<ひ> つらい症状・病名


 Bウイルス
⇒ヘルペスウイルスの一種。ヒトが感染すると脳炎などを起こし、致死率が高いウイルスだ。

「医学実験用動物、マカカ属サルが「Bウイルス」をヒトに移し、脳炎を起こし、36人が感染し、23人が死亡した」
日本ではまだ「Bウイルス」感染の報告がないので安心していたところ、さらに驚く記事が朝日新聞に掲載された。「輸入サル4割感染・ヒトに脳炎起こすBウイルス」とあって、医学実験用にアジアなどから輸入しているマカカ属サルの4割以上が、人命にかかわりかねない「Bウイルス」に感染していることが、大半の実験用サルの検疫業務にあたっている(社)予防衛生協会のまとめで分かったという記事だった。予防衛生協会は国立予防衛生研究所の外郭団体で、厳密なウイルス検査などが出来る国内唯一の研究機関である。
その予防衛生協会によると、1995年4ヶ月で検査したカニクイザルやアカゲザル1027匹のうち、436匹(42%)がBウイルスの抗体を持っており、感染していることがわかった。
ペットとして輸入されたサルには、法的に義務づけられた検疫制度はない。
大蔵省の外国貿易統計課によると、サルは年間約5000匹が輸入されている。     藤田紘一郎著「ボンボン・マルコスのイヌ」より。

■カニクイザルから「死のBウイルス」
「商取引禁止の国際希少動物を譲り受けたとして大阪府警に摘発されたペットショップ「梅田ワンワンランド」(大阪市北区曽根崎2)が、ヒトに移ると死亡率の高い『Bウイルス』の感染したカニクイザルを同市内の女性(47)に販売していたことが15日分かった。女性には感染していなかったが、店に返したサルの行方は確認されていない。ペット用サルの感染症に現在、法的規制はなく、専門家は「サルを安易に飼うのは危険だ」と行政による対策の強化や市民啓発の必要性を訴えている。
関係者によると、女性は昨年秋、同点で「よくなつく」と勧められオスのカニクイザル1頭を20万円で購入。「検便済みで健康に問題はない」と言われたが、エサをあまり食べないため、飼育法を勉強するうちに感染症の危険を知り、大阪府内の動物病院に検査を依頼。症状は無いものの、Bウイルスを保有していることが分かった。
獣医は安楽死を勧めたが、女性は獣医の診断書を示して同点にサルを返し、代金返還を受けた。
霊長類愛護団体から連絡を受けた大阪市感染症対策室は今年4月、同点を訪問。」事情聴取に対し、店長の柏尾正人容疑者(32)(種の保存法違反容疑で逮捕)は「獣医に頼んで安楽死させた」「その後、カニクイザルは扱っていない」などと説明していたが、市は具体的な行方までは追跡しておらず、他のサルとの接触状況や転売の有無も確かめていないという。
Bウイルスは発症したサルに噛まれたり、引っかかれれたりして感染すると、脳炎や脊髄炎を起こす。早めにウイルス剤で治療すれば助かるが、以前は致死率が80%にのぼった。厚生省によると、霊長類は年間4、5000頭が輸入されるが、現在は検疫がなく、実験用サルを研究機関が自主的に検査する程度。4月に改正された感染症新法で、来年1月から霊長類の輸入には検疫が義務ずけられるが、検査対象は[エボラ出血熱][マールブルグ病]に限られ、Bウイルスは入っていない。
大学の実験用ニホンザル、アジアから輸入されたサルを対象にした調査では、Bウイルスの保有率がいずれも40%を超えている。
飼育下の霊長類の保護団体「ペットモンキーラボラトリジャパン」の高井絵理・副理事長は「無検疫の輸入や、ヒトとサルに共通する感染症について知識を持つ飼育者はわずか。何も知らずに世話をしていると、命にかかわることもある」と強調している。」
●人に移る病気多い
山内一也・東大名誉教授の話「サルの排泄物と見られる異物が目に入っただけで、Bウイルスに感染、死亡した例もあり、実験施設でもマスクや手袋などで防護するのが常識だ。サルは結核や赤痢を含めて人間に移る病気が多く、米国は1980年代にペット用のサルの輸入を全面禁止した。感染症新法も、公衆衛生の観点からは不十分だ」
●Bウイルス
ヘルペスウイルスの一種。アカゲザルやカニクイザルなどマカカ属のサルが自然宿主とされ、成熟したカニクイザルの感染率は8~9割にのぼる。ヒトへの感染は世界で約40例が報告され、うち30例が死亡。国内での報告はない。「B」は1932年に米国でアカゲザルに噛まれて犠牲になった研究者の名前に由来する。




B型肝炎
    (参照→肝炎)
⇒急性肝炎の一種で、非経口感染します。
性行為で感染します。唾液・涙でも感染します。
GOT・GPT・LDHは上昇し、アルブミン・コレステロールは低下します。
確定するためには、IgM、HBc抗体、HBs抗原の検査が必要です。
◎治療:(現代医学)
     <1>インターフェロン
     <2>アラA(抗核酸薬)
     <3>ステロイド離脱療法
     <4>有機ゲルマニウム
     <5>グリチルリチン
     「ラミブジン」
     「エンテカビル」が認可
◎遺伝子診断------保健適用あり。

■B型肝炎ウイルス
<1>B型肝炎ウイルスはA型よりはるかに複雑な構造で、普通ヒトにしか移らないが、近縁のウイルスにはカモやウッドチャック(北米産の齧歯類の一種)、リスなどに移るものもある。
<2>病気の症状が現れるまでの潜伏期間はA型肝炎が6週間ほどなのに対し、B型肝炎は6ヶ月もかかる場合がある。
<3>これは血液や唾液、精液を介してヒトからヒトへ感染するので、性病の1つとされている。
<4>アメリカでは血液供給施設で必ず検査するようになるまで、輸血後B型肝炎のために毎年数1000人が死亡していた。そのうえ、このウイルスは非常に安定しているため、注射針や手術用具、とげ、とがった石などに付着したものでも病原性を失わない。世界中で何億人もの人々が慢性感染しているうえ、A型肝炎と異なり、他の人々に移す事が出来る。
<5>アジアやアフリカでは、B型肝炎が出産や授乳によって母子感染することが多い。
<6>このウイルスは長期間体内にひそんで肝臓ガンを起こすことがよくあるので、世界中でごく一般的な発ガン性ウイルスとされている。
 (A Field Guide to Germs by Wayne Biddle)春日倫子訳より。
   
■B型肝炎
「56歳の女性。健康診断でHBs抗原(B型肝炎ウイルス)が陽性と出ました。昨年までの健康診断では陰性でした。肝機能の値に異常はなく、自覚症状もありません。一過性のものなのでしょうか。周りの人たちに対する配慮はどのようにしたら良いでしょうか?」
◆[HBs抗原]というのは、何なのですか?
B型肝炎ウイルスの表面をおおうタンパク質の呼び名です。[s]は英語の表面 surfaseの略です。ウイルスは肝臓に入ると、肝臓に対してこの抗原を作れという指令を出します。これが陽性ということは、通常は肝臓の中にウイルス がいることを意味します。
昨年まで陰性だったそうです。
 大変珍しいケースです。陽性の方の大半は、免疫機能が未熟な3歳ぐらいまで に感染してウイルスを持ち続けているキャリア(感染者)と呼ばれる方です。こ の場合、子供のころは血液中にたくさんのウイルスがいますが、成長して免疫 力がつくと減ってきます。高齢になってウイルスがいなくなることもあります が、それでもs抗原は陽性が続きます。
 では一時的な感染なのでしょうか?
急性の感染なら、s抗原が陽性になる期間は2、3ヶ月です。たまたまその期  間中に健康診断を受けたということも考えられます。次の検査で陰性になったら、急性感染して治ったと分かります。ただし、ごくまれに、大人になって感染してキャリアになることもあります。
◆キャリアかどうかは、詳しい検査で分かるのですか?
s抗原陽性が半年以上続けば、キャリアと診断します。専門医は、様々な検査でウイルスが増えていないかどうか見極めます。B型肝炎ウイルスは肝臓にいるだけではほとんど悪さをしないのですが、増殖していると肝炎を起こすからです。ウイルスの中心部にはコア抗原と呼ばれる物質があり、肝臓の中でしか検出されませんが、少し形が変わると血液中に出てきます。これを[HBe抗原]と呼びます。e抗原が増えていれば、まず間違いなくウイルスも増殖しています。ですから、e抗原が陽性であれば、いまは肝機能が正常でも将来悪化する可能性があり、経過観察が必要になります。逆にe抗原が陰性で肝機能 が正常なら、たとえs抗原が陽性でもまず心配はありません。また感染してから1、2ヶ月だけ出る特別な抗体を調べて陽性と出れば、最近感染したのだと確認できます。
◆周囲へは、どのように配慮したらよいのでしょうか?
まず、血液中のウイルス量を測る必要があります。ウイルスが少なければ移す可能性はきわめて低く、夫婦間でも移りません。唯一の可能性は輸血ですが、いまは精密なチェックをしますから、他人を感染させてしまうことはありません。仮に血液中のウイルスが多いと、セックスなどでうつることがあります。この場合は恋人や配偶者にはワクチンをうってもらうべきでしょう。接種は3回必要で、半年かかりますが、こうやって抗体が十分に出来れば安心です。ウイルスの量が多い場合でも、話したり手を触れたりといったことでは感染しませんから、職場などではごく普通にしていてかまいません。いずれにせよ、早めに肝臓専門医を訪れて、詳しい検査を受けることをお勧めします。与芝真・昭和大藤が丘病院助教授」 1996.11.10《朝日新聞》
   
   
■欧米系
「B型肝炎ウイルスには、遺伝子構造の違いでA~Gまでの7タイプに分けられる。国内の調査ではCタイプが最も多く全体の84.7%、ついでBタイプが12.2%。欧米に多い慢性化しやすいAタイプは1.7%とほとんどいなかった。
ところが、日赤によると2002年の全国の献血者約587万人のうち、高感度の核酸増幅検査(NAT)でB型肝炎ウイルスの陽性反応が確認されたののが103人。その内訳はCが72人(69.9%)、Aが17人(16.5%)、Bが11人(10.7%)と、Aタイプの多さが目立った。
B、Cタイプの感染者は10~60歳代と幅広く、男女比もほぼ同じだったのに対し、Aタイプの感染者はいずれも男性で、40歳代の1人を除くと、20~30歳代に集中していた。2001年頃から急激にAタイプが増えているという。
全国的にみるとNATを導入した1999年以降、今年までの3年間でAタイプの感染者は東京(21人)、大阪(9人)、神奈川(6人)愛知(3人)、千葉(3人)と都市部を中心に見つかっている。日赤は「性風俗店が多い都市部の若い男性を中心に感染者が増えているのでは?」と見ている。
感染者が献血しても、感染後59日間は感染も有無を判定できない。この検査をすり抜けてNATをしても、感染後約34日間は検出できない。」2003.11.22《日本経済新聞》

【処方名-五十音順】
■柴胡桂枝湯
■小柴胡湯
■大柴胡湯

【西洋薬】
「ゼフィックス」(グラクソ):B型慢性肝炎治療薬。2000.9.22承認。
逆転写酵素阻害剤という日本で初めてのタイプ。ウイルスが増殖する際のDNA複製を阻害する。
【診断薬】
○HBV DNA検出キット
「バイオベンチャーのゲノムサイエンス研究所(福島市)のB型肝炎診断薬が厚生労働省の保険適用承認を受けた。B型肝炎についてはウイルス遺伝子の増減量を発見する診断薬はあるが、遺伝子の変異をつかむ診断薬は国内で同社製品のみ。急性肝炎の劇症化を早期に予測できるほか、慢性肝炎に対する治療薬投与の必要性も適切に判断できる。
2001年に製造承認を受け、ロシュ・ダイアグノスティクス(東京港区)を通じ販売。」2003.7.8《日経産業新聞》

無症候性キャリア・・・症状がない
ALPは正常
治療薬
①インターフェロン・・半年間
  35歳未満に原則的使用
  エンテカビル(進行している時)
②核酸アナログ・・・遺伝子の 長期に服用が必要

「ラミブジン」・・・耐性が起きやすい。副作用が出にくい。3年以上副作用が出ていない人は続服。
「アデホビル」・・・ラミブジンに耐性ができた人にラミブジンと併用。
「エンテカビル」・・・耐性が起きにくい
ラミブジンに耐性が出ている人に併用は不可。
ラミブジンで3年未満で耐性が出ていない人に使用。

e抗原が陽性・・・活動性を表す指標
HBV-DNA ウイルス量が多い→






BUN上昇
=「尿素窒素」上昇。
⇒原因:腎疾患、嘔吐、下痢、脱水、腸管出血で上昇する。
◎腎機能障害の指標として利用。
◎以下の薬物使用時のモニターになる。
<1>腎から排泄される薬剤:

①アミノグリコシド系抗生物質
②ジギトキシン
③プロカインアミド
④メトトレキサート
⑤ジソピラミド
⑥炭酸リチウム
<2>腎障害を起こしやすい薬剤:シクロスポリン 


Fallot四徴症

◎強いチアノーゼがみられる。

①肺動脈狭窄、

②心室中膈欠損症、

③大動脈騎乗、

④右湿肥大

の4つの要因を伴う心臓奇形。
   


Hailey-Hailey病
=「家族性良性慢性天疱瘡」
⇒主として項部、腋下、鼠径、陰股、肛囲などの屈側不や間擦部に紅斑を伴った集蔟性水疱が生じ、これが血痂、膿疱、色素沈着が加わり、膿痂疹様外観を呈したもの。
◎かゆみがあり、しばしば二次感染をきたす。


 

Hirschsprung病
=「ヒルシュスプルング病」「先端性巨大結腸症」
⇒頑固な便秘が主症状で、太鼓状の腹部全体が膨満する。
◎幼小児にみられることが多い。

ヒルシュスプルング病は出生児3000~5000人当たり1人の割合で生まれ、腸管の収縮活動がうまく出来ず激しい便秘などを引き起こす。大半の患者は手術で治るものの、知的障害やテンカンなどを併発するケースが稀にある



Paget病(ページェット病)
⇒原因不明の疾患。
*「変形性骨炎」:頭蓋骨、脊椎、大腿骨、脛骨、骨盤などを侵す慢性骨疾患。

*「乳房ページェット病」:中年以降の女性の乳房に小病巣から始まり、周囲に広がってガンとなる。


 

PIE症候群

pulmonary infiltration with eosinophilia
=「好酸球増多性肺浸潤症候群」
⇒末梢血の好酸球増加を伴う肺疾患。
◎原因:

*Löffler症候群:極めて一過性の肺浸潤や気管支喘息に伴うもの
*熱帯性好酸球増加症
*Hodgikin病
*結節性動脈周囲炎に伴う浸潤
*PCO=(Stein-Leventhal症候群)


PQの延長
⇒PQ間隔は房室間興奮伝導時間を表す。
◎原因:

①ジギタリス服用により見られる変化。
②高カリウム血症(K>6.0mEq/)


PBI上昇
◎高値:

①Basedow病
②亜急性甲状腺炎
③甲状腺ホルモン過剰投与

 

 

PTSD
=「外傷性ストレス性障害」
     (参照→多動性障害)

■電車で酔客から暴行
「電車の車内で男性から下腹部を蹴られるなどの暴行を受け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)などの被害を受けたとして、東京都内の主婦(31)が、暴行した都内の会社員(54)を相手取り、約6000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、東京地裁であった。〇岡〇美子裁判官は「PTSDが、後遺症として残っている」とのべ、会社員に約450万円の支払いを命じた。司法関係者によると、精神的な障害を被害として認定し、賠償を命じた判決は珍しいという。」
判決によると、女性は1995年6月。JR山手線の社内の座席に座っていたところ、酒に酔った会社員が突然、足や下腹部を3、4回蹴られた。男性は暴行の現行犯で逮捕され、同年12月、東京地裁から罰金20万円の略式命令を受けた。
主婦は事件後、山手線を利用した時や訴訟資料を見るとき、事件がその場で起こっているように感じたり、会社員に似た男性を見ると、恐怖感が起きる症状が現れ、PTSDと診断された。
判決で裁判官は「事件前には無かった精神症状が現れるようになり、日常生活に少なからず障害が出ている」と指摘。精神的ショックが原因となって排尿障害などの発症したとして、慰謝料などを認めた」

■脳の特定部位が縮小
「東京大学と東京都精神医学総合研究所のグループは、地下鉄サリン事件で心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症した被害者は、恐怖などの感情を調節する脳の部位が小さいことを突き止めた。
東大の加藤進昌教授と山末英典医師、笠井清登助手ら研究グループは、1995年に起きた地下鉄サリン事件の被害者25人の協力を得て、磁気共鳴が蔵装置(MRI)で脳の形態を調べた。事件後にPTSDと診断された9人は症状の無かった16人と比べ、脳の中心近くにあり、感情を制御する前部帯状皮質が小さかった。症状が重いほどこの傾向が強かった。
この部位が事件の影響で縮小したのか、もともと小さい人がPTSDになりやすいのかは分からないと言う。」2003.7.8《日経産業新聞》
■恐怖
「2008年6/18、恐怖を感じるような体験をした際、脳内の特定のタンパク質が、過剰な恐怖記憶を作らないように「ブレーキ役」として働いていることを群馬大学の児島伸彦講師(神経薬理学)らのグループがマウス実験で確認した。
過剰な恐怖記憶は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の原因になる。ブレーキ役をしているタンパク質は『アイサー』と呼ばれ、遺伝子からタンパク質が合成される転写段階にかかわっていることが知られている。
グループは遺伝子組み換え技術を使ってアイサーを持たないマウスと、アイダーが働きすぎるマウスを作製。両方のマウスに、ブザー音を聞かせながら電気ショックを与える恐怖体験をさせた。
しばらくしてから、再びブザーを聞かせ、恐怖感で身をすくませる時間を比較した。
アイサー欠損マウス・・・アイサー余分のマウスに比べて4倍ぐらいすくんでいた。」
■制御タンパク質を発見
「東京農業大学の喜田聡教授は災害など恐怖体験が原因で起こる心的外傷ストレス(PTSD)にかかわる脳内タンパク質の働きを解明した。
PTSDの治療では、恐怖の記憶を対話で思い出させて徐々に薄れさせていく『暴露療法』が一般的だが、専門医不足や治療に時間がかかるなどの課題がある。
同教授によると、長期の記憶が成立するには安定的な「記憶固定化」の過程が必要。記憶が思い起こされるといったんは不安定状態になり、再度記憶に残すには「再固定化」が必要なことが分かっている。記憶の制御に2つのタンパク質がかかわっていることを発見。
・カルシウムを細胞内に取り込む『LVGCC』
・カナビノイド(伝達物質)を受けとる『CB1』
マウスを使いこの2つのタンパク質を、記憶に関する海馬で働かないようにして実験。正常なマウスに比べて行動に違いが現れ、恐怖体験に基づく“おびえ”の行動が長く続いた。記憶が消失するために一度は必要な「記憶の不安定化」が起きなかったことで、恐怖が消えなかった可能性がある。2008/7/16
■長期間残る記憶
「2009年、強い刺激を受けたときなどに脳に記憶が長期間残る仕組みの一端を、三菱化学生命科学研究所のチームが動物実験で赤らカニした。5/15のサイエンスに掲載。
研究チームはラットの脳神経細胞を培養して実験。ラットが電気ショックを受けるなどの強烈な刺激を神経細胞に与えると、特定のタンパク質が神経細胞に働き、その“痕跡”が記憶として保存されることを突き止めた。
脳神経細胞にはシナプスと呼ぶ“スイッチ”が数万個ある。記憶に関するタンパク質は、外からの刺激に盛んに反応するシナプスだけに蓄積してシナプスが変形。記憶が神経細胞のネットワークとして残ると見ている。」



von Willebrabd病
⇒血液凝固因子の1つ、von Willebrabd因子が先天的に少ないか、質的に異常があるために出血しやすい病気。




ビタミン依存症
⇒通常の治療量をはるかに超える量を投与しないと欠乏症状をします遺伝性疾患。
その多くの場合、血中・組織中のビタミン量は正常である。




ビタミンB1欠乏症
◎以下のものがある。
①脚気 beriberi
②ウェルニッケ・コルサコフ症候群

■偏った食事
「人は糖・脂肪・タンパク質の3大栄養素を分解してエネルギーを得ている。いずれも最終的には共通の酸化システム、いわば「燃焼炉」で分解されエネルギーを発する。この燃焼炉はクエン酸回路といい、細胞の中で血液から酸素と栄養素を受け取り、日夜エネルギーを作っている。
何らかの理由で酸素不足になると燃焼炉の働きが低下し、糖質の代表であるブドウ糖を利用できなくなって体内の乳酸が多くなる。たとえば、ショックで血液循環が悪くなると乳酸が増え、血液は著しい酸性となる。激しい運動でも酸素供給が追いつかず、筋肉に乳酸がたまり、これが筋肉痛に関係すると考えられる。
ブドウ糖の利用を促すのがビタミンB1で、欠乏すると神蔵や神経に障害が起こる。これが脚気だ。脚気は過去の病気のように思われているが、都市部の若者の中には、意識を失い、血液が著しく酸性となった状態で緊急入院する例がある。点滴で水分やブドウ糖を補給しても血液は酸性はままで病状が改善しない。ビタミンB1を注射すると劇的な効果を発揮することがある。偏食によるビタミンB1欠乏症だ。」(行岡哲男・東京医科大学教授)2003.5.6《日本経済新聞》



ビタミンD依存症
=「仮性ビタミンD欠乏性くる病」
⇒常染色体性劣性遺伝。
◎病因:不明
◎症状:VD欠乏性くる病に同じ。

 


ピック病
■万引き
「中川堅茅ヶ崎市役所の企画部文化推進課長だった中村成信さん、2006年2月に、懲戒免職になった。2週間前に、同県寒川町の自宅近くのスーパーで、チョコレートとカップ麺計3300円相当を万引きしたとして逮捕されたためだ。
翌月、中村さんは北里大学病院で若年認知症の1つ、ピック病と診断され、万引きは「病気による行動」として同市に処分の取り消しを求めた。職員処遇の不服申し立てを扱う同市公平委員会が2008年4月から非公開で審議中で、来春に結論が出る。
ピック病とは、脳の前頭葉から側頭葉にかけて萎縮することにより、主に情緒や行動の抑制がきかなくなり、起こりっぽくなったり、同じことを繰り返したりする病気。原因は不明で根治療法はない。
同じ認知症でも「アルツハイマー病」ほどには記憶力や記銘力は衰えない。約100年前にチェコのアーノルド・ピック博士によって最初の症例が報告された。
万引きについて、若年認知症に詳しい「ゆきぐに大和病院」(新潟県魚沼市)の宮永和夫院長は「物事を順番通りに行えるのは前頭葉の働き。それが侵されると、無意識のうちにある行為を飛ばしてしまう。商品を買う手順のうち、レジで金を払うという行為が抜け落ちることになる」と説明する。
同じように万引きの疑いをかけられたピック病患者を何人も診てきた。「商品を隠さないで外に持ち出すので、万引き犯とは全く違う。医師の診断をキチンと受け手から処分を検討すべきだった」と、茅ヶ崎市の対応に疑問を抱く。
中村さんの妻は、事件前の中村だんの行動を改めて振り返るとおかしなことがたびたび起きていたと話す。「ネクタイや靴を何回も続けて買ってきた」。とりわけ、「仕事帰りに買うトイレットペーパーで納戸が一杯になったときは驚いた」2008/12/4/



