<た> つらい症状・病名


WPW症候群

Wolff-Parkinson-White syndrome
=「ウルフ-パーキンソン-ホワイト症候群」
Louis Wolff:米国の心臓専門医.1898年生。
Sir John Paekinson:英国の医師.1885年生。
Paul Dudley White:米国の心臓専門医.1886~1973

心房細動の一種。
興奮伝導は次の順で起きる。房室結節→ヒス系-プルキンエ系→心室→副伝導路→心房。

QRS波の直後のP波が、PR>RPになっている。
WPW症候群では、房室結節を迂回して心房と心室とを結ぶ副伝導路が構造的に基盤となって不整脈を起こす。典型的な心電図はPR時間が短縮およびシラーを有するQRS(δ波)を示す。
◎DC電気的徐細動の適応症で、薬物治療には適さない。
 それ以外に、高周波治療が適応する。
◎禁忌:
ベラパミルおよびその他のCa拮抗薬。



ダイエット
■朝だけの食事と夜だけの食事、どちらが体重が減るか?
「米陸軍の興味深い実験があります。仮に無人島に漂流した人が、毎日2200kcalの食事をするとすれば、朝1回で全部食べるのと夕方1回で食べるのと、どちらの方が体重を減らすことなく食いつなげるか、という実験です。参加したのは男6人、女7人。
その結果、夕食に食べた方が、体重の減少率が少ないことが分かりました。」

なぜバターだけでは太らない?
「消防署のレスキュー隊に所属し、厳しいトレーニングに励む6人を、①まんじゅうグループ、②ケーキグループ、③バターグループに分け、それぞれ500kcal分を、7日間、毎日寝る前に食べ続けてもらい、実験前と後の体脂肪率を比べてみた。もちろん3食は全く同じ内容・カロリーのものを食べてもらった。
体脂肪率がめざましく増えたのはケーキグループ。一方、バターグループの1人は、毎日バター500kcal分を食べ続けても太らなかった」
それぞれのグループを成分で言うと、まんじゅうは「糖質」。ケーキは「糖質脂質」、バターは「脂質」となる。各グループとも摂取カロリーは同じなので、糖質脂質が最も体脂肪を増やす、つまり太ってしまうらしい。でも、なぜなのだろう?
佐藤や米、パンなどの糖質は、膵臓殻で《類聚方広義》インスリンの働きで体に取り込まれる。そして、このインスリンはケーキのような糖質と脂質を含みものを食べると、糖質だけでなく、脂質も一緒に取り込んでしまうのだ。ところが、バターだけを食べても、インスリンはすぐに出ないので、体脂肪がぐんと増えることはない。つまり、油だけが肥満の真犯人ではなかったのだ。」
(NHKためしてガッテン参照)

■赤ワインはダイエットに効く?
「大流行した地中海式ダイエットに組み込まれているためか、ワインのダイエット効果を期待する人も。確かにワインのカロリーはお酒の中では低いが、今のところ、ワインにダイエット効果は確認されていない。逆にワインのタンニン成分が口をさっぱりさせ、食が進むことは知っておこう。食欲を抑えてのダイエットには不向きだと言えるだろう。」(NHKためしてガッテン参照)

■脂肪吸引手術で死亡
「大阪市内の美容クリニックで1996年6月、脂肪吸引手術を受けた5日後に敗血症などで死亡した大阪府内の主婦(当時41歳)に遺族3人が、同クリニックの代表者と執刀医を相手に計約2億円の損害賠償を求めた訴訟は、18日までに、大阪地裁(小野洋一裁判長)で和解が成立した。被告側が遺憾の意を表明し、和解金7000万円を支払うことになった。

■坑ウツ薬にやせる効果
「米デューク大学医療センターは、現在坑ウツ薬や禁煙用の薬として使われている薬剤に、やせ薬としての効果があることを発見した。副作用が口の乾きを覚える程度で軽いため、実用化の可能性が高いとみて、臨床試験を加速する。ただ拒食症や過食症の患者には使うべきではないと警告している。
この薬剤は『バプロプリンSR』と呼ぶ。研究グループは、18人の女性を対象に200mgのバプロプリンSRを1日2回投与。8週間後には約6.2%、体重が減少することを確かめた。偽薬を投与した13人は、約1.6%の減少にとどまったという。」1999.5.26《日経産業新聞》


■デザートの方が、おやつより太りにくい
「寮生活の女子高校生25人をデザートチームとおやつチームの2つに分け、それぞれ同じカロリーのお菓子を食後と食間に、1日2回食べてもらい、2週間後、体重の変化を調べた。
何と、両チームとも体重は減ったのである。その理由は、実験中ほかの間食を禁止していたため。
それまで、間食食べ放題だった彼女たちにとっては、実験前よりも摂取カロリーが減ってしまったのだ。だが、その減り方が、デザートチームの方が大きいのは何故だろう。糖分は膵臓から出るインスリンにより分解され、エネルギーに変えられる。その分泌量や処理能力には個人差があるが、1日3回の食事に合わせて出るように出来ている。つまり、デザートとして食べた糖分は食事用にインスリンで分解される。ところがそれ以外の時間に食べたおやつは、分解しきれずに体に残る分が多く、太りやすいのだ。」(NHKためしてガッテン)

■甘いものは別腹か?
「デザートは別腹とは言っても、胃が2つある訳ではない。食事と同じ胃に収まるのだ。それなのに、食事の時に「もう、いらない。お腹がはちきれそう」と言っていた人が、なぜデザートは食べられるのだろう。
実は胃は『感情の臓器』と呼ばれるほど気分に左右されやすい。食べたいもの、欲しいもののためなら、いくらでも広がるのだ。しかし、これは人間ならではのこと。野生の動物たちは、満腹の時にどんなに大好物を差し出されても絶対に食べないという。(NHKためしてガッテン)」

■体重は遺伝子が決める?
「私たちの周りには、太りやすい人と相でない人がいる。食事を減らしたとしても思うように体重の減らない人がいれば、「やせの大食い」といわれるように、いくら食べても太らない人もいる。同じカロリーを摂取しても体重に差が生じるのは、体質による差、言い換えれば個人の遺伝子(遺伝素因)の差に起因する」
太りやすい体質の人が、食べ過ぎや運動不足などになりやすい環境で生活するとき、肥満が生じる。つまり、肥満は遺伝と環境との両方の関連する病態である。
では、遺伝と環境のどちらが肥満の原因として重要だろうか?
結論から述べると、現在の研究よれば、体重の個人差において遺伝素因は平均で70%も関与している
ただし、統計学的な研究から得られた数値には注意が必要だ。「BMI(体格指数)が遺伝する可能性は70%だ」という表現は、たとえば、「太った人のうち70%は遺伝的に肥満だ」とか、「太った人の過剰な体重の70%は遺伝が原因だ」とかいった意味ではない。正確に言い換えるなら、「あるグループ内の人々に認められれるBMIのばらつき(偏差)の70%は、その人々の遺伝的素因のばらつきによる」となる。
私たち個人にとっては、自分が太りやすい体質なのかどうか、これから肥満になる遺伝素因があるのかどうかが気になるところだ。しかし疫学や統計学は、そうした個人的な質問には答えられない。疫学では、遺伝の影響を受けている人と受けていない人とは明確には区別されず、従って「遺伝的に肥満である」個人を割り出すことは出来ない。
さて、日本では30歳以降の男性と40歳以降の女性で、肥満の問題が深刻化している。肥満が問題になっているのは、飽食やストレスといった環境が日本の社会に存在するからだろう。肥満者の割合が増えているの原因は、環境の変化である。しかし、個人のレベルで見ると、その人が肥満になるかどうかは遺伝的素因の部分で決まる。米呼応や日本のように肥満者が多い社会にも「やせの大食い」の人がいるのは、個人の遺伝的素因によるものだ。
では、中年太りも遺伝子が原因になって生じるのだろうか?
20歳代ではやせていても、30歳代以降になって太ることがある。この原因も遺伝子なのか?
体重のばらつきに関して、遺伝子と環境の影響を調べた研究がある。そrによると、中年以降になると、新たに顕在化してくる遺伝的素因が大きく影響するという。個人が持っている遺伝情報は生まれてから死ぬまで変わらないが、20歳の時と40歳の時とで顕在化する遺伝子が異なり、その結果として中年太りになるのかもしれない。
個人の遺伝情報が規定しているのは、その人が肥満になるかどうかというよりは、その人の体重や体脂肪量だ。遺伝子は、体重が規定された数値になるように、食欲やエネツギー消費量を調節している。遺伝情報による体重調節のメカニズムが解明されれば、っっそして、遺伝子操作や遺伝子治療の方法が進歩すれば、私たちは体重を思い通りに設定できるようになるかもしれない。」(浦原聖可・DHC研究顧問)2000.3.12《日本経済新聞》

■内臓脂肪---健康体に潜む
「ダイエットとは体重を落とすこと」と考える人が多いが、ことはそう単純ではない。健康的なダイエットとは体脂肪を減らすことにあるからだ。最近は、体脂肪の中でも内臓脂肪が生活習慣病と関係が深いことが分かってきた。
「見た目や体重にこだわる人が多いが、肥満で気にすべきなのは体脂肪の量」。こう語るのは、東京都健康づくり推進センター指導科の仲真美子医長。
最近の医学界では、肥満と高脂血症、糖尿病など生活習慣病との関係を見るうえで、体脂肪の量を重視している。医学上の肥満かどうかは体重だけでは分からないのだ。

●筋肉もりもり肥満に注意
肥満を判定する指数として、国際的な指数であるBMI(体格指数)が薦められている。体重(kg)を身長(m)の2乗で輪って算出し、25以上を肥満、18.5未満を痩せすぎと判定する。
しかし、この指数では正常範囲でも、脂肪が非常に多い人なら、生活習慣病にかかるリスクは高まる。
見かけは太っていなくても、実際は健康とは言えない『かくれ肥満』を見分けられるかが、健康的なダイエットに踏み出す第一歩。その判断の目安が、体脂肪だ。一般的には体脂肪率が男性で25%、女性で30%以上の人を肥満としている
さらに、体脂肪率が標準というだけでは、肥満と無縁とは言い切れないことも最近分かってきた。
「“筋肉もりもり肥満”とでも呼びたくなる内臓脂肪型肥満が20~40代の男性を中心に増えている」。全国でも珍しい肥満外来を開設しているおのむら医院(福岡県芦屋町)の小野村健太郎院長はこう話す。外見は筋肉質で健康そうに見えても、おなかの断面図をCT(コンンピューター断層撮影装置)で撮ると、脂肪の間に内臓が浮かんでいるように見える。
日本肥満学会では内臓脂肪型肥満の定義を、おなかの断面図における内臓脂肪面積が100平方センチ以上などとしている。。
実は生活習慣病との関係が深いのは、外見を太ったように見せる皮下脂肪より、内臓周囲に付着する脂肪の方だ。内臓脂肪は内臓の位置を正常保つ働きがあるが、多すぎると肝臓の代謝機能に異常を起こすなど様々な弊害を生じる。

●体脂肪計では分からない。
内臓脂肪の量は、市販の体脂肪計では分からない。病院でCTを撮ってもらえば一目瞭然だあ、へその下をつまんでみるだけでも目安にはなる。あまりつまめないのに体脂肪率が高ければ、内臓脂肪が多い可能性がある。ウエストをヒップで割って男性1.0以上、女性0.8以上の場合も内臓脂肪型肥満の疑いがあるそうだ。
夜間の飲食量が多いビジネスマンだけでなく、若者でも深夜に飲食する機会が多い人は内臓脂肪を蓄えやすい。夜型のライフスタイルが浸透するにつれ、見えざる肥満人口は着実に増えている。仕事を終えた後、熱心にスポーツクラブに通っている人も安心できない。運動後の食欲が旺盛なときに飲食して、すぐ寝ると、内臓脂肪がつきやすい。
横浜市のH.E.C.サアアイエンスクリニックの平尾紘一所長は「まず、自分がどのタイプの肥満かを把握してからダイエットを始めるべきです」と指摘している。タイプにより、効果的な食事と運動の組み合わせが異なるからだ。」2000.4.1《朝日新聞》


■粗食でやせる?
「“粗食を続けているのに、やせない”無職のAさんは不満が一杯。外食が多かったので、「食事節約とダイエットのため、粗食に切り替えた」という。 和食中心で油控えめがモットー。

よく食べていたスナッック菓子やチョコレートなどは口にしなくなった。「朝食は、ご飯、納豆、みそ汁、詰め物、アジの開き」「昼食は、とろろソバ、野菜ジュース・・・」Aさんがつけている食事日揮には、いかにも健康的なメニューが並ぶ。
ところが、Aさんの場合、「和風の食材なら低カロリー」との思いこみがあった。日記につけたような食事では物足りないと、おやつや夜食代わりに、豆腐やそうめんをペロリと食べていた。「低カロリーだから大丈夫」と、ついついお腹一杯になるまで食べることもある。「あっさりしているし、体にも良さそうだと思った」と言う。だが、いくら低カロリーでも大量に食べれば、ダイエット効果は期待できない。

(YES/NO)?

①豆腐1丁(400g)はブタもも肉(100g)より太らない?
②同じ大さじ1杯ならハチミツは砂糖より低カロリー?
③ざるそば1人前はご飯1膳より低カロリー?
④ゴボウやレンコンは野菜の中でもカロリーが低い?
(武庫川女子大栄養学講座のクイズ)・・・正解はすべてNO。

旬の魚や野菜、豆腐、納豆など、昔から日本人が食べてきた食事を見直そうという『粗食』が、健康食として注目を集めている。レシピを紹介する本が売れ、粗食と銘打ったメニューを取り入れる社員食堂も出てくる始末。しかし、ブームの裏側で、Aさんのように意味を間違えて理解した「粗食もどき」に走る人も少なくない。“粗食の過食が増えている”と指摘するのは、武庫川女子大学の小西すず助教授。小西助教授が主婦を対象に健康的なダイエットを目的にした「いきいき栄養学講座」を開講しているが、参加者の食生活を調査する中で、そんな実態が浮かび上がった。
毎食前に豆腐を1丁食べる人、サバなど青魚を大量に食べる人、何にでもゴマを振りかける人・・・・。どの人も「粗食として取り上げられる食材は、健康に良くて低カロリー」との思いこみがあるようだ。「トンカツやステーキの食べ過ぎで太っている主婦はむしろ少ない」と小西助教授。わざわざ選んだ食品を摂りすぎてカロリーオーバーという結果を招いている。
もう1つ、粗食ダイエットの意外な落とし穴にはまるタイプもあった。それは「ソウメンやお茶漬けしあ食べていないのにやせない、という主婦がいる」と小西助教授は指摘する。ソウメンやご飯だけの食事では、タンパク質が不足して脂肪と一緒に筋肉も落ちてしまうからのようだ。「脂肪を燃やしエネルギーに変える筋肉の量が少なくなると、基礎代謝が落ちてやせにくいカラダになる」と話す。
小西助教授の講座では、肉や魚、卵などのタンパク系食品を毎食2品、野菜は毎食たっぷり、ご飯は80gなどの10か条を満たす、1食400kcalのメニューを紹介。バランスが良くてボリュームもある食事に変えるコツを伝授する。「信仰のように、魚や納豆ばかり食べる時期があった」と話す主婦(45)も講座に参加して約5kgの原料に成功した。
「生活習慣病をきにして粗食を心がけ、低栄養になっている高齢者が多い」と指摘するのは、神奈川県立保健福祉大学の杉山みち子教授。自立した高齢者を対象に調査したところ、肥満予防や糖尿病コントロールのために食事を制限していると回答した人の約2割が、低栄養を示すタンパク質不足の予備軍だったからだ。高齢者が低栄養に陥ると、抵抗力が落ちて病気へのカウントダウンが始まる。
年を取ったら肉や油は控えめに粗食に、と考える人は多いが、「高齢になったからという理由で特定に食品を避けるべきではない」(杉山教授)。健康な高齢者は生活習慣病の予防より老化予防を心がけるべきで、「食べ過ぎを気にするより欠食を避ける。動物性タンパク質を十分にとること」と杉山教授はアドバイスする。 2003.8.14《日本経済新聞》

■食事誘発性熱産生(DIT)
「同じ食事内容でも、夜型の生活時間に食べると、食後の発熱量が(朝型食事に比べると)少なくなることが、中村丁次・神奈川県立保健福祉大学教授らの研究で分かった。
#夜型は太りやすいと云われるが、エネルギー消費の面から説明がつく結果。2008年5/2から埼玉県で開かれる日本栄養・食糧学会で発表。
食事を摂ると、消化活動のために体温が上がり、エネルギーを消費する。これをDIT(食事誘発性熱産生)といい、DITが高いほど太りにくい。
研究は、健康な女子学生18名を被験者に実施。1回約500kcalの同じ食事を、午前7時、午後1時、午後7時に食べる「朝型」と、午後1時、午後7時、午前1時に食べる「夜型」の生活を1日ぐつしてもらい、食事前の安静時から食後3時間までのエネルギー消費量を測定した。
食事前を基点とした食後3時間の累積DIT量は、午前7時の食事で高く、午前1時の食事で低かった。
体重1kg当たりエネルギー消費は、朝型(平均0.905kcal)夜型(平均0/595kcal)、夜型はエネルギー消費が低下していた。
 

(女性ホルモン)
☆プロゲステロン:脂肪を溜める(皮下脂肪として)
☆エストロゲン:脂肪の塊を壊す(内臓脂肪を血液中に戻してエネルギーに)

(基礎体温)
生理の周期と関係している
10日の感覚で2つのホルモンが増減する
排卵→
エストロゲンが出る時期に→有酸素運動が効果的
プロゲステロンが出る時期は→現状維持でOK


スロージョギング
①歩幅小さく 右足と左足が重なるぐらい
②音を小さく




ダウン症
(参照→「脆弱X症候群」)
■脳の障害を治せば改善 1999.11.13[12TV]
「ダウン症で“はいはい”などが出来ない子供に、手足を介助者が動かしてやることで症状が改善していきます。『パターニング』と呼ばれる手法で、日本では神戸にある「ジャパン・オフィス」が指導している。

[パターニング]
①大人3人で子供の頭・手・足を持ち、爬虫類(ワニなど)の動きをさせる。
・爬虫類の脳を発達させる。

②自分の手足だけで、爬虫類の動きをさせる。最終的には1500mぐらい。
③ほ乳類(サル)のように、木にぶら下がったまま移動させる。2000mが最終目標。
④休まずにランニングさせる。4000mが最終目標。
「脳自体はコンピューターだが、命令させるもの(キーボードに当たる)が無いと動かない。その命令を出すものが、五感である。目鼻口手足を動かすことで(外からの刺激で)、脳のコンピューターが動き、修復し、改善し、発達させることが出来る。外からの刺激がないとキーボードの無いコンピューターと同じである。運動させることがすなわち脳を発達させることになる。運動の刺激で脳は活性化される。また、脳の刺激で体は正常に動く。このように五感を刺激させることと、脳の活性化とは相互に結びつきループ状になっている。」
刺激のポイントは、回数×強さ×長さである。
手足がスムーズに動かないのも、手足にだけ原因があるのではなく、脳に大部分の原因がある。
先天的な病気の場合、脳の発達段階に沿って、刺激(運動)を与えてやる。
人間の脳は古いは虫類の脳(小脳)から、ほ乳類の脳(大脳)が加わり、さらに人類の脳(大脳皮質)が増えて発達してきた。進化の記憶が脳をつくってきたのである。

そこで、脳の発達と運動との関係は以下のようになる。
手足をバタバタさせる。
うつぶせで、床を腹這いで“はいはい”させる。
手と足だけで“はいはい”させる。
腕でバランスを取りながら歩ける。
上手に歩ける。
走れる。
手先を器用に使う。

「訓練で脳の働きが変わる」
小脳がほとんど無い子供が自由に動けるのは、小脳の機能を大脳が代替しているからで、また、小脳に制約されない動きが出来るので、より高度な動きが出来る。
「脳が反応しないと生きていけない」


■後頸部浮腫 (NT)
(後頸部肥厚)とも呼ばれる
・超音波検査の精度向上で見つかるようになった。
・染色体異常のリスク指標として位置づけられる。
・欧米の大規模な研究では、妊娠初期に厚みが3mm以上あると、胎児の染色体異常の確率が高まると報告されている。




ダグラス窩膿瘍 Douglas abscess                 
⇒腹膜炎時の膿または盲腸周囲の膿瘍が、ダグラス窩に限局し、または拡がって起こる。膿が大量の時は下痢・膀胱障害・発熱などの症状がある。

■腹水からダイオキシン
「「ダグラス窩」と「呼ばれる女性の子宮と直腸の間のくぼみから採取した腹水にダイオキシン類が蓄積していることを、愛媛大医学部の飴糖昌春教授(産科婦人科学)と同農学部の脇本忠明教授(環境計測学)らが12日までに確認した。
研究班によると、腹水からのダイオキシン検出は世界初。不妊症や月経困難症につながる子宮内膜症との関係など、人体への影響はまだ不明だが、福井敬介医学部講師は「卵は排卵時にダグラス窩の腹水に触れる。受精卵も触れる可能性がある」としている。]2000.4.13《日本経済新聞》

【漢方薬】(ダグラス窩膿瘍)
■大建中湯





ダニアレルギー
■減感作療法に期待
「スギ花粉による鼻炎、ハウスダストやダニにより皮膚炎などに悩むアレルギー患者が増えている。生活習慣の変化や、様々な化学物質にさらされていることなどが患者増加の原因といわれているが、ハッキリとは分かっていない。一方でアレルギーを根治する治療法はなく、患者はアレルギー発作の症状を抑える対症療法に頼っているのが現状だ。
最近になって注目されている治療法に、「減感作療法」がある。アレルギーを引き起こしている元になる物質を少しずつ投与し、患者の免疫を慣れさせてアレルギーを治療する手法だ。欧州で普及し始めており、国内でも新薬の開発が活発化している。
アサヒビールと鳥居薬品などの研究グループは、ダニアレルギー患者向けの治療薬の候補となるタンパク質を合成、動物実験に成功した。アレルギーの原因物質であるアレルゲンを少しずつ注射して体質を改善し、アレルギーを起こしにくくする減感作療法に使う。ネズミやサルの実験では約4週間でアレルギーが完治した。ショック症状などなどなどの副作用はほとんど見られなかったという。
「発症の仕組みが人間に似ているサルで効果が確認でき、有望と考えている」とアサヒビール薬品(東京・中央)の奥村康研究開発部長は話す。研究グループは近く臨床試験を開始し、2005年頃の発売を目指す考えだ。
「減感作療法が効く仕組みは詳しく分かっていないが、この方法でアレルギーが治るケースがあることは以前から知られていた。だが現在に至るまでほとんど普及していないのは、強い副作用の恐れがあるためだ。
現行の減感作療法では、ダニや花粉に含まれる無数のタンパク質をまとめて抽出し、医師の勘や経験に頼って患者に投与している。このためアレルゲン以外にもたくさんのタンパク質を患者に注射することになり、激しいアレルギーショック症状を起こしたり、異物が大量に体内に入り込んだことで、別のアレルギーになってしまうことがある。
患者のアレルゲンはダニや花粉に含まれているたくさんの物質のうち極一部だ。研究グループはダニから抽出した無数のタンパク質の中からほとんどの患者のアレルゲンになっている『Derf1』『Derf2』という2つのタンパク質であると特定。このタンパク質分子を改変し、アレルギーのショック症状を引き起こす構造部分を取り除いて薬にした。
東京芸術大学保健管理センターの須甲松伸教授らは、ダニのアレルゲンをさらに詳しく解析し、[Derf2]タンパク質の分子構造の極一部だけがアレルゲンとなっていることを突き止めた。研究グループはまずタンパク質分子を細かく切り刻みペプチドまで分解、得られた様々なペプチドをネズミに投与してアレルギー反応を調べ、アレルゲンとなっているペプチドを特定した。
須甲教授らはこのペプチドを投与し、アレルギーのネズミを減感作療法で治療することにも成功した。ペプチドならタンパク質よりも合成が簡単で、しかもアレルギー反応を引き起こす部分以外を含んでいない、このため、減感作薬としてタンパク質の薬を投与するよりさらに副作用の恐れが少ない。
だが同様の実験を人間の免疫細胞を使って試験管内で試したところ、調べた患者の一人一人が別々のペプチドに反応して射ることが分かった。一人の患者が複数のペプチドに反応を起こしている例も多かったという。
このままでは誰にでも効く汎用の薬は出来ない。「実際に薬として使う段階では患者がどのダニペプチドに反応しているかを調べ、個別に投与する“テーラーメード”の治療になるだろう」と須甲教授は予測している。(古谷茂久)」1999.7.14《日経産業新聞》




ダノン病
■原因遺伝子を解明
「国立精神・神経センターの西野十三室長らは心臓が肥大し、30歳前後で不整脈などで突然死する難病『ダノン病』の原因となる遺伝子を突き止めた。現在は心臓移植しか助かる道はないが、原因が分かったことで、根本的に治療する手がかりが得られる可能性がある。
ダノン病の患者のほとんどが男性。
10歳前後で発症し、心臓肥大や全身の筋力の低下が進む。世界で20人の症例が報告され、うち7人は日本人だ。「診断が難しいので、潜在的な患者は他にもいるかもしれない」(西野室長)という。
筋肉の組織内に小さな膜で包まれた泡が多数見られるのが特徴で、西野室長は、この膜を詳しく調べて原因を探った。その結果、細胞膜を構成するタンパク質の一種[LAMP-2]の遺伝子に変異があり、LAMP-2が正常に作られていないことが確認できた。遺伝子組み替え技術でLAMP-2遺伝子を持たないマウスを作ったところ、全例がダノン病になり、LAMP-2ID寝師が原因であることが確実になった。」2000.8.28《日本経済新聞》


タバコ依存症
(参照→喫煙)
■1800万人
「習慣的な喫煙により、ニコチンや精神的な依存が深まって現れる症状をタバコ依存症という。タバコが手放せず、本数やペースの制御が利かなくなり、健康への悪影響が分かっていても止められない。調査ではWHOの診断基準に準拠して、「喫煙しようとして出来なかったことは?」「タバコなしでいられないと感じたことは?」「重い病気にかかり、良くないと分かっているのに吸い続けたことは?」など10項目の質問に5項目以上「はい」と答えた人を依存症と見なした」1999.11.12《日本経済新聞》
■禁煙しやすさ----遺伝子が左右
「喫煙や禁煙しやすさなどに、神経伝達物質セロトニンを細胞に取り組む遺伝子が関係していることを、あおもり協立病院(青森市)の石川はじめ医師と筑波大遺伝医学研究所(有波忠雄助教授)が見つけた。
タバコ依存症の背景に、ニコチン代謝酵素の遺伝型が関わっていることは知られているが、セロトニン関連遺伝子の関与が分かったのは初めて。禁煙できなかったのは意志の弱さだけでは無かったことを示す発見といえる。
研究グループは、タバコ主成分のニコチンが、脳に快感をもたらす「報償系」を刺激する事実に着目し田。この報償系を抑制するセロトニンの輸送タンパク質の遺伝子型を調べた。
このタンパク質は、神経細胞の膜に存在して、細胞膜の外から内側にセロトニンを取り込んでいる。その遺伝子には、L型とS型の2つの型がありL型はS型より、取り込む働きが強い。
青森市と茨城県土浦市で健診を受けた中高年男性(平均年齢50歳)計約400人から、本人の同意を得て血液を採取し、遺伝子型を分析した。L型を持つ人は、喫煙者で37%と、非喫煙者の26%より高かった。記念に成功した元喫煙者は22%で、逆にS型が多く、禁煙しやすさへの関与を示した。2000.3.20《日本経済新聞》




タムシringworm
⇒浅在性真菌症の一種で、浅在性小水疱性斑状白癬または頑癬と呼ばれるもの。
【漢方薬】(たむし)
■越婢加朮湯
■苦参湯
■三物黄芩湯
■桃核承気湯
■八味地黄丸
■苓桂味甘湯

