<ふ> つらい症状・病名

【病状ふ】

Fanconi症候群
=汎血球減少症、骨髄の形成不全、メラニン沈着による皮膚の褐色色素斑、更に筋骨格系及び泌尿生殖器系の各種先天異常を特徴とする、まれな遺伝性疾患。

◎尿酸値が低下する。
■乳ガン遺伝子--貧血症に関係
「米ハーバード大学と札幌医科大学などのグループは、遺伝性の重度の貧血症に乳ガンの原因遺伝子が関わる可能性があることを突き止めた。これらの仕組みを調べれば貧血症だけでなくガンの解明にもつながる。
ハーバード大学ダナ・ファーバーがん研究所のアラン・ダンドレア教授と札幌医大の池田英之講師らの成果。
遺伝病のファンコニ貧血症(FA)患者5人の遺伝子を調べたところ、乳ガン原因遺伝子であるBRCA2の変異を両親から受け継いでいることが分かった。これまで知られているFA原因遺伝子には変異がなかった。
FA患者の細胞は特殊な薬剤を与えると染色体が壊れて死ぬ特徴を持つ。正常なBRCA2遺伝子を導入すると薬剤を与えても壊れにくくなり、BRCA2の変異がFAに深く関わっていることを確かめた。
FA遺伝子やBRCA2遺伝子は、いずれも細胞が紫外線などで傷ついたDNAを修復する仕組みに関わる。これらに異常があると癌や貧血症になると推定している。
ファンコニ貧血症は再生不良性貧血の一種で、発症頻度は出生児10万人に1人以下。白血病などを併発する難病で、根治には骨髄移植などが必要とされている」2002.6.14《日経産業新聞》



Felty症候群(Felty's syndrome)
=「リンパ腫脾腫性多発性関節炎」       =「フェリティー症候群」
⇒米国の医師A.R.Feltyが発見。
 ◎好中球が減少する。




Fröhlich症候群
=「生殖腺萎縮性肥満症」 (参照→肥満)
脂肪性器異栄養症(dystrophia adiposogenitalis)とも呼ばれる。
◎男子に多く、70%までが20才までに発病する。
◎原因:視床下部の腫瘍・炎症・変性による。
◎症状:
肥満:
 中性性肥満に近い。
 発毛
 皮膚は女性的
性器萎縮:
男子では外性器小さく、しばしば潜伏睾丸を認める。
女子では内性器の形成不全を示し、2次性徴を認めない。
知能正常で奇形を伴わない(Laurence-Moon-Biedl症候群との鑑別点)
◎糖代謝、水分代謝に異常を伴うことがある。
◎検査:
 尿糖・血糖
 尿17-OHCS、17-KS
 頭蓋X線像


Prader-Wailli症候群
=「H3O症候群」
⇒出産直後より筋緊張低下を認め、2才頃に肥満・身長発育遅延が著明になる。
◎症状:
 筋緊張低下(hypotonia)           ・筋弛緩
・知能低下(hypomentia)
・成長障害
・性腺発育不全(hypogonadism):
 低ゴナドトロピン性
 高ゴナドトロピン性
 肥満(obesity)
 糖尿病
◎下垂体・甲状腺・副腎皮質系・成長ホルモンの分泌は正常。



pseudo-Hueler病
=「generalized ganglisidosis」
⇒ムコ多糖症の1つ。
◎症状:
・異常顔貌
・骨変形
・精神薄弱
・肝脾腫
・角膜混濁
・ケイレン
・ミオクローヌス

 

pseudo-polydystrophy
⇒ムコ多糖症の1つ。
◎症状:
・骨変形
・角膜混濁
・精神薄弱


VRE (バンコマイシン耐性腸球菌)
■バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)
「腸球菌は腸に常在し、病原性は弱い。主に体の弱っている人に[尿路感染症][創傷感染症][敗血症][心内膜炎]などの院内感染症を起こす。米国では、院内感染菌として首位の座を伺っている
腸球菌は「抗菌剤時代に見事に適合した」と言われる。普通の抗菌剤がもともと効かなかった上に、新しい抗菌剤も次々に効かなくなってしまうからだ。
心内膜炎や髄膜炎のように、血中に菌が入って全身に広がる危険な腸球菌感染症は、菌の細胞壁合成を阻害するペニシリン・セファロスポリン系の抗菌剤(ベーター・ラクタム剤)かバンコマイシン系抗菌剤のどちらかに、タンパク質合成を阻害するストレプトマイシンやカナマイシンの仲間(アミノ配糖体)の1つを加えて、2種類の抗菌剤の協力作用によって治療する。
腸球菌はベーター・ラクタム剤にも、アミノ配糖体にも順次、耐性を獲得したため、今では信頼して使える抗菌剤はバンコマイシンだけになった。
日本では最近までバンコマイシンを使わなかったが、欧米では30年以上も使用し、それでもほとんど耐性は問題になってこなかった。ところが、バンコマイシンはMRSAに良く効くので一躍有名になり、使用量が急速に増え、ついに86年にフランスでバンコマイシン耐性菌(VRA)が患者から初めて見つかった。
その後、欧州でも、米国でも報告が相次いだ。米国での調査によれば、見つかったほどすべてのVREが入手可能な抗菌剤のすべてに耐性出会った。89年に0.3%だったVREの頻度が93年には7.9%となった。集中治療室にいる患者ではもっと頻度が高く、今や病院全体にまで広がっていまった。
バンコマイシンが効く腸球菌が原因の敗血症患者の死亡は6人に1人の割合だったのに、耐性菌が原因の場合には1/3が死亡した。入院期間が長い患者 に「万能の抗菌剤」としてバンコマイシンが使われると、VREが出現しやすい。
 VREの多くは別の菌と接合して耐性を伝達出来る。高度なバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌はまだ患者から分離されていないが、黄色ブドウ球菌以外のブドウ球菌では患者から耐性菌が出ている。試験管内では、黄色ブドウ球菌にも伝達出来ることが実証されており、困りもののMRSAにバンコマイシン耐性が伝わったら、非常に厄介な高度耐性のMRSAが出現することになる。
VRAがどこで生まれ、どこから来たのかは不明だが、家畜や下水道にいることは分かっている。バンコマイシンに似た抗菌剤を家畜の飼料に入れていた国があり、それが耐性菌を生み出した可能性は否定できない。
病院は感染源があり、罹りやすい人が集まるから、院内感染は避けられない。VREの院内感染を防ぐために残された方法は感染経路の遮断だけだ。そのため、感染源を隔離し、医療従事者の手指、医療器具、医療に伴う接触感染を防ぐことが特に重要である。(吉川昌之介・日本歯科大学教授)     1997.11.30《日本経済新聞》
■バンコマイシン耐性に効く抗生物質
「米製薬大手のファルマシア&アップジョンは、現在使われている抗生物質が全く効かない、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)に対しても効果がある新抗生物質を開発した。『リネゾリド』と呼ぶオキサゾリジン系の抗生物質だ。皮膚や軟部組織の感染症患者273人を対象にした臨床試験(フェーズⅡ)で93.2%の患者に効果が有ることを確認した。
患者からは黄色ブドウ球菌や化膿性連鎖球菌、腸球菌などが検出され、これらの細菌に効果があった。静脈注射用と経口用の2種を開発しており、99年内に米国で承認申請する予定。1999.4.8《日経産業新聞》
■「ブタ型」
ほとんどの抗生物質が効かず、抵抗力が落ちた人に重い感染症を引き起こすVREの「ブタ型」が、国内で初めて岡山大病院で確認された。国内で輸入鶏肉から確認された「トリ型」と異なり、ヨーロッパでブタから検出された菌と遺伝子が一致したという。2000.6.2《日本経済新聞》
■シナシッド
「2002年にも発売する。VREに効く抗生物質の国内発売は今年6月に米系ファルマシアが『ザイボックス』を発売したのに続く2番目。ザイボックスとは体への影響が異なる。
シナシッドは、YREの細胞内でタンパク質を合成しているリボゾームの活動を抑制して合成を阻害し、菌の細胞分裂や増殖を止めて死滅させる注射剤。
比較:
「ザイボックス」
「菌のタンパク合成を阻害する点では同じだが、成分が尿中に排泄されるため、腎機能に障害を持つ患者には使いにくかった。
「シナシッド」
「胆汁中に排泄される」
2001.11.6《日経産業新聞》



ファブリー病
=10万~20万人に1人の割合で起きる遺伝病。ガラクトシダーゼを作る遺伝子の欠陥が引き起こす。 (参照→「心筋症」)
⇒細胞内で糖のの一種であるガラクトースを切り離す働きをするガラクトシダーゼと呼ばれる酵素が作られなかったり、作られても安定性が悪く十分に機能しない結果起きる。
■症状改善へ新手法
「東京都臨床医学総合研究所の鈴木義之副所長らは、腎不全や心筋症を引き起こすファブリー病と呼ばれる病気の所謂有情を改善できる新手法を開発した。
患者の細胞とマウスの実験で、ある種の物質を投与すると病気に関与する酵素の働きが増すことを確認した。
この物質はデオキシガラクトノジリマイシン。
子供が発症するケースが多いが、最近、中高年にみられる原因不明の肥大性心筋症の原因として注目されている。」1999.1.21《日経産業新聞》
■検査
ファブリー病は遺伝子異常のため、「αガラクトシダーゼ」と呼ぶ酵素の働きが低下したり、機能しなくなったりする。
「古典型」というタイプでは、幼少時から手足の痛みや汗をかきにくいなどの症状が現れる。徐々に腎臓の機能がていかし、30~40代に死亡することが多い。
「心臓型」では、40代以降で心不全などを発症し、死亡する。
東京都臨床医学道号研究所などのチームは、血液1滴で検査できる技術を開発。



フィステル fistula
=瘻孔(ロウコウ)
⇒瘻とは、ある方向への長さ或いは深さにわたっている組織の管状の欠損。

【処方名-五十音順】
■桃花湯




フイラリヤ症《糸状虫症》 filariasis
⇒糸状虫は人体に寄生する線虫で、血液及びリンパ内に棲息する。日本での糸状虫はバンクロフト種が主で、九州とくに奄美・沖縄に分布する。雌は8cm・雄4cm・仔虫0.35mmの長さで、蚊によって伝染する。
【症状】
<1>悪寒戦慄・発熱・頭痛・腰痛・関節痛とともに下肢・陰嚢に発赤腫張を生じる。
<2>数日で軽快するが反復し、象皮病に移行する。
<3>リンパ節腫大・副睾丸炎・乳糜尿・乳糜胸腹水・乳糜性下痢などがあり、俗称『くさふるい』。

【処方名-五十音順】
■猪苓湯

フィラリア病
⇒蚊・ブユ・アブに刺されると感染する熱帯病。
<1>バンクロフトファイラリア病・・イエ蚊に刺されると感染する。
<2>オンコセルカ症
<3>ロアロア症
「イヌのファイラリアと近縁のバンクロフト糸状虫によるヒトの病気で、イヌのフィラリア病とはまったく異なる病像を示す。
イヌのフィラリアは心臓・肺の血管に虫が詰まり、喘息や呼吸困難を起こすのだが、ヒトのフィラリアは鼠径リンパ節に寄生し、陰嚢や脚を大きく膨らませる。陰嚢は最後には“ちゃぶ台”のように大きくなり、又、脚は多くが片方だけが象の脚のように膨張する。「陰嚢水腫」「象皮病」とも呼ばれる。
フィラリアにヒトが感染した場合は、初めは確かに熱を出すが、あとは何年もほとんど症状を出さず、僅かずつ年々、脚や陰嚢をふくらませるだけ、ヒトが気づいた時はもう取り返しがつかない体にしてしまっている。藤田紘一郎著「ボンボン・マルコスのイヌ」より。

  

フェニルケトン尿症
◎尿はその人の代謝の濃縮されたものなので、以下の物質の異常排泄がないかどうかスクリーニングされている。
<1>アミノ酸尿:未熟児・新生児では腎尿細管再吸収が未ノ酸排泄が多い。
①滲出型アミノ酸尿症:

(1)フェニルケトン尿症----カビ臭い、ネズミの尿のにおいがする。
(2)チロジン血症
(3)ホモシシチン尿症
(4)メープルシロップ尿症-------カエデシロップの甘い臭い。
(5)シトルリン血症
(6)先天性リジン不耐症
(7)非ケトーシス型高グリシン血症
(8)アルカプトン尿症
(9)シスタチオニン尿症
(10)アルギニのコハク酸尿症
(11)低アルカリホスファターゼ血症
②腎型アミノ酸尿症:

(12)シスチン尿症
(13)ハートナップ尿症
(14)高二塩基性アミノ酸尿症
(15)リジン吸収不全症候群
(16)その他:

*Lowe症候群、

*ファレコニー症候群
*ウイルソン病、

*ガラクトーズ病
*シシチノーシス
<2>有機酸尿:平常状態では正常な場合が多く、発作時に調べることが重要。
①ロイシン代謝系に起きる:
(1)イソ吉草酸血症
                (2)3-メチルクロトニル-CoAカルボキシラーゼ欠損症
(3)3-メチルグルコタン酸尿症
                (4)3-ヒドロキシン-3-メチルグリタルーCoA解裂酵素欠損症
②イソロイシン代謝系に起きる:
(5)3-ケトチラーゼ欠損症
③バリン代謝系に起きる:
                (6)3-ヒドロキシイソブチリルCoA水解酵素欠損症
④プロピオン酸代謝系に起きる:
(7)プロピオン酸血症
(8)メチルマロン酸血症:4タイプあり。
⑤リジン-トリプトファン代謝系に起きる:
(9)α-ケトアジピン酸尿症
(10)グルタル酸尿症
⑥グルタチオン生合成系に起きる:
(11)5-オキソプロリン血症
⑦ピルビン酸代謝系に起きる:
(12)ピルビン酸カルボシキラーゼ欠損症
(13)ピルビン酸脱水素酵素欠損症
⑧脂肪酸酸化系に起きる:
(14)中鎖アシル-CoA脱水素酵素欠損症
(15)アセトアセチル-CoA解裂酵素欠損症
(16)カルニチン欠損症
⑨複合代謝系に:
(17)楓糖尿病
(18)Ⅱ型グルタル酸尿症
(19)エチルマロン酸-アジピン酸尿症
(20)ジャマイカ嘔吐症
(21)複合カルボキシラーゼ欠損症:3タイプあり。
(22)コバラミンC型メチルマロン酸血症
(23)コバラミンD型メチルマロン酸血症
(24)ジヒドロリポイル脱水素酵素欠損症
<3>ムコ多糖尿:MPSⅠ型~MPSⅦ型まで。
<4>尿中オリゴ糖
<5>尿中脂質
<6>尿中結晶
<7>異常な臭気:
①カビくさいにおい、ネズミの尿の臭い----フェニルケトン尿症
②楓シロップのような甘いにおい-------------メープルシロップ尿症
③乾いた麦芽orホップのにおい---------------メチオニン吸収不全
④茹でたキャベツor悪臭のあるバター------高メチオニン血症
⑤汗くさい足のにおい------

(1)イソ吉草酸血症
(2)butyric/hexanoic acidemia
⑥ネコの尿のにおい-------β-メチルクルトニールグリシン尿症
⑦古くなった魚のにおい-----トリメチルアミン尿症


フケ(ふけ)pityriasis capitis
【処方名-五十音順】  
■桂枝加竜骨牡蠣湯
■三黄瀉心湯
■四逆散
■小建中湯
■消風散
■清上防風湯
■大柴胡湯
■人参湯-朮+桂枝
■桃核承気湯
■麻杏薏甘湯
■薏苡附子敗醤散

【民間療法】
<1>クロマメ。
<2>アオギリ・ウシ・オモト・カイコ・キク・クワ・ショウガ・トウガラシ・モモ。

プテリギウム pterygium
⇒翼状片。目頭の方へ肉が出てくるもので、羽を広げた様に見える。

【処方名-五十音順】
■越婢加朮湯
■三黄瀉心湯
■桃核承気湯
■苓姜朮甘湯


 

ブドウ膜炎 
   Uveitis
⇒虹彩・毛様体・脈絡膜にわたる炎症。角膜後面の沈着物と硝子体の混濁があり、眼圧が高くなる。(→原田病)
虹彩、毛様体、脈絡膜を総称してブドウ膜といい、ブドウ膜炎は、

「前部ブドウ膜炎(周辺性ブドウ膜炎)」

「後部ブドウ膜炎(網脈結膜炎)」

「汎ブドウ膜炎」

に分類される。
原因は細菌性、ウイルス、真菌、原虫などによる外因性ものと、原因不明の内因性のベーチェットびょいう、原田病、サルコイドーシス、リウマチ疾患がある
(漢方診療医典)
   ◎チェック→「サルコイドーシス」
■原因物質を特定
「米国立衛生研究所(NIH)は緑内障などを伴い、目が見えにくくなる病気であるブドウ膜炎を引き起こす原因物質を特定した。網膜中の光感受性分子を構成するレチナールという化合物に対する抗原で、抗原の働きを抑制する抗体を45人の患者に投与したところ、治療にかかる時間を短縮出来た。
 通常の治療はステロイド剤や免疫抑制剤を投与する方法だが、治療が長期化すると腎臓障害や骨がもろくなるなどの副作用があった。目に障害を持つ子供の10%はブドウ膜炎を発症しているという。1997.6.4.《日経産業新聞》

【処方名-五十音順】
■越婢加朮湯
充血があって、羞明、竜涙のいちじるしいものに用いる。脈は沈である(漢方診療医典)
■葛根湯
初期に軽い頭痛、羞明、流涙などのあるときに用いる。多くの場合に川芎2.0g、大黄1.0g、黄芩3.0g石膏6.0gを加える(漢方診療医典)
■桂枝茯苓丸
原因の如何を問わず、瘀血を目標に治療する場合が多い。臍傍、臍下に抵抗圧痛があり、充血、うっ血を認めた者に用いる(漢方診療医典)
■謝導人大黄湯
眼目赤腫疼痛はなはだしく、角膜に雲翳を生ずるときに用いて良い。木通・車前子各2.0を加えるとさらによい(漢方診療医典)
■小建中湯
虚証で疲れやすく、炎症充血は少なく、体力の衰えたものには本方で体力をつける(漢方診療医典)
■小柴胡湯
胸脇苦満があり、炎症充血の初期刺激症状の去ったものに用いると良い(漢方診療医典)
小青竜湯
炎症充血が甚だしく、頭痛、羞明、流涙などの証があって、脈浮のときに用いる。さらに激しいときは大青龍湯にする(漢方診療医典)
■洗肝明目湯
実熱証で、炎症、充血など刺激症状の強いものによい(漢方診療医典)
■大黄牡丹皮湯
実熱証の人で、臍下に抵抗圧痛が顕著で、便秘の傾向のあるものには本方を用いて病毒を下すとよい(漢方診療医典)
■大柴胡湯
充実した体格の者で、胸脇苦満があり慢性に移行したものに用いる(漢方診療医典)
■桃核承気湯
瘀血の症状が顕著で、紫赤色の充血著明なもの(漢方診療医典)
■当帰芍薬散
充血などは少なく、冷え症で、貧血気味に(漢方診療医典)
防風通聖散
眼目が赤く腫れ、疼痛があり、翳膜(眼がかすむこと)を生じて脈実数で体質の強壮な肥満体質のものに本方がよい(漢方診療医典)
■竜胆瀉肝湯
のぼせ気味で顔面赤く、精神不安があり充血強く出血を伴うものに(漢方診療医典)



