<に>つらい症状


【病状に】

 Niemann-Pick病
   ⇒脂質蓄積症の1つ。常染色体性劣性遺伝。予後不良。
   ◎症状:
      肝脾腫
      リンパ節腫張
      貧血
      泡沫細胞



 においが分からない
   匂いが分からない
   ■臭気感じる受容体発見
    「東京大学と理化学研究所、米コロンビア大学の日米共同チームは鼻の内側で臭     いをかぎ分ける受容体(タンパク質)を発見した。刺激臭のアルデヒドと強く     反応するという。特定のにおいを感じる受容体を見つけたのは初めて。イヌ並     の好感度なにおいセンサーの開発に結びつくと期待される。
  共同チームは東大医科学研究所の御子柴克彦教授(理研グループディレクタ     ー兼務)と米コロンビア大学のファイアーステン教授ら。研究成果は米科学雑     誌「サイエンス」の最新号に発表した。
におい反応する受容体はこれまでにも数十種類見つかっていたが、どんなに     においをかぎ分ける可分かっていなかった。今回は、「Ⅰ7」と呼ばれる受容体     の遺伝子をラットの鼻の粘膜に導入し、通常よりⅠ7が感じる臭いと特に敏感     な鼻の状態を作った。
植物や動物から出る約10種類の臭いをかがせた所、刺激臭のあるオクチル     ・アルデヒドを強く反応したという。御子柴教授は生理的な刺激物質のフェロ     モンの受容体も探索する考えだ。
鼻の粘膜を形成する細胞には約1000種類の臭いを感じる受容体が有り、     それぞれが特定の臭いを感じていると見られる。1998.1.8《日経産業新聞》
   ■嗅覚障害にご注意
「においを感じなくなる嗅覚障害で病院を訪れる人が増えている。食べ物の風味     がしないので何を食べてもおいしくないという不満や、ガス漏れや物の焦げる     臭いに気づかないことの不安を訴えるケースが多い。原因としては鼻や頭部の     病気などが考えられるが、検査や治療には耳鼻咽喉科にある専門の嗅覚外来を     利用することが望ましい。
「食事の支度を始めると、上の子はすぐに嗅ぎつけて駆け寄って来るのに、下の     子は全然気付かない。どこか具合がわるいのだろうか?」
「お花畑に行ってみんなはいい香りと言うが、私にはそうは思えない」
      いずれもふとしたことがきっかけで耳鼻咽喉科を訪れ、嗅覚障害と診断され      たケースだ。
●症状、2つに大別
       ①匂いが全く感じないか、少ししか匂わないという---------[程度の異常]
       ②別の匂いと感じたり、いつも不快な匂いがするという---[感覚の異常]
    「臭覚障害というと、高齢者の病気と思われがち。しかし、発症の時期は年齢と     は関係なく、性差もないことが分かっている。
においが感じなくなると真っ先に食べ物の風味が分からなくなり、「バナナ     がサツマイモのような感じになる」。食事がのどを通らなくなり、逆においし     い料理も作れなくなるという。花のさわやかな香りや香水の楽しみも減ってし     まう。たかが匂いといえども日常生活への影響は大きい。
鼻の内側の天上部分には2mm程度の幅で嗅粘膜と呼ばれる“においセン     サー”がある。ここが鼻の穴から入った匂いや、息に含まれる匂い分子を感じ     取る。
この匂いセンサーに不具合が生じたり、匂いをのせた空気がセンサーに届か     ないと、嗅覚障害が発生する。主な原因としては[蓄膿症]や[アレルギー鼻炎]     などが挙げられる。一方、頭部や鼻の外傷などで匂いセンサーにつながる神経     が損傷しても匂いは感じなくなる。
●検査システム
    「嗅覚外来の看板を揚げる総合高津中央病院(川崎市)耳鼻咽喉科の浅賀英世部     長は「嗅覚能力を判定するちゃんとしたシステムがあり、保険も利く。障害の     程度を調べたうえで、治療が必要かどうかを判断する」と説明する。
      検査システムはバラの花の香りや匂い、腐敗臭など5種類の合成香料につい     て、それぞれ1倍(正常)なら10万倍まで6段階の濃さで判定。
●治療
    「嗅覚障害の恐れがある人は、直径2mmほどの極細内視鏡で鼻の内側を検査、     その後の治療法を決める。現在の治療法は、仰向けに寝て、鼻の奥にステロイ     ドホルモン剤を直接滴下する方法が主流で、8割以上の人が回復するという。     1998.4.13《日本経済新聞》
川崎市にあります総合高津中央病院と申します。
 嗅覚外来は現在廃止しております。(浅賀先生退職により)
 記事の削除宜しくお願いいたします。総合高津中央病院 <takathsp@pluto.plala.or.jp>
   ■においがしない
    「71歳の男性。4、5年前から、ニオイを感じなくなりました。副鼻腔炎の薬     と点鼻薬を使うと、1ヶ月ほどで戻りますが、中止すると10日ぐらいで、ま     たしなくなります。(神奈川・O)」
●ニオイがないと、どんな感じになるのでしょうか?
  「一般に嗅覚障害と呼ばれる症状で、ニオイが感じられなくなるだけでなく、食     べ物の風味も変わります。味覚は基本的に、甘み・塩味・酸味・苦みの4つだ     けですが、メロンやマツタケ、コーヒーなどは香りも味わってこそおいしいも     のです。」
     ●どうして嗅覚障害が起きるのですか?
    「ニオイは鼻または口を通って入り、鼻腔の天井にある嗅粘膜にぶつかります。     ここでニオイは電気的な信号に変えられ、神経を伝わって第一次中枢の嗅球、     さらには大脳皮質へ行き、どんなニオイがが認知されます。このルートの一部     でもやれれると嗅覚障害が起きます。多いのは鼻づまりや嗅粘膜の障害で、原     因の約8割を占めます。
●この方の場合はどこがやられたのでしょうか?
「ニオイが何度か戻っているところをみると、嗅粘膜でしょう。交通事故などで     神経がやられて閉まった方の場合には、簡単には戻りません。
●一般に蓄膿症と呼ばれる、副鼻腔炎の薬が処方されているようでうが?
「おそらく副鼻腔炎が原因で嗅覚障害が起きたのでしょう。副鼻腔炎だとまず、     鼻づまりが起きます。それと、絶えず鼻汁にさらされたり、副鼻腔の炎症が拡     がってきたりで、嗅粘膜がやられやすいのです。「アレルギー性鼻炎」や「風     邪」によっても同じ様なことが起きます。
     ●点鼻薬は何の薬なのですか?
    「ニオイの回復のカギとなる薬で、ステロイドホルモンが成分です。仰向けに寝     た状態で、鼻の穴から少量をたらすと、嗅粘膜に届き、炎症などを抑えます。     まず2ヶ月は点鼻を続けて、ニオイが戻ってくるがどうかをみます。
●なぜ2ヶ月くらいなのですか?
    「普通、神経は一度死んでしまうと再生しないと言われますが、嗅覚や味覚にか     かわる神経は、新しいものが生まれてきます。ある程度の数の神経が生まれて     くる目安が2ヶ月です。
●薬を止めると、又、ニオイがしなくなってしまうそうですが?
    「ニオイが戻ると勝手に止めてしまう方が多いのですが、点鼻薬の止め方は治療     の大事なポイントです。嗅覚が維持できるかを確かめながら、1日2回を1日     1回、3日に2回、2日に1回というように使用を減らしていきます。
●ステロイド剤が副作用が気になります。長期に使って大丈夫なのでしょう       か?
    「極めて微量なので、まず大丈夫です。ちょっと使ってだけで副作用が出る人も     いますが、その場合は薬を止めて、治療はあきらめてもらいます。ただ、これ     も顔がむくむといった軽い副作用で、感染しやすくなる、骨がもろくなるとい     った重い副作用は出ません。
●嗅覚障害にならないようにするにはどうしたらいいのですか?
    「副鼻腔炎や鼻アレルギーといった原因疾患をきちんと治すこと。それからプー     ルなどで鼻に水を入れるのもよくありません。嗅粘膜で重要な働きをする繊毛     がやられてしまいます。
●副鼻腔炎の治療で鼻の中を洗うのは大丈夫ですか?
    「もちろんいいことではありませんが、鼻汁にさらされっぱなしにしておくのは、     もっと良くありません。副鼻腔炎は、耳鼻咽喉科できちんとした治療をうける     ことが大事です(浅賀英世・総合高津中央病院副院長)1999.1.31《朝日新聞》
■遺伝子が関係
「理化学研究所のチームは2007年5/30、ニオイの情報を鼻から脳へ伝える神経回路の形成に必要な遺伝子を突き止めた。
理研の宮坂信彦研究員らは熱帯魚のゼブラフィッシュの嗅細胞を使って調べた。将来、鼻に発達する場所へ嗅細胞が集まる様子と、脳へ神経繊維が伸びてゆく過程を詳細に分析した。その結果、移動中の嗅細胞に発現する遺伝子『Cxcr4』が、鼻に発達する場所へ正しく集まるように働いていることを発見。この遺伝子が働かないと、一部の嗅細胞が、鼻へ移動する過程で外へ置き去りにされていた。
また、Cxcr4が働かないようにしたゼブラフィッシュでは、嗅細胞が鼻に集まっても、神経線維が脳に向かう途中で止まり、脳まで達していなかった。」
■必須タンパク質
「理化学研究所は、ニオイの情報を脳に伝える神経の形成に欠かせないタンパク質を発見した。このタンパク質は神経系で重要な働きをしている。
鼻に入った臭いの元となる分子は、鼻の中にある細胞にくっつく。ニオイの情報は電気信号に変換されて、神経を通り脳内の嗅球という部分に集まる。鼻の細胞と嗅球内で情報を受けとる受容体は対になっている。
ほ乳類が胎児期に鼻から脳につながる神経をどのように形成しているかは未解明の部分が多かった。理研は『BIG-2』と呼ばれるタンパク質を作る遺伝子を無くしたマウスを作った。その結果、マウスの鼻から脳につながる神経に異常が現れた。」
■嗅覚 (池谷裕二著「単純な脳 複雑な私」p224~)
臭覚器官は鼻の粘膜にある。
<におい>は空気中を飛んでいる「分子」を検出すること。
空気中の分子が、鼻の穴に侵入、嗅上皮にある粘膜に溶け込む。その後、嗅覚センサーの細胞までたどりついて、感知される。
臭覚センサーは、聴覚センサとは違って、素地帯はチャネルではない。受容体が<におい>分子を検出して、間接的にすぐとなりのチャネルを開くというシステム。するとセンサ細胞にナトリウムイオンや塩素イオンが流れ、電気信号が生まれる。
たくさんの種類をかぎ分けるために、たくさんお受容体がある。約400種類。
ネズミは1000種類ぐらいある。
個々の受容体はそれぞれ別々の遺伝子でコードされている。
わずかに22000個しかない遺伝子のうちの1000個もにおいに使っている。
脳内回路を見ても、<におい>だけは、特殊な回路になっている。情報の経路が違う。[見たもの][聞いたもの][食べたもの][皮膚で感じたもの]は、同じ経路を通って大脳皮質に届く。脳の[視床]を通って届く。視床は大脳皮質に情報を受け渡す最終ゲートだ。睡眠中はこのゲートがほど閉じていて、感覚情報が大脳皮質に届かない仕組みになっている。
でも、<におい>は例外で、視床を経由しないで、そのまま大脳皮質に届けられる。だから、寝ている間も嗅覚は働いている。

  【処方名-五十音順】
    温衛湯(鼻が効かず、眼中に湯火があって、陰冷で足がしびれる)
    温肺湯(香臭を嗅げない)
    加味八脈散《勿誤薬室方函》
    竅散(匂いを嗅げない)
    香蘇散
    辛夷清肺湯(臭覚喪失)
    通竅湯(鼻がつまり、声が重く、香臭が嗅げない)
    白虎加人参湯(激しい口渇、口舌乾燥、尿利頻数、大便硬、煩躁)
    補中益気湯麦門冬・梔子《薛立斎》
    羊肺散(肺塞による肉と香臭の嗅げない症)
麗沢通気湯(肺に風熱があって匂いを嗅げない)
【組み合わせ】《螺王人》
    <1>[香蘇散Squalene]
    <2>[辛夷清肺湯桔梗石膏]
    <3>[香蘇散小柴胡湯]



 においに過敏
【宝石療法】
    <1>[真珠]

  【組み合わせ】《螺王人》
    <1>[柴胡桂枝湯角参]
    <2>[小建中湯Squalene角参]

 にきびacne
   =瘡=アクネ。
   ◎種類:
      萎縮性瘡
      ブロム瘡
      臭化瘡
      悪液性瘡
   塩素瘡
      尋常性瘡
      接触性瘡
      化粧品瘡
      嚢胞性瘡
      流行性瘡
      紅斑性瘡
      夏期瘡
      若年女子表皮剥離性瘡
      前頭性瘡
      電撃性瘡
      麦粒腫状瘡
      硬結性瘡
      新生児瘡
      丘疹性瘡
      月経前期瘡
      腺病性瘡
      梅毒性瘡
      ジンマシン様瘡
   ◎瘡を起こす有害因子。
     塩素化ナフタリン・PCB・ジオキシン・鉱油・黄麻。
■重症ニキビ---光線で劇的改善(参照→光線療法)
   ■洗顔を1日に何度でもていねいに
    「21歳の女性。中学1年ころから、にきびに悩まされてきました。最初は顔だ     けだったのですが、成長するにつれて背中や肩に広がり、20歳ぐらいから腕     ・胸・おしり・もも・首にまで広がってきました。醜い跡も残って、精神的に     参っています。
      ●なぜ、にきびが出来るのですか?
    「正式には、尋常性瘡といい、毛孔がふさがって起こる病気です。男性は声変 わり、女性は生理が始まる第二次性徴期に、性ホルモンによって皮脂の分泌が     増え、そのため毛孔に住んでいる瘡桿菌が増えます。この菌の働きで毛孔が     刺激されて塞がるのです。いろいろな段階があり、
毛孔が塞がって膨らんだのを[面疱]、
赤くなったブツブツ状を[紅色丘疹]、
膿がたまっている段階を[膿疱]といいます.
      ●どんな治療法がありますか?
    「瘡桿菌の働きを抑えるために、抗生物質を投与します。軽い場合は、皮脂を 取り去ったり、殺菌したりするための塗り薬を使います。月経の前に症状がひ     どくなるタイプもあり、ホルモンをコントロールするための薬を加えます」
    「また、洗顔が非常に効果的です。皮脂がよく取れるように、せっけんを使って、     ぬるま湯で、1日に何度でもゆっくり丁寧に洗います。にきびが出る年代の人     なら、洗顔しすぎを心配することはありません」
    「年令に個人差はありますが、だいたい第二次性徴期が終わる25歳ぐらいを過     ぎれば出なくなります」西嶋攝子・関西医科大助教授1996.11.24《朝日新聞》
   ■30代のニキビ
    「36歳の女性。25歳ごろスポーツを止めてから、顔に吹き出物が出始め、最     近は背中やおしりに広がりました。初め少し痒いだけで、5mmぐらいのシ     コリになり、1ヶ月ぐらいして良くなるころ、次が出てきます。皮膚科ではホ     ルモンの影響とかで抗生物質を出されたりします。服用し続けて大丈夫でしょ     うか? (相場良直・東京大病院分院助教授)
●この症状は何でしょうか?
    「ニキビと思われます。あまりかゆくないようですし、出ては消えを繰り返して     慢性化していること、顔や背中で出来ていることなどが典型的な症状です。
●年齢が36歳で、ニキビのことがあるのですか?
    「ニキビは性ホルモンのバランスの崩れなどで皮脂分泌が促され、詰まった毛穴     に瘡桿菌やブドウ球菌が増殖することにより起こります。ホルモンバランス     の崩れは普通思春期に多いのですが、成人にも見られます。私が診察していて     も、30代、40代のニキビの患者さんはまれではありません。
また、おしりや腕に出来ているのはニキビの親戚の毛包炎かも知れません。     皮脂分泌がそう多くない部位の毛穴が同じく細菌に感染して起こります。
●ホルモンのバランスの崩れは何が原因で起こるのでしょうか?
    「人によってまちまちです。ストレスが引き金になることもあると思われますが、     月経異常などがない限り、さほど神経質になることはありません。
●スポーツを止めたことや食生活が引き金に成りませんか?
    「それはあまり考えなくて良いと思います。食生活についてはチョコレートや      ピーナッツとの関係が良き言われますが。、はっきりした科学的根拠は有りま     せん。常識をはずれた量を食べれば別ですが、むやみに制限しなくてもいいで     しょう。
●治すにはどいうしたらいいですか?
    「重要なのは洗顔です。洗浄力の強い石鹸を使い、ぬるま湯で洗うことが大切で     す。イオウの入った塗り薬も有りますが、皮膚ががさつくようでしたら止めた     方がいいでしょう。他にクリーム状の抗菌性外用剤もあります。また、化膿を     ほっておくと、皮膚組織が破壊されて跡が残りやすくなりますので、ある程度     異常のニキビの人には抗生物質の内服を進めています。
●抗生物質は何を使いますか?
    「一般に処方されるのはテトラサイクリン系かマクロライド系抗生物質です。こ     れらは長期間継続服用しても比較的安全な薬です。効果を見るのに1ヶ月はか     かるので、「1週間飲んでも効かない」と投げ出さず、ねばり強く続けて見て     下さい。抗生物質の内服薬の処方は最長2週間分です。2週間毎に通院するこ     とにより、副作用のあるなしを医師がチェック出来ます。
●効かないときはどうしますか?
    「セフェム系抗生物質やニューキノロン系抗菌剤を用います。効き目が強い分、     副作用に注意が必要なので、通常服用期間は2週間から4週間に限定していま     す。1998..4.19《朝日新聞》
■治療薬を承認
「米系製薬会社のファルマシアは、ニキビ治療剤『ダラシンTゲル1%(一般名:リン酸クリンダマイシン)』の承認を取得した。顔面や背中のニキビの原因となるアクネ桿菌に対して優れた抗菌作用を有する。ゲル状の外用薬で、佐藤製薬が発売する。」2002.7.11《日経産業新聞》
  【参考】
1.顔や背中にかけて出来るニキビ(軽いものから膿疱になっているものまで含 めての原因には、
       1.砂糖・精製食品・加工食品の摂りすぎ。
       2.亜鉛や必須脂肪酸の不足。
       3.重症の場合には、アレルギーもかかわってくるかもしれない。
    2.25歳以上でニキビに悩まされている人は、・・・まず、食品アレルギーがあ ると考えた方が良い。
  【処方名-五十音順】
    葛根湯
 加味逍遥散(月経前に増悪)
    桂枝茯苓
    桂麻各半湯
    清上防風湯
    桃核承気湯
    当帰建中湯
    当帰四逆加呉茱萸生姜湯
    当帰芍薬散
 【民間療法】
    <1>スベリヒユ。
    <2>ドクダミ。
    <3>ナスビ。
    <4>ネナシカズラ。
    <5>ユキノシタ。
    <6>カイコ・サルトリイバラ・ギシギシ・クマツヅラ・シラン・トチノキ
     ・ニワトリ・ヘチマ・ホオズキ・モモ。
    <7>[リンドウドクダミサンキライ]
    <8>[モモヤナギ]
    <9>[ドクダミハトムギ]
    <10>[ドクダミセンブリ]

  【組み合わせ】《螺王人》
<5>[十味敗毒湯荊芥連翹湯Squalene]
    <6>[清上防風湯荊芥連翹湯Squalene]









 ニコチン依存症
(参照→喫煙)
   ■航空機内や映画館など禁煙しなければならない場所で苦痛を感じるか、感じる場 合どのような“症状”になるか?、朝起きてすぐにタバコを吸う習慣があるかな どを尋ね、喫煙者のうちどの程度が医学的にニコチン依存症といえるかを、厚生 省が、30000人を対象に調査に乗り出した。1997.9.21《日本経済新聞》
■「軽いから安全」は間違い
「喫煙はこれまで趣味や嗜好、習慣と考えられてきましたが、その本質は『ニコチン依存症』であることが明らかになっています。
ニコチンは、本来人間の体内にあって、大脳や自律神経系の神経伝達物質として重要な働きをしています。
しかし、喫煙によって体内に入ったニコチンは、脳に化学的変化を引き起こし、ニコチンを補給しないと本来の正常な機能が営めない状態にしてしまうのです。
タバコを吸うと「集中力が高まる」「気分が落ち着く」「ストレス解消になる」と感じておられる方は多いと思います。このタバコの効用感こそ、ニコチン依存症に陥っている証なのです。
ニコチン依存症が『薬物依存』という病気として世界的に認識されていることは、世界保健機関(WHO)の国際疾病分類やアメリカの精神医学会の診断手引に診断基準が示されていることからも明らかです。
タバコを吸っている方の多くは程度の差はあれニコチン依存症に陥っており、依存の程度に応じて、血液中のニコチン濃度が決まっています。
ニコチンの少ないタバコに切り替えると、ニコチンの血中濃度を維持しようとする「自己調節機能」が働きます。そのため、吸う本数が増えたり、吸うピッチが速くなったり、深く吸い込んだり、根元まで吸うなどの「埋め合わせをしてしまいます。
その結果、ニコチンやタールなどの有害成分の体内への取り込みが期待したほど低下しないのです。
さらに困ったことがあります。一酸化炭素の「取り込み」は本数や吸うピッチなどに比例して増加するのです。この危険は、ニコチンの少ないタバコを吸う方がむしろ大きく、心臓病など動脈硬化が関係する病気にかかりやすくなることが報告されています。
最近、軽いタバコが健康を気遣う喫煙者のニーズにマッチして売り上げを伸ばしています。しかし、「軽いタバコ」=「健康への害が少ない安全なタバコ」という図式には大きな落とし穴があるのです。
オーストラリアのたばこのパッケージには、[SMOKING IS ADDICTIVE(喫煙は依存症です)]という警告文が記載されています」(中村正和・大阪がん予防検診センター調査部長)
■遺伝子が
「カナダのトロント大学などの研究グループは、アルコール依存症とニコチン依存症は同じ遺伝子が原因である可能性が高いと発表。
喫煙者は非喫煙者より飲酒する率が高く、また飲酒する人は呑まない人よりタバコを吸う確率が高いことが知られているが、原因が不明だった。
研究グループは、アルコールを好む遺伝子を持ったラットに、ボタンを押してニコチンをとることを覚えさせる実験をした。ニコチンをとる回数はアルコールを好まないラットの2倍程度だった。代わりにコカインを用いた実験では2種類のラットに差はみられなかった。」2006年3/22《産業》

 ニパウイルス
■合成に成功
「東京大学医科学研究所の甲斐智恵子教授、米田美佐子助手らは新興感染症の1つであるニパウイルス感染症のウイルスを遺伝子から合成することに成功した。ワクチン開発につながる成果。
米科学アカデミー紀要電子版に掲載」200610/17《日経》




 ニューロパチー (Neuropathy)
(参照→「疼痛」)
=神経損傷。「末梢神経障害」

ニューロパチー(Neuropathy)は、末梢神経の正常な伝導が障害される病態。障害される神経の種類は運動神経、感覚神経、自律神経に及び、ミクロ的な障害部位は軸索であったり髄鞘(シュワン細胞)であったりする。マクロ的にどこが障害されるかによって、 単神経炎 ・ 多発性単神経炎 ・ 多発神経炎 に区別される。

主な疾患は、ギラン・バレー症候群、フィッシャー症候群、慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーが炎症性・感染性のものとして有名であり、その他の原因によるものに、 糖尿病性ニューロパチー 、、 腫瘍随伴性ニューロパチー 、Crow-Fukase症候群、或いはSLE、PN等の膠原病性血管炎に伴うニューロパチー、シャルコー・マリー・トゥース病、、 家族性アミロイド多発ニューロパチー 等がある。外因性としてはアルコール、ヒ素、水銀、タリウム、スチレン、nヘキサン、またビタミン欠乏によりベリベリなども有名である。薬剤性としてはイソニアジドやビンクスリチンによるものが多い。



