<む>つらい症状



#ムコ多糖症
=代謝異常による難病。(→脂質蓄積症)
⇒骨や皮膚に多く含まれる「ムコ多糖」という成分を分解する酵素が遺伝子の突然変異で欠如、機能低下して発症する。骨格の変化で首が短くなる、関節が固くなる、角膜の混濁、難聴といった症状が出る。折居忠夫・中部学院大教授らの研究で、原因を解明した。
約1000人の患者がいるとみられるが、病気の判別方法があまり知られておらず、適切な治療を受ける機会が少ないという問題があった。



#むかつき
■思い当たる原因がなければ---
「2ヶ月前に50歳のサラリーマンMさんが“最近空腹時にむかつくようになった”と言って外来を訪れた。他に目立った症状はなかったが、胃を内視鏡で検査したところ、早期の胃ガンが見つかった。胃の切除手術を行い、現在では勤務に復帰している。
むかつきは決して珍しいことではない。誰もが一度は経験する不快な感覚である。アルコールを飲み過ぎた翌朝にみられることもあれば、妊娠に伴うつわりや乗り物酔いでも起きる。食道や胃・十二指腸などに何からの病変がある場合や食中毒、急性肝炎や膵炎でも見られる。まれに、虫垂炎の初期やメニエール病のような耳鼻科領域の疾患や脳の病気でも起こりうる。
もともとむかつきは、脳にある吐中枢という部位が腹部の臓器や内耳からの刺激を受けて発生する。また脳腫瘍などでも吐中枢に直接刺激が加わる場合もある。吐の際、顔色が悪く、冷や汗や低血圧などの症状を伴うのは、嘔吐中枢と近い距離にある自律神経中枢が同時に刺激されるからである。
嘔吐という現象は、胃の出口が閉まり、胃の入り口が緩み、腹筋が急に膨張したときに起こり、胃の内容物が食道へ逆流し、吐き出されることになる。
そこで、むかつきには何か思い当たる誘因があるのか、食事との関係、他の症状があるのかなどが診断のポイントとなる。[胃や十二指腸の炎症]、[潰瘍] や[早期がん]では、その初期症状としてむかつきがしばしば現れるので重要な徴候の1つである。[虫垂炎の場合]、まずむかつきが生じ、次いで右下腹部痛 が現れる。[メニエール病では]むかつきの他にめまい、[脳の病気では]頭痛など特徴的な症状が現れる。
明らかな誘因がなく、むかつきを自覚したときには消化器外科に相談するのがよい。(木下博明・大阪市立大学医学部教授)1997.9.22《日本経済新聞》



むくみ
=「むくむ」こと。(参照→「浮腫」)
⇒血管外の細胞外液(細胞間液)が組織間隙に異常に貯留した状態。
<1>心臓性浮腫、
<2>腎性浮腫、
<3>肝性浮腫、
<4>栄養性浮腫、
<5>内分泌性浮腫、
<6>アレルギー性浮腫、
<7>リンパ性浮腫、
<8>突発性浮腫がある。
(金芳堂ー内科診断学)
 
◎「クインケ(血管神経性)浮腫」
=血管運動神経の局部的興奮により毛細管の透過性亢進し組織間に漏れる。(南山堂ー医学大辞典)
【民間療法】
<1>アサガオ。
<2>アズキ。
<3>イボタノキ。
<4>キササゲ。
<5>コイ。
<6>タニシ。
<7>トウゴマ。
<8>トウモロコシ。
<9>ナデシコ。
<10>ニワトリ。
<11>ノイバラ。
<12>バショウ。
<13>ヒガンバナ。
<14>ヤマゴボウ。
<15>アオギリ・アオツヅラフジ・アカネ・アケビ・アマガエル・イタドリ・イチヤクソウ・イノコズチ・ウキグサ・ウコギ・ウシバサイシン・ウツボグサ・ウナギ・オオツヅラフジ・オオバコ・オケラ・オトギリソウ・オミナエシ・カラスウリ・キカラスウリ・キュウリ・キリ・クマツヅラ・クロマメ・ゴボウ・スイカ・スイセン・スギ・スギナ・ゼンマイ・ダイコン・ダイコンソウ・タバコ・タラノキ・タンポポ・チャ・ツユクサ・トウガラシ・トウキ・トロロアオイ・ナギナタコウジュ・ナスビ・ナズナ・ナメクジ・ネギ・ネムノキ・ハス・ハトムギ・ハンゲショウ・ヒオウギ・ヒヨドリジョウゴ・ビワ・ヘチマ・ボケ・ボタン・ミカン・ムクゲ・ムベ・メドハギ・メハジキ・モッコク・ヤツデ。
<16>アズキコイフナハブソウゲンノショウコ。

【宝石療法】
<1>[ダイヤモンド]



むずむず脚症候群
■眠れない
“足を切ってくれ!”大阪府に住むR(71)さんが夜中m突然起きて叫びだしたのには、奥さんはビックリした。11年前のことだ。
不快な感覚が足を襲うのだろう、起き上がったRさんはウロウロし始める。足を動かしていないと落ち着かない様子である。2階で寝ていたのだが、睡眠薬を服用しているせいか足元がおぼつかない。“階段から落ちたら・・”と妻はRさんの後について歩き回った。
“こんちくしょう!”など普段は使わない言葉を口にしたり、“何とかしてくれ”と壁に頭をぶつけたり。“人が変わったよう”と妻の不安はつのった。原因が分からないことも不安を大きくした理由の1つだ。毎晩のように繰り返され“どうなるんだろう”と思ったという。
Rさんはいくつもの医療機関を訪ねた。しかぢ原因は分からない。ある整形外科では「腰椎がおかしいせいだ」と、レーザーによる椎間板ヘルニア治療の手術も受けた。
最後に訪ねた大阪医科大学の精神神経科の黒田健治医師(当時:現在は阪南病院院長)に症状を話したところ、“ああ、それはむずむず足症候群ですね”と断定された。そんな病気があったの、というのが正直な気持ちだった。
ムズムズ脚症候群は脳の鉄欠乏状態が進み、神経伝達物質のドーパミン分泌が異常になって起きると考えられている。
ひざやふくらはぎなどにムズムズ感、痛みを覚え、ジッとしていられない深いな感覚に襲われる。異口同音に睡眠不足を訴える。寝床に入ったときによく起こり、8~9割の人に足がピクつく周期性四肢運動がみられる。ひどいときには寝ているときにパートナーを足げにすることもあるという。
欧米ではレストレス・レッグス(落ち着かない脚)症候群(RLS)と呼ばれる。日本では人工の2~5%の人がこの病気に悩んでいるとされる。高齢者に多く見られる。
足裏のマッサージ
寝る前の軽い運動
ぬるま湯浴
鉄分の多い食事
などの症状緩和策のほかに、抗てんかん薬やパーキンソン病薬などが有効。
2009/6/25