プラダーウイリー症候群(PWS)
いくら食べても 満腹感が無い ケイラ

次から次へわき上がる食欲
15番染色体の欠損。満腹中枢に異常

毎晩、冷蔵庫に鍵をかける
形状記憶にすぐれる。ジグソウパズルを完成図を見ないで普通より3倍速く。
○ヒトの15番染色体の一部が失われたことに起因する遺伝病として「プラダーウイリー症候群」と「アンジェルマン症候群(AS)」が知られています。
染色体は、DNA複製や分裂期の分配の過程で異常が生じることで、その一部が失われることがあります。
このように、染色体の一部が失われることを「欠失」と呼んでいます。
プラダーウイリー症候群とアンジェルマン症候群の代表的なケースでは、ともに2本ある15番染色体の片方で、15q11-13という部位の異なる領域が欠失しています。
両者はおなじような領域の欠失に原因があるのですが、この欠失を持つ15番染色体を母親から受け継ぐか、父親から受け継ぐかで、どちらかの症候群になるのです。
欠失を父親から受け継いだ場合は、プラダーウイリー症候群になります。1万~15000人に1人ぐらいの割合で生じる。この症候群では、筋力が低下したり、性成熟が遅れるほか、低身長や、中枢神経への影響が認められます。
特徴的な症状・・・物事に固執する、非常に食欲が亢進する。
どれだけ食べても満腹感が得られずに、周囲にある食べ物は片っ端から食べてしまうようです。

一方、同じタイプの欠失を母親から受け継いだ場合は、アンジェルマン症候群になります。2万人に1人ぐらいの割合。
運動や言語の重篤な障害がある。幸福に満ちた微笑みを周囲に振りまくという、非常に特徴的な症状を示します。
独自の動きとその笑顔で、「微笑みの操り人形(Happy puppet)」といわれる。





 プリオン病
◎ウイルスか?
「京都大学食糧科学研究所の福岡伸一助教授らは『プリオン病』にかかったネズミから、ウイルスのものと考えられる核酸の断片を発見した。牛の脳がスポンジ状になる狂牛病に代表される「プリオン病」はプリオンと呼ばれるタンパク質が原因とされてきたが、病気の発症にウイルスが関与している可能性が出てきた。
福岡助教授らはプリオン病にかかったネズミの脳と脾臓をすりつぶして、ネズミが本来持っている核酸をすべて取り除いた。その後、未知の核酸がないか調べたところ、ウイルスに構造が似た核酸の断片が見つかった。
この核酸は硬い殻に包まれており、プリオン病のネズミ3匹すべてから検出された。一方、健康なネズミからは発見されなかった。福岡助教授は「見つかった核酸はウイルスの一部の可能性があり、今後はプリオン病との関連を詳しく調べたい」と話している」1999.6.21《日本経済新聞》
■動物の尿から
「プリオンが動物の尿の中にも存在することをスイス・チュリーヒ大学の研究グループが突き止めた。ヒツジなど群れで行動する動物で感染が広がる際に尿が関与している可能性が出てきた。
成果は2005年10/14付けのサイエンスに掲載。」2005.10.14《日経》
■作らない技術
「米テキサスA&M大学の研究チームは遺伝子改変技術によって、プリオンタンパク質を作れないようにした体細胞クローンヤギを作製した。まず、『RNA干渉』という技術を使い、プリオンタンパク質を作る遺伝子を働かないようにしたヤギの細胞を作製。この細胞核を取りだして卵子に移植、プリオンを作る遺伝子の90%以上が働かないクローンヤギを作ることが出来た。
プリオンは異常化して脳などに蓄積すると、ウシのBSEやヒツジのスクレイピーなどの病気を引き起こす。
新技術は、こうした病気を発症しない家畜の作製につながる可能性がある。」2006.3.29《産業》
■新ビタミンが抑制
「東京農工大学大学院の早出広司教授らは、新しいビタミンと考えられている『ピロロキノリンキノン』(PQQ)という物質に、BSE(牛海綿状脳症)や変異型クロイツフェルトヤコブ病を引き起こすプリオンの病原性を抑える機能があることを発見した。
プリオンには正常型と異常型の2種類がある。異常型が体内に入り込むと正常型プリオンが異常型プリオンに次々と変化してゆく。異常型プリオンは『アミロイド』と呼ぶ繊維となって神経細胞を侵し、脳をスポンジ状に変化させる。
早出教授らは、マウスからのプリオンにPQQを混ぜた試験管と、プリンだけの試験管とを24時間にわたってかき混ぜながら観察。PQQを入れた方のアミロイド繊維の形成量は入れない方に比べて約半分に抑えられた。
PQQがプリオンに結合することで繊維状になるのを防いでいるとみられる。PQQは[茶]や[納豆][果物]などに微量含まれる。」20075/16産業
   ■治療薬?
「岐阜大学の桑田一夫教授らの研究グループは、脳がスポンジ状になって障害を起こす難病のクロイツフェルト・ヤコブ病や、牛などがかかるBSEなどの治療につながる可能性がある物質を合成した。
マウスの実験で延命効果を確認できた。
岐阜大学と長崎大学・福岡大学の共同研究の成果で、2007年7/3の米科学アカデミー紀要電子版に掲載。
ヤコブ病やBSEなどは、脳内のプリオン病と呼ばれるタンパク質が異常になる病気で、プリオン病と総称される。
いったん異常プリオンが体内に入ると、元々あったプリオンを次々と異常に変えてゆく。研究グループは正常プリオンの分子構造の中で異常貸しやすい部分を保護する化学物質をコンピューターで分析して設計、それに基づいて合成した。」





 フリクテン 
    phlycten
⇒遅延型過敏反応(ツベルクリン型)として起きる結膜・角膜の疾患。
<1>フリクテン性角膜炎
<2>フリクテン性結膜炎
<3>フリクテン性パンヌス

【処方名-五十音順】
■五苓散
■柴胡桂枝湯
■小建中湯
■大黄牡丹皮湯
■桃核承気湯
■苓姜朮甘湯

 

 フリードライヒ失調症
⇒小脳がおかしくなって、体の運送機能が協調しなくなる病気で、50000人に1人の確率で発病する難病。
「病気の遺伝子フラタキシンは捕らえられたが、今度はそれが何をしているか皆目見当がつかない。病気の原因になる遺伝子変異がわかっても、その遺伝子の機能が分からない限り治療もおぼつかない。
う~ん、という時代が2年ほど続いたが、フラタキシンに似ている遺伝子が酵母にないか探してみた人がいた。なぜ酵母を使うかというと、酵母菌が菌という名前がついてはいるものの大腸菌などの細菌の仲間ではなく真核生物という高等な生物の1つである菌類(カビ・キノコ)に属しているからである。酵母は、いわばヒトと同じ生物群の最も原始的な生物といえるものである。しかも、酵母の全遺伝子は判明していた。
なんと、フラタキシンに類似したタンパク質は、酵母のミトコンドリアに存在していることが判明した。また、この酵母版遺伝子をつぶしてしまうと、ミトコンドリア内の鉄の量がおかしくなることが判明した。
そこで、ヒトのミトコンドリアの中にあって、鉄を含むタンパク質として有名なアコニターゼという酵素が患者でどうなっているかを調べてみたところ、予想通り、アコニラーゼが欠けていることが分かり、フラタキシン変異によって、ミトコンドリアの鉄代謝がおかしくなるのではないか、という結論が得られた。」(「タンパク質の反乱」講談社p35~)


 

プリッグ症
◎潔癖性の一種。男性に多い。
◎特徴は自分中心的なこと。
<1>吊革やドアのノブはハンカチで拭いてから握る。
<2>いつも手袋をつける。そのハンカチや手袋が汚れてドロドロでも平気。
<3>汚いのは他人で、自分は清潔だと思いこむ。
<4>進行すると、鬱状態になりやすい。

◎大事に無菌的に育てられたエリートの男性が、予備軍。



 プール熱
=咽頭結膜熱
「感染してから5~7日の潜伏期間を経て、急に38~39度前後の熱が出る。ノドの痛みに加え、結膜炎で目が真っ赤に充血、目やにで目がゴロゴロするするなどの症状が3~4日続き、通常は1週間ほどで回復する。対症療法が中心で、眼科の治療が必要な場合もある。原因となるアデノウイルスのアイプは複数で、「2型」や「3型」が中心だが、1994年頃から「7型」の流行がみられ、心肺機能に基礎疾患の子供が重症化するケースが報告されている。」
■大流行の恐れ
「高熱に加え、ノドの痛みや結膜炎を伴う『』が流行している。患者は幼児や小学生が中心で例年6月頃から増え始めるが、今年はすでに昨年のピー時を超え、過去10年間で最多。プールでの感染もあるため「プール熱」とも呼ばれ、夏本番を迎える。
国立感染症研究所が定点観測している全国約3000の小児科の患者数は1施設当たりでみると、6/22までの1週間(25週)で全週より0.03人増えて0.42人で、昨年7月中旬に記録したピーク0.25人を大きく上回っている。特に大分、福井、富山、三重県では1施設当たりの患者数は1.0を超えた。
咽頭結膜熱は例年6月頃から徐々に増加、7~8月にピークとなるが、今年は3月後半から増え始めているのが特徴。
同研究所の多屋馨子・感染症情報センター第三室長は「どのタイプのウイルスかまだ分かっておらず、今年の流行の立ち上がりが早い理由は不明」と話している。
夏場に患者数が増えるのは、咽頭結膜熱がプールを介して感染するため。プールの水で目や口から感染することが考えられているが、患者が使ったタオルを共用して感染することもある。
熱が下がり、結膜炎の症状が治まっても、目や呼吸器系では発症から1、2週間、便からは1ヶ月間もウイルスが検出されることもある。多屋室長は「排便後」の手洗いを徹底し、症状が無くても下痢しているときはプールを休むことが大事」と訴える。
ただ、今年も患者の約8割は5歳以下で、予防策を徹底できないケースも多く、「保育園、幼稚園、小学校など子供同士で密接な接触がある集団では患者が出ると、なかなか感染防御は難しい」という。
■咽頭結膜熱
「咽頭結膜熱(プール熱)は、感染力の強いアデノウイルスが原因で、主な症状は
39℃前後の発熱
頭痛
倦怠感
目の痛み
充血
ノドの痛み
普通は3~5日で治まるが、高齢者の場合は呼吸障害が進むことがある。
予防は、手洗い、うがい、タオルを共用しない。」




 ブルセラ
⇒全身のリンパ節腫張を認める感染症。
    日本では実験室内での感染例のみ。
◎症状:
波状熱
頚部と腋窩の無痛性・小リンパ節腫張
肝脾腫・脊椎の骨髄炎・心内膜炎などの合併症。
     


 フルンケル
    furuncle
⇒癤(せつ)のことで、黄色ブドウ球菌・レンサ球菌により、毛包・皮脂腺が感染して起こる。
<1>顔面のフルンケル=面疔。
<2>癤が次々と引き続いて出来るのを、癤腫症furunculosisといい、
 ①糖尿病・
 ②全身衰弱・
 ③ガン・
 ④ステロイドホルモンの長期投与などが原因となることが多い。

【鍼灸】
「癤・疔・癰などの要穴。之に灸してはじめ熱くない場合は熱くなるまで、はじめ熱い場合は熱くなくなるまで幾壮でもすえる。化膿しないうちなら散ってしまうが、既に化膿しかけはものでは早く化膿して治る。疔・癰の場合は、養老穴を併せ灸した方が治癒が早い。」《沢田流聞書鍼灸眞髄》

【処方名-五十音順】
■越婢加朮湯
■葛根加朮附湯
■葛根湯
■桂枝加黄蓍湯
■桂枝茯苓丸
■大黄甘草湯
■大黄牡丹皮湯
■桃核承気湯
■排膿湯
■排膿散及湯
■排膿散
■白朮附子湯
■防已黄蓍湯
■薏苡附子敗醤散
■竜胆瀉肝湯

【組み合わせ】《螺王人》
<1>[越婢加朮湯排膿散及湯]
<2>[桃核承気湯排膿散及湯]
<3>[荊芥連翹湯十味敗毒湯Squalene]




 フレグモーネ  phlegmon
=「蜂巣炎」
⇒主として黄色ブドウ球菌、時に連鎖球菌の感染による真皮深層及び皮下組織の浮腫と多核白血球の浸潤として始まり、化膿する。膿が組織間隙にびまん性に広がる。
◎疼痛が激しく、全身症状を伴う。



 プロトロンビン時間延長
◎延長:

①欠凝固因子ⅡⅤⅦⅩのいずれかが低下した場合。
②ビタミンK欠乏症
③肝機能障害
④DIC

◎経口抗凝血剤(ワルファリン)のTDMの指標として利用。



 プロリン尿症
=「イミノ酸グリシン尿症」
⇒腎尿細管障害症の1つ。常染色体性劣性遺伝
◎病因:プロリン、グリシン、ヒドロキシプロリンのアミノ酸転送障害
◎症状:
無症状
精神・身体発育遅延
   

 

ふくらはぎの異常
=腓腸筋の異常
  【処方名-五十音順】
■九味檳榔湯(緊張・圧痛)


 ふぐ中毒
【民間療法】
     イカ・シカ・ツワブキ

【処方名-五十音順】
■大黄黄連瀉心湯


ふらつく
   =ふらつき
◎血圧をチェックしましょう。特に最低血圧(拡張期の血圧)が大切です。
 
【処方名-五十音順】
■加味帰脾湯
■滋陰降火湯
■四逆散
■七物降下湯
■逍遥散
■真武湯
■天麻釣籐飲
■釣藤散
■鎮肝熄風湯
■八味地黄丸
■半夏白朮天麻湯
■抑肝散
■抑肝散加陳皮半夏
■苓桂朮甘湯


   

ふるえ
◎声が震える( trembling voice):
=無意識に声の高さが動揺することで、原因には
       <1>恐怖
       <2>精神緊張
       <3>老人
       <4>音声衰弱症
       <5>痙攣性発声障害
       <6>小脳性疾患
  などがある。(南山堂ー医学大辞典)

◎からだが震える。
    原因には
       <1>神経緊張
       <2>神経質
       <3>疲労
       <4>精神興奮
       <5>バセドウ病
       <6>中毒(鉛、アルコール)
       <7>パーキンソン症候群
       <8>多発性硬化症
           などがある。

【処方名-五十音順】
■釣藤散
■鎮肝熄風湯
■当帰芍薬散
■二朮湯
■八味地黄丸
■防已黄蓍湯
■防已茯苓湯
■麻杏薏甘湯(朝のこわばり、
■木防已湯(呼吸困難、心下痞満、尿量減少、顔色黒い)
■薏苡仁湯(しびれ、関節の腫脹・熱感・疼痛
■六君子湯(貧血、疲れやすい、心下痞、腹部軟弱)



 不安症 anxiety
=不安感 (参照→不安神経症)
   ◎不安によって起こる身体症状:
心臓・血管系:
①動悸・脈が速くなる。
②胸の痛みを感じる
③顔が青くなる
④冷や汗が出る
⑤血圧低下、体温低下
⑥チアノーゼが出る
消化器系:
①口の渇き
②腹痛・みぞおちの痛み・腹部膨満感。
③吐き気・嘔吐
④食欲不振
⑤飲み下し困難(嚥下困難)
⑥下痢
呼吸器系:
①呼吸困難。
②ため息
③息切れ
④胸を締め付けられる感じ
神経系:
①頭痛・頭が重い。
②めまい
③ふるえ
④性欲低下
泌尿器系:
①頻尿
②排尿困難
③インポテンス
その他:
①全身各所の痛み
②筋肉のケイレン
③肩こり
 (貝谷久宣著「脳内不安物質」講談社p45)

 

◎正常な不安:
「幾つかの環境のもとで不安になるのは、全く正常で健全な反応です。例えば、人にインタビューを求めたり受験を申し込んだりする前に軽い不安を覚えるのは正常なことですし、又、この不安は有用でもあります。それは私たちに準備や復習を完全にするように促すからです。
子供が外出して帰るが遅い時に親が不安になるのは正常ですが、子供が見えなくなるたびに不安を感じるのは正常ではありません。


【芳香療法】
◎以下の精油が利用可能です。
[安息香][ベルガモット][カミルレ][シダーウッド][クラリセージ][サイプレス][乳香][ゼラニウム][ヒソップ][ジャスミン][ジュニパー][ラベンダー][マージョラム][メリッサ][ネロリ][パチュリー][バラ][サンダルウッド][レモンバーベナ][イランイラン]

○イメージで不安を置き換える
・目を閉じる
→小川をイメージ
→川を眺める(イメージで)
→落ち葉がみえる(イメージ)
→落ち葉が2~3枚流れている
→ここで、自分自身に向ける(イメージで)
→考え事に気づく
→その考え事を落ち葉の葉っぱの上にのせる
→葉っぱをつまんで、手放す
以上を繰り返す。

【処方名-五十音順】
■黄連解毒湯
■加味逍遥散
■甘麦大棗湯
■桂枝加竜骨牡蠣湯
■交泰丸
■五積散
■柴胡加竜骨牡蛎湯
■柴胡桂枝乾姜湯
■柴朴湯
■三黄瀉心湯
■三物黄芩湯
■四逆散
■四物湯(何事も不安で怖い・驚きやすくビクビクする)
■炙甘草湯
■小柴胡湯香蘇散
■逍遥散
■女神散(不安、イライラ、憂鬱、肩こり、頭痛、めまい、動悸)
■半夏厚朴湯
■半夏瀉心湯(胸元がつかえる、下痢、腹鳴、吐き気)
■抑肝散(神経過敏、不眠、全身倦怠)
■抑肝散加陳皮半夏湯(神経衰弱、立ちくらみ、心悸亢進)
   




不安神経症 
  anxiety neurosis
=「不安障害」⇒病的な不安状態。

◎正常な不安と病的な不安:

正常な不安
①理由は自分で分かっていることが多い。
②他人に説明できるし、理解してもらえる。
③長く続かない。
④苦痛があっても耐えられる。
⑤普通に生活でき、生活習慣の変化もない。
⑥消失すれば忘れてしまう。
⑦具体例:
 「ある人が会議の席上で、些細なことから同僚に口汚くののしられ、ひどくプライドを傷つけられたとしましょう。彼が普通の人なら、ものずごく腹を立て、その同僚を殴りつけようとする衝動に駆られるものですが、同時に胸に圧迫感を感じます。この圧迫感は、衝動のまま同僚を殴ってしまった場合、どのような結果が生じるかを予測したことから起こる不安のためです。このような胸の圧迫感、または胸を締め付ける感じを示すラテン語はanbustieで、不安を意味する英語ののanxiety、ドイツ語のAngstの語源です。」(貝谷久宣著「脳内不安物質」参照)

病的な不安
①理由はつかめないことが多い。
②他人に説明しにくく、理解されない。
③長く続く。
④苦痛が大きくて我慢できない。
⑤普通に生活できず、生活習慣が変化する。
⑥また起こるのではという不安がある。