 ニーマンピック病
■オートファジーを高めて
2014年、東京医科歯科大学の田村篤志助教と由井伸彦教授らは、薬剤を数珠状にすることで細胞に効率良く取り込ませて治療する手法を開発。
人体に備わる細胞内の不要な物質を分解する「オートファジー」(自食作用)という働きを高める。
知能障害がでる希少難病「ニーマンピック病」の患者の細胞でテストした。
主に子供で現れる遺伝病のニーマンピック病C型に着目、
この病気は細胞内のゴミ処理工場である「リソソーム」と呼ぶ小器官に脂質などが過剰に溜まる。その結果、オートファジーによる不要物質の分解が滞り発症する。
研究チームは、オリゴ糖「シクロデキストリン」を数珠状につなげた。



 肉芽形成不全
   ⇒肉の盛り上がりが悪い。
  【処方名-五十音順】
    千金内托散
    当帰補血湯
    人参養栄湯
    伯州散
    八珍湯
    保元湯


 肉芽腫
■環状肉芽腫
「52歳の男性。1年ほど前から手の甲全体に赤い斑点ができ、環状肉芽腫と診断されました。1カ所を手術で切除して全体が薄くなり目立たなくなりましたが、1ヶ月後にはまた同じ症状が手首や左手にも現れました。痛みは少なく、多少かゆい程度ですが、心配です」
●どんな病気ですか?
皮膚に赤みを帯びたふくらみが小さな丘のように出来ます・盛り上がりが輪になる場合もあればそうでないばあいもあり、大きさも5mm程度から数cm以上まで様々です。これ以外の症状はほとんどなく、命に関わる病気ではありません。
●どこが変化しているのでしょうか?
皮膚は、表面から順に表皮、真皮、皮下脂肪組織に分かれていますが、この病気は真皮で起きます。見た目は様々でも、皮膚の一部を切り取って顕微鏡で調べると、同じ構造をしているのでハッキリ同じと分かります。
●どんな経過で発症するのでしょうか?
真皮を作って抗原線維が何かの原因で傷むと、通常は底を動き回っているっ組織球(免疫細胞の一種)が異端だ線維を食べて掃除をし、新たな組織を作って元に戻そうとします。この病気では、その仕組みがうまく働かず、途中で膠着状態になっているわけです。顕微鏡で見ると傷んだ膠原線維の構造が壊れ、それを取り囲んで組織球やリンパ球が集まっています。
●糖尿病と関係しているのですか?
糖尿病の人に多い傾向はありますが、重症の糖尿病ほど罹りやすい訳ではありません。そもそも、何が原因でこの病気を起こすのかもよく分かっていません。糖尿病は膠原線維に影響する他の病気も引き起こすので、キッカケの1つになっている可能性はあります。
●他にも皮膚に赤い膨らみが出来る病気がありますか?
似た症状が出る病気には
<1>『サルコイドーシス』がありますが、組織検査で区別できます。
<2>皮膚の表面が環状に膨らむ『たむし』は、表皮の角層にカビの仲間がついて起きる病気なので、発症の過程が全く違います。タムシは表面がボロボロはがれますが、環状肉芽腫は表面は比較的なめらかで内側から盛り上がってシコリがある感じです。」(園田早苗・市立池田病院皮膚科部長)2000.6.4《朝日新聞》




 肉苛症
   ⇒栄気が虚し、衛気のある症。栄気が弱まると不仁で、衛気の虚は不用。栄・衛と も虚すると不仁と不用を兼ねる。《黄帝内経素問》
(苛=カ、いらだつ)(肉苛=手足のしびれと同じ症)
  【処方名-五十音順】
    前胡散


 肉極
  【処方名-五十音順】
 越婢加朮湯


 肉腫 (サルコーマ)
   ◎軟性肉腫:末梢血幹細胞移植が有効(参照→「乳ガン」「卵巣嚢腫」)
■痛みのない“はれ”
「東京都内の会社員A子さん(27)には、手のひらで太ももをさする癖がある。一昨年暮れのある昼下がりにも上下にススーッ、とやった。
「あれ?」。右太もも前部に楕円形のボール状の盛り上がりがあった。痛みはない。前日、公園の池で足こぎボートに乗り、渾身の力を入れた。「筋肉の使いすぎ?」と思ったが、翌週も“はれ”がひかない。
医師のすすめでMRI(磁気共鳴診断装置)検査を受けた。結果は「何かあるが問題ない」
ところが、半年ほど経つと、歩行中にも右太ももがチクチクする、脚を伸ばすと圧迫感もある。“ボール”の周囲に、赤黒い内出血のような色が見えだした。
昨年7月、MRI写真をかり出し、勤務先に近い病院の整形外科を受診。すると、東京・大塚にある癌研究会付属病院に行くように勧められた。
同病院で、造影剤を使ったMRI検査と、注射針で細胞を吸い出す検査を受けた。「軟部肉腫。ガンのようなもので。とらなければならない」と医師は説明した。
軟部肉腫は悪性軟部腫瘍とも言い、筋肉や脂肪、血管、神経など軟らかい組織に出来る腫瘍の総称。手足や胴、頭や顔など様々なところに出来る。原因不明で、発生率は10万人に1人と少ない。
「軟部肉腫のうち、特に悪性度が高く治りにくいのは約1割。全体の治癒率は80%ほど。ただ、痛みを伴わない場合が多く、放置すると進行する」と整形外科部長の川口智義さん(59)。
病気について十分な知識を持たない医師が「脂肪の塊」と早合点して不適切な切除を行った結果、再発を繰り返し、最後は転移を起こす例も少なくない。
A子さんの場合は、軟部肉腫の中では悪性度の低い「脂肪肉腫」だった。
「腫瘍が、発生した所にとどまっている段階なら、治療の基本は手術。握り拳か卵大なら切除するだけで治せる」と川口さん。ただ、手術でどれくらい組織を切除するか、国際的な指標ではない。日本整形外科学会は889年、一定の基準を設け、安全性を確認しながら年々範囲を縮小している。かっては大半の患者に行われた手足の切断も、現在は2割程度に減った。
A子さんの病巣は直径4cmと早い段階で、周囲5cmを含め切除した。4本ある太ももの筋肉のうつ1本を失ったが、今年2月にはスキーを楽しむなど、普通の生活に戻っている。
■切断避け再建手術
「ごめん、やっぱり悪性だった。切断になる」。整形外科医の言葉に、獣医師のK子さん(41)は、「仕方ない、か」と思った。3、4年前、左足首の内側に、ぐりぐりした小さな塊があるののに気づいた。痛みはなかった。
立っているだけで違和感を感じるほど大きくなった昨年夏、訪れた東京都内の大学病院で、当初、医師は「腫瘍は良性」と見立てていたが、MRIや腫瘍の一部を切除する検査の結果、筋肉や脂肪組織などに出来る軟部肉腫のうちの「滑膜肉腫」と分かった。関節付近に出来る事が多く、若い人に見られる。
獣医師という職業柄、手術で脚を残す難しさは容易に想像できた。「ひざ下で切断」という医師の方針にも疑問を持たなかった。
だが、「別の医師の意見も聞いた方がよい」という周囲の勧めで、東京・築地の国立がんセンター中央病院を訪ねた。
「切断だと言われましたが・・・」
おずおず尋ねるK子さんに、担当の整形外科医は「僕だったら、切断しない」。1週間後に迫っていた大学病院での手術の予約を直ぐ取り消した。病巣は直径約9cmあり、切除すれば、アキレス腱も一部失う。しかし、多少不自由になっても、切断は免れる。
「手術で骨や関節面がむき出しになると、感染を起こし、骨も崩れる。それを防ぐため、欠損部に体の他の組織を移植します」。同センター東病院(千葉県柏市)形成外科医長の木股敬裕さん(42)が説明した。
太ももなどから、皮膚とその下の組織を血管ごと移す。切除出来る欠損部が大きい場合は、移植する組織を一旦体から切り離し、顕微鏡で見ながら血管を縫う方法が主流になりつつある。この再建手術で、同センターでは患者の9割は手足を温存できる。
ただ、つないだ血管が詰まると、移植した組織が死んでしまう。病院により、この技術の差が大きい。
手術では、まず整形外科のチームが腫瘍を切除。ただちに木股さんら形成外科のチームが、左太ももから切り離した組織を足首に移植した。K子さんは3ヶ月後、復職した。」
■抗ガン剤、必要な例も
「お父さん、背中が膨らんでいるけど、何か入れているの?」1昨年2月、パジャマ姿でくつろぐ大阪府の会社社長Cさん(60)に、娘が尋ねた。鏡を見ると、肩胛骨の下の2カ所に盛り上がりがあった。大きい方は直径5cm、高さ1cmほどある。
「脂肪の塊」と、親戚の医師。しかし、次第に大きくなり、触れると温かい。地元の市立病院を受診すると、外科医は事前の組織検査もせずに切除。一方は本当に「脂肪の塊」だったが、大きくなった塊は軟部肉湯と分かった。
担当医は「(この病気は)初めてなので大学の教授に聞く」。さらに「また出れば取ればいい」、抗ガン剤を使っても、副作用で苦しいだけ」とそれきり治療しなかった。
半年余り後の翌年2月、左肺に転移が見つかった。肺の一部を切除したが、病巣は両肺に広がり、わずか2ヶ月あまりで、息苦しくて眠らないほどになった。
「これまでか」と覚悟した。だが、妻はあきらめなかった。病院からカルテや写真をかり出し、2人で東京・築地の国立がんセンター中央病院を訪れた。
診断は「悪性線維性組織球腫」で、化学療法も行うーー。診察した整形外科医長の別府保男さん(54)から、Cさんは自分の正確な病名や治療法を初めて知らされた。この病気は軟部肉腫の1つで、50歳代以上の人に多い。
「同じ状態から仕事に戻った人もいます」。別府さんの言葉で、化学療法を受けることになり、会社は弟に託した。
塩酸ゴキソルビシン、シクロホスファミド、イホスファミドという3種の抗ガン剤を併用し、効果や副作用をしらべる臨床試験に参加した。幸いCさんの場合はよく効き、手掌が小さくなった左肺を摘出、右肺の影も消えた。現在も再発の兆しはない。
■専門病院
2012年、肉腫を専門に治療する病院:「がん研有明病院」
■肉腫の種類
「横紋筋肉腫」
「平滑筋肉腫」
「滑膜肉腫」
「血管肉腫」
「脂肪肉腫」
「悪性線維性組織球腫」(MFH)
「消化管間葉系腫瘍」(GIST)
■肉腫の分類
○骨にできる:「骨肉腫」「ユーイング肉腫」
○軟部組織にできる:「脂肪肉腫」「平滑筋肉腫」「血管肉腫」



 西ナイル熱
=家蚊が媒介する熱病。
■NYで広がる不安
「『西ナイル熱』は『西ナイルウイルス』と呼ばれる病原体による熱病で、ウイルス感染した鳥類の血を吸った家蚊が媒介し、重症のばあいは脳炎で死亡する。
ニューヨーク市では昨年夏に60人以上が入院、7人が死亡した。今年もすでに米東北部で同ウイルスが発見され、初の感染者(78)が4日、ニューヨーク市内で出たことから、地元紙は「ウイルスは越冬した。家蚊に警戒しろ」と書き立てている。
ニューヨーク市民らが過敏に成るのはこのウイルスに関する情報に不透明な点があるためだ。米国疾病管理センター(CDC)によると、同ウイルスは1937年にアフリカ・ウガンダで発見されて以来、エジプトや旧東欧諸国、イスラエルなどで感染者が出ているが、南北米大陸では発見されていなかった。
ところが突然、昨年夏にニューヨークに“上陸”。「なぜ2年連続でニューヨーク一帯が?」という疑問に、専門家はまだ答えられないでいる。
住民の不安をさらに大きくしているのが「中東コネクション」だ。ハーバード大のジェシカ・スターン研究員によると、CDCは85年、イラクの科学者の要請に応じて研究用の同ウイルスのサンプルを同国に送った生物兵器を開発中、という暴露本が出版され、一時、米中央情報局(CIA)が調査に乗り出した経緯がある。米国では84年にオレゴン州でカルト集団がサルモネラ菌を故意にばらまき約700人の食中毒患者が出た事件があるが、今回の場合は西ナイルウイルスとテロを結びつける証拠は何も発見されていない。
ニューヨーク大医学センターの微生物部長、フィリップ・チェルノ博士は「ニューヨークで発見されたウイルスはイラクに送られたものと違い、むしろイスラエルで見つけられたウイルスと似ている」と分析、「ウイルスはイスラエルからニューヨークへの飛行機内に紛れ込んだ家蚊か、体内にウイルスをもった乗客によって運ばれたのではないか」と言う。
米国民が「危険地帯」の固定観念を持つイラクやイスラエルの名が取りざたされることで、このウイルスにまつわる不気味さは増幅している。」
■4人死亡
「脳炎を稀に引き起こし死亡することもあるアフリカ北部の風土病の病原体である西ナイルウイルスの感染者が米ルイジアナ州で大量発生。州政府は2日、これまでに58人の感染が確認され、うち4人が死亡したと発表。
州政府は、同日非常事態を宣言、米疾病対策センター(CDC)などとともに、ウイルスを媒介する蚊の駆除など感染拡大防止対策を進めている。
西ナイルウイルスは人畜共通感染症を起こすフラビウイルスの一種で、CDCによると、1937年にアフリカで初めて確認された。米国では、1999年にニューヨーク市で死者を出して以来、東部を中心に毎年感染者や死者が出ている。」2002.8.4《日本経済新聞》
■旅行者、蚊に注意
「米国やカナダの東部で頭痛や発熱を引き起こし、脳炎をを起こし死亡例もある西ナイルウイルスの感染者が急増、死者も10人を超えた。
このウイルスは1937年にアフリカで発見された。蚊を媒介に人・鳥・馬に感染する。日本脳炎を媒介する蚊は1種類だが、西ナイルウイルスを媒介する蚊は20種類以上です。もともとはアフリカから中東・インドにかけて多い感染症だったが、1999年夏に突然、ニューヨーク周辺で62人が発症、うち7人が死亡して以来毎年感染者や死者が発生している。
ウイルスの潜伏期間は3~15日で、感染しても大部分の人は発症しないうちに自然治癒するが、発病しても発熱・頭痛程度で3~7日程度で回復する。ただ、高齢者など体力が低下した人は脳炎などの重症になりやすく、米国での死亡例も高齢者がほとんど。」
■輸血感染の恐れ
「米疾病対策センター(CDC)は9/19、米国内で急速に広がっている西ナイルウイルスが蚊を媒介とするだけでなく、輸血によっても感染する可能性があると公式に発表した。」2002.9.20《日本経済新聞》
■連絡会議
「米国で多数の死者を出している西ナイルウイルスの日本への上陸の恐れが高まっているとして、厚生労働省など5省庁は4日、対策強化のため関係省庁連絡会議を設置、初会合を開いた。
西ナイルウイルスは日本脳炎ウイルスの仲間で、蚊を媒介して人間に感染する。鳥の体内で増えたり、ウマで発症するケースもあり、会議には動物検疫を所管する農水省、渡り鳥など野生動物を所管する環境省、空港などを担当する国土交通省、海外渡航者を所管する外務省が参加した。
人の感染症を担当する厚生労働省結核感染症課の遠藤弘良課長は「日本にいつ入ってもおかしくない状況。十分な危機意識が必要だ」として、各省庁の連携強化を求めた。米国では感染したカラスが大量に死んでいたケースもあり、同省などは路上などで死んだカラスに対する調査を強化する」2002.10.5《日本経済新聞》
■感染症に指定
「厚生労働省は10/18、米国で猛威を振るっている西ナイル熱を、新たに感染症予防法に基づく四類感染症に指定し、医師に症例の届け出でを義務づけることを決めた。」2002/10/19《日本経済新聞》
■臓器提供者
「米国で猛威を振るう西ナイルウイルスの感染を防ぐため、厚生労働省は10/23、米国から帰国して1ヶ月以内に臓器を提供する人に対して問診を強化することを決めた。問診の結果、西ナイルウイルスに感染している可能性がある場合、検査を実施する。すでに日本赤十字では米国から帰国して1ヶ月以内の献血者に対して問診を強化している。
米国では輸血だけでなく、臓器移植で感染した恐れがある事例が6例報告された。
厚生労働省では感染の疑いが高ければ臓器提供を禁止する。西ナイルウイルスは蚊を媒介して人間に感染。潜伏期間は2日~約2週間とされ、39℃以上の発熱などの症状が出る。回復した後はウイルスが体から完全に消失するため、感染の恐れはなくなるという」2002/10.23《日本経済新聞》
■検査手法
「臨床検査大手の三菱化学ピーシーエルは発熱や脳炎を引き起こす西ナイルウイルスの高精度検査手法を開発した。約2日でウイルスの有無だけでなく、発生地域も絞り込める。国内ではまだ感染例がないが海外からのウイルス侵入の危険は高い。特効薬がないので、水際対策が重要。
「RT-PCR」と呼ぶ遺伝子増幅技術を活用。患者から採取した血液などの検体に西ナイルウイルスの遺伝子の一部を混ぜると、検体内にある同ウイルスの遺伝子が増殖、ウイルスの有無を判別できる。
西ナイルウイルスは発生地域ごとに遺伝子の塩基配列が異なり「ニューヨーク株」や「インディア株」「ナイジェリア株」がある。同社ではすべての遺伝子に共通する塩基配列を特定。その部分を検体に混ぜ、どの種類に感染していても遺伝子が増幅するようにした。」2003.5.10《日本経済新聞》
■ワクチン開発
「長崎大学熱帯医学研究所の森田公一研究員らのグループが、ワクチンを開発  に成功した。」2003.8.23《日本経済新聞》
■献血制限
「厚生労働省は2005年10/20、国内ルートの感染で人・蚊・野鳥から西ナイル熱ウイルスが確認された場合、半径10数㌔㍍以内の住民を対象に献血を一定期間制限する方針を決めた。
■蚊の密度が
「西ナイル熱は媒介蚊が30~40種類と多い。日本にもいるアカエイカが主な媒介主で、ヒトスジシマカも同じだけウイルスを増やす能力があった。西ナイル熱は感染した野鳥の血を吸った蚊が馬や人を刺して感染が広がる。都市部で蚊を集めて調べたところ、カモ類やスズメのほか人も吸血していた。
西ナイル熱が一度日本に侵入すると、スズメに感染して大量にウイルスが増殖し、一気に広がる可能性がある。日本の都市部では媒介蚊の種類や野鳥の分布が西ナイル熱の流行に適した状況になっている。」
平時から蚊の密度を下げる対策が大切。米イリノイ州で雨水が溜まる場所に殺虫剤をまいた自治体とまかなかった自治体では患者数に10倍の差があった。
マラリアやデング熱などの蚊が媒介する感染症のリスクは?
マラリア蚊が飛んできただけでは流行しない。マラリア患者と媒介蚊がいることが欠かせない。海外でマラリアに感染して帰国したり日本に来たりする患者は年間100~150名程度。媒介蚊のハマダラカは日本にもいるが、こうした患者が国内でハマダラカに刺されるような場所に放置されない限り、流行する可能性は低い」
デング熱は患者が大勢日本に来ると流行の恐れがある。媒介するヒトスジシカマなどの繁殖環境はデング熱が流行った終戦直後とあまり変わっていない。海外で感染後、帰国したり来日するデング熱患者は年間50~100名程度だが、発熱程度では病院に行かない人も多く、潜在的にはもっと多いのでは?
昼間に刺す蚊が媒介するので、公園など蚊のいるところに行く人の間で突発的に流行する可能性がある」(小林睦生・国立感染症研究所昆虫医科学部長)2006.1.31《産業》
■生ワクチン
「長崎大学の森田公一教授らが、西ナイル熱の発症を予防できるワクチンを開発した。病原性の弱い生きた菌を使う生ワクチンで、製造コストが安い。」2006.5/5《産業》
■ワクチン
「森田公一・長崎大学教授が開発したのは、感染性を無くしたウイルスを使う「不活性化ワクチン」を製造する方法。作り方はウイルスを培養用の「ベロ細胞」という動物細胞に感染させて増やす。これをホルマリンで処理してウイルスの感染性を無くしてから精製する。
日本脳炎と西ナイルウイルスはフラビウイルス属である。




 二分脊椎
   ■脊椎骨の先天的な形成不全によって、下半身不随などを引き起こす。
    1万人に3~5人が発症。
    原因、治療法が未解明。
    以下の研究者に助成金:「日本二分脊椎・水頭症研究振興財団」より。
       福田隆治・東京慈恵会医科大総合科学研究センター神経病理講師
    上口祐之・慶應義塾大医学部外科学教室脳神経外科助手
       横山修・金沢大医学部泌尿器科学教室講師
       斎藤栄一・藤田保健衛生大医学部リハビリテーション医学講座教授

     


 二便不通
   =「二便閉」
   ⇒大小便のどちらも出ない
  【処方名-五十音順】
    洗熨法[1](転による)
 防風通聖散

 日射病
  【色彩療法】
    <1>青色
    <2>紫色
  【処方名-五十音順】
    至宝丹
 五苓散
    柴胡加竜骨牡蛎湯
    清暑益気湯
    竹葉石膏湯
    白虎加人参湯(煩渇、多飲)
    白虎湯
    六一散

 日本脳炎
■DNAワクチン開発
    「日本脳炎のウイルスから遺伝子の一部を取り出してマウスの筋肉にプラスミド     (遺伝子の運び屋)により接種。その後致死量を超えるウイルスを感染させても、     すべてのマウスが生存した。
      既存のインフルエンザなどのワクチンは主に鶏卵で培養したウイルスの毒性     を弱めたものが使われており、生産には有精卵が必要になる。一方、DNAワ     クチンはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法などで遺伝子を増幅すれば培養タンク     で簡単に生産が可能だ。」1998.3.11《日経産業新聞》
■中国で
「中国・広東省で日本脳炎の感染者が増加している。同省衛生局が2003年6/20、明らかにした。6月7日に同省の梅州市で今年初の感染例が報告され、19日までに211人が感染。18人が死亡した。広州市での感染者は7人。感染者はすべて10歳以下の児童のため、広州市内の日本人学校は6/20から希望者への予防接種を手配した」2003.6.21《日本経済新聞》
  【処方名-五十音順】
    黄連解毒湯
 葛根湯
    桂枝加葛根湯(初期)
    甘露消毒丹
    銀翹散
    犀角地黄湯
    清瘟敗毒散
    清営湯
    天津感冒片
    当帰竜薈丸
    白虎湯