無顆粒球症agranulocytosis
=主に薬剤によって起こる強い顆粒球減少症。
⇒血液中の顆粒球(好中球)が著減(500以下)もしくは消失し、高熱と口腔・咽頭の壊死性潰瘍を主要症状とする疾患。

◎症状:
・発熱:高熱
・頚部リンパ節腫張
・扁桃炎
・壊死性咽頭炎

◎原因:
薬物の副作用:
・抗甲状腺剤(メルカゾール)
・鎮痛解熱剤(アミノピリン)
・抗生物質(クロロマイセチン)
・サルファ剤
・抗結核剤
・抗テンカン剤(フェニトイン)
・制ガン剤
・放射線


無汗
◎意味:汗が無いこと。汗があるべきはずなのに汗の無いこと。
◎無汗になる場合
<1>真夏の暑いときや、入浴中あるいは飲食をしても汗が出ないのは、多くの場合、暑湿により皮膚表面が緊張しているためなのです。
<2>カゼなどの外感病で発熱無汗のときは、風寒により皮膚表面が緊張しているためなのです。
<3>衰弱しているときにも、無汗になります。

【処方名-五十音順】
■加減葳蕤湯

■葛根湯(悪寒、項背項強)

■葛根湯加川芎辛夷(鼻づまり、首の後がこわばる、濃い鼻汁、頭重)

■杏蘇散

■荊防敗毒散

■香薷飲

■葱豉湯

■升麻葛根湯

■参蘇飲(頭痛発熱、無汗、食欲不振、悪心嘔吐、胃部膨満感、脈沈数)

■大青竜湯

■猪苓湯

■猪苓湯合四物湯

■防風通聖散

■麻黄湯(体痛、悪寒)


無気肺 atelectasis
(atel-=不十分)(ectasisi=拡張)
=肺の膨らみが不十分か、気道の閉塞、肺の圧縮、肺のサーファクタントの不足で起きる。


無気力
acratia
処方名-五十音順】
■温経湯

■加味逍遥散

■帰脾湯

■桂枝加竜骨牡蠣湯

■呉茱萸湯

■四君子湯

■四物湯

■清暑益気湯

■当帰芍薬散(貧血、冷え性、疲れやすい、月経不順、神経症状)

■補中益気湯

■麻黄細辛附子湯(悪寒が強く、のどが痛い、脈沈)

■苓甘姜味辛夏仁湯(痰飲浮腫、顔色悪い、くしゃみ、せき、)


無菌性髄膜炎
■カゼに似た症状
「激しい頭痛や吐き気などの症状が出る『無菌性髄膜炎』の流行が続いている。軽い夏風邪かと思っていると、重い症状になることもある。従来とは違ったタイプのウイルスが原因で、子供だけでなく免疫を持っていない大人も罹る恐れがある。専門家は「手洗いを励行すべき」と呼びかけている。
無菌性髄膜炎は腸管の中で増えて糞便に排出されるウイルスが原因だ。例年、夏から秋にかけて10歳未満の子供を中心に流行するが、今年流行しているタイプは国内で今までほとんど流行しなかったウイルス。
ウイルスが脳や脊髄などの中枢神経を覆っている髄膜に達して炎症を起こし、40摂氏近い熱が出たり、吐き気や頭痛などの症状が現れる。
厚生労働省がまとめた患者数では、今年は8/4までに1984人で、過去3年間の平均の2倍以上のペースで増えている。
有効な治療法は無く、脱水症状を防ぐために水分を十分に摂ることが必要。2002.8.19《日本経済新聞》


無月経Amenorrhea
⇒3ヶ月以上月経がない場合。(参照→生理がない)
■原因疾患を調べる
「19歳の娘は、まだ整理がありません。高校2年生の時の血液検査で、女性ホルモンが少ないという診察を受け、それから1年間はホルモン注射や服薬を続け、少しですが整理が起こりました。その後、通院を止めて様子を見たところ、再び、止まってしまいました。」
14歳までに初潮がないと遅発月経といい、18歳になっても無ければ、原発性無月経となります。
原発性無月経には多くの原因があり、その1つに子宮や膣の異常があります。しかし、この方の場合は、ホルモン療法で月経が起きているので、そうではないと思います。
ほかには、完納の一部である視床下部から、それに連なる脳下垂体、卵巣までの部分での異常があります。プロラクチン産生腫瘍や下垂体機能不全、甲状腺機能低下症、副腎皮質機能異常など、その内容は様々です。ターナー症候群などの染色体異常もあります」。

【ハーブ】
「40歳以下で1度も妊娠せず、6ヶ月以上にわたって月経がない女性が、体内の女性ホルモンのエストロゲンレベルが変調しているのではないかと、相談を受けたハーバリストは、ダイズ(soybeans)やワイルドヤム(wild yams) などの多くの植物に見いだされる植物エストロゲン(phytoestrogens)であるエストロゲン類似物資の助けを借りて、彼女のエストロゲンレベルを正常に出来るかもしれないと彼女に告げました。また、月経を回復するために有効な『チェイストベリー(chasteberry)』についてもアドバイスしました。彼女がチェイストベリーと植物エストロゲンを試みた結果は上々でした。」