◎不安障害の分類:(DSM-Ⅳ=精神疾患の分類と診断の手引き)
パニック障害 (参照→「パニック障害」)
全般性不安障害
社会恐怖
単一恐怖:
「日本では『特定恐怖』と呼んでいる」
強迫性障害
心的外傷後ストレス障害(PTSD)
非定型性不安障害

◎「不安」とは、対象のない恐れのことで、「恐れ」は対象への集中がある。
①漠然とした恐怖感を持ち、
②落ち着かない心理状態となり、
③脱力感・ふるえ・めまい・動悸・呼吸困難・不眠・尿意頻数などが起こる。
   


不育症
■妊娠しても流産・死産
「妊娠しても流産や死産を繰り返して子供が産めない「不育症」の患者が増加中。不育症は不妊症と違って妊娠はするが、子宮の形やホルモン機能の異常、母胎が胎児を「異物」と判断し拒絶反応を起こす免疫異常などが原因で、出産出来ない。2003.6.16《日本経済新聞》


 不感症
  【処方名-五十音順】
■六味丸

 


 不潔拒否症
   ◎絶え間なく手を洗う。
   ◎女性に多い。


 不食症
⇒妙齢の婦人に多く、数年間、米飯を食せず、果実・小豆・菓子などを少量食べて、別に苦痛を訴えない者が多い。これの治療に、古人は延年半夏湯を用いたり、抑肝扶脾散を用いたり、四君子湯を用いたり、気のめぐりを良くする順気剤(半夏厚朴湯・分心気飲etc)を用いたり、駆瘀血剤を用いたりしている。
◎不食病は、脈を診ると、附子剤の証のようにみえ、便秘をみると下剤の適応症のようにみえ、月経の閉止をみると駆瘀血剤の適応症のようにも見える。
ところで、不食病には柴胡の入った方剤の効く場合が多いようである。《大塚敬節》

【処方名-五十音順】  
■下瘀血湯《金匱要略》
■小柴胡湯(神経性)
傷寒論に小柴胡湯を用いる例に“黙々として飲食を欲せず”という条文がある。22歳の未婚の婦人。約1ヵ年半前から米飯を食べると、心下部に石が入っているように苦しいので、リンゴとパンを1片食べるたけである。便通は10日も無いことがあり、月経は1カ年前から無い。体重32kg。脈波沈遅弱、足が冷える、肩がこる、腹部は一体にやせて、弾力が無いのに、右に胸脇苦満がある。また正中線よりやや左によって、臍上に膨隆部と抵抗がある。私はこれに小柴胡湯を用いた。1服飲むと強い腹痛を訴えて下痢をしたが、その痛みが止むと心下部が楽になって、食が進むようになった(漢方診療医典)
■大承気湯
■抑肝扶脾散
肝の働きが強すぎて、肥えていたが、痩せたいと思って減食したところ、次第に食が減じ、どんどん痩せて30kgくらいになった。
患者は少量の食事でも、腹痛して苦しむ、果実も、牛肉も、魚も食べず、少量のあんパンを食べる。月経は13ヵ月間無く、便秘している。脈は沈小で、心下部に振水音を証明する。そこで、半夏厚朴湯を与えたが効がないので、抑肝扶脾散にしたところ、著効があり、たべすぎるくらいに食が進むようになり、4週間目から毎日便通があり、2ヵ月で48kgとなった。


 

不随運動が起こる
⇒不随運動とは、一般には大脳基底核を中心とする錐体外路系の疾患で起きる、正常な運動意志によらない自発的運動。
錐体外路とは運動神経線維(ニューロン)の遠心性経路で錐体路以外の経路のことをいう。
錐体路が解剖学的な実体であるのに対して、「錐体外路」という神経路は解剖学的には実在しない。このことから、今日では医学臨床上の「錐体外路性疾患」という表現を除き、錐体外路という用語は不適切であるとして使用頻度が減りつつある。このような問題が生じたのは、錐体路に対立するものとして、大脳基底核から脊髄へ下行性の投射(つまり錐体外路)があると、以前考えられていた名残である。実際の「錐体外路性疾患」は大脳基底核の病変によって引き起こされるものであっても、大脳基底核からの出力の多くは大脳新皮質運動野を介して出力されることに留意するべきである。
錐体外路性運動系の障害は、典型的には不随意運動を呈する。すなわち振戦、舞踏運動、バリズム、アテトーゼ、ミオクローヌスなどである。ジストニアと呼ばれる姿勢の異常も錐体外路性運動系の障害による場合が多く、厳密には不随意運動ではないがやはり筋収縮の制御が乱れる現象である。錐体路障害では不随意運動が起こらないので、これは鑑別の手がかりになる。また錐体路障害で見られる腱反射の亢進、特にバビンスキー反射が、錐体外路性運動系の障害では現れない。

◎不随運動の種類:
振顫(振戦)・・・パーキンソン薬から
舞踏病様運動・・・ハンチントン病から
アテトーゼ・・・・脳性麻痺から
ヘミバリスムス(バリスムス)
ジストニア・・・・
ミオクローヌス・・・クロイツフェルトヤコブ病、テンカンから
チック・・・・心理的要因から
Meige's症候群(腹水・胸水を伴う卵巣線維腫or他の骨盤腫瘍)

【処方名-五十音順】
■甘麦大棗湯
■当帰芍薬散


 

不正性器出血
=「不正出血」(→機能性出血を見て下さい)
◎女性器からの出血で、中間期出血を除いたもの。
◎原因:性交による外陰部や膣の裂傷
    外陰部や膣・子宮の悪性腫瘍
    子宮筋腫
    膣や子宮のびらん
    流産や早産
    子宮外妊娠
    人工中絶に伴う子宮の裂傷

【処方名-五十音順】
■温経湯
■温清飲
■黄土湯
■加味帰脾湯
■帰脾湯
■宮外孕方
■芎帰膠艾湯(少量で持続する出血)
■桂枝茯苓丸
■黒逍遥散
■犀角地黄湯
■少腹逐瘀湯
■桃核承気湯
■如聖散



不整脈(ふせいみゃく)
   (チェック→「サルコイドーシス」)
=心臓の拍動のリズムが乱れ、脈が飛んだり、脈拍数が以上に増加(または減少)したりすること。心臓を伸縮させる電気刺激が正常に伝わらなくなるため起きる。安静時でも脈拍が150回/分を超える重度の頻脈性不整脈の根治には心筋焼灼術(カテーテルアブレーション)と呼ぶ手術が必要。脈拍が40回/分以下の重度の徐脈性不整脈にはペースメーカーを使う。
◎不整脈
洞調律(sinus rhthm):規則正しい正常調律で60~100/分の拍動を示す。
<1>洞性不整脈(sinus arrhymia):
   呼吸と共に起こる多少の不整脈。
   吸気時早く、呼気時に遅くなる。
<2>洞不全症候群(sick sinus syndrome:SSS):
   著明な洞徐脈
   洞房ブロック、洞休止(洞結節が刺激を生成しない)
   徐脈頻脈症候群

心房性不整脈(atrial arrhymia):
<1>心房性期外収縮(atrial premature beat):
心房内の異所性部位に生じた2次性刺激のため正常より早く起きる収縮。
 代償期は完全でなく、QRSは正常の形を示す。
<2>発作性心房性頻拍症(paroxysmal atrial tachycardia:PAT)
160~200/分の心拍数をもった規則正しい調律。
感情興奮で起こることが多い。
心房性期外収縮が連続して発生した形。
<3>心房粗動(atrial flutter:AF)
<4>心房細動(atrial fibrillation:Af)

心室性不整脈(ventricular arrhymia)
<1>心室性期外収縮
<2>心室性頻拍症

房室伝導障害(atrioventricular conduction distuebance)
<1>不完全房室ブロック
<2>完全房室ブロック

WPW症候群(Wolf-Parkinson-White)


◎ペースメーカー不快感に奔豚湯
「70歳女性。不整脈を指摘され、3年前に永久型ペースメーカーの埋め込み手術を受けました。現在脈拍も血圧も落ち着いているのですが、胸やおなかの中を何かが動いているような不快感や肩こり、胸の締め付けられる感じがとれません。不快感を和らげる漢方薬はありますか?
  「重篤な不整脈は直ちに命にかかわるなら、ペーズメーカーに頼らざるを得ない。一方で、ペースメーカーで心臓の調律は回復しても、様々な不定愁訴で悩んでいる方が意外に多い。肩こり、胸部や背部の不快感や痛み、腹部の膨満感や腹痛、便通異常、不眠など様々な不快感を訴える。
このような付帯愁訴にも漢方治療は試みる価値がある。質問者は手紙の中で、「ヘソの下から何かがドドッと胸に突き上げてくる感じ」「おなかがガスでモクモクと動き喉元まで突き上げてくる感じ」と述べている。
漢方医学には、西洋医学にはない幾つかの病態があるが、質問者のこの状態は、奔豚気病と言われるものである。下腹部から不快が喉元へ突き上がっていく感じが、まるで豚が走り回るようだというのである。エキス剤にはないが奔豚湯や苓桂甘棗湯などが勧められる。
エキス剤にあるものなら、加味逍遥散、大建中湯、当帰湯などもよい。
(花輪寿彦・北里研究所東洋医学総合研究所長)1998.11.9《日本経済新聞》

【処方名-五十音順】 
■加味逍遥散
■桂枝加竜骨牡蛎湯
虚証で神経症傾向のものに用いる。臍上悸を触れることが多い(漢方診療医典)
■柴胡加竜骨牡蛎湯
胸脇苦満、心下部痞満、便秘のあるもので、頻脈症の発作があるものに用いる(漢方診療医典)
■炙甘草湯
脈の結滞と頻脈を目標とする。腹診すると、臍上で動悸が亢進しているものが多い。発作性頻拍のほか、期外収縮、バセドウ病による頻脈などにも有効である(漢方診療医典)
■大建中湯
■当帰湯
■八味地黄丸
■半夏厚朴湯桂枝甘草竜骨牡蛎湯
発作性に頻脈となり、不安を覚え、そのさい排尿の回数も尿量も多くなるものを目標とする(漢方診療医典)
■半夏白朮天麻湯 
■奔豚湯

【ハーブ】
○「セイヨウサンザシ+コエンザイムQ10+マグネシウム」




 不遂
=意思に随って筋肉の動かぬこと。麻痺のこと。



 不定愁訴
◎愁訴(complaint)とは、患者が最初に医師に訴える症状や証拠群のことです。
(chief complaint)=「主訴」です。
◎不定愁訴という言葉は、正確な医学用語ではありません。

【処方名-五十音順】
■加味逍遥散
■当帰芍薬散

◎不定愁訴 奥田拓道著「和漢薬」から
頭痛・肩こり・冷え症・小欲不振などの不定愁訴の改善に薬用人参や八味地黄丸が効果を示すと世間では言われている。
不定愁訴は基本的には、脳の視床下部の自律神経のアンバランスによって起こるものと推測される。すなわち、交感神経と副交感神経の陰陽バランスが、交感神経のほうに優位に傾いたときに、不定愁訴が現れるようである。
では、薬用人参や八味地黄丸にあるとされる自律神経のアンバランスを常態に戻す戻す調整作用を、どう実験すればよいか?
この実験を可能にしたのが脂肪細胞であった。
自律神経の命令範囲は、末端の細胞、たとえば結合組織にある脂肪細胞にまで及んでいる。
この脂肪細胞は、脂肪の合成と分解作業をもっぱらとする細胞である。
脂肪の合成は、インスリンによって促進され、副交感神経の支配下にある。一方、脂肪の分解は、ノルアドレナリンによって促進され、交感神経の支配下にある。したがって脳の自律神経中枢のアンバランスは、脂肪細胞に反映する。
副交感神経が、交感神経より優位のときは、脂肪の合成がすすみ肥満になる。逆に、交感神経が優位の時には、ヤセになる。
肩こりや冷え症を訴えるときにの状態は、副交感神経に比べて交感神経の作用が強すぎる状態であるから、脂肪が溜まって肥満になるより、脂肪の分解が大きいためにヤセてくる。肩こりや冷え症で悩む人に痩せている人が多いのは、そのためである。



不定熱
⇒不定期の発熱

【処方名-五十音順】
■黄蓍建中湯
■加味逍遥散
■四逆散
■二陳湯


 

不登校
■引きこもりと関連
「私は児童精神科の現場で、20年ほど不登校をはじめ様々な心の問題を抱えた子どもと接してきた。その間、良く知られているように、小、中学生の不登校は確実に増加し続けた。文部省によると、98年度に年間30日以上欠席した不登校の中学生は、実に43人に1人にのぼった。1クラスに1人の割合である。
子どもを不登校に追いつめる背景には、画一的な教育、夫婦共働きなどの社会環境がよくあげられるが、それだけを要因と考えるのは正しくない。ただ、友人や家族との摩擦など内面の葛藤を抱えたとき、それを表現するため、以前より容易に不登校に走る子どもが増えたことは間違いない。
私の病院の調査では小中学校で不登校だった子どもの大半は、20歳代半ばに就職などをして社会生活に適応した大人に成っている反面、引きこもりのため社会的には不適応状態と言わざるを得ない青年もいる。義務教育期間中の不登校と青年期の引きこもりは互いに関連が深く、ともに現代の若者の心を映す時代的な社会病理現象である。
中学1年以来、私が相談に乗ってきたAさん(20)も、そんな1人だった。小学生のころは、学校では問題のない成績の良い子どもと評価されていたが、小学5年生の夏頃から過程で非常に疲れた様子を見せるようになった。学用品などがっこに関連したものを「汚い」と言って避けるようになり、下校するとただちにしつように手を洗うなどの不潔恐怖の症状が現れた。
中学生になると、まもなく学校を欠席するようになり、過程で1日中、母親に手伝わせて納得行くまで全身の「汚れ」落としをしなくてはならなくなっった。治療を開始したAさんは、学校に復帰したり休んだりを繰り返しながらも卒業し、高校へ進んだが、高校生活1ヶ月で不潔恐怖の悪化で休学せざるを得なくなった。家に引きこもり、結局、高校を中退した。
しかし、最近では本気で大学検定資格を取ろうと考えるようになり、手始めにアルバイトをしたいと思っている。中学、高校時代は「汚れ」落としへの協力ぶりが足りないと言って母親に暴力を振るうこともあったが、最近ようやく親子で静かに語り合えるようになった。引きこもりからも抜けだしつつある。
Aさんお不登校と、それに続く引きこもりは、精神医学的には主に強迫性障害と過剰な不安障害という疾患が関与したものである。しかし、その背後には、子どもが心の親離れをして自立するまでに解決しなければならない現代社会の問題が隠れている(斎藤万比古・国立精神・神経センター国府台病院部長)
■立ち直り支える
「毎朝、腹痛を訴えてトイレから出てこなかったり、何度も忘れ物のチェックをし始めたり、登校したがらないのです」
鳥取市の石谷小児科医院に9歳のA子さんを連れた母親が訪れた。子どものカウンセリングに力を入れている院長の石谷暢男さん(45)は不登校の理由を探った。
小学4年に進級したA子さんの担任が、優しい女性教師から厳しい男性教師に代わった。この男性教師は、宿題を忘れたり、授業中に騒いだりする子どもたちの頭を叩いてしかった。「今度は私が怒られるかもしれない」。A子さんはビクビクして学校へ行けなくなった。
成績が優秀で、おとなしい性格のA子さん。両親から厳しくしかられたことがなかった。
「『しかられ恐怖症』かな?」と石谷さんは思った。大事に育てられた1人っ子が増え、これまで経験したことがない厳しい教師の言動に接して、腹痛や、目をパチパチしたりするチックなど様々な神経症状を現すことが少なくない。
石谷さんは、家族の了解を得て、担任教師や、養護教諭と話し合った。数度の対話を通して、担任教師にA子さんと率直に語り合わせ、しかるときは、親友の前でなく、職員室などで行うようにしてもらった。すると3ヶ月後、A子さんは元気に登校するようになった。
年間30日以上欠席した不登校小中学生は昨年度計13万人を超えて過去最多を記録した。石谷さんがカウンセリングする子どもたちの数も増え、現在、日に、6~7人、毎月約200人を診ている。このため常勤の臨床心理士1人を採用している。
共働き夫婦も来院しやすいようにと、石谷さんは診療時間外の午前7~9時、午後7~11時にカウンセリングを行う。「自宅で息子が暴れている」との母親の連絡を受けて、深夜、駆けつけることもある。
そんな努力のかいあって、1年後には約7割の子どもたちが不登校から立ち直る。「精神科には敷居が高いが、親子とも小さいときから見守っている地域の小児科へは来院しやすい。だからこそ、そばで支えていきたい」と石谷さんは話す。
だが、小児科医のカウンセリングには様々な課題がある。
石谷さんと同様の診療体制を整えるには、小児科医にとって大きな負担だ。どこまでを小児科医が担当し、どこからを精神科医などに引き継ぐかを判断するには、相当の経験を要する。」





 不妊症 sterility
    (参照→「体外受精」「不育症」「男性不妊症」)
◎不妊の原因の半分は男性にある。不妊が疑われる時には男女のカップルがそれぞれ検査をし、必要なら治療を受けるのが望ましい。不妊症は病気ではないが医学的には治療の対象になっています。子供がほしいと思っているのに、2年以上妊娠しないときは不妊症を疑います。

■排卵誘発で副作用。
「不妊治療のさいに行われる排卵誘発療法によって、この3年間に、死亡例2例を含む重い副作用が30例起きていたことが分かり、厚生省は12日、警告欄の新設や緊急安全情報の配布などをメーカーに指示した。
この治療法は「hMGーhCG療法」と呼ばれ、卵胞の発育を促す「hMG製剤」と、成熟した卵胞の排卵を誘発する「hMG製剤」は年間約45000人が投与を受けているとみられる。
 これまでもこの療法で、血栓症・脳梗塞といった重い副作用が報告されていたが、昨年11月に新たな死亡例があった為、厚生省は調査を指示。その結果、これまで厚生省に報告されていた11件(うち2例は死亡例)の他、さらに19例の重い副作用が起きていることが分かった。
19人全員が卵巣過剰刺激症候群(OHSS)を起こし、血栓症関連症状を併発した人が5人、卵巣茎捻転関連症状を併発した人も3人いた。回復した人が多いが、後遺症が残った人もいた。1996.4.13《日本経済新聞》」

■顕微受精の安全性を裏付け
「顕微鏡下で卵子と精子を操作する顕微受精による異常児の出生率は0.5%で、1%弱といわれる自然妊娠とほぼ同率。北九州市のセントマザー産婦人科医院(田中温院長)がそんな研究結果をまとめた。
 同医院では1992年2月から顕微受精を手がけている。妊娠数が今年1月半ばに2000例を超えた。1月13日現在、妊娠に成功したのは2009例(妊娠率33 %)。1335例が既に出産している。流産率は21%だった。
 実際に生まれた1624人のうち、異常児は8人。5人に染色体異常があり、4人に心臓の奇形があった。
 従来の体外受精では受精出来ないといわれた、精子不動症や奇形精子症など重症の男性不妊症患者11人からも健常児が生まれた。精液中に精子がいない無精子症でも、副睾丸がら取り出した精子で182例(同32%)の出産があった。     1997,2,9《朝日新聞》
   

