる原因になります。
<5>病院に行ったほうがよいでしょうか?
最初の診察から治療を始めるでの間、検査や経過の観察に半年ほど必要ですから、18歳になってからの診察では治療開始が遅れます。逆に早すぎても、体が未熟なため、原因の見極めがつきにくい。16歳になっても初経が来ないなら、診察を受けるべきでしょう。
<6>病院に行くのに抵抗がある
いきなり診察台に乗ってもらうことは有りませんので、安心してください。まず、体重、身長を測り、過激な運動をしていないかなど日常生活について問診します。それから血液中のホルモンの量を調べ、腹部の超音波検査で子宮や卵巣の様子を調べます。ここまでで原因が分かることもあります。しかし超音波では膣の状態が分からないので、内診が必要な場合もあります。(三宅侃・大阪大医学助教授)1997.10.5《朝日新聞》


生理外の出血
    (参照→不正性器出血) 

■悪性腫瘍かどうか確かめよう
    「30歳の女性。生理が終わって1週間くらいたった時期に出血することがあり     ます。生理の軽い日くらいの量です。とくに、体調が悪かったり、発熱があっ     たりすると出血します。病院では「異常なし」と言われましたが、放っておい     ても大丈夫なのでしょうか?
 ●生理とは違う出血のようですが、病気を疑うべきなのでしょうか?
「出血があるというだけでは、婦人科の問題だとは断定できません。血尿や肛門     からの出血でないことをはっきりさせた後、子宮や膣に炎症や腫瘍、外傷がな     いかを調べます。このとき、子宮頚部や内膜の細胞診をし、子宮頸ガン・子宮     体ガンのような悪性腫瘍による出血ではないことをきちりと確かめておく必要     があります。悪性腫瘍なら直ちに治療しなければならないからです。
●発熱時に出血するというのが気になります
    「ふつう、発熱と婦人科にかかわる出血には直接の関係はありません。この方の     ような場合、出血しやすい病気、たとえば全身性エリテマトーデスや白血病、     血小板減少症などの基礎疾患が無いかを確かめておいた方がいいですね。
●炎症や外傷、ガン、その他の基礎疾患が出血の原因ではないことがわかった      らどうしますか?
「すぐに治療しなくても命に罹る心配はないので、1ヶ月ほど基礎体温を記録し     てもらいます。津状は生理開始から2週間ほど低温期が続き、排卵と共に高温     期に入ります。夫れが2週間ほど続いた後、次の生理が始まって再び低温期に     なります。基礎体温を調べれば、きちんと排卵があるか分かります。
排卵がないようなら、生理5日目から5日間、排卵誘発剤を飲む方法もあり     ますし。当面子供をつくる予定がなければ経口避妊薬で生理不順を治します。
●生理も排卵もきちんとしている、それでも、出血があるという人はいるので      しょうか?
    「排卵時に出血する人は結構います。生理と生理の中間の出血という意味で『中     間期出血』といいます。ふつう生理が終わると、女性ホルモン(エストロゲン)     の働きで子宮内膜が厚くなってきます。エストロゲンの量は排卵直前にピーク     を迎え、排卵時に減少しますが、この時、厚くなりすぎた内膜の一部が崩れて     出血してしまうことがあるのです。発熱時に出血というのも「排卵時に出血し     て高温期に入った」ということなのかも知れません。
●発熱だけでなく疲労とのかかわりもあるようです。
    「生理や排卵の周期は、卵巣で出来るエストロゲンと黄体ホルモン(プロゲステ     ロン)のバランスで決まります。これらのホルモンの分泌は脳の視床下部と下     垂体が司っていますから、疲労や極端なダイエットのようなストレスを脳が感     じると両ホルモンのバランスが崩れ、出血することがあるのです。
●中間期出血は治療の必要がありますか?
「下着が汚れる程度の出血なら何もしません。出血が多くて不快なら、経口避妊     薬と同じ合成ホルモン剤(エストロゲンとプロゲステロンの合剤)でエストロ     ゲンをコントロールします。
●出血時の注意点は?
    「食べ物は辛すぎるものやアルコールを控えると言った程度で充分です。性生活     については、セックスによる出血でない限り。ご本人さえ構わなければOK。     ただ、出血がひどいときは入浴を控え、シャワーにとどめた方がいいでしょう。     湯が体内に入ることは少ないのですが、もし湯と共に最近が体内に侵入すると     子宮内膜炎や腹膜炎になる恐れがあります。(宮川智幸・虎の門病院産婦人科     医長)1998.12.6 《朝日新聞》

 生理痛
(参照→月経痛)

 生理不順
(参照→月経不順)


 精子が少ない
=「精子欠乏症」
■日本人男性の精巣重量が減少
「日本人男性の精巣の重さが1980年前後~90年前後までの10年間に約7%減少したことが、環境庁が27日まとめた「人のダイオキシン類蓄積状況調査」で分かった。同庁は「ダイオキシンとの因果関係はよく分からない」としているが、ダイオキシンや内分泌攪乱化学物質(環境ホルモン)が胃との生殖機能に悪影響を及ぼすとの指摘もある。
環境庁は関東地域の監察医務院が行政解剖時に集めた成人男性(26~69歳)の精巣のデータを過去50年間にわたり追跡調査。約13200人の精巣の重さを死亡した年ごとに比較した。」1999.12.28《日本経済新聞》
■手術で造る機能を回復
「Yさんは29才の男性。結婚後3年で不妊検査のため当科を受診した。精液を調べたところ精子数は1cc当たり1000万個で精子欠乏症だった(正常は2000万個以上)。運動率もやや低下していた。ホルモン検査では陰嚢部に左精索静脈瘤を認めた。
不妊の原因が男性側にあるのは40~75%とされる。原因が明らかなのは20%にすぎず、原因不明の『特発性男性不妊症』が大部分を占めるという。原因が明らかな不妊症では『精索静脈瘤』が最も多く、このほか前立腺炎や精路の通過障害などがある。
精索静脈瘤は、陰嚢部から股の付け根にかけてある静脈がふくれて血液が滞る疾患で、大部分は左側に発生する。無症状のことが多く他の病気で来院し、診察時に偶然発見されることも少なくない。座った状態では消失しやすいが、立った状態でお腹を押さえると静脈がミミズの要に陰黄の表面に浮き出てくる。触診で比較的容易に診断できる。
健康な男子でも5~15%にみられるが、不妊症患者では20~40%と頻度が高い。静脈血がとどこおり精巣の温度が上昇して、精子を造る機能が落ちて、20~50%で精液に異常が認められる。不妊症になるのはこのうち25%だが、閉塞性無精子症を除けば手術によって精子を造る機能を回復させ妊娠に至らせることが可能な唯一の疾患である。
不妊期間が2年以上で妻に異常が無く、精索静脈瘤で精液に異常があるときは手術の対象になる。手術は精巣静脈を糸で縛る結紮術が一般的だが。侵襲の少ない経皮的血管カテーテルによる塞栓術も行われる。術後は30~40%で妊娠に至っている。
不妊でなくても陰嚢部に痛みや不快感がある場合は手術の適応となる。まれに腎ガンや後腹膜腫瘍により、腎静脈や精巣静脈がふさがれて精索静脈瘤になることがあるので、精査が必要である。Yさんは経皮的血管カテーテルによる塞栓術を行い、術後半年で精液の状態が改善した」(池本慎一・大阪市立大学医学部泌尿器科助手)2000.1.17《日本経済新聞》
【処方名-五十音順】
■牛車腎気丸


 脆弱X症候群
=脆弱X症候群は男性では2000人に1人、女性では4000人に1人の割合で発症し、精神遅滞の要因としてはダウン症に次いで多い。
■遺伝子
「米エモリー大学などの研究グループは、精神遅滞を引き起こす脆弱X症候群の患者で、遺伝的にFMRPというタンパク質が欠けている影響を受けるRNA(リボ核酸)を見つけた。発症の仕組みの解明や治療法の開発につながる可能性があると期待している。
DNA(デオキシリボ核酸)マイクロアレーという器具を使い、FMRPを持たない患者で働きが抑えられている251個のRNAを突き止めた。」2001.12.5《日経産業新聞》
■体内時計の関与
農業生物資源研究所と徳島大学・産業技術総合研究所は知的障害を引き起こし遺伝性の病気「脆弱X症候群」に、生物自身が持っている時計機能である体内時計が深く関わっていることを動物実験で確認した。
脆弱X症候群の原因となるFMR1遺伝子を破壊した遺伝子組み換えハエを作り、活動を観察した。試験管にハエを入れて動きを動きをしらべると、通常のハエは体内時計の影響で23.7時間の周期で活動したが、遺伝子組み換えハエでは周期性は見られなかった。
一方、脆弱X症候群を起こしたハエに正常なFMR1遺伝子を入れたところ、生物時計が開腹し、周期的に活動するようになった。
脆弱X症候群はX染色体に異常が見られる遺伝性疾患で、知能発達の遅れや自閉症のような症状、睡眠障害などの症状が出る。2000~400オ人に1人の割合で発生する」2002.8.6《日経産業新聞》



 咳(せき)  
   (参考→「喘息」「喘急」「咳嗽」「哮喘」「肺脹」「肺痿」
【咳】声があってタンのないもの
【嗽】声が無くてタンのあるもの
【欬】「逆気なり欠(体の曲げる様を示す)に従い亥の声」<説文>セキをする時、体の筋肉を緊張させ一気にはき出すこと。
【喘】「疾き息なり口に従い耑の声」<説文>日本訓「あへぐ」。短い息づかいでハァハァすること。
【欬嗽】「しはぶき」急・慢性気管支炎
【喘急】「ぜんそく」気管性喘息の類。
   ⇒せき(咳嗽)cough

◎せきの出る理由には、
<1>冷たい空気など刺激によって、
<2>気道に入った異物を吐き出そうとする、
<3>咽頭や喉頭に炎症が起きて、その分泌液を出そうとする
<4>気管支や肺の病気の時にタンを出すため、
<5>胸膜が刺激される胸膜炎の初期
などが考えられます。水野・米田共著「家庭の民間薬・漢方薬」P22。

*せき止めを飲まない方がいい?
 長引くセキ・・結核
 夜に咳・・・・ 夜は副交感神経が働く→気管支が縮む→咳がでる
*テオブロミン(チョコレートの成分)も有効
*カプサイシンは逆効果
*せき反射 ・・脳のせき中枢が指令を送る。
*咳中枢が弱っている人は喉頭蓋の反射も弱っている
*喉頭蓋が気道と食道を分ける
*せき中枢を弱める薬が咳止めに入っている
*せき中枢が衰えている人は・・咳止めは良くない
*反復唾液 

試験 …3回以下は、飲み込み反射が低下している
30秒に6回が平均
食後に声がかすれる

■セキが続く
「61歳の主婦。昨年からセキが止まらず悩んでいます。気管支炎か、喘息と言われ、半年かけて治ったものの、その4ヶ月後に風邪を引き再び続くようになりました。X線やアレルギー検査で異常はなく、咳止め薬は気ナカイので止めました。静かにしていると咳は出ず、電話や外主治は話せないほど続きます。」(大阪・T)
●咳が出る病気はいろいろありますね?
咳の出方は様々な種類があり、病気によって異なります。出方を大まかに言うと、突発性・急性・慢性の3つに分けられます。突発性は異物やガスを吸い込んだ場合など、急性は風邪・肺炎・心不全などです。気管支喘息は急性の咳を伴う発作が続きます。慢性は慢性気管支炎や気管支拡張症、結核など、長いと年単位に及ぶこともあります。タンを伴う湿ったセキか。そうでない乾いたセキかで病気の大まかな見当を付けることが出来ます。
●病気の特定は難しいのですか?
セキの種類だけで特定するのは難しく、どんなときに出るか、セキ以外の症状、胸のX線検査、アレルギー検査、気道の収縮をみる気道過敏性検査、タンの細菌検査などで病気を絞り込みます。たいていはそれで分かりますが、特徴がはっきりしないことも少なくありません。ある程度見当を付けた上で治療を進め、効果が無ければ別の病気を疑ってみることになります。
●この方の場合は何が考えられますか?
詳しい症状と経過を聞かなければ判断できない部分もありますが、気管支喘息は発作時に呼吸に伴って“ゼーゼー”という音かし、横になると息苦しくなります。こうした症状やアレルギーがなく、寒い季節にセキが目立つようでした初期の慢性気管支炎かもしれません。気管支に最近が感染するなどして炎症を起こし、タンが生じてセキを繰り返します。
●話すとせき込むようですが、心理的な背景は考えられませんか?
慢性気管支炎であるかどうかはふた冬ほど様子を見ないとはっきりしません。これら体の病気の可能性が否定されれば、精神性咳嗽という心理・社会的背景が関与するセキが考えられます。季節に関係なく長期にわたって乾いたセキが続く▽睡眠中はセキが出ない▽慢性気管支炎などに使う薬の効果がない、などの特徴があり、アレルギー屋胸のX線検査に異常は現れません。対人関係や繰り返すセキへの不安などが誘因となっているかもしれません。
●それぞれの治療法を教えてください。
慢性気管支炎の場合は根治が難しく、炎症を抑える薬や気管支を広げる薬、せきを鎮める薬などを使って悪化を抑え、症状を楽にする治療をします。寒いときは温かい服装をする。喫煙など体に悪いことをしない。腹式呼吸を覚えて効率よい呼吸をすることなどが大切です。神経性咳嗽のように心理的なものは、背景をはっきりさせる当帰飲子共に、カウンセリングや心理療法を中心に市、不安を取り除く薬を使います。
●病名がはっきりしない時は、何に気を付ければいいですか?
心理的な原因を探るのも大切ですが、他の病気を疑うのが第一です。セキが出る病気には心臓の病気も含め見落としてはいけない病気が結構あります。1回の検査で可能性が否定されても慎重でなければなりません。どんな病気が考えられ、どんあ治療をしているのかを積極的に医師に聞き、症状の変化をきちんと伝えることも大切です。無駄のない検査や治療を受けるためにも、病院を変わるときは必ず紹介状を書いてもらいましょう。」1999.11,7《朝日新聞》


■「心因性のセキ」断定注意
「ゴホンゴホン----。いかにももノドが痛くなりそうなセキが待合室に響く。診察室に入ってもセキは止まらないが、医師が家族と話し始めると静かになる。しかし、家族との話が終わって、再び本人に注目が集まった途端にまたセキが出始める。
一般に、セキは体を守るための防御反応の1つと考えられている。。タンが絡んだり、冷たい空気や異物を吸い込んだりしたときに、それらを吐き出すために、反射的に出るのがセキである。
しかし、本来の目的と異なり、ノドに軽い違和感を覚えた時に意識的にする激しいセキ払いもセキと判断されることが多い。このような状態が長く続くと心因性の咳と診断される。幼児期以降にみられ、特に小学校低学年の児童に多い。
心因性の咳は日中、特に注目されている時に激しく、夜間には全く出ないのが特徴である。咳以外に症状はなく、検査しても何も異常が見つからない。また、咳止めの薬が効かないため、複数の医療機関を受診することが多い。
このような子供たちには、咳を長引かせる何らかの心理的な背景が存在するのは間違いない。しかし、それを明らかにさせることは容易なことではない。
咳は周りの人からも病気と認識されやすいので、大事に扱ってもらえるなど本人も利益を得やすい。そのため症状が長引くものと思われる。
逆に咳がいつまでも治らないからといって、勝手に心因性と決めつけてはならない。子供の咳が長引いている場合には、咳の出方やその他の症状などをよく観察して、主治医の判断を仰ぐことが重要である」(川崎一輝・国立小児病院呼吸器科医長)2000.2.21《日本経済新聞》

■セキの症状、心臓病も
「セキが止まらず、レントゲンを撮り、その結果、肺だけでなく心臓にも異常が見つかり、心臓病と判明することがある。
肺と心臓は血管でつながっている。全身に酸素を配り終わった血液は、心臓の右上の部屋(心房)に返ってくる。そこから下の部屋(心室)を通って、左右の肺に押し出される。肺で二酸化炭素を放出し、酸素を受けとって左の心房に戻る。左の心房や心室に異常があるときに肺に血液がたまり“咳”という症状が現れる。
心臓にかかる圧力の増加や血液量が増大した結果、左の心房や心室に異常が出るが、その場所は大動脈弁・心筋・肺静脈と様々である。
一般に言われる“心臓喘息”とは、睡眠後数時間で息苦しさのために起きることをさし、心臓の左側の部分が十分に血液を全身に送り出せない時に起きる。これを左心不全と呼ぶ。発作が強い時には喘息のようになる。仰向けに寝ることで肺に血液がたまり、睡眠で呼吸中枢が抑制されることが重なって生じる。
“咳”の他、換気が不十分なために息苦しくなることもある。最小は運動時に息が切れ、呼吸困難になる。安静にしていると治まるが、次第に良くなるまでに時間がかかるようになる。さらに進むと安静時にも呼吸困難を生じるようになる。この症状は横になっているときに顕著に見られが、座ると改善する。
心臓が原因で咳や呼吸困難が生じるときは、左心不全がある程度進行していると考えられる。このほか、疲労感が出たり、尿量が著しく減ったりするなどの症状を伴うことが多い。」(百々秀心・国立小児病院循環器科)2000.2.14《日本経済新聞》
  

【芳香療法】(蒸気吸入、マッサージ)
    <1>タイム
    <2>安息香
    <3>ユーカリ
    <4>乳香
    <5>ラベンダー
    <6>マージョラム
    <7>サンダルウッド
  
【民間療法】
<1>ナス。
<2>アカネ・アミガサユリ・アンズ・イタドリ・イチイ・イチョウ・イブキトラノオ・ウイキョウ・ウスバサイシン・オオニンニク・オオナコ・オニグルメ・オニユリ・オモト・カキ(柿)・カニ・カリン・カワラケツメイ・カンアオイ・カンゾウ・キキョウ・キランソウ・キンカン・クコ・コノテガシワ・ゴボウ・サクラ・サボンソウ・シオン・シソ・ジャノヒゲ・ショウガ・ショウブ・セネガ・ソテツ・ダイダイ・チガヤ・チクセツニンジン・チョウセンゴミシ・ツリガネニンジン・テンナンショウ・トウキ・トチバニンジン・ナタマメ・ナツメ・ナンテン・ニワトリ・ヌルデ・ネムノキ・ハハコグサ・ハラン・ヒオウギ・ヒトツバ・ビナンカズラ・ビワ・フキ・ヘチマ・ホオズキ・ホオノキ・マオウ・ミカン・ヤブコウジ・ヤブラン・ユキノシタ・ヨモギ・ロウバイ。
<3>[柿のヘタカンゾウ]

【漢方療法】
■麻黄不適の者:「桂枝生姜枳実湯」《金匱要略》を考える。


【処方名-五十音順】
■一物瓜蒂湯
■烏梅丸
■黄蓍加半夏生姜湯
■括楼枳実湯
■甘草湯(急迫症状)
■甘麦大棗湯(ケイレン性)
■枳実薤白桂枝湯
■橘皮乾姜湯(胃が冷たく咳逆する)
■橘皮枳実生姜湯
■桂姜棗草黄辛附湯
■厚朴麻黄湯
■五苓散(肺が湿に傷られて起こる咳)
■柴胡桂枝乾姜湯(乾咳)
■滋陰降火湯(気鬱による咳、顔面紅潮・痰少ない)
■十棗湯
■生姜瀉心湯
■小青竜湯(咳嗽、喘、鼻水、)
■四物湯(陰虚による喘急。肺脹・肺痿)
■清肺湯(痰が切れるまで激しくせき込む
■皀莢丸
■続命湯
■大黄甘遂湯
■大柴胡湯
■竹茹温胆湯(痰が多い咳 
■当帰飲(打撲による)
■麦門冬湯(乾性の咳<激しい咳>)
■茯苓飲(上腹部がつかえ苦しい、胃部振水音、舌苔白潤)
■射干麻黄湯
■六君子湯(咳嗽、気管支喘息の間歇期)
■六味丸

【西洋医学】
<1>中枢性非麻薬性鎮咳剤:
<2>中枢性麻薬性鎮咳剤:
<3>末梢性鎮咳剤:
 (1)気管支拡張剤
 (2)ケミカルメジエータ遊離抑制剤
 (3)気道の過敏性抑制


 

咳喘息(咳ぜんそく)
①ほかに原因となる病気がないのに、咳が3週間以上続く。
②かぜの後に続いておこることが多い。
③ゼーゼー、ヒューヒューや呼吸困難はない。
④ほとんど痰はでない。
⑤咳は夜間から明け方に多い。
⑥冷たい空気、タバコの煙、会話、運動などで咳こみやすい。
⑦かぜ薬や咳止めが効かない

◎咳喘息とは
咳喘息は咳だけを主徴とする好酸球性の気管支炎と定義されています。
 咳喘息は、フォローが重要です。持続性の咳を訴えて来院する人は、確かに咳喘息であることが多いのですが、詳しく問診すると咳以外の呼吸器症状があり、すでに喘息になってしまっていることも多いからです。
 診断的治療で改善した人に、ピークフロー値の測定を行い、フォローするのがベターです。
 息切れや息苦しさは主観が入り、本来の呼吸器症状ではないこともありますが、詳しい問診で咳以外の呼吸器症状を確認したら、呼吸機能検査やピークフロー測定を行い、すでに気管支喘息と診断すべきかどうか検討する必要があります。
 咳以外の症状にあまり悩んでいない人は、咳が出なくなると来院しなくなってしまいます。しかし、ピークフローなどを定期的に測定することで、喘息の見落としを防ぐようにすることは重要です。
 咳喘息の症状が改善したらピークフロー検査をお薦めします。

喘息との違い
咳喘息は、乾いた咳が続き、明け方にひどくなる。喘鳴も呼吸困難もなく、呼吸機能も正常というのが代表的な症状です。
 咳喘息には普通の咳止めは効かず、吸入ステロイド薬がよく効きます。
 咳喘息は誰もがなりうる症状で、気管支の管の中が健康時よりも狭くなっている状態です。気管支の管の中が時に0%になると立派な気管支喘息です。風邪が治ったのに咳が出続けるという人は、診断力のある医師にみてもらってください。咳喘息を知らないドクターもいるので要注意です。
 咳喘息の状態になると、吸う時も咳、吐く時も咳が出やすくなります。タバコの煙や密閉された空間は避けてください。
 咳喘息で咳止めを飲むと、交感神経を亢進させるので、イライラしたり、睡眠が浅くなったりするため、疲労回復が遅れ、かえって症状が長引くことも。
 咳喘息はタバコの煙にも反応して咳喘息が長引くので、喫煙・受動喫煙とも避けてください。
 咳喘息の対策として、寝る時に立体マスクをして寝ると有効です。

■風邪治ったのにゴホゴホ
「カゼの症状は治まったのに、ゴホゴホとしつこい咳がいつまでも抜けない。そんなときには『咳ぜんそく』の疑いがあります。喘息とは異なるが、放置しておくと慢性化し、喘息に伸展してしまう可能性も。
東京都に住むAさんは毎年、冬になると、ゴホゴホとセキに悩まされてきた。

☆鼻水が出るわけでも、ノドが痛い訳でもない。

☆ただ“カラ咳”が出るだけだが、それが数週間~数ヶ月続く。
☆ 吸入ステロイド薬で治った。
☆激しい咳・・・喘息と同じ
☆喘鳴(ヒューヒュー、ゼイゼイ)・・・は無い
☆痰もからまない
☆夜中から明け方に激しい咳