ヒトT細胞白血病
  (ATL)adult T cell leukemia
=「成人型T細胞性白血病」
⇒レトロウイスル(HTLV-1:ヒトT細胞白血病ウイルス)がリンパ球に感染するもの。
西日本に100万人以上の感染者がいるとされる。。発症するのは感染者の2~5%で、発病までの潜伏期間は約50年と長いが、治療法は確立していない。
◎症状:
*リンパ節腫張
*皮膚症状
*肝脾腫
*高カルシウム血症
*白血球数増加

 

ビブリオ・ブルニフィカス感染症
■“人喰い菌”
「夏、生の魚介類から感染し、数時間~数日で手足が壊死して死に至る人喰いバクテリア症を起こす細菌『ビブリオ・ブルニフィカス』で今年もまた被害者が出たことが24日、分かった。先月、千葉県の男性が死亡し、大阪と九州でも今月、重症者が出ている。肝硬変など重い肝臓障害のある人が罹りやすい、という特徴がある。専門家は「猛暑が予想されている今夏は海水温が上がり、菌が広い範囲で増えて昨年より被害が広がる恐れがある。肝臓病の人は生魚を避け、火を通して食べるなどの注意が必要だ」と警告する。
先月半ば、50大の男性が千葉県内の救急救命センターに運ばれてきた。同センター関係者によると、左腕が腫れ、ショック状態だった。抗生物質や輸液などの治療をしたが、2日後に死亡した。壊死した腕の組織からビブリオ・ブルニフィカスが検出された。
主治医によると、亡くなった人は肝硬変を患っており、発病の2日前に友人と釣りに出かけ、釣った魚や貝をその場で食べたらしい。同じ魚介を食べた友人らは何ともなかった。
このほか、今月3日には、大阪府内の救命救急センターに50大の男性、同9日夜には、九州の大学病院に60歳代の男性が、同様の症状で入院し、重体になっている。どちらも肝硬変患者だ。
ビブリオ・ブルニフィカスは、食中毒菌である腸炎ビブリオの仲間。健康な人なら発病しないが、肝硬変など重い肝臓病の人に感染すると、数時間~数日後に手足の激痛からはじまり急激な壊死、という人喰い症状を起こす。死亡率は約7割。昨年は少なくとも4人が死亡している。
菌は海水に棲み、水温が20℃を越すと増殖する。これまでの報告例を調べた熊本中央病院の古城八寿子・皮膚科医長によると、キンカイの表面海水温が高い年は広範囲に患者が出る傾向がある。1978年以来、約100例が報告されており、秋田での例が最北。東京では9例、京阪神でも10例が起きている。
●知識足りず
「ビブリオ・ブルニフィカス感染症は恐ろしい病気だが、原因(汚染された生の魚介類)と、危険因子(肝臓病)がハッキリしているから対策はむしろとりやすい。
肝硬変など重い肝臓病を患う人には、主治医が“夏場は魚介類を生で食べないように”と食事指導すれば、寒疝を防ぐことが出来るはずだ。発病しても、医師にこの菌に関する知識があり、適切な抗生物質を早く使えば、救命率は上がるだろう。
しかし、現場の医師の多くはこの菌についてほとんど知らないのが現状だ。今年4月、日本感染症学会で症例報告した佐賀医大病院のスタッフには、「こんな病気は初めて聞いた」と治療や診断の方法について質問が殺到した。
同様の人喰いバクテリア症である『劇症型A群溶連菌感染症』は、厚生省研究班ができ、広く知られるようになり、救える例も増えている。」(科学部・中村通子)2000.7.25《朝日新聞》

 



ひきつけ
(参照→「小児のひきつけ」「熱性ケイレン」)
=小児の全身性ケイレンのこと。全身の筋肉が突然収縮して突っ張り、同時に意識も失う。

(原因)
<1>脳に原因がある場合。
1.脳炎
2.髄膜炎
3.脳出血
4.脳腫瘍
5.テンカン
<2>脳以外に原因がある場合。
1.中毒
2.脱水
3.夜驚症
4.消化不良
5.夜泣き
6.窒息
7.失神発作
8.ヒステリー
9.熱性ケイレン:乳幼児は発熱だけでもケイレンを起こすことがある。
   

☆小児脳膜炎の初期:「竜胆湯[1]」《備急千金要方》
☆高熱でひきつけ:「新続命湯」《済世薬室》

【民間療法】
<1>カギカズラ。
<2>アマ・ハラン・メハジキ・ユキノシタ。

【処方名-五十音順】
■葛根湯
■括楼桂枝湯
■甘草乾姜湯
■還魂湯
■桂枝人参湯
■呉茱萸湯
■紫円
■小陥胸湯
■生姜瀉心湯
■小柴胡湯
■走馬湯
■大黄黄連瀉心湯
■大柴胡湯羚羊角・甘草
■大承気湯
■竹葉石膏湯
■猪苓湯
■人参湯
■白通加猪胆汁湯
■抑肝散(乳幼児、神経過敏)
■抑肝散加陳皮半夏(夜驚症、神経衰弱)



ひざが痛い
=「膝が痛い」
◎ウォーキングがおすすめ
「膝が痛い人はO脚が多く、脚の外則が7mm程度高くなるようにすると、40%以上の人で痛みが軽減しました。また、お尻の筋肉(大臀筋)を強化し、足の親指の真上を膝のお皿の中心が通るようにして歩いてください。
運動選手を診ていると、安静にしているより、安静にしていない人の方が治りは早い。一般の人も同じで、頑張って歩く人の方が早く回復します。」
   
●「エンドボタン」手術
「前十字靱帯が正常に機能するよう戻すためには、傷ついた靱帯を取り除き、別の組織と置き換える手術が必要になる。土屋部長が4年前から取り組んでいるのが、「エンドボタン」と呼ばれる手術法だ。
膝の内側にある腱の一部を取りだし、ナイロン糸で上下に引っ張り、大腿骨と脛骨に開けた穴に通し、前十字靱帯の代わりとする方法だ。ナイロンにとの先を金属のボタン様のもので留めることから名付けられた。
「標準的治療は、膝の皿の下にある別の靱帯の一部を骨ごと取り、これを前十字靱帯の代わりにする方法だが、これでは筋力の回復に時間がかかる。それに比べ、エンドボタン法は回復も早い。

■軟骨細胞を再生
「病気やゲガで損傷した、ひざなどの関節部の軟骨細胞を増やして患部に移植し、軟骨組織の再生を図る治療法を、島根医科大学の越智光夫教授(整形外科)らが開発し効果を上げている。軟骨細胞をゼリー状のコラーゲン(結合組織)に封入する方法で、1996年2月以来、この治療を受けた患者約50人のうち、2人はうまくいかなかったが、他の患者は日常生活に復帰出来た。
軟骨組織は主要な骨同士が接する部分にあり、クッションの役目をしている。
越智教授らは、患者の大腿骨の中dえ体重がかからない部分に内視鏡を入れて軟骨片を採取。細かく砕き、酵素で処理して軟骨組織を取り出した。これを、牛皮から精製したコラーゲンに入れてぜりー状にしたあと、3週間培養し、欠損部に移植。すねから採取した骨膜を患部に縫いつけ、漏れ出さないように蓋をする。
培養軟骨の移植は94年、スウェーデンの開業医らが始めた。しかし、軟骨細胞を液体に入れて注入する方法のため、骨膜でふたをしても、術後早期に体を動かすと移植部から漏れる恐れがあった。そこで、越智教授はゼリー状のコラーゲンに封入して漏れを防ぐ方法を考案した。
大阪市内の男性(20)は中学時代、野球部の練習中に右膝を骨折し、膝蓋骨(皿の中の軟骨)を手術でほとんど失った。
島根県内の高校進学後にこの治療を受け、約16平方センチの欠損部は徐々に回復。約1年後には野球の練習を始め、コウコウ3年の夏には県大会にチームの中心選手として出場できた。「今はたまに違和感を覚える程度」と喜んでいる。」
■ひざの裏と脇が痛んでむくむ
「50代の母は、昨年末に腰がヘルニアになりかけ、痛み止めの薬で痛みを取りましたが、その後、ひざの裏とワキがむくみ、痛みで歩行困難になりました。骨には異常が無く、湿布を貼ってもよくなりません。」
変形性膝関節症の初期と思われます。膝関節は、骨以外に直接体重を支える関節表面の軟骨、ショックを吸収する半月板のズレを防ぐ靱帯、そして関節全体を包む関節包、潤滑油として働く関節液などから成っています。
私たちが、立つ、歩くなどの動作をするたびに、体重がこの膝関節にかかります。加齢とともにこの関節の機能が低下して、軟骨や半月板などのかみ合わせが緩むことがあります。そして、次第に炎症が起こり、水が溜まったり、痛みが出たりするのです。
膝の裏の痛みはこのほかに『膝部嚢腫』によっても起こります。これは、関節包が、お餅の一部が膨らむように、関節液とともに後方に膨れ上がるものです。
治療法は、抗炎症剤の内服、外用剤の塗布、水が溜まっているときは液を抜き、ホルモン剤や関節軟骨保護剤を注入します。これでだめな場合、関節鏡検査を行い、滑膜切除や軟骨・半月板の傷ついた部分を削ったり、縫い合わせたりします。(園尾宗司・兵庫医科大学教授)
■半月板損傷
「Aさん(40)は1ヶ月ほど前に無理な動きをして右膝をひねって痛みを感じるようになった。最近では階段の上り下りやしゃがみ込むと痛みが強くなった。膝に何となく引っかかりを感じ、正座もしづらくなった。昨日は歩きすぎたためか、朝起きると膝の周りが腫れぼったく感じて、いつもより痛みも強い。そこで整形外科を受診すると、半月板損傷と診断された。
 半月板は膝関節の安定性を増し、荷重を分散させる軟骨様のもので、運動などによって断裂することがある。傷ついた半月板が関節の軟骨の間に挟まって膝が伸びなくなることもある。10~20歳代ではスポーツで痛めることが多いが、中高年では少し膝をひねったぐらいでも断裂することがある。
 中高年で起きる膝の痛みには関節リウマチや痛風などによるものがある。起床時の手の強バリや、膝以外の関節の痛みがあれば関節リウマチが疑われる。痛風では突然、激しい痛みが起こる。50歳を過ぎると変形性関節症による膝痛が最も多くなる。膝関節の動きが悪くなって、タタミの上の生活が苦痛になってくる。」(内田淳正・三重大学医学部教授)2003.6.10《日本経済新聞》

【民間療法】
○アオツズラフジ・アサガオ・イノコズチ・ウシ・ウド・オオツズラフジ・クガイソウ・ゴボウ・サンショウ・ショウガ・スイカズラ・ダイコン・ダイコンソウ・トウガラシ・ドジョウ・ニワトコ・ハトムギ・ヒガンバナ・ボタン。
○[ドクダミサルトリイバラボタン]
〇[クワエビスグサハトムギ]
  
【処方名-五十音順】
■疎経活血湯(漿液性)
■大黄附子湯
■当帰芍薬散(膝関節痛)
■防風通聖散
■薏苡仁湯(腫脹・熱感・疼痛)



ひざに力が入らない
【処方名-五十音順】
■痿証方(腰から下に力が入らない・しびれ感強い)
■滋陰降火湯
■左帰丸(腰膝に力が入らない・羸痩)
■天王補心丹(腰膝がだるい・力が入らない)
■八味地黄丸



ひじが痛い
=(臂痛ヒツウ) 肘関節の疼痛のこと。
◎主薬:手臂痛には、薄桂・羗活を主薬とすべし《万病回春》
【漢方療法】
<1>寒痛:[五積散]
<2>風痛:[烏薬順気散]
<3>湿痛:[蠲痺湯蒼朮・防已(酒蒸)]
<4>気血の凝滞から:[薑黄散][舒筋湯]
<5>風湿臂痛:[活終湯]
<6>七情臂痛:[白芥子散]
<7>臂胛痛:[五寒脂散]
<8>折傷の後の手足の疼痛:[応痛元]
<9>腕も上げられず、又痛みが左右に移動する:[控涎丹][半硝丸][消痰茯苓丸]
<10>痰飲臂痛:[加減茯苓丸][芎活湯][半夏芩朮湯]
 

【処方名-五十音順】
■烏薬順気散《万病回春》
■応痛元(折傷の後に風寒湿のため手足が痛む)
■活絡湯(風湿臂痛)
■加減茯苓丸(湿痰が溜まって、両腕が痛む)
■芎活湯(水飲が経絡に流注して)
■薑黄散(臂痛に使う)    
■蠲痺湯《万病回春》
■虎骨酒(臂(ヒジ)脛の腫痛に、軽重を問わず効果がある)
■五積散《万病回春》
■五霊脂散(風寒湿による気血の壅滞と臂胛の疼痛)
■滋栄調中湯《万病回春》
■消痰茯苓丸(痰飲が流注し、腕が上がらず、痛みが移る)
■二朮湯《万病回春》(しびれ、運動障害、五十肩)
■半硝丸(痰飲の流注疼痛)
■白芥子散(七情が欝結して栄衛が凝滞し、肩・臂・背・胛がつっぱって痛む)
■半夏芩朮湯(痰飲による臂痛で腕も上がられない)
■艀経湯(気血が経絡に凝滞し、臂痛)

【民間療法】
<1>アサガオ。
<2>ドジョウ。
<3>ヒガンバナ。
<4>アオツズラフジ・ウシ・ウド・オオツズラフジ・クガイソウ・ゴボウ・サンショウ・ショウガ・スイカズラ・ダイコン・ダイコンソウ・トウガラシ・ニワトコ・ハトムギ・ボタン。
<5>[ドクダミサルトリイバラボタン]
<6>[クワエビスグサハトムギ]



ひじが曲がらない
⇒肘関節が曲がらない。
  【臨床例】
☆《建珠録》
「京の東福寺塔頭、松月軒の某長老、病みての後、肘骨突出して、屈伸すること能わず。
《吉益東洞》先生、之を診す。腹皮攣急し、四肢沈惰し時ありて上逆す。桂枝加附子湯及び芎黄散をつくりて之を飲ましめ、時に梅肉散を以て之を攻むること数十日。肘骨、故に復す。屈伸意の如し。」


 

ヒ素中毒
◎主薬:砒毒にあたるは、豆豉・蚯蚓を主薬とすべし《万病回春》
■防風+甘草


 びまん性間質性肺炎⇒「肺線維症」参照。

 

びまん性汎細気管支炎
  (DPB)
=肺に空気を送り込む気管支の中でも、細かく枝分かれしている細気管支に広く慢性の炎症が起きる病気。東アジアに多い。
症状は、せきや痰がひどく、呼吸困難を起こすため、以前は死亡する人も多かった。
◎エリスロマイシン(マクラロイド系抗生物質)が有効。
マクラロイド系の抗生物質に耐性を持つ細菌で肺炎を起こす患者には、ペニシリン系が有効。
◎1982年、厚生省特定疾患「間質性肺疾患」調査研究斑の診断基準
[Ⅰ]概念:
びまん性汎細気管支炎とは、呼吸細気管支に病変の主座をおく慢性炎症が、両肺びまん性に存在し、強い呼吸障害をきたす疾患である。
形態像は、呼吸細気管支を中心として細気管支炎及び細気管支周囲炎であり、リンパ球・形質細胞など円形細胞浸潤がみられる。しばしば、リンパ濾泡形成を伴うが、ときには肉芽組織による閉塞の形をとることもある。
性差はほとんどなく、発病年齢は各年代層にわたり、高率に慢性副鼻腔炎を合併または既往に持つ。
慢性せき・タン・労作時息切れを主症状とし、呼吸不全のために転帰をとることが多い。
[Ⅱ]主要臨床所見
咳・タン、及び労作時の息切れ。
胸部聴診所見:湿性ラ音
        乾性ラ音
胸部X線所見:両肺野びまん性散布性粒状陰影および肺の過膨張所見。
呼吸機能検査所見:以下の4項目中3項目以上を満たすもの。
  ①1秒低下
  ②肺活量低下
  ③残気率増加
  ④低酸素血症
[Ⅲ]診断:
臨床的に上記の主要臨床所見を満たすもの。
鑑別を要する疾患:
  ①慢性気管支炎
  ②気管支拡張症
  ③気管支喘息
  ④肺気腫症

◎1995年度の厚生省びまん性肺疾患調査研究班の報告では、70~79年に初診を受けたDPB患者190人の5年生存率は62%。
85~90年初診の87人では91%。


ひびcracked skin
【処方名-五十音順】
■桂枝茯苓丸
■当帰芍薬散

【芳香療法】
<1>安息香を稀釈しないで、ごく少量患部に塗布。
<2>じめじめした場所でひび:没薬安息香
        没薬安息香ラベンダー
<3>口唇にひび:[安息香バター]を1日5~6塗布。
【民間療法】
<1>カラスウリ。
<2>サネカズラ。
<3>ヘクソカズラ。
<4>アロエ・キカラスウリ・ゴマ・ザクロ・サンショウ・シイタケ・シュンラン・シラン・スギ・トウキ・ニッケイ・ミカン・ヤマノイモ・ユズ。



ヒステリー 
  hysteria
    (参照→育児ストレス)
⇒心因性の誘起された症候群で、相応する器官に病変がみられないのに、各種の身体症状(運動・知覚・感覚)或いは精神症状を引き起こす。
◎症状を起こすことで、無意識のうちに精神的葛藤を解決する心的メカニズムが働く。

(症状)
1.精神症状:幻覚を伴った朦朧感・平常時と全く異なった言動・わめく・踊る・歌う・二重人格
2.身体症状:直立出来ない・歩行出来ない・発声不能・ケイレン・尿失禁・ヒステリー球・卵巣痛
3.自律神経症状:食思不振・下痢・嘔吐
◎このような症状が起こっても、深刻な苦悩はなく、疾病逃避あるいは疾病利得の傾向がある。
  

【芳香療法】
◎ヒステリーの発作を予防する精油:
      カミルレ
      クラリセージ
      ラベンダー
      マージョラム
      メリッサ
      ネロリ
      ペパーミント
      ローズマリー
      イランイラン
◎ヒステリーの発作:以下の精油を、その人のうえからスプレーします。
      ペパーミント
      メリッサ
      ネロリ
◎発作後のサポートに、以下の精油でマッサージします。
      バラ安息香

【開放療法】
ベイチ博士の救急薬

【食事療法】
熱い甘い飲み物を飲ませる。

【色彩療法】
    <1>青色
    <2>赤紫色
    <3>緑色
    <4>緑色
    <5>緋色
【処方名-五十音順】
■茵蔯蒿湯
■黄連阿膠湯
■黄連解毒湯
■加味帰脾湯
■甘草湯(炎症<軽>、ケイレン性)
■甘麦大棗湯
■帰脾湯
■救逆湯
■桂枝加葛根湯(虚証、自汗、項背がこる)   ■桂枝甘草竜骨牡蛎湯
■桂枝茯苓丸
■柴胡加竜骨牡蛎湯
■柴胡桂枝乾姜湯
■柴胡桂枝湯
■柴胡清肝湯
■柴芍竜牡湯
■柴朴湯
■三黄瀉心湯
■四逆散
■桃核承気
■当帰芍薬散
■女神散
■半夏厚朴湯
■茯苓飲合半夏厚朴湯(悪心嘔吐、気鬱不安、胃内停水)
■抑肝散(動悸、不眠、神経過敏、自律神経失調症)
■抑肝散加陳皮半夏湯(神経衰弱、立ちくらみ、不安感)
■苓桂甘棗湯
■苓桂朮甘湯(めまい、動悸、目のふちがピクつく、手先のふるえ)
■苓桂味甘湯

   ◎炙甘草(大量に)
   ◎大棗(大量に)

【民間療法】
<1>カノコソウ。
<2>ウツボグサ・カギカズラ・コウホネ・サフラン・ショウブ・センニンソウ・チョウセンニンジン・トウキ・ネムノキ。
<3>[ビョウヤナギカンゾウ]
<4>[ナツメコムギカンゾウ]

【組み合わせ】
    <1>[甘麦大棗湯角参]

【宝石療法】
    <1>[サファイヤ]


ピーターパン症候群

①NK細胞が減少する。→「免疫機能不全」
②遊離脂肪酸が増加して、食欲を刺激する・・・“やけの大食い”
③交感神経を刺激させすぎて、副交感神経とのバランスが崩れる
④「愛情遮断性小人症」・・・ピーターパンの創作者であるJ.Mバリンがそうだった。
>⑤血糖値が正常範囲なのに・・・HbA1cが高い人はストレス過剰が疑われると> 言う



 
ビダール苔癬
⇒限局性の神経皮膚炎の代表的なもの。
「苔癬」=小丘疹の多数集合したもの。
◎症状:

①かゆみが激しい。
②側頸部に淡褐色の扁平な苔癬を生じる。



ヒポコンドリー 
hypochondriasis
   =「心気症」 (参照→心気症)
⇒神経症の1つ。

頭痛・頭がボーとする・肩こり・めまい・物忘れなどがあると訴えて、実際には悪くないのに、胃腸・心臓・頭・などに病気があるのではないかと、心配しあれこれ思い悩む。今までの経過を細かく書きとどめたノートを持ってくる者もいる。
【処方名-五十音順】
■半夏厚朴湯
■苓桂味甘湯

【民間療法】
<1>カノコソウ。
<2>ウツボグサ・カギカズラ・コウホネ・サフラン・ショウブ・センニンソウ・チョウセンニンジン・トウキ・ネムノキ。
<3>[ビョウヤナギカンゾウ]
<4>[ナツメコムギカンゾウ]

【宝石療法】
<1>[サファイヤ]

 

ビラン
⇒皮膚や粘膜が脱落してできた「ただれ」の状態。

 

痺(ひ)
=痺証。
(1)広く邪気が肢体・経絡・臓腑に滞ることにより起こる疾患<病名>。
(2)風・寒・湿邪が経絡を犯して起こる、疼痛・麻木などの症状。
(3)閉塞して通じないこと<病理>。
黄帝<問>「痺はどこから生じるのか?」
岐伯<答>「風寒湿の三気が交えると、その邪が加わって痺になるが、風気が勝てば「行痺」といい、寒気が勝てば「痛痺」という。また、湿気が勝つと「着痺」となる」と。
   行痺:[防風湯]
   痛痺:[茯苓湯]
   着痺:[川芎茯苓湯][三痺湯]
(4)五痺=冬に発生したら「骨痺」、春に発生したら「筋痺」、夏に発生したら「脈痺」、秋には「皮痺」になる。

【処方名-五十音順】
■蠲痺湯(手足が冷えて麻痺し、腰脚が沈重)
■行湿流気飲(風寒湿痺で麻木・不仁・手足が煩軟)
■五痺湯(風・寒・湿気が肌体に客居して手足が緩弱し、麻痺した者)
■五物湯(血痺)
■三痺湯(風痺で気血が凝滞し、手足がしびれる)
■升麻湯(肌肉が極熱し、体に麻痺が走り、皮色が変わる)
■川芎茯苓湯(着痺で四肢が麻木し、ひかかって浮腫)
■増味五痺湯(風寒湿が合わさって麻痺・不仁)
■茯苓湯(痛痺で四肢が疼痛し、ひかかって浮腫)
■附子湯(風寒湿が合わさり、骨節疼痛、皮膚の不仁、四肢が緩弱)
■防風湯(行痺が走注する) 
■羚羊角湯(筋痺で肢節が痛む)

 


 冷えのぼせ
  【処方名-五十音順】
■温経湯
■加味逍遥散
■五積散
■桃核承気湯
■当帰四逆加呉茱萸生姜湯

 

冷え症
   =「冷える」「冷え性」
◎原因:
<1>内因: ①貧血
      ②鬱血(うっけつ)
      ③水分の偏在
      ④自律神経の失調
      ⑤ホルモン分泌に異常
      ⑥新陳代謝機能の低下
<2>外因: ①冷房
      ②薄着
      ②湿気