 入浴中に倒れる
  【処方名-五十音順】
    五苓散
桂枝去芍薬加蜀漆龍骨牡蠣湯


 乳ガン mastocareinoma
    (参照→「ページェット病」「胸のしこり」「メチル化」「ビフィズス菌」)
   =乳巖=巖
   ⇒40才以上の婦人で、乳腺内硬結があれば第1に乳ガンを疑う。
   自己診断リスト:以下の症状が2週間以上続く。
     早期乳ガンに見られる症状:
       ○脇の下に硬いシコリがあり、押しても痛くない。
     頻度は少ないが、要注意な症状:
       ○乳房にへこみ・盛り上がりなどの変形がある。
       ○左右の乳首の向きが違う。
     進行ガンor他の疾患も考えられる症状:
       ○女性ホルモン剤を多量に使ったことがある。
       ○初産の年齢が高かった。
○乳首がただれる。
       ○乳首を軽くつまむと、分泌物が出る。
       ○乳頭にカユミがあり、おさまらない。
◎血中セレンの濃度が(0.04~0.32マイクロ㌘/血液1‹中)の範囲では、セレン濃度    が高いほど、乳ガンによる死亡率が低い。
   ◎原因遺伝子:[BRCA1][BRCA2]
   「ガン化を防ぐガン抑制遺伝子APC遺伝子を91年に見つけた中村祐輔・東      京大医科学研究所教授には、研究室に勤務する女性の乳ガンで苦い経験があ      る。28歳で乳房のしこりに気付いた彼女は、他の病院で「若いから大丈夫」      と言われ、放置していた。相談を受けた半年後には、しこりは2cmから5cm      に拡大。彼女は5年間、病と闘った末に亡くなった。
 「乳ガンで見つかった2つの原因遺伝子[BRCA1][BRCA2]のどちかか      に変異がある日本人女性は、推定5万人。彼女も母親が30代で乳ガンを患      っており、遺伝性だった可能性が高い。なのに、いまだに『ガンは遺伝など      しない』という医師がいる。若くしてガンになった親戚がいる人は、若い時      期から検診を受けたり、検診の間隔を狭めたりできるようにすべきだ」と主      張する。」
◎乳ガン転移抑制遺伝子:
第11染色体ある『BRMS1』。米ペンジルベニア州立大学の研究グループが発見。2000.6.15《日経産業新聞》
   ■カルシウム拮抗薬
    「米国立衛生研究所(NIH)は高血圧症や狭心症の治療に使われるカルシウム拮抗     薬が、女性の乳癌発生率を高めるという研究成果をまとめた。
      1989年~94年の間に拮抗薬の投与を受けた65歳以上の女性、約3200人     のデータから報告。1997.10.29《日経産業新聞》
   ■総脂肪摂取量が増えると、乳ガン・結腸ガンの発病率が高まる。
◎環境ホルモン
ビスフェノールAは2~5ppmの低濃度でも乳ガン細胞を増殖させる。
   ■植物脂肪に乳ガン抑制作用
    「米国バッファロー大学の研究グループは、植物に含まれている脂肪成分に乳ガ     ン細胞の増殖を抑制する働きがあることを発見した。植物ステロールの一種で、     培養細胞を使った実験で増殖抑制効果を確認した。
研究グループは菜食主義者や肉食の少ないアジア諸国ではホルモンが要因と     されるガンの発生・死亡率が低いことに着目。菜食中心のダイエット食に豊富     な植物ステロールの働きを検討した。
研究グループはこの物質には前立腺ガンや大腸ガンのガン細胞の増殖抑制効     果もあることも突き止めている。このため、植物ステロールの作用が詳細に解     明できれば、抗ガン剤の開発や安全なダイエットの仕方などの検討などに役立     つものと考えている。1999.5.17《日経産業新聞》
■野菜。果物・魚
「野菜や果物・魚をよく食べる女性ほど、乳ガンになるリスクが少ないことが、愛知県がんセンター疫学・予防部の広瀬かおる主任研究員らの大規模調査で分かった。2005年9/14に日本癌学会で発表。
「今までは、特定の栄養素や単一食品とガンの関連調査が中心だったが、食生活全体を分析することで、予防目的のメニュー作りに役立つ」と広瀬研究員は語る。
調査対象は1989年1月~2000年12月までに、同センターで受診した40才~79才の女性24218人。うち1885人が乳ガンと診断された。
食習慣に基づいて全員を4タイプに分類
▼野菜や果物・魚・豆腐・イモ類・牛乳を好むタイプ(健康志向型)
▼肉や脂っぽい食物を好むタイプ(肉・脂肪摂取型)
▼朝食にご飯やみそ汁を好むタイプ(日本食型)
▼漬物や魚の干物など塩辛い味を好むタイプ(塩分嗜好型)
→4タイプをさらに、食生活における好みの食品の摂取割合から4ランクに分け、ランクごとに乳ガンに対するリスク評価を実施した。その結果、健康志向型の中では野菜などの摂取割合が最も少ないグループを1.0とした場合。リスクは順に0.89、0.85と減少し、最も多いグループは0.73になった。
50~79才に限ると
1.0:0.70:0.73:0.66となり、減少幅が大きくなった。
それ以外の3つのタイプでは、各ランク間に統計的な有意差は認められなかった。
広瀬研究員は「肉類や脂肪については、肥満体形の女性に限ると、多く摂取するほど乳ガンリスクが高くなる結果が出たので、野菜を意識して取るようにしてほしい」と語る。
   ■『USニューズ・アンド・ワールド・リポート』誌12月2日号。
「毎日2杯のアルコールを飲み続けると、乳ガンになる可能性がおよそ25%     高まる。1996.12.24《日本経済新聞》
   ■定期的運動が乳ガンを予防
     「26000人を対象にしたノルウェーでの調査。調査開始年齢20~54歳の女性     を平均13.7年間追跡調査したところ351人が乳ガンを発病。
     最低4時間/1週間の運動をしている女性は、座っていることが多い女性よ りも、危険性は37%低かった。この傾向は、やせた女性に顕著で、周に4時 間以上運動する足せた女性は乳ガンになる危険が最も低い。1997.6.22《朝日新 聞》
■ピル使用の女性
     「英ガン研究財団は17日、経口避妊薬(ピル)を使用した女性の乳ガン発生率 が、使用しなかった女性に比べて、使用中止後も10年間はわずかに高率にな るとする研究結果を発表した。
      此の研究には、世界25カ国の70の研究機関が参加した。乳ガンとピルの相     関が明確になったのは、これが初めてという。
      研究は、乳ガンになった53000人と乳ガンになっていない10000人を対象に     実施。1996.6.18《日本経済新聞》」
   ■ガンを兵糧攻め
     「武田薬品工業は、米国で転移性乳ガン患者を対象にした新抗ガン剤の臨床試     験を開始する。開発中の抗ガン剤はガン細胞を直接叩くのではなく、ガン細胞     が増殖するときに必要な新しい血管の形成を阻害し、ガン細胞を「兵糧攻め」     にする。増殖や転移の抑制が期待出来る。米ハーバード大学の研究チームと共     同開発を進めており、臨床試験の結果を見て実用化を判断する。
 臨床試験を始める薬剤は「TNPー470」と呼ばれ、抗生物質のフマギリン     の構造の一部を変えた化合物。血管形成に関与する塩基性線維芽細胞成長因子     (bFGF)の働きを妨げて、ガン細胞が増殖する為に必要な新しい血管の生成     を抑制する効果がある。
      新生血管が出来ないとガン細胞に血液が供給されない為、ガン細胞は体に害     を及ぼさない程度の大きさに縮小するとともに、ガン細胞の転移も抑えられる     という。1996.7.9《日経産業新聞》」(→サメ軟骨)
■温存療法
<1>「ガンですね、乳首を取ってゼンテキです」
       10月中旬、中部地方の病院で胸の超音波検査を受けていた中川恵さん(49)      =仮名=は、医師の突然の言葉に驚いた。上半身はだかで横になったままの      姿だ。無防備な自分。医師の見下ろす視線。
「ゼンテキってなんですか?」と尋ねると、「乳房を全部取ることです」、      「全摘出」だとようやく分かった。
乳房を残す方法があることを新聞で読んだ記憶があったので、聞くと、「温      存は、初期の人」。詳しい説明もなく、医師は取ると決めている。
帰り道の書店で見つけた本出、横浜市の経験者の会ソレイユを知った。東      京都目黒区にある東京共済病院の馬場紀行医師(42)を紹介去れ、上京。検査      の結果、シコリの大きさは3cmだった。医師は乳房切除、乳房温存手術を      図を使いながら丁寧に説明した。欧米では標準治療であること、中川さんの      場合、乳房をとっても温存療法でも生存率に代わりが無いこと、ただし、放      射線を当てるので治療期間が1ヶ月以上かかることなど。信頼して温存療法      を受けることに決めた。手術を終え、今は地元で放射線治療を受けている。
中川さんは「本当にラッキーでした」。夫(52)は「こんなに治療法が違う      なんて。最初の医者は高飛車。患者は藁を持つかむ思いなのに」と憤る。「で      も、なまじっか説明する先生だったら、信頼して全部取られてたかも知れな      いから、ひどい先生でよかったにかもしれない」
外科医の馬場さんは、乳ガンの現状を「パチンコ状ですね」と嘆く。        行き当たりばったり。玉が飛んだ所、落ちた穴で結果が違うように、医師に      よって全く違う治療をする。乳房を残す基準も、取る大きさも、放射線をか      けるかどうかも、まちまちだ。
       温存に基準は、乳房の中に多発している場合などを除き、シコリと乳房の      大きさのバランス。決めるのは患者だ。東京共済病院では、1年に治療する      140人の7割が温存療法だ。
       日本の患者さんは孤軍奮闘している。複数の医師に相談すべきですね。医      者は自分に都合のいいことしか言わないから、治療を受けた経験者から情報      を得た方がいい」
     <2>切ったら生えないのよ。
       娘の行動力で温存療法にたどり着いた人もいる。岡山市の菅谷光子さん       (54)は、神奈川県鎌倉市の大船中央病院で1日、温存療法の手術を受けた。      2週間前に、地元の病院で乳房を失っていたはずだった。
       先月、岡山市の病院で乳ガンと診断された。「初期も初期。乳房を全部取      れば安全です」。ガンの衝撃より、早期発見出、「ラッキー」だと思った。      すぐ手術の日を決めた。
東京で暮らす長女(32)に電話で話すと、驚いた長女は、「ちょっと待って」。      その日のうちに友人の内科医に相談し、「今は世界的に温存が主流。1人の      医師の診察で決めちゃだめよ」と知らせてきた。
翌日、長女は図書館で見つけた乳ガンの本を手がかりに、温存療法の経験      者に電話した。放射線科と外科の専門医を紹介された。すぐに光子さんを呼      び、両医師と話し合った結果、温存療法を受けることに決まった。「オッパ      イは一度切ったら生えてこないのよ、と娘に言われてハッしました」
       娘の機転。図書館。温存療法件検車との会話。いくつもの偶然で温存療法      にたどり着いた。
命か乳房か、ではなく、命も乳房も残せる時代になったのに、まだまだ       情報が行き渡っていない。
<3>「えーっ。私も残せたの」。山口県の女性(50)は、市民グループの会報を読      んでショックで全身が熱くなり、へなへなと座り込んでしまった・
昨年5月、地元の病院で乳ガンと診断され、乳房を全部摘出する手術を      受けた。
左乳首の上の方に、3cm近いシコリがあった、
       手術前、妹から乳房を残す方法もあると聞いていたが、主治医からは、「温      存療法ね、あれは初期の人。あなたは乳首に近いから無理。どの病院でも取      りますよ」といわれ、温存の対象外だと納得していた。
だが、9月末に届いた患者会の会報には、乳首との距離は関係無いとの医      師の講演記録が載っていた。
「先生は時間をとって説明してくれた。私が無知で納得してしまった事を      悔やんでいます」
友人は「取ってさっぱりしたでしょ」と言う。医師は診察の度に「傷はき      れいですね」と満足そうだ。「そうじゃないじゃろ」と心の中で思う。
      1997.12.16.《朝日新聞》
     <4>リンパ節取られ、「ガンじゃなかった」
       手術で意識が無い間に、自分の体について医師たちが話し合い、重大な決      断をしていたら-----------。
       東北地方に暮らす鈴木愛さん(50)=仮名=は、2年前、手術で乳房の1/4      を取られた後、「乳ガンではなかった」と主治医に言われた。今なお、やり      きれない思いと手術後の後遺症に耐えている。
健康診断でシコリが見つかった。近くの病院で検査を受けた結果、たぶん      悪性なので病理組織診断をしてから手術しましょうと言われ、他県の大学病      院に移った。再び、触診、エコー、マンモグラフィー(乳房専門のx線撮影      装置による検査)。乳ガンとの診断を受け、その日のうちに手術日が決まっ      た。病理組織検査は受けていない。温存療法が全切除日。インフォームド・      コンセントで本人が温存を選んだ。
手術では、脇の下のリンパ節も取った。手術から1ヶ月後の外来で、主治      医から「ガンではなかった」と告げられた。リンパ節を取ったので後遺症が      残る。納得がいかずに、医師に尋ねた。
       主治医は「前の病院で細胞診でクラス5(1:良性。5:ガンを強く疑う)      が出ていた。術中も、疑わしい病理検査結果が出たので最小の手術をした。      よその病院ならバッサリでしたよ」と語った。
取材には、こう話す。「細胞診で5が出たら、生検はせずに手術します。      でも、他の検査などでは疑問も残った。そこで手術中に術中迅速病理診断を      した。ガンが出ると思っていたが、結論は『乳ガンを強く疑うが、確定診断      は保留せざるを得ない』。つまり灰色です。でも、細胞診の結果を重視し、      最小限の手術をしました。処置を誤れば命に関わる、苦渋の選択です。そこ      は医師に任せてもらわないと。最善を尽くし、説明もしたのに納得されてい      ない。大変ショックです」
鈴木さんは「最初から灰色だと知っていたら、手術を受けたかどうか分か      らない」という。術中に病理診断をすると説明された記憶はない。もし知っ      ていたら、外来での生検を望んだはずだ。
東京共済病院外科の馬場紀行医師は「術中迅速診断は、誤診もあるのでや      らない」という。特に「灰色病変への対処に正解はない。絶対的答えが無い      のに患者さんの意思が反映されないところで診断し、医者が決断するのは合      理的とは言えない。僕なら外来で生検をして患者さんと話し合い、たぶん経      過観察します」
慶応大学放射線科の近藤誠医師も「ガンでリンパ節を取らない場合がある。      灰色では取りすぎ」だという。
鈴木さんが手術台に横たわっている感に、医師たちは協議し、決断してい      た。鈴木さんは「先生の考えが合っても、事前に患者の意見を聞いて欲しか      った」と思う。手術の後遺症で手が上がりにくく体調が悪いと訴えても、医      師が十分耳を傾けてくれないことも、不信感をつのらせた。1997.12.17《朝      日新聞》
■術後抗ガン剤治療
    「9月の蒸し暑い日だった。首都圏のガン専門病院の待合室で、2年前に乳ガン の手術を受けたAさん( 37) に、同じ立場の患者が話しかけて来た。
「抗ガン剤を飲み始めたら副作用がひどくて。先生に話したら薬を止められたの」
「それじゃ転移しちゃいますよ」
    「私もそう思って先生に来たら、飲んでも飲まなくても、再発には関係ないんで すって」
      Aさんが医師の名前を聞くと、何と自分と同じ主治医ではないか。驚いて主 治医に尋ねると「ああ薬、効いていませんね」とあっけなく言われた。苦しく ても「ガン細胞をやっつけるんだから、ガマンガマン」と飲み続けたのは、何 だったのか。
Aさんは故郷九州の大学病院で手術を受けた後、再発予防に経口抗ガン剤と ホルモン剤を飲むように処方された。この春移った首都圏のガン専門病院でも、 同じ薬を飲むように言われた。「権威の先生にお任せしていれば安全だ」とず     っと思ってきた。
程なく、Aさんの肝臓に転移が見つかった。主治医は別の抗ガン剤をと言っ     たが、信頼出来ず、10月、3つ目の今の病院に移った。新しい主治医は、あ     と2年の命だと言った。
乳ガンの術後抗ガン剤治療は、世界的には、注射や点滴で3種類の薬を併用     する「CMF療法」が標準治療となっている。だが、日本では経口抗ガン剤を     1種類だけ使う「単剤療法」が広く行われている。錠剤なので飲みやすく、比     較的副作用が軽いと言われる。再発後に使うと、腫瘍を小さくする効果がある     とされるが、延命効果は分からない。
経口抗ガン剤[UFT]による単剤療法の再発予防効果を、CMF療法と比較     する臨床試験が、昨年から厚生省の研究班によって始まった。[UFT]はAさ     んが飲んでいたものを同系列の薬剤だ。全国の42の医療機関が参加し、今2     00人が被験者になっている。
乳ガンの探検から医療を考える会の「イデアフォー」は、患者の立場からこ     の臨床試験に反対し、今月5日、厚生省に早急に中止するよう申し入れた。
イデアフォーの青木栄子さん(49) は「欧米では単剤ではなく、CMFのよ     うな多剤併用療法が原則。この事実を知ったら、比較試験の被験者となる患者     はいないと思う。標準的治療を受ければ助かる可能性のある人も、再発しかね     ない。1人ひとりの患者の命の重さをどれほど医師は感じているのか」と憤る。
  東大病院第二外科の川端英孝医師は、各国の臨床試験の結果をもとに、Aさ     んが手術後からCMF療法を受けていれば、再発の可能性を25%減らせたの     ではないかと言う。Aさんは「最初に標準治療を受けておればよかった」と思     う。だが、これまでの病院で、そんな説明は全くなかった。
医師によって、治療法に天と地の開きがあることを知らなかった。日本と世     界の落差も知らなかった。「怖いから抗ガン剤の事は知りたくないと思ったけ     ど、勉強して選ばないと私みたいに後悔する事になる」と話す。
(生井久美子記者)1997.1.19《朝日新聞》
   ■抗ホルモン剤「タモキシフェン」が乳ガン発生抑制。1998.4.7《日本経済新聞》
   ■美しく残すか 再発抑えるか
    「乳ガンは乳房を小さく切除すればするほど、乳房内で再発する率は高まる。だ     が、再発した際にもう一度手術すれば、5年後、10年後の生存率は変わらな     い。----こうした事実が明らかになって、乳房温存療法が次第に普及してきた。     そこで浮上してきたのが、胸をどこまできれいに残せるか、残した場合の乳房     内再発率はどこまでが許容範囲か、ということだ。
都内在住の女性(55)は一昨年受けた温存療法への不満がなかなか消えなかっ     たという。左胸に出来たシコリは1.5cmほど。最初に診断を受けた病院では「切     除はくりぬきで」と言われた。しかし、知人の紹介があって移った病院では「扇     形で」と言われた。違いに驚き、石になるべく小さく取ってほしいと頼んだが、     範囲が少し狭まっただけだった。「腕で手術跡を隠せば温泉にも入れるし、ど     うにかあきらめはつきました。でも、手術法の選択が前より自由になってきて     いると聞きます。今ならもっと強くお願いするでしょう」
温存療法と一口にいっても切除範囲は様々だ。
[扇形切除]:シコリの端から2、3cmの余裕をとり、乳頭を中心に乳             房・乳腺組織を扇形に切除。1/4切除とも呼ばれる。実際             の切除範囲は1/6など様々。
[円状部分切除]:シコリの端から2、3cmの余裕を残して切除。
        [くりぬき]:見たところ明らかなガンの取り残しがないように、シコリ             のみを摘出。
      くりぬきでも扇形でも、5年後、10年後の生存率は変わらないことが、海     外の比較試験で確かめられている。ただし、10年間で見た乳房内再発率は、     放射線を同じようにかけた場合でも、扇形が3~5%、くりぬきは10~15     %と言われる。
乳ガンは乳頭から放射状に広がる乳管内部を進展する傾向がある。植野映・     筑波大臨床医学系講師(外科)は、まずおとなしいガンが乳管内に伸びていくと     考える。一部が何らかのきっかけで悪性度を増したときに、乳管を食い破って     出来るのが、シコリという訳だ。大きく分けると、乳管内に広がってからシコ     リを作るもの、あまり広がらない速い段階からシコリになるものの2種類ある     という。
植野さんは「ガンの広がりが少ないのに、やみくもに扇形切除を選ぶケース、     逆に大きく広がっているのに、くりぬきを選んで乳房内再発を増やすケースが     ある。手術前の画像診断(MRマンモグラフィーなど)できちんと把握出来れば、適切     な手術法が選択できるのだが」と話す。1998.11.8《朝日新聞》
   ■4年前に乳ガン手術 最近、右手にシビレ
    「63才、女性。4年前乳ガンの手術で右乳房、わきの下のリンパ節、胸骨の一     部を切除しました。経過が良かったのですが、5ヶ月ぐらいほど前から右手に     シビレが出だし不安です。(広島県・T)
    「乳ガン手術後に手にシビレと脱力が起こったとき、最も考えられるのは、首の     骨(頸椎)へのガン転移による神経の圧迫です。この場合は夜中にじっとして     いても首や手が痛む(自発痛)のが特徴です。
しかし、あなたは首の痛みが無いようです。その場合に考えられる病気は、     年齢による変化で頸椎に余分な骨などが出来て神経を圧迫する変形性脊椎症で     す。首を動かしたときに痛む(運動時痛)のが特徴です。頸椎のレントゲン検     査やCT。MRIなどのコンピューター検査をするとよく分かります。
これで頸椎に異常がないのなら、肘関節の内側で神経が圧迫されて、手のひ     らから小指などがシビレたり筋肉が痩せて力が入りにくなったりする尺骨神経     麻痺が考えられます。また、手首の部分で神経が圧迫されて、手のひらから親     指や人差し指がしびれたり痛んだりする手根管症候群も考えられます。
これらはひじや手首のレントゲン検査、筋電図などの電気生理学的検査をす     ると診断がつくますが、いずれも悪性ではありません。
(圓尾宗司・兵庫医科大学教授)
   ■末梢血幹細胞移植と化学療法を併用
    「昨年末、同じ教室のH君が米ネブラスカ州から2年ぶりに帰国した。「乳ガン     患者の多いアメリカでは、超大量化学療法と末梢血造血幹細胞輸血を盛んに利     用し、すばらしい治療成績を収めている。なぜ日本ではガン化学療法をあまし     勧めないのでしょうか?」というのが彼の第一声だった。
H君のいう治療法は化学療法と、その結果生じる白血球の減少を補う措置を     組み合わせたものである。米国で頻用だれていることを受けてH君は帰国後、     乳ガン手術をした知人に本療法を勧めたが、日本ではあまりなじみがないせい     か、あっさりと断られたという。
ガンの化学療法は飛躍的な向上をとげ、以前と比べて副作用を軽減し、抗腫     瘍効果を高めることが出来る。ただ、やっかいなことには超大量化学療法は骨     髄への影響が強く、白血球数と血小板数が回復せず、感染や出血で不幸の転帰     をとることが少なくなかった。
そこで、患者自身の末梢血から集めた幹細胞を体内に返すことで、白血球数     と血小板数が速やかに回復するようにしたもが幹細胞移植治療である。最初に     従来の化学療法を行うと同時に患者自身の末梢血から幹細胞を採取して、これ     を大量化学療法後に用いる。
      体内に戻す造血幹細胞は骨髄の中にある種々の血液細胞の母細胞であり、こ     れが無くなると血球は増えず最終的には死に至る。再生不良性貧血の重症型は     これに該当するものである。
末梢血幹細胞移植を用いた超大量化学療法はほとんどの設備も要せず健康保     険でも可能であり、この確実な腫瘍効果かが注目されている。日本では現在の     ところ、悪性リンパ腫を中心にした造血悪性疾患の治療に専ら用いられている     のが現状である。
私どもの外来にもガンが治癒した患者さんが多数定期敵に受診されている。     ガンのなかでも固形ガンと分類される[乳ガン][肺小細胞ガン][卵巣ガン][脳     腫瘍][神経芽細胞腫][軟部肉腫][ウイルス腫瘍]などは、外科的療法だけでな     く化学療法にも効果的であり、末梢血幹細胞移植の利用を勧めたい(巽典之・     大阪市立大学医学部教授)1999.1.25《日本経済新聞》
   ■大都市圏、高い死亡率
    「大都市圏の女性は、地方に比べて乳ガンの死亡率が高いことが、厚生省が28     日発表した1996年度の「健康マップ」で分かった。特に、東京では全国平均     の1.3倍を超えており、同省は「欧米型の食生活が影響しているのではないか」     とみている。また、脳卒中の死亡率は東北地方と北関東が際だって高かった。
この調査では、主な疾病ごとに全国平均の死亡率を100として、各都道府県     の指数を比較した。
その結果、乳ガンでは東京が132.3でトップで、神奈川119.0、千葉108.6、     大阪108.4、北海道106.4の順。逆に指数が最も低いのは鹿児島の73.5で、沖     縄は76.4、山形77.0、島根78.1、佐賀79.2となっている。
   ■異変に、すぐ救急車呼ぶ
    「左手で作る目玉焼きを、浦和市の主婦芳村みち子(55)は、「涙目玉焼き」と名     付けた。1年半近く前、突然襲った脳卒中の後遺症で右半身が動かない。利き     腕でない左手だけで卵を割ろうとすると、黄身が崩れ、まるで泣いているよう。
「仕方がない! これが私の味だもの」。開き直れたのは、ごく最近のこと。「第1     回脳卒中後の私の人生コンクール」に応募した体験記が見事、優秀賞に選ばれ     た。発症後、自信を失いがちな自分を認めてくれたことに力付けられもした。
その日は日曜日だった。ゴルフに出掛ける夫雄二(56)のために朝食の支度     を始めた。97年12月14日午前5時過ぎ。外はまだ暗い。会社勤めの長男、     高校生で双子の三男・四男は2階で寝ている。大学生の次男は前夜、大学のジ     ャズクラブコンサートの打ち上げで、帰宅していないようだ。
ふと右腕に違和感を覚えた。肩から指先までジンジンしたシビレ。これまで     に感じたことにない痛みだった。夫を起こしながら「右手がちょっとヘン」と     訴えた。「指を動かして見ろ」。試すと指は動く。「シビレただけだろう」。こ     う言いながらも、何か気になった雄二は、出掛ける際、長男の祐典(26)に「母     さんが具合悪いようだから、下で寝ろ」と声をかけた。みち子は、目覚まし時     計を6時半に合わせて、もう一度蒲団に入った。
ピピピピ-----。電子音に気づいたのは、横に寝ていた祐典だった。いつもな     ら、すぐに目覚まし時計を止めるはずの母がぴくりとも動かない。起こすと「大     丈夫」と言う言葉の、ろれつが回っていない。「おかしい、すぐに病院へ連れ     て行かなければ」。だが、どこの病院がいいのか、思いつかない。「冷静に、     冷静に」と言い聞かせる。電話番号案内に近くの総合病院を教えてもらって電     話すると、「すぐ、救急車を呼んで」とアドバイスを受けた。
みち子は「奥さん、奥さん」と大声で呼ばれ、重いまぶたを開けると人の顔     が見えた。救急車のサイレンで駆けつけた近所の人だった。「はい」と答えた     までは覚えている。が、その後の記憶はない。様子を見た救急隊員が「脳の病     気かも知れない」と言うのを聞き、祐典も慌てて救急車に乗り込んだ。
脳卒中には脳の血管が詰まる『脳梗塞』と、脳血管が破れる『脳出血』『き     も膜下出血』の3タイプがるが、いずれも発症時、途端に意識を失うのは一部     に過ぎない。
国立循環器センター病院長の山口武典は「体半分の動きや感覚がおかしい、     言葉をうまく話せない、物が二重に見えるなど、異常を感じたら、頭を揺り動     かさないように注意して、すぐに病院へ」と進める。昔、脳卒中は静かに寝か     しておくとされたが、今は発症から治療までの時間が短いほど、特に3時間以     内に適切に治療すると、死亡や後遺症の度合いが劇的に減る。ところが、同セ     ンターの入院患者で発症6時間以内に受診したケースはいまだ3割に過ぎな      い。