咳が起こる仕組みは・・・

温度や気流の変化などで気道の粘膜が何らかの刺激を受けると、炎症細胞が活性化し特殊なタンパク質などを放出、肺の末梢神経を刺激する。それが脳の中枢神経を興奮させ、咳が連続して出てくる。このときに活性化する炎症細胞が主に好酸球と呼ばれるもの。白血球の一種です。
通常は白血球の3~5%ぐらいなのが、10~20%にも増える。
「咳喘息」も「喘息」も、気道の炎症によるもの。
咳喘息は→気道粘膜に、より強い炎症が起こす。
一般の喘息は→気道粘膜にも炎症は生じるが、気管支の平滑筋(気道を狭くする筋肉)の収縮が強く起こると考えられている。一般の喘息では気管支が狭くなり、喘鳴が起こる。
(治療)市販のせき止め薬では治らず、喘息と同じ治療法。
気管支拡張薬
好酸球の活性を抑える抗アレルギー剤
吸入ステロイド剤」






脊髄空洞症
   (参照→関節症 arthropathy)
=脳や脊髄は、脳脊髄液という水の中に、浮いた状態で護られている(トウフのように)。この脳脊髄液は、ちょうど牛乳ビン1本ほどの量があり、1日に3交代します。この脳脊髄液は脳の中の脳室で作られ、尿の表面に流れ出て、吸収されます。
この脳室から脳の表面への通路はとても複雑な構造をしています。ヒトは誰しも、胎児の時代には、脊髄の中に、この脳室と同じ構造で脳脊髄液があるのですが、生まれるときには、脊髄中の脳室はは痕跡だけを残して消えてしまいます。脊髄空洞症というのは、種々の原因で、脳関随液が脊髄の中に貯まってしまった状態をいいます。(橘滋国著「シビレを感じたら読む本」参照)

⇒主として頸髄の中心部に障害があって、両側の肩から上肢にかけて、温度感覚・痛覚が鈍くなる。特徴は、一定の範囲に、針で刺しても痛くない領域があることです。(解離性温痛覚障害)

◎症状:
<1>咳・くしゃみで四肢に電撃痛が起きる(急激に脊髄に圧力がかかる為)
<2>片腕or両腕に痛みや温度を感じない部分がある。風呂やシャワーで温度を感じなかったり、火傷をしても気づかないことがあります。    
<3>ただし、触った感じはあります(=解離制温痛覚脱失といいます)。
<4>頸を前にかがめる動作だけで、背中から、下半身に電気が走ることもあります。

【処方名-五十音順】
■葛根湯
■疎経活血湯



脊髄疾患によるシビレ
◎脊髄疾患によるシビレは、はじめは左右非対称に始まることが多い(多発神経炎との違い)
◎脱力よりも「こわばり感」「つっぱり感」のほうが先行する。
◎階段を降りるときに膝がわらって手すりがいるようになった。
◎どちらかの足先から、徐々にシビレが始まり、だんだん上が昇ってくると同時に、足のこわばり感が起こり、歩行がぎこちなくなったら脊髄の病気を考えましょう    (橘滋国著「シビレを感じたら読む本」参照)
◎種類:
    脊髄腫瘍
    頸椎症
    椎間板ヘルニア
    後縦靱帯骨化症
    黄色靱帯骨化症
    黄色靱帯石灰化症
    脊髄型多発性硬化症
    脊髄動静脈奇形


 

脊髄小脳失調症
=遺伝性の神経変性疾患。(→トリプレットリピート病)
◎遺伝子検査:東洋紡ジーンアナリシス(大阪市)。


脊髄小脳変性症
(SCD)spino-cerebeller degeneration   
⇒運動失調を主症状とする原因不明の変性疾患。

次第に進行する。
<1>自律神経症候、錐体路症候、錐体外路症候を伴うことがある。
<2>運動失調に:

①小脳性---中年以降に起立・歩行障害。
②後索性---遺伝性で若年に発病。 

[種類](五十音順)
<1>遺伝性オリーブ橋小脳萎縮症
   (イ)遺伝性、家族性。
<2>遺伝性痙性対麻痺
  (イ)遺伝性、家族性。
  (ロ)錐体路徴候:

     (1)痙縮
     (2)深部反射亢進
     (3)Babinski徴候
  (ハ)歩行障害
<3>遺伝性小脳皮質萎縮症
  (イ)遺伝性、家族性。
<4>オリーブ橋小脳萎縮症(孤発型)
  (イ)家族性、遺伝性はない。
  (ロ)中年以降に発病、進行する。
  (ハ)最初に小脳運動失調が現れ、次いでParkinson症状が出る。
<5>歯状核赤核蒼球ルイ体萎縮症
<6>Joseph病(参照→マチャド・ジョゼフ病(MJD)
  (イ)遺伝性、家族性。
  (ロ)小脳運動失調と錐体路徴候が見られる。
<7>Shy-Drager症候群
<8>線状体黒質変性症
<9>晩発性小脳皮質萎縮症(孤発型)
<10>Friedreich病
  (イ)遺伝性、家族性。
  (ロ)運動失調性歩行が主な症状。進行する。
  (ハ)深部感覚(振動感覚、位置感覚)障害が下肢にみられる。
  (ニ)知能障害
  (ホ)足の変形、脊柱湾曲を伴う。
   
■脊髄小脳変性症2型の原因遺伝子の解明成功
「新潟大脳研究所の辻省次教授(神経内科)らのグループが、神経変性などを起こす三塩基反復病の原因遺伝子を突き止める有力な手法を開発し、難病の脊髄小脳変性症2型(SCA2)の原因遺伝子を解明した。辻さんは「従来の方法に比べ、ざっと10倍の速さで遺伝子を見つけることが出来た」と話す。英誌「ネイチャー・ジェネティクス」11月号で報告した。
辻教授らは、遺伝性の運動失調疾患であるSCA2患者のDNAで、ほかの神経変性疾患のようにC(シトシン)、A(アデニン)、G(グアニン)の三塩基の並びが異常に長くなっていないかを調べた。
CAGを55個連ねた1本鎖のDNA断片(プロープ=探索子)を合成し、放射性動態で印を付けた。プロープはファスナーの片割れのようなもので、患者のDNA断片といっしょにしてDNAを増やすPCR法にかけると、プローブにファスナーのようにくっつく部分だけを取り出せる。この方法で、患者のDNAでCAGが極端に多く繰り返されている部分を簡単に見つけることが出来た。
 分析で、SNA2の原因遺伝子は12番染色体にあることが分かり、患者47人の遺伝子では35~59回に及ぶCAG反復が見つかった。健康な286人の反復は15~24回で、うち94%が22回だった。反復が多い患者ほど若い年で発症していた。」1996.11.6《朝日新聞》

[三塩基反復病]
遺伝情報の集まりのDNA上で、特定の3つの塩基の反復が、異常に長くなって起きる病気の総称。これまで8つの病気が知られ、脊髄小脳変性症2型が9つ目になる。
 SCA2、ハンチントン舞踏病、脊髄小脳変性症1型(SCA1型)、マチャド・ジョゼフ病など6つがCAG反復で、残りはCGG・CTG・GAAが1つずつ。
DNAには読み取られてタンパク質が作られる翻訳領域とそうでない領域があるが、翻訳領域で見つかっている異常反復は、なぜかCAGだけだ。1996.11.6     《朝日新聞》
  【西洋薬】
○セレジスト錠(田辺製薬)
「甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)に近い分子構造を持つ誘導体と呼ばれる物質の一種。」2000.9.7《日経産業新聞》
「93年に厚生省から希少疾病の開発を促すオーファンドラッグの指定を受けた。」
■遺伝子治療
「平井宏和・群馬大学教授らのチームは2008年3/14、神経障害に関与すると見られる遺伝子を導入し、マウスの小脳変性症を改善させることに成功した。
患者の4割は遺伝子の変異が原因で、神経細胞に不要なタンパク質が徐々に蓄積して異常が起こる。研究チームはこのタンパク質を分解する酵素の遺伝子を、歩行のふらつきや転倒など脊髄小脳変性症の症状を持つマウスの脳に接種した。
2ヶ月後、普通のマウスと同じように歩行できるようになった。また神経細胞に蓄積していたタンパク質も無くなっていた。」



脊髄神経根炎
    (参照→シビレ)
【処方名-五十音順】
■痿証方
■三妙散
■四妙散

 

脊椎カリエス 
    spinal caries
    (参照→シビレ)
=「結核性脊椎炎」
⇒主に脊椎の椎体を犯す骨結核をさす。
■日本の弥生時代から古墳時代に流行。縄文時代にはなかった。1996.2.5《朝日新聞》

【処方名-五十音順】
■烏頭桂枝湯    
■黄蓍建中湯
■帰蓍建中湯
■桂枝加朮附湯(四肢疼痛、麻痺)
■小建中湯
■当帰建中湯
■附子湯

【組み合わせ】
■黄蓍建中湯+Squalene


脊椎管狭窄症
    (参照→シビレ)
=「脊柱管狭窄症」
⇒老化によって関節や靱帯が厚くなり、脊椎管内に飛び出して来て発症。

◎症状:
①数十メートル歩くと、尻から足にかけて焼けるようなジンジン感が起こり、歩けなくなってしまいます。多くの場合ジンジン感は両足に放散し、数分間休憩していると、また歩けるという(脊髄性間歇跛行)
②電車の中で立っているだけで間歇跛行を起こすこともあります。
③自転車なら何時間でもこげるのに、歩くのはダメが多い。
④脊柱を後ろに反らすと悪化する。


脊椎ガン
冨田勝郎・金沢大学名誉教授
  硬いものは切れるが軟らかいものは切れない:T-SAWを開発。
脊椎を切断しガンを一緒に取り出す。


脊椎空洞症
    (参照→シビレ)
◎症状:
せき・くしゃみで四肢に電撃痛が起きる---------------脊髄空洞症
片腕(or両腕)に温熱・痛みを感じない処あり-----脊髄空洞症

【処方名-五十音順】
■疎経活血湯《万病回春》

                      

脊椎腫瘍
    (参照→シビレ)
⇒脊髄・神経根・硬膜・くも膜などから発生する[原発性腫瘍]と、他の器官の腫瘍から転移した[続発性腫瘍]の2種類がある。

【処方名-五十音順】
■烏頭桂枝湯
■九痛丸
 

 

脊椎症
    (参照→しびれ)
⇒変形性脊椎症。病理解剖学的・X線学的に錐体辺縁に骨増殖の認められる状態をさしている。(金芳堂ー整形外科学P242)
老化にともなって椎体の辺縁部に出来るトゲ状の骨(骨棘)によって神経が圧迫されるもの。
   

■1997.10.12《朝日新聞》(安達公・北里大東病院講師)
「66歳主婦。レベル3度の骨粗鬆症で治療中でしたが、最近、めまいと右手マヒが起き、検査してもらいました。其の結果、第五と第六頸椎の圧迫で椎骨動脈と神経に影響が出ていることが分かりました担当医に手術を進められています。痛みやしびれ、吐き気もあります。」
「骨粗鬆症の3度とは、最も重い状態を示すものです。背骨などに圧迫骨折が起こっている状態です。ただ、高齢者の圧迫骨折で神経症状が出るのはまれなので、手のマヒと直接関係がある可能性は小さいでしょう。
『頸椎症性神経根症』の可能性があります。   頭蓋骨と背骨をつなぐ首にある頸椎は7個の骨で出来ていて第5、第6は下の方に位置します。頸椎部分の脊髄から出た神経(神経根)は左右の両手方向に延びています。頸椎が年をとって変形すると、それを補うために骨が増殖し、神経根を圧迫腫れを起こして神経伝達などの機能を損なうことがあります。この病気を『神経根症』といいます。
その症状には、シビレや痛み、筋力の低下が片方の手に起こります。それ以外の症状はありません。
めまいや吐き気も訴えていますが、神経根症によって副次的に起こる『バレリュー症候群』だと考えられます。神経根症による痛みなどがあると、首の筋が絶えず緊張した状態に置かれるため、筋肉の中を走る神経が圧迫を受け、めまいや吐き気、耳鳴りなどを起こしているのでしょう」。
それ以外に考えられる病気。
「背骨の中にある脊柱管には脳から延びた脊髄が走っています。この脊髄自体が腫瘍や頸椎の変形で押しつぶされ、機能が損なわれている場合があります。これも頸椎症の1つで、『頸椎症性脊髄症』と呼ばれています。手足のしびれ、歩行時のふらつき、足の突っ張りが出るほか、箸を持ったり、ボタンをかけたりするなどの細かい手の動きが出来なくなります。ただ、この方は右手にだけマヒが起こっているので、脊髄症ではないでしょう。」

【宝石療法】
     エメラルド

【処方名-五十音順】
■八味地黄丸
■六味丸(畸型キガタ)

 

 

脊椎脊髄腫瘍
    (参照→シビレ)
【処方名-五十音順】
■桂枝加朮附湯(四肢疼痛、麻痺)


脊髄性筋萎縮症(SMA)
■幹細胞移植
「2008年、イタリアのミラノ大学のチームは、神経の元となる神経幹細胞の移植が運動神経にカンする重い遺伝病である『脊髄性筋萎縮症(SMA)』の治療に有効であることを、マウス実験で確認した。」



脊髄損傷
■神経を修復
「英ロンドン大学の研究チームは、コンドロイチナーゼABCと呼ぶ細菌由来の酵素に、切れた神経の再生を助ける働きがあることを確かめた。
脊髄が傷ついたラットに注射したところ、切れた神経が一部再生して歩けるようになった。脊髄損傷患者に応用できる可能性がある。
脊髄の切れたすき間にはCSPGという分子が集まり、神経細胞が伸びるのを妨げている。研究チームはコンドロイチナーゼABCを切断部に注射するとCSPGを分解、神経細胞が伸びて傷跡のすき間を埋めるのを確認した」2002.5.23《日経産業新聞》

■骨髄細胞で治療
「京都大学の井出千束教授と鈴木義久・助教授らは、骨髄から採取した細胞を使い脊髄損傷を治療することに成功した。動物実験で効果を確認。早ければ関西医科大学で臨床に入る。
脊髄を損傷させ足が麻痺したマウスに、培養した骨髄間質細胞を注射した。足が動くようになり腰を浮かせて歩けるようになった。2004.3.24《日経産業新聞》

■再生
「脊髄損傷は中枢神経が傷つき、脳の命令が体に届かなくなる疾患。損傷部位と程度によって、下半身マヒなどが起きる。日本の患者数は約10万人で、医学的には中枢神経は一度傷つくと回復しないと言われてきた。
慶応大学の岡野栄之教授らは、タンパク質の一種『HGF(肝細胞増殖因子)』を使って神経の再生に成功した。HGFは血管再生などに関与している。
手足の神経を司る頸の神経に傷をつけてマヒさせたサルで、損傷部位に注入した実験で、床を這うだけだったサルがジャンプしたり握り運動が出来るようになった。
岡野教授はバイオベンチャーの「クリングルファーマ」(大阪府豊中市)と組んで臨床試験に来年から乗り出す。


20世紀初頭にノーベル生理・医学賞を受賞したラモニ・カハール博士が“中枢神経は再生しない”と語る。それ以来、医学の常識とされてきたが、脊髄再生の研究が進む。
■神経の成長を阻害するタンパク質
「増田和之・福島県立医科大学助教授、自然科学研究機構、生理学研究所などのチームは、末梢神経の成長を阻害するタンパク質を見つけた。
胎児期の神経網を作る際に神経の成長を適切な方向へ導く役割もあった。脊髄損傷の治療などに役立つ成果という。痛みや熱などの感覚を伝える全身の末梢神経網は胎児期の完成するが、神経網のできあがる詳細なメカニズムは不明。
研究チームは『ネトリン1』と呼ばれるタンパク質に着目。このタンパク質がある場所には神経細胞が成長しないことを確認。ネトリン1を来るれないよう遺伝子操作をしたマウスの神経細胞を調べたところ、誤った方向へ神経が伸びていた。
ネトリン1は胎児期だけでなく大人の体内でも様々な部位にある。脊髄が損傷すると、その周囲で増加するという報告もあり、神経網形成との関係が明らかになった。」
■筋肉機能が回復
「自然科学研究機構・生理学研究所(岡崎市)の伊佐正教授らの研究グループは、脊髄が傷ついて指が動かせなくなったサルで、リハビリテーションを重ねれば、指の筋肉が特別な働きをして再び動かせるようになることを発見した。
事故などで脊髄が損傷した患者の治療は難しいとされているが、効果的なリハビリが行われれば機能回復の可能性があることが確認された。
英国の脳神経専門誌「ブレイン」の電子版に掲載。
脊髄が傷つくと大脳からの信号がとぎれるが、その先の脊髄などの神経が独自に働いて指の筋肉をなめらかに動かそうとすることが分かった。
この際、筋肉は毎秒30~46回と通常では見られない小刻みな収縮をする。神経回路が組み換えられ、通常では見られない働き方をするようになったと見られる。
伊佐教授は「外部からの電気刺激でこうした神経の働きを作り出すことができれば機能回復に進むだろう」と語る。2009/1/29






脊椎転移癌
    (参照→シビレ)
⇒壮年~高齢者で、緩徐or亜急性の腰背痛が出現し、次第に増悪。
◎診断:

X線像で骨破壊像。
血清アルカリフォスファターゼ(ALP)活性---上昇
酸性フォスファターゼ(PAP)が高値-----前立腺ガン、悪性リンパ腫を疑う。
    


脊椎分離症
    (参照→腰痛症)
⇒「脊椎分離・すべり症」。
椎弓の関節突起間部の疲労骨折によるもの。(金芳堂ー整形外科学P239)
脊椎の上下の関節突起のあいだで骨が分離するのが分離症、そのために上の椎骨が下の椎骨に対して腹側(前方)にすべり出すのがすべり症。

【処方名-五十音順】
■小建中湯

 

脊椎不全症
    (参照→シビレ)
⇒脊椎機能不全。成長促進期に現れることが多い。

【処方名-五十音順】
■小建中湯
■当帰建中湯


 

脊椎彎曲症
=脊椎が曲がる。
  【鍼灸】
「ある患者(大学生)、右の肝兪のところが高くなり、左の脾兪のところが高くなり、脊柱が曲がっている。それを診察されながら、指頭でその高いところを圧しつつ、“これは肝臓と脾臓が悪いんです。肝臓のところ(肝臓は右にある)が高くなり、脾臓のところ(脾臓は左にある)が高くなっているのは、肝臓と脾臓が腫れているのです”それから右の肝兪と左の脾兪へ灸しながら、 “これは治ります。肝臓と脾臓が治ればこの大骨の曲がったものも治ります”“蓄膿症が悪いのです”と同行してきた患者の母が言えは--------“肝臓と脾臓が治れば蓄膿症などわけなく癒ってしまいます。心配したことはありません。大丈夫治って了います。なに五臓六腑の太極を治せば、頭も鼻も眼も耳もノドも皆勝手に治ってゆきます。それから記憶力がようなります。頭が悪くて物忘れして困るというけれども、頭が悪いんじゃない。内臓が悪いんです。内臓を治せば頭など勝手になおります。こういう道理を原則とした太極の療治をしないで、耳が悪ければ耳をつつき、鼻が悪ければ鼻をつつくというような、小極的な現代医学のやり方で、どうして耳も鼻も治るものですか。云々”と言われた。なお、この患者の皮膚の黒いのを見、その上、体の一面に[なまず]のあるのを指して-------“これは腎臓が悪いのです。漢法では色を見ただけで診断が出来るので、この黒い色は腎臓の悪いしるしです。     ここが悪いと根気が無くなって--------食へども飢えたる如く、酔わざれども、酔えるが如し--------という風になって、午後になるとねむくなるものです。”“全くその通りです”と患者が言いつつ、先生の診断が皆あたっているのを訝れば-------“私は何も千里眼でも何でもない。支那の古代からある医学の経典の通りにいうているのです。その経典の通りに診断すればそれが当たるのです。”」《沢田流聞書鍼灸眞髄》
「小児、第9胸椎の辺が左へ突出し、第11胸椎の辺が右へ突出し、背骨が二重に曲がっている。これを診して、[身柱][右肝兪][左脾兪]へ灸をおろされた。つまり肝臓と脾臓が悪いために脊柱が彎曲したのだというのである。
こういうふうに彎曲せるものは随分多くあるが、灸によって矯正することが出来る。そうして、これは大人になっても治らぬこともないが、子供のうちの方が治りよいと先生はいうている。」《沢田流聞書鍼灸眞髄》


 

脊柱靱帯骨化症
特定疾患
主訴・・・頸の痛み
国立病院センター大阪南
体が硬い
衝撃に気をつける・・・こけない
落ち込まない


積聚(せきじゅ)(しゃくしゅう)(せきしゅう)
=気の積もったものを“積”といい、其の発生には一定した部位があり、その痛みもその部位から離れない。気の集まるところを“聚”をいい、どこでも発生し、その痛む所も一定していない。《古今方彙》

「積」は位置が移動しないもの、「聚」は動き回るものをいう。《大塚敬節》
■積聚の略称が、「積」。
腹内に結塊があって、腫れ・痛みを伴う症。一般に、積塊が確認出来、痛み・腫れが強く、固定して移動しないものを積といい、積塊が不明確で、疼痛に決まった場所がないものを聚という。

【五積】
 <1>肝積
 <2>心積
 <3>脾積
 <4>肺積
 <5>腎積

★<1>「積は五臓の生ずる所、其の始発に常所有り、其の痛みは其の部を離れず、 上下に終始する所有り、左右に窮処する処有るなり。聚は六腑の成る処、其 の始発に根本なく、上下に留止する処なく、其の痛みに常処なし《張氏医通》」
★<2>聚の治法
積聚を治すには、その疼痛する処を探し、その病勢の有余・不足を知って、 補うことと・吐かすことを決め、季節に合わせ臓・腑の高下を詳細に診て、 高いのは降ろし、詰まったのは散らし、入ったのは取り出し、止まっている ものは運行させ、固いのは削り、強いのを剥ぐには、しょっぱいもので軟かくし、苦いもので吐かせ、真気を安らげる薬で補い、降りるところから自然 に降りるようにし、飲食を調節し起居をつつしみ、中・外を和すると必ず治 る。
 

食物に当たって積になる場合:
脾胃が衰弱している時に、食べ過ぎ・生冷物を食べて消化出来ず、積聚となって塊となり、心腹が脹満して噫気が出、醋っぽいものを吐き、顔色が青く痩せる。
<イ>食積=食物が消化出来ず、積と痞悶になったとき。
処方:[平胃散縮砂・香附子・神麹・麦芽を生姜・紫蘇葉の煎湯で服用][保和丸][大安丸][紅元子][連蘿丸][佐脾丸]
<ロ>酒積=酒に当たって積になる症は、顔が黄色く、腹が張り、ときどき痰水を吐く。
処方:[対金飲子葛根・赤茯苓・縮砂・神麹][蘗元][酒積丸]
<ハ>麺積=麺を食べ過ぎて積になった。
処方:[阿魏元を濃く煎じ、蘿葡子湯を飲む]
<ニ>肉積=肉の過食で積。
処方:[阿魏元][小阿魏丸]
<ホ>魚蟹積
処方:[香蘇散生姜・木香][妙応丹][隅仙丹]
<ヘ>果菜積=果菜の食べ過ぎ。
処方:[平胃散丁香・麝香][桂香丸][妙応丸]
<ト>茶積=茶が好きでなった積が癖になる。
処方:[石膏・黄芩・升麻を作末し砂糖水で調下]
<チ>水積=水奨を多く飲んで積になり、胸の脇が痛み、ゴロゴロ鳴る。
処方:[十棗湯][三花神祐丸][夏湯][破積導飲丸]
<リ>血積=瘀血で積になったとき、or打撲・堕落などによって胸腹が痛み、顔が黄色く、大便が黒色。
処方:[抵当湯][桃核承気湯][勝紅丸][増味四物湯][三稜煎][三稜煎丸]
<ヌ>虫積=飲食の積聚が虫になった。
処方:[妙応丸][温白丸][万病元][紫金錠]
   