◎月経を何らかの理由でもたらすハーブ=月経促進薬(emmenagogues)
「チェイストベリー」(Chasteberry,Vitex agnuscatus)

「無月経の女性20人にチェイスベリー抽出物を1日40粒。6ヶ月後の結果は、完了した15人中10人に月経周期が回復。」
「無月経はプロラクチン(下垂体で産生される黄体刺激ホルモン)の血中レベルが上昇するので、通常はプロラクチンを減じる薬剤を投与します。チェイストベリーはこれらの薬剤と同じように作用します。

★ドイツでは以下の無月経調剤(Femisana)を1日に20mg使用します。
グレーターセランダイン(greater celandine)
ブラックコーシュ(Black cohosh,Cimicfuga racemosa)
パスクフラワー(pasque-flower,Pulsatilla vulgaris)
チェイスベリー
「ブラックコーシュ」(Black cohosh,Cimicfuga racemosa)及び「ブルーコーシュ」
アメリアキンディアンが婦人科の愁訴に対して良く用いた。
ブラックコーシュには、エストロゲン類似活性があります。
ブルーコーシュは子宮収縮を刺激します。
「ワイルドキャロット」(Carrot,Daucus careta)
「ペンシルベニア州に住む多くのオランダ人は月経促進薬として、また性交後の避妊に明かな効力がある野生のニンジン(Queen Anne's  lace=wild carrot)の種子を用いました。
「セロリ」(Clery,Apium groveolens)
「セロリ種子には月経を誘発する化合物ブチリデンフタリド(butylidenephthalide)を含んでいます。
「ディル」(Dill,Anethum grabeolens)
「ディルに含まれているアピオール(apiole)は、強力な月経促進薬です。種子をするつぶして小さじ2杯をティーで飲む。
「ウスベニタチアオイ」(Marsh mallow,Althaea officinalis)
「このハーブは植物エストロゲン(phytoestrogen)であり、月経促進薬で もあるベタイン(betaine)を4%まで含有しています。
★ベタインを含むもの
「マーシュマロー」(Marshmallow)
「ビート」(beets)
「ニンジン」(carrots)
「フダンソウ」(chard)
「チコリ」(chicory)
「エンバク」(oats)
「オレンジ」(oranges)
「セイヨウノコギリソウ」(yarrow)         
「ターメリック」(Turmeric,Curcume longa)
「インドの伝統医師たちは無月経を治療するのにターメリックを推奨します。」

◎ブレンド:

組み合わせハーブ(Assorted herbs) 
以下のハーブのいずれかを少しずつ混ぜ合わせ、熱湯中に入れて、15分間浸漬してください。
「セイヨウキンミズヒキ」(agrimony)=[アグリモニー]
「アンゼリカ」(angelica)
「カッコウソウ」(betony)
「カラミント」(calaminth,calamintha nepeta)
「ヒメウイキョウ」(caraway)
「イヌハッカ」(catnip)=[キャットニップ]
「コリアンダー」(coriander)
「シラントロ」(cilantro)=コリアンダーの葉
「クミン」(cumin)
「カラトウキ」(Chinese angelica)
「フェンネル」(fennel)
「ナツシロギク」(feverfew)=[フィーバーフュー]
「ショウガ」(ginger)
「ニガハッカ」(horehound)
「ヒソップ」(hyssopp)
「ジュニパー」(juniper)
「ラベンダー」(lavender)
「レモンバーム」(lemon balm)=[メリッサmelissa]
「ラヴィッジ」(lovage)
「キンセンカ」(marigold)=[マリーゴールド]
「マジョラム」(marjoram)
「ヨウシュメハジキ」(metherwort)= [マザーワート]
「ハマスゲ」(nutsedge)
「オレガノ」(oregano)
「パセリ」(parsley)
「ペニロイヤルハッカ」(pennyroyal)
「ローゼル」(reoselle)
「ローズマリー」(rosemary)
「ヘンルータ」(rue)
「サフラン」(saffron)
「ヨモギギク」(tansy)
「タラゴン」(tarragon)
「タイム」(thyme)
「シャク」(wild chervil)
「ヒメコウジ」(wintergreen)
「アリタソウ」(wormseed)
「ノコギリソウ」(yarrow)
「イランイランノキ」(ylang-ylang)
    

◎タンパク質を分解する酵素を持つ果実及び根は、民族伝承の月経促進薬です。
「イチジク」(figs)
「ショウガ」(ginger)
「パパイヤ」(papaya)
「パイナップル」(pineapple)
  

【芳香療法】
カミルレ
クラリセージ
ジュニパー
バジル
バラ
ヒソップ
マージョラム
没薬
ラベンダー
ローズマリー
  


【処方名-五十音順】(無月経)
■温経湯

■衛生湯(補脾・養血して月経不通を治す)

■加味帰脾湯(肝脾が欝して月経不通)

■加味逍遥散(肝脾の欝怒で血が傷つき月経不通)

■帰脾湯(脾骨に欝火があって血が損耗して不通)  

■艾附暖宮丸

■芎帰調血飲第一加減

■玉燭散(月経が凝滞して不通になり、になったとき)

■血極膏(気血が盛実して経が塞がって月経不通)

■宮外孕方

■桂枝茯苓丸

■黒逍遥散

■五積散

■血府逐瘀湯

■柴胡桂枝湯

■柴胡桂枝湯+当帰芍薬散

■三和湯(熱結による血閉)

■四逆散

■四物湯

■四物湯+桂附湯

■十全大補湯(産後出血で月経が来ない)

■逍遥散

■石英散(石を治す)

■瑞金散(月経が運行せず血気が痛む)

■増味四物湯

■大黄䗪虫丸

■大柴胡湯

■沢蘭湯(心労で月経がない)

■通経湯

■桃核承気湯

■桃紅四物湯

■桃奴散(血蠱と痰血が停積して経水が通じない)