 みち子が埼玉県与野市の近江谷赤十字病院に運ばれたのは、祐典が異変に気     づいてから1時間あまり後だった。
       ●危険信号あったのに
    「茨城県のゴルフ場でコースに出ようとしていた埼玉県浦和市の芳村雄二(56)     はフロントから「電話が入っています」と呼び止められた。出掛ける前、「右     の腕がおかしい」と言っていた妻のみち子が頭が浮かんだ。「女房に何かあっ     たんだな」と直感した。救急車で病院に運ばれたと聞き、マイカーに飛び乗っ     た。
そのころ、病院では長男の祐典が、当直医からCT画像を見ながら説明を受     けていた。
「ここに血の塊があります。脳の血管が破れ、出血した部分です。1時間後にも     う一度、CTを撮り、手術するかどうか決めます」指された先を見ると、左の     脳が直径1cmほど白くなっている。
「最悪の場合は命が無いでしょう。良くても後遺症として手足の麻痺が残ります。     覚悟しておいて下さい」
これを聞いた祐典は、何も頭に浮かばないまま、母が運ばれた処置室の外の     廊下に座り込んだ。「とにかく生きててくれれば-------」
「ゴルフ場から病院に急行した雄二は、2度目のCT画像から「出血が広がって     いないので、手術の必要はありません。今のところ、とりあえず安心ですが、     ここ1両日を乗り切らないと-------」との説明を受けた。
「このまま死なれたんじゃ、何もしてやれなかったことになる。ゴルフなんて行     かなきゃ良かった」。後悔ばかり広がった。
雄二は、東京都北区で電気工事会社を経営している。帰宅は、いつも日付が     変わる頃。男の子ばかり4人の子育てを含め、家のことは全部みち子に任せき     りだった。病気をしたことがなく、「丈夫なたちなんだ」と甘えていた。
脳卒中は突然起こると思われがちだが、「危険因子」じゃいくつか分かって     いる。
まず加齢。としを取るに連れて進む動脈硬化症は脳卒中を誘発する要因の1     つだ。とりわけ脳卒中を起こした家族のいる人は、いない人よりも発症の危険     が高い。高血圧や糖尿病、心臓病、コレステロール値が高い人も危ない。喫煙     や過度の飲酒といった生活習慣も引き金になる。
加齢や家族歴以外の危険因子は、治療や管理によって減らすことが出来る。     近年、脳出血を起こす人が減った理由の1つは、減塩の効果や、薬で血圧を管     理しやすくなり、高血圧を放置する人が減ったためだ。その半面、食生活が変     わって高脂血症の人が増え、脳の血管が詰まるタイプの脳梗塞が多くなってき     ている。
みち子は、倒れる1年前に市の健診を受け、「血圧が高めですね」と言われ     ていた。しかし「薬を飲むほどではない」と診断されたため、特に気にも留め     ずにいた。
   だが、夫と4人の息子達のばらばらば生活時間に翻弄され、ドリンク剤を飲     むほどバテていた。
■病気とつき合う
「病棟婦長から、急いで面接して欲しい患者さんがいる、と依頼が入った。2日前に入院したばかりの女性で、夜の泣き続けているという。
A子さんは29歳。夫と幼い2人の娘がいる。入院中の子供の世話は、夫の母親が面倒をみてくれるし、病気も初期の乳ガンだから、何が気がかりなのだろう。相談室で会話の糸口を探りながら、ひょっとしたら、と思い当たることがあった。「一番つらいのは、娘さんの将来のことですか?」。問いかけると、抑えていた涙が彼女の目からあふれ出た。
A子さんの母親は、43歳の時に乳ガンで手術をした。祖母もまた50代で乳ガンを患っている。最近、遺伝性の乳ガンというものがあるということをA子さんは知った。気になって検診を受け、腫瘍が見つかったのだと言う。
事実を知ったとき、真っ先に彼女の頭に浮かんだのは、自分のことではなく娘たちのことだった。遺伝性の乳ガンの中には、世代を経るごとに若い年齢で発症するようになるものもある、と聞いたからだ。「私が29でしょ。きっと5歳と3歳の娘たちは、きっと結婚前に発病します。そんなの、かわいそうで。入院する前の日に、いっそ一緒に死んでしまおうかとまで思い詰めてしまって----」
娘さんたちの日頃の様子を語るうちに、少しは和んだ表情を見せるようになったA子さんい、タイミングを見て病気の話を切りだした。治療方法も、手術後の乳房の再建手術も、最近はどんどん進歩していること。21世紀には遺伝子診断や遺伝子治療など、想像を超えた進歩があるだろうこと。そして、今の医学水準をもとに娘さんたちの将来を考えては、かえってかわいそうなのではないか、ということも。
フウーッと大きなため息をついて、彼女が言った。「母は今、何とか元気でやっています。私も子供たちに、病気を治せるんだって、見せてあげなくちゃ」
(武山ゆかり・医療ソーシャルワーカー)2000.2.28《朝日新聞》
■乳ガン薬で死亡例
「転移しやすい乳ガンに効果を上げている治療薬『トラスツズマブ(商品名:ハーセプチン)』を使った患者のうち、15人が副作用と思われる原因で死亡したと、開発元の米企業ジェネンテク社が4日、発表した。米国では1998年に発売され、日本では現在、承認申請中だ。」2000.5.7《朝日新聞》
■後遺症にめげず
「59歳で中央アジアを横断する「マスターラリー」、翌年「パリ・ダカールラリー」を完走。いずれも日本人女性初の快挙だ。
これまで「パリ・モスクワ・北京ラリー」など10レースに出て、7回完走しています。ラリーに出場する日本時さえほとんどいない。私は世界のラリードライバー中最高齢。しかも6級の身体障害手帳をもっています。
22年前に植えkた乳ガンの手術で、両方の乳房と胸の筋肉をそぎ落としました。このため、過多や腕が前の方へ引っ張られている症状が残り、常に背中が丸まっています。
腕は肩までしか上がらないし、握力も極端に弱い。これが身体障害手帳をいただいている理由。ハンドルを十分握れないので、手のひらで押しつけるようにして操作します。また股関節の軟骨もすり減っているので、痛みが引くことはありません。
小さい頃から病弱で、胃潰瘍・腎臓結石・子宮癌になったことも。
小学粘性以降、健康だったことはありません。でも病気や痛みがあるからと、悲劇の主人公になるのだけはイヤでした。体は病んでも、気持ちは病んでいない。何事も病気を言い訳にしたくありません。
以前、貿易の仕事をしていて120ヶ国は訪れていましたが、もっといろんな国に行けるならと、国際ライセンスをとったのが、ラリーの世界に入るキッカケです。
長丁場の連続で、体力はもちろん、暑さ、車の故障、お互い極限状態にいるナビゲーターとの人間関係など、本当に苦しい。
でもあこがれのジャッキー・イクスらの世界の一流ドライバーたちに誕生日を祝ってもらったり、故障で失格の巻き添えにしてしまった選手から、逆に出会えたことに感謝の言葉をかけられたりと、ラリーでしか経験できない喜びをたくさんもらいました。
「障害を持っていても世界で戦えることを見てもらい、障害者や子供たちを勇気づけたい」と語る、能城律子さん。
■アメリカで受ける治療
「米カリフォルニア州のサクラメントに住むYさん(47)は、3年前、乳ガンが見つかり、すべての治療をアメリカで受けることにしました。大学卒業と同時に渡米した身ながら、それまではほとんど受診したことがないのにアメリカの医療機関を選んだのは、日本の病院より患者本位に徹するという信頼感があったからだ。
97年5月、Yさんは、アメリカ人の夫(当時49歳)と正式に離婚後、初めて日本に一時帰国した。
アメリカに戻る前日、一人息子のRに予防接種を受けさせるため近所の医院に行きました。そこでたまたま目に留まったのが、「乳ガン検診」の張り紙。早速申し込み、すぐに若い医師の触診を受けました。
「6mmほどのシコリがありますね」と言われ、さらに、今度は超音波診断をされ、「明日は大学病院に勤務しているので、心配だったら来てください」。
驚きのあまり一睡も出来ないまま翌朝病院へ。乳房のX線撮影と、針を刺して組織を撮る針生検を受けるや、母に「ガンかもしれない」と言い残して空港に向かいました。
当時、私は44歳。4年もかかった離婚が成立して、これから人生をやり直そうって時に、ガンだなんて。息子のRもまだ11歳。それなのに私は生命保険にさえ入っていない------。
暗い機内で、息子に見つからないように泣き続けましたよ。
アメリカからの国際電話での問い合わせに応じない大学病院に母が結果を聞きに行ったのが、1週間後、でも心配をよそに生検をした医師は「大丈夫、大丈夫」と、それ以上の説明はしなかったそうです。「人騒がせだね」と母子で胸をなで下ろして、電話で笑い合いました。
それでも機中で考えたことは無駄にしなかった。アメリカは日本のような国民皆保険でない。すぐに医療保険と生命保険に加入した。
勤め先の仲間からは「今はガンでなくても、6mmのシコリなら取っておいた方がいいんじゃない」と忠告され、近所の内科医を訪ねました。すると、「日本の病院からX線写真を取り寄せるように」と言われ、3週間後に届いた段階で、外科のクイン医師を紹介されました。
問診、触診に針生検。次に訪れた時は「少し気になるとことがあるので、シコリとその周辺を切りたい」と提案されました。
そのときkuイン医師は、手元の結果から“悪い予感”があった。8月21日。Yさんは、残りの夏休みを日本で過ごすR君を空港に見送って、診療所に向かった。
診察室で鼻歌を歌いながら雑誌を読んでいたら、ドクター・クインが入ってきて、開口一番「あなたは乳ガンです」。
「日本の医者はガンじゃないって言いました。そんなはずないでしょ」ってくってかかりました。ドクターは「取った方がいい」と続けるけど、混乱したまま、診療所を飛び出しました。帰路、「事故を起こしてはならない」と必死の思いで車のハンドルを握っていました。
■医師2人の診断が一致
何日も考え込んだ気がしましたが、本当は丸1日程度だったのでしょう。きっと間違いだから、別の医師の意見を聞くセカンドオピニオンを受けなくっちゃ、と気を取り直しました。
親友に相談すると、地元で一番大きいUCデービスがんセンターのR・ズーリム医師を勧められました。早速、ドクター・クインの診療所に「セカンドオピニオンを求めたいので、検査データを送ってくれますか」と頼むと、快諾してくれました。
患者が納得出来る医師を捜すのに医師も協力するのがアメリカの常識。でも日本では、まだ少ないのではありませんか?
1週間後の97年8月26日。がんセンターの診察室で40分待たされ、登場したドクター・ズーリムは女性でした。「お待たせしてごめんなさい。日本語を話せる人を病院中捜したけれど、いなかったの」
そう言うやいなうあ。細胞を7段階に分けた絵を丁寧に描き、それを見せながら「センターの4人の医師とも話し合った」と前置き。「正常細胞を1、最悪を7とすると、あなたのは3~4。シコリの中にガンは無かったけれど、周囲に細かく散らばっています」と告げたのです。
「左胸を全部摘出するというドクタ・クインの意見に私も賛成。チン派説に転移することも多いので、リンパ節の切除も勧めます」と続けました。
もし2人の医師が同じ意見なら手術しようと心に決めていました。というのも、転移性の肝ガンでアッという間に亡くなった父と、ガンが見つかった片方の腎臓を摘出して元気になった前夫の様子から「ガンは大きさでなく、内容だ」と分かっていました。「散らばっている」と表現が決定的でした。
説明の後、ドクター・ズーリムは「私が切ってあげましょうか?」と付け加えましたが、私は「最初に見つけたドクター・クインにお願いします」と答えました。
そこまで口にしたところで、涙があふれ出た。「離婚したばかりで子供も小さいのに」。そう訴えるYさんのさめに、ズーリム医師はカウンセラーを呼び入れ、「無料なので心配しないで」といった。
カウンセラーは中年の女性でした。こういう時のために、院内に待機しています。涙を拭くティッシュをくれ、私の肩を抱いて別室に案内すると、「乳ガンはそんあに恐ろしくないわ。もっと深刻なガンもあるのよ」と静かに切り出しました。
手術が避けられないことは分かっている。でも、これから新しい恋をするつもりでいる時に胸を取るのはつらい-----と、正直に訴えました。カウンセラーは、うなづきながら「自分の姉も乳ガンで手術を受けたけれど、今は元気よ」と添えました。
どのくらい時間がたったか分かりません。気がついた時は、窓の外はもう夕暮れ。「仕事とはいえ、悪いな」と我に返ったんです。気持ちを洗いざらい吐き出したら、不思議と手術を受ける決意が固まりました。
■乳房切除、翌日退院
「最初に日本でシコリが見つかってから、すでの3ヶ月もたっており、グズグズしていられません。センターの診断が出た翌日、ドクタークインに手術を依頼しました。
こちらの診療所は医師に看護婦、受付の計3人という小所帯が一般的です、手術するときは医師が別の病院に出向いて手術室・器具・看護婦などスタッフを借ります。私も家からくるまで15分ほどのサラー総合病院で手術を受けることになりました。
手術の内容は、腫瘍が複数あるため温存は難しく、左側の乳房を切除、さらに、脇の下のリンパ節を取る------とドクター・クインから事前に説明されていました。
手術当日の9月8日は親友のナンシー(51)に送ってもらった。書類の記入をすますと、患者を識別するために名前が記された腕輪をつけられた。
更衣室で備え付けの手術着に着替えました。日本人の私にはバカでかくて-----。でも笑う余裕はありませんでした。今は、たいていの手術が日帰り。私が受ける一泊手術は「ちょっと大変」という感じです。控え室では他の患者が家族に陽気に励まされています。でもアメリカ人の夫と離婚したばかりの自分には、誰もいない。まだ12歳だった息子のRには、へんに恐怖心を植え付けたくなく、家に残してまいsたし。
ベッドに1人座り、ぼんやりと窓の外を見ていると、ドクタークインが現れ、「これから悪いところを全部取ってあげるから心配しないで」と手を握り締めました。これで不安一杯の気持ちが一気に救われました。
まもなく麻酔室で全身麻酔。約3時間の手術後、病室に運ばれる途中、「Y、わかる?」というナンシーの声に気がついた。
ああ、終わったんだ。「大丈夫」と答えたくても声が出ず、痛みも感じない。麻酔が切れた時のためにベッド横に鎮痛剤を備えてありました。でもそのときは、ただ眠りたかっただけ。
翌日の“チェックアウト”は午後5時。1人暮らしの人には、病院が介護の手配をしてくれます。退院間際になって、腕が上がらず、前日着てきたTシャツに着替えられないことに気づきました。「そのまま帰っていい」と言われ、迎えに来たナンシーの車に、ダブダブの手術着にドレーン(廃液管)の袋をぶら下げた格好で乗り込みました。
患部に挿入されたドレーンはビニール袋につながっています。体液がたまったら、中身を捨てるだけ。簡単です。日本では長期間入院し、看護婦さんがすべてやってくれますけど。
帰宅する際、病院には24時間対応する看護婦がいるので、何かあったら、緊急なら救急車を呼ぶように、との指示もありました。
病院は落ち着かないし、入院するほど費用もかかる。息子のRが心配だし、痛み止めが十分処方されていれば不自由もありません。何日も入院していたいとは思いませんでしたね。
■抗ガン剤、副作用重く
「手術から3週間後、執刀したJ・クイン外科医は「自分の役目は終わった。これからの治療は専門が別になる」と、内科腫瘍医を紹介しました。
でも、その医師は私の保険の加盟医では無かったので、地元では一番大きいUCデービスがんセンターを選びました。
推薦されたのがドクターG・パーマー。「左胸を全部取ったので60%は大丈夫。でも、その確率を90%にしたければ抗ガン剤を勧めます。どうしますか?」と聞かれ、「12歳の息子が18歳になるまで生きていたいので、やります」と答えました。
3週間おきに計4回という治療方針が決まると、まもなく病院から「ガン患者の集い」の案内がありました。軽食を取りながら、抗ガン剤の体験者から話を聞くもので、参加は自由、無料です。抗ガン剤の副作用で髪の毛が抜けたとき、カツラや帽子はどこで買えるか、スカーフでどう隠すか、といった講習もありました。
抗ガン剤の初回は、ハロウィンの2日前。化学療法室は、天井からコウモリや魔女の飾りがぶら下がり、職員たちもカボチャ柄の服に身を包んでいた。
場を明るく盛り上げる心遣いが随所にうかがわれました。点滴中の患者たちは革張りの安楽イスに腰掛け、周りを家族が取り囲み、なごやかな雰囲気。コーヒーやクラッカーも用意されていました。
入室した時、毛布をかけている人が多いのが気になりましたが、点滴をはじめてその理由が分かりました。抗ガン剤が体内に入ると、だんだんさあ寒くなるのです。毛布を配る看護婦さんに「1枚ください」「1枚で足りる?」「じゃ、もう1枚」という具合。毛布は暖めてありました。
初回の治療で髪はすべて抜け落ち、2回目から味覚を失い、嘔吐も始まるなど回を追うごとに副作用は重くなった。3回目は症状を緩和する薬の処方で改善したが、4回目には効かなかった。
98年1月7日が最後の4回目。その1週間前に受ける予定でしたが、血小板と白血球の数値が低すぎて延期になったのです。
最悪でした。家に戻った時点ですでに具合が悪い。下痢と嘔吐が同時にくるんです。ベッドから数メートル離れただけのバスルームに時間内に(吐くまでに)たどり着く自信がない。寝室のジュウタンを汚したくないので、丸裸でバスルームにこもりました。世の中にこんな気持ちの悪いものがあるのか、ずっと続くものなのか?と、便器の周りをうろつきました。
息子のRには「静かにしていてね」と、言ってました。。救いは私を「アメリカのおっかさん」と慕って、我が家に集まる日本人学生たち。このときは私に代わり、皆で息子の相手をして、映画に連れて行ってくれたりして、ラッキーでした。
■乳房再建、切除と同時並行
「出来る限り病巣を小さく残し、放射線をかける温存療法が日本より進んでいることは知っていました。たとえ小さくても、胸を失うのは女にとって大変なことです。
それだけに、執刀医のドクタークインに「乳房は取るけれど、同時に再建手術も出来ますよ」と言われたときには二つ返事でお願いしました。一度に出来るなら,とても合理的ですよね。
そこで紹介されたのが、日系の形成外科医、ドクターW・ヤマハタの診療所を訪れました。スライドを身ながら、再建前後の姿や3種類ある債権法の長所短所を30分ほど説明され、体形を計測されました。当然、上半身が裸になります。アメリカでは、男性医師が女性患者を診るとき、必ず看護婦が立ち会います。
そして97年9月8日の手術。ドクター・クインによる乳房切除が終わると同時に、ドクター・ヤマハタがゴム製の袋を埋め込みました。これは胸の膨らみとなる人工乳腺を《朝日新聞》取れ入れるために周囲の組織を拡張するもの。手術後、3週間おきに計3回、袋に生理食塩水を注入されました。少しづつ重くなり膨らんでいく胸を実感しながら、ささやかな喜びを感じました。
胸の傷跡を再度開けて袋を取り出し、変わりに人工乳腺を入れたのが98年3月。続いて6月に足の付け根の皮膚を乳輪と乳首として植皮、9月に着色をして再建が終わりました。
2歳上の恋人、J・Tさんに出会ったのは乳房再建中の3月。抗ガン剤で髪が抜け、帽子をかぶって買い物をしていたYさんに市民グループへの参加を呼びかけたのが交際の始まりだった。
8月、彼の「スピーチの会」で自分の体験を話しました。題は「人生は短い」。ガンが家族と自分を襲ったけれど、私は一生懸命生きているという内容で、拍手喝采でした。
人それぞれですが、私は胸を再建しなければ、社会復帰できた気持ちになれなかったし、恋人も作らなかったでしょうね。乳ガン手術後の乳房再建は保険が利きます。周囲が「子供を育てた後は用がない」と考えるなんて、とんでもありません。
抗ガン剤治療が終わってからは、再発を抑えるホルモン剤を毎日飲み続け、3ヶ月に1度は定期検診を受けています。せめて、息子のR(15)が高校卒業するまでは転移してほしくない、と祈っています。
ガンで逝った父の経験から、かいま見た日本の医療と、私が選んだアメリカ医療との最大の違いは、患者の「権利意識」でした。日本ではいまだに患者は医師に遠慮する上下関係にあります。でも、アメリカでは患者が納得できる医療をとことん追求する。これに外科医も内科腫瘍医も形成外科医も、患者の要求にこたえ、横に広がって協力し合う態勢ができあがっています。患者を中心にした医療に心から満足しています」
■マイクロ波で治療
「米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームはマイクロ波を利用して乳ガンを治療する方法を開発した。
ミサイル探索用に研究していたマイクロ波技術を転用、ガン細胞を熱して死滅させる。レーザー照射による方法では周囲の正常な細胞も破壊する難点があったが、これを解消できる。
研究チームはガン細胞の水の含有量が80%と、普通の細胞よりも多いことに着目。マイクロ波は水を効率良く加熱するため、病巣に照射すると、ガン細胞は周囲の健康な細胞よりも短時間で破壊される。臨床試験で乳ガン患者にマイクロ波を20分間あてた結果、1週間後に病巣は半分の大きさになった。」2000/6/14《日経産業新聞》
■ホルモン補充で乳ガン増加
「閉経期の女性の骨粗鬆症や更年期障害の治療などをめざすホルモン補充療法(HRT)で、ある種の乳ガンの危険性が2.6倍になった。と米シアトルの研究者が米専門誌「キャンサー」に報告した。米国では対象人工の30%にあたる2000万人がHRTを受けている。日本でも普及の兆しが出ている。
フレッド・ハチンソンがん研究センターの疫学研究者が、1988~90年に乳ガンになった50歳以上の女性537人と、ならなかった492人を対象に分析した。
女性ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲスチン)の組み合わせを6ヶ月以上(平均4年)受けた人は、乳房の小葉ガンのリスクが2.6倍になっていた。このガンは88~95年の間に35%増えたことも判明。研究者は「これらのホルモンの組み合わせが増加の一因の可能性がある」と話す。
黄体ホルモンを加えるのは子宮体ガンのリスクを下げるねらいだが、5年以上続けると乳ガンのリスクが高まるという研究があった。」20007.9《朝日新聞》
■傷跡残りにくい検査
「米系医療機器大手のジョンソン・アンド・ジョンソンは1日、乳ガンの精密検査に使う小型装置を発売したと発表。乳房に針を刺し、組織の一部を取り出す。
乳ガンの精密検査では乳房をメスで手術するケースも多いが、検査目的の手術に対する抵抗感は大きい。傷跡が残りにくい「ハンディーマン・マンモトーム」は超音波断層撮影と組み合わせて使用する。ガンの疑いのあるところを超音波で確認しながら、太さ3.8mmの吸引針を患者の乳房に差し込み、針先のカッターで組織を切り取り吸引する。1回針を刺せば、診断に必要な約100mgの組織を採取できる。」2001.6.4《日経産業新聞》
■ビフィズス菌で副作用少ない
「信州大学医学部の藤森実・助教授らは副作用の少ない乳ガン治療法を開発した。無害な薬剤を抗ガン剤に変化させる腸内細菌をがん組織に集め、ガンの中だけで抗ガン剤を働かせる。細菌を製剤化して販売するバイオベンチャーを2004年春に設立し、2年後に学内で臨床試験の予定。
乳ガンなど固形ガンは組織の塊の内部が低酸素状態になっている。研究グループは酸素が欠乏した状態を好む腸内細菌のビフィズス菌に注目。ビフィズス菌を血液中に注射すると、菌がガン組織に潜り込んで増殖することを動物実験で確認。
このビフィズス菌に、5FUと呼ぶ無害な薬を抗ガン剤5FUに変える働きをする遺伝子を組み込んだ。ビフィズス菌の注射を受けた患者が5FCを飲めば、細菌が増殖したガン組織の中だけで抗ガン剤として働き、正常な組織へのダメージを最小限に抑えられる。
乳ガン以外にも、リンパ節などに転移したガン組織にも効果があるという」2003.12.19《日本経済新聞》
■転移検査
「乳ガンのガン細胞は病巣である乳房からリンパ管を通って体内の各部位に転移しやすい。リンパ管を通ったガン細胞は複数のリンパンか接続するリンパ節にたまって増殖する傾向がある。乳房に最も近く最初にガン細胞が到達するリンパ節『センチネルリンパ節』(センチネルsentinel=歩哨・見張り番のこと)にガンの転移細胞があるかどうかを調べることで転移の有無が確認できる。
現在も乳ガン摘出手術中に大豆ほどの大きさのセンチネルリンパ節を同時に摘出し、その場で病理専門医が顕微鏡でガン細胞の有無を確認している。転移が確認出来なければ腋の下のリンパ節すべての切除を逃れることができる。
顕微鏡ではセンチネルリンパ節の横断面をみるのだが、約1時間の手術中に切断するのは3回が限度。そのため転移細胞が小さいと見逃す恐れがある。
医療用検査機器大手のシスメックスが開発したシステムでは、センチネルリンパ節を砕いて溶液に混ぜた後、溶液内の遺伝子を検出しやすい大きさに増幅させ、その中にガン細胞の遺伝子の有無を確認する。検出時間は30分。」2006.3.23《産業》
■乳ガン転移
「大坂バイオサイエンス研究所などの研究チームは、乳ガンの転移を防ぐ薬の候補物質を発見したことが2006年4/25日、米科学アカデミー紀要に発表。
大坂バイオサイエンス研究所の左邊寿孝部長のほか、京都大学の和田洋巳教授、大阪大学、協和発酵が参加した。
左邊部長らは、肺などに転移しやすい悪性度の高い乳ガンの中で増える『AMAP1』というタンパク質に注目した。転移に関係するタンパク質で、他のタンパク質とくっついて働くことが分かっている。
研究チームは開発した2種類の治療薬候補物質を使って実験したところ、それぞれタンパク質同士の結合を阻止することが分かった。治療薬候補物質が先にAMAP1に結合してしてしまうため、AMAP1は昨日できなくなる仕組みだ。
ガンを移植したマウスの実験では、開発した物質を使うと転移する細胞数が1/10に減少した。
細胞だけの実験では、脳腫瘍などの転移も抑えることが分かった。
今回の物質はガン細胞に特有のタンパク質を狙うので副作用を起こしにくいと見られる。」
■乳房再建
「乳ガン手術の時に、
まず患者のおなかや太もも・お尻から脂肪を吸引する。これを2つに分け、一方は移植するためにとっておき、もう一方を特殊な分離装置にかけ、脂肪に含まれる『体性幹細胞』を多く含んだ溶液を作る。この溶液をとっておいた脂肪に加えて注射器で乳房に移植する。長期の入院は不要。体性幹細胞は、人間の体内で様々な組織に成長する前段階の未成熟な細胞。移植する脂肪にこの細胞がたくさん含まれていると、移植後に血管などに成長して乳房の血流を促進する。
九州中央病院
九州大学病院・別府先進ん医療センター
セルポートクリニック横浜」
■うつぶせ
「超音波診断装置大手のアロカと岐阜大学などは、乳ガン検査専用の超音波診断装置を開発した。乳房の断面を超音波で連続撮影し、内部のシコリを見つける。装置の上に上半身うつぶせになって検査するため、一般的なX線検査で感じる痛みや恥ずかしさが無く、受診者の負担が軽減できる。
装置は水槽の上部にはゴム膜を張った構造で、超音波を送受信する幅6cmの「プロープ」を水槽の内部に上向きに設置した。水とゴム膜の圧力で乳房がプロープにすき間なく密着するように工夫した。
プロープは装置内で横にズレながら、1.5往復し、約40秒で乳房全体の断面画像を動画で撮影する。撮影可能面積は16㌢㍍四方。
【処方名-五十音順】
橘葉散
    起癈丸
    桂姜棗草黄辛附湯
    四逆散
    紫根牡蠣湯
    貝散
    清肝解欝湯(肝臓の欝火で血が傷つき)
    単煮青皮湯(百事が不如意で憂鬱になり)
 十全大補湯
十六味流気飲
    当帰芍薬散
■乳ガン手術後にホルモン抑制療法
「独キール大学などの研究グループは、閉経前の乳ガン患者に対する手術後の補助療法として、酢酸ゴセレリンの投与が抗ガン剤による化学療法と同等の効果があると臨床試験で突き止めた。
酢酸ゴセレリンは女性ホルモンのエストロゲンを作りにくくする。化学療法では半数以上の患者で脱毛や吐き気などの副作用がみられるが、酢酸ゴセレリンでは副作用を訴えた患者は5%程度にとどまった。
手術を受けた患者1640人を酢酸ゴセレリンだけを服用するグループと一般的な化学療法を受けるグループに分けて経過を見た。結果は9月末にベルギーで開かれたヨーロッパ乳ガン学会で発表された。」2000.10.4《日経産業新聞》
■レーザーで精密診断
「米クレムゾン大学の研究チームは乳ガンを精密に診断できる撮影装置を開発した。」2000.11.1《日経産業新聞》
■ガン細胞を1個から発見
「高エネルギー加速器研究機構、神戸大学、国立がんセンターは、2005年10/17、X線を使って微小な乳ガンを発見する技術を開発した。
現在、乳ガン検診で広く使われているマンモグラフィーでは数㍉の大きさが限界だったが、10マイクロ㍍(1マイクロ=1/100万)大のガン細胞1個単位で見つけられる。