■冷えから肌荒れ
「2009年ポーラ化成工業と自然科学研究機構・生理学研究所は、低温時に肌荒れを起こす原因タンパク質を見つけた。
表皮細胞の膜に含まれ、温度が5℃~55℃の範囲で開閉してカルシウムなどのイオン濃度を制御しているチャネル(貫通穴)のタンパク質は9種類見つかっている。
このうち体温近くで作用する『TRPV4』に着目し、細胞同士のつなぎ目「タイトジャンクション」(Tight Junction TJ)との関係をヒトの細胞で調べた。
TRPV4の働きが弱い24℃ではチャネルが開いてTJが開いた。逆に
TRPV4がよく働く33℃ではチャネルが開きTJが閉じた。TRPV4の働きを強制的に高める劇薬を24℃で加えた実験でも、TJが閉じた。
TJは皮膚中に水分などを保つ役割がある。

【芳香療法】
以下の精油は、毛細血管を拡張させ、温かみを感じさせます。
①ブラックパペー
②ジュニパー
③マージョラム
④ローズマリー

【処方名-五十音順】
■茵蔯四逆湯(四肢の冷え・黄疸)
■烏頭湯(四肢の冷え・関節痛)
■烏豆湯(四肢の冷え・関節痛)
■温経湯(のぼせ・下腹部の冷え)
■温脾湯
■艾附暖宮丸
■加味逍遥散
■芎帰膠艾湯
■桂枝加芍薬大黄湯(裏急後重、宿便)
■桂枝加朮附湯(冷え・疼痛)
■桂枝茯苓丸
■桂枝人参湯 
■桂枝附子湯
■桂芍知母湯(冷え・シビレ・痛み)
■血府逐瘀湯(刺痛)
■交泰丸(足が冷える・ふらつく)
■呉茱萸湯
■五積散
■柴胡桂枝乾姜湯
■再造散
■四逆散
■四逆湯
■四神丸
■芍薬甘草附子湯(ケイレン性疼痛)
■十全大補湯
■朮附湯(冷え・疼痛・シビレ)
■少腹逐瘀湯(腰腹部の冷え)
■真人養臓湯
■真武湯
■生化湯
■清心蓮子飲
■蘇合香丸(四肢の冷え・顔面蒼白)
■蘇子降気湯(呼吸困難)
■大黄附子湯(冷え・便秘・腹痛)
■大建中湯
■通脉四逆加猪胆汁湯
■程氏蠲痺湯(遊走性のシビレ・疼痛・運動障害)
■天台烏薬散(下腹部から大腿内側の放散痛)
■当帰四逆加呉茱萸生姜湯
■当帰四逆湯
■当帰芍薬加附子湯
■当帰芍薬散
■当帰湯
■桃核承気湯(のぼせ・便秘)
■独活寄生湯(冷え・遊走性のシビレ・痛み)
■二陳湯
■人参湯
■人参養栄湯
■八珍湯
■八味地黄丸
■附子人参湯(手足が冷える、下痢、硬直)
■防已黄蓍湯(汗かき、下半身浮腫、附子剤が反応しない者)
■防風湯(冷え・遊走性のシビレ・運動障害)
■保元湯
■麻黄細辛附子湯(悪寒が強く、のどが痛い、脈沈)
■薏苡仁湯(冷え・シビレ・痛み・重だるい)
■苓甘姜味辛夏仁湯(手足が冷える、栄養失調、咳嗽)
■苓桂朮甘湯(胃内停水、小便不利、めまい、動悸)
■苓姜朮甘湯(腰脚の冷えが強い、腰がスースーする)
■良附丸




冷や汗
=皮膚の汗腺にあるアポクリン汗腺の分泌物が「冷や汗」。

アポクリン汗腺は、腋下・陰部・色素が沈着した胸の部分(乳輪)に見られる。アポクリン汗腺は、毛包に開口し、思春期に活動を始め、ネバネバした粘度の高い分泌物を産生する。また、精神的ストレスや性的興奮で刺激される。

■低血糖の合図
「さっきまで元気にしていた子どもが、冷や汗をたくさんかいて何となくぐったりしている。顔色も蒼白く、手足は冷たい。会話の受け答えもおかしいと思っている間に意識がなくなってしまった。これは糖尿病の治療をしている子どもの「低血糖」症状である。
糖分(グルコース)は効率よく燃やされて、すべての細胞のエネルギー源になる。グルコースを細胞に取り込ませるのに不可欠なのが、膵臓から出るインスリンというホルモンだ。このホルモンは血液中のグルコースを細胞に利用させ、血液中の糖濃度(血糖値)を下げる。食事をすると、腸から栄養分が吸収され、血糖値が下がる。これを膵臓は速やかに感知してインスリンを分泌し、一定の値異常に血糖が上がらないように調節している。
小児の糖尿病はインスリンの投与が必要なインスリン依存型糖尿病が圧倒的に多い。自分自身はこのホルモンを分泌できないので、外から投与する必要がある。インスリンは今のところ注射薬しかなく、1日に何回かの注射を毎日することになる。
糖尿病の子どもたちは、自分で血糖値を測定して注射料を調節し、血糖を正常に近づける努力をしている。ただ、自然に分泌されるインスリンのように調節することは難しい。時にはインスリンが効きすぎて「低血糖」を起こすこともある。低血糖は糖尿病の治療では避けて通れないが、糖を補給すれば元に戻る。
日本では、小児のインスリン依存型糖尿病は欧米より少ないため、インスリン注射に対する理解を得にくい。周りにインスリン注射をしている子どもがいたら応援をお願いしたい。」(堀川玲子・国立小児病院内分泌代謝科)2000.9.25《日本経済新聞》



鼻炎 rhintis (rhin-=鼻)
=鼻カタル
「 catarrh」⇒組織の破壊を起こさない、粘膜の滲出性の炎症と粘膜上皮細胞の剥離が存在すること。
「鼻炎」は、鼻腔粘膜の慢性あるいは急性の炎症をいう。
急性の鼻炎はクシャミがでて鼻がつまり、鼻水が多く出るようになる。そして、鼻水は粘液性または膿性に変わってくる。多くは頭痛、発熱を伴い。鼻声となり、食欲も減退する。感冒の始まりによく起こる。
慢性の鼻炎は、急性のものが、慢性化して起こることが多い。
また先天性梅毒や腺病体質の者に発しやすい。鼻粘膜は慢性的に腫脹し、粘液性分泌、また膿性あるいは膿血性の分泌をきたし、鼻腔は狭窄するため呼吸がジャマされ、睡眠時にイビキを発する(漢方診療医典)
  
【漢方療法】
■黄蓍建中湯
■藿香正気散
■葛根湯 (陽実証、頭痛、発熱、無汗、項背のこわばり、脈浮緊・数)
かぜをひいて、急性鼻炎を起こしたとき、その初期に一般に用いられる。頭痛、発熱、悪寒、鼻閉塞、鼻汁などのあるとき用いる。慢性の鼻炎にも用いて良い。初音UTのないものでもい。便秘の者には川芎3.0g大黄0.5g~1.0g(漢方診療医典)
■葛根湯加川芎辛夷(頭痛、発熱、鼻づまり)
■甘草乾姜湯
■甘草附子湯
■玉屏風散
■荊芥連翹湯
これは粘液性または膿性の分泌物のあるもので、皮膚の色が浅黒く、腹壁が緊張しているものによい。もし、鼻汁に血液を混じるようなときは牡丹皮2,0g升麻0.5g(漢方診療医典)
■桂枝加厚朴杏仁湯(虚弱、喘鳴、自汗、咳嗽)
■桂枝茯苓丸
■柴胡桂枝乾姜湯(胸脇満、小便不利、口唇乾燥、頭汗、盗汗、)
■紫円
幼児の胎毒のある鼻閉塞に本方を与えて、胎毒を下す時は軽快することがある(漢方診療医典)
■十味敗毒湯
粘液性または膿性の分泌物が多量にでるものによい。急性に用いると慢性に移行することを予防できる。慢性の鼻炎には長期間連用するとよい。(漢方診療医典)
■小柴胡湯
急性の鼻炎が日時を経過しても癒えず、亜急性または慢性鼻炎となり胸脇苦満の状があるものに(漢方診療医典)
■小青竜湯(咳嗽、喘、鼻水、
鼻水やクシャミが頻繁に出て、鼻水過多症となっているものによい。分泌物は水様稀薄のことが多い。脈は浮で上衝気味のもの(漢方診療医典)
■消風散(悪臭性の鼻粘膜潰瘍)
■辛夷清肺湯
(鼻づまり、鼻汁<膿性>、口渇、舌苔黄、舌質紅乾燥)
本方は体力中等度以上の鼻症状、膿性鼻漏、膿性後鼻漏、鼻閉塞を目標に用いられる。(漢方診療医典)
■辛夷散
■参蘇飲
■真武湯
■清上防風湯
本方は比較的体力が充実した人の膿性鼻漏、後鼻漏用いられる。一般のぼせ、顔面紅潮などが認められる(漢方診療医典)
■川芎茶調散(頭痛、鼻づまり、声重い、体痛)
■蒼耳散
■大柴胡湯(実証、筋肉質、胸脇苦満、心下部緊張、便秘)
■桃核承気湯(カタル、実証、のぼせ、足冷、下腹部痛)
■当帰芍薬散(貧血、冷え性、疲れやすい、月経不順、神経症状)
■人参湯
■防風通聖散(鼻粘膜潰瘍)
■麻黄細辛附子湯(アレルギー性)
■麻黄湯(小児の)
幼児によくみられる鼻炎で、ひどい鼻づまりが起こり、哺乳困難をきたし、睡眠も妨げられる。このような者に用いて鼻閉塞をよく通じる。年長のものでも鼻閉塞の激しいものに用いてよい。本方は鼻閉塞が主証で、鼻水は少なく、脈は浮で力があり、汗のないのが目標である。熱の無いときは浮とならないこともある。虚弱の昭司には注意して、分量を最小限度にするがよい。慢性鼻炎でも激しい鼻閉塞に用いられる(漢方診療医典)
■苓甘姜味辛夏仁湯(手足が冷える、

◎副作用で、脳出血
「厚生労働省は2003年8/8、市販の鼻炎・風邪薬を服用した副作用で脳出血を起こしたとの報告が過去1年で5件あったと発表。副作用の原因と見られる成分は『塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA)』で鼻水などの症状を緩和する。」2003.8.9《日本経済新聞》




鼻淵(びえん)
⇒蓄膿症。
「鼻淵」は鼻中より濁涕を出して止まず、淵水の流れて断たざるが如し、故に鼻淵と曰う。また脳漏と名く《津田玄仙》

【処方名-五十音順】
■荊芥連翹湯
■防風通聖散黄連白芷・薄荷(倍用)



鼻齆(びおう)
 =臭香を知らざる鼻病。


鼻ガン
【処方名-五十音順】
■当帰芍薬散
    
 

鼻鼽(びきゅう)
⇒水の様な鼻水のたれること。
【処方名-五十音順】
■細辛膏
■川椒散
■二陳湯川芎・当帰・細辛・白芷・防風・羗活・桔梗・薄荷・生姜。

 

鼻齄(びさ)
⇒鼻の頭が赤い症。
【処方名-五十音順】
■硫黄散[2]
■三黄瀉心湯
■梔子仁丸
■升麻湯[1](肺風瘡)
■参帰丸
■清血四物湯
■清肺飲子(鼻紅と肺風瘡)
■挖鼻去紅方
■通竅活血湯
■通導散
■肺風丸(面鼻の風と齄を治す)
■白竜丸(酒齄で顔一杯に黒紫になる者)
■防風通聖散
■凌霄花散

鼻痔
=鼻瘡
「鼻たけ」軽いと鼻瘡になり、重いと鼻痔となる。

【処方名-五十音順】
■黄芩湯[5](鼻孔が乾く。又は瘡が出来て痛い者)
■瓜丁散(齆臭と瘜肉があって、香臭を嗅げない症)
■瀉白散片芩(酒炒)・柏子・桔梗・薄荷。(鼻瘡)
■辛夷清肺湯(鼻ポリープ)
■洗肺散(鼻中の生瘡を治す
■白黄散(鼻齆・肉・鼻痔を治す)
■防風通聖散
■羊肺散(肺塞による肉と香臭の嗅げない者)

鼻汁・鼻水(はなみず)
  【処方名-五十音順】
■葛根湯加川芎辛夷(濃厚な)
■小青竜湯(透明~白色)
■辛夷清肺湯(膿性の鼻汁)
■参蘇飲(頭痛発熱、無汗、食欲不振、悪心嘔吐、胃部膨満感、脈沈数)
■麻黄湯(頭痛、発熱、悪寒、身体疼痛、関節がいたい)
■苓甘姜味辛夏仁湯(痰飲浮腫、顔色悪い、くしゃみ、せき、)

 

鼻出血
   ⇒衂血
【処方名-五十音順】
■温清飲
■黄芩湯
■黄土湯
■黄連阿膠湯
■黄連解毒湯
■加減凉膈散
■甘草乾姜湯
■犀角地黄湯
■大黄黄連瀉心湯
■三黄瀉心湯
■梔子豉湯(身熱、胸中煩熱、心中懊悩、不眠、熱感)
■十灰散
■小建中湯
■逍遥散
■竹葉石膏湯
■桃核承気湯(実証、のぼせ、足冷、下腹部痛)
■柏葉湯
■麻黄湯(頭痛、発熱、悪寒、身体疼痛、関節がいたい)
■凉膈散
■苓桂朮甘湯(めまい、動悸)

 


鼻渕
⇒濁った鼻水が出て止まらない症、胆の熱が脳に移ると鼻渕になる。
  【処方名-五十音順】
■黄連通聖散(鼻渕症を治す)
■荊芥連翹湯[2]
■蒼耳散


 

鼻中息肉
=「鼻中瘜肉」はなたけ。肥厚性鼻炎。

鼻痛(びつう)
  【処方名-五十音順】
■桔梗石膏(炎症がある)
■参蘇飲(頭痛発熱、無汗、食欲不振、悪心嘔吐、胃部膨満感、脈沈数)
■人参順気湯
■二陳湯片芩・梔子・桔梗・麦門冬
■通気駆風湯
■排膿散及湯(膿が溜まっている)
■補中益気湯

 

鼻粘膜潰瘍
  【処方名-五十音順】
■消風散(悪臭性の鼻粘膜潰瘍)
■防風通聖散

 

 

鼻閉(びへい) 鼻塞(びそく)
⇒鼻づまり。

【処方名-五十音順】
■温衛湯(鼻が効かず、眼中に湯火があって、陰冷で足がしびれる症
■温肺湯[3](鼻が香臭を嗅げない
■葛根湯加川芎辛夷(頭痛、発熱、鼻づまり)
■芎竅散[2](鼻がつまり、匂いをかげない症)
■禦塞湯(ギョソクトウ)
■桂枝湯(表虚証、自汗、悪寒悪風、頭痛発熱、乾嘔、脈浮弱)
■小青竜湯(咳嗽、喘、鼻水
■菖蒲散(鼻がつまり、息が出来ない者)
■辛夷清肺湯(鼻づまり、鼻汁<膿性>、口渇、舌苔黄、舌質紅乾燥)
■辛夷散
■参蘇飲(頭痛発熱、無汗、食欲不振、悪心嘔吐、胃部膨満感、脈沈数)
■蒼耳散
■通竅湯(鼻がつまり、声が重く、香気の嗅げない者)
■南星飲[2](風邪が脳に入って冷え、鼻内が詰まった者を治す)
■蓽澄茄丸
■蓽撥餅
■鼻不聞香臭方
■麻黄細辛附子湯(悪寒が強く、のどが痛い、脈沈)
■麻黄湯(頭痛、発熱、悪寒、身体疼痛、関節がいたい)
■麗沢通気湯(匂いが嗅げない)


鼻鳴(びめい)
  【処方名-五十音順】
■桂枝湯(表虚証、自汗、悪寒悪風、頭痛発熱、乾嘔、脈浮弱)


鼻涙菅狭窄
(原因)
先天性のほか、昔はトラコーマが多かった。
現在では、閉経期以後の女性にみられる原因不明のものが多い。
そのほか、抗ヘルペス点眼薬の副作用、涙石、アレルギー性鼻炎に続発する
○流涙症、涙嚢炎、慢性細菌性結膜炎の原因となる。
(治療)
涙菅ブジーや涙脳鼻腔吻合術。
  

【処方名-五十音順】
■越婢加朮湯
本方の条文に汗が流れ出るという文章がある。これを涙が出るということに転用して用いることがある。分泌物があって、ただれて汚く見える。また結膜には異常がなくて当帰に風に当たると流涙が止まらないという者によい。脈は沈で水毒のある水太りの人によい。
大塚氏は21歳の婦人が、ワケもなくただ涙が流れ人前に出られないといい、対談中も涙がボロボロこぼれている。眼科では結膜炎というが、冷たい風に当たるとひどく、なるよりとくに冬に激しい、口が渇いて不眠症があり、下痢しやすいという人が、本方を1ヵ月飲んで涙の出ない日が多くなり、10ヵ月飲んでほとんど治って結婚したと報告(漢方診療医典)
■五苓散
本方も眼疾患によく用いられるが、体腔内に停水があり、のぼせ、嘔気、つばが出たり、頭痛を訴え、口が渇いて小便が少ないという場合で、涙の出るものに用いてよい。脈は浮である(漢方診療医典)
■止涙補肝湯
むかし「迎風洒涙」といったのは涙点、小涙菅、鼻涙菅が閉塞し、冬期寒い風に遭うときは涙が名荒れ出るものである。両眼縁がただれる。本方は血虚によるもので老人や虚証のものに用いる(漢方診療医典)
■収涙飲
本方は、慢性で、流涙の止まらないものに用いる。比較的実証の者によい。ある期間連用する必要がある(漢方診療医典)
■小青竜湯
体内に水気があって、それが体表に溢れ出るというのが、本方の目標の1つである。涙嚢炎で涙が出てやまないのも溢飲の証である、アレルギー性鼻炎に伴って起こるものによい(漢方診療医典)
■苓桂朮甘湯車前子
本方は虚証の弛緩性体質の人で胃内に停水があり、めまい、動悸、上衝、頭痛などを伴い、慢性の涙菅狭窄があって、涙がいつも流れて止まらないという者によい。もし便秘していて上衝の強いときは「芎黄散」を兼用するがよい。脈は沈緊である。(漢方診療医典)


皮下出血
  【処方名-五十音順】
■犀角地黄湯
■三黄瀉心湯
■十灰散
■桃核承気湯(実証、のぼせ、足冷、下腹部痛)



皮下膿瘍
  【処方名-五十音順】
■越婢加朮湯
■葛根湯(陽実証、頭痛、発熱、無汗、項背のこわばり、脈浮緊・数)
■桂枝茯苓丸
■大黄牡丹皮湯(下半身)
■桃核承気湯(実証、のぼせ、足冷、下腹部痛)
■排膿散
■排膿散及湯(部分的な化膿症)
■排膿湯
■白朮附子湯
■薏苡附子敗醤散


皮膚疾患
“病応は大表に現わる”《扁鵲》

皮膚病は体外からの原因によるものと、体内の変化が皮膚に影響するものがある
(内因)・・・悪血、食毒、水毒、性病毒

治療は陰陽虚実に分ける

A:湿性(滲出液の多いもの)
①陽症(分泌液濃厚、外観汚い、悪臭あり、血痂をつくる)
■桂枝加黄蓍湯
■越婢加朮湯
■桃核承気湯
■大黄牡丹皮湯

②陰証(分泌物希薄、外観普通、悪臭無し、血痂作らない)
■桂枝加附子湯
■四逆湯

B:乾性(浸出液は少ない、あるいは無い)
①陽症(浸出液は少ない、外観汚い)
■葛根湯
■桂麻各半湯
■黄連阿膠湯
■白虎加人参湯

②陰証(皮膚に変化少ない、痒みだけ)
■苓姜朮甘湯
■眞武湯
■薏苡附子敗醤散



皮膚炎 
Dermatitis
   (湿疹)
■「24時間風呂」で幼児が皮膚感染
「鳥型結核菌と呼ばれる抗酸菌の一種に、入浴していた幼児2人が皮膚感染して発疹などが現れた、いわゆる「24時間風呂」のお湯が原因らしいことが久留米大医学部皮膚科(橋本隆教授)の研究で分かった。東京で開かれている日本皮膚学会で10日までに発表された。
鳥型結核菌は、環境中の水の中に広く存在し、40℃前後で良く繁殖する。鶏やハトなどの鳥類に主に感染するが、人でも抵抗力の弱い高齢者らが感染すると、肺の病気などに至ることがある。
研究グループは、一定の温度を維持する24時間風呂のお湯からも同菌を分離した。2人とも症状は皮膚に限られ、肺から感染した形跡はなかったことから、風呂が原因の皮膚感染と判断された。
24時間風呂は約3年前に、肺炎の原因となるレジオネラ菌の繁殖を促すとの指摘があった。1999.4.10《日本経済新聞》

  【処方名-五十音順】
■温清飲
■越婢加朮湯
■越脾湯
■黄連阿膠湯
■葛根湯(陽実証、頭痛、発熱、無汗、項背のこわばり、脈浮緊・数)
■加味逍遥散
■荊芥連翹湯
■桂枝加黄蓍湯
■桂枝二麻黄一湯
■桂枝茯苓丸
■桂麻各半湯(顔面赤い、発熱無汗、皮膚掻痒、便秘なし)
■柴胡桂枝乾姜湯(胸脇満、小便不利、口唇乾燥、頭汗、盗汗、)
■三黄瀉心湯
■三妙散
■梔子乾姜湯
■梔子豉湯(身熱、胸中煩熱、心中懊、不眠、熱感)
■梔子柏皮湯(身黄、発熱、腹満なし)
■梔子大黄湯
■十味敗毒湯(過敏性体質、神経質、胸脇苦満、発熱悪寒、化膿・癤)
■消風散
■清上防風湯(顔面の発赤・熱感・かゆみ、化膿性皮疹、口渇)
■治頭瘡一方(化膿傾向、熱感発赤、水泡滲出物、舌苔黄)
■腸癰湯(少し乾燥気味、便秘なし)
■桃核承気湯(実証、のぼせ、足冷、下腹部痛)
■当帰飲子(乾燥性皮膚疾患、かきむしって血痂・血がにじむ、炎症はない)
■白虎加桂枝湯
■白虎加人参湯(煩躁、煩渇、大便硬、
■附子湯
■竜胆瀉肝湯(湿熱、潰瘍)
■苓桂味甘湯



皮膚が弱い
  【処方名-五十音順】
■桂枝湯

 

皮膚枯燥
  「皮膚に艶(ツヤ)がない」。

  (皮膚カサカサ)
  「皮膚に張りがない」

◎「セラミド」:

角層の細胞で作られる脂質の一種で、細胞と細胞をつないできれ いに並ばせる働きがあり、不足すると、肌がけばだって粉をふいたようになる。     1997.1.27《朝日新聞》

■冬になると肌荒れ
「寒さが厳しくなると、肌荒れに悩まされる人が増える。なぜ、冬になると肌がかさついたり、荒れたりするのだろうか?
 人間の体の表面を覆っている皮膚には、外界から異物が体内に侵入するのを防ぐのと同時に、体にとって必要な水分や体液、タンパク質などが漏れないようにする大事な役割がある。大きく分けて外側の表皮と内側の真皮からなっているが、いわゆる「肌」の状態は、表皮の中でも最も外側にある「角層」という部分の状態で決まっている。
 表皮の細胞は内側から新しく作られていくが、古いものは内側に「ケラチン」というタンパク質がたまり、次第に硬くなる。角層はこの硬くなった細が何層も重なって出来ている。そのすき間は細胞や毛穴から分泌された脂質という油分が層状になって満たしている。脂質は角層の細胞から水分が抜け出 るのを防ぐ役割を果たす。肌が柔らかくしなやかなのは、この脂質と水分のおかげだ。
角層の表面に近い部分の脂質は、せっけんなどで洗うと落ちてしまうが、細胞や毛穴から新しい脂質が補給されて元に戻る。しかしこの脂質が足りなくなると、角層の細胞から水分が抜けるために肌がかさつくようになる。1997.1.29     《朝日新聞》