■桃仁煎(婦人の血蠱・血・血積・月経不順を治す)

■柏子仁丸(心労で月経がない)

■八味地黄丸

■半夏瀉心湯

■万病丸(処女が月経がなく、臍下が固く詰まって大きな盃or升ぐらいになり、寒熱で痩せ、肉になろうとする時)

■六味丸
  
     
     



無声
【処方名-五十音順】
■葛根湯

■甘草湯(炎症<軽>、ケイレン性)

■炙甘草湯

■半夏苦酒湯

■麻黄細辛附子湯(悪寒が強く、のどが痛い、脈沈)


無尿anuria
体内から尿の排泄のないこと。
⇒尿量が50~100‹/日以下の場合。(参照→「乏尿」「尿閉」)
◎原因:
<1>臨床的には腎後性(尿路の閉塞)が多い。 
<2>重篤な腎実質性障害の場合でも無尿になることがある。

【西洋医学】
◎分類:
<1>腎前性無尿(prerenal anuria):
「糸球体において適切に濾過する圧力を維持できないレベルに圧力が下がり、尿の腎臓分泌が中止すること。」
「種々の原因で十分な腎血流が得られず無尿になるもので、治療は腎血流を増加させることである。」
「脱水・出血・ショックなどで細胞外液量低下によるものには、バイタルサイン・電解質・体重・中心静脈圧(5~10cm)などをモニターしつつ、適正輸液をすれば利尿がつく。」
「うっ血性心不全・心筋梗塞など心機能不全によるものでは、心電図・電解質をモニターしながらInovanなど強心剤の投与で利尿がつく」

<2>腎後性無尿(postrenal anuria):
「結石・尿路系腫瘍などの原因で起こり、尿路閉塞の速やかな解除が治療の基本。本症が疑われたら逆行性尿管カテーテル挿入を行い、無尿の時間を出来るだけ短縮して腎機能障害の進展を防止する。」

<3>腎性無尿(renal anuria):
「尿管の開存および糸球体における適当な濾過圧があるのに、尿の排泄が出来ない」

◎治療:
(ア)利尿剤:
1.Lasix  1回 40~80mg 静注。
利尿がなければ100mgを静注、2時間以内に30‹/hrの尿量が得られない時は必要に応じて1回500mg、1日1000mgまで増量。
2.Lunetoron 1回 0.5~1mg静注
3.Mannitol 100‹ 5~10分で静注。
4.Fluitran 1日2~8mg  分1~2
5Aldactone-A 1日50~100mg 分割投与
6.Daimox 1日250~500mg  
(イ)輸液
(ウ)電解質バランス:高カリウム血症の治療
1.glucose+Insulin:glucose4~5gに対しInsulin1単位を入れてK濃度を                見ながら持続点滴。
2.CaCl2 1回20~50‹
(エ)代謝性アシドーシスの補正



無排卵
【処方名-五十音順】
■六味丸


無力感 asthenia
=無力状態
【処方名-五十音順】
■人参湯



虫歯 dental caries
◎砂糖が原因となる。
<1>砂糖の主成分のスクロースは、ブドウ糖と果糖から出来ている。その結びつきを酵素を使って変えてしまい、虫歯の菌に分解出来ないようにしはのが『パラチノース』『トレハロース』
<2>マルチトール(糖アルコール)も虫歯菌に分解されない。

 

◎予防=ポリフェノール:
<1>虫歯の菌が歯に付着するために粘り気のある物質を作るのを妨げる作用がある。
<2>緑茶には含まれていない。
<3>紅茶よりもウーロン茶に多く含まれている。

◎唾液の中にある「カルシウム」が隠れ虫歯を修復する。どんどんなめると良い。歯を溶かす酸と唾液に力関係。pH5.5をマークに。唾液は酸に直接働きかける。

■歯「抜く・削る」から「接着」へ
「接着剤を大幅に取り入れた歯科治療が注目されている。グラグラの歯を針金を使わずに固定する。欠けた義歯を削らずに固定入れ歯を作る。之までは抜くしか無かった歯茎の中の根元で割れた歯も接着剤を使ってくっつけることが出来るようになった。
①東京都世田谷区で開業する真坂信夫歯科医師(東京歯科大講師)が、89年割れた歯を一度抜いて接着してから植え直す「再植法」を考案。
②第一生命保険健康管理診察室の安田登・歯科医長
        1998.1.25《朝日新聞》
■虐待受けた子供に多い
「虐待を受けた子供は、普通の子供に比べて、虫歯が多く、治療していない傾向が強い・・・東京都福祉局は4/30、被虐胎児の口腔内状況についての調査結果を発表した。米国などでは、虫歯など口腔内の状態と「養育の放棄・怠慢」といた児童虐待十関連が深いとされているが、日本での調査は初めて。
調査は東京都歯科医師会の協力で、2002年夏~2003年にかけて都内の児童相談所と乳児院に保護されている被虐胎児計170人を対象に実施。
▽6歳未満の児童の乳歯について
虫歯がある割合→47.6%(一般の2倍以上)
 治療の未処理本数→2.7本(一般の6倍以上)
▽6~12歳までの児童の永久歯にある虫歯→54.5%(一般の20%以上)
同局は「虫歯が多いことが直接虐待につながるとは言えないが、1つの判断材料になる」としており、今後は「児童虐待防止区市町村ネットワーク事業」平胃散の歯科医師の参加を促すことなどで、虐待の早期発見につなげたいとしている」2003.5.1《日本経済新聞》