■増殖要因発見
「東京大学と埼玉医科大学などのグループは、乳ガンの増殖に関わるタンパク質を見つけた。ガン細胞増殖のブレーキ役となるタンパク質を分解する働きを持つ。ネイチャー20日号に発表。
東大病院の井上聡講師と浦野友彦医師らは女性ホルモンの刺激で乳ガン細胞が増殖することに着目。女性ホルモンと結びつくタンパク質の呼応して働く遺伝子を探索、乳ガンで働きが高まる遺伝子「EfP」を発見した。
ヒトの乳ガン細胞を移植したマウスの実験でEfPの働きを妨げると、癌の増殖を阻止できた。EfPの働きを高めると
、女性ホルモンによる刺激が無くても細胞増殖が起きたという。
さらに詳しく調べたところ、EfPは細胞増殖のブレーキ役となるタンパク質を破壊する作用があることが分かった。」2002.6.20《日経産業新聞》
■転移を特定する
「東芝メディカルシステムズ・法政大学などのチームは」
 【栄養療法】
■ダイズ:
「米ハワイがん研究センターとバンダービルト大学の研究チームは、ダイズを使った長期間の食事療法に乳ガンの発生率を低下させる効果が規定出来ることを突き止めた。ダイズの仲野複数の成分が乳ガンの発生を抑制させているとみている。
研究チームは女性の尿中のフラボンの量を測定した。フラボンはダイズに多量に含まれる水溶性の化合物。ダイズの消費量の指標になる。フラボン量が高い人は低い人に比べて乳ガンの発生率が半分程度だった。」2000.12.20《日経産業新聞》
【西洋薬】
「アロマシン錠25mg」・・・アロマターゼ阻害薬
ファルマシア。エストロゲンの生成を仲介するアロマターゼという酵素に作用し、ガン細胞の増殖を抑制する。2002.7.8《日経産業新聞》
「アロマターゼは乳ガンの成長を促す女性ホルモン「エストロゲン」が閉経後に生産されるのに関わる酵素」
「リュープリン」
「「武田薬品工業は2005年8/19。前立腺ガン・子宮内膜症治療薬『リュープリン』の一部について厚生労働省から追加効能を取得した。
乳ガンは女性ホルモンが関与しており、閉経前と閉経後で原因が異なる。リュープリンは乳ガンの原因に関係している女性ホルモンを抑制する効果がある。」《産業》
■パクリタキセル
「岡山理科大学と倉敷芸術科学大学などの研究チームは乳ガンと卵巣癌の治療に使う抗がん剤パクリタキセルの副作用を低減する技術を開発した。
パクリタキセルは乳ガンと卵巣ガンのちりょうやくとして 厚生労働省が米国からの輸入を認可。抗がん剤としては世界3位。ただ、水に溶けないので点滴するのに前処理が必要な上に正常な細胞に対する毒性も無視できない。
倉敷芸科大の萬代忠勝教授らはパクリタキセルにブドウ糖をくっつけ、水に溶けるように性質を改変することに成功。さらに岡山理科大の浜田博喜教授らが薬物送達システム(DDS)技術を活用し、水溶性パクリタキセルに卵巣ガンと乳ガンにくっつく抗体を結合させた。」2005.8.30《産業》
■乳房再建
「九州中央病院は2006年5.12、乳ガン手術後に乳房を再建する新手法の臨床研究を始めると発表。患者自身の脂肪を採取し、一部含まれる脂肪などに成長する未熟な細胞を濃縮してから移植する方法で体に定着しやすくなる。従来は背中の筋肉などを使っていたが、脂肪は採取しやすく、患者の負担を軽減できる。」
■ホルモン療法
「カナダのブリティッシュ・コロンビア大学の研究チームはホルモン療法と呼ぶ新しい乳ガン治療法が、やっかいな転移する乳ガン患者に高い効果があることを大規模な調査から明らかにした。
この治療法は1990年から使えるようになった『アロマターゼ阻害剤』と呼ぶ、女性ホルモンを抑える薬を使う。10年間にわたって2150人の患者を調べた。従来の治療法では18か月だった生存期間が24ヶ月に延びた。
 【検査】
■検診・・・自由診療
「乳ガン専門病院などを経営する医療法人プレストピア(宮崎市)は、来年4月、乳ガンを対象に、すべて保険が利かない自由診療の診療所を都内に開設する。最先端の医療機器の導入・予防・早期発見に力点を置く。通常の保険診療に比べ患者の自己負担は重いが、精度の高い診断を提供する。
完全予約制で1日の患者数は最大25人程度。セカンドオピニオンの提供や日帰り手術なども手がける。」2002.9.3《日経産業新聞》
■転移性乳ガン新検査法
「SRLとオーソ・クリニカル・ダイアグノすティックスは、血液中のガン細胞の数を数えるCTC検査の実用化を承認申請する。抗がん剤を用いた化学療法で治療前と治療後に同検査を実施し、ガン細胞の数を比べる。検査開始後約4時間でガン細胞を判別する。
ガン患者向け診断では『腫瘍マーカー』法があるが、日米の臨床研究ではCTC検査の方が生存率の予測精度が高く、ガン細胞以外もガンと判別してしまう擬陽性が少ないことが報告されている。
「セルサーシステム」の名称で2007年から始める予定。
日本では2005年1月から[聖路加国際病院][駒込病院][九州がんセンター]で臨床研究に着手。
【CTC検査】
ガン患者から末梢血管に流れている血液(末梢血)を採取し、血液中を循環するガン細胞の数を調べる手法。ガン細胞を72時間活発に保てる保存液に入れた後、ガン細胞を集める特異な抗体を含む検査薬を使い、蛍光顕微鏡で光った細胞数を測る。
腫瘍マーカーはガン細胞が生み出すタンパク質などの物質量を調べ判別するが、CTC検査はガン細胞そのものの数を測定。より精度が高い検査が期待される。2006.1.26《産業》
■超音波で
「日立メディコは筑波大学と共同で、超音波を使って乳ガンを発見する検査。乳房に軽く押し当てるだけで、組織の硬さを数値化し乳ガン特有のシコリを精度良く見つける
マンモグラフィーではX線を使うため微量だが被爆の問題がある、さらに、検査時に乳房を強くはさむので痛みがある。」20067/11《日経》
■5mmでも発見
「浜松ホトニクスは、乳ガンの新しい検査技術を開発した。X線被爆の心配がない近赤外光を乳房に当てて、シコリを見つける。5mm程度でも早期発見できる。しかも、良性か悪性の判別も出来る。
近赤外光は波長760~830ナノ㍍の光で、体の中にある色素や水による吸収率が低く透過性に優れる。脂肪や水・血液などで吸収特性が異なり、体内の状態をつぶさに捕らえることが出来る。
活動中の脳の様子を観察する「光トポグラフィー」にも応用されている。
浜松ホトニクスは、光を当てて反射して戻ってくるまでの時間から光が体内をどのような経路で通過したか把握する手法を考案。複数の入射点から順番に照射して血液内で酸素を運ぶヘモグロビンの分布を把握できるようにした。
新技術は[新生血管]と呼ぶガンの周辺に特徴的にできる小さな血管を手がかりに、ガンを見つける。ヘモグロビンから血管の分布が分かれば早期のガンでも発見できる。シコリが良性だと血管の出来方が異なり、悪性かどうかも判別できるという。
試作した装置は被験者がウツブセになる寝台タイプ。くぼみがありそこに乳房をあてる。48の計測点から順番に光を当ててゆく。検査は数分間で終わる。2006年度中に浜松医科大学と臨床を開始する




 乳腺炎
   =乳癰(にゅうよう)=吹乳(すいにゅう)
   ◎乳房は陽明の通過するところ、乳頭は厥陰の所属です。
吹乳=吹(すいだい)、
妬乳(とにゅう)
      =産後に乳汁を良く通しいないと、蓄積し中で悪汁が詰まって壮熱が起き、       固まって掣痛して渇き、乳腫が痛んで手もふれられないような状態を言う。
  【処方名-五十音順】
 越婢加朮湯
    葛根湯(陽実証、頭痛、発熱、無汗、項背のこわばり、脈浮緊・数)
    加味貝散(乳癰の腫硬で痛む症)
    瓜散(乳癰の未潰の症は速く散らし、既潰の症を治す)
    橘皮散(吹・妬乳・乳癰)
    柴胡桂枝湯
    柴胡去半夏加括楼湯
    貝散(吹乳に)
    四物湯
    十味敗毒湯(過敏性体質、神経質、胸脇苦満、発熱悪寒、化膿・)
    勝金丹(吹乳)
    小柴胡湯(胸脇苦満、往来寒熱、食食欲不振、舌白苔、微熱、神経質)
    逍遥散
    神効瓜散(乳癰・嚴)
    蛤散(吹乳・妬乳)
    赤小豆末の塗布(妬乳に外用)
    大黄牡丹皮湯
    丹参膏(乳癰の結核で刺痛)
    竹葉石膏湯
    竹皮大丸
    桃核承気湯(化膿性)
    当帰建中湯(貧血、食欲不振、虚弱体質、腹痛、腰痛<牽引痛>、)
    当帰芍薬散(貧血、冷え性、疲れやすい、月経不順、神経症状)
    内托升麻湯(乳癰のつぶれない症と、両乳のあいだの黒い悪瘡)
    排膿散
    排膿散及湯(部分的な化膿症)
    排膿湯
    白丁散(吹が起き始めたときに飲む)
    麻黄湯(頭痛、発熱、悪寒、身体疼痛、関節がいたい)
    苡附子敗醤散
    立効散[6](吹)
    連翹湯(妬乳に)
【針灸】
○屋○子、28歳、満2歳の男児の母。
約1ヵ月前から左の乳腺炎が起こり、外科の博士に診て貰うとすぐ手術してくれた。ところが其の創口がふさがらぬうちに、次々とシコリができて、3回手術を受けたが、今もなお3つの創口から膿を排泄して痛くてたまらないという。
ときどき悪寒がして、それから体が熱くなって熱が出る。気分が沈んできて、この頃では食欲が無くなり、夜も眠れず、ちょっとした事でもすぐ泣けて涙が出るようになってしまったという。
月経には異常がないらしい。
(現症)
昭和14年1/125往診。乳房は手術創3カ所へガーゼが詰めてあり、包帯が施されている。仰臥せしめて中を圧して見ると圧痛がある。中には圧痛が無く、無力である。舌苔も無い、食欲の無いのは気分の沈鬱せるためであろうと思われる。
仰臥せしめて診ると、左の脾兪に圧痛が強く出ている。脾臓と乳腺は同系統で、乳腺は脾胃の所属だということを考えつつ治療に従う。そこで脾兪に針する。それから左の大腸兪にに圧痛があるので、便通は?と聞くと、3日に1回くらいで、出渋るという。疼痛のある疾患を治するには便通をよくすることが秘訣であると思うつつ、大腸兪に針する。
次に坐位にならしめて診るに、左背部が非常に張っている。左大杼から左頸部の「天柱」までが棒のようになって、圧痛が強い。この部の圧痛は、神経衰弱や不眠と肝経があることが多いので、この患者の眠れぬ理由が分かる。
「天柱」と「大椎」の側部に針する。「天」と「風門」の付近にも「天宗」にも圧痛があり、左心兪には小指位の太さの縦に走る硬結があり、これを圧迫すると痛いという。「至陽」にも「筋縮」にも圧痛がある。これらの硬結を針灸で緩解せしめてあげると、乳房痛も治り、乳腺炎も治るであろうと思われた。
上肢では左の三里と門に圧痛があり、下肢では三里と三陰交に圧痛があった。三陰交は脾経の穴であり、三里は胃経の穴であるから、共に乳と肝経があるはずである。頭では百会に圧痛があった。
(治療)
下記の穴に米粒大の灸5壮ずつすえた。
胸腹部=中、中
背腰部=身柱、風門、大杼、心兪、左天宗、至陽、肝兪、筋縮、脾兪
頭部=百会
手足=曲池、左手三里(20壮)、左陽池、左門、三里、三陰交
針は天柱、大椎側部、天、風門、脾兪、大腸兪の左側のみ
(経過)
以上の手当ててで気分がすっかりよくなり、翌日治療を受けに来た時は、昨夜はよく眠り、乳の痛みも軽くなり、たいそう元気になりましたと喜んでいた。
その後、3日目ごろよりよく眠れるようになり、1週間目より痛みが全く無くなり、傷口も癒えてきたが、なお硬結があって2カ所ほど切開した。だが今度は非常に経過が良く、痛みもなくて、数日で全治した。《灸療雑話》


    
 乳腺腫瘍 tumors of breast
   ⇒乳腺の良性腫瘍で、線維腺種・乳管内乳頭腫が多い。
■大きな傷残さず
「福岡市の九州大学医学部付属病院。今春、20歳代の女性の乳腺から腫瘍を取り除く手術が行われた。“執刀医”は「ダビンチ」と呼ぶロボット。外科医はメスを握らず、手術台から2mほど離れた場所にある操縦席でロボットを操作することで手術を終えた。
ダビンチは先端に鉗子や内視鏡を取り付けた直径約1cmのアーム3本を自在に操れる手術用ロボッット、米ベンチャー企業のインテュイティプサージカルが開発した。治療カ所に小さな穴を数カ所開けてアームを挿入すれば、医師の手に代わって患部の切除や縫合が可能。従来のように人体を大きく切り開いたり骨を取り除く必要が無く、患者の肉体的負担を大幅に軽くできる。医師は操縦席のモニターで、内視鏡を通じて送られてくる体内の映像を見ながらアームを操る。制御技術を駆使したアームは7つの関節を持ち「自分の手や指のように動く」(杉町圭蔵・九大教授)。奥行きまで分かる3次元映像は、肉眼では見えにくい極細の縫合糸までくっきりと映し出す。
九大は昨年7月にダビンチを導入。すでに胃ガンや胆嚢摘出など30回を超す手術に活用した。」2001.6.2《日本経済新聞》
  【処方名-五十音順】
    大黄牡丹皮湯
    桂枝茯苓丸
    当帰芍薬散

 乳腺症 mastopathy
(参照→「胸のしこり」)
=乳腺障害のこと。
   ⇒30才~更年期までに発生する、乳腺の硬結で、両側にあるのが多い。
◎「嚢胞乳腺症」=嚢胞形成を伴う乳腺の病態。
  【処方名-五十音順】
 加味逍遥散
    桂枝茯苓丸
    紫根牡蠣湯
    十六味流気飲
    逍遥散
  【組み合わせ】
    加味逍遥散霊芝九十六
    加味逍遥散プログリーンコンク
    加味逍遥散ザクロエキス