【芳香療法】
<1>バラ:男女双方にマッサージ。
<2>ゼラニウム(ホルモンバランスを改善)
<3>[ベルガモットクラリセージジャスミンネロリ]

【色彩療法】
<1>緑色
<2>オレンジ色
<3>赤紫色
<4>緋色

【処方名-五十音順】
■温経湯
■温臍兜肚方
■加味逍遥散
■桂枝茯苓丸
■済陰丹
■四物湯
■大黄牡丹皮湯
■大柴胡湯
■桃核承気湯
■当帰四逆加呉茱萸生姜湯
■当帰芍薬散
■八味地黄丸
■竜胆瀉肝湯


 

不眠症      insomnia
(参照→「睡眠覚醒リズム障害」「全般性不安障害」)
《睡眠障害》 「不寐」
⇒眠れない病気というより、眠れないことが気になり、不安になる病気で、不眠だけが全面に出てくるノイローゼである。

(寺師睦宗著「成人病の漢方療法」p205より)
◎原因:アルコール中毒
    鬱病
    高血圧症
    動脈硬化症
    脳炎
    脳膜炎
    脳の外傷
       
■分割睡眠法-----疲労回復-----
「睡眠時間を無理せずに減らすことが出来ればもっといろんなことが出来るのに」。こんな思いを抱いたことはないだろうか?
それが可能と主張するのは、スペースシャトルの宇宙実験にも参加したことがある近畿大理工学部教授の河島信樹さん(63)だ。基本は眠る時間を何回かに分けるだけ。それでトータルの睡眠時間を短縮でき、しかも疲労の回復効果も高いという。
河島さんの現在の睡眠サイクルは、帰宅後、午後9痔に就寝。午前1時に起きて、文献を読んだり、論文を書いたりする。朝は午前7時から1時間眠った後に出勤。昼食後にも約30分間昼寝する。これで合計の睡眠時間は約5時間半。時間通りに起きるにはやはり目覚まし時計が一番いいが、慣れれば自然に目が覚めるという。3年前までいた文部省宇宙科学研究所でも同様のサイクルだった。
こうした睡眠法を意識的に行うようになったのは、40歳を過ぎて成人病の兆候が現れてから。時には何日も徹夜に近い状態が続く宇宙開発の激務と、健康維持とをいかに両立させていくか考えた末だった。「体の疲労が浅いうちに短時間の睡眠で回復をはかればいい、というのが発想です。8時間まとまって眠るのは必ずしも人間の体内時計に合っていないと思う」と語る。時差ボケの解消にも有効だそうだ。
強調するのは昼寝の効用。10~20分でもリフレッシュ効果が高く、午後からの仕事の効率が上がるという。「午後に眠くなるのは体の自然な要求で、それに従う方がいい。ラテン系の人たちのシエスタが好例。ちょっとスケジュールをやりくりすれば、たいていの人は時間を作れすはず。慣れれば、ごく短時間でもぐっすり眠れます」
昼寝には、水平に倒せるイスを特注して10年来愛用している。出張時には、防音設備があって昼間は安いカラオケボックスをよく利用する。
■体内時計が
「真夜中に強い光を浴びると・・・体内時計が一時的に止まって見える現象(シンギュラリティ現象)が起きるのは、個々の細胞のリズムがバラバラになるのが原因であることを、理化学研究所と近畿大・名古屋大のチームがマウス細胞を使った実験で判明。
【シンギュラリティ現象】
1970年の米研究者がショウジョウバエで発見したあと、[カビ]や植物の[シロイヌナズナ][シマリス][ヒト]でも見つかった。
理研の発生・再生科学総合研究センターの上田泰己チームリーダーらは、原因を解明するするため、マウス胎児から採取して培養した特定の細胞に、光を感じるセンサー役のタンパク質『メラノプシン』を導入。細胞塊に様々なタイミングで光を照射し、人為的に各細胞のリズムを乱す実験を繰り返した。その結果、個々の細胞のリズムが止まるのではなく、バラバラになって同現象が起きることを突き止めた。」200712/22日経

【芳香療法】
<1>ラベンダー
<2>カミルレ
<3>ネロリ
<4>ベルガモット(抑鬱と結びついた不眠)
<5>クラリセージ(アルコールとの併用は不可)---悪夢を見る。
<6>マージョラム
<7>サンダルウッド
<8>ジュニパー
<9>イランイラン

 【色彩療法】
<1>すみれ色
<2>紫色

【宝石療法】
アメジスト
ガーネット
トパーズ
「指輪にして、夜間寝ている時に指輪のついた方の腕を額近くに置く。指輪はトパーズが飛び出すように作り周りに他に石を付けない」
  

【栄養療法】
ビタミンB12

【音楽療法】
<1>バッハ『ゴールドベルク変奏曲』

<2>エオリア調の旋法(せんぽう)(旋律を形作る音階)は、安らかな眠りを誘う。

【鍼灸】
「筋縮穴(第9椎の下)は不眠症の要穴。」《沢田流聞書鍼灸眞髄》
「一患者、35~36歳の男子。体格強健で血色もよく、何処が悪いのか疑われる位であった。さて、先生はその患者を坐らせてから背中を診ながら、
“夜ねられなんで、昼間ねむたいでしょう。”
という。患者はそれがよく的中したので、驚いたように頭を掻きかき、“実は半月位もよくねむれないのです。”
と答える。先生は背中を撫でながら、
“争われんものですな。是てこんなに腫れている。”
と肝兪の所を指さす。よく見れば、先生の言われる通り肝兪あたりが腫れて高くなっている。肝兪の腫れている時は多く不眠症を伴うものである。先生 は独り言のように言う。------------
“西洋の医者に見せれば神経衰弱だというでしょうが、神経衰弱という病気ほどつかまえどころのないものはありません。病気を診てよくわからんと神経衰弱だといって誤魔化すのです。いい加減なものです。わしも今から34年ほど前に神経衰弱で苦しんで、毎夜2時間ばかりしか眠れませんでした。そのために、神経衰弱の治し方を第一番に覚えたのです。やっぱり自分で病んで見んとわかるませんな。夜眠れんのは肝臓の関係です。昼眠たいのは脾臓の関係です。あなたは脾臓と肝臓とが悪いのです。それで夜は眠れず、昼間眠たいのです。(中略)すべて人間の眠る時と起きる時とには血液に差があって、眼を使う時には眼に血が集まり、耳を使うときには耳に血が集まり、何でも通処に血が集まるのです。そこで眠る時にには血が収まらねばならぬ筈なのに、あなたのように何でも物をキチンとしておかねば気の済まぬような性質の人は床へ入ってからも肝臓の血が収まらず、肝臓へ充血して眠れんのです。肝は眼の経絡とまつわっているので、肝へ充血すれば眼がはっきりして来て、どうしても眠れんわけなのです。つまり肝を使いすぎるため肝臓へ充血して来 て眠れんのです。実に経絡というものは不可思議なものです。”
こう言われた。先生は患者を診るに際し、殆ど望診と切診とで診断され、症状を問われるということはないのである。症状などクドクドと述べたてると却って迷惑がられた。実に先生は不問診の名人であった。その望診は妙を極め、その指頭の触診は神の如くであった。
で、この患者には次の穴へ灸をされた。
[身柱][肝兪][筋縮][脾兪][次髎][中脘][左陽池][孔最][足三里][太谿]

これと同類の症状で治療を受けに来た他に一人へは、次のように灸した。
[身柱][肝兪][筋縮][脾兪][腎兪][志室][次][膏肓][中脘][左陽池][中極][曲池][足三里][太谿]
この患者を扱いつつ言われた。
“脾臓は糖分を主るところで、脾臓が弱ると糖分が尿中に排泄される。それが糖尿病です。そしてタンパク尿は腎に属する。なお腎は恐るとあって、いたづらに物事を恐れ、脾臓の悪いのと合わせて思案ばかりしているのです。これで、流石の神経衰弱も解決がついたのです。”

【漢方療法】
◎主薬:
不眠には、竹茹・枳実を主薬とすべし《万病回春》
鼻乾き眠るを得ざるには、葛根・芍薬を主薬とすべし《万病回春》
寐ねざるには、酸棗仁を主薬とすべし《万病回春》
<1>大病後の虚弱な人・老人の不眠:
       [六君子湯酸棗仁(炒)・黄蓍]
<2>胆が胆経にあり神が落ち着くところに落ち着かない:
       [温胆湯南星・酸棗仁(炒)]
<3>心胸が煩躁して不安がり不眠となる:
[寧志膏][酸棗仁湯][高枕無憂散][真珠母元][独活湯]
<4>労心によって胆が冷え不眠になる:
[定志元酸棗仁(炒)・柏子仁(炒)を丸剤にし、朱砂or乳香で衣をつけ棗湯で50丸飲み、加味温胆湯を使う]

【処方名-五十音順】
■安神復醒湯《寿世保元》
■茵蔯蒿湯     
■温清飲
■温胆湯(心胆が怯え、ちょっとしたことに驚く)
■温胆湯南星・酸棗仁(炒)
■黄連阿膠湯
■黄連解毒湯
■乙字湯(実証の痔、脱肛、痔出血)
■葛根黄芩黄連湯
■加味温胆湯(心胆が怯え、ちょっとしたことに驚く)
■加味帰脾湯
■加味逍遥散
■甘草瀉心湯
■甘麦大棗湯(あくびが多い)
■救逆湯
■既済湯
■帰脾湯
■桂枝加大黄湯
■桂枝加竜骨牡蠣湯
■桂枝茯苓丸   
■交泰丸
■高枕無憂散《万病回春》(昼夜不眠で、諸薬が効かない)
■柴胡加竜骨牡蛎湯
■柴胡桂枝乾姜湯
■柴芍竜牡湯
■三黄瀉心湯
■三物黄芩湯(布団の中へ足を入れると眠れない
■酸棗仁湯[3]《万病回春》(虚煩の不眠、傷寒・吐下後の虚煩不眠)
■酸棗仁湯[2](不眠または多眠を調節する)
■滋陰降火湯
■梔子厚朴湯
■梔子豉湯
■梔子大黄湯
■磁朱丸
■炙甘草湯
■瀉心導赤散
■小建中湯
■小柴胡湯
■朱砂安神丸
■朱砂安心丸
■升麻葛根湯
■真珠母丸(神魂の不安、驚悸不安、不眠)
■清心蓮子飲
■清暑益気湯(不眠傾向)
■大建中湯
■大柴胡湯
■竹茹温胆湯(せき痰が多くて安眠出来ない)
■釣藤散(眠りが浅い、)
■猪苓湯(心煩不眠)
■猪苓湯四物湯
■当帰芍薬散(貧血、冷え性)
■桃核承気湯(実証、のぼせ、足冷)
■導赤散
■独活湯(驚悸不安、不眠)
■女神散(不安、)
■人参養栄湯(眠りが浅い、)
■寧志膏(虚煩不眠、横になっても不安で寝られない)
■八味地黄丸
■半夏厚朴湯
■防風通聖散
■養心湯《寿世保元》
■抑肝散(眠りが浅い、歯ぎしり)
■抑肝散加陳皮半夏湯(眠りが浅い動悸)
■六君子湯
■六君子湯酸棗仁(炒)・黄蓍(病後・虚弱者・老人)
■竜胆瀉肝湯
  

 

【薬物】

     ◎安息香
     ◎烏梅
     ◎黄連
     ◎合歓皮 
     ◎苦竹葉
     ◎酸棗仁
     ◎小麦
     ◎草決明子
     ◎釣籐鈎
     ◎茯神
     ◎木槿
     ◎夜交藤
     ◎楡白皮
     ◎鹿頭肉
     ◎リンゴ

【西洋医学】
◎短期不眠:
<1>短時間作用型ベンゾジアゼピン系睡眠剤を用いる。
1.Halcion 0.25mg 1回。
2.Depas 1~3mg 1回。
<2>抗ヒスタミン剤
1.Atarax P 25mg
◎長期不眠:
<1>入眠障害(寝付きが悪い)を主とする場合:
(1)短時間作用型ベンゾジアゼピン系睡眠剤を用いる。
1.Halcion 0.25mg 1回。
2.Depas 1~3mg 1回。
(2)上記で効果がない場合、以下を加える。
1.Brovarin 500mg 1回。
2.Ravona 1~2T 1回。
<2>中途覚醒ないし早期覚醒が目立つ場合。
  (寝付きは良いが、眠りが浅くたびたび覚醒し、朝早く目覚めて眠れない)
(1)中期~長時間作用型ベンゾジアゼピン系睡眠剤を用いる。
1.Benzalin 5~10mg 1回。
or Nelbon 5~10mg 1回。
2.Eurodin 1~4mg 1回。
3.Erimin 3~5mg 1回。
4.Sileca or Rohypnol 1~2mg 1回。
5.Dalmate or Benozoil 10~30mg 1回。
6.Somelin 5~10mg 1回。
(2)上記で効果がない場合、以下を加える。
1.Isomytal 100~200mg 1回。
2.Levotomin or Hirnamin 5~25mg 1回。
3.Vegetamin B 1~2T 1回。
■ハルシオンとマイスリー
マイスリーは2000年12月に日本で発売、03年11月にはシェア1位になった。
中枢神経系には、催眠鎮静効果に関連する[オメガ1受容体]や、筋弛緩や抗不安効果に関与している[オメガ2受容体]がある。マイスリーはオメガ1受容体にだけ作用するピュアな睡眠導入剤。ふらつきや転倒のリスクが少なく、反復使用しても依存性が形成されにくい。
ハルシオンはオメガ1以外の受容体にも作用する。オメガ2に働きかけると、不安を和らげる効果が得られる。また吸収・代謝が早いため入眠時間が短く、朝野目覚めも良い。」
   ■体温と睡眠の関係
「なぜ効くのかよく分かっていない睡眠薬に頼らなくても、眠りと目覚めの習性を知れば、睡眠と覚醒を自主的に調整できる。
まず、どういう場合に眠くなるのか考えてみる。夜、遅くまで起きていた後、ポカポカと暖かい場所、食事を摂った後、お酒を飲んだとき、暗くて静かな場所・・・・。これらの中に眠りのヒントがたくさん隠されている。
最初の2つは、「眠らない時間が長くなると眠くなる」と考えると説明できる。科学的には「脳内の睡眠物質の量が覚醒時間に比例して多くなり、睡眠中に消えていく」ことで証明されている。従って朝遅くまで惰眠を楽しみ。たっぷり昼寝をすると、なかなか眠くならない。昼間にしっかり起きていることが上手に寝付くコツだ。
暖かい場所・食後・お酒を飲んだ時に眠くなるのは体温調節との関係が深い。眠ると体温が下がるのは、体の活動が低下するだけではない。注意深く体温の変化を測ると、睡眠に入る前に体温が下がり始める。子供が眠くてぐずり出すと、手足が温かくなる。手足の血管が開いて熱を逃がし始めた証拠だ。その結果、体温が下がる。
脳の中では体温が下がることと眠りに入ることは一連の反応としてプログラムされているらしい。だから、ポカポカした環境や、食事をして体温が上がると、血管が開いて放熱が盛んになり体温が下がり始め、眠くなる。体温が0.5℃ほど上がって下がり始めるときが最も眠くなる。
お酒を飲んでいる間は眠くないのに、酔いが覚めだすと猛烈に眠くなる。お風呂に入っている間より出た後に眠くなる。これらの現象はすべて体温調節と睡眠調節の密接な関係を反映している。軽い体操や風呂を利用するのも、うまく寝付くコツである。
「暗くて静かな場所」も「光」と「興奮」が睡眠をジャマすることと関係する。講義室で居眠りする学生も公園のベンチで居眠りをする人も本能的に光が目に入らないように顔を隠す。朝日が入り込む東向きの部屋で寝過ごすことは少ないが、雨や薄曇りの時、厚手のカーテンで朝日が入り込まない部屋では寝過ごすことが多い。
興奮は光以上に睡眠を妨げる。興奮し気分が高揚しているときは暗くても決して眠くならない。逆に暗闇で、もっと頭がさえて考えがひらめく。気がつくと鳥が泣きだし、夜が明けてくる。
だから、深夜までパソコンの明るいモニターを睨み続けて、会議の資料をまとめたり、ゲームやインターネットにふけっていた人が眠れないというのは異常でも何でもない。極めて正常な出来事である。(裏出良博・大阪バイオサイエンス研究所第二研究部長)2003.12.14《日本経済新聞》

ブルーライトが原因
拡散しやすい光→焦点が合いにくい→目が疲れやすい
スマホ・パソコン・テレビのバックライトから

行動療法
筋弛緩法



風眼
    (参照→「目の異常」)
=淋毒性眼炎。
  【処方名-五十音順】
■大青竜湯

 

風湿
=風邪、湿邪に因る病にして、一般にリウマチ様疾患。気障碍、水障碍の慢性的の呼び名。


 

風疹 
   rubella
=(3日はしか)
⇒微熱or発熱と同時に発疹をみる。発疹前日ぐらいから、耳後・後頭部・頸部などにリンパ節の系統的腫脹が認められ、1週間ぐらい続く。
◎飛沫感染する。
◎好発年齢:2年以上~就学年齢。
◎好発時期:春秋
◎症状:一般に軽微。
<1>発疹:発熱と前後する麻疹様発疹。
①部位:
 主として顔面から体幹及び四肢に広がる。
②性状:

*発疹はやや小さく、孤立性で融合することは少ない。
*主として麻疹様の紅斑で1~2日で消失する。
*落屑軽微。
*色素沈着を残さない(ー)
*猩紅熱様紅斑を呈することあり。
③発疹の出現:
発熱と共に発疹し、1~3日で消失する。
<2>発熱:
  1~2日で下る。
<3>リンパ節腫がある:
*リンパ節は全身性に腫脹するが、後頭部のリンパ節の腫脹が特徴的。     
◎血液像:
*白血球:少し減少
*好中球:減少する。
*リンパ球:相対的リンパ球増加
      異型リンパ球出現
*形質細胞:増加
◎検査項目:
      血中白血球数・像
      ウイルス抗体価測定

【処方名-五十音順】
■葛根湯
発病初期でクビから肩にかけて強ばり、熱が高く出ても汗が出ず、脈浮数の者に用いる。また、夜、かゆみがひどくて眠れない者には石膏。(漢方診療医典)
■桂麻各半湯
■小柴胡湯
発疹後には、一般に小柴胡湯を用いる。頸部リンパ節腫脹、気管支炎、中耳炎などが併発した場合は桔梗石膏として用いる(漢方診療医典)
■消風散
■升麻葛根湯
発疹を伴う熱性病の初期、または流感の頭痛甚だしく脳症状あるものに用いる。発疹を促進し、発疹が出そろうまで飲ましてよい(漢方診療医典)
■大青龍湯
麻黄湯よりも一段と悪寒、発熱が激しく、煩躁状態に用いる、体力の無いものには禁忌(漢方診療医典)
■竹葉石膏湯
高熱が下がった後、口渇を訴えるものに用いる。咳嗽があり声がかれる者によい(漢方診療医典)
■麻黄湯
発病初期で悪寒、発熱、関節の痛みがあり、発汗の無いものに用いる。体力の無いものには用いない(漢方診療医典)