■重症にも神経を抜かず
「産業総合研究所と北海道医療大学のチームは、神経が露出するほどに重症化した虫歯にも神経を抜かずに治療する技術を開発した。イヌの実験で効果を確認した。
歯の表面のエナメル質より内側にある「象牙質」の中にある微量タンパク質『フォスフォフォリン』を取り出して虫歯部分に加えると神経を覆うように歯が再生する。フォスフォフォリンは歯を刺激し、象牙質を再生させる機能を持つ。
神経を露出させたイヌの歯にフォスフォフォリンと皮膚などに含まれるコラーゲン(タンパク質)を混ぜて投与したところ、象牙質が再生、約2ヶ月で神経を完全に覆うことができた。
従来の手法では象牙質を削り、歯髄も取り除くのが一般的だった。歯髄には血管も通っていて、取り去ると歯に栄養が十分に行き渡らない。そのため、抜歯につながりやすかった。」20071/27

◎虫歯はなるべく抜かないように。
「歯内療法でお願いします」と歯医者に言えば良い。

【処方名-五十音順】
■黄連湯

■葛根黄芩黄連湯

■甘草附子湯

■三黄瀉心湯

■大柴胡湯

■大承気湯

■調胃承気湯

■桃核承気湯

■白虎湯

■苓桂味甘湯
   

◎植物成分に注目、免疫作用も
「キシリトール入りのガムなら、虫歯にならないんでしょうか?」「お茶には殺菌効果があると聞いたのですが」大阪大学歯学部付属病院では「母親教室」を開き、子供の歯の磨き方などの指導をしている。最近、親からの質問で多いのが、甘味料やお茶で虫歯が防げるかどうかだ。
甘い物を食べると、なぜ虫歯になりやすいのだろうか。虫歯を起こすミュータンス菌(虫歯菌)は、砂糖を元にネバネバした物質(グルカン)をつくり、グルカンとともに歯の表面にへばりつく。そこで参を出し、歯の表面のエナメル質を溶かして虫歯にしてしまう。
 日本歯科大歯学部の丹羽源男教授(衛生学)の試験では、砂糖を口を含むと歯菌は活発に働いて酸を出すことで活発に働いて酸を出すことで酸性度が上がり、虫歯になる危険性が高まる。一方、キシリトールを口に含んでも酸性度はほとんど変わらなかった。
ただし、キシリトールでは他の食品に含まれる砂糖による虫歯までは防ぐことは出来ない。「歯磨きや規則正しい食生活をした上でないと効果はない」と丹羽教授はクギをさす。「歯垢を防ぐ」「歯を強くする」といった効果も話題になるが、歯科医の間には「他の採用甘味料とそれほど変わらない」という見方もある。
より積極的に虫歯菌の働きを抑える食品の研究も進行中だ。大阪大学歯学部の浜田茂幸教授(細菌学)は菌にネバネバしたグルカンを作らせない効果を持つ食品を探している。サントリーとの共同研究では、ウーロン茶に含まれているポリフェノールという物質に、その働きがあることが分かった。中略。体内に侵入した異物を攻撃する免疫の力で虫歯を予防しようとするアイデアもある。1998.2.15.《朝日新聞》

■痛みがない
「東京都千代田区にある紀尾井町プラザ歯科。深井真樹歯科医師が患者の口の中をのぞき込んでいる。虫歯の治療中だが、歯科用ドリル特有の「キーン」という音は聞こえてこない。患者が苦痛に顔をゆがめるおきまりの光景も見られない。
深井医師がドリルの代わりに手にしているのは、「カリソルプ」という薬剤を先端に浸した綿棒。虫歯にこの薬剤を塗り、3分ほどすると菌に侵された部分が溶けていく。溶けた部分を耳掻き棒のようなもので掻き出し、後は白い合成樹脂を穴に流し込むだけ。ものの10分で治療が完了する。
治療時に痛みを感じないため麻酔注射を打たずに済む。削った穴に合わせて型を取る必要も無いため再診も不要。神経までに達した虫歯には使えないなど限界もあり、保険が利かないため治療費も1本1万円程度かかる。だが、ドリルが不要なため、将来は高齢者などの自宅に出向いて虫歯を治療することも可能になる。
カリソルプはスウェーデンのルンド大学で開発された虫歯治療薬。主成分は次亜塩素ナトリウムと、3種類のアモノ酸で、歯のエナメル質や象牙質を傷めず、軟らかい虫歯の部分だけを溶かす。欧州では治療例が増え、日本でも数カ所の歯科医院が個人で輸入して使っている。」2001.6.2《日本経済新聞》

■樹脂を詰める
「金属材料の代わりに樹脂材料を虫歯の穴に詰めて固める歯科治療への関心が増している。
仕上がりが自分の歯の色に近い
歯の削りを極力抑えられる。
痛みが少ない。
患者の苦痛を軽減する虫歯治療の1つとされるのが、レジンという樹脂材料を用いる治療法だ。東京医科歯科大学の田上順次教授は「レジンを用いた治療法は、出来るだけ歯を削らない。治療回数も少なく、現時点では理想的な治療法に近い」と語る。
レジンは元々接着剤として使われてきた樹脂で、1980年代初めに歯科治療用が開発された。当初は耐久性が足りず奥歯の値要などには向かなかったが、90年代半ばに耐久性の高いタイプが登場。現在はセラミック粒入りのレジンを使うことが多い。
虫歯の患部を治療し、開いた穴にメースと状のレジンを詰め、形を整えた後に光を当てて固める。
金・銀・パラジウムなどの合金を使った治療法では詰め物が取れないように、するため、虫歯に侵されていない健康な部分の歯まで削る必要がある。そのためドリルの神堂が歯の心経部分まで届き痛みのもとになる。
レジンを使う治療法は、健康保険の適用対象なので、基本的には希望すれば治療を受けられる。ただ、材料費が金属系に比べ高い割りに保険の点数が低いという構造的な問題から、「レジンを使う治療をやればやるほど、現時点では歯科医院が赤字になりかねない。どこの医院でもやってくれるわけではない」と田上教授。
レジンの治療法を出来る歯科医は大学病院などにいることが多い。近隣の歯科医院でも治療を受けたいときは事前に問い合わせることが必要だ」2002.7.0《日本経済新聞》