 乳腺線維腫
   =「乳腺線維腺腫症(fibroadenosis)」
⇒新生物によらない乳腺の結節性病変。
   ■短期間に大きくなれば除去も。
    「8歳になる娘の左胸に、直径1.5cmのシコリがあります。近くの大学病院では    “乳腺が固まったものなので様子を見ましょう”と触診だけで帰されました。痛     がる訳でも無く、赤く腫れてもいませんが、放っておいて大丈夫か心配です。     母親の私は20歳の頃、バセドウ病の手術を受けたことがあります。(千葉・     S)
●どんな病気なのでしょうか?
    「おそらく乳腺線維腫と呼ばれる病気で、シコリのような固まりの腫瘤が出来て     いるのでしょう。腫瘤といっても良性のものですが、思春期以降の女性に多く     見られます。
●どんな症状なのですか?
    「乳腺を構成する線維と線管が増えすぎて、硬いシコリになる病気です。この引     き金になる線維芽細胞は体のあちこちにあるのですが、それが、乳腺にある線     管組織と一緒に増殖して、次第に大きくなり、シコリになります。シコリは大     豆の粒ほどの大きさ~小指の先ほどまでになります。左右の乳房のどの部分に     も出来る可能性があり、数個できる場合もあります。
●簡単に診断できますか?
    「まず診たり、触ったりしてある程度の判断をします。そのうえで超音波検査な     どで、シコリの内容成分を確かめます。シコリの表面は平らになっていて、痛     くなく、つまんでみると、グラグラ動くような感触がするはずです。ほかに、     シコリと、そうでない部分との境界がはっきりしているのが特徴です。
●何が原因なのでしょうか?
「はっきりしていませんが、以前診た患者の中に、お母さんが20歳代の時にこ     の病気にかかり、その子供も小学生の時に発症し、2人とも手術した例があり     ました。今回相談を寄せられたお母さんはバセドウ病だったということですが、     それにはまず関係ないでしょう。
●放っておいて大丈夫か、と心配されています>
    「様子を見てシコリに変化がないようなら基本的には放っておいても構いません。     乳腺が正常に発育していけば、シコリが分からなくなっていきます。しかし、 短期間のうちにシコリが大きくなって、正常な乳腺を圧迫し、発育を阻むよう     であれば手術で取り除く必要があります。手術は『核出手術』といって、シコ     リをくり抜くものです。乳輪の線の沿ってメスを入れ、傷が残りにくい方法を     取っています。また、乳腺の発達とともにシコリが大きくなる場合もあります。     思春期には、気恥ずかしさから親に体を見せたがらない女の子もおり、知らな     いうちに大きくなっていた----ということにならないよう、注意して観察する     ようにしてください。
●他に考えられる病気は?
    「シコリがあって痛みはなく、赤くもならない症状を示す病気に、『リンパ管腫』     があります。この場合、シコリの中に血液や体液がたまり、ぶよぶよして柔ら     かくなります。触ってみて柔らかいようなら、この病気を疑う必要もあります。     皮膚の真皮内の線維芽細胞の増殖によって生じる『皮膚繊維腫』、脂肪の多い     乳房の表皮下の脂肪組織より発生する『脂肪腫』はいずれも痛みが無く、硬い     シコリになります。ほかに、乳首からばい菌が入って腫れができ、痛みを感じ     る『乳腺炎』や、卵巣にガンがあって女性ホルモンのエストロゲンが過剰に分     泌されて起こる『乳腺肥大症』があります。
●どうすれば確かめられますか?
    「症状から見れば、乳腺線維腫に間違いないと思います。心配なら、念のため血     中のホルモン量などを調べてもらうのも良いかも知れません。『乳ガン』は1     5歳以下の子供では、ほとんど発症しないので心配する必要はないでしょう。     (江東孝夫・千葉県こども病院外科部長)1998.3.1《朝日新聞》

乳腺疾患
◎以下のものがある
線維腺腫
 1.良性腫瘍
 2.10代の若い女性に起こり、ガンと間違われることが多い。
 3.境界がはっきりしていて、動く。触診すると小さなオハジキがある感じ。
 4.局部麻酔で摘出出来るが、再発しやすい。
乳腺線維嚢胞症
 乳ガンを発症することがある。




 乳房痛
◎一般的に良性の乳腺疾患であることが多い。
◎閉経前の女性では、痛みは月経前に多く、月経周期ごとに起きることもある。
◎嚢胞と関連していることがある。触診で分かる場合、細い針で吸引し、その色と量を記録し、嚢胞の消滅を確認する事が大切。さらに30歳以上の患者では細胞学的検査をすべきである。
◎ホルモンの影響を考える。
◎メチルキサンチン含有物(例えば、コーヒー)の摂取制限は効果がない。
◎医薬品:
ダナゾール100~400mg/日、3~6ヶ月の経口投与
タモキシフェン10mg、1日2回、3~6ヶ月経口投与。


 乳児の疝気
  【処方名-五十音順】
    小建中湯


 乳児の突然死症候群(SIDS)
   「乳幼児突然死症候群」
   ⇒生後6ヶ月以内の赤ちゃんが、眠っている間に呼吸が停止し、回復せずに死んで しまう病気。乳幼児2000人に1人の割合で発生し、乳幼児の死因解剖が一般的 になっている欧米では、赤ちゃんの死亡原因の1位と報告されている。東京女子 医大の仁志田博司教授(新生児学)によると、原因はまだ詳しく解明されていな いが、母親がタバコを吸ったり、赤ちゃんをうつぶせに寝かせることにも関係が あるという。
    ◎SIDS家族の会03ー3499ー3111   1995.9.10《朝日新聞》より。
   ■「元気な赤ちゃんが突然死亡する乳幼児突然死症候群(SIDS)の3割は、柔らか いベッドやまくらの上にうつぶせ寝して窒息するのが原因だと、米消費者商品 安全委員会が7日発表した。ワシントン大・メリーランド大と2年間にわたっ て共同研究した。1996.5.8《朝日新聞》」
   ■乳児突然死症候群、米で減少
    「米政府は、昨年の「乳幼児突然死症候群(SIDS)」による死者が前年より18     %減ったと発表した。米疾病管理センター(CDC)によると、米小児科学会     が赤ちゃんを仰向けや横向けに寝かせることを推奨し始めた1992年以来、死     者が3割も減ったことになるという。1996.10.20《朝日新聞》
   ■日本では、1/2000人の割合で起きる。
     裁判事例などのリポートは、阿部寿美代著『ゆりかごの死』新潮社に詳しい。
   ■延髄の神経細胞に原因
     「延髄にある神経細胞は呼吸を調節している。健康な赤ちゃんなら、睡眠中に     呼吸が不十分になって血液中の二酸化炭素(CO2) 濃度が上昇しても、その     情報を延髄の神経細胞が受け取り、十分な呼吸ができるようにする。
米ハーバード大医学部などの研究チームは2年前、SIDSで死亡した赤ち     ゃんの延髄の神経細胞を調べて、CO2濃度上昇の情報を受け取る受容体の活     性度が低いことを発見した。1998.1.5《朝日新聞》
■「うつぶせ寝」乳児死亡
「東邦大大橋病院(東京都目黒区)で1995年、乳児(当時7ヶ月)が死亡した事故で、東京地裁は8日までに、「うつぶせ寝」にしたまま放置し、安全に看護する義務を怠ったとして、同病院の看護婦兼助産婦(K)を業務上過失致死の罪で東京地裁に起訴した。赤ちゃんの「うつぶせ寝」をめぐり、医療関係者の刑事責任が問われるのは異例という。9日に時効(5年)が成立する2日前の起訴(7日付)だった。
亡くなったのは、東京多摩市の舞台俳優Iさん夫妻の二男Yちゃん。
起訴状によると、、95年1月5日、同病院でYちゃんは生まれ、3日後の午前5時45分頃、新生児室で当直勤務だったK容疑者は、Yちゃんを新生児ベッドにうつぶせに寝かせ、約15分後に、新生児の検査のため、隣の新生児集中治療室に移動した。
生後まもなく首のすわっていない乳児をうつぶせ寝にした場合、枕代わりのタオルや敷布団で鼻や口をふさぐなどして窒息する危険性があることは予測できるのに、K容疑者はあおむけに寝かせ直したり、乳児の様子を見たりする注意義務を怠った。
K容疑者は、約25分間にわたって放置したため、Yちゃんは鼻や口を圧迫されて低酸素脳症となった。これが原因で重度の脳性麻痺となり同年8月9日、ノドに分泌物をつまらせ窒息死した。
Iさん夫婦は、損害賠償訴訟を提訴。病院側は「乳幼児突然窒息死症候群(SIDS)」によるものと主張したが、東京地裁は98年3月病院側の過失を認定し、約4900万円の支払いを命じた。病院側は控訴している。」
■ピロリ菌が関与?
「睡眠中の赤ちゃんが突然死亡する乳幼児突然死症候群(SIDS)は、胃や十二指腸潰瘍の原因とされる最近ヘリコバクターピロリが関与しているという説を、英マンチェスター王立病院のジョナサン・カール博士らが24日発行の栄位が串「小児科病雑誌」に発表された。
カール博士らは、SIDSで死亡した乳児32人と、他の原因で死亡した乳児8人の胃や気管、肺などの組織に、ピロリ菌の遺伝子があるかを調べた。他の現任で死亡した乳児では、1人にしかこの遺伝子がなかったが、SIDSで死亡した乳児では28人(88%)と、高率だった。乾癬がSIDSを引き起こす仕組みは不明だが、カール博士は、菌が出すとくしゅな酵素が体内で反応した結果、大量のアンモニアを作り出すためとみている。」
■扇風機
「2008年10/6、米国のカイザー・パーマネンテ(ヘルスケア大手)の調査で、乳幼児が寝ている部屋で扇風機を使用していた家庭では、突然死のリスクが72%低かった。
米カリフォルニア州でSIDSと診断された185人と、社会的経済的背景が似た乳幼児312人の就寝環境などを比較した。
リスクが減少した理由として、研究者は「室内の空気が動くことで乳幼児の鼻や口の周りにある二酸化炭素を吸い込みにくくなる」としている。





 乳児ボツリヌス症
■井戸水から
「厚生労働省は2006年12/8、宮城県内で0歳児の男児が2006年9月、呼吸困難などの症状を引き起こす『乳児ボツリヌス症』を発症したと発表。男児は現在も入院中だが、回復に向かっている。
男児の便と自家用井戸水から同型のボツリヌス菌を検出。
同症は国内21例目だが、飲料水が原因は初めて。乳児ボツリヌス症は生後1年未満の乳児が口から菌を摂取すると、腸管内で菌が増殖して出す毒素で呼吸困難・便秘などの症状が出る。国内では1986年に初めて発生し、ハチミツに含まれる菌が原因だった。」200612/9《日経》



 乳幼児の嘔吐
   ■原因は生もの
    「暮れから春先にかけて、乳幼児に流行する嘔吐下痢症は、人から人へと感染す     るロタウイルスが原因と思われていたが、暮れから正月明けにかけての発症は、     生ものを食べることで移る小型球形ウイルスが原因になっているものが多いと     分かった。国立感染症研究所が、流行パターンを分析した。どちらのウイルス     も水のような下痢と吐き気を起こし、症状だけでは区別しにくい。
小型球形ウイルスは、主にカキなどの食品についており、大人の冬の食中毒     の原因として知られる。病気になった場合は、脱水を起こさないよう、水分を     充分補給する事が重要だ。感染研の岡部信彦・感染症情報部長は「元気があり、     おしっこがちゃんと出ていれば、あまり心配がいらない。数日で快方に向かい     ます」と話す。ただし、血便や吐き気と発熱が同時に起きた時は、重い病気の     可能性が高いので、病院へすぐ連れていくよう勧めている。
岡部さんは「カキをはじめとする生ものは子供に食べさせない。患者のおむ     つは袋詰めにして捨てるなどの注意をしてほしい」と話す。1998.12.20《朝日     新聞》


 乳幼児の感冒
  【処方名-五十音順】
    五苓散



 乳幼児の下痢 (乳幼児下痢症)
   ◎先天的疾患で慢性下痢を起こし、抗生物質の無効なもの。
     乳糖不耐症:
         酸臭ある下痢。乳糖除去で改善する。
     蔗糖および麦芽糖不耐症:
         蔗糖投与で下痢する。
     グルコース、ガラクトース吸収不全症候群:
         グルコース、ガラクトース、蔗糖で下痢する。
     セリアック症候群:
        <1>症状:
          ①慢性の脂肪便下痢、②四肢羸痩、③腹部膨隆、④臀部皮下脂肪減          少を主症状とする。
        <2>以下のものがある。
嚢胞性膵線維症
          Schwachman症候群
          グルテン不耐性セリアック病
          先天性胆汁生成不全
          脂肪不耐症
その他:
        <1>症状:血清タンパク減少
リンパ管異常
             便Clの大量排泄
             アルカローシス
             β-リポタンパク・コレステロール低下
             リンパ球・γ-グロブリン減少
             下痢と四肢の皮膚炎
             尿17-KS上昇、
             男性化
        <2>以下の疾患で起こる。
            副腎性器症候群
            先天性低γ-グロブリン血症
            α、β-リポタンパク低下症
            achrodermatitis enteropathica
congenital alkalosis with diarrhea
exudative enteropathy
   ■下痢ウイルスの受容体発見
    「米イリノイ大学の研究グループは、胃や腸の細胞から、幼児に重い下痢を引き     起こす『ロタウイルス』と呼ばれる病原体の受容体を発見した。消化器の細胞     表面に露出しており、これをぴったりと覆う構造の薬剤を作り出せば、食べる     だけでウイルスの感染を効率よく予防できる新薬として期待できるとしてい      る。
世界保健機関(WHO)の調査によれば、ロタウイルスが原因で死亡する幼児     は、世界で年間87万人にのぼる。現在は『RRV-TV』と呼ばれるワクチンが、     米国内で治療率92%と高い治療効果が報告されている。しかし世界的には6     0%程度にとどまっている。」19991.21《日経産業新聞》
【漢方薬】
葛根湯
悪寒、発熱があって下痢し、裏急後重の強いものに用いる。(漢方診療医典)
桂枝加芍薬湯
軽症の大腸炎で腹痛、下痢があって裏急後重をかねる者に用いる(漢方診療医典)
桂枝人参湯
水溶性の下痢で始まり、腹痛、裏急後重が軽く、悪寒が強く脈がしまっている者に用いる。胃腸が弱く、食欲があまりなく血色もすぐれない者に平素これを飲ませておおくと体質が丈夫になる(漢方診療医典)
五苓散
比較的初期で口渇がひどく、飲むと吐く、吐くと飲むという状態のものに用いる。食欲不振、尿利減少があるが、これを飲むと口渇が止み、嘔吐も止まり、尿の出も良くなって下痢も止まる。なるべく早期に飲ませるとよい。さらに裏急後重を伴う場合には、桂枝加芍薬湯とする(漢方診療医典)
真武湯
腹痛はあっても軽く、裏急後重を呈するものは少ない、腹部は軟弱無力、振水音を呈することが多い、急性よりも慢性の下痢に用いることが多い。真武湯は人参湯と比べ胃からくる症状が少なく、下痢が主である(漢方診療医典)
参苓白朮散
嘔吐は止んだが、下痢が続き腹にガスがたまり、いつまでも全快しないものに用いる(漢方診療医典)
人参湯
衰弱して元気がなく、顔色も悪く、腹を圧するに軟弱無力で、脈にも力がなく下痢、嘔吐の止まないものに用いる(漢方診療医典)
半夏瀉心湯
心下部がつかえて抵抗があり、腹がゴロゴロなって下痢するものに用いる。
虚実は中ぐらいの者に用いる。さらに悪心。嘔吐を伴う場合には五苓散とする(漢方診療医典)


 乳幼児の湿疹
  【処方名-五十音順】
    治頭瘡一方(かゆい・痂皮・分泌物) 


 乳幼児の消化不良
  【処方名-五十音順】
    黄湯

 乳幼児のせき
  【芳香療法】
    <1>ベビーベッドのシーツに適当な精油を1滴だけ落とす。
    <2>赤ん坊の部屋に精油をスプレーする。


 乳幼児の(知能発達)発育不良
  【処方名-五十音順】
    六味丸

   ●αー4000
   ●DHA

 乳幼児のひきつけ
  【処方名-五十音順】
    抑肝散



   
 乳幼児の鼻閉
  【処方名-五十音順】
    麻黄湯
  【芳香療法】
    ベビーベッドのシーツに適当な精油を1滴だけ落とす。

 乳幼児の腹痛
  【芳香療法】
    「赤ちゃんが疝痛で痛がっていたら、おなかをやさしくソフトにマッサージして     やると、痛みは軽くなります。小さじ1杯のスィートアーモンド油、ダイズ油     などの刺激の少ない油に(先にこれらの油を温めておくと良いでしょう)、2     滴のカミルレorラベンダーの精油を加えたものを、手のひらにつけてマッサ     ージします。約5分間、必ず時計方向に、ゆっくりやさしくマッサージして下     さい。さらに赤ちゃんをあなたの両膝の上に横にうつぶせに寝かせ、背中を同     じようにマッサージしましょう。」


 乳幼児の不眠
  【芳香療法】
    赤ちゃんのねまきorパジャマにランベンダーの精油を1滴落とすだけで良い。


 乳幼児の便秘
   ■ヒルシュスプルング病:
     先天的に便秘がちで腹部が膨らむ病気。
     腸壁にあるべき神経がなく、腸の動きが無いために起こる。
     神経の無い部分の広さによって症状は様々。


 乳汁不足
  【処方名-五十音順】
    益元散を井戸水で調服
    葛根湯
    帰調血飲
    柴胡去半夏加括楼湯
    醸乳丸《大塚敬節》
    大建中湯
    通泉散(気がふさいで、乳汁の出が悪く、脹って痛む)
    通草湯
    通乳湯(気血不足で)
    蒲公英湯
    麻黄湯(頭痛、発熱、悪寒、身体疼痛、関節がいたい)
    立効方
    漏散(気が欝滞して出が悪く、癰腫になりかける)
   
  ●コイゴク(味噌汁に鯉1匹を切って入れる。)
●タンポポ

 




 乳糖不耐症
   ⇒全人類の70%に見られ、中でも黄色・黒色人種にこの傾向が強く、北欧系の白    色人種や乾燥した砂漠に住む人たちには少ない。 
       日本人・中国人----------92~100%
       アメリカ黒人-------------72%
       ユダヤ仁-------------------61%
       アメリカ白人-------------10%
       スウェーデン人----------2%
    <1>牛乳には脂肪(3%)、タンパク質(3%)、炭水化物[乳糖](4.5%)、カルシ     ウム(0.7%)
    <2>微生物のなかの乳酸菌に特に好まれ、その働きに因って牛乳はサワリング(酸     っぱく)され腐敗からガードされている。
<3>乳酸-----揮発酸や炭酸ガスを発生させる。
         アルコール、温和な抗生物質を作る。
         タンパク質、脂肪を分解する。
         ビタミンを合成する。
<4>乳酸菌は乳糖を栄養源としている。乳児にとって唯一の摂取炭水化物である     乳糖は、人間の母乳中には特に多く7.2%含まれている。その乳糖が消化吸収     されるためには、小腸内でラクターゼ(乳糖分解酵素)によってグルコースとガ     ラクトースに分解されなければならない。乳児のラクターゼ活性が高いのはそ     のためであるし、離乳期以降その活性が低下するのはその必要性がなくなるか     らであるその代わりにデンプンを分解する酵素[アミラーゼ]が唾液と膵液に増     加してくる。
<5>離乳期以降、牛乳を飲むと腹痛・下痢・嘔吐・鼓脹などの不快な症状をきた     す人はラクターゼが不足しているからである。消化吸収されなかった乳糖は腸     管内に溜まり、浸透圧作用によって腸内容が増えて水溶性下痢をきたす、また     乳糖は大腸で腸内細菌のエサとなって発酵し、発生した多量のガスが腸管を刺     激して頻回の下痢を発生させる。このような人を「乳糖不耐症」という。
     (井上勝六著「成人病を防ぐ現代人の食事学」参照)

 乳房が張って痛む
  【処方名-五十音順】
 加味逍遥散
    四逆散
    逍遥散


 乳病
  【処方名-五十音順】
    回乳四物湯《外科正宗》
    加味神効括樓散《寿世保元》
丁香天漿散《医方考》
    当帰補血湯《医学正伝》
    乳病一方《万病回春》
    乳病一方《寿世保元》


 乳糜尿chyluria
   ⇒尿中に乳糜のある状態で、ミルク様の外観を示す。腸のリンパ系と胸管との間の    どこかの閉塞があると腎尿細管に入る腎リンパ系の破裂を起こす。
【処方名-五十音順】
    程氏分清飲
    乳糜尿湯
    乳糜尿方
    分清飲


 乳癰(にゅうよう)
   =乳雍
    乳房炎のこと。癰はその毒浅くして化膿し易く陽証に属し、疽はその毒深くして    化膿しにくく陰証に属す。《古今方彙》
  【処方名-五十音順】
    益気養栄湯《万病回春》
    瓜散(乳癰の未潰の症は速く散らし、既潰の症を治す)
    観音救苦酸《済世全書》
    橘皮散(吹・妬乳・乳癰)
    加味貝散(乳癰の腫硬で痛む症)
    牛蒡子湯《外科正宗》
    十六味流気飲《万病回春》
    神効瓜散(乳癰・嚴)
    托裏消毒飲《万病回春》
    丹参膏(乳癰の結核で刺痛)
    内托升麻湯(乳癰のつぶれない症と、両乳のあいだの黒い悪瘡)
    八珍湯貝母・遠志・香附子・柴胡・青皮・桔梗《薛立斎十六種》
    連翹飲子《薛立斎十六種》



 乳様突起炎
  【処方名-五十音順】
    柴胡清肝湯


 尿が濃い
  【処方名-五十音順】
 茵蒿湯
    五淋散(豆汁色、泥膏状)
 清心蓮子飲(赤白濁<濃縮尿>
    大承気湯



 尿血
   =「溺血(ニョウケツ)」
   ⇒胞から熱が膀胱に移ると血が出る。熱が下焦にあると尿血になる。
    小便から出血して痛くない症= 尿血。
    <1>繁用処方:[四物湯山梔子・滑石・牛膝・連][髪灰散][琥珀散]
    [八正散麦門冬]
    <2>酒傷尿血:[茯苓調血湯]
    <3>色傷尿血:[鹿角膠丸][腎気丸]
    <4>老人:[六味丸]
    <5>婦人:[当帰散]
    <6>小児:[立効散]
    <7>熱がある[当帰承気湯]
   ◎主薬:溺血には、梔子・木通を主薬とすべし《万病回春》
  【処方名-五十音順】
    薑蜜湯(小便に血が出るとき)
    琥珀散(尿血に)
    四物湯五苓散
    四物湯山梔子・滑石・牛膝・黄・黄連
    小薊飲子(下焦結熱と尿血を治す)
    腎気丸
    清熱滋陰(尿血・血便を治す)
    清腸湯(尿血を治す)
    当帰散 (婦人の尿血)
    溺血一方《寿世保元》
    髪灰丸(尿血を治す)
    髪灰散(尿血を治す)
    茯苓調血(酒と麺を食べ過ぎ、房事過多のあち小便から出血)
    立効散(小児の尿血)
    六味丸(老人の尿血)
    鹿角膠丸(房事過多と小便から出血)