◎莪朮三稜は破気を主とす。堅塊の者は檳榔子・鼈甲に非らざれば効なし。故に古方、積聚の方多く此の2品を用いるなり。《勿誤薬室方函口訣》
◎外用:[三聖膏][琥珀膏][五仙膏][貼痞膏]

◎主薬:《万病回春》
*積聚には、三稜・莪朮を主薬とすべし
*積、左に在るはこれ死血なり。桃仁・紅花を主薬とすべし
*積、右に在るはこれ食積なり。香附・枳実を主薬とすべし
*積、中に在るはこれ痰飲なり。半夏を主薬とすべし

【処方名-五十音順】
■阿魏丸(肉積と食積の塊になった者)
■阿魏元
■温白元(積聚・癥瘕・黄疸・鼓脹、九種の心痛、癲狂、五種の淋疾)
■延年護命丹(三十六種の積と二十四種の気と血と積と蠱積を治す)
■潰堅丸(五積・六聚・諸般の痞塊)
■潰堅湯《万病回春》
■膈気散《和剤局方》
■加減補中益気湯《寿世保元》
■化積湯《済世全書》
■寛中丸(七癥瘕、八瘕、五積、六聚、痃癖、気塊と胸腹が脹って痛い症
■麴蘗丸(酒積による消化不良、腹がふくれ・酸水を吐き、嘔逆し食不能)
■金露元(腹内の一切の積聚と癥瘕で痛む症を治す)
■桂香丸(雑果を食べ過ぎて腹が張り、気が急する)
■荊蓬煎元(癥瘕と冷・熱の積聚を治し、痰癖を治し、宿食を消化させる)
■香稜丸(五積・六聚・気塊を治す)
■紅円子(食積・酒積・脾積・血気の癥塊を治す)
■柴胡湯《万病回春》
■佐脾丸(食積)
■散聚湯(六欝と瘜瘕が気について昇降し、心腹を刺痛し、大小便が不通)
■三因散聚湯《古今方彙》
■三稜化積丸(諸般の積聚を治す)
■三稜煎(食癥・酒癖・血瘕・気塊を治す)
■三稜煎元(肉積を治す。脾が弱く肉食に当たると脹って痛い)
■三和参《和剤局方》
■酒積丸(酒積)
■勝紅元(血積・酒積、婦人の脾と血の積気を治す)
■消積正元散(痰飲と気血が欝結し食積によって気が昇降せず、積聚が腫れて痛む)
■青皮湯《医学入門》
■真人化鉄湯《万病回春》(五積・六聚・痃癖・癥瘕)
■千金化気湯《万病回春》
■千金導気湯《万病回春》
■増損五積丸(五積を治す)
■増味四物湯(血積)
■息賁丸《医学入門》(肺積を治す)
■大安丸(食積を治す)
■大七気湯《厳氏済生方》(五積・六聚、心腹の脹痛と大小便の不利)
■鳥白丸(酒積、痰と食物を消化する)
■通玄二八丹(積・聚を治す)
■桃渓気宝丸(積聚・癥瘕で腹脇に盆状のものをかかえて痩せる)
■破積導飲丸(水積・痰飲積を治す)
■痞気丸(脾積を治す)
■肥気丸(肝積を治す)
■秘方化滞丸(一切の気と積を治す)
■伏梁丸(心積を治す)
■補中益気湯《古今方彙》
■保和丸(食積・酒積を治す)
■奔豚丸(腎積を治す)
■奔豚湯《医学入門》(腎積を治す)
■磨積元[1](腸胃が弱く、気が盲膜の外で病み、息づかいが苦しくなって、助からないような者
■磨積元[2](茶積による飲食の減少、顔が黄色、腹痛)
■万応丸(一切の積を散らし、一切の気をなくし、気蠱
■万病元(七種の癖塊、八種の痞病、五種の癲癇、十種の疰忤、七種の飛尸、十二種の蠱毒、五種の黄疸、瘧疾、十種の水病、八種の大風、十二種の湿痺)
■妙応丹(中毒症状を起こし、癥瘕になった)
    



積痢
⇒便の色が黄色く、腹がつっぱる。
  【処方名-五十音順】
■感応丸(積痢・久痢・赤白膿血の相まじった症)
■生熟飲子(大人の痢疾、子供の虚・積痢)
■蘇感元(積痢で腹内がつっぱて痛い)
■保和丸

 

赤痢(せきり) (→痢疾)(→赤白痢)
⇒粘・血・膿性の下痢が頻回に起こり、腹痛がみられる病態。
◎赤痢菌又は赤痢アメーバの経口感染によって大腸粘膜が侵される。
◎下痢に血が混じって熱がある。 細菌感染症の一つ。
◎細菌性赤痢。赤痢菌が大腸のS状結腸や直腸の粘膜を侵し、カタル性ないし潰瘍性の病変を作るために、発熱・下腹部痛・下痢などの症状を呈する伝染病である。    (南山堂ー医学大辞典)

◎細菌感染症には:
<1>コレラ
<2>ジフテリア
<3>猩紅熱
<4>赤痢
<5>在郷軍人病(レジオネラ症)
<6>腸チフス
<7>破傷風
<8>百日咳
<9>らい
<10>流行性髄膜炎
   

◎赤痢の原因
     <1>Shigella属
     <2>経口感染
     <3>潜伏期間:2~5日。
   

◎赤痢の症状
     <1>発熱・腹痛。
     <2>粘液便。
     <3>しぶり腹。
  

【臨床検査】
     <1>好中球(↑)
     <2>便に菌を検出。

        
■感染の仕組み
「東京大学医科学研究所は、赤痢菌が細胞から細胞へと感染を広げていく仕組みを解明した。細胞の中の構造を壊すタンパク質を作って動きやすくし、となりの細胞へと移動する。200611/10のサイエンスに掲載。
細胞に感染した赤痢菌を、電子顕微鏡や共焦点レーザー顕微鏡などで観察した。『VirAタンパク質』という菌の表面に分泌されるタンパク質が、細胞の中で網目状に広がっている微小管という構造だけを選んで壊すことが分かった。
赤痢菌は細胞の別の構造を壊して得たタンパク質を自分の後ろにくっつけ、前に進む推進力として使う。同時にジャマな微小管も壊していることは分からなかった。発疹チフスを起こすリケッチアなど、細胞内を動く他の菌も同様の仕組みを持っているとみている。」
■原因タンパク質
「2007年8/23、東京大学医科学研究所の笹川千尋教授らのチームが、赤痢菌の感染で必ず作用しているタンパク質を見つけた。米科学誌「セル」に掲載。
赤痢菌は口から体内にはいると腸管の上皮細胞に感染し、そこから隣接細胞へ次々と感染して激しい炎症性の下痢を引き起こす。一方、腸は上皮細胞を数日で入れ替えて、様々な菌の感染を防いでいる。
研究チームは、赤痢菌が上皮細胞の交代周期を遅らせるタンパク質を放出していることを突き止めた。
同様のタンパク質を放出するものに[病原性大腸菌][サルモネラ菌][ピロリ菌]などがある
  

【処方名-五十音順】
■益元散木通・芍薬(炒)・陳皮・白朮、保和丸
■黄連阿膠湯
■加減平胃散(赤痢・血痢)
■甘草乾姜湯
■桂枝加芍薬大黄湯
■桂枝湯-桂茯苓白朮湯
■固腸丸
■三黄瀉心湯
■三物備急丸
■梔子乾姜湯
■大黄牡丹皮湯
■大承気湯
■地楡散
■調胃承気湯
■桃核承気湯
■桃花湯
■当帰芍薬散
■導赤地楡散
■白頭翁湯
  

【民間療法】
<1>ウメ。
<2>キンミズヒキ。
<3>ヨモギ。
<4>オウレン・オオバコ・ケイトウ・ゲンノショウコ・ザクロ・スッポン・ダイコン・ナズナ・ニンニク・ノキシノブ・ハチク。  

 

赤白痢(せきはくり)
⇒冷えと熱が調整されない。
  【処方名-五十音順】
■黄連阿膠元(赤白痢・熱痢)
■薑墨丸(赤白痢・蠱症痢)
■固腸丸(赤白痢)
■茱連丸
■小駐車丸
■真人養臓湯(赤白痢・痢疾)
■六味丸


赤血球減少
   ◎副作用で:
「タナトリル」

 

赤血球増加症 
   polycythemia
    (参照→多血症)
=貧血とは逆に赤血球が増加する疾患。
⇒赤血球増加症があると、血液の粘稠度や凝固性が高まり、毛細血管における血流を障害し、冠動脈血栓や脳血栓の原因となる。
   

◎分類:
相対的赤血球増加症 relative polycythemia:
*血液濃縮による
*ストレス赤血球増加症
*Gaisböck症候群
反応性or症候性赤血球増加症 relative or symptomatic polycythemia:
*低酸素状態(高山に住む)
*慢性肺疾患
  (肺気腫・気管支拡張症・気胸・低換気症候群・Ayerxa症候群)
*心疾患(right to lehtのシャントと伴う心疾患)
*ヘモグロビン異常症(Hb Yakima)
*内分泌疾患(末端巨大症・褐色細胞腫・Cushing症候群)
*薬剤(コバルト・喫煙でCO)
*エリスロポエチン産生腫瘍
  (小脳血管腫・肝ガン・腎ガン・腎嚢胞・子宮平滑筋腫)
真性赤血球増加症 polycythemia vera
   

◎赤血球増加症を引き起こす原因:
心不全の場合に:しばしば酸素欠乏or低酸素血症の代償として症候性または続発性に赤血球増加症が見られる。
肺鬱血
肺動脈狭窄症
   
 

赤面症→「ペインクリニック」

赤遊
   =遊走丹毒。

 赤遊風
   =丹毒のこと。


石瘕(せっか)
⇒胞中が傷つき、瘀血が詰まってなる症。長くなると石のように固いものが、子宮の門を塞ぎ、孕胎したのと同じように月経が降りない症。

【処方名-五十音順】
■晞露丸(腸覃病で悪血が癥瘕になって痛む)
■石英散(石瘕を治す)
■通経丸(
■桃仁煎(婦人の血蠱・血瘕・血積・月経不順を治す)



石淋
石淋:陰茎のなかが痛み、小便が出ず、小腹がつっぱって痛み、膨張して小便から砂石が流れ出、悶絶する。

【処方】

■「益元散」(主治剤)
■「滑石散」
■「石燕丸」
■「硼砂散」



泄瀉(せっしゃ) (→下痢)
=はらくだり。

非細菌性非伝染性下痢のこと。
「泄」:大便の量が比較的少なく緩慢に排泄されるもの。
「瀉」:大量の水模様の排泄せられるもの。
   

◎泄瀉は泄と洩は同じ。俗に云うくだりはらなり。「五泄」は胃泄・脾泄・大腸泄・小腸泄・大瘕泄なり。

「五瀉」は濡瀉(湿瀉)・腸垢・鴨溏(寒瀉)・虚瀉・滑瀉なり。《病名彙解》
   

◎泄瀉の証、多くは水穀を泌別し能わざるに因る。故に宜しく水と糟粕とを分別すべし。『論』に云う、下利止まず、当にその小便を理すべしと、是なり。利水は便ち「春沢湯附子」に宜し。中焦に属する者、「補中湯」あるいは「生姜瀉心湯」に宜し。《先哲医話》
   

◎五種類の泄瀉
<1>胃泄:飲食が消化されない下痢。      ■[胃風湯[2]](黄色)
<2>脾泄:腹が脹って下痢。          ■[胃苓湯](食べると吐く)
<3>大腸泄:食べたものが逼迫し、大便が白く、腸が鳴って、切られるように痛む。        ■[五苓散]
<4>小腸泄:小便が出ず、大便に膿血が混じり、小腹が痛む。:                 ■[芍薬湯]
<5>大瘕泄:大便が出そうで出ず、たびたび便所に通い、茎の中が痛い。
■[大黄湯]
   

◎主薬:泄瀉には、白朮・茯苓を主薬とすべし《万病回春》

【処方名-五十音順】
■胃風湯《和剤局方》(胃腸の湿毒で腹痛・下痢して黒豆汁のようなものが下る)
■胃苓湯《万病回春》(脾骨が湿って、下痢・腹痛・消化不良)
■温脾散《万病回春》
■雲林香砂六君子湯《万病回春》
■雲林参苓白朮散《万病回春》
■益気健脾湯《寿世保元》
■衛生湯《医学入門》
■黄蓍補胃湯《医学正伝》
■藿香正気散《医学入門》
■加味香薷飲《万病回春》
■加味五苓散《万病回春》
■加味四苓湯《万病回春》
■加味二陳湯《寿世保元》
■加味茯苓湯《古今方彙》
■加味附子理中湯《寿世保元》
■加味六君子湯《証治準縄》
■加味理中湯《万病回春》
■麹芽正気散《古今方彙》
■香砂平胃散《寿世保元》
■三白三《済世全書》
■止瀉秘方《証治準縄》
■十全大補湯《寿世保元》
■十全大補湯四神丸《薛立斎十六種》
■除湿健胃湯《万病回春》
■升陽益胃湯《薛立斎十六種》
■升陽除湿湯《蘭室秘蔵》
■升陽除湿防風湯《古今方彙》
■銭氏白朮散《医方考》
■蒼楡湯《医学入門》
■八解散《和剤局方》
■八柱散《万病回春》
■八味地黄丸《薛立斎十六種》
■白朮芍薬湯《医学入門》
■補中益気湯《寿世保元》
■補中益気湯木香・肉豆蔲・補骨脂《薛立斎十六種》
■補中益気湯当帰肉豆蔲・熱附子・炮姜・半夏《医宗必読》
■本方参苓白朮散《和剤局方》
■六君子湯補骨脂・肉豆蔲《薛立斎十六種》
■六君子湯炮姜・肉桂《薛立斎十六種》


舌瘖(ぜついん)
   =おし(唖)のこと。
  【処方名-五十音順】
■地黄飲子《宣明論》



舌炎
  【処方名-五十音順】
■茵蔯蒿湯
■三黄瀉心湯
■梔子豉湯
■炙甘草湯
■沙参麦門冬湯
■清胃散
■半夏苦酒湯
■附子湯



 舌ガン
■口ゆすぎ液で診断
「東京医科歯科大学は口に出来るガンを、口をゆすいだ液で早期診断する技術を開発。このガンは口腔扁平上皮ガン。1年間に見つかる患者数は約5000人。高齢者に多く、半分が舌ガンと呼ばれるタイプ。進行するまで違和感が無いため見つかった時には転移していることが多い。
小村健・東京医科歯科大学教授らか開発したのは、ガン細胞が分泌する『SCCA』というタンパク質の遺伝子に着目。患者が口をゆすぐと唾液や剥がれたガン細胞がゆすぎ液に集まる。それをPCR法で調べる。」




舌硬直
  【処方名-五十音順】
■芍薬甘草湯(ケイレンする、疼痛)


舌質
■茵蔯蒿湯・・・・・<紅>
■茵蔯五苓散・・・・<紅>
■温経湯・・・・・・<淡白><斑>
■温清飲・・・・・・<紅>
■越婢加朮湯・・・・<紅><乾燥ぎみ>
■黄連解毒湯・・・・<紅>
■加味帰脾湯・・・・<湿潤>
■加味逍遥散・・・・<紅>
■甘麦大棗湯・・・・<淡白>
■帰脾湯・・・・・・<淡白>
■芎帰膠艾湯・・・・<やや淡白>
■芎帰調血飲・・・・<淡紅><瘀斑>
■桂枝加竜骨牡蠣湯・<やや淡白><湿潤傾向>
■桂枝茯苓丸・・・・<紫><瘀斑>
■桂芍知母湯・・・・<淡紅>
■啓脾湯・・・・・・<淡白><胖大>
■呉茱萸湯・・・・・<淡白>
■柴胡加竜骨牡蠣湯・<紅>
■柴胡桂枝乾姜湯・・<乾燥>or<湿潤>
■酸棗仁湯・・・・・<紅>
■三物黄芩湯・・・・<紅>
■滋陰降火湯・・・・<紅・乾燥>
■滋陰至宝湯・・・・<紅>
■四逆散・・・・・・<紅><やや乾燥>
■四君子湯・・・・・<淡白><胖大>
■梔子柏皮湯・・・・<紅>
■七物降下湯・・・・<淡白>
■四物湯・・・・・・<淡紅>
■炙甘草湯・・・・・<やや紅>
■十全大補湯・・・・<淡白><胖大>
■小建中湯・・・・・<正常~淡紅>
■小柴胡湯・・・・・<紅>
■消風散・・・・・・<紅>
■升麻葛根湯・・・・<紅>
■辛夷清肺湯・・・・<紅><紅で乾燥>
■参蘇飲・・・・・・<淡紅>
■真武湯・・・・・・<淡白で胖大>
■清上防風湯・・・・<紅><尖紅>   
■清暑益気湯・・・・<紅><乾燥>
■清心蓮子飲・・・・<紅><乾燥>
■清肺湯・・・・・・<紅><乾燥>
■疎経活血湯・・・・<淡紅>
■大黄牡丹皮湯・・・<紅>
■大建中湯・・・・・<淡白><青紫> 
■大柴胡湯・・・・・<紅>
■大承気湯・・・・・<紅>
■竹茹温胆湯・・・・<紅>
■治頭瘡一方・・・・<紅>
■釣藤散・・・・・・<微紅>
■腸癰湯・・・・・・<紅>
■猪苓湯・・・・・・<紅>
■通導散・・・・・・<暗紅~紫><斑>
■桃核承気湯・・・・<暗赤色~紫>
■当帰飲子・・・・・<暗紅>
■当帰芍薬湯・・・・<淡紅><胖大>
■当帰湯・・・・・・<淡白>
■女神散・・・・・・<尖紅>
■人参湯・・・・・・<淡白>
■人参養栄湯・・・・<淡白>
■麦門冬湯・・・・・<紅><紅・乾燥>
■八味地黄丸・・・・<淡白><湿潤>
■防已黄蓍湯・・・・<淡白>
■防風通聖散・・・・<紅>
■六君子湯・・・・・<淡白><胖大>
■竜胆瀉肝湯・・・・<紅>
■苓桂朮甘湯・・・・<淡紅><胖大>


舌診
◎甲状腺機能低下になると、舌が大きくなる巨舌症(macroglossia)が見られることが多い。




舌腫瘍
■桂姜棗草黄辛附湯

 

舌出血
=舌衂。
◎蒲黄(炒)を作末し塗布する。  

■梔子豉湯
■桃核承気湯(実証、のぼせ、足冷、下腹部痛)
■蚊蛤散(上舌に吹き出るように出血)


舌瘡
■茵蔯蒿湯


舌燥
■三物黄芩湯(咽乾)

 

舌苔(ぜったい)coating
   ⇒舌の表面の苔の色。
◎黒苔:元陰湯《本朝経験》

【処方名-五十音順】
■茵蔯蒿湯・・・<微白~黄~黄膩>
■茵蔯五苓散・・<微白~微黄~微黄膩>
■温経湯・・・・<無苔><湿潤>
■温清飲・・・・<白苔~黄苔>
■越婢加朮湯・・<無苔~白苔~黄苔>
■黄連解毒湯・・<白~黄膩>
■黄連湯・・・・<微白~黄白>
■加味帰脾湯・・<微白苔>
■加味逍遥散・・・<微白~黄>
■甘麦大棗湯・・・<無苔~微白>
■桔梗湯・・・・・<微黄~黄>
■帰脾湯・・・・・<無苔>
■芎帰膠艾湯・・・<無苔>
■九味檳榔湯・・・<白苔>
■荊芥連翹湯・・・<白苔>
■桂枝加竜骨牡蠣湯<微白苔>
■桂枝湯・・・・・<微白苔>
■桂芍知母湯・・・<白苔>
■啓脾湯・・・・・<無苔~白苔>
■香蘇散・・・・・<微白苔>
■五虎湯・・・・・<白苔>
■五苓散・・・・・<白苔~白滑~白膩>
■呉茱萸湯・・・・<白滑>        
■柴陥湯・・・・・<白膩>
■柴胡加竜骨牡蠣湯<白苔~黄・やや膩>
■柴胡桂枝乾姜湯・<無苔~微白苔>
■柴胡桂枝湯・・・<微白苔>
■柴朴湯・・・・・<白膩>
■柴苓湯・・・・・<白膩>
■三黄瀉心湯・・・<黄色> 
■三物黄芩湯・・・<無苔>
■滋陰降火湯・・・<微白苔>         
■滋陰至宝湯・・・<無苔~微白苔>
■四逆散・・・・・<無苔>or<薄い白>or<黄>■四君子湯・・・・<微白苔><湿潤>
■梔子豉湯・・・・<微黄>
■梔子柏皮湯・・・<黄苔>
■炙甘草湯・・・・<無苔><鏡面>
■十全大補湯・・・<無苔~微白苔><湿潤>
■小建中湯・・・・<無苔~微白苔>
■小柴胡湯・・・・<薄白~白苔~白膩>
■消風散・・・・・<乾燥した白苔~微黄>
■升麻葛根湯・・・<無苔~白苔>
■辛夷清肺湯・・・<白苔~黄苔>
■参蘇飲・・・・・<微白~白膩>
■神秘湯・・・・・<白苔>
■真武湯・・・・・<白滑><痰黒色><湿潤>
■清上防風湯・・・<黄苔>
■清暑益気湯・・・<微黄>
■清心蓮子飲・・・<微白苔>
■清肺湯・・・・・<微白苔~黄苔>
■川芎茶調散・・・<微白苔>
■疎経活血湯・・・<微白苔><湿潤・無苔>
■大黄牡丹皮湯・・<黄苔><乾燥>     
■大建中湯・・・・<白滑~湿潤して灰白色><黒苔>      
■大柴胡湯・・・・<白~黄苔><乾燥>
■大承気湯・・・・<黄厚><褐色で乾燥><黒で乾燥>
■竹茹温胆湯・・・<微白膩~黄膩>
■治頭瘡一方・・・<微白苔~黄苔>
■釣藤散・・・・・<膩>
■腸癰湯・・・・・<黄苔><白・乾燥・舌尖に発赤>
■猪苓湯・・・・・<微白苔~黄苔~黄膩> ☆ときに無苔のことあり
■桃核承気湯・・・<乾燥した黄苔>☆時に無苔。
■当帰飲子・・・・<微白苔><湿潤>
■当帰芍薬湯・・・<湿潤して無苔~白苔>
■当帰湯・・・・・<微白苔>
■二朮湯・・・・・<白膩>
■二陳湯・・・・・<微白苔~白膩>
■女神散・・・・・<白苔><乾燥>
■人参湯・・・・・<白滑><微白苔・湿潤>
■人参養栄湯・・・<無苔><湿潤>
■麦門冬湯・・・・<微白苔~黄苔>
■八味地黄丸・・・<無苔><白滑>
■半夏厚朴湯・・・<湿潤・無苔><白膩>
■半夏瀉心湯・・・<白苔~微黄苔>
■防已黄蓍湯・・・<湿潤して無苔><微白苔~白苔>
■防風通聖散・・・<白厚・乾燥><黄厚膩~垢濁>
■木防已湯・・・・<乾燥><微白苔~白苔~黄苔>
■六君子湯・・・・<厚白苔~白膩>
■竜胆瀉肝湯・・・<乾燥><白苔~黄苔>
■苓甘姜味辛夏仁湯<無苔・湿潤><白滑>
■苓桂朮甘湯・・・<滑~白滑><微白>