【民間療法】
<1>クサノオウ。
<2>ニワトリ。
<3>アマガエル・ウメ・オキナグサ・オトギリソウ・カキドウシ・ギシギシ・クロモジ・クララ・クルミ・ゴマ・酢・スイバ・スベリヒユ・センニンソウ・ダイコン・タケニグサ・タバコ・ツワブキ・ドクダミ・ドジョウ・トチノキ・ニンニク・ネナシカズラ・ハハコグサ・ヒガンバナ・ムクゲ。

 



ターナー症候群
⇒通常は2本あるX染色体が1本しかないため、以下の症状が見られる。
1.低身長
2.無月経
3.性的未発達

■治療が充実
「身長が伸びず、女性らしい体つきになりにくい「ターナー女性」(ターナー症候群)治療の保険適用が拡大され、治療成績が上がっている。
女性の2本のX染色体の一部が欠けることによる染色体異常で、低身長、首の周囲の皮膚のたるもなどに特徴がある。日本での発生率は女児1000人~2000人に1人。約8割は乳児期から卵巣が縮んで二次性徴がない。成人になって難聴や糖尿病、骨粗鬆症、心臓病などの合併症を起こしやすい。
国立小児病院の田中俊章・内分泌代謝科医長によるえお、早期診断し、成長ホルモン注射で身長を伸ばす。身長を抑える作用もある女性ホルモンを12歳以降で飲むのが国際的に確立した治療法だ。
ところが、日本では、保険上の制約から、成長ホルモンは約2割の患者にしか使えず、量も少なかった。厚生省は昨年12月に新認可した1社の製品から欧米並の使用に踏み切った。「こうした治療をすれば、病気というより体質のようなもの」と田中さん。
■成長ホルモン
「成長ホルモンは子供の発育に欠かせず、成人後も脂質や糖の代謝機能で大切な役目を担っている。不足すると、内臓脂肪型肥満をもたらし、高脂血症や高血圧・糖尿病などになるリスクが高まる。成人成長ホルモン分泌不全症患者は全国に1万人いるとされる。
小児疾患のターナー症候群や脳腫瘍の1つである下垂体腺腫、外傷などが原因になる。成長ホルモンの分泌が健康な人に比べて少なく、タイ旅行や運動能力が低下するほか、内臓脂肪が増加する。疲れやすく満足に仕事が出来ない、動脈硬化を起こしやすいという報告もある。
2006年4月から「ヒューマトロープ」が効能追加かの承認を受けた。




ダンカン病
=伴性劣性リンパ球増殖性症候群(XLP)
■タンパク質が関与
「医薬品開発ベンチャーのジーエヌアイ(港区)は免疫不全を引き起こす遺伝病『伴性劣性リンパ球増殖性症候群(XLP)』の発症に関する調整因子を発見した。新しい治療薬開発の可能性がある。
XLPは先天的な遺伝子欠損が原因で『ダンカン病』とも呼ばれる。SAPと呼ぶタンパク質が正常に作られなくなって免疫異常が起こり、EBウイルスなどに対して免疫不全になる。
多くの場合、リンパ性腫瘍を発症し、死を招くこともある。
原因遺伝子は1999年に見つかったが、機能不全になったSAPがXLPを引き起こす仕組みはこれまで分かっていなかった。」20069/20《産業》



タンパク尿proteinuria
=albuminuria
⇒腎の糸球体ならびに近位尿細管に障害があれば認められる。
腎臓の働きが低下する結果、すべて再吸収されるはずの栄養素のタンパク質が尿中にもれること。
◎正常でも1日100~150mgのタンパクが尿中に排泄される。
①アルブミン:10~30mg
②β2ミクログロブリン:
(=糸球体で濾過され尿細管で再吸収された残りの低分子タンパク)
③Tamm Horsfallタンパク:(尿細管由来のタンパク)

◎タンパク尿の分類:
軽度のタンパク尿:(1g/日以下)
<1>血尿がある場合:
①鎮痛剤服用歴・慢性尿路感染症→「慢性間質性腎炎」
②家族歴・多発腎嚢胞→「多発性嚢胞腎」
③赤血球円柱・腎機能障害→「糸球体腎炎」や「膠原病」
<2>血尿なし:
①心不全・高熱・激しい運動→「機能性タンパク尿」
②高血圧が長期に続いている→「腎硬化症」
③諸検査で異常を示さない→「特発性タンパク尿」
中等度のタンパク尿:(1.0~3.5g/日)
高度のタンパク尿:(3.5g/日以上)
<1>血尿がある場合:
ネフローゼ症候群を示す各種の糸球体腎炎、膠原病。
<2>血尿がない場合:  
①若年者で高血圧なし→「ネフローゼ症候群の微小変化群」
②全身疾患に伴う→「糖尿病」「アミロイドーシス」「悪性リンパ腫」「妊娠中毒症」
機械的機序による→「重症心不全」「収縮性心外膜炎」


【民間療法】
*イチイ:葉、木部(8g~20g/1日)煎服。著効あり。
*キササゲ:半ば熟したさく果(梓実)、(5g~15g/1日)煎服。著効あり。
    
【漢方薬】 
■牛車腎気丸
■炙甘草湯
■糯根煎
■当帰芍薬散
■白車湯
■八味地黄丸
■補中益気湯
■六味丸
 


■エプレレノン
「米系製薬大手のファルマシアは開発中の高血圧症治療薬「エプレレノン」の治験結果を発表した。多数の患者を対象にした第3相臨床試験で高血圧治療薬として広く使われている「エバラブリル」に比べ、糖尿病を伴う口訣圧小寒じゃの尿中のタンパク質を大幅に減少させたという」2002.3.26《日経産業新聞》
■関連遺伝子に特許
「技術移転機関の関西TLO(京都市)は大阪大学の研究者が発見した約2000個の腎疾患に関する遺伝子の特許を特許庁に申請した。
阪大の今井圓裕講師と竹中優助手が、健常なマウスとタンパク尿を発症させたマウスを使って研究した。腎疾患に関係が大きいとされる近位尿細管の組織を集め、DNAを増幅して配列を分析。さらにコンピューターを使って健常な場合と発症組織との違いを検証した結果、約2000個の遺伝子群が疾患に関連すると判明したという。
タンパク尿は腎疾患の病状進行の要因と指摘されている。」2002.5.29《日経産業新聞》



ダンピング症候群 dumping syndrome
⇒胃切除を受けた患者の食後に起こる以下のような症状。
*心部膨満感・圧迫感・
*悪心・嘔吐・
*脱力感・頭重・めまい・
*発汗・心悸亢進。

■胃切除後の不快症状
「突然意識がなくなる原因として、心臓の異常などのほかに「ダンピング症候群」も原因になる。人事不省に陥って救急で4回も入院したが、原因は不明という読者から質問があったが、この人は以前手術をして胃の5分の4を取っていた。こういう場合、ダンピング症候群が原因である可能性が多い。
胃を手術した人は、食後30分以内あるいは食後2~3時間ごろに冷や汗・動悸・めまい・しびれ・失神など特有の症状が出現することがある。食後すぐに出るのを早期ダンピング症候群、しばらくして現れるのを後期ダンピング症候群という。
いずれも胃が小さくなているためで、以前と同じ量を一度に食べると、胃腸が急に拡張したり動き出したりしてお腹に血液が移り、脳へ行く血液が不足する。この状態を立て直そうとする反応も絡んで起こる症状が早期ダンピング症候群。
一方、胃が小さいと一挙に食物は腸に移動し、吸収されてインスリンがたくさん分泌される。デンプン質に偏った食事は特に速くなるため、インスリンが過剰になり、血糖を下げすぎてしまう。この為、低血糖状態になるのが後期ダンピング症候群である。
症状が起きないようにするには、少量ずつ分けて食べること、消化吸収の速いデンプン質に偏らず、ゆっくり吸収されるタンパク質や脂肪を多めに摂るようにすると良い。(浜六郎・医薬ビジラインスセンター所長)1998.5.18.《日本経済新聞》



■急に脂汗
「60歳代の母は、3年前の春に胃ガンの手術を受け、胃の2/3とリンパ節、胆嚢を摘出しました。その年の秋頃から、時々、急に脂汗が出て、立っていられなくなります。冷たい物を口に入れるか、湿らせたタオルを顔に当てて横になると、15分ほどで治まりますが、その後、大量の汗をかいています。外科医では異常は見つかりませんでした。少しイライラした時に起こるようです。」
「胃切除後の慢性合併症として、ダンピング症候群が知られています。これは1992年にミックス医師が命名したもので、食後数分~30分以内に、体がだるくなったり、動悸・めまい・腹痛・嘔吐・ノドの渇きなどの症状が現れ、急激に血糖が上昇します。
これに対して、食後、2~4時間頃に低血糖を伴って出現する食後低血糖症があり、時に後期ダンピング症候群と呼ばれます。
食後低血糖は、脱力感・めまい・発汗・動悸などダンピング症候群と似た血管運動神経性の症状が出現しますが、下痢などの腹部症状はありません。低血糖と症状発生の間には、直接的な関係は認められず、交感神経の関与が考えられます。」

  【漢方薬】
■補中益気湯
  




ただれ
  sore
⇒子供などで口の端がただれたり、切れたりして口を大きく開けられなくなることがあります。これはカンジダというイースト菌の一種によって起こるものです。
<1>カンジダは弱毒菌なので、ただれが全身に広がることはありませんが、手の中指と薬指の付け根や、わきの下、女性の乳の下などがただれやすい場所です。この菌は、正常な人でも口や腸の中に生息していることがありますが、発熱や下痢をしたりして体力を消耗したときに急に勢いを得てただれを起こします。
<2>普通は、元の病気が治るにつれて自然に収まるものですが、カンジダはビタミンB2が欠乏するとはびこるので、慢性の場合にはビタミンB2を補給すると良いでしょう。
<3>大人になっても治らない場合には、糖尿病の疑いがあります。(家庭の民間薬・漢方薬P52)

【民間療法】
<1>オグルマ・カタクリ粉・カタツムリ・ガマ・カラスウリ・キカラスウリ・キク・キハダ・ゲンノショウコ・ゴボウ・スイカズラ・ナスビ・ハチク・ビワ・モモ。
 
 




ただれ目
  =「風攣出瞼」
◎多くは下まぶたにくる、目のふちが赤くただれて、赤みが強く、血があつまって痒く、腫れなどするもの。この証はかえし棒でかえして手術で血をとり、棒の柄を焼いて、それで温める。また血があつまって潤のない者には当帰建中湯を用いる。また血が多くて、ただれ潤のある者には桃核承気湯を用いる。また瞼が乾いて痛み永年治らない者には葛根加朮附湯を用いる《柚子流眼療秘伝書》
  


だるい
  【民間療法】
<1>ガガイモ。
<2>ニワトリ。
<3>ニンニク。
<4>ヤマノイモ。
<5>イカリソウ・クサスギカズラ・ソテツ・チョウセンニンジン・トチバニンジン・ナタマメ・ナルコユリ・ネギ。
【漢方療法】
<1>熱がある 
イ)腹痛あり:

*[真武湯]-----手足がだるく冷え、腹部に水音
ロ)腹痛なし:

*[大青竜湯]---悪寒がして熱が高く、苦しい
<2>熱なし
イ)体がだるい:

*[清暑益気湯]--便が軟らかく、食欲なし、夏バテ。
*[補中益気湯]--食欲なし、味覚なし、夏バテ
ロ)手足がだるい:

*[小建中湯]-手足がほてる、胃痛、腹痛             

* [人参湯]-手足が冷え、尿量多い、唾液多い

【漢方薬】
■痿証方(腰から下に力が入らない・しびれ感強い)
■河車大造丸(腰膝がだるい・ふらつく・羸痩)
■凝神湯(内傷で熱あり)
■九味檳榔湯(下肢が)
■蒿芩清胆湯
■五苓散(表熱裏水、口渇、小便不利、心下痞<無力>、胃内停水、腹壁軟弱、臍下動悸、嘔吐<水逆>)
■柴胡桂枝乾姜湯(胸脇満、臍上動悸、往来寒熱、小便不利、口唇乾燥、頭汗、腹部軟弱、脈微細数)
■左帰丸(腰膝に力が入らない・羸痩)
■滋陰降火湯(腰膝に力が入らない・寝汗)
■四逆加人参湯
■四神丸(腰から下に力が入らない・四肢の冷え)
■小建中湯(虚寒、甘いもの好き、口乾、くすぐったがり、手足煩熱、小便頻数、疲れやすい、脈浮弦)
■小柴胡湯(食欲不振、体がだるい、胸脇苦満)
■升陽補気湯(食事の不規則・空腹時に労役して、四肢がだるい)
■参朮湯(胃腸が弱く、四肢が重く、食後ねむい)
■参蘇飲(頭痛発熱、無汗、食欲不振、悪心嘔吐、胃部膨満感、脈沈数)
■真武湯(横になりたい、陰虚証、めまい、浮腫<下半身>、尿量減少、四肢だるい、疲れやすい、下痢[痛なし・泥状・水様便]、脈沈遅)
■青蒿鼈甲湯(腰から下がだるい)
■大補陰丸(腰膝だるい・頭がふらつく)
■竹葉石膏湯
■鎮肝熄風湯(四肢のしびれ・ふるえ・運動障害)
■天王補心丹(腰膝がだるい・力が入らない)
■当帰建中湯(貧血、食欲不振、虚弱体質、腹痛、腰痛<牽引痛>、)
■当帰補血湯(過度の労役で、顔や目が赤く、熱があり)
■八味地黄丸(腰膝がだるい・力が入らない、腎陽虚、口渇、尿利減少or   
■白虎加人参湯(四肢が重だるい、煩渇)
■平胃散(四肢がだるい)    
■補中益気湯(四肢冷える、食欲不振、立ちくらみ)
■薏苡仁湯(関節炎、腫脹・熱感・疼痛
■苓桂朮甘湯(立ちくらみ、胃内停水、動悸)
■苓姜朮甘湯(腰脚の冷え激しい、腰以下浮腫)
■六一散
■六味丸


たわごと
  【漢方薬】
■柴胡破瘀湯(昼は朗らか、夜にたわごと。蓄血症)
■調経湯(夜たわごと)





大動脈炎症候群aortal syndrome
=「大動脈症候群」
⇒大動脈とその主要分枝および太い肺動脈に局在する特異な動脈炎。

■我が国では頻度が高い疾患。
◎診断の手引き(厚生省特定疾患調査研究班、1974)
<1>症状:
(イ)頭部乏血症状:

①めまい(特に上を向くとき)。
②失神発作。
③視力障害(特に直射日光下)
(ロ)上肢乏血症状:

①指の冷感。
②上肢易疲労感。
(ハ)大動脈狭窄症状:高血圧症状。
   ①頭痛
  ②めまい
  ③息切れ
(ニ)全身症状:初期に微熱が出ることがある。

<2>診断上重要な所見
(イ)上肢の脈拍異常:
①橈骨動脈の拍動減弱。
脈拍が触れないことで気づくことがある。
②著名な左右差。
(ロ)下肢の脈拍異常(大腿動脈の拍動減弱)
(ハ)頸部・背部・腹部などの血管雑音。
(ニ)眼科的変化。
<3>診断上参考になる検査所見:
(イ)血沈--------------促進
(ロ)CRP反応-------陽性
(ハ)血清グロブリン(γ-グロブリン)の増加
<4>診断上のポイント
(イ)若い女性に好発する。
(ロ)確定診断は大動脈造影による。
<5>除外診断(以下の疾患に注意)
*動脈硬化症
*膠原病
*Buerger病
*先天性血管異常




大動脈解
■高血圧の人に激しい胸痛
「日頃元気な中年男性が“突然激しい胸痛が起これば”、まず『急性心筋梗塞』が考えられる。ただ、発病直後の心電図に異常がなければ『大動脈解離』の可能性がある。」
Mさんは49歳のサラリーマン。早朝突然激しい胸痛に襲われ、救急車で病院に運び込まれた。胸部の他に背中にも激しい痛みがあり、血圧は[170・100]と高かった。心電図検査では異常がなかった。心臓の超音波検査とCT検査の結果から、大動脈解離と診断された。
心臓近くの大動脈が解離していたため、すぐに手術が行われ、一命を取り留めた。
●大動脈解離とは?
動脈の壁は内膜・中膜・外膜の三層構造になっている。大動脈解離とは胸部大動脈の内膜が裂け、その裂け目から中膜に血液が流れ込み、本来の通り道の他にもう1つ別の血液の通り道が出来る。このときの激痛は内膜が裂ける方向に移動するのが特徴だ。
発病直後はMさんのように血圧が高く、心電図に異常が見つからないことが多い。解離した大動脈は破れやすく、破裂すると大出血を起こす。大動脈解離は放置すると、1週間で70%、3ヶ月で90%が死亡する恐ろしい病気。最近、緊急手術で治療成績は良くなったが、大動脈の枝に障害があれば、今でも手術が困難な病気です。
●診断は?
CT検査では本来1本の大動脈が二重の管のようになっているため、診断が容易につく。また動脈造影検査で、解離している場所や範囲を調べ、大動脈の枝が解離していないかどうかを確認する。
●種類は?
大動脈解離は解離した場所とその広がり方から2タイプに分けられる。
<1>心臓近くの大動脈が解離すると、破裂によって生じた血液の塊がすぐに心臓を圧迫する。心不全を起こしたり、心臓の大動脈弁などに障害が生じたりするため、緊急手術が必要になる。
<2>心臓から離れた場所で解離した場合は、まず血圧を下げる薬を投与し、解離が進むようなら手術を行う。
●予防するには?
この病気は動脈壁の慢性疲労が高血圧に耐えきれなくなって裂け目を起こすと考えられています。このため、血圧のコントロールが最大の予防になります。
2000.619《日本経済新聞》
■レーザーで
「慶応義塾大学の荒井恒憲教授らは、心臓から血液を送り出す大動脈の内壁に亀裂が入る「大動脈解離」の新しい治療技術を開発した。血管内に器具を入れ、レーザー光で患部をくっつける。初期の動物実験で原理を実証した段階。
大動脈の血管壁は3層構造。大動脈解離は最も内側の壁に亀裂が入り、血液が流れ込んだ状態で、悪化すると外壁まで破裂し、大出血を起こす危険性がある。年間8000人の患者。
荒井教授らはブタから取りだした血管を使った実験で、血管をくっつけることに成功した。2005.12.19《産業》




大動脈弁狭窄症
■症状無ければ経過観察
「73歳の母。人間ドックで大動脈弁狭窄症と分かりました。血圧を下げる薬を飲み、これまでと変わらぬ日常生活を送っていますが、人工弁をつける手術をしなければ治らないと医師から言われています。(神奈川・N)」
どんな病気ですか?
大動脈弁は心臓から血液が出ていくときに通る最後のドアみたいなもので、これが狭くなったり開きが悪くなったりするのが狭窄症です。最近は、老化によって弁が硬化して開かなくなる、老人性の大動脈弁狭窄症が増えています。満員電車で狭いドアに乗客が殺到するような状態ですから、血液がうまく流れません。初めのうちは心臓の筋肉が厚くなり、力でドアを押し開けることが出来ます。この間は自覚症状はありません。しかし、それを長年続けていると筋肉がいよいよへばって、力では対抗できなくなり、症状が現れます。症状が出始めるとガタッと悪くなる、といった病気です。
どういう症状が出るのですか?
めまい・動悸・息切れという軽い症状から始まり、
狭心痛という胸が締め付けられるような痛みが起きるようになります。又、 一時的に脳に血液がゆかなくなるので、失神の発作も起きます。
さらに悪化すると心不全で死に至るわけですが、症状が出始めてから心不全で死亡するまでの期間は、狭心痛からは約5年、失神発作からは約3年と言われています。激しい運動などで突然死することもあります。
薬では治らないのですか?
症状を止める薬はいろいろありますが、最終的には手術しか方法はありません。人工心肺を使って血液循環を代行させ、開きが悪くなった弁を人工弁などに取り替えます。手術時間は4~5時間で、普通は術後2~3時間で退院できます。
手術をする目安は?
手術は必要かどうかは、大動脈弁の前後で血流の圧力にどのくらいの差があるかり、心エコーという超音波の検査などで判断します。病状が悪くなればなるほど血液が通りにくくなり、弁の前後での圧力差が大きくなるからです。圧力差が80mm水銀柱以上になると症状が出ると言われますが、普通はその手前の、50mm水銀柱を超える圧力差があれば手術を勧めています。「まだ症状はないが、近いうちに間違いなく症状が出る」という段階です。
この方はすぐに手術が必要なのでしょうか?
今のところ特徴的な症状はないようですから、圧力差が50mm水銀柱より小さく、様々な検査で心臓の筋肉の機能も保たれて居ることが分かれば、しばらく経過を観察すればいいと思います。ただしこの場合、半年か1年に1回は定期的に検査を受けることが大切です。又、高齢や虚弱体質であっても、手術の妨げにはなりません。本人が意思決定でき、歩いてトイレや風呂にいける状態であれば、手術は可能です。」(鰐渕康彦・三井記念病院外科部長・心臓血管外科部長)1999.6.27《朝日新聞》
■90歳女性
「心臓の弁が硬くなって機能が低下し、血液の流れが悪くなる大動脈弁狭窄症の90歳の患者の悪化した弁を人工弁に置換する手術に、福井医科大学第二外科、田中国義教授(心臓血管学)らが12日までに成功した。」2002.6.12《日本経済新聞》





大動脈弁閉鎖不全
■手術の執刀医が変わる
「大阪羽曳野市のKさん(当時67)が、胸に痛みを感じて、「大動脈弁閉鎖不全」と診断されたのは1999年1月。緊急手術の必要はなかったが。「長生きするため」と周囲に勧められ」、同年9月、近畿大学医学部付属病院で心臓の大動脈弁を人工弁に取り替える手術を受けた。
40代の主治医は「私が手術します。3、4時間で済む」と請け負った。ところが手術は16時間に及んだ。途中、家族の前に出てきた主治医は[
予想以上に血管がもろく、縫合部の出血が止まらない」と説明。手術後、集中治療室に移されたが、死亡した。
主治医は、「悔しい。私の判断違い」と嘆いた。
手術室で、何が起きたのか?。妻や子供たちは病院に何度も説明を求めた。主治医が応じたのは半月後。家族が克明に記録したメモから、伏せられた痔jつが浮かび上がる。
ー主治医「執刀は教授です」
ー妻「えっ、教授なんですか!」
実は、患者家族は、手術前に教授の技量を疑問視する声を聞いていたという。「執刀医は主治医と信じ、安心していた」(妻)が、直前に教授に代わったことは知らされていなかた。
ー主治医「大学では上司の言うことは絶対。執刀の交代も断れなかった」
しかし、教授が執刀した手術は失敗した。
ー主治医「メスを入れる位置が危険なことが分かり“あっ”と思い、注意した。他の医師も同じ思いでした」
ー長女「血管はボロボロではなかったのですか?」
ー主治医「見た限り、そんなに悪い状態ではなかった」
手術中の説明についても、「教授からそう述べるように言われた」と認めた。一方、教授が遺族にあったのは、手術の4ヶ月後。教授は説明不足は認めたが、「医局の全責任は私が責任を負っている。教授が場合によって手術もする」と話し、問題はなかったと強調。血管壁がもろく出血したが、死因は心筋梗塞が偶然、起きた為と説明した。
しかし、弁護士の依頼でカルテなどを鑑定した心臓外科医は「手術の必要がない程度の状態で、血管がもろいとの指摘もカルテ類にはない。患者執刀医を知らせないこと自体、信じがたい」と指摘する。
妻は昨年9月、同病院と教授ら医師を相手取り、損害賠償訴訟を起こした。
主治医は約1年前、同病院を辞めた。今は被告の立場だが、「訴訟ではありのままを明らかにする」と話している。






大発作grand mal
⇒体の一部又は全身をケイレンさせるテンカン発作で、突然、意識を失って倒れ、強直性ケイレンと間代性ケイレンを起こす。
◎発作は2~3分で終わるが、その後はイビキをかいてしばらく眠る。


大葉性肺炎
    (参照→気管支肺炎)
=「クループ性肺炎」
⇒多くは1つの肺葉に限局し、初期は打診・聴診上さして変化がない。
◎1期~3期まである。
1期:(充血期)聴診(捻髪音ー主に呼気の間)
2期:(肝変期)聴診(有響性ラ音とともに気管支呼吸音)
3期:(融解期)聴診(捻髪音、ときに胸膜摩擦音)
◎症状:
*セキ:軽度
*タン:少量、粘痰、粘膿性またはサビ色。小児は少ない。
*胸痛:強い痛み、多くは一側性。
*呼吸困難:多くが進行する。小児は呼気性。
*発熱:突然悪寒戦慄し、高熱。
*食欲不振
*頭痛
*その他:初期には嘔吐、顔面ヘルペス、黄疸、昏迷、譫妄あり。
*合併症:胸膜炎

◎検査:
・白血球:(↑)左方移動
・X線検査
・タン細菌検査


大理石骨病
=「Albers-Schönberg病」



代謝性アシドーシス
⇒糖尿病や腎疾患により生じることがある。
◎血中のHCO3ー濃度及びPCO2が低下する。
◎一般に血液の—が酸性であるときにいう。



胎児ジストレス
⇒胎児仮死のこと。
◎胎児・胎盤系における呼吸、循環不全を主徴とする症候。


胎風(たいふう)
(1)壮熱嘔吐・精神不安・目が覚めやすく夜泣きする・手足掣抽などの症状を現す。先天の元気不足の幼児が風邪を引き、或いは断臍して瘡痂が完全に癒えないところに、風邪が侵入して熱を発するもの。
処方[羚角釣藤湯]
(2)小児が出生後、身熱し、皮膚紅赤し、湯によるやけどの傷の様な一連の症候を現すもの。妊娠時に辛熱性の食物を過食して脾胃に熱を持ち、胎児に影響を及ぼすことが多い。

【漢方薬】
■蝎梢散:(胎風・臍風を治す)
■宣風散:(臍風と撮口で夜泣き、乳の吸えない)
■調気益黄散:(噤口・撮口・臍風の三症を治す)


滞頤(たいい)
=漢方の病証名の1つ。
⇒俗に「よだれくり」と呼ばれ、小児が涎(よだれ)を垂れ流して顎を濡らすこと。又、顎のただれること。
【漢方薬】
■梔子甘草豉湯《傷寒論》


 