■皮膚に張りを与えるタンパク質
「花王の生物科学研究所は皮膚に張りを与えるタンパク質を突き止めた。『インテグリン』と呼ばれるタンパク質で、皮膚の厚さや弾力性を調節している。研究グループは体内のインテグリンの量を増やして、たるんだ皮膚を回復させる物質を海藻から抽出している。
インテグリンは皮膚の内側で網目状に張り巡らされているコラーゲン繊維と細胞をつなぐ働きをタンパク質として知られる。ネズミの皮膚にインテグリンの働きを止める効果がある物質を注入したところ、皮膚の厚さが約1.5倍になり、張りがなくなった。逆にインテグリンの量を増やせば皮膚が薄くなり、弾力性が高まった。
研究グループは様々な天然物からインテグリンの合成を促す作用のあるものを探索し、「ヒバマタ」という海藻に含まれる多糖の一種にインテグリン合成促進効果があることを見付けた。ネズミの皮膚にヒバマタの抽出物を塗ると皮膚のハリが回復することが分かった。
人間の顔は年齢と共に皮膚が厚くなり、ハリがなくなる。ヒバマタの抽出物を顔の皮膚にハリを与える。
皮膚の特性を決める物質として、これまでコラーゲンやエラスチンなどのタンパク質が注目されているが、インテグリンの影響はよく分かっていなかった。     1999.4.8《日経産業新聞》

【処方名-五十音順】
■温経湯
■温清飲(皮膚につやがない)
■芎帰膠艾湯
■桂芍知母湯
■柴胡桂枝乾姜湯
■三物黄芩湯
■滋陰降火湯(皮膚浅黒い)
■七物降下湯(顔色悪い)
■四物湯(カサカサ・潤いがない)
■炙甘草湯
■十全大補湯(皮膚につやがない)
■十味敗毒湯(過敏性体質)
■潤腸湯
■疎経活血湯
■釣藤散
■猪苓合四物湯(乾燥ぎみ、色つやが悪い)
■桃核承気湯(皮膚甲錯)
■当帰飲子(皮膚がかさかさ・艶なし
■当帰建中湯(皮膚につやがない、貧血、疲れやすい)
■当帰芍薬散
■当帰湯
■人参養栄湯
■麦門冬湯
■麻杏薏甘湯




皮膚の色
=皮膚色素異常(abnormal pigmentation)
☆皮膚の色調は色素によって決定される。
<1>その色素には

①メラニン
②酸化or還元ヘモグロビン
③カロチン
④ビリルビンである。
  これらの色素はそれぞれ黒・赤・黄などの固有色を呈しているが、皮膚は半透明であるため、日光が透過、散乱して色が変わって見える。

<2>多量の色素が皮内にあるときは何色であっても「青色」に見える。
<3>人種・性・年齢・ホルモン・外的環境で、色調は変化する。
<4>同一人でも身体各部で異なる。
*色調が濃い部分:乳頭・乳暈・臍部・腋・陰部・肛囲。
*色調が薄い部分:手掌・足底。
   

◎皮膚の色素沈着

全身性の色素沈着:
<1>皮膚の皺、外界に面した所、衣服の当たる場所に多い。
<2>黄色:         
  *粘液水腫
  *悪性貧血
  *糖尿病
  *黄疸
  *特殊な薬物摂取

<3>黄褐色~褐色から黒に近い:
 *Addison病(口唇・口腔粘膜が黒くなる)
 *ヘモクロマトーシス
 *慢性マラリア
 *先端巨大症
 *肝硬変
 *癌悪液質
 *スプルー(褐色)
<4>やや黒ぽい:
 *甲状腺機能亢進

限局性の色素沈着:
<1>慢性関節リウマチ----四肢にしばしば暗黒色の部位が現れる。
<2>閉経期の婦人----------顔面・手などの褐色の非炎症性の着色(肝斑)が現れる。
<3>肝硬変-------------------手背、前腕、頸部に暗褐色の部分が現れる。症状の進行と共に着色が強くなる。

【処方名-五十音順】
■温清飲(黄褐色~黒褐色)
■荊芥連翹湯(浅黒い)
■柴胡清肝湯(浅黒い)
■当帰芍薬散(白色、ブヨブヨ、艶がない)
■防已黄蓍湯(白色、汗かき、小便不利、だるい)
■竜胆瀉肝湯(浅黒い)





皮膚の化膿
  【処方名-五十音順】
■黄連解毒湯    
■帰蓍建中湯
■十味敗毒湯(過敏性体質、神経質、胸脇苦満、発熱悪寒、化膿・癤)
■治頭瘡一方(化膿傾向、熱感発赤、水泡滲出物、舌苔黄)
■防風通聖散
■竜胆瀉肝湯


皮膚潰瘍
  【処方名-五十音順】
■黄蓍建中湯
■当帰四逆加呉茱萸生姜湯


皮膚角化症
  【処方名-五十音順】
■大黄䗪虫丸


皮膚乾燥
  【処方名-五十音順】
■白虎加人参湯


皮膚筋炎
◎好発年齢:40~50才に多い。
◎好発時期:特になし。
◎症状:
<1>発疹:
①部位:顔面、耳、頬粘膜、関節部位、
②性状:対称性、浮腫状、
    紅斑、紫斑、水疱状
    治癒すると萎縮、瘢痕化する。
    落屑、色素沈着も見られる。
③発疹の出現時間:
・急性型では発熱とともに発疹する。
・慢性型では発疹少ない。
<2>筋障害(四肢・肩・頚筋の疼痛or萎縮)
<3>リンパ節腫張
<4>貧血(軽度)

◎血液像:
*白血球数:正常
*リンパ球:やや増加
*好酸球:増加

◎検査項目:
*血中クレアチニン
*心電図
*LE細胞(ー)
*梅毒血清反応(ー)
*血清タンパク分画
*皮膚・筋生検



皮膚掻痒症(=皮膚のかゆみ)
   
【処方名-五十音順】
■温清飲(充血、皮膚黒(黄)褐色、粘膜潰瘍、陰部潰瘍皮膚枯燥)
■黄連解毒湯
■桂枝湯(表虚証、自汗、悪寒悪風、頭痛発熱、乾嘔、脈浮弱)
■桂枝加黄蓍湯
■桂麻各半湯(顔面赤い、発熱無汗、皮膚掻痒、便秘なし)
■三物黄芩湯(乾燥性、激しいかゆみ
■梔子柏皮湯(身黄、発熱、腹満なし)
■四物湯(皮膚の上を虫がはっている感じ、貧血、皮膚枯燥)
■消風散(激しいかゆみ、入浴・就寝時に身体が暖まると、かゆみがひどくなる)
■升麻葛根湯
■蝉退散(飲酒後に、全身がかゆく、掻くと血が出る)
■大料四物湯と澡洗飲(身体がかゆく、虫が走るような感じ)
■当帰飲子(乾燥性、かきむしって血痂・血がにじむ、老人性)



皮膚ガン 
    carcinoma cutis
(参照→メラノーマ(悪性黒色腫))
◎種類:
<1>有棘細胞ガン
<2>基底細胞ガン
<3>皮膚付属器ガン
 (ア)汗腺ガン:
    エクリン腺ガン
    アポクリン腺ガン
 (イ)脂腺ガン:
    瞼のマイボーム腺ガン

<4>転移ガン:
子宮癌・肺ガンなどから転移する。

◎原因遺伝子:[PTC]

■紅茶が有効
「オーストラリアの連邦科学産業調査機構は、ハツカネズミを使った動物実験で、紅茶が皮膚ガンの予防に有効とする研究結果が得られたことを明らかにした。実験によると紅茶を与えたネズミが皮膚ガンに罹る率は54%も少なく、緑茶を与えたネズミよりも効果が大きかったという。
 紅茶に含まれている酸化防止剤が紫外線に対する抵抗力を強める働きをしているのではないかとみている。1996.12.29《日本経済新聞》
   

■日光角化症が前ガン症状
「基底細胞ガンに次いで多い皮膚癌が、『有棘細胞ガン』だ。国立がんセンターなどの調査では、毎年10万人に2.5人の割合で発症している。半数は70歳以上だ。
「このガンは、進行が速く、放置していると転移しやすい」と熊本大皮膚科教授の小野友道さん(59)は警告する。
5年生存率は、腫瘍の直径が5cm以下なら、100~70%だが、これ以上進み、転移があれば、経過も厳しいだけに早期に見つけ治療することが重要だ。
●どんな兆候が?
ほほや耳、唇、手の甲に出来ることが多い。「長い間イボのようであったものが、赤くなったりザラザラしてくる。これが、ヤケドのようにジュクジュクしたり盛り上がってきたら、ガンに進行したと考えられます」と小野さんは説明する。
●発生原因は?
もっと多いのが赤外線。日光によって皮膚がガサガサ状態になる『日光角化症』は、いわば前ガン症で、患者の60%近くがこれを経ている。

☆陰部の皮膚ガン→参照「Paget's disease」

【処方名-五十音順】
■桂姜棗草黄辛附湯

 



皮膚の知覚異常
   ・皮膚の感覚異常
  【処方名-五十音順】
■越婢加朮湯
■九味檳榔湯
■桂枝湯
■消風散(頭皮の無感覚)


皮膚軟弱
  【処方名-五十音順】
■当帰芍薬散(白色、ブヨブヨ、艶がない)
■防已黄蓍湯(白色、汗かき、小便不利、だるい、皮膚・筋肉軟弱)


皮膚粘膜眼症候群
=「スティーブンス・ジョンソン症候群」

⇒多形紅斑の一種。
◎紅斑、水疱、ビランが体の表面や粘膜の大部分の部位に広範囲に生じるもので、高熱や悪心を伴う。
◎皮膚のみならず、口腔や陰部などの粘膜や目にも症状が現れる。
◎重症になると失明することがある。

◎原因:以下の薬物の副作用
①ペニシリン系の抗生物質
②セフェム系の抗生物質
③抗テンカン薬
④非ステロイド性抗炎症薬
     


皮膚病
=皮膚疾患

【漢方療法】 
<1>斑=色点だけあって顆粒のない症。
<2>疹=浮小して顆粒がある症。
<3>発斑=胃熱が手太陰の火を助け、手太陰が肺に入ると紅点が皮毛のあいだに斑と同じように現れる症。
①陽毒発斑
②温毒発斑
③熱毒発斑
④時行発斑
⑤陰症発斑=胸背と手足から出、また稀少で微紅な症。
<4>癮疹=多く脾に属し、隠々として皮膚の間にあるので、疹という。赤いイボのようなものが出て、かゆいばかりで痛まない。春に多く、温毒である。
①赤い癮疹:涼しいとなくなる。[胡麻散]
②白い癮疹:温まると消える。 [消風散]
<5>痤・疿=労汗が風寒にあたると(サ)となり、欝すると疿(ザ、腫れ物)になる。夏に汗が出て、そのままにしておくと紅栗のような症が出るのを疿(ヒ、あせも)という。

  【処方名-五十音順】
■茵蔯蒿湯(発黄、舌黄苔、二便不利、口渇、心胸不安、上腹部膨満感(軽)、
■温経湯(手足のほてり、口唇乾燥、下腹部膨満感、腹痛、腰痛、脈無力
■越婢加朮湯(潰瘍性)
■黄連解毒湯(化膿)
■葛根橘皮湯(冬温の発斑)
■黒膏(温毒発斑)
■化斑湯(陽毒・温毒・熱毒・発斑)
■玉女英(あせもでかゆい)
■玉粉散(熱汗で瘡が出来、かゆくて痛い)
■玄参升麻湯(傷寒発斑・煩躁・譫語・咽喉閉痛)
■五苓散(水疱性・小さい水疱)
■犀角玄参湯(熱毒発斑・時行発斑)
■三黄散(白癜風)    
■三黄石膏湯(陽毒発斑)
■散治紫癜風方
■梔子大青湯(妊婦の傷寒、発斑が黒い色に変化する者)
■十全大補湯(虚弱者の皮膚病)
■消斑青黛飲(陽毒・熱毒で錦紋のような発斑)
■升麻鼈甲湯(陰毒で陰斑)
■如聖膏(紫癜・白癜)
■蒼耳散(紫癜・白癜、癜疥・斑テツ、甲錯の汁出に)
■澡洗薬(風燥し、かゆい者)
■蝉退散(酒後のかゆみ)
■治赤白汗斑方
■猪胆鶏子湯(熱毒・時行発斑)
■調中湯(内傷外感による陰症発斑)
■追風散(白癜風を治す)
■当帰四逆加呉茱萸生姜湯(鬱血・紫斑)
■人参白虎湯(陽毒発斑)
■八味地黄丸
■別減何首烏散(紫癜・白癜、白(ハクテツ)、癮疹、疥癬)
■防風通聖散
■芒硝猪胆汁法(斑がひどく破爛する)


痞塊(ひかい)
「痞」=胸腹間の気機が阻害され、つかえている様に感じる自覚症状。
「塊」=形のあるもので、気がかたまりになる症。即ち、痰と食積と死血で形成される症。


◎内服薬と膏薬を兼用する。

【処方名-五十音順】
■化塊丸(痞塊・血塊を治す)
■化痞丹(積塊をなくす)
■開懐散(心下の積塊と痞悶)
■加味柴平湯(積塊で熱あり)
■柴香散(心腹に気があるが、塊の為に少し通じ、または膨張し、寒熱往来する)
■消塊丸(痞塊・癥瘕)
■硝積保中丸(痞塊を散らす)
■保和丸(飲食に当たった症、積聚・痞塊を治す)
■万病元(七種の癖塊、八種の痞病、五種の癲癇、十種の疰忤、七種の飛尸、十二種の蠱毒、五種の黄疸、瘧疾、十種の水病、八種の大風、十二種の湿痺)
■連蘿丸(食積と死血と痰飲が塊をなし、両脇が痛み、めまいする)


痞塞(ひそく)
【処方名-五十音順】
■温白元(積聚・癥瘕・黄疸・鼓脹、十種の水気、八種の痞塞、五種の淋疾、九種の心痛、遠年の瘧疾、七十二種の風邪、三十六種の尸疰、癲狂、邪祟、一切の腹中の諸疾を治す)
■万病元(七種の癖塊、八種の痞病、五種の癲癇、十種の疰忤、七種の飛尸、十二種の蠱毒、五種の黄疸、瘧疾、十種の水病、八種の大風、十二種の湿痺)



脾胃虚弱
◎主薬:脾胃の虚弱には、白朮・山薬を主薬とすべし《万病回春》


脾疳(ひかん)
=結核性腹膜炎にて体が痩せて腹部のみ膨大せり状態
  【処方名-五十音順】
■加減六君子湯《寿世保元》


脾気虚
  【処方名-五十音順】
■四君子湯

 

脾腫 
splenomagaly(巨脾症)
⇒脾臓はリンパ組織及び網内系組織として生体内最大の臓器であり、血液の貯留・造血の調節・赤血球の破壊・感染防御作用などを有する。
<1>脾臓の白色髄のリンパ腨胞は免疫グロブリンの産生を行い、
<2>赤色髄は細網内皮系細胞は微生物や赤血球などを貪食する。
<3>感染症で貪食作用と免疫グロブリン産生作用が亢進すると脾は腫大する。

◎脾臓の異常を引き起こす疾患:
血液疾患:

<1>骨髄増殖性疾患

①慢性骨髄性白血病
②骨髄線維症
③本態性血小板増加症
④真性赤血球増加症

<2>溶血性貧血:

①遺伝性球形赤血球症
②自己免疫性溶血性貧血
<3>悪性リンパ腫
<4>白血病
<5>細網症

非血液疾患:
<1>肝硬変
<2>鬱血性脾腫(Banti症候群)
<3>マラリア
<4>脾原発腫瘍
<5>脾の自然破裂(spontaneous rupture)
脾臓が腫大し、重量が正常値(80~120g)のほぼ2倍になる。

◎脾腫を伴う感染症:(五十音順)
     <1>オウム病
     <2>感染性心内膜炎
     <3>栗粒結核
     <4>腸チフス
     <5>伝染性単核症
     <6>マラリア
【宝石療法】
     ガーネット

【処方名-五十音順】
■柴胡桂枝乾姜湯(マラリアの脾腫=痃癖)
■大黄䗪虫丸


脾腎泄
 ⇒五更瀉

【処方名-五十音順】
■黄蓍建中湯
■六味丸


脾臓機能亢進症
  【処方名-五十音順】
■加味帰脾湯


脾泄(ひせつ)
⇒脾病による泄瀉。

常にからだが重だるく、食後に膨満感を感じてから下痢が起こり、排便後はスッキリする下痢。
《難経57難》
「脾泄は、腹脹満し、泄注し、食すれば即ち嘔吐し逆す」

【処方名-五十音順】
■胃関煎
■黄蓍建中湯
■五積散
■香薷飲
■六味丸





脾病
【宝石療法】
    ガーネット
【漢方療法】
<1>脾が湿って苦痛・・・急いで苦いものを食べる。
<2>脾が湿るとき:[白朮]を使う。
<3>脾虚に:[甘草][大棗]で補い、重いときは[枳実]で吐かせる。
 1.軽症:[益黄散][補脾湯]
 2.重症:[瀉黄散][調胃承気湯]
<4>しょっぱいものを食べさせる。
<5>粳米・牛肉・棗・葵を食べる。

<7>温める薬物:

[香附子][縮砂][薑桂][木香][肉豆蔲][益智仁][藿香][丁香][附子]

<8>冷やす薬物:

[梔子][黄連][石膏][白芍薬][升麻][連翹][黄芩][苦茶]

<9>補う薬物:

[人参][黄蓍][白朮][茯苓][陳皮][半夏][乾姜][麦芽][山薬]   

<10>瀉す薬物:

[巴豆][三稜][枳朮][赤芍薬][大黄][青皮][神麹]山楂子]
<11>修養法:季夏の月、朔旦と四季の末月の18日、旦がのぼると正座して安静にし、5回深呼吸し、歯を1~2回カチカチ合わせ、坤宮中央の黄気を吸って12回、つばを呑み込んで50息を止める。

【処方名-五十音順】
■益黄散(脾臓の冷えと腹痛・下痢)
■瀉黄散(脾熱、口瘡・口臭を治す)
■補脾湯(脾臓の冷え、嘔吐・泄瀉・消化不良)


光がまぶしい
「羞明 photophobia」=まぶしがり症。

⇒光によって強く刺激されるので光を受けることを嫌う状態。
◎原因:
<1>角膜炎
<2>虹彩炎
<3>結膜炎
<4>散瞳・虹彩欠損・白児眼などで余分の光が眼に入る
<5>網膜・視神経の過敏
<6>全身的な自律神経の興奮状態

【処方名-五十音順】
■越婢加朮湯



光感作 photosensitisation
◎紫外線に曝露されると、皮膚に反応が出る精油
       ベルガモット油
       レモン、ライム及びビターオレンジを含む柑橘類
       グレープフルーツ
       スイートオレンジ
       タンジェリン
       レモンバーベナ
       ヘンルーダ
       アンジョリカ根
       クミン
       オポポナックス


 

悲泣(ひきゅう)
  【処方名-五十音順】
■一物瓜蒂湯
■甘麦大棗湯(
■半夏瀉心湯(胸元がつかえる、下痢、腹鳴、吐き気)
■防已地黄湯


 

非行
=「少年非行」
■善悪の判断出来ない子供たち
「相変わらず、子供たちは「荒れて」いる。それは、一時期の校内暴力だけではない。いじめ・不登校、「ナイフ事件」。そして「学級崩壊」と呼ばれる最近の問題状況も、その1つである。昨年ごろからは「従来型」の非行行為の多発が目立ってきた。少年非行の「戦後第4のピーク」という指摘もある。
そうした背景の1つに、子供たちの規範意識の崩れという事実がある。みんなで、よってたかって弱い立場の子をいじめる。しかも手口はかなり陰湿・過激・かつ悪質である。これだけを見ても、子供たちの規範意識は崩れているとしか言いようがない。
●いじめ絶対ダメ半数
96年後に福岡県内の小中高校生約2500人を対象に実施した調査によると、例えば「いじめはどんな理由があっても、絶対に許してはいけない」と回答した割合は、小学5・6年生では63.9%、中学生が53.2%、高校生では45.7%しかない。これほどいじめが問題にされ、学校現場で様々な取り組みがされているのもかかわらず、いじめを全面否定する子供たちの割合は、実際にはこの程度なのである。
子供たちの規範意識に関する問題状況は、これだけではない。親や教師に対する悪質な暴力、シンナー、薬物、暴走行為といった非行・問題行動が、子供たちの世界に蔓延している。規範意識どころか、基本的な善悪の判断すらあいまいになっているとも言える。
従って我々がある行為を非行・問題行動と判断している基準そのものが、すでに子供たちの基準とズレている可能性もある。そこで、まず様々な非行・問題行動に対し、小・中・高校生がどんな意識を持っているか見ていきたい。
小学生の場合:
「人のものを隠す」のは「絶対にしてはいけない」と考えている割合は77.1%、「学校(授業)をさぼる」ということになると60.5%にとどまる。他にも「学校のものをわざと壊す」90.0%、「飲酒」69.1%、「喫煙」88.3%、「家出」63.8%、「万引き」92.6%、「親・祖父母に暴力」79.2%といった具合である。どれも間違いなく悪質な行為であり、非行行為である。にもかかわらず、既に小学生段階で、こうした行為を容認する割合が決して少なくない。
中学生では:
「人のものを隠す」76.8%、「学校(授業)をさぼる」44.8%、「学校のものをわざと壊す」79.7%、「飲酒」46,3%、「喫煙」75.7%、「家出」45.7%、「万引き」87.8%、「親・祖父母に暴力」75.9%。いずれも割合がかなり低下する。
この割合は高校生になるとさらに低下し、
「人のものを隠す」63.7%、「学校(授業)をさぼる」18.7%、「学校のものをわざと壊す」60.2%、「飲酒」17.1%、「喫煙」35.2%、「家出」33.7%、「万引き」64.6%、「親・祖父母に暴力」66.8%、といった状態になる、
ほぼすべての行為内容で、小・中・高校生の順に、これを容認・許容する割合が増加している。この傾向は、これ以外の過激な行為内容でも、ほとんど例外なく当てはまる。これでは、もはや規範意識が崩れているといった状態ではない。善悪の判断がまるで出来ていないのである。
そうすると、子供たちがある非行行為に走ったとっしても、悪いことと分かっていながらその行為をしたのか、ある種の覚悟をもってその行為に及んだということでは無いのかも知れない。むしろ、さほどの罪悪感も抵抗感もなく、まさあにサラリと非行行為に走っている可能性もある。事実、最近は、それほど明確な理由もなく、なんとなく非行・問題行動を起こしたという子供たちが少なくない。
●「欲求充足」「正当化」
何らかの非行・問題行動に走った子供たちに、どんな理由があったのか尋ねた。小学生では「欲求充足」「友達に誘われて」「正当化」「むしゃくしゃしていた」などが並び、中学生になると、「欲求充足」「特別な理由はない」「正当化」「友達に誘われて」「むしゃくしゃしていた」等々。高校生は「欲求充足」「特別な理由はない」「正当化」「むしゃくしゃしていた」「刺激がほしかった」などの順である。
率直なところ、これが果たして非行・問題行動に走る理由だろうかと思うようなものが、上位を占めている。しかも小・中・高校生ともに最も高い割合を占めた「欲求充足」にういて子供たちの具体的な記述をみると、さらに驚かされる。「ただ、そうしたかったから」「おもしろいから」「楽しいから」「つい飲んじゃった」などの言葉が並ぶ。それにしても、「------したかったから」「----したくなかったから」という表現がかなり多い。
学校をさぼった子供は「行きたくなかったから」、自転車を盗んだ子は、「歩くのが面倒臭かったから」飲酒の場合は、「飲みたかったから」----。明快と言えば明快である。それにしても、これが非行・門債行動に走る理由になるところに、今の子供たちの不思議さを感じる。
そして、「なんとなく」「暇だったから」「つまらなかったから」「特別な理由はない」などの答えに接すると、より一層の驚きを覚える。コンビニで万引きをした子供は「近くを通ったから」、学校をさぼった子は「面倒くさかったから」と言うのである。
●判断能力が最重要
やはり上位に顔を出した「正当化」についても見ておきたい。「みんあやっているから」「別に悪いこととは思っていない」「はやっていたから」「友達と約束したから」「親もしているから」といったものである。
家のお金を黙って使った子は「必要だったから」、
子供だけで夜遊びをした子は「みんなで楽しめるからいいと思った」、
タバコを吸った子は「親も吸っているから」と言う。
これまで、子供たちが何か問題を起こせばそれに対処するということに終始してきた。いわば、対症療法である。ところが、それに追われる中で、子供たちに規範意識や価値意識、そして善悪の判断を教えるという最も重要な作業を忘れていたような気がする。いじめ対策・非行対策も、重要な課題に違いない。しかし、それ以上に大切なことは、ことの善悪をきちんと自己判断できる能力を育てることである。」(泰政春・大阪大学教授)1999.12.12《日本経済新聞》