◎緑色:①スモン



(せつ)furuncle
⇒毛包性紅色小丘疹で始まり、発赤・腫脹・浸潤し、頂点に膿栓を持ち、自然痛・圧痛が大、膿栓が排出されると急速に治癒する。
所属リンパ節炎を伴う。全身症状はときに発熱をみるが軽い。顔面では血行性に脳膜炎を来すことあり、面疔として恐れられたが、抗生物質のある今日では、ほとんどその心配はない。
(New Minor Dermatology by Kenichi Uyano,M.D P405)

【民間療法】
    アカメガシワ・露蜂房

【処方名-五十音順】
■葛根湯桔梗石膏
■十味敗毒湯
■小柴胡湯加桔梗石膏
■清上防風湯
■当帰竜薈丸
■竜胆瀉肝湯

 癤・癤腫症
⇒多くは黄色ブドウ球菌によって起こる化膿性毛嚢炎ないし毛嚢周囲炎。
毛嚢に一致して丘疹を生じ、潮江、浸潤著明で鶏卵大の円錐形の腫瘤にもなる。
◎多発時は癤腫症と呼び、糖尿病によることが多い。

 

摂食障害
(参照→「過食症」「拒食症」「強迫神経症」)
■拒食・過食
「拒食・過食などの摂食障害の人たちは、自分の身体が著しく痩せていることを認めようとしない。ひどく痩せている腰や太ももを見やりつつ、「ブクブク肉がついていて気持ちが悪い」といった女性もある。
 自分の身体像を描いてもらうと、実際には骨と皮の少女がひどく肥満した像を描く。そのうえ彼女たちは満腹感や空腹感あるいは疲労感などを感じられない。「自分ではお腹が空いているのかふくれているのか判らない。お母さんがもう満腹でしょうと言うからそうかなと思う」と言った少女もいる。
栄養障害があり疲労感が著しいはずなのに、全く疲れを感じずに駆り立てられるように過激な運動をする人もいる。(成田善弘・椙山女学園大学人間関係     学部教授)1997.9.8《日本経済新聞》
   

■過干渉で「いい子」装う
「とにかく何がどうしたのか・・・さっぱり分からないんです」。カウンセラーの前で、母親は取り乱していた。大学生の娘が突然、摂食障害となり、アットいう間に症状は悪化。理由を問いただしても、口を開こうとしないという。
小さい頃から素直で、成績も良い「自慢の娘」だった。ところが、娘の心のうちでは、いつしか「母親憎し」の感情が渦巻いていたのだ。中学・高校から大学。世間で言う一流校に通っていたが、何かと口うるさい母親の敷いたレールに乗っただけ。ずっと「いい子」を演じてきた。そんな自分に疲れた。「母親の束縛から逃れ、自立しなければ」という焦りにも似た悲痛な重いが、摂食障害の形で表れた。
カウンセリングの現場で家族の問題といえば、「父と娘」「母と息子」という異性間の親子の対立や衝突だった。だが、ここ数年、「母と娘」の相談が急増しているという。
娘の方が「いい子」を演じ続けるパターンが多いため、問題がなかなか表面化しない。加えて、本来が緊密さを築きやすい関係故に、いったんねじれると、近親憎悪に近い感情を持ってしまう。だから、カウンセリングにはかなりの二間をかけなければ、解決の糸口は見つからないという」2002.7.29《日本経済新聞》



接触性皮膚炎
=接触皮膚炎
■原因物質を見つける
「皮膚病の中で多いものの1つに接触皮膚炎、いわゆる『かぶれ』がある。化学物資や金属などが肌に触れると起きやすい。東邦大学医学部の伊藤正俊教授(皮膚科学)は「ありふれた病気と軽視せず、専門医とよく相談して原因を見つけ、早めに対策をとることが大切」という。
接触皮膚炎を起こすもんいは、化粧品や台所洗剤をはじめたくさんあります。接触皮膚炎は湿疹・皮膚炎と総称される病気の1つです。湿疹・皮膚炎は皮膚病の1/5~1/3で、うち半分は接触皮膚炎と見てよいでしょう。
皮膚に発赤(赤い斑点)やカユミなどの炎症症状が現れます。小水疱や鱗屑、皮膚の肥厚を来します。原因になる物質は多様で、多いのは化粧品と外用剤、植物、金属です。花屋さん毎日いろいろな花に触って皮膚炎を起こした例もあります」
また、接触皮膚炎は刺激性とアレルギー性に大別されます。刺激性は酸やアルカリなどぢげきの強い物に触れて起きる場合と、刺激が弱い物が何度も同じ場所に触れて起きる場合があります。台所洗剤による手荒れは後者でしょう。
アレルギー性の場合には物質(アレルゲン)に一度触れると、体がそれに反応し、二度目に同じ物質に触れたときに起きます。アレルゲンへの敏感さは人によって異なり、発症する人とそうでない人がいます。化粧品の成分はアレルゲンを極力除いていますので、アレルギー性のものは少なくなっていますが、毎日使うので刺激性の接触皮膚炎になる例が少なくなりません。
刺激性、アレルギー性ともに遺伝的な要因による差はありません。むしろ原因物質えの接触の頻度が関係します。
接触皮膚炎に最も影響があるのは乾燥です。皮膚の表面が傷つき、原因物質が浸透しやすくなります。アセ(汗)も大敵です。たとえば金属はイオンにならないと皮膚炎を起こしませんが、汗で容易にイオンになります。
さらに、接触皮膚炎が避けられない職業もあります。たとえば理容師・美容師はパーマ液やシャンプーなどに毎日触れるので、人によっては発症することがあります。203.8.5《日本経済新聞》
  【処方名-五十音順】
■当帰芍薬散



切迫流産
⇒妊娠28週以前に疼痛や出血があり、流産しそうであるが、まだ子宮口が開大せず胎児は生きており、安静、治療によって流産を防止できる状態。
  【処方名-五十音順】
■芎帰膠艾湯
■四物湯
■泰山盤石散
■当帰芍薬散
■補中益気湯



 背が低い⇒「身長がのびない」
   ◎ストレスから
「愛情遮断性小人症」-----ピーターパンの創作者であるJ.Mバリンがそうだった。
   ■骨髄細胞で
名古屋大学医学整形外科教室の石黒直樹教授の骨再生医療グループが、骨髄から採取した「骨芽細胞」を本人の脚の骨に移植する骨再生術で、低身長に悩んでいた14才の少女の身長を、半年で10cm伸ばすことに成功した。
石黒教授は「骨再生術では従来の方法に比べて、短期間で骨を伸ばすことができ、患者本人の細胞を使うことで拒絶反応も起きない。将来は事故などで欠損した骨の再生にも応用できる」2003.3.13《日本経済新聞》
■鶏卵から骨成長促進成分
「機能性食品素材研究開発のファーマフーズ研究所(京都市075-693-8607)は韓国の世明大学や植物抽出成分製造の丸善製薬(広島県尾道市)と共同で、骨の成長を促進する成分を鶏卵から発見した。
卵黄に含まれるタンパク質主体の水溶性成分で、重さ60g(Mサイズ卵)から200mg程度抽出できる。
動物実験の結果、1日分のエサに体重当たり1/1万を混ぜて投与したラットは、脛骨骨端が非投与ラットより約30%伸長率が高かった。
骨の成長成分は牛乳から抽出したタンパク質『MBP』があるがその抽出量は牛乳100mlから5mg程度だった。2004.3.30《日本経済新聞》






 背中が痛い
   ■脊椎骨折
「キャリアウーマンのA子さん(53)は、1年前に生理が無くなってから、背中が重だるい感じや痛みを感じるようになってきた。ムリして働いた後は、特に背中と腰の間に痛みが増すように感じる。友人や同僚から猫背を指摘される。最近はすぐ腹が立ち人間関係もギスギスしている。
これは閉経後の骨粗鬆症による脊椎の圧迫骨折による症状だ。強い打撲や転倒などの覚えもないのに脊椎の椎体部の骨折を来す。胸腰椎移行部(背中と腰の間)によく起こり、時には非常に強く痛むことがある。転倒すると容易に股関節や手首を骨折するのも骨粗鬆症の特徴だ。
この年齢の背中の痛みにはガンの転移、強直性脊椎炎、結核などの胸椎の障害によるものがある。ガンの治療歴があり、持続的に背中の痛みが増すときにはガンの脊椎転移を精査すべきだ。微熱が続くなら結核の検査をし、背中が痛くて体が硬い感じが持続する時には血液検査で炎症反応の有無を確認する。肩胛骨の間に痛みを感じる時は頚椎の異常によることもある。いつも痛みの部位に異常があるとは限らないので注意を要する。(内田淳正・三重大学医学部教授)2003.10.21《日本経済新聞》

【処方名-五十音順】
■葛根湯(陽実証、頭痛、発熱、無汗、項背のこわばり、脈浮緊・数)
■桂枝加葛根湯(虚証、自汗、項背がこる)   ■柴胡桂枝湯(胸脇苦満<軽>、心下支結、腹直筋緊張、発熱・微悪寒、頭痛・頭重、心窩部痞鞕、下腹部疼痛、脈浮弱)
■柴胡桂枝湯葛根湯
■三合湯(背心の痛み)
■小建中湯(背中がつっぱる、虚寒、甘いもの好き、口乾、くすぐったがり、手足煩熱、小便頻数、疲れやすい、脈浮弦)
■四物湯(貧血、皮膚枯燥、動悸<上>、神経症状、腹部軟弱、脈沈弱)
■赤丸
■蒼朮復煎湯(背骨と胛眼の痛む者)
■通気防風湯(肩・背が痛み、首がまわらない)
■当帰建中湯(貧血、食欲不振、虚弱体質、腹痛、腰痛<牽引痛>、
■当帰芍薬散(貧血、冷え性、疲れやすい、月経不順、神経症状)
■当帰湯
■麻黄湯(頭痛、発熱、悪寒、身体疼痛、関節がいたい)
  

【臨床例】
    ☆脊痛
「丹波、青山侯の臣、蜂太夫。疾を病む。而して胸中煩悶し、短気し、渇あり、且つその脊骨七椎より、十一椎に至りて痛み忍ぶばからず。衆醫、以為(オモエラ)く、虚と、獨参湯をつくりて之を飲ましむること凡そ六日。その效なし。
《吉益東洞》先生は之を診す。石膏黄連甘草湯を作りて之を飲むこと毎貼重さ三十五銭。一服盡きれば痛み即ち已む。入出五十日ばかり。全く常に復す。」《建珠録》


背中がゾクゾクする
  【処方名-五十音順】
■茵蔯五苓散(黄疸、発熱、腹壁軟弱、胃内停水、煩渇、脈浮)
■葛根湯(陽実証、頭痛、発熱、無汗、項背のこわばり、脈浮緊・数)
■葛根湯加川芎辛夷(鼻づまり、首の後がこわばる、濃い鼻汁、頭重)
■加味逍遥散)
■禦寒膏(外用)
■桂枝加朮附湯(四肢疼痛、麻痺)
■桂枝湯(表虚証、自汗、悪寒悪風、頭痛発熱、乾嘔、脈浮弱)
■桂芍知母湯
■桂枝人参湯(表熱裏寒証、頭痛、頭汗、発熱悪風、下痢、心下痞、四肢倦怠、心腹疼痛)
■桂麻各半湯(顔面赤い、発熱無汗、皮膚掻痒、便秘なし)
■四君子湯
■芍薬甘草附子湯(ケイレン性疼痛)
■小青竜湯(咳嗽、喘、鼻水、)
■升麻葛根湯
■参蘇飲(頭痛発熱、無汗、食欲不振、悪心嘔吐、胃部膨満感、脈沈数)
■当帰四逆加呉茱萸生姜湯
■当帰四逆湯
■当帰湯(背中に寒冷感)
■二陳湯(背悪寒)
■導痰湯蘇子降気湯(背の悪寒)
■麻黄細辛附子湯(虚弱者のかぜ、のど痛)
■麻黄湯(体の節々が痛い)

   



 背中が燃える感じ
  【処方名-五十音順】
■三黄瀉心湯





 疝瘕(せんか)
   =漢方の病名。
<1>前立腺炎に類似の疾患:
風邪が熱と化して下焦に伝わり、湿と結んで小腸が熱痛し、尿道より白色の粘液が漏れる。
<2>風寒と腹内の気血が結んで起こり、腹皮の隆起がおき、按じると塊は動き、痛みが腹部から腰背部に及ぶ。腹部の硬結を謂う。

【処方名-五十音順】
■五苓散
■半夏瀉心湯



 疝気(せんき) (→疝病)
=下腹部から睾丸に波及する劇痛を訴える総称。腸神経痛等。
冷えにより増悪する移動性かつ一過性の下腹痛。
◎主薬:疝気には、小茴香・川楝子を主薬とすべし《万病回春》
■疼痛を緩和
「40歳、女性。15歳で虫垂炎、18歳で慢性副鼻腔炎、19歳で卵巣嚢腫の手術を受けた。さらに、28歳では子宮外妊娠、30歳では急性腹症のため手術を受けました。35歳頃から全身の体調が思わしくなくなり、痒痛・頭痛・腹痛に悩まされています。冬にはシモヤケが出来るようになり、冷えに敏感で電気毛布を必ず使っています。椎間板ヘルニアと診断を受け、牽引療法などを受けましたが改善しないため、また手術を薦められています。
何度か手術を受けた後、原因がハッキリしない慢性疼痛に悩んでいる方は少なくない。質問者は何度も手術を受けた後、徐々に体力に自身が無くなり、精神的にも不安定になって、痛みに敏感になった。
夏にはクーラーで頭痛や腰痛が起こり、夜は電気毛布などで体を温めないと眠ることが出来なくなった。痛みは必ずしも神経支配と一致しない。ことから「心因性」の痛みではないかと言われている。また慢性膵炎の疑いなど原因不明の腹痛のため、内科や心療内科に通院しているという。
このような状態を古人は『疝気』と呼び、血行を良くし、体を温め、疼痛を緩和する漢方薬を伝えている。質問者の場合は当帰四逆加呉茱萸生姜湯という薬を最適であるから、手術はせずに試みることをおすすめする」(花輪寿彦)1999.11.22《日本経済新聞》

【鍼灸】
「疝気というのは気の滞りです。今の医学ではこれが分からぬ。疝気が悪いとガスがたまっていけません。疝気を治すには、手の陽池と腹の中脘へ灸をすえればよい。心下の動気も疝気に関係があって陽池の灸でとれる。胃下垂も胃拡張も中脘で治ります。」《沢田流聞書鍼灸眞髄》
【処方名-五十音順】
■烏苓通気散《万病回春》
■加減香苓散《万病回春》
■加減柴苓湯《医学入門》
■気疝飲《医学入門》
■行気香蘇散《万病回春》
■五積散《万病回春》
■三和散《医学入門》
■聚香飲子《医学入門》
■十味蒼柏散《医学入門》
■神効湯《万病回春》
■疝気一方《寿世保元》
■川練湯《万病回春》
■当帰建中湯
■当帰四逆湯《医宗必読》
■当帰四逆加呉茱萸生姜湯
■桃仁当帰湯《証治準縄》
■白葱散《医学入門》
■立効散《証治準縄》
■和気益栄湯《万病回春》


疝瀉(せんしゃ)
=水様便の中に結糞ある下痢をいう《通俗医法捷径》
  【処方名-五十音順】
■真武湯


 

疝積(せんしゃく)
=寒冷により、ケイレンを起こし腹痛する病気。腹部の塊を指す。
◎某、左腹臍傍、塊癖を生じ、時々拘痛し、ある時に腰に牽き、或いは左脇下に迫る、数ヶ月癒えず、余《備急千金要方》の十味当帰湯大黄附子を連進数旬、塊癖消尽し、痛み全く癒える。《橘窓書影》
此の証、終身に患をなす者、世医往々之有り、余、往年《疝積聚編》を読んで、少しくその頭緒を得、又、《外台秘要方》寒疝門を閲して発明する処あり。
 <1>実する者:「十味当帰湯」
 <2>虚する者:「補腎湯」

【処方名-五十音順】
■大承気湯
■十味当帰湯《備急千金要方》

 


疝積留飲痛
=平日心思欝塞し、胸満して少食、大便秘し、心下時々痛み、宿水を吐す。その人胸肋妨脹し、肩項強急し、臍偏の大筋堅靱、之を按ずるに攣痛し呑酸雑あり。



疝痛(せんつう) colic
   (疝病)
=急性腹痛。平滑筋の蠕動に呼応した波動性間欠性の内臓痛。

■現代医学で疝痛とよぶのは、空洞性臓器(胃・腸・膀胱・子宮)並びに管状臓器(胆道・腎盂・尿管)の壁をなす平滑筋の痙攣によって起こる腹痛で、発作性に消長があり、持続的ににぶい痛みを拡く感ずる。同時に膨満感がある。癒着性の腸管狭窄・腸閉塞症・胆石・腎石・胃腸炎・回虫などの際に見られる。   

◎症状:刺すような激痛が数分~数時間の間隔で周期的に反復する。
◎患者は冷え症が多く、痛みが移動し、冷えによって増悪する。さらに頭痛、肩こり、尿利異常、便秘、インポテンツなどを伴うことがある。
【芳香療法】
<1>ベルガモット
<2>ブラックペパー
<3>カミルレ
<4>クラリセージ
<5>サイプレス
<6>フェンネル
<7>ジュニパー
<8>ラベンダー
<9>マージョラム
<10>メリッサ
<11>ネロリ
<12>ペパーミント
<13>ローズマリー
<14>サンダルウッド

【漢方療法】
寒疝=睾丸が冷たく、詰まって固く石のようで、陰茎が立たず、つって痛む。
(原因:湿地に座るor寒いときに風冷をがまん)
処方[禹功散][加味五苓散][青木香元][幡葱散][当帰四逆湯][羊肉湯][烏頭桂枝湯][三因葱白散][四神丸]
水疝=睾丸が痛み、陰汗が流れる。or腫が水晶のようで痒く、黄水が出、また小腹をなでると水の音がする。
 (原因:水・酒の飲み過ぎ、房事の過多)
処方[禹功散][三花神祐丸][腰子散][秘伝茱萸内消元]
筋疝=陰茎が腫脹し、or破れて膿が出て痛み、極に達するとかゆく、いつもぶら下がって、白いものが小便に着いて出る。
  (原因:房事の労傷)
処方[瀉心湯][加減柴苓湯][清心蓮子飲][竜胆瀉肝湯]
血疝=黄瓜のようで、小腹の両脇・横骨の両端の約絞のなかにあって、俗称便雍という。
   (原因:房事の労苦)
処方[玉燭散][桃核承気湯][後元通気散][神聖代鍼散]
気疝=忿怒により気が欝した為に、脹滞したところからなる病気。
処方[蕩疝丸][幡葱散][気疝散][三茱丸][聚香飲子]
孤疝=寝ると小腹がが入り、立つと小腹から出る。睾丸のなかに入ると狐に似ているので孤疝という。寒湿が陰嚢中に注がれた症。痰病の一種。
処方[二陳湯青皮・香附子・蒼朮][二香丸][丁香縫実丸][四妙川縫丸][茴香練実丸]
㿉疝=睾丸が大きくなって、かゆくも・痛くもない、地気の卑湿なところでなる病。女子の陰門の出もそうである。

<1>腸㿉=小腸気:

[天台烏薬散][救命通心散][却鈴丸][加味通心飲][蠲痛元][消疝丸][立効散]
<2>卵㿉=水疝と同じ治法。
<3>気㿉=気疝と同じ治法。
<4>水㿉=膀胱疝:[青木香元][三花神祐丸][神保元]
  

【処方名-五十音順】
■茴香練実丸(男の七疝、婦人の帯下・瘕聚で痛みがひどい)
■烏頭桂枝湯(風寒疝気が腹に入り、刺痛で陰部がしぼみ、手足が冷える)
■烏頭通気湯(新・久の疝病、七情の疝を治す)
■解急蜀椒湯
■加減柴苓湯(疝による湿熱・腫痛)
■加味五苓散(寒疝を治す)
■加味通心飲(小腸の疝気で熱痛し、小便不通)
■気疝飲(気疝を治す)
■橘核丸(四種の㿉疝に卵核が腫脹しor石のように固く小腹が絞痛)
■橘核散(四種の㿉疝の初期)
■救命通心散(小腸の気)
■去鈴丸(小腸の疝気)
■金鈴散(膀胱小腸気の腫痛)
■桂枝加附子湯
■蠲痛元(小腸・膀胱気痛)
■五妙川練丸(諸疝に)
■葫芦巴元(通治薬、小腹に卵のようなものがあって痛む)
■三因葱白散(寒冷の気が膀胱に入り痛む)
■三白散(膀胱気と熱による陰嚢の腫脹、大小便の不通)
■三茱丸(気疝の腫痛)
■三疝湯(膀胱気の腫痛)
■梔附湯(疝による痛み、小腸・膀胱の刺痛)
■十味蒼柏散(湿熱疝痛)
■神効湯
■神消散(諸般の藺気リンキと外腎腫痛)
■神聖代銭散(血積疝痛、諸疝の刺痛)
■四神丸(冷疝の腰痛)
■四味茴香散(陰嚢・陰茎の激しい痛み、俗に小腸気を治す)
■四妙川練丸(疝気・腫痛・縮小)
■聚香飲子(七情に傷ついて疝気)
■茱萸内消丸(膀胱腎虚による実疝)
■消疝丸(小腸疝気)
■青木香元(寒疝・膀胱疝気・腫気)
■大黄附子湯芍薬甘草湯
■大建中湯(寒冷刺激のどで誘発されて激しい腹部疝痛発作
■丁香練実丸(男の七疝と女の聚・帯下)
■天台烏薬散(小腸気)
■当帰四逆加呉茱萸生姜湯
■当帰四逆湯(寒疝・臍下冷痛)
■蕩疝丸(気疝)
■二香丸(孤疝が上下に昇り降りして痛む)
■八味疝気方
■馬蘭花丸
■幡葱散(脾胃が冷え、心腹の痛み、胸脇・膀胱・小腸・腎気が疼痛)
■秘伝茱萸内消元(疝気ち陰が大きくなり、黄水が出る)
■復元通気散
■附子粳米湯
■牡礬丹(陰嚢に瘡が出来、水だ出て疼痒がひどい)
■木香金鈴丸 
■腰子散(黒丑・白丑)
■楊子麝香元
■羊肉湯
■竜胆瀉肝湯
  