◎感染広がる
「子供の時に」予防接種を受けたのに妊娠初期に風疹に感染し、生まれた子供に障害が出た症例が国内で31件に上ることが、米疾病対策センター(CDC)の加藤茂孝客員研究員と国立善通寺病院(香川県)の調査で8/18までに分かった。
風疹の詳しい実態が分かったのは初めて。加藤研究員は予防接種でできた免疫が年を経て低下してきたためとみており、「予防接種は幼児期と成人期の2度必要」と指摘。
31例のうち検査データが完全にそろっている現在40代の女性の場合、、14歳で予防接種を受けた。最初と2度目の妊娠時には風疹ウイルスに抵抗力を持つ抗体を保持していたことが血液検査で確認され、生まれた子供も健康だった。
34歳で3度目の妊娠。その初期に家族が風疹にかかった。女性には発疹などの症状は出なかったが、抗体が大量に増えていることが血液検査で判明、感染が分かった。
生まれた子供は両目に白内障などの症状があった他、感染の証拠となる抗体も持っており、典型的な先天性風疹症候群(CRS)だった。目の組織から風疹ウイルスの遺伝子も検出された。
加藤研究員によると、予防接種後の感染は症状がほとんど出ないので、感染したかどうかわかりにくい。又、自分の子供から感染した例が最も多かった。
風疹は妊娠初期に感染すると胎児に障害が出ることがあるため、日本では1977年から女子中学生へのワクチン接種が始まった。」2003.8.18《日本経済新聞》



 風水
=水気なく虚脹するもの。


風毒
=転移性の膿腫。
  【処方名-五十音順】
■犀角消毒飲

 

風毒腫
◎《諸病源候論》の風毒腫は即ち流注なり《方読便覧》
  【処方名-五十音順】
■追風通気湯《万病回春》

 

風痺
=身体痺して、不仁(しびれて自由のきかぬ)する者。
  不仁は水なり。


風病(すべての風の病名)
<1>暗風(あんふう):頭が振れる。
<2>胃風(いふう) :水土が不服になる。
<3>烏風(うふう) :頭面にポツポツが生じる。
<4>肝風(かんぷう):鼻が詰まってるような感じである。
<5>気風(きふう) :肌に虫が動くような感じがする。
<6>肌風(きふう) :全身が掻痒する。
<7>虚風(きょふう):風・寒・湿でかゆい症が生じる。
<8>血風(けっぷう):陰嚢が湿痒する。
<9>骨風(こつふう):ひざが脹って棒のようになる。
<10>虎風(こふう) :羊のようにしゃべる。
<11>風(さふう) :顔に朱点が出来る。
<12>産風(さんぷう):四肢が疼痛する。
<13>刺風(しふう) :顔を鍼で刺す感じがする。
<14>膝風(しつふう):腿が冷えて、骨が安痛。
<15>酒風(しゅふう):歩行困難になる。
<16>心風(しんぷう):健忘し、よくビックリする。
<17>腎風(じんぷう):耳の中に、虫がなくような感じがし、陰間が湿痒・寒湿 で脚気が生じる。
<18>頭風(ずふう) :白屑が多い。
<19>髄風(ずいふう):腕と肩の下がしびれて痛い。
<20>青風(せいふう):吐くことが極めて多い。
<21>盛風(せいふう):言語が難渋する。
<22>節風(せつふう):肢節が起きたり、切れたり、又爪が抜ける。
<23>臓風(ぞうふう):夜に盗汗が多い。
<24>賊風(ぞくふう):声を出しても出ない。
<25>体風(たいふう):体に腫毒が出る。
<26>大風(だいふう):爛瘡が出る。
<27>胆風(たんぷう):寝られない。
<28>瘓風(たんぷう):手足がふるえる。
<29>腸風(ちょうふう):脱肛し、出血する。
<30>毒風(どくふう):顔に瘡がよく出る。
<31>軟風(なんぷう):四肢を上げられない。
<32>癱風(なんぷう):半身不随になる。
<33>脳風(のうふう):頭が乱れ、部分的に痛みを感じる。
<34>肺風(はいふう):鼻が詰まり、首が疼痛する。
<35>皮風(ひふう) :赤白の癜癬が生じる。
<36>脾風(ひふう) :心に嘔逆が多い。
<37>閉風(へいふう):大便が燥渋する。
<38>緑風(りょくふう):瞳人が掛って大きい。
<39>瀝風(れきふう):首の前後に斑点が出来、痛みと痒さを感じない。

 

◎諸風を治す処方 《和剤局方》:

至宝丹・潤体圓・霊宝丹・烏犀圓・牛黄清心圓・摩婆圓・透氷丹・龍脳天麻煎・牛黄小鳥犀圓・婁金圓・龍虎丹・麝香天麻圓・龍脳芎犀圓・銀液丹・和太師牛黄圓・碧霞丹・雄朱丹・八風丹・牛黄生犀圓・辰砂天麻圓・青州白圓子・辰砂圓・牛黄金虎丹・防風圓・川芎圓・薄荷煎圓・天南星圓・犀角圓・皀角圓・小続命湯・防風湯・排風湯・大通聖白花蛇散・消風散・羗活散・八風散・清神散・虎骨散・骨砕補圓

【通治薬】
[通気駆風湯][秘伝順気散][烏薬順気散][木香保命丹][禦風丹][烏竜丹][一粒金丹][換骨丹][鉄弾元][避選錠子]


 

風痢(ふうり)
⇒風を嫌う痢疾の病勢。鼻が詰まり、身体が重く顔色が悪い。
■蒼朮防風湯(水様のものが下るとき)
■露宿湯(風痢に血が混じる)

 

風労
=かぜから熱往来して労病となったもの。
  【処方名-五十音順】
■秦芁鼈甲散《衛生宝鑑》


 

吹き出物
  【処方名-五十音順】
■桃核承気湯(実証、のぼせ、足冷、下腹部痛)


 

伏暑
=夏季の暑気の為に秋冬になって発する病。
⇒伏暑症とは、背が冷え、顔に垢がつき、少し動いても熱が出て口が渇き、小便が 出ると寒気があい、毛髪が立つ症。
  【処方名-五十音順】
■桂苓甘露散(伏暑に水を飲み過ぎて下痢する)
■縮脾飲
■酒蒸黄連丸(伏暑に嘔渇・悪心し、暑毒が治らない者)
■消暑元(伏暑に気が切れようとする)

 

伏熱
  【処方名-五十音順】
■五虎湯(気管支喘息、呼吸困難、小児喘息)

 

副睾丸炎 Epididymitis 《精巣上体炎》
  【処方名-五十音順】
■桂枝茯苓丸
■四逆散
■小柴胡湯
■大烏頭煎
■大黄附子湯
■大黄牡丹皮湯
■天台烏薬散
■土瓜根散
■麻杏甘石湯(口渇、喘息、熱感)
■竜胆瀉肝湯(湿熱、疼痛)


 

副作用
■副作用によるむかつき:半夏瀉心湯




副腎機能不全
  【色彩療法】
    <1>レモン色
    <2>緋色
    <3>緑色
  【芳香療法】
    <1>ゼラニウム
    <2>ローズマリー


 副腎髄質の疾患
    ⇒「褐色細胞腫」


 副腎皮質の疾患
(参照→「アジソン病」)
◎副腎皮質はアンドロゲン、糖質コルチコイド(例、コルチゾール)、鉱質コルチコイド(例、アルドステロン)を産生する。

◎種類:
機能低下:
<1>急性副腎不全
<2>慢性副腎皮質機能低下症:
 (ア)原発性:
 ①Addison病(慢性原発性副腎不全症)
 ②先天性ACTH不応症
 ③先天性副腎酵素欠損症
 ④選択性低アルドステロン症
 (イ)続発性:
 ①汎下垂体機能低下症
 ②単独ACTH欠損症
 ③医原性副腎不全

機能亢進:
<1>グルココルチコイド過剰症(Cushing症候群)
<2>ミネラルコルチコイド過剰症:
   ①原発性アルドステロン症
   ②特発性アルドステロン症
   ③続発性アルドステロン症
   ④グルココルチコイド奏効性高血圧
   ⑤17-α水酸化酵素欠損症
   ⑥11-β水酸化酵素欠損症
    ⑦Bartter症候群
    ⑧Liddle症候群



副鼻腔炎
    sinusitis
   (参照→Wegener肉芽腫症)
【芳香療法】
◎以下の精油を蒸気吸入します。
        ユーカリ
        ラベンダー
        ペパーミント
        パイン
        タイム
        ティートリ
【栄養療法】
◎以下の食品を控えましょう。
        乳製品
        コムギ
◎以下の食品を摂取しましょう
        ガーリック

【漢方療法】
◎主薬:鼻淵には、辛夷仁を主薬とすべし《万病回春》

【処方名-五十音順】
■葛根湯
急性期の初期に用いる。発熱、頭重、鼻閉塞、膿汁流出、肩こりなどあるものに用いる(漢方診療医典)
慢性に移行した場合によく用いられるのは葛根湯川芎・黄芩・桔梗・辛夷各2.0gである。内熱、便秘の傾向有る者には石膏5.0g大黄0.5g~1.0gがよい。肥厚性鼻炎、鼻茸に連用してもよい。鼻の病にはよく辛夷を加える(漢方診療医典)
■葛根湯加川芎辛夷
■荊芥連翹湯
上顎洞炎に罹りやすい体質傾向のうちで、筋骨質で皮膚の色浅黒く、腹筋が緊張して覆審すると笑って手を払いのけるほど過敏なものがある。手足の裏が湿りやすいものが多い。葛根湯が効かないものに試みてみるとよい(漢方診療医典)
■桂姜草棗黄辛附湯
体質虚弱、冷え症のもので、あるいは慢性化して諸治療を行ったが効がない者に(漢方診療医典)
■桂枝加葛根湯
■桂枝茯苓丸
■柴胡清肝湯
■四逆散
大柴胡湯の腹証に似て、心下部が堅く緊張しているが、それほど充実していないものに茯苓、辛夷、薏苡仁(漢方診療医典)
■十全大補湯
衰弱が一層進んで疲労しやすく、貧血している者に(漢方診療医典)
■小柴胡湯
それほど強壮に見えない人、またやや虚弱の傾向のある者によい。桔梗・石膏各3.0gまたは苓桂朮甘湯(漢方診療医典)
■辛夷散
■辛夷清肺湯
上顎洞炎や肥厚性鼻炎、鼻茸、嗅覚欠如症、鼻閉塞の甚だしいもので、熱毒があって疼痛を伴うものに(漢方診療医典)
■清上防風湯
■川芎茶調散
■蒼耳散
■大柴胡湯
筋骨質で強壮にみえる体格で、心下部が硬く張って胸脇苦満の証があり、肩こり、便秘がちなものに桔梗3.0g石膏5.0g(漢方診療医典)
■半夏白朮天麻湯
慢性化したもので胃アトニー、胃下垂などあるもので、常に胃の具合が悪く、胃内停水があり、発作的に頭痛やめまい、嘔吐があるものに(漢方診療医典)
■補中益気湯
虚弱体質で疲れやすく、貧血性で慢性化した者に藿香・辛夷各2.0gを長期間服用させる(漢方診療医典)
■防風通聖散
肥満体質で美食家、脈腹ともに充実し、便秘の傾向のものに用いられる。この体質を有する者の鼻茸、酒鼻にも用いられる
■麗沢通気湯
鼻に香臭を聞かずとい、嗅覚脱失に(漢方診療医典)
■苓桂朮甘湯
慢性化、胃アトニーの傾向があって、胃内停水を認め、めまい、立ちくらみなどあるものによい。また、葛根湯や小柴胡湯などに合法して用いる。(漢方診療医典)

好酸球性副鼻腔炎
「近年増えているタイプ。副鼻腔炎は鼻の周りにある骨の空洞で炎症が起きる。好酸球は血液中の白血球の一種。炎症は好酸球が活性化している状態。
好酸球性副鼻腔炎の症状
・ニオイがしない(嗅覚障害)
・鼻が詰まる
・鼻水がサラッとしないで粘っている
・喘息を合併する。
・喫煙者に多い。
・中高年に多い。
・再発しやすく、治療が長引くことが多い。
治療は内視鏡手術で鼻のポリープを取り除いたり、ステロイド剤を服用する。手術後にカゼを引いたり、喫煙を続けると、再発の可能性が高くなる。
咳や呼吸困難などの気管支症状が出ることもある」2007/11/18 日経





 腹水  
   ascites
  ⇒腹腔内に漏出液・滲出液・血液などが貯留した状態。
腹水は腹腔にうっ血性の漏出液が遊離状態でたまった場合をいい、炎症性浸出液がたまったものは、通例腹水とは呼ばない。

腹水は心臓、肺臓の病気、全身衰弱などによる循環障害の一症候として現れることがあり、また、腎炎、ネフローゼなどに他部の浮腫と同様に現れる。
また門脈領域の血行障害の結果として、肝硬変症などのときにもみられる。(漢方診療医典)
◎漏出液が貯留する原因には以下のものがある。
☆門脈圧の亢進
☆血漿膠質浸透圧の低下(低タンパク血症)
☆血管壁の透過性亢進
☆内分泌因子:アルドステロン
       抗利尿ホルモン
    

◎腹水を引き起こす疾患:
☆鬱血性心不全
☆ガン性腹膜炎
☆肝硬変
☆結核性腹膜炎
☆収縮性心膜炎
☆低栄養
☆門脈血栓
☆ネフローゼ
    

◎乳糜様の腹水を引き起こす疾患:

☆リンパ管の閉塞、乳糜管の破裂が原因。
☆フィラリア
☆腫瘍による圧迫。
    

◎粘液性の腹水を引き起こす疾患:
☆卵巣嚢腫
☆虫垂の仮性粘液腫

【民間療法】      
○マンジュシャゲトウゴマ。
○大戟甘遂芫花
○大戟甘遂二丑

【処方名-五十音順】  
■「胃苓湯」
腹水があっても新しく、患者の元気が衰えないものに用いる。
尿量が減じ、口渇を訴えるものによい。(漢方診療医典)
■茵蔯蒿湯     
■茵蔯五苓散
■「桂姜草棗黄辛附湯」
バンチ病で、腹水のあるものに用いて、腹水の去ったことがある。金匱要略に“気分、心下堅、大なること盤の如く、辺旋杯の如きは、水飲のなすところ、桂姜草棗黄辛附湯之を主る”と応用した。(漢方診療医典)
■奭屎白散
■控涎丹(呼吸困難・痰が多い)
■「五苓散」
 腎炎、ネフローゼなどで、腹水のあるものによい。五苓散は口渇と尿利の減少を目標にして用いることになっているが、口渇をあまり強く訴えないものに用いても良い。(漢方診療医典)
■「五苓散合人参湯」
肝硬変症からくる腹水に用いて著効をえることがある。
数回穿刺して腹水をとったものに用いてもよい(漢方診療医典)
■柴胡加竜骨牡蛎湯
■梔子厚朴湯
■十棗湯(ネフローゼ)
■真武湯
■舟車丸
■小青竜湯
■大陥胸湯
■大建中湯
■「大青竜湯」
佐藤省吾氏は、これで腹水が治った例を報告。
苓甘姜味辛夏仁湯は表証がなくて裏に水のあるものに用い、大青龍湯は表証があって裏に熱があって、水を伴うものを治す(漢方診療医典)
■抵当湯
■桃花湯[3]《松原一閑斎》
■当帰芍薬散
■導水茯苓湯《奇効良方》
■附子湯
■「分消湯」
体力が衰えず、脈が沈んで力があり、便秘がちで、腹壁はよく緊張して、体位の変換によって腹形の変化しない場合に応用する。
あまり虚証にならない者にもちいる。(漢方診療医典)
■補気健中湯[1-3]《厳氏済生方》
■「補中治湿湯」
本方は虚証の浮腫に用いる。
症状が長引き衰弱している者によい(漢方診療医典)
■木香檳榔丸
■木防已湯
■「苓甘姜味辛夏仁湯」
龍野一雄氏が報告





腹痛 
  abdominal pain
   (参照→アニサキス症)
⇒腹部領域に知覚される疼痛のこと。
◎種類(病態生理から):
内蔵痛(visceral pain):
自律神経が両側支配であるため、内臓痛は一般に原因臓器の部位に関係なく体の中央線の近くで感じられる。
体性痛(somatic pain )
関連痛(referred pain )
   