 

微弱陣痛
  【処方名-五十音順】
■人参湯
■麻黄湯(頭痛、発熱、悪寒、身体疼痛、関節がいたい)

 

 

微熱(びねつ)

◎チェックしましょう:「大動脈症候群」
◎37℃台の微熱を訴える患者で、その他の症状や異常な身体的所見が認められない場合には、[CRP]と[赤沈]を検査する。それらが正常であれば、器質的疾患の可能性がないと臨床的に判断出来る。

【処方名-五十音順】
■阿膠鶏子黄湯
■一貫煎
■温経湯
■加減復脈湯
■河車大造丸
■加味帰脾湯
■加味逍遥散
■啓脾湯(胃腸虚弱、痩せて顔色悪い、消化不良、下痢)
■黒逍遥散
■柴胡桂枝湯(微熱がとれない)
■左帰丸
■三仁湯
■滋陰降火湯
■滋陰至宝湯(午後からが多い)
■十全大補湯(慢性疾患の)
■小建中湯
■小柴胡湯(胸脇苦満、往来寒熱、食食欲不振、舌白苔、微熱、神経質)
■生脈散
■青蒿鼈甲湯
■清骨散
■大定風珠
■大補陰丸
■竹茹温胆湯(熱病後に余熱が下がらない)
■知柏地黄丸
■当帰補血湯
■百合固金湯
■補中益気湯


 肥厚性鼻炎
  【処方名-五十音順】
■葛根湯
■荊芥連翹湯
■桂枝茯苓丸
■辛夷清肺湯
■当帰芍薬散
■人参湯
■防風通聖散


 
「肥満症」(病気の肥満)
◎種類:
☆単純性肥満(simple obesity)
☆症候性肥満(symptomatic obesity)----肥満全体の1~2%。

<1>内分泌疾患:
①Cushing症候群:顔面・背・体幹は極度に肥満し、手足は細い。
②Fröhlich症候群(生殖腺萎縮性肥満症):
③Laurence-Moon-Biedl症候群:
④Stein-Leventhal症候群:
⑤性腺機能不全(去勢を含む)
⑥糖尿病
⑦インスリン分泌過剰症
⑧脳性肥満症
⑨甲状腺機能低下症:真の肥満でなく、ムチン体を含んだ水分の貯留による粘液水腫である。
⑩経口避妊薬服用
<2>神経疾患:
   満腹中枢の傷害

   

◎運動
「肥満を解消するには1回8分以上の運動を、1日30分以上続けることで効果があります。」(1996年、アメリカ国立栄養研究所)
従来は1回に20分以上の運動を続けないと、脂肪が燃焼しないと言われてきたが、種々のデータより、ダイエットにはトータルの運動量が関係し、時間とは無関係であることが分かった。
   
■夜食べると太る
「日本大学の榛葉繁紀専任講師らは、体のリズムを制御する「体内時計タンパク質」の仲間で夜になると増えるタンパク質の一種に、脂肪を細胞内に溜める働きがあることを発見。2005年9月アカデミー紀要に掲載。
昼間は体内にほとんど無く、午後12時~午前2時にかけて増えるタンパク質『BMAL1(ビーマルワン)』を調べた。全身に分布しているが、特に脂肪組織に多いことに着目。
遺伝子操作でこのタンパク質を組み込んだ舞マウスの胎児細胞にインスリンを加えたところ、細胞は1週間後には糖を脂肪に変えてため込むようになった。BMAL1が無い細胞は、脂肪をため込まなかった。また、脂肪細胞内のBMALlを増やすと、脂肪量が通常の1.5倍に増えた。
BMAL1の作用で、脂肪やコレステロールを合成する酵素が夜10時頃から活発になることも判明。2005.9.28《産業》
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■肥満とは、脂肪細胞の数が増えたり、細胞自体が大きくなる状態。
「脂肪組織を作っている脂肪組織には、食べ過ぎによる余分なカロリーを脂肪として蓄積する『白色脂肪細胞』とエネルギーを放出する働きがある『褐色脂肪細胞』がある。
肥満に関係するのは白色脂肪細胞で、この細胞は 
<1>前身である前駆脂肪細胞が分裂、増殖して脂肪細胞に変身し、脂肪滴をため込むようになる。 
<2>脂肪滴が大きくなっても細胞が膨れ上がり、分裂・増殖が止まる!・ ・とされてきた。
ところが。佐賀医科大の杉原甫教授(病理学)らの脂肪細胞の培養研究で、 脂肪をため込んだ脂肪細胞自体も分裂・増殖することが分かってきた。この中には、分裂して前駆脂肪細胞も同時に生み出すタイプもあった。ネズミの実験では、老齢化したもの以外でこの現象が見られた。人間の場合は、全身の脂肪細胞の数は通常2~3億個だが、太った人は1000億以上にもなり、体積が100倍以上になる細胞もあると言う。杉原教授は“若い頃に肥満になると早くから脂肪細胞の数が増え、その後の肥満の素地になるとみられる”と話す。
 こうした変化が起こるメカニズムの研究も進んで来た。京大農学部の河田照雄助教授(栄養化学)らは、食事のカロリーが増えるのに伴って、脂肪細胞が、全身の前駆脂肪細胞を増やす働きのあるタンパク質『前駆脂肪細胞増殖因子』 を分泌することを確かめた。カロリーが増えるにつれ、脂肪を貯めるタンクである脂肪細胞がさらに、その予備軍を雪だるま式に増やす。
このタンクが十分に脂肪をため込む性能を持つには、生理活性物質の『プロスタグランジン』や脂肪酸などいくつもの因子が関係していることも明らかになってきた。特に『脂肪酸』はタンクに貯まる脂肪の原料となるだけでなく、タンク自体を増やすシグナルにもなっていることが分かって来た。
一方、『ビタミンA』『ビタミンD』には、タンクがより多くの脂肪を貯めるように変身するのを、抑える働きがあることも明らかになってきた。和牛の生産農家では、ビタミンAが不足気味の飼料を与えると「霜降り肉」が出来やすいことを経験的に知っているが、“これが細胞レベルでも解明できてきた” と河田さん。
 米国の研究で最近、食欲や脂肪の代謝に関係するとみられる『肥満遺伝子』がネズミや人間で見つかり、ネズミに場合、この遺伝子に変異があって肥満になっていることが明らかになった。米国ではこの遺伝子が作り出すタンパク質を『やせ薬』にしようという研究が活発化している。1996.2.9《朝日新聞》」
     
 
■体脂肪つきにくい食用油
「中性脂肪はグリセリンに脂肪酸がつながった構造で、食用油脂の大部分を占める。口から摂取して小腸にたどり着くと、主に膵臓から分泌されるリパーゼという酵素により、3本ある脂肪酸のうち2本が切り離されて腸内に吸収される。中性脂肪のままでは分子が大きすぎて、細胞表面の膜を通過しないからだ。
バラバラになって吸収された後、脂肪酸は体内で再び結合して中性脂肪に戻り、血液中を流れていく。食物として取り込んだカロリーが多すぎると、この中性脂肪が内臓の周りや皮膚の下にいわゆる脂肪として蓄積されてしまい、これが肥満の原因になる。
普通の脂肪の大部分を占める[トリアシルグリセロール]の場合には、この流れで同様に分解・再合成のプロセスを踏む。しかし、[ジアシルグリセロール]の場合には、再合成されることはない。
リパーゼによって2本の脂肪酸のうち1本が切り離されるところまでは同じだが、体内に吸収された後、さらに分解されて元のグリセリンと脂肪酸になり、最後は完全に燃やされて水と二酸化炭素になる。1999.4.12《日経産業新聞》
   
 ◆インピーダンス法
<1>インピーダンスは交流電流の通りにくさを示す。直流での抵抗にあたる。体に弱い交流電流を流すと、脂肪分は電気を通しにくいが水分は通しやすいので、インピーダンスから体の水分量を推定できる。
<2>筋肉や骨などに相当する重さは水分量に比例すると想定し、体重からこれらを引いて脂肪の量を計算する。
<3>ただし、直接脂肪を測っているわけではないので、汗をたくさんかいた後や、ビールを飲み過ぎた後は表示される数値が変わる。脂肪が増減し た訳ではなく、体の水分が変動した為だ。
<4>インピーダンス法は、運動の効果などを見るために個人の脂肪率の変化 を継続して追うには有効だ。しかし、機器を変えると同じ人でも値が変わるので要注意。1997.1.5《朝日新聞》

■マウスの肥満プロセス解明
「米オレゴン保健科学大学のR・コーエン博士らの研究グループは、オオテンジクネズミという遺伝的な肥満モデルマウスが肥満になる仕組みを解明した。肥満モデルマウスは4種類あるが、その中でオオテンジクマウスは最もヒトの肥満に似ているとされる。
 コーン博士らの研究によると、オオテンジクネズミは「メラノコルチンー4」という脳内の神経ペプチドと、メラノコルチンー4の受容体タンパク質がうまく結合できないことが肥満をもたらす原因という。メラノコルチンー4の受容体を活性化する物質をネズミに投与するとネズミの食欲がなくなり、過食しなくなった。1997.1.22《日経産業新聞》

   
■肥満防止効果のタンパク質発見
「徳島大学薬学部の寺田弘教授と大塚製薬の共同チームは、肥満防止に効果が期待されるタンパク質をラットの体内から発見した。周囲の温度が低いときに、エネルギーを細胞内で積極的に消費して、体温を維持する働きがある。

ほ乳類の体内には脂肪を分解する「褐色脂肪組織(BAT)」と脂肪を貯蔵する「白色脂肪組織(WAT)」という2種類の組織があり、このバランスで体重が決まる。
 今回発見した脂肪酸結合タンパク質(HーFABP)はBAT内にあり、BATの働きを活発にして肥満を抑制する効果が期待されている。
室温で生活していたラットを4℃の冷蔵庫内に入れて肩胛骨の周囲にあるBATのHーFABPの量を調べたところ、約100倍に増加していた。 1997.5.19《日本経済新聞》

■歩く
「池大雅38歳のとき(1759年)、6月17日に京をたって白山、立山、戸隠、浅間をへて、8月中旬に江戸に入り、富士山の8合目まで行って、9月中旬に帰京した。驚くべき健脚である。」1998.2.15《朝日新聞》
   
  ■肥満遺伝子、毛髪で検査
「臨床検査受託大手の三菱化学ビーシーエル(MBC)は、少量の毛髪から“肥満遺伝子”を割り出し、太りやすい体質かどうかを調べる技術を開発した。
MBCが開発したのは、脂肪の分解に関係するアドレナリン受容体(β3AR)の遺伝子の型を、毛髪を材料に割り出す技術。遺伝子は[TT][AT][AA]の3タイプに分類でき、それぞれ安静時のカロリー消費量が異なる特徴がある。
[TT]型は、他に比べて1日約200~220kcalほど消費量が大きい。日本人ではAA型は約5%、AT型は約30%の割合だという。最近の研究では、安静時のカロリー消費量が多いほど、太りにくく、逆にカロリー消費量が低いほど太りやすい傾向があるという。どの遺伝子タイプかを知ることで、肥満しやすいかどうかの目安になる。1998.11.10《日経産業新聞》

   ■飲酒と肥満
「ビール腹などに象徴されるように、酒を飲むと太るという印象が強い。肥満はエネルギー(カロリー)の過剰摂取により起こるもので、確かにアルコールはボンベカロリーメーターという食物のエネルギーを測定する機械で測るとエチルアルコール1ccにつき7.1kcalのエネルギーを有する。大量飲酒者は1日の摂取エネルギーの50%以上をアルコールから摂る場合も出てくる。
しかし、
①食事摂取量を減少させ、減少したエネルギー分をアルコールを与えることにより補充しても、体重低下が起こることが明らかにされた。
②次に、食事のエネルギーを一定に保ち、途中からアルコールを飲ませた実験では、アルコールのエネルギーが加わったのに体重の増加はあまり起こらなかった。
③これに対し、アルコールの代わりに同じエネルギーのチョコレートと食べさせると体重の増加が明らかに認められた。
この一連の研究はアルコールはボンベカロリーメーターで測定した等量のエネルギーを有する食事に比較して体重を増加させる作用が低いことを示している。すなわち、アルコールの肥満効果は計算されるほど大きくないことが証明されたのである。
 ●なぜ、このようになるのか、以下の2つの説明が出来る。
アルコールは種々の経路で代謝分解されるが、エネルギーを産生しない経路もあり、その経路を通ればエネルギーにならない。
アルコール摂取により代謝が亢進し、エネルギー消費が増加する。」
(糸川嘉則)1999.6.21《日本経済新聞》
■肥満判定基準----厳しく
「30歳以上になると小太り程度の肥満でも、糖尿病などの生活習慣病になる危険が高まることが分かり、先週東京で開かれた日本肥満学会は、肥満を判定する基準値をこれまでより厳しくした。
肥満を判定するには、体重(kg)を身長(m)の2乗で割ったBMIという数値が広く使われている。たとえば、体重50kg、身長1.5mの人の場合、BMIは22.2になる。
肥満は高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病の原因となるが、BMIが22の場合に、様々な病気にかかる危険性が最も低いことがこれまでの研究で分かっている。
このため、同学会会長の井上修二さん(国立健康・栄養研究所特別客員研究員)は、30歳以上の日本人の男女150000人のデータを基に、BMI22の人と比べて、生活習慣病の危険率が2倍になるBMIに数値を調べた。その結果、高血圧や高中性脂肪血症では25、糖尿病では27ということが分かった。
「欧米ではBMI30以上を肥満としているが、日本人の場合、それほど太っているようには見えない25以上で、すでに生活習慣病になる危険性が倍増している」と井上さん。
同学会ではこうしたことから、肥満と判定するBMIを成人の場合、従来の26.4から25に引き下げた。そして、BMI25以上で高血圧や糖尿病などの兆候があるか、内臓に脂肪が付いている人は、治療が必要な『肥満症』と診断することに決めた。
学会が今回、支満対策の重要性を訴えるために発表した「東京宣言」では生活習慣病予備軍」ともいうべきBMI25以上の人の割合が、成人の20~24%にのぼることが指摘されている。
肥満は遺伝の影響が25%、生活習慣が75%と言われ、肥満の解消には生活習慣を見直すことが大切だ。井上さんはほどほどの食事制限と、毎日続けられる運動を組み合わせたダイエットを勧める。
食事だけでやせようと厳しい食事制限をしても、体は消費するカロリーを減らし、少ないカロリーで生活しようとする。「適応」と呼ばれる現象で、食糧が少ない時代を生き抜いてきた人類の体の“知恵”だ。そのため、極端なダイエットは、かえって体重を減らしにくくなる。
井上さんは「1万歩歩いても消費するカロリーは300kcal程度だが、運動はカロリーを消費しやすい体を作る。適応を起こさず、効果的な肥満解消につながる」と、毎日約300kcalを消費する運動の継続を勧めている。