対話ができない
■一見神妙、矛先かわす
「“わかりました”“すみません”。若者たちに説教した途端、こんな神妙な答えが返ってきて満足してしまう大人たちが多いのではないだろうか?-------。山梨医科大学の渋谷昌三教授(心理学)はそんな若者たちの反応を、実は相手の矛先をかわすための[肩すかし]の術と分析する。こうした言葉をなぜ彼らたちが多用するのか報告してもらった。
言葉と行動が不一致
例年、進級が危ぶまれる学生と話す機会がある。私が一通り話し終えると、即座に“わかりました”と返答する学生と、その言葉がなかなか出てこない学生に分れる。
おもしいことに、話を聞き終わるやいなや“すみませんでした”“わかりました”と答える学生は、結局、落第点を取る傾向がある。一方、長い時間をかけて話し合った後で、やっと“わかりました”と言う学生は、気持ちを入れ替えて勉強に身を入れるようになる。
“すみませんでした”“わかりました”は相手の出鼻をくじく。すぐさま出てくるこれらを私は「肩すかし語」と名付けている。こうした言葉を使うことで、学生は率直で、柔順な姿を演じる。対する教師は肩すかしを食って、攻撃心がなえ、要領は得ないが“しっかりやりなさい”などと言ってやりとりは終わる。
肩すかし語は他にもある。“これでいいですか”と尋ねると“別に”と答える。これは「意見を述べるのが面倒だから、別の意見はないことにしょう」の意味だろう。
こうした言葉が広がる背景には、若者たちと、教師や親、上司ら大人たち双方が、互いを「期待しない」気持ちがある。若者は「意見を言っても、まともに効いてくれないだろう」と、大人に期待せず、一方、大人たちも「取るに足らない意見だろう」と若者たちに期待しない。
そこには「真剣に話を聞き、それに答える」という経験の欠如がある。互いに交わす会話の多くは情報交換の域を出ないものであり、感情移入の対話が回避されているケースが多い。
煩雑な人間関係きらう
どうして感情移入に対話が回避されるようになったのか?理由は3つ考えられる。
時間に追われる生活を余儀なくされ、対人関係に割ける時間そのものが減少していること。
コンピューターや家電品などによる迅速で明快な対話が多くなり、冗長で煩雑な対人関係を嫌う風潮が見られること。
特に、対人関係をはぐくむための社会的スキル(技法)を使う能力が低下していることだ。
例えば、好きな人がいたときには、“好き”と口にする。視線を合わせる、ほほえむ、といった社会的スキルを駆使することで、自分自身の期待をその相手に伝えることが出来る。このスキルは、ケンカしたり、対立したり、競争したりする、ネガティブな対人関係を通して学習する子とが出来る。
『ピグマリオン効果』をご存じだろうか。ギリシャ神話に登場するキプロス王ピグマリオンは、自分が彫った象牙の女性像に恋をする。この願いが通じて、女性像が現実の女性となり、結婚することが出来たという話で、それになぞらえて、期待し続けると、その相手がいつかその期待に答えてくれるという現象をこう呼ぶ。ある心理学の研究では、教師が「将来、学力が伸びる児童である」と期待して授業をすると、その児童の能力が上昇することが分かっている。
心から期待して応対すると、その相手の気持ちが動き、当人がその気になることがわかる。ピグマリオン効果が働くと、肩すかし語が使えなくなる。
会話重ね改善を待つ
私は、学生が肩すかし語を使った時には、ピグマリオン効果を期待して、きっちり咎めることにしている。“わかりました”と答えたら、“何がどのように分かったのか”と問い返す。“すむませんでした”と言ったら、“どこがどのように悪かったのか”と尋ねる。
こうした対話を繰り返しているうちに、お互いが真剣に向き合うようになってくる。時々、涙ぐむ学生がいるが、悔し涙ではなく、「期待されて、うれしい」という涙なのである。
近年、親と子、教師と子供たち、上司と部下、友人との間で、うわべだけの仲良しが増えている。こうした関係は、社会的スキルの低下を招くだけでなく、肩すかし語を多用して、感情移入の対話を避けようとする対人関係を助長していると思われる。
「じっくり時間をかけて、ガツンとぶつかり合う」という、損なわれた素朴な対人関係を取り戻すことが、今後に期待される身近な課題である」1999.7.10《日本経済新聞》


 

立ちくらみ
(参照→「起立性調節障害」)
=起立性調節障害病 orthostatische Dysregulayion
■ストレスや偏食で
「イスから立ち上がった時、立ちくらみや軽いめまいがしたり、長時間立っていると、一時的に貧血を訴える人は少なくない。起立性低血圧症と呼ばれる症状で、特に季節の変わり目には悩まされる女性が多いという。内耳や脳などに隠れた病気がなければ、栄養や休息を十分に取るなど生活習慣を見直すことが大切だ。
広告会社で働くA子さん(38)は半年前、会社や駅などでイスから立ち上がった際、立ちくらみをよく経験した。普段の血圧は低い方ではないが、受診して血圧を測定したところ、起立性低血圧症の疑いがあると診断された。A子さんは年度末で深夜まで仕事に追われる不規則な生活が続いており、ストレスに加え、運動不足などが要因といわれ、漢方薬などを処方された。
南多摩病院(東京都八王子市)の村田高明院長は「起立性低血圧症は、かっては更年期の女性に多かったが、更年期の症状全般が早い年齢でもでるようにになってきた。30歳後半でも起立性低血圧症の人が増えてきた」と話す。
春先や秋口など季節の変わり目に症状の出る人が多いのは、外的環境の変化が症状を引き出す1つの要因になるため。
典型的な症状としては、
 ①立ちくらみやめまいを起こしやすい、
 ②立っていると気持ちが悪くなる、
 ③少し動くと息切れがする、
 ④朝なかなか起きられずに午前中は調子が悪い
-------などがあげられる。
「これらの症状の2つ以上当てはまるなら、内科を受診した方がいいでしょう」と村田院長は指摘する。
寝たり座ったりした姿勢から急に立ち上がると、重力で血液が下半身に集まって血圧が下がる。
正常なら自律神経などの働きで血圧は元に戻るが、この機能が働かないと、脳の血液量が少なくなって立ちくらみやめまいが起きる。
村田院長によると、起立性低血圧症には他の病気に起因するものと、原因となる病気がない場合があるという。
この症状を引き起こす病気としては、心臓や平衡感覚に影響する内耳・目(視力)・脳などの病気があり、立ちくらみが頻発するようなら耳鼻科や神経内科で検査を受けた方がいいという。
他の病気がない場合、自律神経の乱れが原因のケースが多い。「ストレスに過敏な人、偏食で栄養バランスが崩れた人はなりやすい。さらに、睡眠不足や運動不足、無理なダイエットなども、自律神経の乱れにつながる」

【漢方薬】
■黄連解毒湯
■柴胡加竜骨牡蛎湯
■三黄瀉心湯
■真武湯
■大防風湯(栄養失調、立って歩けない)
■沢瀉湯
■釣藤散
■当帰芍薬散(貧血、冷え性、疲れやすい、月経不順、神経症状)
■女神散(不安、イライラ、憂鬱、肩こり、頭痛、めまい、動悸)
■半夏厚朴湯
■半夏白朮天麻湯
■白虎湯
■茯苓飲合半夏厚朴湯(悪心嘔吐、気鬱不安、胃内停水)
■補中益気湯
■抑肝散加陳皮半夏
■苓姜朮甘湯(腰脚がひどく冷え、めまい)
■苓桂朮甘湯(めまい、脳貧血、動悸、人混み嫌い)


 食べたくない
  【漢方薬】
■小柴胡湯(舌苔白、胸脇苦満、体がだるい)
■平胃散(下痢、食後腹鳴、消化不良、四肢がだるい)

 

食べ物の好き嫌いがある
■柴胡清肝湯(好き嫌いが激しい)


ため息が多い
  【漢方薬】
■四逆散



体が重だるく感じる
  【漢方薬】
■五苓散
■柴胡桂枝乾姜湯(胸脇満、小便不利、口唇乾燥、頭汗、盗汗、)           

■四逆加人参湯
■小建中湯
■小柴胡湯(胸脇苦満、往来寒熱、食食欲不振、舌白苔、微熱、神経質)
■真武湯
■蒿芩清胆湯
■参蘇飲(頭痛発熱、無汗、食欲不振、悪心嘔吐、胃部膨満感、脈沈数)
■竹葉石膏湯
■当帰建中湯(貧血、食欲不振、虚弱体質、腹痛、腰痛<牽引痛>、)
■八味地黄丸
■白虎加人参湯(激しい口渇、口舌乾燥、尿利頻数、大便硬、煩躁)
■防已黄蓍湯(色白、汗かき
■薏苡仁湯(四肢疼痛、運動障害麻痺、関節の腫脹・熱感・腫脹、難屈伸)
■苓桂朮甘湯(小便不利、めまい、)
■苓姜朮甘湯
■六一散


 

体温が低い
   (低体温)
基礎代謝が低いことが多い
<1>基礎代謝とは目覚めている状態における生体維持に必要最小限の代謝エネ      ルギー量。
<2>通常、早朝空腹時の、安静恒常状態で測定します。
<3>生理的変動には
1.年令…2~3歳が最高、20歳頃まで急減し以後徐々に減少する。
2.性別…女<男。
3.食事…摂取後増加する。動物性タンパク質を多食すると安静時も増加する(特異力学的作用)。
4.月経期間中は低下する。
5.妊娠時には増加する。
6.筋肉労働した後は増加する。
7.精神が興奮した直後は増加する。
8.睡眠中は低下する。
9.気圧が低下すると基礎代謝も低下する。
10.夏期には低下しやすい。

<4>病理的原因による変動(上昇する場合)
1.甲状腺機能亢進症
2.末端肥大症
3.Cushing症候群
4.褐色細胞腫
5.尿崩症
6.本態性高血圧症
7.心腎疾患による代謝不全
8.発熱時
9.白血病
10.多血症

<5>病理的原因による変動(低下する場合)
1.甲状腺機能低下症(粘液水腫・クレチン病)
2.下垂体機能低下症
3.副腎機能低下症
4.リポイドネフローゼ
5.ショック
6.浮腫・腹水・肥満。
7.重症貧血
8.自律神経が不安定。
9.一過性の原因による低体温:
  *外傷・寒冷・火傷
  *手術・大出血
  *糖尿病性昏睡
  *全身感染症
  *心筋梗塞
  *急性腸閉塞
  *穿孔性腹膜炎
  *腸間膜血栓症
  *薬物中毒   

<6>薬物が原因で変動
1.カフェイン・アドレナリンで上昇。
2.甲状腺製剤で上昇。
3.モルヒネ・バルビタールで低下する。

■手術中の体温低下、術後に影響
「米カリフォルニア大学サンフランシスコ校などのグループは、手術中に患者の体温が低下すると術後に感染症に罹りやすくなるという調査結果を発表した。
オーストラリアの病院で大腸の手術を受けた200人を対象に調べた結果、手術中の体温低下をそのままにしておいた患者グループは19%が手術後に感染症にかかったが、温風などを利用して体温低下を防いだグループでは9%にとどまった。一般に手術中に患者の体温は下がる。これによって患者の免疫機能が低下するのが感染症に罹りやすくなる原因の一つという。 1996.5.16《日経産業新聞》」

【栄養療法】
<1>コーヒー5~6杯:
「600mgのカフェインを摂取すると、副腎を刺激してノルアドレナリンとアドレナリンを放出させる。その結果、脳や、全身が興奮し、基礎代謝は10%近く上昇する」

【芳香療法】◎体温を上げる精油:
    ①マージョラム
    ②タイム
    ③ブラックペパー
    ④ジュニパー
    ⑤ローズマリー

  【漢方薬】
■四物湯
■柴胡桂枝乾姜湯
■小陥胸湯
■十全大補湯
■真武湯
■当帰四逆加呉茱萸生姜湯
■当帰芍薬加附子湯   
■当帰芍薬散



体重減少
  【漢方薬】
■六君子湯(嘔吐、消化不良、胃ガン)


体臭が気になる
■体臭の犯人
「汗臭さなどの体臭が南塚口町になる暑い季節がやってきた。古今東西、体臭は敬遠される許りではなかったが、現代ではすっかり嫌われ者。特に男性は一般的に女性より汗をかきやすいため、体臭を気にしている人は多いだろう。
汗は無臭だが
汗の成分はほとんどが水にずぎず、本来は無臭。臭うようになるのは、皮膚に繁殖している常在菌が、約0.8%含まれている高級脂肪酸(油脂の代謝物)を食べ、嫌なニオイを発する『イソ吉草酸』などの低級脂肪酸に分解するためだ。
常在菌とは、大腸菌・黄色ブドウ球菌など常に人間の皮膚上にいる細菌。ちょっと洗ったぐらいでは除けないし、そもそもカビなど有害微生物から皮膚を守っている重要な存在だ。極端に消毒すると、皮膚を傷めることにもなるので、仲良くするのが得策だ。
今年2月にグンゼが発売した紳士用肌着「デオグリーン」は汗のニオイ成分を打ち消す弱アルカリ性のポリマー(高分子)を使った繊維で出来ている。ニオイ物質は弱酸性なので肌着を通過する間に中和され、着ているだけでニオイが取れるという。
資生堂は高砂香料工業と共同研究で、中高年特有のニオイ成分[ノネナール]を世界で初めて突き止めた。この成果を生かした消臭効果のある化粧品を9月に発売する予定だ。
皮脂酸化で発生する
ノネナールは人間の皮膚から出てきた物質が変化した化合物。化学的に表現すると、『炭素数9の不飽和アルデヒド』となる。青臭さと脂臭さを併せ持っており、ほんの少量でもニオイがする。男女とも40歳を過ぎると年齢とともに増加していくが、男性の方が分泌量が多い。
人間の皮膚がニオイの元を分泌する小さな穴には汗腺と皮脂腺がある。全身に分布しているのが[エクリン腺]で、足のニオイなどもこれ。腋の下のニオイは、腋の下や局部なそ毛根のそばにある[アポクリン腺]からだ。一方、背中や額など体の中心線上に多い皮脂腺は皮膚の表面を覆う脂の膜になる皮脂を毛穴から分泌しており、これがノネナールの元。
皮脂は高級脂肪酸や中性脂肪、コレステロールなどの集まり。紫外線や酸素などの影響で過酸化脂質に変わる。皮脂がこの脂質を出会うことにより、皮脂中の『9-ヘキサデセン酸』と呼ばれる脂肪酸が連鎖的に酸化分解されノネナールになる。常在菌の働きで酸化分解する経路もあると考えられている。
抗菌剤など効果
分解反応を抑えるには、まず抗酸化剤や抗菌剤を使ってみる。また、ニオイがあってもそれを感じにくくする方法がある。「複数の香料素材を組み合わせることで、一方のニオイを強めたり逆に抑え込んだり出来る。ノネナールは柑橘系や風呂上がりの清涼感のある香りで目立たなくなる。」(資生堂の中村洋二チーフパヒューマー)という。
人間の体臭成分は数100種類あると言われる。体臭そのものを消したいと考える人もいるかもしれないが、中には気持ちの良いニオイ成分もあり、「全部なくすというのは行き過ぎでは」。中世、近世の欧州では女性が体臭を強調するのに香水を使っていたをいう例もある。
このほか、異性の関心を引くフェロモンの有力候補物質には女性の不規則な月経周期を正常にする効果があり、赤ちゃんは母親のニオイを識別して安心するという。体臭を敬遠するだけでなく、上手につき合う工夫も大切と言えそうだ。1999.6.27《日本経済新聞》
■「加齢臭」に挑む
「70歳を過ぎた男性が、関西地方の老人ホームを真冬に抜け出し、翌日、街中で凍死していたのを発見された。関東地方では、飛び降り自殺しようと屋上にいたお年寄りを、職員が気づいて救助した。
2人とも軽い痴呆症状があったとはいえ、体臭が強いのを仲間から嫌われ、ふさぎ込んでいたという。
「日本人は体臭で人に迷惑をかけることは少ないと思い込んでいるようですが、年を取ってから体臭が原因で仲間はずれにされたり、いじめに遭うケースは決して珍しくないのです」
40年近くも高齢者医療と取り組み、現場を知り尽くしている群馬県太田市の老人保健施設・聖寿園の神山五郎医師(73)は、高齢者対策の盲点をこう指摘する。
愛知、三重両県で高齢者施設の臭気実態調査をした大同工業大学(名古屋市)の光田恵講師も、体臭は、お漏らしによる排泄物のニオイに次いで、2番目に強いとの結果を出している。
”食事中に突然話を中断された”“好意を持っていた異性から嫌がられた”“ヘルパーが体臭に鼻を背けた”“親戚が見舞いにこなくなってしまった”-----。すべて自分の体臭が原因だろうと思い込み、入浴中に皮膚を擦りむけるほどこすって、皮膚炎をこじらせてしまった痛々しい例もあるという。
大阪府八尾市のホームヘルパー、西田かおりさんは、「在宅介護で、入浴後に香りの良い化粧水をつけてあげると、少々痴呆がかった人でも生き返ったようになるのです」という。体臭対策は、工夫1つで天国にも地獄にもなる事例だ。
高齢者を悩ますこの独特の体臭の主な原因を発見し、しかも40代から増えていることを突き止めたのが、資生堂研究所香料顧問の中村祥二さん(64)だ。天然香料、合成香料合わせて約3000種の香りをかぎ分ける日本でトップクラスの調香師である。
成人の男女21人の協力を得て、人間の鼻に感じる程度の微量の臭気を、特殊な超精密測定技術で調べた。30歳以下では目立たなかった『パルミトオレイン酸』という脂肪酸が、40歳を過ぎると男女共に急上昇していた。70歳代では実に30歳代の10倍にも上がった。
この脂肪酸は、時間がたつと皮痺の細菌や中高年で増える過酸化脂質によって分解され、嫌な体臭成分『ノネナール』を発生させる。青臭さと脂くささを併せ持った物質で、よく言われるロウソクのニオイや古い背広のニオイとも一致している。
中高年臭の犯人物質特定と、その発生メカニズムの解明は意外にも世界で初めてで、中村さんはこれに「加齢臭」という立派な名前を付けた。
「ニオイは差別につながりかねないだけに、どんあ名前を付けるか仲間と随分考えました、適切な名称は、不快臭を解決するターゲットにもなるはず」と考えている。
感覚的に取られがちな体臭だが、米国ペンシルベニア大学・モネル科学感覚研究所の山崎邦郎教授らの研究によると、固有の指紋があるように、個々人はみな違った体臭をもっている。しかも特別な遺伝子群によってコントロールされている。人間の細胞には約80000種とも100000種とも言われる遺伝子があるが、そのうちたった1つの遺伝子が突然変異を起こしても体臭が変わるという。
体臭は、こうした遺伝子や人種、男女差によって支配される「生まれつき」のニオイと生活様式や分化、病気や緊張、食物、薬などによる「社会的」なニオイがミックスされている。さらに生活環境や香水などが付加されて人間は複雑なニオイを醸している。それだけに中高年の体臭は個性とも、人生の履歴書ともいえる。
「一口に体臭というが、お年寄りの周辺から嫌なニオイが除去できたら、どんなに救われる人がいることか。プライドや自信を取り戻し、生活の質向上が出来るようになる。だからもっとキメの細かい対策が欲しいのです」と神山医師は強調する。」
■排泄臭抑える
「キッコーマンは、ブドウの種子から抽出したポリフェノールが腸内で食物の腐敗臭を包み込む機能があり、おむつを取り替える際などに、排泄物のニオイを抑えることが出来るとして、製品(そよ風物語)を開発した。」2000.7.25《日経産業新聞》


体力の低下
   =体力低下=体力がない。
  【漢方薬】
■清暑益気湯
■大防風湯
■腸癰湯
■当帰建中湯
■当帰芍薬加附子湯
■人参湯
■人参養栄湯
■附子人参湯
■補中益気湯
■六君子湯

【宝石療法】
<1>縞メノウ--------体力を引き寄せる。
<2>カーネリアン----エネルギー・レベルを増加する。
<3>インドめのう----体力を与える


体毛
  hair
⇒わずかな健康上の異常でも、体毛に変化が見られる。
<1>一般に頭髪に対し、アンドロゲンは抑制的に、ヒゲに対し逆の関係にある。
<2>腋毛・恥毛:エストロゲン・アンドロゲンは共に促進的に働く。

稀毛症oligotrichosis:毛が異常に少ないもの。
以下の疾患で起こりやすい:
<1>甲状腺機能低下症:
毛髪は厚くなるが粗毛になり、まつ毛の1/3が脱落しやすい。
<2>甲状腺機能亢進症:
正常よりも薄く、やわらかい。
<3>男子の原発性ないし2次性の性腺機能低下症:
前額両側部の毛髪が正常に後退しない。
<4>梅毒:
不規則に脱毛し、虫にくわれたようになり、頭髪では側頭部に著しい。

多毛症:顔面、体幹部、四肢などの毛髪が濃くなる。

(多毛症hypertrichosis):
男性化の特徴なしに全身・局所の毛の多いもの。
      以下の疾患で起こりやすい:
<1>Cushing症候群
<2>副腎性器症候群(adrenogenitil syndrome):
     女子の陰毛が男性化する。
<3>男性胚細胞腫(arrhenoblastoma)
<4>副腎皮質ステロイド長期投与
<5>発毛が異常な部位で多い:hirsutism(多毛早熟症)
<6>多嚢胞性卵巣症候群

(男性化症virlism):女性で男性化するもの。
無月経、
性欲減退、
乳房の萎縮、
女性特有の皮下脂肪の消失、
筋肉の発育によって男性的体格になり、陰核も大きくなる。
男子と同じ様なハゲ方をする



太鼓腹
  【漢方薬】
■防風通聖散


㿗疝(たいせん)
=「㿉疝カイセン」に同じ。
⇒慢性の陰嚢水腫の類。
⇒睾丸が大きくなって、かゆくも・痛くもない、地気の卑湿なところでなる病。女子の陰門の出もそうである。
イ.腸㿉=小腸気:

[天台烏薬散][救命通心散][却鈴丸][加味通心飲][蠲痛元][消疝丸][立効散]
ロ.卵㿉=水疝と同じ治法。
ハ.気㿉=気疝と同じ治法。
ニ.水㿉=膀胱疝:[青木香元][三花神祐丸][神保元]

【臨床例】
☆《井觀醫言》より
「㿗疝は針を刺して水を去るのが、最も良い方法である。余《尾台榕堂》の従兄の岩田初太郎は偏㿗(ヘンタイ=片方の睾丸の陰嚢水腫)を患うこと20余年でその大きさは1斗マス程もあったので、出て歩くのも頗る難渋をしたほどであったが、ただ1回の穿刺で治癒し、その後再発することがなかった。治効はそれほど速やかである。
穿刺して更に発するものは、その穿刺を3~5回繰り返すと必ず効果がある。
花岡青州翁(=吉益南涯の門に出た、外科の巨匠。1805年に通仙散で全身麻酔)は、穿刺した後へ左突膏を塗った紙条(コヨリ)を入れて治療されたが、極めて合理的な治法というべきである。しかし、余は未だこの方法は試みたことがない。」《荒木正胤》




代償性月経
=代償月経
⇒月経が何らかの原因で止まっている場合とか、或いは月経自体が少ない場合に、子宮以外の部分に見られる出血である。例えば乳腺出血・鼻血。(南山堂ー医学大辞典)
  【漢方薬】
■黄芩湯


多飲
【漢方薬】
■黄蓍湯
■竹葉石膏湯
■白虎湯

 


多形滲出性紅斑
◎好発年齢:30才くらいまでの男女。
◎好発時期:春・夏に多い。
◎症状:
<1>発疹:
①部位:四肢伸展側。顔面は稀。
②性状:対称性、
手背、足背より始まる
紅斑、時に水疱結節。
③発疹の出現時間:
前駆症状に続いて起きる
<2>関節痛
<3>腫脹
<4>発熱
◎血液像:特に変化なし。
◎検査項目:
皮膚生検



多汗(たかん)
(参照→「ペインクリニック」)
⇒多汗症 hyperidrosis=発汗過多症
<1>汎発性多汗症 h.universalis
運動時・高温環境下・肥満で起こる他、
バセドウ病・糖尿病・妊娠・閉経・急性熱性伝染病・ショック・合成副腎皮質ホルモンの副作用・薬剤[アスピリン・ピロカルピン]etcで起こる。
「盗汗」もこの一種。   

<2>局所性多汗症 h.localis
精神性発汗で体側性。顔面・腋・外陰・手掌足底・鼻尖・乳房間部などに多い(冷汗)。
コーヒー・チョコレートが誘因となることもある。
<3>片側性多汗症
脳溢血・脊髄空洞症・脊髄癆・交感神経障害などで起こる。

■ニオイが気になる
「30歳代、女性。最近、異常なほど汗をよくかき、ニオイが気になって仕方ありません。2年前に腋臭の手術を受けたので、ワキガではなく汗のニオイです。デオドラント剤をたくさん使っていますが、効果がありません。
汗かき(多汗症)の人はかなりいると思いますが、生活に差し支えるのは、手のひらの多汗症です。緊張すると汗がしたたり落ちて答案用紙が破れるほどひどい人もありますが、これは手術で治せます。
全身の多汗症は糖尿病患者に見られます。あなたの場合は、内科的な病気は無いのでしょうか。
多汗症より体臭を気にしておられるようですが、体臭の大部分はアポクリン汗腺からの微量の汗によるものです。
ワキガの手術をされたとのことですから、両脇からのニオイはなくなっているはずです。しかし、アポクリン腺は両脇の他に、外陰部、乳房部、頭皮、おしりにも散在していますから、ニオイはおそらく両脇以外の部分が原因でしょう。下着に移った汗のニオイから、どの部分かが分かると思います。
また、足臭症といって、足のニオイの強い人もいます。足底は脂腺(皮膚の脂を出す腺)がなく、エクリン汗腺(普通の汗を出す腺)だけですが、足指の間には脂腺がありますので、その部分の皮脂が最近で分解されて悪臭になるのdす。
皮膚にいる細菌を殺す抗生物質を飲んで、ニオイが消えるかどうかを試してみるのも、原因を調べるのに大切な方法だと思います」
【漢方薬】
■黄蓍桂枝五物湯

■黄蓍建中湯

■玉屏風散

■桂枝加黄蓍湯

■桂枝加附子湯

■竹葉石膏湯

■白虎加人参湯(激しい口渇、口舌乾燥、尿利頻数、大便硬、煩躁)

■防已黄蓍湯(色白、だるい、小便不利)

■補中益気湯(立ちくらみ、食欲不振、病後)

■牡蛎散

#わき多汗症

多血症
(参照→「エリスロポエチン」)
⇒血液中の赤血球が多すぎること。血液が粘っこくなり、脳血栓・心筋梗塞などを起こしやすくなる。(=赤血球増加症erythrocytosis)

◎原因:
<1>体内の酸素不足によりおこる。→腎臓のエリスロポエチンの産生しすぎで、 赤血球が余分に出来る。
①心臓弁膜症・
②心室中膈欠損・
③慢性の閉塞性肺疾患・
④極端な肥満で睡眠時に呼吸がうまく出来ない為に酸素不足。
⑤タバコの吸いすぎ・
⑥腫瘍-----肝臓ガン・小腸ガン・腎臓ガンなどの腫瘍からエリスロポエチンが産生されるため。
⑦高地(アンデス・ヒマラヤ)に住んでいる。
<2>造血幹細胞に異常があり、エリスロポエチンは増えないのに、赤芽球が異 常増殖する。(真性多血症)
◎種類:
相対的多血症:
(イ)体液の喪失
(ロ)ストレス多血症(stress erythrocytosis)----------
   やや肥満型・赤ら顔の中年男性に多い。
   ヘビースモーカーに多い。
   入院安静時に正常化する(短期間に)。

絶対的多血症:
(イ)真性多血症(polycythemia vera)---入浴後に頑固な皮膚掻痒感とチアノーゼが加わって『赤ら顔』になることがある。
(ロ)二次性多血症:
(1)組織の低酸素症が原因-

a.高地滞在
b.心肺疾患
c.換気障害
d.異常ヘモグロビン血症。           

e.メトヘモグロビン血症。
(2)エリスロポエチンの異常産生。
a.腎疾患(腎血管狭窄・水腎症・腎嚢胞)
b.エリスロポエチン産生腫瘍。
    (腎ガン・肝ガン・小脳血管芽細胞腫)
c.家族性多血症。






多食(たしょく)
=過食症。
⇒しょっちゅう良く食べる。
⇒食欲の異常に亢進して、大量の食物を接種する状態をいう。健康者でも特別の状態では起こるが、病的に亢進した者では食べなければ満足出来なくなる。臨床上、問題になるのは、糖尿病・膵インズローム・視床下部及び下垂体の病変とくに腫瘍・緊張症・躁病・ヒステリー興奮時などで見られる。(南山堂ー医学大辞典)
◎アダルト・チルドレン:心の問題から過食・拒食。
  【漢方薬】
■白虎湯
■白虎加人参湯