■ガスたまり腹痛
    「64歳の男性。1年ほど前から腹部が重く、砂袋で締め付けられているような     痛みに悩まされています。主治医からは「おなかにガスがたまっているのが原     因で、病気ではない」と説明を受けました。たしかに、ガスが出ない出ない日     が続くこともあるのですが、出た後でも楽になりません。最近は痛みで歩くの     もつらいほどです。
●おならが出ないだけで、そんなに痛むものなのですか?
      腸の中にガスが溜まって起こる痛みは、腹痛のなかでもかなりつらいもので、     涙が出たり、顔色が青ざめたり、生つばが出たりもします。おなかを押してみ     ると、実際にはへその周囲が痛いのですが、自覚症状としては、みぞおちのあ     たりに痛みを感じることもあり、胃の病気と勘違いされるケースも多いようで     す。私も経験があるのですが、みぞおちは締め付けられるような感じでした。
●何故、ガスがたまるのですか?
      腸内ガスの大部分は食事などの際に呑み込んでしまった空気で、普通はゲッ     プやおならとして外に排出されるのですが、食道や胃や腸の働きが悪くなると、     ガスをうまく外に押し出せなくなる。また、腸が炎症などを起こしていれば、     食べた物が発酵して余計なガスがたまることもあります。
●主治医に「病気ではない」と説明されているようですが?
      診断では、腫瘍や炎症のように組織自体が変化してしまう器質的な病気が原     因なのか、腸の働きだけが落ちる機能的な病気が原因なのかを、まず突き止め     ます。この方の場合、器質的な病気ではないと思います。
●機能的な病気には、どのようなものがあるのでしょうか?
      腸の働きが異常になる『過敏性腸症候群』が代表的です。下痢を伴うことが     多いのですが、逆に便秘や、ガスが出なくなることもあります。ただ、ガスが     溜まる原因は様々で、器質的な病気が原因なら検査で調べれますが、それ以外     では、はっきりしないことも少なくありません。腸が普通より長めだったりし     て動きが悪くなり、ガスが出にくい人もいます。1997,2,23《朝日新聞》
性質調べ、治療法を判断
「腹痛は日常翌経験する症状であるが、その原因は多種多様である。Kさんは65歳の男性。最近3年間に原因が異なる腹痛を経験した。3年前の腹痛はサバの刺身を食べた後、数日間続いた。サバの内臓に規制しているアニサキスによる腹痛と考え、胃カメラで検査してもらったところ、早期胃ガンであると判明した。
直ちに胃の切除手術を受け、社会復帰した。ところが1年前から時々差し込む様な腹痛を覚えるようになった。同時に腹部の膨満感があり排便も止まった。そのたびに腸の癒着による腸閉塞との診断で緊急入院したが、絶食などの内科的治療で軽快した。
しかし今回の腹痛はこれまでの腹痛と違って痛みが右下腹部に限って持続し、徐々に強くなった。微熱も出た。超音波検査やCT検査の結果、急性虫垂炎と診断され、虫垂を切除した。その際癒着した腸を切り離す処置も行った。手術後の経過は良好で、腸の癒着による腹痛もすっかり無くなり、現在自営業を元気に営んでいる。
腹痛は腹部臓器の炎症、消化管や尿管の機能障害、さらに腹空内の出血などで起こる。その取り扱いで重要なことは、内科治療で治る疾患なのか、早急な手術が必要なのかという判断である。それには腹痛が急に始まったのか徐々に起こったのか、鈍痛か激痛か、腹部全体か一カ所に限定されているのかなど、腹痛の性質をよく調べなければならない。下痢やむかつき、発熱、貧血なども参考にする。
一般に下痢を伴う腹痛は急性胃腸炎によることが多く、外科治療の必要はない。しかし、差し込むような腹痛の場合は胆石・尿路結石・腸閉塞などが疑われ、内科治療で軽快しない場合、手術が必要になる。発熱を伴うと急性虫垂炎や胆嚢炎などが考えられ、手術しなければばらないことが多い。さらに中高年者に軽い腹痛が数日間持続したり、数日間隔で表れたりするときは胃ガンや大腸ガンの初期症状の可能性もあるため、精密検査を進めたい。」(木下博明・大阪市立大学医学部付属病院長)1999.11.15《日本経済新聞》
■緊張やストレス
「14歳の娘。7歳頃から腹痛を頻繁に繰り返します。突然痛みがやってきて2、3分続くと治るのです。性格は正義感が強くリーダータイプで、学校で楽しいことをしていると痛まないようです。「重大な病気はない」と診断されましたが、最近、痛み時間が長くなってきました。
●どんな病気が考えられますか?
子どもの腹痛は約20%が内臓などの器質的なもので、残りは内臓の機能の問題です。まず、器質的なものか機能的なものかを確かめます。14歳という年齢で、繰り返し腹痛を伴う器質的な病気には『潰瘍性大腸炎』や『クローン病』があります。また、『胆石』や『腎結石』『膵炎』『胆管炎』なども考える必要があります。
●検査で「重大な病気はない」と診断されたようですが?
検査結果に異常がなかったとすると、たぶん機能的なものですね。この場合に考えられるのは、『起立性調節障害』と『習慣性の便秘』『心因性の腹痛』『過敏性腸症候群』などです。起立性調節障害はわりと頻度の高いもので、小学校高学年から中学生に多く見られます。下痢や腹痛があり、立ちくらみや車酔い、寝起きが悪い、などの症状が見られます。
●どの可能性が高いでしょう?
これまでの症状から,
過敏性腸症候群の可能性が高いと考えられます。腹痛と下痢が反復して起こり排便があると治るという症状が3ヶ月以上続いているのは、この病気の診断基準に当てはまります。
●過敏性腸症候群はいくつぐらいから見られるのですか?
普通は、中学生以降に見られます。小さい子どもの場合はむしろ心因性の腹痛が多く、例えば、小学校入学による環境の変化で子どもが腹痛を訴えるケースでよく見かけます。相談者の場合も7歳頃から過敏性腸症候群を発症していたとは言い切れません。
●相談者の子どもは、学校を楽しんでいる印象を受けますが?
正義感が強くリーダータイプという性格だけに、緊張感やストレスがより大きく、腹痛や下痢の発症要因になっていることが考えられます。
●なぜ痛むのですか?
食べ物を食べると、腸は便を送り出すように拡張と収縮を繰り返します。過敏性腸症候群の場合、消化管運動が異常に高まり、近くが過敏になって、精神的なストレスや自律神経の失調、食物の刺激から腸管の拡張、収縮がうまくいかなあくなる。そして、知覚過敏のために少しの刺激でもおなかが痛くなるのです。
●過敏性腸症候群の治療は?
精神的な安定が第一です。年齢とともに自分で精神をうまくコントロールできるようになると改善します。症状が長く続くとさらに不安になるので、必ず治ると自信を持ち、主治医と信頼関係を築いて勧めることが大切です。カウンセリングや薬物療法も有効ですので、相談するのも良いでしょう。
●下痢をしていますが、食事で気をつけることはありませんか?
便秘型では、繊維食が基本です。下痢型にも有効なことがありますが、ゴボウのように繊維の特に多いのものは、煮るなどして消化しやすくするのがよい。生クリームやバターなどの高脂肪食は便秘を悪化させます。また、豆類やイモ類は消化するとガスが多く出て、腹痛の原因になりやすい。
●生活で注意知ることは?
副側名生活や食習慣は、腹痛や便通異常を増長させると言われています。まず、規則正しい生活と食事をすることから始めましょう。そして、便意を催す胃・結腸反射が強い早朝に朝食を食べ、排便習慣を身につけることが大切です(岡庭真理子・武蔵野赤十字病院小児科部長)20008.13《朝日新聞》
 【漢方療法】 
   ⇒場所から、
    <1>臍の上(大腹痛)=太陰に属する。中の疼痛。食積と外邪が多い。
               処方[理中湯][加味小建中湯][草豆丸]
    <2>臍の横(臍腹痛)=少陰に属する。積熱と痰火が多い。
               処方[四逆湯][薑附湯][五積散加・呉茱萸]
    <3>臍の下(小腹痛)=厥陰に属する。血と痰と小便の出が悪いことが多い。
               処方[当帰四逆加呉茱萸生姜湯]
                  
   ◎主薬:
      婦人の腹痛には、呉茱萸・香附子を主薬とすべし《万病回春》
      腹痛には、芍薬・甘草を主薬とすべし《万病回春》
      腹冷痛には、呉茱萸・良姜を主薬とすべし《万病回春》
   ◎【腹痛の種類】
     <1>寒腹痛:腹痛虚寒なる者は腹満せず、手摩を喜ぶ。《傷寒集注》
          処方[温胃湯][厚朴温中湯][桂香散][沈香磨脾散]
            [酒煮当帰丸][代灸塗臍膏][王抱肚法]
            [五積散呉茱萸・葱白]
     <2>熱腹痛=熱気が小腸に溜まって、小腸が痛み、渇くと堅く、乾燥して痛み          閉塞して不通になる。
処方[調胃承気湯][四順清涼飲][黄芍薬湯]
     <3>血腹痛=いつも同じ所が痛む。(=死血腹痛)
          処方[四物湯地黄桃仁・大黄・紅花]
            [桃核承気湯当帰・蘇木・紅花]
            [失笑散][消散][万霊散]
     <4>食積腹痛=食べ過ぎで腹痛。脈がゆるい。
          処方[平胃散山子・神麹・麦芽・縮砂・青皮]
            [加味二陳湯]で調養し[木香檳榔湯][利気丸]で下す。                [瓜蒂散][丁香檳榔丸]
     <5>痰飲腹痛=
          処方[朮散]・・・湿痰で気道で塞ぎ痛む。
            [控涎丹]・・・消痰が痛んで胸腹が鳴る。
     <6>虫腹痛
◎【腹痛症の種類】
     <1>疝気腹痛
     <2>痢疾腹痛
     <3>積聚腹痛
     <4>霍乱腹痛
     <5>腸癰腹痛
   ◎気が水飲によって痞満し、腹が鳴って痛み、冷痺する=「気分」
       処方:[桂朮湯]
   ◎単方:
      米一味 《外台秘要方》
  【処方名-五十音順】
 安中散
    胃苓湯
    烏頭桂枝湯
    烏梅丸
 温経湯
    温中湯《万病回春》
 黄蓍建中湯
    黄湯(腹中拘急)
    黄連湯
    王抱肚(心腹の冷痛)
    活血湯《万病回春》
    加味承気湯《万病回春》
    加味逍遥散(腹脹痛)
    乾姜附子湯
    甘草乾姜湯
    甘草瀉心湯
    甘草湯
    甘草粉蜜湯
    甘麦大棗
    枳実芍薬散
    枳実大黄湯《万病回春》
    姜桂湯《万病回春》
    行気香蘇散《寿世保元》
    帰膠艾湯
    朮散(湿痰で気道をふさぎ腹痛)
    下血湯
    解欝導気湯《万病回春》
    桂香散(脾臓が冷えて腹痛)
    桂枝加葛根湯
    桂枝加厚朴杏仁湯(寒冷・咳嗽で増悪する)
    桂枝加芍薬大黄湯(腹部の圧痛・抵抗)
    桂枝加芍薬湯
    桂枝加大黄湯
    桂枝加附子湯
    桂枝湯(寒冷による)
    桂枝茯苓丸
    啓脾湯(胃腸虚弱、痩せて顔色悪い、消化不良、下痢)
    香砂平胃散《万病回春》
    香蘇散(神経性・迷走性)
    厚朴温中湯(客寒が胃を犯し、心腹が冷えて脹痛)
    厚朴三物湯
    五積散《寿世保元》(臍を中心に疼痛、温めると軽くなる)
 呉茱萸湯
    柴胡桂枝湯
    三黄瀉心湯
    散火湯《万病回春》
    四逆散
    四合湯(痰積・気滞の腹痛)
    四物湯
    四物湯地黄桃仁・大黄・紅花
        (月経or 産後のおりものがみな下りずに凝結したとき)
    芍薬甘草湯(ケイレンする、疼痛)
    芍薬甘草附子湯(冷痛、ケイレン痛)
 十全大補湯
    小建中湯
    小柴胡湯(神経質)
    消飲(血腹痛)
    消食散《済世全書》
    十棗湯
    椒梅湯《万病回春》
    沈香磨脾散(脾骨の虚寒、腹中が脹って痛む)
    真武湯
    神品芍薬湯《済世全書》
    走馬湯
    疎経活血湯(下腹部の圧痛)
    大黄附子湯
    大黄牡丹皮湯
    大陥胸湯
    大建中湯
    大柴胡湯(心下部緊張、便秘)
    大承気湯(下腹部全体が固く脹って痛む)
    代灸塗臍膏(下元の虚寒と臍腹の冷痛)
    調胃承気湯
    丁香脾積丸(食積・気滞・胸満・腹痛)
    腸癰湯
    桃核承気湯
    桃核承気湯当帰・蘇木・紅花(打撲による腹痛)
    当帰建中湯
    当帰四逆加呉茱萸生姜湯
    当帰芍薬散
    当帰湯(冷えると増悪・ケイレン性の疼痛)
    女神散(不安、イライラ、憂鬱、肩こり、頭痛、めまい、動悸)
    人参湯(冷えると増悪し、温めたり押さえると軽減する
    附子湯
    腹痛一方《医宗必読》
    平胃散(大便後に痛みが軽減する)
    万霊散(婦人の小腹痛・小便淋渋)
    木香順気散《万病回春》
    木香檳榔丸(食積で気が停滞し腹痛)
    利気丸(食積・酒毒と一切の気滞・大小便の秘渋)
    利気保安湯《済世全書》
    理中湯呉茱萸《医宗必読》
    苓姜朮甘湯(腰以下の冷えが強い、疼痛激しい)
    和剤抽刀散(積冷腹痛)
  【臨床例】
    ☆茄子による腹痛。
     「浪華(ナニワ)の士人、某は、腹痛を患うこと三年ばかり、性もともと茄子を嗜(た      しな)む。嘗て大いに之を食う。その痛益々甚だし、殆ど自勝せず(=我慢で      きない)。爾後、食する毎に必ず然り。故を以て復た食せず。《吉益東洞》      先生に謁して診治を求む。時適々夏天。乃って茄子数枚を煮熟して、強いて      之を飽食す。已って心腹、果たして大鳴動す。痛み、前日に倍す。吐下を極      めて後已ゆ。此の如きもの凡そ三次。能く茄子を食して復び痛まず。」《建      珠録》
☆積を治した例。
     「京師富街の賈人、堺屋治兵衛の妻、積病五年。首疾は腹痛。諸證雑出して復      た定證なし。その族に、醫、某なるものあり。久しく之を療するも、いまだ      その效を見ず。最後は、腹肚妨脹して平日に倍す。醫以為(おもえら)くに必      ず死すと。因って謝して退く。是において先生を召す。先生大承気湯をつく      りて之を與う。その人、いまだ服さざるに某醫復至り、先生の主方を聞く。      因って賈人に謂いて曰く「嗚呼、此れの如き、殆どその死を速めるなり。夫      れ承気の峻烈、譬えば、なお火銃を腹内に発するが如し、之を懼れて已まず」      と。而して賈人、その初めより久しく效なきを以て、竟に聴かず。醫退く。      連りに数剤を服す。厠に坐しての後、心腹頓に安し。而して、胸中なお、喘      満の状を覚ゆ。先生又、控涎丹をつくりて之を與う。
その人いまだ服さざるに、醫復至りて賈人に謂いて曰く「承気なお、その      勝せざるを恐るるなり。況わんや此れ彼れよりも甚だしきものならんか。必      ず服すこと勿れ」と。再三叮嘱(=テイショク、丁寧に言いつける)して去る。賈      人復、聴かず、その夜輙(すなわ)ち之を服す。翌早に吐下傾けるが如きを      見嘆服して去る。後数日、全く癒ゆ。
初め治兵衛は、腹瀉を患う。恒に希粥に非ざれば食すこと能わず。然ども      いまだ嘗て薬を服さず。以為く、益なし、と。先生の殊效を見て始めて醫薬      の信ずべきを知る。乃嘆じて曰く「先生は良醫なり。豈、病みて治せざるべ      けんや」遂に之の診治を求む。半夏瀉心湯をつくりて之を飲む。数月、腹瀉      止みて、能く飯を喫(くら)う。」《建珠録》
    ☆《井觀醫言》
     「西村氏の妾が、ある夜、にわかに腹痛を発した。その勢が左の脇の下を衝き      上げるようであった。
ある医者は血刺痛(血の道)であるといって、当帰建中湯を与えること3      0日であったが、痛みは少しも止まなかった。そこでさらに医者を替えて診      させたところ、その医者は水毒であるといって、大建中湯や大黄附子湯など      を与えた。また30日ほどを経過したが、少しも軽快せず、その痛みは、鳩      尾の部分に移った。
余《尾台榕堂》がこれを診ると、その脈は数急で、心下部がひきつれて痛      み、少しも動くことが出来なかった。舌上は黒胎で、飲食は少しも進まず、      精神も大いに衰えていた。
そこで余は言った。これは内癰である。若しこのままにしておいて病毒が      胃の腑や肝脾に進入すると、生命にもかわる大事である。速やかに針を刺      して膿を摂らねばならぬと。
然るに、病人は針をすることを極度におそれて、どうしても肯わなかった。      百方これを説諭したが、何としても聞き入れないので、仕方なく、心下のと      ころに破敵膏を貼って帰った。
翌日の早朝に使者が来て、昨夜は大いに痛んで、少しも眠れなかったから、      早速、御来診を願いたいというので、余が速やかに往ってみると、心下のと      ころが微かに腫れて、少し赤くなっていた。しかし、なおも病人は針を刺す      ことを肯じなかったので、余は1人の外科医を延いてこれを診せしめた。
その医者がいうに、針を刺しても既に時期が遅れている。若しこのままで      は、四辺に蔓延して、その変は測ることが出来ぬと言ったので、病人も大い      に驚いて、ようやく決心して、針を刺すことになった。
そこで針を刺してみると、臭い膿汁が23合も迸り出でて、苦痛が立ちど      ころに減少して、自由に身体が動かせるようになった。よって、排膿散及湯      大黄を与え、伯州散を兼用した。
それからは諸症が次第に退き、食欲も日々に進んで、精神も盛んになった。      毎日膏薬を貼り替えること3回づつ、膿が出ること約60余日で、全く平癒      することが出来た。」《荒木正胤》
    ☆《井觀醫言》より
     「黄胖病や痼毒による腹痛等で、何年も治らず、諸薬も効かない者には、生漆      (キウルシ)を服用すると、穢物や敗血(=血)や蟯虫や回虫の類を下し、全身に      赤い発疹が出て癒えるものである。
この方法は、北越地方の民間ではよく行われたが、医人は反ってこれをや      らぬのである。それは医者がこれを出来ないのではなく、不用意に行えない      のである。思うに鼓脹のような難病にも亦これを早期に行えば、かなわず効      果があること思う。けれども、た病家がひどい副作用のあるこの方法を      用いることを承認しないからである。」
《荒木正胤》はかって、生漆と大黄と蕎麦粉の3味の丸剤を自ら試用して、      その効を得た経験がある。この時は全身にウルシかぶれを生じ、発熱、浮腫      肛門の内部まで腫れ上がって、あたかも脱肛のようになり、水瀉下痢して、      回虫数条を下した。本方の使用法は、《百一貫》という著者不詳の口訣書      に、起廃丸と名付けられている。 (=チン)
【西洋医学】
<1>激しい腹痛で救急処置:
①Buscopan 1~2A 筋注or静注
30分後、効果が無いとき↓
②Pentagin 15~30mg 筋注 or
Lepeten 10~15cc 筋注
30分後、効果が無いとき↓
②Opiato 5~10cc 皮下注。
<2>胃炎・十二指腸潰瘍
①「Tagamet 4T+Marzulene-S 2.0g」分4。
Tagametの代わりに、
Gaster 2T 分2(or3T 分3)。
Zantac 2T 分2。
Marzulene-Sの代わりに
Meuer 600mg 分3。or
Gefanil 300mg 分3。or
Solon 300mg 分3。
②胸やけ・吐き気が強い:(追加する)
Primperan 3~6T 分3。or Nauzelin 30mg 分3。or Maalox 30cc 分3。
③腹痛の頓服:
Buscopan 2T 頓用。





 腹中動悸
  【処方名-五十音順】
    安中散(臍膀動悸)


 腹直筋の緊張
    ・腹直筋の拘攣・腹直筋攣急
  【処方名-五十音順】
  温清飲(充血、皮膚黒(黄)褐色、粘膜潰瘍、陰部潰瘍、皮膚掻痒、腹直         筋緊張、神経興奮、皮膚枯燥)
    黄湯(右側)
    甘草湯(炎症<軽>、ケイレン性)
    甘麦大棗湯(<++>あくびが多い、腹直筋攣急、神経興奮、不眠、狂          躁、ケイレン)
    帰膠湯<左・攣急>
    荊芥連翹湯
    桂枝加芍薬湯(拘攣)
    桂枝加竜骨牡蠣湯(発熱<不定期>、頭痛・めまい、動悸<から心下>、            自汗盗汗、心悸亢進、下腹部の腹直筋緊張、身体疼痛、            陰頭冷、女子夢交)   桂枝湯(右の腹直筋)
    柴胡桂枝湯<++>
    柴胡清肝湯(緊張)
    四逆散(左右)<++>
    保身桂枝茯苓丸(左の腹直筋)
    芍薬甘草湯(ケイレンする、疼痛)
    小建中湯(腹皮攣急)
    通導散 <++>
    当帰建中湯(両側の腹直筋
    当帰芍薬散(貧血、冷え性、疲れやすい、月経不順、神経症状)
    八味地黄丸
    竜胆瀉肝湯(皮膚浅黒い、手足の裏が湿潤、くすぐったがり)


 腹直筋が弛緩
  【処方名-五十音順】
    平胃散(太陰病、心下痞塞、腹部膨満、食後腹鳴)

 腹動
  【処方名-五十音順】
    柴胡加竜骨牡蛎湯
    柴胡桂枝乾姜湯

 