【臨床例】
☆《建珠録》
「京師界街の賈人、井筒屋播磨の家僕は、年七十餘。壮年より疝瘕を患い、十日、五日に必ず一發す。壬午(みずのえうま)の秋大いに發し、腰脚攣急し、 陰卵偏大腹に入らんと欲す。絞痛して忍べからず。衆醫皆以為(おもえら)く、「必ず死す」と。
《吉益東洞》先生之を診す。大烏頭煎をつくりて之を飲むこと毎貼の重さ八銭。斯須(=シシュ、ほんのすこしの間)にして瞑眩し気絶す。又、頃之、心腹鳴動して、水数升を吐出し、即ち故に復す。爾後、再び發せず。」
       

疝痢
   =腰痛み、腹痛し、悪寒あり。下痢日に数行、夜間の尤も甚だしきもの。





 線維筋痛症
■原因不明
「線維筋痛症は欧米で1980年代から注目され、1990年に米リウマチ学会が、押すと痛みを感じる場所の数から判断する診断基準を作った。
全身に痛みが3ヵ月以上続くケースで、18ヶ所の基準点を指でやや強く押さえて11ヶ所以上で痛みを感じるときに『線維筋痛症』と診断する。この基準は日本でも取り入れられている。

▼線維筋痛症の重症度分類
ステージ(進行度)Ⅰ:診断基準18ヶ所のうち11ヶ所以上で痛みがあるが、日常生活は可能
ステージⅡ:手足の指などに痛みが広がり、不眠・不安感・うつ状態が続く。
ステージⅢ:爪や髪の毛への刺激、温度、湿度変化でも激しい痛みが全身に広がる
ステージⅣ:痛みで体を自力で動かせず、ほとんど寝たきりの状態になる。
ステージⅤ:激しい痛みに加え、直腸の障害、口の渇き、尿路感染なども

背中や首・肩・手足など体のあちこちに痛みが生じ、不眠にも悩まされるのが線維筋痛症。患者の8割は中高年の女性だが、10代で発症することもある。関節のこわばり感や抑うつ気味・月経異常などを伴うことが多い。また、患者の9割に睡眠障害が現れる。
国内で200万人の患者がいるという。患者は関節リウマチの約3倍いると西岡久寿樹・聖マリアンナ医科大学難病治療研究センター長はいう。

【症状】
・ある日突然に、体の一部に痛みを感じる。
・貼り薬などを使っても痛みが取れない。
・整形外科などで血液検査やMRI検査・筋電図検査をしても異常が見つからない。
・飛び上がるほどの痛みで何も出来ず、寝たきりになることも。

【原因】
発症の詳しい仕組みは不明だが、引き金には
①外傷・・・むち打ち症や脊髄損傷、虫歯治療などで神経が傷つき、痛みを抑える神経の仕組みが破壊される
②心の問題・・・職場や家庭内の人間関係などのトラブルが影響する。

(事例)60歳代のある女性は、つらい介護をして姑を看取った後、ほとんど手伝わなかった夫の姉妹から文句を言われたがキッカケで発送した。
【治療】
炎症による痛みではないので消炎鎮痛剤はほとんど無効。神経伝達の過程に作用する[抗うつ剤][鎮痛剤][筋弛緩剤][漢方薬]などを使うのが一般的。20068/15《日経》
■痛みの受容体
「米医薬大手のワイスは2006年11/28、九州大学と新薬開発につながる共同研究を始めた。井上和秀・九州大学教授が発見した、痛みに関わる『P2X4』と呼ぶ受容体をターゲットにした化合物を研究。
P2X4の働きを阻害する化合物が見つかれば、慢性疼痛の他、糖尿病性神経障害や全身に痛みが出る線維筋痛症の治療薬になる可能性がある」





 線維腫
   ⇒皮膚・筋肉・骨などを結びつけている結合組織に含まれる線維が、何らかの原因    で増殖して出来る腫れ物です。
<1>肩胛骨の下部と肋骨の間に出来る、瘤状の腫れ物です。原因はまだよく分      かっていませんが、何らかの炎症の跡や外傷、物理的な刺激が絶えず加わる      ことで、線維の増殖・変性などで出来るものと考えられています。
<2>特徴は、
        ①60~70歳代の女性に多い。
        ②上半身をよく動かす仕事をしている人に出来やすい。
        ③場所は、背中の肩胛骨の下部当たりに集中している。
     (谷垣武彦・大阪労災病院皮膚科部長)1997.7.27《朝日新聞》

 腺病体質
   =腺病質
    荊芥連翹湯(青年期の腺病体質の改善)
    柴胡清肝湯(皮膚浅黒い<青白い>、くすぐったがり)
    小建中湯(甘い物好き)
    小柴胡湯(腺病質の体質改善神経質)
    当帰芍薬散(貧血、冷え性、疲れやすい、月経不順、神経症状)
【民間療法】
    <1>トウキ・フキ・メハジキ。
    <2>[クロマメコンブ苡仁]

  

 腺様種
  【処方名-五十音順】
    柴胡清肝湯

 譫語(せんご)
   ⇒陽明の実熱or温邪が営血に入ることでおきる病症。
    <1>精神の混濁。
    <2>体の衰弱が無く、声が大きく明瞭なうわごと。
    <3>筋の通らない・つじつまの合わないことを言う。
    <4>虚すると→→鄭声(テイセイ)になる。
   ◎主薬:大熱譫語には、黄連・黄・黄柏・梔子を主薬とすべし《万病回春》
◎譫語は陽明病で承気湯類で下すべき証にみられることがあるが、譫語だけを診て、陽明病と断定してはならない。少陽病でも、少陰病でも譫語を発することがある。《漢方診療医典》
  【処方名-五十音順】
 茵蒿湯
 黄連解毒湯
    柴胡加竜骨牡蛎湯
    柴胡桂枝湯
    柴胡連翹湯(傷寒に発熱して譫語をいい、呻吟して睡臥出来ない)
    大承気湯
    竹茹温胆湯
    調胃承気湯
 猪苓湯
    桃核承気湯
    白虎加人参湯
 防風通聖散

 

譫妄(せんもう)
■高齢者に多く
「急に興奮してあらぬ事を口走ったり、“カーテンの影に誰かいる”などの幻覚・妄想をいだくなどの症状を示す譫妄。ウトウトすることが多い活動減少型と、興奮したり幻覚や妄想を示す活動過剰型があります。
症状は・・・?。程度の差はありますが、寝ぼけ状態に例えられます。
・意識がぼんやりっします。加えて、
・つじつまの合わないことを並べて興奮します。
・幻覚や妄想が見られることがあります。
原因は?
1つではなく、高齢、認知症などの準備因子のほか、精神的ストレスなどの促進因子、身体疾患などの誘発因子がまります。
女性より男性に多い傾向があります。65才以上では若い人の4倍。
(千葉茂・旭川医科大学教授)」20067/18《日経》
【処方名-五十音順】
    柴胡加竜骨牡蛎湯
    三黄瀉心湯
    炙甘草湯
    竹皮大丸
    調胃承気湯
    当帰四逆加呉茱萸生姜湯

 

戦慄
   ⇒「戦」=(イ)体が震えて動くこと。
        (ロ)陽に属するので汗を出して治し、薬はいらない。
    「慄」=(イ)心が震えること。
        (ロ)陰に属し、陽が陰に制御されるので足が曲がり、心が冷え小便が          妄出し人事を知らない。
  【処方名-五十音順】
    理中四逆湯


 

旋螺風(せんらふう)
   ⇒小児の亀頭が紅腫して痛むこと。
  【処方名-五十音順】
    通心飲・・・・・・(施螺風で赤く腫れ、疼痛する小児)


前陰部が冷たい
  【処方名-五十音順】
    八味地黄丸



 

前額洞炎
  【処方名-五十音順】
    小半夏加茯苓湯

 

前額部の疼痛
  【処方名-五十音順】
    半夏白朮天麻湯



 

前歯発育遅延
  【処方名-五十音順】
    大承気湯

◎五味子(鼻をかんだとき耳が詰まった感じにも=大塚敬節)


 

前庭神経炎 
    vestibular neuronitis
   =温度刺激や電気刺激に対する前庭器官の反応が低下した状態をいう。
   ⇒突発性の激しいめまいが特徴。
    難聴・耳鳴りは併発しない。仮性めまいのようなばいもある。
   ◎前庭神経炎を引き起こす有害因子
    <1>一酸化炭素
    <2>メチルブロマイド
    <3>トリクロロエチレン
    <4>クロロフォルム
    <5>シアン化合物
    <6>タリウム
    <7>水銀・砒素・鉛。
    <8>全身振動
    <9>減圧症
    <10>高温
    <11>低周波音波・超音波。
  【漢方療法】
    半夏白朮天麻湯
苓姜朮甘湯



前立腺炎   
   ⇒壮年男性に起きる炎症。
    多くは慢性の経過をとり細菌性→非細菌性→神経症的前立腺症へとすすむ。
    長時間座っている人、運動不足のひとが罹りやすい。
    発病のきっかけ:過労・冷え深酒
  【色彩療法】
    <1>レモン色(前立腺異常)
    <2>オレンジ色 (前立腺異常)
    <3>藍色 (前立腺異常)
【民間療法】
花粉
【処方名-五十音順】
    桂枝茯苓丸
    清心蓮子飲
    大黄牡丹皮湯
    桃核承気湯(実証、のぼせ、足冷、下腹部痛)
 腸癰湯(虚証の)
騰竜湯《本朝経験》
    分清飲 (慢性)
    補中益気湯
    竜胆瀉肝湯(目が充血、小便黄赤




前立腺ガン
   ■排尿時の不快で発見も
    「会社役員で66歳のTさんは排尿時に不快感を自覚するようになり、泌尿器科     を受診した。まず前立腺の触診で硬結(皮下の塊)を指摘された。引き続く超     音波検査で、前立腺の軽い腫れと石灰化、さらにガンを疑わせる低エコー領域     が認められた。
Tさんはかなり以前から、深酒の後や寒冷刺激などで排尿時の不快感を繰り     返して訴えており、前立腺炎と診断されていた。しかし、今回の触診や超音波     検査、そして血液検査でもガンの疑いが強まり、生検の結果、最終的に前立腺     ガンとの診断が確定した。
幸いにもTさんの場合は早期のガンであり、他の臓器への転移もなく、他の     合併症もなかったので、外科手術で前立腺を前部摘出した。
前立腺ガンは進行するまで無症状の場合がほとんどで、前立腺肥大症が排尿     異常を呈しやすいのとは対照的である。前立腺ガンが症状として現れる場合に     は進行した転移巣の症状が主である。例えば、「腰痛」や「背部痛」など骨に     転移した症状があり、精密検査で診断される場合が多い。
しかし、最近ではTさんのように前立腺炎の検査中に偶然発見されたり、前     立腺肥大症に併発して発見される例が増加している。また、集団検診や人間ド     ックで行われる血液検査中の腫瘍マーカーによっても検出されやすいガンとし     て知られている。1998.3.16《日本経済新聞》
   ■腫瘍マーカー
    「高齢化とともに増えているガンに前立腺ガンがある。このガンは高齢の男性に     多い。特に欧米では非常に多く、60歳以下の人には少ないが、80歳代の男性     の4人に1人の割合で見られるとの統計もある。日本国内では少ないとされる。
      初期の症状は、小便が出にくい・尿線が細い・残尿感がある・血尿などであ     る。これだと中年以降の男性に多い前立腺肥大症との区別が出来ない。そこで     腫瘍マーカーが役に立つ。
     前立腺ガンを診断する腫瘍マーカーとして、
     <1>前立腺由来酸性フォスファターゼ(PAP)・・3ナノg/1ml
     <2>前立腺特異性抗原(PSA)・・・・・・・・・3ナノg/1ml
     <3>γセミノプロティン(γ-Sm)・・・・・・・4ナノg/1ml
     これらは前立腺ガンを思わせる症状があるとき、補助的診断として用いる。       1996.3.30《日本経済新聞》」
■早期発見法
    「米国立衛生研究所(NIH)とジョンズ・ホプキンス大学の研究グループは前立     腺ガンを早期に発見する手法を開発した。
 血液中に含まれる物質を解析する。現在は進行したガン組織の一部を切除し     て直接確認しているが、今回の方法を使えばその10年前に見つけることがで     きる。
血清に含まれるPSAというタンパク質を調べる。血清中のPSAは別のタン     パク質と結合しているものと結合していないものの2種類があり、前立腺ガン     になる患者は結合していないPSAの割合が増えてくるという。1997.1.8.《日     経産業新聞》
■60歳過ぎたら前立腺ガン検査を
「北欧ではすべてのガンの中で死亡数が第1位が、前立腺ガン。アメリカでも1991年以降、死亡率が肺ガンを抜いてトップに立っている。日本でも食生活のパターンが欧米化するにつれて患者が急増。死亡率も20年前の3倍近くまで跳ね上がっている。
前立腺ガンがやっかいなのは、初期の自覚症状がほとんどないことだ。肥大症は尿道に近い前立腺の内側が腫れるため、比較的早く排尿困難や頻尿などが起こる。ところが前立腺ガンは外側に発生するため、尿道を圧迫するまで時間がかかり、排尿障害に気づいた時にはすでに進行しているケースが多い。
早期発見のためには、採血して前立腺ガンに特有の腫瘍マーカーを調べるのが簡単だ。その値が高ければ前立腺生検でガンの有無を確かめる。
ただ前立腺ガンは進行が遅く、小さなガン(潜在ガン)が出来ても、それが病的なガン(臨床ガン)となるまでに長い年月がかかる。」1999.6.19《日本経済新聞》
■検診で
「前立腺ガン患者は増えている。日本は米国に比べ、患者数は1/10程度だが、増加率でははるかにしのぐ。日本の男性のガンの中では、増加率が最も高い。
急増の理由はいくつかある。まず、高齢者そのものが増えていることだ。前立腺ガンの死亡者の約8割は70代以上。年齢とともに発生が増える高齢者癌の典型だ。
第2は、食生活の欧米化で、脂肪摂取量が増えたこと。世界各地の調査で、脂肪の摂取の多い食事は前立腺ガンの危険率を上げ、野菜の摂取は危険率を下げるという傾向がみられる。」
PSAの値が[4]なら約20%の人、[10]になると約半数の人に前立腺ガンが見つかる。1999.7.11《朝日新聞》
■遺伝子治療
「米ジョンズ・ホプキンズ大の研究チームは20日、前立腺ガンの遺伝子治療で、ガン細胞を攻撃する免疫を活性化させるのに成功した、と発表した。
今後、多人数の患者を対象に臨床試験を行い、手術で切除しきれないガン細胞を完全に死滅させる効果を調べる。
米国内だけで年間4万人の男性の死因となっている前立腺ガン治療に希望が出てきた。
同チームの手法は、患者から取り出したガン細胞の中に免疫力を高める因子である「GM-CSF」の遺伝子を入れ、放射線で細胞を不活性化してから、注射で体内に戻す方法。一種のワクチンとも言える。
患者8人を対象に行ったところ、注射後4週間で、体内にガンを攻撃する抗体を作る細胞やリンパ球が現れ、ねらい通りの効果があることが確かめられた。
同チームのウィリアム・ネルソン博士は「前立腺ガンに対して完全な免値期を作れたのは初めて」と指摘。手術や放射線と併用すれば、ガンを根絶やしにするkとも期待できそうという。1999.10.21《日本経済新聞》
■抗ガン剤投与ミスで死亡
「大阪市天王寺区の大阪赤十字病院(清水達夫病院長)で、昨年末、前立腺の末期ガンで入院中の大阪府内の男性患者(63)が通常の8倍量の抗ガン剤を投与され、副作用のため17日後に死亡したことが、10日わかった。医師の単純な処方ミスが原因で、病院側は男性の遺族に謝罪したが、「故意でない」として警察には届けていなかった。府警天王寺署は業務上過失致死と医師法違反の疑いもあるとみて、近く病院関係者らから事情を聞く方針。
病院側の説明によると、男性は昨年12月22日に入院。翌日から抗ガン剤治療が始まった。同27日午前、主治医の研修医(27)の指示で、看護婦が80mgの抗ガン剤を糖液に溶かし、別の医師がこれを男性に点滴した。しかし、同日夕方になり、男性が激しい下痢などの症状を訴えたたあめ、病院が異常な副作用に気付き調べた結果、本来は10mgを投与すべきだったのに、主治医が別の抗ガン剤の使用量と勘違いして処方箋をしていたことがわかった。
男性は副作用で白血球が減少し敗血症になって、今年1月13日、多臓器不全のため死亡した。」
■転移を防ぐ
「米ミシガン大学の研究グループが、前立腺ガンの転移を効果的に防ぐペプチド(タンパク質の断片)を開発した。ガン細胞の活性化物質が作用するのは受容体のタンパク質にくっつき活性化物質の働きを妨げ、転移を防ぐ。動物実験で胚転移を約95%抑えられることを確認済みで臨床応用できれば新しい癌治療薬として期待できるとしている。
開発したのは「PHSCN」と呼ばれるペプチドで、血液中にあるフィブロネクチンと呼ばれるタンパク質の一部である特殊なペプチド「PHSRN」を元に作った。元のペプチドに組み込まれているアツギニン呼ばれるアミノ酸を、システインと呼ばれる別のアミノ酸に変えたという。」2000.1.31《日経産業新聞》
■早期発見には血液検査
「65歳のKさんは定年になって、年のせいか小便が近くなったような気がした。そこで近所の開業医で血液検査をしたところ、前立腺抗原が高いので、専門医を受診する様に言われ来院した。
直腸診や超音波検査で前立腺ガンが疑われたので、前立腺の組織を一部採取して調べた結果、前立腺ガンと診断された。病気の進み具合を判断するため、コンピューター断層撮影装置(CT)や放射性同位体を利用して全身の骨の画像などを撮ったところ、ガンは前立腺の外には出ていなかった。男性ホルモンを抑える注射や薬の服用を続け、4ヶ月後に前立腺と精嚢腺を摘出する手術を行った。
手術後、咳やくしゃみをすると、少量の尿が漏れる症状が続いたが、2週間後にはそれもなくなり、Kさんは元気に退院した。
欧米では男性の悪性腫瘍の中でも前立腺ガンの発症率、死亡率は高い。日本は欧米に比べて発症率が低いが、近年、その数は増え続けている。以前は前立腺ガンの患者が泌尿器科を受診した時には、ガンがリンパ節や全身の骨に転移して、進行したものが多かった。
一般に前立腺ガンは男性ホルモンに依存して進行するため、薬で男性ホルモンが体内で作られるのを抑制したり、ホルモンの働きを抑えたりする抗男性ホルモン療法が有効である。しかし、数年後には薬が効かなくなり、ガンが再発する事が大きな問題になっている。
一方、ガンが限られた場所にあるときには、根治手術や放射線療法が実施される。手術では男性機能障害のほか、咳やくしゃみで尿が漏れるなどの合併症が見られる。放射線療法は下痢や皮膚障害、放射線膀胱炎が起きる可能性がある」(川嶋秀紀)2000.5.15《日本経済新聞》


■PSA異常値で発見
「会社役員のSさんは68歳。高血圧と慢性胃炎のほかは、これといった病気にかかったことがなかった。ところが定期検診の血液検査で、前立腺の特異抗原(PSA)が異常に上昇していると指摘され、当外来を受診された。超音波検査で軽度の前立腺肥大のほか、直径1cmほどのガンを疑わせる部分が見つかった。組織の一部を針で採取して調べたところ、前立腺ガンであると判明した。
前立腺ガンは初期には症状があまり出ないため、従来は骨などに転移してからガンと診断されることが多かった。PSAが普及し始めた1990年頃からは定期検診時にPSAの異常値がキッカケとなって、早期発見される割合が増えている。わずかな血液を採取すれば検査可能なため、一般診療所でも広く実施されている。
ただ、PSA値が異常であっても前立腺ガンとは限らない。前立腺肥大症や前立腺炎のこともある。触診や画像診断でこのような疾患を区別しなければならないので、PSA値が高い時には専門医を受診することをおすすめする。PSAは診断のほか、治療効果の判定や病状の推移を知るために利用されている。
Sさんの前立腺ガンは早期で他の臓器への転移はなく、手術をすることになった。あらかじめ前立腺近くのリンパ節を切除し、精嚢腺と前立腺全体を摘出した。手術後の経過は順調で、約20日間の入院で退院された。その後、外来を訪れたSさんはすっかり元気を取り戻された。(中谷達也・大阪市立大学泌尿器科助教授)2000.9.4《日本経済新聞》
■セレニウム
「米スタンンフォード大学の研究グループは血液中のセレニウムが濃度が高いと前立腺ガンに罹りにくいことを突き止めた。セレニウムは微量必須元素の一種で、年をとるにつれて血中濃度が低下するという。高齢の男性がセレニウムを補給すれば前立腺ガンの予防につながる可能性があり、現在、予防効果を調べる実験を勧めている。
前立腺ガン患者52人と健康な男性96人、平均69歳の集団で調べた。セレニウムの血中濃度が低いと前立腺ガンに4~5倍かかりやすいことが分かった。前立腺ガンは男性で最も多く見られるガンで、死因のトップになっている」2001.12.6《日経産業新聞》
■簡単に検出(大腸ガンも)
「日本製粉は産業技術総合研究所と共同で、前立腺ガンと大腸ガンの発生を簡単に検出できるシステムを開発した。微量の尿や便から、2つのガンに共通して発生する遺伝子を検出する。開発したのは2種類。免疫反応を利用するリトマス試験紙のようにガンの発生を判定する一次検診用システムと、陽性例の手術後摘出検体の遺伝子診断に使うシステムだ。
いずれのシステムも、大腸ガンや前立腺ガンで発生する『ブラディオン』と呼ぶ遺伝子に反応する。炎症や痔などの出血性疾患には反応しない。
販売は全額出資のニップンテクノクラスタが担当。2003.3.13《日経産業新聞》
■ターメリック
「米ニュージャージー州立大学の研究グループは、カレー粉に含まれるターメリックと、カリフラワーなどの野菜に含まれる『PEITC』という化合物に前立腺ガンの増殖を抑える作用があることをマウスへの注射実験で確認した。」2006.1/18《産業》
■体格と関連しない
「欧米人では肥満や背が高いと前立腺ガンに罹りやすいが、日本人では関連性が認められない・・・・。こんな調査結果を、厚生労働省の研究班がまとめた。
英医学誌ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・キャンサー2006年3/13日号に掲載。
前立腺ガンは中年以上の男性がかかるガンで、欧米の発症率は日本の10倍。その理由の1つとして挙げられているのが、[肥満]や[背が高い]ことなので、これらの人は血液中のホルモン濃度が高い事がその根拠にされていた。
研究班は40~69歳の男性約5万人を10年~13年追跡。前立腺ガンと診断された311人について、BMI値(体格指数)や身長との関係を調べた。」
  