■虫歯菌3時間で検出
「昭和大学の荒川秀俊助教授、五十嵐武・助教授らは虫歯菌を短時間で検出する方法を開発した。
綿棒などで患者の歯垢を採取し、虫歯の原因になるミュータンス菌とソブリヌス菌のDNAを検出し、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法でDNAを増やす。」2002.10.22《日経産業新聞》



虫さされ
◎『チャドクガ』の毒針毛。
チャドクガは、茶・サザンカ・ツバキの葉を食用にする毒を持った蛾。1間に2回。成虫はカイコに似ている。
幼虫の時だけでなく成虫もおしりの回りに毒針毛(0.1mm~0.2mm)をつけている。毒針毛は風に乗って飛び散るので、サザンカの近くを歩いていただけでかゆくなることがある。
日本の蛾の幼虫で毒があるのは[ドクガ][チャドクガ]の2種類。
   

(か)
①移動距離は、約40m。その範囲内の水たまりで繁殖。繁殖は2日でOK。
②黒色を好む。
③蚊が嫌いな匂い:ニンニク、ユーカリ、ペパーミント、レモングラスなど。

ツツガ虫病ー手遅れは命取り。
「ツツガ虫はなかなか厄介な病気である。かっては手紙の冒頭に「つつがなくお暮らしのことと」という具合に日々心配された病気だったが、現在はあまり話題にならない。しかし、スポーツドクターの菅栄一医師によれば、“今でもツツガ虫病はあり、手当が遅れると命取りになる。2~3年に1~2人の死亡例はあり、楽観できない”と話す。
この虫はケダニの幼虫でリケッチアを保有(すべてとは限らない)、北海道と沖縄を除く全国にいる。どちらか言うと、高い山より、比較的低い草原などにいて四季を通じて発症している。
刺されると10日ほどの潜伏期間があり、やがて40度近い熱が出て、頭痛・筋肉痛などの症状になる。そして全身に淡紅色の斑点が多数出来る。治療が早ければ治るが、遅れると手遅れになる可能性がある。
“最近ではオートキャンプをしている人が危ない。野原に寝ているうちに刺されるようです。キャンプを楽しむ時は素肌を留出しないで自宅に帰ってから1~2週間は体調を観察してほしい”1996.5.23《日本経済新聞》」
  

【処方名-五十音順】(虫刺され)
■甘草湯
■白虎加桂枝湯

【民間療法】
<1>アサガオ。
<2>イチヤクソウ。
<3>キランソウ。
<4>タバコ。
<5>ノビル。
<6>フキ。
<7>ユキノシタ。
<8>アイ・イチョウ・ウマノスズクサ・エビスグサ・ガガイモ・カタツムリ・カボチャ・キク・キョウリ・クサノオウ・クララ・クロマメ・ゴボウ・スギ・スベリヒユ・ツワブキ・トチノキ・ナンテン・ハチ・ビワ・ヘクソカズラ・ホウセンカ・ミツバチ・ムカデ・メナモミ・ヨメナ・ヨモギ・ワラビ。


夢交
【処方名-五十音順】
■桂枝加竜骨牡蠣湯



夢精
=夢泄
⇒邪気が陰に侵入すれば神は家を守れなくなり、心に感動を覚えると夢泄する。

3つの種類がある。
<1>年少で気盛んな者が一人でいて情欲を強制的に抑えることから、知らないうちに漏れることで、薬はいらない。
<2>心臓の気が虚になり、心の熱邪を受けて陽気を収拾することができなくなって漏らすことで、これはビン一杯の水がビンが傾いてこぼれるのと同じで、軽い薬で良い。
<3>臓腑が虚弱で、心が思念を主導することが出来ず、又腎が精を管摂することが出来ないで漏らすことで、これはビンが壊れて水がこぼれるのと同じ。

【処方名-五十音順】
■帰元散(夢泄がひどく、気力がなくなった者)
■九竜丹(滑精)
■玉髄丹(精気虚骨・遺泄不禁)
■桂枝加竜骨牡蛎湯(失神の夢泄)
■芡実丸(交合前に射精する)
■固真丹(遺精・夢泄)
■固精丸(腎虚の夢泄)
■牛車腎気丸
■鎖陽丹(脱精・滑精)
■滋陰降火湯
■四物湯
■小建中湯
■清心丸[1](経絡が熱して夢泄し、心が虚して恍惚する)
■清心蓮子飲
■樗根皮丸(房事過多で夢遺する)
■猪苓丸(発情しても意のままにならない、外部からの淫らな刺激で夢泄するとき)
■珍珠粉丸(夢泄・滑精に)
■定志珍珠粉丸(心虚の夢泄)
■巴戟丸(顔色青白く脈空虚な脱神の夢泄)
■八味地黄丸
■秘元丹(遺精不禁・危急時に)
■補真玉露丸(陽虚の精脱)
■保精湯(陰虚火動・夜夢遺精)
■約精丸(小便に精が混じって排泄)
■鹿角散(久虚夢泄)
■六味丸

【鍼灸穴】:[心兪][白環兪][膏肓兪][腎兪][中極][関元]


夢遊病
=「睡眠時遊行症」
◎子供にしか起きない。
「脳が未発達なため、ノンレム睡眠中のデルタ波で起きる。そのとき、大脳皮質は休んでいるが、脳幹部の運動野や視覚野だけが働いて大脳は寝ているのに、動き回ることになる。参照→「レム睡眠行動障害」

【処方名-五十音順】
■甘麦大棗湯


胸が痛い
■カフェインの過敏症
「この女性は、左右両方の胸にいくつものしこりがある。月経の前にしこりの痛みを感じやすくなる人もいるし、いつでも痛みに敏感な人もいる。ガンの検査(乳房造影法)の結果、乳ガンの心配が無いと分かっているなら、嚢胞組織の異常からくるしこりだろう。「嚢胞性乳腺炎」と呼ばれることもある。大抵は原因が1つではなく、複数が絡まっている。
カフェインへの過敏症の可能性が極めて高い。コーヒー、お茶、チョコレート、ココア、コーラ飲料は、とりあえず全部やめてもらう。カフェインが入っている薬品もだめだ。
それから、ビタミンEとヨウ素を試してみよう。それ以外に考慮すべき栄養素は、ビタミンB6・必須脂肪酸・マグネシウムだ。(J.ライト博士「新栄養療法」参照)」