 腹部大動脈瘤
  【処方名-五十音順】
    桂枝加竜骨牡蠣湯
    苓桂甘棗湯
 

 腹部充実
  【処方名-五十音順】
    九味檳榔湯(息切れ、胸苦しい、ふくらはぎの緊張、腹が張る・脹痛)
    大柴胡湯(実証、筋肉質、胸脇苦満、心下部緊張、便秘)



 腹部で動悸
  【処方名-五十音順】
    桂枝加竜骨牡蠣湯(臍の周辺で動悸を自覚する)
  炙甘草湯(腹部大動脈の動悸亢進
    桃核承気湯(腹部<左腹部>大動脈搏動)

 腹部軟弱
  【処方名-五十音順】
  安中散
    帰脾湯
    帰膠艾湯
    帰調血飲
    桂枝加竜骨牡蠣湯
    啓脾湯(胃腸虚弱、痩せて顔色悪い、消化不良、下痢)
    五積散
    五苓散(腹壁軟弱)
    柴胡桂枝乾姜湯
    酸棗仁湯
    三物黄湯
    四君子湯
    四物湯
    梔子湯(身熱、胸中煩熱、心中懊、不眠、熱感)
    炙甘草湯
  十全大補湯
    潤腸湯(腹壁弛緩)
    神秘湯
    真武湯
    大建中湯
    釣藤散
    当帰建中湯(貧血、食欲不振、虚弱体質、腹痛、腰痛<牽引痛>、)
    当帰芍薬散(腹壁軟弱
    人参湯
    人参養栄湯
    半夏厚朴湯
    半夏白朮天麻湯
    補中益気湯(胃腸虚弱、味なし、口中白沫)
    抑肝散(腹部で動悸、神経過敏)
   抑肝散加陳皮半夏湯(腹部で動悸、腹部軟弱・無力、疲れやすい)
    六君子湯(心下痞、消化不良、神経衰弱、体重減少)
   苓桂朮甘湯(めまい、動悸)
    六味丸

 


 腹部膨満感
   ⇒腹(ハラ)がはる。
  【処方名-五十音順】
  安中散
    已椒黄丸
    一物瓜蒂湯
    胃苓湯
  茵蒿湯
    茵五苓散
    香正気散
    枳実導滞丸
  帰脾湯
    下血湯
    桂枝加厚朴杏仁湯
    厚朴生姜半夏甘草人参湯
    柴胡疏肝湯
    柴朴湯
    柴平湯
    四逆散
    実脾飲
    参蘇飲
    真武湯
    旋覆代赭湯
    大黄牡丹皮湯
    大柴胡湯
    大承気湯
    当帰建中湯
    当帰芍薬散
    当帰湯
    調胃承気湯
    通導散
    女神散
    人参湯
    半夏厚朴湯
    半夏瀉心湯
    茯苓飲
    平胃散
 防風通聖散
    保和丸
    木香檳榔丸
  【臨床例】
    ☆腹部膨満
     「浪華、梶木街の賈人、尾路屋傳兵衛の女、腹満を患う。浪華の醫、その術を      盡して之を救うも、一もその效なし。是において先生に干(もと)め京師に就      (おもむ)く。
《吉益東洞》先生之を診す。大承気湯をつくりて之を飲ましむること二月      ばかり。腹全く減じて平人の如し。而して之を按ずるに臍傍に塊ありなお未      だ解せず。故を以て前方を與得て已えず。賈人乃って以為く、病むところな      し、と。事故に托して謝して罷む。居ること六月ばかり。大便漸々に燥結し、      飲食頗る減ず。一日、忽ち腹痛し、連りに嘔吐す。是において、始めて、先      生の明に服し、更に診治を求む。
大半夏湯をつくりて之を飲むこと数日、痛み止む。又吐せず。乃ち復た大      承気湯をつくりて之を下す。十日、五日に僅かに一行す。塊尚故の如し。久      之して陰中に臭穢を下す。下利日に十餘行。此れの如き者三日ばかり。利止      み、塊解して頓に平日の如し。」《建珠録》
    ☆《井觀醫言》より
     「麹町に三河屋源兵衛の妻、腹脹の病に罹る殊半年で、色々と手当をしたが全      く験しが無かった。余《尾台榕堂》の診察を乞うてきたので、これを診ると、      臍の左に1つの塊が隠れているのが判った。しかし、腹が非常に膨満してい      たので、力を極めてこれを押してみると、その痛みが、みぞおちと下腹部に      徹するのみであった。
病人は平素から月経不順で、小便が快利せず、食物に味が無く、強いて食      べると胸や腹に張りつかえて、どうにもならぬと訴えていた。
そこで、余は病人とその家族の診断の結果を話した。これは鼓脹の初期で      ある。今のうちに、十分な手当とと、服薬をしなければ、後になって悔いる      とも及ばぬであろうと。すると病人は、命のまに薬餌を努めて怠らないと      固く約束したので、余はこれに大黄牡丹皮湯を与えた。そして日に3服と夜      に1服せしめたところ、粘液を雑えた臭穢の大便が昼夜45行づつあり、茶      褐色の臭気の甚だしい小便が頻りに出た。
1ヶ月ばかり続服させると、腹部の脹満は大いに減って、腹中が却って拘      痛を発した。これは腹の中の塊物が薬のために動揺して痛みが発するものと      思われた。
そこで大黄附子湯と芍薬甘草湯の合方に転じた。10余日を経過したとこ      ろ、その引きつれる痛みが洗うように無くなったので、こで再び大黄附子      湯に戻った。両便の色と臭気もまた元のようであったが、腹の中の塊は次第      に消え去り、腹部の脹満も日々に減じ、3ヶ月を経て諸症は全く治するに至      った。
そこで余は家人にいった、如何に病情に対して薬が適当しても、病人がそ      の薬を服用しなくてはどうにもならぬ。このような難症が全治出来たのは、      病人が熱心に服薬を勉強したからに他ならないと。」《荒木正胤》



 腹部脹満
   =「腹部膨隆(abdominal distension)」
   ◎腹部膨隆は、腹部への気体貯留(鼓脹)or液体の貯留(腹水)によって起きる。
  【処方名-五十音順】
    九味檳榔湯
    腸癰湯

 腹部有力
  【処方名-五十音順】
  黄連解毒湯
    桂枝加芍薬大黄湯(抵抗)
    大柴胡湯


 腹膜疾患
   急性腹膜炎
横隔膜下膿瘍
   結核性腹膜炎
   癌性腹膜炎
   腸管癒着
   腹膜仮性粘液腫



 腹膜炎
   Peritonitis
◎腹膜炎でも急性化膿性腹膜炎は漢方治療の対象ではない。
慢性腹膜炎には結核性のものが多く、これに浸出型と乾性型がある
浸出型では腹部が浸出液のために膨満するが、乾性型では腹部の膨満は著明ではなく、腹部の各所に抵抗のある圧痛部位を証明できる。また下痢したり、便秘したり、軽微の体温上昇がみられることがある。腹痛はひどくないが、癒着が広範囲にわたると、愁訴が多くなり、嘔吐を起こすことがある。(漢方診療医典)

     穿孔性腹膜炎
       腹部の状態:硬く緊張、圧痛著明、肝濁音界消失
筋性防御(+)
症状:急激に発症、激烈な腹痛、ショック、激しい嘔吐、
          糞便・ガスの排出停止。
原因:消化性潰瘍の穿孔。虫垂炎・胆嚢炎の穿孔。
     結核性腹膜炎
腹部の状態:圧痛、腹部全般の鼓脹、時に滲出液・腫瘤をみる。
筋性防御(ー~+)
症状:発病は徐々、微熱、腹痛、食欲不振、便秘or下痢
   ■腹膜の炎症
    「人のおなかには胃腸、膵臓、肝臓、腎臓、濃厚、脾臓、子宮など実に多彩な臓     器が入っている。それぞれの臓器を区分し、互いに絡まないようにしているの     が腹膜である。
  腹膜は厚さ1mmにも満たない非常に薄い2枚の膜からなる。小腸や肝臓     などを包んでいる臓器側の膜と、壁側の腹膜だが、全体としてはつながってい     て袋のようになっている。2枚の腹膜の間の空間を「腹腔」と呼ぶ。
      腹腔の中には目に見えない程度の極少量の水(腹水)があり、各臓器、特に     腸をスムーズに動かすための潤滑剤の役目をしている。男性の腹膜は全く出入     り口のない完全な袋状nだが、女性の場合は卵管を通じて外界とつながってい     る。
この膜に炎症が起きるのが腹膜炎。いわゆる盲腸(実は中垂)などに炎症が起     きると、その部分が腹膜炎になる。痛いときに体をエビにように曲げると楽に     なるが、これは腹膜の緊張が緩むからである。胃腸に穴が開いてその内容物が     腹腔内に漏れ出たときには、腹膜全体が炎症を起こすおで症状が最も激しくな     る。
不幸にしてガンが腹膜に広がると、最初は症状を感じないが、体がガンを異     物と認識し、これを排除しようとして炎症反応を起こし始めると、腹水が溜ま     ってくる。この場合、手術や抗ガン剤でも残念ながら寿命を伸ばすことは難し     い。(浜六郎・医薬ビジライセンスセンター所長)1997.10.27《日本経済新聞》
  【漢方療法】
   ◎下してよい者は、ほとんど無い。《大塚敬節》
  【処方名-五十音順】
    烏頭湯
「黄蓍建中湯」
盗汗の多いものには黄蓍建中湯を用い、(漢方診療医典)
    桂枝加芍薬大黄湯(裏急後重、宿便)
    桂枝加芍薬湯
    桂枝茯苓丸
「行湿補気養血湯」
浸出性のもので、栄養が悪く、気血ともに衰えた者に用いる(漢方診療医典)
   「柴胡桂枝乾姜湯」(胸脇満、小便不利、口唇乾燥、頭汗、盗汗、)
乾性型のもので、癒着型のものに用いる機会がある。
硬結のあるものには、芍薬、鼈甲を加え、
盗汗の出るものには、黄蓍を加える
胸脇苦満は著明ではないが、真武湯を用いる患者よりも腹力があり、臍部で動悸の亢進する傾向がある(漢方診療医典)
「柴胡桂枝湯」
軽症で、まだ体力が衰えていないものに用いる。
柴胡桂枝乾姜湯よりも実証で、腹壁は一般に緊張し、臍傍、腹直筋にそって硬結を生じ、圧痛のあるものに用いる(漢方診療医典)
    柴胡清肝湯(初期)
    四逆散(結核性
   「小建中湯」(結核性)
乾性型の慢性腹膜炎には、小建中湯や黄蓍建中湯、当帰建中湯などがよい。また浸出性のもので、浸出液に少ないものにも用いる。
腹部が緊張または膨満して、硬結や圧痛のあるものによい。
腹直筋は必ずしも緊張していなくてもよいが、下痢しているものには良くない。
便秘の傾向の者に用いると、返って排便が順調に順調になるものがある。
慢性腹膜炎でも38℃以上の高熱が続くものには、小建中湯だけに頼らずに、結核の化学療法を併用した方がよい(漢方診療医典)
「真武湯」
慢性腹膜炎で下痢の傾向のものに用いる
腹部の膨満感と腹痛を訴えるが、腹部は一体に軟弱で、しかも硬結と圧痛の部位があり、軽度の癒着症状のあるものに用いる。
腸結核の疑いのある者によい。
また、浸出液の溜まっている者にも用いる(漢方診療医典)
    大黄牡丹皮湯
    大建中湯
「調中益気湯」
本方は補中益気湯に茯苓、芍薬を加えた方で、病症は軽微であるが、体力が弱くて、慢性の経過をたどり、気力が弱く疲労倦怠を訴えるものによい。
乾性型、浸出型ともに用いる(漢方診療医典)
    腸癰湯
「当帰建中湯」
下腹部ことに骨盤フk寿膜炎が主となっているものには当帰建中湯がよい(漢方診療医典)
    附子粳米湯
    附子湯
「分消湯」
浸出液が大量に溜まっているものに用いるが、腹部が緊満し、脈に力があり、便秘気味のものに用いる。
気力、体力ともに衰えていない実証のものを目標とする(漢方診療医典)
    補中益気湯
    闌尾化湯
    闌尾清解湯
    闌尾清化湯
    六君子湯

 腹満(ふくまん)
“為則按ずるに、血証を診するや、その法3あり。→薬徴「水蛭」
1に曰く、少腹満して小便利する者は此れ血ありとなす。利せざる者は、血なしとなすなり。
2に曰く、病人腹満せずして自ら腹満を言ふなり。
3に曰く、病人喜忘、屎しと雖も大便反って易く、その色必ず黒し、此れ血ありとなすなり。
「少腹満」→下腹が硬くて膨満している。

◎熱なくして羸痩腹満の者→
「桃核承気湯大黄虫丸」or「桂枝茯苓丸大黄虫丸」《勿誤薬室方函口訣》
◎総て附子剤、此方の類を用いる腹満鼓腸は、腹平満して大便秘せざる者なり。平満の処へ下剤をやるとますます早く脹をなす者なり。厚朴七物湯の類を始め、下剤を与える脹満は、つんぼりと脹るものなり。是れ腹満陰陽の別とす。《勿誤薬室方函口訣》

  【処方名-五十音順】
    已椒黄丸
    一物瓜蒂湯
    香正気散
    枳実導滞丸
    下血湯
    桂枝加芍薬大黄湯
    桂枝加芍薬湯(
    桂枝湯
    厚朴生姜半夏甘草人参湯
  呉茱萸湯
    柴胡疏肝湯
    柴朴湯
    柴平湯
    四逆散
    実脾飲
    小建中湯
    参蘇飲
    旋覆代赭湯
    大黄牡丹皮湯
    大柴胡湯
    大承気湯
    当帰四逆加呉茱萸生姜湯
    当帰芍薬散
    女神散
    半夏厚朴湯
    半夏瀉心湯
    平胃散
    保和丸
    木防已湯
    木香檳榔丸


 腹鳴
   borborygmus 《グル音》
   ⇒腹中雷鳴。
  【処方名-五十音順】
  呉茱萸湯
    四君子湯
    逍遥散
    真武湯
    大建中湯
    痛瀉要方
    当帰四逆加呉茱萸生姜湯
    半夏瀉心湯(胸元がつかえる、下痢、腹鳴、吐き気)
    平胃散(食後)
    苓桂朮甘湯(小便不利、めまい、)


 蔔行性角膜潰瘍(ふくこうせいかくまくかいよう)
   ⇒細菌性角膜潰瘍のうち、特に溶血性連鎖球菌によって引き起こされたものをいう。
◎主として、周辺部に発し、次第に中央部へと進展していくのでこの名がある。


 附骨疽(ふこっそ)
   =骨の腐る病気。骨髄炎、骨膜炎、カリエス等の総称。
   ⇒多骨疽ともいい、骨壊疽のこと。骨潰瘍。
   【病状】初期には寒熱往来があり、続いて筋骨がキリで刺した様に疼痛し、皮膚表       面は紅くも熱くもなく、屈伸出来ない。
 慢性になると、寒が鬱して熱と化し、内を腐らせて膿をなす。           その外形は一面に腫れて頭がなく皮膚は変色しない。消えた後は薄い膿が       ダラダラと流れて止まず、口が塞がらなくて瘻管と死骨を形成しやすく、       死骨が脱出後から徐々に治癒する。
「化膿性骨髄炎」に類似する。
  【処方名-五十音順】
 越婢加朮湯
      ☆《井觀醫言》より
     「ある旗本の士が余の診を乞うた。家老が出てきて言うに、わが君は昨年の冬      11月に、突然腰痛を発したので、熱田祐庵を招いて治療を求めたところ、      祐庵は疝気だといって薬をくれたが、服薬しても全く効かなかった。春の2      月に至っても痛みが止まなかったが、祐庵は適々主君の婦人のお供をして婦      人の郷里に往ってしまったので、更に医者を替えて、20日余りも治療した      が、病状が益々劇しくなって、腰以下に浮腫を現した。そこで、更にまた医      者を替えて、30日を治療したが、未だ少しも効が見えない。いま丁度その      医者が来診しているから、何うぞ合議の上で治療を願いたいと言った。
よって余がその医者に面接して病証と処方を質したところ、その医者が云      うには、腰痛が止まず、二便が不利し、水気が日に加わったので、越婢加朮      湯を与えること半月許り、腰痛はや減じたと思われるが著効が見えぬので、      牡蛎沢瀉湯に転じて今その方を用いていると。
余が入ってこれを診すると、腰と臀部から足の指に至るまで脹満して疼痛      し、仰臥することが出来ず、右足に圧せられて、更に少しく腫れていた。思      うに、腰部の附骨疽(骨壊疽)で、すでに針刺の時期を失い、諸部に流注の      状をなしているものであった。
そこで、退出して客席について病証を告げ、且つ言った。針刺の時期が遅      れること既に2ヶ月余りである。いま股と腹に縫合部に針を刺せば、恐らく      は膿が12升も出るであろうが、すでに病人は長い間の苦患で精力と血液が      ともに衰えているから、余命も恐らくは10日を出ないであろうと。
母夫人が非常に驚かれたが、丁度その時には祐庵が帰って家にいることが      分かったので、余は手紙を送ってこれを招いた。
翌早朝、祐庵から返事があって言うに、昨日の御手紙を受けて早速往診し      たところ、実に先生の言の如くである。腰部に針を刺すと針入ること2寸余      りである。露子を以てれを探ると、露子が入ること4寸ばかりで、肉は腐っ      て古い糸屑の如くで、膿は甚だしく出なかった。今日は命に従って更に腹と      股の付け根のところを穿刺をしようと思うから、お立ち会い下さるまいかと      あった。
丁度、余は他に都合があって往くことが出来なかったが、祐庵が針を下す      と膿が多量に出で、その後もその針孔から膿汁がタラタラと出でて昼夜止ま      ず、諸部の腫満はこれに応じて消えたけれども、精気も亦脱し、11日を経      て遂に死亡した。
       この症は、早く附骨疽であることを知って、湯薬もよろしきに従い、針刺      も期を誤らなければ、必ずしも死症ではなかったのである。診候、処療が精      しくなければならむことは、実に此の如くである。(漢方通信)
    黄蓍建中湯
    黄連消毒飲《寿世保元》
 葛根加朮附湯(熱甚だしい者)
    十全大補湯
    小建中湯
    大防風湯《和剤局方》
    当帰拈痛湯
    独活寄生湯
    内托黄蓍湯《蘭室秘蔵》
    内托活湯《蘭室秘蔵》
    茯苓佐経湯《外科正宗》
    補中益気湯




 節々が痛い
  【処方名-五十音順】
    九味活湯
    麻黄湯《傷寒論》


浮腫 
  edema
=血管外の細胞外液(組織間質液)が組織間隙に過剰な水分が異常に貯留した状態をいう。

組織間質液が2000cc~3000cc以上に増加すると、臨床的に浮腫として認められる。

浮腫が発生するには、組織間液(細胞間質液)と血管内にある体液の、圧力バランスに異常が起こることが必要。
「毛細血管内の圧力と、細胞間質液の圧力とのバランスが崩れて、血管内圧力が増大すると浮腫が発生する。」
組織間質液の量は、毛細血管壁を介した体液の流出と吸収、および組織間質液のリンパ系からの流出のバランスによって一定に保たれている。