 尿赤濁
  【処方名-五十音順】
白虎加人参湯



 尿潜血
   ◎潜血がある場合:
     沈渣で赤血球を認める:
       <1>糸球体性血尿: (ア)タンパク尿(+)
                (イ)赤血球変形(+)
                (ウ)赤血球円柱(+)
         ①先行感染・急性腎炎症状があるá「溶連菌感染後糸球体腎炎」
         ②皮膚・関節症状・血清学的異常á「SLE」「PSS」
                         「Wegener肉芽腫症」
                         「結節性動脈周囲炎」
         ③進行性腎障害á「慢性糸球体腎炎(IgA腎症)」
         ④肺出血・急速進行性糸球体腎炎á「Goodoasture症候群」
         ⑤難聴・白内障・家族歴á「Alpot症候群」
         ⑥諸検査で異常なしá「特発性腎出血」
       <2>非糸球体性血尿: (ア)タンパク尿(ー)
                 (イ)赤血球変形(-)
                 (ウ)赤血球円柱(-)
         ①尿道・前立腺由来:
           異物挿入á「尿道裂傷」
           頻尿・排尿障害・前立腺腫大á「良性前立腺肥大症」
           激痛・有痛性前立腺腫痛・膿尿á「前立腺炎」
         ②尿道・膀胱由来:
           尿細胞診・画像診断・膀胱鏡á「尿管腫瘍」「膀胱腫瘍」
           頻尿・排尿時痛・膿尿á「膀胱炎」
         ③腎由来:
           腎部痛・発熱・体重減少・腎腫瘤á「腎ガン」
           家族歴・腎多発嚢胞á「多発性嚢胞腎」
           薬剤服用歴・発熱・皮疹・尿中好中球á「急性間質性腎炎」
         ④疝痛・画像診断で結石証明á「尿路結石」
         ⑤外傷の既往歴á「外傷性血尿」
  沈渣で赤血球を認めない:
        ヘモグロビン尿
        ミオグロビン尿


 尿素サイクル異常症
■血中アンモニア濃度上昇抑制新薬
「味の素の医薬品会社、味の素ファルマ(東京・中央)は尿素サイクル異常症薬『アルギU顆粒』を発売した。国内に250人程度いるとされる先天的尿素サイクル異常症の患者向けの医薬品で、血中アンモニア濃度の上昇を抑える働きがある。
『尿素サイクル異常症』は、乳幼児に多く、血液中にアンモニアが残るため意識障害などが表れる可能性がある。」1999.12.10《日経産業新聞》
■「アルギU注」ー味の素ファルマ
「先天性尿素サイクル異常症は新出生児46000人につき1人が発症するとされる希少疾病。肝臓で尿素を合成する際に働く酵素のいくつかが欠損しているために、アンモニアを代謝するアルギニンが合成できず、高アンモニア血症となり、意識症や死に至る」2000.11.7《日経産業新聞》



 尿もれ
   =「尿失禁」 (参照→「おしっこが近い」)
「尿失禁は、くしゃみをしたり笑っただけで尿が漏れてしまう『腹圧性尿失禁』と、膀胱が突然収縮してトイレまでガマンできない『切迫性尿失禁』がある。腹圧性は出産や加齢で尿の出口の筋肉が弱ると起きるため、体操などで筋肉を鍛えることで改善する。」
◎種類:
 <1>腹圧性尿失禁:
1.女性の尿失禁の60~70%。
2.セキなどで腹に力が入ったときの漏れる。
3.骨盤底筋を鍛えると改善することが多い。
★骨盤底筋体操のコツ-----
姿勢:イスに足を上げ、リラックスする。
動作:息を止めずに呼吸は普通のままで、肛門、または膣を締める   つける。コツは体の中に引き込む感じで行うこと。
回数:1回の運動は5つ数えるまで。
1日に100回を目安に行う。
 <2>切迫性尿失禁:
1.トイレまで我慢できない
2.脳血管障害などが原因がある
3.膀胱の収縮を抑える薬が有効。」」
   ■切迫性尿失禁
    「長年、高血圧の治療を受けていた63才のH氏は軽い排尿困難を訴えて内科医     より泌尿器科へ紹介された。心配していた前立腺ガンや肥大症ではなく膀胱頸     部硬化症と診断され、薬物療法で良くなり、元の内科医の管理を受けていた。
  3ヶ月前に脳出血で倒れ、左半身の軽いマヒを起こしたが、懸命のリハビリ     により、他からはほとんど分からぬ程度に回復した。ただ、悩みは就眠してか     ら朝までに3回以上排尿のため目が覚め、便所まで辛抱ができず、時に漏らし     てしまうことである。
 東京大学の本間之夫氏らによる国内での排尿異常の調査では60歳以上に夜     間頻尿を認め、高血圧・糖尿病などの基礎疾患があるとほとんどに夜間頻尿を     認めると報告されている。
 H氏のように尿意を感じたら、あまり辛抱が出来ずすぐ漏らしてしまう状態     を『切迫性尿失禁』と呼ぶ。夜間頻尿を訴える高齢者の多くは程度の差がある     が尿意切迫を合併している。この状態は膀胱が意志とは無関係に勝手に収縮す     ることによって起こる。
 人が排尿に要する時間は1日に数分間であり他の時間は膀胱に尿を溜める。     膀胱の重要な機能は尿を漏らさないことである。膀胱が勝手に収縮しないよう     神経中枢が膀胱に対し制御をかけている。脳血管障害や脊髄疾患により、中枢     神経系に障害が起こると膀胱への抑制がきかず、尿が少し溜まると膀胱が意志     とは無関係に反射性に収縮し、ときに尿もれすなわち切迫性尿失禁が起こる。
     (大阪市立大学医学教授・岸本武利)1997.1.11.《日本経済新聞》
■2、3年前から尿もれ、外出が怖い
「30代の2児の母です。2、3年前から、トイレに行きたいと思うと我慢ができず、尿を漏らしてしまいます。しかも、途中で止められません。今までは家の中だけですが、もし、外でしたらと思うと怖いのです。
尿が意思とは関係なくもれてしまうことを尿失禁といいます。主に、腹圧性と切迫性があります。
<1>『腹圧性尿失禁』は、
せき、笑い、縄跳び、重い物を持つなど、急激な腹圧をかけた時に起こります。
女性は、男性と比べて骨盤底筋群の括約機能が弱いので、出産や肥満、閉経でそれがさらに弱められると起こりやすくなります。
<2>『切迫性尿失禁』は、
突然強い尿意を催し、トイレが間に合わないという症例で、脳血管障害などの神経経路の問題や、膀胱や尿道などの問題で起こります。
正常な蓄尿、排尿は、大脳の神経で調節されています。ところが、この場合、膀胱から大脳への神経に問題があるため、ちょっとした刺激で排尿するか、大脳の排尿中枢は正常なのに、膀胱への神経反射がうまく反応しないために、強い尿意を我慢できずに漏らしてしまいます。
一般的には、骨盤底筋群の訓練法、薬物療法、漢方療法、手術療法があります。日常生活では、精神的・肉体的ストレスを避け、膀胱炎や便秘、肥満に注意しましょう。便秘・肥満は膀胱を圧迫して骨盤底筋群が緩くなり、失禁を起こしやすくなります。」
■腹圧性に
「米ピッツバーグ大学などの研究グループは、笑ったりクシャミをしただけで尿が漏れる『腹圧性尿失禁』に、患者自身の筋肉から採取した幹細胞を注射する治療法を開発した。
カナダの病院で臨床研究を実施。多くの患者で低下していた筋肉の機能が回復し症状が改善した。
副作用も見られなかった。
腹圧性尿失禁は中年女性に多い病気で、出産や閉経、骨盤手術などが引き金となって肛門の周囲にある括約筋の機能低下を招く。」20065/25《産業》
■新薬
「ベシケア」(アステラス)
「デトルシトール」(ファイザー)
2剤は物質は異なるが、主な作用メカニズムは同じ。「抗ムスカリン剤」と呼ばれ、膀胱の筋肉を動かす神経に働きかけて収縮を抑え、突然の尿失禁などを防ぐ。従来の薬と比べノドの渇きなどの副作用が少ない。

  【処方名-五十音順】
    家韭子元(腎陽が衰退しが冷え、遺尿・不禁)
    既済丸(気不足で陰火があり、小便不禁)
    鶏腸散(小児の遺尿・不禁)
    鶏散(小児の遺尿)
    五子元(夜が特にひどく、めまい・足弱の老人)
    五淋散(力むと尿がもれる)
    五苓散合解毒湯(熱による)
    五苓散合四物湯加・山茱萸・五味子(虚証)
    茸香元(虚損・虚冷で小便不禁)
    四物湯(尿の淋滴)
    縮泉元(気が不足し、小便量少なく、1日100余回)
    参蓍湯[3](気虚、遺尿)
    大黄甘遂湯
    大菟絲子元(気が虚して、小便不禁)
    猪湯(出産でが傷つき小便不禁)
    八味地黄丸
    秘元丹(虚損して)
    補飲(出産でを傷つけ、小便不禁。湿って乾燥しない)
    六味丸


 尿道炎 urethritis
    ⇒排尿痛・尿道不快感・頻尿となる。淋菌性尿道炎(淋病)と非淋菌性尿道炎と     があり、淋病は主に性行為で感染し、淋菌を検出する。非淋菌性は、ブドウ球     菌・レンサ球菌・大腸菌を検出する。
      大腸菌は腸内に無毒なかたちで常在しているのですが、これが体の他の部分     に広がると、脅威になります。
  【芳香療法】
     局所に精油を塗布して感染を防止する:ベルガモット
  【処方名-五十音順】
 加味逍遥散
甘草乾姜湯
    五淋散(膀胱熱あり、小便淋瀝、排尿困難、血尿)
    滋陰降火湯
    大黄牡丹皮湯
    大建中湯
 猪苓湯(発熱、口渇、小便不利、排尿痛・頻数、血尿、心煩不眠)
    猪苓湯合四物湯
    桃核承気湯(実証、のぼせ、足冷、下腹部痛)
    竜胆瀉肝湯(排尿困難、排尿痛、小便淋濁)
    苓桂味甘湯

 尿道直腸瘻
  【処方名-五十音順】
 五苓散
    四逆散
    四物湯
    補中益気湯


 尿道痛
  【処方名-五十音順】
    大建中湯
 猪苓湯
    竜胆瀉肝湯


 尿毒症 uremia                                ⇒血中尿素窒素が高い。
   ◎症状は疲労感・頭痛・吐き気・嘔吐・下痢・貧血・さらに眼底出血・血便とな     る。
    病状が進むとアシドーシスacidosis [酸性血症] となる。
   ◎検査:
     尿:タンパク(++)
       比重[1.010]に近い
       円柱
     血液:クレアチニン(↑)
        尿素窒素(↑)
        カリウム(↑)
        カルシウム(↓)
        アシドーシス
  【鍼灸】
     「身柱、京門、腎兪、次、中極、水分、上、足三里、三陰交、太谿」《沢      田流聞書鍼灸眞髄》
      
  【処方名-五十音順】
    乾姜附子湯
    還魂湯
 呉茱萸湯
 五苓散
    柴胡加竜骨牡蛎湯
    小青竜湯
    走馬湯
    大烏頭煎
    竹皮大丸
    白虎湯
    白虎加人参湯(煩渇、多飲、多食、大便硬)
防已茯苓湯
    苓甘姜味辛湯
    苓甘姜味辛夏仁湯(小便不利、手足が冷える、浮腫)


 尿の色
  ⇒尿の白濁・尿の赤濁
   ◎先天的代謝異常と尿の色:
     黒色:アルカプトン尿症(アルカリ性で放置後)
     青色:青色おむつ症候群(インジカン→インジゴ→青)
     赤色:ヘモグロビン異常症(血色素尿)
         家族性特発性ミオグロビン尿症(ミオグロビン尿)
         急性間欠性ポルフィリア(放置後赤褐色)
         先天性骨髄性ポルフィリア(ポルフィリン尿)
         G-6-PD欠乏症(メトヘモグロビン尿)
  
   ◎赤色又は白色の排尿で、放置しておくと粥のような沈殿物が残る。
     赤濁:血に属し
     白濁:気に属す。

  【処方名-五十音順】
 茵蒿湯(赤濁・色濃い)
    茵五苓散(赤黄・赤濁)
    四物湯(赤白濁)
    清心蓮子飲(赤白濁<濃縮尿>、残尿感・尿混濁・尿意頻数・糖尿)
    清暑益気湯(黄色・赤渋)
    猪苓湯合四物湯(排尿痛、残尿感、排尿困難、血尿)
    二陳湯
    八味地黄丸(尿の白濁)
    分清飲
    白虎加人参湯(赤濁)
    防風通聖散(色が濃い)
    竜胆瀉肝湯<混濁><茶色~赤い>



 尿自利
  【処方名-五十音順】
    当帰四逆加呉茱萸生姜湯
    当帰芍薬散


 尿もれ
   =尿漏れ=失禁  (参照→遺尿症)



 尿不利
  【芳香療法】
     <1>安息香
     <2>カミルレ
<3>サンプレス
     <4>シダーウッド
     <5>フェンネル
  【処方名-五十音順】
    茵蒿湯
    桂芍知母湯
    小建中湯
    小半夏加茯苓湯
    疎経活血湯
    腸癰湯
    猪苓合四物湯
    当帰四逆加呉茱萸生姜湯
    当帰芍薬散
    二朮湯
    麻黄細辛附子湯
    竜胆瀉肝湯



 尿崩症 diabetes insipidus
   ⇒脳下垂体後葉の抗利尿ホルモン(バソプレシン)ADH分泌不足により、腎尿細管    での水の再吸収が阻害され、多量の尿を排泄する疾患。
   ◎症状:①多飲多尿、
       ②尿の比重が(1.001~1.004)となる。
   ◎『中枢性尿崩症』:
      抗利尿ホルモンであるバソプレシンの欠乏により、尿濃縮力障害を起こし、      口渇・多飲・多尿(3000‹以上/1日)を主症状とする。
     <1>種類
       (イ)原発性:
         (1)遺伝性
         (2)特発性
      (ロ)続発性:
     <2>検査所見:
       (イ)低張尿:①[尿浸透圧/血漿浸透圧]<1
②尿糖:()
             ③尿タンパク:()
             ④血清クレアチニン値:正常
             ⑤血清カリウム値:正常
             ⑥血清カルシウム値:正常。
       (ロ)負荷試験:
             バソプレシン負荷試験
   ■尿濃縮関連遺伝子を発見
    「東京医科歯科大学の内田信一助手らのチームは、腎臓で尿の濃縮に関与してい     る遺伝子をマウスで突き止めた。この遺伝子がないと尿が濃縮されない尿崩症     と呼ばれる病気と同様の症状が現れる。尿が作られる仕組みの解明のほか、尿     崩症や『夜尿症』の治療、利尿作用を促す薬品の開発に役立つという。
発見した遺伝子は『C-cnk1』と呼ばれ、腎臓中で尿が通る細い管から水をく     み出す働きのタンパク質を作り出す。この機能を失ったマウスは薄い尿が正常     な場合に比べ大量に排出されるという。人間にもこれと同様の遺伝子があるこ     とが分かったおり、この遺伝子の異常が尿崩症を引き起こしていると見られる。
子供の夜尿症の中にもある程度尿崩症が含まれていると推定されており、研     究チームは何らかの形でこのタンパク質を補うことが出来ればこれらの病気の     治療につながるとみている。1999.1.4《日本経済新聞》
  【処方名-五十音順】
    八味地黄丸
    白虎加人参湯
    六味丸



 尿閉 anuresis
      (参照→「乏尿」「無尿」) 
   ⇒腎臓での尿生成・尿管・膀胱に何ら異常を認めず、尿の蓄積・尿意の発生がある    のに、排尿できない状態。
     尿道の閉塞などで尿が膀胱から排泄できない場合を尿閉といい、膀胱が尿で充    満していること、及びそれによる患者の訴え、自覚症状、現病歴などから「無尿」    「乏尿」と区別できる。
◎膀胱内に尿があって排尿しないのが「尿閉」で、膀胱内に尿が無い状態で、自然排尿しないしないのは「真性無尿症」という。
  【芳香療法】
    ジュニパー
  【漢方療法】
    ◎会陰の打撲で小便が出なくなって、少し血尿の出る者には、桃核承気湯を与え     る。もしこれで良くならなければ、大黄附子湯を与えるがよい。これで小便が     気持ちよく出て、血が止めば服用を止める。また八味丸のよいこともある。《和     田東郭》
  【処方名-五十音順】
    括楼瞿麦丸
 甘草湯(急迫症状)
 五苓散
    牛車腎気丸
    柴胡桂枝乾姜湯
    芍薬甘草湯
    大黄甘遂湯
    大黄牡丹皮湯
    大承気湯
    調胃承気湯
    二陳湯
    八味地黄丸
    補中益気湯(胃腸虚弱、だるい、
    木防已去石膏加茯苓芒硝湯
    苓姜朮甘湯(腰冷、鼻水)
    六味丸
  【臨床例】
    ☆《井觀醫言》より
     「一老人が突然尿閉を起こして、小便が一滴も通じなかった。凡そ3昼夜で、      沢山の医者が集まって、色々と利尿の薬を処したけれども、一としてその効      がなかった。
下腹部が膨脹して、みぞおちの部分が苦しく、その困苦の有様はたとえよ      うもなかった。遂に余《尾台榕堂》の治療を乞うてきたので往診してみると、      尿閉以外には何等の参考にすべき症状がなかった。
そこで精思してその原因を求めたところ、結石淋と考えるより仕方がなか      った。即ち、結石が膀胱の入り口を遮って、尿が外に出づることが出来ぬも      のと思われた。
そこで導尿管を使用して、静かに膀胱に送り込んだところが、小便が手に      随って迸り出て、病人の苦痛は立ちどころに去った。
あたかも逆さまにつるし上げられた苦しみを解くが如くで、その後は再び      発することがなかった。」《荒木正胤》
【西洋医学】
<1>導尿
<2>膀胱穿刺



 尿利頻数(にょうりひんさく)
   ⇒尿意頻数 frequency of urination
    健康者の1昼夜の排尿回数は5~6回で、多くても10回ぐらいで、夜間排尿は、    0~1回です。これより多いのが頻尿です。
  【処方名-五十音順】
    桂枝加竜骨牡蠣湯
    桂枝人参湯
    牛車腎気丸
    五淋散(膀胱熱あり、小便淋瀝、排尿困難、血尿)
    四逆散
 七物降下湯)
    小薊飲子
    小建中湯)
    逍遥散
    清心蓮子飲
 猪苓湯(発熱、口渇、小便不利、排尿痛・頻数、血尿、心煩不眠)
    猪苓湯合四物湯
    当帰芍薬加附子湯
    八正散
    分清飲
    白虎加人参湯(激しい口渇、口舌乾燥、尿利頻数、大便硬、煩躁)
    麻子仁丸(汗が出て、皮膚が湿っている、便秘)
    竜胆瀉肝湯(湿熱、小便黄赤、小便淋濁)
    苓姜朮甘湯(腰脚の冷えがひどい、腰がスースーする)
    六味丸

 
 尿量減少 
   ⇒乏尿 oliguria:尿量が500ml/日以下。
  【処方名-五十音順】
    胃苓湯(消化不良、尿利減少、腹痛、浮腫、口渇)
    茵五苓散(黄疸、発熱、腹壁軟弱、胃内停水、煩渇、脈浮)
    越脾湯
 越婢加朮湯
    桂枝加竜骨牡蠣湯
    牛車腎気丸
    五皮飲
 五苓散
    柴胡桂枝乾姜湯(胸脇満、小便不利、口唇乾燥、頭汗、盗汗、)
    柴苓湯(食欲不振、尿利減少、口渇、浮腫、胸脇苦満)
    瀉心導赤散
    小青竜湯(咳嗽、喘、鼻水、)
    舟車丸
    十棗湯
    真武湯
    清心蓮子飲
    清暑益気湯
 猪苓湯(発熱、口渇、小便不利、排尿痛・頻数、血尿、心煩不眠)
    猪苓湯合四物湯
    通導散(顔面赤色、頭痛頭重、肩こり、腹直筋拘攣、爪<暗赤色>、下腹        部膨満、便秘、動悸、脈細実)
程氏分清飲
    当帰芍薬散(貧血、冷え性、疲れやすい、月経不順、神経症状)
導赤散
    半夏厚朴湯
    防已黄蓍湯(色白、疲れやすい、下半身に浮腫)
 木防已湯(顔色黒い、腹水、尿量減少、動悸、下肢の浮腫)
    苓桂朮甘湯(めまい、心悸亢進、胃内停水)


 尿量多い
  【処方名-五十音順】
    桂枝人参湯
 七物降下湯(顔色悪い、しびれ、ひきつり、のぼせ、めまい、耳鳴り)
    人参湯(色薄く量多い)
    八味地黄丸
   

 尿利減少
   「尿利」=小便すること。
  【処方名-五十音順】
    人参湯

 尿路感染症 urinary tract infection
    ⇒急性単純膀胱炎から慢性腎盂腎炎までを含む。
    ◎分類:
      腎盂腎炎
      腎膿瘍
      腎周囲膿瘍
      膀胱炎
      尿道炎
      尿路結核
      真菌性尿路感染
      前立腺炎
      乳頭壊死

  【処方名-五十音順】
 黄連解毒湯
    加味柴苓湯
    五淋散(膀胱熱あり、小便淋瀝、排尿困難、血尿)
    小薊飲子(膀胱炎・腎盂炎・腎結核・尿路結石)
    知柏地黄丸
 猪苓湯
    猪苓湯合四物湯(慢性、皮膚枯燥、排尿痛、口渇、残尿感、排尿困難、            胃腸正常、血尿)
    程氏分清飲
    乳糜尿湯(慢性)
    八正散
    分清飲
    八味地黄丸
    竜胆瀉肝湯
    六一散
    六味丸