■食事と運動のバランス
「肥満は万病のもと」といわれる。太りすぎに注意をすれば生活習慣病を未然に防ぐことも出来る。そのポイントはよく指摘されるように食事と運動である。言い換えれば体へのエネルギー補給の抑制とエネルギーの消費による肥満の防止である。摂取エネルギーの制限というとすぐにダイエットという言葉を思い出す。もともとダイエットは、体重調節を考えた食事療法や食養生という意味で、食事制限や減食ではない。
米国で行われた動物実験では、食事制限したラットは一時的に体重が減少するが、運動しないと消費エネルギーも減り、少ない食事で元の肥満に戻る。むしろ食事制限による栄養不足が、感染症などの防御力低下や骨の発育不全を招く危険を指摘する医師は多い。
必要なことは、自分の体にとって適正なエネルギー量を把握することである。これは簡単な計算で求められる。
[毎日必要な総エネルギー量]
   =その人の標準体重×年齢や妊娠の有無、労働量などを考慮した体重              1kg当たりのエネルギー量。
例えば、
①事務職の成人や未出産婦:体重1kg当たり25~30kcal
②肥満者や高齢者:25kcal
③建設作業員など激しい労働をする人は逆に大きい。
④妊娠している人や乳児・発育盛りの子供も大きい
[標準体重]=身長(m)×身長(m)×22
例えば:身長が170cmの事務職の人の場合。
標準体重=1.7×1.7×22≒64kg
適正総エネルギー=64×25~64×30=1600~1920kcal
この範囲の食事であれば肥満にならず日常生活にも支障はない。
170cmの人の体重が65kgだったら、まず標準的で問題はない。しかし、もし75kgあったら10kgほど過剰である。その人の労働内容を考慮しなければならないが、エネルギー摂取を抑えて標準体重に近づけることが必要だ。
肥満を防ぐか改善するには、体内に蓄積されている脂肪を燃焼してエネルギーを消費することが大切だ。運動した時に体内における糖と脂肪の消費を調べると、運動を始めてから10分くらいまでは糖と脂肪が6:4の割合で使われる。lこれが30分後には5:5になり、その後は逆転する。運動開始1時間後にはほぼ3:7になる。最近流行のウォーキングも30分以上っっすると良いと言われるのはこうした理由だ。
もちろん、運動も質を考慮しなければならない。のんびり運動するときと、激しい運動をする場合では消費する糖と脂肪の割合も変わってくるからだ。自分にあっった運動を気軽に相談できるアドバイザーが欲しいものである。」1999.11.29《日本経済新聞》
■肥満症---運動増とカロリー減が両輪
「単なる『肥満』と、病気としての『肥満症』はどう違うのだろうか?。肥満症診断の基準づくりで、中心となった大阪大学第2内科の松沢裕次教授はこう説明する。
「相撲取りは非常に太っていますが、よく運動する限りは健康を保っています。彼らは肥満であっても肥満症ではない。私たちのねらいは、危険な肥満の人を早く見つけ生活習慣を改めてもらい、病気を予防すること。そのための診断基準なのです」
診断の出発点は、痩せているか太っているかを表す「ボディ・マス・インデックス(BMI)」という指標の計算だ。体重(Kg)を身長(m)の二乗で割ったもので、、太っているほど値は大きい。
これまでの研究で、BMIがほぼ22のときに病気の数が最も少ない、その前後で増えると分かっている。今回の基準では、BMIが25以上の人は肥満とされる。
肥満と診断された上、糖尿病や高脂血症・高血圧などを合併していたり、おへその位置で腹をコンピューター断層撮影(CT)で輪切りにして見る検査で、皮下脂肪に比べ生活習慣病を招きやすい内臓脂肪が断面の一定面積以上を占めていたりしたら、肥満症と診断される。
従来の基準では、BMIが26.4以上を肥満としていた。25まで引き上げられたため。数字だけからみると基準が厳しくなった。松沢教授は「肥満の程度を切りのいい数字で区切る国際基準に合わせただけで、その変更に深い意味はない。むしろBMIだけで肥満症の診断は出来ないことこそ理解して欲しい」と話す。
実は記者(37)もかなり太っている。身長170cm、体重85kg、BMIは29.4だあg、人間ドックの血液検査では合併症は見つからず、肥満症では無いと思っていた。取材のため腹部にCT検査を受けた。結果は、内臓脂肪の面積が基準の100‡を大幅に上回る192‡だった。
これで記者も立派な肥満症。松沢教授に「症状が無いからと肥満は放っておくと、将来、生活習慣病になるリスクは9割」と警告された。
では生活をどのように改めたらいいのか?。肥満治療の両輪は、運動量を増やすことと、食事のカロリーを減らすこと。エネルギー消費は、自転車に乗る時間を増やし、エレベーターを止めて階段を使うことで取り組む。つらいのはカロリー減らしだ。以前、体重を落とそうと、天ぷらなど油ものを一切止めようとしたこともあったが、1週間続かなかった。
減量に詳しい大分医科大学第一内科の坂田利家教授は“無理な食事制限は、『食べたい』という本能を抑えつけてしまう。いつかは必ず本能に負けて失敗する”という。飯台病院栄養管理室の石井和子室長も“いったん減量できても、理想体重近くで維持できる人は半分ぐらい”坂田教授はこうアドバイスする。
「肥満の人は、満腹感や空腹感が分からなくなり“眼に前にあるから”というだけで食べ続ける。食いしんぼがいけない。食事の時間帯を決め、ゆっくり噛む。満腹感がよみがえったら、それを無視しないで食事を止める。減量ではなく、体重を維持する暗いの気構えで」
一言で言えば、「出来ることを少しずつ習慣に」
日本人は欧米人に比べて、極端でない肥満でも健康を害しやすい。日本肥満学会は、病気としての肥満症の定着をはかり、肥満治療に対する保険適用も訴えていくことにしている。」1999.11.28《朝日新聞》
■レプチンが働かない
「実験動物にレプチンというホルモンを与えると、食欲が抑制されると同時にエネルギー消費が増大し、体脂肪のみが減少する。
レプチンは主に脂肪細胞で作られるホルモンだ。1995年に見いだされたレプチンには、当初、「夢の痩せ薬」発見との気体が寄せられた。ある人々は「これでいくら食べても大丈夫。レプチンを摂れば痩せるから」と考えた。
ある種の遺伝性肥満マウスはレプチンを作る遺伝子に変異があり、正常なレプチンが出来ずに肥満になる。では、ヒトの肥満もレプチンで説明できるのだろうか?
ヒトについてレプチンの血中濃度を調べてみると、90~95%の症例で体脂肪の割合と血中レプチン値に正の相関が認められた。太っている人ほど脂肪細胞が多いため、脂肪細胞から分泌されるレプチンの血中濃度が高くなると言うことである。ヒトの場合は、レプチンが不足したために肥満になるのではないようだ。
現実には、肥満のヒトほど血液中に高濃度のレプチンが存在する。従って、レプチンが多いにも関わらず、レプチンのシグナルを伝達するメカニズムに異常があるためにダイエット効果が正常に発揮されず、肥満になると考えられるようになった。
レプチンとヒトの肥満細胞の関係は、インスリンと2型糖尿病との関係に煮ている。2型糖尿病の発症の仕組みはまだ完全には解明されていないが、一般的には遺伝素因を持つ人が環境からの影響を受けて発症すると考えられる。そして、2型糖尿病の病態は末梢組織においてインスリンが効きにくくなっていること、つまりインスリン抵抗性の増大だ。脂肪組織や筋肉などの末梢組織でインスリン抵抗性が増大したために、相対的なインスリン不足が生じ、高血糖になり、糖尿病に至る。
一方、肥満の病態では、レプチンが効きにくいこと、レプチンに対する抵抗性が共通する現象のようだ。ヒトの肥満の場合、遺伝性肥満マウスのようにレプチンの絶対的な不足が原因となっているケースはまれである。多くの場合、レプチンが効きにくいこと、つまりレプチンに対する抵抗性が肥満を引き起こす。
それでは、レプチンに対する抵抗性が生じる原因は何か?これについては様々な可能性があり、これからの研究課題である。何らかの遺伝子変異によって、中枢神経系或いは末梢組織でのレプチン情報伝達が変異しているのだろうと推察されている。
レプチンは肥満との関連で注目されているが、生物学から見ると、低栄養状態を鋭敏に伝えるシグナルとして重要である。
摂取カロリーが少なくなると、体脂肪の減少量以上にレプチン値は低下する。レプチンが減ったというシグナルを受けて、個体はエネルギー消費量を低下させ、少ないカロリーでも生存できるように適応しようとするらしい。
本来、レプチンは低栄養状態や食糧不足をいち早く脳に伝え、来るべき飢餓状態に備えるための重要なシグナルとして働いて来たのである。」(蒲原聖可)200.4.9《日本経済新聞》
■ストレス反応と脂肪組織
「レプチンというホルモンが、体脂肪量の調節において重要な役割を演じている。本来、レプチンは、食欲を抑制してエネルギー消費を増加させることで、体脂肪量を減らす作用を持つ。一般に、ヒトの肥満者では血中レプチン値が高値を示すことから、ヒトの肥満はレプチンの本来の作用が現れなくなった状態だと考えられている。
レプチンは脂肪組織がら分泌され、脳の視床下部(H)にある受容体に結合する。レプチンのシグナルは視床下部でいくつかに分かれていく。たとえば、視床下部には、ニューロペプチドYなどの食欲を高める分子がある。また、コルチコトロピン放出ホルモン(CRH)やウロコルチンといった視床下部ホルモンは、食欲を抑制する。
CRHはストレス反応に関与するホルモンとしても知られている。内分泌系の中で、様々なストレスに対して生体を防御するための反応を引き起こす系が、視床下部(H)、下垂体(P)、副腎(A)により構成されている。この系をそれぞれの器官の英語の頭文字をとってHPA系と呼ぶ。
飢餓や絶食、、失恋、対象喪失といった状態は、生体にとっては一種のストレスであるため、このHPA系が活性化され、そのストレスに生体を反応させるべく作用する。その結果、HPA系を構成する視床下部・下垂体・副腎のそれぞれの器官から様々なホルモンが分泌され、食欲の増進や抑制といった生体反応を引き起こすのだ。
HPA系において食欲を高めるホルモンは、副腎からのグルココルチコイドである。一方、食欲を抑制するホルモンの代表はCRHだ。そして、これらのホルモンの産生・分泌は脂肪細胞由来のホルモンであるレプチンによって制御されている。つまり、肥満とストレスの関係は、HPA系に脂肪細胞(A)を加えた系(HPA・A系)によって調節されている。」(蒲原聖可) 2000.4.16《日本経済新聞》
■脂肪細胞の悪事と善行
「米国では、喫煙者と肥満者は自己管理能力に欠けるとされ、昇進が難しくなると言う。
肥満に伴って生じる合併症は糖尿病や高血圧、高脂血症、痛風といった内分泌代謝異常のほか胆石、ある腫のガンなど数多い。脂肪が体のどの部分に分布しているかによって、合併症の起きやすさが異なることが分かってきた。
肥満は上半身に脂肪が多いリンゴ型肥満(上半身肥満)と、洋ナシ型肥満(下半身肥満)に分類される。さらに、上半身型肥満は、皮下脂肪型肥満と内臓脂肪型肥満に分けられる。合併症が問題になるのは、内臓脂肪型肥満だ。ただし、皮下脂肪型肥満も、上半身が重いために膝関節への負荷が大きくなり、関節症を引き起こすことがある。
脂肪組織は、いざというときに役立つエネルギーを貯蔵している。しかし、役割はそれだけではない。1990年代以降の研究によって、脂肪組織はホルモンなどの生理活性物質を分泌する巨大な内分泌器官であることも分かってきたのである。
同じ脂肪組織でも、皮下脂肪と内臓脂肪とでは内分泌器官としての性質が大きく異なる。たとえば,体脂肪量の調節に関するレプチンというホルモンは、多くが皮下脂肪で出来る。一方、内臓脂肪で多く作られる分子もあり、それらが大量に出来ると、インスリンが聞き難い『インスリン抵抗性』を引き起こす。これが糖尿病や高血圧、高脂血症を引き起こす。
ところで、日本人には極度の重症肥満者は少ないものの、働き盛りの中年男性に内臓脂肪型肥満が増えている。このような中年男性は恰幅がいいというくらいにしか受け取られず、本人も健康診断で大した異常が無いため気にしないことが多い。しかし、よく調べてみると、内臓脂肪が蓄積し、生活習慣病の予備軍といえる例が増えている。
予防可能な病気として、喫煙に関連した病気と肥満の2つがある。遺伝的に太りやすい体質の人であっても、肥満に伴う合併症は防ぐことが可能だ。そのためには、いわゆる標準体重まで減量す必要はない。現在の体重から5~10%減量するだけで、肥満の合併症は改善する。
合併症を引き起こすことのある死亡し組織だが、それでは体にとって必要のない臓器なのだろうか?肥満していると長生きできないが、逆にやせていても同様だ。
脂肪組織が健康の維持に必要な分子を作りだしていることも忘れてはならない。たとえば、血清の中にある『補体』という一連のタンパク質がこれで、免疫系の維持に関与している。また、脂肪細胞で作られるホルモンのレプチンは、女性の性周期の維持に必要だ。脂肪組織は単にエネルギーを蓄えているだけでなく、内分泌組織としても重要な役割を演じているのである。」(浦原聖可・東京医科大学病院総合検診センター)2000.4.30《日本経済新聞》
■脂肪細胞の働き
「最近のめざましい肥満研究から「肥満細胞は単に脂肪をため込んでいるエネルギー貯蔵庫ではなく、食欲や血圧、血糖、血流、免疫などを調節するホルモンのような物質を分泌し、生理作用をもつ」ことが分かりました。
例えば、食べすぎると脂肪細胞からレプチンという物質が分泌され、脳を刺激するため食欲が減退します。また、代謝や活動性を向上させ、エネルギーの消費を増やします。
その結果、体の脂肪は減少、万事うまく運ぶわけです。
それなら肥満になる人はいないはずですが、遺伝的にレプチンを作れない人を除いて、ほとんどは分泌されたレプチンがうまく働かないために肥満になっています。
逆に脂肪細胞では、血圧や血糖を上げ、血液の流れを悪くさせる物質も作られますので、生活習慣病の元になるのです。(広田孝子・医学博士)
■超音波で体脂肪を分解
「三輪サイエンス研究所(川崎市)と愛媛大学医学部らの研究グループは、微弱な超音波を体脂肪に当てて分解する実験に成功した。
周波数が500キロヘルツ程度の超音波で、当てたところだけが部分的にやせることが可能という。
ラットの脂肪組織に超音波を10分間あてたところ、脂肪を分解するホルモンのノルエピネフリンと脂肪が分解されて出来る遊離脂肪酸とが通常の約2倍に増えた。
ヒトの右太股に超音波を1日に10分間ずつ10日間当てた結果、脂肪層の厚さが18%減少した。
肥満で問題になる脂肪は白色脂肪と呼ばれる細胞組織で、ここの細胞が油滴を含んだ構造をしている。脂肪が合成されると油滴が増えて肥満につながるが、ノルエピネフリンが分泌されると脂肪分解酵素が働き、脂肪をグリセロールという糖の一種と熱エネルギーのもとになる脂肪酸とに分解する。
超音波は周波数が低いと血液中の細胞を傷つける恐れがあり、周波数が高いと当てた部分の温度が上昇してしまう。」2000.5.9《日経産業新聞》
■抗肥満作用持つ物質
「万有製薬は食欲を引き起こす神経伝達物質の作用をじゃまする化合物を見つけた。開発した化合物は、神経伝達物質(ペプチド)の一種であるニューロペプチドY(NPY)の受容体に結合し、食欲増進の引き金となるとみられる。NPYの働きを阻害する。
食欲過多の肥満マウスに投与すると、食欲が抑えられ、体重が減った。正常な食欲を示すマウスに投与しても食欲が抑制されることはなく、体重の変化もなかった。
NPYは36個のアミノ酸からなるペプチドで、脳など中枢神経系に広く分布する。2000.7.24《日経産業新聞》
■大食漢なのに体重軽いマウス
「英国の大手製薬会社、スミスクライン・ビーチャムと英ケンブリッジ大学などの研究グループは、食事の量が普通のマウスよりも多いのに体重が軽いマウスを遺伝子工学を利用して作り出した。人間に応用すれば新しいダイエット法を開発できるかもしれない。
このマウスはエネルギーをアデノシン3リン酸(ATP)の合成に使わせないようにする「脱共役タンパク質-3(UCP-3)」と呼ばれる物質を筋肉のミトコンドリアでたくさん作る。普段は食物からのエネルギーを使ってミトコンドリアがATPを作るが、UCP-3が余分に出来ると、ATPを作る代わりに熱を発生させて、体のエネルギーを消費するという。」2000.7.31《日経産業新聞》
■隠れ肥満
「今の若い女性は将来、現在の中年女性より太る可能性がある--------山口県立大学栄養学科の守口覚虚位温清飲寿らが、18~22歳の女子学生491人の体脂肪率と、肥満度の指標である体格指数(BMI)を調べ、そんな結果が出た。
女子学生を「肥満」「隠れ肥満」「標準」「やせ」に分けたところ、近年のダイエットブームにかかわらず、BMIは標準だが体脂肪率が高い「隠れ肥満」が約21%を占めた。BMIが同じ場合に、女子学生と40~50代の中年女性を比較すると、女子学生の方が中年女性より体脂肪率が高かったことから、将来、今の中年女性より肥満体型になると推定した。
「隠れ肥満」のグループは朝食を食べなかったり、食事時間が不規則だったりする学生が多かった。また、母親のみが太っている場合に多く見られた。
森口教授は「遺伝的要因に不規則な食習慣が加わって、隠れ肥満になったのではないか」とみており、肥満に伴う生活習慣病の増加も懸念する。2000.8.27《朝日新聞》
■ドーパミン受容体に関係
「米エネルギー省のブルックヘブン国立研究所の研究グループは、肥満の人には神経伝達物質のドーパミンの受容体が少ない傾向があることを突き止めた。ドーパミンは満足感を感じることに関係している。ドーパミンを検知するアンテナの役割をする受容体の数が少ないことから満足感を得ようとたくさん食べるようになる可能性があるという。
研究グループは太った人と標準的な人10人ずつの協力を得て、脳の画像診断によってドーパミン受容体の量を比較した。受容体の量が少ないのは肥満の原因なのか結果なのかはさらに検討する必要があるが、ドーパミンの働きを向上させる治療が有効だという」2001.2.7《日経産業新聞》
■内蔵脂肪量----数秒で測定
「明石市の計量器メーカー「大和製衡」は、簡単に内蔵脂肪量が計測できる脂肪計を開発し、20日発売すると発表した。これまで内蔵脂肪量は、病院での腹部CT検査を受けなければ分からなかったが、数秒で測定が可能という。
同社はカード型の体脂肪計などを製造してきたが、高血圧や糖尿病など生活習慣病が内臓脂肪の多い人ほど発症率が高いことに着目し、約300人分のCT検査データを集めて計算式を作って実用化。
サイズは5.4cm×7.2cm×1.5cm
\8000、\5000の2種類  
■テナガザル
「高い木の上を軽々と移動するテナガザルには、チンパンジーなど他の類人猿や人間が持つ肥満に関する遺伝子が無いことが、東京大学の石田貴文・助教授らの研究で分かった。
遺伝子が欠損しているため太る心配が無く、樹上で暮らしながら天敵と言われるトラやヤマネコから逃れることができる。
テナガザルは東南アジアのジャングルに生息する。体長60~70cmで、体重は約10kg。他の類人猿よりも痩せているのが特徴。
人間とゴリラ、チンパンジー、テナガザルなどを対象に、『ASIP』という遺伝子があるかどうか調べた。この遺伝子は脂肪の代謝に関わっており、強く働くと太りやすくなると言われている。
遺伝子解析の結果、テナガザルだけASIPを持っていないことが分かった。他の種から分化した2800万年前より後に遺伝子が欠損したと見られる。」2006.5/15《日経》
■酵素・・・プロスタグランジンD合成酵素
「大阪薬科大学と大阪バイオサイエンス研究所のグループは、体内の脂肪細胞が脂肪を蓄える時に働く酵素を発見。細胞実験で酵素の働きを抑えたところ、溜め込む脂肪量が大幅に低下した。
藤森功・大阪薬科大学講師と浦出良博・大阪倍サイエンス研究部長の成果。見つけた酵素は『プロスタグランジンD合成酵素』。藤森講師は“人間にも同様の仕組みが働いており、太りにくくする薬の開発につながるかもしれない”と語る。
研究チームは、睡眠を誘発する働きなどを持つプロスタグランジンD2を体内で過剰に作るように遺伝子改変したマウスが、通常のマウスに比べて肥満になりやすいのに着目。詳しく調べたところ、脂肪細胞でプロスタグランジンD合成酵素が増えていることが分かった。
■タンパク質が決定
「2007年、東京大学の分子細胞学研究所の加藤茂明教授らは、[骨]と[脂肪]の量をタンパク質が決定していることを明らかにした。成果は10/21のネイチャー・セル・バイオロジー(電子版)で発表。
骨を作る骨芽細胞や脂肪細胞は、骨髄にある間葉系幹細胞が分化してできる。[老化]したり[肥満状態]になると『PPARγ』と呼ぶタンパク質が活性化して、骨芽細胞より脂肪細胞への分化が活発になることが分かっているが、ただ、詳しい仕組みは未解明だった。
研究チームはマウス細胞を使い、PPARγを抑制する酵素などを探索した。その結果、『Wnt5a』というタンパク質が、間葉系幹細胞の外から作用すると、PPARγの働きが最終的に抑制され、Wnt5aが欠損したマウスでは、骨髄中の脂肪細胞が増えていることを確認した。」

2011.6.8のためしてガッテン

甘さ・脂・出し・・・βエンドルフィンが出る
ストレス・・・食べずにいられない
睡眠不足・・・食欲をUPさせるグレリンが増える

どうしても体重が減らない方に
脳に直接働きかける物質
風邪くすり+ミルクで赤ちゃんがたくさん
鼻づまり・かゆみを引き起こす 抗ヒスタミン剤

ネズミで実験
脳内のヒスタミンを減らすと食欲が増えた
ヒスタミン=食欲を抑えてくれる
脳関門を通れない。
もともと脳内にあるヒスタミンを増やす。
成分)たくさん食べる人・・・食べる量が減少した。
「ヒスチジン」が多いのが和食
ヒスタミンの原料となるアミノ酸
かつおのだし汁
ヒスチジンは血液脳関門を通過できる
マグロ・かつお・さば・・・・をよく噛んで食べることが大切


(咀嚼法)
食事の前に10分間ガムを噛む・・・ 満腹感が出る
噛むことで咀嚼中枢を刺激(噛む行為が大切)
結節乳頭核がヒスタミンをつくっている、更に交感神経を刺激して脂肪を燃焼してくれる


食べ方が壊れている・・・
30回ちょうど噛むこと・・・30回をキッチリ噛むことでヒスタミン系が働く
30回噛んで飲み込める  ○
30回噛んでも飲み込めなかったら・・×
  

【芳香療法】
<1>フェンネル
<2>ローズマリー:
<3>ゼラニウム:ホルモンバランスが悪い肥満
<4>ガーリック:代謝が低い肥満。
<5>オニオン
<6>ベルガモット
【色彩療法】
     <1>レモン色
     <2>オレンジ色
     <3>緑色
     <4>緋色
  【宝石療法】
<1>プラスになる宝石
*アンバー:ダイエット中の活力をサポートしてくれます。
*ジェード:貴女が正しいものを食べるようにサポートしてくれます。
*ジャスパー:貴女の感情と体の支えになります。
ダイエットを積極的に支えてくれます。
*ソーダライト:積極的ダイエットしようとする貴女をサポートします
*タイガーズアイ
*トルコ石
*めのう:ダイエットを応援してくれます。
*モスアゲート:言い訳をしなくてもすむように。
*コーラル
*シェル
<2>マイナスになる宝石:
       アメジスト
       オパール
       サファイア
       ダイヤモンド
       ムーンストン
       水晶
◎体脂肪を下げる簡単な方法
「風船(直径30cm)を1日50回ふくらませるだけ。3週間で効果が出る」

【処方名-五十音順】
■越婢加朮湯
■桂枝茯苓丸
■加味逍遥散
■柴胡加竜骨牡蛎湯
■真武湯
■大柴胡湯
■大柴胡湯桂枝茯苓丸
■大柴胡湯桃核承気湯
■大承気湯
■桃核承気湯
■防已黄蓍湯
■防風通聖散
■薏苡仁湯

【臨床例】
     ☆57歳、主婦。
「肥満症(70kg)で、肩こり、息切れし、足がだるいとのことで来院。便秘 するので「七ふく」を飲んでいるとのこと。
栄養顔色ともに良好で、脈は弦、舌には白苔がついており、腹診すると 胸脇苦満が著明に認められる。血圧は(170-90)である。腹証により、大 柴胡湯加厚朴茯苓釣藤を与える。便秘がひどいので大黄を2gとする。
これを1年間服用すると、体重が8kg減じて62kgとなり肩こり、息 切れがとれて、血圧は(150-80)となった。」(寺師睦宗著「成人病の漢方療 法」p187~p188)
【西洋薬】
「メリディア」:17ヶ国で発売。
■原料・・・「デファットゲン」」
「帝国臓器製薬は肥満解消の効果が期待できる食品用原料を発売した。成分は脱脂米胚芽の抽出物で、人体内で脂肪分解酵素の働きを抑制する。健康食品などに添加すれば、体内で脂肪がつきにくくなる。」2003.4.28《日経産業新聞》
■塩野義製薬・・治療薬
S-2367は、主に脳に存在し、人間が食欲を感じる機能に関わるタンパク質[NPY-Y5受容体]の機能を阻害する。肥満症の患者は食欲を過剰に感じて、必要以上のカロリーを摂取してしまう。2367はY5受容体と結合して働きを抑え、食欲を適正水準に調節するとともの全身のエネルギー代謝を向上させる。
人体には<飢餓状態>にあると認識すると生存のために食欲を高め、代謝量を少なくする仕組みがある。Y5受容体はこん仕組みに関係しているとみられている。
米国では2367と「オルリスタット」(一般名)を組み合わせた配合剤の第2相治験を始めている。
オルリスタットは体内で脂肪を分解する酵素[リパーゼ]の働きを抑え、食事で摂取した脂肪の吸収を抑制する。


 引きこもり
■深刻化
「社会との接点を持たず、長期間にわたって自宅に閉じこもる「引きこもり」問題で、2002年の1年間に全国の保健所や精神保健福祉センターに相談のあったケースの3人に1人が30歳以上だった。10年以上引きこもっている人も1/4と長期化している。」2003.7.29《日本経済新聞》




 引っ込み思案
  【処方名-五十音順】
■当帰芍薬散



人に酔う
⇒人混みが嫌い。人で混雑する所へ行くと気分が悪くなる。電車の中、映画館、百貨店の中などで気分が悪くなる。
 

【処方名-五十音順】
■苓桂朮甘湯(めまい、動悸、頭痛、冷や汗)


 避妊
(参照→堕胎)
■緊急避妊ピル
「OLのAさん(19)にはつきあって2年になる彼氏がいる。頻繁にデートしているが、結婚まで考えていない。避妊にはコンドームを使っている。先日、使用時に破れていたのに気づき、あわてて近所の産婦人科に電話で相談したところ、幸いにも、緊急避妊法を教えてくれた。
現在、日本の若い女性の間ではコンドームによる避妊法が最も多く使われる。ただ避妊の失敗率は年間14%と、決して信頼できる避妊法とは言えない。破損したり、自然に抜けたりするからだ。産婦人科への緊急避妊の相談は意外に多い。
こうした場合、、72時間以内に緊急避妊用の中用量ピル(避妊用の低用量ピルではない)を2錠服用、その12時間後にもう一度、2錠服用する。一般に排卵日の妊娠率は25%とされるが、この方法で2~3%に抑えられる。
緊急避妊法は年齢を問わず女性が心得ておくべき知識だ。もちろん通常はより完全な避妊法を用いるべきだ。欧米では若い女性の場合、低用量のピルによる避妊法が一般的で日本でも普及しつつある。日本では男性依存の避妊法に頼るあまり、女性の望まない妊娠が減らないが、低用量ピルにより女性自らの意思で避妊出来る選択肢が増えたことになる。
一方、コンドームは避妊法としては理想的ではないが、性感染症の予防には有効だ。女性は低用量ピルによって望まない妊娠を防ぐことができ、コンドームで性感染症から身を守れるという知識をもっていたい」(田坂慶一・大阪大学大学院医学系研究科助教授)2003.8.12《日本経済新聞》
■男性用
2012年、精巣でつくられる精子の数や運動能力を大きく下げる効果がある物質を、米ベイラー医大などのチームが、マウス実験で見つけた。
成果は、米科学誌セル(電子版)に発表
効き目が素早く、男性ホルモンの働きや性衝動に影響しないのが特徴。
  【民間療法】
    カイコ