毛細血管壁を介した体液の分布は、以下の要因によって決定される(Starlingの法則)。

①毛細血管内の静水圧(hydraudic pressure):
(a)心拍出量の減少で静脈圧が上昇し浮腫を生じる(ex心不全)
(b)静脈炎・静脈の閉塞で、局所的に浮腫を生じる。
②血漿膠質浸透圧(oncotic pressure):
(a)血漿アルブミン濃度の低下から浮腫(exネフローゼ・肝硬変)
③毛細血管壁の透過性:(血漿水の組織間液への移行が起きる)
(a)炎症・血管炎
(b)血管神経性浮腫

浮腫の改善:
「細胞内(血管内)と細胞間質液(血管外体液)のイオン交換を促進し、細胞間質液のイオン濃度を高める酵素を活性化させることで改善出来る。」
                       
◎下腿・足の浮腫:心不全でしばしば認められる。
◎心臓性浮腫:
重力作用のために身体の下方部分に浮腫が多く夕方に著しい。
 ①立位では足・下腿に。
 ②座位では腰・仙骨部・陰部・足首・大腿後面に強い。特に皮下組織の緊張 が弱い部位(ex.陰部・眼下)に起こりやすい。
静脈環流が妨げられる場合(静脈瘤・血栓静脈炎)にも。
圧窩を生じるのが特徴:
「甲状腺機能低下症」や「慢性のリンパ欝滞」の浮腫では、固くて圧窩を生じない。
浮腫の増加は、体重の増加として現れる。

◎局所性浮腫と全身性浮腫:

局所性浮腫:静脈やリンパ環流の一方or両方が局所性閉塞により生じる。
<1>深部静脈血栓症
<2>骨盤内腫瘍による一側性の浮腫
<3>脈管性浮腫(アレルギー性)

全身性浮腫:以下の疾患が原因となる。
<1>鬱血性心不全
<2>心膜疾患:収縮性心膜炎
        貯溜液体を伴う心膜炎
<3>肝疾患
<4>低アルブミン血症:ネフローゼ症候群
          蛋白喪失性胃腸症
<5>その他:粘液水腫
      急性腎炎
       片麻痺
       特発性浮腫


◎浮腫を引き起こす疾患:
肝臓病
静脈瘤
腎臓病
心臓病
フレグモニー(蜂窩炎)

◎重力がむくみを引き起こす
「長い間たち続けていると、足がむくんで来るのは、重力に逆らって足の血液を心臓に戻すのに大きな負担を強いられるから。人類が立ち上がって二足歩行を始めた瞬間から、足のむくみとは無関係ではいられなくなった。
ちなみに、無重力状態では逆に上半身がむくみやすくなる。スペースシャトルで宇宙に行った最高齢の宇宙飛行士ジョン・グレンさんも、うちゅうでの最初の数日は顔がむくんでいたとか。」(NHKためしてガッテン)
■細胞の「水の道」解明
「細胞が水分を取り込んだり放出したりする通り道の構造を京都大学などの研究チームが解明に成功した。幅が1ミリの1/300万と、非常の小さく、水の分子が1個づつ通り抜けられる大きさ。細胞の水分調節機能に障害が起きる腎臓病の治療薬開発や水浄化ヒルターへの応用が見込める。
解明したのは、藤吉好則京大大学院助教授を中心とする米ジョンズ・ホプキンス大学、スイスのバーゼル大学などのグループ。赤血球表面にあるタンパク質(アクアポリン1)を摂氏零下269度という極低温に冷やし電子顕微鏡で立体構造を調べた。
その結果、このタンパク質の分子は細胞膜を何度も貫通する複雑な構造で、中心部が砂時計のように狭くなって水の通り道を形成している。最も狭い部分は幅0.3ナノメートルで、水の分子の0.28ナノメートルよりわずかに大きいだけ。水より大きな分子は通過できない。
又狭い部分は水となじみにくい性質の分子で出来ているため、「水分子が1個づつ梗塞で滑るようにすり抜けているようだ」という。
生物の細胞膜表面には水だけを通す穴が多数あり、この穴を通して水が体に吸収され生存に重要な役割を果たしていると考えられてきたが、実際に構造を明らかにしたのは初めて」2000.11.6《日本経済新聞》

【芳香療法】
◎月経前の体液の滞留に、月経前7~10から以下の精油でマッサージする。
       フェンネル
       ゼラニウム
       ローズマリー
◎ローズマリーゼラニウム:

*長時間立った後の浮腫
*妊娠後期の脚とくるぶしの浮腫
                  
【漢方療法】 
⇒異常な水分貯留が起こった状態。
「腫は鐘の意に通ずる。寒熱の気が鐘聚、つまり一ヶ所に集まったもの。」
「三陰がつまった症を「水」という。」

◎腰から下は利尿させ、腰から上は発汗させるのが基本。
*利尿:[五苓散][沢瀉散][神助散]
*発汗:[麻黄甘草湯][越婢湯][防已茯苓湯]

◎経脈が運行せず、血が化して水となり、四肢が腫れ浮腫する症=「血分」
      処方:[桂苓湯]
【外用】[丹房奇術][塗臍膏][消河餅]

 

◎実腫と虚腫

《和田東郭》は浮腫に実腫と虚腫と虚実間腫のあることを知り、これによって治療の法則をたてて、《導水瑣言》を著した。
実腫と虚腫の判定には、浮腫の状態だけでなく、全身状態を観察し、皮膚の色沢、眼勢、腹部の動悸、舌色、食欲、大小便の状態、脈などを斟酌する必要がある《大塚敬節》

実腫:

*浮腫にしまりがあり、硬く、何となく勢いがある。
*指頭で按すと凹むけれども、手を放すとすぐ元通りになる。
*大便が硬く、便秘している
*脈---沈んで力のあるもの。
    

虚腫:

*何となく勢いがなく、ふわふわと柔らかい
*指頭で按すと凹んだままで、手を放しても、すぐに元通りにならない。
*石のように硬い虚腫がある。ex.縦隔洞腫瘍の浮腫。
*下痢している。
*下痢していなくても、1日に何回も、少しずつ大便がでるのは大虚の兆である。
*大便を失禁し、or水を下し、血を下す者も大虚。
*脈----沈微、沈小
*全身状態が良くないのに、脈が大きくて、ぴんぴんと指を弾くように強く打つものは大虚で、死が数日に迫っている。

虚実間腫:虚腫の症状と実腫の症状が混じっているもの。
   

☆虚腫の治法《導水瑣言》
「その浮腫に勢少なく、みずおりがつかえて硬く、或いは少し息が弾み、或いは腹が脹るものは虚腫であるけれども、まだ極度には至っていない。これには済生の実脾散を用いるがよい。この上にたびたび下痢などがあって、目下・檳榔・草果の類を用い難い場合には、四苓散附子橘皮または真武湯を用いる場合がある。真武湯理中湯も良い。しかし心下の腹候に口伝がある。
その浮腫の状が実脾散と同じで、ただみずおちを按して力が無ければ香砂六君子湯を用いる。もしつかえ苦しくて、息苦しいようであれば[犀角麦芽]、 腹がひどく脹っているならば[厚朴]、下痢するならば[附子]。
その浮腫が軟くて力が無く、按してもその跡が急に元に戻りにくく、或い腹から下に浮腫があって、臂・肩・濡目・背はやせ細り、脈が微細或いは浮虚で、みずおちがひどくつかえて、飲食がまずいならば、それは虚腫であって、実脾散の証よりも更に一層、虚脱になったものである。これには壮原湯を用いる。
その浮腫の状や脈状が大体前のようで、腰脚がだるくて力が少ないが或いは臍下に力のないものは八味丸料を用いるが良い。
浮腫が硬くて、これをさすってみるに、潤が無く、革の袋に水を入れてその口を縛ったものをさすっているような感じで、カサカサとして硬いのは、陽気の脱したしるしである。或いは水気が充分にあるのに、その腫れが、皮膚にまで達せず、皮膚にシワのある者は、多くは不治である。やむを得なければ、防已茯苓湯附子を用いるがよい。或いは附子を去って本方ばかり用いる証もある。また補中益気湯附子、or五苓散として用いることもある。《大塚敬節》
   

■がん手術後の浮腫
「60歳女性。3年前に子宮ガンの手術をして放射線治療も受けました。病気は落ち着いているとのことですが。足のむくみと痛みで困っています。漢方によい薬はありますか?
下腹部のガンや乳ガン手術などで手術後に放射線療法をした場合、血液やリンパ液の流れが滞ることによって起こる『リンパ管浮腫』で悩んでいる人が少なくない。子宮ガンなら下肢のむくみ、乳ガンなら手術側の腕のむくみに悩まされる。西洋医学には決め手がなく、対症療法にならざるをえない。
漢方医学大系には本来こうした状態に対する記載は無いが、むくみや痛みの伴う状態を漢方医学の目で解釈すると、伝統的な概念である「気分」(きぶん =気の流れの分断)や「血分」(けつぶん=血の流れの分断)による浮腫に類似するものと考えられる。そこで気の流れや、血の流れを良くする漢方薬を処方する。
私の経験では、リンパ管浮腫にしばしばリンパ管の炎症による発熱を伴った例で、下肢が「象の足」のように腫れ上がり、痛みを伴っていた。「神効湯」という漢方薬を処方したところ、次第に浮腫が軽減して日常生活に何ら支障をきたさないまで回復したのである。
最も一般的な処方は桂枝茯苓丸である。そのほか、分消湯、十六味流気飲、補中治湿湯などを試みている。(花輪寿彦・北里研究所東洋医学綜合研究所所長)1998.2.2《日本経済新聞》

【処方名-五十音順】
■胃苓湯(消化不良、尿利減少、腹痛、浮腫、口渇)
■茵蔯蒿湯
■茵蔯五苓散
■越脾湯(炎症性)
■越婢湯[5](腰から上の浮腫で咳をし、喘満する者を治す)
■越婢加朮湯
■海金砂散[4](脾湿で肥りすぎ、腫れて喘急する者を治す
■加減胃苓湯(浮腫の通治薬)
■加味腎気丸(腎が弱って水が運行せず、浮腫する)
■加味逍遥散(月経前の)
■九味檳榔湯(下肢の浮腫、脚気・突発性)
■桂枝加黄蓍湯(腰から上)
■桂枝茯苓丸
■桂苓湯(血分の病を治す)
■香砂六君子湯
■厚朴麻黄湯
■五皮飲(突発性・妊娠)
■五皮散(他の病より変じて水腫になり浮虚した者
■五苓散(クインケ)
■牛車腎気丸(下半身の)
■柴陥湯(血管運動神経性浮腫)
■柴苓湯(血管運動神経性)
■三花神祐丸(一切の水湿の腫
■三仁元(水腫で喘息が激しく、大小便が不利な者を治す
■三聖丸
■四君子湯(軽度)
■四苓五皮飲(浮腫を治す)
■梔子柏皮湯(身黄、発熱、腹満なし)
■実脾飲(心臓性)
■実脾散(陰水症で腫になったとき
■集香湯(虚腫)
■椒豉元(浮腫を治す)
■小青竜湯(咳嗽、喘、鼻水、)
■逍遥散(月経前の)
■四苓五皮湯(通治薬)
■四苓散
■沈香琥珀丸(水腫で小便が渋い者
■真武湯(心臓性・低タンパク性、特に下半身)
■真武湯理中湯
■神助散(全身が水腫で喘息し、小便が出ない)
■壮原湯
■疎経活血湯(下肢の浮腫)
■退腫塌気散(飲水の過多による浮腫)
■赤小豆湯[4](瘡疥が水腫に変じた症)
■大橘皮湯[2](心腹が脹って水腫を発し、小便が不利で、大便が滑泄する者)
■大青竜湯(クインケ)
■沢瀉散(水腫で二便が渋い)
■猪苓湯(炎症性、下半身)
■猪苓湯合四物湯
■葶藶丸[2](面に浮腫が出る者
■葶藶木香散(水腫で腹が脹って小便が赤く、大便の出ない症
■桃核承気湯(実証、のぼせ、足冷、下腹部痛)
■当帰芍薬散(脚気・栄養不良性・内分泌失調・妊娠)
■導水茯苓湯
■導滞通経湯(雨湿による浮腫)
■塗臍膏(水腫)
■二朮湯(しびれ、運動障害、五十肩)
■二陳湯
■人参湯
■八味地黄丸
■半夏厚朴湯(顔面浮腫、声帯の浮腫)
■平胃散(顔面・手足)
■復元丹[2]
■茯苓杏仁甘草湯
■茯苓四逆湯
■分気飲(腫脹と喘急)
■分消散
■変製心気飲
■防已黄蓍湯(心臓性・腎性・下半身の・妊娠)
■防已茯苓湯[1](脚気の)
■防已茯苓湯[2](皮水症で、上体が浮腫する者)
■防已茯苓湯附子
■防風通聖散(クインケ)
■補気健中湯[1-3]《厳氏済生方》
■補中益気湯(妊娠)
■補中益気湯附子
■補中治湿湯(通治薬)
■牡蠣沢瀉湯
■麻黄甘草湯(腰の上の浮腫を治す)
■麻黄細辛附子湯(クインケ・腎性)
■麻黄連軺赤小豆湯
■麻杏甘石湯(面目の)
■木防已湯(足・下肢の浮腫、心不全、腎炎、ネフローゼ)
■薏苡仁湯
■六君子湯(低タンパク性浮腫)
■苓甘姜味辛夏仁湯(痰飲浮腫、顔色悪い、くしゃみ、せき、)
■苓姜朮甘湯(妊娠、腰以下浮腫)
■苓桂朮甘湯(上半身の浮腫、めまい、動悸)
■煨腎丸(膝とふくらはぎが浮腫し痛む)
  

【臨床例】
☆全身浮腫を治した例(→小柴胡湯)
☆浮腫(→八味地黄丸)



婦人諸病
◎主薬:婦人の諸病には香附子を主薬とすべし《万病回春》
  【処方名-五十音順】
■帰脾湯《薛立斎十六種》
■解欝正元散《医学入門》
■黒白散《万病回春》
■五苓散《寿世保元》
■柴胡抑肝湯《寿世保元》
■小柴胡湯《傷寒論》
■逍遙散《薛立斎十六種》
■四物湯《薛立斎十六種》
■菖蒲散《寿世保元》
■補中益気湯《薛立斎十六種》
■茯神散《万病回春》
■竜胆瀉肝湯《薛立斎十六種》



二日酔い(宿酔)

【処方名-五十音順】
■茵蔯五苓散(黄疸、発熱、腹壁軟弱、胃内停水、煩渇、脈浮)
■黄連湯
■呉茱萸湯
■五苓散
■三黄瀉心湯
■梔子大黄湯
■梔子豉湯(身熱、胸中煩熱、心中懊、不眠、熱感)
■小半夏加茯苓湯
■参蘇飲(頭痛発熱、無汗、食欲不振、悪心嘔吐、胃部膨満感、脈沈数)
■二陳湯
■半夏瀉心湯(胸元がつかえる、下痢、腹鳴、吐き気)


吻合部潰瘍
⇒胃切除後の吻合部小腸あるいは胃。空腸吻合後の空腸に新しく発生した潰瘍をいう。
◎消化性潰瘍の一種。
◎胃液の中の酸・ペプシンの作用が大きい。


舞踏病 chorea
=「コレア」
「急速で複雑な単収縮性運動が、絶え間なく起こり、その運動は協調がとれているようだが、不随意に起こる。」
・急性舞踏病
・自動的舞踏病
・ベルジェロン舞踏病
・ボタン製造工舞踏病
・慢性遺伝子性舞踏病
・慢性進行性非遺伝性舞踏病
・心臓性舞踏病
・ダンス舞踏病
・変性舞踏病
・横隔膜性舞踏病
・半身舞踏病
・ズビニ舞踏病
・感電様舞踏病
・流行性舞踏病
・急速舞踏病
・細動性舞踏病
・妊娠舞踏病
・片側舞踏病
・ヘノッホ舞踏病
・ハンチントン舞踏病
・ヒヨスチン舞踏病
・ヒステリー性舞踏病
・模倣性舞踏病
・精神病性舞踏病(躁狂性舞踏病)
・若年性舞踏病
・喉頭舞踏病
・麻痺性舞踏病
・局所性舞踏病
・大舞踏病
・槌打様舞踏病
・夜間舞踏病
・旋律性舞踏病
・小舞踏病
・モルバン舞踏病
・リウマチ性舞踏病
・律動性舞踏病
・シュレッテル舞踏病

【処方名-五十音順】
■甘麦大棗湯
■人参湯
   

 

治験
    ☆《鎌田碩庵》
“一婦人24、5歳。かって瘧(マラリヤ)を患ひ、癒えて後、一種の奇疾にかかる。余に請ふて、これを診せしむ。時に7月中旬、暮夜なり、先づその証を問ふに曰く、妾が病態、言を以て述べ難し。請ふ君一雲時をまて、今病、将に発せんとす。幸に視て以て之を救へと、予その言を怪しみ、脈を診し腹を候ふに、大異あるなし。飲(食欲)、便(大小便)もまた自ら常の如し。但その月水(月経)或いは時に期に愆(あやま)ると云ふ。是に於いて診し畢(おわ)りて待つこと少頃、病婦自ら告げて曰く、病、今まさにはするなりと、頓に枕席につく。則ちその候内一種の声響あり、喘に非ず、に非ず、噫に非ず、殆ど名状すべからず。甚だ苦悶煩擾の態なり。之に継ぐに左手の大拇指、自然に廻転旋戻し、恰も木偶戯の機関の如く然り、漸次遍く5指に及び互いに相廻転す。その敏捷軽利なること人の擬ね及ぶ可き者に非ず。5指の廻転已に終われば則ち腕の廻転もまた猶指の如し。腕転じ終われば則ち大いに臂、肩を張り、廻転努力し、将に人をうたんとする者の状の如し。
       ”
      (大塚敬節著症候別p645~


舞踏病様運動 choreic movement
⇒不随運動の1つ。主として、四肢遠位部である顔面・体幹を踊るような過剰な運動と瞬間的な脱力を含む。
◎分類:
Huntington舞踏病:常染色体優性遺伝
chorea acanthocytosis:常染色体性劣性遺伝
小舞踏病(chorea minor):
   小児のリウマチ熱でみられる。
妊娠性舞踏病(chorea gravidatum):
   妊娠初期にみられる。



船酔い
  【処方名-五十音順】
■五苓散
■小柴胡湯
■小半夏加茯苓湯
■沢瀉湯
■不換金正気散
■半夏瀉心湯
■理中湯
■苓桂朮甘湯

 

部分発作
⇒全般発作と対照される発作の総称。
◎テンカン原損傷を示唆する神経学的異常であることが多い。
◎一側半球の限局した部位に異常興奮を示す。


分娩(前後)の出血
  【処方名-五十音順】
■芎帰膠艾湯(分娩後に、少量で持続することが多い)
■三物黄芩湯(分娩時(産褥時)の出血


噴門ジスキネジー
⇒(噴門の括約筋の機能不全)
  【処方名-五十音順】
■茯苓飲合半夏厚朴湯(悪心嘔吐、気鬱不安、胃内停水)