【処方名-五十音順】(胸が痛い)
■葦茎湯

■烏梅丸

■括楼薤白白酒湯

■甘草乾姜湯

■甘草湯(炎症<軽>、ケイレン性)

■橘皮枳実生姜湯

■枳実薤白桂枝湯

■血府逐瘀湯   

■桂枝加黄蓍湯(胸中痛)

■桂枝加厚朴杏仁湯(虚弱、喘鳴、自汗、咳嗽)

■五積散(瘀血による胸膈部の疼痛)

■柴陥湯(胸脇苦満<著明>、胸痛、胸中苦悶、咳嗽、痰<黄色痰稠>)         

■柴胡陥胸湯

■柴胡枳桔湯   

■柴胡桂枝湯

■小陥胸湯

■小柴胡湯加石膏

■失笑散

■十棗湯

■清燥救肺湯   

■大柴胡湯(実証、筋肉質、胸脇苦満、心下部緊張、便秘)

■大陥胸湯      

■大黄甘草湯(便秘、嘔吐)        

■大黄附子湯

■丹参飲

■桃核承気湯(実証、のぼせ、足冷、下腹部痛)

■肺癰湯

■麻杏甘石湯(咳嗽、乾咳、口渇)

■薏苡附子散





胸がつかえる
【処方名-五十音順】
■半夏厚朴湯
■半夏瀉心湯(胸元がつかえる、下痢、腹鳴、吐き気)
■平胃散(太陰病、心下痞塞、腹部膨満、食後腹鳴)


胸苦しい
【処方名-五十音順】
■黄連解毒湯

■加味帰脾湯

■九味檳榔湯(息切れ、胸苦しい、ふくらはぎの緊張、腹が張る・脹痛)

■四逆散(胸がつかえる)

■升麻葛根湯

■清心蓮子飲(胸があつ苦しい)

■通導散(顔面赤色、頭痛頭重、肩こり、腹直筋拘攣、爪<暗赤色>、下腹部膨満、便秘、動悸、脈細実)

■女神散(不安、イライラ、憂鬱、肩こり、頭痛、めまい、動悸)



胸騒ぎ(むなさわぎ)
【処方名-五十音順】
■加味帰脾湯
■大聖散《婦人大全良方》




胸やけ
◎食後に胸焼けする⇒「逆流性食道炎」を参照。
◎胃液が多すぎると胸やけ、少ないと胃もたれになる。(NHKためしてガッテン参照)

◎症状:〇ゲップが出る、〇空腹時胃痛、〇食欲旺盛

■ひどい胸やけ
「胸がチリチリ痛む。熱いものが喉を上がって来て、胸のあたりの何とも言えない嫌な感じが消えない。
東京都世田谷区の田辺春子さん(76)は、4年ほど前から胸焼け症状に悩まされてきた。寝ているときに、こみ上げてくるものでゲップや咳が止まらず、つらい思いもした。
食べ物を飲む込む時にも、喉に痛みを感じるようになり、病院を受診。内視鏡の検査で、食道にひどい炎症が起きているのが分かった。
主治医の虎ノ門病院(東京・港区)消化器科部長の星原芳雄さん(52)は、「酸性の胃の内容物が逆流することによって食道の粘膜が荒れる逆流性食道炎。胸焼けなどの症状があるのに、内視鏡検査で異常がないケースもあるので、広い意味では胃食道逆流症が、最近2つの理由で関心を集めるようになった。
胃酸分泌に関わる3大疾患に数えられる胃潰瘍と十二指腸潰瘍の両者がヘリコバクターピロリ菌の除菌によってほぼ再発を防げるようになった。残された逆流症がクローズアップされたのが1つ。
もう1つは、もともと欧米人に多かった逆流症が近年、食生活の欧米化や肥満の増加、社会全体の高齢化などで増えていると見られるためだ。
「年を取れば胃酸の分泌は低下するが、死亡の多い商事が分泌を下げにくくする。食道と胃のつなぎ目(下部食道括約部)の締まりをゆるめる作用を促す。肥満は腹圧を高めて逆流しやすくなり、加齢も下部食道括約部を緩める一因」と星原さん。
ここ20年間、日本人の胃酸分泌そのものが増えているという研究報告もある。
だが、田辺さん自身は、食事はもともと和風のあっさりしたものが好き。脂っこい養殖はあまり口にしない。太ってもいない。牛乳を飲むと良いと人から聞いて試してみたが、症状は一時的に軽くなっただけ。
胸焼けの症状を強く感じるようになった4年前頃から、腰痛がひどくなったことも関係しているかなと自分では思う。前かがみの姿勢だけでも腹圧が上昇するのに、下腹をコルセットで締め付けているから胃液も逆流しやすいだろう。かといって腰の痛みが強いので、コルセットなしでは過ごせない。
最初は年のせいかなと思ったけれど、どうしてこうなったかなと持ったけれども、原因がよく分からない悩みはあります」と田辺さん。
日本での胃食道逆流症の患者数や広がり具合などの実態は、まだ不明な点が多い。」

■逆流性食道炎----胃から逆流し、胸やけに----
「胸焼けの原因として逆流性食道炎が最近話題になっている。この病気は酸性またはアルカリ性の胃内容物が食道に逆流して起こる炎症である。
Aさんは58歳の男性。数年前から食べ過ぎや飲み過ぎの後に胸焼けがするようになり、その都度、制酸剤を用いていた。しかし、最近は胸焼けに胸痛が加わった。内視鏡検査の結果、食道の下部に潰瘍と出血が見つかり、重症の逆流性食道炎と診断された。このままでは吐血や食道狭窄の恐れがあるため、食事を厳しく制限され、胃酸分泌抑制剤の投与受けた。胸焼けは4~5日で治まり、潰瘍は2ヶ月後に消失した。
通常食道と胃の境には逆流防止機構があり、胃の内容物が食道に逆流するのを防いでいる。