飛蚊症
   ◎チェック→「サルコイドーシス」
■老化や近視-----原因が多い
「目の前にゴミのような黒いものがちらつく飛蚊症は、目の老化や近視に伴う生理的現象のことが多い。ただ、病気が原因で起きる場合もある。ちらつきを感じたら、専門医の検査を受けておきたい。
ある日突然、目の前にゴマの形や糸くずのような浮遊物が見え、まばたきしても、顔を左右に動かしても、目の前から消えない。こんな症状が飛蚊症で、目の前に蚊が飛んでいるように見えることから、この名前が付けられた。
東京・六本木の鴨下眼科クリニックの鴨下泉院長によれば、飛蚊症は、眼球の眼球の中にあって形を整える役目を持つ硝子体の変化によって起こる。ゼリー状の硝子体は老化などが原因で液状化が進み、萎縮して、目で物を見る際にフィルムの役割をする網膜からはがれる。このような変化が硝子体の濁りとなって、症状にあらわれるという。
中高年だけでなく、若い人でも近視が強ければ同様の変化が進みやすい。鴨下院長は「こうした変化は生理的現象で、病的なものではない。飛蚊症の8~9割は心配のないもの」と説明する。
ただし、病気が飛蚊症の原因となるケースも1~2割ほどあるという。
東京の会社員、Aさん(34)が目の前の黒いゴミを感じたのは半年前。翌日、眼科を受診して眼底検査を受けたところ、網膜に穴が開く『網膜裂孔』と診断さえた。その日のうちに、レーザー光線で穴の周囲を焼き固める治療を受けた。
この病気は、硝子体が網膜からはがれる際などに、網膜自体も引っ張られて穴が開いてしまうもの。飛蚊症を引き起こす病気の代表的なものだが、そのまま放置すると網膜剥離に進展し、失明につながりかねないという。
このほか、飛蚊症を引き起こす病気としては、糖尿病や高血圧症などによる眼底出血や、目の炎症の一種であるブドウ膜炎がある。どちらも、出血を抑えたり、炎症を抑えたりする内服薬を服用するなその治療が必要になる。
「いずれにしても、飛蚊症の症状が出たら、早めに専門医で検査を受けて欲しい」と鴨下院長は指摘する。その上で、「病的なものではなく生理的な症状と診断されても、1~2ヶ月後に再検査を受けるなどの注意が必要」と話す。
特に、浮遊物の量が増えたり視野が狭くなるなど、病状が変化した場合は、新たな病的変化が起こっている可能性もあり、すぐに受診することが大切だ。
ゴミのちらつきという症状自体は、原因となる病気を治しても消えることは無い。うっとうしくても気にせず、慣れることが肝心という。」
■油断禁物、1割が手術
「飛蚊症を訴えて来院した患者の1割は、手術が必要なほど重症だった。日本眼科医会が実施した新規患者の調査で、そんな結果が出た。
飛蚊症は、目の前を蚊が飛ぶように動く影が見える症状で、眼球の中の硝子体に濁りが出来て起こる。
今年の春、同医会が全国の会員に実態調査を依頼したところ、919人の患者について回答が得られた。最も多いのは、硝子体が網膜から離れた後部硝子体剥離で599人(65%」。これは、年と共に自然に起こる変化で、定期的に検査をすれば問題ない。一方、硝子体が離れる際、網膜に破れ目が出来る網膜裂孔や、それが進行した網膜剥離が、計88人と約1割を占めた。これらは放置すれば失明につながる。
調査のとりまとめをした同医会常任理事の宮地誠二医師は「軽く見られがちな飛蚊症だが、油断は禁物。とくに、影の数が増えたり、突然光の筋が見えたりした時は注意が必要。自覚がある人は、早めに眼科で眼底検査を受けてほしい」と言っている。」1999.11.14《朝日新聞》
■右目に黒影、大きくなり見づらい
「50歳代、女性。右目だけ近視が進むのが早く、5年ほど前から、中心に黒い影が見え、4ヶ月ほど前からはそれが大きく、見づらくなりました。病院では近視からきたもので、治療法も薬もないと言われました。これから症状は進むのでしょうか?なにか治療法はないのでしょうか?
これは強度近視によるものです。眼球の奥行き(眼軸長)が、通常よりも長くなって起こります。
この症状が出ると、網膜が全体に引き伸ばされて薄くなり、物をみるのに大切な網膜の中心部、黄斑部が萎縮してしまいます。すると、視力が低下し、どんなに眼鏡を合わせても視力が出なくなってしまうのです。
さらに進行すると、中心部が黒い影になったり、見えなくなったりします。時に、網膜の中心部に穴が開いたり、出血したりして、さらに視力が低下します。また、中心部でなくても周辺に網膜裂孔が出来て、網膜剥離の原因になったりもするのです。
このように網膜に病変を起こす強度近視を、特に、『病的近視』と呼びます。両眼に起きる場合と、片方の目だけに起きる場合があります。なぜ、眼軸長が伸びるのかは不明ですが、遺伝的な要因もあるようです。
特別な治療法はありません。定期的に経過観察して、出血や網膜剥離などの合併症が起きれば、対症的に治療していきます。しかし、黄斑部のものは、一般的に治療は厄介です。
  【処方名-五十音順】
■厚朴七物湯
■苓桂朮甘湯


 粃糠疹 pityriasis
⇒細かい粃糠状の落屑のある状態。発疹名の1つ。
  【処方名-五十音順】
■当帰飲子(虚証、貧血、皮膚枯燥、掻痒)


七傷(ひちしょう)
  【処方名-五十音順】
■ 二至丸
■二神交済丹


 

七情が欝結
⇒七気が鬱結。

七気(喜怒憂思悲驚恐)が相犯し、痰が凝結すると綿のようになったり、皮下の膜のようでもあるし、ひどくなると梅核のようでもあるし、のどにひっかかって吐いても吐けず、呑んでも飲み込めず、どうしょうもない状態。

◎心は神を看守し、身の君主となって七情を統摂し、万機を収拾する。 
<1>喜:心に意あれば喜となる。
<2>怒:怒は肝から発し、暴怒は陰を傷つく、大怒すると形気が切れ、血が逆流し、気絶して血は上でとまり、気は下にとどまる。煩憫は怒りやすくさせ、怒りやすいと気が逆上して甚だしいものは吐いてしまう。怒りを治す方は「香附末・甘草末各1両」づつ混ぜて、毎3銭づつ白湯で服用。
<3>憂:肺から憂が発生し、心配すると気が滅入る。心配ごとが増え安らぎが無いと意が傷つき、意は脾の神となる。心配と気苦労は気を閉塞させ、上下の通じが悪くなり、気が中で固まると大小便の通りが悪くなる。
<4>思:脾から思考が発し、度が過ぎると気運がつまる。
<5>悲:肺から悲しみが発し、心が虚ろになり悲しみ、悲しむと心配になって精気は肺と併合して悲しみ、肝は虚して肺気と合わさると悲しいものになり、悲しむと気が消耗される。
<6>驚:
<7>恐:腎から発し、胃は恐に属する。

【処方名-五十音順】
■香橘湯(七情に傷つき、中脘・脇腹が重苦しい)
■四七湯(七気が凝結して、梅核気)=半夏厚朴湯《金匱要略》
■白芥子散
■七気湯(七情が心腹に欝結して疼痛する)
■分心気飲(七情が渋滞して、大小便が不通)
■怒傷散(怒りを治す)
■利隔湯
■理気平肝散《医学統旨》(痙を発する)



臂痛(ひつう)
⇒臂(ヒ、ひじ)が風寒湿に攻搏されたり、寝るときに手が布団の外に出て冷えたりすると臂痛になる。
<1>寒痛:[五積散]
<2>風痛:[烏薬順気散]
<3>湿痛:[蠲痺湯加・蒼朮・酒防已]
<4>気血の凝滞:[薑黄散][舒筋湯]
<5>風湿:[活絡湯]
<6>七情:[白芥子散]
<7>折傷:[応痛散]
<8>痰飲:[半硝丸][消痰茯苓丸][加減茯苓丸][芎活湯][半夏芩朮湯]

【処方名-五十音順】
■応痛散(折傷後に風寒湿のため手足が痛む)
■活絡湯(風湿臂痛)
■加減茯苓丸(湿痰が溜まって、両腕が痛む)
■芎活湯(水飲が経絡に流注して)
■薑黄散    
■虎骨酒(臂(ひじ)脛の腫痛に、軽重を問わず
■五霊脂散(風寒湿による気血の壅滞と臂胛の疼痛)
■消痰茯苓丸(痰飲が流注し、腕が上がらず、痛みが移る)
■半硝丸(痰飲の流注疼痛)
■白芥子散(七情が欝結して栄衛が凝滞し、肩・臂・背・胛がつっぱって痛む)
■半夏芩朮湯(痰飲による臂痛で腕も上がられない)
■艀経湯(気血が経絡に凝滞し、臂痛)


腓骨神経麻痺
    (参照→しびれ)
◎症状:足の甲がシビレる。
足の甲がシビレ、第一趾・第二趾の付け根に感覚の鈍いところがある。



 腓腹筋の疼痛
  【処方名-五十音順】
■桂枝茯苓丸


痞満
=心下が痞えて充満状態が著明なもの。《古今方彙》
◎主薬:痞満には、枳実・黄連を主薬とすべし《万病回春》

【処方名-五十音順】
■加味二陳湯《寿世保元》
■加味七気湯《済世全書》
■解欝和中湯《万病回春》
■厚朴温中湯《内外傷弁惑論》
■消痞湯《済世全書》
■補中益気湯《万病回春》
■木香化滞湯《内外傷弁惑論》
■養胃湯《万病回春》


 日焼け sunburn
(参照→「メラニン」)
=同じ日本人でも紫外線に対する抵抗力の強い人と弱い人がいる。北欧の人は肌は透き通るように白く、赤道近くの国に住む人たちの肌は褐色。日本次男度の黄色人種の肌はその中間。
太陽光に含まれる紫外線は、皮膚組織においてビタミンDを合成するために不可欠。日射量が不足すると・・・骨の代謝の異常を来すほか、大腸ガンなど消化器かガンの発生率が高くなるという報告もある。
反面、紫外線が強すぎると皮膚細胞の遺伝子を傷つけ、肌の老化を早めたり皮膚ガンの原因になる。
◎メラニン
  
【芳香療法】
<1>カミルレ油5~6滴:沐浴する。
<2>カミルレ油3~4滴を、少量のスイートアーモンド油に稀釈して浴場。
<3>ラベンダー



 日和見感染症
◎免疫力を示す[CD4]リンパ球数が、[200]を下回ると日和見感染症になりやすい。


 



 人食いバクテリア症
=「人喰いバクテリア症」
   ⇒「劇症溶連菌感染症」
「ビブリオ・ブルニフィカス」
■ゲノム解読
「大阪大学と北里大学の研究チームは『人喰いバクテリア』として知られる劇症型A群連鎖球菌のゲノム(全遺伝情報)を解読した。筋肉の壊死など病原性に関連がありそうな遺伝情報も把握しており、感染者の早期診断や治療につながる可能性がある。
A型連鎖球菌には、咽頭炎などを起こすタイプと致死性が高い劇症型がある。咽頭タイプは簡単に治療できるが、劇症型は4~5割が死亡する。阪大歯学研究科の中側一路講師、浜田茂幸教授らは、劇症型菌のゲノムを解読し、劇症型ではない菌のゲノムと比較した。2つのゲノムは環状で、いずれも「ファージ」というウイルスを起源とする遺伝子が組み込まれている。ファージの部分に劇症型特有の遺伝子が見つかり、病原性に関係する可能性が高いという。劇症型は環状の左右のゲノムが部分的に入れ替わる大がかりな組み換えが起きており、菌の進化の過程で、劇症型に「変身」した可能性があることが分かった。
劇症型の菌にも抗生物質は効くが、発症後数十時間経過すると、手足の壊死や循環不全などが起きて重症化するので治療が難しい。国内の発症件数は年間数十人」2003.8.18《日本経済新聞》


人と話すのが怖い
■引きこもる若者たち
「社会とのつながりを絶ち、長期間、自室にこもったままの若者が増えている。新潟県の女性監禁事件や京都市の児童刺殺事件容疑者も外の社会との結びつきをかたくなに拒絶しているかのようだった。このような『引きこもり』は決して、特異な状態ではなく、人間関係の軋轢や挫折から突然、陥る。本人もそんな状態から脱出したいと必死だが、なかなか立ち直れない。親もどうすればよいのか分からない。20代、30代と広がり、その数を100万人と推定する専門家もいる。
「僕、病気やから、大学、辞めさせてほしいんや」
関西に在住するMさん(24)が両親に切り出したのは、3年前の春。大学3年に進級する前のことだった。「ゼミで、みんなと研究するなんて、出来ない」
高校時代は、剣道部の主将。腕前は3段。大学でも成績は「優」が多かった。その彼が人と話すのが怖いという。
驚く両親をしり目に、Mさんは翌日から大学に行かなくなった。1日中、自室に閉じこもり、ハジャマ姿でテレビを見ているか、コンピューターゲームをしているかである。そのうち、やがて、昼と夜の生活が逆転した。窓から近所の人たちの話し声が聞こえると、悪口を言われているようで耳をふさいだ。外に行けるのは、「知り合いに会わなくてすむ」深夜のコンビニや本屋だけ。散髪屋もイヤで、自分で髪を切った。
「小遣いをもっとくれよ」
ある日、母親(55)に迫った。「ダメ」と断られ、形相が変わった。身の危険を感じた母親が外に逃げた後、Mさんは母親のミシンやタンスを壊した。
母親は考え込む。「あの子の口数が少なくなったのは、いつからだったのか----」
大学受験に失敗して通い始めた予備校で、「赤面症をバカにされた」と級友とつかみ合いのケンカをし、結局、その予備校を辞めた。1つ下の弟が東京の有名大学に合格し、周りから比べられたことも影響しているのだろうか?
一昨年夏、関西の企業を退職して実家に戻り、無職生活を続けていたHさん(27)は語った。
「やったことは許せない。でも、新聞を見て、容疑者のせっぱ詰まった心理状態を想像しながら、人ごとではないと思った」
挙げたのは昨年9月、対人関係の悩みなどからJP下関駅で15人殺傷に至った事件。決して自分が犯罪を起こしそうだと言うのではない。人とつながりたいけれど、どうしたらいいのか、誰も教えてくれなくて、絶望感で追いつめられた、そのつらさだけは分かる、というのだ。
Hさんは、大学でも会社でも友達が出来なかった。大学では山岳部には行って、話し相手を作ろうとしたが、すぐに退部した。
人付き合いのノウハウ本を読みあさっが、現実はマニュアル通りにはいかない。「こんにちは」も率直に出ない。場違いのところで明るく振る舞い、変なヤツ、と思われる。会社では昼休みがつらかった。上司や同僚に声をかけられたら、と不安で。終業時間になると、一直線に料に戻る。食事もコンビニで買い、独りきりの部屋ですませた。
MさんとHさんは毎週、会う。京都、大阪、神戸で、ひきこもりの若者ら約70人が集う場『ゼロからの会』。母親らからの勧めだったが、2人はそこで新しい発見をした。
「自分だけじゃない」「自分を認めてくれる人がいる」
友達と話す自身が出来たというMさんは最近、飲食店でのアルバイトを始め、大学への復学手続きをとった。
Hさんは会への参加を重ねるうち、自分を冷静に見つめられるようになった。再就職とまでいかないが、実家を出てアパート暮らしに踏み切った。
「この気持ちは、なった人でないと、分からない。自分はたまたま、ヒントをくれる出会いがあって、出口が見え始めたけれど、それが出来なかったら」



 

百日咳 Pertussis
⇒百日咳菌の飛沫感染による小児の急性気道伝染病。
◎症状:

①激しい咳発作
②咳の後に深い吸気を行い、その際特有の呼吸音を発する。
③発作時に負うと、顔面紅潮、粘膜出血、口唇チアノーゼを伴う。
     1.カタル期
     2.痙咳期
     3.回復期
   
【芳香療法】
◎以下の精油で部屋を蒸散させる。
       ティートリ
       ニアウリ
       ローズマリー
       ラベンダー
       サイプレス
       タイム
◎以下の精油を胸部にすり込む
 ニアウリ5滴・サイプレス10滴・ラベンダー10滴を50‹のスイートアーモンド油(ヒマワリ油)にブレンドしたもの。

【処方名-五十音順】
■越脾加半夏湯
■甘草乾姜湯
■甘麦大棗湯
■桔梗白散
■橘皮竹茹湯
■桂枝去芍薬加皀莢湯
■柴陥湯
■炙甘草湯
■小柴胡湯加桔梗石膏(食欲不振、高熱、口渇、咽痛、胸脇苦満)
■小柴胡湯排膿散及湯
■小青竜湯(咳嗽、喘、鼻水
■小青竜湯加石膏
■桑菊飲
■皀莢丸
■走馬湯
■麦門冬湯
■竹葉石膏湯
■二陳湯
■麦門冬湯
■半夏厚朴湯
■茯苓飲(上腹部がつかえ苦しい、胃部振水音、舌苔白潤)
■麻黄湯(頭痛、発熱、悪寒、身体疼痛、関節がいたい)
■麻黄細辛附子湯(悪寒が強く、のどが痛い、脈沈)
■麻杏甘石湯
■射干麻黄湯
■苓甘姜味辛湯
■苓甘姜味辛夏仁湯(咳嗽、白色でうすい多量のタン
■苓桂甘棗湯
■苓桂味甘湯                      


百合病
⇒百脈の合病で、治すのに百合を主とするのは、百脈を和合させるからである。
  【処方名-五十音順】
■陶氏柴胡百合病(百合病と労復を治す)
■百合滑石散(百合病が変じて感熱病になったのを治す)
■百合滑石代赭湯(下した後の百合病を治す)
■百合鶏子湯(吐いた後の百合病を治す)
■百合地黄湯(汗・吐・下のない百合病を治す)
■百合洗方(百合病が変じて渇症になった)


瘭疽(ひょうそ) felon、 whitlow
⇒指の急性化膿性疾患で、爪囲炎が多い。
◎さかむけを引きちぎって、ブドウ球菌、連鎖球菌が感染して起きる。
◎炎症は深部に達するので、激痛があり、腫脹、発赤、熱感を伴う。

【芳香療法】
<1>カミルレorラベンダーの温湿布を指の周りに。湿布が冷えたら取り替える。
<2>膿が出たら、ラベンダー油をつける。

【漢方療法】
瘭疽は熱毒なり。故に五物大黄湯、黄連解毒湯石膏など多く奏功す。《高階枳園》

【処方名-五十音順】
■越婢加朮湯
■葛根湯
■葛根湯加桔梗石膏
■甘草附子湯
■桂枝附子湯
■当帰四逆加呉茱萸生姜湯
■排膿散
■白虎加桂枝湯

 

病気
「原因に」

生理的原因と霊的原因があり、霊的原因にも冥罰的意義のあるのと、憑霊等によるものと、また一種の幽遠なる神慮に出る場合があって一概には言えな い。」友清歡眞著《霊学筌蹄》

Bhattacharyya[THE SCIENCE OF COSMIC THERAPY OR TELETHERAPY]
「ほとんどの場合、病気は意識の中に発生しそれがオーラに影響を与えて細胞を弱め、最後に体に現れてきます。体内の何兆個とある細胞はいずれも電気的な回路であり、たえず一定の周波数で振動し続け、大気中から共鳴する周波数(色)を拾い上げては自分を維持しています。
 細菌にもオーラ体があります。細菌のもつ周波数が正常な細胞にふれると、細胞は弱められバランスを失います。このような状態で、細胞は大気中から必要な養分を吸収する力を失い、病気が進行することになります。」

■「病は気から」
「日本大の林成之教授(救急医学)たちは、ケガや病気で脳が激しく傷んだ患者を次々に日常生活へ戻している。瀕死の患者の体を33℃前後に冷やして脳の温度を下げ、神経細胞が死んでしまうのを防ぐ。今、話題の『脳低体温療法』である。
ただ、この治療法は深刻な問題もはらんでいる。体温の低下に伴って免疫力が落ちるため、細菌に感染して重い肺炎などを起こす恐れが強いのだ。脳低体温療法を始めた1991年以降、林さんたちは抗生物質や胃腸洗浄などで対処したが、32~64%もの患者が感染症になってしまった。
ところが96年を境に、感染症は9%まで激減する。この年、林さんたちは脳低体温療法の際に、成長ホルモンを患者へ補充する治療を始めた。
成長ホルモンは脳下垂体から分泌され、人間の発育を促す働きを持つ。基礎研究者は、このホルモンと免疫系との意外な関係を以前から知っていた。ネズミの脳下垂体を取り去る、つまり成長ホルモンを出せなくすると、免疫力が弱ってしまうことがあったからだ。
“脳底体温療法の際に免疫力が落ちる原因の1つは、脳の温度が下がることで脳下垂体の働きが弱まり、(脳下垂体を切除されたネズミのように)成長ホルモンの分泌量が減ることだったのです”と林さんは言う。脳が免疫系に働きかけていることを改めて裏付けた訳だ。
実は、脳が免疫系に働きかける際、成長ホルモンのような神経・内分泌系だけでなく、自律神経系を使うこともある。
例えば、九州大の堀哲朗教授(生理学)たちは95年、脳から脾臓へ至る自律神経を切断したネズミと、切断にていないネズミの手足を動けなくし、脾臓のリンパ球活性を調べた。「切断ねずみ」は通常と同じく活性だったのに、「非切断ネズミ」は半分ほどに落ちていた。堀さんは“手足を動けなくしたことでストレスを感じた脳が、自律神経を介して信号を脾臓へ伝え、免疫力を落とすように働きかけたのです”と話す。
脳と免疫系との関わりを、人間は古くから経験的に感じていたらしい。精神的ストレスがあると[結核]が悪化しやすいなど、様々な現象が指摘されている。
脳から免疫系への働きかけを研究することは、「病は気から」の詳しいメカニズムを解明することにもつながりそうだ。1998.3.22《朝日新聞》
   

 

病後の衰弱
  【処方名-五十音順】
■黄蓍建中湯
■四君子湯(病中・病後のつかれ・だるさ
■十全大補湯
■人参養栄湯(病後の体力低下
■補中益気湯


 



 

疲労倦怠 fatigue
(参照→「疲れやすい」)
○疲労の6パターン

①【精神作業疲労】・・・読書などで楽しんでいても疲労している
(原因):デスクワーク・パソコン読書→脳の疲労
遠くを見る(交感神経が働く)←狩り
近くを見る(副交感神経が働く)
(症状):目がショボショボ=眼精疲労=脳の自律神経が疲労
肩こり
頭痛

②【環境疲労】・・・温度変化による疲労
(原因):サウナや風呂に長時間(20分以上)
汗がダラダラ出るほど入浴
(症状):汗をかかない
冷えを感じる
対策・・・短時間の入浴にする(5分ぐらい)

③【心因性疲労】心配事やストレスで疲労。
なりやすい人→頑固でまじめ、プロ意識が高い、
休むのがヘタ(休日にゴルフや旅行、スケジュールを一杯)
症状:全身がだるい
意欲がわかない

④【肉体疲労】筋肉の疲労。
原因:スポーツ
立っているだけでも疲れる

⑤【免疫疲労】カゼ・病気で疲労。
疲労感を出す物質が出る

⑥【複合疲労】以上の複合
原因:車の運転
飛行機で移動

(対策)・・・疲労は睡眠でしかとれない。
・就寝前の入浴→長風呂(20分以上)はダメ。
半身浴がOK。
・眠るとき→足(足裏)を温める(副交感神経が働く)
手を温めてはダメ(交感神経が働くため)
睡眠時間・・5時間以上

■風呂で疲労回復は本当?
「運動などをすると、筋肉中などに乳酸という物質が溜まってしまう、これがいわゆる疲労物質。従って、疲労の度合いは血中の乳酸値で測ることが出来る。
疲労物質が増えた状態のまま、乳酸が体に残ると、筋肉痛やだるさの原因となってしまう。ところが入浴すると、乳酸値はグングン下がっていった。これは入浴が血液の循環を促すため、血中の乳酸をどんどん流してくれるからではないか考えられている。」(NHKためしてガッテン)

【芳香療法】
◎(精神的疲労)
<1>バジル
<2>ペパーミント:お茶にして。
<3>ローズマリー:

①へとへとの時に、6滴を浴湯に入れて沐浴する。
②車を運転するときに、両手首に1滴づつつける。

◎以下の精油をブレンド(2~3種)してマッサージする。
<1>バジル
<2>ゼラニウム
<3>ナツメグ
<4>ローズマリー
<5>タイム
<6>マージョラム

◎以下の精油で沐浴する。
<1>ゼラニウム・ローズマリー・タイム6滴
<2>クローブ・ナツメグ・マージョラム各2滴
  

【処方名-五十音順】
■痿証方(腰から下に力が入らない・しびれ感強い)
■雲林潤身丸(痩せてひ弱になり、気短で食欲なし)
■黄蓍建中湯
■河車大造丸(腰膝がだるい・ふらつく・羸痩)
■加味帰脾湯
■加味逍遥散
■還元丹
■帰脾湯
■九仙王道糕
■九味檳榔湯(全身の)
■桂枝加黄蓍湯
■桂枝加竜骨牡蠣湯
■桂枝湯
■桂枝人参湯
■桂枝茯苓丸
■啓脾湯
■鶏鳴散加苓《時方歌括》
■蒿芩清胆湯
■呉茱萸湯
■五苓散
■柴陥湯
■柴胡桂枝乾姜湯    
■柴朴湯
■左帰丸
■砂糖元
■酸棗仁湯
■滋陰降火湯
■滋陰至宝湯
■四逆加人参湯
■四逆散
■四君子湯
■四神丸
■四物湯
■炙甘草湯
■十全大補湯
■潤腸湯
■小建中湯
■小柴胡湯
■小青竜湯
■小半夏加茯苓湯
■升陽益胃湯
■升陽順気湯
■升陽補気湯
■七物降下湯
■助元丹
■参朮湯
■参朮調元膏
■参蘇飲
■参苓白朮丸
■参苓白朮散
■真武湯
■瑞蓮丸
■青蒿鼈甲湯
■清暑益気湯(食後に倦怠感、手術後の疲労倦怠)
■清神益胃湯(内傷症で食欲なく、だるく、顔色が黄色い)
■清肺湯
■蒼朮膏
■大補陰丸(腰膝だるい・頭がふらつく)
■大防風湯(栄養失調、産後・術後)
■太和丸(脾胃の虚弱、食欲なく、痩せ、顔色黄色くしなびる)
■竹茹温胆湯
■竹葉石膏湯
■鎮肝熄風湯(四肢のしびれ・ふるえ・運動障害)
■天王補心丹(腰膝がだるい・力が入らない)
■天真元(脾胃が弱り、食欲不振、津液が枯れ、痩せる)
■当帰建中湯(貧血、食欲不振、虚弱体質、腹痛、腰痛<牽引痛>、)
■当帰芍薬散(貧血、冷え性、疲れやすい、月経不順、神経症状)
■当帰四逆加呉茱萸生姜湯(激しい疲れ)
■当帰補血湯(過度の労役で、顔や目が赤く、熱があり)
■人参飲(労役過多でつらいとき、内傷・発熱を予防する)
■人参湯
■人参養栄湯
■八味地黄丸(腰膝がだるい・力が入らない、腎陽虚)
■半夏白朮天麻湯
■白虎加人参湯(激しい口渇、口舌乾燥、尿利頻数、大便硬、煩躁)
■白朮膏(脾胃が弱く、食べものがまずく、or吐く)
■白朮和胃丸(内傷が長引き、食欲なく、臓腑が詰まり、溏泄する)
■秘伝三仙糕(脾胃が虚弱し、食欲がない)
■茯苓造化糕(脾胃が虚弱し、食欲がない)
■平胃散(四肢がだるい、疲労衰弱)
■防風通聖散
■補真膏
■補中益気湯
■六君子湯
■苓甘姜味辛夏仁湯(痰飲浮腫、顔色悪い、くしゃみ、せき、)
■苓桂朮甘湯(小便不利、めまい、)
■苓姜朮甘湯
■六一散
■六味丸(腰膝がだるい・力が入らない・ふらつく、腎陰虚)






疲労骨折
■中高年に多く
「疲労骨折で多いのは甲の部分の中足骨で、まれに母趾(足の指骨を趾骨ともいう)の付け根にあって関節の動きを補助する種子骨やかかとの骨でも生じます。走りすぎて骨にひびが入るのです。たいていはレントゲンで診断できますが、ごく早期には放射性同位元素を使った骨シンチグラム検査が必要です。
一部を除けば練習を休めば1~2ヵ月で治ります。
ただ、足の小指の付け根に近い第5中足骨で疲労骨折が起きると治りにくく、再発することが多い。『ジョーンズ骨折』とも呼ばれ、手術が必要になることもある。
足首の骨軟骨損傷も要注意。捻挫のとき、すねの脛骨と足の距骨がぶつかり、距骨側の軟骨を傷める。捻挫の痛みが3ヵ月以上続く時はその可能性があり、軟骨がついた骨の移植が必要なこともある」




脾労
=五労の一つ。
飲食の不摂生、或いは思慮過度によって、脾を傷つけて起きる。
症状:身体が痩せ、四肢だるく、食欲不振、大便溏泄
  【処方名-五十音順】
■瀉脾湯

 

表在性胃炎
  【処方名-五十音順】
■黄連解毒湯


表在性皮膚真菌症
⇒真菌の感染部位が皮膚や粘膜の角質層や毛、爪に止まっているもの。


表皮水疱症
=皮膚の外表に近い部分などに水ぶくれやただれを生じる遺伝子性疾患、
国内患者は5万人。
■希少疾病葉医療機器(オーファンドラッグ)
2012年、J・TECは、自家培養表皮「ジェイス」の臨床試験を届け出た

 

眉稜の痛み
「半夏6銭、生姜3斤」水煎し、「沈香5分」を調えて服す。《方読便覧》
 【処方名-五十音順】
■消風散



広場恐怖症
    (参照→「恐怖症」「パニック障害」)
◎広場恐怖の定義:DSM-Ⅳ
A:不意の、または状況に関連性があるパニック発作、あるいはパニック発作に類似した症状が起きたとき、逃げ出すことが困難か助けを求めることが出来ないと考えられる状況にいることの不安。
広場恐怖症の恐怖は、自宅の外にいる、人混みの中で1人で立つ、橋を渡る、バス・列車・車で旅行するといった得量ある一連の状況に関係している。もし、忌避行動が1つ又は2、3の特別な状況に限られるならば「特定恐怖症」の診断を、また忌避行動が社会的状況に限られるならば「社会恐怖症」の診断を考える。
B:このような状況を避けたり(例:旅行範囲を制限する)、さもなければ、パニック発作やパニック発作の類似症状が出現するのではないかと心配して著名な苦痛を感じたり、誰かに同伴を頼む。
C:これら不安や恐怖による忌避行動が、その他の精神障害、たとえば社会恐怖(例:恥を恐れ社会的状況のみを避ける)、特定恐怖(例:エレベーターのようなただ1つの状況を避ける)、強迫性障害(例:汚されるという強迫観念をもつ人が汚いmのを避ける)、および分離不安障害(例:自宅や身内から離れることを避ける)では説明しにくい。
◎パニック障害の病歴のない広場恐怖症の診断基準:DSM-Ⅳ
A:パニック発作に類似した症状が出現するおそれのある広場恐怖症の存在。
B:パニッック障害の診断基準を満たさない。
C:物質による生理的作用(例:薬物乱用・服薬)や内科的疾患によるものでもない。
D:もそ何らかの内科疾患があるならば、A項に示された広場恐怖症は、その病気で普通にみられる恐怖よりも激しい。
◎予期不安(パニックの予感)から
「パニック障害の患者さんは予期不安があるため、その7~8割は、広場恐怖症になります。パニック発作がいつ起こるか分からないことから、発作が起きたとき逃れることが困難な場所や、すぐに助けを求められない状況に1人でいることに強い恐怖感をもち、そのような場所に行くことを意識的に避けるようになります。
広場恐怖の患者さんが恐れる場所や状況とは、電車やバスなどの交通機関、トンネルやエレベーター、地下道、窓のない部屋などの狭い閉鎖空間、屋上やテレビ塔といった高所、自動車の運転、特に高速道路や渋滞に巻き込まれたとき、あるいは会議に出席する、自宅に1人でいるといったことで、そのすべてを挙げることは出来ませんが、特定恐怖や社会恐怖の原因と同じです。」
(貝谷久宣著「脳内不安物質」講談社p35~)



貧血 anemia
「貧血」

とは『体の中の血液中に含まれる赤血球と血色素(ヘモグロビン)が減少した状態』のことである。

■血が少ないこと?血が薄いこと?
「たかが貧血なんて甘くみちゃいけませんよ。ひどくなると昏睡状態に陥ることもあるコワい病気なんです。
特に自覚症状が無くても要注意ですよ。実は日本女性の4割が貧血の一歩手前の、いわゆる隠れ貧血なんだそうで---------。あなたは大丈夫?
体力がない貧血のネズミに輸血をして血を増やしてみても、やっぱりダメ。貧血は血が足りなくて起きる訳ではないらしい。
血液を遠心分離器にかけると、赤い赤血球部分と透明な血清部分に分かれる。健康な人の血液と、貧血の人の血液とでは、この割合が違う。貧血の人は健康な人に比べて、赤血球部分が少ない。つまり、貧血とは「血が少ない」のではなく、「血が薄い」のである。そして、貧血の症状は、動悸・息切れ・めまい・イライラ・頭痛・舌や爪の異常・抵抗力が低下し、昏睡から死に至る。」(NHKためしてガッテン)
◎貧血の症状:
<1>貧血一般に出る症状:
①顔色が青白い、皮膚・粘膜の蒼白。
②息切れしやすい。階段を上るとすぐにドキドキする。
③疲れやすい・だるい。めまい・立ちくらみ・頭痛・耳鳴り・眠い・失神する。
④食欲がない・便秘・下痢・はきけ・腹部不快感・放屁。
⑤無月経・インポテンツ。
<2>特殊な症状:
①発熱・出血。-----(再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、白血病)
②(巨赤芽球性貧血):
  舌がツルツル・舌炎・
  白髪・
  知覚異常・感覚異常・
  運動機能失調・筋力低下・神経異常
③(鉄欠乏性貧血):
  舌炎・
  ものが飲み込めない・
  爪がもろくなる。
④(溶血性貧血):
  尿が茶色・
  黄疸。           

◎血液中の赤血球[ヘモグロビン]が、正常値より少ない。
臨床的に貧血と判断するのは、以下の場合。
男性(赤血球数400万以下、ヘモグロビン13.0g/Œ以下)
女性(赤血球数370万以下、ヘモグロビン11.5g/Œ以下)

【臨床検査】
「ヘマトクリット値」:
貧血状態になると値は下がる。赤血球でも貧血状態は調べられるが、ヘマトクリット値はいつ測定しても変動がないので、貧血状態を表す指標になる。
   

◎種類:
<1>鉄欠乏性貧血(IDA)
<2>再生不良性貧血
<3>溶血性貧血
<4>先天性溶血性貧血)
<5>自己免疫性溶血性貧血(AIHA)
<6>発作性夜間血色素尿症(PNH)
<7>巨赤芽球性貧血(MDS)
<8>腎性貧血:エリスロポエチンの不足による貧血。
<9>続発性貧血:種々の疾患ある場合に起きる。
      *慢性関節リウマチ
      *結核
      *肝臓病


◎分類:
鉄欠乏性貧血:ヘモグロビンをつくるための鉄分不足から生じる。
再生不良性貧血:骨髄での赤血球の生成が不十分なために生じる。
悪性貧血:ビタミンB12の腸管からの吸収が悪いため生じる。
出血性貧血:大量出血などで生じる。

◎貧血を引き起こす疾患:
*慢性腎不全:透析が必要になると、通常ヘマトクリット約20~25%の正色素性正球性の貧血が見られる。
(理由)エリスロポエチンの産生低下
エリスロポエチンに対する骨髄の造血機能の低下
尿毒症による赤血球寿命の短縮
   
 
■思春期、スポーツで貧血も
「14歳の女子中学生が“おなかや頭が痛くて、疲れやすい”と訴え、千葉県柏市の慈恵会大柏病院を訪れた。県大会に出場している駅伝の選手だ。早朝と夕方の練習をほぼ毎日続けていた。持久力が低下し、記録も落ちたという。
鉄分の錠剤を毎日飲んでもらうと、約3ヶ月で貧血の症状は治ったが、飲むのを止めると元に戻った。“大会に出たい”という希望を聞いて鉄分を注射したこともある。治療がいらなくなったのは駅伝を止めてからだった。
立ちくらみがする、寝起きが悪い、食欲がない-------。様々な体の不調を訴える。「不定愁訴」で小児科に来る子供たちに貧血が見られ、スポーツ選手が目立つ。北島さんが気付いたのははしわ病院に赴任した1991年頃だった。不定愁訴で診察した9~16歳の患者はこれまでに547人になる。
運動部で週5日以上の練習をしている子供を「運動群」、それ以外を「非運動群」と分けて、調べてみた。貧血は運動群に多く、貧血に至らない鉄欠乏も、やや多かった。男女の差はみられず、生理との関係も無かった。運動群で貧血または鉄欠乏と診断された子供107人について種目をみると、[陸上][バスケットボール][バレーボール]が多かった。

「体内にある鉄」の

*67%は赤血球中で酸素を運ぶヘモグロビンに含まれる。

*27%は肝臓や脾臓・骨髄に蓄えられ、

*残りは筋肉中で酸素の貯蔵に働くミオグロビンというタンパク質などに含まれる。
思春期は体格の向上だけで、鉄の需要が約10%増える。そこへマイナスの要因が加わると鉄欠乏に陥りやすい。これまでは偏った食事や生理が指摘されて来たが、最近はスポーツ活動が指摘されている。
足を踏み込むとき足の裏の血管が衝撃を受けたり、急激な筋肉の伸縮で赤血球が血管壁とすれたりして、赤血球が壊れる。準備運動の不足や過度の運動は筋肉を消耗させ、ミオグロビンが筋肉から離れてしまうと説明される。
貧血に至らない鉄欠乏でも持久力が落ちるのは、細胞でエネルギー生産に鉄を含む酵素が不可欠だからだ。大平充宣・鹿屋体育大学教授はネズミの実験をもとに「筋肉など組織中の鉄が持久力に関わっている」と話す。
北海道大学が札幌市内の中学校運動部員約60人にしたアンケートで、鉄欠乏の症状と合わせ、[学力の低下]や[骨折][靱帯損傷]を経験している子が目立った。「鉄欠乏に伴う集中力低下や疲労が、学業不振や運動中のケガに直接つながると言えないまでも、背景にある恐れはある」と同大保険診療所の桜田恵石・助教授はみる。
  慈恵医大の北島さんは「スポーツ貧血は鉄剤の投与で治るが、対症療法。鉄欠乏の兆候を見逃さず、予防するのが大切」と訴える。[気力がない][記録がおちた]といった変調に注意する。[ワイン色のおしっこ]や[黒っぽい便]は赤血球が壊れている証拠だ。
鉄欠乏に気付いたら、練習量を減らし、体の負担が大きい早朝練習は避ける。準備運動や整理運動を励行し、足への衝撃を和らげる靴を使う。食事は鉄分が豊富で吸収の良いレバーがおすすめだ。ほうれん草の鉄分も肉と食べ合わせると吸収が良い。育ち盛りの時期、不自然なダイエットはしないこと、と話す。     1998.1.4《朝日新聞》
   
 ■成長期に鉄欠乏症
「東京都立拇指保険院の小児科医長、北島晴夫さんは今年3月まで10年近く在籍した東京慈恵会医大柏病院で、9歳~16歳までの鉄欠乏症の子供185人を診察した。「体がだるくて朝起きられない」「疲れがとれない」など訴えは似通っている。「週5日以上部活動をしている」というスポーツ選手が6割もいた。男女差はほとんど無く、陸上・バスケット・バレーボール・テニスなど種目も多様。
「貧血なのに、大会が近いから練習を休めないという子供もいました。放置すれば注意力や免疫力も低下することが、スポーツ指導者の間であまり知られていない」と北島さんは危ぶむ。鉄剤を毎日飲めば症状は回復するが、服用を止めると元の状態に戻る。服用せずに住むようになったのは、部活動を止めてからという中学生もいた。
体内の鉄分は7割近くが赤血球中で酸素を運ぶヘモグロビンに含まれ、残りは肝臓や脾臓、骨髄、筋肉中などに蓄えられる。鉄分は栄養素の中でも吸収されにくく、食物で1日10mg摂取しても吸収されるのは1/10程度。
ほぼ同量の鉄分が毎日便として排泄されるため、食事で補う必要がある。身長が急に伸びる10代だと、鉄の栄養所要量は男女とも成人より2mg多い1日12mg。
スポーツで貧血が起きるのは、足底の血管が受ける衝撃や急激な筋肉の収縮で、血液中の赤血球が壊れ、ヘモグロビンが尿中に流れ出すためという説が有力だ。このため、北島さんは思春期の子供がスポーツに力を入れる場合は、週に1日か2日は休息する日を設けてほしいという。」

■コレステロール分解アミノ酸
「野菜が心臓病など循環器疾患の発生を抑制することが疫学調査で突き止められている。野菜は肉に比べて不飽和脂肪酸が多いため、野菜を食べると血液中のコレステロールが減少する。これだけではなく、食品中に脂質代謝を改善する物質が含まれている場合も、コレステロール値は低くなる。
S-メチルシスティンスルホキシド(SMCS)という硫黄を含むアミノ酸はラッキョウ・ニラ・キャベツなどの野菜に含まれる。日本人の食生活から概算すると平均1人1日当たり300mgを摂っていると推定される。
筆者らはコレステロールを添加した飼料を食べさせたネズミにキャベツから取り出したSMCSを与える研究を行った。SMCSを与えたところ、ネズミの血清や肝臓のコレステロールが低下することが明らかになった。メチオニンやシスティンなどほかの含硫アミノ酸にはこのような効果は認められない。
後にSMCSがコレステロールの分解を促進させ糞便への排泄を増加させる働きがあることが分かった。
一方、あまりにも大量のSMCSを与えると貧血が起こり、脾臓が鬱血して肥大するという副作用も見られた。投与を中止すると症状は消失するので、一過性の作用であった。欧州でよく食べられるケールという野菜がある。ケールを多食した牛や羊に貧血が発生したという報告もある。反芻動物では腸内細菌によりSMCSから硫黄を含む揮発性物質が大量に作られ、貧血を誘発したと推定される。
SMSはコレステロールを分解する働きを持つが、多量に摂取すると貧血を起こすこともあり得る。貧血を起こさない程度に摂取することが重要である」(糸川嘉則)2000.2.21《日本経済新聞》
■血清鉄
「酸素を体の隅々まで運ぶ赤血球内のヘモグロビンが低下した状態を貧血と呼びます。ヘモグロビン濃度が男性だと血液1デシリットルあたり13g、女性では同12g未満を貧血としています。
ヘモグロビンは鉄を含んだタンパク質です。貧血の原因は様々ですが、最も頻度が高いのは鉄が不足する鉄欠乏性貧血です。特に思春期の女性では発育に鉄の需要が大きく、かつ生理に伴って鉄が失われやすいために不足しがちです。ダイエットしすぎて鉄の摂取が不足することもあります。
貧血を指摘された場合は、まず血清中の鉄の量(血清鉄)を測定することが大切です。同時に、血清中で鉄を結合する能力を調べる総鉄結合能か不飽和鉄結合能、場合によっては組織の総鉄量を反映するフェリチンを測定します。
若い女性に多い鉄欠乏性貧血では、血清鉄が低値になり、総鉄結合能は高値、フェリチンが低値になります。」
  

【漢方療法】
■安中散
■温経湯
■温清飲
■加味帰脾湯
■帰脾湯
帰脾湯も、さらに柴胡と山梔子を加えた加味帰脾湯も、原因不明の貧血、悪性貧血、再生不良性貧血などに用いられ、これで著効をとることがある。帰脾湯は、貧血、出血、不眠、健忘、心悸亢進などのある虚証の患者に用いる。
体質虚弱の者、病後で衰弱している者、精神の過労から発病したものなどによい。本方には、地黄が入っていないので、四物湯、十全大補湯、連珠飲などが胃にもたれて、食欲減退などを起こすものには加味帰脾湯を用いる(漢方診療医典)
■芎帰膠艾湯
■九味檳榔湯
■桂枝加竜骨牡蛎湯
■啓脾湯
■絳礬丸《有持桂里》
■黒帰脾湯
■呉茱萸湯
■柴胡桂枝乾姜湯
■三才丸
■滋陰降火湯
■四君子湯
本方は貧血が強く、気力が衰え、胃腸の機能も衰え、食欲がなく下痢したり、吐いたりする者に良い(漢方診療医典)
■四物湯
この処方は、貧血を治し、止血の効もあるが、貧血が強度で、胃腸障害があって、下痢したり、吐いたりする者には用いないほうがよい(漢方診療医典)
■炙甘草湯
貧血があって脈が結滞して、動悸、息切れを訴えるものによい(漢方診療医典)
■十全大補湯
四物湯に四君子湯を合し、これに桂枝と黄蓍を加えたもので、補血強壮の効があり、全身的に衰弱して貧血し、口内が乾燥し、口乾の状のある者に用いる(漢方診療医典)
■小建中湯
■参苓白朮散
■真武湯
■青蒿鼈甲湯
■大防風湯
■治胖丸《津田玄仙》
■猪苓湯合四物湯
■通脉四逆加猪胆汁湯
■鉄砂丸
■当帰飲子
■当帰建中湯
■当帰芍薬散
■当帰補血湯
■人参湯
■人参養栄湯
■八珍湯
■八味地黄丸
■半夏白朮天麻湯
■茯苓飲
■附子人参湯
■保元湯
■補中益気湯
■養心湯
■六君子湯
■苓甘姜味辛夏仁湯
■苓桂朮甘湯
■連珠飲
貧血のため、動悸、息切れ、めまい、頭痛、浮腫などのあるものによい(漢方診療医典)

◎ビタミンB12を測定
「ノルウエーとデンマークの研究グループは、ビタミンB12の新しい微量測定法を開発した。従来法と違い、体内の細胞が必要とする量だけを測定する為、早期の欠乏状態を見つけることが出来る。
従来法は、血液中のすべてのビタミンB12を測定するため、診断の精度が落ちるという。」2004.3.11《日経産業新聞》




頻発月経
  【処方名-五十音順】
■補中益気湯



頻尿症(ひんにょうしょう)
   pollakisuria
=尿意頻数 frequency of urination
*「尿の量」

は普通1日に1500cc~2000cc。膀胱は最大容量が約500ccだが、200ccほど溜まると自律神経が信号を脳に伝え、尿意をもよおす。
健康者の1昼夜の排尿回数は5~6回で、多くても10回ぐらいで、夜間排尿は、0~1回です。これより多いのが頻尿です。

◎原因:
*多尿に伴う排尿回数の増加
*神経因性膀胱(多尿はない)
*膀胱炎などで膀胱容積が減少
*膀胱炎・前立腺肥大で膀胱の刺激が原因。
*心因性
  

【処方名-五十音順】
■桂枝加竜骨牡蠣湯
■桂枝人参湯
■牛車腎気丸
■五淋散(膀胱熱あり、小便淋瀝、排尿困難、血尿)
■四逆散
■七物降下湯(顔色悪い、しびれ、ひきつり、のぼせ、めまい、耳鳴り)
■小薊飲子
■小建中湯
■逍遥散
■清心蓮子飲
■猪苓湯(発熱、口渇、小便不利、排尿痛・頻数、血尿、心煩不眠)
■猪苓湯合四物湯
■当帰芍薬加附子
■八正散
■八味地黄丸
■萆薢分清飲
■白虎加人参湯(激しい口渇、口舌乾燥、尿利頻数、大便硬、煩躁)
■麻子仁丸(汗が出て、皮膚が湿っている、便秘)
■竜胆瀉肝湯(湿熱、小便黄赤、小便淋濁)
■苓姜朮甘湯(腰脚の冷えがひどい、腰がスースーする)
■六味丸


頻脈 
   pulse frequens,tachyacardia
=成人で100回/分以上の脈拍のもの。
◎一般に、発熱時には、1℃上昇するごとに8~10/分脈拍が多くなる。

(例外):

腸チフスでは体温上昇の割には脈拍数が少ない。
◎種類:
頻脈を起こす疾患:
*貧血
*心不全
*出血後
*甲状腺機能亢進症
*心筋炎

発作性頻脈paroxysmal tachycardia:
突然に心拍数が200/分以上になり、それが数分~数時間或いは数ヶ月続いた後に、また突然もとの心拍数に戻るもの。

原因:

*心筋梗塞
*心筋炎
*甲状腺機能亢進症
*薬物中毒

【芳香療法】
    イランイラン



牝瘧(ひんぎゃく)
=漢方の病名。

瘧疾の一種。瘧にして寒多きもの。
◎瘧の発する時に独り寒く熱無き者は脉遅なり。
顔色は淡白で、発作は定まった時間に起こる。
  【処方名-五十音順】
■七棗湯《医方考》
■蜀漆散《金匱要略》