多痰
  【漢方薬】
■八味地黄丸


多動性障害
    (参照→「ADHD」)
■母子分離2歳前後は注意
「落ち着きが無く、あちこちフラフラ歩き回っていて、1つのことに集中出来ない子供がいた。幼稚園でもみんなと一緒に紙芝居を見ていられない、多動な5歳の子であった。
2歳までは元気のいい普通の子であったが、ある事件をきっかけに子供から笑顔が消え、言葉や歌が失われた。
その事件とは、母親が妹の出産のために入院し、その間少し離れた祖父母の家に預けられ、10日あまりに1度も母親に会うことが出来なかったのである。2歳前後の母子分離が、子供にかなり強い影響をもたらすことはよく経験することである。この場合のように母親の出産・病気・子供の完全看護入院などで1週間以上の母子分離が余儀なくされたときに、それは起きるようだ。
母親が自分の目の前から訳も分からず消える。少なくとも子供にはそう映る。これは子供にとってかなりのショックを与え、トラウマとなる。だから、その後は外傷性ストレス性障害(PTSD)と同じ様な状況になるのであろう。
2歳前後の母子分離体験でそうなるのが何故であろうか?
もっと年少だと母親への認識が弱いので、母親の突然の消失も影響は弱く、一時的なもので終わるのであろう。又、3歳以降になると、「ママは赤ちゃんが生まれるから、いま病院にいるんだ」というように、母親の置かれている状況や、自分との関係をある程度客観的にとらえることが出来る。だが、2歳前後の頃は、母親や母親と自分との関係をしっかり認識出来るようになっているが、たとえ大人の考えで状況を説明しても、母親の突然の消失を理解できない。ただ、「ママがいない」という事実のみに意識が集中する。どうなったら母親と再会出来るのかも理解出来ない。
こういう状況が長く続くと、子供は母親だけではなく、人間や大人への信頼感を失い、人にあまり反応しなくなり、言葉が出なくなったり、情緒が不安定になったりする。
そうならないためには、この時期の母子分離体験をなるべく避けることが大切である。もし、それが出来ないときは、出来るだけ頻繁に子供を母親と会わせるとか、それも出来ない時は、電話やビデオを活用して、子供の世界から母親の姿を消さない工夫をしなければならない。分離体験をしてしまったら、2人だけの時間を増やし、スキンシップを頻繁にするなどして、時間をかけて母親は子供とのアタッチメントと再構築することが大切である。(杉原一昭・筑波大学教授)1999.1.12《日本経済新聞》



多尿 
polytria
    (参照→「乏尿」「尿閉」「無尿」)
=1日の尿量が3000cc以上の場合をいう。
◎分類: (尿の浸透圧で)

●低張性の多尿:(水利尿である)
<1>ADH濃度が低い場合。
①中枢性の尿崩症:
②水の摂取量が多い場合:
 (ア)心因性の多飲症
 (イ)低張輸液の過剰投与
<2>ADHに対する腎の反応が低下している場合。
①腎性尿崩症
②低K血症
③高Ca血症

●等張性の多尿:(浸透圧利尿である)
<1>塩利尿(浸透圧形成物質が電解質)
<2>非電解質による利尿:
①糖尿病
②マンニトール点滴のとき。

【漢方薬】
■八味地黄丸


多嚢胞性卵巣症候群
polycystic ovali syndrome
=「PCO:Stein-Leventhal症候群」
⇒両側卵巣多嚢胞性腫大を有し、慢性無排卵、視床下部・下垂体・卵巣系の周期性が失われ、この間に悪循環が成立し、卵巣から過剰のアンドロゲンが分泌される。    (→多毛、男性化する)

◎発病は思春期前後が多い。
◎症状:
  肥満
  無月経
  多毛
■排卵あれば治療は不要
「30歳代、主婦。不妊検査で病院に行った所、多嚢胞性症候群と言われました。排卵はあり妊娠は可能とのことですが、どういう病気なのか心配です。また遺伝するのでしょうか?
多嚢胞性症候群は無月経・無排卵と、多毛・ニキビなどの男性化症状、肥満などが主な症状です。
卵巣では卵胞の成熟と共にエストロゲン(卵胞ホルモン)が合成されます。この合成機能に問題が起こるとエストロゲンが減り、アンドロゲン(男性ホルモン)が多く合成されます。こうなると、視床下部ー脳下垂体ー卵巣系の機能が働かず、排卵が起こらなくなり、月経不順、無月経になります。
治療としては、排卵が無い場合は排卵誘発をしますが、あなたの場合は排卵があるので心配はありません。他に卵巣の手術、レーザー治療などがあります。漢方療法では視床下部ー脳下垂体ー卵巣系の機能を正常にします。アンドロゲンの分泌を低下させ月経周期を正常にすると言われている漢方薬もあります。
多嚢胞性症候群は家族性発症が以前から言われています。細菌の遺伝子学の進歩によりこの疾患のうち、あるものは遺伝子の異常が関係している可能性があります。しかし、必ず発症するわけではないのであまり心配しないでください。
心配・睡眠不足・冷えなどはストレスとなりホルモンのリズムを乱れさせます。せっかく排卵があるのでこのリズムを続けさせるようにしましょう」


 

多発性神経炎
(参照→「ビタミンB1」)
=多発神経炎=「ポリニューロパチー」
⇒末梢神経が両側性・対称性に侵され、知覚・運動・自律神経系や栄養などの障害が種々に組み合わさって発現する。(南山堂ー医学大辞典)
◎原因:
<1>薬物による中毒
 1.鉛
 2.砒素
 3.アルコール
 4.ジニトロベンゼン
 5.INAH
 6.エタンブトール
 7.ビンクリスチン
<2>感染
 ジフテリア毒素・らい菌
<3>代謝異常
 1.糖尿病
 2.粘液水腫
 3.悪液質
 4.膠原病
<4>原因不明のもの


【漢方薬】
■九味檳榔湯

⇒全身的な疾患が原因で、末梢神経が選択的に障害される疾患。
    (靴下・手袋型感覚障害)
◎原因となる疾患:
①アミロイドーシス
②悪性腫瘍
③糖尿病
④遺伝性疾患
⑤栄養障害:脚気
      アルコール障害
      妊娠悪阻
⑥薬物の副作用
⑦重金属中毒
⑧ギランバレー症候群

◎症状:

①足の先からシビレ、膝まで上がって来ると、今度は指先がシビレます。
(長い神経繊維から障害を受けるため)
②左右対称に侵される。-----脊髄疾患との違い。
③脱力感を伴うことがある。


多発性関節炎
⇒ペニシリン・サルファ剤などの服用により多発性関節炎を引き起こすことがある。
◎多発性関節痛を引き起こす疾患(五十音順)
<1>化膿性関節炎
<2>急性感染症
<3>急性白血病
<4>筋筋膜症
<5>骨関節症
<6>痛風
<7>ブルセラ病
<8>慢性関節リウマチ
<9>慢性関節リウマチの類縁疾患:
 1.乾癬性関節炎
 2.硬直性脊椎炎
 3.Reiter症候群
<10>リウマチ熱

【漢方薬】
■桂芍知母湯
■疎経活血湯
■薏苡仁湯



多発性筋炎
(PM) polymyositis
=皮膚筋炎(dermatomysitis、DM)
⇒膠原病の一種。40~50才の女性に多い。
◎病因:不明
◎症状:
①筋痛:

筋力が低下し、血清クレアチンキナーゼ(CK)の活性上昇
筋生検で筋線維の変性と間質の小円形細胞浸潤を認める。
②萎縮:

(四肢近位筋・体幹・顔面)が対称性に萎縮。
脱力
関節痛
リンパ節・脾腫張
対称性浮腫

皮膚:上眼瞼部にヘリオトロープ疹
   紅斑
   水疱
   落屑
   色素沈着
   Gottron徴候:関節背面に隆起した暗赤色紅斑
◎検査:
貧血
白血球:正常~増加
抗Jo-1抗体:陽性(30%)
赤沈:中等度
CRP:陽性
血清Glb:(↑)
トランスアミナーゼ:上昇

◎診断基準:(Bohan & Peter 1975)
<1>数周~数ヶ月にわたり進行する躯幹近位筋群の両側性の筋力低下。
<2>筋生検de,筋繊維の壊死、呑食像、再生、萎縮、大小不同及び炎症細胞浸潤の存在。
<3>血清CPK(クレアチンホスホキナーゼ)の上昇。
<4>筋電図で安静時におけるfibrillation、随意収縮時の低電位、shot durationおよび多相電位。
<5>ヘリオトロープ疹(眼瞼周囲、耳介後部)
 Gottron徴候(手指関節の伸側面に出来る紅斑)
 膝・肘・頸・顔面の紅斑。

 DefinitePM:<5>を除く<4>項目。
 ProbablePM:<5>を除く<3>項目。
 PossiblePM:<5>を除く<2>項目。
 DefiniteDM:<5>を含む<4>~<5>項目。
 ProbableDM:<5>を含む<3>項目。
 PossibleDM:<5>を含む<2>項目。
■筋炎モデルマウス
「東京医科歯科大学・理化学研究所などのチームは、身体の免疫システムが異常を起こして発症する筋炎のモデルマウスを作製した。多発筋炎や皮膚筋炎はこれまで最適な実験動物が無く、研究が進んでいなかった。
筋肉にある骨格筋Cタンパク質が、マウスで免疫反応を起こしやすいことを突き止めた。正常なマウスにこの成分を注射すると筋炎が起きて筋力が下がった。患者の治療に使われている免疫グロブリンを投与すると症状は治まった。
人の筋炎は骨格筋Cタンパク質以外の別の原因で起きている可能性が高いが、同じ症状が出て薬が効くためモデル動物として使えるという。
多発筋炎は全身の筋力が落ちる病気。中高年や女性は発病しやすい。筋力低下に加えて皮膚に炎症が起きると皮膚筋炎と呼ばれている。両方を合わせて15000人の患者がいるとされている。
治療は副腎皮質ホルモンや免疫療法剤を使って治療するが、全身の免疫力が落ちるので感染症にかかりやすくなる。ステロイドが効かないときには人の血液から抽出する免疫グロブリンを投与する。」200610/16《産業》
【多発性筋炎の漢方薬】
■温清飲
・落屑性紅斑、皮膚萎縮、ヘリオトロープ疹など皮膚症状のある者に用いる(漢方診療医典)
■柴苓湯
・ステロイド大量使用時に柴苓湯を併用する(漢方診療医典)
■小柴胡湯
・胸脇苦満、心下痞硬のある場合に用いる・瘀血があれば桂枝茯苓丸などの駆瘀血剤と合方する(漢方診療医典)








多発性硬化症
(MS) multiple sclerosis
⇒中枢神経の髄鞘の一次的な破壊を主とする疾患。病巣が中枢神経全般に多発し、経過も増悪と緩解を繰り返すのが特徴。
「多発性硬化症は神経線維を包むタンパク質であるミエリンが損傷し、様々な神経症状を引き起こす自己免疫疾患の一種。急速に悪化する時期と安定期を繰り返しながら徐々に症状が進行し、最終的には失明へと進む。白人に多く見られる。」
「日本では72年から厚生省の難病指定を受けている」
◎臨床症状:
<1>眼症状------視力低下、復視。
<2>運動障害----麻痺、失調
<3>感覚障害----感覚低下、異常感覚。
   

◎以下の場合にはMSを考える。
<1>視神経炎のほかに、しびれ・麻痺、反射異常、運動失調などの神経症状があるとき。
<2>脊髄症状に眼筋麻痺や眼振などを伴うとき。
<3>小脳症状と脊髄症状、脳症状が次々に起こるとき。
   小脳症状-----運動失調、眼振
   脊髄症状-----下半身麻痺
   脳症状-------片麻痺
<4>脊髄炎を繰り返すとき。
<5>視神経炎を繰り返すとき。
   

◎診断基準
<1>発病年齢:15~50歳。
<2>中枢神経に多発性病巣に基づく症状がある。
<3>症状に寛解や再発がある。(時間的多発性)
<4>他の疾患を除外出来ること。
 腫瘍
 梅毒
 脳血管障害
 頸椎症
 血管腫
 SMON
 ニューロベーチェット病
 小脳変性症

■ミエリンが有効?
「米スタンフォード大学などは、脳や脊髄など中枢神経の一部が線維状の組織に侵される『多発性硬化症』の進行を止めるのに、特定のペプチドの投与が効果的なことを動物実験で確認した。
このペプチドは『ミエリン』というタンパク質の一部。多発性硬化症のモデルマウスに投与したところ体内の免疫系に働きかけ、病状の進行を食い止めることが出来た。研究グループはこのペプチドを利用した新薬作りを目指す。多発性硬化症は米国では1000人に1人の割合で患者がいるが、現在のところ効果的な治療法はない。1996.2.14《日経産業新聞》より」
■中枢神経の損傷を修復
米メイヨークリニックの研究グループは、再生が難しいと考えられていた中枢神経系の損傷を修復する技術を開発した。神経細胞が情報を電気パルスの形で高速化する際に重要な役割を果たすミエリンと呼ばれる組織が失われても、ヒトの抗体を投与すれば再生できるという。ミエリンが失われる原因不明の難病である多発性硬化症の治療の手がかりになる。
ミエリンは神経細胞の軸策という部分を取り囲む組織で、これが失われると、正常な情報伝達が出来なくなる。2000.6.8《日経産業新聞》
■治療薬
「日本シェーリングは視覚や運動障害などの症状が出る多発性硬化症の治療薬『ベタフェロン』を発売した。ベタフェロンは遺伝子組み換え型のインターフェロン製剤で、ミエリンの損傷に関係している体内の免疫機構の活性化を抑制して、病状の進行を遅らせる効果がある。」2000.12.1《日経産業新聞》

■治療の手がかり
「慶應義塾大学医学部と東京都老人総合研究所は、神経の難病である多発性硬化症で破壊されてしまう脳の組織「ミエリン」が、脳内で形成される仕組みを解明した。多発性硬化症は脳神経組織を覆うミエリンが突然壊れ、手足の麻痺や失明、知覚・言語障害など様々な症状が出る。国内の推定患者数は約1万人。
慶大の相磯貞和教授と中原仁医師、老人研の阿相晧晃グループリーダーらは、ミエリンを作り出すのに深く関与しているタンパク質を発見した。神経細胞の元になる幹細胞からミエリンを作る細胞に成長するように作用しているという。2003.6.16《日本経済新聞》
■視力が衰え・手足がシビレる
「視力が下がり、手足がしびれて力が入らない。こんな症状を数ヶ月ごとに繰り返す多発性硬化症が国内で増加の兆しを見せている。
「左肩のあたりがシビレ、そのうち両足に力が入らなくなった」。都内に住むA子さん(32)が体の不調に気づいたのが10年前。症状が現れては消え、最初は病名が分からなかった。6~7カ所の病院を転々として、ようやく多発性硬化症と診断された。 
多発性硬化症は神経の周囲を覆う髄鞘という部分が破壊され、信号がうまく伝わらなくなって起きる。発病の原因はよく分かっていない。脳や脊髄の中枢神経が侵され、運動障害で車いすが必要になることや、目が痛んだりすることがあります。
インターフェロンβと呼ぶ治療薬が2000年に日本でも承認されました。しかし、1日おきに患者自身が注射する必要があります。再発して症状が急に悪化した場合はステロイド剤を3~5日日間、高単位に投与することが必要なことがあります。2003.7.15《日本経済新聞》
■薬効に関する遺伝子
「厚生労働省の研究班は、手足のシビレや脱力感などの症状を繰り返す神経の難病、多発性硬化症の進行や再発を抑える薬の効き目を左右する21種類の遺伝子を特定した。患者の体質に応じ薬の効果や副作用を予測する手法の開発につながる。
国立精神・神経センター神経研究所の山村隆免疫研究部長多の研究班は、国内で唯一承認されている薬剤『インターフェロンβ』を13人の患者に投与。治療を始める前後で遺伝子の働きを比較した。
解析した1300個近くの遺伝子のうち、炎症を抑える作用のある『TNFAIP6』など16種類の働きが高まっていた。逆に働きが低下する遺伝子は5種類だった。
インターフェロンβは症状の進行・再発を抑える作用を持つが、効き目があるのは患者の6~7割程度。患者によっては効かなかったり、症状が悪化したるする場合もある。今回特定した遺伝子をもとに、患者のインターフェロン療法に対する適正を判断する手法を開発できるとみている。」2003.7.21《日本経済新聞》
■抗アレルギー薬で
大坂バイオサイエンス研究所(吹田市)は、抗アレルギー薬で多発性硬化症のような神経変性疾患の病状を改善できることを動物実験で確認。
アレルギーなどの炎症反応では『プロスタグランジンD2』と呼ぶタンパク質が関わっている。脳の神経変性疾患でもこのタンパク質が神経の周囲で炎症を起こし、神経の損傷を進行させることを突き止めた。
神経変性疾患の一種「クラベ病」になるマウスに抗アレルギー薬を飲ませたところ、炎症反応で失われる神経細胞の数が半分に抑えられた。ケイレンなどの症状も軽くなった。パーキンソン病などでも炎症反応が起きている可能性があるという。
■仕組みを解明
「大阪大学微生物病研究所は、自己免疫疾患である多発性硬化症で神経麻痺を引き起こす原因と見られるタンパク質を突き止めた。このタンパク質は、免疫細胞が炎症を起こす物質を出すように指令する役割を担っていた。
2007年3/23のネイチャーに掲載。
多発性硬化症は若い人や女性が発症しやすく、脳などに炎症が起きて手足がしびれるなどの症状が出る。重症化すると歩けなくなることもある。
菊谷仁・大阪大学教授らは金属や化学物質が体内に侵入、リンパ球の一種であるT細胞が活性化すると、細胞表面にセマフォリンAというタンパク質が出現することを発見した

  【漢方薬】
    真武湯



骨髄腫
multiple myeloma
⇒免疫グロブリンが増加する。
A、G、D、E骨髄腫がある。
◎症状:
・貧血
・腰痛
・タンパク尿
・その他:高カルシウム血症
     腎機能障害
     易疲労性
     骨異常

◎検査:
骨髄形成細胞の増加(10%以上)
血清・尿中Bence Jonesタンパク





多発性嚢胞腎

ADPKD
常染色体性優性多発性嚢胞腎(ADPKD)は、新生児1000人に1人の割合で発生し、遺伝性の腎不全としては最も多い。ADPKDは、PKD1遺伝子とPKD2遺伝子のどちらかに起こった変異が原因である。PKD2はTRPファミリーに属するカルシウムチャネルの遺伝子である。エール大学のStefan Somloたちは、PKD2が腎臓の上皮細胞で小胞体(細胞内のカルシウム貯蔵庫)からカルシウムを放出させる働きをすることを突きとめた。ワた、多発性嚢胞腎に見られる異常とは、このカルシウム情報伝達機構の機能喪失でることを明らかにした。(ネイチャー)February, 2001



多発性動脈炎
=膠原病の一種。
中・小の筋型動脈の壊死性炎症性変化。病変の新旧混在が本症の特徴。
◎男性に多い(3:1)
◎好発年齢:20~50才
◎好発部位:動脈分岐部
◎病因:不明
◎症状:
*発熱:原因不明の発熱
*体重減少
*脱力
*腎障害
*高血圧性心不全
*腹痛:急性腹証類似
*胸膜炎:胸痛・血胸
*肺梗塞
*発疹
*アナフィラキシー肺炎
*アレルギー性肉芽腫性血管炎
*心筋梗塞
*中枢・末梢神経障害:末梢神経炎
*筋・関節炎:筋痛

◎検査:
*貧血
*白血球増加
*好酸球増加
*タンパク尿
*血尿
*赤沈:著明に促進
*Alb:(↓)
*Glb:(↑)
*A/G:(↓)
*リウマトイド因子:陽性
*抗核抗体:




多夢
  【処方名-五十音順】
■温胆湯
■加味帰脾湯
■加味逍遥散
■帰脾湯
■桂枝加竜骨牡蠣湯
■柴胡加竜骨牡蛎湯
■酸棗仁湯
■朱砂安神丸
■天王補心丹
■柏子養心丸 


唾液分泌過多
  【処方名-五十音順】
■人参湯


 

唾血(だけつ)
⇒鮮血が痰に混じって出てくるもので、腎が悪い為。
  【処方名-五十音順】
■滋陰降火湯
■恩袍散(唾血・咯血・吐血)
■河間生地黄散(唾血・衂血・吐血・咯血・欝熱)
■玄霜雪梨膏(唾血・咳血・嗽血・咯血・心労がある)
■清唾湯《万病回春》
■補栄湯《万病回春》
■竜脳鶏蘇丸(唾血・咳血・嗽血)



唾石
◎舌下に出来た唾石なども、重舌の中に入ると思う《大塚敬節》
■クチナシの実
「60歳女性。数ヶ月前から左のあごの下のリンパ腺が腫れ、食事の時など痛むようになりました。検査の結果、舌下腺に唾石という石がたまっているとのこと。手術を薦められていますが、アレルギー体質なのでできれば手術は受けたくありません。」
「唾石は一般の方には耳慣れない言葉と思われるが、唾液腺に石の出来る病気で決して珍しい病気ではない。質問者のようにあごの下の腫れ、下あごの違和感や痛み、唾液分泌の異常、首や肩の凝りなどの症状が現れる。
漢方でも唾石と思われる状態の記載は古くからあり、舌の下に腫れ物が出来、舌が2枚あるようにみえることから重舌、また舌の裏に骨のような硬い突起が出来ることから舌骨などと呼ばれている。
唾石にはクチナシの実である山梔子がよく用いられる。当研究所東洋医学総合研究所初代所長の大塚敬節先生は山梔子を含む唾石の排石剤として、唾石散と命名してよく用いた。内容は山梔子・枳実・芍薬・甘草の4味の生薬からなる。芍薬や枳実も排膿散などの含まれるように排膿・排石作用がある。
私の経験でも唾石の患者さんい用いたところ、ムズムズした感じがして何ら痛むことなく排出した、と実物を持参されて喜ばれたことがある。(花輪寿彦)」1999.6.21《日本経済新聞》
  

【処方名-五十音順】
■梔子枳実芍薬湯
■梔子豉湯
■小柴胡湯梔子3.0・芍薬4.0
■凉膈散石膏
  

【治験】   《大塚敬節》
「15、6年前のことである。錦糸町でパーマネント業をしている1婦人が、2、3日前から、舌の下に更に小さい舌が出来て痛み、夜も眠れないといって来院した。古人が重舌と呼んだのは、恐らくこれであろうと考え、この患者に梔子に甘草を加えて与えた。すると2日目に、患者はソラマメ大の淡褐色石を持って現れ、あの薬を呑んだ翌朝、鏡を見ると、今度出来た小さい舌の先端が破れて硬いものが出かかっていたので、ピンセットで引っ張ってみると、こんなものが出てきましたという。見ると唾石である。舌下腺に出来た唾石が梔子剤でとれた例である」《大塚敬節》




苔癬(たいせん) lichen
⇒麻実大~帽針頭大の充実性丘疹で、終始その形にとどまるものをいう。(南山堂ー医学大辞典)

【処方名-五十音順】
■八味地黄丸
■六味丸

 

帯下(たいげ)
   leukorrhea
=こしけ=白帯下(ハクタイゲ)
⇒女性性器からの分泌物を帯下という。
◎子宮出血、白帯下の総称。帯下に赤白あり、赤い場合が血の不順、白い場合は気の不順としている。俗にこしけ(子宮内膜炎)という。
◎何らかの原因によって、女性性器から出る分泌液の量が増えたり、分泌液の性質が変わって、膣口から流れ出るもの。
<1>無色・白色のうちは心配いりません。
<2>閉経後にはこしけはありませんので、あったら子宮ガンなどを疑いましょう。
  

【漢方療法】
◎主薬:婦人の帯下には、乾姜(炒)を主薬とすべし《万病回春》

■《方輿輗》
「芎帰膠艾湯、此方は漏下(子宮出血)に用いる薬で、かたわら赤白沃(赤白帯下)にも用いる。この方は止める薬である。また赤白大帯下の下りすぎて止まない者には、牡蠣・烏賊骨の2味を等分にした方を用いる。ここでは本方は芎帰膠艾湯或いは当帰建中湯などを用い、それに牡蠣烏賊骨の散を兼用する。また柴胡桂枝乾姜湯や当帰芍薬散の類に前記の散を兼用することもあり、柴胡桂枝乾姜湯を用いて良いことがあり、牡蠣のよいこともある。桂枝加竜骨牡蛎湯のゆくこともある。」

■《湯本求真》は帯下の患者には、いつも薏苡仁を加えて用いた。例えば、大柴胡湯+桂枝茯苓丸+薏苡仁とか、小柴胡湯+当帰芍薬散+薏苡仁のように。

【処方名-五十音順】
■一物瓜蒂湯
■胃風湯-麻黄、+荊芥穂。(五色帯下)
■茵蔯蒿湯
■温経湯
■温清飲
■加減八物湯《万病回春》
■加減六合湯《万病回春》
■加味益気湯《済世全書》
■帰脾湯《寿世保元》
■芎帰膠艾湯
■芎帰調血飲
■苦練丸
■桂枝加竜骨牡蠣湯
■桂枝茯苓丸
■桂附湯[2]
■香附散[2](五色崩漏)
■五積散《万病回春》
■五積散-麻黄、+荊芥穂。(五色帯下)
■固真丸
■琥珀朱砂丸
■芩求樗丸
■芩柏樗皮丸
■柴胡桂枝乾姜湯
■柴胡加竜骨牡蛎湯
■三妙散
■酒煮当帰丸
■生姜瀉心湯
■四妙散
■四神丸[4]
■指迷七気湯
■十全大補湯《済世全書》
■十六味保元湯《寿世保元》
■小柴胡湯山梔子・防風《薛立斎十六種》
■小柴胡湯黄連・山梔子・当帰《薛立斎十六種》
■升陽燥湿湯《蘭室秘蔵》
■清玉散《寿世保元》
■清心蓮子飲
■清白散(白帯)
■蒼柏辛芎散《医学入門》
■蒼柏樗皮丸
■大黄牡丹皮湯
■地楡散[3]
■腸癰湯《備急千金要方》
■当帰四逆加呉茱萸生姜湯
■当帰芍薬散
■桃核承気湯
■土瓜根散
■二陳湯
■二陳湯蒼朮・白朮・升麻・柴胡
■人参湯
■八珍湯《薛立斎十六種》
■八味地黄丸(白帯
■白帯丸
■白芍薬散
■白歛元
■礬石丸
■附桂湯《医学入門》
■補宮丸
■補経固真湯《医学入門》
■補中益気湯山梔子《薛立斎十六種》
■薏苡附子敗醤散
■龍骨一味《備急千金要方》
■竜胆瀉肝湯《薛立斎十六種》
■苓姜朮甘湯
■六君子湯
■六君子湯山梔子・柴胡《薛立斎十六種》
■六味丸《薛立斎十六種》

【参考】帯下の12種病。
1.赤の多いこと。
2.白の多いこと。
3.月経不通。
4.陰蝕(婦人の陰中に生瘡すること)
5.子宮が固くなること。
6.子宮の門がひっくりかえること。
7.交合するとき痛むもの。
8.小腹の痛むこと。
9.子宮の門が閉まること。
10.子宮の冷たいこと。
11.夢に鬼と交合すること。
12.五臓が定まらないこと。

【民間療法】
<1>クマツズラ。
<2>ケイトウ。
<3>シャクヤク。
<4>ニシキギ。
<5>ホオズキ。
<6>メハジキ。
<7>ヨモギ。
<8>ウサギ・オオバコ・オミナエシ・キンミズヒキ・クララ・ゲンノショウコ・クコ・ゴボウ・ザクロ・サルトリイバラ・スズメ・スベリヒユ・センブリ・ダイコン・ツリガネニンジン・トチノキ・ニラ・ネギ・ハス・ハトムギ・リンドウ。
<9>[オオムギカンゾウ]
<10>[ハマスゲヨモギ]

【宝石療法】
<1>[レッドジェード]





帯状疱疹
   herpes zoster、shingler、zona
    (参照→「ヘルペス」)
=変側性、一定神経領域に小水疱・紅斑が配列し、神経痛のような疼痛を伴う。
ヘルペスウイルスの感染で起きる疾患。
◎好発年齢:特になし。
◎好発時期:特になし。
◎症状:全身症状はない。
<1>発疹:
①部位:主として顔面及び胸背部の身体半側皮膚神経に一致し、疼痛を伴う。
②性状:発赤、水疱形成2~3日で乾燥し治癒におもむく。
③発疹の出現:発熱後、発疹する。
<2>発熱:軽度、感冒感。
◎血液像:特に変化なし。
◎検査項目:ウイルス分離
      ウイルス抗体価測定