【民間療法】
○トマト
「トマトたっぷりのピザやスパゲッティに前立腺ガンの予防効果がある、と言う研究結果を米ハーバード大の研究者がまとめた。40~75歳の男性47000 人を6年間追跡。前立腺ガンになった812人と、ガンが見られなかった人について、46種類の野菜・果物の好みを調べた。
前立腺ガンの予防に効果の有ったのはトマトを使った料理とイチゴ。特に、トマト料理を週に10回以上摂ると45%、4~7回では20%、ガンになる危険性が減っていた。生でも・ソース・ジュースでも良く、イタリア・ギリシャなどトマト料理を好む国で前立腺ガンが少ないという報告と合っているという。リコピンという赤色色素が酸化物が出来るのを防いでいるらしい」。      1995.12.17《朝日新聞》より。
■新しい検査法
「住友商事の子会社サミット・グライコリサーチ(東京中央区)は、札幌医科大学と共同で前立腺ガンの新しい検査薬の開発に着手した。
前立腺ガンの検査にはPSAと呼ぶ物質の血中濃度を測定する方法がある。PSAは糖タンパク質に糖鎖が結合した生体内物質だが、前立腺肥大症などでも濃度が高まるため、「陽性のうち5割前後が偽陽性」と言われる。
そこで、前立腺ガンになるとPSAの糖鎖構造が健康な人と異なる点に着目。具体的には、血液かた糖鎖を調べ、疑陽性が出る確率を1割以下に抑えた検査薬の開発を目指す。
サミット・グライコリサーチあPSAが含む前立腺ガン患者特有の糖鎖と結合する「人工レクチン」を開発する。人工レクチンは東京大学の入村達郎教授らが開発し、同社が基本特許を持つ。20069/28《産業》
   ■食物繊維
米ジョージア大学の研究チームは、果物や野菜に含まれる線維『ペクチン』に前立腺ガンのガン細胞を殺す働きがあることを突き止めた。細胞を使った実験で、ガン細胞だけを殺し正常な細胞を傷つけなかった。
前立腺ガンの細胞にペクチンをかけたところ、ガン細胞は40%に減った。ガン細胞にアポトーシスと呼ばれる細胞内の自殺を起こさせていることが分かった。20078/30産業
■分子標的薬
「京都府立医科大学の酒井敏行教授らのグループは、分子標的薬の新たな候補物質を見つけた。ガン細胞にだけ現れるタンパク質を増やす物質と、そのタンパク質に作用して細胞死を引き起こす物質を組み合わせた。
正常な細胞には影響を与えないという。
分子標的薬は、ゲノム(全遺伝情報)研究などで得られた膨大な遺伝子情報をもとに作る薬剤。細胞がガン化すると細胞表面に現れるタンパク質(DR5)の量を増やすには、[アピゲニン]という物質が有効なのを突き止めた。アピゲニンは[白菜]や[ピーマン]名素ぬ含まれるフラボノイドの一種。DR5とくっついて、ガン細胞の自殺を招く物質に[TRAIL]というタンパク質があることが知られており、この2剤を併用した。
ヒトの白血病や大腸ガン、前立腺ガンの細胞を使った実験では。2剤を併用すればガン細胞の約半分がアポトーシスを起こすことが確認できた。」200710/5
■脂肪分の食べ過ぎ
「米カリフォルニア大学ロサンゼルス校のチームは、脂肪分の食べ過ぎが前立腺ガンのリスクを高める恐れがあることを、マウス実験で確認した。
脂肪分の摂取量に比例して前立腺ガンの疑いがあるい細胞が早く成長していた。」2008/5/22
■ガン抑制遺伝子で
「2008年岡山大学の公文祐巳教授グループが、新しいガン抑制遺伝子『REIC』(レイク)を使った臨床試験を009年米国で始めると発表。
REICは岡山大学が2000年に発見。正常な細胞では働いているが、ガン細胞で働かない。強制的にガン細胞で働かせたところ、細胞内でタンパク質を立体的な構造にする小胞体に過剰なストレスが生じ、ガン細胞が自ら消失する事が分かった。」



前立腺肥大
◎前立腺とは:
「クリの実のような形と大きさで、精子に栄養を与える体液を分泌します。男性の膀胱の出口のところに、尿道を包み込むようにくっついています。」
  ◎前立腺の内腺が肥大して、内腺の中央を貫いている尿道を圧迫するために、排尿    困難を起こす病気。
■薬や切除---治療法多彩に
「昨年3月に無事定年退職した66歳のCさん。若い頃から心臓に疾患があったが、2、3年前からは夜間の頻尿、算用管や尿線の勢いの低下を自覚するようになり、市立病院の泌尿器科を受診した。
直腸からの触診、エコー検査、血液検査などで前立腺肥大症と診断され、最近の種々の治療法について担当医より説明を受けた。
治療法としてはまず、薬剤療法が挙げられる。具体的には、膀胱の出口に存在する受容体をブロックすることで排尿抵抗をとり、スムーズな排尿を可能にするためのα1-ブロッカーや、前立腺細胞の受容体と拮抗して前立腺重量を減少させることで、尿道の前立腺による圧迫を軽減する抗アンドロゲン剤など を使う。ただ、服用を中断すると自覚症状が悪化することがある。また、抗アンドロゲン剤の場合には副作用として性能力の低下が見られることがある。
患者への負担の少ない外科的治療としては、特殊なバルーンで尿道を一定時間拡張させるバルーン拡張術、特殊な器具を尿道に留置することで、排尿をスムーズにさせる尿走ステント留置術や、前立腺を尿道を通したバルーンを介して43℃以上に暖めて、前立腺を熱変性させる高温度治療などがある。
経尿道的前立腺切除術は現在でも最も一般的な外科的治療法であるが、出血、 逆行性射精など合併症が見られるため、Cさんのように心疾患を有する方に適切な手術でないかもしれない。最近では、特殊な切除用の刄を用いて出血を少なく抑える蒸散法や、レーザーを使用する経尿道的レーザー前立腺切除術が導入されるようになった。
Cさんは担当医より、それぞれの治療法の長所、短所を聞き、経口剤による治療を半年受けた。その後、治療効果があまり期待できなかったため、経尿道的レーザー前立腺切除術を受けることにした。腰椎麻酔下で手術を受け、10日後に退院した。2ヶ月後には、50歳代頃の勢いのある尿線となり、夜間排尿回数も減少した。(和田誠次・大阪市立大学医学部泌尿器科講師)1998.11.9      《日本経済新聞》
■肥大は加齢現象の1つ
「前立腺は、膀胱の出口付近に、尿道を取り巻くように存在している。男性にだけある臓器で大きさはクリの実程度。2層構造になっており、内側部分を内腺、外側部分を外腺と呼ぶ。後述する前立腺肥大症は内腺に、前立腺ガンは外腺に発症する。
前立腺の役割は、精液を分泌することだ。精液は精子を包み込んで外敵から守り、子宮へ送り届ける。また精子に栄養やエネルギーを与え、動きを活発にする働きもある。
前立腺は年を取るにつれて、誰でも大きくなってくる。クリの実程度だったのが鶏卵ぐらいになり、中にはリンゴ大になる人もいる。このため尿道が圧迫されて、排尿困難や頻尿などの症状を引き起こすようになる。これが前立腺肥大症だ。50歳代から増え始めて、60歳代の40%、70歳代の80%には、大なり小なり前立腺肥大があると言われる。
こうした数字から類推すると、現在、全国に約300万人の患者がいる計算になる。もっとも前立腺の肥大は加齢現象の1つで、いくら肥大しても症状が無ければ治療の対象とはならない。実際に治療を受けている患者は、全体の10~20%程度である。
加齢と共に、なぜ前立腺が肥大するのかは、よく分かっていない。ただ、ホルモンが関係していることは、間違いなさそうだ。女性は経閉後、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下し、更年期障害や骨粗鬆症などが起こりやすくなる。男性も50歳を過ぎる頃から男性ホルモン(テストステロン)が低下。女性ホルモンとのバランスが微妙に変わることが、肥大の誘因になると見られている。
食生活が欧米化して、動物性タンパク質や脂肪を多く摂取するようになったことも、前立腺肥大症が増えた原因の1つだ。事実、アメリカの患者数は日本の10倍以上にものぼる。また、非常に若いときから性交渉を開始し、高齢になっても旺盛な性活動を持続している人が、前立腺肥大症になりやすいというデータもある。
和食より洋食を好み、性生活が活発-------。前立腺肥大症にはこんな男性がかかりやすい。性生活については個々の人の人生観が反映されているから何とも言えないが、動物性脂肪やタンパク質の取りすぎは、肥大症だけでなく、心筋梗塞や脳卒中などのリスクファクターにもなる。こうした病気の予防のためにも、ライフスタイルの見直しを勧めたい。」
症状
前立腺肥大症の症状は3期に分けられる。
1期は、
  ①尿の出が悪くなったり、尿線が細くなったりして、少しおかしいと気づく時期。
②トイレに行く回数が増え、夜間の頻尿にも悩まされるようになる。
③ただ、排尿はまだ正常に近い状態なので、残尿感はない。
2期になると、
①排尿の困難度が増して、腹部に力を入れないとうまく尿を出せない。
②残尿も増え、排尿してもスッキリしない。
③風邪や花粉症で抗ヒスタミン剤を飲んだりすると、狭くなっていた尿道が薬の影響で完全に閉鎖して、急性尿閉が起こることもある。
3期は、
①肥大による尿道の圧迫が進み、排尿量が極端に減る。普通、膀胱内に300ccほど尿が溜まると排尿するが、それ以上になっても尿が出ない。
②こうなると、満杯状態になった膀胱から無意識に尿が漏れる尿失禁をきたしやすい。
③膀胱内圧が上昇して、水腎、水尿管の状態を招き、腎不全に発展する恐れもある。
前立腺肥大症では、こうした病期を正確に診断し、それに応じた治療法を選択することが欠かせない。



薬物療法には
<1>ホルモン療法:抗男性ホルモンを用いる。
「ホルモン療法は男性ホルモンの働きを抑える抗アンドロゲン剤を投与して、肥大した前立腺を小さくしようとするもの。」
「数ヶ月投与しないと効果が出ない、止めるとすぐ元に戻る」
「性機能障害や女性化乳房などの副作用がある」
<2>非ホルモン療法:α1遮断薬などを用いる。
「α1遮断薬は前立腺肥大の治療薬として最も普及している」
「尿道の緊張を解いて排尿障害を軽減する」
「即効性があり、1日1回飲むだけでその日の尿の出が良くなる」
<3>そのほかに、八味地黄丸などの生薬も、ある程度の臨床効果が認められている。
薬物療法以外の保存療法としては、前立腺を加熱し、肥大組織を小さくする温熱療法が試みられており、保健の適用にもなっている。
新しい手術法
薬物療法が効果不十分だったり、前立腺症状スコアが高く、日常生活に支障が出るような場合には、手術療法が選択される。中でも広く行われているのは経尿道的前立腺切除術(TURP)と呼ばれる方法だ。尿道の先端から内視鏡を挿入し、先端に付いている電気カンナで肥大した前立腺組織を削り取り、尿道を広げる。
TURPは根本的な治療法で症状は改善する。ただ手術手技が難しいため、訓練を積んだエキスパートのいる施設で行うのが望ましい。TURPで前立腺を削ると性機能障害が起こると心配する人がいるが、それは誤解。ただ手術後、精液が膀胱の方へ逆流する逆行性射精という後遺症が残ることがある。
新しい手術法としてレーザーを用いた方法も普及し始めている。TURPで用いる電気カンナの代わりにレーザー光を用いるもので、肥大した組織を高熱で焼き切る。治療は30分程度で終わり、安全性が高く、入院期間も短くて済む。保健も適用されており、今後、手術療法の柱になっていくと思われる。(松島正浩・東邦大学医学部付属大橋病院院長)1999.6.19《日本経済新聞》
■肥大ひどい時は一部切除
「74歳の男性。数年前から前立腺肥大症があり、1年前に急性前立腺炎になりました。抗菌薬でおさまりましたが、その後、灼熱感が出るようになり、半年後に前立腺肥大のレーザー治療を受けました。今も症状があり、長時間座るのが難しい状態です。
●どんな病気ですか?
前立腺はクリの実のような形と大きさで、精子に栄養を与える体液を分泌します。男性の膀胱の出口のところに、尿道を包み込むようにくっついています。年を取ると大きくなり、尿道を圧迫する場合があります。その刺激で、最初はトイレが近くなったり下腹部に不快感を覚えたりします。症状が進むと尿のキレが悪くなり、力まないと出し切ることが出来ません。さらに肥大すると尿道がふさがって尿が出なくなります。
●なぜ起こるのですか?
前立腺は男性ホルモンと強い関係がある器官です。年を取るにつれ、男性ホルモンや女性ホルモンなどの作用で肥大が起こると言われています。ある程度大きくなって止まる場合や、大きくなり続ける場合があります。症状が現れるのは、50代~60代です。
●前立腺が炎症を起こすこともあるのですか?
前立腺肥大症になると、出にくくなった尿が膀胱や尿道に残るため、前立腺が病原体に感染しやすくなり、急性前立腺炎を起こすことがあります。
●手術は可能ですか?
肥大の程度が小さいときは薬で症状を和らげます。腫れを引かせる薬、尿道を締める役割をしている筋肉をゆるめる薬や、抗男性ホルモン材などが使われます。薬で肥大そのものが治る訳ではないので、手術は前立腺の内部をくりぬいて尿の通りを良くします。大きければ下腹部を切開して手術しますが、小さければ尿道から内視鏡と電気メスを入れて内側から削る作業だけですみます。いずれも、前立腺の外側を走る神経は傷つけないので、性機能は保たれます。
●レーザー治療はどうですか?
レーザーで内側の組織を部分的に焼く方法です。焼かれた部分はかさぶたになってはがれ、尿とともに出てきます。切除手術に比べ入院期間が短く体の負担は軽いのですが、症状の改善に時間がかかります。前立腺内側の粘膜の再生に時間がかかり、幹線の原因になることがあります。
●手術後に注意することは?
前立腺に負担がかからないように、術後1~2ヶ月は、重いものを持って力まない、自転車やバイクに乗らない。長時間座った姿勢をとらないことなどを心がけることが必要です。」(宇佐美道之・大阪府立成人病センター泌尿器科部長)20005.14《朝日新聞》
■欧米型の食事が誘因に
「加齢によって体に変化が現れてくる。やむを得ないことだが、その中で男性固有のものとして前立腺の肥大がある。高齢者の増加とともに前立腺肥大症に悩む人も増えている。10年前に比べて来院者が3倍ほどになったという医師もおり、患者数は約300万人と、高血圧症の治療者とほぼ同じだとされている。
前立腺は男性の膀胱の出口付近にあるクリの実ほどの大きさの器官である。弱アルカリ性の前立腺液を分泌し、これが精液の中に入って精子を保護する役割を果たす。
50歳代以降になると肥大が始まり、鶏のタマゴやそれ以上の大きさになる人もいる60歳代で約40%、70歳代で約80%の人に肥大がみられるという。
理由ははっきりしていないが、テストステロンの分泌能の低下が関与しているとされている。体内の男性ホルモン、女性ホルモンのバランスが崩れることによって組織が大きくなり、シコリになるのである。
また、食生活の変化も影響している。脂肪や動物性のタンパク質が多い欧米型の食事が誘因になるという。その意味では、前立腺肥大も生活習慣病と言えるかも知れない。
加齢に伴ってある程度は避けられないことで、特段の症状がなければ治療をする必要はない。しかし、肥大が進むと排尿障害というやっかいな症状も出てくる。大きくなったシコリが、尿道を圧迫するのである。このため尿のでやキレが悪くなる。また、勢いが無くなったり途中でとぎれたりする。排尿回数も多くなり、夜中に何度も目を覚ます面倒さも出てくる。
症状は3つの段階に分けられる。
<第1期>尿の出が悪くなったり、夜間にトイレに行く回数が増える程度
<第2期>排尿の際に力を入れなければならず、また、尿が出きらず(残尿)、トイレに行った後もスッキリしない。
<第3期>尿道の圧迫がされに進んで尿の出が極端に悪くなり(尿閉期)、腎不全にもつながる恐れがある。そうなると手術によって肥大した前立腺を切除する必要も出てくる。現在では開腹せず膀胱鏡による経尿道的手術が主流だ。その前の第2期では薬による治療が可能である。
10年ほど前から肥大の程度を自己診断できる国際前立腺症状スコア(IPSS)がよく使われている。これは細菌1ヶ月間の排尿の状況(回数や残尿感の有無、肺如意宇治の力みの程度など)を0~5までの6段階の点数でつけ、その合計で症状の軽重を表すものだ。これが8~19(中程度)であれば第2期に相当する」(中村雅美)2000.7.17《日本経済新聞》
■手術で安全に
「高齢になるとともに前立腺肥大症に悩む男性が増えてくる。命に関わることは少ないものの、トイレに行く回数が増えたり、尿が出きらない感じがするなどの排尿障害がある。順天堂大学医学部泌尿器科学の藤目真教授は「よい薬や体にそれほど負担をかけない治療法があり。気になったら相談を」と言う。
「50歳以上で検診した人の約4%で治療を要する肥大が見つかります」
「前立腺は膀胱の出口付近にあり、精液を作る際に重要な働きをしています。幼少期には小さいのですが、思春期を過ぎる頃には約20g、クルミほどの大きさになります。50gを超えると重症の部類になります」
「恥骨の後ろ側にあるので肛門から指を入れてみないと分からず、自己検診は難しい。60歳以上の人でほぼ半数に組織の肥大が見られますが、必ず症状が出るとは限りません。ミカンほどの大きさになっているのに排尿障害などが無い人は結構います」
「はっきりした原因は不明です。若いときに睾丸を失った人には前立腺肥大が無いことからみると、男性ホルモンが発症の引き金になっているのでしょう。ただ、加齢とともに増えるので、男性ホルモンが肥大を加速させているとは考えにくい。細胞増殖因子やアポトーシスを司る因子とホルモンバランスとが関係しているのでしょう」
「症状が軽いときは尿道を広げるα-ブロッカーなどの薬を使います。薬によっては軽い副作用が出るケースもあり、症状は改善しますが肥大が小さくなることはありません」」2003.7.15《日本経済新聞》
■排尿障害治療薬
「キッセイ薬品工業「ユリーフ」2006年5/11発売。前立腺が肥大すると前立腺の筋肉収縮に関与する「α1A」と呼ばれる受容体が増え、筋肉が過剰に収縮し尿道を圧迫する。この薬は、この受容体を選択的にブロックし、尿道の抵抗感を軽減する
  

【芳香療法】
◎膀胱の上に以下の精油で温湿布する。
      カミルレ
      ジュパニー
  
【ハーブ】
『前立腺ナッツバター(Prosnut Butter)』
「あなたはピーナッツバター又はクラッカーを好みますか?スナックとし  て毎日少しずつ食べることで予防できます。
○パンプキン種子・・・3種類のアミノ酸を多量に含有。
[半カップ(約100g)のパンプキン種子はアラニン(1150~1245mg)、グリシン(1800~1930mg)、グルタミン酸(4315~4635mg)を含有]
○ノコギリパルメット(saw palmetto)
○カンゾウ(licorice)
○バッファローガード(buffalo gourd)・・・・3種のアミノ酸を含有。
○ピーナッツ・・・グリシン・グルタミン酸含有
○ゴマ・・・・・・グリシン含有
○アーモンド・・・・・グルタミン酸含有
○バターグルミ・・・・グルタミン酸含有
 

【処方名-五十音順】
    甘草乾姜湯
    桂枝加竜骨牡蠣湯
    桂枝茯苓丸
    牛車腎気丸
    小建中湯
    大黄牡丹皮湯
    腸癰湯
    桃核承気湯
    当帰芍薬散
    八味地黄丸
    補中益気湯
    苓姜朮甘湯
    六味丸
   ■名古屋セントラル病院(名古屋市中村区太閤3-7-7)052-452-3165
「KTPという特殊なレーザーの能力に着目し、日本ではじめてKTPレーザーによる前立腺肥大症手術(PVP)を2005年に導入。
電気メスを使う従来法に比べて、KTPレーザーを使うと体への負担が軽く、入院期間が短くなる。KTPレーザーは出力が高く、手術後の出血や組織の腫れが少ない。
06年7月、JR東海総合尿院から名称変更した





 喘咳
 【処方名-五十音順】
 葛根湯
桂枝加厚朴杏仁湯(ケイレン性の咳嗽)


 喘急
   =喘息ともいい、喘息の発作で呼吸が困難になる状態を形容する言葉である。
  【処方名-五十音順】
    越婢加半夏湯《医宗必読》
    加減三拗湯《医学入門》
    括樓枳実湯《万病回春》
    杏参散《医学入門》(墜落して驚恐し、喘急して不安)
    五虎湯《万病回春》(傷寒の喘急)
    五味子湯《傷寒活人書》
    紫茸湯
    三乙承気湯《寿世保元》
    三子養親湯《済世全書》
    滋陰降火湯紫蘇子・沈香・杏仁・桑白皮・竹瀝《万病回春》
    地黄丸料桔梗・枳殻・甘草・半夏《医宗必読》
    小青竜石膏湯《金匱要略》
    四七湯《医学入門》
    四物湯(陰虚による喘急。肺脹・肺痿)
    沈香散《寿世保元》
    神秘湯《済世全書》
    清肺湯《万病回春》
    清離滋坎湯《寿世保元》
    千緡導痰湯《寿世保元》
    喘四君子湯《万病回春》
    喘理中湯《万病回春》
    蘇子降気湯《和剤局方》
    定肺湯《袖珍方》
    当帰四逆加呉茱萸生姜湯
    八味地黄丸
    附子理中湯《医方考》
    附子理中湯《医宗必読》
    補中益気湯《寿世保元》
    補中益気湯麦門冬・五味子・附子《医学正伝》
    補肺百合湯《済世全書》
    麻黄蒼朮湯《張氏医通》
    麻黄湯《医方考》
    六君子湯《医方考》


 喘息(ぜんそく) Asthma
(参照→「胃食道逆流症」「慢性閉塞性肺疾患」)
⇒肺の小さな通路(気管支)の筋肉が痙縮することで引き起こされるケイレン性(発作性)の呼吸困難状態。
◎吸気より呼気が困難になる。ヒューヒューと音がします。
1.気管支喘息 asthma bronchiale
2.心臓性喘息 asthma cardiale
3.尿毒症性喘息 asthma uraemicum

◎喘息の程度

■ステップ1:(1)喘鳴とせき。
(2)週1~2回の短い発作。
(3)夜の発作-----月1~2回。
■ステップ2:「中等度」
(1)週1~2回の発作。日常生活や睡眠に支障。
(2)夜の発作-----月2回を超す。
■ステップ3:「中等度」
(1)慢性的に症状あり。
(2)β2遮断薬が毎日必要。
■ステップ4:「重症」
(1)治療していても、症状が常にある。
(2)夜の発作-----しばしば起きる。
(3)日常生活を制限される。

■喘息死--------軽症者も要注意(5~34歳で急増)
「喘息による死が、日本では若い世代を中心に1980年代から急増している。とくに軽症や、重症までいかない中等症の患者の死亡の増加が目立つ。
国内では、人口10万人当たりの喘息による死者は70年の8.8人をピークに下降線をたどり、5.0人だった78年以降は多少の増減はあっても、ほぼ安定した状態が続いていた。ところが、5~34歳の年齢層に限ると、増加傾向にあり、80年代半ばから、その傾向が強まった。
喘息の症状は、発作の回数などから重症・中等症・軽症の3段階に分けられるが、最近は中等症・軽症患者の死亡率が高くなっている。
     