●原因:
(1)高齢化
(2)食事の欧米化
(3)肥満
(4)ピロリ菌の除菌

●治療の基本は、食生活。
<1>胸焼けを起こしやすい以下の物を避ける。
(1)甘い物、
(2)天ぷらなどの油物、
(3)カレーなどの刺激物
(4)炭酸飲料

<2>夕食は満腹まで食べず、

<3>就寝まで4時間以上あける。
これらの食事療法に加えて制酸剤と消化管機能促進剤を併用する。それでも再発する時は、胃酸分泌抑制剤を投与する。」(木下博明・大阪市立大学医学部教授)2000.4.24《日本経済新聞》

【民間療法】
〇ダイコン。〇フキ。〇オウレン・ミカン・ヨモギ。
  

【漢方療法】
大抵は「安中散」で治るが。
劇しき者には、「呉茱萸湯」or「加味小陥胸湯[1]」

【処方名-五十音順】(むねやけ)
■安中散

■化痰清火湯

■交泰丸

■呉茱萸湯

■左金丸

■三聖丸

■四逆散

■梔子豉湯

■朮連丸

■小建中湯

■消食清欝湯

■大黄硝石湯

■当帰補血湯[3](心血が少ない者)

■半夏瀉心湯(胸元がつかえる、下痢、腹鳴、吐き気)

■平胃分消湯(呑酸と雑・痰火)

■茯苓飲合半夏厚朴湯(吐き気、のどの異物感)

■養血四物湯(血虚の)

■六君子湯(心下痞、消化不良、食欲不振)




むち打ち症
⇒むち打ちで気を付けなければいけないのは、頸椎のまわりの血管が破れて出血し、それが時間が経過して粘着力を持ち、血流の流れを悪くする。その結果、種々の症状が現れる。治療には駆血剤が必要となる。

【処方名-五十音順】
■黄連解毒湯

■桂枝茯苓丸

■三黄瀉心湯

■治打撲一方(打撲、打ち身)

■桃核承気湯(実証、のぼせ、足冷、下腹部痛)

   
●むち打ち症の原因
Aさんは数年前から、気絶して救急車で運ばれることが何度かあた。CT検査で脳を調べたが異常が見つからない。そのうち疲れやだるさも出て、物忘れするようになった。
そこで、東京港区の山王病院で診断を受けた。美馬達夫・国際医療福祉大学助教授の見立ては脳脊髄液減少症。脳や脊髄は硬膜という薄い膜が覆っていて、その内側は透明な髄液で満たされている。脳脊髄液減少症は何らかの原因で硬膜に穴が開き、髄液が漏れることによって引き起こされる。この結果、髄液の圧力で支えられていた脳の位置が下がるため、頭痛や首の痛みなどの症状が出てくる。
一般的には、むち打ち症や強い衝撃で受益の漏れが起きるとは考えられていない。このため、むち打ちの後に頭痛などの症状が長引いても、心因性のもとと考えられている。
だが、むち打ち症患者を多数(約800名)診てきた平塚共済病院の篠永正道・診療部長は別の説を唱える。頭痛や疲労感に長く悩んでいた患者をしらべ、髄液の漏れが原因と判断した。
「交通事故の件数から判断すると、少なくとも見積もって患者は全国で10万人以上に達する」(篠永部長)
治療の基本は髄液の漏れを抑えること。硬膜の外側に患者本人の血液を20mm~40mmほど注入する『ブラッドパッチ』という手法を使う。この手法で漏れの原因となる穴を血液がノリの役目をしてふさぐ。硬膜の外側の圧力が上がって髄液が漏れにくくなる。
これを3~4回、3ヶ月おきに続ける。美馬助教授によると、約3割の患者でほぼ完治。4割は部分的に回復。残りの3割は無効もしくは悪化する。」2004.6.29《日本経済新聞》
●ブラッドパッチ法
交通事故などが原因で長期にわたって、むち打ち症や慢性疲労を引き起こすとされる『脳脊髄液減少症』の理解と新たな治療法の普及を目指し、患者団体などが全国的な啓発活動を進めている。
脳脊髄液減少症は交通事故やスポーツなどによる衝撃で脳を覆う硬膜に穴が開き、髄液が漏れることで起きるとされる。これまでは一般的には強い衝撃で髄液が漏れるという考えが無く、むち打ち症後に頭痛などの症状が長く続いても、原因不明で精神的なもの(気のせい)と判断されるケースが多かった。
しかいs、4年ほど前から患者自身の血液を背中から注入して穴を塞ぐ『ブラッドパッチ』と呼ばれる新たな治療法の試みが一部の医師らの間で始まり、注目されるようになった。
この治療法で患者の約3割がほぼ回復。4割が部分的に回復するというデーターもある。ただ、この治療法を行っている医療機関は各国で40カ所程度にとどまり、健康保険の適用外で保険会社も多くも治療費の支払いを認めていないという。
支援活動を続けるNPO法人「ムチ打ち症患者支援協会」の中井宏代代表理事は「交通事故件数を考えると、患者は少なくとも全国で20~30万人に達するはずだ 」と話す。
脳脊髄液減少症は、硬膜に穴が開き、髄液が漏れることで脳が頭の中で沈み込み、激しい頭痛や首の痛み、吐き気、集中力の低下、全身の倦怠感などの症状を引き起こすとされる。
■和解成立
「追突事故のあと、髄液が漏れて頭痛などの症状を起こす『脳髄液減少症』と診断された弁護士事務所事務長の河原宏明さん(45・三重県伊勢市)が加害者側に約860万円の損害賠償を求めていた津地裁伊勢支部の訴訟で、加害者側が事故と症状との因果関係を認め、650万円を支払うことで和解が2005年12/24成立した」《日経》