■激痛は催眠誘発物質が関与
「帯状疱疹などで激しい痛みが起きる仕組みの一端を、関西医科大学と大阪バイオサイエンス研究所の共同グループが突き止めた。
様々な病気で痛みが伝わる仕組みの解明や、痛みを和らげる治療法の開発につながる成果だ。
帯状疱疹では衣服が体に擦れるだけで電気が走ったような激しい痛みを感じる。この痛みは専門的には『アロディニア』と呼ばれる。この痛みの発生に催眠誘発物質として知られる『プロスタグランジンD2』が関係していることを、関西医大の伊藤誠二教授、大阪バイオサイエンス研の裏出良博部長らが見付けた。
高齢者が訴える慢性痛の一部にはアロディニアの起こるメカニズムと共通した要因を持つものがあると考えられ、プロスタグランジンD2の機能解明は様 々な慢性的な痛みが起きる原因解明や鎮痛薬の開発などに役立つとみられる。1999.4.3.《日本経済新聞》

■帯状ヘルペスウイルスが脳神経節、脊髄後根神経節、末梢神経(帯状分布を示す)に感染して起こる急性炎症。
 [耳帯状疱疹]=めまいと共に顔面神経麻痺・難聴・耳鳴・三叉神経刺激症状・耳介・外耳道のヘルペスを示す。
「栗粒大の丘疹、小水疱が群生し、疼痛性」。
「水痘(水ぼうそう)にかかると、原因のウイルスは神経節の中に潜伏します。疲労や病気などで免疫力が低下した時や、年をとった時などに、このウイルスが再び活発化して、神経痛・水疱などの症状を起こす病気です。

【症状】

まず、体がだるくなり、頭痛や神経痛などが起こります。その数日後に、侵された神経にそって、体の片側に直径5ミリまでの小さな水疱が帯状に多数出来ます。水疱の出来やすい場所は半数以上の人が背中から胸にかけて、25%の人は顔面。そのほか、腰や手足などです。水疱はかさぶたになり、2~3週間で治るのが普通です。


【芳香療法】
<1>ベルガモット
<2>ユーカリ
<3>ティートリ
<4>ベルガモット50%ユーカリ50%

【処方名-五十音順】
■烏頭桂枝湯
■越脾湯
■葛根湯
■九味檳榔湯
■柴胡桂枝乾姜湯
■梔子豉湯
■梔子大黄湯
■梔子乾姜湯
■小柴胡湯
■大柴胡湯
■竜胆瀉肝湯

◎熊胆を塗布。

◎以下の食品は症状を悪化させます。
    <1>ニンニク
    <2>トウガラシ
    <3>ショウガ
    <4>ワサビ
    <5>カラシ
    <6>ネギ
    <7>ニラ
○「かずのこ+レモン」発症を抑えるらしい。




胎盤残留
  【処方名-五十音順】
■芎帰湯
■桂枝茯苓丸
■血府逐瘀湯

 

胎動不安(たいどうふあん)
⇒妊娠中に胎児が動き、腰腹が痛み、下墜感があり、子宮出血を伴うことがあるもの。
【処方名-五十音順】
■安胎飲
■葱白湯[2]
■補中益気湯

   


胎毒(たいどく)
⇒むかしは、乳児の顔・頭に出来る湿疹を胎毒といっている。《大塚敬節》
◎実証:馬明湯
◎虚症:連堯湯《本朝経験》

【処方名-五十音順】
■甘連湯
■胡黄連一味:能く胎毒を解す。《先哲医話》
■五香連堯湯《勿誤薬室方函》
■走馬湯
■瘡瘍解毒湯《福井楓亭》
■治頭瘡一方(化膿傾向、熱感発赤、水泡滲出物、舌苔黄)
■当帰芍薬散+どくだみ------妊娠当初より出産まで連用させる。
■馬明湯
■連翹湯

【民間療法】
☆アマドコロ:生の根茎汁を塗布or少量の小麦粉と混和し患部に貼る。
☆イタチ:黒焼き末を飯粒で練って貼る。
☆カマキリ:黒焼き末を麦飯で練って、頭部に貼る。
☆クサノオウ:茎葉汁を塗布。
☆サルトリイバラ:(15g~20g/1日)煎服。
☆センブリ:①(0.5g~3g/1日)振り出し。
   ②(0.1g~0.7g/1回)作末して服用。
☆ドクダミ:(10g~40g/1日)煎服。
☆ヒシの実:(20g/1日)煎服。
☆ユウタン(熊胆):水に溶かして服用。
☆ユキノシタ:生葉の絞り汁を亜鉛華で練って塗布。


胎漏(たいろう)
⇒妊娠中の腹痛や下墜感のない子宮出血
  【処方名-五十音順】
■芎帰膠艾湯
■膠艾四物湯

 

対人恐怖症 
   Anthropophobie
■家庭の機能不全を反映
「A氏は25歳の会社員。もともと対人恐怖症の傾向があったのだが、半年ぐらい前からそれがひどくなってきた。特に、高圧的な男性の前では緊張が強まり、落ち着かなくなる。
そのような時には相手と目を合わすことさえ出来ない。相手に自分の腹の内を見透かされてしまう不安が生じるからである。そのため、仕事の上で不都合なことが重なり、とうとう自宅待機を命じられた。困り果てたA氏は、自分から精神療法を求めて、精神科を訪ねた。
A氏は一人っ子。両親は不仲でり離婚話が絶えなかった。とりわけ父親は会社人間で家庭をかえりみず、酒を飲んでは家族に当たっていた。穏やかな人柄だった母親は5年前に亡くなり、父親も半年前に亡くなった。A氏の対人恐怖症は、母親の死をきっかけに発症し、父親の死により悪化したと考えられる。
かって我が国における対人恐怖症は、人前で顔が真っ赤になって相手に変に思われるのではないかと不安になる赤面恐怖症と呼ばれるタイプが主であった。赤面恐怖症は、これまでの日本人の人間関係において、甘えや恥に重きが置かれていたことと深い関係がある。しかし、高度成長期以降の我が国の社会構造の変化に伴い、対人恐怖症の内容もずいぶん変化してきた。とりわけ、家庭が機能不全に陥りやすい昨今では、家庭の持つ保護機能が十分に発揮されず、家庭のメンバーのそれぞれが孤独な個として放り出されているような状態が生じている。
そのため家庭というイメージ(家族アイデンティティー)を抱くことが困難になりつつある。そのような状況下においては、赤面恐怖症に見られるような恥の感覚よりもさらに深刻な、自分が人に見透かされる不安、自分というものが失われてしまう不安などの被害的な不安が生じやすい。
A氏の場合もそうであるが、最近では、そうした不安に基づく重篤な対人恐怖症が増えてきており、臨床的に問題となっている。A氏は抗ウツ薬と抗神経薬を併用しながら、精神分析を応用した精神療法を約5年間必要とした。
精神療法の中で、母親への愛着(心の深層では母親への愛着は母親への憎しみと表裏一体である)と父親への憎しみ、そしてA氏が父親を憎むことによって家庭を崩壊させてしまうのではないか?というという強い不安と罪悪感が、彼の中心的な心の葛藤であることが洞察されていった。
さらに、父親に似て高圧的な男性に対して、同じ様な心の葛藤が起こりやすいことにA氏は気付いていた。時間はかかったものの、A氏の葛藤は徐々に和らぎ、症状は次第に静まった。(北山研究所顧問精神科医・賀陽濟)1997.10.13     《日本経済新聞》
  
【処方名-五十音順】
■柴胡加竜骨牡蛎湯
■天王補心丹
柏子養心丸

【宝石療法】
<1>[エメラルド]
<2>[クリスタル]





対人赤面症
  【処方名-五十音順】
■桂枝加竜骨牡蠣湯

 


腿膝枯細
  【処方名-五十音順】
■六味丸



大逆上気
  【処方名-五十音順】
■麦門冬湯

 

大小便秘結
  【処方名-五十音順】
■防風通聖散
■六味丸



大頭瘟(だいずおん)
   =「おたふくかぜ」。
⇒はじめに発生したときは、傷寒と同じ。5~7日の間に死ぬ。その病勢は鼻面と耳項から発し、喉が赤く腫れ、頭もなく結核が根を張って、増寒・発熱・頭痛し、肢体がひどく痛み、のどが閉塞する。

◎大頭瘟:
<1>その初めは葛根湯桔梗石膏にて発汗すべし、
<2>発汗後、腫痛解せざる者は小柴胡湯桔梗石膏に宜し。
<3>その次ぎを大柴胡湯桔梗石膏とし、
<4>その次ぎを牛蒡芩連湯とす。もし早く此方を与える時は甚だ具合悪きものなり。《勿誤薬室方函口訣》

【漢方療法】

<1>両目・鼻・面の腫が大きい・・・・・・陽明。
  耳の前後と額角までの腫が大きい・・・少陽。
  脳後とう項下の腫・・・・・・・・・・太陽。
<2>表症が多い:[荊防敗毒散]
  裏症が多い:[防風通聖散悪実(酒炒)・玄参(酒炒)]を飲んで、次の用薬を使う。
  

【処方名-五十音順】
■加味殭黄丸(大頭瘟・蝦蟆)
■既済解毒湯(天行大頭瘟で、頭面が赤く腫れ、疼痛)
■殭黄丸(大頭病・喉痺)
■牛蒡芩連湯(大頭瘟に唖瘴)
■消毒丸(時毒疙瘩の悪症)。
■清涼救苦散(大頭瘟で、面鼻・耳目が腫痛)
■芩連消毒飲(天行大頭瘟で、咽喉が腫れ疼痛)
■通気散(大頭瘟で頭面が赤く腫れ、のどが閉塞)
■二黄湯(大頭瘟)
■二聖救苦丸
■普済消毒飲子(天行大頭瘟)
■防風通聖散
■漏蘆散(顔面の大きい腫と、のどが詰まって水など飲み込めない)

【臨床】
◎諸侯臣某、外感を得、寒熱甚だしく、顔面焮腫し、口渇食進まず。「小柴胡湯+桔梗石膏」を与える。二三日を経て腫痛益々甚だしく、大便不通、大熱怫鬱す。「牛蒡芩連」を与えて大便通じ、熱少しく解し、頭面腫、大いに減じる。一日咽喉に迫るに似たり。乃ち「桔梗白散」を服せしむ。須臾にして吐利し、気息やや利す。「麦門冬湯+桔梗」を与えて帰る。明日に至って左頤(頤=イ、おとがい)癰腫を発し、焮痛前の如し。「犀角消毒飲」を与え、腫上に「中黄膏」を貼る。四五日を経て膿潰し、頸側半面削脱するが如く、ほとんど咽喉を見さんとす。「内托散」《備急千金要方》を与え、瘡口に「後衝膏」を貼り、数日にしてその人肥立し、瘡口長肉を得たり。《橘窓書影》


大腿骨頭壊死
■幹細胞で
「2007年12月から、戸口田淳也・京都大学教授のチームは大腿骨の股関節との接続部分が壊死する難病『大腿骨頭壊死』の治療に患者の骨髄から取りだした幹細胞を使う試験を始めた。
手術の1~2ヶ月前に日帰り手術室で採取した骨膵液から体性幹細胞の一種である「間葉系幹細胞」を分離し、別に採血した血清で約3週間培養。幹細胞数が十分な量になったら人工骨とともに壊死した部分に移植する。
間葉系幹細胞が骨だけでなく血管の細胞にもなる点が利点となる。




大腿部の疼痛
  【処方名-五十音順】
■桂枝加黄蓍湯(牽引性)



大腸炎 colitis
■強毒型腸炎菌
「北米の医療施設で集団感染している強毒型腸炎細菌(クロストストリジウム・ディフィシル)が、関東地方と東海地方で過去に発病した患者2人の保存試料から検出された。国内で確認されたのは初めて。
国立感染症研究所によると、患者は2001年に発病した関東地方の30代男性と、2005年発病の東海地方の30代女性。
問題の細菌は「クロストストリジウム・ディフィシル」。抗生物質による知慮いう出調の常在菌のバランスが崩れた際に異常に増え、腸炎を起こすことが知られていたが、今回見つかったのは通常のディフィシル菌より多量の毒素を出す変異型で「027型」とも呼ばれる。
2002年ごろから米国・カナダで抵抗力が弱った入院患者らの集団感染があいつぎ、2004年度、カナダの12病院で患者1703人中117人が死亡。致死率が約7%と通常より高い。
【クロストストリジウム・ディフィシル】
人の腸内など酸素が少ない環境で生息し、大腸炎の原因になる細菌。健康な人が感染しても通常は症状が出ないが、毒性の強い[027型]による患者は病院外でも発生している。患者の便を介して移るため、手洗いが予防の基本。ただ、丈夫な殻を持った「芽胞」という形態になると、アルコールなどの消毒では死なない。塩素などの強力な消毒が必要になる
  
【民間療法】
<1>キンミズヒキ。
<2>カワラケツメイ・キハダ・ゲンノショウコ。

【漢方療法】  
■一物瓜蒂湯
■黄芩湯
■黄連阿膠湯
■黄連湯
■槐角丸
■槐花散
■甘草乾姜湯
■甘草瀉心湯
■葛根黄芩黄連湯
■葛根加半夏湯
■葛根湯
■桂枝加芍薬大黄湯(裏急後重、宿便)
■桂枝加芍薬湯
■桂枝加大黄湯
■桂枝人参湯
■厚朴七物湯
■柴胡桂枝湯
■四逆散
■四逆湯
■小建中湯
■小承気湯
■真武湯
■走馬湯
■大黄牡丹皮湯
■大柴胡湯
■大承気湯
■猪苓湯
■通脉四逆湯
■桃花湯
■桃核承気湯(実証、のぼせ、足冷、下腹部痛)
■白頭翁湯
■六物黄芩湯


大腸カタル
⇒catarrhは、組織の破壊を起こさない粘膜の滲出性の炎症を云う。

【漢方療法】
<1>下剤を必要とする:「大柴胡湯」
<2>発熱頭痛のある下痢の初期:「葛根湯蒼朮」
<3>腹痛なく長引く者:「建理湯」
<4>腹痛、後重ある者:「桂枝加芍薬湯乾姜将軍」
<5>発熱下痢、飲食進まない者:「発陳湯」

【処方名-五十音順】
■桂枝加芍薬湯
■当帰建中湯


大腸ガン
   (→腸内菌)
◎自己診断リスト:以下の症状が2週間以上続く者は、専門医に相談しましょう。

早期大腸ガンに見られる症状:
○お腹が痛くなり、トイレに行くが、なかなか便が出ない。
○お腹が痛くなり、排便せずにいても、そのうちに痛みが無くなる。
○大便に真っ赤な血がついていた。
○大便がチョコレート色をしている。
○排便しても、残っている感じがする。
○排便後、チッシュに血が付く。
○オナラが出ないで、下腹部が膨れた感じがする。
○最近、細い便しか出ない。
○最近、腰が重く、お腹のスッキリしない。

頻度は少ないが、要注意な症状:
○急に、便秘気味になった。
○最近、立ちくらみを起こすことがある。
○顔色が悪くなった。
○便の形がいびつで、一部が削られたようになる。
進行ガンor他の疾患も考えられる症状:
○排便のたびに、肛門が痛い。
○ウサギの糞のように、コロコロ便が出る。
○便秘と下痢を繰り返す。

◎種類:
進行ガン:
①直腸に多く次いでS状結腸、盲腸で、下行・横行結腸には少ない。
②50~60才代の男性に多い。
早期ガン:
◎陥凹型の大腸ガン
「従来大腸ガンはポリープが変化してガン化するものと思われていたが、ポリープ以外で大腸ガンになるタイプを、工藤進英・秋田赤十字外科部長が発見」




■便秘
「便秘がちでも大腸ガンの発症リスクが高まることはないとする調査結果を、厚生労働省の研究班(主任研究官:津金昌一郎国立がんセンター予防研究室長)がまとめ、2006年12/20発表した。
便秘だと大腸に有害物質が長時間留まり、がんのリスクが上昇するとされてきたが、それを否定する結果。
調査結果は米国の医学誌「疫学紀要」2006年12月号に掲載。1993年~2002年に40~69歳の男女約58000人を追跡調査。期間中に大腸ガンを発症したのは男性(303人)女性(176人)だった。便通の頻度を[毎日2回以上][毎日1回][週に2~3回]に分けてがんリスクを調べた。その結果統計学的有意差はなかった。
便の状態との関係も検討。下痢の場合、直腸ガンの傾向が見られたが、今回の調査だけでは判断できないという。


■運動が有効
「肉体労働や激しいスポーツなどで日頃体を体をよく動かす男性ほど、大腸ガンになる危険性が低下するという調査結果を、厚生労働省の研究班(主任研究者:津金昌一郎国立がんセンター予防研究室)がまとめ、2007年2/20発表した。
研究班は40歳~69歳の男女約65000人を4年~7年間追跡調査した。日常の身体活動を、肉体労働やスポーツをしている時間、歩いたり立ったりしている時間、座っている時間などに分類し、運動量に応じて4つのグループに分けて比較した
【大腸ガン】
男性では活動量が最も少ないグループの大腸ガン危険性を[1]とすると、
もっとも多いグループ・・・・0.69
【結腸ガン】
運動量が最も少ないグループを[1]とすれば
最も多いグループ・・・・・0.58
【直腸ガン】
活動量が増えても危険性が低下するとはいえなかった。
【女性】
女性では身体活動量と大腸ガンの危険性に関連性は無かった。」

■イソフラボン
「2008年9/10、厚生労働省研究班は、大豆に含まれるイソフラボンを多く摂取しても大腸ガンリスクを下げる効果は特に見られなかったとする疫学調査結果を発表した。
研究班の井上真奈美・国立がんセンター室長が全国の45~74歳の男女約8万人を8年間追跡調査した。その間、886人が大腸ガンに罹患。
聞き取り調査で、豆腐や納豆などの摂取量を調べ、成分のイソフラボンの摂取量を算出。多い順位に4グループに分けリスクを比較した。
その結果、大豆食品の摂取量やイソフラボン摂取量が大腸ガンのリスクを下げる効果は確認できなかった。ただ、『近位結腸ガン』に関して、男性で大豆食品やイソフラボンをたくさん摂取しているグループで発症リスクが低下していた。」


■ビタミンD、B6
「厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)は、ビタミンDやビタミンB6が大腸ガンなどの発症リスクを低下させる作用があることを、日本人を対象にした大規模疫学調査で明らかにした。
ビタミンD
日本人男女約4万人を11年半追跡調査。VD濃度の多い順に4タイプに分け調べた。[直腸ガン]の発症率が男性で4.6倍、女性で2.7倍に開きがあった。
ビタミンDはガン細胞の増殖を抑える効果があると見られている。魚やキノコにたくさん含まれ、紫外線を浴びることで体内合成される。
ビタミンB6
日本人男女約8万人を追跡調査。摂取量に比例して30~40%低くなった。さらに、飲酒量の多い男性ほど顕著だった。飲酒習慣がある男性はビタミンB6を多く摂取することで大腸ガンを予防できる可能性がある2007年8/2
  

【処方名-五十音順】
■紫根牡蠣湯《黴癘新書》
■大建中湯(術後の通過障害による腹痛)




大腸憩室
⇒大腸内壁(粘膜層)が外側に袋状にふくらんだもの。
<1>成人の場合、10人に1人ぐらいの割合で見つかる。
<2>便秘をして、強く力むと腸内の圧力が高まって出来やすい。
<3>憩室があるだけでは、症状はなく治療の必要もない。
<4>無症状が多いが、便が憩室内にとどまったりすると炎症を起こす(大腸憩室炎)ことがある。抗生物質による治療が一般的。
■腹痛・発熱
「腸壁の弱い部分が袋状にくぼんで外へ向かって出てしまうことを形質という。日本人の5~6人に1人の割合で頻繁に起こり、大半は無症状だが、なかには腹痛や出血の原因になるケースもある。
高齢化や欧米スタイルの食生活が浸透し大腸の憩室は増え続けている。食物繊維の摂取量が減ると腸の内圧が高まり、腸管壁御弱いところが外に飛び出しやすくなる。
憩室には便が出たり入ったりしており、炎症を起こして腹痛や発熱を招くこともある。こうなると抗生物質と点滴を投与し、絶食するのが一般的な治療法。約1週間で良くなることが多い。憩室から出血(新鮮血が大量に出る)が続くと手術が必要なこともある。
欧米では大腸の左側にあるS状結腸で憩室が見つかりやすいのに対し、日本人は右側にある上行結腸に多い。ただ、細菌はS状結腸に出来る人が増え、腹膜炎になる危険性が増えている」2005.10.23《日経》





大腸ポリープ
◎種類:
腺腫:結腸・直腸に発生する前ガン病変。
   絨毛腺腫
   腺管腺腫
ポリポーシス:
<1>家族性大腸ポリポーシス(FAP)
<2>Gardner症候群
<3>Peutz-Jehers症候群
<4>Cronkhite-Canada症候群
     
 

大動脈瘤
(参照→「解離性大動脈瘤」)
⇒激烈かつ拍動性の疼痛、痛みが胸骨下・肩胛骨間に放散する。呼吸困難・嚥下困難・循環障害を引き起こし、血圧・脈拍の左右が違う。
◎縦隔腫瘍との異同:(参照→「縦隔腫瘍」)

■動脈硬化や高血圧に注意
「寒くなり血圧が上がりやすくなると発生しやすいのが大動脈瘤だ。大動脈瘤は大動脈の一部が弱くなってコブ状に膨れているのが大動脈瘤で、大きく3タイプに分けられます。
<1>動脈の血管壁全体がコブ状になる・・・「真正大動脈瘤」
60歳代~70歳代に多い。
動脈硬化によって動脈壁が弱くなり、血圧に耐えられなくなり徐々に大きくなります。
自覚症状が無く発見するのが難しい。通常のレントゲンでは見つけにくく、CTで分かります。
<2>破れた血管壁の一部が周囲の組織をふさいで、血液が漏れない様になっている・・・・「仮性大動脈瘤」
<3>三層構造になっている血管壁の内側の膜が破れて、血管壁の中に新しい血液の通り道が出来ている・・・・「解離性大動脈瘤」(大動脈解離)
 50歳代から増え始める。
動脈硬化や生まれつき動脈壁が弱いことが原因で、血管壁の内膜が剥がれて起きます。火箸で胸を刺されるような激痛があります。
 最低血圧が高い方に多い。2003.11.18《日本経済新聞》


【処方名-五十音順】
■桂枝加竜骨牡蠣湯
■桂枝茯苓丸
腹部の大動脈瘤に用いることがある。腹診して、悪血の腹証を認めるものを目標とする。症状によって、大黄を加える(漢方診療医典)
■桂枝茯苓丸+附子
■救逆湯
■柴胡疏肝散
胸背痛、胸部の圧迫感、呼吸促迫などを目標にして用いる。一婦人、大動脈瘤にかかり、嚥下時の胸痛、体動時の胸苦しさを訴えていたが、本方を用いてからこれらの愁訴を忘れることができた(漢方診療医典)
■柴胡加竜骨牡蛎湯
動悸、息切れ、胸痛、胸部の圧迫感などがあり、神経質になって、不安感、不眠などを訴え、上腹部が膨満して、便秘する者に用いる、大動脈瘤の成因が、狭心症と類似の動脈硬化性病変にあると考えて、黄連1.5、葛根5.0を加えてよい(漢方診療医典)
■桃核承気湯附子《橘窓書影》


大熱
=体表の熱、皮膚の表面の熱。
  【処方名-五十音順】
■当帰承気湯《玉機微義》



大便が尿道から出る(交腸)
◎交腸とは大小便位を易えて、而して冷熱不調、陰陽不順に由り、気下に乱るるなり:「四物湯5銭、益元湯2銭半」酒水にて各1銭煎服。《方読便覧》
◎《朱丹渓》云う、一人酒を嗜み、痛飲酔わず、忽ち糟粕前竅より出で、尿溺後竅より出ず。脈沈なり:「海金砂、木香、檳榔、木通、桃仁」を与え8貼にし    て安し。《方読便覧》
  【処方名-五十音順】
■四物湯
■補中益気湯

 

大便が泥状~水様便
  【処方名-五十音順】
■半夏白朮天麻湯(激しい頭痛・めまい、嘔吐吐き気、足冷、心下痞満、肩こり、背中突っ張る、腹部軟弱)
■補中益気湯(食欲不振、熱物を好む、口中に白沫、眼勢無力、自汗盗汗、言語に力なし、臍辺動悸、腹部軟弱、疲労)


大便が硬い (大便硬)   
  【処方名-五十音順】
■越婢加朮湯(自汗、浮腫、小便不利、鼻の先端が黄色い、皮膚知覚異常、手足疼痛、腰脚無力、肉極)
■炙甘草湯(陽虚証、自汗盗汗、疲労<虚労>、呼吸促迫、動悸<腹部大動脈>、臍下不仁、腹部軟弱無力、手足煩熱、脈結代)
■白虎加人参湯(激しい口渇、口舌乾燥、尿利頻数、大便硬、煩躁)  


大便下血(だいべんげけつ)
⇒腸風の1つ。排便の前に、鮮紅色の出血がある。
   血便を参照して下さい。
【処方名-五十音順】
■胃風湯
■四物湯(貧血、皮膚枯燥、動悸<上>、神経症状、腹部軟弱、脈沈弱)
■当帰和血湯
■平胃散(太陰病、心下痞塞、腹部膨満、食後腹鳴)
■人参敗毒散
     

 

大便閉
  【処方名-五十音順】
■三和散《和剤局方》
■十全大補湯秦芁・麻子仁・杏仁・防風《医宗必読》
■潤腸湯《万病回春》
■大便閉一方《寿世保元》
■八珍湯肉蓯蓉・麦門冬・五味子《薛立斎十六種》
■六磨湯《世医得効方》


濁証
   =小便溷濁する症。
  【処方名-五十音順】
■加味四苓湯《寿世保元》
■加味清心飲《証治準縄》
■香苓散《世医得効方》
■滋陰降火湯《古今方彙》
■滋腎散《万病回春》
■辰砂妙香散《和剤局方》
■水火分清飲《万病回春》
■清心蓮子飲《和剤局方》
■濁証一方《寿世保元》
■二陳湯《万病回春》
■萆薢分清飲《楊氏家蔵方》
■萆薢分清飲茯神・遠志・肉桂・黄連《医宗必読》



脱汗(だっかん)
=絶汗(ぜっかん)ともいう。
疾病中の危険な時期に、陰陽が離れる時に見られる症状の1つ。
六陽の気絶すれば、陰と陽は相離れ、離すれば理(皮膚・肌肉・筋腱・臓腑の紋理や間隙などの総称)発泄し、絶汗すなわち出づる
いくつかのパターンがある。
  【処方名-五十音順】
■甘草乾姜湯
■桂枝加附子湯
■桂枝人参湯
■白虎加人参湯





脱血
⇒腕に青脈が多いのを脱血という。
横になると脈が多くなる。
  【処方名-五十音順】
■三才丸
■四物湯

 