■喘息死を防ぐには
「歌手テレサ・テンさんが42歳で世を去ってから、もうすぐ3年になる。喘息死だった。

■薬の副作用
<1>「アスピリンや酸性非ステロイド抗炎症鎮痛剤でひどい喘息発作を起こすことがあり、一般にアスピリン喘息と呼ばれる。

これらの薬は市販薬にも広く含まれており、飲み薬だけでなく張り薬や座薬などにも含まれている為、気付かずに使用してしまう恐れもある。又、『アスピリン喘息』の人は薬や食品の添加物として使用される「防腐剤」や「着色料」にも反応することが あり、以前にそのような既往歴がある人は十分用心することだ。
この種の喘息は喘息患者の約1割に見られ、女性に多いと言われる。
<2>喘息患者が用心しなければならない、もう一つは『ベーター遮断薬』だ。      

これは「降圧剤」や「心臓の薬」として一般内科診療でもしばしば使われる。ベーター遮断剤は「緑内障」の治療薬にも含まれており、点眼しただけで喘息発作を起こし死亡したという例もある。
<3>『ACE阻害剤(降圧剤)』が副作用として空咳を引き起こすことはよく知られているが、これを引き金にして慢性喘息の症状が悪化したという話もある。又、薬本体には喘息を誘発する作用がなくても、吸い込んだ噴霧液の刺激で気管支ケイレンを引き起こす例もある。1996.10.19《日本経済新聞》
<4>「セラトロダスト」(商品名ブロニカ錠、武田薬品工業)の副作用とみられる肝障害で4人が死亡。1998.3.31《日本経済新聞》


■喘息に新しい発症メカニズム
「国立環境研究所の研究グループは、ディーゼル排ガス中の微粒子のよって引き起こされる気管支喘息に似た症状が、こらまで考えられてきたのとは異なる仕組みで発症することを動物実験で見つけた。ディーゼル微粒子による大気汚染による喘息にたいする治療法の開発につながる成果だ。
  従来、気管支喘息は微粒子の刺激によって免疫グロブリンEという抗体が大量に作られた結果起こるとされてきた。研究グループは「免疫グロブリンG1」でも喘息に似た症状が出ることをネスミを用いた実験で見つけた。
気管支に微量の微粒子などを入れ気管支炎などの症状を起こさせたネズミで血液を調べたところ、免疫グロブリンG1は増えていたが、免疫グロブリンE は検出されなかった。
      
■喘息管理の国際指針
指針によると、

客観的な病状は『ピークフローメーター』で知る。最大呼気流量を測る器具で、大きく息を吸い、一気に吐き出す時の目盛りを読む。気管支の太さを反映しており、健康な人は10%程度しか変動しないが、喘息患者は50%も変動する。「高血圧患者の血圧や、糖尿病患者の血糖値と同様、この値で初めて患者の状態が分かる。   
   
   
   
   ■免疫グロブリンが有効
    「米国立ジューイッシュ医療研究センターは、喘息患者にステロイドと免疫グロ     ブリンを組み合わせて投与する治療法が有効であることを確認したと発表し      た。免疫グロブリンを使用することで、副作用があるステロイドの使用量を減     らせるという。
喘息患者に、従来治療薬として使われているステロイドの糖質コルチコイド     と免疫グロブリンを併用して投与したところ、ステロイドの量が少なくても治     療効果が上がる事が分かった。ステロイドに対する感受性の鈍い患者に対して     特に効果があったため、免疫グロブリンが肺のステロイド感受性を高めている     と考えられる。喘息患者に対する大量のステロイド投与は成長障害や骨粗鬆症     を引き起こすなど副作用が問題になっている。1999.3.24《日経産業新聞》
■投薬、注射後の容体急変
「千葉県に住む女性(64)は今年4月中旬の夜、熱が出て、近くの病院へ。「風邪」と診断され、解熱剤を処方された。帰宅後、この薬を飲むと、体がカーッと熱くなり、息が苦しくなった。夫に車を運転してもらい、同じ病院に駆け込んだ。呼吸困難の発作は、点滴治療で落ち着きを取り戻した。
女性は92年にも似た体験をしたことがある。風邪で頭痛がし、市販の鎮痛剤を飲んだところ、呼吸困難に陥り、救急車で同病院に運ばれた。鎮痛剤の成分アスピリンによる喘息だった。医師は「この薬はもう飲んではいけない」と説明した。
アスピリン喘息は命にかかわる場合もある。女性はそれ以来、「自分の体質をよく知っている医師に診てもらった方が安心」と思い、同じ病院にかかるようにした。
女性の長女が、今回、病院で出された薬を調べたところ、アスピリン喘息患者には使ってはならない薬が入っていた。「薬による発作では」と病院に聞いたところ、主治医から「その通りです。申し訳ありませんでした」と謝罪があった。
薬による発作を防ぐため、同じ病院にかかっていたのに、なぜ恐れたいたことが起きてしまったのか。女性が受診したのは夜間で、かかりつけの主治医とは別の医師が診察した。「アスピリン喘息」の記載があったが、この医師は見落としていたという。
長女は「母は医師に“薬を飲んでも大丈夫ですね”と念を押したのに-----」とやりきれない様子。「主治医も『ミスを防ぐシステムが必要だが、どうしたものか』と頭を抱えているようでした」という。
東京都の50歳代の男性も同様の経験がある。高血圧の治療を受けた際、喘息の持病があることを告げた。医師は「大丈夫」と言って4種類の薬を処方した。しかし、その中の降圧効果のあるβ遮断薬の一種が気になり、別の病院の医師に見せたところ、「喘息患者に使ってはいけない。危ないところでした」と言われた。」
■原因物質-----プロスタグランジンD2
「京都大学と岐阜薬科大学の共同チームは、アレルギー性喘息が起きる原因物質を突き止めた・患者の体内に存在するプロスタグランジンD2(PGD2)と呼ばれる物質。花粉症や鼻炎など他のアレルギー性の病気にも関係していると考えられ、広くアレルギー性の病気の症状を引き起こす物質を与えると、器官に粘液が出たり過敏になったりするが、受容体のないマウスでは症状は起きず、PGD2がアレルギー性喘息の引き金を引くことが分かった。研究成果は、米科学誌「サイエンス」に発表した。2000.3.21《日経産業新聞》

   
■過剰投与で死亡
「奈良の長女薬殺未遂事件で、奈良市青山、准看護婦坂中由紀子容疑者(43)が長女(15)殺害を目的に混入したとされる喘息治療薬の主成分『硫酸サルブタモール』は、過剰投与による複数の死亡例が国内にもあり、海外では肺水腫を引き起こしたと報告されていることが、23日わかった。
硫酸サルブタモールは不整脈や心停止などの副作用が指摘されている。しかし、毒劇物ではないので、致死量は不明確。24時間以内に大半が尿などとして排泄されるため、致死性は低いと見られ、反抗に使用されての死亡例の報告もなく、混入で殺意が問えるかどうかが焦点となっている。
しかし、日本アレルギー学会の調査では、1990年~96年の間に把握した喘息の死亡例123例nおうち、15%にあたる18例が薬物過剰投与によるもので、このうち11例が硫酸サルブタモールやそれと同じ薬効・副作用を持つ定量噴霧式気管支拡張剤によるものだった。
このほか、硫酸サルブタモールを投与された患者が肺水腫を起こした例が、英国の医学誌に報告されていることも判明。
硫酸サルブタモールと同種のゼンソク治療薬の副作用に関する研究成果では、頻繁に投与を重ねると、過敏性が増し、わずかな量で過敏な薬効と副作用が現れることも分かっている。」

■喘息薬吸入は死亡減らす
「喘息の治療に欧米で広く使われ、日本でもガイドラインで勧められているステロイド薬の吸入治療法は、症状を改善するだけでなく、死亡のリスクも減らしていることが、大規模な疫学研究で確かめられた。カナダ・マギル大学のサミー・スイサ博士らが米医学誌には発表した。
対象になったのは1975年~91年までの間、喘息薬を使っていた約3万人。
スイサ博士らは「低用量のステロイド吸入は、喘息死亡のリスクを下げることが分かった。吸入を中断することは、患者にとって良くないことかもしれない」と指摘する。2000.8.27《朝日新聞》



■リンパ球の一種が原因
「2008年11/17、理化学研究所はアレルギー性喘息の発作を引き起こすもとになる『気道過敏症』の発症の仕組みを動物実験で解明した。
成果は11/17の米科学誌に掲載
アレルギー物質の吸引で生じるタンパク質に、リンパ球の一種が反応し、気道収縮を引き起こすという。喘息患者の多くが様々な外部刺激に反応しやすく、気道が収縮する気道過敏症になっており、症状が続くと発作につながる。ただ、詳細なメカニズムが分からなかった。
理研は、リンパ球の一種『NKT細胞』のうち、表面に『IL-17RB』という構造のタンパク質を持つ細胞が、気道過敏症の原因になっていることを突き止めた。
遺伝子操作でこのNKT細胞を無くしたマウスでは、アレルギー物質を投与しても気道収縮などの症状が起きなかった。
アレルギー物質が体内にはいると特殊なタンパク質分子ができ、IL-17RBと結合。その後、気道の炎症などを起こす細胞の働きが活性化するという。IL-17RBの働きを抑える物質の投与で発症を抑えられた。」

■MN-221
「2010年、医薬品開発のベンチャー「メディシノバ」は気管支喘息急性発作治療薬MN-221。MN-221は平滑筋の中にある受容体に作用し、狭くなった気相を広げる作用があると見られる、既存薬が心臓にある別の受容体にも作用して心臓の動悸が激しくなる副作用のリスクがあるのに対して、特定の受容体を選んで作用するため副作用を抑えられる可能性がある。
米国で第2相治験中。
この薬は肺や気管支の炎症を引き起こす酵素「フォスフォジエステラーゼⅣ」(PDEⅣ)の働きを抑えるだけでなく、炎症に関与するとされる「PDE1」の働きを同時に抑えるのが特長。
英国で2009年、この薬を16人の患者に投与した。
【西洋薬】
 『ステロイドモンテルカスト』
「米製薬大手、メルク社の研究グループは、喘息治療に経口薬のモンテルカストと吸入ステロイド薬を併用すると、ステロイド薬の使用を単独で使用するときに比べて、副作用を少なくできることを突き止めた。
ヨーロッパで10ヶ国で吸入ステロイド薬と気管支拡張薬を併用している成人喘息患者581人にモンテルカストを1日10mg与えたところ、約1年後に2/3の患者はステロイド薬を完全に使わなくて済むようになった。
吸入ステロイド薬は気道の炎症を抑える働きがあるが、長期使用による副作用が問題となることがある」2000.5.17《日経産業新聞》

『抗体医薬品』
「協和発酵は生理活性物質インターロイキン5(IL-5)を狙った喘息治療用の抗体医薬品の臨床試験を2006年中に欧米で開始する。喘息のカギを握る「好酸球」と呼ぶ白血球に結合し、細胞死を促すという。100%子会社の米バイオワを通じて治験を始める。
この抗体医薬品は「BIW-8405」。
子供や成人の比較的重い喘息や副鼻腔炎の合併症などが対象。
好酸球を活性化させる「インターロイキン5」という生理活性物質が結合する受容体タンパク質にくっつき、IL-5と受容体の結合を妨げる。IL-5にくっつく抗体医薬品は世界で初めて。
抗体医薬品を患者に投与すると、好酸球表面のIL-5受容体にくっつく。好酸球は活性化刺激を受け取れなくなり、次第に死滅していく。
さらにこの抗体医薬品は、結合した細胞を周囲から攻撃させる『ADCD活性』と呼ぶ機能を特別に高めてある。これらの2つの作用で、好酸球を効率よく細胞死に追い込み、喘息を治療する。
■抗炎症薬と気管支拡張剤の併用
「GSK(グラクソ・スミスクライン)は、前素行患者に対し気管支の慢性的な炎症を抑える薬と気管支拡張剤を併用した治療効果に対する調査家かを発表した。喘息の発作により入院や予定外の受診でなどを経験する患者が大幅に減り、喘息の抑制に大きな効果があった。
調査は2004年8月~05年1月まで全国の医療機関71施設478人の患者を対象に実施。対象者の約44.4%が併用治療前の6ヵ月以内に喘息発作による予定外の受診などを受けていた。
こうした患者は6ヵ月の併用治療を受けた277人うち14.1%に減少。
ステロイド剤と気管支拡張剤の併用療法より効果的だった。」20063/20《産業》
■原因タンパク質
「理化学研究所と米ハーバード大学ブリガム婦人病院は、喘息やアレルギーを起こすタンパク質の立体構造を解明した。炎症物質を作るタンパク質の立体構造が分かったのは今回が初めて。
日本のプロジェクト「タンパク3000」の研究成果で、ネイチャー電子版に2007年7/16に掲載。
タンパク質は、人間の細胞膜にくっついていて、気管支を収縮する物質などを作る『LTC4S』。アレルギーや喘息などに深く関わっているとされる。研究グループは約0.1㍉㍍角のタンパク質の結晶を作ることに成功し、SPring-8(大型放射光施設)を使って解析した
■遺伝子異常
「英ダンディ大学のチームは2006年、皮膚表面の湿度を保って異物を閉め出す保護層の形成に大きな役割を果たす『フィラグリン』と呼ぶタンパク質の生成に関与する遺伝子が突然変異によって機能を失うと、皮膚から体内に異物が侵入してアトピー性皮膚炎や喘息を発症しやすくなることを発見。
(http://www.dundee.ac.uk/)ソームナート・ムコパダイ博士らは、さらに同じ遺伝子異常を持つ人は3~6倍の頻度でステロイド剤を多く吸入する必要があることを突き止めた。

 

■病態を示す指標

「米国のエール大学、ウィスイコンシン大学などのグループは、重度の喘息の発症に特定のタンパク質が関係し手いる可能性があるとする報告をまとめた。

『YKL-40』という物質が病態を示す指標になっているという。 喘息患者253人のYKL-40の血中濃度を測定したところ、重度の冠者になるほど濃度が高かった。YKL-40の濃度は肺機能や気管支壁の厚さとも関係しているという。」



【禁忌】
<1>β遮断剤(血圧降下剤の一種)
<2>コリン作動剤
<3>解熱鎮痛剤(アスピリン喘息の人)

【鍼灸】
「肺兪穴」《沢田流聞書鍼灸眞髄》

【芳香療法】
<1>ベルガモット:肺の感染症
<2>カミルレ:アレルギー
<3>クラリセージ
<4>ラベンダー:肺の感染症
<5>ネロリ
<6>バラ
<7>乳香:

①気管支炎・カタルを併発しているとき。
②呼吸を深くする

【色彩療法】
<1>紫色(発作中)
<2>緋色(発作中)
<3>オレンジ色(発作中)(緩解期)
<4>レモン色(緩解期)
<5>赤紫色(緩解期)

【宝石療法】
     アンバー

【民間療法】
*アカザ
*アロエ:痰の切れをよくする。
*ザクロ:実の皮甘草
*センブリ:胸が詰まるような発作に
*ヨモギ


「VC」・・・・ヒスタミンの放出を阻害する。
「VB6」
*50mg×2回/日で喘息発作の頻度と強さを減少。 *「Melvyn Werbachは1日当たり200mgのVB6を気管支拡張薬及びステロイドの喘息投与に添加した。」

【ハーブ】

☆ 最大の抗喘息物質
「カンゾウ」 「チャ」 「カルダモン」 「コーヒー」 「コラ」(cola) 「タマネギ」 「スベリヒユ」(purslane)
☆6種類の抗喘息物質。
「チャ」 「フェンネル」 「カイエンヌ」(cayene)トウガラシの粉末香辛料
☆5種類の抗喘息物質
「タマネギ」 「コリアンダー」 「ピーマン」
☆4種類の抗喘息物質
「キャベツ」 「カカオ」 「ニンジン」(carrot) 「クランベリー」 「カラント」 「ナス」 「グレープフルーツ」 「オレンジ」 「オレガノ」 「セージ」 「トマト」




【漢方療法】《済世薬室》
◎喘息、幼年より発する者あり、中年に発する者あり。幼少に発する者は、胎毒に属する。中年以後は積気に因る者多し。
<1>胎毒:神秘湯加減の「化毒丸」を少々兼用する。
<2>小児:「三霊湯桔梗・貝母」
<3>痃癖:柴胡鼈甲湯《外台秘要方》
  痃癖で激したとき:「麻黄甘草湯」
<4>発作時:「治喘一方」
<5>時候の変わり目に起こる:桂枝加厚朴杏仁湯
   

◎八種類の喘息(後世派)
<1>風寒喘=普通の風邪が、封緘のなかで欝すると肺が腫れて喘となる。
(処方):[金沸草散][麻黄散][人参潤肺散][九宝飲]
  (寒):[加味三拗湯][人参定喘湯][小青竜湯][参蘇温肺湯][五味子湯][九味理中湯] [ 五虎湯][止喘元]
<2>火喘=手太陰の脈が動くと、肺が脹って喘咳する。これによって生じる病は、咳をし上気して、喘喝し、煩心して胸満する。
(処方):[白虎湯瓜蔞仁・枳殻・黄芩][隻玉散][麦門冬散][加味生脈散][加減瀉白散][滋陰降火湯][瀉火清肺湯][玉液散][玉華散]
<3>水喘=水気というのはゼーゼーと声がし、怔忡し喘息する症。
(処方):[葶棗散][葶藶大棗瀉肺湯][神秘湯][平気散][加減瀉白散][平肺湯]
<4>痰喘=痰は喘息になるとすぐ痰声が出る。
(処方):[千緡湯][千緡導痰湯][加減三奇湯][貝母散][平肺散][潤肺膏][紫蘇半夏湯][定喘化痰湯][蘇子導痰降気湯][大蘿皀丸][袪痰丸]
<5>気喘=驚き心配し、気が欝してビックリして悶々とし、息を吸うとき鼻がピクピクして呼吸がせわしくなりながら、痰声のない症。
(処方):[加味四七湯][四磨湯][六磨湯][清気湯][蘇子降気湯][定肺湯][加味白朮散][杏仁半夏湯][杏蘇飲][加味四君子湯][沈香限気湯]
[調降湯]
<6>胃虚喘=胃が弱って極度に達したら、気が上逆して肩が凝る。
(処方):[生脈散杏仁・陳皮・白朮]
<7>陰虚喘=血が虚し、陽がよりどころがないと、上に昇る。
(処方):[四物湯芍薬倍加・人参・五味子][寧肺湯][人参五味子散][潤肺豁痰寧嗽湯]
<8>久喘=長引くもの。
(処方):[単人参湯][小蘿皀丸][人参半夏丸][人参紫菀湯][人参潤肺丸][定喘湯][煎散][金不換散]
  

【処方名-五十音順】(喘息)
■一物瓜蒂湯
■烏薬平気湯
■温清飲
■越脾加半夏湯
■河車大造丸
■葛根湯
■葛根黄芩黄連湯
■栝楼薤白白酒湯
■乾姜附子湯
■甘草乾姜湯
■甘草麻黄湯
■橘皮枳実生姜湯
■芎帰調血飲
■桂枝加厚朴杏仁湯
■桂枝去芍薬加皀莢湯
■桂枝茯苓丸
■厚朴大黄湯
■厚朴麻黄湯
■柴胡桂枝乾姜湯
■柴胡桂枝湯
■柴朴湯
■三黄瀉心湯
■滋陰降火湯
■四逆散
■四君子湯
■梔子甘草豉湯
■芍薬甘草湯
■十棗湯
■小陥胸湯
■小建中湯
■小柴胡湯半夏厚朴湯
■小青竜湯
■神秘湯
■蘇子降気湯
■大柴胡湯半夏厚朴湯
■大承気湯
■竹葉石膏湯
■通導散
■葶藶大棗瀉肺湯
■桃核承気湯
■当帰建中湯
■当帰芍薬散
■都気丸
■人参湯
■麦味地黄丸
■麦門冬湯
■八味地黄丸
■半夏厚朴湯
■半夏瀉心湯
■白虎湯
■風引湯
■茯苓杏仁甘草湯
■平胃散
■変製心気飲
■防風通聖散
■麻黄細辛附子湯
■麻黄湯
■麻杏甘石湯
■麻杏薏甘湯
■木防已湯
■射干麻黄湯
■六君子湯
■苓桂朮甘湯
■苓甘姜味辛湯
■苓甘姜味辛夏仁湯
■苓甘姜味辛夏仁黄湯
■苓姜朮甘湯
  

【臨床例】
☆ぜんそく
「奥州、仙台の、〇井屋甚七は積年、哮喘を患う。大抵は毎月必ず発す。其の疾苦甚だし。則ち、熱煩し、怔忡し、食を絶し、寝を癈す。喘咳は殊に甚だし。
《吉益東洞》先生は之を診す。小青竜湯及び滾痰丸をつくりて之を飲む。時に紫圓を以てし、百有餘剤を服して全治す。」《建珠録》




喘鳴(ぜんめい)stridor,wheeze
⇒気道閉塞の特徴で、呼吸時にヒューヒュー、ゼーゼーと音を伴うもので、気管支喘息ではよく見られる。
◎特徴:呼吸数の増加を伴わない。

■しつこい喘鳴に注意
「先天性の病気だからといって、生まれた時から症状があるとは限らない。むしろ生後しばらくしてから初めて症状が出てくる方が多い。Sちゃんの場合もそうだった。9ヶ月目に風邪を引いてゼイゼイ(喘鳴)が気になった。知覚の医師から喘息性気管支炎でしょうと言われ、気管を広げる薬(気管支拡張剤)を処方された。しかし症状は一向に改善せず、むしろ呼吸が苦しくなってきたため、小児呼吸器の専門医に紹介された。
レントゲンの所見から、気管が細い病気(気管支狭窄症)であることが分かり入院した。検査の結果、肺動脈が気管を巻き込んで圧迫するために起こる、先天性の気管支狭窄症と診断され、肺動脈をつなぎかえる手術が必要と説明された。
無事手術を終えたSちゃんは、現在3歳になった。元気一杯で、少しくらいの風邪を引いてもゼイゼイすることはなくなった。もちろん呼吸が苦しいということもない。
子供の気管は成人と比べ、細いだけでなく柔らかいという特徴がある。そのため、特に1歳未満の子供は風邪を引くとゼイゼイすることが多いのだが、呼吸が苦しくなる場合に喘息とか喘息性気管支炎と診断されることが多い。実はこの時期の喘鳴を診断するのは小児科医にとっても難しい場合がある。   

【処方名-五十音順】
■黄蓍建中湯
■五虎湯
■柴朴湯
■小青竜湯
■参蚧散
■神秘湯
■蘇子降気湯
■白果定喘湯
■木防已湯
■射干麻黄湯
■苓甘姜味辛夏仁湯


喘満(ぜんまん)
  【処方名-五十音順】
■木防已湯


全身倦怠感
■九味檳榔湯
■四君子湯
■十全大補湯
■清暑益気湯
■当帰芍薬散
■人参養栄湯
■麻黄細辛附子湯
■抑肝散
■抑肝散加陳皮半夏
■苓姜朮甘湯



蠕動不穏
  【処方名-五十音順】
■小建中湯大建中湯
■大建中湯
■附子粳米湯大建中湯


全身灼熱感
■桃核承気湯


全身性エリテマトーデス(SLE) Systemic Lupus Erythematosus
(参照→「膠原病」)
⇒膠原病の一種。

20~30才代の女性に多く(8:1)、顔面に鼻を中心にして両頬に広がる蝶形の発疹が見られる(50%)ことが多く、腕・手指・体幹・足などに対称性の紫斑・シンマシン・爪の硬結・水疱をつくる。発疹は境界鮮明な紅斑である。