 尿路結石 urolithiasis
   ⇒腎・腎盂・膀胱・尿道のどこかにできた結石。  
   ◎原因:
      1.尿路に奇形・狭窄・腫瘤がある。                       2.尿路感染からリン酸マグネシウムアンモニウム結石をつくる。          3.(内分泌・代謝異常)副甲状腺の腫瘍から副甲状腺ホルモンの分泌過剰        になり、尿中にリンとカルシウムが過剰に排泄されて、リン酸カルシウ        ム結石。尿酸の代謝異常から尿酸結石。先天性のシスチン尿症からシス        チン結石。                  
      4.長期の臥床からカルシウムの代謝異常をおこす。                5.動物性タンパクの大量摂取から尿酸結石が起きる。               6.緑内障の治療薬の副作用で結石が起きる。
   ■1995.4.28《朝日新聞》
    「結石患者は、水分の摂取量が通常の人に比べて少ない。予防するためには、1     日に1500‹の補給を目安にして下さい。ただし、ジュース・スポーツドリン     ク・ビールよりも、麦茶・番茶が一番です。
      次に、動物性タンパク質を食べ過ぎると、体が酸性に傾き、骨の成分が血液     中に溶け出しやすくなり、尿中のカルシウム濃度が高くなり、石が出来やすく     なる。1日にタンパク質は70gまで、カルシウムは500mg以上。石を出来に     くくする、マグネシウムや食物線維を含む緑黄野菜を食べることもポイントで     す。」  (近畿大病院・衝撃波外来 高田昌彦講師)
■カルシウムたっぷり
「腎臓などに結石ができ、時に激痛に悩まされる尿路結石に対する食事指導が変わりつつある。結石を作る最も大きな要因は尿中のシュウ酸の量であることが分かり、これまで摂取を制限されてきたカルシウムを沢山摂るように勧められるようになった。シュウ酸の排出を妨げる脂肪は控えた方が良いという。
尿路結石は、腎臓や尿管、膀胱などの尿路に、尿の中のカルシウムやシュウ酸、リン酸などのミネラル分が何らかの原因で石のように固まる病気。『疝痛発作』と呼ばれる激しい痛みが腹部や脇腹、背中に起こり、血尿が出ることもある。40~50歳代の男性に患者が多い。
再発率は一般に3年間で30%、5年間で50%と高い。結石には様々な種類があるが、シュウ酸カルシウムが主成分のカルシウム結石が80%以上を占めている。
このため、カルシウム結石の再発防止指導として、かってはカルシウム摂取制限が行われていたが、千葉大医学部の伊藤晴夫教授(泌尿器科)は“尿中のシュウ酸量の正確な測定が可能になり、結石の形成にはこちらが大きく作用する事が分かった。むしろカルシウムはしっかり摂った方がよい”と指摘する。
シュウ酸は野菜のアクなど多くの食品に含まれており、摂取を控えるのは難しい。ただし、腸内でカルシウムと結びつくと、水に溶けないシュウ酸カルシウムとなり、吸収されずに便とともに排出される。“シュウ酸を含む食品はカルシウムノ多いものと一緒に食べることが大切”(伊藤教授)だ。
具体的にはホウレンソウのおひたしに削り節をかける。大根下ろしにシラス干しを混ぜる、コーヒーや紅茶にミルクを入れる、など。
同時に、脂肪を控えることも重要という。脂肪を摂りすぎると、腸で吸収されない脂肪はカルシウムと結びつくため、シュウ酸と結合すべきカルシウムが減少。その結果、シュウ酸が吸収されやすくなるからだ。
“カルシウムを摂り、脂肪を控えるという2点に絞った食事指導は、患者にも受け入れられやすい。理想としては、1日にカルシウムを800mg、脂肪は60g以下”と伊藤教授は指摘する。カルシウムは厚生省が目標とする600mgより多めで、脂肪は揚げ物や肉類の脂身を避けるなどの工夫が必要だ。
伊藤教授が尿中のシュウ酸量の多い結石患者約400人でこの食事指導の効果を調べたところ、指導なしの患者は5年間の再発率が80%だったのに対し、指導した場合は46%とほぼ半減したと言う。
“食生活の洋風化とともに患者数が増加した尿路結石は、生活習慣病の最たるもの。食習慣を改めることは、再発防止だけでなく、病気の予防にもつながる”と話す。」
■微生物を発見
「ヒトの尿路結石中にアパタイト(リン酸カルシウム)の殻を持つ微小の微生物が潜んでいることを岡山大学泌尿器科の公文裕巳教授と松本明特別研究員(元川崎医大教授)らは2004年4/19日確認した。
この微生物は結石を作る“核”で、生態が解明されれば尿路結石や動脈硬化などの原因解明や新しい治療薬の開発に応用できる。
公文教授らは、腎臓などに出来た結石を細かく砕き、フィルターで漉して他の細菌を排除、放射線で殺菌したウシ胎児の血清で培養した。これまでに68個中10個から微生物を分離し、42個でこの微生物に特徴的な形状の粒子を確認した。
分離された微生物は直径が2/1000㍉と、最大のウイルスと同じくらいの大きさ。培養を続けると、直径数㍉/1000のアパタイトの殻で覆われた。ウイルスと異なり、栄養を得て自己増殖するという。2004.4.20《日本経済新聞》
  【処方名-五十音順】
    黄蓍建中湯
    桂枝加芍薬大黄湯
    桂枝茯苓丸
    血府逐湯
    五淋散
    小薊飲子
    泌尿系結石基本方
    腎石一方
    大建中湯
 猪苓湯
    当帰建中湯蜀椒《大塚敬節》
    当帰湯
    二金排石湯
    排石湯
    八正散
    八味地黄丸
    竜胆瀉肝湯


 女人出痘
  【処方名-五十音順】
    帰脾湯《済世全書》
    黒神参《済世全書》
    四君子湯《済世全書》
    瀉肝湯《済世全書》
    十全大補湯《済世全書》
    如聖参《済世全書》
    胎参《済世全書》
    当帰養心湯《済世全書》
    八物湯《済世全書》
    涼血解毒湯《済世全書》
    涼血地黄湯《済世全書》

 妊産婦の死亡
   ■死亡率低下に-----症例のデータ管理を-----
     「厚生省の研究斑は8日までに、欧米に比べて発生率が高い妊産婦の死亡を防      ぐため、妊婦が亡くなったときの状況や件数を正確に把握するデータ管理制      度を都道府県ごとに発足すべきだとする提言をまとめた。妊産婦は容体が急      変して救急病院で死亡するケースもあり、実態がつかめず有効な防止策が取      れない点が問題になっていた。厚生省は提言をふまえて産前産後医療の体制      整備を急ぐ。
「妊産婦死亡の防止にカンする研究班」(主任研究者・武田桂彦東京女子医      科大学名誉教授)の報告では「妊産婦の死亡率は低下傾向にあるが、欧米諸      国に比べて依然高率であり、各都道府県に実情に適した産前産後医療の整備      が必要」と指摘。死亡診断書に妊娠の有無を記録して妊産婦死亡症例の登録      管理システムを確立したり、高血圧の合併症を持つ妊婦など個々の様態に対      応したりすることを提言した。
同省は産婦人科や小児科を充実させるため病院の運営費への補助事業を       96年から実施しているが、病院を設置したのは栃木など5府県にとどまり      施設整備が求められていた。
国内の妊産婦死亡率は96年に10万人当たり6人と低下したものの、欧      米と比較が可能な92年では日本[8.8人]、米国[7.8人]、英国[6.7人]など高      い状況が続いていた。
出血性ショックや妊娠中毒症が主な死因とされているが、輸血や縫合など      緊急時の対応の遅れも高率の要因になっていると見られている。」1998.5.9       《日本経済新聞》



 妊娠 conception、pregnancy
   ●妊娠中は、胎児のためにドクダミをお茶代わりに飲む。
ジンバブエの妊婦は土を食べる(チョコレート色の土が市場で売っている)
   ■飲酒の影響
     「母親が妊娠中に飲酒した場合、1kg未満で生まれてきた超未熟児(超低出生      体重児)では、生後4週間以内に死亡する危険度が飲酒しない母親に比べて      高いという調査結果を、神戸大医学部と全国11カ所の新生児担当医師らと      の共同研究グループがまとめた。
 神大医学部小児科の中村薫教授、芳本誠司医師らが、新生児集中治療施設      室(NICU)がある東京、大阪などの病院と協力し、一昨年の1年間に生まれ      てNICUで治療が必要だった低出生体重児計785人について、母親の生活習      慣などについて調べた。その結果、
<1>750g未満のうち4週間以内に死亡
           飲酒なし(139人)--------29%(41人)
           飲酒習慣あり(5人)------60%(3人)
<2>750g~1kg
           飲酒なし(204人)--------9%(19人)
           飲酒習慣あり(12人)-----33%(4人)
<3>1kg~1.5kg
飲酒なし(442人)--------3%(12人)
        飲酒習慣あり(25人)-----0%(0人)
 1kg未満の低出生体重児で母親の飲酒習慣がある場合の死亡危険度の上昇       が目立った。1997.8.29《朝日新聞》
■飲酒が影響する
「米ピッツバーグ大学の研究グループは10/18までに、妊婦の飲酒は例え少量でも、子供の10代の成長期の発育に影響を及ぼす可能性があるという調査結果をまとめた。同グループによると、胎児に影響しない安全な飲酒量はなく、「妊娠中は飲酒を止めるべきだ」と指摘している。
同大のナンシー・デイ博士を中心とする研究グループは1980年代から約570人の子供の成長を14年間、追跡調査してきた。その結果、妊娠後3ヶ月間、週に350ccの缶ビールを1.5本相当のアルコールを飲んでいた女性の場合、その子供が14歳になった時の平均体重は、飲酒しない女性の子供に比べ1kg強軽かった。
飲酒量が増えるにつれ、子供の10代の成長に及ぼす影響は増大。缶ビール1本以上を毎日飲んでいた女性の子供の平均体重は、飲酒しない場合より7kgあまり軽くなった。体重だけでなく、身長や頭の大きさにも飲酒の影響がみられたと指摘している。
欧州の一部など、妊娠中に少量の飲酒ならかまわないという見解を示している国もあるが、デイ博士らは「飲酒の子供への影響には、これ以下なら安全といえるような量はない」と警告している。2002.10.18《日本経済新聞》
   ■妊婦、レバー食べ過ぎ注意
「妊娠中にレバーを食べ過ぎると胎児の発育に悪影響を与える恐れがあることを、 昭和薬科大学が動物実験で突き止めた。レバーには大量に取りすぎると胎児の 発育を妨げるビタミンAが多く含まれており、食べ過ぎは発育不全や死産を引き 起こす可能性があるという。妊婦は鉄分不足をレバーで補うことがあるが田代真 一教授は「妊娠中はレバーを食べ過ぎないこと」と警告している。
ビタミンAは胎児の体の形成にかかわる物質で、米国の産婦人科学会は妊婦がビタミンAを摂取しすぎると胎児に悪影響があると注意を呼びかけている。研究グループは、100g中の牛レバー中にビタミンAが若い女性の1日の必要量の25倍もあることを解明、その摂取の影響をネズミで調べた。
実験では、妊娠する1週間前からレバを与えたネズミと、普通のエサを与えたネズミの胎児の発育を比較した。この結果、人間に換算して1日に約100gのレバーを食べ続けた親は普通のえさを食べたグループに比べ、奇形や死産の発生率が(19%)から(26.7%)に高まり、300g与えると発生率は(31.8%)に達した。
研究グループはネズミの胎児の発育不全がレバー中のビタミンAに起因しているとみている。ただ、適量は必要な栄養素でもあり、妊娠していなければレバーを食べ過ぎても問題はないという。1996.7.13 《日本経済新聞》」
■妊娠中は生肉に注意
「妊娠中に初めて感染すると、胎児に移って脳などに障害を起こす可能性があると言われる『先天性トキソプラズマ症』は、火の通っていない生肉などを食べると感染の危険性が高まるので要注意。そんな調査結果を欧州の研究グループがまとめ、英医学誌ブリティッsy・メディカル・ジャーナルで発表した。
グループはイタリアやスイス、ノルウェーなど5ヶ国の6年の妊婦計1000人あまりを対象に、感染の有無や食習慣、生活スタイルなどを聞いて何が危険因子なのか調べた。
初めての感染が妊娠中ではなかった人を含め感染者は252人。感染源は年によってばらついていたが、約3割~6割が食肉だと判断された。生肉や十分に加熱していない肉を食べた場合の感染リスクは、子羊肉で約3倍、牛肉では約2倍になることが分かったという。
トキソプラズマ症は原虫が原因。ネコの糞を通して感染することがあるたされるが、ネコを飼っていても感染率が上がる傾向はみられなかった。もっとも、ネコの糞のついた土には触れない方がいいらしい」2000.7.30《朝日新聞》
■緊急避妊薬
「フランスでは昨年11月、未成年者の人工中絶を減らすため、性交直後に服用すると効果のある緊急避妊薬を学校などで無料配布することが決まった。国会で1年がかりの激しい論争を繰り返した末の決定だった。
フランス国内の未成年者の妊娠は年間約20000件。その半分が望まない妊娠で、約6700件(1998年)が人工中絶を選んだ。こうした若者の性の問題に対応するため、校内に避妊具の自動販売機を設置する学校も有れば、保健室が照会する避妊問題相談所を通じ、生徒が無料で避妊薬(ピル)を入手することも出来る。
それにかかわらず、なかなか減らない人工中絶に対応するため、ロワイヤル学校担当相(当時)は昨年1月、学校での緊急避妊薬の無料配布に踏み切った。
緊急避妊薬は、フランス国内で2種類が認可されており、学校などで配布されるのは、『ノルノボ』名で販売されているもの。大きな副作用もなく、昨年から処方箋なしで薬局で購入できるようになった。性交後72時間以内に1錠、その後12時間以内に2錠を服用することで受精卵が子宮に着床することを防ぐ効果がある。服用のタイミングから「モーニングアフターピル」とも呼ばれる。2001.1.7《日本経済新聞》
■母体を守るタンパク質
「米バンタービルト大学の研究者らは、胎児の免疫細胞から母胎を守るタンパク質を発見した。『Zfp608』という胎児側のタンパク質で、誕生後はなくなる。
妊娠中に胎児の免疫細胞が発達すると母胎を異物と認識して攻撃する恐れがあるため、このタンパク質が免疫細胞に関係する遺伝子を抑えていると見ている。
胸腺で発達するTリンパ球という免疫細胞が遺伝的に少ないマウスに注目。この系統のマウスは生まれた後もZfp608タンパク質が働いている事が分かった。
さらにZfp608タンパク質は胸腺で免疫細胞の発生に関わる遺伝子の働きを抑えていることも突き止めた。」200610/25
  【芳香療法】
    <1>妊娠初期に使用不可の精油:
       [アニス][マグワート][アルニカ][バジル][クラリセージ][サイプレス]        [フェンネル][ヒソップ][ジャスミン][ジュニパー][マージョラム]
       [セージ][タイム][ウインターグリーン]
    <2>妊娠後期(6ヶ月以降)に使用可能:
       ラベンダー
       ローズマリー:脚の浮腫
       
  【処方名-五十音順】
    安胎飲《医学入門》
    安胎散《万病回春》
    安胎当帰湯《医学入門》
    帰母苦参丸
    帰膠艾湯
    帰補中湯《万病回春》
    膠帰湯《医学入門》
    瞿麦湯《婦人大全良方》
    桂枝湯
    連四物湯《医方考》
    三合湯《医方考》
    紫蘇飲《普済本事方》
    紫蘇和気飲《普済本事方》
    子淋散《寿世保元》
    腎着湯《三因極一病証方論》
    千金鯉魚湯《婦人大全良方》
    旋覆花散《医学入門》
    大聖散《婦人大全良方》
    達生散《朱丹渓》
    竹葉湯《寿世保元》
    当帰散
    当帰芍薬散
    冬葵散《寿世保元》
    冬葵子散《医方考》
    人参散《婦人大全良方》
    八味腎気丸《金匱要略》
    白朮散
    茯苓湯《寿世保元》
    防已散《医学入門》
    保胎飲《医学入門》
    保生湯《寿世保元》
    木通散《医方考》
    養胃湯《寿世保元》
    良方天仙藤散《医学入門》
羚羊散《厳氏済生方》
■顕微受精---HIV除去
「エイズウイルス(HIV)に感染した夫の精液からHIVを除去した上で、1個の精子と卵子を受精させる「顕微受精」に杏林大学などのグループが国内で初めて成功したことが11/22、分かった。10万~20万個の精子を使う体外受精と比べて、母子感染の危険性がほとんど無く、妊娠した3組の出産が順調にいけば広く普及すると期待されている。」2002.11.23《日本経済新聞》

 妊娠線
■クリーム
「カネボウ製薬が2006年3月に発売した「バルーンマッサージクリーム」。医薬部外品で産婦人科など病院ルートで限定販売。妊娠線は、妊娠中や出産後に腹部などにできる赤紫色の線。妊娠によって腹部のふくらみなどで急に体形が変化することで、表皮の下の皮下組織が亀裂を生じため。一度できてしまうと産後も消えない。




 溺血(にょうけつ)
   =尿出血のこと。



 妊娠悪阻
   ⇒早期妊娠中毒症の1つ。
   ◎症状:①頑固な吐
       ②強度の栄養障害
       ③中毒症状
       ④脳症状
  【芳香療法】
    <1>フェンネルのハーブティ。ただしフェンエル油は避ける。


 妊娠腎 kidney of pregnancy
   =現在では晩期妊娠中毒症軽症の名称で統一されている。
    [症状]タンパク尿・浮腫・減尿・血圧130mmHg以下。
  【処方名-五十音順】
    越脾加半夏湯
    小青竜湯(咳嗽、喘、鼻水、)
    大青竜湯
 猪苓湯(発熱、口渇、小便不利、排尿痛・頻数、血尿、心煩不眠)
    当帰芍薬散(貧血、冷え性、疲れやすい、月経不順、神経症状)
    防已黄蓍湯(色白、疲れやすい、尿量減少、下半身浮腫)
    防已茯苓湯
    麻杏甘湯(皮膚乾燥
    木防已湯(黒くくすんでいる、尿量減少、下肢の浮腫)
    苓姜朮甘湯(腰以下が浮腫、腰冷がひどい)

 妊娠浮腫
  =妊娠中の浮腫
   =現在では晩期妊娠中毒症軽症の名称で統一。(→妊娠中毒)
   ⇒妊娠後期のタンパク尿・浮腫・減尿で、血圧130mmhg以下のもの。
  【芳香療法】
    <1>脚の浮腫:ローズマリー
    <2>足首の浮腫:ゼラニウムローズマリー
  【処方名-五十音順】
    五皮飲
    当帰芍薬散(タンパク尿)
    平胃散(四肢だるい、下痢)
    防已黄蓍湯(上半身、足がむくむ)
    補中益気湯(タンパク尿、)
    苓桂朮甘湯(胃内停水、めまい、動悸)

 
妊娠中毒症 toxemia of pregnancy
   (1)早期妊娠中毒症:妊娠2~3ヶ月頃に発生する中毒症で、妊娠悪阻・唾液分泌            過多症etcがある。
   (2)後(晩)期妊娠中毒症:
     <1>純粋妊娠中毒症:
       腎炎・高血圧症などの既往歴のない初妊娠者と、前回の妊娠に中毒症・他       の既往歴がない者に起きた中毒。軽症と重症に分けられる。
        [軽症]浮腫が下肢・下腹部のみ、タンパク尿2.9%まで、収縮血圧140           ~169mmHgまで。
           妊娠タンパク尿・妊娠腎がこれに属する。
        [重症]全身の浮腫、タンパク尿3%以上、血圧(170・110)以上の1つ以           上が現れる。
 子癇前症がこれにあたる。
<2>混合妊娠中毒症:本態性高血圧症・腎炎・妊娠中毒後遺症などの既往歴あ              る妊婦に現れたもの。
<3>特殊型中毒症
           子癇=(妊娠中毒症ケイレン昏睡)
           妊娠中毒症肺水腫=(妊娠中毒症肺水腫)
           子宮胎盤溢血=(妊娠中毒症正常位胎盤早期剥離)
           中毒性脳溢血etc=(妊娠中毒症脳溢血etc)
  <4>妊娠中毒症後遺症:
       分娩後1ヶ月以上にわたって、高血圧・タンパク尿・浮腫などの症状が残       っているもの。
  【処方名-五十音順】
    柴苓湯
    小半夏加茯苓湯
    調胃承気湯
    当帰芍薬散
    防已黄蓍湯
    補中益気湯
   ■胎児に悪栄養無い治療薬
「名古屋大学医学部産婦人科は、胎児に影響を与えない切迫早産・妊娠中毒症の予防・治療薬の開発に成功した。原因となるオキシトシンやパソプレッシンを切断して、母胎の血圧増加・子宮収縮を抑制するプロテアーゼ、P-LAPの遺伝子をクローニングした。
分子量が5000~7000以下の分子は胎盤を通過するため、従来使われていたベータ2アドレナリン受容体刺激薬は、胎児に副作用があるとの報告がある。P-LAPは高分子のため胎盤を通過せず胎児に影響がないと考えられる。」2003.3.13《日経産業新聞》


 妊娠中の子宮の位置異常
  【処方名-五十音順】
    八味地黄丸
    六味丸


 妊娠中の子宮出血
  【処方名-五十音順】
    補中益気湯

 妊娠中のせき
  【処方名-五十音順】
    麦門冬湯



 妊娠中の排尿障害
    ⇒妊娠中に子宮の前屈・後屈が有ったり、膀胱が子宮に圧迫されて起こす。

     妊娠中に咳をするたびに、尿もれを起こす→当帰散
  【処方名-五十音順】
 五苓散
    参朮飲
    当帰散(妊娠中の尿もれ)
    八味地黄丸
    補中益気湯
    六味丸


 妊娠中の腹痛
  【処方名-五十音順】
    当帰芍薬加附子湯
    当帰芍薬散

 妊娠中の腰痛
  【臨床例】
    ☆妊娠中の腰背痛
     「京師生州の松屋源兵衛の妻、胎孕二、三ヶ月。腰背攣痛し、四肢沈重し、飲      食味なし。
《吉益東洞》先生之を診す。桂枝加附子湯をつくりて之を飲む。時に十棗      湯を以て之を攻むる毎に諸證漸々に退く。期に及びて母子倶に損傷なし。」      《建珠録》


 妊婦の風邪
  【処方名-五十音順】
    黄竜湯(妊婦の傷寒発熱、産後の発熱)
    蘇散(傷寒で頭痛・咳嗽)
    柴胡枳殻湯(傷寒で発熱・口渇・腹が脹満・便が詰まり、たわごと言っ          て発狂する)
    罩胎散(傷寒で大熱を発しor痘疹を発して胎を傷つける)
 当帰芍薬散(咳)

 
 妊婦の子宮下墜
  【処方名-五十音順】
    補中益気湯


 妊婦の糖尿病
   ◎判定基準:
    イ)日本産科婦人科学会では、静脈血漿中のグルコース濃度(mg/1Œ)が
      ①空腹時に100以上
      ②75gのグルコース負荷試験をした1時間後に180以上。
      ③同2時間後に150以上
     のうち、2項目を満たした時に妊娠糖尿病としている。
    ロ)WHOは違う基準。世界的に統一した基準はない。

   ■ここ数年増加傾向。
     「妊娠中の血液検査で、血糖値が標準より高いことが分かり「妊娠糖尿病」と     診断される妊婦が最近、目立ってきている。妊娠したことで食べ過ぎて、脂肪     や塩分、糖分を摂りすぎることが原因になっているようだ。
1)妊娠糖尿病の軽症:4000g以上の巨大児が生まれる確立が高くなり、
      2)妊娠糖尿病の重症:胎児の心臓や肺の成熟が悪くなったり、奇形になった               りする確立が高くなる。
      東京医大の高山雅臣教授は「母親の胎内で血糖値が高い環境になれてしまい、     無事生まれたと思っても出産後に急に低血糖の環境に置かれると脳に障害が出     る恐れもある」と指摘する。
      東京女子医大糖尿病センター前所長の大森安恵・日本糖尿病学会長による      と、妊婦の2人/1000人が、妊娠中の軽い糖代謝異常も含めて糖尿病と診断さ     れている。同センターでは、妊娠を望む女性は
        ①家族に糖尿病の人がいる
        ②肥満
        ③35歳以上
        ④すでに妊娠した人は前の子の時に尿に糖が出ていた。
     などの場合、妊娠前に必ず血糖値を測るように呼びかけている。1997.6.1《朝     日新聞》




 認知症
■特発性正常水頭症
「認知症の中で手術で治るタイプに『特発性正常水頭症』がある。脳を守る脳脊髄液が過剰になって脳を圧迫して発症する。認知症患者の5%を占めるとされる。
診断
・MRI画像を見ると、脳の中央部にある脳室と呼ぶ部分が拡大している。ほかの認知症で見られる尿表面の萎縮が無い
・腰から髄液を一時的に抜く「タップテスト」で顔つきが変化し、認知症テストが好転する。
症状:(歩行障害・認知障害・尿失禁)
・小刻みによちよち歩く。つま先が広がった状態で歩幅は狭い。
・つまづきやすく、不意に転んでしまう。
・歩き出すときに、第一歩が出にくく、床に張り付いたような感覚がある。
・注意力や集中力を維持するのが難しい。
・近頃、物事が覚えづらい
・今まで習慣にしていたことや趣味をしないで、ボーッとしている。
・最近、トイレが非常に近い
・排尿をガマンできる時間が非常に短くなった
・尿を漏らすことが多くなった。
手術
余分な髄液をチューブを介して副腔内に流し出す「シャント術」。全身麻酔で約1時間。
脳にチューブを入れる[V-Pシャント]と腰の背骨付近にチューブを入れる[L-Pシャント]がある。


レビー小体型認知症
特徴:
幻視・幻聴がある。本人が覚えていることが多い。幻聴で気になって
動きだした時に転倒することがある。
薬で悪化・・・
入院して薬を飲み出したら、よだれを流し歩けなくなった。薬をやめると、頭のかすみが無くなったと話した。









































■前頭側頭型認知症
まわりから迷惑な行為をする。
統合失調症と誤診されることがある
情動行為が特徴 
患者の得意なもので改善
社会的に認められないと感じている
人格が変わる
治療薬が無い



 任脈陥没
  【処方名-五十音順】
    四逆散

 任脈拘急
  【処方名-五十音順】
    四逆散



【病状ぬ】