脱肛(だっこう) prolapre of anus
=直腸脱。
⇒排便時に、内痔核が出てくる[内痔核性]と[真核脱肛]とがある。真核脱肛は少ない。

【漢方療法】
⇒即ち腸痔である。脱肛というのは、肛門がひっくり返る症。
◎主薬:脱肛には、升麻・柴胡を主薬とすべし《万病回春》
  

【処方名-五十音順】
■猬皮散(下痢で力んで脱肛)
■胃風湯
■乙字湯(脱肛、痔)
■孩児散(脱肛・熱腫)
■薫鱉法
■桂枝加芍薬湯(腹直筋拘攣、裏急後重<軽>、腹痛、腹部膨満<虚満>)
■桂枝茯苓丸
■下瘀血湯 
■黒色生穀方
■四物湯(貧血、皮膚枯燥、動悸<上>、神経症状、腹部軟弱、脈沈弱)
■四物湯黄柏・升麻(血が熱する)
■十全大補湯
■縮砂散(虚熱をおびて脱肛・腫痛)
■小建中湯
■小児脱肛方
■升陽除湿湯《蘭室秘蔵》
■参蓍湯[4]《万病回春》(肛門の虚寒と脱肛)
■参朮芎帰湯《証治準縄》
■真人養臓湯
■大黄黄連瀉心湯
■大建中湯
■堤気散《寿世保元》
■堤肛散=補中益気湯川芎、白芷、黄連、赤石脂。
■当帰建中湯(疼痛、貧血、食欲不振、虚弱体質、腹痛、腰痛<牽引痛>、)
虚証で貧血気味の人で、脱肛を起こして激しい疼痛をうったえると時。
35歳の男性が脱肛を起こして数日間還納せず、痛みのために座ることもできず、食事も入らずに困っていた。診ると肛門は赤いドーナツをつけたように脱肛して反転し、いくら納めようとしても痛みばかりで入らない。甘草煎を以て温湿布させ、軟らかくなったところへ紫雲膏をつけて外側部より圧迫させたところ、容易に還納することができた。胃腸の弱い虚証の貧血している人であったで、当帰建中湯を服用させたところ、それきり脱肛しなくなった(漢方診療医典)
■当帰芍薬散(貧血、冷え性、疲れやすい、月経不順、神経症状)
冷え症で貧血気味の婦人がときどき痔核脱肛を起こし、疼痛を訴え、稀薄な分泌物を出すというものに長く服用させるとよい(漢方診療医典)
■独虎散(脱肛)
■二槐丹(脱肛)
■八味地黄丸
■浮萍湯(脱肛)
■蚊蛤散[2](脱肛)
■忘憂湯=甘草1味 湯煎
■補中益気湯《薛立斎十六種》(疲れやすい)
脱肛はおおくはほかの組織の弛緩をも伴っているものである。皮膚筋肉が弛緩し、虚弱な体質のものには、本方を長期に服用させるとよい。さらに赤石脂1.5gが効果的である(赤石脂湯と名づける)赤石脂は収斂、止血の効がある(漢方診療医典)
■補中益気湯訶子・樗根皮
■補中益気湯茯苓・芍薬《薛立斎十六種》
■麻杏甘石湯
痔核から脱肛を起こして痛みがひどく、下腹が張って、重苦しく感じ、痛みのために大便の出が悪く、あるいは咳するたびに肛門にひびいて痛みが激しくなる者に本方がよく効くことがある。睾丸炎や痔核に用いて奇効がある(漢方診療医典)
■六君子湯
痔疾脱肛があり、痔出血が続いて貧血がひどく、元気衰えて補血の薬が胸にもたれて食欲のないという者に本方を長く服用させるとよくなることがある(漢方診療医典)
■竜骨散(大腸が弱く肛門の脱出に)
■六味丸

【民間療法】
<1>アオキ・
<2>スイカズラ。
<3>スッポン。
<4>イチジク・ウマ・カタツムリ・ガマ・クララ・タニシ・タバコ・トクサ・ドジョウ・ナタマメ・ナメクジ・ナンテン・ニワトリ・ネギ・ヒシ・ミミズ・ムクゲ・ヨモギ・ワラビ
◎ドジョウを砂糖にまぶし、出た粘液を塗布する(著効)


脱水症 dehydration
  【処方名-五十音順】
■白虎加人参湯(激しい口渇、口舌乾燥、尿利頻数、大便硬、煩躁)

【西洋医学】
<1>軽症:
症状:
「バイタルサインなどに異常はないが、口渇・脱力感・倦怠感・尿量の減少傾向を認める」
治療:
「静脈を確保し初期輸液として乳酸リンゲル液20‹/kgを2~4時間投与する。多くはこの輸液で症状が軽快し、尿量も回復する」。
<2>中等度:
症状:
「皮膚・粘膜の乾燥、尿量減少、悪心、嘔吐などがあり、頻脈または血圧低下がみられることがある」。
治療:
「初期輸液として乳酸リンゲル20‹/kgを1~2時間で投与する。中心静脈を確保し、中心静脈圧を測定しつつ輸液を行い、尿量を30‹/時以上に保つべく輸液の速度と量を調節する。」
<3>重症:
症状:
「血圧低下、頻脈、無尿など循環血漿量の著明な低下による症状が出現し、意識障害(興奮・無関心・傾眠)もしばしば見られる。」
「全身の代謝障害、心機能の低下などが高度になると呼吸で補うことになり、呼吸異常も出現する。」
治療:
「1号輸液から開始し、臨床症状やモニター所見、検査結果で修正する」
脱水症を防ぐ・・・ アクアポリン
京都大学 藤吉好則教授
-200℃
水の分子が1秒間に数十億通る穴が開いている。水分子1個分の穴。
水を通す穴・・・・腎臓の細胞に多くあるアクアポリン
尿が流れているところへ行き、尿から水分だけを血管へ
加齢で腎臓にあるアクアポリンの数が減少する。

【脱水症状】
第1段階 
 ノドの渇きを強く感じる
 尿の量が減った
 夏でもワキの下が乾燥している
 便秘しがちである
第2段階  
 皮膚がカサカサしてきた
 口のなかが渇く
 立ちくらみがある
 ツメを押したときの白化がみられない
第3段階 
  食欲が低下してきた
  目が落ちくぼんできた
  泣いているのに涙がでない(乳児の場合)
第4段階  
  頭痛・めまいがする
   強い脱力感がある
  意識がもうろうとしてきた



脱精気
⇒精気が脱しかけたとき。飲食物はまずく、だるく倦怠感があり、痩せてくる。
  【処方名-五十音順】
■加減鎮心丹
■升陽順気湯
■清心補血湯
■天王補心丹


脱疽(だっそ)
壊疽(エソ) gangrene
【処方名-五十音順】
■烏頭桂枝湯
■烏頭湯
■黄蓍茯苓湯荊芥
■桂枝加朮附湯荊芥
■生姜湯
■当帰四逆加呉茱萸生姜湯(手足厥冷<紫色>、腹激痛、胸中煩満、冷汗、頭痛(冷)、腰痛)
■当帰四逆湯


脱腸(だっちょう)
=ヘルニア hernia
■赤ちゃんの脱腸
「生後6ヶ月の男児をつれたお母さん。先日、あまり泣くのでおむつを替えようとしたとき、偶然、右足のつけねのすぐ上が膨れているのに気づいたが、寝て横になると自然に戻った。
近くの小児科を受診すると『外鼠径ヘルニア』、いわゆる脱腸と診断された。手術は2~3歳まで待った方が安全だと言われたが、最近、泣くたびに膨れるので、このまま放っておいてよいのか心配だ。
お腹の中の臓器を覆う腹膜は、胎児期には男児では陰嚢まで、女児では外陰部までつながって袋状になっている。通常、妊娠後期にこの袋は自然に閉鎖されるが、閉じずに残ると、臓器(おもに小腸)がこの袋の中に出てくる。、これが外鼠径ヘルニアだ。陰嚢に腹水が溜まることもある。女児では卵巣や卵管が脱出することがある。
外鼠径ヘルニアの場合、開いた腹膜が自然に閉じることはまずない。『篏頓』といって、脱出した腸管が戻らなくなり、血行障害を起こす可能性もある。従って市長の基本方針は「見つけ次第、できるだけ早く手術する」こと。
この点は臍ヘルニアとは治療方針が異なる。
手術では開いた腹膜の袋を閉じる。ただ、生後3ヶ月以内の手術は技術的にやや難しいので、原則としてそれ以降に手術する。

【漢方薬】(だっちょう)
■五苓散
■小建中湯
■当帰四逆湯
■当帰四逆加呉茱萸生姜湯
■半夏厚朴湯


脱毛症alopecia

■毛を作り出す「毛包」という器官を大量作製。

2021年、理化学研究所は、サイエンティフィックに報告。

マウスから取り出した毛包の細胞をつかい、培養を220通り繰り返し、約190倍(6日間で)の毛包をつくりだす幹細胞を特定.。

この幹細胞と、からだのどこの毛を作るかを決める「毛乳頭細胞」を混ぜてタネとしてマウスに移植すると、3回以上繰り返した。

■出産後の脱毛
「32歳の主婦。28歳の時、2番目の子を産んでから、抜け毛がひどくなりました。いまだに薄く、1本1本がだんだん細く弱々しくなっています。育毛剤なども使いましたが効果がありません。女性も禿げるのでしょうか?私の父ははげており、母も頭部が薄い状態です。
●出産と脱毛は関係ありますか?
毛髪は多きく分けて、伸び続ける成長期と、毛根が活動を休むために抜ける休止期を繰り返しています。毛根の活動に性ホルモンが関係しており、出産ともかかわってきます。妊娠中は、毛髪の成長期を引き伸ばす働きを持つ女性ホルモンが高濃度になります。すると、むりやり寿命を延ばされていた毛が一斉に休止期に入るため、たくさん抜けます。出産後脱毛と呼ばれます。

●男性型脱毛と円形脱毛症
男性型脱毛は、産毛化が前頭部から始まる型と頭頂部から始まる型がある。進行はゆっくりで、数年かけて徐々に頭皮が露出する面積が増える。円形脱毛症は突然発生し急激に広がる。


■原因遺伝子
「2009年、男性ホルモンが関与せず、性別に関係なく起きる脱毛や薄毛の原因遺伝子を、国立遺伝学研究所の相賀裕美子教授らのチームがマウス実験で突き止めた。
チームは『Sox21』という遺伝子を持たないマウスを作成して観察した。すると、誕生後に全身にいったん生えそろった毛が、生後11日目からまず頭部で抜け始め、約1週間で全身から完全に毛が抜け落ちた。その後、再び新しい毛が生えるが20日前後で脱毛する。このように発毛と脱毛を繰り返した。
研究チームは、発毛は正常だが、脱毛の周期が異常に早まったと判断。通常のマウスでは、キューティクル(毛髪表面にある鱗状組織)が毛と頭皮の組織をかみ合わせる“かぎ”の役割を果たしているが、Sox21の無いマウスでは鱗状の構造が無く、毛がある程度伸びると抜け落ちてしまうことを突き止めた。
鱗状構造を作るのはタンパク質『ケラチン』。Sox21はケラチンを作り出す遺伝子の働きを制御しているという。」

【漢方薬】(脱毛)
■葛根加朮附湯(油風にて毛髪脱落する)

■金珠緑雲油(髪が生える)

■桂枝加竜骨牡蠣湯

■五苓散

■三聖膏(髪の毛が抜ける)

■小建中湯

■滋栄散(毛髪を育て、抜け毛を防ぐ)

■生禿烏雲油(髪を生やす)

■大柴胡湯(実証、筋肉質、胸脇苦満、心下部緊張、便秘)

■二仙丸(毛髪の脱落)

■通竅活血湯

■防風通聖散(赤ら顔、便秘、尿濃い、腹部緊満、腹部膨満感、舌苔黄膩、舌質紅)






脱力感
【漢方薬】(脱力感がする)
■黄蓍建中湯
■九味檳榔湯
■滋陰至宝湯
■四物湯
■当帰芍薬散
■人参湯
■八味地黄丸
■補中益気湯
■六味丸





打撲(だぼく)
=打ち身。
◎初期には出血を止めることに専念し、止血後に活血行血させる。《螺王人》  
◎米俵など踏み外し打撲して、小便涓滴も通せず、ただ血のみ少し出る症、先ず桃核承気湯など用いて佳し。それにても効なき症は大黄附子湯を用いるべし。この附子を用いることは《真藤九志》数試みたる処なり。1貼に附子2銭ばかりもちゆれば早速通利するなり。亦八味地黄丸を用いることもあり。

【民間療法】
○アカネ・アマドコロ・イカ・イチヤクソウ・イボタノキ・ウシ・ウマ・オトギリソウ・カキドウシ・カマキリ・キハダ・キョウチクトウ・クサノオウ・クスノキ・クチナシ・コウホネ・小便・スミレ・ダイコンソウ・タケニグサ・ツワブキ・テンダイウヤク・トチノキ・ドジョウ・ニワトコ・ネギ・ネムノキ・ハコベ・バショウ・ビワ・フキ・フナ・ベニバナ・ホウセンカ・ヤブコウジ・ヤマモモ・ヨモギ。

【処方名-五十音順】
■雲南白薬
■黄蓍建中湯
■黄連解毒湯
■葛根湯
■桂枝加朮附湯(日を経て治らない者)
■桂枝去芍薬加蜀漆龍骨牡蠣湯
■桂枝茯苓丸
打撲による皮下出血が広範囲に及び、紫斑となり、下肢血栓症のように腫れたものなどに用いる。またむち打ち症の軽いものにも広く用いられる。むち打ち症には葛根湯桂枝茯苓丸料としても用いられる(漢方診療医典)
■鶏鳴散
本方は打撲直後の腫れと痛みの激しいものに用いると奏功する(漢方診療医典)
■五積散
■三黄瀉心湯
高いところから転落したり、突発的に打撲を受けたり、或いは交通事故による追突などでショックを受けた直後に、精神感動がはなはだしく、不安、恐怖、のぼせ、興奮などあって、顔面紅潮して気分の落ち着かないときや昏迷を起こしているようなときに、本方は、興奮を鎮め、出血を止め、吸収を早くする効がある。実熱の証すなわち体力があって、貧血のないものに用いる(漢方診療医典)
■紫雲膏
■四順清涼飲
■七里散
■身痛逐瘀湯
■走馬湯
■疎経活血湯
■大黄附子湯(日を経て治らない者)
■治打撲一方
(打撲による腫れ・疼痛)
本方は打撲後の腫脹疼痛、筋骨の疼痛が長期にわたるものに用いる(漢方診療医典)
■通導散
これは昔、体罰によって杖を以て打撲を加えられ、皮下の出血が広範囲に及び、興奮により心下部に衝き上げるというようなとき用いられた。心下部より腹筋の緊張が起こり、胸苦しく圧痛のあるものによい。墜落、追突のときに、本方の服用により黒便を下し、出血は早く吸収される(漢方診療医典)
■桃核承気湯
(実証、のぼせ、足冷、下腹部痛)
打撲後の腫脹と疼痛が激しく、または皮下に出血を起こし、便秘の傾向があって興奮しているものに用いるとよい。ことに会陰部の打撲によって尿閉を起こしているものにはよく効く。これも実熱の血症であって体力の衰えていない者によい。本方は左臍下腸骨窩部に血があって、少腹急結の証を現すことが多い(漢方診療医典)
■当帰四逆加呉茱萸生姜湯
■当帰芍薬散
■伯州散
■復元活血湯
■茯苓杏仁甘草湯
■楊柏散
打撲後の腫痛する場所に酢または卵白あるいはその両者を加えて、よく混和し、泥状となし塗布するときは吸収を促し、痛みを和らげ、回復を早める。皮膚の弱いものは酢におyってかぶれを生ずるからうすめで用い、あるいは酢でなく、卵白のみにし、または小麦粉を加えて水で練って用いて良い。(漢方診療医典)

◎打撲治験(山田業精・和漢医林新誌第176号)
「本郷3丁目の志母谷氏の母は60歳である。かって縁側から落ちて、したたか前額を打ち、その部分が腫痛していたが、2、3日で腫がとれた。ところが左の眼瞼の周囲が紫黒色になった。そこで私に治を乞うたので、紅花と菊花の2味を等分に合わせて、濃煎して温湿布したところ3日ですっかり良くなった。」
「また45歳女性。ある日、車に乗ろうとしていて、誤って転倒し、面部を打って、そこに紫黒色の斑点が出来た。そこで前と同じもので湿布したところ、その斑点は全部なくなった。」
「打撲跌損傷を治する秘方があり、重傷で死に瀕するようなもので、まだ脈さえあれば、これがノドを下れば蘇生するという処方をあげている。それは11月に野菊の花を、枝・葉もつけたままで採って、陰干ししておき、必要なときに野菊の花1両に、童便と無灰酒をそれぞれ1椀ずつ加え、煎じて熱いものを呑むとある。」
「本郷元町2丁目の消防夫、年62。かって屋上から墜ち、強く左の胸肋を打撲し、ひどく痛むので、私を迎えた。そこで卵白をつけたところ、数日で疼痛が軽くなったが、起臥するたびに、ひきつれ痛み、息を吸うたびに攣痛する。しかもしきりに咳をするので、左脇下が膨満して苦しい。そこで、再診するに、脈が沈遅で緊を示し、舌上には苔がなく、食欲は平生と変わらない。左脇下は痞硬して動悸があり、気分がふさいで外出するのを嫌がり、毎夜盗汗が出る。大小便は平生と変わらないが、尿の色が少し赤い。よって柴胡桂枝乾姜湯芍薬を与えたところ、3日で大効があり、遂に全治した。」
「丸山田町の鋸の目立て職の妻、年30が、かって夫に打擲され腰から背・脇まで疼痛して、堪え難く、咳が出て、呼吸が促迫し、悪寒発熱し、盗汗、不食、二便不利があり、その上、奔豚気のように時々下腹部から心下に突き上げてくると云う。診察してみると、脈が沈緊で、舌上に白苔があり、心下が石のように硬い、そこで柴胡桂枝乾姜湯茯苓杏仁甘草湯を与え、卵白を痛むところに塗ったところ、5、6日で全治した。」
「1男児、5、6歳。豚児と遊戯をしていたところ、外から1人の児が来て、竹杖でその児の頭部をなぐったので、すぐに倒れて気絶しそうになった。そこで冷水をそそぎかけたところ蘇生した。ところが、次に耳と鼻からも出血した。私はこれに抑肝散菊花を与えて全治せしめた。」






短気(たんき)
   【漢方用語】
⇒息切れのこと。気が短いことではない。
気が短く互いに接続されない症状。寒熱・息使いが困難などがあり、又、必ず若干の痰飲が混じる症状。
息切れ、呼吸促迫のこと。呼吸が短く急迫し、痰飲が生じ、心臓部・腹部が脹満する。

◎六経弁証
<1>太陽病:[麻黄湯]
<2>少陽病:[十棗湯][大陥胸湯][梔子乾嗽豉湯][苓桂朮甘湯][小柴胡湯] [括呂薤白白酒湯][茯苓杏仁甘草湯][橘皮枳実生姜湯]
<3>陽明病:[大承気湯][竹葉石膏湯]
<4>太陰病:[桂芍知母湯][当帰建中湯]
<5>少陰病:[甘草附子湯]
          
【処方名-五十音順】
■桂芍知母湯(四肢疼痛、関節腫脹、知覚麻痺<下肢>、身体枯燥、羸痩、呼吸困難、乾嘔)
■八味地黄丸
■苓桂朮甘湯(小便不利、めまい、)胸に痰飲があり短気に有効。
■六味丸


 

痰飲(たんいん)
=体液が胃腸に溜まり声を出す。即ち胃内停水して振水音を出すの意味、及び水毒の総称に用いることあり。《古今方彙》
⇒津液が気について上浮し肺を犯しておきるのが「痰」。色は濁る。「飲」は、飲んだ水が消化出来ずに病になること。色は澄んでいる。

◎《外台》《千金》に「冷気」とは、上は痰飲を指し、下は疝気を云う。
《仲景》は痰飲を寒飲と云い、疝気を久寒と云う。 
【痰飲の種類と薬物】
(1)熱痰
薬物:石膏・青黛・梔子・黄芩・黄連
(2)寒痰:
薬物:半夏・乾姜・附子・肉桂
(3)燥痰=潤す。
薬物:瓜蔞仁・杏仁・五味子・天花粉
(4)湿痰=燥が必要。
薬物:蒼朮・白朮・厚朴・茯苓
(5)風痰=散らす。
薬物:南星・皀角・白附子・竹瀝
(6)老痰=軟げる。
薬物:海石・芒硝・瓜蔞仁・便香附

(7)食積痰=消化させる。
薬物:山子・神麹・麦芽

◎主薬:《万病回春》
☆結痰には、瓜蔞・貝母・枳実を主薬とすべし
☆湿痰には、半夏・茯苓を主薬とすべし
☆風痰には、白附子・南星を主薬とすべし
☆痰、四肢の経絡に在るには、竹瀝・姜汁を主薬とすべし
☆痰、両脇に在るには、白芥子を主薬とすべし
☆老痰には、海石を主薬とすべし
  

【処方名-五十音順】
■開結化痰湯《寿世保元》
■括樓枳実湯《万病回春》
■加減温胆湯《万病回春》
■加減二陳湯《寿世保元》
■加味二陳湯《万病回春》
■枳縮二陳湯《万病回春》
■芎夏湯(逐水・利飲)
■蠲飲枳実丸(逐飲・導気・清膈・消痰)
■五飲湯《医学入門》(留飲・癖飲・痰飲・溢飲・流飲を治す)
■香砂二陳湯
■滾痰丸(湿熱痰積が百病に変わるとき)
■小胃丹(膈上の湿痰・積熱)
■小調中湯《医学入門》
■順気消食化痰湯《医方考》
■新製潤肺飲《医宗必読》
■新製利金湯《医宗必読》
■新定玉竹飲子《張氏医通》
■清気化痰丸(一切の痰飲、食積・酒積で痰壅になる)
■清気化痰湯《医方考》
■清熱導痰湯《寿世保元》
■清湿化痰湯《寿世保元》
■清神湯《古今方彙》
■千金指迷丸(一切の痰飲)
■大調中湯《医学入門》
■大半夏湯(停痰・留飲)
■敵痰丸(痰飲)
■導痰湯《厳氏済生方》
■二陳湯(痰飲の諸症状、悪心・めまい・心悸)
■人参理中湯《薛立斎十六種》
■破痰消飲元(一切の痰飲)
■八味地黄丸《薛立斎十六種》
■茯苓半夏湯(停痰と留飲からの諸症)
■補中益気湯茯苓・半夏《薛立斎十六種》
■木香和中丸(痰涎を化し、湿熱をのぞく)
■六君子湯木香《薛立斎十六種》
■六味地黄丸《薛立斎十六種》


痰暈(たんうん)
⇒痰飲のために起きる眩暈。吐き気・動悸がある。

【処方名-五十音順】
■清暈化痰湯
■半夏白朮天麻湯(激しい頭痛・めまい、嘔吐吐き気、足冷、心下痞満、肩こり、背中突っ張る、腹部軟弱)




痰を吐く
⇒胸中に寒があると痰を良く吐く。脾が弱く、腎水を制御出来ないと痰を多く吐く。
(1)咳がない症:「八味元」
(2)大病後に痰が多い:「理中湯」
(3)白沫が多い症な胃口に寒がある:益智仁を加える。
(4)唾痰が多い者:「半夏温肺湯」「二陳湯加・丁香・縮砂」

【処方名-五十音順】
■八味地黄丸(多痰)

 

痰が切れにくい
  【処方名-五十音順】
■清肺湯
■麦門冬湯




痰が出る
=タンが出る=喀痰
■せきやタンが続いたら「結核」疑おう
「集団感染が相次ぐなど、結核が再び広がる兆しを見せている。厚生省は近く「緊急事態宣言」を打ち出す。効果的な薬があり、適切な治療を受ければ治らない病気ではないが、発病に気づかず放置すると、まわりに移すことにもなりかねない。

結核は、患者の咳やくしゃみのしぶきに混じる結核菌を肺に吸い込むことで感染する。だが、感染しても体の免疫機構が菌に勝てば、菌は肺の奥に抑え込まれる。発病する可能性は20%程度だ。
感染者の多くは発病せずに一生を過ごすが、老化や病気、ストレス、薬の服用などで免疫力が落ちると、眠っていた菌の活動が活発になることがあるので注意したい。
発病の初期症状は、風邪に似た微熱やだるさ、咳やタンに混じって菌が吐き出されるようになる。
タンに大量の菌が検出されるほどにならないと、他人に移す可能性は低い。

又、乳幼児は、全身に結核菌が広がる栗粒(ぞくりゅう)結核や結核性髄膜炎など重症になりやすい。BCG接種は、重症化を防ぐためのもので、生後3ヶ月以降出来るだけ早く接種したい。効果は15年程度続くと言われる。
発病が分かったら、複数の抗結核薬を組み合わせて飲むことになる。2週間ほどで症状は治まる。半年以上服用することで菌が死滅し、大半の人が治る。しかし、治療を途中で止めると、薬に耐性を持った菌が再び活動を始める。複数の薬が効かなくなる耐性菌によって、年間80人程度が発病していると見られる。」

【処方名-五十音順】(タンが出る)
■葦茎湯(悪臭のある膿血性のタン・肺化膿)
■桔梗湯(タンが腐敗臭)
■金沸草散(多量・表寒による寒痰)
■柴朴湯(咳嗽、喘鳴、呼吸困難、喘息に常服)
■三子養親湯(多量・湿痰)
■滋陰降火湯(粘痰・痰に血が混じる)
■滋陰至宝湯(稀薄で多量の痰)
■小陥胸湯(黄色で粘稠なタン・喀出しにくい)
■小青竜湯(水様性で多量・無色 ̄白色)
■辛夷清肺湯(黄色で粘稠)
■参蘇飲(タンの量が多い、痰がよく出る)
■蘇子降気湯(多量・寒痰)
■竹茹温胆湯(痰の多いせき)
■白果定喘湯(黄色で粘稠)
■八味地黄丸(腎陽虚、口渇、尿利減少or増加、腰痛、下腹部軟弱・無力、(臍下)腹直筋拘攣、舌湿潤無苔)
■半夏厚朴湯(白色)
■二陳湯(白色で大量のタン)
■礞石滾痰丸(タンが多くて詰まる・実熱の頑痰)
■六君子湯(白色で多量)
■苓甘姜味辛夏仁湯(白色でうすい多量のタン・寒痰)



痰塊(たんかい)

(1)身体の上中下に塊があって、腫毒のようなものが皮衰と膜外に広がっていること。湿痰が流注し、散らない症状。

(2)食べた物を吐かせて、その後に消痰・散核の薬物を使う。
処方:「二陳湯大黄・連翹・柴胡・桔梗・白芥子・黄連・姜汁」水煎し竹瀝を入れて服用。

(3)痰飲が胸・背・頭・項・腋・胯・腰・腿・手足の諸部に流れて一カ所に止まると腫れ、突っ張る。
処方:「返魂湯南星・半夏」

(4)全身のあちこちに塊がある。
処方:「加味小胃丹」「竹瀝達痰丸」

(5)痰塊で結核したものに。
処方:1.「開気消痰湯」
   2.「天南星・草烏」等分に作末し姜汁で膏に、調合し貼る。
   3.「商陸根・南星(生)」搗いて貼る。


痰核(たんかく)
=リンパ腺炎。
  【処方名-五十音順】
■内消散《万病回春》


痰厥(たんけつ)
=痰厥痛
「痰厥」⇒痰気が阻塞し、手足が冷え、麻痺し昏倒する症。
「痰厥痛」⇒頭痛の発作時に両頬が青黄色になり、めまい・吐き気・嘔吐・眼を開けにくい・四肢が冷たいなどの症状。
  

【処方名-五十音順】
■鶴頂丹(痰熱が咽喉をふさぎ、痰が胸膈に詰まって痛む)
■加味二陳湯(痰厥を治す)
■芎辛導痰湯
■清火化痰湯(熱痰が胸中に詰まって吐いても出ず、煩悶し痛む=痰結)
■二陳湯(胃内停水、心下部不快感、めまい、心悸亢進、発熱<不定期>、脈沈弦細)
■半夏白朮天麻湯(激しい頭痛・めまい、嘔吐吐き気、足冷、心下痞満、肩こり、背中突っ張る、腹部軟弱)
■六安煎

 

痰結(たんけつ)
=老痰
⇒のどに何かが詰まって、吐くことも呑み込むことも出来ない症。
☆処方:

■清火化痰湯《万病回春》
■「節斉化痰丸」
■「瓜蒂散」
    

☆薬物:

■天門冬・片芩=肺火を瀉し
■海粉・芒硝=耐堅に
■瓜蔞仁=肺を潤し痰を降ろす。


痰に血が混じる
  【処方名-五十音順】
■加味逍遥散


痰病
(1)津液が気について上浮し肺を浸して起きるもの。津液が熱によってなる症で、熱があると津液がくすぶり濁ってくるので痰という。

(2)九種類の痰病
<1>風痰
<2>寒痰=冷痰。骨が麻痺し四肢が効かない。
処方:[温中化痰丸][温胃化痰丸][新法半夏湯]
<3>湿痰=身が重く、倦怠感と衰弱。
処方:[神求丸][三精丸][山仙丸][二陳湯蒼朮・白朮]
<4>熱痰=火痰。煩熱と燥結が多く、頭が熱く、眼底がかすみ、声がかれ、癲狂・怔忡などの症が発生。
処方:[清気化痰丸][加味潤下丸][小調中湯][大調中湯][黄芩利膈丸][理九豁痰湯][清熱導痰湯]
<5>欝痰=火痰が心肺間に鬱して長くなると凝滞し、付着して吐き出されず、顔色が青く、痩せて、咽喉が乾き、痰嗽・喘促の兼ねた症状。
処方:[節斉化痰丸][抑痰丸][霞天膏][清火豁痰丸][加減二陳湯][瓜蔞枳実湯]
<6>気痰=痰がのどに溜まって出てこない。
処方:[清火豁痰丸][玉粉丸][加味四七湯][潤下丸][二腎散][前胡半夏湯][加味二陳湯]
<7>食痰=食積痰。飲食が消化しないか、又は瘀血症。
処方:[青礞石丸][黄瓜蔞丸][正伝加味二陳湯]
<8>酒痰=飲酒が消化されず、又飲酒のあと茶水を過飲、or酒を飲んで次の日に吐き、食欲なく酸水を嘔吐する。
処方:[瑞竹当化痰丸][香附瓜蔞黛丸][滌痰散][対金飲子半夏・乾葛各1銭]
<9>驚痰=驚悸の為に痰が詰まり、固まって胸腹にあって痛み、or癲癇になることもある。婦人に多い。
処方:[妙応丹][漓胆丸]

◎主薬:癆熱の痰嗽には、地区冷気・童便を主薬とすべし《万病回春》

【処方名-五十音順】(痰病)
■温胃化痰丸(胸膈間に寒痰・冷痰のある者)
■温中化痰丸(冷痰・嘔噦、気分の悪い者)
■黄瓜蔞丸(食積痰を治す)
■黄芩利膈湯(胸中の熱を下げ、膈上の痰をなくす)
■加減二陳湯(老痰・燥痰・熱痰)
■加味二陳湯(気痰が咽喉につかえ梅核気になったとき)
■霞天膏(虚痰・老痰が胸に粘着した時に)
■加味潤下丸(痰火を下降させる)
■瓜蔞枳実湯(痰を吐いても出てこず、胸膈が痛いとき)
■玉粉丸(気痰を治す)
■香附瓜蔞青黛丸(燥痰・欝痰・酒痰を治す)
■山楂丸(湿痰などを治す)
■三仙丸(湿痰を治す)
■正伝加味二陳湯(食積痰・導痰を治す)
■小調中湯(一切の痰火と種々の難病を治し、脾胃を調整する)
■新法半夏湯(脾胃に冷痰があって嘔逆・悪心・食欲がないとき)
■潤下丸(痰積気滞を治す)
■瑞竹堂化痰丸(酒痰を治す)
■清火豁痰丸(上焦の欝火と痰涎・胸膈不利と咽喉の煩躁に使う)
■清気化痰丸(熱痰を治す)
■青州白円子(風痰が起き、嘔吐・めまいする者に)
■清熱導痰湯(悪寒・壮熱・目頭の沈昏・気上喘急・口涎に)
■青礞石丸(湿熱痰・食積痰を治す)
■節斎化痰丸(鬱痰・老痰が乾いて付着したとき)
■前胡半夏湯(気痰を治す)    
■大調中湯(痰火を治す)
■導痰湯(風痰を治す)
■二腎散(清肺・消痰・下気に使う)
■妙応丹(痰飲が流れて痛むとき)
■抑痰丸(燥痰・鬱痰・乾嗽を治す)
■理中豁痰湯(膈上と胃中の熱痰を治す)


痰癖
   =消化不良症。

単球増加症
=「単球増多」
◎正常値:白血球に占める割合。(男)5.3±2.6% (女)5.2±3.5%
◎原因:
感染症:肺結核
    梅毒
慢性肝疾患:肝硬変
血液疾患:真性赤血球増加症
     単球性白血病
     骨髄単球性白血病
     悪性リンパ腫
     脾臓摘出
     melodysplatic syndrome
その他:急性感染症の回復期
    膠原病
    ガン
    histiocyosis-X

【色彩療法】
    <1>レモン色
    <2>黄色
    <3>青緑色

単純疱疹 cold sores、herpes、herpes simplex
⇒「単純ヘルペス」 (参照→ヘルペス)

【芳香療法】
    <1>ベルガモット
    <2>ユーカリ
    <3>ティートリ


炭疸病
⇒発疹を伴う感染症
◎症状:
*悪性膿疱
*リンパ節腫張:所属リンパ節が痛んで腫れる。
*発熱:高熱が出る。
*発疹:感染部位の紅斑→丘疹→出血性小水疱と浮腫を伴う壊死→黒色痂皮→痂皮が剥がれて潰瘍



蛋白-エネルギー栄養障害(PEM)
◎すなわち、蛋白-カロリー栄養障害は、すべての多量栄養素の減少によるエネルギー欠乏だけでなく、多くの微量栄養素の欠乏によっても特徴づけられる。
◎分類:
<1>乾性型(痩せて乾燥している):
乾性型である消耗症は、栄養素が欠乏し、半飢餓状態によって起こる。消耗症の小児は非常に少ない食物しか摂取せず(十分な母乳を与えられないことが多い)筋肉と体脂肪を喪失しているので非常に痩せている。
<2>湿性型(浮腫状で、腫脹がある):
アフリカの言葉で「最初の子供2番目の子供」を意味するクワシオルコルと呼ばれる。2番目の子供が産まれると、母乳を飲んでいる最初の子供に代わって2番目の子供が母乳を与えられるので、最初の子供にPEMが発現する。という観察結果から、こう呼ばれている。
<3>混合型:
混合型のPEMは消耗性クワシオルコルと呼ばれる。この型の小児には多少の浮腫があり、消耗症の小児に比べて体脂肪が多い。



 蛋白漏出性胃腸症
   ◎症状:①浮腫・腹水・下痢
②原疾患の症状
   ◎種類:
     原発性:腸リンパ管拡張症:小腸粘膜に白斑
          メネトリエ病:胃の巨大皺襞
     続発性:クローン病
          ポリポーシス
アミロイドーシス
          lymphoma
          心不全
          収縮性心膜炎
   ◎検査:低タンパク血症
       アルブミン漏出を証明
       α1アンチトリプシンクリアランンス
     

 男性更年期障害
=正式名は「性腺機能低下症」。男性ホルモンの代表、遊離型テストステロンの分    泌量は30代から下がってくる。男性ホルモンは筋肉を増やすだけでなく、認知    機能や血管の柔らかさ、脂質代謝や性機能などに広く関係している。
分泌量が減ってくると、集中力や意欲の低下が見られ、排尿機能や男性機能が衰えてくる。アメリカの研究では、男性ホルモンはストレスの影響を受けやすく、神経質でストレスに弱い人ほど男性更年期になりやすい。
睡眠をたっぷりとる。1日7時間以上眠ると、男性ホルモンの低下を抑えることが出来る。
食事は腹八分目にする、カロリー過多は男性ホルモンの低下を招くだけだ。タンパク質をたくさん摂る。

   ■抑鬱や性機能低下が兆候
    「頭痛や肩こりがひどく、汗がよく出る。疲れやすく、なかなか寝付けない、性     欲も落ちてきた。--------男性でこのような心身の不調が現れる中年の時期を「男     の更年期」ととらえる見方が注目されている。
「50代前半、中堅商社の管理職の男性が、体の異常に気づいたのは昨年だった。
 寝つきが悪くなり、起きたときの気分もすぐらない。担当の食料品の売り上     げが不況で落ち込み、頭を悩ましていた。若い頃からバリバリと仕事をこなし、     海外赴任の経験を持つ順調な歩みがふらついた。
暮れには会議中に息苦しさを感じ、動悸もするようになった。医学書をいろ     いろ読み、「自律神経失調症かな」と思った。
「今年4月、精神科のある成城墨岡クリニック(東京都世田谷区)を訪ねた。墨岡     孝院長に症状を語った。
“1年半ほど夫婦生活がない。妻に引け目を感じる”
      “若い部下と飲みに行っても性の話題についていけない”。性欲減退とイン     ポテンスが続いていた。しかし、ひどい不眠はなく、死にたくなるほど追いつ     められていたわけでもなかった。
性機能の衰えが自信を失わせ、気分の落ち込みに拍車をかけたようだ。墨岡     さんは「鬱病ではなく、男性の更年期症状」と判断した。妻を交えたカウンセ     リングで、一緒に風呂に入ったり、外出したりする愛情表現の大切さを話した。     趣味の俳句を生かすことも勧めた。男性は聞き入れ、3ヶ月ほどで症状が改善     した。
似た症状の男性をこの3年間で約20人診たという。
    「更年期の女性と同じ様な不定愁訴が男性にも見られることを、米国のウェルナ     ー博士が1939年に報告した。国立健康・栄養研究所の杉山みち子・成人病予     防研究室長の調査もこれを裏付ける。
東京都内の45~60歳の女性164人、男性90人に、更年期女性用の調     査票を使って質問した。17項目のうち、「疲れやすい」「肩こり・腰痛・手     足の節々の痛み」「腰や手足の冷え」の各項目は男女に差が無く、20~40     %だった。
「また、老眼鏡使用や物忘れなどで心身の節目を意識したのは何歳のときか?、     男性約1000人に聞いた。規則的に食事をとり、健康維持に努力をしている     人達は50歳前後。食事が不規則で健康に気を使っていない人達は45歳前後     と早かった。
女性の更年期には閉経という区切りがあるのに、男性には明確な兆候がない。     国内では早くから「男性更年期」を研究してきた熊本悦明・札幌医科大学名誉     教授(臨床男性科学)は「性機能の低下がサイン」とみる。中年の男性は性ホ     ルモンの緩やかな減少に加え、職場や家庭での責任が重く、ストレスが重くの     しかかる。これが抑鬱状態を引き起こし性欲や勃起能力、性交頻度の低下を招     きやすいという。
男性約1600人の調査では、同じ強さのストレスでも、50代半ばでは抑     鬱状態がより顕著に現れた。さらに、抑鬱状態の程度と性交頻度の関連をみる     と、各年代で抑鬱状態が強いほど性交頻度が低くなる傾向が認められ、特に5     0代では落ち込みが大きかった。
    「更年期は人生という階段の踊り場にあたる。男性は性機能低下を赤信号と考     え、下り坂を転げ落ちず、上手に下りていきた」と熊本さん。1998.12.6《朝日     新聞》
   ■ウツ病を起こしやすい50代
    「中年の男性は、職場や家庭でのストレスが強くのしかかり、気分が落ち込む抑     鬱状態になりやすい。抑鬱が続くようなら、鬱病の恐れもあるので、専門医に     診てもらうことが大切だ。こうした心のトラブルが、男性ホルモンとどう関連     しているのかた、はっきりしていない。女性の更年期障害向けに広がりつつあ     るホルモン補充療法も、男性ではインポテンスなどに対象が限られているのが     現状。副作用の心配もあり慎重に考えたほうがよさそうだ。
    「新宿副都心の近くにある初台関谷神経科クリニック(渋谷区)。患者を病室に宿     泊させて治療しながら通勤してもらう「ナイトホスピタル」を開いている。
抑鬱状態で陥ったビジネスマンで「うちに帰りたくない」「家で眠れない」     と訴え、会社を休めない人が入る。午後9時に消灯。午前6時に起き、散歩な     どをして出勤。疲れを癒し、生活リズムを整えながら、薬やカウンセリングの     治療を受ける。
中堅の電機メーカーの科長(47)も、ここに約3ヶ月間いた。
      頭痛や腰痛がひどかったが、人間ドックでとくに異常は見つからなかった。     そのうち、めまいや動悸、発汗などに悩まされるようになり、受診した。
不況による売り上げの減少や慣れないパソコンの扱いに苦労していた。マイ     ホームを郊外に建てたため、ローンの支払いや1時間半の通勤も負担になった。     受験を控えた子供がいたが「相談相手をしていない」と妻からは見られ、家で     は邪魔者扱いされていると感じていた。
同クリニックの関谷透病院長は「女性の更年期と似た曲がり角の時期にさし     かかった男性患者が増え始めている。まじめで責任感の強い人が多い」と感じ     ている。
ただ、精神医学の専門家の間には、中年男性の心身の不調を「更年期障害」     とみることに疑問を抱き、「隠れている鬱病が見逃されないか?」と心配する     声も強い。
山梨医科大の神庭重信教授は「男性ホルモンが心にどう影響するのか、明ら     かになっていない。男性に更年期を当てはめることには慎重であるべきだ」と     話す。そのうえで「抑鬱状態が続けば、ウツ病かもしれないと考え、医師の診     察を受けた方がよい」と勧める。鬱病で適切な治療を受けないと、症状が重く     なり、自殺に至る恐れもあるからだ。
ウツ病を起こしやすいのは50代と20代。軽いものまで含めると、一生の     間に6人のうち1人が、この病気にかかるという。
富岡等・昭和大医学部助教授(精神医学)に、抑鬱状態を早くみつけるために     目安となる症状をあげてもらった。
自分で感じる症状:
         「憂鬱」「気分が重い」「イライラする」「元気がない」
         「集中力がない」「好きなこともやりたくない」
         「物事を悪い方へ考える」「眠れない」
周囲からみて分かる症状:
         「表情が暗い」「反応が遅い」「落ち着かない」
         「飲酒量が増える」
       体に出る症状:
         「食欲がない」「体がだるい」「疲れやすい」「性欲がない」
         「動悸」「胃の不快感」
    「症状があれば精神科医に気軽に相談してほしい。鬱病と診断されても抗鬱薬を     飲めば、多くの患者さんは治ります」
ホルモン補充療法を取り入れている大学病院も、心の病をもつ患者は対象か     ら外している。
東邦大大森病院は、インポテンスの患者に対し、テストステロン(男性ホル     モン)の補充療法を実施している。対象になる患者は、インポテンスが心身の     病気によるものではなく、テストステロンが欠乏している▽ビタミン剤や血管     拡張剤でも改善しない▽前立腺ガンがない-----などが条件だ。慎重に選んでい     るのは、テストステロン補充に、前立腺ガンの誘発や精巣の萎縮といった副作     用の恐れがあるからだ。
「更年期と思っている男性の誰もが受けてよいわけではない」と石井延久教授 (泌尿器科)はクギを刺す。
昭和大藤が丘病院(横浜市)は、対象範囲をさらに狭め、事故や手術で茜草     機能をなくした人や精巣の発達が悪い人に限っている。甲斐祥生教授(泌尿器     科)は「男性ホルモン減少とインポテンスにも明確な相関関係がない」と話し     ている。1998.12.13《朝日新聞》
■40~50代の男性に
「これまで女性特有の悩みとされていた更年期障害だが、最近では「男性更年期」にも注目が集まっている。
東京女子医大の井口さんは「男性にも更年期のような症状が40~50代と、70代以降の2つのピークで出る。前者は体力や性機能が衰えたり、仕事上の壁にぶつかったりする時期。リストラの不安が募ったり家庭での居場所がなくなったりして起こる。後者は男性ホルモンそのものが減っていく時期」と話す。
北海道函館市で更年期専門外来「美馬産婦人科病院」を開く美馬宏夫充さんんも、「妻の治療に一緒の通院した夫から“実は私も同じ様な症状に悩んでいる”というケーズが増えた」と話す。当初、女性専門だった同病院の更年期外来は、今では男女問わず受け入れており、30人ほどの男性が通院している。
従来、「初老期ウツ」として頭痛や不眠なそ心因性の症状は知られていたが、最近は「冷えのぼせ・発汗という女性ホルモンの減少に起因するものと似た症状が、男性にも現れている」と美馬さん。体を動かしたり、趣味を持ったりと、女性が更年期を乗り切るためにしている努力が、男性にも必要になってきそうだ。1999.6.7《日本経済新聞》」
■よく見られる症状(聖マリアンヌ医大の調査)2003.7/22
無気力・・・・・・・44.1%
集中力の低下・・・・42.7%
不眠・・・・・・・・36.4%
不安感・・・・・・・35.0%
イライラする・・・・22.4%
性欲の低下・・・・・2.4%
汗をかきやすい・・・19.6%
頭がもやもやする・・19.6%
勃起不全・・・・・・19.6%
ほてり・・・・・・・18.9%
■ホルモン注射
「体がだるい、気力がない、イライラする・・・・。女性の更年期によく見られる症状が男性にも現れることがある。男性更年期障害といわれ加齢に伴う男性ホルモンの分泌低下が関係しているとされる。
聖マリアンヌ医科大学の岩本晃明教授によると、「発症年齢の平均は53歳で、40歳代の半ば頃から見られます。たとえば45歳の患者では筋力や気力の低下、火照りなどがありました」。原因について「ハッキリしませんが、男性ホルモンの分泌低下とストレスの関わりが強いと考えられます。これに加齢が加わって発症するのでしょう。脳の下垂体から放出されるゴナドトロピン(男性ホルモンの1つ)は、精巣内の細胞を刺激し、男性ホルモンを分泌します。その反応は年齢が高い人ほど(若い人に比べて)弱いというデータがあります」
「海外では『加齢男性における部分的(あるいは進行性の)男性ホルモン低下』、頭文字をとってPADAMという呼び名が定着しています。
海外のデータでは男性ホルモン欠乏症である低アンドロゲン症が50歳代で12%、60歳代で19%、70歳代で28%、80歳異常で49%の人に見られます」
男性ホルモン以外にも要因があります。副腎皮質ホルモンや成長ホルモンといったものが関わっていると見られます。このような場合、脳の下垂体の病変も調べる必要があります。たとえば、55歳の患者で、男性ホルモンの低下と副腎皮質ホルモン系の異常が見られた患者がありました。」2003.7.22《日本経済新聞》
■ホルモン低下
「男性更年期障害の正式な病名は『性腺機能低下症』。男性ホルモンの代表、遊離型テストステロンの分泌量は30代から低下してくるが、このホルモン低下が発症に大きく関わっていることが最近の研究で分かってきた。
男性ホルモンは筋肉を増やす働きだけでなく、認知機能や血管の柔らかさ、脂質代謝や性機能などに関係している。
分泌量が減少してくると集中力や意欲が低下し、物覚えも悪くなってくる。筋肉も弱くなり日常生活の行動範囲も狭まる。排尿機能や男性機能も衰える。
米国の研究では、男性ホルモンはストレスの影響を受けやすい(ストレスを受けると分泌量が大きく減少する)
神経質でストレスに弱い人ほど男性更年期になりやすい。予防するにはリラックスしてストレスをため込まないこと。
・睡眠はタップリとる。
1日7時間以上眠ると、男性ホルモンの低下を抑えることが出来るとされる。
・ジョギング・ウォーキングなどで適当な運動
・音楽を聴く
・温泉に入る
と、自律神経のうち副交感神経を刺激することになりリラックスできる。気功や太極拳・ヨガ・座禅などで呼吸を整えるのもいい。
・食事は腹八分目
カロリー過多は男性ホルモンの低下を招くだけ。
・タンパク質をたくさん摂取する。
・不飽和脂肪酸(オリーブオイルなどに)
・アボガド
・ヤマイモ
・高麗人参
などの男性ホルモンの分泌を増やす。
○40代でも症状
男性ホルモンの低下は個人差が大きい。80歳でも20歳並の分泌量の人もいる。生活習慣に気を配っていても、ある年齢に達すると、誰にでもやってくる。
【チェック】
・体調がすぐれない
・不眠に悩んでいる
・気むずかしくなってきた
・クヨクヨしやすくなった
・気分が沈みやすくなった
・ほてり
・多汗
・のぼせ
・動悸、息切れ
・息苦しいことがある
・めまい、吐き気がある
・疲れやすい
・腰痛
・手足の関節に痛みがある
・頭痛、頭が重い
・肩こりがある
・手足がこわばる
・手足がしびれたりピリピリする
・早朝の勃起が少なくなった」




 男性自身の悩み
   (参照→インポテンス)
  【処方名-五十音順】
     治玉茎小云々方(サイズが小さい悩み)
令陰長大方

 男性の乳房腫大⇒(参照→「乳房が大きくなる」)



 男性不妊症
◎射精された直後の精子には受精能がない。子宮の中で自然に先体がはずれて受     精能が備わる。どういう訳か、テニスプレヤーなどの激しいスポーツを職業に     している男性に多い。
    ◎精子減少の原因物質---------「内分泌攪乱物質」
       DDT
       アミクロール(除草剤)
       PCB
       ダイオキシン
  【芳香療法】
    <1>バラ(精子の数を増加する)
  【漢方療法】
     陽起石丸
    ■受精に必要な物質発見。
     「大阪大学微生物研究所の岡部勝助教授と伊川正人研究員らは、マウスの受精      に不可欠なタンパク質を発見した。「カルメジン」と呼ばれるタンパク質で、      遺伝子操作がによりこれが出来ない体質にした雄マウスで不妊症に似た現象      が起きることを確かめた。精子に異常が見あたらないのに受精しない原因不      明の男性不妊症の解明の糸口となるという。
カルメジンは動物性の雄の精子の中にあることが分かっていたが、その働      きは不明だった。働きを調べるため、遺伝子によりこのタンパク質を作れな      いようにした雄と通常の雌を交尾させ子供を生ませる実験を試みた。其の結      果、150回の交尾で妊娠はたった2回、計5匹の子供しか生まれず、通常      の雄と雌の交尾1回当たりの平均出産数[7・6匹]に比べ、はるかに少なか      った。
       顕微鏡で「不妊マウス」の精子を観察したところ形も運動能力も正常であ      ったが、卵子の表面に付着出来ず、結合出来なかった。人間の男性にも、精      子の形、運動能力とも正常なのに、子供が出来ない原因不明の不妊症が見ら      れるが、この症状と酷似していた。1997.6.7《日本経済新聞》
    ■元気な精液34人に1人。
     「日本人の健康な若者34人の精液を調べたところ、精子の濃度や運動率が世      界保健機構(WHO)の基準を満たしたのは1人しかいなかった。----------こん      な調査結果を帝京大学の押尾茂講師(泌尿器科学)らがまとめた。
押尾講師らは1996年4月~98年1月にかけて、20~26歳の健康な若      者34人から精液の提供を受け、精子の質や濃度を測定した。      WHOの基準値では、
          ①精液の量が2‹以上、
          ②精子の濃度が1‹当たり2000万個以上、
③直進運動する精子の率(運動率)が50%以上、
          ④正常な形の精子の率が30%以上、
          ⑤精子の生存率が75%以上
      と定められ、どれかが下回ると不妊の恐れがあるとされる。
       34人の平均値は、
          ①量--------------------2.5‹
         ②濃度-----------------4170万個
          ③運動率--------------27.0%
              (内訳:10.0%未満------5人
                  20.0%未満------6人
          ④正常形態率--------48.5%
⑤生存率--------------78.0%
      すべての検査値が基準値を上回っていたのは1人だけだった。1998.3.9《朝      日新聞》
   ■意識変え夫から検査を
    「子供が欲しいのに、なかなか出来ない」。不妊に悩むカップルのうち、半数近     くが男性側にも原因があると言われる。体外で精子を卵子に注入する顕微受精     の登場で、不妊患者の多くが救われるようになった。生殖器の手術によって妊     娠にこぎつける方法もある。しかし、男性不妊の治療方針が医師の間で必ずし     も一致せず、未解決の課題が残っている。
「このまま子供ができなかったら、離婚する」
      そう詰め寄ったのは夫ではなく、妻の方だ。この男性は20代後半で東海地     方に住んでいた。重圧感にさいなまれ、勃起障害で性交も出来なくなった。結     局、この夫婦は別れた。
子供を望むカップルの10組に1組は不妊といわれる。1996年に出版された     専門書によると、世界保健機構(WHO)が調査した約7000の不妊カップルのう     ち、原因が女性のみにあったのは41%、男性のみは24%、男女双方は24%、     原因不明が11%。男性側が何らかの障害を持っていたのは計48%になる。木     場淳院長は、「不妊症はカップルの病気であり、男女両方を診断することが大     切だ」と強調する。
男性不妊の治療は精子の数や動きをみる精液検査から始まる。
      [精液検査]
      精液は容器に採取して30分ほどたつと粘性が落ちて液状になる。その時点      で、液体量・精子数・運動性などをみる。WHOは正常の目安として、 
        ①精液量2‹以上
        ②1‹あたりの精子数が2000万以上。
        ③前進運動精子50%以上
        ④正常形態30%以上、といった数値を示している。
      普通は顕微鏡を使って調べるが、コンピューターで精子濃度や運動速度をは      じき出す方法もある。
受精能力を調べる検査としては、
        ①膨化試験(細胞膜に傷がないかどうか)
        ②ペネトラック試験(精子が真っ直ぐに進むかどうか)
        ③卵子に進入するために必要な酵素を出すかどうかを調べる「アクロビ         ーズテスト」
        ④ハムスターを使って卵子に進入するかどうかを試す「ハムスターテス         ト」などがある。
    「埼玉医科大学総合医療センターの石原理助教授(産婦人科)は「精液検査は不     妊治療の最も初期段階で行うべきものだ」と話す。女性だけを検査し治療を進     めていたら、男性が無精子症だったという例がある。治療の一部が無駄になる     だけでなく、女性の体に余計な負担を強いることにもなる。検査と治療は男女     同時に進めるのが原則だ。
      不妊に悩む男性が毎年新たに300人以上訪れる東邦大学大森病院の三浦一陽     教授(泌尿器科)は「不妊検査は男から先に始めてもいいくらいだ」という。     慶應義塾大学病院の吉村泰典教授(産婦人科)も同じ意見だ。精液検査は子宮     や卵巣などを調べる女性側に比べ、はるかに負担が小さいからだ。基本的に保     健がきき、費用も高くない。
三浦教授らは以前、男性患者に来院のタイミングを尋ねたことがある。女性     と一緒に来院した毛ケースも含め、男性が率先したのは34%しかおらず、残     りは女性先行だった。「不妊は女性の病気」と考えている人が今も少なくない     ことを裏付ける。1999.5.2《朝日新聞》
■「無精子症」の不妊治療
「精巣に精子を作る能力がなく治療不能」と診断されてきた不妊症の男性でも、精巣の一部で正常な精子を作っている可能性が大きいことが分かった。精巣から1個でも精子
を探し出すことができれば、顕微受精の技術で卵子を受精させることができる。大阪大学病院泌尿器科や鳥取県のクリニックではこのような男性の精子を見つけ、赤ちゃんを誕生させた。不妊治療に携わる医師らは「あきらめなさいと言わずに済むケースが増える」とみている。
男性不妊症の原因の数%を占める無精子症には<タイプ1>精子の通り道が詰まって精子が外に出てこない、<タイプ2>精巣で精子が作られていない、の2つのタイプがある。
<タイプ1>は、精子自体は作られているため、治療法はいろいろあるが、
<タイプ2>の場合は、もともと精子が作られていないため、治療不能とされてきた。
大阪大病院泌尿器科の北村雅哉助手は、大阪市内の3つの不妊治療専門医院と共同で、1997年7月から99年9月の間に不妊治療に訪れた<タイプ2>の無精子症の患者44人の精巣を、同意を得た上で調べた。
左右の精巣の表面から深部まで合わせて15~20カ所から、注射針などを使ってわずかな量の組織を取り出した。
●約7割で発見
70%に当たる32人の組織から精子が見つかった。そのうち、15人のパートナーがその精子を使った顕微受精で妊娠に成功。これまでに2人流産したが、10人が無事出産した。
鳥取県米子市にあるミオ・ファティリティ。クリニック(見尾保幸理事長)でも、ほぼ同様の手法を、97年10月から99年7月までの86人に試みた。その結果、47人から精子が見つかり、26人が妊娠に成功。21人が出産した。
86人のうち22人は、性染色体の異常で最重症の無精子症になると言われるクラインフェルター症候群の患者だったが、9人で精子が見つかった。5人が妊娠し、3人が出産。見尾理事長は「予想を遙かに超える成績で、自分でも驚いた」と話す。
●機能があった
精子を作る能力の有無は、精巣の組織を切り取って精子がいるかどうかを調べて決める。精子を作っていないように見える精巣でも、内部の状況にはかなりばらつきがあり、ごく一部の細胞が精子づくりをしている場合があることが最近の研究で分かってきた。北村助手は「1回の政権で精子が見つからなくても、何カ所も調べると、発見の可能性が高くなる」という。
しかも、親から要請があった赤ちゃんの染色体を調べても、異常は見つからなかった。
●異常型消える
荒木康久・高度生殖医療技術研究所長(栃木県)の研究では、クラインフェルター症候群とは違う性染色体異常で、XYYという染色体を持つ人の場合は、精子の97%が正常な型だった。
XYYからできる可能性のある精子の染色体型は、性状のX、Yに加えて、XY。YYがある。あとの2つの異常型は、精子になるまでの2回の減数分裂がうまくいかず消えていくと考えられている。」2000.2.29《朝日新聞》
■免役関連タンパク質
「農業生物資源研究所などのグループは臓器移植によく使われる免疫抑制剤に関連するタンパク質が、精子の形成に重要な役割を果たすことを発見した。動物実験で確認した段階だが、男性不妊症の原因となる無精子症お解明につながる。
このタンパク質は「FKBP6」と呼び、免疫抑制剤の「FK506」と結合する性質がある。」2003,5,26《日経産業新聞》
■精管手術
「男性不妊の最大の理由は精子の数が少ないか、その運動機能が低いことです。男性では普通、精液1ml中に精子は約8000万。世界保健機関(WHO)の指針では精子が2000万以下、運動率が50%以下ならば精子の数が少ない乏精子症(精子減少症)で、治療の対象にしています。受精能力は精子の数などで決まるわけではありませんが1つの目安になります」
「精子は精巣(睾丸)でつくられ、精巣上体で成熟し精管を通って精嚢で貯蔵され、その後射精管を通って尿道に入ります。不妊症の人では以下の原因が考えられます。
①精子が出来ない、又は、少ししか出来ない
②精管などに異常がある
③射精の異常がある
「乏精子症、精子がない無精子症や、精子の運動機能が低い精子無力症の原因はハッキリしていません。感染やホルモンの影響、遺伝的要因などが考えられます。乏精子症・無精子症の人では高い頻度で精索静脈瘤がみられます。精管の近くを通っている静脈の流れが悪くなり、鬱血してコブができ、このために血流が阻害されて精巣の温度が上がり精子が作られにくくなるものです。手術でコブを除去することによって治療でき、60%以上の人で改善効果があります」
「先天的に精管が欠損していたり、あるいは感染による炎症などが原因で精子の通り道がふさがっている場合は手術で閉塞部を除いたり、精管を再建したりします。精管形成不全は産婦人科などでは分からないことが多いので、泌尿器科の専門医に診てもらうのが一番です」
「子供の頃にヘルニアの手術をしたときに精管を縛ってしまったり、子供を作らないように精管を結紮したが、事情が変わって再開したいという例も再建手術の対象になります。しかし、精管結紮後10年以上経過すると、再建しても妊娠率はぐんと悪くなります」2003.7.1《日本経済新聞》
■精子形成タンパク質
「2010年、早稲田大学の胡桃坂仁志教授らは、ヒトの精子ができる時に重要な働きをするタンパク質を特定した。精子の元となる細胞から精子ができる際に、細胞のDNAを小さく折りたたむのを助ける。
成果は米科学アカデミー紀要電子版に掲載。
通常の細胞では、DNAは「ヒストン」というタンパク質に巻き付いて収納されている。
研究チームはヒトの精巣に多いヒストンの一種である「H3T」に注目し、H3Tの結晶を作り、分子構造を調べたところ、通常のヒストンに比べて構造が不安定で、塩化ナトリウムを加えると簡単に壊れた。精子ではヒストンの大半が無くなり、DNAがより小さく折りたたまれていることが知られている。胡桃坂教授は“性SG阿できる過程で、H3Tが壊れることでDNAが小さく折りたたまれる”と説明。
H3Tの働きを詳しく調べれば精子の形成異常の原因解明につながる。