■インターフェロンα
「患者体内でインターフェロンアルファ(タンパク質)が何らかの理由で健康な人と比べて高濃度になり、自分自身の正常な細胞まで攻撃することで起きる。
疲労や発熱、関節の痛み、日光過敏症や臓器障害など全身に様々な症状が出る。
中年以降の女性が発症しやすい」
◎症状:

発熱・全身倦怠・体重減少とともに徐々に始まり、慢性に経過する。
*発熱
*関節痛
*Ⅲ型アレルギー
*発疹:(蝶形紅斑)
*光線過敏症
*心内膜炎
*ループス腎炎
*尿路感染症
*胸膜炎
*肺胞内出血
*精神神経症状
*腹膜炎      
*レイノー現象。
*肝脾腫

◎検査:
*貧血:正色素貧血、ときに後天性溶血貧血
*白血球減少
*赤沈:促進
*CRP:陽性
*Alb:減少
*Glb:増加
*フィブリン:(↑)
*ムコタンパク:(↑)
*膠質反応:(↑↑)
*梅毒反応BFP:陽性
*抗核抗体:陽性
*LE cell:(++)---85%
*RA-test:(+)
*RF:(+)
*血小板:(↓)
*WBC:(↓)
*γーグロブリン:(↑)
*ANA:(+)
*ERS:(↑)
*抗Sm抗体:(++)
*抗ds-DNA抗体:(+)
*補体価:(↓)
   

◎診断基準(アメリカリウマチ協会):
以下の11項目から4項目以上陽性ならSLEと診断してよい。
<1>顔面紅斑:
 頬骨隆起部の、扁平あるいは隆起性の持続性紅斑、鼻唇皺襞は避けることが多い。
<2>円板状皮疹:
*癒着性角質性鱗屑および毛嚢角栓を伴う隆起性紅斑。

*古い病変部に萎縮性瘢痕の起きることがある。
<3>光線過敏症:
*患者の既往歴あるいは医師の観察による日光曝露に対する異常反応としての皮疹。
<4>口腔潰瘍:
*医師の観察による、通常痛みを伴わない口腔あるいは鼻咽頭潰瘍。
<5>関節炎:
*2カ所以上の末梢関節の、圧痛・腫脹あるいは液貯留を示す骨破壊を伴わない関節炎。       
<6>漿膜炎:
a.胸膜炎----胸膜痛の確実な既往歴。
 或いは医師による摩擦音の聴取、あるいは胸水の証明。
b.心膜炎---心電図あるいは摩擦音により確認されたもの。あるいは心膜液の証明。
<7>腎障害:
a.1日0.5g以上の持続性タンパク尿。
 定量がなられていない場合-----3+以上の持続性タンパク尿。
b.細胞性円柱ー赤血球、ヘモグロビン性、顆粒性、尿細管性、あるいは混合性でもよい。
<8>神経障害:
a.ケイレン発作:薬剤あるいは、尿毒症、ケトアシドーシス、電解質異常などの代謝異常によるものでないこと。
b.精神病:薬剤あるいは、尿毒症、ケトアシドーシス、電解質異常などの代謝異常によるものでないこと。
<9>血液異常:
a.溶血性貧血--------網状赤血球増加症を伴う。あるいは、
b.白血球減少症----2回以上にわたり4000/mm3以下。あるいは、
c.リンパ球減少症-2回以上にわたり1500/mm3以下。あるいは、
d.血小板減少症-----10万/mm3以下。原因薬剤のないこと。
<10>免疫異常:
a.LE細胞---------陽性。あるいは、
b.抗2本鎖DNA抗体--異常高値。あるいは、
c.抗Sm抗体---------陽性。あるいは、
d.梅毒反応の偽陽性。
少なくとも6ヶ月間持続し、Treponema pallidum固定試験あるいはReiter試験で偽陽性が確認されたもの。
<11>抗核抗体:
a.免疫蛍光法orそれに相当する方法による抗核抗体の異常高値。
b.経過中のいかなる時点でも良い。
c.ループス症候群を誘発しうる薬剤を投与されていないこと。
   

■発症にはNKT細胞が関係?
「全身性エリテマトーデスという病気がある。発熱や関節炎、腎臓などの臓器障害といった様々な症状が体中に出る難病で、若い女性に多い。
この病気は、細菌やウイルスから体を守るはずの免疫系が、どういう訳か自分の臓器や組織を攻撃するために起きる。いわゆる自己免疫疾患の1つである。免疫抑制剤などで症状を抑える治療をする。
千葉大学医学部第二内科のチームは、全身性エリテマトーデスの患者5人と健康な4人の血液を検査した。「NKT細胞というリンパ球の一種が、発症に関わっているのではないか」という推測を確かめるためだ。
NKT細胞は、T細胞とNK細胞という別々のリンパ球の特徴を同時に持つユニークな免疫細胞である。血液を分析した坂本明美医師は言う。「患者の血液中には、ある種のNKT細胞が、最も多い人でさえ、健康な人の1/10しか存在しませんでした。全く検出出来ない人もいました」
NKT細胞が少ないことと発病は、どのように関係しているのか?
千葉大医学部の谷口克教授(免疫学)は、自己免疫疾患を起こしやすい性質のマウスへ、NKT細胞の働きを抑える注射をした。案の定、何も注射しなかったマウスに比べ、早く自己免疫疾患を発症してしまったと言う。
同時にこのとき、自己組織を攻撃する乱暴者の免疫細胞の数も増えていた。      


【処方名-五十音順】
■黄連解毒湯
顔面紅潮し、精神不安があたり、皮膚症状や血尿、鼻出血などがある者に用いる(漢方診療医典)
■袪風敗毒散《寿世保元》
■桂枝茯苓丸
SLEに用いてよいことが多い。腹証その他によって血証を確かめて用いるものである。ステロイド剤長期投与により瘀血が生じやすい。(漢方診療医典)
■柴苓湯
ステロイドの大量投与時に、柴苓湯が併用される。柴苓湯はステロイドの効果を増強する作用と、副作用を予防する効果があるとみられる(漢方診療医典)
■十味敗毒湯
本方を用いることもある。小柴胡湯の適応する体質傾向を有するもので、胸脇苦満があり、発赤や浸出液などのある皮膚症状が強いものによい。(漢方診療医典)
■小柴胡湯
慢性期に入り、胸脇苦満の柴胡証を表しているときに用いる。瘀血の証を兼ねたものには桂枝茯苓丸を合方する。ときに五苓散を合方することもある(漢方診療医典)
■腸癰湯
■当帰四逆加呉茱萸生姜湯
レイノー症状のみられるものによい(漢方診療医典)
■当帰芍薬散
冷え症で貧血の傾向があり、疲労しやすく、めまいや動悸などを伴うものに用いる(漢方診療医典)
■補中益気湯
食欲不振、四肢倦怠感がつよく、微熱や寝汗があるものに用いる(漢方診療医典)
■六味丸




全身性強皮症(PSS)

progressive systemic sclerosis
(参照→「膠原病」)
◎分類(ARA、1980)
<1>大基準(major criterion)
近位皮膚硬化(proximal scleroderma)
<2>小基準(minor criterion)
(1)強指症(sclerodactylia)
(2)指尖点状陥凹性瘢痕あるいは指腹パッドの消失
<3>両下肺野繊維症

■複数の病気併発も多い
「茨城県のWさん(32)は、全身性強皮症と多発性筋炎という、複数の膠原病を抱え、長い時間立ったままでいられない。
「ぬれた洗濯物を触ると、半分も干し終わらないうちに指がこわばって動かなくなるので、洗濯はおじいちゃんに手伝ってもらっています」とWさん。体調がおかしくなりだしたのは一昨年の暮れ。手の指がこわばる症状が度々出たり、疲れやすくなったりした。関節がこわばると、服を脱ぐのも難しい。
最初の病名は全身性強皮症。皮膚が硬くなり、肺や消化器や心臓・腎臓など様々な臓器に、線維化という症状が起きる。30歳代以降の女性に多い。
手足などを動かす筋肉に炎症が起きるほか、間質性性肺炎などの呼吸器症状や、悪性腫瘍の合併率も高まる。
「強皮症の診断について、これで良くなるかもしれないと思った矢先の2つ目の宣告だったので、ショックは何倍も大きかった」とWさん。即日入院。
ステロイドを大量に投与する治療が功を奏し、症状はひとまず落ち着いた。9月に退院、

全身性エリテマトーデスと強皮症、多発性筋炎。皮膚筋炎などの比較的軽い症状が不完全に混じり合った『混合性結合組織病(MCLD)』という独立した病気もあり、診断が一筋縄ではいかないのも膠原病の特徴だ。」


 全身性硬化症→(強皮症)

 全身性ポリニューロパチー
(参照→しびれ)



全身発作
⇒全身性あるいは両側性・対称性の運動症状(ケイレンが多い)よりなる。
◎全身発作には以下のものが含まれる。
     ①欠伸発作
     ②ミオクローヌス発作
     ③間代発作
     ④強直発作
     ⑤強直間代発作
     ⑥脱力発作


全身麻痺(全身マヒ)
  【処方名-五十音順】
■四物湯(貧血、皮膚枯燥、動悸<臍上>、神経症状、腹部軟弱、脈沈弱)
■消風散(全身の麻痺感、かゆみ激しい)


全般性不安障害
◎アメリカ精神医学会がまとめた「精神疾患の分類と診断の手引き(DSM-Ⅳ)」による、不安障害の1つ。
◎特徴:
「精神過敏状態が半年以上続き、それによる症状も一進一退を繰り返しながら長期間続くことです。」

■診断基準:下記のA~Fの各項目を満たすことが必要です(DSM-Ⅳ)
A:(仕事や学業など)多数の出来事または活動についての過剰な不安と心配(予期配慮)が、少なくとも6ヶ月間続いている。
そして、起こる日の方が起こらない日よりも多い。
B:患者は、その心配を制御することが難しいと感じている。
C:不安と心配は、以下の6つの症状のうち3つ(またはそれ以上)を伴っている(過去6ヶ月間、少なくとも数個の症状が、ある日の方が無い日より多い)-----[子供の場合は1項目だけが必要]
(1)落ち着きのなさ、又は緊張感、又は過敏。
(2)疲労しやすいこと。
(3)集中困難、又は心が空白になること。
(4)刺激に敏感。
(5)筋肉の緊張。
(6)睡眠障害(入眠または睡眠を続けることが困難、又は落ち着かず熟睡感のない睡眠)
D:不安と心配の対象が、他の障害の特徴に限られていない。
例えば、不安又は心配が、(パニッ障害のように)パニック発作が起こること、(社会恐怖のように)人前で恥ずかしくなること、(強迫性障害のように)汚染されること、(分離不安障害のように)家庭または身近な家族から離れること、(神経性無食欲症のように)重大な疾患があること、によるものではない。
また、その不安と心配は外傷後ストレス障害の期間中にのみ起こるものでもない。
E:不安、心配、または身体症状が臨床的に明らかな苦痛、または社会的職業的な重要な領域における機能の障害を引き起こしている。
F:不安障害が、物質(例:乱用薬物・投薬)または一般的な身体疾患の直接的な生理学的作用によるものではなく、気分障害、精神病性障害、広汎性発達障害の期間中にのみ起こるものではない。




 先端異常感覚 acroparesthesia


先端巨大症
◎顔面全体が大きく、目は鋭く、鼻、下顎が大きく、一見して診断がつくことが多い。
◎舌が大きくなる巨舌症(macroglossia)が見られる。
■顔立ちが変化
「主婦のKさん(61)は、関節痛を見てもらいに病院へ行ったところ、突然、先端巨大症と診断された。血液を調べると成長ホルモンが過剰に分泌していた。MRIで脳に良性の腫瘍が見つかった。この腫瘍が下垂体を圧迫して、ホルモン異常を引き起こしていた。
先端巨大症のほとんどが中高年になってから発症する。自分でも気づかないほどゆっくりと容姿が変わっていく。寺本明・日本医科大学教授は「久しぶりにあった知人から、顔つきが変わったね、といわれることが発見のキッカケになることがある」と話す。
年間の発症患者数は約600名。約3割で糖尿病や高血圧を併発。脳下垂体の腫瘍が元凶であるため、まず手術で除去できるか検討する。1cm未満だと患者の8割が良くなる。1cm以上の腫瘍の場合、成長ホルモンの値が正常に戻る確率は50%を切る。その際は薬物療法に切り替える。
主に2種類の薬が使われてきた。ドーパミンと呼ぶホルモンに作用する『パーロデル』は飲む薬で使いやすいが、1割の患者にしか効かない。成長ホルモンの過剰分泌を抑える『サンドスタチン』は月1回の筋肉注射で約6割に効果がある。
2007年6月に、ファイザーは新薬『ソマバード』を発売した。1日1回、自分で注射する必要があり、使い方が煩雑。1ヶ月の自己負担は約9万円になる。




先端錯感覚
⇒更年期女子に多い。

◎症状:四肢の知覚異常・疼痛を訴える。
       夜間に強い。
◎妊娠・梅毒・ビタミン欠乏症に続発することがある。
◎検査:四肢動脈X線造影
    四肢ブレチスモグラフ


先天性角化異常症
■iPS細胞で解明に
「2010年、米ハーバード大学などのチームは遺伝性難病の患者の細胞から新型万能細胞(iPS細胞)を作り、その特徴をもとに病気の仕組みの一端を解明した。作ったiPS細胞では元の細胞に比べ、染色体の保護や細胞寿命に関係する「テロメア」と呼ばれる染色体末端部分を伸ばす物質が増えていた。
この物質が病気の進行を左右する可能性があるという。
成果は2/18、ネイチャー電子版に発表。
同大学のジョージ・デリー准教授らは皮膚の難病「先天性角化異常症」の患者の皮膚細胞に4つの遺伝子を入れて、iPS細胞を作った。すると元の皮膚細胞に比べテロメアの伸長に必要な物質「TERC」の働きが活発になった。
テロメアは細胞が十分に分裂・増殖できるほど長くなり、病気の状態ではなくなっていた。TERCの働きを強められれば、新たな治療法につながる可能性がある。
先天性角化異常症の患者ではテロメアが短いために細胞が早く死に、皮膚が萎縮したり重い貧血が起きたりする。


先天性筋無力症
■遺伝子
「東京医科歯科大学の山梨祐司教授・日英共同研究チームは、先天性筋無力症の原因となる新しい遺伝子を突き止めた。この遺伝子に変異があると、運動神経と骨格筋が接する「神経筋接合部」をうまく作り出すことが出来ない。
山梨教授らは、147家系の患者の『Dok-7遺伝子』を調べた。この遺伝子に変異があると、神経筋接合部が小さくなる形成不全が起きることがマウス実験で分かっている。
先天性筋無力症のなかでも「形成不全型」21家系すべてで、Dck-遺伝子の変異が見つかった。最終的には約500家系を調査する予定で、
成果はサイエンス(電子版)に掲載」20068/21《産業》



先天性骨髄性ポルフィリア
=「Günther病」参照


先天性食道閉鎖症
■内視鏡手術
「2010年、兵庫医科大学は、生まれつき食道が上下に途切れているグロスA型の「先天性食道閉鎖症」の乳児を、体に小さな孔を開け内視鏡で手術する治療に成功した。」


先天性心疾患
◎種類:
     大動脈縮窄症
     肺動脈弁狭窄症(PS)
     心房中膈欠損症(ASD)
     心室中核欠損症(VSD)
     Botallo管開存症(PDA)
     Fallot四徴症
     Ebstein病


先天性代謝異常症
■特殊ミルク
生まれつき特定の酵素が欠けているなどの原因で、体内にアミノ酸などの栄養素を正しく取り込んでエネルギー源にすることが出来ない先天性の障害。
必要な栄養素が不足し、発育障害や意識障害をもたらす危険がある。
日本では新生児の段階で検査が行われ、同症だと診断されると、種類に応じて治療食や酵素を助けるビタミンの投与などの治療が行われる。
2011年、雪印メグミルクは特殊ミルクの生産体制を刷新する


先天性胆道拡張症
■自家中毒?
「7歳の女児が学校で急におなかが痛くなり、熱も出て給食で食べたものを吐いた。母親によると2~3年前から同じような症状が時々見られ、自家中毒と診断されて治療を受けているという。
診察すると、上腹部を痛がり、押すと抵抗がある。血液検査では血中アミラーゼ値が以上に高い。超音波検査では肝臓下面の総胆管にあたる箇所が野球のボール大に丸く拡張していた。これは先天性胆道拡張症だ。
肝臓で作られた胆汁は総胆管という管を通って十二指腸に流れ込み、膵液とともに消化を助ける作用を持つ。
先天性胆道拡張症は生まれつき総胆管が丸い嚢腫状か、細い楕円の円柱状に拡張している病気だ。本来、十二指腸の壁内で合流すべき総胆管と膵管が、それより離れた上方で合流することが原因で起こる。膵液が胆管内で活性化され、胆管炎や膵炎を起こす。黄疸が出たり、便が白くなったりすることもある。乳幼児期のほか学童期に発見される場合もあり、女の子に多い。
痛みなどの症状に加え高アミラーゼ血症があればこの病気が疑われ、超音波検査やCTで胆管の拡張があれば確定する。長期間放置すると、拡張した簡単や胆嚢からガンが発生することもある。
治療法は手術以外にない。拡張した胆管を切除し、残った胆管と小腸をつなぐ。小児で原因不明の腹痛と嘔吐を繰り返す場合にはこの病気を念頭にいれた検査が必要」(和佐勝史・大阪大学大学院医学系研究科助教授)2003.5.27《日本経済新聞》



先天性胆道閉鎖症
■病態・・・胎生期または生後まもなく胆道の閉塞をきたした状態(胆道の形成不全)
■検査
*黄疸
*ビリルビン・・・高値。新生児肝炎との鑑別が必要。
*腹部エコー
*便・・・・灰白色便
*胆道排泄シンチグラフィー
*肝生検・・・・・確定診断に



先天性トキソプラズマ症
=妊婦から胎児へと病原体のトキソプラズマが母子感染する、ペット病(人畜共通感染症)の一種。 (→原虫による感染症)

◎水頭症や精神障害、運動障害を引き起こす恐ろしい病気。
◎発症例は少ないが、重症すると致死的。
◎妊娠中はペットとの接触には気を付けることが大切。
◎生肉の摂取から感染することもある。(参照→「妊娠」)


先天性尿素サイクル異常症
=アンモニアを解毒出来ない
「人体では摂取したタンパク質の分解過程や腸内細菌の働きで有害なアンモニアが生まれる。アンモニアは様々な酵素の働きで変化し、肝臓で尿素に分解されて尿中に排出される。だが、新生児の約46000人に1人は遺伝子の異常で酵素がうまく働かずアンモニアを下足出来ない。これが尿素サイクル異常症だ。
血液中のアンモニアが多くなり、ケイレンや意識障害などを起きる。精神発達の遅れなどの後遺症の他、症状がひどいと死に至るケースもある。
アンモニアはまずカルバミルン酸に変わり、その後、酵素の働きで4種類のアミノ酸に順番に変わっていくサイクルの中で解毒され、再び次の解毒サイクルにつながる。患者はこのサイクルを回転し続けることが出来ない。そこでアルギUは4種類のアモノ酸の1つ、アルギニンを補う。アルギニンはアルギニン分解酵素ができるように誘導し、尿素とオルニチンに分解されるのを促す。さらにアルギニンはサイクルに入る前のカルバミルリン酸の合成も活性化する。アルギニン分解酵素を生成できない一部の患者を除けば、尿素サイクル異常症を改善できる。」2001.4.12《日経産業新聞》
■国内唯一の治療薬
「味の素の医薬品子会社、味の素ファルマの「アルギU」は、発症がごくまれな疾病向けのオ-ファンドラッグ(希少疾患用医薬品)。国内患者数は約200人と推定され、専門医や患者ガイル病院などの大半に当たる97医療機関が顆粒型を採用。」


先天性ネフローゼ症候群
⇒腎尿細管障害症の1つ。常染色体性劣性遺伝。
◎病因:不明
◎症状:
  *タンパク尿(生後まもなく)
  *浮腫
  *ケイレン
  *感染(頻回に罹患する)

 


先天性プロトコプロポルフィリア
=「遺伝性晩発性皮膚ポルフィリア」

*ポルフィリン代謝異常症の1つ。

*常染色体性優性遺伝。
*薬剤で誘発。

◎症状:
  *腹部症状
  *神経症状
  *循環器症状
  *光線過敏症

 


先天性無痛無汗症
■原因遺伝子を特定。
「熊本大病院小児科の犬童康宏助手グループは13日、遺伝性の疾患で生まれつき痛みを感じない『先天性無痛無汗症』の原因遺伝子を特定したと発表した。
先天性無痛無汗症は有効な治療法がなく、国内では約70人の患者が確認されている。
 骨折しても気付かないことが多く、汗が出ない為、気温が上昇すると発熱で動けないこともあり、患者は入退院を繰り返しているという。病院長でもある松田一郎小児科長は「原因がはっきりしたことで、患者の親たちが厚生省に求めている小児慢性特定疾患の指定に弾みがつけば」と期待している。
 犬童助手によると、研究グループは国内と米国の患者や両親など4家系について遺伝子を分析。痛みや温かさを伝える神経細胞の増殖は、神経成長因子と高親和受容体(TrkA)という2つのタンパク質の結合で促進されているが、この受容体の遺伝子にいずれも変異があることを突き止めた。犬童助手は、他の原因不明の神経疾患も神経細胞に働く因子の遺伝子異常の可能性があるとしている。研究結果は、米医学雑誌「ネイチャー・ジェネチクス」8月号に発表 された。1996.8.14《日本経済新聞》」



尖圭コンジローマ
■治療薬
「持田製薬が尖圭コンジローマの治療薬を2007年度に発売する。性器や肛門の周りにイボが出来る尖圭コンジローマは国内に承認薬がなく、外科手術でイボを切り取るのが一般的。
一般名:イミキモド。は患部に塗るクリーム剤。患部の免疫状態高めて原因となるウイルスを死滅させる。
尖圭コンジローマは20歳代の感染者が多い。」


繊毛病
■原因遺伝子を特定
「繊毛は鞭毛とともに体の至る所にあって様々な生命現象を担っている。繊毛病はヒトの遺伝病の一種で、繊毛などがうまく機能せず、気管支炎や男性不妊を起こす。
東京大学の武田洋幸教授らのチームは、突然変異で通常の内臓と異なる配置で、腎臓肥大を起こすメダカから繊毛病の原因遺伝子を見つけた。この変異は細胞の表面にある繊毛に異常があると起凝ることが知られている。武田教授らはメダカを調べ、繊毛などの活動に不可欠なタンパク質の複数結合した分子が作られていないことを発見。DNAの解析から原因遺伝子を特定した。
ヒトや脊椎動物・昆虫・単細胞生物が持っている遺伝子だった。」2008/12/5


線維症・・・難病の1つ。
■線維症を起こす細胞
2016年12/21、ネイチャー電子版
大阪大学免疫学フロンティア研究センターの審良男教授、佐藤荘助教らは、肺や肝臓が固くなり命に関わる難病「線維症」の原因となる免疫細胞を見つけたと報告。
肺や肝臓などの臓器や皮膚は柔らかく、呼吸や心拍時に形を変えて働く。
炎症が原因で組織が固くなる線維症が起きると呼吸などの能力が低下し、悪化すると死に至る。