 胆管ガン
   ⇒男性に多い。
   ◎胆管合流部に多い。
   ◎症状:黄疸:高度で、閉塞性黄疸の特徴を示す。
       肝腫大(+)
       腹水
       糞便は無胆汁便




 胆管細胞ガン(CCC)
■病態・・・肝内胆管から発生したガンで、線維性間質に富む。
■検査
肝胆系酵素・・・全般に高値。AFP単独高値も。
腫瘍マーカー:以下が異常値に
CA19-9
CA125
CEA
DU-PAN-2
Span-1
CT・MRI
腹部超音波
ERC
PTC
血管造影


 胆石症
   gallstone disease, cholelithiasis
胆石症は胆嚢または胆管に石のできる病気で、発作性の激しい疼痛が上腹部に起こるのが特徴であるが、石があっても、疝痛発作の無いこともあり、また、右上腹部に鈍痛や圧重感を訴えるだけで、はげしい疼痛を訴えないものもあり。疼痛のあとで黄疸の現れることもある。
胆石症には胆のう炎を合併することがある。
急性の場合だと高熱が出て、それと同時に右上腹部に疼痛を訴える。また黄疸のみられることもある。
胆のう炎が慢性になるとあまり高くない熱が長い間続いたり、時々痛みや熱が出る。
また胆石が原因ではなくて、胆嚢が細菌に感染して発病することもある。
胆石症も、胆のう炎も、漢方の治療では区別する必要がない(漢方診療医典)
   ⇒胆嚢炎と胆石症は因果関係が深い。
      胆嚢や胆管の炎症、胆汁のウッ滞、胆汁成分の異常などが原因となり、胆石     が生じ、これが胆汁(アルカリ性の消化液)の通路を遮断して黄疸を起こしたり、     胆嚢や胆管を刺激して発作性の激しい痛みを起こす。
     <1>胆石症の痛み----上腹部の右寄り部分を中心に痛む。
     <2>胃ケイレン-------胃の部分にのみ痛みが起こります。
   ◎中年以後の女性に多い。
   ◎原因:食事
       女性ホルモン
       胆道炎
   ◎発作の誘因:過労・過食(脂肪食の)
   ■激しい腹痛
    「胆石は胆汁を蓄える胆嚢や胆管に出来る石だ。胆嚢に出来るケースが大半。脂     っこい食事をとった後や、夜、寝付いた時などに、右の上腹部から右肩の方へ     と差し込むような痛みが繰り返し起き、黄疸や発熱・吐き気を伴うこともあ      る。
「腹が激しく痛むので胃ケイレンと思う人もいますが、胃がケイレンを起こすこ     とはほとんどありません。激しい腹痛の時は、胆石症の発作か急性虫垂炎とい     った病気を疑うべきです」とは帝京大学溝の口病院・非常勤講師で村田医院の     院長でもある村田郁夫氏の指摘だ。
胆石を持っていても、全く症状が出ない人も少なくない。この胆石は無症状     胆石とかサイレント・ストーンと呼ばれるもので、胆石保有者の半数を占める。
      胆石には①胆汁に含まれるコレステロールを主成分とするコレステロール胆     石と②胆汁の色素を主成分とするビリルビン胆石とがある。食生活の洋風化に     よってコレステロール胆石が増え始め、今は全体の7~8割を占めると言われ     る。」1991.1.19《日本経済新聞》
■中年女性
「主婦のAさん(44)は、太り気味で、4人の子持ち。先日、仲間と一緒に天ぷらを食べた後、みぞおちが痛んで、脂汗が出てきた。痛みは1~2時間で治まったが、最初は強い吐き気もあり、その後も肋骨右下を押さえると痛む。超音波で調べたところ、胆石と分かった。
 胆石は中年の女性が発症しやすく、小太りで子供の多い女性がなりやすい。石の種類からコレステロール結石、ビリルビン結石に分けられ、石のある場所から胆嚢結石、胆管結石、肝内結石に分類される。最も多いのは胆嚢内のコレステロール結石で、治療は比較的容易だ。
症状がある場合、薬で溶かしたり、超音波結石破壊装置で細かく砕いたりすることもある。最も確実な治療は外科手術だ。石と一緒に胆嚢を切除する胆嚢摘出術が行われ、、近年では90%以上の患者が腹腔鏡下手術を受けている。この手術は体への負担が少なく、傷跡も小さい。数%以下の確率で胆嚢ガンを合併していることもあり、胆嚢の壁が部分的に厚いときには手術を勧めます。
(西田俊朗・大阪大学大学院医学系研究科講師)」2003.6.3《日本経済新聞》
   ◎出来る場所によって、
     <1>胆嚢胆石:全体の70%~80%。コレストロール胆石が多い。
     <2>胆管胆石:約20%。ビリルビン胆石が多い。
     <3>肝内胆石:2%~4%。ビリルビン胆石が多い。
  【芳香療法】
    <1>ラベンダー
    <2>ローズマリー
  【色彩療法】
    <1>レモン色
    <2>オレンジ色
【食事療法】
コーヒー
  【漢方療法】
    茵蒿湯
    茵五苓散
    烏頭桂枝湯
    烏頭赤石脂丸
    黄連湯
    解労散
    括楼薤白白酒湯
    括楼薤白半夏湯
    括楼薤白桂枝湯
    甘草湯
    桂枝加芍薬大黄湯
    桂枝生姜枳実湯
    五積散
  呉茱萸湯
    柴胡桂枝乾姜湯
   「柴胡桂枝湯」
大柴胡湯を用いる場合よりも虚証で、胸脇苦満も軽く、便秘せず、腹直筋が緊張しているのに用いる。胆石症の大部分は、大柴胡湯証を呈するが、ときに柴胡桂枝湯を必要とすることがある。胆のう炎にも本方を用いることがある。(漢方診療医典)
    柴胡桂枝湯茴香・牡蛎
    四逆散呉茱萸・茯苓・良姜
    梔子大黄湯
    梔子柏皮湯
   「芍薬甘草湯」
本方は筋の緊張をゆるめて、疼痛を緩解する効があるので、疝痛発作に用いられる(漢方診療医典)
    芍薬甘草附子湯
    小陥胸湯
    小建中湯
「小柴胡湯」
慢性の胆のう炎で、症状は軽いが経過は長引き、体温がわずかであるが上昇して、平熱とならず、右脇下に鈍痛のあるようなものに用いる。
もし熱が高くて煩渇の状があれば、石膏20.0を加える(漢方診療医典)
    小柴胡湯芍薬甘草湯   
   清熱解欝湯《万病回春》
    赤丸
    大烏頭煎
   「大黄附子湯」
金匱要略に“脇下偏痛して発熱し、その脈緊弦なるは、これ寒なり。温薬を以て之を下せ、大黄附子湯に宜し”という条文があり、胆石の疝痛発作に頓服として用いることがある。(漢方診療医典)
    大建中湯
   「大柴胡湯」
胆石症の患者の多くは、右側に胸脇苦満を呈することが多く、便秘の傾向があり、体格も比較的頑丈で、実証のものが多いので、大部分は大柴胡湯の証である。
この処方は、疝痛発作の無い時にも続けて飲む必要があり、これの服用によって、胆石が排泄されて治癒することもあり、またいつともなしに消失するものもある。
胆嚢を摘出したのちに、胆管に石があって疝痛発作を起こすことがあるが、これも本方を用いることが多く、これで全治した例がいくつもある。(漢方診療医典)
    胆道排石湯Ⅰ号方
    胆道排石湯Ⅱ号方
    胆道排石湯5号方
    胆道排石湯6号方
    当帰芍薬散
    当帰湯
    人参湯
    半夏瀉心湯呉茱萸・茯苓・良姜
    茯苓飲
    附子粳米湯
    石滾痰丸
    凉膈散
    良枳湯
  ◎以上の処方に加えると良いもの。
       <1>連銭草(7g~20g/1日)
       <2>連銭草(15g)+クマヤナギ(10g)+金銭草(7g)/1日
  【民間療法】
    アカメガシワ:陰干し葉(5g~10g/1日)600ccを300ccに煎じ、食後温服。
    ウラジロガシ:葉・樹皮(20g~30g/1日)
           量が多いほど有効だが、胃腸を害することがある。そのときには           [柴苓湯]などと一緒に服用すること。
    カキドオシ:(5g~15g/1日)煎服。
    カワラヨモギ:(10g~20g/1日)煎服。
    キランソウ(20g/1日)煎服。(2g~15g/1日)酒煎。
    クマヤナギ(8g)カキドウシ(4g):煎服。
クマヤナギ(8g)カキドウシ(4g)ウラジロガシ(12g):煎服。
    コンニャク:結石を排出する。
    ジゴクノフタノカマ:作末し酒で飲む。妊婦は不可。
    タイ(鯛)の黒焼き:痛みを抑える。
    ダイコン:大根おろしにして飲む。
    ヒキオコシ
    ホオノキ
    マダイの耳石or頭部の骨:黒焼きにし1回ティスプーンÑ、1日3回食後。
    マタタビ
    メナモミ
    熊胆:発作を抑える。胆石の特効薬。
  【臨床例】
    ☆56歳、女性。
       「患者は大学病院で胆石の手術を行い、150個の石を取ったが、どうも肝       臓のあたりが重苦しいと言う。便秘がちで大便は2日に1回あり、小水は       やや近い。
中肉中背タイプで栄養顔色ともに良好。腹診すると胸脇苦満と腹直筋の       緊張を認める。そこで胆石の素地を治すため、腹証により柴胡桂枝湯加枳       実黄連苡仁大黄を与える。すると便通が1日1回となり、100日間飲む       と、肝臓部の重苦しさがとれ、顔にツヤ が出てきてスマートになった。」       (寺師睦宗著「成人病の漢方療法」p131)


 胆道感染症
■たまった胆汁を対外へ
「Mさん70歳男性。黄疸に気づき、熱も出たため来院した。超音波検査で胆管が著しく拡張し、十二指腸近くの胆管に胆石があることが分かり、胆石症による急性胆管炎と診断された。
抗菌薬を投与し始めたが、Mさんは高齢であるうえ、血液検査で炎症反応も強く出たため、超音波で体内の様子を調べながら、体表から肝臓内の胆管にチューブを入れて、溜まった胆汁を体外に排出した。1週間後に症状が著しく改善したので、開腹手術で胆石を摘出し、元気に退院された。
肝臓は身体の化学工場と言われるほど多くの機能を担っている。胆汁という黄褐色の消化液を1日約500~1500‹作るのもその1つである。胆汁は胆管という細い管を通って、常時十二指腸に流れ出る。十二指腸近くの胆管にはナスビ大の胆嚢という袋がついている。この袋に入った胆汁は水と電解質が吸収されて、5~10倍に濃縮される。脂肪分の多い食物を取ると、胆嚢の収縮によって一気に排出され、脂肪の消化を助ける。
しかし、この胆汁の流れが胆石や腫瘍で障害されると、胆汁が胆管や胆嚢内に溜まって、最近が繁殖し、急性胆嚢炎や急性胆管炎が発症する。さらに胆汁中の物質が肝臓内の胆管から血液中に逆流して、黄疸や高熱を起こす。
急性胆嚢炎は腹痛と発熱が現れるが、黄疸は滅多に出ない。胆嚢炎は自覚症状がつよいが胆嚢に限った感染症のため、初期には全身は侵されない。しかし胆石による排泄障害が続けば、胆嚢壁が化膿し、腹膜炎になる。急性胆管炎は発熱と黄疸が現れるが、腹痛はさほどないたああめ診断が遅れがちだ。胆汁がうまく排出されないと急性化膿性胆管炎になり、肝膿瘍や敗血症に進展し、危険な状態になることもある。
胆草感染症の主な治療は、溜まった胆汁を排出することである。腹膜炎や敗血症を予防・治療するため抗菌薬の投与は大切だが、炎症が改善しない場合はMさんのように生体に負担の少ない方法で、まず感染胆汁を体外に排出した後、症状の改善を待って本格的な手術をする。」(木下博明・大阪市立大学医学部付属病院長)1999.12.20《日本経済新聞》
  【処方名-五十音順】
    四逆散(


 胆道ジスキネジー
biliary dyskinesia
   (胆道機能不全)(胆道運動失調症)
   ⇒胆汁排泄機構の機能的異常によって起こる病態。
    胆嚢・胆管・Oddi括約筋に器質的異常は無く、機能障害による胆汁排泄機構の    異常。
   ◎機能異常は、胆嚢・胆管・Oddi括約筋に対する自律神経系・消化管ホルモンの    調節異常で起きる。
     精神的影響を受けやすい。
   ◎症状:
     右季肋部~心部の痛み。
        運動亢進型:食後痛む
        緊張亢進型:食間
        緊張低下型:鈍痛が持続する。
     その他
  【処方名-五十音順】
    四逆散
 小柴胡湯(茯苓飲)


 胆道閉塞症
   ■(秋山洋・国立小児病院長)
     「A君は現在2歳になる男の子、生まれて2ヶ月の時に便の色が白く全身の色     が黄色くなり、当時専門医から『先天性胆道閉塞症』と診断され手術を受けた。     現在は黄色みも取れ、時々風邪を引く程度の状態で元気に遊んでいる。しかし     将来どうなるかと両親は常に心配している。
 胆道閉塞症という病気は、肝臓で作られる胆汁を腸管のなかに誘導する胆管     が詰まっている状態で、そのまま放置すると肝臓が硬くなる肝硬変の状態とな     り、生命の維持が難しくなる。従って生後早期に胆汁を腸管に誘導する肝門部     超吻合術という手術を受けなければならない。
  A君はここまでは適切な治療を受けており、手術後の経過もほぼ順調のよう     に思われる。しかし、手術によって黄疸がなくなったとは言っても、今後順調     に暮らしていけるとは限らない。
 すなわち、高熱をきたして発症する胆管炎の併発、肝臓の変化に伴って起こ     る門脈圧亢進症(消化管の静脈の鬱血による食道静脈瘤からの出血)、脾機能亢     進症(脾臓の腫れによる貧血、血小板減少)など様々な症状が起こる可能性があ     る。また肝硬変がゆっくりと進行していく場合にはかなりの年長になってから     肝移植が必要となることもある。ほとんど症状が無くても肝機能検査値が変動     することは少なくない。
 いずれにしてもこの病気は生後2ヶ月の手術が成功しても長期的にみて問題     が残る場合が多い。定期的に専門医を受診し成人になるまで、あるいはそれ以     上の年齢まで慎重に経過を観察することが必要だ。」1997.7.14《日本経済新聞》
◎URL:
「ゆひ君のホームページ」--->http://www.blwa.or.jp/%7Ehiro-fsy/
   ■胆管形成の異常
「子供の難病である胆道閉塞症の約1/3は、ウイルス感染ではなく消化液の胆汁の通り道である胆管が生まれつきうまく形成されずに発症することを京都府立医科大学に岩井直躬教授と嶋寺伸一医師らが突き止めた。
手術後にステロイドを多く投与すると回復の可能性が高まるという。20077/20日経




 胆嚢ガン
■病態・・・胆嚢上皮から発生するガン。
■検査:
腹部超音波
・胆嚢壁の不整
・胆嚢内腫瘤
・胆嚢内debris貯留
・肝内浸潤(進行癌)
CT
血清ビリルビン
血清アルカリホスファターゼ
CEA
Ca19-9
白血球数
   ⇒女性に多い。
   ◎症状:
      発生場所・大きさ・周辺への浸潤程度で種々の症状
      黄疸(初期より)
      悪液質・転移の証明
   自己診断リスト:以下の症状が2週間以上続く。
       ○白ぽい大便が出る。
       ○小便が黒褐色。
       ○最近、食欲が無くなった。
       ○みぞおちの右側に痛みを感じる。
  ○この1ヶ月で体重が5%以上減った。


 胆嚢炎(たんのうえん)
=胆嚢のカタル性、化膿性、壊疽性の炎症、大腸菌などが十二指腸から総胆管など    の胆道を介して侵入した場合、血行を介して門脈や肝動脈から細菌そのたが胆嚢    に到達した場合に起こる。
   ◎中年以後の女性に多い。
  【症状】
    急性症状:
      悪寒戦慄を伴う発熱
      右季肋部の持続する疼痛(胆嚢部から右肩に放散する激しい疼痛)
      悪心・嘔吐
白血球増多
      ときに黄疸
    慢性症状:
      微熱
      不定の上腹部症状
■ビタミンC不足
「米カリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究チームは、女性の間で流行している胆嚢疾患とビタミンCの血中濃度に因果関係があることを突き止めた。13000人を対象にした研究で、ビタミンC濃度が高いほど、胆嚢を患う比率が低くなることが分かった。
胆石を作り出すコレステロールをビタミンCが制御することが動物実験でわかっており、ビタミンC不足が胆嚢疾患を引き起こす原因になると考えられる」2000.4.12《日経産業新聞》
  【処方名-五十音順】
    茵蒿湯
    茵五苓散(黄疸、発熱、腹壁軟弱、胃内停水、煩渇、脈浮)
 加味逍遥散
    桂枝加芍薬大黄湯(裏急後重、宿便)
    蒿清胆湯
    柴陥湯
    柴胡桂枝乾姜湯
    柴胡桂枝湯
    柴平湯
    四逆散
    梔子大黄湯
    小柴胡湯
    小柴胡湯加桔梗石膏(
    逍遥散
   清熱解欝湯《万病回春》
    大黄附子湯
    大柴胡湯
    白虎加人参湯
 防風通聖散
    竜胆瀉肝湯
    凉膈散
【民間療法】
     ○アカメガシワ・ウコン・ウラジロガシ・オミナエシ・カワラヨモギ・クチナ      シ・クマヤナギ・トウモロコシ・ヒキオコシ・マタタアビ・ミシマサイコ・      メナモミ・リンドウ。
  【宝石療法】
     <1>[イエロー・シトリン]



 胆嚢水腫
   ⇒胆石症に既往の者に多い。
   ◎症状:特別なものはない。


 胆嚢摘出後
   =「胆摘出後症候群」
   ◎症状:
      右季肋部~上腹部痛
      発熱・黄疸
  【処方名-五十音順】
    腸癰湯(摘出後の症候群

 胆嚢病
   【治療法】  
   <1>胆が弱ったとき:軽症・・[仁熟散]
             重症・・[半夏湯]
   <2>寒熱の往来には:[小柴胡湯]水煎し上澄みを取って温服する。
   <3>温める薬物:[橘皮][半夏][生姜][川][桂皮]
   <4>冷やす薬物:[黄連][黄][竹茹][柴胡][草竜胆]
<5>補う薬物:[当帰][山茱萸][酸棗仁][五味子]
   <6>瀉す薬物:[青皮][黄連][柴胡][木通][芍薬]
  【処方名-五十音順】
    仁熟散(胆虚、恐怖におののいて一人で寝られない)
    半夏散(胆の熱と煩悶を治す)

 丹毒(たんどく) erysipelas
   ⇒溶血性レンサ球菌による真皮の炎症。稀に黄色ブドウ球菌によるものもある。1    ~2日の潜伏期の後のに、突然悪寒発熱・頭痛口渇を伴って、主に顔面・下腿に    境界明瞭な浮腫性紅斑を生じ、表面緊張して光沢あり、浸潤を触れ、圧痛がある。    遠心性に拡大し、重症では膿疱・壊疽を生じる。ときに遊走し[遊走性丹毒]たり、    再発しやすい[習慣性丹毒]や、腎炎・脳膜炎を合併する。
      (参考→連鎖球菌性毒素ショック症候群)
   ⇒化膿連鎖球菌の皮膚感染で、皮膚と皮下の急性化膿性炎症を起こす。
    多くは顔面を侵され、局部の発赤・腫脹・疼痛を特徴とする。
    全身症状としては全身倦怠感、発熱、悪心、吐。
   ◎皮膚疾患。突然悪寒発熱・頭痛口渇を伴って、主に顔面・下腿に境界明瞭な浮腫    性紅斑を生じ、表面緊張して光沢あり、浸潤を触れ、圧痛がある。遠心性に拡大    し、重症では膿疱・壊疽を生じる。ときに遊走し[遊走性丹毒]たり、再発しやす    い[習慣性丹毒]や、腎炎・脳膜炎を合併する。治療上、乾性と湿性に分ける。
   ◎好発年齢:年齢に無関係。
   ◎好発時期:特になし。
   ◎症状:
      <1>発疹:
        ①部位:新生児----臍部
            乳児-------湿疹、皮膚創傷
            成人-------顔面
        ②性状:境界明確。
            周辺に蔓延し、発赤部に水疱壊死が来ることがある。
        ③発疹の出現:
        発熱と同時に発疹。
            発熱・発疹共に1~2週間続く。
   ◎血液像:
      白血球:増加
      好中球:増加
   ◎検査項目:
      血液:白血球数・像
      血清:CRP
【鍼灸】
     「奪命1穴」
       「奇穴である。穴は上膊外側、肩と曲池の中央より少し下。丹毒の場合        にはここにシコリが出来る。そこが穴所。これに30~50壮すえる。        灸をすえているうちに丹毒の色が変色している皮膚が退色して来る。実        によく効く。」《沢田流聞書鍼灸眞髄》
  【漢方療法】
   ◎丹毒は皆、悪毒な熱血が命門に溜まって出来る症:[抜毒散]
                           [藍葉散]
                           [犀角消毒飲]
  【処方名-五十音順】
  黄連阿膠湯
 黄連解毒湯
    葛根湯
    桂枝湯
    犀角地黄湯
    犀角消毒飲
    犀角升麻湯
    小柴胡湯)
    升麻葛根湯
    走馬湯
    大柴胡湯
    大青竜湯
    調胃承気湯
    桃核承気湯
    抜毒散
    白虎加桂枝湯
 防風通聖散
    藍葉散
【民間療法】
    <1>カニ。
    <2>キリ・クロマメ・シカ・シキミ・ドジョウ・ナメクジ。



 丹瘤(たんりゅう)
   =熱毒のために皮膚に赤い塊が出来る。
  【処方名-五十音順】
    犀角消毒飲《和剤局方》
  神授衛生湯《医宗金鑑》




 炭疸病
   ⇒グラム陽性桿菌である炭疸菌によって起きる。
   ◎元来は家畜の疾患であるが、ヒトに経皮感染する。
   ◎皮膚の壊死性潰瘍が特徴。
■毒の細胞侵入経路
「米ソーク研究所は、炭疽菌の毒が細胞に侵入する経路が2種類あると発表。抗生物質を使って炭疽菌自体の増殖を抑えても毒によって感染者が死に至るケースが多く、治療法の開発が期待されている。
細胞の表面にあるタンパク質が『TEM8』と『CMC2』で炭疽菌の侵入出来る条件が異なっていた。TEM8にくついて侵入する場合、細胞内が中性である必要があった。体内の細胞はどちらかのタンパク質を持っていると考えられている。2種類のタンパク質と結合する物質を見つける必要がある」2005.9.1《産業》
■炭疽菌の治療薬
「米特殊医薬品のファームアシーン(メリーランド州)は生物兵器の一種である炭疽菌の予防・治療薬「バローティム」を開発した。ウサギを使った実験では、炭疽菌の感染後
24時間以内に注射した場合で90%、
48時間後では50%が生存した。
ファームアシーンは2001年設立。サリンなど神経ガスに対する予防・治療薬「プロテクシアも開発中」2007/11/28産業



 癱瘓(たんたん)
=漢方の病証名。
四肢が用をなさないこと。癱=中風、瘓=中風。
多く、肝腎が虧虚(ききよ)し気血が不足しているところへ、風寒湿熱痰などの邪気が経絡に侵襲して発する。
重い場合は四肢が完全に動かない。
脳溢血の後遺症の神経疾患にみられる。
癱=左半身の不遂、瘓=右半身の不遂とする説もある。